(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522371
(43)【公表日】20190808
(54)【発明の名称】有機−無機複合太陽電池および有機−無機複合太陽電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/44 20060101AFI20190712BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   !H01L31/04 112Z
   !H01L31/04 166
   !H01L31/04 168
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】2019502222
(86)(22)【出願日】20170919
(85)【翻訳文提出日】20190130
(86)【国際出願番号】KR2017010240
(87)【国際公開番号】WO2018056667
(87)【国際公開日】20180329
(31)【優先権主張番号】10-2016-0122344
(32)【優先日】20160923
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0118790
(32)【優先日】20170915
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
【住所又は居所】大韓民国 07336 ソウル,ヨンドゥンポ−グ,ヨイ−デロ 128
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンナム
【住所又は居所】大韓民国・ソウル・ヨンドゥンポ−グ・ヨイ−デロ・128 エルジー・ケム・リミテッド内
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ジュン
【住所又は居所】大韓民国・ソウル・ヨンドゥンポ−グ・ヨイ−デロ・128 エルジー・ケム・リミテッド内
(72)【発明者】
【氏名】キム、セイヨン
【住所又は居所】大韓民国・ソウル・ヨンドゥンポ−グ・ヨイ−デロ・128 エルジー・ケム・リミテッド内
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドク ファン
【住所又は居所】大韓民国・ソウル・ヨンドゥンポ−グ・ヨイ−デロ・128 エルジー・ケム・リミテッド内
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA20
5F151BA18
5F151CB13
5F151CB14
5F151CB15
5F151DA20
5F151FA02
5F151FA04
5F151FA06
5F151FA07
5F151GA03
(57)【要約】
本明細書は、第1電極と、前記第1電極上に備えられた第1共通層と、前記第1共通層上に備えられたペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層と、前記光吸収層上に備えられた第2共通層と、前記第2共通層上に備えられた第3共通層と、前記第3共通層上に備えられた第2電極とを含み、前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含む有機−無機複合太陽電池を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に備えられた第1共通層と、
前記第1共通層上に備えられたペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層と、
前記光吸収層上に備えられた第2共通層と、
前記第2共通層上に備えられた第3共通層と、
前記第3共通層上に備えられた第2電極とを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むものである有機−無機複合太陽電池。
【請求項2】
前記光吸収層は、下記化学式1または化学式2で表されるペロブスカイト構造の化合物を含むものである、請求項1に記載の有機−無機複合太陽電池:
[化学式1]
AMX
[化学式2]
A'A''(1−y)M'X'X''(3−z)
前記化学式1または化学式2において、
A'およびA''は、互いに異なり、A、A'およびA''はそれぞれ、C2n+1NH、NH、HC(NH、Cs、NF、NCl、PF、PCl、CHPH、CHAsH、CHSbH、PH、AsH、およびSbHから選択される1価の陽イオンであり、
MおよびM'はそれぞれ、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、Cr2+、Pd2+、Cd2+、Ge2+、Sn2+、Bi2+、Pb2+、およびYb2+から選択される2価の金属イオンであり、
X、X'およびX''はそれぞれ、ハロゲンイオンであり、
nは、1〜9の整数であり、
0<y<1であり、
0<z<3である。
【請求項3】
前記第1金属酸化物ナノ粒子および第2金属酸化物ナノ粒子はそれぞれ、Ni酸化物、Cu酸化物、Zn酸化物、Ti酸化物、およびSn酸化物のうちの少なくとも1つを含み、
前記第1金属酸化物ナノ粒子と第2金属酸化物ナノ粒子は、互いに異なるものである、請求項1または2に記載の有機−無機複合太陽電池。
【請求項4】
前記第1金属酸化物ナノ粒子は、Ni酸化物およびCu酸化物のうちの少なくとも1つを含むものである請求項1から3のいずれか一項に記載の有機−無機複合太陽電池。
【請求項5】
前記第2金属酸化物ナノ粒子は、Zn酸化物、Ti酸化物、およびSn酸化物のうちの少なくとも1つを含むものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の有機−無機複合太陽電池。
【請求項6】
第1電極を形成するステップと、
前記第1電極上に第1共通層を形成するステップと、
前記第1共通層上にペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層を形成するステップと、
前記光吸収層上に第2共通層を形成するステップと、
前記第2共通層上に第3共通層を形成するステップと、
前記第3共通層上に備えられた第2電極を形成するステップとを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むものである有機−無機複合太陽電池の製造方法。
【請求項7】
前記第1共通層を形成するステップは、前記第1電極上に第1金属酸化物ナノ粒子と第1分散剤とを含む第1溶液をコーティングするステップを含み、
前記第2共通層を形成するステップは、前記光吸収層上に第2金属酸化物ナノ粒子と第2分散剤とを含む第2溶液をコーティングするステップを含むものである、請求項6に記載の有機−無機複合太陽電池の製造方法。
【請求項8】
前記第1溶液および第2溶液はそれぞれ、無極性溶媒を含むものである、請求項7に記載の有機−無機複合太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記第1溶液は、前記第1分散剤を、前記金属ナノ粒子対比、0wt%超過、10wt%以下で含むものである、請求項7または8に記載の有機−無機複合太陽電池の製造方法。
【請求項10】
前記第2溶液は、前記第2分散剤を、前記金属ナノ粒子対比、0wt%超過、10wt%以下で含むものである、請求項7から9のいずれか一項に記載の有機−無機複合太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年9月23日付で韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2016−0122344号および2017年9月15日付で韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2017−0118790号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、有機−無機複合太陽電池および有機−無機複合太陽電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化石エネルギーの枯渇とその使用による地球環境的な問題を解決するために、太陽エネルギー、風力、水力のような、再生可能で、クリーンな代替エネルギー源に対する研究が活発に進められている。このうち、太陽光から直接電気的エネルギーを変化させる太陽電池に対する関心が大きく増加している。ここで、太陽電池とは、太陽光から光エネルギーを吸収して電子と正孔を発生する光起電効果を利用して電流−電圧を生成する電池を意味する。
【0004】
有機−無機複合ペロブスカイト物質は、吸光係数が高く、溶液工程により容易に合成が可能な特性のため、最近、有機−無機複合太陽電池の光吸収物質として注目されている。
【0005】
しかし、既存のペロブスカイト物質を適用した有機−無機複合太陽電池の場合、耐熱、耐光特性などの信頼性の確保が難しい問題点があった。これを克服するために、有機物ベースの共通層の代わりに、金属酸化物ベースの共通層を適用する研究が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、安定性およびエネルギー変換効率に優れた有機−無機複合太陽電池および有機−無機複合太陽電池の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様は、第1電極と、
前記第1電極上に備えられた第1共通層と、
前記第1共通層上に備えられたペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層と、
前記光吸収層上に備えられた第2共通層と、
前記第2共通層上に備えられた第3共通層と、
前記第3共通層上に備えられた第2電極とを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むものである有機−無機複合太陽電池を提供する。
本明細書の他の実施態様は、第1電極を形成するステップと、
前記第1電極上に第1共通層を形成するステップと、
前記第1共通層上にペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層を形成するステップと、
前記光吸収層上に第2共通層を形成するステップと、
前記第2共通層上に第3共通層を形成するステップと、
前記第3共通層上に備えられた第2電極を形成するステップとを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むものである有機−無機複合太陽電池の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本明細書の一実施態様に係る有機−無機複合太陽電池は、耐光性を向上させる効果がある。
【0009】
また、本明細書の一実施態様に係る有機−無機複合太陽電池は、光吸収層の損傷なく、光吸収層上に2層の共通層が積層される効果がある。
【0010】
さらに、本明細書の一実施態様に係る有機−無機複合太陽電池は、広い光スペクトルを吸収可能で、光エネルギーの損失が減少し、エネルギー変換効率が上昇する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本明細書の実施態様に係る有機−無機複合太陽電池の構造を例示するものである。
【図2】本明細書の実施例で製造された有機−無機複合太陽電池の断面の走査電子顕微鏡(SEM)イメージを示すものである。
【図3】(a)本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた短絡電流(Jsc)の変化値を示すものである。 (b)本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた開放電圧(Voc)の変化値を示すものである。 (c)本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた効率(PCE)の変化値を示すものである。 (d)本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた充電率(FF)の変化値を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本明細書を詳細に説明する。
【0013】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0014】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0015】
本明細書に係る有機−無機複合太陽電池は、第1電極と、
前記第1電極上に備えられた第1共通層と、
前記第1共通層上に備えられたペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層と、
前記光吸収層上に備えられた第2共通層と、
前記第2共通層上に備えられた第3共通層と、
前記第3共通層上に備えられた第2電極とを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含む。
【0016】
図1は、本明細書の一実施態様に係る有機−無機複合太陽電池の構造を例示した。具体的には、図1は、基板101上に第1電極102が備えられ、第1電極102上に第1共通層103が備えられ、第1共通層103上に光吸収層104が備えられ、光吸収層104上に第2共通層105が備えられ、第2共通層105上に第3共通層(106)が備えられ、第3共通層(106)上に第2電極(107)が備えられた有機−無機複合太陽電池の構造を例示するものである。本明細書に係る有機−無機複合太陽電池は、図1の積層構造に限定されず、追加の部材がさらに含まれてもよい。
【0017】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、下記化学式1または化学式2で表されるペロブスカイト構造の化合物を含む。
[化学式1]
AMX
[化学式2]
A'A''(1−y)M'X'X''(3−z)
前記化学式1または化学式2において、
A'およびA''は、互いに異なり、A、A'およびA''はそれぞれ、C2n+1NH、NH、HC(NH、Cs、NF、NCl、PF、PCl、CHPH、CHAsH、CHSbH、PH、AsH、およびSbHから選択される1価の陽イオンであり、
MおよびM'はそれぞれ、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、Cr2+、Pd2+、Cd2+、Ge2+、Sn2+、Bi2+、Pb2+、およびYb2+から選択される2価の金属イオンであり、
X、X'およびX''はそれぞれ、ハロゲンイオンであり、
nは、1〜9の整数であり、
0<y<1であり、
0<z<3である。
【0018】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層のペロブスカイト構造の化合物は、単一陽イオンを含むことができる。本明細書において、単一陽イオンとは、1種類の1価の陽イオンを用いたものを意味する。すなわち、化学式1において、Aとして、1種類の1価の陽イオンのみが選択されたものを意味する。例えば、前記化学式1のAは、C2n+1NHであり、nは、1〜9の整数であってもよい。
【0019】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層のペロブスカイト構造の化合物は、複合陽イオンを含むことができる。本明細書において、複合陽イオンとは、2種類以上の1価の陽イオンを用いたものを意味する。すなわち、化学式2において、A'およびA''として、それぞれ互いに異なる1価の陽イオンが選択されたものを意味する。例えば、前記化学式2のA'は、C2n+1NH、A''は、HC(NHであり、nは、1〜9の整数であってもよい。
【0020】
本明細書の一実施態様において、前記MおよびM'は、Pb2+であってもよい。
【0021】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含む。
【0022】
本明細書の一実施態様において、前記第1金属酸化物ナノ粒子および前記第2金属酸化物ナノ粒子はそれぞれ、Ni酸化物、Cu酸化物、Zn酸化物、Ti酸化物,およびSn酸化物のうちの少なくとも1つを含み、前記第1金属酸化物ナノ粒子と前記第2金属酸化物ナノ粒子は、互いに異なる。
【0023】
具体的には、前記第1金属酸化物ナノ粒子は、Ni酸化物およびCu酸化物のうちの少なくとも1つを含み、前記第2金属酸化物ナノ粒子は、Zn酸化物、Ti酸化物、およびSn酸化物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層、第2共通層、第3共通層はそれぞれ、電子輸送層または正孔輸送層を意味する。
【0025】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層は、正孔輸送層であり、前記第2共通層は、第1電子輸送層であり、前記第3共通層は、第2電子輸送層であってもよい。
【0026】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層は、電子輸送層であり、前記第2共通層は、第1正孔輸送層であり、前記第3共通層は、第2正孔輸送層であってもよい。
【0027】
本明細書の一実施態様において、前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むことができる。この場合、第3共通層は、電子輸送層である。
【0028】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層の厚さは、3nm〜150nmであってもよい。本明細書において、第1共通層の厚さは、第1共通層が第1電極に接する表面と、第1共通層が光吸収層に接する表面との間の幅を意味する。
【0029】
本明細書の一実施態様において、前記第2共通層の厚さは、3nm〜150nmであってもよい。本明細書において、第2共通層の厚さは、第2共通層が光吸収層に接する表面と、第2共通層が第3共通層に接する表面との間の幅を意味する。
【0030】
本明細書の一実施態様において、前記第3共通層の厚さは、3nm〜150nmであってもよい。本明細書において、第3共通層の厚さは、第3共通層が第2共通層に接する表面と、第3共通層が第2電極に接する表面との間の幅を意味する。
【0031】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層の厚さは、100nm〜1000nmであってもよい。
【0032】
本明細書の他の実施態様は、第1電極を形成するステップと、
前記第1電極上に第1共通層を形成するステップと、
前記第1共通層上にペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層を形成するステップと、
前記光吸収層上に第2共通層を形成するステップと、
前記第2共通層上に第3共通層を形成するステップと、
前記第3共通層上に備えられた第2電極を形成するステップとを含み、
前記第1共通層は、第1金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第2共通層は、第2金属酸化物ナノ粒子を含み、
前記第3共通層は、フラーレン誘導体を含むものである有機−無機複合太陽電池の製造方法を提供する。
【0033】
本明細書の一実施態様において、前記第1共通層を形成するステップは、前記第1電極上に第1金属酸化物ナノ粒子と第1分散剤とを含む第1溶液をコーティングするステップを含む。
【0034】
本明細書の一実施態様において、前記第2共通層を形成するステップは、前記光吸収層上に第2金属酸化物ナノ粒子と第2分散剤とを含む第2溶液をコーティングするステップを含む。
【0035】
本明細書の一実施態様において、前記第1溶液および第2溶液はそれぞれ、無極性溶媒を含む。具体的には、前記第1溶液および第2溶液はそれぞれ、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、キシレン(xylene)、ベンゼン、ヘキサン、ジエチルエーテル、およびトルエンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0036】
一般的に、金属酸化物ナノ粒子は、水系、アルコール系などの極性溶媒に分散しているが、有機−無機複合太陽電池の光吸収層に適用されるペロブスカイト構造の化合物の場合、極性溶媒に弱くて、光吸収層上に金属酸化物ナノ粒子を適用させるのに困難があった。
【0037】
本明細書の一実施態様では、分散剤を含むことにより、ペロブスカイト構造の化合物を含む光吸収層の上部に金属酸化物ナノ粒子が含まれた無極性溶媒の適用が可能であるという利点がある。
【0038】
本明細書の一実施態様において、分散剤は、第1分散剤および第2分散剤のうちの少なくとも1つを意味することができる。
【0039】
本明細書の一実施態様において、金属酸化物ナノ粒子は、第1金属酸化物ナノ粒子および第2金属酸化物ナノ粒子のうちの少なくとも1つを意味することができる。
【0040】
本明細書の一実施態様において、前記分散剤は、4−ビニルピリジン(4−vinylpyridine)、a−メチルスチレン(a−methylstyrene)、ブチルアクリレート(butyl acrylate)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)、これらの混合物またはこれらの重合体であってもよい。
【0041】
本明細書の一実施態様において、前記第1溶液は、前記第1分散剤を、前記金属ナノ粒子対比、0wt%超過、10wt%以下で含む。分散剤が前記範囲を満足する場合、素子内部の電気的抵抗の上昇が少なくなって、高い光電変換効率が得られる効果がある。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記第2溶液は、前記第2分散剤を、前記金属ナノ粒子対比、0wt%超過、10wt%以下で含む。分散剤が前記範囲を満足する場合、素子内部の電気的抵抗の上昇が少なくなって、高い光電変換効率が得られる効果がある。
【0043】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、スピンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、インクジェットプリンティング、グラビアプリンティング、スプレーコーティング、ドクターブレード、バーコーティング、ブラシペインティング、または熱蒸着方法により形成される。
【0044】
本明細書において、フラーレン誘導体は、フラーレンを含み、フラーレンの原子の一部が他の原子または原子団によって置換された化合物を意味する。フラーレン誘導体の例としては、PCBM([6,6]−phenyl−C61−butyric acid methyl ester)、ICBA(indene−C60 bisadduct)、およびICMA(indene−C60 monoadduct)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
本明細書の一実施態様において、第3共通層を形成するステップは、フラーレン誘導体を含む第3溶液を第2共通層上にコーティングするステップを含む。
【0046】
本明細書の一実施態様において、前記第3溶液内のフラーレン誘導体は、0.1wt%〜5wt%含まれてもよい。
【0047】
本明細書の一実施態様において、前記第3溶液は、クロロベンゼンであってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記第1溶液、第2溶液、および第3溶液をコーティングするステップは、当業界で使用される方法であればすべて可能である。例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、またはスプレーコーティングであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記有機−無機複合太陽電池は、基板をさらに含んでもよい。具体的には、前記基板は、第1電極の下部に備えられる。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記基板は、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性および防水性に優れた基板を用いることができる。具体的には、ガラス基板、薄膜ガラス基板、またはプラスチック基板を用いることができる。前記プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyehtylene naphthalate、PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone)、およびポリイミド(polyimide)などのフィルムが単層または複層の形態で含まれてもよい。ただし、前記基板はこれに限定されず、有機−無機複合太陽電池に通常使用される基板を用いることができる。
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記第1電極は、アノードであり、前記第2電極は、カソードであってもよい。また、前記第1電極は、カソードであり、前記第2電極は、アノードであってもよい。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記第1電極は、透明電極であり、前記有機−無機複合太陽電池は、前記第1電極を経由して光を吸収するものであってもよい。
【0053】
前記第1電極が透明電極の場合、前記第1電極は、インジウムスズ酸化物(indium−tin oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、またはフッ素含有酸化スズ(flourine−doped tin oxide、FTO)などのような導電性酸化物であってもよい。さらに、前記第1電極は、半透明電極であってもよい。前記第1電極が半透明電極の場合、銀(Ag)、金(Au)、マグネシウム(Mg)、またはこれらの合金といった半透明金属で製造される。半透明金属が第1電極として使用される場合、前記有機−無機複合太陽電池は、微細空洞構造を有することができる。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記電極が透明導電性酸化物層の場合、前記電極は、ガラスおよび石英板のほか、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthelate、PEN)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリオキシエチレン(polyoxyethylene、POM)、AS樹脂(acrylonitrile styrene copolymer)、ABS樹脂(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)、トリアセチルセルロース(triacetyl cellulose、TAC)、およびポリアリレート(polyarylate、PAR)などを含むプラスチックのような、柔軟で透明な物質上に導電性を有する物質がドーピングされたものが使用できる。
【0055】
具体的には、酸化スズインジウム(indium tin oxide、ITO)、フッ素ドーピングされたチンオキサイド(fluorine doped tin oxide;FTO)、アルミニウムドーピングされたジンクオキサイド(aluminium doped zinc oxide、AZO)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO−Ga、ZnO−Al、およびATO(antimony tin oxide)などになってもよいし、より具体的には、ITOであってもよい。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記第2電極は、金属電極であってもよい。具体的には、前記金属電極は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、タングステン(W)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、金(Au)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、およびサマリウム(Sm)からなる群より選択される1種または2種以上を含むことができる。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記有機−無機複合太陽電池がn−i−p構造であってもよい。本明細書に係る有機−無機複合太陽電池がn−i−p構造の場合、前記第2電極は、金属電極、酸化物/金属複合体電極、または炭素電極であってもよい。具体的には、第2金属は、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、MoO/Au、MoO/Ag MoO/Al、V/Au、V/Ag、V/Al、WO/Au、WO/Ag、またはWO/Alを含むことができる。
【0058】
本明細書の一実施態様において、n−i−p構造は、第1電極、電子輸送層、光吸収層、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層、および第2電極が順次に積層された構造を意味する。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記有機−無機複合太陽電池がp−i−n構造であってもよい。本明細書に係る有機−無機複合太陽電池がp−i−n構造の場合、前記第2電極は、金属電極であってもよい。
【0060】
本明細書の一実施態様において、p−i−n構造は、第1電極、正孔輸送層、光吸収層、第1電子輸送層、第2電子輸送層、および第2電極が順次に積層された構造を意味する。
【0061】
本明細書の一実施態様において、前記電子輸送層は、スパッタリング、E−Beam、熱蒸着、スピンコーティング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、ドクターブレード、またはグラビアプリンティング法を用いて、第1電極の一面に塗布されるか、フィルム形態でコーティングされることにより形成される。
【0062】
本明細書の一実施態様において、正孔輸送層が、スピンコーティング、ディップコーティング、インクジェットプリンティング、グラビアプリンティング、スプレーコーティング、ドクターブレード、バーコーティング、グラビアコーティング、ブラシペインティング、熱蒸着などの方法により導入可能である。
【実施例】
【0063】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0064】
実施例.
酸化スズインジウム(ITO)がスパッタリングされた無アルカリガラス基板上に、4.5wt%の酸化ニッケル(NiO)および酸化ニッケルナノ粒子対比、8wt%の分散剤がキシレン(xylene)に含まれた第1溶液をスピンコーティングした後、150℃で加熱した。その後、ペロブスカイト(FAMA1−xPBIBr3−y、0<x<1、0<y<3)を含む光吸収層を形成した後、4.5wt%の酸化亜鉛(ZnO)および酸化亜鉛ナノ粒子対比、8wt%の分散剤が含まれた第2溶液をスピンコーティングし、100℃で加熱した。追加的に、PCBM((6,6)−phenyl−C−butyric acid−methyl ester)を含む溶液をスピンコーティングした後、Agを真空蒸着した。
【0065】
比較例1.
酸化スズインジウム(ITO)がスパッタリングされた無アルカリガラス基板上に、2wt%の二酸化チタン(TiO)がイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol、IPA)溶媒に含まれた溶液をスピンコーティングした後、150℃で加熱した。その後、ペロブスカイト(FAMA1−xPBIBr3−y、0<x<1、0<y<3)を含む光吸収層を形成した後、7wt%のSpiro−OMeTAD(2,2',7,7'−tetrakis(N,N−di−p−methoxyphenylamine)−9,9'−spirobifluorene)が含まれた溶液をスピンコーティングし、Agを真空蒸着した。
【0066】
比較例2.
酸化スズインジウム(ITO)がスパッタリングされた無アルカリガラス基板上に、4.5wt%の酸化ニッケル(NiO)および酸化ニッケルナノ粒子対比、8wt%の分散剤がキシレン(xylene)に含まれた第1溶液をスピンコーティングした後、150℃で加熱した。その後、ペロブスカイト(FAMA1−xPBIBr3−y、0<x<1、0<y<3)を含む光吸収層を形成した後、PCBMを含む溶液をスピンコーティングした。追加的に、4.5wt%の酸化亜鉛(ZnO)および酸化亜鉛ナノ粒子対比、8wt%の分散剤が含まれた第2溶液をスピンコーティングし、100℃で加熱した後、Agを真空蒸着した。
【0067】
表1には、本明細書の実施態様に係る有機−無機複合太陽電池の性能を示し、図2には、本明細書の実施例で製造された有機−無機複合太陽電池の断面の走査電子顕微鏡(SEM)イメージを示した。
【表1】
【0068】
表1で、Vocは開放電圧を、Jscは短絡電流を、FFは充電率(Fill factor)を、PCEはエネルギー変換効率を意味する。開放電圧と短絡電流はそれぞれ、電圧−電流密度曲線の4象限におけるX軸とY軸切片であり、この2つの値が高いほど太陽電池の効率は好ましく高まる。また、充電率(Fill factor)は、曲線内部に描ける長方形の広さを短絡電流と開放電圧との積で割った値である。この3つの値を照射された光の強度で割るとエネルギー変換効率が求められ、高い値であるほど好ましい。
【0069】
図3(a)は、本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた短絡電流(Jsc)の変化値を示すものである。
【0070】
図3(b)は、本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた開放電圧(Voc)の変化値を示すものである。
【0071】
図3(c)は、本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた効率(PCE)の変化値を示すものである。
【0072】
図3(d)は、本明細書の実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池の時間に応じた充電率(FF)の変化値を示すものである。
【0073】
前記表1および図3の短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、効率(PCE)および充電率(FF)は、前記実施例および比較例2で製造された有機−無機複合太陽電池を85℃の真空オーブンで2時間保管した後に取り出して、ソーラーシミュレータ(solar simulator)の基準光量である1SUN(100mW/cm)下で測定した。
【符号の説明】
【0074】
101:基板
102:第1電極
103:第1共通層
104:光吸収層
105:第2共通層
106:第3共通層
107:第2電極
【図1】
【図2】
【図3】
【国際調査報告】