(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522083
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】ポリイソブテンを基礎とするポリアミド耐衝撃性改良剤
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20190712BHJP
   C08L 23/22 20060101ALI20190712BHJP
   C08F 8/46 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !C08L77/00
   !C08L23/22
   !C08F8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】33
(21)【出願番号】2018565850
(86)(22)【出願日】20170608
(85)【翻訳文提出日】20190214
(86)【国際出願番号】EP2017063912
(87)【国際公開番号】WO2017216023
(87)【国際公開日】20171221
(31)【優先権主張番号】16174502.1
(32)【優先日】20160615
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 67056 ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
【住所又は居所原語表記】Carl−Bosch−Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ルート ローヴァッサー
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフェン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー ベアトリス ジャニーヌ ヘアレ
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフェン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
(72)【発明者】
【氏名】ローザ コルベラン ロク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフェン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
(72)【発明者】
【氏名】アクセル フスト
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフェン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4J002BB182
4J002BB212
4J002BH022
4J002CL011
4J002CL031
4J002DA016
4J002DE236
4J002DG046
4J002DJ006
4J002DJ016
4J002DJ036
4J002DJ056
4J002DL006
4J002FD016
4J002FD050
4J100AA06P
4J100BC55H
4J100CA01
4J100CA31
4J100DA32
4J100FA18
4J100FA28
4J100GC07
4J100HA57
4J100HC28
4J100HE32
4J100JA28
(57)【要約】
A)熱可塑性ポリアミド20〜99.9重量%と、B)180℃〜250℃の温度で10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテン(B1)とマレイン酸またはその誘導体(B2)とを、前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり少なくとも2当量のα,β−不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸またはその誘導体(B2)の化学量論比において、少なくとも15分〜10時間の継続時間および10バールまでの正圧で反応させることによって得られるアルケニルコハク酸誘導体0.1〜40重量%と、C)更なる添加剤0〜60重量%とを含む熱可塑性成形材料であって、ここで、前記誘導体(B2)は、無水物、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルおよび混合エステルからなる群から選択されており、前記反応性二重結合は、前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の合計であり、前記成分A)〜C)の重量%の合計は100%である、熱可塑性成形材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)熱可塑性ポリアミド20〜99.9重量%と、
B)180℃〜250℃の温度で10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテン(B1)とマレイン酸またはその誘導体(B2)とを、前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり少なくとも2当量のマレイン酸またはその誘導体(B2)の化学量論比において、少なくとも15分〜10時間の継続時間および10バールまでの正圧で反応させることによって得られるアルケニルコハク酸誘導体0.1〜40重量%と、
C)更なる添加剤0〜60重量%と
を含む熱可塑性成形材料であって、ここで、前記誘導体(B2)は、無水物、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルおよび混合エステルからなる群から選択されており、前記反応性二重結合は、前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の合計であり、前記成分A)〜C)の重量%の合計は100%である、熱可塑性成形材料。
【請求項2】
前記成形材料が、
A)30〜99.5重量%と、
B)0.5〜25重量%と、
C)0〜50重量%と
から構成されている、請求項1記載の熱可塑性成形材料。
【請求項3】
前記成分B)が、DIN53401:1988−06に従った鹸化価により決定される1%〜20%のビスマレイン化度を有する、請求項1または2記載の熱可塑性成形材料。
【請求項4】
前記ポリイソブテン(B1)がイソブテンホモポリマーである、請求項1から3までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項5】
前記ポリイソブテン(B1)が、イソブテン含有C炭化水素流の重合によって得られるコポリマーである、請求項1から4までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項6】
前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の割合が30〜100モル%である、請求項1から5までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項7】
前記成分(B2)が無水マレイン酸またはマレイン酸ジC〜Cアルキルエステルである、請求項1から6までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項8】
前記成分(B2)が無水マレイン酸である、請求項1から7までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項9】
前記反応における成分(B2)対前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合のモル比が3:1〜30:1である、請求項1から8までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項10】
任意の種類の成形品を製造するための、請求項1から9までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料の使用。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料から得られる成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
A)熱可塑性ポリアミド20〜99.9重量%と、
B)180℃〜250℃の温度で10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテン(B1)とマレイン酸またはその誘導体(B2)とを、前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり少なくとも2当量のマレイン酸またはその誘導体(B2)の化学量論比において、少なくとも15分〜10時間の継続時間および10バールまでの正圧で反応させることによって得られるアルケニルコハク酸誘導体0.1〜40重量%と、
C)更なる添加剤0〜60重量%と
を含む熱可塑性成形材料であって、ここで、該誘導体(B2)は、無水物、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルおよび混合エステルからなる群から選択されており、該反応性二重結合は、前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の合計であり、前記成分A)〜C)の重量%の合計は100%である、熱可塑性成形材料に関する。
【0002】
本発明はさらに、任意の種類の成形品を製造するための、本発明による成形材料の使用、およびこのようにして得られる成形品に関する。
【0003】
部分結晶性ポリアミドは、それらの構造および分子間水素架橋結合を形成する能力のために、良好な機械的特性、特に耐衝撃性および良好な耐熱性を有する。それらの吸湿性で極性の性質のために、ポリアミドは水を吸収するが、これは力学、特に引張強度および剛性に悪影響を及ぼす。
【0004】
ポリアミドとは対照的に、非晶質ポリイソブチレン(PIB)は非常に疎水性であり、その低いガラス転移温度のために、低温でも高い柔軟性を示す。その非晶質で粘着性の特性のために、それは機械的強度を必要とする用途には適していない。
【0005】
異なるポリマーの相補的特性を、一方のブレンドパートナーの良好な機械的特性を失うことなく組み合わせるために、ポリマーブレンドは適切な試薬と相溶化される。
【0006】
例えばポリエチレンPEまたはポリプロピレンPPなどのオレフィンに対しては、無水マレイン酸グラフト化PEまたはPPが相溶化のために頻繁に用いられる。これらの相溶化剤は、鎖に沿ったラジカル形成およびその後の官能化によって形成されることから、複数の無水マレイン酸基が鎖に沿ってある。これらのポリオレフィンと比較して、ポリイソブチレンは非常に酸化安定性であり、鎖に沿ったグラフト化による官能化は辛うじて可能である。したがって、ポリイソブチレンホモポリマーとのブレンド系はこれまでほんの数例しかなかった。アイントホーフェン大学(M.C.M.van der Sanden,J.G.M.van Gisbergen,I.D.Tauber,H.E.H.Meijer,P.J.Lemstra,Integration of Fundamental Polymer Science and Technology 5 pp66−71)の出版物には、ポリプロピレンとMAとのマスターバッチおよびラジカル形成剤のマスターバッチにより高分子量PIBを無水マレイン酸(MA)で官能化する試みが記載されている。ラジカル形成によるPIBの官能化はほとんど可能ではないので、相溶化は低く、機械的プロフィールが不十分となる。
【0007】
国際公開第02/062895号(WO02/062895A1)には、ポリアミドの相溶化剤として機能するために、PIBホモポリマーまたはコポリマーをまずイソシアネートで官能化し、次いでラクタムまたはアミドで官能化する方法が記載されている。次いで、ポリアミド、ポリイソブチレンおよび相溶化剤が、更なる工程においてブラベンダー混練機中で混合された。相溶化は、スズ化合物の存在下で部分的に行われる。
【0008】
一方では、この方法は非常に煩雑で、他方では、残留した金属錯体がポリアミドの特性(色、分解など)に悪影響を及ぼす。
【0009】
西独国特許出願公開第2702604号明細書(DE-A-2702604)からは、100までの重合度を有するポリイソブテンを無水マレイン酸と、化学量論量または僅かに過剰量の無水マレイン酸で反応させてコハク酸誘導体を得ることが知られている。これは、約5600g/molのポリイソブテンの分子量に相当する。
【0010】
国際公開第12/072643号(WO12/072643)には、5000g/molまでの数平均分子量Mを有するポリイソブテンを無水マレイン酸と反応させてコハク酸誘導体を得ることが言及されている。
【0011】
したがって、本発明の課題は、低温および室温におけるポリアミドの機械的特性を改善することであった。驚くべきことに、特に、本発明による成分B)を添加することによって耐衝撃性が著しく高められ、(特に成形品の表面における)ポリアミドの疎水化が改善される。加工中の流動性および耐熱老化性(HAR)も同様に改善される。さらに、耐衝撃性改良剤が添加されるにもかかわらず光学特性(透明度、曇り度)はより良好である。
【0012】
それに応じて、冒頭で定義した成形材料が見出された。好ましい実施形態は、従属請求項に記載している。
【0013】
成分A)として、本発明による成形材料は、20〜99.9重量%、好ましくは30〜99.5重量%、特に30〜80重量%の少なくとも1種のポリアミドを含有し、ここで、部分結晶性ポリアミドが好ましい。
【0014】
本発明による成形材料のポリアミドは、一般的に、ISO307に従って25℃で96重量%硫酸中0.5重量%溶液中で測定して79.9〜350ml/g、有利には110〜240ml/gの粘度数を有する。
【0015】
例えば米国特許第2071250号明細書(US patent document 2071250)、同第2071251号明細書(US patent document 2071251)、同第2130523号明細書(US patent document 2130523)、同第2130948号明細書(US patent document 2130948)、同第2241322号明細書(US patent document 2241322)、同第2312966号明細書(US patent document 2312966)、同第2512606号明細書(US patent document 2512606)および同第3393210号明細書(US patent document 3393210)に記載されているように、少なくとも5,000の分子量(重量平均値)を有する部分結晶性または非晶性樹脂が好ましい。
【0016】
それらの例は、7〜13個の環員を有するラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタムおよびポリラウリンラクタム、ならびにジカルボン酸とジアミンとの反応によって得られるポリアミドである。
【0017】
ジカルボン酸としては、6〜12個の炭素原子、特に6〜10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸が使用可能である。これらに関しては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸ならびにテレフタル酸および/またはイソフタル酸のみが酸として挙げられる。
【0018】
ジアミンとして特に適しているのは、6〜12個の炭素原子、特に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、およびm−キシリレンジアミン(例えば、BASF SEのUltramid(登録商標)X17、MXDAとアジピン酸の1:1モル比)、ジ−(4−アミノフェニル)−メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパンまたは1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンである。
【0019】
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチレン−セバシン酸アミドおよびポリカプロラクタム、および特に5〜95重量%の割合のカプロラクタム単位を有するコポリアミド6/66(例えばBASF SEのUltramid(登録商標)C31)である。
【0020】
さらに適切なポリアミドは、例えば独国特許出願公開第10313681号明細書(DE-A10313681)、欧州特許出願公開第1198491号明細書(EP-A1198491)および欧州特許出願公開第922065号明細書(EP922065)に記載されているように、例えばアミノカプロニトリル(PA6)などのω−アミノアルキルニトリルおよびアジポジニトリルとヘキサメチレンジアミン(PA66)とから、水の存在下におけるいわゆる直接重合によって得られる。
【0021】
それ以外に、例えば、高温で1,4−ジアミノブタンをアジピン酸と縮合させることによって得られるポリアミド(ポリアミド4,6)も言及されている。この構造を有するポリアミドの製造方法は、例えば欧州特許出願公開第38094号明細書(EP-A38094)、欧州特許出願公開第38582号明細書(EP-A38582)および欧州特許出願公開第39524号明細書(EP-A39524)に記載されている。
【0022】
さらに、上記モノマーの2種以上の共重合によって得られるポリアミド、または混合比を任意とする複数のポリアミドの混合物が適している。ポリアミド66と他のポリアミド、特にコポリアミド6/66との混合物が特に好ましい。
【0023】
さらに、0.5重量%未満、有利には0.3重量%未満のトリアミン含有量を有する部分芳香族コポリアミド、例えばPA6/6TおよびPA66/6Tが特に有利であることが判明した(欧州特許出願公開第299444号明細書(EP-A299444)を参照)。更なる高温耐性ポリアミドは、欧州特許出願公開第1994075号明細書(EP-A1994075)から知られている(PA6T/6I/MXD6)。
【0024】
低トリアミン含有量を有する好ましい部分芳香族コポリアミドの製造は、欧州特許出願公開第129195号明細書(EP-A129195)および同第129196号明細書(EP-A129196)に記載されている方法に従って行うことができる。
【0025】
以下の非網羅的なリストには、本発明の文脈における列挙されたポリアミドおよび更なるポリアミドA)ならびに存在するモノマーも含まれる。
【0026】
ABポリマー:
PA4 ピロリドン
PA6 ε−カプロラクタム
PA7 エタノラクタム
PA8 カプリルラクタム
PA9 9−アミノペルルゴン酸
PA11 11−アミノウンデカン酸
PA12 ラウリンラクタム
AA/BBポリマー:
PA46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA9T 1,9−ノナンジアミン、テレフタル酸
PAMXD6 m−キシリレンジアミン、アジピン酸
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA6/6T(PA6およびPA6Tを参照)
PA6/66(PA6およびPA66を参照)
PA6/12(PA6およびPA12を参照)
PA66/6/610(PA66、PA6およびPA610を参照)
PA6I/6T(PA6IおよびPA6Tを参照)
PAPACM12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム
PA6I/6T/PACM 例えばPA6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PAPDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸
【0027】
成分B)として、本発明による成形材料は、180℃〜250℃の温度で10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテン(B1)とマレイン酸またはその誘導体(B2)とを、ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり少なくとも2当量のマレイン酸またはその誘導体(B2)、ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり好ましくは2当量超、特に好ましくは少なくとも2.5当量、非常に好ましくは少なくとも3当量、特に少なくとも3.5当量、特に少なくとも4当量のマレイン酸またはその誘導体の化学量論比において、少なくとも15分〜10時間の継続時間および10バールまでの正圧で反応させることによって得られるアルケニルコハク酸誘導体0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜25重量%、特に2〜22重量%を含有し、ここで、該誘導体は、無水物、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルおよび混合エステルからなる群から選択されており、反応性二重結合は、ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の合計である。
【0028】
本発明による方法によって、10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテンのコハク酸誘導体が初めて得られることになる。
【0029】
ここで、「ポリイソブテンのコハク酸誘導体」という用語は、より狭義の意味でのポリイソブテンとマレイン酸およびその誘導体との反応生成物だけでなく、より広義の意味ではこれらから得られるかまたはポリイソブテンとα、β−不飽和モノカルボン酸もしくはその誘導体もしくはマレイン酸以外のα、β−不飽和ジカルボン酸もしくはその誘導体との反応から得られる生成物も意味する。なぜなら、モノカルボン酸は、多くの場合、例えば脱カルボキシル化によってジカルボン酸から得られるからである。
【0030】
本発明による方法で使用可能なポリマー(A)は、ここでは「ポリイソブテン」と総称される、イソブテンホモポリマーまたはイソブテン含有コポリマーであり、これらはそれぞれのモノマー混合物から次のようにして得られる。
【0031】
重合されるべきモノマーとしてイソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物を使用するための適切なイソブテン源として、純粋なイソブテンだけでなく、イソブテン含有C炭化水素流、例えばCラフィネート、特に「ラフィネート1」、イソブタン脱水素化からのCカット、スチームクラッカーおよびFCCクラッカー(流動接触分解)からのCカットも挙げられるが、ただし、これらはその中に存在する1,3−ブタジエンをほぼ含まない。FCC製油ユニットからのC炭化水素流は、「b/b」流としても知られている。更なる適切なイソブテン含有C炭化水素流は、例えば、プロピレン−イソブタン−同時酸化の生成物流またはメタセシスユニットからの生成物流であり、これらの生成物流は、一般に通常の精製および/または濃縮後に用いられる。適切なC炭化水素流は、一般に500ppm未満、有利には200ppm未満のブタジエンを含む。1−ブテンならびにシス−およびトランス−2−ブテンの存在はほぼ重要でない。典型的には、上記C炭化水素流中のイソブテン濃度は40〜60重量%の範囲にある。したがって、ラフィネート1は、一般に、本質的に30〜50重量%のイソブテン、10〜50重量%の1−ブテン、10〜40重量%のシス−およびトランス−2−ブテンならびに2〜35重量%のブタンからなる。続く重合工程において、ラフィネート1中の非分枝状ブテンは、一般に実質的に不活性であり、イソブテンのみが重合される。
【0032】
好ましい実施形態において、重合に用いられるモノマー源は、1〜100重量%、特に1〜99重量%、とりわけ1〜90重量%、特に好ましくは30〜60重量%のイソブテン含有量を有する工業用C炭化水素流、特にラフィネート1流、FCC製油ユニットからのb/b流、プロピレン−イソブタン−同時酸化の生成物流またはメタセシスユニットからの生成物流である。
【0033】
特に、イソブテン源としてラフィネート1流を使用する場合、単独の開始剤として、または更なる開始剤として水を使用することが、とりわけ重合を−20℃〜+30℃、特に0℃〜+20℃の温度で行う場合に有用であることが証明された。しかしながら、−20℃〜+30℃、特に0℃〜+20℃の温度において、イソブテン源としてラフィネート1流を使用した場合には開始剤の使用を避けることも可能である。
【0034】
上記イソブテン含有モノマー混合物は、収率または選択性の臨界損失を引き起こすことなく、水、カルボン酸または鉱酸などの少量の汚染物質を含み得る。例えば、活性炭、モレキュラーシーブまたはイオン交換体などの固体吸着剤への吸着によって、イソブテン含有モノマー混合物からそのような有害物質を除去することで、これらの不純物の蓄積を回避することが目的に適っている。
【0035】
イソブテン/イソブテン含有炭化水素混合物のモノマー混合物を、イソブテンと共重合可能なオレフィン系不飽和モノマーと反応させることも可能である。イソブテンと適切なコモノマーとのモノマー混合物を共重合させる場合、モノマー混合物は、有利には少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%のイソブテン、かつ有利には最大で95重量%、特に好ましくは最大で90重量%、特に最大で80重量%のコモノマーを含む。
【0036】
考慮に入れられる共重合可能なモノマーは、ビニル芳香族化合物、例えばスチレンおよびα−メチルスチレン、C〜C−アルキルスチレン、例えば2−、3−および4−メチルスチレンならびに4−tert−ブチルスチレン、ハロスチレン、例えば2−、3−または4−クロロスチレン、ならびに5〜10個の炭素原子を有するイソオレフィン、例えば2−メチルブテン−1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1、2−エチルヘキセン−1および2−プロピルヘプテン−1である。さらに、コモノマーとして考慮に入れられるのは、シリル基を有するオレフィン、例えば1−トリメトキシシリルエテン、1−(トリメトキシシリル)−プロペン、1−(トリメトキシシリル)−2−メチルプロペン−2、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]−エテン、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]−プロペン、および1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]−2−メチルプロペン−2−である。さらに、重合条件に応じて、コモノマーとしてイソプレン、1−ブテンならびにシス−およびトランス−2−ブテンも考慮に入れられる。この方法は、ランダムポリマーまたは好ましくはブロックコポリマーを優先的に形成するように構成することもできる。ブロックコポリマーを製造するために、例えば、異なるモノマーを逐次的に重合反応に供給することができ、この場合、特に第2のコモノマーの添加は、第1のコモノマーが既に少なくとも部分的に重合された段階で初めて行われる。このようにして、ジブロックコポリマーおよびトリブロックコポリマーだけでなく、モノマー添加の順序に応じて、末端ブロックとして1つのコモノマーまたは別のコモノマーのブロックを有する高級ブロックコポリマーも得ることが可能になる。しかしながら、すべてのコモノマーが同時に重合反応に供給されるが、それらのうちの1つが他のものよりも著しく速く重合したときにもブロックコポリマーを形成することが場合によってはある。これは、本発明による方法において、イソブテンとビニル芳香族化合物、特にスチレンが共重合される場合に特に当てはまる。これにより、有利には末端ポリスチレンブロックを有するブロックコポリマーが形成する。これは、ビニル芳香族化合物、特にスチレンがイソブテンよりも著しくゆっくりと重合するという事実に起因する。
【0037】
重合は連続式または回分式で行うことができる。連続方法は、ルイス酸、好ましくは三フッ化ホウ素または三塩化アルミニウムまたは塩化アルキルアルミニウムを基礎とする触媒の存在下でのイソブテンの連続重合のための既知の従来技術の方法と同様に液相中で実施することができる。
【0038】
本発明の文脈において、「反応性二重結合」または「ビニリデン結合」は、末端、いわゆるα−およびβ−二重結合(の合計)を意味する。これらは以下の構造要素(ここではイソブテンホモポリマーの例を用いて表した)によって特徴付けられる:
【化1】
【0039】
α−およびβ−二重結合の合計に基づく、本発明に従って使用可能なイソブテンホモポリマーまたはコポリマー中の反応性二重結合の割合は、30〜100モル%、好ましくは40〜97モル%、特に好ましくは50〜95モル%、非常に好ましくは55〜93モル%、特に60〜90モル%であり得る。
【0040】
ポリイソブテン(B1)中のα−:β−二重結合の分布は、一般に90:10〜10:90、好ましくは20:80〜80:20、特に好ましくは30:70〜70:30、非常に好ましくは65:35〜35:65、特に60:40〜40:60である。
【0041】
α−およびβ−二重結合の割合と同様にα−:β−二重結合の分布も、ポリイソブテン(B1)の製造に依存する。
【0042】
二重結合の含有量は、An−Ru Guo,Xiao−Jian Yang,Peng−Fei Yan,Yi−Xian Wu,Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry 2013,51,第4200頁〜第4212頁;特に第4205頁および第4206頁中の図5に記載されているH−NMR法に従って測定され、それぞれの構造に割り当てられる。
【0043】
ビニリデン基は、例えば、無水マレイン酸などの立体的に要求の高い反応相手への熱付加において最も高い反応性を示すが、ほとんどの場合、高分子のさらに内側に位置する二重結合は官能化反応において反応性を示さないかより低い反応性を示す。
【0044】
ビニリデン基の中では、α−二重結合がβ−二重結合よりも迅速かつ容易に反応することが頻繁にあり、その結果、反応混合物中で、反応の過程においてまずα−二重結合の反応の反応生成物がβ−二重結合の反応生成物よりも多く形成される。これは、α−二重結合を変換させるよりもβ−二重結合を変換させるのに、より厳しい反応条件が必要になるという結果をもたらし得る。
【0045】
本発明による方法において使用可能なポリイソブテンの数平均分子量Mは、10,000〜50,000である。
【0046】
有利には、少なくとも12,000g/mol、特に好ましくは少なくとも15,000g/mol、非常に好ましくは少なくとも17,000g/mol、特に少なくとも20,000g/molの分子量Mを有するポリイソブテンを用いることができる。
【0047】
ポリイソブテンの分子量Mは、好ましくは48,000g/molまで、特に好ましくは45,000g/molまで、非常に好ましくは40,000g/molまで、特に35,000g/molまでであり得る。
【0048】
多分散度M/Mは、1.05〜10、有利には1.1〜8、特に好ましくは1.2〜7、非常に好ましくは1.3〜6、特に好ましくは1.4〜5であり得る。
【0049】
重量平均分子量Mは、Mおよび多分散度に関するこれらのデータから算出することができる。
【0050】
本発明によれば、ポリイソブテン(B1)の反応相手は、マレイン酸およびその誘導体(B2)である。
【0051】
ここで、誘導体は、
− モノマー形またはポリマー形の対応する無水物、
− モノ−もしくはジアルキルエステル、好ましくはモノ−もしくはジ−C〜C−アルキルエステル、特に好ましくはモノ−もしくはジメチルエステルまたは対応するモノ−もしくはジエチルエステル、ならびに
− 混合エステル、好ましくは異なるC〜C−アルキル成分を有する混合エステル、特に好ましくは混合メチルエチルエステル
を意味する。
【0052】
好ましくは、誘導体は、モノマー形の無水物またはジ−C〜C−アルキルエステル、特に好ましくはモノマー形の無水物である。
【0053】
本明細書の文脈において、C〜C−アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、好ましくはメチルおよびエチル、特に好ましくはメチルを意味する。
【0054】
ジカルボン酸(B2)の例は、マレイン酸およびその誘導体である。
【0055】
特に、反応相手(B2)は、無水マレイン酸である。
【0056】
成分(B2)対ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合のモル比は、本発明によれば、少なくとも2:1、特に好ましくは少なくとも2.5:1、非常に好ましくは少なくとも3:1、特に少なくとも3.5:1、特に少なくとも4:1である。
【0057】
成分(B2)対ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合のモル比が30:1を超えると、一般に利点が得られず、好ましくは、この比は、25:1まで、特に好ましくは20:1まで、非常に好ましくは18:1までである。
【0058】
過剰の成分(B2)は、一般に蒸留または昇華によって容易に除去することができる。このようにして回収された過剰の成分(B2)は、次いで更なる反応において再使用することができる。
【0059】
本発明による反応は、一般に180℃〜250℃、好ましくは190℃〜240℃、特に好ましくは200℃〜230℃の温度で実施される。
【0060】
成分(B2)としての無水マレイン酸は約202℃で沸騰するので、反応は、200℃を上回る温度、好ましくは190℃を上回る温度、特に好ましくは180℃を上回る温度において、少なくとも自生圧力下で、好ましくは僅かに正圧下で実施される。
【0061】
この圧力は、少なくとも100ミリバール、好ましくは少なくとも200ミリバール、特に好ましくは少なくとも500ミリバール、特に少なくとも1バールであるべきである。
【0062】
一般に10バールまで、好ましくは8バールまで、特に好ましくは7バールまで、非常に好ましくは5バールまでの正圧で十分である。
【0063】
好ましくは、反応は不活性雰囲気下で実施され、特に好ましくは、窒素または二酸化炭素雰囲気が使用される。
【0064】
本発明による反応の継続時間は、温度に応じて、少なくとも15分、好ましくは少なくとも30分、特に好ましくは少なくとも45分、非常に好ましくは少なくとも60分であるべきである。特に、反応継続時間は少なくとも2時間であるべきである。
【0065】
一般に、かつ温度に応じて、反応は10時間以内に、好ましくは8時間以内に、特に好ましくは7時間以内に完了するべきである。
【0066】
本発明の1つの可能な実施形態において、反応は更なる溶媒なしで実施される。これは、大過剰の成分(B2)が用いられ、かつ反応が液状または溶融成分(B2)の溶融物中で実施され得る場合に好ましい。
【0067】
しかしながら、好ましい実施態様において、反応は、当然のことながら反応条件下でポリイソブテンおよび/または成分(B2)と実質的な反応を好ましくは示すべきではない溶媒中で行われる。溶媒は、好ましくは炭化水素または炭化水素混合物、カルボン酸エステル、エーテルまたはケトン、特に好ましくは炭化水素または炭化水素混合物である。
【0068】
好ましい芳香族炭化水素混合物は、主に芳香族C〜C14炭化水素を含み、110℃〜300℃の沸点範囲を包含し得るものであり、トルエン、o−、m−またはp−キシレン、トリメチルベンゼン異性体、テトラメチルベンゼン異性体、エチルベンゼン、クメン、テトラヒドロナフタレンおよびこれらの化合物を含む混合物が特に好ましい。
【0069】
これらの例は、ExxonMobil Chemical社のSolvesso(登録商標)ブランド、特にSolvesso(登録商標)100(CAS番号64742−95−6、主にCおよびC10芳香族化合物、約154℃〜178℃の沸点範囲)、Solvesso(登録商標)150(約182℃〜207℃の沸点範囲)およびSolvesso(登録商標)200(CAS番号64742−94−5)、ならびにShell社のShellsol(登録商標)ブランド、Petrochem Carless社のCaromax(登録商標)(例えば、Caromax(登録商標)18)およびDHC社のHydrosol(例えば、Hydrosol(登録商標)A170)である。パラフィン、シクロパラフィンおよび芳香族化合物の炭化水素混合物は、Kristalloel(例えば、Kristalloel30、約158℃〜198℃の沸点範囲またはKristalloel60:CAS番号64742−82−1)、ホワイトスピリット(例えば、同様にCAS番号64742−82−1)またはソルベントナフサ(軽質:約155℃〜180℃の沸点範囲、重質:約225℃〜300℃の沸点範囲)の名称でも市販されている。このような炭化水素混合物の芳香族化合物含有量は、一般に90重量%超、好ましくは95重量%以上、特に好ましくは98重量%超、非常に好ましくは99重量%超である。ナフタレンの含有量が特に少ない炭化水素混合物を用いることが有利であり得る。
【0070】
(環式)脂肪族炭化水素は、例えば、デカリン、アルキル化デカリンならびに直鎖もしくは分枝状アルカンおよび/またはシクロアルカンの異性体混合物である。
【0071】
好ましい実施形態では、用いられる溶媒は、標準圧力で少なくとも140℃の沸点を有する。
【0072】
本発明の好ましい実施形態において、反応は、反応容積が液体反応混合物によって少なくとも50%が、好ましくは少なくとも60%が、特に好ましくは少なくとも66%が、非常に好ましくは少なくとも75%が、特に少なくとも90%が、特に完全に占められている反応器中で実施される。
【0073】
これは、反応温度で反応相手の無水マレイン酸が液体反応混合物中に残留し、それらのごく一部のみが気相中に逃げることができ、その結果、反応混合物中の成分(B2)の利用可能性が高められるという利点を有する。
【0074】
更なる好ましい実施形態において、前記反応器は、低レベルの逆混合または逆混合のないことを示す。この搬送特性は、少なくとも3、好ましくは少なくとも5、特に好ましくは少なくとも7のボーデンシュタイン数によって特徴付けられる。
【0075】
このような装置の好ましい実施形態は、場合によっては強制排出手段を備えた、冷却ゾーンを有するかまたは好ましくは有しないパドル乾燥機である。
【0076】
本発明に従って使用可能なそのようなパドル乾燥機は、温度の急激な低下を引き起こさないようにするために、加熱ゾーンと冷却ゾーンに分けられないことが好ましい。その代わりに、残留物の温度は、残留物が装置を通過する過程で上昇し、好ましくは残留物が装置を通過する過程で50℃以下で変化する温度勾配に従って上昇し、特に好ましくは残留物が装置を通過する過程で実質的な温度変化がなく、すなわち20℃未満、特に10℃未満で変化する。
【0077】
このようなパドル乾燥機は、実質的に水平に構成されており、残留物の搬送は、一般に装置の内部の1本または2本の混合および混練シャフトを介して行われる。技術文献では、これらの装置は、粒子床反応器、混練乾燥機または混練反応器とも呼ばれる。
【0078】
パドル乾燥機が軸方向に強制搬送手段を有することが好ましい。強制搬送は、例えば、搬送要素の表面を傾斜させることによって達成される。
【0079】
装置を通る軸方向の移送は、好ましくは、搬送要素、混練要素および/または混合要素、例えばディスク要素、シャフト、スクリュー、ブレード、ワイパーまたはローターの配置を介して行ってもよい。
【0080】
パドル乾燥機中の滞留時間分布を狭めるために、生成物を案内する内部をバッフル状のプレートで様々なセグメントに分離することが好ましい。特に好ましくは、少なくとも2つのプレートが用いられる。
【0081】
加熱は壁を介して行われ、任意の方法で行うことができる。好ましくは、加熱は装置の外壁を介してだけでなく、洗浄フック、分割プレートおよび混練シャフトなどの内部構造物を介しても行われる。
【0082】
壁を介して反応器内容物に入力される熱エネルギーは、通常、反応器内容物1kgあたり120kJ超かつ反応器内容物1kgあたり2400kJ未満、好ましくは反応器内容物1kgあたり220kJ超かつ反応器内容物1kgあたり1800kJ未満、特に好ましくは反応器内容物1kgあたり300kJ超かつ反応器内容物1kgあたり1400kJ未満、非常に好ましくは反応器内容物1kgあたり360kJ超かつ反応器内容物1kgあたり900kJ未満である。
【0083】
パドル乾燥機に送り込まれる反応混合物の加熱距離は、好ましくはパドル乾燥機の全長の10%超70%未満、好ましくは20%超60%未満、特に好ましくはパドル乾燥機の全長の30%超50%未満である。
【0084】
一般に、装置中で十分な機械的エネルギー入力は、5W/kg以上、好ましくは10W/kg以上、特に好ましくは20W/kg以上、非常に好ましくは40W/kg以上、特に80W/kg以上、特に100W/kg以上である。一般に、200W/kg超のエネルギー入力は利点をもたらさない。ここで、報告される比入力は、装置中の反応混合物の量あたりの入力である。
【0085】
さらに、パドル乾燥機が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、非常に好ましくは少なくとも70%の内側の生成物接触表面、特に少なくとも80%のこれらの内側の生成物接触表面の強制洗浄を有することが有利である。強制洗浄は、搬送要素を外壁に近づけることによって/洗浄フックを搬送要素に近づけることによって保証される。
【0086】
このような装置は、例えば、List AG社(Arisdorf、Switzerland)からDiscotherm(登録商標)BまたはList−CRPもしくはAPの商品名で、ならびにBuss−SMS−Canzler GmbH社(Butzbach、Germany)からReasol(登録商標)またはReactotherm(登録商標)の名称で入手可能である。
【0087】
任意に、反応排出物の強制排出のための排出手段、例えば、スクリュー、好ましくは二軸スクリューが存在していてもよい。
【0088】
しかしながら、たいていの場合、装置の機械的搬送手段は、反応混合物を装置から排出するのに十分である。
【0089】
任意に、副反応を抑制するための安定剤、好ましくは、欧州特許出願公開第156310号明細書(EP156310A2)に記載されているものを反応混合物に添加してもよい。
【0090】
これらの添加剤は、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはアルミニウムのアルコキシド、好ましくはC〜C−アルコキシドである。このような化合物は自体既知であり、入手可能である。特に適切なアルコキシドは、以下の化合物である:チタン(IV)ブトキシド=Ti(CO)、チタン(IV)i−ブトキシド=Ti[(CHCHCHO]、チタン(IV)エトキシド=Ti(CO)、チタン(IV)i−プロポキシド=Ti(OC、チタン(IV)n−プロポキシド=Ti(CO)、ジルコニウムn−ブトキシド−ブタノール錯体=(CO)Zr・COH、ジルコニウム−i−プロポキシド=Zr(OC)=COH、ジルコニウム−n−プロポキシド=Zr(OC、バナジウム(V)トリ−n−ブトキシド−オキシド=VO(OC、バナジウム(V)トリエトキシド−オキシド=VO(OC、バナジウム(V)トリ−i−プロポキシドオキシド=VO(OC、バナジウム(V)トリス−n−プロポキシド−オキシド=VO(OC、アルミニウム−i−ブトキシド=Al(OC、アルミニウム−n−ブトキシド=Al(OC、アルミニウム−s−ブトキシド=Al(OC、アルミニウム−t−ブトキシド=Al(OCまたはアルミニウム−i−プロポキシド=Al(OCである。
【0091】
言及したアルコキシドは、液体状態で、場合によっては対応するアルコールとの錯体化合物として存在し、この形態で本発明による反応において使用される。それらは、95〜99重量%の純度で用いられ、アルミニウムのアルコキシドの場合には90〜99重量%の純度で用いられる。使用されるべきアルコキシドは、反応混合物中に可溶性である。
【0092】
安定剤は、用いられるオレフィンを基準として1〜5000重量ppm、好ましくは5〜1000重量ppm、特に好ましくは10〜500重量ppm、非常に好ましくは25〜300重量ppmの量で用いられる。
【0093】
好ましい実施態様において、本発明による方法において更なる安定剤は用いられない。
【0094】
ここに例示したポリイソブテンホモポリマーと無水マレイン酸との反応においては、ポリマーあたり1個より多い無水コハク酸基を有する化合物が、特にポリイソブテンに対する無水マレイン酸の比較的高いモル比で副生成物として形成し得る。これらの生成物は、α−またはβ−二重結合から出発して異なる構造を有する:
【化2】
【0095】
これらの反応スキームにおいて、nは、176〜890、好ましくは214〜855、特に好ましくは265〜801、非常に好ましくは301〜712、特に355〜623の自然数である。
【0096】
したがって、本発明の対象はまた、ポリイソブテンホモポリマーまたはイソブテン含有コポリマーと無水マレイン酸との反応によって得られ、上記の2つの反応スキームに示される、少なくとも1個の無水コハク酸基を有する生成物の少なくとも1種を含む反応混合物である。
【0097】
より高度にマレイン化された成分対モノマレイン化された成分の比は、「ビスマレイン化度」(BML)によって報告され得る。BMLは自体公知であり(米国特許第5,883,196号明細書(US 5,883,196)も参照)、以下の式によって決定することができる。
BML=100%×[(重量%(BM PIBSA)/(重量%(BM PIBSA)+重量%(PIBSA))]
式中、重量%(X)は、ポリイソブテンと無水マレイン酸との反応生成物における成分X(X=PIBSA(モノマレイン化ポリイソブテン)またはBM PIBSA(ビスマレイン化ポリイソブテン以上))のそれぞれの重量割合を表す。
【0098】
ビスマレイン化度は、サンプルのDIN 53401:1988−06に従った鹸化価から計算するのが好ましい。この場合、サンプルは、適切な溶媒、好ましくはトルエンとエタノールの2:1混合物に溶解することが必要な場合がある。
【0099】
ここで留意すべきことは、より高度にマレイン化された成分対モノマレイン化された成分の比のみが引き合いに出されるのに対して、反応混合物中に存在する未反応ポリイソブテン、例えば反応性二重結合を含まないポリイソブテンは、ビスマレイン化度の決定に関与しないことである。したがって、反応混合物は、未反応ポリイソブテンを含むこともでき、これは、たいていの場合、反応性二重結合を含まない使用ポリイソブテン中での割合に相当するが、反応性二重結合を含むポリイソブテン中の割合は、好ましくは完全にまたはほぼ完全に反応する。
【0100】
したがって、反応混合物中に存在する未反応ポリイソブテンの割合は、一般に、本発明に従って使用可能なイソブテンホモポリマーまたはコポリマー中の反応性二重結合の100から上記の特定の割合を引いたものに相当する。
【0101】
未反応ポリイソブテンに対するマレイン化成分の割合を決定するために、反応混合物をn−ヘプタンに溶解し、シリカゲル60を含むカラムにかけ、溶出液中にもはや生成物が存在しなくなるまでn−ヘプタンで溶出する。マレイン化成分は溶出されないので、カラムクロマトグラフィーを使用して、未反応ポリイソブテンをマレイン化成分から分離する。蒸留により溶媒を除去した後、秤量することによって反応混合物中のマレイン化成分の重量割合を決定する。
【0102】
上記式は、無水マレイン酸以外の成分(B2)にも同様に適用することができ、単純化するために、ここでは無水マレイン酸以外の成分(B2)についても同様にビスマレイン化度と呼ぶ。
【0103】
本発明による方法の反応条件下では、20%まで、好ましくは15%まで、または15%未満、例えば14%、13%、12%もしくは10%;または10%以下、例えば2%〜9%、3%〜8%、4%〜7%、5%もしくは6%のビスマレイン化度が得られる。
【0104】
しかしながら、ビスマレイン化度は、一般に少なくとも1%、好ましくは2%〜9%、特に3%〜8%または4%〜7%である。
【0105】
成分C)として、本発明による成形材料は、60重量%まで、有利には50重量%までの更なる添加物質を含み得る。
【0106】
繊維状または粒状の充填剤C)としては、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスビーズ、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、チョーク、粉末石英、雲母、硫酸バリウムおよび長石が挙げられ、これらは1〜50重量%、特に5〜40重量%、有利には10〜40重量%の量で用いられる。
【0107】
好ましい繊維状充填剤としては、炭素繊維、アラミド繊維およびチタン酸カリウム繊維が挙げられ、ここで、E−ガラスの形態のガラス繊維が特に好ましい。これらはロービングまたはチョップドガラスとして市販されている形で用いることができる。
【0108】
繊維状充填剤は、熱可塑性樹脂との相溶性を改良するためにシラン化合物で表面前処理されていてもよい。
【0109】
適切なシラン化合物は、一般式
(X−(CH−Si−(O−C2m+14−k
[式中、置換基は、以下の意味を有する:
Xは、NH−、
【化3】
HO−、
nは、2〜10、好ましくは3〜4の整数、
mは、1〜5、好ましくは1〜2の整数、
kは、1〜3の整数、好ましくは1]の化合物である。
【0110】
好ましいシラン化合物は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシランおよび置換基Xとしてグリシジル基を含む対応するシランである。
【0111】
シラン化合物は、一般的に(Cを基準として)0.01〜2重量%、有利には0.025〜1.0重量%、特に0.05〜0.5重量%の量で表面被覆のために用いられる。
【0112】
針状鉱物充填剤も適している。
【0113】
本発明の文脈において、針状鉱物充填剤は、特に著しい針状特性を有する鉱物充填剤を意味する。例として針状珪灰石が挙げられる。有利には、鉱物のL/D(長さ対直径)比は、8:1〜35:1、好ましくは8:1〜11:1である。鉱物充填剤は、場合によっては上記シラン化合物で前処理されていてもよい。しかしながら、前処理は必須の要件ではない。
【0114】
更なる充填剤としては、カオリン、焼成カオリン、珪灰石、タルクおよびチョークならびにさらに好ましくは0.1〜10%の量の層状または針状ナノ充填剤が挙げられる。このために、好ましくはベーマイト、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミキュライトおよびヘクトライトが用いられる。層状ナノ充填剤と有機結合剤との間の良好な相溶性を得るために、層状ナノ充填剤は、先行技術に従って有機修飾されている。本発明によるナノ複合材料への層状または針状ナノ充填剤の添加は、機械的強度の更なる向上をもたらす。
【0115】
成分C)として、本発明による成形材料は、0.05〜3重量%、有利には0.1〜1.5重量%、特に0.1〜1重量%の潤滑剤を含み得る。
【0116】
10〜44個の炭素原子、有利には12〜44個の炭素原子を有するAl塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または脂肪酸のエステルもしくはアミドが好ましい。
【0117】
金属イオンは、有利にはアルカリ土類金属およびAlであり、ここで、CaまたはMgが特に好ましい。
【0118】
好ましい金属塩は、ステアリン酸カルシウムおよびモンタン酸カルシウムならびにステアリン酸アルミニウムである。
【0119】
様々な塩の混合物を任意の混合比で用いることも可能である。
【0120】
カルボン酸は、1価または2価であり得る。例としては、ペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカン二酸、ベヘン酸、特に好ましくはステアリン酸、カプリン酸およびモンタン酸(30〜40個の炭素原子を有する脂肪酸の混合物)が挙げられる。
【0121】
脂肪族アルコールは、1価〜4価であり得る。アルコールの例は、n−ブタノール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールであり、ここで、グリセロールおよびペンタエリスリトールが好ましい。
【0122】
脂肪族アミンは、1価〜3価であり得る。これらの例として、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ(6−アミノヘキシル)アミンが挙げられ、ここで、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。それに応じて、好ましいエステルまたはアミドは、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、エチレンジアミンジステアレート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルトリラウレート、グリセリルモノベヘネートおよびペンタエリスリトールテトラステアレートである。
【0123】
異なるエステルもしくはアミドの混合物またはエステルとアミドとを任意の混合比で組み合わせて用いることも可能である。
【0124】
適切な立体障害フェノールC)は、原則として、フェノール構造を有し、フェノール環上に少なくとも1個の立体的に要求の高い基を有するすべての化合物である。
【0125】
有利には、例えば、式
【化4】
の化合物が考慮に入れられ、式中、
およびRは、アルキル基、置換アルキル基または置換トリアゾール基であり、ここで、基RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基または置換アミノ基である。
【0126】
上述のタイプの酸化防止剤は、例えば、西独国特許出願公開第2702661号明細書(DE-A2702661)(米国特許第4360617号明細書(US-4360617))に記載されている。
【0127】
好ましい立体障害フェノールの更なる群は、置換ベンゼンカルボン酸、特に置換ベンゼンプロピオン酸から誘導される。
【0128】
このクラスからの特に好ましい化合物は、式
【化5】
[式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、置換されていてもよいC〜Cアルキル基(それらのうちの少なくとも1つは立体的に要求の高い基である)であり、かつRは、炭素原子1〜10個を有し、主鎖中にC−O結合を有していてもよい二価脂肪族基である]の化合物である。
【0129】
この式に相当する好ましい化合物は、
【化6】
(BASF SE社のIrganox(登録商標)245)
【化7】
(BASF SE社のIrganox(登録商標)259)
である。
【0130】
立体障害フェノールとしては、全体として例示的に以下のものが挙げられる:
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジステアリル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタ−4−イルメチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリルチオトリアジルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ)−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン。
【0131】
特に効果的であることが証明され、したがって有利には使用される化合物は、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox(登録商標)259)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]ならびにN,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)およびBASF SE社の上記のIrganox(登録商標)245であり、これが特に適している。
【0132】
個々にまたは混合物として用いることができる酸化防止剤C)は、成形材料A)〜C)の全重量を基準として0.05〜3重量%、有利には0.1〜1.5重量%、特に0.1〜1重量%の量で含まれている。
【0133】
いくつかの場合においては、フェノール性ヒドロキシ基に対してオルト位に1個以下の立体障害基を有する立体障害フェノールが、特に拡散光における長期間にわたる貯蔵時に耐変色性を評価した場合に特に有利であることが判明した。
【0134】
成分C)として、本発明による成形材料は、0.05〜5重量%、有利には0.1〜2重量%、特に0.25〜1.5重量%のニグロシンを含み得る。
【0135】
ニグロシンは、一般的に、様々な実施形態(水溶性、脂溶性、ガソリン可溶性)における一群の黒色または灰色の、インジュリンに関連したフェナジン染料(アジン染料)を意味し、これらは、羊毛染色および捺染、絹の黒色染色、革、靴クリーム、ワニス、プラスチック、焼付けコーティング、インクなどの染色において、ならびに顕微鏡染料として使用される。
【0136】
ニグロシンは、ニトロベンゼン、アニリンおよびアニリン塩酸塩を金属鉄およびFeClと加熱することによって工業的に得られる(ラテン語niger=黒に由来する)。
【0137】
成分C)は遊離塩基として、あるいは塩(例えば塩酸塩)として用いることができる。
【0138】
ニグロシンに関する更なる詳細は、例えば、電子百科事典Roempp Online,Version2.8、Thieme−Verlag Stuttgart,2006,キーワード「Nigrosin」に見出すことができる。
【0139】
成分C)として、本発明による成形材料は、0〜20重量%、有利には1〜15重量%、特に5〜15重量%の赤リンまたは/および窒素含有難燃剤、有利にはメラミン化合物を含み得る。
【0140】
適切な化合物(しばしば塩または付加物とも呼ばれる)は、硫酸メラミン、メラミン、ホウ酸メラミン、シュウ酸メラミン、リン酸メラミン(prim.)、リン酸メラミン(sec.)、ピロリン酸メラミン(sec.)、ネオペンチルグリコールホウ酸メラミンおよびポリマーメラミンホスフェート(CAS番号56386−64−2および218768−84−4)である。
【0141】
成分C)として、本発明による熱可塑性成形材料は、通常用いられる加工助剤、例えば安定剤、酸化防止剤、熱劣化および紫外線劣化に対する試剤、滑剤および離型剤、着色剤、例えば染料および顔料、核剤、可塑剤などを含み得る。
【0142】
酸化防止剤および熱安定剤の例は、熱可塑性成形材料の重量を基準として1重量%までの濃度の立体障害フェノールおよび/または亜リン酸エステルおよびアミン(例えばTAD)、ヒドロキノン、芳香族第二級アミン、例えばジフェニルアミン、これらの群の種々の置換された代表物質およびそれらの混合物である。
【0143】
成形材料を基準として一般的に2重量%までの量で使用されるUV安定剤として、種々の置換レゾルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノンが挙げられる。
【0144】
添加することができる着色剤としては、無機顔料、例えば二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄およびカーボンブラック、さらに有機顔料、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレンならびに染料、例えばアントラキノンが挙げられる。
【0145】
使用可能な核剤としては、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、好ましくはタルクが挙げられる。
【0146】
本発明による熱可塑性成形材料は、スクリュー押出機、ブラベンダーミルまたはバンバリーミルなどの慣用の混合装置中で出発成分を混合し、引き続き押し出すことによる自体公知の方法に従って製造することができる。押出し後、押出し物を冷却して粉砕することができる。個々の成分を予備混合し、次いで残りの出発物質を個々に、かつ/または同様に混合物の形態で添加することも可能である。混合温度は、一般に230℃〜320℃である。
【0147】
更なる好ましい手法では、成分B)および場合によってはC)をプレポリマーと混合し、配合し、ペレット化することができる。引き続き、得られたペレット化材料を、成分A)の融点を下回る温度で、固相において不活性ガス下で連続式または回分式に所望の粘度まで凝縮させる。
【0148】
本発明に従って使用可能な成形材料は、改善された透明性および/または良好な鮮明度(透明度)を示す任意の種類の成形品を製造するのに適している。
【0149】
流動性および機械的特性、WABおよび吸湿性は著しく改善されている。したがって、それらは、例えば自動車、電子機器、電気通信、情報技術、コンピューター、家庭、スポーツ、医療または娯楽分野における用途のためのカバー、ハウジング、付属部品およびセンサー用の材料に特に適している。
【0150】

以下の成分を使用した:
成分A1
ISO307に従って25℃で96重量%硫酸中0.5重量%溶液として測定して、150ml/gの粘度数IVを有するポリアミド6(BASF SEのUltramid(登録商標)B27を使用した)
【0151】
成分A2
ISO307に従って25℃で96重量%硫酸中0.5重量%溶液として測定して、125ml/gの粘度数IVを有するポリアミド66(BASF SEのUltramid(登録商標)A24を使用した)
【0152】
成分B1V
約17,000の分子量Mならびに40%のα−二重結合および47%のβ−二重結合の二重結合含有量を有する、BASF SE(Ludwigshafen在)の高分子量ポリイソブテンOppanol(登録商標)B10
【0153】
成分B2の製造
約17,000の分子量Mならびに40%のα−二重結合および47%のβ−二重結合の二重結合含有量を有する、BASF SE(Ludwigshafen在)の高分子量ポリイソブテンOppanol(登録商標)B10と無水マレイン酸(無水マレイン酸:ポリイソブテンのモル比=5:1(α−およびβ−二重結合の合計に基づく))を圧力容器にまず入れた。反応混合物を窒素下で240℃で7時間撹拌した。引き続き容器を200℃に冷却し、キシレンをゆっくりと加えた。約70%の固形分含有量を有する溶液を120℃で容器から取り出し、ヘプタンで50%濃度に希釈し、濾別し、205℃で真空下で留去した。
【0154】
【表1】
【0155】
成分B3の製造
上記手法を、約22,000の分子量Mならびに40%のα−二重結合および40%のβ−二重結合の二重結合含有量を有する、BASF SE(Ludwigshafen在)のポリイソブテンOppanol(登録商標)B12にも適用した。無水マレイン酸:ポリイソブテン比は5:1であった。キシレン溶液中の固形分含有量は60%、収率は40%であった。マレイン化成分の割合は40%であった。
【0156】
成分B4の製造
約37,000の分子量Mならびに(合計で)75%のα−およびβ−二重結合の二重結合含有量を有する、BASF SE(Ludwigshafen在)のポリイソブテンOppanol(登録商標)B15を混練機中に充填し、窒素でブランケットした。無水マレイン酸を加え(無水マレイン酸:ポリイソブテン比=15:1)、混合物を最初に室温で5分間混練した。混練機を240℃に加熱し、混合物を240℃で60分間混練した。引き続き、僅かな窒素流下でゆっくりと真空を適用し、段階的に高めた。混合物を真空下で15分間保持した。引き続き、混練機を190℃に冷却し、生成物を取り出した。収率は35%であった。
【0157】
これらの条件下で、無水マレイン酸の残留含有量を生成物100gあたり0.005g未満に減少させることができた。
【0158】
【表2】
【0159】
マレイン化成分の割合を決定し、この割合は25%〜30%であった。
【0160】
成分B5V
BASF SEのOppanol(登録商標)B10とGlissopal(登録商標)−SAFの50:50混合物(無水マレイン酸で変性された、1000g/molの分子量(M)を有する低分子量ポリイソブテン)。
【0161】
分布数:85〜95mg KOH/g
MA含有量:最大0.17重量%
【0162】
成分B6V
DuPont社のFusabond(登録商標)MN493D
エチレン−1−オクテン−MAコポリマー(60:39.5:0.5)
【0163】
成分C1
ステアリン酸カルシウム
【0164】
成分C2
BASF SE CAS 23128−74−7のIrganox(登録商標)1098
【化8】
【0165】
成分C3
BASF SE CAS 31570−04−4のIrgafos(登録商標)168
【化9】
【0166】
成分C4
成分A1中の2090バッチKI/CuI(4:1)
【0167】
成分C5
ガラス繊維(チョップドガラス)
【0168】
成形材料の製造
ZSK18でコンパウンド化、処理量6kg/h
材料温度:280〜300℃
【0169】
射出成形条件
材料温度:260〜290℃
金型温度:60〜80℃
【0170】
測定:
シャルピーノッチ付き衝撃強度:ISO179−2/1eA(F)
シャルピーノッチなし衝撃強度:ISO179−1/1eU
引張試験:ISO527−2
MVR:ISO1133−1 PA6/PA66(275℃/5kg)
【0171】
耐熱老化性:シャルピーロッドを、150℃で循環空気オーブン中に種々の期間:96時間;240時間;504時間;984時間貯蔵した。引き続き、力学を規格ISO179−2/1eA(F)に従って測定した。
【0172】
成分Bの分子量測定:
溶媒としてTHFおよび標準物質としてポリスチレンを用いたゲル浸透クロマトグラフィー。使用したカラムは、孔径10μmおよび内径7.5mmを有する2本の30cm PLgel Mixed−Bカラムでできていた。カラムの分離範囲は500〜10,000,000g/molである。
【0173】
官能化鎖の%:
官能化鎖のパーセンテージを決定するために、ポリマーをn−ヘプタンに溶解し、シリカゲル60を含むカラムにかけた。官能化鎖は溶出されないので、カラムクロマトグラフィーにより非官能化鎖を官能化鎖から分離した。非官能化鎖の割合を秤量することにより官能化鎖のパーセンテージを決定することができた。この方法は、異なる二重結合(生成物対出発物質)についてのシグナルに基づいたH−NMR測定を補助に用いた。
【0174】
透明度+曇り度:
全透過率の測定、ASTM D 1003に従った曇り度および透明度(鮮明度)。使用した器具は、BYKガードナーのヘイズガードプラスであった。
【0175】
接触角:
ポリアミドサンプルを80℃で乾燥し、アルミニウム袋に溶接した。接触角の測定は、吸湿による影響を防ぐために袋を開封した直後に行った。一滴の脱イオン水(milli−Q)を表面に適用し、静的接触角をKruess GmbHのDSA100機器を用いて23℃で測定する。
【0176】
【表3】
【0177】
【表4】
【0178】
【表5】
【0179】
【表6】
【0180】
光学特性
ペレット化ポリアミド材料を、円錐二軸スクリュー押出機(DSM Xplore、15cc)中で以下の条件下で溶融した:
滞留時間:2分
バレル温度:260℃
回転数:80rpm
【0181】
溶融ポリマーの射出成形加工は、10ccのDSMマイクロ射出成形装置で実施した。このために、溶融コンパウンドを窒素下で射出成形機のシリンダーに直接充填した。引き続き溶融物を寸法(30mm×30mm×1.27mm)の研磨された長方形の型に注入した。以下のパラメータを使用した:
金型:板状研磨;30mm×30mm×1.27mm
金型温度:60℃
シリンダー温度:260℃
注入圧力:8〜9バール
【表7】
【0182】
接触角/極性
PIBSA1が水に対する接触角を増大させ、したがって疎水化が示されることがわかる。これはFusabond(登録商標)MN−493 Dでは観察されない。
【表8】
【手続補正書】
【提出日】20190215
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)熱可塑性ポリアミド20〜99.9重量%と、
B)180℃〜250℃の温度で10,000〜50,000の数平均分子量Mを有するポリイソブテン(B1)とマレイン酸またはその誘導体(B2)とを、前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合1つあたり少なくとも2当量のマレイン酸またはその誘導体(B2)の化学量論比において、少なくとも15分〜10時間の継続時間および10バールまでの正圧で反応させることによって得られるアルケニルコハク酸誘導体0.1〜40重量%と、
C)更なる添加剤0〜60重量%と
を含む熱可塑性成形材料であって、ここで、前記誘導体(B2)は、無水物、モノアルキルエステルまたはジアルキルエステルおよび混合エステルからなる群から選択されており、前記反応性二重結合は、前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の合計であり、前記成分A)〜C)の重量%の合計は100%である、熱可塑性成形材料。
【請求項2】
前記成形材料が、
A)30〜99.5重量%と、
B)0.5〜25重量%と、
C)0〜50重量%と
から構成されている、請求項1記載の熱可塑性成形材料。
【請求項3】
前記成分B)が、DIN53401:1988−06に従った鹸化価により測定される1%〜20%のビスマレイン化度を有する、請求項1または2記載の熱可塑性成形材料。
【請求項4】
前記ポリイソブテン(B1)がイソブテンホモポリマーである、請求項1から3までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項5】
前記ポリイソブテン(B1)が、イソブテン含有C炭化水素流の重合によって得られるコポリマーである、請求項1から4までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項6】
前記ポリイソブテン(B1)中の末端α−およびβ−二重結合の割合が30〜100モル%である、請求項1から5までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項7】
前記成分(B2)が無水マレイン酸またはマレイン酸ジC〜Cアルキルエステルである、請求項1から6までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項8】
前記成分(B2)が無水マレイン酸である、請求項1から7までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項9】
前記反応における成分(B2)と前記ポリイソブテン(B1)中の反応性二重結合とのモル比が3:1〜30:1である、請求項1から8までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の熱可塑性成形材料から得られる成形品。
【国際調査報告】