(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522644
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)リガンドおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
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   A61P 21/00 20060101ALI20190719BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190719BHJP
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   A61P 17/14 20060101ALI20190719BHJP
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   A61P 17/08 20060101ALI20190719BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20190719BHJP
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   C07D 295/15 20060101ALI20190719BHJP
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   A61K 31/4439 20060101ALI20190719BHJP
   C07D 249/14 20060101ALI20190719BHJP
   C07D 231/38 20060101ALI20190719BHJP
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   C07D 249/06 20060101ALI20190719BHJP
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   A61K 31/57 20060101ALI20190719BHJP
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【FI】
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   !C07D207/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】152
(21)【出願番号】2018564840
(86)(22)【出願日】20170612
(85)【翻訳文提出日】20190201
(86)【国際出願番号】US2017037063
(87)【国際公開番号】WO2017214634
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】62/348,474
(32)【優先日】20160610
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/455,397
(32)【優先日】20170206
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/482,036
(32)【優先日】20170405
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】504326686
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州37996, ノックスヴィル ヘンレイ ストリート 600 コンファレンス・センタービルディング 211
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤナン,ラメシュ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州 38018、コルドバ、ヘリング レーン 487
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,デュアン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州 38017、コリアーヴィル、フォーサイス トレイル 1646
(72)【発明者】
【氏名】ポンヌサミ,タマライ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州 38120、メンフィス、イースト マキシマ コーブ 5370
(72)【発明者】
【氏名】ホワン,ドン−ジン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州 38002、アーリントン、ジョン オーク ドライブ 5162
(72)【発明者】
【氏名】ヒー,ヤーリー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テネシー州 38139、ジャーマンタウン、ダントレス メドーズ 2072
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C069
4C084
4C086
4C204
4C206
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA59
4C055CA02
4C055CA03
4C055CA13
4C055CA53
4C055CB08
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4C063CC22
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(57)【要約】
本発明は、複素環式アニリド環およびそれらの合成前駆体、R−異性体、ならびに非ヒドロキシル化および/または非キラルプロパンアミドを含むピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、およびモルホリンベースの選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、および前立腺癌、進行前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、トリプルネガティブ乳癌、アンドロゲン受容体を発現する他の癌、アンドロゲン脱毛症または他の高アンドロゲン性皮膚疾患、ケネディ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、腹部大動脈瘤(AAA)、および子宮筋腫の治療における医薬組成物およびその使用、ならびに対象におけるARの病原性または抵抗性突然変異、AR−スプライスバリアント(AR−SV)、および病原性ポリグルタミン(ポリQ)多型を含むアンドロゲン受容体全長(AR−FL)のレベルを低下させる方法に関する。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
AはRまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、ベンジル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する、
式Iの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物またはこれらの任意の組み合わせ。
【請求項2】
式IA:
【化2】
IA
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項3】
式IB:
【化3】
IB
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項4】
式II:
【化4】
II
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
AはRまたはRであり、
はピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、前記環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、ベンジル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する、
式IIの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物またはこれらの任意の組み合わせ。
【請求項5】
式IIA:
【化5】
IIA
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項6】
式IIB:
【化6】
IIB
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項7】
式VII:
【化7】
VII
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択される、式VIIの構造によって表される、請求項1に記載のSARD化合物、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項8】
式VIIA:
【化8】
VIIA
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項9】
式VIIB:
【化9】
VIIB
の構造によって表される、請求項1に記載の選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ。
【請求項10】
、Q、QまたはQが、水素、CN、NO、CF、F、Cl、Br、I、NHCOOR、N(R)、NHCOR、COR、または置換もしくは非置換のフェニルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のSARD化合物。
【請求項11】
以下の化合物のいずれか1つの構造によって表される、請求項1に記載のSARD化合物。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【請求項12】
前記化合物が、AR−スプライスバリアント(AR−SV)分解活性、全長(AR−FL)分解活性、AR−SV阻害剤、またはAR−FL阻害活性の少なくとも1つを示す、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のSARD化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせ、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
前記組成物が局所使用のために処方される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物が、溶液、ローション、膏薬、クリーム、軟膏、リポソーム、スプレー、ゲル、フォーム、ローラースティック、クレンジングソープまたはバー、乳液、ムース、エアロゾル、またはシャンプーの形態である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前立腺癌(PCa)を治療する方法または前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法であって、前記対象に、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物もしくはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を投与することを含む、方法。
【請求項17】
前記前立腺癌が、進行前立腺癌、難治性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、転移性CRPC(mCRPC)、非転移性CRPC(nmCRPC)、または高リスクのnmCRPCのうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アンドロゲン遮断療法(ADT)を投与することをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記前立腺癌が、アンドロゲン受容体アンタゴニストによる治療に対して耐性である、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記アンドロゲン受容体アンタゴニストが、エンザルタミド、ビカルタミド、アビラテロン、ARN−509、ODM−201、EPI−001、EPI−506、AZD−3514、ガレテロン(galeterone)、ASC−J9、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、またはスピロノラクトンの少なくとも1つである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるエンザルタミド耐性前立腺癌を治療する方法。
【請求項22】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を、前記対象に投与することを含む、アビラテロン耐性前立腺癌を治療する方法。
【請求項23】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるトリプルネガティブ乳癌を治療する方法。
【請求項24】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を対象に投与することを含む、前記対象におけるARスプライスバリアントのレベルを低下させる方法。
【請求項25】
前記方法が、前記対象におけるAR全長(AR−FL)のレベルをさらに低下させる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるケネディ病を治療する方法。
【請求項27】
請求項13または14に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるざ瘡を治療する方法。
【請求項28】
前記ざ瘡が尋常性ざ瘡である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項13または14に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における皮脂産生を減少させる方法。
【請求項30】
皮脂産生の減少が、脂漏症、脂漏性皮膚炎、またはざ瘡のうちの少なくとも1つを治療する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項13または14に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における男性型多毛症または脱毛症を治療する方法。
【請求項32】
前記脱毛症が、アンドロゲン脱毛症、円形脱毛症、化学療法に続発する脱毛症、放射線療法に続発する脱毛症、瘢痕によって誘発される脱毛症、またはストレスによって誘発される脱毛症のうちの少なくとも1つである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、女性に投与することを含む、前記女性におけるホルモン状態を治療する方法。
【請求項34】
前記ホルモン状態は、思春期早発症、月経困難症、無月経、多胞性子宮症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、異常子宮出血、早発月経、線維嚢胞性乳腺症、子宮類線維腫、卵巣嚢腫、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症、妊娠子癇、早産、月経前症候群、または膣乾燥症のうちの少なくとも1つである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における性的倒錯、性欲過剰、または性嗜好異常を治療する方法。
【請求項36】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるアンドロゲン精神病を治療する方法。
【請求項37】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における男性化を治療する方法。
【請求項38】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるアンドロゲン不応症を治療する方法。
【請求項39】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、動物に投与することを含む、前記動物における排卵を増加または調節する方法。
【請求項40】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、前記対象における癌を治療する方法。
【請求項41】
前記癌が、乳癌、精巣癌、生殖腺腫瘍および精上皮腫などの部分アンドロゲン不応症(PAIS)に関連する癌、子宮癌、卵巣癌、卵管または腹膜の癌、唾液腺癌、膀胱癌、泌尿生殖器癌、脳癌、皮膚癌、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝臓癌、肝細胞癌、腎臓癌、腎細胞癌、骨肉腫、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、胃癌、結腸癌、肛門周囲腺腫、または中枢神経系癌のうちの少なくとも1つである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記乳癌がトリプルネガティブ乳癌である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項13または14に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象におけるポリグルタミン(ポリQ)AR多形体のレベルを低下させる方法。
【請求項44】
前記ポリQ−ARが短いポリQ多形体または長いポリQ多形体である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ポリQ−ARが短いポリQ多形体であり、前記方法がさらに皮膚疾患を治療する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記皮膚疾患が、脱毛症、脂漏症、脂漏性皮膚炎、またはざ瘡の少なくとも1つである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ポリQ−ARが長いポリQ多形体であり、前記方法がさらにケネディ病を治療する、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する方法。
【請求項49】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を、対象に投与することを含む、前記対象における子宮筋腫を治療する方法。
【請求項50】
請求項13に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、対象における腹部大動脈瘤(AAA)を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複素環式アニリド環およびそれらの合成前駆体、R−異性体、ならびに非ヒドロキシル化および/または非キラルプロパンアミドを含むピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、およびモルホリンベースの選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物、および前立腺癌、進行前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、トリプルネガティブ乳癌、アンドロゲン受容体を発現する他の癌、アンドロゲン脱毛症または他の高アンドロゲン性皮膚疾患、ケネディ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、腹部大動脈瘤(AAA)、および子宮筋腫の治療における医薬組成物およびその使用、ならびに対象におけるARの病原性または抵抗性突然変異、AR−スプライスバリアント(AR−SV)、および病原性ポリグルタミン(ポリQ)多型を含むアンドロゲン受容体全長(AR−FL)のレベルを低下させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前立腺癌(PCa)は、米国で男性の間で最も頻繁に診断される非皮膚癌の1つであり、米国で毎年20万人を超える新たな症例と3万人を超える死亡を伴う2番目に多い癌死亡原因である。PCa治療薬市場は、世界的に年間15−20%の割合で成長している。
【0003】
アンドロゲン遮断療法(ADT)は、進行PCaの標準治療である。進行前立腺癌の患者は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、LHRHアンタゴニスト、または両側精巣摘出術のいずれかにより、ADTを受ける。ADTへの初期応答にもかかわらず、疾患進行は避けられず、癌は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)として出現する。放射線または手術によって一次治療を受ける前立腺癌患者の30%までが、一次治療から10年以内に転移性疾患を発症することになる。年間約5万人の患者が、転移性CRPC(mCRPC)と呼ばれる転移性疾患を発症することになる。
【0004】
CRPC患者は12〜18ヶ月の生存期間中央値を有する。去勢抵抗性であるが、CRPCが継続的成長のためには、アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達軸に依然として依存している。CRPC再出現の主な理由は、次のような代替のメカニズムによってARが再活性化されるからである。1)イントラクラインアンドロゲン合成、2)例えば、リガンド結合ドメイン(LBD)を欠くARスプライスバリアント(AR−SV)、3)ARアンタゴニストに抵抗する可能性のあるAR−LBD変異(すなわち、ARアンタゴニストによる阻害に敏感ではない変異体、場合によってARアンタゴニストがこれらのLBD変異を有するARのアゴニストとして作用する変異体)、および4)腫瘍内のAR遺伝子の増殖。CRPC治療の進歩に対する重大な障壁は、LBDを介して作用するエンザルタミド、ビカルタミド、およびアビラテロンなどのARシグナル伝達阻害剤が、N末端ドメイン(NTD)依存性の構成的活性型AR−SVによって促進される成長を阻害しないことであり、中でも最も顕著なAR−SVはAR−V7である。CRPC患者においてエンザルタミドとアビラテロンを用いた最近のインパクトのある臨床試験は、エンザルタミド(Xtandi)または酢酸アビラテロン(Zytiga)を用いた治療を開始した202人の患者のうち、AR−V7陽性患者のわずか13.9%がいずれかの治療にPSA応答を有したことを実証し(Antonarakis ES、Lu C、Luber B、ら.J.Clin.Oncol.2017年4月6日、doi:10.1200 /JCO.2016.70.1961)、AR−SVを標的とする次世代ARアンタゴニストの必要性を示している。さらに、かなりの数のCRPC患者が、アビラテロンまたはエンザルタミドに対して不応性になり、次世代ARアンタゴニストの必要性を強調している。
【0005】
現在のエビデンスは、CRPCの成長が、AR−V7のようなLBDを欠くAR−SVを含む、構成的活性型ARに依存し、したがって従来のアンタゴニストによって阻害することができないことを実証している。AR LBDとは異なるドメインへの結合によるAR阻害および分解は、CRPCを処置する代替方法を提供する。
【0006】
ARを分解する分子は、成長因子もしくはシグナル伝達経路によるいかなる不慮のAR活性化、または無差別のリガンド依存性活性化を防止する。さらに、AR−SVの構成的活性化を阻害する分子は、CRPC患者に長期間の利益を提供するために極めて重要である。
【0007】
現在のところ、SARD ARN−509、AZD−3514、およびASC−J9を含むARを分解する化学種は、ごくわずかしか知られていない。しかしながら、これらの分子は、それらの結合係数よりもはるかに高い濃度でARを間接的に分解し、AR−SVを分解できないことが、近年治療抵抗性CRPCの再発の主な理由となっている。
【0008】
本発明は、強力に(高い効力および有効性)および選択的に、ARに結合し(場合によっては既知のアンタゴニストよりも優れている、LBDおよび/またはNTDに結合する)、ARに拮抗し、ARの全長(AR−FL)およびAR−SVを分解する、独自の薬理学を有する新規なARアンタゴニストを説明する。選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物は、二重分解およびAR−SV阻害機能を有し、したがって利用可能なCRPC治療薬とは異なる。これらの新規な選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物は、増殖のためにAR−FLおよびAR−SVに依存するPCa細胞および腫瘍の成長を阻害する。
【0009】
SARDは、いかなる他のアンタゴニストでは治療できないCRPCを治療するための新しい治療薬として進化する可能性がある。AR−SVを分解するこの独特な特性は、前立腺癌にとって極めて重要な健康影響をもたらす。今日までに、一連の合成分子(EPI−001、EPI−506など)およびシンコタミドやグリセロールエーテルナペテノンBなどの海洋天然産物のみが、たとえ低い親和性で受容体を分解することができなくても、AR−NTDと結合してAR機能とPCa細胞の成長を阻害することが報告されている。本明細書中に報告されたSARDはまた、AR−NTDに結合し、NTD駆動型(例えば、リガンド非依存性)AR活性を阻害する。
【0010】
ARとPCaとの間の正相関およびフェイルセーフARアンタゴニストの欠如は、新規または代替のメカニズムおよび/または結合部位によってAR機能を阻害し、変化した細胞環境内でアンタゴニスト活性を誘発することができる分子の必要性を強調する。
【0011】
エンザルタミド、ビカルタミド、フルタミド、アンドロゲン遮断療法(ADT)などの従来の抗アンドロゲン剤が、前立腺癌での使用に承認されているが、抗アンドロゲン剤はホルモン依存性やホルモン非依存性のさまざまな癌でも使用できるという重要なエビデンスがある。例えば、抗アンドロゲンは、乳癌(エンザルタミド;Breast Cancer Res.(2014)16(1):R7)、非小細胞肺癌(shRNAi AR)、腎細胞癌(ASC−J9)、部分アンドロゲン不応症(PAIS)に関連する悪性腫瘍、例えば生殖腺腫瘍および精上皮腫、進行性膵臓癌(World J.消化器病学20(29)、9229)、卵巣、卵管、または腹膜の癌、唾液腺癌(頭頸部(2016)38、724〜731;ADTは、ARを発現する再発性/転移性の唾液腺癌で試験され、無憎悪生存期間および全生存期間エンドポイントに有益であることが確認された)、膀胱癌(Oncotarget 6(30)、29860〜29876)Int J.Endocrinol(2015)、Article ID 384860)、膵臓癌、リンパ腫(マントル細胞を含む)、および肝細胞癌で試験された。これらの癌におけるSARDのようなより強力な抗アンドロゲンの使用は、これらおよび他の癌の進行をより効果的に治療することができる。乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))、精巣癌、生殖腺腫瘍および精上皮腫などの部分アンドロゲン不応症(PAIS)に関連する癌、子宮癌、卵巣癌、卵管または腹膜の癌、唾液腺癌、膀胱癌、泌尿生殖器癌、脳癌、皮膚癌、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝臓癌、肝細胞癌、腎臓癌、腎細胞癌、骨肉腫、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、胃癌、結腸癌、肛門周囲腺腫、または中枢神経系癌などの他の癌もSARD治療から利益を得ることができる。
【0012】
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2受容体キナーゼの発現を欠く乳癌の一種である。このように、TNBCは、他のタイプの原発性乳癌を治療するために使用されるホルモンおよびキナーゼ治療標的を欠いている。同様に、化学療法はしばしばTNBCの初期薬物療法である。興味深いことに、ARはしばしばTNBCで発現され、化学療法に対するホルモン標的化代替療法を提供し得る。ER陽性乳癌において、ARの活性化が乳房組織および腫瘍におけるERの効果を制限するおよび/またはそれに抵抗すると考えられるため、ARは陽性の予後指標である。しかし、ERが存在しない場合、ARは乳癌腫瘍の成長を実際に支持する可能性がある。TNBCでは、ARの役割は完全には理解されていないが、一部のTNBCは、AR全長のLBDまたはアンドロゲン依存性活性化を欠くAR−SVのアンドロゲン非依存性活性化によって支持され得るというエビデンスを有する。このように、エンザルタミドおよび他のLBD指向性の従来のARアンタゴニストは、これらのTNBCにおいてAR−SVに拮抗することができないであろう。しかし、ARのNTD(実施例9参照)の結合部位を介してAR−SV(表1および実施例5を参照)を破壊することができる本発明のSARDは、TNBC患者由来異種移植片で観察されるAR−SVを含むARに拮抗することができ、実施例8に示すように抗腫瘍効果を提供することができるであろう。
【0013】
ビカルタミドやフルタミドなどの従来の抗アンドロゲン剤は、前立腺癌での使用が承認されている。その後の研究では、アンドロゲン脱毛症(男性型禿頭症)、尋常性ざ瘡および男性型多毛症(例えば、女性の顔の毛)などのアンドロゲン依存性の皮膚科学的状態における抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、スピロノラクトン、酢酸シプロテロン、フィナステリドおよび酢酸クロルマジノン)の有用性を実証した。思春期前去勢は皮脂産生およびアンドロゲン脱毛症を予防するが、これはテストステロンの使用によって逆転される可能性があり、そのアンドロゲン依存性を示唆する。
【0014】
AR遺伝子はエキソン1内のグルタミン反復の多型(ポリQ)を有し、短縮されるとARトランス活性化(すなわち、高アンドロゲン血症)を増強し得る。脱毛症、男性型多毛症、およびざ瘡を患う人々において、短縮されたポリQ多型がより一般的であることが見出されている。古典的な抗アンドロゲン剤は、皮膚投与によって効果がなく、長期間にわたる全身的使用により、女性化乳房やインポテンスのような有害な性的効果のリスクが上昇するため、これらの目的には好ましくない。さらに、上記のCPRCと同様に、ARは、内因性アンドロゲンテストステロン(T)およびジヒドロテストステロン(DHT)以外の種々の細胞因子、例えば成長因子、キナーゼ、共活性化因子の過剰発現および/または他のホルモン(例えば、エストロゲンまたはグルココルチコイド)による無差別な活性化によって活性化され得るため、リガンド依存性AR活性の阻害だけでは十分ではない可能性がある。結果として、古典的な抗アンドロゲンによるTおよびDHTのARへの結合を遮断することは、所望の有効性を有するためには十分ではない可能性がある。
【0015】
新たなコンセプトは、いかなる全身性の抗アンドロゲン作用も発揮することなく、皮膚または他の組織の患部に局所的にARを破壊するためのSARDの局所適用である。この使用のためには、皮膚に浸透しないか、または迅速に代謝されるSARDが好ましい。
【0016】
皮膚創傷治癒がアンドロゲンによって抑制されることが実証されているという観察が、このアプローチを支持する。マウスの去勢は皮膚創傷治癒を加速する一方で、創傷内の炎症を弱毒化する。アンドロゲンレベルと皮膚治癒および炎症との間の負の相関関係は、高レベルの内因性アンドロゲンが高アンドロゲン性皮膚病態を悪化させる別のメカニズムを部分的に説明する。さらに、それは、糖尿病性潰瘍または外傷のような創傷、またはざ瘡または乾癬のような炎症性成分を伴う皮膚疾患の局所的SARDによる治療の根拠を提供する。
【0017】
アンドロゲン脱毛症は、中年までに白人男性の約50%、80歳までには90%まで発生する。ミノキシジル(局所的血管拡張剤)とフィナステライド(全身型5アルファレダクターゼII型阻害剤)は、脱毛症に対してFDAの認可を受けているが、治療効果を出すためには4〜12カ月の治療を必要とし、ほとんどの場合脱毛を阻止するに留まり、30〜60%で軽度から中程度の毛髪再生があった。現在利用可能な治療法は、個人間で幅広く異なり、効き目が遅く限定的なものであり、望ましくない性的副作用を生じるので、アンドロゲン脱毛症および他の高アンドロゲン性皮膚疾患を治療するための新規なアプローチを見つけることが重要である。
【0018】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上下運動ニューロンおよび骨格筋萎縮の選択的喪失を特徴とする致命的な神経変性疾患である。疫学的および実験的証拠はALSの病因にアンドロゲンの関与を示唆するが(「アナボリック/アンドロゲンステロイドナンドロロンは、筋萎縮性側索硬化症のマウスモデルの筋肉に変異SOD1によって誘導される遺伝子発現の変更を悪化させる」Galbiati M、Onesto E、Zito A、Crippa V、Rusmini P、Mariotti R、Bentivoglio M、Bendotti C、Poletti A.Pharmacol.Res.2012、65(2)、221−230)、アンドロゲンがALSの表現型を変更するメカニズムは知られていない。ALSのトランスジェニック動物モデルは、外科的去勢(すなわち、アンドロゲン除去)の際に生存率の改善を示した。これらの去勢動物をアンドロゲンアゴニストであるデカン酸ナンドロロンで治療すると、疾患症状が悪化した。去勢はARレベルを低下させ、それが生存延長の理由となり得る。アンドロゲンアゴニストによって生存利益は逆転する(「アンドロゲンは、SOD1関連筋萎縮性側索硬化症のマウスモデルにおける筋肉、運動ニューロン、および生存に影響する」Aggarwal T、Polanco MJ、Scaramuzzino C、Rocchi A、Milioto C、Emionite L、Ognio E、Sambataro F、Galbiati M、Poletti A、Pennuto M.Neurobiol.Aging.2014 35(8)、1929〜1938)。特に、デカン酸ナンドロロンによる刺激は、ドデシル硫酸ナトリウムに不溶性の生化学複合体に内因性アンドロゲン受容体の動員を促進し、タンパク質凝集と一致する所見であった。全体として、これらの結果は、アンドロゲン受容体ホメオスタシスの調節不全を介してALS病因の変更因子としてのアンドロゲンの役割を明らかにした。抗アンドロゲンは、ナンドロロンウンデカン酸塩または内因性アンドロゲンの影響をブロックし、AR凝集による毒性を逆転させるべきである。さらに、LBD依存性ARアゴニストの作用をブロックし、およびそれに付随してARタンパク質レベルを低下させることができる、例えば、本発明のSARDなどの抗アンドロゲンは、ALSにおいて治療的であろう。リルゾールはALS治療に利用できる薬剤だが、短期的な効果しか提供しない。ALS患者の生存期間を延長する薬剤が至急求められている。
【0019】
アンドロゲン受容体作用は、子宮の増殖を促進する。短ポリQ ARの過剰アンドロゲン性は、平滑筋腫または子宮筋腫の増加に関連している。(Hsieh YY、Chang CC、Tsai FJ、Lin CC、Yeh LS、Peng CT.J.Assist.Reprod.Genet.2004年、21(12)、453〜457)。ブラジルの女性を対象とした別の研究では、ARのより短い[CAG](n)反復対立遺伝子、およびより長い[CAG](n)反復対立遺伝子が、自らの研究で平滑筋腫群に排他的であることが分かった(Rosa FE、Canevari Rde A、Ambrosio EP、Ramos Cirilo PD、Pontes A、Rainho CA、Rogatto SR.Clin.Chem.Lab.Med.2008、46(6)、814〜823)。同様に、アジアのインドの女性では、長ポリQ ARは子宮内膜症および平滑筋腫と関連しており、高リスクマーカーとみなすことができる。SARDは、子宮筋腫、特により短い[CAG](n)反復対立遺伝子およびより長い[CAG](n)反復対立遺伝子を発現する女性において、既存の子宮筋腫を治療し、筋腫の悪化を予防し、および/または筋腫に関連する発癌性を改善するために使用することができる。
【0020】
腹部大動脈瘤(AAA)は、体に血液を供給する主要な血管である大動脈の下部にある拡大した領域である。大動脈は、およそ庭のホースの厚みがあり、心臓から胸と腹部の中心を通って流れる。大動脈は体の主要な血液供給源であるため、破裂した腹部大動脈瘤は生命を脅かす出血を引き起こす可能性がある。腹部大動脈瘤が成長する大きさと速度に応じて、慎重な経過観察から救急手術まで、治療は異なる場合がある。腹部大動脈瘤が見つかると、医師はそれを注意深く監視し、手術が必要な場合に計画できるようにする。破裂した腹部大動脈瘤に対する緊急手術は危険であり得る。AR遮断(薬理学的または遺伝学的)はAAAを減少させる。Davisら(Davis JP、Salmon M、Pope NH、Lu G、Su G、Meher A、Ailawadi G、Upchurch GR Jr.J Vasc Surg(2016)63(6):1602〜1612)は、フルタミド(50mg/kg)またはケトコナゾール(150mg/kg)が、賦形剤(121%)と比較して、AAAを引き起こすブタ膵臓エラスターゼ(0.35U/mL)を84.2%および91.5%弱毒化することを示した。さらにAR−/−マウスは、野生型(どちらもエラスターゼで処置)と比較して弱毒化AAA増殖(64.4%)を示した。それに対応して、AAAに罹患している患者にSARDを投与することは、AAAの進行を、手術が必要とされるポイントに戻す、治療する、または遅らせるのを助けることができる。
【0021】
X連鎖性脊髄球筋萎縮(SBMA:ケネディ病としても知られている)は、X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子の欠損から生じる筋肉萎縮症である。近位四肢および球筋の衰弱は、場合によっては車椅子への依存を含む物理的制限をもたらす。この突然変異は、アンドロゲン受容体(ポリQ AR)のN末端ドメインに付加された延長されたポリグルタミン経路をもたらす。内因性アンドロゲン(テストステロンおよびDHT)によるこの伸長されたポリQ ARの結合および活性化は、変異型アンドロゲン受容体のアンフォールディングおよび核移行をもたらす。アンドロゲン誘発性の毒性とポリQ ARタンパク質のアンドロゲン依存性核内蓄積が病因の中心のようである。したがって、アンドロゲン活性化ポリQ ARの阻害が治療選択肢であり得る(A.Baniahmad.球脊髄性筋萎縮症における抗アンドロゲン剤によるアンドロゲン受容体の阻害。J.Mol.Neurosci.2016 58(3)、343〜347)。 これらのステップは、病因のために必要であり、トランス活性化機能の部分的喪失(すなわち、アンドロゲン非感受性)とよく理解されていない神経筋変性をもたらす。抗アンドロゲン使用のサポートは、抗アンドロゲンフルタミドが脊髄球筋萎縮の3つのモデルにおいてアンドロゲン依存性毒性からオスのマウスを保護する報告にある(Renier KJ、Troxell−Smith SM、Johansen JA、Katsuno M、Adachi H、Sobue G、Chua JP、Sun Kim H、Lieberman AP、Breedlove SM、Jordan CL.内分泌学 2014、155(7)、2624〜2634)。現在、疾患修飾治療はなく、むしろ症状指向治療のみである。ケネディ病のポリQ ARを、その分解を促進するために、すなわちSARDを使用して細胞器官を利用することによって、毒性の近位メディエータとして標的化する努力は、治療的介入のための約束を保持する。本明細書に報告されているような選択的アンドロゲン受容体分解剤は、試験されたすべてのアンドロゲン受容体(全長、スプライスバリアント、抗アンドロゲン耐性変異体など)に結合して分解するので、ポリQ AR多型の分解も期待され、これらはSBMA治療のための有望な手がかりであることを示す。
【0022】
ここでは、とりわけ、NTDに位置するLBDおよび/または代替的な結合および分解ドメイン(BDD)に結合し得るピロール、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、およびモルホリンベースの選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物について説明する。 ARを低下させ、ARを分解することよってリガンド依存性およびリガンド非依存性のAR活性を遮断する。この新規機構は、全身(例えば、前立腺癌)または局所(例えば、皮膚疾患)に投与された場合、改善された有効性を生じる。
【発明の概要】
【0023】
本発明の一実施形態は、式Iの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化1】

式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRは、3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、C(O)(C〜C10)アルキル、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、式IAの構造によって表されるSARD化合物に関し、
【化2】
IA
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SORSOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、C(O)(C〜C10)アルキル、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせに関し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、式IBの構造によって表されるSARD化合物に関し、
【化3】
IB
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせに関し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0026】
本発明は、式IIの構造によって表されるSARD化合物を包含し、
【化4】
II
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0027】
別の実施形態では、本発明は、式IIAの構造によって表されるSARD化合物に関し、
【化5】
IIA
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせに関し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、式IIBの構造によって表されるSARD化合物に関し、
【化6】
IIB
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRは、3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
はピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせに関し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、式VIIの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化7】
VII
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、式VIIAの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化8】
VIIA
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、または、TおよびRは、3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0031】
別の実施形態では、本発明は、式VIIBの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化9】
VIIB
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRは、3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
本発明のさらに別の実施形態は、以下の化合物のいずれか1つの構造で表されるSARD化合物を包含する。
【化10】
【化11】

【化12】
【化13】
【0032】
本発明の1つの実施形態は、以下の特性の少なくとも1つを有するSARD化合物を包含する:例えばNTDにおいて、代替の結合および分解ドメイン(BDD)を介してARに結合する;ARリガンド結合ドメイン(LBD)を介してARに結合する;AR−スプライスバリアント(AR−SV)分解活性を示す;その病原性突然変異を含むAR全長(AR−FL)分解活性を示す;AR−SV阻害活性を示す(すなわち、AR−SVアンタゴニストである);その病原性突然変異を含むAR−FL阻害活性を示す(すなわち、AR−FLアンタゴニストである);二重AR−SV分解およびAR−SV阻害機能を有する;および/または二重AR−FL分解およびAR−FL阻害機能を有する。
【0033】
本発明の別の実施形態は、本発明によるSARD化合物、その異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを含む医薬組成物、および薬学的に許容される担体を包含する。医薬組成物は、局所使用のために製剤化することができる。局所用医薬組成物は、溶液、ローション、膏薬、クリーム、軟膏、リポソーム、スプレー、ゲル、泡沫、ローラースティック、クレンジングソープまたはバー、乳液、ムース、エアロゾルまたはシャンプーであってもよい。
【0034】
本発明は、治療を必要とする男性対象における前立腺癌(PCa)の治療または生存率を増加させる方法であって、式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIB、または化合物1001〜1049のいずれかによって定義される治療有効量の化合物を対象に投与することを含む方法を包含する。前立腺癌には、進行前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、転移性CRPC(mCRPC)、非転移性CRPC(nmCRPC)、高リスクnmCRPCまたはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本発明の別の実施形態は、アンドロゲン遮断療法を投与することをさらに含む方法を包含する。または、この方法は、既知のアンドロゲン受容体アンタゴニストまたはADTによる治療に耐性である前立腺癌または他の癌を治療することができる。別の実施形態では、本方法は、エンザルタミド耐性前立腺癌を治療することができる。別の実施形態では、本方法は、アビラテロン耐性前立腺癌を治療することができる。本発明のさらに別の実施形態は、アンドロゲン受容体アンタゴニストが、エンザルタミド、ビカルタミド、アビラテロン、ARN−509、ODM−201、EPI−001、EPI−506、AZD−3514、ガレテロン(galeterone)、ASC−J9、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、またはスピロノラクトンの少なくとも1つである、本発明のSARD化合物で前立腺癌または他のARアンタゴニスト耐性癌を治療する方法を包含する。
【0035】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明のSARD化合物を用いて前立腺癌または他の癌を治療する方法であって、他の癌が、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)などの乳癌、精巣癌、生殖腺腫瘍および精上皮腫などの部分アンドロゲン不応症(PAIS)に関する癌、子宮癌、卵巣癌、卵管癌または腹膜癌、唾液腺癌、膀胱癌、泌尿生殖器癌、脳癌、皮膚癌、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝臓癌、肝細胞癌、腎臓癌、腎細胞癌、骨肉腫、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、胃癌、結腸癌、肛門周囲腺腫、または中枢神経系癌から選択される、方法を包含する。別の実施形態では、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。
【0036】
本発明は、本発明の化合物、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物もしくは任意の組み合わせの治療有効量を対象に投与することを含む、対象におけるAR−スプライスバリアントのレベルを低下させる方法を包含する。方法は、対象におけるAR全長のレベルをさらに低下させることを含み得る。
【0037】
本発明の別の実施形態は、対象においてケネディ病を治療する方法であって、対象に式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または本発明の別の式の化合物を投与することを含む、方法を包含する。
【0038】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明の化合物もしくはその医薬組成物を投与することによる:(a)対象において、例えば、尋常性ざ瘡などのざ瘡を治療する;(b)対象において、例えば、去痰薬、脂漏性皮膚炎、またはざ瘡などの皮脂産生を減少させる;(c)対象において、例えば、女性の顔の毛などの男性型多毛症を治療する;(d)対象において、例えば、アンドロゲン脱毛症、円形脱毛症、化学療法に起因する脱毛症、放射線療法に起因する脱毛症、瘢痕よって誘発される脱毛症、またはストレスによって誘発される脱毛症などの脱毛症を治療する;(e)女性において、例えば、思春期早発症、早期思春期、月経困難症、無月経、多胞性子宮症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、異常子宮出血、早期月経、線維嚢胞性乳腺症、子宮類線維腫、卵巣嚢腫、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症、妊娠の子癇、早産、月経前症候群、または膣乾燥症などのホルモン状態を治療する;(f)対象において性的倒錯、性欲過剰または性嗜好異常を治療する;(g)対象においてアンドロゲン精神病を治療する;(h)対象において男性化を治療する;(i)対象において完全または部分アンドロゲン不応症を治療する;(j)動物において排卵を増加または調節する;(k)対象において癌を治療する方法、またはその任意の組み合わせの方法を包含する。
【0039】
本発明の一実施形態は、対象におけるポリグルタミン(ポリQ)AR多形体のレベルを低下させる方法を包含し、本発明による化合物を投与することを含む。この方法は、ポリグルタミン(ポリQ)AR多形体(ポリQ−AR)の機能を阻害するか、分解するか、またはその両方を行うことができる。ポリQ−ARは、短いポリQ多形体または長いポリQ多形体であってもよい。ポリQ−ARが短いポリQ多形体である場合、この方法は皮膚疾患をさらに治療する。ポリQ−ARが長いポリQ多形体である場合、この方法はケネディ病をさらに治療する。
【0040】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の本発明の化合物またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを投与することによって、対象における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する方法またはその医薬組成物をを包含する。
【0041】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の本発明の化合物またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを投与することによって、対象における腹部大動脈瘤(AAA)を治療する方法またはその医薬組成物を包含する。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態は、治療有効量の本発明の化合物またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを投与することによって、対象における子宮筋腫を治療する方法またはその医薬組成物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明と見なされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され明確に主張される。しかしながら、本発明は、その目的、特徴、および利点とともに、構成および動作方法の両方に関して、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されよう。
【0044】
【図1A】図1A〜1C:1002のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図1Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。図1Bは、AD1細胞によるアンドロゲン受容体分解アッセイのウエスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で、表1に報告された。図1Cは、D567es細胞によるアンドロゲン受容体分解スプライスバリアントアッセイのウエスタンブロットを示す(22RV1細胞の結果は、「SARD活性:S.V.% 阻害」下で、表1に報告された)。
【図1B】同上。
【図1C】同上。
【0045】
【図2A】図2Aおよび図2B:測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて11(インドール)および1002(本発明のピラゾール)のトランス活性化結果が報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図2Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードが11および1002について報告された。化合物11は黒丸および実線で表し、1002は白丸および破線で表す。1002および11のそれぞれについて、白丸および黒丸に曲線を合わせた。図2Bは、11、11R(11のR異性体)、1002、および1020(1002のR異性体)について、AD1細胞(全長AR)を用いたAR分解アッセイおよび22RV1細胞を用いたスプライスバリアントアッセイのウェスタンブロットを示す。結果は、表1のそれぞれ「SARD活性:全長%阻害」および「SARD活性:S.V.%阻害」と表示した列に報告した。要するに、インドールおよびピラゾールSARDのR異性体は、LBD依存性阻害剤とは対照的に、SARD活性を保持していた。
【図2B】同上。
【0046】
【図3】図3Aおよび図3B:1003のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図3Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアゴニストモードが黒丸で報告され、アンタゴニストモードが白丸で報告された。白丸に曲線を合わせた。図3Bは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウエスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で、表1に報告された。
【0047】
【図4】図4Aおよび図4B:1004のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図4Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアゴニストモードは黒丸で報告され、アンタゴニストモードは白丸で報告された。白丸に曲線を合わせた。図4Bは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウエスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で、表1に報告された。ウエスタンブロット下の数字は、各レーンのARとアクチンの比率を示している。
【0048】
【図5】図5Aおよび図5B:1005のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図5Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアゴニストモードは黒丸で報告され、アンタゴニストモードは白丸で報告された。白丸に曲線を合わせた。図5Bは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で、表1に報告された。
【0049】
【図6】図6Aおよび図6B:1006のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図6Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアゴニストモードは黒丸で報告され、アンタゴニストモードは白丸で報告された。白丸に曲線を合わせた。図6Bは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で表1に報告された。
【0050】
【図7】図7:全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットを化合物17について示し、その結果を表1に、SARD活性:全長%阻害下で報告する。
【0051】
【図8】図8:1011のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図8は、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。
【0052】
【図9】図9:1010のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図9は、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。
【0053】
【図10】図10:1009のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図10は、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。
【0054】
【図11】図11:1008のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図11は、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。
【0055】
【図12】図12:1007のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図12は、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。
【0056】
【図13】図13A〜13C:1001のトランス活性化結果は、測定されたルシフェラーゼ発光に基づいて報告され、相対光単位強度(RLU)として報告された。図13Aは、RLUをy軸に、SARD濃度をx軸に報告した結果をプロットしたものであり、ここでアンタゴニストモードは黒丸で報告された。黒丸に曲線を合わせた。図13Bは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:全長%阻害下で、表1に報告された。図13Cは、22RV1細胞を用いたアンドロゲン受容体分解スプライスバリアントアッセイのウェスタンブロットを示し、その結果は、SARD活性:S.V.%阻害下で、表1に報告された。
【0057】
【図14】図14:図14は、マウス肝ミクロソーム(MLM)における1002の代謝安定性ならびにそこから計算されたT1/2値(数分における半減期)およびCLint値(L/分/mgタンパク質でのクリアランス)の決定のための生データ表としての第I相および第I相+第II相データを示す。
【0058】
【図15A】図15Aおよび図15B:図15Aは、マウス肝ミクロソーム(MLM)における1002についての1つの実験の生データ表およびグラフ化されたデータとしての第I相データを報告する。図15Bは、マウス肝ミクロソーム(MLM)における1002についての1つの実験の生データ表およびグラフ化されたデータとしての第I相+第II相データを報告する。T1/2値は224分で、CLint値は3.12L/分/mgであった。
【図15B】同上。
【0059】
【図16】図16Aおよび図16B:図16Aは、ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)の第I相データを報告する。図16Bは、ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)における1002についての1つの実験の生データ表およびグラフ化データとしての第I相+第II相データを報告する。この実験では、T1/2の計算値は無限大であり、CLintは0であった。MLMよりもHLMの方が1002の安定性が高いことを示す。
【0060】
【図17】図17:図17は、マウス肝ミクロソーム(MLM)における1001についての1つの実験の生データ表およびグラフ化されたデータとしての第I相データを報告する。T1/2値は23.5分であり、CLintが29.5L/分/mgであった。結果は、1001の比較的低い安定性を示すが、11と比較して改善されている。
【0061】
【図18】図18Aおよび図18B:ハーシュバーガー法(マウス):オスのマウス(体重20〜25g;n=5〜7/群)を無傷(図18A)または去勢(図18B)のいずれかにし、13日間図に示されたように処置された。去勢3日後に去勢マウスの処置を開始した。処置開始後14日目にマウスを屠殺し、精嚢を取り出し、重量を測定した。精嚢重量は、そのままで表されたか、または体重に対して正規化されて表された。
【0062】
【図19A】図19Aおよび図19B:ハーシュバーガー法(ラット):図19Aは、経口でビヒクル、40mg/kgの1002、60mg/kgの1002、または20mg/kgのエンザルタミドで毎日処置した、体重165〜180gの無傷のSprague Dawleyラットにおける器官の重量を報告する。処置の13日後、ラットを屠殺し、前立腺、精嚢および肛門挙筋の重量を測定した。図19Bは、ビヒクルからの%減少と同じデータを報告する。右下の枠は、ビヒクルで処置したラットの無傷対去勢の器官重量%を示す。
【図19B】同上。
【0063】
【図20】図20Aおよび図20B:1010、1012、1014、1015、1016、1017、1019、1022の全長およびスプライスバリアント(AR−v567ES)アンドロゲン受容体(インビトロ)の分解:図20Aは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットの各化合物を示す。結果を表1に、SARD活性:全長%阻害下で報告した。図20Bは、D567esを用いたアンドロゲン受容体分解スプライスバリアントアッセイのウェスタンブロットを示す。
【0064】
【図21A】図21Aおよび図 21B:トリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者由来異種移植(PDX)における1002に対する抗腫瘍効果は、HBrt 1071トリプルネガティブ乳癌(図21A)およびHBrt 1361トリプルネガティブ乳癌(図21B)において示される。
【図21B】同上。
【0065】
【図22】図22は、アンドロゲン受容体のN末端ドメイン(NTD)のAF−1領域への1002の結合を示す。1DおよびwaterLogsy NMR実験は、NTDのAF−1領域に由来するペプチドの存在下で1002のバンド幅が広がることを実証する。さらに、弛緩およびwaterLogsyは、1002の溶液中でのタンブリング率がAF−1の添加により遅くなることを示し、その標的タンパク質相互作用としてAF−1領域への1002結合を強く示唆する。
【0066】
【図23】図23:1002および1014を用いたLNCaP−エンザルタミド耐性(LNCaP−EnzR)細胞のMR49F増殖アッセイを示す。1002および1014は、低マイクロモル範囲のLNCaP−EnzR細胞の増殖を阻害する。
【0067】
【図24】図24:22RV1異種移植実験で達成した、11、34、36、96、103、1002、1010、1012、1014の血清レベルおよび腫瘍レベルを示す。
【0068】
【図25】図25:ハーシュバーガーアッセイにおいて、34、36、1002、1010、1012、1014で処置された動物の精嚢の重量の減少(変化%)を示す。
【0069】
【図26】図26は、経口投与された60mg/kgの1014で処理されたLNCaP−エンザルタミド耐性(LNCaP−EnzR)異種移植片の腫瘍増殖阻害を示す。2つの異なる実験(実験1および実験2)が示されている。
【0070】
【図27-1】図27A〜27D:SARD 1002、1010、および36(インドール)と、ARのN末端断片、例えばAR−NTD(アミノ酸1〜559)およびAR−AF1(アミノ酸141〜486)との間の相互作用を示す定常状態の蛍光研究を示す。図27Aは、尿素(変性剤)、TMAO(折りたたみ安定剤)、および緩衝液の存在下で、SARDを含まないAR−NTDおよびAR−AF1の蛍光シグナルの摂動を示す。図27B〜27Dは、それぞれ1002(図27B)、1010(図27C)、および36(図27D)の滴定に関連するAR−NTDおよびAR−AF1蛍光の摂動を示す。
【図27-2】同上。
【図28-1】図28A〜28D:1024(図28A)、1029(図28B)、1037、および1041(図28C)、ならびに1044〜1045(図28D)の全長および/またはスプライスバリアント(22RV1)アンドロゲン受容体(インビトロ)の分解を示す。図28A、28Cおよび28Dは、全長アンドロゲン受容体分解アッセイのウェスタンブロットを示す。結果を表1に、SARD活性:全長%阻害下で報告した。図28Bは、22RV1細胞を用いたアンドロゲン受容体分解スプライスバリアントアッセイのウエスタンブロットを示し、表1の「SARD活性:S.V.%阻害」と表示した列に表示されている。
【図28-2】同上。
【0071】
説明を簡単かつ明瞭にするために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、明瞭化のために他の要素に対して誇張されていてもよい。さらに、適切であると考えられる場合、図面間で参照番号を繰り返して、対応するまたは類似の要素を示すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本発明はこれらの特定の詳細なしで実施できることを理解するであろう。他の例では、本発明を不明瞭にしないために、周知の方法、手順、および構成要素については詳細に説明していない。
【0073】
アンドロゲンは、転写因子のステロイド受容体スーパーファミリーのメンバーであるARに結合することによって細胞内で作用する。前立腺癌(PCa)の成長および維持が循環するアンドロゲンによって主に制御されるので、PCaの治療は、ARを標的とする治療に大きく依存する。受容体活性化を破壊するためのエンザルタミド、ビカルタミドまたはヒドロキシフルタミドなどのARアンタゴニストによる治療は、過去にPCa増殖を減少させるために成功裏に使用されてきた。現在利用可能なすべてのARアンタゴニストは、競合的にARに結合し、NCoRおよびSMRTのようなコリプレッサーを補充して、標的遺伝子の転写を抑制する。しかし、変化した細胞内シグナル伝達、AR突然変異、および共活性化因子の発現の増加は、アンタゴニストの機能障害、またはアンタゴニストのアゴニストへの変換をもたらす。研究は、AR内のW741およびT877の突然変異がそれぞれビカルタミドおよびヒドロキシフルタミドをアゴニストに変換することを実証している。同様に、増加した細胞内サイトカインは、コリプレッサーの代わりに共活性化因子をAR応答性プロモーターに補充し、続いてビカルタミドをアゴニストに変換する。同様に、エンザルタミド耐性に関連している突然変異は、F876、H874、T877、ならびに二突然変異体T877/S888、T877/D890、F876/T877(すなわちMR49細胞)、およびH874/T877を含む(ゲノムBiol.(2016)17:10(doi:10.1186/s13059−015−0864−1))。アビラテロン抵抗性突然変異は、アビラテロンが通常プレドニゾンとの組み合わせで規定されているため、アビラテロンに対する抵抗性を引き起こし、プレドニゾンなどのグルココルチコイドによるARの活性化をもたらすL702H突然変異を含む。耐性がエンザルタミドになると、患者はしばしばアビラテロンに対して不応性であり、逆もまた同様であるか、または応答の持続時間が非常に短い。この状況は、進行前立腺癌におけるAR再活性化を予防するための決定的アンドロゲン遮断療法の必要性を強調している。
【0074】
アンドロゲン遮断療法(ADT)に対する初期反応にもかかわらず、PCa疾患の進行は避けられず、癌は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)として出現する。去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)再出現の主な理由は、以下のような代替機構によるアンドロゲン受容体(AR)の再活性化である:
(a)イントラクラインアンドロゲン合成
(b)例えば、リガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、ARスプライスバリアント(AR−SV)の発現
(c)アンタゴニストに抵抗する可能性のあるAR−LBD突然変異
(d)例えば、AR遺伝子増幅またはAR突然変異による、低アンドロゲンレベルへのAR過敏化
(e)腫瘍内のAR遺伝子の増幅
(f)共活性化因子の過剰発現および/または細胞内シグナル伝達の変化
【0075】
本発明は、病原性および抵抗性変異体および野生型、および/または増殖のためのARスプライスバリアント(AR−SV)を含む、AR全長(AR−FL)に依存する前立腺癌(PCa)細胞および腫瘍の増殖を阻害する、式Iに包含される新規な選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含する。
【0076】
本明細書中で使用されるとおり、「選択的アンドロゲン受容体分解剤」(SARD)化合物は、特に明記しない限り、PCa細胞およびAR全長(AR−FL)に依存する腫瘍の増殖を阻害することができるアンドロゲン受容体アンタゴニストおよび/または増殖のためのARスプライスバリアント(AR−SV)である。SARD化合物は、リガンド結合ドメイン(LBD)に結合しなくてもよい。または、「選択的アンドロゲン受容体分解剤」(SARD)化合物は、様々な病原性突然変異体ARおよび野生型ARの分解を引き起こすことができ、したがって抗アンドロゲン作用を発揮することができるアンドロゲン受容体アンタゴニストであり、本発明で具体化された疾患状態において見出される多種多様な病原性の変化した細胞環境である。一実施形態では、SARDは経口的に活性である。別の実施形態では、SARDは、作用部位に局所的に適用される。
【0077】
SARD化合物は、ARのN末端ドメイン(NTD)に結合することができる。ARの代替の結合および分解ドメイン(BDD)に変換する;ARリガンド結合ドメイン(LBD)および別の結合および分解ドメイン(BDD)の両方に結合する;またはARのN末端ドメイン(NTD)およびリガンド結合ドメイン(LBD)の両方に結合する。一実施形態では、BDDはNTD内に配置されてもよい。一実施形態では、BDDはNTDのAF−1領域に位置する。または、SARD化合物は、N末端ドメイン(NTD)依存性の構成的に活性なAR−SVによって駆動される増殖を阻害することができ、またはAR LBDとは異なるドメインへの結合を介してARを阻害することができる。また、SARD化合物は、他の既知のARアンタゴニスト(例えば、エンザルタミド、ビカルタミドおよびアビラテロン)よりも強いARに拮抗する強力な(すなわち、非常に強力で効果の高い)選択的アンドロゲン受容体アンタゴニストであってもよい。
【0078】
SARD化合物は、選択的なアンドロゲン受容体アンタゴニストであり得、これは、従来のアンタゴニストによって阻害することができないAR−SVを標的とする。SARD化合物は、限定されるものではないが、AR−SV分解活性、AR−FL分解活性、AR−SV阻害活性(すなわち、AR−SVアンタゴニストである)、AR−FL阻害活性(すなわち、AR−FLアンタゴニストである)、AR−SVの構成的活性化の阻害、またはAR−FLの構成的活性化の阻害を含む、いくつかの活性のうちのいずれか1つを示してもよい。または、SARD化合物は、二重AR−SV分解およびAR−SV阻害機能、および/または二重AR−FL分解およびAR−FL阻害機能を有することができ、またはこれらの4つの活性のすべてを有する。
【0079】
SARD化合物はまた、AR−FLおよびAR−SVを分解し得る。SARD化合物は、AR LBDとは異なるドメインへの結合を介してARを分解し得る。SARD化合物は、利用可能なCRPC治療薬とは異なる二重分解およびAR−SV阻害機能を有し得る。SARD化合物は、イントラクラインアンドロゲン合成、リガンド結合ドメイン(LBD)を欠くAR−SVの発現、およびアンタゴニストに抵抗する可能性を有するAR−LBD突然変異のような代替メカニズムによるARの再活性化を阻害し得るか、または病原性の変化した細胞環境に存在する再活性化したアンドロゲン受容体を阻害し得る。
【0080】
ARスプライスバリアントの例には、限定されるものではないが、AR−V7およびARv567esが挙げられる(別名AR−V12;S.Sun、ら。ヒト前立腺癌における去勢抵抗性は、頻繁に生じるアンドロゲン受容体スプライスバリアントによって与えられる。J Clin Invest.(2010)120(8)、2715−2730)。抗アンドロゲン耐性を付与するAR突然変異の非限定的な例には、W741L、T877A、およびF876L突然変異が挙げられる(J.D.Josephら。臨床的に関連するアンドロゲン受容体突然変異は、第2世代の抗アンドロゲンエンザルタミドおよびARN−509に対する耐性を付与する。Cancer Discov.(2013)3(9)、1020〜1029)。突然変異を付与する多くの他のLBD耐性は当該分野で公知であり、引き続き発見されるであろう。AR−V7は、LBDを欠くARのスプライスバリアントである(A.H.Bryce & E.S.Antonarakis.去勢抵抗性前立腺癌におけるアンドロゲン受容体スプライスバリアント7:臨床的考察。Int J Urol.(2016年6月3日)23(8)、646〜53。 doi:10.1111/iju.13134)。それは構成的に活性であり、積極的なPCaおよび内分泌療法に対する抵抗性の原因であることが実証されている。
【0081】
本発明は、例えば、NTDまたはAF−1などの代替的な結合および分解ドメイン(BDD)を介してARに結合する、式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの新規な選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含する。SARDは、ARリガンド結合ドメイン(LBD)にさらに結合することができる。
【0082】
SARD化合物は、他のいかなるアンタゴニストでも治療することができないCRPCの治療に使用することができる。SARD化合物は、AR−SVを分解することによってCRPCを治療することができる。SARD化合物は、ARアンタゴニストをアゴニストに通常変換するAR突然変異体においてそれらのアンタゴニスト活性を維持することができる。例えば、SARD化合物は、AR突然変異体W741L、T877A、およびF876Lに対するそれらのアンタゴニスト活性を維持する(J.D.Josephら。臨床的に関連するアンドロゲン受容体突然変異は、第2世代の抗アンドロゲンエンザルタミドおよびARN−509に対する耐性を付与する。Cancer Discov.(2013)3(9)、1020−1029)。または、SARD化合物は、LBD標的薬剤が有効でないか、またはNTD依存性AR活性が構成的に活性である変化した細胞環境内でアンタゴニスト活性を誘発する。
選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物
【0083】
本発明は、式Iの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化14】

式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SORSOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0084】
様々な実施形態では、式IのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式IのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式IのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式IのSARD化合物は、(R)異性体である。
【0085】
本発明は、式IAの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化15】
IA
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0086】
本発明は、式IBの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化16】
IB
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0087】
本発明は、式ICの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化17】
IC
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5または6員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0088】
本発明は、式ID:の構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含し、
【化18】
ID
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SORSOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
Hは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでRがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0089】
本発明は、式IIの構造によって表されるSARD化合物を包含し、
【化19】
II
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
はピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0090】
様々な実施形態では、式IIのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式IIのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式IIのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式IIのSARD化合物は、(R)異性体である。
【0091】
本発明は、式IIAの構造によって表されるSARD化合物を包含し、
【化20】
IIA
式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
はピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0092】
本発明は、式IIBの構造によって表されるSARD化合物を包含し、
【化21】
IIB
式中、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
はピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0093】
本発明は、式IIIの構造によって表されるSARD化合物を包含し、
【化22】
III
式中、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、またはモルホリン環であり、環は必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SOR SOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含し、
ここでAがBrまたはIである場合、アニリン環は縮合複素環を形成する。
【0094】
様々な実施形態では、式IIIのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式IIIのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式IIIのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式IIIのSARD化合物は(R)異性体である。
【0095】
本発明は、式IVの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化23】
IV
式中、
、B、B、およびBは各々独立に炭素または窒素であり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、ここでB、B、BまたはBが窒素である場合、それぞれQ、Q、QまたはQは存在せず、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0096】
様々な実施形態では、式IVのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式IVのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式IVのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式IVのSARD化合物は、(R)異性体である。
【0097】
本発明は、式Vの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化24】

式中、
およびBは、それぞれ独立して炭素または窒素であり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、ここでBまたはBが窒素である場合、それぞれQまたはQは存在せず、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0098】
様々な実施形態では、式VのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式VのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式VのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式VのSARD化合物は(R)異性体である。
【0099】
本発明は、式VIの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化25】
VI
式中、
は単結合または二重結合であり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0100】
様々な実施形態では、式VIのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式VIのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式VIのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式VIのSARD化合物は(R)異性体である。
【0101】
本発明は、式VIIの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化26】
VII
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0102】
様々な実施形態では、式VIIのSARD化合物は、キラル炭素を有する。他の実施形態では、式VIIのSARD化合物はラセミ混合物である。他の実施形態では、式VIIのSARD化合物は(S)異性体である。他の実施形態では、式VIIのSARD化合物は(R)異性体である。
【0103】
本発明は、式VIIAの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化27】
VIIA
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0104】
本発明は、式VIIBの構造によって表される選択的アンドロゲン受容体分解剤化合物を包含し、
【化28】
VIIB
式中、
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZはH、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであり、
または、YおよびZは、5〜8員の縮合環を形成し、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
、Q、またはQはそれぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、アリールアルキル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、またはその異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0105】
一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIAおよびIIBのAならびに式ICのRは、少なくとも1個の窒素原子を有する5または6員の飽和または不飽和環である。別の実施形態では、Aは、置換もしくは非置換のピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、モルホリン、または他の複素環式環である。それぞれは、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態では、Aは、5または6員の複素環である。別の実施形態では、5または6員飽和または不飽和環の窒素原子は、分子の骨格構造に結合している。別の実施形態では、5または6員飽和または不飽和環の炭素原子は、分子の骨格構造に結合している。
【0106】
一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH、CONH(R)、CON(R、SR、SO、SORSOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、ここでRは、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換される。
【0107】
一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NHRである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、ハロゲン化物である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、Fである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIAおよびIIBのAならびに式IDのRは、Brである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIAおよびIIBのAおよび式IDのRは、Clである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、Iである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、Nである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、ORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CFである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、COClである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、COOCORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、COORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、OCORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、OCONHRである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NHCOORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NHCONHRである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、OCOORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CNである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CON(Rである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SRである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SOである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SORである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SOHである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SONHである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SONH(R)である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、SON(Rである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NHである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NH(R)である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、N(Rである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CONHである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CONH(R)である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、CO(N−複素環)である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、NOである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、シアネートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、イソシアネートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、チオシアネートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、イソチオシアネートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、メシレートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、トシレートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、トリフレートである。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、PO(OH)である。一実施形態では、式I〜III、IA、IB、IIA、およびIIBのAならびに式IDのRは、OPO(OH)である。
【0108】
一実施形態では、RはH、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、任意に置換される。それぞれは、本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態では、RはHである。他の実施形態では、Rはアルキルである。他の実施形態では、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシルまたはヘプチルであり、それぞれは本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態では、Rは、ハロアルキルである。別の実施形態では、ハロアルキルはCF、CFCF、ヨードメチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピルであり、それぞれは本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態では、Rはシクロアルキルである。他の実施形態では、シクロアルキルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。様々な実施形態では、Rのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール は、ハロゲン化物、CN、COH、OH、SH、NH、NO、CO−(C〜Cアルキル)またはO−(C〜Cアルキル)から選択される1つ以上の基でさらに置換され、それぞれは本発明の別個の実施形態を表す。
【0109】
式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは水素である。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはCNである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはFである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはNCSである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはマレイミドである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはNHCOORである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはN(R)である。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはCONHRである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはNHCORである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはClである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはBrである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはIである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはNOである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはフェニルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは4−フルオロフェニルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはCFである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アルキルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換シクロアルキルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換ヘテロシクロアルキルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはハロアルキルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アリールである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはヒドロキシルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはアルコキシである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはORである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはアリールアルキルである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはアミンである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはアミドである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはCOORである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、QはCORである。式I〜VI、IA〜IC、IIA、またはIIBの特定の実施形態では、Qはケトである。
【0110】
式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCNである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは水素である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはケトである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNCSである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはマレイミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはN(R)である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCONHRである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはClである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはBrである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはIである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNOである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは4−フルオロフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換シクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換ヘテロシクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはハロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アリールである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはヒドロキシルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアルコキシである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアリールアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミンである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCORである。
【0111】
式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCNである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNCSである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはマレイミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはN(R)である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCONHRである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは水素である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはケトである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはClである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはBrである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはIである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNOである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは4−フルオロフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換シクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換ヘテロシクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはハロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アリールである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはヒドロキシルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアルコキシである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアリールアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミンである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCORである。
【0112】
式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCNである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNCSである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはマレイミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはN(R)である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCONHRである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNHCORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは水素である。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはケトである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはClである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはBrである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはIである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはNOである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは4−フルオロフェニルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCFである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換シクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換ヘテロシクロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはハロアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qは置換または非置換アリールである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはヒドロキシルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアルコキシである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアリールアルキルである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミンである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、Qはアミドである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCOORである。式I〜VII、IA〜IC、IIA、IIB、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、QはCORである。式I、IA、IB、IC、ID、II、IIA、IIB、VII、VIIAまたはVIIBの特定の実施形態では、XはCHである。式I、IA、IB、IC、ID、II、IIA、IIB、VII、VIIA またはVIIBの特定の実施形態では、XはNである。
【0113】
いくつかの実施形態では、AまたはRがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであり、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0114】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはHである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはCFである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはFである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはIである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはBrである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはClである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはCNである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YはC(R)である。
【0115】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはHである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはNOである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはCNである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Zはハロゲン化物である。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはFである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはClである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはBrである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはIである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはCOOHである。式I〜VII、IA、IB、I IC、ID、IA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはCORである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはNHCORである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、ZはCONHRである。
【0116】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、YおよびZはフェニルと縮合環を形成する。他の実施形態では、フェニルとの縮合環は、5〜8員環である。他の実施形態では、フェニルとの縮合環は、5または6員環である。他の実施形態では、環は炭素環式または複素環式である。他の実施形態では、YおよびZは、フェニルと一緒になって、ナフチル、キノリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インデニルまたはキナゾリニルを形成する。特定の実施形態では、YおよびZは、フェニルと一緒になってキナゾリン−6−イル環系を形成する。
【0117】
式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHFである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHFである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCFである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHCHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCFCFである。
【0118】
式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはOHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはORである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはOCORである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはCHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Tは−NHCOCHである。式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TはNHCORである。
【0119】
式I、II、IV、V、VI、VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、TおよびRは、3〜8個の炭素環式または複素環式環を形成する。他の実施形態では、TおよびRは、3、4、5、6、7または8員炭素環式または複素環式環を形成する。それぞれは、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、TおよびRは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素環を形成する。いくつかの実施形態では、TおよびRは、例えばピペリジン、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、ピリミジンなどの複素環式環を形成する。
【0120】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはHである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Rはアルキルである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Rはアルケニルである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Rはハロアルキルである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Rはアルコールである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHCHOHである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCFである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHClである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはCHCHClである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、Rはアリールである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはFである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはClである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはBrである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはIである。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの特定の実施形態では、RはOHである。
【0121】
式IVの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0122】
式Vの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0123】
式VIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0124】
式IVの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0125】
式Vの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0126】
式VIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0127】
式VIIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0128】
式VIIAの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0129】
式VIIBの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0130】
式IVの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0131】
式Vの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0132】
式VIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0133】
式VIIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF3、フェニル、4−フルオロフェニル、F、BrではCl、I、来るNHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CH3)3である。
【0134】
式IVの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0135】
式Vの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0136】
式VIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0137】
式VIIの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0138】
式VIIAの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0139】
式VIIBの特定の実施形態では、Qは、H、CN、CF、フェニル、4−フルオロフェニル、F、Br、Cl、I、COMe、NHCOOMe、NHCOMeまたはNHCOOC(CHである。
【0140】
本発明は、以下の構造のいずれか1つから選択される選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を包含する。
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【0141】
本明細書で使用する「複素環」または「複素環式環」基という用語は、環の一部として、炭素原子に加えて、硫黄、酸素、窒素またはそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つの原子を含む環構造を指す。複素環は、3〜12員環でも、4〜8員環でも、5〜7員環でも、または6員環でもよい。好ましくは、複素環は5〜6員環である。複素環の典型的な例としては、ピペリジン、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、ピラジン、ピペラジンまたはピリミジンが挙げられるが、これらに限定されない。C〜C複素環式環の例には、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピロール、テトラヒドロピロール、ピラジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミドン(tetrahydropyrimidone)、ピラゾール、ジヒドロピラゾール、テトラヒドロピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、モルホリン、チオモルホリン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾールなどが挙げられる。複素環式環は、別の飽和もしくは不飽和シクロアルキルまたは飽和もしくは不飽和複素環式環に縮合してもよい。複素環式環が置換されている場合、置換基はハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、シアノ、ニトロ、COH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオール、またはチオアルキルのうちの少なくとも1つを含む。
【0142】
「アニリン環系」という用語は、X、Yおよび/またはZで置換された本明細書中の構造の左側に表される保存された環を指す。
【0143】
用語「シクロアルキル」は、炭素原子および水素原子を含む非芳香族、単環式または多環式環を指す。シクロアルキル基は、その存在によって環が芳香族にされない限り、環に1つ以上の炭素−炭素二重結合を有することができる。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのような(C〜C)シクロアルキル基、飽和環式および二環式テルペン、およびシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプテニルなどの(C〜C)シクロアルケニル基、ならびに不飽和環式および二環式のテルペンが挙げられるが、これらに限定されない。C〜C炭素環式の例には、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサンおよびシクロヘキセン環が含まれる。シクロアルキル基は、非置換であるか、または少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。好ましくは、シクロアルキル基は、単環式または二環式環である。
【0144】
用語「アルキル」は、直鎖および分枝鎖を含む飽和脂肪族炭化水素を意味する。典型的には、アルキル基は、1〜12個の炭素、1〜7個の炭素、1〜6個の炭素、または1〜4個の炭素原子を有する。分枝状アルキルは、炭素数1〜5のアルキル側鎖により置換されたアルキルである。分枝状アルキルは、C〜Cハロアルキルで置換されたアルキルを有していてもよい。さらに、アルキル基は、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、CN、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオまたはチオアルキルの少なくとも1つによって置換されていてもよい。
【0145】
「アリールアルキル」基は、アリールに結合したアルキルを指し、ここで、アルキルおよびアリールは、本明細書で定義されるとおりである。アリールアルキル基の例はベンジル基である。
【0146】
「アルケニル」基は、1つ以上の二重結合を有する直鎖および分枝鎖を含む不飽和炭化水素を指す。アルケニル基は2〜12個の炭素を有することができ、好ましくはアルケニル基は2〜6個の炭素または2〜4個の炭素を有する。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオまたはチオアルキルのうちの少なくとも1つで置換されていてもよい。
【0147】
本明細書で使用する用語「アリール」基は、非置換であっても置換されていてもよい、少なくとも1つの炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基を有する芳香族基を指す。存在する場合、置換基は、少なくとも1つのハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシまたはチオもしくはチオアルキルを含むが、これらに限定されない。アリール環の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリルなどである。アリール基は4〜12員環であってもよく、好ましくはアリール基は4〜8員環である。また、アリール基は6または5員環であってもよい。
【0148】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの複素環式芳香族環を有する芳香族基を指す。一実施形態では、ヘテロアリールは、環の一部として、硫黄、酸素、窒素、ケイ素、リンまたはそれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1つのヘテロ原子を含む。別の実施形態では、ヘテロアリールは非置換であるか、またはハロゲン、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシまたはチオもしくはチオアルキルから選択される1つ以上の基で置換されてもよい。ヘテロアリール環の非限定的な例は、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、イミダゾリル、イソキサゾリルなどである。一実施形態では、ヘテロアリール基は5〜12員環である。一実施形態では、ヘテロアリール基は5員環である。一実施形態では、ヘテロアリール基は6員環である。別の実施形態では、ヘテロアリール基は5〜8員環である。別の実施形態では、ヘテロアリール基は、1〜4個の縮合環を含む。一実施形態では、ヘテロアリール基は1,2,3−トリアゾールである。一実施形態では、ヘテロアリールはピリジルである。一実施形態では、ヘテロアリールはビピリジルである。一実施形態では、ヘテロアリールはターピリジルである。
【0149】
本明細書で使用されるとおり、用語「ハロアルキル」基は、例えばF、Cl、BrまたはIなどの1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を指す。
【0150】
「ヒドロキシル」基は、OH基を指す。本発明の化合物中のT、Q、Q、QまたはQがORである場合、RはOHではないことは当業者に理解される。
【0151】
「ハロゲン」または「ハロ」または「ハロゲン化物」という用語は、ハロゲン;F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0152】
一実施形態では、本発明は、化合物、および/またはその使用、ならびに/またはその誘導体、光学異性体、異性体、代謝物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N−酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶、またはこれらの組み合わせを提供する。
【0153】
一実施形態では、本発明の方法は、本発明の化合物を酸または塩基と反応させることによって、生成することができる化合物の「薬学的に許容される塩」を使用する。
【0154】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩に変換することができる。薬学的に許容される塩は、化合物と酸または塩基との反応によって生成することができる。
【0155】
適切な薬学的に許容されるアミン塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。アミンの無機塩の例は、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩(ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸、スルファニル酸塩、スルホン酸(アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ハロゲン置換アルキルスルホン酸塩、ハロゲン置換アリールスルホン酸塩)、スルホン酸塩またはチオシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
アミンの有機塩の例は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、有機酸のカルボン酸類およびスルホン酸類から選択することができ、それらの例には、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルゲン酸塩、アルカンカルボン酸塩、置換アルカンカルボン酸塩、アルギン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、硫酸水素塩、酪酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、カルボン酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロヘキシルスルファメート(cyclohexylsulfamates)、シクロペンタンプロピオネート(cyclopentanepropionates)、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、クラブラン酸、桂皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコネート(digluconates)、ドデシルスルフォネート(dodecylsulfonates)、ジヒドロクロリド、デカン酸、エナント酸(enanthuates)、エタンスルホン酸、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸、ギ酸、フッ化物、ガラクツロネート(galacturonates)、グルコン酸、グルタミン酸塩、グリコール酸、グルコレート(glucorates)、グルコヘプタノエート(glucoheptanoates)、グリセロリン酸、グルセプト酸、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilates)、グルタル酸、グルタミン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヒドロキシマレイン酸塩(hydroxymaleates)、ヒドロキシカルボン酸(hydroxycarboxlic acids)、ヘキシールゾルチン酸塩(hexylresorcinates)、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸(hydroxynaphthoates)、ヒドロフルオレート(hydrofluorates)、乳酸、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、メチレンビス(β−オキシナフトエート)(oxynaphthoate)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、メチルスルホン酸(methylsulfonates)、マレイン酸カリウム(monopotassium maleates)、ムコ酸塩(mucates)、モノカルボン酸塩、硝酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ナプシレート(napsylates)、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタン酸、オレイン酸、パモ酸、フェニル酢酸塩、ピクリン酸塩、安息香酸フェニル、ピバレート、プロピオン酸塩、フタル酸塩、ペクチン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ポリガラクタル酸(polygalacturates)、ピルビン酸塩、キナ酸、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリンアセテート、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、トリフルオロ酢酸、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロアセテート、トリエチオダイド(triethiodide)、トリカルボキシレート、ウンデカン酸塩および吉草酸塩が挙げられる。カルボン酸またはフェノールの無機塩の例は、アンモニウム、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属から選択することができる。アルカリ金属には、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはセシウムが含まれるが、これらに限定されない。アルカリ土類金属には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、コリンまたは第4級アンモニウムが含まれるが、これらに限定されない。カルボン酸またはフェノールの有機塩の例は、アルギニン、有機アミンから選択することができ、脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、芳香族有機アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン(hydrabamines)、イミダゾール、リジン、メチルアミン、メガラミン(meglamine)、N−メチル−D−グルカミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミド、有機アミン、オルニチン、ピリジン、ピコリン、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミンおよび尿素を含む。
【0157】
様々な実施形態では、本発明の化合物の薬学的に許容される塩は:塩酸塩、シュウ酸塩、L−(+)−酒石酸塩、HBr塩およびコハク酸塩を含む。それぞれは、本発明の別個の実施形態を表す。
【0158】
塩は、遊離塩基または遊離酸形態の生成物を、真空中または凍結乾燥によって除去される、塩が不溶である溶媒もしくは媒体中、または水などの溶媒中で1つ以上の当量の適切な酸または塩基と反応させることによって、または既存の塩のイオンを別のイオンまたは適切なイオン交換樹脂と交換することによってなどの従来の手段によって形成することができる。
【0159】
本発明の方法は、非荷電化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩を使用することができる。特に、本方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の薬学的に許容される塩を使用する。薬学的に許容される塩は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物のフェノールのアミン塩または塩であってもよい。
【0160】
一実施形態では、本発明の方法は、遊離塩基、遊離酸、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの非荷電もしくは非錯体化化合物、および/またはその異性体、医薬品、水和物、多形体、もしくはそれらの組み合わせを使用する。
【0161】
一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の光学異性体を使用する。一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の異性体を使用する。一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の医薬品を使用する。一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の水和物を使用する。一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の多形体を使用する。一実施形態では、本発明の方法は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の代謝物を使用する。別の実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載されているように、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物を含む組成物を使用し、または、別の実施形態では、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物の異性体、代謝物、医薬品、水和物、多形体の組み合わせを使用する。
【0162】
本明細書で使用されるとおり、「異性体」という用語は、光学異性体、構造異性体、または立体配座異性体を含むが、これらに限定されない。
【0163】
用語「異性体」は、SARD化合物の光学異性体を包含することを意味する。本発明のSARDが少なくとも1つのキラル中心を含むことは、当業者には理解されるであろう。したがって、化合物は、光学活性体(例えば、(R)異性体または(S)異性体)またはラセミ体として存在し得る。光学活性化合物は、鏡像異性的に濃縮された混合物として存在し得る。いくつかの化合物はまた、多型を示し得る。本発明は、任意のラセミ体、光学活性体、多形体、または立体異性体、またはそれらの混合物を包含すると理解すべきである。したがって、本発明は、純粋な(R)−異性体または純粋な(S)−異性体としてのSARD化合物を包含し得る。光学活性形態をどのようにして調製するかは当該技術分野において公知である。例えば、再結晶技術によるラセミ体の分割、光学活性出発物質からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離によって得ることができる。
【0164】
本発明の化合物は、化合物の水和物であってもよい。本明細書で使用されるとおり、用語「水和物」は、半水和物、一水和物、二水和物、または三水和物を含むが、これらに限定されない。本発明はまた、本明細書に記載の化合物のアミノ置換基のN−オキシドの使用も含む。
【0165】
本発明は、他の実施形態では、本明細書に記載の化合物の代謝物の使用を提供する。一実施形態では、「代謝物」は、代謝または代謝プロセスによって別の物質から生成される任意の物質を意味する。
【0166】
一実施形態では、本発明の化合物は、実施例1に従って調製される。
選択的アンドロゲン受容体分解剤の生物学的活性
【0167】
前立腺癌(PCa)を治療するか、または前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法であって、式Iの化合物によって表される治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
【化33】

式中、
TはH、OH、OR、OCOR、CH、−NHCOCH、またはNHCORであり、
は、H、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、またはCFCFであり、
または、TおよびRが3〜8炭素環式または複素環式環を形成し、
Yは、H、CF、F、I、Br、Cl、CN、またはC(R)であり、
ZHは、NO、CN、ハロゲン化物、COOH、COR、NHCOR、CONHRであるか、またはYおよびZは、5〜8員環を形成し、
Xは、CHまたはNであり、
RはH、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコール、CHCHOH、CF、CHCl、CHCHCl、アリール、F、Cl、Br、I、またはOHであり、
Aは、RまたはRであり、
は、少なくとも1個の窒素原子および0、1、または2個の二重結合を有する5員の飽和または不飽和環であり、必要に応じてQ、Q、Q、またはQの少なくとも1つで置換され、それぞれ独立して水素、ケト、置換もしくは非置換の直鎖状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、CF、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のフェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO、ヒドロキシル、アルコキシ、OR、ベンジル、NCS、マレイミド、NHCOOR、N(R)、NHCOR、CONHR、COORまたはCORから選択され、
はNHR、ハロゲン化物、N、OR、CF、COR、COCl、COOCOR、COOR、OCOR、OCONHR、NHCOOR、NHCONHR、OCOOR、CN、CONH2、CONH(R4)、CON(R4)、SR、SO、SORSOH、SONH、SONH(R)、SON(R、NH、NH(R)、N(R、CO(N−複素環)、C(O)(C〜C10)アルキル、NO、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、メシレート、トシレート、トリフレート、PO(OH)またはOPO(OH)であり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は任意に置換され、
またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0168】
別の実施形態では、AがBrまたはIであり、RがCHであり、TがOHである場合、XはNであるか、またはアニリン環は縮合複素環を形成する。
【0169】
前立腺癌(PCa)を治療するか、または前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法であって、式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物によって表される治療有効量の化合物またはその薬学的に許容される塩または異性体を対象に投与することを含む。
【0170】
前立腺癌は、進行前立腺癌、難治性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、転移性CRPC(mCRPC)、非転移性CRPC(nmCRPC)、高リスクnmCRPCまたはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0171】
前立腺癌は、増殖のためにAR−FLおよび/またはAR−SVに依存し得る。前立腺癌または他の癌は、アンドロゲン受容体アンタゴニストによる治療に対して耐性であり得る。前立腺または他の癌はエンザルタミド、ビカルタミド、アビラテロン、ARN−509、ODM−201、EPI−001、EPI−506、AZD−3514、ガレテロン(galeterone)、ASC−J9、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、スピロノラクトン、またはそれらの任意の組み合わせによる治療に耐性であってもよい。この方法はまた、抗アンドロゲン耐性付与AR−LBD突然変異、AR−SV、遺伝子増幅AR、またはそれらの任意の組み合わせを用いて、AR、AR−FL、AR−FLのレベルを低下させることもできる。
【0172】
一実施形態では、本発明は、治療上有効な量の本発明の化合物またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む、エンザルタミド耐性前立腺癌の治療方法を提供する。
【0173】
一実施形態では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む、アビラテロン耐性前立腺癌の治療方法を提供する。
【0174】
一実施形態では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物またはその光学異性体、異性体、薬学的に許容される塩、医薬品、多形体、水和物またはそれらの任意の組み合わせを対象に投与することを含む、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療方法を提供する。
【0175】
この方法は、アンドロゲン遮断療法(ADT)またはLHRHアゴニストまたはアンタゴニストなどの第2の療法をさらに含むことができる。LHRHアゴニストには、ロイプロリドアセテートが含まれるが、これに限定されない。
【0176】
本発明は、前立腺癌(PCa)の進行を治療もしくは阻害するか、または前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法を包含し、対象にSARD化合物または薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含み、ここで化合物は化合物1001〜1049の少なくとも1つである。
【0177】
本発明は、難治性前立腺癌(PCa)の進行を治療もしくは阻害するか、または難治性前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法を包含し、対象にSARD化合物または薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含み、ここで化合物は式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物で表されるか、または化合物は化合物1001〜1049の少なくとも1つである。
【0178】
本発明は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に罹患している男性対象の治療または生存率を増加させる方法を包含し、対象に治療有効量のSARDを投与することを含み、ここで化合物は式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物で表されるか、または化合物1001〜1049の少なくとも1つである。
【0179】
この方法は、アンドロゲン遮断療法を対象に投与することをさらに含むことができる。
【0180】
本発明は、エンザルタミド耐性前立腺癌(PCa)の進行を治療もしくは阻害するか、またエンザルタミド耐性前立腺癌に罹患している男性対象の生存率を増加させる方法を包含し、対象にSARD化合物または薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含み、ここで化合物は式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物で表されるか、または化合物は化合物1001〜1049の少なくとも1つである。
【0181】
この方法は、アンドロゲン遮断療法を対象に投与することをさらに含むことができる。
【0182】
本発明は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の進行を治療もしくは阻害するか、またトリプルネガティブ乳癌に罹患している女性対象の生存率を増加させる方法を包含し、対象にSARD化合物または薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含み、ここで化合物は式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物で表されるか、または化合物は化合物1001〜1049の少なくとも1つである。
【0183】
本明細書で使用されるとおり、用語「生存率を増加させる」は、対象の生存を記述するときの時間の延長を指す。したがって、この文脈において、本発明の化合物は、進行前立腺癌、難治性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、転移性CRPC(mCRPC)、非転移性CRPC(nmCRPC)、または高リスクのnmCRPCを有する男性、またはTNBCを有する女性の生存率を増加させるために使用され得る。
【0184】
または、本明細書で使用されるとおり、用語「増加する」、「増加している」、または「増加した」は、交換可能に使用され、(サイズ、量、数、または強度において)次第に大きくなるエンティティを指す。ここで例えば、エンティティは、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)または前立腺特異抗原(PSA)である。
【0185】
本発明の化合物および組成物は、非転移性前立腺癌に罹患している対象における無転移生存率(MFS)を増加させるために使用され得る。非転移性前立腺癌は、非転移性進行前立腺癌、非転移性CRPC(nmCRPC)、または高リスクnmCRPCであり得る。
【0186】
本明細書に記載されるSARD化合物は、二重作用を提供するために使用され得る。例えば、SARD化合物は前立腺癌を治療し、転移を予防することができる。前立腺癌は、難治性前立腺癌、進行前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、転移性CRPC(mCRPC)、非転移性CRPC(nmCRPC)、または高リスクのnmCRPCであり得る。
【0187】
本明細書に記載されるSARD化合物は、二重作用を提供するために使用され得る。例えば、SARD化合物はTNBCを治療し、転移を予防することができる。
【0188】
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)へ進行するリスクが高い進行前立腺癌を有する男性は、血清総テストステロン濃度が20ng/dLを超えるADT患者、またはADT開始時に(1)確認されたグリーソンパターン4または5の前立腺癌、(2)転移性前立腺癌、(3)PSA倍加時間が3ヶ月未満、(4)PSAが20ng/mL以上、または(5)最終的な局所治療(根治的前立腺切除術または放射線療法)後、PSA再発が3年未満のいずれかを有した進行前立腺患者である。
【0189】
前立腺特異抗原(PSA)の正常なレベルは、とりわけ男性対象の前立腺の年齢および大きさなどのいくつかの因子に依存する。2.5〜10ng/mLの範囲のPSAレベルは「境界線高」と考えられ、10ng/mLを超えるレベルは「高」と考えられる。0.75/年を超えるレート変化または「PSA速度」は高いと考えられる。PSAレベルは、進行中のADTまたはADTの病歴、外科的去勢にもかかわらず、または抗アンドロゲンおよび/またはLHRHアゴニストによる治療にもかかわらず、増加し得る。
【0190】
高リスクの非転移性去勢抵抗性前立腺癌(高リスクnmCRPC)を有する男性には、約18ヶ月またはそれ未満の予期される無増悪生存を有する、迅速なPSA倍加時間を有する患者が含まれ得る(Miller K、Moul JW、Gleave Ml ら。2013.「非転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の1日1回経口ジボテンタン(ZD4054)の第III相、無作為化、プラセボ対照試験」、前立腺癌Prost Dis.2月。16:187〜192)。これらの疾患の比較的迅速な進行は、これらの個体に対する新規療法の重要性を強調する。
【0191】
本発明の方法は、対象が高リスクのnmCRPCに罹患している場合、8ng/mLを超えるPSAレベルを有する対象を治療することができる。患者集団には、nmCRPCに罹患している対象が含まれ、PSAは8ヶ月未満または10ヶ月未満で2倍になる。この方法はまた、高リスクのnmCRPCに罹患している対象において、総血清テストステロンレベルが20ng/mLを超える患者集団を治療することができる。あるケースでは、血清フリーのテストステロンレベルは、高リスクのnmCRPCに罹患している対象の睾丸摘出された男性で観察されるレベルよりも高い。
【0192】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのLHRHアゴニストまたはアンタゴニスト、抗アンドロゲン、抗プログラム死受容体1(抗PD−1)薬または抗PD−L1薬をさらに含み得る。LHRHアゴニストは、ロイプロリド酢酸(Lupron(登録商標))(US 5480656、US 5575987、5631020、5643607、5716640、5814342、6036976が参照により本明細書に組み込まる)または酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標))(US 7118552、7220247、7500964が参照により本明細書に組み込まる)を含むが、これらに限定されない。LHRHアンタゴニストには、デガレリクスまたはアバレリックスが含まれるが、これらに限定されない。抗アンドロゲンとしては、ビカルタミド、フルタミド、フィナステリド、デュタステリド、エンザルタミド、ニルタミド、クロルマジノン、アビラテロン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。抗PD−1薬には、AMP−224、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、およびAMP−554が挙げられるが、これらに限定されない。抗PD−L1薬には、BMS−936559、アテゾリズマブ、ドゥバルマブ、アベルマブ、およびMPDL3280Aが含まれるが、これらに限定されない。抗CTLA−4薬には、イピリムマブおよびトレメリムマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
前立腺癌、進行前立腺癌、CRPC、mCRPCおよび/またはnmCRPCの治療は、前立腺癌に関連する症状、機能および/または生存率の臨床的に有意な改善をもたらし得る。臨床的に有意な改善は、とりわけ癌が転移性である場合の放射線学的無増悪生存期間(rPFS)の増加、または癌が非転移性である場合の無増悪生存期間(MFS)の増加によって決定することができる。
【0194】
本発明は、前立腺癌、進行前立腺癌、転移性前立腺癌または去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を患っている男性対象における血清前立腺特異抗原(PSA)レベルを低下させる方法を包含し、治療有効量のSARD化合物を投与することを含み、ここで化合物は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの構造によって表される。
【0195】
本発明は、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に罹患している男性対象において血清PSAを減少させる二次ホルモン療法の方法を包含し、去勢抵抗性前立腺癌に罹患している男性対象において血清PSAを減少させる、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIB の化合物の治療有効量を投与することを含む。
【0196】
本発明は、抗アンドロゲン耐性を付与するAR−LBD突然変異、AR−スプライスバリアント(AR−SV)、および/またはその必要がある対象における腫瘍内AR遺伝子の増幅を有するAR、AR全長(AR−FL)、AR−FLのレベルを低下させる方法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物を投与して、抗アンドロゲン耐性を付与するAR−LBDまたは他のAR突然変異、ARスプライスバリアント(AR−SV)、および/または腫瘍内AR遺伝子の増幅を低下させる。
【0197】
この方法は、放射線学的無増悪生存期間(rPFS)または無転移生存期間(MFS)を増加させることができる。
【0198】
対象は非転移性癌を有し、アンドロゲン遮断療法(ADT)に失敗し、睾丸切除を受け、または高い前立腺特異抗原(PSA)レベルもしくは前立腺特異抗原(PSA)レベルの上昇を有する可能性がある。対象は、前立腺癌、進行前立腺癌、難治性前立腺癌、CRPC患者、転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)患者、または非転移性去勢抵抗性前立腺癌(nmCRPC)患者であり得る。これらの対象において、難治性は、エンザルタミド耐性前立腺癌であり得る。これらの対象において、nmCRPCは、高リスクnmCRPCであり得る。さらに、対象は、総Tの去勢レベルを有するかまたは有さないアンドロゲン遮断療法(ADT)を受けていてもよい。
【0199】
本明細書で使用されるとおり、「去勢抵抗性前立腺癌に罹患している対象」という語句は、以下の特徴の少なくとも1つを有する対象を指す。アンドロゲン遮断療法(ADT)で以前に治療されている。ADTに応答し、現在、2ng/mL未満、または2ng/mL未満かつADTで達成された最下点よりも25%増加を示す血清PSAを有する。アンドロゲン遮断療法で維持されているにもかかわらず、血清PSA進行を有すると診断された対象。血清総テストステロン(<50ng/dL)の去勢レベルまたは血清総テストステロン(<20ng/dL)の去勢レベル。対象は、少なくとも2週間離れた2回の連続した評価で上昇する血清PSAを有し得、ADTで効果的に治療されているか、またはADT開始後に血清PSA応答の病歴を有する。
【0200】
本明細書中で使用されるとおり、用語「血清PSA進行」は、血清PSAの25%以上の増加および最下点から2ng/mlまたはそれ以上の絶対増加を指し、アンドロゲン遮断療法(ADT)の開始後、2ng/mL未満、または2ng/mL未満かつおよび最下点より25%増加の血清PSAを指す。用語「最下点」は、患者がADTを受けている間、最低のPSAレベルを指す。
【0201】
用語「血清PSA応答」は、以下の少なくとも1つを指す:ADTの開始前の血清PSA値の少なくとも90%の低下、血清PSA(0.2ng/mL未満)の検出不可能なレベルが常時10ng/mL未満まで、血清PSAのベースラインから少なくとも50%の減少、血清PSAのベースラインから少なくとも90%の減少、血清PSAのベースラインから少なくとも30%の減少、または血清PSAのベースラインから少なくとも10%の減少。
【0202】
本発明の方法は、ADTの形態および本発明の化合物の組み合わせを投与することを含む。ADTの形態には、LHRHアゴニストが含まれる。LHRHアゴニストは、ロイプロリド酢酸(Lupron(登録商標))(US5480656、US5575987、5631020、5643607、5716640、5814342、6036976が参照により本明細書に組み込まる)または酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標))(US7118552、7220247、7500964が参照により本明細書に組み込まる)を含むが、これに限定されない。ADTの形態には、LHRHアンタゴニスト、可逆的抗アンドロゲンまたは両側睾丸摘除術が含まれるが、これらに限定されない。LHRHアンタゴニストには、デガレリクスおよびアバレリックスが含まれるが、これらに限定されない。抗アンドロゲンとしては、ビカルタミド、フルタミド、フィナステリド、デュタステリド、エンザルタミド、EPI−001、EPI−506、ARN−509、ODM−201、ニルタミド、クロルマジノン、アビラテロン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
本発明の方法は、少なくとも1つの本発明の化合物およびリアーゼ阻害剤(例えば、アビラテロン)を投与することを包含する。
【0204】
「進行前立腺癌」という用語は、前立腺に由来し、周囲の組織のような前立腺を超えて精嚢、骨盤リンパ節もしくは骨、または身体の他の部分に広く転移した転移性癌を指す。前立腺癌の病態は、悪性度の増加の順に1から5のグリーソングレーディングで等級付けされる。進行性の疾患および/または前立腺癌の重大なリスクを有する患者を定義に含めるべきであり、IIBと同程度に低い病期を有する前立腺嚢の外に癌を有する患者は明らかに「進行した」疾患を有する。「進行前立腺癌」は、局所的に進行した前立腺癌を指すことができる。同様に、「進行乳癌」は、乳房に由来し、周囲の組織または肝臓、脳、肺、または骨などの身体の他の部分に乳房を超えて広く転移した転移性癌を指す。
【0205】
「難治性」という用語は、治療に応答しない癌を指す場合がある。例えば、前立腺癌または乳癌は、治療の開始時に耐性であり得るか、または治療中に耐性になり得る。「難治性癌」は、本明細書において「耐性癌」とも呼ばれ得る。
【0206】
「去勢抵抗性前立腺癌」(CRPC)という用語は、テストステロンを減らすために患者がADTまたは他の療法を受けている間に、悪化または進行する進行前立腺癌、またはホルモン不応性、ホルモンナイーブ、アンドロゲン非依存性、または化学的もしくは外科的去勢抵抗性であると考えられる前立腺癌を指す。CRPCは、イントラクラインアンドロゲン合成、リガンド結合ドメイン(LBD)を欠くARスプライスバリアント(AR−SV)の発現、またはアンタゴニストに抵抗する可能性のあるAR−LBDまたは他のAR突然変異の発現によるAR活性化の結果であり得る。去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)は進行中のADTおよび/または外科的去勢にもかかわらず進行した進行前立腺癌である。去勢抵抗性前立腺癌は、以前の外科的去勢、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(例えば、ロイプロリド)またはアンタゴニスト(例えば、デガレリクスまたはアバレリックス)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、エンザルタミド、ケトコナゾール、アミドグルテタミド(aminoglutethamide)、化学療法剤(例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、カバジタキセル、アドリアマイシン、ミトキサントロン、エストラムスチン、シクロホスファミド)、キナーゼ阻害剤(イマチニブ(Gleevec(登録商標))またはゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、カボザンチニブ(Cometriq(商標)、XL184としてモ知られる)、または他の前立腺癌治療(例えば、ワクチン(sipuleucel−T(Provenge(登録商標))、GVAX、など)、前立腺特異抗原(PSA)、転移、骨転移、疼痛、リンパ節の関与、腫瘍増殖のためのサイズまたは血清マーカーの増加、予後の診断マーカーの悪化、または患者状態の血清レベルの上昇またはより高い血清レベルによって示されるようなハーブ(PC−SPES)およびリアーゼ阻害剤(アビラテロン)による継続的治療にもかかわらず、進行または悪化または患者の健康に悪影響を及ぼす前立腺癌であると定義される。
【0207】
去勢抵抗性前立腺癌は、ホルモンナイーブ前立腺癌と定義することができる。去勢抵抗性前立腺癌を有する男性において、腫瘍細胞はアンドロゲン(男性性特性の発達および維持を促進するホルモン)の非存在下で増殖する能力を有し得る。
【0208】
多くの初期の前立腺癌はその成長にアンドロゲンを必要とするが、進行前立腺癌はアンドロゲン非依存性またはホルモンナイーブである。
【0209】
用語「アンドロゲン遮断療法」(ADT)は、睾丸摘出術、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体を投与すること、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アンタゴニストを投与すること、5−レダクターゼ阻害剤を投与すること、抗アンドロゲンを投与すること、テストステロン生合成阻害剤を投与すること、エストロゲンを投与すること、または17α−水酸化/C17、20リアーゼ(CYP17A1)阻害剤を投与することを含んでもよい。LHRH薬は、睾丸によって作られるテストステロンの量を低下させる。米国で入手可能なLHRH類似体の例には、ロイプロリド(Lupron(登録商標)、Viadur(登録商標)、Eligard(登録商標))、ゴセレリン(Zoladex(登録商標))、トリプトレリン(Trelstar(登録商標))およびヒストレリン(Vantas(登録商標))が挙げられる。抗アンドロゲンは、アンドロゲンを使用する身体の能力をブロックする。抗アンドロゲン薬の例には、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、およびニルタミド(Nilandron(登録商標))が挙げられる。黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アンタゴニストには、アバレリックス(Plenaxis(登録商標))またはデガレリクス(Firmagon(登録商標))(2008年にFDAによって進行前立腺癌治療薬として承認されている)が挙げられる。5−レダクターゼ阻害剤は、テストステロンをより活性なアンドロゲン、5−ジヒドロテストステロン(DHT)に変換する身体能力をブロックし、フィナステリド(Proscar(登録商標))およびデュタステリド(Avodart(登録商標))などの薬物を含む。テストステロン生合成の阻害剤には、ケトコナゾール(Nizoral(登録商標))などの薬物が含まれる。エストロゲンには、ジエチルスチルベストロールまたは17β−エストラジオールが含まれる。17α−ヒドロキシラーゼ/C17,20リアーゼ(CYP17A1)阻害剤には、アビラテロン(Zytiga(登録商標))が含まれる。
【0210】
本発明は、抗アンドロゲン耐性前立腺癌を治療する方法を包含する。抗アンドロゲンには、ビカルタミド、ヒドロキシフルタミド、フルタミド、エンザルタミドまたはアビラテロンが含まれ得るが、これらに限定されない。
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療
【0211】
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2受容体キナーゼの発現を欠く乳癌の一種である。このように、TNBCは、他のタイプの原発性乳癌を治療するために使用されるホルモンおよびキナーゼ治療標的を欠いている。同様に、化学療法はしばしばTNBCの初期薬物療法である。興味深いことに、ARはしばしばTNBCで発現され、化学療法に対するホルモン標的化代替療法を提供し得る。ER陽性乳癌において、ARの活性化が乳房組織および腫瘍におけるERの効果を制限するおよび/またはそれに抵抗すると考えられるため、ARは陽性の予後指標である。しかし、ERが存在しない場合、ARは乳癌腫瘍の成長を実際に支持する可能性がある。TNBCでは、ARの役割は完全には理解されていないが、一部のTNBCは、AR全長のLBDまたはアンドロゲン依存性活性化を欠くAR−SVのアンドロゲン非依存性活性化によって支持され得るというエビデンスを有する。このように、エンザルタミドおよび他のLBD指向性の従来のARアンタゴニストは、これらのTNBCにおいてAR−SVに拮抗することができないであろう。しかし、ARのNTD(実施例9参照)の結合部位を介してAR−SV(表1および実施例5を参照)を破壊することができる本発明のSARDは、これらのTNBCにおいてARに拮抗することができ、実施例8に示すように抗腫瘍効果を提供することができる。
【0212】
ケネディ病の治療
【0213】
筋萎縮(MA)は、筋肉の消耗または縮小および筋肉量の減少を特徴とする。例えば、ポストポリオMAは、ポリオ後症候群(PPS)の一部として生じる筋肉消耗である。萎縮には、衰弱、筋肉疲労、および痛みが含まれる。別のタイプのMAは、X連鎖性脊髄球筋萎縮症(SBMA、ケネディ病としても知られる)である。この疾患は、X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子の欠損に由来し、男性のみに影響を及ぼし、その発症は思春期後期から成人期に起こる。近位四肢および球筋の衰弱は、場合によっては車椅子への依存を含む物理的制限をもたらす。この突然変異は、アンドロゲン受容体(ポリQ AR)のN末端ドメインで伸長したポリグルタミン経路をもたらす。
【0214】
結合および内因性アンドロゲンによるポリQ ARの活性化(テストステロンおよびDHT)は、アンフォールディングおよび変異アンドロゲン受容体の核移行をもたらす。アンドロゲン誘発性の毒性とポリQ ARタンパク質のアンドロゲン依存性核内蓄積が病因の中心のようである。したがって、アンドロゲン活性化ポリQ ARの阻害が治療選択肢であり得る(A.Baniahmad.球脊髄性筋萎縮症における抗アンドロゲン剤によるアンドロゲン受容体の阻害。J.Mol.Neurosci.2016 58(3)、343〜347)。 これらのステップは、病因のために必要であり、トランス活性化機能の部分的喪失(すなわち、アンドロゲン非感受性)とよく理解されていない神経筋変性をもたらす。末梢ポリQ ARアンチセンス療法は、SBMAのマウスモデルにおける疾患を救済する(Cell Reports 7、774〜784、2014年5月8日)。抗アンドロゲン使用のさらなるサポートは、抗アンドロゲンフルタミドが脊髄球筋萎縮の3つのモデルにおいてアンドロゲン依存性毒性からオスのマウスを保護する報告にある(Renier KJ、Troxell−Smith SM、Johansen JA、Katsuno M、Adachi H、Sobue G、Chua JP、Sun Kim H、Lieberman AP、Breedlove SM、Jordan CL.内分泌学 2014、155(7)、2624〜2634)。これらのステップは、病因のために必要であり、トランス活性化機能の部分的喪失(すなわち、アンドロゲン非感受性)とよく理解されていない神経筋変性をもたらす。現在、疾患修飾治療はなく、むしろ症状指向治療のみである。ポリQ ARを、その分解を促進するために、細胞器官を利用することによって、毒性の近位メディエータとして標的化する努力は、治療的介入のための約束を保持する。
【0215】
本明細書に報告されているような選択的アンドロゲン受容体分解剤は、試験されたすべてのアンドロゲン受容体(全長、スプライスバリアント、抗アンドロゲン耐性変異体など)に結合し、トランス活性化を阻害し、分解し、病因がSBMAなどのアンドロゲン依存性である疾患の治療のための有望な手がかりであることを示す。
【0216】
本発明は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物を投与することを含むケネディ病の治療方法を包含する。
【0217】
本明細書で使用されるとおり、用語「アンドロゲン受容体関連状態」または「アンドロゲン感受性疾患または障害」または「アンドロゲン依存性疾患または障害」は、その病因が、アンドロゲン受容体の活性に依存しているか、またはそれによって調節される、状態、疾患または障害である。アンドロゲン受容体は、体の大部分の組織で発現されるが、とりわけ前立腺および皮膚において過剰発現される。ADTは長年にわたる前立腺癌治療の主流であり、SARDは様々な前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺肥大および前立腺の他の病気の治療にも有用である可能性がある。
【0218】
本発明は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の少なくとも1つの化合物を投与することを含む良性前立腺肥大の治療方法を包含する。
【0219】
本発明は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の少なくとも1つの化合物を投与することを含む前立腺肥大の治療方法を包含する。
【0220】
本発明は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物を投与することを含む過剰増殖前立腺障害および疾患の治療方法を包含する。
【0221】
皮膚に対するARの効果は、十代の若者および初期の成人に共通する皮膚科学的問題に関する性の二型性および思春期のにおいて明らかである。思春期の高アンドロゲン症は、毛の成長、皮脂産生を刺激し、十代の男性が、ざ瘡、尋常性ざ瘡、脂漏症、皮脂過多、化膿性汗腺炎、男性型多毛症、多毛症、超多毛症、アンドロゲン脱毛症、男性型禿頭症、およびその他の皮膚病にかかりやすくする。抗アンドロゲンは理論的には、論じられている高アンドロゲン性の皮膚科学的疾患を予防すべきであるが、毒性、性的副作用、および局所的に適用した場合の有効性の欠如によって制限される。本発明のSARDは、リガンド依存性およびリガンド非依存性のAR活性化を強力に阻害し、(場合によっては)血清中の生物学的半減期が短いことから、本発明の局所処方SARDがざ瘡、脂漏性皮膚炎、および/または男性型多毛症の領域に、全身性副作用のリスクなしに適用できることが示唆される。
【0222】
本発明は、ざ瘡、尋常性ざ瘡、脂漏症、脂漏性皮膚炎、化膿性汗腺炎、男性型多毛症、多毛症、超多毛症、または脱毛症を治療する方法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または化合物1001〜1049のいずれかの治療有効量を投与することを含む。
【0223】
本明細書に記載の化合物および/または組成物は、脱毛、脱毛症、アンドロゲン脱毛症、円形脱毛症、化学療法に続発する脱毛症、放射線療法に続発する脱毛症、瘢痕によって誘発される脱毛症、またはストレスによって誘発される脱毛症を治療するために使用することができる。一般に、「脱毛」または「脱毛症」は、非常に一般的なタイプの男性型禿頭症のような禿頭症を指す。禿頭症は、典型的には、頭皮のパッチ脱毛から始まり、時には完全な禿頭症、さらには体毛の喪失にまで進行する。脱毛は、男性と女性の両方に影響する。
【0224】
本発明は、アンドロゲン脱毛症を治療する方法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または化合物1001〜1049のいずれかの治療有効量を投与することを含む。
【0225】
本発明のSARDは、思春期早発症、早期思春期、月経困難症、無月経、多胞性子宮症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、異常子宮出血、早発月経、線維嚢胞性乳腺疾患、子宮類線維腫、卵巣嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症、妊娠子癇、早期陣痛、月経前症候群、および/または膣乾燥症などの高アンドロゲン性病因を有することができる女性におけるホルモン状態の治療にも有用である。
【0226】
本発明は、思春期早発症または早期思春期、月経困難症または無月経、多胞性子宮症候群、子宮内膜症、子宮筋腫、異常子宮出血、高アンドロゲン性疾患(多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など)、線維嚢胞性乳腺症、子宮類線維腫、卵巣嚢腫、多嚢胞性卵巣症候群、子癇前症、妊娠子癇、早産、月経前症候群、または膣乾燥症の治療法を包含し、式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または化合物1001〜1049のいずれかの治療有効量を投与することを含む。
【0227】
本発明のSARDはまた、性的倒錯、性欲過剰、性嗜好異常、アンドロゲン精神病、男性化、アンドロゲン不応症(AIS)(完全AIS(CAIS)および部分的AIS(PAIS)など)ならびに動物における排卵改善の治療においても有用性を見出すことができる。
【0228】
本発明は、性的倒錯、性欲過剰、性嗜好異常、アンドロゲン精神病、男性化アンドロゲン、不応症を治療する方法、排卵増加または調節または改善する方法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または化合物1001〜1049のいずれかの治療有効量を投与することを含む。
【0229】
本発明のSARDは、前立腺癌、乳癌、精巣癌、卵巣癌、肝細胞癌、泌尿生殖器癌などのホルモン依存性癌の治療にも有用であり得る。別の実施形態では、乳癌はトリプルネガティブ乳癌である。さらに、局所または全身性のSARD投与は、前立腺上皮内新形成(PIN)および非定型小腺細胞増殖(ASAP)などのホルモン依存性癌の前駆体の治療に有用であり得る。
【0230】
本発明は、乳癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、泌尿生殖器癌、前立腺癌の前駆体、またはAR関連またはAR発現固体腫瘍を治療する方法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物を投与することを含む。前立腺癌の前駆体は、前立腺上皮内新形成(PIN)または非定型小腺細胞増殖(ASAP)であり得る。腫瘍は、肝細胞癌(HCC)または膀胱癌であり得る。血清テストステロンは、HCCの発症と正の関連がある。疫学的、実験的観察、特に男性が女性よりも膀胱癌のリスクが相当高いという事実に基づいて、アンドロゲンおよび/またはARは膀胱癌の発生にも役割を果たす可能性がある。
【0231】
エンザルタミド、ビカルタミド、フルタミドなどの従来の抗アンドロゲン剤や、ロイプロリドなどのアンドロゲン遮断療法(ADT)は、前立腺癌で使用が承認されているが、抗アンドロゲン剤は様々な他のホルモン依存性やホルモン非依存性にも使用できるという重要なエビデンスがある。例えば、抗アンドロゲンは、乳癌(エンザルタミド、乳癌Res(2014)16(1):R7)、非小細胞肺癌(shRNAi AR)、腎細胞癌(ASC−J9)、生殖腺腫瘍および精上皮腫などの部分アンドロゲン非感受性関連悪性腫瘍、進行膵臓癌(World J Gastroenterology 20(29):9229)、卵巣、卵管または腹膜の癌、唾液腺癌(頭頸部(2016)38:724〜731;ADTはARを発現する再発性/転移性の唾液腺癌で試験され、無増悪生存期間および全生存期間エンドポイントで有益であることが確認された)、膀胱癌(Oncotarget 6(30):29860〜29876)、Int J Endocrinol(2015)、Article ID 384860)、膵臓癌、リンパ腫(マントル細胞を含む)、および肝細胞癌での試験が成功した。これらの癌でSARDなどのより強力な抗アンドロゲンを使用すると、これらの癌および他の癌の進行を治療することができる。他の癌、例えば精巣癌、子宮癌、卵巣癌、泌尿生殖器癌、乳癌、脳癌、皮膚癌、リンパ腫、肝臓癌、腎臓癌、骨肉腫、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、肛門周囲腺腫、または中枢神経系癌などでも、SARD治療は有用であり得る。
【0232】
本発明のSARDは、乳房、脳、皮膚、卵巣、膀胱、リンパ腫、肝臓、腎臓、膵臓、子宮内膜、肺(例えば、NSCLC)、結腸、肛門周囲腺腫、骨肉腫、CNS、メラノーマ、悪性腫瘍および転移性骨疾患の高カルシウム血症などのARを含む他の癌の治療にも有用であり得る。
【0233】
従って、本発明は、悪性腫瘍、転移性骨疾患、脳癌、皮膚癌、膀胱癌、リンパ腫、肝臓癌、腎臓癌、骨肉腫、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌、中枢神経系癌、胃癌、結腸癌、メラノーマ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および/または子宮筋腫の高カルシウム血症の治療法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、もしくはVIIBの化合物、または化合物1001〜1049のいずれかの治療有効量を投与することを含む。肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)であり得る。
【0234】
本発明のSARDはまた、非ホルモン依存性癌の治療に有用であり得る。非ホルモン依存性の癌には、肝臓、唾液管などが含まれる。
【0235】
別の実施形態では、本発明のSARDは、胃癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、唾液管癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、膀胱癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、食道癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、膵臓癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、結腸癌の治療に使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、非小細胞肺癌を治療するために使用される。別の実施形態では、本発明のSARDは、腎細胞癌を治療するために使用される。
【0236】
ARは、肝細胞癌(HCC)における癌の発生に役割を果たす。したがって、ARを標的とすることは、早期HCC患者のための適切な治療であり得る。後期段階のHCC疾患では、アンドロゲンによって転移が抑制されるというエビデンスがある。別の実施形態では、本発明のSARDは、肝細胞癌(HCC)を治療するために使用される。
【0237】
Locatiら。Head&Neck、2016、724〜731は、ARを発現する再発性/転移性唾液腺癌におけるアンドロゲン遮断療法(ADT)の使用を実証し、ADTによる改善された無増悪生存期間および全生存期間のエンドポイントを確認した。別の実施形態では、本発明のSARDは、唾液腺癌の治療に使用される。
【0238】
Kawaharaら。Oncotarget、2015、Vol 6(30)、29860〜29876は、AR不活性化と共にELK1阻害が膀胱癌の治療アプローチの可能性を有することを実証した。McBethら。Int J Endocrinology、2015、Vol 2015、Article ID 384860は、抗アンドロゲン療法+グルココルチコイドの組み合わせを、膀胱癌が炎症病因を有すると考えられるので、この癌の治療として示唆した。別の実施形態では、本発明のSARDは、任意にグルココルチコイドと組み合わせて、膀胱癌を治療するために使用される。
腹部大動脈瘤(AAA)
【0239】
腹部大動脈瘤(AAA)は、体に血液を供給する主要な血管である大動脈の下部にある拡大した領域である。大動脈は、およそ庭のホースの厚みがあり、心臓から胸と腹部の中心を通って流れる。大動脈は体の主要な血液供給源であるため、破裂した腹部大動脈瘤は生命を脅かす出血を引き起こす可能性がある。腹部大動脈瘤が成長する大きさと速度に応じて、慎重な経過観察から救急手術まで、治療は異なる場合がある。腹部大動脈瘤が見つかると、医師はそれを注意深く監視し、手術が必要な場合に計画できるようにする。破裂した腹部大動脈瘤に対する緊急手術は危険であり得る。AR遮断(薬理学的または遺伝学的)はAAAを減少させる。Davisら(Davis JP、Salmon M、Pope NH、Lu G、Su G、Meher A、Ailawadi G、Upchurch GR Jr.J Vasc Surg(2016)63(6):1602〜1612)は、フルタミド(50mg/kg)またはケトコナゾール(150mg/kg)が、賦形剤(121%)と比較して、ブタ膵臓エラスターゼ(0.35U/mL)によって誘発されるAAAを84.2%および91.5%弱毒化することを示した。さらにAR−/−マウスは、野生型(どちらもエラスターゼで処置)と比較して弱毒化されたAAA増殖(64.4%)を示した。それに対応して、AAAに罹患している患者にSARDを投与することは、AAAの進行を、手術が必要とされるポイントに戻す、治療する、または遅らせるのを助けることができる。
傷の治療
【0240】
創傷および/または潰瘍は、通常、皮膚または粘膜表面から突出しているか、または器官の梗塞の結果として見られる。創傷は、軟部組織欠損または損傷または基礎疾患の結果であり得る。用語「創傷」は、組織構造、痛み、損傷、壊死および/または潰瘍の正常な完全性の破壊を伴う身体的損傷を意味する。「痛み」という用語は、皮膚または粘膜の任意の損傷を指し、「潰瘍」という用語は、壊死組織の脱落によって産生される、器官または組織表面の局所的な欠損または陥凹を指す。「損傷」は、一般に、任意の組織欠損を含む。「壊死」は、感染、外傷、炎症または梗塞の結果として生じる死んだ組織を指す。これらの全ては、治癒が開始される前の段階または外科的切開のような特定の創傷が行われる前の段階(予防的処置)を含む、治癒過程における任意の特定の段階における任意の創傷を意味する「創傷」という用語によって包含される。
【0241】
本発明に従って治療することができる創傷の例は、無菌性創傷、挫傷傷、切開創傷、裂傷創傷、非浸透性創傷(すなわち、皮膚の崩壊がないが、下層構造に対する損傷がある創傷)、傷口、穿孔創傷、穿孔創、穿刺創、膿創、皮下創傷などが挙げられる。痛みの例としては、床ずれ、口内炎、クロム傷、単純疱疹、褥瘡などが挙げられるが、これらに限定されない。潰瘍の例としては、消化性潰瘍、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、痛風潰瘍、糖尿病性潰瘍、高血圧性虚血性潰瘍、うっ血性潰瘍、下腿潰瘍(静脈潰瘍)、舌下性潰瘍、粘膜下潰瘍、症候性潰瘍、栄養障害性潰瘍、熱帯潰瘍、一般的(veneral)潰瘍、例えば、淋病によって引き起こされる(尿道炎、子宮頸管内膜炎および直腸炎を含む)などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って治療に成功することのできる創傷または痛みに関する状態は、火傷、炭疽病、破傷風、ガス壊疽、スカラチナ、丹毒、真菌症、毛嚢炎、伝染性膿痂疹、水疱性膿痂疹などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「創傷」と「潰瘍」または「創傷」と「痛み」との間に重複があり、さらにこれらの用語はしばしばランダムに使用されることが理解される。
【0242】
本発明に従って治療されるべき創傷の種類には、i)例えば、外科手術、外傷、感染、虚血、熱的、化学的および水疱性創傷などの一般的創傷、ii)例えば、抜歯後の創傷、嚢胞および膿瘍の治療に特に関連する歯内創傷、細菌性、ウイルス性または自己免疫性起源の潰瘍および損傷、器質的、化学的、熱的、感染性および苔癬状の傷、ヘルペス潰瘍、アフタ性口内炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎および口腔灼熱症候群が具体例である口腔に特異的な創傷、およびiii)例えば、新生物、火傷(例えば化学的、熱的)、損傷(細菌、ウイルス、自己免疫)、咬傷および外科的切開などの皮膚の傷が挙げられる。創傷を分類する別の方法は、i)軽い組織喪失(外科的切開、軽い擦傷、および軽い咬傷による)またはii)重篤な組織喪失などの組織の喪失によるものである。後者のグループには、虚血性潰瘍、褥瘡、瘻孔、裂傷、重度の咬傷、熱傷およびドナー部位創傷(軟組織および硬組織)、ならびに梗塞が含まれる。他の創傷には、虚血性潰瘍、褥瘡、瘻孔、重度の咬傷、熱傷、またはドナー部位創傷が含まれる。
【0243】
虚血性潰瘍および褥瘡は、通常は非常に緩慢にしか治らない傷であり、特にそのような場合には、改善されたより迅速な治癒が患者にとって非常に重要である。さらに、そのような創傷を患っている患者の治療に伴う費用は、治癒が改善され、より迅速に行われるときに著しく減少する。
【0244】
ドナー部位創傷は、例えば移植に関連して、例えば身体の一部から身体の別の部分への硬組織の除去に関連して生じる創傷である。そのような手術から生じる創傷は非常に痛みを伴い、したがって改善された治癒はそれ故に最も価値がある。
【0245】
ある場合には、治療すべき創傷は、無菌創傷、梗塞、挫傷創傷、切開創傷、穿孔創傷、非貫通創傷、開放創傷、穿通創傷、穿孔創傷、穿刺創傷、敗血症創傷、および皮下創傷からなる群から選択される。
【0246】
本発明は、創傷を患っている対象の治療法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0247】
本発明は、火傷を患っている対象の治療法を包含し、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの治療有効量の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0248】
用語「皮膚」は、非常に広い意味で、皮膚の表皮層を包含し、皮膚表面が多かれ少なかれ損傷を受ける場合には、皮膚の真皮層も包含する。角質層とは別に、皮膚の表皮層は外側(上皮)層であり、皮膚のより深い結合組織層は真皮と呼ばれる。
【0249】
皮膚は身体の最も露出した部分であるので、例えば、破裂、切り傷、擦り傷、火傷や凍傷または損傷などの様々な疾患から生じる、様々な種類の損傷に特に敏感である。さらに、皮膚の多くは事故の際にしばしば破壊される。しかし、皮膚の重要なバリアおよび生理学的機能のために、皮膚の完全性は個人の健康にとって重要であり、いかなる破損または破裂も、その継続的な存在を保護するために身体によって守られなければならない脅威を表す。
【0250】
皮膚の損傷とは別に、損傷はあらゆる種類の組織(すなわち、軟組織および硬組織)にも存在し得る。粘膜および/または皮膚を含む軟組織の損傷は、本発明に関して特に関連性がある。
【0251】
皮膚または粘膜上の創傷の治癒は、皮膚または粘膜の修復または再生のいずれかをもたらす一連の段階を経る。近年、再生と修復は、起こり得る2つのタイプの治癒として区別されている。再生は、失われた組織の構造と機能が完全に更新される生物学的プロセスと定義することができる。一方、修復は、破壊された組織の連続性が、失われた組織の構造および機能を再現しない新しい組織によって回復される生物学的プロセスである。
【0252】
創傷の大半は修復によって治癒し、形成される新しい組織は元の組織(瘢痕組織)とは構造的および化学的には異なる。組織修復の初期段階では、ほとんど常に関与する1つのプロセスは、組織損傷の領域に一時的な結合組織を形成することである。このプロセスは、線維芽細胞による新しい細胞外コラーゲンマトリックスの形成によって開始される。この新しい細胞外コラーゲンマトリックスは、最終治癒プロセス中の結合組織の支持体である。最終治癒は、ほとんどの組織において、結合組織を含む瘢痕形成である。例えば皮膚および骨のような再生特性を有する組織では、最終治癒には元の組織の再生が含まれる。この再生組織はまた、例えば治癒した骨折の肥厚化など、いくつかの瘢痕特徴もしばしば有する。
【0253】
通常の状況下では、身体は、皮膚バリアまたは粘膜の完全性を回復するために、損傷した皮膚または粘膜を治癒するためのメカニズムを提供する。軽度の破裂または創傷の修復プロセスには、数時間から数日、数週間の期間がかかる場合がある。しかし、潰瘍形成において、治癒は非常に遅くなり得、創傷は長期間、すなわち数ヶ月または数年も持続する可能性がある。
【0254】
火傷はテストステロンレベルの低下に関連し、性腺機能低下は創傷治癒の遅延に関連する。本発明は、本発明による少なくとも1つのSARD化合物を投与することにより、創傷または火傷を患う対象を治療するための方法を包含する。SARDは、火傷や創傷の解消を促進したり、火傷や創傷の治癒過程に参加したり、または火傷や創傷の二次合併症を治療することができる。
【0255】
火傷または創傷の治療は、創傷治癒を促進する、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子−α(TGF−α)、血小板由来成長因子(PDGF)、酸性線維芽細胞成長因子(α−FGF)および塩基性線維芽細胞増殖因子(β−FGF)を含む線維芽細胞成長因子(FGF)、トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)、ならびにインスリン様成長因子(IGF−1およびIGF−2)、またはこれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1つの成長因子をさらに使用してもよい。
【0256】
創傷治癒は、創傷引張強度、ヒドロキシプロリンまたはコラーゲン含有量、プロコラーゲン発現、または再上皮化を含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の多くの手順によって測定することができる。一例として、本明細書に記載のSARDは、約0.1〜100mg/日の投薬量で経口的にまたは局所的に投与することができる。治療有効性は、SARD化合物の非存在下と比較して、創傷治癒を増強する有効性として測定される。増強された創傷治癒は、治癒時間の減少、コラーゲン密度の増加、ヒドロキシプロリンの増加、合併症の減少、引張強さの増加、および瘢痕組織の細胞性の増加などの既知の技術によって測定することができる。
【0257】
用語「病因を減少させる」は、特定の疾患、障害または状態に関連する組織損傷または器官損傷を低減することを包含するものと理解されるべきである。この用語は、問題となっている関連する疾患、障害または状態の発症または重篤度を減少させること、または指示された関連する疾患、障害または状態、またはそれに関連する症状の数を減少させることを含み得る。
医薬組成物
【0258】
本発明の化合物は、医薬組成物に使用することができる。本明細書で使用されるとおり、「医薬組成物」は、薬学的に許容される担体または希釈剤を伴う活性成分の化合物または薬学的に許容される塩のいずれかを意味する。本明細書で使用される「治療有効量」は、所与の適応症および投与レジメンに対して治療効果を提供する量を指す。
【0259】
本明細書で使用されるとおり、用語「投与する」は、対象を本発明の化合物と接触させることを指す。本明細書中で使用されるとおり、投与は、インビトロ、すなわち試験管中で、またはインビボ、すなわち例えばヒトなどの生物の細胞または組織内で達成することができる。対象は、男性または女性の対象またはその両方であり得る。
【0260】
本発明の化合物の投与に適した様々な組成物または製剤を調製するための手順を記載する多数の標準的な参考文献が利用可能である。製剤および調製物を製造する方法の例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、American Pharmaceutical Association(現行版)、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Lieberman、Lachman and Schwartz編集)現行版、Marcel Dekker、Inc.刊、ならびにRemington’s Pharmaceutical Sciences(Arthur Osol編集)、1553〜1593(現行版)に見ることができる。
【0261】
投与様式および投与形態は、所与の治療適用に望ましいおよび有効な化合物または組成物の治療量に密接に関連している。
【0262】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の任意の方法によって対象に投与することができる。これらの方法には、経口、非経口、血管内、癌近傍(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋肉内、鼻腔内、静脈内、皮内、皮下、舌下、腹腔内、脳室内、頭蓋内、膣内に、吸入による、直腸内、または腫瘍内が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、組成物が組織(例えば、針またはカテーテル)に送達され得る任意の手段を含む。または、皮膚、眼、または粘膜表面への塗布のために局所投与が望ましい場合がある。別の投与方法は、吸引またはエアロゾル処方によるものである。医薬組成物は、体表面に局所投与することができ、したがって、局所投与に適した形態で製剤化することができる。適切な局所製剤には、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、滴剤などが含まれる。局所投与のために、組成物は調製され、薬学的担体の有無にかかわらず、生理学的に許容される希釈剤中の溶液、懸濁液または乳液として塗布される。
【0263】
適切な投与形態には、経口、直腸、舌下、粘膜、鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、サブアラキノイド(sub−arachinoid)、気管支、リンパ性および子宮内投与、ならびに活性成分の全身送達のための他の剤形が挙げられるが、これらに限定されない。適応症に応じて、経口または局所投与に適した製剤が好ましい。
【0264】
局所投与 :式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物を局所投与することができる。本明細書中で使用されるとおり、「局所投与」とは、式I〜VII、IA〜ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物(および任意の担体)を皮膚および/または毛に直接投与することを含む。局所組成物は、溶液、ローション、膏薬、クリーム、軟膏、リポソーム、スプレー、ゲル、フォーム、ローラースティック、および皮膚科学において日常的に使用される他の製剤の形態であり得る。
【0265】
局所投与は、男性型多毛症、脱毛症、ざ瘡、過剰な皮脂など、皮膚に見られる適応症に使用される。用量は変化するが、一般的な指針として、化合物は約0.01〜50w/w%、より典型的には約0.1〜10w/w%の量で皮膚科学的に許容される担体中に存在するであろう。通常、皮膚科用製剤は、1日1回〜4回まで患部に塗布される。「皮膚科学的に許容される」とは、皮膚または毛に塗布され、薬物が作用部位に拡散することを可能にする担体を指す。より具体的には、「作用部位」は、アンドロゲン受容体の阻害またはアンドロゲン受容体の分解が望まれる部位を指す。
【0266】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、脱毛症、特にアンドロゲン脱毛症を軽減するために局所的に使用することができる。アンドロゲンは、毛の成長および脱毛の両方に重大な影響を及ぼす。顎髭および陰部の皮膚などのほとんどの身体部位において、アンドロゲンは毛周期(成長期)の成長段階を延長し、毛胞サイズを増大させることによって育毛を刺激する。頭皮の毛の成長はアンドロゲンを必要としないが、逆説的に言えば、発生の期間および毛包サイズに進行性の低下がある、遺伝的素因がある個体(アンドロゲン脱毛症)における頭皮の脱毛にはアンドロゲンは必要である。アンドロゲン脱毛症は、男性に見られるパターン化を示すのではなく、通常はびまん性脱毛症として現れる女性にも一般的である。
【0267】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、アンドロゲン脱毛症を緩和するために最も一般的に使用されるが、化合物はあらゆるタイプの脱毛症を緩和するために使用され得る。非アンドロゲン脱毛症の例には、円形脱毛症、放射線療法または化学療法による脱毛症、瘢痕性脱毛症またはストレス関連脱毛症が含まれるが、これらに限定されない。
【0268】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、禿頭症を予防または治療するために、頭皮および毛に局所的に塗布することができる。さらに、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、頭皮上の毛の成長または再成長を誘導または促進するために、局所的に塗布することができる。
【0269】
本発明はまた、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物を、そのような毛の成長が望まれていない領域において毛の成長を治療または予防するために局所的に投与することも包含する。そのような使用の1つは、男性型多毛症を軽減することである。男性型多毛症は、典型的には毛を有さない領域(例えば、女性の顔)における過度の毛の成長である。このような不適切な毛の成長は、女性において最も一般的に発生し、閉経時に頻繁に見られる。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物の局所投与は、この状態を緩和し、この不適切な、または望ましくない毛の成長の減少または排除を導くであろう。
【0270】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物はまた、皮脂産生を減少させるために局所的に使用することもできる。皮脂は、トリグリセリド、ワックスエステル、脂肪酸、ステロールエステルおよびスクアレンからなる。皮脂は、皮脂腺の腺房細胞で産生され、これらの細胞が老化するにつれて蓄積する。成熟時に、腺房細胞は溶解し、皮脂を管腔に放出し、皮膚の表面に沈着させることができる。
【0271】
いくつかの個体では、過剰量の皮脂が皮膚に分泌される。これは多くの悪影響を及ぼしかねない。皮脂はざ瘡の原因物質である、プロピオンバクテリウムアクネス(Propionbacterium acnes)の主要な食物源であるため、ざ瘡を悪化させる可能性がある。それは、皮膚に脂ぎった外観を持たせ、典型的には美容的に魅力的でないと考えられる。
【0272】
皮脂の形成は、成長因子およびアンドロゲンを含む様々なホルモンによって調節される。アンドロゲンが皮脂腺に影響を及ぼす細胞および分子機構は完全には解明されていない。しかし、臨床経験は、アンドロゲンが皮脂産生に及ぼす影響について文書化している。アンドロゲンレベルが最も高い、思春期の間に皮脂産生が有意に増加する。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、皮脂の分泌を阻害し、したがって皮膚の表面上の皮脂の量を減少させる。式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、ざ瘡または脂漏性皮膚炎などの様々な皮膚疾患を治療するために使用することができる。
【0273】
過剰な皮脂産生に関連する疾患を治療することに加えて、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物は、美容効果を達成するために使用することができる。一部の消費者は、過剰な皮脂腺に悩まされていると考えている。彼らは、肌が油っぽく魅力的ではないと感じている。こういった人々は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物を使用して、皮膚上の皮脂量を減少させることができる。皮脂の分泌を減少させることは、そのような状態に悩んでいる人々の油性皮膚を緩和する。
【0274】
これらの局所適応症を治療するために、本発明は、式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB VIIA、またはVIIB の化合物の少なくとも1つを含む、化粧品または医薬組成物(皮膚科学的組成物など)を包含する。このような皮膚科学的組成物は、皮膚科学的に許容される担体との混合物中に0.001%〜10%w/w%の化合物、より典型的には0.1〜5w/w %の化合物を含有する。このような組成物は、典型的には1日に1回〜4回塗布される。読者の関心は、そのような製剤を調製する方法の議論について、Remington’s Pharmaceutical Science、第17版、Mark Publishing Co.、Easton、PAに向けられている。
【0275】
本発明の組成物はまた、クレンジング石けんまたはバーのような固形製剤を含み得る。これらの組成物は、当該分野で公知の方法に従って調製される。
【0276】
水性、アルコール性または水性アルコール性溶液、またはクリーム、ゲル、乳液もしくはムースのような製剤、または噴射剤を含むエアロゾル組成物は、毛が存在する場合に生じる適応症を治療するために使用され得る。したがって、組成物はヘアケア組成物であってもよい。そのようなヘアケア組成物には、シャンプー、ヘアセットローション、トリートメントローション、スタイリングクリームまたはゲル、染料組成物、または脱毛を予防するためのローションまたはゲルが含まれるが、これらに限定されない。皮膚科学的組成物中の種々の成分の量は、考慮される分野において慣用的に使用されるものである。
【0277】
式I〜VII、IA、IB、IC、ID、IIA、IIB、VIIA、またはVIIBの化合物を含有する医薬品および化粧品は、通常、小売り用にパッケージングされる(すなわち、製造品)。そのような物品は、製品をどのように使用するかを患者に指示する方法でラベル付けされ包装される。このような指示には、治療すべき状態、治療期間、投与スケジュールなどが含まれる。
【0278】
フィナステリドまたはフルタミドなどの抗アンドロゲン剤は、アンドロゲンレベルを低下させるか、またはある程度皮膚のアンドロゲン作用をブロックするが、望ましくない全身的影響を被ることが示されている。別のアプローチは、選択的アンドロゲン受容体分解剤(SARD)化合物を患部に局所適用することである。このようなSARD化合物は、AR活性の強力であるが局所的な阻害、およびARの局所分解を示し、対象の全身循環に浸透せず、または血液中に侵入すると迅速に代謝され、全身暴露を制限する。
【0279】
このような医薬剤形を調製するために、活性成分を、従来の医薬配合技術に従って医薬担体と混合してもよい。担体は、投与に望ましい製剤の形態に応じて多種多様な形態を取ることができる。
【0280】
本明細書で使用されるとおり、「薬学的に許容される担体または希釈剤」は、当業者に周知である。担体または希釈剤は、固体製剤のための固体担体または希釈剤、液体製剤のための液体担体または希釈剤、またはそれらの混合物であり得る。
【0281】
固体担体/希釈剤には、ガム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、前澱粉デンプン)、糖(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース系物質(例えば、微結晶セルロース)、アクリレート(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0282】
経口および非経口投与:経口剤形で組成物を調製する際には、通常の医薬媒体のいずれかを使用することができる。したがって、懸濁液、エリキシル剤および溶液のような液体経口製剤では、適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤などが含まれる。散剤、カプセル剤および錠剤のような固体経口製剤の場合、適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与が容易であるため、錠剤およびカプセル剤は、最も有利な経口投与単位形態を表す。所望であれば、錠剤は、標準的な技術によって糖衣または腸溶コーティングしてもよい。
【0283】
非経口製剤の場合、担体は通常、滅菌水を含むが、溶解性または保存性を補助する成分などの他の成分が含まれていてもよい。注射可能な溶液もまた調製することができ、その場合、適切な安定化剤を使用することができる。
【0284】
いくつかの用途では、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、および多糖類から選択されるもののような適切な生体分子上で、活性剤をリポソームまたは他の封入剤媒体中にカプセル化することによって、または例えば共有結合、キレート化、もしくは会合配位による活性剤の固定によって、「ベクター化」形態で活性剤を使用することは有利であり得る。
【0285】
経口投与に適した製剤を使用する治療方法は、カプセル、カシェ剤、錠剤またはロゼンジのような別個の単位として提供することができ、各々所定量の活性成分を含有する。必要に応じて、シロップ、エリキシル、乳液、ドラフトなどの水性液または非水性液体の懸濁液を使用することができる。
【0286】
錠剤は、必要に応じて1種以上の補助成分と共に、圧縮または成形、または湿式造粒によって製造することができる。圧縮錠剤は、活性化合物が、例えば、結合剤、崩壊剤、滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤、または排出剤などと任意に混合された粉末または顆粒などの自由流動性形態で、適切な機械で圧縮することによって調製されてもよい。粉末活性化合物と適切な担体との混合物からなる成形錠剤は、適切な機械で成形することによって製造することができる。
【0287】
シロップは、例えばスクロースのような糖の濃縮水溶液に活性化合物を添加することにより製造することができ、これに任意の補助成分を添加することもできる。そのような補助成分は、香味料、適切な保存剤、糖の結晶化を遅らせる薬剤、およびポリヒドロキシアルコール、例えばグリセロールまたはソルビトールのような他の成分の溶解性を高める薬剤を含み得る。
【0288】
非経口投与に適した製剤は、好ましくはレシピエントの血液と等張である活性化合物の滅菌水性調製物(例えば、生理食塩水)を含むことができる。そのような製剤は、化合物を血液成分または1つ以上の器官を標的化するように設計された、懸濁剤および増粘剤、ならびにリポソームまたは他の微粒子系を含み得る。製剤は、単位用量または複数用量の形態で提供され得る。
【0289】
非経口投与は、全身送達の任意の適切な形態を含み得る。投与は、例えば、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、筋肉内、腹腔内(例えば、腹腔内)などであり得、所望の投与様式に適切な注入ポンプ(外部または移植可能)または他の適した手段によって達成され得る。
【0290】
経鼻および他の粘膜スプレー製剤(例えば、吸入可能な形態)は、保存剤および等張剤を含む活性化合物の精製水溶液を含むことができる。そのような製剤は、好ましくは、鼻または他の粘膜と適合するpHおよび等張性状態に調整される。または、それらは、ガス担体中に懸濁された微細に分割された固体粉末の形態であってもよい。そのような製剤は、任意の適切な手段または方法、例えばネブライザー、アトマイザー、定量吸入器などによって送達することができる。
【0291】
直腸投与のための製剤は、カカオバター、水素化脂肪、または水素化脂肪カルボン酸などの適切な担体を含む坐薬として提供され得る。
【0292】
経皮製剤は、セルロース媒質、例えば、メチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのチキソトロピーまたはゼラチン状担体中に活性剤を組み込み、次に得られた製剤を着用者の皮膚と接触するように固定された経皮デバイスに充填することによって調製することができる。
【0293】
上記の成分に加えて、本発明の製剤は、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、防腐剤(酸化防止剤を含む)などから選択される1種以上の成分をさらに含み得る。
【0294】
製剤は、即時放出、持続放出、遅延開始放出または当業者に公知の任意の他の放出プロファイルのものであってもよい。
【0295】
哺乳動物、特にヒトへの投与のためには、医師が実際の投与量および治療期間を決定することが期待され、これは個体に最も適しており、年齢、体重、遺伝学および/または特定の固体の応答によって変化し得る。
【0296】
本発明の方法は、治療有効量での化合物の投与を含む。治療的に有効な量には、様々な用量が含まれ得る。
【0297】
一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり1〜3000mgの投与量で投与される。さらなる実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり1〜10mg、1日当たり3〜26mg、1日当たり3〜60mg、1日当たり3〜16mg、1日当たり3〜30mg、1日当たり10〜26mg、1日当たり15〜60mg、50〜100mg、1日当たり50〜200mg、1日当たり100〜250mg、1日当たり125〜300mg、1日当たり20〜50mg、5〜50mg 1日当たり200〜500mg、1日当たり125〜500mg、1日当たり500〜1000mg、1日当たり200〜1000mg、1日当たり1000〜2000mg、1日当たり1000〜3000mg、1日当たり125〜3000mg、1日当たり2000〜3000mg、1日当たり300〜1500mgまたは1日当たり100〜1000mgである。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり25mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり40mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり50mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり67.5mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり75mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり80mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり100mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり125mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり250mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり300mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり500mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり600mg の用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり1000mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり1500mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は、1日当たり2000mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は1日当たり2500mgの用量で投与される。一実施形態では、本発明の化合物は1日当たり3000mgの用量で投与される。
【0298】
この方法は、種々の用量で化合物を投与することを含み得る。例えば、化合物は、3mg、10mg、30mg、40mg、50mg、80mg、100mg、120mg、125mg、200mg、250mg、300mg、450mg、500mg、600mg、900mg、1000mg、1500mg、2000mg、2500mgまたは3000mgの用量で投与することができる。
【0299】
または、化合物を1日当たり0.1mg/kgの用量で投与することができる。化合物は、1日当たり0.2〜30mg/kg、または1日当たり0.2mg/kg、1日当たり0.3mg/kg、1日当たり1mg/kg、1日当たり3mg/kg、1日当たり5mg/kg、1日当たり10mg/kg、1日当たり20mg/kg、1日当たり30mg/kg、1日当たり50mg/kg、または1日当たり100mg/kgの用量で投与することができる。
【0300】
医薬組成物は、固体剤形、溶液または経皮パッチであってもよい。固体投与形態としては、錠剤およびカプセルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0301】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に説明するために提示される。しかし、それらは決して本発明の広い範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0302】
実施例1
SARDの合成
中間体9〜10の合成
【化34】
スキーム1中間体9〜10の合成

(2R)−1−メタクリロイルピロリジン−2−カルボン酸(2)
D−プロリン(1、14.93g、0.13mol)を71mLの2N NaOHに溶解し、氷浴中で冷却した。得られたアルカリ溶液をアセトン(71mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56g、0.13mol)および2N NaOH溶液(71mL)のアセトン溶液(71mL)を氷浴中でD−プロリン水溶液に40分間かけて同時に添加した。塩化メタクリロイルの添加中、混合物の温度を10〜11℃に保った。撹拌(3時間(h)、室温(RT))後、混合物を35〜45℃の温度で、真空中で蒸発させてアセトンを除去した。得られた溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃縮したHClでpH2に酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和させ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥させ、Celite(登録商標)で濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を無色油状物として得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶により、所望の化合物を無色結晶として16.2g(68%)得た:融点102.1〜103.4℃(文献値融点102.5〜103.5℃)。この化合物のNMRスペクトルは、表題化合物の2つの回転異性体の存在を実証した。
【0303】
H NMR(300MHz、DMSO−d)第1の回転異性体についてδ5.28(s)および5.15(s)、第2の回転異性体について5.15(s)および5.03(s)(両方の回転異性体について完全2H、ビニルCH)、第1の回転異性体について4.48〜4.44、第2の回転異性体について4.24〜4.20(m)(両方の回転異性体について完全1H、キラル中心でCH)、3.57〜3.38(m、2H、CH)、2.27〜2.12(1H、CH)、1.97〜1.72(m、6H、CH、CH、Me)、13C NMR(75MHz、DMSO−d)主回転異性体についてδ173.3、169.1、140.9、116.4、58.3、48.7、28.9、24.7、19.5:副回転異性体についてδ174.0、170.0、141.6、115.2、60.3、45.9、31.0、22.3、19.7;IR(KBr)3437(OH)、1737(C=O)、1647(CO、COOH)、1584、1508、1459、1369、1348、1178cm−1、[α]26+80.8°(c=1、MeOH);C13NOについての分析計算値:C59.00、H7.15、N7.65。実測値:C59.13、H7.19、N7.61。
(3R,8aR)−3−ブロモメチル−3−メチル−テトラヒドロ−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−1,4−ジオン(3)
【0304】
100mLのDMF中のNBS(23.5g、0.132mol)溶液を、アルゴン下、室温で、70mLのDMF中の(メチル−アクリロイル)−ピロリジン(16.1g、88mmol)の撹拌溶液に滴下し、得られた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、黄色固体を沈殿させた。固体を水中に懸濁させ、室温で一晩撹拌し、濾過し、乾燥させて18.6g(81%)(乾燥したとき、約34%軽い)の表題化合物を黄色固体として得た。融点158.1〜160.3℃。
【0305】
H NMR(300MHz、DMSO−d)δ4.69(dd、J=9.6Hz、J=6.7Hz、1H、CHキラル中心で)、4.02(d、J=11.4Hz、1H、CHH)、3.86(d、J=11.4Hz、1H、CHH)、3.53〜3.24(m、4H、CH)、2.30〜2.20(m、1H、CH)、2.04〜1.72(m、3H、CHおよびCH)、1.56(s、2H、Me);13C NMR(75MHz、DMSO−d)δ167.3、163.1、83.9、57.2、45.4、37.8、29.0、22.9、21.6;IR(KBr)3474、1745(C=O)、1687(C=O)、1448、1377、1360、1308、1227、1159、1062cm−1;[α]26+124.5°(c=1.3、クロロホルム);C12BrNOについての分析計算値:C41.24、H4.61、N5.34。実測値:C41.46、H4.64、N5.32.
(2R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(4)
【0306】
300mLの24%HBr中のブロモラクトン(18.5g、71mmol)の混合物を還流下で1時間加熱した。得られた溶液をブライン(200mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×4)で抽出した。合わせた抽出物を飽和NaHCO(100mL×4)で洗浄した。水溶液を濃縮されたHClでpH=1に酸性化し、次いでこれを酢酸エチル(100mL×4)で抽出した。合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、Celite(登録商標)で濾過し、真空中で蒸発乾固させた。トルエンからの再結晶化により、10.2g(86%)の所望の化合物が無色結晶として得られた:融点110.3〜113.8°C。
【0307】
H NMR(300MHz、DMSO−d)δ3.63(d、J=10.1Hz、1H、CHH)、3.52(d、J=10.1Hz、1H、CHH)、1.35(s、3H、Me);IR(KBr)3434(OH)、3300〜2500(COOH)、1730(C=O)、1449、1421、1380、1292、1193、1085cm−1;[α]26+10.5°(c=2.6、MeOH);CBrOについての分析計算値:C26.25、H3.86。実測値:C26.28、H3.75。
(2R)−3−ブロモ−N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8)
【0308】
塩化チオニル(46.02g、0.39mol)を、アルゴン雰囲気下で、300mlのTHF中の(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(4、51.13g、0.28mol)の(4℃未満)の冷却溶液に滴下した。得られた混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEtN(39.14g、0.39mol)を添加し、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、5−アミノ−2−シアノベンゾトリフルオライド(cyanobenzotrifluoride)(6、40.0g、0.21mol)、400mLのTHFを添加し、次いで混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去して固体を得、300mLのHOで処理し、EtOAc(2×400mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO溶液(2×300mL)およびブライン(300mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して固体を得、これをCHCl/EtOAc(80:20)を用いてカラムクロマトグラフィーから精製して固体を得た。この固体をCHCl/ヘキサンから再結晶して、55.8g(73.9%)の(2R)−3−ブロモ−N−[4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
H NMR(CDCl/TMS)δ1.66(s、3H、CH)、3.11(s、1H、OH)、3.63(d、J=10.8Hz、1H、CH)、4.05(d、J=10.8Hz、1H、CH)、7.85(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、7.99(dd、J=2.1、8.4Hz、1H、ArH)、8.12(d、J=2.1Hz、1H、ArH)、9.04(bS、1H、NH).MS(ESI)349.0[M−H];融点124〜126℃。
(2R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(7)
【0309】
アルゴン雰囲気下、塩化チオニル(15mL、0.20mol)を、氷水浴中で、300mLのTHF中の(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(4、24.3g、0.133mol)の(4℃未満の)冷却溶液に滴下した。得られた混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEtN(35mL、0.245mol)を添加し、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、100mLのTHF中の4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル溶液(5、15.6g、0.10mol)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して固体を得、300mLのHOで処理し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaHCO溶液(2×150mL)およびブライン(300mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して固体を得、これをCHCl/EtOAc(80:20)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCHCl/ヘキサンから再結晶して、31.8g(73%)の(2R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(7)を淡黄色固体として得た。
H NMR(CDCl、400MHz)δ1.7(s、3H、CH)、3.0(s、1H、OH)、3.7(d、1H、CH)、4.0(d、1H、CH)、7.5(d、1H、ArH)、7.7(d、1H、ArH)、8.0(s、1H、ArH)、8.8(s、1H、NH)。MS:342(M+23)。融点129°C。
(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−2−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(9)
【0310】
3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(7、0.84mmol)の混合物および炭酸カリウム(1.68mmol)を10mLのアセトン中で30分間加熱還流した。TLCによりモニターして出発臭化物7を所望のエポキシド9に完全に変換した後、溶媒を減圧下で蒸発させて黄色がかった残渣を得、これを10mLの無水EtOAcに注いだ。この溶液をCelite(登録商標)パッドで濾過してKCO残渣を除去し、減圧下で濃縮してエポキシド9を淡黄色固体として得た。
【0311】
H NMR(CDCl3、400MHz)δ8.41(bS、NH)、8.02(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、7.91(dd、J=2.0、8.4Hz、1H、ArH)、7.79(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、3.01(s、2H)、1.69(s、3H)。MS(ESI)m/z 235.0[M−H]
5員環化合物
【化35】
【0312】
本発明の5員環化合物は、m=0である以下の一般的な合成経路(方法Aおよび方法B)を用いて生成した。変数XおよびYは、所望の化合物を得るために必要に応じて定義される。
【0313】
方法A:
【化36】
【0314】
THF中のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液の調製:無水5mLのTHF中の新たに蒸留したジイソプロピルアミン(0.14mL、1.2mmol)の撹拌溶液に、n−ブチルリチウム(0.53mL、1.32mmol、ヘキサン中の2.5M溶液)を−78℃でアルゴン雰囲気下で添加した。LDAまたは市販の2.0M LDAの調製溶液を0℃にゆっくりと加温し、10分間撹拌し、再び−78℃に冷却した。LDA溶液に5mLのTHF中の9’(1.0mmol)溶液を20分間かけて滴下した。THF中の化合物7または8を、アルゴン雰囲気下、滴下漏斗を通して−78℃で滴下した。反応混合物を同じ温度で30分間撹拌し、飽和NHClの添加によりクエンチした。溶液を減圧下で濃縮し、過剰のEtOAcに分散させ、NaSOで乾燥させた。溶液を濃縮し、得られた固体をEtOAc/ヘキサンまたはDCM/ヘキサンから再結晶して、設計された化合物10’を得た。母液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して10’の第2の収穫物を得た。
【0315】
方法B:
【化37】
【0316】
オキシラン9および10の合成による工程は、スキーム1の場合と同じである。鉱油中60%分散のNaH(228mg、5.7mmol)を、20mLの無水THF溶媒中に、滴下漏斗を備えた100mLの乾燥した二口丸底フラスコ内に加えた。一般構造12’(2.84mmol)の化合物を、アルゴン雰囲気下、氷水浴中で、溶液に加え、得られた溶液を氷水浴で30分間撹拌した。このフラスコに、エポキシド9または10(THF中2.84mmol)を滴下漏斗を通して、アルゴン雰囲気下で、氷水浴で加え、室温で一晩撹拌した。1mLのHOを加えた後、反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで50mLのEtOAcに分散させ、50mL(×2)の水、ブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、蒸発乾固した。混合物をEtOAc/ヘキサンの溶離剤を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、濃縮した化合物をEtOAc/ヘキサンで再結晶して一般構造13’の生成物を得た。
【0317】
一例として1001の合成手順:
【化38】
(S)−3−(3−シアノ−1H−ピロール−1−イル)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1713)(1001)
【化39】
【0318】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中で1H−ピロール−3−カルボニトリル(0.10g、0.00108mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.090g、0.00217mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8、0.38g、0.00108mol)を上記溶液に添加し、得られた反応混合物をアルゴン下で、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離液として酢酸エチルおよびヘキサン(1:1)を使用するシリカゲルカラムにより精製して、0.26gのピンク色の固体として表題化合物を得た。
【0319】
化合物1001を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.44(s、1H、NH)、8.44(s、1H、ArH)、8.24(d、J=8.8Hz、1H、ArH)、8.10(d、J=8.8Hz、1H、ArH)、7.49(s、1H、ピロール−H)、6.38(t、J=2.0Hz、1H、ピロール−H)、6.41〜6.40(m、2H、OHおよびピロール−H)、4.30(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.14(d、J=14.0Hz、1H、CH)、1.34(s、3H、CH)。(ESI、正):363.1079[M+H]
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1512)(1002)
【化40】
【0320】
アルゴン雰囲気下で氷水浴中で冷却した無水THF(10mL)中の4−フルオロ−ピラゾール(0.10g、0.00116mol)溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.12g、0.00291mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8)(0.41g、0.00116mol)を上記溶液に加え、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離剤として酢酸エチルおよびヘキサン(1:1)を用いるシリカゲルカラムにより精製して、0.13gの表題化合物を白色固体として得た。
【0321】
化合物1002を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.39(s、1H、NH)、8.47(d、J=1.6Hz、1H、ArH)、8.24(dd、J=8.4Hz、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.10(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、7.73(d、J=4.4Hz、1H、ピラゾール−H)、7.41(d、J=4.4Hz、1H、ピラゾール−H)、6.31(s、1H、OH)、4.38(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.21(d、J=14.0Hz、1H、CH)、1.34(s、3H、CH);質量(ESI、正):357.0966[M+H];融点109〜111℃。
【0322】
S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド塩酸塩(C1513ClF)(1002−HCl)
【化41】
【0323】
3mLのメタノール中の(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(0.100g、0.2807mmol)溶液に、塩酸塩(エーテル中の2M HCl、0.15mL、0.2947mol)を添加した。添加後、得られた混合物を室温で1〜2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、乾燥させて、0.11g(99%)の表題化合物を白色泡状物として得た。
【0324】
S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドシュウ酸塩(C1714)(1002−シュウ酸塩)
【化42】
【0325】
2mLのメタノール中の(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(0.050g、0.14034mmol)溶液に、シュウ酸(0.0177g、0.14034mol)を加えた。添加後、得られた混合物を室温で1〜2時間撹拌した。ジエチルエーテルを上記溶液に加え、固体を濾過し、真空下で乾燥して、0.058g(92%)の表題化合物を白色固体として得た。
【0326】
化合物1002−シュウ酸塩を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ14.02(bs、2H)、10.38(s、1H、NH)、8.46(s、1H、ArH)、8.24(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、8.10(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、7.73(d、J=4.8Hz、1H、ピラゾール−H)、7.41(d、J=4.0Hz、1H、ピラゾール−H)、6.30(s、1H、OH)、4.38(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.31(s、2H)、4.21(d、J=14.0Hz、1H、CH)、2.42(s、4H)、1.34(s、3H、CH)。
【0327】
S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド2,3−ジヒドロキシコハク酸塩(C1918)(1002−酒石酸塩)
【化43】
2mLのメタノール中の(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(0.050g、0.14034mmol)溶液に、L−(+)−酒石酸(0.021g、0.14034mol)を添加した。添加後、得られた混合物を室温で1〜2時間撹拌した。ジエチルエーテルを上記溶液に添加し、固体を濾過し、真空下で乾燥して、0.067g(94%)の表題化合物を白色固体として得た。
化合物1002−酒石酸塩を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.69(s、2H)、10.38(s、1H、NH)、8.46(s、1H、ArH)、8.24(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、8.10(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、7.73(d、J=4.4Hz、1H、ピラゾール−H)、7.41(d、J=4.0Hz、1H、ピラゾール−H)、6.30(s、1H、OH)、5.08(s、2H、OH)、4.38(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.31(s、2H)、4.21(d、J=14.0Hz、1H、CH)、2.42(s、4H)、1.34(s、3H、CH)。
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド臭化水素酸塩(C1513BrF)(1002−HBr)
【化44】
2mLのメタノール中の(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(0.050g、0.1403mmol)溶液に、臭化水素酸塩(48%w/w水溶液、0.0159mL、0.1403mol)を添加した。添加後、得られた混合物を室温で1〜2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、乾燥させて0.061g(99%)の表題化合物を黄色がかった泡状物として得た。
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドサクシネート(1002−コハク酸塩)(C1918
【化45】
2mLのメタノール中の(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(0.050g、0.14034mmol)溶液に、コハク酸(0.0166g、0.14034mol)を添加した。添加後、得られた混合物を室温で1〜2時間撹拌した。ジエチルエーテルを上記溶液に添加し、固体を濾過し、真空下で乾燥させて、0.063g(95%)の表題化合物を白色固体として得た。
化合物1002−酒石酸塩を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ12.14(s、2H)、10.39(s、1H、NH)、8.46(s、1H、ArH)、8.24(d、J=8.8Hz、1H、ArH)、8.10(d、J=8.8Hz、1H、ArH)、7.73(d、J=4.4Hz、1H、ピラゾール−H)、7.41(d、J=4.4Hz、1H、ピラゾール−H)、6.30(s、1H、OH)、4.39(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.21(d、J=14.0Hz、1H、CH)、2.42(s、4H)、1.34(s、3H、CH)。
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(4−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンアミド(C2117)(1003)
【化46】
【0328】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中の4−フェニル−ピラゾール(0.50g、0.003468mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液(0.35g、0.00867mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8、1.22g、0.003468mol)を上記溶液に添加し、得られた反応混合物をアルゴン下で、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離剤として酢酸エチルおよびヘキサン(1:2)を用いるシリカゲルカラムにより精製して、0.90gの表題化合物を白色針状物として得た。
【0329】
化合物1003を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.40(s、1H、NH)、8.46(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.24(dd、J=8.4Hz、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.09(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、8.05(s、1H、ピラゾール−H)、7.82(s、1H、ピラゾール−H)、7.52〜7.45(m、2H、ArH)、7.35〜7.31(m、2H、ArH)、7.20〜7.16(m、1H、ArH)、6.33(s、1H、OH)、4.50(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.30(d、J=14.0Hz、1H、CH)、1.40(s、3H、CH);質量(ESI、正):415.1455[M+H]
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(3−フェニル−1H−ピロール−1−イル)プロパンアミド(C2218)(1004)
【化47】
【0330】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中の3−フェニル−ピロール(0.50g、0.00349mol)溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.35g、0.00873mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8、1.23g、0.00349mol)を上記溶液に添加し、得られた反応混合物をアルゴン下で、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離剤として酢酸エチルおよびヘキサン(1:2)を用いるシリカゲルカラムにより精製して、0.90gの表題化合物をピンク色の固体として得た。
【0331】
化合物1004を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.41(s、1H、NH)、8.24(d、J=1.6Hz、1H、ArH)、8.17(dd、J=8.4Hz、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.07(d、J=8.4Hz、1H、ArH)、7.38〜7.33(m、4H、ArH)、7.28〜7.24(m、1H、ArH)、6.96(t、J=3.0Hz、1H、ピロールH)、6.28(s、1H、OH)、6.07(t、J=3.5Hz、1H、ピロールH)、6.03(m、1H、ピロールH)、4.30〜4.22(m、2H、CH)、1.01(s、3H、CH);質量(ESI、正):414.1432[M+H]
ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(1005および1006)
【化48】
【0332】
THF/ヘプタン/エチルベンゼン(1mL)中のリチウムジイソプロピルアミド溶液(2.0M)を、5mLの無水THF中の4−ブロモ−1H−イミダゾール(1.0mmol、2mmol)溶液に−78℃でゆっくりと加え、0℃に加温し、10分間撹拌し、再び−78℃に冷却した。この溶液に、8(1mmol)から調製した(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−メチルオキシラン−2−カルボキサミド(10、1mmol)溶液を滴下し、反応混合物を一晩攪拌した。飽和NHClの添加によるクエンチ後、溶液を減圧下で濃縮し、過剰のEtOAcに分散させ、NaSOで乾燥させた。溶液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望の生成物を白色固体として全体収率69%(1005に対して37%、1006に対して32%)として得た。
【0333】
化合物は以下のように特徴付けられた:
(S)−3−(5−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1512BrF)(1005)
【化49】
【0334】
方法A(一般構造9’の代わりにブロモアミド8および4−ブロモ−1H−イミダゾールを使用)により白色固体を得た。H NMR(アセトン−d、400MHz)δ9.93(bs、1H、NH)、8.44(d、J=2.0Hz、1H)、8.26(dd、J=8.6、2.0Hz、1H)、8.03(d、J=8.6Hz、1H)、7.47(s、1H)、7.11(s、1H)、5.83(s、1H、OH)、4.50(d、J=14.0Hz、1H)、4.23(d、J=14.0Hz、1H)、1.55(s、3H);19F NMR(アセトン−d、400MHz)δ114.69;MS(ESI):415.0[M−H];LCMS(ESI)m/z C1511Brの計算値:415.0088。実測値:415.0017[M−H]
(S)−3−(4−ブロモ−1H−イミダゾール−1−イル)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1512BrF)(1006)
【化50】
【0335】
方法A(一般構造9’の代わりにブロモアミド8および4−ブロモ−1H−イミダゾール)を用いて白色固体を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ9.48(bs、1H、NH)、8.15(s、1H)、7.97(d、J=8.6Hz、1H)、7.83(d、J=8.6Hz、1H)、7.71(s、1H)、6.75(s、1H)、4.53(d、J=14.4Hz、1H)、4.09(d、J=14.4Hz、1H)、2.84(s、1H、OH)、1.45(s、3H);19F NMR(CDCl、400MHz)δ−62.19。MS(ESI):415.0[M−H]
(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−3−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−メチルプロパンアミド(C1413ClN)(1008)
【化51】
【0336】
方法A(一般構造9’の代わりにブロモアミド7と1Hのイミダゾールを使用して)を用いて黄色がかった固体を得た。収率53%。H NMR(DMSO−d、400MHz)δ10.24(bs、1H、NH)、8.19(s、1H)、7.90(m、2H)、7.53(s、1H)、7.05(s、1H)、6.83(s、1H)、6.40(bs、1H、OH)、4.31(d、J=14.4Hz、1H)、4.11(d、J=14.4Hz、1H)、1.34(s、3H);LCMS(ESI)m/z C1414ClNの計算値:305.0805。実測値:305.0809[M+H]
(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド(C1518ClN)(1009)
【化52】
【0337】
方法A(一般構造9’の代わりにブロモアミド7およびピロリジンを使用)により収率89%を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ9.41(bs、1H、NH)、7.98(d、J=2.0Hz、1H)、7.62(d、J=8.8Hz、1H)7.51(dd、J=8.8、2.0Hz、1H)、5.20(s、1H)、3.15(d、J=12.4Hz、1H)、2.72(d、J=12.4Hz、1H)、2.64〜2.58(m、4H)、1.76(m、4H)、1.41(s、3H);13C NMR(CDCl、100MHz))δ175.6(−NHCO−)、142.5、137.9、134.6、119.9、117.3、116.1、108.0、72.9、62.3、54.6(2C)、25.5、24.0。LCMS(ESI)m/z C1519 ClNの計算値:308.1166。実測値:308.1173[M+H]
HCl塩型の(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミドの調製
【0338】
EtOH(20mL)中の1009の溶液に、0℃で塩化アセチル(1mL)を滴下し、さらに室温で一晩撹拌し、溶媒を除去して1009の目標塩を得た。
(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−(4−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1412ClFN)(1007)
【化53】
【0339】
方法B(一般構造12’の代わりにオキシラン9および4−フルオロ−1H−ピラゾールを使用)を用いて、黄色がかった固体を得た。収率72%。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.97(bs、1H NH)、7.88(d、J=2.0Hz、1H)、7.60(d、J=8.4Hz、1H)、7.45(dd、J=8.4、2.0Hz、1H)、7.36(d、J=4.0Hz、1H)、7.35(d、J=4.4Hz、1H)、5.86(bs、1H、OH)、4.54(d、J=14.0Hz、1H)、4.15(d、J=14.0Hz、1H)、1.46(s、3H);19F NMR(CDCl、400MHz)δ−176.47。LCMS(ESI)m/z:C1413ClFNの計算値:323.0711。実測値:323.0710[M+H]
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C2217)(1010)
【化54】
【0340】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中の3−(4−フルオロフェニル)−ピロール(0.50g、0.003102mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.37g、0.009306mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8)(1.09g、0.003102mol)を上記溶液に加え、反応混合物をアルゴン下、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離液として酢酸エチルおよびヘキサン(1:2〜1:1)を使用するシリカゲルカラムにより精製して、黄色がかった固体として0.60g(45%)の化合物を得た。
【0341】
化合物1010を以下のように特徴付けた:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.40(s、1H、NH)、8.42(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.24(dd、J=8.8Hz、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.07(d、J=8.8Hz、1H、ArH)、7.43〜7.38(m、2H、ArH)、7.11〜7.05(m、3H、ArH)、6.73(t、J=2.0Hz、1H、ピロール−H)、6.33(s、1H、OH)、4.24(d、J=14.0Hz、1H、CH)、4.05(d、J=14.0Hz、1H、CH)、1.37(s、3H、CH)。質量(ESI、正):432.1352[M+H];mp187〜189℃。
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−(3−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンアミド(C2117)(1011)
【化55】
【0342】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中の3−フェニル−ピラゾール(0.50g、0.003468mol)溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.35g、0.00867mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8、1.22g、0.003468mol)を上記溶液に添加し、得られた反応混合物をアルゴン下で、室温で一晩撹拌した。反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。生成物を、溶離剤として酢酸エチルおよびヘキサン(1:3〜1:2)を使用するシリカゲルカラムにより精製して、0.60gの表題化合物を白色針状物として得た。
【0343】
化合物1011を以下のように特徴付けた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ10.33(s、1H、NH)、8.48(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.22(dd、J=8.2Hz、J=2.0Hz、1H、ArH)、8.05(d、J=8.2Hz、1H、ArH)、7.69(d、J=2.0Hz、1H、ArH)、7.60〜7.57(m、2H、ArH)、7.28〜7.21(m、3H、ArH)、6.66(d、J=3.0Hz、1H、ArH)、6.31(s、1H、OH)、4.52(d、J=14.6Hz、1H、CH)、4.32(d、J=14.6Hz、1H、CH)、1.43(s、3H、CH).
(S)−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(3−フルオロ−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(C1512)(1012)
【化56】
【0344】
氷水浴中で、アルゴン雰囲気下で冷却した無水THF(10mL)中の3−フルオロ−ピラゾール(0.20g、0.00232mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%油中分散液、0.24g、0.00582mol)を加えた。添加後、得られた混合物を3時間撹拌した。(R)−3−ブロモ−N−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド(8、0.82g、