(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522883
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】温度ヒューズを有する電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/76 20060101AFI20190719BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20190719BHJP
【FI】
   !H01H37/76 F
   !H05K1/18 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】2019501960
(86)(22)【出願日】20170711
(85)【翻訳文提出日】20190115
(86)【国際出願番号】EP2017067380
(87)【国際公開番号】WO2018011195
(87)【国際公開日】20180118
(31)【優先権主張番号】102016213019.6
(32)【優先日】20160715
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】511125043
【氏名又は名称】ブローゼ・ファールツォイクタイレ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・コマンディットゲゼルシャフト・ヴュルツブルク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 97076 ヴュルツブルク,オームストラッセ 2a
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス マーケルト
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 97437 ハスフルト ポイントシュトラーセ 10
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ベーム
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 96149 ブライテンギュスバッハ ケンマーヴェーク 3
【テーマコード(参考)】
5E336
5G502
【Fターム(参考)】
5E336AA05
5E336BC04
5E336CC05
5E336CC07
5E336CC11
5E336CC22
5E336CC51
5E336EE01
5E336EE15
5G502AA02
5G502BB19
5G502CC04
5G502CC32
(57)【要約】
本発明は、特に電動機の電子モジュール(2)に関し、このモジュールはプリント基板(4)を備え、このプリント基板は互いに離隔された2つのプリント配線端部(6a、6b)を備えた、電流を案内するプリント配線(6)を有し、プリント配線端部は遮断個所(10)を形成し、この遮断個所は、特に初期応力のないように製作された、温度ヒューズとしての接触弓形部材(8)によって架橋され、接触弓形部材(8)は複数回曲げられ開放した弓形部材ループ(12)と、はんだを用いて両プリント配線端部(6a、6b)に接触する接触脚部(14)と、プリント基板開口部(22)に挿着される脚部端部(20)を有する固定脚部(16)とを備え、固定脚部(16)の脚部端部(20)はプリント基板開口部(22)よりも大きな寸法を有し、接触弓形部材(8)は内部初期応力を発生しつつ変形させられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板(4)を備え、このプリント基板が互いに離隔された2つのプリント配線端部(6a、6b)を備えた、電流を案内するプリント配線(6)を有し、前記プリント配線端部が遮断個所(10)を形成し、この遮断個所が、初期応力のないように製作された、温度ヒューズとしての接触弓形部材(8)によって架橋され、
前記接触弓形部材(8)が複数回曲げられ開放した弓形部材ループ(12)と、はんだを用いて両プリント配線端部(6a、6b)に接触する接触脚部(14)と、プリント基板開口部(22)に挿着される脚部端部(20)を有する固定脚部(16)とを備え、
前記固定脚部(16)の前記脚部端部(20)が前記プリント基板開口部(22)よりも大きな寸法を有し、
前記接触弓形部材(8)が内部初期応力を発生しつつ変形させられている、
電動機の電子モジュール(2)。
【請求項2】
前記接触弓形部材(8)がその変形のために初期応力を加えられることにより、前記固定脚部(16)の脚部端部(20)が前記プリント基板開口部(22)に押し込まれることを特徴とする請求項1に記載の電子モジュール(2)。
【請求項3】
前記接触弓形部材(8)の前記弓形部材ループ(12)が前記固定脚部(16)寄りのループ側に、前記接触弓形部材(8)を変形するための予定曲げ個所(24d)を形成しつつ曲げられたループ区間(12d)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子モジュール(2)。
【請求項4】
前記接触脚部(14)と前記固定脚部(16)の間に、前記接触弓形部材(8)の前記弓形部材ループ(12)の上方へ曲げられたループ区間(12a、12e)と、少なくとも3つの曲げ個所(24a、24b、24c、24d)を有する中央ループ区間(12b、12c、12d)とが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子モジュール(2)。
【請求項5】
前記弓形部材ループ(12)の前記中央ループ区間(12b、12c、12d)が前記接触脚部(14)および/または前記固定脚部(16)よりも大きな区間幅を有することを特徴とする請求項4に記載の電子モジュール(2)。
【請求項6】
前記弓形部材ループ(12)の前記中央ループ区間(12b、12c、12d)に、打抜き開口部(26)が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電子モジュール(2)。
【請求項7】
前記打抜き開口部(26)が前記中央ループ区間(12b、12c、12d)の3個の前記曲げ個所(24b、24c、24d)の少なくとも1個にわたって延在していることを特徴とする請求項6に記載の電子モジュール(2)。
【請求項8】
前記固定脚部(16)が前記プリント基板(4)、はんだパッド(18)に載る載置区間(16a)と、この載置区間(16a)よりも狭い区間幅を有する上方に曲げられた脚部区間(16b)とを備え、前記脚部区間の区間端部が前記プリント基板開口部(22)に挿着される脚部端部(20)を形成していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子モジュール(2)。
【請求項9】
前記接触弓形部材(8)の前記固定脚部(16)の上方に曲げられたS字状脚部区間(16b)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子モジュール(2)。
【請求項10】
前記固定脚部(16)の上方に曲げられた前記S字状脚部区間(16b)が 前記接触弓形部材(8)を変形する活性化工具(28)のための載置面または支持面(16c)を形成していることを特徴とする請求項8または9に記載の電子モジュール(2)。
【請求項11】
自動車の調整システムまたは調整駆動装置の電動機のために使用されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電子モジュール(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板を備え、このプリント基板が互いに離隔された2つのプリント配線端部を備えた、電流を案内するプリント配線を有し、プリント配線端部が遮断個所を形成し、この遮断個所が温度ヒューズとしての一体の接触弓形部材によって架橋されている、特に自動車の調整システムの電動機のための電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパワーウインドウ、シートアジャスタ、ドアおよびサンルーフ駆動装置またはラジエータファン駆動装置のような、自動車構成要素としての電動機駆動の調整システムは一般的に、制御される電動機を備えている。そのために例えば、ブラシレス電動機が知られている。このブラシレス電動機の場合には、固定子と相対的に回転可能に軸承された回転子が回転磁界によって駆動される。そのために、固定子の位相巻線に、電気的な回転電流または電動機電流が供給される。この電動機電流は電子モジュールとしての(電動機)電子装置によって制御および調節される。
【0003】
電子モジュールは一般的に電子制御ユニット(電子装置)を備え、この電子制御ユニットはしばしば、はんだ付け個所またははんだ連結部の形をした、過負荷防止装置としての、ばねで付勢された温度ヒューズを備えている。所定の時間にわたって過負荷電流が流れると、はんだ付け個所で熱が発生する。その結果、はんだ付け個所のはんだが溶融するので、温度ヒューズのばね付勢力に基づいて、プリント配線は直ちに遮断される。
【0004】
独国特許出願公開第102005014601A1号明細書から、複数回曲げられ開放した弓形部材ループを有する接触弓形部材を備えた冒頭に述べた種類の電子モジュールが知られている。この接触弓形部材は第1接触脚部と第2接触脚部を備え、この接触脚部ははんだを用いてプリント配線端部に接触している。一方の接触脚部は詳しく記載または説明されていない方法で、プリント基板開口部に挿着されている。初期応力を生じないプリント基板組立てに続いて、接触弓形部材は内部(機械的)初期応力を発生または生成するために変形させられる。
【0005】
例えば過電流または周囲の温度上昇の結果としての熱的な事象の際、プリント基板と接触弓形部材の間のはんだが溶融し、接触弓形部材がその減張した位置に移行する。これにより、要素または部品への電子装置内での電流供給が遮断される。しかし、公知の温度ヒューズの場合には、所定の熱的事象の際および/または不所望な熱の作用の際に、接触弓形部材の第1または第2の接触脚部のはんだ連結部が溶融し、それによって接触弓形部材がプリント基板との十分な固定を行わないかまたはコントロールされない位置を占めることが防止されず、確実ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、非常に適している、特に簡単に組立て可能である温度ヒューズを有する電子モジュール(制御ユニット)を提供することである。特に、その接触弓形部材が熱的な分断の場合にも常に、プリント基板上のコントロールされた位置を維持するようにすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。有利な実施形と発展形態は従属請求項の対象である。
【0008】
特に電動機のまたは電動機用の電子モジュール(電子制御ユニット、電子装置)は、プリント基板を備え、このプリント基板は互いに離隔された2つのプリント配線端部を備えた(電流を案内する)プリント配線を有する。プリント配線端部の間には遮断個所が形成され、この遮断個所は温度ヒューズとしての接触弓形部材によって架橋されている。接触弓形部材が、好ましくは応力をかけずに製作された打抜き曲げ部品であると好適である。ベース材料としては特に、SMD(表面取付け装置)技術でのプリント基板とのはんだ付けプロセスのための亜鉛コーティングを備えた銅素材が適している。
【0009】
接触弓形部材は、複数回曲げられ、プリント基板の方に開放した弓形部材ループと、接触脚部と、固定脚部を備えている。接触脚部ははんだを使用して両プリント配線端部に接触させられている。この場合、プリント配線端部は好ましくははんだパッドを備えているかまたはコーティングされている。好ましくはプリント配線端部に接触していない固定脚部は、プリント基板開口部に挿着される脚部端部を有する。固定脚部はさらに、最終組立て時に同様にはんだを用いてプリント基板に固定することができる。固定脚部の脚部端部はプリント基板開口部よりも大きな寸法を有し、組立ての途中でプリント基板上での接触
弓形部材、ひいては温度ヒューズの位置を方向づけるために役立つ。
【0010】
組立ての途中で、内部初期応力(ばね初期応力)を発生または生成しながら、接触弓形部材が変形させられる。この場合好ましくは同時に、固定脚部の脚部端部がプリント基板開口部に押し込まれ、それによって最終組立ての際に接触弓形部材がその変形のために初期応力を加えられるときに、特にプレス嵌めのように押し込まれる。
【0011】
接触弓形部材は、片側が開放した弓形部材ループを形成しつつ、複数の好ましくは少なくとも3個の、有利には少なくとも4個の曲げ個所を有する。好ましくは固定脚部寄りのループ側の範囲に設けられた曲げ個所の一つは、接触弓形部材の変形のための予定曲げ個所としての働きをする。この予定曲げ個所は、プリント基板から上方へ突出するループ部分区間と、弓形部材ループの外側に曲げられたループ部分区間との間に形成されると好適である。
【0012】
上方に曲げられかつプリント基板から外側に突出する弓形部材ループのループ区間の間で、少なくとも3個の曲げ個所から形成された中央のループ区間は、遮断個所を覆っていないで、好ましくは遮断個所の隣にある。
【0013】
温度ヒューズの分断の場合、熱の発生のためにはんだが溶融するときに、接触弓形部材の接触脚部が、変形の途中で加えられた内部初期応力によるばね戻し力に基づいて、プリント基板からおよびそこの両プリント配線端部から直ちに持ち上げられるので、プリント配線はきわめて確実に遮断される。分断の場合一方では、プリント配線または遮断個所の両側に並ぶプリント配線端部と接触弓形部材との接触連結がもはや存在しない。他方では、プリント基板またはプリント基板開口部内における固定脚部の機械的な固定に基づいて同時に、接触弓形部材が不明確な位置を占めることがない。なぜなら、温度ヒューズの分断の原因である熱発生が、接触弓形部材とプリント基板の機械的な連結を解除する作用をしないからである。
【0014】
接触弓形部材の弓形部材ループの中央ループ区間が、上方に曲げられたループ区間の幅または接触脚部の幅よりも大きな幅を有すると好適である。これにより、異なる電流負荷能力および/または異なる性能等級のために、ほぼ同じ打抜き曲げ部品を接触弓形部材として使用することができるので有利である。その際、遮断個所を架橋する接触脚部の打抜き寸法のうちの幅を適合させるだけでよい(横断面適合)。この適合は打抜き曲げ連結工具内の工具入れ子を介して行うことができる。その際、この変形が作用寸法に影響を与えず、そして接触弓形部材の打抜き幅がすべての変形にとって同じであるので有利である。
【0015】
適切な実施形では、弓形部材ループの中央ループ区間に、好ましくは長穴状の打抜き開口部が形成されている。この打抜き開口部が、中央ループ区間の3個の曲げ個所の少なくとも一つにわたって延在していると合目的である。打抜き開口部が中央ループ区間のほぼ中央から始まって、固定脚部に接続し上方に曲げられそして外側に曲げられたループ部分区間内へ延在していると特に有利である。これにより、内部初期応力を発生するためのきわめて有利で特に定められた接触弓形部材の変形が可能である。それによってさらに、比較的に構造スペースを縮小した温度ヒューズが得られる。
【0016】
きわめて有利な実施形では、固定脚部がプリント基板、特にそこのはんだパッドに載る載置区間と、上方に曲げられた脚部区間を備えている。この脚部区間は載置区間よりも狭い区間幅を有する。上方に曲げられた脚部区間の区間端部はプリント基板開口部に挿着される固定脚部の脚部端部を形成している。接触弓形部材の固定脚部の上方に曲げられた脚部区間がほぼS字状に形成されていると非常に好適である。
【0017】
固定脚部の上方に曲げられた脚部区間が、接触弓形部材の変形を生じる活性化工具のための載置面または支持面を形成していると好適である。
【0018】
さらに、この脚部端部はプリント基板開口部よりも大きな寸法にするために、例えばプレス嵌めのようにまたは幾何学的に尖っていない矢の先端のように形成されている。
【0019】
固定脚部の上方に曲げられた脚部区間がS字状であるときわめて有利である。脚部区間の有利なS字形状に基づいて、接触弓形部材の変形を生じる活性化工具のためのきわめて合目的な載置面または支持面が形成される。この場合、活性化工具は一方では接触弓形部材の内部初期応力を発生するために弓形部材ループを変形し、好ましくは同時にS字状脚部区間を同時に変形しながら固定脚部の脚部区間を対応するプリント基板開口部に押し込む。
【0020】
本発明によって得られる利点は特に、電子モジュールのための温度ヒューズとしての一体の接触弓形部材を用いて、付加的な個々の要素なしにSMD要素としての固定が可能であることにある。プリント基板上での接触弓形部材の固定と、内部ばね初期応力を発生するための接触弓形部材の変形による接触弓形部材の活性化は、同じ組立て方向から行われる。さらに、このようにして実現された温度ヒューズはきわめて省スペース的で省コストである。いろいろな性能等級の実現は1つの工具で可能である。この場合、接触弓形部材の接触脚部の幅の変形は、工具入れ子によって実現可能である。
【0021】
一方では、接触弓形部材がプリント基板組立ての途中で既に確実に位置決めされるのできわめて有利である。他方では、組立て終了後、対応するプリント基板開口部内での固定脚部の脚部端部のプレス嵌めによって、熱の作用にかかわらず温度ヒューズの位置がきわめて確実に機械的に固定される。
【0022】
接触弓形部材、ひいては温度ヒューズの組立ては、接触弓形部材の内部初期応力の発生によるその活性化を含めて、同じ活性化工具を用いてきわめて有利に行うことができる。この活性化工具は接触弓形部材を変形するために弓形部材ループ上におよびプリント基板開口部内でのプレス嵌めのために固定脚部の脚部端部上に設けて使用することができる。固定脚部の脚部端部による接触弓形部材の確実な固定はさらに、プレス嵌めするために役立つこの脚部端部が接触弓形部材の構成部分であることにより、簡単に実現される。その際、好ましくはS字状脚部区間は固定脚部に材料結合式に適切に連結され、それによって同様に、好ましくは打抜き曲げ部品として製作された接触弓形部材の一体構成部分である。
【0023】
次に、図に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】電流を案内するプリント配線を有するプリント基板を備えた電子モジュールの概略的な部分斜視図であり、このプリント配線は遮断個所を形成する、互いに離隔された2つのプリント配線端部を有し、この遮断個所は温度ヒューズとしての一体の接触弓形部材によって架橋されている。
【図2】変形および緊張した状態の接触弓形部材を示す、図1と同様な図である。
【図3】温度ヒューズが切れた状態の接触弓形部材を示す、図1と同様な図である。
【図4】プリント基板開口部内にプレス嵌め固定するための接触弓形部材の固定脚部を示す部分拡大図である。
【図5】接触弓形部材の変形と初期応力を示す側面図である。
【図6】接触弓形部材の変形と初期応力を示す側面図である。
【図7】接触弓形部材の変形と初期応力を示す側面図である。
【図8】接触弓形部材の変形と初期応力を示す側面図である。
【図9】固定脚部の第1代替実施形を示す、図4と同様な図である。
【図10】固定脚部の第2代替実施形を備えたモジュールの斜視図である。
【図11】固定脚部の第3代替実施形を備えたモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
すべての図において、互いに一致する部分およびサイズには、同じ参照符号が付けてある。
【0026】
図1は自動車の調整駆動装置のための詳しく示していない電動機の電子モジュール2を部分的に示す。モジュール2は(図示していない)電気的な要素を装備したプリント基板4を含んでいる。このプリント基板は部分的に示したプリント配線6を有する。プリント配線6はさらに、温度ヒューズ8を備えている。この温度ヒューズ8は運転中の電動機を過熱や火災の危険に対して保護する。電動機が過熱すると、温度ヒューズ8が切れ、それによって電動機への電流の流れが遮断される。
【0027】
温度ヒューズ8は、プリント配線6の遮断個所10の上方で、電動機電流を案内するプリント配線端部6aと6bを互いに接続する。図1の実施の形態では、遮断個所10は特に、プリント基板4の長穴状切欠きによってプリント配線端部6a、6bの間に形成されている。温度ヒューズ8は接触弓形部材として形成され、以下において接触弓形部材とも呼ぶ。
【0028】
接触弓形部材8は複数回曲げられ開放した弓形部材ループ12を有する打抜き曲げ部品である。この弓形部材ループはループ端側が一方では接触脚部14を、他方では固定脚部16を形成している。図1〜図3から比較的に明確に判るように、接触脚部14は遮断個所10を橋状に跨いでいる。換言すると、遮断個所10はプリント配線端部6a、6bの間に接触脚部14によってのみ架橋されている。
【0029】
(切れていない)組立て状態では、舌片状の接触脚部14はそれぞれ1つのはんだ連結部によって一方ではプリント配線端部6aにそして他方ではプリント配線端部6bに固定されている。それによって形成されたはんだ付け個所は接触脚部14を介してプリント配線端部6a、6bを電気的に接触させ、かつ接触脚部14をプリント基板4に機械的に連結している。
【0030】
接触弓形部材8は好ましくは、亜鉛コーティングした銅材から初期応力をかけずに製作されている。従って、接触脚部14とプリント配線端部6a、6bのはんだ連結部は特にSMD技術によって製作可能である。この場合、接触脚部14の脚部幅または区間幅の採寸は、通常運転で発生する、電動機の電流の強さに適合されている。これは、通常運転における接触脚部14のジュール熱発生が、プリント配線端部6a、6bの間のはんだ付け個所を溶融させるのに十分ではないことを意味する。
【0031】
接触弓形部材8のヒューズ機能を実現するために、初期応力をかけないプリント基板組立てに続いて、接触弓形部材8は内部(機械的)初期応力を発生または生成するために変形させられる(図2)。
【0032】
接触弓形部材8は固定脚部16による組立て状態で、はんだ付け連結部によってはんだパッド18に機械的に接続されている。固定脚部16はさらに、舌片状の脚部端部20を備えている。図4に詳細に示す脚部端部20は接触弓形部材8をプリント基板4に固定するために、円筒状のプリント基板開口部22に挿着可能である。この場合、脚部端部20は、少なくとも一部がプリント基板開口部22の直径よりも大きく形成された脚部幅を有する。脚部端部20は固定のために、プリント基板開口部22に押し込まれる。
【0033】
プリント配線端部6a、6bと接触脚部14の間のはんだ付け個所とはんだパッド18と固定脚部16の間のはんだ付け個所が熱の発生に基づいて溶融して分断する場合、接触脚部14は接触弓形部材8の初期応力に基づいて非接触位置へ揺動する(図3)。この場合、脚部端部20の機械的な固定により、接触弓形部材8は分断の場合にも常にプリント基板4上の所定の位置に保持される。
【0034】
次に、図5〜図8に基づいて接触弓形部材8の組立てを詳しく説明する。
【0035】
図5〜図8の側面図から比較的に明瞭に判るように、接触弓形部材8は本実施の形態では弓形部材ループ12を形成しつつ、ほぼ4つの曲げ個所24a、24b、24c、24dを有する。この曲げ個所24a、24b、24c、24dによって、弓形部材ループ12のほぼ5つの部分区間が形成される。この部分区間は以下においてループ区間12a、12b、12c、12d、12eとも呼ぶ。この場合、ループ区間12aは接触脚部14に一体的または一枚岩的に接続し、ループ区間12eは固定脚部16に一体的または一枚岩的に接続している。弓形部材ループ12は接続範囲にそれぞれ1つの、番号を付けていない曲げ個所を有し、この曲げ個所によって弓形部材ループ12がプリント基板4からほぼ上方に起立している。
【0036】
図5に示した、接触弓形部材8に応力を加えていない状態では、ループ区間12a、12eがプリント基板4に対してほぼ垂直に向いている。ループ区間12a、12eは互いに平行にかつ離隔されて配置され、プリント基板4の方に向いたループ開口部を形成している。比較的に長いループ区間12aはほぼ直角の曲げ個所24aによってループ区間12bに接続している。この場合、ループ区間12bはプリント基板4に対して平行に向いている。
【0037】
ループ区間12bと12cの間の曲げ個所24bはほぼ直角の曲げ角度を有する。それによって、ループ区間12cはループ区間12bと12eに対してほぼ平行に向いている。以下において特に、曲げ個所の曲がり角度を曲げ角度と呼ぶ。これは隣接する2つのループ曲げ区間がなす角度である。この場合特に、弓形部材ループ12のループ輪郭内の角度が曲げ角度と称される。
【0038】
ループ区間12cと12dの間の曲げ個所24cは鈍角の曲げ角度、すなわち90°と180°の間の曲げ角度を有する。それによって、ループ区間12dはプリント基板4に対して、曲げ個所24dまで斜めに延在している。この場合、曲げ個所24dは鈍角よりも大きな曲げ角度、すなわち180°よりも大きな曲げ角度を有する。
【0039】
この場合、図1〜図4の接触弓形部材8の実施の形態は、ループ区間12dの範囲に、番号を付けていない2つの付加的な曲げ個所を有する。この曲げ個所によって、初期応力の作用中、予定曲げ個所としての段状の部分が形成される。さらに、長穴状の打抜き開口部26が弓形部材ループ12に形成されている。特に図1〜図3から判るように、打抜き開口部26は実質的に、ループ区間12cから曲げ個所24b、ループ区間12dおよび曲げ個所24cを経てループ区間12dまで延在している。
【0040】
ループ区間12a、12eは弓形部材ループ12の上方に曲げられた範囲を形成している。この場合、ループ区間12b、12c、12dはループ区間12a、12eの間に配置された、弓形部材ループ12の中央区間または中央範囲を形成する。この中央区間は図1〜図3から判るように、接触脚部14および固定脚部16よりも幅広の区間幅を有する。この幅広の区間幅の範囲内に、打抜き開口部26が形成されている。
【0041】
固定脚部16ははんだパッド18に固定した載置区間16aと、上方に曲げられた脚部区間16bを備えている。脚部区間16bは特に図1〜図4に示すように、載置区間16aよりも狭い区間幅または脚部幅を有する。脚部区間16bは自由端側が脚部端部20に接続している。この場合、脚部区間16bは載置区間16aと脚部端部20の間でほぼS字状の湾曲輪郭を有する。
【0042】
組立ての途中で、接触弓形部材8は活性化工具またはスタンプ28を用いて内部初期応力(ばね初期応力)を発生または生成しながら変形させられる(図6、図7)。曲げ個所24dは変形の間、接触弓形部材8の予定曲げ個所としての働きをする。
【0043】
図7と図8に示すように、曲げ個所24dが鈍角よりも大きな約270°の曲げ角度に曲げられるので、ループ区間12dはプリント基板4に対してほぼ平行に向いている。変形の途中で、ループ区間12aと接触脚部14の間の曲げ個所は、ループ区間12aが傾斜角度をなしてプリント基板4に対して斜めに延在するように曲げられる。
【0044】
変形プロセスまたは初期応力プロセスの間、好ましくは同時に、固定脚部16の脚部端部20がプリント基板開口部22に押し込まれ、それによって最終組立て時に(図8)、特にプレス嵌めの方法で固定される。そのために、スタンプ28はプリント基板4から離隔された、脚部区間16bの水平なS字状脚部を押す。換言すると、水平なS字状脚部はスタンプ28のための載置面または支持面16cとして作用する。スタンプ28が脚部区間16bを変形するので、脚部区間16bのS字状輪郭は押しつぶされるかまたは圧縮される(図7)。それによって同時に、脚部端部20がプリント基板開口部22内に押し込まれる。
【0045】
接触弓形部材8の組立てのために、スタンプ28は弓形部材ループ12を変形して初期応力を加えるための第1スタンプ範囲28aと、固定脚部16を変形し、同時に脚部端部20をプリント基板開口部22に押し込むための突起状の第2スタンプ範囲28bを備えている。弓形部材ループ12を変形する際に、ループ区間12b、12c、12dが少なくとも部分的に固定脚部16にかぶさるように、弓形部材ループが曲げられる。この場合、打抜き開口部26がスタンプ範囲28bのための切欠きとしての働きをするので、このスタンプ範囲は固定脚部16に確実に作用する。換言すると、スタンプ範囲28bは図7の図示では、弓形部材脚部12の打抜き開口部26内に少なくとも部分的に挿入されている。これは、打抜き開口部26が組立てに有利である、活性化工具28のための自由空間として働くことを意味する。
【0046】
図9の実施の形態では、プリント基板開口部22内に押し込まれた状態の固定脚部16または脚部端部20’の代替的な実施の形態が示されている。この実施の形態では、脚部端部20’は幾何学的にほぼ尖っていない矢の先端として形成されている。この場合、ほぼ葉の先端のような脚部端部20’は、傾斜した2つの外側面または翼30を備えている。この翼は丸い先端部から先端部底辺32まで延在している。この場合、先端部底辺32はプレス嵌め固定のためにプリント基板開口部22よりも大きな寸法を有する。
【0047】
図10と図11には、接触弓形部材8を部分的に組み立てた状態における、固定脚部16の他の2つの実施の形態が示してある。この実施の形態では、プリント基板開口部22ははんだパッド18によって少なくとも部分的に囲まれている。
【0048】
図10の実施の形態では、固定脚部16がスタンプ区間28aのための幅の広くなった載置面16cを有する。それによって、プリント基板開口部22内への脚部端部20の押込みが容易になる。この場合、載置面16cにはスタンプ開口部34が形成されている。
【0049】
図11の実施の形態は脚部端部20を有する固定脚部16を示している。この固定脚部は載置面16cの範囲に、外周側に突出する2つの打抜き舌片36を備えている。それによって、脚部端部20はほぼT字状の形をしている。この場合、打抜き舌片36は水平なT字脚を形成し、プリント基板開口部22に押込み可能な軸部は垂直なT字脚を形成する。打抜き舌片36はプリント基板開口部22内への押込みの途中での力の作用を改善する。それによって、組立て時のほぼS字状脚部区間16bの折り畳み特性が改善される。
【0050】
本発明は上述の実施の形態に限定されない。専門家は本発明の対象から逸脱せずに、この実施の形態の形態から、本発明の他の変形を導き出すことができる。さらに、実施の形態に関連して説明したすべての個々の特徴を、本発明の対象から逸脱せずに、他のやり方で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0051】
2 モジュール
4 プリント基板
6 プリント配線
6a、6b プリント配線端部
8 温度ヒューズ/接触弓形部材
10 遮断個所
12 弓形部材ループ
12a、12b、12c、12d、12e ループ区間
14 接触脚部
16 固定脚部
16a 載置区間
16b 脚部区間
16c 接触面、支持面
18 はんだパッド
20、20’ 脚部端部
22 プリント基板開口部
24a、24b、24c、24d 曲げ個所
26 打抜き開口部
28 活性化工具/スタンプ
28a、28b スタンプ範囲
30 翼/外側面
32 先端部底辺
34 打抜き開口部
36 打抜き舌片
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】