(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521878
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】ハニカム体製造のために湿潤状態のセル状セラミック押出成形物をレーザ加工する方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 3/20 20060101AFI20190712BHJP
   B28B 11/12 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !B28B3/20 F
   !B28B11/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】2018564392
(86)(22)【出願日】20170607
(85)【翻訳文提出日】20190205
(86)【国際出願番号】US2017036318
(87)【国際公開番号】WO2017214251
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】62/347,291
(32)【優先日】20160608
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14831 コーニング リヴァーフロント プラザ 1
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アカラプ,ラヴィンドラ クマール
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ ハンターズ ラン 15
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,プリヤンク パラス
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14845 ホースヘッズ ウェックスフォード レーン 341
(72)【発明者】
【氏名】マラキー,クリストファー ジョン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14830 コーニング ウェルチ ロード 10055
(72)【発明者】
【氏名】ナヤック,バラダ カンタ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14870 ペインテッド ポスト コンホクトン ロード 3559
【テーマコード(参考)】
4G054
4G055
【Fターム(参考)】
4G054AA05
4G054AB09
4G054BD11
4G055AA08
4G055AB03
4G055AC10
4G055BA74
4G055BB05
4G055BB14
(57)【要約】
外周部(206)を有するハニカム押出成形物(200)を軸方向(A)に押し出すステップ、および、ハニカム押出成形物(200)にレーザ切断部を形成するためにハニカム押出成形物(200)をその場でレーザ加工するステップを含む、ハニカム体を製造する方法。湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の外周部にレーザエネルギーを照射するように構成されたレーザ(500、732、826)を含み、当該レーザエネルギーが、外周部(206)の少なくとも一部を切り開くのに適合している、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物をその場で切断するためのシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)外周部、(ii)少なくとも一つのチャネル、および(iii)セラミック材料またはセラミック前駆体材料のうちの少なくとも一方を含む押出成形物を押し出すステップ、および
前記押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザエネルギーに曝露するステップによって該押出成形物にレーザ切断部を形成するためにレーザ源を使用して該押出成形物をレーザ加工するステップ
を含む製造方法。
【請求項2】
前記押出成形物から物体を分離するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザエネルギーに曝露するステップが、押出成形物移動方向に前記レーザ源を移動させるステップ、または、前記押出成形物が移動しているときに前記押出成形物移動方向に対して垂直に該押出成形物を切断するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
複数のレーザ源を前記押出成形物に外接させるステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を切断するためのシステムにおいて、
湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を押し出すように構成された押出成形機であって、該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物が(i)外周部および(ii)少なくとも一つのチャネルを含む、押出成形機、および
前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザ切断するために該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の該外周部にレーザエネルギーを照射するように構成されたレーザ源
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年6月8日に出願された米国仮出願第62/347,291号の合衆国法典第35巻第119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示の例示的な実施形態は、ハニカム体を製造する方法に関し、特に、多孔質セラミックハニカム体製造のための湿潤状態のセル状セラミック押出成形物のレーザ加工に関する。
【背景技術】
【0003】
内燃機関からの排ガスの後処理は、高表面積基材上に担持された触媒、および、ディーゼルエンジンおよび一部のガソリン直噴エンジンの場合は、炭素すす粒子の除去用の触媒フィルタを使用する場合がある。これらの用途におけるフィルタおよび触媒担体は、耐火性であり、熱衝撃抵抗性であり、様々なpO条件下で安定的であり、触媒系と反応せず、排ガス流に対する抵抗が低い場合がある。これらの用途では、多孔質セラミックのフロースルー型ハニカム基材およびウォールフロー型ハニカムフィルタが使用される場合がある。
【0004】
セラミックハニカム構造体の製造は、セラミック粉体バッチ混合物を可塑化し、この混合物をハニカム押出成形ダイスを通して押出成形してハニカム押出成形物を形成し、この押出成形物を切断、乾燥、および焼成して、高強度かつ耐熱性のセラミックハニカムを生成することによって行う場合がある。このようにして生成されたセラミックハニカムは、自動車排気システムにおけるセラミック触媒担体として、かつディーゼルエンジン排気からのすすおよびその他の粒子状物質の除去用の触媒担体およびウォールフロー型粒子状物質フィルタとして広く使用されている。
【0005】
セラミックハニカム製造のための商業的に成功している工程のなかには、セラミックハニカム押出成形物の混合および押出成形のための大型の共回転二軸スクリュー押出成形機を利用するものがある。セラミックハニカム製造のためのその他の工程としては、ラム押出成形、加圧成形、鋳造、吹き付けおよび三次元印刷がある。
【0006】
湿潤状態のハニカム押出成形物は比較的かなり柔らかく、さらなる取り扱いの過程において、特に、乾燥するまでに、損傷しやすい。取り扱いにより、薄いウェブ構造体およびスキン構造体を含む湿潤状態のハニカム形状において、または、特に大きくかつ重い押出成形物部分を取り扱う必要がある場合、形状歪みを生じるおそれがある。さらに、押出成形軸を横断する直径または前面面積が大きい押出成形物部分は、ハニカムチャネル構造体が、その重さを支え、かつ輸送および取り扱いの過程において上部構造の横方向の重量移動に耐えなければならないため、ハニカムチャネル構造体の歪みおよび崩壊を起こす恐れがある。
【0007】
背景技術の項目で開示した上記情報は、本開示の背景の理解を深めるためのものに過ぎず、したがって、先行技術の一部をなす訳でもなければ先行技術が当業者に示唆しているかもしれないことをなす訳でもない情報を含有している場合がある。
【発明の概要】
【0008】
本開示の例示的実施形態は、チャネル体を製造する方法を提供する。
【0009】
また、本開示の例示的実施形態は、ハニカム体を製造する方法を提供する。
【0010】
また、本開示の例示的実施形態は、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物をその場で切断するためのシステムを提供する。
【0011】
本開示のさらなる特徴は、下記の説明において述べられることになり、部分的にはその説明から明らかになり、または本開示の実施により理解される場合がある。
【0012】
例示的な一実施形態は、チャネル体を製造する方法において、外周部および少なくとも一つのチャネルを含むチャネル押出成形物であって、セラミック粉体、セラミック前駆体、およびセラミック組成物のうちの少なくとも一つを含むチャネル押出成形物を押し出すステップ、および、当該チャネル押出成形物にレーザ切断部を形成するために当該チャネル押出成形物が押し出されているときに当該チャネル押出成形物をその場でレーザ加工するステップを含む方法を開示する。前記レーザ加工するステップは、前記外周部の少なくとも一部をアブレーションするために前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するステップを含む。
【0013】
別の例示的実施形態は、ハニカム体を製造する方法において、未焼成の押出成形物が押出成形物移動方向に移動しているときに当該未焼成の押出成形物の少なくとも一部をレーザ切断するステップを含み、当該未焼成の押出成形物が、セラミック粉体、セラミック前駆体、およびセラミック組成物のうちの少なくとも一つから作られている方法を開示する。
【0014】
別の例示的実施形態は、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物をその場で切断するためのシステムにおいて、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の外周部にレーザエネルギーを照射するように構成されたレーザ源を含み、当該レーザエネルギーが、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の外周部の少なくとも一部をレーザ切断するのに適合しているシステムを開示する。前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物は、少なくとも一つのチャネルおよび前記外周部を含み、前記レーザ切断部は、前記外周部を通る開口を形成するために当該外周部を貫通し、当該開口を通して前記少なくとも一つのチャネルを周囲の雰囲気に曝露する。
【0015】
上記の概説および下記の詳細な説明はいずれも一例であって説明のためのものであり、本開示のさらなる解説を提供することを意図している。
【0016】
添付の図面は、本開示のさらなる理解をもたらすために含まれ、かつ本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成するものであるが、本開示の例示的実施形態を示し、その説明とともに、本開示の原理の解説に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】押出成形機前端およびハニカム押出成形物の概略図である。
【図2】本開示の例示的実施形態にかかる概略的なハニカム体を示す。
【図3A】ハニカム体300の側面視の写真である。
【図3B】湿潤状態の押出成形物の機械的切断によってスキンにおいて進展した溝を示す、図3Aのハニカム体300の端面視の写真である。
【図4】湿潤状態のセラミック材料による非常に強い吸収を証明する赤外領域における透過率測定値を示すデータのプロット図である。
【図5】本開示の例示的実施形態に係る湿潤状態のセラミックバッチスキンに対して対称的にエネルギーを配給するために集束レンズに結合された多数のファイバ先端出口に分割されたファイバレーザシステムからのレーザエネルギーを示す、ハニカム体の軸の向きに対して横断する概略的な端面図である。
【図6A】本開示の例示的実施形態に係る三つの異なる実験条件下における湿潤状態のセラミックバッチハニカム体のレーザ加工の写真である。
【図6B】図6Aに示すレーザ切断部の詳細図である。
【図6C】図6Aに示すレーザ切断部の別の詳細図である。
【図6D】本開示の例示的実施形態に係る前後方向および横断方向における湿潤状態のセラミックバッチハニカム体の実験的なレーザ加工による切断スリットの写真である。
【図7】本開示の例示的実施形態に係る押出成形ライン上でその場で湿潤状態のスキンをレーザ加工するために押出成形物を包囲する円周方向に配列されたラインレーザを示す、湿潤状態のセラミックバッチハニカム体に対して横断する概略的な端面図である。
【図8】本開示の例示的実施形態に係る押出成形ライン上でその場で湿潤状態のスキンをレーザ加工するために湿潤状態のセラミックバッチハニカム体の周りで方位角回転するとともに円周方向に移動することができるレーザおよび/または光学系を示す斜視の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の目的において、「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」とは、Xのみ、Yのみ、Zのみ、または二つ以上のX、Y、およびZの任意の組み合わせ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZ)とみなすことができることが分かるだろう。
【0019】
本明細書で用いるように、「押出成形物」とは、間にチャネルを有する軸方向に延在する交差し合う壁を形成するダイスから押し出された可塑化バッチを指す。この意味において、可塑化バッチとは、セラミック粉体バッチ混合物、セラミック前駆体バッチ、または、反応時にセラミックを形成する無機酸化物または酸化物前駆体、および、未反応のままであるセラミックまたは反応して全体的または部分的に別のセラミックを形成するセラミックを含んでよいセラミックバッチ組成物を指す。チャネルは、矩形(正方形)、六角形、台形、その他の多角形、円形、楕円形、その他の湾曲形状、およびその他の同種のもの、およびそれらの組み合わせなどの様々な形状の均一な水力直径または異なる水力直径の断面を有することができる。押出成形は、スクリュー押出成形機、二軸スクリュー押出成形機、およびその他の同種のものなどの連続的な工程によるもの、または、ラム押出成形機およびその他の同種のものなどの断続的な工程によるものであることができる。押出成形機において、押出成形ダイスは、押出成形機バレルの一端など、当該バレルの排出口に対して結合することができる。押出成形ダイスの前には、バッチが押出成形ダイスに到達する前に定常なプラグ型フローフロントの形成を促進するために、略開放した空洞、スクリーン/ホモジナイザ、またはその他の同種のものなどのその他の構造体が存在してよい。
【0020】
押出成形物は、概して、軸方向に延在する、共押し出しされて一体形成された外周面(スキン)を有する。押出成形物の外周は、円形、楕円形、多角形、その他の形状、およびそれらの組み合わせなど、対称的または非対照的な、様々な断面形状を有することができる。可塑化バッチは、無機粉体、無機結合剤、有機結合剤、細孔形成剤、溶剤、非溶剤、およびその他の同種のものを含むことができる。可塑化バッチがダイスから押し出されて押出成形物を形成した後、この押出成形物は、切断、乾燥、および焼成されて多孔質セラミックハニカム体または多孔質セラミックハニカム体分割部分を形成することができる。
【0021】
多孔質セラミックハニカム体は、チタン酸アルミニウム固溶体(擬板チタン石)などのチタン酸アルミニウム系材料、炭化ケイ素、コーディエライト、長石、ムライト、スピネル、アルミナ、ルチル、コランダム、または類似の酸化物、または、金属、金属間化合物、ガラス、ムライト、アルミナ(Al)、ジルコン、アルカリアルミノケイ酸塩およびアルカリ土類アルミノケイ酸塩、スピネル、ペロブスカイト、ジルコニア、セリア、イットリア、酸化ランタン、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸窒化ケイ素アルミニウム(SiAlON)、炭化ケイ素(SiC)、ゼオライト、およびそれらの組み合わせを含むその他の酸化物セラミックまたは非酸化物セラミックから作られる場合がある。多孔質セラミックハニカム体の用途としては、例えば、ハニカム状の一体型および非一体型のディーゼルおよびガソリンの触媒の担体、基材、および微粒子フィルタを挙げることができる。
【0022】
図1は、押出成形機およびチャネル押出成形物の概略図である。押出成形機は、チャネル押出成形物200としてバッチが押出成形機100から出てくる前端102を含むことができる。押出成形機カートリッジ104は、押出成形ダイスおよびスキン形成マスクを含む押出成形器具を含むことができる。チャネル押出成形物200は、少なくとも一つのチャネル、および外周面を含むことができる。少なくとも一つのチャネルのうちの少なくとも一つは、外周部の内表面によって形成される壁を含む。チャネル押出成形物200はハニカム構造体を含むことができる。ハニカム構造体において、外周部の内表面によって形成される壁を含む少なくとも一つのチャネルを不完全セルチャネルと呼ぶ。チャネル押出成形物200は長さL1を有し、第一の端面202、および押出成形機前端102から第一の端面202まで延在する外周面206を含む。複数の交差壁208は、軸方向「A」で示す押出方向に延在しかつハニカムマトリクスを形成する、互いに接するチャネル210を形成することができる。押出方向に延在するチャネル214を形成する交差壁212が説明のために図示されている。軸方向に垂直な最大断面寸法が「D1」で示されている。例えば、チャネル押出成形物200が円柱形であるとき、最大寸法「D1」は端面202の直径でよい。例えば、軸方向に垂直なチャネル押出成形物200の断面が矩形であるとき、最大寸法「D1」は端面の対角線でよい。
【0023】
図1では押出成形が横向きとして示されているが、本開示はそれに限定されず、押出成形は、横向き、縦向き、それらの向きに対して傾いた向き、およびそれらの組み合わせの向きであることができる。
【0024】
ハニカム構造を含むチャネル押出成形物200(ハニカム押出成形物)のセル密度は、1平方インチ当たりのセル数(cpsi)が約100個と1500個の間(1平方センチメートル当たりのセル数が約15.5個と232.5個の間)であることができる。典型的なセル壁厚は、約0.025mmから約1.5mm(約1ミルから60ミル)に及ぶことができる。例えば、ハニカム押出成形物200の形状寸法は、壁厚が約8ミルで400cpsi(400/8)または壁厚が約6ミルで400cpsi(400/6)でよい。その他の形状寸法は、例えば、100/17、200/12、200/19、270/19、600/4、400/4、600/3、750/2、および900/2を含む。本明細書で用いるように、ハニカム押出成形物200は、略ハニカム構造体を含むことを意図しているが、正方形の構造体に厳密に限定される訳ではない。例えば、先に言及したような、六角形、八角形、三角形、矩形または任意のその他の適当なセル形状を使用してよい。また、ハニカム押出成形物200の断面は円形として示されているが、それに限定されず、例えば、その断面は、楕円形、正方形、矩形、またはその他の所望の形状、およびそれらの組み合わせであることができる。
【0025】
矢印「A」の方向(軸方向)に押出成形機110から出てくると、可塑化バッチは硬化し、軸方向に延在するチャネル210を形成する軸方向に延在する交差壁208の網状組織(ウェブ)および軸方向に延在する外周面206を含む湿潤状態の押出成形物200になる。ウェブ208およびチャネル210はマトリクス216を含む。マトリクス216の外周部には外周面206が配置されている。外周面206は、本明細書では同義として、共押出成形スキン206、一体的に形成された共押出成形スキン206、またはスキン206と呼ばれる場合がある。複数のチャネルを含むものとして説明されているが、湿潤状態の押出成形物は、一部の例示的な実施形態において、管などの一つのチャネルでもよく、その場合、このチャネルは、管の中空内部を形成する。
【0026】
説明の便宜上、例示的な実施形態は、湿潤状態の未焼成のハニカム体および湿潤状態の押出成形物を指しているが、本開示はこれに限定されず、湿潤状態の生素地、例えば、湿潤状態の未焼成の溝フィルタおよび輻流フィルタも含む。すなわち、湿潤状態の生素地とは、本明細書で用いるように乾燥前の生素地を指す。
【0027】
押出成形機前端102から出てきたバッチ材料は、湿潤状態の未焼成のチャネル押出成形物200であることができ、湿潤状態の未焼成のチャネル押出成形物200は、長さL2に切断されて第二の端面218を形成し、湿潤状態の未焼成のチャネル体220を形成することができる(図2参照)。すなわち、湿潤状態の未焼成のチャネル体220は、湿潤状態の未焼成のチャネル押出成形物200から切断することができる。湿潤状態の未焼成のチャネル体220の外周面206は、第一の端面202から第二の端面218まで軸方向に延在することができる。湿潤状態の未焼成のチャネル押出成形物200は、押出成形物移動方向に移動する空気ベアリング、トレイ、またはコンベヤなどの支持体上で支持されることができる。湿潤状態の未焼成のチャネル体220は、乾燥機への輸送のためにチャネル体220などの一本の押出成形物200を支持するのに適した空気ベアリングまたはトレイなどの支持体上で乾燥機まで輸送することができる。トレイの特徴は、軸方向長さ、および、支持面を画定する凹面状部分を示す横断面を含んでよく、支持面は、チャネル体220を支持するように構成される。トレイおよびチャネル体220を形成する押出成形物の部分の前後軸は、押出方向と平行かつ押出成形物の当該部分におけるハニカムチャネル210の向きと平行でよい。
【0028】
ハニカム押出成形物を支持するトレイの例は、2013年4月2日に交付された米国特許第8,407,915号明細書、および2015年7月21日に交付された米国特許第9,085,089号明細書において提供されており、これらの米国特許を両方とも、本明細書に全て述べられているものとして、そのまま参照によって本明細書に援用する。
【0029】
チャネル押出成形物200は、押出成形機前端102の押出成形ダイスから出てくるときに反りを有する可能性がある。絶え間なく出てくる押出成形材料における反りを補正するための押出成形物反り補正装置の例は、2003年12月16日に発行された米国特許第6,663,378号、2004年8月26日に公開された、出願第10/370,840号および出願公開第2004/0164464号を有する米国特許出願、および、2013年10月23日に出願された出願第14/061,129号および出願公開第2015/0108680号を有する米国特許出願の各明細書において提供されており、これらを全て、本明細書に全て述べられているものとして、そのまま参照によって本明細書に援用する。
【0030】
図2は、本開示の例示的実施形態に係る概略的なチャネル体220を示す。チャネル体220は、押出成形物200から分離することができる。分離は、ワイヤ切断、帯鋸または往復鋸などの鋸切断、レーザ切断などによって行うことができる。チャネル体220は、ハニカム構造体、長さL2、体積V2を有することができ、第一の端面202、第二の端面218、および第一の端面202から第二の端面218まで延在する外周面206を含むことができる。両側の端面202、218間で軸方向「A」に延在する互いに接するチャネル210を形成する複数の交差壁208は、本開示の例示的な実施形態によれば、ハニカムマトリクス216を形成する。端面202、218間に延在するチャネル214を形成する交差壁212が説明のために図示されている。前記軸方向は、矢印「A」によって指示されており、当該軸方向に対して垂直な最大断面寸法は「D1」で指示されている。上面202は、図2において配置されたチャネル体220(ハニカム体)の第一の端面202を指し、底面218は第二の端面218を指しているが、それ以外の点では、これらの端面は、ハニカム体220の向きによって限定されない。上面202は、ハニカム体220の入口面でよく、底面218は出口面でよい。ハニカム体220の外周面206は、第一の端面202から第二の端面218まで軸方向に延在している。複数のチャネルを含むものとして説明されているが、チャネル体220は、一部の実施形態において、管などの一つのチャネルでもよく、その場合、当該チャネルは、当該管の中空内部を形成する。本明細書で用いるように、チャネル体220は、焼成前にさらなる処理を受けることができる素材であることができ、またはチャネル体220は、実質的に焼成直前の最終的なサイズの部品であることができる。
【0031】
説明の便宜上、本例示的実施形態は、チャネル体およびハニカム体を指すが、本開示はこれに限定されず、例えば、溝フィルタおよび輻流フィルタも本開示に含まれる。
【0032】
図3Aは、ハニカム体300の側面視の写真であり、図3Bは、図3Aのハニカム体300の端面視の写真である。ハニカム体300は、入口面から出口面まで延在し、それらの間にセルチャネル310を画定する複数のチャネル壁を有するマトリクス316、マトリクス316の外周部上のスキン306、およびスキン306に隣接するマトリクス316の外周部に接する不完全セルチャネル320を含む。押出成形中の押出方向を横断する湿潤状態の押出成形物の切断により、スキン306付近の不完全セルチャネル320が閉塞され、結果的にハニカム体300の外表面306上に溝322が形成されることが分かっている。閉じられた不完全セルが押し出されているときに、押出成形ダイスに対してこの閉塞部の裏側に部分的真空が形成される。一本の押出成形物が押し出された後、湿潤状態の押出成形物スキンは、前記部分的真空に耐えることができず、前記不完全セルチャネルが崩壊して、スキン溝322を生じる。
【0033】
溝322は、この部品の湿潤状態の形状の歪みを生じ、それによって、焼成後の部品のアイソスタティック(ISO)強度を低下させる可能性がある。また、溝322は、乾燥中および/または焼成中にスキン亀裂を生じる可能性がある。本開示の例示的実施形態によれば、溝322からの修理または製品損失を回避することによって製造効率を上げるために、かかる溝322を減少および取り除くことができる。
【0034】
湿潤状態の押出成形物の切断からの溝322の悪影響を軽減する試みは、その場のマイクロ波加熱、ホットエアリング(ring of hot air)加熱、手作業による切断、機械的スコアリングなどを含んでいる。その場とは、押出成形中を指す。したがって、例えば、マイクロ波加熱、ホットエアリング(ring of hot air)、手作業での切断、および機械的スコアリングは、押出成形物がまだ押出成形ダイスを通過中の押出成形物に接続されている間、すなわち、押出成形中に、当該押出成形物に対して行われる。これらの方法の中には、手作業を要し、機械加工よりもコストが高くかつ効率が低い可能性があるものもあれば、ある程度は機能するが、ISO強度低下につながる乾燥収縮差およびセル歪みなどの二次的な悪影響を生じるものもある。湿潤状態の生素地の押出成形部品は、例えば10重量%から25重量%の水分を含有し、この湿潤状態の生素地は、最終製品(物品)の形成前に乾燥させる必要がある。場合によっては、セラミック生素地は、98%を超えるまで、すなわち、水分含有量が2重量%未満になるまで乾燥させる必要がある。
【0035】
本明細書に記載の例示的実施形態によれば、驚くべきことに、接触せずに、湿潤状態の生素地スキン、例えば、湿潤状態のチャネル体およびハニカム体の押出成形物のスキンを自動的かつ正確にスリッティングし、収縮差およびセル歪みを生じることなく溝形成を回避する非接触方法が開発された。湿潤状態の未焼成のセラミックチャネル押出成形物に切断部を形成するために、当該押出成形物がその場でレーザ加工されることができる、湿潤状態の未焼成のセラミックチャネル押出成形物のレーザ加工が開示される。これらの実施形態において、チャネル押出成形物は、当該チャネル押出成形物の外周部の少なくとも一部をアブレーションするために、レーザエネルギーに曝露される。
【0036】
図4には、湿潤状態のコーディエライトバッチの光透過率の測定値が提示されている。これらの測定値は、湿潤状態のコーディエライトが赤外波長域において強い吸収作用を有していることを示している。本開示の例示的実施形態によれば、集束させたレーザビームを用いて湿潤状態の未焼成のハニカム体を機械加工する。例えば、ファイバレーザ、COレーザ、ラインレーザ、半導体ダイオードレーザ、ベゼルビームレーザ(bezel beam laser)、およびその他の同種のものなどのレーザ源、またはそれらの組み合わせを使用して、湿潤状態の生素地の外周部を機械加工する。例えば、レーザを使用して、湿潤状態のハニカム体押出成形物のスキンを切断することができる。
【0037】
これらの例示的実施形態によれば、レーザは接触力を有しないため、この技術により、湿潤状態のハニカム体押出成形物スキンを変形させることなく当該スキンを正確に切断することができる。それどころか、レーザエネルギーは、湿潤状態の未焼成のセラミック材料の非常に小さな部分に集束する。例えば、レーザエネルギーは、湿潤状態の未焼成のセラミック材料上の100μmスポットであることができる。本明細書で用いるように、レーザ加工は、レーザ切断部、スリット、スロット、スコア、開口、孔などを形成するためのレーザ切断、スリッティング、スロッティング、スコアリング、穿孔などを含む。
【0038】
また、これらのレーザ加工方法は、セル歪みにつながる湿潤状態のハニカム体押出成形物のバルクにエネルギーを蓄積しない。湿潤状態のスキンをスリッティングするこれらの方法によって、不完全セル崩壊による溝形成が回避される。不完全セルは崩壊せず、レーザ切断部が外周部を貫通して、当該外周部を貫通する開口を形成し、この開口により、空気が当該開口を通って不完全セルチャネルに流れることができ、不完全セルチャネル崩壊および溝形成につながる真空が回避される。
【0039】
本開示の例示的な実施形態によれば、図5には、湿潤状態の生素地の切断、例えば、スリッティングのためのレーザ加工システム500が示されている。図5は、湿潤状態のセラミックバッチスキン506上に対称的にエネルギー528を配給するために集束レンズ532と結合した多数のファイバ先端出口530へと分割されたファイバレーザシステム500からのレーザエネルギー528を示す、湿潤状態の未焼成のハニカム押出成形物502の軸の向きに対して横断する概略的な端面図である。押出成形ライン上でレーザによるスキンのスリッティング工程を効率的に実施するために、円周方向に部品を包囲する集束レンズと結合した多くのファイバ出口にファイバを通してレーザを配給するシステムを、本開示の例示的実施形態に従って利用することができる。
【0040】
これらの実施形態の一部において、レーザエネルギー528は、不完全セルの箇所で外周部を単に貫通することができ、空気が開口を通って不完全セルチャネルに流れ込むことを可能にし、不完全セルチャネル崩壊および溝形成につながる真空を回避する。すなわち、レーザ切断部は、押出成形物502に外接する連続的な切断部を形成する必要はなく、むしろ、レーザ切断部は、空気が開口を通って不完全セルチャネルに流れ込むことを可能にするための、外周部を貫通し、押出成形物502に外接する一連の空気孔または刻み目であることができる。
【0041】
図6Aは、本開示の例示的実施形態に係る三つの異なる実験条件下における湿潤状態のハニカム体押出成形物のレーザ加工の写真である。図6Bは、図6Aに示すレーザ切断部の詳細図である。図6Cは、図6Aに示すレーザ切断部の別の詳細図である。図6Dは、本開示の例示的実施形態に係る前後方向および横断方向における湿潤状態の生素地のハニカム体押出成形物の実験的なレーザ加工による切断スリットの写真である。スキン606を含むハニカム体602は、前後方向のレーザ切断部636および横断方向のレーザ切断部638を有する。
【0042】
湿潤状態のコーディエライト材料に対して行った透過率測定に基づき、赤外線レーザ源は、湿潤状態の押出成形物、例えば、湿潤状態のスキンの機械加工に適合し得ると判断した。湿潤状態の押出成形物をレーザ加工する実現可能性を証明するために、12ミルのウェブ厚で200cpsi(30.5μmのウェブ厚で1平方センチメートル当たりのセル数が31個)の2”(約5cm)の湿潤状態のコーディエライト押出成形物の表面にCOレーザ源を集束した(約100μmのスポットサイズ)。湿潤状態のコーディエライト押出成形物基材をレーザビームに対して移動させた。切断部の深さの制御を示すために、出力条件は変化させた。切断部を制御することができ、スキンのみまたはスキンと数個のセルの深さまでに制限することができた。これらの実験は、集束させたレーザビームを使用して、不完全セルの閉塞またはセル歪みを伴うことなく、湿潤状態の生素地、例えば、湿潤状態の押出成形物スキンが機械加工されることを明確に証明した。
【0043】
図7は、本開示の例示的実施形態に係る押出成形ライン上でその場で湿潤状態のスキンをレーザ加工するために押出成形物を包囲する円周方向に配列されたラインレーザ源を示す湿潤状態のセラミックバッチハニカム体に対して横断する概略的な端面図である。その場でとは、押出成形中を指す。したがって、例えば、円周方向に配列されたラインレーザ源は、押出成形物が、押出成形ダイスを通過中の、すなわち、押出成形中の押出成形物にまだ接続されている間に当該押出成形物をレーザ加工する。湿潤状態の生素地押出成形物702は、軸方向に延在する周囲スキン706を有する。ラインレーザ源732は、本開示の例示的実施形態に従ってハニカム押出成形物702の前後軸に対して垂直な外表面断面を包囲するように位置するスキン706にラインレーザエネルギーを照射する。押出成形物の前後軸は、本明細書において、押出成形物移動方向および押出方向とも呼ぶ。押出成形物は、反りを含む可能性があり、その場合、チャネルの軸方向は、押出方向および/または押出成形物移動方向からずれている場合があることが分かるだろう。本明細書において押出成形ラインと呼ぶ押出成形工程は、横向き押出成形ラインまたは縦向き押出成形ラインであることができる。
【0044】
例示的実施形態によれば、レーザ源は、特定の範囲内の波長(λ)、例えば、800nmから1μmまで、別の例では、1μmから15μmまで、別の例では、300nmから500nmまで、さらには、別の例において、200nmから400nmまでの波長(λ)を有することができるレーザエネルギーを放射することができる。本明細書に記載のレーザ源(レーザ)に加えて、レーザは、半導体ダイオードアレイレーザ、量子カスケード(QCL)レーザ、およびその他の同種のものを含むことができる。
【0045】
本開示の例示的実施形態に係る押出成形ライン上でその場で湿潤状態のスキンをレーザ加工するために湿潤状態の生素地ハニカム体の周りでレーザエネルギーを方位角回転させるとともに押出成形物の周りを円周方向に移動することができるレーザおよび/または光学系(レーザ源)を示す斜視の概略図である。押出成形物800は、例えば図1に示すように軸方向に押出成形機100から押し出される。押出成形物800は、押出成形物の周囲の周りに軸方向に延在するスキンを有する。ラインレーザなどのレーザ826は、軸方向に対して横断するレーザ切断部830に沿って押出成形物800の円周の周りの押出成形物スキン806上にレーザエネルギー828を照射する。例えば、レーザ826は、方位角回転しながら円周経路CPに沿って移動して、レーザ切断部830に沿って押出成形物800を正確かつ均一に機械加工する。方位角回転は、レーザ826がレーザ経路CP上を押出成形物800の周りで回転する際に、押出成形物スキン806に対して一定の距離および方向の当該レーザを提供する。例えば、レーザは、前記押出成形物表面の接線に対して垂直でありかつレーザ切断部830の周りの押出成形物表面806から決められた距離にあることができる。この決められた距離は一定であることができる。例えば、方位角および円周方向の移動は、押出成形物に外接し、経路APの周りで方位角的にレーザを関節式につなぐアームおよびピボットを含むロボットガントリーによって実現することができる。
【0046】
これらの実施形態のうちの一部において、押出成形物800は、レーザ826が軸方向に対して横断するレーザ切断部830を機械加工しているときに、押出成形機100から離れるように軸方向に移動する。したがって、レーザ826もまた、横断方向のレーザ切断部830を作るために、対応する速度にて軸方向に移動することができる。すなわち、例えば、レーザ826は、押出成形物スキン806上のある位置にて押出成形物800の切断を開始し、押出成形物800に外接することによってレーザ切断部830を機械加工し、外接したレーザ切断部を通る平面が軸方向に対して横断するように開始位置に合流する。
【0047】
これらの実施形態のうちの一部において、レーザ826は、本明細書に記載のように押出成形物800に外接して、押出成形物スキン806をレーザ切断部830に沿って第一の所定の深さまで切り開き、押出成形物800に再度外接して、第二の所定の深さまで切断することができる。かかる多重の切断外接により、押出成形物800全体を切り開くことができ、一回の外接によって押出成形物全体を切り開くことができ、または、レーザ826が第一または第二の所定の深さまで切断した後で第二の切断方法を使用してよい。例えば、一回以上のレーザ826による円周方向の通過後に、帯鋸が、レーザ切断部830に隣接してまたはレーザ切断部830に沿って押出成形物800から湿潤状態の未焼成のハニカム体220を分離してよい。
【0048】
例示的な一実施形態において、レーザ826は、本明細書に記載のように押出成形物800に外接して、押出成形物スキン806をレーザ切断部830に沿って第一の所定の深さまで切り開き、次に、スキンの溝形成を回避するために機械的切断中にレーザ切断部830を通って崩壊した不完全セルのチャネルに空気が入ることができるように、帯鋸またはワイヤカッタなどの機械的カッタが、押出成形機100に隣接しているが押出成形機100からさらに離間している押出成形物800を切り開く。この工程は、押出成形物上の第二の位置で繰り返すことができ、結果的にトレイ842上でハニカム体220を生じる。レーザ切断部830が機械的カッタの切り口よりも幅広である例示的実施形態において、機械的カッタは、レーザ切断部830にて切断することができ、この場合でも、スキンの溝形成を回避するために機械的切断中にレーザ切断部830を通って崩壊した不完全セルのチャネルに空気が入ることができる。
【0049】
別の例示的実施形態において、レーザ826は、帯鋸またはワイヤカッタなどの機械的カッタが押出成形物800を切り開いた後またはそれと同時に、本明細書に記載のように押出成形物800を切断することができる。レーザ826は、その場合、後続の押出成形中にレーザ切断部830を通って崩壊した部分セルのチャネルに空気が入ることができるように、機械的切断部に隣接しているが機械的切断部よりも押出成形機100の近くで離間して切断し、真空が不完全セルチャネルを崩壊させる前に当該真空を破壊し、スキンの溝形成を回避する。
【0050】
本開示の一態様によれば、チャネル体を製造する方法が開示される。例示的実施形態において、この方法は、外周部および少なくとも一つのチャネルを含むチャネル押出成形物であって、セラミック粉体、セラミック前駆体、およびセラミック組成物のうちの少なくとも一つを含むチャネル押出成形物を押し出すステップ、および、前記チャネル押出成形物にレーザ切断部を形成するために当該チャネル押出成形物が押し出されているときに当該チャネル押出成形物をその場でレーザ加工するステップを含む。このレーザ加工するステップは、前記外周部の少なくとも一部上で前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するステップを含む。
【0051】
これらの例示的実施形態の一部において、前記レーザ切断部は、前記外周部を貫通して、当該外周部を貫通する開口を形成し、当該開口を通して前記少なくとも一つのチャネルを周囲の雰囲気に曝露し、当該外周部が当該少なくとも一つのチャネル上で崩壊するのを防止する。これらの実施形態のうちの一部において、前記方法は、チャネル体を形成するために前記チャネル押出成形物から当該チャネル体を分離するステップをさらに含む。これらの実施形態のうちの一部において、前記方法は、乾燥した未焼成のセラミック体を形成するために前記チャネル体を乾燥させるステップ、および、多孔質セラミック体を形成するために前記乾燥させた未焼成のセラミック体を焼成するステップをさらに含む。
【0052】
これらの例示的実施形態に係る方法は、前記レーザ切断部に隣接して前記チャネル押出成形物を機械的に切断するステップをさらに含むことができ、当該機械的に切断するステップは、チャネル体を形成するために当該チャネル押出成形物からチャネル体を分離する。これらの例示的実施形態において、前記曝露するステップは、前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するために前記チャネル押出成形物の押出方向にレーザ源を移動させるステップを含む。これらの例示的実施形態において、前記一部は、前記チャネル押出成形物のスキンの一部を含む。例えば、前記チャネル押出成形物は、複数のチャネルを含むハニカム押出成形物を含み、前記一部は、前記チャネル押出成形物内に少なくとも一つのセルチャネル深さをさらに含む。
【0053】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係る方法において、前記レーザ加工するステップは、前記チャネル押出成形物が押し出されているときに当該チャネル押出成形物が移動している方向に対して垂直に当該チャネル押出成形物を切断するステップを含む。例えば、前記レーザ切断部は、前記チャネル押出成形物に外接する。例えば、前記曝露するステップは、前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するためにレーザ源を当該チャネル押出成形物に外接させるステップを含む。例えば、前記曝露するステップは、例えば、レーザ源が、前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するために前記レーザ加工するステップ中に前記チャネル押出成形物の周りを少なくとも部分的に回転することを含む。前記ハニカム押出成形物に少なくとも部分的に外接させるステップは、前記押出成形物に完全に外接させるステップを含むことができる。
【0054】
これらの実施形態のうちの一部において、前記曝露するステップは、前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するために複数のレーザ源を当該チャネル押出成形物に外接させるステップを含む。これらの実施形態のうちの一部において、前記複数のレーザ源のうちの少なくとも二つは、前記チャネル押出成形物移動方向に対して垂直な平面において共平面である。これらの実施形態のうちの一部において、前記曝露するステップは、複数のレーザ源が、前記外周部の前記一部の隣接区分をレーザ切断するように前記チャネル押出成形物をレーザエネルギーに曝露するように当該チャネル押出成形物に外接することを含む。
【0055】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係る方法において、前記チャネル押出成形物を曝露するステップは、ポイントレーザエネルギーおよびラインレーザエネルギーのうちの少なくとも一方を照射するステップを含む。これらの実施形態のうちの一部において、前記チャネル押出成形物は、10重量%よりも多い水分を含む。これらの実施形態のうちの一部において、前記チャネル押出成形物はハニカム構造体を含む。
【0056】
本開示の別の態様によれば、ハニカム体を製造するための方法が開示される。例示的実施形態において、この方法は、未焼成の押出成形物が押出成形物移動方向に移動しているときに当該未焼成の押出成形物の少なくとも一部をレーザ切断するステップを含む。この方法において、前記未焼成の押出成形物は、セラミック粉体、セラミック前駆体、およびセラミック組成物のうちの少なくとも一つから作られる。
【0057】
これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記レーザ切断するステップは、前記押出成形物移動方向に対して垂直な方向にレーザ照射を行うステップを含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記レーザ照射は、ポイントビームおよびラインビームのうちの少なくとも一方の形態で行われる。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記レーザ切断するステップは、少なくとも一つのレーザ源によって前記未焼成の押出成形物にレーザ照射を行うステップを含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記少なくとも一つのレーザ源は、前記レーザ切断するステップ中に前記未焼成の押出成形物の周りを少なくとも部分的に回転する。
【0058】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係る方法において、前記未焼成の押出成形物に対して複数のレーザによってレーザ照射が行われる。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記複数のレーザのうちの少なくとも二つは共平面である。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記未焼成の押出成形物に対して、当該押出成形物と同一の移動速度で前記押出成形物移動方向に移動する少なくとも一つのレーザ源によってレーザ照射が行われる。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記未焼成の押出成形物は外周部を含み、前記レーザ切断するステップにより、少なくとも当該外周部においてレーザ切断部が形成される。
【0059】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係る方法において、前記レーザ切断部は、完全に外接するレーザ切断部である。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記未焼成の押出成形物は、10重量%よりも多い水分を含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記未焼成の押出成形物はハニカム構造体を含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記ハニカム構造には、前記外周部を通って延在するレーザ切断部が形成される。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記ハニカム構造には、前記外周部を通って、当該ハニカム構造の少なくとも一つのセルの壁の中まで延在するレーザ切断部が形成される。
【0060】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係る方法において、前記レーザ切断するステップは、前記押出成形物から未焼成体を分離するステップを含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記押出成形物から未焼成体が分離される。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記分離するステップは、レーザ切断するステップおよび機械的に切断するステップを含む。これらの例示的実施形態に係る方法は、前記未焼成体を加熱するステップをさらに含むことができる。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記加熱するステップは、前記未焼成体を乾燥させるステップを含む。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記加熱するステップは、多孔質セラミック体を形成するために前記未焼成体を焼成するステップを含む。
【0061】
本開示の別の態様によれば、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物をその場で切断するためのシステムが開示される。例示的実施形態によれば、このシステムは、湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の外周部にレーザエネルギーを照射するように構成されたレーザ源を含み、当該レーザエネルギーは、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の外周部の少なくとも一部をレーザ切断するのに適合しており、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物は、少なくとも一つのチャネルおよび前記外周部を含み、前記レーザ切断部は、当該外周部を貫通して当該外周部を通る開口を形成し、当該開口を通して前記少なくとも一つのチャネルを周囲の雰囲気に曝露する。
【0062】
これらの例示的実施形態のうちの一部に係るシステムは、前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を輸送するように構成された支持部材を含み、当該支持部材は、第一の方向に輸送するように構成され、前記レーザ源は、当該第一の方向に対して垂直な第二の方向に前記外周部に前記レーザエネルギーを照射するように構成される。これらの実施形態のうちの一部において、前記レーザ源は、前記押出成形物の表面の接線に対して垂直にかつ当該押出成形物の表面から決められた距離でレーザエネルギーを提供するために前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物に少なくとも部分的に外接しかつその周りを回転するように構成される。これらの例示的実施形態のうちの一部において、前記レーザ源は、前記外周部の前記一部の隣接区分を切断するために前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の周りに少なくとも部分的に円周方向に配置されるように構成された複数のレーザ源を含む。これらの実施形態のうちの一部に係るシムテムにおいて、前記複数のレーザ源のうちの少なくとも二つは、前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の移動方向に対して垂直な平面において共平面である。前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の周りに少なくとも部分的に円周方向に配置されることは、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物に完全に外接することを含むことができる。
【0063】
例示的な実施形態に対する本明細書全体を通しての言及、および本明細書全体を通しての類似の言語は、同一の実施形態を指している場合があるが、必ずしもそうとは限らない。さらに、例示的な一実施形態を参照して本明細書で説明した主題の説明した特徴、構造、または特性は、一つ以上の例示的実施形態において任意の適当な方法によって組み合わせてよい。
【0064】
本開示においては、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、様々な変更および変形をなすことができることが当業者には理解されるだろう。したがって、添付の請求項は、本開示の変更および変形が、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内であれば、それらの変更および変形を包含することを意図している。
【0065】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0066】
実施形態1
(i)外周部、(ii)少なくとも一つのチャネル、および(iii)セラミック材料またはセラミック前駆体材料のうちの少なくとも一方を含む押出成形物を押し出すステップ、および
前記押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザエネルギーに曝露するステップによって当該押出成形物にレーザ切断部を形成するためにレーザ源を使用して当該押出成形物をレーザ加工するステップ
を含む製造方法。
【0067】
実施形態2
前記レーザ切断部が、前記外周部を通る開口を形成するために当該外周部を貫通し、当該開口を通して前記少なくとも一つのチャネルを周囲の雰囲気に曝露して、当該外周部が当該少なくとも一つのチャネル上で崩壊することを防止する、実施形態1記載の方法。
【0068】
実施形態3
前記押出成形物から物体を分離するステップをさらに含む実施形態1または2記載の方法。
【0069】
実施形態4
乾燥した未焼成のセラミック体を形成するために前記物体を乾燥させるステップ、および、多孔質セラミック体を形成するために前記乾燥した未焼成のセラミック体を焼成するステップをさらに含む実施形態2または3記載の方法。
【0070】
実施形態5
前記押出成形物から物体を分離するために前記レーザ切断部に隣接して当該押出成形物を機械的に切断するステップをさらに含む実施形態1から4のうちのいずれかに記載の方法。
【0071】
実施形態6
前記押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザエネルギーに曝露するステップが、押出成形物移動方向に前記レーザ源を移動させるステップを含む、実施形態1から5のうちのいずれかに記載の方法。
【0072】
実施形態7
前記外周部の前記一部が前記押出成形物のスキンの一部を含む、実施形態1から6のうちのいずれかに記載の方法。
【0073】
実施形態8
前記押出成形物が、複数のチャネルを含むハニカム構造体を含む、実施形態1から7のうちのいずれかに記載の方法。
【0074】
実施形態9
前記レーザ加工するステップが、前記押出成形物が移動しているときに押出成形物移動方向に対して垂直に当該押出成形物を切断するステップを含む、実施形態1から8のうちのいずれかに記載の方法。
【0075】
実施形態10
前記レーザ切断部が前記押出成形物に外接する、実施形態1から9のうちのいずれかに記載の方法。
【0076】
実施形態11
前記レーザ源を前記押出成形物に外接させるステップをさらに含む実施形態1から10のうちのいずれかに記載の方法。
【0077】
実施形態12
前記レーザ源が、前記レーザ加工するステップ中に前記チャネル押出成形物の周りを少なくとも部分的に回転する、実施形態1から11のうちのいずれかに記載の方法。
【0078】
実施形態13
複数のレーザ源を前記チャネル押出成形物に外接させるステップをさらに含む、実施形態1から12のうちのいずれかに記載の方法。
【0079】
実施形態14
前記複数のレーザ源のうちの少なくとも二つが、押出成形物移動方向に対して垂直な平面において共平面である、実施形態13記載の方法。
【0080】
実施形態15
前記外周部の前記一部の隣接区分においてレーザ切断部を形成するために前記押出成形物に複数のレーザ源が外接する、実施形態1から14のうちのいずれかに記載の方法。
【0081】
実施形態16
前記押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザエネルギーに曝露するステップが、ポイントレーザエネルギーおよびラインレーザエネルギーのうちの少なくとも一方を使用するステップを含む、実施形態1から15のうちのいずれかに記載の方法。
【0082】
実施形態17
前記押出成形物が10重量%よりも多い水分を含む、実施形態1から16のうちのいずれかに記載の方法。
【0083】
実施形態18
未焼成の押出成形物が押出成形物移動方向に移動しているときに当該押出成形物の少なくとも一部をレーザ切断するステップを含み、当該未焼成の押出成形物が、セラミック材料またはセラミック前駆体材料の少なくとも一方を含む、製造方法。
【0084】
実施形態19
湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を切断するためのシステムにおいて、
湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を押し出すように構成された押出成形機であって、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物が(i)外周部および(ii)少なくとも一つのチャネルを含む、押出成形機、および
前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の前記外周部の少なくとも一部をレーザ切断するために当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の当該外周部にレーザエネルギーを照射するように構成されたレーザ源
を含むシステム。
【0085】
実施形態20
前記レーザ源が、前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の前記外周部を通る開口を形成するように構成されることによって、当該開口を通して前記少なくとも一つのチャネルを周囲の雰囲気に曝露する、実施形態19記載のシステム。
【0086】
実施形態21
前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を輸送するように構成された支持部材をさらに含み、当該支持部材が、第一の方向に当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物を輸送するように構成され、前記レーザ源が、当該第一の方向に対して垂直な第二の方向に前記外周部をレーザ切断するように構成される、実施形態19または20記載のシステム。
【0087】
実施形態22
前記レーザ源が、前記押出成形物の表面の接線に対して垂直にかつ当該押出成形物の表面から決められた距離でレーザエネルギーを提供するために、前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物に少なくとも部分的に外接し、当該湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の周りを回転するように構成される、実施形態19から21のうちのいずれかに記載のシステム。
【0088】
実施形態23
前記レーザ源が、前記外周部の前記一部の隣接区分を切断するために前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の周りに少なくとも部分的に円周方向に配置されるように構成された複数のレーザ源を含む、実施形態19から22のうちのいずれかに記載のシステム。
【0089】
実施形態24
前記複数のレーザ源のうちの少なくとも二つが、前記湿潤状態の未焼成のセラミック押出成形物の移動方向に対して垂直な平面において共平面である、実施形態19から23のうちのいずれかに記載のシステム。
【符号の説明】
【0090】
100 押出成形機
102 前端
104 押出成形機カートリッジ
200、502、702、800 押出成形物
202 第一の端面
206、306、506、606、706、806 スキン(外周面、外周部、押出成形体表面)
208、212 交差壁
210、214 チャネル
216、316 マトリクス
218 第二の端面
220 チャネル体
300、602 ハニカム体
310 セルチャネル
320 不完全セルチャネル
322 溝
500 レーザ加工システム(ファイバレーザシステム)
528、828 レーザエネルギー
530 ファイバ先端出口
532 集束レンズ
636 前後方向のレーザ切断部
638 横断方向のレーザ切断部
732 ラインレーザ源
826 レーザ
830 レーザ切断部
842 トレイ
A 軸方向
D1 最大断面寸法
L1、L2 長さ
AP 経路
CP レーザ経路(円周経路)
【図1】
【図2】
【図3A-3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】