(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521972
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】B型肝炎抗ウイルス剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20190712BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 38/21 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !C07D487/04 140
   !C07D487/04CSP
   !A61K31/519
   !A61P31/20
   !A61P43/00 121
   !A61K38/21
   !A61K45/00
   !A61K39/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】69
(21)【出願番号】2018563674
(86)(22)【出願日】20170608
(85)【翻訳文提出日】20190131
(86)【国際出願番号】US2017036553
(87)【国際公開番号】WO2017214395
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】62/443,245
(32)【優先日】20170106
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/348,419
(32)【優先日】20160610
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】503323970
【氏名又は名称】エナンタ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ウォータータウン アーセナル ストリート 500
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュ、ヤオ − リン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、アンドーヴァー、リンダ ロード 29
(72)【発明者】
【氏名】カオ、ホイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、ベルモント、ヒル ロード 53
(72)【発明者】
【氏名】ペン、シャオウェン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、サドバリー、ホース ポンド ロード 85
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウェイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、レキシントン、エイプリル レイン 22
(72)【発明者】
【氏名】カス、ジョーデン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、ベルモント、ウィルソン アヴェニュー 29、アパートメント ナンバー 2
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、シュリ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、ニュートン、アラートン ロード 179、ユニット 2
(72)【発明者】
【氏名】ジン、メイジョン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、ウェルスレイ、ヘイスティングス ストリート 64−105
(72)【発明者】
【氏名】オル、ヤット、サン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、マサチューセッツ、ウォータータウン、フェイエット ストリート 169
【テーマコード(参考)】
4C050
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC08
4C050EE02
4C050FF05
4C050FF10
4C050GG04
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4C085EE03
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4C085GG08
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を開示し、
【化1】

式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、B型肝炎ウイルス(HBV)によってコードされるタンパク質(複数可)を阻害するか、B型肝炎ウイルスのHBVのライフサイクルの機能を妨げ、抗ウイルス剤としても有用である。本発明はさらに、HBV感染に罹患している対象に投与するための前述の化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬組成物を投与することによって、対象のHBV感染を治療する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)によって表される化合物
【化1】

又はその薬学的に許容される塩であって、
式中、Aが任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、
Bが、水素、ハロ、CN、任意に置換された−C−Cアルキル及び任意に置換された−C−Cシクロアルキルからなる群から選択され、
Xが、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、
あるいは、B及びXが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、追加の任意に置換されたC−C12シクロアルケニル又は任意に置換された4〜12員の複素環を形成し、
Yが、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、
Zが、水素、任意に置換された−C−C12アルキル、任意に置換された−C−C12アルケニル、任意に置換された−C−C12アルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリール、−C(O)NR及び−C(O)ORからなる群から選択され、
及びRが、各出現時にそれぞれ独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
あるいは、R及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換された3〜12員の複素環を形成し、
Rが、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニルからなる群から選択され、
あるいは、R及びZが、それらが結合している原子と一緒になって、追加の任意に置換された4〜12員の複素環を形成し、
あるいは、R及びAが、それらが結合している原子と一緒になって、追加の任意に置換された5〜7員の複素環を形成する化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
A及びXが、それぞれ独立して、1個の水素原子を除去することにより以下から選択され、
【化2】

式中、上記のアリール及びヘテロアリール基のそれぞれが、可能な場合には任意に置換され、炭素を介してジヒドロピリミジンコアに結合していてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが、任意に置換されたメチル、任意に置換されたエチル、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)NR1112、−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)NR1112、−(CHS(O)R12、−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CHS(O)NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11、−(CHNR11P(O)(OR12及び−(CHP(O)(NR1112から選択され、式中、R11及びR12が各出現時にそれぞれ独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが以下から選択され、
【化3】

式中、上記の各基が任意に置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Zが−(CHn’−Mであり、n’が1、2又は3であり、Mが水素、−OR11、保護されたヒドロキシ、−CR1112、−NR1112、保護されたアミノであるか、Mが下記に記載の基から選択され、
【化4】

【化5】

式中、上記の各基が、可能な場合には任意に置換され、Rが、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、−CN、−OR11及び−NR1112からなる群から選択され、Rが、−NR1112、OR11、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、Rが、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−C(O)R11、−C(O)OR11、−C(O)NR1112、−S(O)11及び−S(O)NR1112からなる群から選択され、Gが、独立して、CR1112、O及びNRから選択され、G’が、独立して、CR及びNから選択され、m’が1、2又は3であり、R11及びR12が、各出現時に独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル及び任意に置換された−C−Cシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
【化6】

式中、Aが、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、Aが、任意に置換されたフェニル、チオフェニル又はピリジニル、ピラジニル若しくはピリミジニルを含むがこれらに限定されない6員のヘテロアリール基であり、Xが、任意に置換されたメチル、ハロ、CN、OR11又はNR1112であり、mが0、1、2、3、4又は5であり、R11及びR12が、各出現時にそれぞれ独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキルからなる群から選択され、Y及びZが請求項1に定義した通りである化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(IIa−3)若しくは(IIb−3)によって表される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
【化7】

式中、Aが、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、Aが、任意に置換されたフェニル、チオフェニル又はピリジニル、ピラジニル若しくはピリミジニルを含むがこれらに限定されない6員のヘテロアリール基であり、Xが、任意に置換されたメチル、ハロ、CN、OR11又はNR1112であり、vが0、1、2、3又は4であり、Eが、各出現時に同じであるか異なり、−CR1516−、−C(O)−、−O−、−NR16−、−S−及び−S(O)−から独立して選択され、uが0、1、2又は3であり、R15が、水素、ハロ、CN、−NR1112、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、R16が、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、あるいは、R15及びR16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cシクロアルキル又は任意に置換された3〜7員の複素環を形成し、Y及びZが請求項1に定義した通りである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(IIIa)若しくは(IIIb)によって表される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
【化8】

式中、Aが、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、Aが、任意に置換されたフェニル、チオフェニル又はピリジニル、ピラジニル若しくはピリミジニルを含むがこれらに限定されない6員のヘテロアリール基であり、Eが、各出現時に同じであるか異なり、−CR1516−、−C(O)−、−O−、−NR16−、−S−及び
−S(O)−から独立して選択され、uが0、1、2又は3であり、R15が、水素、ハロ、CN、−NR1112、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、R16が、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、あるいは、R15及びR16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cシクロアルキル又は任意に置換された3〜7員の複素環を形成し、X、B及びYが請求項1に定義した通りである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
式(IIIa)若しくは(IIIb)によって表される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、前記複素環
【化9】

が下記の基から選択され、
【化10】

式中、上記の各基が任意に置換され、各Rが、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、−CN、−OR11及び−NR1112からなる群から選択され、Rが、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−C(O)R11、−C(O)OR11、−C(O)NR1112、−S(O)11、−S(O)NR1112からなる群から選択され、R11及びR12が、各出現時に独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、m’が1、2又は3である、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(IV)によって表される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、
【化11】

式中、Eが、各出現時に同じであるか異なり、−CR1516−、−C(O)−、−O−、−NR16−、−S−及び−S(O)−から独立して選択され、uが0、1、2又は3であり、R15が、水素、ハロ、CN、−NR1112、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、R16が、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、あるいは、R15及びR16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cシクロアルキル又は任意に置換された3〜7員の複素環を形成し、X、B、Y及びZが請求項1に定義した通りである、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
以下に示す化合物又はその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】
【請求項12】
薬学的に許容される担体又は賦形剤と組み合わせて、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項13】
それを必要とする対象のHBV感染を治療又は予防する方法であって、前記対象に治療有効量の式(I)の化合物又は化合物の組合せを投与することを含む方法。
【請求項14】
HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、文献記載のカプシド集合調節物質、逆転写酵素阻害剤、TLRアゴニスト、細胞ウイルスRNAセンサーの誘導剤、治療用ワクチン、及び特有又は未知の機序の薬剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加の治療剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物と前記少なくとも1つの追加の治療剤とが共製剤化される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物と前記少なくとも1つの追加の治療剤とが同時投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物を投与することにより、それを必要とする個体のHBV感染を予防的に治療する際に、同等の結果を達成するのに必要とされる前記少なくとも1つの追加の治療剤の前記単独投与よりも、低い用量又は頻度で前記少なくとも1つの追加の治療剤を投与することが可能になる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記治療有効量の式(I)の前記化合物を投与する前に、前記個体が、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、細胞ウイルスRNAセンサーの誘導剤、治療用ワクチン、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物に抵抗性であることが知られている、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物の前記投与が、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、細胞ウイルスRNAセンサーの誘導剤、治療用ワクチン、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物の前記投与よりも、前記個体のウイルス負荷を大幅に低減する、請求項14の方法。
【請求項20】
前記化合物の前記投与が、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、細胞ウイルスRNAセンサーの誘導剤、治療用ワクチン、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物の前記投与よりも、ウイルス変異及び/又はウイルス耐性の発生率を低下させる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/348,419号明細書及び2017年1月6日に出願された第62/443,245号明細書の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に新規の抗ウイルス剤に関する。具体的には、本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)によってコードされるタンパク質(複数可)を阻害し得るか、HBVのライフサイクルの機能を妨げ得る化合物、そのような化合物を含む組成物、HBVウイルス複製を阻害する方法、HBV感染を治療又は予防する方法、及び該化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
HBV感染は、依然として重大な公衆衛生上の問題であり、世界中の約20億人の人々に発症している。そのうち、世界中で3億5,000万人、米国で140万人が慢性感染症を発症し、慢性感染症から、慢性持続性肝炎、肝硬変及び肝細胞癌(HCC)に至る場合がある。HBV感染による肝疾患の末期から、毎年50万〜100万人が死亡している。
【0004】
予防的HBVワクチンが存在しながらも、発展途上国のほとんどの地域では治療選択肢が最適以下であり、持続的に新たな感染が発生しているために、慢性HBV感染の負担は、依然として解決されていない世界的に重大な医学的問題であり続けている。現在の治療法は、治癒させることはできず、2種類の薬剤(インターフェロン及びヌクレオシド類似体/ウイルスポリメラーゼの阻害剤)のみに限定されている。薬剤耐性、低い有効性、及び耐容性の問題は薬剤の効果を制限する。HBVの低い治癒率は、感染した肝細胞の核内の共有結合閉環状DNA(cccDNA)の存在及び持続性に少なくとも部分的に起因する。しかし、HBV DNAの持続的な抑制は肝疾患の進行を遅らせ、HCCの予防に役立つ。HBV感染患者に対する現在の治療目標は、血清HBV DNAを低値又は検出不可能な値まで減少させること、さらに、最終的に肝硬変及びHCCの発症を減少させるか予防することに向けられている。
【0005】
HBVは、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)のエンベロープされた部分的に二本鎖のDNA(dsDNA)ウイルスである。HBVカプシドタンパク質(CP)は、HBV複製に不可欠な役割を果たす。カプシドタンパク質の主要な生物学的機能は、構造タンパク質として作用して、プレゲノムRNAをカプシド化し、細胞質中のコア二量体の多数のコピーから自発的に自己集合する未成熟なカプシド粒子を形成することである。カプシドタンパク質はまた、そのC末端リン酸化部位の異なるリン酸化状態を介して、ウイルスDNA合成を調節する。また、カプシドタンパク質は、カプシドタンパク質のC末端領域のアルギニンリッチドメインに位置する核局在化シグナルによって、ウイルス弛緩型開環状ゲノム(viral relaxed circular genome)の核内移行を促進し得る。ウイルスcccDNAミニ染色体の構成要素としての核では、カプシドタンパク質は、cccDNAミニ染色体の機能において構造的及び調節的役割を果たし得る。カプシドタンパク質はまた、小胞体(ER)内のウイルスの大型エンベロープタンパク質と相互作用し、肝細胞からインタクトなウイルス粒子の放出を誘発する。
【0006】
カプシド関連抗HBV阻害剤が報告されている。例えば、AT−61及びAT−130(Feld J.ら、Antiviral Res.2007、76、168)と名付けられた化合物を含むフェニルプロペン−アミド誘導体並びにValeantのチアゾリジン−4−オンのクラス(国際公開第2006/033995号パンフレット)は、プレゲノムRNA(pgRNA)パッケージングを阻害することが示されている。ヘテロアリールジヒドロピリミジン又はHAPは、組織培養に基づくスクリーニングで発見された(Weberら、Antiviral Res.2002、54、69)。これらのHAP類似体は、合成アロステリック活性化剤として作用し、コアタンパク質の分解をもたらす異常なカプシド形成を誘導することができる。スルファモイルアリールアミドのサブクラスもまた、HBVに対する活性を示す(国際公開第2013/006394号パンフレット、国際公開第2013/096744号パンフレット及び国際公開第2014184365号パンフレット)。小分子bis−ANSが分子の「くさび」として作用し、正常なカプシドタンパク質の形状及びカプシドの形成を妨げることも示された(Zlotnick A.ら、J.Virol.2002、4848)。
【0007】
当業界では、HBV感染を治療、改善又は予防する新規治療剤が必要とされている。単独療法として、又は他のHBV治療若しくは補助的治療と組み合わせて、HBV感染患者にこれらの治療剤を投与することにより、予後の有意な改善、疾患進行の軽減及びセロコンバージョン率の向上がもたらされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、新規の抗ウイルス化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、並びに前記化合物を用いてそのような治療を必要とする対象のウイルス(特にHBV)感染を治療又は予防する方法に関する。本発明の化合物は、B型肝炎ウイルス(HBV)によってコードされるタンパク質(複数可)を阻害するか、HBVのライフサイクルを妨げるほか、抗ウイルス剤としても有用である。さらに、本発明は、前記化合物の調製方法を含む。
【0009】
その主要な態様では、本発明は式(I)の化合物
【化1】

又はその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
Aは、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、好ましくは、Aは、任意に置換されたアゾリル、任意に置換されたピリジル又は任意に置換されたフェニルであり、
Bは、水素、ハロ、CN、任意に置換された−C−Cアルキル及び任意に置換された−C−Cシクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは、Bは、水素又は任意に置換されたメチルであり、
Xは、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、好ましくは、Xは、任意に置換されたフェニルであり、
あるいは、B及びXは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−C12シクロアルケニル又は任意に置換された4〜12員の複素環、例えばC−C12シクロアルケニル又は各環が任意にさらに置換されたアリール若しくはヘテロアリール環と縮合している4〜12員の複素環を形成し、
Yは、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであり、好ましくは、Yは、任意に置換されたアゾリル、任意に置換されたピリジル又は任意に置換されたフェニルであり、
Zは、水素、任意に置換された−C−C12アルキル、任意に置換された−C−C12アルケニル、任意に置換された−C−C12アルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−C(O)NR及び−C(O)ORからなる群から選択され、
及びRは、各出現時に独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、
あるいは、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換された3〜12員の複素環を形成し、
Rは、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル及び任意に置換された−C−Cアルキニルからなる群から選択され、
あるいは、R及びZは、それらが結合している原子と一緒になって、任意に置換された4〜12員の複素環を形成し、
あるいは、R及びAは、それらが結合している原子と一緒になって、任意に置換された5〜7員の複素環を形成する。
【0010】
上記の各好ましい基は、1つ、任意の又はあらゆる他の好ましい基と組み合わせて選択することができる。
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態は、上記の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0013】
式Iの化合物は、式Ia又は式Ibに示される立体化学を有することができる。
【化2】
【0014】
好ましい実施形態では、式Iの化合物は式Iaに示す立体化学を有する。
【0015】
特定の実施形態では、本発明は、Aが任意に置換されたアゾリル、任意に置換されたピリジル又は任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
特定の実施形態では、本発明は、Zが水素、任意に置換された−C−Cアルキル又は任意に置換された−C−Cシクロアルキルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0017】
特定の実施形態では、本発明は、Zが任意に置換されたメチルであり、好ましくは、Zが、ハロ、−OR11又は−NR1112で任意に置換されたメチルであり、R11及びR12が、各出現時に独立して、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0018】
特定の実施形態では、本発明は、Zが−C(O)NR又は−C(O)ORである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0019】
特定の実施形態では、本発明は、Zが任意に置換された−C−Cアルケニル又は任意に置換された−C−Cアルキニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0020】
特定の実施形態では、本発明は、Zが任意に置換された3〜8員の複素環である式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0021】
特定の実施形態では、本発明は、Zが下記に記載の基
【化3】

から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、式中、上記の各基は任意に置換されている。好ましい置換基には、任意に置換されたメチル、ハロ、−CN、=O、=NR11、−OR11及び−NR1112が挙げられ、式中、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0022】
特定の実施形態では、本発明は、Zが、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)NR1112、−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)−NR1112、−(CHS(O)R12、−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CH−S(O)NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11、−(CH−NR11P(O)(OR12又は−(CHP(O)(NR1112である式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、式中、nは1、2、3、4、5又は6であり、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0023】
特定の実施形態では、本発明は、Bが水素である式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0024】
特定の実施形態では、本発明は、Bがハロ、好ましくはフルオロである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0025】
特定の実施形態では、本発明は、Bが、1つ以上のハロ、好ましくはフルオロで任意に置換されたメチルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、Bは、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである。
【0026】
特定の実施形態では、本発明は、Rが任意に置換された−C−Cアルキルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、本発明は、Rが任意に置換された−C−Cシクロアルキルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0027】
特定の実施形態では、本発明は、Rが、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、−CHCHOR11、−CHCHNR1112、−CHC(O)R11及び−CHC(O)NR1112から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0028】
特定の実施形態では、本発明は、Rが、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)NR1112、−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)NR1112、−(CHS(O)R12、−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CHS(O)−NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11、−(CHNR11P(O)(OR12又は−(CHP(O)(NR1112である式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、式中、n、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0029】
特定の実施形態では、本発明は、Xが任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、本発明は、Xが任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0030】
特定の実施形態では、本発明は、Aが、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0031】
特定の実施形態では、本発明は、Yが任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、本発明は、Yが任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、本発明は、Yが任意に置換されたアゾリル又は任意に置換されたピリジルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0032】
特定の実施形態では、本発明は、Xが任意に置換されたフェニルであり、Yが任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、本発明は、Xが任意に置換されたフェニルであり、Yが任意に置換されたアゾリル、任意に置換されたピリジル又は任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0033】
特定の実施形態では、本発明は、Xが任意に置換された単環式ヘテロアリールであり、Yが任意に置換されたアゾリル、任意に置換されたピリジル又は任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0034】
別の特定の実施形態では、本発明は、A及びXがそれぞれ独立して、1個の水素原子を除去することによって以下のうち1つから誘導されるアリール又はヘテロアリール基である式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関し、
【化4】

式中、上記のアリール及びヘテロアリール基のそれぞれは、任意に置換され、好ましくは炭素原子を介してジヒドロピリミジンコアに結合している。
【0035】
別の特定の実施形態では、本発明は、A及びXのうち少なくとも1つが、1個の水素原子を除去することによって以下のうち1つから誘導されるアリール又はヘテロアリール基である式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関し、
【化5】

式中、上記のアリール及びヘテロアリール基のそれぞれは、任意に置換され、好ましくは炭素原子を介してジヒドロピリミジンコアに結合している。
【0036】
特定の実施形態では、A及びXは、それぞれ独立して、下記に記載の基から選択され、
【化6】

式中、上記の各基は任意に置換されている。好ましい置換基は、任意に置換されたメチル、ハロ、CN、OR11及び−NR1112であり、式中、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0037】
特定の実施形態では、A及びXのうち少なくとも1つは、下記に記載の基から選択され、
【化7】

式中、上記の各基は、可能な場合には任意に置換されている。好ましい置換基は、任意に置換されたメチル、ハロ、CN、OR11又は−NR1112であり、式中、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0038】
特定の実施形態では、本発明は、Yが下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化8】

式中、上記の各基は任意に置換されている。好ましい置換基には、任意に置換されたメチル、ハロ、−CN、−OR11及び−NR1112が挙げられ、式中、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0039】
特定の実施形態では、本発明は、Yが任意に置換されたアゾリルである式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【0040】
特定の実施形態では、本発明は、Yが下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化9】

式中、上記の各基は、可能な場合には任意に置換されている。
【0041】
特定の実施形態では、本発明は、Yが下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化10】

式中、上記の各基は任意に置換されている。好ましい置換基には、任意に置換された−C−C−アルキル、ハロ、−CN、−OR11及び−NR1112が挙げられ、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0042】
特定の実施形態では、本発明は、Yが下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化11】

式中、R20は、任意に置換されたC−C−アルキル又はC−C−シクロアルキルである。好ましくは、R20は、任意に置換されたメチル又は任意に置換されたシクロプロピルである。
【0043】
特定の実施形態では、本発明は、Zが−(CHn’−Mであり、n’が1、2又は3であり、Mが、水素、−OR11、保護されたヒドロキシ、−CR1112、−NR1112、保護されたアミノであるか、下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化12】

式中、上記の各基は任意に置換され、好ましい置換基には、ハロ、=O、=NR11、−OR11、−NR1112、−CN、−CO11、−C(O)NR1112及び任意に置換されたメチルが挙げられ、Rは、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、−CN、−OR11及び−NR1112からなる群から選択され、Rは、−NR1112、OR11、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、Rは、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−C(O)R11、−C(O)OR11、−C(O)NR1112、−S(O)11、−S(O)NR1112からなる群から選択され、Gは、独立して、CR1112、O及びNRから選択され、G’は、独立して、CR及びNから選択され、n’、R11及びR12は、先に定義した通りである。特定の実施形態では、Rは、下記に記載の基から選択され、
【化13】

式中、上記の各基は任意に置換され、好ましい置換基には、ハロ、−OR11、−NR1112、−CN、−CO11、−C(O)NR1112、任意に置換されたメチル及び任意に置換されたフェニルが挙げられる。別の実施形態では、Rは−SONHである。
【0044】
別の実施形態では、本発明は、Zが−(CHn’−M、好ましくは−CH−Mであり、Mが下記に記載の基から選択される式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関し、
【化14】

式中、上記の各基は可能な場合には任意に置換され、好ましい置換基には、ハロ、−OR11、−NR1112、−CN、−CO11、−C(O)NR1112、任意に置換されたメチル及び任意に置換されたフェニルが挙げられ、m’は1、2又は3であり、n’、R11、R12及びRは、先に定義した通りである。
【0045】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa)若しくは(IIb)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化15】

式中、Aは、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリール基であり、好ましくは、Aは、それぞれ任意に置換されたピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリルを含むがこれらに限定されない任意に置換されたアゾール基であり、Aは、任意に置換されたフェニル、チオフェニル又はそれぞれ任意に置換されたピリジニル、ピラジニル若しくはピリミジニルを含むがこれらに限定されない6員のヘテロアリール基であり、B、R、X、Y及びZは、先に定義した通りである。
【0046】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化16】

式中、Xは、任意に置換されたメチル、ハロ、CN、OR11又はNR1112であり、mは0、1、2、3、4又は5であり、A、A、R、Y、Z、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0047】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、mは0であるか、mは1〜5であり、各Xはハロである。特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Yは任意に置換されたアゾリルである。別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Zは水素又は任意に置換されたメチルである。
【0048】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Rは、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)NR1112、−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)NR1112、−(CHS(O)R12、−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CHS(O)NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11、−(CHNR11P(O)−(OR12及び−(CHP(O)(NR1112からなる群から選択され、好ましくは、Rは−(CHOR11であり、n、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0049】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−1)若しくは(IIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Zは、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)NR1112−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)NR1112、−(CHS(O)R12、−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CHS(O)NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11、−(CHNR11P(O)−(OR12及び−(CHP(O)(NR1112からなる群から選択され、好ましくは、Zは−(CHNR11S(O)12であり、n、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0050】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−2)若しくは(IIb−2)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化17】

式中、X、m、A、A、R、Y、M、R、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0051】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、Mが−CR1112又は−NR1112である式(IIa−2)若しくは(IIb−2)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12は、それらが結合している原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cモノシクロアルキル又は任意に置換された3〜8員のモノ−複素環を形成し、前記シクロアルキル又は複素環は、=CR1314、=O及び=NR13から独立して選択された0〜3個の置換基を含有し、R13及びR14はそれぞれ独立して、水素、ハロ、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、あるいは、R13及びR14は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cシクロアルキルを形成し、Rは、先に定義した通りである。
【0052】
さらに別の実施形態では、式(I)の化合物は、Mが−CR11’12’又は−NR11’12’である式(IIa−2)若しくは(IIb−2)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、R11’及びR12’は、それらが結合している原子と一緒になって、任意に置換されたC−C12ビ若しくはトリシクロアルキル又は任意に置換された5〜12員のビ若しくはトリ複素環を形成し、前記任意に置換されたC−C12ビ若しくはトリシクロアルキル又は任意に置換された5〜12員のビ若しくはトリ複素環は、R11’、R12’及びRが結合している炭素原子又はR11’及びR12’が結合している窒素原子を含む第1の環と、第2の環と、任意の第3の環とを含み、第2の環は、(1)第1の環にスピロ結合しているか、(2)第1の環に縮合しているか、(3)第1の環の2つの環原子間の1,3−又は1,4−架橋基によって形成されている。好ましくは、第1の環は、3、4、5、6又は7員環である。Rは、先に定義した通りである。
【0053】
さらに別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−2)若しくは(IIb−2)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、Rは、−(CHOR11、−(CHOC(O)R11、−(CHC(O)OR11、−(CHC(O)−NR1112、−(CHOC(O)OR11、−(CHO−C(O)NR1112、−(CHNR1112、−(CHNR11C(O)R11、−(CHNR11C(O)OR11、−(CHNR11C(O)NR1112、−(CHS(O)R12,−(CHOS(O)12、−(CHS(O)OR11、−(CHNR11S(O)12、−(CHS(O)NR1112;−(CHNR11S(O)NR1112;−(CHOP(O)(OR11、−(CHP(O)(OR11,−(CHNR11P(O)(OR12及び−(CHP(O)−(NR1112からなる群から選択され、n、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0054】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa−3)若しくは(IIb−3)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化18】

式中、Eは、各出現時に同じであるか異なり、−CR1516−、−C(O)−、−O−、−NR16−、−S−及び−S(O)−から独立して選択され、uは0、1、2又は3であり、R15は、水素、ハロ、CN、−NR1112、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、R16は、水素、任意に置換された−C−Cアルキル、任意に置換された−C−Cアルケニル、任意に置換された−C−Cアルキニル、任意に置換された−C−Cシクロアルキル、任意に置換された3〜8員の複素環、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールであり、あるいは、R15及びR16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたC−Cシクロアルキル又は任意に置換された3〜7員の複素環を形成し、vは0、1、2、3又は4であり、X、A、A、R、Y、Z、R11及びR12は、先に定義した通りである。
【0055】
特定の実施形態では、本発明は、2つの隣接するE基が一緒になって、任意に置換されたC=C二重結合又は任意に置換された縮合環を形成する式(IIa−3)又は(IIb−3)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、2つの隣接しないE基が一緒になって架橋基を形成する。
【0056】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa)若しくは(IIIb)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化19】

式中、u、B、X、A、A、Y及びEは、先に定義した通りである。
【0057】
特定の実施形態では、本発明は、2つの隣接するE基が一緒になって、C=C二重結合、C=N二重結合又は縮合環を形成する式(IIIa)又は(IIIb)の化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、2つの遠隔に位置するE基が一緒になって架橋基を形成する。
【0058】
特定の実施形態では、本発明は、式(IIIa)若しくは(IIIb)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関し、式中、
【化20】

は、下記に記載の基から選択され、
【化21】

又は
【化22】

は、下記に記載の基から選択され、
【化23】

式中、上記の各基は任意に置換されており、好ましい置換基には、ハロ、−OR11、−NR1112、−CN、−CO11、−C(O)NR1112、任意に置換されたメチル及び任意に置換されたフェニルが挙げられ、R11、R12、R、R及びm’は、先に定義した通りである。
【0059】
あるいは、R及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換された3〜8員の複素環を形成する。さらに好ましくは、Rは、下記に記載の基から選択され、
【化24】

式中、上記の各基は可能な場合には任意に置換されており、好ましい置換基には、ハロ、−OR11、−NR1112、−CN、−CO11、−C(O)NR1112、任意に置換されたメチル及び任意に置換されたフェニルが挙げられる。別の実施形態では、Rは−SONHである。
【0060】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−1)若しくは(IIIb−1)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化25】

式中、A、A、X、m、B、Y、E及びuは、先に定義した通りである。
【0061】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−2)若しくは(IIIb−2)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化26】

式中、A、A、X、m、Y、E及びuは、先に定義した通りである。
【0062】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−3)若しくは(IIIb−3)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化27】

式中、A、A、X、m、Y、E及びuは、先に定義した通りである。
【0063】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−4)若しくは(IIIb−4)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化28】

式中、A、A、X、m、Y、R及びR11は、先に定義した通りである。
【0064】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−4)若しくは(IIIb−4)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、A、A、X、m、R及びR11は先に定義した通りであり、Yは任意に置換されたアゾリルである。好ましくは、Yは、任意に置換されたピラゾリル又はオキサゾリルである。
【0065】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−5)若しくは(IIIb−5)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化29】

式中、A、A、X、m、Y、R及びR11は、先に定義した通りである。
【0066】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−5)若しくは(IIIb−5)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、A、A、X、m、R及びR11は先に定義した通りであり、Yは任意に置換されたアゾリルである。好ましくは、Yは、任意に置換されたピラゾリル又はオキサゾリルである。
【0067】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−6)若しくは(IIIb−6)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化30】

式中、A、A、X、m、Y、R及びR11は、先に定義した通りである。
【0068】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIIa−6)若しくは(IIIb−6)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、式中、A、A、X、m、R及びR11は先に定義した通りであり、Yは任意に置換されたアゾリルである。好ましくは、Yは、任意に置換されたピラゾリル又はオキサゾリルである。
【0069】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化31】

式中、B、X、Y、Z、E及びuは、先に定義した通りである。
【0070】
さらに別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)によって表されるか、又はその薬学的に許容される塩であり、
【化32】

式中、各Tは独立して−CR15又はNであり、X、m、Y、Z、E、u及びR15は、先に定義した通りである。好ましくはR15は、H、ハロ、メチル又はCFである。
【0071】
本明細書における本発明の記載は、化学結合の法則及び原理と一致すると解釈されるべきであることが理解されよう。場合によっては、任意の所与の位置で置換基を受け入れるために水素原子を除去することが必要な場合がある。
【0072】
本発明の化合物が、1つ以上の不斉炭素原子を含有し得、ラセミ体、ジアステレオマー及び光学活性形態で存在し得ることが、さらに理解されるであろう。本発明の特定の化合物が、異なる互変異性形態で存在し得ることが、さらに理解されるであろう。あらゆる互変異性体が本発明の範囲内にあると考えられる。
【0073】
一態様では、本発明の化合物は、未熟又は成熟粒子の正常なウイルスカプシド集合及び/又は分解を妨害、加速、低減、遅延及び/又は阻害し、それによって異常なカプシド形態を誘導し、ビリオン集合及び/又は分解、ビリオン成熟、及び/又はウイルス排出の妨害などの抗ウイルス効果をもたらすことによって、HBV治療に有用である。一実施形態では、カプシド集合の妨害因子は、成熟又は未熟ウイルスカプシドと相互作用してカプシドの安定性を撹乱し、それにより集合及び/又は分解に影響を及ぼす。別の実施形態では、カプシド集合の妨害因子は、ウイルスカプシドの安定性、機能及び/又は正常形態に必要なタンパク質折り畳み及び/又は塩橋を撹乱し、それによってカプシド集合及び/又は分解を妨害及び/又は加速する。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、カプシドに結合し、細胞のポリタンパク質及び前駆体の代謝を変化させ、タンパク質モノマー及び/又はオリゴマー及び/又は異常な粒子の異常な蓄積をもたらし、これにより、感染細胞の細胞傷害性及び細胞死を引き起こす。別の実施形態では、本発明の化合物は、最適な安定性のカプシドの形成不全を引き起こし、(例えば、感染性中の)ウイルスの効率的な脱外被及び/又は分解に影響を及ぼす。
【0074】
一実施形態では、本発明の化合物は、カプシドタンパク質が未熟である場合に、カプシド集合及び/又は分解を妨害及び/又は加速する。別の実施形態では、本発明の化合物は、カプシドタンパク質が成熟している場合に、カプシド集合及び/又は分解を妨害及び/又は加速する。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、バイアル感染性中に、カプシド集合及び/又は分解を妨害及び/又は加速する。さらに別の実施形態では、カプシド集合及び/又は分解の妨害及び/又は加速は、HBVウイルス感染性を減弱し、及び/又はウイルス負荷を低減する。さらに別の実施形態では、カプシド集合及び/又は分解の妨害、加速、阻害、遅延及び/又は低減は、宿主生物からウイルスを根絶する。さらに別の実施形態では、宿主からHBVを根絶することは、慢性長期療法の必要性を有利に回避し、及び/又は長期療法の継続期間を短縮する。
【0075】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、単独療法に適しており、自然又は天然のHBV株に対して、及び現在知られている薬物に耐性のHBV株に対して有効である。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、併用療法に使用するのに適している。
【0076】
別の実施形態では、本発明の化合物は、HBV cccDNAの活性を調節する(例えば、阻害する、妨害する、又は加速する)方法に使用することができる。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、HBV cccDNAの形成を軽減又は予防する方法に使用することができる。別の実施形態では、追加の治療剤が、T細胞応答活性化剤AIC649、及びインターフェロンクラスに属する生物学的製剤、例えば、インターフェロンアルファ2a若しくは2b又はペグ化インターフェロン、アルファ2a、アルファ2b、ラムダなどの修飾インターフェロンを含む免疫調節物質又は免疫刺激物質療法;又はTLR−7アゴニスト若しくはTLR−9アゴニストなどのTLR調節物質;又はHBcAg及びHBsAgから構成されたウイルス様粒子、HBsAg及びHBsAbの免疫複合体若しくは酵母ベクターに関連してHBx、HBsAg及びHBcAgを含む組換えタンパク質などのHBV特異的免疫応答を刺激するための治療用ワクチン;又はRIG−I、NOD2及びMDA5タンパク質などの特定の細胞ウイルスRNAセンサーのSB−9200などの免疫活性化剤、又はARC−520、ARC−521、ARB−1467及びALN−HBV RNAiなどのRNA干渉(RNAi)若しくは低分子干渉RNA(siRNA)、又はウイルス侵入若しくは成熟を遮断するか、ヌクレオシド若しくはヌクレオチドなどのHBVポリメラーゼを標的とする抗ウイルス剤、若しくは非ヌクレオシ(チ)ドポリメラーゼ阻害剤、並びにHBV複製又は持続に必要な他の必須ウイルスタンパク質(複数可)又は宿主タンパク質の機能を妨害する薬剤、例えばREP2139を含む特有又は未知の機序の薬剤から選択される。併用療法の一実施形態では、逆転写酵素阻害剤は、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、ddA、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、エンテカビル、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、テノホビル、アデホビル、PMPA、シドホビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン又はエトラビリンのうち少なくとも1つである。
【0077】
併用療法の別の実施形態では、TLR−7アゴニストは、SM360320(9−ベンジル−8−ヒドロキシ−2−(2−メトキシ−エトキシ)アデニン)、AZD8848(メチル[3−({[3−(6−アミノ−2−ブトキシ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)プロピル][3−(4−モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセタート)、GS−9620(4−アミノ−2−ブトキシ−8−[3−(1−ピロリジニルメチル)ベンジル]−7,8−ジヒドロ−6(5H)−プテリジノン)及びRO6864018からなる群から選択される。
【0078】
これらの併用療法の一実施形態では、化合物及び追加の治療剤は共製剤化(co−formulated)される。別の実施形態では、化合物及び追加の治療剤は同時投与される。
【0079】
併用療法の別の実施形態では、本発明の化合物を投与することにより、それを必要とする個体のHBV感染を予防的に治療する際に、同等の結果を達成するのに必要とされる少なくとも1つの追加の治療剤を単独で投与するよりも、低い用量又は頻度で追加の治療剤を投与することが可能になる。
【0080】
併用療法の別の実施形態では、治療有効量の本発明の化合物を投与する前に、個体は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物に抵抗性であることが知られている。
【0081】
該方法のさらに別の実施形態では、本発明の化合物を投与すると、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物を投与した場合よりも、個体のウイルス負荷が大幅に低減する。
【0082】
別の実施形態では、本発明の化合物を投与することにより、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択された化合物を投与した場合よりも、ウイルス変異及び/又はウイルス耐性の発生率が低くなる。
【0083】
本発明に包含される化合物は、医薬品として使用するのに好適に安定な化合物であることが理解されるべきである。
【0084】
定義
以下に、本発明を説明するために使用される様々な用語の定義を列挙する。これらの定義は、特定の場合に別途限定しない限り、個別に又は大きな群の一部として、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される用語に適用される。
【0085】
本明細書で使用される用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びインデニルを含むが、これらに限定されない少なくとも1つの芳香環を含む単環式又は多環式炭素環系を指す。多環式アリールとは、少なくとも1つの芳香環を含む多環式環系である。多環式アリールは、縮合環、共有結合した環又はそれらの組合せを含むことができる。
【0086】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、S、O及びNから選択される1つ以上の環原子を有する単環式又は多環式芳香族基を指し、残りの環原子は炭素であり、環内に含有されるN又はSは任意に酸化されていてもよい。ヘテロアリールには、限定するものではないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニルが挙げられる。多環式ヘテロアリールは、縮合環、共有結合した環又はそれらの組合せを含むことができる。
【0087】
本発明によれば、芳香族基は置換されていても置換されていなくてもよい。
【0088】
用語「二環式アリール」又は「二環式ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環が芳香族である2つの環からなる環系を指す。2つの環は縮合していても共有結合していてもよい。
【0089】
本明細書で使用される用語「アゾール基」は、少なくとも1個の窒素原子を含有する5員の複素芳香環を指す。好ましいアゾール基は、窒素原子及び少なくとも1個の追加のヘテロ原子、好ましくは窒素、酸素又は硫黄原子を含有する。アゾール基には、限定するものではないが、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリルが挙げられる。アゾール基は、隣接する環原子上にある2個の置換基に関して置換された「オルト」と呼ばれる。アゾール基は、隣接する環位置にはない2個の置換基に関して置換された「メタ」と呼ばれる。
【0090】
用語「二環式アゾール」又は「二環式アゾール基」は、少なくとも1つの環がアゾール基である2つの環からなる芳香環系を指す。2つの環は縮合していても共有結合していてもよい。好ましい二環式アゾール基は、アゾール環が6員の芳香環又は複素芳香環に縮合しているものである。そのような基には、限定するものではないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾロピリジル、ピラゾロピリジル、チアゾロピリジル、オキサゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、トリアゾロピリジル及びテトラゾロピリジルが挙げられる。
【0091】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。「C−Cアルキル」、「C−Cアルキル」、「C−Cアルキル」、「C−C12アルキル」、「C−Cアルキル」又は「C−Cアルキル」は、それぞれ、1〜4個、1〜6個、1〜8個、1〜12個、2〜4個及び3〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。C−Cアルキル基の例には、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル及びオクチル基が挙げられる。
【0092】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、単一の水素原子の除去によって、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。「C−Cアルケニル」、「C−C12アルケニル」、「C−Cアルケニル」、「C−Cアルケニル」又は「C−Cアルケニル」は、それぞれ、2〜8個、2〜12個、2〜4個、3〜4個又は3〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基を指す。アルケニル基には、限定するものではないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、ヘプテニル、オクテニルなどが挙げられる。
【0093】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、単一の水素原子の除去によって、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。「C−Cアルキニル」、「C−C12アルキニル」、「C−Cアルキニル」、「C−Cアルキニル」又は「C−Cアルキニル」は、それぞれ、2〜8個、2〜12個、2〜4個、3〜4個又は3〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基を指す。代表的なアルキニル基には、限定するものではないが、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、ヘプチニル、オクチニルなどが挙げられる。
【0094】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、単環式若しくは多環式飽和炭素環又は二環式若しくは三環式基縮合、架橋若しくはスピロ系を指し、炭素原子は任意にオキソ置換されるか、任意に環外オレフィン二重結合で置換され得る。好ましいシクロアルキル基には、C−C12シクロアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル及びC−Cシクロアルキルが挙げられる。C−C12シクロアルキルの例には、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、4−メチレン−シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[2.5]オクチル、3−メチレンビシクロ[3.2.1]オクチル、スピロ[4.4]ノナニルなどが挙げられる。
【0095】
本明細書で使用される用語「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する単環式若しくは多環式炭素環又は二環式若しくは三環式基縮合、架橋若しくはスピロ系を指し、炭素原子は任意にオキソ置換されるか、任意に環外オレフィン二重結合で置換され得る。好ましいシクロアルケニル基には、C−C12シクロアルケニル、C−Cシクロアルケニル又はC−Cシクロアルケニル基が挙げられる。C−C12シクロアルケニルの例には、限定するものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル、ビシクロ[3.1.0]ヘクス−2−エニル、スピロ[2.5]オクト−4−エニル、スピロ[4.4]ノン−1−エニル、ビシクロ[4.2.1]ノン−3−エン−9−イルなどが挙げられる。
【0096】
本明細書で使用される用語「アリールアルキル」は、アルキレン鎖がアリール基に結合している官能基、例えば−CHCH−フェニルを意味する。用語「置換アリールアルキル」は、アリール基が置換されているアリールアルキル官能基を意味する。同様に、用語「ヘテロアリールアルキル」は、アルキレン鎖がヘテロアリール基に結合している官能基を意味する。用語「置換ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基が置換されているヘテロアリールアルキル官能基を意味する。
【0097】
本明細書で使用される場合、単独で又は他の用語と組み合わせて使用される用語「アルコキシ」は、特に明記しない限り、酸素原子を介して分子の残りに結合した指定数の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ(イソプロポキシ)並びに高級同族体及び異性体を意味する。好ましいアルコキシは、(C−C)アルコキシである。
【0098】
本明細書に記載の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環及びシクロアルケニル部分は、脂肪族基又は脂環基であってもよいことが理解される。
【0099】
「脂肪族」基は、炭素原子、水素原子、ハロゲン原子、酸素、窒素又は他の原子の任意の組合せから構成される非芳香族部分であり、任意に1個以上の不飽和単位、例えば二重結合及び/又は三重結合を含有する。脂肪族基の例は、官能基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、O、OH、NH、NH、C(O)、S(O)、C(O)O、C(O)NH、OC(O)O、OC(O)NH、OC(O)NH、S(O)NH、S(O)NH、NHC(O)NH、NHC(O)C(O)NH、NHS(O)NH、NHS(O)NH、C(O)NHS(O)、C(O)NHS(O)NH又はC(O)NHS(O)NHなど、1つ以上の官能基を含む基、(任意に置換された)非芳香族炭化水素、及び(任意に置換された)非芳香族炭化水素の1つ以上の炭素が官能基で置換されている基である。脂肪族基の炭素原子は、任意にオキソ置換されていてもよい。脂肪族基は、直鎖、分岐鎖、環状又はそれらの組合せであってよく、好ましくは約1個〜約24個の炭素原子、さらに典型的には約1個〜約12個の炭素原子を含有する。本明細書で使用される場合、脂肪族炭化水素基に加えて、脂肪族基は、例えば、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン及びポリイミンを明白に含む。脂肪族基は任意に置換されていてもよい。
【0100】
用語「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル」は区別なく使用することができ、非芳香環又は二環式若しくは三環式基縮合、架橋若しくはスピロ系を指し、ここで、(i)各環系は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、(ii)各環系は飽和又は不飽和であり得、(iii)窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく、(iv)窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよく、(v)上記の環のいずれも芳香環に縮合していてもよく、さらに、(vi)残りの環原子は、任意にオキソ置換されているか、任意に環外オレフィン二重結合で置換されていてもよい炭素原子である。代表的なヘテロシクロアルキル基には、限定するものではないが、1,3−ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、2−アザビシクロ[2.2.1]−ヘプチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、5−アザスピロ[2.5]オクチル、1−オキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナニル、7−オキソオキセパン−4−イル及びテトラヒドロフリルが挙げられる。このような複素環基は、さらに置換されていてもよい。ヘテロアリール又は複素環基は、C−結合又はN−結合(可能であれば)であり得る。
【0101】
本明細書に記載される任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、脂環、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、脂肪族部分などはまた、2つ以上の基を連結するための連結部、又は置換基として使用される場合、二価又は多価の基であり得、これらは同一又は異なる原子(複数可)にあってよいことが理解される。当業者は、そのような基が出現する状況から、そのような基の価数を容易に決定することができる。
【0102】
用語「置換された」は、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、C−C12−アルキル;C−C12−アルケニル、C−C12−アルキニル、−C−C12−シクロアルキル、保護されたヒドロキシ、−NO、−N、−CN、−NH、保護されたアミノ、オキソ、チオキソ、−NH−C−C12−アルキル、−NH−C−C−アルケニル、−NH−C−C−アルキニル、−NH−C−C12−シクロアルキル、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−ヘテロシクロアルキル、−ジアルキルアミノ、−ジアリールアミノ、−ジヘテロアリールアミノ、−O−C−C12−アルキル、−O−C−C−アルケニル、−O−C−C−アルキニル、−O−C−C12−シクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、−C(O)−C−C12−アルキル、−C(O)−C−C−アルケニル、−C(O)−C−C−アルキニル、−C(O)−C−C12−シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクロアルキル、−CONH、−CONH−C−C12−アルキル、−CONH−C−C−アルケニル、−CONH−C−C−アルキニル、−CONH−C−C12−シクロアルキル、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、−CONH−ヘテロシクロアルキル、−OCO−C−C12−アルキル、−OCO−C−C−アルケニル、−OCO−C−C−アルキニル、−OCO−C−C12−シクロアルキル、−OCO−アリール、−OCO−ヘテロアリール、−OCO−ヘテロシクロアルキル、−CO−C−C12アルキル、−CO−C−Cアルケニル、−CO−C−Cアルキニル、CO−C−C12−シクロアルキル、−CO−アリール、CO−ヘテロアリール、CO−ヘテロシクロアルキル、−OCONH、−OCONH−C−C12−アルキル、−OCONH−C−C−アルケニル、−OCONH−C−C−アルキニル、−OCONH−C−C12−シクロアルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリール、−OCONH−ヘテロシクロ−アルキル、−NHC(O)H、−NHC(O)−C−C12−アルキル、−NHC(O)−C−C−アルケニル、−NHC(O)−C−C−アルキニル、−NHC(O)−C−C12−シクロアルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−ヘテロアリール、−NHC(O)−ヘテロシクロ−アルキル、−NHCO−C−C12−アルキル、−NHCO−C−C−アルケニル、−NHCO−C−C−アルキニル、−NHCO−C−C12−シクロアルキル、−NHCO−アリール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCO−ヘテロシクロアルキル、−NHC(O)NH、−NHC(O)NH−C−C12−アルキル、−NHC(O)NH−C−C−アルケニル、−NHC(O)NH−C−C−アルキニル、−NHC(O)NH−C−C12−シクロアルキル、−NHC(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−ヘテロアリール、−NHC(O)NH−ヘテロシクロアルキル、NHC(S)NH、−NHC(S)NH−C−C12−アルキル、−NHC(S)NH−C−C−アルケニル、−NHC(S)NH−C−C−アルキニル、−NHC(S)NH−C−C12−シクロアルキル、−NHC(S)NH−アリール、−NHC(S)NH−ヘテロアリール、−NHC(S)NH−ヘテロシクロアルキル、−NHC(NH)NH、−NHC(NH)NH−C−C12−アルキル、−NHC(NH)NH−C−C−アルケニル、−NHC(NH)NH−C−C−アルキニル、−NHC(NH)NH−C−C12−シクロアルキル、−NHC(NH)NH−アリール、−NHC(NH)NH−ヘテロアリール、−NHC(NH)NH−ヘテロシクロアルキル、−NHC(NH)−C−C12−アルキル、−NHC(NH)−C−C−アルケニル、−NHC(NH)−C−C−アルキニル、−NHC(NH)−C−C12−シクロアルキル、−NHC(NH)−アリール、−NHC(NH)−ヘテロアリール、−NHC(NH)−ヘテロシクロアルキル、−C(NH)NH−C−C12−アルキル、−C(NH)NH−C−C−アルケニル、−C(NH)NH−C−C−アルキニル、−C(NH)NH−C−C12−シクロアルキル、−C(NH)NH−アリール、−C(NH)NH−ヘテロアリール、−C(NH)NH−ヘテロシクロアルキル、−S(O)−C−C12−アルキル、−S(O)−C−C−アルケニル、−S(O)−C−C−アルキニル、−S(O)−C−C12−シクロアルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロシクロアルキル、−SONH、−SONH−C−C12−アルキル、−SONH−C−C−アルケニル、−SONH−C−C−アルキニル、−SONH−C−C12−シクロアルキル、−SONH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−SONH−ヘテロシクロアルキル、−NHSO−C−C12−アルキル、−NHSO−C−C−アルケニル、−NHSO−C−C−アルキニル、−NHSO−C−C12−シクロアルキル、−NHSO−アリール、−NHSO−ヘテロアリール、−NHSO−ヘテロシクロアルキル、−CHNH、−CHSOCH、−アリール、−アリールアルキル、−ヘテロアリール、−ヘテロアリールアルキル、−ヘテロシクロアルキル、−C−C12−シクロアルキル、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、−メトキシメトキシ、−メトキシエトキシ、−SH、−S−C−C12−アルキル、−S−C−C−アルケニル、−S−C−C−アルキニル、−S−C−C12−シクロアルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−ヘテロシクロアルキル又はメチルチオ−メチルを含むがこれらに限定されない置換基による1、2又は3個以上の水素原子の独立した置換による置換を指す。アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキルなどは、さらに置換され得ることが理解される。
【0103】
本明細書で使用される用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、単独で又は他の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を指す。
【0104】
本明細書で使用される用語「任意に置換された」は、参照された基が置換されていても置換されていなくてもよいことを意味する。一実施形態では、参照された基は、0個の置換基で任意に置換されており、すなわち、参照された基は置換されていない。別の実施形態では、参照された基は、本明細書に記載の基から個々に独立して選択される1つ以上の追加の基(複数可)で任意に置換される。
【0105】
用語「水素」は、水素及び重水素を含む。さらに、原子の列挙は、得られた化合物が薬学的に許容される限り、その原子の他の同位体を含む。
【0106】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシ活性化基」は、ヒドロキシル基を活性化して、置換又は脱離反応などの合成手順中に脱離することが当業界で知られている不安定な化学的部分を指す。ヒドロキシル活性化基の例には、限定するものではないが、メシラート、トシラート、トリフラート、p−ニトロベンゾアート、ホスホナートなどが挙げられる。
【0107】
本明細書で使用される用語「活性化ヒドロキシル」は、例えば、メシラート、トシラート、トリフラート、p−ニトロベンゾアート、ホスホナート基を含む、上記で定義したヒドロキシル活性化基によって活性化されたヒドロキシ基を指す。
【0108】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシ保護基」は、合成手順中に望ましくない反応からヒドロキシル基を保護することが当業界で知られている不安定な化学的部分を指す。前記合成手順(複数可)の後、本明細書に記載のヒドロキシ保護基を選択的に除去してもよい。当業界で公知のヒドロキシ保護基は、T.H.Greene及びP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons、New York(1999)に概説されている。ヒドロキシ保護基の例には、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシ−カルボニル、イソプロポキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ベンゾイル、メチル、t−ブチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、アリル、ベンジル、トリフェニル−メチル(トリチル)、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−(トリメチルシリル)−エトキシメチル、メタンスルホニル、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリルなどが挙げられる。
【0109】
本明細書で使用される用語「保護されたヒドロキシ」は、例えば、ベンゾイル、アセチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、メトキシメチル基を含む、上記で定義したヒドロキシ保護基によって保護されたヒドロキシ基を指す。
【0110】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシプロドラッグ基」は、ヒドロキシ基を覆うかマスクすることによって、親薬物の物理化学的、ひいては生物学的特性を一時的に変化させることが当業界で知られているプロ部分(promoiety)基を指す。前記合成手順(複数可)の後、本明細書に記載のヒドロキシプロドラッグ基は、インビボでヒドロキシ基に戻ることができなければならない。当業界で公知のヒドロキシプロドラッグ基は、Kenneth B.Sloan、Prodrugs,Topical and Ocular Drug Delivery、(Drugs and the Pharmaceutical Sciences;53巻)、Marcel Dekker,Inc.、New York(1992)に概説されている。
【0111】
本明細書で使用される用語「アミノ保護基」は、合成手順中に望ましくない反応からアミノ基を保護することが当業界で知られている不安定な化学的部分を指す。前記合成手順(複数可)の後、本明細書に記載のアミノ保護基を選択的に除去してもよい。当業界で公知のアミノ保護基は、T.H.Greene及びP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons、New York(1999)に概説されている。アミノ保護基の例には、限定するものではないが、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、9−フルオレニル−メトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。
【0112】
本明細書で使用される用語「保護されたアミノ」は、上記で定義したアミノ保護基によって保護されたアミノ基を指す。
【0113】
用語「脱離基」は、求核置換反応などの置換反応時に、別の官能基又は原子によって置換され得る官能基又は原子を意味する。例として、代表的な脱離基には、クロロ、ブロモ及びヨード基;スルホン酸エステル基、例えば、メシラート、トシラート、ブロシラート(brosylate)、ノシラート(nosylate)など;アシルオキシ基、例えば、アセトキシ、トリフルオロアセトキシなどが挙げられる。
【0114】
本明細書で使用される用語「非プロトン性溶媒」は、プロトン活性に対して比較的不活性である、すなわちプロトン供与体として作用しない溶媒を指す。例としては、限定するものではないが、炭化水素、例えば、ヘキサン及びトルエン、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルムなど、複素環化合物、例えば、テトラヒドロフラン及びN−メチルピロリジノン、並びにエーテル、例えば、ジエチルエーテル、ビス−メトキシメチルエーテルが挙げられる。このような化合物は当業者に周知であり、当業者には、個々の溶媒又はそれらの混合物が、例えば、試薬の溶解性、試薬の反応性、及び好ましい温度範囲などの要因に応じて、特定の化合物及び反応条件にとって好ましい場合があることが明らかであろう。非プロトン性溶媒に関するそれ以上の議論は、有機化学の教科書又は専門の研究論文、例えば、Techniques of Chemistry SeriesのJohn A.Riddickらによって編集されたOrganic Solvents Physical Properties and Methods of Purification、第4版、II巻、John Wiley&Sons、NY、1986に見出すことができる。
【0115】
本明細書で使用される用語「プロトン性溶媒」は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどのプロトンを提供する傾向がある溶媒を指す。このような溶媒は当業者に周知であり、当業者には、個々の溶媒又はそれらの混合物が、例えば、試薬の溶解性、試薬の反応性、及び好ましい温度範囲などの要因に応じて、特定の化合物及び反応条件にとって好ましい場合があることが明らかであろう。プロトン性溶媒に関するそれ以上の議論は、有機化学の教科書又は専門の研究論文、例えば、Techniques of Chemistry SeriesのJohn A.Riddickらによって編集されたOrganic Solvents Physical Properties and Methods of Purification、第4版、II巻、John Wiley&Sons、NY、1986に見出すことができる。
【0116】
本発明によって想定される置換基及び変数の組合せは、安定な化合物の形成をもたらすもののみである。本明細書で使用される用語「安定な」は、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、本明細書に詳述される目的(例えば、対象への治療的又は予防的投与)に有用であるのに十分な期間にわたって化合物の完全性を維持する化合物を指す。
【0117】
合成された化合物は、反応混合物から分離し、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー又は再結晶などの方法によってさらに精製することができる。当業者に理解され得るように、当業者には、本明細書の式の化合物を合成する追加の方法が明らかであろう。さらに、所望の化合物を得るために、代替的な並び又は順序で様々な合成工程を実施してもよい。本明細書に記載の化合物を合成するのに有用な合成化学変換及び基を保護する(保護及び脱保護)方法論は当業界で公知であり、例えば、R.Larock、Comprehensive Organic Transformations、第2版、Wiley−VCH(1999)、T.W.Greene及びP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley and Sons(1999)、L.Fieser及びM.Fieser、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons(1994)、及びL.Paquette編集、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons(1995)並びにこれらの続版に記載されているようなものを包含する。
【0118】
本明細書で使用される用語「対象」は、動物を指す。好ましくは、動物は哺乳動物である。さらに好ましくは、哺乳動物はヒトである。対象とはまた、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、魚、鳥類などを指す。
【0119】
本発明の化合物は、適切な官能性を付加して選択的な生物学的特性を増強することによって修飾され得る。そのような修飾は、当業界で公知であり、所定の生体系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増大させ、経口アベイラビリティーを増大させ、溶解性を増大させて注射による投与を可能にし、代謝を変化させ、排泄速度を変化させるものを包含し得る。
【0120】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含有し、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び絶対立体化学に関して、アミノ酸に対する(R)−若しくは(S)−として、又は(D)−若しくは(L)−として定義され得る他の立体異性形態を生じさせる。本発明は、あらゆるそのような可能な異性体、並びにそれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことを意図する。光学異性体は、それぞれの光学活性前駆体から上記の手順によって、又はラセミ混合物を分割することによって、調製されてもよい。分割は、分割剤の存在下で、クロマトグラフィーによって、若しくは反復結晶化によって、又は当業者に知られているこれらの技術のいくつかを組み合わせることによって行うことができる。分割に関するそれ以上の詳細は、Jacquesら、Enantiomers,Racemates,and Resolutions(John Wiley&Sons、1981)に見出すことができる。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合、他の不飽和、又は他の幾何学的非対称の中心を含有する場合、特に明記しない限り、化合物がE及びZ幾何異性体又はシス及びトランス異性体の両方を含むことが意図される。同様に、あらゆる互変異性形態も含まれることが意図される。互変異性体は、環式又は非環式であり得る。本明細書に現れる任意の炭素−炭素二重結合の配置は、利便性のみで選択され、文脈上そのように記述されない限り、特定の配置を指定することを意図していない。したがって、本明細書で任意にトランスとして描写される炭素−炭素二重結合又は炭素−ヘテロ原子二重結合は、シス、トランス、又は任意の比のこれらの2つの混合物であってよい。
【0121】
本発明の特定の化合物はまた、分離可能であり得る異なる安定な配座形態で存在し得る。例えば立体障害又は環歪みのために、非対称単結合の周りの回転が制限されていることによるねじれ非対称は、異なる配座異性体の分離を可能にし得る。本発明は、これらの化合物の各配座異性体及びそれらの混合物を含む。
【0122】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な便益/リスク比に見合っている塩を指す。薬学的に許容される塩は、当業界で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、66:1−19(1977)で薬学的に許容される塩について詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製の間にその場で調製するか、遊離塩基官能基を好適な有機酸と別個に反応させることによって調製することができる。薬学的に許容される塩の例には、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸を用いるか、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸又はマロン酸などの有機酸を用いるか、又はイオン交換などの当業界で使用される他の方法を用いて形成されるアミノ基の非毒性酸付加塩が挙げられる。他の薬学的に許容される塩には、限定するものではないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。適切な場合、薬学的に許容される塩には、ハライド、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成された非毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオンも挙げられる。
【0123】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加水分解し、人体内で容易に分解して親化合物又はその塩を残すものを含むエステルを指す。好適なエステル基には、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸由来のものが挙げられ、各アルキル又はアルケニル部分は有利には6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例には、限定するものではないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル及びエチルコハク酸エステルが挙げられる。
【0124】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とともに製剤化された治療有効量の本発明の化合物を含む。
【0125】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される担体又は賦形剤」は、任意のタイプの非毒性の不活性固体、半固体若しくは液体の充填剤、希釈剤、封入剤又は製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体としての役割を果たし得る材料のいくつかの例は、ラクトース、ブドウ糖及び蔗糖などの糖類;トウモロコシ澱粉及び馬鈴薯澱粉などの澱粉類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;粉末化トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐薬用ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油類;プロピレングリコールなどのグリコール類;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール及びリン酸塩緩衝液であり、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の混合可能な潤滑剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤及び酸化防止剤も、製剤者の判断に従って組成物中に存在させることができる。
【0126】
本発明の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入スプレー投与、局所投与、直腸投与、経鼻投与、口腔投与、膣内投与又は移植リザーバーを介した投与、好ましくは経口投与又は注射による投与が可能である。本発明の医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含有してもよい。場合によっては、薬学的に許容される酸、塩基又は緩衝剤を用いて製剤のpHを調節して、製剤化された化合物又はその送達形態の安定性を高めてもよい。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内及び頭蓋内注射又は注入技術を包含する。
【0127】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物など、当業界で通常用いられる不活性な希釈剤を含有してもよい。不活性な希釈剤に加えて、経口用組成物は、湿潤剤、乳化懸濁化剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0128】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて、公知の技術に従って製剤化してもよい。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液又はエマルジョン、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液などとしてもよい。許容されるビヒクル及び溶媒のうち、使用され得るものは、水、リンゲル溶液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、溶媒又は懸濁媒体として、滅菌不揮発性油が従来使用されている。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドを含む任意の刺激の少ない不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。
【0129】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、又は使用前に滅菌水又は他の滅菌注射用媒体に溶解又は分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0130】
薬物の効果を引き延ばすために、多くの場合、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、難水溶性の結晶質又は非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。薬物の吸収速度は、その溶解速度に応じて決まり、溶解速度は、ひいては、結晶の大きさ及び結晶形態に応じて決まり得る。あるいは、薬物を油性ビヒクル中に溶解又は懸濁させることによって、非経口投与された薬物形態の吸収が遅くなる。ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって、注射可能なデポー形態(Injectable depot form)が作製される。薬物対ポリマーの比及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合するリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を捕捉することによって調製される。
【0131】
直腸又は膣内投与用の組成物は、本発明の化合物と、外気温では固体であるが体温では液体であるため、直腸又は膣腔内で融解し、活性化合物を放出するココアバター、ポリエチレングリコール又は坐薬用ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤又は担体とを混合することによって調製することができる坐薬であることが好ましい。
【0132】
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤が挙げられる。このような固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性の薬学的に許容される賦形剤又は担体及び/又はa)澱粉、ラクトース、蔗糖、ブドウ糖、マンニトール及びケイ酸などの充填剤又は増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルジナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、蔗糖及びアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯又はタピオカ澱粉、アルギン酸、ある種のシリカート及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤並びにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0133】
類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することもできる。
【0134】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング及び医薬製剤業界で周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製することができる。これらは場合により不透明化剤を含有してもよく、活性成分(複数可)を単独で、又は優先的に、腸管の特定の部分に、場合により遅延して放出する組成物であってもよい。使用可能な埋め込み組成物(embedding composition)の例には、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
【0135】
本発明の化合物の局所又は経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチが挙げられる。滅菌条件下で、活性成分と、薬学的に許容される担体及び必要に応じて任意の必要な防腐剤又は緩衝液とを混合する。眼科用製剤、点耳剤、眼軟膏、散剤及び溶液も、本発明の範囲内であると考えられる。
【0136】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本発明の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば、動物及び植物油脂、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0137】
散剤及びスプレーは、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末又はこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素などの通常の高圧ガスをさらに含有することができる。
【0138】
経皮パッチは、体内に化合物を制御して送達するという追加の利点を有する。そのような剤形は、適切な媒体に化合物を溶解又は分配することによって作製することができる。また、吸収促進剤を使用して、皮膚を通る化合物の流動を増加させることができる。速度制御膜を提供するか、ポリマーマトリックス又はゲル中に化合物を分散させることによって、速度を制御することができる。
【0139】
本発明の治療用組成物は、肺送達のために、固体又は液体の粒状形態で製剤化され、直接投与、例えば呼吸器系への吸入によって患者に投与される。本発明を実施するために調製された活性化合物の固体又は液体の粒状形態には、呼吸可能な大きさの粒子、すなわち、吸入時に口及び喉頭を通過し、肺の気管支及び肺胞に入るのに十分に小さい粒子が包含される。エアロゾル化治療薬、特にエアロゾル化抗生物質の送達は、当業界で公知である(例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるVan Devanterらの米国特許第5,767,068号明細書、Smithらの米国特許第5,508,269号明細書及びMontgomeryの国際公開第98/43650号パンフレットを参照)。
【0140】
抗ウイルス活性
本発明の化合物の阻害量(inhibitory amount)又は用量は、約0.01mg/kg〜約500mg/kg、あるいは約1〜約50mg/kgの範囲であり得る。また、阻害量又は用量は、投与経路並びに他の薬剤との同時使用の可能性に応じて変化する。
【0141】
本発明の治療方法によれば、所望の結果を達成するのに必要な量及び時間にわたって、治療有効量の本発明の化合物を患者に投与することにより、ヒト又は他の動物などの患者のウイルス感染、状態が治療又は予防される。
【0142】
本発明の化合物の「治療有効量」とは、任意の医学的処置に適用可能な妥当な便益/リスク比で、治療される対象に治療効果を与える化合物の量を意味する。治療効果は、客観的(すなわち、何らかの試験又はマーカーによって測定可能)又は主観的(すなわち、対象が効果を示すか感じる)であり得る。上記の化合物の有効量は、約0.1mg/kg〜約500mg/kg、好ましくは約1〜約50mg/kgの範囲であり得る。また、有効用量は、投与経路並びに他の薬剤との同時使用の可能性に応じて変化する。しかし、本発明の化合物及び組成物の1日総使用量は、主治医によって、適切な医学的判断の範囲内で決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者に対する特定の治療上有効な用量レベルは、治療される障害及び障害の重篤度、使用される特定の化合物の活性、使用される特定の組成物、患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別及び食事、使用される特定の化合物の投与時間、投与経路及び排泄速度、治療の継続期間、使用される特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物、医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に応じて決まる。
【0143】
ヒト又は他の動物に単回又は分割用量で投与される本発明の化合物の1日総用量は、例えば、0.01〜50mg/kg体重又はそれ以上、通常0.1〜25mg/kg体重の量であり得る。単回投与組成物は、1日用量を構成するために、そのような量又はその約数を含有してもよい。一般に、本発明による治療レジメンは、このような治療を必要とする患者に、約10mg〜約1000mgの本発明の化合物(複数可)を1日に1回又は複数回投与することを含む。
【0144】
本明細書に記載の本発明の化合物は、例えば、注射、静脈内投与、動脈内投与、真皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与若しくは皮下投与、経口投与、口腔内投与、経鼻投与、経粘膜投与、局所投与、眼科用調製物の形態、若しくは吸入によって、約0.1〜約500mg/kg体重の範囲の投与量、あるいは1mg〜1000mg/用量の投与量で、4〜120時間毎に、又は特定の薬物の要件に従って投与することができる。本明細書中の方法は、所望の効果又は規定された効果を達成するための化合物又は化合物組成物の有効量の投与を企図する。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日当たり約1回〜約6回、あるいは連続注入として投与される。慢性又は急性の治療として、そのような投与を使用することができる。単回剤形を製造するために賦形剤又は担体と薬学的に組み合わせられ得る活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に応じて変化する。典型的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。あるいは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含有してもよい。
【0145】
上記よりも低い又は高い用量が必要とされる場合がある。任意の特定の患者のための具体的な投与量及び治療レジメンは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組合せ、疾患、状態又は症状の重篤度及び経過、疾患、状態又は症状に対する患者の素質、並びに治療する医師の判断を含む様々な要因に応じて決まる。
【0146】
患者の状態が改善されると、必要に応じて、本発明の化合物、組成物又は組合せの維持用量が投与されてもよい。続いて、症状が所望の程度まで軽減された際に、症状の関数として、改善された状態が維持される程度まで、投与量若しくは投与頻度又はその両方を低下させてもよい。しかし、患者は、疾患症状の再発時に長期間にわたり間欠療法を必要とすることがある。
【0147】
本発明の組成物が、本明細書に記載の式の化合物と1つ以上の追加の治療剤又は予防剤との組合せを含む場合、化合物及び追加の薬剤の両方は、単独療法レジメンで通常投与される投与量の約1〜100%、さらに好ましくは約5〜95%の投与量レベルで存在すべきである。追加の薬剤は、本発明の化合物から、複数回投与レジメンの一部として別個に投与されてもよい。あるいは、これらの薬剤は、単一組成物中に本発明の化合物とともに混合された単回剤形の一部であってよい。
【0148】
前記「追加の治療剤又は予防剤」には、限定するものではないが、免疫療法(例えば、インターフェロン)、治療用ワクチン、抗線維化剤、コルチコステロイド又はNSAIDsなどの抗炎症剤、β−2アドレナリン作動薬及びキサンチン(例えば、テオフィリン)などの気管支拡張剤、粘液溶解剤、抗ムスカリン剤、抗ロイコトリエン薬、細胞接着阻害剤(例えば、ICAMアンタゴニスト)、抗酸化剤(例えば、N−アセチルシステイン)、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、肺表面活性剤及び/又は抗微生物剤及び抗ウイルス剤(例えばリバビリン及びアマンチジン)が挙げられる。本発明による組成物は、遺伝子置換療法と組み合わせて使用してもよい。
【0149】
併用療法及び交互療法(ALTERNATION THERAPY)
HIV、HBV及びHCVの薬剤耐性変異体が、抗ウイルス剤による長期治療後に出現し得ることが認識されている。薬物耐性は、最も典型的には、ウイルス複製に使用される酵素などのタンパク質をコードする遺伝子の変異によって起こり、最も典型的にはHIVでは逆転写酵素、プロテアーゼ又はDNAポリメラーゼ、HBVではDNAポリメラーゼ、又はHCVでは、RNAポリメラーゼ、プロテアーゼ若しくはヘリカーゼである。最近、化合物と、主要薬によって引き起こされる変異とは異なる変異を誘発する第2の抗ウイルス化合物、場合により第3の抗ウイルス化合物とを併用投与するか、交互に投与することによって、HIV感染に対する薬物の有効性を延長、増強又は回復させることができることが明らかにされた。併用に使用され得る化合物は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、TLR−7アゴニスト又はTLR−9アゴニストなどのTLR調節物質、治療用ワクチン、ある種の細胞ウイルスRNAセンサーの免疫活性化剤、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、特有のカプシド集合調節物質、特有又は未知の機序の抗ウイルス化合物及びこれらの組合せからなる群から選択される。あるいは、そのような併用療法又は交互療法によって、薬物の薬物動態、生体分布又は他のパラメータを変化させることができる。一般に、併用療法は、ウイルスに対して複数の同時のストレスを誘発するため、交互療法よりも通常好ましい。
【0150】
HBV治療のための併用療法又は交互療法に好ましい化合物には、3TC、FTC、L−FMAU、インターフェロン、アデホビルジピボキシル、エンテカビル、テルビブジン(L−dT)、バルトロシタビン(valtorcitabine)(3’−バリニルL−dC)、β−D−ジオキソラニル−グアニン(DXG)、β−D−ジオキソラニル−2,6−ジアミノプリン(DAPD)及びβ−D−ジオキソラニル−6−クロロプリン(ACP)、ファムシクロビル、ペンシクロビル、ロブカビル、ガンシクロビル並びにリバビリンが挙げられる。
【0151】
本発明は、様々な好ましい実施形態に関して記載されているが、これに限定されるものではなく、むしろ、当業者であれば、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲の範囲内にある変形及び変更が可能であることを認識するであろう。
【0152】
略語
以下のスキーム及び例の説明で使用され得る略語は以下の通りである:アセチルはAc;酢酸はAcOH;アゾビスイソブチロニトリルはAIBN;2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルはBINAP;ジ−tert−ブチル−ジカーボナートはBocO;t−ブトキシカルボニルはBoc;1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルボニルはBpoc;ベンゾイルはBz;ベンジルはBn;tert−ブチルN−ヒドロキシカルバマートはBocNHOH;カリウムtert−ブトキシドはt−BuOK;水素化トリブチルスズはBuSnH;(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートはBOP;塩化ナトリウム水溶液はブライン;N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドはBSA;カルボニルジイミダゾールはCDI;ジクロロメタンはDCM又はCHCl;メチルはCH;アセトニトリルはCHCN;炭酸セシウムはCsCO;塩化銅(I)はCuCl;ヨウ化銅(I)はCuI;ジベンジリデンアセトンはdba;ジフェニルホスフィノブタンはdppb;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エンはDBU;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドはDCC;ジエチルアゾジカルボキシラートはDEAD;アゾジカルボン酸ジイソプロピルはDIAD;N,N,−ジイソプロピルエチルアミンはDIPEA又は(i−Pr)EtN;1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オンはデス−マーチンペルヨージナン;4−ジメチルアミノ−ピリジンはDMAP;1,2−ジメトキシエタンはDME;N,N−ジメチルホルムアミドはDMF;ジメチルスルホキシドはDMSO;ジ(p−メトキシフェニル)−フェニルメチル又はジメトキシ−トリチルはDMT;ジフェニルホスホリルアジドはDPPA;N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドはEDC;N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩はEDC HCl;酢酸エチルはEtOAc;エタノールはEtOH;ジエチルエーテルはEtO;O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートはHATU;塩化水素はHCl;1−ヒドロキシベンゾトリアゾールはHOBT;炭酸カリウムはKCO;n−ブチルリチウムはn−BuLi;i−ブチルリチウムはi−BuLi;t−ブチルリチウムはt−BuLi;フェニルリチウムはPhLi;リチウムジイソプロピルアミドはLDA;リチウム2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジナート(piperidinate)はLiTMP;メタノールはMeOH;マグネシウムはMg;メトキシメチルはMOM;メシル又は−SO−CHはMs;メタンスルホン酸無水物若しくは無水メシル酸(mesyl−anhydride)はMsO;t−ブチルメチルエーテルはMTBE;ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドはNaN(TMS);塩化ナトリウムはNaCl;水素化ナトリウムはNaH;炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)又は炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogen carbonate)はNaHCO;炭酸ナトリウムはNaCO;水酸化ナトリウムはNaOH;硫酸ナトリウムはNaSO;亜硫酸水素ナトリウム(sodium bisulfite)又は亜硫酸水素ナトリウム(sodium hydrogen sulfite)はNaHSO;チオ硫酸ナトリウムはNa;ヒドラジンはNHNH;炭酸水素アンモニウムはNHHCO;塩化アンモニウムはNHCl;N−メチルモルホリンN−オキシドはNMO;過ヨウ素酸ナトリウムはNaIO;ニッケルはNi;ヒドロキシルはOH;四酸化オスミウムはOsO;ポリリン酸はPPA;p−トルエンスルホン酸はPTSA;p−トルエンスルホン酸ピリジニウムはPPTS;ビス(tert−ブチルカルボニルオキシ)ヨードベンゼンはPhI(OPiv);ビス[ロジウム(α,α,α′,α′−テトラメチル−1,3−ベンゼンジプロピオン酸)]はRh(Esp);フッ化テトラブチルアンモニウムはTBAF;トリエチルアミンはTEA又はEtN;トリエチルシリルはTES;塩化トリエチルシリルはTESCl;トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホナートはTESOTf;トリフルオロ酢酸はTFA;テトラヒドロフランはTHF;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンはTMEDA;トリフェニルホスフィンはTPP又はPPh;2,2,2−トリクロロエチルカルボニルはTroc;トシル又は−SO−CCHはTs;トリルスルホン酸無水物(tolylsulfonic anhydride)又はトシル無水物(tosyl−anhydride)はTsO;p−トリルスルホン酸(p−tolylsulfonic acid)はTsOH;パラジウムはPd;フェニルはPh;二水素ジクロロビス(ジ−tert−ブチルホスフィニト−κP)パラダート(II)(dihydrogen dichlorobis(di−tert−butylphosphinito−κP)palladate(II))はPOPd;トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(tris(diben−zylideneacetone)dipalladium(0))はPd(dba);テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)はPd(PPh;トランス−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)はPdCl(PPh;白金はPt;ロジウムはRh;室温はrt;ルテニウムはRu;tert−ブチルジメチルシリルはTBS;トリメチルシリルはTMS;又は塩化トリメチルシリルはTMSCl。
【0153】
合成方法
本発明の化合物及び方法は、本発明の化合物を調製し得る方法を例示する以下の合成スキームに関連して、さらによく理解されるであろう。これらのスキームは例示を目的とするものであり、本発明の範囲の限定を意図するものではない。合成方法の一般的な範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された特定の溶媒、試薬又は反応条件の代わりに、同等、類似又は好適な溶媒、試薬又は反応条件を用いてもよい。
【0154】
式I中の基Bの性質は、以下に示されるように、合成方法の選択に大きな影響を与えるであろう。
【化33】
【0155】
式I中のBが水素である場合、例示的な方法はスキーム1に示されており、X、A、Y、Zは式Iについて先に定義した通りである。出発材料アルデヒドI−1、ケトンI−2(ここでYはエステルなどの電子求引基、又は芳香族基(所望のアリール又はヘテロアリール))及びアミジンI−3はいずれも市販されているか、当業者には容易に調製することができる。ジヒドロピリミジンコアI−4は、メタノール又はトリフルオロエタノールのような溶媒中の酢酸カリウム又は炭酸水素カリウムなどの好適な塩基の存在下で、アルデヒドI−1、ケトンI−2及びアミジンI−3(又はその塩)からワンポット法で調製することができる。ほとんどの場合、この変換には高温が必要である。このコアI−4から出発して、A、X、Y、Zは個々に操作され、様々な官能基に変換される。
【0156】
例えば、I−4中のZがメチルである場合、このメチルはさらに容易に官能化することができる。1つの具体例をスキーム1aに示し、I−4aをNBSで処理すると、臭化メチルI−5が得られる。臭化物は求核剤で置換することができる。したがって、TEA又はピリジンなどの好適な塩基の存在下で、I−5aと様々な二官能性分子Z’(CHGH(式中、GHはアミン、アルコール又はマロナートなどの求核剤であり、Z’は保護ヒドロキシル又はエステルなどの脱離基の前駆体である)とを反応させると、比較的複雑な構造I−6aが得られる。次に、脱保護又は還元によりアルコールを遊離させることによって、Z’を所望の脱離基に変換し、続いてメシラートを形成して1−7aを得る。あるいは、臭化物又はトシラートを使用してもよい。THF、アセトニトリル又はDMFなどの適切な溶媒中で、TEA又はKCOのような塩基で1−7aを処理すると、環化物1−8aが得られる。
【化34】
【0157】
次に、式I−8a中のYをさらに操作することができる。例えば、スキーム1b(式中、Yはエステルである)に示されるように、Rは先に定義した通りである。Rがt−ブチル又はアリルである場合、強酸(HCl又はTFA)又はPd(PPh/モルホリンでそれぞれ処理すると、エステルI−8bを高度なカルボキシル酸中間体I−9bに変換することができる。このカルボキシル酸を主要な中間体として利用することによって、それから様々な官能基を生成することができる。1つの具体例が同じスキームに示されており、このカルボキシル酸をアシルクロリドに変換し、続いてアミンで処理してアミドI−10bを得る。あるいは、この変換はまた、EDC又はDCCなどの脱水試薬並びにTEA、DIPEAのような塩基の存在下で完了することができる。R及びRが水素である場合、このアミドをTFAAなどの脱水試薬で処理すると、ニトリルが得られる。このニトリルはアゾールの高度な中間体としての役割を果たし得る。Rがメチルであり、Rがメトキシルである場合、Weinrebアミドが得られる。次の工程では、このWeinrebアミドをアルデヒドに還元するか、あらゆる種類のグリニャール試薬と反応させて様々なケトンを得る。このケトンは、アゾールを含むさらに複雑なヘテロアリールに対する追加の官能基操作のための後期中間体としての役割を果たし得る。一例を同じスキームに示し、WeinrebアミドI−10bを還元してアルデヒドI−11bを得ることができ、これをLDAなどの塩基の存在下でアセトンと反応させると、α,β−不飽和ケトン1−12bが得られる。I−12bをヒドロキシルアミンで処理し、続いてヨウ素誘導環化してイソオキサゾールI−13cを得る。様々な刊行物(例えば、J.A Joule及びK.Mills、Heterocyclic Chemistry、第5版、557及びその中の参考文献)中に、さらに関連する技術を見出すことができる。G、m’及びRは、先に定義した通りである。
【化35】
【0158】
スキーム1cに示すようなさらに別の具体例では、ピリジンなどの塩基の存在下で、カルボキシル酸I−9bをピリジニウムトリブロミドで処理して、臭化物I−10cを生成させる。この臭化物と、市販されているか、当業者によって容易に調製され得る様々なアリール又はヘテロアリールボロン酸エステル/酸又はスズ試薬とをPd(0)触媒カップリング条件下で反応させて、標的分子I−11cを得る。(概説を参照:A.Suzuki、Pure Applied Chem.、1991、63、419;A.Suzuki、Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis、2002、1、249;A.Anastasiaら、Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis、2002、1、311)。
【化36】
【0159】
スキーム1dに示されるようなさらに別の具体例では、Boc又はCbzなどの適切な保護基で化合物I−4dを保護して、I−5dを得ることができる。スキーム1bに記載されているのと同様の手順に従ってI−5dのエステルを加水分解すると、酸I−6dが得られる。カルボキシル酸I−6dを少なくとも2当量のNBSで処理すると、ジブロモ化合物I−7dが得られる。このジブロモI−7dから出発して、I−5aをI−8aに変換するためのスキーム1aに記載の同様の化学手順に従って、5−ブロモ化合物I−10cを生成する。5−ブロモ化合物I−10cから、スキーム1cで論じたように標的I−11cが得られる。
【化37】
【0160】
スキーム1eに示すようなさらに別の具体例では、スキーム1に示すアミジンI−3を尿素に置換すると、I−4に対するジヒドロピリミジン−2−オンI−4a類似体が生成される。TEA又はDIPEAなどの塩基の存在下で、このファミリーの分子を(Boc)Oで処理すると、N−3 Boc保護生成物I−5eが得られることは、文献でよく知られている(A.Karnailら、Journal of Organic Chemistry、1989、54、5898)。NaHなどの適切な塩基の存在下で、所望のR基を有するRBrのようなアルキル化試薬を用いて、この中間体I−5eをアルキル化すると、N−1アルキル化中間体I−6eが得られる。HCl又はTFAのような酸でI−6eを処理すると、N−3 Boc保護基が除去される。続いてこの材料をPOCl中で加熱して、2−クロロジヒドロピリミジンI−7eを得る。この塩化物と、市販されているか、当業者によって容易に調製され得る様々なアリール又はヘテロアリールボロン酸エステル/酸又はスズ試薬とをPd(0)触媒カップリング条件下で反応させて、所望のA基を含有する標的分子I−8eを得る。I−8eと1当量のNBSとを反応させると、6−メチルが臭素化されて、高度な中間体I−9eが得られる。適切な塩基の存在下で、I−9e中の臭化物をMHを有する所望のM基で置換して、I−10eを得ることができる。分子I−10eでは、Yが所望のアリール又はヘテロアリール基である場合、I−10eは所望の標的であり、Yがエステルである場合、スキーム1b及びスキーム1cに記載されているあらゆる化学反応を適用して、所望の生成物を得ることができる。R及びMは先に定義した通りである。
【化38】
【0161】
一方、スキーム1fに示されるように、I−9e中のRがI−9e’などの求核剤を含有する場合、塩基、TEA又はNaHで処理すると、中間体I−8aが得られる。
【化39】
【0162】
一方、BがCN又はアルキル基である場合、最終標的の調製には段階的な経路が必要とされる。スキーム2に示されるように、ピペリジン/酢酸などの触媒系の存在下で、アルデヒドI−1及びI−2を互いに反応させて、α,β−不飽和ケトンII−1を得る。このα,β−不飽和ケトンII−1と、市販され得るか、CuI及びBMgX(又はBLi)からその場で容易に生成することができる銅試薬CuBとを反応させる。次いで、ワンポット法の場合と同様の上記の方法で、新たに形成されたα,β−不飽和ケトンII−2と、I−3とを反応させて、所望の標的Iを得る。
【化40】
【0163】
具体例では、Bはメチルであり、Xはアリール又はヘテロアリールであるが、同様の公開されている先行例(例えば、国際公開第2013/102655号パンフレット)に従って、スキーム2aに記載されている化学反応を用いて、スキーム2中のIを導入することができる。InClの存在下で、メチルケトン等価物としての役割を果たす末端アセチレン(distal acetylene)I−1aと、ケトンI−2とを反応させて、α,β−不飽和ケトンII−1aを得、次いで、これとアミジンI−3とを反応させると、Iの4−メチル類似体であるIaが得られる。
【化41】
【0164】
Iが得られると、スキーム1aからスキーム1fに記載されたあらゆる化学反応をここに適用して、所望の標的を得ることができる。
【0165】
あるいは、ある場合には、Bが水素である場合であっても、標的を得るためにスキーム2と同様の段階的手順が必要とされる。
【0166】
式(I)の化合物の合成は、任意の化学官能基の適切な操作及び保護を用いて、上記の方法及び実験の部に記載の方法と類似の方法によって達成されることが理解されよう。好適な保護基は、限定されるものではないが、T W Greene及びP G M Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版(1999)、J Wiley and Sonsに見出されるものであり得る。
【0167】
限定するものではないが、要約書、論説、雑誌、出版物、テキスト、論文、インターネットウェブサイト、データベース、特許及び特許公報を含む、本明細書で引用したあらゆる参考文献は、印刷物、電子、コンピュータ可読記憶媒体又は他の形態のいずれであろうと、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。
【0168】
開示された実施形態に対する様々な変更及び改変は当業者には明らかであり、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤及び/又は方法に関連するものを含むが、これらに限定されるものではないそのような変更及び改変は、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく実施することができる。
【0169】
本発明は、様々な好ましい実施形態に関して記載されているが、これに限定されるものではなく、むしろ、当業者であれば、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲の範囲内にある変形及び変更が可能であることを認識するであろう。
【0170】

本発明の化合物及び方法は、単に例示として意図され、本発明の範囲を限定するものではない以下の例に関連して、さらによく理解されるであろう。
【0171】
中間体1
【化42】

工程1−1a。エチル(R)−2−ヒドロキシプロパノアート(5g、42.3mmol)及び2,2,6−トリメチル−4H−1,3−ジオキシン−4−オン(6g、42.3mmol)の溶液を120℃で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、黄色油状物として所望の生成物を得(9g、粗製)、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。ESI MS m/z=203.25[M+H]
【0172】
工程1−1b。工程1−1aから得られた化合物(5g、24.5mmol)、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒド(4.3g、27.3mmol)、TsOH(cat)及びHOAc(cat)のトルエン(60mL)溶液を110℃で一晩撹拌した。混合物を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル)にかけて、黄色固体として所望の生成物を得た(5.93g、70.0%)。ESI MS m/z=343.00[M+H]
【0173】
工程1−1c。工程1−1bから得られた化合物(5g、14.6mmol)、チアゾール−2−カルボキシイミドアミドHCl塩(2.38g、14.6mmol)及びKCO(2.01g、14.6mmol)のDMF(20mL)溶液を80℃で2時間撹拌した。これをEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、濾過し、濃縮した。シリカゲルカラム(酢酸エチル/石油エーテル)によって残渣を精製した後、0℃でEtOHから混合物を再結晶して、黄色固体として所望の生成物を得た(1.25g、25.0%)。ESI MS m/z=452.05[M+H]
【0174】
工程1−1d。工程1−1cから得られた化合物(950mg、2.10mmol)、(Boc)O(915.6mg、4.20mmol)及びDMAP(307mg、2.51mmol)のDCM(30mL)溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル)にかけて、黄色固体として所望の化合物を得た(1.07g、92%)。ESI MS m/z=552.30[M+H]
【0175】
工程1−1e。NaOH[40mL、HO/MeOH(1:5)中2M]の溶液中の工程1−1dから得られた化合物(965mg、1.75mmol)の溶液を室温で18時間撹拌した。HCl水溶液(4N)を用いてpH5に酸性化した後、DCMを用いて混合物を抽出した。NHCl水溶液及びHOで有機層を洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/石油エーテル)にかけて、黄色固体として所望の化合物を得た(620mg、78%)。ESI MS m/z=452.15[M+H]
【0176】
工程1−1f。工程1−1eから得られた化合物(250mg、0.55mmol)のDCM(10mL)溶液を、室温で6時間、NBS(295mg、1.66mmol)で処理した。水(2mL)の添加により反応をクエンチし、DCMを用いて抽出した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(C18カラム、MeCN/HO)にかけて、黄色固体として表題化合物を得た(103.5mg、33%)。ESI MS m/z=566.10、568.10[M+H]H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ8.04(m,2H),7.98(d,1H),7.57(m,1H),7.23(m,1H),6.35(s,1H),4.45(m,2H),1.15(s,9H).
【0177】
中間体2
【化43】

工程2−2a。室温で、1−エチニル−4−フルオロベンゼン(21.500g、179mmol)及びアリルアセトアセタート(25.4g、179mmol)のキシレン(170ml)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)(2.012g、3.58mmol)を加えた。混合物を120℃で3時間加熱した後、冷却し、濃縮した。残渣をDCM及びヘキサン(約2/1)で希釈し、濾過した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により濾液を直接精製して、黄色油状物として所望の化合物を得た(25.80g、55%)。H NMR(400 MHz,CDCl)δppm 7.23−7.16(m,2H),7.09−7.00(m,2H),5.98−5.89(m,0.5 H),5.66−5.56(m,0.5 H),5.37−5.24(m,1 H),5.18−5.08(m,1 H),4.70(dt,J=5.7,1.4 Hz,1 H),4.41(dt,J=6.0,1.3 Hz,1 H),2.40(s,1.5 H),2.35(s,1.5 H),2.30(s,1.5 H),1.90(s,1.5 H).
【0178】
工程2−2b。120℃で、チアゾール−2−カルボキシイミドアミド塩酸塩(5.49g、33.6mmol)及び炭酸水素ナトリウム(5.64g、67.1mmol)の混合物のNMP(46ml)溶液に、工程2−2aから得られた化合物(8.80g、33.6mmol)のNMP(20ml)溶液を加えた。混合物をN下、120℃で2.5時間加熱した後、冷却し、MTBE及び水で希釈した。有機層を水(×1)、ブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色油状物として所望の化合物を得た(5.10g、41%)。ESI MS m/z=372.13[M+H]
【0179】
工程2−2c。工程2−2bから得られた化合物(5.10g、13.73mmol)、(Boc)O(5.74ml、24.72mmol)及びDMAP(3.35g、27.5mmol)のDCM(60ml)溶液を室温で3時間撹拌した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により混合物を直接精製して、橙色油状物として所望の化合物を得た(5.50g、85%)。ESI MS m/z=472.18[M+H]
【0180】
工程2−2d。室温で、工程2−2cから得られた化合物(0.630g、1.336mmol)及びモルホリン(0.122ml、1.403mmol)の混合物のTHF(8ml)溶液に、Pd(PPh(0.077g、0.067mmol)を加えた。混合物をN下室温で1.5時間撹拌した後、濃縮した。残渣をEtOAc及び水で希釈した。1N HCl水溶液(約1.5ml)を加えて、2つの透明層を得た。有機層をブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(0.576g、100%)。ESI MS m/z=432.14[M+H]
【0181】
工程2−2e。室温で、工程2−2dから得られた化合物(0.290g、0.672mmol)のDCM(6ml)及びヘプタン(6.00ml)溶液に、NBS(0.251g、1.411mmol)を加えた。得られた懸濁液を室温で20時間撹拌した後、DCM及び飽和NaHCO水溶液で希釈した。DCM(×1)を用いて水層を抽出した。合一した有機層をNaSO上(複数可)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、無色の泡状物として表題化合物を得た(0.344g、94%)。ESI MS m/z=543.97、545.97、547.97[M+H]
【0182】
例1
【化44】

工程1a。室温で、エチル2−ニトロアセタート(0.941g、7.07mmol)のDMF(50ml)溶液に、NaH(鉱油中60%、0.283g、7.07mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した後、0℃に冷却した。中間体1(2.000g、3.54mmol)を0℃で加えた。得られた溶液を0℃で2時間、次いで室温で一晩撹拌した。飽和NHCl水溶液を用いてこれをクエンチし、DCM及びEtOAcで希釈した。有機層を水(×1)、ブライン(×2)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として所望の化合物を得た(0.903g、41%)。ESI MS m/z=617.03、619.03[M+H]
【0183】
工程1b。室温で、工程1aから得られた化合物(450mg、0.728mmol)及び1−メチル−3−(トリブチルスタニル)−1H−ピラゾール(351mg、0.947mmol)のトルエン(12ml)溶液に、Pd(PhP)(126mg、0.109mmol)を加えた。混合物を3回脱気した後、マイクロ波反応器を用いて135℃で45分間加熱した。上記の反応を1回繰り返した。反応混合物を合一し、直接クロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として所望の化合物を得た(525.0mg、58%)。ESI MS m/z=619.16、621.15[M+H]
【0184】
工程1c。工程1bから得られた化合物(60mg、0.097mmol)の透明な黄橙色のDCM(2.0ml)及びTFA(1.0ml)溶液を室温で1時間撹拌した後、濃縮した。残渣をトルエン(×2)、次いでDCM及びいくらかのDIPEAと同時蒸発(co−evaporated)させた。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として所望の化合物を得た(42.0mg、84%)。ESI MS m/z=519.10、521.11[M+H]
【0185】
工程1d。ラネー2800Ni(過剰、水中スラリー)をTHF(×3)で洗浄した。室温で、工程1cから得られた化合物(42mg、0.081mmol)のTHF(2ml)溶液を加え、続いて(Boc)O(0.056ml、0.243mmol)を加えた。得られた混合物をHバルーンを用いて50℃で6時間撹拌した。これをMeOHで希釈し、短いセライトパッドを通して濾過し、DCM/MeOH(1/1)で洗浄した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として所望の化合物を得た(21.0mg、44%)。ESI MS m/z=589.18、591.18[M+H]
【0186】
工程1e。工程1dから得られた化合物(21mg、0.036mmol)のTHF(2ml)溶液に、LiBH(過剰)を加えた。混合物を75℃で45分間加熱した後、冷却した。気泡が観察されなくなるまで0.5N HCl溶液を滴下した。混合物をEtOAc及び水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として所望の化合物を得た(11.8mg、60%)。ESI MS m/z=547.17、549.17[M+H]
【0187】
工程1f。0℃で、工程1eから得られた化合物(11.8mg、0.022mmol)のDCM(2ml)溶液に、EtN(6.01μl、0.043mmol)、続いてMsCl(2.52μl、0.032mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した後、DCM及び水で希釈した。DCM(×2)を用いて水層を抽出した。合一した有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣を真空乾燥して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(13.5mg、100%)。ESI MS m/z=625.15、627.15[M+H]。MSは、生成物の約50%が既に環化していることを示した。
【0188】
工程1g。室温で、工程1fから得られた化合物(13.5mg、0.022mmol)のDCM(2ml)溶液に、EtN(6.02μl、0.043mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1.5時間、次いで40℃で4時間撹拌した。これを濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)にかけて、黄色泡状物として表題化合物を得た(10.0mg、88%)。
ESI MS m/z=529.16、531.16[M+H]
【0189】
例2
【化45】

工程2a。室温で、例1(10.0mg、0.019mmol)のDCM(2ml)溶液に、4N HClの1,4−ジオキサン溶液(0.095ml、0.378mmol)を加えた。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。さらに、4N HClの1,4−ジオキサン溶液(0.095ml、0.378mmol)を加えた。懸濁液を室温で1時間撹拌した後、濃縮した。残渣をトルエンと同時蒸発させ、真空乾燥して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(8.5mg、100%)。ESI MS m/z=429.11、431.11[M+H]
【0190】
工程2b。室温で、工程2aから得られた化合物(8.5mg、0.019mmol)のピリジン(1ml)溶液に、シクロプロパンスルホニルクロリド(5.34mg、0.038mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した後、30℃で一晩加熱した。DMAP(2.321mg、0.019mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱した後、冷却し、水を用いてクエンチした。これを濃縮した。残渣をトルエンと同時蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH)にかけて、黄色泡状物として表題化合物を得た(4.7mg、44%)。ESI MS m/z=533.10、535.10[M+H]
H NMRは、それが2つのジアステレオマーの混合物であることを示した(dr約3/2)。
【0191】
例3
【化46】

Chiralpak OD−Hカラム(30%i−PrOHのヘキサン溶液で溶出する)を用いた例2のキラルHPLC分離により、表題化合物を得た。ESI MS m/z=533.10、535.10[M+H]
【0192】
例3の調製のための代替経路:
【化47】

工程3a。0℃に冷却したトルエン(54ml)中の中間体1(3.00g、5.30mmol)及びエチル2−((ジフェニルメチレン)アミノ)アセタート(1.985g、7.42mmol)の懸濁液に、O−アリル−N−(9−アントラセニルメチル)シンコニジニウムブロミド(0.321g、0.530mmol)を加え、続いて50%KOH水溶液(17.68ml、265mmol)を滴下した。混合物を0℃で2時間激しく撹拌した後、飽和NaHCO水溶液及びMTBEで希釈した。有機層を飽和NaHCO水溶液(×1)、ブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を真空乾燥して、黄色泡状物として所望の化合物を得(5.40g)、これを次の工程に直接使用した。ESI MS m/z=751.14、753.14[M+H]
【0193】
工程3b。工程3aから得られた化合物(5.40g、5.30mmol)の透明な橙色のTHF(30ml)、水(30.00ml)及びAcOH(20.00ml)溶液を室温で2.5時間撹拌した後、濃縮した。残渣をDCM及びいくらかのEtN(×1)と同時蒸発させた。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(2.540g、2工程で82%)。ESI MS m/z=587.06、589.06[M+H]H NMRは、drが約5/1であることを示した。
【0194】
工程3c。室温で、工程3bから得られた化合物(0.500g、0.851mmol)の透明な黄色のDCM(10ml)溶液に、DMAP(0.208g、1.701mmol)、続いてCbz−Cl(0.146ml、1.021mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液を用いてクエンチし、EtOAc及び水で希釈した。有機層をブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色固体として所望の化合物を得た(0.284g、46%)。ESI MS m/z=721.11、723.11[M+H]
【0195】
工程3d。室温で、工程3cから得られた化合物(0.284g、0.393mmol)及び1−メチル−3−(トリブチルスタニル)−1H−ピラゾール(0.190g、0.511mmol)のトルエン(8ml)溶液に、Pd(PhP)(68.2mg、0.059mmol)を加えた。混合物を3回脱気した後、マイクロ波反応器を用いて135℃で45分間加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により混合物を直接精製して、黄色油状物として所望の化合物を得た(0.240g、84%)。ESI MS m/z=723.24、725.24[M+H]
【0196】
工程3e。工程3dから得られた化合物(0.240g、0.332mmol)のDCM(4ml)及びTFA(2.000ml)溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣をトルエン(×1)、次いでDCM及びいくらかのEtN(×1)と同時蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色固体として所望の化合物を得た(0.195g、94%)。ESI MS m/z=623.18、625.17[M+H]
【0197】
工程3f。室温で、工程3eから得られた化合物(0.195g、0.313mmol)のTHF(6ml)溶液に、LiBH(THF中1.0M、0.939ml、0.939mmol)を加えた。混合物を室温で4.5時間撹拌した。気泡が観察されなくなるまで1.0N HCl溶液を滴下した。過剰のトリアミンを加えた。混合物を室温で10分間撹拌した後、EtOAc及び飽和NHCl水溶液で希釈した。有機層をブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(0.165g、91%)。ESI MS m/z=581.16、583.16[M+H]
【0198】
工程3g。工程3fから得られた化合物(0.145g、0.250mmol)の0℃に冷却した黄色のDCM(5ml)溶液に、EtN(0.070ml、0.499mmol)、続いてMsCl(0.029ml、0.374mmol)のDCM(0.1ml)溶液を加えた。得られた混合物を0℃で1時間撹拌した後、DCM及び水で希釈した。DCM(×2)を用いて水層を抽出した。合一した有機層をNaSO上(複数可)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をDCM(5ml)中に回収した。EtN(0.070ml、0.500mmol)を加えた。混合物を40℃で6時間撹拌した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により混合物を直接精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(0.124g、88%)。ESI MS m/z=563.15、565.14[M+H]
【0199】
工程3h。30%HBrの酢酸(15.56ml、86mmol)溶液を用いて、工程3gから得られた化合物(2.420g、4.30mmol)を室温で1時間処理した。ロータベーパー(rotavapor)により、混合物から揮発性物質を除去した。ヘキサン/DCM(約2/1、×2)を用いて、残渣の油状物を粉砕した。残渣の油状物をMeOHに溶解し、0℃で過剰の7M NHのMeOH溶液に注いだ。得られた透明溶液を0℃で15分間撹拌した後、濃縮した。残渣をDCMと水に分配させた。DCM(×2)を用いて水層を抽出した。合一した有機層をNaSO上(複数可)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の主要ジアステレオマーを得た(1.410g、76%)。ESI MS m/z=429.10、431.09[M+H]
【0200】
工程3i。室温で、工程3hから得られた化合物(26.1mg、0.061mmol)の黄色のDCM(2ml)溶液に、DMAP(14.87mg、0.122mmol)、続いてシクロプロパンスルホニルクロリド(9.30μl、0.091mmol)のDCM(0.1ml)溶液を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、室温で過剰のi−PrOHを用いてクエンチした。混合物を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として表題化合物を得た(26.3mg、81%)。ESI MS m/z=533.10、535.10[M+H]
【0201】
例4
【化48】

工程4a。0℃に冷却したトルエン(17ml)中の中間体2(0.945g、1.733mmol)及びエチル2−((ジフェニルメチレン)アミノ)アセタート(0.927g、3.47mmol)の懸濁液に、O−アリル−N−(9−アントラセニルメチル)シンコニジニウムブロミド(0.105g、0.173mmol)を加え、続いて50%KOH水溶液(5.78ml、87mmol)を滴下した。混合物を0℃で2時間激しく撹拌した後、飽和NaHCO水溶液及びMTBEで希釈した。有機層を飽和NaHCO水溶液(×1)、ブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を真空乾燥して、黄色泡状物として所望の化合物を得(1.830g)、これを次の工程に直接使用した。ESI MS m/z=731.17、733.17[M+H]
【0202】
工程4b。工程4aから得られた化合物(1.268g、1.733mmol)の透明な橙色のTHF(9ml)、水(9.00ml)及びAcOH(6.00ml)溶液を室温で4時間撹拌した後、濃縮した。残渣をDCM及び飽和NaHCO水溶液中に回収した。DCM(×1)を用いて水層を抽出した。合一した有機層をNaSO上(複数可)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(0.820g、2工程で83%)。ESI MS m/z=567.11、569.11[M+H]
【0203】
工程4c。室温で、工程4bから得られた化合物(50.0mg、0.088mmol)の透明な黄色のDCM(0.6ml)溶液に、4M HClの1,4−ジオキサン(0.551ml、2.203mmol)溶液を加えた。得られた透明溶液を室温で0.5時間撹拌した後、揮発性物質を除去した。残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。DCM(×1)を用いて水層を抽出した。合一した有機層をNaSO上(複数可)で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を真空乾燥して、黄色泡状物として所望の化合物を得(40.8mg)、これを次の工程に直接使用した。ESI MS m/z=467.05、469.05[M+H]
【0204】
工程4d。室温で、工程4cから得られた化合物(40.8mg、0.087mmol)の透明な黄色のDCM(2ml)溶液に、DMAP(21.33mg、0.175mmol)を加え、続いてシクロプロパンスルホニルクロリド(9.78μl、0.096mmol)のDCM(0.1ml)溶液を滴下した。溶液を室温で3時間撹拌した。室温で過剰のi−PrOHを加えて、反応をクエンチした。5分後、混合物を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(40.6mg、81%)。ESI MS m/z=571.05、573.05[M+H]
【0205】
工程4e。室温で、工程4dから得られた化合物(40.6mg、0.071mmol)のTHF(1ml)溶液に、LiBHのTHF(1.0M、0.213ml、0.213mmol)溶液を加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した。気泡が観察されなくなるまで0.5N HCl溶液を滴下した。過剰のトリアミンを加えた。混合物を室温で10分間撹拌した後、EtOAc及び水で希釈した。有機層をブライン(×1)で洗浄し、NaSO(複数可)上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により残渣を精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(32.4mg、86%)。ESI MS m/z=529.04、531.04[M+H]
【0206】
工程4f。室温で、工程4eから得られた化合物(32.4mg、0.061mmol)の1,2−ジクロロエタン(2ml)溶液に、トリエチルアミン(0.026ml、0.184mmol)、続いてメタンスルホン酸無水物(11.19mg、0.064mmol)を加えた。溶液を55℃で2時間撹拌した。さらにメタンスルホン酸無水物(11.19mg、0.064mmol)を加えた。溶液を55℃で1.5時間撹拌した後、冷却した。室温で2滴のi−PrOHを加えた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により混合物を直接精製して、黄色泡状物として所望の化合物を得た(27.4mg、88%)。ESI MS m/z=511.03、513.03[M+H]
【0207】
工程4g。室温で、工程4fから得られた化合物(27.4mg、0.054mmol)及び1−メチル−3−(トリブチルスタニル)−1H−ピラゾール(25.9mg、0.070mmol)のトルエン(2ml)溶液に、Pd(PhP)(9.29mg、8.04μmol)を加えた。混合物を3回脱気した後、マイクロ波反応器を用いて135℃で45分間加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/EtOAc)により混合物を直接精製して、黄色泡状物として表題化合物を得た(19.2mg、70%)。ESI MS m/z=513.15[M+H]
【0208】
例5
【化49】

Chiralpak OD−Hカラム(10%i−PrOHのヘキサン溶液で溶出する)を用いた例4のキラルHPLC分離により、表題化合物を得た。ESI MS m/z=513.15[M+H]
【0209】
例6
【化50】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=507.08、509.08[M+H]
【0210】
例7
【化51】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=521.10、523.10[M+H]
【0211】
例8
【化52】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=535.12、537.12[M+H]
【0212】
例9
【化53】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=583.12、585.11[M+H]
【0213】
例10
【化54】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=547.12、549.11[M+H]
【0214】
例11
【化55】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=547.11、549.11[M+H]
【0215】
例12
【化56】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=579.10、581.10[M+HO+H]
【0216】
例13
【化57】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=593.11、595.11[M+HO+H]
【0217】
例14
【化58】

工程3iと同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=569.10、571.10[M+H]
【0218】
例15
【化59】

例3の調製のための代替経路と同様の手順に従って、表題化合物を調製した。ESI MS m/z=520.07、522.06[M+H]
【0219】
例16
【化60】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=531.14[M+H]
【0220】
例17
【化61】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=536.12、538.11[M+H]
【0221】
例18
【化62】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=534.08、536.08[M+H]
【0222】
例19
【化63】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=533.10、535.10[M+H]
【0223】
例20
【化64】

工程20a。工程3hから得られた化合物(50.0mg、0.117mmol)及びスルファミド(33.6mg、0.350mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)溶液をNでフラッシュし、次いで密封管内で110℃で5時間加熱した。混合物を冷却し、N流を用いて揮発性物質を除去した。残渣をDMSO(2ml)に溶解し、濾過した。HPLC(水中40〜90%ACN)により濾液を直接精製して、褐色固体として表題化合物を得た(42mg、72%)。ESI MS m/z=508.07、510.07[M+H]
【0224】
例21
【化65】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=534.08、536.08[M+H]
【0225】
例22
【化66】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=547.11、549.11[M+H]
【0226】
例23
【化67】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=530.09、532.09[M+H]
【0227】
例24
【化68】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製した。ESI MS m/z=569.08、571.08[M+H]
【0228】
例25
【化69】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製する。
【0229】
例26
【化70】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製する。
【0230】
例27
【化71】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製する。
【0231】
例28
【化72】

例5の手順と同様の手順に従って表題化合物を調製する。
【0232】
生物学的活性
方法:以前に報告されたようにHepAD38細胞を維持する(Ladnerら、Antimicrob.Agents Chemother.1997、4、1715)。要約すると、10%FBS、Penn/Strep、250μg/mLのG418及び1μg/mLのテトラサイクリンの存在下で、DMEM/F12培地中でコンフルエントになった時点で細胞を継代する。最初に細胞をPBSで3回洗浄してテトラサイクリンを除去し、96ウェルプレートに35,000細胞/ウェルで播種することにより、新規化合物をスクリーニングする。次いで、DMSOに溶解した化合物を、細胞を含むウェル中で1:200に希釈する。化合物を加えて5日後、分析のために材料を採取する。長期に及ぶ8日間の分析のために、細胞を上記のように播種し、処理するが、培地及び化合物は、最初の処理後にd2及びd5に補充する。
【0233】
採取日に、Sidestep Lysis及びStabilization Bufferを用いて溶解することによってビリオンDNAを得、次いで定量的リアルタイムPCRで定量する。それぞれのアッセイの線形範囲に一致するようにサンプルを希釈した後、メーカーの推奨プロトコールに従い、市販のELISAキットを用いて、ウイルスタンパク質HBsAg(Alpco)又はHbeAg(US Biological)を定量する。読み出しとは無関係に、薬物を使用していない対照と比較して、細胞溶解物又は上清中のウイルス産物の蓄積を50%減少させる化合物濃度(EC50)を報告する。EC50範囲は以下の通りである:A<0.1μM;B 0.1〜1μM;C>1μM。
【0234】
化合物の毒性は、15,000細胞/ウェルで細胞を播種し、上記のように化合物を用いて処理することによって評価する。化合物を加えて3日後、ATPLite試薬を用いて細胞を処理し、薬物を使用していない対照と比較して、ウェルの総ATP値を50%低下させる化合物濃度(CC50)を報告する。CC50範囲は以下の通りである:A>25μM;B 10〜25μM;C<10μM。
【表1】
【0235】
好ましい実施形態を参照して、本発明を具体的に示し、記載してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細を様々に変更し得ることを理解するであろう。
【国際調査報告】