(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522043
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】フェニレート誘導体、調製及び医薬組成物及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 235/20 20060101AFI20190712BHJP
   C07C 231/12 20060101ALI20190712BHJP
   C07C 233/36 20060101ALI20190712BHJP
   C07C 229/22 20060101ALI20190712BHJP
   C07C 227/02 20060101ALI20190712BHJP
   C07C 237/06 20060101ALI20190712BHJP
   C07C 275/16 20060101ALI20190712BHJP
   C07D 295/185 20060101ALI20190712BHJP
   C07D 211/60 20060101ALI20190712BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 31/165 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 31/5375 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20190712BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190712BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !C07C235/20 ZCSP
   !C07C231/12
   !C07C233/36
   !C07C229/22
   !C07C227/02
   !C07C237/06
   !C07C275/16
   !C07D295/185
   !C07D211/60
   !C07D405/12
   !A61K31/198
   !A61K31/165
   !A61K31/5375
   !A61K31/445
   !A61K31/4025
   !A61P43/00 111
   !A61P37/02
   !A61P35/00
   !A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】55
(21)【出願番号】2019514168
(86)(22)【出願日】20170523
(85)【翻訳文提出日】20190122
(86)【国際出願番号】CN2017085420
(87)【国際公開番号】WO2017202276
(87)【国際公開日】20171130
(31)【優先権主張番号】201610343960.7
(32)【優先日】20160523
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518416551
【氏名又は名称】中国医学科学院薬物研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF MEDICAL SCIENCES
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号張徐斌
【住所又は居所原語表記】ZHANG XUBIN, NO.A2, NAN WEI ROAD, XICHENG DISTRICT, BEIJING 100050, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519178593
【氏名又は名称】天津紅日薬業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TIANJIN CHASE SUN PHARMACEUTICAL CO., LTD
【住所又は居所】中華人民共和国301700天津市新技術産業園区武清開発区泉発路20号
【住所又は居所原語表記】NO. 20, QUANFA ROAD, TIANJIN WUQING DEVELOPMENT AREA, TIANJIN, 301700 PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馮 志 強
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁 光
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】楊 陽
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】周 川
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】来 芳 芳
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】季 鳴
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】金 小 鋒
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲ニ▼ 娜
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】鄭 義
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】陳 浩
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
(72)【発明者】
【氏名】李 凌
【住所又は居所】中華人民共和国100050北京市西城区南緯路甲2号
【テーマコード(参考)】
4C054
4C063
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C054AA02
4C054BB01
4C054CC03
4C054DD32
4C054EE01
4C054FF01
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC82
4C063DD03
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
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4C086BC07
4C086BC21
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4C086GA16
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4C086NA14
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4C086ZC41
4C206AA01
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4C206GA19
4C206GA22
4C206GA23
4C206HA16
4C206HA28
4C206KA01
4C206KA17
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZB07
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC41
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB20
4H006AC47
4H006BA03
4H006BA29
4H006BB14
4H006BB31
(57)【要約】
本発明は、フェニレート誘導体、その調製方法、並びにその医薬組成物及び使用を開示する。詳細には、本発明は、式(I)によって表されるフェニレート誘導体、医薬的に許容されるその塩、その立体異性体、その調製方法、1つ又は複数の当該化合物を含有する医薬組成物、並びに、例えば癌、感染性疾患及び自己免疫疾患などのPD−1/PD−L1シグナルチャネルに関連する疾患の処置における当該化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
1は、
【化2】
から選択され;
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ(CH3CONH−)、メタンスルホニル(−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、カルバモイル(−CONH2)、及びヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化3】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、メトキシから選択される]
のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項2】
式(IA);
【化4】
[式中:
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル(SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、カルバモイル(−CONH2)、及びヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化5】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項1に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項3】
式(IA−1);
【化6】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化7】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項2に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項4】
式(IA−2):
【化8】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化9】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項2に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項5】
式(IA−3):
【化10】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化11】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項2に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項6】
式(IA−4):
【化12】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化13】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項2に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項7】
式(IA−5):
【化14】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化15】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項2に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項8】
式(IB);
【化16】
[式中:
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル(SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、ヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化17】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項1に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項9】
式(IB−1):
【化18】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化19】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項8に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項10】
式(IB−2):
【化20】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化21】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項8に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項11】
式(IB−3):
【化22】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化23】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項8に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項12】
式(IB−4):
【化24】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化25】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項8に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項13】
式(IB−5):
【化26】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【化27】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、請求項8に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項14】
3が:
【化28】
[式中、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルから選択され;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エテニル、及びトリフルオロメチルから選択される]
から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベンジルフェニルエーテルフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項15】
化合物が、
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【化29】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンジルアミンヒドロクロリド
【化30】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−アリルオキシベンジルアミン
【化31】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(プロパ−2−イニルオキシ)ベンジルアミン
【化32】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【化33】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N,N−ジメチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【化34】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)ベンジル)セリン
【化35】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)スレオニン
【化36】
2−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド
【化37】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【化38】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)シトルリン
【化39】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【化40】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(2−モルホリノ−2−オキソエトキシ)ベンジル)セリン
【化41】
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)セリン
【化42】
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−ヒドロキシカルバモイルメトキシ)ベンジル)ピペコリン酸
【化43】
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【化44】
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【化45】
から選択される、請求項1に記載のフェニレート誘導体、又は医薬的に許容されるその塩又はその立体異性体。
【請求項16】
前記医薬的に許容される塩が、無機酸で形成される塩、有機酸で形成される塩、アルカリ金属イオンの塩、アルカリ土類金属イオンの塩、又は生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基で形成される塩及びアンモニウム塩を含む、請求項1に記載のフェニレート誘導体、又はその立体異性体又は医薬的に許容されるその塩。
【請求項17】
前記無機酸が、塩酸、臭化水素酸、リン酸又は硫酸から選択され;前記有機酸が、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸又は乳酸から選択され;前記アルカリ金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選択され;前記アルカリ土類金属イオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選択され;生理学的に許容されるカチオンを提供する前記有機塩基が、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンから選択される、請求項16に記載のフェニレート誘導体、又はその立体異性体又は医薬的に許容されるその塩。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のフェニレート誘導体、又はその立体異性体、又は医薬的に許容されるその塩を調製する方法であって:
【化46】
式(I)の化合物の調製について、その構造に基づき、調製方法は2ステップに分けられ:
(a)2−ヒドロキシ−4−(2−ブロモ−3−置換されたベンジルオキシ)−X−置換されたベンズアルデヒド1を出発物質として、塩基性条件下でハロゲン化物と反応させて、アルデヒド−含有中間化合物2を得る;
(b)前記アルデヒド−含有中間化合物2を出発物質として、アミノ基−又はイミノ基−含有のHR3と縮合させ、得られた生成物を還元して、標的化合物Iを得る;
ここで、R1、R2、R3及びXは、それぞれ請求項1〜15のいずれか1項に定義されている、方法。
【請求項19】
有効成分としての、請求項1〜17のいずれか1項に記載のフェニレート誘導体、又はその立体異性体又は医薬的に許容されるその塩、及び1つ又は複数の医薬的に許容される担体又は賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項20】
PD−1/PD−L1シグナル伝達経路に関連する疾患の予防及び/又は処置のための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか1項に記載のフェニレート誘導体、又はその立体異性体、又は医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項21】
PD−1/PD−L1シグナル伝達経路に関連する前記疾患が、癌、感染性疾患、及び自己免疫疾患から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記癌が、皮膚癌、肺癌、泌尿器腫瘍、血液腫瘍、乳癌、神経膠腫、消化器系腫瘍、生殖器系腫瘍、リンパ腫、神経系腫瘍、脳腫瘍、頭頚部癌から選択され;前記感染性疾患が、細菌感染症及びウイルス感染症から選択され;前記自己免疫疾患が、臓器特異的自己免疫疾患及び全身性自己免疫疾患から選択され;前記自己免疫疾患が、臓器特異的自己免疫疾患、全身性自己免疫疾患から選択され、前記臓器特異的自己免疫疾患として、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、インスリン依存性糖尿病、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、慢性萎縮性胃炎に伴う悪性貧血、肺出血性腎炎症候群、原発性胆汁性肝硬変、多発性脳脊髄硬化症、及び急性特発性多発神経炎が挙げられ、前記全身性自己免疫疾患として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性血管炎、強皮症、天疱瘡、皮膚筋炎、混合性結合組織病、及び自己免疫性溶血性貧血が挙げられる、請求項21に記載の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、フェニレート誘導体、その調製方法、並びにその医薬組成物及び使用を開示する。詳細には、本発明は、式(I)によって表されるフェニレート誘導体、医薬的に許容されるその塩、その立体異性体、その調製方法、1つ又は複数の当該化合物を含有する医薬組成物、並びに、例えば癌、感染性疾患及び自己免疫疾患などのPD−1/PD−L1シグナルチャネルに関連する疾患の処置における当該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
癌免疫学に関する研究を掘り下げていくと、腫瘍微小環境は、腫瘍細胞を、ヒト免疫系により認識され且つ死滅させられることから守り得ることが見出された。腫瘍細胞の免疫回避は、腫瘍の発生及び成長において非常に重要な役割を果たす。2013年に、サイエンス誌は、腫瘍免疫療法を飛躍的な発明の上位10中の1位として位置付けし、また免疫療法を癌処置の分野における「中心」とした。免疫細胞の活性化又は阻害は、正及び負のシグナルにより制御され、プログラム死1(PD−1)/PD−1リガンド(PD−L1)は、腫瘍特異性CD8+T細胞の免疫活性を阻害し且つ免疫回避を仲介する負の免疫制御シグナルである。
【0003】
腫瘍細胞は、その表面上に産生されたプログラム細胞死リガンド(PD−L1)を、T細胞のPD−1タンパク質に結合することにより免疫系から逃れる。腫瘍微小環境は、浸潤T細胞におけるPD−1分子の高発現を誘起し、腫瘍細胞はPD−1リガンドPD−L1及びPD−L2を高度に発現し、腫瘍微小環境におけるPD−1経路の持続的活性化をもたらす。阻害されたT細胞は、腫瘍を見つけ出すことができず、その結果、免疫系に、腫瘍細胞を攻撃して死滅させるというシグナルを送ることができない。PD−1又はPD−L1に対するPD−1抗体は、この2つのタンパク質が結合することを妨げることによりこの経路を遮断し、T細胞の機能を部分的に修復して、T細胞が腫瘍細胞を死滅させることを可能にする。
【0004】
PD−1/PD−L1−をベースとする免疫療法は、新世代の注目を浴びる免疫療法であり、身体に属する免疫系を使用して腫瘍と戦うことを目標としている。該免疫療法は、PD−1/PD−L1シグナル伝達経路を遮断してアポトーシスを誘起することにより、複数の種類の腫瘍を処置する可能性を有する。最近では、一連の驚くべき研究により、PD−1/PD−L1阻害抗体が多用な腫瘍に対する強い抗腫瘍活性を有することが確認され、これは特に関心を集めている。2014年9月4日に、Merck社、USAからのキイトルーダ(Keytruda)(登録商標)(ペンブロリズマブ)は、他の薬物療法に不応答であった、進行性又は切除不能な黒色腫患者の処置用の、最初のFDA承認されたPD−1モノクローナル抗体となった。現在、MSDは、様々な種類の血液癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、胃癌、及び頭頚部癌を含めて30を超える異なる種類の癌において、キイトルーダの可能性を調査している。2014年12月22日に、巨大医薬品企業のBristol−Myers Squibb社は、米国食品医薬品局(FDA)からの迅速承認の獲得において先頭に立った。その抗癌免疫療法薬ニボルマブは、商標名オプジーボ(Opdivo)で、他の薬物に応答しない切除不能な又は転移性の黒色腫患者の処置用に収載され、これはMSDのキイトルーダに続く、第2のUS収載のPD−1阻害剤である。2015年3月4日に、FDAは、ニボルマブを、白金系の化学療法中に又は化学療法後に進行した転移性の扁平上皮非小細胞肺癌の処置用に承認した。MSD出版の、キイトルーダ(ペンブロリズマブ)による固形腫瘍の処置の第Ib相KEYNOTE−028研究によると、キイトルーダ処置により、胸膜中皮腫(PM)を有する25人の患者において、28%の奏効率(ORR)を達成した。並びに48%の患者は、疾患が安定しており、疾患制御率は76%に達した。承認薬のいずれにも処置応答を示さなかった進行性ホジキンリンパ腫(HL)を有する患者は、MSDのキイトルーダ及びBristol−Myersのオプジーボ(Opdvio)で処置を受けた後、完全寛解に到達することができた。2015年米国癌学会年会(AACR Annual Meeting)において、Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのLeisha A.Emens、MD、PhD、腫瘍学準教授は、Roche社のPD−L1モノクローナル抗体MPDL3280Aが、進行性三種陰性乳癌において持続的効果を有することを報告した。
【0005】
腫瘍免疫療法は、腫瘍標的療法の次の、癌処置における革命と考えられている。しかしながら、モノクローナル抗体治療薬は、それ自体の欠点を有し:プロテアーゼにより容易に分解され、そのため身体内で不安定であり、経口的に摂取できず;免疫交差反応が容易に起こり;生成物の質を制御することが容易ではなく、生産技術が高度であり;大量の調製及び精製が困難であり、費用が高く;使用が不便であり、注射又は点滴のみが可能である。したがって、腫瘍免疫療法にとって、PD−1/PD−L1相互作用の小分子阻害剤がより良い選択である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の内容
本発明によって解決されるべき技術的問題は、構造式(I)を有しPD−1/PD−L1の相互作用を阻害するフェニレート誘導体、及びその立体異性体及び医薬的に許容されるその塩、並びにその調製方法、及びその医薬組成物、及びPD−1/PD−L1シグナル伝達経路に関連する疾患の予防又は処置におけるその使用を提供することである。
【0007】
【化1】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の技術的解決策は、上記の技術的問題を解決するために本発明により提供される。
技術的解決策の第1の態様は、式(I):
【0009】
【化2】
【0010】
[式中:
1は、
【0011】
【化3】
【0012】
から選択され;
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ(CH3CONH−)、メタンスルホニル(−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、ヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0013】
【化4】
【0014】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、メトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩を提供することである。
【0015】
好ましいのは、化合物が、式(IA):
【0016】
【化5】
【0017】
[式中:
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル(SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、ヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0018】
【化6】
【0019】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、フェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0020】
好ましいのは、化合物が、式(IA−1):
【0021】
【化7】
【0022】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0023】
【化8】
【0024】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、フェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0025】
好ましいのは、化合物が、式(IA−2):
【0026】
【化9】
【0027】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0028】
【化10】
【0029】
から選択される置換基(複数可)で一置換、二置換、三置換、又は四置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表される、フェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0030】
好ましいのは、化合物が、式(IA−3):
【0031】
【化11】
【0032】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0033】
【化12】
【0034】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0035】
好ましいのは、化合物が、式(IA−4):
【0036】
【化13】
【0037】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0038】
【化14】
【0039】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0040】
好ましいのは、化合物が、式(IA−5):
【0041】
【化15】
【0042】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0043】
【化16】
【0044】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0045】
好ましいのは、化合物が、式(IB):
【0046】
【化17】
【0047】
[式中:
2は、非置換又は置換されたC1〜C8脂肪族ヒドロカルボニルから選択され、置換されている場合は、置換基は、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニル(SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、ヒドロキシカルバモイル(−CONHOH)から選択され;
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0048】
【化18】
【0049】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0050】
好ましいのは、化合物が、式(IB−1):
【0051】
【化19】
【0052】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0053】
【化20】
【0054】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0055】
好ましいのは、化合物が、式(IB−2):
【0056】
【化21】
【0057】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0058】
【化22】
【0059】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0060】
好ましいのは、化合物が、式(IB−3):
【0061】
【化23】
【0062】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0063】
【化24】
【0064】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0065】
好ましいのは、化合物が、式(IB−4):
【0066】
【化25】
【0067】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0068】
【化26】
【0069】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0070】
好ましいのは、化合物が、式(IB−5):
【0071】
【化27】
【0072】
[式中:
3は、置換されたC1〜C8飽和アルキルアミノ、置換されたC2〜C6不飽和アルキルアミノ、置換されたN−含有C2〜C6ヘテロサイクル−1−イルから選択され、それぞれは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、アセチルアミノ、シアノ、ウレイド(−NH(C=O)NH2)、グアニジノ(−NH(C=NH)NH2)、ウレイドアミノ(−NH−NH(C=O)NH2)、グアニジノアミノ(−NH−NH(C=NH)NH2)、スルホニルアミノ(−NHSO3H)、スルファモイル(−SO2NH2)、メタンスルホニルアミノ(−NH−SO2CH3)、ヒドロキシホルミル(−COOH)、C1〜C8アルコキシルカルボニル、スルフィドリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラゾリル、
【0073】
【化28】
【0074】
から選択される置換基(複数可)で一置換−、二置換−、三置換−、又は四−置換されており;
Xは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C4アルキル、エテニル、トリフルオロメチル、及びメトキシから選択される]
によって表されるフェニレート誘導体、その立体異性体及び医薬的に許容されるその塩である。
【0075】
最も好ましい化合物は、以下の:
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0076】
【化29】
【0077】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンジルアミンヒドロクロリド
【0078】
【化30】
【0079】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−アリルオキシベンジルアミン
【0080】
【化31】
【0081】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(プロパ−2−イニルオキシ)ベンジルアミン
【0082】
【化32】
【0083】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【0084】
【化33】
【0085】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N,N−ジメチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0086】
【化34】
【0087】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)ベンジル)セリン
【0088】
【化35】
【0089】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)スレオニン
【0090】
【化36】
【0091】
2−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド
【0092】
【化37】
【0093】
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【0094】
【化38】
【0095】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)シトルリン
【0096】
【化39】
【0097】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0098】
【化40】
【0099】
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(2−モルホリノ−2−オキソエトキシ)ベンジル)セリン
【0100】
【化41】
【0101】
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)セリン
【0102】
【化42】
【0103】
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−ヒドロキシカルバモイルメトキシ)ベンジル)ピペコリン酸
【0104】
【化43】
【0105】
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【0106】
【化44】
【0107】
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【0108】
【化45】
【0109】
から選択される。
医薬的に許容される塩は、無機酸で形成される塩、有機酸で形成される塩、アルカリ金属イオンの塩、アルカリ土類金属イオンの塩、又は生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基で形成される塩及びアンモニウム塩を含む。
【0110】
前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸又は硫酸から選択され;前記有機酸は、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸又は乳酸から選択され;前記アルカリ金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選択され;前記アルカリ土類金属イオンは、カルシウムイオン、マグネシウムイオンから選択され;生理学的に許容されるカチオンを提供する前記有機塩基は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンから選択される。
【0111】
本発明の第2の態様は、第1の態様の化合物を調製する方法を提供する。
式(I)の化合物の調製について、その構造に基づき、調製方法は5ステップに分けられる。
【0112】
【化46】
【0113】
(a)2−ブロモ−3−ヨードトルエン1及びベンゼンボロン酸又は置換されたベンゼンボロン酸又はベンゼンのホウ酸エステル又は置換されたベンゼンを出発物質として、スズキカップリング反応を介して反応させて中間化合物2を得る;
(b)中間体2を出発物質として、ブロム化試薬によりメチル基のブロム化を施して、ブロモ中間体3を得る;
(c)中間体3を出発物質として、塩基性条件下で置換された2,4−ジヒドロキシ−X−置換されたベンズアルデヒドと反応させて、ベンジルアリールエーテル中間体4を得る;
(d)中間体4を出発物質として、塩基性条件下でハロゲン化物と反応させて、中間化合物5を得る;
(e)アルデヒド基−含有中間化合物5を出発物質として、アミノ基−又はイミノ基−含有のHR3と縮合させ、得られた生成物を還元して、標的化合物Iを得る。
1、R2、R3及びXは、それぞれ第1の態様に記載されるように定義される。
【0114】
加えて、上記反応の出発物質及び中間体は容易に得られ、且つ各ステップ反応は、既報告の文献に基づくか、又は有機合成における従来の方法によって当業者により容易に実施することができる。式Iの化合物は、溶媒和形態又は非溶媒和形態で存在し得て、異なる溶媒からの結晶化により異なる溶媒和物がもたらされ得る。式(I)の医薬的に許容される塩として、以下の無機酸又は有機酸:塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸、乳酸の酸付加塩などの種々の酸付加塩が挙げられる。式Iの医薬的に許容される塩としてはまた、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩などの様々なアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムの塩などの様々なアルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩;並びにメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンの塩及びトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン塩などの、生理学的に許容されるカチオンを提供する様々な有機塩基塩も挙げられる。本発明の範囲内におけるこれらの塩の全ては、従来の方法により調製することができる。式(I)の化合物及びその溶媒和物又は塩の調製中に、多結晶又は共晶が、異なる結晶化条件下で起こり得る。
【0115】
本発明の第3の態様は、有効成分として本発明の第1の態様のフェニレート誘導体及びその立体異性体、及び医薬的に許容される塩を含み、並びに医薬的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0116】
本発明は、更に、有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。当該医薬組成物は、当技術分野で周知の方法に基づいて調製することができる。ヒト又は動物の使用に好適な任意の剤形は、本発明の化合物と、1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤及び/又は固体若しくは液体のアジュバントとを組み合わせることにより調製することができる。その医薬組成物中の本発明の化合物の含有量は、通例、0.1〜95重量%である。
【0117】
本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物は、単位剤形で、経口、静脈内、筋肉内、皮下、経鼻、口腔粘膜、眼、肺及び気道、皮膚、膣、直腸などの経腸的又は非経口的な経路を介して投与することができる。
【0118】
剤形は、液体剤形、固体剤形又は半固体剤形であり得る。液体剤形は、溶液(真溶液及びコロイド溶液を含める)、エマルジョン(o/w型、w/o型及び二重のエマルジョンを含める)、懸濁液、注射剤(水注射剤、粉末注射剤及び輸液を含める)、点眼剤、点鼻薬、ローション剤、リニメント剤などであってもよく;固体剤形は、錠剤(通常の錠剤、腸溶錠剤、トローチ剤、分散性錠剤、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠を含める)、カプセル剤(ハードカプセル剤、ソフトカプセル剤、腸溶カプセル剤を含める)、顆粒、散剤、ペレット、滴下剤、坐剤、フィルム、パッチ、ガス(粉末)スプレー剤、スプレー剤などであってもよく;半固体剤形は、軟膏剤、ゲル剤、ペースト剤などであってもよい。
【0119】
本発明の化合物は、一般的調製物、同様に持続放出性調製物、制御放出性調製物、標的調製物、及び様々な微粒子送達系に製剤することができる。
【0120】
本発明の化合物を錠剤に成形するために、希釈剤、結合剤、湿潤剤、崩壊作用剤、滑沢剤、及び流動促進剤を含めて当技術分野で公知の様々な賦形剤を広く使用することができる。希釈剤は、デンプン、デキストリン、スクロース、グルコース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、微結晶性セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどであってもよく;湿潤剤は、水、エタノール、又はイソプロパノールなどであってもよく;結合剤は、水飴、デキストリン、シロップ、ハチミツ、グルコース溶液、微結晶性セルロース、アラビアゴム粘液、ゼラチン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、カルボマ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどであってもよく;崩壊剤は、乾燥デンプン、微結晶性セルロース、低置換されたヒドロキシプロピルセルロース、架橋したポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、炭酸水素ナトリウム及びクエン酸、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸ドデシルナトリウムなどであってもよく;滑沢剤及び流動促進剤は、タルク、シリカ、ステアレート、酒石酸、液体パラフィン、ポリエチレングリコールなどであってもよい。
【0121】
錠剤はまた、更に、糖コーティング錠、フィルムコーティング錠、腸溶コーティング錠、又は2層錠及び多層錠などのコーティング錠に製剤してもよい。
【0122】
カプセル剤としての用量単位を調製するために、本発明の有効成分化合物は、希釈剤、流動促進剤と混合されてもよく、この混合物は、ハードカプセル又はソフトカプセル内に直接入れてもよい。当該有効成分はまた、希釈剤、結合剤、崩壊剤と共に顆粒又はペレットに製剤され、次にハードカプセル又はソフトカプセル内に入れることができる。本発明の化合物の錠剤を調製するための様々な希釈剤、結合剤、湿潤剤、崩壊作用剤及び流動促進剤はまた、本発明の化合物のカプセル剤を調製するためにも使用することができる。
【0123】
注射剤として本発明の化合物を調製するために、水、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール又はその混合物を溶媒として使用してもよい。加えて、当技術分野で一般的に使用される、適切な量の可溶化剤、共溶媒、pH調節剤、及び浸透圧調節剤を添加することができる。可溶化剤又は共溶媒は、ポロクサマー、レシチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなどであってもよく;pH調節剤は、ホスフェート、アセテート、塩酸、水酸化ナトリウムなどであってもよく;浸透圧調整剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、グルコース、ホスフェート、アセテート、などであってもよい。凍結乾燥した粉末注射剤を調製するために、マンニトール、グルコースなどもまたプロッパントとして添加してもよい。
【0124】
加えて、着色剤、防腐剤、芳香剤、着香剤又は他の添加剤もまた、必要に応じて、医薬調製物に添加してもよい。
【0125】
本発明の化合物又は医薬組成物は、投与及び治療効果の向上という目的のために、任意の公知の投与方法により投与することができる。
【0126】
本発明の化合物又は医薬組成物の投薬量は、予防されるか又は処置される疾患の性質及び重症度、患者又は動物の個々の状態、投与経路及び剤形などに応じて広範囲に投与することができる。一般に、本発明の化合物の好適な1日用量は、0.001〜150mg/kg体重、好ましくは0.01〜100mg/kg体重の範囲である。上記投薬量は、医師の臨床経験及び他の治療手段の使用を含めた投薬レジメンに応じて、単回投薬単位又は分割投与単位で投与してもよい。
【0127】
本発明の化合物又は組成物は、単独で又は他の治療的若しくは対症的な薬剤と組み合わせて投与してもよい。本発明の化合物を他の治療的薬剤と協同して使用する時、その投薬量は、実状に基づいて調節しなければならない。
【0128】
本発明の第4の態様は、フェニレート誘導体、又はその立体異性体、又は薬学的に許容されるその塩を提供し、これらは、PD−1/PD−L1シグナル伝達経路に関連する疾患の予防及び/又は処置に有用な医薬の調製に使用される。
【0129】
PD−1/PD−L1シグナル伝達経路に関連する疾患は、癌、感染性疾患、及び自己免疫疾患から選択される。癌は、皮膚癌、肺癌、泌尿器腫瘍、血液腫瘍、乳癌、神経膠腫、消化器系腫瘍、生殖器系腫瘍、リンパ腫、神経系腫瘍、脳腫瘍、頭頚部癌から選択される。感染性疾患は、細菌感染症及びウイルス感染症から選択される。自己免疫疾患は、臓器特異的自己免疫疾患、全身性自己免疫疾患から選択され、臓器特異的自己免疫疾患として、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、インスリン依存性糖尿病、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎、慢性萎縮性胃炎に伴う悪性貧血、肺出血性腎炎症候群、原発性胆汁性肝硬変、多発性脳脊髄硬化症、及び急性特発性多発神経炎が挙げられる。並びに全身性自己免疫疾患として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性血管炎、強皮症、天疱瘡、皮膚筋炎、混合性結合組織病、自己免疫性溶血性貧血が挙げられる。
【発明の効果】
【0130】
有益な技術的効果:
本発明の化合物は、PD−1/PD−L1相互作用に関して高阻害活性を有し、且つ相対的に良好な溶解度を有する。当該化合物は、PD−L1タンパク質と結合する強い能力を有する。これらの化合物はまた、PD−L1によるIFN−γの阻害を軽減する能力も有する。in vivoの薬力学的研究により、当該化合物は、腫瘍容積及び腫瘍重量の両方において皮下腫瘍の成長を著しく阻害し得ることが示されている。マウスの血液中及び脾臓中のリンパ球数は、明らかに増加し得る。
【発明を実施するための形態】
【0131】
実施例
本発明は、以下の実施例により更に説明されるが;しかしながら、本発明は、本明細書中以下に示される説明的な実施例により制限されることはない。
【0132】
測定機器:核磁気共鳴分光分析法を、Vaariaan Mercury 300核磁気共鳴装置を使用することにより実行した。質量分析を、ZAD−2F質量分析計及びVG300質量分析計を使用することにより実施した。
【実施例1】
【0133】
実施例1:
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0134】
【化47】
【0135】
(1)2−ブロモ−3−フェニルトルエン:
50mlフラスコに、2−ブロモ−3−ヨードトルエン(350mg)及びジオキサン/水を撹拌しながら入れた。この溶液に、アルゴンを10分間吹き込み、溶存酸素を除去した。次に、フェニルボロン酸(172.65mg)、炭酸セシウム(961.2mg)、及びトリフェニルホスフィンパラジウム(40.91mg)を順次加えた。この混合物を、80〜100℃においてアルゴン保護下で12時間撹拌した。反応を停止した。室温まで冷却した後、この混合物を、珪藻土を用いて濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、水及び酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせて、飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機層を濾過し、真空中で蒸発乾固した。粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)により精製し、無色油状物(221mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6), δ 7.49 - 7.29 (m, 7H, Ar-H), 7.14 (d, 1H, Ar-H), 2.42 (s, 3H, Ar-CH3).
(2)2−ブロモ−3−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニル:
2−ブロモ−3−フェニルトルエン(234mg)を秤量し、100mlフラスコ中で20mlのCCl4に溶解した。この溶液に、撹拌しながらNBS(178mg)を添加した。この混合物を、80℃まで加温し還流した。次に、過酸化ベンゾイル(4mg)を添加し、2時間後に過酸化ベンゾイル(4mg)を再度添加し、反応を更に2時間継続した。反応を停止した。室温まで冷却した後、この混合物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機層を濾過し、真空中で蒸発乾固し、黄色油状物(192mg)を得て、これを更に精製することなく次のステップで使用した。
【0136】
(3)4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド:
2,4−ジヒドロキシ−5−クロロベンズアルデヒド(73.94mg)を秤量し、50mlフラスコ中で6mlの無水アセトニトリルに溶解し、次に炭酸水素ナトリウム(98.88mg)を添加した。室温で40分間撹拌した後、2−ブロモ−3−フェニルベンジルブロミド(192mg、8mlのDMFに溶解)を、定圧滴下漏斗を介して反応混合物にゆっくりと滴下添加し、反応が完了するまで加熱還流した。室温まで冷却した後、この混合物を水及び酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次に濾過し、真空中で蒸発乾固した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(152mg)を白色固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.18 (s, 1H, -OH), 10.09 (s, 1H, -CHO), 7.74 (s, 1H, -ArH), 7.66 (d, 1H, -ArH), 7.57 (t, 1H, -ArH), 7.51 (m, 2H, -ArH), 7.46 (d, 1H, -ArH), 7.42 (d, 3H, -ArH), 6.85 (s, 1H, -ArH), 5.37 (s, 2H, -CH2-).
(4)4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンズアルデヒド:
4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(100mg)を、50mlフラスコ中で6mlのDMFに溶解し、次に炭酸セシウム(127.53mg)を添加した。室温で15分間撹拌した後、DMF(4ml)中の2−ブロモアセトアミド(68.25mg)の溶液を滴下添加した。この混合物を80℃で2時間撹拌した後、反応を停止した。室温まで冷却した後、この混合物を水及び酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次に濾過し、真空中で蒸発乾固した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(60mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-6d) δ 10.28 (s, 1H, -CHO), 7.74 (s, 1H, -ArH), 7.72 - 7.63 (m, 2H, -ArH), 7.58 - 7.36 (m, 8H, -ArH, -CONH2), 7.11 (s, 1H, -ArH), 5.44 (s, 2H, -CH2-), 4.75 (s, 2H, -CH2-). MS (FAB): 476 (M+1).
(5)(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン:
4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンズアルデヒド(80mg)を5mlのDMFに溶解し、次にセリンのエチルエステル(49mg)及び氷酢酸(57mg)を添加した。室温で20分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(25mg)を添加し、この混合物を25℃で14時間撹拌した。反応を停止した。この混合物を水及び酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次に濾過し、真空中で蒸発乾固した。残渣をエタノールに溶解し、反応が完了するまで加熱還流した。この混合物を真空中で蒸発乾固した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エチル(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリネート(70mg)を淡黄色油状物として得た。次に生成物をメタノール/H2O(4ml/1ml)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(20mg)を添加した。室温で2時間撹拌した後、数滴の酢酸を氷浴中の混合物に添加し、pHを酸性に調節した。この混合物を真空中で蒸発させて、(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン(45mg)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.03 (s, 1H, -ArH), 7.62 (d, J = 6.7 Hz, 1H, -ArH), 7.56 - 7.35 (m, 9H, -ArH, -CONH2), 7.00 (s, 1H, -ArH), 5.32 (s, 2H, -CH2-), 4.60 (m, 2H, -CH2-), 4.03 (m, 2H, -CH2-), 3.78 - 3.56 (m, 3H, -CH2-, -CH-). MS (FAB): 565(M+1).
【実施例2】
【0137】
実施例2:
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンジルアミンヒドロクロリド
【0138】
【化48】
【0139】
(1)4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンズアルデヒド:
4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(100mg、0.24mmol)を秤量し、5mlの無水THFに溶解し、次に炭酸セシウム(93.4mg、0.29mmol)を添加した。この混合物を、氷浴中で、アルゴン保護下で15分間撹拌した後、ヨードメタン(110ul、1.8mmol)を添加した。反応を室温に移行し、3時間継続し、酢酸エチル及び水で3回抽出した。有機相を合わせて、飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(78.2mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.13 (s, 1H, -CHO), 7.66 (s, 1H, -ArH), 7.51 (s, 1H, -ArH), 7.44 (q, 3H, -ArH), 7.39 (s, 1H, -ArH), 7.36 (s, 2H, -ArH), 7.34 (s, 1H, -ArH), 7.06 (s, 1H, -ArH), 5.44 (s, 2H, -CH2-), 3.97 (s, 3H, -OCH3).
(2)N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンジルアミンヒドロクロリド:
4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−メトキシベンズアルデヒド(50mg、0.116mmol)を5mlのDMFに溶解し、次にN−(2−アミノエチル)アセトアミド(35.54mg、0.348mmol)を添加し、氷酢酸(42.11mg、0.696mmol)を滴下添加した。室温で20分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(18mg、0.29mmol)を添加し、この混合物を25℃で14時間撹拌した。反応を停止した。この混合物を水及び酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次に濾過し、真空中で蒸発乾固した。粗製の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、粘稠性生成物を得た。10mlの飽和HClメタノール溶液を添加し、室温で終夜撹拌した。この混合物を真空中で蒸発乾固し、ジエチルエーテルで洗浄し、淡黄色固体粉末(28mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.31 (s, 1H, HCl), 9.04 (s, 1H, -NH-), 8.33 (s, 1H, -CONH-), 7.61 (m,, 2H, -ArH), 7.48 (s, 1H, -ArH), 7.42 (m, 2H, -ArH), 7.37 (m, 1H, -ArH), 7.33 (m, 3H, -ArH), 6.95 (s, 1H, -ArH), 5.32 (s, 2H, -CH2-), 3.98 (s, 2H, -CH2-), 3.85 (s, 3H, -OCH3), 3.16 (m, 2H, -CH2-), 2.86 (m, 2H, -CH2-), 1.78 (s, 3H, -COCH3). MS (FAB): 517(M).
【実施例3】
【0140】
実施例3:
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−アリルオキシベンジルアミン
【0141】
【化49】
【0142】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに3−ブロモプロパ−1−エンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにN−(2−アミノエチル)アセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (s, 1H, -CONH-), 7.61 (d, 1H, -ArH), 7.54 (d, 1H, -ArH), 7.51- 7.46 (m, 1H, -ArH), 7.43 (d, 2H, -ArH), 7.39 (d, 1H, -ArH), 7.35 (s, 2H, -ArH), 7.33 (s, 1H, -ArH), 6.95 (s, 1H, -ArH), 6.04 (m, 1H, -CH=), 5.39 (d, 1H, =CH2), 5.31 (s, 2H, -CH2-), 5.24 (d, 1H, =CH2), 4.68 (d, 2H, -CH2-), 3.98 (s, 2H, -CH2-), 2.85 (t, 2H, -CH2-), 1.79 (s, 3H, -COCH3). MS (FAB): 545(M+1).
【実施例4】
【0143】
実施例4:
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(プロパ−2−イニルオキシ)ベンジルアミン
【0144】
【化50】
【0145】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに3−ブロモプロパ−1−インを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにN−(2−アミノエチル)アセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (s, 1H, -NH-), 8.08 (t, 1H, -CONH-), 7.63 (dd, 1H, -ArH), 7.57 (s, 1H, -ArH), 7.49 (t, 1H, -ArH), 7.44 (m, 1H, -ArH), 7.42 (s, 1H, -ArH), 7.41 - 7.37 (m, 1H, -ArH), 7.36 (m, 2H, -ArH), 7.34 (q, 1H, -ArH), 7.09 (s, 1H, -ArH), 5.31 (s, 2H, -CH2-), 4.93 (d, 2H, -CH2-), 3.95 (s, 2H, -CH2-), 3.59 (t, 1H, CH), 3.27-3.28 (m, 2H, -CH2-), 2.83 (m, 2H, -CH2-), 1.79 (s, 3H, -COCH3). MS (FAB): 543(M+1).
【実施例5】
【0146】
実施例5:
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【0147】
【化51】
【0148】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにN−(2−アミノエチル)アセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (s, 1H, -CONH-), 7.59 (m, 1H, -ArH), 7.51 - 7.46 (m, 2H, -ArH), 7.43 (m, 2H, -ArH), 7.40 (s, 1H, -ArH), 7.34 (m, 3H, -ArH), 6.91 (d, 1H, -ArH), 5.36 - 5.26 (m, 2H, -CH2-), 3.94 - 3.88 (m, 2H, -CH2-), 3.29 - 3.19 (m, 4H, -CH2-), 2.76 (m, 2H, -CH2-), 2.34 (m, 1H, -CH2-), 2.02 (m, 1H, -CH2-), 1.78 (s, 3H, -COCH3-), 1.27 - 1.15 (m, 1H, -CH-), 0.53 (m, 1H, -CH2-), 0.31 (m, 1H, -CH2-). MS (FAB): 559(M+1).
【実施例6】
【0149】
実施例6:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N,N−ジメチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0150】
【化52】
【0151】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりにN,N−ジメチル−2−ブロモアセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.65 (d, J = 7.1 Hz, 1H, -ArH), 7.45 (ddd, J = 23.8, 18.3, 6.8 Hz, 8H, -ArH), 7.03 (s, 1H, -ArH), 5.25 (d, J = 42.2 Hz, 2H, -CH2-), 5.05 (s, 2H, -CH2-), 4.05 (dd, J = 32.7, 13.2 Hz, 2H, -CH2-), 3.78 - 3.56 (m, 3H, -CH2-, -CH-), 2.99 (s, 3H, -CH3), 2.83 (s, 3H, -CH3). MS (FAB): 593(M+1).
【実施例7】
【0152】
実施例7:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(3−メチルブタ−2−エニルオキシ)ベンジル)セリン
【0153】
【化53】
【0154】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに1−ブロモ−3−メチルブタ−2−エンを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO ) δ 7.64 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 1H, -ArH), 7.55 - 7.49 (m, 1H, -ArH), 7.49 - 7.45 (m, 3H, -ArH), 7.43 (dt, J = 5.6, 2.3 Hz, 1H, -ArH), 7.40 - 7.36 (m, 3H, -ArH), 6.92 (s, 1H, -ArH), 5.46 - 5.40 (m, 1H, =CH), 5.33 (s, 2H, -CH2-), 4.65 (d, J = 6.5 Hz, 2H, -CH2-), 3.88 (d, J = 2.5 Hz, 2H, -CH2-), 3.64 (ddd, J = 17.3, 11.0, 6.2 Hz, 2H, -CH2-), 3.15 - 3.09 (m, 1H, -CH-), 1.72 (d, J = 1.0 Hz, 6H, -CH3). MS (FAB): 576(M+1).
【実施例8】
【0155】
実施例8:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)スレオニン
【0156】
【化54】
【0157】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにスレオニンのエチルエステルを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.65-6.86 (m, 10H, Ar-H), 5.27 (s, 2H, CH2), 3.90-3.81 (m, 5H, CH2×2, CH), 2.93 (d, J = 4.0 Hz, 1H, CH), 1.21 (m, 1H, CH), 1.11 (d, J = 4.0 Hz, 3H, CH3), 0.52-0.32 (m, 4H, CH2×2). MS (FAB): 576(M+1).
【実施例9】
【0158】
実施例9:
2−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド
【0159】
【化55】
【0160】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりに2−アミノ−3−ヒドロキシプロパンアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.63-6.82 (m, 12H, Ar-H, CONH2), 5.26 (s, 2H, CH2), 3.85 (q, 2H, J = 4.0 Hz, CH2), 3.66-3.40 (m, 4H, CH2×2), 2.97 (s, 1H, CH), 1.17 (m, 1H, CH), 0.55-0.26 (m, 4H, CH2×2). MS (FAB): 561(M+1).
【実施例10】
【0161】
実施例10:
N−アセチルアミノエチル−4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジルアミン
【0162】
【化56】
【0163】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにN−(2−アミノエチル)アセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.78 (m, 1H, CONH), 7.62-6.80 (m, 10H, Ar-H), 5.26 (s, 2H, CH2), 3.86 (d, J = 8.0 Hz, 2H, CH2), 3.61 (s, 2H, CH2), 3.10 (q, J = 4.0 Hz, 2H, CH2), 2.52 (t, J = 4.0 Hz, 2H, CH2), 1.75 (s, 3H, CH3), 1.17 (m, 1H, CH), 0.55-0.26 (m, 4H, CH2×2). MS (FAB): 559(M+1).
【実施例11】
【0164】
実施例11:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)シトルリン
【0165】
【化57】
【0166】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりにシトルリンのエチルエステルを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.58-6.73 (m, 10H, Ar-H), 5.29 (s, 1H, CONH), 5.20 (s, 2H, CH2), 3.82 (d, J = 4.0 Hz, 2H, CH2), 3.68 (q, J = 16.0 Hz, 2H, CH2), 2.86 (q, J = 8.0 Hz, 1H, CH), 1.68-1.36 (m, 4H, CH2×2), 0.81 (m, 2H, CH2), 1.19 (m, 1H, CH), 0.52-0.27 (m, 4H, CH2×2). MS (FAB): 632(M+1).
【実施例12】
【0167】
実施例12:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−メトキシ−N−メチルカルバモイルメトキシ)ベンジル)セリン
【0168】
【化58】
【0169】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに2−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミドを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.66 (d, J = 7.3 Hz, 1H,-ArH), 7.52 (d, J = 7.7 Hz, 1H,-ArH), 7.49 (s, 1H,-ArH), 7.47 (s, 1H,-ArH), 7.45 (s, 1H,-ArH), 7.43 (s, 1H,-ArH), 7.38 (d, J = 6.7 Hz, 3H,-ArH), 7.14 (s, 1H,-ArH), 5.75 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 5.28 (s, 3H,-OCH3), 4.69 - 4.52 (m, 3H,-NCH3), 4.12 (d, J = 12.5 Hz, 2H,-CH2-), 4.00 (d, J = 15.7 Hz, 2H,-CH2-), 3.79 (d, J = 12.4 Hz, 2H,-CH2-), 3.75 (d, J = 5.5 Hz, 2H,-CH2-). MS (FAB): 609(M+1).
【実施例13】
【0170】
実施例13:
N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(2−モルホリノ−2−オキソエトキシ)ベンジル)セリン
【0171】
【化59】
【0172】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに2−ブロモ−1−モルホリノエタノンを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.65 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 1H,-ArH), 7.55 - 7.51 (m, 1H), 7.50 (s, 1H,-ArH), 7.48 (t, J = 1.8 Hz, 1H,-ArH), 7.46 (q, J = 1.3 Hz, 1H,-ArH), 7.45 - 7.41 (m, 1H,-ArH), 7.40 (d, J = 1.7 Hz, 2H,-ArH), 7.38 (dq, J = 4.3, 1.9 Hz, 2H,-ArH), 7.00 (s, 1H), 5.30 (s, 2H,-CH2-), 5.05 (s, 2H,-CH2-), 4.19 - 4.02 (m, 2H,-CH2-), 4.02 - 3.91 (m, 2H,-CH2-), 3.74 (dd, J = 11.2, 4.5 Hz, 2H,-CH2-), 3.67 (q, J = 6.7, 5.0 Hz, 2H,-CH2-), 3.62 - 3.58 (m, 2H,-CH2-), 3.55 - 3.52 (m, 2H,-CH2-), 3.25 - 3.21 (m, 1H,-CH-). MS (FAB): 635(M+1).
【実施例14】
【0173】
実施例14:
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)セリン
【0174】
【化60】
【0175】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.68 - 7.58 (m, 1H, -ArH), 7.55 - 7.47 (m, 3H, -ArH), 7.47 - 7.41 (m, 2H, -ArH), 7.38 (m, 3H, -ArH), 6.93 (m, 1H, -ArH), 5.34-5.20 (m, 2H, -CH2-), 4.20 - 4.02 (m, 1H, -CH2-), 3.94 (m, 2H, -CH2-), 3.93 - 3.91(m, 1H, -CH2-), 3.76 - 3.62 (m, 2H, -CH2-), 3.25-3.17 (m, 1H, -CH2-), 1.26 (m, 1H, -CH-) 0.56 (m, 1H, -CH2-), 0.42 - 0.28 (m, 1H, -CH2-). MS (FAB): 562(M+1).
【実施例15】
【0176】
実施例15:
(S)−N−(4−(2−ブロモ−3−フェニルベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(N−ヒドロキシカルバモイルメトキシ)ベンジル)ピペコリン酸
【0177】
【化61】
【0178】
手順は、2−ブロモアセトアミドの代わりに2−ブロモ−N−ヒドロキシアセトアミドを使用し、セリンのエチルエステルの代わりに(S)−エチルピペリジン−2−カルボキシレートを使用したことを除いて実施例1と同じであり、白色固体を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 ) δ 8.21 (s, 1H, -ArH), 7.81 - 7.32 (m, 9H, -ArH), 5.43 - 5.19 (s, 2H, -CH2-), 4.18 - 4.00 (m, 2H, -CH2-), 3.78 - 3.56 (m, 2H, -CH2-), 3.16 (d, J = 11.0 Hz, 1H , -CH-), 2.94 - 2.86 (m, 1H , -CH2-), 2.28 - 2.22 (m, 1H, -CH2-) ,1.91 - 1.85 (m, 2H , -CH2- ), 1.56 - 1.40 (m, 3H, -CH2-), 1.36 - 1.30 (m, 1H, -CH2-). MS (FAB): 605(M+1).
【実施例16】
【0179】
実施例16:
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【0180】
【化62】
【0181】
(1)2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエン:
手順は、フェニルボロン酸の代わりに2−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用し、トリフェニルホスフィンパラジウムの代わりに[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を使用し、炭酸セシウムの代わりに炭酸カリウムを使用したことを除いて実施例1と同じであり、2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエンを淡黄色油状物として得た。1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ: 7.21 (d, 2H, -ArH), 7.11 (m, 1H, -ArH), 6.90 (d, 2H, -ArH), 6.86 (d, 1H, -ArH), 4.30 (m, 4H, -OCH2CH2O-), 2.48 (s, 3H, -CH3).
(2)(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン:
手順は、2−ブロモ−3−メチル−1,1’−ビフェニルの代わりに2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりに(S,S)−エチル4−ヒドロキシプロリネートを使用したことを除いて実施例1と同じであり、(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(カルバモイルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリンを白色固体として得た。MS (FAB): 633(M+1).
【実施例17】
【0182】
実施例17:
(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン
【0183】
【化63】
【0184】
(1)2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエン:
手順は、フェニルボロン酸の代わりに2−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用し、トリフェニルホスフィンパラジウムの代わりに[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を使用し、炭酸セシウムの代わりに炭酸カリウムを使用したことを除いて実施例1と同じであり、2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエンを淡黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 7.21 (d, 2H, -ArH), 7.11 (m, 1H, -ArH), 6.90 (d, 2H, -ArH), 6.86 (d, 1H, -ArH), 4.30 (m, 4H, -OCH2CH2O-), 2.48 (s, 3H, -CH3).
(2)(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリン:
手順は、2−ブロモ−3−メチル−1,1’−ビフェニルの代わりに2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)トルエンを使用し、2−ブロモアセトアミドの代わりに(ブロモメチル)シクロプロパンを使用し、セリンのエチルエステルの代わりに(S,S)−エチル4−ヒドロキシプロリネートを使用したことを除いて実施例1と同じであり、(S,S)−N−(4−(2−ブロモ−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)ベンジルオキシ)−5−クロロ−2−(シクロプロピルメトキシ)ベンジル)−4−ヒドロキシプロリンを白色固体として得た。MS (FAB): 646(M+1).
薬理学的実験
1.In vitro活性評価: Cisbio PD−1/PD−L1結合アッセイキットを、in vitro酵素学的レベルの検出方法に適用した。
PD−1/PD−L1小分子阻害剤のスクリーニングの原理及び方法
1)原理:PD−1タンパク質はHISタグを伴い、PD−1リガンドPD−L1はhFcタグを伴う。Eu標識抗hFc抗体及びXL665標識抗HIS抗体を、それぞれ、上記2種の標識タンパク質に結合する。レーザー励起後、エネルギーはドナーEuからレセプターXL665へ移動し得て、XL665が蛍光を発することを可能にする。阻害剤(化合物又は抗体)を添加後、PD−1とPD−L1との結合を遮断することにより、EuとXL665との距離が遠くなり、エネルギーは移動することができず、XL665は蛍光を発しない。
【0185】
2)実験方法:この特定の方法は、CisbioのPD−1/PD−L1 Kit(品目64CUS000C−2)と称され得る。試薬を、以下の順序で分注しなければならない。384−ウェル白色ELISAプレートに、2μlの希釈剤又は希釈剤で希釈した標的化合物を各ウェルに入れ、次に1ウェル当たり4μlのPD−1タンパク質及び4μlのPD−L1タンパク質を入れて、15分間室温でインキュベートして;1ウェル当たり10μlの抗Tag1−Eu3+及び抗Tag2−XL665の混合物を入れて、1時間〜4時間室温でインキュベートして、Envison機器を用いて蛍光シグナルを665nm及び620nmにおいて測定した。HTRF率=(665nm/620nm)*104。各化合物について8〜10濃度を検出し、IC50をGraphpadソフトウェアにより算出した。
【0186】
3)スクリーニングの結果を表1に示した。
【0187】
【表1】
【0188】
2.リガンドPD−L1によるIFNγの阻害を軽減する実施例化合物の能力:
IFNγの発現レベルは、Tリンパ球の増殖活性を反映し得る。抽出したヒトPBMC(末梢血単核細胞)を使用して、Tリンパ球は抗CD3/抗CD28抗体により活性化され得ることに基づいて、リガンドPD−L1を阻害Tリンパ球に添加して、PD−L1による阻害を軽減する実施例化合物の能力を調査した。
【0189】
詳細な手順は、以下の通りである。DAKEWEヒトリンパ球分離溶液(DKW−KLSH−0100)を使用して、ヒト全血からPBMCを抽出し、PBMCを96ウェルプレートに1ウェル当たり3×105細胞で接種した。ヒトPD−L1タンパク質(最終濃度5μg/ml)、抗CD3/抗CD28タンパク質(最終濃度1μg/ml)及び実施例化合物の比例的希釈物を、それぞれ添加した。72時間後、上澄み液中のIFNγの発現レベルを、CisbioIFNγ試験キットにより検出した。実験結果により、IFNγの発現レベルに対するPD−L1の阻害は、実施例化合物により10nMにおいて部分的に軽減され得ることが示された。
3.in vivoにおける実施例化合物の有効性
薬力学的方法は、以下の通りであった:
皮下異種移植腫瘍における方法は、以下の通りであった。培養した特定の腫瘍細胞を温浸し、遠心分離により収集し、無菌生理食塩水で2回洗浄し、次に計数した。細胞濃度を生理食塩水により5×106/mlに調節し、0.2mlの細胞懸濁液を、C57BL/6又はBablcのマウスの右腋窩に接種した。接種後、翌日、該マウスを無作為に2群に分けた。各群は6〜7匹のマウスを有した。秤量後、該マウスには1日1回投与し、腫瘍の大きさをモニターした。腫瘍の大きさがある特定の大きさに達すると、該マウスを秤量し、血液をマウスの眼窩から収集し、次に該マウスを、首を切除することにより屠殺した。腫瘍組織、胸腺組織及び脾臓組織を収集し、それぞれ秤量した。最終的に腫瘍成長阻害率を算出し、その腫瘍成長阻害率を使用して、抗腫瘍効果のレベルを評価した。
【0190】
B16F10肺転移モデルにおける方法は、以下の通りであった。培養したB16F10腫瘍細胞を温浸し、遠心分離にかけ、無菌生理食塩水で2回洗浄し、次に計数した。細胞濃度を、生理食塩水により2.5×106/mlに調節した。0.2mlの細胞を、C57BL/6マウスに尾静脈を通して注射し、マウスの肺中で腫瘍細胞を集める。接種後、翌日、該マウスを無作為に2群に分けた。各群は6〜7匹のマウスを有した。秤量後、該マウスには1日1回投与した。3週間後、該マウスを秤量して屠殺し、肺組織を収集して秤量し、ブアン固定液で固定した後、肺腫瘍の数を計数した。最終的に腫瘍成長阻害率を算出し、その腫瘍成長阻害率を使用して、抗腫瘍効果のレベルを評価した。
【0191】
ルイス肺癌水胸症モデルにおける方法は、以下の通りであった:ルイス肺癌の皮下異種移植腫瘍を均質とし、無菌生理食塩水で2回洗浄し、細胞濃度を生理食塩水により2.5×105/mlに調節した。0.2mlの細胞を、C57BL/6マウスの胸腔に注射した。接種後、翌日、該マウスを無作為に2群に分けた。各群は6〜7匹のマウスを有した。秤量後、該マウスには1日1回投与した。対照群のマウスの体重が突然減少した時、マウスを屠殺した。胸腔中の液体をシリンジで抜き取り、液体の体積を記録した。
【0192】
上記モデルの機構の研究において、様々な種類のT細胞の総細胞比率の測定にフローサイトメトリー法を採用した。詳細なステップは、以下の通りであった。最初に試料を処理した。血液組織について、眼窩血液を採取した。赤血球可溶化液を使用して赤血球を除去し、次にPB緩衝液を洗浄に使用した。洗浄後、細胞を収集した。腫瘍及び脾臓について、組織をホモジナイザーですり潰し、次にPBS緩衝液で希釈し、次に300メッシュのスクリーンにより濾過した。各試料について細胞数を計数した後、1×106の細胞をEP管中に加え、フロー抗体用に染色した。氷上で1時間インキュベーションした後、各試料をPBS緩衝液で2回洗浄した。細胞集団を、BD社のVERSEフロー機器により分析した。腫瘍組織中の細胞総数は1×105であり、血液及び脾臓組織中の細胞総数は1×104であった。T細胞の、細胞総数に対する比をフローサイトメトリー後に分析した。
【0193】
(1)高転移性黒色腫B16F10の皮下異種移植モデル
高転移性黒色腫B16F10について、実施例化合物は、腫瘍の容積又は重量に関して皮下腫瘍の成長を著しく阻害し得る。
【0194】
機構の分析から、実施例化合物により、腫瘍−浸潤リンパ球の比率及び脾臓中のリンパ球の比率が増加し得る。
【0195】
(2)高転移性黒色腫B16F10の肺転移モデル
高転移性黒色腫B16F10を有する転移性肺癌モデルについて、実施例化合物は、肺転移数を著しく阻害し得る。
【0196】
機構の分析から、実施例化合物は、マウス血液中のリンパ球の百分率を増加させ得る。
(3)マウス乳癌EMT6の皮下異種移植モデル
マウス乳癌EMT6の皮下異種移植モデルについて、実施例化合物は、マウス乳癌EMT6に関していくらかの阻害効果を有し、実施例化合物とCTXとの組み合わせにより、CTXの腫瘍成長阻害率は著しく増加し得る。
【0197】
(4)マウスのルイス肺癌水胸症モデル
実施例化合物は、マウスのルイス肺癌水胸症モデルに関して著しい阻害効果を有し、水胸症発症率を低減することができる。
【0198】
(5)マウス結腸癌MC38の皮下異種移植モデル
マウス結腸癌MC38の皮下異種移植モデルについて、実施例化合物は、マウス結腸癌MC38に関して著しい阻害効果を有し、CTXと組み合わせてこの癌に関して相乗的抗腫瘍効果を有する。
【0199】
4.実施例化合物/PD−L1抗体とPD−L1タンパク質との相互作用を、Biacoreにより試験した
(1)実験原理
表面プラズモンは、金属の表面上の一種の電磁波であり、自由振動における光子と電子との相互作用により生じる。表面プラズモン共鳴(SPR)は、2種類の媒質の表面で起きる光学的現象であり、光子又は電子により誘起され得る。光濃密な媒質から光散乱媒質への光の全反射という現象は、光散乱媒質中にエバネッセント光を形成する。全反射したエバネッセント光が、金属表面上でプラズマ波と交わると、共鳴が起こり得て、反射光のエネルギーが減少し、反射光エネルギースペクトル上に共鳴ピークが現れる。この共鳴は、表面プラズモン共鳴と呼ばれる。表面プラズモン共鳴の入射角は、SPR角度と呼ばれる。SPRバイオセンサーは、分子の相互作用をモニタリングするための、高感度の、リアルタイムの、非標識の検出技術を提供する。該センサーはSPR角度の変化を検出し、SPRはまた金属表面の屈折率にも関連する。分析種がチップ表面に結合している時、分析種によりチップ表面の屈折率の変化が引き起こされ、これによりSPR角度の変化へと至る。これが、SPRバイオセンサーによる分子間相互作用のリアルタイム検出の基本原理である。相互作用分析において、SPR角度の変化は、リアルタイムでセンサーマップ上に記録される。
【0200】
(2)実験方法
PD−L1タンパク質を、捕獲法により、NTAチップのFc4チャネル上で捕獲し、緩衝剤系はPBS−P+、pH7.4、0.01%DMSOであった。一連の濃度の化合物及びPD−L1抗体を調製し、相互作用を決定するために、チップの表面をフロースルーさせた。
【0201】
(3)実験結果
実施例化合物の結合タンパク質はPD−L1であることを予め決定した。更なるBiacore実験により、実施例化合物が、PD−L1と結合する強い能力を有することが確認された。
【国際調査報告】