(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521747
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】毛切断装置のための切断アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20190712BHJP
   A61B 18/22 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !A45D26/00 G
   !A61B18/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】2018563897
(86)(22)【出願日】20170630
(11)【特許番号】6533349
(45)【特許公報発行日】20190619
(85)【翻訳文提出日】20181206
(86)【国際出願番号】EP2017066237
(87)【国際公開番号】WO2018002286
(87)【国際公開日】20180104
(31)【優先権主張番号】16177355.1
(32)【優先日】20160630
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16189943.0
(32)【優先日】20160921
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイテック キャンパス 5
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 5,NL−5656 AE Eindhoven
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】フェルハーヘン リエコ
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】ムスコプス バスティアーン ウィルヘルムス マリア
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】ヨンソン マルク トマス
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】サマ キラン クマル
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】ボアムファ マリウス ヨシフ
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
【テーマコード(参考)】
4C026
【Fターム(参考)】
4C026AA10
4C026FF01
4C026FF17
(57)【要約】
対象の体毛を切断するための毛切断装置が提供される。当該毛切断装置は、レーザ光源と、光源から切断要素に光をガイドするための光ガイド要素と、を有する。切断要素は、光ガイド要素から光を受けるための光導波路を有する。光ガイド要素は、光ガイド要素の直径が光源側の直径から切断要素側の直径に減少するテーパ部分を有する。切断要素の光導波路の側壁の一部は、毛と接触するための切断面を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛切断装置における使用のための切断アセンブリであって、前記切断アセンブリは、
光源からの光を切断要素にガイドするための光ガイド要素と、
前記光ガイド要素から光を受けるための光導波路を有する前記切断要素であって、前記光導波路の側壁が毛と接触するための切断面を形成する前記切断要素と、
を有し、
前記光ガイド要素は、前記光ガイド要素の直径が第1の直径から第2の直径まで減少するテーパ移行部分を有する、切断アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の直径及び前記第2の直径が、前記切断要素を通って伝搬する光が前記切断要素によって支持される最大角度又はその近傍の入射角を有するように選択される、請求項1記載の切断アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の直径及び前記第2の直径が、前記切断要素を通って伝搬する光が前記切断要素によって支持される最大角度を超える入射角を有するように選択される、請求項1記載の切断アセンブリ。
【請求項4】
前記光ガイド要素が、前記光導波路の一部を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項5】
前記テーパ移行部分の長さが、前記テーパ移行部分において前記光ガイド要素の壁を通って出る光の量を最小化するように選択される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項6】
前記テーパ移行部分が、長さにおいて約1mmと約10mmとの間にある、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項7】
前記切断要素が、2mmと50mmとの間の長さを有する、請求項1又は2に記載の切断アセンブリ。
【請求項8】
前記光ガイド要素が、コアと、前記コアを囲むクラッド部と、を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項9】
前記光ガイド要素と前記切断要素との少なくとも1つが、光ファイバを有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項10】
前記切断要素が、石英ワイヤを有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項11】
前記光導波路の直径が前記第2の直径から前記第1の直径まで増大する逆テーパ移行部分を更に有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の切断アセンブリ。
【請求項12】
対象の体毛を切断するための毛切断装置であって、前記毛切断装置は、
毛における1又は複数の発色団によって吸収される波長に対応する1又は複数の特定の波長で光を生成するための光源と、
光を受けるために前記光源と結合される切断アセンブリであって、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の切断アセンブリを有する前記切断アセンブリと、
を有する、毛切断装置。
【請求項13】
前記光源が、レーザ光を生成するためのレーザ光源である、請求項12記載の毛切断装置。
【請求項14】
前記光源によって生成された光を集光及び/又は集束させるための1又は複数の光学要素を更に有する、請求項12又は13に記載の毛切断装置。
【請求項15】
反射器、センサ、光ダンプ、追加光源を有するグループから選択される少なくとも1つのコンポーネントを更に有し、
前記少なくとも1つのコンポーネントが、前記切断要素を通過した光に作用するように構成される、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の毛切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象の体毛を切断(例えば、シェービング)するのに適した毛切断装置用の切断アセンブリに関し、特に、レーザ光を用いて毛髪を切断又はシェービングする毛切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象の体毛を切断又はシェービングするためのシェービング装置は、通常、ブレードが対象の皮膚を横切って移動するときに毛を切断する1又は複数のブレードを利用する。ブレードは、例えば湿式カミソリのように装置内で静的であり得るが、電気シェーバなどの他のタイプの装置では、切断動作を生成するために1又は複数のブレード要素を作動(例えば、回転又は振動)させることができる。
【0003】
しかし、レーザ光を利用する代替のタイプのシェービング装置が国際公開第2014/143670号に提案されている。特に、毛幹を効果的に切断するために所定の発色団を標的とするように選択された波長を有するレーザ光を生成するように構成されたレーザ光源が提供される。光ファイバは、近位端でレーザ光源からレーザ光を受け取り、近位端から遠位端に向かってレーザ光を伝導し、光ファイバの切断領域へ光を放射し、切断領域が毛と接触することとなった場合に毛に光を放射するように配置された装置のシェービング部分に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
良好なシェービング性能を達成するために、毛髪と光ファイバとの最初の接触が確立された後に毛髪に結合する光の量は、毛髪の溶融/燃焼/切断を効果的に開始するのに十分高くなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
正常な裸のコアの光ファイバはエバネセント場を有するが、強度は典型的には毛髪を切断又は溶融するのに十分ではない。毛髪がコアと接触すると、全反射が妨げられ、光がコアから毛髪に結合される。この効果は、不満足な内部全反射と呼ばれる。しかしながら、毛髪とファイバコアとの間の接触の表面積は比較的小さく、従ってファイバから毛髪に伝達されるエネルギー量も比較的小さい。伝達されるエネルギーの量は、溶融操作を開始するには低すぎる可能性があり、光の出力結合は、毛髪の溶融/燃焼/切断を開始するには不十分である。
【0006】
従って、より良好な切断(溶融)作用を提供するために、ファイバから毛髪への光の結合から毛髪へのエネルギー移動が改善される毛切断装置が必要とされている。
【0007】
第1の態様によれば、毛切断装置における使用のための切断アセンブリであって、前記切断アセンブリは、光源からの光を切断要素にガイドするための光ガイド要素を有し、切断要素が、前記光ガイド要素から光を受けるための光導波路を有し、前記光導波路の側壁が毛と接触するための切断面を形成し、前記光ガイド要素は、前記光ガイド要素の直径が第1の直径から第2の直径まで減少するテーパ移行部分を有する、切断アセンブリが提供される。
【0008】
テーパを用いて光ガイド要素内の光導波路の直径を減少させることによって、導波路の開口数が増加し、それによって導波路内の反射の数が増加し、結果として、光導波路から毛などの周囲媒体へ結合することができる光の量が増加する。さらに、光導波路の開口数を増加させることによって、光導波路の側壁から発生するエバネセント波の相対的な浸透深さが増加し、これにより、導波路から周囲の媒体(例えば、毛)への光の出力結合の量が増加する。
【0009】
幾つかの実施形態では、第1の直径及び第2の直径が、切断要素を通って伝搬する光が切断要素によって支持される最大角度又はその近傍の入射角を有するように選択される。代替の実施形態では、第1の直径及び第2の直径が、切断要素を通って伝搬する光が切断要素によって支持される最大角度を超える入射角を有するように選択される。
【0010】
幾つかの実施形態では、光ガイド要素は光導波路の一部を構成することができる。このようにして、光ガイド要素及び切断要素は、単一の光ファイバなどの単一の光導波路から形成されてもよい。
【0011】
テーパ移行部分の長さは、テーパ移行部分における光ガイド要素の壁を通って出て行く光の量を最小にするように選択されてもよい。幾つかの実施形態では、テーパ移行部分は、約1mm乃至約10mmの長さであってもよい。
【0012】
切断要素は、2mm乃至50mmの長さを有していてもよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、光ガイド要素は、コアと、コアを囲むクラッド部と、を有する。
【0014】
光ガイド要素と切断要素との少なくとも1つは、光ファイバを有していてもよい。幾つかの実施形態では、切断要素は、石英ワイヤを有していてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、切断アセンブリは、光導波路の直径が第2の直径から第1の直径まで増大する逆テーパ移行部分を更に有していてもよい。
【0016】
第2の態様によれば、対象の体毛を切断するための毛切断装置であって、前記毛切断装置は、毛における1又は複数の発色団によって吸収される波長に対応する1又は複数の特定の波長で光を生成するための光源と、光を受けるために前記光源と結合される切断アセンブリと、を有する、毛切断装置が提供される。切断アセンブリは、上述の切断アセンブリを有していてもよい。
【0017】
幾つかの実施形態では、光源は、レーザ光を生成するためのレーザ光源を有していてもよい。
【0018】
毛切断装置は、幾つかの実施形態において、光源によって生成されたレーザ光を集光及び/又は集束させるための1又は複数の光学要素を更に有していてもよい。
【0019】
幾つかの実施形態では、毛切断装置は、反射器、センサ、光ダンプ、追加光源を有するグループから選択される少なくとも1つのコンポーネントを更に有していてもよい。
【0020】
第3の態様によれば、対象の体毛を切断するための毛切断装置であって、前記毛切断装置は、毛における1又は複数の発色団によって吸収される波長に対応する1又は複数の特定の波長でレーザ光などの光を生成するための光源と、光源から切断要素まで光をガイドするための光ガイド要素と、を有し、切断要素は、レーザ光を受けるため光源に結合される光導波路を有し、光導波路の側壁の一部が毛と接触するための切断面を形成し、光ガイド要素は、光ガイド要素の直径が光源側直径から切断要素側直径まで減少するテーパ部分を有する、毛切断装置が提供される。
【0021】
幾つかの実施形態では、テーパ比及び速度は、ファイバクラッドの周囲媒体への屈折率遷移によって支持される限界に近い。
【0022】
幾つかの実施形態では、テーパ比及び速度は、ファイバクラッドの周囲媒体への屈折率遷移によって支持される限界と同じである。
【0023】
幾つかの実施形態では、テーパ比及び速度は、ファイバクラッドの周囲媒体への屈折率遷移によって支持される限界をわずかに超える。
【0024】
幾つかの実施形態では、周囲媒体は、装置が乾式シェービング装置と比較可能に使用される場合、空気であってもよい。
【0025】
別の実施形態では、周囲媒体は、湿式シェーバに匹敵するように装置を使用する場合には、水、ゲル、フォーム、又は、油性シェービング添加剤であってもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、毛切断装置の光源は、ファイバピグテイルレーザダイオード、又は、UVからグリーン波長領域、即ち370nm何し550nmの範囲で発光する任意の他のタイプの光源を備えることができる。
【0027】
より好ましい実施形態では、光源は、400nm乃至470nmの紫又は青色波長で放射し得る。
【0028】
更に好ましい実施形態では、光源は、405nm乃至465nm、又は、444nm乃至463nm、又は、450nmの波長を有する光を放射し得る。
【0029】
ファイバピグテールを含む実施形態では、このファイバピグテールは、光をファイバ近位端にコリメートし集束させるための2つの非球面レンズの組み合わせによって、レーザダイオードに取り付けられてもよい。
【0030】
毛切断装置の幾つかの実施形態では、光源と切断要素との間の光路は、ビームを丸くする、及び/又は、ビーム伝搬特性を他の方法で変化させるための光学手段を収容することができる。
【0031】
幾つかの代替的な実施形態では、レーザダイオードに近接するファイバチップを特定の曲率に成形するか、又は、近位ファイバチップの側面を角度研磨して、レーザダイオードから放射された光が、追加の光学素子を要することなく、ファイバ中に直接結合される。
【0032】
さらなる代替実施形態では、ファイバの近位端をレーザダイオードチップに直接融着させることができる。幾つかの実施形態では、最小限の反射損失を保証するために、近位のファイバチップをコーティングすることができる。
【0033】
毛切断デバイスの幾つかの実施形態では、光源からの光が捕捉される光ファイバは、125μmの外部ファイバ直径及び25μm、50μm、62μm、100μm、又は、105μmのコア直径を有するステップインデックスマルチモード溶融シリカファイバであってもよい。コア直径の選択は、レーザダイオード結合の特性に依存し得る。他のファイバクラッディング及びコア直径、及び/又は、ドーピングストラテジも同様に使用され得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、光源からの光が捕捉される光ファイバは、0.1、0.2、0.22、0.27のNA、又は、全ての石英溶融シリカファイバに通常使用される任意の他の業界標準値を有することができる。幾つかの代替の実施形態では、ファイバは、典型的には0.39又はそれに類するNAを有するプラスチック被覆又はTECSハード被覆ファイバとすることができる。ファイバ材料の他の選択も同様に想定される。
【0035】
幾つかの実施形態では、切断要素の光導波路の遠位端は、破断されるか、切断されるか、又は、ファイバブラッググレーティングなどの反射増強手段を組み込んでいてもよい。
【0036】
幾つかの代替的な実施形態では、切断要素の光導波管の遠位端は、ファイバを元の直径に戻す適切なテーパ長を有するバックテーパを含むことができ、その後、光路は、切断効率を最適化し、及び/又は、ファイバ損傷をチェックするための反射器、ビームダンプ、又は、透過センサを組み込むことができる。これらの実施形態の幾つかでは、テーパ遷移長さは1mm乃至4mmの間隔である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明をよりよく理解し、それがどのように実施されるかをより明確に示すために、ここでは単なる一例として添付の図面を参照する。
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る毛切断装置のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る例示的な毛切断装置の様々な図を示す一組の概略図である。
【図3】図3は、毛の屈折率を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る例示的な毛切断装置の光路を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る切断アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
毛髪をファイバに接触させるか、又は、ファイバに非常に近接して置くと、ファイバを取り囲むエバネセント場と相互作用し、それによって光がファイバから毛髪に伝達される。あるいは、エバネセント場は、光結合を容易にする接触点で毛髪又はファイバ上に配置された任意の液体又は可撓性固体材料と相互作用することができる。効果的な切断を確実にするために、毛髪とファイバ周辺の光場との相互作用は、有意なアウトカップリングが保証されるようなものでなければならない。ファイバ周囲のエバネセント場は、主として、ファイバ内の角度で移動する光線に依存し、サポートされるファイバモードの限界に近い。これは、所与の波長λに対するエバネセント波方程式を評価することによって理解される。
【数1】
ここで、nfib及びnambは、それぞれファイバ及び周囲媒体の屈折率であり、θはファイバ表面の入射角である。その入射角はファイバの開口数(Numerical Aperture:NA)に反比例するので、この表現は以下のように波長の相対浸透深さに書き直され得る。
【数2】
ビームのNAがファイバの最高の導波モードNAになることを保証することによって、所与の波長に対する相対的な浸透深さが最大化されることになる。
【0039】
当業者であれば、最高導波モードNAとしても知られている導波路の制限NAは、以下によって与えられる。
【数3】
ここで、nco及びnciは、それぞれコア屈折率及びクラッド屈折率である。
【0040】
本発明者らは、波長の相対浸透深さを定める方程式を評価する際に、テーパ部分を設けることが切削要素の効率を改善することを観察した。テーパを使用すると、導波されたビームのNAが増加し、テーパ比は、ファイバによってサポートされる最大NAにほぼ等しいか又は等しいように選択され、毛髪内のエバネセント場の延長及びエバネセントの相互作用深さを効率的に最大化する。
【0041】
本発明者らは、ファイバ内のビームのNAを増加させるためにテーパ部分を使用することによって、はるかに強力なレーザ源を使用することによって達成され得る貫通深さを提供し得ることを認識した。より強力でないレーザ源を毛切断装置に使用することにより、毛切断装置のエネルギー効率が大幅に改善されるだけでなく、毛切断装置の全体的な安全性にも寄与する。
【0042】
本発明者らは、さらに、光源からの光をファイバコアへ結合させるのを簡単にするようにガイドするために、光ガイド要素にテーパ部分を適用する別の利点を実現した。一例では、コアが存在しないか、又は、全体的な導光特性上の僅かな外乱しか表さないテーパードファイバの場合、nclは実質的に周囲媒質の屈折率であり、ncoは、ファイバ(クラッド)の屈折率である。溶融シリカファイバを空気中で仮定すると、nco=1.47且つncl=1であり、最大導波モードNAは1.08に等しい。当業者であれば分かるように、NAが空気中の屈折率の限界を超えているので、このような高いNAの光を直接ファイバに結合することは実現可能ではない。本発明者はさらに、これは、ファイバが壊れた場合、表面法線に対して90°までの高い角度で破断したファイバから光が部分的にのみ逃げることを意味し、NAが1より大きいすべての光は、破損したファイバの先端で後方反射される。高角度でのアウトカップリングはフレネル反射のために非常に非効率的であるため、アウトカップリングされた光の全体パワーは非常に低く、アウトカップリングの角度は2πステラジアンであるため、ある距離における局所強度は非常に低く、非常に高い光源パワーまで皮膚の火傷及び目の損傷の危険性が低い。実例として、NA=0.22ファイバ対NA=1.08ファイバのビーム内ビューのパワー安全限界は、関連する可視波長範囲でそれぞれ約60mW対7Wである。
【0043】
本発明者らは、ファイバを通る光線のNAを増加させるさらなる効果が、ファイバに接触する物体、例えばファイバと接触して置かれる毛髪に入射する強度を増加させることを認識した。より高いNAで移動する光線は、同じファイバを通ってより低いNAで移動する光粒子と比較して、単位長さ当たりのファイバの端部とより多くの相互作用を有する。一例として、毛髪が光ガイドの厚さと比較して比較的大きな物体であると仮定すると、単一の光線が毛と相互作用する一定の機会を有し、毛髪との可能性がより大きい(すなわち、毛髪の吸収断面積が効果的に増加する)ために、より高い割合でファイバ表面に当たるので、高いNA光のために使用される。ファイバから毛髪へのアウトカップリング効率が毛髪がファイバと接触している領域に当たる各光線に対して決して100%でないことを考えると、ファイバ内の反射回数を増加させることは、毛髪に入射する輝度を効果的に増大させる。
【0044】
テーパ部分は、光の損失を制限し、ファイバエタンデュを維持するのに十分な長さでなければならない。幾つかの実施形態では、テーパ部分のテーパ状の移行部は、長さが直線状であってもよく、代替の実施形態では断熱設計であってもよい。更なる別のテーパの移行の代替案も考慮される。
【0045】
上述のように、本発明は、例えば国際公開第2014/143670号に記載されているような、レーザ光に基づくシェービング装置の切断能力及び効率の改善を提供する。特に、切断要素から毛髪に結合することができる光の量を増加させることにより、毛髪の切断又は溶融をより迅速に開始することができ、より迅速且つ効率的な毛髪切断体験をもたらすことが認識されている。その結果、皮膚の痛みや刺激の危険性と共に、ユーザが皮膚の同じ領域にわたってシェービングデバイスを繰り返し使用する必要性が低減される。
【0046】
本発明は、たとえそれらの装置が、「クリーンシェーブ」(すなわち、皮膚のレベル(高さ)で髪を除去する)ことを必ずしも目的といしない場合であっても、シェービング装置(例えば、カミソリ又は電気シェーバ)、及び、毛髪を切断するために使用される任意の他のタイプの装置(例えば、ヘアクリッパ)に適用可能であることが認識されよう。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態による毛切断装置100のブロック図である。毛切断装置100は、毛髪における1又は複数の発色団によって吸収される波長に対応する1又は複数の特定の波長で光を生成するための光源10、好ましくはレーザ光源10を有する。この光源10によって放出された光は、光を切断要素30の方に導く光ガイド要素20に結合される。
【0048】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係るハンドヘルドカミソリの形態の毛切断装置100を示している。毛切断装置100は、対象の体毛を切断(例えば、シェービング)するためのものである。対象は、人又は動物であってもよい。毛は、顔の毛(すなわち、対象の顔の毛)、あるいは、対象の頭又は体の他の部分(脚、胸など)であってもよい。
【0049】
毛切断装置100は、光ガイド要素20と、毛切断装置100が対象の皮膚上を移動するときに毛を切断することができる切断要素30と、を有する。光ガイド要素20及び切断要素30は、毛切断装置100が対象の皮膚を横切るように移動される場合に、光導波路の光軸(すなわち光が通常光導波路を通って伝播する線)が、毛切断装置100が毛が光導波路の側壁(光導波路の長い端部に対応する側壁)と接触するように移動される方向に対して実質的に垂直であるように、毛切断装置100上に配置される光導波路の一部である。幾つかの実施形態では、光導波路は光ファイバであるが、当業者は、スラブ導波路、ストリップ導波路、又は、ォトニック結晶導波路など、本発明に従って使用することができる他のタイプの光導波路を認識している。光ファイバは、コアを含むことができ、幾つかの実施形態では、コアを完全に包含してもしなくてもよいクラッドをも含む(例えば、コアの一部が露出してもよい)。
【0050】
光源10は、1又は複数の特定の波長で光を生成する毛切断装置100に設けられる。光源10は、光ガイド要素20を介して切断要素30に光学的に結合されているので、光源10によって生成された光は、切断要素への光ガイド要素に結合される(特に、光ガイドの端部に結合され、光が光導波路を伝搬する)。
【0051】
光源10は、毛を切断又は焼くために使用することができる1又は複数の特定の波長で光を生成するように構成される。特に、各波長は、毛髪中に見出される発色団によって吸収される光の波長に対応する。知られているように、発色団は分子にその色を提供する分子の一部である。従って、光は発色団に吸収され、毛髪を溶融又は燃焼させるか、あるいは、毛髪の分子内の結合を破壊する熱に変換され、これは毛切断装置100の切断作用を提供する溶融又は燃焼である。
【0052】
光源10によって生成されるレーザ光によって標的とされ得る適切な発色団としては、メラニン、ケラチン、及び、水が挙げられるが、これらに限定されない。使用することができる適切な波長の光には、380nm(ナノメートル)乃至500nm、及び、2500nm乃至3500nmの範囲から選択される波長が含まれるが、これらに限定されない。当業者であれば、これらの発色団によって吸収される光の波長、したがって光源10がこの目的のために生成すべき特定の波長の光も認識するであろうし、さらなる詳細は本明細書には記載されていない。
【0053】
幾つかの実施形態では、光源10は、レーザ光を生成するためのレーザ光源であってもよい。
【0054】
光源10は、複数の波長(同時に又は逐次のいずれか)で光を生成するように構成することができ、各波長は異なるタイプの発色団を標的とするように選択される。これは、毛髪中の複数のタイプの分子が光を用いて燃焼され得るので、切断要素の切断作用を改善することができる。あるいは、それぞれが各波長で光を生成する複数の光源10を設けることができ、各光源10は、それぞれの光ガイド要素20を介して装置100の複数の切断要素30に結合され得る。
【0055】
毛切断装置100は、また、毛切断装置100の動作を制御する制御ユニット35を備え、制御ユニット35は、特に光源10に接続され、光源10の起動及び停止を制御する(幾つかの実施形態では、光源10によって生成された光の波長及び/又は強度を制御する)。制御ユニット35は、毛切断装置100のユーザからの入力に応答して、光源10を活性化及び非活性化することができる。制御ユニット35は、毛切断装置100を制御するように構成又はプログラムされた、1又は複数のプロセッサ、処理ユニット、マルチコアプロセッサ、又は、モジュールを有することができる。
【0056】
上述したように、図2は、ハンドヘルド式湿式カミソリの形態の毛切断装置100を示している。図2は、カミソリ100の側面図及び底面図を示す。カミソリ100は、対象(又は、装置100の他のユーザ)が保持するためのハンドル45と、切断要素30(光導波路/ファイバ)を含むヘッド部55と、を有する。図示されているように、切断要素30は頭部の縁に沿って配置され、切断要素の一部は切断面65を形成する(又は、対応する)。切断面65は、毛切断装置100が対象の皮膚を横切って移動する際に、毛と接触することを意図された切断要素30の一部である。光源10及び制御ユニット35は、ヘッド部及びハンドル45にそれぞれ組み込まれているように示されているが、図2に示すような毛切断装置100におけるこれらの構成要素の位置は限定的ではないことが理解されよう。同様に、図2に示す実施形態は単なる一例であり、本発明は、本明細書に記載の光導波路切断要素30を含む任意のタイプの毛切断装置100において、組み込むことができるか、又は、使用することができる。
【0057】
図3のグラフは、M.D.Greenwell、A.Willner、Paul L.Kirk等によるHuman Hair Studies:III「Refractive Index of Crown Hair」、31 Am.Inst.Crim.L.&Criminology 746(1940-1941)に見られる、毛髪の屈折率を示している。曲線1は合成線、曲線2は白人の屈折率を表す線、曲線3は非白人の屈折率を表す線である。従って、毛髪の屈折率は(およそ)1.545乃至1.555の間であるが、個体間にはばらつきがあることが分かる。例えば、上記の論文は、毛の屈折率が、対象の性別に依存し得ることも認識しており、例えば、女性の毛の屈折率は、一般に、男性の毛の屈折率よりも高い。
【0058】
周知のように、光ガイド要素20及び切断要素30は、空気の屈折率が光導波路の屈折率よりも低いので、光源10から結合された光の導波路として機能し、全反射が生じる。しかしながら、光導波路よりも高い屈折率を有する物体が切断要素30と接触すると、全内部反射が「不満(frustrated)」となり、光が光導波路からその物体に結合することができる。従って、(本発明による切断作用を提供するために)光導波路の切断要素30部分から光に毛髪が結合されるためには、光導波路は、毛が切断要素30と接触する点における毛の屈折率以下の屈折率を有さなければならない。従って、光導波路は、少なくとも切断要素の切断面65部分において、毛と同じか又はより低い屈折率を有さなければならない。好ましくは、切断面65における光導波路の屈折率は、光導波路から毛髪への光の最良の結合を提供するので、毛髪の屈折率と同じであることが好ましい。
【0059】
従って、幾つかの実施形態では、少なくとも切断要素30の切断面65における光導波路の屈折率は1.56以下である。より好ましくは、少なくとも切断素子30の切断面65における光導波路の屈折率は、1.55以下である。さらに好ましくは、切断要素30の少なくとも切断面65における光導波路の屈折率は、この屈折率が図3で識別される屈折率よりも低いため、1.54以下である。
【0060】
幾つかの実施形態では、切断面14での光導波路の屈折率の下限は、1.48、1.51、1.53、又は、1.54であり得る。
【0061】
光導波路の屈折率が選択される値の範囲は、前の段落で述べた上限屈折率境界と低屈折率境界の任意の組み合わせから形成することができる。
【0062】
光導波路/ファイバは、任意の適切な材料又は材料の組み合わせから作製することができる。例えば、光導波路/ファイバは、シリカ、フッ化物ガラス、リン酸塩ガラス、カルコゲナイドガラス、及び/又は、クラウンガラス(BK7など)で構成されてもよく、あるいは、これらを含んでもよい。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態に係る例示的な毛切断装置100の光路を示す概略図である。毛切断装置100は、光源ハウジング19内に配置された光源10を有する。光源10は、光ガイド要素20に光学的に接続されている。この実施形態では、光ガイド要素20は、クラッディングされた石英ファイバである。光ガイド要素20は、クラッド5お及びコア60を有する。光ガイド要素20は、円形の断面を有する。光ガイド要素20は、光ガイド要素の光ガイド部分60が縮径するテーパ部40を有し、テーパ部40の光源側のコア径D1は、切断要素側のコア径D2よりも大きい。光ガイド要素20は、切断要素30に光学的に結合されている。この例示的な実施形態では、導光要素20及び切断要素30は、単一のファイバからなる。当業者は、これが好ましい選択であることを理解するであろう。光ガイド要素及び切断要素が別々のモジュールである代替の実施形態も同様に想定される。切断要素30は、クラッド50が除去された部分70を含む。切断要素の端部には光ダンプ80が存在する。点線は、光ガイド要素20のテーパ遷移部分(テーパ部)40の境界を示している。
【0064】
図4に示される構成は、毛切断装置100の一部であり、分かりやすくするために図4には示されていない他の構成要素を含むことができることは理解されよう。光ガイド要素20及び切断要素30は、切断アセンブリを形成し、切断アセンブリは、幾つかの実施形態では、毛切断装置100の取り外し可能な部分又は交換可能な部分であってもよい。
【0065】
従って、一般的に、毛切断装置に使用される切断アセンブリは、切断要素30及び光ガイド要素20を含むことができる。切断要素30は、光源10からの光を受光するための光導波路を含む。光導波路30の側壁の一部は、毛髪に接触するための切断面を形成する。光ガイド要素20は、光源10からの光を切断要素30に導くためのものである。光ガイド要素20は、光ガイド要素20の直径が第1の直径D1から第2の直径D2に減少するテーパ移行部分40を含む。
【0066】
図5は、幾つかの実施形態に係る切断アセンブリ200を示している。切断アセンブリ200は、光ガイド要素20及び切断要素30を含む。この実施形態では、光ガイド要素20及び切断要素30は、光導波路から形成される。幾つかの実施形態では、光導波路は、例えば石英ファイバなどの光ファイバであってもよいが、他の実施形態では、代替の光導波路を使用することができる。図4と同様に、図5の光ガイド要素20は、テーパ移行部分40(図4を参照して「テーパ部」と呼ぶ)を備えており、光導波路の直径を第1直径D1から第2の直径D2まで減少させる。図4の場合と同様に、図5の破線は、テーパ移行部分40が光ガイド要素20と切断要素30との間で接合/結合する場所を示している。
【0067】
光導波路のテーパ移行部分40は、例えば、光導波路が所望の直径D1及びD2を有し、テーパが所望の長さになるまで、制御された方法で光導波路を加熱および延伸することによって形成することができる。代替的に、光導波路内にテーパ移行部分40を形成する他の既知の方法を採用することもできる。
【0068】
幾つかの実施形態では、第1の直径(すなわち、テーパ移行部分40の光源側の光導波路の直径)及び第2の直径(すなわち、テーパ移行部分40の切断要素側の光導波路の直径)は、切断要素30(すなわち、切断要素を形成する光導波路/ファイバの部分)を通って伝播する光が切断要素によって支持される最大角度又はその近くの入射角を有するように選択され得る。他の実施形態では、第1の直径及び第2の直径は、切断要素30(すなわち、切断要素を形成する光導波路/ファイバの部分)を通って伝搬する光が、切断要素によって支持される最大角を超える入射角を有するように選択される。上記のように、このように直径を選択することにより、光導波路からの光の、毛髪などの周囲媒質へのアウトカップリングが増加し得る。光が光ガイド要素20から切断要素30に伝搬するにつれて、入射角(光の開口数と考えることもできる)が増加する。
【0069】
切断要素30から毛への光の結合を改善するために、切断要素の切断面の一部は何らかの方法で修正されてもよい。幾つかの例では、このような修正は、例えば、エッチングによって、光導波路のクラッド(存在する場合)の一部を除去することを含むことができる。このような変形例を図4に示す。
【0070】
幾つかの実施形態では、光ガイド要素20及び切断要素30は、単一の光導波路から、例えば単一の光ファイバから形成されるが、他の実施形態では、光ガイド要素及び切断要素は、例えば公知の結合手段を用いて一緒に結合することができる。このようにして、切断アセンブリの切断要素30は、例えば別の切断要素による廃棄又は交換のために、取り外し可能な構成要素として形成することができる。切断要素30が交換可能である構成は、ドライシェービング又はウェットシェービングのような、実行されるシェービング又はヘアカットのタイプのために、最適な切断要素を毛切断装置100に組み込むことができる点で有利である。
【0071】
上述したように、切断アセンブリ200の光導波路は、光ファイバ、例えばステップインデックスマルチモード溶融シリカファイバを含むことができる。幾つかの実施形態によれば、光ファイバは、約125マイクロメータ(μm)の直径(すなわち、外部ファイバ直径)を有することができ、例えば、25μm、50μm、62μm、100μm、又は、105μmのコア直径を有することができる。他の全体的な直径及びコア直径を有する光ファイバ、並びに、様々なドーピング戦略に従ってドープされた部分を有する光ファイバも使用され得る。ファイバの直径及びコアの直径は、ファイバの所望の用途(例えば、光ファイバが使用されるべき切断要素のタイプ)及び/又は光源と光導波路との間の結合のタイプに基づいて選択され得る。
【0072】
光ガイド要素20及び切断要素30を形成する光ファイバは、例えば、0.1、0.2、0.22、0.27、又は、任意の他の値、特に業界標準値の開口数(NA)を有するファイバを含むことができる。幾つかの実施形態では、光ファイバは、他の実施形態では、光ファイバがプラスチッククラッド又は技術的に強化されたクラッドシリカ(TECS)ハードクラッド光ファイバを含むことができる石英溶融シリカファイバを含むことができる。そのような光ファイバは、約0.39の開口数を有することができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、光導波路は、例えば、約105μmのコア直径(D1)、125μmの全直径(すなわち、クラッドを含む)、及び、開口数0.22を有する標準テレコムマルチモード光ファイバから形成することができる。光ファイバは、約25μmの直径(D2)にテーパ状にすることができる。このような直径の減少は、ファイバの開口数を0.22から1.1に増加させる。1.1の開口数は、裸の溶融シリカの空気に対する開口数をわずかに上回り、したがって、光導波路を伝播して周囲媒体(例えば、空気又は毛)に結合する光の能力は、最大限近くまで増加する。
【0074】
テーパ遷移部分40の長さは、テーパ遷移部分の間の光導波路の側壁を通る光の損失が小さいように選択することができる。テーパの結果として、105μmの第1の直径D1、25μmの第2の直径D2、及び、0.22から1.1に増加した開口数を持つ光導波体の場合、テーパ遷移部分40の長さは、2mmよりも長く、好ましくは、4mmよりも長くてもよい。より一般的には、テーパ移行部分40は、長さが約1mm乃至約10mmであり、より好ましくは、長さが2mm又は4mmよりも大きい。幾つかの実施形態では、テーパ移行部分40は、長さが約2mm乃至約6mmであってもよい。幾つかの実施形態では、テーパ移行部分は線形(すなわち円錐台形状を有する)であってもよく、他の実施形態ではテーパ移行部分40は他の形状を有してもよい。例えば、テーパ移行部分40の側壁は、幾つかの実施形態では、湾曲していてもよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、切断アセンブリ200は、シェービングされる対象の身体に、又は、アセンブリの切断要素30に、水又はゲルが適用され得る湿式シェービング環境で使用され得る。そのような実施形態では、光導波路は、光導波路の切断要素30部分の直径D2が約45μm乃至50μmとなるように先細にされてもよい。これらの条件の下では、切断要素30の開口数は、より小さい直径を有する光導波管ほど高くないであろう。しかしながら、このような切断要素30の開口数は、光導波路から周囲媒体への光の改善された結合を提供するのに十分である。
【0076】
上述のように、幾つかの実施形態では、切断アセンブリ200の光ガイド要素20及び切断要素30は、単一の光ファイバから形成されてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、切断アセンブリ200の一部分は、例えば125μmの厚さを有する裸の石英ワイヤの長さのような別個の構成要素を含むことができる。このようにして、切断アセンブリ200は、例えば光ファイバから形成された部分と、石英ワイヤから形成された部分とを含むことができる。ワイヤは、例えばスプライスなどの公知の結合技術を用いて光ファイバに結合されてもよく、テーパ遷移部分40は、光ファイバ又は石英ワイヤ内に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、テーパ移行部分40はスプライスに隣接して(例えば数ミリメートル以内に)形成されてもよく、他の実施形態ではテーパ移行部分がスプライス上に形成されてもよい。石英ワイヤが使用される実施形態では、切断アセンブリ200の切断要素30は、石英ワイヤの一部を形成する。露出した石英ワイヤの使用は、より熱機械的に安定であり、光ファイバのコアを先細にすることに伴う伝送損失がないという利点を提供する。
【0077】
幾つかの実施形態では、切断アセンブリ200は、光導波路の直径が第2の直径D2から第1の直径D1に増加する逆テーパ移行部分をさらに含むことができる。逆テーパ移行部分は、光が光ガイド要素20を通って、かつ、切断要素を通って伝播した後に、光導波路の逆テーパ移行部分を通過するように、切断要素30の後(すなわち、下流)に配置されてもよい。もちろん、光導波路の開口数も、逆テーパ遷移部分によって変化(低減)される。
【0078】
再び図5を参照すると、切断アセンブリ200及び/又は毛切断装置100は、1又は複数の光源構成要素210をさらに備えることができる。光源構成要素210は、光ガイド要素20の「先細でない」端部に結合される。幾つかの実施形態では、光源構成要素210は、図4に示す例のように、光源10を含む光源ハウジング19を含むことができる。他の実施形態では、光源構成要素210は、毛切断装置100の他の場所に配置され、光源ハウジング19内に収容されない光源10を備えることができる。光源10は、ファイバピグテールのような既知の結合手段を用いて光ガイド要素20に結合することができるレーザダイオードのようなレーザ光源を含むことができる。レーザダイオード又は他の光源は、紫外(UV)から緑色、例えば約370nm乃至約550nmの範囲の波長を有する光を放射するように構成されてもよい。幾つかの好ましい実施形態では、光源は、約400nm乃至約470nmの範囲の波長を有する光を放射するように構成されてもよい。幾つかのより好ましい実施形態では、光源は、約405nm乃至約465nmの範囲の波長を有する光を放射するように構成されてもよい。幾つかのさらにより好ましい実施形態では、光源は、約444nm乃至約463nmの範囲の波長を有する光を放射するように構成されてもよい。最も好ましくは、光源は、450nm又はそれに略等しい波長を有する光を放射するように構成されてもよい。
【0079】
光源構成要素210は、光源によって生成されたレーザ光をコリメート及び/又は集束するための1又は複数の光学素子をさらに含むことができる。幾つかの例では、光学素子は、非球面レンズのような1又は複数のレンズを含むことができる。他の例では、光学素子は、光源10からの光を円形ビームに成形するため、あるいは、光源から放出された光の特性を変更又は操作するための1又は複数の要素を含むことができる。代替として、光源10は、追加の光学素子を使用することなく、光導波路に直接結合されてもよい。そのような場合、光源10が結合されている光導波路の端部は、研磨されるか、又は、光源に直接融合されてもよい。反射によって損失を減少させるために、光導波路の端部にコーティングを施してもよい。
【0080】
切断アセンブリ200及び/又は毛切断装置100は、切断アセンブリの端部におけるその位置のために、1又は複数の端部構成要素220をさらに含むことができる。端部構成要素220は、切断アセンブリ200の切断要素30の後に(すなわち、切断アセンブリのソース要素210と反対側の端部に)配置されてもよく、上述の逆テーパ移行部分の後に配置されてもよい。端部構成要素220は、光導波路を通過する光を受け取り、作用するように構成された構成要素を含むことができる。一例では、端部構成要素220は、図4に示す例のように、光導波路を通過した光を受け取り、その光が光導波路の中に反射し戻らないように構成された光ダンプ80を含むことができる。他の実施形態では、端部構成要素220は、光導波路を通過した光の強度を測定するための、光強度センサのようなセンサを備えることができる。幾つかの実施形態では、端部構成要素220は、切断アセンブリ200を通って光を戻すように反射する1又は複数の反射器を備えることができる。
【0081】
これまで、切断アセンブリ200の切断要素30は、光ファイバ又は石英ワイヤなどの直線状の光導波路から形成されるものとして説明した。しかしながら、幾つかの実施形態では、切断要素30は、その所望の機能に従って成形されてもよい。例えば、切断要素30は、丸い表面から、あるいは、耳又は鼻の近くの比較的小さな領域から毛を切断するのに役立つように湾曲していてもよい。あるいは、切断要素30は、任意の適切な形状に形成されてもよい。さらに、切断要素30の長さ、又は、毛を切断するために使用される切断要素の一部の長さは、その望ましい機能に従って選択することができる。例えば、切断要素30は、約2mm乃至50mmの長さを有することができる。比較的短い切断要素30(例えば、2mmと20mmとの間の長さを有する切断要素)は、比較的小さな領域、又は、高いレベルの詳細が要求される領域で毛を切断又はトリミングするのに都合がよいが、比較的長い切断要素は、比較的大きな領域で毛を切断又はトリミングするのに都合がよい。
【0082】
切断アセンブリ200、特に切断要素30が毛切断装置100に取り付けられる方法は、毛切断装置、特に切断要素の意図された目的の少なくとも一部に基づいて選択され得る。幾つかの実施形態では、切断要素30は、使用中に切断要素が毛切断装置に対して移動しないように、毛切断装置100に固定的に取り付けられてもよい。他の実施形態では、切断要素30は、例えば、使用時に、切断要素が毛切断装置100に対して移動し、削られる表面の輪郭に適合するような可動マウントを使用して、柔軟に取り付けられてもよい。
【0083】
開示された実施形態に対する変形は、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施する上での当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「有する(comprising)」という単語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形(不定冠詞「a」又は「an」)は複数であることを除外しない。単一のユニットは、特許請求の範囲に記載された幾つかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0084】
特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】