(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019522906
(43)【公表日】20190815
(54)【発明の名称】水素プラズマを用いたシリコン抽出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190719BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20190719BHJP
【FI】
   !H01L21/302 105A
   !H05H1/46 M
   !H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】2019514200
(86)(22)【出願日】20170526
(85)【翻訳文提出日】20190124
(86)【国際出願番号】US2017034852
(87)【国際公開番号】WO2017210139
(87)【国際公開日】20171207
(31)【優先権主張番号】62/342,992
(32)【優先日】20160529
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
【住所又は居所】東京都港区赤坂五丁目3番1号
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス州 78741 オースティン グローブ・ブールバード 2400
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シェルパ,ソナム ディー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12203 オールバニー ジョンストン ロード 6211 マンチェスター ハウス アパートメント 11
(72)【発明者】
【氏名】ランジャン,アロック
【住所又は居所】宮城県富谷市明石台7−3−4
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB11
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD25
2G084DD35
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2G084FF15
2G084HH08
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2G084HH29
2G084HH52
5F004AA05
5F004BA03
5F004BA09
5F004BB13
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5F004DA23
5F004DA24
5F004DB02
5F004EA38
5F004EB08
(57)【要約】
水素プラズマを用いたシリコン抽出方法が、種々の実施形態において開示された。
基板プロセス方法は、シリコンを含む第1材料と、第1材料とは異なる第2材料とを含む基板を提供するステップと、H及び任意でArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、第2材料と比較して第1材料を選択的にエッチングするために、プラズマ励起プロセスガスに基板を曝露するステップと、を含む。
一実施形態によれば、第2材料は、SiN、SiO及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板プロセス方法であって、
元素Siを含む第1材料と、前記第1材料とは異なる第2材料とを含む基板を提供するステップと、
及び任意でArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、
前記第2材料と比較して前記第1材料を選択的にエッチングするために、前記プラズマ励起プロセスガスに前記基板を曝露するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセスガスがHを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスガスがH及びArを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2材料は、SiN、SiO及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第2材料は有機材料を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1材料は前記基板上の隆起フィーチャを含み、
前記第2材料は前記隆起フィーチャの垂直部分上の側壁スペーサを形成し、
前記曝露するステップは、前記第1材料の前記隆起フィーチャを除去するが前記側壁スペーサは除去しない、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第2材料は、SiN及びSiOを含む群から選択される、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1材料及び前記第2材料は、下地のSiO材料と直接接触し、
前記第2材料はSiNを含む、
請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、上部プレート電極と前記基板を支持する下部プレート電極とを含む容量結合プラズマ源を用いてプラズマを生成するステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、高いラジカル対イオンフラックス比率を作り出す遠隔プラズマ源を使用してプラズマを生成するステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
基板プロセス方法であって、
元素Siを含む第1材料と、SiN、SiO及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第2材料とを含む基板を提供するステップと、
及びArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、
前記第2材料と比較して前記第1材料を選択的にエッチングするために、前記プラズマ励起プロセスガスに前記基板を曝露するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第1材料は前記基板上の隆起フィーチャを含み、
前記第2材料は前記隆起フィーチャの垂直部分上の側壁スペーサを形成し、
前記曝露するステップは、前記第1材料の前記隆起フィーチャを除去するが前記側壁スペーサは除去しない、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、上部プレート電極と前記基板を支持する下部プレート電極とを含む容量結合プラズマ源を用いてプラズマを生成するステップを含む、
請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、高いラジカル対イオンフラックス比率を作り出す遠隔プラズマ源を使用してプラズマを生成するステップを含む、
請求項11記載の方法。
【請求項15】
基板プロセス方法であって、
基板を提供するステップであって、前記基板は、該基板上に隆起フィーチャを有する第1材料と、前記隆起フィーチャの垂直部分上の側壁スペーサを形成する第2材料と、を含み、前記第1材料及び前記第2材料は、下地のSiO第3材料と直接接触し、前記第1材料は元素Siを含み、前記第2材料はSiNを含み、前記第3材料はSiOを含む、ステップと、
及び任意でArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、
前記第2材料及び前記第3材料と比較して前記第1材料を選択的にエッチングするために、前記プラズマ励起プロセスガスに前記基板を曝露するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、上部プレート電極と前記基板を支持する下部プレート電極とを含む容量結合プラズマ源を用いてプラズマを生成するステップを含む、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記プラズマ励起プロセスガスを形成するステップは、高いラジカル対イオンフラックス比率を作り出す遠隔プラズマ源を使用してプラズマを生成するステップを含む、
請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記プロセスガスがHを含む、
請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記プロセスガスがH及びArを含む、
請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についてのクロスリファレンス
本出願は、2016年5月29日に出願された米国仮特許出願第62/342,992号に関連し、これに基づく優先権を主張する。
その全体の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は半導体製造及び半導体デバイスの分野に関し、より詳しくは水素プラズマを用いたシリコン抽出方法又はシリコン引き抜き方法(a method of silicon extraction)に関する。
【背景技術】
【0003】
ラインエッチング及びパターニングプロセスのフロントエンドは、下地材料に対して高い又は無限の選択性を有するシリコンの抽出を必要とする。シリコンを抽出するために使用される現在の方法は、エッチング副生成物の再堆積および高エネルギーイオンによる衝撃を伴う。これらのプロセスは、フーティング(footing)と下地材料への重大な損傷とをもたらす。したがって、これらの問題を克服するために、シリコン抽出のための新しいプロセス方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施態様は、シリコン抽出のための水素プラズマを用いた基板プロセス方法を記載する。水素プラズマは、酸化物、窒化物、及び他の材料に対して非常に高い選択性でシリコンを抽出することができる。このプロセスは基板上への副産物堆積(例えば、ポリマー)がなく、水素イオンによる下地材料への損傷はごくわずかである。
【0005】
一実施形態によれば、方法は、元素ケイ素(elemental silicon)を含む第1材料と、第1材料とは異なる第2材料とを含む基板を提供するステップと、H及び任意でArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、第2材料と比較して第1材料を選択的にエッチングするために、プラズマ励起プロセスガスに基板を曝露するステップと、を含む。
一実施形態において、第2材料は、SiN、SiO及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することにより本発明がより完全に理解されるにつれて、本発明及びその多くの付随する利点のより完全な理解が容易に得られるであろう。
【図1】図1A−1Bは、基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す図である。
【図2】図2A−2Bは、本発明の一実施例による基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す図である。
【図3】図3Aー3Bは、本発明の一実施例による基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、SiNエッチング及びSiOエッチングに対する選択的Siエッチングの実験結果を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、SiNエッチング及びSiOエッチングに対する選択的Siエッチングの実験結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、Siエッチングの実験結果を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による、Siエッチングの実験結果を示す図である。
【図8】図8A−8Fは、本発明の一実施形態による、SiNエッチング及びSiOエッチングに対する選択的Siエッチングの実験結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による、容量結合プラズマ(CCP)システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、他の材料と比較して元素シリコン(Si)を選択的にエッチングするために、非重合化学を使用する基板プロセス方法を記載する。
【0008】
本明細書において用いられるとき、「SiN」の表記は、ケイ素及び窒素を主成分として含有する層を含み、その層はある範囲のSi及びNの組成物を有することができる。Siは窒化ケイ素の中で最も熱力学的に安定であり、従って窒化ケイ素の中で最も商業的に重要である。しかしながら、本発明の実施形態は、広範囲のSi及びNの組成物を有するSiN層に適用することができる。
さらに、「SiO」の表記は、主成分としてケイ素及び酸素を含有する層を含むことを意味し、その層はある範囲のSi及びOの組成物を有することができる。SiOは酸化ケイ素の中で最も熱力学的に安定であり、従って酸化ケイ素の中で最も商業的に重要である。
【0009】
図1A及び1Bは、基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す。図1Aは、基板100と、二酸化ケイ素(SiO)層101と、Si隆起フィーチャ102と、Si隆起フィーチャ102の垂直部分105上の(on the vertical portions 105)窒化ケイ素(SiN)側壁106と、を示す。SiN側壁スペーサ106は、Si隆起フィーチャ102の水平部分103及び垂直部分105上にSiNスペーサ層をコンフォーマルに堆積させ、続いて、フルオロカーボン含有プラズマを含みうる、異方性エッチングプロセスにおいて、水平部分103上のSiNスペーサ層104を優先的にエッチングすることにより形成されることができる。Si隆起フィーチャ102は、しばしばマンドレルと呼ばれ、それらはハロゲン含有エッチングプロセス(すなわち、マンドレルプルプロセス)を用いて除去されることができる。
【0010】
図1Bは、Si隆起フィーチャ102を除去するためのハロゲン含有エッチングプロセスのいくつかの欠点を図示し、SiとSiOとの間の選択性が低いことによるSiO層101内の酸化物(例えばSiO)リセス(recess)109と、ポリマー残留物107の存在と、SiN側壁スペーサ106の頂部においてテーパ状輪郭を生じるスペーサ浸食と、を含む。本発明の実施形態は、ハロゲン含有エッチングプロセスのこれらの欠点に対処する。
【0011】
図2A及び2Bは、本発明の一実施例による基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す。図1Aは、図2Aとして再現され、基板100、SiO層101、Si隆起フィーチャ102、およびSi隆起フィーチャ102の垂直部分105上のSiN側壁スペーサ106を示す。Si隆起フィーチャ102は、多結晶Si(ポリSi)又はアモルファスSi(a‐Si)を含むことができる。
【0012】
図2Bは、基板からSi隆起フィーチャ102を選択的に取り除くプラズマエッチングプロセスの結果を示す。プラズマエッチングプロセスは、H及び任意のArガスを含むプロセスガスをプラズマ励起するステップと、図2Aの構造をプラズマ励起プロセスガスに曝露するステップとを含む。一実施形態によれば、プロセスガスは、Hから成る。他の実施態様によれば、プロセスガスは、H及びArから成る。図2Bの結果として生じる構造は、SiO層101上のSiN側壁スペーサ106を含み、図1Bに示された上述の欠点を有しない。
【0013】
図2A及び2Bに表される方法は、基板上の隆起フィーチャを有する第1材料と、隆起フィーチャの垂直部分上に側壁スペーサを形成する第2材料とを含む基板を提供するステップであって、第1材料及び第2材料は、下地の第3材料と直接接触し、第1材料は元素Siを含み、第2材料はSiNを含み、第3材料はSiOを含む、ステップと、H及び任意でArを含むプラズマ励起プロセスガスを形成するステップと、第2材料及び第3材料と比較して第1材料を選択的にエッチングするために、プラズマ励起プロセスガスに基板を曝露するステップと、を含む。
【0014】
図3Aおよび3Bは、本発明の一実施例による基板プロセス方法を、断面図を介して模式的に示す。図3Aは、SiO層300と、Si層302と、SiO層306と、露出Si層310に接するSiN側壁スペーサ308とを含む構造を示す。
【0015】
本発明一実施形態によれば、図3Aの構造は、SiO層306及びSiN側壁スペーサ308と比較してSi層310を選択的にエッチングするエッチングプロセスを用いて処理されることができる。エッチングプロセスは、H及び任意のArガスを含有するプロセスガスをプラズマ励起するステップと、図3Aの構造をプラズマ励起プロセスガスに曝露するステップと、を有する。一実施例によれば、プロセスガスは、Hからなる。他の実施態様によれば、プロセスガスは、H及びArから成る。図3Bは、部分的なSiプルエッチングプロセスの後の構造を示す。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態による、SiNエッチング482及びSiOエッチング484に対する選択的Siエッチング480の実験結果を示す。プラズマエッチングは、60MHzにおいて200Wの上部電極電力、10℃の基板ホルダ温度及びH及びArを含有するプロセスガスのプロセス条件を含んだ容量結合プラズマ(CCP)システムにおいて行われた。下部電極は電力が供給されなかった。チャンバ圧力は20〜100mTorrの間で変化された。エッチング結果は、SiNエッチング及びSiOエッチングと比較して、Siエッチングに対して非常に高いエッチング選択性を示す。これらのプラズマプロセス条件下では、原子状水素が支配的なエッチャント種である。本発明の実施形態によれば、プロセス条件は60MHzにおいて200〜1000Wの上部電極電力を含むことができる。
【0017】
図5は、本発明の一実施形態による、SiNエッチング582及びSiOエッチング604に対する選択的Siエッチング580の実験結果を示す。プラズマエッチングは、13.56MHzにおいて75Wの下部電極電力、10℃の基板ホルダ温度及びH及びArを含有するプロセスガスのプロセス条件を含んだCCPシステムにおいて行われた。上部電極は電力が供給されなかった。チャンバ圧力は20〜150mTorrの間で変化された。結果は、SiNエッチング及びSiOエッチングと比較して、Siエッチングに対して非常に高いエッチング選択性を示す。これらのプロセス条件下では、水素イオンは、基板に対するスパッタリング閾値より大きいイオンエネルギー(Eイオン)のエネルギーを有する(energetic with ion energy (Eion) > sputtering threshold for the
substrate)が、依然として原子状水素が支配的なエッチャント種である。本発明の実施形態によれば、プロセス条件は13.56MHzにおいて75〜250Wの下部電極電力を含むことができる。
【0018】
図6及び図7は本発明の実施態様によるSiエッチングのための実験の結果を示す。図6において、プロットは、プラズマ実行時間に対する発光分光法(OES)(optical emission spectroscopy (OES) vs. plasma run time)を用いて656.5nmで測定されたHプラズマ強度600を示す。図7において、プロットは、プラズマ実行時間に対するOESを用いて414.0nmで測定されるSiHプラズマ強度800を示す。図7及び8の結果は、原子状水素によってシリコンの化学エッチングの徴候を示す。プラズマエッチングは、60MHzにおいて200Wの上部電極電力、10℃の基板ホルダ温度及びH及びArを含有するプロセスガスのプロセス条件を含んだCCPシステムにおいて行われた。下部電極は電力が供給されなかった。チャンバ圧力は20mTorrであった。本発明の実施形態によれば、プロセス条件は60MHzにおいて200〜1000Wの上部電極電力及び20〜150mTorrのチャンバ圧力を含むことができる。
【0019】
図8Aー8Fは、本発明の一実施形態による、SiNエッチング及びSiOエッチングに対する選択的Siエッチングの実験結果を示す図である。図8A及び8Bの断面走査電子顕微鏡学(SEM)は、ポリSi隆起層上のSiN側壁スペーサを含む受け取った状態の(as-received)試料を示す。ポリSi隆起層とSiN側壁スペーサとは両方ともSiO層上に横たわっている。
【0020】
図8C及び8Dは、SiN側壁スペーサ及びSiO層と比較してポリSi隆起層をエッチングするプラズマエッチングプロセス(マンドレルプル)後のSEMグラフを示す。プラズマエッチングは、CCPプラズマプロセスシステムを用いて、60MHzにおいて200Wの上部電極電力、10℃の基板ホルダ温度及びH及びArを含有するプロセスガスのプロセス条件で行われた。下部電極は電力が供給されなかった。チャンバ圧力は、20mTorrであった。本発明の実施形態によれば、プロセス条件は60MHzにおいて200〜1000Wの上部電極電力及び20〜150mTorrのチャンバ圧力を含むことができる。
【0021】
図8Eおよび図8Fは、従来の、CCPプラズマプロセスシステム内でハロゲン含有化学作用を用いてSiN側壁スペーサを形成するためのプラズマエッチングプロセス(マンドレルプル)後のSEMグラフを示す。プロセス条件は、60MHzで500Wの上部電極電力、13.56MHzで100Wの下部電極電力、90sccmのClガスフロー、50℃の基板保持温度、及び75秒の実行時間を含んだ。チャンバ圧力は、80mTorrであった。
【0022】
図8C及び図8Dの本発明のエッチングプロセスを図8E及び8Fの従来のエッチングプロセスと比較すると、本発明のエッチングプロセスは、高いエッチング選択性により、ポリマー残留物を生じず、SiN側壁スペーサのテーパ部を減少させ、酸化物のリセス(recess)を減少させることが示される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、プロセスガスは、様々な異なるプラズマ源を用いて励起されるプラズマでもよい。一実施形態によれば、プラズマ源は、上部プレート電極と、基板を支持する下部プレート電極とを有するCCP源を含むことができる。無線周波数(RF)電力は、RF発振器とインピーダンスネットワークとを用いて、上部プレート電極に、下部プレート電極に、又は上部プレート電極と下部プレート電極との両方に供給されることができる。上部電極に印加するRF電力の典型的な周波数は、10MHz〜200MHzの範囲であり、60MHzであってもよい。加えて、下部電極に印加するRF電力の典型的な周波数は、0.1MHz〜100MHzの範囲であり、13.56MHzであってもよい。図8C及び8Dには、マンドリルプルエッチングプロセスを実行するために用いることができるCCPシステムが示される。一実施形態によれば、プラズマ励起プロセスガスを形成することは、高いラジカル対イオンフラックス比率(a high radical to ion flux ratio)を作り出す遠隔プラズマ源を使用してプラズマを生成することを含む。遠隔プラズマ源は、プラズマプロセスチャンバの外側に位置することができ、プラズマ励起ガスは、基板を処理するために、プラズマプロセスチャンバ内に流入する。
【0024】
図9において表される例示的なプラズマプロセスデバイス500は、チャンバ510と、処理されるべき基板525が固定される基板ホルダ520と、ガス注入システム540と、真空ポンプシステム550とを含む。チャンバ510は、基板525の表面に隣接するプロセス領域545内のプラズマの生成を容易にするように構成されており、プラズマは加熱電子とイオン化可能ガスとの間の衝突を経て形成される。イオン化可能ガス又はガス混合物はガス注入システム540を介して導入され、プロセス圧力は調整される。例えば、ゲートバルブ(図示せず)は、真空ポンプシステム550を絞る(throttle)ために用いられる。
【0025】
基板525は、ロボット基板搬送システムを介して、チャンバフィードスルー(図示せず)及びスロットバルブ(図示せず)を通ってチャンバ510内へ及び外へ搬送され、ロボット基板搬送システムでは、基板ホルダ520内に収容された基板ロフトピン(図示せず)によって受け取られ、その中に収容されたデバイスによって機械的に搬送される。基板525が基板搬送システムから受け取られると、それは基板ホルダ520の上部表面まで下される。
【0026】
別の実施例において、基板525は、静電クランプ(図示せず)を介して基板ホルダ520に固定される。さらにまた、基板ホルダ520は、基板ホルダ520から熱を受け取って熱を熱交換器システム(図示せず)に伝達するか、又は、加熱時には熱を熱交換システム伝達する再循環冷却剤フローを含む冷却装置をさらに含む。さらにまた、基板525と基板ホルダ520の間にガス−ギャップ熱伝導性を改良するために、ガスは基板の背部に届けられることができる。かかるシステムは、上昇され又は低下された温度において基板の温度制御が必要とされるときに利用される。例えば、基板の温度制御は、プラズマから基板525に供給される熱フラックスと、基板ホルダ520への伝導によって基板525から除去された熱フラックスとのバランスにより達成される定常状態温度を超える温度で有用であり得る。他の実施形態として、加熱要素、例えば抵抗式加熱要素又は熱電ヒーター/クーラーが、含まれる。
【0027】
第1実施形態においては、基板ホルダ520は、さらに無線周波数(RF)電力をプロセス領域545内のプラズマに結合させる電極として役立つ。例えば、基板ホルダ520は、RF発振器530からインピーダンス整合ネットワーク532を介して基板ホルダ520へのRF電力の伝送を介してRF電圧で電気的にバイアスされる。RFバイアスは、電子を加熱し、それにより、プラズマを形成して維持するのに役立つ。この構成において、システムは反応イオンエッチング(RIE)リアクターとして動作し、チャンバ及び上部ガス注入電極は接地表面として役立つ。RFバイアスのための典型的周波数は、0.1MHz〜100MHzの範囲であり、13.56MHzでもよい。別の実施例において、RF電力は、複数の周波数で基板ホルダ電極に印加される。さらにまた、インピーダンス整合ネットワーク532は、反射電力を最小化することによってプロセスチャンバ10内のプラズマへのRF電力の転送を最大にするのに役立つ。整合ネットワークトポロジ(例えばLタイプ、πタイプ、Tタイプなど)及び自動制御方法は、当業者に知られている。
【0028】
引き続き図9を参照すると、プロセスガス542(例えば、H及び任意でArを含む)が、ガス注入システム540を介してプロセス領域545に導入される。ガス注入システム540はシャワーヘッドを含むことができ、プロセスガス542はガス供給システム(図示せず)からプロセス領域545に、ガス注入プレナム(図示せず)、一連のバッフルプレート(図示せず)及び
マルチオリフィスシャワーヘッドガス注入プレート(図示せず)を介して供給される。
【0029】
真空ポンプシステム550は、好ましくは、最高5000リットル毎秒(さらに以上)のポンピング速度を可能にするターボ分子真空ポンプ(TMP)と、チャンバ圧力を制限するためのゲートバルブとを含む。ドライプラズマエッチングのために利用される従来のプラズマプロセスデバイスにおいては、1000〜3000リットル毎秒のTMPが、使用される。TMPは、典型的に50mTorr未満の低圧プロセスに役立つ。より高い圧力において、TMPポンプ速度は、顕著に下がる。高圧プロセス(即ち、約100mTorrを超える)のために、機械式ブースターポンプ及びドライ粗引きポンプが用いられる。
【0030】
コンピュータ555は、プラズマプロセスシステム500と通信し、プラズマプロセスシステム500への入力をアクティブにし、プラズマプロセスシステム500からの出力をモニタリングするために十分な制御電圧の生成を可能にすることができる、マイクロプロセッサ、メモリ、及びデジタルI/Oポートを有することができる。さらに、コンピュータ555は、RF発振器530、インピーダンス整合ネットワーク532、ガス注入システム540及び真空ポンプシステム550と接続され、情報を交換する。メモリに格納されたプログラムは、格納されたプロセス処方に従ってプラズマプロセスシステム500の上述したコンポーネントへの入力を活性化するために利用される。
【0031】
プラズマプロセスシステム500は、さらに、RF発振器572からのRF電力がインピーダンス整合ネットワーク574を介して接続された上部プレート電極570を含む。上部電極に対するRF電力の印加のための典型的な周波数は、10MHz〜200MHzの範囲であり、好ましくは60MHzである。加えて、下部電極へ電力を印加するための典型的な周波数は、0.1MHzから30MHzの範囲である。さらにまた、コンピュータ555は、上部プレート電極570へのRF電力の印加を制御するために、RF発振器572及びインピーダンス整合ネットワーク574に接続されている。
【0032】
水素プラズマを用いたシリコン抽出方法は、種々の実施形態において開示された。本発明の実施形態の前述の説明は、例示及び説明のために提示されたものである。開示された正確な形態を網羅すること又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。この説明及び以下の特許請求の範囲は、説明のためだけに使用される用語を含み、限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、上記教示に照らして多くの改変及び変形が可能であることを理解することができる。当業者は、図面に示された様々な構成要素の様々な均等な組み合わせおよび置換を認識するであろう。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されることが意図される。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9】
【国際調査報告】