(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523212
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】局所麻酔の投与のための速効性の口腔内崩壊フィルム
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/167 20060101AFI20190726BHJP
   A61P 23/02 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20190726BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !A61K31/167
   !A61P23/02
   !A61K9/70
   !A61K47/38
   !A61K47/32
   !A61K47/36
   !A61K47/34
   !A61K47/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】2017554608
(86)(22)【出願日】20160630
(85)【翻訳文提出日】20171013
(86)【国際出願番号】US2016040228
(87)【国際公開番号】WO2018004576
(87)【国際公開日】20180104
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517359565
【氏名又は名称】タホ・ファーマシューチカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TAHO PHARMACEUTICALS LTD.
【住所又は居所】台湾114タイペイ・ネイフディストリクト・ルイグアンロード・ナンバー550・サードフロア
【住所又は居所原語表記】3rd Fl,No.550,Ruiguang Rd.,Neifu District,Taipei,114,Taiwan,Province of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,キヤサリン
【住所又は居所】アメリカ合衆国オレゴン州97068ウエストリン・フエアヘブンドライブ3852
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チヤン−チヤオ
【住所又は居所】台湾247ニユータイペイシテイ・ルツオウデイストリクト・サンミンロード・ナンバー126・3エフ
(72)【発明者】
【氏名】リン,フアン−チユー
【住所又は居所】台湾807カオシユンシテイ・サンミンデイストリクト・チヤハ’アー セカンドストリート・ナンバー122
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA89
4C076BB01
4C076BB22
4C076CC01
4C076DD09
4C076DD38
4C076EE06
4C076EE16
4C076EE30
4C076EE32
4C076FF02
4C076FF06
4C076FF07
4C076FF33
4C076FF68
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA19
4C206GA31
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA52
4C206MA72
4C206MA77
4C206NA10
4C206NA11
4C206ZA21
(57)【要約】
歯科手順などの手順の間の口腔における物理的及び心理的な不快感を軽減するため、又は一般的に歯痛などの疼痛を緩和するための、局所麻酔薬の投与のための速効性口腔内崩壊フィルム(ODF)。ODFは、約24mgなどの治療的に許容し得る量のリドカイン遊離塩基又はその薬学的に許容し得る塩などの活性な薬学的成分、少なくとも1種の一次親水性フィルム形成ポリマー、少なくとも1種の二次親水性フィルム形成ポリマーを含み、ここで、一次親水性フィルム形成ポリマー対二次親水性フィルム形成ポリマーの重量比は、約1:1〜約20:1である。ODFは、可塑剤をさらに含み、ここで、一次及び二次親水性フィルム形成ポリマーの総重量対可塑剤の重量の比は、約4:1〜約4:3である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リドカイン遊離塩基又はその薬学的に許容し得る塩;
少なくとも1種の一次フィルム形成ポリマー;
少なくとも1種の二次フィルム形成ポリマー;及び
少なくとも1種の可塑剤
を含み、ここで、該一次フィルム形成ポリマー及び該二次フィルム形成ポリマーは、約1:1〜約20:1の重量比で存在し、そして
ここで、該一次フィルム形成ポリマー及び該二次フィルム形成ポリマーは、親水性である、速効性の口腔内崩壊フィルム(ODF)。
【請求項2】
前記リドカイン塩は、塩酸リドカインを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リドカインは、該フィルムの乾燥重量の少なくとも約10%〜約60%を含む量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記一次フィルム形成ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記二次フィルム形成ポリマーは、HPC、HPMC、プルラン及び/又はポビドン(PVP)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記HPMCは、HPMC 3cps、HPMC 6cps又はHPMC 15cpsを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記PVPは、PVP K−30又はPVP K−90を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の可塑剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール又はTween 20を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記PEGは、PEG400、PEG4000及び/又はPEG6000を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記一次ポリマーの乾燥重量は、前記二次ポリマーの乾燥重量と比較して、約1:1〜約7:1の比である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記一次及び二次ポリマーの乾燥重量は、前記可塑剤の乾燥重量と比較して、約4:1の比である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、前記可塑剤は、約500cpsを上回るが約2000cpsを下回る高粘度及び約1000ダルトンを下回る低分子量を有する可塑剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、前記可塑剤は、約200cpsを下回るが約3cpsを上回る低粘度及び約5000ダルトンを上回るが約5,000,000ダルトンを下回る高分子量を有する可塑剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、前記二次ポリマーは、HPMC 3cps又はHPMC 6cpsを含み、前記可塑剤は、グリセロール又はPEG600
0を含み、ここで、該一次フィルム形成ポリマー、該二次フィルム形成ポリマー及び該可塑剤は、約2:2:1〜約7:1:2の重量比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、前記二次ポリマーは、HPMC 3cps、HPMC 6cps又はプルランを含み、前記可塑剤は、PEG6000を含み、ここで、該一次フィルム形成ポリマー、該二次フィルム形成ポリマー及び該可塑剤は、約3:1:1の重量比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、前記二次ポリマーは、HPMC 3cps又はプルランを含み、前記可塑剤は、グリセロールを含み、ここで、該一次フィルム形成ポリマー、該二次フィルム形成ポリマー及び該可塑剤は、約3:1:1の重量比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、前記二次ポリマーは、PVP K−90を含み、前記可塑剤は、PEG4000を含み、ここで、該一次フィルム形成ポリマー、該二次フィルム形成ポリマー及び該可塑剤は、約7:1:2の重量比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記速効性のODFは、投与の約60秒以内に崩壊する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記速効性のODFの前記溶解速度は、投与の約5分〜約10分以内に前記リドカインの約90%の放出を可能にする、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記速効性のODFの前記浸透速度は、投与の約5分以内に前記ODFによって処置される標的領域を通して約0.8〜約1.7mg/cm2のリドカインを浸透させることを可能にする、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物中に、有機溶媒の痕跡量も存在しない、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記口腔内崩壊フィルムは、以下の工程:
前記局所麻酔薬、前記2種のポリマー類、及び前記少なくとも1種の可塑剤を、水溶液中で混合すること;
前記水溶液を、好適なキャリア材料の表面に移すこと;及び
前記キャリア材料の表面上の前記水溶液を乾燥させて、フィルムを形成すること
を含む方法によって製造される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記口腔内崩壊ファイルは、何ら有機溶媒を用いずに製造される、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
必要とする患者に局所麻酔を提供するための方法であって、該方法は、請求項1に従う有効量の組成物を、それを必要とする該患者に経口投与することを含む、方法。
【請求項25】
前記方法は、口腔外科手術又は歯科処置の間に用いられる、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リドカインを含む速効性の口腔内崩壊フィルム(ODF)、その使用、及びODFの製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
局所麻酔薬は、投与の部位における痛覚の緩和のために使用される薬物である。局所麻酔薬の一例は、化学名アセトアミド2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)を有するリドカインである。
【0003】
リドカインは、多くの場合、歯科医術において、口腔外科手術、抜歯、根管などの歯科手順の間の患者における物理的な不快感及び心理的な緊張を軽減するため、並びに歯痛、口腔内潰瘍、口唇ヘルペス、生歯などからの疼痛を緩和するために用いられる。歯科手順のために、リドカインは、通常、「歯科用キシロカイン(登録商標)カートリッジ」(Fujisawa Pharmaceutical Co.Ltd.)などの注射によって投与される。しかし、注射の侵襲的な性質は、それ自体が物理的及び心理的両方の不快感を患者に対して生じ得る。さらに、歯痛からの疼痛の軽減などの、歯科手順から外れた用途のためには、投与の非侵襲的形態が、通常は好ましい。その上、治療効果を迅速に提供するリドカインの投与の方法は、医師及び患者の両方のために有益である。したがって、非侵襲性でありかつ速効性の両方である、局所麻酔薬の投与のための方法についての必要性が、存在する。
【発明の概要】
【0004】
したがって、局所麻酔薬の投与のための、速効性の口腔内崩壊フィルム(ODF)を提供することが、本発明の1つの目的である。
【0005】
本発明は、リドカイン遊離塩基またはその薬学的に許容し得る塩、少なくとも1種の一次(primary)フィルム形成ポリマー、少なくとも1種の二次(secondary)フィルム形成ポリマー及び少なくとも1種の可塑剤を含む速効性のODFを提供し、ここで、該一次フィルム形成ポリマー及び該二次フィルム形成ポリマーは、約1:1〜20:1の重量比で存在し、そしてここで、該一次フィルム形成ポリマー及び該二次フィルム形成ポリマーは、親水性である。
【0006】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容し得るリドカイン塩は、塩酸リドカインを含む。別の実施形態において、リドカインは、該フィルムの乾燥重量の少なくとも約10%〜約20%を含む量で存在する。なお別の実施形態において、一次フィルム形成ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。いくつかの実施形態において、二次フィルム形成ポリマーは、HPC、HPMC、プルラン及び/又はポビドン(PVP)を含む。別の実施形態において、HPMCは、HPMC 3cps、HPMC 6cps又はHPMC 15cpsを含む。なお別の実施形態において、PVPは、PVP K−30又はPVP K−90を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の可塑剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール又はTween 20を含む。別の実施形態において、PEGは、PEG 400、PEG 4000及び/又はPEG 6000を含む。いくつかの実施形態において、二次ポリマーの乾燥重量と比較した一次ポリマーの乾燥重量は、約1:1〜約7:1の比である。別の実施形態において、可塑剤の乾燥重量と比較した一次及び二次ポリマーの乾燥重量は、約4:1の比である。なお別の実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、可塑剤は約500cpsを上回るが約2000c
psを下回る高粘度及び約1000ダルトンを下回る低分子量を有する可塑剤を含む。いくつかの実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、可塑剤は、約200cpsを下回るが3cpsを上回る低粘度及び約5000ダルトンを上回るが約5,000,000ダルトンを下回る高分子量を有する可塑剤を含む。
【0007】
他の実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、二次ポリマーは、HPMC 3cps又はHPMC6cpsを含み、そして可塑剤は、グリセロール又はPEG 6000を含み、ここで、一次フィルム形成ポリマー、二次フィルム形成ポリマー及び可塑剤は、約2:2:1〜約7:1:2の重量比で存在する。なお別の実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、二次ポリマーは、HPMC 3cps、HPMC6cps又はプルランを含み、そして可塑剤は、PEG 6000を含み、ここで、一次フィルム形成ポリマー、二次フィルム形成ポリマー及び可塑剤は、約3:1:1の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、二次ポリマーは、HPMC 3cps又はプルランを含み、そして可塑剤は、グリセロールを含み、ここで、一次フィルム形成ポリマー、二次フィルム形成ポリマー及び可塑剤は、約3:1:1の重量比で存在する。別の実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 6cpsを含み、二次ポリマーは、PVP K−90を含み、そして可塑剤は、PEG 4000を含み、ここで、一次フィルム形成ポリマー、二次フィルム形成ポリマー及び可塑剤は、約7:1:2の重量比で存在する。
【0008】
いくつかの実施形態において、速効性のODFは、投与の約60秒以内に崩壊する。他の実施形態において、速効性のODFの溶解速度は、投与の約5分〜約10分以内に、約90%のリドカインの放出を可能にする。なお別の実施形態において、速効性のODFの浸透速度は、ODFで処置される標的領域を通して、約0.8〜約1.7mg/cm2のリドカインを、投与の約5分以内に浸透させる。いくつかの実施形態において、組成物中に、痕跡量の有機溶媒は存在しない。
【0009】
いくつかの実施形態において、口腔内崩壊フィルムは、局所麻酔薬、2種のポリマー類及び少なくとも1種の可塑剤を水溶液中で混合すること、該水溶液を好適なキャリア材料の表面上に移すこと、及び該キャリア材料の表面上の該水溶液を乾燥させてフィルムを形成することの工程を含む方法によって、製造される。
【0010】
本発明はまた、必要とする患者に局所麻酔を提供するための方法も提供し、この方法は:リドカイン遊離塩基又はその薬学的に許容し得る塩、少なくとも1種の一次フィルム形成ポリマー、少なくとも1種の二次フィルム形成ポリマー及び少なくとも1種の可塑剤を含む有効量の組成物を、それを必要とする患者に経口投与することを含み、ここで、一次フィルム形成ポリマー及び二次フィルム形成ポリマーは、約1:1〜20:1の重量比で存在し、そしてここで、一次フィルム形成ポリマー及び二次フィルム形成ポリマーは、親水性である。いくつかの実施形態において、この方法は、口腔外科手術又は歯科処置の間に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、0.1N HCL(pH1.2)中での、本発明のリドカインODF及びTrachisan(登録商標)Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH&Co.KF,Germany)の溶解プロフィールを図示する。
【図2】図2は、リン酸緩衝液(pH4.5)中での、本発明のリドカインODF及びTrachisan(登録商標)Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH&Co.KF,Germany)の溶解プロフィールを図示する。
【図3】図3は、リン酸緩衝液(pH6.8)中での、本発明のリドカインODF及びTrachisan(登録商標)Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH&Co.KF,Germany)の溶解プロフィールを図示する。
【図4】図4は、水中での、本発明のリドカインODF及びTrachisan(登録商標)Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH&Co.KF,Germany)の溶解プロフィールを図示する。
【図5】図5は、水中での、本発明のリドカインODF及びXylocaine(登録商標)ゼリー2%(Recipharm Karlskoga AB,Sweden)のインビトロ浸透プロフィールを図示する。
【図6】図6は、本発明のODFを調製するための方法を図示する。
【発明の詳細な説明】
【0012】
本明細書中及びそれに続く特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「成分(an ingredient)」の言及は、成分の混合物を含み、「活性薬学的薬剤(an active pharmaceutical
agent)」の言及は、1種より多くの活性薬学的薬剤を含む、などである。
【0013】
用語「活性薬剤」、「薬理学的活性薬剤」及び「薬物」は、本明細書中で相互交換可能に使用され、所望の薬理学的、生理学的効果を含む化学物質又は化合物をいい、治療効果のある薬剤を含む。この用語はまた、本明細書中で具体的に言及された活性薬剤の薬理学的に活性な誘導体類及びアナログ類をも含み、これらは、塩類、エステル類、アミド類、硫酸塩類、プロドラッグ類、活性代謝物類、包接体類などを含むが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書中で使用される場合、量の修飾語としての用語「約」は、修飾される量のプラス又はマイナス10%を含むことを意味することが、意図される。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「崩壊する(disintegrate)」「崩壊すること(disintegrating)」及び「崩壊した(disintegrated)」は、裸眼で検出不能な小片に、分散するか又は別の方法により分解することを意味することが、意図される。
【0016】
本明細書中で使用される場合、用語「溶解」は、上で定義した崩壊の後に小片のさらなる分解が続き、賦形剤又は本発明の任意の他の構成成分から、活性薬学的成分を粘膜吸収のために放出することを意味することが、意図される。
【0017】
薬物又は薬理学的活性薬剤の用語「有効量」又は「治療有効量」は、非毒性であるが、薬物又は活性薬剤が所望の治療効果を提供するために十分な量を意味することが、意図される。「有効」である量は、個人の年齢及び全身状態、特定の1種のまたは複数種の活性薬剤などに依存して、被験者ごとに変動する。任意の個々の症例における適切な「有効」である量は、当業者によって、ルーチンな実験を用いて決定されてもよい。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「親水性」は、水と容易に相互作用する強い極性の基を有する物質を言う。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「局所麻酔薬(local anesthetic)」及び「局所麻酔薬(topical anesthetic)」は相互交換可能であ
る。局所麻酔薬は、局所の麻痺又は疼痛緩和をもたらす薬物である。
【0020】
用語「フィルム」は、長方形、正方形又は特定の用途のために最も適切な他の形状を含む任意の形状のフィルム及びシートを含むことが理解される。本明細書中で記載されるフィルムは、意図される使用のために好適な、任意の所望される厚さ及び大きさのものであってもよい。例えば、本発明のフィルムは、使用者の口腔内に容易に配置されてリドカインの有効な局所的送達のために特定の投与部位を標的し得るような大きさ及び形状であってもよい。さらに、幾種類かのフィルムは、約10から約500マイクロメートルまでの比較的薄い厚さを有し得、他方で、他のフィルムは、約500から約1000マイクロメートルまでの、より幾分厚い厚さを有し得る。ODF厚の変化は、本発明のODFが、特定の処置領域に対しより高用量又は低用量のリドカインを送達することを可能にし得るので、望ましい。さらに、用語「フィルム」は、単層組成物及び多層組成物、例えば積層フィルム、フィルム上の塗膜などを含む。
【0021】
本発明は、薬学的活性成分としてリドカインを含む、水又は液体の摂取なしでの投与を可能にするように設計された、速効性のODFを開示する。本発明のODFは、迅速な崩壊、溶解及び浸透の速度などの特徴に起因して、速効性である。具体的には、本発明の速効性のODFは、約60秒未満で唾液中に崩壊する。これはまた、以下の実施例2及び3、並びに図1〜5に関連して考察されるように、ゲルやトローチ(lozenges)など、現在市販されている非侵襲性の投与手段より高い溶解及び浸透の速度をも、提供する。
【0022】
ODFの速効性の特徴は、所望の麻酔薬効果の迅速な作用発現を助ける。背景技術の章で考察した通り、ODFが速効性であることは、歯科手順を可能な限り短くかつ効率的にし、疼痛からの緩和を迅速に提供して、医師と患者の両方、特に歯科手順に嫌悪を抱く患者に有益であるので、望ましい。速効性の特性は、リドカインの多回投与が必要な場合に、なおより重要になる。
【0023】
本発明のODFの別の利点は、ODF形態が、投与部位及び投与目的をより上手く標的するために、その大きさ及び形状をカスタマイズすることを可能にすることである。その上、本明細書中に記載されたODFは、わずかな全身吸収しか伴わずに局所的高用量を送達すること、局所麻酔薬の全身吸収に関連する副作用を最小化することを可能にする。
【0024】
1つの実施形態において、リドカインは、リドカイン遊離塩基の形態である。他の実施形態において、局所麻酔薬は、リドカインの任意の薬学的に許容し得る塩類及びプロドラッグ類、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、クエン酸塩又は硫酸塩であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書中で記載されるODFは、処方物の総重量の約10%から約60%までの局所麻酔薬を含む。より具体的には、本明細書中で記載されるリドカインODFは、処方物の総重量の約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%又は60%のリドカインを含む。
【0026】
本発明のリドカインODFは、1種以上のフィルム形成ポリマー類をさらに含む。フィルム形成ポリマー類は、好ましくは、1つ以上の以下の性状を有する:すぐに利用でき、安価で、親水性で、非毒性で、無味で、かつ低アレルギー性である。さらに、フィルム形成ポリマー類は、好ましくは、水などの溶媒中に容易に溶解し、そして口腔内で迅速に崩壊しそして溶解する。
【0027】
フィルム形成ポリマー類は、実施例1に関連してより具体的に考察されるように、本発
明のODFに、フィルム形成性、伸展性、均質性及び表面特性の平滑性などの重要な特性を与える。フィルム形成特性は、フィルム形成プロセスの結果としてのODFにおける破損のレベルに基づく。伸展特性は、正常な取扱い条件の間に通常起こるODFの引っ張り又は折り曲げの結果としてのODFにおける破損のレベルに基づく。均質特性は、フィルム形成プロセスの間に形成されるODFにおける層分離のレベルに基づく。表面特性の平滑性は、フィルム形成プロセスの間に形成されるODFにおける沈殿物又は気泡のレベルに基づく。
【0028】
上で挙げた好ましい特性の1つ以上を有する例示的なフィルム形成ポリマー類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロール(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、プルラン、ポビドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン及びこれらの誘導体類を含むが、これらに限定されない。HPMCの例は、約3cpから約100,000cpsまでの粘度を有するHPMCであり、より具体的には、HPMC 3cps、HPMC 6cps及びHPMC15cpsである。PVPの例は、PVP K−12〜PVP K−120、より具体的には、PVP K−30及びPVP K−90を含む。
【0029】
本発明のODFは、一次フィルム形成ポリマー(一次ポリマー)及び二次フィルム形成ポリマー(二次ポリマー)を含み得、ここで、一次ポリマーは、二次ポリマーと比較して同じかそれよりも大きい重量を含む。粘度及び分子量などの異なる特性を有する一次及び二次ポリマーの両方を適切な比率で含有することは、以下の実施例1並びに表1A及び1Bに関連して考察されるように、フィルム形成特性、均質性及び表面の平滑性などの望ましい特性を有するODFにおいて重要な役割を果たす。
【0030】
一次ポリマー対二次ポリマーの比は、重量%で約1:1から約20:1までの範囲に及んでもよい。特定の実施形態において、一次ポリマー及び二次ポリマーは、重量%で約1:1〜約10:1の比で存在する。いくつかの実施形態において、一次ポリマー及び二次ポリマーは、重量%で約1:1、2:1、3:1、3:2、4:1、5:1、5:2、5:3、6:1、7:1、8:1、9:1又は10:1の比で存在する。
【0031】
特定の実施形態において、一次ポリマー及び二次ポリマーの両方は、親水性であり、ここで、一次ポリマーは、HPC又はHPMCを含んでもよく、他方で、二次ポリマーは、HPC、HPMC、PVP及び/又はプルランを含んでもよい。より具体的には、いくつかの実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 6cps又はHPMC 15cpsを含み、他方、二次ポリマーは、HPMC 3cps、HPMC 6cps、PVK−30、PVK−90又はプルランを含む。他の実施形態において、一次ポリマーは、HPMC 15cpsを含み、他方で、二次ポリマーは、HPMC 3cps、HPMC 6cps、ポビドンK−30、ポビドンK−90又はプルランを含む。
【0032】
本発明のODFは、少なくとも1種の可塑剤をさらに含んでもよい。以下の実施例1において考察されるように、可塑剤は、これらがODFの伸展特性を改善してODFに可撓性を提供することにより、通常の取扱い条件下で起こり得る破損を最小化するので、重要な構成要素である。例示的な可塑剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、Tween 20、フタレート誘導体類(例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート)、シトレート誘導体類(例えば、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート、アセチルシトレート、クエン酸)、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、トリアセテート、トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、ソルビトール、ナトリウムジエチルスルホスクシネート及びヒマシ油を含み得る。いくつかの実施形態において、PEGの例は、PEG200からPEG35,000までの範囲に及び、より具体的には
、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000及びPEG400である(分子量測定は、Neira−Velazquez MG,Rodriguez−Hernandez MR,Hernandez−Hernandez
E,Ruiz−Martinez ARY.Polymer Molecular Weight Measurementにおいて記載されている方法論に従って行われる)。
【0033】
下の表2は、実施例1に関連して考察される、本発明のODFのいくつかの好ましい処方物を説明する。表2が説明する通り、特定の可塑剤と一緒であると、フィルム形成ポリマー類の特定の組み合わせは、互いによりよく機能する。以下は、これらの実施形態の幾つかである:
【0034】
HPMC 6cpsを一次ポリマーとして含むいくつかの実施形態において、本発明のODFは、約500cpsを上回るが約2000cpsを下回る高粘度、及び約1000ダルトンを下回る低分子量を有する可塑剤を、さらに含む。このような高粘度及び低分子量を有する例示的な可塑剤は、グリセロールを含む。
【0035】
HPMC 15cpsを一次ポリマーとして含む他の実施形態において、本発明のODFは、200cpsを下回るが3cpsを上回る低粘度、及び約5000ダルトンを上回るが約5,000,000ダルトンを下回る高分子量を有する可塑剤を、さらに含む。このような低粘度及び高分子量を有する例示的な可塑剤は、PEG6000を含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、一次ポリマーがHPMC 6cpsであり、二次ポリマーがプルラン又はHPMC 3cpsであり、そして可塑剤がグリセロールであり、約3:1:1の重量比で存在する。
【0037】
いくつかの実施形態において、一次ポリマーがHPMC 6cpsであり、二次ポリマーがPVP k−90であり、そして可塑剤がPEG4000であり、約7:1:2の重量比で存在する。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態において、一次ポリマーがHPMC 15cpsであり、二次ポリマーがHPMC 3cps又はHPMC 6cpsであり、そして可塑剤がグリセロール又はPEG6000であり、約2:2:1〜約7:1:2の重量比で存在する。
【0039】
いくつかの実施形態において、一次ポリマーがHPMC 15cpsであり、二次ポリマーがHPMC 3cps、HPMC 6cps又はプルランであり、そして可塑剤がPEG6000であり、約3:1:1の重量比で存在する。
【0040】
表2に列挙された第4の処方物を使用し、現在市販されている経口投与されるリドカイン錠剤、Trachisan Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH & Co.KF,Germany)並びにゲル、キシロカインゼリー2%(Recipharm Karlskoga AB,Sweden)とODFを比較した溶解及び浸透研究を実施した。この研究は、以下の実施例2及び3において、それぞれさらに詳細に考察される。溶解研究の結果は、本発明のODFをTrachisan Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH & Co.KF,Germany)と比較する図1〜4において示される。浸透研究の結果は、本発明のODFをキシロカインゼリー2%(Recipharm Karlskoga AB,Sweden)と比較する図5で示される。
【0041】
図1〜4が図示するように、ヒト消化系(GI system)の種々のpH条件をシミュレーションするための種々のpHの溶液中で本発明のリドカインODFは、投与後約5分〜約10分の間以内で、リドカインの約90%を放出することが可能であるが、他方で、錠剤は、リドカインの約90%を放出するために、約30分間を必要とする。加えて、図5は、本発明のODFが、投与の最初の5分の間に約0.8〜約1.7mg/cm2の間の浸透速度をもたらすこと(これは、ゲルより最大約3倍高い)を図示する。したがって、両研究は、本発明のODFが、Trachisan Sore Throat Lozenges及びキシロカインゼリーなどの現在市販されている経口投与されるリドカイン製品よりも早く溶解し、より高い速度で浸透することを図示する。
【0042】
さらに、上述の実施形態のいずれかは、任意の薬学的に許容し得るフィラーであってもよい、1種以上のフィラーをさらに含んでもよい。フィラーの例は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、粉糖、ケイ酸塩、デキストロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、カオリン、デンプン、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、粉末セルロース又は上記の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、フィラーは、マルトース、マンニトール、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、フィラーは、水溶性及び水不溶性のフィラーの混合物からなる。
【0043】
上述の実施形態のいずれかにおいて、提供される局所麻酔薬の口腔内崩壊フィルムは、1種以上の活性薬剤、例えば、薬学的薬剤、栄養補助薬剤、美容用薬剤、サプリメントを含み得る。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、フィルムの全ての構成成分の重量に基づいて、約0.001%から約60%までの量で含まれる。他の実施形態において、活性薬剤は、フィルムの全ての構成成分の重量に基づいて、約0.1%から45%までの量で含まれる。なお他の実施形態において、活性薬剤は、フィルムの全ての構成成分の重量に基づいて、約1%から40%までの量で含まれる。
【0044】
さらに、他の構成成分が、提供されるフィルムに加えられ得、甘味料、香味料、着色料、唾液刺激物(saliva stimulants)、矯味剤、界面活性剤、保存料、消泡剤、浸透増強剤、唾液刺激剤(saliva stimulating agents)、分散剤、緩衝剤、増粘剤、酵素阻害剤及び溶解補助剤を含むが、これらに限定されない。
【0045】
特定の実施形態において、提供されるフィルムは、甘味料を含む。甘味料は、おいしさを改善するために使用され得、通常、天然又は人工の甘味料に分類される。例示的な天然の甘味料は、デキストロース、フルクトース、グルコース、液体グルコース、マルトース、レビアナ(rebiana)、グリチルリチン、ソーマチン、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール、キシリトール及びエリスリトールを含むが、これらに限定されない。例示的な人工甘味料は、サッカリン、シクラメート、アスパルテーム、アセスルファム−K、スクラロース、アリテーム及びネオテームを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約0%〜約30%に相当する。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約0.1%〜約25%に相当する。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約1%〜約10%に相当する。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約1%〜約7%に相当する。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約1%〜約6%に相当する。特定の実施形態において、甘味料は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づいて、約1%〜約5%に相当する。
【0046】
特定の実施形態において、提供されるフィルムは、香味料を含む。香味料の例は、ペパーミントオイル、シナモンオイル、スペアミントオイル及びナツメグのオイルなどの香味油、並びにバニラ、ココア、コーヒー及びチョコレートから抽出された香味エッセンス、及びリンゴ、ラズベリー、サクランボ、パイナップル並びにオレンジ、レモン及びライムなどの他の柑橘類果実から得られる果実エッセンスを含むが、これらに限定されない。本発明において使用される甘味料の特定の例は、サッカリン、スクロース、フルクトース、グルコース、スクラロース及びマンニトールを含み得る。
【0047】
特定の実施形態において、提供されるフィルムは、着色料を含む。着色料は、特に、処方成分又は薬物が不溶性又は懸濁液の形態で存在する場合に、口腔フィルムの美的魅力を増強するために加えられてもよい。例示的な着色剤は、FD&C青色一号アルミニウムレーキ、FD&C黄色5号アルミニウムレーキ、FD&C黄色6号レーキなどの食品・医薬品及び化粧品(FD&C)色素、又は、薬学的組成物に添加する場合に色を付与する任意の他の薬学的に許容し得る色素添加剤を含み得るが、これらに限定されない。特定の実施形態において、着色剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0%〜約1%に相当する。特定の実施形態において、着色剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.001%〜約1%に相当する。
【0048】
当業者に周知の薬学的に許容し得る賦形剤又は添加物の他の例もまた、必要に応じて、場合により活性成分に添加されてもよい。
【0049】
特定の実施形態において、本発明のODFは、唾液刺激物(saliva stimulant)を含んでも良い。唾液刺激物は、口内分散性フィルムのより迅速な崩壊を促進するために、唾液産生の速度を上昇させるために添加され得る。例示的な唾液刺激物は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸及び酒石酸のような酸性化合物を含むが、これらに限定されない。他の実施形態において、いくつかの甘味料は、唾液刺激物として使用され得、グルコース、フルクトース、キシロース、マルトース及びラクトースを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、唾液刺激物は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0%〜約10%に相当する。特定の実施形態において、唾液刺激物は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0%〜約7%に相当する。特定の実施形態において、唾液刺激物は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0%〜約6%に相当する。特定の実施形態において、唾液刺激物は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約2%〜約6%に相当する。
【0050】
特定の実施形態において、提供されるフィルムは、矯味剤を含む。矯味剤は、フィルムの感覚刺激特徴をよくするために添加され得る。特定の実施形態において、矯味剤は、いくつかの構成成分の不快な味を隠すために使用されてもよい。例示的な矯味剤は、シクロデキストリン類、マルトデキストリン類、イオン交換樹脂類、アミノ酸類、ゼラチン、糊化デンプン、リポソーム類、レシチン類又はレシチン様物質及び塩類を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、矯味剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0%〜約15%を構成する。特定の実施形態において、矯味剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0%〜約10%に相当する。特定の実施形態において、矯味剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0%〜約7.5%に相当する。特定の実施形態において、矯味剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0%〜約5%に相当する。
【0051】
特定の実施形態において、本発明のODFは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、表面張力を低下させ、それによって、製品の乳化、発泡、分散、拡散及び湿潤の特性を増大する、表面活性薬剤である。例示的な食用界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート)、スクロースパルミテート、グリセリルモノオレエート、ビタミンE、ポリエチレングリコールスクシネート、プロピレングリコールモノラウレート、ミリスチルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体類、ラウリル硫酸ナトリウム及びプロピレングリコールジラウレートを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、界面活性剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.01%〜約5%に相当する。特定の実施形態において、界面活性剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.4%〜約0.7%に相当する。
【0052】
特定の実施形態において、本発明のODFは、フィルム形成ポリマーのための分散剤を含んでもよい。フィルム形成ポリマー類は、多くの場合、フィルム形成ポリマー分散の安定性を維持するための分散剤を含む溶液として供給される。例えば、ポリ酢酸ビニルは、ラウリル硫酸ナトリウム及びポビドンなどの分散剤とともに供給されてもよい。別の例として、メタクリレートコポリマーは、分散剤としてのマクロゴールセトステアリルエーテル及びラウリル硫酸ナトリウム、又はソルビン酸及び水酸化ナトリウムとともに供給されてもよい。(単数または複数の)分散剤は、代表的に、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0.001%〜10%の量で存在する。特定の実施形態において、分散剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0.01%〜8%の範囲に及ぶ量で存在する。特定の実施形態において、分散剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、0.1%〜5%の範囲に及ぶ量で存在する。特定の実施形態において、分散剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.001%〜約1%に相当する。特定の実施形態において、分散剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.04%〜約0.7%に相当する。特定の実施形態において、分散剤は、フィルムの全ての構成成分の乾燥重量に基づき、約0.01%〜約7.5%に相当する。
【0053】
特定の実施形態において、本発明のODFは、緩衝剤を含んでもよい。緩衝剤は、pHを操作するために添加され得る。pHは、処方物における構成成分の溶解性及び安定性に関与するが、また、口腔粘膜を通したその吸収性にも関与する。例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、アンモニア緩衝液、ホウ酸緩衝液、乳酸緩衝液、エタノールアミン緩衝液、グリシン緩衝液、メチオニン緩衝液、グルタミン酸緩衝液及びコハク酸緩衝液を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、pH緩衝液は、酸/酸塩系である。例示的な酸/酸塩系は、クエン酸/クエン酸塩類(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、クエン酸/リン酸塩類(例えば、リン酸ナトリウムアルミニウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム)、クエン酸/酒石酸塩類(例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム)、クエン酸/ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、クエン酸/リンゴ酸塩類(例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム)、クエン酸/マレイン酸塩類(例えば、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム)、酒石酸/クエン酸塩類(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、酒石酸/リン酸塩類(例えば、リン酸ナトリウムアルミニウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム)、酒石酸/酒石酸塩類(例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム)、酒石酸/ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、酒石酸/リンゴ酸塩類(リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム)、酒石酸/マレイン酸塩類(例えば、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム)、ホウ酸/クエン酸塩類(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、ホウ酸/リン酸塩類(例えば、リン酸ナトリウムアルミニウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム)、ホウ酸/酒石酸塩類(例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム)、ホウ酸/ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、ホウ酸/リンゴ酸塩類(例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム)、ホウ酸/マレイン酸塩類(例えば、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム)、リンゴ酸/クエン酸塩類(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、リンゴ酸/リン酸塩類(例えば、リン酸ナトリウムアルミニウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム)、リンゴ酸/酒石酸塩類(例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム)、リンゴ酸/ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、リンゴ酸/リンゴ酸塩類(例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム)、リンゴ酸/マレイン酸塩類(例えば、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム)、マレイン酸/クエン酸塩類(例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、マレイン酸/リン酸塩類(例えば、リン酸ナトリウムアルミニウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム)、マレイン酸/酒石酸塩類(例えば、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム)、マレイン酸/ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、マレイン酸/リンゴ酸塩類(例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム)、マレイン酸/マレイン酸塩類(例えば、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、緩衝系は、フィルムの重量の約0%〜約15%に相当する。特定の実施形態において、緩衝系は、フィルムの重量の0%〜約10%に相当する。特定の実施形態において、緩衝系は、フィルムの重量の約0%〜約7.5%に相当する。
【0054】
口腔内崩壊フィルムの調製
本発明はまた、図6によって図示される本発明のODFを調製するための方法も提供する。この方法は、好ましくは、適切な量及び比の一次及び二次フィルム形成ポリマー類並びに可塑剤を、水中に溶解する工程を含む。有機溶媒は必要ないことに留意されたい。実際、本発明のODFの製造は何ら有機溶媒を必要としない、何故なら、本発明のフィルム形成ポリマー類は、水中に容易に溶解するからである。少量の有機溶媒でさえヒトに有毒であり得るので、ODFの製造において有機溶媒を避けることは、有益である。HPMCは、名を挙げられた他のフィルム形成ポリマー類よりも、ODFの製造の間により容易に溶解する親水性ポリマーであり、より容易に入手でき、そしてより安くはない(less
inexpensive)ので、フィルム形成ポリマーとして特に好適である。
【0055】
次に、リドカイン又はその塩、例えば塩酸リドカインもまた、溶液中に溶解される。製造時間を節約するために、次いで、溶液は、気泡を消す補助である音波処理を受けてもよい。
【0056】
溶液を、親水性フィルム形成ポリマー類が完全に溶解し均質な混合物が得られるまで、回転下で保つ。溶液は、このようにして調製され、プレキャスト混合物を形成する。次に、溶液は、好適なキャリア材料の表面に移され、乾燥させられて、ODFを形成する。好適なキャリア材料の例は、非シリコン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、非シリコン処理紙、ポリエチレン含浸クラフト紙、又は非シリコン処理ポリエチレンフィルムである。キャリア材料上への溶液の移動は、任意の従来型のフィルムコーティング装置を用いて実施されてもよい。フィルムの乾燥は、好ましくは、乾燥オーブン、乾燥トンネル、真空、ドライヤー又は当業者に公知の任意の他の好適な乾燥装置を用いた高温空気浴において実施され得る。例えば、所望の厚みでありかつ所望の大きさに切断され得る経口投与可能なフィルムを形成するために、フィルムは、約80℃にて約20分間にわたりオーブン内で乾燥させられてもよい。
【0057】
なお別の実施形態において、この方法は、フィルムを調製する方法において、一種以上の香味料、甘味添加剤及び着色剤などの他の成分を添加して、薬理学的活性薬剤、親水性フィルム形成ポリマー類及び水溶性可塑剤類に溶解するか又は混合する工程をさらに含んでもよい。
【0058】
口腔内崩壊フィルムの使用
本明細書中で記載される口腔内崩壊フィルムは、口腔外科手術、抜歯、根管などの歯科手順のため、並びに歯痛、口腔内潰瘍、口唇ヘルペス又は生歯によっておこる疼痛を軽減するための局所麻酔薬を含むがこれに限定されない種々の状況において、有益であり得る。本明細書中で記載されるODFは、疼痛を緩和、消失又は予防する口腔外科手術もしくは歯科処置のために痛む領域又は場所の部位において、又は隣接して、経口で投与され得る。好ましい実施形態において、ODFは、口腔粘膜を通る分散によってその局所麻酔効果を発揮し、それにより、局所麻酔薬投与の代替の経路を提供し、そして口唇ヘルペスからの短期間の局所的な疼痛を緩和するよう設計される。本発明のODFは、1日に1回又は多数回投与され得る。
【0059】
特定の実施形態において、提供されるフィルムは、口腔粘膜又は他の粘膜に投与され得、そこで、これらは唾液及び/又は粘膜表面上の他の水性物質によって迅速に崩壊する。特定の実施形態において、崩壊の際、提供されるフィルムは、1種以上の薬剤(例えば、薬学的薬剤、栄養補助薬剤、サプリメント又は美容用薬剤)を粘膜へ放出する。提供されるフィルムは、治療有効量の薬剤を送達するような様式で、投与され得る。
【0060】
1つの実施形態において、本発明のリドカインODFは、ODF1枚あたり約24mgのリドカインを含む。本明細書中で記載されるフィルムの1日の使用総量は、正しい医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得る。任意の特定の患者又は器官についての具体的な治療有効用量レベルは、処置される障害及び障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別及び食餌;投与の時間、投与の経路及び使用される特定の化合物の排出速度;処置の期間;使用される特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物;などの医学分野で周知の因子(例えば、Goodman and Gilman’s,“The Pharmacological Basis of Therepeutics”,第10版,A.Gilman,J.Hardman及びL.Limbeird編,McGraw−Hill Press,155−173,2001を参照されたい)を含む種々の因子に依存する。
【0061】
以下の例示的な実施例は、本発明を説明することを補助することを意図されており、本発明の範囲を限定することを意図されず、そのように解釈されるべきでもない。実際、本明細書中で示されそして記載されたものに加えて、本発明の種々の変更及びその多くのさらなる実施形態が、以下の実施例及び本明細書中で引用された科学及び特許の文献への言及を含む本文書の全内容から、当業者に明らかとなる。そうでないと示されない限り、本明細書中で引用された各引用文献の全内容は、技術水準を説明することを補助するために、参考によって本明細書中に組み込まれる。以下の実施例は、本発明をその種々の実施形態及びその均等物において実施するために改変され得る重要なさらなる情報、例示及び手引きを含む。
【0062】
本発明のある特定の実施形態を説明することを意図されるが、特許請求の範囲によって定義されるその範囲を限定することを意図されない以下の実施例を考慮して、本発明のこれら及び他の局面がさらに理解される。
【実施例1】
【0063】
実施例1:ODF特性に対するフィルム形成ポリマー類及び可塑剤の影響
フィルム形成ポリマー類及び可塑剤、並びにODFにおけるそれらのそれぞれの重量%は、ODFの特性に実質的に影響を及ぼす。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポビドン(PVP)、プルラン及び/又はポリビニルアルコール(PVA)などのフィルム形成ポリマー類をグリセロール、Tween 20、PEG400、PEG4000及び/又はPEG6000などの可塑剤と組み合わせて用いる種々の処方物を、研究において試験し、評価した。
【0064】
ODFの特性を、4つの特性に基づいて評価した:A.フィルム形成、B.フィルム伸展性、C.フィルム均質性及びD.フィルム表面の平滑性。フィルム形成特性結果を数値化するために、1の評点はフィルムにおける破損の兆候がないことを示し、0の評点はフィルムにおける破損の存在を示す。フィルム伸展性結果を数値化するために、1の評点は、引っ張り及び折り曲げの際に破損の兆候がないことを示し、0の評点は引っ張り及び折り曲げの際の破損の存在を示す。フィルム均質性結果を数値化するために、1の評点は層分離の兆候がないことを示し、0の評点は層分離の存在を示す。表面の平滑性結果を数値化するために、1の評点は沈澱又は気泡の非存在を示し、0の評点は沈澱又は気泡の存在を示す。表1Aは、試験したリドカインODFの処方物及びその結果の例を列挙する。
【0065】
研究を、1種のフィルム形成ポリマーのみを有するODFにおいて行った。以下の表1Aが図示する通り、1種のフィルム形成ポリマーのみを含むODFは、4点に達した処方物が1つもないので失敗であり、別のフィルム形成ポリマーなどの他の成分は、成功のODFを作製するために必要であるかもしれないことを示す。しかし、この結果は、HPC及びHPMCはより高い評点を得る傾向があることを示している。
【0066】
【表1A】
【0067】
HPC及びHPMCを一次ポリマーとして採用し、一次及び二次ポリマーを含む処方物を用いてさらなる研究を行った。より首尾よい結果のいくつかを、以下の表1Bにまとめる。表1Bにおいて示されるように、一次及び二次ポリマーの含有は、いくつかのより良い結果をもたらしたが、得られたODFは、なお伸展特性に欠けていた(B欄)。
【0068】
【表1B】
【0069】
伸展性の問題を克服するために、より高い分子量PEG(PEG4000もしくはPEG6000)又は低分子量PEG(PEG400)、グリセロール及びTween 20などの可塑剤を、処方物中に組み込んだ。ポリマーの存在下で可塑剤を処方物へ組み込むことは、得られたODFを実質的に改善させた。表2は、より首尾よい処方物のいくつかを列挙する。
【0070】
【表2】
【0071】
全ての試験したポリマー類の中で、HPMC、ポビドン(PVP)及びプルランが、ODF作製における使用のために好適であるようである。好ましくは、HPMC 6cps及びHPMC 15cpsが、一次ポリマーとして使用され得る。ODFの調製の章で示されたように、HPMCポリマー類は、詳細には、本明細書で名を挙げられた他のフィルム形成ポリマー類と比較して、より低いコストのさらなる利点を提供し、容易に入手でき、そして水中へのより迅速な溶解特性を提供する。したがって、いくつかの実施形態において、HPMCポリマー類は、一次及び二次ポリマーの両方について使用され得る。好適な可塑剤は、PEG6000、PEG4000、PEG400、グリセロール及びTween 20を含む。
【0072】
上の表1Bにおける処方物4のリドカインODFを、リドカイン錠剤Trachisan Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH & Co.KF,Germany)及びゲル、キシロカインゼリー2%(Recipharm Karlskoga AB,Sweden)と比較するために、以下の2つの実施例において、溶解研究及び浸透研究を行った。
【実施例2】
【0073】
実施例2:リドカインODFのインビトロ溶解研究
USP装置IIV(回転バスケット装置)において、37.0±0.5℃にて溶解媒体として0.1N HCl(pH1.2)、リン酸緩衝液(pH4.5及び6.8)並びに水を用いて、1分間に50回転(rpm)にて、フィルムの溶解研究を行い、胃、十二指腸及び空腸におけるインビボ条件をシミュレーションした。
【0074】
リドカインODF及び錠剤Trachisan Sore Throat Lozenges(Engelhard Arzenimittel GmbH & Co.KF,Germany)を、溶解媒体中に置いた。サンプルの5mlアリコートを、1時間にわたり、3、6、9、12、15、30、45及び60分にて収集した。アリコートを、230nm波長にてUV分光光度計を用いて、薬物含量についてアッセイした。累積された薬物放出百分率を計算し、図1〜4において示す溶解プロフィールを確立した。
【0075】
全ての実験を、それぞれN=3回行った。溶解プロフィールは、わずかなリドカイン含量変動に起因して、100%の僅かに上又は下でプラトーとなり得る。全ての場合において、溶解プロフィール曲線がプラトーに達することは、溶解の完了を示すべきである。溶解研究の結果(図1〜4)は、リドカインODFが約5〜約10分以内にリドカインの90%を放出することができるが、他方、錠剤は、リドカインの90%を放出するために約30分を要することを明らかにした。
【実施例3】
【0076】
実施例3:リドカインODFの浸透研究
フィルムのインビトロ浸透研究を、経皮フランツ型拡散セルを用いることにより行い、ここで、ドナー区画から人工皮膚を通してレシピエント区画へのリドカインODF及びゲル、キシロカインゼリー2%(Recipharm Karlskoga AB,Sweden)の分散を、口腔粘膜を通した薬物分散をシミュレーションするために使用した。レセプター区画を、脱イオン水で37.0±0.5℃に調整し、口腔内の生理学的環境をシミュレーションした。0.99〜1mlの3つのサンプル(N=3)を、HPLC分析のために、1時間にわたり、5、10、15、20、30及び60分にて収集した。図5は、リドカインODFはゲルよりも実質的に高い浸透速度を有することを実証する浸透結果を図示する。例えば、図5は、30分の評価においてリドカインODFの浸透は、ゲルのそれの約2倍であることを示す。
【0077】
本発明は、特定の例示的な実施形態及び実施例の観点で記載されているが、上述の実施例に対する変更が、その広範な発明の概念から逸脱することなく成され得ることが、当業者によって理解され得る。したがって、本発明は、開示される特定の実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲の中での改変に及ぶことが意図されることが、理解される。
【0078】
先に述べた一般的説明及びそれに続く詳細な説明の両方は、例示及び説明でしかなく、特許請求される本発明を制限しないことが、理解される。
【0079】
これら及び他の変更は、詳細な説明に照らして、技術に対して成され得る。一般に、以下の開示において使用される用語は、上述の詳細な説明が明示的にこのような用語を定義しない限り、本明細書中で開示される特定の実施形態に対し技術を制限すると解釈されるべきではない。したがって、技術の実際の範囲は、開示される実施形態及び技術を実践又は実施する全ての均等な方法を包含する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】