(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019521986
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】多重特異性抗体の精製
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/36 20060101AFI20190712BHJP
   C07K 1/18 20060101ALI20190712BHJP
   C07K 1/20 20060101ALI20190712BHJP
   C07K 1/22 20060101ALI20190712BHJP
   C07K 1/34 20060101ALI20190712BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20190712BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20190712BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20190712BHJP
【FI】
   !C07K1/36
   !C07K1/18ZNA
   !C07K1/20
   !C07K1/22
   !C07K1/34
   !C12P21/02 C
   !C07K16/46
   !A61P27/02
   !A61P35/00
   !A61K39/395 N
   !A61K47/68
   !C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】146
(21)【出願番号】2018565786
(86)(22)【出願日】20170616
(85)【翻訳文提出日】20190213
(86)【国際出願番号】US2017038007
(87)【国際公開番号】WO2017218977
(87)【国際公開日】20171221
(31)【優先権主張番号】62/351,908
(32)【優先日】20160617
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サウス サンフランシスコ ディーエヌエー ウェイ 1
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ギース, グレン スコット
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア 94080, サウス サンフランシスコ, ディーエヌエー ウェイ 1, シー/オー ジェネンテック, インコーポレイテッド
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンベルガー, エーファ
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】サリエル, ベルナール
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】コンラート, ズザンネ
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】ケーンライン, ヴォルフガング
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルマン, シュテッフェン
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】ビアラス, アガーテ
【住所又は居所】スイス国 4070 バーゼル, グレンツァッハーシュトラーセ 124, シー/オー エフ.ホフマン−ラ ロシュ アクチェンゲゼルシャフト
(72)【発明者】
【氏名】カレアス−キャロル, キンバリー アン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア 94080, サウス サンフランシスコ, ディーエヌエー ウェイ 1, シー/オー ジェネンテック, インコーポレイテッド
(72)【発明者】
【氏名】イグゾー, インゲス
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア 94080, サウス サンフランシスコ, ディーエヌエー ウェイ 1, シー/オー ジェネンテック, インコーポレイテッド
【テーマコード(参考)】
4B064
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064BJ12
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA10
4B064CA11
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE06
4B064CE11
4B064CE12
4B064DA01
4C076BB11
4C076CC10
4C076CC27
4C076EE41
4C076FF70
4C076GG50
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD32
4C085DD33
4C085DD34
4C085DD36
4C085DD41
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA10
4H045GA23
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、多重特異性抗体を精製する方法を提供する。方法は、捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、及び第2の混合モードクロマトグラフィーを行う逐次的なステップを含む。いくつかの態様では、本発明は、多重特異性抗体の組成物を提供し、その組成物は、1つ以上の生成物特異的不純物及び/またはプロセス特異的不純物の低減されたレベル有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重特異性抗体を、前記多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法であって、前記多重特異性抗体が複数のアームを含み、各アームがVH/VL単位を含み、前記方法が、逐次的な、
a)前記組成物を捕獲クロマトグラフィーにかけて、捕獲クロマトグラフィー溶出物を生成するステップと、
b)前記捕獲クロマトグラフィー溶出物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップと、
c)前記第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップと、
d)前記多重特異性抗体を含む画分を収集するステップと、を含み、
前記方法が、前記組成物の生成物特異的不純物の量を低減する、前記方法。
【請求項2】
前記捕獲クロマトグラフィー溶出物が、前記第1の混合モードクロマトグラフィーの前にイオン交換またはHICクロマトグラフィーにかけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
多重特異性抗体を、前記多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法であって、前記多重特異性抗体が複数のアームを含み、各アームがVH/VL単位を含み、前記多重特異性抗体の各アームが別々に生成され、前記方法が、逐次的な、
a)前記多重特異性抗体の各アームを捕獲クロマトグラフィーにかけて、前記多重特異性抗体の各アームに対する捕獲溶出物を生成するステップと、
b)前記多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で、前記多重特異性抗体の各アームの捕獲溶出物を含む混合物を形成するステップと、
c)前記多重特異性抗体を含む前記組成物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップと、
d)前記第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成することと、
e)前記多重特異性抗体を含む画分を収集するステップと、を含み、
前記方法が、前記組成物の生成物特異的不純物の量を低減する、前記方法。
【請求項4】
前記多重特異性抗体を含む前記組成物が、前記第1の混合モードクロマトグラフィーの前にイオン交換またはHICクロマトグラフィーにかけられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記捕獲クロマトグラフィーが、親和性クロマトグラフィーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記親和性クロマトグラフィーが、プロテインLクロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA及びプロテインGクロマトグラフィーである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記親和性クロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィーである、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記捕獲クロマトグラフィーが、結合及び溶出モードで実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の混合モードクロマトグラフィー及び前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、連続的である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、混合モードアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、混合モードカチオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、混合モードカチオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、混合モードアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1〜10及び12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、結合及び溶出モードで実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
溶出が勾配溶出である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、フロースルーモードで実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、結合及び溶出モードで実施される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記溶出が勾配溶出である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、フロースルーモードで実施される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の混合モード溶出物を限外瀘過するステップをさらに含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記限外濾過が、逐次的に、第1の限外濾過、透析濾過、及び第2の限外濾過を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記プロテインAクロマトグラフィーが、アガロースに連結されたプロテインAを含む、請求項7〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記プロテインAクロマトグラフィーが、
MAbSelect(商標)、MAbSelect(商標)SuRe及びMAbSelect(商標)SuRe LX、Prosep−VA、Prosep−VA Ultra Plus、プロテインAセファロースファストフロー、またはToyopearlプロテインAクロマトグラフィーである、請求項7〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記プロテインAクロマトグラフィーが、プロテインA平衡化緩衝液、プロテインA装填緩衝液、またはプロテインA洗浄緩衝液のうちの1つ以上を使用し、前記平衡化緩衝液、装填緩衝液、及び/または洗浄緩衝液が、約pH7〜約pH8である、請求項7〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記プロテインA平衡化緩衝液が、約pH7.7である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プロテインA平衡化緩衝液が、約25mMのトリス及び約25mMのNaClを含む、請求項24または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記プロテインAクロマトグラフィーが、装填後に平衡化緩衝液で洗浄される、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記多重特異性抗体が、pH段階溶出によって前記プロテインAクロマトグラフィーから溶出される、請求項7〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記多重特異性抗体が、低いpHを有するプロテインA溶出緩衝液を前記プロテインAクロマトグラフィーに適用することによって前記プロテインAから溶出される、請求項7〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記プロテインA溶出緩衝液が、約150mMの酢酸、約pH2.9を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プロテインA溶出物がプールされ、前記溶出物のOD280が約0.5を超える、請求項7〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記アニオン交換混合モードクロマトグラフィーが、第四級アミン及び疎水性部分を含む、請求項10〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記アニオン交換混合モードクロマトグラフィーが、高架橋アガロースに連結された第四級アミン及び疎水性部分を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記混合モードクロマトグラフィーが、Capto(商標)AdhereクロマトグラフィーまたはCapto(商標)Adhere ImpResクロマトグラフィーである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カチオン交換混合モードクロマトグラフィーが、N−ベンジル−n−メチルエタノールアミンを含む、請求項11〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記混合モードクロマトグラフィーが、Capto(商標)MMCクロマトグラフィーまたはCapto(商標)MMC ImpResクロマトグラフィーである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、混合モード装填緩衝液、または混合モード洗浄緩衝液のうちの1つ以上を使用し、前記混合モード事前平衡化緩衝液、前記混合モード平衡化緩衝液、前記混合モード装填緩衝液、及び/または前記混合モード洗浄緩衝液は、約pH6〜約pH7である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、混合モード装填緩衝液、または混合モード洗浄緩衝液のうちの1つ以上を使用し、前記混合モード事前平衡化緩衝液、前記混合モード平衡化緩衝液、及び/または混合モード洗浄緩衝液が、約pH5〜約pH8である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記混合モード事前平衡化緩衝液、前記混合モード平衡化緩衝液、及び/または混合モード洗浄緩衝液が、約pH6.5である、請求項37または請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記混合モード事前平衡化緩衝液が、約500mMの酢酸塩を含む、請求項37〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記混合モード平衡化緩衝液が、約50mMの酢酸塩を含む、請求項37〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、装填後に洗浄緩衝液で洗浄される、請求項37〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、装填後に洗浄緩衝液で洗浄される、請求項37〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記多重特異性抗体が、pH勾配によって前記第1の混合モードクロマトグラフィーから溶出される、請求項15及び18〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記多重特異性抗体が、低いpHを有する混合モード溶出緩衝液を前記混合モードイオン交換クロマトグラフィーに適用することによって、前記第1の混合モードクロマトグラフィーから溶出される、請求項15及び請求項18〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記多重特異性抗体が、pH勾配によって前記第2の混合モードクロマトグラフィーから溶出される、請求項15及び18〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記多重特異性抗体が、低いpHを有する混合モード溶出緩衝液を混合モード交換クロマトグラフィーに適用することによって、前記第2の混合モードクロマトグラフィーから溶出される、請求項15及び請求項18〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記イオン交換クロマトグラフィーが、第四級アミンを含む、請求項2及び4〜47のいずれか一項に記載される方法。
【請求項49】
前記イオン交換クロマトグラフィーが、アニオン交換クロマトグラフィーであり、前記アニオン交換クロマトグラフィーが、架橋アガロースに連結された第四級アミンを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記混合モードアニオン交換クロマトグラフィーが、CaptoAdhereクロマトグラフィーである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記アニオン交換クロマトグラフィーが、アニオン交換事前平衡化緩衝液、アニオン交換平衡化緩衝液、またはアニオン交換装填緩衝液のうちの1つ以上を使用し、前記アニオン交換事前平衡化緩衝液、前記アニオン交換平衡化緩衝液、及び/またはアニオン交換装填緩衝液が、約pH6〜約pH8である、請求項48〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記アニオン交換事前平衡化緩衝液、前記アニオン交換平衡化緩衝液、及び/または前記アニオン交換装填物が、約pH6.5である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記アニオン交換事前平衡化緩衝液が、約50mMのトリス、500mMの酢酸ナトリウムを含む、請求項51または請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記アニオン交換平衡化緩衝液が、約50mMのトリスを含む、請求項51〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記アニオン交換クロマトグラフィーが、装填後にアニオン交換平衡化緩衝液で洗浄される、請求項51〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記多重特異性抗体が、塩勾配によって前記アニオン交換クロマトグラフィーから溶出される、請求項51〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記多重特異性抗体が、増加した塩濃度を有するアニオン交換溶出緩衝液を前記アニオン交換クロマトグラフィーに適用させることによって、前記アニオン交換クロマトグラフィーから溶出される、請求項51〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記アニオン交換溶出緩衝液が、約50mMのトリス、100mMの酢酸ナトリウムを約pH8.5で含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記アニオン交換溶出物がプールされ、前記溶出物の前記OD280が約0.5〜約2.0を超える、請求項51〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記多重特異性抗体の前記アームが、細胞中で産生される、請求項1〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記細胞が、原核生物細胞である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記原核生物細胞が、E.coli細胞である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記細胞が、1つ以上のシャペロンを発現するように操作される、請求項61または請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記シャペロンが、FkpA、DsbA、またはDsbCのうちの1つ以上である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記シャペロンが、E.coliシャペロンである、請求項63または請求項64
に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞が、真核細胞である、請求項1〜60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記真核細胞が、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記真核細胞が、CHO細胞である、請求項66または請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記細胞が、捕獲クロマトグラフィーの前に、溶解され、前記多重特異性抗体または前記多重特異性抗体のアームを含む細胞溶解液を生成する、請求項60〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記細胞が、微小流動化剤を使用して溶解される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
ポリエチレンイミン(PEI)が、クロマトグラフィーの前に前記細胞溶解液に添加される、請求項69または請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、前記組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)、浸出されたプロテインA、核酸、細胞培養培地構成成分、またはウイルス性不純物のうちのいずれか1つの量を低減する、請求項1〜71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記多重特異性抗体が、二重特異性抗体である、請求項1〜72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記二重特異性抗体が、ノブインホール(KiH)二重特異性抗体である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記二重特異性抗体が、CrossMab二重特異性抗体である、請求項73または請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記画分が、少なくとも約95%の多重特異性抗体を含む、請求項1〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記生成物特異的不純物が、非対抗体のアーム、抗体ホモ二量体、凝集体、高分子量種(HMWS)、低分子量種(LMWS)、酸性バリアント、または塩基性バリアントのうちの1つ以上である、請求項1〜76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記画分が、約5%以下の非対抗体のアームを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記画分が、約5%以下の抗体ホモ二量体を含む、請求項77または請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記画分が、約2%以下の凝集体または高分子量種(HMWS)を含む、請求項77〜79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記画分が、約2%以下のLMWSを含む、請求項77〜80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記画分が、約50%以下の酸性バリアントを含む、請求項77〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記画分が、約35%以下の塩基性バリアントを含む、請求項77〜82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記画分が、約5%以下の3/4抗体を含む、請求項77〜83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記画分が、
a)少なくとも約95%〜約100%の多重特異性抗体、
b)約1%〜約5%以下の非対抗体のアーム、
c)約1%〜約5%以下の抗体ホモ二量体、
d)約1%または約2%以下のHMWS、
e)約1%または約2%以下のLMWS、及び
f)約5%以下の3/4抗体を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項86】
請求項1〜85のいずれか一項に記載の方法によって精製された多重特異性抗体を含む組成物。
【請求項87】
がんまたは眼疾患の治療のための、請求項1〜85のいずれか一項に記載の方法によって精製された多重特異性抗体を含む組成物。
【請求項88】
マルチステップクロマトグラフィー方法でFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製するための方法であって、前記方法が、親和性クロマトグラフィーのステップを含み、2つの異なるマルチモーダルイオン交換クロマトグラフィーのステップが後に続き、
それによって、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製する、前記方法。
【請求項89】
前記マルチステップクロマトグラフィー方法が、
i.親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、
または
ii.親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記マルチステップクロマトグラフィー方法が、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含む、請求項88〜89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記マルチステップクロマトグラフィー方法が、正確に3つのクロマトグラフィーのステップを含む、請求項88〜90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップが、フロースルーモードで行われる、請求項89〜91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、7mS/cm未満の伝導値を有する溶液中に適用される、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、約6mS/cm〜約2mS/cmの範囲の伝導値を有する溶液中に適用される、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、約4.5mS/cmの伝導値を有する溶液中に適用される、請求項89〜94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップが、約7のpHで行われる、請求項89〜95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、約4.5mS/cmの伝導性及び約7のpHを有する溶液中に適用される、請求項89〜96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、クロマトグラフィー材料の、1リットル当たり約100g〜約300gの範囲で適用される、請求項89〜97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料が、マルチモーダル強アニオン交換クロマトグラフィー材料である、請求項89〜98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料が、高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル強アニオン交換、36〜44μmの平均粒子サイズ、及び0.08〜0.11mmol Cl−/mLの培地のイオン容量を有する、請求項89〜99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーの培地が、マルチモーダル弱カチオン交換クロマトグラフィーの培地である、請求項89〜100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーの培地が、高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル弱カチオン交換、36〜44μmの平均粒子サイズ、及び25〜39μmol/mLのイオン容量を有する、請求項89〜101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップが、結合及び溶出モードで行われる、請求項89〜102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記親和性クロマトグラフィーが、プロテインA親和性クロマトグラフィー、またはプロテインG親和性クロマトグラフィー、または一本鎖Fvリガンド親和性クロマトグラフィー、またはCaptureSelectクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップ、またはCaptureSelect FcXLクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップである、請求項88〜103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記親和性クロマトグラフィーのステップが、プロテインAクロマトグラフィーのステップである、請求項88〜104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記親和性クロマトグラフィーのステップが、CaptureSelect(商標)クロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップである、請求項88〜105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、抗体、二重特異性抗体、またはFc−融合タンパク質である、請求項88〜106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、二重特異性抗体である、請求項88〜107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、CrossMabである、請求項90〜108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、
a)第1の抗原を特異的に結合する第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびに
b)前記定常ドメインCL及びCH1が互いによって置き換えられる、第2の抗原を特異的に結合する全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含む、二重特異性抗体である、請求項90〜109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記二重特異性抗体が、ANG2及びVEGFを結合する、請求項108〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記CrossMabが、ANG2及びVEGFを結合する、請求項108〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記二重特異性抗体が、vanucizumabである、請求項108〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記二重特異性抗体が、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含む、請求項108〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記二重特異性抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、ならびに配列番号11のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号12のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む、請求項108〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記二重特異性抗体が、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む、請求項108〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記二重特異性抗体が、配列番号13のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号14のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、ならびに配列番号15のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む、請求項108〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドが、約5%以下の3/4抗体を含む、請求項108〜117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
マルチステップクロマトグラフィー方法でANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を精製するための方法であって、前記方法が、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含み、
それによって、ANG−2及びVEGFを結合する前記二重特異性抗体を精製し、
二重特異性抗体が、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含むか、
または重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む、前記方法。
【請求項120】
ANG−2及びVEGFを結合する前記二重特異性抗体が、
a)前記第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の前記重鎖及び前記軽鎖、ならびに
b)前記定常ドメインCL及びCH1が互いによって置き換えられる、前記第2の抗原結合部位を含む全長抗体の前記修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
二重特異性抗体を含む組成物であって、前記組成物が、少なくとも約95%、二重特異性抗体を含む、前記組成物。
【請求項122】
前記組成物が、約5%以下の非対抗体のアームを含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
前記組成物が、約5%以下の抗体ホモ二量体を含む、請求項121または122に記載の組成物。
【請求項124】
CrossMab抗体を含む組成物であって、前記組成物が、少なくとも95%のCrossMab抗体を含む、前記組成物。
【請求項125】
前記組成物が、約2%以下の凝集体または高分子量種(HMWS)を含む、請求項121〜124のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項126】
前記組成物が、約2%以下の低分子量種(LMWS)を含む、請求項121〜125のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項127】
前記組成物が、約50%以下の酸性バリアントを含む、請求項121〜126のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項128】
前記組成物が、約35%以下の塩基性バリアントを含む、請求項121〜127のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項129】
前記組成物が、約5%以下の3/4抗体を含む、請求項121〜128のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項130】
前記組成物が、
a)少なくとも約95%〜約100%の多重特異性抗体、
b)約1%〜約5%以下の非対抗体のアーム、
c)約1%〜約5%以下の抗体ホモ二量体、
d)約1%または約2%以下のHMWS、
e)約1%または約2%以下のLMWS、及び
f)約5%以下の3/4抗体を含む、請求項121または請求項122に記載の組成物。
【請求項131】
前記二重特異性抗体が、ANG−2及びVEGFを結合する、請求項121〜130のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項132】
ANG−2及びVEGFを結合する前記二重特異性抗体が、
a)前記第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の前記重鎖及び前記軽鎖、ならびに
b)前記定常ドメインCL及びCH1が互いによって置き換えられる、前記第2の抗原結合部位を含む全長抗体の前記修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含む、請求項131に記載の組成物。
【請求項133】
ANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を含む組成物であって、前記組成物が、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%以下の3/4抗体を含む、前記組成物。
【請求項134】
ANG−2及びVEGFを結合する前記二重特異性抗体が、
a)前記第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の前記重鎖及び前記軽鎖、ならびに
b)前記定常ドメインCL及びCH1が互いによって置き換えられる、前記第2の抗原結合部位を含む全長抗体の前記修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含む、請求項133に記載の組成物。
【請求項135】
前記組成物が、請求項119に記載の方法を使用して得られる、請求項133または134に記載の組成物。
【請求項136】
Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドの精製のための、請求項88〜118のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項137】
Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド関連不純物の低減のための、請求項88〜118のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項138】
がんまたは眼疾患の前記治療のための医薬品の製造のための、請求項88〜118のいずれか一項に記載の方法で得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド、または請求項119〜120のいずれか一項に記載の方法を使用して得られるANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体。
【請求項139】
がんまたは眼疾患の前記治療における使用のための、請求項88〜118のいずれか一項に記載の方法から得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド、または請求項119〜120のいずれか一項に記載の方法を使用して得られるANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体。
【請求項140】
Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを生成する方法であって、
i.Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞を培養するステップと、
ii.前記Fc−含有ヘテロ二量体タンパク質を細胞または培養培地から回収するステップと、
iii.請求項88〜118のいずれか一項に記載の方法で前記Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製するステップと、を含み、
それによって、前記Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを生成する、前記方法。
【請求項141】
請求項119〜120のいずれか一項に記載の方法を使用して得られるANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を産生する方法であって、
i.前記二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養するステップと、
ii.前記二重特異性抗体を前記細胞または前記培養培地から回収するステップと、
iii.請求項119〜120のいずれか一項に記載の方法で前記二重特異性抗体を精製するステップと、を含み、
それによって、ANG−2及びVEGFを結合する前記二重特異性抗体を産生する、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月17日出願の米国仮特許出願第62/351,908号の優先権利益を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出内容は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形態(CRF)の配列表(ファイル名:146392036340SEQLIST.TXT、記録日:2017年6月9日、サイズ:32KB)。
【0003】
多重特異性抗体、及び少なくとも1つの生成物−特異的不純物を含む少なくとも1つの不純物を含む組成物からの多重特異性抗体を精製するための方法が提供される。いくつかの実施形態では,生成物−特異的不純物は、例えば、多重特異性抗体の前駆体、凝集体、及び/またはバリアントである。方法に従って精製される多重特異性抗体、及びそのような多重特異性抗体を含む組成物及び製剤もまた提供される。
【背景技術】
【0004】
ヒト患者への投与に許容される組換え生物薬剤学的タンパク質の場合、製造及び精製プロセスによって生じる残留不純物が最終生物学的産物から除去されることが重要である。これらのプロセス構成成分としては、培養培地タンパク質、免疫グロブリン親和性リガンド、ウイルス、内毒素、DNA、及び宿主細胞タンパク質(HCP)が挙げられる。多重特異性抗体などの新しい抗体の形式の開発は、従来の製造及び精製プロセスが、非対抗体のアーム及びミスアセンブリングされた抗体を含む生成物−特異的不純物を十分に除去するために不十分であるため、新しい課題を呈する。
【0005】
標準の抗体の精製と比較した場合、生成培地からの多重特異性抗体の精製は、独特の課題を呈する。標準の単一−特異性二価抗体が、同一の重鎖/軽鎖サブユニットの二量体化から生じる一方で、多重特異性抗体の産生は、少なくとも2つの異なる重鎖/軽鎖サブユニットの二量体化を必要とし、各々が異なる重鎖、ならびに異なる軽鎖を含む。最小限の量の誤対合、ミスアセンブリングされた、または不完全な分子を有する、最終的及び完全な多重特異性抗体の生成及び精製は、異なる課題を呈する。鎖誤対合(例えば、同一の重鎖ペプチドまたは不適当な重鎖/軽鎖会合のホモ−二量体化)は、異なる抗体鎖の不平衡の宿主細胞発現に起因する不完全なタンパク質アセンブリであるため、しばしば観察される。一般に観察される生成物−特異的不純物は、半(1/2)抗体(単一の重鎖/軽鎖対を含む)、4分の3(3/4)抗体(単一軽鎖を欠乏する完全な抗体を含む)、及びホモ二量体を含む。追加の生成物−特異的不純物は、使用される多重特異性の形式に応じて観察され得る。例えば、多重特異性抗体の可変ドメインが、一本鎖Fab(scFab)として構築されている場合、生成物による5/4抗体(追加の重鎖または軽鎖可変ドメインを含む)が観察され得る。そのような対応する生成物−特異的不純物は、標準の抗体生成においては生じない。
【0006】
HCP、DNA、内毒素、ならびに抗体とは非常に異なる特徴及び特性を有する他の物質などのプロセス関連不純物を除去するために設計された従来の精製技術は、多重特異性抗体により類似する不純物を除去するために実行されるときに不十分であり得る。かくして、生成物−特異的不純物を効果的に除去、ならびに十分な量の正しい及び完全な多重特異性抗体を産出する製造及び精製スキームを開発する必要性がある。
【0007】
特許出願及び刊行物を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、それらの全体において参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に説明及び例示されるように、出願者は、最初の捕獲クロマトグラフィーのステップ後の少なくとも2つの混合モード(本明細書でマルチモーダル(multi−modal)またはマルチモーダル(multimodal)とも称される)クロマトグラフィーのステップの使用が、生成物−特異的不純物のより大きな除去をもたらし、多重特異性抗体を精製するためのプロセスを改善したことを発見した。したがって、ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法が提供され、多重特異性抗体は複数のアームを含み、各アームはVH/VL単位を含み、方法は、逐次的な、a)組成物を捕獲クロマトグラフィーにかけて、捕獲クロマトグラフィー溶出物を生成するステップ;b)捕獲クロマトグラフィー溶出物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップ;c)第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップ;及びd)多重特異性抗体を含む画分を収集するステップを含み、方法は、組成物の生成物−特異的不純物の量を低減する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィー溶出物は、第1の混合モードクロマトグラフィーの前に、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モード溶出物は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。
【0009】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法が提供され、多重特異性抗体は複数のアームを含み、各アームはVH/VL単位を含み、多重特異性抗体の各アームは、別々に生成され、方法は、逐次的な、a)多重特異性抗体の各アームを捕獲クロマトグラフィーにかけて、多重特異性抗体の各アームに捕獲溶出物を生成するステップ、b)多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で、多重特異性抗体の各アームの捕獲溶出物を含む混合物を形成するステップ、c)多重特異性抗体を含む組成物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップ、及びd)第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップ;及びe)多重特異性抗体を含む画分を収集するステップを含み、方法は、組成物の生成物−特異的不純物の量を低減する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィー溶出物は、第1の混合モードクロマトグラフィーの前に、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モード溶出物は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。
【0010】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、親和性クロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインLクロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA及びプロテインGクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、結合及び溶出モードで実施される。
【0011】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィー及び第2の混合モードクロマトグラフィーは、連続的である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、混合モードアニオン交換クロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、混合モードカチオン交換クロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、混合モードカチオン交換クロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、混合モードアニオン交換クロマトグラフィーである。
【0012】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、結合及び溶出モードまたはフロースルーモードで実施される。第1の混合モードクロマトグラフィーが結合及び溶出モードで実施される実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、溶出は、勾配溶出である。
【0013】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、結合及び溶出モードまたはフロースルーモードで実施される。第2の混合モードクロマトグラフィーが結合及び溶出モードで実施される実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、溶出は、勾配溶出である。
【0014】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、方法は、第2の混合モード溶出物を限外濾過するステップをさらに含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、限外濾過は、逐次的に、第1の限外濾過、透析濾過、及び第2の限外濾過を含む。
【0015】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは、アガロースに連結されたプロテインAを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーはMAbSelect(商標)、MAbSelect(商標)SuRe及びMAbSelect(商標)SuRe LX、Prosep−VA、Prosep−VA Ultra Plus、プロテインAセファロースファストフロー、またはToyopearlプロテインAクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは、プロテインA平衡化緩衝液、プロテインA装填緩衝液、またはプロテインA洗浄緩衝液のうちの1つ以上を使用し、平衡化緩衝液、装填緩衝液、及び/または洗浄緩衝液は、約pH7〜約pH8である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインA平衡化緩衝液は、約pH7.7である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインA平衡化緩衝液は、約25mMのトリス及び約25mMのNaClを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは、装填後に平衡化緩衝液で洗浄される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、低いpHを有するプロテインA溶出緩衝液をプロテインAクロマトグラフィーに適用することによって、プロテインAから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、プロテインA溶出緩衝液は、約150mMの酢酸、約pH2.9を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、pH勾配によってプロテインAクロマトグラフィーから溶出される。
【0016】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換混合モードクロマトグラフィーは、第四級アミン及び疎水性部分を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換混合モードクロマトグラフィーは、アガロースに連結された第四級アミン及び高架橋疎水性部分を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モードクロマトグラフィーは、Capto(商標)AdhereクロマトグラフィーまたはCapto(商標)Adhere ImpResクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、カチオン交換混合モードクロマトグラフィーは、N−ベンジル−n−メチルエタノールアミンを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モードクロマトグラフィーは、Capto(商標)MMCクロマトグラフィーまたはCapto(商標)MMC ImpResクロマトグラフィーである。
【0017】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、混合モード装填緩衝液、混合モード洗浄緩衝液のうちの1つ以上を使用し、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、混合モード装填緩衝液、及び/または混合モード洗浄緩衝液は、約pH6〜約pH7である。いくつかの実施形態では、アニオン混合モード平衡化緩衝液は、約pH6.5〜約pH8である。
【0018】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、混合モード装填緩衝液、または混合モード洗浄緩衝液を使用し、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、及び/または混合モード洗浄緩衝液は、約pH5〜約pH8、任意に約pH5〜約pH7、または約pH5〜約pH6、または約pH6〜約pH7である。
【0019】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モード事前平衡化緩衝液、混合モード平衡化緩衝液、及び/または混合モード洗浄緩衝液は、約pH5.5である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モード事前平衡化緩衝液は、約500mMの酢酸塩を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モード平衡化緩衝液は、約50mMの酢酸塩を含む。
【0020】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、装填後に洗浄緩衝液で洗浄される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、装填後に洗浄緩衝液で洗浄される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、塩勾配及び/もしくはpH勾配またはpH段階溶出によって第1の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、低いpHを有する混合モード溶出緩衝液を混合モード交換クロマトグラフィーに適用させることによって、第1の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、塩勾配及び/もしくはpH勾配またはpH段階溶出によって、第2の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、低いpHを有する混合モード溶出緩衝液を混合モード交換クロマトグラフィーに適用させることによって、第2の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、混合モード溶出緩衝液は、約25mMの酢酸塩、約pH5.5を含む。
【0021】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、第四級アミンを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、架橋アガロースに連結された第四級アミンを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、QSFFクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、アニオン交換事前平衡化緩衝液、アニオン交換平衡化緩衝液、またはアニオン交換装填緩衝液のうちの1つ以上を使用し、アニオン交換事前平衡化緩衝液、アニオン交換平衡化緩衝液、及び/またはアニオン交換装填緩衝液は、約pH8〜約pH9である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換事前平衡化緩衝液、アニオン交換平衡化緩衝液、及び/またはアニオン交換装填緩衝液は、約pH8.5である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換事前平衡化緩衝液は、約50mMのトリス、500mMの酢酸ナトリウムを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換平衡化緩衝液は、約50mMのトリスを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、装填後にアニオン交換平衡化緩衝液で洗浄される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、塩勾配によってアニオン交換クロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、増加した塩濃度を有するアニオン交換溶出緩衝液をアニオン交換クロマトグラフィーに適用させることによって、アニオン交換クロマトグラフィーから溶出される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、アニオン交換溶出緩衝液は、約50mMのトリス、100mMの酢酸ナトリウムを約pH8.5で含む。
【0022】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体のアームは、細胞中で産生される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞は、原核生物細胞である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、原核生物細胞は、E.coli細胞である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞は、1つ以上のシャペロンを発現するように操作されている。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、シャペロンは、FkpA、DsbA、またはDsbCのうちの1つ以上である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、シャペロンは、E.coliシャペロンである。上記の実施形態による(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞である。上記の実施形態による(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、真核細胞は、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である。上記の実施形態による(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、真核細胞は、CHO細胞である。
【0023】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞は、捕獲クロマトグラフィーの前に、溶解され、多重特異性抗体または多重特異性抗体のアームを含む細胞溶解液を生成する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞は、微小流動化剤を使用して溶解される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、ポリエチレンイミン(PEI)は、クロマトグラフィーの前に、細胞溶解液に添加される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、PEIは、約0.4%の最終濃度まで溶解液に添加される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、遠心分離によって浄化される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞、例えば、CHO細胞の細胞溶解液は、薬剤の添加によって1つ以上の以下の処理、熱不活化、低pH不活性化、ウイルス不活性化を受ける。
【0024】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、方法は、組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)、浸出されたプロテインA、核酸、細胞培養培地構成要素、またはウイルス性不純物のうちのいずれか1つなどのプロセス特異的不純物の量を低減する。
【0025】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。
【0026】
上記の方法のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、最後のクロマトグラフィーのステップ後に収集され、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の多重特異性抗体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、最後のクロマトグラフィーのステップ後に収集され、生成物−特異的不純物の低減された量を含み、生成物−特異的不純物は、非対抗体のアーム、抗体ホモ二量体、高分子量種(HMWS)、低分子量種(LMWS)、または3/4抗体のうちの1つ以上である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の非対抗体のアームを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の抗体ホモ二量体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、約1%以下または約2%以下のHMWSを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、約2%以下または約1%以下のLMWSを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下の3/4抗体を含む。
【0027】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、画分は、
a)少なくとも約95%〜約100%の多重特異性抗体、
b)約1%−〜5%未満の非対抗体のアーム、
c)約1%〜約5%未満の抗体ホモ二量体、
d)約1%または約2%以下のHMWS、
e)約1%または約2%以下のLMWS、及び/または
f)約5%以下の3/4抗体を含む。
【0028】
ある特定の実施形態では、上記に説明される方法のうちのいずれか1つの方法によって精製される多重特異性抗体を含む組成物が提供される。
【0029】
上記の方法のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物が提供され、組成物は、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の多重特異性抗体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物が提供され、組成物は、生成物−特異的不純物の低減された量を含み、生成物−特異的不純物は、非対抗体のアーム、抗体ホモ二量体、高分子量種(HMWS)、低分子量種(LMWS)、または3/4抗体のうちの1つ以上である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の非対抗体のアームを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の抗体ホモ二量体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、約1%以下または約2%以下のHMWSを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、約2%以下または約1%以下のLMWSを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下の3/4抗体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物中の多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ANG−2及びVEGFを結合する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、ANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、a)第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原結合部位を含む全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0030】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物は、a)少なくとも約95%〜約100%の多重特異性抗体、b)約1%〜約5%未満の非対抗体のアーム、c)約1%〜約5%未満の抗体ホモ二量体、d)約1%または2%以下のHMWS、e)約1%または2%以下のLMWS、及び/またはf)約5%以下の3/4抗体を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物中の多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ANG−2及びVEGFを結合する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、ANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、a)第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原結合部位を含む全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0031】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、がんまたは眼疾患の治療のための、上記に説明される方法のうちのいずれか1つによって精製される多重特異性または二重特異性抗体(ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体など)を含む組成物が提供される。
【0032】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、がんまたは眼疾患の治療のための医薬品の製造のための、上記に説明される方法のうちのいずれか1つによって精製される多重特異性または二重特異性抗体(ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体など)を含む使用が提供される。
【0033】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドの精製のために使用される。
【0034】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、組成物中のFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド−関連不純物の低減のための本明細書に提供される方法のうちのいずれかの使用が提供される。
【0035】
ある特定の実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法でFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製するための方法が提供され、方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続く2つの異なるマルチモーダルイオン交換クロマトグラフィーのステップを含み、それによって、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法は、(i)親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、または(ii)親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップを含む。
【0036】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法は、正確に3つのクロマトグラフィーのステップを含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップは、フロースルーモードで行われる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、7mS/cm未満の伝導値を有する溶液中に適用される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約6mS/cm〜約2mS/cmの範囲で伝導値を有する溶液中に適用される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約4.5mS/cmの伝導値を有する溶液中に適用される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップは、約7のpHで行われる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約4.5mS/cmの伝導性及び約7のpHを有する溶液中に適用される。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料の1リットル当たり約100g〜約300gの範囲で適用される。
【0037】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料は、マルチモーダル強アニオン交換クロマトグラフィー材料である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料は、高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル強アニオン交換、36〜44μmの平均粒子サイズ、及び0.08〜0.11mmolCl−/mLの培地のイオン容量を有する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー培地は、マルチモーダル弱カチオン交換クロマトグラフィー培地である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー培地は、高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル弱カチオン交換、36〜44μm平均粒子サイズ、及び25〜39μmol/mLのイオン容量を有する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップは、結合及び溶出モードで行われる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、親和性クロマトグラフィーによって実施される。いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインA親和性クロマトグラフィー、またはプロテインG親和性クロマトグラフィー、または一本鎖Fvリガンド親和性クロマトグラフィー、またはCaptureSelectクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップ、またはCaptureSelect FcXLクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、プロテインAクロマトグラフィーのステップである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、CaptureSelect(商標)クロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップである。
【0038】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、抗体、二重特異性抗体、またはFc−融合タンパク質である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、二重特異性抗体である。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、CrossMabである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、a)第1の抗原を特異的に結合する第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原を特異的に結合する全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0039】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ANG2及びVEGFを結合する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、CrossMabは、ANG2及びVEGFを結合する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、vanucizumabである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、及び配列番号11のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号12のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む。
【0040】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、配列番号13のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号14のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、及び配列番号15のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む。
【0041】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約5%以下の3/4抗体を含む。
【0042】
ある特定の実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法でANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を精製するための方法が提供され、方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含み、それによって、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を精製し、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含むか、または重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、a)第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原結合部位を含む全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド関連不純物の低減のための、上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)方法のいずれかの使用が提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、がんまたは眼疾患の治療のための医薬品の製造のための、上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)方法で得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドが提供される。
【0045】
いくつかの実施形態では、がんまたは眼疾患の治療における使用のための、上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)方法で得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドが提供される。
【0046】
ある特定の実施形態では、(i)Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞を培養するステップと、(ii)Fc−含有ヘテロ二量体タンパク質を細胞または培養培地から回収するステップと、(iii)上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)方法を使用してFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製し、それによって、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを生成するステップとを含むFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドを生成するための方法が提供される。
【0047】
ある特定の実施形態では、(i)二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養するステップと、(ii)二重特異性抗体を細胞または培養培地から回収するステップと、(iii)上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)方法を使用して二重特異性抗体を精製し、それによって、ANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を産生するステップとを含むANG−2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を産生する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】実施例1において使用される第1の精製スキームを示す。
【図1B】実施例1において使用される第2の精製スキームを示す。
【図1C】実施例1において使用される第3の精製スキームを示す。
【図2】実施例2において使用される精製スキームを示す。
【図3A】実施例3において使用される第1の精製スキームを示す。
【図3B】実施例3において使用される第2の精製スキームを示す。
【図4】実施例4において使用される精製スキームを示す。
【図5A】実施例6において使用される第1の精製スキームを示す。
【図5B】実施例6において使用される第2の精製スキームを示す。
【図6A】実施例7において使用される第1の精製スキームを示す。
【図6B】実施例7において使用される第2の精製スキームを示す。
【図7A】実施例8において使用される第1の精製スキームを示す。
【図7B】実施例8において使用される第2の精製スキームを示す。
【図7C】実施例8において使用される第3の精製スキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
多重特異性抗体を含む組成物を、逐次的な、a)捕獲クロマトグラフィーにかけるステップ、b)第1の混合モードクロマトグラフィーにかけるステップ、及びc)第2の混合モードクロマトグラフィーにかけるステップを含む多重特異性抗体(二重特異性抗体または二価のF(ab’)など)を精製する方法が、本明細書に提供される。いくつかの態様では、多重特異性抗体を精製するための方法が提供され、多重特異性抗体の個々のアームは、それぞれ、別個の培養において生成され、捕獲クロマトグラフィーによってそれぞれ別々に精製される。次いで、精製された抗体のアームは、多重特異性抗体を生成するようにアセンブリングされる。次いで、アセンブリングされた多重特異性抗体は、第1の混合モードアニオン交換クロマトグラフィー、その後に第2の混合モードクロマトグラフィーにかけられる。以下にさらに詳細に説明されるように、捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、及び/または第2の混合モードクロマトグラフィーの各々が、任意に先行され、及び/またはその後に1つ以上の追加のクロマトグラフィーのステップが続く。混合モードクロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーという用語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0050】
いくつかの態様では、非対抗体のアーム、ホモ二量体、凝集体、低分子量種、酸性及び塩基性バリアントなどの1つ以上のプロセス特異的及び/または生成物特異的不純物の低減されたレベルを有する多重特異性抗体を含む組成物が提供される。いくつかの態様では、例えば、原核生物宿主細胞タンパク質、真核宿主細胞タンパク質(CHOタンパク質または「CHOP」など)、核酸、及びシャペロン(そのような原核生物シャペロン、例えば、FkpA、DsbA、及びDsbC)などの1つ以上のプロセス特異的不純物の低減されたレベルを有する多重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、本明細書に提供される方法を使用して得られる。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、当該技術分野で既知の方法を使用して得られる組成物よりも、1つ以上のプロセス特異的及び/または生成物特異的不純物の低減されたレベルを有する。
【0051】
いくつかの態様では、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドの精製及びFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド−関連不純物の低減のための、本明細書に報告される方法の使用が提供される。生成物−特異的不純物の改善された低減が達成される。CrossMab−特異的不純物の場合では、例えば3/4抗体の低減が達成される。
【0052】
定義
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために本明細書で同義に使用される。ポリマーは、直鎖状であっても分岐状であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸によって中断されていてもよい。これらの用語は、自然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸塩化、もしくは任意の他の操作または修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションにより修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1つ以上の類似体を含有するポリペプチド、及び当該技術分野で既知の他の修飾もこの定義に含まれる。本明細書で使用される「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、抗体を具体的に包含する。
【0053】
「精製された」ポリペプチド(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)とは、ポリペプチドがその天然環境下で存在するよりもさらに純粋な形態で存在するように、及び/または実験室条件下で最初に合成及び/または増幅されたときにポリペプチドの純度が増加することを意味する。純度は、相対用語であり、必ずしも絶対純度を意味しない。本明細書で交換可能に使用される「精製する」、「分離する」、または「単離する」という用語は、所望の分子及び1つ以上の不純物を含む組成物または試料の所望の分子(多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体など)の純度を増加させることを指す。典型的には、所望の分子の純度は、少なくとも1つの不純物を組成物から除去(完全にまたは部分的に)することによって増加される。
【0054】
「対象の抗原を結合する」二重特異性抗体は、二重特異性抗体が、タンパク質、またはタンパク質を発現する細胞もしくは組織を標的とするのに診断及び/または治療剤として有用であり、他のタンパク質と有意には交差反応しないように十分な親和性で抗原を結合するものである。このような実施形態では、二重特異性抗体の「非標的」タンパク質への結合の程度は、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析、放射性免疫沈降法(RIA)、またはELISAなどによって決定されるように、二重特異性抗体のその特定の標的タンパク質への結合の約10%未満である。二重特異性抗体の標的分子との結合に関して、特定のポリペプチドもしくは特定のポリペプチド標的上のエピトープに「特異的な結合」または「特異的に結合する」または「特異的である」という用語は、非特異的相互作用(例えば、非特異的相互作用は、ウシ血清アルブミンまたはカゼインを結合することであり得る)とはある程度異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、対照分子の結合と比較して分子の結合を決定することによって測定され得る。例えば、特異的結合は、標的、例えば、過剰な非標識標的に類似である対照分子との競合によって決定され得る。この場合、プローブへの標識した標的の結合が過剰な非標識標的によって競合的に阻害された場合に、特異的結合が示される。本明細書で使用される特定のポリペプチドもしくは特定のポリペプチド標的上のエピトープに「特異的な結合」または「特異的に結合する」または「特異的である」という用語は、例えば、少なくとも約200nM、代替的には少なくとも約150nM、代替的には少なくとも約100nM、代替的には少なくとも約60nM、代替的には少なくとも約50nM、代替的には少なくとも約40nM、代替的には少なくとも約30nM、代替的には少なくとも約20nM、代替的には少なくとも約10nM、代替的には少なくとも約8nM、代替的には少なくとも約6nM、代替的には少なくとも約4nM、代替的には少なくとも約2nM、代替的には少なくとも約1nM、またはそれを超える親和性の標的に対するKdを有する分子によって示され得る。一実施形態では、「特異的結合」という用語は、多重特異性抗原結合タンパク質がいずれの他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープにも実質的に結合することなく特定のポリペプチド上の特定のポリペプチドまたはエピトープに結合する結合を指す。
【0055】
「結合親和性」とは、分子(例えば、多重特異性抗体)とその結合パートナー(例えば、抗原)との単一結合部位の間の非共有結合相互作用の合計の強度を指す。別段示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(Kd)で表され得る。例えば、Kdは、約200nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約50nM以下、約40nM以下、約30nM以下、約20nM以下、約10nM以下、約8nM以下、約6nM以下、約4nM以下、約2nM以下、または約1nM以下であり得る。親和性は、本明細書に記載のものを含む当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定され得る。低親和性抗体は、一般に、抗原にゆっくり結合し、容易に解離する傾向があるが、高親和性抗体は、一般に、抗原により早く結合し、より長く結合したままである傾向がある。結合親和性を測定する様々な方法が当該技術分野で既知であり、これらのいずれも、本明細書に提供される方法及び組成物の目的のために使用され得る。
【0056】
一実施形態では、本発明による「Kd」または「Kd値」は、25℃で、−10の応答単位(RU)で固定化標的(例えば、抗原)CM5チップを用いて、BIAcore(商標)−2000またはBIAcore(商標)−3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用した表面プラズモン共鳴アッセイ使用して測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIAcore Inc.)は、供給業者の指示に従って、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化される。10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)を用いて抗原を5μg/mL(約0.2μM)になるまで希釈した後、5μL/分の流量で注入して、およそ10の応答単位(RU)のカップリングしたタンパク質を得る。抗原の注入後、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応基をブロックする。動態測定について、Fabの2倍段階希釈液(例えば、0.78nM〜500nM)は、0.05%のTween20を有するPBS(PBST)中に、約25uL/分の流量で、25℃で注入される。会合速度(kon)及び解離速度(koff)は、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって、単純1対1Langmuir結合モデル(BIAcore Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して計算される。平衡解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい。上記表面プラズモン共鳴アッセイによる結合速度が10−1−1を超える場合、結合速度は、ストップトフローを備えた分光光度計(Aviv Instruments)または撹拌レッドキュベットを備えた8000シリーズSLM−Aminco分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計で測定される、増加する抗原濃度の存在下、25℃で、PBS中20nMの抗抗原抗体(Fab形態)(pH7.2)の蛍光発光強度(励起=295nm、発光=340nm、16nm帯域通過)の増加または減少を測定する蛍光消光技術を使用することによって決定され得る。
【0057】
本明細書における「活性な」または「活性」とは、天然のまたは天然に存在するポリペプチドの生物学的及び/または免疫学的活性を保持するポリペプチドの形態(複数可)を指し、「生物学的」活性とは、天然のまたは天然に存在するポリペプチドが有する抗原エピトープに対する抗体の産生を誘導する能力以外の天然のまたは天然に存在するポリペプチドによって引き起こされる生物学的機能(阻害または刺激のいずれか)を指し、「免疫学的」活性とは、天然のまたは天然に存在するポリペプチドが有する抗原エピトープに対する抗体の産生を誘導する能力を指す。
【0058】
抗体、断片、またはその誘導体などの本明細書に提供される多重特異性抗原結合タンパク質に関する「生物学的に活性」及び「生物学的活性」及び「生物学的特徴」は、別段の特定の場合を除き、生物学的分子を結合する能力を有することを意味する。
【0059】
本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷抗体から形成された多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を具体的に包含するが、これは、それらが所望の生物活性を呈する場合に限る。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、本明細書で抗体と同義に使用される。
【0060】
抗体は、様々な構造を有する天然に存在する免疫グロブリン分子であり、それらの構造は全て免疫グロブリン折り畳みに基づく。例えば、IgG抗体は、ジスルフィド結合して機能的抗体を形成する2つの「重」鎖及び2つの「軽」鎖を有する。各重鎖及び軽鎖はそれ自体、「定常」(C)領域及び「可変」(V)領域を含む。V領域が抗体の抗原結合特異性を決定する一方で、C領域は、構造的支持を提供し、免疫エフェクターとの非抗原特異的相互作用において機能する。抗体または抗体の抗原結合断片の抗原結合特異性は、特定の抗原に特異的に結合する抗体の能力である。
【0061】
抗体の抗原結合特異性は、V領域の構造的特徴によって決定される。可変性は、可変ドメインの110アミノ酸長にわたって均等に分布していない。代わりに、V領域は、各9〜12アミノ酸長の「超可変領域」と呼ばれる極度の可変性を有するより短い領域によって分離される15〜30個のアミノ酸を有するフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の伸長からなる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、主にβシート構成を採用し、3つの超可変領域により連結され、βシート構造に連結し、ある場合にはその一部を形成するループを形成する4つのFRを含む。各鎖における超可変領域は、FRによって、他方の鎖の超可変領域と近接して保持されており、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与していないが、抗体の抗体依存性細胞毒性(ADCC)への関与などの様々なエフェクター機能を呈する。
【0062】
各V領域は、典型的には、3つの相補性決定領域(各々が「超可変ループ」を含む「CDR」)、及び4つのフレームワーク領域を含む。したがって、特定の所望の抗原に対して実質的な親和性で結合するために必要とされる最小の構造単位である抗体結合部位は、典型的には、3つのCDRと、適切な立体配座でのCDRを保持し提示するためにそれらの間に散在する少なくとも3つ、好ましくは4つのフレームワーク領域とを含む。古典的な4つの鎖抗体は、Vドメイン及びVドメインが協働して定義される抗原結合部位を有する。ラクダ及びサメ抗体などのある特定の抗体は、軽鎖を欠き、重鎖のみによって形成される結合部位に依存する。単一ドメインの操作された免疫グロブリンは、VとVとの間に協働がない場合、結合部位が重鎖または軽鎖のみによって形成されるように調製され得る。
【0063】
「可変」という用語は、可変ドメインのある特定の部分が抗体の中で大きく異なり、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたって均等には分布していない。これは、軽鎖及び重鎖の両方の可変ドメイン中の超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、主にβシート構成を採用し、3つの超可変領域により連結され、βシート構造に連結し、ある場合にはその一部を形成するループを形成する4つのFRを含む。各鎖における超可変領域は、FRによって、他方の鎖の超可変領域と近接して保持されており、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与していないが、抗体の抗体依存性細胞毒性(ADCC)への関与などの様々なエフェクター機能を呈する。
【0064】
「超可変領域」という用語は、本明細書で使用されるとき、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」(例えば、Vでは、ほぼ、残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、及び89〜97(L3)、ならびにVでは、ほぼ、31〜35B(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、及び/または「超可変ル−プ」からのそれらの残基(例えば、Vでは、残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、及び91〜96(L3)、ならびにVでは、26〜32(H1)、52A〜55(H2)、及び96〜101(H3)(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901−917(1987))からのアミノ酸残基を含み得る。
【0065】
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書に定義されるような超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0066】
抗体または半抗体との関連での「ヒンジ領域」は、一般に、ヒトIgG1のGlu216からPro230までの伸展と定義される(Burton,Molec.Immunol.22:161−206(1985)。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖内S−S結合を形成する最初及び最後のシステイン残基を同じ位置に入れることによってIgG1配列と整列し得る。
【0067】
Fc領域の「下部ヒンジ領域」は、通常、ヒンジ領域のすぐC末端にある残基の伸展、すなわち、Fc領域の残基233〜239と定義される。本出願の前は、FcγR結合は、概して、IgG Fc領域の下部ヒンジ領域におけるアミノ酸残基に起因するものであった。
【0068】
ヒトIgG Fc領域の「CH2ドメイン」は、通常、IgGの残基約231から約340まで延びる。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対合されないという点で特有である。むしろ、2つのN結合分岐状炭水化物鎖がインタクトな天然IgG分子の2つのCH2ドメイン間に介在する。炭水化物がドメイン−ドメイン対合の代替を提供し、CH2ドメインを安定させるのに役立ち得ることが推測されている。Burton,Molec.Immunol.22:161−206(1985)
【0069】
「CH3ドメイン」は、Fc領域におけるC末端からCH2ドメインまで(すなわち、IgGのアミノ酸残基約341からアミノ酸残基約447)の残基の伸展を含む。
【0070】
「抗体断片」は、無傷抗体の一部分を含み、好ましくはその抗原結合領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片;ダイアボディ;タンデムダイアボディ(taDb)、線状抗体(例えば、米国特許第5,641,870号の実施例2;Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057−1062(1995);一アーム抗体、単一可変ドメイン抗体、ミニボディ、一本鎖抗体分子;抗体断片から形成される多重特異性抗体(例えば、Db−Fc、taDb−Fc、taDb−CH3、(scFV)4−Fc、ジ−scFv、バイ−scFv、またはタンデム(ジ、トリ)−scFvが挙げられるが、これらに限定されない);及び二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTEs)が挙げられる。
【0071】
抗体のパパイン消化により、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片と、容易に結晶化する能力を反映して表記される1つの残留「Fc」断片とが産生される。Fab断片は、H鎖の可変領域ドメイン(VH)とともに全L鎖、及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる。抗体のペプシン処理により、単一の大きいF(ab’)2断片が産出され、これは、概して、二価の抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合Fab断片に対応し、依然として抗原に架橋することができる。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端にさらなる数個の残基を有する点でFab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を持つFab’の本明細書における表記である。F(ab’)2抗体断片は、元来、間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生されたものであった。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも既知である。
【0072】
「Fv」は、完全な抗原−認識及び抗原結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、緊密な非共有結合性会合にある1つの重鎖可変ドメイン及び1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。この構成において、各可変ドメインの3つの超可変領域が相互作用して、V−V二量体の表面上に抗原結合部位を画定する。集合的に、6つの超可変領域は、抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一可変ドメイン(または抗原に特異的な超可変領域を3つのみ含むFvの半分)でさえも、抗原を認識してそれに結合する能力を有するが、全結合部位よりも親和性が低い。
【0073】
Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含有する。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端への数個の残基の付加によって、Fab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が少なくとも1つの遊離チオール基を持つFab’の本明細書における表記である。F(ab’)抗体断片は、元来、間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生されたものであった。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも既知である。
【0074】
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明らかに異なる種類のうちの1つに割り当てられ得る。
【0075】
抗体は、それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、異なるクラスに割り当てられ得る。無傷抗体の5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2にさらに分割され得る。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元構成は、周知である。
【0076】
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のV及びVドメインを含み、ここで、これらのドメインは、単一のポリペプチドに存在している。いくつかの実施形態では、Fvポリペプチドは、VドメインとVドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これは、scFvが抗原結合に所望の構造を形成することを可能にする。scFvに関する概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照されたい。
【0077】
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小抗体断片を指し、これらの断片は、同じポリペプチド鎖内の軽鎖可変ドメイン(V)に接続した重鎖可変ドメイン(V)を含む(V−V)。同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を生成することができる。ダイアボディは、例えば、EP404,097、WO93/11161、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)により詳しく記載されている。
【0078】
本明細書で使用される「半抗体」または「ヘミマー」は、一価の抗原結合ポリペプチドを指す。ある特定の実施形態では、半抗体またはヘミマーは、VH/VL単位、及び任意に免疫グロブリン定常ドメインの少なくとも一部を含む。ある特定の実施形態では、半抗体またはヘミマーは、1つの免疫グロブリン軽鎖に関連する1つの免疫グロブリン重鎖、またはその抗原結合断片を含む。ある特定の実施形態では、半抗体またはヘミマーは、単一−特異性であり、すなわち、単一抗原またはエピトープを結合する。当業者は、半抗体が、単一可変ドメインからなる、例えば、ラクダ科に由来する抗原結合ドメインを有し得ることを容易に理解するであろう。
【0079】
「VH/VL単位」という用語は、少なくとも1つのVH HVR及び少なくとも1つのVL HVRを含む抗体の抗原結合領域を指す。ある特定の実施形態では、VH/VL単位は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てのVH HVR、及び少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全てのVL HVRを含む。ある特定の実施形態では、VH/VL単位は、フレームワーク領域の(FR)少なくとも一部をさらに含む。いくつかの実施形態では、VH/VL単位は、3つのVH HVR及び3つのVL HVRを含む。いくつかのそのような実施形態では、VH/VL単位は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てのVH FR、及び少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てのVL FRを含む。
【0080】
「多重特異性抗体」という用語は、最も広義に使用され、多重エピトープ特異性を有する(すなわち、1つの生物学的分子上の2つもしくはそれ以上の異なるエピトープに特異的に結合することができるか、または2つもしくはそれ以上の異なる生物学的分子上のエピトープに特異的に結合することができる)抗原結合ドメインを含む抗体を具体的に網羅する。いくつかの実施形態において、多重特異性抗体(二重特異性抗体または二価のF(ab’)など)の抗原結合ドメインは、2つのVH/VL単位を含み、第1のVH/VL単位は、第1のエピトープに特異的に結合し、第2のVH/VL単位は、第2のエピトープに特異的に結合し、各VH/VL単位は、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。そのような多重特異性抗体としては、完全長抗体、2つ以上のVL及びVHドメインを有する抗体、抗体断片(Fab、Fv、dsFv、scFv、ダイアボディ、二重特異性ダイアボディ、及びトリアボディなど)、共有結合的または非共有結合的に連結されている抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。重鎖定常領域の少なくとも一部分及び/または軽鎖定常領域の少なくとも一部分をさらに含むVH/VL単位は、「ヘミマー」または「半抗体」とも称され得る。いくつかの実施形態では、半抗体は、単一の重鎖可変領域の少なくとも一部分及び単一の軽鎖可変領域の少なくとも一部分を含む。いくつかのそのような実施形態では、2つの半抗体を含み、かつ2つの抗原に結合する二重特異性抗体は、第1の抗原または第1のエピトープに結合するが、第2の抗原または第2のエピトープには結合しない第1の半抗体、及び第2の抗原または第2のエピトープに結合するが、第1の抗原または第1のエピトープには結合しない第2の半抗体を含む。いくつかの実施形態によれば、多重特異性抗体は、5M〜0.001pM、3M〜0.001pM、1M〜0.001pM、0.5M〜0.001pM、または0.1M〜0.001pMの親和性で各抗原またはエピトープに結合するIgG抗体である。いくつかの実施形態において、ヘミマーは、第2のヘミマーとの分子内ジスルフィド結合が形成されることを可能にするのに十分な重鎖可変領域の一部分を含む。いくつかの実施形態において、ヘミマーは、例えば、相補的ホール変異またはノブ変異を含む第2のヘミマーまたは半抗体とのヘテロ二量体化を可能にする、ノブ変異またはホール変異を含む。ノブ変異及びホール変異は、以下でさらに論じられる。
【0081】
「二重特異性抗体」は、1つの生物学的分子上の2つの異なるエピトープに特異的に結合することができるか、または2つの異なる生物学的分子上のエピトープに特異的に結合することができる抗原結合ドメインを含む多重特異性抗体である。二重特異性抗体はまた、本明細書において、「二重特異性」を有するもの、または「二重特異性」であるとも称される。別途示されない限り、二重特異性抗体によって結合される抗原が二重特異性抗体名で列記される順序は無作為である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの半抗体を含み、各半抗体は、単一の重鎖可変領域及び任意に重鎖定常領域の少なくとも一部分、ならびに単一の軽鎖可変領域及び任意に軽鎖定常領域の少なくとも一部分を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、2つの半抗体を含み、各半抗体は、単一の重鎖可変領域及び単一の軽鎖可変領域を含み、1つよりも多くの単一の重鎖可変領域を含まず、1つよりも多くの単一の軽鎖可変領域を含まない。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、2つの半抗体を含み、各半抗体は、単一の重鎖可変領域及び単一の軽鎖可変領域を含み、第1の半抗体は、第1の抗原に結合し、第2の抗原には結合せず、第2の半抗体は、第2の抗原に結合し、第1の抗原には結合しない。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ノブイントゥホール」または「KiH」技術という用語は、2つのポリペプチドを、それらが相互作用する界面で一方のポリペプチドに隆起(ノブ)を導入し、他方のポリペプチドに空洞(ホール)を導入することによって、インビトロまたはインビボでの対合を指向する技術を指す。例えば、KiHは、抗体のFc:Fc結合界面、CL:CH1界面、またはVH/VL界面に導入されている(例えば、US2011/0287009、US2007/0178552、WO96/027011、WO98/050431、及びZhu et al.,1997,Protein Science6:781−788を参照されたい)。いくつかの実施形態において、KiHにより、多重特異性抗体の製造中に2つの異なる重鎖の対合が駆動される。例えば、それらのFc領域内にKiHを有する多重特異性抗体は、各Fc領域に連結された単一可変ドメインをさらに含み得るか、または類似のもしくは異なる軽鎖可変ドメインと対合する異なる重鎖可変ドメインをさらに含み得る。KiH技術を使用して、2つの異なる受容体細胞外ドメインを一緒に、または異なる標的認識配列(例えば、アフィボディ(affibody)、ペプチボディ(peptibody)、及び他のFc融合物を含む)を含む任意の他のポリペプチド配列を対合することもできる。
【0083】
本明細書で使用される「ノブ変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面で隆起(ノブ)をポリペプチドに導入する変異を指す。いくつかの実施形態では、他方のポリペプチドは、ホール変異を有する(例えば、各々が参照により全体が本明細書に組み込まれる、US5,731,168、US5,807,706、US5,821,333、US7,695,936、US8,216,805を参照されたい)。
【0084】
本明細書で使用される「ホール変異」という用語は、ポリペプチドが別のポリペプチドと相互作用する界面で空洞(ホール)をポリペプチドに導入する変異を指す。いくつかの実施形態では、他方のポリペプチドは、ノブ変異を有する(例えば、各々が参照により全体が本明細書に組み込まれる、US5,731,168、US5,807,706、US5,821,333、US7,695,936、US8,216,805を参照されたい)。
【0085】
「単一ドメイン抗体」(sdAb)または「単一可変ドメイン(SVD)抗体」という表現は、一般に、単一可変ドメイン(VHまたはVL)が抗原結合を付与し得る抗体を指す。言い換えれば、単一可変ドメインは、標的抗原を認識するために別の可変ドメインと相互作用する必要はない。単一ドメイン抗体の例としては、ラクダ科動物(ラマ及びラクダ)ならびに軟骨魚類(例えば、テンジクザメ)由来の抗体、ならびにヒト及びマウス抗体由来の組換え方法から得られる抗体が挙げられる(Nature(1989)341:544−546、Dev Comp Immunol(2006)30:43−56、Trend Biochem Sci(2001)26:230−235、Trends Biotechnol(2003):21:484−490、WO2005/035572、WO03/035694、FEBS Lett(1994)339:285−290、WO00/29004、WO02/051870)。
【0086】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を含む個々の抗体は、モノクローナル抗体の産生中に生じ得る想定される変異体を除いて、同一であり、及び/または同じエピトープに結合し、そのような変異体は、一般に、少量で存在する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の免疫グロブリンによって汚染されない点でも有利である。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本明細書に提供される方法に従って使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler et al.,Nature256:495(1975)によって記載されたハイブリドーマ法によって作製されても、または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)によって作製されてもよい。モノクローナル抗体はまた、例えば、Clackson et al.,Nature352:624−628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載される技法を用いてファージ抗体ライブラリーから単離され得る。
【0087】
本明細書におけるモノクローナル抗体には、具体的には、重鎖及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または相同である一方で、鎖(複数可)の残りが、別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体、ならびにそれらが所望される生物学的活性を呈する限りはそのような抗体の断片を含む(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:6851−6855(1984))。本明細書において対象となるキメラ抗体としては、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザル、またはカニクイザルなどの旧世界ザル)に由来する可変ドメイン抗原結合配列と、ヒト定常領域配列とを含む、「霊長類化」抗体が挙げられる(米国特許第5,693,780号)。
【0088】
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも供与体抗体にも見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、上述のFR置換(複数可)を除いて、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、かつFRの全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFRである少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体はまた、任意に、免疫グロブリン定常領域、典型的には、ヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分を含む。さらなる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature321:522−525(1986)、Riechmann et al.,Nature332:323−329(1988)、及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照されたい。
【0089】
本明細書では、「無傷抗体」は、重及び軽可変ドメイン、ならびにFc領域を含むものである。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒトの天然配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列バリアントであり得る。好ましくは、無傷抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有する。
【0090】
「天然抗体」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなる約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖が1つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合している一方で、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(V)を有し、いくつかの定常ドメインが続く。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(V)を有し、その他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列する。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられている。
【0091】
「裸抗体」は、細胞毒性部分などの異種分子または放射標識に複合されない(本明細書に定義される)抗体である。
【0092】
本明細書で使用されるとき、「イムノアドヘシン」という用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能とを組み合わせた分子を指す。構造的に、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を有するアミノ酸配列(このアミノ酸配列は、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(すなわち、抗体の定常領域と比較して「異種」である))と、免疫グロブリン定常ドメイン配列(例えば、IgGのCH2及び/またはCH3配列)。例示的なアドヘシン配列としては、目的とするタンパク質に結合する受容体またはリガンドの一部分を含む連続したアミノ酸配列が挙げられる。アドヘシン配列は、目的とするタンパク質に結合するが、受容体またはリガンド配列ではない配列(例えば、ペプチボディにおけるアドヘシン配列)でもあり得る。そのようなポリペプチド配列は、ファージディスプレイ技法及び高スループット選別方法を含む種々の方法によって選択または特定され得る。イムノアドヘシンにおける免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG−1、IgG−2、IgG−3、またはIgG−4サブタイプ、IgA(IgA−1及びIgA−2を含む)、IgE、IgD、またはIgMなどの任意の免疫グロブリンから得られ得る。
【0093】
ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、抗体、二重特異性抗体、またはFc−融合タンパク質である。
【0094】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって生成されるFc−融合タンパク質は、標的化免疫サイトカインである。ある特定の実施形態では、標的化免疫サイトカインは、CEA−IL2v免疫サイトカインである。ある特定の実施形態では、CEA−IL2v免疫サイトカインは、RG7813である。ある特定の実施形態では、標的化免疫サイトカインは、FAP−IL2v免疫サイトカインである。ある特定の実施形態では、FAP−IL2v免疫サイトカインは、RG7461である。
【0095】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって生成される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、CEA及び少なくとも1つの追加の標的分子を結合する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって生成される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、腫瘍標的化サイトカイン及び少なくとも1つの追加の標的分子を結合する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって生成される多重特異性抗体は、IL2v(すなわち、インターロイキン2価)及び少なくとも1つの追加の標的分子に融合される。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって生成される多重特異性抗体は、T−細胞二重特異性抗体(すなわち、二重特異性T−細胞エンゲージャーまたはBiTE)である。
【0096】
いくつかの実施形態では、抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列変異体Fc領域)に起因する生物学的活性を指し、抗体アイソタイプによって異なる。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞毒性、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)、食作用、細胞表面受容体の下方調節が挙げられる。
【0097】
「補体依存性細胞毒性」または「CDC」とは、補体の存在下で標的を溶解させる分子の能力を指す。補体活性化経路は、補体系(C1q)の第1の成分の、同種抗原と複合した分子(例えば、ポリペプチド(例えば、抗体))への結合によって開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods202:163(1996)に記載されるようなCDCアッセイが行われ得る。
【0098】
「抗体依存性細胞媒介細胞毒性」及び「ADCC」とは、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞毒性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)が、標的細胞上に結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性反応を指す。ADCCを媒介するための初代細胞であるNK細胞がFcγRIIIのみを発現する一方で、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol9:457−92(1991)の464頁の表3に要約されている。対象となる分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載されるようなインビトロADCCアッセイを行ってもよい。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、または加えて、対象となる分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)95:652−656(1998)に開示されているような動物モデルにおいて評価してもよい。
【0099】
「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、かつエフェクター機能を実行する白血球である。いくつかの実施形態では、これらの細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を実行する。ADCCを媒介するヒト白血球の例は、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞毒性T細胞、及び好中球を含み、PBMC及びNK細胞が好ましい。
【0100】
「Fc受容体」または「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合する受容体を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、FcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり、これらの受容体の対立遺伝子バリアント及び選択的スプライシング形態を含む、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体を含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「阻害受容体」)を含み、これらは、主にその細胞質ドメインが異なる同様のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系阻害モチーフ(ITIM)を含有する(Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)を参照されたい)。FcRは、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol9:457−92(1991)、Capel et al.,Immunomethods4:25−34(1994)、及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.
”126:330−41(1995)に概説される。将来的に特定されるものも含む他のFcRは、本明細書における「FcR」という用語に包含される。この用語は、母体IgGsの胎児への移行に関与している新生児受容体FcRnも含む(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994))。
【0101】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、同義に使用され、外因性核酸が中に導入されている細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞としては、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が挙げられ、これらは、初代形質転換細胞及び継代の数にかかわらずそれに由来する子孫を含む。子孫は、親細胞と核酸含量の点で完全に同一ではないが、変異を含み得る。最初に形質転換された細胞についてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が、本明細書に含まれる。
【0102】
「不純物」とは、所望のポリペプチド生成物とは異なる物質を指す。不純物とは、一アーム抗体及びミスアセンブリングされた抗体、塩基性バリアント及び酸性バリアントを含む抗体バリアント、ならびに凝集体などの生成物−特異的ポリペプチドを指し得る。他の不純物としては、これらに限定されないが、宿主細胞タンパク質(HCP)などの宿主細胞物質、浸出されたプロテインA、核酸、別のポリペプチド、内毒素、ウイルス性混入物、細胞培養培地構成成分などを含むプロセス特異的不純物が挙げられる。いくつかの例では、不純物は、例えばこれらに限定されないが、細菌性細胞、例えばE.coli細胞(ECP)、昆虫細胞、原核細胞、真核細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞、真菌細胞からのHCPであってもよい。いくつかの例では、不純物は、CHO細胞、すなわち、CHO細胞タンパク質(CHOP)などの哺乳動物細胞からのHCPであってもよい。不純物は、例えば、FkpA、DsbA、及びDsbCなどの原核生物シャペロンなど、多重特異性抗体の発現、折り畳み、またはアセンブリを容易にするために使用される付属タンパク質を指し得る。
【0103】
本明細書で使用される「複合体」または「複合した」は、ペプチド結合でない結合及び/または力(例えば、ファンデルワールス力、疎水性力、親水性力)を通して互いに相互作用する2つ以上の分子の会合を指す。一実施形態では、複合体は、ヘテロ多量体である。本明細書で使用される「タンパク質複合体」または「ポリペプチド複合体」という用語は、タンパク質複合体(例えば、これらに限定されないが、毒素または検出剤などの化学分子を含む)中でタンパク質コンジュゲートされる非タンパク質の主体を有する複合体を含むことが理解されるべきである。
【0104】
「単離された」核酸とは、その天然環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、通常は核酸分子を含有する細胞内に含有される核酸分子を含むが、その核酸分子が染色体外に、またはその天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0105】
基準ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントを達成するように、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後に、かついかなる保存的置換も配列同一性の一部とは見なさずに、候補配列内のアミノ酸残基が、基準ポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一であるパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するための整列は、当該技術分野の範囲内の様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。当業者であれば、比較されている配列の完全長にわたって最大の整列を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。ある特定の実施形態では、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって記述され、ソースコードは、ユーザ文書とともに米国著作権庁(Washington D.C.,20559)に提出されており、米国著作権番号TXU510087の下に登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaから公的に入手可能であるか、またはソースコードからコンパイルされ得る。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含むUNIXオペレーティングシステムで使用する場合はコンパイルされるべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムにより設定されており、変動しない。
【0106】
ALIGN−2がアミノ酸配列比較に用いられる状況下で、所与のアミノ酸配列Bへの、それとの、またはそれに対する所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bへの、それとの、またはそれに対するある特定のアミノ酸配列同一性%を有するか、または含む所与のアミノ酸配列Aと表現され得る)は、以下のように計算される:
100×分数X/Y
【0107】
式中、Xは、配列整列プログラムALIGN−2によってそのプログラムのAとBとの整列において完全な一致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%とは等しくないことが理解される。別途具体的に示されない限り、本明細書で使用される全てのアミノ酸配列同一性%値は、直前の段落に記載されるようにALIGN−2コンピュータプログラムを使用して得られる。
【0108】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VH及びVL)は一般に、類似の構造を有し、各ドメインが4つの保存フレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含む。(例えば、Kindt et al.,Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page91(2007)を参照されたい。)単一のVHドメインまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、VHドメインまたはVLドメインを使用して抗原に結合する抗体から単離されて、それぞれ相補的VLドメインまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングすることができる。例えば、Portolano et al.,J.Immunol150:880−887(1993)、Clarkson et al.,Nature352:624−628(1991)を参照されたい。
【0109】
本明細書で使用されるとき、「ベクター」という用語は、それが結合している別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、及び中に導入される宿主細胞のゲノム内に組み込まれたベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが操作可能に連結している核酸の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。
【0110】
クロマトグラフィーに関して本明細書で使用される「逐次的な」という用語は、特定の配列におけるクロマトグラフィーのステップ、例えば、第1のクロマトグラフィーのステップ、その後に続く第2のクロマトグラフィーのステップ、その後に続く第3のクロマトグラフィーのステップを指す。さらなるステップは、逐次的なクロマトグラフィーのステップの間に含まれ得る。
【0111】
クロマトグラフィーに関して本明細書で使用される「連続」という用語は、直接または第1のクロマトグラフィー材料と第2のクロマトグラフィー材料との間の連続流を可能にするいくつかの他の機構を介して接続されたこれらの2つのクロマトグラフィー材料を有することを指す。
【0112】
「装填密度」とは、クロマトグラフィー材料の体積(例えば、リットル)と接触した組成物の量(例えば、グラム)を指す。いくつかの例では、装填密度は、g/Lで表わされる。
【0113】
「試料」とは、より大量の材料のわずか一部を指す。一般に、本明細書に記載の方法に従う試験は、試料で行われる。試料は、典型的には、例えば、培養された組換えポリペプチド発現細胞株(本明細書で「産物細胞株」とも称される)から、または培養された宿主細胞から得られる組換えポリペプチド調製物から得られる。本明細書で使用されるとき、「宿主細胞」は、目的とする組換えポリペプチドまたは産物の発現のための遺伝子を含有しない。試料は、例えば、採取された細胞培養液から、精製プロセスのある特定のステップでのインプロセスプールから、または最終精製産物から得られ得るが、これらに限定されない。試料はまた、希釈剤、緩衝剤、洗剤、及び汚染物質種、所望の分子(多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体など)とともに混合されて見出される残屑などを含む。
【0114】
本明細書において「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(及び説明する)。例えば、「約X」を言及する記述は、「X」の記述を含む。
【0115】
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態が、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0116】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a(1つの)」、「or(または)」、及び「the(その)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書に記載の本発明の態様及び変形は、態様及び変形「からなる」及び/または「本質的にからなる」を含むことが理解される。
【0117】
特許出願及び公報を含む本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0118】
多重特異性抗体の精製方法
多重特異性抗体を精製するための方法が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、第1の標的を結合する第1のF(ab)及び第2の標的を結合する第2のF(ab)を含む二価のF(ab’)である。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体、すなわち、アミノ酸配列において同一である2つの抗原結合アームを有する抗体であり、各Fabアームは、2つの抗原(二重作用Fab抗体など)を認識することが可能である。
【0119】
いくつかの態様では、多重特異性抗体の精製は、逐次的な、捕獲クロマトグラフィーのステップ、第1の混合モードクロマトグラフィーのステップ、及び第2の混合モードクロマトグラフィーのステップを含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、捕獲クロマトグラフィーの前にアセンブリングされる。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、捕獲クロマトグラフィーの後にアセンブリングされる。
【0120】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体(二重特異性抗体または二価のF(ab’)など)は、2つ以上の抗体のアームを含み、異なる抗体のアームは、異なるエピトープを結合する。ある特定の実施形態では、異なるエピトープは、同じ抗原上にある。ある特定の実施形態では、各エピトープは、異なる抗原上にある。ある特定の実施形態では、抗体のアームは、VH/VL単位を含む。ある特定の実施形態では、抗体のアームは、半抗体としても既知のヘミマーを含む。アセンブリを容易にするために、ある特定の実施形態では、1つの抗体のアームの重鎖は、「ノブ」を含むように修飾され、別の抗体のアームの重鎖は、第1の重鎖のノブが第2の重鎖のホールに適合するように「ホール」を含む。
【0121】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体の各アームは、別個の細胞培養中で産生される。宿主細胞中で抗体のアームの発現後、全体の細胞ブロスは、収集及び均質化され、抗体のアームが抽出される。ある特定の実施形態では、ポリエチレンイミン(PEI)は、クロマトグラフィーの前に細胞溶解液に添加される。いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に遠心分離される。次いで、多重特異性抗体の各アームは、捕獲クロマトグラフィーによって精製される(各アームが、別個のクロマトグラフィーカラムまたは膜上で精製されるように)。ある特定の実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、親和性クロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインGクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、タンパク質A/Gクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインLクロマトグラフィーである。捕獲クロマトグラフィー後、精製された抗体のアームは、例えば、SDS−PAGE、SECクロマトグラフィー、質量分析などによって分析され得る。次いで、多重特異性抗体の精製されたアームは、本明細書の他でさらに詳細に論じられるように、組み合わされて、アセンブリングすることが可能になる。
【0122】
他の実施形態では、多重特異性抗体の各アームは、別個の細胞培養中で産生される。宿主細胞中で抗体のアームの発現後、全体の細胞ブロスは、収集及び均質化される。次いで、各培養の細胞ホモジネートは混合され、組み合わされた抗体のアームが抽出される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンイミン(PEI)は、クロマトグラフィーの前に細胞溶解液に添加される。いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に遠心分離される。次いで、多重特異性抗体の組み合わされたアームは、親和性クロマトグラフィーによって精製される。いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。この時点で、精製された抗体のアームは、例えば、SDS−PAGE、SECクロマトグラフィー、質量分析などによって分析され得る。次いで、多重特異性抗体の精製されたアームは、本明細書に説明される方法によって、組み合わされて、アセンブリングすることが可能になる。
【0123】
他の実施形態では、多重特異性抗体の各アームは、同じ細胞培養中で産生される。宿主細胞中で抗体のアームの発現後、全体の細胞ブロスは、収集及び均質化され、抗体のアームが抽出される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンイミン(PEI)は、クロマトグラフィーの前に細胞溶解液に添加される。いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に遠心分離される。次いで、多重特異性抗体のアームは、親和性クロマトグラフィーによって精製される。いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。この時点で、精製された抗体のアームは、例えば、SDS−PAGE、SECクロマトグラフィー、質量分析などによって分析され得る。次いで、多重特異性抗体の精製されたアームは、本明細書に説明される方法によって集合することが可能になる。
【0124】
いくつかの実施形態では、細胞溶解液中のPEIの最終濃度は、少なくとも約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、または約5.0のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、細胞溶解液中のPEIの最終濃度は、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約1%、約0.1%〜約0.5%、約0.5%〜約5%、約0.5%〜約1%、または約1%〜約5%のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、PEIを含む細胞溶解液は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、または約24時間のうちのいずれかを超える間保持される。いくつかの実施形態では、PEIを含む細胞溶解液は、約1時間〜24時間、1時間〜6時間、6時間〜12時間、12時間〜18時間、18時間〜24時間のうちのいずれかを超える間保持される。いくつかの実施形態では、PEIを含む細胞溶解液は、約10時間〜14時間のうちのいずれかの間保持される。いくつかの実施形態では、PEIを含む細胞溶解液は、約4℃〜37℃で保持される。いくつかの実施形態では、PEIを含む細胞溶解液は、約周囲温度で保持される。
【0125】
いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に遠心分離によって浄化される。いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に濾過される。いくつかの実施形態では、細胞溶解液は、クロマトグラフィーの前に0.22μmのフィルターを介して濾過される。
【0126】
親和性クロマトグラフィーの例としては、これらに限定されないが、例えば、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、またはプロテインLクロマトグラフィーが挙げられる。親和性クロマトグラフィー材料の例としては、これらに限定されないが、ProSep(登録商標)−vA、ProSep(登録商標)Ultra Plus、プロテインAセファロース(登録商標)ファストフロー、Toyopearl(登録商標)AF−rプロテインA、MabSelect(商標)、MabSelect SuRe(商標)、MabSelect SuRe(商標)LX、KappaSelect、CaptureSelect(商標)、及びCaptureSelect(商標)FcXLが挙げられる。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィー材料は、カラム中にある。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、「結合及び溶出モード」(代替的には「結合及び溶出プロセス」と称される)で行われる。「結合及び溶出モード」は、試料中の生成物(多重特異性抗体など)親和性クロマトグラフィー材料を結合する生成物分離技術を指し、親和性クロマトグラフィー材料から逐次的に溶出される。いくつかの実施形態では、溶出は、移動相の組成物が溶出プロセスの間に1つまたはいくつかの場合に段階的に変更される段階溶出である。ある特定の実施形態では、溶出は、移動相の組成物が溶出プロセスの間に連続的に変更される勾配溶出である。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィー材料は、膜である。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは、MAbSelect SuReクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、CaptureSelectクロマトグラフィーである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、CaptureSelect FcXLクロマトグラフィーである。
【0127】
ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップの溶出物は、逐次的に、第1の混合モードクロマトグラフィーに適用される。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、以下の官能性、アニオン交換、カチオン交換、水素結合、pi−pi結合相互作用、親水性相互作用、親チオ性相互作用、及び疎水性相互作用のうちのいずれか1つ以上が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、アニオン交換及び疎水性相互作用が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、カチオン交換及び疎水性相互作用が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、4−メルカプト−エチル−ピリジン、2−ベンズアミド−4−メルカプトブタン酸、ヘキシルアミン、またはフェニルプロピルアミン、または架橋ポリアリルアミンを含む。混合モード材料の例としては、Capto(商標)Adhere樹脂、Capto(商標)MMC樹脂、MEP HyperCel(商標)樹脂、HEA HyperCel(商標)樹脂、PPA HyperCel(商標)樹脂、Eshmuno(登録商標)HCX、Capto(商標)Adhere ImpRes、Capto(商標)MMC Impres、Nuvia(商標)cPrime(商標)膜が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1の混合モード材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。ある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、Capto(商標)MMCである。ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含まない。ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、溶出は、段階溶出である。ある特定の実施形態では、溶出は、勾配溶出である。ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。上記のある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、カラム中にある。上記のある特定の実施形態では、第1の混合モード材料は、膜内にある。
【0128】
ある特定の実施形態では、捕獲クロマトグラフィー及び第1の混合モードクロマトグラフィーは、連続的であり、例えば、捕獲クロマトグラフィー材料及び第1の混合モード材料は、直接的に接続されるか、または捕獲クロマトグラフィー材料と第1の混合モード材料との間の連続流を可能にするいくつかの他の機序によって接続されるかのいずれかである。ある特定の実施形態では、捕獲クロマトグラフィー及び第1の混合モードクロマトグラフィーは、連続的であり、第1の混合モードクロマトグラフィーは、捕獲クロマトグラフィーの直後に行われる。
【0129】
ある特定の実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの溶出物は、第1の混合モードの樹脂に適用される前に1つ以上の追加のクロマトグラフィーのステップにかけられる。例えば、捕獲クロマトグラフィーの溶出物は、第1の混合モードクロマトグラフィーにかけられる前に、任意の順序及び/または任意の組み合わせで以下のクロマトグラフィーのステップ、疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)などのうちのいずれか1つ以上にかけられ得る。
【0130】
疎水性相互作用クロマトグラフィーは、生体分子を疎水性に従って分離する液体クロマトグラフィー技術である。HICクロマトグラフィー材料の例としては、これらに限定されないが、例えば、Toyopearl(登録商標)ヘキシル−650、Toyopearl(登録商標)ブチル−650、Toyopearl(登録商標)フェニル−650、Toyopear(登録商標)lエーテル−650、HiTrap(登録商標)セファロース、オクチルセファロース(登録商標)、フェニルセファロース(登録商標)、ブチルセファロース(登録商標)が挙げられる。いくつかの実施形態では、HICクロマトグラフィー材料は、フェニルセファロースを含む。ある特定の実施形態では、HICクロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、HICクロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。上記のいくつかの実施形態では、HICクロマトグラフィー材料は、カラム中にある。上記のいくつかの実施形態では、HICクロマトグラフィー材料は、膜内にある。
【0131】
アニオン交換クロマトグラフィー材料は、正に荷電しており、かつ固相を通るか、または通過した水溶液(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)中のアニオンとの交換のために遊離アニオンを有する固相である。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、アニオン交換材料は、膜、モノリス、または樹脂であり得る。一実施形態では、アニオン交換材料は、樹脂であり得る。いくつかの実施形態では、陰イオン交換材料は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、または第四級アンモニウムイオン官能基、ポリアミン官能基、またはジエチルアミノアエチル(diethylaminoaethyl)官能基を含み得る。アニオン交換材料の例は、当該技術分野で既知であり、これらに限定されないが、Poros(登録商標)HQ50、Poros(登録商標)PI50、Poros(登録商標)D、Mustang(登録商標)Q、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF)、第四級メチルアミン(QMA)樹脂を含むAccell(商標)、Sartobind STIC(登録商標)、及びDEAE−セファロース(登録商標)を含む。いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。上記のいくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィー材料は、カラム中にある。上記のいくつかの実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィー材料は、膜内にある。
【0132】
カチオン交換クロマトグラフィー材料は、負に荷電しており、かつ固相を通るか、または通過した水溶液(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)中のアニオンとの交換のために遊離アニオンを有する固相である。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、カチオン交換材料は、膜、モノリス、または樹脂であり得る。いくつかの実施形態では、カチオン交換材料は、樹脂であり得る。カチオン交換材料は、例えば、スルホン酸塩、カルボキシル、カルボキシメチルスルホン酸、スルホイソブチル、スルホエチル、カルボキシル、スルホプロピル、スルホニル、スルホキシエチル、またはオルトリン酸塩であるが、これらに限定されないカルボン酸官能基またはスルホン酸官能基を含み得る。上記のいくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、カチオン交換クロマトグラフィーカラムである。上記のいくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、カチオン交換クロマトグラフィー膜である。当該技術分野で既知のカチオン交換材料の例は、これらに限定されないが、Mustang(登録商標)S、Sartobind(登録商標)S、SOMonolith(例えば、CIM(登録商標)、CIMmultus(登録商標)、及びCIMac(登録商標)SOなど)、S Ceramic HyperD(登録商標)、Poros(登録商標)XS、Poros(登録商標)HS50、Poros(登録商標)HS20、スルホプロピル−セファロース(登録商標)ファストフロー(SPSFF)、SP−セファロース(登録商標)XL(SPXL)、CM セファロース(登録商標)ファストフロー、Capto(商標)S、Fractogel(登録商標)EMD Se Hicap、Fractogel(登録商標)EMD SO、またはFractogel(登録商標)EMD COOを含む。いくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。上記のいくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、カラム中にある。上記のいくつかの実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、膜内にある。
【0133】
ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))クロマトグラフィー材料の官能基は、結晶カルシウムイオン(C−部位)、及び結晶リン酸塩(P−部位)の三つ組に関連する6つの負に荷電された酸素原子のクラスターの正に荷電された対を含む。C−部位、P−部位、及びヒドロキシルは、結晶表面上に固定されたパターンで分布される。タンパク質は、典型的には、低濃度(例えば、10〜25mM)のリン酸塩緩衝液中でヒドロキシアパタイトに吸収されるが、ある特定の酸性タンパク質は、水、食塩水、または非リン酸塩緩衝液中に装填される場合、吸収され得る。タンパク質は、通常、リン酸塩勾配を増加させることによって溶出されるが、Ca2+、Mg2+、またはClイオンの勾配もまた、塩基性タンパク質の選択的な溶出などに使用され得る。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー材料は、樹脂であり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー材料は、樹脂であり得る。上記のいくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー材料は、カラムである。当該技術分野で既知のヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー材料の例としては、これらに限定されないが、CHT(商標)セラミックヒドロキシアパタイト、CHTセラミックヒドロキシアパタイトI型担体、CHTセラミックヒドロキシアパタイトII型担体が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。
【0134】
一実施形態では、本明細書に報告される方法はさらに、Fcドメインを含む二重特異性抗体を二重特異性抗体を含む溶液から分離する方法を含み得、方法は、(a)溶液をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー培地と接触させること、(b)二重特異性抗体をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー培地に吸収させること、及び(c)塩化物イオンの存在下で二重特異性抗体をヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー培地から溶出することを含み、溶液は、1つ以上の断片がFcドメインを含む二重特異性抗体の1つ以上の断片をさらに含み、及び/または溶液は、二重特異性抗体の分子量を超える分子量を有する1つ以上のポリペプチドを含み、かつ1つ以上のポリペプチドがWO2015/024896に参照されるFcドメインをさらに含む二重特異性抗体の2つの重鎖のうちの少なくとも1つを含む。
【0135】
ある特定の実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの溶出物は、アニオン交換クロマトグラフィーにかけられる。ある特定の実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィー材料は、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF)である。ある特定の実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。
【0136】
ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーの後に収集される溶出物は、逐次的に、第2の混合モードクロマトグラフィーに適用される。ある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、以下の官能性、アニオン交換、カチオン交換、水素結合、pi−pi結合相互作用、親水性相互作用、親チオ性相互作用、及び疎水性相互作用のうちのいずれか1つ以上が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、アニオン交換及び疎水性相互作用が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、カチオン交換及び疎水性相互作用が可能である官能基を含む。ある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、4−メルカプト−エチル−ピリジン、2−ベンズアミド−4−メルカプトブタン酸、ヘキシルアミン、またはフェニルプロピルアミン、または架橋ポリアリルアミンを含む。混合モード材料の例としては、Capto(商標)Adhere樹脂、Capto(商標)MMC樹脂、MEP HyperCel(商標)樹脂、HEA HyperCel(商標)樹脂、Eshmuno(登録商標)HCX、Capto(商標)Adhere ImpRes、Capto(商標)MMC Impres、Nuvia(商標)cPrime(商標)膜が挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の混合モード材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。ある特定の実施形態では、第12混合モード材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。ある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、Capto(商標)MMCである。ある特定の実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含まない。ある特定の実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーは、「結合及び溶出」モードで行われる。いくつかの実施形態では、溶出は、段階溶出である。ある特定の実施形態では、溶出は、勾配溶出である。ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーは、「フロースルー」モードで行われる。上記のある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、カラム中にある。上記のある特定の実施形態では、第2の混合モード材料は、膜内にある。
【0137】
ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィー及び第2の混合モードクロマトグラフィーは、連続的であり、例えば、捕獲クロマトグラフィー材料及び第1の混合モード材料は、直接的に接続されるか、または捕獲クロマトグラフィー材料と第1の混合モード材料との間の連続流を可能にするいくつかの他の機序によって接続されるかのいずれかである。ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィー及び第2の混合モードクロマトグラフィーは、連続的であり、第2の混合モードクロマトグラフィーは、第1の混合モードクロマトグラフィーの直後に行われる。
【0138】
ある特定の実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーの溶出物は、第2の混合モードの樹脂に適用される前に1つ以上の追加のクロマトグラフィーの操作にかけられる。例えば、第1の混合モードクロマトグラフィーの溶出物は、第2の混合モードクロマトグラフィーにかけられる前に、任意の順序及び/または任意の組み合わせで以下のクロマトグラフィーのステップ、疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)などのうちの1つ以上にかけられ得る。
【0139】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーの溶出物は、1つ以上の追加のクロマトグラフィーのステップにかけられる。例えば、第2の混合モードクロマトグラフィーの溶出物は、任意の順序及び/または任意の組み合わせで以下のクロマトグラフィーのステップ、疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)、混合モードクロマトグラフィーなどのうちのいずれか1つ以上にかけられ得る。
【0140】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、方法は、緩衝液を使用することを含む。様々な緩衝液は、例えば、緩衝液の所望のpH、緩衝液の所望の伝導度、精製される多重特異性抗体の特徴、及び精製方法に応じて、多重特異性抗体の精製の間に用いられ得る。緩衝液は、装填緩衝液、平衡化緩衝液、または洗浄緩衝液であり得る。ある特定の実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液のうちの1つ以上が同じである。ある特定の実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液は異なる。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、緩衝液は塩を含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、トリスHCl、トリス酢酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、MES、CHES、MOPS、ビストリス、アルギニン、アルギニンHCl、またはそれらの混合物を含む。ある特定の実施形態では、緩衝液は、塩化ナトリウム緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、酢酸ナトリウム緩衝液である。ある特定の実施形態では、緩衝液は、トリス、アルギニン、リン酸塩、MES、CHES、またはMOPS緩衝液である。
【0141】
「装填物」とは、クロマトグラフィー材料に装填される組成物を指す。装填緩衝液は、組成物(例えば、多重特異性抗体及び不純物を含む組成物、または抗体のアーム及び不純物を含む組成物)をクロマトグラフィー材料(本明細書に記載されるクロマトグラフィー材料のうちのいずれか1つなど)に装填するために使用される緩衝液である。クロマトグラフィー材料は、精製される組成物の装填前に平衡化緩衝液で平衡化され得る。洗浄緩衝液は、組成物をクロマトグラフィー材料に装填した後に使用される。溶出緩衝液は、対象のポリペプチドを固相から溶出するために使用される。
【0142】
多重特異性抗体(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)を含む組成物の本明細書に記載されるクロマトグラフィー材料のうちのいずれかへの装填は、不純物から多重特異性抗体の精製のために最適化され得る。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)を含む組成物のクロマトグラフィー材料への装填は、クロマトグラフィーが結合及び溶出モードで行われるときに、多重特異性抗体のクロマトグラフィー材料への結合のために最適化される(例えば、本明細書に設計される親和性クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、及びイオン交換クロマトグラフィー)。
【0143】
伝導度とは、2つの電極間に電流を伝導する水溶液の能力を指す。溶液中で、電流は、イオン輸送により流れる。したがって、水溶液中に存在するイオンの量が増加すると、この溶液は、より高い伝導度を有するようになる。伝導度の尺度の基本単位は、ジーメンス(mS/cm)またはohm(mho)であり、様々なモデルのOrion伝導度計などの伝導度計を使用して測定され得る。電解質伝導度が電流を搬送する溶液中のイオンの能力であるため、溶液の伝導度は、その中のイオンの濃度を変化させることによって変更され得る。例えば、溶液中の緩衝剤の濃度及び/または塩(例えば、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化カリウム)の濃度は、所望の伝導度を達成するために変更され得る。好ましくは、様々な緩衝液の塩濃度は、所望の伝導度を達成するために修正される。
【0144】
例えば、ある特定の実施形態では、多重特異性抗体(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)を含む組成物は、装填緩衝液の伝導度を一定に保ちながら、いくつかの異なるpH値の装填緩衝液中のクロマトグラフィー材料、例えば、本明細書に記載されるクロマトグラフィー材料のうちのいずれか1つを含むクロマトグラフィーカラムに装填される。代替的には、多重特異性抗体を含む溶液は、装填緩衝液のpHを一定に保ちながら、いくつかの異なる伝導度の装填緩衝液中のクロマトグラフィー材料に装填され得る。多重特異性抗体(多重特異性抗体及び不純物を含む組成物など)を含む組成物をクロマトグラフィー材料に装填し、クロマトグラフィー材料から産物をプール画分中に溶出させた時点で、プール画分中に残っている不純物の量は、所与のpHまたは伝導度に対する多重特異性抗体の不純物からの分離に関する情報を提供する。同様に、クロマトグラフィーについて、多重特異性抗体がクロマトグラフィー材料を貫流する場合、装填緩衝液は、多重特異性抗体がクロマトグラフィーを貫流するようなpH及び伝導度のために最適化されるが、不純物は、クロマトグラフィー材料によって保持されるか、または多重特異性抗体より異なる速さでクロマトグラフィー材料を貫流する。
【0145】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体または抗体のアームを含む溶液の装填密度は、親和性クロマトグラフィー材料(例えば、プロテインAクロマトグラフィー材料)の約10g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、または約150g/Lのうちのいずれかを超える。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体または抗体のアームを含む溶液の装填密度は、捕獲クロマトグラフィー材料(親和性クロマトグラフィー材料、例えば、プロテインAクロマトグラフィー材料、プロテインGクロマトグラフィー材料、プロテインA/Gクロマトグラフィー材料、またはプロテインLクロマトグラフィー材料など)の約10g/L〜約20g/L、約20g/L〜約30g/L、約30g/L〜約40g/L、約40g/L〜約50g/L、約50g/L〜約60g/L、約60g/L〜約70g/L、約70g/L〜約80g/L、約80g/L〜約90g/L、約90g/L〜約100g/Lである。
【0146】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、アニオン交換クロマトグラフィー材料(例えば、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF))に装填される。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、または約150g/Lのうちのいずれかを超えるアニオンクロマトグラフィー材料(例えば、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF))の多重特異性抗体の装填密度で、アニオン交換クロマトグラフィー材料に装填される。いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約10g/L〜約20g/L、約20g/L〜約30g/L、約30g/L〜約40g/L、約40g/L〜約50g/L、約50g/L〜約60g/L、約60g/L〜約70g/L、約70g/L〜約80g/L、約80g/L〜約90g/L、約90g/L〜約100g/Lのうちのいずれかのアニオン交換クロマトグラフィー材料(例えば、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF))の多重特異性抗体の装填密度で、アニオン交換クロマトグラフィー材料に装填される。
【0147】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーの後(任意に、本明細書に記載されるクロマトグラフィー操作のうちのいずれかを含む捕獲クロマトグラフィー及び1つ以上の追加のクロマトグラフィーのステップの後)に得られる溶出物は、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、または約150g/Lのうちのいずれかを超える第1の混合モードクロマトグラフィー材料(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー材料またはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー材料)の多重特異性抗体の装填密度で、第1の混合モードクロマトグラフィー材料に装填される。いくつかの実施形態では、捕獲モードクロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約10g/L〜約20g/L、約20g/L〜約30g/L、約30g/L〜約40g/L、約40g/L〜約50g/L、約50g/L〜約60g/L、約60g/L〜約70g/L、約70g/L〜約80g/L、約80g/L〜約90g/L、約90g/L〜約100g/Lのうちのいずれかの第1の混合モードクロマトグラフィー材料(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー材料またはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー材料)の多重特異性抗体の装填密度で、第1の混合モードクロマトグラフィー材料に装填される。
【0148】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、または約150g/Lのうちのいずれかを超える多重特異性抗体の装填密度で、第2の混合モードクロマトグラフィー材料(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー材料またはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー材料)に装填される。いくつかの実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約10g/L〜約20g/L、約20g/L〜約30g/L、約30g/L〜約40g/L、約40g/L〜約50g/L、約50g/L〜約60g/L、約60g/L〜約70g/L、約70g/L〜約80g/L、約80g/L〜約90g/L、約90g/L〜約100g/Lのうちのいずれかの混合モードクロマトグラフィー材料(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー材料またはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー材料)の多重特異性抗体の装填密度で、第2の混合モードクロマトグラフィー材料に装填される。
【0149】
本明細書に記載される方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、または約150g/Lのうちのいずれかを超える逐次的なクロマトグラフィー材料の多重特異性抗体の装填密度で、逐次的なクロマトグラフィー材料(疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、サイズ排除クロマトグラフィー材料、親和性クロマトグラフィー材料、または追加の混合モードクロマトグラフィー材料など)に装填される。いくつかの実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィーの後に得られる溶出物は、約10g/L〜約20g/L、約20g/L〜約30g/L、約30g/L〜約40g/L、約40g/L〜約50g/L、約50g/L〜約60g/L、約60g/L〜約70g/L、約70g/L〜約80g/L、約80g/L〜約90g/L、約90g/L〜約100g/Lのうちのいずれかの逐次的なクロマトグラフィー材料の多重特異性抗体の装填密度で、逐次的なクロマトグラフィー材料(疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、サイズ排除クロマトグラフィー材料、親和性クロマトグラフィー材料、または追加の混合モードクロマトグラフィー材料など)に装填される。
【0150】
溶出は、本明細書で使用されるとき、生成物、例えば、多重特異性抗体または抗体のアームのクロマトグラフィー材料からの除去である。溶出緩衝液は、クロマトグラフィー材料から対象の多重特異性抗体または他の生成物を溶出させるために使用される緩衝液である。多くの場合、溶出緩衝液は、装填緩衝液とは異なる物理的特徴を有する。例えば、溶出緩衝液は、装填緩衝液とは異なる伝導度または装填緩衝液とは異なるpHを有し得る。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液よりも低い伝導度を有する。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液よりも高い伝導度を有する。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液よりも低いpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液よりも高いpHを有する。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液とは異なる伝導度及び異なるpHを有する。溶出緩衝液は、より高いまたはより低い伝導度及びより高いまたはより低いpHの任意の組み合わせを有し得る。
【0151】
ある特定の実施形態では、クロマトグラフィー材料からの多重特異性抗体の溶出は、最小不純物及び最小溶出体積またはプール体積で生成物の産出のために最適化される。例えば、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体のアームを含む組成物は、装填緩衝液中のクロマトグラフィー材料、例えば、クロマトグラフィーカラムに装填され得る。装填が完了した時点で、多重特異性抗体または抗体のアームは、溶出緩衝液の伝導度を一定に保ちながら、いくつかの異なるpH値の緩衝液で溶出される。あるいは、多重特異性抗体または抗体のアームは、溶出緩衝液のpHを一定に保ちながら、いくつかの異なる伝導度の溶出緩衝液中のクロマトグラフィー材料から溶出され得る。クロマトグラフィー材料からの多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体のアームの溶出が完了した時点で、プール画分中の不純物の量は、所与のpHまたは伝導度に対する多重特異性抗体または抗体のアームの不純物からの分離に関する情報を提供する。多数のカラム体積(例えば、8カラム体積)における多重特異性抗体または抗体のアームの溶出は、溶出プロファイルの「テーリング」を示す。いくつかの実施形態では、溶出のテーリングは、最小化される。
【0152】
例えば、緩衝液の所望のpH、緩衝液の所望の伝導度、対象のタンパク質の特徴、クロマトグラフィー材料、及び精製プロセス(例えば、「結合及び溶出」または「フロースルー」モード)に応じて用いられ得る様々な緩衝液。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの緩衝液の使用を含む。緩衝液は、装填緩衝液、平衡化緩衝液、溶出緩衝液、または洗浄緩衝液であり得る。いくつかの実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、溶出緩衝液、及び/または洗浄緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液など)のうちの1つ以上は同じである。いくつかの実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液など)は異なる。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、緩衝液は塩を含む。装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液など)は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、トリス、アルギニン、リン酸塩、MOPS、MES、CHES、ビストリス、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、クエン酸塩、コハク酸塩、またはそれらの混合物を含み得る。ある特定の実施形態では、緩衝液は、塩化ナトリウム緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、酢酸ナトリウム緩衝液である。ある特定の実施形態では、緩衝液は、トリス、アルギニン、リン酸塩、MES、CHES、またはMOPS緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、トリスを含む。いくつかの実施形態では、緩衝液は、アルギニンを含む。
【0153】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液など)は、約1.0mS/cm、約1.5mS/cm、約2.0mS/cm、約2.5mS/cm、約3.0mS/cm、約3.5mS/cm、約4.0mS/cm、約4.5mS/cm、約5.0mS/cm、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、約7.0mS/cm、約7.5mS/cm、約8.0mS/cm、約8.5mS/cm、約9.0mS/cm、約9.5mS/cm、約10mS/cm、または約20mS/cmのうちのいずれかを超える伝導度を有する。伝導度は、約1mS/cm〜約20mS/cm、約4mS/cm〜約10mS/cm、約4mS/cm〜約7mS/cm、約5mS/cm〜約17mS/cm、約5mS/cm〜約10mS/cm、または約5mS/cm〜約7mS/cmのうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、伝導度は、約1.0mS/cm、約1.5mS/cm、約2.0mS/cm、約2.5mS/cm、約3.0mS/cm、約3.5mS/cm、約4mS/cm、約4.5mS/cm、約5.0mS/cm、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、約7.0mS/cm、約7.5mS/cm、約8.0mS/cm、約8.5mS/cm、約9.0mS/cm、約9.5mS/cm、約10mS/cm、または約20mS/cmのうちのいずれかである。一態様では、伝導度は、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の伝導度である。いくつかの実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液など)のうちの1つ以上の伝導度は同じである。いくつかの実施形態では、装填緩衝液の伝導度は、洗浄緩衝液及び/または平衡化緩衝液の伝導度とは異なる。
【0154】
いくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、装填緩衝液の伝導度未満の伝導度を有する。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、約0mS/cm、約0.5mS/cm、約1.0mS/cm、約1.5mS/cm、約2.0mS/cm、約2.5mS/cm、約3.0mS/cm、約3.5mS/cm、約4.0mS/cm、約4.5mS/cm、約5.0mS/cm、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、または約7.0mS/cmのうちのいずれか未満の伝導度を有する。伝導度は、約0mS/cm〜約7mS/cm、約1mS/cm〜約7mS/cm、約2mS/cm〜約7mS/cm、約3mS/cm〜約7mS/cm、または約4mS/cm〜約7mS/cm、約0mS/cm〜約5.0mS/cm、約1mS/cm〜約5mS/cm、約2mS/cm〜約5mS/cm、約3mS/cm〜約5mS/cm、または約4mS/cm〜約5mS/cmのうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)の伝導度は、約0mS/cm、約0.5mS/cm、約1.0mS/cm、約1.5mS/cm、約2.0mS/cm、約2.5mS/cm、約3.0mS/cm、約3.5mS/cm、約4mS/cm、約4.5mS/cm、約5.0mS/cm、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、または約7.0mS/cmのうちのいずれかである。
【0155】
いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、装填緩衝液の伝導度を超える伝導度を有する。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、約7.0mS/cm、約7.5mS/cm、約8.0mS/cm、約8.5mS/cm、約9.0mS/cm、約9.5mS/cm、約10mS/cm、約11mS/cm、約12mS/cm、約13mS/cm、約14mS/cm、約15mS/cm、約16mS/cm、約17.0mS/cm、約18.0mS/cm、約19.0mS/cm、約20.0mS/cm、約21.0mS/cm、約22.0mS/cm、約23.0mS/cm、約24.0mS/cm、約25.0mS/cm、約26.0mS/cm、約27.0mS/cm、約28.0mS/cm、約29.0mS/cm、または約30.0mS/cmのうちのいずれかを超える伝導度を有する。伝導度は、約5.5mS/cm〜約30mS/cm、約6.0mS/cm〜約30mS/cm、約7mS/cm〜約30mS/cm、約8mS/cm〜約30mS/cm、約9mS/cm〜約30mS/cm、または約10mS/cm〜約30mS/cmのうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液の伝導度は、約5.5mS/cm、約6.0mS/cm、約6.5mS/cm、約7.0mS/cm、約7.5mS/cm、約8.0mS/cm、約8.5mS/cm、約9.0mS/cm、約9.5mS/cm、約10mS/cm、約11mS/cm、約12mS/cm、約13mS/cm、約14mS/cm、約15mS/cm、約16mS/cm、約17.0mS/cm、約18.0mS/cm、約19.0mS/cm、約20.0mS/cm、約21.0mS/cm、約22.0mS/cm、約23.0mS/cm、約24.0mS/cm、約25.0mS/cm、約26.0mS/cm、約27.0mS/cm、約28.0mS/cm、約29.0mS/cm、または約30.0mS/cmのうちのいずれかである。上記の実施形態のうちのいずれかのいくつかの態様では、溶出緩衝液の伝導度(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、段階勾配または線形勾配によって装填物及び/または洗浄緩衝液から変更される。
【0156】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む溶液は、約<6.5mS/cmの伝導度を有する装填緩衝液中の第1の混合モードクロマトグラフィー材料に装填され、ポリペプチドは、約1.5mS/cmの伝導度を有する溶出緩衝液中の第1の混合クロマトグラフィー材料から溶出される。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約6.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約3mS/cmの伝導度を有する。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約5.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約2mS/cmの伝導度を有する。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約5.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約1mS/cmの伝導度を有する。上記の実施形態のさらなる実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィー材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。上記の実施形態のさらなる実施形態では、第1の混合モードクロマトグラフィー材料は、Capto(商標)MMC樹脂である。
【0157】
上記の実施形態のうちのいずれかのいくつかの態様では、溶出緩衝液の伝導度は、段階勾配または線形勾配によって装填物及び/または洗浄緩衝液から変更される。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、<6.5mS/cmで第1の混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)AdhereクロマトグラフィーまたはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー)に装填され、多重特異性抗体は、約1.5mS/cmまでの段階伝導勾配によって第1の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。
【0158】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む溶液は、約<6.5mS/cmの伝導度を有する装填緩衝液中の第2の混合モードクロマトグラフィー材料に装填され、ポリペプチドは、約1.5mS/cmの伝導度を有する溶出緩衝液中の第2の混合クロマトグラフィー材料から溶出される。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約6.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約3mS/cmの伝導度を有する。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約5.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約2mS/cmの伝導度を有する。いくつかの実施形態では、装填緩衝液は、約5.5mS/cmの伝導度を有し、溶出緩衝液は、約1mS/cmの伝導度を有する。上記の実施形態のさらなる実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィー材料は、Capto(商標)Adhere樹脂である。上記の実施形態のさらなる実施形態では、第2の混合モードクロマトグラフィー材料は、Capto(商標)MMC樹脂である。
【0159】
上記の実施形態のうちのいずれかのいくつかの態様では、溶出緩衝液の伝導度は、段階勾配または線形勾配によって装填物及び/または洗浄緩衝液から変更される。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、<6.5mS/cmで第2の混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)AdhereクロマトグラフィーまたはCapto(商標)MMCクロマトグラフィー)に装填され、多重特異性抗体は、約1.5mS/cmまでの段階伝導勾配によって第2の混合モードクロマトグラフィーから溶出される。
【0160】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、<2.5mS/cmでアニオン交換クロマトグラフィー(例えば、QSFFクロマトグラフィー)に装填され、多重特異性抗体は、約8.6mS/cmまでの段階伝導勾配によってアニオン交換クロマトグラフィーから溶出される。
【0161】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約5.0mS/cmでカチオン交換クロマトグラフィー(例えば、POROS50HSクロマトグラフィー)に装填され、多重特異性抗体は、約27.5mS/cmまでの段階伝導勾配によってカチオン交換クロマトグラフィーから溶出される。
【0162】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液など)は、約10、約9、約8、約7、約6、または約5のうちのいずれか未満のpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液など)は、約4、約5、約6、約7、約8、または約9のうちのいずれかを超えるpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液など)は、約4〜約9、約4〜約8、約4〜約7、約5〜約9、約5〜約8、約5〜約7、約5〜約6のうちのいずれかのpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。いくつかの実施形態では、装填緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液など)のpHは、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、または約8のうちのいずれかのpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。pHは、装填緩衝液、平衡化緩衝液、または洗浄緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのために使用される装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液など)のpHであり得る。いくつかの実施形態では、装填緩衝液、平衡化緩衝液、及び/または洗浄緩衝液のうちの1つ以上のpHは、同じである。いくつかの実施形態では、装填緩衝液のpHは、平衡化緩衝液及び/または洗浄緩衝液のpHとは異なる。
【0163】
いくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、装填緩衝液のpH未満のpHを有する。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2のうちのいずれか未満のpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。溶出緩衝液のpHは、約4〜約9、約4〜約8、約4〜約7、約4〜約6、約4〜約5、約5〜約9、約5〜約8、約5〜約7、約5〜約6、約6〜約9、約6〜約8、約6〜約7のうちのいずれかであり得、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)のpHは、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、または約9.0のうちのいずれかであり、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、装填緩衝液のpHを超えるpHを有する。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、溶出緩衝液(第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、約5、約6、約7、約8、または約9のうちのいずれかを超えるpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)は、約2、約4、または約4のうちのいずれかを超えるpHを有し、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)のpHは、約2〜約9、約3〜約9、約4〜約9、約2〜約8、約3〜約8、約4〜約8、約2〜約7、約3〜約7、約4〜約7、約2〜約6、約3〜約6、及び約4〜約6のうちのいずれかであり得、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液のpHは、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0のうちのいずれかであり、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体または抗体のアームを含む溶液は、約pH7で親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインAクロマトグラフィー)に装填され、多重特異性抗体または抗体のアームは、約2.9のpHまでの段階勾配によって親和性クロマトグラフィーから溶出される。
【0166】
上記の実施形態のうちのいずれかのいくつかの態様では、溶出緩衝液(捕獲クロマトグラフィー、第1の混合モードクロマトグラフィー、第2の混合モードクロマトグラフィー、及び/またはアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、HICクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、追加の混合モードクロマトグラフィー等などの任意の追加のクロマトグラフィーのための溶出緩衝液など)のpHは、段階勾配または線形勾配によって装填物及び/または洗浄緩衝液から変更される。
【0167】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、流量は、約50CV/時間、約40CV/時間、または約30CV/時間のうちのいずれか未満である。流量は、約5CV/時間〜約50CV/時間、約10CV/時間〜約40CV/時間、または約18CV/時間〜約36CV/時間のうちのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、流量は、約9CV/時間、約18CV/時間、約25CV/時間、約30CV/時間、約36CV/時間、または約40CV/時間のうちのいずれかである。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、流量は、約100cm/時間、約75cm/時間、または約50cm/時間のうちのいずれか未満である。流量は、約25cm/時間〜約150cm/時間、約25cm/時間〜約100cm/時間、約50cm/時間〜約100cm/時間、または約65cm/時間〜約85cm/時間のうちのいずれかであり得る。
【0168】
床高さは、使用されるクロマトグラフィー材料の高さである。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、床高さは、約5cm、約10cm、約15cm、約20cm、約25cm、約30cm、約35cm、約40cm、約45cm、または約50cmのうちのいずれかを超える。いくつかの実施形態では、床高さは、約5cm〜約50cmである。いくつかの実施形態では、床高さは、装填物中のポリペプチドまたは混入物の量に基づいて決定される。
【0169】
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーは、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約40mL、約50mL、約75mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1L、約2L、約3L、約4L、約5L、約6L、約7L、約8L、約9L、約10L、約25L、約50L、約100L、約200L、約300L、約400L、約500L、約600L、約700L、約800L、約900L、または約1000Lを超える体積を有するカラムまたは容器内である。
【0170】
いくつかの実施形態では、画分は、クロマトグラフィーから収集される。いくつかの実施形態では、収集される画分は、約0.01CV、約0.02CV、約0.03CV、約0.04CV、約0.05CV、約0.06CV、約0.07CV、約0.08CV、約0.09CV、約0.1CV、約0.2CV、約0.3CV、約0.4CV、約0.5CV、約0.6CV、約0.7CV、約0.8CV、約0.9CV、約1.0CV、約2.0CV、約3.0CV、約4.0CV、約5.0CV、約6.0CV、約7.0CV、約8.0CV、約9.0CV、または約10.0CVを超える。
【0171】
ある特定の実施形態では、精製されたまたは部分的に精製された生成物、例えば、多重特異性抗体(二重特異性抗体または二価のF(ab’))または抗体のアームまたはFabを含む画分はプールされる。画分中のポリペプチドの量は、当業者によって決定され得、例えば、画分中のポリペプチドの量は、紫外分光法によって決定され得る。ある特定の実施形態では、画分は、OD280が、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、及び約1.0のうちのいずれかを超える場合に収集される。ある特定の実施形態では、画分は、OD280が、約0.5〜約1.0、約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8〜約1.0、または約0.9〜約1.0のうちのいずれかである場合に収集される。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体のアームを含む画分はプールされる。
【0172】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、不純物は、生成物特異的不純物である。生成物特異的不純物の例としては、これらに限定されないが、非対半抗体、非対抗体軽鎖、非対重鎖、抗体断片、ホモ二量体(例えば、同じ重鎖及び軽鎖を含む二重特異性抗体の対半二量体)、凝集体、高分子量種(MHWS)(超高分子量種(vHMWS))、誤対合ジスルフィドを有する多重特異性抗体、軽鎖二量体、重鎖二量体、低分子量種(LMWS)、及び荷電バリアント(抗体の酸性バリアント及び塩基性バリアントなど)が挙げられる。
【0173】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、非対半抗体のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び非対半抗体を含む組成物から除去または低減する。組成物中の非対半抗体の存在またはレベルを測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、質量分析(液体クロマトグラフィー−質量分析など)、CE−SDS、逆相HPLC、HIC HPLCによる。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の非対半抗体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の非対半抗体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中の非対半抗体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、非対半抗体の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の非対半抗体の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中の非対半抗体の量と比較することによって測定される。
【0174】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、ホモ二量体のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及びホモ二量体を含む組成物から除去及び低減する。組成物中のホモ二量体の存在またはレベルを測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、質量分析(液体クロマトグラフィー−質量分析など)、逆相HPLC、及びHIC HPLCによる。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のホモ二量体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のホモ二量体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中のホモ二量体の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、ホモ二量体の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のホモ二量体の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中のホモ二量体の量と比較することによって測定される。
【0175】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、高分子量種(HMWS)タンパク質のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及びHMWSタンパク質を含む組成物から除去または低減する。HMWSタンパク質は、例えば、凝集体化ポリペプチド(凝集体化多重特異性抗体、凝集体化半抗体、凝集体化ホモ二量体等など)を含み得る。ある特定の実施形態では、凝集体化ポリペプチドは、重鎖多量体、軽鎖多量体、及び/または多重特異性抗体の多量体を含む。HMWSタンパク質は、重鎖または軽鎖の2、3、4、5、6、7、または8、またはそれ以上の単量体、または2、3、4、5、6、7、または8、またはそれ以上の凝集体化多重特異性抗体を含み得る。凝集体化タンパク質(例えば、HMWSタンパク質)を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、WO2011/150110に記載されている。そのような方法は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動−ドデシル硫酸ナトリウム(CE−SDS)、及び液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のHMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のHMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中のHMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、HMWSタンパク質の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のHMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中のHMWSタンパク質の量と比較することによって測定される。
【0176】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、低分子量種(LMWS)タンパク質のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及びLMWSタンパク質を含む組成物から除去または低減する。LMWSタンパク質は、断片化ポリペプチドを含み得る。ある特定の実施形態では、断片化ポリペプチドは、多重特異性抗体の断片、抗体のアームの断片、重鎖断片、または軽鎖断片である。LMWSタンパク質の例としては、これらに限定されないが、Fab(すなわち、断片抗原結合)、Fc(断片、結晶化可能)、領域、もしくは両方の組み合わせ、または対象の多重特異性抗体、重鎖、もしくは軽鎖の任意のランダム断片化部分、または1/2抗体(1つの抗体の軽鎖/重鎖対を含む)もしくは3/4抗体(本明細書でHHLとも示される、抗体重鎖及び抗体軽鎖のヘテロ二量体またはホモ二量体を含む)が挙げられる。断片化タンパク質(例えば、LMWSタンパク質)を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、WO2011/150110に記載されている。そのような方法は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動−ドデシル硫酸ナトリウム(CE−SDS)、及び液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)を含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のLMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のLMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中のLMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、LMWSタンパク質の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のLMWSタンパク質の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中のLMWSタンパク質の量と比較することによって測定される。
【0177】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、酸性及び/または塩基性バリアントのレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)ならびに酸性及び/または塩基性バリアントを含む組成物から除去または低減する。抗体(多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体など)の酸性バリアントは、抗体のpIが天然の無傷の抗体のpI未満のバリアントである。抗体(多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体など)の塩基性バリアントは、抗体のpIが天然の無傷の抗体のpIを超えるバリアントである。そのような荷電バリアント(例えば、酸性及び塩基性バリアント)は、酸化、脱アミド化、リジン残基のC末端処理、N末端ピログルタミン酸形成、及び抗体のグリコシル化などの自然プロセスの結果であり得る。荷電バリアントを測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、画像キャピラリーなどの電点電気泳動(iCIEF)である。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の荷電バリアントの量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の荷電バリアントの量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中の荷電バリアントの量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、荷電バリアントの存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の荷電バリアントの量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中の荷電バリアントの量と比較することによって測定される。
【0178】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、不純物は、プロセス特異的不純物である。例えば、プロセス特異的不純物は、浸出されたプロテインA、宿主細胞物質、核酸、他のポリペプチド、内毒素、ウイルス性混入物、細胞培養培地構成成分、カルボキシペプチダーゼB、ゲンタマイシンなどのうちの1つ以上を含み得る。ある特定の実施形態では、プロセス特異的不純物は、例えば、原核生物細胞、細菌性細胞(E.coli細胞など)、昆虫細胞、真核細胞、真菌細胞、酵母細胞、鳥類細胞、または哺乳動物細胞、例えば、CHO細胞からの宿主細胞タンパク質(HCP)であり得る。
【0179】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、浸出されたプロテインAのレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び浸出されたプロテインAを含む組成物から除去及び低減する。浸出されたプロテインAは、それが結合されている固相から分離また洗浄されたプロテインAである。例えば、浸出されたプロテインAは、プロテインAクロマトグラフィーカラムから浸出され得る。プロテインAの量は、WO2011/150110に記載されているように、例えば、ELISAによって測定され得る。ある特定の実施形態では、浸出されたプロテインAの存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の浸出されたプロテインAの量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中の浸出されたプロテインAの量と比較することによって測定される。
【0180】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、宿主細胞タンパク質(HCP)のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及びHCPを含む組成物から除去及び低減する。HCPは、多重特異性抗体(二重特異性抗体など)が産生された宿主細胞からのタンパク質である。ある特定の実施形態では、HCPタンパク質は、原核生物細胞からのタンパク質である。ある特定の実施形態では、HCPは、E.coli細胞からのタンパク質である(すなわち、E.coliタンパク質またはECP)。原核生物HCP(ECPなど)の例としては、これらに限定されないが、FkpA、DsbA、及びDsbCなどの原核生物シャペロンが挙げられる。ある特定の実施形態では、HCPは、本明細書の他の箇所で説明されるものなどの真核宿主細胞からのタンパク質である。ある特定の実施形態では、HCP、CHO細胞タンパク質などの哺乳動物細胞からのタンパク質である(すなわち、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質またはCHOP)。ある特定の実施形態では、HCP(例えば、ECP、FkpA、DsbA、もしくはDsbC、または、例えば、CHOP)の量は、酵素結合免疫吸着測定法(「ELISA」)によって測定される。例えば、抗体は、FkpA、DsbA、またはDsbCの超高純度組成物に対して産生され得る。ある特定の実施形態では、FkpA、DsbA、及び/またはDsbCの量は、質量分析によって測定される。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、HCP(例えば、ECP、FkpA、DsbA、もしくはDsbC、または、例えば、CHOP)の量。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物(クロマトグラフィーの画分など)中のHCP(例えば、ECP、FkpA、DsbA、もしくはDsbC、または、例えば、CHOP)の量は、約100ppm、約75ppm、約50ppm、約25ppm、約20ppm、約10ppm、約5、ppm、約2ppm、または約1ppm未満に低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。いくつかの実施形態では、組成物(クロマトグラフィーの画分など)中のHCP(例えば、ECP、FkpA、DsbA、もしくはDsbC、または、例えば、CHOP)は、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約2ppm未満、または約1ppm未満に低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、HCP(例えば、ECP、FkpA、DsbA、もしくはDsbC、または、例えば、CHOP)の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中のHCPの量(クロマトグラフィーの画分など)を精製ステップ(複数可)の前に組成物中のHCPの量と比較することによって測定される。
【0181】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、核酸(宿主細胞DNA及び/またはRNAなど)のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び核酸を宇組む組成物から除去または低減する。核酸(宿主細胞DNA及び/またはRNA)を測定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、WO2011/150110に記載されている。そのような方法は、例えば、宿主細胞DNAまたはRNAのPCRを含む。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の核酸の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の核酸の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中の核酸の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、核酸の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の核酸の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中の核酸の量と比較することによって測定される。
【0182】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、細胞培養培地構成成分のレベルを多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び細胞培養培地構成成分を含む組成物から除去または低減する。「細胞培養培地構成成分」とは、細胞培養培地中に存在する構成成分を指す。ある特定の実施形態では、「細胞培養培地」とは、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)またはそのアームを発現する宿主細胞(複数可)が採取される時点での細胞培養培地を指す。ある特定の実施形態では、細胞培養培地構成成分は、インスリン、またはテトラサイクリンである。ある特定の実施形態では、インスリン、またはテトラサイクリンの量は、ELISAによって測定される。本明細書に記載の方法のうちのいずれかのある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の細胞培養培地構成成分の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%のうちのいずれかを超えて低減され、これらの値の間のいずれかの範囲を含む。
【0183】
ある特定の実施形態では、1つ以上の精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の細胞培養培地構成成分の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10〜約95%、約10%〜約99%、約20%〜約95%、約20%〜約99%、約30%〜約95%、約30%〜約99%、約40%〜約95%、約40%〜約99%、約50%〜約95%、約50%〜約99%、約60%〜約95%、約60%〜約99%、約70%〜約95%、約70%〜約99%、約80%〜約95%、約80%〜約99%、約90%〜約95%、または約90%〜約99%のうちのいずれかに低減される。いくつかの実施形態では、組成物中の細胞培養培地構成成分の量(クロマトグラフィーの画分など)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%のうちのいずれかに低減される。ある特定の実施形態では、細胞培養培地構成成分の存在またはレベルの低減は、精製ステップ(複数可)から回収される組成物中の細胞培養培地構成成分の量(クロマトグラフィーの画分など)を、精製ステップ(複数可)の前に組成物中の細胞培養培地構成成分の量と比較することによって測定される。
【0184】
ある特定の実施形態では、第1のアーム及び第2のアーム含む二重特異性抗体を精製する方法が本明細書に提供され、第1及び第2のアームは、別々に生成され、方法は、第1及び第2のアームを結合及び溶出モードで操作される捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて、第1及び第2の捕獲溶出物を生成すること;多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で第1及び第2の捕獲溶出物を含む混合物を形成すること;多重特異性抗体を含む組成物を結合及び溶出モードでアニオン交換クロマトグラフィー(例えば、Qセファロース(登録商標)ファストフロー(QSFF)クロマトグラフィー)にかけて、溶出が勾配溶出であるアニオン交換溶出物を生成すること;アニオン交換溶出物を結合及び溶出モードでアニオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー)にかけて、溶出が勾配溶出である第1の混合モード溶出物を生成すること;ならびに第1の混合モード溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて、溶出が勾配溶出である第2の混合モード溶出物を生成し、二重特異性抗体を含む画分を収集すること、を含み、方法は、第1及び第2のアームを含む混合物に対して画分中の不純物の量を低減する。
【0185】
ある特定の実施形態では、第1のアーム及び第2のアーム含む二重特異性抗体を精製する方法が本明細書に提供され、第1及び第2のアームは、別々に生成され、方法は、第1及び第2のアームを結合及び溶出モードで捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて、第1及び第2の捕獲溶出物を生成することと;多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で第1及び第2の捕獲溶出物を含む混合物を形成すること;多重特異性抗体を含む組成物を結合及び溶出モードでカチオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて第1の混合モード溶出物を生成することとを含み、溶出は、pH及び塩の段階溶出であり、方法はさらに、第1の混合モード溶出物をフロースルーモードでアニオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー)にかけて、第2の混合モード溶出物を生成することと、二重特異性抗体を含む画分を収集することと、を含み、方法は、第1及び第2のアームを含む混合物に対して画分中の不純物の量を低減する。
【0186】
ある特定の実施形態では、第1のアーム及び第2のアーム含む二重特異性抗体を精製する方法が本明細書に提供され、第1及び第2のアームは、別々に生成され、方法は、第1及び第2のアームを結合及び溶出モードで捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて、第1及び第2の捕獲溶出物を生成すること;多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で第1及び第2の捕獲溶出物を含む混合物を形成すること;多重特異性抗体を含む組成物を、溶出が段階溶出である結合及び溶出モードでアニオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィー)にかけて、第1の混合モード溶出物を生成すること;第1の混合モード溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて、溶出が段階溶出である第2の混合モード溶出物を生成し、第2の混合モード溶出物をフロースルーモードで疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、へキシル−650Cクロマトグラフィー)にかけて、疎水性相互作用溶出物を生成すること;ならびに二重特異性抗体を含む画分を収集すること、を含み、方法は、第1及び第2のアームを含む混合物に対して画分中の不純物の量を低減する。
【0187】
ある特定の実施形態では、第1のアーム及び第2のアームを含む二重特異性抗体(二重特異性F(ab’)2など)を精製する方法が本明細書に提供され、第1及び第2のアームは、別々に生成され、方法は、第1のアームを結合及び溶出モードで操作される捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて第1の捕獲溶出物を生成すること;第1の捕獲溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて第1の混合モード溶出物を生成すること;第2のアームを結合及び溶出モードで操作される捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて第2の捕獲溶出物を生成すること;多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で第1の混合モード溶出物及び第2の捕獲溶出物を含む混合物を形成すること;多重特異性抗体を含む組成物をアニオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィーなど)にかけて第2の混合モード溶出物を生成すること;ならびに第2の混合モード溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換クロマトグラフィー(例えば、POROS(登録商標)50HSクロマトグラフィー)にかけてカチオン交換溶出物を生成すること;カチオン交換溶出物を結合及び溶出モードで逐次的なカチオン交換混合モードクロマトグラフィーにかけて第3の混合モード溶出物を生成すること;ならびに二重特異性抗体を含む画分を収集すること、を含み、方法は、第1及び第2のアームを含む混合物に対して画分中の不純物の量を低減する。
【0188】
ある特定の実施形態では、第1のアーム及び第2のアームを含む二重特異性抗体(二重特異性F(ab’)2など)を精製する方法が本明細書に提供され、第1及び第2のアームは、別々に生成され、方法は、第1のアームを結合及び溶出モードで捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて、第1の捕獲溶出物を生成すること;第1の捕獲溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて、第1の混合モード溶出物を生成すること;第2のアームを結合及び溶出モードで操作される捕獲クロマトグラフィー(本明細書の他の箇所で説明される捕獲クロマトグラフィーのステップのうちのいずれか1つまたは組み合わせなど)にかけて、第2の捕獲溶出物を生成すること;多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で第1の混合モード溶出物及び第2の捕獲溶出物を含む混合物を形成すること;多重特異性抗体を含む組成物をアニオン交換混合モードクロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)Adhereクロマトグラフィーなど)にかけて第2の混合モード溶出物を生成すること;ならびに第2の混合モード溶出物を結合及び溶出モードでカチオン交換クロマトグラフィー(例えば、Capto(商標)MMCクロマトグラフィー)にかけて、第3の混合モード溶出物を生成すること;ならびに二重特異性抗体を含む画分を収集すること、を含み、方法は、第1及び第2のアームを含む混合物に対して画分中の不純物の量を低減する。
【0189】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、ウイルス濾過によってさらに精製される。ウイルス濾過は、ポリペプチド精製供給流中のウイルス性混入物の除去である。ウイルス濾過の例は、例えば、限外濾過及び精密濾過が挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、パルボウイルスフィルターを使用して精製される。
【0190】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、クロマトグラフィー後(例えば、第2の混合モードクロマトグラフィー後、または第2の混合モードクロマトグラフィー後に行われるクロマトグラフィーのステップのうちの1つ以上の後)に濃縮される。濃縮方法の例は、当該技術分野で既知であり、これらに限定されないが、例えば、限外濾過及び透析濾過(UFDF)を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、第1の精密濾過、透析濾過、及び第2の限外濾過によって濃縮される。いくつかの実施形態では、限外濾過及び/または透析濾過は、約5kDal、約10kDal、約15kDal、約20kDal、または約25kDalもしくは約30kDalのうちのいずれか未満の切断を有するフィルターを使用する。いくつかの実施形態では、第1の限外濾過の保持物は、薬学的製剤に透析濾過される。
【0191】
いくつかの実施形態では、濃縮後の多重特異性抗体の濃度は、約10mg/mL、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、約150mg/mL、約160mg/mL、約170mg/mL、約180mg/mL、約190mg/mL、約200mg/mL、または約300mg/mLのうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体の濃度は、約10mg/mL〜約20mg/mL、約20mg/mL〜約30mg/mL、約30mg/mL〜約40mg/mL、約40mg/mL〜約50mg/mL、約50mg/mL〜約60mg/mL、約60mg/mL〜約70mg/mL、約70mg/mL〜約80mg/mL、約80mg/mL〜約90mg/mL、約90mg/mL〜約100mg/mL、約100mg/mL〜約110mg/mL、約110mg/mL〜約120mg/mL、約120mg/mL〜約130mg/mL、約130mg/mL〜約140mg/mL、約140mg/mL〜約150mg/mL、約150mg/mL〜約160mg/mL、約160mg/mL〜約170mg/mL、約170mg/mL〜約180mg/mL、約180mg/mL〜約190mg/mL、約190mg/mL〜約200mg/mL、約200mg/mLまたは約300mg/mLのうちのいずれかである。
【0192】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、薬学的に許容される担体を用いる精製の方法の精製されたポリペプチドを組み合わせることをさらに含む。いくつかの実施形態では、多重特異性抗体は、限外濾過/透析濾過によって薬学的製剤に製剤化される。
【0193】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%のうちのいずれかを超えて純粋である多重特異性抗体を含む組成物を提供する。ある特定の実施形態では、組成物中の多重特異性抗体は、約96%、約97%、約98%、または約99%のうちのいずれかを超えて純粋である。
【0194】
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下の非対抗体のアームを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のホモ二量体を含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のうちのいずれか以下の凝集体化タンパク質を含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下のHMWSを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のLMWSを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%のうちのいずれか以下の酸性バリアントを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の塩基性バリアントを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、または約10ppmのうちのいずれか以下の浸出されたプロテインAを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、または約35ppmのうちのいずれか以下のHCPを含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、または約10ppmのうちのいずれか以下の核酸を含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、0ppm以下の核酸を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物中の核酸は、検出のレベル未満である。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の細胞培養培地構成成分を含む多重特異性抗体を含む組成物を生成する。
【0195】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法のうちのいずれか1つに従って精製される多重特異性抗体を含む組成物が提供される。
【0196】
ある特定の実施形態では、組成物中の多重特異性抗体は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%のうちのいずれかを超えて純粋である。ある特定の実施形態では、組成物中の多重特異性抗体は、約96%、約97%、約98%、または約99%のうちのいずれかを超えて純粋である。
【0197】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下の非対抗体のアームを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のホモ二量体を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のうちのいずれか以下の凝集体化タンパク質を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下のHMWSを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のLMWSを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%のうちのいずれか以下の酸性バリアントを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の塩基性バリアントを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、または約10ppmのうちのいずれか以下の浸出されたプロテインAを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、または約35ppmのうちのいずれか以下のHCPを含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、または約35ppmのうちのいずれか以下の核酸を含む。ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物は、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の細胞培養培地構成成分を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、多重特異性抗体を含む組成物が提供され、組成物は、a)少なくとも約95%〜約100%の多重特異性抗体、b)約1%〜約5%未満の非対抗体のアーム、c)約1%〜約5%未満の抗体ホモ二量体、d)約1%または約2%以下のHMWS、e)約1%または約2%以下のLMWS、及び/またはf)約5%以下の3/4抗体を含む。
【0199】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法のうちのいずれか1つに従って精製される二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。
【0200】
ある特定の実施形態では、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%のうちのいずれかを超えて純粋である二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、組成物中の二重特異性抗体は、約96%、約97%、約98%、または約99%のうちのいずれかを超えて純粋である。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。
【0201】
ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下の非対抗体のアームを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のホモ二量体を含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、または約5%のうちのいずれか以下の凝集体化タンパク質を含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下のHMWSを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%のうちのいずれか以下のLMWSを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%のうちのいずれか以下の酸性バリアントを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の塩基性バリアントを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、または約10ppmのうちのいずれか以下の浸出されたプロテインAを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約0.1ppm、約0.2ppm、約0.3ppm、約0.4ppm、約0.5ppm、約0.6ppm、約0.7ppm、約0.8ppm、約0.9ppm、約1ppm、約1.5ppm、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、または約35ppmのうちのいずれか以下のHCPを含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、約2ppm、約2.5ppm、約3ppm、約3.5ppm、約4ppm、約4.5ppm、約5ppm、約5.5ppm、約6ppm、約6.5ppm、約7ppm、約7.5ppm、約8ppm、約8.5ppm、約9ppm、約9.5ppm、または約10ppmのうちのいずれか以下の核酸を含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物は、0ppm以下の核酸を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物中の核酸は、検出のレベル未満である。ある特定の実施形態では、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、または約35%のうちのいずれか以下の細胞培養培地構成成分を含む二重特異性抗体を含む組成物が提供される。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。
【0202】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体を含む組成物が提供され、組成物は、a)少なくとも約95%〜約100%の二重特異性抗体、b)約1%〜約5%未満の非対抗体のアーム、c)約1%〜約5%未満の抗体ホモ二量体、d)約1%または約2%以下のHMWS、e)約1%または約2%以下のLMWS、及び/またはf)約5%以下の3/4抗体を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ノブインホール(KiH)抗体、例えば、KiH二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、CrossMab二重特異性抗体である。
【0203】
本明細書に報告される一態様は、マルチステップクロマトグラフィー方法でFc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であり、方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続く2つの異なるマルチモーダルイオン交換クロマトグラフィーのステップを含み、それによって、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを精製する。
【0204】
ある特定の実施形態では、方法は、i.親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、またはii.親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップを含む。
【0205】
本明細書に報告される一態様は、i.Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドをコードする核酸を含む細胞を培養するステップ、ii.Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドを細胞または培養培地から回収するステップ、iii.本明細書に報告される方法でFc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドを精製し、それによってFc領域含有ヘテロ二量体タンパク質を生成するステップを含むFc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドを生成する方法である。抗体精製プロセスの性能は、用いられるクロマトグラフィーのステップの配列によることが見出されている。クロマトグラフィーのステップのある特定の配列/順序を選択することによって、改善されたプロセスが得られ得る。
【0206】
本明細書に提供される方法は、少なくとも部分的には、(最初の)親和性クロマトグラフィーのステップの(直)後かつマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップの前に、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップを行うことによって、限外濾過/透析濾過のステップが省略され得るという知見に基づく。このステップは、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップが、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップの前に行われる場合に必要である。
【0207】
ある特定の実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含む。
【0208】
本明細書に記載される方法で、良好な純度及び収率が、3つのクロマトグラフィーのステップのみで達成され得ることが見出されている。
【0209】
ある特定の実施形態では、マルチステップクロマトグラフィー方法は、正確に3つのクロマトグラフィーのステップを含む。
【0210】
宿主細胞タンパク質の除去は、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー方法/ステップが、フロースルーモードで行われる場合に改善され得ることが見出されている。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー方法/ステップは、フロースルーモードで行われる。
【0211】
マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップの装填物のpHが、生成物及びDNA除去によってHCPに影響を与えることが見出されている。全ての態様のうちの1つの好ましい実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップは、約7.0のpHで行われる。
表1
【0212】
溶液の伝導度は、精製プロセスの間に異なるパラメータへの影響を有し得る。ここでは、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップの装填物中の低い伝導値(すなわち、クロマトグラフィー材料に適用されるFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドを含む溶液)が、改善されたHCP及びDNAの除去をもたらすことが見出されている。
表2
【0213】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、7mS/cm未満の伝導値を有する溶液中に適用される。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、6mS/cm未満の伝導値を有する溶液中に適用される。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約6mS/cm〜約2mS/cmの範囲の伝導値を有する溶液中に適用される。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約5mS/cm〜約4mS/cmの範囲の伝導値を有する溶液中に適用される。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約4.5mS/cmの伝導値を有する溶液中に適用される。
【0214】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約4.5mS/cmの伝導性及び約7のpHを有する溶液中に適用される。
【0215】
本明細書に提供される方法は、少なくとも部分的には、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップのタンパク質の装填物もまた、精製プロセスの性能に影響を与えること見出すことに基づく。装填物が、定義された範囲にある場合、全体の精製プロセスは、例えば、DNA混入の除去が改善される。
表3:DNAの開始量:80pg/mg
【0216】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料の1リットル当たり約100g〜約300gの範囲で適用され、すなわち、装填物は、約100g/L〜約300g/Lの範囲である。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料の1リットル当たり約120g〜約240gの範囲で適用される。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップにおいて、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、クロマトグラフィー材料の1リットル当たり約160g〜約200gの範囲で適用される。
【0217】
ある特定のマルチモーダル樹脂材料が、本明細書に報告される方法において適用されるとき、特に有用であることが見出されている。
【0218】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料は、マルチモーダル強アニオン交換クロマトグラフィー材料である。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料は、高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル強アニオン交換、36〜44μmの平均粒子サイズ、及び0.08〜0.11mmol Cl−/mL培地のイオン容量を有する。ある特定の実施形態では、マルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィー材料は、「Capto adhere ImpRes」である。
【0219】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー培地は、マルチモーダル弱カチオン交換クロマトグラフィー培地である。ある特定の実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー培地は、高流量アガロースマトリックス、リガンドとしてのマルチモーダル弱カチオン交換、36〜44μmの平均粒子サイズ、及び25〜39μmol/mLのイオン容量を有する。ある特定の実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー培地は、「Capto MMC ImpRes」。
【0220】
ある特定の実施形態では、マルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィー方法/ステップは、結合及び溶出モードで行われる。
【0221】
ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、プロテインAクロマトグラフィーのステップ、またはプロテインG親和性クロマトグラフィー、または一本鎖Fvリガンド親和性クロマトグラフィー、またはKappaSelectクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップ、またはCaptureSelectクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップ、またはCaptureSelect FcXLクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーのステップである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、プロテインAクロマトグラフィーのステップである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、CaptureSelect(商標)クロマトグラフィーのステップである。ある特定の実施形態では、親和性クロマトグラフィーのステップは、プロテインAクロマトグラフィーのステップである。
【0222】
ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、抗体、二重特異性抗体、またはFc−融合タンパク質である。ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、CrossMabである。ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、Fc−融合タンパク質である。ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、Fc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、a)第1の抗原を特異的に結合する第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原を特異的に結合する全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0223】
ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体である。ある特定の実施形態では、Fc領域含有ヘテロ二量体タンパク質/ポリペプチドは、ANG2及びVEGFを結合するCrossMabである。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、vanucizumabである。
【0224】
ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、ならびに配列番号11のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号12のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、配列番号13のアミノ酸配列を有する第1の重鎖、及び配列番号14のアミノ酸配列を有する第2の重鎖、及び配列番号15のアミノ酸配列を有する第1の軽鎖、及び配列番号16のアミノ酸配列を有する第2の軽鎖を含む。配列番号1〜16のアミノ酸配列は、以下の表4に提供される。
表4
【0225】
ある特定の実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約5%以下の3/4抗体を含む。ある特定の実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約4%以下の3/4抗体を含む。ある特定の実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約3%以下の3/4抗体を含む。ある特定の実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約2%以下の3/4抗体を含む。ある特定の実施形態では、精製されたFc領域含有ヘテロ二量体ポリペプチドは、約1%以下の3/4抗体を含む。
【0226】
本明細書に報告される一態様は、マルチステップクロマトグラフィー方法でANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を精製するための方法であり、方法は、親和性クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルアニオン交換クロマトグラフィーのステップ、その後に続くマルチモーダルカチオン交換クロマトグラフィーのステップを含み、それによって、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体を精製し、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号1、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号2を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号3、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号4を含む第2の抗原結合部位を含むか、または重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号5、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号6を含む第1の抗原結合部位、ならびに重鎖可変ドメイン(VH)として配列番号7、及び軽鎖可変ドメイン(VL)として配列番号8を含む第2の抗原結合部位を含む。
【0227】
一実施形態では、ANG2及びVEGFを結合する二重特異性抗体は、a)第1の抗原結合部位を含む第1の全長抗体の重鎖及び軽鎖、ならびにb)第2の抗原結合部位を含む全長抗体の修飾された重鎖及び修飾された軽鎖を含み、定常ドメインCL及びCH1は、互いによって置き換えられる。
【0228】
本明細書に報告される一態様は、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドの精製のための、本明細書に報告される方法の使用である。
【0229】
本明細書に報告される一態様は、Fc−含有ヘテロ二量体ポリペプチド関連不純物の低減のための、本明細書に報告される方法の使用である。
【0230】
本明細書に報告される一態様は、がんまたは眼疾患の治療のための医薬品の製造のための、本明細書に報告される方法で得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドである。
【0231】
本明細書に報告される一態様は、がんまたは眼疾患の治療における使用のための、本明細書に報告される方法で得られるFc−含有ヘテロ二量体ポリペプチドである。
【0232】
ポリペプチド
モノクローナル抗体
いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、実質的に同種の抗体の集団から得られ、すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は、同一であり、及び/または同じエピトープに結合するが、モノクローナル抗体の産生中に生じる想定される変異体は除外され、そのような変異体は、概して、少量で存在する。したがって「モノクローナル」という修飾語は、個別のまたはポリクローナル抗体の混合物ではないような抗体の特徴を示す。
【0233】
例えば、モノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature256:495(1975)によって最初に記載されるハイブリドーマ法により作製されてもよいし、組換えDNA法によって作製されてもよい(米国特許第4,816,567号)。
【0234】
ハイブリドーマ方法では、マウスまたは他の適切な宿主動物が本明細書に記載されるように免疫化されて、免疫化に使用されるポリペプチドに特異的に結合する抗体を産生するか、または産生することができるリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。次いで、ポリエチレングリコールなどの適した融剤を用いてリンパ球を骨髄腫細胞と融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986))。
【0235】
このように調製されたハイブリドーマ細胞は、播種され、融合されていない親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1つ以上の物質を好ましくは含有する好適な培養培地で成長する。例えば、親骨髄腫細胞が、酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマのための培養培地は典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン(HAT培地)を含み、これらの物質は、HGPRT欠損細胞の成長を阻止する。
【0236】
いくつかの実施形態では、骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による安定した高レベルの抗体産生を支援し、HAT培地などの培地に感受性を示すものである。これらの中で、いくつかの実施形態では、骨髄腫細胞株は、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,California USAから入手可能なMOPC−21及びMPC−11マウス腫瘍、ならびにAmerican Type Culture Collection,Rockville,Maryland USAから入手可能なSP−2またはX63−Ag8−653細胞に由来するものなどのマウス骨髄腫株である。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株も、ヒトモノクローナル抗体の産生について説明されている(Kozbor,J.Immunol.133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。
【0237】
ハイブリドーマ細胞が成長する培養培地は、抗原に対して指向されたモノクローナル抗体の産生に関してアッセイされる。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって、または放射免疫アッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸収アッセイ(ELISA)などのインビトロ結合アッセイによって測定される。
【0238】
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson et al.,Anal.Biochem.107:220(1980)のスキャッチャード解析によって測定され得る。
【0239】
所望の特異性、親和性、及び/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が特定された後、クローンは、限界希釈手順によってサブクローン化され、標準的な方法によって成長され得る(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice pp.59−103(Academic Press,1986))。この目的に好適な培養培地としては、例えば、D−MEMまたはRPMI−1640培地が挙げられる。加えて、ハイブリドーマ細胞は、動物における腹水腫瘍としてインビボで成長し得る。
【0240】
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリン精製手順、例えば、ポリペプチドA−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、または親和性クロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィーなどによって、培養培地、腹水、または血清から好適に分離される。
【0241】
モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離及び配列決定される。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの供給源としての機能を果たす。単離されると、DNAは、発現ベクター内に置かれ得て、その後、これが宿主細胞、例えば、E.coli細胞、サルCOS細胞、ヒト胚腎臓(HEK)293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはさもなければ免疫グロブリンポリペプチドを産生しない骨髄腫細胞にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を得ることができる。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する概説論文としては、Skerra et al.,Curr.Opinion in Immunol.5:256−262(1993)及びPluckthun,Immunol.Revs.,130:151−188(1992)が挙げられる。
【0242】
さらなる実施形態では、抗体または抗体断片は、McCafferty et al.,Nature348:552−554(1990)に記載される技法を使用して作製された抗体ファージライブラリーから単離され得る。Clackson et al.,Nature352:624−628(1991)及びMarks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1991)は、それぞれ、ファージライブラリーを使用したマウス及びヒト抗体の単離を記載する。その後の刊行物は、非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略として、鎖シャッフリング(Marks et al.,Bio/Technology10:779−783(1992))、ならびに組み合わせ感染及びインビボ組換えによる高い親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生を記載する(Waterhouse et al.,Nuc.Acids.Res.21:2265−2266(1993))。したがって、これらの技術は、モノクローナル抗体を単離するための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替案である。
【0243】
DNAはまた、例えば、コード配列を、相同的なマウス配列の代わりに、ヒトの重及び軽鎖の定常ドメインに置換することによるか(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Natl Acad.Sci.USA81:6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てもしくは一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することにより修飾されてもよい。
【0244】
典型的には、そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインの代わりに置換されるか、またはそれらが、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインの代わりに置換されて、抗原に対して特異性を有する1つの抗原結合部位、及び異なる抗原に対して特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作製する。
【0245】
本明細書に記載の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMである。いくつかの実施形態では、抗体は、IgGモノクローナル抗体である。
【0246】
抗体断片
いくつかの実施形態では、抗体は、抗体断片である。抗体断片を産生するための様々な技法が開発されている。従来、これらの断片は、無傷抗体のタンパク質分解消化により得られた(例えば、Morimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods24:107−117(1992)及びBrennan et al.,Science229:81(1985)を参照されたい)。しかしながら、これらの断片は、現在、組換え宿主細胞により直接産生され得る。例えば、抗体断片は、上記で考察される抗体ファージライブラリーから単離され得る。あるいは、Fab’−SH断片は、E.coliから直接回収され、化学的にカップリングされて、F(ab’)2断片を形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology10:163−167(1992)。別のアプローチに従って、F(ab’)2断片は、組換え宿主細胞培養から直接単離することができる。抗体断片を産生するための他の技法が、当業者には明らかであろう。他の実施形態では、最適な抗体は、一本鎖Fv断片(scFv)である。WO93/16185、米国特許第5,571,894号、及び米国特許第5,587,458号を参照されたい。抗体断片は、例えば、米国特許第5,641,870号に記載されるように、「線状抗体」でもあり得る。そのような線状抗体断片は、単一特異性または二重特異性であり得る。
【0247】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体の断片が提供される。いくつかの実施形態では、抗体断片は、抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、scFv、Fv、及びダイアボディからなる群から選択される。
【0248】
ポリペプチドバリアント及び修飾
ある特定の実施形態では、本明細書におけるタンパク質のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、タンパク質の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。タンパク質のアミノ酸配列バリアントは、タンパク質をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製され得る。そのような修飾としては、例えば、タンパク質のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/またはそれへの挿入、及び/またはその置換が挙げられる。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが行われて、最終構築に到達することができるが、但し、最終構築物が所望の特性を有することを条件とする。
【0249】
「ポリペプチドバリアント」とは、ポリペプチドの全長天然配列、シグナルペプチドを欠くポリペプチド配列、シグナルペプチドを有するかまたは有しないポリペプチドの細胞外ドメインと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する本明細書に定義されるポリペプチド、例えば、活性ポリペプチドを意味する。そのようなポリペプチド変異体としては、例えば、1つ以上のアミノ酸残基が完全長天然アミノ酸配列のN末端またはC末端に付加または欠失されたポリペプチドが挙げられる。通常、ポリペプチドバリアントは、全長天然配列ポリペプチド配列、シグナルペプチドを欠くポリペプチド配列、シグナルペプチドを有するかまたは有しないポリペプチドの細胞外ドメインと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%のうちのいずれかのアミノ酸配列同一性を有する。任意に、変異体ポリペプチドは、天然ポリペプチド配列と比較して1つ以下の保存的アミノ酸置換を有し、あるいは天然ポリペプチド配列と比較して約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10個のうちの任意の以下の保存的アミノ酸置換を有する。
【0250】
変異体ポリペプチドは、N末端またはC末端で切断され得るか、または例えば、全長天然ポリペプチドと比較して、内部残基を欠き得る。ある特定の変異体ポリペプチドは、所望の生物学的活性にとって不可欠ではないアミノ酸残基を欠き得る。切断、欠失、及び挿入を有するこれらの変異体ポリペプチドは、いくつかの従来の技法のうちのいずれかによって調製され得る。所望の変異体ポリペプチドは、化学的に合成されたものであり得る。別の好適な技法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって所望の変異体ポリペプチドをコードする核酸断片の単離及び増幅することを伴う。核酸断片の所望の末端を定義するオリゴヌクレオチドは、PCRにおいて5’プライマー及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、変異体ポリペプチドは、本明細書に開示される天然ポリペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/または免疫学的活性を共有する。
【0251】
アミノ酸配列挿入としては、1個の残基から100個以上の残基を含有するポリペプチドの範囲の長さを有するアミノ末端及び/またはカルボキシル末端の融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。末端挿入の例には、N−末端メチオニル残基を有する抗体、または細胞毒性ポリペプチドに融合した抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入変異体としては、抗体の血清半減期を増大する酵素またはポリペプチドへの抗体のN末端またはC末端の融合が挙げられる。
【0252】
例えば、ポリペプチドの結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、適切なヌクレオチド変化を抗体核酸に導入することによって、またはペプチド合成によって調製される。そのような修飾としては、例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/またはそれへの挿入、及び/またはその置換が挙げられる。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせは、最終構築物に到達するためになされるが、但し、最終構築物が所望の特徴を有することを条件とする。アミノ酸変化は、ポリペプチド(例えば、抗体)の翻訳後プロセスも改変することができ、例えば、グリコシル化部位の数または位置を変化することができる。
【0253】
どのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を及ぼすことなく挿入、置換、または欠失され得るかを決定する際の手引きは、ポリペプチドの配列を同種の既知のポリペプチド分子の配列と比較し、かつ相同性の高い領域のアミノ酸配列変化の数を最小限に抑えることによって見出され得る。
【0254】
変異誘発の好ましい位置であるポリペプチド(例えば、抗体)のある特定の残基または領域の特定に有用な方法は、Cunningham and Wells,Science244:1081−1085(1989)によって説明される「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。ここで、残基または標的残基群(例えば、Arg、Asp、His、Lys、及びGluなどの荷電残基)が特定され、中性または負に荷電したアミノ酸(最も好ましくはアラニンまたはポリアラニン)に置き換えられて、アミノ酸と抗原との相互作用に影響を及ぼす。次いで、置換に対する機能的感受性を実証するアミノ酸位置は、さらなるまたは他の変異体を置換部位に、またはそこの代わりに導入することにより洗練される。したがって、アミノ酸配列変異を導入するための部位が予め決定されている一方で、変異自体の性質は予め決定される必要はない。例えば、所与の部位での変異の性能を分析するために、alaスキャニングまたはランダム変異生成が標的コドンまたは領域で行われ、発現された抗体変異体が所望の活性に関してスクリーニングされる。
【0255】
別の種類の変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、異なる残基に置き換えられた抗体分子内に少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換変異誘発に関する最も関心ある部位としては、超可変領域が挙げられるが、FR改変も企図される。そのような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表5に「例示的な置換」と表示されるか、またはアミノ酸クラスを参照して以下にさらに記載されるより実質的な変化が導入され、産物がスクリーニングされ得る。
表5
【0256】
ポリペプチドの生物学的特性の実質的な修飾は、(a)置換領域中のポリペプチド骨格の構造、例えば、シートもしくは螺旋立体配座、(b)標的部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルク、を維持するそれらの効果において大いに異なる置換を選択することによって達成される。アミノ酸は、それらの側鎖の特性の類似性に従って群分けされ得る(A.L.Lehninger,Biochemistry second ed.,pp.73−75,Worth Publishers,New York(1975))。
【0257】
(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M)
【0258】
(2)非荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q)
【0259】
(3)酸性:Asp(D)、Glu(E)
【0260】
(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)
【0261】
あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて群分けされ得る。
【0262】
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile
【0263】
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln
【0264】
(3)酸性:Asp、Glu
【0265】
(4)塩基性:His、Lys、Arg
【0266】
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro
【0267】
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe
【0268】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのあるメンバーと別のクラスとの交換を伴うことになる。
【0269】
抗体の適切な立体配座の維持に関与しない任意のシステイン残基も概してセリンで置換されて、分子の酸化的安定性が改善され、異常な架橋が阻止され得る。逆に、システイン結合(複数可)がポリペプチドに付加されて、その安定性を改善することができる(具体的には、抗体がFv断片などの抗体断片である場合)。
【0270】
置換バリアントの一例は、親抗体(例えば、ヒト化抗体)の1つ以上の超可変領域残基の置換を伴う。概して、さらなる開発のために選択されて得られた変異体(複数可)は、それらが生成される親抗体に対して改善された生物学的特性を有する。そのような置換変異体を生成するための好都合な方法は、ファージディスプレイを使用した親和性成熟を伴う。簡潔には、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7つの部位)は、各部位に全ての可能なアミノ置換を生成するために変異される。このように生成された抗体変異体は、各粒子内にパッケージングされたM13の遺伝子III産物への融合物として糸状ファージ粒子からの一価様式で表示される。その後、ファージディスプレイされた変異体は、本明細書に開示されるそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾のための候補超可変領域部位を特定するために、アラニンスキャニング変異生成が行われ、抗原結合に著しく寄与する超可変領域残基が特定され得る。あるいは、または加えて、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析して、抗体と標的との間の接触点を特定することが有益であり得る。そのような接触残基及び隣接残基は、本明細書に詳述される技法に従う置換の候補である。そのような変異体が生成されると、変異体のパネルが本明細書に記載されるようにスクリーニングに供され、1つ以上の関連アッセイにおいて優れた特性を有する抗体がさらなる開発のために選択され得る。
【0271】
ポリペプチドの別の種類のアミノ酸変異体は、抗体の元のグリコシル化パターンを改変する。ポリペプチドは、非アミノ酸部分を含み得る。例えば、ポリペプチドは、グリコシル化され得る。そのようなグリコシル化は、宿主細胞または宿主生物でのポリペプチドの発現中に天然に生じ得るか、またはヒト介入に起因する計画的な修飾であり得る。改変とは、ポリペプチドに見られる1つ以上の炭水化物部分の欠失、及び/またはポリペプチド中に存在しない1つ以上のグリコシル化部位の付加を意味する。
【0272】
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、N結合またはO結合のいずれかである。N結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−スレオニン(式中、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素結合の認識配列である。したがって、ポリペプチド内でのこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在により、潜在的なグリコシル化部位が作製される。O結合グリコシル化とは、糖類であるN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンも使用され得る。
【0273】
グリコシル化部位のポリペプチドへの付加は、(N結合グリコシル化部位のための)上述のトリペプチド配列のうちの1つ以上を含有するようにアミノ酸配列を改変することによって好都合に達成される。改変は、(O結合グリコシル化部位のための)元の抗体の配列への1つ以上のセリンまたはトレオニン残基の付加、またはそれによる置換によっても行われ得る。
【0274】
ポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的もしくは酵素的に、またはグリコシル化の標的としての機能を果たすアミノ酸残基をコードするコドンの変異置換によって達成され得る。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、様々なエンド−及びエキソ−グリコシダーゼの使用によって達成され得る。
【0275】
他の修飾としては、それぞれ、グルタミニル残基及びアスパラギニル残基の対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基それぞれへの脱アミド化、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のγ−アミノ基のメチル化、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。
【0276】
キメラポリペプチド
本明細書に記載のポリペプチドは、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合したポリペプチドを含むキメラ分子を形成するための方法で修飾され得る。いくつかの実施形態では、キメラ分子は、ポリペプチドと、抗タグ抗体が選択的に結合し得るエピトープを提供するタグポリペプチドとの融合を含む。エピトープタグは、一般に、ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に位置する。そのようなエピトープタグ形態のポリペプチドの存在は、タグポリペプチドに対する抗体を使用して検出され得る。エピトープタグの提供により、抗タグ抗体またはエピトープタグに結合する別の種類の親和性マトリックスを使用してポリペプチドが親和性精製によって容易に精製されることも可能になる。
【0277】
多重特異性抗体
特定の実施形態において、本明細書に提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の実施形態では、結合特異性の一方は、c−metに対するものであり、他方は、任意の他の抗原に対するものである。ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、c−metの2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体を使用して、細胞毒性薬を、c−metを発現する細胞に限局させることもできる。二重特異性抗体は、全長抗体または抗体フラグメントとして調製することができる。
【0278】
多重特異性抗体を作製するための技術としては、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello,Nature305:537(1983))、WO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)を参照されたい)、及び「ノブインホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。多重特異性抗体はまた、静電ステアリング効果を操作して抗体Fc−ヘテロ二量体分子を作製すること(WO2009/089004A1)、2つ以上の抗体またはフラグメントを架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を産生すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547−1553(1992)を参照されたい)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体フラグメントを作製すること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448(1993)を参照されたい)、及び一本鎖Fv(sFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照されたい)、ならびに三重特異性抗体を調製すること(例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)によって作製され得る。
【0279】
本明細書における抗体または断片はまた、WO2009/080251、WO2009/080252、WO2009/080253、WO2009/080254、WO2010/112193、WO2010/115589、WO2010/136172、WO2010/145792、及びWO2010/145793に記載される多重特異性抗体を含む。
【0280】
「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体も本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1を参照されたい)。
【0281】
本明細書における抗体または断片はまた、第1のエピトープ(例えば、第1の抗原上)、ならびに別の異なるエピトープ(例えば、第1の抗原または第2の異なる抗原上)に結合する抗原結合部位を含む「二重作用Fab」または「二重作用Fab”」(DAF)を含む(例えば、US2008/0069820、Bostrom et al.(2009)Science,5921,1610−1614を参照されたい)。
【0282】
二重特異性抗体の作製方法が、当該技術分野で既知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え産生は、2つの重鎖が異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の共発現に基づく(Milstein and Cuello,Nature305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)が10個の異なる抗体分子の混合物を産生する可能性があり、それらのうちの1つのみが正しい二重特異性構造を有する。親和性クロマトグラフィーステップによって通常行われる正しい分子の精製は幾分面倒であり、産物収率は低い。同様の手順が、1993年5月13日公開のWO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBO J.,10:3655(1991)に開示されている。
【0283】
異なるより好ましいアプローチに従って、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)が、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合する。この融合は、好ましくは、ヒンジ、CH2、及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとの融合である。融合物のうちの少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物と、所望の場合、免疫グロブリン軽鎖とをコードするDNAは、別個の発現ベクターに挿入され、好適な宿主生物に共トランスフェクトされる。これにより、構築に使用される3つのポリペプチド鎖の不等比が最適収率をもたらす実施形態では、3つのポリペプチド断片の相互比率の調整において優れた柔軟性が提供される。しかしながら、等比での少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現により高収率がもたらされる場合、またはそれらの比が特に重要ではない場合に、2つまたは3つ全てのポリペプチド鎖のコード配列を1つの発現ベクターに挿入することが可能である。
【0284】
このアプローチの好ましい一実施形態では、二重特異性抗体は、一方のアームにある第1の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、及び他方のアームにある(第2の結合特異性を提供する)ハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対から成る。二重特異性分子の半分のみにおける免疫グロブリン軽鎖の存在が分離の容易な方法を提供するため、この非対称構造が、所望の二重特異性化合物の望ましくない免疫グロブリン鎖組み合わせからの分離を容易にすることが見出された。このアプローチは、WO94/04690に開示されている。二重特異性抗体の生成のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al.,Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照されたい。
【0285】
ノブインホール
別のアプローチに従って、一対の抗体分子間の界面が操作されて、組換え細胞培養物から回収されるヘテロ二量体の割合を最大にすることができる。好ましい界面は、抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第1の抗体分子の界面由来の1つ以上の小さいアミノ酸側鎖は、より大きい側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換えられる(ノブまたは隆起)。大きい側鎖(複数可)と同一または同様の大きさの補償「空洞」(ホール)は、大きいアミノ酸側鎖をより小さいアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはトレオニン)で置き換えることによって第2の抗体分子の界面上に作製される。これは、ホモ二量体などの他の望ましくない最終産物を上回るヘテロ二量体の収率を増大するための機序を提供する。ノブ及びホールは、本明細書にさらに記載されている。
【0286】
多重特異性抗体及び/または一アーム抗体及び/またはイムノアドヘシンの産生方法としてノブイントゥホール(Knobs into holes)を使用することは、当該技術分野で周知である。Genentechに割り当てられ、1998年3月24日に承認された米国特許第5,731,168号、Amgenに割り当てられ、2009年7月16日に公開されたPCT公開第WO2009089004号、及びNovo Nordisk A/Sに割り当てられた、2009年7月16日に公開された米国特許公開第2009/0182127号を参照されたい。Marvin and Zhu,Acta Pharmacologica Sincia(2005)26(6):649−658及びKontermann(2005)Acta Pharacol.Sin.,26:1−9もまた参照されたい。簡潔な考察が本明細書に提供されている。
【0287】
「隆起」は、第1のポリペプチドの界面から突出し、したがって、隣接界面(すなわち、第2のポリペプチドの界面)の補償空洞内に位置付け可能となることで、例えば、ヘテロ多量体を安定させ、それによりホモ多量体形成よりもヘテロ多量体形成が好都合になる、少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。隆起は、元の界面に存在し得るか、または合成的に(例えば、界面をコードする核酸を改変することによって)導入され得る。通常、第1のポリペプチドの界面をコードする核酸は、隆起をコードするように改変される。これを達成するために、第1のポリペプチドの界面の少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基をコードする核酸が、元のアミノ酸残基よりも大きい側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードする核酸で置き換えられる。2つ以上の元の残基及び対応する移入残基が存在し得ることが理解されるだろう。置き換えられる元の残基の数の上限は、第1のポリペプチドの界面における残基の総数である。様々なアミノ残基の側鎖体積が以下の表に示される。
表6:アミノ酸の特性
アミノ酸の分子量から水の分子量を差し引いたもの。Handbook of Chemistry and Physics,43rd ed.Cleveland,Chemical Rubber Publishing Co.,1961からの値。
A.A.Zamyatnin,Prog.Biophys.Mol.Biol.,24:107−123,1972からの値。
C.Chothia,J.Mol.Biol.105:1−14,1975からの値。接書可能表面領域は、この参考文献の図6〜20に定義されている。
【0288】
隆起の形成に好ましい移入残基は、一般に、天然に存在するアミノ酸残基であり、好ましくはアルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、及びトリプトファン(W)から選択される。トリプトファン及びチロシンが最も好ましい。一実施形態では、隆起を形成するための元の残基は、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、トレオニン、またはバリンなどの小さい側鎖体積を有する。隆起を形成するためのCH3ドメインにおける例示的なアミノ酸置換としては、T366W置換が挙げられるが、これに限定されない。
【0289】
「空洞」は、第2のポリペプチドの界面から凹んでおり、したがって、隣接する第1のポリペプチドの界面上の対応する隆起を収容する少なくとも1つのアミノ酸側鎖を指す。空洞は、元の界面に存在し得るか、または合成的に(例えば、界面をコードする核酸を改変することによって)導入され得る。通常、第2のポリペプチドの界面をコードする核酸は、空洞をコードするように改変される。これを達成するために、第2のポリペプチドの界面の少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基をコードする核酸が、元のアミノ酸残基よりも小さい側鎖体積を有する少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基をコードするDNAで置き換えられる。2つ以上の元の残基及び対応する移入残基が存在し得ることが理解されるだろう。置き換えられる元の残基の数の上限は、第2のポリペプチドの界面における残基の総数である。様々なアミノ残基の側鎖体積が上の表2に示されている。空洞の形成に好ましい移入残基は、通常、天然に存在するアミノ酸残基であり、好ましくはアラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、及びバリン(V)から選択される。セリン、アラニン、またはトレオニンが最も好ましい。一実施形態では、空洞を形成するための元の残基は、チロシン、アルギニン、フェニルアラニン、またはトリプトファンなどの大きい側鎖体積を有する。空洞を生成するためのCH3ドメインにおける例示的なアミノ酸置換としては、T366S置換、L368A置換、及びY407A置換が挙げられるが、これらに限定されない。
【0290】
「元の」アミノ酸残基とは、元の残基よりも小さいまたは大きい側鎖体積を有し得る「移入」残基に置き換えられるものである。移入アミノ酸残基は、天然に存在するか、または天然に存在しないアミノ酸残基であり得るが、好ましくは、天然に存在するアミノ酸残基である。「天然に存在する」アミノ酸残基とは、遺伝子コードによってコードされ、上の表2に列記される残基である。「天然に存在しない」アミノ酸残基とは、遺伝子コードによってコードされないが、ポリペプチド鎖内の隣接するアミノ酸残基(複数可)に共有結合することができる残基を意味する。天然に存在しないアミノ酸残基の例は、ノルロイシン、オルニチン、ノルバリン、ホモセリン、及び他のアミノ酸残基類似体、例えば、Ellman et al.,Meth.Enzym.202:301−336(1991)に記載されるものなどである。そのような天然に存在しないアミノ酸残基を生成するために、Noren et al.Science244:182(1989)及びEllman et al.(上記参照)の手順が使用され得る。簡潔には、これは、天然に存在しないアミノ酸残基を有するサプレッサーtRNAの化学的活性化、その後のRNAのインビトロ転写及び翻訳を伴う。本明細書に提供される方法は、少なくとも1つの元のアミノ酸残基の置き換えを伴うが、2つ以上の元の残基が置き換えられ得る。通常、第1または第2のポリペプチドの界面における合計残基より多くが、置き換えられる元のアミノ酸残基を含むことはない。典型的には、置き換えられる元の残基は「埋められる」。「埋められる」とは、残基が溶媒に本質的にアクセス不能であることを意味する。一般に、移入残基は、ジスルフィド結合の起こり得る酸化または誤対合を阻止するために、システインではない。
【0291】
隆起は、空洞内で「位置付け可能」であり、これは、それぞれ、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドの界面の隆起及び空洞の空間的位置、ならびに隆起及び空洞の大きさが、界面での第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの正常な会合を著しく乱すことなく隆起が空洞内に位置し得るようなものであることを意味する。Tyr、Phe、及びTrpなどの隆起が、典型的には、界面の軸から垂直に延びず、好ましい立体配座を有しないため、隆起と対応する空洞との整列は、X線結晶学または核磁気共鳴(NMR)によって得られるものなどの三次元構造に基づく隆起/空洞対のモデリングに依存する。これは、当該技術分野で広く受け入れられている技術を使用して達成され得る。
【0292】
「元のまたは鋳型核酸」とは、隆起または空洞をコードするように「改変され」得る(すなわち遺伝子操作され得るか、または変異させられ得る)目的とするポリペプチドをコードする核酸を意味する。元のまたは開始核酸は、天然に存在する核酸であり得るか、または事前改変されている核酸(例えば、ヒト化抗体断片)を含み得る。核酸を「改変する」とは、元の核酸が目的とするアミノ酸残基をコードする少なくとも1つのコドンの挿入、欠失、または置き換えによって変異させられることを意味する。通常、元の残基をコードするコドンは、移入残基をコードするコドンに置き換えられる。この様式でのDNAを遺伝子的に修飾するための技術は、Mutagenesis:a Practical Approach,M.J.McPherson,Ed.,(IRL Press,Oxford,UK.(1991)に概説されており、例えば、部位特異的変異誘発、カセット変異誘発、及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)変異誘発を含む。元の/鋳型核酸を変異させることによって、元の/鋳型核酸によってコードされた元の/鋳型ポリペプチドがそれに従って対応して改変される。
【0293】
隆起または空洞は、合成手段によって、例えば、組換え技法、インビトロペプチド合成、前述の天然に存在しないアミノ酸残基を導入するための技法、ペプチドの酵素または化学的カップリング、またはこれらの技法のいくつかの組み合わせによって、第1または第2のポリペプチドの界面に「導入され」得る。したがって、「導入される」隆起または空洞は、「天然に存在しない」または「非天然」であり、これは、それが天然または元のポリペプチド(例えば、ヒト化モノクローナル抗体)には存在しないことを意味する。
【0294】
一般に、隆起を形成するための移入アミノ酸残基は、比較的小数の「回転異性体」(例えば、約3〜6つ)を有する。「回転異性体」とは、アミノ酸側鎖のエネルギー的に好ましい立体配座である。様々なアミノ酸残基の回転異性体の数は、Ponders and Richards,J.Mol.Biol.193:775−791(1987)に概説されている。
【0295】
一実施形態では、第1のFcポリペプチド及び第2のFcポリペプチドは、界面で接触する/相互作用する。第1のFcポリペプチド及び第2のFcポリペプチドが界面で接触するいくつかの実施形態では、第2のFcポリペプチドの界面(配列)は、第1のFcポリペプチドの界面(配列)の空洞(「ホール」とも称される)内に位置付け可能な隆起(「ノブ」とも称される)を含む。一実施形態では、第1のFcポリペプチドが、空洞をコードするように鋳型/元のポリペプチドから改変されているか、または第2のFcポリペプチドが、隆起をコードするように鋳型/元のポリペプチドから改変されているか、またはこれらの両方である。一実施形態では、