(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521899
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】光学センサを洗浄するためのシステム、当該システムを備えるアセンブリ、及び対応する自動車
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/60 20060101AFI20190712BHJP
【FI】
   !B60S1/60 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】2018562022
(86)(22)【出願日】20170425
(85)【翻訳文提出日】20190125
(86)【国際出願番号】EP2017059771
(87)【国際公開番号】WO2017202562
(87)【国際公開日】20171130
(31)【優先権主張番号】1654760
(32)【優先日】20160527
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【住所又は居所】フランス国ル、メニル、サン、ドニ、リュ、ルイ、ロルマン、8
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
【住所又は居所】フランス国ル、メニル、サン、ドニ、ラ、ベリエール、リュ、ルイ、ロルマン、8、ゼッドア、ラジオ、ヴァレオ、システム、デシュヤージュ
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA04
3D025AC02
3D025AD11
3D025AF02
3D025AG78
(57)【要約】
本発明は、‐洗浄液噴霧要素(5)と、‐前記洗浄液噴霧要素(5)に流体的に連結される洗浄液タンク(7)と、‐前記タンク(7)から前記洗浄液噴霧要素(5)に洗浄液を汲み出すように構成されたポンプ(9)とを備える特に自動車用の光学センサ(3)を洗浄するためのシステム(1)であって、前記システム(1)は、格納位置と洗浄位置との間で移動可能である洗浄液閉込用壁(11)を備え、 前記格納位置において、前記閉込壁は、前記光学センサ(3)の視野外に配置されるように構成され、前記洗浄位置において、前記閉込壁(11)は、洗浄液用回閉込器(13)を画成するように前記光学センサ(3)の前方に配置されるように構成され、前記システム(1)は、前記洗浄位置における前記回収容器(13)、及び前記洗浄液タンク(7)の両方に連結される洗浄液用排出パイプ(15)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐洗浄液噴射用要素(5)と、
‐前記洗浄液噴射用要素(5)に流体連通する洗浄液タンク(7)と、
‐前記タンク(7)から前記洗浄液噴射用要素(5)に向けて洗浄液を汲み出すように設計されたポンプ(9)と、
を備える、光学センサ(3)を洗浄するためのシステム(1)、特に自動車用の光学センサ(3)を洗浄するためのシステム(1)であって、
前記システム(1)は、格納位置と洗浄位置との間で移動可能である洗浄液閉込用壁(11)を備え、
前記格納位置において、前記閉込壁は、前記光学センサ(3)の視野外に配置されるように設計され、
前記洗浄位置において、前記閉込壁(11)は、洗浄液用再生包囲部(13)を画成するように前記光学センサ(3)の前方に配置されるように設計され、
前記システム(1)は、一方において前記洗浄位置における前記再生包囲部(13)に、他方において前記洗浄液タンク(7)に連結される洗浄液用排出管(15)を備える、
ことを特徴とするシステム(1)。
【請求項2】
前記閉込壁(11)は実質的に球状キャップ形状を有し、その凹部が前記光学センサ(3)に向かって配向されるように設計される、
請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記システムの組立状態において、洗浄液が重力によって前記洗浄液再生用包囲部から前記タンク(7)に向かって流れるように、前記再生包囲部(13)は前記タンク(7)よりも高い位置に配置される、
請求項1又は2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記システム(1)は、前記洗浄液排出用管(15)に配設される追加ポンプ(17)を備える、
請求項1又は2に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記システム(1)は、前記洗浄液排出用管(15)に配設されるフィルタ(16)も備える、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記システム(1)は、前記光学センサの支持部を備え、
前記排出管(15)の少なくとも一部が、前記光学センサ(3)の前記支持部(9)に組み込まれる、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記噴射要素(5)は、特に前記洗浄位置において前記光学センサ(3)に対面配置されるように、前記閉込壁(11)に保持される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項8】
前記閉込壁(11)は、前記噴射要素(5)に流体的に連結される内部供給ダクト(21)を備える、
請求項7に記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記閉込壁(11)は、回転移動可能である、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記閉込壁(11)を前記格納位置と前記洗浄位置との間で移動させるように設計されたアクチュエータ(23、23’)を備える、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記アクチュエータ(23、23’)は、特に前記閉込壁(11)に接続された出力シャフト(23a)を有する、電気アクチュエータ(23)である、
請求項10に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記アクチュエータ(23、23’)は液体圧ラム(23’)を備え、
特に、前記液体圧ラム(23’)は、
‐前記ポンプ(9)に流体連通することが意図された入力端部取付具(23’b)と、前記噴射要素(5)に流体連通することが意図された出力端部取付具(23’c)と、を備えるラム本体(23’a)と、
‐前記入力端部取付具(23’b)に流体連通する第1チャンバ(23’e)と、第2チャンバ(23’f)と、に前記ラム本体(23’a)を分離するピストン(23’d)と、
を備え、
前記ピストン(23’d)は、近位位置と遠位位置との間で移動可能であり、
一方の前記近位位置において、前記第1チャンバ(23’e)の容積は最小であり、前記出力端部取付具(23’c)は前記第2チャンバ(23’f)に流体連通し、
他方の前記遠位位置において、前記第1チャンバ(23’e)の容積は最大であり、前記出力端部取付具(23’c)は前記第1チャンバ(23’e)に流体連通し、これにより前記噴射要素(5)に洗浄液が供給され、
前記ピストン(23’d)の前記近位位置から前記遠位位置への移動は、前記ポンプ(9)によって汲み出された洗浄液によって生じる、
請求項10に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記噴射要素(5)は噴出器であり、前記噴出器は、当該噴出器において洗浄液を1乃至1.7バールの入口圧力で噴霧するように設計される、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項14】
前記システム(1)は、前記ポンプ(9)を作動させるように設計された処理ユニット(25)も備える、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項15】
光学センサ(3)と、前記光学センサ(3)を洗浄するための請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシステム(1)と、を備えるアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学センサ、具体的には自動車に装着されることが意図される光学センサ、更に正確にはこのような光学センサを洗浄するためのシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リアビューカメラが多くの最新の自動車に取り付けられて、特に、後ろを振り向く必要なくより簡単にスペースに駐車したり、車両(乗り物)の後方の障害物を検出したりすることを可能とする駐車支援システムの一部をなしている。ドライバーの視界を向上させるように、カメラが車両の前部又は側部にも使用されて、バックミラーに代わるかこれを補完している。
【0003】
車両の内部において後部窓/ガラスに対向して車両の後部窓ガラスから後方に設置されるバックアップカメラが公知である。このようなカメラは、外部気候による影響から良好に保護され、例えば後部窓ガラスのガラスに組み込まれた電熱線等の後部窓ガラスを除霜及び洗浄するためのシステムの恩恵を受け得る。
【0004】
しかしながら、特に駐車支援に関して視野角が最適ではないため、カメラを車両のリアバンパー又は後方のナンバープレートに配設することが好適である。
【0005】
この場合、カメラは、その光学部品に堆積してその有効性を減じ得る、更には作動不能とさせ得る泥の飛来にさらされる。
【0006】
特に、雨季において、又は冬季に降雪がある場合、雨、泥、塩、又は雪が飛来し、これは表示システムの機能に重大な悪影響を及ぼし得る。
【0007】
このため、最適な機能を保証するように、表示システムを定期的に洗浄する必要があるように思われる。
【0008】
実際に、特に車両が複数の光学センサを備えている場合、多量の洗浄液が必要とされ得る。このことは、車両の使用車が頻繁に洗浄液のタンクに充填する必要を回避するために、洗浄液のタンクを非常に大型化しなければならないことを意味する。
【0009】
しかしながら、大きいサイズのタンクには大きい容積が必要であるが、それは車両において必ずしも得られない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、光学センサを洗浄するために必要な液体の消費量を削減することにより、この問題を少なくとも部分的に解決することである。
【0011】
この目的のために、本発明は、
‐洗浄液噴射用要素と、
‐前記洗浄液噴射用要素に流体連通する洗浄液タンクと、
‐前記タンクから前記洗浄液噴射用要素に向けて洗浄液を汲み出すように設計されたポンプと、
を備える、光学センサ(3)を洗浄するためのシステム(1)、特に自動車用の光学センサを洗浄するためのシステムであって、
前記システムは、格納位置と洗浄位置との間で移動可能な洗浄液閉込用壁を備え、
前記格納位置において、前記閉込壁は、前記光学センサの視野外(視界外)に配置されるように設計され、
前記洗浄位置において、前記閉込壁は、洗浄液用再生包囲部を画成するように前記光学センサの前方に配置されるように設計され、
前記システムは、一方において前記洗浄位置における前記再生包囲部に、他方において前記洗浄液タンクに連結される洗浄液用排出管を備える、システムに関する。
【0012】
追加的且つ独立的に、本発明の多くの異なる特定の実施態様を説明する。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記閉込壁は実質的に球状キャップ形状を有し、その凹部が前記光学センサに向かって配向されるように設計される。
【0014】
本発明の更なる態様によれば、前記システムの組立状態において、洗浄液が重力によって前記洗浄液再生用包囲部から前記タンクに向かって流れるように、前記再生包囲部は前記タンクよりも高い位置に配置される。
【0015】
本発明の更なる態様によれば、前記システムは、前記洗浄液排出用管に配設される追加ポンプを備える。前記追加ポンプは、特に、洗浄液を前記洗浄液再生包囲部から前記タンクに向かって汲み出すように設計される。
【0016】
本発明の更なる態様によれば、前記システムは、泥粒子、特に所定サイズを超える粒子をフィルタリングするように、前記洗浄液排出用管に配設されるフィルタも備える。
【0017】
本発明の更なる態様によれば、前記システムは、前記光学センサの支持部を備える。前記排出管の少なくとも一部が、例えば、前記光学センサの前記支持部に組み込まれる。
【0018】
本発明の更なる態様によれば、前記噴射要素は、前記閉込壁に保持される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、前記噴射要素は、前記洗浄位置において前記光学センサに対面配置されるように、前記閉込壁に保持される。
【0020】
本発明の更なる態様によれば、前記閉込壁は、前記噴射要素に流体的に連結される内部供給ダクトを備える。
【0021】
本発明の更なる態様によれば、前記閉込壁は、回転移動可能である。
【0022】
本発明の更なる態様によれば、前記システムは、前記閉込壁を前記格納位置と前記洗浄位置との間で移動させるためのアクチュエータを備える。
【0023】
本発明の更なる態様によれば、前記アクチュエータ電気アクチュエータであり、特に出力シャフトが前記閉込壁に接続される。
【0024】
本発明の更なる態様によれば、前記アクチュエータは、液体圧ラムを備える。
【0025】
本発明の別の態様によれば、前記液体圧ラムは、
‐前記ポンプに流体連通することが意図された入力端部取付具と、前記噴射要素に流体連通することが意図された出力端部取付具とを備えるラム本体と、
‐前記ラム本体を、前記入力端部取付具に流体連通する第1チャンバと第2チャンバとに分離するピストンと、
を備え、
前記ピストンは、近位位置と遠位位置との間で移動可能であり、
一方の前記近位位置において、前記第1チャンバの容積は最小であり、前記出力端部取付具は前記第2チャンバに流体連通し、
他方の前記遠位位置において、前記第1チャンバの容積は最大であり、前記出力端部取付具は前記第1チャンバに流体連通し、これにより前記噴射要素に洗浄液が供給され、
前記ピストンの前記近位位置から前記遠位位置への移動は、前記ポンプによって汲み出された洗浄液によって生じる。
【0026】
本発明の更なる態様によれば、前記液体圧ラムは、前記第2チャンバに配設される弾性戻り手段を備える。前記戻り手段は、特に前記ポンプが非作動状態とされたとき、前記ピストンの前記遠位位置から前記近位位置への移動を生じさせるように特に設計される。
【0027】
本発明の更なる態様によれば、前記噴射要素は噴出器であり、前記噴出器は、当該噴出器において洗浄液を1乃至1.7バールの入口圧力で噴霧するように設計される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、前記システムは、前記ポンプを作動させるように設計された処理ユニットも備える。前記ポンプは、例えば、洗浄コマンドが受信されると、第1の所定時間に亘って作動される。
【0029】
本発明の更なる態様によれば、前記処理ユニットは、前記追加ポンプを作動させるようにも設計される。前記追加ポンプは、例えば、洗浄コマンドが受信されると、第2の所定時間に亘って作動される。
【0030】
また、本発明は、光学センサと上述の光学センサを洗浄するためのシステムとを備えたアセンブリに関する。
【0031】
また、本発明は、上述のアセンブリを備えた自動車に関する。
【0032】
本発明の更なる特徴及び利点が、例示としてなされるとともに制限的でない以下の説明を添付図面を参照しつつ読むことでより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、格納位置にあるシステムの概略図。
【図2】第1実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、洗浄位置にあるシステムの概略図。
【図3】第1実施形態の変形例による光学センサを洗浄するためのシステムであって、洗浄位置にあるシステムの概略図。
【図4】第2実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、格納位置にあるシステムの概略図。
【図5】第1実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、洗浄位置にあるシステムの概略図。
【図6】第3実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、格納位置にあるシステムの概略図。
【図7】第3実施形態による光学センサを洗浄するためのシステムであって、洗浄位置にあるシステムの概略図。
【図8】車両の或る位置に設けられた光学センサを備えた自動車の概略図。
【図9】車両の別の位置に設けられた光学センサを備えた自動車の概略図。
【図10】車両の別の位置に設けられた光学センサを備えた自動車の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
全図において、同等の機能を有する要素には同一の参照符号が付される。
【0035】
以下の説明において、液体圧装置(液圧装置)の要素を示す場合の「上流」又は「下流」という表現は、液体又は流体の流れ方向における或る要素の他の要素に対する前後位置を示す。
【0036】
以下の実施形態は例示的なものである。単数又は複数の実施形態について説明がなされるが、これは必ずしも各言及が同一の実施形態に関する、又は特徴が或る1つの実施形態にのみ適用されるということを意味しない。異なる実施形態のそれぞれの特徴が、他の実施形態を生成するように組み合わせられ得る、又は交換され得る。
【0037】
図1は、第1実施形態による光学センサ3と光学センサ3を洗浄するためのシステム1の一例を示す。このような洗浄システム1は、特に自動車100に設置されることが意図され、図8に示すように、光学センサ3は、例えば、車両100の後面(後部のバンパー110、ナンバープレート、トランクカバー等)に設けられたバックアップカメラである。しかしながら、他のタイプの光学センサ3や、例えば、図9に示すように前面、又は図10に示すようにサイドドア等の車両における他の場所が利用され得る。
【0038】
光学センサ3は、例えば、魚眼レンズと呼ばれるような凸(ドーム状)レンズを有する。
【0039】
洗浄システム1は、光学センサ3の洗浄時に、光学センサ3のレンズに洗浄液を噴霧することが意図された、洗浄液を噴射するための要素5を備える。噴射要素5は、例えば、洗浄液を1乃至1.7バールの圧力で噴霧するための噴射器、又は洗浄液を光学センサ3に噴霧させ得る噴霧ノズルとして具現化される。
【0040】
また、洗浄システム1は、洗浄液用タンク7を備え、タンク7は、例えば供給ライン8を介して、噴射要素5に流体連通している。
【0041】
また、洗浄システム1は、洗浄液をタンク7から汲み出すとともに、噴射要素5にタンク7からの洗浄液を供給するように設計された少なくとも1つのポンプ9を備える。ポンプ9は、例えば電気ポンプである。供給ライン8は、ポンプ9が非作動状態とされたときに、洗浄液が噴射要素5からポンプ9に向かって戻ることを防止するように設計された非戻し弁(逆止弁)を備え得る。非制限的な例として、本例のポンプ9は、タンク7において、供給ライン8との界面に配設されているが、ポンプの他の配設場所も選択され得る。
【0042】
洗浄システム1は、また、洗浄液を閉込(包囲、収容)するための壁11を備え、この壁11は、洗浄システム1の組立状態において、格納位置(図1)と洗浄位置(図2)との間で移動可能である。格納位置(後退位置)において、閉込壁(包囲壁、収容壁)11は光学センサ3の視野外(視界外)に配置される。洗浄位置において、閉込壁11は光学センサ3の前方に配置され、これにより洗浄液再生のための包囲部13が画成される。
【0043】
図1乃至5を参照して説明する第1及び第2実施形態によれば、閉込壁11は、回転移動可能であるように、より具体的には枢動的に装着されている。図1乃至3において、閉込壁11は、アクチュエータ23によって駆動される。閉込壁11は、アクチュエータ23に接続され、これにより、図1に示す格納位置と図2に示す洗浄位置との間におけるその枢動が許容される。
【0044】
閉込壁11は、例えば、球状キャップ形状を有し、洗浄位置においてその凹部が光学センサ3に向かって配向される。しかしながら、他の形状を採用され得る。閉込壁11は、このようにして、光学センサ3の前方において、洗浄液再生のための包囲部13を形成する。
【0045】
また、閉込壁11は、噴射要素5を保持し得る。図2に示すように、噴射要素5は、例えば、洗浄位置において光学センサ3のレンズの対面するように、閉込壁11に配置される。
【0046】
また、噴射要素5は、閉込壁11に組み込まれ得る。このような場合、噴射要素5に流体連通する内部供給ダクト21が閉込壁11の内部に形成され得る。内部供給ダクト21は、噴射要素を供給ライン8に連結する。例えば、閉込壁11の移動に適合するように、供給ライン8は可撓性である。
【0047】
或いは、供給ライン8は、閉込壁11に、例えば、クリップや保持フック、又は当業者に公知の他の固定手段によって固着されて噴射要素5に至るものとしてもよい。
【0048】
また、洗浄システム1は、洗浄位置における再生包囲部13に連結される洗浄液用排出管15を備える。排出管15は、光学センサ3の洗浄後に洗浄液を再生可能とするとともに、洗浄液がタンク7に戻ることを許容するように設計される。
【0049】
洗浄システム1の組立状態において、排出管15は、例えば、洗浄位置において、洗浄液が重力によって再生包囲部13に流れ込み排出管15に向かうように、再生包囲部13の下部131に連結される。
【0050】
排出管15は、例えば、(洗浄システム1の組立状態において)光学センサ3の下方に配置され、閉込壁11は洗浄位置において排出管15に接触する。シール又は可撓性材料が、閉込壁11と排出管15との界面に使用され得る。
【0051】
更に、排出管15は、光学センサ3の支持部19に少なくとも部分的に組み込まれ得る。支持部19は、例えば、光学センサ3の下方に配置され、例えば成形により製造された洗浄液の流れを許容する内部ダクトを備える。
【0052】
或いは、排出管15は、光学センサ3の支持部19に、例えば、クリップや保持フック、又は当業者に公知の他の固定手段によって固着され得る。
【0053】
再生包囲部13の排出管15におけるタンク7までの洗浄液の流れは、重力によって達成され得る。このような場合、タンク7は、(洗浄システム1の組立状態において)光学センサ3及び再生包囲部13より低い高さに配置されるであろう。このような場合、排出管15は、タンク7に向かって傾斜する配向を有するであろう。
【0054】
排出管15内での流れは、ポンプ9の作動を介しても達成され得る。このような場合、洗浄システム1の要素、特に閉込壁11は、内部で洗浄液が循環する密閉システムを得るように設計されるであろう。
【0055】
或いは、図1乃至3に示すように、洗浄液を再生包囲部13から汲み出してこれをタンク7まで送るように、追加のポンプ17が排出管15に配設され得る。
【0056】
図3に示すように、所定サイズより大きいサイズの泥粒をフィルタリングするように、フィルタ16が排出管15に配設され得る。追加ポンプ17を備える洗浄システム1の場合、フィルタ16は、追加ポンプ17の上流に配置される。これにより、追加ポンプ17が保護され得る。フィルタ16は、例えば、木炭フィルタや紫外線フィルタ、又は従来技術による公知タイプのフィルタとして具現化される。
【0057】
図1乃至3の実施形態によれば、アクチュエータ23は、電気アクチュエータ、具体的には、閉込壁11を格納位置と洗浄位置との間で移動させるように設計された、出力シャフト23aを有する電気モータであり得る。
【0058】
図4及び5に示す第2実施形態によれば、アクチュエータ23は、液体圧ラム23’の形状において具現化された液体圧アクチュエータであり得る。
【0059】
液体圧ラム23’は、例えば円筒形状のラム本体23’aを備える。ラム本体23’aは、供給ライン8の第1部分8aを介してポンプ9に流体的に連結された入口端部取付部23’bと、供給ライン8の第2部分8bを介して噴射要素5に流体的に連結された出口端部取付具23’cと、を備える。
【0060】
入口端部取付具23’bは、例えば、ラム本体23’aの第1端部に配置される。出口端部取付具23’cは、例えば、ラム本体23’aの側縁部に配置される。
【0061】
また、液体圧ラム23’は、ラム本体23’aを、第1チャンバ23’eと第2チャンバ23’fとに分離するピストン23’dを備える。
【0062】
第1チャンバ23’eは、入口端部取付具23’bに流体連通して、ポンプ9によって供給ライン8の第1部分8aに汲み出された洗浄液を受容する。
【0063】
らせんばね等の弾性戻り手段23’gが、第2チャンバ23’fに配設される。
【0064】
ピストン23’dは、近位位置と遠位位置との間で移動可能である。図4に示す近位位置において、第1チャンバ23’eの容積は最小であり、出口端部取付具23’cは第2チャンバ23’fに流体連通する。図5に示す遠位位置において、第1チャンバ23’eの容積は最大であり、出口端部取付具23’cは第1チャンバ23’eに流体連通する。したがって、遠位位置において、洗浄液は第1チャンバ23’cから供給ライン8の第2部分8bに向かって移送され、これにより、噴射要素5に洗浄液が供給される。
【0065】
ピストン23’dの近位位置から遠位位置への移動は、ポンプ9によって汲み出された洗浄液によって生じる。更に、ピストン23’dは、閉込壁11に、例えば枢動リンクによって連結され、これにより、ピストン23’dの近位位置から遠位位置への移動が、閉込壁11の格納位置から洗浄位置の移動を生じさせる。したがって、このタイプの液体圧ラム23’を利用するポンプ9の作動によって、閉込壁11が洗浄位置に移動すること、及び噴射要素5に洗浄液が供給されることが同時に可能とされる。
【0066】
弾性戻り手段23’gは、ポンプ9が非作動状態とされたときに、ピストン23’dの遠位位置から近位位置への移動を生じさせるように設計される。
【0067】
図4及び5は、追加ポンプ17が存在しないという点において図1乃至3と異なる。このような場合、洗浄液は、上述のように、重力によって再生包囲部13からタンク7に向かって流れる。アクチュエータ23及び追加ポンプ17の他は、図4及び5の洗浄システム1は、図1乃至3に基づいて説明した洗浄システムと同様である。
【0068】
洗浄システム1は、また、以下の作動要素のうちの少なくとも1つを制御するように設計された処理ユニット25を備え得る。
‐ポンプ9、
‐追加ポンプ17、及び
‐アクチュエータ23。
【0069】
処理ユニット25は、有線リンク又は無線通信手段等の通信インターフェースによって、例えばWiFiインターフェース等の電磁波を介して、制御対象である単数又は複数の作動要素に連結される。
【0070】
処理ユニット25は、洗浄コマンドを受信し、第1の所定時間に亘ってポンプ9を作動させるように設計される。
【0071】
電気アクチュエータ23を備える洗浄システム1の場合、処理ユニット25は、ポンプ9の作動前に、またはこれと同時に、閉込壁11を洗浄位置に配置させるように電気アクチュエータ23にコマンドする。追加ポンプ17を備える洗浄システム1の場合、処理ユニット25は、同様に、第2の所定時間に亘って追加ポンプ17を作動させるようにコマンドする。第1の所定時間の終了時に洗浄液が排出され得るように、第2の所定時間は、例えば、第1の所定時間より長い。また、第2の所定時間は、第1の所定時間と同一の持続時間であってもよいが、ポンプ9が非作動状態とされたときに、使用した洗浄液を再生し得るように、追加ポンプ17が所定時間に亘って作動され続けることが可能であるように、第1の所定時間に対して時間的にオフセットされ得る。
【0072】
液体圧アクチュエータ23’を備える洗浄システム1の場合、ポンプ9のみが、及び適切であれば追加ポンプ17が処理ユニット25によって制御される。本実施形態において、ポンプ9が作動される所定時間は、より長い可能性がある。
【0073】
処理ユニット25により受信される洗浄コマンドは、ユーザによって例えばダッシュボード上のコマンド要素を介して開始されるコマンドであってもよいし、自動的に開始されるコマンドであってもよい。自動コマンドは、時間的に規則的なコマンドであってもよいし、特定の検出に基づくコマンドであってもよいし、或いはこれら2つの組合せであってもよい。例えば、洗浄は、光学センサ3の使用の開始時又は終了時に開始され得る。また、洗浄は、光学センサ3の所定の使用時間後にコマンドされてもよい。この所定持続時間は、例えば特定条件が検出されたとき、例えば雨季が検出されたときに変更可能である。雨が例えば専用センサを介して検出され得る。専用センサは、窓ガラスワイパーを制御するためにも使用可能である。洗浄が必要かどうかを検出するように、画像処理装置を、光学センサ3に関連付けてもよい。
【0074】
代替実施例によれば、処理ユニット25は、洗浄システム1の外部に、例えば、自動車の中央ユニットに配置され得る。
【0075】
図6及び7に示す第3実施形態によれば、閉込壁11は、並進移動も可能であり得る。本例において、矢印Fで示すような閉込壁11の並進移動を許容するように、歯車が、例えば、電気アクチュエータ等のアクチュエータ23の出力シャフト23aに装着されるとともに、ラック22が閉込壁11に連結される。したがって、閉込壁11は、格納位置(図6)から洗浄位置(図7)に移動するように上方に移動する。図7に示す洗浄位置において、噴射要素5は光学センサ3のレンズに対面配置され、これにより、ポンプ9の作動によって洗浄液が光学センサ3のレンズへ噴射される。その後、洗浄液は、重力によって閉込壁11の底部に向かって、次いで排出管15に向かって流れる。例えば、閉込壁11は、洗浄液が排出管15に向かって流れることを許容するように傾斜している。閉込壁11の動作を除き、機能は図1乃至3を参照して説明した第1実施例の第1変形例と同様である。
【0076】
また、本発明は、光学センサ3と、上述の光学センサ3を洗浄するためのシステム1とを備えるアセンブリに関する。このアセンブリは、光学センサ3の支持部19を備えることも可能である。
【0077】
また、本発明は、少なくとも1つの光学センサ3と、光学センサ3に対応する少なくとも1つの洗浄システム1とを備える自動車100に関する。図8乃至10に、光学センサ3の種々の位置、具体的には、荷物室のドア、フロントバンパー、又は側部開口が示されるが、光学センサ3と対応する洗浄システム1とを備えるアセンブリの設置には他の車両上の位置も想定され得る。複数の光学センサ3を備える車両100の場合、それらは、車両上の種々の位置、例えば、フロントバンパー、リアバンパー、又はサイドドア等に配設され得る。更に、洗浄システム1の諸要素は、複数の光学センサ3によって共有され得る。例えば、単独のタンク7が、車両のおけるいくつかの又は全ての光学センサ3に対して使用され得る。処理ユニット25も、異なる光学センサ3によって共有され得る。
【0078】
供給ライン8及び/又は排出管15の種々の部品は、共押出しされ得る。すなわち、洗浄システム1の製造コストを削減するように、それらは単独ラインとして製造され、その後所望の長さに切断され得る。
【0079】
洗浄システム1の機能する態様を、2つの実施形態(電気アクチュエータを有する場合、及び液体圧アクチュエータを有する場合)について説明する。
【0080】
1)電気アクチュエータを有する場合(図1乃至3)の機能
【0081】
処理ユニット25により洗浄コマンドが受信されると、処理ユニット25は、電気アクチュエータ23を作動させて、閉込壁11を格納位置(図1)から洗浄位置(図2)に移動させる。これにより、噴射要素5が光学センサ3に対面配置されるとともに、再生包囲部13が光学センサ3の周囲に形成される。次に、処理ユニット25はポンプ9を作動させ、これにより、洗浄液がタンク7から汲み出されて供給ライン8を介して噴射要素5に至る。次いで、図2に示すように、洗浄液が光学センサ3に対して噴霧される。ポンプ9の第1の所定時間は、例えば数秒間(例えば5秒間)に亘って持続する。こうして、洗浄液は、光学センサ3を、及び適切であれば閉込壁11を通って再生包囲部13の底部131に向かって流れる。次いで、洗浄液は排出管15に受容される。洗浄液がタンク7に向けて再度方向付けられるように、排出管15の一端部は、閉込包囲部13の底部131に配置されている。洗浄システム1が追加ポンプ17を備える場合、それは、処理ユニット25によって、第2の所定時間、例えば10秒間に亘って同様に作動される。これにより、洗浄液がタンク7に向かって排出管15を介して戻ることが可能とされる、又は容易とされる。洗浄が完了すると、すなわち、第1の所定時間の終了時に、処理ユニット25は、電気アクチュエータ23に、閉込壁11を洗浄位置(図2)から格納位置(図1)に移動させるようにコマンドする。これにより、光学センサ3の視界が確保されて光学センサ3が使用可能となる。
【0082】
2)液体圧(液圧)アクチュエータを有する場合(図4及び5)の機能
【0083】
処理ユニット25により洗浄コマンドが受信されると、処理ユニット25はポンプ9を作動させ、これにより、洗浄液がタンク7から液体圧ラム23’に向かって供給ライン8の第1部分8aを介して汲み出される。汲み出された洗浄液により、弾性戻り手段23’gが圧縮されつつ、ピストン23’dの近位位置(図4)から遠位位置(図5)への移動が生じる。ピストン23’dの遠位位置への移動により、一方で、閉込壁11の格納位置(図4)から洗浄位置(図5)への移動が許容され、これにより、噴射要素5が光学センサに対面配置されるとともに、再生包囲部13が光学センサ3の周囲に形成される。また他方で、洗浄液の噴射要素5への供給ライン8の第2部分8bを介した供給が許容される。次いで、洗浄液が光学センサ3に対して噴霧される。ポンプ9の作動の第1の所定時間は、例えば数秒間に亘って持続する。こうして、光学センサ3から除去された、又は噴射要素5から再生包囲部13の底部に向かった粒子のために、洗浄液は光学センサ3及び閉込壁11を通って流れる。次いで、洗浄液は排出管15に受容される。洗浄液がタンク7に向けて再度方向付けられるように、排出管15の一端部は、閉込包囲部13の底部に配置されている。洗浄システム1が追加ポンプ17を備える場合、それは、処理ユニット25によって、第2の所定時間、例えば数秒間に亘って同様に作動される。これにより、洗浄液がタンク7に向かって排出管15を介して戻ることが可能とされる、又は容易とされる。洗浄が完了すると、すなわち、第1の所定時間の終了時に、処理ユニット25はポンプ9を非作動状態とする。次いで、弾性戻し手段23’gが弛緩することにより、ピストン23’dはその遠位位置からその近位位置に向かって移動する。これにより、閉込壁11の洗浄位置(図5)から格納位置(図4)への移動が生じ、こうして光学センサ3の視野(視界)が確保されて光学センサ3は使用可能となる。
【0084】
したがって、本発明による洗浄システム1は、洗浄時に光学センサ3に対面配置される噴射要素5が移動するという能力によって光学センサ3のレンズの効率的な洗浄を可能とするとともに、洗浄液の再生、及び洗浄液をその後の洗浄時に再利用されるようにタンク7に向けて戻すことにより、顕著に洗浄液の消費量を削減することを可能とする。タンク7の上流に位置するフィルタ16の使用により、数多くの使用を経ても洗浄液がクリーンであることが維持され得る。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】