(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522888
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】発熱体
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20190719BHJP
   H05B 3/14 20060101ALI20190719BHJP
   H05B 3/18 20060101ALI20190719BHJP
   H05B 3/34 20060101ALI20190719BHJP
【FI】
   !H05B3/20 384
   !H05B3/20 377
   !H05B3/14 A
   !H05B3/18
   !H05B3/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】2019520346
(86)(22)【出願日】20170519
(85)【翻訳文提出日】20181226
(86)【国際出願番号】KR2017005231
(87)【国際公開番号】WO2017222192
(87)【国際公開日】20171228
(31)【優先権主張番号】10-2016-0077934
(32)【優先日】20160622
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518452766
【氏名又は名称】エヌディーティー エンジニアリング アンド エアロスペース カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NDT ENGINEERING & AEROSPACE CO., LTD.
【住所又は居所】大韓民国 キョンサンナム−ド チャンウォン−シ マサヌェウォン−グ チャユムヨク 4−ギル 11
【住所又は居所原語表記】11, Jayumuyeok 4−gil, Masanhoewon−gu, Changwon−si, Gyeongsangnam−do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】リム キ ヒュン
【住所又は居所】大韓民国 キョンサンナム−ド チャンウォン−シ ソンサン−グ テアム−ロ 101ボン−ギル 6−21
(72)【発明者】
【氏名】ノ チ ウー
【住所又は居所】大韓民国 キョンサンナム−ド ハムヤン−グン アヌイ−ミョン ジュクダン−ギル 35−1
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA05
3K034AA06
3K034AA15
3K034BA10
3K034BB08
3K034BB13
3K034BC16
3K034JA09
3K092QA05
3K092QB14
3K092RF02
3K092RF13
3K092RF17
3K092RF26
3K092VV25
(57)【要約】
本発明は、湿式用面状発熱体およびその製造方法に関し、より詳細には、上部防水フィルム層と、下部防水フィルム層と、前記上部防水フィルム層と下部防水フィルム層との間に位置する面状発熱層と、電極層とを含む面状発熱部と、前記面状発熱部の両面にそれぞれ備えられる外部防水フィルム層と、前記面状発熱部と外部防水フィルム層との間にそれぞれ介在し、繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層とを含み、この時、前記凹凸の凹部は、上部防水フィルム層、下部防水フィルム層、および外部防水フィルム層によって閉じられて不織布層内にエアポケットとして形成される、湿式用面状発熱体およびその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部防水フィルム層と、下部防水フィルム層と、前記上部防水フィルム層と前記下部防水フィルム層との間に位置する面状発熱層とを含む面状発熱部と、
前記面状発熱部のいずれか一面に備えられる外部防水フィルム層と、
前記面状発熱部と前記外部防水フィルム層との間に表面に凹凸が形成された不織布層とを含み、
この時、前記凹凸の凹部は、前記外部防水フィルム層によって閉じられて前記上部防水フィルム層または前記下部防水フィルム層のうちのいずれか1つと不織布層の凹部分によって孤立した空間を形成する面状発熱体。
【請求項2】
前記孤立した空間は、空気層を形成することを特徴とする、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項3】
前記不織布は、繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成される、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項4】
前記上部防水フィルム層または前記下部防水フィルム層は、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレートグリコール、およびポリエチレンイミドからなる群より選択された1種の材質である、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項5】
空気層が形成された金属、非金属、または金属−非金属混用フィルムを1層以上追加的に含む、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項6】
前記面状発熱体は、高分子PTC定温発熱インクを含む、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項7】
前記面状発熱体は、セメントまたはモルタルに施工される湿式用である、請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項8】
表面に凹凸が形成された不織布層と防水フィルム層とを貼り合わせて複合フィルムを得るステップを含む面状発熱体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源供給によって広い面積で均一に熱を発生させることができ、湿式施工が可能で、オンドル(韓国の床下暖房)および床、壁暖房材料、道路融雪用に適用可能な湿式用面状発熱体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、省エネ型の暖房用発熱素材およびこれを用いた発熱体の研究開発が加速化されるにつれ、湿式施工によるリーク電流を最小化させる新たな技術の開発が登場している。
【0003】
今のところ、湿式施工方式の暖房用発熱体としては、線状発熱体(Wire Heater)が主に用いられてきている。しかし、線状発熱体は、Ni−Cr系およびFeNi−Cr系のような発熱素材で製造されるため、線状発熱によって熱効率が低くて相対的に消費電力が高く、直列回路構成によってある一箇所の回路がオープン(Open)される場合、発熱体全体で熱が生じないなど維持補修の困難がある。また、集熱などの局部過熱といった異常発熱現象により発熱体の損傷および火災の危険性が大きく、製品の安全性を欠いている。
【0004】
また、カーボン系面状発熱体は、線状発熱体に比べて熱効率に優れているのに対し、カーボンブラックのような導電性粒子を抵抗発熱源として適用するため、繰り返しの使用によって抵抗値が大きく変化し、集熱などの局部過熱といった異常発熱現象により発熱体の損傷および火災の危険性が大きく、製品の安全性を欠いている。
【0005】
安定性確保のために、線状発熱体と面状発熱体に過熱防止センサなどの温度制御システムが講じられているが、集熱などの局部過熱といった異常発熱現象を誘発させている。異常発熱現象の主要経路は、保温や蓄熱、過熱から発生し、特に蓄熱部の温度が急激に上昇するにつれ、発熱体の局部過熱が仕上げ材に損傷をきたして電気火災の原因となっている。
【0006】
特に、現在湿式用に施工されている線状発熱体の問題点を克服し、相対的に熱効率に優れた面状発熱体を湿式施工用発熱体として用いる場合、線状発熱体よりリーク電流の急激な増加で漏電遮断器が作動する問題点が発生する。
【0007】
この理由は、既存の面状発熱体は、電気絶縁および難燃の目的でほとんどPETフィルムで製造され、乾式用施工に主に用いられてきたからである。また、湿式施工時、セメントモルタル床と接触する面状発熱体のPETフィルムが線状発熱体に比べてより広い施工床面を有する界面接触性による防水性で湿気や結露発生などの弱い欠点があるからである。
【0008】
一方、本出願人による韓国登録特許第10−1168906号公報(2012.07.20)には、PETフィルムが適用された高分子PTC定温発熱インクを用いた定温発熱体が提案され、多様なドーパント(Dopant)の添加量調節による高分子PTC特性の向上と常温抵抗の安定化などの問題点に対する解法が開示されており、この登録特許ですでに製品を商用化させて米国などに輸出が行われている。
【0009】
しかし、前記登録特許技術は、高分子PTC定温発熱体が自己温度制御特性によってエネルギー節減および電気火災の危険から安全であるのに対し、暖房用湿式施工への適用において前述のような困難がある。
【0010】
そこで、本出願人は、韓国登録特許第10−1593983号公報でリーク電流および誘導電流を最小化するための高分子PTC定温発熱インクを用いた湿式用面状発熱体を提案した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、柔軟性を有しかつ、リーク電流を最小化できる湿式用面状発熱体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、本発明は、
上部防水フィルム層と、下部防水フィルム層と、前記上部防水フィルム層と下部防水フィルム層との間に位置する面状発熱層と、電極層とを含む面状発熱部と、
前記面状発熱部の両面にそれぞれ備えられる外部防水フィルム層と、
前記面状発熱部と外部防水フィルム層との間にそれぞれ介在し、繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層とを含み、
この時、前記凹凸の凹部は、上部防水フィルム層、下部防水フィルム層、および外部防水フィルム層によって閉じられて不織布層内にエアポケットとして形成される、湿式用面状発熱体を提供する。
【0013】
また、本発明は、
施工用不織布層(40a)と外部防水フィルム層(30a)とを貼り合わせた後、ロゴを印刷して第1複合フィルムを得る第1ステップと、
繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層(20a)と上部防水フィルム層(11a)とを貼り合わせて第2複合フィルムを得る第2ステップと、
前記第1複合フィルムと第2複合フィルムとを貼り合わせて第3複合フィルムを得る第3ステップと、
施工用不織布層(40b)と外部防水フィルム層(30b)とを貼り合わせて第4複合フィルムを得る第4ステップと、
繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層(20b)と下部防水フィルム層(11b)とを貼り合わせて第5複合フィルムを得る第5ステップと、
前記第4複合フィルムと第5複合フィルムとを貼り合わせて第6複合フィルムを得る第6ステップと、
前記第6複合フィルムの一面に電極層(13)を形成する第7ステップと、
前記電極層の上面に面状発熱層(12)を形成する第8ステップと、
前記第3複合フィルムと電極層(13)および面状発熱層(12)が形成された第6複合フィルムとを貼り合わせる第9ステップと、
を含む面状発熱体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、不織布基材が有する気孔だけでなく、不織布層に形成されたエアポケット内の空気が有する低誘電定数によってリーク電流の発生を最小化できて、漏電遮断器が作動する問題点を解決することにより、湿式施工が可能であり、消費電力の節減および電気火災の危険性を著しく低下させることができる。また、不織布の使用により面状発熱体の柔軟性(Flexibility)を向上させて、面状発熱体の用途拡大および施工作業の効率性の増大が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
これらの図面は、本発明の実施形態を説明するのに参照するためのものであるので、本発明の技術的思想を添付した図面に限定して解釈してはならない。
【図1】本発明の一実施形態の湿式用面状発熱体を図式化して示すものである。
【図2】本発明の一実施形態に係る面状発熱体と、本出願人の韓国登録特許第10−1593983号公報の面状発熱体のリーク電流を実験した写真である。
【図3】本発明の一実施形態に係る面状発熱体と、本出願人の韓国登録特許第10−1593983号公報の面状発熱体の屈曲強度の試験成績書である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0017】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0018】
このような図面は、本発明の好ましい実施形態と技術的な思想または特徴などを具体的かつ明確に説明するための参照用であるので、実際の製品仕様と異なりうることを予め明らかにしておく。
【0019】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたものに限定されず、様々な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0020】
下記の詳細な説明において、構成の名称を第1、第2などと区分したのは、その構成の名称が同一であることからこれを区分するためのものであり、下記の説明において必ずしもその順序に限定されるものではない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態の湿式用面状発熱体を図式化して示すものである。
【0023】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係る湿式用面状発熱体100は、電源供給によって広い面積で均一に熱を発生させることができ防止、湿式施工が可能で、オンドルおよび床、壁暖房材料、道路用に適用可能である。
【0024】
このような湿式用面状発熱体100は、上部防水フィルム層11aと、下部防水フィルム層11bと、前記上部防水フィルム層11aと下部防水フィルム層11bとの間に位置する面状発熱層12と、電極層13とを含む面状発熱部10を備えている。
【0025】
前記面状発熱部10は、本出願人による韓国登録特許第10−1168906号の定温発熱体から構成される。
【0026】
上部防水フィルム層11aと下部防水フィルム層11bは、面状発熱部10の上下部のカバーの役割を果たすもので、面状発熱部10に印加された電気が外部などに抜け出ないようにし、湿式施工時に防水性を持たせる目的で使用される。したがって、絶縁性および防水性を付与できる物質であれば制限なく使用可能である。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレートグリコール、およびポリエチレンイミドからなる群より選択された1種の材質を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
前記面状発熱体には、金属、非金属、または金属−非金属混用フィルムの中から選択された1種以上が1層以上追加的に付着できる。前記金属、非金属、または金属−非金属混用フィルムには空気層が形成される。前記金属フィルムにはアルミニウム、前記非金属フィルムにはポリマーまたはセラミック、前記金属−非金属混用フィルムにはアルミニウム−ポリマーまたはアルミニウム−セラミックが選択的に使用できる。具体的には、ポリマーフィルムはポリエチレンテレフタレート、金属−非金属混用フィルムはアルミニウム−ポリエチレンテレフタレートが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0028】
特に、金属、非金属、または金属−非金属混用フィルムは、前記面状発熱体の最外角の一面または両面に付着できるが、これに限定されず、面状発熱体の一層として、面状発熱体の多様な層の間に1層以上追加されてもよい。
【0029】
面状発熱層12は、電極層13の上部に積層されており、電気が流れる時に発熱する。その材質は、導電性カーボン、カーボンブラック、グラフェン、炭素ナノチューブ(CNT)、グラファイト(graphite)のうちのいずれか1つまたは2つ以上混合されたものが好ましい。具体的には、カーボン繊維で織り込まれた発熱層、不織布にCNTやグラフェンを含侵させた発熱層、不織布に導電性カーボンを含侵させた発熱層、基材フィルム上にCNTやグラフェンペーストまたはインクをコーティングして製造した発熱層を使用することができる。前記コーティングにはグラビア(Gravure)方式を利用することができる。
【0030】
電極層13は、面状発熱層12の両側に一定幅に形成され、電極間の電流の流れを調節して面状発熱層12の発熱温度を上昇維持する。電極層13の電極15の材質は、ポリアニリン、ポリピロール、およびポリチオフェンのような導電性高分子;炭素のような導電性成分;銀、金、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、スズ、鉄、およびニッケルのような金属からなる群より選択される1種以上が使用できる。好ましくは、熱伝導性および電気伝導性に優れた銅を使用する。
【0031】
前記のように面状発熱部10を含む本発明の実施形態に係る湿式用面状発熱体100は、湿式施工時、大面積の増加による面状発熱部10のリーク電流を最小化できる構造からなる。
【0032】
このために、本発明の実施形態に係る湿式用面状発熱体100は、面状発熱部10の両面にそれぞれ備えられる外部防水フィルム層30a、30bと、前記面状発熱部10と外部防水フィルム層30a、30bとの間にそれぞれ介在し、繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層20a、20bとをさらに備えている。
【0033】
外部防水フィルム層30a、30bは、湿式施工時、大面積の増加によって発生するリーク電流を最小化し、湿式施工時に防水性を持たせる目的で使用される。その材質は、絶縁性および防水性を付与できる物質であれば制限なく使用可能であり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレートグリコール、およびポリエチレンイミドからなる群より選択された1種を用いることができる。
【0034】
前記不織布層20a、20bは、繊維で形成され、前記繊維の間に形成された多数の気孔を有する不織布基材を含む。
【0035】
前記不織布基材を形成する繊維は、平均直径が0.1μm〜10μmであってもよい。前記繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、アラミドのようなポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレンなどで形成することができ、これに限定されない。
【0036】
前記不織布層20a、20bは、繊維の間に形成された多数の気孔内の空気が有する低誘電定数によってリーク電流(leakage current)の発生を低減することができる。したがって、リーク電流による絶縁性の低下を防止することができる。具体的には、不織布層20a、20bの不織布基材は、面積あたり、重量30g/m〜100g/mであり、厚さ0.10mm〜0.45mmであってもよい。前記のような面積あたりの重量と厚さ範囲は、不織布基材に形成された気孔内の空気によるリーク電流の発生を最小化するためのもので、前記範囲を外れる場合、本発明の効果を達成することができない。
【0037】
特に、前記不織布層20a、20bの不織布基材は、その表面に凹部と凸部とが繰り返される凹凸が形成されている。一方、面状発熱体100の上面に備えられる不織布層20aの上面と下面には外部防水フィルム層30aと上部防水フィルム層11aが位置し、面状発熱体100の下面に備えられる不織布層20bの上面と下面には下部防水フィルム層11bと外部防水フィルム層30bが位置する。したがって、不織布層20a、20bの表面凹凸のうち凹部は不織布層20a、20bの上面と下面に位置した防水フィルム層によって塞がれた構造となり、不織布層20a、20b内でエアポケット21を形成して誘電定数を減少させる機能を行うようになる。
【0038】
前記外部防水フィルム層30a、30bの一面には、モルタルまたはセメントとの付着性を改善するための施工用不織布層40a、40bを追加的に含んでもよい。施工用不織布層40a、40bの材質は、不織布層20a、20bと同一または異なるものを使用することができる。
【0039】
本発明の実施形態では、不織布基材が有する気孔だけでなく、不織布層に形成されたエアポケットによりリーク電流を防止できて、漏電遮断器が作動する問題点を解決することにより、湿式施工が可能であり、消費電力の節減および電気火災の危険性を著しく低下させることができる。
【0040】
本発明に係る湿式用面状発熱体は、
施工用不織布層40aと外部防水フィルム層30aとを貼り合わせた後、ロゴを印刷して第1複合フィルムを得る第1ステップS10と、
繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層20aと上部防水フィルム層11aとを貼り合わせて第2複合フィルムを得る第2ステップS20と、
前記第1複合フィルムと第2複合フィルムとを貼り合わせて第3複合フィルムを得る第3ステップS30と、
施工用不織布層40bと外部防水フィルム層30bとを貼り合わせて第4複合フィルムを得る第4ステップS40と、
繊維で形成され、前記繊維の間に気孔が形成されて多数の気孔を有し、表面に凹凸が形成された不織布層20bと下部防水フィルム層11bとを貼り合わせて第5複合フィルムを得る第5ステップS50と、
前記第4複合フィルムと第5複合フィルムとを貼り合わせて第6複合フィルムを得る第6ステップS60と、
前記第6複合フィルムの一面に電極層13を形成する第7ステップS70と、
前記電極層の上面に面状発熱層12を形成する第8ステップS8と、
前記第3複合フィルムと電極層13および面状発熱層12が形成された第6複合フィルムとを貼り合わせる第9ステップS90と、を経て製造される。
【0041】
前記各ステップで、貼り合わせは、T−ダイ法、インフレーション法、押出ラミネーション、共押出ラミネーション;ポリウレタン、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂などの接着剤を用いたドライラミネーション、サンドイッチラミネーション、または熱ラミネーションなどの接着方法を使用することができるが、ポリウレタン接着剤とイソシアネート硬化剤によるドライラミネーションが最も好ましい。
【0042】
電極層13を形成する第7ステップは、電極15を構成する材料の特性によってプリント、織り込み、刺繍、接着などの多様な方法で形成させることができる。具体的には、インクやペースト状に作製してプリントしたり、テープ状に作製して基材上に貼り付けて形成させることができる。また、基材に直接含侵して形成させてもよい。
【0043】
面状発熱層12を形成する第8ステップは、インクやペースト状に作製してコーティングまたはプリントしたり、テープ状に作製して基材上に貼り付けて形成させることができる。また、基材に直接含侵して形成させてもよい。この時、コーティング方法として、ロールコーティング、メイヤーバーコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、スロットダイコーティング、スライドコーティング、またはカーテンコーティング方法を使用することができる。
【0044】
図2は、本発明の一実施形態に係る面状発熱体と、本出願人の韓国登録特許登録第10−1593983号公報の面状発熱体のリーク電流を実験した写真である。
【0045】
この時、試験条件は、film dimension:L250mm/W500mm、applied voltage:AC220±2V(60Hz)、ambient temp.:21℃、凹凸が形成された不織布層の厚さは0.17mm、面積あたりの重量は50g/mであり、試験結果、表面に凹凸が形成された不織布層が適用された本発明の一実施形態に係る面状発熱体のリーク電流は0.42mA、不織布層の代わりにポリプロピレンフィルムが適用された韓国登録特許第10−1593983号公報の面状発熱体のリーク電流は0.68mAで、不織布層の適用によってリーク電流が減少したことを確認することができた。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係る面状発熱体と、本出願人の韓国登録特許第10−1593983号公報の面状発熱体の屈曲強度の試験成績書である。
【0047】
この時、屈曲強度は、KSM3015(KS標準)により、長さ55mm/幅25mmの試験片を引張試験機で測定した結果である。表面に凹凸が形成された不織布層(厚さは0.17mm、面積あたりの重量は50g/m)が適用された本発明の一実施形態に係る面状発熱体の屈曲強度はそれぞれ13、14N/2.54cm、不織布層の代わりにポリプロピレンフィルムが適用された韓国登録特許第10−1593983号公報の面状発熱体の屈曲強度はそれぞれ25、18N/2.54cmで、不織布層の適用によって柔軟性が向上したことを確認することができた。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的思想は本明細書で提示される実施形態に制限されず、本発明の技術的思想を理解する当業者は同一の技術的思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の権利範囲内に入るというべきであろう。
【符号の説明】
【0049】
10:面状発熱部
11a:上部防水フィルム層
11b:下部防水フィルム層
12:面状発熱層
13:電極層
15:電極
20a、20b:不織布層
21:エアポケット
30a、30b:外部防水フィルム層
40a、40b:施工用不織布層
【図1】
【図2】
【図3】
【国際調査報告】