(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523136
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】高度に位置決めされたレーザ処理ノズル
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/14 20140101AFI20190726BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !B23K26/14
   !B05B1/14 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】2019500860
(86)(22)【出願日】20170711
(85)【翻訳文提出日】20190129
(86)【国際出願番号】US2017041582
(87)【国際公開番号】WO2018013600
(87)【国際公開日】20180118
(31)【優先権主張番号】15/339,077
(32)【優先日】20161031
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/360,908
(32)【優先日】20160711
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500036037
【氏名又は名称】ハイパーサーム インコーポレイテッド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー、ハノーバー、エトナ ロード、ピーオーボックス5010
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャンブラ、ジョー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー州 ハノーバー エトナ ロード ピー.オー.ボックス 5010
(72)【発明者】
【氏名】ガーグ、サンジェイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー州 ハノーバー エトナ ロード ピー.オー.ボックス 5010
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ、ケネス ジェイ.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー州 ハノーバー エトナ ロード ピー.オー.ボックス 5010
(72)【発明者】
【氏名】クック、デイビッド ジェイ.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー州 ハノーバー エトナ ロード ピー.オー.ボックス 5010
(72)【発明者】
【氏名】オルランディ、ダヴィデ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 03755 ニューハンプシャー州 ハノーバー エトナ ロード ピー.オー.ボックス 5010
【テーマコード(参考)】
4E168
4F033
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168FA01
4F033BA01
4F033DA05
4F033EA01
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】
レーザ加工ヘッド用の二重ノズルは、第1の孔を画定する内面と、外面とを有する内部本体部分を含み、前記孔は、前記本体部の中心の長手方向軸と位置合わせされる。前記二重ノズルは、前記長手方向軸に対して実質的に位置合わせされた第2の孔を画定する内面を有する外側本体部を含む。前記外側本体部は、前記内側本体部の外面の領域と嵌合する。前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の前記領域は、前記二重ノズルの内側の環状の流動空間に通じる少なくとも6つの同軸流体流路を画定する。各流体流路は、内側本体部または外側本体部の少なくとも一方に形成された対応する形状部によって、少なくとも部分的に画定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工ヘッド用の二重ノズルであって、前記二重ノズルは、
内側本体部であって、(i)第1の孔を画定する内面と、(ii)外面とを有し、前記孔が前記内側本体部の中心の長手方向軸と位置合わせされている、内側本体部と、
前記長手方向軸と実質的に位置合わせされた第2の孔を画定する内面を有して、前記内側本体部の前記外面の領域と嵌合する外側本体部と、
を備え、
前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の前記領域は、前記二重ノズルの内側の環状の流動空間に通じる少なくとも6つの同軸流体流路を画定し、
各流体流路は、前記内側本体部または前記外側本体部の少なくとも一方に形成された、対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される、二重ノズル。
【請求項2】
前記領域が、前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の境界面を含む、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項3】
前記同軸流体流路が、前記二重ノズルを通る流体の流れ及び流体の流れの均一性を高めるように形作られている、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項4】
前記流体流路の各々が、前記内側本体部の前記外面にある対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項5】
前記流体流路の各々が、前記外側本体部の前記内面にある対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項6】
前記流体流路の各々が、スカラップ形の面または湾曲面を含む、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項7】
前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の前記境界面は、1以上の段差形状部によって少なくとも部分的に画定される、請求項2に記載の二重ノズル。
【請求項8】
前記形状部の各々は、前記二重ノズルの組み立て時に、前記内側本体部の前記外側本体部に対する着座及び位置合わせを補助するように構成されている、請求項1に記載の二重ノズル。
【請求項9】
実質的な位置合わせは約0.00508センチ未満である、請求項1に記載の二重ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、レーザ切断のシステム及び方法の分野に関する。より具体的には、本発明は、二重ノズル内でのレーザビーム及び流体の流れの改善された位置合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ切断機などの材料加工装置は、材料の切断、溶接、及び熱処理に広く使用されている。レーザ切断機は、一般に、高出力レーザ、ノズル、ガス流、光学系、及びコンピュータ数値制御(CNC)システムを含む。レーザビーム及びガス流は、ノズルのオリフィスを通過し、ワークピースに衝突する。レーザビームはワークピースを加熱し、これはガスとワークピース材料との間の化学反応と共に、ワークピースの選択された領域を変化(例えば、液化及び/又は蒸発)させ、操作者がワークピースを切断又は他の態様で改変することを可能にする。レーザ光学素子及びCNCは、切断作業中にレーザビームをワークピースに対して位置決めして方向付けるために使用される。レーザは小さなスポットサイズに絞り込むことができ、それによって、金属のような工業強度の材料を加工するのに望ましい強度及び出力密度を達成するため、材料加工用途においてレーザは頻繁に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のレーザ切断システムにおいて、システムの構成部品(例えば、複数のノズル)の位置合わせは、システムの寿命及び性能にとって重要な要素となり得る。例えば、ノズルの孔及び/又はオリフィスをノズルホルダ及びレーザ切断ヘッド光学系に対して位置合わせすることは、レーザ切断プロセスを適切に機能させるために重要である。さらに、レーザビームとガスジェットとの位置合わせは、ワークピースの全ての側面の周りで均一な切断品質を達成するために重要となる。位置合わせの問題が現れる1つの事例は、部品の交換及び取り付け中であり、この時、ビームの周りでガス流が非対称になるのを避けるため、ノズルの孔及び/又はオリフィスをレーザヘッドの長手方向軸、つまりはレーザビームと位置合わせする必要がある。従来のノズルは頻繁に交換しなければならず、ノズル交換の度に、手間のかかる取り付けと、位置合わせされたことを証明するための点検とが必要となるため、問題は複雑になる。さらに、現場で部品を交換する必要もしばしばあるため、適切に取り付け及び位置合わせをするために、機械をかなりの時間にわたって停止させることになるし、技術者の専門知識が必要になる。また、現場での交換には、適切な部品の位置合わせを達成、点検、及び維持するために、特別なツールが必要になることがある。
【0004】
ノズルの1つのタイプである「二重ノズル」は、レーザ切断用途に特定の利点を有するが、複数の構成部品の位置合わせに関して特有の問題も生じる。構造的には、二重ノズルは典型的には互いに圧入又は螺合された2つの部分(例えば、内側ノズル部及び外側ノズル部)を有する。二重ノズルの主な機能は、内側ノズル部内と外側ノズル部内とに2つの別々のガス流を作り出すことにある。ガスの1つの流れが中央の孔を通って供給され、レーザビーム自体の軸に沿って配置され、ガスの2つ目の流れは中央の孔を囲む、より低圧のガスの同軸流を提供する。中央の流れは、切断プロセス中に、レーザビームが材料を加熱し、プロセスガスが材料を切り口から吹き飛ばす際に、材料を除去するのを助ける。一方、低圧同軸流は、中央の流れの周りの保護流を提供し、溶融した切れ目に空気が引き込まれるのを抑制し、加工している材料にとって適切なガス化学物質で切り口の周りを囲む。
【0005】
図1は、従来の二重ノズルの構成を示す。この実施形態では、二重ノズル100は、境界面124で接合された内側本体部102(例えば内側ノズル部または内側ノズル)及び外側本体部104(例えば外側ノズル部または外側ノズル)を含む。内側本体部102は、レーザビームが二重ノズル100を通過することを可能にするオリフィス112を有する。外側本体部104は、オリフィス114と、二重ノズル100を図示しないレーザ加工ヘッドと位置合わせするための位置合わせ面122とを有する。この構成では、2つの別々の表面の境界面が内側ノズルオリフィス112のレーザ加工ヘッドの長手方向軸107に対する位置合わせを決定する。つまり、レーザビーム自体に対する位置あわせは、(1)レーザ加工ヘッドとの位置合わせ面122での位置合わせと、(2)内側本体部102と外側本体部104との間のノズル境界面124での位置合わせとによって決定される。
【0006】
図1において、内側本体部102の内側ノズルオリフィス112は、外側ノズルオリフィス114よりも小さく、作動中に外側ノズルオリフィス114よりもレーザビームの近くに配置される。したがって、内側ノズルオリフィス112の位置合わせは、二重ノズル100の性能及び寿命にとって、特に重要となり得る。内側ノズルオリフィス112のレーザ加工ヘッドの長手方向軸107との位置合わせ、つまりは2つの別個の境界面を介したレーザビームとの位置合わせは、2つの境界面のそれぞれを形成する4つの別個の表面の正確度及び精度に依存する。したがって、適切な寿命と性能を確保するためには、取り付けの正確さと点検の他に、これらの4つの面の高い製造精度をも要求される。これらの構成要素のいずれかにおける位置合わせが不良である場合、レーザビームの長手方向軸107に対する内側ノズルオリフィス112の位置合わせに劇的な影響を及ぼし得る。位置合わせ不良が起こる機会を減らし、それによってレーザビームとノズルの孔及び/またはオリフィスとの位置合わせを改善し、取り付け及び操作を単純化することのできる二重ノズル構成が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、レーザ切断システムのノズルの孔及び/またはオリフィス内でレーザビームを位置合わせするためのシステム及び方法に関する。特に、ノズルの構成部品間にある特定の複数の表面(例えば、二重ノズルの内孔とレーザ加工ヘッドの長手方向軸との間の表面)が再設計されて、境界面の数(すなわち、位置合わせ不良の機会)が最小化される。本発明による新しい構成では、ビームとノズル孔との位置合わせ、ひいてはガスシュラウド及び位置合わせが改善される。さらに、ノズル境界面の製造公差が緩和され、システムの操作及び取り付けが単純化される。
【0008】
本発明の利点の1つは、標準的な設計(例えば、0.0762mm(3ミル)の平坦度)に対して、より均一な二次流体流及び/または改良された機能的な位置合わせを提供することにある。本発明の他の利点は、単一ノズルと概ね同等の、二重ノズルの改良された位置合わせを提供することである。本発明の別の利点は、より信頼性があり、反復可能な操作(例えば、有人であるか無人であるか、手動であるか自動であるか、及び/または手作業で位置合わせされるか機械で位置合わせされるか、に関わらず)を可能にすることである。本発明の他の利点は、組み立て誤差及び複数部品の混合の可能性を最小限にすることである(例えば、特に外側ノズルと内側ノズルが予め組み立てられてカートリッジ内に固定されている場合)。本発明の他の利点は、内側ノズル部と外側ノズル部との非圧入関係を提供することである。本発明の他の利点は円錐面に沿った位置合わせを増加させることであり、これによって半径方向の位置合わせも改善することができる。本発明の他の利点は、ねじ構造を使用することなく、面取り領域または円錐領域の中心にノズルを配置することを可能にすることにある。本発明の他の利点は、組立工程を簡素化し、内側ノズルを外側ノズルと一緒に保持するために広範囲のはめしろ及び/または圧入の必要性を減らすことである。
【0009】
一態様において、本発明は、レーザ加工ヘッド用の二重ノズルを対象とする。二重ノズルは、(i)第1の孔を画定する内面及び(ii)外面を有する内側本体部を含み、前記孔が内側本体部の中心の長手方向軸と位置合わせされている。また、二重ノズルは、前記長手方向軸と実質的に位置合わせされた第2の孔を画定する内面を有する外側本体部を含む。前記外側本体部は、前記内側本体部の前記外面の領域と嵌合する。前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の領域は、前記二重ノズルの内側の環状の流動空間に通じる少なくとも6つの同軸流体流路を画定する。各流体流路は、前記内側本体部または前記外側本体部の少なくとも一方に形成された、対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記領域は、前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の境界面を含む。いくつかの実施形態では、前記同軸流体流路は、前記二重ノズルを通る流体の流れ及び流体の流れの均一性を高めるように形作られている。いくつかの実施形態では、前記流体流路の各々は、前記内側本体部の前記外面にある対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される。いくつかの実施形態では、前記流体流路の各々は、前記外側本体部の前記内面にある対応する形状部によって少なくとも部分的に画定される。いくつかの実施形態では、前記流体流路の各々は、スカラップ形の(scalloped)面または湾曲面を含む。いくつかの実施形態では、前記内側本体部の前記外面と前記外側本体部の前記内面との間の前記境界面は、1以上の段差形状部によって少なくとも部分的に画定される。いくつかの実施形態では、前記形状部の各々は、前記二重ノズルの組み立て時に、前記内側本体部の前記外側本体部に対する着座及び位置合わせを補助するように構成される。いくつかの実施形態では、実質的な位置合わせは約0.00508センチ(約0.002インチ)未満である。
【0011】
一態様において、本発明は、レーザ加工ヘッド用の二重ノズルを対象とする。二重ノズルは、内側本体部であって、第1の孔を画定する内面、内側本体部の先端側に配置された第1の外周面、及び内側本体部の基端側に配置された第2の外周面を有する内側本体部を含む。第2の外周面は、レーザ加工ヘッドと嵌合して位置合わせされるように形成される。二重ノズルはまた、第2の孔を画定する内面を有する外側本体部を含む。外側本体部は、内側本体部の第1の外周面と嵌合し、レーザ加工ヘッドと直接的な位置合わせ接触はしないようになっている。内側本体部及び外側本体部は、それらを貫通する同軸流体流路を画定するように位置合わせされている。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2の外周面は、二重ノズルの長手方向軸に対してテーパ状に形成されている。いくつかの実施形態では、テーパ面の角度は、長手方向軸に対して約4.5度から約5.5度である。いくつかの実施形態では、二重ノズルは、内側本体部と外側本体部との間に形成された一セットの流体流路をさらに含む。いくつかの実施形態では、一セットの流体流路は、内側本体部の第1の外周面と外側本体部との間の境界面に形成される。いくつかの実施形態では、一セットの流体流路は、6つの別個の流路を含む。いくつかの実施形態では、第2の外周面は、外側本体部の内面との円錐状の境界面を含み、その円錐状の境界面は、面と面の間に約0.025〜0.076mm(約0.001〜0.003インチ)の間隔を有する。いくつかの実施形態では、内側本体部及び外側本体部は、約8900N(約2000lbF)の力を用いて圧着される。いくつかの実施形態では、外側本体部の第2の孔は、内側本体部に対して位置決めするための軸方向停止部を含む。いくつかの実施形態では、内側本体部は、外側本体部の第2の孔によって受け入れられる円錐形の基本形状を有する。いくつかの実施形態では、内側本体部及び外側本体部は、位置合わせを少なくとも約25%の改善することができる。すなわち、本明細書に記載された新しい設計及び構成は、従来のシステムよりも良好な位置合わせを提供することができる。いくつかの実施形態では、二重ノズルは、いくつかの従来のシステムよりも良好な流れ方を提供するように構成される。例えば、場合によっては、本明細書のシステム及び方法は、より均一な流れを生じさせ、いくつかの従来のシステムよりも広い範囲の流量調整を可能にする。例示的な比較のために、3スロットノズルは、6890Pa〜9170Pa(1psi〜1.33psi)の間で変動する圧力を生成することができ、これは平均値に対して約28%のピーク−ピーク変動であり得る。一方、いくつかの例では、本明細書に記載された本発明のノズルは、10400Pa〜10800Pa(1.51psi〜1.57psi)の間で変動する圧力を生成することもでき、これは平均値に対して約4%のピーク−ピーク変動であり得る。言い換えると、本明細書に記載された本発明の複数の流通溝付きノズルは、いくつかの従来の3スロットノズルと比較して、流れの不均一性を約7分の1に減少させることができる。
【0013】
別の態様において、本発明は、レーザ切断システムを使用してワークピースを切断する方法を特徴とする。この方法は、レーザ加工ヘッド及び二重ノズルを設けることを含む。二重ノズルは、内側本体部と、外側本体部と、軸方向に延びる孔とを有する。内側本体部は、レーザ加工ヘッドに成形された位置合わせ面を相補する形状の第1の外面と、外側本体部の内周嵌合面を相補する形状の第2の外面とを有する。外側本体部は、内周嵌合面に沿って内側本体部に固定され、レーザ加工ヘッドと直接的には位置合わせ接触しないようになっている。この方法は、レーザ加工ヘッドの長手方向軸に位置合わせするように、レーザ加工ヘッドに二重ノズルを取り付けることをさらに含む。この方法は、二重ノズル内に形成された主流路と少なくとも1つの副流路とに流体を流すことをさらに含む。この方法は、レーザ加工ヘッドの長手方向軸に沿ってレーザビームを生成することをさらに含む。この方法は、二重ノズルを出たレーザビームを用いてワークピースを切断することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の外面は、二重ノズルの長手方向軸に対してテーパ状に形成されている。いくつかの実施形態では、テーパの角度は長手方向軸に対して約4.5度から約5.5度のである。いくつかの実施形態では、二重ノズルは内側本体部と外側本体部との間に形成された一セットの流体流路をさらに備える。いくつかの実施形態では、一セットの流体流路は、内側本体部の第1の外面と外側本体部との間の境界面に形成されている。いくつかの実施形態では、一セットの流体流路は、6つの別個の流路を含む。いくつかの実施形態では、第2の外面は、外側本体部の内面との円錐状の境界面であり、その円錐状の境界面は、面と面の間に約0.025〜0.076mm(約0.001〜0.003インチ)の間隔を有する。いくつかの実施形態では、内側本体部及び外側本体部は、約8900N(約2000lbF)の力を用いて圧着される。いくつかの実施形態では、外側本体部の第2の孔は、内側本体部に対して位置決めするための軸方向停止部を含む。いくつかの実施形態では、内側本体部は、外側本体部の第2の孔によって受容される円錐形の基本形状を有する。いくつかの実施形態では、内側本体部及び外側本体部により、位置合わせを少なくとも約25%改善することができる。すなわち、本明細書に記載された新しい設計及び構成は、従来のシステムよりも良好な位置合わせを提供することができる。いくつかの実施形態では、二重ノズルは、いくつかの従来のシステムよりも良好な流れ方を提供するように構成される。例えば、場合によっては、本明細書のシステム及び方法は、より均一な流れを生じさせ、いくつかの従来のシステムよりも広い範囲の流量調整を可能にする。例示的な比較のために、3スロットノズルは、6890Pa〜9170Pa(1psi〜1.33psi)の間で変動する圧力を生成することができ、これは平均値に対して約28%のピーク−ピーク変動であり得る。一方、いくつかの例では、本明細書に記載された本発明のノズルは、10400Pa〜10800Pa(1.51psi〜1.57psi)の間で変化する圧力を生成することもでき、これは平均値に対して約4%のピーク−ピーク変動であり得る。言い換えると、本明細書に記載された本発明の複数の流通溝付きノズルは、いくつかの従来の3スロットノズルと比較して、流れの不均一性を約7分の1に減少させることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、ノズルの成形面は円弧形状を有し、均等な着座を促進するように、分割されていてもよいし、あるいは、テーパ状の位置合わせ面を有してもよい。いくつかの実施形態では、内側ノズルは、テーパ状座面よりも高い位置に配置されるその「流れを生成する」形状の全て又は多くを有する。いくつかの実施形態では、外側ノズルは内側よりも高い位置に配置され、締め付けられることにより、位置合わせ、高圧での安全な動作、ガスシール、及び容量性回路の導電性が確保される。滑合、圧入、正反対形状の係合形状には固有のバラツキがあるため、一貫した性能を確保するために、この設計の二重ノズルでは厳しい公差(精度の高いCNC旋盤を用いても達成しにくい公差)が維持されなければならない。
【0016】
いくつかの実施形態では、二重ノズル及びレーザ機械のヘッドとの間の境界面は、二重ノズルの内側本体部に直接形成される。いくつかの実施形態では、相補的に対向する表面が、加工ヘッド及び内側本体部に形成され、これらは孔をヘッドの長手方向軸の中心に位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、本発明は「ハイブリッドな」設計においてこれらの改良の両方を特徴とする。そのような実施形態では、本発明は、内側ノズル部品上にテーパ状の座面を含むことで、主ガス流をレーザビーム及びヘッドと機能的に位置合わせすることができる。ノズル孔及び傾斜した機能的基本形状は、それらが高度に配置されかつ同軸となるように、同時に機械加工され得る。いくつかの実施形態では、内側ノズルと外側ノズルとの間にテーパ状の又は成形された境界面を備えることによって、二重ノズル設計がさらに改良される。これにより、テーパ状の又は成形された表面の堅固な接触を介して半径方向の配置誤差が最小限に抑えられる。このテーパ接触法は、機能的には影響が少ないか又はさほど致命的ではない軸方向の位置合わせを犠牲にして、同軸度を改善することができる。いくつかの実施形態では、内側ノズルのテーパ状座面及び内側ノズルと外側ノズルとの間の成形界面は、概念的に分離可能であり、本明細書に記載される結果及び利点を達成するために、一緒に又は別々に用いることができる。
【0017】
前述の説明は、添付の図面と併せて本発明の以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】レーザ切断システム用の従来技術の二重ノズルの断面図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態に係る、レーザ切断システム用の改良された二重ノズルの断面図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態に係る、レーザ切断システム用の改良された二重ノズルの三次元半断面図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態に係る、内側本体部が外側本体部内に円錐状に着座している、レーザ切断システム用の改良された二重ノズルの断面図である。
【図4A】本発明の例示的な実施形態に係る、3つより多いスロットを有する二重ノズルの斜視図を示す。
【図4B】本発明の例示的な実施形態に係る、3つより多いスロットを有する二重ノズルの斜視図を示す。
【図5A】二重ノズルのための標準3スロット設計の3次元測定フローマッピングを示す。
【図5B】本発明の例示的な実施形態に係る、二重ノズルのための6溝設計の三次元測定フローマッピングを示す。
【図6】本発明の例示的な実施形態に係る、二重ノズルの内側本体部の斜視図を示す。
【図7】本発明の例示的な実施形態に係る、二重ノズルの段差形状部の一例をノズルの側方から見た断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係るレーザ切断システム用の改良した二重ノズル200の断面図である。二重ノズル200は内側本体部202を有し、内側本体部202は内側ノズル孔205を画定する内面203と、内側ノズルオリフィス212とを有する。内側本体部202は、内側本体部202の先端209側に配置された第1外周面223を有する。内側本体部202は、内側本体部202の基端221側に配置された第2外周面222を有する。また、二重ノズル200は外側本体部204を含み、外側本体部204は外側ノズル孔211を画定する内面225と、外側ノズルオリフィス214とを有する。第2外周面222は、レーザ加工ヘッド(図示せず)と(例えば、直接的に)嵌合して位置合わせされるように形作られている。外側本体部204は、内側本体部202の第1外周面223と嵌合され、レーザ加工ヘッドと位置合わせのために直接接触することなく、(例えば実質的に)分離されている。内側本体部202及び外側本体部204は、それらを貫通する同軸流体流路231を画定するように位置合わせされる。
【0020】
一般的に、二重ノズル200は、図1に示す上述した従来技術の二重ノズル100と同様の外径寸法及び内径寸法を有する。しかしながら、二重ノズル200が内側本体部202の内側ノズル孔212とレーザビームの長手方向軸207との間に有する境界面の数は従来よりも少ない。具体的には、二重ノズル200は、第2外周面222(ノズル加工ヘッド境界面)を内側本体部202に直接形成する結果、1つの境界面を有する。したがって、境界面の減少は、従来技術の境界面124と比べて、内側本体部202と外側本体部204との間の境界面224を移転した結果と言える。このような再構成は、長手方向軸207に対する内側ノズル孔212の位置合わせを制御する表面などの「直接的位置合わせ接触」表面の数を減少させる(たとえいくつかの構成では、表面間に幾らかの物理的接触が存在し得るとしても)。この場合、直接的位置合わせ接触表面の数は2つ(すなわち、ノズル加工ヘッド境界面222及びレーザヘッドにおけるその相補面)であり、これに対して図1の従来技術の構成では4つである。したがって、二重ノズル200は、長手方向軸207と内側ノズル孔212との間のより直接的な接続を提供し、外側本体部204に対する製造要件を緩和し、取り付けの複雑さ及び点検手順を低減する。この構成では、レーザビーム及びガス流は、任意の組立誤差の影響を直接に受けることがないようにすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、内側本体部202及び外側本体部204は、摩擦圧接(friction welding)や圧入を含む様々な方法によって固定することができる。いくつかの実施形態では、二重ノズル200のノズル加工ヘッド境界面222は、レーザ加工ヘッドの成形された位置合わせ面を相補する形状の成形面を含むことができる。したがって、技術者がレーザ加工ヘッドに二重ノズル200を取り付けるとき、二重ノズル200の成形面は、レーザ加工ヘッドの成形された位置合わせ面と嵌合し、二重ノズル200と長手方向軸207との位置合わせを容易にする。この位置合わせは、二重ノズル200がレーザ加工ヘッドに取り付けられる時に行われるものであり、成形された嵌合面が第1の成形位置合わせ面と接触して二重ノズル200の中心位置を合わせることにより、二重ノズル200の長手方向軸207をトーチ軸と、ひいてはレーザビームと位置あわせをする。その結果、二重ノズル200はレーザビームの周囲で中心の位置が合わされ、レーザビームの周りに同軸の均一な環状のガス流を生じさせて、トーチ動作を容易にする。この径方向において中心の位置が合わされた二重ノズル200は、先行技術における現場での交換及び位置合わせの問題を回避し、かつ/又は、多くの部品を高精度に製造する必要を低減もしくはなくす。
【0022】
いくつかの実施形態において、成形面は、円弧状部分であるか、又は直線的なテーパ状であるか、又はこれらの両方である。このような円弧状部分は、一定の曲率半径又はいくつかの曲率半径を有することができる。成形された又はテーパ状の位置合わせ面は、均等な着座、及び、長手方向軸207に対する二重ノズル200及び内側ノズル孔212の位置合わせを促進することができる。テーパとレーザビームの軸との間に形成される角度は、90度未満、好ましくは約45度未満、より好ましくは約20度未満の任意の値とすることができる。このような構成は、二重ノズル200を長手方向軸207に沿って中央に配置するために、成形された嵌合面と成形された位置合わせ面とを組み合わせるのを助けることができる。
【0023】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、レーザ切断システム用の改良された二重ノズル300の三次元半断面図である。二重ノズル300は、内側ノズル孔312を有する内側本体部302と、外側ノズル孔314を有する外側本体部304とを含み、これらは共に、レーザビームの長手方向軸307に沿って配向される。二重ノズル300は、図2に示して説明した二重ノズル200と同様の構成を有するが、いくつかの顕著な相違点がある。例えば、この構成では、内側本体部302と外側本体部304との間の境界面324は、長手方向軸307に対して「円錐状着座」構成となるようにテーパ状になっている。図示のように、この「円錐状干渉」境界面324は、約0.025〜0.076mm(約0.001〜0.003インチ)の長さ寸法を有し得る「円錐状干渉境界面」である。いくつかの実施形態では、円錐状干渉境界面324は、例えば約8900N(約2000lbF)まで加圧及び圧着されてもよい。また、内側本体部302は外面322を含む。外面322は、貫通孔に位置合わせされた円錐状の基本形状を有してもよい。外側本体部304は、「軸方向停止部」306を有してもよい。円錐状干渉境界面324及び/又は軸方向停止部306は、内側本体部302の外側本体部304及び長手方向軸307に対する位置合わせを補助することができる。
【0024】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、レーザ切断システム用の別の改良された二重ノズル400の断面図である。二重ノズル400は、内側ノズル孔412を有する内側本体部402と、外側ノズル孔414を有する外側本体部404とを含み、これらはレーザビームの長手方向軸407に沿って配向されている。二重ノズル400は、「円錐状着座」構成に関して図3に示して説明した二重ノズル300と同様の構成を有するが、図4の構成は図2に示す境界面の数を減少させた構成は採用していない。図4の構成では、内側本体部402は、外側本体部404内に円錐状に着座している。円錐状着座はそれ自体で、図2に示す再設計の利点に依存することなく、長手方向軸407(つまりはレーザビーム)に対する内側ノズル孔412及び外側ノズル孔414の位置合わせを改善する。
【0025】
概して、内側本体部及び外側本体部の同軸度は、内側本体部及び外側本体部が精密工具を介して同軸位置に調整され、その後互いに(例えば、ねじ、タブ、溶接、接着剤結合、はんだ接合又は2つの部分が高度に位置決めされた同軸配置で固定される別の方法によって)取り付けられる隙間嵌めに有利な滑合及び圧入を回避することによって、さらに向上することができる。いくつかの実施形態では、内側本体部及び外側本体部は、(例えば、高周波交流容量式高さ検知信号が内側本体部と外側本体部との間を通過できるようにする)低インピーダンスかつ高導電性の結合を有するように製造することができる。このような構成は、締結具の直接的な接触、エクスポクスミックス(expox mix)中の導電性要素、軟ろう、銀ろう、又は溶接(例えば、レーザ溶接、摩擦圧接、又は電子ビーム溶接)によって達成することができる。本明細書で説明する位置合わせのためのねじ式及び/又はテーパ状の表面に代えて、又はそれと併せて、ノズルは、事前に位置合わせして固定され、かつ/又は接着されるか、あるいは溶接、結合、締結され、工業用切断用途及び解決のために接合される。
【0026】
いくつかの実施形態では、二重ノズル流の均一性は、切断プロセスの一貫性にとって重要である。現在、ほとんどの二重ノズルは、三葉形状と、中央のプロセスガス孔の周りの流れを計量し分配する3つのスロットとを有する内側ノズルを特徴とする。しかしながら、これらの3つのスロットは、二重ノズル内で不均一な流れを生成する可能性がある。これに対して、いくつかの実施形態では、本発明は4つ以上のスロットを使用する。例えば、図4Aは、12つのスロット455A〜Lを有する二重ノズル450を示し、図4Bは、6つのスロット465A〜465Fを有する二重ノズル460を示す。ノズル450,460の構成は、ノズル450,460の間の位置あわせを向上させることができるとともに、従来の3スロット構成又は3つ孔構成よりも、プロセスの一貫性及び切断品質を向上させることができる。いくつかの実施形態では、図4A〜図4Bに示す「スロット」を含む複数の別個の流路は、他の様々な形状部、例えば、孔、窪み、溝、または二重ノズルを通る別個の同軸流体流路を形成する、及び/または、(例えば、レーザビームの観点から)流体の流れを改善して流体の流れの不均一性を減少させるように構成された他の形状部とすることができる。スロットの製造においては、「スカラップ形(scalloped)」または他の形状にするよりも、複数の平面またはドリル孔を形成するのが通常である。これは、「スカラップ形の」スロットまたは他の形状にすると、(例えば部品の構成が)複雑になってしまうためであるが、この点において、本発明は従来構成とは異なっている。内側ノズル部または外側ノズル部の少なくとも1つから「スロット」または対応する形状部を除くと、対応する形状部は、自然と、各々のノズル部の残りの形状、例えばリブ、支柱、壁、または仕切り(形状部459A〜Lまたは形状部466A〜Fなど)となる。
【0027】
図4Aに示すように、従来の3スロット二重ノズルと比較して、内側ノズル460の外面と外側ノズル461の内面との間の境界面の領域には、より多くの接触点または接触領域がある。いくつかの実施形態において、このように接触領域(例えば、接触点および/または位置合わせに影響する点)が増加することにより、内側ノズル460と外側ノズル461との間の位置合わせが改善される。例えば、内側ノズル460が、接触するべき12個(又は6つ、又は3以上の個数)の対応するリブを含む場合、それらのうちのいずれか1つのリブの位置がずれていたとしても、依然として適切な位置合わせを確実にするために十分な数よりも多くのリブがあるので、位置がずれている1つのリブの影響は無視することができる。しかし、リブが3つしかない設計において1つのリブがずれている場合には、そのずれを補うべきリブは2つしかなく、構成全体に対する位置合わせまたは位置合わせ不良に関して、より大きな影響を与え得ることを意味し、こうした状況下においては、各リブは、位置合わせに関してより大きなインパクト、効果、または影響を及ぼす可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、内側ノズル460と外側ノズル461との間の接触面積の総量が減少する。いくつかの過去の設計では、内側ノズルと外側ノズルとの間にはかなりの接触面積があったので、(例えば、複数の部品の表面が不完全であることに起因する)位置合わせ不良が生じる機会が必要以上に高くなることがある。加えて、このような欠陥を現場で発見及び/または修正することは、必ずしも容易ではないか、あるいは現実的ではない。従来の教示とは対照的に、図4Bは、内側ノズル460のリブ466A〜466Fと外側ノズル461との間の接触面積が減少していることを示しており、これによって位置合わせ不良の機会が低減する。そのような構成を使用すると、位置合わせに約50%の改善の見られた。従来技術の実施形態では、内側ノズルと外側ノズルとの間で約0.0076cm(約0.003インチ)の位置合わせにおける不一致が見られたが、図4Bの原理による構成によれば、その不一致は約半分、例えば約0.0038cm(約0.0015インチ)にすることができる。
【0028】
さらに、図4Bに示すように、本発明の各形状部は、従来の3スロット設計の同等の対応するリブと比べて、比較的小さい接触面積及び周方向の幅を有する。周方向の幅が小さくなると、内側ノズル460と外側ノズル461との間のガスの流れがより均一になるとともに一貫した流れになる。これは、内側ノズル460と外側ノズル461との間に境界面が存在することによってガスの流れが妨げられることによる影響が減少し、下流における流れが滞留する領域の大きさが制限されるためである。
【0029】
図5Aは、本発明の例示的な実施形態に係る二重ノズルのための標準3スロット設計の3次元測定フローマッピングを示し、図5Bは、本発明の例示的な実施形態に係る二重ノズルのための6溝設計の3次元測定フローマッピングを示す。図5Bの図は、図5Aと比較して流れが妨げられる部分が少ないなど、改善された(例えば、より均一な、または半径方向に対称な)分布を示す。特に、図5Aは外側の流れが不均一であることを示しており、対応するスロットがあることで生じる複数の隆起(例えば、隆起501,502)及び複数のくぼみ(例えば、くぼみ503)を容易に見て取ることができる。図5Aに示される複数の隆起はスロットの位置と正反対の位置にあり、また、くぼみは複数の隆起の間で落ちくぼんでいて、スロットの流れが内側ノズルの下を横切り、正反対の位置でノズル孔から出るように「噴出」していることを示している。これに対して、図5Bは、6溝設計において、外側の棚状に見える圧力がより均一である(例えば、より数は多いが比較的小さい形状部であるために影響がより小さい)ことを示している。したがって、二重ノズル内の流れ特性は、流体通路を画定する複数の形状部(例えば、スロット、孔、または他の形状)の形状及び/またはサイズによって、劇的に影響を受ける可能性がある。
【0030】
図6は、本発明の例示的な実施形態に係る、二重ノズルの内側本体部600の斜視図を示す。上述したように、内側本体部600は、対応する6つの「リブ」または形状部602A〜602Fの間に、6つの形状部(例えば、外側本体部と嵌合したときに中央の孔の周りに6つの流路を形成するスロット601A〜601F)を画定する。いくつかの実施形態では、形状部601A〜601Fは、「スカラップ形(scalloped)」に形成されるか、あるいた規定の曲率を有する別の形状を有する。いくつかの実施形態では、形状部602A〜602Fは、段差形状部(例えば、図示された603A,603Fと、残りのリブに対応する図示されていない複数の形状部と)を含み、これら段差形状部は、組み立て時に、内側本体部600の外側ノズル(図示せず)に対する着座及び位置合わせを補助する。いくつかの実施形態では、段差形状部603A〜603Fは、締まりばめが必要となる面積の減少に寄与し、これにより、組み立て時に挟み込み、揺動、または位置合わせ不良が生じにくくなるといった効果を奏し得る。いくつかの実施形態では、スロットは、内側本体部600に形成されることに加えて、またはそれに代えて、外側ノズルに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、段差形状部603A〜603Fは、内側本体部600の最後部に(例えば、内側本体部の後部約20%未満を占め、一実施形態では、内側本体部の後部10%未満を占めるように)配置されてもよい。形状部601A〜601Fは、形状部602A〜602Fの前部に対してわずかに半径方向外側に張り出している。形状部602A〜602Fは、組み立て時に外側ノズル461の内面に接触するようにサイズが設定され、6つの形状部は、組み立て始めた時に、内側本体部600を外側ノズル461に対して概略的に位置合わせさせる。そして、内側本体部600が外側ノズル461内に実質的に挿入される(例えば、長手方向に約50%を超えて挿入されるか、またある場合には約80%を超えて挿入される)と、段差形状部603A〜603Fが外側ノズル461の内面に接触し始めてしまりばめで嵌め合わせられ、さらに内側本体部600と外側ノズル461との間で位置合わせが進んで、内側本体部600が外側ノズル461内に固定される。
【0031】
図7は、本発明の例示的な実施形態に係る、二重ノズルの一の段差形状部702をノズルの側方から見た断面図を示す。この図は、外側ノズル704は内側ノズル706と段差形状部702またはその近くで接合していることを示している。外側ノズル704は内面708(斜線の陰影付けなしで描かれている)を含む。この実施形態では、段差形状部702は、外側ノズル704内に形成してもよく、この場合にも上記段差形状部と同じまたは実質的に同じ機能を発揮することができる。
【0032】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して具体的に示され、記載されたが、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形状及び細部に関して様々に変更し得ることが当業者に理解されるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】