【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明は、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、一般式(I)の化合物
【化4】
(式中、
R
1はC
1〜C
6−アルキルであり、ここで、C
1〜C
6−アルキル基は非置換であるか、または同一にもしくは異なって、
ハロゲン、ヒドロキシル、非置換または一もしくは多ハロゲン置換C
3〜C
6−シクロアルキル、またはR
6、R
7SO
2、R
7SOまたはR
8O基
によって一もしくは多置換されており、
あるいは、R
1は以下から選択される基:
【化5】
(式中、*は基と分子の残りの結合部位を表す)
であり;
R
2およびR
3は常に同じ定義を有し、共に水素またはC
1〜C
6−アルキルのいずれかであり;
R
4はハロゲン、シアノ、非置換または単一にもしくは多重に、同一にもしくは異なって置換されたC
1〜C
6−アルキル、あるいは非置換または単一にもしくは多重に、同一にもしくは異なって置換されたC
3〜C
6−シクロアルキルであり、置換基はハロゲンおよびヒドロキシルの群から選択され;
R
5は水素、ハロゲン、または非置換または一もしくは多ハロゲン置換C
1〜C
6−アルキルであり;
R
6はO、S、SOおよびSO
2の群のヘテロ原子またはヘテロ基を含む、4〜6個の環原子を有する非置換または一もしくは二メチル置換単環式飽和複素環であり;
R
7はC
1〜C
6−アルキルであり、ここで、C
1〜C
6−アルキル基は非置換であるか、または同一にもしくは異なって、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC
3〜C
6−シクロアルキルによって一もしくは多置換されており、
あるいはR
7はC
3〜C
6−シクロアルキルであり;
R
8はC
1〜C
6−アルキルであり、ここで、C
1〜C
6−アルキル基は非置換であるか、または同一にもしくは異なって、ハロゲンによって一もしくは多置換されている)
およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を提供する。
【0040】
以下に記載する本発明の合成中間体および実施例の言及される使用の場合、対応する塩基または酸の塩の形態で指定されるいずれの化合物も、一般的にそれぞれの調製および/または精製法によって得られる未知の正確な化学量論的組成の塩である。そのため、より詳細に指定しない限り、「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF
3COOH」、「xNa
+」などの名称および構造式への追加は、このような塩の場合、化学量論的意味で理解されるべきでなく、その中に存在する塩形成成分に関する説明的性質を有するにすぎない。
【0041】
対応して、合成中間体または実施例またはその塩を、記載される調製および/または精製法によって未知の化学量論的組成の溶媒和物、例えば、水和物の形態で得た場合(これらが定義された型のものである場合)、これを適用する。
【0042】
本化合物は、式(I)に含まれ、以下に言及される化合物が既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合、式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物、式(I)に含まれ、以下に言及される式の化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物、ならびに式(I)に含まれ、実施形態として以下に言及される化合物およびその塩、溶媒和物と塩の溶媒和物である。
【0043】
本発明の文脈において好ましい塩は、本化合物の生理学的に許容される塩である。しかしながら、本開示はまた、それ自体が製薬用途に適していないが、例えば、本化合物を単離または精製するために使用することができる塩も包含する。
【0044】
本化合物の生理学的に許容される塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0045】
本化合物の生理学的に許容される塩には、従来の塩基の塩、例としておよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、およびアンモニアまたは1〜16個の炭素原子を有する有機アミンに由来するアンモニウム塩、例としておよび好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジンも含まれる。
【0046】
本発明の文脈における溶媒和物は、溶媒分子による配位によって固体または液体状態で錯体を形成する本化合物の形態として記載される。水和物は、配位が水によるものである溶媒和物の特別な形態である。
【0047】
本化合物は、その構造に応じて異なる立体異性型で、すなわち、配置異性体または適当な場合には、配座異性体(アトロプ異性体の場合を含む、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の形態でも存在し得る。そのため、本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーならびにこれらのそれぞれの混合物の使用を包含する。立体異性的に均質な成分は、既知の様式でエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーのかかる混合物から単離することができ、好ましくはクロマトグラフィー法、特にアキラルまたはキラル相でのHPLCクロマトグラフィーがこの目的のために使用される。
【0048】
本化合物が互変異性型で生じ得る場合、本発明は全ての互変異性型の使用を包含する。
【0049】
本発明はまた、本化合物の全ての適当な同位体変種の使用も包含する。本化合物の同位体変種は、ここでは、本化合物中の少なくとも1個の原子が同じ原子番号であるが通常または主に自然に生じる原子質量とは異なる原子質量を有する別の原子と交換された化合物を意味すると理解される。本化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、2H(重水素)、3H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iがある。本化合物の特定の同位体変種、例えば、特に1種または複数の放射性同位元素が組み込まれたものは、例えば、体内での作用機構または有効成分分布の調査に有益となり得、比較的容易な調製性および検出性のために、特に3Hまたは14C同位体で標識された化合物がこの目的に適している。さらに、同位体、例えば、重水素の組込みにより、化合物のより大きな代謝安定性の結果としての特定の治療上の利益、例えば、体内での半減期の延長または要求される活性剤用量の減少がもたらされ得るので、本化合物のこのような修飾も、いくつかの場合、本発明の使用の好ましい実施形態を構成し得る。本化合物の同位体変種は、当業者に既知の方法、例えば、以下にさらに記載される方法および実施例に記載の手順によって、それぞれの試薬および/または出発化合物の対応する同位体修飾を用いることにより調製することができる。
【0050】
本発明はさらに、本化合物の全ての可能な結晶および多形型の使用を提供し、多形は単一多形として存在しても、全ての濃度範囲の複数の多形の混合物として存在してもよい。
【0051】
本発明は、本化合物のプロドラッグの使用もさらに包含する。「プロドラッグ」という用語は、本文脈において、それ自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内での滞留時間中に本化合物に(例えば、代謝的にまたは加水分解的に)変換される化合物を指す。
本発明の文脈において、特に指定しない限り、置換基は以下の意味を有する:
【0052】
本発明の文脈におけるアルキルは、指定される炭素原子の特定数を有する直鎖または分岐アルキル基を表す。例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチルおよび2−エチルブチルが挙げられる。メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチルおよび2,2−ジメチルプロピルが好まれる。
【0053】
本発明の文脈におけるシクロアルキルは、各場合で指定される炭素原子の数を有する単環式飽和アルキル基である。好ましい例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0054】
本発明の文脈におけるアルコキシは、指定される炭素原子の特定数を有する直鎖または分岐アルコキシ基を表す。1〜6個の炭素原子が好まれる。例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、1−メチルプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、1−エチルプロポキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシおよびn−ヘキソキシが挙げられる。1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコキシ基が特に好まれる。好ましいものとして挙げることができる例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルプロポキシ、n−ブトキシおよびイソブトキシがある。
【0055】
本発明の文脈におけるハロゲンは、フッ素、塩素および臭素である。フッ素が好まれる。
【0056】
本発明の文脈におけるヒドロキシルは、OHである。
【0057】
単環式飽和複素環は、4〜6個の環原子を有し、O、S、SOおよびSO
2の群からのヘテロ原子またはヘテロ基を含む単環式飽和複素環である。O、SOおよびSO
2の群からのヘテロ原子またはヘテロ基を有する複素環が好ましい。例としては、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−2−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−2−イル、1,1−ジオキシドチエタン−2−イルまたは1,1−ジオキシドチエタン−3−イルが挙げられる。ここではオキセタンおよびテトラヒドロフランが特に好まれる。オキセタン−3−イルが極めて特に好まれる。
【0058】
結合における記号*は、分子中の結合部位を示す。
【0059】
本化合物中の基が置換されている場合、この基は、特に明示しない限り、一置換されていても多置換されていてもよい。本発明の文脈において、2回以上生じる全ての基は互いに独立に定義される。1個、2個または3個の同一のまたは異なる置換基による置換が好ましい。
【0060】
R
1の好ましい実施形態は、1、2または3個のフッ素原子によって置換されたC
2〜C
6−アルキル基である。2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピルおよび4,4,4−トリフルオロブチルが特に好まれる。4,4,4−トリフルオロブチル基が極めて特に好まれる。
【0061】
R
1のさらに好ましい実施形態は、1個もしくは2個のヒドロキシル基または1個のC
1〜C
3−アルコキシまたは三フッ素置換C
1〜C
3−アルコキシによって置換されたC
2〜C
6−アルキル基である。ヒドロキシルまたはC
1〜C
3−アルコキシまたはトリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシによって置換されたC
2〜C
5−アルキル基が特に好まれる。3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−メトキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−トリフルオロメトキシプロピル、2−メトキシエチルまたは2−ヒドロキシエチルが極めて特に好まれる。3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基が特に好ましい。
【0062】
さらに好ましくは、R
1がC
1〜C
6−アルキル−SO
2基によって置換されたC
2〜C
6−アルキル基である。メチル−SO
2−置換C
2〜C
4−アルキル基が特に好ましい。2−(メチルスルホニル)エチルまたは3−(メチルスルホニル)プロピルがR
1にとって特に好ましい。後者の群から、2−(メチルスルホニル)エチルが特に好ましい。
【0063】
さらに好ましくは、R
1がオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−2−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−2−イル、1,1−ジオキシドチエタン−2−イルまたは1,1−ジオキシドチエタン−3−イルによって置換されたC
1〜C
3−アルキル基である。オキセタン基によって置換されたC
1〜C
3−アルキル基が特に好まれる。オキセタン−3−イルメチル基がR
1にとって特に好ましい。
【0064】
常に同じ定義を有するR
2およびR
3については、水素またはメチルが好ましい。メチルが特に好ましい。
【0065】
R
4の場合、非置換または一もしくは多ハロゲン置換C
1〜C
3−アルキル基、または1個のヒドロキシル基によって置換されたC
1〜C
3−アルキル基、または1個のヒドロキシル基および3個のフッ素原子によって置換されたC
1〜C
3−アルキル基が好まれる。
【0066】
R
4については、以下の基:メチル、エチル、トリフルオロ−C
1〜C
3−アルキル、ジフルオロ−C
1〜C
3−アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチルが特に好まれる。R
4については、メチル、トリフルオロメチルおよびジフルオロメチル基が特に好まれる。ここでは、トリフルオロメチル基が特に好まれる。
【0067】
R
5の好ましい実施形態は、水素、フッ素、塩素またはC
1〜C
3−アルキルである。より好ましくは、R
5が水素、フッ素またはメチルである。最も好ましくは、R
5が水素またはフッ素である。
【0068】
R
4がメチルまたはトリフルオロメチルであり、R
5がフッ素である化合物も特に好まれる。R
4がメチルであり、R
5がフッ素であり、R
5がR
4に対してオルト位にある化合物が極めて特に好まれる。
【0069】
R
6については、好ましい実施形態には、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−2−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−3−イル、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン−2−イル、1,1−ジオキシドチエタン−2−イルまたは1,1−ジオキシドチエタン−3−イルが含まれる。ここでは、オキセタニルが特に好まれる。オキセタン−3−イルが極めて特に好まれる。
【0070】
R
7は官能基−SO
2−および−SO−に排他的に結合している、すなわち、R
7−置換−SO
2−またはSO基である。これに関連して、R
7は、好ましくはC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、C
1〜C
4−アルキル基は非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはシクロプロピルによって一置換されている、または3個のフッ素原子によって置換されている。シクロプロピル基がR
7についてさらに好ましい。メチル、エチルまたはヒドロキシエチルがR
7について特に好ましい。R
7についてメチルが極めて特に好まれる。
【0071】
これは、R
7SO
2−またはR
7SO−によって置換されたC
1〜C
6−アルキル基の場合、R
1の文脈において、C
1〜C
6−アルキル−SO
2またはC
1〜C
6−アルキル−SOによって置換されたC
1〜C
6−アルキルが好まれることを意味する。R
1については、ここでは特にメチルスルホニルエチルおよびメチルスルホニルプロピルが好まれる。ここではメチルスルホニルエチルが極めて特に好まれる。
【0072】
R
8については、非置換C
1〜C
4−アルキル基または三フッ素置換C
1〜C
4−アルキル基が好まれる。メチル、エチル、トリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルが特に好まれる。メチル、トリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルが極めて特に好まれる。
【0073】
以前に記載されたように、細胞内酵素インターロイキン−1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)は、炎症過程に関与するサイトカインおよびTLRリガンドによって活性化される受容体のシグナル伝達経路において不可欠の部分を果たす。炎症に加えて、IRAK4はアレルギー過程のシグナル伝達にも関与している。このようなアレルギー過程は、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患の発病において重要な役割を果たす。
【0074】
例えば、最近IL−18およびIL−1も含むサイトカインのIL−1ファミリーに加えられたIL−33は、MyD88、IRAK4およびTRF6と会合するIL−33受容体(IL−33R)に結合し、これを活性化する(Schmitzら、Immunity、2005)。IRAK4は、このシグナル伝達経路の必須の構成成分である。IL−33Rは、Tヘルパー細胞2型(Th2)細胞、肥満細胞および好酸球で強く発現する。IL−33は、これらの細胞を活性化し、Th2免疫応答を促進する(Schmitzら、Immunity、2005)。これらの細胞型は、それぞれアトピー性皮膚炎の発病に関与している。血清中のIL−33レベルは、ヒトにおけるアトピー性皮膚炎の重症度と相関し、局所ステロイドおよびカルシニューリン阻害剤による処置で低下する(Tamagawa−Mineokaら、J American Academy Dermatology、2014)。急性イヌアトピー性皮膚炎のモデルでは、IL−33遺伝子が皮膚病変において有意に上方制御されたことが示されている(Schamberら、G3(Bethesda)、2014;Olivryら、Journal of Investigative Dermatology、2016)。
【0075】
さらに、サイトカインのIL−1ファミリーの第二のメンバーであるIL−18が、アトピー性皮膚炎に関与している。IL−18の血清レベルは、小児におけるアトピー性皮膚炎の重症度と共に上昇する(Sohnら、Allergy and Asthma Proceedings、2004)。急性イヌアトピー性皮膚炎のモデルでは、IL−18遺伝子が皮膚病変において有意に上方制御されたことが示されている(Schamberら、G3(Bethesda)、2014;Olivryら、Journal of Investigative Dermatology、2016)。さらに、アトピー性皮膚炎様の炎症および掻痒が、マウスにおいてIL−18の過剰放出によって開始され、IL−1によって促進された(Konishiら、Proceeding of the National Academy of Sciences、2002)。また、IRAK4は、IL−18シグナル伝達カスケードの必須の構成成分であることが示されている(Suzukiら、J Immunology、2003)。同様に、IRAK4は、IL−1およびTLRリガンドのシグナル伝達にとって重要である(Suzukiら、Nature、2002)。TLRアゴニストはアトピー性皮膚炎の重要な症状である掻痒を誘発することが知られており(Liuら、Neuroscience Bulletin、2012)、抗IL−1療法がアトピー性皮膚炎を治療するために適応外で使用されている。さらに、IRAK4の多型が、喘息および慢性副鼻腔などのアレルギー性疾患における総IgEの上昇と関連している(Tewfikら、Allergy、2009)。アトピー性皮膚炎においてもIgEレベルが上昇する。
【0076】
したがって、IRAK4は、いくつかのサイトカインによって活性化されるシグナル伝達経路の重要な部分であり、TLRリガンドおよびIRAK4は、IgEレベルの増加に関連する多型を有するため、IRAK4の阻害は、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患を治療するための重要な治療戦略となる。さらに、コンパニオンアニマル(特に、イヌおよびネコ)において、アトピー性皮膚炎とノミアレルギー性皮膚炎の両方がIgE抗体、Th2細胞、肥満細胞および好酸球を伴うI型過敏症で構成されるので、両疾患は適切な適応症である。さらに、FADは、IL−1およびIL−18が関与するIV型過敏症で構成され得る。
【0077】
本化合物は、IRAK4キナーゼの阻害剤として作用するので、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防において予想外の有用な薬理活性スペクトルを有する。
【0078】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1がC
1〜C
6−アルキルであり、ここで、C
1〜C
6−アルキル基が非置換であるか、または同一にもしくは異なって、フッ素、ヒドロキシルまたはR
6、R
7SO
2、R
7SOまたはR
8O基によって一もしくは多置換されており;
R
2およびR
3が常に同じ定義を有し、共に水素またはC
1〜C
3−アルキルのいずれかであり;
R
4がハロゲン、シアノまたはC
1〜C
3−アルキルであり、ここで、C
1〜C
3−アルキル基が非置換であるか、または同一にもしくは異なって、ハロゲンまたはヒドロキシルによって一もしくは多置換されており;
R
5が水素、フッ素、塩素またはC
1〜C
3−アルキルであり;
R
6がオキセタニルまたはテトラヒドロフラニルであり;
R
7がC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、C
1〜C
4−アルキル基が非置換であるか、またはヒドロキシルもしくはシクロプロピルによって一置換されている、または3個のフッ素原子によって置換されており;
R
8が非置換C
1〜C
4−アルキルまたは三フッ素置換C
1〜C
4−アルキルである、
式(I)の化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が好まれる。
【0079】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1がC
2〜C
6−アルキルであり、ここで、C
2〜C
6−アルキルが非置換であるか、または
C
2〜C
6−アルキルが一、二もしくは三フッ素置換されているか、または
C
2〜C
6−アルキルがヒドロキシル、R
6、R
7SO
2もしくはR
8Oによって一置換されている、
あるいはR
1がオキセタニル置換C
1〜C
3−アルキルであり;
R
2およびR
3が常に同じ定義を有し、共に水素またはメチルのいずれかであり;
R
4が非置換または一もしくは多ハロゲン置換C
1〜C
3−アルキル基、または1個のヒドロキシル基によって置換されたC
1〜C
3−アルキル基、または1個のヒドロキシル基および3個のフッ素原子によって置換されたC
1〜C
3−アルキル基であり;
R
5が水素、フッ素またはC
1〜C
3−アルキルであり;
R
7がC
1〜C
3−アルキルであり;
R
8がC
1〜C
4−アルキルであり、ここで、C
1〜C
4−アルキル基が非置換であるか、または一、二もしくは三フッ素置換されている、
式(I)の化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物がさらに好まれる。
【0080】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1がヒドロキシルもしくはC
1〜C
3−アルコキシもしくはトリフルオロメトキシもしくは2,2,2−トリフルオロエトキシもしくはトリフルオロメチルによって置換されたC
2〜C
5−アルキル基であるか、または
メチル−SO
2−置換C
2〜C
4−アルキル基であるか、または
オキセタン−3−イル−置換C
1〜C
2−アルキル基であり;
R
2およびR
3が常に同じ定義を有し、共に水素またはメチルであり;
R
4がメチル、エチル、トリフルオロ−C
1〜C
3−アルキル、ジフルオロ−C
1〜C
3−アルキル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチルであり;
R
5が水素、フッ素またはメチルである、
一般式(I)の化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物も特に好まれる。
【0081】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1が4,4,4−トリフルオロブチル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−ヒドロキシブチル、3−メトキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−トリフルオロメトキシプロピル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−(メチルスルホニル)エチルまたは3−(メチルスルホニル)プロピルであり;
R
2およびR
3が共にメチルまたは水素であり、
R
4がジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはメチルであり、
R
5が水素またはフッ素である、
化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が極めて特に好まれる。
【0082】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1が3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−(メチルスルホニル)プロピルまたは2−(メチルスルホニル)エチルであり;
R
2およびR
3が共にメチルであり;
R
4がジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;
R
5が水素である、
化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物も極めて特に好まれる。
【0083】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、
R
1が3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−(メチルスルホニル)プロピルまたは2−(メチルスルホニル)エチルであり;
R
2およびR
3が共にメチルであり;
R
4がメチルであり、
R
5がフッ素であり、R
5がR
4に対してオルト位にある、
化合物およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物もさらに特に好まれる。
【0084】
本発明は特に、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、以下の化合物:
1)N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(2−メトキシエチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
2)N−[6−(ヒドロキシメチル)−2−(2−メトキシエチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
3)N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(3−メトキシプロピル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
4)N−[6−(ヒドロキシメチル)−2−(3−メトキシプロピル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
5)N−[2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
6)N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(3−ヒドロキシプロピル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
7)N−[2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
8)N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(オキセタン−3−イルメチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
9)N−[6−(ヒドロキシメチル)−2−(オキセタン−3−イルメチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
10)N−{6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−[3−(メチルスルホニル)プロピル]−2H−インダゾール−5−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
11)N−[2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
12)N−{6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−[2−(メチルスルホニル)エチル]−2H−インダゾール−5−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
13)6−(ジフルオロメチル)−N−[2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
14)6−(ジフルオロメチル)−N−{6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−[2−(メチルスルホニル)エチル]−2H−インダゾール−5−イル}ピリジン−2−カルボキサミド
15)6−(ジフルオロメチル)−N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(3−ヒドロキシプロピル)−2H−インダゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
16)N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(4,4,4−トリフルオロブチル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
17)N−{6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−[3−(トリフルオロメトキシ)プロピル]−2H−インダゾール−5−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
18)N−{6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロピル]−2H−インダゾール−5−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド
19)5−フルオロ−N−[2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−メチルピリジン−2−カルボキサミド
20)N−[2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル]−6−メチルピリジン−2−カルボキサミド
21)6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−[6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−(4,4,4−トリフルオロブチル)−2H−インダゾール−5−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
22)N−{2−[2−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチル]−6−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−カルボキサミド、
を提供する。
【0085】
本発明はさらに、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、一般式(III)の化合物
【化6】
(式中、
R
1は4,4,4−トリフルオロブチル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−メトキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−トリフルオロメトキシプロピル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−(メチルスルホニル)エチル、3−(メチルスルホニル)プロピルまたは2−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルであり;
R
4はジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはメチルであり;
R
5は水素またはフッ素である)
およびそのジアステレオマー、エナンチオマー、代謝産物、塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を提供する。
【0086】
動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、一般式(III)の以下の化合物:
メチル5−{[(5−フルオロ−6−メチルピリジン−2−イル)カルボニル]アミノ}−2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−2H−インダゾール−6−カルボキシレートおよび
メチル2−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−5−({[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)−2H−インダゾール−6−カルボキシレート
が特に好まれる。
【0087】
一般式(III)の化合物は、一般式(I)の化合物の一部の調製に適している。
【0088】
さらに、一般式(III)の化合物は、インターロイキン−1受容体関連キナーゼ−4(IRAK4)の阻害剤である。
【0089】
一般式(III)の化合物は、一般式(II)の化合物
【化7】
(式中、
R
1は4,4,4−トリフルオロブチル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−メトキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−トリフルオロメトキシプロピル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−(メチルスルホニル)エチル、3−(メチルスルホニル)プロピルまたは2−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルであり;
R
4はジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはメチルであり;
R
5は水素またはフッ素である)
から、炭酸カリウムの存在下での(II)と適切に置換されたハロゲン化アルキルまたはアルキル4−メチルベンゼンスルホネートとの反応によって調製することができる。
【0090】
さらに、一般式(I)の化合物は、式(III)の化合物
【化8】
(式中、
R
1は4,4,4−トリフルオロブチル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル、3−ヒドロキシブチル、3−メトキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、3−トリフルオロメトキシプロピル、2−メトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−(メチルスルホニル)プロピル 2−(1−ヒドロキシシクロプロピル)エチルであり;
R
2およびR
3はメチルであり;
R
4はジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはメチルであり;
R
5は水素またはフッ素である)
から、メチルマグネシウムブロミドとのグリニャール反応によって調製することができる。
【0091】
本化合物は、IRAK4キナーゼの阻害剤として作用し、予測できない有用な薬理活性スペクトルを有する。
【0092】
飼育動物、特にネコおよびイヌ、さらに特にイヌにおけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物がさらに好まれる。
【0093】
本文脈における「飼育動物」という用語には、例えば、ハムスター、モルモット、ラット、マウス、チンチラ、フェレットまたは特にイヌ、ネコなどの哺乳動物;カゴのトリ;爬虫類;両生類または観賞魚が含まれる。
【0094】
飼育動物におけるアレルギー性皮膚炎、特にイヌおよびネコアレルギー性皮膚炎、さらに特にイヌアレルギー性皮膚炎の治療および/または予防に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物がさらに好まれる。家畜、特にヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシおよびブタ、さらに特にウシおよびブタにおけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物がさらに好まれる。
【0095】
本文脈における「家畜」という用語には、例えば、ウマ、ヒツジ、ヤギ、水牛、トナカイ、ダマジカ、特にウシまたはブタなどの哺乳動物が含まれる。
【0096】
動物におけるアトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、炎症性腸疾患、骨関節炎および炎症性疼痛、非感染性再発性気道疾患、昆虫過敏症、喘息、呼吸器疾患、乳腺炎および子宮内膜炎、特にアトピー性皮膚炎およびノミアレルギー性皮膚炎を治療および/または予防する方法に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物がさらに好まれる。
【0097】
イヌアトピー性皮膚炎、イヌまたはネコにおけるノミアレルギー性皮膚炎、イヌまたはネコにおける炎症性腸疾患、イヌ、ネコ、ウマまたはウシにおける骨関節炎および炎症性疼痛、ウマにおける非感染性再発性気道疾患、ウマにおける昆虫過敏症、ネコ喘息、ウシ呼吸器疾患、ウシにおける乳腺炎、ウシにおける子宮内膜炎、ならびにブタ呼吸器疾患を治療および/または予防する方法に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物が特に好まれる。
【0098】
イヌアトピー性皮膚炎およびイヌまたはネコ、さらに特にイヌにおけるノミアレルギー性皮膚炎を治療および/または予防する方法に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物が極めて特に好まれる。
【0099】
ウシにおける骨関節炎および炎症性疼痛、ウシ呼吸器疾患、ウシにおける乳腺炎、ウシにおける子宮内膜炎ならびにブタ呼吸器疾患を治療および/または予防する方法に使用するための、式(I)の化合物または特に上記の化合物がさらに極めて特に好まれる。
【0100】
式(III)の化合物に関しては、飼育動物、特にネコおよびイヌ、さらに特にイヌにおけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、式(III)の化合物がさらに好まれる。
【0101】
飼育動物におけるアレルギー性皮膚炎、特にイヌおよびネコアレルギー性皮膚炎、さらに特にイヌアレルギー性皮膚炎の治療および/または予防に使用するための、式(III)の化合物がさらに好まれる。
【0102】
家畜、特にヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシおよびブタ、さらに特にウシおよびブタにおけるアレルギー性および/または炎症性疾患の治療および/または予防に使用するための、式(III)の化合物がさらに好まれる。
【0103】
動物におけるアトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、炎症性腸疾患、骨関節炎および炎症性疼痛、非感染性再発性気道疾患、昆虫過敏症、喘息、呼吸器疾患、乳腺炎および子宮内膜炎、特にアトピー性皮膚炎およびノミアレルギー性皮膚炎を治療および/または予防する方法に使用するための、式(III)の化合物がさらに好まれる。
【0104】
イヌアトピー性皮膚炎、イヌまたはネコにおけるノミアレルギー性皮膚炎、イヌまたはネコにおける炎症性腸疾患、イヌ、ネコ、ウマまたはウシにおける骨関節炎および炎症性疼痛、ウマにおける非感染性再発性気道疾患、ウマにおける昆虫過敏症、ネコ喘息、ウシ呼吸器疾患、ウシにおける乳腺炎、ウシにおける子宮内膜炎、ならびにブタ呼吸器疾患を治療および/または予防する方法に使用するための、式(III)の化合物が特に好まれる。
【0105】
イヌアトピー性皮膚炎およびイヌまたはネコ、さらに特にイヌにおけるノミアレルギー性皮膚炎を治療および/または予防する方法に使用するための、式(III)の化合物が極めて特に好まれる。
【0106】
ウシにおける骨関節炎および炎症性疼痛、ウシ呼吸器疾患、ウシにおける乳腺炎、ウシにおける子宮内膜炎ならびにブタ呼吸器疾患を治療および/または予防する方法に使用するための、式(III)の化合物がさらに極めて特に好まれる。
【0107】
例として、化合物実施例11、12、13、19(以下に示す)を、組換えイヌIRAK4酵素を用いて以下に詳述するインビトロIRAK4 TR−FRETアッセイで評価した。イヌIRAK4の阻害について各化合物のIC50値を計算した。実施例化合物(11、12、13、19)は、アトピー性皮膚炎およびノミアレルギー性皮膚炎などの動物、特にイヌおよびネコにおけるアレルギー性皮膚疾患の治療に有用であると特定されている。実施例化合物11、12、13、19はそれぞれ、IC50値がそれぞれ1.7、9.2、2.2、7.6nMのイヌIRAK4の強力な阻害剤であった。これらの化合物の各々のIC50値はまた、ヒトIRAK4の阻害について計算されるIC50値と類似であった。
【0108】
さらなる例として、実施例化合物12をインビトロアッセイにおいても評価して、イヌ末梢血単核細胞(PBMC)によるリポ多糖(LPS)誘導サイトカイン産生に対する化合物の効果を確立した。実施例化合物12は、濃度関連様式で、LPSによって誘導されたイヌPBMCによる炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)の産生を抑制した。PBMCには、樹状細胞、Tリンパ球およびBリンパ球などの細胞型ならびにその各々がアトピー性皮膚炎に関与する単球が含まれ、TNFαはアトピー性皮膚炎患者において上昇する(Sumimotoら、Archives of Disease in Childhood、1992)。この例はまた、図7によって示される。
【0109】
したがって、本化合物はイヌPBMCによる組換えイヌIRAK4酵素およびサイトカイン産生の阻害を実証し、イヌアトピー性皮膚炎およびノミアレルギー性皮膚炎におけるこのような化合物実施例の潜在的な治療上の利点を示している。
【0110】
さらに、イヌアレルギー性皮膚炎、特にイヌアトピー性皮膚炎(CAD)に関連する臨床徴候の治療における化合物の効果をハウスダストダニモデルで確立するためのさらなる試験で、実施例化合物12をインビボで評価した。実施例化合物12は、皮膚浮腫および紅斑などのCADの臨床徴候を有意に減少させた。この例はまた、図11および図12によって示される。
【0111】
したがって、本化合物は、イヌアレルギー性皮膚炎の特徴的な臨床的徴候の減少を示し、したがってイヌアレルギー性皮膚炎、特にイヌアトピー性皮膚炎(CAD)におけるこのような化合物実施例の治療上の利点を示している。また、実施例化合物12を、イヌノミアレルギー性皮膚炎(FAD)のインビボモデルにおいて評価して、化合物の鎮痒効果を確立した。実施例化合物12による処置は、ノミアレルギー性皮膚炎などのアレルギー性疾患に関連する掻痒を実質的に軽減した。この例はまた、図13によって示される。
【0112】
したがって、本化合物は、皮膚炎症および掻痒としてのアレルギー性皮膚炎の関連する疾病特徴的な臨床的徴候の減少を実証するので、イヌアレルギー性皮膚炎、特にノミアレルギー性皮膚炎(FAD)およびイヌアトピー性皮膚炎(CAD)におけるこのような化合物実施例の治療上の利点を示している。
【0113】
本文脈における「イヌアレルギー性皮膚炎」という用語は、特にイヌアトピー性皮膚炎(CAD)およびノミアレルギー性皮膚炎(FAD)を含む。
【0114】
さらなる例として、実施例化合物12をエキソビボアッセイにおいても評価して、ウシ末梢血単核細胞(PBMC)によるリポ多糖(LPS)誘導サイトカイン産生に対する化合物の効果を確立した。実施例化合物12は、濃度関連様式で、LPSによって誘導されたウシPBMCによる炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)の産生を抑制した。PBMCには、樹状細胞、Tリンパ球およびBリンパ球などの細胞型ならびにその各々が呼吸器疾患(Sterner−Kock、Haiderら、Tropical Animal Health and Production、2016)、腸疾患(Pan、Rostagnioら、Veterinary Immunology and Immunopathology、2015)および乳腺炎(Zheng、Xuら、Free Radical Biology and Medicine、2016)などの行き過ぎた炎症性免疫応答を伴う炎症性および感染性疾患に関与している単球が含まれ、TNFαはこれらの患者で上昇している。この例はまた、図8および図9によって示される。
【0115】
したがって、本化合物は、ウシPBMCによるサイトカイン産生の阻害を実証し、呼吸器疾患、腸疾患および乳腺炎などの炎症性および/または感染性疾患におけるこのような化合物実施例の潜在的な治療上の利点を示している。
【0116】
さらなる例として、実施例化合物12をエキソビボアッセイにおいても評価して、ブタ末梢血単核細胞(PBMC)によるリポ多糖(LPS)誘導サイトカイン産生に対する化合物の効果を確立した。実施例化合物12は、LPSによって誘導されたブタPBMCによる炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)の産生を抑制した。PBMCには、樹状細胞、Tリンパ球およびBリンパ球などの細胞型、ならびにその各々が呼吸器疾患および腸疾患などの行き過ぎた炎症性免疫応答を伴う炎症性および感染性疾患に関与している単球が含まれ、TNFαはこれらの患者で上昇している。この例はまた、図10によって示される。
【0117】
したがって、本化合物は、ブタPBMCによるサイトカイン産生の阻害を実証し、呼吸器疾患および腸疾患などの炎症性および/または感染性疾患におけるこのような化合物実施例の潜在的な治療上の利点を示している。
【0118】
動物における掻痒および疼痛、特に急性、慢性、炎症性および神経因性疼痛の予防および/または治療も、本化合物によって提供される。
【0119】
さらに、本化合物は、動物における疼痛障害、特に急性、慢性、炎症性および神経因性疼痛の治療および/または予防に適している。これには、好ましくは、痛覚過敏、異痛症、関節炎(骨関節炎、関節リウマチおよび脊椎関節炎など)からの疼痛、月経前疼痛、子宮内膜症関連疼痛、術後疼痛、間質性膀胱炎からの疼痛、CRPS(複合性局所疼痛症候群)、三叉神経痛、前立腺炎からの疼痛、脊髄損傷によって引き起こされる疼痛、炎症誘発性疼痛、腰痛、がん疼痛、化学療法関連疼痛、HIV治療誘発性ニューロパチー、火傷誘発性疼痛および慢性疼痛が含まれる。
【0120】
本発明はさらに、有効量の本化合物の少なくとも1種を使用して、動物における障害、特に上記障害を治療および/または予防する方法も提供する。
【0121】
有効量の上で定義される本式(I)の少なくとも1種の化合物をそれを必要とする動物に投与することによって、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患を治療および/または予防する方法が好まれる。
【0122】
本発明の文脈において、「治療」または「治療すること」という用語は、疾患、状態、障害、傷害または健康問題の、このような状態および/またはこのような状態の症状の発達、経過または進行の阻害、遅延、検査、軽減、減弱、制限、減少、抑制、忌避または治癒を含む。ここでは、「療法」は「治療」という用語と同義であると理解される。
【0123】
「防止」、「予防」および「妨害」という用語は本発明の文脈において同義的に使用され、疾患、状態、障害、傷害または健康問題に、あるいはこのような状態および/またはこのような状態の症状の発達または進行に罹患する、を経験する、を患うまたはこれらを有するリスクの回避または減少を指す。
【0124】
疾患、状態、障害、傷害または健康問題の治療または予防は、部分的であっても完全であってもよい。
【0125】
本化合物は、単独で、または必要に応じて他の有効成分と組み合わせて使用することができる。本発明はさらに、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患を治療および/または予防するための、本化合物の少なくとも1種と、1種または複数のさらなる有効成分とを含む医薬品を提供する。組み合わせに適した有効成分の好ましい例には以下が含まれる:
【0126】
抗菌薬(例えば、ペニシリン、バンコマイシン、シプロフロキサシン)、抗ウイルス薬(例えば、アシクロビル、オセルタミビル)および抗真菌薬(例えば、ナフチフィン、ナイスタチン)物質およびγグロブリン、免疫調節および免疫抑制化合物(シクロスポリン、Methotrexat(登録商標)など)、TNF拮抗薬(例えば、Humira(登録商標)、エタネルセプト、インフリキシマブ)、IL−1阻害剤(例えば、アナキンラ、カナキヌマブ、リロナセプト)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、アプレミラスト)、Jak/STAT阻害剤(例えば、トファシチニブ、バリシチニブ、GLPG0634)、レフルノミド、シクロホスファミド、リツキシマブ、ベリムマブ、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレドニソロン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン)、シクロホスファミド、アザチオプリンおよびスルファサラジン;パラセタモール、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク、セレコキシブ、コルヒチン)などの有効成分を一般に挙げることができる。
【0127】
上記のものに加えて、本発明のIRAK4阻害剤を以下の有効成分と組み合わせることもできる:
肺障害を治療するための物質、例えばβ−2−交感神経模倣薬(例えば、サルブタモール)、抗コリン薬(例えば、グリコピロニウム)、メチルキサンチン(例えばテオフィリン)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、モンテルカスト)、PDE−4(ホスホジエステラーゼ4型)阻害剤(例えば、ロフルミラスト)、メトトレキサート、IgE抗体、アザチオプリンおよびシクロホスファミド、コルチゾール含有製剤;非ステロイド性抗炎症物質(NSAID)などの骨関節炎を治療するための物質。言及される2つの療法に加えて、リウマチ障害、例えば関節リウマチ、脊椎関節炎および若年性突発性関節炎のために、メトトレキサートおよびB細胞用の生物製剤およびT細胞療法(例えば、リツキシマブ、アバタセプト)を挙げるべきである。神経栄養物質、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル)、MAO(モノアミノオキシダーゼ)阻害剤(例えば、セレギリン)、インターフェロンおよび抗痙攣薬(例えば、ガバペンチン);心血管障害を治療するための有効成分、例えばβ遮断薬(例えば、メトプロロール)、ACE阻害剤(例えば、ベナゼプリル)、アンジオテンシン受容体遮断薬(例えば、ロサルタン、バルサルタン)、利尿薬(例えば、ヒドロクロロチアジド)、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン)、スタチン(例えば、シンバスタチン、フルバスタチン);抗糖尿病薬、例えばメトホルミン、グリニド(例えば、ナテグリニド)、DPP−4(ジペプチジルペプチダーゼ−4)阻害剤(例えば、リナグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン)、SGLT2(ナトリウム/グルコース共輸送体2)阻害剤/グリフロジン(例えば、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン)、インクレチン模倣薬(ホルモングルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アナログ/アゴニスト)(例えば、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)およびスルホニルウレア(例えば、グリベンクラミド、トルブタミド)、インスリン増感剤(例えば、ピオグリタゾン)およびインスリン療法(例えば、NPHインスリン、インスリンリスプロ)慢性炎症性腸疾患を治療するための有効成分(メサラジン、スルファラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリンまたはメトトレキサートなど)、プロバイオティクス細菌(Mutaflor、VSL#3(登録商標)、ラクトバチルスGG(Lactobacillus GG)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus L.acidophilus)、カゼイ菌(L.casei)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)35624、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus fecium)SF68、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、大腸菌(Escherichia coli)Nissle 1917)、抗生物質(例えば、シプロフロキサシンおよびメトロニダゾールなど)、止瀉薬(例えば、ロペラミドまたはレキサチブ(ビサコジル)など)。エリテマトーデスを治療するための免疫抑制剤(グルココルチコイドなど)および非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルチゾン、クロロキン、シクロスポリン、アザチオプリン、ベリムマブ、リツキシマブ、シクロホスファミド。皮膚科学的障害のための、ビタミンD3類似体、例えばカルシポトリオール、タカルシトールまたはカルシトリオール、サリチル酸、尿素、シクロスポリン、メトトレキサート、エファリズマブ。
【0128】
上記障害を治療および/または予防するための、本発明の使用のための本化合物の少なくとも1種と、1種または複数のさらなる有効成分、特にEP4阻害剤(プロスタグランジンE2受容体4阻害剤)、P2X3阻害剤(P2Xプリン受容体3)、PTGES阻害剤(プロスタグランジンEシンターゼ阻害剤)またはAKR1C3阻害剤(アルド−ケトレダクターゼファミリー1メンバーC3阻害剤)とを含む医薬品にも言及すべきである。
【0129】
本化合物は全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のために、これらを適当な様式で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、真皮、経皮もしくは結膜経路により、耳を介して、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
【0130】
本化合物をこれらの投与経路に適した投与形態で投与することができる。
【0131】
経口投与に適した投与形態は、先行技術により作用し、本化合物を速効性のおよび/または修正された様式で放出し、本化合物を結晶および/または非晶質および/または溶解形態で含むもの、例えば、錠剤(非コーティングあるいは例えば、本化合物の放出を制御する、胃液抵抗性または遅延溶解または不溶性コーティングによるコーティング錠)、口腔で急速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、チュアブル(例えば、軟質チュアブル)、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤である。
【0132】
非経口投与は、(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内もしくは腰椎内経路により)吸収ステップを回避して、または(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内経路により)吸収を含めて達成することができる。非経口投与に適した投与形態には、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥物または滅菌散剤の形態の注射および注入用製剤が含まれる。
【0133】
他の投与経路については、適当な例に、吸入医薬形態(粉末吸入器、ネブライザーを含む)、点鼻薬、液またはスプレー、舌、舌下または頬側投与のための錠剤、フィルム/ウエハーまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ポア・オン(pour−on)、経皮治療システム(例えば、パッチ)、ミルク、ペースト、フォーム、粉剤、インプラントまたはステントがある。
【0134】
経口または非経口投与、特に、経口投与が好ましい。
【0135】
本化合物を言及する投与形態に変換することができる。これは、不活性で、非毒性の、薬学的に適当な賦形剤と混合することによって、それ自体は既知の様式で達成することができる。これらの賦形剤には、担体(例えば、微結晶セルロース、乳糖、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄)ならびに香味および/または臭気修正剤が含まれる。
【0136】
本発明はさらに、動物におけるアレルギー性および/または炎症性疾患を治療および/または予防する方法に使用するための、典型的には1種または複数の不活性で、非毒性の、薬学的に適当な賦形剤と共に少なくとも1種の本化合物を含む医薬品を提供する。
【0137】
一般に、非経口投与の場合、有効な結果を達成するために、約0.001〜1mg/kg、好ましくは約0.01〜0.5mg/kg体重の量を投与することが有利であることが分かった。経口投与の場合、投与量は約0.01〜100mg/kg、好ましくは約0.01〜20mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。
【0138】
それにもかかわらず、具体的には体重、投与経路、有効成分に対する個体の反応、製剤の性質および投与が行われる時間または間隔の関数として言及する量から逸脱することが必要となり得る場合もある。したがって、上記最小量未満で間に合わせることで十分となり得る場合がある一方で、言及する上限を超過しなければならない場合がある。より多くの量を投与する場合は、それを1日に数回の個別の用量に分割することが得策であり得る。