(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521708
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】組織再生のための細胞組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20190712BHJP
   A61L 27/38 20060101ALI20190712BHJP
   A61L 27/12 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 35/35 20150101ALI20190712BHJP
   A61K 35/32 20150101ALI20190712BHJP
   A61K 35/655 20150101ALI20190712BHJP
【FI】
   !C12N5/071
   !A61L27/38 300
   !A61L27/12
   !A61K35/35
   !A61K35/32
   !A61K35/655
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】59
(21)【出願番号】2019523205
(86)(22)【出願日】20170711
(85)【翻訳文提出日】20190225
(86)【国際出願番号】IL2017050789
(87)【国際公開番号】WO2018011804
(87)【国際公開日】20180118
(31)【優先権主張番号】62/360,500
(32)【優先日】20160711
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519010112
【氏名又は名称】ボーナス セラピューティックス リミテッド
【住所又は居所】イスラエル国,31905 ハイファ,マタム アドバンスド テクノロジー パーク ピー.オー.ビー 15143
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】メレツキ,シャイ
【住所又は居所】イスラエル国,3499043 ハイファ,38 ラウル ワレンベルグ ストリート
(72)【発明者】
【氏名】ベン‐デイヴィッド,ドロール
【住所又は居所】イスラエル国,26337 キルヤト モツキン,10/6 ヨッシ バナイ ストリート
(72)【発明者】
【氏名】ノヴィック,アタラ
【住所又は居所】イスラエル国,3499040 ハイファ,35 ラウル ワレンベルグ ストリート
(72)【発明者】
【氏名】シトリッチマン,ロニット
【住所又は居所】イスラエル国,3475408 ハイファ,38 ビトキン ストリート
【テーマコード(参考)】
4B065
4C081
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065BC01
4B065CA44
4C081AB04
4C081CD34
4C081CF03
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB02
4C087BB64
4C087CA04
4C087NA20
(57)【要約】
細胞集団を含む組成物であって、前記集団が必要とする対象への移植に適し、複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする、組成物。さらに、必要とする対象への移植に適した細胞集団を同定するための方法およびキット。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対照発現レベルに比較した複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする細胞集団を含む組成物であって、前記複数の遺伝子が、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される、組成物。
【請求項2】
前記複数の遺伝子が、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記複数の遺伝子が、表1〜11に列挙された前記遺伝子の少なくとも50%を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記複数の遺伝子が、表1〜11から選択される表に列挙された遺伝子から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記細胞集団が、エクスビボで生育された細胞に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記細胞集団が、三次元培養で生育された細胞に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
鉱物粒子をさらに含み、前記細胞集団の少なくとも一部が前記鉱物粒子と接触(例えば、付着)している、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記鉱物粒子が、サンゴの鉱物粒子、海綿骨および皮質骨からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記細胞集団が、ヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記細胞集団が、骨形成系細胞分化に供されたHATDCに由来する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記対照発現レベルが、二次元培養物中で生育された細胞に由来する第二の細胞集団に対応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記第二の細胞集団が、骨形成誘導に供された細胞集団である、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記骨形成系細胞分化が、骨形成タンパク質(BMP)−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7からなる群から選択される骨形成誘導因子により誘導される、請求項10または12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
必要とする対象への移植における使用のための、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
細胞集団において複数の遺伝子の発現レベルを計測することを含む、必要とする対象への移植に適した細胞集団を同定するための方法であって、対照発現レベルに比較した、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される前記遺伝子から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差が、前記細胞集団が移植に適することを示す、方法。
【請求項16】
発現レベルの前記差が、各遺伝子で独立して、上方制御および下方制御から選択される、請求項1に記載の組成物、または請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の遺伝子が、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の遺伝子が、表1〜11から選択される表に列挙された前記遺伝子から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の遺伝子が、表1〜11に列挙された前記遺伝子の少なくとも50%を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記計測ステップが、前記細胞集団から核酸分子を得るステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記核酸分子が、mRNA分子、DNA分子およびcDNA分子から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記cDNA分子が、前記mRNA分子を逆転写することにより得られる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記計測が、前記核酸分子を複数のリガンドとハイブリダイズするステップをさらに含み、各リガンドが、表1〜11に列挙された前記遺伝子から選択される単一遺伝子と特異的に複合体形成すること、結合すること、ハイブリダイズすること、または前記単一遺伝子を定量的に検出もしくは同定することが可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
複数のリガンドを含むキットであって、各リガンドが、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される複数から選択される単一遺伝子と特異的に複合体形成すること、結合すること、ハイブリダイズすること、または前記単一遺伝子を定量的に検出もしくは同定することが可能である、キット。
【請求項25】
対象への移植に適した細胞集団を同定するための、請求項24に記載のキット。
【請求項26】
前記差が、上方制御、下方制御、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項24に記載のキット。
【請求項27】
前記複数の遺伝子が、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される、請求項24に記載のキット。
【請求項28】
前記複数の遺伝子が、表1〜11から選択される表に列挙された前記遺伝子から選択される、請求項24に記載のキット。
【請求項29】
前記複数の遺伝子が、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される、請求項24に記載のキット。
【請求項30】
前記複数の遺伝子が、表1〜11に列挙された前記遺伝子の少なくとも50%を含む、請求項24に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本出願は、2016年7月11日出願の米国特許仮出願第62/360,500号の優先権の利益を主張するものである。上記文書の内容は、本明細書に全て示されたのと同様に、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般に、組織エンジニアリングの分野におけるもので、詳細には組織再生、ならびに骨の欠損および障害の処置のための細胞組成物の使用のためのものである。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
組織エンジニアリングおよび再生医療は、損傷を受けた臓器および組織の治癒を支援するための興味深い新規処置を提供する。組織エンジニアリングの1つの重要な側面は、ヒトの自身の細胞を使用してそのヒトを処置する能力である。自家細胞を使用することにより、組織拒絶または移植片拒絶のリスクが、排除される。
【0004】
組織エンジニアリングの急速に成長する部門の1つは、骨の障害および疾患の処置にある。骨は、傷害に応答して自ら修復する能力を有する。しかし、複雑な臨床状態では、正常な骨の再生が害される。これらの例には、外傷、感染、腫瘍摘出、および骨格異常により生じた大きな骨欠損、または無血管壊死および骨粗鬆症をはじめとする再生過程が損なわれた例がある。骨修復の治療的アプローチには、代用骨移植片および治療分子が含まれる。
【0005】
骨再生市場、および詳細には骨移植片は、成長する市場である。この市場の成長は、整形外科手術の増加、高齢者人口の増加、自家移植片手術の代用または補助としての代用骨移植片の好適性の向上、整形外科手術のための代用骨移植片の採用増加、および整形外科手術のための医療費償還の増加など、複数の側面が追い風となっている。
【0006】
骨移植は、失った骨を置換する外科手術である。骨移植は、自家移植片(即ち、患者の身体の別の部分からの組織を使用する)、または同種移植片(即ち、生存するヒトドナーまたは死体からの組織を使用する)のいずれかの使用を含む。それゆえ、患者またはドナーからの組織採取の期間が必要となる。
【0007】
典型的には組織採取は、通常は腸骨稜、遠位大腿骨、近位脛骨、腓骨、または他の小骨から組織を採取することを含む外科手術により遂行される。採取された組織は、再構成されて、損傷部位に移植される。
【0008】
しかし、移植片採取手順は、少なからぬ罹患率と実質的な疼痛を伴う。自家移植片の組織回収、または同種移植片のための生存するドナーからの組織回収は、炎症、感染、または死亡などの合併症をもたらす場合もある。
【0009】
限定される供給量および遺伝的な回収困難により、大きな骨欠損の修復のための別の方策の開発が奨励されてきた。
【0010】
インプラントとしての骨抽出物、ポリマーまたはミネラルスキャフォールドなどの三次元(3D)代用骨の使用が研究され、多孔質生体適合性スキャフォールドが、骨組織の修復および再生に用いられてきた。
【0011】
組織修復の際の早期試みは、主に、骨の大きな空隙を充填する多孔質プラグとしての非晶質生体適合性フォームの使用に集中した。米国特許第4,186,448号には、骨空隙を治癒するためのポリラクチドなどのポリヒドロキシ酸ポリマーで構成された多孔質メッシュプラグの使用が記載されている。他のスキャフォールドを作製するための複数の異なる方法も、記載された(例えば、米国特許第5,133,755号;同第5,514,378号;同第5,522,895号;同第5,607,474号;同第5,677,355号;同第5,686,091号;同第5,716,413号;同第5,755,792号;同第5,769,899号;同第5,770,193号;同第6,333,029号;同第6,365,149号および同第6,534,084号)。
【0012】
骨髄(BM)は、骨形成能を有する細胞の集団を含むことが示されている。そのため、スキャフォールド−骨誘導アプローチの代替法は、この能力を有する生存細胞を患者に移植することである。サイトカインで操作されたナイーブ自家および同種BM細胞が、実験モデルおよびヒト患者における回折された(diffracted)または再吸収された骨の治癒に成功した。骨形成系列の前駆細胞を、成長促進因子の存在下または非存在下で生体適合性(生分解性または非生分解性)スキャフォールドの上に播種する(例えば、米国特許第6,541,024号;同第6,544,290号;同第6,852,330号)。罹患した患者への移植を、所与のスキャフォールド上での細胞のエクスビボ増複(expansion)期に続いて実施する。このアプローチを利用すれば、セラミックスキャフォールドに積層された初代骨形成細胞または増幅された間葉系間葉細胞(MSC)は、骨組織を再生することができた。
【0013】
生存する骨は、連続で進化する臓器であり、正常な骨維持過程においては、一定のリモデリング工程が利用されている。これらの手順では、古い骨が新しい骨に交換され、臓器は、環境により変化する強度および弾性のための要件に応答する。それゆえ正常なリモデリングの進行には、骨再吸収手順と骨形成手順の機械的負荷工程を緊密に調和させることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
細胞については、正常なリモデリングの進行は、破骨細胞(骨再吸収細胞)および骨芽細胞(骨形成細胞)の連続機能に依存する。加えて、内皮細胞および内皮細胞前駆体(血管芽細胞)が、発達した骨組織中で新しい血管を形成するのに必要となる。しかし、骨形成にかかわる様々な細胞型は、異なる系列である。現在、骨芽細胞が間葉系幹細胞から生じ、破骨細胞(造血幹細胞(HSC)から直接発生する)および内皮細胞が共通するコロニー形成芽細胞の子孫であることが、知られている。そのため、専門的細胞成分としての骨芽細胞に依存する、骨様材料のエクスビボ生成のための方法論は、生来の欠点に悩まされている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の概要
第一の態様によれば、本発明は、対照発現レベルに比較した複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする細胞集団を含む組成物であって、前記複数の遺伝子が、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される、組成物を提供する。
【0016】
幾つかの実施形態において、該組成物は、鉱物粒子をさらに含み、前記細胞集団の少なくとも一部が、該鉱物粒子と接触(例えば、付着)している。幾つかの実施形態において、該鉱物粒子は、サンゴの鉱物粒子、海綿骨および皮質骨からなる群から選択される。
【0017】
別の態様によれば、本発明は、細胞集団において複数の遺伝子の発現レベルを計測することを含む、細胞集団を同定するための方法であって、対照発現レベルに比較した、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される遺伝子から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差が、前記細胞集団の同定を示す、方法を提供する。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、細胞集団において複数の遺伝子の発現レベルを計測することを含む、必要とする対象への移植に適した細胞集団を同定するための方法であって、対照発現レベルに比較した、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される遺伝子から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差が、前記細胞集団が移植に適することを示す、方法を提供する。
【0019】
幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された遺伝子の少なくとも50%を含む。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11から選択された表に列挙された遺伝子から選択される。
【0020】
幾つかの実施形態において、該細胞集団は、エクスビボで生育された細胞に由来する。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、三次元培養で生育された細胞に由来する。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、ヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)に由来する。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、骨形成系細胞分化に供されたHATDCに由来する。
【0021】
幾つかの実施形態において、該対照発現レベルは、二次元培養で生育された細胞に由来する第二の細胞集団に対応する。幾つかの実施形態において、該第二の細胞集団は、骨形成系細胞分化に供された細胞集団である。
【0022】
幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、骨形成タンパク質(BMP)−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7からなる群から選択される1種または複数の骨形成誘導因子により誘導される。
【0023】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、必要とする対象への移植に使用するためのものである。
【0024】
幾つかの実施形態において、該発現レベルの差は、独立して、上方制御、および下方制御から選択される各遺伝子についてのものである。
【0025】
幾つかの実施形態において、本発明の方法の計測ステップは、前記細胞集団から核酸分子を得るステップを含む。幾つかの実施形態において、該核酸分子は、mRNA分子、DNA分子およびcDNA分子から選択される。幾つかの実施形態において、該cDNA分子は、前記mRNA分子を逆転写することにより得られる。
【0026】
幾つかの実施形態において、本発明の方法の計測ステップは、前記核酸分子を複数のリガンドとハイブリダイズするステップをさらに含み、各リガンドは、表1〜11に列挙された遺伝子から選択される単一遺伝子と特異的に複合体形成すること、結合すること、ハイブリダイズすること、または該単一遺伝子を定量的に検出もしくは同定することが可能である。
【0027】
別の態様によれば、本発明は、複数のリガンドを含むキットであって、各リガンドが、表1〜11から選択される少なくとも2つの表から選択される複数から選択される単一遺伝子と特異的に複合体形成すること、結合すること、ハイブリダイズすること、または該単一遺伝子を定量的に検出もしくは同定することが可能である、キットを提供する。幾つかの実施形態において、該キットは、対象への移植に適した細胞集団を同定するためのものである。幾つかの実施形態において、該差は、上方制御、下方制御、またはそれらの組み合わせから選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11から選択される表に列挙された遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11の各1つの1つまたは複数の遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された遺伝子の少なくとも50%を含む。
【0028】
先に記載された例示的態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態が、図の参照により、そして以下の詳細な記載の学習により明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図1B】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図1C】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図2A】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図2B】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図2C】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図3A】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図3B】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図3C】2D系で培養された非処置HADTCに比較した、骨形成誘導の0、1、2、3、または4日後の2Dおよび鉱物粒子上の3D系で培養されたHADTCにおいて発現された、(A)BMP−2、(B)SP7、および(C)ALPのqPCR分析を示した棒グラフである。
【図4】分散成分の割合を示した棒グラフ解析である。
【図5】対照(BL)に対比させた各処置群(A、B、またはC)をもたらした複数の発現変動遺伝子(DEG)を示したベン図である。
【図6A】対照(BL)に対比させた、各処置群の(A)群A、(B)群B、および(C)群Cのための遺伝子発現の差の有意性を示したグラフである。各グラフのy軸は、p値の負のlog10を表し、このためp値0.01は、y軸上の2の値により表され、p値0.001は、y軸上の3の値により表される。
【図6B】対照(BL)に対比させた、各処置群の(A)群A、(B)群B、および(C)群Cのための遺伝子発現の差の有意性を示したグラフである。各グラフのy軸は、p値の負のlog10を表し、このためp値0.01は、y軸上の2の値により表され、p値0.001は、y軸上の3の値により表される。
【図6C】対照(BL)に対比させた、各処置群の(A)群A、(B)群B、および(C)群Cのための遺伝子発現の差の有意性を示したグラフである。各グラフのy軸は、p値の負のlog10を表し、このためp値0.01は、y軸上の2の値により表され、p値0.001は、y軸上の3の値により表される。
【図7】処置群A、B、CおよびBLのための階層クラスタリング(ヒートマップ)である。
【図8】対照(BL)に対比された処置群A、BおよびCにおける遺伝子発現レベルの差の比較分析を示す。
【図9】対照(BL)に対比された処置群A、BおよびCについての骨芽細胞分化に関する遺伝子発現レベルの差の分析を示す。
【図10】図10A−図10B。対照(BL)に対比された処置群(A)Aならびに(B)BおよびCについての血管新生および脈管形成経路に関する遺伝子発現レベルの差の分析を示す。
【図11】2D系に比較した、3D系で培養されたHADTCの例示的な発現変動遺伝子(DEG)を列挙した表(表11)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の詳細な記載
本発明は、幾つかの実施形態において、表1〜11に示された遺伝子発現プロファイルを特徴とする細胞集団を含む組成物を提供する。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、必要とする患者における移植、埋め込み、投与、および/または注射のためのものである。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、エクスビボで生育された細胞に由来する。
【0031】
幾つかの実施形態において、本発明は、組成物が必要とする患者における移植に適するか否かを決定するための方法を提供する。追加の実施形態において、本発明は、組成物が必要とする患者における移植に適するか否かを決定するのに有用な遺伝子パネルを提供する。
【0032】
本発明は、一部として、本発明の細胞集団が複数の遺伝子の遺伝子発現シグネイチャを特徴とし得るという発見に基づく。本明細書の以下に例示される通り、表1〜11から選択される遺伝子発現レベルは、三次元(3D)培養で育成された細胞(例えば、ヒト脂肪組織由来細胞またはHATDC)、および/または他の細胞(例えば、二次元(2D)培養で育成されたHATDC)への骨形成誘導を受けた細胞の間で区別するために用いられてもよい。
【0033】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示された細胞集団を含む組成物は、鉱物粒子をさらに含む。幾つかの実施形態において、該組成物は、骨移植に有用な埋め込み可能な三次元(3D)組成物である。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、3D培養で育成された細胞に由来する。幾つかの実施形態において、該3D培養で育成された細胞を、さらに骨形成誘導に供した。幾つかの実施形態において、骨形成系細胞分化は、骨形成誘導因子(例えば、骨形成タンパク質(BMP)−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、B,P−6またはBMP−7)により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−2により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−3により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−4により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−5により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−6により誘導される。幾つかの実施形態において、該骨形成系細胞分化は、BMP−7により誘導される。
【0034】
幾つかの実施形態において、該細胞集団は、ミネラルスキャフォールド上で3D培養により育成されて、骨形成誘導に供されたHATDCに由来する。
【0035】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、異種細胞集団である。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団は、関節の欠損のための骨・軟骨混合移植片(combined bone and cartilage graft)、および/または血管柄付き骨移植片への適合を含む様々な適用が可能である。幾つかの実施形態において、該細胞集団を含む組成物は、必要とする患者における移植に用いられる。別の実施形態において、該組成物は、骨の中の空隙を充填するのに用いられる。
【0036】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、有利な移植特性を有する。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、改善された移植片転帰を有する。幾つかの実施形態において、前記改善された移植片転帰は、確率が50%を超える、55%を超える、60%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、97%を超える、98%を超える、または99%を超える実現に成功した移植(例えば、前記対象における移植された細胞集団の融合)である。
【0037】
幾つかの実施形態において、本発明は、細胞組成物が60%を超える、70%を超える、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、または95%を超える確率である実行に成功した移植(例えば、前記対象における移植された細胞集団の融合)を有するか否かを決定するための方法を提供する。
【0038】
本明細書で用いられる用語「対象」は、動物、例えば非ヒト哺乳動物またはヒトを指す。非ヒト動物対象は、例えば胚または胎児などの動物の出生前形態を包含してもよい。非ヒト動物の非限定的例としては、ウマ、ウシ、ラクダ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモットおよびブタが挙げられる。一実施形態において、該対象は、ヒトである。ヒト対象は、胎児を包含してもよい。一実施形態において、必要とする対象は、骨折、骨傷害、骨重量減少および/または骨異常に見舞われた対象である。
【0039】
本明細書で用いられる用語:埋め込むことまたは埋め込み、移植することまたは移植、投与することまたは投与、注射することまたは注射、送達することまたは送達は全て、本明細書で開示された組成物を処置部位に提供する工程を指し、部位への組織の送達を実行するために用いられる組成物の特性および手順にもよるが、同じ意味を有することは、当業者に理解されよう。これらの用語は、互換的に用いることができ、決して本発明の方法に限定されない。
【0040】
本明細書で用いられる用語「遺伝子発現プロファイル」、「遺伝子発現シグネイチャ」または「遺伝子発現フィンガープリント」は、互換性がある、対照細胞(例えば、2D培養で育成されて、骨形成誘導に供された、または供されていない細胞)に由来する集団に比較した、本発明の異種細胞集団により呈された発現の増加または減少をはじめとする遺伝子発現の変調(modulation)/差のパターンを指す。該プロファイルまたはフィンガープリントは、対照に比較した「発現変動遺伝子」(DEG)の発現の増加または減少の相対的度合いを含む。
【0041】
用語「発現変動遺伝子」、「DEG」、「変動する遺伝子発現」およびそれらの同義語は、互換的に用いられ、対照に比較した、選択された細胞集団において発現がより高レベルまたはより低レベルに上方制御または下方制御された遺伝子を指す。発現変動遺伝子が核酸レベルもしくはタンパク質レベルで活性化もしくは阻害される場合があること、または選択的スプライシングを受けて異なるポリペプチド生成物をもたらす場合があることも、理解されたい。そのような差は、例えば、mRNAレベルの変動、表面発現、分泌または他のポリペプチド分配により立証されてもよい。
【0042】
本明細書で用いられる「発現レベルの差」および「発現レベルの変調」、ならびにそれらの同義語は、互換的に用いられ、遺伝子発現における有意差を指す。該用語は、遺伝子発現の増加および/または遺伝子発現の減少を包含する。
【0043】
測定された発現レベルに関連する用語「有意差」は、検査された遺伝子の上方制御/増加/誘導および/もしくは下方制御/減少/低下、またはそれらの組み合わせを包含する(検査された発現プロファイルの第一の遺伝子が上方制御され得るが、発現プロファイルの第二の遺伝子が、下方制御され得る、など)。
【0044】
幾つかの実施形態において、具体的遺伝子の上方制御または下方制御が、テストされた集団が移植に適していることを示すか否かの決定は、表1〜11(「+」または「−」を用いて示す)に列挙されたデータに基づく。幾つかの実施形態において、前記有意差は、当業者により認識される通り、平均発現レベルなどにおける統計学的有意差である。例えば非限定的に、対照値に比較して少なくとも約2倍の、あるいは少なくとも約3倍の増加または減少が、細胞の特定の分化段階に関連する。
【0045】
用語「減少」、「下方制御」、および「低下」は、本明細書では互換的に用いられ、遺伝子発現における統計学的に有意な減少を指す。幾つかの実施形態において、減少は、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または10倍の減少を指す。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0046】
本明細書で用いられる用語「増加」、「上方制御」、および「誘導」は、本明細書では互換的に用いられ、遺伝子発現における統計学的に有意な増加を指す。幾つかの実施形態において、増加は、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または10倍の増加を指す。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0047】
組成物
一態様によれば、該組成物が表1〜11のいずれか1つに示される遺伝子発現プロファイルを特徴とする、細胞集団を含む組成物が提供される。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表1〜10から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表1〜11から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表11から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0048】
幾つかの実施形態において、該発現レベルの差は、対照集団に比較して計測される。幾つかの実施形態において、該対照集団は、二次元(2D)培養で育成された細胞に由来する集団である。幾つかの実施形態において、該対照集団は、2D培養で育成され、骨形成誘導に供された細胞に由来する。
【0049】
幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表1から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表2から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表3から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表4から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表5から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表6から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表7から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表8から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表9から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表10から選択される1つもしくは複数の遺伝子、および/または表11から選択される1つもしくは複数の遺伝子、あるいはそれらの組み合わせから選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11の各1つからの1つまたは複数の遺伝子を含む。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11から選択される表に列挙された遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、1つまたは複数の遺伝子は、少なくとも2つの遺伝子、または少なくとも3つの遺伝子、または少なくとも4つの遺伝子である。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0050】
幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表1から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表2から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表3から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表4から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表5から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表6から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表7から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表8から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表9から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表10から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該細胞集団は、表11から選択される複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0051】
幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95の異なる遺伝子を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された、多くとも2、多くとも3、多くとも4、多くとも5、多くとも6、多くとも7、多くとも8、多くとも9、多くとも10、多くとも11、多くとも12、多くとも13、多くとも14、多くとも15、多くとも16、多くとも17、多くとも18、多くとも19、多くともt 20、多くとも21、多くとも22、多くとも23、多くとも24、多くとも25、多くとも26、多くとも27、多くとも28、多くとも29、多くとも30、多くとも31、多くとも32、多くとも33、多くとも34、多くとも35、多くとも36、多くとも37、多くとも38、多くとも39、多くとも40、多くとも41、多くとも42、多くとも43、多くとも44、多くとも45、多くとも46、多くとも47、多くとも48、多くとも49、多くとも50、多くとも55、多くとも60、多くとも65、多くとも70、多くとも75、多くとも80、多くとも85、多くとも90、多くとも95の異なる遺伝子を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0053】
幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表11に列挙された、多くとも2、多くとも3、多くとも4、多くとも5、多くとも6、多くとも7、多くとも8、多くとも9、多くとも10、多くとも11、多くとも12、多くとも13、多くとも14、多くとも15、多くとも16、多くとも17、多くとも18、多くとも19、多くともt 20、多くとも21、多くとも22、多くとも23、多くとも24、多くとも25、多くとも26、多くとも27、多くとも28、多くとも29、多くとも30、多くとも31、多くとも32、多くとも33、多くとも34、多くとも35、多くとも36、多くとも37、多くとも38、多くとも39、多くとも40、多くとも41、多くとも42、多くとも43、多くとも44、多くとも45、多くとも46、多くとも47、多くとも48、多くとも49、多くとも50、多くとも55、多くとも60、多くとも65の遺伝子を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0054】
幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された遺伝子の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0055】
別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表2に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表3に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表4に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表5に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表6に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表7に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表8に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表9に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表10に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。別の実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表11に列挙された遺伝子全てを含む、またはそれからなる。
【0056】
本発明の細胞集団の遺伝子発現
MSCマーカーの下方制御
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、ANPEP(CD13)、NT5E(CD73)、THY1(CD90)、およびKLF4(表1bに示される)から選択される幹細胞関連遺伝子の減少を特徴とする。
【0057】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ANPEP(CD13)、NT5E(CD73)、THY1(CD90)、およびKLF4を含む、表1に列挙された1つまたは複数のMSCマーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ANPEP(CD13)、NT5E(CD73)、THY1(CD90)、およびKLF4からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ANPEP(CD13)、NT5E(CD73)、THY1(CD90)、およびKLF4からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。
【0058】
幾つかの実施形態において、対照集団に比較した、ANPEP(CD13)、NT5E(CD73)、THY1(CD90)、およびKLF4からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象への移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団に対比された、NT5E(CD73)の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象への移植に適することを示す。
【表1】
【0059】
増殖および分化調節遺伝子の発現
以下の実施例の節に例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、表2bに示された遺伝子発現レベルの差を特徴とする。さらに、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、およびANXA2から選択される増殖調節遺伝子の発現減少を特徴とする。さらに、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCから選択される分化調節遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。実施例の節にさらに例示される通り、骨形成誘導に供された2Dまたは3D培養で生育されたHATDCは両者とも、ID1、ID2、およびID3からなる群から選択される増殖調節遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0060】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、ANXA2、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCを含む、表2に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞は、対照と比較した、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、ANXA2、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞は、対照と比較した、AURKA、FGF2、BCL2L1、ANXA2、およびSFRP2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0061】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、およびANXA2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、AURKA、FGF2、BCL2L1、およびANXA2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、SFRP2の発現レベルの上昇を特徴とする。
【0062】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、ANXA2、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、SFRP2、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、AURKA、FOS、FGF2、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1およびANXA2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、SFRP2の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表2】
【0063】
MHC I遺伝子の発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表3bに示される)に比較したMHCI遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0064】
本明細書で用いられる用語「MHC」は、免疫系への外来抗原の提示に関与する主要組織適合性複合体を指す。本明細書で用いられる「HLA」は、「MHC」のヒト形態である。典型的にはMHCI遺伝子は、ほとんど全ての分化された細胞で発現される。間葉系幹細胞(MSC)は、低レベルのMHCクラスI分子を発現することが知られている。
【0065】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、LA−A、HLA−B、HLA−DMA、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hを含む、表3に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照細胞集団と比較した1種または複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、該1種または複数の遺伝子は、HLA−A、HLA−B、HLA−DMA、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数の遺伝子は、HLA−A、HLA−B、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、HLA−A、HLA−B、HLA−DMA、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、HLA−A、HLA−B、HLA−DMA、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hからなる群から選択される複数の遺伝子の発現レベルの上昇は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、HLA−A、HLA−B、HLA−F、HLA−G、およびHLA−Hからなる群から選択される複数の遺伝子の発現レベルの上昇は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表3】
【0066】
脂肪細胞マーカーの発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表4bに示される)に比較した複数の脂肪細胞マーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0067】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、PPARG、DLK1、ACSL1、AEBP1、およびSox9を含む、表4に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、PPARG、DLK1、ACSL1、AEBP1、およびSox9からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、AEBP1の発現レベルの差を特徴とする。
【0068】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、PPARGおよびACSL1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較したPPARGおよびACSL1の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、DLK1、AEBP1、およびSox9からなる群から選択される複数の脂肪細胞遺伝子マーカーの発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、AEBP1の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0069】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、PPARG、DLK1、ACSL1、AEBP1、およびSox9からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較したDLK1、AEBP1、およびSox9からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較したAEBP1の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較したPPARG、およびACSL1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表4】
【0070】
骨芽細胞マーカーの発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表5bに示される)に比較した複数の骨芽細胞マーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0071】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、BMP2、BMPR2、SP7、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、FGFR3、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、DLX5、KAZALD1、CA12、BMPER、およびFBN2を含む、表5に列挙された1つまたは複数の骨芽細胞マーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMP2、BMPR2、SP7、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、FGFR3、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、DLX5、KAZALD1、CA12、BMPER、およびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMP2、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、CA12、BMPER、およびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0072】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMPERおよびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMPERおよびFBN2の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、FBN2の発現レベルの低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMP2、BMPR2、SP7、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、FGFR3、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、DLX5、KAZALD1、およびCA12からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMP2、ALP、POSTN、MSX1、MSX2、およびCA12からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BMP2、SP7、およびALP(アルカリホスファターゼ)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0073】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BMP2、BMPR2、SP7、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、FGFR3、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、DLX5、KAZALD1、CA12、BMPER、およびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BMP2、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、CA12、およびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BMP2、BMPR2、SP7、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、FGFR3、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、DLX5、KAZALD1、CA12からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【0074】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BMP2、ALP(アルカリホスファターゼ)、POSTN、Msx1(Hox7)、Msx2(Hox8)、およびCA12からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BMPERおよびFBN2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、FB2の発現レベルの低下は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表5】
【0075】
骨軟骨前駆体および肥大軟骨細胞遺伝子マーカーの発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表6bに示される)に比較した複数の骨軟骨前駆体および/または肥大軟骨細胞遺伝子マーカーの発現レベルの差を特徴とする。
【0076】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、Sox9、MGP、COL10A1、COL9A2、MMP13、GSN、CBFB、BAPX1(NKX3−2)、RUNX1、RUNX2、およびCOMPを含む、表6に列挙された1つまたは複数の骨軟骨前駆体および/または肥大軟骨細胞遺伝子マーカーの発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、Sox9、MGP、COL10A1、COL9A2、MMP13、GSN、CBFB、BAPX1(NKX3−2)、RUNX1、RUNX2、およびCOMPからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP13、RUNX1、およびRUNX2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0077】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、Sox9、MGP、COL10A1、COL9A2、MMP13、GSN、CBFB、BAPX1(NKX3−2)、RUNX1、RUNX2、およびCOMPからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP13、RUNX1、およびRUNX2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0078】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、Sox9、MGP、COL10A1、COL9A2、MMP13、GSN、CBFB、BAPX1(NKX3−2)、RUNX1、RUNX2、およびCOMPからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、Sox9、MGP、COL10A1、COL9A2、MMP13、GSN、CBFB、BAPX1(NKX3−2)、RUNX1、RUNX2、およびCOMPからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、MMP13、RUNX1、およびRUNX2からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表6】
【0079】
ECM遺伝子マーカーの発現
以下の実施例の節で例示される通り、本発明の細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表7bに示される)に比較した複数の細胞外マトリックス(ECM)マーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0080】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、BGN、LAMA4、LAMA2、LTBP3、DPT、EFEMP2、PLOD1、TNC、DCN、FBLN2、NDNF、およびSULF1を含む、表7に列挙された1つまたは複数のECMマーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、LTBP3、DPT、EFEMP2、PLOD1、TNC、DCN、FBLN2、NDNF、およびSULF1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、DPT、PLOD1、DCN、およびNDNFからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0081】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、LTBP3、DPT、EFEMP2、PLOD1、TNC、DCN、FBLN2、NDNF、およびSULF1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、DPT、PLOD1、DCN、およびNDNFからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0082】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、LTBP3、DPT、EFEMP2、PLOD1、TNC、DCN、FBLN2、NDNF、およびSULF1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、LTBP3、DPT、EFEMP2、PLOD1、TNC、DCN、FBLN2、NDNF、およびSULF1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、BGN、LAMA4、LAMA2、DPT、PLOD1、DCN、およびNDNFからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表7】
【0083】
遺伝子をコードする構造タンパク質の発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表8bに示される)に比較した1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0084】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、MMP7、COL16A1、COL24A1、COL6A2、COL7A1、COL8A2、ADAMTS2、およびPCOLCEを含む、表8に列挙された1つまたは複数の構造遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、MMP7、COL16A1、COL24A1、COL6A2、COL7A1、COL8A2、ADAMTS2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、COL6A2、COL7A1、COL8A2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0085】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、MMP7、COL16A1、COL24A1、COL6A2、COL7A1、COL8A2、ADAMTS2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、COL6A2、COL7A1、COL8A2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0086】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、MMP7、COL16A1、COL24A1、COL6A2、COL7A1、COL8A2、ADAMTS2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、MMP7、COL16A1、COL24A1、COL6A2、COL7A1、COL8A2、ADAMTS2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、MMP14、MMP2、MMP23B、MMP3、COL6A2、COL7A1、COL8A2、およびPCOLCEからなる群から選択される1つまたは複数の構造タンパク質遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表8】
【0087】
血管新生および脈管形成に関連する遺伝子の発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表9bに示される)に比較した1つまたは複数の血管関連マーカー遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0088】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、TBX2、TBX3、ANG、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、EDNRA、EPHA2、F2R、PGF、CTHRC1、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、IL11、HEY1、ECM1、MFGE8、SRPX2、およびUNC5Bを含む、表9に列挙された1つまたは複数の血管新生および脈管形成に関連する遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TBX2、TBX3、ANG、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、EDNRA、EPHA2、F2R、PGF、CTHRC1、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、IL11、HEY1、ECM1、MFGE8、SRPX2、およびUNC5Bからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、およびECM1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0089】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TBX2、TBX3、ANG、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、EDNRA、EPHA2、F2R、PGF、CTHRC1、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、IL11、HEY1、ECM1、MFGE8、SRPX2、およびUNC5Bからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、およびECM1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0090】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、TBX2、TBX3、ANG、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、EDNRA、EPHA2、F2R、PGF、CTHRC1、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、IL11、HEY1、ECM1、MFGE8、SRPX2、およびUNC5Bからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、TBX2、TBX3、ANG、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、EDNRA、EPHA2、F2R、PGF、CTHRC1、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、IL11、HEY1、ECM1、MFGE8、SRPX2、およびUNC5Bからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、ANGPT2、ANGPTL2、TRO、PTGDS、AEBP1、IL8(Cxcl8)、およびECM1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表9】
【0091】
特異的な上流調節因子の発現
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表10bに示される)に比較した1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0092】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、TGFB3、BAMBI、IGFBP2、およびIGFBP5を含む、表10に列挙された1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TGFB3、BAMBI、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TGFB3、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0093】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TGFB3、BAMBI、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、対照と比較した、TGFB3、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの誘導を特徴とする。
【0094】
幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、TGFB3、BAMBI、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの差は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、TGFB3、BAMBI、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。幾つかの実施形態において、対照集団と比較した、TGFB3、IGFBP2、およびIGFBP5からなる群から選択される1つまたは複数の上流調節因子遺伝子の発現レベルの誘導は、該細胞集団が必要とする対象における移植に適することを示す。
【表10】
【0095】
以下の実施例の節で例示される通り、3D培養で育成された細胞に由来する細胞集団は、2D培養で培養された対照集団(表11に示される)に比較した1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。
【0096】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、表11に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも2倍の変化を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、表11に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも3倍の変化を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、CLDN1、SFRP1、BCYRN、CDCA7、FLJ21986、ODC1、OSR1、LOC100130516、およびROR1を含む、表11に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも3倍の低下を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、CLDN1、SFRP1、BCYRN、CDCA7、FLJ21986、ODC1、OSR1、LOC100130516、およびROR1からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも3倍の低下を特徴とする。
【0097】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ALOX15B、HEPH、FNDC1、C14ORF132、PFKFB4、GABARAPL1、CRISPLD2、C13ORF15、SLC6A10P、JAM2、NBL1、OGN、ASS1、SSPN、ALOX15B、TMEM90B、FLJ35258、TMEM16A、CRLF1、CD24、CMTM8、ARHGEF19、OMD、BTBD11CYGB、C1QTNF5、MARCKSL1、INSC、ATP1B1、CPE、NBL1、ENC1、APCDD1L、SEZ6L2、SLC7A8、ISLR、ATP1B1、TSPAN7、SAMD11、ATP1B1、ALDOC、RGS2、DYNC1I1、RASL11B、EYA2、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38を含む、表11に列挙された1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも3倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ALOX15B、HEPH、FNDC1、C14ORF132、PFKFB4、GABARAPL1、CRISPLD2、C13ORF15、SLC6A10P、JAM2、NBL1、OGN、ASS1、SSPN、ALOX15B、TMEM90B、FLJ35258、TMEM16A、CRLF1、CD24、CMTM8、ARHGEF19、OMD、BTBD11CYGB、C1QTNF5、MARCKSL1、INSC、ATP1B1、CPE、NBL1、ENC1、APCDD1L、SEZ6L2、SLC7A8、ISLR、ATP1B1、TSPAN7、SAMD11、ATP1B1、ALDOC、RGS2、DYNC1I1、RASL11B、EYA2、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも3倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、FLJ35258、TMEM16A、CRLF1、CD24、CMTM8、ARHGEF19、OMD、BTBD11CYGB、C1QTNF5、MARCKSL1、INSC、ATP1B1、CPE、NBL1、ENC1、APCDD1L、SEZ6L2、SLC7A8、ISLR、ATP1B1、TSPAN7、SAMD11、ATP1B1、ALDOC、RGS2、DYNC1I1、RASL11B、EYA2、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも4倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、SLC7A8、ISLR、ATP1B1、TSPAN7、SAMD11、ATP1B1、ALDOC、RGS2、DYNC1I1、RASL11B、EYA2、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも5倍の上昇を特徴とする。
【0098】
幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、ATP1B1、TSPAN7、SAMD11、ATP1B1、ALDOC、RGS2、DYNC1I1、RASL11B、EYA2、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも6倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、DIO2、CRYAB、KLK4、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも7倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、MXRA5、CA9、H19、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも8倍の上昇を特徴とする。幾つかの実施形態において、本発明の細胞集団は、PENK、RARRES2、KANK4、PTGES、およびANKRD38からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの少なくとも10倍の上昇を特徴とする。
【表11】
【0099】
骨形成誘導に続く発現の変調
以下の実施例の節(表12)に例示される通り、骨形成誘導に供されたHATDCは、遺伝子ATOH8、CGB1、CMTM4、FOXO、ID1、ID2、ID3、NEBL、OSR1、PRRX2、SAMD11、SLC16A3、およびSMAD9の発現レベルにおいて変調を呈することが見出された。
【0100】
幾つかの実施形態において、骨形成誘導に供された細胞に由来する細胞集団は、ATOH8、CGB1、CMTM4、FOXO、ID1、ID2、ID3、NEBL、OSR1、PRRX2、SAMD11、SLC16A3、およびSMAD9からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの差を特徴とする。幾つかの実施形態において、骨形成誘導に供された細胞に由来する細胞集団は、ATOH8、CGB1、CMTM4、FOXO、ID1、ID2、ID3、NEBL、PRRX2、SAMD11、SLC16A3、およびSMAD9からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の誘導を特徴とする。幾つかの実施形態において、骨形成誘導に供された細胞に由来する異種細胞集団は、OSR1遺伝子の発現レベルの低下を特徴とする。
【0101】
移植に適した組成物を同定するための方法
一態様によれば、移植のための細胞組成物の適切性を計測するための方法であって、前記組成物の、複数の遺伝子またはその産物の発現レベルを計測することを含み、対照に比較した、前記複数の遺伝子の発現レベルの有意差が、移植に適した組成物の指標となる、方法が提供される。
【0102】
幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数は、表1〜11の各1つの1つ以上の遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数は、表1〜11から選択される表に列挙された遺伝子から選択される。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1〜11の任意の1つに列挙された遺伝子から選択される。
【0103】
幾つかの実施形態において、該対照集団は、二次元(2D)培養で育成された細胞に由来する集団である。幾つかの実施形態において、該対照集団は、2D培養で育成され、骨形成誘導に供された細胞に由来する。
【0104】
用語「計測すること」、「測定すること」、「評定すること」、および「アッセイすること」は、互換的に用いられ、定量的および定性的の両方の計測を包含する。これらの用語は、任意の形態の測定を指し、特徴、特性、または特色が存在するか否かを決定することを包含する。評定することは、相対的または絶対的であってもよい。
【0105】
幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1〜10に列挙された少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95の異なる遺伝子を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。幾つかの実施形態によれば、該複数の遺伝子は、表1〜11に列挙された多くとも2、多くとも3、多くとも4、多くとも5、多くとも6、多くとも7、多くとも8、多くとも9、多くとも10、多くとも11、多くとも12、多くとも13、多くとも14、多くとも15、多くとも16、多くとも17、多くとも18、多くとも19、多くともt 20、多くとも21、多くとも22、多くとも23、多くとも24、多くとも25、多くとも26、多くとも27、多くとも28、多くとも29、多くとも30、多くとも31、多くとも32、多くとも33、多くとも34、多くとも35、多くとも36、多くとも37、多くとも38、多くとも39、多くとも40、多くとも41、多くとも42、多くとも43、多くとも44、多くとも45、多くとも46、多くとも47、多くとも48、多くとも49、多くとも50、多くとも55、多くとも60、多くとも65、多くとも70、多くとも75、多くとも80、多くとも85、多くとも90、多くとも95の異なる遺伝子を含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0106】
本明細書に記載された複数の遺伝子は、少なくとも1種の他のマーカー、例えば他の公知の遺伝子を特色とする任意の部分的組み合わせおよび/または組み合わせを場合により包含する。
【0107】
遺伝子発現の計測
遺伝子発現は、RNAポリメラーゼによるメッセンジャーRNAへのDNAの転写である。本明細書で用いられる用語「発現」は、前記遺伝子産物の転写および/または翻訳をはじめとする遺伝子産物の生合成を指す。したがって核酸分子の発現は、核酸断片の転写(例えば、mRNAまたは他の機能的RNAをもたらす転写)および/または前駆体もしくは成熟タンパク質(ポリペプチド)へのRNAの翻訳を指すことができる。
【0108】
上方制御は、ある試料(例えば、移植に適した試料)において、別のもの(例えば、対照試料)と比較してより高い発現(例えば、より高いmRNAレベル)を有することが観察された遺伝子を記載している。下方制御は、ある試料(例えば、移植に適した試料)において、別のもの(例えば、対照試料)と比較してより低い発現(例えば、より低いmRNAレベル)を有することが観察された遺伝子を記載している。
【0109】
一実施形態において、該遺伝子発現は、タンパク質レベルで測定される。試料中のタンパク質の量/レベルを測定するための方法の例としては、ウェスタンブロット、免疫ブロット、酵素免疫測定法(ELISA)、「サンドイッチ」免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)、免疫沈降法、表面プラスモン共鳴(SPR)、化学発光、蛍光偏光法、リン光、免疫組織化学的(IHC)分析、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析、マイクロサイトメトリー、マイクロアレイ、抗体アレイ、顕微鏡測定(例えば、電子顕微鏡測定)、フローサイトメトリー、およびプロテオミクスに基づくアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
別の実施形態において、該遺伝子発現は、核酸(mRNA、cDNA)レベルで測定される。
【0111】
用語「核酸」は、当該技術分野で周知である。本明細書で用いられる「核酸」は、一般に、ヌクレオ塩基を含むDNA、RNAまたはその誘導体もしくは類似体の分子(即ち、ストランド)を指す。ヌクレオ塩基としては、例えばDNA中で見出される天然由来プリンまたはピリミジン塩基(例えば、アデニン「A」、グアニン「G」、チミジン「T」またはシトシン「C」)またはRNA(例えば、A、G、ウラシル「U」またはC)が挙げられる。用語「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」、「核酸配列」、および「核酸分子」は、本明細書では互換的に用いられる。
【0112】
数多くの検出および定量技術が、非限定的にPCR、RT−PCR;RT−qPCR;NASBA;ノーザンブロット技術;ハイブリダイゼーションアレイ;分枝状核酸増幅/技術;TMA;LCR;RNA−seq、インサイチュハイブリダイゼーション技術などのハイスループットシーケンシングまたは次世代シーケンシング(NGS)法;および増幅工程と、それに続くHPLC検出またはMALDI−TOF質量分析など、複数の核酸の発現レベルを計測するために用いられてもよい。
【0113】
本発明の実施形態において、核酸の全てまたは一部が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびその変形法、例えば非限定的に、定量PCR(Q−PCR)、逆転写PCR、およびリアルタイムPCR(試料中の各配列のためのmRNAコピーの初期量を測定する手段として)などの方法により増幅および検出されてもよい。そのような方法は、核酸の一部に相補的な1つまたは2つのプライマーを用いており、該プライマーは、核酸合成をプライミングするために用いられる。新規に合成された核酸は、場合により標識されて、直接、または本発明のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより検出されてもよい。新規に合成された核酸は、ハイブリダイゼーションを可能にする条件下でポリヌクレオチド(配列を含有する)と接触させてもよい。発現された核酸の発現を検出するための追加の方法としては、液相ハイブリダイゼーションなどのRNAse保護アッセイ、および細胞のインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。
【0114】
当業者に理解されるであろうが、核酸の発現の検出は、これらの核酸の任意の適当な部分もしくは断片、または核酸全体の発現の検出により実施されてもよい。好ましくは該部分は、試料中で発現される他の配列に対比して独特の配列を含有するのに充分大きい。その上、核酸のいずれかのストランドが核酸の発現の指示物質として検出され得ることを、当業者は認識するであろう。これは、該核酸が細胞内でRNA分子として発現されるが、操作および検出の容易さからcDNA分子に変換される場合があるためである。得られたcDNA分子は、発現されたRNAの配列と、その相補鎖の配列を有していてもよい。したがってRNA配列鎖または相補鎖のいずれかが、検出されてもよい。もちろん、cDNAへ変換せずに発現されたRNAを検出することも可能である。
【0115】
一実施形態において、該方法は、試料中に存在するmRNA分子の逆転写を実施すること;ならびにcDNAにハイブリダイズするプライマーを用いて目的のcDNAおよび1種または複数の対照cDNAを増幅すること、を含む。
【0116】
RNA存在量を測定するために用いられる一般的技術は、逆転写(RT)の後にリアルタイム定量PCR(qPCR)を行うRT−qPCRである。定量PCRのための市販されるシステム、例えばApplied Biosystems(登録商標)の「Real Time PCR System」、RocheのLightCycler(登録商標)、BioRad(登録商標)のiCycler(登録商標)その他が、用いられてもよい。逆転写は最初、RNAからDNA鋳型を作製する。この一本鎖鋳型は、cDNAと呼ばれる。該cDNA鋳型はその後、定量ステップで増幅され、その際、DNA増幅工程が進行すると、標識ハイブリダイゼーションプローブが発した蛍光またはインターカレーティング色素が変化する。定量PCRは、本来のRNAのコピーの増加または減少の尺度を生成し、同等な健常組織に比較した癌組織での遺伝子発現の変化を定義するための試みに用いられてきた(Nolan T,et al.Nat Protoc 1:1559−1582,2006;Paik S.The Oncologist 12:631−635,2007;Costa C,et al.Transl Lung Cancer Research 2:87−91,2013)。
【0117】
次世代シーケンシング(NGS)技術により可能になった大規模並列シーケンシングは、組織試料中のRNA転写産物の一覧に近づく別の方法であり、RNA−seqは、これを用いる方法である。それは、異なる生理学的条件の間の遺伝子発現レベルの差、または発達の間もしくは疾患進行の途中で生じる変化をはじめとする、トランスクリプトーム分析に用いられる現在最も強力な分析ツールである。具体的には、RNA−seqは、遺伝子融合事象、新規転写産物、およびRNA編集をはじめとする遺伝子発現の変化、選択的スプライシングの事象、対立遺伝子特異性遺伝子発現、およびキメラ転写産物などの現象を試験するために用いることができる。
【0118】
本明細書で用いられる用語「増幅」または「増幅する」は、標的核酸、例えば表1〜11に列挙された遺伝子をコピーし、それにより選択された核酸配列のコピー数を増加させるための当該技術分野で公知の1つまたは複数の方法を意味する。増幅は、指数関数的または直線的であってもよい。詳細な実施形態において、該標的核酸は、RNAである。
【0119】
本明細書で用いられる「核酸」は、広義では染色体の区分、DNA、cDNA、および/またはRNAの区分または一部を指す。核酸は、元々、任意の供給源から単離された(例えば、試料のDNAまたはRNAからの単離、精製、増幅、クローニングまたは逆転写された)核酸試料に由来しても、またはそれから得られてもよい。
【0120】
本明細書で用いられる用語「オリゴヌクレオチド」は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせで構成された短いポリマーを指す。オリゴヌクレオチドは、一般には約10〜約100の間のヌクレオチド長である。オリゴヌクレオチドは、典型的には15〜70ヌクレオチド長であり、20〜26ヌクレオチドが最も一般的である。オリゴヌクレオチドは、プライマーまたはプローブとして用いられてもよい。オリゴヌクレオチドおよび核酸がアライメントされた時に、該オリゴヌクレオチドが、該核酸の一部と少なくとも50%の配列同一性を有する場合、該オリゴヌクレオチドは、該核酸に「特異性がある」。核酸に特異性があるオリゴヌクレオチドは、適当なハイブリダイゼーションまたは洗浄条件下で該当する標的とハイブリダイズが可能で、該当しない核酸と実質的にハイブリダイズが可能でないものである。高レベルの配列同一性が好ましく、それには少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性が包含される。
【0121】
核酸に関連して本明細書で用いられる「断片」は、少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも約7ヌクレオチド、少なくとも約9ヌクレオチド、少なくとも約11ヌクレオチド、または少なくとも約17ヌクレオチドを有する(hare)ヌクレオチド残基の配列を指す。断片は、典型的には約300ヌクレオチド未満、約100ヌクレオチド未満、約75ヌクレオチド未満、約50ヌクレオチド未満、または約30ヌクレオチド未満である。特定の実施形態において、該断片は、同一または関連のDNA分子を同定または増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または様々なハイブリダイゼーション手順で用いられ得る。
【0122】
本明細書で用いられる、増幅のための「プライマー」は、標的またはマーカーヌクレオチド配列に特異的にアニーリングするオリゴヌクレオチドである。プライマーの3’ヌクレオチドは、ポリメラーゼによる最適なプライマー伸長のために対応するヌクレオチド位置にある標的またはマーカー配列と同一でなければならない。本明細書で用いられる「フォワードプライマー」は、二本鎖DNA(dsDNA)のアンチセンス鎖にアニーリングするプライマーである。「リバースプライマー」は、dsDNAのセンス鎖にアニーリングする。
【0123】
本明細書で用いられる「標的核酸」は、染色体の区分、遺伝子間配列を有する、もしくは有さない完全な遺伝子、遺伝子間配列を有する、もしくは有さない遺伝子の区分もしくは部分、またはプローブもしくはプライマーが設計された核酸の配列を指す。標的核酸は、ゲノムDNA、cDNA、またはRNAに由来してもよい。本明細書で用いられる標的核酸は、ネイティブDNAまたはPCR増幅産物であってもよい。
【0124】
先に記載された検出方法は、本発明が実践され得る方法を例示するためのもので、本発明の範囲を限定するためのものではない。対象試料中の核酸の存在を検出するための他の配列に基づく方法論を、本発明により用い得ることが企図される。
【0125】
遺伝子発現を計測するためのキット
幾つかの態様によれば、該キット、パネル、またはマイクロアレイは、細胞集団を含む組成物が必要とする対象への移植に適するか否かを決定するためのものである。幾つかの実施形態において、複数のリガンドを含むキット、パネル、またはマイクロアレイが提供され、各リガンドは、表1〜11に列挙された遺伝子から選択される単一遺伝子と特異的に複合体形成すること、結合すること、ハイブリダイズすること、または該単一遺伝子を定量的に検出もしくは同定することが可能である。幾つかの実施形態において、該複数のリガンドは、独立して、表1〜11に列挙された遺伝子から選択される複数の遺伝子を検出または同定することが可能である。幾つかの実施形態において、該複数のリガンドは、独立して、表1〜11から選択される表に列挙された遺伝子から選択される複数の遺伝子を検出または同定することが可能である。本明細書に記載された複数の遺伝子は、少なくとも1つの他のマーカー、例えば他の公知の遺伝子を特色とする任意の部分的組み合わせおよび/または組み合わせを場合により包含する。幾つかの実施形態において、該複数の遺伝子は、表1から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表2から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表3から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表4から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表5から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表6から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表7から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表8から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表9から選択される1つもしくは複数の遺伝子、表10から選択される1つもしくは複数の遺伝子、および/または表11から選択される1つもしくは複数の遺伝子、あるいはそれらの組み合わせから選択される。
【0126】
幾つかの実施形態において、該キット、パネルまたはマイクロアレイは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、50、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990または1000の異なるリガンドを含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。幾つかの実施形態において、該キット、パネルまたはマイクロアレイは、多くとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、50、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990または1000の異なるリガンドを含む。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。
【0127】
用語「マイクロアレイ」は、基質上のハイブリダイズ可能なアレイエレメント、好ましくはポリヌクレオチドプローブの規則正しい配列を指す。
【0128】
特定の実施形態において、1つまたは複数のアルゴリズムまたはコンピュータプログラムが、試験試料中の各遺伝子の定量された発現レベルを所定のカットオフと(または複数の所定のカットオフと)比較するために用いられてもよい。あるいは、必要なステップをヒトにより用手法で実施するための1つまたは複数の使用説明書を、提供することができる。パターン分析を決定および比較するためのアルゴリズムとしては、主成分分析、フィッシャー線形分析、ニューラルネットワークアルゴリズム、遺伝子アルゴリズム、ファジー論理パターン認識などが挙げられるが、これらに限定されない。分析が完了した後、得られた情報を、例えば次の検索のために、ディスプレーに表示すること、ホストコンピューターに伝送すること、または保存デバイスに保存することができる。
【0129】
異種細胞集団
幾つかの実施形態によれば、本発明の細胞集団は、異種細胞集団である。
【0130】
本明細書で用いられる用語「細胞集団」は、類似の、または異なる表現型を発現する少なくとも2つの細胞の群を指す。非限定的例として、細胞集団は、類似の、または異なる表現型を発現する少なくとも10、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000の細胞を含み得る。本明細書で用いられる用語「異種細胞集団」は、細胞の少なくとも一部が異なる表現型を発現する少なくとも2つの細胞の群を指す。
【0131】
本明細書で用いられる用語「間葉系幹細胞」または「MSC」は、複数の間葉系系列の分化細胞を、具体的には骨芽細胞、脂肪細胞、筋芽細胞および軟骨芽細胞を生じることが可能な細胞を指す。一般には間葉系幹細胞はまた、以下の特性のうちの1つまたは複数を有する:非同時性または対称的な複製を受ける能力、即ち分裂後の2つの娘細胞が異なる表現型を有し得る能力;大規模な自己再生能力;および該幹細胞が存在する組織、例えば骨髄の非造血細胞のクローン再生。「前駆細胞」は、典型的には大規模な自己再生能力を有さない点が幹細胞と異なる。
【0132】
幾つかの実施形態において、該細胞集団は、異種細胞集団である。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の、本明細書に記載された前記発現プロファイルを有する細胞を含む。
【0133】
幾つかの実施形態において、該異種細胞集団は、間葉系幹細胞、骨前駆細胞および骨形成細胞からなる群から選択される2つ以上の細胞型を含む。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団の細胞の30〜70%は、骨前駆細胞である。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団の細胞の40〜60%は、骨前駆細胞である。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団の細胞の50〜60%は、骨前駆細胞である。
【0134】
幾つかの実施形態において、該異種細胞集団は、骨形成誘導に供された細胞に由来する。
【0135】
用語「骨形成の」または「骨形成」は、未分化の間葉系幹細胞および骨芽細胞系列の細胞からの骨細胞の増殖および骨組織の生育(即ち、新しい骨基質の合成および堆積)を指す。骨形成はまた、骨細胞(即ち、骨芽細胞)への前駆体または前駆細胞の分化または分化転換を指す。前駆体または前駆細胞は、例えば間葉系幹細胞をはじめとする、多能性幹細胞であり得る。前駆体または前駆細胞は、骨芽細胞系列にプレコミットされた細胞(例えば、前骨芽細胞)、または骨芽細胞系列にプレコミットされていない細胞(例えば、前脂肪細胞または筋芽細胞)であり得る。
【0136】
本明細書で用いられる用語「分化」は、原始的段階から、細胞表面抗原マーカーの特徴的組み合わせの発現に関連する成熟形態への、細胞の発達を指す。分化は、細胞が特定の表現型を引き受ける、例えば他の細胞型と異なる1つまたは複数の特徴または機能を獲得する、発達工程である。幾つかの例において、該分化された表現型は、幾つかの発達経路における成熟のエンドポイントにある細胞表現型(「高分化型細胞」)を指す。
【0137】
用語「骨形成誘導」は、骨形成系細胞分化の上方制御または刺激を指す。
【0138】
一実施形態において、該異種細胞集団は、少なくとも24時間の骨形成プライミング期間を受けた細胞に由来する。別の実施形態において、該異種細胞集団は、少なくとも48時間の骨形成プライミング期間を受けた細胞に由来する。別の実施形態において、該異種細胞集団は、少なくとも72時間の骨形成プライミング期間を受けた細胞に由来する。別の実施形態において、該異種細胞集団は、少なくとも96時間の骨形成プライミング期間を受けた細胞に由来する。
【0139】
幾つかの実施形態において、細胞の骨形成系細胞分化の誘導は、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7からなる群から選択される1つまたは複数の骨形成誘導因子により実現される。
【0140】
幾つかの実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の少なくとも25ナノグラム/ミリリットルで処理して、異種細胞集団を得る。別の実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の少なくとも50ナノグラム/ミリリットルで処理して、異種細胞集団を得る。別の実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の少なくとも75ナノグラム/ミリリットルで処理して、異種細胞集団を得る。別の実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の少なくとも100ナノグラム/ミリリットルで処理して、異種細胞集団を得る。別の実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の少なくとも150ナノグラム/ミリリットルで処理して、異種細胞集団を得る。
【0141】
非限定的例として、該異種細胞集団は、好ましい濃度の以下の分子:デキサメタゾン(10〜200nM)、ベータグリセロリン酸ナトリウム(5〜25mM)、1,25ジヒドロキシコレカルシフェロール(カルシトリオール:1〜50nM)、L−アスコルビン酸−2−ホスファート(0.05〜500mM)および骨形成誘導因子(10ng/ml〜10μg/ml)、の1種または複数で構成された骨形成培養分化培地を含む骨形成培養分化条件に細胞を供することに由来する。
【0142】
別の実施形態において、該細胞を1つまたは複数の骨形成誘導因子の150ナノグラム/ミリリットルで48時間処理して、異種細胞集団を得る。
【0143】
幾つかの実施形態において、該細胞は、幹細胞に由来する。幾つかの実施形態において、該幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)である。幾つかの実施形態において、該MSCは、自家MSCである。幾つかの実施形態において、該MSCは、同種MSCである。幾つかの実施形態において、該自家MSCは、自家ヒト脂肪組織に由来し、ヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)と称される。別の実施形態において、ヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)は、脂肪吸引手順により脂肪組織から得られた細胞である。
【0144】
本明細書で用いられる用語「ヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)」は、多くの異なる細胞治療のための代わりの細胞供給源として用いられ得る脂肪組織の血管間質コンパートメントから発生した細胞の異種集団を指す。本明細書で用いられるHATDCは、骨前駆体、骨芽細胞、骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞および破骨細胞、ならびに内皮前駆細胞(EPC)(CD31+CD34+CD45−CD144+CD146+CD102)、造血前駆細胞(HPC−CD34+)および成熟EC(CD31+CD34+CD45−CD90−CD144+CD146+CD105+)の任意の組み合わせの中に、複数の脂肪由来幹細胞(ASC)(CD34−CD45−CD11b−、CD19、HLA−DR−、CD105+、CD73+、CD90+)、間葉系細胞、間葉系幹細胞、血管平滑筋細胞(平滑筋アルファアクチン陽性、デスミン陽性、h−カルデスモン陽性、平滑筋ミオシン、重鎖陽性)、脂肪生成、軟骨形成、および骨形成細胞を含む、細胞の異種集団を含む。
【0145】
幾つかの実施形態において、該細胞は、骨形成誘導の前に三次元(3D)培養で育成される。幾つかの実施形態において、該細胞は、ミネラルスキャフォールド上での3D培養で育成される。幾つかの実施形態において、該細胞は、バイオリアクターまたは力学的生育システムでの3D培養で育成される。別の実施形態において、本発明の細胞は、5%COを含む加湿条件下の組織培養インキュベータ中、37℃で維持および生育される。
【0146】
幾つかの実施形態において、該異種細胞集団を含む組成物が、必要とする患者に移植される。幾つかの実施形態において、エクスビボに由来した移植組成物の異種細胞集団の細胞が、移植部位(例えば、骨)で利用可能なインビボ骨形成誘導因子に暴露される。幾つかの実施形態において、該異種細胞集団の細胞は、インビボで成熟骨芽細胞にさらに分化される。
【0147】
本明細書で用いられる用語「エクスビボ」は、細胞を生存する生物体から取り出して該生物体の体外で繁殖する工程を指す。本明細書で用いられる用語「インビボ」は、生存する生物体の体内で行われる任意の工程を指す。
【0148】
別の実施形態において、本発明は、取り付けられた3D細胞培養物を含む鉱物粒子と、提供された該3D細胞培養物から本発明の異種細胞集団を作製するための使用説明書と、を含むキットを提供する。別の実施形態において、該3D細胞培養物は、HATDCを含む。別の実施形態において、該使用説明書は、本発明の組成物を得るために、ミネラルスキャフォールド上で3D培養物で育成されたHATDCの骨形成誘導のための推奨される条件を含む。別の実施形態において、該キットは、少なくとも1種の骨形成誘導因子および/または骨形成培養分化培地をさらに提供する。
【0149】
多層細胞培養物
幾つかの実施形態において、多層細胞培養物は、少なくとも2種の細胞型で構成された異種細胞培養物である。別の実施形態において、多層細胞培養物は、少なくとも3種の細胞型で構成された異種細胞培養物である。別の実施形態において、多層細胞培養物は、少なくとも4種の細胞型で構成された異種細胞培養物である。別の実施形態において、多層細胞培養物は、骨形成プライミング期間に続く48時間のヒト脂肪組織由来細胞(HATDC)を含む。
【0150】
別の実施形態において、多層細胞培養物は、下層の細胞と上層の細胞とを含む。別の実施形態において、多層細胞培養物は、下層の細胞と、中層の細胞と、上層の細胞とを含む。別の実施形態において、多層細胞培養物は、3D(三次元)細胞培養物である(2D(二次元)細胞培養物と呼ばれる単層の細胞とは異なる)。別の実施形態において、3D細胞培養物は、細胞と、細胞外マトリックスと、からなる。別の実施形態において、3D細胞培養物は、本明細書に記載された鉱物粒子の表面で生育される。別の実施形態において、3D細胞培養物は、生体物質からなる。別の実施形態において、2細胞層以上の3D細胞培養物が、鉱物粒子に付着されている。別の実施形態において、2細胞層以上の3D細胞培養物が、鉱物粒子に操作可能に付着されている。
【0151】
幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物は、少なくとも二層の細胞を含み、一層中の細胞の少なくとも10%は、別の層の細胞の少なくとも10%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物は、少なくとも3層の細胞を含む。
【0152】
幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも10%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも10%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも20%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも20%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも30%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも30%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも40%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも40%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも50%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも50%と接触している。幾つかの実施形態において、多層細胞培養物または3D細胞培養物中の1層中の細胞の少なくとも60%は、同じ多層細胞培養物または3D細胞培養物中の別の層の細胞の少なくとも60%と接触している。別の実施形態において、熟語「接触している」は、物理的接触状態にある。別の実施形態において、熟語「接触している」は、細胞−細胞相互作用の状態にある。
【0153】
別の実施形態において、熟語「3D細胞培養物」または「3D培養物」は、細胞を細胞生育に適合性があり、細胞を1層より多く生育させる条件に配置する培養物を指す。別の実施形態において、3D細胞培養物中の細胞は、様々な局所微細環境の確立を可能にする細胞外マトリックスナノスケール線維の複雑なネットワークに保持されている。別の実施形態において、該ECM中の細胞外リガンドは、基底膜への付着のみならず、種々の血管およびリンパ管へのアクセスも媒介する。別の実施形態において、3D細胞培養物中の細胞は、酸素、ホルモンおよび栄養素に暴露される。別の実施形態において、3D細胞培養物は、細胞−細胞および細胞−ECM相互作用を特徴とする。
【0154】
スキャフォールド
別の実施形態において、該組成物は、骨伝導性粒子をさらに含む。本明細書で用いられる「骨伝導性」は、適当な鋳型として働く物質、または骨を生育させ得る物質の能力を指す。非限定的例として、該骨伝導性粒子の1つまたは複数の型は、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト(HA)、脱灰骨材料、粉砕骨移植片、皮質海綿状同種移植片、皮質海綿状自家移植片、皮質海綿状異種移植片、リン酸三カルシウム、ウミヒバ鉱物および硫酸カルシウムからなる群から選択される骨伝導性セラミック粒子である。
【0155】
別の実施形態において、該組成物は、鉱物粒子をさらに含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、3D細胞培養物を担うスキャフォールドである。別の実施形態において、鉱物粒子は、生体適合性である。別の実施形態において、細胞は、鉱物粒子に付着してもよい。別の実施形態において、該鉱物粒子は、付着された細胞の増複を容易にする。別の実施形態において、鉱物粒子は、粉砕組成物の形態である。別の実施形態において、鉱物粒子は、微粉砕組成物の形態である。別の実施形態において、鉱物粒子は、縁部と、より多くの細胞付着部位を提供する溝と、を含む。本明細書で用いられる「増複」または「増複すること」は、細胞分化が実質的に欠如した細胞増殖の工程を指す。したがって増複を受けた細胞は、細胞再生特性、即ち細胞集団の増加を維持し(例えば、少なくとも2倍)、そのような増加に伴う分化を行わない。
【0156】
別の実施形態において、鉱物粒子は、骨線維である。別の実施形態において、本発明の骨線維は、増強された細胞結合表面を有する。別の実施形態において、本発明の骨線維は、
骨組織に由来する。別の実施形態において、骨組織は、骨組織の長さに沿って、またはきめの方向に沿って切断されて、骨線維を形成する。
【0157】
別の実施形態において、鉱物粒子は、3D細胞培養物を担う骨のスキャフォールドである。別の実施形態において、鉱物粒子は、骨鉱物粒子である。別の実施形態において、鉱物粒子は、摩砕された鉱物化皮質骨である。別の実施形態において、鉱物粒子は、摩砕された鉱物化海綿骨である。別の実施形態において、鉱物粒子は、鉱物化海綿粒子である。別の実施形態において、鉱物粒子は、鉱物化皮質粒子である。別の実施形態において、鉱物粒子は、サンゴの鉱物粒子である。別の実施形態において、鉱物粒子は、鉱物からなる。別の実施形態において、鉱物粒子は、リン酸カルシウムを含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、リン酸カルシウム誘導体を含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、硫酸カルシウムを含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、硫酸カルシウム誘導体を含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、カルシウムヒドロキシアパタイトを含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、ケイ酸塩を含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、硫酸カルシウム誘導体を含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、ケイ酸塩鉱物ヒドロキシアパタイトを含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、ベータ3リン酸カルシウムを含む。別の実施形態において、鉱物粒子は、当業者に公知の鉱物の任意の組み合わせを含む。
【0158】
幾つかの実施形態において、該スキャフォールドは、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノーゲンおよびコラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質をさらに含む。幾つかの実施形態において、該鉱物粒子は、細胞外マトリックスタンパク質にコーティングされている。
【0159】
別の実施形態において、鉱物粒子は、少なくとも50ミクロンの径を有する。別の実施形態において、鉱物粒子は、少なくとも100ミクロンの径を有する。別の実施形態において、鉱物粒子は、50ミクロン〜2000ミクロンの範囲内の径を有する。別の実施形態において、鉱物粒子は、100ミクロン〜1000ミクロンの範囲内の径を有する。別の実施形態において、鉱物粒子は、200ミクロン〜2000ミクロンの範囲内の径を有する。幾つかの実施形態において、該鉱物粒子は、1センチメートル〜15センチメートル(cm)長のサイズを有する。幾つかの実施形態において、該鉱物粒子は、5cm〜15センチメートル(cm)長のサイズを有する。幾つかの実施形態において、該鉱物粒子は、最大15センチメートル長のサイズを有する。
【0160】
別の実施形態において、鉱物粒子に付着された3D細胞培養物は、骨形成系細胞分化の誘導前の5日間に、細胞培地で生育および/または維持される。別の実施形態において、鉱物粒子に付着された3D細胞培養物は、骨形成系細胞分化の誘導前の4〜6日間に、細胞培地で生育および/または維持される。別の実施形態において、鉱物粒子に付着された3D細胞培養物は、骨形成系細胞分化の誘導前の2〜21日間、あるいは4〜21日間、あるいは2〜16日間、あるいは3〜16日間、あるいは4〜16日間、あるいは1〜10日間、あるいは2〜10日間、あるいは3〜10日間、あるいは4〜10日間、あるいは1〜6日間、あるいは2〜6日間、あるいは3〜5日間、あるいは3〜6日間、あるいは4〜6日間、細胞培地で生育および/または維持される。
【0161】
細胞の播種
組織から遊走した細胞の播種
幾つかの実施形態において、細胞の播種は、鉱物粒子への細胞の遊走および付着を可能にする所定の期間に、鉱物粒子に対する組織の特異的比率で脂肪組織と鉱物粒子との接触を維持することにより実行される。幾つかの実施形態において、該脂肪組織は、無傷のままであるか、あるいは機械的に解離される(例えば、小さな組織断片に細断される)。
【0162】
幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、脂肪組織からスキャフォールド上へのHATDCの遊走および該スキャフォールドの表面での密集を容易にするために必要となる期間、接触を維持される。幾つかの実施形態において、接触での少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、または少なくとも10日間のインキュベーションが、HATDCの遊走およびミネラルスキャフォールドの表面での密集を容易にするのに必要となる。幾つかの実施形態において、該播種期間は、少なくとも3日間である。別の実施形態において、該播種期間は、少なくとも4日間である。別の実施形態において、該播種期間は、少なくとも5日間である。別の実施形態において、該播種期間は、少なくとも6日間である。別の実施形態において、該播種期間は、少なくとも7日間である。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、3〜7日間、接触を維持される。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、3〜10日間、接触を維持される。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、5〜10日間、接触を維持される。
【0163】
幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、1ミリグラムスキャフォールドあたり1マイクロリットル組織の比率を有し、それは本明細書では以後、1:1の比率と称する。幾つかの実施形態において、該比率は、それぞれ10:1〜1:10、9:1〜1:9、8:1〜1:8、7:1〜1:7、6:1〜1:6、e5e5、4:1〜1:4、3:1〜1:3、または2:1〜1:2の範囲内である。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、それぞれ3:1〜1:2の範囲内の比率を有する。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、それぞれ2:1〜1:4の範囲内の比率を有する。幾つかの実施形態において、該比率は、それぞれ2:1〜1:3、2:1〜1:2、3:1〜1:4、1:1〜1:4、1:1〜1:2または2:1〜1:1の範囲内である。各可能性は、本発明の別の実施形態を表す。幾つかの実施形態において、該脂肪組織とスキャフォールドの間の比率は、1:1である。非限定的例としては、1ミリリットルの脂肪組織を、1グラムのミネラルスキャフォールドと接触させる。
【0164】
幾つかの実施形態において、該脂肪組織と該スキャフォールドの接触を実現するために、該脂肪組織および該スキャフォールドは最初、培地(例えば、ゼノフリー培地)の存在下で混合される。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドは、培地と酸素に暴露しながら、接触状態で配置させる。幾つかの実施形態において、該脂肪組織および該スキャフォールドの接触により、該脂肪組織の少なくとも一部とスキャフォールドの少なくとも一部との物理的接触が可能になる。非限定的例として、接触は、容器、バイオリアクター、プレート内で実施されてもよい。幾つかの実施形態において、鉱物粒子と接触した脂肪組織との合わせた厚さが、部分的に培地で覆われている。非限定的例として、1〜2ミリメートルの合わせた厚さが、1〜2ミリメートルの培地レベルで維持される。幾つかの実施形態において、該培地は、ゼノフリー生育培地である。本明細書で用いられる「ゼノフリー」は、培養された細胞以外の種の任意の細胞または細胞生成物を含まない細胞培養条件を意味する。他の実施形態において、該培地は、血清が補充されている。血清の非限定的例としては、ウシ胎仔血清(FCS)、ヒトAB血清、および自家血清または血小板溶解物が挙げられる。
【0165】
最初に組織から得られた細胞の播種
他の実施形態において、細胞の播種が、鉱物粒子への細胞の付着を可能にする所定の期間、鉱物粒子に対する細胞の特異的比率で鉱物粒子の存在下、細胞の特異的濃度を維持することにより実行される。
【0166】
幾つかの実施形態において、該付着期間は、少なくとも1時間である。別の実施形態において、該付着期間は、少なくとも2時間である。別の実施形態において、該付着期間は、少なくとも3時間である。別の実施形態において、該付着期間は、少なくとも4時間である。別の実施形態において、該付着期間は、少なくとも5時間である。別の実施形態において、該播種期間は、少なくとも10時間である。別の実施形態において、該播種期間は、最大7日間である。
【0167】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載された少なくとも1×10個の細胞が、鉱物粒子1ミリグラム(mg)あたりに播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された少なくとも1×10個の細胞が、鉱物粒子1mgあたりに播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された少なくとも1×10〜1×10個の細胞が、鉱物粒子1mgあたりに播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された少なくとも1×10〜1×10個の細胞が、鉱物粒子1mgあたりに播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された少なくとも5×10〜5×10個の細胞が、鉱物粒子1mgあたりに播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された少なくとも3.5×10個の細胞が、鉱物粒子1mgあたりに播種される。
【0168】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載された細胞は、培地1ミリリットルあたり少なくとも1×10細胞の濃度で播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された細胞は、培地1ミリリットルあたり少なくとも10×10細胞の濃度で播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された細胞は、培地1ミリリットルあたり少なくとも50×10細胞の濃度で播種される。別の実施形態において、本明細書に記載された細胞は、培地1ミリリットルあたり少なくとも100×10細胞の濃度で播種される。幾つかの実施形態において、該培地は、ゼノフリー生育培地である。他の実施形態において、該培地は、ウシ胎仔血清(FCS)、ヒトAB血清、および自家血清などの血清または血小板溶解物が補充される。
【0169】
生体成分
別の実施形態において、本発明は、該組成物がアルブミンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物が細胞外マトリックス(ECM)タンパク質をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がフィブリンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がフィブロネクチンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がコラーゲンI型をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がラミニンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がビトロネクチンをさらに含むことを提供する。
【0170】
別の実施形態において、本発明は、該組成物が骨形成タンパク質(BMP)をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がインスリン様成長因子をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がインターロイキン−1、インターロイキン−6、腫瘍壊死因子(TNF)、RANKL、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、組成物は、培地を含有するヒト血清アルブミン(HSA)中に懸濁された自家多細胞3D細胞培養物を含む。別の実施形態において、本明細書に記載された組成物は、抗炎症剤をさらに含む。別の実施形態において、本明細書に記載された組成物は、抗生物質をさらに含む。
【0171】
別の実施形態において、本発明は、該組成物が生体適合性結合剤をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、該生体適合性結合剤は、フィブリン接着剤、フィブリノーゲン、トロンビン、イガイ接着タンパク質、シルク、エラスチン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、ケラチン、キチンおよびキトサンからなる群から選択される1種または複数である。別の実施形態において、該生体適合性結合剤は、デンプン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−co−グリコール酸、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリカルボナート、ポリオキソエステル、ポリアミノ酸、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシバレラート、ポリ(プロピレングリコール−co−フマル酸)、チロシンに基づくポリカルボナート、ポリビニルピロリドン、セルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される1種または複数である。
【0172】
別の実施形態において、本発明は、該組成物がビタミンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がグルコサミンをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物がサイトカインをさらに含むことを提供する。別の実施形態において、本発明は、該組成物が成長因子をさらに含むことを提供する。
【0173】
別の実施形態において、本発明は、該組成物がヒアルロン酸をさらに含むことを提供する。別の実施形態において、用語「ヒアルロン酸(HA)」は、ヒアルロナンまたはヒアルロン酸ナトリウムと同義である。別の実施形態において、ヒアルロン酸は、生理学的緩衝剤を含む組成物中に存在する。別の実施形態において、ヒアルロン酸は、200,000〜850,000ダルトンの分子量を有する。
【0174】
別の実施形態において、ヒアルロン酸は、鉱物粒子に堆積または付着された異種細胞集団を懸濁させるための組成物である。別の実施形態において、ヒアルロン酸は、溶液(緩衝剤を含む)1mLあたりヒアルロン酸0.5mg〜50mgを含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、溶液(緩衝剤を含む)1mLあたりヒアルロン酸0.5mg〜5mgを含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、溶液(緩衝剤を含む)1mLあたりヒアルロン酸5mg〜20mgを含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、溶液(緩衝剤を含む)1mLあたりヒアルロン酸10mg〜30mgを含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、溶液(緩衝剤を含む)1mLあたりヒアルロン酸10mg〜25mgを含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、0.05〜5重量%のヒアルロン酸を含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、0.1〜1重量%のヒアルロン酸を含む組成物である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、0.1〜0.5重量%のヒアルロン酸を含む組成物である。
【0175】
別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、溶液である。別の実施形態において、鉱物粒子に堆積または付着された細胞を懸濁させるためのヒアルロン酸組成物は、ゲルである。
【0176】
骨修復組成物を作製する工程
本発明の組成物は、複数の代替的工程により製造されてもよい。幾つかの実施形態において、該工程は、該細胞を3D培養で培養することを含む。幾つかの実施形態において、該工程は、該細胞を3D培養で培養する前に、2D培養で培養することを含む。
【0177】
幾つかの実施形態において、細胞は最初、組織試料から単離される。幾つかの実施形態において、単離は、血漿の除去、遠心分離および/またはコラーゲナーゼインキュベーションを含む。他の実施形態において、細胞は、組織からスキャフォールドに直接遊走する。幾つかの実施形態において、該組織は、脂肪組織である。幾つかの実施形態において、該細胞は、幹細胞である。幾つかの実施形態において、該幹細胞は、ヒト脂肪組織由来細胞である。
【0178】
幾つかの実施形態において、単離された細胞は最初、2D系(例えば、フラスコ)で育成および拡大される。次に、2D系で生育された細胞は、接着細胞の付着および生育を可能にする培地を用いて、鉱物粒子上で滅菌条件下、エクスビボで育成および増複される。幾つかの実施形態において、該培地は、ゼノフリー培地である。他の実施形態において、該培地は、血清が補充される。幾つかの実施形態において、これらの細胞の初期生育および拡大期を支援した培地は、場合によりこれらの細胞の分化および骨形成を支援する別の細胞培養形式で交換されてもよい。
【0179】
幾つかの実施形態において、組織およびスキャフォールドを接触させるが、該接触は、脂肪組織からスキャフォールド上への細胞遊走、および細胞の付着を容易にし、それにより細胞が密集したスキャフォールドを提供する。幾つかの実施形態において、該方法は、細胞の拡大を可能にするために、細胞が密集されたスキャフォールドを培養および増複するステップをさらに含む。幾つかの実施形態において、該方法は、赤血球などの他の細胞から脂肪組織を分離する予備的ステップを含む。本明細書で用いられる用語「予備的」は、組織およびスキャフォールドの接触の前に行われるステップを指す。幾つかの実施形態において、分離は、脂肪組織を生理食塩水(例えば、通常の生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または細胞生育培地)などでの洗浄に供した後、遠心分離して、赤血球、細胞片などを含有するペレットをもたらすことにより利用される。幾つかの実施形態において、該方法は、スキャフォールドおよびそれに付着したHATDCから脂肪組織を分離するステップをさらに含む。幾つかの実施形態において、脂肪組織とHATDCが密集したスキャフォールドとの該接触は、混合してHATDCが密集した沈殿スキャフォールドをもたらし、脂肪組織を浮遊させることなどにより、脱離させてもよい。幾つかの実施形態において、分離は、脂肪組織を除去することにより実現される。幾つかの実施形態において、該浮遊する脂肪組織は、洗浄(例えば、培地で)により除去される。非限定的例として、分離は、液体を吸引すること(例えば、ピペッティングにより)、脂肪組織およびスキャフォールドを混合して(例えば、ボルテックス処理により)、HATDCが密集した沈殿スキャフォールドと、容易に除去され得る浮遊する脂肪組織をもたらすこと、により実行されてもよい。
【0180】
別の実施形態において、該鉱物粒子に付着された3D異種細胞集団は、フロースルーバイオリアクターシステムに供された鉱物粒子に付着された3D細胞培養物に由来する。別の実施形態において、該鉱物粒子に付着された3D異種細胞集団は、該3D細胞培養物を骨形成系細胞分化にさらに供することに由来する。別の実施形態において、該3D細胞培養物は、骨形成系細胞分化に48時間、あるいは少なくとも24時間、、あるいは少なくとも48時間、あるいは少なくとも72時間、あるいは少なくとも96時間、供される。
【0181】
別の実施形態において、該生育培地(細胞培地)は、成長因子およびサイトカイン、例えばトランスフォーミング成長因子ベータ(TGFベータ)、インスリン様成長因子−1(IGF−1)、骨形成タンパク質−1(OP−1)、線維芽細胞増殖因子(FGF)のメンバー、例えばFGF−2、FGF−9およびFGF−10など、ならびに骨形成タンパク質(BMP)のメンバー、例えばBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7のうちの1つまたは複数などが補充される。
【0182】
別の実施形態において、該異種細胞集団の3D培養物に覆われた鉱物粒子は、必要とする対象に移植される。別の実施形態において、該異種細胞集団の3D培養物に覆われた鉱物粒子は、骨の欠損または空隙の所定部位に移植される。
【0183】
別の実施形態において、本発明の移植可能な組成物は、シリンジで提供される。別の実施形態において、本明細書において、シリンジと、鉱物粒子に堆積または付着された本発明の3D異種細胞集団と、半固形培地(例えば、ヒアルロン酸)と、が提供される。別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、シリンジと、半固形培地に懸濁された鉱物粒子に堆積または付着された3D異種細胞集団を含む懸濁液と、を含むキットである。
【0184】
別の実施形態において、骨の内部の空隙を充填するための医薬組成物が、半固形培地(例えば、ヒアルロン酸)と、本発明の鉱物粒子に付着された3D異種細胞集団と、を簡単に混合することにより生成される。別の実施形態において、骨の内部の空隙を充填するための医薬組成物は、半固形培地と、細胞培地に懸濁された鉱物粒子に堆積または付着された3D異種細胞集団を含む懸濁液と、を簡単に混合することにより生成される。
【0185】
別の実施形態において、骨の内部の空隙を充填するためのキットは、半固形培地の有効量を含有する第一の部分と、細胞培地に懸濁された鉱物粒子に堆積または付着された3D異種細胞集団を含む懸濁液の有効量を含有する第二の部分と、を含む。別の実施形態において、該キットは、注射用であり、第一および第二の部分は、溶液形態であり得、独立したパック(プラスチック瓶またはアンプルのようなガラス瓶など)に別個に入れられている。別の実施形態において、各パックは、第一または第二の部分の複数の投与量を含むことができるが、好ましくは単一投与量を含むことができる。別の実施形態において、注射前に該2つの部分は、該配合剤を適用するための使用説明書(キットの操作方法、溶液の混合比などの情報を含む)の情報に従って注射用シリンジに入れられる。別の実施形態において、注射の前に該2つの部分は、シリンジの内部または外部の混合手段に投入される。別の実施形態において、注射の前に該2つの部分は、シリンジの内部または外部の混合手段により混合される。
【0186】
半固形という用語は、非限定的例として室温で実質的に寸法が安定しているが、典型的には残留溶媒量により、特定の弾性および可撓性を有するなど、ゲル様の稠度を有する材料を指す。
【0187】
本発明の様々な実施形態の記載は、例示の目的で示されているが、開示された実施形態に網羅または限定する意図はない。多くの改変および変更が、記載された実施形態の範囲および主旨から逸脱することなく、当業者に明白となろう。本明細書で用いられる用語法は、実施形態の主旨、実践的適用、もしくは市場で見出される技術を超える技術的改善を最良に説明するため、または本明細書に開示された実施形態を当業者に理解させるために、選択されている。
【0188】
議論において、他に断りがなければ、本発明の実施形態の特色または複数の特色の条件または関連性の特徴を改変する「実質的に」および「約」などの形容詞は、該条件または特徴が意図する適用のための実施形態の操作に容認できる耐容誤差内で定義されることを意味するものと理解されたい。他に断りがなければ、本明細書および特許請求の範囲内の言語「または」は、排他的なまたはというよりむしろ包括的な「または」であると見なされ、連結する項目の少なくとも1つまたは任意の組み合わせを示す。
【0189】
本明細書の前述で、そして他の箇所で用いられた用語「a」および「an」は、挙げられた構成要素の「1つまたは複数」を指すものと理解されなければならない。単数形の使用が、他に具体的に断りがない限り複数を含むことは、当業者に明らかであろう。
【0190】
本発明の教示をよりよく理解し、教示の範囲を限定しないことを目的として、他に断りがなければ、本明細書および特許請求の範囲で用いられた量、百分率または割合を表す全ての数、および他の数値が、用語「約」により全ての例で改変されるものと理解されなければならない。したがって、反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示された数字のパラメータは、得られるよう模索された所望の特性に応じて変動し得る近似値である。いずれにしても各数字パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、そして通常の丸め技術を適用することにより、見積もられなければならない。
【0191】
本出願の説明および特許請求の範囲において、動詞「含む」、「包含する」および「有する」のそれぞれ、ならびにそれらの組み合わせは、その動詞の目的または複数の目的が、必ずしもその動詞の対象または複数の対象の成分、要素または一部の完全な列挙でないことを示すために用いられている。本明細書で用いられる他の用語は当該技術分野でのそれらの周知の意味によって定義されることが意図される。
【0192】
明瞭にするために別の実施形態に関連して記載された本発明の特定の特色が、単一の実施形態において組み合わせて提供される場合もあることを理解されたい。反対に、簡潔にするために単一の実施形態に関連して記載された本発明の様々な特色が、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の任意の他の記載された実施形態に適するように、提供される場合もある。様々な実施形態に関連して記載された特定の特色が、該実施形態がそれらの要素を用いずに実施できない場合を除き、それらの実施形態の本質的特色と見なされるべきではない。
【0193】
本発明のさらなる目的、利点、および新規な特色が、限定を意図しない以下の実施例の検査の際に当業者に明白となろう。加えて、本明細書の先に描写された、そして以下の特許請求の範囲の節で請求された、本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれが、以下の実施例において実験的支援を見出す。
【0194】
実施例
一般に、本明細書で用いられる専門語および本発明で利用される検査手順は、分子、生化学、微生物および組換えDNAの技術を包含する。そのような技術は、文献に完全に説明されている。例えば“Molecular Cloning:A laboratory Manual”Sambrook et al.,(1989);“Current Protocols in Molecular Biology”Volumes I−III Ausubel,R.M.,ed.(1994);Ausubel et al.,“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989);Perbal,“A Practical Guide to Molecular Cloning”,John Wiley & Sons,New York(1988);Watson et al.,“Recombinant DNA”,Scientific American Books,New York;Birren et al.(eds)“Genome Analysis:A Laboratory Manual Series”,Vols.1−4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998);米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号および同第5,272,057号に示された方法論;“Cell Biology:A Laboratory Handbook”,Volumes I―III Cellis,J.E.,ed.(1994);“Culture of Animal Cells − A Manual of Basic Technique”by Freshney,Wiley−Liss,N.Y.(1994),Third Edition;“Current Protocols in Immunology”Volumes I―III Coligan J.E.,ed.(1994);Stites et al.(eds),“Basic and Clinical Immunology”(8th Edition),Appleton & Lange,Norwalk,CT(1994);Mishell and Shiigi(eds),“Selected Methods in Cellular Immunology”,W.H.Freeman and Co.,New York(1980)を参照されたい;利用可能な免疫アッセイは、特許および科学文献に詳細に記載されており、例えば米国特許第3,791,932号、同第3,839,153号、同第3,850,752号、同第3,850,578号、同第3,853,987号、同第3,867,517号、同第3,879,262号、同第3,901,654号、同第3,935,074号、同第3,984,533号、同第3,996,345号、同第4,034,074号、同第4,098,876号、同第4,879,219号、同第5,011,771号および同第5,281,521号、“Oligonucleotide Synthesis”Gait,M.J.,ed.(1984);“Nucleic Acid Hybridization”Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1985);“Transcription and Translation”Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1984);“Animal Cell Culture”Freshney,R.I.,ed.(1986);“Immobilized Cells and Enzymes”IRL Press,(1986);“A Practical Guide to Molecular Cloning”Perbal,B.,(1984)and“Methods in Enzymology”Vol.1−317,Academic Press;“PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications”,Academic Press,San Diego,CA(1990);Marshak et al.,“Strategies for Protein Purification and Characterization − A Laboratory Course Manual”CSHL Press(1996)を参照されたい(それらの全てが、参照により組み入れられる)。他の一般的参照は、本文書全体で提供されている。
【0195】
材料と方法:
実験計画
細胞を4つの異なる条件下(処置群BL、A、B、およびCで表す)で育成させており、これらの異なる条件を表13に要約する。各実験を3回繰り返した。
【0196】
群BLは、最大4継代で維持された2D培養物を表し、この群の遺伝子の発現レベルを、遺伝子発現のベースラインレベルとして用いた。HATDCを、2〜4継代の間、ゼノフリー培地により2D系で培養した。BMP2は、培地に補充されなかった。本明細書で用いられる用語「継代」は、組織培養容器内でコンフルエンスに達した、またはコンフルエンスに近い、培養で生育している細胞を、容器から取り出し、新鮮な培地で希釈して(即ち、1:5希釈)、新しい組織培養容器に入れて、連続での生育および生存性を可能にする細胞培養技術を指す。
【0197】
群A. HATDCをゼノフリー培地により2D系で培養した。1〜3継代に続いて、細胞を2D系に再度播種し、播種(0日目)の1〜2日後、培地に1種または複数の骨形成誘導因子を補充し、細胞をさらに2日間培養した(2日目、群A)。
【0198】
群B. HATDCを1〜2継代の間、ゼノフリー培地によりフラスコ(2D)で培養した。次に、ゼノフリー培地を用いて、細胞を皮質スキャフォールド上、3D系に播種した。3Dでの播種から4〜5日後に、細胞に1種または複数の骨形成誘導因子を補充して、骨形成系細胞分化を誘導し、回収までさらに2日間培養した(2日目、系B)。
【0199】
群C. 脂肪組織をゼノフリー培地中、ミネラルスキャフォールド上に配置し、HATDCをスキャフォールド分子に遊走させる。播種から10〜12日後に、細胞に1種または複数の骨形成誘導因子を補充して骨形成系細胞分化を誘導し、さらに2日間培養した。
【0200】
2Dで培養されたHADTCを0日目(BMP2誘導の前)および骨形成誘導後2日目(2日目)に回収した。3Dで培養されたHADTC(群BおよびC)を、骨形成誘導後2日目(2日目)に回収した。
【0201】
骨形成誘導を、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7などの1種または複数の骨形成誘導因子により誘導する。
【表12】
【0202】
RNA試料の調製:
QiacubeロボットをRNeasy miniキット(Qiagen)と共に用いて、RNAを抽出した。総RNA試料の全ての品質を、TapeStation(Agilent)を用いて評価した。全試料のRNA値が、>9.5であった。Illumina BeadChips(Epicentre)のためのTargetAmp Nano標識キットを用いたインビトロ転写により、RNAをビオチン化cRNAに増幅した。ビオチン化cRNAを、Direct Hybridizationアッセイ(Illumina Inc.)に従ってIllumina HumanHT−12 v4 Expression BeadChipにハイブリダイズした。ハイブリダイズされたチップを、ストレプトアビジン−Cy3(GE Healthcare Amersham)を用いてストレプトアビジンで染色し、Illumina HiScanでスキャンし、品質管理(QC)のために画像をGenomeStudio(Illumina)にインポートした。その後、データを、統計解析のためにJMP Genomics(SAS)に、そしてネットワークエンリッチメント解析のためにIPAにインポートした。
【0203】
マイクロアレイ
マイクロアレイ解析のために、47,000より多くのプローブを標的とするHumanHT−12 v4 Expression BeadChip Kit(illumina)を用いた。得られた生データは、47,000より多くのプローブを含んだ。log2変換、低発現のふるい分け、試料間の低分散のふるい分けに続いて、約9,000のプローブが統計解析に残った。
【0204】
統計解析:
遺伝子発現の生データを、GenomeStudioからエクスポートし、JMP Genomics v7ソフトウエア(SAS Institute Inc、ノースカロライナ州ケーリー所在)にインポートした。試料での非発現遺伝子(検出p値<0.01)および低分散の転写産物(分散<5%)についてのふるい分けの後、JMP Genomicsでの品質管理および解析を、log2変換データで実施した。データ分布は類似の発現を示し、それゆえデータを正規化しなかった。一元配置分散分析を用いてデータを解析した。発現変動遺伝子(DEG)を、少なくとも2倍の変動差を有する偽陽性率(FDR)を利用して、補正p値≦0.05で統計学的に有意であった転写産物と定義した。以下のソフトウエアを用いて、データ解析を実施した:(1)GeneAnalytics,LifeMap sciences、(2)Ingenuity Pathway analysis(IPA 8.0)、Ingenuity,Qiagen。
【0205】
実施例1
qRT−PCRにより分析された内在性BMP−2、SP7、ALPの発現
3D系(群CおよびD)および2D系(群A)の骨形成能を評価するために、早期骨形成マーカー(内在性骨形成タンパク質(BMP2)、Ostrix(SP7)、およびアルカリホスファターゼ(ALP))の発現レベルを検査した。最初に、群A、BおよびCの骨形成系細胞分化を、150ng/ml BMP2を補充したゼノフリー培地により2日間、誘導した。次に、系A、B、およびCから得られたRNA試料を、qRT−PCRにより分析した。発現レベルを、対照群(群BL)のレベルに対比して分析した。実験は、異なる生物学的供給源からの3種のリプリケート(AD153、AD154、およびAD160で表す)を利用して実施し、結果をそれぞれ図1、2、および3に表す。
【0206】
早期骨形成マーカー:BMP−2(図1A、2Aおよび3A)、SP7 2(図1B、2Bおよび3B)およびALP 2(図1C、2Cおよび3C)の発現レベルを、骨形成誘導に続いて評価した。
【0207】
これまでの試験から、外来性BMP2に加えて、BMP2の内在性発現が骨形成系細胞分化に重要な役割を担い、肝要であることが実証された。結果から、外来性BMP2により誘導された3D−HADTCにおける内在性BMP2の上昇が実証された(図1C、2Cおよび3C)。内在性BMP2は、分化の3日目に平均で(用いられた3つのバッチの)3.02±0.76倍上昇した。
【0208】
とりわけ、テストされた全ての遺伝子:BMP2、SP7、ALPの発現は、BMP2を含む、または含まない2Dに比較して、BMP2処置後の3Dで高くなった(図1A〜C、2A〜Cおよび3A〜C)。これらの結果から、3D系で生育されたHADTCでは2D系で生育されたHADTCに対比して骨芽細胞に分化する能力が高いことが示される。
【0209】
実施例2
マイクロアレイ分析
最初に、異なる処置群(系)の間、および異なるバイオロジカルリプリケート(AD153、AD154、およびAD160)の間の差を分析することにより、分散成分を確定した。
【0210】
結果から、全分散の約66%が処置群間の差により、分散のさらなる約18%がバイオロジカルリプリケート間の差によることが実証される(図4)。
【0211】
各処置群(A、B、C)について、遺伝子発現レベルを、ベースラインレベル(BL)と比較して分析し、発現変動遺伝子(DEG)をベン図で表している(図5)。発現変動遺伝子は、ベースラインレベルに比較して少なくとも2倍の変動(FC>=2)を示した遺伝子である。図5で実証された通り、31種の遺伝子が、ベースラインレベル(BL)に比較して群Aにおいて発現が変動している。加えて、500より多くの遺伝子が、ベースラインレベル(BL)に比較して群BまたはCで発現が変動している。とりわけ376のDEGが、ベースラインレベル(BL)に比較して群BとCの間で共通している。376のDEGのうち362が、群BとCの間のみで共通し、14種のDEGは、ベースラインレベル(BL)に比較して処置群A、BおよびCで共通している。これらの結果から、3D系での細胞生育が骨形成誘導(2日間で1種またはより多くの骨形成誘導因子)よりも細胞に影響を及ぼすことが実証された。さらに、ベースラインレベル(BL)と比較したDEGの誘導および減少は、群Aよりも群BおよびCで有意である(図6)。
【0212】
その上、図7に示されたヒートマップから、処置群AおよびBLが類似していて、類似する群BおよびCと有意に異なることが実証される。
【0213】
マイクロアレイ分析から、HATDCを3Dで増複された場合に、遺伝子発現プロファイルにおける有意な改変が生じることが実証される。これに反し、同一細胞を、同じ培地および骨形成誘導条件(BMP2、2d)で2D条件において生育すると、遺伝子発現プロファイルが、ベースライン対照(2D、BMP2条件を含まない)と非常に類似し、3D条件(群BおよびC)で得られた遺伝子発現プロファイルと非常に異なる。
【0214】
実施例3
マイクロアレイ分析の結果
マイクロアレイの結果を分析して、DEGを異なるクラスターにグループ分けした。結果から、14のDEGのみが、ベースラインレベル(BL)に比較して1種または複数の骨形成誘導因子での骨形成誘導を受けた処置群(群A、B、およびC)で共通することが実証された(表12)。
【0215】
48時間の骨形成誘導を受けたHATDCが、遺伝子ATOH8、CGB1、CMTM4、FOXO、ID1、ID2、ID3、NEBL、OSR1、PRRX2、SAMD11、SLC16A3、およびSMAD9の発現レベルにおいて変調を呈することが見出された。具体的には、骨形成誘導(群A、BおよびC)に続いて、遺伝子:ATOH8、CGB1、CMTM4、FOXO、ID1、ID2、ID3、NEBL、PRRX2、SAMD11、SLC16A3、およびSMAD9の発現レベルが、骨形成処置に供されなかったHATDC(BL)に比較して誘導された。骨形成誘導に供されたHATDC(群A、B、およびC)において、遺伝子OSR1の発現レベルが、骨形成誘導に供されなかったHATDC(BL)に比較して低下した。
【表13】
【0216】
図8は、異なるテスト生育条件において誘導または低下された、古典的経路(左)、上流調節因子(中)および機能分析に関連する記述子の比較を実証している。3つの処置の比較を、IPA分析ツールにより実施した。ここに示された各記述子は、ベースライン(BL)処置に比較して誘導または低下された多くの関連するDEGを表す。記述子あたりの全ての関連するDEGの全体的効果を、これらのヒートマップに要約および実証している。結果から、2つの3D生育条件(BおよびC処置)が上述の記述子に有意な影響を及ぼすが、2D生育条件(処置A)がベースライン(BL)に対比してわずかな影響を有することが示される。
【0217】
幹細胞マーカー
CD13、CD73、CD90、およびKLF4をはじめとする多能性(pluripotent)/複能性(multipotent)幹細胞マーカーの発現レベルは、対照(BL)に比較して3D系(群BおよびC)で生育されたHATDCで低下している(表1および1b)。これらの結果から、3D系で生育されたHATDCが分化の増進を受けたことが示される。
【表14】
【0218】
増殖分化およびアポトーシスマーカー
3D系で生育されたHATDCは、増殖の減少および分化の増進を呈している。マイクロアレイの結果から、3D系で生育されたHATDCが細胞マーカー:AURKA、FOS、FGF2(bFGF)、BCL2L1、DDX21、RRAS2、STAT1、およびANXA2の発現増加を呈することが実証される。加えて、3D系で生育されたHATDCは、SFRP2、ID1、ID2、ID3、MRAS、NOX4、NOTCH3、およびRGCCをはじめとする細胞マーカーの発現増加を呈する(表2および2b)。
【表15】
【0219】
MHC Iタンパク質
主要組織適合性複合体(MHC)抗原は、ほとんど全ての分化細胞で発現される。これらのタンパク質は、免疫系への外来抗原の提示に関与する。MSCは、低レベルのMHCクラスI分子を発現することが知られている。
【0220】
MHC I遺伝子は、2D系で生育されたHATDCに対比して3D系で生育されたHATDCで誘導され、3D系での細胞の分化増進が示される(表3、3b)。
【表16】
【0221】
脂肪細胞マーカー
成熟した脂肪細胞は、骨の分化が既にコミットされているため、該細胞の遺伝子マーカー(例えば、PPARG)は減少した(表4、4b)。しかし、早期脂肪細胞マーカーは、3Dで誘導される(例えば、DLK1、SOX9)(表4、4b)。これらの結果は、適切な生育条件下では、3D系で生育された細胞が脂肪細胞に加え骨にも分化する能力を有することを示唆する可能性がある。
【表17】
【0222】
骨芽細胞マーカー
これらのクラスターの遺伝子マーカーは、2D条件に対比して3D条件で増進する骨芽細胞分化(例えば、内在性BMP2、SP7、およびALP)にとって不可欠である。
【0223】
結果から、BMP2、SP7およびALPなどのマーカーの誘導が実証され、これらの結果は、qRT−PCRによりさらに裏づけられる(図1A〜C、2A〜Cおよび3A〜C)。3Dで得られた骨分化の他の重要なマーカーは、POSTN、FGFR3およびDLX5である。Msx1およびMsx2の誘導が、発達工程で示され、骨分化のメカニズムでも、神経堤細胞で起こる(表5、5b)。
【0224】
IPA(Ingenuity Pathway Analysis − http://www.ingenuity.com/products/ipa参照)分析に続いて得られた結果は、3D生育条件(群BおよびC)が骨芽細胞分化に関与する30より多くのDEGをもたらすが、群A(2D系で生育され骨形成誘導に供された)がこの経路に関与するDEGをもたらさないことが実証される。
【表18】
【0225】
骨軟骨前駆体および/または肥大軟骨細胞の遺伝子マーカー
破骨細胞マーカーは、軟骨発達、軟骨細胞、骨軟骨前駆体および肥大軟骨細胞に特異性がある。これらの遺伝子マーカーから、骨分化メカニズムが軟骨内骨化に関与することが示される(表6、6b)。特異的マーカーは、COL10A1、MMP13およびCOMPである。
【表19】
【0226】
ECMマーカーおよび構造タンパク質
ECM(表7、7b)および構造タンパク質(表8、8b)の遺伝子マーカーは、3Dにおける細胞の分化増進を示す。その上、複数のECMタンパク質は、軟骨内骨化工程で肥大軟骨細胞から作製される。主なECMマーカーは、TNCおよびDPT遺伝子である。
【表20】
【表21】
【0227】
血管新生および脈管形成(vascularogenic)遺伝子
血管新生および脈管形成(vasclorogenic)遺伝子マーカーは、血管新生および脈管形成工程に寄与する。一部は、PGFおよびIL8などの成長因子またはサイトカインである。その他は、ANG、ANGPT2およびANGPTL2などの血管形成の特異的メディエータである。典型的には、大規模な骨形成の際に、主に軟骨内骨化工程を介して、血管新生が増進される。
【0228】
結果から、多くの血管新生因子が2D生育条件に比較して3Dで誘導されることが実証される(表9、9b)。その上、IPA分析の結果から、血管新生および脈管形成経路が有意に誘導され(図8右、破線の矢印で表示)、関連するDEGの96(群96)および105(群C)に関与したことが実証される(図10B)。反対に2D生育条件では(群A)、これらの工程は、誘導されない(図8右の破線の矢印で表示、および図10A)。
【表22】
【0229】
上流調節因子の発現
結果から、上流調節因子が2D生育条件に比較して3Dで誘導されることが実証される(表10、10b)。
【表23】
【0230】
発現レベルの有意な変調を有するさらなるDEG
表11bから、DEGが少なくとも3倍の変動を有することが実証される(図11参照)。
【0231】
本発明を具体的な実施形態と併せて記載したが、多くの代替、改変および変更が当業者に自明となることは、明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の主旨および広い範囲に含まれるそのような代替、改変および変更の全てを包含するものとする。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】