(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019501070
(43)【公表日】20190117
(54)【発明の名称】車輪懸架装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 3/20 20060101AFI20181214BHJP
【FI】
   !B60G3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】2018535328
(86)(22)【出願日】20161208
(85)【翻訳文提出日】20180806
(86)【国際出願番号】EP2016080204
(87)【国際公開番号】WO2017118514
(87)【国際公開日】20170713
(31)【優先権主張番号】102016200096.9
(32)【優先日】20160107
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、88046 フリードリヒスハーフェン、レーヴェンターラー・シュトラーセ、20
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】ハッカー・クレメンス
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、49080 オスナブリュック、シュナットガング、33
(72)【発明者】
【氏名】ハイドシーク・クヌート
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、32257 ビュンデ、ブレーマー・ストラーセ、46
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA22
3D301AA25
3D301AA29
3D301AA35
3D301AA36
3D301AA74
3D301CA11
3D301DA90
3D301DA92
3D301DA96
3D301DB09
3D301DB13
(57)【要約】
十分な長手方向快適性を達成でき、加えて、わずかなサブバネ定数を有する、冒頭に挙げた種類の車輪懸架装置を提供すること。
【解決手段】車輪をガイドするコントロールアーム4に対して旋回運動可能に支持された車輪支持部3を有する、原動機付き車両用の車輪懸架装置1であって、前記車輪をガイドするコントロールアーム4が、前方の車体側の軸受11を有する長手コントロールアーム範囲4aと、後方の車体側の軸受12を有する横方向コントロールアーム範囲4bとを含んでいる、前記車輪懸架装置において、前記後方の車体側の軸受12がボールジョイントとして構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)に対して旋回運動可能に支持された車輪支持部(3;3’)を有する、原動機付き車両用の車輪懸架装置(1;1’)であって、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)が、前方の車体側の軸受(11;11’)を有する長手コントロールアーム範囲(4a;4a’)と、後方の車体側の軸受(12;12’)を有する横方向コントロールアーム範囲(4b;4b’)とを含んでいる、前記車輪懸架装置において、
前記後方の車体側の軸受(12;12’)がボールジョイントとして構成されていることを特徴とする車輪懸架装置。
【請求項2】
前記長手コントロールアーム範囲(4a;4a’)が「L」のより長い脚部を形成し、前記横方向コントロールアーム範囲(4b;4b’)がより短い脚部を形成することで、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)が本質的にL字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車輪懸架装置。
【請求項3】
前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)の前記後方の車体側の軸受(12;12’)が、車両横方向(y)に関して、前記前方の車体側の軸受(11;11’)よりも車両中央近傍に配置されており、その結果、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)の回転軸線(20;20’)が、車両長手方向(x)に対してある角度(α;α’)だけ傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輪懸架装置。
【請求項4】
前記後方の車体側の軸受(12’)が、前記車体側の軸受(11’;12’)を通って延びる、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4’)の回転軸線(20’)に対して平行に整向されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項5】
前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)が、前記後方の車体側の軸受(12;12’)を介してアクスル支持部(2;2’)に連結されているとともに、前記前方の車体側の軸受(11;11’)を介して車両の車体に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項6】
前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)の前記横方向コントロールアーム範囲(4b;4b’)が、車両長手方向(x)に関して、車両高さ方向(z)又は車両横方向(y)における弾性よりも明らかに大きな弾性を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項7】
前記車輪支持部(3,3’)が、第1の結合範囲(19)では、直接的に、特にボールジョイントを介して前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)に結合されており、第2の結合範囲では、一体型コントロールアーム(5,15,16;15’)を介して間接的に前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)に結合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項8】
前記両結合範囲(19;5,15,16;15’)が車両長手方向(x)において互いに離間しており、特に前記結合範囲のうち1つが車輪中心(23,23’)の前方に形成され、他の結合範囲が車輪中心(23,23’)の後方に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車輪懸架装置。
【請求項9】
前記一体型コントロールアーム(5)が、前記車輪支持部(3;3’)が偏向されていない状態において本質的に車両高さ方向(z)において延在していることを特徴とする請求項7又は8に記載の車輪懸架装置。
【請求項10】
前記一体型コントロールアーム(5)が、一端では1つのジョイント(15;15’)を介して前記車輪支持部(3;3’)に結合されており、他の端部では、1つのジョイント(16)を介して、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)に結合されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項11】
前記一体型コントロールアーム(5)の前記ジョイント(15,16;15’)の軸線(21,22;21’,22’)が、当該車輪懸架装置(1;1’)の平面視において、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)の前記回転軸線(20;20’)に対してほぼ平行に整向されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項12】
前記一体型コントロールアーム(5)の前記ジョイント(15,16;15’)の前記軸線(21,22;21’,22’)が、当該車輪懸架装置(1;1’)の側面視において、車両長手方向(x)に関して車輪中心(23;23’)の前方に位置する点(S)で交差するように整向されており、前記一体型コントロールアーム(5)のコントロールアーム側の前記ジョイント(16)の前記軸線(22;22’)が、当該車輪懸架装置(1;1’)の側面視において、好ましくは前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)の前記軸線(20;20’)に対してほぼ平行に整向されていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項13】
前記車輪支持部(3;3’)が、更にサスペンションアーム(8;8’)を介してアクスル支持部(2;2’)に結合されており、前記サスペンションアーム(8;8’)が、上側のコントロールアーム平面に割り当てられており、前記車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)が前記上側のコントロールアーム平面に対して下側のコントロールアーム平面に割り当てられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項14】
当該車輪懸架装置(1;1’)に操舵手段(9;9’)が割り当てられており、該操舵手段が、好ましくは車輪中心(23;23’)の後方で前記車輪支持部(3;3’)とリンク式に結合されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の車輪懸架装置。
【請求項15】
前記操舵手段がトーコントロールアーム(9;9’)として形成されており、該トーコントロールアームが、アクティブな操舵のために、アクチュエータを介して操作され得ることを特徴とする請求項14に記載の車輪懸架装置。
【請求項16】
前記操舵手段が、車輪ストロークを介したパッシブな操舵のためのトーコントロールアームとして形成されていることを特徴とする請求項14に記載の車輪懸架装置。
【請求項17】
特に請求項1〜16のいずれか1項に記載の車輪懸架装置(1;1’)の車輪支持部(3;3’)を支持するための、それぞれ端部側の軸受(11,12;11’,12’)を有する長手コントロールアーム範囲(4a;4a’)及び横方向コントロールアーム範囲(4b;4b’)を備えた、車輪をガイドするコントロールアーム(4;4’)において、
前記横方向コントロールアーム範囲(4b;4b’)の前記端部側の軸受(12;12’)がボールジョイントとして構成されていることを特徴とする、車輪をガイドするコントロールアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分による原動機付き車両用の車輪懸架装置と、請求項17の前提部分による車輪をガイドするコントロールアームとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部分の特徴による、原動機付き車両用の車輪懸架装置は、従来技術から知られている。この関連において、原動機付き車両用の操舵可能な後輪懸架装置を開示する特許文献1が挙げられる。これに記載された車輪懸架装置は、とりわけ、長手コントロールアーム範囲及び横方向コントロールアーム範囲を備えた車輪をガイドするコントロールアームを含んでおり、長手コントロールアーム範囲は、前方の車体側の軸受を備えており、横方向コントロールアーム範囲は、この軸受に比べて更に内方に位置する後方の車体側の軸受を備えている。このように形成された、本質的にL字状の、車輪をガイドするコントロールアームは、車両構造に対して回転軸線周りに旋回可能であり、この回転軸線は、前方の車体側の軸受及び後方の車体側の軸受を通る。例えば特許文献1の図4から分かるように、車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲は、いわゆる「刀型コントロールアーム」として構成されており、車両中央へ向いたこの刀型コントロールアームの端部には、後方の車体側の軸受が形成されている。単に穴により図示されたこの軸受のより正確な構成は、文章からは読み取れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013211535号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、一方では十分な長手方向快適性を達成でき、加えて、わずかなサブバネ定数を有する、冒頭に挙げた種類の車輪懸架装置を提供することにある。さらに、車輪懸架装置の高いコーナリング剛性及びキャンバ剛性が達成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、請求項1の特徴による車輪懸架装置によって解決される。本発明によれば、これにより、車輪をガイドするコントロールアームに対して旋回運動可能に支持された車輪支持部を有する、原動機付き車両用の車輪懸架装置であって、車輪をガイドするコントロールアームが、前方の車体側の軸受を有する長手コントロールアーム範囲と、後方の車体側の軸受を有する横方向コントロールアーム範囲とを含んでおり、後方の車体側の軸受がボールジョイントとして構成されている前記車輪懸架装置が記載されている。
【0006】
十分な長手方向快適性を達成するために、一般的には、長手方向コントロールアームを車体側でゴム軸受を介して連結することが知られており、その結果、長手方向コントロールアームは、例えば制動時に、車両構造に対して車両長手方向においてある程度の可撓性を有する。このような長手方向の可撓性を可能とするために、例えば、特許文献1から公知の車輪懸架装置においては、車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲が車両長手方向にしなやかなプレート(刀型コントロールアーム)として形成されており、その結果、この横方向コントロールアーム範囲は、車両の制動時に車両長手方向において変形することができる。更に長手コントロールアーム範囲がゴム軸受を介して車体側で連結されていることで、横方向コントロールアーム範囲が変形しつつ車輪をガイドするコントロールアームの少なくとも長手コントロールアーム範囲が車両長手方向において少なくともわずかに可撓性であり、このことは、車両の走行快適性の向上に寄与するものである。
【0007】
本発明によれば、横方向コントロールアーム範囲の後方の車体側の軸受をボールジョイントとして形成することが提案される。これにおける利点は、これにより、後方の車体側の軸受が、車輪をガイドするコントロールアームをほぼ抵抗なしに圧縮及び伸長させることにあり、これにより、車輪懸架装置のサブバネ定数(すなわち、構造バネ剛性を考慮することなく、車輪をガイドするコントロールアームの圧縮運動に対抗する剛性)が特にわずかである。この根拠は、車輪をガイドするコントロールアームの圧縮運動及び伸長運動のジンバル自由度、すなわち、前方の車体側の軸受及び後方の車体側の軸受がそれぞれ通る回転軸線周りの車輪をガイドするコントロールアームの回転がほぼ復元なしに許容されることにある。
【0008】
これにより、サブバネ定数の低減のほかに、車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲の、全体としてよりわずかな負荷がもたらされる。なぜなら、横方向コントロールアーム範囲は、動作による圧縮運動及び伸長運動時にねじられないためである。車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲の弾性的な変形性により、車輪懸架装置の長手方向の所望の快適性が、圧縮運動及び伸長運動とは関係なく保証され得る。さらに、本発明による、後方の車体側の軸受へのボールジョイントの使用は、車輪懸架装置の向上したキャンバ剛性をもたらすものである。なぜなら、ボールジョイントは、車輪をガイドするコントロールアームのその軸線に沿った軸方向の運動も、また回転軸線に対して横方向の径方向の運動も阻止するためである。
【0009】
車輪懸架装置の好ましい発展形成によれば、長手コントロールアーム範囲が「L」のより長い脚部を形成し、横方向コントロールアーム範囲がより短い脚部を形成することで、車輪をガイドするコントロールアームが本質的にL字状に形成されている。この関係における本質的にL字状という表現は、長手コントロールアーム範囲及び横方向コントロールアーム範囲がそれぞれ本質的に細長い延長部を備えているとともに、互いにほぼ直角に結合されていると解釈され、特に理解されるべきであることに留意すべきである。長手コントロールアーム範囲又は横方向コントロールアーム範囲は、必ずしもその全長にわたって直線状に延びる必要はなく、例えば構造空間要件により純粋な直線状の形状とは異なっていてもよい。車輪をガイドするコントロールアームの全体的に見たほぼL字形状により、このコントロールアームを台形コントロールアームとも呼ぶことができる。
【0010】
上述のように、車輪をガイドするコントロールアームの長手コントロールアーム範囲は前方の車体側の軸受を備えており、横方向コントロールアーム範囲は後方の車体側の軸受を備えている。好ましい構造上の構成によれば、車輪をガイドするコントロールアームの後方の車体側の軸受は、車両横方向に関して、前方の車体側の軸受よりも車両中心により近く配置されており、これにより、特に、車輪をガイドするコントロールアームの回転軸線が車両長手方向に対してある角度だけ傾斜している配置が得られる。運動学的な観点から、これにより、車輪をガイドするコントロールアームは、いわゆる「傾斜コントロールアーム」である。
【0011】
車輪懸架装置の好ましい発展形成により前方の車体側の軸受がエラストマ軸受として構成されていることで、車輪懸架装置は、特に高い走行快適性を提供する。特に、前方の車体側の軸受をエラストマ軸受として構成することで、車輪をガイドするコントロールアームが車両長手方向において少なくともわずかに車両構造に対して可動(可撓)であることが可能となる。
【0012】
後方の車体側の軸受の整向は、様々な態様で実現されることが可能である。後方の車体側の軸受が、ボールジョイントの軸受軸線が横方向コントロールアーム範囲の長手延長部に対して垂直に整向されるように横方向コントロールアーム範囲に配置されていることで、特に単純な生産可能性が達成される。
【0013】
車輪懸架装置の有利な発展形成によれば、後方の車体側の軸受が、車体側の軸受を通って延びる、車輪をガイドするコントロールアームの回転軸線に対して平行に整向され得る。そして、実用性の観点から、ボールジョイントとして構成された後方の車体側の軸受の軸受軸線は、車輪をガイドするコントロールアームの回転軸線に一致している。有利には、この配置により、車輪をガイドするコントロールアームの圧縮されていない状態(ゼロ位置)においてはボールジョイントが偏向されていない状態にあることを保証することができる。したがって、動作のために、ジョイントの最大の偏向性が維持される。
【0014】
本発明の好ましい発展形成は、車輪をガイドするコントロールアームが、後方の車体側の軸受を介してアクスル支持部に連結されているとともに、前方の車体側の軸受を介して車両の車体に連結されている。これに代えて、前方の車体側の軸受をアクスル支持部に連結することも可能であり、これにより、全体的に構造ユニットとしての車輪懸架装置の車両の車体への取付を単純化することが可能である。これに対して、前方の車体側の軸受を車両の車体へ直接連結することは、アクスル支持部がより小さく構成され得るという利点を有するものであり、場合によっては、既に存在する車両の車体への連結点を用いることが可能である。これに代えて、後方の車体側の軸受も、また前方の車体側の軸受も、車両の車体へ連結することが可能である。
【0015】
車輪懸架装置の十分な長手方向の快適性を達成するために、有利には、車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲が、車両長手方向に関して、車両高さ方向又は車両横方向よりも大幅に大きな弾性を有しているようになっている。このことは、特に、車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲が車両長手方向に可撓なプレート(「刀型コントロールアーム」ともいう。)の構造で構成されていることで達成され得る。
【0016】
車輪懸架装置の一般的な構成によれば、車輪支持部は、車輪をガイドするコントロールアームに対して一般的には旋回運動可能に枢支されている。車輪懸架装置の好ましい発展形成は、車輪支持部が、第1の結合範囲においては、直接的に、特にボールジョイントを介して車輪をガイドするコントロールアームに結合されており、第2の結合範囲では、一体型コントロールアームを介して間接的に車輪をガイドするコントロールアームに結合されているようになっている。したがって、車輪支持部及び車輪をガイドするコントロールアームは2つの結合範囲において互いに結合されており、第1の結合範囲におけるこの結合は直接的に構成されており、第2の結合範囲における結合は間接的に構成されている。第1の結合範囲においては、例えばボールジョイント又はゴム軸受が用いられ、これにより、車輪支持部と車輪をガイドするコントロールアームの間の3つの回転自由度が実現され得る。第2の結合範囲においては、一体型コントロールアームが用いられ、これは、特に、コントロールアーム部材、例えば二点式コントロールアームであり、この二点式コントロールアームは、一端ではジョイントを介して車輪支持部に結合されており、他端ではジョイントを介して車輪をガイドするコントロールアームに結合されている。結合範囲の適当な構成及び配置においては、車輪をガイドするコントロールアームに対して、車輪支持部が仮想的な操舵軸線周りに旋回可能であるという効果を得ることができる。
【0017】
合目的には、このとき、両結合範囲は、車両長手方向において互いに離間しており、好ましくは、両結合範囲のうち1つは、車輪中心の手前に形成されており、他の結合範囲は車輪中心の後方に形成されている。これにより、第1の結合範囲と第2の結合範囲の間に十分大きな間隔を得ることができ、これによって、一体型コントロールアームへ作用する支持力を低減することが可能である。
【0018】
一体型コントロールアームが、車輪支持部が偏向されていない状態で本質的に車両高さ方向へ延在していれば、車輪懸架装置は、特にコンパクトに形成されることが可能である。そのほか、これにより、ほぼ同じ大きさの正の操舵角あるいは負の操舵角を達成することが可能である。
【0019】
車輪懸架装置のできる限りわずかなサブバネ定数を得るために、有利な発展形成によれば、一体型コントロールアームのジョイントの軸線が、車輪懸架装置の平面視において、車輪をガイドするコントロールアームの回転軸線に対してほぼ平行に整向されている。
【0020】
さらに、サブバネ定数を削減するために、車輪懸架装置の有利な形成によれば、一体型コントロールアームのジョイントの軸線が、当該車輪懸架装置の側面視において、車両長手方向に関して車輪中心の前方に位置する点で交差するように整向されており、一体型コントロールアームのコントロールアーム側のジョイントの軸線が、当該車輪懸架装置の側面視において、好ましくは車輪をガイドするコントロールアームの軸線に対してほぼ平行に整向されている。
【0021】
一体型コントロールアームのジョイント軸線の上述の整向により、好ましくはエラストマ軸受である、一体型コントロールアームの軸受がほとんどジンバル負荷を受けないこととなり、このことは、車輪懸架装置のサブバネ定数の低減に寄与するものである。加えて、これにより、エラストマ軸受の寿命が向上する。さらに、より低いサブバネ定数により車両がより良好に調整され得る。
【0022】
合目的には、車輪支持部が、更にサスペンションアームを介してアクスル支持部及び/又は車体に結合されており、上側のコントロールアーム平面にサスペンションアームが割り当てられているとともに、下側のコントロールアーム平面に車輪をガイドするコントロールアームが割り当てられている。これにより、車輪懸架装置を全体としてコンパクトに構成することが可能である。
【0023】
操舵軸線周りに車輪支持部を操舵するためには、好ましくは車輪中心の後方で車輪支持部にリンク式に結合された操舵手段が車輪懸架装置に割り当てられていることが有利である。これは、基本的には様々な種類の操舵手段であってよい。
【0024】
車輪懸架装置の好ましい発展形成によれば、操舵手段がトーコントロールアームとして形成されており、このトーコントロールアームが、アクティブな操舵のために、アクチュエータを介して操作され得る。そして、アクチュエータを介した操作により、特に、車輪支持部における、したがってこれにおいて支持された車輪におけるサスペンションアームの運動を介して操舵運動が導入されるように、車両横方向におけるサスペンションアームの並進運動が生じる。
【0025】
これに代えて、操舵手段が、車輪ストロークを介したパッシブな操舵のためのトーコントロールアームとして形成されることも考えられる。これにより、車輪懸架装置を特に安価に形成することが可能である。
【0026】
操舵手段が特に車輪支持部に直接結合されていれば、車輪懸架装置を特にコンパクトに形成することが可能である。このようにして、車輪支持部における操舵手段の直接的な介入により、操舵軸線周りの車輪支持部の特に精緻な操舵を行うことが可能である。有利には、このとき、操舵手段は車輪中心の後方に配置されており、これにより、車輪を駆動するための十分な構造空間が得られる。これに代えて、例えば操舵手段を一体型コントロールアームに結合することで、操舵手段が車輪支持部と間接的に協働することも可能である。
【0027】
車輪をガイドするコントロールアームの横方向コントロールアーム範囲が好ましくは車輪中心の後方に配置されていることで、車輪中心の範囲に、場合によってはあり得る駆動手段のための十分な構造空間を得ることが可能である。有利には、車輪をガイドするコントロールアームの長手コントロールアーム範囲は、車輪中心の手間まで延在している。長手コントロールアーム範囲を用いて、特に、生じるブレーキトルク及び加速トルクあるいは加速力を支持することが可能である。
【0028】
上述の車輪懸架装置のほかに、本発明は、更に請求項17の特徴による、車輪をガイドするコントロールアームに関するものである。この車輪をガイドするコントロールアームは、特に上述のような車輪懸架装置の車輪支持部の支持に適している。本発明による、車輪をガイドするコントロールアームは、それぞれ端部側の軸受を有する長手コントロールアーム範囲及び横方向コントロールアーム範囲を備えており、横方向コントロールアーム範囲の端部側の軸受がボールジョイントとして構成されていることを特徴としている。繰り返しを避けるために、車輪をガイドするコントロールアームの更なる有利な構成については、他の説明を参照されたい。
【0029】
以下に、本発明を図面に図示された2つの実施例に基づいて詳細に説明する。これにより、本発明の別の有利な効果も明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施例による車輪懸架装置の斜め後ろから見た斜視図である。
【図2】第1の実施例による車輪懸架装置の平面図である。
【図3】車輪懸架装置の範囲の側面図である。
【図4a】第1の実施例による車輪懸架装置を用いるときの車輪をガイドするコントロールアームの詳細を平面図で示す図である。
【図4b】図4aに示された車輪をガイドするコントロールアームを用いるときのボールスリーブジョイントの断面図である。
【図5】第2の実施例による車輪懸架装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1〜図4bには、本発明の第1の実施例による原動機付き車両用の車輪懸架装置1が様々な態様で示されており、この車輪懸架装置を以下に説明する。これら図は、本発明の第1の実施例に関するものであるため、図面における同一の符号により同一の部材が示されており、その結果、符号あるいは対応する部材についてなされる説明は、同様に全ての図に対して当てはまるとともに、各図に対して繰り返されない。全ての図には、座標系を記載することで方向が規定されており、xは車両長手方向であり、yは車両横方向であり、zは車両高さ方向に対応している。
【0032】
図1には、アクスル支持部2に取り付けられた原動機付き車両用の車輪懸架装置1が示されており、見やすさの理由から、(不図示の)原動機付き車両に関して左側の車輪懸架装置1のみが取り付けられている。車輪懸架装置1が取り付けられたアクスル支持部2は、本質的に互いに溶接された4つのパイプで構成されており、これらパイプのうち前方のパイプと後方のパイプは、本質的に車両横方向へ延在しているとともに、これらに比して短い、本質的に車両長手方向へ延在する2つのパイプによって堅固なフレームに対して互いに溶接されている。車両横方向へ延在するパイプの外側の端部には、通常の態様で4つの結合点が存在し、これら結合点によって、アクスル支持部2が、ここでも公知の態様で原動機付き車両の(不図示の)車体に取り付けられることが可能である。
【0033】
図示された車輪懸架装置1は、車輪をガイドするコントロールアーム4に対して旋回運動可能に支持されている車輪支持部3を備えている。車輪をガイドするコントロールアーム4は、本質的にL字状に形成された、長手コントロールアーム範囲4a及び横方向コントロールアーム範囲4bを備えた部材である。この関係において、車輪をガイドするコントロールアーム4を平面視において詳細に図示する図4aが参照される。これは、車輪をガイドするコントロールアーム4が、本質的に、長手コントロールアーム範囲4aを形成するパイプ状の部材と、このパイプ状の部材に結合された、横方向コントロールアーム範囲4bを形成する刀状の部材とで形成されることを示すものである。長手コントロールアーム範囲4aがそのパイプ状の形成により特にねじり剛性が高い一方、横方向コントロールアーム範囲4bは、特に車両長手方向xに関して比較的大きな弾性、したがって柔軟性を有している。車輪をガイドするコントロールアーム4が、長手コントロールアーム範囲4aがより長い脚部を形成し横方向コントロールアーム範囲4bがこの長手コントロールアーム範囲に比して短い「L」の脚部を形成する、全体として本質的にL字状の部材とみなされ得る一方、長手コントロールアーム範囲4aは、その本質的に細長い延在部にもかかわらず、ややS字形状(連続した右方及び左方への湾曲)を有している。このS字形状により、車輪支持部3のためのジョイント収容部19が特に車輪近傍(車両外側)に配置されることができ、同時に、(車両長手方向xに関して)更に前方において内方へ湾曲された範囲において、車輪支持部3に取り付けられた車輪のための十分な空間が利用可能である。一体型コントロールアーム5のための後述するコントロールアーム側のジョイント16のための収容部は、車両長手方向xに関して後方に位置しつつL字アングル材の近傍で長手コントロールアーム範囲4aに設けられている。さらに、長手コントロールアーム範囲4aの子の部分には、ダンパ6のための下側の収容部が配置されている。さらに、パイプ状の長手コントロールアーム範囲4a及び刀状の横方向コントロールアーム範囲4bによって形成されるL字アングル材には、(図1及び図2に図示された)コイルバネ7の下側の支持のために用いられる収容プレートが配置されている。
【0034】
さらに図4から分かるように、車輪をガイドするコントロールアーム4は、長手コントロールアーム範囲4aの前方の端部において前方の車体側の軸受11を備えている。この前方の車体側の軸受11はエラストマ軸受として構成されており、その軸受軸線は、図2に図示されているように、車両長手方向xに対して傾斜角度α(図2参照)だけ傾斜されている。
【0035】
再び図4aを参照すると、この図示から、車輪をガイドするコントロールアーム4が、横方向コントロールアーム範囲4bの車両内側へ向いたその端部において後方の車体側の軸受12を備えていることを見て取ることができる。この後方の軸受12は、ボールスリーブジョイントとして構成されている。
【0036】
図4bには、ボールスリーブジョイントとして構成された、車輪をガイドするコントロールアーム4の横方向コントロールアーム範囲4bの後方の車体側の軸受12が断面図で示されている。
【0037】
図2から見て取れるように、車輪をガイドするコントロールアーム4は、前方の車体側の軸受11及び後方の車体側の軸受12を介して、車両の構造あるいはアクスル支持部2(まとめで車両構造)に結合されている。したがって、車輪をガイドするコントロールアーム4は、車両の構造に対して回転軸線20周りに旋回可能であり、これにより、車輪をガイドするコントロールアーム4を(これに結合された車輪支持部3と共に)圧縮することが可能である。車輪をガイドするコントロールアーム4の後方の車体側の軸受12は、車両横方向yに関して、前方の車体側の軸受11よりも車両中央近傍に配置されているため、車輪をガイドするコントロールアーム4の回転軸線20は、車両長手方向xに対して角度αだけ傾斜している。
【0038】
ここに記載される実施例では、車輪をガイドするコントロールアーム4は、後方の車体側の軸受12を介してアクスル支持部2に連結されている一方、前方の車体側の軸受11は、(不図示)の車両の車体に直接連結されている。考えられる代替的な実施形態によれば、アクスル支持部は、前方の車体側の軸受11もアクスル支持部に連結されるように構成されることも可能である。車輪をガイドするコントロールアーム4の支持の運動機構は、これにより影響を受けないままである。
【0039】
図4aに関連して上述したように、車輪をガイドするコントロールアーム4の横方向コントロールアーム範囲4bは、車両長手方向xに関して、車両高さ方向z又は車両横方向yよりも明らかに大きな弾性を有している。図2及び図4aにおいて見て取れることができるように、車輪をガイドするコントロールアーム4の横方向コントロールアーム範囲4bは、「刀」の構造形態で構成されている。加えて、車輪をガイドするコントロールアーム4の前方の車体側の軸受11は、(回転軸線20と一致する)軸受軸線の方向における可撓性を有している。横方向コントロールアーム範囲4bの比較的大きな弾性及び前方の車体側の軸受11の長手方向の可撓性は、長手コントロールアーム4が車両長手方向における衝突時に、車輪をガイドするコントロールアーム4の横方向コントロールアーム範囲4bが変形しつつ少なくともある程度車両長手方向へ可動であることに貢献し、これにより、車輪懸架装置1の長手方向の快適性が向上する。このとき、有利には、ボールスリーブジョイントとしての後方の車体側の軸受12の構成により、車輪をガイドするコントロールアーム4の圧縮あるいは伸長時に横方向コントロールアーム範囲4bが変形しないか、ほとんど変形しないことが保証される。ボールスリーブジョイントとしての構成により、後方の車体側の軸受12にはたいした摩耗は生じず、車輪懸架装置1のわずかなサブバネ定数が生じる。継続して存在する長手方向の可動性(長手コントロールアーム範囲4bの変形性)により、車輪懸架装置1の長手方向の快適性は高いまま維持される。
【0040】
既に上述したように、車輪支持部3は、車輪をガイドするコントロールアーム4に対して旋回するように可動に支持されてる。この目的のために、車輪懸架装置1の図示の実施例では、車輪支持部3が、2つの結合範囲において、車輪をガイドするコントロールアーム4に結合されており、その結果、車輪支持部3は、車輪をガイドするコントロールアーム4に対して、仮想的な旋回軸線周りに旋回可能である。このとき、ジョイント収容部19とサスペンションアーム8の車輪支持部側のジョイント14の間の仮想的な結合線は、車輪支持部3の仮想的な旋回軸を表している。
【0041】
図4aと関連して既に言及したように、車輪をガイドするコントロールアーム4の長手コントロールアーム範囲4aには、ボールジョイントを収容するためのジョイント収容部19が形成されており、ボールジョイントは、この第1の結合範囲19において、車輪をガイドするコントロールアーム4と車輪支持部3をボールジョイント式に結合するために用いられる。
【0042】
車輪支持部3が、更に第2の結合範囲において一体型コントロールアーム5を介して間接的に、車輪をガイドするコントロールアーム4に結合されることが図3から見て取ることができる。一体型コントロールアーム5は、いわゆる二点式コントロールアームとして構成されていて、上側のジョイント15は車輪支持部3に結合されており、下側の端部は、ジョイント16を介して、車輪をガイドするコントロールアーム4に結合されている。一体型コントロールアーム5は、本質的に細長い延長部を有している。純粋に直線的な延長部とは異なり、一体型コントロールアーム5は、ほぼ中央範囲においてやや湾曲されている。図3の図示によれば、一体型コントロールアーム5のジョイント15,16の軸線21,22は、これら軸線が車両長手方向xに関して車輪中心23の前方に位置する点Sにおいて交差するように、側面視において車輪懸架装置1へ整向されている。一体型コントロールアーム5のコントロールアーム側のジョイント16の軸線22は、側面視において、車輪をガイドするコントロールアーム4の回転軸線20に対してほぼ平行に車輪懸架装置1へ延びている。
【0043】
図2の図示によれば、一体型コントロールアーム5のジョイント15,16の軸線21,22は、車輪懸架装置1の平面視において、車輪をガイドするコントロールアーム4の回転軸線20に対してほぼ平行に整向されている。一体型コントロールアームのジョイント軸線のこの整向により、車輪懸架装置1のサブバネ定数の更なる低減が達成される。なぜなら、好ましくは用いられる一体型コントロールアームのエラストマ軸受がジンバル式にほぼ負荷を受けないためである。これにより、エラストマ軸受の寿命も、また走行快適性も向上する。加えて、車輪懸架装置1を備えた車両は、わずかなサブバネ定数により良好に調整され得る。
【0044】
車輪支持部が車輪をガイドするコントロールアーム4に結合される両(第1及び第2の)結合範囲は、図3から明らかなように、車両長手方向xにおいて互いに離間している。これにより、車輪支持部3の車輪軸線周りの回転が回避され、第2の結合範囲に配置された一体型コントロールアーム5が支持要素として用いられる。図3から見て取ることができるように、第1の結合範囲19が車輪中心23の前方に配置されている一方、一体型コントロールアーム5によって形成された第2の結合範囲は、それぞれ車両長手方向xに関して、車輪中心23の後方に配置されている。車輪支持部3が偏向されていない状態では、一体型コントロールアーム5は、本質的に車両高さ方向zへ延在している。
【0045】
図1及び図2においてもっとも明らかに見て取れるように、車輪支持部3は、更にサスペンションアーム8を介してアクスル支持部2と結合されている。サスペンションアーム8は、軽減された「C」の形状を有する二点式コントロールアームである。サスペンションアーム8のアクスル支持部2へ向いた端部は、車体側のジョイント13を介してアクスル支持部2にリンク式に結合されている。サスペンションアーム8の車輪支持部3へ向いた端部は、車輪支持部側のジョイント14を介して車輪支持部3にリンク式に結合されている。仮想的な下側のコントロールアーム平面に配置されている、車輪をガイドするコントロールアーム4に比して、サスペンションアーム8は、それより上側のコントロールアーム平面に割り当てられることが可能である。
【0046】
サスペンションアーム8を介して連結と組み合わされた、車輪をガイドするコントロールアーム4への車輪支持部の上述の直接的及び間接的な結合により、車輪をガイドするコントロールアーム4に対する、点19及び14を通って延びる仮想的な操舵軸線周りの車輪支持部3の旋回運動が可能となる。このような操舵運動の実行時には、一体型コントロールアーム5がコントロールアーム側のジョイント16の軸線22周りに旋回し、この操舵運動を制御するために、車輪懸架装置1に操舵手段9が割り当てられている。図示の実施例では、これは、アクティブに操舵するために(不図示の)アクチュエータによって操作され得るトーコントロールアーム9である。トーコントロールアーム9は二点式コントロールアーム部材であり、この部材は、その車両外側の端部において、車輪中心23の後方に配置されたトージョイント17を介して車輪支持部3に結合されている。これに代えて、ここでは不図示の変更によれば、トーコントロールアーム9は、そのコントロールアーム側のジョイント16から離れて、直接一体型コントロールアーム5に係合することも可能である。
【0047】
図1及び図2から明らかなように、バネ7及びダンパ6が車輪をガイドするコントロールアーム4に割り当てられている。これらバネ及びダンパは、それぞれ車両高さ方向zへ延在しているとともに、その各下側の端部において、車輪をガイドするコントロールアーム4に対して支持されている。図2に対応する車輪懸架装置1の平面視において、バネ7及びダンパ6は、アクスル支持部2と、サスペンションアーム8と、車輪支持部3と、トーコントロールアーム9との間に配置されている。
【0048】
最後に、図5には、本発明の第2の実施例による車輪懸架装置1’が平面図で示されている。第2の実施例による車輪懸架装置1’は、多くの態様において第1の実施例の車輪懸架装置1と類似している。したがって、繰り返しを避けるために、以下では、第1の実施例とは異なる特徴についてのみ説明する。
【0049】
第2の実施例の車輪懸架装置1’においては、後方の車体側の軸受が、前方の車体側の軸受11’と後方の車体側の軸受12’の中心を通って延びる回転軸線20’に対して平行に整向されていることで、後方の車体側の軸受12’は特別な向きを有している。したがって、後方の車体側の軸受12’の軸受軸線は、横方向コントロールアーム範囲4b’の主延在方向に対して直角ではなく、これに対して90°未満の角度をなしている。したがって、実用性の観点から、ボールスリーブジョイントとして構成された後方の車体側の軸受12’の軸受軸線は、車輪をガイドするコントロールアーム4’の回転軸線に一致している。有利には、この配置により、圧縮又は伸長時にボールスリーブジョイント12’がよりわずかなジンバル角度を受けることを保証することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 第1の実施例による車輪懸架装置
1’ 第1の実施例による車輪懸架装置
2 アクスル支持部
3 車輪支持部
4 車輪をガイドするコントロールアーム
4a 長手コントロールアーム範囲
4b 横方向コントロールアーム範囲
5 一体型コントロールアーム
6 ダンパ
7 バネ
8 サスペンションアーム
9 トーコントロールアーム
10 スタビライザ
11 前方のジョイント
12 後方のジョイント
13 車体側のジョイント
14 車輪支持部側のジョイント
15 車輪支持部側のジョイント
16 コントロールアーム側のジョイント
17 トージョイント
18 内部のジョイント
19 車輪支持部のジョイント収容部
20 軸線
21 軸線
22 軸線
23 車輪中心
S 交点
α,β 傾斜角度
x 車両長手方向
y 車両横方向
z 車両高さ方向
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【国際調査報告】