【実施例】
【0143】
V.実施例
以下の実施例は、本明細書に開示の方法を用いて調製され、単離され、キャラクタリゼーションされた。以下の実施例は、本発明の部分的な範囲を示すものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0144】
別段の規定がない限り、出発物質は通常、東京化成工業株式会社(日本)、Shanghai Chemhere Co.,Ltd.(Shanghai,China)、Aurora Fine Chemicals LLC(San Diego,CA)、FCH Group(Ukraine)、Aldrich Chemicals Co.(Milwaukee,Wis.)、Lancaster Synthesis,Inc.(Windham,N.H.)、Acros Organics(Fairlawn,N.J.)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(Cornwall,England)、Tyger Scientific(Princeton,N.J.)、AstraZeneca Pharmaceuticals(London,England)、Chembridge Corporation(USA)、Matrix Scientific(USA)、Conier Chem&Pharm Co.,Ltd(China)、Enamine Ltd(Ukraine)、Combi−Blocks,Inc.(San Diego,USA)、Oakwood Products,Inc.(USA)、Apollo Scientific Ltd.(UK)、Allichem LLC.(USA)、及びUkrorgsyntez Ltd(Latvia)などの非限定的な商業的供給元から入手可能である。Sigma−Aldrich Corporation,PharmaBlock(Nanjing)R&D Co.Ltd,Accela ChemBio Co.,Ltd,Alputon(SHANGHAI)Phamatech Co.,Ltd.,J&K Scientific Ltd
【0145】
中間体
中間体A1:(2,4−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)メタンアミン
【化28】
1,3−ジフルオロ−5−メトキシベンゼン(A1.2):アセトン(400mL)中にA1.1(12.5g、96mmol)及びK
2CO
3(66.0g、480mmol)が入っている撹拌懸濁液に、ヨウ化メチル(27mL、480mmol)を一度に添加した。その後反応混合物を60℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、過剰の溶媒を真空下で除去し、150mLのH
2Oを添加し、これをEt
2O(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をNaOH水溶液(0.1M、100mL)及びH
2O(100mL)で順に洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(12.0g、80%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 3.81(s,3H),6.43−6.46(m,3H).
【0146】
2,4−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(A1.3):100mLのDCM中にA1.2(11.0g、76.4mmol)が入っている溶液に、0℃でTiCl
4(12.5mL、114.8mmol)を滴下し、続いてジクロロ(メトキシ)メタン(9.0mL、91.7mmol)を滴下した。混合物を0℃で90分間撹拌し、室温まで30分間温めた。150mLのDCMで希釈した後、混合物を砕いた氷の中に注ぎ入れた。有機層を集め、食塩水(50mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc=10/1で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(4.5g、31%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 3.95(s,3H),6.50−6.53(m,2H),10.35(s,1H).
【0147】
(E)−2,4−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドオキシム(A1.4): MeOH(50mL)とH
2O(50mL)との混合溶媒の中に入っているA1.3(4.5g、26.2mmol)、NH
2OH・HCl(3.6g、52.4mmol)の混合物に、NaOH(3.1g、78.5mmol)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。溶媒を濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)で希釈した。得られた溶液をHCl(1N、80mL)、NaHCO
3(50mL)、及び食塩水(50mL)で洗浄した。合わせた有機相を濃縮することで、表題の化合物を得た(4.8g、96%)。LC−MS:[MH]
+= 188.1.
【0148】
中間体A1:MeOH(100mL)とNH
3・H
2O(14mL)中のA1.4(1000mg、5.2mmol)とRaney Ni(0.92g、10.7mmol)との混合物を、H
2バルーンの下、室温で一晩撹拌した。懸濁液をセライトパッドを通して濾過した。濾液を濃縮することで表題の化合物を得た(900mg、98%)。LC−MS:[MH]
+=174.1。
【0149】
中間体A2:(2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)メタンアミン
【化29】
1,3−ジフルオロ−5−メトキシベンゼン(A2.2):25mLのTHF中にLDA(23.4mL)が入っている溶液に、10mLのTHF中のA2.1(4.68g、32.5mmol)を、N
2下−70℃で滴下した。混合物を−70℃で1時間撹拌し、その後DMF(3.74mL)を滴下し、反応混合物を−70℃で更に1時間撹拌し、その後室温まで温めた。反応を3mLのCH
3COOH及び40mLのH
2Oでクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、合わせた有機層をH
2O(100mL)、1NのHCl(100mL)、及び食塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5:1)により精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(2.9g、51.8%)。LC−MS:[MH]
+=173.2。
【0150】
(E)−2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドオキシム(A2.3):水(45mL)中のA2.2(2.9g、16.9mmol)、NH
2OH・HCl(2.3g、33.8mmol)、CH
3OH(45mL)、及びNaOH(2.7g、67.6mmol)の混合物を、室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣に酢酸エチル(200ml)を添加した。その後、有機層を1NのHCl(50mL×2)、飽和NaHCO
3(100mL)、及び食塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒留去することで、表題の化合物を白色固体として得た(2.2g、70%)。LC−MS:[MH]
+=187.8。
【0151】
中間体A2:H
2雰囲気下、A2.3(2.2g、11.8mmol)と、CH
3OH(200mL)と、NH
4OH(30mL)と、Raney Ni(1.5g)との混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(2g、98%)。LCMS:[MH]
+=173.9。
【0152】
中間体A3:(2,4−ジフルオロ−5−メトキシフェニル)メタンアミン
【化30】
2,4−ジフルオロ−5−メトキシベンズアルデヒド(A3.2):A1.2をA3.1に置き換えて、A1.3と同様の方法により表題の化合物を調製した。
1H−NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 3.94(s,3H),6.99(t,1H),7.44(dd,1H),10.31(s,1H).
【0153】
(E)−2,4−ジフルオロ−5−メトキシベンズアルデヒドオキシム(A3.3):A1.3をA3.2に置き換えて、A1.4と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=188.1。
【0154】
tert−ブチル2,4−ジフルオロ−5−メトキシベンジルカルバメート(A3.4):400mLのMeOHの中にA3.3(11.7g、62.6mmol)及びBoc
2O(20.5g、93.9mmol)が入っている溶液に、Pd/C(2.5g、10重量%)を添加した。混合物を真空下で脱気し、その後バルーンを介してH
2を4回戻し充填した。その後、これをH
2(4.0MPa)下で40℃で一晩撹拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、MeOH(200mL×2)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮することで、標題の化合物を白色固体として得た(15.6g、91%)。LC−MS:[MH]
+=218.1。
【0155】
中間体A3:ジオキサン(120mL)の中にA3.4(4.0g、14.65mmol)が入っている溶液に、30mLのHCl(4mol/L)を添加した。反応を室温で2時間撹拌し、その後減圧下で濃縮することで、HCl塩形態としての粗生成物を得た。残渣をMeOH/MeCN(1/4、250mL)で希釈し、続いてK
2CO
3(6.7g、43.95mmol)を入れ、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、固体を濾別し、濾液を真空下で脱気し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc=0%〜25%)により精製することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(2.0g、80.0%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 3.88(s,2H),3.90(s,3H),6.86(dd,1H),6.98(dd,1H).LC−MS:[MH]
+=174.1.
【0156】
中間体A4:(3,6−ジフルオロ−2−メトキシフェニル)メタンアミン
【化31】
3,6−ジフルオロ−2−メトキシベンゾニトリル(A4.2):メタノール(10mL)をナトリウム(162mg、7mmol)で少しずつ処理した。ナトリウムメトキシド溶液を室温まで冷却し、メタノール(10mL)の中にA4.1(1g、6.4mol)が入っている溶液に室温で滴下した。混合物を60℃で16時間撹拌し、濃縮して減圧下で溶媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(EA/PE=0〜50%)により精製することで表題の化合物を得た(600mg、55%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 4.18(s,3H),6.80−6.85(m,1H),7.27−7.34(m,1H).
【0157】
中間体A4:A4.2(600mg、3.55mmol)及びNH
4OH(5mL)のCH
3OH(50mL)溶液に、Raney Ni(0.6g)を添加し、混合物をH
2雰囲気下、20℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮することで、表題の化合物を得た(400mg、65%)。LC−MS:[MH]
+=174.1。
【0158】
中間体A5:(2−クロロ−6−メトキシフェニル)メタンアミン
【化32】
2−クロロ−6−メトキシベンゾニトリル(A5.2):無水メタノール100mLの中にA5.1(1.55g、10.0mmol)が入っている溶液に、ナトリウムメトキシド(4.32g、80mmol)を添加した。混合物を85℃で加熱し、一晩撹拌し、次いで減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残渣を400mLのDCMで希釈し、飽和NH
4Cl(2×20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)により精製することで、表題の化合物を淡黄色固体として得た(1.5g、89.8%)。LC−MS:[MH]
+=168.0。
【0159】
中間体A5:10.0mLのTHFの中にA5.2(334mg、2.0mmol)が入っている溶液に、ボラン(2.0mol/L)を添加した。混合物を90℃で3時間加熱し、次いで室温まで冷却し、メタノールでクエンチした。混合物を真空下で濃縮し、残渣を別のメタノール50mLで希釈し、その後再び除去した。このプロセスを4回繰り返すことで、表題の化合物を粗生成物として得た(300mg、88%)。これは更に精製することなく次の工程で使用する。LC−MS:[MH]
+=172.1
【0160】
中間体A6:(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)メタンアミン
【化33】
2−フルオロ−6−メトキシベンゾニトリル(A6.2):2.5LのMeOHの中にA6.1(500g、3.6mol)が入っている溶液に、ナトリウムメトキシド(388g、7.2mol)を分割してゆっくり添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を15LのH
2Oの中に注ぎ入れ、析出物を濾別し、2.0LのH
2Oで2回洗浄することで、表題の化合物を白色固体として得た(1140g)。粗生成物は更に精製することなく次の工程で使用する。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 3.96(s,3H),6.79(dd,2H),7.52(dd,1H).
【0161】
中間体A6:1.0LのMeOHの中にA6.2(228g、未精製)及び145mLのNH
4OHが入っている溶液に、30gのRaney Niを添加した。この混合物を、水素雰囲気(25気圧)下で8時間、オートクレーブの中で40℃で撹拌した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮することで淡黄色オイルを得た。これを減圧蒸留により精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(60g、54%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.58(s,2H),3.67(s,1H),6.75(t,1H),6.82(d,1H),7.22(dd,1H).LC−MS:[MH]
+=156.1.
【0162】
中間体B1:5−(ジフルオロメチル)−2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
【化34】
4−クロロ−6−メチルニコチノイルクロリド(B1.2):POCl
3(200mL)中のB1.1(15.3g、0.1モル)の混合物を120℃に加熱し、3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をDCM(100mL)で希釈し、濃縮することで、表題の化合物を淡黄色オイルとして得た(18g、100%)。粗生成物は更に精製することなく次で使用する。
【0163】
メチル4−クロロ−6−メチルニコチネート(B1.3):DCM(150mL)中のB1.2(18g、0.1mol)の混合物にMeOH(30mL)を添加し、室温で20分間撹拌した。溶媒を除去した。残渣をPE/EtOAc=5/1で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(15.9g、86%)。LC−MS:[MH]
+=186.1。
【0164】
4−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)メタノール(B1.4):30mLのメタノールの中にB1.3(1.0g、5.4mmol)が入っている溶液に、室温でNaBH
4(1.0g、27.0mmol)を添加した。その後、反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を除去した。EtOAc(20mL)及び水(15mL)を添加した。有機相を分離し、濃縮することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(700mg、82%)。LC−MS:[MH]
+=158.1。
【0165】
4−クロロ−6−メチルニコチンアルデヒド(B1.5):DCM(15mL)中のB1.4(700mg、4.458mmol)の混合物に、室温でMnO
2(1.94g、22.29mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、濾過し、濾液を除去することで、表題の化合物を淡黄色固体として得た(650mg、93%)。LC−MS:[MH]
+=174.1。
【0166】
4−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−2−メチルピリジン(B1.6):DCM(10mL)中のB1.5(650mg、4.19mmol)の混合物に、DAST(1.1mL、8.38mmol)を0℃で添加した。その後、混合物を0℃で2時間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10ml)を添加した。有機相を分離し、濃縮した。残渣をPE/EtOAc=3/1で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、表題の化合物を淡黄色オイルとして得た(600mg、81%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.60(s,3H),6.93(t,1H),7.26(s,1H),8.71(s,1H).
【0167】
中間体B1:1,4−ジオキサン(6mL)中の、B1.6(150mg、0.85mmol)、B
2Pin
2(237mg、0.93mmol)、KOAC(250mg、2.55mmol)、s−Phos(15mg、0.037mmol)、及びPd(OAc)
2(40mg、0.18mmol)の混合物を、N
2で3回パージした。その後、密封した反応を120℃で2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をDCM(5mL)で溶解させた。固体を濾過し、濾液を濃縮することで、表題の化合物を褐色オイルとして得た(300mg、60%)。粗生成物は更に精製することなく次で使用する。LC−MS:[MH]
+=270.1。
【0168】
中間体B2:2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトニトリル
【化35】
2−(3−ブロモピリジン−2−イル)アセトニトリル(B2.2):MeCN(87mg、2.13mmol)のTHF(8mL)溶液に、n−BuLi(1.78mL、4.26mmol)を−78℃で添加し、−78℃で1時間撹拌した。その後、THF(2mL)中のB2.1(500mg、2.13mmol)を−78℃でゆっくり添加した。反応を−78℃で1.5時間撹拌し、室温まで温め、飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、EA(100mL×3)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を分取HPLC(移動相:MeCN/H
2O(10nM)NH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(110mg、22%)。LCMS:[MH]
+=197。
【0169】
中間体B2:6mLのジオキサンの中にB2.2(110mg、0.56mmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’、5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(285mg、1.12mmol)が入っている溶液に、KOAc(165mg、1.68mmol)及びPd(dppf)Cl
2(41mg、0.056mmol)を添加した。懸濁液を、N
2下、95℃で2時間撹拌した。反応を真空下で濃縮し、残渣をPE(20mL×2)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(200mg、48%)。LC−MS:[MH]
+=245。
【0170】
中間体B3:2−(6−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)アセトニトリル
【化36】
2−(5−ブロモ−6−メチルピリジン−2−イル)アセトニトリル(B3.2):MeCN(142mg、3.47mmol)のTHF(5mL)溶液に、n−BuLi(3.47mL、3.47mmol)を−78℃で添加し、−78℃で1時間撹拌した後、B3.1(200mg、1.05mmol)を−78℃でゆっくり添加した。混合物を室温まで温め、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Clでクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を分取HPLC(移動相:MeCN/H
2O(10nMのNH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(220mg、64%)。LC−MS:[MH]
+=211.1。
【0171】
中間体B3:B2.2をB3.2に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=259.2。
【0172】
中間体B4:2−メチル−2−(6−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)プロパンニトリル
【化37】
2−(5−ブロモ−6−メチルピリジン−2−イル)−2−メチルプロパンニトリル(B4.2):B4.1(1.0g、5.26mmol)及びイソブチロニトリル(1.87mL)のトルエン(20mL)溶液に、NaHMDS(5mL、15.8mmol)を添加し、これを120℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、水(20mL)で希釈し、次いでEA(20mL×3)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮し、これをフラッシュクロマトグラフィー(順相、シリカゲル;EtOAc:PE=1:4)により精製することで、表題の化合物を灰色のオイルとして得た(480mg、38%)。LC−MS:[MH]
+=241.1。
【0173】
中間体B4:B2.2をB4.2に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=287.1。
【0174】
中間体B5:1,1−ジメチル−3−(6−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)尿素
【化38】
3−(5−ブロモ−6−メチルピリジン−2−イル)−1,1−ジメチル尿素(B5.2):ジオキサン(10mL)の中にB5.1(502mg、2.0mmol)、1,1−ジメチル尿素(352mg、4.0mmol)、Pd
2(dba)
3(280mg、0.4mmol)、Xant−phos(23mg、0.4mmol)、及びCs
2CO
3(1.3g、4.0mmol)が入っている溶液をチューブの中に密封してN
2下で100℃で1時間攪拌した。混合物を濃縮し、水(10mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(順相、シリカゲル;EA:PE=1:17)により精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(68mg、13%)。LC−MS:[MH]
+=257.7。
【0175】
中間体B5:B2.2をB5.2に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=306.2。
【0176】
中間体B6:2−(フルオロメチル)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
【化39】
(3−ブロモピリジン−2−イル)メタノール(B6.2):MeOH(10mL)及びTHF(5mL)の中のB6.1(480mg、2.58mmol)の混合物を0℃に冷却し、NaBH
4(390mg、10.32mmol)を分割して添加した。混合物を4時間撹拌し、次いで濃縮し、水(30mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮することで、表題の化合物を白色固体として得た(400mg、82%)。LC−MS:[MH]
+=188.0。
【0177】
3−ブロモ−2−(フルオロメチル)ピリジン(B6.3):DCM(20mL)の中のB6.2(300mg、1.6mmol)の混合物に、DAST(1.03g、6.4mmol)を0℃で滴下した。混合物を0℃で3時間撹拌し、その後飽和NaHCO
3(40mL)でクエンチし、DCM(40mL×2)で抽出し、有機層を食塩水(40mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮し、シリカゲル上で精製(PE中、0〜50%のEtOAc)することで、表題の化合物を白色固体として得た(120mg、39%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 5.60(d,2H),7.22(dd,1H),7.93(d,1H),8.61(d,1H).
【0178】
中間体B6:B2.2をB6.3に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=238.2。
【0179】
中間体B7:(4−(ジフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)ボロン酸
【化40】
6−(ジフルオロメチル)ピリミジン−4−オール(B7.2):MeOH(100mL)の中にメチルB7.1(6.4g、38.5mmol)、ホルムアミド(4.0g、38.5mmol)、及びCH
3ONa(2.7g、50.1mmol)が入っている混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を除去した。残渣を50mLの水に溶解させた。溶液をpH約4に調整した。5℃まで冷却した後、固体を濾過することで、表題の化合物を黄色固体として得た(6.0g、98%)。LC−MS:[MH]
+=147.1。
【0180】
5−ブロモ−6−(ジフルオロメチル)ピリミジン−4−オール(B7.3):DMF(15mL)中のB7.2(6.0g、38.5mmol)及びNBS(7.5g、42.4mmol)の混合物を40℃で4時間撹拌した。水100mL及びEA(100mL)を添加した。有機相を分離し、濃縮することで、表題の化合物を黄色固体として得た(4.5g、49%)。LC−MS:[MH]
+=224.9。
【0181】
5−ブロモ−4−クロロ−6−(ジフルオロメチル)ピリミジン(B7.4):POCl
3(20mL)中のB7.3(4.5g、20.1mmol)の混合物を110℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濃縮し、残渣を氷水(10mL)の中へ注ぎ入れ、その後DCM(20mL×2)で抽出した。有機相を濃縮し、PE/EA=5/1で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(3.2g、67%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 6.87(t,1H),9.02(s,1H).
【0182】
5−ブロモ−4−(ジフルオロメチル)−6−ヒドラジニルピリミジン(B7.5):EtOH(10mL)中のB7.4(2.0g、8.2mmol)の混合物にヒドラジン水和物(1.03g、20.6mmol)のEtOH(10mL)溶液を0℃で滴下した。10分間撹拌した後、H
2O(5mL)を添加した。固体を濾過することで、表題の化合物を黄色固体として得た(1.8g、90%)。LC−MS:[MH]
+=239.1。
【0183】
5−ブロモ−4−(ジフルオロメチル)ピリミジン(B7.6):CHCl
3(20mL)中のMnO
2(6.6g、75.3mmol)の混合物に、CHCl
3(10ml)中のB7.5(1.8g、7.53mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で0.5時間撹拌した。MnO
2を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をPE/EtOAc=5/1で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(0.7g、44%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 6.80(t,1H),9.00(s,1H),9.25(s,1H).
【0184】
中間体B7:B2.2をB7.6に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=175.1。
【0185】
中間体B8:5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン
【化41】
4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(B8.2):POCl
3(10mL)中のB8.1(2.0g、12.3mmol)の混合物を、110℃で2時間撹拌した。その後、余分なPOCl
3を除去した。残渣を氷水(30mL)の中に注ぎ入れた。固体を濾過することで、表題の化合物を白色固体として得た(1.5g、68%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ ppm 7.54(d,1H),7.74(s,1H),8.68(d,1H).
【0186】
4−クロロ−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(B8.3):THF(20mL)中のB8.2(1.5g、8.3mmol)の混合物に、LDA(6mL、12mmol)を−78℃で滴下した。混合物を−78℃で30分間撹拌した。その後、ヨウ化メチル(1.4g、9.96mmol)を添加した。反応物を室温まで温め、一晩撹拌し、その後Ssatd.NH
4Cl(15mL)でクエンチし、Et
2O(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(1.5g、94%)。
【0187】
中間体B8:B2.2をB8.3に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=288.1。
【0188】
中間体B9:2−フルオロ−5−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
【化42】
4−ブロモ−2−フルオロ−5−メチルピリジン(B9.2):B9.1(300mg、1.596mmol)のTHF(10mL)溶液に、−78℃でLDA(2M、0.8mL)を添加し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。混合物を10mLのH
2Oでクエンチし、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を濃縮することで、粗生成物を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(順相、シリカゲル、PE:EtOAc=0〜100%、UV254及びUV280)により精製することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(130mg、43%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.37(s,3H),7.19(d,1H),8.05(s,1H).
【0189】
中間体B9:2−(3−ブロモピリジン−2−イル)アセトニトリル(B2.2)を4−ブロモ−2−フルオロ−5−メチルピリジン(B9.2)に置き換えて、B2の方法と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=238.1。
【0190】
中間体B10:4−エチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン
【化43】
6−エチルピリミジン−4−オール(B10.2):メチルB10.1(20g、154mmol)、ホルムアミジンアセテート(20g、192mmol)、CH
3ONa(20g、370mmol)、及びCH
3OH(160mL)の混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を水(40mL)で希釈し、CH
3COOH(20mL)を添加してpHを7に調整し、留去し、次いで水(40mL)で希釈し、EA(100mL×4)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。得られた固体をEtOAc(30mL)でトリチュレーションし、濾過することで、表題の化合物を白色固体として得た(7g、37%)。LC−MS:[MH]
+=125.2。
【0191】
5−ブロモ−6−エチルピリミジン−4−オール(B10.3):H
2O(15mL)中のB10.2(5g、40mmol)、NaHCO
3(3.36g、40mmol)の混合物に、Br
2(6.39g、40mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温で3時間撹拌し、EtOAc(30mL×3)で抽出し、濃縮し、シリカゲル(PE/EA=0〜100%)上で精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(4g、47%)。LC−MS:[MH]
+=205.2。
【0192】
5−ブロモ−4−クロロ−6−エチルピリミジン(B10.4):POCl
3(10mL)中のB10.3(2g、10mmol)、mmol)の混合物を70℃まで加熱し、16時間撹拌した。混合物を氷水の中に注ぎ入れ、0℃で30%のNaOH溶液を用いてpH=5〜7まで中和し、EA(50mL×2)で抽出し、濃縮し、シリカゲル(PE/EA=0〜50%)上で精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(1.3g、58%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.22(t,3H),2.93(q,2H),8.89(s,1H).
【0193】
5−ブロモ−4−エチルピリミジン(B10.5):CH
3Cl(20mL)中のB10.4(1.3g、5.9mmol)、pTSH(3.3g、17.7mmol)の混合物を90℃まで加熱し、16時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで10%Na
2CO
3(20mL)を添加し、90℃で2時間撹拌した。混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出し、合わせた有機物を食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮し、シリカゲル(PE/EtOAc=0〜30%)上で精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(450mg、40%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.31(t,3H),2.95(q,2H),8.72(s,1H),9.02(s,1H).
【0194】
中間体B10:B2.2をB10.5に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=235.1。
【0195】
中間体B11:2−フルオロ−3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
【化44】
4−ブロモ−2−フルオロ−3−メチルピリジン(B11.2):THF(40mL)中のB11.1(2g、11.3mmol)の混合物に、LDA(2M、8.5mL)の溶液を−78℃で滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、その後ヨウ化メチル(4.8g、34mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、1時間かけて室温まで温めた。混合物を0℃で飽和NH
4Cl(50mL)によりクエンチし、その後EA(60mL×3)で抽出し、有機層を食塩水(60mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(PE/EtOAc=0〜50%)上で精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(1g、47%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.35(s,3H),7.36(d,1H),7.86(d,1H).
【0196】
中間体B11:B2.2をB11.2に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=238.1。
【0197】
中間体B12:2,4−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
【化45】
5−ブロモ−2,4−ジメチルピリジン(B12.2):三口フラスコに、乾燥THF(50mL)中のB12.1(2.51g、10.0mmol)、Pd(PPh
3)
4(1.15g、1.0mmol)を入れた。混合物をN
2下で保護し、0℃で撹拌した。MeMgBr/THF(15mL、15.0mmol、1mol/L)をゆっくり添加した。添加後、混合物を3時間還流させ、室温まで冷却し、反応混合物を1NのHClでクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層をH
2O(50mL×2)及び食塩水(50mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物をBiotageフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5%〜10%)により精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(301mg、16.2%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.35(d,3H),2.47(s,3H),7.04(s,1H),8.50(s,1H).
【0198】
中間体B12:B2.2をB12.2に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=234.2。
【0199】
中間体B13:2−(2−エチル−4−(メチルスルホニル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
【化46】
(3−エチルフェニル)(メチル)スルファン(B13.2):THF(30mL)中のB13.1(3g、16mmol)の混合物に、−78℃でn−BuLi(7.7mL)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで1,2−ジメチルジスルファン(3g、32mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、1時間かけて室温まで温めた。混合物を0℃まで冷却し、飽和NH
4Cl(50mL)を添加し、次いでEA(50mL×3)で抽出し、有機層をH
2O(10mL)及び食塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=0〜20%)により精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(1.7g、70%)。
【0200】
(4−ブロモ−3−エチルフェニル)(メチル)スルファン(B13.3):AcOH(10mL)中のB13.2(456g、3mmol)の混合物を0℃に冷却し、Br
2(479g、3mmol)を滴下した。混合物を25℃で3時間撹拌し、濃縮し、シリカゲル(PE)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(600mg、86%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.25(t,3H),2.49(s,3H),2.75(q,2H),6.95(dd,1H),7.14(d,1H),7.44(d,1H).
【0201】
1−ブロモ−2−エチル−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B13.4):DCM(20mL)中のB13.3(600mg、2.6mmol)の混合物に、mCPBA(1.34g、7.8mmol)を0℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで1NのNaOH(40mL)を添加し、DCM(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(PE/EtOAc=0〜50%)上で精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(350mg、51%%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.21(t,3H),2.81(q,2H),3.25(s,3H),7.67(dd,1H),7.87−7.90(m,1H).
【0202】
中間体B13:2−(3−ブロモピリジン−2−イル)アセトニトリル(B2.2)を1−ブロモ−2−エチル−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B13.4)に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。
【0203】
中間体B14:2−iso−ブチル−4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン
【化47】
5−ブロモ−4−メチル−2−(メチルチオ)ピリミジン(B14.2):B14.1(2.0g、9.66mmol)のDMF(20mL)溶液に、ナトリウムメタンチオレート(1.04g、11.6mmol)を0℃で分割して添加した。添加後、混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水(100mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、その後真空下で濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(2.0g、94.5%)。LC−MS:[MH]
+=218.8。
【0204】
5−ブロモ−4−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(B14.3):B14.2(2.0g、9.1mmol)のDCM(100mL)溶液に、m−CPBA(7.4g、36.5mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、その後H
2O(200mL)でクエンチし、DCM(100mL×3)で抽出した。有機層をNa
2CO
3水溶液(100mL×2)、H
2O(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10%〜30%)により精製することで、表題の化合物を淡黄色固体として得た(1.8g、71.4%)。LC−MS:[MH]
+=251.0。
【0205】
5−ブロモ−2−イソブチル−4−メチルピリミジン(B14.4):乾燥エーテル(100mL)中のB14.3(1.2g、4.78mmol)の懸濁液に、イソブチルマグネシウムブロミド(5.74mL、5.74mmol)を0℃で滴下した。添加後、混合物を室温で2時間撹拌し、NH
4Cl溶液でクエンチし、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層をH
2O(50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、その後真空下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10:1)により精製することで、表題の化合物を無色オイルとして得た(1.0g、75.6%)。LC−MS:[MH]
+=229.1。
【0206】
中間体B14:B2.2をB14.4に置き換えて、B2と同様の方法により表題の化合物を調製した。LC−MS:[MH]
+=277.2。
【0207】
中間体B15:リチウムトリイソプロポキシ(3−メチルピリジン−2−イル)ボラテイル)ピリミジン
【化48】
B15.1(1g、5.81mmol)をTHF(5mL)の中に溶解させた。得られた溶液を−78℃まで10分間冷却し、この温度でn−BuLi/シクロヘキサン(2M、3.2mL)を20分かけてゆっくり添加した。−78℃未満の温度を40分間維持した後、トリイソプロピルボレートを10分間かけて滴下し、その後−78℃で1時間撹拌し、引き続き室温まで温め、室温で18時間撹拌した。イソプロパノール(1mL)を添加し、その後反応混合物を10分間撹拌し、撹拌せずに更に10分間放置した。得られた沈殿物を濾過により集め、その後THFで洗浄し、N
2下で1.5時間乾燥することで、表題の化合物を得た(1.2g、72%)。LC−MS:[MH]
+=138(質量は対応するボロン酸由来であった)。
【0208】
中間体B16:2,4−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン
【化49】
5−ブロモ−2,6−ジメチルピリミジン−4−オール(B16.2):1.0Lのクロロホルムの中にB16.1(100g、0.8mol、1.0当量)が入っている溶液に、臭素(153.4g、0.96mol、1.2当量)を滴下した。その後、混合物を50℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、過剰の溶媒を留去し、500mLの酢酸エチルを添加し、これを再び減圧下で除去した。このプロセスを3回繰り返した。黄色固体を100mLの酢酸エチルの中で30分間、室温で撹拌した。濾過後、残渣を酢酸エチル(100mL×2)で洗浄することで、表題の化合物を白色固体として得た(135g、82%)。LC−MS:[MH]
+=205。
【0209】
5−ブロモ−4−クロロ−2,6−ジメチルピリミジン(B16.3):500mLのPOCl
3中のB16.2(134g、0.66mol)の混合物を110℃で18時間撹拌した。過剰のPOCl
3を真空下で除去し、残渣を1000gの砕いた氷の中に注ぎ入れた。その後、固体のNaHCO3を注意深く添加してpHを8〜9に調整した。水層を酢酸エチル(1.5L×3)で抽出し、合わせた有機層を食塩水(1.0L×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮することで、表題の化合物を白色固体として得た(71g、48%)。LC−MS:[MH]
+=223。
【0210】
5−ブロモ−4−ヒドラジニル−2,6−ジメチルピリミジン(B16.4):350mLのエタノール中のヒドラジン水和物(NH
2NH
2・H
2O、32g、0.64mol、98%)の混合物に、B16.3(70g、0.32mol)のメタノール(350mL)溶液を0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を500mLの水で希釈し、CHCl
3(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層を500mLの食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮することで、表題の化合物を黄色固体として得た(63g、91%)。LC−MS:[MH]
+=219。
【0211】
5−ブロモ−2,4−ジメチルピリミジン(B16.5):1.0LのCHCl
3中のMnO
2(96g、1.1mol)の懸濁液に、B16.4(47g、0.22mol)のCHCl
3(1.0L)溶液を0℃で滴下した。混合物を室温で2時間撹拌した。濾過及び濃縮の後、残渣を100〜200メッシュのシリカゲルカラム(PE:EA=100:0〜50:50)上で精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(30g、73%)。LC−MS:[MH]
+=189。
【0212】
中間体B16:200mLの無水ジオキサン中の、B16.5(12g、64mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(22.8g、89.6mmol、1.4当量)、KOAc(18.8g、192mmol、3.0当量)、及びPd(dppf)Cl
2(2.34g、3.2mmol)の混合物を90℃で加熱し、N
2下で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を300mLの混合溶媒(PE:EtOAc=4:1)で希釈し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=2:1〜1:1)により精製することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(10g、66%)。LC−MS:[MH]
+=235。
【0213】
中間体4’a:tert−ブチル(8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル)(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート
【化50】
3−ブロモ−6−クロロ−2−ヒドラジニルピリジン(2a):EtOH(80mL)中の1a(4g、17.63mmol)とヒドラジン水和物(4mL、98%)との混合物を、80℃で18時間加熱した。冷却した後、固体を濾過し、EtOH(10mL)で洗浄した。固体を真空下で乾燥することで、表題の化合物を得た(2.1g、44%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 4.30(s,2H),6.57(d,1H),7.73(d,1H),7.84(s,1H).LC−MS:[MH]
+=222.
【0214】
8−ブロモ−5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(3a):トリメトキシメタン(15mL、137mmol)中の2a(2.1g、9.44mmol)の混合物を110℃で1.5時間加熱した。冷却した後、固体を濾過し、PEで洗浄し、その後固体を真空下で乾燥させることで、表題の化合物を得た(1.5g、68%)。LC−MS:[MH]
+=232。
【0215】
8−ブロモ−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン(4a):3a(1g、4.33mmol)のEtOH(0.5mL)溶液に、(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)メタンアミン(1.5g、9.68mmol)を添加し、混合物を85℃で8時間撹拌した。5mLのEtOAcを添加し、濾過することで白色固体を得た。これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、表題の化合物を得た(0.45g、30%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 3.88(s,3H),4.45(s,2H),5.98(d,1H),6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.36−7.45(m,1H),7.60(d,1H),9.55(s,1H).LC−MS:[MH]
+=351.
【0216】
中間体4’a:4a(4.9g、14.0mmol)、(Boc)
2O(6.1g、28.0mmol)、DIEA(5.4g、42.0mmol)、及びDMAP(340mg、2.8mmol)のMeCN(100mL)中の混合物をN
2で脱気し、次いで90℃で18時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液の中に注ぎ入れ、EA(150mL×3)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EAtOAc=5:1〜1:2)により精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(5.8g、92%)。LCMS:[MH]
+=453.0。
【0217】
中間体4b及び4cは、4aの手順と同様の手順を使用し、それぞれの中間体3b及び3cからの修飾形態を用いて調製した。例えば、中間体3b:5−フルオロ−8−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンは、以下の通りに調製した:
【化51】
【0218】
6−フルオロ−2−ヒドラジニル−3−ヨードピリジン(2b):EtOH(28mL)中の1b(3.5g、12.78mmol)の混合物に、ヒドラジン水和物(3.5mL)を添加した。混合物を30℃で4時間加熱し、その後固体を濾過により集め、冷EtOHで洗浄した。粗生成物をEtOHで再結晶することで、表題の化合物を得た(900mg、28%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 6.14(dd,1H),7.99(t,1H).LC−MS:[MH]
+=254.
【0219】
中間体3b:トリメトキシメタン(0.8mL)中の2b(840mg、3.32mmol)の混合物を100℃で80分間加熱した。その後、混合物に100℃で1滴のTFAを添加した。100℃で10分間撹拌した後、混合物を濃縮してトリメトキシメタン及びTFAを除去することで、表題の化合物を得た(830mg、95%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 6.74(dd,1H),7.97(dd,1H),9.65(s,1H).LC−MS:[MH]
+=264.
【化52】
【0220】
6−フルオロ化中間体4dの調製:8−ブロモ−6−フルオロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン(4d)
【化53】
MeOH(24mL)及びMeCN(36mL)中の4a(540mg、1.6mmol)の混合物に、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンテトラフルオロボレート(544mg、1.6mmol)を5分以内にゆっくり添加した。その後、混合物を室温で10分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製することで、表題の化合物を黄色固体として得た(150mg、26%)。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 3.68(s,3H),4.62(d,2H),6.78−6.86(m,3H),7.31(dd,1H),7.92(d,1H),9.55(s,1H).LC−MS:[MH]
+=369.1.
【0221】
実施例1
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化54】
ジオキサン(2mL)及びH
2O(1mL)の中に4a(50mg、0.142mmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(59.2mg、0.285mmol)、及びNaHCO
3(35.9mg、0.427mmol)が入っている溶液に、N
2下でPdCl
2(dppf)(15.63mg、0.021mmol)を添加した。 反応混合物を90℃で1時間加熱した。反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製することで、表題の化合物を得た(22mg、35%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 3.79(s,3H),3.90(s,3H),4.55(d,2H),6.34−6.36(m,1H),6.50(s,1H),6.88−6.93(t,1H),6.98(d,1H),7.41(dd,1H),7.53(s,1H),7.62−7.64(m,1H),8.02(s,1H),9.62(s,1H).LC−MS:[MH]
+=353.1.
【0222】
実施例2
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(2−メチルピリジン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化55】
ジオキサン(100mL)及びH
2O(50mL)の中の、4a(8g、22.78mmol)と、2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(6.99g、31.9mmol)と、PdCl
2(dppf)(1.667g、2.278mmol)と、Na
2CO
3(7.24g、68.3mmol)との混合物をN
2下におき、密封し、120℃で5時間オイルバスで加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、EA(100mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、Na
2SO
4で乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH、100:3〜100:10、カラム:シリカゲル120g、で溶離)により精製することで、表題の化合物を得た(5.8g、70%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.37(s,3H),3.89(s,3H),4.50(s,2H),6.14(d,1H),6.90(t,1H),6.97(d,1H),7.27−7.33(m,2H),7.38−7.44(m,1H),7.52(s,1H),7.73(dd,1H),8.48(dd,1H),9.50(s,1H).LC−MS:[MH]
+=364.1.
【0223】
実施例3
8−(2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化56】
1,4−ジオキサン(500mL)とH
2O(250mL)との混合溶液中のB16(42g、120mmol)、4a(56.2g、240mmol)、及びNaHCO
3(30.2g、360mmol)の撹拌懸濁液に、N
2下でPd(dppf)Cl
2(8.8g、12mmol)を添加した。110℃で1時間撹拌した後、混合物を真空下で留去することで1,4−ジオキサンを除去し、DCM/MeOH(600mL、v/v=10/1)で希釈し、濾過した。フィルターケーキを、室温で水(600mL)により、70℃でMeOH(1000mL)により30分間、逐次的にスラリー化した。得られた固体を還流下でMeOH(2000mL)の中に溶解し、セライトを通して濾過し、すぐに濃縮した。残渣をアセトン(200mL)で希釈し、50℃で加熱し、2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過することで、表題の化合物を白色固体として得た(19g、42%)。
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 2.35(s,3H),2.63(s,3H),3.89(s,3H),4.51(d,2H),6.15(d,1H),6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.30 −7.45(m,2H),7.58(t,1H),8.58(s,1H),9.51(s,1H).LC−MS :[MH]
+=379.1.
【0224】
実施例4
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(2−イソブチル−4−メチルピリミジン−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3a]−ピリジン−5−アミン
【化57】
ジオキサン/H
2O(30mL/15mL)中の4a(381.5mg、1.09mmol)と、B14(601.7mg、2.18mmol)と、PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(100mg、0.11mmol)と、NaHCO
3(275mg、3.27mmol)との混合物をN
2でパージし、100℃に温め、2時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、濾過した。濾液を分取HPLCにより精製することで、表題の化合物を黄色がかった固体として得た(230mg、50.2%):
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ 0.95(d,2H),2.24−2.29(m,1H),2.37(s,3H),2.75(d,2H),3.89(s,3H),4.50(s,2H),6.15(d,1H),6.87−6.98(m,2H),7.37−7.42(m,2H),7.59(s,1H),8.61(s,1H),9.52(s,1H).LC−MS:[MH]
+=421.3.
【0225】
実施例5
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(ピリジン−2−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化58】
DMF(1.5mL)中の4a(30mg、0.085mmol)と、6−メチル−2−(ピリジン−2−イル)−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン−4,8−ジオン(40.0mg、0.171mmol)と、2,2’−アザンジイルジエタノール(13.47mg、0.128mmol)と、X−Phos触媒前駆体(クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−i−プロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)メチル−t−ブチルエーテル付加物)(3.16mg、4.27μmol)との混合物に、K
3PO
4(109mg、0.513mmol)及びCu(OAc)
2(11.64mg、0.064mmol)を迅速に添加した。その後、混合物を30秒間N
2でパージした。反応混合物を120℃で3時間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をH
2O(10mL)で希釈し、EA(20mL×3)で抽出し、EA層を濃縮した。残渣を酸性分取HPLCで精製することで、表題の化合物をトリフルオロ酢酸塩として得た(4.2mg、10%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 3.90(s,3H),4.61(d,2H),6.49(d,1H),6.89−6.95(m,1H),6.99(d,1H),7.39−7.47(m,2H),8.03(s,1H),8.59(d,1H),8.72(s,2H),9.69(s,1H).LC−MS:[MH]
+=350.0
【0226】
実施例6
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(3−メチルピリジン−2−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化59】
DMF(2mL)に、B15(65.4mg、0.228mmol)、CuCl(3.38mg、0.034mmol)、及びZnCl
2(15.52mg、0.114mmol)をこの順序で加え、5分間脱気した。Cs
2CO
3(74.2mg、0.228mmol)及び4a(40mg、0.114mmol)を順番に加え、溶液を更に5分間脱気した。その後、PdCl
2(dppf)(4.17mg、5.70μmol)を添加した。反応混合物を120℃で3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、食塩水(10mL)及びEA(10mL)を添加し、濾過した。得られた混合物をEA(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残渣を塩基性分取HPLCにより精製することで、表題の化合物を得た(2.5mg、6%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.19(s,3H)3.90(s,3H),4.52(s,2H),6.17(d,1H),6.91(t,1H),6.98(d,1H),7.32−7.45(m,3H),7.72(d,1H),8.48(d,1H),9.50(s,1H).LCMS:[MH]
+=364.1.
【0227】
実施例7
8−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化60】
tert−ブチル8−(2,4−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート(7.1):1.0mLの無水ジオキサン中のPd
2(dba)
3(18mg、0.02mmol)及びMe
4−t−BuXPhos(ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスファン)(19.2mg、0.04mmol)の懸濁液を、N
2下、120℃で10分間加熱した。その後、これを、2.0mLの無水ジオキサン中の4’a(90mg、0.2mmol)、2,4−ジメチル−1H−イミダゾール(85mg、0.88mmol)、及びK
3PO
4(110mg、0.52mmol)の撹拌懸濁液の中に移した。反応混合物を120℃で一晩撹拌した後、減圧下で留去することで黒色の残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:CH
3OH=0〜25%、UV214及びUV254)により精製することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(27mg、15%)。LC−MS:[MH]
+=467.2。
【0228】
実施例7:6mLの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールの中に7.1(27mg、0.06mmol)が入っている溶液を、Biotageマイクロ波反応器中、120℃で1時間加熱した。混合物を真空下で留去することで、黄色オイルを得た。これを分取HPLCにより精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(9mg、42%)。
1H NMR(500MHz,DMSO)δ ppm 2.06−2.16(m,6H),3.88(s,3H),4.49(d,2H),6.05(d,1H),6.90(dd,2H),6.96(d,1H),7.40(dd,2H),7.65(t,1H),9.54(s,1H).LC−MS:[MH]
+=367.2.
【0229】
実施例8
(N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化61】
DMAc(0.5mL)中の4’a(90mg、0.2mmol)と、1−メチル−1H−イミダゾール(38mg、0.4mmol)と、KOAc(60mg、0.6mmol)と、Pd(OAc)
2(15mg、0.062mmol)との混合物を、N
2で1分間パージした。その後、密閉した反応バイアルを150℃で5時間撹拌した。混合物を分取TLC(DCM/MeOH=10/1)及び分取HPLC(MeCN:H
2O:NH
4HCO
3=1/1/0.05)で連続して精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(10mg、14%)。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 3.64(s,3H),3.88(s,3H),4.49(d,2H),6.10(d,1H),6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.13(s,1H),7.35(d,1H),7.40(dd,1H),7.54(t,1H),7.72(s,1H),9.50(s,1H).LC−MS:[MH]
+=352.8.
【0230】
実施例9
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化62】
メチル5−(tert−ブトキシカルボニル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8カルボキシレート(9.1):MeOH(20mL)中の4’a(4.8g、10.6mmol)と、TEA(7.09g、70.2mmol)と、PdCl
2(dppf)(288mg、1.06mmol)との混合物を15atmのCO下におき、85℃で12時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO
3溶液の中に注ぎ入れた。混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=1:1)により精製することで、4.0g(87%)の表題の化合物を灰色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.20(s,9H),3.38(s,3H),3.93(s,3H),4.88(d,1H),5.08(d,1H),6.69−6.72(m,2H),7.00(s,1H),7.21 −7.26(dd,1H),8.05(d,1H),8.96(s,1H).LC−MS:[MH]
+=431.
【0231】
5−(tert−ブトキシカルボニル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−カルボン酸(9.2):MeOH/THF/H
2O(10mL/10mL/10mL)の混合溶媒中の9.1(3.0g、6.98mmol)とLiOH・H
2O(1.17g、27.9mmol)との混合物を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過した。濾液を濃縮することで、表題の化合物を黄色固体として得た(2.5g、86%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 1.30(s,9H),3.41(s,3H),4.82(d,1H),5.07(d,1H),6.69−6.72(m,2H),6.97(s,1H),7.22 −7.26(dd,1H),7.99(d,1H),8.92(s,1H).LC−MS:[MH]
+=417.
【0232】
tert−ブチル8−(2−アセチルヒドラジンカルボニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート(9.3):9.2(200mg、0.48mmol)及びDIEA(124mg、0.96mmol)のDCM(10mL)溶液に、イソプロピルカルボノクロリデートを添加し、撹拌した(72mg、0.53mmol)。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、続いてアセトヒドラジド(53mg、0.72mmol)を添加した。その後、反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いでNaHCO
3(飽和)溶液の中に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮することで、表題の化合物を得た(220mg、92%)。これは更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:[MH]
+=473。
【0233】
実施例9:13(100mg、0.21mmol)のPOCl
3(5mL)溶液を、110℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濃縮し、氷の中に注ぎ入れ、注意しながら飽和NaHCO
3溶液で中和した。混合物をEA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を分取HPLC(MeCN/H
2O(10nMのNH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(16mg、22%)。
1H NMR(500MHz,DMSO)δ ppm 2.59(s,3H),3.88(s,3H),4.56(s,2H),6.25(d,1H),6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.41(dd,1H),8.04(d,1H),8.17(s,1H),9.61(s,1H).LC−MS:[MH]
+=355.1.
【0234】
実施例10
8−(5−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化63】
tert−ブチル8−シアノ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート(10.1):DMF(10mL)中の4’a(500mg、1.1mmol)と、ZnCN
2(1.28g、11.0mmol)と、Pd(PPh
3)
4(254mg、0.22mmol)との混合物を、120℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、分取HPLC(MeCN/H
2O(10nMのNH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(140mg、32%)。LC−MS:[MH]
+=398。
【0235】
tert−ブチル2−フルオロ−6−メトキシベンジル(8−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル)カルバメート(10.2):EtOH(10mL)中の10.1(140mg、0.35mmol)と、ヒドロキシルアミン塩酸塩(73mg、1.06mmol)と、DIEA(137mg、1.06mmol)との混合物を、90℃で18時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、濃縮し、飽和NaHCO
3溶液を添加し、その後DCM(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮することで、表題の化合物を得た(120mg、80%)。LC−MS:[MH]
+=431。
【0236】
tert−ブチル8−(5−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート(10.3):トルエン(2mL)中の10.2(100mg、0.23mmol)と無水プロピオン酸(90mg、0.698mmol)との混合物を、125℃で18時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、飽和NaHCO
3溶液の中に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮することで、表題の化合物を得た(130mg)。これは更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:[MH]
+=469。
【0237】
実施例10:HCl/ジオキサン(10mL、4M)中の10.3(130mg、0.28mmol)の溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、飽和NaHCO
3溶液でクエンチし、次いでEA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残渣を分取HPLC(MeCN/H
2O(10nMのNH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(4mg、4%)。
1H NMR(500MHz,DMSO)δ ppm 1.35(t,3H),3.00(q,2H),3.87(d,3H),),4.55(d,2H),6.24(d,1H 6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.40(dd,1H),8.03(t,,1H),(d,1H),8.09(d,1H),9.57(s,1H).LC−MS:[MH]
+=369.
【0238】
実施例11
N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化64】
(E)−tert−ブチル8−((1−アミノエチリデンアミノオキシ)カルボニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)カルバメート(11.2):DCM(15mL)中の9.2(250mg、0.6mmol)とCDI(116mg、0.72mmol)との混合物を、室温で2時間撹拌した。(Z)−N’−ヒドロキシアセトイミドアミド(133mg、1.80mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液の中に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(260mg、93%)。これは更に精製することなく次で使用した。LC−MS:[MH]
+=473。
【0239】
tert−ブチル2−フルオロ−6−メトキシベンジル(8−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−イル)カルバメート(11.3):MeCN(5mL)中の11.2(100mg、0.21mmol)とTBAF(0.21mL、0.21mmol)との混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液の中に注ぎ入れ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た(100g)。これは更に精製することなく次の工程で使用した。LC−MS:[MH]
+=455。
【0240】
実施例11:ジオキサン中のHCl(10mL、4M)中の11.3(100mg、0.22mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、飽和NaHCO
3溶液でクエンチし、EA(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣を分取HPLC(MeCN/H
2O(10nMのNH
4HCO
3))により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(25mg、32%)。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.39(s,3H),3.88(s,3H),4.59(s,2H),6.30(d,1H),6.89(t,1H),6.96(d,1H),7.41(dd,1H),8.24(d,1H),8.44(s,1H),9.61(s,1H).LCMS:[MH]
+=355.1.
【0241】
実施例12
8−ブロモ−6−フルオロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化65】
1,4−ジオキサン(2mL)とH
2O(1mL)との混合溶媒中のB16(41mg、0.18mmol)、4d(50mg、0.14mmol)、及びNaHCO
3(36mg、0.42mmol)の攪拌懸濁液に、PdCl
2(dppf)(15mg、0.021mmol)を添加した。混合物を密閉したチューブの中で、110℃で40分間、窒素下で撹拌し、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮し、分取HPLC(MeCN:H
2O:NH
4HCO
3=1/1/0.05)により精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(27mg、49%)。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.37(s,3H),2.65(s,3H),3.71(s,3H),4.71(d,2H),6.91−6.81(m,3H),7.34(dd,1H),7.62(d,1H),8.63(s,1H),9.52(s,1H).LC−MS [MH]
+=397.1.
【0242】
実施例13
N−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(4−((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン
【化66】
1−(4−(5−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−8−イル)フェニル)−N,N−ジメチルメタンアミン(13.1)
ジオキサン(8mL)及びH
2O(4mL)中の、3a(800mg、3.44mmol)と、対応するボロン酸(742mg(塩酸塩)、3.44mmol)と、PdCl
2(dppf)(20mg、0.027mmol)と、NaHCO
3(1156mg、13.77mmol)との混合物を、N
2でパージし、次いでオイルバスで95℃で6時間加熱した。混合物を濃縮して溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、表題の化合物を得た(800mg、81%)。LC−MS:[MH]
+=286.9。
【0243】
N−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジル)−8−(4−((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−5−アミン(13):N
2下、ジオキサン(2mL)中の13.1(50mg、0.17mmol)、A2(61mg、0.28mmol)、及びCs
2CO
3(165mg、0.51mmol)、Pd
2(dba)
3(10mg、0.016mmol)、Mix−phos(20mg、注釈:Mix−phosは、X−phosと、S−phosと、Xant−phosとの質量比1:1:1の混合物である)を溶液にした。反応混合物を120℃で2時間加熱し、濃縮し、分取HPLCにより精製することで、表題の化合物を白色固体として得た(10mg、14%)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.17(s,6H),3.42(s,2H),3.87(s,3H),4.54(d,2H),6.14(d,1H),6.92−6.96(m,1H),7.36(d,2H),7.43−7.45(m,1H),7.49−7.52(m,1H),7.66(d,1H),8.09(d,2H),9.47(s,1H).LCMS:[MH]
+=424.7.
【0244】
表2の中で特定されている次の化合物は、一般的な手順及び上述した実施例からの手順を使用して、適切な出発物質及び試薬を用いて調製した。
【0245】
【表1】
【0246】
【表2】
【0247】
【表3】
【0248】
【表4】
【0249】
【表5】
【0250】
【表6】
【0251】
【表7】
【0252】
【表8】
【0253】
【表9】
【0254】
【表10】
【0255】
【表11】
【0256】
【表12】
【0257】
【表13】
【0258】
【表14】
【0259】
【表15】
【0260】
【表16】
【0261】
【表17】
【0262】
【表18】
【0263】
【表19】
【0264】
【表20】
【0265】
【表21】
【0266】
【表22】
【0267】
【表23】
【0268】
【表24】
【0269】
【表25】
【0270】
【表26】
【0271】
【表27】
【0272】
【表28】
【0273】
【表29】
【0274】
【表30】
【0275】
【表31】
【0276】
【表32】
【0277】
【表33】
【0278】
【表34】
【0279】
【表35】
【0280】
【表36】
【0281】
【表37】
【0282】
【表38】
【0283】
【表39】
【0284】
【表40】
【0285】
【表41】
【0286】
【表42】
【0287】
【表43】
【0288】
【表44】
【0289】
【表45】
【0290】
【表46】
【0291】
【表47】
【0292】
【表48】
【0293】
【表49】
【0294】
【表50】
【0295】
【表51】
【0296】
【表52】
【0297】
【表53】
【0298】
【表54】
【0299】
【表55】
【0300】
【表56】
【0301】
【表57】
【0302】
【表58】
【0303】
【表59】
【0304】
【表60】
【0305】
【表61】
【0306】
【表62】
【0307】
【表63】
【0308】
【表64】
【0309】
VI.薬理学及び効用
PRC2複合体の重要な成分として、EEDは固有の酵素活性を有さない。しかし、これは適切なPRC2の機能のために重要である。EEDはH3K27me3に直接結合し、この結合事象はPRC2複合体をクロマチン基質に局在させ、メチルトランスフェラーゼ活性をアロステリックに活性化する。PRC2の調節EEDサブユニット内のアロステリック部位を標的とすることは、EZH2又はPRC2のSAM競合メカニズムを直接的に標的とするのに有利な、あるいはこれを補完する、新規かつユニークな視点を提供し得る。そのため、EEDを標的とすることは、多くの形態の癌の治療のための新規な治療法の開発のために非常に魅力的な戦略である。特に、EEDを標的とすることによってPRC2の活性を阻害する小分子が必要とされている。本明細書に開示のトリアゾロピリミジン誘導体は、EED又はPRC2が介在する疾患又は障害、特には癌の治療のためのEEDの標的化に有用であることが今回見出された。
【0310】
本発明の化合物の効用は、次の試験手順のいずれか1つを用いて実証することができる。生化学的分析において、EZH2、SUZ12、EED、Rbap48、及びAEBPの五量体複合体におけるPRC2活性を阻害する能力について、本発明の化合物を評価した。PRC2の細胞活性を阻害する本発明の化合物の能力は、ヒト細胞株におけるヒストンH3リシン27メチル化を分析することによって評価した。癌を阻害する本発明の化合物の能力は、癌性増殖を維持するためにPRC2活性に特異的な依存性を有するヒト癌細胞株における活性を調節する能力から導き出した。
【0311】
AlphaScreen(α−スクリーン)によるEED−H3K27Me3ペプチド競合結合分析
EED−H3K27Me3競合結合分析において化合物の効力を評価するために、化合物をDMSO中で3倍に段階希釈して合計12種の濃度を得た。その後、各濃度の化合物(それぞれ75nL)を、Mosquitoにより384ウェルのPerkin Elmer ProxiPlate 384 plusプレートに移した。緩衝液(25mM HEPES、pH8、0.02%のTween−20、0.5%のBSA)中に30nMのEED(1−441)−Hisタンパク質及び15nMのビオチン−H3K27Me3(19−33)ペプチドを含む溶液8μLをウェルに入れ、その後化合物と共に20分間インキュベートした。AlphaScreen検出ビーズ混合物は、ニッケルキレートアクセプタービーズ及びストレプトアビジンドナービーズを1:1の比率(Perkin Elmer、製品番号6760619C/M/R)で上述した緩衝液の中に混合することにより、使用の直前に調製した。その後、4μLの検出ビーズ混合物をプレートに添加し、室温で1時間、暗所でインキュベートした。ドナー及びアクセプタービーズの最終濃度はそれぞれ10μg/mLであった。680nmでのサンプルの励起の後、615nmのフィルターで最適なシグナル検出に合わせたAlphaScreen設定を使用して、EnVision(PerkinElmer)上でプレートを読み取った。615nmでの発光シグナルを用いて、化合物の阻害を定量化した。AlphaScreenシグナルを、陽性(最大シグナル対照)及び陰性対照(最小シグナル対照)からの読み取り値に基づいて正規化することで、残された活性のパーセンテージを得た。その後、データをプログラムHelios(Novartis)を用いて用量応答式にフィッティングすることで、IC50値を得た。Heliosは、Normolle,D.P.,Statistics in Medicine,12:2025−2042(1993);Formenko,I.etal,Computer Methods and Programs in Biomedicine,82,31−37(2006);Sebaugh,J.L.,Pharmaceutical Statistics,10:128−134(2011);Kelly,C.et al.,Biometrics,46(4):1071−1085(1990);及びKahm,M.et al.,Journal of Statistical Software,33(7):(2010)(grofit:Fitting Biological Growth Curves with R, pages 1−21,http://www.jstatsoft.org/で利用可能)により記載されている方法を使用するNovartis社内分析データ解析ソフトウェアである。
【0312】
各化合物をカウンタースクリーニングすることで、これがAlphaScreenビーズの妨げとなっているかを判定した。化合物を前の段落に記載の通りに希釈し、それぞれ10μg/mLにビーズを添加する前に上の緩衝液中の10nMのビオチン−miniPEG−His6ペプチド12μLを添加し、室温で20分間インキュベートすることにより分析を行った。その後、プレートを室温で1時間インキュベートしてからEnVisonで読み取った。
【0313】
EED LC−MS分析
本発明の代表的な化合物をDMSO中で3倍に段階的に別個に希釈して合計8種又は12種の濃度を得た。その後、各濃度の試験化合物(それぞれ120nL)をMosquitoによって384ウェルのPerkin Elmer ProxiPlate 384 plusプレートの中に移した。反応緩衝液(20mMのTris、pH8.0、0.1%のBSA、0.01%のTriton、0.5mMのDTT)中の24nMの野生型PRC2(wtPRC2)複合体及び2μMのSAMの溶液(6μL)をウェルに添加し、その後これを試験化合物と共に20分間インキュベートした。反応緩衝液中の3μMのペプチド基質H3K27Me0(ヒストンH3[21−44]−ビオチン)の溶液6μLを添加することで各反応を開始させた。反応溶液中の最終成分は、様々な濃度の化合物と共に、12nMのwtPRC2複合体、1μMのSAM、及び1.5μMのH3K27me0ペプチドを含んでいた。陽性対照は、試験化合物の非存在下での酵素と、1μMのSAMと、1.5μMの基質とから構成されており、陰性対照は1μMのSAMと1.5μMの基質のみから構成されていた。各反応を室温で120分間インキュベートし、その後3μLのクエンチ溶液(320nMのd4−SAHを含む2.5%のTFA)を添加することにより停止させた。反応混合物を2000rpmで2分間遠心分離し(Eppendorf遠心分離機5810、Rotor A−4−62)、Prominence UFLC(Shimadzu)と連結されたTurbulon Spray(Applied Biosystem)を有するAPI4000トリプル四重極質量分析計で読み取った。次いで、SAH産生のレベルを、陽性対照及び陰性対照からの値に基づいて正規化することで、パーセント酵素活性を得た。その後、データをプログラムHeliosを用いて用量応答式にフィッティングすることで、試験化合物のIC
50値を得た。
【0314】
ELISA(H3K27メチル化)分析
本発明の代表的な化合物を、DMSO中で3倍に段階的に個別に希釈して合計8種又は12種の濃度を得た。その後、化合物を384ウェルプレートの中で1:500希釈で培養したG401細胞に添加して20μMの最も高い濃度を得た。ELISA手順の前に、細胞を更に48時間培養した。
【0315】
ヒストン抽出:384ウェルプレート中の細胞をPBS(10×PBS緩衝液(1Lの水に80gのNaCl(Sigma、S3014)、2gのKCl(Sigma、60128)、14.4gのNa
2HPO
4(Sigma、S5136)、2.4gのKH
2PO
4(Sigma、P9791)、pH7.4)で洗浄し、溶解緩衝液(0.4NのHCl;ウェルあたり45μL)を添加して溶解させた。プレートを4℃で30分間穏やかに攪拌した。細胞溶解物を中和緩衝液(0.5Mのリン酸ナトリウム二塩基性、pH12.5、1mMのDTT;ウェル当たり36μL)で中和した。ELISAプロトコルの前に、溶解物が確実によく混ざるようにプレートを撹拌した。
【0316】
ELISAプロトコル:細胞溶解物を384ウェルプレートのウェルに移し、最終体積を1ウェル当たり50μLにPBSで調整した。プレートを密封し、2,000rpmで2分間遠心分離し、4℃で約16時間インキュベートした。プレートをTBST緩衝液(0.1%のTween−20を有する1×TBS(1Lの水に10×TBS:24.2gのTris(Sigma、T6066)、80gのNaCl(Sigma、S3014)、HClでpH7.6に調整)で洗浄した。ブロッキング緩衝液(TBST、5%のBSA;ウェル当たり50μL)を添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。ブロッキング緩衝液を除去し、一次抗体を添加した(ウェル当たり30μL)。ブロッキング緩衝液を用いて次の希釈を行った:抗H3K27me3抗体(Cell Signaling Technology、#9733)については希釈は1:1000であり;抗H3K27me2抗体(Cell Signaling Technology、#9288)については希釈は1:100であり;抗H3抗体(Abcam、Cat#24834)については希釈は1:1000であった。一次抗体を室温で1時間、プレートの中でインキュベートした。ウェルをTBSTで洗浄し、二次抗体と共に室温で1時間インキュベートした。二次抗体については、ブロッキング緩衝液を用いて次の希釈を行った:抗ウサギ抗体(Jackson ImmunoResearch、#111−035−003)については希釈率は1:2000であり;抗マウス抗体(Cell signaling technology、#7076)については希釈率は1:1000であった。室温で1時間インキュベートした後、ウェルをTBSTで洗浄した。ECL基質(Pierce、#34080)をウェル当たり30μLで添加し、プレートを2,000rpmで2分間遠心分離した。PerkinElmer Envision Readerを用いてシグナルを読み取った。H3K27メチル化の読み取り値をH3シグナルを用いて正規化し、次いでDMSOで処理した試料に対するパーセント阻害を計算した。その後、データをプログラムHeliosを用いて用量応答曲線にフィッティングすることで、試験化合物のIC
50値を得た。
【0317】
ウエスタンブロット分析
本発明の代表的な化合物を、PRC2を選択的に阻害する能力について分析した。ウエスタンブロットは標準的な分子生物学的手法を用いて行った。細胞をSDS溶解緩衝液(Millipore、Cat#20−163)中で溶解し、タンパク質濃度をBCAタンパク質分析(Pierce、Cat#PI−23221)により測定した。ウエスタンブロット用抗体:抗EZH2(#3147)、抗H3(#9715)、抗H3K4me1(#9723)、抗H3K4me2(#9725)、抗H3K4me3(#9727)、抗H3K9me2(#9753)、抗H3K36me2(#9758)、抗H3K27me2(#9755)、及び抗H3K27me3(#9756)は、Cell Signaling Technology(Danvers、MA、USA)から購入した。抗H3K9me1(#07−395)、抗H3K27me1(#07−448)、及び抗H3K36me1(#07−548)は、Millipore(Billerica、MA、USA)から購入した。抗H3K36me3(ab9050−100)はAbcam(Cambridge,UK)から購入した。抗H3K9me3(#39161)は、Active Motif(Carlsbad、CA、USA)から購入した。
【0318】
本発明の化合物は、PRC2基質H3K27のメチル化を特異的に阻害する。これは、例えばラブドイド細胞(G401)及びリンパ腫細胞(WSU−DLCL2、KARPAS422、SU−DHL4)を含む多数のヒト癌細胞株におけるH3K27me2及びH3K27me3を阻害する能力によって実証することができる。選択性は、例えば、H3K4me2;H3K9me2;H3K36me3;及びH3K79me3などの多くの他のメチル化標識に対してプロファイリングされる。
【0319】
細胞増殖の解析
B細胞リンパ腫細胞KARPAS422を、37℃、5%CO
2の加湿インキュベーターの中で、15%のFBS(Invitrogen、cat#10099−141)を添加したRPMI−1640(Invitrogen、cat#11875)中で標準的な細胞培養条件を使用して培養した。細胞増殖に対するPRC2阻害の影響を評価するために、指数関数的に増殖する細胞を12ウェルプレート(Corning、cat#CLS3513)の中に1×10
5細胞/mLの密度で播種した。細胞播種後、本発明の化合物を細胞培地に添加した(0〜100μMの濃度範囲、3倍希釈系列)。Vi−CELL(Beckman Coulter)を用いて、生存細胞数を3〜4日ごとに14日まで決定した。細胞数測定の日に、新鮮な増殖培地及び化合物を補充し、細胞を分割させて1×10
5細胞/mLの密度に戻した。総細胞数は、1mLあたりの分割調整された生存細胞として表される。Prismを用いて用量応答曲線及びIC
50値を生成した。
【0320】
薬物動態特性の分析
本明細書に開示の化合物の薬物動態特性は、下に記載のプロトコルを使用することにより決定することができる。
【0321】
本発明の代表的な化合物を、10%のPEG300、10%のSolutol HS15、及び80%のpH4.65酢酸塩緩衝液の中に溶解させることで静脈内投与(IV)及び経口投与(PO)のための0.2mg/mLの最終濃度を得た。
【0322】
ラットのPK試験では、各合計3匹の雄Sprague DawleyラットをラットIV及びPO PK試験のためにそれぞれ使用した。製剤溶液は、1mg/kgでの単回ボーラスIV及び2mg/kgでの単回強制経口投与(PO)によりそれぞれ投与した。血液サンプル(約150μL)は、適切な時点で頸静脈カニューレにより採取した。
【0323】
マウスPK試験に関しては、合計12匹の雄ICRマウスをIV及びPO試験のためにそれぞれ使用した。製剤溶液は、1mg/kgでの単回ボーラスIV及び2mg/kgでの単回強制経口投与(PO)によりそれぞれ投与した。血液サンプル(約150μL)は、イソフルランにより麻酔した後に眼窩穿刺(約150μL/マウス)により、又は心臓穿刺(終末採取)により、適切な時点(n=3)で採取した。
【0324】
サンプルをK3−EDTAが入っているチューブの中に採取し、遠心分離するまで氷の上で保存した。血液サンプルを約8000rpmで6分間、2〜8℃で遠心分離し、得られた血漿を分離して約−80℃で凍結保存した。内部標準を添加した後、検量線を用いてLC−MS/MSにより血漿サンプルを定量した。濃度曲線下面積(AUC)、平均滞留時間(MRT)、血漿クリアランス(Cl)、定常状態分布容積(Vdss)、排泄半減期(t
1/2)、最大濃度(Cmax)、最大濃度の時間(Tmax)、及び経口バイオアベイラビリティ(F%)などのPKパラメータは、次の式を使用して計算した:
【数1】
tは時間であり、Cは時間(t)における血漿濃度であり:
Dose
ivは静脈内投与のための用量であり;Dose
oralは経口投与のための用量である。
Cl=Dose
iv/AUC
t
1/2=0.693×MRT
Vdss=Cl
*MRT
F%=(Dose
iv×AUC
oral)/Dose
oral×AUC
iv)×100%
【0325】
ハイスループット平衡溶解度分析のプロトコル
本発明の化合物を、純粋なDMSO中で10mMで最初に可溶化した。その後、DMSOストック溶液それぞれ20μLを、96ウェルプレート上の6つのウェルの中に移した。GeneVac溶媒エバポレーターを用いて、30℃、1mbarの真空で1時間、DMSO溶媒を乾燥させた。200μLの緩衝溶液(pH6.8又はFaSSIF)を添加した後、プレートを密封し、室温で24時間160rpmで振とうした。プレートを3750rpmで20分間遠心分離し、5μLの上清みを495μLのMeOH/H
2O(1:1)と混合した。0.01μM、0.1μM、1μM、10μMのストック溶液を、検量線のために段階希釈により調製した。上清みを、検量線を用いてHPLC又はLC/MSにより定量した。ハイスループット平衡溶解度を、上清みの濃度に基づいて決定した。
【0326】
マウス異種移植モデルにおける有効性試験
実施した全ての実験は、AAALAC認定施設において雌の無胸腺Nude−nuマウスで実施した。動物は、各ケージに5匹以下の動物が入れられた一定の温度及び湿度(すなわち20〜26℃;40〜70%)の個々の換気ケージ内で、SPF条件で飼育した。動物は照射滅菌乾燥顆粒飼料及び滅菌飲料水を自由に入手できた。全ての手順及びプロトコルは、動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use)及び社内委員会によって承認された。
【0327】
細胞Karpas422ヒトB細胞リンパ腫を、15%のFBS(Gibco;10099−141)及び1%のPen Strep(Gibco;15140−122)を添加したRPMI−1640培地(Gibco;11875−093)の中で、5%のCO
2を含む空気の雰囲気中で37℃で培養した。細胞は、0.5〜2×10
6細胞/mlの濃度で懸濁培養で維持した。細胞は2〜4日ごとに1:3で分割した。異種移植腫瘍モデルを確立するために、細胞を採取し、PBS中に懸濁し、Matrigel(BD Bioscience)と1:1の体積比で1×10
8細胞/mLの濃度で混合し、その後動物あたり5×10
6細胞の濃度でbalb/cヌードマウス(Vital River)の右脇腹に皮下注射した。
【0328】
化合物を、0.5%のメチルセルロース(MC)と0.5%のTween80が入っている50mMのpH6.8緩衝液(USPに従って社内で調製)中の懸濁液として製剤し、特定の用量で強制経口投与した。
【0329】
治療は、平均腫瘍体積が100〜300mm
3に達した時に開始した。腫瘍の成長及び体重を定期的に観察した。最も大きい2つの直径、幅(W)、及び長さ(L)の異種移植腫瘍を、ノギスを用いて手作業で測定し、腫瘍体積を式:0.5×L×W
2を用いて見積もった。
【0330】
適用できる場合には、結果は平均±SEMとして表される。GraphPad Prism 5.00(GraphPad Software)を用いて、グラフ化及び統計分析を行った。腫瘍及び体重変化のデータを統計的に分析した。データの分散が正常に分布している場合には(バートレットの等分散性の検定)、治療対対照群の比較のためのポストホックダネット検定を用いる一元配置ANOVAを用いてデータを分析した。集団内比較のためにポストホックテューキー検定を使用した。そうでない場合には、Kruskal−Wallis順位検定ポストホックダネットを使用した。
【0331】
有効性の尺度として、%T/Cの値は実験の最後に次式に従って計算される:
(Δ腫瘍体積
治療/Δ腫瘍体積
対照)
*100
腫瘍退縮は次式に従って計算される:
−(Δ腫瘍体積
治療/腫瘍体積
治療開始時)
*100
【0332】
ここで、Δ腫瘍容積は、評価日の平均腫瘍容積から、実験開始時の平均腫瘍容積を引いたものを表す。
【0333】
以下に開示の例示された実施例は、上記のEED Alphascreen結合、LC−MS、及び/又はELISA分析において試験され、EED阻害活性を有することが見出された。5μM(5000nM)以下のIC
50値の範囲が観察された。
【0334】
下の表3には、次の実施例のために測定したEED(a)Alphascreen結合(定性)、(b)LC−MS(定性)、及び/又は(c)ELISA(定性)分析におけるIC
50値が列挙されている。「N/A」は「評価せず」を表す。
【0335】
【表65】
【0336】
【表66】
【0337】
【表67】
【0338】
【表68】
【0339】
【表69】
【0340】
【表70】
【0341】
【表71】
【0342】
【表72】
【0343】
【表73】
【0344】
【表74】
【0345】
【表75】
【0346】
【表76】
【0347】
【表77】
【0348】
【表78】
【0349】
【表79】
【0350】
【表80】
【0351】
【表81】
【0352】
【表82】
【0353】
【表83】
【0354】
【表84】
【0355】
【表85】
【0356】
【表86】
【0357】
【表87】
【0358】
【表88】
【0359】
【表89】
【0360】
【表90】
【0361】
【表91】
【0362】
【表92】
【0363】
【表93】
【0364】
【表94】
【0365】
【表95】
【0366】
したがって、本発明の化合物は、EEDを阻害することが見出されており、そのため、EED及びPRC2に関連する疾患又は障害の治療に有用であり、これらとしては、限定するものではないが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、他のリンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、中皮腫、胃癌、悪性ラブドイド腫瘍、肝細胞癌、前立腺癌、乳癌、胆管及び胆嚢癌、膀胱癌、脳腫瘍(神経芽細胞腫、神経膠腫、神経膠芽細胞腫、及び星状細胞腫を含む)、子宮頸癌、結腸癌、メラノーマ、子宮内膜癌、食道癌、頭頸部癌、肺癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、直腸癌、甲状腺癌、副甲状腺腫瘍、子宮腫瘍、及び軟部肉腫(横紋筋肉腫(RMS)、カポジ肉腫、滑膜肉腫、骨肉腫、及びユーイング肉腫から選択される)が挙げられる。
【0367】
VI.医薬組成物及び組み合わせ
本発明の化合物は、典型的には、医薬組成物(例えば本発明の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される担体)として使用される。「薬学的に許容される担体(希釈剤又は賦形剤)」とは、当業者に公知のような、安全な(GRAS)溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤(例えば抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬物安定化剤、結合剤、緩衝剤(例えばマレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等)、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤等、及びこれらの組み合わせとして一般的に認識されているものを含む、動物、特には哺乳動物に生物学的に活性な薬剤を送達するために当該技術分野で一般的に認められている媒体を指す(例えば、Allen,L.V.,Jr.etal.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2Volumes),22nd Edition,Pharmaceutical Press(2012)を参照のこと)。本発明の目的のためには、溶媒和物及び水和物は、本発明の化合物と、溶媒(すなわち溶媒和物)又は水(すなわち水和物)とを含む医薬組成物であると見なされる。
【0368】
製剤は、従来の溶解及び混合の手順を用いて調製することができる。例えば、原薬物質(すなわち本発明の化合物又は安定化形態の化合物(例えば、シクロデキストリン誘導体又は他の公知の複合体形成剤との複合体))は、上述した1種以上の賦形剤の存在下で適切な溶媒中に溶解される。
【0369】
本発明の化合物は、例えば、錠剤、カプセル剤(それぞれ徐放性製剤又は遅延放出性製剤を含む)、丸薬、粉末剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤(ナノ懸濁剤、マイクロ懸濁剤、噴霧乾燥分散剤を含む)、シロップ剤、及び乳剤などの経口;舌下;頬;皮下、静脈内、筋肉内、若しくは胸骨内注射、又は点滴技術(例えば滅菌された注射用の水性若しくは非水性溶液又は懸濁剤として)などによる非経口;吸入スプレーなどによる鼻腔内膜への投与を含む経鼻;例えばクリーム又は軟膏の形態でなどの局所;又は坐剤の形態でなどの直腸;などの任意の適切な手段により、本明細書に記載の任意の使用のために投与することができる。これらは単独で投与することができるが、一般に、選択された投与経路及び標準的な製薬上の慣行に基づいて選択された医薬担体と共に投与される。
【0370】
本発明の化合物は、典型的には、薬物の投与量を制御し易くし、患者に洗練された扱いやすい製品を提供するために、医薬投与形態へと製剤される。本発明の化合物の投与計画は、当然、具体的な薬剤の薬力学的特性並びにその投与形式及び経路;服用者の種、年齢、性別、健康状態、病状、及び体重;症状の性質及び程度;併用療法の種類;治療の頻度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに望まれる効果;などの公知の因子に応じて変動することになる。本発明の化合物は、1日1回の用量で投与されてもよく、あるいは1日の合計投与量を1日に2回、3回、又は4回に分割した用量で投与されてもよい。
【0371】
特定の事例においては、本発明の化合物を、他の抗癌剤、免疫調節剤、抗アレルギー剤、抗悪心剤(又は抗嘔吐剤)、鎮痛剤、細胞保護剤、及びこれらの組み合わせなどの少なくとも1種の追加的な医薬品(又は治療薬)と組み合わせて投与することが有利な場合がある。
【0372】
用語「併用療法」は、本発明に記載の対象疾患、障害、又は状態を治療するための2種以上の治療薬の投与を意味する。そのような投与には、固定比率の活性成分を有する単一のカプセルの中などの実質的に同時の形でこれらの治療薬を同時投与することが含まれる。あるいは、そのような投与には、各活性成分について複数回での、又は別個の容器(例えばカプセル、粉末、及び液体)での同時投与が含まれる。本発明の化合物及び追加的な治療薬は、同じ投与経路又は異なる投与経路を介して投与することができる。粉末及び/又は液体は、投与前に望みの用量に再構成又は希釈することができる。更に、そのような投与には、ほぼ同時又は異なる時点のいずれかでの逐次的な方式でのそれぞれのタイプの治療薬の使用も含まれる。いずれの場合でも、治療計画は、本明細書に記載の状態又は障害の治療における薬物の併用の有益な効果をもたらす。
【0373】
併用療法における使用が考慮される一般的な化学療法剤としては、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、ブレオマイシン硫酸塩(Blenoxane(登録商標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ブスルファン注射液(Busulfex(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4−ペントキシカルボニル−5−デオキシ−5−フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドビリン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)又はNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar−U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射液(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン(Actinomycin D、Cosmegan)、ダウノルビシン塩酸塩(Cerubidine(登録商標))、ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム注射液(DaunoXome(登録商標))、デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vepesid(登録商標))、フルダラビンリン酸エステル(Fludara(登録商標))、5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イフォスファミド(IFEX(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L−アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標))、6−メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、マイロターグ、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))、フェニックス(イットリウム90/MX−DTPA)、ペントスタチン、ポリフェプロザン20カルムスチンインプラント(Gliadel(登録商標))、タモキシフェンクエン酸塩(Nolvadex(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、6−チオグアニン、チオテパ、チラパザミン(Tirazone(登録商標))、トポテカン塩酸塩注射用(Hycamptin(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、及びビノレルビン(Navelbine(登録商標))が挙げられる。
【0374】
本発明の化合物との併用に特に興味深い抗癌剤としては、次のものが挙げられる:
【0375】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤:(Chen,S.et al.,Nat Cell Biol.,12(11):1108−14(2010);Zeng,X. et al.,Cell Cycle,10(4):579−83(2011))アロイシンA;アルボシジブ(別名フラボピリドール又はHMR−1275、2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−[(3S,4R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−ピペリジニル]−4−クロメノン、米国特許第5,621,002号明細書に記載);クリゾチニブ(PF−02341066、CAS877399−52−5);2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−[(2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−3−ピロリジニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、塩酸塩(P276−00、CAS920113−03−7);1−メチル−5−[[2−[5−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−ピリジニル]オキシ]−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン(RAF265、CAS927880−90−8);インジスラム(E7070);ロスコビチン(CYC202);6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−(5−ピペラジン−1−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−8H−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン、塩酸塩(PD0332991);ディナシクリブ(SCH727965);N−[5−[[(5−tert−ブチルオキサゾール−2−イル)メチル]チオ]チアゾール−2−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド(BMS 387032、CAS345627−80−7);4−[[9−クロロ−7−(2,6−ジフルオロフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンザゼピン−2−イル]アミノ]−安息香酸(MLN8054、CAS869363−13−3);5−[3−(4,6−ジフルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]−N−エチル−4−メチル−3−ピリジンメタンアミン(AG−024322、CAS837364−57−5);4−(2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸 N−(ピペリジン−4−イル)アミド(AT7519、CAS844442−38−2);4−[2−メチル−1−(1−メチルエチル)−1H−イミダゾール−5−イル]−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−ピリミジンアミン(AZD5438、CAS602306−29−6);パルボシクリブ(PD−0332991);及び(2R,3R)−3−[[2−[[3−[[S(R)]−S−シクロプロピルスルホンイミドイル]−フェニル]アミノ]−5−(トリフルオロメチル)−4−ピリミジニル]オキシ]−2−ブタノール(BAY10000394)。
【0376】
チェックポイントキナーゼ(CHK)阻害剤:(Wu,Z.et al.,Cell Death Differ.,18(11):1771−9(2011))7−ヒドロキシスタウロスポリン(UCN−01);6−ブロモ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−(3R)−3−ピペリジニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(SCH900776、CAS891494−63−6);5−(3−フルオロフェニル)−3−ウレイドチオフェン−2−カルボン酸 N−[(S)−ピペリジン−3−イル]アミド(AZD7762、CAS860352−01−8);4−[((3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)アミノ]−3−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−6−クロロキノリン−2(1H)−オン(CHIR124、CAS405168−58−3);7−アミノダクチノマイシン(7−AAD)、イソグラヌラチミド、デブロモヒメニアルジシン;N−[5−ブロモ−4−メチル−2−[(2S)−2−モルホリニルメトキシ]−フェニル]−N’−(5−メチル−2−ピラジニル)尿素(LY2603618、CAS911222−45−2);スルフォラファン(CAS4478−93−7、4−メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート);9,10,11,12−テトラヒドロ−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1,3(2H)−ジオン(SB−218078、CAS135897−06−2);並びにTAT−S216A(YGRKKRRQRRRLYRSPAMPENL)、及びCBP501((d−Bpa)sws(d−Phe−F5)(d−Cha)rrrqrr);並びに(αR)−α−アミノ−N−[5,6−ジヒドロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−1H−ピロロ[4,3,2−ef][2,3]ベンゾジアゼピン−8−イル]−シクロヘキサンアセトアミド(PF−0477736)。
【0377】
プロテインキナーゼB(PKB)又はAKT阻害剤:(Rojanasakul,Y.,Cell Cycle,12(2):202−3(2013);Chen B.et al.,Cell Cycle,12(1):112−21(2013))8−[4−(1−アミノシクロブチル)フェニル]−9−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−f][1,6]ナフチリジン−3(2H)−オン(MK−2206、CAS1032349−93−1);ペリフォシン(KRX0401);4−ドデシル−N−1,3,4−チアジアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド(PHT−427、CAS1191951−57−1);4−[2−(4−アミノ−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)−1−エチル−7−[(3S)−3−ピペリジニルメトキシ]−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−イル]−2−メチル−3−ブチン−2−オール(GSK690693、CAS937174−76−0);8−(1−ヒドロキシエチル)−2−メトキシ−3−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−6−オン(パロミド529、P529、又はSG−00529);トリシリビン(6−アミノ−4−メチル−8−(β−D−リボフラノシル)−4H,8H−ピロロ[4,3,2−de]ピリミド[4,5−c]ピリダジン);(αS)−α−[[[5−(3−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−3−ピリジニル]オキシ]メチル]−ベンゼンエタンアミン(A674563、CAS552325−73−2);4−[(4−クロロフェニル)メチル]−1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−4−ピペリジンアミン(CCT128930、CAS885499−61−6);4−(4−クロロフェニル)−4−[4−(1Hピラゾール−4−イル)フェニル]−ピペリジン(AT7867、CAS857531−00−1);及びArchexin(RX−0201、CAS663232−27−7)。
【0378】
C−RAF阻害剤:(Chang,C.et al.,Cancer Cell,19(1):86−100(2011))ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−ベンズアミド(ZM336372、CAS208260−29−1);及び3−(1−シアノ−1−メチルエチル)−N−[3−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)アミノ]−4−メチルフェニル]−ベンズアミド(AZ628、CAS1007871−84−2)。
【0379】
ホスホイノシタイド3−キナーゼ(PI3K)阻害剤:(Gonzalez,M.et al.,Cancer Res.,71(6):2360−2370(2011)):4−[2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−[[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル]チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル]モルホリン(別名GDC0941、国際特許出願公開第09/036082号パンフレット及び同第09/055730号パンフレットに記載);2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(キノリン−3−イル)−2,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロピオニトリル(別名BEZ235又はNVP−BEZ235、国際特許出願公開第06/122806号パンフレットに記載);4−(トリフルオロメチル)−5−(2,6−ジモルホリノピリミジン−4−イル)ピリジン−2−アミン(別名BKM120又はNVP−BKM120、国際特許出願公開第2007/084786号パンフレットに記載);トザセルチブ(VX680又はMK−0457、CAS639089−54−6);(5Z)−5−[[4−(4−ピリジニル)−6−キノリニル]メチレン]−2,4−チアゾリジンジオン(GSK1059615、CAS958852−01−2);(1E,4S,4aR,5R,6aS,9aR)−5−(アセチルオキシ)−1−[(ジ−2−プロペニルアミノ)メチレン]−4,4a,5,6,6a,8,9,9a−オクタヒドロ−11−ヒドロキシ−4−(メトキシメチル)−4a,6a−ジメチル−シクロペンタ[5,6]ナフト[1,2−c]ピラン−2,7,10(1H)−トリオン(PX866、CAS502632−66−8);8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン(LY294002、CAS154447−36−6);2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(SAR245409又はXL765);1,3−ジヒドロ−8−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−3−メチル−1−[4−(1−ピペラジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−2−オン、(2Z)−2−ブテンジオエート(1:1)(BGT226);5−フルオロ−3−フェニル−2−[(1S)−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル]−4(3H)−キナゾリノン(CAL101);2−アミノ−N−[3−[N−[3−[(2−クロロ−5−メトキシフェニル)アミノ]キノキサリン−2−イル]スルファモイル]フェニル]−2−メチルプロパンアミド(SAR245408又はXL147);及び(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(BYL719)。
【0380】
BCL−2阻害剤:(Beguelin,W.et al.,Cancer Cell,23(5):677−92(2013))4−[4−[[2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(4−モルホリニル)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3−[(トリフルオロメチル)スルホニル]フェニル]スルホニル]ベンズアミド(別名ABT−263、国際特許出願公開第09/155386号パンフレットに記載);テトロカルシンA;アンチマイシン;ゴシポール((−)BL−193);オバトクラックス;エチル−2−アミノ−6−シクロペンチル−4−(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−4Hクロモン−3−カルボキシレート(HA14−1);オブリメルセン(G3139、Genasense(登録商標));Bak BH3ペプチド;(−)−ゴシポール酢酸(AT−101);4−[4−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1−ピペラジニル]−N−[[4−[[(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]−3−ニトロフェニル]スルホニル]−ベンズアミド(ABT−737、CAS852808−04−9);及びナビトクラックス(ABT−263、CAS923564−51−6)。
【0381】
分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤:(Chang,C.J.et al.,Cancer Cell,19(1):86−100(2011))XL−518(別名GDC−0973、Cas No.1029872−29−4、ACC Corp.から入手可能);セルメチニブ(5−[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ]−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−カルボキサミド、別名AZD6244又はARRY142886、国際特許出願公開第2003077914号パンフレットに記載);ベニメチニブ(6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−7−フルオロ−3−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(2−ヒドロキシエトキシ)−アミド、別名MEK162、CAS1073666−70−2、国際特許出願公開第2003077914号パンフレットに記載);2−[(2−クロロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−N−(シクロプロピルメトキシ)−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド(別名CI−1040又はPD184352、国際特許出願公開第2000035436号パンフレットに記載);N−[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−ベンズアミド(別名PD0325901、国際特許出願公開第2002006213号パンフレットに記載);2,3−ビス[アミノ[(2−アミノフェニル)チオ]メチレン]−ブタンジニトリル(別名U0126、米国特許第2,779,780号明細書に記載);N−[3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−6−メトキシフェニル]−1−[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]−シクロプロパンスルホンアミド(別名RDEA119又はBAY869766、国際特許出願公開第2007014011号パンフレットに記載);(3S,4R,5Z,8S,9S,11E)−14−(エチルアミノ)−8,9,16−トリヒドロキシ−3,4−ジメチル−3,4,9、19−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾオキサシクロテトラデシン−1,7(8H)−ジオン](別名E6201、国際特許出願公開第2003076424号パンフレットに記載);2’−アミノ−3’−メトキシフラボン(別名PD98059、Biaffin GmbH&Co.,KG,Germanyから入手可能);ベムラフェニブ(PLX−4032、CAS918504−65−1);(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(TAK−733、CAS1035555−63−5);ピマセルチブ(AS−703026、CAS1204531−26−9);トラメチニブジメチルスルホキシド(GSK−1120212、CAS1204531−25−80);2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(AZD8330);及び3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−[(3−オキソ−[1,2]オキサジナン−2−イル)メチル]ベンズアミド(CH4987655又はRo4987655)。
【0382】
アロマターゼ阻害剤:(Pathiraja,T.et al.,Sci.Transl.Med.,6(229):229 ra41(2014))エキセメスタン(Aromasin(登録商標));レトロゾール(Femara(登録商標));及びアナストロゾール(Arimidex(登録商標))。
【0383】
トポイソメラーゼII阻害剤:(Bai,J.et al.,Cell Prolif.,47(3):211−8(2014))エトポシド(VP−16及びエトポシドリン酸塩、Toposar(登録商標)、VePesid(登録商標)及びEtopophos(登録商標));テニポシド(VM−26、Vumon(登録商標));及びタフルポシド。
【0384】
SRC阻害剤:(Hebbard,L.,Oncogene,30(3):301−12(2011))ダサチニブ(Sprycel(登録商標));サラカチニブ(AZD0530、CAS379231−04−6);ボスチニブ(SKI−606、CAS380843−75−4);5−[4−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]フェニル]−N−(フェニルメチル)−2−ピリジンアセトアミド(KX2−391、CAS897016−82−9);及び4−(2−クロロ−5−メトキシアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(AZM475271、CAS476159−98−5)。
【0385】
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤:(Yamaguchi,J.et al.,Cancer Sci.,101(2):355−62(2010))ボリノスタット(Voninostat)(Zolinza(登録商標));ロミデプシン(Istodax(登録商標));トリコスタチンA(TSA);オキサムフラチン;ボリノスタット(Zolinza(登録商標)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸);ピロキサミド(スベロイル−3−アミノピリジンアミドヒドロキサム酸);トラポキシンA(RF−1023A);トラポキシンB(RF−10238);シクロ[(αS,2S)−α−アミノ−η−オキソ−2−オキシランオクタノイル−O−メチル−D−チロシル−L−イソロイシル−L−プロリル](Cyl−1);シクロ[(αS,2S)−α−アミノ−η−オキソ−2−オキシランオクタノイル−O−メチル−D−チロシル−L−イソロイシル−(2S)−2−ピペリジンカルボニル](Cyl−2);環状[L−アラニル−D−アラニル−(2S)−η−オキソ−L−α−アミノオキシランオクタノイル−D−プロリル](HC−トキシン);シクロ[(αS,2S)−α−アミノ−η−オキソ−2−オキシランオクタノイル−D−フェニルアラニル−L−ロイシル−(2S)−2−ピペリジンカルボニル](WF−3161);クラミドシン((S)−環状(2−メチルアラニル−L−フェニルアラニル−D−プロリル−η−オキソ−L−α−アミノオキシランオクタノイル);アピシジン(シクロ(8−オキソ−L−2−アミノデカノイル−1−メトキシ−L−トリプトフィル−L−イソロイシル−D−2−ピペリジンカルボニル);ロミデプシン(Istodax(登録商標)、FR−901228);4−フェニルブチレート;スピルコスタチンA;ミルプロイン(バルプロ酸);エンチノスタット(MS−275、N−(2−アミノフェニル)−4−[N−(ピリジン−3−イル−メトキシカルボニル)−アミノ−メチル]−ベンズアミド);及びデプデシン(4,5:8,9−ジアンヒドロ−1,2,6,7,11−ペンタデオキシ−D−トレオ−D−イド−ウンデカ−1,6−ジエニトール)。
【0386】
抗腫瘍抗生物質:(Bai,J.et al.,Cell Prolif.,47(3):211−8(2014))ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)及びRubex(登録商標));ブレオマイシン(lenoxane(登録商標));ダウノルビシン(ダウノルビシン塩酸塩、ダウノマイシン、及びルビドマイシン塩酸塩、Cerubidine(登録商標));ダウノルビシンリポソーム製剤(ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム、DaunoXome(登録商標));ミトキサントロン(DHAD、Novantrone(登録商標));エピルビシン(Ellence(商標));イダルビシン(Idamycin(登録商標)、イダマイシンPFS(登録商標));ミトマイシンC(Mutamycin(登録商標));ゲルダナマイシン;ハービマイシン;ラビドマイシン;及びデスアセチルラビドマイシン。
【0387】
脱メチル化剤(Musch,T.et al.,PLoS One,(5):e10726(2010))5−アザシチジン(Vidaza(登録商標));及びデシタビン(Dacogen(登録商標))。
【0388】
抗エストロゲン剤:(Bhan,A.et al.,J Mol Biol.,S0022−2836(14)00373−8(2014))タモキシフェン(Novaldex(登録商標));トレミフェン(Fareston(登録商標));及びフルベストラント(Faslodex(登録商標))。
【0389】
一部の患者は、投与中又は投与後に、本発明の化合物及び/又は他の抗癌剤に対してアレルギー反応を呈する場合がある。そのため、アレルギー反応のリスクを最小限に抑えるために、抗アレルギー剤がしばしば投与される。好適な抗アレルギー剤としては、デキサメタゾン(例えばDecadron(登録商標))、ベクロメタゾン(例えばBeclovent(登録商標))、ヒドロコルチゾン(別名コルチゾン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウムであり、Ala−Cort(登録商標)、ヒドロコルチゾンリン酸エステル、Solu−Cortef(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、及びLanacort(登録商標)という商品名で販売)、プレドニゾロン(Delta−Cortel(登録商標)、Orapred(登録商標)、Pediapred(登録商標)、及びPrelone(登録商標)という商品名で販売)、プレドニゾン(Deltasone(登録商標)、Liquid Red(登録商標)、Meticorten(登録商標)、及びOrasone(登録商標)という商品名で販売)、メチルプレドニゾロン(別名6−メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸エステル、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムであり、Duralone(登録商標)、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、M−Prednisol(登録商標)、及びSolu−Medrol(登録商標)という商品名で販売)などのコルチコレステロイド(Knutson、S.,et al.,PLoS One,DOI:10.1371/journal.pone.0111840(2014));ジフェンヒドラミン(例えばBenadryl(登録商標))、ヒドロキシジン、及びシプロヘプタジンなどの抗ヒスタミン剤;並びにβ−アドレナリン受容体作動薬、アルブテロール(例えばProventil(登録商標))及びテルブタリン(Brethine(登録商標))などの気管支拡張剤が挙げられる。
【0390】
本発明の化合物との併用に特に興味深い免疫調節薬としては、共刺激分子の活性化剤又は免疫チェックポイント分子の阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1、LAG−3、TIM−3、又はCTLA4のうちの1つ以上の阻害剤)又はこれらの任意の組み合わせのうちの1種以上が挙げられる。
【0391】
特定の実施形態においては、免疫調節薬は、共刺激分子の活性化剤である。ある実施形態においては、共刺激分子の作動薬は、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、4−1BB(CD137)、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7−H3、又はCD83リガンドの作動薬(例えば作動薬抗体又はその抗原結合フラグメント、又は可溶性融合体)から選択される。
【0392】
特定の実施形態においては、免疫調節薬は、免疫チェックポイント分子の阻害剤である。ある実施形態においては、免疫調節薬は、PD−1、PD−L1、PD−L2、CTLA4、TIM3、LAG3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、及び/又はTGFRβの阻害剤である。ある実施形態においては、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD−1、PD−L1、LAG−3、TIM−3、又はCTLA4、又はこれらの任意の組み合わせを阻害する。用語「阻害」又は「阻害剤」には、例えば免疫チェックポイント阻害剤などの所定の分子の特定のパラメータ(例えば活性)の低下が含まれる。例えば、この用語には、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、又はそれ以上の活性(例えばPD−1又はPD−L1の活性)の阻害が含まれる。したがって、阻害は100%である必要はない。
【0393】
一部の患者は、本発明の化合物及び/又は他の抗癌剤の投与中又は投与後に、吐き気を催す場合がある。そのため、吐き気(胃の上部)及び嘔吐を予防するために、抗嘔吐剤が使用される。好適な抗嘔吐剤としては、アプレピタント(Emend(登録商標))、オンダンセトロン(Zofran(登録商標))、グラニセトロンHCl(Kytril(登録商標))、ロラゼパム(Ativan(登録商標)、デキサメタゾン(Decadron(登録商標))、プロクロルペラジン(Compazine(登録商標))、カソピタント(Rezonic(登録商標)及びZunrisa(登録商標))、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0394】
患者をより快適にするために、治療期間中に経験する痛みを緩和するための薬剤がしばしば処方される。多くの場合にはTylenol(登録商標)などの一般的な市販の鎮痛薬が使用される。しかし、ヒドロコドン/パラセタモール又はヒドロコドン/アセトアミノフェン(例えばVicodin(登録商標))、モルヒネ(例えばAstramorph(登録商標)又はAvinza(登録商標))、オキシコドン(例えばOxyContin(登録商標)又はPercocet(登録商標))、オキシモルホン塩酸塩(Opana(登録商標))、及びフェンタニル(例えばDuragesic(登録商標))などのオピオイド鎮痛薬も、中等度又は重度の痛みに有用である。
【0395】
正常な細胞を治療毒性から保護し、臓器毒性を抑制するために、補助療法として細胞保護剤(神経保護薬、フリーラジカル捕捉剤、心臓保護剤、アントラサイクリン溢出中和剤、栄養剤等)を使用することができる。適切な細胞保護剤としては、アミフォスチン(Ethyol(登録商標))、グルタミン、ディメスナ(Tavocept(登録商標))、メスナ(Mesnex(登録商標))、デクスラゾキサン(Zinecard(登録商標)又はTotect(登録商標))、キサリプロデン(Xaprila(登録商標))、及びロイコボリン(別名カルシウムロイコボリン、シトロボラム因子、及びフォリン酸)が挙げられる。
【0396】
コード番号、一般名、又は商品名によって特定される活性化合物の構造は、標準便覧「The Merck Index」の現行版、又はデータベース(例えば、Patents International(例えばIMS World Publication))から取得することができる。
【0397】
ある実施形態においては、本発明は、本発明の少なくとも1種の化合物(例えば本発明の化合物)又はその薬学的に許容される塩を、単独で、又は他の抗癌剤と共に、ヒト又は動物の被験体への投与に適した薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0398】
ある実施形態においては、本発明は、癌などの細胞増殖性疾患に罹患しているヒト又は動物の被験体を治療する方法を提供する。本発明は、治療有効量の本発明の化合物(例えば本発明の化合物)又はその薬学的に許容される塩を、単独で、又は他の抗癌剤と組み合わせて被験体に投与することを含む、そのような治療を必要とするヒト又は動物の被験体を治療する方法を提供する。
【0399】
具体的には、組成物は、併用療法として一緒に製剤されるか、別々に投与される。
【0400】
悪性腫瘍の治療のための併用療法において、本発明の化合物及び他の抗癌剤は、具体的な時間制限なしで同時に、並行して、又は連続して投与することができ、このような投与は、被験体の体内で2つの化合物の治療に有効なレベルを与える。
【0401】
好ましい実施形態においては、本発明の化合物及び他の抗癌剤は、通常、任意の順序で連続して点滴又は経口で投与される。投薬計画は、疾患の段階、患者の体力、個々の薬物の安全性プロファイル、及び個々の薬物の耐性、並びに組み合わせを投与する主治医及び医師に周知の他の基準に応じて変動し得る。本発明の化合物及び他の抗癌剤は、治療に使用される具体的なサイクルに応じて、互いに数分以内、数時間、数日、又は数週間、間隔を開けて投与することができる。更に、このサイクルには、治療サイクル中に1つの薬剤を他の薬物よりも頻繁に投与すること、及び薬物の投与ごとに異なる用量で投与することが含まれ得る。
【0402】
本発明の別の態様においては、本発明の1種以上の化合物及び本明細書に開示される組み合わせ相手を含むキットが提供される。代表的なキットは、(a)本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、(b)例えば上に示したような少なくとも1種の組み合わせ相手とを含み、そのようなキットは、添付文書又は投与のための指示を含む他のラベルを含み得る。
【0403】
本発明の化合物は、例えばホルモンの投与又は特には放射線などの公知の治療法と組み合わせて有利に使用することもできる。本発明の化合物は、特には放射線療法に対する感受性が乏しい腫瘍の治療のための放射線増感剤として特に使用することができる。
【0404】
本発明の別の態様においては、本発明の1種以上の化合物及び本明細書に開示の組み合わせ相手を含むキットが提供される。代表的なキットは、(a)本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、(b)例えば上に示したような少なくとも1種の組み合わせ相手とを含み、そのようなキットは、添付文書又は投与のための指示を含む他のラベルを含み得る。
【0405】
本発明の併用療法において、本発明の化合物及び他の治療薬は、同一の又は異なる製造業者によって製造及び/又は製剤化されてもよい。更に、本発明の化合物及び他の治療薬(又は医薬品)は、(i)組み合わせ製品を医師に渡す前に(例えば本発明の化合物と他の治療薬とを含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身によって(又は医師の指導の下で);(iii)例えば本発明の化合物及び他の治療薬の逐次投与の間に患者自身で;1つにまとめて併用療法にすることができる。
【0406】
本発明の化合物は、EED及び/又はPRC2を含む試験又は分析における標準又は参照化合物として(例えば品質標準又は対照として)も有用である。そのような化合物は、例えばミエロペルオキシダーゼ活性を含む医薬品研究に使用するための市販のキットで提供され得る。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を未知の活性を有する化合物と比較する分析における参照として使用することができる。これは、分析が適切に行われていることを実験者に保証し、特に試験化合物が参照化合物の誘導体である場合には比較の基準を提供する。新規な分析又はプロトコルを開発する場合には、本発明による化合物を使用してその有効性を試験することができる。本発明の化合物は、EED及び/又はPRC2を含む診断分析においても使用することができる。
【0407】
適用のための医薬組成物(又は製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて、様々な方法で包装することができる。一般に、販売用の物品は、その中に適切な形態の医薬製剤を入れた容器を含む。適切な容器は当業者に周知であり、瓶(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、ビニール袋、金属シリンダーなどのような材料が含まれる。容器は、包装の内容物への不注意な接触を防止する開封防止機構も含んでいてもよい。更に、容器には、容器の内容物を説明するラベルがその上に貼られている。ラベルには適切な警告も含まれ得る。