(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523004
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】植物における遺伝子発現のための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/29 20060101AFI20190726BHJP
   C12N 15/82 20060101ALI20190726BHJP
   A01H 5/00 20180101ALI20190726BHJP
   A01H 5/10 20180101ALI20190726BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20190726BHJP
   C12N 5/04 20060101ALI20190726BHJP
   C07K 14/415 20060101ALI20190726BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20190726BHJP
   C12N 9/02 20060101ALI20190726BHJP
   A01H 1/00 20060101ALI20190726BHJP
   A01H 1/02 20060101ALI20190726BHJP
   C12N 15/53 20060101ALN20190726BHJP
【FI】
   !C12N15/29ZNA
   !C12N15/82 154Z
   !A01H5/00 A
   !A01H5/10
   !C12N5/10
   !C12N5/04
   !C07K14/415
   !C07K19/00
   !C12N9/02
   !A01H1/00 A
   !A01H1/02 A
   !C12N15/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】49
(21)【出願番号】2019504732
(86)(22)【出願日】20170726
(85)【翻訳文提出日】20190128
(86)【国際出願番号】US2017043990
(87)【国際公開番号】WO2018022777
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】62/368,840
(32)【優先日】20160729
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501231613
【氏名又は名称】モンサント テクノロジー エルエルシー
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン・ティ・ラルー
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・イー・リーム
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
(72)【発明者】
【氏名】アービッド・シャリフ
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
(72)【発明者】
【氏名】ユアンジ・ジャン
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ・シュエフェン
【住所又は居所】アメリカ合衆国63167ミズーリ州セントルイス、ノース・リンドバーグ・ブールバード800番
【テーマコード(参考)】
2B030
4B050
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AB04
2B030AD05
2B030CA14
2B030CB02
4B050CC05
4B050DD13
4B050LL10
4B065AA88X
4B065AA88Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA28
4B065CA53
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA30
4H045DA89
4H045EA05
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、トランスジェニック植物におけるタンパク質の効率的な発現に有用な組換えDNA分子、ならびにこうした組換えDNA分子を使用するための組成物及び方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、輸送ペプチドをコードする配列及び機能可能なように連結された除草剤耐性付与配列を含む組換えDNA分子及びコンストラクトを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子であって、前記輸送ペプチドが、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む、前記組換えDNA分子。
【請求項2】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する、請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項3】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項4】
輸送ペプチドをコードする前記DNA配列が、配列番号54〜99及び配列番号267〜297からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有する核酸配列を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項5】
異種除草剤耐性タンパク質をコードする前記DNA配列が、配列番号121〜162及び配列番号183〜223、配列番号229〜235からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有する核酸配列を含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項6】
輸送ペプチドをコードする前記DNA配列に機能可能なように連結された異種プロモーターをさらに含む、請求項1に記載の組換えDNA分子。
【請求項7】
異種プロモーターに機能可能なように連結された、請求項1に記載のDNA分子を含む、DNAコンストラクト。
【請求項8】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する、請求項7に記載のDNAコンストラクト。
【請求項9】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項7に記載のDNAコンストラクト。
【請求項10】
前記DNAコンストラクトが、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞のゲノムに存在する、請求項7に記載のDNAコンストラクト。
【請求項11】
請求項1に記載の組換えDNA分子を含む、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞。
【請求項12】
前記植物、種子、または細胞が、少なくとも1つのPPO除草剤に対する耐性を有する、請求項11に記載のトランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞。
【請求項13】
前記PPO除草剤が、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される、請求項12に記載のトランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞。
【請求項14】
前記トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞が、少なくとも第2の除草剤に対する耐性を有する、請求項11に記載のトランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞。
【請求項15】
a)配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む輸送ペプチドと、
b)異種除草剤耐性タンパク質と、
が機能可能なように連結されて含まれる、組換えタンパク質。
【請求項16】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する、請求項15に記載の組換えタンパク質。
【請求項17】
請求項15に記載の組換えタンパク質を含む、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞。
【請求項18】
a)請求項1に記載の組換えDNA分子で植物細胞を形質転換する段階と、
b)前記DNA分子を含む除草剤耐性植物をそこから再生させる段階と、
を含む、除草剤耐性植物の作出方法。
【請求項19】
1つまたは複数の子孫植物を作出するために、前記再生植物と、それ自体または第2の植物と、を交配させる段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのPPO除草剤に対する耐性を有する子孫植物を選択する段階をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記PPO除草剤が、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
除草剤耐性のトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子の作出方法であって、除草剤耐性のトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子を作出するために、請求項1に記載の組換えDNA分子を含む植物と、それ自体または第2の植物と、を交配させることを含む、前記方法。
【請求項24】
植物または細胞における異種除草剤耐性タンパク質の発現方法であって、前記方法が、請求項1に記載の組換えDNA分子を含む植物または細胞を成長させることを含み、前記成長の結果、前記異種除草剤耐性タンパク質が発現する、前記方法。
【請求項25】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
植物成長区域における雑草成長の管理方法または阻止方法であって、前記方法が、請求項12に記載のトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子を含む植物成長区域に対して少なくとも1つのPPO除草剤を有効量で適用することを含み、前記トランスジェニック植物またはトランスジェニック種子が、前記PPO除草剤に対する耐性を有する、前記方法。
【請求項27】
前記PPO除草剤が、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
除草剤耐性雑草の成長管理方法であって、前記方法が、
a)植物成長区域における請求項12に記載の植物または種子の栽培と、
b)前記植物成長区域に対するPPO除草剤及び少なくとも1つの他の除草剤の適用
と、を含み、前記植物または種子が、前記PPO除草剤及び前記少なくとも1つの他の除草剤に対する耐性を有する、前記方法。
【請求項29】
前記PPO除草剤が、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの他の除草剤が、ACCase阻害剤、ALS阻害剤、EPSPS阻害剤、合成オーキシン、光合成阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、HPPD阻害剤、PPO阻害剤、及び長鎖脂肪酸阻害剤からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ACCase阻害剤が、アリールオキシフェノキシプロピオン酸もしくはシクロヘキサンジオンであり、前記ALS阻害剤が、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、もしくはトリアゾリノンであり、前記EPSPS阻害剤が、グリホサートであり、前記合成オーキシンが、フェノキシ除草剤、安息香酸、カルボン酸、もしくはセミカルバゾンであり、前記光合成阻害剤が、トリアジン、トリアジノン、ニトリル、ベンゾチアジアゾール、もしくは尿素であり、前記グルタミン合成酵素阻害剤が、グルホシネートであり、前記HPPD阻害剤が、イソキサゾール、ピラゾロン、もしくはトリケトンであり、前記PPO阻害剤が、ジフェニルエーテル、N−フェニルフタルイミド、アリールトリアジノン、もしくはピリミジンジオンであり、または前記極長鎖脂肪酸阻害剤が、クロロアセトアミド、オキシアセトアミド、もしくはピラゾールである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子であって、前記輸送ペプチドが、配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む、前記組換えDNA分子。
【請求項33】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する、請求項32に記載の組換えDNA分子。
【請求項34】
前記異種除草剤耐性タンパク質が、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の組換えDNA分子。
【請求項35】
輸送ペプチドをコードする前記DNA配列が、配列番号267〜297からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有する核酸配列を含む、請求項32に記載の組換えDNA分子。
【請求項36】
異種除草剤耐性タンパク質をコードする前記DNA配列が、配列番号121〜162及び配列番号183〜223、配列番号229〜235からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有する核酸配列を含む、請求項32に記載の組換えDNA分子。
【請求項37】
輸送ペプチドをコードする前記DNA配列に機能可能なように連結された異種プロモーターをさらに含む、請求項32に記載の組換えDNA分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2016年7月29日出願の米国仮出願第62/368,840号の利益を主張し、当該文献は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
配列リストの援用
コンピューター可読形態の配列リストが、電子申請によって本出願と共に提出され、参照によってその全体が本出願に援用される。配列リストは、MONS397WO_ST25という名称のファイルに含まれており、このファイルは、サイズが330キロバイト(オペレーティングシステムMS Windowsで測定)であり、2017年7月26日に作成されたものである。
【背景技術】
【0003】
本発明の分野
本発明は、一般に、農業、植物バイオテクノロジー、及び分子生物学の分野に関する。より具体的には、本発明は、トランスジェニック植物における組換えタンパク質発現のための組成物、及びその使用方法に関する。
【0004】
関連技術分野の説明
農作物の生産では、分子生物学の方法を使用して創出されたトランスジェニック形質を含めて、改変されたゲノムを有する作物が利用されることが多い。例えば、異種遺伝子は、導入遺伝子としても知られており、植物ゲノムに導入することができる。植物において導入遺伝子が発現すると、その植物に対して除草剤耐性または害虫防除などの形質が付与される。植物における導入遺伝子の良好な発現は、異種遺伝子発現要素を利用することによって達成され得る。このことの1つ例は、組換えタンパク質に輸送ペプチドを機能可能なように連結して使用することでその組換えタンパク質を細胞内に局在化させ、それによってタンパク質の発現または機能の増進を達成することである。したがって、植物細胞内に組換えタンパク質を効率的に局在化させる能力を有する新規の輸送ペプチドが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様では、本発明は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子を提供し、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する。別の実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、輸送ペプチドをコードするDNA配列は、配列番号54〜99及び配列番号267〜297からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有する核酸配列を含む。さらに別の実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列は、配列番号121〜162及び配列番号183〜223、配列番号229〜235からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有する核酸配列を含む。さらに別の実施形態では、組換えDNA分子は、輸送ペプチドをコードするDNA配列に機能可能なように連結された異種プロモーターをさらに含む。
【0006】
別の態様では、本発明は、本明細書で提供されるDNA分子を含むDNAコンストラクトを提供し、こうした組換えDNA分子は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子などであり、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含み、組換えDNA分子は、異種プロモーターに機能可能なように連結される。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する。別の実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、DNAコンストラクトは、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞のゲノムに存在する。
【0007】
別の態様では、本発明は、本明細書で提供される組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞を提供し、こうした組換えDNA分子は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子などであり、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。1つの実施形態では、植物、種子、または細胞は、少なくとも1つのPPO除草剤に対する耐性を有する。別の実施形態では、PPO除草剤は、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される。別の実施形態では、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞は、少なくとも第2の除草剤に対する耐性を有する。
【0008】
別の態様では、本発明は、a)配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む輸送ペプチドと、b)異種除草剤耐性タンパク質と、が機能可能なように連結されて含まれる組換えタンパク質を提供する。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する。別の態様では、本発明は、本明細書で提供される組換えタンパク質を含むトランスジェニック植物、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック細胞を提供する。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、除草剤耐性植物の作出方法を提供し、この方法は、a)異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子であって、輸送ペプチドが、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む組換えDNA分子で植物細胞を形質転換する段階と、b)DNA分子を含む除草剤耐性植物をそこから再生させる段階と、を含む。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、方法は、1つまたは複数の子孫植物を作出するために、再生植物と、それ自体または第2の植物と、を交配させる段階をさらに含む。さらに別の実施形態では、方法は、少なくとも1つのPPO除草剤に対する耐性を有する子孫植物を選択する段階をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、PPO除草剤は、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される。
【0010】
別の態様では、本発明は、除草剤耐性のトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子の作出方法を提供し、この方法は、除草剤耐性のトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子を作出するために、本明細書で提供される組換えDNA分子を含む植物と、それ自体または第2の植物と、を交配させることを含む。ある特定の実施形態では、組換えDNA分子は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含み、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、植物または細胞における異種除草剤耐性タンパク質の発現方法を提供し、この方法は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子を含む植物または細胞を成長させることを含み、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含み、成長の結果、異種除草剤耐性タンパク質が発現する。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する。
【0012】
別の態様では、本発明は、植物成長区域における雑草成長の管理方法または阻止方法を提供し、この方法は、本明細書で提供されるトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子を含む植物成長区域に対して少なくとも1つのPPO除草剤を有効量で適用することを含み、こうしたトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物またはトランスジェニック種子などであり、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含み、トランスジェニック植物またはトランスジェニック種子は、PPO除草剤に対する耐性を有する。ある特定の実施形態では、PPO除草剤は、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される。
【0013】
別の態様では、本発明は、除草剤耐性雑草の成長管理方法を提供し、この方法は、a)植物成長区域における本明細書で提供される植物または種子の栽培(こうした植物または種子は、例えば、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子を含む植物または種子であり、輸送ペプチドは、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも97パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む)と、b)植物成長区域に対するPPO除草剤及び少なくとも1つの他の除草剤の適用と、を含み、植物または種子は、PPO除草剤及び少なくとも1つの他の除草剤に対する耐性を有する。ある特定の実施形態では、PPO除草剤は、アシフルオルフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、フルオログリコフェン−エチル、オキシフルオルフェン、フルミオキサジン、アザフェニジン、カルフェントラゾン−エチル、スルフェントラゾン、フルチアセット−メチル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ピラフルフェン−エチル、サフルフェナシル、及びS−3100からなる群から選択される。別の実施形態では、植物または種子が耐性を示す他の除草剤は、ACCase阻害剤、ALS阻害剤、EPSPS阻害剤、合成オーキシン、光合成阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、HPPD阻害剤、PPO阻害剤、及び長鎖脂肪酸阻害剤からなる群から選択される。別の実施形態では、ACCase阻害剤は、アリールオキシフェノキシプロピオン酸もしくはシクロヘキサンジオンであり、ALS阻害剤は、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、もしくはトリアゾリノンであり、EPSPS阻害剤は、グリホサートであり、合成オーキシンは、フェノキシ除草剤、安息香酸、カルボン酸、もしくはセミカルバゾンであり、光合成阻害剤は、トリアジン、トリアジノン、ニトリル、ベンゾチアジアゾール、もしくは尿素であり、グルタミン合成酵素阻害剤は、グルホシネートであり、HPPD阻害剤は、イソキサゾール、ピラゾロン、もしくはトリケトンであり、PPO阻害剤は、ジフェニルエーテル、N−フェニルフタルイミド、アリールトリアジノン、もしくはピリミジンジオンであり、または極長鎖脂肪酸阻害剤は、クロロアセトアミド、オキシアセトアミド、もしくはピラゾールである。
【0014】
さらに別の態様では、本発明は、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子を提供し、輸送ペプチドは、配列番号236〜266からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。1つの実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有する。別の実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質は、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態となれば、輸送ペプチドをコードするDNA配列は、配列番号267〜297からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有する核酸配列を含む。さらに別の実施形態では、異種除草剤耐性タンパク質をコードするDNA配列は、配列番号121〜162及び配列番号183〜223、配列番号229〜235からなる群から選択される配列に対して少なくとも95パーセントの同一性を有する核酸配列を含む。さらに別の実施形態では、組換えDNA分子は、輸送ペプチドをコードするDNA配列に機能可能なように連結された異種プロモーターをさらに含む。
【0015】
配列の簡単な説明
配列番号1〜2及び配列番号236は、Arabidopsis thalianaのアルビノ及びペールグリーン(APG6)輸送ペプチドのアミノ酸配列である。
【0016】
配列番号3は、ワタ(cotton)の12G088600TP輸送ペプチドのアミノ酸配列である。
【0017】
配列番号4〜49及び配列番号237〜266は、輸送ペプチドのアミノ酸配列である。
【0018】
配列番号50〜52及び配列番号267は、APG6輸送ペプチドをコードする核酸配列である。
【0019】
配列番号53は、ワタの12G088600TP輸送ペプチドをコードする核酸配列である。
【0020】
配列番号54〜99及び配列番号268〜297は、それぞれ配列番号4〜49及び配列番号237〜266をコードする核酸配列の例である。
【0021】
配列番号100〜119は、HemGプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼのアミノ酸配列である。
【0022】
配列番号120は、Amaranthus tuberculatus(ウォーターヘムプ(waterhemp))(WH)に由来する野生型プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼのアミノ酸配列である。
【0023】
配列番号121〜162及び配列番号229は、配列番号100〜119をコードする核酸配列の例である。
【0024】
配列番号163〜182及び配列番号224〜228は、HemYプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼのアミノ酸配列である。
【0025】
配列番号183〜223及び配列番号230〜235は、配列番号163〜182及び配列番号224〜228をコードする核酸配列の例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
下記の説明及び定義は、本発明が良好に定義され、本発明を実施する際に当業者の指針となるように提供される。別段の記載がない限り、用語は、関連技術分野の当業者による通常の用法に沿って理解されることになる。
【0027】
異種タンパク質に輸送ペプチドを機能可能なように連結する場合、その異種タンパク質の細胞内局在化を達成するために、トランスジェニック植物細胞のタンパク質局在化系が利用される。輸送ペプチドは、異種タンパク質がオルガネラに転位する間のプロセシング段階で異種タンパク質から除去される。特定の輸送ペプチドと特定の異種タンパク質とが植物において発現するとき、これらが組み合わさって生じる特性は、予測不可能かつ驚くべきものであり得る。例えば、細胞内局在化の効率及びプロセシング(異種タンパク質からの輸送ペプチドの除去)の効率は、変動するものであり、輸送ペプチド、異種タンパク質、または両方のアミノ酸配列によって影響を受け得る。こうした変動は、異種タンパク質の機能及びレベルに影響を与えるものであり、それ故に、その異種タンパク質を含むトランスジェニック細胞、トランスジェニック植物、またはトランスジェニック種子の表現型に影響を与える。トランスジェニック植物において使用するためのさまざまな輸送ペプチドが当該技術分野において知られているが、細胞内局在化及びプロセシングの効率が変動性であることを考慮すると、新たなトランスジェニック形質、新規の輸送ペプチドを継続的に開発することが必要である。
【0028】
本発明は、植物細胞内で異種タンパク質を効率的に標的化するための新規の組換えDNA分子を提供する。異種タンパク質を効率的に標的化するには、輸送ペプチドと異種タンパク質との組み合わせの効率的な細胞内局在化と、異種タンパク質からの輸送ペプチドのプロセシングと、が必要である。細胞内に異種タンパク質を局在化させるための輸送ペプチドは知られているものの、輸送ペプチド及び異種タンパク質の局在化及びプロセシングの程度は、それらの組み合わせごとに変動するものである。局在化及びプロセシングは、異種タンパク質の発現レベル及び機能に影響を与えるものであり、それ故に、その異種タンパク質を含む細胞、植物、または種子の表現型に影響を与える。例えば、輸送ペプチドと除草剤耐性タンパク質との組み合わせの局在化及びプロセシングが非効率的であると、トランスジェニック植物の除草剤耐性が不十分なものとなり得る。
【0029】
本発明では、局在化及びプロセシングの改善を通じて、タンパク質を効率的に標的に指向化する能力を有する新規の組換えDNA分子を提供することによってこうした障壁が克服されている。本発明の組換えDNA分子は、異種タンパク質をコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む。1つの例では、本発明の組換えDNA分子には、限定はされないが、除草剤耐性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードするDNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含む組換えDNA分子が含まれる。こうした組換えDNA分子を使用するための組成物及び方法も提供される。
【0030】
組換え分子
本明細書で使用される「組換え」という用語は、遺伝子操作の結果であり、ヒトの介入によって創出された非天然のDNA、タンパク質、細胞、種子、または生物を指す。「組換えDNA分子」は、天然に生じることがなく、それ故に、ヒトの介入の結果であるDNA分子であり、こうしたDNA分子は、互いに異種の少なくとも2つのDNA配列の組み合わせから構成されるDNA分子などである。組換えDNA分子の例は、本発明の除草剤耐性タンパク質(配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列を含むプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼなど)をコードするDNA分子に機能可能なように連結された、本発明の輸送ペプチド(配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列を含む輸送ペプチドなど)をコードする本明細書で提供されるDNA分子である。「組換えタンパク質」は、天然に生じることがなく、ヒトの介入の結果として生じるタンパク質である。組換えタンパク質の例は、本発明の除草剤耐性タンパク質(例えば、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列を含むプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ)などの異種タンパク質に機能可能なように連結された本発明の輸送ペプチド(配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列を含む輸送ペプチドなど)を含む本明細書で提供されるタンパク質である。組換え細胞、組換え種子、または組換え生物は、トランスジェニックまたは異種のDNAまたはタンパク質を含む細胞、種子、または生物であり、こうしたものは、例えば、本発明の異種DNA分子または異種タンパク質を含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック種子、トランスジェニック植物、またはトランスジェニック植物部分である。
【0031】
本明細書で使用される「単離されたDNA分子」という用語は、そのDNA分子が、単独で存在するか、または他の組成物と組み合わさって存在するが、その天然の環境には存在しないことを意味する。本発明のDNA分子は、それが天然に生じるゲノム上の位置で生物のDNAにそのDNA分子が含まれない限り、単離されたDNA分子である。例えば、タンパク質をコードするDNA配列及び異種輸送ペプチドDNA配列を含む組換えDNA分子は、タンパク質をコードするそのDNA配列と、その異種輸送ペプチドDNA配列との両方が天然に見られるゲノムではないという状況(トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、トランスジェニック植物部分、またはトランスジェニック細胞のゲノムなど)においてそれが見られるとき、単離されていると見なされる。
【0032】
本明細書で使用される「遺伝子操作」という用語は、バイオテクノロジーの手法(分子生物学、タンパク質生化学、細菌形質転換、及び植物形質転換など)を使用する、DNA分子、タンパク質、細胞、または生物の創出、改変、または産生を指す。したがって、遺伝子操作は、ヒトの介入の結果である。例えば、遺伝子操作は、分子生物学の手法(遺伝子クローニング、DNAライゲーション、及びDNA合成など)の1つまたは複数を使用し、除草剤耐性タンパク質(配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列を含むプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼなど)をコードするDNA分子に機能可能なように連結された、配列番号4〜49及び配列番号236〜266からなる群から選択される配列を含む輸送ペプチドをコードする組換えDNA分子を創出するために使用され得る。そのような組換えDNA分子は、植物細胞において機能する異種プロモーターを任意選択でさらに含み得る。
【0033】
タンパク質に関して本明細書で使用される「除草剤耐性」または「除草剤耐性の」は、除草剤の存在下でその活性または機能を少なくとも幾分か維持する能力を意味する。例えば、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)の存在下でその酵素活性を少なくとも幾分か維持するのであれば、除草剤耐性である。除草剤耐性は、当該技術分野において知られる任意の手段によって測定することができる。例えば、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの酵素活性は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)の存在下での、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの生成物の生成、またはプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの基質の消費を、蛍光、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または質量分析(MS)を介して測定する酵素アッセイによって測定することができる。プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの酵素活性を測定するためのアッセイの別の例は、本明細書に記載の増殖アッセイなどの細菌アッセイであり、こうした細菌アッセイでは、そのままならPPO活性が存在しない細菌細胞において組換えプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを発現させ、このノックアウト表現型をその組換えプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼが補完する能力が測定される。除草剤耐性は、除草剤に対する完全または部分的な非感受性であり得、PPO除草剤に対する耐性または非感受性のパーセント(%)として示され得る。本明細書で使用される「除草剤耐性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ」は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)の存在下での除草剤耐性を示す。
【0034】
生物、植物、種子、組織、部分、または細胞に関して本明細書で使用される「除草剤耐性」または「除草剤耐性の」は、その生物、植物、種子、組織、部分、または細胞が除草剤適用時にその作用に対して抵抗する能力を有することを意味する。例えば、除草剤耐性植物は、除草剤の存在下で、生き延びるか、または成長を継続することができる。植物、種子、植物組織、植物部分、または細胞の除草剤耐性は、その植物、種子、植物組織、植物部分、または細胞を適切な対照と比較することによって測定され得る。例えば、除草剤耐性は、除草剤耐性を付与する能力を有するタンパク質をコードする組換えDNA分子を含む植物(試験植物)と、除草剤耐性を付与する能力を有するタンパク質をコードする組換えDNA分子を含まない植物(対照植物)と、に対して除草剤を適用した後、それら2つの植物の植物損傷を比較することによって測定または評価され得、試験植物の除草剤耐性は、対照植物の損傷率と比較したときの損傷率の減少によって示される。除草剤耐性の植物、種子、植物組織、植物部分、または細胞は、対照の植物、種子、植物組織、植物部分、または細胞と比較すると、除草剤の毒性作用に対する応答の減少を示す。本明細書で使用される「除草剤耐性形質」は、野生型植物と比較したときに植物の除草剤耐性を改善させるトランスジェニック形質である。本発明の除草剤耐性形質を伴って作出され得る企図される植物には、例えば、数ある中でも特に、ダイズ(Glycine max)、トウモロコシ(Zea mays)、ワタ(Gossypium属の1種)、コムギ(Triticum属の種)、及びBrassica植物などの作物を含めて、任意の植物が含まれ得る。
【0035】
本明細書で使用される「hemGノックアウト株」は、ヘム非含有増殖培地で増殖する能力を有さない程度まで、または機能性のHemGを含む以外は同質遺伝子的な株と比較してヘム非存在下で検出可能なほどにその増殖が損なわれるまで、HemG活性を欠いた生物または生物の細胞(E.coliなど)を意味する。例えば、E.coliのhemGノックアウト株は、当該治術分野の知見を考慮して調製され得、例えば、E.coliのhemG配列(Ecogene 受入番号EG11485;Sasarman et al.,“Nucleotide sequence of the hemG gene involved in the protoporphyrinogen oxidase activity of Escherichia coli K12” Can J Microbiol 39:1155−1161,1993)を考慮して調製される。
【0036】
「導入遺伝子」という用語は、植物形質転換方法などによって、ヒトの介入の結果として生物のゲノムに人工的に組み込まれたDNA分子を指す。本明細書で使用される「トランスジェニック」という用語は、導入遺伝子を含むことを意味し、例えば、「トランスジェニック植物」は、そのゲノムに導入遺伝子を含む植物を指し、「トランスジェニック形質」は、植物ゲノムに組み込まれた導入遺伝子が存在することによって伝達または付与される特徴または表現型を指す。そのようなゲノム改変の結果として、トランスジェニック植物は、関連する野生型植物とは明瞭に異なるものであり、トランスジェニック形質は、野生型植物には天然に見られない形質である。本発明のトランスジェニック植物は、本発明によって提供される組換えDNA分子を含む。
【0037】
本明細書で使用される「異種」という用語は、例えば、異なる供給源に由来するか、またはいずれの他の様式においても天然に通常は一緒に見られない、天然では通常は関連しない2つ以上のものの間の関係性を指す。例えば、DNA分子またはタンパク質は、天然に通常は一緒に見られないか、または同一の文脈状況にあるのであれば、別のDNA分子、タンパク質、細胞、植物、種子、または生物に対して異種であり得る。ある特定の実施形態では、第1のDNA分子は、第2のDNA分子に対して、それら2つのDNA分子が同一の文脈状況において天然に通常は一緒に見られないのであれば、異種であり、タンパク質は、機能可能なように連結された第2のタンパク質(輸送ペプチドなどの)に対して、そのような組み合わせが天然に通常は見られないのであれば、異種である。別の実施形態では、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドをコードする組換えDNA分子は、植物細胞において機能性である、機能可能なように連結されたプロモーターに対して、そのような組み合わせが天然に通常は見られないのであれば、異種である。組換えDNA分子もまた、それが挿入される細胞、種子、または生物に対して、その細胞、種子、または生物においてそれが天然に生じないと想定されるとき、異種であり得る。「異種タンパク質」は、それが天然に生じない植物、種子、細胞、組織、もしくは生物に存在するタンパク質であるか、またはそれが天然に連結されないタンパク質に機能可能なように連結されたタンパク質である。異種タンパク質の例は、それが天然に生じない植物、種子、細胞、組織、もしくは生物において発現するか、またはそれが天然に連結されない第2のタンパク質(輸送ペプチドもしくは除草剤耐性タンパク質など)に機能可能なように連結された、配列番号4〜49、配列番号236〜266、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列を含むタンパク質である。別の例では、異種除草剤耐性タンパク質(例えば、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ)などの異種タンパク質は、分子生物学及び植物形質転換の手法を使用し、それが天然に生じない植物細胞に導入され得る。
【0038】
本明細書で使用される「タンパク質をコードするDNA分子」という用語は、タンパク質をコードするDNA配列を含むDNA分子を指す。本明細書で使用される「タンパク質をコードするDNA配列」は、タンパク質をコードするDNA配列を意味する。タンパク質をコードするDNA配列は、タンパク質をコードする任意のDNA配列であり得、こうしたタンパク質は、例えば、配列番号4〜49、配列番号236〜266、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択される配列を含むタンパク質である。本明細書で使用される「タンパク質」という用語は、ペプチド(アミド)結合によって連結されたアミノ酸の鎖を指し、生物学的に機能する様式での折り畳みまたは配置を伴うポリペプチド鎖と、それを伴わないポリペプチド鎖と、の両方を含む。「配列」は、ヌクレオチドまたはアミノ酸の連続的な配置を意味する。タンパク質をコードする配列の境界は、通常、5’末端側の翻訳開始コドン及び3’末端側の翻訳終止コドンによって決定される。
【0039】
本明細書で使用される「除草剤耐性タンパク質」という用語は、細胞、組織、植物部分、種子、または生物に除草剤耐性を付与する能力を有するタンパク質を意味する。除草剤耐性タンパク質の例は、当該技術分野においてよく知られており、こうした例には、限定はされないが、グリホサート耐性の5−エノリピルビルシキミ酸3−リン酸合成酵素(5−enolypyruvyl shikimate 3−phosphate synthase)(例えば、CP4−EPSPS、2mEPSPS)、グリホサート酸化還元酵素(GOX)、グリホサートN−アセチルトランスフェラーゼ(GAT)、除草剤耐性アセト乳酸合成酵素(ALS)/アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS)、除草剤耐性4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)、ジカンバモノオキシゲナーゼ(DMO)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)、除草剤耐性グルタミン合成酵素(GS)、2,4−ジクロロフェノキシプロピオン酸ジオキシゲナーゼ(TfdA)、R−2,4−ジクロロフェノキシプロピオン酸ジオキシゲナーゼ(RdpA)、S−2,4−ジクロロフェノキシプロピオン酸ジオキシゲナーゼ(SdpA)、除草剤耐性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)、及びチトクロムP450モノオキシゲナーゼが含まれる。例えば、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼは、除草剤耐性タンパク質である。
【0040】
本明細書で使用される「導入遺伝子発現」、「導入遺伝子の発現」、「タンパク質発現」、及び「タンパク質の発現」は、タンパク質の産生が、DNA分子がメッセンジャーRNA(mRNA)に転写され、そのmRNAがポリペプチド鎖に翻訳されるというプロセスを介するものであることを意味し、こうしたポリペプチド鎖は、最終的には、タンパク質へと折り畳まれることも折り畳まれないこともあり得る。タンパク質をコードするDNA分子は、組換えDNA分子またはその一部で形質転換され、それ故にそれを含む細胞におけるそのタンパク質の発現に使用するためのDNAコンストラクトにおいて異種プロモーターに機能可能なように連結され得る。本明細書で使用される「機能可能なように連結された」は、2つのDNA分子またはタンパク質分子が、一方がもう一方の機能に影響を与え得る様式で連結されていることを意味する。機能可能なように連結されたDNA分子は、単一の近接分子の一部であり得、隣接することも隣接しないこともあり得る。例えば、プロモーターは、DNAコンストラクトにおいてタンパク質をコードするDNA分子と機能可能なように連結され、それら2つのDNA分子は、そのプロモーターがその導入遺伝子の発現に影響を与え得るように配置される。別の実施形態では、2つ以上のタンパク質分子が、機能可能なように連結され得る。例えば、輸送ペプチドは、除草剤耐性タンパク質などの異種タンパク質に機能可能なように連結され得る。
【0041】
1つの実施形態では、本発明の組換えDNA分子は、輸送ペプチド配列に機能可能なように連結された、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)をコードするDNA配列を含む。本明細書で使用される「プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ」または「PPO」は、プロトポルフィリノーゲンIXをプロトポルフィリンIXに変換する能力を有するオキシダーゼを意味する。そのようなプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼは、当該技術分野において知られており、例えば、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228として提供されるタンパク質配列が含まれる。
【0042】
別の実施形態では、本発明の組換えDNA分子は、除草剤耐性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする異種核酸配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチド配列をコードするDNA配列を含み、それによって輸送ペプチド配列は、細胞内へのタンパク質分子の局在化を促進する。輸送ペプチドは、シグナル配列、標的指向性配列、標的指向性ペプチド、及び局在化配列としても当該技術分野において知られている。輸送ペプチドの例は、葉緑体輸送ペプチド(CTP)、ミトコンドリア標的指向性配列(MTS)、または葉緑体とミトコンドリアという両方を標的とするペプチドである。ミトコンドリアまたは葉緑体など、細胞内へのタンパク質の局在化を促進することによって、輸送ペプチドは、酵素活性が最適となるようにオルガネラにタンパク質を確実に局在化させると共に、そのタンパク質の蓄積を増加させ、タンパク質分解による分解からそのタンパク質を保護し、及び/または除草剤耐性のレベルを増進し得、それによって、除草剤適用後のトランスジェニック細胞、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック生物における損傷のレベルを低減する。オルガネラへの転位に際して、輸送ペプチドは、典型的には、タンパク質から除去され、これは、プロセシングとも称される。輸送ペプチドのプロセシングは、完全(タンパク質のアミノ末端から輸送ペプチドが完全に除去されることを意味する)であるか、不完全(タンパク質のアミノ末端に輸送ペプチドのアミノ酸が1つもしくは複数残存することを意味する)であるか、またはタンパク質のアミノ末端から1つもしくは複数のアミノ酸が除去されるものであり得る。プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼから輸送ペプチドが完全にプロセシングされると、タンパク質が蓄積するレベルが増加し、それによって、PPO除草剤耐性が向上し、除草剤適用後のトランスジェニック細胞、トランスジェニック種子、またはトランスジェニック生物における損傷のレベルが低減する。例えば、輸送ペプチドは、配列番号1〜49及び配列番号236〜266によって提供されるものなどの、本発明のアミノ酸配列を含み得る。そのような輸送ペプチドは、例えば、配列番号50〜99及び配列番号267〜297によって提供されるものなどの、本発明の核酸配列によってコードされ得る。
【0043】
本発明の組換えDNA分子は、当該技術分野において知られる方法によって、完全または部分的に合成及び改変され得、こうした合成及び改変では特に、DNA操作に有用な配列(制限酵素認識部位もしくは組換えベースのクローニング部位など)、植物に好ましい配列(植物コドン使用頻度もしくはコザックコンセンサス配列など)、またはDNAコンストラクトの設計に有用な配列(スペーサー配列もしくはリンカー配列など)が得られることが望ましい。本発明は、配列番号1〜297として本明細書で提供されるDNA分子またはタンパク質配列のいずれかに対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも91%の配列同一性、少なくとも92%の配列同一性、少なくとも93%の配列同一性、少なくとも94%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、及び少なくとも99%の配列同一性を有するDNA分子及びタンパク質を含む。本明細書で使用される「配列同一性パーセント」または「配列同一性%」という用語は、試験(対象)配列(またはその相補鎖)と比較したときに、参照(「クエリー」)配列(またはその相補鎖)の直鎖のポリヌクレオチド配列またはタンパク質配列において同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸の割合を指し、この比較は、それら2つの配列のアライメントを最適化(比較窓にわたってヌクレオチドまたはアミノ酸の適切な挿入、欠失、またはギャップが全部で参照配列の20パーセント未満となる)して実施される。比較窓のアライメントをとるための最適な配列アライメントは、当業者によく知られており、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム、Needleman及びWunschの相同性アライメントアルゴリズム、Pearson及びLipmanの類似性検索方法などのツール、ならびにこうしたアルゴリズムをコンピューターに実装したものによってデフォルトのパラメーターを使用して実施され得、こうしたものは、GCG(登録商標)Wisconsin Package(登録商標)(Accelrys Inc.,San Diego,CA)の配列解析ソフトウェアパッケージの一部として利用可能なGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、MEGAlign(DNAStar Inc.,1228 S.Park St.,Madison,WI 53715)、ならびにMUSCLE(バージョン3.6)(Edgar,Nucleic Acids Research 32(5):1792−7,2004)などである。試験配列と参照配列とのアライメントがとられたセグメントに対する「同一性フラクション」は、それら2つのアライメント配列によって共有される同一構成要素の数を、参照配列セグメント(すなわち、全参照配列)または参照配列のより小さな定義部分における構成要素の総数によって割ったものである。配列同一性パーセントは、同一性フラクションに100を掛けたものとして示される。1つまたは複数の配列の比較は、全長配列、またはその一部、またはより長い配列に対するものであり得る。
【0044】
本明細書で使用される「DNAコンストラクト」は、2つ以上の異種DNA配列を含む組換えDNA分子である。DNAコンストラクトは、導入遺伝子発現に有用であり、ベクター及びプラスミドに含まれ得る。DNAコンストラクトは、形質転換(すなわち、宿主細胞への異種DNAの導入)のためのベクターにおいて使用されることでトランスジェニック植物及びトランスジェニック細胞を生成し得るものであり、それ故に、トランスジェニック植物、トランスジェニック種子、トランスジェニック細胞、またはトランスジェニック植物部分の色素体DNAまたはゲノムDNAにも含まれ得る。本明細書で使用される「ベクター」は、植物形質転換に使用され得る任意の組換えDNA分子を意味する。配列リストに示されるDNA分子は、例えば、そのDNA分子によってコードされるタンパク質の発現に影響を与えるために、植物において機能する遺伝子発現要素にそのDNA分子が機能可能なように連結され、コンストラクトの一部としてベクターに挿入され得る。DNAコンストラクト及びベクターの構築方法は、当該技術分野においてよく知られている。DNAコンストラクトのための構成要素、またはDNAコンストラクトを含むベクターは、一般に、転写可能なDNA配列に機能可能なように連結された1つまたは複数の遺伝子発現要素を含み、こうした遺伝子発現要素は、下記のものなどである:機能可能なように連結されたDNAを発現させるためのプロモーター、機能可能なように連結された、タンパク質をコードするDNA分子、及び3’非翻訳領域。本発明の実施に有用な遺伝子発現要素には、限定はされないが、下記の型の要素の1つまたは複数が含まれる:プロモーター、5’非翻訳領域、エンハンサー、リーダー、シス作用性要素、イントロン、3’非翻訳領域、及び1つまたは複数の選択可能マーカー導入遺伝子。
【0045】
本発明のDNAコンストラクトは、本発明によって提供される、タンパク質をコードするDNA分子に機能可能なように連結されたプロモーターを含み得、それによってプロモーターは、異種タンパク質分子の発現を誘導する。本発明の実施に有用なプロモーターには、機能可能なように連結されたポリヌクレオチドを発現させるための細胞において機能するもの(細菌または植物のプロモーターなど)が含まれる。植物プロモーターはさまざまであり、当該技術分野においてよく知られており、こうした植物プロモーターには、誘導性、ウイルス性、合成、恒常性、時間制御型、空間制御型、及び/または空間・時間制御型のものが含まれる。
【0046】
本発明の1つの実施形態では、本明細書で提供されるDNAコンストラクトは、除草剤耐性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする異種DNA配列に機能可能なように連結された、輸送ペプチドをコードするDNA配列を含み、それによって輸送ペプチド配列は、細胞内へのタンパク質の局在化を促進する。
【0047】
本明細書で使用される「対照」は、比較を目的として設計された実験対照を意味する。例えば、トランスジェニック植物の分析における対照植物は、実験植物(すなわち、試験されることになる植物)と同一の型の植物であるが、その実験植物のトランスジェニック挿入断片、組換えDNA分子、またはDNAコンストラクトを含まない植物である。トランスジェニック植物との比較に有用な対照植物の例には、トウモロコシ植物については、非トランスジェニックLH244トウモロコシ(ATCC寄託番号PTA−1173)、トランスジェニックダイズ植物との比較については、非トランスジェニックA3555ダイズ(ATCC寄託番号PTA−10207)、トランスジェニックワタ植物との比較については、非トランスジェニックCoker130(植物変種保護(PVP)番号8900252)、トランスジェニックキャノーラまたはBrassica napus植物との比較については、非トランスジェニックBrassica napus変種65037回復系統(カナダ植物育成者権出願第06−5517号)、トランスジェニックコムギ植物との比較については、非トランスジェニックコムギ変種Samson germplasm(PVP1994)が含まれる。
【0048】
本明細書で使用される「野生型」は、天然に生じ、同様ではあるが、同一ではないバージョンを意味する。「野生型DNA分子」または「野生型タンパク質」は、そのDNA分子またはタンパク質の天然に生じるバージョンであり、すなわち、天然に既に存在するそのDNA分子またはタンパク質のバージョンである。本発明によって提供される操作されたタンパク質との比較に有用な野生型タンパク質の例は、Arabidopsis thalianaに由来するプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼである。「野生型植物」は、トランスジェニック植物と同一の型の非トランスジェニック植物であり、それ故に、除草剤耐性形質を含むトランスジェニック植物とは遺伝的に異なるものである。比較に有用な野生型植物の例には、トランスジェニックトウモロコシ植物については、非トランスジェニックLH244トウモロコシ(ATCC寄託番号PTA−1173)、トランスジェニックダイズ植物との比較については、非トランスジェニックA3555ダイズ(ATCC寄託番号PTA−10207)、トランスジェニックワタ植物との比較については、非トランスジェニックCoker130(植物変種保護番号8900252)、トランスジェニックキャノーラまたはBrassica napus植物との比較については、非トランスジェニックBrassica napus変種65037回復系統(カナダ植物育成者権出願第06−5517号)、トランスジェニックコムギ植物との比較については、非トランスジェニックコムギ変種Samson germplasm(PVP1994)が含まれる。
【0049】
トランスジェニック植物及び除草剤
本発明の態様には、本発明によって提供される組換えDNA分子を含むトランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物組織、トランスジェニック植物、及びトランスジェニック種子が含まれる。組換えDNA分子を含むこうした細胞、組織、植物、及び種子は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)に対する耐性を示し、任意選択で、1つまたは複数の追加の除草剤(複数可)に対する耐性を示す。
【0050】
本発明で使用するための宿主植物細胞の適切な形質転換方法には、DNAを細胞に導入することができる方法(例えば、組換えDNAコンストラクトが植物染色体に安定に組み込まれるもの)、及び当該技術分野でよく知られる方法の事実上すべてが含まれる。植物への組換えDNAコンストラクトの導入方法の例には、Agrobacterium形質転換系及びDNA微粒子銃が含まれ、これらは両方共、当業者によく知られている。植物への組換えDNAコンストラクトの導入方法の別の例は、部位特異的な組み込み方法によって植物ゲノムの所定部位に組換えDNAコンストラクトを挿入するものである。部位特異的な組み込みは、当該技術分野において知られる任意の方法によって達成され得、例えば、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ、操作型もしくは天然のメガヌクレアーゼ、TALE−エンドヌクレアーゼ、またはRNAガイド型エンドヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas9系)を使用することによって達成される。トランスジェニック植物は、植物細胞培養の方法によって形質転換植物細胞から再生させるか、またはトランスジェニック植物から切除片を取り、その切除片を根付かせてそのトランスジェニック植物の植物クローンを確立することによって再生させることができる。導入遺伝子に関してホモ接合型(すなわち、その導入遺伝子の対立遺伝子コピーが2つ存在する)のトランスジェニック植物は、導入遺伝子の対立遺伝子を1つ含むトランスジェニック植物(例えば、R0植物)を自体と自殖(self−pollinating)(自殖(selfing))させることによって得られ、その結果、R1種子を作出することができる。作出されるR1種子の4分の1が、その導入遺伝子に関してホモ接合型となる。R1種子が出芽して成長した植物は、典型的には、接合状態アッセイと称され、ヘテロ接合体とホモ接合体との区別を可能にするSNPアッセイ、DNA配列決定、または熱増幅アッセイを使用し、その接合状態を試験することができる。
【0051】
本明細書で使用される「除草剤」は、1つまたは複数の植物の成長を管理、阻止、または妨害するために使用される任意の分子である。除草剤の例には、数ある中でも特に、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤(例えば、アリールオキシフェノキシプロピオン酸及びシクロヘキサンジオン)、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤(例えば、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、及びトリアゾリノン)、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸合成酵素(EPSPS)阻害剤(例えば、グリホサート)、合成オーキシン(例えば、フェノキシ、安息香酸、カルボン酸、セミカルバゾン)、光合成(光化学系II)阻害剤(例えば、トリアジン、トリアジノン、ニトリル、ベンゾチアジアゾール、及び尿素)、グルタミン合成酵素(GS)阻害剤(例えば、グルホシネート及びビアラホス)、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤(例えば、イソキサゾール、ピラゾロン、及びトリケトン)、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤(例えば、ジフェニルエーテル、N−フェニルフタルイミド、アリールトリアジノン、及びピリミジンジオン)、極長鎖脂肪酸阻害剤(例えば、クロロアセトアミド、オキシアセトアミド、及びピラゾール)、セルロース生合成阻害剤(例えば、インダジフラム)、光化学系I阻害剤(例えば、パラコート)、微小管重合阻害剤(例えば、ペンディメタリン)、ならびにフィトエン不飽和化酵素(PDS)阻害剤(例えば、ノルフルラゾン)が含まれる。
【0052】
本明細書で使用される「PPO除草剤」は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)の酵素活性を標的として阻害する化学物質であり、PPOは、プロトポルフィリノーゲンIXの脱水素化を触媒することで、ヘム及びクロロフィルの前駆体であるプロトポルフィリンIXを形成するものである。プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを阻害すると、活性酸素種が形成され、その結果、細胞膜が破壊され、最終的には感受性細胞の死につながる。PPO除草剤は、当該技術分野においてよく知られており、商業的に利用可能である。PPO除草剤の例には、限定はされないが、ジフェニルエーテル(アシフルオルフェン、その塩及びエステル、アクロニフェン、ビフェノックス、その塩及びエステル、エトキシフェン、その塩及びエステル、フルオロニトロフェン、フリルオキシフェン(furyloxyfen)、ハロサフェン、クロメトキシフェン、フルオログリコフェン、その塩及びエステル、ラクトフェン、その塩及びエステル、オキシフルオルフェン、ならびにホメサフェン、その塩及びエステルなど)、チアジアゾール(フルチアセット−メチル及びチジアジミンなど)、ピリミジンジオンまたはフェニルウラシル(ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、エチル[3−2−クロロ−4−フルオロ−5−(1−メチル−6−トリフルオロメチル−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−3−イル)フェノキシ]−2−ピリジルオキシ]アセテート(CAS登録番号353292−31−6(本明細書ではS−3100と称される))、フルプロパシル、サフルフェナシル、及びチアフェナシルなど)、フェニルピラゾール(フルアゾレート、ピラフルフェン、及びピラフルフェン−エチルなど)、オキサジアゾール(オキサジアルギル及びオキサジアゾンなど)、トリアゾリノン(アザフェニジン、ベンカルバゾン、カルフェントラゾン、その塩及びエステル、及びスルフェントラゾンなど)、オキサゾリジンジオン(ペントキサゾンなど)、N−フェニルフタルイミド(シニドン−エチル、フルミクロラック、フルミクロラック−ペンチル、及びフルミオキサジンなど)、ベンゾオキサジノン誘導体(1,5−ジメチル−6−チオキソ−3−(2,2,7−トリフルオロ−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−4−プロパ−2−イニル−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)−1,3,5−トリアジナン−2,4−ジオンなど)、フルフェンピル及びフルフェンピル−エチル、ピラクロニル、ならびにプロフルアゾールが含まれる。本発明によって提供されるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、ならびに細胞、種子、植物、及び植物部分は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)に対する除草剤耐性を示す。
【0053】
本発明によって提供される植物、種子、植物部分、植物組織、及び細胞は、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)に対する除草剤耐性を示す。PPO除草剤(複数可)は、雑草の管理方法として、本発明によって提供される植物及び種子を含む植物成長区域に適用され得る。本発明によって提供される植物及び種子は、除草剤耐性形質を含み、それ故に、1つまたは複数のPPO除草剤(複数可)の適用に対する耐性を有する。除草剤の適用は、推奨される商業用の比率(1X)またはその任意の分数または倍数(推奨される商業用の比率の2倍(2X)など)で実施され得る。除草剤の比率は、除草剤及び製剤に応じて、ヘクタール当たりのグラム(g/h)もしくはエーカー当たりのポンド(lb/エーカー)、エーカー当たりのポンド当たりの酸当量(lb ae/エーカー)、ヘクタール当たりのグラム当たりの酸当量(g ae/ha)、エーカー当たりの活性成分ポンド(lb ai/エーカー)、またはヘクタール当たりの活性成分グラム(g ai/ha)として示され得る。除草剤の適用は、少なくとも1つのPPO除草剤を含むものである。植物成長区域は、除草剤適用時に雑草植物を含むことも含まないこともあり得る。雑草管理区域において使用するためのPPO除草剤の除草的に有効な用量は、成長シーズンを通じて約0.1X〜約30Xの表示比率(複数可)の範囲からなるようにすべきである。PPO除草剤のいくつかの例に対する1Xの表示比率が表1に示される。1(1)エーカーは、2.47105ヘクタールに相当し、1(1)ポンドは、453.592グラムに相当する。除草剤比率は、下記のように英国表記とメートル法との変換を行うことができる:(lb ai/ac)×1.12=(kg ai/ha)、及び(kg ai/ha)×0.89=(lb ai/ac)。
【表1】
【0054】
除草剤の適用は、除草剤の1つ、2つ、もしくはいくつかの組み合わせ、または任意の他の適合可能な除草剤を用いて、連続的に行うものであるか、またはそれらをタンクで混合して行うものであり得る。双子葉植物の雑草、単子葉植物の雑草、または両方の広域スペクトルを管理するために、本発明のトランスジェニック植物を含む区域に対して、1つの除草剤または2つ以上の除草剤が、組み合わせまたは単独で、成長シーズンを通じて複数回適用され得、こうした複数回の適用は、例えば、2回の適用(植え付け前の適用及び出芽後の適用、もしくは出芽前の適用及び出芽後の適用など)、または3回の適用(植え付け前の適用、出芽前の適用、及び出芽後の適用、もしくは出芽前の適用及び出芽後の2回の適用など)である。
【0055】
本明細書で使用される「雑草」は、任意の望まれない植物である。植物は、一般に、農業もしくは園芸の目的には望ましくないと見なされ得るか(例えば、Amaranthus属の種)、または特定の状況では望ましくないと見なされ得る(例えば、異なる種の領域に存在するある種の作物(自生植物としても知られる))。
【0056】
本発明のトランスジェニック植物、トランスジェニック子孫、トランスジェニック種子、トランスジェニック植物細胞、及びトランスジェニック植物部分は、1つまたは複数の追加の形質も含み得る。追加の形質は、本発明によって提供される組換えDNA分子を含む導入遺伝子を含む植物を、1つまたは複数の追加の形質(複数可)を含む別の植物と交配させることによって導入され得る。本明細書で使用される「交配」は、子孫植物を作出するために2つの個別植物を育種することを意味する。したがって、2つの植物の交配の結果、それぞれの親に由来する望ましい形質を含む子孫が作出され得る。本明細書で使用される「子孫」は、親植物の任意の世代の子孫を意味し、トランスジェニック子孫は、本発明によって提供されるDNAコンストラクトを含み、少なくとも1つの親植物から遺伝を受ける。追加の形質(複数可)は、その追加のトランスジェニック形質(複数可)のためのDNAコンストラクトを、本発明によって提供される組換えDNA分子を含むDNAコンストラクトと共に同時形質転換(例えば、すべてのDNAコンストラクトが植物形質転換に使用される同一ベクターの一部として存在するもので実施される)するか、または本発明によって提供されるDNAコンストラクトを含むトランスジェニック植物へとその追加の形質(複数可)を挿入(もしくは逆もまた同様である)(例えば、トランスジェニック植物もしくはトランスジェニック植物細胞に対する植物形質転換方法もしくはゲノム編集方法のいずれかを使用することによって実施される)することによっても導入され得る。そのような追加の形質には、限定はされないが、害虫抵抗性の向上、水利用効率の向上、収量性の向上、干ばつ抵抗性の向上、種子品質の向上、栄養価の改善、雑種種子生産、及び除草剤耐性が含まれ、こうした形質は、野生型植物に対して測定される。追加の除草剤耐性形質の例には、1つまたは複数の除草剤に対するトランスジェニック耐性または非トランスジェニック耐性が含まれ得、こうした除草剤は、数ある中でも特に、ACCase阻害剤(例えば、アリールオキシフェノキシプロピオン酸及びシクロヘキサンジオン)、ALS阻害剤(例えば、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、及びトリアゾリノン)EPSPS阻害剤(例えば、グリホサート)、合成オーキシン(例えば、フェノキシ、安息香酸、カルボン酸、セミカルバゾン)、光合成阻害剤(例えば、トリアジン、トリアジノン、ニトリル、ベンゾチアジアゾール、及び尿素)、グルタミン合成阻害剤(例えば、グルホシネート)、HPPD阻害剤(例えば、イソキサゾール、ピラゾロン、及びトリケトン)、PPO阻害剤(例えば、ジフェニルエーテル、N−フェニルフタルイミド、アリールトリアジノン、及びピリミジンジオン)、ならびに長鎖脂肪酸阻害剤(例えば、クロロアセトアミンド(chloroacetaminde)、オキシアセトアミド、及びピラゾール)などである。害虫抵抗性形質の例には、数ある中でも特に、Lepidoptera、Coleoptera、Hemiptera、Thysanoptera、Diptera、Hymenoptera、及びOrthopteraの目の1つまたは複数に含まれる1つまたは複数の害虫メンバーに対する抵抗性が含まれ得る。そのような追加の形質は、当業者によく知られており、例えば、そのようなトランスジェニック形質のリストは、United States Department of Agriculture’s(USDA)Animal and Plant Health Inspection Service(APHIS)によって提供されている。
【0057】
発現コンストラクトなどの、本発明のポリヌクレオチドで形質転換した細胞は、そのポリヌクレオチドの存在を対象に選択されるか、またはそのような細胞がトランスジェニック植物に再生する前後の、それにコードされる酵素活性を対象に選択され得る。したがって、そのようなポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物は、例えば、そのポリヌクレオチドもしくはコードされる酵素活性を含み、及び/またはその他は同質遺伝子的な対照植物と比較して改変された形質を示すトランスジェニック植物を同定することによって選択され得る。そのような形質は、例えば、PPO除草剤に対する耐性であり得る。
【0058】
本発明によって提供されるトランスジェニック形質を含むトランスジェニック植物及びトランスジェニック子孫は、当該技術分野において一般に知られる任意の育種方法で使用され得る。2つ以上のトランスジェニック形質を含む植物系統では、それらのトランスジェニック形質は、独立して、分離されるか、関連付けられるか、または3つ以上のトランスジェニック形質を含む植物系統においてはそれらの両方の組み合わせであり得る。親植物への戻し交配、及び非トランスジェニック植物との異系交配もまた企図され、こうしたものは、栄養繁殖によるものである。異なる形質及び作物を得るために一般に使用される育種方法の説明は、当業者によく知られている。植物または種子に導入遺伝子(複数可)が存在するかを確認するために、さまざまなアッセイが実施され得る。そのようなアッセイには、例えば、分子生物学アッセイ(サザンブロット及びノーザンブロット、PCR、ならびにDNA配列決定など)、生化学アッセイ(例えば、免疫学的手段(ELISA及びウエスタンブロット)または酵素機能による、タンパク質産物の存在の検出など)、植物部分アッセイ(葉または根のアッセイなど)、ならびに植物全体の表現型の解析によるものが含まれる。トランスジェニック植物またはトランスジェニック種子における輸送ペプチドのプロセシングを分析するために、そのトランスジェニック細胞、トランスジェニック植物、またはトランスジェニック種から得られる異種プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼタンパク質に対してエドマン分解による配列決定または質量分析などのアッセイが実施され得、得られた配列データは、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼタンパク質のものと比較される。
【0059】
植物遺伝子型へのトランスジェニック形質の遺伝子移入は、戻し交配変換のプロセスの結果として達成される。トランスジェニック形質が遺伝子移入された植物遺伝子型は、戻し交配変換された遺伝子型、系統、純系、または雑種と称され得る。同様に、所望のトランスジェニック形質を含まない植物遺伝子型は、変換されていない遺伝子型、系統、純系、または雑種と称され得る。
【0060】
本明細書で使用される「含む」という用語は、「含むが、限定はされない」を意味する。
【0061】
本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、改変、変形、及び同等の実施形態が可能であることが明らかであろう。さらに、本開示における実施例は、非限定的な実施例として提供されるものであることを理解されよう。
【0062】
下記の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれる。以下に続く実施例に開示される手法は、本発明の実施に際してうまくいくものであることが本発明者らによって発見された手法を示すものであり、それ故に、その実施に好ましい様式を構成するものであると考え得ることを当業者なら理解されよう。しかしながら、本発明の概念、趣旨、及び範囲を逸脱することなく、開示される特定の実施形態に多くの変更を施し、それによって同様または類似の結果を依然として得ることができることを、本開示の観点から当業者なら理解されよう。より具体的には、化学的にも生理学的にも関連するある特定の物質を、本明細書に記載の物質の代わりに使用することで、同一または類似の結果が達成され得ることが明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の置き換え及び改変はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲、及び概念に含まれると見なされる。
【実施例】
【0063】
実施例1:輸送ペプチドの発見
一連の植物配列データベースから新規の輸送ペプチドを探し当てた。隠れマルコフモデル(HMM)、Pfamデータベース、及び基本的局所アライメント検索ツール(BLAST)などの、生物情報学的な方法及びツールを使用することで、植物細胞の葉緑体及びミトコンドリアに局在化することが知られるタンパク質(プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ及び熱ショックタンパク質など)をコードすると予測される数千のEST及びゲノム配列を同定した。その後、こうした配列を解析し、輸送ペプチドをコードする配列を同定した。数千の推定輸送ペプチド配列を同定し、予測される効率及び比較配列多様性について評価した。こうしたことを行うことによって、植物細胞においてクローニング及び試験するために60の特有の輸送ペプチドを選択し、これらのいくつかについては変異体を作出した(本明細書では「_var」と示される)。表2は、それぞれの輸送ペプチド及びその変異体のタンパク質及びヌクレオチド配列に対応する配列番号を示す。
【0064】
輸送ペプチドをコードする組換えDNA分子は、それぞれの予測輸送ペプチドの配列を使用して合成した。DNAコンストラクトは、プロモーター及びタンパク質をコードする配列にそれぞれの輸送ペプチドを機能可能なように連結して生成した。その後、こうしたDNAコンストラクトを使用して植物プロトプラストの形質転換を実施した。形質転換した植物プロトプラストを用いてプロトプラストアッセイを実施することで、機能可能なように連結された除草剤耐性タンパク質の、除草剤の存在下での機能活性について輸送ペプチドを試験した。その後、成績が良好な候補は植物形質転換に進め、トランスジェニック植物試験を実施できるようにした。
【表2-1】
【表2-2】
【0065】
実施例2:PPO酵素の発見
生物情報学的な方法及び新規の除草剤細菌スクリーニング系を使用し、PPO除草剤に対する耐性を有する新規の微生物HemGプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ及び微生物HemYプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを微生物配列データベースから同定した。このスクリーニング系では、PPO除草剤を含むLB液体培地においてhemGノックアウトE.coli株の増殖アッセイを実施することで、酵素のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性を確認し、PPO除草剤に非感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを同定した。簡潔に記載すると、推定プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを含む細菌発現ベクターでhemGノックアウトE.coli株を形質転換し、LB液体培地において培養した。5つの異なるPPO除草剤(アシフルオルフェン(1mM)、フルミオキサジン(0.5mM)、ラクトフェン(0.5mM)、ホメサフェン(1mM)、及びS−3100(100マイクロM))(3つの異なるPPO化学サブクラスに相当する)のうちの1つを精製結晶形態で培地に添加した。組換えタンパク質を発現させ、E.coliの増殖速度を測定した。PPO除草剤の存在下及び非存在下における異なる変異体の増殖曲線(OD600)を0〜24時間の選択時点で測定した。PPO除草剤の存在下でLB培地において形質転換hemGノックアウトE.coli株が増殖することによって、そのE.coliの形質転換に使用した遺伝子が除草剤耐性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードすることが示された。ウォーターヘムプ(waterhemp)(WH)プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(配列番号120)は、5つすべてのPPO除草剤に対して感受性であり、これを発現するhemGノックアウトE.coli株を対照として使用することで、それぞれの除草剤について、感受性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼと耐性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼとをアッセイで区別可能なことを確認した。
【0066】
除草剤耐性タンパク質であるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼは、配列番号100〜119、配列番号163〜182、及び配列番号224〜228として示され、表3に示される。プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードするDNA配列は、メチオニンのコドン(開始コドンとして一般に知られる)を5’末端に含み得るか、またはこのコドン(及び任意選択で、少数(例えば、2〜7つ)のアミノ末端アミノ酸)は、コード配列の5’末端への輸送ペプチド配列の機能可能な連結を促進するために除外され得る。プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードし、単子葉植物または双子葉植物における発現が最適化されたDNA配列を任意選択で合成することができる。表3は、単子葉植物及び双子葉植物における発現が最適化されたそれぞれのプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼDNA配列を示す。
【表3】
【0067】
実施例3:プロトプラストにおける輸送ペプチド及びプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの試験
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドのPPO除草剤耐性を植物プロトプラストにおいて試験した。輸送ペプチドに機能可能なように連結されたH_N90プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする組換えDNA分子を含む植物形質転換ベクターを構築した。その後、このベクターを使用して植物プロトプラストを形質転換し、形質転換した植物プロトプラストの、PPO除草剤に対する感受性を評価した。
【0068】
植物形質転換ベクターは、(i)H_N90プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドに機能可能なように連結された固定発現要素(プロモーター及び3’UTR)を含めて生成した。これを使用し、68の輸送ペプチドを試験し、それぞれのベクターにおいて同一のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ及び他の発現要素を使用することによって直接的な比較を実施した。同一の固定発現要素を含む対照ベクターは、(i)いずれの輸送ペプチドも有さないH_N90プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(H_N90対照)、または(ii)輸送ペプチドを有さない緑色蛍光タンパク質(GFP)(GFP対照)を含めて生成した。
【0069】
ダイズプロトプラストは、標準的な方法を使用して形質転換し、1.0マイクロM濃度のPPO除草剤S−3100の存在下で増殖させた。その後、プロトプラストのPPO除草剤耐性をアッセイし、GFP対照と比較して示した(相対耐性スコアが導出されることにより実験間の比較が可能になった)。アッセイは、2つのバッチ(実験番号1または実験番号2と示される)において実施した。アッセイは、4つの反復検体で実施し、それぞれの輸送ペプチドについて相対耐性スコアを平均化し、標準誤差(SE)を計算した。50以上の相対耐性スコアを有するとスコア付けされた標的指向性ペプチドはいずれも、除草剤耐性タンパク質に機能可能なように連結されると、効率的な細胞内局在化及びプロセシングを生じさせるのに高度に有効なものであると考えられ、40〜50のスコアは、除草剤耐性タンパク質に機能可能なように連結されると、効率的な細胞内局在化及びプロセシングを生じさせるのに非常に良好なものであることを示している。GFP対照のアッセイでは、耐性スコアが0となり、これによって、除草剤耐性タンパク質の非存在下ではダイズプロトプラストがPPO除草剤に対する耐性を有さないことが確認された。H_N90対照のアッセイでは、耐性スコアが24(実験1、SE4)及び11(実験2、SE4)となった一方で、輸送ペプチドのいくつかでは、より高い耐性スコアが得られており、このことは、有効な輸送ペプチドが植物プロトプラストの除草剤耐性を向上させ得ることを示している。例えば、ADADI_0544及びKOCSC_9516は、高度に有効な標的指向性ペプチドとしてスコア付けされ、AMAPA_62652は、非常に良好な標的指向性ペプチドとしてスコア付けされた。表4にデータが示される。


























【表4-1】

【表4-2】
【表4-3】
【0070】
実施例4:ダイズにおける輸送ペプチド及びプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの試験
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドのPPO除草剤耐性をトランスジェニックダイズ植物において試験した。双子葉植物での発現が最適化され、輸送ペプチドに機能可能なように連結されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする組換えDNA分子を含むDNAコンストラクトを含めて植物形質転換ベクターを構築した。その後、この植物形質転換ベクターをダイズの形質転換に使用し、植物を再生させ、PPO除草剤に対するその感度を評価した。
【0071】
H_N10、H_N20、H_N30、H_N40、H_N50、H_N90、及びH_N100という7つのHemGプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする遺伝子を37の異なる輸送ペプチドに機能可能なように連結し、実施例3に記載の植物形質転換基本ベクターにクローニングした。これによって、DNAコンストラクトごとに同一のプロモーター及び3’UTR要素を使用し、37の異なる輸送ペプチドを有する7つの異なるHemGプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを横並びで比較することが可能となった。これらの植物形質転換ベクターをダイズの切除胚(生殖質A3555)の形質転換に使用し、その際、A.tumefaciens及び当該技術分野において知られる標準的な方法を使用した。それぞれのコンストラクトにつき、400の外植片を播種した。除草剤耐性の試験には無菌のPPO除草剤溶液を使用した。除草剤溶液は、作物油濃縮液(5.0mL)及び495mLの脱イオン水にS−3100を0.3g含めたものを使用した。
【0072】
形質転換から5週間後、無菌のPPO除草剤溶液を植物にスプレーして2回散布し、その比率を20g/haとした。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、個別に形質転換した30〜40の植物をそれぞれが含む4つの容器で試験を実施した。その後の4日間は毎日、処理小植物にスプレーした後、少なくとも15時間光を当てた。S−3100の適用から4日目の終わりに、処理小植物の写真を撮り、緑色呈色(緑色呈色は、光退色組織と比較すると、健康な光合成植物組織を代表するものであった)という視覚的尺度に基づき、損傷と対比して処理植物のスコア付けを実施した。スコア値は、不良な耐性、高度の損傷、低度の緑色呈色については0、幾分かの耐性、平均的な損傷、中程度の緑色呈色については1、良好な耐性、低度の損傷、高度の緑色呈色については2とした。それぞれのコンストラクトに対するスコア付けは、表5に示され、表中、未決定は、分析が実施されなかったことを示す。結果は、いくつかのコンストラクトがPPO除草剤に対する耐性を与えたことを示す。

















【表5-1】
【表5-2】
【0073】
その後、2のスコアを有するコンストラクトに対応するスプレーなしの容器の小植物を、形質転換から約7週間後に植え替え、当該技術分野において知られる標準的な方法を使用してR0植物として成長させた。0及び1の非耐性スコアに対応する小植物を選択したものもまた成長させ、負の対照として役立てた。R0植物は、温室において長日生育条件下(80Fの明期18時間の後、74Fの暗期6時間)でさらに約4週間成長させた。形質転換から11週間後の時点で、上記のものと同一の除草剤溶液をR0植物にスプレーして2回散布し、その最終適用比率を20g/haとした。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、個別に形質転換した15〜30の植物を試験した。除草剤による損傷の評価は、地上組織の損傷量に基づいて視覚的にスコア付けし、視認可能な損傷が存在しないものは0%とし、植物の完全死は100%とした。非トランスジェニック対照植物の損傷評価によるスコアは、30%超であった。僅かな耐性は、損傷が30%以下、良好な耐性は、損傷が20%以下、優れた耐性は、損傷が10%以下であることとした。処理後の7日間、スコアを収集し、それぞれのDNAコンストラクトについてすべての植物を平均化した。
【0074】
R0植物に対する11週時点の除草剤耐性適用の結果から、5週時点では損傷評価パーセントスコアが低く観測されることが確認された。11週の評価については、損傷評価が30%以上のものはいずれも、非トランスジェニックダイズの損傷評価と同等であった。コンストラクトのいくつかでは、除草剤適用に対する非常に良好な耐性が突出して生じた。例えば、APG6(配列番号1)をPPO H_N90(配列番号110)と組み合わせると、損傷は僅か3%であり、APG6(配列番号1)をPPO H_N30(配列番号113)と組み合わせるか、またはAPG6(配列番号1)をPPO H_N40(配列番号114)を組み合わせると、それぞれの損傷は僅か5%であり、輸送ペプチドCAMSA_6215(配列番号21)をPPO H_N90(配列番号110)と組み合わせると、損傷は僅か5%であった。対照的に、輸送ペプチドAMACR_2643(配列番号33)をPPO H_N90(配列番号110)と組み合わせると、損傷スコアは50%であった。表6にデータが示され、表中、未決定は、分析が実施されなかったことを示す。
【表6-1】
【表6-2】
【0075】
R2N30、R2N40、R2N40opt、R2N70、R2N90、R2N100、R1N473、R1N533、R1N171、R1N311、及びR1N33という10のHemYプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする遺伝子を39の異なる輸送ペプチドに機能可能なように連結し、実施例3に記載の植物形質転換基本ベクターにクローニングした。これによって、DNAコンストラクトごとに同一のプロモーター及び3’UTR要素を使用し、39の異なる輸送ペプチドを有する10の異なるHemYプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを横並びで比較することが可能となった。これらの植物形質転換ベクターをダイズの切除胚(生殖質A3555)の形質転換に使用し、その際、A.tumefaciens及び当該技術分野において知られる標準的な方法を使用した。それぞれのコンストラクトにつき、400の外植片を播種した。除草剤耐性の試験には無菌のPPO除草剤溶液を使用した。除草剤溶液は、作物油濃縮液(5.0mL)及び495mLの脱イオン水にS−3100を0.3g含めたものを使用した。
【0076】
形質転換から5週間後の時点で、それぞれのDNAコンストラクトにつき、4つの容器(個別に形質転換した30〜40の植物をそれぞれが含む)に無菌のPPO除草剤溶液をスプレーして2回散布し、その最終適用比率を20g/haとした。その後の4日間は毎日、処理小植物にスプレーした後、少なくとも15時間光を当てた。S−3100の適用から4日目の終わりに、処理小植物の写真を撮り、緑色呈色(緑色呈色は、光退色組織と比較すると、健康な光合成植物組織を代表するものであった)という視覚的尺度に基づき、損傷と対比して処理植物のスコア付けを実施した。スコア値は、不良な耐性、高度の損傷、低度の緑色呈色については0、幾分かの耐性、平均的な損傷、中程度の緑色呈色については1、良好な耐性、低度の損傷、高度の緑色呈色については2とした。それぞれのコンストラクトに対するスコア付けは、表7に示され、表中、未決定は、分析が実施されなかったことを示す。結果は、いくつかのコンストラクトがPPO除草剤に対する耐性を与えたことを示す。
【表7-1】

【表7-2】

【表7-3】
【0077】
その後、2のスコアを有するコンストラクトに対応するスプレーなしの容器の小植物を、形質転換から約7週間後に植え替え、当該技術分野において知られる標準的な方法を使用してR0植物として成長させた。0及び1の非耐性スコアに対応する小植物を選択したものもまた成長させ、負の対照として役立てた。R0植物は、温室において長日生育条件下(80Fの明期18時間の後、74Fの暗期6時間)でさらに約4週間成長させた。形質転換から11週間後の時点で、上記のものと同一の除草剤溶液をR0植物にスプレーして2回散布し、その最終適用比率を20g/haとした。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、個別に形質転換した15〜30の植物を試験した。除草剤による損傷の評価は、地上組織の損傷量に基づいて視覚的にスコア付けし、視認可能な損傷が存在しないものは0%とし、植物の完全死は100%とした。非トランスジェニック対照植物の損傷評価によるスコアは、30%超であった。僅かな耐性は、損傷が30%以下、良好な耐性は、損傷が20%以下、優れた耐性は、損傷が10%以下であることとした。処理後の7日間、スコアを収集し、それぞれのDNAコンストラクトについてすべての植物を平均化した。
【0078】
R0植物に対する11週時点の除草剤耐性適用の結果から、5週時点では損傷評価パーセントスコアが低く観測されることが確認された。11週の評価については、損傷評価が30%以上のものはいずれも、非トランスジェニックダイズの損傷評価と同等であった。コンストラクトの少数では、除草剤適用に対する非常に良好な耐性が突出して生じた。例えば、輸送ペプチドANDGE_6461(配列番号26)をR2N30(配列番号163)と組み合わせると、損傷は7%にすぎなかった。表8にデータが示され、表中、未決定は、分析が実施されなかったことを示す。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【0079】
HemGプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90をコードする遺伝子を44の異なる輸送ペプチドに機能可能なように連結し、実施例3に記載の植物形質転換基本ベクターにクローニングした。これによって、DNAコンストラクトごとに同一のプロモーター、除草剤耐性タンパク質、及び3’UTR要素を使用し、異なる輸送ペプチドを横並びで比較することが可能となった。これらの植物形質転換ベクターをダイズの切除胚(生殖質AG3555)の形質転換に使用し、その際、A.tumefaciens及び当該技術分野において知られる標準的な方法を使用した。それぞれのコンストラクトにつき、400〜4,5000の個別のトランスジェニック植物を試験した。除草剤耐性の試験には無菌のPPO除草剤溶液を使用した。除草剤溶液は、作物油濃縮液(5.0mL)及び495mLの脱イオン水にS−3100を0.3g含めたものを使用した。
【0080】
形質転換から5週間後の時点で、無菌のPPO除草剤溶液を植物にスプレーして2回散布し、その最終適用比率を20g/haとした。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、400〜4,5000の反復検体で試験を実施した。その後の4日間は毎日、処理小植物にスプレーした後、少なくとも15時間光を当てた。S−3100の適用から4日目の終わりに、処理小植物の相対パス頻度の割合(界面活性剤のみの溶液をスプレーした対照トランスジェニック植物と比較したときに除草剤適用に対する耐性を視覚的に示すすべての個別植物の割合として、DNAコンストラクトについて定義される)をスコア付けした。スプレーなしの容器の小植物を、形質転換から7週間後に植え替え、R0植物として成長させた。R0植物は、温室において長日生育条件下(80Fの明期18時間の後、74Fの暗期6時間)でさらに約4週間成長させた。形質転換から11〜12週間後の時点で、上記のものと同一の除草剤溶液をR0植物にスプレーして2回散布し、その比率を20g/haとした。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、15〜45の反復検体で試験を実施した。処理後の3〜7日間、除草剤による損傷評価を収集した。11週の評価については、損傷が10%以下の植物の割合、及び損傷が20%以下の植物の割合を記録した。試験した除草剤適用比率では、機能可能なように連結された輸送ペプチドのいずれも有さないプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90(PPO対照)を発現するトランスジェニック植物からは、損傷が20%以下の植物は全く生じなかった。H_N90除草剤耐性タンパク質に機能可能なように連結された輸送ペプチドのいくつかでは、除草剤適用に対する優れた耐性または非常に良好な耐性が突出して生じた。例えば、11週のスプレーでは、ALLCE_3035(57%)、KOCSC_9516(59%)、CAMSA_6215(69%)、ROSHY_3269(70%)、ADADI_0544(75%)、CUCME_3420(80%)、SPIOL_1551(85%)、CUCME_4756(89%)、またはCONCA_3910(90%)に機能可能なように連結されたH−N90を発現させると、植物の50%超でその損傷スコアは20%以下となった。表9にデータが示される。
【表9-1】

【表9-2】
【0081】
実施例5:トウモロコシにおける輸送ペプチド及びプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの試験
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドのPPO除草剤耐性をトランスジェニックトウモロコシ植物において試験した。単子葉植物での発現が最適化され、輸送ペプチドに機能可能なように連結されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする組換えDNA分子を含むDNAコンストラクトを含めて植物形質転換ベクターを構築した。その後、この植物形質転換ベクターをトウモロコシの形質転換に使用し、PPO除草剤に対する再生植物の感受性を評価した。
【0082】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90をコードする遺伝子を14の異なる輸送ペプチドに機能可能なように連結し、さまざまなプロモーター及び3’UTR要素を有する植物形質転換基本ベクターにクローニングした。それぞれのDNAコンストラクトにおいて同一のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼを使用することで、異なる輸送ペプチドを横並びで比較することが可能となった。機能可能なように連結された輸送ペプチドのいずれも有さないプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90(PPO対照)を含む植物形質転換ベクターも生成した。これらの植物形質転換ベクターをトウモロコシの形質転換に使用し、その際、A.tumefaciens及び当該技術分野において知られる標準的な方法を使用した。再生したR0植物を成長させた後にスクリーニングし、形質転換から約10〜14週間後に適用したS−3100(40〜80g/haの比率)に対する耐性度を確認した。除草剤の適用後の3〜10日間、耐性を視覚的に確認した。スプレーした植物は、対照と比較し、除草剤処理後の植物の地上部全体の損傷パーセントに基づいてスコア付けされている。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、10〜120の植物を試験し、損傷率を平均化した。損傷スコアが20%以下をパスしたR0植物の割合を記録した。損傷が20%以下のトランスジェニック植物が50%以上生じたDNAコンストラクトはいずれも、高度に耐性のDNAコンストラクトであると見なした。損傷が20%以下のトランスジェニック植物が20%以上生じたDNAコンストラクトはいずれも、耐性のDNAコンストラクトであると見なした。試験した除草剤適用比率(40〜80g/haのS−3100)では、機能可能なように連結された輸送ペプチドのいずれも有さないプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90(PPO対照)、XANST_27を有するプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90、またはALLCE_3035を有するプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90を発現するトランスジェニック植物からは、損傷が20%以下の植物は全く生じなかった。しかしながら、輸送ペプチドのいくつかでは、高度耐性または耐性のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90発現トランスジェニック植物が生じた:ADADI_0544(41%)、ANDGE_6461(60%)、CAMSA_6215(60%及び41%パス)、CONCA_3910(36%及び45%)、ROSHY_3269(64%及び74%)、SPIOL_1551(50%及び55%)、SETIT_9796(55%)。表10にデータが示される。
【表10】
【0083】
実施例6:ワタにおける輸送ペプチド及びプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの試験
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼに機能可能なように連結された輸送ペプチドのPPO除草剤耐性をトランスジェニックワタ植物において試験した。双子葉植物での発現が最適化され、輸送ペプチドに機能可能なように連結されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼをコードする組換えDNA分子を含むDNAコンストラクトを含めて植物形質転換ベクターを構築した。その後、この植物形質転換ベクターをワタの形質転換に使用し、PPO除草剤に対する再生植物の感受性を評価した。
【0084】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N20及びプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90をコードする遺伝子を4つの異なる輸送ペプチドに機能可能なように連結し、実施例3に記載の植物形質転換基本ベクターにクローニングした。これによって、DNAコンストラクトごとに同一のプロモーター及び3’UTR要素を使用し、異なる輸送ペプチドを横並びで比較することが可能となった。これらの植物形質転換ベクターをワタの形質転換に使用し、その際、A.tumefaciens及び当該技術分野において知られる標準的な方法を使用した。再生した植物を成長させた後にスクリーニングし、形質転換から約11〜12週間後に適用したS−3100(20g/haの比率)に対する耐性度を確認した。除草剤の適用後の3〜10日間、耐性を視覚的に確認した。スプレーした植物は、対照と比較し、除草剤処理後の植物の地上部全体の損傷パーセントに基づいてスコア付けされている。試験したDNAコンストラクトのそれぞれにつき、10〜15の反復検体を試験し、平均損傷率を平均化した。平均損傷スコアが50%以下のものは、高度に除草剤耐性のDNAコンストラクトであると見なし、平均損傷スコアが50%を超えるが80%未満のものは僅かに除草剤耐性のDNAコンストラクトであると見なした。80%以上の平均損傷スコアのものは、対照植物と区別不可能であると見なした。CAMSA_6215に機能可能なように連結されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90を発現するトランスジェニックワタ植物からは、高度に除草剤耐性の植物が生じ、その平均損傷スコアは38%であった。AMAPA_4787に機能可能なように連結されたプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼH_N90を発現するトランスジェニックワタ植物からは、僅かに除草剤耐性の植物が生じ、その平均損傷スコアは63%であった。
【配列表】
2019523004000001.app
【国際調査報告】