(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522882
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】二次電池用正極活物質、その製造方法、及びそれを含むリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/525 20100101AFI20190719BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20190719BHJP
   H01M 4/131 20100101ALI20190719BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20190719BHJP
   H01G 11/46 20130101ALI20190719BHJP
【FI】
   !H01M4/525
   !H01M4/505
   !H01M4/131
   !H01G11/86
   !H01G11/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】2019501925
(86)(22)【出願日】20171219
(85)【翻訳文提出日】20190115
(86)【国際出願番号】KR2017015046
(87)【国際公開番号】WO2018124593
(87)【国際公開日】20180705
(31)【優先権主張番号】10-2016-0181022
(32)【優先日】20161228
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0174131
(32)【優先日】20171218
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
【住所又は居所】大韓民国 07336 ソウル,ヨンドゥンポ−グ,ヨイ−デロ 128
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ヘ・キム
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】ビョン・チョン・パク
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ラ・ペク
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】テ・グ・ユ
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】ワン・モ・チョン
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
【テーマコード(参考)】
5E078
5H050
【Fターム(参考)】
5E078AA05
5E078AA09
5E078AB01
5E078BA27
5E078BA44
5E078BA53
5E078BA73
5E078BB30
5E078BB33
5H050AA08
5H050AA10
5H050BA17
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB12
5H050FA19
5H050GA02
5H050GA10
5H050GA12
5H050GA27
5H050HA00
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA07
5H050HA14
5H050HA20
(57)【要約】
本発明は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を含み、前記リチウム遷移金属酸化物は、全遷移金属元素の中でニッケル(Ni)の含量が80モル%以上であり、前記リチウム遷移金属酸化物構造内のリチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の割合が1.1%以下である二次電池用正極活物質に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル(Ni)とコバルト(Co)を含み、且つマンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を準備するステップと、
前記リチウム遷移金属酸化物を水洗することで、リチウム遷移金属酸化物の表面に存在するリチウム不純物を除去するステップと、
前記水洗後のリチウム遷移金属酸化物を高温熱処理するステップと
を含み、
前記高温熱処理するステップが、温度を昇温させながら熱処理する昇温区間、昇温された温度を維持しながら熱処理する維持区間、及び温度を冷却させる冷却区間を含み、前記昇温区間が、総高温熱処理時間に対して20から30%である、二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項2】
前記維持区間が、総高温熱処理時間に対して40から50%である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項3】
前記冷却区間が、総高温熱処理時間に対して20から30%である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項4】
前記総高温熱処理時間が6から10時間である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項5】
前記維持区間の熱処理温度が600から900℃である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項6】
前記昇温区間の昇温速度が2から7℃/minである、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記冷却区間が自然冷却である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記高温熱処理が、酸素分圧が80%以上の酸素雰囲気下で行われる、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記水洗が、前記リチウム遷移金属酸化物100重量部に対し純水50から100重量部を用いて行われる、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項10】
前記水洗が、−10から30℃の温度で行われる、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項11】
前記リチウム遷移金属酸化物が下記化学式1で表され、
[化学式1]
LiNi1−x1−y1−z1Cox1y1z1q1
前記化学式1中、
が、Mn及びAlでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、
及びMが、それぞれ独立してBa、Ca、Zr、Ti、Mg、Ta、Nb、W及びMoでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、
1.0≦a≦1.5、0<x1≦0.2、0<y1≦0.2、0≦z1≦0.1、0≦q1≦0.1、0<x1+y1+z1≦0.2である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項12】
前記リチウム遷移金属酸化物を準備するステップが、
下記化学式2で表される前駆体及びリチウム含有原料物質を混合し、700から900℃で焼成する方法で行われ、
[化学式2]
Ni1−x2−y2−z2Cox2y2z2(OH)
前記化学式2中、
が、Mn及びAlでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、
が、Ba、Ca、Zr、Ti、Mg、Ta、Nb、W及びMoでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、
0<x2≦0.2、0≦y2≦0.2、0≦z2≦0.1、0<x2+y2+z2≦0.2である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項13】
前記高温熱処理されたリチウム遷移金属酸化物と、HBO、B及びAlでなる群より選択される少なくとも一つ以上とを混合した後、200から500℃の温度で熱処理してリチウム遷移金属酸化物の表面にコーティング層を形成するステップをさらに含む請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項14】
ニッケル(Ni)とコバルト(Co)を含み、且つマンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を含み、
前記リチウム遷移金属酸化物が、全遷移金属元素の中でニッケル(Ni)の含量が80モル%以上であり、
前記リチウム遷移金属酸化物の構造内のリチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の割合が1.1%以下である、二次電池用正極活物質。
【請求項15】
前記二次電池用正極活物質に存在するリチウム副産物の含量が0.3重量%超過から1重量%以下である、請求項14に記載の二次電池用正極活物質。
【請求項16】
前記リチウム遷移金属酸化物が、層状構造相(layered structural phase)及び擬スピネル構造相(spinel‐like structural phase)を含む、請求項14に記載の二次電池用正極活物質。
【請求項17】
前記二次電池用正極活物質の結晶密度(crystal density)が4.76g/cm以上である、請求項14に記載の二次電池用正極活物質。
【請求項18】
前記二次電池用正極活物質のBET比表面積が0.5m/g以下である、請求項14に記載の二次電池用正極活物質。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質を含む二次電池用正極。
【請求項20】
請求項19に記載の二次電池用正極を含むリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年12月28日付韓国特許出願第10−2016−0181022号及び2017年12月18日付韓国特許出願第10−2017−0174131号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池用正極活物質、その製造方法、及びそれを含むリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術の開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。このような二次電池のうち、高いエネルギー密度と電圧を有し、かつ、サイクル寿命が長くて自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化され広く用いられている。
【0004】
リチウム二次電池の正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物が利用されており、この中でも、作用電圧が高くて容量特性に優れたLiCoOのリチウムコバルト複合金属酸化物が主に用いられている。しかし、LiCoOは、脱リチウムによる結晶構造の不安定化によって熱的特性が非常に劣悪で、また高価であるため、電気自動車などのような分野の動力源としての大量使用には限界がある。
【0005】
LiCoOを代替するための材料として、リチウムマンガン複合金属酸化物(LiMnOまたはLiMnなど)、リチウムリン酸鉄化合物(LiFePOなど)またはリチウムニッケル複合金属酸化物(LiNiOなど)などが開発された。この中でも、約200mAh/gの高い可逆容量を有するため大容量の電池の具現が容易なリチウムニッケル複合金属酸化物に対する研究及び開発がより活発に行われている。しかし、LiNiOは、LiCoOに比べて熱安定性が不良であり、充電状態で外部からの圧力などによって内部短絡が生じると、正極活物質そのものが分解されて電池の破裂及び発火をもたらす問題がある。
【0006】
これに伴い、LiNiOの優れた可逆容量は保ちつつも低い熱安定性を改善するための方法として、Niの一部をMnとCoで置換したニッケルコバルトマンガン系リチウム複合金属酸化物(以下、簡単に「NCM系リチウム酸化物」と記す)が開発された。しかし、従来の、現在まで開発されていたNCM系リチウム酸化物は、容量特性が不十分なため適用に限界があった。
【0007】
このような問題点を改善するため、最近には、NCM系リチウム酸化物においてNiの含量を増加させようとする研究が行われている。しかし、ニッケルの含量が高い高濃度ニッケル正極活物質の場合、活物質の構造的安定性と化学的安定性が劣るため、熱安定性が急激に低下するという問題点がある。また、活物質内のニッケルの含量が高くなるに伴い、正極活物質の表面にLiOH、LiCOの形態で存在するリチウム副産物の残留量が高くなるため、これによるガスの発生及びスウェリング(swelling)現象の発生によって電池の寿命及び安定性が低下するという問題点も発生する。
【0008】
したがって、高容量化に適合しながらもリチウム副産物の残留量が少なく、高温安定性に優れた高濃度ニッケル(Ni‐rich)正極活物質の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであって、リチウム副産物の残留量が少ないながらも、構造的安定、優れた容量特性及び高温安定性を同時に具現することができる、高濃度ニッケル正極活物質、その製造方法と、それを含む二次電池用正極及びリチウム二次電池の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を準備するステップと、前記リチウム遷移金属酸化物を水洗することで、リチウム遷移金属酸化物の表面に存在するリチウム不純物を除去するステップと、前記水洗後のリチウム遷移金属酸化物を高温熱処理するステップとを含んでなり、前記高温熱処理するステップは、温度を昇温させながら熱処理する昇温区間、昇温された温度を維持しながら熱処理する維持区間、及び温度を冷却させる冷却区間を含み、前記昇温区間は、総高温熱処理時間に対して20から30%である二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を含み、前記リチウム遷移金属酸化物は、全遷移金属元素の中でニッケル(Ni)の含量が80モル%以上であり、前記リチウム遷移金属酸化物構造内のリチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の割合が1.1%以下である二次電池用正極活物質を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記正極活物質を含む正極及びリチウム二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水洗後に特定の条件で高温熱処理を行うことにより、リチウム副産物の残留量が減少しつつも、結晶構造内のリチウムが抜けて破壊された結晶構造の再結晶化が発生することによって構造安定性が向上され、優れた高温安定性を有する正極活物質を製造することができる。また、従来の高濃度ニッケル正極活物質と違って構造的に安定するだけでなく、繰り返し充電する際にも、容量特性に優れ、抵抗増加率が小さな二次電池を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例及び比較例による正極活物質の温度に対する熱流量(Heat Flow)を示すグラフである。
【図2】実施例及び比較例による正極活物質を利用して製造された電池セルの充放電サイクルに対する容量維持率を示したグラフである。
【図3】実施例及び比較例による正極活物質を利用して製造された電池セルの充放電サイクルに対する抵抗増加率を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に対する理解を深めるため、本発明をより詳細に説明する。このとき、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法によって説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0016】
本発明は、高濃度のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物を水洗した後、特定の条件で高温熱処理することにより、リチウム副産物の残留量を減少させ、結晶構造内のリチウムが抜けて破壊された結晶構造の再結晶化が発生することによって構造安定性が向上された高濃度ニッケル系正極活物質を製造することができるようにした。
【0017】
具体的に、本発明は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を準備するステップと、前記リチウム遷移金属酸化物を水洗してリチウム遷移金属酸化物の表面に存在するリチウム不純物を除去するステップと、前記水洗後のリチウム遷移金属酸化物を高温熱処理するステップとを含んでなり、前記高温熱処理するステップは、温度を昇温させながら熱処理する昇温区間、昇温された温度を維持しながら熱処理する維持区間、及び温度を冷却させる冷却区間を含み、前記昇温区間は、総高温熱処理時間に対して20から30%である二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
【0018】
先ず、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含むリチウム遷移金属酸化物を準備する。
【0019】
具体的に、前記リチウム遷移金属酸化物は、下記化学式1で表されてよい。
[化学式1]
LiNi1−x1−y1−z1Cox1y1z1q1
前記化学式1中、Mは、Mn及びAlでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、M及びMは、それぞれ独立してBa、Ca、Zr、Ti、Mg、Ta、Nb、W及びMoでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、1.0≦a≦1.5、0<x1≦0.2、0<y1≦0.2、0≦z1≦0.1、0≦q1≦0.1、0<x1+y1+z1≦0.2である。
【0020】
前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Liは、aに該当する含量、すなわち、1.0≦a≦1.5で含まれてよい。aが1.0未満であれば、容量が低下する恐れがあり、1.5を超過すれば、焼成工程で粒子が焼結されてしまうため、正極活物質の製造が難しいことがある。Li含量の制御による正極活物質の容量特性改善の効果の顕著さ、及び活物質の製造時の焼結性のバランスを考慮するとき、前記Liは、より好ましくは1.0≦a≦1.15の含量で含まれてよい。
【0021】
また、前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Niは、1−x1−y1−z1に該当する含量、すなわち、0.8≦1−x1−y1−z1<1で含まれてよい。より好ましくは、Niは、0.8≦1−x1−y1−z1<0.9で含まれてよい。前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物内のNiの含量が0.8以上の組成になれば、充放電に寄与するに十分なNi量が確保されて高容量化を図ることができる。Niの含量が0.8未満の場合、高容量の具現に限界があり得、0.9を超過する組成では、Liサイトの一部がNiにより置換され、充放電に寄与するに十分なLi量を確保することができないため、充放電容量が低下する恐れがある。
【0022】
また、前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Coは、x1に該当する含量、すなわち、0<x1≦0.2で含まれてよい。前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物内のCoの含量が0.2を超過する場合、費用の増加に比べて容量特性改善の効率が落ちることがある。Coの包含による容量特性改善の効果の顕著さを考慮するとき、前記Coは、より具体的に0.05≦x≦0.2の含量で含まれてよい。
【0023】
また、化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Mは、MnまたはAlであるか、Mn及びAlであってよく、このような金属元素は活物質の安定性を向上させ、結果として電池の安定性を改善させることができる。寿命特性改善の効果を考慮するとき、前記Mは、y1に該当する含量、すなわち、0<y1≦0.2の含量で含まれてよい。前記化学式1のリチウム複合遷移金属酸化物内のy1が0.2を超過すれば、却って電池の出力特性及び容量特性が低下する恐れがあり、前記Mは、より具体的に0.05≦y1≦0.2の含量で含まれてよい。
【0024】
また、化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Mは、リチウム複合遷移金属酸化物の結晶構造内に含まれているドーピング元素であってよく、Mは、z1に該当する含量、すなわち、0≦z1≦0.1で含まれてよい。
【0025】
また、化学式1のリチウム遷移金属酸化物において、Mの金属元素は、リチウム複合遷移金属酸化物構造内に含まれていなくてよく、前駆体とリチウムソースを混合して焼成するとき、Mソースを共に混合して焼成するか、リチウム複合遷移金属酸化物を形成した後、別にMソースを投入して焼成する方法を介し、前記Mがリチウム複合遷移金属酸化物の表面にドープされたリチウム複合遷移金属酸化物を製造することができる。前記Mは、q1に該当する含量、すなわち、0≦q1≦0.1の範囲内で正極活物質の特性を低下させない含量で含まれてよい。
【0026】
本発明で用いられる前記リチウム遷移金属酸化物は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)を含むNCM系リチウム複合遷移金属酸化物であってよく、または、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びアルミニウム(Al)を含むNCA系リチウム複合遷移金属酸化物であってよい。また、前記正極活物質は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)の4成分を必須に含む4成分系リチウム複合遷移金属酸化物であってよい。
【0027】
また、本発明で用いられるリチウム遷移金属酸化物は、前記リチウム遷移金属酸化物において遷移金属の全体モル比中のニッケルのモル比が0.8以上である高濃度ニッケル(high‐nickel)系リチウム遷移金属酸化物であってよい。
【0028】
前記化学式1のリチウム遷移金属酸化物は、これによって限定されるものではないが、例えば、下記化学式2で表される前駆体及びリチウム含有原料物質を混合し、700から900℃で焼成する方法で製造されたものであってよい。より好ましくは、前記焼成温度で酸素雰囲気下で焼成してよい。
[化学式2]
Ni1−x2−y2−z2Cox2y2z2(OH)
前記化学式2中、Mは、Mn及びAlでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、Mは、Ba、Ca、Zr、Ti、Mg、Ta、Nb、W及びMoでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、0<x2≦0.2、0≦y2≦0.2、0≦z2≦0.1、0<x2+y2+z2≦0.2である。
【0029】
前記化学式2の正極活物質前駆体において、Ni、Co、M及びMの好ましい組成は、前記で説明したリチウム遷移金属酸化物の組成の範囲と同一であってよい。
【0030】
前記リチウム含有原料物質は、リチウム含有炭酸塩(例えば、炭酸リチウムなど)、水和物(例えば、水酸化リチウムI水和物(LiOH・HO)など)、水酸化物(例えば、水酸化リチウムなど)、硝酸塩(例えば、硝酸リチウム(LiNO)など)、塩化物(例えば、塩化リチウム(LiCl)など)などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてよく、より好ましくは、炭酸リチウムを用いてよい。
【0031】
次いで、前記のように準備されたリチウム遷移金属酸化物を水洗することで、リチウム遷移金属酸化物に残留するリチウム副産物を除去する。
【0032】
本発明の前記リチウム遷移金属酸化物のようにニッケルを高濃度で含有するリチウム遷移金属酸化物の場合、ニッケルの含量が少ないリチウム遷移金属酸化物に比べて構造的に不安定であるため、製造工程で未反応水酸化リチウムや炭酸リチウムなどのリチウム副産物がさらに多く発生する。具体的には、ニッケルの含量が80モル%未満であるリチウム複合金属酸化物の場合、合成後のリチウム副産物の量が0.5〜0.6重量%程度である反面、ニッケルの含量が80モル%以上であるリチウム複合金属酸化物の場合、合成後のリチウム副産物の量が1重量%程度と高く表れる。一方、正極活物質にリチウム副産物が多量存在する場合、リチウム副産物と電解液が反応してガスの発生及びスウェリング現象の発生が現れるようになり、これによって高温安定性が著しく低下することになる。よって、高濃度ニッケルを含むリチウム遷移金属酸化物からリチウム副産物を除去するための水洗工程が必須に求められる。
【0033】
前記水洗ステップは、例えば、純水にリチウム遷移金属酸化物を投入し、撹拌させる方法で行われてよい。
【0034】
このとき、前記水洗は、リチウム遷移金属酸化物100重量部に対し純水50から100重量部を用いて行ってよい。
【0035】
前記水洗を進めるとき、純水の含量がリチウム遷移金属酸化物100重量部に対し50重量部未満の場合、洗浄が不十分でリチウム副産物の除去が十分でないことがあり、純水の含量が100重量部を超過する場合、結晶構造内のリチウムが水洗水に溶解される量が増加することがあり、特に、ニッケルの含量が80mol%以上である高濃度ニッケルのリチウム遷移金属酸化物の場合、純水の含量が大きすぎる際は結晶構造内のリチウムが水洗水に溶解される量が大幅に増加するので、電池の容量及び寿命の急激な低下が発生し得る。
【0036】
また、前記水洗の温度は、30℃以下、好ましくは−10℃から30℃であってよく、水洗の時間は10分から1時間程度であってよい。水洗の温度及び水洗の時間が前記範囲を満たすとき、リチウム副産物が効果的に除去され得る。
【0037】
次いで、水洗されたリチウム遷移金属酸化物を高温熱処理する。
【0038】
このとき、前記高温熱処理するステップは、温度を昇温させながら熱処理する昇温区間、昇温された温度を維持しながら熱処理する維持区間、及び温度を冷却させる冷却区間を含む。前記昇温区間は、総高温熱処理時間に対して20から30%が好ましい。
【0039】
前記高温熱処理ステップは、リチウム副産物をさらに除去し、高温熱処理を介して正極活物質内の金属元素等を再結晶化することで、構造安定性及び熱安定性を向上させるためのことである。前記高濃度のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物の場合、残留するリチウム副産物を除去するために水洗を進めることになるところ、水洗時にリチウム副産物のみならず結晶構造内のリチウムが共に抜けて結晶化度が落ちることになり、安定性が低下する。よって、本発明は、水洗された遷移金属酸化物を前記のような条件で高温熱処理することにより、リチウム遷移金属酸化物の金属元素等を再結晶化してリチウムの空所を埋め、表面安定性を向上させた。
【0040】
前記昇温区間が総高温熱処理時間の20%未満の場合、水洗工程の後に残存する水分の除去が十分なされないため、電気伝導性の低下などの電池性能の低下が起こることがあり、30%を超過する場合、再結晶化が効果的になされないため、リチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の割合が増加し得る。
【0041】
前記維持区間は、総高温熱処理時間に対して40から50%であってよい。前記冷却区間は、総高温熱処理時間に対して20から30%であってよい。前記昇温区間、維持区間及び冷却区間の割合を前記範囲内に満足させることによって残存水分を除去し、残留するリチウム副産物をさらに除去し、効果的に再結晶化させて安定性を著しく向上させることができる。
【0042】
前記高温熱処理する総時間は10時間以内が好ましく、具体的に、総高温熱処理時間は6時間から10時間であってよい。
【0043】
前記昇温区間の昇温速度は2から7℃/minであってよく、さらに好ましくは3から6℃/minであってよい。前記維持区間の熱処理温度は600℃以上であってよく、さらに好ましくは600から900℃であってよい。前記冷却区間は、自然冷却させる方式で冷却することができる。
【0044】
前記高温熱処理ステップの各区間の時間及び熱処理温度が前記範囲を満足するとき、優れた熱安定性改善の効果が現われる。本発明者達の研究によれば、維持区間の熱処理温度が600℃未満の場合は、熱安定性改善の効果が殆どないものと表れた。
【0045】
一方、前記高温熱処理は、酸素雰囲気、具体的に、酸素分圧が80%以上、より好ましくは80から99%、さらに好ましくは90から95%である雰囲気で行われてよい。本発明のように酸素雰囲気で熱処理が行われる場合、リチウム副産物が効果的に除去され、再結晶化が効果的に起こり得る。本発明者達の研究によれば、大気下で熱処理を行う場合、リチウム副産物除去の効果が著しく落ち、特に、大気下で600℃以上で熱処理を行う場合、リチウム副産物の量が熱処理の前より却って増加するものと表れた。
【0046】
前記高温熱処理されたリチウム遷移金属酸化物は、HBO、B及びAlでなる群より選択される少なくとも一つ以上と混合した後、熱処理してリチウム遷移金属酸化物の表面にコーティング層を形成することができる。このとき、前記熱処理は、200から500℃の温度で行われてよい。前記コーティング熱処理をさらに行うことで結晶性を向上させ、正極活物質の安定性をさらに改善することができる。
【0047】
次いで、本発明に係る二次電池用正極活物質に対して説明する。
【0048】
前記のような方法で製造された本発明の二次電池用正極活物質は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)を含み、マンガン(Mn)及びアルミニウム(Al)でなる群より選択される少なくとも一つ以上を含み、前記リチウム遷移金属酸化物は、全遷移金属元素の中でニッケル(Ni)の含量が80モル%以上であり、前記リチウム遷移金属酸化物構造内のリチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の割合が1.1%以下である。
【0049】
前記リチウム遷移金属酸化物は、下記化学式1で表されてよい。
[化学式1]
LiNi1−x1−y1−z1Cox1y1z1q1
前記化学式1中、Mは、Mn及びAlでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、M及びMは、それぞれ独立してBa、Ca、Zr、Ti、Mg、Ta、Nb、W及びMoでなる群より選択される少なくとも1種以上であり、1.0≦a≦1.5、0<x1≦0.2、0<y1≦0.2、0≦z1≦0.1、0≦q1≦0.1、0<x1+y1+z1≦0.2である。前記化学式1で表されるリチウム遷移金属酸化物の具体的な仕様は、前記製造方法で説明したものと同一なので、具体的な説明は省略する。
【0050】
従来の高濃度のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物の場合、残留するリチウム副産物を除去するために水洗を進めることになると、水洗時にリチウム副産物のみならず結晶構造内のリチウムが共に抜けて結晶化度が落ちることになり、Ni陽イオンがリチウム層に混入することになる陽イオン混合(cation mixing)の量が増加することになった。これは、電気化学特性の劣化で現われるようになる。
【0051】
したがって、本発明は、放電容量及び寿命特性などの電気化学特性に優れた正極活物質を製造するため、高濃度のニッケルを含有するリチウム遷移金属酸化物を水洗した後、酸素雰囲気下で高温熱処理することで、リチウム遷移金属酸化物の層状構造がよく発達できるようにし、リチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合の量が1.1%以下になるようにした。より好ましくは、陽イオン混合(cation mixing)の量が1.0%以下であってよい。Ni陽イオンがリチウム層に混入することになる陽イオン混合(cation mixing)の量が前記範囲を満足するとき、リチウム遷移金属酸化物の容量特性に優れるとともに、高温安定性及び寿命特性を効果的に改善することができる。
【0052】
また、前記のような本発明に係る正極活物質は、水洗後に酸素雰囲気で高温熱処理する工程を経て製造され、リチウム副産物の残留量が著しく減少され得る。好ましくは、正極活物質に存在するリチウム副産物の含量が0.3重量%超過から1重量%以下であってよく、より好ましくは、0.3重量%超過から0.6重量%以下、さらに好ましくは、0.35重量%超過から0.5重量%以下であってよい。このように本発明に係る正極活物質が前記範囲内のリチウム副産物の残留量を満足することにより、リチウム副産物とコーティングソースとの反応でコーティング層を効果的に形成することができ、これにより、充放電時のガスの発生及びスウェリング現象を効果的に抑制することができる。前記リチウム副産物の残留量が0.3重量%以下の場合、コーティングソースと反応してコーティング層を形成するリチウム副産物が足りないため、コーティング層の形成が難しくなり、コーティングソースが抵抗体として働く恐れがあり、1重量%を超過する場合、過量のリチウム副産物によって容量及び寿命の劣位とガス発生の現象が現われ得る。
【0053】
また、本発明に係る正極活物質は、結晶密度(crystal density)が4.76g/cm以上であってよい。より好ましくは、4.765g/cm以上であってよい。従来の高濃度ニッケル含有正極活物質は、水洗を経る過程で結晶密度が大幅に減少して構造安定性及び高温安定性が劣っていたが、本発明に係る正極活物質は、水洗後に酸素雰囲気で高温熱処理することで、金属元素等の再結晶化により結晶密度が4.76g/cm以上に増加し得る。これを介して発熱量が大幅に減少され、高温寿命特性及び高温抵抗増加率を著しく改善することができる。
【0054】
また、本発明に係る正極活物質は、BET比表面積が0.5m/g以下であってよい。従来の高濃度ニッケル含有正極活物質は、水洗を経る過程で表面結晶構造内のリチウムが共に抜け、比表面積が大幅に増加して構造安定性及び高温安定性が劣っていたが、本発明に係る正極活物質は、水洗後に酸素雰囲気で高温熱処理することで、金属元素等の再結晶化により比表面積が0.5m/g以下に減少でき、より好ましくは、0.35m/g以下であってよい。これを介して発熱量が大幅に減少され、高温寿命特性及び高温抵抗増加率を著しく改善することができる。
【0055】
また、本発明に係る正極活物質は、示差走査熱量測定法(DSC)によって熱流量(Heat Flow)を測定したとき、220℃から250℃の温度範囲、好ましくは、225℃から245℃の温度範囲で最大ピークが現われ、前記熱流量(Heat Flow)の最大値が200mW以下(試料15mg基準)に現われ得る。水洗後に高温熱処理をしないか、高温熱処理をするとしても熱処理温度及び雰囲気が本発明の条件を満たすことができない場合、さらに低い温度、すなわち、220℃未満で最大ピークが現われ、200mWを超過する高い熱流量値(試料15mg基準)が現われる。このように低い温度範囲で最大ピークが現われ、熱流量の最大値が高い正極活物質を用いる場合、過充電などで電池内部の温度が上昇すれば、熱流量が急激に増加しながら爆発が発生し得る。これに比べ、本発明の正極活物質は、最大ピークが現われる温度範囲が相対的に高く、熱流量の最大値が小さいため、過充電などによって電池内部の温度が上昇する場合にも爆発の危険性が少ない。
【0056】
また、本発明に係る正極活物質は、前記リチウム遷移金属酸化物が層状構造相(layered structural phase)及び擬スピネル構造相(spinel‐like structural phase)を含んでよい。前記擬スピネル構造相は、層状構造相から相転移(phase transition)によって形成されるものであってよい。前記相転移(phase transition)は、高温熱処理によって発生し得る。
【0057】
本発明のまた他の一実施形態によれば、前記正極活物質を含む正極を提供する。
【0058】
具体的に、前記正極は、正極集電体、及び前記正極集電体の少なくとも一面に位置し、前記正極活物質を含む正極活物質層を含む。
【0059】
前記正極集電体は、電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば、特に制限されるのではなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、または、アルミニウムやステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてよい。また、前記正極集電体は、通常、3から500μmの厚さを有してよく、前記集電体の表面上に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもできる。例えば、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態に用いられてよい。
【0060】
前記正極活物質層は、前述で説明した正極活物質とともに、導電材及びバインダーを含んでよい。
【0061】
このとき、前記正極活物質は、正極活物質層の総重量に対して80から99重量%、より具体的には、85から98重量%の重量で含まれてよい。前記含量の範囲で含まれるとき、優れた容量特性を表すことができる。
【0062】
このとき、前記導電材は、電極に導電性を与えるために用いられるものであって、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性を有するものであれば、特別な制限なく使用可能である。具体的な例には、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;または、ポリフェニレン誘導体などの伝導性高分子などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてよい。前記導電材は、正極活物質層の総重量に対して1から30重量%で含まれてよい。
【0063】
前記バインダーは、正極活物質粒子同士の付着、及び正極活物質と集電体との接着力を向上させる役割を担う。具体的な例には、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ビニリデンフルオリド‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF‐co‐HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレン‐ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、または、これらの多様な共重合体などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてよい。前記バインダーは、正極活物質層の総重量に対して1から30重量%で含まれてよい。
【0064】
前記正極は、前記正極活物質を利用することを除き、通常の正極の製造方法によって製造されてよい。具体的に、前記正極活物質、及び選択的に、バインダー及び導電材を溶媒中に溶解または分散させて製造した正極活物質層形成用組成物を正極集電体上に塗布した後、乾燥及び圧延することで製造されてよい。この際、前記正極活物質、バインダー、導電材の種類及び含量は、前記で説明した通りである。
【0065】
前記溶媒としては、当該技術分野で一般に用いられる溶媒であってよく、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)、N‐メチルピロリドン(NMP)、アセトン(acetone)または水などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が用いられてよい。前記溶媒の使用量は、スラリーの塗布厚さ、製造歩留まりを考慮して、前記正極活物質、導電材及びバインダーを溶解または分散させ、以後、正極の製造のための塗布時、優れた厚さ均一度を示すことができる粘度を有するようにする程度であれば十分である。
【0066】
また、他の方法として、前記正極は、前記正極活物質層形成用組成物を別途の支持体上にキャストした後、この支持体から剥離して得たフィルムを正極集電体上にラミネーションすることで製造されてもよい。
【0067】
本発明のまた他の一例によれば、前記正極を含む電気化学素子が提供される。前記電気化学素子は、具体的に電池、キャパシタなどであってよく、より具体的にはリチウム二次電池であってよい。
【0068】
前記リチウム二次電池は、具体的に正極、前記正極と対向して位置する負極、前記正極と負極の間に介在されるセパレータ及び電解質を含み、前記正極は、前記で説明した通りである。また、前記リチウム二次電池は、前記正極、負極、セパレータの電極組立体を収納する電池容器、及び前記電池容器を密封する密封部材を選択的にさらに含んでよい。
【0069】
前記リチウム二次電池において、前記負極は、負極集電体、及び前記負極集電体上に位置する負極活物質層を含む。
【0070】
前記負極集電体は、電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば、特に制限されるのではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム‐カドミウム合金などが用いられてよい。また、前記負極集電体は、通常3μmから500μmの厚さを有してよく、正極集電体と同様に、前記集電体の表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化させることもできる。例えば、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態に用いられてよい。
【0071】
前記負極活物質層は、負極活物質と共に選択的にバインダー及び導電材を含む。
【0072】
前記負極活物質としては、リチウムの可逆的なインターカレーション及びデインターカレーションの可能な化合物が用いられてよい。具体的な例としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素などの炭素質材料;Si、Al、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si合金、Sn合金またはAl合金などの、リチウムとの合金化が可能な金属質化合物;SiOβ(0<β<2)、SnO、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物のようにリチウムをドープ及び脱ドープできる金属酸化物;或いは、Si‐C複合体またはSn‐C複合体のように、前記金属質化合物と炭素質材料を含む複合物などが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が用いられてよい。また、前記負極活物質として金属リチウム薄膜が用いられてもよい。また、炭素材料は、低結晶性炭素及び高結晶性炭素などが全て用いられてよい。低結晶性炭素としては軟質炭素(soft carbon)及び硬質炭素(hard carbon)が代表的であり、高結晶性炭素としては、無定形、板状、鱗片状、球形または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛、キッシュ黒鉛(Kish graphite)、熱分解炭素(pyrolytic carbon)、液晶ピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、炭素微小球体(meso‐carbon microbeads)、液晶ピッチ(Mesophase pitches)、及び石油と石炭系コークス(petroleum or coal tar pitch derived cokes)などの高温焼成炭素が代表的である。
【0073】
また、前記バインダー及び導電材は、前述の正極で説明したところと同一のものであってよい。
【0074】
前記負極活物質層は、一例として、負極集電体上に負極活物質、及び選択的に、バインダー及び導電材を溶媒中に溶解または分散させて製造した負極活物質層形成用組成物を塗布して乾燥するか、または、前記負極活物質層形成用組成物を別途の支持体上にキャストした後、この支持体から剥離して得たフィルムを正極集電体上にラミネーションすることで製造されてもよい。
【0075】
一方、前記リチウム二次電池において、セパレータは、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであって、通常リチウム二次電池においてセパレータに用いられるものであれば、特別な制限なく使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、かつ、電解液の含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、及びエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が用いられてよい。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などでなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性または機械的強度の確保のため、セラミック成分または高分子物質が含まれているコーティングされたセパレータが用いられてもよく、選択的に単層又は多層構造で用いられてよい。
【0076】
また、本発明で用いられる電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0077】
具体的に、前記電解質は、有機溶媒及びリチウム塩を含んでよい。
【0078】
前記有機溶媒としては、電池の電気化学的反応に関与するイオン等が移動できる媒質の役割ができるものであれば、特別な制限なく用いられてよい。具体的に、前記有機溶媒としては、メチルアセテート(methyl acetate)、エチルアセテート(ethyl acetate)、γ‐ブチロラクトン(γ‐butyrolactone)、ε‐カプロラクトン(ε‐caprolactone)などのエステル系溶媒;ジブチルエーテル(dibutyl ether)またはテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)などのエーテル系溶媒;シクロヘキサノン(cyclohexanone)などのケトン系溶媒;ベンゼン(benzene)、フルオロベンゼン(fluorobenzene)などの芳香族炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート(dimethylcarbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethylcarbonate、DEC)、メチルエチルカーボネート(methylethylcarbonate、MEC)、エチルメチルカーボネート(ethylmethylcarbonate、EMC)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)などのカーボネート系溶媒;エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;R‐CN(Rは、炭素数2から20の直鎖状、分枝状または環状構造の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含んでよい)などのニトリル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類;1,3‐ジオキソランなどのジオキソラン類;またはスルホラン(sulfolane)類などが用いられてよい。この中でも、カーボネート系溶媒が好ましく、電池の充電/放電性能を高めることができる高いイオン伝導度及び高誘電率を有する環状カーボネート(例えば、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)と、低粘度の線形カーボネート系化合物(例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートなど)の混合物がより好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートは、約1:1から約1:9の体積比で混合して用いた方が優れた電解液性能が示され得る。
【0079】
前記リチウム塩は、リチウム二次電池で用いられるリチウムイオンが提供できる化合物であれば、特別な制限なく用いられてよい。具体的に、前記リチウム塩は、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiCFSO、LiCSO、LiN(CSO、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiCl、LiIまたはLiB(Cなどが用いられてよい。前記リチウム塩の濃度は、0.1Mから2.0Mの範囲内で用いた方がよい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれれば、電解質が適した伝導度及び粘度を有するため、優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動できる。
【0080】
前記電解質には、前記電解質の構成成分の他にも、電池の寿命特性の向上、電池の容量減少の抑制、電池の放電容量の向上などを目的に、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのようなハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n‐グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N‐置換オキサゾリジノン、N,N‐置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2‐メトキシエタノールまたは三塩化アルミニウムなどの添加剤が1種以上さらに含まれてもよい。この際、前記添加剤は、電解質の総重量に対して0.1から5重量%で含まれてよい。
【0081】
前記のように、本発明に係る正極活物質を含むリチウム二次電池は、優れた放電容量、出力特性及び容量維持率を安定的に示すので、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどの携帯用機器、及びハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車分野などに有用である。
【0082】
これに伴い、本発明の他の一具現例によれば、前記リチウム二次電池を単位セルとして含む電池モジュール、及びこれを含む電池パックが提供される。
【0083】
前記電池モジュールまたは電池パックは、パワーツール(Power Tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車及びプラグインハイブリッド電気自動車(Plug‐in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;または電力貯蔵用システムのうちいずれか一つ以上の中大型デバイスの電源に用いられてよい。
【0084】
本発明のリチウム二次電池の外形には特別な制限がないが、缶を使用した円筒状、角形、パウチ(pouch)型またはコイン(coin)型などとなり得る。
【0085】
本発明に係るリチウム二次電池は、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに用いられ得るだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールに単位電池としても好ましく用いられ得る。
【0086】
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるよう、本発明の実施例に対して詳しく説明する。しかし、本発明は幾多の異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施例に限定されない。
【0087】
[実施例1]
リチウム遷移金属酸化物Li(Ni0.86Co0.1Mn0.02Al0.02)O 300gを純水240mLに入れ、30分間撹拌して水洗し、20分間フィルタリングを行った。フィルタリングされたリチウム遷移金属酸化物を真空オーブンで130℃で乾燥させた後、ふるい分け(seiving)を進めた。
【0088】
その後、前記水洗されたリチウム遷移金属酸化物を、酸素分圧95%の酸素雰囲気下で高温熱処理した。このとき、700℃まで5℃/minで2時間15分間昇温させ、700℃で3時間40分間熱処理し、2時間30分間冷却させる過程で高温熱処理した。
【0089】
次いで、前記高温熱処理されたリチウム遷移金属酸化物にHBOをB含量基準に1.0wt%混合した後、300℃で乾燥大気雰囲気下で5時間コーティング熱処理することで正極活物質を製造した。
【0090】
[実施例2]
高温熱処理の際に600℃まで4℃/minで2時間20分間昇温させ、600℃で3時間40分間熱処理し、2時間30分間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0091】
[比較例1]
高温熱処理していないことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0092】
[比較例2]
高温熱処理の際に200℃まで45分間昇温させ、200℃で10時間熱処理し、60分間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0093】
[比較例3]
高温熱処理の際に300℃まで70分間昇温させ、300℃で3時間40分間熱処理し、90分間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0094】
[比較例4]
高温熱処理の際に400℃まで80分間昇温させ、400℃で4時間熱処理し、2時間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0095】
[比較例5]
高温熱処理の際に500℃まで90分間昇温させ、500℃で4時間熱処理し、2時間20分間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0096】
[比較例6]
高温熱処理の際に700℃まで3時間昇温させ、700℃で10時間熱処理し、3時間冷却させる過程で高温熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0097】
[比較例7]
高温熱処理の際、酸素雰囲気に代えて大気(air)雰囲気で熱処理したことを除き、実施例1と同様に実施して正極活物質を製造した。
【0098】
[実験例1:工程別のXRD分析]
実施例1及び比較例1で製造された正極活物質を、Bruker AXS D4 Endeavor XRDを利用してXRD分析を行い、その分析による結晶子サイズ(crystallite)、結晶密度(crystal density)、リチウム層におけるNi陽イオンの陽イオン混合(cation mixing)の結果を表1に示した。また、BELSORP‐miniを利用してBET表面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
前記表1を参照すれば、本発明によって高温熱処理した実施例1の場合、高温熱処理していない比較例1に比べて陽イオン混合の量が減少し、結晶密度が増加し、BET比表面積が減少することが分かる。
【0101】
[実験例2:リチウム副産物の残留量の評価]
実施例及び比較例によって製造された正極活物質10gを水100mLに分散させた後、0.1MのHClで滴定しながらpH値の変化を測定してpH滴定曲線(pH titration Curve)を得た。前記pH滴定曲線を利用して各正極活物質内のLiOH残留量とLiCO残留量を計算し、これらを合算した値を全体リチウム副産物の残留量として評価して下記表2に示した。
【0102】
【表2】
【0103】
前記表2に示す通り、高温熱処理していない比較例1や、本発明の高温熱処理条件を満たさない比較例2から6に比べ、実施例1及び2の場合、残留リチウム副産物の含量が大幅に減少し、大気雰囲気下で熱処理した比較例7の場合、残留リチウム副産物の含量が高温熱処理していない比較例1に比べてもさらに増加したことを確認することができる。
【0104】
[実験例3:熱流量の評価]
示差走査熱量測定器(SETARAM社のSENSYS Evo)を利用して実施例及び比較例の正極活物質の温度による熱流量(Heat Flow)を測定した。4.25V充電された電極15mgを採取して電解液20μLを添加した後、毎分10℃の昇温速度で400℃まで測定を進めた。
【0105】
測定の結果は、図1に示した。
【0106】
図1に示す通り、実施例1及び2の正極活物質は、熱流量の最大値が200mW未満である反面、比較例1から7の正極活物質は、熱流量の最大値が400mWを超過し、特に、比較例1の場合は600mWを超過することが確認できる。これは、実施例1及び2の正極活物質が、比較例1から7の正極活物質に比べて優れた高温安定性を有することを示すものである。
【0107】
[実験例4:電池性能の評価]
実施例及び比較例によって製造されたそれぞれの正極活物質、カーボンブラック導電材及びPVdFバインダーを、N‐メチルピロリドン溶媒中で重量比95:2.5:2.5の割合で混合することにより正極合材(粘度:5000mPa・s)を製造し、これをアルミニウム集電体の片面に塗布した後、130℃で乾燥し、圧延して正極を製造した。
【0108】
また、負極活物質として天然黒鉛、カーボンブラック導電材及びPVdFバインダーを、N‐メチルピロリドン溶媒中で重量比85:10:5の割合で混合することにより負極活物質層形成用組成物を製造し、これを銅集電体の片面に塗布して負極を製造した。
【0109】
前記のように製造された正極と負極の間に多孔性ポリエチレンのセパレータを介在して電極組立体を製造し、前記電極組立体をケースの内部に位置させた後、ケースの内部に電解液を注入してリチウム二次電池を製造した。このとき、電解液は、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート(EC/DMC/EMCの混合体積比=3/4/3)でなる有機溶媒に1.0M濃度のリチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)を溶解させて製造した。
【0110】
前記のように製造されたリチウム二次電池を、45℃で充電終止電圧4.25V、放電終止電圧2.5V、0.3C/0.3C条件で30サイクルの充電/放電を実施しながら、容量維持率(Capacity Retention[%])及び抵抗増加率(DCIR[%])を測定した。測定の結果は、図2及び図3に示した。図2は、容量維持率を示したグラフであり、図3は、抵抗増加率を示したグラフである。
【0111】
図2及び図3を介し、実施例1及び2の正極活物質を適用した二次電池の場合、比較例1から7の正極活物質を適用した二次電池に比べ、30回の充電/放電の際の容量減少率及び抵抗増加率が著しく低いため、高温寿命特性及び抵抗特性が改善されたことを確認することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【国際調査報告】