(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521836
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】NOxアドソーバ触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/63 20060101AFI20190712BHJP
   B01J 37/00 20060101ALI20190712BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20190712BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20190712BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20190712BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20190712BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20190712BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !B01J23/63 AZAB
   !B01J37/00 F
   !B01J37/08
   !B01D53/94 222
   !B01D53/94 241
   !B01D53/94 245
   !B01D53/94 280
   !F01N3/08 A
   !F01N3/10 A
   !F01N3/28 301P
   !F01N3/28 301C
   !F01N3/035 A
   !F01N3/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】40
(21)【出願番号】2018557806
(86)(22)【出願日】20170428
(85)【翻訳文提出日】20181210
(86)【国際出願番号】GB2017051191
(87)【国際公開番号】WO2017191434
(87)【国際公開日】20171109
(31)【優先権主張番号】1607883.4
(32)【優先日】20160505
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1704897.6
(32)【優先日】20170328
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所】イギリス国ロンドン、ファリドン、ストリート、25、フィフス、フロア
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アミテージ, アンドリュー ポール
【住所又は居所】イギリス国 ロイストン ハートフォードシャー エスジー8 5エイチイー, オーチャード ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】デュラン−マーティン, デシレー
【住所又は居所】イギリス国 レディング バークシャー アールジー4 9エヌエイチ, ソニング コモン, ブロンツ コート ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】ミリントン, ポール ジェームズ
【住所又は居所】イギリス国 レディング バークシャー アールジー4 9エヌエイチ, ソニング コモン, ブロンツ コート ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, ポール リチャード
【住所又は居所】イギリス国 ロイストン ハートフォードシャー エスジー8 5エイチイー, オーチャード ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラム, ラジ ラオ
【住所又は居所】イギリス国 レディング バークシャー アールジー4 9エヌエイチ, ソニング コモン, ブロンツ コート ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】リード, スチュアート デーヴィッド
【住所又は居所】イギリス国 ロイストン ハートフォードシャー エスジー8 5エイチイー, オーチャード ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
(72)【発明者】
【氏名】スワロー, ダニエル
【住所又は居所】イギリス国 ロイストン ハートフォードシャー エスジー8 5エイチイー, オーチャード ロード, シー/オー ジョンソン マッセイ ピーエルシー
【テーマコード(参考)】
3G091
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【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
NOアドソーバ触媒及び内燃機関の排気処理システムにおけるその使用が開示される。このNOアドソーバ触媒組成物は、担体材料、担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属、及びNO吸蔵材料を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希薄燃焼エンジンからの排気を処理するためのNOアドソーバ触媒であって、前記NOアドソーバ触媒は第1のレイヤを含み、前記第1のレイヤは、
担体材料;
担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及び
NO吸蔵材料;
を含む組成物を含み、
担体材料は、アルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;
一種又は複数種の白金族金属は、白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;
NO吸蔵材料はセリアを含み;
担体材料又はNO吸蔵材料はネオジム含有成分を含む、
NOアドソーバ触媒。
【請求項2】
ネオジム含有成分が約0.5〜18mol%のネオジムを含む、請求項1に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項3】
担体材料が、アルミナ、又はマグネシア/アルミナの複合酸化物若しくは混合酸化物である、請求項1又は2に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項4】
NO吸蔵材料が、セリウム酸化物、セリア−ジルコニア混合酸化物、及びアルミナ−セリア−ジルコニア混合酸化物からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項5】
NO吸蔵材料がバリウムを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項6】
NO吸蔵材料が実質的にバリウムを含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項7】
第1のレイヤが実質的にロジウムを含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項8】
第1のレイヤが実質的にアルカリ金属を含まない、請求項1から7のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項9】
金属又はセラミックの基材に担持されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項10】
基材がフロースルーモノリス又はフィルタモノリスである、請求項9に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項11】
フロースルー又はフィルタ基材を形成するために触媒組成物が押し出し成形される、請求項1から8のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項12】
担体材料、担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属、及びNO吸蔵材料を含むNOアドソーバ触媒組成物であって、
担体材料又はNO吸蔵材料がネオジム含有成分を含む、
NOアドソーバ触媒組成物。
【請求項13】
ネオジム含有成分が約0.5〜18mol%のネオジムを含む、請求項12に記載のNOアドソーバ触媒組成物。
【請求項14】
NO吸蔵材料がバリウムを更に含む、請求項12又は13に記載のNOアドソーバ触媒組成物。
【請求項15】
NO吸蔵材料が実質的にバリウムを含まない、請求項12又は13に記載のNOアドソーバ触媒組成物。
【請求項16】
一種又は複数種の白金族金属が、パラジウム、白金、ロジウム、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項12から15のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒組成物。
【請求項17】
金属又はセラミックの基材に担持されている、請求項12から16のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒。
【請求項18】
基材がフロースルーモノリス又はフィルタモノリスである、請求項17に記載のNOアドソーバ触媒。
【請求項19】
フロースルー又はフィルタ基材を形成するために触媒組成物が押し出し成形される、請求項12から16のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒。
【請求項20】
一種又は複数種の貴金属又は貴金属塩を担体材料に加えてPGM−担体混合物を形成すること、及びNO吸蔵材料をPGM−担体混合物に加えることを含む、請求項12から16のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒組成物の作製方法。
【請求項21】
ネオジム含有担体材料を形成する工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ネオジム含有NO吸蔵材料を形成する工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ネオジム含有塩の溶液とセリア粒子を混合すること、粒子を噴霧乾燥すること、及び噴霧乾燥した粒子を加熱することを含む、ネオジム含有材料の作製方法。
【請求項24】
粒子の噴霧乾燥を、250から350℃の入口温度で実行する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
粒子の噴霧乾燥を、80から150℃の出口温度で実行する、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
噴霧乾燥した粉末を、250から600℃の温度で加熱する、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
加熱された、噴霧乾燥した粉末を、600から800℃の温度で乾燥させる工程を更に含む、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
希薄燃焼エンジンからの排気を処理するためのNOアドソーバ触媒であって、前記NOアドソーバ触媒は第1のレイヤを含み、前記第1のレイヤは、
担体材料;
担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及び
NO吸蔵材料;
を含む組成物を含み、
担体材料は、アルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;
一種又は複数種の白金族金属は、白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;
NO吸蔵材料はセリアを含み;
担体材料又はNO吸蔵材料は請求項23から27のいずれか一項に記載の方法により取得可能である、
NOアドソーバ触媒。
【請求項29】
希薄燃焼エンジン及び請求項1から11の又は17から19のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒を備えた、燃焼排気ガス流を処理するための排気処理システムであって、
希薄燃焼エンジンがNOアドソーバ触媒と流体連通している、排気処理システム。
【請求項30】
内燃機関がディーゼルエンジンである、請求項29に記載の排気処理システム。
【請求項31】
選択的触媒還元触媒システム、パティキュレートフィルタ、選択的触媒還元フィルタシステム、受動的NOアドソーバ、三元触媒システム、又はこれらの組み合わせを更に備える、請求項29又は30に記載の排気処理システム。
【請求項32】
排気ガスを、請求項1から11又は17から19のいずれか一項に記載のNOアドソーバ触媒、又は請求項29から31のいずれか一項に記載の排気処理システムと接触させることを含む、内燃機関からの排気ガスを処理する方法。
【請求項33】
排気ガスが約180〜300℃の温度である、請求項32に記載の内燃機関からの排気ガスを処理する方法。
【請求項34】
ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、NOアドソーバ材料の低温でのNO吸蔵能を改善するためのネオジム含有材料の使用。
【請求項35】
ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、NOアドソーバ材料の耐硫黄性を改善するためのネオジム含有材料の使用。
【請求項36】
ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、第1の温度でのNOアドソーバ材料のNO吸蔵能を低下させるためのネオジム含有材料の使用。
【請求項37】
第1の温度が約300℃である、請求項36に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオジム含有成分を含む組成物を含むNOアドソーバ触媒、ネオジム含有成分の作製方法、及びNOアドソーバ触媒を備える希薄燃焼エンジンのための排出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は、政府の法規制の対象である窒素酸化物(「NO」)、一酸化炭素、及び未燃焼炭化水素を含む多種多様な汚染物質を含有する排気ガスを発生させる。国及び自治体の法規制の厳格化に伴い、上記ディーゼル又はガソリンエンジンから放出され得る汚染物質の量は低減した。排気制御システムは、大気中に排出されるこれらの汚染物質の量を低減するために広範に利用されており、典型的には、その運転温度(典型的には200℃以上)に到達すると非常に高い効率を実現する。しかしながら、前記システムは、その運転温度未満(「コールドスタート」期間)では比較的効率が悪い。
【0003】
排気ガスを浄化するために利用される一の排気ガス処理コンポーネントは、NOアドソーバ触媒(即ち「NOトラップ」)である。NOアドソーバ触媒は、NOをリーン排気条件下で吸着し、吸着したNOをリッチ条件下で放出し、放出したNOを還元してNを生成する装置である。NOアドソーバ触媒は、NOの吸蔵のためのNO吸着剤と酸化/還元触媒とを典型的に含む。
【0004】
NO吸着剤成分は、典型的にはアルカリ土類金属、アルカリ金属、希土類金属、又はこれらの組み合わせである。これら金属は、通常、酸化物の形態で見られる。酸化/還元触媒は、典型的には一又は複数の貴金属であり、好ましくは白金、パラジウム、及び/又はロジウムである。典型的には、白金は酸化機能を実施するために含まれており、ロジウムは還元機能を実施するために含まれている。酸化/還元触媒とNO吸着剤は、典型的には、排気システムで使用される無機酸化物などの担体材料上にロードされる。
【0005】
NOアドソーバ触媒は三つの機能を実施する。第一に、酸化窒素が、酸化触媒の存在下で酸素と反応してNOを生成する。第二に、NOがNO吸着剤によって無機硝酸塩の形で吸着される(例えば、BaO又はBaCOがNO吸着剤上でBa(NOに変換される)。最後に、エンジンがリッチ条件下で作動する場合、吸蔵された無機硝酸塩は分解してNO又はNOを生成し、これがその後、還元触媒の存在下で、一酸化炭素、水素、及び/又は炭化水素(又は、NH若しくはNCO中間体を経由)との反応によって還元されてNを生成する。典型的には、窒素酸化物は、排気流中の熱、一酸化炭素、及び炭化水素の存在下で、窒素、二酸化炭素、及び水に変換される。
【0006】
典型的には、NO吸着剤材料は、少なくとも一種の白金族金属でコーティングされた、アルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア、チタニア、又は混合酸化物といった無機酸化物からなる。国際公開第2008/047170号は、希薄排気ガスからのNOが200℃を下回る温度で吸着され、その後200℃を上回る温度で熱的に脱着されるシステムを開示している。NO吸着剤は、パラジウム及びセリウム酸化物又はセリウムと少なくとも一種の他の遷移金属を含有する混合酸化物若しくは複合酸化物からなることが教示されている。
【0007】
国際公開第2004/076829号は、SCR触媒の上流に配置されたNOx吸蔵触媒を含む排気ガス浄化システムを開示している。NOx吸蔵触媒は、少なくとも一種の白金族金属(Pt、Pd、Rh又はIr)でコーティング又は活性化されている少なくとも一種のアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属を含む。特に好ましいNO吸蔵触媒は、白金でコーティングされたセリウム酸化物と、それに加えて、酸化アルミニウムを基とする担体上の酸化触媒としての白金とを含むことが教示されている。EP1027919は、アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、チタニア及び/又はランタナといった多孔性担体材料と、少なくとも0.1重量%の貴金属(Pt、Pd及び/又はRh)とを含むNO吸着材を開示している。アルミナに担持された白金が例示されている。
【0008】
加えて、米国特許第5656244号及び同第5800793号は、NO吸蔵/放出触媒を三元触媒と組み合わせたシステムについて記載している。NO吸着剤は、他の金属に加えて、アルミナ、ムライト、コーディエライト、又は炭化ケイ素上に担持されたクロム、銅、ニッケル、マンガン、モリブデン、又はコバルトの酸化物を含むことが教示されている。
【0009】
低温(典型的には約200℃未満)では、このような触媒のNO吸蔵機能は不十分であり、引き続き改良が必要な触媒開発の領域である。また、例えば、更に下流の触媒による次の変換のためにNOが放出されるタイミングの制御を可能にするために、特定の温度を上回る温度でNO吸蔵特性をほとんど又はまったく有さない触媒が開発されることが望ましい。特に触媒を熱的に脱硫することが困難な場合がある低温条件下においては、燃料又はエンジン潤滑油中に存在し得る硫黄によるNOアドソーバ触媒の不活性化も問題である。
【0010】
あらゆる自動車システム及びプロセスと同様に、排気ガス処理システムの更なる改善を達成することが望ましい。本発明者らは、低温でのNO吸蔵特性、NO放出特性、及び脱硫特性が改善された新規のNOアドソーバ触媒組成物を発見した。
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様では、希薄燃焼エンジンからの排出を処理するためのNOアドソーバ触媒が提供され、前記NOアドソーバ触媒は第1のレイヤを備え、前記第1のレイヤは、担体材料;担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及びNO吸蔵材料を含む組成物を含み;担体材料はアルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;一種又は複数種の白金族金属は白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;NO吸蔵材料はセリアを含み;担体材料又はNO吸蔵材料はネオジム含有成分含む。
【0012】
本発明の第2の態様では、金属又はセラミックの基材の上に担持される、上記に定義されたNOアドソーバ触媒が提供される。
【0013】
本発明の第3の態様では、フロースルー又はフィルタ基材を形成するために触媒組成物が押し出し成形される、上記に定義されたNOアドソーバ触媒が提供される。
【0014】
本発明の第4の態様では、担体材料、担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属、及びNO吸蔵材料を含むNOアドソーバ触媒組成物が提供され;担体材料又はNO吸蔵材料はネオジム含有成分を含む。
【0015】
本発明の第5の態様では、金属又はセラミックの基材の上に担持される、上記に定義されたNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒が提供される。
【0016】
本発明の第6の態様では、フロースルー又はフィルタ基材を形成するために触媒組成物が押し出し成形される、上記に定義されたNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒が提供される。
【0017】
本発明の第7の態様では、一種又は複数種の貴金属又は貴金属塩を担体材料に加えてPGM−担体混合物を形成すること、及びNO吸蔵材料をPGM−担体混合物に加えることを含む、上記に定義されたNOアドソーバ触媒組成物の作製方法が提供される。
【0018】
本発明の第8の態様では、ネオジム含有塩の溶液とセリア粒子を混合すること、粒子を噴霧乾燥すること、及び噴霧乾燥した粒子を加熱することを含む、ネオジム含有材料の作製方法が提供される。
【0019】
本発明の第9の態様では、希薄燃焼エンジンからの排出を処理するためのNOアドソーバ触媒が提供され、前記NOアドソーバ触媒は第1のレイヤを備え、前記第1のレイヤは、担体材料;担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及びNO吸蔵材料を含む組成物を含み;担体材料は、アルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;一種又は複数種の白金族金属は白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;NO吸蔵材料はセリアを含み;担体材料又はNO吸蔵材料は上記に定義された方法により得ることができる。
【0020】
本発明の第10の態様では、希薄燃焼エンジン及び上記に定義されたNOアドソーバ触媒を備える燃焼排気ガス流を処理するための排気処理システムが提供され、この希薄燃焼エンジンはNOアドソーバ触媒と流体連通する。
【0021】
本発明の第11の態様では、排気ガスを、上記に定義されたNOアドソーバ触媒又は上記に定義された排気処理システムに接触させることを含む、内燃機関からの排気ガスを処理する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるNOアドソーバ触媒を用いたエンジン試験に基づく累積NOを示している。
【0023】
定義
「ウオッシュコート」という用語は、当技術分野で周知であり、通常触媒の製造中に、基材に塗布される接着性コーティングを指す。
本明細書で用いられる頭字語「PGM」は、「白金族金属」を指す。用語「白金族金属」は、一般的に、Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtからなる群より選択される金属、好ましくはRu、Rh、Pd、Ir及びPtからなる群より選択される金属を指す。一般に、用語「PGM」は、好ましくは、Rh、Pt及びPdからなる群より選択される金属を指す。
本明細書で用いられる「混合酸化物」という用語は、通常、当技術分野で従来知られているような、単一相における酸化物の混合物を指す。本明細書で用いられる「複合酸化物」という用語は、通常、当技術分野で従来知られているような、二相以上の相を有する酸化物の組成物を指す。
材料に関して本明細書で用いられる表現「実質的に含まない」とは、例えば≦5重量%、好ましくは≦2重量%、更に好ましくは≦1重量%といった、少量の材料を意味する。表現「〜を実質的に含まない」は、表現「〜を含まない」を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の希薄燃焼エンジンからの排気を処理するためのNOアドソーバ触媒は第1のレイヤを備え、前記第1のレイヤは:
担体材料;
担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及び
NO吸蔵材料;
を含む組成物を含んでおり、担体材料は、アルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;
一種又は複数種の白金族金属は、白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;
NO吸蔵材料はセリアを含み;
担体材料又はNO吸蔵材料はネオジム含有成分を含む。
【0025】
本発明の別の態様は、担体材料、担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属、及びNO吸蔵材料を含むNOアドソーバ触媒組成物であり;担体材料又はNO吸蔵材料はネオジム含有成分を含む。
【0026】
ネオジム含有成分は、担体材料又はNO吸蔵材料、或いはそれらの両方に存在し得る。本発明のいくつかの実施態様では、担体材料とNO吸蔵材料は実質的に同じ成分である。他の好ましい実施態様では、担体材料とNO吸蔵材料は異なる成分である。
【0027】
本発明のいくつかの実施態様では、担体材料は、ネオジム含有成分から本質的になるか、ネオジム含有成分からなるか、又はネオジム含有成分である。
【0028】
本発明のいくつかの実施態様では、NO吸蔵材料は、ネオジム含有成分から本質的になるか、ネオジム含有成分からなるか、又はネオジム含有成分である。
【0029】
疑義を回避するために、本発明のいくつかの実施態様では、ネオジム含有成分は担体材料である。本発明の他の実施態様では、ネオジム含有成分はNO吸蔵材料である。実施態様は、ネオジム含有担体材料、ネオジム含有NO吸蔵材料、又はネオジム含有担体材料とネオジム含有NO吸蔵材料の両方を含み得る。
【0030】
ネオジム含有成分は、ネオジムを含有するいずれかの塩、酸化物、複合物又は他の化合物、例えば酸化ネオジム(III)とすることができる。ネオジム含有成分はネオジム金属でもよい。疑義を回避するために、可能なネオジム含有成分のリストは制限されない。
【0031】
ネオジム含有成分は、担体材料の表面上、NO吸蔵材料の表面上、又はそれらの両方の表面上に存在し得る。ネオジム含有成分は、追加的に又は代替的に、担体材料、NO吸蔵材料、又はそれらの両方に組み込むことができる。担体材料又はNO吸蔵材料に組み込まれるネオジム含有成分の一例は、例えばいずれかの材料の格子構造内における、担体材料又はNO吸蔵材料の原子のネオジムによる置き換えであろう。
【0032】
本発明のいくつかの実施態様では、ネオジム含有成分はドーパントとして存在する。即ち、本発明は、ネオジムでドープされた担体材料、ネオジムでドープされたNO吸蔵材料、又はネオジムでドープされた担体材料とネオジムでドープされたNO吸蔵材料の両方を含み得る。
【0033】
本発明の組成物中に存在するネオジム含有成分は、所与の温度を上回る温度、例えば180、200、250、又は300℃、好ましくは約300℃を上回る温度でNOをまったく又は実質的にまったく吸蔵しないという点で有利である。これは、したがって「ハイウェイ」条件下においてNOを放出及び/又は変換するためにリッチ排気流が不要であるため有利である。これは、NOアドソーバ触媒組成物がSCR又はSCRFTM触媒の上流に存在するとき、このような条件下ではSCR又はSCRFTM触媒が定量的NO変換を達成することが予想されるため、特に好ましい。加えて、このように180、200、250又は300℃、好ましくは約300℃を超える温度で貯蔵されるNOが少量であるか又はないことは、車両がその後比較的コールドな条件下で、例えば「市街地」条件下で使用されるときに吸蔵されるNOがなくなることを意味し、これは、このようなコールド条件下においてNOの脱離を低減するという更なる利点を有する。
【0034】
いくつかの実施態様では、ネオジム含有成分は、ネオジムを含有しない同等の材料と比較して、特徴的なラマンシフトを含む。ネオジム含有成分がネオジムでドープされたセリアである一実施態様では、未ドープのセリア材料の場合の465cm−1と比較して、特徴的なラマンシフトは462cm−1である。このような実施態様では、未ドープ材料と比較して、560cm−1におけるラマンバンドの強度に特徴的な上昇もある。
【0035】
ネオジム含有成分は、X線回折により測定した場合に、ネオジムを含有しない同等の材料におけるより小さい、クリスタライトの大きさを有することを特徴とし得る。ネオジム含有成分がネオジムでドープされたセリアである一実施態様では、ネオジム含有成分のクリスタライトの大きさは、未ドープ材料の場合の約7.5nm、例えば7.5から8.5nm、好ましくは約8.0nmより大きな結晶の大きさと比較して、約6.5nm未満、例えば6.2から6.8nm、好ましくは約6.4nmであり得る。理論に拘束されることは望まないが、ネオジムは、ネオジム含有成分、例えばネオジムでドープされたセリアの格子構造中に組み込まれると考えられる。
【0036】
ネオジム含有成分はどのような量で存在してもよいが、ネオジム含有成分中のNdをmol%で表して、好ましくは約0.5−18mol%、更に好ましくは約1−16mol%、それよりも更に好ましくは約2−12mol%の量で存在する。例えば、ネオジム含有成分は、約0.5、1、2、4、6、8、10、11、12、14、16、又は18mol%で存在する。
【0037】
ネオジム含有成分は、ネオジム含有成分中のNdをwt%で表して、好ましくは約0.5−20wt%、更に好ましくは約2.5−18.5wt%のネオジムを含む。NOアドソーバ触媒組成物が複数のレイヤを含む触媒中の一のレイヤとして存在する場合、wt%は、そのNOアドソーバ触媒組成物のレイヤ中のみに存在するネオジムの量に言及する。
【0038】
ネオジム含有成分は、NOアドソーバ触媒組成物のwt%で表して、好ましくは約0.1−10wt%、更に好ましくは約0.3−7.0wt%のネオジムを含む。NOアドソーバ触媒組成物が複数のレイヤを含む触媒中の一のレイヤとして存在する場合、wt%は、NOアドソーバ触媒組成物レイヤ中に存在するネオジムの量にのみ言及する。
【0039】
ネオジム含有成分は、NOアドソーバ触媒組成物のmol%で表して、好ましくは約1.5−10.5mol%、更に好ましくは約2.0−7.0%のネオジムを含む。NOアドソーバ触媒組成物が複数のレイヤを含む触媒中の一のレイヤとして存在する場合、mol%は、そのNOアドソーバ触媒組成物のレイヤ中のみに存在するネオジムの量に言及する。
【0040】
担体材料は、アルミナ若しくは混合酸化物、又はこれらの複合酸化物を含む。特に好ましい担体材料は、アルミナ、又はマグネシア/アルミナの複合酸化物若しくは混合酸化物を含む。
【0041】
好ましい担体材料は、好ましくは、10から1500m/gの範囲内の表面積、0.1から4mL/gの範囲内の細孔容積、及び約10から1000オングストロームの細孔径を有する。80m/gを超える表面積を有する高表面積担体、例えば高表面積アルミナが特に好ましい。他の好ましい担体材料はマグネシア/アルミナ複合酸化物を含み、任意選択的に更にセリウム含有成分、例えばセリアを含む。このような場合、セリアは、マグネシア/アルミナ複合酸化物の表面上に、例えばコーティングとして存在してよい。
【0042】
NO吸蔵材料は、セリウム酸化物、セリア−ジルコニア混合酸化物、及びアルミナ−セリア−ジルコニア混合酸化物からなる群より選択される。NO吸蔵材料はセリウム酸化物を含み、例えば好ましくはセリウム酸化物である。本発明のいくつかの実施態様では、NO吸蔵材料はバリウムを更に含む。しかしながら、本発明の組成物にNO吸蔵材料としてバリウムを含むことは必須ではなく、即ちバリウムは本発明の組成物の任意選択的成分であることに注意されたい。換言すれば、本発明のいくつかの組成物は、バリウムを実質的に含まない。
【0043】
したがって、本発明のいくつかの組成物は、ネオジム含有成分を含む、バリウム不含NOアドソーバ組成物である。このような組成物では、ネオジム含有成分がNO吸蔵材料として機能し得る。本発明のいくつかのバリウム不含NOアドソーバ組成物では、ネオジム含有成分はドーパントとして存在する。即ち、バリウム不含NOアドソーバ組成物は、ネオジムでドープされた担体材料、ネオジムでドープされたNO吸蔵材料、又はネオジムでドープされた担体材料とネオジムでドープされたNO吸蔵材料の両方を含み得る。
【0044】
本発明の好ましいバリウム不含NOアドソーバ組成物では、ネオジム含有成分は、ネオジムでドープされたアルミナ、ネオジムでドープされたセリア、又はネオジムでドープされたマグネシア/アルミナ複合酸化物である。
【0045】
実質的にバリウムを含まないか又はNO吸蔵材料としてのバリウムを含まない本発明の組成物(例えばバリウム不含NOアドソーバ組成物)は、180、200、250又は300℃、好ましくは約300℃を上回る温度において、同等のバリウム含有組成物より少ないNOを吸蔵するため、特に有利である。換言すれば、実質的にバリウムを含まない又はNO吸蔵材料としてのバリウムを含まない本発明の組成物は、180、200、250又は300℃、好ましくは約300℃を上回る温度において、同等のバリウム含有組成物より改善されたNO放出特性を有する。このような組成物は、等価なバリウム含有組成物に対して改善された耐硫黄性も有し得る。このような文脈において、「改善された耐硫黄性」とは、実質的にバリウムを含まない本発明の組成物が、等価なバリウム含有組成物と比較して、硫酸化への耐性が高いか、より低温で熱的に脱硫することができるか、又はその両方である。
【0046】
NO吸蔵材料がバリウムを含まない実施態様では、好ましいNO吸蔵材料は、CeO−BaCO複合材料である。このような材料は、当技術分野においていずれかの既知の方法、例えばインシピエントウェットネス含浸又は噴霧乾燥により事前形成することができる。NOアドソーバ触媒組成物がバリウムを含有する場合、NOアドソーバ触媒組成物は、組成物の重量%で表して、好ましくは0.1から10重量パーセントのバリウム、更に好ましくは0.5から5重量パーセントのバリウム、例えば約4.5重量パーセントのバリウムを含む。
【0047】
本発明のいくつかの好ましいNOアドソーバ触媒では、第1のレイヤは、実質的にアルカリ金属を含まない。
【0048】
本発明のいくつかの好ましいNOアドソーバ触媒では、第1のレイヤは、実質的にロジウムを含まず、好ましくはロジウムをまったく含まない。このようなNOアドソーバ触媒では、第1のレイヤは担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属を含み、一種又は複数種の白金族金属は、白金とパラジウムの混合物又は合金から本質的になり、好ましくはそのような混合物又は合金からなる。
【0049】
一種又は複数種の白金族金属(PGM)は、好ましくは、白金、パラジウム、ロジウム、又はこれらの混合物からなる群より選択される。白金、パラジウム及びこれらの混合物、例えば白金とパラジウムの混合物が特に好ましい。NOアドソーバ触媒組成物は、好ましくは0.1から10重量パーセントのPGM、更に好ましくは0.5から5重量パーセントのPGM、最も好ましくは1から3重量パーセントのPGMを含有する。
【0050】
本発明のNOアドソーバ触媒組成物は、当業者に既知の成分を更に含んでもよい。例えば、本発明の組成物は、少なくとも一の結合剤及び/又は少なくとも一の界面活性剤を更に含み得る。結合剤が存在する場合、分散性のアルミナ 結合剤が好ましい。
【0051】
本発明のNOアドソーバ触媒組成物は、いずれかの適切な手段によって調製することができる。好ましくは、一種又は複数種の白金族金属、及び/又はネオジム含有成分、及び/又はNO吸蔵材料が、いずれかの既知の手段によって担体上にロードされてNOアドソーバ触媒組成物を形成する。付加方式は特に重要とは考慮されない。例えば、白金族金属化合物(例えば硝酸白金)、ネオジム化合物(例えば硝酸ネオジム)、及びセリウム化合物(例えば、セリア含有材料への前駆物質としての硝酸セリウム)は、含浸、吸着、イオン交換、インシピエントウェットネス、沈殿などにより、又は当業者で一般に知られている他のいずれかの手段により、担体(例えばアルミナ)上に担持される。
【0052】
白金族金属(PGM)、ネオジム含有成分及び/又はNO吸蔵成分を担体に付加する順序は重要とは考慮されない。例えば、PGM、ネオジム含有成分及びセリウム化合物は担体に、同時に、又はいずれかの順序で連続的に付加される。
【0053】
本発明の更なる態様は、金属又はセラミックの基材上に担持される、上記に定義されたNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒である。基材は、フロースルー基材又はフィルタ基材とすることができるが、好ましくはフロースルーモノリス基材である。
【0054】
フロースルーモノリス基材は、それらの間に長手方向を規定する第一の面及び第二の面を有する。フロースルーモノリス基材は、第1の面と第2の面の間に延びる複数のチャネルを有する。複数のチャネルは長手方向に延び、複数の内表面(例えば各チャネルを画定する壁の表面)を提供する。複数のチャネルの各々は、第1の面と第2の面にそれぞれ一の開口を有する。疑義を回避するために、フロースルーモノリス基材はウォールフロー型フィルタではない。
【0055】
第1の面は、典型的には基材の入口端にあり、第2の面は基材の出口端にある。
【0056】
チャネルは、一定の幅を有することができ、各複数のチャネルは均一なチャネル幅を有することができる。
【0057】
好ましくは、長手方向に直交する平面内で、モノリス基材は1平方インチ当たり100から500チャネル、好ましくは200から400チャネルを有する。例えば、第一の面上で、開口第一チャネル及び閉鎖第二チャネルの密度は、1平方インチ当たり200から400チャネルである。チャネルは、長方形、正方形、円形、楕円形、三角形、六角形、又はその他多角形の断面を有し得る。
【0058】
モノリス基材は、触媒材料を保持するための担体として働く。モノリス基材を形成するのに適した材料は、セラミック様の材料、例えばコーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、スポジュメン、アルミナ−シリカ−マグネシア若しくはケイ酸ジルコニウム、又は多孔質、耐火性金属を含む。多孔質モノリス基材の製造におけるそのような材料及びそれらの使用は当技術分野で周知である。
【0059】
本明細書に記載されるフロースルーモノリス基材が単一の構成部品(即ち単一ブリック)であることに注意されたい。それでも、排気処理システムを形成するとき、使用されるモノリスは、複数のチャネルを一緒に接着することによって、又は本明細書に記載されるような複数の小さなモノリスを一緒に接着することによって形成されてよい。そのような技術は、当技術分野において周知であり、排気処理システムの適切なケーシング及び構成も同様である。
【0060】
本発明の別の実施態様では、本明細書に記載されるNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒は、フロースルー又はフィルタ基材を形成するために押出成形される。
【0061】
NOアドソーバ触媒がセラミック基材を含む実施態様では、セラミック基材は、いずれかの適切な耐火材料、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、マグネシア、ゼオライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ酸ジルコニウム類、ケイ酸マグネシウム類、アルミノケイ酸塩類及びメタロアルミノケイ酸塩類(コーディエライト及びスポジュメンなど)、又はこれらのいずれか二以上の混合物又は混合酸化物から作製することができる。コーディエライト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム及び炭化ケイ素が特に好ましい。
【0062】
NOアドソーバ触媒が金属基材を含む実施態様では、金属基材は、いずれかの適切な金属、特に耐熱性の金属及び金属合金、例えばチタン及びステンレス鋼、並びに、鉄、ニッケル、クロム及び/又はアルミニウムをその他の微量金属に加えて含有するフェライト合金から作製することができる。
【0063】
好ましくは、前述のNOアドソーバ触媒は、ウオッシュコート法を用いて前述のNOアドソーバ触媒組成物を基材上に堆積させることにより調製される。ウオッシュコート法を用いてNOアドソーバ触媒成分を調製するための代表的な方法は以下に規定される。下記の方法は本発明の種々の実施態様に従って変更可能であることが理解されよう。
【0064】
ウォッシュコートは、スラリーを形成するために、好ましくは、まず適切な溶媒中、好ましくは水中で、NOアドソーバ触媒組成物の細かく分割された粒子をスラリー化することによって実施される。スラリーは、好ましくは5から70重量パーセント、更に好ましくは10から50重量パーセントの固体を含む。好ましくは、スラリーを形成する前に、実質的にすべての固体粒子が平均直径で20ミクロン未満の粒径を有することを確実にするために、粒子は粉砕される(milled)か又は別の粉砕(comminution)プロセスに供せられる。安定剤又は促進剤のような追加的な成分も、水溶性又は水分散性の化合物又は錯体の混合物として、スラリー内に取り込まれ得る。
【0065】
次いで基材は、基材上にNOアドソーバ触媒組成物の望ましいローディング量が堆積されるように、スラリーで一回又は複数回、被覆されてもよい。
【0066】
好ましくは、NOアドソーバ触媒は、基材と、基材上の少なくとも一のレイヤとを含む。一実施態様では、少なくとも一のレイヤは、前述のNOアドソーバ触媒組成物を含む。これは、上述のウオッシュコート法により生成することができる。一又は複数の追加のレイヤを、NOアドソーバ触媒組成物の一のレイヤに付加することができる。
【0067】
一又は複数の追加のレイヤが存在する(即ちNOアドソーバ触媒組成物に加えて)実施態様では、この一種又は複数種の追加レイヤは、NOアドソーバ触媒組成物を含む第1のレイヤとは異なる組成物を有する。
【0068】
一種又は複数種の追加レイヤは、一のゾーン、又は複数のゾーン、例えば二以上のゾーンを含み得る。一種又は複数種の追加レイヤが複数のゾーンを含む場合、これらゾーンは好ましくは長手ゾーンである。複数のゾーン、又は各個別ゾーンは、グラジエントとして存在してもよく、即ち一のゾーンはその全長に沿って均一な厚みを有さずにグラジエントを形成し得る。代替的に、ゾーンは、その全長に沿って均一な厚みを有してもよい。
【0069】
いくつかの好ましい実施態様では、一の追加レイヤ、即ち第2のレイヤが存在する。
【0070】
典型的には、第2のレイヤは、白金族金属(PGM)(以降、「第2の白金族金属」という)を含む。一般に、第2のレイヤは第2の白金族金属(PGM)を唯一の白金族金属として含む(即ち特定されたもの以外に触媒材料中に存在する他のPGM成分が存在しない)ことが好ましい。
【0071】
第2のPGMは、白金、パラジウム、及び白金(Pt)とパラジウム(Pd)の組み合わせ又は混合物からなる群より選択することができる。好ましくは、白金族金属は、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)とパラジウム(Pd)の組み合わせ又は混合物からなる群より選択される。更に好ましくは、白金族金属は、白金(Pt)とパラジウム(Pd)の組み合わせ又は混合物からなる群より選択される。
【0072】
一般に、第2のレイヤは、一酸化炭素(CO)及び/又は炭化水素(HCs)の酸化のためにある(即ちそのために成分配合されている)ことが好ましい。
【0073】
好ましくは、第2のレイヤは、パラジウム(Pd)と、任意選択的に白金(Pt)とを、1:0(例えばPdのみ)から1:4の重量比で(Pt:Pdの重量比が4:1から0:1であることと等価)含む。更に好ましくは、第2のレイヤは、白金(Pt)とパラジウム(Pd)を、<4:1、例えば≦3.5:1の重量比で含む。
【0074】
白金族金属が白金とパラジウムの組み合わせ又は混合物であるとき、その場合第2のレイヤは白金(Pt)とパラジウム(Pd)を、5:1から3.5:1、好ましくは2.5:1から1:2.5、更に好ましくは約1:1から2:1の重量比で含む。
【0075】
第2のレイヤは、典型的に、担体材料(以降「第2の担体材料」という)を更に含む。第2のPGMは通常、第2の担体材料上に堆積させるか、又は担持される。
【0076】
第2の担体材料は、好ましくは耐火性酸化物である。耐火性酸化物は、アルミナ、シリカ、セリア、シリカアルミナ、セリア−アルミナ、セリア−ジルコニア、及びアルミナ−酸化マグネシウムからなる群より選択されることが好ましい。更に好ましくは、耐火性酸化物は、アルミナ、セリア、シリカ−アルミナ、及びセリア−ジルコニアからなる群より選択される。それよりも更に好ましくは、耐火性酸化物は、アルミナ又はシリカ−アルミナであり、特にシリカ−アルミナである。
【0077】
特に好ましい第2のレイヤは、シリカ−アルミナ担体、白金、パラジウム、バリウム、モレキュラーシーブ、及びアルミナ担体、例えば希土類で安定化したアルミナ上の白金族金属(PGM)を含む。特に好ましくは、この好ましい第2のレイヤは、シリカ−アルミナ担体、白金、パラジウム、バリウム、モレキュラーシーブを含む第1のゾーンと、アルミナ担体、例えば希土類で安定化したアルミナ上の白金族金属(PGM)を含む第2のゾーンとを含む。この好ましい第2のレイヤは、酸化触媒、例えばディーゼル酸化触媒(DOC)としての活性を有し得る。
【0078】
更なる好ましい第2のレイヤは、アルミナ上の白金族金属を含むか、同白金族金属から本質的になるか、又は同白金族金属からなる。この好ましい第2のレイヤは、酸化触媒、例えばNOメーカー触媒としての活性を有し得る。
【0079】
更なる好ましい第2のレイヤは、白金族金属、ロジウム、及びセリウム含有成分を含む。
【0080】
他の好ましい実施態様では、NOアドソーバ触媒組成物に加えて、上述の好ましい第2のレイヤが二つ以上存在する。このような実施態様では、一種又は複数種の追加レイヤは、ゾーン化構成を含む任意の構成で存在し得る。
【0081】
NOアドソーバ触媒組成物は、第2のレイヤ又は基材(例えば貫通流モノリス基材の複数の内表面)上に配置又は担持され、好ましくは、第2のレイヤはNOアドソーバ触媒組成物の上に配置又は担持される。
【0082】
第2のレイヤは、基材(例えば貫通流モノリス基材の複数の内表面)上に配置又は担持されてもよい。
【0083】
第2のレイヤは、基材又はNOアドソーバ触媒組成物の全長にわたって配置又は担持され得る。代替的に、第2のレイヤは、基材又はNOアドソーバ触媒組成物の一部、例えば5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の上に配置又は担持され得る。
【0084】
好ましくは、基材の全長は、NOアドソーバ触媒組成物でコーティングされる。
【0085】
本発明の更なる態様は、一種又は複数種の貴金属又は貴金属塩を担体材料に加えてPGM−担体混合物を形成すること、及びNO吸蔵材料をPGM−担体混合物に加えることを含む、上記に定義されたNOアドソーバ触媒組成物の作製方法である。好ましい方法は、ネオジム含有担体材料を形成する工程を更に含む。他の好ましい方法は、ネオジム含有NO吸蔵材料を形成する工程を更に含む。本発明の方法は、ネオジム含有担体材料を形成する工程及びネオジム含有NO吸蔵材料を形成する工程を含み得る。いくつかの好ましい方法では、ネオジム含有担体材料及び/又はネオジム含有NO吸蔵材料は、インシピエントウェットネス含浸によって形成される。
【0086】
ネオジム含有NO吸蔵材料、又はネオジム含有担体材料は、噴霧乾燥によって形成される。本発明の更なる態様は、ネオジム含有塩の溶液とセリア粒子を混合すること、粒子を噴霧乾燥すること、及び噴霧乾燥した粒子を加熱することを含む、ネオジム含有材料の作製方法である。
【0087】
本発明の好ましい方法では、ネオジム含有塩をセリア粒子と混合することが、溶媒、例えば水中で実行される。
【0088】
いくつかの好ましい方法では、粒子の噴霧乾燥が、250から350℃、好ましくは280から320℃、特に好ましくは約300℃の入口温度で実行される。
【0089】
いくつかの好ましい方法では、粒子の噴霧乾燥が、80から150℃、好ましくは100から130℃、特に好ましくは約110℃の出口温度で実行される。
【0090】
いくつかの好ましい方法では、噴霧乾燥した粉末が、250から600℃、好ましくは400から550℃、特に好ましくは約500℃の温度で加熱される。
【0091】
いくつかの好ましい方法は、加熱した噴霧乾燥粉末を、600から800℃,好ましくは620から680℃、特に好ましくは約650℃の温度で乾燥させる追加工程を含む。
【0092】
本発明の更なる好ましい方法は、少なくとも一の結合剤を付加すること及び/又は少なくとも一の界面活性剤を付加することといった一又は複数の追加工程を更に含む。
【0093】
本発明の更なる態様は、希薄燃焼エンジンからの排気を処理するためのNOアドソーバ触媒であり、前記NOアドソーバ触媒は第1のレイヤを含み、前記第1のレイヤは:
担体材料;
担体材料の上に配置された一種又は複数種の白金族金属;及び
NO吸蔵材料;
を含む組成物を含んでおり、
担体材料は、アルミナ又はアルミナを含む混合酸化物を含み;
一種又は複数種の白金族金属は、白金とパラジウムの混合物又は合金を含み;
NO吸蔵材料はセリアを含み;
担体材料又はNO吸蔵材料は、上述の方法によって得ることができる。換言すれば、NO吸蔵材料は、ネオジム含有塩の溶液をセリア粒子と混合すること、粒子を噴霧乾燥すること、及び噴霧乾燥した粒子を加熱することにより得ることができる。
【0094】
本発明の更なる態様は、上述のNOアドソーバ触媒及び希薄燃焼エンジンを備える、燃焼排気ガスの流れを処理するための排気処理システムであり、希薄燃焼エンジンはNOアドソーバ触媒と流体連通し、且つ希薄燃焼エンジンはディーゼルエンジンである。
【0095】
好ましいシステムでは、希薄燃焼エンジンは軽量任務級ディーゼルエンジンである。NOアドソーバ触媒は、密接に連結した位置又は床下の位置に配置され得る。
【0096】
排気処理システムは、典型的には排気制御装置を更に含む。
【0097】
排気制御装置は、好ましくはNOアドソーバ触媒の下流にある。
【0098】
排気制御装置の例には、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、リーンNOトラップ(LNT)、リーンNO触媒(LNC)、選択的触媒還元(SCR)触媒、ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、アンモニアスリップ触媒(ASC)及びこれらの二以上の組み合わせが含まれる。このような排気制御装置は当技術分野で周知である。
【0099】
前述の排気制御装置のいくつかは、フィルタリング基材を有する。フィルタリング基材を有する排気制御装置は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、触媒化スートフィルタ(CSF)、及び選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒からなる群より選択することができる。
【0100】
排気処理システムは、リーンNOトラップ(LNT)、アンモニアスリップ触媒(ASC)、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、選択的触媒還元(SCR)触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、及びこれらの二以上の組み合わせからなる群より選択される排気制御装置を備えることが好ましい。更に好ましくは、排気制御装置は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、選択的触媒還元(SCR)触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、及びこれらの二以上の組み合わせからなる群より選択される。それよりも更に好ましくは、排気制御装置は、選択的触媒還元(SCR)触媒又は選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒である。
【0101】
本発明の排気処理システムがSCR触媒又はSCRFTM触媒を備えるとき、排気処理システムは、窒素系還元剤、例えばアンモニア、又はアンモニア前駆物質、例えば尿素又はギ酸アンモニウム、好ましくは尿素を、NOアドソーバ触媒の下流及びSCR触媒又はSCRFTM触媒の上流で排気ガス中に噴射するためのインジェクタを更に備えてもよい。
【0102】
このようなインジェクタは、窒素系還元剤前駆物質の供給源(例えばタンク)に流体連結することができる。排気ガス中への前駆物質のバルブ制御された投入は、適切にプログラミングされたエンジン管理手段及び排気ガスの組成を監視するセンサによって供給される閉ループ又は開ループフィードバックによって調節調整され得る。
【0103】
アンモニアはまた、カルバミン酸アンモニウム(固体)を加熱することによって生成されてもよく、生成されたアンモニアは排気ガス中に噴射することができる。
【0104】
インジェクタの代わりに又はインジェクタに加えて、アンモニアはインサイチュで(例えばSCR触媒又はSCRFTM触媒の上流に配置されたLNTのリッチ再生の間に)生成することができ、例えば、本発明のNOアドソーバ触媒組成物を含むNOアドソーバ触媒。よって、排気処理システムは、炭化水素で排気ガスを富化するためのエンジン管理手段を更に備えることができる。
【0105】
SCR触媒又はSCRFTM触媒は、Cu、Hf、La、Au、In、V、ランタニド系及び第VIII族遷移金属(例えばFe)のうち少なくとも一種からなる群より選択される金属を含むことができ、この金属は耐火性酸化物又はモレキュラーシーブに担持される。金属は、好ましくはCe、Fe、Cu及びこれらのいずれか二種以上の組み合わせから選択され、更に好ましくは金属はFe又はCuである。
【0106】
SCR触媒又はSCRFTM触媒用の耐火性酸化物は、Al、TiO、CeO、SiO、ZrO、及びそれらのうちの二以上を含む混合酸化物からなる群より選択され得る。非ゼオライト触媒は、酸化タングステン、例えばV/WO/TiO、WO/CeZrO、WO/ZrO又はFe/WO/ZrOも含み得る。
【0107】
SCR触媒、SCRFTM触媒又はこれらのウオッシュコートがアルミノシリケートゼオライト又はSAPOなどの少なくとも一種類のモレキュラーシーブを含む場合が特に好ましい。少なくとも一種のモレキュラーシーブは、小細孔、中細孔又は大細孔モレキュラーシーブとすることができる。本明細書において「小細孔モレキュラーシーブ」とは、CHAなど、最大環サイズ8を有するモレキュラーシーブを意味し;本明細書において「中細孔モレキュラーシーブ」とは、ZSM−5など、最大環サイズ10を有するモレキュラーシーブを意味し;本明細書において「大細孔モレキュラーシーブ」とは、ベータなど、最大環サイズ12を有するモレキュラーシーブを意味する。小細孔モレキュラーシーブはSCR触媒における使用にとって潜在的に有利である。
【0108】
本発明の排気処理システムにおいて、SCR触媒又はSCRFTM触媒のために好ましいモレキュラーシーブは、AEI、ZSM−5、ZSM−20、ZSM−34を含むERI、モルデナイト、フェリエライト、ベータを含むBEA、Y、CHA、Nu−3を含むLEV、MCM−22及びEU−1からなる群より選択される合成アルミノシリケートゼオライトモレキュラーシーブであり、好ましくはAEI又はCHAであり、シリカのアルミナに対する比が約10から約50、例えば約15から約40である。
【0109】
第1の排気処理システムの実施態様では、排気処理システムは、本発明のNOアドソーバ触媒及び触媒化スートフィルタ(CSF)を含む。典型的には、NOアドソーバ触媒の後に触媒化スートフィルタ(CSF)が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はCSFの上流にある)。よって、例えば、NOアドソーバ触媒の出口は触媒化スートフィルタの入口に接続される。
【0110】
第2の排気処理システムの実施態様は、本発明のNOアドソーバ触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)及び選択的触媒還元(SCR)触媒を備える排気処理システムに関する。
【0111】
典型的には、NOアドソーバ触媒の後に触媒化スートフィルタ(CSF)が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はCSFの上流にある)。典型的には、触媒化スートフィルタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続く(例えば、CSFはSCR触媒の上流にある)。窒素系還元剤のインジェクタは、触媒化スートフィルタ(CSF)と選択的触媒還元(SCR)触媒の間に配置してもよい。よって、触媒化スートフィルタ(CSF)の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、CSFはインジェクタの上流にある)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタはSCR触媒の上流にある)。
【0112】
第3の排気処理システムの実施態様では、排気処理システムは、本発明のNOアドソーバ触媒、選択的触媒還元(SCR)触媒及び触媒化スートフィルタ(CSF)又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を含む。
【0113】
第3の排気処理システムの実施態様では、典型的には本発明のNOアドソーバ触媒の後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はSCRの上流にある)。窒素系還元剤のインジェクタは、酸化触媒と選択的触媒還元(SCR)触媒の間に配置してもよい。よって、触媒化モノリス基材の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、触媒化モノリス基材はインジェクタの上流にある)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタはSCR触媒の上流にある)。選択的触媒還元(SCR)触媒の後に、触媒化スートフィルタ(CSF)又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が続く(例えば、SCRはCSF又はDPFの上流にある)。
【0114】
第4の排気処理システムの実施態様は、本発明のNOアドソーバ触媒及び選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒を備える。典型的には、本発明のNOアドソーバ触媒の後に選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はSCRFTM触媒の上流にある)。
【0115】
窒素系還元剤のインジェクタは、NOアドソーバ触媒と選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒の間に配置してもよい。よって、NOアドソーバ触媒の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、NOアドソーバ触媒がインジェクタの上流にある)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタがSCRFTM触媒の上流にある)。
【0116】
排気処理システムが、上述の第2から第4の排気システムの実施態様のような、選択的触媒還元(SCR)触媒又は選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒を含む場合、ASCは、SCR触媒又はSCRFTM触媒の下流に(即ち別個の基材モノリスとして)配置することができるか、又は、更に好ましくは、SCR触媒を備えたモノリス基材の下流のゾーン又は終端は、ASCの担体として使用することができる。
【0117】
本発明の別の態様は車両に関する。車両は、内燃機関、好ましくはディーゼルエンジンを備える。内燃機関、好ましくはディーゼルエンジンは、本発明の排気処理システムに連結される。
【0118】
ディーゼルエンジンは、≦50ppmの硫黄、更に好ましくは≦15ppmの硫黄、例えば≦10ppmの硫黄、それよりも更に好ましくは≦5ppmの硫黄を含む燃料、好ましくはディーゼル燃料で動作するよう構成又は適合されることが好ましい。
【0119】
車両は、米国又は欧州の法律で規定されるような軽量ディーゼル車両(LDV)であり得る。軽量ディーゼル車両は、典型的には<2840kgの重量を有し、更に好ましくは<2610kgの重量を有する。米国では、軽量ディーゼル車両(LDV)は、≦8500ポンド(米国ポンド)の総重量を有するディーゼル車両を指す。欧州では、軽量ディーゼル車両(LDV)という用語は、(i)運転席の他に8席以下の座席を備え、5トン以下の最大質量を有する乗用車、及び(ii)12トン以下の最大質量を有する貨物輸送車を指す。
【0120】
代替的に、車両は、米国の法律で規定されている、>8500ポンド(米国ポンド)の総重量を有するディーゼル車のような大型ディーゼル車(HDV)であってもよい。
【0121】
本発明のさらなる態様は、排気ガスを上述のNOアドソーバ触媒に接触させることを含む、内燃機関からの排気ガスを処理する方法である。好ましい方法では、排気ガスはリッチガス混合体である。更なる好ましい方法では、排気ガスはリッチガス混合体とリーンガス混合体の間を循環する。
【0122】
内燃機関からの排気ガスを処理するいくつかの好ましい方法では、排気ガスは約180から300℃の温度である。
【0123】
内燃機関からの排気ガスを処理するさらなる好ましい方法では、排気ガスを、上述のNOアドソーバ触媒に加えて、一種又は複数種の更なる排気制御装置と接触させる。一又は複数の排気制御装置は、好ましくはNOアドソーバ触媒の下流にある。
【0124】
更なる排気制御装置の例には、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、リーンNOトラップ(LNT)、リーンNO触媒(LNC)、選択的触媒還元(SCR)触媒、ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、アンモニアスリップ触媒(ASC)及びこれらの二以上の組み合わせが含まれる。このような排気制御装置は当技術分野で周知である。
【0125】
前述の排気制御装置のいくつかは、フィルタリング基材を有する。フィルタリング基材を有する排気制御装置は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、触媒化スートフィルタ(CSF)、及び選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒からなる群より選択することができる。
【0126】
方法は、排気ガスを、リーンNOトラップ(LNT)、アンモニアスリップ触媒(ASC)、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、選択的触媒還元(SCR)触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、及びこれらの二以上の組み合わせからなる群より選択される排気制御装置と接触させることを含むことが好ましい。更に好ましくは、排気制御装置は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、選択的触媒還元(SCR)触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒、及びこれらの二以上の組み合わせからなる群より選択される。それよりも更に好ましくは、排気制御装置は、選択的触媒還元(SCR)触媒又は選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒である。
【0127】
本発明の方法が排気ガスをSCR触媒又はSCRFTM触媒と接触させることを含むとき、その場合方法は、窒素系還元剤、例えばアンモニア、又はアンモニア前駆物質、例えば尿素又はギ酸アンモニウム、好ましくは尿素を、NOアドソーバ触媒の下流且つSCR触媒又はSCRFTM触媒の上流で排気ガス中に噴射することを更に含み得る。
【0128】
このような噴射は、インジェクタによって実行され得る。インジェクタは、窒素系還元剤前駆物質の供給源(例えばタンク)に流体連結することができる。前駆物質の排気ガスへのバルブ制御された投入は、適切にプログラミングされたエンジン管理手段及び排気ガスの組成を監視するセンサによって供給される閉ループ又は開ループフィードバックによって調節することができる。
【0129】
アンモニアは、カルバミン酸アンモニウム(固体)を加熱することによって生成されてもよく、生成されたアンモニアは排気ガス中に噴射することができる。
【0130】
インジェクタの代わりに又はインジェクタに加えて、アンモニアはインサイチュで(例えばSCR触媒又はSCRFTM触媒の上流に配置されたLNTのリッチ再生の間に)生成され得る。よって、方法は、炭化水素で排気ガスを富化することを更に含み得る。
【0131】
SCR触媒又はSCRFTM触媒は、耐火性酸化物又はモレキュラーシーブに担持された、Cu、Hf、La、Au、In、V、ランタニド系及び第VIII族遷移金属(例えばFe)のうち少なくとも一種からなる群より選択される金属を含むことができる。金属は、好ましくはCe、Fe、Cu及びこれらのいずれか二種以上の組み合わせから選択され、更に好ましくは金属はFe又はCuである。
【0132】
SCR触媒又はSCRFTM触媒用の耐火性酸化物は、Al、TiO、CeO、SiO、ZrO、及びそれらのうちの二以上を含む混合酸化物からなる群より選択され得る。非ゼオライト触媒は、酸化タングステン(例えばV/WO/TiO、WO/CeZrO、WO/ZrO又はFe/WO/ZrO)も含み得る。
【0133】
SCR触媒、SCRFTM触媒又はこれらのウオッシュコートがアルミノシリケートゼオライト又はSAPOといった少なくとも一種のモレキュラーシーブを含む場合が特に好ましい。少なくとも一種のモレキュラーシーブは、小細孔、中細孔又は大細孔モレキュラーシーブとすることができる。本明細書において「小細孔モレキュラーシーブ」とは、CHAなど、最大環サイズ8を有するモレキュラーシーブを意味し;本明細書において「中細孔モレキュラーシーブ」とは、ZSM−5など、最大環サイズ10を有するモレキュラーシーブを意味し;本明細書において「大細孔モレキュラーシーブ」とは、ベータなど、最大環サイズ12を有するモレキュラーシーブを意味する。小細孔モレキュラーシーブはSCR触媒における使用にとって潜在的に有利である。
【0134】
本発明の排気ガス処理方法において、SCR触媒又はSCRFTM触媒にとって好ましいモレキュラーシーブは、AEI、ZSM−5、ZSM−20、ZSM−34を含むERI、モルデナイト、フェリエライト、ベータを含むBEA、Y、CHA、Nu−3を含むLEV、MCM−22及びEU−1からなる群より選択される合成アルミノシリケートゼオライトモレキュラーシーブであり、好ましくはAEI又はCHAであり、シリカのアルミナに対する比は約10から約50、例えば約15から約40である。
【0135】
第1の実施態様では、方法は、排気ガスを本発明のNOアドソーバ触媒及び触媒化スートフィルタ(CSF)と接触させることを含む。典型的には、NOアドソーバ触媒の後に触媒化スートフィルタ(CSF)が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はCSFの上流にある)。よって、例えば、NOアドソーバ触媒の出口は触媒化スートフィルタの入口に接続される。
【0136】
排気ガスを処理する方法の第2の実施態様は、排気ガスを本発明のNOアドソーバ触媒、触媒化スートフィルタ(CSF)及び選択的触媒還元(SCR)触媒と接触させることを含む方法に関する。
【0137】
典型的には、NOアドソーバ触媒の後に触媒化スートフィルタ(CSF)が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はCSFの上流にある)。典型的には、触媒化スートフィルタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続く(例えば、CSFはSCR触媒の上流にある)。窒素系還元剤のインジェクタは、触媒化スートフィルタ(CSF)と選択的触媒還元(SCR)触媒の間に配置してもよい。よって、触媒化スートフィルタ(CSF)の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、CSFはインジェクタの上流にあってもよく)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタはSCR触媒の上流にあってもよい)。
【0138】
排気ガスを処理する方法の第3の実施態様では、方法は、排気ガスを、本発明のNOアドソーバ触媒、選択的触媒還元(SCR)触媒及び触媒化スートフィルタ(CSF)又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)と接触させることを含む。
【0139】
排気ガスを処理する方法の第3の実施態様では、典型的には本発明のNOアドソーバ触媒の後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はSCR触媒の上流にある)。窒素系還元剤のインジェクタは、酸化触媒と選択的触媒還元(SCR)触媒の間に配置してもよい。よって、NOアドソーバ触媒の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、NOアドソーバ触媒がインジェクタの上流にあってもよく)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元(SCR)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタがSCR触媒の上流にあってもよい)。選択的触媒還元(SCR)触媒の後に、触媒化スートフィルタ(CSF)又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が続く(例えば、SCRはCSF又はDPFの上流にある)。
【0140】
排気ガスを処理する方法の第4の実施態様は、本発明のNOアドソーバ触媒及び選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒を含む。典型的には、本発明のNOxアドソーバ触媒の後に選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒が続く(例えば、NOアドソーバ触媒はSCRFTM触媒の上流にある)。
【0141】
窒素系還元剤のインジェクタは、NOアドソーバ触媒と選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒の間に配置することができる。よって、NOアドソーバ触媒の後に窒素系還元剤のインジェクタが続いてもよく(例えば、NOアドソーバ触媒がインジェクタの上流にあってもよく)、窒素系還元剤のインジェクタの後に選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒が続いてもよい(例えば、インジェクタがSCRF触媒の上流にあってもよい)。
【0142】
排気処理システムが、上述の第2から第4の方法の実施態様のように、選択的触媒還元(SCR)触媒又は選択的触媒還元フィルタ(SCRFTM)触媒を含むとき、ASCは、SCR触媒又はSCRFTM触媒の下流に(すなわち別個のモノリス基材として)配置することができるか、又は、更に好ましくは、SCR触媒を備えたモノリス基材の下流の区域又は終端をASCのための担体として使用することができる。
【0143】
本発明の更なる態様は、ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、NOアドソーバ材料の低温でのNO吸蔵能を改善するための、ネオジム含有材料の使用である。
【0144】
本発明のまた更なる態様は、ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、所与の温度でのNOアドソーバ材料のNO吸蔵能を低下させるための、ネオジム含有材料の使用である。好ましくは、所与の温度は約200℃、更に好ましくは約250℃、なお更に好ましくは約280℃、特に好ましくは約300℃である。
【0145】
本発明のまた更なる態様は、ネオジム含有材料を含有しない等価なNOアドソーバ材料に対し、NOアドソーバ材料の耐硫黄性を改善するためのネオジム含有材料の使用である。
【実施例】
【0146】
次に、以下の非限定的な実施例によって本発明を例証する。
【0147】
方法
Bruker AXS D8回折計とLynxeye PSD検出器を用いてX線回折データを決定した。スキャンレンジ10から130°2θ、0.02°のステップサイズ、θ/θ連結スキャンモード、管電圧40kV及び電流40mA、周囲温度で、CuのKα放射を使用した。
【0148】
材料
すべての材料は市販されているもので、特に断らない限り既知の供給元から取得した。
【0149】
一般的調製(1)−[Ce.Nd]
CeO粉末を、硝酸ネオジム(III)の水溶液を用いて含浸させる。含浸した粉末を、次いで一晩110℃で乾燥させ、続いて650℃で1時間か焼する。
【0150】
一般的調製(2)−[Al.Nd]
Al(ベーマイト)粉末を、硝酸ネオジム(III)の水溶液を用いて含浸させる。含浸した粉末を、次いで一晩110℃で乾燥させ、続いて650℃で1時間か焼する。
【0151】
一般的調製(3)−噴霧乾燥した[Ce.Nd]
672gのNd(NOを5281gの脱塩水に溶解した。2873gの高表面積CeOを粉末形態で加え、混合物を30分間撹拌した。その結果得られたスラリーを逆流モードのSpray Dryerで噴霧乾燥した(二流体、噴水ノズル、入口温度を300℃に、出口温度を110℃にそれぞれ設定)。その結果得られた粉末をサイクロンから収集した。
【0152】
空気の流れの下で500℃で1時間、続いて静的オーブン内で650℃で更に一時間、粉末をか焼した。
【0153】
実施例1
[Al.Nd(13.0wt%)].Pt.Pd.[Ce.Ba(7%)](10.2mol% Al.Nd;8.7mol% Ce.Ba)の調製
CeO−BaCO複合材料は、酢酸バリウム及び高表面積セリアから形成し、続いて650℃で1時間か焼する。
1.77g/in[Al.Nd](上記一般的調製(2)に従って調製)を、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/Pdを[Al.Nd]担体に1時間吸着させる。
これに対し、次いで3.33g/inのCeO−BaCO複合材料を、次いで0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的なコーティング手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Baは約4.3wt%(4.6mol%)で存在する。Ndは約0.43wt%(4.3mol%)で存在する。
【0154】
実施例2:
[Al.Nd(0%)].Pt.Pd.[Ce.Ba(7wt%)]の調製
実施例1と同様に、但し[Al.Nd]の代わりにAlを使用して調製する。
【0155】
実験結果
触媒の実施例1及び実施例2を、10%のHO、20%のO、及び残部のNからなるガス流中において、800℃で5時間水熱的にエージングした。1.6リットルのベンチを取り付けたディーゼルエンジンを使用して、模擬的MVEG−B排出サイクルについてこれらの性能を試験した。排出は、触媒の前後で測定した。蓄積されたNO汚染物質排出を図1に示す。エンジンアウト(触媒前)のNO排出と触媒後のNO排出との差異は、触媒上で除去されたNOの量を示している。図1から、ネオジム含有成分を含む実施例1は、ネオジム含有成分を含まない実施例2より大きなNO吸着能を有する。
【0156】
実施例3
Al PtPd[Ce.Ba(7wt%)]の調製
CeO−BaCO複合材料は、酢酸バリウム及び高表面積セリアから形成し、続いて650℃で1時間か焼する。
1.5g/inのAlを蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/PdをAl担体に1時間吸着させる。
これに対し、次いで3.27g/in3のCeO−BaCO複合材料を、次いで0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約59.6wt%(48.7mol%)のローディング量で存在する。Baは、約4.6wt%(4.7mol%)のローディング量で存在する。
【0157】
実施例4
[Al.Nd(7.08wt%)]PtPd[Ce.Ba(7wt%)](5.3mol% Al.Nd;8.7mol% Ce.Ba)の調製
実施例3と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは、約47.2wt%(48.2mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約2.2wt%(2.2mol%)のローディング量で存在する。Baは、約4.5wt%(4.6mol%)のローディング量で存在する。
【0158】
実施例5
[Al.Nd(13.0wt%)].Pt.Pd.[Ce.Ba(7%)](10.2mol% Al.Nd;8.7mol% Ce.Ba)の調製
実施例3と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは、約46wt%(47.6mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約4.3wt%(4.3mol%)のローディング量で存在する。Baは、約4.3wt%(4.6mol%)のローディング量で存在する。
【0159】
実施例6
[Al.Nd(18.2wt%)]PtPd[Ce.Ba(7wt%)](15.1mol% Al.Nd;8.7mol% Ce.Ba)の調製
実施例3と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは、約44.9wt%(47.1mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約6.4wt%(6.5mol%)のローディング量で存在する。Baは、約400g/ftのローディング量で存在する。
【0160】
実験結果
コアの試料を、実施例3〜6の触媒の各々から採取した。コアは、6%のCO、12%のO及び残部のNを含むガス混合体中において400℃までの傾斜で加熱し、続いて以下の表1に示すガス混合体を用いる7サイクルのリーン−リッチプレコンディショニング(いずれの場合も残部は窒素である)を行うことにより事前調整した。サイクルは、40,000h−1の空間速度(SV)でリーン120秒/リッチ10秒とした。
合成ガスベンチ試験を使用して、触媒活性を決定した。表1の入口ガス混合物を使用して、模擬的な触媒活性試験(SCAT)ガス装置内でコアを試験した。試験は、リーン300秒/リッチ16秒の6サイクルからなっていた。
結果
低SV(40,000h−1)における200℃でのSCAT試験の一の代表的サイクルの結果を以下の表2に示す。
高SV(80,000h−1)における400℃でのSCAT試験の一の代表的サイクルの結果を以下の表3に示す。
表2から、それぞれ200及び400g/ftのNdを有する実施例4及び5は、Ndを含有しない実施例3よりも、共に触媒出口におけるNO濃度が低いことが分かる。逆に、600g/ftのNdを有する実施例6は、実施例2、3、及び4のいずれよりも大きなNOスリップ(即ち、より高い触媒出力NO濃度)を示し、このことは、大きすぎるNdのローディング量はNOアドソーバの性能に有害であることを示唆している。
【0161】
実施例7
「Al標準」の調製
1.5g/inのAlを蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/PdをAl担体に1時間吸着させる。
これに対し、次いで3g/inの高表面積Ce及び0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約51.9wt%(51.1mol%)のローディング量で存在する。
【0162】
実施例8
[Al.Nd(7.1wt%)]PGM Ce(5.3mol% Al.Nd)の調製
実施例7と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約50.5wt%(50.5mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約2.4wt%(2.3mol%)のローディング量で存在する。
【0163】
実施例9
[Al.Nd(13.0wt%)]PGM Ce(10.2mol% Al.Nd)の調製
実施例7と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約49.1wt%(49.9mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約4.6wt%(4.6mol%)のローディング量で存在する。
【0164】
実施例10
[Al.Nd(18.2wt%)]PGM Ce(15.1mol% Al.Nd)の調製
実施例7と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約47.8wt%(49.4mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約6.8wt%(6.8mol%)のローディング量で存在する。
【0165】
実験結果
コアの試料を、実施例7〜10の触媒の各々から採取した。コアを、6%のCO、12%のO、6%のHO及び残部のNを含むガス混合体中で600℃までの傾斜で加熱することにより事前調整した。
合成ガスベンチ試験を使用して、触媒活性を決定した。表4の入口ガス混合物を使用して、模擬的な触媒活性試験(SCAT)ガス装置内でコアを試験した。試験は、40,000h−1の空間速度(SV)でリーン300秒/リッチ16秒の5サイクルからなっていた。
結果
200℃でのSCAT試験の一の代表的サイクルの結果を以下の表5に示す。
表5から、それぞれ200、400及び600g/ftのNdを有する実施例8、9及び10の各々は、Ndを含有しない実施例7よりも、触媒出口におけるNO濃度が低いことが分かる。
実施例8〜10の触媒の各々は、それ以上セリア含有成分を含まない。したがって、各々が更なるセリア含有成分を含む上記実施例4〜7の触媒と比較して、表3及び5の各々に示されるNOアドソーバ性能の改善が、ネオジム含有成分の存在に起因することが分かる。
【0166】
実施例11
「Ce標準」の調製
20%MgO/Alスピネル上の1.54g/inの10% Ceを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13〜15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/PdをCeO担体に1時間吸着させる。
これに対し、次いで3g/inの高表面積Ce及び0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約54.2wt%(49.0mol%)のローディング量で存在する。
【0167】
実施例12
20% MgO/Alスピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[CeO.Nd(3.7wt%)]4.5mol% Ce.Nd
実施例11と同様に、但し[CeO.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(1)に従って調製)。
Ceは約53.2wt%(48.9mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約2.4wt%(2.1mol%)のローディング量で存在する。
【0168】
実施例13
20% MgO/Alスピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[CeONd(7.0wt%)](8.72mol% CeO.Nd)
実施例11と同様に、但し[CeO.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(1)に従って調製)。
Ceは約51.8wt%(48.1mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約4.6wt%(4.1mol%)のローディング量で存在する。
【0169】
実施例14
20% MgO/Alスピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[CeO.Nd(10.2wt%)](12.9mol% CeO.Nd)
実施例11と同様に、但し[CeO.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(1)に従って調製)。
Ceは約50.4wt%(47.6mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約6.7wt%(6.2mol%)のローディング量で存在する。
【0170】
実験結果
コアの試料を、実施例11〜14の触媒の各々から採取した。コアを、6%のCO、12%のO、6%のHO及び残部のNを含むガス混合体中で600℃までの傾斜で加熱することにより事前調整した。
合成ガスベンチ試験を使用して、触媒活性を決定した。表6の入口ガス混合物を使用して、模擬的な触媒活性試験(SCAT)ガス装置内でコアを試験した。試験は、40,000h−1の空間速度(SV)でリーン300秒/リッチ16秒の5サイクルからなっていた。
結果
200℃でのSCAT試験の一の代表的サイクルの結果を以下の表7に示す。
表7の結果の考察
【0171】
実施例15
20% MgO/Alスピネル(10.1wt% Ce)PGM Ce上での10% Ceの調製
20%MgO/Alスピネル上の1.54g/inの10% Ceを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/Pdを、20% MgO/Alスピネル担体上の10% Ceに1時間吸着させる。
これに対し、次いで3g/inのセリア、続いて0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約54.1wt%(49.0mol%)のローディング量で存在する。
【0172】
実施例16
20% MgO/Al スピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[Ce.Ba(2.8wt%)])(3.5mol% Ce.Ba)
CeO−BaCO複合材料は、酢酸バリウム及び高表面積セリアから形成し、続いて650℃で1時間か焼する。
20%MgO/Alスピネル上の1.54g/inの10% Ceを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13〜15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/Pdを、20% MgO/Alスピネル担体上の10% Ceに1時間吸着させる。
これに対し、次いで3.13g/in3のCeO−BaCO複合材料を、続いて0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約53.3wt%(48.3mol%)のローディング量で存在する。Baは、約1.8wt%(1.6mol%)のローディング量で存在する。
【0173】
実施例17
20% MgO/Al スピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[Ce.Ba(7wt%)](8.7mol% Ce.Ba)
CeO−BaCO複合材料を、酢酸バリウム及び高表面積セリアから形成し、続いて650℃で1時間か焼する。
20%MgO/Alスピネル上の1.54g/inの10% Ceを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/Pdを、20% MgO/Alスピネル担体上の10% Ceに1時間吸着させる。
これに対し、次いで3.33g/in3のCeO−BaCO複合材料を、続いて0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約51.2wt%(47mol%)のローディング量で存在する。Baは、約4.5wt%(4.2mol%)のローディング量で存在する。
【0174】
実施例18
20% MgO/Alスピネル(10.1wt% Ce)PGM上での10% Ceの調製[Ce.Nd(7wt%)](8.7mol% Ce.Nd)
20%MgO/Alスピネル上の1.54g/inの10% Ceを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/Pdを、20% MgO/Alスピネル担体上の10% Ceに1時間吸着させる。
これに対し、3.27g/inの[Ce.Nd](上記一般手順(1)に従って調製)を、続いて0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約51.8wt%(48.3mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約4.6wt%(4.1mol%)のローディング量で存在する。
【0175】
実験結果
コアの試料を、実施例15〜18の触媒の各々から採取した。8%のHO、14%のO、35ppmのSO及び残部のNを含むガス混合体中において、45,000h−1の空間速度(SV)で350℃で加熱することにより、コアを2g/Lの硫黄に硫酸化した。
合成ガスベンチ試験を使用して、脱硫活性を決定した。表8の入口ガス混合体を、20℃/分で120から650℃までの温度傾斜で45,000h−1の空間速度(SV)で用いて、模擬的な触媒活性試験(SCAT)ガス装置内でコアを試験した。HS及びSOの放出をマススペクトロメトリにより測定した。その結果を表9に示す。
表9から、400g/ftのNdを含む実施例18が、所与の温度において、ネオジム含有成分を含まない実施例15〜17のいずれよりも効率的な脱硫を受けることが分かる。特に、未ドープのセリウムを含む実施例15に対して、及びそれぞれ150及び400g/ftのBaを含む実施例16及び17に対して、実施例18は改善された脱硫効率を示している。これは、上記表9に示す450及び500℃のデータ点において特に明らかである。
上述のようにして取得されたDeSO効率のデータの別の例を表10に示す。
表10から、400g/ftのNdを含む実施例18が、ネオジム含有成分を含まない実施例15〜17の各々より低い温度で所与のDeSO効率(%)を達成することが分かる。それぞれ140及び400g/ftのBaを含む実施例16及び17のいずれにおいても、90%の硫黄除去が達成されず、実施例18では90%の硫黄除去が、未ドープセリアを含む実施例15より低い516℃で達成された。
したがって、表9及び表10から、ネオジム含有成分を含む触媒が、ネオジム含有成分を含まない触媒より容易に、即ちより低温で(又は所与の温度でより高い効率で)脱硫され得ることが分かる。
【0176】
実施例19
Al PGM Ceの調製
1.5g/inのAlを、蒸留水を用いてスラリー化し、次いで13−15μmのd90に粉砕する。スラリーに対し、94g/ftのマロン酸Pt及び19g/ftの硝酸Pd溶液を次いで加え、均一になるまで撹拌する。Pt/PdをAl担体に1時間吸着させる。
これに対し、次いで3g/inの高表面積セリア及び0.2g/inのアルミナ結合剤を加え、均一になるまで撹拌してウオッシュコートを形成する。
次いで、標準的な手順を用いてウオッシュコートをセラミック又は金属モノリスにコーティングし、100℃で乾燥させ、500℃で45分間か焼する。
Ceは、約51.9wt%(51.1mol%)のローディング量で存在する。
【0177】
実施例20
[Al.Nd(13.0wt%)]PGM Ce(10.2mol% Al.Nd)の調製
実施例19と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約49.1wt%(49.9mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約4.6wt%(4.6mol%)のローディング量で存在する。
【0178】
実施例21
[Al.Nd(18.2wt%)]PGM Ce(15.1mol% Al.Nd)の調製
実施例19と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約47.8wt%(49.4mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約6.8wt%(6.8mol%)のローディング量で存在する。
【0179】
実施例22
[Al.Nd(26.7wt%)]PGM Ce(24.1mol% Al.Nd)の調製
実施例19と同様に、但し[Al.Nd]を使用して調製する(上記一般的調製(2)に従って調製)。
Ceは約45.4wt%(48.3mol%)のローディング量で存在する。Ndは、約10.8wt%(11.1mol%)のローディング量で存在する。
【0180】
実験結果
合成ガスベンチ試験を使用して、触媒活性を決定した。表11の入口ガス混合物を使用して、模擬的な触媒活性試験(SCAT)ガス装置内でコアを試験した。試験は、40,000h−1の空間速度(SV)でリーン300秒/リッチ16秒の5サイクルからなっていた。
結果
SCAT試験の一の代表的サイクルの結果を以下の表12に示す。
表12から、それぞれ400及び600g/ftのNdを含む実施例20及び21の各々が、ネオジム含有成分を含まない実施例19と比較して、150〜250℃のレンジでNO変換の増大を示すことが分かる。また、1000g/ftのNdを含む実施例22が、この温度レンジでのNO変換において、実施例20及び21よりも、これら二つの実施例と比較してNdのローディング量が高いにもかかわらず効果が小さいことが分かる。このことは、大きすぎるネオジム含有成分のローディング量がNOアドソーバ触媒の性能に有害であることも示す上記表2の結果と一貫している。
【0181】
X線回折データ
X線回折データを上記のようにして収集した。表13から、ネオジムを含む組成物が、ネオジムを含有しない同等の材料中よりも小さいクリスタライトの大きさを有することが分かる。理論に拘束されることは望まないが、ネオジムは、ネオジム含有成分、例えばネオジムでドープされたセリアの格子構造中に組み込まれると考えられる。
また、ネオジム含有試料の格子パラメータが、ネオジム不含試料に対して増大することが分かる。
【図1】
【国際調査報告】