(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521061
(43)【公表日】20190725
(54)【発明の名称】アルミナ製品および高熱伝導率のポリマー組成物におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/02 20060101AFI20190704BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20190704BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20190704BHJP
【FI】
   !C01F7/02 Z
   !C08L101/00
   !C08K3/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】2018561039
(86)(22)【出願日】20170515
(85)【翻訳文提出日】20190108
(86)【国際出願番号】EP2017061601
(87)【国際公開番号】WO2017198611
(87)【国際公開日】20171123
(31)【優先権主張番号】62/336,781
(32)【優先日】20160516
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518407238
【氏名又は名称】マルチンスヴェルク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】MARTINSWERK GMBH
【住所又は居所】ドイツ国 50127 ベルクハイム ケルナー シュトラーセ 110
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100175477
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 林太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング ホフィウス
【住所又は居所】ドイツ国 52070 アーヘン トーマスホーフシュトラーセ 21
(72)【発明者】
【氏名】バシャ―ル ダイア ベイカーリー
【住所又は居所】ドイツ国 50858 ケルン ベンフリーシュトラーセ 11
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ヤコブス マリヌス ミース
【住所又は居所】オランダ国 5643 エイントホーフェン ピージェイ シント べルヌルプフスラーン 4
(72)【発明者】
【氏名】モニカ ギーゼルバッハ
【住所又は居所】ドイツ国 50226 フレッヒェン ロッホナーシュトラーセ 88
【テーマコード(参考)】
4G076
4J002
【Fターム(参考)】
4G076AA02
4G076AB02
4G076BA04
4G076BA38
4G076BA46
4G076BD02
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4G076FA02
4J002BB022
4J002BB051
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4J002CL011
4J002DE146
4J002DE147
4J002FA086
4J002FA087
(57)【要約】
微粒子径成分および粗粒子径成分を含有し、特定の粒子径特性および不規則で非球状の粒子形状を有するアルミナ製品が開示される。これらのアルミナ製品をポリマー製剤中に使用し、高い等方性熱伝導率を有する複合物を製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子径成分および粗粒子径成分を有するアルミナ製品であって、
前記微粒子径成分が、約0.3〜約6μmの範囲のd50粒子径を有し;
前記粗粒子径成分が、約7〜約35μmの範囲のd50粒子径を有し、約1.5〜約30の範囲の平均アスペクト比によって特徴付けられ;および
前記アルミナ製品中の前記微粒子径成分の量が、前記微粒子径成分と前記粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%である、アルミナ製品。
【請求項2】
前記アルミナ製品が、
約1〜約20μmの範囲のd50粒子径;および
約5〜約50μmの範囲のd90粒子径
を有する、請求項1に記載のアルミナ製品。
【請求項3】
前記アルミナ製品が、
約1.5〜約6μmの範囲のd50粒子径;および
約7〜約35μmの範囲のd90粒子径
を有する、請求項1に記載のアルミナ製品。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミナ製品であって、
前記微粒子径成分が、約0.5〜約5μmの範囲のd50粒子径を有し;
前記粗粒子径成分が、約10〜約30μmの範囲のd50粒子径を有し;および
前記アルミナ製品中の前記微粒子径成分の量が、前記微粒子径成分と前記粗粒子径成分との総重量に基づいて、約30〜約80重量%である、アルミナ製品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミナ製品であって、
前記微粒子径成分が、約1〜約16μmの範囲のd90粒子径を有し;
前記粗粒子径成分が、約20〜約55μmの範囲のd90粒子径を有し;および
前記アルミナ製品が、約100μm以下のd100粒子径を有する、アルミナ製品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミナ製品であって、
前記微粒子径成分が、約0.8〜約20m2/gの範囲のBET表面積を有し;
前記粗粒子径成分が、約0.25〜約1.5m2/gの範囲のBET表面積を有し;および
前記アルミナ製品が、約1,700〜約2,500kg/m3の範囲のタップ密度を有する、アルミナ製品。
【請求項7】
前記アルミナ製品、前記微粒子径成分、および前記粗粒子径成分が、独立して、約90〜約99重量%の範囲のα-アルミナ含有量を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアルミナ製品。
【請求項8】
前記アルミナ製品が、表面処理されたアルミナ粒子を含み、前記アルミナ製品が、約0.05〜約5重量%表面処理を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルミナ製品。
【請求項9】
前記アルミナ製品および前記微粒子径成分が、独立して、約1.5〜約30の範囲の平均アスペクト比によって特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアルミナ製品。
【請求項10】
前記アルミナ製品、前記微粒子径成分、および前記粗粒子径成分が、独立して、約0.4〜約0.6の範囲の平均球形度、平均真円度、またはその両方によって特徴付けられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミナ製品。
【請求項11】
(a)ポリマー;および
(b)請求項1〜10のいずれか一項に記載のアルミナ製品
を含む、ポリマー組成物。
【請求項12】
前記ポリマー組成物が、約0.5〜約8W/m・Kの範囲の等方性熱伝導率を有する、請求項11に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
前記ポリマー組成物が、約1〜約5W/m・Kの範囲の等方性熱伝導率を有する、請求項11に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物であって、
前記ポリマーが熱可塑性ポリマーを含み;および
前記アルミナ製品の量が、前記総ポリマー組成物に基づいて、約80〜約93重量%の範囲である、ポリマー組成物。
【請求項15】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物であって、
前記ポリマーが熱硬化性ポリマーを含み;および
前記アルミナ製品の量が、前記総ポリマー組成物に基づいて、約47〜約74容積%の範囲である、ポリマー組成物。
【請求項16】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物であって、
前記ポリマーがポリエーテルポリオールを含み;
前記アルミナ製品が表面処理されており;
前記アルミナ製品の量が、前記総ポリマー組成物に基づいて、72重量%であり;および
前記ポリマー組成物が、
せん断速度10秒-1において約6,000〜約12,000mPa・秒の範囲の粘度;および
せん断速度範囲10〜20秒-1にわたって実質的に一定の粘度
によって特徴付けられる、ポリマー組成物。
【請求項17】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物であって、
前記ポリマーがポリオレフィンエラストマーを含み;
前記アルミナ製品の量が、前記総ポリマー組成物に基づいて、80重量%であり;および
前記ポリマー組成物が、約500〜約1000%の範囲の破断点伸びによって特徴付けられる、ポリマー組成物。
【請求項18】
請求項11〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物であって、
前記ポリマーが、75重量%EVAおよび25重量%ポリエチレンを含み;
前記アルミナ製品の量が、前記総ポリマー組成物に基づいて、80重量%であり;および
前記ポリマー組成物が、
前記アルミナ製品と同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間;および/または
前記アルミナ製品とは異なる粒子径特性を有する不規則アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間
によって特徴付けられる、ポリマー組成物。
【請求項19】
請求項11〜18のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む製造品。
【請求項20】
前記製造品が電子部品を含む、請求項19に記載の製造品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2016年5月16日に出願された米国仮出願第62/336,781号の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して、特定の粒子径特性を有するアルミナ製品を対象とする。これらのアルミナ製品をポリマー製剤中に使用し、高い等方性熱伝導率を有する複合物を製造することができる。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念のセレクションを簡略化した形で紹介するために提供される。この要約は、特許請求される主題に必要なまたは必須の特徴を特定することを意図しない。この概要は、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0004】
本発明の一態様によるアルミナ製品は、微粒子径成分および粗粒子径成分を有することができ、アルミナ製品は、約1〜約20μmの範囲のd50粒子径、および約5〜約50μmの範囲のd90粒子径によって特徴付けることができる。別の態様では、アルミナ製品は、約1〜約5μmの範囲のd50粒子径、および約6〜約40μmの範囲のd90粒子径によって特徴付けることができる。さらに、別の態様では、アルミナ製品は、約1.5〜約5μmの範囲のd50粒子径、および約6〜約30μmの範囲のd90粒子径によって特徴付けることができる。
【0005】
本発明の他の態様では、アルミナ製品は、微粒子径成分および粗粒子径成分を有することができ、微粒子径成分は、約0.3〜約6μmの範囲のd50粒子径を有することができ、粗粒子径成分は、約3〜約35μmの範囲のd50粒子径を有することができる。さらなる態様では、微粒子径成分は、約0.8〜約3.5μm(または約1.5〜約4.5μm)の範囲のd50粒子径を有することができ、粗粒子径成分は、約10〜約30μm(または約12〜約22μm)の範囲のd50粒子径を有することができる。通常、アルミナ製品中の微粒子径成分の量は、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%、約20〜約80重量%、または約40〜約80重量%に及ぶことができる。
【0006】
本発明の態様と一貫して、アルミナ製品の粒子は、不規則形状および非球状であると表すことができる。多くの場合、必須ではないが、粒子は表面処理され、より密な充填および改善されたポリマー適合性をもたらす。ポリマー組成物も本明細書で提供され、そのような組成物は、ポリマーおよび本明細書に開示のアルミナ製品のいずれかを含むことができる。得られたポリマー組成物は、予想外に高い等方性熱伝導率、ならびに低粘度および高引張伸び特性を有することができる。
【0007】
前述の概要および以下の発明を実施するための形態は、両方とも例を提供するものであり、例示のみを目的とする。したがって、前述の概要および以下の発明を実施するための形態は、限定的であるとみなされるべきではない。さらに、特徴または変形が、本明細書に記載のものに加えて提供されてもよい。例えば、特定の態様は、発明を実施するための形態に記載のさまざまな特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせを対象とする場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1のアルミナ製品に使用される微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図2】実施例1のアルミナ製品に使用される粗粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図3】実施例1のアルミナ製品に使用される粗粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図4】実施例1のアルミナ製品に使用される粗粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図5】実施例2のアルミナ製品に使用される微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図6】実施例2のアルミナ製品に使用される微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図7】図7Aは、粒子の球形度および粒子の真円度の分類の図的表現を表す図である。図7Bは、角ばった粒子から十分に丸みを帯びた粒子に及ぶ、粒子の真円度のカテゴリーの図的表現を表す図である。
【図8】実施例1のアルミナ製品の粒子径分布のプロットを表す図である。
【図9】実施例2のアルミナ製品の粒子径分布のプロットを表す図である。
【図10】実施例3のアルミナ製品の粒子径分布のプロットを表す図である。
【図11】実施例4および実施例5の粘度対せん断速度のプロットを表す図である。
【図12】実施例7(60重量%アルミナ製品)および実施例8(80重量%アルミナ製品)の放熱率(HRR)曲線のプロットを表す図である。
【図13】実施例9〜14のスループレーン(等方性)熱伝導率の値の棒グラフを表す図である。
【図14】実施例1のアルミナ製品中の粗粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図15】実施例1のアルミナ製品中の粗粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図16】実施例1のアルミナ製品中の粗粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図17】実施例2のアルミナ製品中の微粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図18】実施例2のアルミナ製品中の微粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図19】実施例2のアルミナ製品中の微粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【図20】実施例2のアルミナ製品中の微粒子径成分の平均アスペクト比の測定に用いた走査型電子顕微鏡写真を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(定義)
本明細書で使用される用語をより明確に定義するために、以下の定義を提供する。別段に指示されない限り、以下の定義は本開示に適用可能である。本開示において用語が使用されているが、本明細書で特に定義されていない場合、IUPAC化学用語集第2版(1997)からの定義を適用することができるが、その定義が本明細で適用されるいずれの他の開示または定義とも矛盾せず、その定義が適用されるいずれの請求項も不明確または不可能にしない場合に限る。参照によって本明細書に組み込まれる任意の文書により提供される任意の定義または使用が、本明細書で提供される定義または使用と矛盾する限りでは、本明細書で提供される定義または使用が優位になる。
【0010】
本明細書では、特定の態様内で、異なる特徴の組み合わせを想定することができるように、主題の特徴を説明することができる。本明細書に開示のありとあらゆる態様およびありとあらゆる特徴について、本明細書に記載の設計、組成物、プロセス、または方法に有害な影響を及ぼさない全ての組み合わせが考慮され、特定の組み合わせの明示的な記載の有無にかかわらず、交換することができる。したがって、明示的に別段に列挙しない限り、本明細書に開示される任意の態様または特徴を組み合わせて、本開示と一貫する本発明の設計、組成物、プロセス、または方法を説明することができる。
【0011】
組成物および方法は、本明細書において、さまざまな成分または工程を「含む」という用語で記載されているが、別段の記載がない限り、さまざまな成分または工程「から本質的になる」または「からなる」こともできる。例えば、本発明の態様に一貫するポリマー組成物は、以下を含むことができる;あるいは、以下から本質的になることができる;または代替的に、以下からなることができる;(1)ポリマー、および(2)アルミナ製品。
【0012】
用語「a」、「an」、および「the」は、別段の指定がない限り、複数の代替手段、例えば少なくとも1つを含むことが意図されている。
【0013】
通常、元素の族は、Chemical and Engineering News, 63(5), 27, 1985に掲載されている元素周期表のバージョンに示された番号付けスキームを用いて示される。いくつかの例では、元素の族は、族に割り当てられた共通の名前を用いて示すことができる;例えば、第1族元素のアルカリ金属、第2族元素のアルカリ土類金属など。
【0014】
「接触させる」という用語は、ブレンドする、混合する、スラリー化する、溶解する、反応する、処理する、配合する、あるいは他の何らかの方法で、または任意の適切な方法によって接触もしくは組み合わせることができる材料または成分を指すために本明細書で使用される。材料または成分は、別段の指定がない限り、任意の順序で、任意の方法で、および任意の期間にわたって一緒に接触させることができる。
【0015】
本明細書に記載のものと類似のまたは等価な任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、典型的な方法および材料を本明細書に記載する。
【0016】
本明細書で言及される全ての刊行物および特許は、例えば、目下記載の発明に関連して使用され得る刊行物および特許に記載の構築物および方法論を記載および開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
いくつかの種類の範囲が本発明に開示される。任意の種類の範囲が開示または特許請求される場合、そのような範囲が合理的に包含し得る各可能な数を個々に開示または請求することが意図され、範囲の終点ならびに任意の部分的範囲およびその中に包含される部分的範囲の組み合わせが含まれる。代表的な例として、アルミナ製品のd90粒子径は、本発明のさまざまな態様において特定の範囲内にあることができる。d90粒子径が約5〜約50μmの範囲内にあることができるという開示により、d90はこの範囲内の任意の粒子径であり、例えば、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmに等しくなり得ることを詳述することが意図される。さらに、d90粒子径は、約5〜約50μm(例えば、約6〜約30μm)の任意の範囲内であり得、これは、約5〜約50μmの範囲の任意の組合せも含む(例えば、 d90粒子径は、6〜約10μmまたは約16〜約28μmの範囲内であり得る)。同様に、本明細書に開示される他の全ての範囲は、この例と同様に解釈されるべきである。
【0018】
「約」という用語は、量、大きさ、処方、パラメーター、ならびに他の量および特性が正確ではなく、および正確である必要はないが、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に知られている他の因子を反映して、必要に応じて、より大きいものまたはより小さいものを含んで近似することができることを意味する。一般に、量、大きさ、処方、パラメーターならびに他の量または特性は、そうであることが明示されているか否かに関わらず、「約」または「おおよそ」である。用語「約」は、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。用語「約」によって修飾されているか否かにかかわらず、特許請求の範囲はその量の等価物を含む。「約」という用語は、報告された数値の10%以内、好ましくは報告された数値の5%以内を意味することができる。
【0019】
本明細書中には、マルチモーダル粒子径分布を有するアルミナ製品、およびアルミナ製品を含有するポリマー組成物および製造品が開示されている。
【0020】
予期せぬことに、非球状粒子を含むアルミナ製品は高密度充填を達成し、球状粒子と同じ高充填量でポリマーに充填できることが発見された。以下の理論に縛られることを望むものではないが、これらの驚くべき利点は、本明細書に開示の非球状アルミナ製品の特定の粒子径分布、か焼アルミナ粒子の不規則で非球状の形状、ならびに充填およびポリマー適合性を改善するように構成されたそれらの表面処理またはコーティングの結果であると考えられる。
【0021】
さらに、本明細書に開示の非球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物は、高いアルミナ充填量(例えば、80重量%から92〜93重量%まで)にもかかわらず、低粘度および良好な加工性、ならびに破断点引張伸びなどの優れたポリマーの機械的特性をもたらすことが発見された。加えて、および有利には、ポリマー組成物の高い等方性熱伝導率も達成された。さらに、以下の理論に縛られることを望むものではないが、本明細書に開示の非球状アルミナ製品を使用した等方性熱伝導率は、少なくとも部分的には、ポリマー組成物中のアルミナ粒子の面間接触がより大きくなるために、球状粒子を用いて達成される等方性熱伝導率に優ると考えられる。そして有利には、本明細書に開示の非球状アルミナ製品は、同等の球状粒子よりも費用効率的かつ経済的に製造することができると考えられる。
【0022】
(アルミナ製品)
本発明の一態様と一貫して、アルミナ製品は、微粒子径成分および粗粒子径成分を有することができ、アルミナ製品は、約1〜約20μmの範囲のd50粒子径、および約5〜約50μmの範囲のd90粒子径によって特徴付けることができる。本発明の「アルミナ製品」は、「アルミナ組成物」または「アルミナ混合物」とも呼ばれ得る;これらの用語は、本開示を通じて交換可能に使用され得る。同様に、「微」粒子径成分は、「小」粒子径成分または「第1」粒子径成分とも呼ばれ得る;これらの用語は、本開示を通じて交換可能に使用され得る。同様に、「粗」粒子径成分は、「大」粒子径成分または「第2」粒子径成分とも呼ばれ得る;これらの用語は、本開示を通じて交換可能に使用され得る。本発明の別の態様と一貫して、アルミナ製品は、微粒子径成分および粗粒子径成分を有することができ、微粒子径成分は、約0.3〜約6μmの範囲のd50粒子径を有することができ、粗粒子径成分は、約3〜約35μmの範囲のd50粒子径を有することができる。アルミナ製品中の微粒子径成分の量は、特に限定されない;しかしながら、微粒子径成分の量は、多くの場合、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%に及ぶことができる。
【0023】
さらなる態様では、本発明と一貫するアルミナ製品は、以下に提供される特徴または特性のいずれかを、任意の組み合わせで有することもできる。
【0024】
いくつかの態様では、アルミナ製品のd50粒子径(メジアン粒子径)は、約1〜約20μmの範囲、例えば、約1〜約10μm、約2〜約10μm、約1〜約7μm、約1〜約6μm、約1.5〜約7μm、約1.5〜約6μm、約1〜約5μm、約1.5〜約5μm、または約1.5〜約4.5μmなどであり得る。d50粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0025】
いくつかの態様では、アルミナ製品のd90粒子径(粒子の90%がd90粒子径以下の粒子径を有する)は、約5〜約50μmの範囲、例えば、約7〜約35μm、約7〜約32μm、約5〜約35μm、約6〜約40μm、約6〜約30μm、約15〜約40μm、約16〜約30μm、約16〜約28μm、約6〜約25μm、または約7〜約28μmなどであり得る。d90粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0026】
一般に、例えば、ダウンゲージングまたはより薄い最終用途への応用のために、アルミナ製品が約100μm以下のd100(最大)粒子径を有することが有益であり得る。一態様では、d100粒子径は、約85μm以下、または約75μm以下であり得るが、別の態様では、d100粒子径は、約65μm以下、約60μm以下、または約50μm以下であり得る。アルミナ製品の他の適切な最大d100粒子径は、本開示から容易に明らかである。
【0027】
本発明の態様と一貫して、アルミナ製品は、多くの場合、約1,600〜約2,500、約1,700〜約2,500、または約1,800〜約2,500kg/m3の範囲内に入る、予想外に高いタップ密度を有することができる。さらなる態様では、タップ密度は、約1,800〜約2,400、約1,900〜約2,400、約1,800〜約2,300、または約1,900〜約2,300kg/m3の範囲内に入ることができる。タップ密度についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0028】
微粒子径成分は、典型的には、約6μm以下のd50粒子径を有する。例えば、微粒子径成分のd50は、多くの場合、約0.3〜約6μm;あるいは、約0.5〜約6μm;あるいは、約0.5〜約5μm;あるいは、約0.5〜約4μm;あるいは、約0.8〜約4.5μm;あるいは、約0.8〜約3.5μm;あるいは、約1〜約5μm;あるいは、約1〜約4.5μm;あるいは、約1〜約4μm;あるいは、約1.5〜約4.5μm;あるいは、約2〜約4μmの範囲内に入ることができる。微粒子径成分のd50粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0029】
微粒子径成分は、d90粒子径によってさらに特徴付けることができ、それは多くの場合、約1.5〜約25μmの範囲内に入り、これは粒子を製造する際に使用される粉砕手順に基づいて変化し得る。一態様では、微粒子径成分のd90は、約2〜約20μm、約2〜約18μm、または約1〜約16μmの範囲内に入ることができる。別の態様では、微粒子径成分のd90は、約3〜約20μm、約3〜約18μm、または約3〜約16μmの範囲内に入ることができる。さらに、別の態様では、微粒子径成分のd90は、約4〜約20μm、約4〜約18μm、または約4〜約16μmの範囲内に入ることができる。微粒子径成分のd90粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0030】
微粒子径成分の表面積は、いかなる特定の範囲にも限定されない;しかしながら、微粒子径成分のBET表面積は、多くの場合、約0.5〜約20m2/gの範囲内に入る。いくつかの態様では、BET表面積は、約0.5〜約8、または約1〜約8m2/gの範囲内であり得るが、他の態様では、BET表面積は、約0.8〜約5、約0.8〜約4、約1〜約5m2/gなどの範囲内であり得る。微粒子径成分のBET表面積についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0031】
一般に、粗粒子径成分は、約35μm以下のd50粒子径を有する。例えば、粗粒子径成分のd50は、多くの場合、約3〜約35μm;あるいは、約5〜約25μm;あるいは、約7〜約35μm;あるいは、約8〜約35μm;あるいは、約8〜約30μm;あるいは、約8〜約25μm;あるいは、約8〜約22μm;あるいは、約10〜約35μm;あるいは、約10〜約30μm;あるいは、約10〜約25μm;あるいは、約10〜約20μm;あるいは、約12〜約30μm;あるいは、約12〜約22μmの範囲内に入ることができる。粗粒子径成分のd50粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0032】
粗粒子径成分は、d90粒子径によってさらに特徴付けることができ、それは多くの場合、約15〜約65μmの範囲内に入る。一態様では、粗粒子径成分のd90は、約20〜約65μm、約20〜約60μm、または約20〜約55μmの範囲内に入ることができる。別の態様では、粗粒子径成分のd90は、約25〜約65μm、約25〜約60μm、または約25〜約55μmの範囲内に入ることができる。さらに、別の態様では、粗粒子径成分のd90は、約25〜約50μm、約30〜約55μm、または約30〜約50μmの範囲内に入ることができる。粗粒子径成分のd90粒子径についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0033】
粗粒子径成分の表面積は、いかなる特定の範囲にも限定されない;しかしながら、粗粒子径成分のBET表面積は、多くの場合、約0.1〜約1.5m2/gの範囲内に入る。いくつかの態様では、BET表面積は約0.1〜約1、または約0.2〜約1m2/gの範囲内などであり得るが、他の態様では、BET表面積は約0.25〜約1.5、約0.25〜約1、約0.25〜約0.85m2/gなどの範囲内であり得る。粗粒子径成分のBET表面積についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0034】
アルミナ製品中の微粒子径成分と粗粒子径成分の相対量は、特に限定されない。しかしながら、アルミナ製品中の微粒子径成分の量は、通常、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%の範囲内に入る。さらなる態様では、微粒子径成分の量についての他の適切な非限定的な範囲には、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、以下が含まれる:約20〜約80重量%、約30〜約80重量%、約40〜約80重量%、約50〜約80重量%、約30〜約70重量%、約40〜約70重量%、約40〜約60重量%、約45〜約75重量%、または約45〜約65重量%。アルミナ製品中の微粒子径成分および粗粒子径成分の相対量についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0035】
本発明のアルミナ材料は、通常、α-アルミナ含有量が非常に高くなり得る。例えば、アルミナ製品(および/または微粒子径成分、および/または粗粒子径成分)は、約80〜100重量%、約90〜100重量%、または約95〜100重量%のα-アルミナ含有量を有することができる。いくつかの態様では、アルミナ製品(および/または微粒子径成分、および/または粗粒子径成分)のα-アルミナ含有量は、約85〜約99重量%、約90〜約99重量%、または約92〜約99重量%であり得る。
【0036】
これらおよび他の態様では、アルミナ製品、微粒子径成分、および/または粗粒子径成分のいずれかは、か焼アルミナ粒子を含む(または本質的にそれらからなる、またはそれらからなる)ことができる。さらに、アルミナ製品、微粒子径成分、および/または粗粒子径成分のいずれかは、表面処理されたアルミナ粒子を含む(または本質的にそれらからなる、またはそれらからなる)ことができる。限定されるものではないが、表面処理の量は、典型的には、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.05〜約5重量%、または約0.1〜約1重量%に及ぶ。シラン系または脂肪酸系の表面処理、ならびにナノ金属粒子および炭素系添加剤(例えば、ナノチューブ、グラフェン)などの任意の適切な表面処理を使用することができ、これらの処理は、アルミナ製品のさまざまなポリマーとの適合性を改善することができる。アルミナ製品を表面処理またはコーティングするのに適した例示的および非限定的なシラン材料には、以下を挙げることができる:3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-シクロヘキシルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシラン、n-ドデシルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど、ならびにそれらの組み合わせ。
【0037】
通常、本発明の態様に一貫するアルミナ粒子の形状は、不規則および非球状と表すことができる。例えば、アルミナ製品、および/または微粒子径成分、および/または粗粒子径成分は、約1.5:1〜約30:1、約1.5:1〜約20:1、または約1.5:1〜約15:1の範囲の平均アスペクト比によって特徴付けることができる。アスペクト比は、最長(測定可能)粒子寸法を最短寸法で割ったものとして本明細書で定義される。一例として、粒子がディスク形状である場合、最短寸法はディスクの厚さである。本発明のさらなる態様では、平均アスペクト比は、約2:1〜約30:1、約2:1〜約15:1、約2:1〜約10:1、約2.5:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約3:1〜約10:1、または約4:1〜約8:1の範囲内にあることができる。他の適切な平均アスペクト比は、本開示から容易に明らかである。アスペクト比およびその測定に関する追加情報は、以下の実施例に示されており、図14〜20を参照する。
【0038】
追加的または代替的に、アルミナ製品、および/または微細成分、および/または粗成分の不規則で非球状の特質は、粒子の平均球形度および/または平均真円度によって定量することができる。例えば、平均球形度および/または平均真円度は、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4〜約0.6の範囲、約0.3〜約0.6の範囲、約0.3〜約0.5の範囲、または約0.5〜約0.7の範囲内にあることができる。通常の粒子形状は、米国特許第8,945,517号明細書(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているように、角ばっているまたは部分的に角ばっていると表すことができる。粒子形状に関する追加情報は、以下の実施例に示されており、図1〜6および図7A〜7Bを参照する。
【0039】
必須ではないが、アルミナ製品は、特定の領域において改善された性能を提供するために、さまざまな量の相乗剤材料または化合物を含有することもできる。一例として、アルミナ製品は、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、グラファイト、または任意の難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、もしくはリン/窒素含有難燃剤)など、またはそれらの組み合わせなどの相乗剤化合物をさらに含むことができる。相乗剤化合物の典型的な充填量は、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.5〜約30重量%、約1〜約25重量%、約1〜約20重量%、または約2〜約15重量%に及ぶことができる。
【0040】
(アルミナ製品を含有する組成物)
本発明はまた、本明細書に開示のアルミナ製品のいずれか(およびそれらのそれぞれの特性または特徴、例えば、アルミナ製品の粒子径分布、微粒子径成分、および粗粒子径成分など)を含有する任意の組成物、製剤、および製造品を対象とし、包含する。本発明の特定の態様では、ポリマー組成物が開示されており、この態様では、ポリマー組成物は、任意の適切なポリマー(1つまたは1つより多く)および本明細書に開示のアルミナ製品のいずれかを含むことができる。
【0041】
一態様では、ポリマー組成物中のポリマーは熱可塑性ポリマーを含むことができ、別の態様では、ポリマーは熱硬化性ポリマーを含むことができる。別の態様では、ポリマーは、エポキシ、アクリル、エステル、ウレタン、シリコーン、および/またはフェノールを、単独でまたは任意の組み合わせで含むことができる。さらに別の態様では、ポリマーは、ポリエチレン(例えば、エチレンホモポリマーまたはエチレン系コポリマー)、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル(EVA)コポリマー、および/またはポリオレフィン-スチレン(例えば、エチレン-スチレン)を、単独でまたは任意の組み合わせで含むことができる。さらに別の態様では、ポリマーは、ニトリル、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、スチレンブタジエンなど、ならびにそれらの任意の組み合わせをベースとするゴムおよび/またはエラストマーを含むことができる。
【0042】
限定されるものではないが、アルミナ製品の量は、ポリマー組成物(総重量)に基づいて、多くの場合、約10〜約93重量%、約50〜約93重量%、約80〜約93重量%、約10〜約92重量%、約50〜約92重量%、約80〜約92重量%、または約82〜約90重量%に及ぶことができる。同様に、アルミナ製品の量は、ポリマー組成物(総容積)に基づいて、多くの場合、約15〜約75容積%、約40〜約75容積%、約47〜約74容積%、約48〜約73容積%、または約50〜約70容積%に及ぶことができる。ポリマー組成物中のアルミナ製品の他の適切な充填量は、本開示から容易に明らかである。
【0043】
有利には、アルミナ製品は、ポリマー組成物に改善された熱伝導率をもたらすことができる。ポリマー組成物の典型的な等方性熱伝導率は、通常、約0.5〜約10W/m・K(ワット/メートルケルビン)、約0.5〜約8W/m・K、約1〜約6W/m・K、約1〜約5W/m・K、または約1〜約3W/m・Kなどに及ぶことができる。
【0044】
本発明のいくつかの態様では、本発明のポリマー組成物は、(本明細書に開示の非球状アルミナ製品と)同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有することができる。追加的または代替的に、ポリマー組成物は、(本明細書に開示のアルミナ製品の粒子径特性とは)異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有することができる。
【0045】
本明細書に開示のアルミナ製品の有利な充填特性に少なくとも部分的に起因するため、ポリマー組成物は比較的低粘度であり、追加的または代替的に、低せん断速度領域におけるせん断速度と実質的に無関係な粘度を有することができる。一態様では、ポリマー組成物は、(本明細書に開示のアルミナ製品の粒子径特性とは)異なる粒子径特性有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の粘度よりも低い粘度を有することができる。別の態様では、アルミナ製品は表面処理されたアルミナ製品であり得、ポリマー組成物は、せん断速度から実質的に独立した粘度を有することができる(粘度は、所定のせん断速度範囲にわたって、実質的に同じまたは一定(+/-10%)である)。例えば、せん断速度範囲は、5〜20秒-1、10〜20秒-1、または5〜15秒-1であり得る。粘度試験は、ポリエーテルポリオール中の72重量%アルミナ製品を23℃で使用して実施した。
【0046】
表面処理されたアルミナ製品と同様の条件(23℃でのポリエーテルポリオール中の72重量%アルミナ製品)の下で、ポリマー組成物は、約5,000〜約15,000mPa・秒、約5,000〜約10,000mPa・秒、約6,000〜約12,000mPa・秒、または約6,000〜約9,000mPa・秒に及ぶ、比較的低い粘度を有することができる。これは、5秒-1、または10秒-1、または15秒-1のせん断速度で測定することができる。
【0047】
未処理アルミナ製品と同様の条件(23℃でのポリエーテルポリオール中の72重量%アルミナ製品)の下で、ポリマー組成物は、約9,000〜約30,000mPa・秒、約9,000〜約25,000mPa・秒、約10,000〜約22,000mPa・秒、または約10,500〜約18,000mPa・秒に及ぶ、比較的低い粘度を有することができる。これは、5秒-1、または10秒-1、または15秒-1のせん断速度で測定することができる。
【0048】
高いアルミナ充填量(例えば、70重量%、80重量%)であっても、本発明によるポリマー組成物は、非常に良好なポリマー特性、例えば破断点伸びなどを維持することができる。いくつかの態様では、ポリマー組成物は、(本明細書に開示の非球状アルミナ製品と)同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有することができる。追加的または代替的に、ポリマー組成物は、(本明細書に開示のアルミナ製品の粒子径特性とは)異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有することができる。
【0049】
別の態様では、ポリマー組成物は、約500〜約1000%、または約600〜約900%の範囲の破断点伸びを有することができる。伸長試験は、0.885の密度のエチレン/1-オクテンコポリマー中の80重量%アルミナ製品を使用して実施され得る。
【0050】
アルミナ製品の存在により、ポリマー組成物は改善された難燃性を有することができる。一態様では、ポリマー組成物は、(本明細書に開示の非球状アルミナ製品と)同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有することができる。追加的または代替的に、ポリマー組成物は、(本明細書に開示のアルミナ製品の粒子径特性とは)異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有することができる。放熱率および発火時間試験は、EVA/PEブレンド中の60重量%アルミナ製品を使用して実施され得る。
【0051】
製造品は、本明細書に記載のポリマー組成物のいずれかから形成することができる、および/またはこれを含むことができる。一態様では、製造品は、ゲル、ペースト、またはコーティングを含むことができる。別の態様では、製造品は、(ポリマー)シートまたはフィルムを含むことができる。さらに別の態様では、製造品は、電子部品(例えば、半導体素子、回路基板など)を含むことができる。さらに別の態様では、製造品は、機能性シート、ICパッケージ、ヒートシンク、電力機器、テープ、パッド、熱間充填材、カプセル化化合物、接着剤、グリース、シール材、コーティング、SF6ガス回路遮断器、ソーラーパネルなどを含むことができる。他の適切な製造品および最終用途への応用は、本開示から容易に明らかである。
【実施例】
【0052】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書の説明を読んだ後でさまざまな他の態様、修正、およびそれらの等価物が、本発明の主旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者には考え浮かぶであろう。
【0053】
d50粒子径、またはメジアン粒子径は、試料の50%が小さめのサイズであり、試料の50%が大きめのサイズである粒子径を指す。全ての粒子径測定値(d10、d50、d90、およびd100を含む)は、ISO 13320に準拠したQuantachromeのCilas 1064 Lレーザー分光計を用いたレーザー回折によって測定した。
【0054】
本明細書に開示のBET表面積は、Micromeritics Gemini VおよびGemini VII機器を用いてDIN-66132に準拠して測定した。
【0055】
タップ密度は、ISO 787第11部、ASTM B 527-93に準拠し、揺動容積計STAV 2003を使用した。250mLの標準メスシリンダーに200gの試料を充填し、次いで試料容積が一定になるまで振った(典型的には1250回の振動で十分であった)。最終容積を記録して使用し、使用した試料の重量でそれを割ることによってタップ密度を計算した。
【0056】
D2 Phaser Bruker AXSでのX線回折により、標準的な測定パラメーターを使用してBrukerの取扱説明書に従い、α-アルミナの相対量を測定した。α-アルミナ含有量は、ソフトウェア「Diffrac EVA」バージョン2.0で測定した。位相特異的X線回折実験の方法および機器条件は、以下の通りであった:放射線:Cukα1;発電機電圧:30kV;発電機電流:10mA;反射角2θは、2θ範囲34.6°〜36.0°ならびに42.8°および44.2°に対応する反射(104)と(113)とで測定した。ステップサイズは0.01°/ステップであり、測定は1秒/ステップであった。特定の試料の2つの得られた強度の合計を、α-含有率が100%の純粋なアルファ-アルミナである標準との関連で比較した。したがって、強度の合計は、試料のα-アルミナ含有量に正比例した。試料のα-アルミナ含有率の百分率は、1Pに100を掛け、1Sで割ることにより計算したが、ここで1Pは試料の積分強度(ピーク104と113の和)とし、1Sは標準の積分強度(ピーク104と113の和)とした。
【0057】
ポリマー組成物のアルミナとポリマー成分との組み込みおよび添加の適切な方法を使用し、アルミナ製品の均一な混合および分布を確実にした。典型的な装置には、Buss Ko-Kneader、内部ミキサー、Farrel連続ミキサー、または二軸押出機、ならびに場合によっては単軸押出機または2つのロールミルが含まれ得る。その後、配合された製品を、後続の加工工程で成形または押出することができる。
【0058】
RheoStress(登録商標)6000回転粘度計、回転子Z25(DIN53019)を用いて23℃におけるポリマー組成物の粘度を測定した。破断点引張強さおよび伸びは、DIN 53504およびEN ISO 527に準拠して測定した。コーン熱量測定を、ASTM E 1354に準拠し、35kW/m2で厚さ3mmの圧縮成形プレート上で実施した。発火時間は、コーン熱量測定機での熱ばく露によって試料が発火する時間である。
【0059】
THASYS(THA01-1419)ASTM 1114-06による23℃での定常状態法を使用して、スループレーン(等方性)熱伝導率測定を行った。通常、「スループレーン」熱伝導率の値は、他の試験手順および装置を用いて測定される熱伝導率の値より低い(例えば、多くの場合0.1〜2W/m・Kの差で)。
【0060】
(実施例1)
実施例1のアルミナ製品を、微粒子径成分および粗粒子径成分から製造した。微粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が1.8μm、d90粒子径が4.4μm、BET表面積が2.2m2/gであった。Bayerプロセスを使用して原料を製造し、続いて1350℃でか焼し、次いでボールミルで最終粒子径にして、微粒子径成分を製造した。図1は、微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図1は、微粒子径成分中の不規則形状で非球状の粒子を示す。
【0061】
粗粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が16μm、d90粒子径が33μm、およびBET表面積が0.4m2/gであった。粗粒子径成分は、微粒子径成分と同様の方法で製造した。図2〜4は、粗粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図2〜4は、粗粒子径成分中の不規則形状で非球状の粒子(例えば、板状、円盤状)を示す。実施例セクションの最後で、および図14〜16を参照してさらに議論されるように、粗粒子径成分の平均アスペクト比は約5:1であった。
【0062】
図7Aは、粒子の球形度および真円度の図的表現である;微粒子径成分および粗粒子径成分は、通常、約0.3〜約0.7の球形度値および約0.3〜約0.7の真円度値を有していた。図7Bは、粒子真円度のさまざまなカテゴリーの図的表現である;微粒子径成分および粗粒子径成分は、通常、角ばった粒子および部分的に角ばった粒子を含有していた。
【0063】
微粒子径成分および粗粒子径成分を等量(50重量%微粒子および50重量%粗粒子)で混合し、実施例1のアルミナ製品を形成した。図8は、実施例1のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.4μm、d50が2.8μm、d90が21.5μm、およびd100が45μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が2,160kg/m3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0064】
(実施例2)
実施例2のアルミナ製品は、実施例1の微粒子径成分65重量%と粗大粒子径35重量%とを混合することによって製造した。微粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が4μm、d90粒子径が11μm、BET表面積が1.2m2/gであった。実施例2の微粒子径成分は、実施例1の微粒子径成分と同様の方法で製造したが、板状または円盤状の粒子をより多く含んでいた。
【0065】
図5〜6は、実施例2の微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図5〜6は、微粒子径成分中の不規則板状で非球状の粒子を示す。実施例セクションの最後で、および図17〜20を参照してさらに議論されるように、微粒子径成分の平均アスペクト比は約7:1であった。
【0066】
図9は、実施例2のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.75μm、d50が4.8μm、d90が28μm、およびd100が75μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が2100kg/m3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0067】
(実施例3)
実施例3のアルミナ製品は、実施例1の微粒子径成分75重量%と実施例1の粗粒子径成分25重量%とを混合することによって製造した。図10は、実施例3のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.3μm、d50が1.95μm、d90が7.7μm、およびd100が32μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が1850kg/m3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0068】
(実施例4〜5)
実施例4は、実施例1のアルミナ製品を使用し、一方で実施例5は、実施例1と同じであるが、シラン表面処理のないアルミナ製品を使用した。各実施例において、アルミナ製品を、Caradol(登録商標)ポリエーテルポリオールと72重量%アルミナ充填量でブレンドした。図11は、23℃における実施例4および実施例5のポリマー組成物の粘度対せん断速度プロファイルのプロットを示す。予想外に、せん断速度範囲5〜20秒-1(または5〜15秒-1、または10〜20秒-1)内において、粘度は実質的に一定であり、せん断速度から独立していた。
【0069】
このせん断速度範囲内では、実施例4のポリマー組成物は、約7500mPa・秒の驚くほど低い粘度を有し、実施例5のポリマー組成物も、特に72重量%のアルミナ充填量を考えると、約11,000〜12,000mPa・秒の驚くほど低い粘度を有していた。これに対し、同じ試験条件下で、未処理の実施例1〜2の微粒子径成分は、約18,000〜20,000mPa・秒のより高い粘度を有し、表面処理された実施例1〜2の微粒子径成分は、10〜20秒-1のせん断速度範囲で、約12,000mPa・秒のより高い粘度を有していた。
【0070】
(実施例6)
実施例6は、実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例6では、アルミナ製品を、Engage(登録商標)8003ポリオレフィンエラストマー(0.885の密度のエチレン/1-オクテンコポリマー、190℃および2.16kgで1g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238))と、80重量%アルミナ充填量で配合した。実施例6のポリマー組成物(80重量%の実施例1のアルミナ製品を含有する)のメルトインデックスは、7.5g/10分であった。充填ポリマーの破断点伸びは870%であった。未処理の実施例1〜2の微粒子径成分を用いての相当する特性が約3.2g/10分(メルトインデックス)および306%(破断点伸び)であり、表面処理された実施例1〜2の微粒子径成分を用いてでは約5.3g/10分(メルトインデックス)および675%(破断点伸び)であったことから、高いメルトインデックス(低粘度)および高い伸び特性は予想外であった。
【0071】
(実施例7〜8)
実施例7〜8は、実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例7では、アルミナ製品を、75重量%EVAおよび25重量%ポリエチレンと、60重量%アルミナ充填量で配合した。実施例8は80重量%のアルミナ製品を使用した。図12は、実施例7(60重量%)および実施例8(80重量%)の放熱率(HRR)曲線を示す。予想外に、アルミナの量の増加は、発火時間の増加(図12における曲線の右側へのシフト)により示されるように、より良い難燃性をもたらした。
【0072】
(実施例9〜14)
実施例9〜14は実施例6のエチレン/1-オクテンコポリマーを使用し、実施例10〜14も実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例9はアルミナを全く含まず、実施例10は18容積%のアルミナ、実施例11は40容積%のアルミナを含有し、実施例12は47容積%のアルミナ(80重量%)を含有し、実施例13は56容積%のアルミナを含有し、実施例14は67容積%のアルミナを含有した。
【0073】
図13は、アルミナ充填量が増加するにつれて、スループレーン(等方性)熱伝導率が増加することを示す棒グラフである。1W/m・Kより大きく3W/m・Kまでの等方性熱伝導率は、図13に示すように、47容積%〜67容積%のアルミナを含有するポリマー組成物で達成した。
【0074】
(実施例15〜16)
実施例15〜16は、実施例1のアルミナ製品を使用したが、0.6重量%のシラン表面処理を含む。実施例15では、アルミナ製品を、二軸押出しにより、BASF Ultramid(登録商標)B29 HM 01無補強ポリアミドPA6(ナイロン6)と、50重量%アルミナ充填量で配合した。実施例16は70重量%アルミナ製品を使用した。以下の表に示すように、得られた実施例15〜16のポリマー組成物は、優れた機械的特性(高い破断点引張強さ、高い弾性係数、および比較的高い破断点伸び)ならびに優れた等方性熱伝導率を有していた。これらの組成物は、射出成形および他の用途において有益な加工性となる良好なレオロジー特性も有していた。
【0075】
【表1】
【0076】
(平均アスペクト比の測定)
以下は、粗粒子径成分の平均アスペクト比を測定するために使用される手順である。実施例1の粗粒子径成分の試料のいくつかのSEM写真を撮った(図14〜16参照)。SEM画像の数は、最小10個〜最大25個の粒子を測定するのに十分な量でなければならない。測定される粒子は、(1)粒子の厚さを測定することができ、(2)粒子の最も長い測定可能な寸法を測定することができるように、垂直方向(+/-10°)に配向される粒子である。当業者は容易に認識するように、これらの3次元粒子の2つの次元のみがSEM画像で見ることができ、定量化することができる。粗粒子径成分の場合、選択される粒子はD30〜D90範囲にあるものであり、したがって粉砕によって生じた破砕粒子または小粒子片は排除される。実施例1の粗粒子径成分については、図14〜16に示すように、24個の粒子を測定した。アスペクト比は、以下の表に要約するように、3.4:1〜7:1に及び、平均して約5:1であった。
【0077】
【表2】
【0078】
微粒子径成分の平均アスペクト比を測定する手順は、選択される粒子がD40〜D90範囲内のものであることを除いて、粗粒子径成分の場合と実質的に同じであり、粉砕によって生じた破砕粒子または小粒子片、ならびに正確に測定することが困難な非常に小さな粒子を排除する。実施例2の微粒子径成分については、微粒子径成分の試料のいくつかのSEM写真を撮影した(図17〜20を参照)。図17〜20に示すように、12個の粒子を測定した。アスペクト比は、以下の表に要約するように、4.7:1〜11.5:1に及び、平均して約7:1であった。
【0079】
【表3】
【0080】
本発明は、多数の態様および特定の実施例を参照して上に記載されている。上記の発明を実施するための形態に照らして、多くの変形形態が当業者には考え浮かぶであろう。そのような明らかな変形は全て、添付の特許請求の意図された範囲内にある。本発明の他の態様は、以下を含むことができるが、これらに限定されない(態様は「含む」と記載するが、その代りに、「から本質的になる」または「からなる」と記載することができる):
態様1
微粒子径成分および粗粒子径成分を有するアルミナ製品であって、
約1〜約20μmの範囲のd50粒子径;および
約5〜約50μmの範囲のd90粒子径を有する、アルミナ製品。
態様2
微粒子径成分および粗粒子径成分を有するアルミナ製品であって、
微粒子径成分が、約0.3〜約6μmの範囲のd50粒子径を有し;
粗粒子径成分が、約3〜約35μmの範囲のd50粒子径を有し;および
アルミナ製品中の微粒子径成分の量が、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%である、アルミナ製品。
態様3
アルミナ製品が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、約1〜約5μm、約1.5〜約5μm、もしくは約1.5〜約4.5μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、態様1または2で定義したアルミナ製品。
態様4
アルミナ製品が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約5〜約50μm、約6〜約40μm、約6〜約30μm、約15〜約40μm、約16〜約30μm、もしくは約16〜約28μmのd90粒子径によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様5
微粒子径成分が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.3〜約6μm、約0.5〜約5μm、約0.5〜約4μm、約0.8〜約3.5μm、もしくは約1.5〜約4.5μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様6
粗粒子径成分が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約3〜約35μm、約5〜約25μm、約8〜約22μm、約10〜約30μm、もしくは約12〜約22μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様7
アルミナ製品中の微粒子径成分の量が、任意の適切な範囲内、または本明細書に開示の任意の範囲内、例えば、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%、約20〜約80重量%、約30〜約80重量%、約40〜約80重量%、約50〜約80重量%、約30〜約70重量%、約40〜約70重量%、約40〜約60重量%、約45〜約75重量%、もしくは約45〜約65重量%である、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様8
アルミナ製品が、任意の適切な最大d100粒子径、または本明細書に開示の任意の最大d100粒子径、例えば約100μm以下、約75μm以下、60μm以下、もしくは約50μm以下によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様9
微粒子径成分が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1.5〜約25μm、約2〜約20μm、約2〜約18μm、もしくは約3〜約16μmのd90粒子径によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様10
粗粒子径成分が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約15〜約65μm、約20〜約60μm、約20〜約55μm、もしくは約25〜約50μmのd90粒子径によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様11
微粒子径成分が、任意の適切なBET表面積、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.5〜約10m2/g、約0.5〜約8m2/g、約1〜約8m2/g、もしくは約0.8〜約5m2/gのBET表面積によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様12
粗粒子径成分が、任意の適切なBET表面積、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.1〜約1.5m2/g、約0.2〜約1m2/g、約0.25〜約1.5m2/g、もしくは約0.25〜約1m2/gのBET表面積によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様13
アルミナ製品が、任意の適切なタップ密度、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1,600〜約2,500kg/m3、約1,700〜約2,500kg/m3、約1,800〜約2,400kg/m3、もしくは約1,800〜約2,300kg/m3のタップ密度によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様14
アルミナ製品(および/もしくは微粒子径成分、および/もしくは粗粒子径成分)が、任意の適切なα-アルミナ含有量、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約80〜100重量%、約90〜100重量%、約95〜100重量%、約85〜約99重量%、もしくは約90〜約99重量%のα-アルミナ含有量によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様15
アルミナ製品が、か焼アルミナ(すなわち、か焼アルミナ粒子)を含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様16
アルミナ製品が、表面処理されたアルミナ(すなわち、表面処理されたアルミナ粒子)を、任意の適切な量の表面処理、または本明細書に開示の任意の表面処理量、例えば、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.05〜約5重量%、もしくは約0.1〜約1重量%で含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様17
アルミナ製品が、表面処理されたアルミナ(すなわち、表面処理されたアルミナ粒子)を含み、表面処理が、任意の適切な表面処理、または本明細書に開示の任意の表面処理、例えば、シラン処理されたアルミナ、脂肪酸処理されたアルミナなど、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様18
アルミナ製品(および/もしくは微粒子径成分、および/もしくは粗粒子径成分)が、任意の適切な平均アスペクト比、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1.5:1〜約30:1、約2:1〜約15:1、約2.5:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、もしくは約4:1〜約8:1の平均アスペクト比によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様19
アルミナ製品(および/または微細成分、および/または粗成分)が、任意の適切な平均球形度(もしくは真円度)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.7以下、約0.6以下、もしくは約0.5以下の平均球形度(もしくは真円度)によって特徴付けられる不規則で非球状の粒子を含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様20
アルミナ製品が、任意の適切な相乗剤化合物、または本明細書に開示の任意の相乗剤化合物、例えば窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、グラファイト、もしくは任意の難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、もしくはリン/窒素含有難燃剤)など、またはそれらの組み合わせを、任意の適切な量で、または本明細書に開示の任意の量、例えば、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.5〜約30重量%、約1〜約25重量%、もしくは約1〜約20重量%でさらに含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様21
(a)ポリマー;および
(b)前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品
を含む、ポリマー組成物(製剤、複合物)。
態様22
ポリマーが、任意の適切なポリマー、または本明細書に開示の任意のポリマー、例えば、熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様23
ポリマーが、エポキシ、アクリル、エステル、ウレタン、シリコーン、フェノールなど、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様24
ポリマーが、ポリエチレン(例えば、ホモポリマーまたはエチレン系コポリマー)、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ポリオレフィン-スチレンなど、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様25
ポリマーが、ニトリル、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、スチレンブタジエンなど、またはそれらの組み合わせをベースとするゴムおよび/またはエラストマーを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様26
アルミナ製品の量が、総ポリマー組成物に基づいて、任意の適切な量、または本明細書に開示の任意の範囲内の量、例えば、約10〜約93重量%、約80〜約93重量%、もしくは約80〜約92重量%である、態様21〜25のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様27
アルミナ製品の量が、総ポリマー組成物に基づいて、任意の適切な量、または本明細書に開示の任意の範囲内の量、例えば、約15〜約75容積%、約47〜約74容積%、約48〜約73容積%、もしくは約50〜約70容積%である、態様21〜26のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様28
ポリマー組成物が、任意の適切な等方性熱伝導率、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.5〜約10W/m・K(ワット/メートルケルビン)、約0.5〜約8W/m・K、約1〜約6W/m・K、約1〜約5W/m・K、もしくは約1〜約3W/m・Kの等方性熱伝導率を有する、態様21〜27のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様29
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の粘度よりも低い粘度を有する、態様21〜28のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様30
アルミナ製品が表面処理され、ポリマー組成物がせん断速度から実質的に独立した粘度を有する、例えば、粘度が、5〜20秒-1、10〜20秒-1、または5〜15秒-1のせん断速度範囲にわたって、実質的に同じまたは一定(+/-10%)である、態様21〜29のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様31
アルミナ製品が表面処理され、ポリマー組成物が、5秒-1、または10秒-1、または15秒-1のせん断速度で、約5,000〜約15,000mPa・秒、約5,000〜約10,000mPa・秒、約6,000〜約12,000mPa・秒、または約6,000〜約9,000mPa・秒の範囲の粘度を有する、態様21〜30のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様32
アルミナ製品が未処理であり、ポリマー組成物が、5秒-1、または10秒-1、または15秒-1のせん断速度で、約9,000〜約30,000mPa・秒、約9,000〜約25,000mPa・秒、約10,000〜約22,000mPa・秒、または約10,500〜約18,000mPa・秒の範囲の粘度を有する、態様21〜31のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様33
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有する、態様21〜32のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様34
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有する、態様21〜33のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様35
ポリマー組成物が、約500〜約1000%、または約600〜約900%の範囲の破断点伸びを有する、態様21〜34のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様36
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有する、態様21〜35のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様37
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有する、態様21〜36のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様38
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有する、態様21〜37のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様39
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有する、態様21〜38のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様40
態様21〜39のいずれか一項で定義したポリマー組成物を含む製造品。
態様41
製造品が、ゲル、ペースト、またはコーティングを含む、態様40で定義した製造品。
態様42
製造品が、シートまたはフィルムを含む、態様40で定義した製造品。
態様43
製造品が、電子部品(例えば、半導体素子、回路基板など)を含む、態様40で定義した製造品。
態様44
製造品が、機能性シート、ICパッケージ、ヒートシンク、電力機器、テープ、パッド、熱間充填材、カプセル化化合物、接着剤、グリース、シール材、コーティング、SF6ガス回路遮断器、ソーラーパネルなどを含む、態様40で定義した製造品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【国際調査報告】