(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522152
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】圧電液圧アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/18 20060101AFI20190712BHJP
【FI】
   !F15B15/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】2018560511
(86)(22)【出願日】20170421
(85)【翻訳文提出日】20190116
(86)【国際出願番号】EP2017059514
(87)【国際公開番号】WO2017198420
(87)【国際公開日】20171123
(31)【優先権主張番号】102016208773.8
(32)【優先日】20160520
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 D−80333 ミュンヘン ヴェアナー−フォン−シーメンス−シュトラーセ 1
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】バッハマイヤー,ゲオルグ
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 80469 ミュンヘン,コールシュトラーセ 2
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットーリアス,イアソン
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 80538 ミュンヘン,タッテンバッハシュトラーセ 5
(72)【発明者】
【氏名】ツェルス,ヴォルフガング
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 81249 ミュンヘン−ロッホハウゼン,ラナートシュトラーセ 8
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081AA17
3H081BB01
3H081DD36
3H081DD37
(57)【要約】
本発明は、圧電液圧アクチュエータ(1)が4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室が圧電アクチュエータ(5)により駆動可能で液状流体(7)を充填される入力ベローズ(3)であり、第1の逆止弁(RV1)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された液圧シリンダ(9)として構成された第1の出力部(A1)である第2の室に接続され、そのハウジングおよび液圧ピストン(11)が液状流体(7)を充填された第2の出力部(A2)である第3の室を構成する出力ベローズ(13)に機構的に並列接続され、前記入力ベローズが第2の逆止弁(RV2)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された貯液槽(15)である第4の室と接続され、この貯液槽が第3の逆止弁(RV3)を介して出力ベローズ(13)と接続され、液圧シリンダ(9)が第4の逆止弁(RV4)を介して出力ベローズ(13)と液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電液圧アクチュエータ(1)が4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室は圧電アクチュエータ(5)により駆動可能な液状流体(7)を充填された入力ベローズ(3)であり、該ベローズは第1の逆止弁(RV1)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された液圧シリンダ(9)として構成された第1の出力部(A1)である第2の室に接続され、そのハウジングおよび液圧ピストン(11)は液状流体(7)を充填された第2の出力部(A2)である第3の室を構成する出力ベローズ(13)に機構的に並列接続され、前記入力ベローズは第2の逆止弁(RV2)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された貯液槽(15)である第4の室と接続され、該貯液槽が第3の逆止弁(RV3)を介して前記出力ベローズ(13)と接続され、前記液圧シリンダ(9)が第4の逆止弁(RV4)を介して前記出力ベローズ(13)と液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータ(1)。
【請求項2】
液圧ピストン(11)の液体横断面が出力ベローズ(13)として構成された第3の室の液体横断面より小さく、特に入力ベローズ(3)として構成された第1の室の液体横断面よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の圧電液圧アクチュエータ(1)。
【請求項3】
第4の逆止弁(RV4)が、外部の反力による第1の出力部(A1)内の圧力上昇時に開かれ、液状流体(7)が付加的に第2の出力部(A2)にポンピングされるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項4】
第3の逆止弁(RV3)が出力ベローズ(13)から貯液槽(15)へ液状流体(7)を戻すための漏出路を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項5】
出力ベローズ(13)から貯液槽(15)に液状流体(7)を戻すための絞り(17)が、第3の逆止弁(RV3)に並列に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項6】
機構的な出力が液圧ピストン(11)の面(19)によって提供されることを特徴とする請求項1から5の1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項7】
機構的な出力が出力ベローズとして構成された第3の室の面(21)によって提供され、液圧ピストンが特に嵌合または摩擦結合により出力ベローズの前記面に接続されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項8】
液圧シリンダと少なくとも部分的に液圧ピストンとが、出力ベローズとして構成された第3の室内に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項9】
圧電アクチュエータが駆動電圧のパルス幅変調により駆動されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項10】
圧電液圧アクチュエータが4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室は圧電アクチュエータにより駆動可能な液状流体を充填された入力ベローズであり、第1の逆止弁(RV1)を介して液圧的に液状流体を充填された入力シリンダとして構成された第1の出力部(A1)である第2の室に接続され、そのハウジングおよび液圧ピストンが液状流体を充填された第2の出力部(A2)である第3の室を構成する出力ベローズに機構的に並列接続され、前記入力ベローズが第2の逆止弁(RV2)を介して液圧的に液状流体を充填された貯液槽と接続され、該貯液槽が第3の逆止弁(RV3)を介して前記出力ベローズと接続され、前記液圧シリンダが第4の逆止弁(RV4)を介して前記出力ベローズと液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータの作動方法において、圧電アクチュエータの膨張(S1)により逆止弁(RV1)に対する液状流体の圧縮および加圧が実施され、この逆止弁が圧力が生じた時に開いて液状流体が液圧シリンダに流れ、圧電ストロークのステップアップまたはステップダウンが実施され、圧電アクチュエータの収縮(S2)により負圧が入力ベローズ内に作られ、液状流体が貯液槽から入力ベローズに流れ、それによりポンピングの繰り返しサイクルが行われる圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【請求項11】
第3の逆止弁(RV3)が、液圧シリンダへの液状流体のポンピングにより出力ベローズに負圧が形成されるときに開き、液状流体が貯液槽から出力ベローズへ流れることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
第1の出力部(A1)が生じる反力、特に障害物にあって液圧シリンダ内の圧力が増大するときに、第4の逆止弁(RV4)が開いて液状流体が入力ベローズから付加的に出力ベローズに流れることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
第1の出力部(A1)と第2の出力部(A2)が収縮するときに第3の逆止弁(RV3)により液状流体が貯液槽ベローズに戻されることを特徴とする請求項10、11または12記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電液圧アクチュエータ並びにその作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータでは特に次の4つの特性、すなわち力、変位、速度および構成スペースが重要である。アクチュエータの多くの用途では高い力か高い速度が必要とされる種々の作動点が存在する。工作機の取り出し工具のアクチュエータでは、アクチュエータが工具と接触するまでの変位を大きな速度で移動するが、特別大きな力は必要とされない。アクチュエータが工具と接触すると直ちに先の要求はまさに一変する。工具を取り出すには大きな力が必要となる。しかしながら大きな速度は不要となる。なぜならこのために必要なアクチュエータの変位は極めて僅かだからである。従ってアクチュエータには2つのモードが必要となる。すなわち速度モードと力モードである。このように2つのモードというコンセプトは同様にロボット工学でも益々利用されている。
【0003】
従来は2つのモード、すなわち速度モードと力モードとの切換えの可能性を提供する2段ギヤが使用されている。この場合の欠点は特に負荷があるときに切換え中に回転トルクと力のばらつきがあることである。非特許文献1はギヤおよび付属のモータによりこの問題に対処するリニアアクチュエータを開示している。この場合の欠点はこの種のシステムの複雑さと能率がなお大きな改善を必要とすることにある。
【0004】
これとは別に従来はたとえばロープドライブのような種々のアクチュエータ原理が提供されており、2つの異なるモードの実現に使用されている。たとえばねじれたロープはとりわけ非線形の変速比を有するので、ねじれたロープはさらに付加的なねじれを加えることにより同じモータユニットからより高い力を得るように使用することができる。この種の解決手段の利点は損失が少ないことである。特に両モードはヒステリシス状の弛緩プロセス(”relaxation process”)を介して互いに連結される。このような作用効果に対処するために研究者は付加的なモータユニットとの連結メカニズムを開発している(非特許文献2参照)。この種のシステムは同様にシステム全体の複雑性を高める。ねじれロープの使いこなしとこれに伴う非線形性は引き続き研究テーマとなっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A.Girard and H.Asada, A Two-Speed Actuator for Robotics with Fast Seamless Gear Shifting, 2015 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS)
【非特許文献2】Y.J.Shin, H.J.Lee, K.S.Kim, S.Kim, Dual-Mode Twisting Actuation Mechanism with an Active Clutch for Active Mode-Change and Simple Relaxation Process, 2015 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、アクチュエータが第1のモードではアクチュエータの変位力に関して、第2のモードでは変位速度に関して最適化され、第1のモードでは力ができるだけ大きく第2のモードでは速度ができるだけ大きくなるようにした圧電液圧アクチュエータを提供することにある。さらに両モード間の中断の無い切換えが実施できなければならない。さらに自動切換えが実施できなければならない。アクチュエータは苛酷なまたは負荷が掛かる環境下で使用できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、主請求項に記載の圧電液圧アクチュエータによりおよび副請求項に記載の圧電液圧アクチュエータの作動方法により解決される。
【0008】
第1の課題の観点によれば、圧電液圧アクチュエータは4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室が圧電アクチュエータにより駆動可能で液状流体を充填された入力ベローズであり、該ベローズは第1の逆止弁を介して液圧的に液状流体を充填された液圧シリンダとして構成された第1の出力部である第2の室に接続され、ハウジングおよび液圧ピストンは液状流体を充填された第2の出力部である第3の室を構成する出力ベローズに機構的に並列接続され、前記入力ベローズは液状流体を充填された貯液槽である第4の室に第2の逆止弁を介して液圧的に接続され、該貯液槽が第3の逆止弁を介して前記出力ベローズに接続され、前記液圧シリンダが第4の逆止弁を介して出力ベローズに液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータが提案される。
【0009】
ここで入力ベローズとは特に液体を包含し特に運動方向に弾性的な貯液槽のことであり、この貯液槽に力が加えられるようになっている。
【0010】
ここで出力ベローズとは特に液体を包含し特に運動方向に弾性的な貯液槽のことであり、この貯液槽から力が出されるようになっている。
【0011】
第2の課題の観点によれば、圧電液圧アクチュエータが4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室が圧電アクチュエータにより駆動可能な液状流体を充填された入力ベローズであり、このベローズは第1の逆止弁を介して液圧的に液状流体を充填された液圧シリンダとして構成された第1の出力部である第2の室に接続され、該出力部のハウジングおよび液圧ピストンは液状流体を充填された第2の出力部である第3の室を構成する出力ベローズに機械的に並列接続され、前記入力ベローズは液状流体を充填された貯液槽ベローズである第4の室に第2の逆止弁を介して液圧的に接続され、該貯液槽が第3の逆止弁を介して前記出力ベローズに接続され、前記液圧シリンダが第4の逆止弁を介して前記出力ベローズに液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータの作動方法において、前記圧電アクチュエータの膨張により生じる液状流体の圧縮と第1の逆止弁に対する液状流体の加圧により、該逆止弁が一定の圧力に達すると開いて液状流体が前記液圧シリンダに流れ、圧電ストロークのステップアップまたはステップダウンが実施され、前記圧電アクチュエータの収縮により負圧が前記入力ベローズ内に作られ、液状流体が前記貯液槽から前記入力ベローズに流れ、それによりポンピングの繰り返しサイクルが行われる圧電液圧アクチュエータの作動方法が提案される。
【0012】
本発明による圧電液圧アクチュエータは、これにより力的に並びに速度的に最適に変位することができるという利点を有する。ギヤ段で作動する従来の解決方法と比較した利点は、上述のシステムが速度モードと力モードとの自動的な切換えが可能であることにある。特に両モード間の中断の無い切換えが可能である。さらにこのアクチュエータは、金属ベローズによる金属製のカプセル化を使用すれば、たとえば強い振動やひどい汚れなどの苛酷な環境に対しても好適である。
【0013】
他の有利な実施形態は従属請求項との関連で提案されている。
【0014】
有利な一実施形態によれば、液圧ピストンの液体横断面は出力ベローズとして構成された第3の室の液体横断面よりも小さく、入力ベローズとして構成された第1の室の液体横断面よりも小さくすることができる。
【0015】
ここで構成部の液体横断面とは特に、圧力の形成に必要な力が垂直方向に作用し運動方向に垂直に向けられた該構成部から作られた面のことである。
【0016】
別の有利な実施形態によれば、第4の逆止弁は、第1の出力部の圧力上昇時に外部の反力により開き、液状流体が付加的に第2の出力部にポンピングされるように設計される。
【0017】
別の有利な実施形態によれば、第3の逆止弁は、出力ベローズから貯液槽へ液状流体を戻すための漏出路を構成することができる。
【0018】
別の有利な実施形態によれば、第3の逆止弁に並列に出力ベローズから貯液槽への液状流体を漏出させるための絞りが液圧的に接続されるようにすることができる。
【0019】
別の有利な実施形態によれば、機構的な出力部は液圧ピストンの一つの面によって提供されるようにすることができる。
【0020】
別の有利な実施形態によれば、機構的な出力部は出力ベローズとして構成された第3の室の一つの面によって提供され、液圧ピストンが特に嵌合または摩擦結合的に出力ベローズの前記面に接続されるようにすることができる。
【0021】
別の有利な実施形態によれば、液圧シリンダおよび少なくとも部分的に液圧ピストンが出力ベローズとして作られた第3の室内に位置決めされるようにすることができる。
【0022】
別の有利な実施形態によれば、圧電アクチュエータは駆動電圧のパルス幅変調により駆動されるようにすることができる。
【0023】
別の有利な実施形態によれば、第3の逆止弁は、液圧シリンダへの液状流体のポンピングの結果出力ベローズ内に負圧が作られるときに開かれ、液状流体が貯液槽から出力ベローズへ流れるようにすることができる。
【0024】
別の有利な実施形態によれば、第1の出力部が生じる反力、特に障害物があり、液圧シリンダ内の圧力が増大するときに、第4の逆止弁が開き、液状流体が入力ベローズから付加的に出力ベローズへ流れるようにすることができる。
【0025】
別の有利な実施形態によれば、第1の出力部および第2の出力部の収縮の際に第3の逆止弁により液状流体が貯液槽ベローズに戻されるようにすることができる。
【0026】
本発明を実施例のもとに図面と関連して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明による圧電液圧アクチュエータの第1の実施例を示す。
【図2】図2は本発明による圧電液圧アクチュエータの第2の実施例を示す。
【図3】図3は本発明による圧電液圧アクチュエータの第3の実施例を示す。
【図4】図4は本発明方法の一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は本発明による圧電液圧アクチュエータ1の第1の実施例を示す。図1は本発明のコンセプトを示す。駆動素子としては圧電アクチュエータ5が使用され、液圧システムに接続される。液圧システムは4つの室を有する。すなわち駆動部材3、貯液槽15、第1の出力部(A1)および第2の出力部(A2)である。第1の出力部(A1)はこの場合液圧シリンダ9として構成され、そのハウジング並びに液圧ピストン11で並列接続された第2の出力部(A2)と機構的に固く結合されている。第1の出力部(A1)は第2の出力部(A2)および場合によっては駆動部3よりも小さい液体横断面を有する。アクチュエータ1を駆動するために電圧がパルス幅変調(PWM:Pulse width modulation)の形で印加される。PWM信号の電圧上昇により圧電アクチュエータ5が膨張し、その結果駆動部3内の流体7が圧縮され、圧力が準非圧縮性に基づき上昇する。これにより逆止弁RV1が開き、液状流体7の実施例として用いられる油が駆動部3から第1の出力部A1に、すなわち液圧シリンダ9に流れる。駆動部3よりも出力部A1の横断面が小さいために圧電ストローク(伸張)のステップアップが行われる。次に圧電アクチュエータ5のPWM電圧が再び零(ゼロ)に設定され、これにより駆動部3内の圧力が減少し、流体7の容量の減少に基づき負圧が生じる(その前に駆動部3内にある流体7の一部が出力部A1にポンピングされている)。負圧の結果逆止弁RV2が開き、流体7が貯液槽15から駆動部3へ吸い込まれる。その後PWM電圧を再び上昇させることができ、上述のサイクルを繰り返すことができる。この繰り返しにより段階的に液状流体7の実施例としての油が貯液槽15から駆動部3を介して出力部A1にポンピングされる。液圧ピストン11すなわち出力部A1の変位により同様に出力部A2も両者が機構的に結合されているので変位を受ける。符号12は出力ベローズ(蛇腹構造の伸縮管)13が液圧ピストン11に機構的に接続されている取付け箇所を示す。出力部A2では液圧流体7は能動的にポンピングされないので、第2の出力部A2のボリュームの上昇にもかかわらず液体量は一定に保たれるので負圧が生じるであろう。これにより出力部A1に反力が生じ、これにより出力部A1の変位が阻止される可能性がある。この理由から出力部A2と貯液槽15の間に液圧的接続が設けられ、逆止弁RV3が設けられる。この逆止弁RV3は、液状流体7の出力部A1へのポンピングの結果、第2の出力部A2内に負圧が生じるときに開かれる。これにより受動的に、第2の出力部A2が第1の出力部A1による膨張に対しごく僅かな影響しか受けないように配慮される。
【0029】
第1の出力部A1が駆動する又は、たとえば障害物による反力に対して駆動すると直ちに、アクチュエータ1の作動には大きな力が形成される必要が生じる。これは第1の出力部A1によっては単に限定的に可能であるにすぎない。なぜなら大きな速度変化を提供するためにとても小さな液体横断面が選定されているからである。第1の出力部A1の液体領域が小さければ小さいほど、第1の出力部A1内の最大圧力時の出力圧力は小さくなる。この理由から第1の出力部A1と第2の出力部A2との間に逆止弁RV4が構成される。第1の出力部A1内の圧力が反力により上昇すると、逆止弁RV4が開き、これにより液状流体7は第1の出力部A1に付加して第2の出力部A2にもポンピングされる。第2の出力部A2は液体断面が著しく大きいので、第1の出力部A1に比して同じ圧力で第2の出力部A2に加えられた出力圧力が上昇する。
【0030】
第1および第2の出力部A1、A2の収縮はこのコンセプトによれば漏出路の実装により行われる。図1によれば第3の逆止弁RV3は簡単な漏出路を提供することにより、液状流体7が第2の出力部A2から貯液槽15へゆっくりと戻される。
【0031】
図2は本発明による圧電液圧アクチュエータ1の第2の実施例を示す。この第2の実施例は図1の第1の実施例とほぼ同様の構成を有する。代替的に図2に示すように逆止弁RV3と並列に付加的に絞り17が組込まれる。絞り17は代替的にまたは付加的に第2の出力部A2から貯液槽15へ液状流体7の緩やかな返還を提供することができる。図2は液圧シリンダ9の液圧ピストン11の面19を示しており、この面19により本発明によるアクチュエータ1の力の伝達が実施される。
【0032】
図3は本発明による圧電液圧アクチュエータ1の第3の実施例を示す。この第3の実施例は図1の第1の実施例とほぼ同様のシステム構成を有する。従って、図3は図2と同様に図1と同じ符号で識別されている。図3の実施例によれば機構的な出力は図2とは異なり面19ではなく第2の出力部A2の出力ベローズ13を介して構成される面21を介して行われる。この場合第2の出力部A2内の液圧ピストン11は出力ベローズ13の取付け箇所で中空シリンダ11と嵌合または摩擦結合で接続される。
【0033】
図4は本発明方法の一実施例を示す。この方法はたとえば上述の実施例による本発明による圧電液圧アクチュエータ1の作動に係わる。第1のステップS1により圧電アクチュエータの膨張が行われ、第1の逆止弁に対する液状流体の圧縮および加圧が行われ、逆止弁は所定の圧力で開き液状流体を液圧シリンダに流し込み、その際に圧電ストロークのステップアップまたはステップダウンが実施される。第2のステップS2では圧電アクチュエータの収縮が行われ、その際負圧が入力ベローズ内に作られるので、第2の逆止弁が開き液状流体が貯液槽から入力ベローズに流れ、このようにしてポンプのサイクルが行われる。ステップS1、S2は繰り返しサイクル的に実施することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 圧電液圧アクチュエータ、3 駆動部材、5 圧電アクチュエータ、7 液状流体、9 液圧シリンダ、11 液圧ピストン、12 取り付け箇所、13 出力ベローズ、15 貯液槽、17 絞り、19 液圧ピストンの面、A1 第1の出力部、A2 第2の出力部、RV1 第1の逆止弁、RV2 第2の逆止弁、RV3 第3の逆止弁、RV4 第4の逆止弁、S1 第1のステップ、S2 第2のステップ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【手続補正書】
【提出日】20190212
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの室を有するシステムとして構成された圧電液圧アクチュエータ(1)であって
第1の室は圧電アクチュエータ(5)により駆動可能な液状流体(7)を充填された入力ベローズ(3)であり、該ベローズは第1の逆止弁(RV1)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された液圧シリンダ(9)として構成された第1の出力部(A1)である第2の室に接続され、そのハウジングおよび液圧ピストン(11)は液状流体(7)を充填された第2の出力部(A2)である第3の室を構成する出力ベローズ(13)に機構的に並列接続され、前記入力ベローズは第2の逆止弁(RV2)を介して液圧的に液状流体(7)を充填された貯液槽(15)である第4の室と接続され、該貯液槽が第3の逆止弁(RV3)を介して前記出力ベローズ(13)と接続され、前記液圧シリンダ(9)が第4の逆止弁(RV4)を介して前記出力ベローズ(13)と液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータ(1)。
【請求項2】
前記液圧ピストン(11)の液体横断面が前記出力ベローズ(13)として構成された前記第3の室の液体横断面より小さく、前記入力ベローズ(3)として構成された前記第1の室の液体横断面よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の圧電液圧アクチュエータ(1)。
【請求項3】
前記第4の逆止弁(RV4)が、外部の反力により前記第1の出力部(A1)内の圧力上昇した場合に開かれ、液状流体(7)が付加的に前記第2の出力部(A2)にポンピングされるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項4】
前記第3の逆止弁(RV3)が前記出力ベローズ(13)から前記貯液槽(15)へ液状流体(7)を戻すための漏出路を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項5】
前記出力ベローズ(13)から前記貯液槽(15)に液状流体(7)を戻すための絞り(17)が、前記第3の逆止弁(RV3)に並列に液圧的に接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項6】
機構的な出力が前記液圧ピストン(11)の面(19)によって提供されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項7】
機構的な出力が前記出力ベローズとして構成された前記第3の室の面(21)によって提供され、前記液圧ピストン嵌合または摩擦結合により前記出力ベローズの前記面(21)に接続されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項8】
液圧シリンダと液圧ピストンの少なくとも一部とが、前記出力ベローズとして構成された前記第3の室内に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項9】
前記圧電アクチュエータが駆動電圧のパルス幅変調により電気的に駆動されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータ。
【請求項10】
圧電液圧アクチュエータが4つの室を有するシステムとして構成され、第1の室は圧電アクチュエータにより駆動可能な液状流体を充填された入力ベローズであり、第1の逆止弁(RV1)を介して液圧的に液状流体を充填された入力シリンダとして構成された第1の出力部(A1)である第2の室に接続され、そのハウジングおよび液圧ピストンが液状流体を充填された第2の出力部(A2)である第3の室を構成する出力ベローズに機構的に並列接続され、前記入力ベローズが第2の逆止弁(RV2)を介して液圧的に液状流体を充填された貯液槽と接続され、該貯液槽が第3の逆止弁(RV3)を介して前記出力ベローズと接続され、前記液圧シリンダが第4の逆止弁(RV4)を介して前記出力ベローズと液圧的に接続される圧電液圧アクチュエータの作動方法において、
前記圧電アクチュエータの膨張(S1)により前記第1の逆止弁(RV1)に対する液状流体の圧縮および加圧が実施され、当該逆止弁が圧力が生じた場合に開いて液状流体が前記液圧シリンダに流れ、圧電ストロークのステップアップまたはステップダウンが実施され、
前記圧電アクチュエータの収縮(S2)により負圧が前記入力ベローズ内に作られ、前記第2の逆止弁(RV2)が開いて液状流体が前記貯液槽から前記入力ベローズに流れることによりポンピングの繰り返しサイクルが行われる
圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【請求項11】
前記第3の逆止弁(RV3)が、前記液圧シリンダへの液状流体のポンピングにより前記出力ベローズに負圧が形成される場合に開き、液状流体が前記貯液槽から前記出力ベローズへ流れることを特徴とする請求項10記載の圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【請求項12】
前記第1の出力部(A1)が反力に対して駆動し、液圧シリンダ内の圧力が増大する場合に、前記第4の逆止弁(RV4)が開いて液状流体が前記入力ベローズから前記出力ベローズに流れることを特徴とする請求項10または11記載の圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【請求項13】
前記反力は、障害物であることを特徴とする請求項12記載の圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【請求項14】
前記第1の出力部(A1)と前記第2の出力部(A2)が収縮する場合前記第3の逆止弁(RV3)により液状流体が前記貯液槽ベローズに戻されることを特徴とする請求項10から13のいずれか1つに記載の圧電液圧アクチュエータの作動方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
別の有利な実施形態によれば、第1の出力部が対処可能な反力、特に障害物に対して駆動し液圧シリンダ内の圧力が増大するときに、第4の逆止弁が開き、液状流体が入力ベローズから付加的に出力ベローズへ流れるようにすることができる。
【国際調査報告】