(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522561
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】液体流を回転動作させる液体取扱装置、及び装置を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   B04B 5/00 20060101AFI20190719BHJP
   B04B 7/08 20060101ALI20190719BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20190719BHJP
【FI】
   !B04B5/00 Z
   !B04B7/08
   !G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】2018564748
(86)(22)【出願日】20170609
(85)【翻訳文提出日】20190212
(86)【国際出願番号】EP2017064138
(87)【国際公開番号】WO2017212031
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】1610102.4
(32)【優先日】20160609
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】109453
(32)【優先日】20160609
(33)【優先権主張国】PT
(31)【優先権主張番号】1617083.9
(32)【優先日】20161007
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】109662
(32)【優先日】20161007
(33)【優先権主張国】PT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】511102240
【氏名又は名称】バイオサーフィット、 ソシエダッド アノニマ
【住所又は居所】ポルトガル国 アザンブジャ 2050−317、ナンバー 66、ルア 25 デ アブリル
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】マルケス バレイロス、ミゲル ジョアオ
【住所又は居所】ポルトガル国 リスボン 1150−343、2イー、ルア ド ソル ア サンタナ 4
(72)【発明者】
【氏名】モウラ ピレス デ アンドラーデ テンレイロ、タニア
【住所又は居所】ポルトガル国 リスボン 1400−159、3ビー、トラヴェッサ ド フォート ダ アレイア 14
(72)【発明者】
【氏名】エステヴェス レイス、ヌノ アレクサンドレ
【住所又は居所】ポルトガル国 リスボン 1400−159、3ビー、トラヴェッサ ド フォート ダ アレイア 14
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA03
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE11
4D057BA21
4D057CB04
(57)【要約】
【解決手段】 装置内の液体流を駆動するために装置が回転する回転軸を有する液体装置を開示する。装置は、出口ポートを含む通気された上流チャンバーと、上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含み、入口ポートの半径方向外側に出口ポートを含む、通気されていないチャンバーとを備える。装置は、さらに通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流チャンバーを備える。下流導管が、通気されていないチャンバーの出口ポートを下流チャンバーの前記入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側に湾曲部を含む。上流導管が、上流導管の出口ポートを通気されていないチャンバーの入口ポートに接続し、幾つかの実施形態では、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側の部分を備える。幾つかの実施形態では、通気された上流チャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、作動中、少なくとも液体が下流導管の湾曲部を通過するまで、通気されていないチャンバー内の液体レベルが通気されていないチャンバーの入口の半径方向外側に維持されるように構成される。実施形態は、半径方向にコンパクトであり、液体流を制御するために表面張力効果又は外部介入に頼ることがない液体流制御装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内の液体流を駆動するために装置が回転する回転軸を有する液体処理装置であって、
出口ポートを含む通気された上流チャンバーと、
前記上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含み、前記入口ポートの半径方向外側に出口ポートを含む、通気されていないチャンバーと、
上流チャンバーの出口ポートを通気されていないチャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側部分を含む上流導管と、
前記通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流チャンバーと、
前記通気されていないチャンバーの前記出口ポートを前記下流チャンバーの前記入口ポートに接続し、前記通気されていないチャンバーの前記出口ポートの半径方向内側に湾曲部を含む下流導管と、を備える液体処理装置。
【請求項2】
前記通気された上流チャンバー、前記通気されていないチャンバー、前記上流導管、及び前記下流導管は、作動中、少なくとも液体が前記下流導管の湾曲部を通過するまで、前記通気されていないチャンバー内の液体レベルが前記通気されていないチャンバーの前記入口の半径方向外側に維持されるように構成される、請求項1に記載の液体処理装置。
【請求項3】
装置内の液体流を駆動するために装置が回転する回転軸を有する液体処理装置であって、
出口ポートを含む通気された上流チャンバーと、
前記上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含み、前記入口ポートの半径方向外側に出口ポートを含む、通気されていないチャンバーと、
前記上流チャンバーの出口ポートと前記通気されていないチャンバーの入口ポートとを接続する上流導管と、
前記通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流チャンバーと、
通気されていないチャンバーの出口ポートを下流チャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側にある湾曲部を備える下流導管と、を含み、
通気された上流導管、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、作動中、少なくとも液体が下流導管の湾曲部を通過するまで、通気されていないチャンバー内の液体レベルが通気されていないチャンバーの入り口の半径方向外側に維持されるように構成される、液体処理装置。
【請求項4】
前記通気されたチャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、液体が下流導管の湾曲部を通り過ぎた後、液体が通気されていないチャンバーの入口を通過する間、通気されていないチャンバー内の液体レベルが通気されていないチャンバーの出口の半径方向内側に維持されるように構成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項5】
通気された上流導管、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、作動中、通気されたチャンバー内の液体レベルは、液体が下流導管の湾曲部を通過する前に維持される、請求項1乃至4の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項6】
下流導管及び上流導管は、通気されていないチャンバーの出口ポートを通る流量が、通気されていないチャンバーの入口ポートを通る流量よりも少なくなるように制限するように構成されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項7】
前記上流導管の流体抵抗は、前記下流導管の流体抵抗を超えない、請求項1乃至6の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項8】
前記通気されていないチャンバーの前記入口ポートと前記出口ポートとの間の半径方向の容積が、前記通気されていないチャンバーの容積の1/5を超え、好ましくは1/3を超え、又は前記通気されていないチャンバーの前記入口と前記出口ポートの間の液体収容部の半径方向の容積が前記通気されていないチャンバーの容積の1/5を超え、好ましくは1/3を超え、前記液体収容部を少なくとも部分的に満たすように構成されている、請求項1乃至7の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項9】
前記通気されていないチャンバーは、前記通気されていないチャンバー内に堆積物を捕捉するために、前記通気されていないチャンバーの前記出口の半径方向外側に延びる、請求項1乃至8の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項10】
前記上流導管は、前記湾曲部から半径方向外側に湾曲して半径方向内側に延び、前記液体処理装置は、前記湾曲部に接続され前記上流導管内の堆積物を捕捉する堆積チャンバーを含む、請求項9に記載の液体処理装置。
【請求項11】
前記堆積チャンバーは、前記湾曲部の領域において半径方向外側に延びる前記上流導管の半径方向外側壁によって形成されている、請求項10に記載の液体処理装置。
【請求項12】
前記通気されていないチャンバーの一部は、前記通気されていないチャンバーを通る半径と鋭角をなす方向に、前記通気されていないチャンバーの前記出口の半径方向外側に延びる、請求項1乃至11の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項13】
前記装置は、前記通気されていないチャンバーの前記入口ポートの半径方向外側に、前記通気されていないチャンバー内に配置された1つ以上の試薬を含む、請求項1乃至12の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項14】
前記通気されていないチャンバーは、第1の部分と第2の部分とを備え、
前記通気されていないチャンバーの半径方向外側壁は、湾曲部に向けて半径方向内側に、かつ湾曲部から半径方向外側に延び、これにより前記第1の部分を前記第2の部分から分離し、
前記出口ポートは、前記第1の部分に配置されている、請求項1乃至13の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項15】
前記通気されていないチャンバーは、第1の部分および第2の部分を備え、
前記通気されていないチャンバーの半径方向外側壁は、湾曲部に向けて半径方向内側に、かつ湾曲部から半径方向外側に延び、これにより前記第1の部分を前記第2の部分から分離し、
前記出口ポートは、前記第1の部分に配置されており、1つ以上の試薬が前記第1の部分に配置されている、請求項1乃至13の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項16】
前記第1の部分は計量部分であり、前記第2の部分はオーバーフロー部分であり、前記壁の前記湾曲部は、前記通気されていないチャンバーの前記入口ポートの半径方向外側にある、請求項14又は15に記載の液体処理装置。
【請求項17】
前記通気されていないチャンバーは、前記入口ポートの半径方向外側に少なくとも1つの追加のポートを含み、前記下流導管は、前記出口ポートと前記少なくとも1つの追加の出口ポートのそれぞれを前記下流チャンバーに接続する、請求項1乃至16の何れか1項に記載の液体処理装置。
【請求項18】
複数のユニットを備える液体処理装置であって、
各ユニットは、それぞれ、通気された上流チャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管を備え、各ユニットは、異なる回転速度で下流導管をプライミングするように構成され、これにより、回転速度を制御することによって、各ユニットの下流導管を通る一連の液体流における液体流の制御を可能にする、液体処理装置。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の装置で液体を処理するシステムであって、
前記回転軸の周りで前記装置を回転させるために前記装置に結合されるモータと、
前記モータを制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記モータを第1の速度で駆動して前記装置を回転させて前記上流チャンバーからの液体で前記通気されていないチャンバーを満たして前記通気されていないチャンバー内に閉じ込められたガスを加圧し、
前記モータを前記第1の速度とは異なる第2の速度で駆動して液体を前記下流導管の前記湾曲部を通過させ、かつ
前記モータの駆動を継続して、液体を前記上流チャンバーから前記下流チャンバーに流すように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の装置と組み合わせた、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
装置を用いて液体を処理する方法であって、
装置は、装置内で液体流を駆動するために装置が回転する回転軸を有し、
装置は、
出口ポートを含む通気された上流チャンバーと、
前記上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含み、前記入口ポートの半径方向外側に出口ポートを含む、通気されていないチャンバーと、
上流チャンバーの出口ポートを通気されていないチャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側部分を含む上流導管と、
前記通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流のチャンバーと、
前記通気されていないチャンバーの前記出口ポートを前記下流チャンバーの前記入口ポートに接続し、前記通気されていないチャンバーの前記出口ポートの半径方向内側に湾曲部を含む下流導管と、を含み、
方法は、
前記装置を第1の速度で回転させて前記上流チャンバーからの液体で前記通気されていないチャンバーを満たして前記通気されていないチャンバー内に閉じ込められたガスを加圧し、
装置を停止させ、又は前記第1の速度とは異なる第2の速度で装置を回転させることにより、液体を前記下流導管の前記湾曲部を通過させ、
前記装置の回転駆動を継続して、液体を前記上流チャンバーから前記下流チャンバーに流す、方法。
【請求項22】
液体が下流導管の湾曲部を通り過ぎた後、液体が通気されていないチャンバーの入口を通過する間、通気されていないチャンバー内の液体レベルが通気されていないチャンバーの出口の半径方向内側に維持する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記通気されたチャンバー内の液体レベルは、液体が下流導管の湾曲部を通過する前に維持される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記通気されていないチャンバーの前記出口ポートを通る流量が、前記通気されていないチャンバーの前記入口ポートを通る流量を超えない、請求項21乃至23の何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記装置は、請求項1乃至18の何れか1項によって構成されている、請求項21乃至24の何れか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記上流導管が、前記通気されていないチャンバーの前記入口ポートの半径方向外側の部分を含む、請求項21乃至25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記液体のレベルが、少なくとも液体が下流導管の湾曲部を通過するまで、通気されていないチャンバーの入口の半径方向外側に維持される、請求項21乃至26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記液体のレベルを、前記通気されていないチャンバーの前記入口に上昇させて、液体を前記下流導管の屈曲部を通過させる、請求項21乃至26の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
下流導管が異なる回転速度でプライミングをするように各ユニットを設計し、設計されたユニットを含む装置を作製することを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体取扱装置であって、装置を回転させて装置内の液体の流れを動かすことができる回転軸と、上流と下流のチャンバーとの間の液体の流れを制御する液体流制御ユニットとを有する液体取扱装置に関する。本開示はさらに、そのような装置における液体流を動作させるためのシステム、および液体流を動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装置内で液体流を動作させるために回転軸の周りを回転可能な装置は、遠心液体処理装置として知られている。典型的には、装置の異なる部分で流れが異なるように開始させ、かつ停止させることができるような方法で、そのような装置における液体の流れを制御することが必要である。言い換えれば、そのような装置は、液体の流れを制御するために、特に、所望の時点で上流のチャンバーから液体の流れを開始させるために、液体フロー制御ユニット(「バルブ」とも呼ばれる)を必要とすることが多い。遠心式液体処理装置における弁の構成としては、犠牲弁、キャピラリー弁およびキャピラリーサイフォン弁が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
犠牲弁は、弁を開く(「犠牲にする」)ために、外部から装置とある種の相互作用を必要とする欠点を有する。キャピラリーバルブおよびキャピラリーサイフォンバルブは、装置の回転速度を制御することによって「開く」ことができるが、表面張力障壁の後ろに液体を保持するか、または毛管作用によりサイフォン導管に液体を引き込むために、表面張力の影響に依存する。したがって、これらの弁は、弁の領域内の装置の材料を慎重に選択する必要がある。さらに、それらは、バルブを操作するために、装置に制限された特定の速度範囲を必要とする。特に、キャピラリー弁は、表面張力障壁を上回る一定の回転速度下でのみ「閉鎖」を維持でき、キャピラリーサイフォン弁は、毛細管力が液体をサイフォン導管に引き込むことができるように、キャピラリーサイフォン弁は装置が十分に遅くなることを必要とする。
【0004】
液体含有構造(例えば、チャンバーまたは導管)の充填レベルの上昇は、回転軸に向かって半径方向内側に移動する液体レベルを指すと理解される。同様に、液体収容構造(例えば、チャンバーまたは導管)の充填レベルの低下は、回転軸から半径方向外側に移動する液体レベルを指すと理解される。
【0005】
構造体「B」の半径方向内側に配置された構造体「A」に対する言及は、構造体Aと装置の回転軸線との間の距離が、構造体Bと装置の回転軸線との間の距離よりも小さいことを意味すると解釈されるべきである。
【0006】
同様に、構造「B」の半径方向外側に配置された構造「A」への言及は、構造「A」と装置の回転軸との間の距離が構造体「B」と装置の回転軸との間の距離よりも大きいことを意味すると解釈されるべきである。
【0007】
半径方向内側に延びる構造体への言及は、構造体が回転軸に向かって延びることを意味するものと理解されるべきである。同様に、半径方向外側に延びる構造体への言及は、構造体が回転軸から離れるように延びることを意味すると理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様では、液体処理装置は、装置内で液体流を動作させるために装置を回転させることができる回転軸を有する。装置は、出口ポートと、上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れる入口ポート及び入口ポートの径方向外側にある出口ポートを有する通気されていないチャンバーと、を備える通気された上流チャンバーを有する。この装置は、通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流のチャンバーをさらに備える。下流導管が、通気されていないチャンバーの出口ポートを、下流チャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側に曲がっている。上流チャンバーの出口ポートと通気されていないチャンバーの入口ポートとを接続する上流導管が、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側の部分を含む。
【0009】
液体が通気されていないチャンバーに流入すると、通気されていないチャンバーの出口ポートが液体で満たされたときに直ちに空気が通気されていない液体レベルの内側に閉じ込められ、液体が通気されていないチャンバーに流れ続けると、通気されていないチャンバーの入口ポートでの遠心力によってガス圧力とバランスが取れるまで(下流の導管内の液体コラムがそれに応じて上昇して出口ポートでの圧力と均衡するまで)、通気されていないチャンバーのガス圧が、通気されていないチャンバーの液体レベルと共に上昇する。次いで装置が遅くされたとき、遠心圧力は減少し、チャンバー内のガス圧によって液体が通気されていないチャンバーの入口及び出口ポートを通して流される。十分なガス圧が蓄積されていれば、この圧力が、下流の導管内の液体コラムを、湾曲部を越えて通気されていないチャンバーの液体レベルの半径方向外側に押し、この時点で遠心力が、通気されていないチャンバーの出口を通して、それ故に上流チャンバーから液体を引き出すサイフォン効果の結果として、出口ポートを通して通気されていないチャンバーを空にする。上流チャンバーと通気されていないチャンバーを接続する上流の導管を、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側の曲がり部と構成することによって、上流導管の液体コラムは、装置が減速されると液体とガスの置き換えによって増加し、ガスが上流に逃げるのを防止する。疑念を避けるために、導管内の液体コラムまたは他の構造は、導管または構造内の液体の正味の半径方向範囲、より一般的には、半径方向位置における液体体積に関連する液体コラム体積内の体積は、半径方向の位置の半径方向内側の容積の正味の半径方向の広がりとして見ることができる。
【0010】
当然のことながら、液体流が上流チャンバーから下流チャンバーに遠心方向に動作することを保証するために、上流チャンバーの出口ポートは、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向内向きであり、下流チャンバーの入口ポートの半径方向内側である。同様に、「通気された」および「通気されていない」の用語は、液体が通気されたチャンバーの入口及び出口ポートを出入りして圧力が平衡になるように、通気されたチャンバーが装置の外部の大気または閉空気回路に接続されるように使われていることが理解できる。逆に、通気されていないチャンバーは、外気にも閉空気回路にも接続されておらず、一度液体が通気されていないチャンバーの入口ポートおよび出口ポートを満たすと、通気されていないチャンバーから出入りするそれぞれの流量の差は、通気されていないチャンバーの圧力変化を引き起こす。言い換えれば、通気されていないチャンバーでは、通気されていないチャンバーの内外の唯一の流体流路は、デバイスの液体流回路の一部である1つ又はそれ以上の液体ポートを通してである。
【0011】
例えば、いくつかの実施形態では、上流導管は逆サイフォン導管を備え、逆サイフォン導管は、通気されていないチャンバーの入口の半径方向外側への湾曲部を含む。逆サイフォン導管は、上流チャンバーの出口ポートを、通気されていないチャンバーの入口ポートに接続することができ、すなわち、一方から他方へ延びる。
【0012】
本開示の第2の観点では、液体処理装置は、装置内で液体流を動作させるために装置を回転させることができる回転軸を有する。この装置は、出口ポートを有する通気された上流チャンバーと、上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れる入口ポート、及び入口ポートの径方向外側にある出口ポートを有する通気されていないチャンバーとを備える。この装置は、通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け取るための入口ポートを含む通気された下流のチャンバーをさらに備える。下流導管は、通気されていないチャンバーの出口ポートを下流チャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側への湾曲部を含む。通気された上流チャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管および下流導管は、動作中に、少なくとも液体が下流導管の湾曲部を通過するまで、通気されていないチャンバー内の液体のレベルが通気されていないチャンバーの入口の半径方向外側で維持されるように構成される。これを達成するのに十分なガス圧の発生を容易にするために、通気されていないチャンバーの入口ポートと出口ポートとの間の半径方向の容積は、いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの出口の半径方向内側の容積の1/5、好ましくは1/3又は1/2を超えても良い。いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーは液体保持部分を備え、装置は液体保持部分を少なくとも部分的に満たすように構成される。通気されていないチャンバーの入口および出口の半径方向の間の通気されていないチャンバーの液体保持部分の容積は、通気されていないチャンバーの容積の1/5、好ましくは1/3を超えても良い。
【0013】
通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側の通気されていないチャンバー内の液体のレベルを維持することによって、通気されていないチャンバー内のガス圧力を平衡にする2つの液体カラムは、互いにオフセットされ、液体内にガス圧を生じさせる上流の液体コラムを、下流導管内の半径方向にオフセットされた下流コラムによって平衡にすることができる。これは、下流導管の湾曲部を、液体が湾曲部を越えて押し込まれる前に下流導管内に液体を保持することができる場合よりも、半径方向にさらに外側に配置することができることを意味する。具体的には、このことは、湾曲部を、通気された上流チャンバー内の液体レベルの半径方向外側に位置決めすることができ、それによって、同等のキャピラリーサイフォンデザインよりも半径方向にコンパクトな設計を可能にする。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1および第2の態様が一つの実施形態で組み合わされることが理解されるであろう。さらに、或る実施形態の以下の特徴は、両方の態様に等しく適用可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、通気された上流チャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、液体が下流導管の湾曲部を通って流れ、液体が通気されていないチャンバーを流れ続ける限り、通気されていないチャンバー内の液体のレベルが、未処置チャンバーの出口の半径方向内側に維持されるように構成される。このようにして、上流チャンバーから液体流がある間、サイフォン効果は維持され、上流チャンバーが完全に空になる。他の実施形態では、下流導管内の液体コラムが破損し、上流チャンバーからの液体流を停止させ、したがって流れ制御をリセットすることが好ましい。
【0016】
いくつかの実施形態では、制御されていないチャンバー、上流導管、及び下流導管は、作動時に、下流導管の湾曲部を越えて液体が流れる前に、通気された上流チャンバー内の液体のレベルが維持されるように構成される。上流チャンバーに液体を保持することにより、通気されていないチャンバーの入口ポートの液体コラムが維持される。これにより、構造の半径方向の広がり、及び通気されていないチャンバーの大きさに関して空間を節約することが可能になる。例えば、通気されていないチャンバーは、上流チャンバーが(例えば、上流チャンバーのオーバーフロー特性若しくは他のアリコート特性によって決定され、又は例えば特定の測定器具又は指示によって定められた、上流構造又は装置の外から受け取った一定量の液体によって決定される)その充填レベルまで満たされたときに、上流チャンバー内の液体の容積よりも小さい容積を有する(または容積まで満たされるように構成されていてもよい)。
【0017】
装置の半径方向の形状、及び遠心駆動された流れが与えられると、用語「レベル」は、液体体積又は液体コラムの半径方向内側の面であり、表面張力効果及び遠心力の組合せによって成形されると理解され、即ち、典型的には、液体と気体との間の幾何学的に平坦な界面ではない。上記の「動作」とは、通常の動作状態での動作、特に、液体が通気されていないチャンバー内に存在するときの現実的な実施形態で適用される最大回転速度または設計回転速度、例えば、装置が、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、又は10000回転/分で、又はこれ以下で動作することを意味する。具体的には、いくつかの実施形態では、上記の通気されていないチャンバーの最大充填レベルは、7000回転/分又はこれ以下の速度で維持される。
【0018】
いくつかの実施形態では、下流導管、及び上流導管は、通気されていないチャンバーの出口ポートを通る流量を、通気されていないチャンバーの入口ポートを通る流量未満に制限するように構成される。これにより、通気されていないチャンバー内の液体レベルの維持が容易になる。例えば、いくつかの実施形態では、上流導管の流体抵抗が下流導管の流体抵抗を超えない。
【0019】
いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの入口と出口との間の通気されていないチャンバーの半径方向の容積は、通気されていないチャンバーの容積の1/5、好ましくは1/3を超えている。同様に、特に、少なくとも最初に液体が入口ポートと出口ポートとの間の通気されていないチャンバーの半径方向範囲の一部のみを満たすように拘束されている場合、通気されていないチャンバーの入口ポートと出口ポートの半径方向の間の液体収容部分の容積は、通気されていないチャンバーの容積の1/5、好ましくは1/3を超えてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーは、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向外方に延びて、通気されていないチャンバー内に堆積物を捕捉し、通気されていないチャンバー内に液体、及び/又は堆積物を保持する容積を画定する。有利には、これは、単一の構造における相分離を伴う液体流制御を可能にする。いくつかの実施形態では、上流導管は湾曲部に向けて半径方向外向きに延び、湾曲部から半径方向内向きに延び、液体処理装置は、上流導管内の堆積物を捕捉するために湾曲部に接続された堆積チャンバーを含む。有利には、これは、目詰まりを起こすことなく通気されていないチャンバーの上流での沈殿を可能にし、かつ一度流れが開始すると、通気されていないチャンバーへ流れる液体が、より軽い相でリッチになるようにする。例えば、沈殿チャンバーは、上流導管の半径方向外壁が湾曲部の領域において半径方向外側に広がることによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの一部は、通気されていないチャンバーを通る半径と鋭角をなす方向に、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向外側に延びる。有利には、通気されていないチャンバーの角度および寸法を適切に選択することによって、沈殿効率を高めることができ、密度の高い相または複数の相をより細かいものから分離するのに必要な時間を短縮することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、液体処理装置は、複数の液体流制御ユニットを備え、各ユニットは、上述したように、それぞれ通気された上流チャンバー、通気されていないチャンバー、上流導管および下流導管を備える。各ユニットは、異なる回転速度で下流導管をプライミングする(すなわち、遠心力が液体を下流の通気チャンバーの入口に送る点まで液体が下流導管内で前進させる)ように構成されている。この方法により、液体流れは、回転速度を制御することによって、各ユニットの下流導管を流れる(したがって、それぞれの通気されていない上流チャンバーの外に)一連の液体の流れとして制御することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、2つ以上の複数の液体流量制御ユニットがあり、液体流量制御ユニットの全セットのうちのいくつかは、同じ速度でプライミングすることができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、通気された下流のチャンバーは、ユニットのいくつかまたはすべての間で共有されてもよく(例えば、すべての下流導管によって直接、又はマニホルドを介して供給される単一の通気された下流構造があり得る)、又は装置は1つのユニット当たり単一の通気された下流チャンバーを有してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、装置はマイクロ流体装置、具体的にはマイクロ流体遠心装置である。マイクロ流体という用語は、本明細書では、最小寸法、例えば深さまたは幅が1mm未満、例えばマイクロメートルオーダー、数十マイクロメートル、若しくは数百マイクロメートルの装置、又は液体処理構造を示すために使用される。
【0024】
いくつかの実施形態では、デバイスは、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側に、通気されていないチャンバー内に配置された1つ以上の試薬を含む。1つ以上の試薬は、乾燥状態またはゲル状態であってもよく、または支持材料(例えば、膜)に埋め込まれていてもよい。このような試薬の例は、抗体、酵素、酵素基質、コンジュゲート粒子、ラテックスビーズ、ナノ粒子、抗凝固剤、緩衝剤、溶解剤、染料、染料などがある。いくつかの実施形態では、装置は、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側に、通気されていないチャンバー内に配置された1つ以上の試薬を含む。
【0025】
液体が通気されていないチャンバー内の1つ以上の試薬と接触すると、試薬は液体中に懸濁される。例えば、下流チャンバー内で、又は下流チャンバーの下流で、液体処理構造内で発生し得るさらなる処理ステップの前に、液体を試薬と混合することが望ましい場合がある。
【0026】
いくつかの実施形態では、円盤状に構成されているかどうかにかかわらず、装置は、例えば、射出成形、又は基板のスタンピングによって、基板に液体処理構造(チャネル、導管など)を形成することによって製造される。次いで、基板は、液体処理構造が画定された表面にポリマーフィルムを接着することによって封止され、液体処理装置への流体アクセスのための適切な切り欠きが設けられる。他の実施形態では、それぞれ液体処理構造を画定することができる2つの基板を共に接合することにより、例えば2つの基板間の接合膜のサンドイッチによって形成することができる。これは、図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【0027】
1つまたは複数の乾燥試薬が通気されていないチャンバーに配置される実施形態では、1つまたは複数の乾燥試薬は、まず、基板がその対応物(ポリマーフィルムまたは別の基板のいずれか)と結合されると通気されていないチャンバーを形成する領域に、試薬を含む溶液の滴を関連する基板に適用することで適用される。次いで、溶液の滴を乾燥させ、乾燥した試薬を基材上に残す。
【0028】
あるいは、1つ以上の試薬を含有する溶液を吸収材料の本体に塗布し、その後乾燥させて、材料上に乾燥試薬を残すことができる。次いで、材料を基板に、基板がその対応物と結合される前または後に、通気されていないチャンバーを形成する領域に挿入することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーは、第1の部分および第2の部分を含む。通気されていないチャンバーの半径方向外側の壁は、屈曲部に対して半径方向内側に延び、屈曲部から半径方向外側に延びて、第1の部分を第2の部分から分離する。出口ポートは、第1部分に配置される。通気されていないチャンバーの入口ポートは、第1の部分に隣接して配置され、液体が入口ポートを介して通気されていないチャンバーに入ると、液体が第1の部分に入り、第1の部分を充填し始める。
【0030】
いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの第1の部分の容積は、通気されていないチャンバーの容積の1/5、好ましくは1/3を超えてもよい。
【0031】
上述したように、第1および第2の部分の利点は、液状化されていないチャンバー(特に第1の部分)に液体が入ると、(第1の部分の)通気されていないチャンバー内の液体の充填レベルが速く上昇し、通気されていないチャンバーが同一の周及び半径方向範囲を有するが第1及び第2の部分に分離されていない場合よりも、より半径方向内側に到達する(すなわち、液体が少なくとも最初に拘束されていない場合には、周囲の半径方向範囲の一部のみを満たす)。これは、液体が、通気されていないチャンバー内に配置された1つ以上の試薬のすべてと接触するのを促進するため有益であり得る。(上述したように、第1および第2の部分を備えたチャンバーを設ける代わりの)別の選択肢は、チャンバーを狭くすること、すなわち、小さな円周範囲、及び比較的大きな半径範囲にすることである。しかしながら、この第2の選択肢は、例えば装置がディスクの場合には、制限される可能性があるが、より多くの半径方向空間を占有することがある。液体は、第2の部分に入り込んでも、入り込まなくてもよいことは理解されよう。
【0032】
上述した構造(湾曲部に対して半径方向内側に延び、湾曲部から半径方向外側に延びる通気されていないチャンバーの半径方向外壁)は、明確に規定された体積の液体を計量するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の部分は計量部分であり、第2の部分はオーバーフロー部分であり、壁の湾曲部は、通気されていないチャンバーの入口ポートの半径方向外側にある。この構造は、オーバーフロー構造として説明することができる。
【0033】
チャンバー内に液体が流入し、通気されていないチャンバー(特に計量部)が液体で満たされると、計量部の充填レベルが上昇する(すなわち半径方向内側に移動する)。充填レベルがチャンバーの半径方向外壁の湾曲部の半径方向位置に達すると、液体が計量部からオーバーフロー部にオーバーフローし、液体の明確な体積が計量部に保持される。任意の時点で、通気されていないチャンバー内に存在する液体の体積が、計量部分とオーバーフロー部分とを合わせた容積を超えない限り、(計量部分内の)液体の明確な体積は、オーバーフロー部分内の液体と分離することができる。これは、液体と、試薬または希釈剤との特定の混合比(したがって、特定の体積の液体)が必要とされる用途において望ましいことがある。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬、例えば乾燥した試薬が、通気されていないチャンバーの第1の部分に配置されてもよい。
【0035】
通気されないチャンバーは、液体の混合、例えば液体と乾燥試薬との混合を促進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの半径方向外壁の第1の部分は、通気されていないチャンバーの第1の側壁に接続するために出口ポートから半径方向内側に第1の円周方向に傾斜しており、通気されていないチャンバーの半径方向外側の壁の第2の部分は、通気されていないチャンバーの第2の側壁に接続するために出口ポートから、第1周方向と反対向きの第2周方向に傾斜している。このようにして、通気されていないチャンバーの半径方向外壁はV字形状を形成し、通気されていないチャンバーの出口ポートはV字の頂点にある。この構造は、液体の均一性を改善することができる。例えば、液体が1つ以上の乾燥試薬と混合された実施形態では、このV字形構造は、液体全体にわたる試薬の分布の均一性を改善することができる。しかしながら、この構造は、試薬が通気されていないチャンバーに存在しない実施形態においても有利であり得る。例えば、出口導管に接続する「V」または「U」形の出口は、通気されていないチャンバーに収容された液体の排出を促進し、かつ改善することができ、これは、非常に少量の液体(マイクロリットルおよび以下)を制限し、又は計量する必要があるときに特に有益である。このような構成は、試薬(例えば、外壁に対して堆積する、又は出口を通って閉じ込められるより高い粘度の液体(例えば、溶解した血液))の排出を容易にすることもできる。出口における関連する小さな傾きは、液体または試薬の一部が出口間の壁に対して捕捉され得る等半径(equiradial)外壁と比較して有利であり得る。「V」、又は「U」形の形体の終端は、特に複数の出口がある場合には、側壁を必要としない。
【0036】
いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーは、入口ポートの半径方向外側の少なくとも1つの追加ポートを備え、下流導管は、出口ポートおよび少なくとも1つの追加出口ポートのそれぞれを下流チャンバーに接続する。下流導管は、一端が下流チャンバーに接続され、他端が複数の導管部分に分岐する共通導管部分を含むことができ、その各々は、通気されていないチャンバーのそれぞれの出口ポートに接続される。この構造は、液体の混合を改善することができ、例えば、液体が通気されていないチャンバー内に配置された1つ以上の試薬と混合される実施形態では、この構造は、液体全体の試薬の分布の均一性を向上させることができる。複数の異なる点で通気されていないチャンバーから液体を抽出し、それを導管中で組み合わせることによって、液体中の再懸濁した試薬の均一性が改善される。しかしながら、通気されていないチャンバーが少なくとも1つの追加ポートを含む実施形態は、通気されていないチャンバーに1つ以上の試薬が存在することに限定されない。そのような試薬が存在しない実施形態では、通気されていないチャンバーの複数のポートは依然として液体の均一性を促進し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、装置は、回転軸を画定し、回転要素に結合されて装置を回転駆動するように構成された機構を含む。例えば、装置は、マイクロ流体ディスクのような遠心ディスクであってもよい。円盤状または円盤状の装置は、駆動システムのスピンドルと係合する中心孔を備え、スピンドルは、スピンドルを回転駆動するためのモータに結合されており、結合された装置を回転駆動させる。
【0038】
本開示の第3の態様では、上述のような装置を用いて液体を取り扱うためのシステムが提供される。このシステムは、装置に結合して装置を回転軸の周りに回転させるモータと、モータを制御するコントローラとを含む。コントローラは、モータを第1の速度で駆動して装置を回転させ、通気されていないチャンバーを上流チャンバーからの液体で満たし、通気されていないチャンバーに閉じ込められたガスを圧縮するように構成される。液体が第1の速度とは異なる第2の速度でモータを駆動するか、又はモータを停止させて、下流の導管の湾曲部を越えて液体を移動させる。モータを駆動して液体を上流チャンバーから下流チャンバーに流し続けることができる。いくつかの実施形態では、第2の速度は第1の速度よりも小さい。いくつかの実施形態では、第2の速度は第1の速度よりも大きい。さらに、コントローラは、第2の速度と同じ速度または異なる速度、例えば第1の速度よりも小さい速度で回転を継続することができる。
【0039】
本開示の第4の態様では、装置を用いて液体を取り扱う方法が提供される。この装置は、装置を回転させて装置内の液体流を駆動することができる回転軸を有し、出口ポートを含む通気された上流チャンバーと、上流チャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含み、入口ポートの半径方向外側に出口ポートを含む、通気されていないチャンバーと、上流チャンバーの出口ポートと通気されていないチャンバーの入口ポートとを接続する上流導管と、通気されていないチャンバーの出口ポートから液体を受け入れるための入口ポートを含む通気された下流チャンバーと、通気されていないチャンバーの出口ポートを下流チャンバーの入口ポートに接続し、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向内側に湾曲部を含む下流導管と、を備える。この方法は、第1の速度で装置を回転させて、上流チャンバーからの液体で通気されていないチャンバーを充填し、通気されていないチャンバー内の液体レベルを通気されていないチャンバーの入口の半径方向内側に維持する間、通気されていないチャンバー内に閉じ込められたガスを圧縮し、装置を停止させるか又は第1の速度とは異なる第2の速度で装置を回転させることで液体を下流チャンバーの湾曲部を越えて移動させ、さらに装置の回転を継続し、液体を上流から下流チャンバーに流す。いくつかの実施形態では、液体のレベルは、少なくとも液体が下流導管の湾曲部を通過するまで、通気されていないチャンバーの入口の半径方向外側に維持される。いくつかの実施形態では、第2の速度は第1の速度よりも小さい。いくつかの実施形態では、第2の速度は第1の速度よりも大きい。回転は、例えば第1の速度よりも低い速度で、第2の速度と同じ、又は異なる速度で継続されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、この方法は、液体が通気されていないチャンバーの入口を通って流れる間に下流導管の湾曲部を越えて流れるのに続いて、液体のレベルを通気されていないチャンバーの出口の半径方向内側に維持することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、液体が下流導管の湾曲部を通過する前に、通気された上流チャンバー内の液体レベルを維持することを含む。いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバーの出口ポートを通る流量は、通気されていないチャンバーの入口ポートを通る流量を超えないように準備されてもよい。いくつかの実施形態では、この方法で使用される装置は、上記のように構成される。
【0041】
本開示の第5の態様では、上記のような複数の液体フロー制御ユニットを有する液体処理装置を製造する方法は、下流導管が異なる回転速度になるように各ユニットを設計し、設計されたユニットを含む装置を製造することを含む。
【0042】
本発明の特定の実施形態は、本開示の態様を例示するために、添付の図面を参照して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】液体流量制御装置を有する液体処理装置を示す図である。
【図2A】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2B】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2C】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2D】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2E】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2F】液体流量制御装置の動作を示す。
【図2G】液体流量制御装置の動作を示す。
【図3】液体流量制御装置の変形例を示す図である。
【図4A】液体の流れを順序付けるための複数の液体流れ制御装置を有するそれぞれの装置を示す。
【図4B】液体の流れを順序付けるための複数の液体流れ制御装置を有するそれぞれの装置を示す。
【図4C】液体の流れを順序付けるための複数の液体流れ制御装置を有するそれぞれの装置を示す。
【図5】液体流量制御装置の具体的な構成を示す図である。
【図6】液体処理装置内の液体流を駆動するためのシステムを示す。
【図7】液体処理装置内の液体流を駆動する方法を示す。
【図8】液体流量制御と堆積を組み合わせた液体流量制御装置の変形を示す図である。
【図9】図8の変形例の具体的な構成を示す図である。
【図10】1つ以上の試薬が装置内に配置されている液体流量制御装置の変形例を示す。
【図11】一定量の液体が計量され得る液体流量制御装置の変形例を示す。
【図12】液体流量制御装置のさらなる具体的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1を参照すると、矢印104によって概略的に示される、遠心力を発生させるために回転軸102を中心に回転するように配置された液体処理装置100は、上流チャンバー108と下流チャンバー110の液体の流れを制御する液体フロー制御装置106を備える。上流チャンバー108と下流チャンバー110の両方が通気、即ち、上流チャンバー108と下流チャンバー110は、液体処理装置100を取り囲む大気、または装置100の空気回路、例えば閉空気回路に接続され、チャンバー108とチャンバー110との間で気体が流れるのを可能にし、1つのチャンバーから他のチャンバーへ流れる液体によって引き起こされ得る圧力差を等しくする。
【0045】
液体流制御装置106は、上流導管114によって上流チャンバー108に、下流導管116によって下流チャンバー110に接続された通気されていないチャンバー112を含む。
【0046】
上流管路114は、上流チャンバー108の出口ポート118から通気されていないチャンバー112の入口ポート120まで延び、入口ポート120の半径方向外側に湾曲部122を形成する。下流導管116は、通気されていないチャンバー112の出口ポート124から下流チャンバー110の入口ポート126まで延び、出口ポート124の半径方向内側に湾曲部128を形成する。出口ポート118は、入口ポート120の半径方向内側にあり、入口ポート120は、入口ポート126の半径方向内側にある出口ポート124の半径方向内側にある。従って、上流導管114は逆サイフォン導管と見なすことができ、下流導管116はサイフォン導管とみなすことができる。入口ポート126の半径方向の位置決めは、通気されていないチャンバー112を完全に空にすることを容易にするが、入口ポート126を等しくより内側に配置することができることは理解されよう。
【0047】
以下の説明では、以下のように、多数の半径方向位置(すなわち、回転軸102からの半径方向距離)を定義することが有用であろう。
【0048】
R1:上流チャンバー108内の液面;
R2:上流導管114の湾曲部122の頂上(半径方向最外部);
R3:通気されていないチャンバー112の入口ポート120;
R4:通気されていないチャンバー112の出口ポート124;
R5:下流導管116の湾曲部128の頂部(半径方向最内側部分);及び
r:通気されていないチャンバー112内の液体レベル。
【0049】
次に、液体流制御装置106の動作を図2A〜図2Fを参照して説明する。初期状態(図2A)では、装置100は、静止しており、上流チャンバー108が定められた体積の液体で満たされている。液体の体積は、上流チャンバー108内のオーバーフロー特徴部、上流チャンバー108内の別個の特徴部、さらに上流側の液体処理構造体によって受け取られる規定容積部、又は例えば対応する、適切な寸法の毛細管などの液体分配器を用いてチャンバー108のデバイスの外から適用された規定容積によって定められる。
【0050】
第2の状態(図2B)では、装置100を第1の速度で回転させて、上流のチャンバー108から上流の導管114を通って通気されていないチャンバー112に液体を流す。液体が通気されていないチャンバー112の出口ポート124を満たすと、出口ポート124、及び下流導管116の隣接部分を満たす液体によって、通気されていないチャンバー112が下流回路チャンバー110と連通する空気回路、又は大気環境から遮断される。結果として、通気されていないチャンバー112(湾曲部128と出口ポート124との間の下流導管116の一部)内で液体レベルが上昇し、通気されていないチャンバー112内のガス圧が増加する。
【0051】
第3の状態(図2C)では、例えば第1の速度での連続回転に応答して、通気されていないチャンバー112内の液体レベルは、上流チャンバー108及び上流導管114内の液体によって及ぼされる遠心力の圧力が、通気されていないチャンバー112内のガス圧によって平衡になる点まで達し、これはまた、下流導管116の液体コラムによって及ぼされる遠心力の圧力によっても平衡にされる。下流導管116内の液体コラムによって提供され得る最大遠心力は、通気されていないチャンバー112、及び湾曲部128の頂部の液面の半径方向位置によって決定され、r−R5に比例する。同様に、上流チャンバー108、及び上流導管114内の液体による最大遠心力は、R3−R1に比例する。したがって、下流導管116内の液体コラムが、定常状態の上流導管114内の液体コラムによって引き起こされる通気されていないチャンバー112内のガス圧力を平衡にできるように、r−R5≧R3−R1である。
【0052】
近似として、この不等式は、上流チャンバー108内の液面が一定であると仮定しているが、上流チャンバー108がレベルR1を維持するように構成されていない限り、液体が上流チャンバー108から流出するため厳密に当てはまるわけではない。しかし、上流チャンバー108の接線断面積が通気されていないチャンバー112の接線断面積よりも大きい実施形態では、チャンバー108内の液体レベルの減少は、チャンバー112の液体レベルの増加よりも少なく、これを合理的な近似にする。いくつかの実施形態では、必要に応じて、上流チャンバー108内の液体レベルの減少、及び/又は下流チャンバー112内の液体レベルの対応する増加、ならびに上流導管114内の液体の体積の補正を、上記の計算に設計目的で追加することができる。
【0053】
圧力の定常状態での平衡が望ましい実施形態では、上流チャンバー108、下流チャンバー110、通気されていないチャンバー124、並びに上流、及び下流導管114,116は、この不等式(またはより正確なバージョン)が保持されるように構成される圧力が均衡しているとき定常状態を維持できるように、即ち上流チャンバー108、入口120、頂部128の充填レベルの半径方向位置、及び通気されていないチャンバー124の構成は、液体が下流チャンバー110の上流に保持されるべき液体流量制御装置106の所望の動作速度で、この不等式を満たすように設計される。当然のことながら、このような各設計は、対応する動作速度の範囲に適している。適切な設計は、上記の近似計算、上記のような液面変化の補正、シミュレーション、及び/又は試行錯誤試作を考慮に入れたより正確な計算を使用して作成することができる。いくつかの実施形態では、動作速度は、毎分1000回転、2000回転、3000回転、4000回転、5000回転、6000回転、7000回転、8000回転または9000回転であってもよい。液体流量制御装置106が動的システムであることに留意すれば、対応する動作速度に対して不等式が満たされないいくつかの実施形態では、液体流量制御装置106は依然として、定常状態に達し、したがって、停止弁ではなく遅延として作用するであろう。
【0054】
通気されていないチャンバー112の上流および下流の液体コラムは、当然のことながら、通気されていないチャンバー112内のガス圧力を平衡にする必要があり、したがって同じ遠心圧力を提供しなければならないが、下流の遠心圧力は、湾曲部128の頂部から通気されていないチャンバー内の液面までの半径方向の距離と、各半径方向の位置の平均によって決定され、上流側の遠心力は、上流チャンバー108内の液面から入口ポート122までの半径方向の距離と、各半径方向位置の平均とによって決定される。したがって、(液体制御装置106を所望の動作速度のために適切に設計した結果として)通気されていないチャンバー112の充填レベルが入口ポート120の半径方向外側にある実施形態では、湾曲部128の頂点の半径方向の位置は、下流導管116をプライミングすることなく、上流チャンバー108(R3>R1)内の液面の半径方向外側に選択できることが分かる。これは、例えば従来の毛管サイフォン弁のような、上流チャンバー108の出口ポート118に直接接続された従来のサイフォン導管とは対照的である。したがって、このような実施形態は、遠心液体処理装置上の液体処理構造が、放射状により凝縮された様式で配置されることを可能にし、装置上の半径方向の土地を節約することができることが分かる。
【0055】
上述の第3の状態までは、液体は、下流チャンバー110の上流、主に上流チャンバー108内に保持される。第4の状態(図2D)では、下流の導管をプライミングするために速度が変更される。下流導管116をプライミングするために、下流導管116内の液体は、湾曲部128を通過し、通気されていないチャンバー112内の液体レベルの半径方向外側に移動し、装置100の連続回転による遠心力が、液体を下流チャンバー110に流入させる。
【0056】
いくつかの実施形態では、装置100が回転する速度は、第3の状態の速度に対して第4の状態において低減される。装置の速度が減少するにつれて、上流および下流導管114,116内の液体コラムによって加えられる遠心力は、速度の減少に比例して減少する。速度が減少するにつれて、通気されていないチャンバー112内のガス圧力は新たな遠心圧力を上回り、液体は、チャンバー112内の液体レベルが下がるにしたがって、液体のレベルと同じ新たな平衡に達するように、通気されていないチャンバー112内で膨張するガスによって上流および下流導管114,116に押し戻される。最初に、ガスが膨張するにつれて、上流導管および下流導管の両方の液体コラムが増加し、下流導管116内の液体前面の半径方向位置が半径方向内側に、湾曲部128に向かって移動し、液体前面が上流導管114内に移動する湾曲部122に向かって半径方向外側に移動する。下流導管116内の液体前面が湾曲部128の半径方向の最も内側の点を通過する程度に速度が低下する時点で、速度のさらなる減少は、下流導管116内の液体コラムの増加によって平衡にすることができない。これは、下流導管116内の液体前面が、湾曲部128を越えて半径方向外側に移動し始めるからである。
【0057】
通気されていないチャンバー112内のガスのさらなる膨張は、液体前面が半径方向外側に移動し続けるにつれて下流導管116内の液体コラムをさらに減少させ、その時点から通気されていないチャンバー112内のガスの膨張が駆動する装置の速度をそれ以上低下させなくても、下流導管116に液体が流れる。
【0058】
上流導管114を参照すると、通気されていないチャンバー112内の膨張ガスが、上流導管内の液体前面を、湾曲部122を超えて移動させない限り、通気されていないチャンバー112内のガスを膨張させることによる液体フロントの移動は、気体が上流チャンバー108に逃げることができないように、液体コラム内で増加する。液体流制御装置106内の液体と気体が準定常状態で状態間を移動する実施形態では、上流導管の逆サイフォン形状は、最大上流遠心圧力が平衡である、又は最大下流遠心圧力以上である、即ちR2−R1≧r−R5(近似値としてのR1およびrの変化を再び無視する)である限り、ガスが上流に逃げるのを防止する。しかしながら、液体流制御装置106が動的システムであり、特に速度が比較的速く変化する場合には、逆流サイフォン形状は、上流導管へのガスの膨張が上流液体コラムの増加を生じさせるため、上流のガスが逃げる可能性を低減する。
【0059】
下流の導管116をプライミングする、通気されていないチャンバー内のガスの膨張と共に、装置100のさらなる回転は、遠心吸い上げにより導管内の液体流を駆動させ、それによって第5の状態に達する(図2E)。第5の状態では、液体が下流チャンバー110に流入し、通気されていないチャンバー112を空にし、通気されていないチャンバー112内のガス圧力を低下させる。同時に、遠心力は、上流のチャンバー108から通気されていないチャンバー112への液体の流れを駆動し続け、通気されていないチャンバー112を満たし、ガス圧力を増加させる。装置100の他の部分における液体処理機能を含む特定の実施形態、及び用途に応じて、上流チャンバー108を空にしている間の第5の状態の速度は、第4の状態(又はそれ以前の状態)の速度よりも高くても低くてもよい。
【0060】
上流チャンバー108を完全に空にする実施形態では、通気されていないチャンバー112が時間の前には乾燥しなくなるように流速が十分に大きいことを保証することにより、通気されていないチャンバーの内外への相対流速が、上流チャンバー108が空になる前に通気されていないチャンバー112を完全に空にしないように設計される。これを保証する1つの方法は、流入速度を流出速度と同じかそれより大きくすることである。そのために、いくつかの実施形態では、上流導管114の流体抵抗は、下流導管116の流体抵抗よりも小さい。これらの実施形態では、上流チャンバー108が空になって液体の大部分が下流チャンバー110に移され、その時点でフローが停止する第6の状態(図2F)に最終的に到達する。出口ポート124が通気されていないチャンバー112の半径方向最も外側の面に設けられていない限り、若干の残留液体が入口ポート120の半径方向外側に上流導管114に捕捉されたまま残っている可能性がある。これらの残っている体積は、必要であれば下流に流れる体積、及び下流導管の任意の部分に残っている液体体積を決定する際に考慮され得る。いくつかの実施形態では、これらの体積は補足されず、液体が下流導管116から下流チャンバー110へ流れる。
【0061】
いくつかの実施形態では、上述したように、下流導管116は、装置100が回転する速度を低下させることによって第4の状態でプライミングされる。他のいくつかの実施形態では、下流導管は、代替の第4の状態(図2G)で装置100が回転する速度を増加させることによってプライミングされる。速度が増加するにつれて、さらなる液体は、通気されていないチャンバー112に流入し液体レベルをさらに上昇させる。結果的に圧力が増加すると、下流の導管116に液体がさらに流れ込み、液体コラムが増加して圧力のバランスを取れる。通気されていないチャンバー112内の液体の上昇レベルは、ガスの圧力を平衡にするのに利用可能な下流側の液体コラムを減らすが、出口ポート118と入口ポート120との間で固定、すなわちR3とR1との間で固定されている上流側の液体コラムは減らさない。したがって、通気されていないチャンバー内のガス圧が、下流導管116の液体コラムによって生成され得る遠心圧を超えるように速度が十分に増加された場合、下流導管116内の液体フロントの前面は、屈曲部128の頂点を超える。この時点で、気体の圧力はさらに液体の前面を半径方向外側に駆動する。液体前面が通気されていないチャンバー112内の液体レベルの半径方向位置を横切ると、下流導管内の下流方向のさらなる液体流が遠心力によって駆動され、液体流量制御装置は第5の状態(図2E)にあり、いくつかの実施形態では、上述のように第6の状態(図2F)に最終的に移行する。いくつかの実施形態では、下流導管は、通気されていないチャンバーの液体レベルが通気されていないチャンバーの入口に達する点まで速度を上げることによってプライミングされる。
【0062】
いくつかの実施形態およびその動作の上記の説明を読むことで、当業者は、上述の液体流量制御装置の設計に含まれる設計原理を理解できるであろう。特に、当業者であれば、半径方向位置R1、R2、R3、R4、及びrの相互作用において大きな設計の自由度があることを理解するであろう。rは、例えば半径方向に変化する深さまたは幅などの変化する断面積を有することができる通気されていないチャンバーの設計と、装置が動作する動作速度の両方に依存することが理解されるであろう。動的効果が顕著になるように速度が十分に速く変化する設定では、さらなる設計自由度が生じる。例えば、下流導管がプライミングに要する時間の間だけ、上流のガスの逃げを防止または低減する必要があり、動的な設定では屈曲部122の半径方向位置R2の要件を緩和する。さらに、特に、図2Gを参照して上述したように、下流導管116が圧力の上昇によってプライミングされ、上流チャンバー108を空にする前に速度を減少させる必要がない実施形態では、液体流量制御装置の上流導管114内にU字型の屈曲部122を必要とすることなく設計することができる。例えば、いくつかの実施形態では、上流導管114は、図3に示すようなエルボー屈曲部で構成することができる。
【0063】
図4A、図4B、及び図4Cを参照すると、いくつかの実施形態は、単一の装置100内に複数の液体流量制御装置106が組み合わされている。いくつかの実施形態では、装置100は、装置100を回転させるための駆動システムのスピンドルと係合する中心位置決め機構200を有する円盤形状として構成される。この構成は、複数の液体流量制御装置106を有する装置だけでなく、そのような装置を1つだけ有する装置にも適用可能であることが理解されよう。装置100は、第1の上流チャンバー108に接続され、第1の上流チャンバーに液体を供給する液体リザーバ202を含む。上流チャンバー108は、オーバーフロー導管210によって、別のオーバーフロー導管210によって別のオーバーフローチャンバー108などに接続されるさらなる上流チャンバー108に接続される。最終上流チャンバー108は最終オーバーフロー導管210によって廃棄チャンバー204に接続されている。いくつかの実施形態では、上流チャンバー108およびオーバーフロー導管210は、それぞれの半径方向の同じ位置に設けられる。
【0064】
各上流チャンバー108は、それぞれの液体流量制御装置106に接続されており、それぞれの流量制御装置106の下流導管116の湾曲部128は、オーバーフロー導管210の半径方向外側にあり、したがって、上流チャンバー108の充填レベルのすぐ外側にある。これにより、各液体流制御装置106を、隣接する上流チャンバー108の間に部分的に配置することが可能になり、特に、通気されていないチャンバー112および出口導管116が、このようにして、コンパクトな半径方向範囲を有する構造が提供される。
【0065】
各液体制御装置106の出口導管116は、出口マニホールド206に接続され、出口マニホルド206は、気体及び液体交換マニホルド212によって液体受入チャンバー208に接続される。これらの実施形態では、下流チャンバー110は、別のマニホルドによって液体受入チャンバーに接続された液体受入マニホルドの形態で提供されることが分かる。液体交換マニホルド212は、液体が装置内に流れると、気体が廃棄チャンバー204、マニホルド206、及び液体受入チャンバー208からリザーバ202に逃げることを可能にするとともに、液体受入マニホルド206と収容チャンバー208の間の導管として作用する。例えば、液体交換マニホールド212は、液体が完全に満たされないように寸法決めされた断面を有してもよく、その結果、液体が半径方向外側に流れてガスが内側に逃げることができる。もちろん、他の通気手段も同様に使用可能である。
【0066】
いくつかの実施形態では、液体流制御装置は、逆サイフォンとして構成された上流導管を備え、図1、図2A、図2Gを参照して上述した実施形態に従って構成されている。いくつかの実施形態では、液体流制御装置は、図4Bに示すように、エルボーで構成された上流導管を備え、図3を参照して上述した実施形態に従って構成されている。いくつかの実施形態では、逆流サイフォンでもなくエルボー形状でもないが、例えば直線状の導管である上流導管を備えた液体流れ制御装置がさらに別の実施形態に従って構成される。いくつかの実施形態では、導管の直線状の長さは、上流チャンバー108の出口ポート118から半径方向外側に延びる。いくつかの実施形態(図示せず)では、上流導管108は、上流チャンバー108の出口ポート118からの半径方向輪郭に従い、いくつかの実施形態では、上流導管は、チャンバー112の出口ポート118から入口ポート120まで半径方向外向きに螺旋状になっている。
【0067】
上述した原理に基づいて、液体流制御装置106は、それぞれの出口導管が、それぞれ異なる回転速度でプライミングするように設計される。このようにして、回転速度を制御することによって、上流チャンバー108からの液体分配のタイミングを、液体流制御装置106の設計によって規定される順序で制御することができる。例えば、液体流量制御装置は、それぞれの液体流量制御装置106の出口導管がそれぞれ異なる回転速度でプライミングするように、又は出口導管116のサブセットを、それぞれのグループをプライミングするように設計することができる。各液体流量制御装置106の出口導管116が異なるそれぞれの回転速度でプライミングするように、または出口導管116のサブセットをそれぞれのグループにプライミングするように設計することができる。もちろん、いくつかの実施形態では、液体流量制御装置106は、すべて同じ回転速度でプライミングするように構成されてもよい。プライミング挙動に影響を及ぼすように調整することができる設計パラメータは、(圧力、故に所与の回転数について通気されていないチャンバー112の液体レベルと負の相関関係にある)通気されていないチャンバー112の容積、(所与の回転速度での遠心圧力と正の相関関係にある)通気されていないチャンバーの入口ポート120の半径方向位置R3、(所与の回転速度で下流導管116の液体コラムによって発生する遠心圧力の負の相関関係にある)出口導管116の湾曲部128の頂点の半径方向位置R5を含む。
【0068】
動作中、装置が回転すると、リザーバ202内に供給された液体は、第1上流チャンバー108に流入し、そこからオーバーフロー導管210を介して後続の上流チャンバー108に流れ、余剰液体が廃棄チャンバー204に流れる。その結果、液体の明確に規定されたアリコートが各上流チャンバー108に提供される。装置は、上述したように、すべての通気されていないチャンバー112が、通気されていないチャンバー112のガス圧が対応する上流及び下流導管114,116によって発生する遠心圧力と平衡にされるレベルまで充填される。次に、上流チャンバー108の1つ以上の識別されたものから液体受入マニホルド206に分配される時点で、速度が変更されて対応する1つ以上の出口導管116をプライミングし、対応する1つ以上の上流チャンバーが空になる。次いで、対応する1つ以上の上流チャンバー108等から液体を分配するために、速度を再び変化させて残りの出口導管116の1つ以上をプライミングする。
【0069】
図5を参照すると、いくつかの特定の実施形態では、液体リザーバ302が上流チャンバー108に接続され、上流チャンバー108を液体で満たす。ベント接続部304及び306は、液体が上流チャンバー108内外に自由に流れることを確実にする。上流チャンバー108は、上流チャンバー108から下流液体処理装置までオーバーフローできるオーバーフローとして作用するショルダー308まで延びる漏斗形状チャンバーまで拡張する上流導管114によって形成される。このようにして、上流チャンバー108内の液体の体積のセットが画定される。上流導管114、及び下流導管116は、上述のように構成されている。さらに、下流導管116は、通気されていないチャンバー112の半径方向最外側面から半径方向外方に延び、通気されていないチャンバー112の完全な排出を容易にする。通気されていないチャンバー112を完全に空にすることは、出口ポート154の領域のチャンバーの丸い形状によってさらに容易になる。通気されていないチャンバー112に比較的大きな容積を半径方向にコンパクトに提供するために、通気されていないチャンバー112は、半径方向に細長い第1の部分310を含み、第2の部分312はL字形状のほぼ接線方向に細長く延びている。これらの特徴は、本明細書に記載される任意の他の実施形態に等しく適用可能であることが理解されよう。
【0070】
いくつかの実施形態では、円盤状に構成されているかどうかにかかわらず、装置100は、例えば、射出成形または基板のスタンピングによって、液体処理構造(チャネル、導管など)を基板に形成することによって製造される。液体処理構造は、いくつかの実施形態では、マイクロ流体液体処理構造として寸法決めされた液体処理構造を含む。次いで、基板はポリマーフィルムを、例えば液体を供給し又は回収するために液体処理装置への流体アクセス用の適切なカットアウトによって液体処理装置が形成される表面に接合することで密封される。他の実施形態では、当業者が理解できるように、装置は、両方が液体処理構造をなす2つの基板を、例えば、共働して、又は基板の間に接合フィルムを挟むことにより接合することで形成される。上記の実施形態では、液体流制御装置106の下流の非常に単純な液体取扱構造を説明したが、下流構造は、例えば蛍光、濁度、吸収、表面プラズモン共鳴、又は他の効果によって、混合、アリコート若しくは検出のために液体を収容、及び/又は測定により、任意の所望の複雑さ、及び機能を実現できることは、当業者に明らかであろう。
【0071】
図6を参照すると、上述した様々な実施形態による装置100内の液体流を駆動するシステム400は、例えば、装置100の対応する特徴に係合するばね付勢プロングを有するスピンドル、例えば、上述した係合特徴200のように構成されたもの、例えばCD、又はDVDドライブで使用されているような、トレー、及びハブ構成又は装置100に係合するための他の構成のような装置係合機構402を含む。係合機構402は、上述のように液体流を駆動、開始、停止、及びシーケンスするための回転速度プロトコルを実施するように構成されたコントローラ406によって制御される電気モータ404に連結される。
【0072】
装置100内の液体流を駆動するための詳細な方法については上述した。図7を参照すると、例えば、コントローラ406によって実施され、液体流を駆動、及び/又はシーケンスする方法の概要が提供される。第1のステップ502において、装置は回転して、上流チャンバー114から通気されていないチャンバー112へ液体流を駆動し、それにより通気されていないチャンバー112内に圧力を発生させ、液体レベルを通気されていないチャンバー1122内で上昇させる。通気されていないチャンバー112内のガス圧力と、入口ポート120、及び出口ポート124における遠心力に達するまで圧力が上昇し、入口ポート120の半径方向外側の液体レベルを維持する。
【0073】
液体が下流チャンバー110に分配されるとき、ステップ504において、回転速度が変更されて下流導管をプライミングする。上述したように、速度は増減することができる。いずれの場合も、ステップ502で達成された圧力バランスが狂って、出口導管116がプライミングされる。
【0074】
ステップ506で、上流チャンバー108から下流チャンバー110へ液体を移送するために回転が継続される。下流導管116がプライミングされた状態で回転が継続される速度は、ステップ504から変わらず、増減してもよいし、又は経時的に変化してもよい。いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバー112内の液体レベルは、出口チャンバー124の半径方向内側に維持され、上流チャンバー108が完全に空になるようにする。
【0075】
シーケンスで空にされる複数の上流チャンバー108を有する実施形態では、制御方法は、ステップ504にループバックし、上述したように次の下流導管116(又は次の下流導管116のセット)をプライミングするように速度を変更する。506におけるステップ504は、すべての上流チャンバー108が空になるまで繰り返されてもよい。
【0076】
図8、及び図9を参照して、堆積または相分離機能が一体化された液体流制御装置の実施形態について説明する。これらの実施形態では、通気されていないチャンバー112は、出口ポートポート124の半径方向外側に延びる堆積部810を備える。このように、液体が上記のように通気されていないチャンバー112内に保持されている間、例えば上流チャンバー108からの血液のような通気されていないチャンバー内の2つ以上の液相は、遠心力の影響下でより重い相で堆積部810内に堆積する。堆積部810は、出口ポート124が例えば血漿のような下流に流れることが望ましい軽い相と接触したままにするために、例えば血液試料の細胞材料のようなより重い相の全てを収容するように寸法決めされる。したがって、血液の例では、堆積部810は、操作速度で、通気されていないチャンバー112に保持された液体の総体積の(ヘマトクリットの予想される上限に対応する)60%を収容できる寸法にすることができる。図7を参照すると、ステップ502の間に堆積が起こる。
【0077】
下流チャンバー110に軽い相(例えば、プラズマ)を抽出するために、図7のステップ504を参照して上述したように、回転速度が変更され、例えば減速される。速度を遅くすることは、出口124を介してより軽い相を排出することに加えて、上流導管114内の液体のガスを膨張させることによって上流に移動させることにも有利である。通気されていないチャンバーからの流出速度が流入速度よりも速くなるように装置、特に導管114、及び116を配置することによって、上流導管114からの液体が到着する前に下流導管116を乾燥させて配置することができ、したがって、液体流制御装置が実際にリセットされるとき、より軽い相を上流の液体から分離することができる。あるいは、上流導管114からの任意の液体が、例えば、上流のチャンバー108内の出発液体を適切な体積となるように配置することによって、軽い相を過度に汚染しないように装置を配置することができる。
【0078】
上流導管114が詰まる危険性を低減し、及び/又はより上流のチャンバー108、及びおそらくは上流導管114の流れから重い相を除去するために、いくつかの実施形態では、堆積チャンバー830を、上流導管114の外向きの湾曲部820の位置で、上流導管114の半径方向外側部分に設けることができる。具体的には、図9を参照すると、堆積チャンバー830は、半径方向外側に広がる湾曲部820の領域における導管114の半径方向外壁によって形成されてもよい。
【0079】
さらに、図9を特に参照すると、堆積部810は、(特徴200に対して定義される)半径方向に対して鋭角をなすように傾斜している。特に、堆積部810は、通気されていないチャンバーを通る半径と鋭角をなす方向に、通気されていないチャンバーの出口ポートの半径方向外側に延びている。半径方向の角度は、細胞が外壁に対して堆積するために液体の内部を移動しなければならない距離を減少させ、それによって堆積を促進する。
【0080】
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス100は、通気されていないチャンバー112内に配置された1つ以上の乾燥試薬1000を含むことができる。図10に示す構造は、図1を参照して説明した多くの特徴を組み込んでいる。同様の部分には同様の参照符号を付し、同様の部分の説明はここでは繰り返さない。
【0081】
1つ以上の試薬は、例えば、抗体、酵素、結合粒子(ラテックスビーズ、ナノ粒子)、溶解剤または染みであってもよく、入口ポート120の半径方向外側に配置される。液体が通気されていないチャンバーに入ると、1つ以上の乾燥試薬が液体中に懸濁される。
【0082】
上流チャンバー108および下流チャンバー110は、空気回路1002にそれぞれ接続され、上流、及び下流チャンバーのそれぞれの入口ポート、及び出口ポートに液体が流入、又は流出するときにガス圧が釣り合うことができる。空気回路1002は、他の通気された液体処理構造、及び/又は装置100の外部の雰囲気に接続されてもよい。
【0083】
図11を参照すると、いくつかの実施形態では、通気されていないチャンバー112は、第1の部分1100、及びおよび第2の部分1102を備えることができる。通気されていないチャンバー112の半径方向外側の壁は、半径方向内側に湾曲部1104まで延在し、次に湾曲部から半径方向外側に延びて、第1の部分1100を第2の部分1102から分離する。出口ポート124は、第1の部分1100に配置される。入口ポート120は、第1の部分に隣接して配置され、入口ポート120を介して通気されていないチャンバー112に入ると、液体は第1の部分1100に入り、第1の部分を充填し始める。いくつかの実施形態では、壁の湾曲部1104は、入口ポート120の半径方向外側にある。液体が第1の部分1100を満たすと、第1の部分の液体の充填レベルが上昇し、すなわち半径方向内側に移動する。液体レベルが湾曲部1104の半径方向位置に達すると、液体は第1の部分1100から第2の部分1102に溢れ出る。したがって、第1の部分1100には、(第1の部分の容積に等しい)明確に規定された液体の体積が保持され、通気されていないチャンバー内の液体の体積が第1及び第2の部分の容積を越えないので、明確に規定された液体の体積は、通気されていないチャンバー112内の残りの液体から分離される。この明確な堆積は、次に、出口ポート124を介して、通気されていないチャンバー112から移送され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、上述したように、1つ以上の試薬、例えば乾燥した試薬を、通気されていないチャンバー112内に配置することができる。通気されていないチャンバー112が第1の部分1100、及び第2の部分1102を含む実施形態では、1つまたは複数の試薬が第1の部分に配置されてもよい。
【0085】
上述の様々な実施形態の特徴の多くは、いくつかの異なる方法で組み合わせることができることが理解されよう。図12を参照すると、図10に概略的に示されており、図10、及び図11を参照して説明された多くの特徴を組み込んだ構造の実施態様が記載されている。同様の部分には同様の参照符号を付し、同様の部分の説明はここでは繰り返さない。
【0086】
図12を参照すると、上流チャンバー108、下流チャンバー110、及び通気されていないチャンバー112の各々は複数のピラー1200を含み、そのいくつかの例が(明確化のため)図12に示されている。上流チャンバー108、及び下流チャンバー110は、空気回路1002に接続される。
【0087】
通気されていないチャンバー112は、第1の部分1100と第2の部分1102とを含む。通気されていないチャンバーの半径方向外壁の湾曲部1104は、第1の部分1100を第2の部分1102から分離する。入口ポート120は、第1の部分1100に隣接して配置される。
【0088】
上流導管114は、湾曲部122から頂部1210まで半径方向内側に延在し、次に半径方向外側に再び延びて、通気されていないチャンバー112に接続する。頂部1210は、上流チャンバー108の半径方向最外側面の半径方向内側に配置され、上流チャンバー108の半径方向最内側の半径方向外側に配置される。この頂部は、上流チャンバー108内に最小量の液体が存在するまで、上流チャンバー108から通気されていないチャンバー112への液体の移動を遅らせる効果を有し、以下のように動作する。液体が(上流の液体処理構造(図示せず)から)上流チャンバー108に移送されると、液体は上流導管114に入る。上流チャンバー108内の液体の充填レベルが上昇すると、上流導管114内の液体のレベルも、上流チャンバー108内の液体の充填レベルと同じ半径方向位置に上昇する。したがって、液体は、上流チャンバー108内の液体の充填レベルが頂部1210の半径方向位置に達すると、上流導管114の頂点1210のみを克服し、通気されていないチャンバー112内に流入する。このようにして、最小量の液体だけが上流チャンバー108内に存在すると、液体は通気されていないチャンバー112に流入するだけである。
【0089】
通気されていないチャンバーは、通気されていないチャンバー112の第1の部分1100に配置された複数の出口ポート124a〜fを含む。下流導管116は、一端で下流チャンバー110のポート126に接続された共通導管部分116aを含む。共通導管部分116aの他端は、複数の導管部分に分岐し、導管部分はそれぞれ、通気されていないチャンバー112のそれぞれの出口ポートに接続される。上述したように、この構造は試薬と液体との混合を促進する。図12に示されるように、通気されていないチャンバーは、複数の出口124a〜fを有することができるが、必ずしも第1の部分および第2の部分を有する必要はなく、及び/又は必ずしも1つ以上の乾燥した試薬が通気されていないチャンバー112内に配置されている必要はない。
【0090】
下流導管116の湾曲部128は、上流導管114の頂部1210と同じ半径位置にある。これは、通気されていないチャンバーの液体充填レベルが入口ポート120の半径方向位置まで上昇し、上流チャンバー108と下流導管116との間に液体の連続的なコラムを形成する、するという好ましくない事態が起きたときに、所望の時間前(すなわち、液体を通気されていないチャンバー112から下流チャンバー110に移送するために装置が停止、加速、又は減速する前)に液体が下流チャンバーに移送されないようにする。
【0091】
下流チャンバー110は、第1の部分1204、及び第2の部分1206を備える。下流チャンバーの半径方向外側の壁は、半径方向内向きに湾曲部1208まで延在し、湾曲部から半径方向外側に延びて、第1の部分を第2の部分から分離する。
【0092】
液体は、図1?図11を参照して上述したのと同様の方法で、図12に示す構造を通って流れる。従って、ここでの説明は繰り返さない。
【0093】
上記の説明は、例示のための特定の実施形態に関してなされたものであって、限定目的ではない。上述した特徴の多くの改変および組み合わせ、ならびにその代替物は、当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0094】
例えば、導管は、チャネル形状の導管を描写する図面を参照して上述されているが、用語「導管」は、装置の一部分から別の部分へ液体を運搬または導く流路を提供する任意の配置を含むことが理解される。したがって、上流導管114(又は下流導管116)について上述したように湾曲部を有する導管は、例えば、図面に概略的に示されているように曲げられたチャネルとして、又はより一般的には液体を収容でき、入口を有し、かつ出口を有し、さらに入口から出口に流れる液体が最初に変曲点に向かって半径方向外側(または内側)に流れ、その後、半径方向内側(又は外側)に流れるように構成されたあらゆる構造であっても良い。したがって、様々な実施形態における本明細書で説明される上流および下流導管は、それぞれの記載された機能を達成するのに必要な特定の形状、又は構成に限定されるのではなく、その機能およびその機能を達成するために必要な形状又は構成によって定義される。
【0095】
同様に、チャンバーは、特定のフォームファクタのチャンバーを示す図面を参照して上記で説明したが、本開示はそれに限定されず、記載されたチャンバーは、例えば、変化する深さを有し、チャネルまたは蛇行チャネルなどのチャネルに類似するようにチャネルに類似するように著しく細長く、チャネル若しくは空洞のネットワークによって形成され、ピラーを含み、相互接続された容積などのあらゆる適切な形状又は構成をとってもよい。したがって、様々な実施形態において本明細書で説明される上流、下流、および通気されていないチャンバーは、それぞれについて説明した、通気されていないチャンバーに液体を提供し、通気されていないチャンバーから液体を受け入れ、受け入れた液体による置換の結果、ガスを加圧下に置くというそれぞれの機能を達成するのに必要な事項を越えて、特定の形状又は構成に限定されない。
【0096】
駆動システムの制御を必要とする上述の方法がある場合、制御ステップは、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせで実施されてもよく、汎用プロセッサまたは特定用途向け集積回路のような単一ハードウェアコンポーネントを含むことができ、複数のプロセッサと集積回路の間で分散してもよい。駆動システムの構成要素は、単一の装置内に提供されてもよく、または複数の装置の間に分散されてもよい。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】