(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523278
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】乳製品およびプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07H 3/06 20060101AFI20190726BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20190726BHJP
   A61K 35/20 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20190726BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20190726BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20190726BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20190726BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20190726BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !C07H3/06
   !A23L33/125
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   !A61K38/16
   !A61P43/00 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】55
(21)【出願番号】2019504767
(86)(22)【出願日】20170728
(85)【翻訳文提出日】20190128
(86)【国際出願番号】IB2017054610
(87)【国際公開番号】WO2018020473
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】722642
(32)【優先日】20160728
(33)【優先権主張国】NZ
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518224680
【氏名又は名称】フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド
【住所又は居所】ニュージーランド国,オークランド 1010,オークランド セントラル,ファンシャーウ ストリート 109
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】アラン デイビッド ウェルマン
【住所又は居所】ニュージーランド国,パーマストン ノース,フィッツハーバート,デイリー ファーム ロード
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー スティーブンズ
【住所又は居所】ニュージーランド国,パーマストン ノース,フィッツハーバート,デイリー ファーム ロード
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ポール マクジャロウ
【住所又は居所】ニュージーランド国,パーマストン ノース,フィッツハーバート,デイリー ファーム ロード
(72)【発明者】
【氏名】バートラム イン フォング
【住所又は居所】ニュージーランド国,パーマストン ノース,フィッツハーバート,デイリー ファーム ロード
(72)【発明者】
【氏名】ピン ワン
【住所又は居所】オーストラリア国,ニューサウスウェールズ 2217,コガラー,ニューサウスウェールズ,トレイナー アベニュ 26
【テーマコード(参考)】
4B018
4C057
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB07
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4C086MA04
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4C087ZC37
4C087ZC39
4C087ZC52
4C087ZC75
(57)【要約】
シアリルオリゴ糖、炭水化物およびミネラルも含有するシアリルオリゴ糖含有供給源を生成する方法。このプロセスは、供給源を約67℃からの温度に付し、(i)約35〜約95℃の温度で耐熱フィルターを用いたろ過に付して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成するか、または(ii)遠心分離に付して、軽質相と重質相とを生成し、約50〜約70℃の温度で軽質相をろ過して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成することと、(b)第1の透過液をナノろ過に、または第1の透過液をナノろ過およびダイアフィルトレーションに付して、第2のリテンテートおよび第2の透過液を生成することと、(c)第2のリテンテートを濃縮して、シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成することと、を含む。さらに、本発明は、少なくとも3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを含むシアリルオリゴ糖に富む組成物、ならびに例えば栄養製剤および乳児用調整乳における、また認知機能を維持または改善するためのその使用に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアリルオリゴ糖、炭水化物およびミネラルを含む液体供給源からシアリルオリゴ糖を生成する方法であって、前記液体供給源を、
a)前記液体供給源を約67℃の温度に加熱することと、
b)熱処理された前記液体供給源を、
i)約35〜約95℃の温度で耐熱フィルターを用いたろ過工程に付して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成するか、または
ii)遠心分離に付して、軽質相と重質相とを生成し、約50〜約70℃の温度で前記軽質相をろ過して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成することと、
c)前記第1の透過液をナノろ過に、またはナノろ過およびダイアフィルトレーションに付して、第2のリテンテートおよび第2の透過液を生成することと、
d)前記第2のリテンテートを濃縮して、
シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成することと、を含むプロセスに付すことにより、生成する方法。
【請求項2】
前記(b)(i)のろ過工程が、約50〜約90℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(b)(i)のろ過工程が、約50〜約70℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記耐熱フィルターがセラミックフィルターである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記(b)(ii)のろ過工程が、約55〜約70℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記(b)(ii)のろ過工程が、約60〜約70℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記(b)(ii)のろ過工程が、耐熱フィルターを使用して行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記耐熱フィルターがセラミックフィルターである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記液体供給源が、2つ以上のシアリルオリゴ糖含有流れの組み合わせを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記液体供給源は、ラクトース結晶化の副産物としての母液、乳製品透過液、乳清、乳清透過液、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱処理が、約67〜約100℃の温度で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記液体供給源の前記熱処理が、約2〜約20分間行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記液体供給源の前記熱処理が、前記液体供給源中に存在する前記ミネラルの約2%〜約10%を沈殿させる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法工程。
【請求項14】
前記第1の透過液が、
前記液体供給源中の前記ミネラルの約96%未満および/または
前記液体供給源中のタンパク質の約20%未満を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のリテンテートが、
前記液体供給源中の前記ミネラルの少なくとも約3%、および/または
前記液体供給源中の前記タンパク質の少なくとも約80%を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ろ過工程が、前記液体供給源と比較したときに、前記第1の透過液中の不溶性ミネラルおよびタンパク質の量の減少をもたらす、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記耐熱フィルターが、セラミックフィルターである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱処理された液体供給源を、セラミックフィルターを用いた限外ろ過に付する、請求項18に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのグリコシドヒドロラーゼまたはポリメラーゼ酵素反応を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
a)前記耐熱フィルターからの前記ろ過工程の前記第1の透過液、
b)前記軽質相、
c)濃縮された前記第2のリテンテート、または
d)(a)〜(c)のいずれか2つ以上の組み合わせ、
を酵素反応に付する、請求項20に記載の方法。
【請求項21】
前記酵素反応は、
●前記供給源中の少なくとも1種の二糖の分子サイズを増大させて、少なくとも1種のオリゴ糖を生成するか、または
●前記供給源中の少なくとも1種の二糖の分子サイズを減少させて、1種以上の単糖を生成する、請求項20または21に記載の方法。
【請求項22】
前記酵素は、β−ガラクトシダーゼを含む、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記二糖は、ラクトースを含む、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記単糖は、ガラクトースまたはグルコースを含む、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記オリゴ糖は、1種以上のガラクトオリゴ糖を含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記軽質相のろ過が限外ろ過である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記限外ろ過は、約50℃〜約70℃、好ましくは約55℃〜約65℃の温度で行われる、請求項27に記載の方法。
【請求項28】
前記ナノろ過は、約25℃〜約55℃、好ましくは約50℃の温度で行われる、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の透過液が可溶性ミネラルと少なくとも1つの単糖または二糖とを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のリテンテートは、
前記第1の透過液中の前記ミネラルの約70%未満、または
前記第1の透過液中の前記非シアリルオリゴ糖の糖の約50%未満、を含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第2のリテンテートが、
a)少なくとも約7重量%のシアリルオリゴ糖と、
b)少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
c)約5重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と、
d)約80重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖と、
e)約5重量%未満の灰分と、を含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の透過液が、
第1の透過液中の前記ミネラルの少なくとも約30%、または
第1の透過液中の前記非シアリルオリゴ糖の糖の少なくとも約50%を含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のリテンテートを、ナノろ過または逆浸透のいずれかに付して第3のリテンテートを生成する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
濃縮された第2のリテンテート、または第3のリテンテートを脱色に付する、請求項34に記載の方法。
【請求項35】
さらに、
●前記シアリルオリゴ糖含有抽出物を結晶化に付して結晶化シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成するステップと、
●前記シアリルオリゴ糖含有抽出物または結晶化シアリルオリゴ糖含有抽出物を乾燥させて、乾燥シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成するステップと、を含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記シアリルオリゴ糖含有抽出物が、乾燥固形分ベースで
●少なくとも約7重量%のシアリルオリゴ糖と、
●少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
●約5重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と、
●約80重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖と、
●約5重量%未満の灰分と、を含む、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記シアリルオリゴ糖含有抽出物が、乾燥固形分ベースで、
●少なくとも約5重量%の3’−シアリルラクトースと、
●少なくとも約2重量%の6’−シアリルラクトースと、を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法により生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物。
【請求項39】
シアリルオリゴ糖に富む組成物であって、乾燥固形分ベースで、
●少なくとも約5重量%の全シアリルオリゴ糖であって
i)全シアリルオリゴ糖の少なくとも約5重量%の3’−シアリルラクトース、
ii)全シアリルオリゴ糖の少なくとも約2重量%の6’−シアリルラクトース、
iii)全シアリルオリゴ糖の少なくとも約0.01重量%のジシアリルラクトース、
iv)全シアリルオリゴ糖の少なくとも約0.01重量%のシアリルラクトサミンを含む、全シアリルオリゴ糖と、
●少なくとも約0.5重量%の遊離シアル酸と、
●少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
●約25重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と、
●約80重量%未満のシアリルラクトースを含まない糖と、
●約5重量%未満の灰分と、を含む、組成物。
【請求項40】
乾燥固形分ベースで、6’−シアリルラクトースの量に対してより多い量の3’−シアリルラクトースを含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項41】
約65:1〜約1.5:1、約15:1〜約1.5:1、または約8:1〜約1.5:1の比で3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを含む、請求項40または41に記載の組成物。
【請求項42】
請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、または請求項40〜42のいずれか一項に記載のシアリルオリゴ糖に富む組成物を含む栄養製剤。
【請求項43】
前記栄養製剤は、乳児用調整乳、後続調整乳、成長期調整乳、小児用調整乳、人乳強化剤、子供用飲食物、母体サプリメント、母体栄養製剤、発酵食品、UHTミルク、UHTドリンクヨーグルト、酸性乳飲料、UHT粉末、医療用食品、スポーツ栄養製剤、または高齢者または老齢者向け製剤である、請求項43に記載の栄養製剤。
【請求項44】
1種以上の乳製品脂質、1種以上のガラクトオリゴ糖、1種以上のプロバイオティック株、1種以上のタンパク質加水分解物、ラクトフェリン、乳脂肪球皮膜(MFGM)製剤、またはこれらの任意の2つ以上の組み合わせをさらに含む、請求項43または44に記載の栄養製剤。
【請求項45】
前記乳製品脂質が、バターミルク、高脂肪乳清タンパク質濃縮物、β−血清、バター血清、またはこれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせを含む、請求項45に記載の栄養製剤。
【請求項46】
前記プロバイオティック株が、Bifidobacterium lactisもしくはLactobacillus rhamnosus株、またはBifidobacterium lactisとLactobacillus rhamnosusの両方の組み合わせを含む、請求項45または46に記載の栄養製剤。
【請求項47】
前記Bifidobacterium lactis株が、Bifidobacterium lactisHN019(DR10(商標))を含む、請求項47に記載の栄養製剤。
【請求項48】
前記Lactobacillus rhamnosus株が、Lactobacillus rhamnosusHN001(DR20(商標))を含む、請求項47に記載の栄養製剤。
【請求項49】
10:1〜約1.5:1の3’−シアリルラクトース対6’−シアリルラクトースの比で、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとを含む、6ヶ月齢未満の乳児に栄養を提供するための組成物。
【請求項50】
約10:1〜約1.5:1のシアリルラクトース対6’−シアリルラクトースの比で、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとを含む、約6ヶ月〜約12ヶ月齢の乳児に栄養を提供するための組成物。
【請求項51】
約10:1〜約1.5:1のシアリルラクトース対6’−シアリルラクトースの比で、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとを含む、12ヶ月齢以上の乳児に栄養を提供するための組成物。
【請求項52】
脳機能もしくは脳発達を維持または増強することに使用するための、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法、または請求項40〜42もしくは50〜52のいずれか一項に記載された方法により生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物もしくは組成物、または請求項43〜49のいずれか一項に記載の栄養製剤。
【請求項53】
脳機能もしくは脳発達を維持または増強する非治療的方法であって、他の点では健康な対象において、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法によって生成された有効量のシアリルオリゴ糖含有抽出物、請求項40〜42もしくは50〜52のいずれか一項に記載された組成物、または請求項43〜49のいずれか一項に記載の栄養製剤を投与することを含む、方法。
【請求項54】
前記シアリルオリゴ糖含有抽出物が、
a)シアル酸の1つ以上の構造的複合糖質、
b)遊離シアル酸、または
c)(a)と(b)の両方、を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項55】
前記抽出物、組成物または栄養製剤は、
a)脳発達の遅延を治療または予防する、
b)神経細胞の生存能力または機能を維持する、
c)認知発達を維持または増強する、
d)認知発達の遅延を予防する、
e)認知能力を維持または増強する、
f)認知機能低下を予防する、
g)学習、記憶力、または注意持続時間を維持または増強する、
h)学習能力、記憶力または注意持続時間の低下を予防する、
i)ストレスに対処する能力を維持または増強する、
j)脳機能の低下を予防する、
k)脳内のガングリオシドレベルを維持または増強する、
l)神経細胞接着分子(NCAM)のレベルを維持または増強する、
m)脳への血液、栄養素または酸素の流れを維持または増強する、
n)シナプス形成を維持または増強する、
o)腸/脳軸の活動を維持または増強する、
p)高齢の脳で神経新生を維持または増強する、
q)白質量を維持または増強する、または
r)a)〜q)のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、のために投与される請求項54または55に記載の方法。
【請求項56】
前記対象が、胎児、乳児または子供の対象である、請求項54〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記抽出物、組成物または栄養製剤を、胎児対象の脳機能または発達を維持または増強するために、妊娠中に母親に投与する、請求項54〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記抽出物、組成物または製剤を、乳児対象における脳機能または発達を維持または増強するために、母乳育児中の母親に投与する、請求項54〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、または血管性認知症、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療する方法であって、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、請求項33〜36または44〜46のいずれか一項に記載の抽出物もしくは組成物、または請求項37〜43のいずれか一項に記載の栄養製剤の有効量をそれを必要とする対象に対して投与することを含む、方法。
【請求項60】
加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の暴露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に伴う認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系の障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症もしくは血管性認知症、乳児期発症重度発育遅延(N−アセチルノイラミン酸をコードする遺伝子の突然変異関連性の)および縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療するための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、請求項40〜42または50〜52のいずれか一項に記載の組成物、または請求項43〜49のいずれか一項に記載の栄養製剤。
【請求項61】
加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の暴露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に伴う認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系の障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症もしくは血管性認知症、または乳児期発症重度発育遅延(N−アセチルノイラミン酸をコードする遺伝子の突然変異関連性の)および縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療するための製剤の製造における、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、または請求項33〜36もしくは44〜46のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアリルオリゴ糖、シアリルオリゴ糖に富む組成物を得る方法、および脳の機能または発達を維持または増強するためのシアリルオリゴ糖の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物の乳の組成は、乳児または小児の正常な成長および発達を支えることを特に目標としている(International Code of Marketing Breastmilk Substitutes,World Health Organisation,Geneva,1981)。
【0003】
母体用調整乳、乳児用調整乳、後続調整乳、成長期調整乳、食事療法用製品および他の乳製品含有組成物は、典型的には非人乳を用いて生成される。しかしながら、人乳の栄養組成は、ある点で非人乳の栄養組成と異なる。ウシ、ヤギまたはヒツジの乳のような非ヒト全乳は、人乳とは全く異なるミルクオリゴ糖の補体を含む。
【0004】
最適な認知発達と成長は、乳幼児発達の重要な部分である。認知発達障害は生活の質に重大な影響を及ぼすことは疑うべくもない。さらに、成長が制限されていると、長期的な健康に悪影響があることが示される。したがって、認知発達を増強しまたは健康な成長を維持することが示されている任意の薬剤は乳幼児のために幅広い利益をもたらすであろう(Bryan et al.,(2004).Nutrients for cognitive development in school−aged children.Nutr Rev 62:295−306).
【0005】
認知機能低下は学習能力、記憶および注意持続時間の低下を特徴とし、高齢者に広範に見られる。認知機能低下を予防または遅延させるあらゆる薬剤は、高齢者の生活の質に広範な利益をもたらすであろう。
【0006】
本発明の目的は、シアリルオリゴ糖、シアリルオリゴ糖に富む組成物を得る方法、および脳の機能または発達を維持または増強するためのシアリルオリゴ糖の使用を提供すること、あるいは少なくとも公衆に有用な選択を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
第一の態様において、本発明は、シアリルオリゴ糖、炭水化物およびミネラルを含む液体供給源からシアリルオリゴ糖を生成する方法を提供するものであり、液体供給源を、
a)液体供給源を約67℃の温度に加熱することと、
b)熱処理された液体供給源を、
(i)約35〜約95℃の温度で耐熱フィルターを用いたろ過工程に付して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成するか、または
(ii)遠心分離に付して、軽質相と重質相とを生成し、約35〜約95℃の温度で耐熱フィルターを用いた軽質相をろ過して、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成することと、
c)第1の透過液をナノろ過に、またはナノろ過およびダイアフィルトレーションに付して、第2のリテンテートおよび第2の透過液を生成することと、
d)第2のリテンテートを濃縮して、
シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成することと、を含むプロセスに付すことにより、生成する方法を提供する。
【0008】
さらなる態様において、本発明は、乾燥固形物ベースで、
●少なくとも約5重量%の全シアリルオリゴ糖であって
○全シアリルオリゴ糖の少なくとも約5重量%の3’−シアリルラクトース、
○全シアリルオリゴ糖の少なくとも約2重量%の6’−シアリルラクトース、
○全シアリルオリゴ糖の少なくとも約0.01重量%のジシアリルラクトース、
○全シアリルオリゴ糖の少なくとも約0.01重量%のシアリルラクトサミンを含む、全シアリルオリゴ糖と、
●少なくとも約0.5重量%の遊離シアル酸と、
●少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
●約25重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と、
●約80重量%未満のシアリルラクトースを含まない糖と、
●約5重量%未満の灰分と、を含む、シアリルオリゴ糖に富む組成物に関する。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、3’−シアリルラクトース対6’−シアリルラクトースとして、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースおよびシアリルラクトサミンを約10:1:0.5〜約1.5:1:0.03の比で含む、6ヶ月齢未満の乳児に栄養を提供するための組成物に関する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、3’−シアリルラクトース対6’−シアリルラクトースとして、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースおよびシアリルラクトサミンを約10:1:0.5〜約1.5:1:0.03の比で含む、約6ヶ月〜約12ヶ月齢の乳児に栄養を提供するための組成物に関する。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、3’−シアリルラクトース対6’−シアリルラクトースとして、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースおよびシアリルラクトサミンを約10:1:0.5〜約1.5:1:0.03の比で含む、12ヶ月齢以上の乳児に栄養を提供するための組成物に関する。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、加齢関連認知機能低下のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を、またはアルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、もしくは血管性認知症のいずれか1つ以上に関連する認知障害を治療する方法であって、シアリルオリゴ糖含有抽出物の有効量を投与することを含む、方法に関する。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「治療すること」は、予防すること、遅延させること、または改善することを含む。
【0014】
以下の実施形態のうちの任意の1つ以上のものは、本明細書に記載の任意の態様またはそれらの任意の組み合わせに関連し得る。
【0015】
好ましくは、液体供給源は、2つ以上のシアリルオリゴ糖含有流れの組み合わせを含む。
【0016】
好ましくは、液体供給源は、ラクトース結晶化の副生成物としての母液、乳製品透過液、乳清、乳清透過液、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。
【0017】
好ましくは、熱処理は約67〜約100℃の温度で行われる。
【0018】
好ましくは、液体供給源の熱処理は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20分間行われ、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0019】
好ましくは、液体供給源の熱処理は、液体供給源中に存在するミネラルの約2、3、4、5、6、7、8、9または10%を沈殿させ、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0020】
好ましくは、第1の透過液は
液体供給源中のミネラルの約96%未満、および/または
液体供給源中のタンパク質の約20%未満を含む。
【0021】
好ましくは、第1のリテンテートは
液体供給源中のミネラルの少なくとも約3%、および/または
液体供給源中のタンパク質の少なくとも約80%、を含む。
【0022】
好ましくは、ろ過工程は、液体供給源と比較した場合、第1の透過液中の不溶性ミネラルおよびタンパク質の量の減少をもたらす。
【0023】
好ましくは、(b)(i)のろ過工程は、約50、55、60、65、70、75、80、85または90℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成し、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0024】
好ましくは、(b)(i)の耐熱フィルターはセラミックフィルターである。
【0025】
好ましくは、(b)(ii)のろ過工程は、約55、60、65、または約70℃で行われて、第1のリテンテートおよび第1の透過液を生成し、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0026】
好ましくは、(b)(ii)のろ過工程は、耐熱フィルターを用いて行われる。
【0027】
好ましくは、(b)(ii)の耐熱フィルターはセラミックフィルターである。
【0028】
好ましくは、熱処理された液体供給源は、セラミックフィルターを用いた限外ろ過に付される。
【0029】
好ましくは、セラミック限外ろ過は約50、55、60、65、70、75、80、85または90℃の温度で行われ、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。好ましくは、セラミック限外ろ過は約60℃〜約80℃の温度で行われる。
【0030】
好ましくは少なくとも1つのグリコシドヒドロラーゼまたはポリメラーゼ酵素反応。
【0031】
好ましくは
a)第1の透過液
b)軽質相、
c)濃縮された第2のリテンテート、または
d)(a)〜(c)のいずれか2つ以上の組み合わせ。
を酵素反応に付する。
【0032】
好ましくは酵素反応は、
a)供給源中の少なくとも1種の二糖の分子サイズを増大させて少なくとも1種のオリゴ糖を生成する、または
b)供給源中の少なくとも1種の二糖の分子サイズを減少させて1種以上の単糖を生成する。
【0033】
好ましくは、酵素はβ−ガラクトシダーゼを含む。
【0034】
好ましくは、二糖はラクトースを含む。
【0035】
好ましくは、単糖はガラクトースまたはグルコースを含む。
【0036】
好ましくは、オリゴ糖は1種以上のガラクトオリゴ糖を含む。
【0037】
好ましくは、軽質相のろ過は限外ろ過である。
【0038】
好ましくは、限外ろ過は約50、55、60、65または70℃の温度で行われ、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。好ましくは、限外ろ過は約55℃〜約65℃の温度で行われる。
【0039】
好ましくは、ナノろ過は約25、30、35、40、45、50または55℃の温度で行われ、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。好ましくは、限外ろ過は約50℃の温度で行われる。
【0040】
好ましくは、第2の透過液は可溶性ミネラルと少なくとも1つの単糖または二糖とを含む。
【0041】
好ましくは、第2のリテンテートは、
第1の透過液中のミネラルの約70%未満、または
第1の透過液中の非シアルオリゴ糖の糖の約50%未満を含む。
【0042】
好ましくは、第2のリテンテートは、
●少なくとも約7重量%のシアリルオリゴ糖と、
●少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
●約5重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と
●約80重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖と、
●約5重量%未満の灰分と、を含む。
【0043】
好ましくは、第2の透過液は
第1の透過液中のミネラルの少なくとも約30%、または
第1の透過液中の非シアリルオリゴ糖の糖の少なくとも約50%を含む。
【0044】
好ましくは、第2のリテンテートは、ナノろ過または逆浸透のいずれかに付されて、第3のリテンテートを生成する。
【0045】
好ましくは、濃縮された第2のリテンテート、または第3のリテンテートは脱色に付される。
【0046】
好ましくは、この方法は、
シアリルオリゴ糖含有抽出物を結晶化に付して結晶化シアロオリゴ糖含有抽出物を生成するステップと、
シアリルオリゴ糖含有抽出物または結晶化シアリルオリゴ糖含有抽出物を乾燥させて、乾燥シアリルオリゴ糖含有抽出物を生成するステップと、を含む。
【0047】
好ましくは、シアリルオリゴ糖含有抽出物は、約20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素を含み、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0048】
好ましくは、シアリルオリゴ糖含有抽出物は、約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1重量%未満の灰分を含み、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0049】
好ましくは、シアリルオリゴ糖含有抽出物は、乾燥固形分ベースで、
●少なくとも約7重量%のシアリルオリゴ糖と、
●少なくとも約0.2重量%の中性オリゴ糖と、
●約5重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素と
●約80重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖と、
●約5重量%未満の灰分と、を含む。
【0050】
好ましくは、シアリルオリゴ糖含有抽出物は、乾燥固形分ベースで、
●少なくとも約5重量%の3’−シアルラクトースと、
●少なくとも約2重量%の6’−シアリルラクトースと、を含む。
【0051】
さらなる態様において、本発明は、上記の方法のうちのいずれか1つによって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物に関する。
【0052】
好ましくは、組成物は、乾燥固形分ベースで、6’−シアリルラクトースの量に対してより多い量の3’−シアリルラクトースを含む。
【0053】
好ましくは、組成物は、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースを約65:1〜約1.5:1、約15:1〜約1.5:1、または約8:1〜約1.5:1の比で含み、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0054】
さらなる態様において、本発明は、上記のような方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物を含むか、または上記のようなシアリルオリゴ糖に富む組成物を含む栄養製剤に関する。
【0055】
好ましくは、栄養製剤は、乳児用調整乳、後続調整乳、成長期調整乳、小児用調整乳、人乳強化剤、子供用飲食物、母体サプリメント、母体栄養製剤、発酵食品、UHTミルク、UHTドリンクヨーグルト、酸性乳飲料、UHT粉末、医療用食品、スポーツ栄養製剤、または高齢者または老齢者向け製剤である。
【0056】
好ましくは、栄養製剤は、1種以上の乳製品脂質、1種以上のガラクトオリゴ糖、1種以上のプロバイオティック株、1種以上のタンパク質加水分解物、ラクトフェリン、乳脂肪球皮膜(MFGM)製剤、他のプレバイオティクス、またはこれらの任意の2つ以上の組み合わせをさらに含む。
【0057】
好ましくは、栄養製剤の乳製品脂質は、バターミルク、高脂肪乳清タンパク質濃縮物、ベータ血清、バター血清、またはこれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。
【0058】
好ましくは、プロバイオティック株は、Bifidobacterium lactisもしくはLactobacillus rhamnosus株、またはBifidobacterium lactisとLactobacillus rhamnosusの両方の組み合わせを含む。
【0059】
好ましくは、Bifidobacterium lactis株はBifidobacterium lactisHN019(DR10(商標))を含む。
【0060】
好ましくは、Lactobacillus rhamnosus株はLactobacillus rhamnosusHN001(DR20(商標))を含む。
【0061】
さらなる態様において、本発明は、(i)有効量の上記の方法により生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、または(ii)上記のような栄養製剤を、正常な対象に、投与することを含む脳機能または脳発達を維持または増強する方法に関する。
【0062】
好ましくは、シアリルオリゴ糖含有抽出物は、
a)シアル酸の1つ以上の構造複合糖質、
b)遊離シアル酸、または
c)(a)と(b)の両方、を含む。
【0063】
好ましくは、抽出物、組成物または栄養製剤は、
a)脳発達の遅延を予防する、
b)神経細胞の生存能力または機能を維持する、
c)認知発達を維持または増強する、
d)認知発達の遅延を予防する、
e)認知能力を維持または増強する、
f)認知機能低下を予防する、
g)学習、記憶、または注意持続時間を維持または増強する、
h)学習能力、記憶または注意持続時間の低下を予防する、
i)ストレスに対処する能力を維持または増強する、
j)神経細胞接着分子(NCAM)のレベルを維持または増強する、
k)脳機能の低下を予防する、
l)脳内のガングリオシドレベルを維持または増強する、
m)脳への血液、栄養素または酸素の流れを維持または増強する、
n)シナプス形成を維持または増強する、
o)腸/脳軸の活動を維持または増強する、
p)高齢の脳で神経新生を維持または増強する、
q)白質量を維持または増強する、または
r)a)〜q)のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、のために投与される。
【0064】
好ましくは、対象が胎児、乳児または子供の対象である。
【0065】
好ましくは、抽出物、組成物または栄養製剤を、胎児対象の脳機能または発達を維持または増強するために、妊娠中に母親に投与する。
【0066】
好ましくは、抽出物、組成物または製剤を、乳児対象における脳機能または発達を維持または増強するために、母乳育児中の母親に投与する。
【0067】
一実施形態において、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内グリセロホスホリルコリン(GPC)の増加をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0068】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内グルタミン(Glu)の増加をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0069】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内ミオイノシトール(Ins)の増加をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0070】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内Lip09の減少をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0071】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内巨大分子(MM)の減少をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0072】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内N−アセチルアスパルチルグルタミン酸(NAAG)の増加をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0073】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内グルタミン酸−グルタミン複合体(Glx)の増加をもたらし、そしてこれらの値のいずれかの間から適切な範囲を選択することができる。
【0074】
さらなる態様において、本発明は、加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、または血管性認知症、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療する方法であって、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、請求項33〜36または44〜46のいずれか一項に記載の抽出物もしくは組成物、または請求項37〜43のいずれか一項に記載の栄養製剤の有効量をそれを必要とする対象に対して投与することを含む、方法に関する。
【0075】
さらなる態様において、本発明は、加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、または血管性認知症、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療するための、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、請求項33〜38または44〜46のいずれか一項に記載の組成物、または請求項37〜43のいずれか一項に記載の栄養製剤に関する。
【0076】
さらなる態様において、本発明は、加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、または血管性認知症、のいずれか1つ以上に関連する軽度認知障害を治療するための製剤の製造における、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法によって生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物、または請求項33〜36または44〜46のいずれか一項に記載の組成物、の使用に関する。
【0077】
本明細書に開示された数値範囲(例えば、1〜10)の言及はまた、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、および10)への言及およびその範囲内の任意の範囲の有理数(例えば、2〜8、1.5〜5.5、および3.1〜4.7)への言及をも包含することが意図される。
【0078】
また、本発明は、広義には、本出願の明細書中で個別にまたはまとめて言及または指摘した部分、要素および特徴、ならびにこれらの部分、要素または特徴のうちのいずれか2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせからなると言うことができ、本発明が関連する技術分野において既知の均等物を有する特定の整数が本明細書に記載されている場合、そのような既知の均等物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるとみなされる。
【0079】
本明細書において、特許明細書および他の文書を含む外部の情報源を参照した場合、これは一般に本発明の特徴を論じるための文脈を提供することを目的としている。特に明記しない限り、そのような情報源への言及は、いかなる法域においても、そのような情報源が先行技術であること、または当該技術分野における一般常識の一部をなすことの承認として解釈されるべきではない。
【0080】
本明細書で使用される「含む」という用語は、「〜の少なくとも一部からなる」を意味する。その用語を含む本明細書中の言及、各言及中のその用語で始まる特徴を解釈するとき、全て存在する必要があるが、他の特徴も存在することができる。「含む」および「含まれる」などの関連用語は、同様に解釈されるべきである。
【0081】
ここで、本発明を単なる例示として図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】シアリルオリゴ糖含有抽出物の生成方法のプロセスフロー図を示す。
【0083】
【図2】8方向放射状迷路を使用した3時間の「簡単な」課題を使用した識別テストの結果を報告するグラフを示す。
【0084】
【図3】8方向放射状迷路を使用した3時間の「より難しい」課題を使用した識別テストの結果を報告するグラフを示す。
【0085】
【図4】4つの連続した試行内で最大1つのミスの学習基準を使用して、難しい課題に対する学習能力の結果を報告するグラフを示す。
【0086】
【図5】対照と比較した、2つの処置群における前頭皮質におけるPolySia発現を報告するグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0087】
本発明は、乳児用調整乳を含む栄養製剤に使用するための、シアリルオリゴ糖に富む抽出物の生成方法に関する。
【0088】
本発明はまた、シアリルオリゴ糖に富む組成物、そのような組成物を含む栄養製剤、ならびにその組成物および栄養製剤の使用を提供する。
【0089】
本発明の組成物および方法の様々な実施形態は、不純物が少ない高濃度のシアリルオリゴ糖組成物の生成を含むがこれに限定されない多数の利点を有する。
【0090】
1.供給源物質
本発明における使用のためのシアリルオリゴ糖含有液体供給源は哺乳動物の乳から得られる。シアリルオリゴ糖を含有するという条件で、任意の画分または乳誘導体を本発明において利用することができることを理解すべきである。
【0091】
いくつかの実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、水牛、ラクダ、ヤク、ウマ、ロバ、ラマまたはヒトの乳脂肪を含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物の乳に由来し、牛乳が好ましい供給源である。
【0092】
いくつかの実施形態では、哺乳動物の乳供給源は、本発明の方法で使用される前に少なくともタンパク質および脂肪を除去するために処理される。
【0093】
例として、シアリルオリゴ糖含有供給源は、透過液を生成するチーズ製造またはカゼイン製造などの上流の乳加工から生成されてもよい。上流乳加工の例としては、チーズホエー、レンネット(スイート)ホエー、またはスキムミルクもしくは生乳の限外ろ過の生成が挙げられる。乳清タンパク質の限外ろ過の後、そのタンパク質は乳清リテンテート中に保持され、シアリルオリゴ糖、ラクトースおよびミネラルが限外ろ過膜を通過するので、そして乳清透過液は、シアリルオリゴ糖、ラクトースおよびミネラルを含有する。
【0094】
シアリルオリゴ糖含有液体供給源(例えば、上流の乳製品加工からの透過液)は、次いで、1つ以上のろ過工程によって加工されてもよく、1つ以上の濃縮工程を含んでもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、全乳、再混合、粉末または新鮮な脱脂乳のろ過から生じる透過液、再結合または再構成された全脂乳または脱脂乳粉末、脱脂乳濃縮物、脱脂乳リテンテート、濃縮乳、限外ろ過ミルクリテンテート、初乳、乳清(スイートホエー、乳酸ホエー、鉱酸ホエー、再構成ホエーパウダー、除タンパクホエーを含む)、任意の乳加工流れ由来の組成物、任意の乳加工流れの限外ろ過もしくは精密ろ過により得られる透過液由来の組成物、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。
【0096】
一実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、1つまたは複数のろ過工程および/または濃縮工程によって処理された上流の乳加工からの透過液を含む。一実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、ラクトース結晶化の副生成物として生成された母液を含む。ラクトース結晶化に続いて、結晶化ラクトースは残りの溶液から分離される。残りの溶液、母液(ラクトース除去(delactosed)透過液またはDelacとしても知られている)は、ラクトース、シアリルオリゴ糖およびミネラルを含む。
【0097】
一実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、1つ以上のシアリルオリゴ糖含有流れを含む。
【0098】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、ラクトース結晶化の母液(ラクトース除去透過液)、乳製品透過液、乳清、乳清透過液、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む。
【0099】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、少なくとも約0.2、0.5、1、2、4、6、8、10または12重量%のシアリルオリゴ糖を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.2〜約12、約0.2〜約8、約0.2〜約6、約0.2〜約4、約0.5〜約12、約0.5〜約10、約0.5〜約6、約0.5〜約2、約1〜約12、約1〜約10、約1〜約4、約2〜約12、約2〜約8、約2〜約6、約4〜約12、約4〜約10、約4〜約6、約6〜約12、約6〜約10または約8〜約12重量%のシアリルオリゴ糖)。
【0100】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2または2.25重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.01〜約2.25、約0.01〜約1.5、約0.01〜約1.25、約0.01〜約0.5、約0.01〜約0.3、約0.01〜約0.2、約0.05〜約2.25、約0.05〜約2、約0.05〜約1.5、約0.05〜約0.75、約0.05〜約0.4、約0.05〜約0.25、約0.1〜約2.25、約0.1〜約1.75、約0.1〜約1.25、約0.1〜約0.75、約0.1〜約0.5、約0.2〜約2.25、約0.2〜約2、約0.2〜約0.75、約0.2〜約0.5、約0.25〜約2.25、約0.25〜約2、約0.25〜約1.5、約0.25〜約1.25、約0.25〜約1、約0.25〜約0.75、約0.3〜約2.25、約0.3〜約2、約0.3〜約1.5、約0.3〜約1、約0.3〜約0.75、約0.4〜約2.25、約0.4〜約2、約0.4〜約1、約0.4〜約0.75、約0.5〜約2.25、約0.5〜約2、約0.5〜約1.75、約0.5〜約1、約0.75〜約2.25、約0.75〜約2、約0.75〜約1.5、約1〜約2.25、約1〜約1.75、約1〜約1.5、約1.25〜約2.25、約1.25〜約1.75、約1.25〜約1.5、約1.5〜約2.25、約1.5〜約2、または約1.75〜約2.25重量%のタンパク質)。
【0101】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、約10、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または少なくとも約75重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖を含み、および適切な範囲は、これらの値のいずれかの間から選択することができる(例えば、約10〜約75、約10〜約70、約10〜約65、約10〜約60、約20〜約75、約20〜約70、約20〜約65、約20〜約60、約30〜約75、約30〜約70、約30〜約65、約30〜約60、約40〜約75、約40〜約70、約40〜約65、または約40〜約60重量%の非シアリルオリゴ糖である)。
【0102】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、約65:1、50:1、40:1、30:1、25:1、20:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.5:1の比で、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約65:1〜約1.5:1、約65:1〜約1.5:1、65:1〜約3:1、約65:1〜約7:1、約65:1〜約9:1、約65:1〜約13:1、約65:1〜約15:1、65:1〜約20:1、約50:1〜約1.5:1、約50:1〜約1.5:1、約50:1〜約3:1、約50:1〜約7:1、約50:1〜約9:1、約50:1〜約13:1、約50:1〜約15:1、約50:1〜約20:1、約40:1〜約1.5:1、40:1〜約1.5:1、約40:1〜約3:1、40:1〜約7:1、約40:1〜約9:1、約40:1〜約13:1、約40:1〜約15:1、約40:1〜約20:1、約30:1〜約1.5:1、約30:1〜約1.5:1、約30:1〜約3:1、約30:1〜約7:1、約30:1〜約9:1、約30:1〜約13:1、約30:1〜約15:1、約30:1〜約20:1、約25:1〜約1.5:1、約25:1〜約1.5:1、約25:1〜約4:1、約25:1〜約8:1、約25:1〜約10:1、約25:1〜約12:1、約25:1〜約14:1、約25:1〜約20:1、約20:1〜約1.5:1、約20:1〜約1.5:1、約20:1〜約3:1、約20:1〜約8:1、約20:1〜約11:1、20:1〜約15:1、15:1〜約1.5:1、約15:1〜約1.5:1、約15:1〜約2:1、約12:1〜約1.5:1、約12:1〜約1.5:1、約12:1〜約2:1、約10:1〜約1.5:1、約10:1〜約1.5:1、約10:1〜約2:1、約8:1〜約1.5:1、約8:1〜約1.5:1、約18:1〜約2:1、約7:1〜約1.5:1、約7:1〜約1.5:1、約7:1〜約2:1、約6:1〜約1.5:1、約6:1〜約1.5:1、約6:1〜約2:1、約5:1〜約1.5:1、約15:1〜約1:1、約12:1〜約1:1、約10:1〜約1:1、約8:1〜約1:1、約7:1〜約1:1、約6:1〜約1:1、約5:1〜約1:1、約15:1〜約2:1、約12:1〜約2:1、約10:1〜約2:1、約8:1〜約2:1、約7:1〜約2:1、約6:1〜約2:1、約5:1〜約2:1、約15:1〜約3:1、約12:1〜約3:1、約10:1〜約3:1、約8:1〜約3:1、約7:1〜約3:1、約6:1〜約3:1、または約5:1〜約3:1。
【0103】
シアリルオリゴ糖含有液体供給源が母液である実施形態では、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースの比は約15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1または1.5:1であり、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約15:1〜約1.5:1、約12:1〜約1.5:1、約10:1〜約1.5:1、約8:1〜約1.5:1、約7:1〜約1.5:1、約6:1〜約1.5:1、約5:1〜約1.5:1、約15:1〜約1:1、約12:1〜約1:1、約10:1〜約1:1、約8:1〜約1:1、約7:1〜約1:1、約6:1〜約1:1、約5:1〜約1:1、約15:1〜約2:1、約12:1〜約2:1、約10:1〜約2:1、約8:1〜約2:1、約7:1〜約2:1、約6:1〜約2:1、約5:1〜約2:1、約15:1〜約3:1、約12:1〜約3:1、約10:1〜約3:1、約8:1〜約3:1、約7:1〜約3:1、約6:1〜約3:1、または約5:1〜約3:1)。
【0104】
2.不溶性ミネラルとタンパク質の除去
本方法の第1の工程は、シアリルオリゴ糖含有供給源から少なくとも不溶性のミネラルおよびタンパク質を除去する。いくつかの実施形態において、第1の工程はまた、シアリルオリゴ糖含有供給源から脂肪を除去する。
【0105】
一実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、供給源中のミネラルを沈殿させるために少なくとも約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74℃、または少なくとも約75℃の温度に加熱される。この工程の間、温度は蒸気もしくは水、または蒸気と水の両方の注入により制御することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、少なくとも約30、60または90秒間、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9または10分間加熱される。好ましくは、加熱工程は約5分間行われる。
【0107】
いくつかの実施形態において、液体供給源の熱処理は、液体供給源中に存在するミネラルの約2、3、4、5、6、7、8、9または10%を沈殿させ、そして適切な範囲は、これらのいずれかの値の間から選択され得る(例えば、約2〜約10、約2〜約8、約2〜約6、約3〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約6、約4〜約10、約4〜約8、約4〜約6%)。
【0108】
様々な実施形態において、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、供給源から不溶性ミネラルを除去するための脱塩工程に付される。
【0109】
一実施形態では、加熱によって生成した任意の沈殿ミネラルを含む不溶性ミネラルを遠心分離によって除去する。当業者には容易に明らかなように、不溶性ミネラルを除去するための他の適切な方法を使用することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、脱塩工程はまた、シアリルオリゴ糖含有液体供給源からタンパク質を除去する。
【0111】
いくつかの実施形態では、脱塩液体供給源は、以下に記載される方法のうちのいずれかを使用して濃縮される。
【0112】
いくつかの実施形態において、ろ過は、少なくともタンパク質を除去するために使用される。他の実施形態では、ろ過を用いて少なくとも不溶性ミネラルおよびタンパク質を除去する。
【0113】
セラミックろ過
様々な実施形態において、セラミックろ過を使用して、シアリルオリゴ糖含有液体供給源から不溶性ミネラルおよびタンパク質を除去する。セラミックろ過は、ろ過透過液中に含まれるラクトース、オリゴ糖および可溶性ミネラルから、ろ過リテンテート中に保持されるタンパク質および不溶性ミネラルを分離する。
【0114】
一実施形態では、シアリルオリゴ糖含有液体供給源は、セラミックろ過が約35〜約95℃の温度で行われる前に、上述のように加熱されて供給源中のミネラルを沈殿させる。
【0115】
一実施形態では、上記のようにシアリルオリゴ糖含有液体供給源を加熱して供給源中のミネラルを沈殿させ、続いて遠心分離し、次いで約50〜約70℃の温度で軽質相セラミックろ過を行う。
【0116】
例示的な一実施形態では、この方法はセラミック限外ろ過を含む。
【0117】
様々な実施形態において、この方法は、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムを含むセラミック膜を用いるセラミックろ過を含む。
【0118】
様々な実施形態において、セラミックろ過は、少なくとも約500、600、700、750、800、900、1,000、1,100、1,200、1,250、1,300、1,400、1、500、1,750、2,000、2,500、5,000、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、50,000、100,000、150,000または200,000Daの分子量カットオフを有する膜を用いて行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約500〜約200,000、約500〜100,000、約500〜約30,000、約500〜約10,000、約500〜約5,000、約500〜約2,500、約500〜約2,000、約500〜約1,500、約750〜約200,000、約750〜約100,000、750〜約30,000、750〜約10,000、約750〜約5,000、約750〜約2,500、約750〜約2,000、約750〜約1,500、約1,000〜約200,000、約1,000〜約100,000、約1,000〜約30,000、約1,000〜約10,000、約1,000〜約5,000、約1,000〜約2,500、約1,000〜約2,000、または約1,000〜約1,500Da)。
【0119】
様々な実施形態において、セラミックろ過は、少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.25、0.4、0.5、0.6、0.75、0.8、1、1.25、1.4、1.5、1.6、1.75、1.8、2、2.5または3μmの孔径を有する膜を用いて行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.001〜約3、約0.001〜約2.5、約0.001〜約2、0.001〜約1.75、0.001〜約1.5、約0.005〜約3、約0.005〜約2.5、約0.005〜約2、0.005〜約1.75、0.005〜約1.5、約0.01〜約3、約0.01〜約2.5、約0.01〜約2、0.01〜約1.75、または約0.01〜約1.5μm)。
【0120】
様々な実施形態において、セラミックろ過は少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95℃の温度で行われ、有用な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約30〜約95、約40〜約95、約50〜約95、約40〜約90、約50〜約90、約60〜約90、約65〜約90、約40〜約85、約50〜約85、約55〜約85、約60〜約90、約65〜約90、約40〜約80、約50〜約80、約55〜約80、約60〜約80、約65〜約80、約40〜約75、約50〜約75、約55〜約75、約60〜約75、または約65〜約75℃)。
【0121】
様々な実施形態において、セラミックろ過は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15バールの圧力で行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1〜約15、約2〜約15、約3〜約15、約1〜約12、約3〜約12、約1〜約10、約3〜約10、約1〜約8、約2〜約8、約3〜約8、約1〜約7、約2〜約7、約3〜約7、約1〜約6、約2〜約6、約3〜約6、約1〜約5、約2〜約5、または約3〜約5バール)。
【0122】
一実施形態では、方法は、ダイアフィルトレーションと組み合わせたセラミックろ過を含む。
【0123】
その他のろ過方法
様々な実施形態において、限外ろ過またはナノろ過が少なくともタンパク質を除去するために使用される。ろ過を使用して、ろ過透過液に含まれるラクトースおよび可溶性ミネラルなどの糖類から、ろ過リテンテートに保持されるタンパク質を分離することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、限外ろ過またはナノろ過は、ダイアフィルトレーションと組み合わせて使用される。
【0125】
驚くべきことに、高温で実施される限外ろ過は、下流の処理工程において改善された収率、例えばナノろ過リテンテートおよび最終的なシアリルオリゴ糖含有抽出物中の改善されたシアリルオリゴ糖収率をもたらすことが見出された。UF温度を約10℃から約50℃に上昇させると、その過程でシアリルオリゴ糖の収率が約100%上昇する。UF温度を約10℃から約65℃に上昇させると、シアリルオリゴ糖の収率が約130%上昇する。約65℃を超えるUF温度の上昇は、シアリルオリゴ糖の収量を増加させるが、65℃まで上昇させた場合よりも少なく増加する。
【0126】
様々な実施形態において、限外ろ過は少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90℃の温度で行われ、有用な範囲は、これらの値のいずれかの間から選択され得る(例えば、約25〜約90、約40〜約90、約50〜約90、約30〜約85、約40〜約85、約50〜約85、約55〜約85、約30〜約80、約40〜約80、約50〜約80、約55〜約80、約30〜約75、約40〜約75、約50〜約75、約55〜約75、約30〜約70、約40〜約70、約50〜約70、約55〜約70、約30〜約65、約65〜約75、約50〜約65、または約55〜約65℃)。
【0127】
限外ろ過に適した膜には、ポリエーテルスルホン膜が含まれる。当業者に明らかであるように、当技術分野において公知の他の限外ろ過膜もまた適切であり得る。
【0128】
様々な実施形態において、限外ろ過は、少なくとも約1,000、1,500、2,000、3,000、3,500、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、12,500、15,000、17,500、20,000、25,000または30,000Daの分子量カットオフを有する膜を用いて行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1,000〜約30,000、約3,000〜約30,000、約5,000〜約30,000、約1,000〜約25,000、約2,000〜約25,000、約3,000〜約25,000、約5,000〜約25,000、約1,000〜約20,000、約2,000〜約20,000、約3,000〜約20,000、約5,000〜約20,000、約10,000〜約20,000、約2,000〜約15,000、約3,000〜約15,000、約5,000〜約15,000、約2,000〜約10,000、約3,000〜約10,000、または約5,000〜約10,000Da)。
【0129】
様々な実施形態において、限外ろ過は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15バールの圧力で行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1〜約15、約2〜約15、約3〜約15、約4〜約15、約5〜約15、約1〜約12、約2〜約10、約3〜約10、約4〜約10、約5〜約10、約1〜約8、約2〜約8、約3〜約8、約4〜約8、約5〜約8、約1〜約7、約2〜約7、約3〜約7、約4〜約7、約5〜約7、約1〜約6、約2〜約6、約3〜約6、約4〜約6、約5〜約6、約1〜約5、約2〜約5、約3〜約5または約4〜約5バール)。
【0130】
様々な実施形態において、ナノろ過は、少なくとも約0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1kDaの分子量カットオフを有する膜を用いて行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.1〜約1、約0.1〜約0.8、約0.1〜約0.5、約0.1〜約0.4、約0.1〜約0.3、約0.1〜約0.25、約0.1〜約0.2、約0.2〜約1、約0.2〜約0.6、約0.2〜約0.5、約0.2〜約0.3、約0.2〜約0.25、約0.3〜約1、約0.3〜約0.8、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、約0.4〜約1、約0.4〜0.6、約0.5〜約1、約0.5〜約0.8、約0.6〜約1、約0.6〜約0.7、約0.7〜約1kDa)。
【0131】
様々な実施形態において、ナノろ過は少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または75℃の温度で行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約15〜約75、約20〜約75、約25〜約75、約15〜約70、約20〜約70、約25〜約70、約15〜約65、約20〜約65、約25〜約65、約15〜約60、約20〜約60、約25〜約60、約15〜約55、約20〜約55、または約25〜約55℃)。
【0132】
ナノろ過に適した膜としては、ポリアミドイミド膜またはポリアミド薄膜複合膜が挙げられる。適切なポリアミドイミド膜としては、Synder(登録商標)NFS、NFXおよびNFW膜を含むSynder(登録商標)NF膜が挙げられる。当業者に明らかであるように、当技術分野において公知の他のナノろ過膜もまた適切であり得る。
【0133】
様々な実施形態において、ナノろ過は、少なくとも約10、25、50、100、150、200、250、300、350、400または少なくとも約500Daのカットオフ分子量を有する膜を用いて行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約10〜約500、約50〜約500、約100〜約500、約10〜約400、約50〜約400、約100〜約400、約10〜約300、約50〜約300、約100〜約300、約10〜約250、約50〜約250、または約100〜約250Da)。
【0134】
様々な実施形態において、ナノろ過は少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または少なくとも約75バールの圧力で行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約5〜約75、約30〜約75、約35〜約75、約5〜約70、約30〜約70、約35〜約70、約5〜約65、約30〜約65、約35〜約65、約5〜約60、約25〜約60、約30〜約60、約35〜約60、約40〜約60、約5〜約55、約25〜約55、約30〜約55、約35〜約55、約40〜約55、約5〜約50、約25〜約50、約30〜約50、約35〜約50、約40〜約50、約5〜約45、約25〜約45、約30〜約45、約35〜約45、または約40〜約45バール)。
【0135】
3.二糖除去
シアリルオリゴ糖含有供給源物質中のシアリルオリゴ糖から二糖、特にラクトースを分離するために様々な方法を使用することができる。
【0136】
3.1酵素反応
いくつかの実施形態では、方法は、1種以上の単糖またはオリゴ糖を生成するために1種以上の二糖の分子サイズを増加または減少させるための酵素反応を含む。
【0137】
反応生成物をろ過に付して酵素反応により生成した単糖またはオリゴ糖を除去してもよい。ガラクトオリゴ糖などのオリゴ糖を測定する方法は、“AOAC official method of 2001.02 trans−Galactooligosaccharides(TGOS),”in Selected Food Products,AOAC International,Gaithersburg,Md,USA,2005”によって示されている。この目的のために設計された任意の適切な方法もまた使用され得る。適切なろ過条件は上記で考察されている。ろ過条件、例えば、膜孔径または分子量カットオフ、温度および圧力は、除去される単糖類または多糖類がリテンテート中に保持され、そしてシアリルオリゴ糖が透過液中に含まれるように、またはその逆になるように選択される。シアリルオリゴ糖を測定する方法は、Fong,B.et al.,2011.Quantification of bovine milk oligosaccharides using liquid chromatography−selected reaction monitoring−mass spectrometry.Journal of agricultural and food chemistry,59(18),pp.9788−9795.に示されている。
【0138】
一実施形態では、酵素反応は、二糖の分子サイズを増大させて、一種以上の多糖を生成する。別の実施形態では、酵素反応は二糖の分子サイズを減少させて一種以上の単糖を生成する。
【0139】
一実施形態では、酵素はβ−ガラクトシダーゼである。β−ガラクトシダーゼは、ガラクトースと他の糖との間のβ−グリコシド結合の加水分解を触媒する。酵素反応の条件を操作して、単糖および/またはオリゴ糖を生成することができる。
【0140】
βガラクトシダーゼは、Kluyveromyces fragilis、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces spp.、Penicillium spp.、Rhodotorula spp.、Sporobolomyces singularis、Bifidobacterium spp.、Bacillus spp.、Bacillus circulans、Escherichia coli、Lactobacillus thermophiles、Lactobacillus spp.、Leuconostoc、citrovorumまたはEnterobacter spp.から供給することができる。
【0141】
例えば、利用可能な過剰の二糖がある場合には、オリゴ糖を生成するためのグリコシル基転移が好ましい。グリコシル基転移を促進するために、酵素反応の前に濃縮工程を実施することが必要としてもよい。
【0142】
様々な実施形態では、少なくとも1種の二糖の分子サイズを大きくするための投入材料(第1の透過液または脱塩液体供給源)は、少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%または少なくとも約70%の二糖、特にラクトースを含む。適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間、例えば、約30%〜約70%または約40%〜約60%から選択されてもよい。
【0143】
利用可能な二糖が限られている場合には、単糖を生成するための加水分解が好ましい。様々な実施形態では、少なくとも1つの二糖の分子サイズを減少させるための酵素反応への投入材料(第1の透過液または脱塩液体供給源)は、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、または40重量%の二糖、特にラクトースを含む。適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間、例えば、約5〜約40または約20〜約30重量%から選択することができる。
【0144】
加水分解反応のために、我々はこの反応を3つのpH値:6.1、6.3および6.5でおよび40℃で乳透過液について行った。単一の酵素添加レートを使用した(36735NLU/kgラクトース)。酵素はDaniscoからのGODO−YLN2であった。反応はまた、ラクトース母液(ラクトース濃度42%w/w)、pH4.28、および2つの温度(54および58.5℃)でも行われた。使用した酵素は、Biocatalysts(UK)からの17MDPであった。我々が選択した条件は推奨されているものと類似していたが、プロセス条件は酵素に合うように修正した。テストしたさまざまなパラメータ間で、結果に著しい変動は見られなかった。
【0145】
例示的な一実施形態では、β−ガラクトシダーゼはラクトースからのガラクトオリゴ糖(GOS)の産生を触媒する。反応生成物は、GOSを除去するためにナノろ過に付してもよい。一実施形態において、ナノろ過は、GOSおよびタンパク質を除去するために使用される。
【0146】
他の例示的な実施形態では、β−ガラクトシダーゼはラクトースからのガラクトースおよびグルコースの生成を触媒する。反応生成物は、ガラクトースおよびグルコースを除去するためにナノろ過に付することができる。一実施形態において、ナノろ過は、ガラクトース、グルコースおよび可溶性ミネラルを除去する。
【0147】
様々な実施形態において、2つ以上の酵素反応工程が行われる。
【0148】
例えば、一実施形態において、第1の酵素反応工程は、一種以上の単糖を生成するために行われる。第2の酵素工程は、一種以上のオリゴ糖を生成するために行われる。
【0149】
一実施形態では、第1の酵素反応工程はセラミックろ過後に行われる。別の実施形態では、第1の酵素反応工程は、脱塩後、限外ろ過の前に行われる。
【0150】
一実施形態では、第2の酵素反応工程は、ナノろ過後かつ濃縮前に行われる。
【0151】
4.濃縮
様々な実施形態では、この方法は、シアリルオリゴ糖を濃縮するための1つ以上の工程を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、濃縮は水を除去することによる。これを達成するために、ナノろ過、逆浸透または蒸発などの任意の濃縮プロセスを使用することができる。逆浸透と蒸発の両方を使用することができる。
【0153】
濃縮を目的とした蒸発は、任意の適切な蒸発プロセスによって実施することができる。流下膜式蒸発器、上昇式膜式蒸発器、プレート式蒸発器、または多重効用式蒸発器などの蒸発器を使用することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、ナノろ過は逆浸透と組み合わせて使用される。
【0155】
いくつかの実施形態では、例えば、オリゴ糖を生成するための酵素反応の前に、ナノろ過、逆浸透および蒸発が使用される。
【0156】
5.脱色
一実施形態では、変色および/または望ましくない臭いを引き起こす不純物を除去するために反応生成物を脱色に付する。脱色は、可視光波長範囲にわたって分光光度計で吸光度の変化を測定することによって決定することができる。
【0157】
一実施形態では、脱色は液体流れを活性炭に曝すことによって行われる。次のろ過工程は、流れから活性炭を除去するために行われる。脱色はバッチまたは連続プロセスとして実施することができる。
【0158】
様々な実施形態において、脱色は少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または少なくとも約95℃の温度で行われ、有用な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約25〜約95、約40〜約95、約50〜約95、または約55〜約95℃)。
【0159】
6.結晶化および乾燥
様々な実施形態において、少なくとも1つの濃縮工程がシアリルオリゴ糖含有抽出物を生成するために行われる。
【0160】
シアリルオリゴ糖含有抽出物は、当技術分野において公知の適切な方法を使用して乾燥させることができる。一実施形態では、抽出物は乾燥前に結晶化に付される。
【0161】
7.シアリルオリゴ糖含有組成物および抽出物
本発明の抽出物および組成物は、シアリルオリゴ糖および中性オリゴ糖に富み、ラクトース、タンパク質およびミネラルなどの不純物が少ない。
【0162】
シアリルオリゴ糖は、少なくとも1つのシアル酸部分を含むオリゴ糖である。シアル酸は、ノイラミン酸のN−またはO−置換誘導体である。哺乳類の乳は、遊離のシアリルオリゴ糖と、糖タンパク質および/または糖脂質に結合したシアリルオリゴ糖の両方を含む。
【0163】
様々な実施形態において、組成物は遊離シアル酸を含有する。
【0164】
様々な実施形態において、組成物または抽出物は、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、ジシアリルラクトース、シアリルラクトサミン、またはそれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせを含む。例示的な実施形態では、組成物または抽出物は、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、ジシアリルラクトースおよびシアリルラクトサミンを含む。
【0165】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、全固形分に対するパーセンテージとして、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25、30、35または40重量%のシアリルオリゴ糖を含む。適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1〜約40、約5〜約40、約7〜約40、約10〜約40、約1〜35、約5〜約35、約7〜約35、約10〜約35、約1〜約30、約5〜約30、約7〜約30、約10〜約30、約1〜約25、約5〜約25、約7〜約25、約10〜約25、約1〜約20、5〜約20、約7〜約20、約10〜約20、約1〜約15、約5〜約15、約7〜約15または約10〜約15重量%のシアリルオリゴ糖)。
【0166】
様々な実施形態では、組成物または抽出物は、全固形分の百分率として少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25、30、35または40重量%の3’−シアリルラクトースを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1〜約40、約5〜約40、約7〜約40、約10〜約40、約1〜35、約5〜約35、約7〜約35、約10〜約35、約1〜約30、約5〜約30、約7〜約30、約10〜約30、約1〜約25、約5〜約25、約7〜約25、約10〜約25、約1〜約20、5〜約20、約7〜約20、約10〜約20、約1〜約15、約5〜約15、約7〜約15または約10〜約15重量%の3’−シアリルラクトース)。
【0167】
様々な実施形態において、組成物または抽出物は、全固形分の百分率として少なくとも約0.1、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、17または20重量%の6’−シアリルラクトースを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.1〜約20、約0.1〜約15、約0.1〜約12、約0.1〜約10、約0.1〜約8、約0.5〜約20、約0.5〜約15、約0.5〜約12、約0.5〜約10、約0.5〜約8、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約12、約1〜約10、約1〜約8、約1.5〜約20、約1.5〜約15、約1.5〜約12、約1.5〜約10、約1.5〜約8、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約12、約2〜約10、約2〜約8、約2.5〜約20、約2.5〜約15、約2.5〜約12、約2.5〜約10、約2.5〜約8、約3〜約20、約3〜約15、約3〜約12、約3〜約10、または約3〜約8重量%の6’−シアリルラクトース)。
【0168】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、全固形分の百分率として少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.02、0.025、0.03、0.04、0.05、0.075、0.1、0.2、0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、2重量%のジシアリルラクトースを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.001〜約2、約0.001〜約1、約0.005〜約1.5、約0.005〜約1、約0.01〜約2、約0.01〜約1.5、約0.01〜約1.25、約0.01〜約1、約0.01〜約0.75、0.02〜約2、約0.02〜約1.5、約0.02〜約1.25、約0.02〜約1、約0.02〜約0.75、約0.03〜約2、約0.03〜約1.5、約0.03〜約1.25、約0.03〜約1、約0.03〜約0.75、約0.05〜約2、約0.05〜約1.5、約0.05〜約1.25、約0.05〜約1または少なくとも約0.05〜約0.75重量%のジシアリルラクトース)。
【0169】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、全固形分の百分率として、少なくとも約0.001、0.005、0.01、0.02、0.025、0.03、0.04、0.05、0.075、0.1、0.2、0.25、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、または少なくとも約2重量%のシアリルラクトサミンを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.001〜約2、約0.001〜約1、約0.005〜約1.5、約0.005〜約1、約0.01〜約2、約0.01〜約1.5、約0.01〜約1.25、約0.01〜約1、約0.01〜約0.75、約0.02〜約2、約0.02〜約1.5、約0.02〜約1.25、約0.02〜約1、約0.02〜約0.75、約0.03〜約2、約0.03〜約1.5、約0.03〜約1.25、約0.03〜約1、約0.03〜約0.75、約0.05〜約2、約0.05〜約1.5、約0.05〜約1.25、約0.05〜約1、または少なくとも約0.05〜約0.75重量%のシアリルラクトサミン)。
【0170】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、乾燥固形分ベースで、6’−シアリルラクトースの量に対してより多い量の3’−シアリルラクトースを含む。
【0171】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1または1:2の比率で3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約10:1〜約1:1、約8:1〜約1:1、約7:1〜約1:1、約6:1〜約1:1、約5:1〜約1:1、約15:1〜約2:1、約12:1〜約2:1、約10:1〜約2:1、約8:1〜約2:1、約7:1〜約2:1、約6:1〜約2:1、約5:1〜約2:1、約15:1〜約3:1、約12:1〜約3:1、約10:1〜約3:1、約8:1〜約3:1、約7:1〜約3:1、約6:1〜約3:1、または約5:1〜約3:1。
【0172】
様々な実施形態において、組成物または抽出物は、乳脂肪球皮膜(MFGM)、シアル酸含有タンパク質およびガングリオシドを含む他のシアル酸含有化合物をさらに含む。
【0173】
本明細書で使用される「シアル酸含有化合物」という用語は、結合シアル酸を含有する脂質、およびタンパク質などの化合物を含む。本明細書に記載の組成物または抽出物中に存在するシアル酸含有化合物の例には、タンパク質およびガングリオシドが含まれる。乳脂肪球皮膜は、本明細書に記載の組成物および抽出物中に存在する化合物含有シアル酸供給源の一例である。
【0174】
様々な実施形態において、組成物または抽出物は、全固形分の割合として、少なくとも約0.5%の他のシアル酸含有化合物を含む。
【0175】
組成物および抽出物はさらに中性オリゴ糖を含む。いくつかの実施形態では、組成物または抽出物は追加の中性オリゴ糖を含む。
【0176】
中性オリゴ糖は電荷を持たないオリゴ糖である。本発明の組成物中に存在する中性オリゴ糖はガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、N−アセチルラクトサミン、N−アセチルガラクトサミニルグルコース、N−アセチルガラクトサミニルラクトース、イソグロボトリオース、3’−ガラクトシルラクトース、4’−ガラクトシルラクトース、6’−ガラクトシルラクトース、ノボ−ラクト−N−ペンタオース−I、ラクト−N−ネオテトラオース、およびラクト−N−ネオヘキサオースが含まれる。フラクトオリゴ糖は、Cuany,Denis,Thierry Benet,and Sean Austin.2010 Journal of AOAC International 93(10)p202−212.に記載されているような方法によって検出することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、組成物は追加の中性オリゴ糖を含有する。
【0178】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.25、0.5、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25または30重量%の中性オリゴ糖を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.01〜約30、約0.01〜約20、約0.01〜約15、約0.01〜約10、約0.01〜約6、0.01〜約2、約0.01〜約0.5、約0.05〜約30、約0.05〜約25、約0.05〜約20、約0.05〜約15、約0.05〜約10、約0.1〜約30、約0.1〜約25、約0.1〜約20、約0.1〜約15、約0.1〜約10、約0.2〜約30、約0.2〜約25、約0.2〜約20、約0.2〜約15、約0.2〜約10、約0.25〜約30、約0.25〜約25、約0.25〜約20、約0.25〜約15、約0.25〜約10、約0.5〜約30、約0.5〜約25、約0.5〜約20、約0.5〜約15、約0.5〜約10、約1〜約30、約1〜約25、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約2〜約30、約2〜約25、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約5〜約30、約5〜約25、約5〜約20、約5〜約15、約10〜約30、約10〜約25、または約10〜約20重量%の中性オリゴ糖)。
【0179】
様々な実施形態において、抽出物または組成物は、約20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1重量%未満のタンパク質および非タンパク質窒素を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約8、約1〜約6、約1〜約5、約2〜約20、約2〜約16、約2〜約11、約2〜約9、約2〜約8、約2〜約7、約3〜約20、約3〜約15、約3〜約13、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約6、約4〜約20、約4〜約15、約4〜約10、約4〜約9、約4〜約8、約4〜約7、約5〜約2、05〜約16、約5〜約10、約5〜約8、約5〜約7、約6〜約20、約6〜約17、約6〜約11、約6〜約10、約6〜約9、約7〜約20、約7〜約15、約7〜約10、約8〜約20、約8〜約17、約8〜約12、約9〜約20、約9〜約15、約10〜約20、約10〜約16、約11〜約20 11〜約16、約12〜約20、約12〜約17、約13〜約20、約13〜約16、約14〜約20、約14〜約18または約15〜約20重量%のタンパク質および非タンパク質窒素)。
【0180】
本明細書中で使用されるとき、用語「非シアリルオリゴ糖」は、シアリルオリゴ糖を除く組成物中の全ての糖をいう。非シアリルオリゴ糖には、二糖(特にラクトース)、単糖(グルコースおよびガラクトースを含む)および他のオリゴ糖(中性オリゴ糖および酸性オリゴ糖を含む)が含まれる。
【0181】
様々な実施形態では、抽出物または組成物は、約85、84、83、82、81、80、79、78、77、75、70、65、60、55、50、45、40、35重量%、または30重量%未満の非シアリルオリゴ糖の糖を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約30〜約85、約30〜約80、約30〜約75、約40〜約85、約40〜約80、約40〜約75、約50〜約85、約50〜約80、約50〜約75、約50〜約70、約55〜約85、約55〜約80、約55〜約75、約55〜約70、約60〜約85、約60〜約80、約60〜約75、約60〜約70、約65〜約85、約65〜約80、約65〜約75、約65〜約70、約70〜約85、約70〜約80、または約70〜約75重量%の非シアリルオリゴ糖の糖)。
【0182】
様々な実施形態では、抽出物または組成物は、約15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または約1重量%未満の灰分を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0〜約15、約0〜約12、約0〜約10、約0〜約7、約0〜約5、1〜約15、約1〜約12、約1〜約10、約1〜約7、約1〜約5、約2〜約15、約2〜約12、約2〜約10、約2〜約7、約3〜約15、約3〜約12、約3〜約10、約3〜約7、約4〜約15、約4〜約12、約4〜約10、約4〜約7、約5〜約15、約5〜約12、または約5〜約10重量%の灰分)。
【0183】
8.栄養製剤
本発明の抽出物および組成物は、母体用調整乳、乳児用調整乳、後続調整乳、成長期調整乳、小児用調整乳、人乳強化剤、子供用飲食物、母体サプリメント、母体栄養製剤、発酵食品、UHTミルク、UHTドリンクヨーグルト、酸性乳飲料、UHT粉末、医療用食品、スポーツ栄養製剤、または高齢者または老齢者向け製剤を含む栄養製剤に使用するのに適している。
【0184】
本明細書で使用される「母体用調整乳」という用語は、妊娠中の女性が妊娠中に服用するための組成物を意味する。本明細書で使用される「乳児用調整乳」という用語は、0日〜6ヶ月の間の年齢の乳児用の組成物を意味する。本明細書で使用される「後続調整乳」という用語は、6ヶ月〜1歳までの乳児用の組成物を意味する。本明細書で使用される「成長期調整乳」という用語は、1歳以上の幼児および子供用の組成物を意味する。成長期調整乳には、成長期調整乳粉末またはGUMPが含まれる。本明細書で使用される「小児用調整乳」という用語は、生まれてから年を重ねた子供用の組成物を意味する。
【0185】
当業者には理解されるように、種々の組成物「乳児用調整乳」、「後続調整乳」、「成長期調整乳」および「小児用調整乳」についての年齢範囲は個体の発達に応じて子供ごとに異なり得る。これらの製品は、濃縮物またはすぐに飲める液体として液体の形態であり得るか、または粉末濃縮物として提供され得る。
【0186】
様々な実施形態において、栄養製剤は、少なくとも約0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4または5%のシアリルオリゴ糖含有抽出物または組成物を含み、適切な範囲は、これらの値のうちのいずれかの間から選択され得る(例えば、約0.005〜約5、約0.005〜約3、約0.005〜約1、約0.005〜約0.5、約0.005〜約0.05、約0.01〜約5、約0.01〜約3、約0.01〜約1、約0.01〜約0.5、0.01〜約0.1、約0.05〜約5、約0.05〜約4、約0.05〜約1、約0.05〜約0.1、約0.1〜約5、約0.1〜約4、約0.1〜約1、約0.1〜約0.5、約0.5〜約5、約0.5〜約3、約0.5〜約1、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3、約2〜約5、約2〜約4、約3〜約5%のシアリルオリゴ糖についての含有抽出物または組成物を含む)。
【0187】
様々な実施形態において、栄養製剤は、重量/容量に基づいて少なくとも約0.005%の総シアリルオリゴ糖を含む。
【0188】
8.1乳児と子供のための製剤
様々な実施形態において、乳児用調整乳は、重量/重量固形分を基準にして少なくとも約0.17%の総シアリルオリゴ糖を含む。
【0189】
様々な実施形態において、後続調整乳は、重量/重量固形分基準で少なくとも約0.19%の総シアリルオリゴ糖を含む。
【0190】
様々な実施形態において、成長期調整乳は、重量/重量固形分を基準にして少なくとも約0.19%の総シアリルオリゴ糖を含む。
【0191】
様々な実施形態では、母体用調整乳は、重量/重量固形分を基準にして少なくとも約0.15%の総シアリルオリゴ糖を含む。
【0192】
本明細書で使用するとき、乳児用調整乳は、0〜6ヶ月齢の乳児のための栄養調整乳、6ヶ月〜1歳の乳児のための後続調整乳、12ヶ月歳以降の乳児のための成長期調整乳を指す。母体用調整乳は、妊娠しようとしている、妊娠している、または授乳中の女性用である。
【0193】
本明細書に記載のシアリルオリゴ糖抽出物および組成物を含む栄養製剤は、当技術分野において公知の製剤に組み込まれてもよい。適切な製剤および成分は当業者に明らかであろう。
【0194】
一実施形態では、抽出物または組成物は、例えば、3’−シアリルラクトースと比較して、よりヒト化された乳ベースの栄養を送達する。「よりヒト化されている」とは、例えば3’−シアリルラクトースに関して、抽出物または組成物が、未改変形態または未加工形態の供給源物質よりも、組成的または機能的にヒトの母乳に近いことを意味する。
【0195】
抽出物または組成物の増加させたヒト化の一例は、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースの比率による分娩後の3〜4ヶ月よりも上の乳児に関連する。
【0196】
本出願人は、乳児および子供用のシアリルオリゴ糖の補体および濃度は異なる年齢および発達段階で変化することを測定した。特に、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースの比率は、乳児または子供の発達に伴って変化する。
【0197】
一実施形態では、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースの最適な比率は、特定の年齢層または発達段階の乳児または子供向けに特別に調整された組成物で投与することができる。
【0198】
一実施形態では、組成物は、4〜6ヶ月齢以上の乳児6’−シアリルラクトースよりも多量の3’−シアリルラクトースを提供する。
【0199】
他の実施形態では、組成物は、3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを約10:1〜約1.5:1の比で含む3ヶ月未満の乳児への栄養を提供する。一実施形態では、組成物は乳児用調製乳である。
【0200】
様々な実施形態において、組成物は、3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを約10:1〜約1.5:1の比で含む、6ヶ月未満の乳児に栄養を提供するための組成物である。一実施形態では、組成物は乳児用調製乳である。
【0201】
様々な実施形態において、組成物は、3’−シアリルラクトースと6’−シアリルラクトースとを約10:1〜約1.5:1の比率で含む、約6ヶ月〜約12ヶ月の乳児に栄養を提供するための組成物である。一実施形態では、組成物は後続調整乳である。
【0202】
種々の実施形態では、組成物は、3’−シアリルラクトースおよび6’−シアリルラクトースを約10:1〜約1:2の比で含む、12ヶ月齢以上の乳児に栄養を提供するための組成物である。種々の実施形態では、組成物は、成長期調整乳または小児用調整乳である。
【0203】
小児用調整乳は、例えば下記に示される。
【表1】
【0204】
9.脳の機能または発達の維持または増強
本明細書に記載の栄養製剤、シアリルオリゴ糖含有抽出物または組成物を投与して、正常な対象における脳機能または発達を維持または増強することができる。
【0205】
製剤または組成物の投与から利益を得ることができる対象には、新生児、乳児、幼児、子供、妊婦、授乳中の母親、成人、競技者、他のスポーツ選手または高齢者が含まれる。
【0206】
本明細書中で使用される場合、用語「正常な対象」とは、損なわれた脳機能または発達に関連する疾患または状態に罹患していない対象をいう。
【0207】
「有効量」は、治療的、予防的効果を与えるのに必要な量である。動物とヒトに対する投与量の相互関係(体表面積の平方メートル当たりのミリグラムに基づく)はFreireich,et al.(1966).によって記載されている。体表面積は、対象の身長および体重からおおよそ決定することができる。例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardley,New York,1970,537を参照されたい。当業者に認識されているように、投与経路、担体の使用法などに応じて有効用量も変わる。
【0208】
本明細書中で使用される場合、用語「脳の機能または発達を維持すること(to maintain)」または「脳の機能または発達を維持する(maintaining)」は互換的に使用され、一般に脳機能の低下の予防または維持、正常な脳発達の維持または脳発達の遅延の予防を指す。これらの用語には、脳発達の遅延予防、神経細胞の生存能力または機能の維持、認知発達の維持、認知発達の遅延の防止、認知能力の維持、認知機能の低下の予防、学習能力、記憶力または注意持続時間の低下の維持または防止、ストレスに対処する対象の能力の維持、脳内のガングリオシドのレベルの維持、脳内のタンパク質結合シアル酸、例えば神経細胞接着分子(NCAM)のレベルの維持、脳への血液、栄養素または酸素の流れの維持、シナプス形成の維持、腸/脳軸の活動の維持、または神経新生の維持が含まれる。
【0209】
本明細書で使用されるとき、用語「脳の健康または発達を増強すること」または「脳の健康および発達を増強する」は、本明細書で互換的に使用され、一般に脳機能の増進または改善および脳発達の進行を指す。これらの用語には、認知発達または能力の増強、学習、記憶力または注意持続時間の増強、ストレスに対処する対象の能力の増強、脳内のガングリオシドのレベルの増強、脳内のタンパク質結合シアル酸、例えば神経細胞接着分子(NCAM)のレベルの増強、脳への血液、栄養素または酸素の流れの増強、シナプス形成の増強、腸/脳軸の活動の増強または神経新生の増強が含まれる。
【0210】
最適な認知発達は、乳児および幼児の発達の重要な部分である。したがって、認知発達を増強することを示すいずれかの薬剤は、乳児や子供に大きな利益をもたらす。
【0211】
認知発達を評価するための多種多様な方法が当業者に周知である。評価されるべき認識の性質、対象の特徴または同一性(例えば、これらに限定されないが種、年齢、健康状態、幸福など)、または適用可能であり得る他の要因に応じて、特定の方法が好ましいことがあることは明らかであろう。例えば、非ヒト対象における認知発達の評価に有用な方法論は、実施例1に記載されるように、モリス水迷路試験および新規物体認識課題試験を含む。ヒト対象における認知発達の評価に有用な方法論の例には、表1に要約されたツールが含まれる。
【表2】
【0212】
一実施形態において、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内のグリセロホスホリルコリン(GPC)の増加をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0213】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内グルタミン(Glu)の増加をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0214】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内ミオイノシトール(Ins)の増加をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0215】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内Lip09の減少をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0216】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内巨大分子(MM)の減少をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0217】
一実施形態では、本発明の組成物を個体に投与すると、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内N−アセチルアスパルチルグルタミン酸(NAAG)の増加をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0218】
一実施形態では、個体への本発明の組成物の投与は、その個体において、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40または50%の脳内グルタミン酸−グルタミン複合体(Glx)の増加をもたらし、適切な範囲はこれらの値のうちのいずれかの間から選択され得る。
【0219】
10.認知症
一実施形態では、本発明の抽出物または組成物は、症状として認知機能低下を含む疾患を治療または改善するために使用することができる。例えば、抽出物または組成物の使用は、認知低下の速度を低下させる、患者の認知を維持する、またはその患者の認知能力を向上させることができる。病気の兆候として現れる、認知機能低下を含む病気の例には、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病または認知症が含まれる。
【0220】
したがって、一実施形態では、本発明は、生成されたシアリルオリゴ糖含有抽出物の有効量を投与することを含む、任意の1つ以上のまたは加齢関連認知機能低下、認知症、アルツハイマー病、血管疾患、前頭側頭葉変性症(FTLD)、レビー小体型認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、統合失調症に伴う認知障害、化学療法誘発性神経障害、ダウン症候群、コルサコフ病、脳性麻痺、てんかん、神経性虚血、神経性再灌流障害、神経性外傷、神経性出血、神経性感染症、脳卒中、有毒物質への神経細胞の曝露、加齢性精神障害、不安障害、加齢性うつ病、微小血管障害に関連する認知症(糖尿病、低血圧、脳卒中誘発性血管性認知症、肥満など)、免疫系障害に関連する認知症、中枢神経系(CNS)障害に関連する認知症、低血圧に関連する認知症、肥満に関連する認知症、または血管性認知症、乳児期発症重度発育遅延(N−アセチルノイラミン酸をコードする遺伝子の突然変異関連性の)および縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)、に関連する認知低下の治療または予防における記載された抽出物または組成物の使用に関する。
【実施例】
【0221】
実施例1
シアリルオリゴ糖含有抽出物は、4つの異なる方法を用いて生成される。シアリルオリゴ糖、タンパク質、非タンパク質窒素、ラクトースおよび灰分の含有量が決定される。
【0222】
1.方法A
ラクトース結晶化からの母液を含むシアリルオリゴ糖含有材料を提供する。
【0223】
供給源物質を、67℃より高い温度で少なくとも2分間加熱して母液中のミネラルを沈殿させる。不溶性ミネラルといくらかのタンパク質を遠心分離によって除去する。
【0224】
脱塩された供給源物質を、β−ガラクトシダーゼとの酵素反応工程に付してラクトースをガラクトースおよびグルコースに分解する。
【0225】
限外ろ過を、3〜20kDaの孔径を有する膜を用いて、50℃〜70℃、2〜10バールで行い、タンパク質を除去する。
【0226】
糖類、可溶性ミネラルおよびシアリルオリゴ糖を含む限外ろ過透過液を、100〜250Daの孔径を有する膜を用いて25〜55℃、30〜50バールで行われるナノろ過/ダイアフィルトレーションに付してガラクトース、グルコースおよび可溶性ミネラルを除去する。
【0227】
シアリルオリゴ糖に富むナノろ過リテンテートを蒸発に付して濃縮リテンテートを生成する。任意には、蒸発の前に逆浸透および/またはナノろ過を行う。
【0228】
任意には、β−ガラクトシダーゼを使用して第2の酵素反応を行い、グルコースおよびガラクトースを生成するか、またはGOSを生成する。
【0229】
濃縮リテンテートまたは酵素生成物を脱色および任意にはろ過に付して、シアリルオリゴ糖に富む液体抽出物を生成する。
【0230】
液体抽出物を任意に乾燥して、乾燥抽出物を生成する。任意には、液体抽出物を乾燥前に結晶化する。
【0231】
2.方法B
ラクトース結晶化からの母液を含むシアリルオリゴ糖含有材料を提供する。
【0232】
供給源物質を、67℃より高い温度で少なくとも2分間加熱して母液中のミネラルを沈殿させる不溶性ミネラルといくらかのタンパク質を遠心分離によって除去する。
【0233】
脱塩された供給源物質を、3〜20kDaの孔径を有する膜を用いて50〜70℃、2〜10バールで行われる限外ろ過に付してタンパク質を除去する。
【0234】
糖、可溶性ミネラルおよびシアリルオリゴ糖を含む限外ろ過透過液を、100〜250Daの孔径を有する膜を用いて25℃〜55℃、30〜50バールで行われるナノろ過/ダイアフィルトレーションに付して小さい糖および可溶性ミネラルを除去する。
【0235】
シアリルオリゴ糖に富むナノろ過リテンテートを蒸発に付して濃縮リテンテートを生成する。任意には、蒸発の前に逆浸透および/またはナノろ過を行う。
【0236】
酵素反応はβ−ガラクトシダーゼを用いて行われ、グルコースおよびガラクトースを生成するか、またはGOSを生成する。
【0237】
酵素生成物を脱色およびろ過に付して、シアリルオリゴ糖に富む液体抽出物を生成する。
【0238】
液体抽出物を任意に乾燥して、乾燥抽出物を生成する。任意には、液体抽出物を乾燥前に結晶化する。
【0239】
3.方法C
ラクトース結晶化からの母液を含むシアリルオリゴ糖含有材料を提供する。
【0240】
供給源物質を、67℃より高い温度で少なくとも2分間加熱して母液中のミネラルを沈殿させる。
【0241】
2μmに対し300Daの孔径/MWCOを有する膜を使用して、50℃〜90℃、1〜6バールで供給源物質をセラミックろ過に付して不溶性ミネラルおよびタンパク質を除去する。
【0242】
脱塩され脱タンパク質された物質を、β−ガラクトシダーゼとの酵素反応工程に付してラクトースをガラクトースおよびグルコースに分解する。
【0243】
100〜250Daの孔径を有する膜を使用して、25〜55℃、30〜50バールで、物質をナノろ過/ダイアフィルトレーションに付してガラクトース、グルコースおよび可溶性ミネラルを除去する。
【0244】
シアリルオリゴ糖に富むナノろ過リテンテートを蒸発に付して濃縮リテンテートを生成する。任意には、蒸発の前に逆浸透および/またはナノろ過を行う。
【0245】
任意には、β−ガラクトシダーゼを使用して第2の酵素反応を行い、グルコースおよびガラクトースを生成するか、またはGOSを生成する。
【0246】
濃縮リテンテートまたは酵素生成物を脱色および任意にはろ過に付して、シアリルオリゴ糖に富む液体抽出物を生成する。
【0247】
液体抽出物を任意に乾燥して、乾燥抽出物を生成する。任意には、液体抽出物を乾燥前に結晶化する。
【0248】
4.方法D
ラクトース結晶化からの母液を含むシアリルオリゴ糖含有材料を提供する。
【0249】
供給源物質を、67℃より高い温度で少なくとも2分間加熱して母液中のミネラルを沈殿させる。
【0250】
2μmに対し300Daの孔径/MWCOを有する膜を使用して、50℃〜90℃、1〜6バールで供給源物質をセラミックろ過に付して不溶性ミネラルおよびタンパク質を除去する。
【0251】
100〜250Daの孔径を有する膜を使用して、25〜55℃、30〜50バールで、脱塩され脱タンパク質された物質をナノろ過/ダイアフィルトレーションに付して糖および可溶性ミネラルを除去する。
【0252】
シアリルオリゴ糖に富むナノろ過リテンテートを蒸発に付して濃縮リテンテートを生成する。任意には、蒸発の前に逆浸透および/またはナノろ過を行う。
【0253】
β−ガラクトシダーゼを使用して第2の酵素反応を行い、グルコースおよびガラクトースを生成するか、またはGOSを生成する。
【0254】
酵素生成物を脱色および任意にはろ過に付して、シアリルオリゴ糖に富む液体抽出物を生成する。
【0255】
液体抽出物を任意に乾燥して、乾燥抽出物を生成する。任意には、液体抽出物を乾燥前に結晶化する。
【0256】
5.結果
方法A〜Dによって生成されたシアリルオリゴ糖に富む抽出物の組成を表1に示す。
【表3】
【0257】
実施例2
動物モデル(子豚)を使用して、認知に対するシアリルオリゴ糖に富む組成物の効果を測定した。
【0258】
1.動物モデル
子豚の脳構造と機能はヒト早期産児のものとよく似ている(Pond,et al.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,2000.223(1):p.102−8、Moughan,et al.,World Rev.Nutr.Diet,1992.67:p.40−113)。
【0259】
新生子豚は、ヒトと同様に発達が遅く、その体重はその成熟体重に対して比較的小さい。このため、新生子豚も低出生体重児も産後の発達障害にかかりやすい。在胎期間のために小さく生まれた(SGA)(0.7−1.0kgBW)自然出産の子豚は、空間学習障害と白質の異常な発達有することが報告されている(Radlowski et al.,PLoS One,2014.9(3):p.e91951)。子豚はSGA関連の認知障害と潜在的な介入を調査するために使用することができる扱いやすいトランスレーショナルモデルである。さらに、子豚の消化器系は、ヒト乳児と同様の生理機能と解剖学的構造を共有しており、同等な栄養要件を有している。
【0260】
2.試験設計
3日齢のオスの家畜子豚(n=48)を3つの群のうちの1つ(n=16/群)に無作為に分け、3〜37日齢間、異なるシアリルオリゴ糖を含む製剤を与えた。試験群を表2に記載する。
【0261】
子豚を、12時間の明期(08:00〜20:00)および暗期(20:00〜08:00)の周期で、温度調節された部屋に1囲いあたり2匹収容した。
【0262】
SL強化粉乳(または対照用の普通粉乳)180gを温水850mLと混合して製剤を形成した。次いで、子豚に、8:00、13:00、18:00、および22:30時に、最初の2週間で285mL製剤/kg/日、残りの週で230mL/kg/日を与え、最後の給餌で追加の50mL製剤/kg/日を与えた。
【表4】
【0263】
子豚の体重、乳摂取量および健康状態を毎日評価した。赤血球(RBC)膜中のコルチゾールおよびシアリルオリゴ糖レベルを測定するために、安楽死の時点で血液サンプルを採取した。
【0264】
3.脳試料採取
38〜39日齢に、MRSスキャンのために2〜3.5%のイソフルランの麻酔から回復させることなく、子豚をリーザバーブ(lethabarb)注射によって安楽死させた。脳の異なる領域からの組織サンプルを集め、そして−80℃で貯蔵した。前述の方法を用いてこれらの試料について分析を行った(see Chen,et al.Molecular Neurobiology 2015.52(1):p.256−269、Chen et al.,Br.J.Nutr.,2014.111(2):p.332−41、Wang et al.,Am.J.Clin.Nutr.,2007.85(2):p.561−9、を参照されたい。
【0265】
4.識別試験
4.1 方法
2試験が行われた:8方向放射状迷路を使った「簡単な」課題(課題1)と、より「難しい」課題(課題2)。
【0266】
両方の課題について、嗅覚学習を防ぐために、すべてのアームが同じ匂いを持つように、1つのアームにアクセス可能な乳を、残りの7つのアームにアクセスできない乳を提供した。
【0267】
両方の課題について、3つの黒点からなる視覚的な手がかりをアーム中にアクセス可能な乳を有するドアに配置した。
【0268】
課題1では、アクセスできない牛乳を入れた残りの7つのドアに、1つの黒点の視覚的手がかりを配置した。課題2では、残りの7つのドアに、2つの黒点の視覚的な手がかりを配置した。
【0269】
23日目から10日間にわたり、各課題について40回の試行が行われた。それぞれの子豚を個別に8方向放射状迷路に入れた。
【0270】
学習能力の評価は、視覚的手がかりをうまく学習するためにかかった試行の数に基づいて測定された。各試行中にアクセス可能な乳アームを見つけることにおけるミスと成功の数を使用して、学習を定量化した。子豚が間違ったドアに入るか、頭全体を通すたびにミスが記録された。子豚が正しいドアに入ったとき、成功が記録された。視覚的手がかりを学ぶための基準は、3回の連続した試行における最大1回のミスである。頭上のビデオカメラは学習と記憶試験の間、連続的に記録し、訓練を受けた観察者が手動で結果を記録する。すべての試験は、試行群が分からない訓練を受けたスタッフによって行われる。結果はビデオ素材の独立した分析によって裏付けされた。
【0271】
ストレスを軽減し、子豚を試験プロトコールに習熟させるために、学習期間の開始時に同じ囲いからの2頭の子豚を迷路に入らせた。
【0272】
4.2 結果
5分短期記憶試験では群間に有意差はなかった。図3に示すように、第3群の子豚は、3時間の長期記憶試行においてより良好に行った。
【0273】
図4に示されるように、コックス回帰分析を用いたP<0.05の4つ連続する試行にわたって、第3群の子豚は、ただ1つのミスという基準に基づく難しい課題においてより良好に行った。
【0274】
5.磁気共鳴分光法(MRS)を用いた脳の構造的および代謝的評価
5.1 方法
局所脳代謝を評価するためにプロトン磁気共鳴分光法(H−MRS)を行った。インビボMRIは、出生後の子豚の脳の形態計測イメージングを可能にする強力なツールである。
【0275】
手短に言えば、動物を、RF送信および受信の両方のために15チャネルRFコイルを使用して3T MRスキャナー(Siemens Skyra、Erlangen)の右側方位置に置いた。麻酔は、麻酔器(MPI、米国)を使用して全MRIスキャン手順の間中2〜3.5%のイソフルランで維持された。ボクセルサイズは、前頭葉灰白質および白質上で15×14×20mmであった(左から右へ15mm、上から下へ14mm、前方から後方へ20mm)(図1)。MRSは、局在化シングルボクセルスピンエコーPoint RESolved spectroscopy (PRESS)シーケンスを使用して実施した。このPRESSシーケンスは、





および


の形の3つのスライス選択RFパルスを有する。このPRESSシーケンスにおけるSEのTEは


に等しい。この研究では、TRは2000msであり、3つのTEが使用された:35ms(図1B)、135ms(図1C)および270ms(図1D)。
【0276】
大脳白質、皮質灰白質および線条体などの基底構造の絶対量を定量化するために、3D体積測定MRIを用いて脳の発達を評価した。
【0277】
拡散強調画像法(DWI)と拡散テンソル撮像法(DTI)は、微細構造の組織と脳の発達を評価するために行った。
【0278】
3.0Teslaスキャナー(Siemens)を用いたインビボMR技術を用いて、脳発達の変化を評価した。分析方法は、Gan,et al.Magn Reson Imaging 32.10(2014):1396−1402によって報告された全脳テンプレート、組織特異的確率マップおよび解剖学的ラベリングマップを用いたH−MR分光法(局所脳代謝)と組み合わせた、3D体積測定MRI(マクロ構造評価)、拡散強調画像法および拡散テンソル撮像法(ミクロ構造評価)を含んでいた。
【0279】
5.2 結果
第3群は、グルタミン酸(Glu)、ミオイノシトール(Ins)およびグルタミン酸+グルタミン(Glx)の絶対レベルの有意な増加を示した。さらに、前頭葉Ins、N−アセチルアスパラギン酸(NAA)、総NAA、総コリン(TCho)、総グルタチオン(Glth)、ホスホリルコリン(PCh)と、総白質体積または全脳体積の間に有意な正の相関があった(P<0.01)。
【0280】
グルタミン酸は脳の主要な興奮性神経伝達物質であり、学習と記憶の前頭−海馬メカニズムにおいて重要な役割を果たしている。物覚えのよい学習者は物覚えの悪い学習者と比較して変調されたグルタミン酸の早いピークを特徴とすることが研究により示唆されている(Stanlet J et al.,Functional dynamics of hippocampal glutamate during associative learning assessed with in vivo 1H functional magnetic resonance spectroscopy.2017 Neuroimage 153:1:189−197)。
【0281】
ミオイノシトールは学習および記憶を含む脳の発達における役割に関与している。海馬および扁桃体における異常に低いミオイノシトールおよびグルタミン酸レベルが、鬱病患者において検出されている。内側前頭前野と扁桃体のグルタミン酸レベルは実行機能と記憶機能のある海馬のそれとの間に有意な相関がある(Shirayama Y et al.,Myo−inositol,Glutamate,and Glutamine in the Prefrontal cortex,Hippocampus and amygdala in major depression 2017 Biological Psychiatry:Cognitive Neuroscience and Neuroimaging 2;2:196−204)。精神病の危険性が高い患者において海馬絶対ミオイノシトール濃度の有意な低下が検出された(Bakker et al.,Hippocampal myo−inositol and glutamate concentrations are predictive of positive symptom severity in ultra−high risk for psychosis.2013 European Neuropschoparmacology 23;2:page S448)。
【0282】
GPC(アルファグリセリルホスホリルコリン)の増加傾向もまた、示された。GPCは神経保護に関与しており(Plangar et al,Journal of Neuro−Oncology (2014)119:2:253−261)、そして認知機能障害を有する患者において利益を提供し(Scapicchio P.(2013)International Journal of Neuroscience 123;7)、そして認知能力を向上させそして認知低下を遅らせるための栄養補助剤としての見込みが示されている(DeFina P et al.,(2013)Journal of Aging Research)。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0283】
上記の表2に示されている有意差(P<0.05)は、多重比較に対するBonferroniの調整を含む一般線形モデル(一変量ANOVA)に基づいている。
【0284】
したがって、シアリルオリゴ糖は、子豚の神経発達を最適化するために必要な多くの重要な脳代謝産物および神経伝達物質を変化させ得る。
【0285】
6.定量的生化学分析
6.1 方法
ポリシアル酸(polySia)の濃度を測定した。PolySiaは、胚脳内の神経細胞接着分子(NCAM)を時空間的に修飾する特有のシアル酸ポリマーであり、細胞遊走、神経成長、軸索誘導、シナプス可塑性、ならびに正常な神経回路および神経発生の発達に関与している。PolySiaの発現は、神経可塑性、神経結合のリモデリング、または神経発生が進行している嗅球、海馬、脳室下帯、視床、前頭前野皮質、および扁桃体で見られる。PolySiaは、神経栄養因子(BDNF)、成長因子(FGF2)、および神経伝達物質(ドーパミン)などの様々な神経学的に活性な分子を調節して、それらの関与するシグナル伝達を調節し得る。
【0286】
免疫蛍光法を用いて生化学分析を実施した。凍結ミクロトームを用いて、子豚の海馬および前頭皮質からの厚さ8μmの連続冠状断を調製した。脳切片を氷冷4%パラホルムアルデヒド中で15分間固定し、リン酸緩衝食塩水(PBS)中ですすぎ、そして0.3%トリトンX−100で30分間透過処理し、続いてPBS中0.3%ヤギ血清(RT)でブロッキングした。次いで、切片を、polySia−NCAMのpolySia部分を検出するため特異的な一次抗体(1:200;MAB5324、Millipore、USA)と共に一晩(4℃)インキュベートした。PBSで洗浄した後、切片をAlexa Fluor 488結合二次抗体(1:200;115−545−075,Jackson ImmunoResearch,USA)と共に室温で1時間インキュベートした。すべての切片をDAPI(H−1200、VECTOR laboratories、USA)で対比染色した。画像を得て、共焦点顕微鏡を用いて分析した。
【0287】
ウェスタンブロットを用いて、従来の方法(Chen 2014,Zhu 2015)に従ってpolySia−NCAM発現レベルおよび他の問題のあるマーカーを分析した。一次抗体(抗polySia−NCAM抗体、MAB5324、Millipore)の希釈度は1:1000であり、GAPDHを各ゲルにロードされたタンパク質の量の対照として使用し、0.05μg/mLの抗GAPDH mAb(MAB5718、R&D System、USA)を用いて検出した。二次抗体(抗マウスIgG、A4416、Sigma−Aldrich、米国)を1:10000の希釈として使用した。タンパク質バンドの定量化は、Image Analyses Software(Quantity One、Bio−Rad、USA)を用いてフィルムをスキャンすることによって行った。全てのフィルム上のバンドの密度は、非飽和条件下で決定された。
【0288】
6.2 結果
ウェスタンブロット法を用いた群間で海馬におけるpolySia‐NCAM発現に有意差はなかった。しかしながら、対照と比較して、2つの処置群の前頭皮質において有意に高いPolySia発現があった(P<0.001、一元配置分散分析、図4)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】