(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522506
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】インプラント被覆ガイドを有する収納容器
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20190719BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20190719BHJP
   B65B 55/16 20060101ALI20190719BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20190719BHJP
   A61L 2/08 20060101ALI20190719BHJP
   A61L 101/32 20060101ALN20190719BHJP
【FI】
   !A61F2/24
   !A61L2/26
   !B65B55/16
   !A61L2/18
   !A61L2/08 108
   !A61L101:32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】2018559771
(86)(22)【出願日】20170510
(85)【翻訳文提出日】20181130
(86)【国際出願番号】US2017032050
(87)【国際公開番号】WO2017197054
(87)【国際公開日】20171116
(31)【優先権主張番号】62/335,986
(32)【優先日】20160513
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/498,807
(32)【優先日】20170427
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 55311−1566 ミネソタ州 メープル グローブ ワン シメッド プレイス(番地なし)
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イノ、タカシ エイチ.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 95123 カリフォルニア州 サンノゼ フットヒル コート 848
(72)【発明者】
【氏名】ガマラ、ランディ エス.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 95051 カリフォルニア州 サンタ クララ ポインシアーナ ドライブ 3707
(72)【発明者】
【氏名】カロメニ、マイケル ピー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 95125 カリフォルニア州 サンノゼ バード アベニュー 1285
(72)【発明者】
【氏名】レデスマ、クリストファー ダブリュ.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 91007 カリフォルニア州 アーケーディア ウエスト ラス トゥナス ドライブ 255
(72)【発明者】
【氏名】フィッテラー、ミミ チン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 94002 カリフォルニア州 ベルモント エスコンディード ウェイ 1526
【テーマコード(参考)】
4C058
4C097
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058AA30
4C058BB06
4C058BB07
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4C097DD10
4C097EE02
4C097EE08
4C097EE09
4C097EE11
(57)【要約】
外装を有する送達システムに連結された医療用インプラントを貯蔵してすすぐ収納容器は、壁、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延びる内腔を有する中空要素であり、中空要素の内腔が、医療用インプラントを医療用インプラントの貯蔵およびすすぎ中に部分的導入構成で収納するように構成および適合される、中空要素と、2次近位端キャップを含む近位端キャップであり、2次近位端キャップが、近位端キャップに取外し可能に固定され、近位端キャップを外装に可逆的に封止し、それによって中空要素の内腔と外装の内腔との間に閉鎖された流体連通を確立するように構成される、近位端キャップとを含むことができる。近位端キャップは、医療用インプラントを外装の内腔内へ誘導するように構成および適合された被覆ガイドを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装を有する送達システムに連結された医療用インプラントを貯蔵および滅菌する収納容器であって、
壁、近位端、遠位端、および該近位端と該遠位端との間に延びる内腔を有する中空要素であり、該中空要素の該内腔が、医療用インプラントを該医療用インプラントの貯蔵および滅菌中に部分的導入構成で収納するように構成および適合される、中空要素と、
2次近位端キャップを含む近位端キャップであり、該2次近位端キャップが、該近位端キャップに取外し可能に固定され、該近位端キャップを該外装に可逆的に封止し、それによって該中空要素の該内腔と該外装の内腔との間に閉鎖された流体連通を確立するように構成される、近位端キャップとを備え、
該近位端キャップが、該医療用インプラントを該外装の該内腔内へ誘導するように構成および適合された被覆ガイドを含む、収納容器。
【請求項2】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔内に濡れた状態で貯蔵される、請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔内から貯蔵流体を選択的に放出するように構成された出口を有する遠位端キャップを含む、請求項1または2に記載の収納容器。
【請求項4】
前記貯蔵流体が、1つまたは複数の殺生物性流体を含む、請求項3に記載の収納容器。
【請求項5】
前記被覆ガイドが、前記近位端キャップと一体形成される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項6】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔の周りに配置された放射線不透過性スリーブを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項7】
放射線不透過性スリーブが、前記医療用インプラントを前記中空要素の前記内腔内に貯蔵し、前記収納容器を30グレイ以上の電離放射線に露出しているとき、前記医療用インプラントの露出を4グレイ以下の電離放射線に制限するように、構成されている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項8】
前記近位端キャップが、前記近位端キャップ内に配置された封止要素を含み、前記2次近位端キャップが、前記外装の外面に該封止要素を押し付けるように構成されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項9】
前記近位端キャップが、前記外装の遠位端に嵌合当接するように構成された外装受取り部分を含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項10】
前記被覆ガイドが、前記被覆ガイドの遠位端から前記近位端キャップの近位端に向かって延びる先細り表面を含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項11】
前記先細り表面が、前記被覆ガイドの前記遠位端から前記近位端キャップの前記近位端に向かって径方向内方に先細りする、請求項10に記載の収納容器。
【請求項12】
前記被覆ガイドの最小内径が、前記外装の前記内腔の前記遠位端における前記外装の前記内腔の内径より小さい、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項13】
補助被覆ガイドであって、
該補助被覆ガイドの遠位端から該補助被覆ガイドの近位端に向かって径方向内方に先細りする先細り表面を画定する第1の部分および該第1の部分に嵌合係合するように構成された第2の部分と、
該第1の部分を該第2の部分に連結するように構成された第1の固定手段および第2の固定手段と
を備える補助被覆ガイド。
【請求項14】
前記第1の部分が、ヒンジ要素によって前記第2の部分に旋回可能に接続される、請求項13に記載の補助被覆ガイド。
【請求項15】
前記先細り表面が、前記補助被覆ガイドの前記遠位端に隣接する最大内径から前記補助被覆ガイドの前記近位端に隣接する最小内径へ先細りし、
前記第1の固定手段および前記第2の固定手段が、前記第1の部分を前記第2の部分に解放可能に連結するように構成され、前記第1の部分が、前記第2の部分から分離可能でありかつ独立している、請求項13に記載の補助被覆ガイド。
【請求項16】
外装を有する送達システムに連結された医療用インプラントを貯蔵および滅菌する収納容器であって、
壁、近位端、遠位端、および該近位端と該遠位端との間に延びる内腔を有する中空要素であり、該中空要素の該内腔が、医療用インプラントを該医療用インプラントの貯蔵および滅菌中に部分的導入構成で収納するように構成および適合される、中空要素と、
2次近位端キャップを含む近位端キャップであり、該2次近位端キャップが、該近位端キャップに取外し可能に固定され、該近位端キャップを該外装に可逆的に封止し、それによって該中空要素の該内腔と該外装の内腔との間に閉鎖された流体連通を確立するように構成される、近位端キャップとを備え、
該近位端キャップが、該医療用インプラントを該外装の該内腔内へ誘導するように構成および適合された被覆ガイドを含む、収納容器。
【請求項17】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔内に濡れた状態で貯蔵される、請求項16に記載の収納容器。
【請求項18】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔内から貯蔵流体を選択的に放出するように構成された出口を有する遠位端キャップを含む、請求項16に記載の収納容器。
【請求項19】
前記貯蔵流体が、1つまたは複数の殺生物性流体を含む、請求項18に記載の収納容器。
【請求項20】
前記遠位端キャップが、前記中空要素の前記内腔内からすすぎ流体を選択的に放出するように構成された出口を含む、請求項18に記載の収納容器。
【請求項21】
前記被覆ガイドが、前記近位端キャップと一体形成される、請求項16に記載の収納容器。
【請求項22】
前記医療用インプラントが、前記中空要素の前記内腔の周りに配置された放射線不透過性スリーブを含む、請求項16に記載の収納容器。
【請求項23】
前記放射線不透過性スリーブが、前記中空要素の前記壁の周りに配置される、請求項22に記載の収納容器。
【請求項24】
放射線不透過性スリーブが、前記医療用インプラントを前記中空要素の前記内腔内に貯蔵し、前記収納容器を30グレイ以上の電離放射線に露出しているとき、前記医療用インプラントの露出を4グレイ以下の電離放射線に制限するように、構成されている、請求項16に記載の収納容器。
【請求項25】
前記近位端キャップが、前記中空要素の前記近位端にねじ固定される、請求項16に記載の収納容器。
【請求項26】
前記医療用インプラントが、置換心臓弁である、請求項16に記載の収納容器。
【請求項27】
前記2次近位端キャップが、前記近位端キャップにねじ固定される、請求項16に記載の収納容器。
【請求項28】
前記近位端キャップが、前記近位端キャップ内に配置された封止要素を含み、前記2次近位端キャップが、前記外装の外面に該封止要素を押し付けるように構成されている、請求項27に記載の収納容器。
【請求項29】
前記近位端キャップが、前記外装の遠位端に嵌合当接するように構成された外装受取り部分を含む、請求項16に記載の収納容器。
【請求項30】
前記被覆ガイドが、前記被覆ガイドの遠位端から前記近位端キャップの近位端に向かって延びる先細り表面を含む、請求項16に記載の収納容器。
【請求項31】
前記先細り表面が、前記被覆ガイドの前記遠位端から前記近位端キャップの前記近位端に向かって径方向内方に先細りする、請求項30に記載の収納容器。
【請求項32】
前記被覆ガイドの最小内径が、前記外装の前記内腔の前記遠位端における前記外装の前記内腔の内径より小さい、請求項16に記載の収納容器。
【請求項33】
補助被覆ガイドであって、
該補助被覆ガイドの遠位端から該補助被覆ガイドの近位端に向かって径方向内方に先細りする先細り表面を画定する第1の部分および該第1の部分に嵌合係合するように構成された第2の部分と、
該第1の部分を該第2の部分に連結するように構成された第1の固定手段および第2の固定手段と
を備える補助被覆ガイド。
【請求項34】
前記第1の部分が、ヒンジ要素によって前記第2の部分に旋回可能に接続される、請求項33に記載の補助被覆ガイド。
【請求項35】
補助被覆ガイドであって、
該補助被覆ガイドの遠位端に隣接する最大内径から該補助被覆ガイドの近位端に隣接する最小内径へ先細りする先細り内面を画定する第1の部分および該第1の部分に嵌合係合するように構成された第2の部分と、
該第1の部分を該第2の部分に解放可能に連結するように構成された第1の固定手段および第2の固定手段とを備え、
該第1の部分が、該第2の部分から分離可能でありかつ独立している、補助被覆ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用デバイス、ならびに医療用デバイスを製造および/または使用する方法に関する。より詳細には、本開示は、置換心臓弁などの医療用インプラントを貯蔵および滅菌する収納容器の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の用途、たとえば、血管内の用途で、多種多様な体内医療用デバイスが開発されてきた。これらのデバイスのいくつかは、ガイドワイア、カテーテル、医療用デバイス送達システム(たとえば、ステント用、移植片用、置換弁用など)などを含む。これらのデバイスは、様々な異なる製造方法のいずれか1つによって製造されており、様々な方法のいずれか1つに応じて使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
知られている医療用デバイスおよび方法には、それぞれ特定の利点および欠点がある。代替の医療用デバイスならびに医療用デバイスを製造および使用する代替の方法を提供することが、引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、外装を有する送達システムに連結された医療用インプラントを貯蔵および滅菌する収納容器が提供され、収納容器は、壁、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延びる内腔を有する中空要素であり、中空要素の内腔が、医療用インプラントを医療用インプラントの貯蔵および滅菌中に部分的導入構成で収納するように構成および適合される、中空要素と、2次近位端キャップを含む近位端キャップであり、2次近位端キャップが、近位端キャップに取外し可能に固定され、近位端キャップを外装に可逆的に封止し、それによって中空要素の内腔と外装の内腔との間に閉鎖された流体連通を確立するように構成される、近位端キャップとを含むことができる。近位端キャップは、医療用インプラントを外装の内腔内へ誘導するように構成および適合された被覆ガイドを含むことができる。
【0005】
追加または別法として、第2の態様では、医療用インプラントは、中空要素の内腔内に濡れた状態で貯蔵される。
追加または別法として、第3の態様では、医療用インプラントは、中空要素の内腔内から貯蔵流体を選択的に放出するように構成された出口を有する遠位端キャップを含む。
【0006】
追加または別法として、第4の態様では、貯蔵流体は、1つまたは複数の殺生物性流体を含む。
追加または別法として、第5の態様では、遠位端キャップは、中空要素の内腔内からすすぎ流体を選択的に放出するように構成された出口を含む。
【0007】
追加または別法として、第6の態様では、被覆ガイドは、近位端キャップと一体形成される。
追加または別法として、第7の態様では、医療用インプラントは、中空要素の内腔の周りに配置された放射線不透過性スリーブを含む。
【0008】
追加または別法として、第8の態様では、放射線不透過性スリーブは、中空要素の壁の周りに配置される。
追加または別法として、第9の態様では、放射線不透過性スリーブは、医療用インプラントが中空要素の内腔内に貯蔵され、収納容器が30グレイ以上の電離放射線に露出されているとき、医療用インプラントの露出を4グレイ以下の電離放射線に制限するように構成される。
【0009】
追加または別法として、第10の態様では、近位端キャップは、中空要素の近位端にねじ固定される。
追加または別法として、第11の態様では、医療用インプラントは、置換心臓弁である。
【0010】
追加または別法として、第12の態様では、2次近位端キャップは、近位端キャップにねじ固定される。
追加または別法として、第13の態様では、近位端キャップは、近位端キャップ内に配置された封止要素を含み、2次近位端キャップは、外装の外面に封止要素を押し付けるように構成される。
【0011】
追加または別法として、第14の態様では、近位端キャップは、外装の遠位端に嵌合当接するように構成された外装受取り部分を含む。
追加または別法として、第15の態様では、被覆ガイドは、被覆ガイドの遠位端から近位端キャップの近位端に向かって延びる先細り表面を含む。
【0012】
追加または別法として、第16の態様では、先細り表面は、被覆ガイドの遠位端から近位端キャップの近位端に向かって径方向内方に先細りする。
追加または別法として、第17の態様では、被覆ガイドの最小内径は、外装の内腔の遠位端における外装の内腔の内径より小さい。
【0013】
追加または別法として、第18の態様では、補助被覆ガイドが、補助被覆ガイドの遠位端から被覆ガイドの近位端に向かって径方向内方に先細りする先細り表面を画定する第1の部分および第1の部分に嵌合係合するように構成された第2の部分と、第1の部分を第2の部分に連結するように構成された第1の固定手段および第2の固定手段とを含むことができる。
【0014】
追加または別法として、第19の態様では、第1の部分は、ヒンジ要素によって第2の部分に旋回可能に接続される。
追加または別法として、第20の態様では、補助被覆ガイドが、補助被覆ガイドの遠位端に隣接する最大内径から被覆ガイドの近位端に隣接する最小内径へ先細りする先細り内面を画定する第1の部分および第1の部分に嵌合係合するように構成された第2の部分と、第1の部分を第2の部分に解放可能に連結するように構成された第1の固定手段および第2の固定手段とを含む。第1の部分は、第2の部分から分離可能でありかつ独立することができる。
【0015】
いくつかの実施形態、態様、および/または例の上記の概要は、開示される各実施形態または本開示のあらゆる実装形態について記載することを意図するものではない。図およびそれに続く詳細な説明は、これらの実施形態についてより具体的に例示するものである。
【0016】
本開示は、添付の図面と併せて様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】例示的な医療用デバイス・システムおよび例示的な包装装置を示す図。
【図2】医療用デバイス・システムに付随する例示的な医療用インプラントを示す図。
【図3】例示的な収納容器を示す図。
【図4】図3の例示的な収納容器の分解図。
【図5】例示的な近位端キャップの横断面図。
【図6】例示的な補助被覆ガイドの横断面図。
【図7】図6の例示的な補助被覆ガイドの例示的な構成を示す図。
【図8】図6の例示的な補助被覆ガイドの例示的な構成を示す図。
【図9】例示的な医療用インプラントを被覆する使用中の例示的な近位端キャップを示す図。
【図10】例示的な医療用インプラントを被覆する使用中の例示的な近位端キャップを示す図。
【図11】例示的な医療用インプラントを被覆する使用中の例示的な補助被覆ガイドを示す図。
【図12】例示的な医療用インプラントを被覆する使用中の例示的な補助被覆ガイドを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の態様は、様々な修正形態および代替形態を受けることが可能であるが、その具体的内容について図面に例として示し、詳細に説明する。しかし、記載する特定の実施形態に本開示の態様を限定する意図はないことを理解されたい。逆に、本開示の思想および範囲内に入るすべての修正形態、等価物、および代替形態を包含することを意図する。
【0019】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面は必ずしも原寸に比例しておらず、いくつかの図全体にわたって、同じ参照番号が同様の要素を示す。詳細な説明および図面は、クレームされる発明を限定ではなく例示することを意図するものである。記載および/または図示する様々な要素は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な組合せおよび構成で配置されうることが、当業者には認識されよう。詳細な説明および図面は、クレームされる発明の例示的な実施形態を示す。
【0020】
以下に定義する用語に関して、特許請求の範囲または本明細書中に別途異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるべきである。
本明細書において、すべての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約(about)」という用語によって修飾されるものとする。数値の文脈で、「約(about)」という用語は概して、当業者であれば記載の値に同等である(たとえば、同じ機能または結果を有する)と見なすはずの数の範囲を指す。多くの場合、「約(about)」という用語は、最も近い有効数字に丸めた数を含むことができる。「約(about)」という用語の他の使用(たとえば、数値以外の文脈)は、別途指定されていない限り、本明細書の文脈から理解されかつ本明細書の文脈に一貫しているその通常の慣例的な定義を有すると考えることができる。
【0021】
端点による数値範囲の記載は、端点を含むその範囲内のすべての数を含む(たとえば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
様々な構成要素、特徴、および/または仕様に関するいくつかの適当な寸法、範囲、および/または値を開示するが、所望の寸法、範囲、および/または値がそれらの明示的な開示から逸脱しうることが、本開示を読めば当業者には理解されよう。
【0022】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が別途はっきりと指示しない限り、複数の指示対象も含む。本明細書および添付の特許請求の範囲では、「または(or)」という用語は概して、内容が別途はっきりと指示しない限り、「および/または(and/or)」を含むという意味で用いられる。理解を容易にするために、本開示の特定の特徴について、開示する実施形態の範囲内でそれらの特徴が複数存在しうる場合、または繰り返されうる場合でも、単数形で説明されうることに留意されたい。これらの特徴の各例は、逆の内容が明示的に記載されていない限り、単数の開示を含むことがあり、かつ/または単数の開示によって包含されることがある。話を簡単にして見やすくする目的で、開示する発明のすべての要素が必ずしも各図に示されたり以下で詳細に論じられたりするとは限らない。しかし、以下の議論は、逆の内容が明示的に記載されていない限り、2つ以上存在する構成要素のいずれかおよび/またはすべてに等しく該当しうることが理解されよう。追加として、見やすいように、いくつかの要素または特徴のすべての例が各図に示されるとは限らない。
【0023】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変形などの相対的な用語は概して、デバイスの使用者/作業者/操作者に対する様々な要素の位置決め、方向、および/または動作に関連して考慮することができ、「近位」および「後退」は、使用者に近づくまたは使用者に向かう方を示しまたは指し、「遠位」および「前進」は、使用者から遠ざかるまたは使用者から離れる方を示しまたは指す。「上流」、「下流」、「流入」、および「流出」などの他の相対的な用語は、体腔、血管などの内腔内またはデバイス内における流体の流れの方向を指す。
【0024】
本明細書において、「1実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの参照は、記載する実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含んでもよいが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まなくてもよいことを示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性について、1実施形態に関連して説明するとき、明示的に記載されているか否かにかかわらず、逆の内容がはっきりと記載されていない限り、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に関連して行うことは、当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、後述する様々な個々の要素は、特定の組合せで明示的に示されていない場合でも、それにもかかわらず、当業者には理解されるように、他の追加の実施形態を形成するため、または記載する実施形態を補完および/もしくは補強するために、互いに組み合わせることができまたは配置することができることが企図される。
【0025】
見やすくする目的で、記載および/またはクレームされる様々な特徴を指定および/または区別するために、説明および/または特許請求の範囲全体にわたって、特定の識別用の数値名(たとえば、第1、第2、第3、第4など)を使用することがある。そのような数値名は、限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔にして見やすくする目的で、以前使用された数値名からの変更および逸脱を行うことがある。すなわち、「第1」の要素と識別された特徴を後に「第2」の要素、「第3」の要素などと呼ぶことがあり、もしくは完全に省略することがあり、かつ/または異なる特徴を「第1」の要素と呼ぶこともある。各例における意味および/または名称は、当業者には明らかであろう。
【0026】
心臓血管系に影響する疾患および/または症状は、米国および世界中でよく見られる。従来、心臓血管系の治療は、心臓血管系の患部に直接アクセスすることによって行われることが多かった。たとえば、冠状動脈の1つまたは複数における閉塞の治療は従来、冠状動脈バイパス手術を使用して行われた。容易に理解することができるように、そのような療法は、患者にとってかなり侵襲的であり、相当な回復時間および/または治療を必要とする。より最近では、低侵襲性の療法が開発されてきた。たとえば、経皮的カテーテル(たとえば、血管形成術)を介して、閉塞した冠状動脈にアクセスして治療することもできる。そのような療法は、患者および臨床医の間で広く受け入れられてきた。
【0027】
いくつかの比較的一般的な症状は、心臓内の弁の1つまたは複数が非効率的である、効果がない、もしくは完全に機能しないことを含み、またはそのような結果になる可能性がある。たとえば、大動脈弁または僧帽弁の障害は、人体に深刻な影響を与える可能性があり、対処しなければ深刻な健康状態および/または死を招くおそれがある。欠陥のある心臓弁の治療には、そのような治療が欠陥のある弁の修復または完全な置換を必要とすることが多いという他の難題もある。そのような療法は、患者にとって非常に侵襲的となりうる。心臓血管系を診断、治療、および/または修復するために心臓血管系の一部分へ医療用デバイスを送達するために使用することができる医療用デバイスが、本明細書に開示される。本明細書に開示する医療用デバイスの少なくともいくつかは、置換心臓弁(たとえば、置換大動脈弁、置換僧帽弁など)を送達および移植するために使用することができる。追加として、本明細書に開示するデバイスは、置換心臓弁を経皮的に送達することができ、したがって患者にとってはるかに低侵襲的となりうる。本明細書に開示するデバイスはまた、以下でより詳細に説明するように、複数の追加の望ましい特徴および利益を提供することができる。
【0028】
添付の図は、たとえば、包装装置100の少なくとも一部分内にある図1に示す医療用デバイス・システム10の選択された構成要素および/または配置示す。いくつかの実施形態では、包装装置100は、本明細書に論じるように、医療用インプラントを貯蔵および/または収納するように適合された収納容器150を含むことができる。いずれの所与の図でも、話を簡単にするために、医療用デバイス・システム10のいくつかの特徴が示されていない可能性があり、または概略的に示されている可能性があることに留意されたい。医療用デバイス・システム10の構成要素のいくつかに関する追加の詳細は、他の図により詳細に示すこともある。医療用デバイス・システム10は、解剖学的組織内の複数の箇所に様々な医療用デバイスを送達および/または導入するために使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10は、置換心臓弁などの医療用インプラント16(図1には図示せず)の経皮的送達のために使用することができる置換心臓弁送達システム(たとえば、置換大動脈弁送達システム)を含むことができる。しかし、医療用デバイス・システム10は、弁の修復、弁形成、または他の類似の介入などを含む他の介入で使用することもできるため、これは限定することを意図するものではない。
【0029】
医療用デバイス・システム10は、概して、図2に見られるように、外装12と、外装12の内腔を通って少なくとも部分的に延びる内側カテーテル14と、内側カテーテル14に連結することができる医療用インプラント16(たとえば、置換心臓弁インプラント、たとえば、本明細書では、この用語は、「医療用インプラント」という用語と区別なく使用することができる)とを含むカテーテル・システムとして説明することができる。いくつかの実施形態では、医療用インプラント16は、1つまたは複数の生物学的に導出されかつ/または生物学的に適合している構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療用インプラント16は、医療用インプラント16の経皮的送達中に外装12の内腔内に配置されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、外装12(図1に見られる)および/または内側カテーテル14の近位端に、医療用デバイス・ハンドル18を配置することができ、医療用デバイス・ハンドル18には1つまたは複数の作動手段が付随することができる。概して、医療用デバイス・ハンドル18は、内側カテーテル14に対する外装12の位置を操作し、かつ/または医療用インプラント16の被覆および/もしくは配置を助けるように構成することができる。いくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10は、内側カテーテル14および/または外装12から遠位に延びるノーズ・コーン(図示せず)を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、ノーズ・コーンは、非外傷性の形状を有するように設計することができる。
【0030】
使用の際、医療用デバイス・システム10は、関心区域および/または治療箇所に隣接する位置(たとえば、大動脈弁、僧帽弁などの欠陥のある自然弁に隣接する位置)へ、血管構造を通って経皮的に前進させることができる。送達中、医療用インプラント16は、概して、外装12の内腔および/または遠位端内に細長い低プロファイルの「送達」構成で配置することができる。位置決めされた後、外装12を医療用インプラント16および/または内側カテーテル14に対して後退させて、医療用インプラント16を露出させることができる。医療用インプラント16は、たとえば図2に見られるように、解剖学的組織内への移植に適当な概して短くより大きいプロファイルの「導入」構成へ医療用インプラント16を並進させるように、医療用デバイス・ハンドル18を使用して作動させることができる。医療用インプラント16が解剖学的組織内で適当に導入されたとき、医療用インプラント16から医療用デバイス・システム10を切り離し、取り外し、かつ/または解放することができ、たとえば自然弁に対する適当な置換として機能するように医療用インプラント16を「解放」構成で定位置に残したまま、医療用デバイス・システム10を血管構造から取り外すことができる。少なくともいくつかの介入では、医療用インプラント16は、自然弁内に導入することができる(たとえば、自然弁は切除されずに定位置に残される)。別法として、自然弁を除去することもでき、医療用インプラント16を置換としてその位置に導入することができる。
【0031】
図2は、「導入」構成にある医療用デバイス・システム10および/または医療用インプラント16のいくつかの選択された構成要素を示す。たとえば、医療用インプラント16は、1つまたは複数の生物学的に導出されかつ/または生物学的に適合している構成要素、たとえば複数の弁膜68(たとえば、牛心膜、豚弁、高分子など)を含み、複数の弁膜68は、「送達」構成と「導入」構成との間で可逆的に作動可能な管状のアンカー部材70に固定することができることを、ここに見ることができる。いくつかの実施形態では、管状のアンカー部材70は、管状のアンカー部材70の近位端から管状のアンカー部材70の遠位端へ延びる長手方向中心軸、および/または長手方向中心軸に沿って、平行に、同軸に、かつ/もしくは一致して、管状のアンカー部材70を通って延びる内腔を画定することができる。いくつかの実施形態では、管状のアンカー部材70は、1つまたは複数のフィラメントまたはワイア(たとえば、単一のフィラメントまたはワイア、2つのフィラメントまたはワイアなど)から形成された編組とすることができ、かつ/またはそのような編組を含むことができる。他の形状および/または構成も企図される。管状のアンカー部材70に対して適当であるが非限定的ないくつかの材料、たとえば金属材料または高分子材料は、以下に説明する。
【0032】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ部材を使用して、医療用インプラント16を「送達」構成と「導入」構成との間で可逆的に作動させる(たとえば、軸方向もしくは長手方向に並進させ、かつ/または径方向に拡大させる)ことができる。いくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10は、医療用デバイス・ハンドル18から医療用インプラント16へ延びる少なくとも1つのアクチュエータ部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ部材は、複数のアクチュエータ部材(たとえば、3つのアクチュエータ部材、または別の適当なもしくは所望の数のアクチュエータ部材)を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータ部材は、複数のロック機構に係合し、管状のアンカー部材70および/または医療用インプラント16を「送達」構成、「導入」構成、および/または「解放」構成の間で作動させるように構成することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、管状のアンカー部材70の遠位部分および/または流入部分の上および/または周りに、封止部材を円周方向に配置することができ、封止部材は、その用語が示唆するように、配置(たとえば、「導入」構成および/または「解放」構成)の際、標的部位もしくは関心区域内にかつ/または標的部位もしくは関心区域から、医療用インプラント16および/または管状のアンカー部材70の外部を封止し、それによって医療用インプラント16および/または管状のアンカー部材70の周りの漏れを防止するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、封止部材は、管状のアンカー部材70の外面の周り、上、および/または径方向外方に配置することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、医療用インプラント16と内側カテーテル14(および/または外装12)との間の取付けは、連結器の使用によって行うことができる。連結器は概して、円筒形の基部(図示せず)を含むことができ、基部は、内側カテーテル14(および/もしくは外装12)の遠位端の周りに配置し、遠位端に取り付け、かつ/または遠位端から延びることができる。基部から、複数のフィンガ(たとえば、2つのフィンガ、3つのフィンガ、4つのフィンガなど)が遠位に突出しており、各フィンガは、複数のロック機構のうちの1つで医療用インプラント16に係合するように構成される。他の適当な構成も企図される。連結器、フィンガに対するいくつかの適当であるが非限定的な材料、たとえば金属材料または高分子材料は、以下に説明する。
【0035】
貯蔵および/または輸送中、医療用デバイス・システム10は、包装装置100内に配置することができる。包装装置100内で、医療用デバイス・システム10の医療用インプラント16は、収納容器150内に「部分的導入」構成で配置することができる。いくつかの実施形態では、収納容器150は、少なくとも1つの殺生物性流体を収納するように構成および適合することができる。いくつかの実施形態では、殺生物性流体は、収納容器150と流体連通することができる外装12および/または内側カテーテル14内に配置および/または収納することができる。いくつかの実施形態では、殺生物性流体は、たとえば、グルタルアルデヒドを含有および/または包含することができ、グルタルアルデヒドは、システムの接触表面を滅菌する働きをすることができ、任意選択で、医療用インプラント16の生物学的に導出されかつ/または生物学的に適合している構成要素に架橋することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、収納容器150は、医療用インプラント16の生物学的に導出されかつ/または生物学的に適合している構成要素への過度の損傷なく、少なくとも1つの滅菌殺生物性流体を収納し、ならびに医療用デバイス・システム10の収納容器150および/または他の構成要素の内容物の電離放射線による滅菌を可能にするように構成および適合された2重の滅菌収納容器とすることができる。いくつかの実施形態では、収納容器150を構築するために選択される材料は、少なくとも1つの殺生物性流体と実質上反応しないものとすることができる。
【0037】
図3に示すように、収納容器150は、たとえば、放射線不透過性スリーブ190を含むことができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、医療用デバイス・システム10に印加される電離放射線が医療用インプラント16の生物学的に導出されかつ/または生物学的に適合している構成要素に到達しかつ/または損傷するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、収納容器150の1つまたは複数の他の構成要素から取外し可能とすることができ、または別法として、収納容器150の1つまたは複数の他の構成要素に恒久的に取り付けることもできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、放射線不透過性スリーブ190と滅菌収納容器150との間の空間が無菌のままであることを確実にするように、収納容器150内に配置することができる。いくつかの実施形態では、収納容器150の外部および/または周りに配置された放射線不透過性スリーブ190との間の1つまたは複数の接合部は、放射線不透過性スリーブ190と収納容器150との間の空間を分離して無菌の環境を維持するために、たとえばOリング、ガスケット、封止剤などによって封止することができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、汚染物質を含みうるあらゆる露出した境界面をなくすように、収納容器150と一体形成することができ、かつ/または収納容器150内に形成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、システムのすべての内部部分に殺生物性投与レベルが送達されることを確実にするために、医療用インプラント16以外の医療用デバイス・システム10のいくつかの構成要素が高レベルの電離放射線への露出を必要とするとき、2重の滅菌収納容器の使用が所望されることがある。追加として、いくつかの実施形態では、システムにおける2重の滅菌収納容器の存在によって可能になる2つの別個の滅菌方法の使用により、生物活性汚染物質のリスクを実質上低減させることができる。
【0040】
図3および図4は、例示的な収納容器150の選択された構成要素をそれぞれ組立て図および分解図に示す。いくつかの実施形態では、収納容器150は、壁、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延びる内腔を有する中空要素180を含むことができ、内腔は、医療用インプラント16を収納するように構成および適合することができ、かつ/または送達システムの少なくとも一部分は、医療用インプラント16を標的部位(たとえば、自然心臓弁など)内に位置決めおよび移植するように構成および適合される。いくつかの実施形態では、収納容器150は、中空要素180に取外し可能にねじ係合される遠位端キャップ160と、中空要素180に取外し可能にねじ係合される近位端キャップ170とを含むことができる。他の係合手段も企図される。
【0041】
いくつかの実施形態では、近位端キャップ170は、近位端キャップ170を医療用デバイス・システム10の外装12に可逆的に封止するように構成および適合された2次近位端キャップ172および封止要素174を含むことができる。いくつかの実施形態では、2次近位端キャップ172は、近位端キャップ170から近位に延びるねじ付きネック176に回転可能に係合することができる。いくつかの実施形態では、中空要素180、遠位端キャップ160、近位端キャップ170、2次近位端キャップ172、封止要素174、外装12、および医療用デバイス・ハンドル18の組合せは、中空要素180の内部および/または内腔と外装12の内腔との間に連続する流体連通を提供する液密システムを形成することができる。いくつかの実施形態では、中空要素180および/または遠位端キャップ160は、医療用インプラント16を収納容器150および/または中空要素180の内腔から取り外す前に、医療用デバイス・システム10からの1つまたは複数の殺生物剤の充填および/または排出を可能にするように構成された出口または止めコック182を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、収納容器150および/または中空要素180は、医療用インプラント16を部分的導入構成で収納するようにサイズ設定することができ、かつ/またはそのために十分な内部体積を有することができ、部分的導入構成で、医療用インプラント16および/または医療用インプラント16の構成要素は、収納容器150および/または中空要素180の内腔内に配置された1つまたは複数の殺生物性流体に完全かつ/または十分に露出される。略円筒形の構成および/または構造で示されているが、中空要素180は、必要または所望に応じて異なる形状および/または構成で形成することもできる。いくつかの実施形態では、中空要素180は、単体の構造を有することができるが、他の実施形態では、中空要素180は、ともに接合されると適当に封止される複数の要素または部品から形成することもできる。たとえば、いくつかの実施形態では、中空要素180は、分離可能な長手方向の継ぎ目に沿って接合された2つの半円筒形の壁部品を含む2枚貝構造として形成することができ、2つの半円筒形の壁部品間に、適当なガスケットまたは他の封止要素が配置される。
【0043】
本明細書に論じるように、収納容器150、中空要素180、遠位端キャップ160、および/または近位端キャップ170などを構築する際に使用する材料は、1つまたは複数の殺生物性流体と実質上反応しないものとすることができる。いくつかの実施形態では、これらの材料は、医療用インプラント16ならびに/または収納容器150および/もしくは中空要素180の他の内容物の視覚検査が可能になるように、可視光に対して部分的または完全に透過性とすることができる。いくつかの実施形態では、これらの材料は、30〜50グレイ以上のレベルの電離放射線の露出および/または吸収の際、たとえば収納容器150および/もしくは中空要素180が空であり、かつ/または収納容器150および/もしくは中空要素180の内腔が1つもしくは複数の殺生物性流体で充填されているとき、化学的かつ/または機械的に実質上変化しないままでいることができる。いくつかの実施形態では、中空要素180、遠位端キャップ160、および/または近位端キャップ170のうちの少なくとも1つの内面の少なくとも一部分は、中空要素180の内腔と流体連通している研磨表面を含むことができる。いくつかの実施形態では、研磨表面は、収納容器150内に配置された1つまたは複数の殺生物性流体からの気泡の除去を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、中空要素180は、1つもしくは複数の殺生物性流体で充填されているとき、かつ/または向きの変化を受けたとき、収納容器150内に存在しうる気泡の運動を誘導するように構成および適合された1つまたは複数の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、気泡の運動を誘導するように構成および適合された1つまたは複数の特徴は、たとえば突条、溝、先細り、および/またはこれらの組合せを含むことができる。他の構成も企図される。
【0044】
上述したように、遠位端キャップ160および/または近位端キャップ170は、ねじ付き部を嵌合させることによって、中空要素180に可逆的に固定することができる。いくつかの実施形態では、中空要素180は、近位端および/または遠位端に隣接して配置された外部および/またはオス形のねじ山を含むことができ、遠位端キャップ160および/または近位端キャップ170は、対応するメス形のねじ山を含むことができる。それだけに限定されるものではないがねじ山の向きの逆を含む他の構成も企図される。
【0045】
いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、放射線不透過性スリーブ190を通って延びる内腔を含むことができ、この内腔は、中空要素180の外部形状および/または寸法に実質上整合および/または対応する。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ90は、放射線不透過性の固体材料および/または放射線不透過性の流体もしくはゲルを含むことができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、滅菌工程の少なくとも一部分中に、たとえば止めねじ192によって中空要素180に固定することができる。別法として、いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、いくつかの部品から形成することができ、締付け要素または他の適当な手段(図示せず)によって定位置に保持することができる。そのような実施形態では、これらの部品は、望ましい量を超える電離放射線が医療用インプラント16に到達しないことを確実にするために、接合部または継ぎ目に沿って重複領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、収納容器150の他の構成要素の1つまたは複数に恒久的に取り付けることができる。放射線不透過性スリーブ190の放射線不透過性は、収納容器150が30〜50グレイ以上の電離放射線に露出されたとき、収納容器150が空であるか、それとも1つまたは複数の殺生物性流体で充填されているかにかかわらず、中空要素180と組み合わせて医療用インプラント16が吸収する電離放射線が4グレイ以下になるように選択することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、遠位端キャップ160および/または近位端キャップ170は、放射線不透過性スリーブ190を中空要素180の周りで定位置に保持するようにサイズ設定および構成することができる。しかし、いくつかの実施形態では、放射線不透過性スリーブ190は、遠位端キャップ160および/または近位端キャップ170の一方または両方を取り外すことなく、中空要素180から取り外されるように構成することができる。そのような実施形態では、止めねじまたは他の保持要素を利用して、放射線不透過性スリーブ190を中空要素180の周りで定位置に保持することができる。
【0047】
図5は、例示的な近位端キャップ170の横断面図を示す。図5に見られるように、近位端キャップ170は、近位端キャップ170と一体形成された被覆ガイド200を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位端キャップ170が中空要素180にねじ係合および/または嵌合係合されるとき、被覆ガイド200は、中空要素180の内腔および/または収納容器150の内部へ延びることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、被覆ガイド200は、被覆ガイド200の遠位端202から近位端キャップ170の外装受取り部分206に向かって近位に延びる先細り表面204(たとえば、線形に先細り、徐々に先細り、弧状に先細り、トランペット状など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位端キャップ170の外装受取り部分206は、外装12の遠位端を受け入れかつ/または嵌合係合するようにサイズ設定および構成することができる。いくつかの実施形態では、近位端キャップ170の外装受取り部分206は、外装12がねじ付きネック176を通って延びて近位端キャップ170の外装受取り部分206内に受け取られたとき、外装12の遠位端に当接するように構成された近位向き表面および/または壁を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位向き表面および/または壁は、外装12の内腔を先細り表面204、中空要素180の内腔、および/または収納容器150の内部に流体連通させるように構成された開口を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、先細り表面204は、可変の半径を有することができる。いくつかの実施形態では、被覆ガイド200の遠位端202は、先細り表面204の最大内径を画定することができる。いくつかの実施形態では、被覆ガイド200の開口および/または近位端は、先細り表面204の最小内径を画定することができる。いくつかの実施形態では、先細り表面204の最小内径は、外装12の遠位端および/または外装12の内腔における外装12の内腔の内径より小さくすることができる。
【0050】
少なくともいくつかの実施形態では、被覆ガイド200の先細り表面204は、たとえば図9および図10に見られるように、医療用インプラント16の被覆中に、先細り表面204を通って近位方向に外装12の内腔へ進む(たとえば、近位に引き込まれる、並進させられるなど)医療用インプラント16を案内して径方向に圧縮することができる。図9で、例示的な医療用インプラント16は、近位端キャップ170の遠位で収納容器150内に部分的導入構成で配置されうるものとして示されている。いくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10は、任意選択で、内側カテーテル14から遠位に延びる被覆支援20を含むことができ、被覆支援20は、医療用インプラント16の近位端を外装12内へ案内するように構成される。当業者には明らかなように、すべての実施形態で被覆支援20が存在する必要はない。図10は、例示的な医療用デバイス・システム10の外装12の内腔内で部分的に被覆されかつ/または部分的に並進された例示的な医療用インプラント16を示す。図10に概略的に見ることができるように、医療用インプラント16が外装12の遠位端内へ引き込まれるとき、医療用インプラント16は、細長い送達構成に向かって作動および/または圧縮され、医療用インプラント16は、送達構成で径方向に圧縮され、図2に示す導入構成および/または図9に示す部分的導入構成と比較すると、より小さい外径および/またはより長い全長を呈する。医療用インプラント16が外装12の内腔内に完全に配置されたとき、医療用インプラント16は、送達構成にあると見なすことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、近位端キャップ170が被覆ガイド200を含むことで、外装12から直接、かつ/または外装12が収納容器150に連結されている間に、外装12の内腔内に医療用インプラント16を被覆することが可能になり、それによって外側の環境、空気中の汚染物質などへの医療用インプラント16の露出を防止することができる。
【0052】
図6を参照すると、補助被覆ガイド300の横断面図が示されている。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300は、医療用デバイス・システム10とともに包装装置100内に設けることができる。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300は、包装装置100および/または医療用デバイス・システム10とは別個に設けることができ、様々な異なる適合した医療用デバイスおよび/またはシステムとともに使用するのに適当となりうる。
【0053】
いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300は、医療用デバイス・システム10の外装12の遠位端に嵌合係合および/または固定されるように構成および適合することができる。補助被覆ガイド300は、近位端308および遠位端302を含むことができる。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300は、補助被覆ガイド300の遠位端302から補助被覆ガイド300の外装受取り部分306に向かって近位に延びる先細り表面304(たとえば、線形に先細り、徐々に先細り、弧状に先細り、トランペット状など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300の外装受取り部分306は、外装12の遠位端を受け入れかつ/または嵌合係合するようにサイズ設定および構成することができる。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300の外装受取り部分306は、外装12が補助被覆ガイド300の近位端308を通って延びて補助被覆ガイド300の外装受取り部分306内に受け取られたとき、外装12の遠位端に当接するように構成された近位向き表面および/または壁を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位向き表面および/または壁は、外装12の内腔および/または外装受取り部分306を先細り表面304に流体連通させるように構成された開口を含むことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、先細り表面304は、可変の半径を有することができる。いくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300の遠位端302は、先細り表面304の最大内径を画定することができる。いくつかの実施形態では、外装受取り部分306の近位向き表面および/または壁内の開口は、先細り表面304の最小内径を画定することができる。いくつかの実施形態では、先細り表面304の最小内径は、外装12の遠位端および/または外装12の内腔における外装12の内腔の内径より小さくすることができる。
【0055】
少なくともいくつかの実施形態では、補助被覆ガイド300の先細り表面304は、たとえば図11および図12に見られるように、医療用インプラント16の被覆中に、先細り表面304を通って近位方向に外装12の内腔へ進む(たとえば、近位に引き込まれる、並進させられるなど)医療用インプラント16を案内して径方向に圧縮することができる。図11で、例示的な医療用インプラント16は、外装12および/または補助被覆ガイド300の遠位に部分的導入構成で示されている。いくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10は、任意選択で、内側カテーテル14から遠位に延びる被覆支援20を含むことができ、被覆支援20は、医療用インプラント16の近位端を外装12内へ案内するように構成される。当業者には明らかなように、すべての実施形態で被覆支援20が存在する必要はない。図12は、例示的な医療用デバイス・システム10の外装12の内腔内で部分的に被覆されかつ/または部分的に並進された例示的な医療用インプラント16を示す。図12に概略的に見ることができるように、医療用インプラント16が外装12の遠位端内へ引き込まれるとき、医療用インプラント16は、細長い送達構成に向かって作動および/または圧縮され、医療用インプラント16は、送達構成で径方向に圧縮され、図2に示す導入構成および/または図11に示す部分的導入構成と比較すると、より小さい外径および/またはより長い全長を呈する。医療用インプラント16が外装12の内腔内に完全に配置されたとき、医療用インプラント16は、送達構成にあると見なすことができる。
【0056】
図7に示すように、補助被覆ガイド300は、嵌合当接でともに連結されて先細り表面304を画定するように構成された第1の部分310および第2の部分320を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の部分310および第2の部分320は、外装12の遠位端への補助被覆ガイド300の連結を容易にするために、「開く」または広がるように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1の部分310および第2の部分320は、2枚貝配置で構成することができる。いくつかの実施形態では、第1の部分310および第2の部分320は、ヒンジ要素330でかつ/またはヒンジ要素330によって、ともに旋回可能に接合することができる。いくつかの実施形態では、たとえば図8に見られるように、第1の部分310および第2の部分320は、分離可能な部品とすることができ、かつ/または互いに独立することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の部分310は、第1の複数の締結要素312を含むことができ、第2の部分320は、第2の複数の締結要素322を含むことができ、第1の複数の締結要素312および第2の複数の締結要素322は、機械的締結具(たとえば、ねじ、ボルトなど)を受け入れて第1の部分310を第2の部分320に連結するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の複数の締結要素312および/または第2の複数の締結要素322は、開口もしくは孔、ねじ付き開口もしくは孔、スロット、および/または他の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の複数の締結要素312は、第1の部分310を通って部分的もしくは完全に延びることができ、かつ/または第2の複数の締結要素322は、第2の部分320を通って部分的もしくは完全に延びることができる。いくつかの実施形態では、第1の複数の締結要素312は、第2の複数の締結要素322と位置合わせすることができる。
【0058】
追加または別法として、いくつかの実施形態では、第1の部分310は、第1の固定手段314を含むことができ、第2の部分320は、第2の固定手段324を含むことができ、第1の固定手段314および第2の固定手段324は、第1の部分310を第2の部分320に連結するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の部分310は、2つ以上の第1の固定手段314を含むことができ、かつ/または第2の部分320は、2つ以上の第1の固定手段324を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の固定手段314および第2の固定手段324はそれぞれ、磁石および/または磁気要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の固定手段314および第2の固定手段324はそれぞれ、クランプまたは他の機械的掛止手段の一部分を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の固定手段314は、第1の部分310内に少なくとも部分的に埋め込むことができ、かつ/または第2の固定手段324は、第2の部分320内に少なくとも部分的に埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、第1の固定手段314は、第1の部分310の外面に固定してまたは取外し可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、第2の固定手段324は、第2の部分320の外面に固定してまたは取外し可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、第1の固定手段314および第2の固定手段324は、第1の部分310が第2の部分320に嵌合当接したとき、個々にまたは組み合わせて、第1の部分310および第2の部分320を取り囲むことができる。
【0059】
収納容器150に対する1つの可能な非限定的な使用シーケンスについて、次に説明する。医療用インプラント16、ならびに医療用インプラント16を位置決めおよび設置するように構成および適合された付随する構成要素は、外装12内に引き込むことができ、その際、収納容器150の近位端キャップ170は、外装12の遠位端を部分的に包含するように位置決めすることができる。近位端キャップ170が2次近位端キャップ172および封止要素174によって外装12の遠位端に固定された後、医療用インプラント16、ならびに医療用インプラント16を位置決めおよび設置するように構成および適合された付随する構成要素を、外装12の遠位端から前進させ、図2の構成などの拡大および/または部分的導入構成を実現することができる。次いで、気泡および偶発的に生じるあらゆる破片を除去するために、医療用デバイス・ハンドル18、外装12、および収納容器150を接合する連続的かつ/または流体的に連通した内腔(たとえば、中空要素180など)を、アルコール・グルタルアルデヒド溶液などの1つまたは複数の殺生物性流体で充填して洗い流すことができる。洗い流した後、医療用デバイス・ハンドル18に付随する出口もしくは止めコック182および/または対応する出口もしくは止めコックを閉鎖して、1つまたは複数の殺生物性流体を医療用デバイス・システム10および収納容器150内に封止および収納することができる。
【0060】
閉鎖されたシステムは、包装装置100内に配置することができ、包装装置100の内容物を滅菌するのに十分な透過力で十分な時間にわたって電離放射線源に露出させることができる。放射線不透過性スリーブ190は、生物学的に導出されかつ/もしくは生物学的に適合している構成要素ならびに/または医療用インプラント16によって吸収される電離放射線を制限する働きをすることができる。いくつかの実施形態では、医療用デバイス・システム10が全体として30〜50グレイ以上の電離放射線に露出されたとき、生物学的に導出されかつ/もしくは生物学的に適合している構成要素ならびに/または医療用インプラント16によって吸収される電離放射線は、4グレイ未満とすることができる。この時点で、医療用デバイス・システム10の内容物は、2つの独立した方法によって滅菌されており、たとえば心臓弁置換処置で使用する前に貯蔵および配送する準備ができていることが理解されよう。収納容器150は、生物学的に導出されかつ/もしくは生物学的に適合している構成要素ならびに/または医療用インプラント16を使用前に中空要素180の内腔内に水和した無菌の環境(たとえば、濡れた状態)で維持および/または貯蔵するように構成および適合することができる。
【0061】
貯蔵されている医療用インプラント16および/または医療用デバイス・システム10が使用されるとき、医療用インプラント16は、たとえば、外装12の内腔および収納容器150の中空要素180の内腔と流体連通している医療用デバイス・ハンドル18にすすぎ流体源を連通させることによって、生理食塩水などの無菌でありかつ/または生物学的に適合しているすすぎ流体によって収納容器150内ですすぐことができる。出口または止めコック182を開放し、貯蔵流体(たとえば、1つまたは複数の殺生物性流体)を収納容器150内から放出することができる。次いで、すすぎ流体を圧力下ですすぎ流体源から収納容器150内へ注入および/または供給し、それによって医療用インプラント16および/または医療用デバイス・システム10の内部構成要素から1つまたは複数の殺生物性流体をすすぐことができる。出口または止めコック182は、すすぎ流体が収納容器150を通過しかつ/または中空要素180の内腔内から放出されることを可能にするために、開いたままにすることができる。
【0062】
医療用インプラント16をすすいだ後、医療用インプラント16は、標的部位への経皮的挿入のために、外装12の内腔内に被覆し、かつ/または部分的導入構成から送達構成に外装12の内腔へ近位に並進させることができる。
【0063】
医療用デバイス・システム10、収納容器150など(および/または本明細書に開示する他のシステム)、および本明細書に開示するそれらの様々な要素の様々な構成要素に使用することができる材料は、医療用デバイスに一般に付随する材料を含むことができる。話を簡単にする目的で、以下の議論では、送達システムおよび/または医療用インプラント16を参照する。しかし、この議論は、それだけに限定されるものではないが管状のアンカー部材70、アクチュエータ部材、および/またはそれらの要素もしくは構成要素など、本明細書に開示する他の要素、部材、構成要素、またはデバイスにも適用することができるため、これは本明細書に記載するデバイスおよび方法を限定することを意図するものではない。
【0064】
いくつかの実施形態では、送達システムおよび/もしくは医療用インプラント16、ならびに/またはそれらの構成要素(それだけに限定されるものではないが、管状のアンカー部材70、アクチュエータ部材など)は、金属、金属合金、高分子(いくつかの例を以下に開示する)、金属−高分子複合物、セラミック、これらの組合せなど、または他の適当な材料から作ることができる。適当な金属および金属合金のいくつかの例には、444V、444L、および314LVステンレス鋼などのステンレス鋼、軟鋼、線形弾性および/もしくは超弾性ニチノールなどのニッケル−チタン合金、ニッケル−クロム−モリブデン合金(たとえば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル−銅合金(たとえば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金(たとえば、MP35−N(登録商標)などのUNS:R44035)、ニッケル−モリブデン合金(たとえば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル−クロム合金、他のニッケル−モリブデン合金、他のニッケル−コバルト合金、他のニッケル−鉄合金、他のニッケル−銅合金、他のニッケル−タングステンもしくはタングステン合金などの他のニッケル合金、コバルト−クロム合金、コバルト−クロム−モリブデン合金(たとえば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、白金を豊富に含むステンレス鋼、チタン、これらの組合せなど、または任意の他の適当な材料が含まれる。
【0065】
本明細書に記載するように、市販のニッケル−チタンまたはニチノール合金の範囲内で、「線形弾性」または「非超弾性」と呼ばれるカテゴリが存在し、これは従来の形状記憶および超弾性の変種に類似した化学的性質を有しうるが、異なる有用な機械的特性を呈することができる。線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、線形弾性および/または非超弾性ニチノールが超弾性ニチノールのようにその応力/歪み曲線内に実質的な「超弾性平坦域」または「フラグ領域」を示さないことから、超弾性ニチノールとは区別することができる。代わりに、線形弾性および/または非超弾性ニチノールでは、回復可能な歪みが増大するにつれて、応力は、塑性変形が始まるまで実質上線形の関係、もしくは必ずしも完全ではないがやや線形の関係で、または少なくとも超弾性ニチノールに見られうる超弾性平坦域および/またはフラグ領域より線形の関係で、増大し続ける。したがって、本開示の目的で、線形弾性および/または非超弾性ニチノールを「実質上」線形弾性および/または非超弾性ニチノールと呼ぶこともできる。
【0066】
いくつかの場合、線形弾性および/または非超弾性ニチノールは、線形弾性および/または非超弾性ニチノールが、実質上弾性のまま(たとえば、塑性変形前に)、最高約2〜5%の歪みを許容しうるのに対して、超弾性ニチノールは、塑性変形前に最高約8%の歪みを許容しうることから、超弾性ニチノールとは区別することもできる。これらの材料はどちらも、塑性変形前に約0.2〜0.44パーセントの歪みしか許容することができないステンレス鋼などの他の線形弾性材料とは区別することができる(その組成に基づいて区別することもできる)。
【0067】
いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル−チタン合金は、示差走査熱量測定(DSC)および動的金属熱分析(DMTA)の分析によって広い温度範囲にわたって検出可能ないかなるマルテンサイト/オーステナイト相変化も示さない合金である。たとえば、いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル−チタン合金において、約摂氏−60度(℃)〜約120℃の範囲内でDSCおよびDMTA分析によって、マルテンサイト/オーステナイト相変化を検出することはできない。したがって、そのような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い温度範囲にわたって温度の影響に対して概して不活性となりうる。いくつかの実施形態では、周囲温度または室温における線形弾性および/または非超弾性ニッケル−チタン合金の機械的曲げ特性は、たとえば超弾性平坦域および/またはフラグ領域を示さないことから、体温における機械的特性と実質上同じである。言い換えれば、広い温度範囲にわたって、線形弾性および/または非超弾性ニッケル−チタン合金は、その線形弾性および/または非超弾性の特徴および/または特性を維持する。
【0068】
いくつかの実施形態では、線形弾性および/または非超弾性ニッケル−チタン合金は、約50〜約60重量パーセントの範囲内のニッケルとすることができ、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、この組成は、約54〜約57重量パーセントの範囲内のニッケルとすることができる。適当なニッケル−チタン合金の1例には、株式会社古河テクノマテリアル(Furukawa Techno Material Co.)[神奈川県所在]から市販のFHP−NT合金が挙げられる。他の適当な材料は、ULTANIUM(商標)(ネオ−メトリックス(Neo−Metrics)から入手可能)およびGUM METAL(商標)(豊田中央研究所(Toyota)から入手可能)を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、超弾性合金、たとえば超弾性ニチノールを使用して所望の特性を実現することもできる。
【0069】
少なくともいくつかの実施形態では、送達システムおよび/もしくは医療用インプラント16、ならびに/またはそれらの構成要素の一部分またはすべてはまた、放射線不透過性材料でドープし、放射線不透過性材料から作り、またはその他の方法で放射線不透過性材料を含むこともできる。放射線不透過性材料は、医療処置中にX線透視検査または別の撮像技法で比較的明るい画像を生成することが可能な材料であると理解される。この比較的明るい画像は、使用者が送達システムおよび/または医療用インプラント16の位置を判定することを支援する。放射線不透過性材料のいくつかの例は、それだけに限定されるものではないが、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤が加えられた高分子材料などを含むことができる。追加として、同じ結果を実現するために、送達システムおよび/または医療用インプラント16の設計に、他の放射線不透過性マーカ・バンドおよび/またはコイルを組み込むこともできる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴撮像(MRI)の適合性が、医療用インプラント16に与えられる。たとえば、送達システムおよび/もしくは医療用インプラント16、ならびに/またはそれらの構成要素もしくは部分は、画像を大きく歪ませたり多くのアーティファクト(たとえば、画像内の間隙)を生じさせたりしない材料から作ることができる。たとえば、特定の強磁性材料は、MRI画像内にアーティファクトを生じさせることがあるため、適当でない可能性がある。送達システムおよび/もしくは医療用インプラント16、またはそれらの部分はまた、MRI機械が撮像できる材料から作ることができる。これらの特徴を呈するいくつかの材料には、たとえば、タングステン、コバルト−クロム−モリブデン合金(たとえば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R44003)、ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金(たとえば、MP35−N(登録商標)などのUNS:R44035)、ニチノールなどが含まれる。
【0071】
いくつかの実施形態では、送達システムおよび/または医療用インプラント16の一部分またはすべてを覆って、外装またはカバー(図示せず)を配置することができる。外装は、高分子または他の適当な材料から作ることができる。適当な高分子のいくつかの例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレン・プロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、たとえばデュポン(DuPont)から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテル・ブロック・エステル、ポリウレタン(たとえば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(たとえば、DSMエンジニアリングプラスチックス(DSM Engineering Plastics)から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルもしくはエステル系共重合体(たとえば、ブチレン/ポリ(アルキレン・エーテル)フタレート、および/もしくはデュポン(DuPont)から入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステル・エラストマ)、ポリアミド(たとえば、バイエル(Bayer)から入手可能なDURETHAN(登録商標)もしくはエルフ・アトケム(Elf Atochem)から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、弾性ポリアミド、ブロック・ポリアミド/エーテル、ポリエーテル・ブロック・アミド(PEBA、たとえば商標名PEBAX(登録商標)で入手可能)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(たとえば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリトリメチレン・テレフタレート、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレン・スルフィド(PPS)、ポリフェニレン・オキシド(PPO)、ポリパラフェニレン・テレフタルアミド(たとえば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン−12(EMSアメリカン・グリロン(EMS American Grilon)から入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、ペルフルオロ(プロピル・ビニル・エーテル)(PFA)、エチレン・ビニル・アルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン−β−イソブチレン−β−スチレン)(たとえば、SIBSおよび/もしくはSIBS50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性高分子、他の適当な材料、またはこれらの混合物、組合せ、共重合体、高分子/金属複合物などを含むことができる。いくつかの実施形態では、外装は、液晶高分子(LCP)と混合することができる。たとえば、混合物は、最高約6パーセントのLCPを含有することができる。
【0072】
本開示は、多くの点で例示のみを目的とすることを理解されたい。本発明の範囲を超えることなく、細部に、特に形状、サイズ、および工程の配置に関して、変更を加えることができる。これは、適当な範囲内で、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含むことができる。当然ながら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が表される言語で定義される。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】