(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522875
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】リチウム二次電池用電解質およびそれを含むリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20190719BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20190719BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20190719BHJP
【FI】
   !H01M10/0567
   !H01M10/0565
   !H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】37
(21)【出願番号】2018565316
(86)(22)【出願日】20171208
(85)【翻訳文提出日】20181213
(86)【国際出願番号】KR2017014432
(87)【国際公開番号】WO2018106078
(87)【国際公開日】20180614
(31)【優先権主張番号】10-2016-0166991
(32)【優先日】20161208
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0166992
(32)【優先日】20161208
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0168433
(32)【優先日】20171208
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
【住所又は居所】大韓民国 07336 ソウル,ヨンドゥンポ−グ,ヨイ−デロ 128
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウ・オ
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ホ・アン
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】チュル・ヘン・イ
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】チュン・フン・イ
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ02
5H029AJ04
5H029AJ05
5H029AJ06
5H029AJ07
5H029AJ12
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029AM16
5H029DJ16
5H029EJ03
5H029EJ05
5H029HJ01
5H029HJ02
(57)【要約】
本発明は、リチウム二次電池用電解質およびそれを含むリチウム二次電池に関し、具体的に、リチウム塩、有機溶媒、および本明細書に記載の化学式1で表されるオリゴマーと、を含むリチウム二次電池用電解質、およびそれを含むことで、リチウム金属との反応性を抑えて諸性能を向上させたリチウム二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩と、
有機溶媒と、
下記化学式1で表されるオリゴマーと、を含むリチウム二次電池用電解質。
【化1】
(前記化学式1中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
〜Rは、それぞれ独立して、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキレン基であり、
R´は、水素または炭素数1〜3のアルキル基であり、
aは1〜3であり、
nは繰り返し単位の数であり、
nは1〜75の何れか1つの整数である。)
【請求項2】
前記化学式1で表されるオリゴマーにおいて、
前記脂肪族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の脂環族炭化水素基、または置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルコキシレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルキニレン基からなる群から選択される直鎖状炭化水素基であり、
前記芳香族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリーレン基;または置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロアリーレン基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項3】
前記化学式1で表されるオリゴマーが、下記化学式1aで表されるオリゴマーである、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【化2】
(前記化学式1a中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
は、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
n1は繰り返し単位の数であり、
n1は1〜75の何れか1つの整数である。)
【請求項4】
前記化学式1aで表されるオリゴマーが、下記化学式1a‐1で表されるオリゴマーである、請求項3に記載のリチウム二次電池用電解質。
【化3】
(前記化学式1a‐1中、
n2は繰り返し単位の数であり、
n2は20〜75の何れか1つの整数である。)
【請求項5】
前記化学式1で表されるオリゴマーは、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として0.5重量%〜20重量%で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項6】
前記化学式1で表されるオリゴマーは、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として0.5重量%〜15重量%で含まれる、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項7】
前記化学式1で表されるオリゴマーを含む場合、前記リチウム二次電池用電解質は液体電解質である、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項8】
前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む場合、前記リチウム二次電池用電解質はゲルポリマー電解質である、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項9】
前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーは、重合開始剤の存在下で、化学式1で表されるオリゴマーが重合して3次元構造で形成されたマトリックスポリマーである、請求項8に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項10】
前記ゲルポリマー電解質は無機物粒子をさらに含む、請求項8に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項11】
前記無機物粒子は、BaTiO、BaTiO、Pb(ZrTi1−x)O(0≦x≦1)(PZT)、Pb1−bLaZr1−cTi(PLZT、ここで、0<b<1、0<c<1である)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O‐PbTiO(PMN‐PT)、ハフニア(HfO)、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiC、およびこれらの混合体からなる群から選択される単一物または2種以上の混合物を含む、請求項10に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項12】
前記無機物粒子は、ゲルポリマー電解質の全重量を基準として10重量%〜25重量%で含まれる、請求項10に記載のリチウム二次電池用電解質。
【請求項13】
負極と、正極と、前記負極と正極との間に介在されたセパレータと、
請求項1に記載のリチウム二次電池用電解質と、を含むリチウム二次電池。
【請求項14】
前記リチウム二次電池用電解質が液体電解質である、請求項13に記載のリチウム二次電池。
【請求項15】
前記リチウム二次電池用電解質がゲルポリマー電解質である、請求項13に記載のリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年12月8日付けの韓国特許出願第10‐2016‐0166991号および第10‐2016‐0166992号と、2017年12月8日付けの韓国特許出願第10‐2017‐0168433号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、高温耐久性が向上したリチウム二次電池用電解質およびそれを含むリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、携帯電話、カムコーダ、およびノートパソコン、さらには電気自動車に対する技術開発と需要が増加しており、これに伴い、エネルギー貯蔵技術に関する関心が益々高まっている。
【0004】
特に、エネルギー貯蔵技術分野の中でも、高いエネルギー密度と電圧を有し、充放電が可能なリチウム二次電池に関する関心が高まっている。
【0005】
前記リチウム二次電池は、通常、リチウムイオンを挿入/放出することができる電極活物質を含む正極と負極、およびリチウムイオンの伝達媒質である電解質で構成されている。
【0006】
前記電解質としては、電解質塩が溶解された非水系有機溶媒を含む液体電解質、または前記液体電解質にマトリックスポリマーをさらに含むゲルポリマー電解質が適用されている。
【0007】
一方、リチウム二次電池の充放電時に前記電解質が分解されたり、または電極と電解質の副反応によって二次電池の内部でガスが生じる可能性があり、このようなガスの発生は、高温貯蔵時にさらに増加する。
【0008】
このように持続的に発生したガスは、電池の内圧増加を誘発させ、電池の厚さを膨張させるなど、電池の変形をもたらすだけでなく、電池内の電極面における密着性が局所的に変わり、電極反応が全体の電極面で同一に起こらないという問題を引き起こし得る。
【0009】
そこで、リチウム二次電池の安定性の向上と高出力特性の向上のために、高温貯蔵および過充電時におけるガスの発生および発熱反応などが抑えられ、安定性が向上したリチウム二次電池の開発が必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2013‐0058403号公報
【特許文献2】韓国特許出願公開第2009‐0015859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものである。
【0012】
本発明の第1の技術的課題は、高温貯蔵および過充電時における酸化反応が抑えられ、高温耐久性が向上したリチウム二次電池用電解質を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の技術的課題は、前記リチウム二次電池用電解質を含むことで、高温貯蔵および過充電時における安定性が向上したリチウム二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、リチウム塩と、有機溶媒と、下記化学式1で表されるオリゴマーと、を含むリチウム二次電池用電解質を提供する。
【0015】
【化1】
【0016】
前記化学式1中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
〜Rは、それぞれ独立して、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
は炭素数1〜4のアルキレン基であり、
R´は水素または炭素数1〜3のアルキル基であり、
aは1〜3であり、
nは繰り返し単位の数であり、
nは1〜75の何れか1つの整数である。
【0017】
この際、前記化学式1で表されるオリゴマーにおいて、前記脂肪族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の脂環族炭化水素基、または置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルコキシレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルキニレン基からなる群から選択される直鎖状炭化水素基であり、
前記芳香族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリーレン基;または置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0018】
具体的に、前記化学式1で表されるオリゴマーは、下記化学式1aで表されるオリゴマーであってもよい。
【0019】
【化2】
【0020】
前記化学式1a中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
は、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
n1は繰り返し単位の数であり、
n1は1〜75の何れか1つの整数である。
【0021】
より具体的に、前記化学式1aで表されるオリゴマーは、下記化学式1a‐1で表されるオリゴマーであってもよい。
【0022】
【化3】
【0023】
前記化学式1a‐1中、
n2は繰り返し単位の数であり、
n2は20〜75の何れか1つの整数である。
【0024】
前記化学式1で表されるオリゴマーは、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として、0.5重量%〜20重量%、具体的には0.5重量%〜15重量%で含まれてもよい。
【0025】
この際、前記化学式1で表されるオリゴマーを含む場合、前記リチウム二次電池用電解質は液体電解質であってもよい。
【0026】
また、前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む場合、前記リチウム二次電池用電解質はゲルポリマー電解質であってもよい。
【0027】
前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーは、重合開始剤の存在下で、化学式1で表されるオリゴマーが重合して3次元構造で形成されたマトリックスポリマーであってもよい。
【0028】
前記ゲルポリマー電解質は、無機物粒子をさらに含んでもよい。
【0029】
このような無機物粒子は、BaTiO、BaTiO、Pb(ZrTi1−x)O(0≦x≦1)(PZT)、Pb1−bLaZr1−cTi(PLZT、ここで、0<b<1、0<c<1である)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O‐PbTiO(PMN‐PT)、ハフニア(HfO)、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiC、およびこれらの混合体からなる群から選択される単一物または2種以上の混合物を含んでもよい。
【0030】
前記無機物粒子は、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として10重量%〜25重量%で含まれてもよい。
【0031】
また、本発明の一実施形態は、負極と、正極と、前記負極と正極との間に介在されたセパレータと、本発明のリチウム二次電池用電解質と、を含むリチウム二次電池を提供する。
【0032】
この際、前記リチウム二次電池用電解質は、液体電解質またはゲルポリマー電解質であってもよい。
【発明の効果】
【0033】
上述のように、本発明によると、親水性および疎水性官能基を有するオリゴマーを含むことで、電極表面との表面張力を低めて濡れ性を向上させることができるとともに、初期充電時に電極の表面に安定したイオン伝導性被膜を形成することで、高温貯蔵および過充電時における電解質の副反応および酸化反応を防止し、高温耐久性が向上したリチウム二次電池用電解質を提供することができる。さらに、本発明は、このようなリチウム二次電池用電解質を備えることで、高温貯蔵および過充電時における発熱反応が抑えられ、安定性などの諸性能が向上したリチウム二次電池を製造することができる。
【0034】
本明細書に添付の次の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するためのものであって、上述の発明の内容とともに、本発明の技術思想をより理解させる役割をするものであるため、本発明は、この図面に記載の事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実験例2による、実施例1および比較例1のリチウム二次電池から発生したガス含量を示したグラフである。
【図2】本発明の実験例3による、実施例5および6と比較例3のリチウム二次電池から発生したガス含量を示したグラフである。
【図3】本発明の実験例4による、実施例5のゲルポリマー電解質と比較例1の液体電解質の酸化安定性の評価結果を示したグラフである。
【図4】本発明の実験例4による、実施例6のゲルポリマー電解質と比較例2の液体電解質の還元安定性の評価結果を示したグラフである。
【図5】本発明の実験例5による、実施例5および比較例3のリチウム二次電池の常温(25℃)での性能評価結果を示したグラフである。
【図6】本発明の実験例6による、実施例5および比較例3のリチウム二次電池の低温(−10℃)での性能評価結果を示したグラフである。
【図7】本発明の実験例7による、実施例5および比較例3のリチウム二次電池の熱的安定性の評価結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0037】
本明細書および請求の範囲に用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
【0038】
具体的に、本発明の一実施形態は、リチウム塩と、有機溶媒と、下記化学式1で表されるオリゴマーと、を含むリチウム二次電池用電解質を提供する。
【0039】
【化4】
【0040】
前記化学式1中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
〜Rは、それぞれ独立して、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
は炭素数1〜4のアルキレン基であり、
R´は水素または炭素数1〜3のアルキル基であり、
aは1〜3であり、
nは繰り返し単位の数であり、
nは1〜75の何れか1つの整数である。
【0041】
先ず、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質において、前記リチウム塩としては、リチウム二次電池用電解質に通常用いられるものなどが制限されずに使用可能であり、例えば、前記リチウム塩のカチオンとしてLiを含み、アニオンとして、F、Cl、Br、I‐、NO、N(CN)、BF、ClO、AlO、AlCl、PF、SbF、AsF、BF、BC、PF、PF、(CFPF、(CFPF、(CFPF、(CFPF、(CF、CFSO、CSO、CFCFSO、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO、CFCO、CHCO、SCN、および(CFCFSOからなる群から選択される少なくとも何れか1つが挙げられる。具体的に、前記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiCLO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCHCO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiAlO、およびLiCHSOからなる群から選択される単一物または2種以上の混合物を含んでもよく、これらの他にも、リチウム二次電池の電解質に通常用いられるLiBETI(lithium bisperfluoroethanesulfonimide、LiN(SO)、LiFSI(lithium fluorosulfonyl imide、LiN(SOF))、およびLiTFSI(lithium (bis)trifluoromethanesulfonimide、LiN(SOCF)で表されるリチウムイミド塩などのリチウム塩を制限されずに使用できる。具体的に、前記リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiCHCO、LiCFCO、LiCHSO、LiFSI、LiTFSI、およびLiN(CSOからなる群から選択される単一物または2種以上の混合物を含んでもよい。
【0042】
前記リチウム塩は、通常使用可能な範囲内で適宜変更してもよいが、具体的に、リチウム二次電池用電解質中に0.8M〜3M、具体的には1.0M〜2.5Mで含まれてもよい。もし、前記リチウム塩の濃度が3Mを超える場合には、電解質の粘度が増加してリチウムイオン移動効果が低下し得る。
【0043】
また、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質において、前記有機溶媒は、二次電池の充放電過程で酸化反応などによる分解が最小化され、且つ添加剤とともに目的の特性を発揮することができるものであれば制限されない。例えば、前記有機溶媒は、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、またはアミド系溶媒などをそれぞれ単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】
前記有機溶媒のうち、エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、およびエチルプロピルエーテルからなる群から選択される何れか1つまたはこれらの2種以上の混合物が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0045】
また、前記エステル系溶媒は、環状カーボネート化合物、直鎖状カーボネート化合物、直鎖状エステル化合物、および環状エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0046】
このうち、前記環状カーボネート化合物の具体的な例としては、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、およびフルオロエチレンカーボネート(FEC)からなる群から選択される何れか1つまたはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0047】
また、前記直鎖状カーボネート化合物の具体的な例としては、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、およびエチルプロピルカーボネートからなる群から選択される何れか1つまたはこれらの2種以上の混合物などが代表的に使用できるが、これに限定されるものではない。
【0048】
前記直鎖状エステル化合物の具体的な例としては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、およびブチルプロピオネートからなる群から選択される何れか1つまたはこれらの2種以上の混合物などが代表的に使用できるが、これに限定されるものではない。
【0049】
前記環状エステル化合物の具体的な例としては、γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、γ‐カプロラクトン、σ‐バレロラクトン、ε‐カプロラクトンからなる群から選択される何れか1つまたはこれらの2種以上の混合物が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0050】
前記エステル系溶媒のうち、環状カーボネート系化合物は、高粘度の有機溶媒であって、誘電率が高くて電解質中のリチウム塩を解離させやすいため好適に使用可能であり、このような環状カーボネート系化合物に、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートなどのような低粘度、低誘電率の直鎖状カーボネート系化合物および直鎖状エステル系化合物を適当な割合で混合して用いると、高い電気伝導率を有する電解液を作製することができるため、さらに好適に使用できる。
【0051】
また、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質は、前記化学式1で表されるオリゴマーを含んでもよい。
【0052】
このような化学式1で表されるオリゴマーは、二次電池内で正極またはセパレータ(SRS層)と負極またはセパレータ原反とバランスのよい親和性を示して電気化学的に安定するため、リチウム二次電池の性能向上に大きく寄与する。
【0053】
すなわち、前記化学式1で表されるオリゴマーは、両末端に、自ら架橋結合を形成できる親水性部分であるアクリレート系官能基を含有するとともに、疎水性部分であるフッ素置換のエチレン基を含んでいるため、電池内で界面活性剤の役割を付与し、正極、負極、およびセパレータ(SRS層)とそれぞれバランスのよい親和性を維持して界面抵抗を低めることができる。したがって、前記化学式1で表されるオリゴマーを含むリチウム二次電池用電解質は、濡れ性の効果がより向上することができる。
【0054】
さらには、前記化学式1で表されるオリゴマーは、リチウム塩を解離する能力を有していて、リチウムイオンの移動性を向上させることができ、特に、フッ素で置換されたアルキル基を末端に含むとともに、主鎖の繰り返し単位として、電気化学的に非常に安定し、Liイオンとの反応性が低いフッ素置換のエチレン基を含んでいるため、初期充電時に電極の表面に安定したイオン伝導性被膜を形成することで、高温貯蔵および過充電時における電解質とリチウムイオン(Li)との副反応、電解質酸化反応およびリチウム塩(salt)の分解反応などを制御することができる。
【0055】
これにより、過充電時におけるCOまたはCOなどのガスの発生を低減することができるため、高温耐久性を向上させることができる。
【0056】
そこで、従来のゲルポリマー電解質の製造時に常用化されていたエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、またはブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド骨格を有するポリマー、またはジアルキルシロキサン、フルオロシロキサン、またこれらのユニットを有するブロック共重合体、およびグラフト重合体などの代わりに、前記化学式1で表されるオリゴマーを含む本発明の二次電池用電解質は、電解質の副反応および酸化反応が減少し、電極と電解質との界面安定性の効果を実現することで、高温耐久性が向上することができる。
【0057】
この際、前記化学式1で表されるオリゴマーにおいて、前記脂肪族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数4〜20のシクロアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つ以上の脂環族炭化水素基、または置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルキレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜20のアルコキシレン基;置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルケニレン基;および置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のアルキニレン基からなる群から選択される直鎖状炭化水素基であってもよい。
【0058】
前記芳香族炭化水素基は、置換されているかまたは置換されていない炭素数6〜20のアリーレン基;または置換されているかまたは置換されていない炭素数2〜20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0059】
具体的に、前記化学式1で表されるオリゴマーは、下記化学式1aで表されるオリゴマーであってもよい。
【0060】
【化5】
【0061】
前記化学式1a中、
Rは、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、
は、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1〜5のアルキレン基であり、
n1は繰り返し単位の数であり、
m1は1〜75の何れか1つの整数である。
【0062】
より具体的に、前記化学式1aで表されるオリゴマーは、下記化学式1a‐1で表されるオリゴマーであってもよい。
【0063】
【化6】
【0064】
前記化学式1a‐1中、
n2は繰り返し単位の数であり、
n2は20〜75の何れか1つの整数である。
【0065】
前記化学式1で表されるオリゴマーは、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として、0.5重量%〜20重量%、具体的には0.5重量%〜15重量%、より具体的には0.5重量%〜10重量%で含まれてもよい。
【0066】
前記化学式1で表されるオリゴマーの含量が0.5重量%以上である場合に、安定したネットワーク構造を有するゲルポリマー電解質を製造することができ、20重量%以下である場合に、過量のオリゴマーの添加による抵抗増加を防止して濡れ性を確保するとともに、リチウムイオンの移動制限を改善することで、イオン伝導度の低下のような欠点を防止することができる。
【0067】
また、前記化学式1で表されるオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、繰り返し単位の数によって調節可能であり、約1,000g/mol〜100,000g/mol、具体的には1,000g/mol〜50,000g/mol、より具体的には2,000g/mol〜7,000g/molであってもよい。前記オリゴマーの重量平均分子量が前記範囲内である場合、適切なオリゴマー分子量によってポリマーマトリックスを効果的に形成することができる。また、必要に応じて種々の官能基を置換させやすいため、様々な諸性能の改善効果が得られる。
【0068】
もし、前記オリゴマーの重量平均分子量が1,000g/mol未満である場合には、安定したポリマーネットワークを形成しにくいため、それ自体が電気化学的安定性および界面活性剤の役割などを果たすことを期待することができず、重量平均分子量が100,000g/molを超える場合には、オリゴマーの物性自体が硬直(rigid)し、粘度の増加によって電解質溶媒との親和性が低くなって溶解度(solubility)が低くなるという欠点がある。
【0069】
前記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)で測定した標準ポリスチレンに対する換算数値を意味し、特に他に規定しない限り、分子量は重量平均分子量を意味する。例えば、本発明では、GPC条件で、Agilent社の1200シリーズを用いて測定する。この際、カラムとしてはAgilent社のPL mixed Bカラムが使用可能であり、溶媒としてはTHFが使用可能である。
【0070】
このような本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質が前記化学式1で表されるオリゴマーを含む場合、前記本発明のリチウム二次電池用電解質は液体電解質であってもよい。
【0071】
また、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質が前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む場合、前記リチウム二次電池用電解質はゲルポリマー電解質であってもよい。
【0072】
この際、前記化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーは、重合開始剤の存在下で、化学式1で表されるオリゴマーが重合して3次元構造で形成されたマトリックスポリマーであってもよい。
【0073】
前記本発明のリチウム二次電池用電解質がゲルポリマー電解質である場合、ゲルを形成するために用いられる重合開始剤としては、通常のゲルポリマー電解質の製造時に用いられる、熱および光によってラジカルを発生させることができる通常の重合開始剤が制限されずに使用可能である。具体的に、前記重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤またはパーオキサイド系重合開始剤が使用可能であり、その代表的な例としては、ベンゾイルパーオキサイド(benzoyl peroxide)、アセチルパーオキサイド(acetyl peroxide)、ジラウリルパーオキサイド(dilauryl peroxide)、ジ‐tert‐ブチルパーオキサイド(di‐tert‐butyl peroxide)、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチル‐ヘキサノエート(t‐butyl peroxy‐2‐ethyl‐hexanoate)、クミルハイドロパーオキサイド(cumyl hydroperoxide)、およびハイドロジェンパーオキサイド(hydrogen peroxide)からなる群から選択される少なくとも1つ以上のパーオキサイド系化合物、または2,2´‐アゾビス(2‐シアノブタン)、ジメチル2,2´‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)、2,2´‐アゾビス(メチルブチロニトリル)、2,2´‐アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN;2,2´‐Azobis(iso‐butyronitrile))、および2,2´‐アゾビスジメチル‐バレロニトリル(AMVN;2,2´‐Azobisdimethyl‐valeronitrile)からなる群から選択される少なくとも1つ以上のアゾ系化合物が挙げられる。
【0074】
前記重合開始剤は、二次電池内で、熱、非制限的な例として30℃〜100℃、具体的には60℃〜80℃の熱により分解されるか、常温(5℃〜30℃)で分解されてラジカルを形成することができる。
【0075】
前記重合開始剤は、前記オリゴマーの全100重量部を基準として、約0.01重量部〜約20重量部、具体的には5重量部で含まれてもよい。前記範囲で含まれる場合、ゲル化反応が容易に行われるため、組成物を電池内に注液する途中にゲル化が行われたり、重合反応後に未反応の重合開始剤が残留して副反応が引き起こされることを防止することができる。特に、一部の重合開始剤の場合、熱などによってラジカルが発生する過程で窒素もしくは酸素ガスが生じることがある。このようなガスの発生は、ゲル高分子電解質の形成過程でガストラップまたはガスバブリング現象につながる場合が殆どである。このようなガスが生じる場合、ゲル高分子電解質内で欠陥(defect)を引き起こすため、電解質の品質低下が発生する。したがって、重合開始剤が前記範囲で含まれる場合、多量のガスが生じるなどの欠点をより効果的に防止することができる。
【0076】
特に、一部の重合開始剤の場合、熱などによってラジカルが発生する過程で窒素もしくは酸素ガスが生じることがある。このようなガスの発生は、ゲル高分子電解質の形成過程でガストラップまたはガスバブリング現象につながる場合が殆どである。このようなガスが生じる場合、ゲル高分子電解質内で欠陥(defect)を引き起こすため、電解質の品質低下が発生する。したがって、重合開始剤が前記範囲で含まれる場合、多量のガスが生じるなどの欠点をより効果的に防止することができる。また、発明のゲルポリマー電解質において、前記ゲルポリマー電解質は、25℃の温度でゲルの含量が約1重量%以上、具体的に約20重量%以上であってもよい。
【0077】
また、本発明のゲルポリマー電解質は無機物粒子をさらに含んでもよい。
【0078】
前記無機物粒子はポリマーネットワークに含浸され、無機物粒子間の空き空間によって形成された気孔を介して高粘度溶媒が染み込みやすいようにすることができる。すなわち、無機物粒子を含むことで、極性物質間の親和力と毛細管現象により、高粘度溶媒に対する湿潤性がより向上する効果が得られる。
【0079】
かかる無機物粒子としては、誘電率が高く、且つリチウム二次電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Liを基準として0〜5V)で酸化および/または還元反応が起こらない無機物粒子を用いてもよい。
【0080】
具体的に、前記無機物粒子の代表的な例としては、誘電定数が5以上であるBaTiO、BaTiO、Pb(ZrTi1−x)O(0≦x≦1)(PZT)、Pb1−bLaZr1−cTi(PLZT、ここで、0<b<1、0<c<1である)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O‐PbTiO(PMN‐PT)、ハフニア(HfO)、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiC、およびこれらの混合体からなる群から選択される単一物または2種以上の混合物が挙げられる。
【0081】
また、前記無機物粒子の他にも、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子、すなわち、リチウムホスフェート(LiPO)、リチウムチタンホスフェート(LiTi(PO、0<d<2、0<e<3)、リチウムアルミニウムチタンホスフェート(Lia1Alb1Tic1(PO、0<a1<2、0<b1<1、0<c1<3)、14LiO‐9Al‐38TiO‐39Pなどのような(LiAlTiP)a2b2系ガラス(glass)(0<a2<4、0<b2<13)、リチウムランタンチタネート(Lia3Lab3TiO、0<a3<2、0<b3<3)、Li3.25Ge0.250.75などのようなリチウムゲルマニウムチオホスフェート(Lia4Geb4c2d1、0<a4<4、0<b4<1、0<c2<1、0<d1<5)、LiNなどのようなリチウムナイトライド(Lia5b5、0<a5<4、0<b5<2)、LiPO‐LiS‐SiSなどのようなSiS系ガラス(Lia6Sib6c3、0<a6<3、0<b6<2、0<c3<4)、LiI‐LiS‐PなどのようなP系ガラス(Lia7b7c4、0<a7<3、0<b7<3、0<c4<7)、またはこれらの混合物などをさらに含んでもよい。
【0082】
前記無機物粒子は、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として10重量%〜25重量%で含まれてもよい。
【0083】
前記無機物粒子の含量が10重量%未満である場合には、高粘度溶媒で濡れ性(wetting)の改善効果を期待しにくく、25重量%を超える場合には、電池の抵抗性能の低下を誘発し得る。
【0084】
前記無機物粒子の平均粒径は、ゲルポリマー電解質中に均一な厚さで適切な空隙率を有するように形成するために、約0.001μm〜10μmの範囲であることが好ましい。もし、平均粒径が0.001μm未満である場合には、分散性が低下し得て、平均粒径が10μmを超える場合には、多孔性コーティング層の厚さが増加するだけでなく、無機物粒子が凝集する現象が発生し、ゲルポリマー電解質の外に露出するため機械的強度が低下し得る。
【0085】
また、前記ゲルポリマー電解質は、25℃の温度で、反応性オリゴマーの全投入量に対する未反応オリゴマーの含量が20%以下であってもよい。
【0086】
この際、前記未反応オリゴマーの含量は、ゲルポリマー電解質を実現した後、ゲルポリマー電解質を溶媒(アセトン)抽出し、抽出された溶媒を核磁気共鳴(NMR)測定により確認することができる。
【0087】
また、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用電解質は、必要に応じて、SEI膜形成用添加剤をさらに含んでもよい。本発明で使用可能なSEI膜形成用添加剤の代表的な例としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、環状サルファイト、飽和スルトン、不飽和スルトン、非環状スルホンなどをそれぞれ単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
【0088】
この際、前記環状サルファイトとしては、エチレンサルファイト、メチルエチレンサルファイト、エチルエチレンサルファイト、4,5‐ジメチルエチレンサルファイト、4,5‐ジエチルエチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、4,5‐ジメチルプロピレンサルファイト、4,5‐ジエチルプロピレンサルファイト、4,6‐ジメチルプロピレンサルファイト、4,6‐ジエチルプロピレンサルファイト、1,3‐ブチレングリコールサルファイトなどが挙げられ、飽和スルトンとしては、1,3‐プロパンスルトン、1,4‐ブタンスルトンなどが挙げられ、不飽和スルトンとしては、エテンスルトン、1,3‐プロペンスルトン、1,4‐ブテンスルトン、1‐メチル‐1,3‐プロペンスルトンなどが挙げられ、非環状スルホンとしては、ジビニルスルホン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルビニルスルホンなどが挙げられる。
【0089】
この際、前記SEI膜形成用添加剤は、添加剤の過量使用による抵抗増加および副反応を防止するために、リチウム二次電池用電解質の全重量を基準として、7重量%以下、具体的には0.01重量%〜5重量%で含まれることが好ましい。
【0090】
このような本発明のゲルポリマー電解質は、前記化学式1で表されるオリゴマーが重合して3次元構造で形成されたマトリックスポリマーを含むことで、機械的物性およびイオン伝導度が向上するだけでなく、高温貯蔵および過充電時における酸化反応が抑えられ、高温耐久性を確保することができる。尚、正極と負極の表面に高分子で構成される保護層を形成したり、高分子構造を用いてアニオンを安定化することで、副反応を抑制するとともに、電極間の密着力を増大させることにより、高温での電池内部のガス発生を抑制することができる。したがって、高温貯蔵および過充電時における安定性が向上したリチウム二次電池を製造することができる。
【0091】
また、本発明の一実施形態は、負極と、正極と、前記負極と正極との間に介在されたセパレータと、本発明のリチウム二次電池用電解質と、を含むリチウム二次電池を提供することができる。
【0092】
前記リチウム二次電池用電解質は、液体電解質またはゲルポリマー電解質であってもよい。
【0093】
前記リチウム二次電池用電解質が液体電解質である場合、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、および正極と負極の間に選択的に介在されたセパレータが順に積層されてなる電極組立体を二次電池ケースまたは外装材に収納した後、本発明のリチウム二次電池用電解質を注入することで製造することができる。
【0094】
また、前記リチウム二次電池用電解質が前記化学式1で表されるオリゴマーの重合によって形成されたポリマーマトリックスを含むゲルポリマー電解質である場合、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、および正極と負極との間に選択的に介在されたセパレータが順に積層されてなる電極組立体を二次電池ケースまたは外装材に収納した後、前記リチウム二次電池用電解質を注入し、硬化反応させることで製造されることができる。
【0095】
例えば、二次電池の内部で、リチウム二次電池用電解質を注入したin‐situ重合反応を行うことで形成されることができる。前記in‐situ重合反応は、電子ビーム(E‐BEAM)、ガンマ線、常温または高温エージング工程により可能であって、本発明の一実施形態によると、熱重合により行うことができる。この際、重合時間は略2分〜48時間程度かかり、熱重合温度は60℃〜100℃、具体的には60℃〜80℃であってもよい。
【0096】
一方、本発明のリチウム二次電池において、前記正極、負極、およびセパレータとしては、リチウム二次電池の製造時に通常の方法により製造されて用いられているものであれば何れも使用可能である。
【0097】
先ず、前記正極は、正極集電体上に正極合剤層を形成して製造することができる。前記正極合剤層は、正極活物質、バインダー、導電材、および溶媒などを含む正極活物質スラリーを正極集電体上にコーティングした後、乾燥および圧延することで形成することができる。
【0098】
前記正極集電体としては、該電池に化学的変化を誘発することなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものなどが用いられてもよい。
【0099】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的な挿入および脱離が可能な化合物として、具体的には、コバルト、マンガン、ニッケル、またはアルミニウムなどの1種以上の金属とリチウムを含むリチウム複合金属酸化物を含んでもよい。より具体的に、前記リチウム複合金属酸化物は、リチウム‐マンガン系酸化物(例えば、LiMnO、LiMnなど)、リチウム‐コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)、リチウム‐ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム‐ニッケル‐マンガン系酸化物(例えば、LiNi1−YMn(ここで、0<Y<1)、LiMn2−zNi(ここで、0<Z<2)など)、リチウム‐ニッケル‐コバルト系酸化物(例えば、LiNi1−Y1CoY1(ここで、0<Y1<1)など)、リチウム‐マンガン‐コバルト系酸化物(例えば、LiCo1−Y2MnY2(ここで、0<Y2<1)、LiMn2−z1Coz1(ここで、0<Z1<2)など)、リチウム‐ニッケル‐マンガン‐コバルト系酸化物(例えば、Li(NiCoMnr1)O(ここで、0<p<1、0<q<1、0<r1<1、p+q+r1=1)、またはLi(Nip1Coq1Mnr2)O(ここで、0<p1<2、0<q1<2、0<r2<2、p1+q1+r2=2)など)、またはリチウム‐ニッケル‐コバルト‐遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip2Coq2Mnr3S2)O(ここで、Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、Mg、およびMoからなる群から選択され、p2、q2、r3、およびs2は、それぞれ独立の元素の原子分率であって、0<p2<1、0<q2<1、0<r3<1、0<s2<1、p2+q2+r3+s2=1である))などが挙げられ、これらの何れか1つまたは2つ以上の化合物が含まれてもよい。
【0100】
中でも、電池の容量特性および安定性を高めることができるという点から、前記リチウム複合金属酸化物は、LiCoO、LiMnO、LiNiO、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(例えば、Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)O、およびLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなど)、またはリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)Oなど)などであってもよい。
【0101】
前記正極活物質は、正極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として、80重量%〜99重量%、具体的には85重量%〜95重量%で含まれてもよい。
【0102】
この際、正極活物質の含量が80重量%以下である場合には、エネルギー密度が低くなって容量が低下し得る。
【0103】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合や集電体に対する結合を助ける成分であって、通常、正極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として1重量%〜30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ハイドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン‐ブタジエンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
【0104】
このような導電材としては、該電池に化学的変化を誘発することなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、またはサーマルブラックなどの炭素粉末;結晶構造が非常に発達した天然黒鉛、人造黒鉛、またはグラファイトなどの黒鉛粉末;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられてもよい。
【0105】
前記導電材は、通常、正極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として1重量%〜30重量%で添加される。
【0106】
前記導電材としては、アセチレンブラック系であるシェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)やデンカブラック(Denka Singapore Private Limited)、ガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)の製品など、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)製)、ブルカン(Vulcan)XC‐72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製)、及びスーパー(Super)P(Timcal社製)などの名称で市販されているものを用いてもよい。
【0107】
前記溶媒は、NMP(N‐methyl‐2‐pyrrolidone)などの有機溶媒を含んでもよく、前記正極活物質および選択的にバインダーおよび導電材などを含む際に好適な粘度となる量で用いられればよい。例えば、正極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材を含むスラリー中の固形分の濃度が10重量%〜70重量%、好ましくは20重量%〜60重量%となるように含まれてもよい。
【0108】
また、前記負極は、負極集電体上に負極合剤層を形成して製造することができる。前記負極合剤層は、負極活物質、バインダー、導電材、および溶媒などを含む負極活物質スラリーを負極集電体上にコーティングした後、乾燥および圧延することで形成することができる。
【0109】
前記負極集電体は、一般に3〜500μmの厚さを有する。かかる負極集電体としては、該電池に化学的変化を誘発することなく、且つ高い導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したもの、アルミニウム‐カドミウム合金などが用いられてもよい。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成することで負極活物質の結合力を強化させてもよく、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態で用いられてもよい。
【0110】
また、前記負極活物質は、リチウム金属、リチウムイオンを可逆的に挿入/脱離することができる炭素物質、金属またはこれらの金属とリチウムの合金、金属複合酸化物、リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質、および遷移金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0111】
前記リチウムイオンを可逆的に挿入/脱離することができる炭素物質としては、リチウムイオン二次電池で一般に用いられる炭素系負極活物質であれば特に制限されずに使用可能であり、その代表的な例としては、結晶質炭素、非晶質炭素、またはこれらをともに用いてもよい。前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状、または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛などのような黒鉛が挙げられ、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(soft carbon:低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メソフェーズピッチ炭化物、焼成されたコークスなどが挙げられる。
【0112】
前記金属またはこれらの金属とリチウムの合金としては、Cu、Ni、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Si、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、Al、およびSnからなる群から選択される金属またはこれらの金属とリチウムの合金が用いられてもよい。
【0113】
前記金属複合酸化物としては、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Bi、LiFe(0≦x≦1)、Lix8WO(0≦x8≦1)、およびSnMe1−xMe´(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me´:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族の元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)からなる群から選択されるものが用いられてもよい。
【0114】
前記リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質としては、Si、SiOx7(0<x7<2)、Si‐Y合金(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Siではない)、Sn、SnO、Sn‐Y(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Snではない)などが挙げられ、またこれらの少なくとも1つとSiOを混合して用いてもよい。前記元素Yとしては、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ti、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0115】
前記遷移金属酸化物としては、リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などが挙げられる。
【0116】
前記負極活物質は、負極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として、80重量%〜99重量%で含まれてもよい。
【0117】
前記バインダーは、導電材、活物質、および集電体の間の結合を助ける成分であって、通常、負極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として1重量%〜30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレン‐ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化‐EPDM、スチレン‐ブタジエンゴム、フッ素ゴム、これらの様々な共重合体などが挙げられる。
【0118】
前記導電材は、負極活物質の導電性をさらに向上させるための成分であって、負極活物質スラリー中の固形分の全重量を基準として1重量%〜20重量%で添加されてもよい。このような導電材としては、該電池に化学的変化を誘発することなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、またはサーマルブラックなどの炭素粉末;結晶構造が非常に発達した天然黒鉛、人造黒鉛、またはグラファイトなどの黒鉛粉末;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられてもよい。
【0119】
前記溶媒は、水またはNMP、アルコールなどの有機溶媒を含んでもよく、前記負極活物質および選択的にバインダーおよび導電材などを含む際に好適な粘度となる量で用いられればよい。例えば、負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材を含むスラリー中の固形分の濃度が50重量%〜75重量%、好ましくは50重量%〜65重量%となるように含まれてもよい。
【0120】
また、前記セパレータは、両電極の内部短絡を防止し、電解質を含浸する役割を担うものであって、高分子樹脂、充填剤、および溶媒を混合してセパレータ組成物を製造した後、前記セパレータ組成物を電極の上部に直接コーティングおよび乾燥することでセパレータフィルムを形成してもよく、前記セパレータ組成物を支持体上にキャスティングおよび乾燥した後、前記支持体から剥離されたセパレータフィルムを電極の上部にラミネートすることで形成してもよい。
【0121】
前記セパレータとしては、通常用いられる多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して用いてもよく、または、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を用いてもよいが、これに限定されるものではない。
【0122】
この際、前記多孔性セパレータの気孔直径は一般に0.01〜50μmであり、気孔度は5%〜95%であってもよい。また、前記多孔性セパレータの厚さは一般に5〜300μmの範囲であってもよい。
【0123】
本発明のリチウム二次電池の外形は特に制限されないが、缶を用いた円筒形、角形、パウチ(pouch)形、またはコイン(coin)形などが可能である。
【0124】
以下では、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本発明による実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記に記載の実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例】
【0125】
I.液体電解質を含むリチウム二次電池
実施例1
(液体電解質の製造)
1MのLiPFが溶解された非水系有機溶媒(エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積%))95gに、前記化学式1a‐1の化合物(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)5gを添加することで液体電解質を製造した(下記表1参照)。
【0126】
(二次電池の製造)
正極活物質として(LiNi1/3Co1/3Mn1/3;NCM)94重量%、導電材としてカーボンブラック(carbon black)3重量%、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド3重量%を、溶媒のN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)に添加することで、正極活物質スラリー(固形分含量50重量%)を製造した。厚さ20μmの正極集電体であるアルミニウム(Al)薄膜に前記正極活物質スラリーを塗布し、乾燥して正極を製造した後、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
【0127】
負極活物質として炭素粉末、バインダーとしてPVDF、導電材としてカーボンブラック(carbon black)をそれぞれ96重量%、3重量%、および1重量%とし、溶媒のNMPに添加することで負極活物質スラリー(固形分含量65重量%)を製造した。厚さ10μmの負極集電体である銅(Cu)薄膜に前記負極活物質スラリーを塗布し、乾燥して負極を製造した後、ロールプレス(roll press)を行って負極を製造した。
【0128】
前記製造された正極、負極、およびポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)の3層からなるセパレータを順に積層して電極組立体を製造した後、電池ケース内に前記組み立てられた電極組立体を収納し、前記液体電解質を注液することでリチウム二次電池を製造した。
【0129】
実施例2
前記実施例1の液体電解質の製造時に、前記非水系有機溶媒80gに化学式1a‐1の化合物(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)20gを含むことを除き、前記実施例1と同様の方法により、液体電解質およびそれを含む二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0130】
実施例3
前記実施例1の液体電解質の製造時に、前記非水系有機溶媒99.7gに化学式1a‐1の化合物(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)0.3gを含むことを除き、前記実施例1と同様の方法により、液体電解質およびそれを含む二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0131】
実施例4
前記実施例1の液体電解質の製造時に、前記非水系有機溶媒70gに化学式1a‐1の化合物(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)30gを含むことを除き、前記実施例1と同様の方法により、液体電解質およびそれを含む二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0132】
比較例1
前記実施例1の液体電解質の製造時に、化学式1a‐1の化合物を含まないことを除き、前記実施例1と同様の方法により、液体電解質およびそれを含む二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0133】
比較例2
前記実施例1の液体電解質の製造時に、化学式1a‐1の化合物を含まず、1MのLiFSIを非水系有機溶媒(EC:PC:DEC=3:2:5体積%)を使用したことを除き、前記実施例1と同様の方法により、液体電解質およびそれを含む二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0134】
II.ゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池
実施例5
(ゲルポリマー電解質用組成物の製造)
1MのLiPFが溶解された非水系有機溶媒(エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比))93.5gに、前記化学式1a‐1のオリゴマー(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)5g、重合開始剤として2,2´‐アゾビス(イソブチロニトリル)0.5g、およびビニレンカーボネート(VC)1gを添加することで、ゲルポリマー電解質用組成物を製造した(下記表1参照)。
【0135】
(二次電池の製造)
正極活物質として(LiNi1/3Co1/3Mn1/3;NCM)94重量%、導電材としてカーボンブラック(carbon black)3重量%、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド3重量%を、溶媒のN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)に添加することで、正極活物質スラリー(固形分含量50重量%)を製造した。厚さ20μmの正極集電体であるアルミニウム(Al)薄膜に前記正極活物質スラリーを塗布し、乾燥して正極を製造した後、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
【0136】
負極活物質として炭素粉末、バインダーとしてPVDF、導電材としてカーボンブラック(carbon black)をそれぞれ96重量%、3重量%、および1重量%とし、溶媒のNMPに添加することで負極活物質スラリー(固形分含量65重量%)を製造した。厚さ10μmの負極集電体である銅(Cu)薄膜に前記負極活物質スラリーを塗布し、乾燥して負極を製造した後、ロールプレス(roll press)を行って負極を製造した。
【0137】
前記製造された正極、負極、およびポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)の3層からなるセパレータを順に積層して電極組立体を製造した後、電池ケース内に前記組み立てられた電極組立体を収納し、前記ゲルポリマー電解質用組成物を注液した後、2日間エージング(aging)した。その後、それを70℃で5時間硬化(curing)することで、熱重合されたゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池を得た。
【0138】
実施例6
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造時に、1MのLiFSIが溶解された非水系有機溶媒(EC:PC:DEC=3:2:5体積%)98.67gに、前記化学式1a‐1で表されるオリゴマー(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)0.3gおよび重合開始剤0.03gを使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0139】
実施例7
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造時に、前記非水系有機溶媒77gに、前記化学式1a‐1で表されるオリゴマー(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)20gおよび重合開始剤2gを使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0140】
実施例8
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造時に、前記非水系有機溶媒98.67gに、前記化学式1a‐1で表されるオリゴマー0.3gおよび重合開始剤0.03gを使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0141】
実施例9.
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造時に、前記非水系有機溶媒66gに、前記化学式1a‐1で表されるオリゴマー(n2=55、重量平均分子量(Mw):5,000)30gおよび重合開始剤3gを使用したことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0142】
実施例10.
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造において、有機溶媒の使容量を83.5gとし、無機物粒子(TiO)10gをさらに含むことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0143】
比較例3
前記実施例5のゲルポリマー電解質用組成物の製造時に、オリゴマーとして前記化学式1a‐1のオリゴマーの代わりに下記化学式2の化合物を含むことを除き、前記実施例5と同様の方法により、ゲルポリマー電解質用組成物およびそれを用いたリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
【0144】
【化7】
【0145】
【表1】
【0146】
実験例
実験例1:高温貯蔵安定性評価実験
前記実施例1〜4で製造された液体電解質を含むリチウム二次電池と、比較例1および2で製造された液体電解質を含むリチウム二次電池を、それぞれ0.33C/4.15Vの定電流‐定電圧で満充電し、SOC50%で5Cで10秒間放電することで初期充放電を行った。初期充放電の後、それぞれ4.15Vに充電し、80℃で10週間貯蔵した(SOC;state of charge)100)後、厚さ増加率(%)および抵抗増加率(%)を測定した。
【0147】
前記厚さ増加率(%)および抵抗増加率(%)を下記表2に示した。
【0148】
この際、電池の厚さ増加率(%)および抵抗増加率(%)は、下記式1および2を用いて計算した。
【0149】
[式1]
電池の厚さ増加率(%)=[(最終厚さ−初期厚さ)/初期厚さ]×100(%)
【0150】
[式2]
電池の抵抗増加率(%)=[(最終抵抗−初期抵抗)/初期抵抗]×100(%)
【0151】
また、上記のような方法により、前記実施例5〜10で製造されたゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池と、比較例3で製造されたゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池の、80℃での厚さ増加率(%)および抵抗増加率(%)を測定した。
【0152】
前記厚さ増加率(%)および抵抗増加率(%)を下記表2に示した。
【0153】
【表2】
【0154】
前記表2を参照すると、本発明の化学式1a‐1で表されるオリゴマーを含む液体電解質を備えた実施例1〜4のリチウム二次電池は、オリゴマーを含まない液体電解質を備えた比較例1および2のリチウム二次電池に比べて、80℃で10週後の厚さ増加率(%)が著しく低いことが分かる。
【0155】
また、本発明の化学式1a‐1で表されるオリゴマーを含む液体電解質を備えた実施例1〜4のリチウム二次電池は、オリゴマーを含まない液体電解質を備えた比較例1および2のリチウム二次電池に比べて、80℃で10週後の抵抗増加率(%)が著しく減少したことが分かる。
【0156】
また、前記表2を参照すると、本発明の化学式1a‐1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた実施例5〜10のリチウム二次電池は、化学式2の化合物由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた比較例3のリチウム二次電池に比べて、80℃で10週後の厚さ増加率(%)が著しく低いことが分かる。
【0157】
また、本発明の化学式1a‐1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた実施例5〜10のリチウム二次電池は、化学式2の化合物由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた比較例3のリチウム二次電池に比べて、80℃で10週後の抵抗増加率(%)が著しく減少したことが分かる。
【0158】
実験例2:発生ガス含量の測定
前記実施例1で製造された液体電解質を含むリチウム二次電池と、比較例1で製造された液体電解質を含むリチウム二次電池を、前記実験例1と同様の方法により充放電した後、GC(gas chromatography)分析方法により、高温貯蔵時に電池内部で発生したCOおよびCOガスの含量を測定した。その比較結果を下記図1に示した。
【0159】
図1に示したように、本発明のオリゴマーを含む液体電解質を備えた実施例1のリチウム二次電池の内部で発生したCOガスの含量は約100μlであり、COガスの含量は約200μl以下であることが分かる。
【0160】
これに対し、オリゴマーを含まない液体電解質を備えた比較例1の二次電池は、発生したCOガスの含量が約700μlであり、COガスの含量が約500μl程度であって、前記実施例1の二次電池に比べて約6倍以上のガスが発生したことが分かる。
【0161】
このような結果から、本発明の実施形態によるオリゴマーを含む液体電解質は、優れた酸化安定性を示し、二次電池の内部で発生したガスの量が著しく低減することが分かる。
【0162】
実験例3:発生ガス含量の測定
実施例5および6で製造されたゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池と、比較例3で製造されたゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池を、前記実験例1と同様の方法により充放電した後、GC(gas chromatography)分析方法により、高温貯蔵時に電池の内部で発生したCOおよびCOガスの含量を測定した。その比較結果を下記図2に示した。
【0163】
図2に示したように、本発明の実施形態によるオリゴマー由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた実施例5および6のリチウム二次電池の内部で発生したCOガスの含量は約500μlであり、COガスの含量は約300μl以下であることが分かる。
【0164】
これに対し、化学式2の化合物由来のポリマーを含むゲルポリマー電解質を備えた比較例3のリチウム二次電池は、発生したCOガスの含量が約1000μlであり、COガスの含量が約2000μl程度であって、前記実施例5および6の二次電池に比べて2倍以上のガスが発生したことが分かる。
【0165】
すなわち、実施例5および6の二次電池は、比較例3の二次電池に比べてCOガスが50%以上減少し、COガスが約70%〜80%以上減少したことが分かる。
【0166】
このような結果から、本発明の実施形態によるオリゴマーを含むゲル電解質は、優れた酸化安定性を示し、二次電池の内部で発生するガスの量が著しく低減することが分かる。
【0167】
実験例4:電気化学的安定性実験
<高電圧領域での酸化安定性実験>
直線走査ボルタンメトリー(Linear sweep voltammetry)により、下記表3のような実験条件で2極電池を用いて、60℃で実施例5のゲルポリマー電解質と比較例1の液体電解質に対する酸化安定性実験を行った。その結果を図3に示した。
【0168】
【表3】
【0169】
図3に示したように、比較例1の液体電解質は、4.4Vの領域から酸化変化が大きく発生することが分かる。これに対し、実施例5のゲルポリマー電解質は、5V以上の領域でも酸化変化が現れないことが分かる。
【0170】
すなわち、このような結果から、化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む実施例5のゲルポリマー電解質は、4.4V以上の高電圧領域でも酸化に対する安定性に非常に優れていることが分かる。
【0171】
<低電圧領域での還元安定性実験>
サイクリックボルタンメトリー法(Cyclic voltammetry)により、下記表4の実験条件で3極電池を用いて、低電圧領域での実施例6のゲルポリマー電解質と比較例2の液体電解質に対する還元安定性実験を行った。その結果を図4にした。
【0172】
【表4】
【0173】
図4に示したように、化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む実施例6のゲルポリマー電解質は、オリゴマーを添加していない比較例2の液体電解質と同様に、オリゴマーが還元されながら発生する電流増加ピークがグラフ上で現れないことが分かる。
【0174】
このような結果から、化学式1で表されるオリゴマー由来のポリマーを含む場合にも、実施例6のゲルポリマー電解質は還元安定性が低下しないことを確認することができる。
【0175】
実験例5:常温性能の評価
実施例5で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池と、比較例3で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池を、それぞれ25℃で0.5Cの定電流で4.2Vになるまで充電した後、4.2Vの定電圧で充電し、充電電流が0.275mAになると充電を終了した。その後、10分間放置した後、0.5Cの定電流で3.0Vになるまで放電した。前記充放電を700回サイクル行った後、電池容量を測定して図5に示した。
【0176】
図5に示したように、実施例5のリチウム二次電池は、700回のサイクルを進行した後にも容量保持率の変化が殆どなく、700回目のサイクルでも93%以上の容量保持率を示した。
【0177】
これに対し、比較例3のリチウム二次電池は、初期200回目のサイクルまでは本発明の実施例5の二次電池と類似の容量保持率を示したが、約250回目のサイクルから著しく減少し、700回目のサイクルでは約88%未満に急激に減少した。
【0178】
したがって、図5から確認したように、本発明の実施例5のリチウム二次電池は、比較例3のリチウム二次電池に比べて常温でのサイクル寿命特性が向上していることが分かる。
【0179】
実験例6:低温性能の評価
実施例5で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池と、比較例3で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池の低温性能を評価し、その結果を図6に示した。
【0180】
具体的に、実施例5および比較例3のリチウム二次電池の低温性能を評価するために、実施例5および比較例3のリチウム二次電池をそれぞれ0.5CレートでSOC50%に合わせた後、約3.65V、400mAhの電流密度でCC‐CV(Constant current‐Constant voltage)で最初充電した。その後、−10℃で4Wの電力で30秒間放電することで得られる電圧降下から、低温での抵抗を測定した。
【0181】
図6に示したように、本発明のオリゴマーを含むゲルポリマー電解質を備えた実施例5のリチウム二次電池は、比較例3のリチウム二次電池に比べて電圧降下の程度が相対的に少ないことが分かる。
【0182】
したがって、本発明のオリゴマーを含むゲルポリマー電解質を備えた実施例5のリチウム二次電池は、比較例3の二次電池に比べて低温特性が向上していることが分かる。
【0183】
実験例7:熱的安定性の評価
実施例5で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池と、比較例3で製造されたゲルポリマー電解質を備えたリチウム二次電池を、それぞれ4.2Vに満充電した状態で分解した後、負極を示差走査熱量計(DSC:differential scanning calorimeter)で測定した。測定条件としては、25℃〜400℃まで10℃/minの間隔で測定した。その結果を図7に示した。
【0184】
一般に、初期充電時に負極の表面にSEI(solid polymer electrolyte)膜が形成されるが、この膜が高温で分解されないと、負極と電解質の副反応が防止されて電池の安定性が向上する。
【0185】
図7に示したように、実施例5の二次電池は、SEI膜の分解温度が255℃で90J/gであるのに対し、比較例3の二次電池は、190℃で90J/gを示した。
【0186】
すなわち、本発明の実施形態によるオリゴマーを含むゲルポリマー電解質を使用した実施例5の二次電池は、負極の表面でのSEI膜の分解温度が比較例1に比べて約60℃以上高いことが分かる。したがって、本発明の実施例5のリチウム二次電池は、比較例3のリチウム二次電池に比べて熱的安定性により優れていることを確認することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】