(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522835
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】指とされるものの電気的検証
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20190719BHJP
   G01B 7/28 20060101ALI20190719BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20190719BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20190719BHJP
【FI】
   !G06T1/00 400G
   !G01B7/28 A
   !A61B5/1172
   !G06F21/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】2018558304
(86)(22)【出願日】20170508
(85)【翻訳文提出日】20181120
(86)【国際出願番号】EP2017060960
(87)【国際公開番号】WO2017191328
(87)【国際公開日】20171109
(31)【優先権主張番号】62/332,535
(32)【優先日】20160506
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1609768.5
(32)【優先日】20160603
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
【住所又は居所】ノルウェー王国 0151 オスロ ロードュースガータ 24
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィン, ホセ イグナシオ ヴィンターゲルスト
【住所又は居所】アメリカ合衆国 80905 コロラド コロラド スプリングス ハーモーサ ウェイ 1206
(72)【発明者】
【氏名】フランゼン, ヨルゲン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 80021 コロラド ブルームフィールド ユーコン コート 9698
【テーマコード(参考)】
2F063
4C038
5B047
【Fターム(参考)】
2F063AA41
2F063BA29
2F063BD05
2F063BD06
2F063DD07
2F063HA04
4C038FF01
4C038FF05
5B047AA25
5B047AB02
5B047BA03
5B047BB10
5B047BC01
(57)【要約】
指紋認証スマーカード102は、能動静電容量指紋センサ130と、指紋センサ130のスキャン領域を囲むベゼル30上に配置された電極34、36、38のアレイとを備える。スマートカード102は、駆動電極38を介して指紋センサ130のための駆動電圧信号を供給し、放出電極34を介して複数の時変特性測定電圧信号を供給するように構成されている。スマートカード102は、指を通した伝送の後に、それぞれの検出電極36を介して特性測定電圧信号を検出するようにさらに構成されている。スマートカード102は、指紋センサ102を用いて指のベアラの身元を検証し、検出された特性測定電圧信号を用いて指の物性を検証する。
【選択図】図7a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋認証デバイスであって、
能動静電容量指紋センサ電極を含む第1の電極のアレイと、
前記第1の電極のアレイに提示された指が第2の電極の少なくとも2つを覆うように、前記第1の電極のアレイに隣接して配置された第2の電極のアレイとを備え、
前記デバイスが、前記第2の電極の1つ以上を介して前記指紋センサ電極のための駆動電圧信号を供給するように構成され、
前記第2の電極の1つ以上を介して1つ以上の特性測定電圧信号を供給し、指を通しての伝送の後に、前記第2の電極のうちの1つ以上を介して前記1つ以上の特性測定電圧信号を検出するように構成され、;そして
前記デバイスが、前記指紋センサ電極によって検出された指紋に基づいて前記指のベアラの身元を検証するように構成され、前記第2の電極のアレイによって検出された前記特性測定電圧信号に基づいて前記指の少なくとも1つの物性を検証するように構成されている、指紋認証デバイス。
【請求項2】
前記第2の電極が、前記第1の電極のアレイを囲むように配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2の電極のアレイが、ボールグリッドアレイの形態で、またはゴムまたはエラストマーマトリックス中の絶縁領域によって分離された交互に繰り返す導電性領域として構成されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の特性測定電圧信号が、少なくとも2つの異なる電圧信号を含む、請求項1、2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスが、前記第2の電極の第1のセットを通って第1の特性測定電圧信号を印加し、前記第2の電極の異なる第2のセットを通って第2の異なる電圧信号を印加するように構成されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記指紋センサ電極のための前記駆動信号が、前記1つ以上の特性測定信号を提供する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記駆動電圧信号が、前記1つ以上の特性測定信号のうちの少なくとも1つと異なる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の特性測定電圧信号が、周期的に変化する電圧信号を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の特性測定電圧信号が、直流電圧信号を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記デバイスが、前記検出された特性測定電圧信号か、またはそこ由来の値のいずれかを記憶された値と比較することによって、前記指の前記少なくとも1つの物性を検証するように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記記憶された値が、有効な指のための閾値を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記指の前記少なくとも1つの物性が、前記指の電気インピーダンスなどの電気的特性を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、前記指が検証され、前記指のベアラの身元が検証された場合にのみアクションを実行するように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスが、スマートカードまたは制御トークンなどのポータブルデバイスである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の電極が、前記指紋センサを保持するための筐体のベゼル上で形成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ベゼルが、前記指紋センサの感知面の上面上に位置する保護層を保持し、前記保護層がひっかき抵抗性材料を含む、請求項15に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスに提示された指とされるものの検証のための手段を含む指紋認証デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
指紋認証スマートカードなどの指紋認証デバイスは、ますます、より広く使用されるようになっている。指紋認証が提案されたスマートカードとしては、例えば、アクセスカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ポイントカード、身分証明書、暗号カードなどが挙げられる。指紋認証を使用する他のデバイスも公知であり、これらとしては、コンピュータメモリデバイス、ビルアクセス制御デバイス、軍事技術、車両などが挙げられる。
【0003】
指紋識別では、真の生きている指を偽の指から区別することができることが重要である。偽の指は、種々の構成を有することができる。例えば、偽の指は、本物の指のシリコーンレプリカ、本物の指に貼り付けられた指紋のつぎあて、または本物の人から取り去られた死んでいる指であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
偽の指の検出は、固有の画像の特徴を検出するソフトウェアアルゴリズムを含むことができる。検出はまた、電気的特徴を含むことができる。本発明は、電気的検出に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、能動静電容量指紋センサ(例えば、能動静電容量指紋センサ電極のアレイを含む)と、センサに提示された指が電極の少なくとも2つを覆うように、指紋センサに隣接して配置された(第2の)電極のアレイとを備える指紋認証デバイスを提供し、デバイスは、1つ以上の電極を介して指紋センサのための駆動電圧信号を供給し、1つ以上の電極を介して1つ以上の特性測定電圧信号を供給し、指を通した伝送の後に、1つ以上の電極を介して1つ以上の特性測定電圧信号を検出するように構成され、デバイスは、指紋センサによって検出された指紋に基づいて指のベアラの身元を検証し、検出された特性測定電圧信号に基づいて指の少なくとも1つの物性を検証するように構成される。
【0006】
能動静電容量指紋センサは、測定が行われる前に駆動電圧を用いて皮膚に電荷を印加する。駆動電圧信号は、充電サイクルと放電サイクルとを交互に繰り返す周期的に変化する信号を提供し、指紋は、指紋センサのセンサ領域を通って配置された能動静電容量指紋センサ電極のアレイを用いて指の表面から電圧がどのように放電されるかを測定することによって検出される。従来、能動静電容量指紋センサを使用する場合、1つ以上の駆動電極が指紋センサの周りに配置され、センサに提示された指にこの駆動電圧を供給する。上記構成によれば、センサ領域に隣接する電極のアレイは、センサ領域に隣接して配置され、駆動電圧を供給するだけでなく、指を検証する、すなわち、指の1つ以上の特性が本物の指の期待範囲内に入るかどうかを決定するために1つ以上の特性測定信号を検出するように構成される。したがって、この構成は、デバイスに提示されている指が認証ベアラだけでなく、本物のおよび/または生きている指にも一致することを保証する。
【0007】
一実施形態では、指紋センサの駆動信号は、特性測定信号(の1つ)として機能することができる。したがって、同じ電圧信号は、指紋スキャンを駆動するのみならずまた、デバイスが、指とされるものの1つ以上の特性を測定することを可能にすることができる。あるいは、そしてより好ましくは、駆動電圧信号は、1つ以上の特性測定信号と異なるかもしれない。例えば、特性検出電圧信号は、駆動電圧信号とは異なる周波数であってもよいし、異なる波形形状を有していてもよい。好ましくは、デバイスはまた、別の電極を介して駆動電圧信号と1つ以上の特性測定電圧信号とを供給するように構成されている。
【0008】
本明細書に記載の実施形態は、能動静電容量指紋センサに関するものであるが、この構成は、駆動電圧信号を必要とする任意の生体認証センサにより広範に適用される代替案であることができることが理解されよう。さらに別の実施形態では、第2の電極のアレイは、能動静電容量指紋センサ以外の指紋センサなどの任意の他の生体認証センサ、ならびにEKGセンサなどを採用するものなど、非指紋生体認証センサに提示された指の有効性を検出するように構成することができる。
【0009】
特性測定電圧信号は、好ましくは、周期的に変化する電圧信号である。例えば、特性測定電圧信号は、正弦波形または他の繰り返す波形であってもよい。いくつかの実施形態では、特性測定電圧信号は、振幅または周波数変調信号であってもよい。いくつかの実施形態では、特性測定電圧信号の1つは掃引電圧信号を含むことができる。さらに別の実施形態では、特性測定電圧信号の1つは直流電圧信号であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、特性測定電圧信号は、好ましくは、実質的に等しい大きさの2つ以上の異なる周波数成分を有する単一の電圧信号を含むことができる。この単一の電圧信号は、単一の電極を介して供給されてもよく、または複数の電極が同じ信号を供給してもよい。
【0011】
あるいは、デバイスは、第1の特性測定電圧信号を第1の電極に印加し、第2の異なる電圧信号を異なる第2の電極に印加するように構成することができる。好ましい実施形態では、複数の電極は複数の電極対を含むことができ、デバイスは各電極対にわたって異なる電圧信号を印加するように構成される。例えば、各検出電極が特定の特性測定電圧信号のみ、好ましくは1つの特性測定電圧信号のみを検出するように、周波数フィルタ(物理的またはデジタルのいずれか)を使用することができる。
【0012】
しかし、いくつかの実施形態では、1つの電極が2対の電極に現れることがある。例えば、1つの電極は、各々が異なる信号を(例えばフィルタを用いて)受信する2つの異なる電極に送信するために使用されてもよく、または1つの電極は2つの異なる電極から異なる信号を受信してもよい。しかし、好ましくは、各電極は、わずかに1対の電極対に現れる。
【0013】
複数の特性検出信号が指に印加される構成は、能動静電容量指紋センサの領域の外側の指とされるものの検証のためのアプリケーションを有することができる。したがって、別の態様では、本発明はまた、指紋センサと、センサに提示された指が少なくとも2対の電極を覆うように指紋センサに隣接して配置された電極対のアレイとを備える指紋認証デバイスを提供することがわかり、デバイスは、各々が異なる電極対を通って少なくとも2つの異なる特性測定電圧信号を供給し、指を通した伝送の後に、特性測定電圧信号の各々を検出するように構成され、デバイスは、検出された特性測定電圧信号に基づいて、デバイスに提示された指の物性を検証するように構成されている。このようなデバイスは、第1の態様の任意の1つ以上またはすべてのオプションの特徴を含むことができる。この別の態様の指紋センサは、オプションで能動静電容量指紋センサではない。
【0014】
(第2の)電極のアレイは、好ましくは、絶縁体によって互いから電気的に絶縁された複数の導電性電極部材の形態で構成されている。一実施形態では、電極のアレイはボールグリッドアレイとして形成することができる。ボールグリッドアレイは、導電性電極パッドの各々が各隣接する導電性電極パッドから電気的に絶縁されるように、絶縁表面上に形成されたまたは絶縁表面上にはめ込まれた複数の導電性電極パッドを含む。別の構成では、電極のアレイは、ゴムまたはエラストマーマトリックス(一般に、Zebra Connections(登録商標)として知られている)内の絶縁領域によって分離された交互に繰り返す導電性領域として構成することができる。
【0015】
ボールグリッドアレイとZebra Connections(登録商標)は、表面に取り付けされた電子機器の端子としての使用のためによく知られている。しかし、これらの接続は、指紋センサに提示された指に電圧信号を供給するために、デバイスの外向きの表面に以前は採用されていなかった。このようにして、これらの公知の接続を使用することにより、よく知られた製造技術を採用することによって、電極のアレイを費用効果がよい方法で製造することが可能になる。
【0016】
実際に、このような構成は、能動静電容量指紋センサの領域の外側の、指とされるものの検証のためのアプリケーションを有することができる。したがって、別の態様では、本発明は、指紋センサと、センサに提示された指が少なくとも2対の電極を覆うように指紋センサに隣接して配置された電極対のアレイとを備える指紋認証デバイスを提供することがわかり、電極のアレイは、ボールグリッドアレイまたはゴムまたはエラストマーマトリックス中の絶縁領域によって分離された交互に繰り返す導電性領域として構成され、デバイスは、1つ以上の特性測定電圧信号を1つ以上の電極を介して供給し、指を通した伝送の後に、1つ以上の特性測定電圧信号を1つ以上の電極を介して検出するように構成され、デバイスは、検出された特性測定電圧信号に基づいて、デバイスに提示された指の少なくとも1つの物性を検証するように構成される。このようなデバイスは、第1の態様の任意の1つ以上またはすべてのオプションの特徴を含むことができる。この別の態様の指紋センサは、オプションで能動静電容量指紋センサではない。
【0017】
種々の電極構成が可能であることが理解されよう。しかし、電極は、好ましくは、スキャン領域、すなわちアレイの第1の電極によって画定される領域を囲むように構成されている。例えば、第1のアレイは、好ましくは、指紋センサ領域を画定し、第2の電極のアレイは、好ましくは、指紋センサ領域の外側にある。長方形の指紋センサ領域の場合、例えば、ボールグリッドアレイは、スキャン領域を囲み、隣接する矩形線(例えば、1つまたは2つ以上のボールの厚みのある)に配置されてもよい。あるいは、複数の電極は、4つのゼブラ接続をスキャン領域に隣接して配置して、スキャン領域を囲む矩形線を形成することによって提供されてもよい。
【0018】
指紋認証デバイスは、指紋照合アルゴリズムを実行するための指紋プロセッサと、登録された指紋データを記憶するためのメモリとを含む制御システムを含むことができる。デバイスの制御システムは、複数のプロセッサを含むことができ、指紋プロセッサは、指紋センサに関連する別のプロセッサであってもよい。他のプロセッサは、他のデバイスとの通信(例えば、非接触技術を介する)、受信機/送信機の起動および制御、例えば、金融取引などのセキュアエレメントの起動および制御など、デバイスの基本機能を制御するための制御プロセッサを含むことができる。種々のプロセッサは、別のハードウェア要素に具体化することができ、または別のソフトウェアモジュールであるが単一のハードウェア要素に組み合わせることができる。
【0019】
デバイスは、検出された特性測定電圧信号またはそこに由来する値のいずれかを記憶された値と比較することによって、指の少なくとも1つの物性を検証するように構成することができる。記憶された値は、好ましくは、有効な指、例えば、生きている指および/または本物の指に対する閾値を含む。すなわち、有効な指は閾値を満たすと期待され、無効な指(例えば、偽の指または生きていない指)は閾値を満たすと期待されない。デバイスは、好ましくは、物性が閾値を満たさない場合、指紋のベアラを認証しないように構成される。
【0020】
指紋認証はまた、好ましくは、記憶された値を記憶するメモリも含む。メモリは、登録された指紋を記憶するメモリと同じあってもよいし、別であってもよい。記憶された値は、好ましくは、メモリに永久に記憶されるが、いくつかの実施形態では変更可能であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、指の物性は、指の電気インピーダンスまたは指の抵抗または指の静電容量などの電気的特性を含むことができる。最も好ましくは、指の電気的特性は、これらが高精度に決定され得るため測定される。しかし、電気信号の印加によって近似され得る他の物性は、指の密度または指でのパルスの繰り返し数を含む。「指の物性」という用語は、指の指紋を含むことを意図しておらず、すなわち、指の検証は、指紋の検証とは別であることを理解されたい。
【0022】
指紋認証デバイスは、RFIDまたはNFC通信を使用するなど、無線通信が可能であってもよい。代替的または追加的に、デバイスは、例えば「チップおよびピン」支払カードのために使用されるものなどの接触パッドなどを介して、接触接続を備えることができる。種々の実施形態では、デバイスは、無線通信も接触通信も許可することができる。
【0023】
デバイスは、指が検証され、指のベアラの身元が検証された場合にのみ、デバイスのベアラの身元を示す信号を送信するなどのアクションを実行するように構成されていてもよい。例えば、デバイスは、有効かつ認証された指の識別に応答して、デバイスの1つ以上の機能へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。
【0024】
指紋認証デバイスは、人によって持ち運ばれるように設計されたデバイスを意味するポータブルデバイスであってもよく、好ましくは、便利に持ち運ばれるのに十分小型で軽いデバイスであってもよい。デバイスは、例えば、ポケット、ハンドバッグまたは財布内で持ち運ばれるように構成することができる。指紋認証デバイスは、例えば、指紋認証RFIDカードなどのスマートカードであってもよい。デバイスは、アクセスカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ポイントカード、身分証明書、暗号カードなどのいずれか1つであってもよい。あるいは、指紋認証デバイスは、コンピュータシステムへのアクセスのためのワンタイムパスワードデバイスや車両キーレスエントリシステムのフォブなどの、制御トークンの外部のシステムへのアクセスを制御するための制御トークンであってもよい。指紋認証デバイスはまた、好ましくは、有線の電源に依存しないという意味で携帯可能である。デバイスは、内部バッテリによって、および/またはRFIDリーダなどのリーダなどから非接触で収集された電力によって給電されてもよい。
【0025】
指紋認証デバイスは、専用のデバイス、すなわち、単一の外部システムまたはネットワークと相互作用するため、または単一のタイプの外部システムまたはネットワークと相互作用するためのデバイスであって、どんな他の目的も有しないデバイスであってもよい。このようなデバイスは、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータなどの複雑で多機能なデバイスとは区別される。
【0026】
指紋認証デバイスがスマートカードである場合、それは、好ましくは85.47mm〜85.72mmの幅と、53.92mm〜54.03mmの高さとを有する。スマートカードは、0.84mm未満、好ましくは約0.76mm(例えば±0.08mm)の厚さを有し得る。より一般には、スマートカードは、スマートカードのための仕様であるISO7816に準拠することができる。
【0027】
デバイスが制御トークンである場合、それは、例えば車両用のキーレスエントリキーであってもよく、この場合、外部システムは、車両のロック/アクセスシステムおよび/または点火システムであってもよい。外部システムは、より広義には、車両の制御システムであってもよい。制御トークンは、車両の機能へのアクセスを与える無線周波数信号のみが認証ユーザの識別に応答して送信されて、マスターキーまたはスマートキーとして機能することができる。あるいは、制御トークンは、車両をロック解除するための信号のみが、指紋認証モジュールが認証ユーザを識別する場合に送信され得て、リモートロック型キーとして機能することができる。この場合、認証ユーザの識別は、従来技術のキーレスエントリタイプのデバイスのロック解除ボタンを押すのと同じ効果を有することができ、車両をロック解除するための信号は、認証ユーザの指紋または非指紋の識別の際に自動的に送信され得、または制御トークンが認証ユーザの認証によって起動されたときに、ボタン押しに応答して送信され得る。
【0028】
種々の実施形態では、指紋認証デバイスは、指紋センサを保持するための2部筐体を含むことができる。2部筐体は、指紋認証デバイスの回路基板に取り付けられ、指紋センサを囲むための内部ケーシングと、内部ケーシング内に指紋センサを保持するための外部ベゼルとを含み、外部ベゼルは、内部ケーシングに結合するように配置される。このような構成では、複数の電極が外部ベゼル上に形成され得る。
【0029】
内部ケーシングと外部ベゼルとは、指紋センサの保護のための補強部材として機能することができる。2部筐体の使用は、指紋認証デバイスが使用されて、曲げられ、またはねじられる場合に、指紋センサをねじれ/曲げ力から保護することができることを保証する。一緒に結合する内部ケーシングと外部ベゼルとを有することによって、指紋センサアセンブリの製造は、電気的または機械的接続の両方の点で簡単であり、指紋センサは、指紋センサへの損傷のリスクを最小にして容易に定位置に固定することができる。
【0030】
外部ベゼルは、指紋センサの外周の一部またはすべてを囲むことができ、指紋センサの感知面の外部リムの上面を越えて延びるリップによって覆われた側壁を含むことができる。例示の実施形態では、指紋センサアセンブリのベゼルは、指紋センサの外周全体の周りに延びる。ベゼルは、好ましくは、絶縁体から形成され、複数の電極は、デバイスに電気的に接続され得る。したがって、ベゼルは、絶縁性のプラスチックまたはセラミックの材料から、または絶縁体で被覆した金属または他の導電性材料から形成されてもよい。
【0031】
好都合には、回路基板は、フレキシブルプリント回路基板であってもよい。これにより、例えば、スマートカードに関するISO7816などの要件を満たすように、デバイスをしなやかにすることができる。内部ケーシングは、好都合には、例えば、表面実装技術、はんだまたは導電性接着剤を使用することによって、機械的および電気的取り付けの両方に対して同じ取り付け機構を使用して、回路基板に機械的に取り付けられ、電気的に取り付けられてもよい。指紋センサは、好都合には、例えば、表面実装技術、はんだまたは導電性接着剤を使用することによって、機械的および電気的取り付けの両方に対して同じ取り付け機構を使用して、回路基板に機械的に取り付けられ、直接または内部ケーシングを介して電気的に取り付けられてもよい。外部ベゼルは、好都合には、例えば、表面実装技術、はんだまたは導電性接着剤を使用することによって、機械的および電気的取り付けの両方に対して同じ取り付け機構を使用して、回路基板に機械的に取り付けられ、電気的に取り付けられてもよい。
【0032】
2部筐体の内部ケーシングおよび/または外部ベゼルは、指紋センサの形状に応じた形状を有することができる。したがって、長方形の指紋センサの一般的な例では、内部ケーシングおよび/または外部ベゼルは長方形の形状を有することができる。好ましくは、内部ケーシングと外部ベゼルとは、類似した形状を有し、互いに相補的に嵌合するように配置される。例えば、外部ベゼルは、内部ケーシングと同じ形状であってもよいが、内部ケーシングの外側の周りに嵌合するようにわずかに大きくてもよい。
【0033】
内部ケーシングは、回路基板の表面から離れて延び、指紋センサを少なくとも部分的に囲む側壁を有することができる。側壁は、指紋センサの上面が側壁の上に露出しないように、回路基板の表面から十分な距離離れて延びることができる。好ましくは、回路基板と指紋センサとの間の電気的接続を可能にするために、内部ケーシングの側壁に開口部がある。長方形の内部ケーシングの例では、ケーシングは、長方形の3辺の周りに側壁を有し、長方形の第4の辺は側壁を有さず、または部分的側壁のみを有してもよい。内部ケーシングは、代替的に、または追加的に、回路基板への電気接続を行うための導電性要素を含むことができる。これは、指紋センサへの接続および/または外部ベゼルの電極への電気的接続のためのものであってもよい。
【0034】
外部ベゼルは、内部ケーシングの外周の一部またはすべてを囲むことができ、好ましくは、指紋センサの露出面の外部リムを横切って延びるリップによって覆われた側壁を含む。外部ベゼルのリップは、指紋センサの感知面に直接接触してもよい。あるいは、さらに下記のように保護層が存在する場合、保護層がリップと指紋の感知面との間にあり、外部ベゼルのリップは、保護層に接しておよび/または保護層の上に位置することができる。外部ベゼルは、リップから回路基板に向かって延びる側壁を有することができる。外部ベゼルの側壁の内面は、好ましくは、内部ケーシングの側壁の外面のすぐそばに嵌合する。好都合には、外部ベゼルの側壁は、内部ケーシングの側壁の開口部を横切って延びることができ、それによって、指紋センサがすべての側面に囲まれることが保証される。外部ベゼルは、任意の必要な電気的接続が内部ケーシングの側壁の開口部を通して行われた後に嵌合され得る。例示の実施態様では、ベゼルは、指紋センサおよび/または保護層の全周の周りに連続的に延びる側壁および/またはリップを有する。
【0035】
外部ベゼルは、任意の適切な接続を介して内部ケーシングに結合されるように構成することができる。接続は、締まり嵌めを介して、および/または弾性要素の相互結合を通してもよい。例えば、接続は、2つの部分のうちの他方の部分の凹部に収容されるように配置されている、2つの部分のうちの一方の突起を含んでもよく、アセンブリの間に、一方または両方の部分が弾性変形して「スナップフィット」を提供するように配置されている。他のタイプのスナップフィット接続が使用されてもよい。接続は、代替的にまたは追加的に、表面実装技術、はんだおよび/または導電性接着剤を使用してもよい。
【0036】
好都合には、指紋センサアセンブリは、指紋センサの感知面の上面上に位置する保護層をさらに含んでもよく、保護層は、ひっかき抵抗性材料を含む。2部筐体は、指紋センサを囲んで保持するのと同じ方法で保護層を囲んで保持するように機能することができ、したがって、指紋センサの感知面上の定位置に保護層を保持するために使用することもできる。保護層と組み合わせた2部筐体を使用することにより、指紋センサがその表面の損傷から保護され、および指紋認証デバイスが使用されて曲がったりねじれたりした場合にねじれ/曲げ力から保護されることが保証される。一緒に結合する内部ケーシングと外部ベゼルとを有することによって、指紋センサアセンブリの製造は簡単であり、保護層は、指紋センサへの損傷のリスクを最小にして容易に定位置に固定することができる。
【0037】
指紋センサアセンブリに追加の保護層を使用することは、指紋センサの寿命を延ばし、損傷から保護するという点で大きな利点をもたらす。指紋センサは、通常、この目的のために硬質で傷つきにくい表面コーティングで製造される。しかし、本発明者は、特に、毎日何度も使用することができるスマートカードの例のように、指紋認証デバイスが頻繁に使用され得る場合に、この表面が依然として損傷を受けやすいことを認識した。結果として、指紋センサの通常の保護コーティングに加えて、または潜在的にそれらに代わる追加の保護層を含むことは非常に有利である。
【0038】
指紋センサの感知面は、静電気放電、ひっかき傷、衝撃、および毎日の磨耗から保護されるべきであることが重要である。たとえ指紋センサがどこに配備されても、ユーザが認証指紋の識別のために指を機器に置くと、センサは磨耗を受ける。結果として、指紋センサが識別検証を提供するために指紋などをうまく取り込むためにユーザが物理的接触を行わなければならないという事実のためにセンサは寿命が短くなる可能性がある。多くの状況では、指紋認証デバイスのユーザは、職責または日々の活動のため、汚れた、脂ぎった、または垢じみた指を有する傾向があり得る。これは、指紋認証デバイスが使用される工場内などの特定の役割の状況内であってもよく、または食品を取り扱うような日々の活動からであってもよい。このようなユーザは、認証を試みる前に手(または少なくとも登録された指)をきれいにすることが推奨され得るが、このアドバイスには必ずしも従うとは限らない。指紋センサの表面上の汚れた残留物、油または他の材料は、指紋画像を不明瞭にして、他人受入率および本人拒否率の点から性能低下を引き起こす可能性がある。さらに、ユーザは、指紋認証デバイスをきれいに保つことを好むかもしれず、そして再び、彼らは、特定の製品を使用しないようにアドバイスされる一方で、このアドバイスが無視されて洗浄溶剤(特に、アルコール系またはアンモニアベースのもの)の使用につながり、指紋センサの感知面を損傷する可能性がある。このような製品を繰り返し使用すると、センサの保護層の損傷につながる。このような損傷は捕捉感度を低下させ、センサの性能に悪影響を与える。上記のようなさらなる保護層の追加は、これらの問題を低減させ、または完全に回避する。
【0039】
いくつかの例では、指紋センサは既存の製品、すなわち「既製品」であり、保護層は指紋センサの既存の表面の上面上に追加される。代替の実施態様では、指紋センサは、適用され得る既存のコーティングに加えて、またはこのようなコーティングの代替物としていずれか、指紋センサの上面で感知面上に追加の保護層が組み込まれた変更された指紋センサアセンブリを含むことができる。したがって、保護層は、指紋センサとは別であってもよく、指紋センサの不可欠な部分として組み込まれてもよいことが理解されよう。しかし、保護層は、常に、従来指紋センサで使用される保護コーティングの保護特性を超える保護特性を有する、有意な厚さ、例えば少なくとも200μm、おそらくは少なくとも300μmの付加材料である。場合によっては、保護層は、下にある指紋センサ構成要素と同等の厚さを有することができる
好ましくは、保護層は、500μm以下の厚さ、例えば、約400μm以下の厚さを有する。これは、保護層の追加は、指紋センサアセンブリの全体的な厚さに関連して重大な欠点を生じないことを意味し、したがって、指紋デバイスは、センサアセンブリの厚さが重要なデバイス、例えば、下記のスマートカードなどの電子カードであってもよい。
【0040】
保護層は、指紋センサと適合する任意の適切なひっかき抵抗性材料で作ることができる。したがって、保護層は、例えば、受動的または能動的な静電容量指紋センサでの動作に適した誘電特性を有することができる。保護層は、少なくとも500、好ましくは少なくとも600のビッカース硬さ試験評価を提供するのに十分な硬度を有することができる。セラミック材料を使用することができる。セラミックスは、適切な誘電特性と組み合わせて、必要な硬度およびひっかき抵抗性を提供することができる。いくつかの例では、保護層は、下記のような化学強化ガラスなどのガラス材料である。
【0041】
保護層は、化学的に強化されたガラスを含むことができる。傾斜ジルコニアガラスを使用することができる。1つの可能な材料は、商品名Gorilla GlassRTMで販売され、米国ニューヨークのCorning Inc.によって製造されたガラスなどのアルカリアルミノシリケート板ガラスである。このタイプのガラスは、スマートフォンなどのモバイルデバイス上のタッチスクリーン用のカバーガラスとして一般に使用されており、他の類似のカバーガラス製品も保護層のために使用できる。したがって、保護層は、モバイルデバイスのカバーガラスとして使用するのに適した、および/または使用のために準備されたガラスでできていてもよい。これらのタイプのガラスは、適切に薄層を可能にするために必要なひっかき抵抗性および他の特性を有し、容量効果に基づくセンサなどの指紋センサと適合し、したがって、指紋センサの妨げられない動作を可能にする一方、センサのより傷つきやすい表面を、ユーザの指の汚染物質による損傷および/またはセンサ表面を害する可能性のある洗浄材料または洗浄製品の使用による可能な損傷から保護する。
【0042】
保護層は、疎油性の外面を有することができる。これにより、保護層は、指紋油および、ユーザの指から指紋センサアセンブルに移り得るか、または指紋認証デバイスの使用中の他の汚染物質から生ずる損傷に耐えることができる。必要な疎油性特性は、上記モバイルデバイス用に設計されたカバーガラス製品の使用により提供することができる。代替的にまたは追加的に、疎油性コーディングを保護層の外面に含むことができる。
【0043】
指紋センサの感知面は、ユーザの指または親指が感知面上に置かれるよう容易にアクセスできるように、デバイスから外へ向けられた平坦な領域であってもよい。保護層は、感知表面の上面上にあり、ユーザの指または他の物体または材料と感知面との直接接触を妨げるために、感知面の露出領域のすべてを覆うことができる。保護層は、感知面に隣接する内面と、デバイスから外へ向けられた外面とを有する。保護層は、好都合には、均一な厚さであり、したがって、保護層の外面は、指紋センサの感知面と平行であってもよい。保護層は、指紋センサの感知面とほぼ同じ大きさであってもよい。典型的な指紋センサは、長方形の表面を有し、保護層も、長方形の形状を有していてもよい。
【0044】
本発明に関する特定の好ましい実施形態を、例示のみを意図して、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】指紋センサを備えたスマートカード用の回路である。
【図2】外部ハウジングを含むスマートカードの第1の例である。
【図3】積層されたスマートカードの第2の例である。
【図4】指紋センサアセンブリの内部ケーシングの概略平面図である。
【図5】図4の内部ケーシングの側面/断面図である。
【図6】内部ケーシングに嵌合し指紋センサおよび保護層を収容する用意ができている回路基板の側面/概略断面図である。
【図7】内部ケーシングに嵌合するための外部ベゼルの平面図である。
【図7a】ベゼル上の導電性ボールがハイライトされている図7の外部ベゼルの平面図である。
【図7b】ゼブラコネクタが導電性ボールの代わりに使用される代替外部ベゼルの平面図である。
【図8】図7の外部ベゼルの側面/断面図である。
【図9】図6の回路基板、および外部ベゼルと内部ケーシングとの嵌合である。
【図10】内部ケーシングに嵌合した外部ベゼルを備えた図6の回路基板の側面/断面図である。
【図11】図10の回路基板の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
例として、本発明は、非接触技術を含み、センサから収集された電力を使用する、指紋認証スマートカードという状況において記載される。これらの機能は、提案された指紋障害機能の1つのアプリケーションの有利な機能であると考えられるが、本質的な機能としては見られない。したがって、スマートカードは、代替的に、物理的な接触を使用してもよく、および/または、例えば内部電力を供給するバッテリを含んでもよい。本明細書に記載する指紋センサアセンブリ130は、指紋認証のために指紋センサを使用する任意の他のデバイスまたはシステムにおいて適切な変更を加えて実施することもできる。
【0047】
図1は、指紋センサアセンブリ130が設けられたスマートカード102のアーキテクチャを示す。給電されたカードリーダ104は、アンテナ106を介して信号を送信する。信号は、典型的には、NXP Semiconductors社製のMIFARE(登録商標)およびDESFire(登録商標)については13.56MHzであるが、HID Global Corp.社製の低周波のPROX(登録商標)製品については125kHzであり得る。この信号は、同調コイルおよびコンデンサを含むスマートカード102のアンテナ108によって受信され、次いで、通信チップ110に渡される。受信された信号は、ブリッジ整流器112によって整流され、整流器112の直流出力は、通信チップ110からのメッセージングを制御するプロセッサ114に供給される。
【0048】
プロセッサ114からの制御信号出力は、アンテナ108に接続されている電界効果トランジスタ116を制御する。トランジスタ116をオンおよびオフに切り替えることによって、信号はスマートカード102によって送信され得、センサ104の適切な制御回路118によって復号され得る。このタイプのシグナリングは、後方散乱変調として知られており、センサ104が自身への戻りメッセージを動かすために使用されるという事実によって特徴づけられる。
【0049】
スマートカードは、指紋プロセッサ128と指紋センサアセンブリ130とを含む指紋認証エンジン120をさらに含む。これは、指紋識別を介する登録および認証を可能にする。指紋プロセッサ128と、通信チップ110を制御するプロセッサ114とは、一緒にデバイスの制御システムを形成する。2つのプロセッサは、別のハードウェアを使用することもできるが、実際には同じハードウェア上のソフトウェアモジュールとして実装することができる。指紋センサアセンブリ130は、電力が駆動中のカードリーダ104から収集されているときにのみ使用されてもよく、または代替的に、スマートカード102は、指紋センサアセンブリ130および指紋プロセッサ128ならびにプロセッサ114およびデバイスの他の機能のためにいつでも電力が供給されることを可能にするバッテリ(図示せず)が追加的に設けられてもよい。
【0050】
アンテナ108は、カードリーダ104からRF信号を受信するように調整された誘導コイルおよびコンデンサを含む同調回路を含む。センサ104によって生成された励起場に曝されると、アンテナ108に電圧が誘導される。
【0051】
アンテナ108は、アンテナ108の各端に1つずつ、第1および第2の端部出力線122、124を有する。アンテナ108の出力線は、指紋認証エンジン120に接続され、指紋認証エンジン120に電力を供給する。この構成では、整流器126が設けられ、アンテナ108によって受信された交流電圧を整流する。整流された直流電圧は、平滑コンデンサを用いて平滑化され、次いで、指紋認証エンジン120および他の電気部品に供給される。代替的にまたは追加的に、上記のようにバッテリが含まれてもよい。
【0052】
図4〜図11を参照して以下により詳細に記載する指紋センサアセンブリ130は、図2に示すように、カードハウジング134に取り付けられてもよく、または、図3に示すように、積層カード本体140から露出するように嵌合されてもよい。カードハウジング134または積層体140は、図1の構成要素のすべてを包み、従来のスマートカードと同様の大きさである。指紋認証エンジン120は受動的であってもよく、したがって、アンテナ108からの電圧出力によってのみ給電されてもよい。あるいは、バッテリ(図示せず)が指紋認証エンジン120に給電するために設けられてもよい。プロセッサ128は、合理的な時間内に指紋照合を実行することができるように、非常に低電力かつ非常に高速であるように選択されるマイクロプロセッサを備える。
【0053】
指または親指が指紋センサアセンブリ130に提示されると、指紋認証エンジン120は、指紋センサアセンブリ130のスキャン領域の周りに配置された放射電極34のアレイに複数の電圧信号を最初に供給するように構成される。例えば、指紋認証エンジン120は、直流信号および1つ以上の正弦波信号を供給することができる。同じ信号を複数の異なる放射電極34に送信することができるが、各放射電極34は、好ましくは、単一の信号のみを受信する。
【0054】
放射電極34によって放射された電圧信号は、指または親指を通過し、指紋認証エンジン120は、その後、指または親指を通した伝送の後に、指紋センサアセンブリ130のスキャン領域の周りに配置された検出電極のアレイ34を用いて、得られる信号を検出するように構成される。各検出電極34は、電圧信号のうちの単一の信号のみを検出するようにフィルタを含むが、このフィルタは、代替的に、指紋認証エンジンのプロセッサ128によってデジタル的に実施されてもよい。
【0055】
検出された信号から、指紋認証エンジン120は、各異なる周波数で指のインピーダンスを判定する。これらのインピーダンス値は、期待値と比較され、指が本物かどうかの判定が行われる。
【0056】
指が本物であると判定されると、指紋認証エンジン120は、次に、指紋センサアセンブリ130に提示された指または親指の指紋をスキャンするように構成される。指紋センサアセンブリは、能動静電容量指紋センサ電極のアレイの形態のスキャン領域を含む能動静電容量指紋センサを使用する。指紋は、スキャン領域の周りに配置された駆動電極38のアレイを用いて指に電圧を印加して、指紋センサ電極の各々で電圧がどのように放電されるかを検出することによってスキャンされる。
【0057】
より詳細には、指紋センサの表面と指の表面との間の指紋の隆起部および谷部によって空気のポケットが捕らえられる。これらのポケットは、指と電極との間に有効なコンデンサを作る。駆動電圧の印加はこれらの有効なコンデンサを充電し、指とセンサとの間の電界は、真皮層内の隆起部のパターンに従う。電圧信号の放電サイクルでは、真皮層とセンサ素子とを横切る電圧が、各電極での静電容量を計算するために基準電圧と比較される。これらの測定された静電容量は、スキャンされた指紋画像に変換することができる。
【0058】
指紋認証エンジン120は、プロセッサ128を用いて、指または親指のスキャンされた指紋を、予め記憶された指紋データと比較するように構成される。次いで、スキャンされた指紋が、予め記憶された指紋データと一致するかどうかについての判定が行われる。好ましい実施形態では、指紋画像を取り込んでカード102のベアラを認証するために必要な時間は1秒未満である。種々の実施形態では、指が本物であることを検証する工程と、スキャンされた指紋を予め記憶された指紋データと照合する工程とは、並行して実行されてもよい。
【0059】
本物の指が検出され、指紋の一致が判定されると、プロセッサはそのプログラミングに応じて適切なアクションをとる。この例では、非接触カードリーダ104を伴うスマートカード104の使用を認証するために指紋認証プロセスが使用される。したがって、指紋が一致したときに通信チップ110は、認証されてカードリーダ104に信号を送信する。通信チップ110は、従来の通信チップ110と同様に、後方散乱変調によって信号を送信する。カードは、第1のLED136などの適切なインジケータを用いて、成功した認証の表示を提供することができる。
【0060】
指紋センサアセンブリ130の例示の構成を、図4〜図11を参照して、以下により詳細に説明する。明快にするために、図面は誇張されたスケールでのみ模式的に示されていることに留意すべきである。種々の部分の実際のサイズ、特にそれらの高さは、示されているものよりずっと小さく、部分は、図面に示されているものよりもより接近して嵌合することが理解されよう。
【0061】
この例ではフレキシブルプリント回路基板アセンブリ24である、回路基板上に取り付けられた完成した指紋センサアセンブリ130が、図10の内部/断面図および図11の平面図に模式的に示されている。指紋センサアセンブリは、図4の平面図および図5の断面図に示されている内部ケーシング20を含み、内部ケーシング20は、図4及び図11に示されるように、三方の面を有している。内部ケーシング20の一方の側21が開いたままであるため、導電性経路が開放側21を通過することができ、回路基板24からの回路を内部ケーシング20内に保持された構成要素に回路を接続することは簡単である。内部ケーシング20の上部縁は、この例では、内部ケーシング20の側面の周りに延びている突き出た突起22が設けられている。これらの突起22は、以下でさらに説明するように、外部ベゼル30上の対応する凹部32にスナップフィットを提供する。
【0062】
突起22および凹部32は、内部ケーシング20と外部ベゼル30との間の必要な相互接続をいかに達成するかの単なる一例であることを理解されたい。代替的に、外部ベゼル30に突起を設け、内部ケーシング20に凹部に設けることができる。または、実際、異なる機械的構成を使用して、適切なスナップフィット接続を達成することができる。表面取り付け技術に関連して知られているカップリングを使用することができ、あるいは、内部ケーシング20とベゼル30との間の接続は、接着剤または他の接着方法の使用を含むことができる。
【0063】
図6は、フレキシブルプリント回路基板アセンブリ24に取り付けられ、指紋センサ26および保護層28を収容する用意ができている内部ケーシング20を示す。これらは、内部ケーシング20の開口上面を通して挿入され、次いで、フレキシブルプリント回路基板上の回路に例えば、表面実装技術、はんだ付け、または導電性接着剤を使用することによって、適切な方法で接続される。内部ケース20の3つの壁は、保護層28が加わった指紋センサ26の高さよりもわずかに高く、この高さの差は、図では誇張されている。指紋センサ26は、任意の適切なタイプの能動静電容量領域指紋センサ26である。保護層28は、例えば化学強化ガラスなど、指紋センサ26に適合する任意の適切に薄いひっかき抵抗性材料であり得る。1つの可能な材料は、商品名GorillaGlassRTMで販売され、米国ニューヨークのCorning Inc.によって製造されたガラスなどのアルカリ−アルミノシリケート板ガラスである。このタイプのガラスは、一般にスマートフォンなどのモバイルデバイス上のタッチスクリーン用のカバーガラスとして使用され、そして他の同様のカバーガラス製品が保護層28用に使用され得る。保護層28は、約400μmの厚さであり、指紋センサアセンブリ130の全幅に悪い影響を及ぼすことなく、指紋センサ26の適切な上面に追加することができる。特に、指紋センサアセンブリ130を備えたスマートカード102がISO7816の厚さ制限を満たすことを可能にする。
【0064】
上記のように、外部ベゼル30は、内部ケース20に取り付けられている。外部ベゼル30は、図7の平面図および図8の側面/断面図に示す。それは、ベゼル30が指紋センサ26および保護層28の側面を囲み、そしてまた指紋センサ26および保護層28の上面を横切って延びるために、ベゼル30が逆L字型のセクションを有するフレームの側面とともにオープンフレームを形成する4つの側壁を有する。これは、ベゼル30が、作用して指紋センサ26および保護層28を定位置に保持することができ、指紋センサ26に対して保護層28をしっかりと保持することを意味する。
【0065】
さらに、ベゼル30は、図7aに示すように、電極34、36、38のアレイを画定する。電極は、放射電極34と、検出電極36と、駆動電極38との間で交互に繰り返す。図7aに示すように、電極は、ベゼル30の絶縁表面上にボールグリッドアレイとして形成されてもよい。しかし、図7bに示す代替の構成では、電極42、44、46は、絶縁部材48によって分離され、エラストマーなどの絶縁材料によって囲まれた導電性部材から形成されてもよい。
【0066】
内部ケーシング20は、回路基板24上の回路への内部ケーシング20を介する電極34、36、38間の電気的接続を可能にする導電性経路を画定するように構成されてもよい。内部ケーシング20は、内部ケーシング20を回路基板24に接着するとともに、内部ケーシング20と回路基板24上に形成されている回路とを電気的に接続するために、例えば、はんだ付けによって、または導電性接着剤を介して回路基板24に接続することができる。
【0067】
ベゼル30は、図9および10に示すように、内部ケーシング20に嵌合している。この例では、これは、突起22および対応する凹部32を利用するスナップフィットで行われる。指紋センサ26も保護層28も内部ケーシング20に固定し、必要に応じて、指紋センサ26の周りに適切な導電性ベゼル30を設けることによって、指紋センサアセンブリ130を完成させることが簡単であるように、スナップフィット接続または同様の機械的接続の使用は、指紋センサ26および保護層28が内部ケーシング20内に既に保持されている間に、ベゼル30を単に押し込むことができることを意味する。さらに、内部ケーシング20および外部ベゼル30からなる2部ベゼルアセンブリを使用することによって、指紋センサアセンブリ130は、その後、補強材が設けられ、さもなければ、曲げ力およびねじり力の点から比較的もろい指紋センサ26および/または保護層28に渡されるねじり力からよく保護される。これは、指紋センサアセンブリがスマートカード102上で、特に図3に示すような積層カードとともに使用される例の場合に特に有用である。しかし、上記の指紋センサアセンブリ130およびアセンブリ方法の使用から生じる利点は、指紋センサが生体認証連盟認証デバイス用、例えば車両キーレスエントリフォブなどの制御トークン用に使用される他の状況でも有益である。
【0068】
本明細書に記載のタイプの電子カードの種々の態様を製造するための適切な方法が、例えば、WO2013/160011、US62/262944、US62/262943、US62/312773、US62/312775およびUS62/312803の明細書に示される。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】