【実施例】
【0052】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書の説明を読んだ後でさまざまな他の態様、修正、およびそれらの等価物が、本発明の主旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者には考え浮かぶであろう。
【0053】
d50粒子径、またはメジアン粒子径は、試料の50%が小さめのサイズであり、試料の50%が大きめのサイズである粒子径を指す。全ての粒子径測定値(d10、d50、d90、およびd100を含む)は、ISO 13320に準拠したQuantachromeのCilas 1064 Lレーザー分光計を用いたレーザー回折によって測定した。
【0054】
本明細書に開示のBET表面積は、Micromeritics Gemini VおよびGemini VII機器を用いてDIN-66132に準拠して測定した。
【0055】
タップ密度は、ISO 787第11部、ASTM B 527-93に準拠し、揺動容積計STAV 2003を使用した。250mLの標準メスシリンダーに200gの試料を充填し、次いで試料容積が一定になるまで振った(典型的には1250回の振動で十分であった)。最終容積を記録して使用し、使用した試料の重量でそれを割ることによってタップ密度を計算した。
【0056】
D2 Phaser Bruker AXSでのX線回折により、標準的な測定パラメーターを使用してBrukerの取扱説明書に従い、α-アルミナの相対量を測定した。α-アルミナ含有量は、ソフトウェア「Diffrac EVA」バージョン2.0で測定した。位相特異的X線回折実験の方法および機器条件は、以下の通りであった:放射線:Cu
kα1;発電機電圧:30kV;発電機電流:10mA;反射角2θは、2θ範囲34.6°〜36.0°ならびに42.8°および44.2°に対応する反射(104)と(113)とで測定した。ステップサイズは0.01°/ステップであり、測定は1秒/ステップであった。特定の試料の2つの得られた強度の合計を、α-含有率が100%の純粋なアルファ-アルミナである標準との関連で比較した。したがって、強度の合計は、試料のα-アルミナ含有量に正比例した。試料のα-アルミナ含有率の百分率は、1Pに100を掛け、1Sで割ることにより計算したが、ここで1Pは試料の積分強度(ピーク104と113の和)とし、1Sは標準の積分強度(ピーク104と113の和)とした。
【0057】
ポリマー組成物のアルミナとポリマー成分との組み込みおよび添加の適切な方法を使用し、アルミナ製品の均一な混合および分布を確実にした。典型的な装置には、Buss Ko-Kneader、内部ミキサー、Farrel連続ミキサー、または二軸押出機、ならびに場合によっては単軸押出機または2つのロールミルが含まれ得る。その後、配合された製品を、後続の加工工程で成形または押出することができる。
【0058】
RheoStress(登録商標)6000回転粘度計、回転子Z25(DIN53019)を用いて23℃におけるポリマー組成物の粘度を測定した。破断点引張強さおよび伸びは、DIN 53504およびEN ISO 527に準拠して測定した。コーン熱量測定を、ASTM E 1354に準拠し、35kW/m
2で厚さ3mmの圧縮成形プレート上で実施した。発火時間は、コーン熱量測定機での熱ばく露によって試料が発火する時間である。
【0059】
THASYS(THA01-1419)ASTM 1114-06による23℃での定常状態法を使用して、スループレーン(等方性)熱伝導率測定を行った。通常、「スループレーン」熱伝導率の値は、他の試験手順および装置を用いて測定される熱伝導率の値より低い(例えば、多くの場合0.1〜2W/m・Kの差で)。
【0060】
(実施例1)
実施例1のアルミナ製品を、微粒子径成分および粗粒子径成分から製造した。微粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が1.8μm、d90粒子径が4.4μm、BET表面積が2.2m
2/gであった。Bayerプロセスを使用して原料を製造し、続いて1350℃でか焼し、次いでボールミルで最終粒子径にして、微粒子径成分を製造した。図1は、微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図1は、微粒子径成分中の不規則形状で非球状の粒子を示す。
【0061】
粗粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が16μm、d90粒子径が33μm、およびBET表面積が0.4m
2/gであった。粗粒子径成分は、微粒子径成分と同様の方法で製造した。図2〜4は、粗粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図2〜4は、粗粒子径成分中の不規則形状で非球状の粒子(例えば、板状、円盤状)を示す。実施例セクションの最後で、および図14〜16を参照してさらに議論されるように、粗粒子径成分の平均アスペクト比は約5:1であった。
【0062】
図7Aは、粒子の球形度および真円度の図的表現である;微粒子径成分および粗粒子径成分は、通常、約0.3〜約0.7の球形度値および約0.3〜約0.7の真円度値を有していた。図7Bは、粒子真円度のさまざまなカテゴリーの図的表現である;微粒子径成分および粗粒子径成分は、通常、角ばった粒子および部分的に角ばった粒子を含有していた。
【0063】
微粒子径成分および粗粒子径成分を等量(50重量%微粒子および50重量%粗粒子)で混合し、実施例1のアルミナ製品を形成した。図8は、実施例1のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.4μm、d50が2.8μm、d90が21.5μm、およびd100が45μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が2,160kg/m
3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0064】
(実施例2)
実施例2のアルミナ製品は、実施例1の微粒子径成分65重量%と粗大粒子径35重量%とを混合することによって製造した。微粒子径成分は、シラン表面処理が0.3重量%、d50粒子径が4μm、d90粒子径が11μm、BET表面積が1.2m
2/gであった。実施例2の微粒子径成分は、実施例1の微粒子径成分と同様の方法で製造したが、板状または円盤状の粒子をより多く含んでいた。
【0065】
図5〜6は、実施例2の微粒子径成分の走査型電子顕微鏡写真である;図5〜6は、微粒子径成分中の不規則板状で非球状の粒子を示す。実施例セクションの最後で、および図17〜20を参照してさらに議論されるように、微粒子径成分の平均アスペクト比は約7:1であった。
【0066】
図9は、実施例2のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.75μm、d50が4.8μm、d90が28μm、およびd100が75μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が2100kg/m
3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0067】
(実施例3)
実施例3のアルミナ製品は、実施例1の微粒子径成分75重量%と実施例1の粗粒子径成分25重量%とを混合することによって製造した。図10は、実施例3のアルミナ製品の粒子径分布を示しており、要約すると、アルミナ製品は、d10が0.3μm、d50が1.95μm、d90が7.7μm、およびd100が32μmであった。アルミナ製品はまた、タップ密度が1850kg/m
3であり、α-アルミナ含有量が95重量%を超えていた。
【0068】
(実施例4〜5)
実施例4は、実施例1のアルミナ製品を使用し、一方で実施例5は、実施例1と同じであるが、シラン表面処理のないアルミナ製品を使用した。各実施例において、アルミナ製品を、Caradol(登録商標)ポリエーテルポリオールと72重量%アルミナ充填量でブレンドした。図11は、23℃における実施例4および実施例5のポリマー組成物の粘度対せん断速度プロファイルのプロットを示す。予想外に、せん断速度範囲5〜20秒
-1(または5〜15秒
-1、または10〜20秒
-1)内において、粘度は実質的に一定であり、せん断速度から独立していた。
【0069】
このせん断速度範囲内では、実施例4のポリマー組成物は、約7500mPa・秒の驚くほど低い粘度を有し、実施例5のポリマー組成物も、特に72重量%のアルミナ充填量を考えると、約11,000〜12,000mPa・秒の驚くほど低い粘度を有していた。これに対し、同じ試験条件下で、未処理の実施例1〜2の微粒子径成分は、約18,000〜20,000mPa・秒のより高い粘度を有し、表面処理された実施例1〜2の微粒子径成分は、10〜20秒
-1のせん断速度範囲で、約12,000mPa・秒のより高い粘度を有していた。
【0070】
(実施例6)
実施例6は、実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例6では、アルミナ製品を、Engage(登録商標)8003ポリオレフィンエラストマー(0.885の密度のエチレン/1-オクテンコポリマー、190℃および2.16kgで1g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238))と、80重量%アルミナ充填量で配合した。実施例6のポリマー組成物(80重量%の実施例1のアルミナ製品を含有する)のメルトインデックスは、7.5g/10分であった。充填ポリマーの破断点伸びは870%であった。未処理の実施例1〜2の微粒子径成分を用いての相当する特性が約3.2g/10分(メルトインデックス)および306%(破断点伸び)であり、表面処理された実施例1〜2の微粒子径成分を用いてでは約5.3g/10分(メルトインデックス)および675%(破断点伸び)であったことから、高いメルトインデックス(低粘度)および高い伸び特性は予想外であった。
【0071】
(実施例7〜8)
実施例7〜8は、実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例7では、アルミナ製品を、75重量%EVAおよび25重量%ポリエチレンと、60重量%アルミナ充填量で配合した。実施例8は80重量%のアルミナ製品を使用した。図12は、実施例7(60重量%)および実施例8(80重量%)の放熱率(HRR)曲線を示す。予想外に、アルミナの量の増加は、発火時間の増加(図12における曲線の右側へのシフト)により示されるように、より良い難燃性をもたらした。
【0072】
(実施例9〜14)
実施例9〜14は実施例6のエチレン/1-オクテンコポリマーを使用し、実施例10〜14も実施例1のアルミナ製品を使用した。実施例9はアルミナを全く含まず、実施例10は18容積%のアルミナ、実施例11は40容積%のアルミナを含有し、実施例12は47容積%のアルミナ(80重量%)を含有し、実施例13は56容積%のアルミナを含有し、実施例14は67容積%のアルミナを含有した。
【0073】
図13は、アルミナ充填量が増加するにつれて、スループレーン(等方性)熱伝導率が増加することを示す棒グラフである。1W/m・Kより大きく3W/m・Kまでの等方性熱伝導率は、図13に示すように、47容積%〜67容積%のアルミナを含有するポリマー組成物で達成した。
【0074】
(実施例15〜16)
実施例15〜16は、実施例1のアルミナ製品を使用したが、0.6重量%のシラン表面処理を含む。実施例15では、アルミナ製品を、二軸押出しにより、BASF Ultramid(登録商標)B29 HM 01無補強ポリアミドPA6(ナイロン6)と、50重量%アルミナ充填量で配合した。実施例16は70重量%アルミナ製品を使用した。以下の表に示すように、得られた実施例15〜16のポリマー組成物は、優れた機械的特性(高い破断点引張強さ、高い弾性係数、および比較的高い破断点伸び)ならびに優れた等方性熱伝導率を有していた。これらの組成物は、射出成形および他の用途において有益な加工性となる良好なレオロジー特性も有していた。
【0075】
【表1】
【0076】
(平均アスペクト比の測定)
以下は、粗粒子径成分の平均アスペクト比を測定するために使用される手順である。実施例1の粗粒子径成分の試料のいくつかのSEM写真を撮った(図14〜16参照)。SEM画像の数は、最小10個〜最大25個の粒子を測定するのに十分な量でなければならない。測定される粒子は、(1)粒子の厚さを測定することができ、(2)粒子の最も長い測定可能な寸法を測定することができるように、垂直方向(+/-10°)に配向される粒子である。当業者は容易に認識するように、これらの3次元粒子の2つの次元のみがSEM画像で見ることができ、定量化することができる。粗粒子径成分の場合、選択される粒子はD30〜D90範囲にあるものであり、したがって粉砕によって生じた破砕粒子または小粒子片は排除される。実施例1の粗粒子径成分については、図14〜16に示すように、24個の粒子を測定した。アスペクト比は、以下の表に要約するように、3.4:1〜7:1に及び、平均して約5:1であった。
【0077】
【表2】
【0078】
微粒子径成分の平均アスペクト比を測定する手順は、選択される粒子がD40〜D90範囲内のものであることを除いて、粗粒子径成分の場合と実質的に同じであり、粉砕によって生じた破砕粒子または小粒子片、ならびに正確に測定することが困難な非常に小さな粒子を排除する。実施例2の微粒子径成分については、微粒子径成分の試料のいくつかのSEM写真を撮影した(図17〜20を参照)。図17〜20に示すように、12個の粒子を測定した。アスペクト比は、以下の表に要約するように、4.7:1〜11.5:1に及び、平均して約7:1であった。
【0079】
【表3】
【0080】
本発明は、多数の態様および特定の実施例を参照して上に記載されている。上記の発明を実施するための形態に照らして、多くの変形形態が当業者には考え浮かぶであろう。そのような明らかな変形は全て、添付の特許請求の意図された範囲内にある。本発明の他の態様は、以下を含むことができるが、これらに限定されない(態様は「含む」と記載するが、その代りに、「から本質的になる」または「からなる」と記載することができる):
態様1
微粒子径成分および粗粒子径成分を有するアルミナ製品であって、
約1〜約20μmの範囲のd50粒子径;および
約5〜約50μmの範囲のd90粒子径を有する、アルミナ製品。
態様2
微粒子径成分および粗粒子径成分を有するアルミナ製品であって、
微粒子径成分が、約0.3〜約6μmの範囲のd50粒子径を有し;
粗粒子径成分が、約3〜約35μmの範囲のd50粒子径を有し;および
アルミナ製品中の微粒子径成分の量が、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%である、アルミナ製品。
態様3
アルミナ製品が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1〜約20μm、約1〜約10μm、約2〜約10μm、約1〜約5μm、約1.5〜約5μm、もしくは約1.5〜約4.5μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、態様1または2で定義したアルミナ製品。
態様4
アルミナ製品が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約5〜約50μm、約6〜約40μm、約6〜約30μm、約15〜約40μm、約16〜約30μm、もしくは約16〜約28μmのd90粒子径によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様5
微粒子径成分が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.3〜約6μm、約0.5〜約5μm、約0.5〜約4μm、約0.8〜約3.5μm、もしくは約1.5〜約4.5μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様6
粗粒子径成分が、任意の適切なメジアン粒子径(d50)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約3〜約35μm、約5〜約25μm、約8〜約22μm、約10〜約30μm、もしくは約12〜約22μmのメジアン粒子径(d50)によって特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様7
アルミナ製品中の微粒子径成分の量が、任意の適切な範囲内、または本明細書に開示の任意の範囲内、例えば、微粒子径成分と粗粒子径成分との総重量に基づいて、約10〜約90重量%、約20〜約80重量%、約30〜約80重量%、約40〜約80重量%、約50〜約80重量%、約30〜約70重量%、約40〜約70重量%、約40〜約60重量%、約45〜約75重量%、もしくは約45〜約65重量%である、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様8
アルミナ製品が、任意の適切な最大d100粒子径、または本明細書に開示の任意の最大d100粒子径、例えば約100μm以下、約75μm以下、60μm以下、もしくは約50μm以下によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様9
微粒子径成分が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1.5〜約25μm、約2〜約20μm、約2〜約18μm、もしくは約3〜約16μmのd90粒子径によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様10
粗粒子径成分が、任意の適切なd90粒子径、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約15〜約65μm、約20〜約60μm、約20〜約55μm、もしくは約25〜約50μmのd90粒子径によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様11
微粒子径成分が、任意の適切なBET表面積、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.5〜約10m
2/g、約0.5〜約8m
2/g、約1〜約8m
2/g、もしくは約0.8〜約5m
2/gのBET表面積によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様12
粗粒子径成分が、任意の適切なBET表面積、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.1〜約1.5m
2/g、約0.2〜約1m
2/g、約0.25〜約1.5m
2/g、もしくは約0.25〜約1m
2/gのBET表面積によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様13
アルミナ製品が、任意の適切なタップ密度、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1,600〜約2,500kg/m
3、約1,700〜約2,500kg/m
3、約1,800〜約2,400kg/m
3、もしくは約1,800〜約2,300kg/m
3のタップ密度によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様14
アルミナ製品(および/もしくは微粒子径成分、および/もしくは粗粒子径成分)が、任意の適切なα-アルミナ含有量、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約80〜100重量%、約90〜100重量%、約95〜100重量%、約85〜約99重量%、もしくは約90〜約99重量%のα-アルミナ含有量によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様15
アルミナ製品が、か焼アルミナ(すなわち、か焼アルミナ粒子)を含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様16
アルミナ製品が、表面処理されたアルミナ(すなわち、表面処理されたアルミナ粒子)を、任意の適切な量の表面処理、または本明細書に開示の任意の表面処理量、例えば、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.05〜約5重量%、もしくは約0.1〜約1重量%で含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様17
アルミナ製品が、表面処理されたアルミナ(すなわち、表面処理されたアルミナ粒子)を含み、表面処理が、任意の適切な表面処理、または本明細書に開示の任意の表面処理、例えば、シラン処理されたアルミナ、脂肪酸処理されたアルミナなど、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様18
アルミナ製品(および/もしくは微粒子径成分、および/もしくは粗粒子径成分)が、任意の適切な平均アスペクト比、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約1.5:1〜約30:1、約2:1〜約15:1、約2.5:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、もしくは約4:1〜約8:1の平均アスペクト比によってさらに特徴付けられる、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様19
アルミナ製品(および/または微細成分、および/または粗成分)が、任意の適切な平均球形度(もしくは真円度)、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.7以下、約0.6以下、もしくは約0.5以下の平均球形度(もしくは真円度)によって特徴付けられる不規則で非球状の粒子を含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様20
アルミナ製品が、任意の適切な相乗剤化合物、または本明細書に開示の任意の相乗剤化合物、例えば窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、グラファイト、もしくは任意の難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、もしくはリン/窒素含有難燃剤)など、またはそれらの組み合わせを、任意の適切な量で、または本明細書に開示の任意の量、例えば、アルミナ製品の重量に基づいて、約0.5〜約30重量%、約1〜約25重量%、もしくは約1〜約20重量%でさらに含む、前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品。
態様21
(a)ポリマー;および
(b)前記態様のいずれか一項で定義したアルミナ製品
を含む、ポリマー組成物(製剤、複合物)。
態様22
ポリマーが、任意の適切なポリマー、または本明細書に開示の任意のポリマー、例えば、熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様23
ポリマーが、エポキシ、アクリル、エステル、ウレタン、シリコーン、フェノールなど、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様24
ポリマーが、ポリエチレン(例えば、ホモポリマーまたはエチレン系コポリマー)、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ポリオレフィン-スチレンなど、またはそれらの組み合わせを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様25
ポリマーが、ニトリル、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、スチレンブタジエンなど、またはそれらの組み合わせをベースとするゴムおよび/またはエラストマーを含む、態様21で定義したポリマー組成物。
態様26
アルミナ製品の量が、総ポリマー組成物に基づいて、任意の適切な量、または本明細書に開示の任意の範囲内の量、例えば、約10〜約93重量%、約80〜約93重量%、もしくは約80〜約92重量%である、態様21〜25のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様27
アルミナ製品の量が、総ポリマー組成物に基づいて、任意の適切な量、または本明細書に開示の任意の範囲内の量、例えば、約15〜約75容積%、約47〜約74容積%、約48〜約73容積%、もしくは約50〜約70容積%である、態様21〜26のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様28
ポリマー組成物が、任意の適切な等方性熱伝導率、または本明細書に開示の任意の範囲、例えば、約0.5〜約10W/m・K(ワット/メートルケルビン)、約0.5〜約8W/m・K、約1〜約6W/m・K、約1〜約5W/m・K、もしくは約1〜約3W/m・Kの等方性熱伝導率を有する、態様21〜27のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様29
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の粘度よりも低い粘度を有する、態様21〜28のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様30
アルミナ製品が表面処理され、ポリマー組成物がせん断速度から実質的に独立した粘度を有する、例えば、粘度が、5〜20秒
-1、10〜20秒
-1、または5〜15秒
-1のせん断速度範囲にわたって、実質的に同じまたは一定(+/-10%)である、態様21〜29のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様31
アルミナ製品が表面処理され、ポリマー組成物が、5秒
-1、または10秒
-1、または15秒
-1のせん断速度で、約5,000〜約15,000mPa・秒、約5,000〜約10,000mPa・秒、約6,000〜約12,000mPa・秒、または約6,000〜約9,000mPa・秒の範囲の粘度を有する、態様21〜30のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様32
アルミナ製品が未処理であり、ポリマー組成物が、5秒
-1、または10秒
-1、または15秒
-1のせん断速度で、約9,000〜約30,000mPa・秒、約9,000〜約25,000mPa・秒、約10,000〜約22,000mPa・秒、または約10,500〜約18,000mPa・秒の範囲の粘度を有する、態様21〜31のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様33
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有する、態様21〜32のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様34
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の破断点伸びよりも大きい破断点伸びを有する、態様21〜33のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様35
ポリマー組成物が、約500〜約1000%、または約600〜約900%の範囲の破断点伸びを有する、態様21〜34のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様36
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有する、態様21〜35のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様37
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の発火時間よりも長い発火時間を有する、態様21〜36のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様38
ポリマー組成物が、同じ粒子径特性を有する球状アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有する、態様21〜37のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様39
ポリマー組成物が、異なる粒子径特性を有する不規則(非球状)アルミナ製品を含有するポリマー組成物の等方性熱伝導率よりも高い等方性熱伝導率を有する、態様21〜38のいずれか一項で定義したポリマー組成物。
態様40
態様21〜39のいずれか一項で定義したポリマー組成物を含む製造品。
態様41
製造品が、ゲル、ペースト、またはコーティングを含む、態様40で定義した製造品。
態様42
製造品が、シートまたはフィルムを含む、態様40で定義した製造品。
態様43
製造品が、電子部品(例えば、半導体素子、回路基板など)を含む、態様40で定義した製造品。
態様44
製造品が、機能性シート、ICパッケージ、ヒートシンク、電力機器、テープ、パッド、熱間充填材、カプセル化化合物、接着剤、グリース、シール材、コーティング、SF
6ガス回路遮断器、ソーラーパネルなどを含む、態様40で定義した製造品。