(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522483
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】有害生物を防除するための方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/00 20060101AFI20190719BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20190719BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20190719BHJP
【FI】
   !A01M1/00 Q
   !A01M21/04 C
   !A01M1/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】2018568409
(86)(22)【出願日】20170623
(85)【翻訳文提出日】20190125
(86)【国際出願番号】EP2017065536
(87)【国際公開番号】WO2018001893
(87)【国際公開日】20180104
(31)【優先権主張番号】16176650.6
(32)【優先日】20160628
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16185502.8
(32)【優先日】20160824
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 67056 ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン カール−ボッシュ−シュトラーセ 38
【住所又は居所原語表記】Carl−Bosch−Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ホフマン
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ハーン カイザーシュトラーセ 53
(72)【発明者】
【氏名】オーレ ペータース
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 デュッセルドルフ バッハシュトラーセ 129
(72)【発明者】
【氏名】エレーン グリューネベアク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 デュッセルドルフ バッハシュトラーセ 117
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヨーネン
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ミュンスター ハウゲンカンプ 7
(72)【発明者】
【氏名】アンドレー−ゲオアク ギアク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 ボン ムッフェンドアファー シュトラーセ 14
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA16
2B121AA19
2B121AA20
2B121CC02
2B121CC03
2B121CC05
2B121EA26
2B121FA14
2B121FA20
(57)【要約】
本発明は、栽培植物の栽培時の有害生物防除の技術分野に関する。本発明の対象は、有害生物を防除するための方法、有害生物を防除するためのシステム、および有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用するためのデジタル施用マップの使用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培植物が栽培される農地で有害生物を防除するための方法であって、以下:
(A)前記農地の、前記有害生物が直接的または間接的に検出された部分エリアが登録されているデジタル有害生物分布マップを作成するステップ;
(B)前記デジタル雑草分布マップに基づいてデジタル施用マップを作成し、ここで、前記デジタル施用マップには、前記農地の、前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用すべき部分エリアが登録されており、前記各部分エリアについて、1種または複数種の防除剤による処置の数Nを登録し、ここで、Nは1よりも大きいものとするステップ;
(C)前記ステップ(B)で得られたデジタル施用マップに従って、前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用し、前記処置した部分エリアについての前記数Nを1だけ減少させるステップ;
(D)Nがゼロの値に達するまで、各部分エリアについて前記ステップ(C)を繰り返すステップ
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記農地の、ステップ(A)で有害生物が直接的または間接的に検出されかつ損害閾値に達しているかまたはこれを上回っている部分エリアを、前記デジタル施用マップに収録する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記農地の、1種または複数種の防除剤を1回施用した後にそのまま残っている有害生物を含む温床がステップ(A)で検出された部分エリアを、ステップ(B)で前記デジタル施用マップに収録する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記有害生物は、雑草類および/または草類であり、前記1種または複数種の防除剤は、1種または複数種の除草剤である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記有害生物は、有害動物であり、好ましくは線虫類またはダシネウラ・ブラシカエ(Dasineura brassicae)であり、前記1種または複数種の防除剤は、殺虫剤である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル施用マップを作成する際の前記数Nを、2、3または4に設定する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記該当する部分エリアに1種または複数種の防除剤を1回施用した後に、ステップ(A)により新たにデジタル有害生物分布マップを作成し、前記新たなデジタル有害生物分布マップにおいて有害生物が発見された領域を、ステップ(B)で既存のデジタル施用マップに追加し、その際、Nがまだゼロの値に達していない部分エリアはそのまま残り、Nがゼロの値に達した部分エリアは削除することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
防除剤による前記有害生物の防除に伴って物理的防除を行うか、または少なくとも、前記農地の、確かに有害生物が検出されてはいるが損害閾値を上回ってはいない領域の部分において前記有害生物の物理的防除を行うことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記栽培植物の農地の、有害生物に対する1種または複数種の防除剤により処置すべき部分エリアが登録されているデジタル施用マップであって、前記各部分エリアについて、該部分エリアを前記有害生物用の1種または複数種の防除剤により何回処置すべきかを指定する整数Nが登録されており、ここで、Nは1よりも大きい、デジタル施用マップ。
【請求項10】
有害生物が損害閾値に達しているかまたはこれを上回っている部分エリアが登録されている、請求項9記載のデジタル施用マップ。
【請求項11】
前記有害生物は、雑草類および/または草類であり、前記1種または複数種の防除剤は、1種または複数種の除草剤である、請求項9または10記載のデジタル施用マップ。
【請求項12】
前記有害生物は、有害動物であり、好ましくは線虫類またはダシネウラ・ブラシカエ(Dasineura brassicae)であり、前記1種または複数種の防除剤は、殺虫剤である、請求項9または10記載のデジタル施用マップ。
【請求項13】
前記有害生物は、菌類であり、好ましくはセプトリア(Septoria)属菌であり、前記1種または複数種の防除剤は、殺菌剤である、請求項9または10記載のデジタル施用マップ。
【請求項14】
前記デジタル施用マップ内の既存の部分エリアのうちの少なくとも1つが1種または複数種の防除剤により少なくとも1回処置された時点で、1種または複数種の防除剤によりN回処置すべき部分エリアが収録されている、請求項9から13までのいずれか1項記載のデジタル施用マップ。
【請求項15】
有害生物を防除するためのシステムであって、
(a)農地の、前記有害生物用の1種または複数種の防除剤により処置すべき部分エリアが登録されているデジタル施用マップ;
(b)位置特定システム;
(c)以下のものを含む施用装置:
− 前記有害生物に対する少なくとも1種の防除剤を収容するための少なくとも1つの容器、
− 前記少なくとも1種の防除剤を施用するための噴霧装置、および
− 前記デジタル施用マップを読み取るためのメモリと、前記位置特定システムと通信するための手段と、前記噴霧装置を制御するための手段とを含む制御ユニット;
を含むシステムにおいて、
前記デジタル施用マップには、前記各部分エリアについて、前記防除剤による該部分エリアの処置を何回行うべきかを指定する数Nが登録されており、ここで、Nは1よりも大きく、前記制御ユニットは、処置が1回行われた後に前記数Nが1だけ減少されるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記有害生物は、雑草類および/または草類であり、前記1種または複数種の防除剤は、1種または複数種の除草剤である、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記デジタル施用マップにより前記少なくとも1種の防除剤の施用が予定されている場所に前記施用装置が存在していることが前記位置特定システムにより通知されたら、前記制御ユニットは、前記噴霧装置による少なくとも1種の防除剤の施用を開始することを特徴とする、請求項15または16記載のシステム。
【請求項18】
前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用するための、請求項9から14までのいずれか1項記載のデジタル施用マップの使用において、前記処置すべき部分エリアを1種または複数種の防除剤によりN回処置し、その際、前記部分エリアの処置を1回行った後に前記数Nを1だけ減少させることを特徴とする、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培植物の栽培時の有害生物防除の技術分野に関する。本発明の対象は、有害生物を防除するための方法、有害生物を防除するためのシステム、および有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用するためのデジタル施用マップの使用である。
【0002】
栽培植物の栽培に際しては、収穫量を減少させ、収穫物の品質に悪影響を及ぼし、または他の望ましくない影響を栽培植物もしくは収穫品に及ぼし得る多くの様々な生物が存在する。
【0003】
そのような有害生物は、例えば雑草類および草類、菌類、有害動物および病原体である。
【0004】
さらに、そのような有害生物を阻止、低減または防除するための多くの様々な措置および薬剤が存在する。
【0005】
例えば、除草剤を使用することにより、栽培植物の栽培時に雑草類および草類をうまく防除することができる。
【0006】
しかし、除草剤を使用した場合には抵抗性の増大が認められる。除草剤に対する抵抗性の発生は、植物がその環境条件に適応してその生存を確実にすることを可能にする自然のプロセスである。
【0007】
抵抗性植物の発生は、各個体群に自然に存在する、使用される薬剤に対して抵抗性を示す個々の個体から始まる。
【0008】
同一または類似の作用機序を有する除草剤を繰り返し使用することで、雑草類への選択圧が生じる。こうした選択圧によって、それに応じて適合された(抵抗性の)個体の生存が促進される。この選択プロセスを回避または中断する戦略が行われなければ、1つの個体群の中で抵抗性個体が時間の経過と共に優勢となり得る。これによって第一の防除上の課題が生じ、最終的には抵抗性個体群が存在することとなる。
【0009】
このことは、除草剤による雑草類や草類の防除だけでなく、相応する防除剤による他の有害生物の防除についても同様に該当する。
【0010】
抵抗性の形成を防ぐためには、有害生物に対する防除剤を、必要な箇所にのみ、そして必要な範囲でのみ使用することが重要である。
【0011】
防除剤の狙い通りの使用に関して、これまでに様々なアプローチが発表されている。
【0012】
国際公開第95/01719号(WO 95/01719)には、まず農地を複数のゾーンに分割し、これらのゾーンを互いに独立して監視するコンピュータシステムが記載されている。監視によって確認された必要性に応じて、灌水および化学薬品の使用がゾーンごとに行われる。各ゾーンの継続的な観察には、相応するセンサ、ならびにデータ取得、データ処理およびデータ解析の手段が必要である。
【0013】
米国特許第6,199,000号明細書(US 6,199,000)には、有用植物を植えている間にRTK GPS(Real Time Kinematic Global Positioning System、リアルタイム・キネマティック全地球測位システム)受信機を使用して農地のデジタルマップを作成する方法が記載されている。RTK GPSによる位置の特定は高精度であるため、デジタルマップ上に個々の有用植物の位置が数センチメートルの精度で正確に登録される。したがって、適切なセンサ(例えば「クロロフィル検出器」)を具備した車両によって、種子が土壌に導入されていない場所で生育している植物を識別することができる。播種が行われていない箇所で植物が検出された場合、それは雑草である可能性が高い。その場合、これをその場で直接防除することができる。
【0014】
国際公開第00/23937号(WO 00/23937)には、コンピュータシステムが記載されている。該コンピュータシステムの一部は、圃場のデジタルマップであり、このマップは撮像に基づくものであり、また経度および緯度の地理的データを含んでいることから、位置の特定が可能である。このデジタルマップでは、ユーザがゾーンを定めることができる。ユーザは、物質(肥料、殺虫剤、除草剤)の配合物および該物質配合物の施用量を各ゾーンに割り当てることができる。該コンピュータシステムは、データセットを作成することができる。該データセットによって、農業従事者が、相応する車両を使用して耕地の様々なゾーンに接近し、行われた割当てに応じて相応する量の相応する配合物を施用することができる。
【0015】
Carina Ritterによる論文(Evaluation of weed populations under the influence of site−specific weed control to derive decision rules for a sustainable weed management, Institute of Phytomedicine, Weed Science Department, University of Hohenheim, under the supervision of Prof. Dr. R. Gerhards, 2008)には、雑草類(ガリウム・アパリネL.(Galium aparine L.)およびアロペクルス・ミオスリオデスHUDS(Alopecurus myosuriodes HUDS))のデジタル分布マップをどのように作成し、そして該マップに基づきDGPS(DGPS=Differential Global Positioning System、差分全地球測位システム)で制御された噴霧自動装置によって除草剤を各位置に応じてどのように施用したかが記載されている。この場合には、雑草の閾値が部分的に考慮された。数年間にわたってその都度、まずデジタル雑草分布マップが作成され、次いで該マップに基づいて除草剤による処置が行われ、その際、毎年各位置に応じて除草剤配合物が1回のみ施用された(特に第2.2.2章の第1表および第3.2.3章の第6表を参照)。いくつかの農地において、数年間そのまま残った雑草の温床(Nest)が生じたことが観察された。
【0016】
記載された従来技術に鑑み、当業者には、有害生物を効果的かつ効率的に防除するという技術的課題が課されており、その際、防除剤の使用が合理的かつ経済的な範囲に制限されるとともに、使用される防除剤に対する抵抗性が形成されるリスクが低減されることが望ましい。さらに、有害生物の安定した温床の形成を防ぐことが重要である。
【0017】
前記課題は、独立請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項および以下の説明に記載されている。
【0018】
本発明の第1の対象は、栽培植物が栽培される農地で有害生物を防除するための方法であって、以下:
(A)前記農地の、前記有害生物が検出された部分エリアが登録されているデジタル有害生物分布マップを作成するステップ;
(B)前記デジタル雑草分布マップに基づいてデジタル施用マップを作成し、ここで、前記デジタル施用マップには、前記農地の、前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用すべき部分エリアが登録されており、前記各部分エリアについて、1種または複数種の防除剤による処置の数Nを登録し、ここで、Nは1よりも大きいものとするステップ;
(C)前記ステップ(B)で得られたデジタル施用マップに従って、前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用し、前記処置した部分エリアについての前記数Nを、前記処置の結果として1だけ減少させるステップ;
(D)Nがゼロの値に達するまで、各部分エリアについて前記ステップ(C)を繰り返すステップ
を特徴とする方法である。
【0019】
本発明のもう1つの対象は、栽培植物の農地の、有害生物に対する1種または複数種の防除剤により処置すべき部分エリアが登録されているデジタル施用マップであって、前記各部分エリアについて、該部分エリアを前記有害生物用の1種または複数種の防除剤により何回処置すべきかを指定する整数Nが登録されており、ここで、Nは1よりも大きい、デジタル施用マップである。
【0020】
本発明のもう1つの対象は、有害生物を防除するためのシステムであって、
(a)農地の、前記有害生物用の1種または複数種の防除剤により処置すべき部分エリアが登録されているデジタル施用マップ;
(b)位置特定システム;
(c)以下のものを含む施用装置:
− 前記有害生物に対する少なくとも1種の防除剤を収容するための少なくとも1つの容器、
− 前記少なくとも1種の防除剤を施用するための噴霧装置、および
− 前記デジタル施用マップを読み取るためのメモリと、前記位置特定システムと通信するための手段と、前記噴霧装置を制御するための手段とを含む制御ユニット;
を含むシステムにおいて、
前記デジタル施用マップには、各部分エリアについて、前記防除剤による該部分エリアの処置を何回行うべきかを指定する数Nが登録されており、ここで、Nは1よりも大きく、前記制御ユニットは、処置が1回行われた後に前記数Nが1だけ減少されるように構成されていることを特徴とするシステムである。
【0021】
本発明のもう1つの対象は、
栽培植物の農地の、有害生物に対する1種または複数種の防除剤による処置を行うべき部分エリアが登録されているデジタル施用マップの、
前記有害生物に対する1種または複数種の防除剤を施用するための使用において、
前記デジタル施用マップには、前記各部分エリアについて、1種または複数種の防除剤による該部分エリアの処置を何回行うべきかを指定する数Nが登録されており、ここで、Nは1よりも大きく、前記部分エリアの処置を1回行った後に前記数Nを1だけ減少させることを特徴とする使用である。
【0022】
本発明を、本発明の対象(方法、施用マップ、システム、使用)の区別なく以下に詳説する。以下の説明は、該説明がいずれのコンテキスト(方法、施用マップ、システム、使用)でなされるかにかかわらず、本発明のすべての対象に対して同様に該当する。
【0023】
以下、「有害生物」とは、栽培植物の栽培時に出現し、栽培植物に害を与え、栽培植物の収穫物に悪影響を及ぼし、または天然資源に関して栽培植物と競合し得る生物であると解釈される。このような有害生物の例は、雑草類、草類、有害動物、例えば甲虫類、毛虫類および蠕虫類、菌類ならびに病原体(例えば細菌およびウイルス)である。生物学的観点からウイルスが生物には属さない場合であっても、本明細書ではウイルスは有害生物の概念に包含されるべきである。
【0024】
文献では、上記有害生物間に重複がある場合もある。特に菌類による被害の場合には、菌類と病気が同義で論じられることが多い。例えば、有害動物がウイルスを媒介する場合には、さらなる重複が生じる。そのような場合、有害物だけでなくウイルスも有害生物と考えることができ、これらを適切な防除剤で防除することができる。しかし、そのような重複は、本発明にとって重要ではない。本発明の観点からは、農地での栽培植物の栽培時に悪影響が観察され、これが温床の形態で生じる。こうした効果を適切な防除剤によって排除することが重要であり、その際、使用される防除剤の量は、合理的かつ経済的な範囲に制限されるべきである。
【0025】
「防除」という概念は、既存の有害生物の量の増加の防止または低減を意味する。雑草類/草類の場合、「量」という概念は、例えば雑草類/草類の形態で存在する生物体量を指す。しかし「量」という概念は、特に病気の場合には、既に病気の症状を示している栽培植物の量と解釈することもできる。
【0026】
部分エリアでの防除剤の施用を、本明細書では「処置」とも呼び、「処置した部分エリア」とは、1種または複数種の防除剤を施用した部分エリアをいう。
【0027】
有害生物の防除は、1種または複数種の防除剤の施用によって行われる。個々の有害生物に対して、例えば(雑草類および/または草類に対する)除草剤、(有害動物に対する)殺虫剤および(菌類に対する)殺菌剤といった、多数の防除剤が存在する。
【0028】
例えば、雑草または草の防除は、1種または複数種の除草剤の施用によって行われる。
【0029】
本発明によれば、農地での有害生物の防除は、有害生物が少なくとも1回検出された場所および安定した温床の形成が予想される場所に防除剤を複数回施用することによって行われる。
【0030】
「栽培植物」という概念は、人間の介入によって意図的に有用植物または観賞用植物として栽培される植物であると解釈される。
【0031】
「農地」という概念は、農業的に利用され、空間的に区画することが可能である地面領域であると解釈され、こうした農地に栽培植物が植え付けられ、栄養分が供給され、そして収穫が行われる。
【0032】
「温床」という概念は、農地の、特定の有害生物が繰り返し観察される部分エリアであると解釈される。
【0033】
以下の詳論では、主に有害生物として雑草類および草類を取り扱うが、該詳論は、考え得るいずれの有害生物にも同様に該当する。したがって、本発明が除草剤による雑草類および/または草類の防除に好ましく使用される場合であっても、本発明は、有害生物として雑草類および草類に限定されるものではない。
【0034】
「雑草(Unkraut)」(複数形:雑草類(Unkraeuter))という概念は、栽培植物群、草地または園芸区域において、そこで意図的に栽培されているわけではなく、例えば土壌に潜在している種子からまたは風で運ばれて生育する、自発的に付随する植生の植物(耕地に生育する野生の植物相)であると解釈される。この概念は、本来の意味での草本植物に限定されず、禾本類、シダ類、コケ類または木本植物をも包含する。
【0035】
植物防疫の分野では、草本植物との区別を明確にするために、「草(Ungras)」(複数形:草類(Ungraeser))という概念が用いられることも多い。本明細書では、特定の雑草類または草類に言及する場合を除き、雑草という概念は、草という概念を包含する上位概念として用いられる。
【0036】
したがって、本発明の趣意における草類および雑草類とは、所望の栽培植物を栽培する際に随伴物として生じる植物をいう。これらは、資源に関して栽培植物と競合するため、望ましくなく、したがって防除すべきである。
【0037】
本発明は好ましくは、農地の同一の部分エリアで温床が常に安定しているかまたは繰り返すことが知られている有害生物に使用される(Nordmeyer H. 2006. Patchy weed distribution and site−specific weed control in winter cereals. Precision Agric 7, 219−231)。温床は通常は、栽培植物の植生期間中ずっと観察される。特に好ましい使用例の一例は、ノスズメノテッポウ(アロペクルス・ミオスロイドHuds(Alopecurus myosuroides Huds))であり、これは、母植物に近い種子分布を示す(Wilson BJ, Brain P. 1991. Long−term stability of distribution of Alopecurus myosuroides Huds. within cereal fields. Weed Res 31, 367−373)。この場合、雑草の温床は、安定しているかまたは繰り返すが、新たなものが加わることもある。さらなる好ましい例は、ソラマメにおけるオロブランキ・クレナタForsk(Orobranche crenata Forsk)(Oveisi M, Yousefi AR, Gonzalez−Andajur JL. Spatial distribution and temporal stability of crenate broomrape (Orobranche crenata Forsk) in faba bean (Vicia faba L.): A long−term study at two localities. Crop Protection 29, 2010, 717−720)、ガリウム・アパリン(Galium aparine)、V.アルベンシスMurr.(V.arvensis Murr.)、C.アルブムL.(C.album L.)、ポリゴナム・アビキュラレL.(Polygonum aviculare L.)(Spatial and Temporal Dynamics of Weed Populations. In “Precision Crop Protection − the Challenge and Use of Heterogeneity. Eds.: Oerke, EC, Gerhards R, Menz G, Sikora RA. Springer, 2010, Heidelberg. ISBN 978−90−481−9276−2, p. 17−25の概要を参照)である。
【0038】
さらに本発明は、空間的に安定したパターンを有するいずれの病気および有害動物にも適用することができる。一例は、線虫類による被害である(Campos−Herrera R., Johnson E.G., EL−Borai F.E., Stuart R.J., Graham J.H,. Duncan L.W. 2011. Long−term stability of entomopathogenic nematode spatial patterns in soil as measured by sentinel insects and real−time PCR assays, Ann Appl Biol 158: 55−68; Godefroid M., Delaville L., Marie−Luce S., Queneherve P. 2013. Spatial stability of a plant−feeding nematode community in relation to macro−scale soil properties. Soil Biology & Biochemistry 57: 173−181; B.V. Ortiz, C. Perry, P. Goovaerts, G. Vellidis, and D. Sullivane. Geostatistical modeling of the spatial variability and risk areas of southern root−knot nematodes in relation to soil properties. Geoderma. 2010 May; 156(3−4): 243−252)。
【0039】
「空間的に安定したパターン」とは、農地における温床の繰り返し観察または測定可能な空間的な分布または配置を意味する。さらに、病気および有害物の空間的に安定したパターンとは、i)病気または有害物による被害の要因、ii)病気または有害物による被害自体、さらにはiii)病気または有害物による被害の顕著な特徴を指し得る。例えば、有害物WがウイルスXを媒介することができ、このウイルスXは、症状Zを伴う病気Yを招く。W、X、Yおよび/またはZは、測定可能であり、それぞれ安定したパターンを生じると考えられる。
【0040】
特に、このパターンは、病原体または有害物の発生サイクルとさらなる非生物的因子との相互作用によって引き起こされ得る。したがって本発明は、農地の、その性質ゆえ病気または有害物の発生率が総じて比較的高い区域にも適用することができる。そのような性質因子の例は、位置または暴露、窪み、土壌または農地周辺の性質(例えば薮)である。
【0041】
一例として、セプトリア・トリチキ(Septoria Tritici)の菌胞子による感染に好都合な条件で生じるセプトリア(Septoria)葉斑点病が挙げられる。これらの好都合な条件は、暴露、局所的な窪みおよび/または土壌のタイプに起因して、湿分が比較的高いかまたは空気の入れ替えが比較的わずかにしか行われないことによって生じ得る。
【0042】
繰り返しのパターンが生じる有害物の一例は、アブラナにおけるダシネウラ・ブラシカエ(Dasineura brassicae)である。飛行準備がそれほど整っていないことにより、被害に関しては、冬季の宿主との距離が重要である。ここでは、冬季の宿主に対する農地の位置によっても、前年にアブラナ栽培を行った農地に対する農地の位置によっても、繰り返しパターンが生じる。
【0043】
さらなる例は病原体であり、その侵襲圧は、土壌に残った植物の分解速度によって決まる。ここで、土壌における局所的な相違によって安定した温床が生じる。
【0044】
本発明による方法の第1のステップでは、デジタル有害生物分布マップが作成される。このマップには、農地の、有害生物が検出された部分エリアが登録されている。
【0045】
「デジタル」という概念は、該マップが、機械、通常はコンピュータシステムによって処理され得ることを意味する。「処理」とは、公知の電子データ処理(EDP)方法であると解釈される。
【0046】
雑草類および/または草類が出現している場所が登録されているデジタルマップを作成するための方法は、例えば、Carina Ritterによる論文:Evaluation of weed populations under the influence of site−specific weed control to derive decision rules for a sustainable weed management, Institute of Phytomedicine, Weed Science Department, University of Hohenheim, under the supervision of Prof. Dr. R. Gerhards, 2008に記載されている(特に第1.1.5章参照)。
【0047】
本明細書では、英国特許出願公開第2447681号明細書(GB 2447681 A)、米国特許第6,199,000号明細書(US 6,199,000)、米国特許出願公開第2009/0132132号明細書(US 2009/0132132 A1)および国際公開第00/23937号(WO 00/23937)に記載されているデジタル雑草分布マップを作成するための方法を適用することも可能である。
【0048】
デジタル有害生物分布マップを作成する際に、農地において有害生物が探索される。この探索は、1人(または複数)の人間によって行われてもよいし、機械によってのみ行われてもよい。また、1人(または複数)の人間が機械の支援を受けて探索することも考えられる。好ましくは、有害生物の探索は、位置特定システムによって支援される。これは、人間または機械が農地の上または上方を移動し、この人間または機械のそれぞれの位置を位置特定システムで自動的に把握して保存することを意味する。適切な位置特定システムは、しばしばGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)という概念に包摂される。
【0049】
ある場所で人間または機械が有害生物を発見すると、その場所で有害生物が発見されたことがデジタルマップに保存される。
【0050】
有害生物が特定の場所で発見されたという事実に加えて、デジタルマップにはさらなる情報を保存することができ、例えば、発見された有害生物の種類、量、生育段階およびさらなる情報を保存することができる。
【0051】
有害生物を機械で識別するために、有害生物を撮像装置によってデジタル画像として撮影し、次いでこれを画像識別方法に供することができる。
【0052】
農地における機械による有害生物の探索は、例えば、車両または無人飛行物体(ドローン)を使用して行うことができる。また、有害生物を識別するために農地の衛星画像を使用することも考えられる。
【0053】
様々な配合物をエリアに応じて使用できるようにするため、雑草分布マップにおける雑草類/草類は、好ましくは単子葉植物および双子葉植物であると特定されるか、または適切なもしくは有効な配合物に関する雑草類および/もしくは草類の群の形で把握される。
【0054】
有害生物分布マップを作成する際には、常に有害生物自体が必ず観察されるというわけではなく、例えば該有害生物が栽培植物に及ぼす影響が観察されることに留意すべきである。しかし、これは本発明にとって重要ではない。したがって本発明による方法のステップ(A)とは、農地の、有害生物の存在を示す位置を検出してデジタル分布マップに登録することと解釈されるべきである。したがって、有害生物は(環境への影響の結果として)直接的または間接的に検出される。
【0055】
ステップ(A)の結果として、有害生物またはその影響が発見された位置が登録されている機械可読マップが得られる。
【0056】
後続のステップでは、このデジタル有害生物分布マップに基づいてデジタル施用マップが作成される。
【0057】
このデジタル施用マップは機械可読であり、該マップには、農地のどの部分エリアに1種または複数種の防除剤の施用を行うべきかが指定されている。
【0058】
デジタル施用マップは、いわゆるオン/オフマップであってもよい。例えば、デジタル有害生物分布マップに有害生物が登録されているすべての場所について、その場所に1種または複数種の防除剤を施用すべきであることが相応する施用マップに登録されており、一方で有害生物分布マップに有害生物が登録されていないすべての場所について、その場所には防除剤を施用すべきでないことがデジタル施用マップに登録されていることが考えられる。
【0059】
このようなオン/オフマップは、例えば、本発明による方法のステップ(A)における有害生物を発見するための検出方法がそれほど高感度ではなく、有害生物が、すでに損害閾値に達したかまたはさらにはそれを上回る量ですでに存在する状態になってからでないと有害生物が発見されないという場合に合理的である。
【0060】
それに対して、検出方法が非常に高感度である場合には、好ましくは、相応する場所で予め定められた閾値に達したかまたはそれを上回ってから、デジタル施用マップに防除剤の施用が入力される。そのためには、デジタル有害生物分布マップ上で、その都度存在する有害生物の(近似)量(または被害を受けている栽培植物の量)が把握されている必要がある。デジタル施用マップには、存在している有害生物の閾値に達したかまたはそれを上回っている場所にのみ、計画された防除剤の施用が登録されている。その他の場所ではいずれも閾値を下回っており、したがって防除剤の施用は予定されておらず、施用マップには計画された施用が登録されていない。
【0061】
「損害閾値」とは、農業、林業および園芸による概念である。損害閾値とは、病原体、病気または雑草類による占領を伴い、それ以上になると防除が経済的に合理的となる被害の深さを示す。この値までは、懸念される収穫量の低下よりも、防除による追加的な経済的支出の方が大きい。被害または雑草の生長がこの値を上回った場合には、期待し得る追加の収穫量によって防除コストが少なくとも相殺される。
【0062】
損害閾値は、有害物または病気の性質によって非常に様々であり得る。多くの支出およびさらなる生産に対する負の副作用を伴わなければ防除することができない有害物または病気の場合には、損害閾値は非常に高くなる場合がある。しかし、被害がわずかであっても生産物全体を全滅させる恐れのある蔓延の中心となり得る場合には、損害閾値は非常に低くなり得る。
【0063】
従来技術では、損害閾値を決定するための例が多数存在する(例えばClaus M. Brodersen: Informationen in Schadschwellenmodellen, Berichte der GIL, Band 7, p.26−36, http://www.gil−net.de/Publikationen/7_26.pdf参照)。
【0064】
好ましい一実施形態では、デジタル施用マップの作成には、有害生物の出現を引き起こすまたはその蔓延を助長する因子に関する情報が含まれる。
【0065】
施用マップが、施用すべき防除剤配合物の量のデータを含むことが考えられる。デジタル施用マップには、防除剤の種類または配合物の種類も保存されていてよい。
【0066】
デジタル施用マップは、特定の位置で有害生物が初めて把握された際に作成され、この位置でのこの有害生物に対する施用の数Nが定められる。施用の数Nは、検出された有害生物の種類に依存する。施用の数は、少なくとも2であり、好ましくは施用の数は、2、3、4または5であり、施用の数は同様に、該当する各部分エリアについての施用マップに格納されている。
【0067】
好ましい一実施形態では、デジタル施用マップに従って防除剤の施用を複数回行うべき期間内に、農地のデジタル有害生物分布マップが新たに作成され、新たに発見された温床の分だけデジタル施用マップが拡張される。現在はもはや有害生物が検出されていない場合であっても、デジタル施用マップにおいてさらに実行すべき防除剤の施用が登録されている(N>0)部分エリアは、そのまま残る。したがって、ある部分エリアについて、該部分エリアに防除剤を複数回(N回)施用すべきであるが、実行すべき施用の数には実際にはまだ達していないことがデジタル施用マップに定められている場合には、相応する場所にはもはや有害物質が検出されていなくても、該部分エリアで(さらに)施用を行うべきであるという情報がそのまま残る。
【0068】
複数回の施用とは、必ずしも同一の配合物を複数回使用しなければならないことを意味するものではない。配合(「作用様式」(“Mode of Action”))の異なる噴霧剤を使用し、噴霧剤の配合/組合せを施用ごとに変更することが考えられる。
【0069】
さらに、次年に農地の同一の部分エリアでさらに有害生物が検出された場合、それに応じて配合物を変えることができる。特にこれによって、有害生物を1種有する農地の部分エリアをそれぞれ1種の配合物により処置し、有害生物を複数種有する共通の部分エリアをさらなる配合物により処置することが可能となる。
【0070】
このことを、以下の例をもとに説明する。以下の例では、2種の雑草(雑草1および雑草2)が農地の同一の部分エリアに出現する。
【0071】
例1:雑草1および雑草2は、除草剤1に対して感受性を示す→除草剤1を施用する。
【0072】
例2:雑草1は、除草剤1に対して感受性を示し、雑草2は、除草剤2に対して感受性を示し、雑草1にも雑草2にも作用する使用可能な除草剤は、知られていない。→除草剤1および除草剤2を施用する。
【0073】
例3:雑草1は、除草剤1に対して感受性を示し、雑草2は、除草剤2に対して感受性を示し、雑草1にも雑草2にも作用する使用可能な除草剤3が知られている→除草剤3を単独で施用するか、または除草剤1と除草剤2とを組み合わせて施用する。
【0074】
例えば、ノスズメノテッポウ草を防除する場合には、以下の防除剤を使用する:BBCH段階11以上の秋期に使用する場合には、作用物質であるメソスルフロンおよびヨードスルホロン(好ましくは、これに緩和剤を加える)からなるスルホニル混合物を使用する。作用物質を変更する場合には、プロポキシカルバゾンまたはピロキシスラムおよびフロラスラムを使用する。春期にこの草が損害閾値を繰り返し上回った場合には、春期にも、例えば作用物質であるメソスルフロンおよびヨードスルホロン(および緩和剤)による処置を行う。ALS阻害剤の群以外に、その他の、いわゆるFOPSを有するACCase阻害剤の作用物質群も存在する。作用物質の種類および施与量は、雑草もしくは草の種類、1mあたりの植物の数、または雑草もしくは草の生物体量および抵抗性の程度に依存する。
【0075】
さらに、デジタル施用マップが、防除剤配合物の施用装置のコマンドを含むことが考えられる。これは、デジタル施用マップまたはその一部を施用装置のメモリにロードすることができ、そこからコマンドが噴霧装置に送信されることを意味する。
【0076】
施用装置とは、防除剤配合物を農地に施用するための機械装置であると解釈される。このような施用装置は、通常は、少なくとも1種の防除剤配合物を収容するための少なくとも1つの容器と、該防除剤配合物を農地に放出する噴霧装置と、該施用装置の容器から噴霧装置の方向への該少なくとも1種の防除剤配合物の搬送を制御する制御装置とを含む。したがって、デジタル施用マップは好ましくは、制御ユニットのメモリに保存される。さらに制御ユニットは好ましくは、農地における施用装置の位置を調べる位置特定システムに接続されている。好ましくは、制御装置は、ある場所で施用を行うべきであることがデジタル施用マップに登録されておりかつ施用装置が現在その場所に位置していることが位置特定システムにより報告されたら、施用処理を開始する。
【0077】
本発明による方法の次のステップでは、ステップ(A)で特定された有害生物に対する1種または複数種の防除剤の施用が、デジタル施用マップを使用して行われる。
【0078】
一実施形態では、人間(ユーザ)が、デジタル施用マップを、携帯型コンピュータシステム、例えばGPS受信機を具備した携帯電話(スマートフォン)にロードする。ユーザが農地を歩行する間に、この携帯型コンピュータシステムにより、ユーザに対して、この農地のグラフィック画像をもとに、ユーザがそれぞれどこに位置しており、そして1種または複数種の防除剤を手動でどの箇所に噴霧(施用)すべきかが表示される。次いでユーザは、施用マップが相応する指示を含んでいる箇所に、手動で噴霧を行う。ユーザがある箇所で防除剤を施用する際、行った施用プロセスに関するフィードバックが、相応するセンサを通じて携帯型コンピュータシステムに送信され、行った施用プロセスが保存されることが考えられる。行った施用プロセスが携帯型コンピュータシステムに表示され、それによって、ユーザが、自身がどの箇所ですでに施用を行ったのかを識別できることも考えられる。さらに、携帯型コンピュータシステムで把握されたデータがすぐにまたは後の時点で据置型コンピュータシステム(例えばサーバ)に送信され、そこに保存されることが考えられる。いずれにしても、各部分エリアで行われた施用について、デジタル施用マップでは、(さらに)実行すべき施用(処置)の数Nが1だけ減少されるように把握される。
【0079】
また、車両に乗った人間が農地を走行し、GPS受信機によって該車両のそれぞれの位置が把握され、該車両が、該農地の、施用マップに従って1種または複数種の防除剤の施用を行うべき場所に存在している場合には、該デジタル施用マップに基づいて該車両の噴霧装置にコマンドが送信され、その後、相応する施用が自動的に行われることも考えられる。
【0080】
1種または複数種の防除剤の施用を完全に自動化して行うことも考えられる。無人の機械がGPSの支援を受けて農地を移動し、農地の、デジタル施用マップにおいて相応する施用が予定されている箇所で施用を行う。この場合にも、行った施用がデジタル施用マップに登録され、処置した部分エリアについて、数Nが1だけ減少される。
【0081】
化学および/または生物学に基づく相応する植物防疫剤による有害生物の防除を、物理的/機械的防除方法によって補うことができる。
【0082】
物理的除去(またはさらには機械的除去)とは、例えば、有害生物としての雑草/草を完全に除去するかまたはその一部を除去することにより雑草/草がもはや生存可能でなくなって死滅することと解釈される。化学的防除と呼ぶことができる除草剤による雑草/草の防除とは対照的に、物理的/機械的防除の場合には、化学的または生物学的手段は適用されない。したがって、物理的/機械的防除はまた、雑草類/草類に選択圧を与えないが、除草剤の施用よりも手間がかかり、より高コストである場合が多い。
【0083】
物理的/機械的防除とは、例えば雑草類を望み通りに発芽させてこれらを狙い通りに排除するための灌水とも解釈されるべきである。さらに、物理的/機械的防除とは、有害生物の焼払いとも解釈されるべきである。
【0084】
例えば、化学的方法と物理的方法とを交互に用いることが考えられる。
【0085】
あるエリアの一方の部分を化学的に処置し、他方の部分を物理的に処置することも考えられる。
【0086】
しかし、例えば化学物質の使用が法的規制に基づいて制限されている場合や、機械的手段と化学的手段とを組み合わせた防除によって成功する可能性が最も高くなる有害生物の組合せが存在する場合には、作業工程における組み合わされた変法も考えられる。物理的方法と化学的方法とを組み合わせて用いることは、その組合せが相乗効果を発揮する場合にも合理的であり得る。
【0087】
好ましい一実施形態では、有害生物の物理的除去は、農地の、確かに有害生物の閾値を上回ってはいないが有害生物が検出されている箇所で行われる。
【0088】
デジタル施用マップに基づく1種または複数種の防除剤の施用には、ある程度の時間を要する。この時間は、例えば、農地の広さ、農地における、施用を行うべき箇所の数、該箇所の広さおよび施用装置が積載し得る防除剤の量に依存する(状況によっては、施用装置が積載し得る防除剤の量は、施用マップに登録されているすべての箇所に防除剤を供給するのには不十分であるため、施用装置に1回または複数回充填する必要があり、これには時間を要する)。
【0089】
「施用マップの実行」とは、農地における、1種または複数種の防除剤を施用すべきであることがデジタル施用マップに登録されている箇所がすべて施用装置によって探索済みとなりかつ相応する施用が実施済みとなるようなプロセスであると解釈される。
【0090】
施用マップの作成後に初めて該施用マップを実行する場合に、このプロセスを、本明細書では「1回目の施用」と呼ぶ。
【0091】
通常は、デジタル施用マップの実行には、農地の広さに応じて1日未満ないし2週間を要する。
【0092】
したがって、1回目の実行の期間は、第1の期間内に生じる。
【0093】
本発明において重要なことは、デジタル施用マップを少なくとも2回実行することである。したがって、施用マップに登録された温床に、防除剤を複数回(例えば2回、3回、4回または5回)噴霧する。
【0094】
したがって、本発明による方法のステップ(C)の後にステップ(D)を行い、このステップ(D)では、第2の期間内に施用マップ上の同一の場所でもう1回噴霧を行う(施用マップの2回目の実行)。
【0095】
同一の施用マップについて、第3の期間内に3回目の実行を実施することが考えられる。
【0096】
同一の施用マップについて、第4の期間内に4回目の実行を実施することが考えられる。
【0097】
さらに実行を繰り返すことが考えられるが、3回目の実行に続くいずれのさらなる実行についても、実施される可能性は比較的低い。
【0098】
したがって、ステップ(C)および(D)が以下の点に包摂されることも可能である:ステップ(B)で作成されたデジタル施用マップを、以下のように複数回使用し、すなわち、(施用の時点でもはや有害生物が検出されなくても)農地の、1種または複数種の有害生物の損害閾値を上回っている部分エリアで、1種または複数種の防除剤を複数回(N回)施用する、というように使用する。
【0099】
上述のように、新たに検出された温床を収録することにより、施用マップをいつでも拡張することができる。
【0100】
第1の期間内の施用マップの1回目の実行(ステップ(C))と、第2の期間内の施用マップの2回目の実行(ステップ(D))との間には、防除剤の施用を行わない期間が存在する。この期間は、少なくとも1日間であり、好ましくは少なくとも1週間であり、さらにより好ましくは少なくとも1ヶ月間である。施用マップについて、第3の期間内に3回目の実行が実施される場合には、第2の期間と第3の期間との間にさらに、少なくとも1日間、好ましくは少なくとも1週間、さらにより好ましくは少なくとも1ヶ月間の期間が存在し、その期間内には施用を行わない。
【0101】
施用マップのいずれのさらなる実行についても、同様のことが該当する。
【0102】
ある1つの部分エリアの2回の処置の時間間隔は、有害生物の新たな出現が予想され得る時期によって実質的に決まる。したがって、部分エリアは好ましくは、有害生物の新たな出現が予想され得る時になってから、特に好ましくは、有害生物による部分エリアの新たな被害が別の部分エリアへとさらに蔓延する前に、もう1回処置される。
【0103】
施用マップの複数回(少なくとも2回)の実行は好ましくは、現在の植生年および/または次の植生年を通じて、それぞれ、農地で栽培される栽培植物の発芽前段階から植生期間の終わりまでの期間内に行われる。
【0104】
「発芽前段階」とは、本明細書では、前作物の収穫後1日目から作物の発芽前日までの期間であると考えられる。
【0105】
本発明の一実施形態では、2回の施用の間の期間は、栽培される栽培植物の植生期間(±1日間〜8週間)の時間に相応する。
【0106】
好ましくは、第一には有害生物の存在を調べるために、そして第二には、場合により新たに追加された、損害閾値を上回っている場所を収録することによってデジタル施用マップを改変するために、農業で利用される農地について、拡張されたデジタル有害生物分布マップが毎年作成される。
【0107】
本発明により特に、例えば雑草類/草類が効果的に防除された場合に、抵抗性の発生がより少なくなる:
【0108】
・耕地のエリアの一部しか選択圧に曝されないため、各部分エリアに応じて施用を行った農地の抵抗圧は、各部分エリアに応じた施用を行わなかったエリアに比べて、全体として少ない。
【0109】
・各部分エリアに応じた施用を行わない場合と同様に、ある1つの部分エリアに同一の量または濃度の除草剤を施与することによって、いわゆる多重遺伝子抵抗性が回避される。多重遺伝子抵抗性は、通常であれば低用量で繰り返し噴霧した場合に定量的に生じる。これは、「適正農業規範」に沿ったものである。
【0110】
・施用マップを繰り返し使用することによって、雑草識別マップの特定されたパッチにおいて雑草類/草類の個々の個体の生存がより不可能となる。マップを毎年作成することでこの状況を調査し、それによって未処置の部分エリアで抵抗性が生じないようにする。
【0111】
・種々の除草剤の使用によって処置の成果がより多く得られ、したがって特定の噴霧剤に対する抵抗性の発生が減少する。
【0112】
本発明の好ましい実施形態は、特に以下のものである:
1. 栽培植物が栽培される農地で雑草類および/または草類を防除するための方法であって、以下:
(A)前記農地の、前記雑草類および/または草類が検出された場所が登録されているデジタル雑草分布マップを作成するステップ;
(B)前記デジタル雑草分布マップに基づいてデジタル施用マップを作成し、ここで、前記デジタル施用マップには、前記農地の、1種または複数種の雑草類および/または草類の損害閾値を上回っておりかつ前記雑草類および/または草類に対する1種または複数種の除草剤を施用すべきである場所が登録されているものとするステップ;
(C)前記ステップ(B)で得られたデジタル施用マップを使用して、前記雑草類および/または草類に対する1種または複数種の除草剤の1回目の施用を行うステップ;
(D)前記ステップ(B)で得られたデジタル施用マップを使用して、前記雑草類および/または草類に対する1種または複数種の除草剤の施用を少なくとももう1回行うステップ
を含む方法。
【0113】
2. 前記ステップ(B)で得られたデジタル施用マップに基づく1種または複数種の除草剤の施用の数が、2、3または4である、実施形態1記載の方法。
【0114】
3. 1種または複数種の除草剤を1回施用した後に、ステップ(A)に従って新たにデジタル雑草分布マップを作成し、前記新たなデジタル雑草分布マップにおいて1種または複数種の雑草類および/または草類の損害閾値を上回っている領域を、ステップ(B)で既存のデジタル施用マップに追加することを特徴とする、実施形態1または2のいずれか記載の方法。
【0115】
4. 少なくとも、前記農地の領域の一部であって、確かに雑草類および/または草類が検出されてはいるが損害閾値を上回ってはいない部分において、雑草類および/もしくは草類またはそれらの一部の機械的除去を行う、実施形態1、2または3のいずれか記載の方法。
【0116】
5. 前記デジタル施用マップにおいて、雑草/草の損害閾値に達しているかまたはこれを上回っているすべての場所について、1種または複数種の除草剤の複数回の施用に関する数を登録し、ここで、計画されたすべての施用が行われるまで、各施用を行った際に前記数を1だけ減少させ、かつ前記施用マップから前記場所を削除することを特徴とする、実施形態1から4までのいずれか記載の方法。
【0117】
6. 雑草類および/または草類を防除するためのシステムであって、
(a)栽培植物が栽培されている農地の、前記雑草類および/または草類が検出されている場所が登録されている、デジタル雑草分布マップ;
(b)前記農地の、前記検出された雑草類および/または草類における損害閾値を上回っている場所が登録されている、デジタル施用マップ;
(c)位置特定システム;
(d)以下のものを含む施用装置:
− 少なくとも1種の除草剤配合物を収容するための少なくとも1つの容器、
− 前記除草剤配合物を施用するための噴霧装置、および
− 前記デジタル施用マップを読み取るためのメモリと、前記位置特定システムへの接続部と、前記噴霧装置を制御するための手段とを含む制御ユニット;
を含むシステム。
【0118】
7. 前記デジタル施用マップに従って前記少なくとも1種の除草剤配合物の施用が予定されている場所に前記施用装置が存在していることが前記位置特定システムにより通知されたら、前記制御ユニットは、前記噴霧装置による少なくとも1種の除草剤配合物の施用を開始することを特徴とする、実施形態6記載のシステム。
【0119】
8. 前記デジタル施用マップにおいて、雑草/草の損害閾値に達しているかまたはこれを上回っているすべての場所について、1種または複数種の除草剤の複数回の施用についての数が登録されており、ここで、前記数は、前記場所にあと何回施用を行わなければならないかを指定することを特徴とする、実施形態6または7のいずれか記載のシステム。
【0120】
9. 農地の、1種または複数種の雑草類および/または草類の損害閾値を上回っている場所が登録されているデジタル施用マップの、
前記雑草類および/または草類に対する1種または複数種の除草剤を複数回施用するための使用において、
雑草/草の損害閾値を上回っているすべての場所について前記施用マップに複数の施用の数を入力し、各施用を行った際に前記数を1だけ減少させることを特徴とする、使用。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、tからtまでの様々な時点における農地の様々な表示を示す。
【0122】
以下、例をもとに本発明を詳説する。
【0123】
図1は、tからtまでの様々な時点におけるこの農地の様々な表示を示す。この農地の表示は、矩形として描かれている。U1が付された最上行は、雑草U1についての雑草分布マップである。U2が付された中央の行は、雑草U2についての雑草分布マップである。Aが付された最下行は、2種の異なる除草剤H1およびH2の施用マップである。
【0124】
時間は、6つのスナップショットtからtまでに分割されている。ここで、時間は、列ごとに左方から右方へと進む。
【0125】
したがって、第1の列には第1の時点での農地が示され、第2の列には、これよりも後の第2の時点での農地が示され、以下同様に続く。2つの列の間にある期間は、例えば、農地で栽培される栽培植物の植生期間の時間(通常は1年間)であり得る。この期間は、雑草/草の植生期間でもあり得る。複数の時間区分の間ずっと雑草類が検出されなかった場合(最後の列)を除いて、通常は、2つの連続する列の間の期間に1種または複数種の除草剤の施用(これは、下方の行Aに示されている)を行った。
【0126】
最上行には、tからtまでの時点でこの農地のどこに雑草U1が検出されたかが示されている。
【0127】
したがって、U1(t)欄、U1(t)欄、U1(t)欄、U1(t)欄、U1(t)欄およびU1(t)欄は、雑草U1についての雑草分布マップを表す。同様に、U2(t)欄、U2(t)欄、U2(t)欄、U2(t)欄、U2(t)欄およびU2(t)欄は、雑草U2についての雑草分布マップを表す。雑草1の分布および雑草2の分布を1つの分布マップにまとめることも可能であるが、本明細書ではこれらを別々に表す。
【0128】
の時点で、この農地では雑草U1が確認された。この雑草U1は、円形領域(=部分エリア)の形態で存在していた(U1(t)参照)。
【0129】
同一のtの時点では、この農地には雑草U2が存在していなかった(U2(t)参照)。
【0130】
これらの雑草分布マップU1(t)およびU2(t)から、施用マップA(t)を作成した。この農地では雑草U1のみが検出されたため、施用マップA(t)も、雑草U1についての情報および指示のみを含んでいる。施用マップA(t)では、U1(t)で雑草U1が検出された円形領域に平行線が付されている。この領域では、除草剤H1を施用すべきである。平行線領域の上方の数字3は、この部分エリアを除草剤H1により合計で3回(N=3)処置すべきであることを示している。
【0131】
これよりも後の、除草剤H1を施用した後の時点では、U1(t)において、雑草U1が明らかにもはや以前の円形領域では認められないことが分かる。除草剤H1の施用は、明らかに成功であった。しかしその代わりに、以前の円形領域の隣に、雑草U1が検出された三日月形領域が形成された。したがって、雑草U1は、この農地において右方に移動した。
【0132】
さらに、雑草U2が出現した(U2(t)参照)。この発見により、施用マップA(t)が生成される。まずA(t)には、U1(t)でもはや雑草U1が検出されていない場合であっても、U1(t)で雑草U1が検出された円形領域において除草剤H1をさらに施用すべきであることが示されている。これはまさに本発明の核心であり、施用マップA(t)は、複数回使用/実行される。平行線領域の上方の数字2は、この部分エリアを除草剤H1であと2回(N=3−1=2)処置すべきであることを示している。
【0133】
施用マップA(t)は、U1(t)およびU2(t)における発見をもとに、A(t)へと拡張されている。今やU1(t)で雑草U1の三日月形領域が検出されているため、それに応じてA(t)では平行線領域が拡張された。この拡張された平行線領域の上方の数字3は、この拡張された領域を除草剤H1により合計で3回(N=3)処置すべきであることを示している。
【0134】
さらに、A(t)では、U2(t)で雑草U2が検出された領域(波形領域)に除草剤H2を施用すべきであることが示されている。この波形領域の下方の数字4は、この部分エリアを除草剤H2により合計で4回(N=4)処置すべきであることを示している。
【0135】
U1(t)には、雑草U1を含む領域がさらに右方に移動したことが示されている。U2(t)において、雑草U2は完全に消失した。A(t)は、U1(t)およびU2(t)に属する施用マップを表す。A(t)の円形領域では、さらにA(t)に従って、さらに除草剤H1を特にもう1回(N=1)施用すべきである。A(t)において円形領域に対して追加された三日月形領域においても、さらに除草剤H1を特にあと2回(N=2)施用すべきである。さらに、U1(t)において新たに出現した領域において、除草剤H1を特に合計で3回(N=3)施用すべきである。
【0136】
A(t)によれば、除草剤H2も、もう1回、特にA(t)と同一の領域に施用すべきである。U2(t)には、雑草U2を含む新たな領域は追加されていない。
【0137】
U1(t)には、A(t)による施用を行った後に、もはやこの農地では雑草U1が検出されていないことが示されている。U2(t)には、A(t)による施用を行った後に、もはやこの農地では雑草U2が検出されていないことが示されている。それにもかかわらず、A(t)に従って除草剤H1およびH2が施用される。A(t)の円形領域において、A(t)では初めて除草剤H1がもはや施用されない(N=0)。この領域では、除草剤H1を3回施用した。この施用の数は、温床を永続的に排除するのに十分である。
【0138】
A(t)およびA(t)において円形領域に対して追加された三日月形領域ではさらに施用を行うべきであり、最初に出現した三日月形領域(U1(t)参照)の場合にはあと1回(N=1)、そしてその後に出現した三日月形領域(U1(t)参照)の場合にはあと2回(N=2)、施用を行うべきである。
【0139】
A(t)においては、U2(t)の領域を除草剤H2によりあと2回(N=2)処置すべきである。
【0140】
さらに、U1(t)およびU2(t)では、もはや雑草は検出されていない。それにもかかわらずさらに、A(t)に従って除草剤H1および除草剤H2を施用すべきであり、U1(t)の領域では除草剤H1を最後の1回(N=1)施用すべきであり、U2(t)の領域では除草剤H2を最後の1回(N=1)施用すべきである。
【0141】
U1(t)およびU2(t)は、さらにもはや雑草が検出されていないことを示している。A(t)によれば、除草剤の施用は不要である。
【0142】
さらに本例では、雑草U1および雑草U2の損害閾値については明示的に詳述していないことに留意すべきである。本例では例えば、農地で雑草U1または雑草U2が検出されている場合には常に、損害閾値を上回っていたと仮定することができる。
【図1】
【国際調査報告】