(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523312
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】改良された水性顔料分散液
(51)【国際特許分類】
   C09D 17/00 20060101AFI20190726BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !C09D17/00
   !C09C3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】79
(21)【出願番号】2018562280
(86)(22)【出願日】20170530
(85)【翻訳文提出日】20190111
(86)【国際出願番号】IB2017053162
(87)【国際公開番号】WO2017208139
(87)【国際公開日】20171207
(31)【優先権主張番号】62/343,111
(32)【優先日】20160530
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517321159
【氏名又は名称】ランダ ラブス(2012)リミテッド
【住所又は居所】イスラエル国,7612301 レホボト,ピーオーボックス 2418
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴロデッツ,ガリア
【住所又は居所】イスラエル国,7645502 レホボト,2 ニヴ アロン ストリート
(72)【発明者】
【氏名】ランダ,ベンジオン
【住所又は居所】イスラエル国,7405135 ネス ジオナ,35 イタマル ベン−アビ ストリート
(72)【発明者】
【氏名】アブラモヴィッチ,サギ
【住所又は居所】イスラエル国,4339320 ラアナナ,20 ハロタス ストリート
(72)【発明者】
【氏名】アヴィタル,ダン
【住所又は居所】イスラエル国,7680400 マツケレト バトヤ,4 リナ エルル ストリート
(72)【発明者】
【氏名】クパーウェイサー,ホゼ
【住所又は居所】イスラエル国,7770708 アシュドッド,47 ナハル ラキシュ ストリート
(72)【発明者】
【氏名】アシュケナジ,オメル
【住所又は居所】イスラエル国,7691000 ケフェア ギブトン,54 イエフディト ストリート
【テーマコード(参考)】
4J037
【Fターム(参考)】
4J037CB09
4J037CB10
4J037DD05
4J037DD17
4J037EE03
4J037EE43
4J037EE46
4J037FF15
4J037FF23
(57)【要約】
分散剤を改良する試剤を含有する水性顔料分散液ならびにそれを調製および使用する方法を開示する。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その粒子集団が分散剤含有粒子を含む水性分散液であって、前記分散液が、
(a)水性担体媒体と、
(b)顔料コア粒子と、
(c)分散剤と、
(d)脂肪酸または置換脂肪酸の少なくとも1つの塩であって、各公称単位の前記塩が、カチオンおよびそれに結合するアニオン部分を有する疎水性炭素鎖を有し、
前記塩が以下の構造的特徴:
(i)25℃およびpH7での標準臨界ミセル濃度(CMC)が最大500ミリモル/リットル(mM/l)であること;
(ii)25℃および水性分散液のpHでのpH依存性CMCが最大500mM/lであること;
の少なくとも1つを有し、
前記塩が:
(i)少なくとも3.8のGriffin親水性−親油性バランス(G−HLB)数;
(ii)少なくとも9.5のDavies親水性−親油性バランス(D−HLB)数;
の少なくとも1つを有する、塩と
を含み、
前記分散剤の分散剤分子が、前記顔料コア粒子の外面を取り囲み、これに結合して分散剤外被を形成し、
前記塩の個々の疎水性炭素鎖が、前記分散剤外被中の前記分散剤分子に結合し、
前記分散剤含有粒子が、前記水性担体媒体中に分散され、
前記粒子集団が、20〜400nmの範囲内の体積基準のメジアン径(DV50)を有し、
前記塩と(i)前記顔料コア粒子および(ii)前記分散剤含有粒子の少なくとも1つの公称表面積との第1の比が1000mあたり最大3.5gである、
分散液。
【請求項2】
前記塩と前記顔料コア粒子の前記公称表面積との前記比が、1000mあたり最大3.0g、最大2.5g、最大2.2g、最大2.0g、最大1.8g、最大1.6g、最大1.4g、最大1.2gまたは最大1.0gである、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項3】
前記顔料コア粒子が、前記水性分散液の2重量%〜60重量%を構成するか、または前記分散剤含有粒子が、前記水性分散液の2.5重量%〜75重量%を構成する、請求項1または請求項2に記載の水性分散液。
【請求項4】
(i)前記粒子集団および(ii)前記顔料コア粒子の少なくとも1つの前記メジアン径(DV50)が、20〜250nm、20〜200nm、20〜150nm、20〜120nm、20〜100nmまたは20〜90nmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項5】
前記粒子集団および前記顔料コア粒子の少なくとも1つの前記メジアン径(DV50)が、少なくとも20もしくは25nm、または20〜80nm、20〜60nm、20〜50nm、20〜40nm、20〜35nmもしくは20〜32nmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項6】
前記標準CMCおよび前記pH依存性CMCの少なくとも1つが、少なくとも0.2mM/l、少なくとも0.4mM/l、少なくとも0.5mM/l、少なくとも0.6mM/l、少なくとも0.7mM/l、少なくとも0.8mM/l、少なくとも1mM/l、少なくとも1.5mM/l、少なくとも2mM/lまたは少なくとも3mM/lである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項7】
前記標準CMCおよび前記pH依存性CMCの少なくとも1つが、0.2〜400mM/l、0.4〜400mM/l、0.4〜100mM/l、0.4〜80mM/l、0.4〜60mM/l、0.6〜80mM/lまたは0.6〜60mM/lの範囲内である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項8】
前記D−HLB数が、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも14または少なくとも16、および任意に最大45、最大40、最大35、最大32、最大30、最大28、最大26または最大24である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項9】
前記D−HLB数が、10〜45、10〜40、10〜35、12〜45、12〜30、14〜45、14〜30、16〜40、16〜28または16〜24の範囲内である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項10】
前記G−HLB数が、少なくとも4、少なくとも4.1、少なくとも4.2、少なくとも4.3、少なくとも4.5、少なくとも4.7、少なくとも5、少なくとも5.5または少なくとも6、および任意に最大20、最大15、最大12、最大10、最大9、最大8、最大7.5または最大7である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項11】
前記G−HLB数が、3.8〜20、3.8〜14、3.8〜10、4.0〜15、4.0〜12、4.0〜9.5、4.0〜8.5、4.0〜7.5、4.0〜7.0または4.2〜7.5の範囲内である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項12】
前記塩と前記分散剤との重量比が0.05:1〜0.60:1、0.05:1〜0.55:1、0.05:1〜0.50:1、0.05:1〜0.45:1、0.05:1〜0.40:1または0.07:1〜0.50:1の範囲内である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項13】
前記顔料コア粒子、前記分散剤および前記塩のゼータ電位が、最大15、最大10、最大5、最大0、最大−5、最大−10、最大−15、最大−20、最大−30または最大−40および任意に少なくとも−100、少なくとも−90、少なくとも−80または少なくとも−70eVである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項14】
前記脂肪酸または置換脂肪酸が、6〜20、8〜20、8〜18、10〜20または10〜18個の炭素の炭素鎖長を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項15】
前記置換脂肪酸の前記塩が、スルホン酸塩または硫酸塩である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項16】
前記塩の前記カチオンが、アンモニウムおよびアルカリ金属からなる群から選択される一価のカチオンであり、前記アルカリ金属が、任意にナトリウムまたはカリウムである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項17】
前記疎水性炭素鎖が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ミリスチン酸塩、ヘキサデカンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ドデカン酸塩およびデカン酸塩からなる群から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項18】
(i)前記顔料コア粒子および(ii)前記分散剤含有粒子の少なくとも1つが、前記水性分散液の少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも35重量%または少なくとも45重量%を構成する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項19】
前記分散剤が、ポリソルベート、C1422O(CO)n(式中、nは8〜11、任意に9〜10である)、アルキルナフタレンスルホン酸のアルカリ塩、ポリ(アクリル酸塩/アクリル)ブロックコポリマー分散剤およびアクリルブロックコポリマー分散剤からなる分散剤の群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項20】
前記ポリ(アクリル酸塩/アクリル)ブロックコポリマーおよび前記アクリルブロックコポリマーの少なくとも1つが、−COOH、−NH、−OH、スルホン酸塩、アクリル酸塩およびエポキシからなる群から任意に選択される少なくとも1つの顔料親和性基を有する、請求項19に記載の水性分散液。
【請求項21】
前記分散剤と、(i)前記顔料コア粒子および(ii)前記分散剤含有粒子の少なくとも1つの前記公称表面積との第2の比が、1000mあたり最大7.5g、最大7.2g、最大7.0g、最大6.7g、最大6.5g、最大6.2gまたは最大6.0gである、請求項1〜20のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項22】
前記分散剤の前記分散剤分子が、前記顔料コア粒子の前記外面に吸着される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項23】
前記塩の前記個々の疎水性炭素鎖が、前記分散剤外被中の前記分散剤分子に吸着される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の水性分散液。
【請求項24】
分散剤含有粒子を含有する水性分散液を形成する方法であって、
(a)18〜390nmの範囲内の体積基準の第1のメジアン径(DV50)を有する、第1の複数の顔料コア粒子を含有する、原料水性組成物を提供するステップであって、前記顔料コア粒子の外面が、分散剤の分散剤分子で覆われており、それに結合して、分散剤外被を形成する、ステップと、
(b)分散剤を改良する試剤(DIA)を前記原料水性組成物に導入して、中間水性組成物を製造するステップであって、前記DIAが、脂肪酸または置換脂肪酸の少なくとも1つの塩であり、各公称単位の前記塩が、カチオンおよびそれに結合するアニオン部分を有する疎水性炭素鎖を有し、
前記塩が:
(i)少なくとも3.8のGriffin親水性−親油性バランス(G−HLB)数;
(ii)少なくとも9.5のDavies親水性−親油性バランス(D−HLB)数;
の少なくとも1つを有し、
前記塩が、以下の構造的特徴:
(i)25℃およびpH7での標準臨界ミセル濃度(CMC)が最大500ミリモル/リットル(mM/l)であること;
(ii)25℃および前記水性分散液のpHでのpH依存性CMCが最大500mM/lであること;
の少なくとも1つを有する、
ステップと、
(c)前記中間水性組成物を処理して、前記水性分散液を製造するステップであって、前記処理が、前記中間水性組成物を撹拌するステップを含み、前記水性分散液中の前記分散剤含有粒子の体積基準の第2のメジアン径(DV50)が20〜400nmの範囲内である、ステップと
を含む、方法。
【請求項25】
前記原料水性組成物の提供が、前記分散剤の存在下で最初の複数の粗顔料粒子をミル粉砕して、前記第1の複数の顔料粒子を製造することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記処理が、前記中間水性組成物を40〜90、50〜80または50〜75℃の範囲内の温度まで少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間または少なくとも3時間加熱することをさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記処理が、前記中間水性組成物を、40〜80、50〜80または50〜75℃の範囲内の温度で、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも7日、少なくとも14日または8時間〜90日、8時間〜30日、8時間〜14日、1日〜60日もしくは1日〜30日の範囲内で加熱することにより、前記中間水性組成物を熟成することをさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のメジアン径が、前記第2のメジアン径を最大30nm、最大20nm、最大10nmもしくは最大5nm超えるか、または前記第1のメジアン径が前記第2のメジアン径に等しい、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記塩と前記顔料コア粒子の公称表面積との比が、1000mあたり最大3.0gである、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記顔料コア粒子が、前記水性分散液の2〜60重量%、5〜60重量%、10〜60重量%、12〜60重量%、15〜60重量%、12〜40重量%または15〜40重量%を構成する、請求項24〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
80℃以下の温度Tで、第1の時間tとtの少なくとも30日後の第2の時間tとの間で、前記中間水性組成物を熟成した後、以下の(a)、(b)、(c)、(d−i)および(d−ii):
(a)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した前記中間水性組成物の粘度Vと時間tに測定した前記中間水性組成物の粘度Vとの関係が、0.8V≦V≦1.2Vであるような関係であること;
(b)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、前記粘度VおよびVが、最大30mPa・sであること;
(c)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、時間tでのメジアン粒径D50−t1と時間tでのメジアン粒径D50−t2との関係が0.8D50−t1≦D50−t2≦1.2D50−t1であるような関係であること;
(d)前記分散剤を改良する試剤を欠くが、その他の点では前記DIAを含有する組成物と同一である、同じ条件下で維持された参照組成物と比較したとき、(i)および(ii):
(i)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した参照組成物の粘度Vと時間tに測定したDIA含有組成物の粘度Vとの関係が、V≦0.8Vであるような関係であること;
(ii)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、量D50−t1、D50−t2、D50−t1−Ref、D50−t2―Refの間の関係が、D50−t1≒D50−t1−Ref≦D50−t2<D50−t2―Refであるような関係であり、
50−t1が、時間tでの前記組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t2が、時間tでの前記組成物の粒子のメジアン粒径D50−t2であり、D50−t1−Refが、時間tでの前記参照組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t1−Refが、時間tでの前記参照組成物の粒子のメジアン粒径であること;
の少なくとも1つが当てはまること
の少なくとも1つが当てはまる、請求項24〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記DIAが、以下:(a)前記DIAなしの前記水性分散液と比較して、前記水性分散液の粘度安定性の向上;(b)前記DIAなしの前記水性分散液と比較して、前記水性分散液を形成するのに必要な分散剤の量の減少の少なくとも1つを達成するのに十分な量で存在する、請求項24〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記水性分散液が、請求項1〜23のいずれか一項に記載の水性分散液である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物の安定性の向上が、前記水性分散液が請求項31の基準の少なくとも1つを満たすことを決定することによって確立される、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2016年5月30日に出願された米国仮特許出願第62/343,111号の優先権を要求するものであり、本明細書に完全に記載されるかのように、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、水性顔料分散液、ならびにそれを調製および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
担体媒体中に小粒子を含む組成物は、多くの業界で一般的である。例えば、顔料は、印刷、コーティングおよび塗装業で、ならびに一部の化粧品において広範に用いられる。しばしば、顔料などの粒子は、これらが運ばれる媒体に不溶性であり、その結果、顔料または他の粒子を含有する組成物は、典型的には、粒子が担体中に分散されている異種混合物である。分散された物質の大きさに応じて、このような組成物は、懸濁液(そこで、粒子は、通常1μmよりも大きく、そのままにしておくと、最終的に堆積し得る)またはコロイド分散液と称され得、これらは典型的には堆積しないサブミクロンの範囲の粒子により一般に特徴づけられる。分散液のシェルフライフは、物理的手段(例えば、撹拌)または化学的手段(例えば、特定の賦形剤の使用)により延長できる。
【0004】
粒子含有組成物の安定性の制御は、多くの製品、例えば、塗料、インクおよびコーティングなどの顔料含有組成物の製造において重要である。粒子の化学的性質、粒径分布および濃度、ならびに媒体の特性(例えば、イオン強度、pHなど)に応じて、粒子は、例えば、凝固、凝集または沈殿により相分離する場合がある。場合によっては、粒子含有組成物は、さらにまたはあるいは、相転移する場合があり、この場合、比較的流体の組成物は、ゲル様構造に変化し得る。ゲル化とも称されるこのようなゾルゲル転移は、特定の条件下で、周囲温度で自発的に生じ得るか、または高温で誘導もしくは促進され得る。このような相分離または転移は、とりわけ不可逆的である場合、粒子含有組成物の意図される使用を典型的には害する。例えば、顔料の場合、このような転移は、例えば、着色組成物の操作性に影響を与え得る(例えば、インクジェットプリントヘッドのノズルを詰まらせる、またはそうでなければこれらの意図される操作に影響を与える)。
【0005】
このような安定性の問題に対抗する1つの方法は、分散剤または界面活性剤を粒子含有組成物に添加することである。好適な分散剤の添加は、安定した粒子含有分散液を生み出すことができるが、このような試剤は、組成物の固有の不安定性を遅延または低減するだけである場合が多い。さらに、分散剤は、新たな配合に関する課題が生じ得る量で必要とされる場合が多い。例えば、過剰であり、組成物を害する量の分散剤が含まれないようにするために、典型的には、組成物にその活性の重要な側面を与える粒子の濃度を低下させる必要があり得る。着色組成物において、顔料の「活性粒子」の量のこのような減少は、所望の着色効果を害する恐れがあり、分散剤濃度の上昇は、その性能に悪影響を与える可能性がある。ジェット可能インク組成物を調製するために用いられる顔料分散液について、例として、このように上昇した分散剤濃度により、インクジェットプリントヘッドが詰まり得るか、または詰まり頻度がかなり増加し得る。分散剤の包含は、主として分散剤自体のコストにより、製造コストの増加にもつながる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の教示によれば、その粒子集団が分散剤含有粒子を含む水性分散液であって、分散液が、(a)水性担体媒体と、(b)顔料コア粒子と、(c)分散剤と、(d)脂肪酸または置換脂肪酸の少なくとも1つの塩であって、各公称単位の該塩が、カチオンおよびそれに結合するアニオン部分を有する疎水性炭素鎖を有し、該塩が以下の構造的特徴:(i)25℃およびpH7での標準臨界ミセル濃度(CMC)が最大500ミリモル/リットル(mM/l)であること;(ii)25℃および水性分散液のpHでのpH依存性CMCが最大500mM/lであること;の少なくとも1つを有し、該塩が:(i)少なくとも3.8のGriffin親水性−親油性バランス(G−HLB)数;(ii)少なくとも9.5のDavies親水性−親油性バランス(D−HLB)数;の少なくとも1つを有する、塩とを含み、該分散剤の分散剤分子が、該顔料コア粒子の外面を取り囲み、これに結合して分散剤外被を形成し、該塩の個々の疎水性炭素鎖が、該分散剤外被中の該分散剤分子に結合し、分散剤含有粒子が、該水性担体媒体中に分散され、粒子集団が、20〜400nmの範囲内の体積基準のメジアン径(DV50)を有し、分散液が、以下の構造的特徴:(1)該顔料コア粒子の該外面が、該分散剤分子の一部を含む複数の分子により覆われ、これに直接結合し、該分散剤分子の該一部と該複数の分子との比が、少なくとも0.90、少なくとも0.95、少なくとも0.97、少なくとも0.98、少なくとも0.99、少なくとも0.995または1.00であること;(2)該顔料コア粒子の該外面が、該分散剤分子の一部を含む複数の分子により覆われ、これに直接結合しており、該複数の分子中での該分散剤分子の該一部と該塩の疎水性炭素鎖との重量比が、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50または少なくとも100であること;(3)該顔料コア粒子の該外面が、該分散剤分子の一部を含む複数の分子により覆われ、これに直接結合しており、該複数の分子中での該塩の疎水性炭素鎖と該複数の分子との重量比が、最大0.05、最大0.03、最大0.02、最大0.01、最大0.005または0.002であること;(4)該塩と該分散剤との重量比が、最大0.55:1、最大0.50:1、最大0.45:1、最大0.40:1、最大0.35:1、最大0.30:1、最大0.25:1、最大0.20:1または最大0.15:1、および任意に少なくとも0.05:1、少なくとも0.07:1、少なくとも0.10:1または少なくとも0.12:1であること;(5)該塩と該顔料コア粒子との重量比が、最大0.15:1、最大0.12:1、最大0.10:1、最大0.09:1、最大0.08:1、最大0.07:1、最大0.06:1または最大0.05:1、および任意に少なくとも0.01:1、少なくとも0.02:1または少なくとも0.03:1であること;(6)該分散剤外被中の該分散剤分子と該分散剤の他の分散剤分子との重量比が、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1または少なくとも8:1、および任意に最大100:1、最大50:1、最大20:1、最大15:1または最大10:1であること;(7)水性分散液中での分散剤含有粒子の全固形分と該分散剤および該塩の合計との重量比が、少なくとも0.55:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1または少なくとも0.8:1、任意に最大0.9:1、最大0.85:1、最大20:1、最大15:1または最大10:1、ならびにさらに任意に0.55:1〜0.90:1の範囲内であること;(8)該塩と、(i)該顔料コア粒子;(ii)分散剤含有粒子の少なくとも1つの公称表面積との第1の比が、1000mあたり最大4.0g、および任意に1000mあたり最大3.5g、最大3.0g、最大2.8g、最大2.5g、最大2.2g、最大2.0g、最大1.8g、最大1.6g、最大1.4g、最大1.2g、最大1.0g、最大0.8g、最大0.6g、最大0.4g、または1000mあたり最大0.3gであること、ならびに;(9)該分散剤と、(i)該顔料コア粒子および(ii)分散剤含有粒子の少なくとも1つの公称表面積との第2の比が、1000mあたり最大7.5g、最大7.2g、最大7.0g、最大6.7g、最大6.5g、最大6.2gまたは最大6.0gであることの少なくとも1つを有する、水性分散液を提供する。
【0007】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、該塩と該顔料コア粒子の該公称表面積との比は、1000mあたり最大2.5g、最大2.2g、最大2.0g、最大1.8g、最大1.6g、最大1.4g、最大1.2gまたは最大1.0gである。
【0008】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、顔料コア粒子は、水性分散液の2重量%〜60重量%を構成するか、または分散剤含有粒子は、水性分散液の2.5重量%〜75重量%を構成する。
【0009】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該標準CMCおよび該pH依存性CMCの少なくとも1つは、少なくとも0.2mM/l、少なくとも0.4mM/l、少なくとも0.5mM/l、少なくとも0.6mM/l、少なくとも0.7mM/l、少なくとも0.8mM/l、少なくとも1mM/l、少なくとも1.5mM/l、少なくとも2mM/lまたは少なくとも3mM/lである。
【0010】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該標準CMCおよび該pH依存性CMCの少なくとも1つは、0.2〜400mM/l、0.4〜400mM/l、0.4〜100mM/l、0.4〜80mM/l、0.4〜60mM/l、0.6〜80mM/lまたは0.6〜60mM/lの範囲内である。
【0011】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、D−HLB数は、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも14または少なくとも16、および任意に最大45、最大40、最大35、最大32、最大30、最大28、最大26または最大24である。
【0012】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、D−HLB数は、10〜45、10〜40、10〜35、12〜45、12〜30、14〜45、14〜30、16〜40、16〜28または16〜24の範囲内である。
【0013】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、G−HLB数は、少なくとも4、少なくとも4.1、少なくとも4.2、少なくとも4.3、少なくとも4.5、少なくとも4.7、少なくとも5、少なくとも5.5または少なくとも6、および任意に最大20、最大15、最大12、最大10、最大9、最大8、最大7.5または最大7である。
【0014】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、G−HLB数は、3.8〜20、3.8〜14、3.8〜10、4.0〜15、4.0〜12、4.0〜9.5、4.0〜8.5、4.0〜7.5、4.0〜7.0または4.2〜7.5の範囲内である。
【0015】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該塩と該分散剤との重量比は、0.05:1〜0.60:1、0.05:1〜0.55:1、0.05:1〜0.50:1、0.05:1〜0.45:1、0.05:1〜0.40:1または0.07:1〜0.50:1の範囲内である。
【0016】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該顔料コア粒子、該分散剤および該塩のゼータ電位は、最大15、最大10、最大5、最大0、最大−5、最大−10、最大−15、最大−20、最大−30または最大−40、および任意に少なくとも−100、少なくとも−90、少なくとも−80または少なくとも−70電子ボルト(eV)である。
【0017】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、脂肪酸または置換脂肪酸は、6〜20、8〜20、8〜18、10〜20または10〜18個の炭素の炭素鎖長を有する。
【0018】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該置換脂肪酸の塩は、スルホン酸塩または硫酸塩である。
【0019】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、塩のカチオンは、アンモニウムおよびアルカリ金属からなる群から選択される一価のカチオンであり、任意に、該アルカリ金属はナトリウムまたはカリウムである。
【0020】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、疎水性炭素鎖は、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ミリスチン酸塩、ヘキサデカンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、ドデカン酸塩およびデカン酸塩からなる群から選択される。
【0021】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、(i)該顔料コア粒子および(ii)分散剤含有粒子の少なくとも1つは、水性分散液の少なくとも5重量%、少なくとも7重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも35重量%または少なくとも45重量%を構成する。
【0022】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、分散剤は、ポリソルベート、化学式C1422O(CO)(式中、nは8〜11および任意に9〜10である)で表される親水性ポリエチレンオキシド鎖および疎水性芳香族炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤、アルキルナフタレンスルホン酸のアルカリ塩、ポリ(アクリル酸塩/アクリル)ブロックコポリマー分散剤およびアクリルブロックコポリマー分散剤からなる分散剤の群から選択される。
【0023】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該ポリ(アクリル酸塩/アクリル)ブロックコポリマーおよび該アクリルブロックコポリマーの少なくとも1つは、−COOH、−NH、−OH、スルホン酸塩、アクリル酸塩およびエポキシからなる群から任意に選択される少なくとも1つの顔料親和性基を有する。
【0024】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該分散剤の分散剤分子は、該顔料コア粒子の該外面に吸着される。
【0025】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該塩の個々の疎水性炭素鎖は、該分散剤外被中の該分散剤分子に吸着される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、分散剤含有粒子を含有する水性分散液を形成する方法であって、(a)18〜390nmの範囲内の体積基準の第1のメジアン径(DV50)を有する、第1の複数の顔料コア粒子を含有する、原料水性組成物を提供するステップであって、該顔料コア粒子の外面が、分散剤の分散剤分子で覆われており、それに結合して、分散剤外被を形成する、ステップと、(b)分散剤を改良する試剤(DIA)を該原料水性組成物に導入して、中間水性組成物を製造するステップであって、該DIAが、脂肪酸または置換脂肪酸の少なくとも1つの塩であり、各公称単位の該塩が、カチオンおよびそれに結合するアニオン部分を有する疎水性炭素鎖を有し、該塩が:(i)少なくとも3.8のGriffin親水性−親油性バランス(G−HLB)数;(ii)少なくとも9.5のDavies親水性−親油性バランス(D−HLB)数;の少なくとも1つを有し、該塩が、以下の構造的特徴:(i)25℃およびpH7での標準臨界ミセル濃度(CMC)が最大500ミリモル/リットル(mM/l)であること;(ii)25℃および水性分散液のpHでのpH依存性CMCが最大500mM/lであること;の少なくとも1つを有する、ステップと、(c)該中間水性組成物を処理して、水性分散液を製造するステップであって、該処理が、該中間水性組成物を撹拌するステップを含み、水性分散液中の分散剤含有粒子の体積基準の第2のメジアン径(DV50)が20〜400nmの範囲内である、ステップとを含む、方法を提供する。
【0027】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、原料水性組成物の提供は、該分散剤の存在下で最初の複数の粗顔料粒子をミル粉砕して、該第1の複数の顔料粒子を製造することを含む。
【0028】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、処理は、該中間水性組成物を40〜90、50〜80または50〜75℃の範囲内の温度まで少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも1時間または少なくとも3時間加熱することをさらに含む。
【0029】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、処理は、該中間水性組成物を40〜80、50〜80または50〜75℃の範囲内の温度で少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも1日、少なくとも3日、少なくとも7日、少なくとも14日または8時間〜90日、8時間〜30日、8時間〜14日、1日〜60日または1日〜30日の範囲内で加熱することにより、該中間水性組成物を熟成することをさらに含む。
【0030】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該第1のメジアン径は、該第2のメジアン径を最大30nm、最大20nm、最大10nmもしくは最大5nm超えるか、または該第1のメジアン径は該第2のメジアン径に等しい。
【0031】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該塩と該顔料コア粒子の公称表面積との比は、1000mあたり最大3.0gである。
【0032】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該顔料コア粒子は、水性分散液の2〜60重量%、5〜60重量%、10〜60重量%、12〜60重量%、15〜60重量%、12〜40重量%または15〜40重量%を構成する。
【0033】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、80℃以下の温度Tで、第1の時間tとtの少なくとも30日後の第2の時間tとの間で、該中間水性組成物を熟成した後、以下の(a)、(b)、(c)、(d−i)および(d−ii)の少なくとも1つが当てはまる:(a)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した該中間水性組成物の粘度Vと時間tに測定した該中間水性組成物の粘度Vとの関係が、0.8V≦V≦1.2Vであるような関係であること;(b)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、該粘度VおよびVが、最大30mPa・sであること;(c)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、時間tでのメジアン粒径D50−t1と時間tでのメジアン粒径D50−t2との関係が0.8D50−t1≦D50−t2≦1.2D50−t1であるような関係であること;(d)分散剤を改良する試剤を欠くが、その他の点ではDIAを含有する組成物と同一である、同じ条件下で維持された参照組成物と比較したとき、(i)および(ii):(i)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した参照組成物の粘度Vと時間tに測定したDIA含有組成物の粘度Vとの関係が、V≦0.8Vであるような関係であること;(ii)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、量D50−t1、D50−t2、D50−t1−Ref、D50−t2―Refの間の関係が、D50−t1≒D50−t1−Ref≦D50−t2<D50−t2―Refであるような関係であり、D50−t1が、時間tでの組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t2が、時間tでの組成物の粒子のメジアン粒径D50−t2であり、D50−t1−Refが、時間tでの参照組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t1−Refが、時間tでの参照組成物の粒子のメジアン粒径であること;の少なくとも1つが当てはまること。
【0034】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、DIAは、以下:(a)該DIAなしの水性分散液と比較して、水性分散液の粘度安定性の向上;(b)DIAなしの該水性分散液と比較して、該水性分散液を形成するのに必要な分散剤の量の減少の少なくとも1つを達成するのに十分な量で存在する。
【0035】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、水性分散液は、上記特徴のいずれかによる、または以下に記載の特徴のいずれかによる水性分散液である。
【0036】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、組成物の該安定性の向上は、水性分散液が、基準(a)、(b)、(c)、(d−i)および(d−ii)の少なくとも1つを満たすことを決定することにより確立される。
【0037】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、顔料コア粒子であれ、分散剤含有粒子であれ、粒子のメジアン径(D50)は、最大400ナノメートル(nm)および最大350nm、最大300nm、最大200nm、最大100nm、最大90nm、最大80nm、最大70nm、最大60nmまたは最大50nmである。
【0038】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、顔料コア粒子および/または分散剤含有粒子のメジアン径(D50)は、少なくとも10ナノメートル、少なくとも20nm、少なくとも25nm、少なくとも30nmまたは少なくとも40nmである。
【0039】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、(i)粒子集団および(ii)該顔料コア粒子の少なくとも1つのメジアン径(Dv50)は、20nm〜250nm、20nm〜200nm、20nm〜150nm、20nm〜120nm、20nm〜100nm、20nm〜90nm、10nm〜300nm、20nm〜200nm、30nm〜100nmまたは30nm〜90nmの範囲内である。
【0040】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、粒子集団および該顔料コア粒子の少なくとも1つのメジアン径(Dv50)は、少なくとも20nmもしくは25nm、または20nm〜80nm、20nm〜60nm、20nm〜50nm、20nm〜40nm、20〜35nmまたは20nm〜32nmの範囲内である。
【0041】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、脂肪酸または置換脂肪酸の炭素鎖は、ベンゼンで置き換えられる少なくとも1つのCH単位を有する。
【0042】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、炭素鎖は、飽和もしくは不飽和炭素鎖であるか、または直鎖炭素鎖および分岐炭素鎖からなる群から選択される。
【0043】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、該炭素鎖の骨格構造は、環構造および芳香族構造からなる群から選択される構造を含む。
【0044】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、分散剤は、Dispex(登録商標)Ultra PX4585、Disperbyk(登録商標)190、Triton(登録商標)X−100、Tween(登録商標)20およびNaxaf(登録商標)HSPからなる群から選択される。
【0045】
記載の好ましい実施形態のさらにさらなる特徴によれば、特定のDIA塩と結合する特定の分散剤の様々な対は、水性分散液を安定させるのに特定の有効性を示すことが判明しており、分散剤およびDIA塩は、以下からなる群から選択される組み合わせを形成する:Disperbyk(登録商標)190およびドデシル硫酸アンモニウム;Disperbyk(登録商標)190およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびオレイン酸カリウム;Disperbyk(登録商標)190および1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびドデカン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびドデシル硫酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびミリスチン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびオクタン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびオレイン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびパルミチン酸ナトリウム;Disperbyk(登録商標)190およびステアリン酸ナトリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびドデカン酸カリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびミリスチン酸カリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびオレイン酸カリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびドデカン酸ナトリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびドデシル硫酸ナトリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびオクタン酸ナトリウム;Dispex(登録商標)Ultra PX4585およびオレイン酸ナトリウム;Naxaf(登録商標)HSPおよびドデシル硫酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびドデシル硫酸アンモニウム;Triton(登録商標)X−100およびミリスチン酸カリウム;Triton(登録商標)X−100およびドデカン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびドデシル硫酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびミリスチン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびオクタン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびオレイン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびパルミチン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100および1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびステアリン酸ナトリウム;Triton(登録商標)X−100およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;Tween(登録商標)20およびミリスチン酸カリウム、そこでTriton(登録商標)X−100は、少なくとも1つのオクチルフェノールエトキシレートであり、Tween(登録商標)20はポリソルベートであり、Naxaf(登録商標)HSPはアルキルナフタレンスルホン酸のアルカリ塩であり、Dispex(登録商標)Ultra PX4585はアクリルブロックコポリマー分散剤であり、Disperbyk(登録商標)190はポリ(アクリル酸塩/アクリル)ブロックコポリマー分散剤である。
【0046】
本発明の別の態様によれば、水性担体媒体、所望の物質の粒子、該粒子の分散剤、および分散剤を改良する試剤(DIA)を含む分散液組成物が提供され、組成物は、80℃以下の温度Tで、第1の時間tとtの少なくとも30日後の第2の時間tとの間で熟成した後、以下の(a)、(b)、(c)、(d−i)および(d−ii)の少なくとも1つが当てはまる:(a)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した粘度Vと時間tに測定した粘度Vとの関係が、0.8V≦V≦1.2Vであるような関係であること;(b)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した粘度Vが、≦30mPa・sであり、時間tに測定した粘度Vが、≦30mPa・sであること;(c)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、時間tのメジアン粒径D50−t1と時間tのメジアン粒径D50ーt2との関係が0.8D50−t1≦D50−t2≦1.2D50−t1であるような関係であること;(d)分散剤を改良する試剤を欠くが、その他の点ではDIAを含有する組成物と同一である、同じ条件下で維持された参照組成物と比較したとき、(i)および(ii):(i)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度Tで、時間tに測定した参照組成物の粘度Vと時間tに測定したDIA含有組成物の粘度Vとの関係が、V≦0.8Vであるような関係であること;(ii)20℃および25℃を含む20℃〜25℃の範囲の温度TPSで、D50−t1が、時間tでの組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t2が、時間tでの組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t1−Refが、時間tでの参照組成物の粒子のメジアン粒径であり、D50−t2−Refが、時間tでの参照組成物の粒子のメジアン粒径である値D50−t1、D50−t2、D50−t1−Ref、D50−t2―Refの間の関係が、D50−t1≒D50−t1−Ref≦D50−t2<D50−t2―Refであるような関係であり、関係がさらに任意にD50−t2≦0.8D50−t2―Refであるような関係であること;の少なくとも1つが当てはまること。
【0047】
以下に記載するように、このような粘度または粒径は、周囲温度で測定され、場合によっては、粘度計または粒径分析装置の測定条件を、当該範囲の粘度または粒径、形状および累積分布に適合させる。幾つかの実施形態において、tおよびtは互いに30および360日以内もしくは30および270日以内、または30〜180日、30〜90日もしくは30〜60日である。
【0048】
いくつかの実施形態において、熟成温度は、20℃≦T≦80℃であるような温度である。いくつかの実施形態において、T≦60℃である。いくつかの実施形態において、Tは60℃に等しい。いくつかの実施形態において、20℃≦T≦60℃である。いくつかの実施形態において、20℃≦T≦25℃である。いくつかの実施形態において、Tは25℃に等しい。いくつかの実施形態において、25℃≦T≦30℃である。
【0049】
いくつかの実施形態において、熟成期間は、時間tと時間tとの差が30日であるような期間である。いくつかの実施形態において、熟成期間は、時間tと時間tとの差が少なくとも30日であるような期間である。いくつかの実施形態において、時間tと時間tとの差は45日である。いくつかの実施形態において、時間tと時間tとの差は少なくとも45日である。いくつかの実施形態において、時間tと時間tとの差は60日である。いくつかの実施形態において、時間tと時間tとの差は少なくとも60日である。
【0050】
いくつかの実施形態において、組成物を調製する時間tと時間tとの差は最大10日である。いくつかの実施形態において、t−t≦5日である。いくつかの実施形態において、t−t≦3日である。いくつかの実施形態において、t−t≦1日である。
【0051】
いくつかの実施形態において、DIAの分子(またはDIA分子)は、直鎖または分岐脂肪酸または置換脂肪酸の塩である。DIA分子は、カチオン塩およびそれに結合するアニオン部分を有する疎水性炭素鎖からなる。このような塩は、好適な担体中で、カチオン塩およびアニオン性炭化水素鎖に迅速に解離し得ることが容易に理解されるように、用語DIA分子は、解離分子も包含する。
【0052】
いくつかの実施形態において、DIA分子の少なくとも一部分は、分散剤との分子結合中に存在する。
【0053】
本明細書において、分散剤分子および/またはDIA分子に結合する前の顔料粒子は、コア粒子、コア顔料粒子または顔料コア粒子と称され得る。このようなコア粒子が少なくとも分散剤分子に結合すると、これらは分散剤含有粒子と称され得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、上記粒子集団のメジアン径は、体積基準で評価および/または提供されるので、粒径の下側閾値、上限または範囲と関連して前節で使用した用語D50は、Dv50を指すと解釈されるべきである。
【0055】
いくつかの実施形態において、顔料粒子は、有機または無機顔料の粒子であり得、シアン、青、マゼンタ、赤、黄、黒、緑、オレンジ、白、紫、蛍光、金属もしくは金属効果粒子またはこれらの混合物を含み得る。
【0056】
シアン色または青色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Blue1、Pigment Blue2、Pigment Blue3、Pigment Blue15、Pigment Blue15:3、Pigment Blue15:4、Pigment Blue16、Pigment Blue22、Pigment Blue60の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PB1、PB2、PB3などと称され得る。
【0057】
マゼンタ色または赤色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Red2、Pigment Red3、Pigment Red4、Pigment Red5、Pigment Red7、Pigment Red8、Pigment Red12、Pigment Red13、Pigment Red21、Pigment Red22、Pigment Red23、Pigment Red31、Pigment Red48(Ca)、Pigment Red48(Mn)、Pigment Red49:1、Pigment Red49:2、Pigment Red53:1、Pigment Red57(Ca)、Pigment Red57:1、Pigment Pigment Red63:1、Pigment Red81、Red112、Pigment Red122、Pigment Red123、Pigment Red144、Pigment Red146、Pigment Red168、Pigment Red184、Pigment Red185、Pigment Red202、Pigment Violet19およびPigment Violet23の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PR2、PR3、PR4などと称され得る。
【0058】
黄色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Yellow1、Pigment Yellow3、Pigment Yellow12、Pigment Yellow13、Pigment Yellow14、Pigment Yellow17、Pigment Yellow55、Pigment Yellow62、Pigment Yellow65、Pigment Yellow73、Pigment Yellow74、Pigment Yellow81、Pigment Yellow83、Pigment Yellow97、Pigment Yellow110、Pigment Yellow127、Pigment Yellow138、Pigment Yellow139、Pigment Yellow147、Pigment Yellow150、Pigment Yellow151、Pigment Yellow154、Pigment Yellow155、Pigment Yellow168、Pigment Yellow174、Pigment Yellow176、Pigment Yellow180、Pigment Yellow183およびPigment Yellow191の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PY1、PY3、PY12などと称され得る。
【0059】
黒色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Black1、Pigment Black6、Pigment Black7、Pigment Black8、Pigment Black9、Pigment Black10、Pigment Black11、Pigment Black12、Pigment Black13、Pigment Black14、Pigment Black17、Pigment Black18、Pigment Black19、Pigment Black22、Pigment Black23、Pigment Black24、Pigment Black25、Pigment Black26、Pigment Black27、Pigment Black28、Pigment Black29、Pigment Black30、Pigment Black31、Pigment Black32、Pigment Black33、Pigment Black34およびPigment Black35としても公知のファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラックおよびチャネルブラックなどのカーボンブラック種の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PBk1、PBk6、PBk7などと称され得る。
【0060】
緑色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Green1、Pigment Green2、Pigment Green4、 Pigment Green7、Pigment Green8、Pigment Green10、Pigment Green13、Pigment Green14、Pigment Green15、Pigment Green16、Pigment Green17、Pigment Green18、Pigment Green19、Pigment Green22、Pigment Green23、Pigment Green24、Pigment Green26、Pigment Green36、Pigment Green38、Pigment Green39、Pigment Green41、Pigment Green42、Pigment Green45、Pigment Green48、Pigment Green50、Pigment Green51、Pigment Green55およびPigment Green56の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PG1、PG2、PG4などと称され得る。
【0061】
オレンジ色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment Orange1、Pigment Orange2、Pigment Orange3、Pigment Orange5、Pigment Orange13、Pigment Orange16、Pigment Orange17、Pigment Orange20、Pigment Orange21、Pigment Orange23、Pigment Orange34、Pigment Orange36、Pigment Orange38、Pigment Orange41、Pigment Orange43、Pigment Orange45、Pigment Orange48、Pigment Orange64およびPigment Orange73の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PO1、PO2、PO3などと称され得る。
【0062】
白色を提供するための組成物に関して、顔料粒子は、例えば、Pigment White1、Pigment White2、Pigment White3、Pigment White4、Pigment White5、Pigment White6、Pigment White6:1、Pigment White7、Pigment White8、Pigment White10、Pigment White11、Pigment White12、Pigment White13、Pigment White14、Pigment White15、Pigment White16、Pigment White17、Pigment White18、Pigment White18:1、Pigment White19、Pigment White20、Pigment White21、Pigment White22、Pigment White23、Pigment White24、Pigment White25、Pigment White26、Pigment White27、Pigment White28、Pigment White30、Pigment White32およびPigment White33の少なくとも1つであり得る。このような顔料は、PW1、PW2、PW3などと称され得る。
【0063】
顔料の選択は、所望の色、および意図される用途に依存し得る。例えば、化粧用途が意図される組成物に関して、顔料粒子は、化粧品用に認可された等級のものであるべきであり、皮膚科用途が意図される組成物に関して、顔料粒子は、皮膚科用に認可された等級のものであるべきであり、医薬用途が意図される組成物に関して、顔料粒子は、薬学的に認可された等級のものであるべきである。さらに、顔料は、組成物に含まれる任意の他の成分と相容性であるか、および/または化学的に不活性であるように一般に選択され、このような考察は、各組成物の調製の当業者によく知られている。分散剤およびDIAの選択に関して、同様の問題が考察されるべきであることが理解される。
【0064】
いくつかの実施形態において、顔料粒子は、Pigment Red185、Pigment Red122、Pigment Blue15:3、Pigment Black7、Pigment Green7およびPigment White6からなる群から選択される。
【0065】
水性コロイド分散液の配合の当業者であれば、特定の顔料または他のサブミクロンの粒状製品に好適な分散剤の選択が、粒状製品の製造業者および/または分散剤の製造業者の推奨を含む容易に入手できる文献、他の商業文献、特許文献、ならびに学術および専門誌に基づき得ることを認識されるであろう。様々な水性コロイド分散液に好適な分散剤としては、特に高分子量(MW)ブロックコポリマーを含むアクリルブロックコポリマー分散剤、特に高MWブロックコポリマーを含む、顔料親和性基を有するブロックコポリマー分散剤、非イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤である、オクチルフェノールエトキシレート(例えば、Triton(登録商標)X−100)およびポリソルベート(例えば、Tween(登録商標)20)などの低分子量分散剤、ならびにアニオン性界面活性剤として利用できるナフタレンスルホン酸塩ポリマー縮合物(例えば、NAXAF(登録商標)HSP)も、本教示に従って分散剤として使用できる。
【0066】
明細書および後続の特許請求の範囲の項において、本明細書で使用する用語「顔料親和性基」などは、以下の官能基および部分:−COOH、−NH、−OH、スルホン酸塩、アクリル酸塩およびエポキシを含むことを意味する。
【0067】
特定の粒状製品での特定の分散剤の使用を推奨するこのような文献を入手できない場合、熟練した配合者は、広範なサブミクロンの粒子種に対して有効性を有することが知られている分散剤を選択できよう。このような広域スペクトルの分散剤の市販例としてはDispex(登録商標)Ultra PX4585(以前はEFKA4585)、Disperbyk(登録商標)190、Triton(登録商標)X−100、Tween(登録商標)20およびNAXAF(登録商標)HSPが挙げられる。
【0068】
いくつかの常套的な実験は、特に濃度を最適化するために場合によって必要であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、顔料と分散剤との重量比は、1:3〜20:1である。いくつかの実施形態において、顔料と分散剤との重量比は、5:1〜20:1である。
【0070】
DIAは、脂肪酸の塩または置換脂肪酸の塩である。いくつかの実施形態において、脂肪酸または置換脂肪酸は、6〜30または6〜20個の炭素の炭素鎖長を有する。いくつかの実施形態において、脂肪酸または置換脂肪酸は、8〜18個の炭素の炭素鎖長を有する。いくつかの実施形態において、炭素鎖は、(例えば、カルボン酸塩系化合物のオクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸およびオクタデカン酸(ステアリン酸)の塩に関しては)飽和炭素鎖である。いくつかの実施形態において、炭素鎖は、(例えば、カルボン酸塩系化合物のオレイン酸塩に関しては)不飽和炭素鎖である。いくつかの実施形態において、置換脂肪酸は、スルホン脂肪酸(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウムまたはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)であり、硫酸塩またはスルホン酸塩基は、ドデカン酸ナトリウムの対応するカルボン酸塩基で置き換えられる。
【0071】
炭素鎖は、直鎖または分岐であり得、環状構造または芳香族環を含み得る。幾つかの実施形態において、脂肪酸または置換脂肪酸の炭素鎖は、ベンゼン(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)で置き換えられる少なくとも1つのCH単位を有する。立体的観点から、ベンゼン基は、好ましくは脂肪酸または置換脂肪酸のアニオン部分の末端に配置され得る。
【0072】
立体効果に関して、本発明者らは、任意の大きな分岐または環(芳香族構造を含む)の配置は、COOまたは置換カルボン酸塩COO部分の末端にある置換脂肪酸アニオンの末端に向かってより好ましいと考える。理論に限定されることは望まないが、本発明者らは、このような大きな分岐または環が、COOまたは置換カルボン酸塩COO部分に隣接して配置された場合、COOまたは置換カルボン酸塩COO部分が顔料粒子を覆う分散剤分子に結合することを立体的に妨害し、これにより、DIAの有効性が低下すると考える。
【0073】
いくつかの実施形態において、脂肪酸または置換脂肪酸は、ノナデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヘプタデカン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ミリスチン酸、トリデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ノナン酸、オクタン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ヘキサデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、ドデシルスルホン酸およびドデシルベンゼンスルホン酸からなる群から選択される。
【0074】
いくつかの実施形態において、塩の対イオンは、脂肪酸塩が、水性担体媒体中での粒子の分散から得られる水性分散液に可溶であるように選択される。このような可溶性は、さらに置換されるかどうかにかかわらず、脂肪酸塩の水溶性に基づき予め推定でき、(例えば、少なくとも10mg/mlの脱イオン水に可溶である)水溶性塩が好ましい。塩の対イオンは、アルカリ金属の群から選択され得る。ナトリウムおよびカリウム塩は、本開示の分散液に特に有利であることが判明した。対イオンとして、アンモニウムは、同等のナトリウム塩と同様に挙動することが判明した。
【0075】
いくつかの実施形態において、脂肪酸の塩または置換脂肪酸の塩は、ノナデカン酸ナトリウム、ノナデカン酸カリウム、ノナデカン酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモニウム、ヘプタデカン酸ナトリウム、ヘプタデカン酸カリウム、ヘプタデカン酸アンモニウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(AOT)、ジオクチルスルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸アンモニウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカンスルホン酸アンモニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸アンモニウム、ペンタデカン酸ナトリウム、ペンタデカン酸カリウム、ペンタデカン酸アンモニウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシル硫酸カリウム、ドデシル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、トリデカン酸ナトリウム、トリデカン酸カリウム、トリデカン酸アンモニウム、ドデカン酸ナトリウム(ラウリン酸ナトリウムとしても知られる)、ドデカン酸カリウム(ラウリン酸カリウムとしても知られる)、ドデカン酸アンモニウム、ウンデカン酸ナトリウム、ウンデカン酸カリウム、ウンデカン酸アンモニウム、デカン酸ナトリウム、デカン酸カリウム、デカン酸アンモニウム、ノナン酸ナトリウム、ノナン酸カリウム、ノナン酸アンモニウム、オクタン酸ナトリウム、オクタン酸カリウムおよびオクタン酸アンモニウムからなる群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態において、分散剤を改良する試剤(DIA)は、重量(wt)比(分散剤の重量あたりのDIAの重量)で表したとき、5:1〜1:300、4:1〜1:50または1:2〜1:30であり得る量で存在する。
【0077】
いくつかの実施形態において、分散剤を改良する試剤(DIA)は、粒子の0.1〜20重量%を構成する量で存在する。いくつかの実施形態において、DIAは、粒子の最大1重量%、粒子の最大2重量%、粒子の最大3重量%、粒子の最大4重量%、粒子の最大5重量%、粒子の最大6重量%、粒子の最大7重量%、粒子の最大8重量%、粒子の最大9重量%、粒子の最大10重量%、粒子の最大11重量%、粒子の最大12重量%、粒子の最大13重量%、粒子の最大14重量%、顔料の最大15重量%、粒子の最大16重量%、粒子の最大17重量%、粒子の最大18重量%、粒子の最大19重量%または粒子の最大20重量%を構成する量で存在する。いくつかの実施形態において、粒子は顔料粒子である。
【0078】
いくつかの実施形態において、顔料粒子は、組成物の30重量%以下、28重量%以下、26重量%以下、24重量%以下、22重量%以下、20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下、15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下、11重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下または1重量%以下を構成する。
【0079】
いくつかの実施形態において、顔料粒子は、組成物の少なくとも0.1重量%、1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも11重量%、少なくとも12重量%、少なくとも13重量%、少なくとも14重量%、少なくとも15重量%、少なくとも16重量%、少なくとも17重量%、少なくとも18重量%、少なくとも19重量%または少なくとも20重量%を構成する。いくつかの実施形態において、顔料粒子は、組成物の0.1重量%〜10重量%を構成する。いくつかの実施形態において、顔料粒子は、組成物の0.1重量%〜5重量%を構成する。
【0080】
いくつかの実施形態において、20℃および80℃を含む20℃〜80℃の温度で少なくとも1日の熟成期間後、組成物は、DIAを欠くがその他の点では同一である、同じ条件下で貯蔵された参照組成物よりも低い粘度を有する。いくつかの実施形態において、熟成期間は、少なくとも2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、20日、25日または30日である。いくつかの実施形態において、熟成温度は、少なくとも25、30、35、40、45、50、55または60℃である。いくつかの実施形態において、熟成温度は、70、60、55、50、45、40、35または30℃以下である。比較的高い温度で比較的短い期間にわたって行われる測定が、比較的低い温度で比較的長い期間による測定に相当し得ることが認識されるであろう。例えば、60℃の温度で1ヶ月間インキュベートした試料から、周囲温度で1年間インキュベートした同じ試料の挙動を予測できることが一般に想定される。このため、加速安定性試験は、温度がその他の点では組成物の安定性を害さない限り、しばしば高温で行われる。例えば、温度は、担体の沸点未満でなくてはならず、組成物、および/または大きな変化が容易に認識されるその成分などの間での関係に不可逆的な影響を与える何らかのこのような温度閾値を考慮に入れる必要がある。いくつかの実施形態において、温度は、最大80、75、70または65℃である。
【0081】
いくつかの実施形態において、粘度は、貯蔵期間後、参照組成物の粘度の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下または0.001%以下である。粘度は、センチポイズ(cP)で、または同等のミリパスカル秒(mPa・s)で互換的に提供され得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、少なくとも20℃の温度で少なくとも30日(すなわちt−t=30日)の貯蔵期間後、tでの組成物中の粒子のD10、D50およびD90(すなわち、各々D10−t2、D50−t2およびD90−t2)の少なくとも1つの値は、粒子の初期D10、D50またはD90(すなわち、各々D10−t1、D50−t1およびD90−t1)に対して20%以下の大きさである。いくつかの実施形態において、貯蔵期間は、少なくとも45日、少なくとも60日、少なくとも75日、少なくとも90日、少なくとも120日、少なくとも150日、少なくとも180日、少なくとも210日、少なくとも240日、少なくとも270日、少なくとも300日、少なくとも330日または少なくとも365日などである。いくつかの実施形態において、温度は、少なくとも25、30、35、40、45、50、55または60℃である。いくつかの実施形態において、温度は、最大80、75、70または65℃である。いくつかの実施形態において、D10、D50またはD90の変化は、貯蔵期間にわたって19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%以下である。いくつかの実施形態において、変化は、D50の変化である。いくつかの実施形態において、変化はD10の変化である。いくつかの実施形態において、変化はD90の変化である。
【0083】
本開示に従って調製される組成物は、着色分散液の着色効果が有益である場合を含め、様々な産業で用いられ得る。このような使用としては、いくつか挙げると、インク組成物、塗料組成物、コーティング組成物(例えば、工業用および装飾用コーティング)の調製、およびパーソナルケア志向の強い製品、例えば、化粧品組成物、皮膚科用組成物および医薬組成物の調製が挙げられる。
【0084】
経時的に比較的安定した粘度を有する組成物は、すべての産業において望ましい。しかし、特に、組成物が比較的複雑または繊細な装置で用いられる場合、または何らかの他の厳しい要求(例えば、化粧品における適切な用量)のために、いくつかの用途は、このような問題に非常に敏感である。例えば、インクジェットプリントヘッドのノズルは、繊細である場合が多く、したがって、このようなプリントヘッドで用いられるインク組成物は、60℃にて少なくとも30日のインキュベーション後、30mPa・sを超えない粘度を再現性よく有することが好ましいであろう。場合によっては、本発明の実施形態による組成物は、このような条件下で、25mPa・s以下、20mPa・s以下、15mPa・s以下または10mPa・s以下の粘度を有する。本開示の組成物が維持できる粘度のこのような範囲は、インクジェットインクに所望され得るが、インクの他の種類を制限するものとして解釈される必要はない。塗料組成物、コーティング組成物および化粧品組成物は、より高い作業粘度を有し、本教示に従って経時的に安定なこのような粘度からやはり利益を得ることができる。
【0085】
本明細書に開示される粒子分散液は、着色効果が必須ではないか、またはあまり重要でない場合の用途でも利用できる。例えば、Pigment Whiteを、例えば、化粧品組成物に組み込んで、紫外線遮断剤として利用することができる。同様に、カーボンブラック顔料粒子は、化粧品組成物を含む、上記組成物すべてを着色するために利用でき、このような粒子は、マスカラ、アイライナーなどの調製に役立ち得るか、または例えば、エラストマーに機械的特性を与えるための充填剤として使用できる。
【0086】
本発明の実施形態を例として添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1A-1C】粒子分散液の機構および構造の様々な種類を図式的に示す図であり、図1Aは、静電反発力単独の機構および構造を示し、図1Cは、立体障害単独の機構および構造を示し、図1Bは、静電および立体を組み合わせた機構および構造を提供する。
【図2A】顔料コア粒子上の分散剤分子(黒点の極性頭部を有する全黒の蛇行線)およびDIA分子(白の「弧線」、アニオン部分は白丸で示されている)の第1の配列を示す図である。
【図2B】顔料コア粒子上の分散剤分子およびDIA分子の第2の配列を示す図であり、そこで顔料コア粒子の外面との直接結合は実質的にすべて分散剤分子との直接結合である。
【図3】顔料粒子が公称粒径(DV50)を有するすべて完全な球形であると想定して、公称粒径(DV50)の関数としての顔料粒子の公称(体積)比表面積を表すグラフである。
【図4】濃度の異なる同じDIAを有する、例示的顔料:分散剤の組み合わせの分散液に対する時間(日)の関数としての粘度(mPa・s)を示すプロットである。
【図5】異なるDIAを有する、例示的顔料:分散剤の組み合わせの分散液に対する時間(日)の関数としての粘度(mPa・s)を示すプロットである。
【図6】異なる例示的顔料:分散剤の組み合わせとともに異なるDIAを有する分散液に対する時間(日)の関数としての粘度(mPa・s)を示すプロットである。
【図7】同じ顔料、分散剤およびDIAを有するが、比が異なる3つの例示的分散液に対する時間の関数としての粘度を示すプロットである。
【図8】同じ顔料、分散剤およびDIAを有するが、比が異なる3つの例示的分散液に対する時間の関数としての粘度を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0088】
言及するように、分散剤は一般に、分散剤を欠く分散液と比べて、改善された特性を有する担体中の顔料または他の粒子の分散液を得るために用いられるが、分散剤を含む場合でも、凝集、凝固、堆積、沈殿などのプロセス、およびその一方でゲル化により、分散液の維持は難題である場合が多い。さらに、分散剤の包含により、粒子含有組成物の製造コストが増大する。本発明者らは、分散剤を改良する試剤(DIA)の添加は、(a)所望の特性を有する粒子含有組成物を得るのに必要な分散剤の量の減少;(b)粒子含有組成物を特定の粘度未満で規定された条件下で所定の期間維持するのに必要な分散剤の量の減少;(c)同じ期間同じ条件下で、DIAを欠く組成物の挙動と比較して、規定された条件下で粒子含有組成物の経時的な粘度の低下の1つ以上の方法で、このような組成物の性能を改善できることを見出した。
【0089】
当業者であれば認識されるように、様々な物質が、様々な媒体において顔料などの様々な粒状物質の分散剤として機能する。典型的には、分散剤は、必ずしもポリマーではない低分子量(例えば、<1000)界面活性剤(イオン[カチオン、アニオン、両性イオン]、非イオンまたは両方)であるか、またはこれらは、粒子分散液のために好適に官能化された高分子量ポリマーである。本明細書に記載の実施例は、一般に顔料と併用される様々な種類の分散剤(高分子量ポリマー界面活性剤、比較的低分子量の非イオン性界面活性剤およびいわゆる低分子量ポリマーのスルホン酸ナフタレンのアニオン性界面活性剤)を利用する。
【0090】
本発明の実施形態で使用するDIAは、担体媒体中の顔料または他の粒子に対する分散剤の性能を改善する任意の物質であり得る。このような性能の改善は、例えば、許容範囲で安定な粒子含有組成物を得るのに必要な分散剤の量の減少を構成し得るか、および/または例えば、DIAを欠くがその他の点では同一の組成物と比較して、組成物の安定性の延長を構成し得る。状況に応じて、このような改善された安定性は、組成物の粘度の関数として測定され得、多くの顔料含有組成物の粘度は、特に高温で経時的に上昇する傾向にあることが知られている。いくつかの極端な例では、この結果、組成物はゲルになり得る。これまでのところ、試験した顔料/分散剤の組み合わせに最善のDIAは、一般に脂肪酸塩またはその誘導体、例えば、このような脂肪酸塩と同等のスルホン酸塩であることが判明した。これらの脂肪酸塩は、一般に約6〜30個の炭素原子の範囲であり、典型的には、これらは直鎖飽和炭素鎖を有し、ある程度の不飽和および/または分岐を有し得る。試験したDIAおよび参照分子を含む一覧を以下の表2に示す。
【0091】
現在請求される発明で使用する粒子は、好ましくは400ナノメートル(nm)以下のD50を有する。「D50」は、粒子のメジアン径、すなわち、数で、または体積基準で測定される場合は累積体積で粒子の50%がD50よりも小さい粒径の粒子である径を指し、これらの2つの量は、各々DN50およびDV50と称される。同様にD10は、数で、または体積基準で測定される場合は累積体積で粒子の10%がD10よりも小さい粒径の粒子である状況を指し、D90は、数で、または体積基準で測定される場合は累積体積で粒子の90%がD90よりも小さい粒径の粒子である状況を指し、これら4つの量は、各々DN10、DV10、DN90およびDV90と称される。D50は、動的光散乱(DLS)を用いて粒子の流体力学的直径に基づき測定される。DLS技術において、粒子は、相当挙動の球形に近似し、粒径は、流体力学的直径の観点から得ることができる。DLSから、粒子集団の粒径分布も評価できる。結果は、分布の計算基準に応じて様々な用語で表され得、これは、例えば、粒子の数、体積、表面積または強度であり得る。DLSを使用してD10、D50またはD90を測定するために使用できる装置の一例としては、Malvern Instruments Ltd.(Malvern、UK)のZen3600 Zetasizerがある。いくつかの実施形態において、粒径およびその分布は、体積基準で表され、この場合、例えば、D50およびDV50は互換的に用いられる。
【0092】
粒子は、粒子の最小寸法と最大直交寸法との無次元比である、任意の好適なアスペクト比を有し得る。特に、顔料に関して、ほぼ球形の顔料粒子は、約1:1および典型的には1:2以下のアスペクト比により特徴付けられ、フレーク様粒子は、少なくとも1:5〜1:100以上の(すなわち、粒子の平面投影像の厚さと最大長との間の)アスペクト比を有し得る。限定するわけではないが、本発明の実施形態による顔料粒子は、約1:100以下、約1:75以下、約1:50以下、約1:25以下、約1:10以下または約1:2以下のアスペクト比を有し得る。
【0093】
本発明の実施形態によれば、顔料を最初に分散剤とともにミル粉砕し、2つの物質を、適切な割合で一緒に混合し、担体に添加するか、または担体中で適切な割合で一緒に混合し、ミル粉砕する。ミル粉砕は、所望の粒径の顔料粒子を生成するのに十分である。この最初のミル粉砕された顔料分散液は、しばしば濃縮ミルベースと称される。組成物で求められる顔料または他の粒子の濃度に応じて、濃縮ミルベースは、任意の所望の顔料濃度に達するように、任意に担体で希釈されてもよい(担体を濃縮ミルベースに添加するか、または濃縮ミルベースを担体に添加する)。得られたストック分散液は、希釈されたミルベースまたは作業用ミルベースのストックと称され得る。DIAは、ミル粉砕終了時に濃縮ミルベースに添加され得、その後、DIA含有濃縮ミルベースは希釈され得るか、またはDIAが、希釈されたミルベースに添加され得る。
【0094】
あるいは、DIAは、いずれかのミルベースの種類に加えて、配合物の意図される使用を達成するのに好適な添加剤を含む配合物中に組み込まれてもよい。このような配合物は、一般に、ミル粉砕の終了直後またはミルベースの希釈直後のいずれかにミルベースから調製され、ミルベースの希釈は、配合物の調製の一部として行われ得る。用語「新しい配合物」または「新たに調製した配合物」は、ミル粉砕終了から2日以内に調製した任意のこのような配合物を指す。この期間を超えるか、またはミル粉砕終了に対する調製時間が不明である配合物は、「貯蔵配合物」と称され得、市販のコロイド分散液は、このような貯蔵配合物の例である。同様に、用語「新たに添加された」は、DIAが配合物に添加された時間を指す場合、DIAがミル粉砕終了から2日以内に配合物に添加されたことを意味する。DIAは、すべての他の添加剤が新たに調製した配合物に組み込まれた後、そこに組み込まれ得るか、またはDIAは、添加剤の1つ以上と同時に組み込まれ得ることが認識されるであろう。DIAは、貯蔵配合物に組み込まれ得ることも認識されるであろう。別の言い方をすれば、DIAが、ミル粉砕された分散剤含有物質に添加される段階は、必須でない場合がある。新たに調製した配合物にまたはその中にDIAを組み込むことと、DIAを貯蔵配合物に添加することの両方が、本発明の実施形態を構成する。
【0095】
DIAを、顔料:分散剤ミルベースまたは由来の配合物に組み込むタイムラインに関係なく、得られた粒子分散液は、現在請求される発明の実施形態を構成する。
【0096】
必要な場合、追加の成分が添加され得、組成物は、塗料、コーティング、インクなどとしての特定の使用に必要な濃度まで希釈され得る。例えば、インク組成物を製造するために、ポリマー樹脂がバインダーとして用いられ得る。他の成分を添加すること、および/または最初はより高濃度の組成物を希釈組成物まで希釈することにより、得られた組成物が現在請求される発明の範囲から排除されないことが認識されるであろう。追加の成分を含有するか、および/またはさらに希釈された、このような得られた組成物は、現在請求される発明の実施形態を構成する。本発明の実施形態による顔料含有組成物は、塗料、コーティング、インクなどの濃縮物として使用できる。
【0097】
図7および8に関連して以下に説明するように、1つ以上のDIAを粒子含有組成物にミル粉砕後に含むことにより、必要とされる分散剤の量を減少させるか、および/または組成物の粘度を安定させることができる。これは、粘度計(例えば、Brookfiled DVll+Pro)を用いて周囲温度で測定され得る、粘度測定からわかる。
【0098】
脂肪酸塩または置換脂肪酸塩の水中での可溶性挙動は、かなり重要なものであり得る。様々な因子によりこの可溶性が決定される。1つのこのような因子は、その長さ、形状、分岐の量などの脂肪酸(または置換脂肪酸)アニオンまたはカルボン酸塩アニオンの性質である。この基が大きく極性が低いと、水中での可溶性が低い。カルボン酸塩官能基はイオン性であり、これにより、隣接する水分子との比較的強いイオン双極子結合が形成され得、比較的長い炭素鎖が水溶液に溶解され得る。石鹸(カルボン酸塩石鹸)などの界面活性剤は、典型的には炭素鎖中に12〜18個の炭素原子を有し得る。
【0099】
別の因子は、カルボン酸塩イオンに結合する陽イオンの同一性である。アンモニウム塩およびアルカリ金属塩(最も一般的に、カリウムおよびナトリウム塩)は、一般に水に十分に可溶性である。典型的には、ルビジウムおよびセシウム塩は、これらに対応するカリウムおよびナトリウム塩と同様に挙動する。対応するリチウム塩は、他のアルカリ金属塩よりも低い可溶性を有し得る。マグネシウムおよびカルシウム塩は、一般に可溶性が低い。
【0100】
鎖端部の脂肪酸基が−SO部分(硫酸塩またはスルホン酸塩のいずれか)で置換されている場合、極性は、脂肪酸類似体に関しては実質的に増大する傾向にあることがさらに留意される。これは、結合の極性の性質を十分に高めることができ、これにより、そのマグネシウムおよびカルシウム塩は十分な可溶性を示すことができる。同様に、短い鎖および不飽和鎖も十分に極性であり得、これにより、そのマグネシウムおよびカルシウム塩は十分な可溶性を示すことができる。
【0101】
脂肪酸塩または置換脂肪酸塩の水中での可溶性挙動は、以下にさらに詳細に記載されるHLB(親水性−親油性バランス)数によって特徴付けることができる。この可溶性挙動は、臨界ミセル濃度(CMC)によってさらに特徴付けることができ、これも以下にさらに詳細に記載される。
【0102】
上記で詳細に述べたように、短い脂肪酸イオンでは、水中での可溶性が改善される傾向があるが、本発明者らは、一方では可溶性の改善と、他方では立体的寄与の低減との間でのトレードオフを発見した。(例えば、10、12または14個の骨格原子を有する)そのやや長い類似体に対して、短い骨格、特に、9個未満の(炭素)原子、8個未満の原子、7個未満の原子または6個未満の原子を有する骨格は、可溶性の改善にも関わらず、一般に、分散性の改善にあまり寄与しない。
【0103】
おそらくより重要なことに、本発明者らは、DIAの有効性がDIAの臨界ミセル濃度(CMC)と相関することを発見した。一般的に言えば、CMCは、それを超えるとミセルが形成され、これにより(CMCを超える)系に添加された追加の界面活性剤が既存または追加のミセルに組み込まれる界面活性剤の濃度である。このような組み込みまたは脱離の速度は、非常に速い場合がある。
【0104】
粒子分布の様々な機構および構造が知られている。図1Aは、静電反発力単独の機構および構造を図式的に示す。図1Cは、立体障害単独の機構および構造を図式的に示す。図1Bは、静電および立体を組み合わせた機構および構造を図式的に提供する。
【0105】
目下の化学系において、本発明者らは、DIA分子が、顔料粒子を覆う分散剤分子に結合すると、DIA分子は本質的に溶液から除去されることを見出した。したがって、DIA濃度がそのCMCを超える系について、このような結合により、(ルシャトリエの原理により)ミセル構造に組み込まれたDIA分子が解離し、溶液に溶解するので、DIAの利用可能性が再び満たされる。
【0106】
おそらくより重要なことに、本発明者らは、DIA全体の可溶性ではなく(または、それ以上に)DIAのCMCが、DIAの有効性に強く影響し得ることをさらに発見した。理論に限定されることは望まないが、本発明者らは、DIAのCMC値が低いことは、DIA−分散剤の相互作用に直接関連していない(すなわち、ミセルがこの工程において役割または重要な役割を果たさない)が、溶液中でのDIAの安定性が低いことを呈し、典型的には、溶液に分子として溶解されるのとは対照的に、分散剤に結合するDIAの相対的な親和性をさらに呈すると考える。
【0107】
驚くべきことに、比較的高い(全体的な)可溶性を有する分子は、そのCMCも高い場合、不良なDIAであり得る。この場合、分子は、分散剤分子に結合するよりも個々に溶解したままである傾向が強い場合がある。
【0108】
顔料分散液のゲル化を低減または抑制する方法を模索する中で、本発明者らは、様々なDIAを様々なミル粉砕前の顔料配合物に導入した。いくつかの抗ゲル化挙動が観察され、本発明者らは、所与の大きさのミル粉砕製品を得るのに必要とされる分散剤の量を増加させる(最大300%)という犠牲を払っている可能性があることを見出した。理論に限定されることは望まないが、本発明者らは、DIAが遊離分散剤と相互作用し得、これにより遊離分散剤が(静電的におよび/または立体的に)不活性化または少なくとも部分的に不活性化されるので、顔料コア粒子の表面を覆うために利用できる分散剤の量が減少すると考える。さらに、本発明者らは、ミル粉砕工程中、顔料粒子の新しい「裸の」表面が露出すると、DIAが、顔料粒子の表面の部位について分散剤と競合し得、これは、分散剤だけで覆われている顔料粒子表面と比較して、全体的な分散性に悪影響を与え得るとさらに考える。結果的に、分散剤の利用可能性を促進するために大量の分散剤を導入しなければならない。
【0109】
図2Aは、実質的に本明細書に上記したように、ミル粉砕段階前に、DIAを様々な顔料配合物に導入することから得た本発明者らの知見による、顔料コア粒子20上の分散剤分子25、27およびDIA分子30、32、34の第1の配列を図式的に示している。様々な分散剤分子25が、顔料コア粒子20に直接結合し得ることがわかる。図2Aに示す例示的配列において、分散剤分子25の非極性末端は、顔料コア粒子20の外面22に吸着されており、外面22および分散剤分子の性質に応じて化学結合を含む他の配列が可能であり得ることが認識されるであろう。
【0110】
例示的に、分散剤分子27の非極性末端は、特定の分散剤分子25の末端以外の部分に結合し得る。
【0111】
示すように、DIA分子32の尾部(すなわち、非極性)末端は、特定の分散剤分子25の末端以外の部分に主として非極性的に結合し得る。さらに、DIA分子30の極性末端は、特定の分散剤分子25の極性末端に結合し得る。
【0112】
重要なことに、いくつかのDIA分子34は、顔料コア粒子20の外面22に直接結合し得る。このようなDIA分子34は、外面22との直接結合に関して分散剤分子との競合に成功している。
【0113】
本発明者らは、このような相互作用が、水性分散液の有効性および安定性をかなり損ない得ることを発見した。このような有害な現象を克服する試みにおいて、所望の顔料標的粒径を得るために、分散剤の濃度、および任意にDIA分子の濃度をかなり増加させる必要があり得る。これにより、顔料コア粒子を欠く高濃度のミセルが生じ得る。
【0114】
これらの粒子を含まないミセルは、3つの主なタイプのものであり得る:a)遊離分散剤分子26単独で形成される分散剤ミセル;b)遊離分散剤分子26と遊離DIA分子36との混合物によって形成される混合ミセル;およびc)遊離DIA分子36単独で形成されるDIAミセル。分子の極性部分が水性環境に面する球状ミセルとして図2Aの上記(a)〜(c)項に表されているが、異なる配列も可能である。非限定的例として、図のパネル(d)は、遊離分散剤分子およびDIA分子によって形成され得る二層配列のセグメントを図式的に示している。
【0115】
(明確性のために)図示しないが、特定の顔料コア粒子20に結合する分散剤分子25は、遊離分散剤分子26とさらに相互作用し得(例えば、極性ヘッド対極性ヘッド)、これは次に、さらなる遊離分子とさらに相互作用して、コア粒子から伸びる分子結合のネットワークを形成し得る。典型的に過剰量の分散剤分子から生じるこのようなネットワークは、最終的にはコア顔料粒子間を架橋し得、ひいては粒子の凝集および沈殿ならびに/または顔料:分散剤系の(3次元ネットワークの形成による)ゲル化が生じる。
【0116】
したがって、DIAの上記ミル粉砕前添加方法を用いて観察された、改善された抗ゲル化挙動にも関わらず、本発明者らは、この方法の様々な明確な欠陥:粒径を減少する際、DIAとの競合を低減するために、大「過剰量」の分散剤が必要とされ得ること;いくつかのDIAは、顔料コア粒子の外面と相互作用し得るか、またはこれに直接結合し得ること;いくつかの「遊離」DIAは、顔料コア粒子の外面に対する分散剤の親和性を低減または破壊するように「遊離」分散剤分子と相互作用し得(例えば、図2Aに示す混合ミセル(b)または(d)を形成し)、よりさらに過剰量の分散剤が必要となり得ること;ならびに、分散液の絶対粘度は、過剰な分散剤、DIAの存在、および3次元ネットワークを形成するための熱力学的上昇などにより不利に上昇し得ることを発見した。
【0117】
顔料分散液のゲル化を低減もしくは抑制するか、またはこのような顔料分散液の粘度を安定させるさらなる方法を模索する中で、本発明者らは、ミル粉砕後、様々なDIAを様々な顔料配合物に導入した。この方法から得た知見に従って、図2Bは、顔料コア粒子上の分散剤分子およびDIA分子の第2の配列を示している。ミル粉砕段階で、DIA分子が存在しないため、分散剤分子25は、最初は、顔料コア粒子20の外面22の実質的にすべての部位に結合することができた。続いて、DIAがミル粉砕後の配合物に導入された後、顔料コア粒子20の外面22との直接結合は実質的にすべて、分散剤分子25との結合のままである。しかし、統計的に、DIA分子34で図に表されるように、微量のDIA分子が外面22との直接結合を場合により達成できる。分散剤分子25および27で示される、顔料コア粒子20の外面22との直接または間接結合に配置された分散剤分子は、分散剤外被40を形成すると言われている。
【0118】
さらに、各DIA分子30の極性官能基または部分は、特定の分散剤分子25の極性末端または部分に結合し得る。この比較的一般的な現象により、顔料コア粒子20を取り囲む有効な球状の殻(3D環)の保護55が生じ得、これは、図2aと関連するミル粉砕前添加方法を用いて製造された有効環の保護55よりもわずかに大きく、密に存在する。
【0119】
分散剤外被中で分散剤分子が優位であるにも関わらず、他の分子も存在し得ることは排除できない。非限定的例として、ミル粉砕後に添加されたDIAを含む分散液において、予備のDIA分子34が、経時的に、分散剤外被40を通過して拡散し得、外面22に直接結合し得ることが可能であり得る。
【0120】
このようなミル粉砕後の現象は、外面22に直接結合する分散剤分子とDIA塩の疎水性炭素鎖との重量比が、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも50または少なくとも100であり得るようにかなり限定され得る。
【0121】
本発明者らは、顔料:分散剤の分散液が標的粒径分布に達した後にDIA分子を添加した場合、DIA添加剤の必要量を著しく減少できることを発見した。さらに、特定の理論に拘束されることは望まないが、分散剤の他の分子に対してではなく、顔料粒子に対して比較的高い親和性を有する分散剤を選択することによって、および分散剤分子が他の(同一の)分散剤分子に対して有するよりも高い親和性を分散剤分子に対して有するDIA分子を使用することによって、図2Bの配列が有利に働き得ると考えられる。
【0122】
例えば、酸化鉄への良好な吸着に関して、ヒドロキシル、カルボニルおよび/またはカルボキシル基が、特に好適な官能基であることが、当業者には知られている。
【0123】
図3は、ナノメートルでの公称粒径(DV50)の関数としての、立法センチメートルあたりの平方メートルでの顔料粒子の公称体積−比表面積を表すグラフを提供する。この例示のために、顔料粒子を、同一の公称直径DV50を有する完全な球形であると想定した。公称体積−比表面積を顔料粒子の比重で割って、顔料粒子の公称体積−比表面積を得ることができる。顔料密度に関する情報は、文献から容易に入手でき、例として、PR122は約1.2g/cm、PY95は約1.4g/cm、PV23は約1.45g/cm、PR185およびPB15:3は約1.5g/cm、PBk7は約1.8g/cm、PG7は約3.3g/cmおよびPW6は約4.2g/cmの密度を有する。
【0124】
図3から容易に理解され、簡単に認識されるように、比較的小さい直径を有する粒子は、大きな粒子と比較して、高い比面積(単位体積または重量あたりの表面積)および高い公称体積−比表面積を示す。分散剤は、粒子を取り囲み、部分的には、分散される粒子に直接結合することによって粒子を安定させることが確立されているため、したがって、高い比面積を有する小さい粒子は、大量の分散剤を必要とする。コストの問題以外に、分散剤の量の増加はまた、組成物の粘度を上昇させ得、添加剤をさらに安定させる必要性を高め得、次いで、これはまた顔料分散液の調製を複雑にし得る。
【0125】
実施例
顔料の調製
以下に示す実施例で用いられる顔料は、数マイクロメートルの初期粒径で一般に供給される。このような顔料を、分散剤の存在下でサブミクロンの範囲に粉砕し、2つの物質を水性混合物としてミル粉砕装置に供給した。別段の記載のない限り、顔料30gと、以下の実施例に示す重量比を満たす重量の分散剤とを混合した。脱イオン水を残り200gに添加した。0.8mmの直径を有するクロムスチールビーズ(Glen Mills Inc.、USA)4500gの存在下で、Union ProcessのAttritor HDDM−01/HD−01で、100nm以下(Dv50≦100nm)のメジアン径(粒子の体積あたりで分析)を有する顔料粒子を含むミルベースを調製するのに十分な期間およびエネルギー投入量で、この液体スラリーの粒径を減少させた。典型的には、Attritorを約3000rpmで、少なくとも48時間操作した。ミル粉砕期間は初期粒径にも依存する。
【0126】
このように調製した組成物における粒径およびその分布を、DLS方法(Malvern Zetasizer Nano ZS)を用いて測定した。別段の記載のない限り、一定分量を、考察される組成物から除去し、必要な場合、約1重量%の固体濃度を有する試料が得られるように、再蒸留水(DDW)で希釈した。DLS測定前に、液体試料を簡単に超音波処理(最大電力75%でSonics Vibracell VCX750(750W)で約7秒)し、粒径および分布の評価の際に顔料粒子の適切な分散を確実にした。結果を、粒子の体積に基づき分析した。
【0127】
顔料分散剤混合物が所望の粒径に達したら、水50gを、ミル粉砕装置のチャンバーに添加し、得られた希釈分散液をそこから抽出した。希釈したミルベースを好適なメッシュから濾過することにより、ビーズを分離した。この段階での顔料濃度は12重量%であった。
【0128】
次いで、被験DIAを顔料−分散剤含有ミルベースに添加し、必要な場合、水を添加して、10重量%の顔料濃度を有する組成物を生成した。DIAを欠くがその他の点では同一の組成物は、各試験の参照として利用した。得られた試料を磁気撹拌棒で5分間撹拌し、その安定性を以下に示すように評価した。
【0129】
明細書末尾の表1に列挙する顔料を、本明細書に記載の実施例で使用した。
【0130】
分散剤
以下の分散剤を、示すように使用した。
【0131】
【表1】
【0132】
Tween(登録商標)20は、約1227g/molの平均分子量、21℃にて8.04×10−5M/lの水中でのCMC値、および16.7のHLB値を有することが報告された。Triton(登録商標)X−100は、625g/molの平均分子量、2.2〜2.4×10−4M/lのCMC値、および13.5の計算HLB値を有することが報告された。
【0133】
分散剤を改良する試剤
以下の実施例で使用するものを含むDIAおよび対照添加剤を、明細書末尾の表2に列挙する。「(1)」の印をつけた物質はHaihang Industry Co.,から購入し、「(2)」の印をつけた物質はSigma Aldrichから購入し、「(3)」の印をつけた物質はTokyo Chemical Industry Co.,から購入し、および「(4)」の印をつけた物質はFlukaから購入した。印のない物質は参照用に提供される。試験した物質はすべて、少なくとも約90%の純度等級で供給された。
【0134】
粘度測定
顔料分散液(DIAを含むまたは含まない)の粘度を、Brookfield粘度計DV II+Proおよびスピンドル18を用いて測定した。結果をセンチポイズまたはmPa・s(1cP=1mPa・s)で表した。このような測定装置の操作の当業者に知られているように、評価される液体の粘度に反比例した速度(rpm)で典型的には粘度計を操作した。異なる温度で実験のために事前にインキュベートされた場合でも、室温(約24℃)に達した試料で粘度測定を行った。
【0135】
試料がゲル化し、何らかの実際の測定が妨害された場合、計算または比較を簡便にするために、粘度を任意に10000mPa・sに設定した。
【0136】
顔料分散液の調製、貯蔵および粘度試験
言及したように、混合物が10重量%の顔料を含有するように、分散した顔料および該当する場合DIAを含有するミルベースを水中で希釈することにより、試料を調製した。DIAも含まれる場合、顔料の重量%として示された量で含まれた。
【0137】
試料を手動で混合した後、粘度を測定し、ベースライン値を確立した。次いで、試料を室温(R.T.約23℃)または60℃もしくは70℃の高温のいずれかでファン付きコンベクションオーブン(Carbolite、PF200)に貯蔵し、粘度を各実施例に示す温度でのインキュベーション後の示す日数で測定した。DIAを含有しないが、同じ量および割合の顔料および分散剤を含有する試料を参照(Ref.)として使用した。
【0138】
実施例1−マゼンタ
顔料(10重量%):Novoperm(登録商標)Red HF4C(Pigment Red185)
分散剤:Dispex(登録商標)Ultra PX4585
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表2】
【0139】
周囲温度でのインキュベーション後、本実施例の顔料:分散剤系中の様々な濃度のオレイン酸ナトリウムで得られた粘度結果を図4に示す。例示の明確性のために、すべての時点をグラフにプロットしたわけではない。わかるように、すべての試料の粘度が時間とともに上昇し、このような上昇速度は、DIA含有試料よりも、DIAを欠く参照分散液でより顕著であった。示した実施例においてオレイン酸ナトリウムで得られた経時的な粘度の上昇の遅延または低減は、DIAの濃度に依存する。しかし、このような依存は必ずしも直線状ではなく、顔料重量あたり2%、4%および7%のDIAが、十分であると思われ、本試験の期間にわたって10%および15%のDIAが場合により好ましい。例示の明確性のために、このおよび以下の図面において、考察中の分散液に対する所与のDIAの効果は、一連の試験した濃度でも特に最高の結果が得られることが判明した単一の濃度で得られる。図1に示すように、このような選択(図4の場合、顔料重量あたり4%のDIA)は、他の濃度が、同様に効果的または好適でないことを意味するものではない。
【0140】
【表3】
【0141】
上記表は、この実施例の先の表に対応し、試料を周囲温度の代わりに60℃でインキュベートした。予想通り、このような条件は、分散液にとってより厳しく、先の知見を促進および/または強調するものであった。以下に示す後続の実施例において、一部の結果は、これらのより非常に厳しい温度条件に対してのみ得られ得る。
【0142】
任意の特定の理論に拘束されることは望まないが、本発明者らは、このような高温で、3次元ゲルネットワークを少なくとも部分的に分解/解体でき、これによりDIA分子は顔料コア粒子を取り囲む分散剤外被中の分散剤分子にアクセス可能になる。DIA分子は、これらの分散剤分子に結合し、水性分散液が室温まで再び冷却されたとき3次元ゲルネットワークが修正されるのを阻害する。
【0143】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有する試料を、60℃にて6ヶ月のインキュベーション後、さらに試験し、この長期間の後、わずか44mPa・s(顔料重量あたり7%のDIA)の粘度を有することが判明したことに留意されるべきである。これらの結果は、このDIAが測定の最初の1ヶ月にわたって本試験で試験した代替物よりも一見効果がないと思われたが、長期では非常に効力があったことを示している。この後の時点では参照の粘度を測定しなかったが、既存の結果の外挿に基づき、および直線的な進行を想定して、同じ貯蔵条件下で少なくとも約80mPa・sであると推定された。
【0144】
次の表において、異なる1組のDIAを様々な濃度で本実施例の先の2つの表で使用した同じ顔料:分散剤の組み合わせで試験したが、粘度測定値は、先行の系列と異なる時点で回収した。
【表4】
【0145】
60℃でのインキュベーション後に様々なDIAと組み合わせた場合の本実施例の顔料:分散剤系で得られた粘度結果を図5に示す。各DIAについては、代表濃度を選択した。例示の明確性のために、すべての時点をグラフにプロットしたわけではなく、先の表で示した結果を、場合によっては最後から2番目の参照値に正規化した。したがってイタリック体の凡例で示すこのような結果は例示のためのみにプロットされる。
【0146】
わかるように、ほとんどの試料の粘度は時間とともに上昇し、様々なDIAは各々、その各濃度で、DIAを欠く参照分散液と比較して、粘度のこのような上昇を低減または遅延させた。第1の期間において、粘度はしばしば一時的なピークを示し、各分散液のこのような初期段階後の粘度挙動は、一般に、実質的に直線的とみなされ得る。約10日目以降の期間を任意に考察した場合、参照の粘度は着実に上昇したが、様々なDIAを含有する試料は比較的安定したままであり、30日間にわたって粘度が20%未満で変動したことがわかる。本実施例において、ドデカン酸ナトリウムを含む分散液の熟成後の期間を考察すると、本試験の期間にわたって、このDIAは、任意のDIAを欠く参照によって示された粘度の上昇を実質的に防止することが分かる。
【0147】
実施例2−マゼンタ
顔料(10重量%):Toner Magenta E02(Pigment Red122)
分散剤:Dispex(登録商標)Ultra PX4585
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表5】
【0148】
上記表からわかるように、参照は粘度の劇的上昇を示し、60℃にて約28日で最初の分散液のゲル化が生じたが、ドデカン酸ナトリウムは、試験したすべての濃度でこのような影響を著しく低減した。簡便性を考慮して、結果は、Pigment Red122の重量に対して10%のドデカン酸ナトリウムについて示し、このDIAは、試験期間にわたって約14mPa・sを超えず、参照値を少なくとも2桁またはさらに3桁下回る粘度を維持することに成功したことが観察できる。図6は、ドデカン酸ナトリウムを欠く参照(白三角)と比較した、10%のドデカン酸ナトリウムを含有する先の表に列挙された分散液(黒三角)を含むいくつかの試料に対して半対数で経時的にプロットした粘度を示している。図6のプロットは、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることも示している。
【0149】
実施例3−白
先の実施例において、顔料粒子は、試験した分散液中に10重量%の濃度で存在し、この実施例において、濃度を50重量%に上昇させた。このように上昇させた濃度は、使用前に希釈された濃縮着色組成物、例として、濃縮インク、および顔料がこのような濃度で効果がある組成物に適切であり得る。例えば、白色顔料は、例えば、透明印刷基材の不透明性に所望される場合、最大約40重量%の濃度でインクに用いられ得る。
顔料(50重量%):Kronos(登録商標)2310(Pigment White6−TiO
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤重量比:1:0.05
【表6】
O.R.=範囲外、すなわち本測定装置を用いて10000mPa・s超
【0150】
上記表からわかるように、参照は、粘度の劇的上昇を示し、60℃にて最大1週間で最初の分散液のゲル化が生じたが、本試験の2つのDIAは、試験した最大濃度でこのような有害な影響を著しく防止した。簡便性を考慮して、結果は、Pigment White6の重量に対して5%のオレイン酸ナトリウムおよび7%のオレイン酸カリウムで示した。いずれも、少なくとも36日にわたって比較的安定した粘度を維持することに成功したことが観察できる。これらの粘度は、試験期間にわたって約6mPa・sを超えず、参照値を少なくとも3桁下回る。粘度が半対数で経時的にプロットされている図6は、オレイン酸ナトリウムを欠く参照(白菱形)と比較した7%のオレイン酸カリウムを含有する分散液(黒菱形)の挙動をグラフで示している。本実施例は、同じ脂肪酸の異なる塩を使用できることも示している。
【0151】
実施例4−シアン
顔料(10重量%):Heliogen(登録商標)Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Dispex(登録商標)Ultra PX4585
顔料/分散剤の重量比:1:0.6
【表7】
【0152】
上記表からわかるように、参照は、粘度の劇的な上昇を示し、60℃にて約27日で最初の分散液のゲル化が生じたが、本試験で試験した3つのDIAは、試験した最大濃度でこのような影響を著しく低減した。簡便性を考慮して、結果は、Pigment Blue15:3の重量に対して15%のオレイン酸ナトリウム、10%のドデシル硫酸ナトリウムおよび15%のドデカン酸カリウムで示した。3つのDIAすべてで、試験期間にわたって、約16mPa・sを超えず、いくつかの濃度のSDSおよびドデカン酸ナトリウムについては約10mPa・sをさらに下回る粘度を維持することに成功したことが観察できる。このような結果は、参照値を少なくとも2桁またはさらには3桁下回る。図6は、SDSを欠く参照(白四角)と比較した10%のSDSを含む分散液(黒四角)の挙動を示すプロットを含む。
【0153】
実施例5−シアン
顔料(10重量%):Heliogen(登録商標)Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表8】
【0154】
上記表からわかるように、本試験で試験した組成物にDIAを含むことにより、試料を60℃にてインキュベートしたが、33日の試験期間にわたって約8mPa・sを超えない比較的安定した粘度となった。この実施例は、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることをさらに示している。
【0155】
ミル粉砕後の顔料粒子の粒径分布をDLSで評価した。ミルベース分散液は、32.4nmのDV10、51.8nmのDV50および89.0nmのDV90を有することが判明した。
【0156】
実施例6−黒
顔料(10重量%):Mogul L(Pigment Black7)
分散液:Dispex(登録商標)Ultra PX4585
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表9】
【0157】
上記表からわかるように、本試験で試験した組成物にDIAを含むことにより、36日の試験期間にわたって約30mPa・sを超えない比較的安定した粘度となった。試料を60℃にてインキュベートした、Pigment Blackの重量の20%のオレイン酸ナトリウムおよびドデカン酸ナトリウムの場合、組成物の粘度は約8mPa・sを超えなかった。この実施例は、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることをさらに示している。
【0158】
実施例7−黒
顔料(10重量%):Monarch900(Pigment Black7)
分散剤:Dispex(登録商標)Ultra PX4585
顔料/分散剤の重量比:1:0.6
【表10】
【0159】
上記表からわかるように、本試験で試験した組成物にDIAを含むことにより、60℃でのインキュベーションで12日の試験期間にわたって約3mPa・sを超えない比較的安定した粘度となった。この実施例は、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることをさらに示している。
【0160】
実施例8−緑
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表11】
【0161】
上記表からわかるように、DIAを欠く顔料−分散剤の組み合わせは、60℃にて最大でも1日以内に容易にゲル化した。ミリスチン酸カリウムを含むことにより、試験したすべての濃度でこのような有害な現象が劇的に低減または防止され、ほとんどの組成物は、25日の試験期間にわたって約5mPa・sを超えない粘度を有していた。図6は、ミリスチン酸カリウムを欠く参照(白丸)と比較した、7%のミリスチン酸カリウムを含む分散液(黒丸)の挙動のプロットを含む。この実施例は、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることをさらに示している。
【0162】
以下の系列において、先の系列の非イオン性脂肪酸DIA(すなわち、Daviesの方法により計算された約22のHLBを有するミリスチン酸カリウム)を、非脂肪酸非イオン性界面活性剤で置き換えた。同じ顔料−分散剤の組み合わせを用いた有効性の比較のために選択された界面活性剤は、エトキシ化アセチレンジオール、すなわちSurfynol(登録商標)465(Evonikから供給、13の報告HLB)であった。
【0163】
【表12】
【0164】
上記表からわかるように、および先に観察されたように、DIAを欠く顔料−分散剤の組み合わせは、60℃にて最大でも1日以内に容易にゲル化した。しかし、ミリスチン酸カリウムを、Triton(登録商標)X−100で分散させた緑色顔料に添加することにより、このような劇的な粘度の上昇が劇的に低減またはさらには防止された第1の系列と明らかに対照的に、非脂肪酸対照界面活性剤は任意の検出可能な効果を得ることができなかった。
【0165】
ミル粉砕後の顔料粒子の粒径分布をDLSで評価した。ミルベース分散液は、31.5nmのDV10、63.2nmのDV50および117nmのDV90を有することが判明した。
【0166】
実施例9−紫
顔料(10重量%):Chromophtal Violet D5800(Pigment Violet23)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の比(重量):1:0.5
【表13】
【0167】
上記表に示す予備結果からわかるように、本試験で試験した組成物中に両方のDIAを含むことにより、DIAを欠く参照組成物と比較して粘度が少なくとも低下した。この実施例は、DIAまたはDIA−分散剤の組み合わせを様々な顔料に使用できることをさらに示している。
【0168】
実施例10−ゲル化逆転
上記実施例において、顔料を例示的分散剤とともにミル粉砕した後、DIAを様々な分散液に添加し、その後、粘度測定によって示されるように、得られた分散液の安定性に対するDIAの包含の経時的な影響を監視した。示すように、DIAを含む組成物の一部は、粘度の上昇の低減またはこのような上昇の遅延、および特に好ましい場合では、DIAの不在下で典型的には観察されるこのような上昇の顕著な防止を示した。
【0169】
本試験において、DIAを、周囲温度で保管された1年ものの予備成形ゲルに添加した。ゲルを、1:0.8の比でNaxaf(登録商標)HSPであらかじめ分散させたHeliogen(登録商標)Blue D7079で生成した。Pigment Blue15:3の重量あたり7%の濃度になるように、SDSをゲルに添加した。測定可能範囲を超える(すなわち、10000mPa・s超の)初期粘度を有するゲルをDIAの不在または存在下で撹拌して、構造中でのDIAの均一な浸透を促進した。次いで、(現在、約100〜200mPa・sの初期粘度を有する)機械的に均一化された試料を60℃にてインキュベートし、その経時的な粘度を先に記載したように監視した。インキュベーションから10日以内に、DIAを欠く試料は、即座に再度ゲル化したが、この現象は添加されたDIAにより防止され、これはさらに、初期粘度の低下をもたらし、試験期間終了時にはわずか約17mPa・sとなった。
【0170】
実施例11−インク組成物
説明したように、本教示による顔料または他の粒子含有分散液は、様々な最終製品の調製に使用できる。本実施例において、インク組成物の調製を記載する。
【0171】
Heliogen(登録商標)Blue D7079を先に記載したHDDM−01/HD−01Attritor中でDisperbyk(登録商標)190とともにミル粉砕し、以下の割合で物質を混合した:
【表14】
【0172】
現在、100nm未満のDV50を有するミル粉砕した濃縮物を、水50gでさらに希釈し、12重量%の顔料濃度でミル粉砕装置から抽出した。ミルベース濃縮物を、インク組成物の調製について以下に記載するようにさらに処理した。
【0173】
第1段階において、ドデカン酸ナトリウム2.4gをミルベース濃縮物200gに添加して、顔料重量あたり10重量%のDIAの比でDIA補足ミルベースを生成した。混合物を均一になるまで撹拌し(50rpmで5’磁気撹拌棒)、60℃にて1日インキュベートした。次いで、混合物を周囲温度まで冷却し、放置した。
【0174】
第2段階において、以下のようにインク成分をDIA補足ミルベースに添加した:
【表15】
【0175】
混合物を周囲温度で30分撹拌すると、10mPa・s未満の粘度を有するインク組成物が得られた。
【0176】
インク組成物をミルベースから配合したら、すなわち顔料が全組成物の2重量%の希釈濃度になったら、DIAを選択的に添加できることに留意されるべきである。
【0177】
これまでに示したすべての顔料は、インク配合物の分野の当業者に知られているのと同様の原理によるインク組成物の調製に好適である。
【0178】
実施例12−化粧品組成物
説明したように、本教示による着色分散液は、様々なさらなる最終製品の調製に使用できる。本実施例において、化粧品組成物の調製を記載する。
【0179】
Pigment White6は、その着色効果(例えば、白色インク、塗料またはコーティング)に加えて、一部の有害な紫外線放射を吸収するチタン酸塩から作られているため、紫外線遮断剤としても使用できる。1:0.05の比でDisperbyk(登録商標)190で分散させ、顔料重量あたり15%のオレイン酸カリウムを補足したPigment Whiteの分散液を実施例3に示したように調製した。次いで、本発明の分散液を、市販のボディローション(E.L. Erman Cosmetic Manufacturing Ltd.、Israelから供給)の10重量%の濃度で組み込んだ。得られた化粧品配合物を、周囲温度で最大1週間監視し、安定であることが判明した。
【0180】
実施例13−コーティング組成物
13.1. 1:0.05の比でDisperbyk(登録商標)190で分散させ、顔料重量あたり15%のオレイン酸カリウムを補足したPigment Whiteの分散液を実施例3に記載したように調製した。次いで、得られた分散液を市販の水性ウッドラッカー(Zweihorn、Germany製「Hydro Clear」ウッドラッカー)に10重量%の濃度で組み込んだ。得られたコーティング配合物を周囲温度で最大1週間監視し、粘度が安定であることが判明した。
【0181】
13.2. 1:0.4の重量比でDisperbyk(登録商標)190で分散させ、顔料重量あたり15%のSDSを補足したPigment Blue15:3の分散液を実施例5に記載したように調製した。次いで、得られた分散液を市販の水性ウッドラッカー(Zweihorn、Germany製「Hydro Clear」ウッドラッカー)に10重量%の濃度で組み込んだ。得られたコーティング配合物を周囲温度で最大1週間監視し、粘度が安定であることが判明した。
【0182】
実施例14−粒径安定性
実施例1に記載した組成物を、粒径安定性についてさらに監視した。顔料のDV50を、ミル粉砕が終了し、周囲温度で6ヶ月のインキュベーション後測定した。これらの測定を、先に記載したように行うと、様々なDIAを含有する組成物は、新たに調製したとき、試験終了時のそのDV50が、試験開始時のそのDV50から10%未満偏差する、比較的安定した粒径を維持したことが判明した。
【0183】
実施例15−DIA活性の図式的例
図7は、仮説上の分散剤組成物に対するDIAの影響を図式的に示しているが、示されたグラフは、観察された挙動に基づくものである。曲線Aは、顔料および分散剤を1:0.5の重量比で含有する、DIAを欠く第1の参照分散液の経時的な粘度挙動を示している。わかるように、これは、分散剤の量が不十分であり、その結果、分散液の粘度が経時的に著しく上昇し、したがって組成物は、最終的にゲル化し得る。曲線Bは、同じ成分を含有する組成物を示しているが、顔料対分散剤の重量比が1:1.6であるように、分散剤の量を増加させた。これは、曲線Aと比較して粘度が低く、安定している。曲線Cは、DIAが顔料の10重量%の量で添加されたことを除いては、曲線Aに示したものと同一、すなわち、1:0.5の重量比で顔料および分散剤を含有する組成物を示している。この場合、粘度は、経時的に安定であるだけでなく、3倍超もの分散剤を含有する参照組成物の粘度を著しく下回る。
【0184】
図8は、別の仮説上の分散剤組成物に対するDIAの影響を図式的に示しているが、示されたグラフは、観察された挙動に基づくものである。曲線Aは、顔料および分散剤を1:0.5の重量比で含有する、DIAを欠く参照組成物の経時的な粘度挙動を示している。この組成物の粘度は急上昇しており、これにより組成物は商業用途に不適当になる。曲線Bは、同じ成分を含有する組成物を示しているが、顔料対分散剤の重量比が1:1.6であるように、分散剤の量を増加させた。この組成物の粘度は、曲線Aに示す参照組成物の粘度よりもゆるやかな速度で上昇するが、粘度の上昇は、市販品の製造を可能にするには依然として高すぎる。すなわち、組成物は依然として不安定である。曲線Cは、DIAが顔料の10重量%の量で添加されたことを除いては、1:0.5の重量比で顔料および分散剤を含有する組成物を示している。この場合、粘度は経時的に安定であり、市販の組成物の製造を促進するのに十分な低さである。
【0185】
実施例16−顔料濃度
上記実施例において、別段の記載のない限り、顔料を例示的分散剤とともにミル粉砕した後、DIAを分散液の10重量%の顔料濃度を有する分散液に添加した。典型的には、所与の顔料粒径に対して、顔料分散液の粘度は、一般に、顔料、同様にその分散剤の量を受けて分散液中に存在する顔料の量とともに上昇する。さらに、所与の顔料濃度に対して、顔料分散液の粘度は一般に顔料粒子の粒径の減少とともに上昇し、このような粒径の減少により、分散される顔料粒子の表面積が増大するので、典型的には分散剤の量を増加させる必要がある。
【0186】
この実施例において、DIAの添加の影響を、各々0.5重量%、1重量%、3重量%および5重量%の顔料を含有する分散液で試験し、各分散液中の顔料は、実質的に同一の粒径分布を有していた。DIAを、上記顔料分散液各々において顔料の2、4、7、10、15および20重量%の濃度で試験した。試料を60℃にてインキュベートし、室温(RT)で測定したその粘度を、4週間にわたって監視した。この期間中に監視された様々な時点でほとんど変化がないことが観察されたため、最初および最後の測定値のみを報告する。所与の顔料濃度およびDIAに対して得られた粘度結果が、顔料重量あたりの重量%でのDIAすべてで同様であったため、以下の表には平均を報告する。比較の便宜上、実施例8に示した10重量%の緑色顔料を含有する分散液で60℃にて25日後、または実施例5に示した10重量%の青色顔料を含有する分散液で60℃にて33日後、または実施例3に示した50重量%の白色顔料を含有する分散液で60℃にて36日後に得られた有効DIA濃度での結果の平均も各表に含まれる。
【0187】
各顔料濃度で、最終時点でDIAによって得られた粘度低下率(%ΔV)を、DIAを欠く当該参照に対して計算した。%ΔV=100(VR2−V)/VR2、式中、VR2は、DIAを欠く参照組成物の粘度、Vは、DIA含有組成物の粘度を表し、いずれも、本実施例において28日に相当する時間t2(または10重量%の顔料参照が得られる実施例に示した上記いずれかの他の時点)で測定される。ゲル様試料は、この例示のために10000mPa・sの粘度を有すると想定した。
顔料:Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表16】
【0188】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表17】
【0189】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表18】
【0190】
顔料:Kronos2310(Pigment White6)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.05
【表19】
【0191】
この実施例は、低い顔料濃度で観察されたように比較的低い粘度範囲でも、顔料粒子のミル粉砕後にDIAを添加することが有利であり得ることを示している。一般に、0.5重量%と低い顔料濃度での顔料分散液の粘度は、たとえわずかであっても経時的に上昇し、例えば、0.5重量%のPigment Green:Triton(登録商標)X−100で観察されたように、DIAの存在によりこのような上昇は少なくとも低減される。参照では粘度が1.17mPa・sから1.42mPa・sに上昇したが、ミリスチン酸カリウムをさらに含む試料は、1.26mPa・sから1.31mPa・sへのわずかな粘度の上昇を示した。顔料濃度を増加させると、計算された粘度低下率の上昇によって示されるように、DIAの有効性がより明らかになった。
【0192】
実施例17−DIA添加のタイミング
上記実施例において、別段の記載のない限り、顔料を例示的分散剤とともにミル粉砕した後、DIAを添加した。実施例17において、DIA添加のタイミングの影響を、3種類の調製物の粘度性能を比較することにより評価した。参照調製物または分散液(「I型」)は顔料(分散液の10重量%)および分散剤のみを含有し、顔料が約50nmの平均粒径DV50に達するまでこれらを上記のように共ミル粉砕した。DIA(顔料の10重量%でのミリスチン酸カリウムまたはオレイン酸ナトリウム)を、参照と同じ顔料:分散剤と一緒にミル粉砕前に添加し、すべてを先の調製物と同じ期間共ミル粉砕することにより、第2型の調製物または分散液(「II型」)を得た。これらの試料は、「ミル粉砕前」のタイミングまたは分散液の成分の「共ミル粉砕」を示し、その粘度性能を、同様の条件下およびミル粉砕期間で、参照調製物と比較する。
【0193】
DIAをII型調製物と同量であるが、顔料:分散剤のミル粉砕後に添加することにより、第3型の調製物または分散液(「III型」)を調製した。これは、DIA添加の「ミル粉砕後の」タイミングをさらに示す。
【0194】
原料顔料を分散剤の不在下でDIAのみとミル粉砕することを試みた対照実験において、粒径の減少が不適切とみなされたことに留意されるべきである。顔料粒子は、非常に不均一な大きさの集団を形成し、これは、ほとんどの実用目的を害し得、また、不安定性の問題を起こしがちであり得る。したがって、DIAと顔料との直接結合(このような結合と競合する分散剤の不在下でのこのような共ミル粉砕中に起こる)は、顔料粒子の適切な粒径減少/分布を許容するには十分でない。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表20】
【0195】
試験条件下で、DIAの添加は、程度は異なるが、添加がミル粉砕前であれ、ミル粉砕後であれ、分散液の粘度安定性に有益であった。これは、ミル粉砕前とミル粉砕後のDIAの添加の作用機構が異なることを示唆している。ミル粉砕前の添加は、粘度の上昇速度を低下させただけだが、ミル粉砕後の添加は粘度の上昇を防止した。
【0196】
上に詳述した調製物各々で得られた顔料粒子の粒径分布を以下に示す。
【表21】
【0197】
上限での報告された粒径の一部は、量的値というよりは質的値であり得、DIA分子だけでは、粒子の比較的均一な集団(すなわち、比較的狭い分布内)を得ることができないことが明らかである。ミリスチン酸カリウムだけでミル粉砕したPigment Greenは、約0.5μmのメジアン径(DV50)に達し、オレイン酸ナトリウムだけでミル粉砕した場合、約1μmに達した。このような値は、分散剤Triton(登録商標)X−100のみを使用した場合に得られる粒径(約50nmのDV50)よりも少なくとも10倍大きい。DIAをミル粉砕後に添加した場合(データなし)、予想されるように、粒径分布は、参照調製物と比較して、本質的に変化しないままであった。
【0198】
DIAをミル粉砕後に添加した場合、得られたDV10およびDV50値は、このように添加されたDIAを欠く参照に比較的類似しており、100nm未満であり、DV90値は、明らかに異なる。例えば、参照は120nmのDV90を示し、ミル粉砕中にミリスチン酸カリウムを導入すると、この値が80%上昇し、最大216nmになった。ミル粉砕中にオレイン酸ナトリウムを添加すると、より劇的な効果があり、その存在下で得られたDV90は、参照値のほぼ4倍であった。
【0199】
言い換えれば、分散剤だけで減少させた顔料の粒径は、比較的狭い分布を示し、粒子の80%(DV10とDV90の間)が約30nm〜約120nmの範囲にあり、DV90/DV10の比は約4.2であったが、ミル粉砕中のDIAの存在はこのような結果に顕著な影響を与えた。ミリスチン酸カリウムの存在下で、DV90/DV10の比は約5.5であり、オレイン酸ナトリウムの存在下では約21.1であり、集団の大きさの劇的な拡大を示している。
【0200】
実施例18−直鎖飽和脂肪酸塩および分岐/不飽和脂肪酸塩
この実施例において、一連の飽和脂肪酸塩DIAを、単一の濃度(顔料の10重量%)で試験し、各DIAを2つの異なる顔料分散液にミル粉砕後に添加し、各分散液を異なる温度(表に示すように60℃または70℃)にてインキュベートした。不飽和結合を有するオレイン酸ナトリウムは同じ鎖長を有するその飽和対応物であるステアリン酸ナトリウムとの比較のために含まれた。最後に、分岐脂肪酸に相当する20個の炭素原子を有するジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(AOT)を試験した。比較のために、同様の分散液を60℃にてインキュベートした実施例5の対応する結果を、便宜上第2の表に含める。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表22】
【0201】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表23】
【0202】
上記表からわかるように、本実験設定において、ゲル化を防止し、さらには粘度を低下させるDIAは、8個超の炭素原子の炭素鎖長を有していた。18個の炭素鎖長を有するDIAは、不飽和である場合、より効果があった。炭化水素鎖の不飽和は、DIAの立体障害を促すことができ、顔料分散液を安定させるその利点をさらに高めると考えられる。同様の現象は、短い脂肪族鎖、パルミチン酸鎖と少なくとも同じくらい好適なパルミトレイン酸鎖などを有する脂肪酸塩の効果を高める場合があり得る。同じ立体原理に従って、20個の炭素原子を有する分岐型のDIAに相当するAOTは、18個の炭素原子を有する直鎖および飽和DIAよりも、すなわちステアリン酸ナトリウムよりも効力があることが判明した。
【0203】
60℃にて14日後でも、10重量%のドデカン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムおよびオレイン酸ナトリウムは、参照で観察された粘度の上昇(ゲル化)を同様に防止し、さらには各ベースライン値に対して比較的安定した粘度を維持したことが第1の表からわかる。ステアリン酸ナトリウムおよびAOTもゲル化を防止した。
【0204】
さらに、温度の影響を考察すると、70℃の温度上昇は、DIAを欠く分散液をより急速に害し、参照は、顔料およびその分散剤のミル粉砕から1日以内にゲルを形成するが、DIAは60℃と同様に70℃にて有効であると思われることが第2の表からわかる。60℃にて33日後、10重量%のドデカン酸ナトリウムは、参照で観察された粘度の上昇を防止し、さらにはベースライン粘度を7.68mPa・sから3.18mPa・sに約59%低下させた。70℃にて14日後、顔料あたり同量のドデカン酸ナトリウムは、参照のゲル化を防止し、さらには粘度を8.97mPa・sから4.35mPa・sに約50%超低下させた。
【0205】
分散液のpHを、7日間インキュベートした試料で室温にて測定すると、試験した分散液すべてで同じ弱塩基性の範囲であることが判明したことが留意される。Triton(登録商標)X−100で分散させたPigment Greenのみを含有する参照分散液は、9.33のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、オクタン酸ナトリウムについては9.41、ドデカン酸ナトリウムについては9.68、ミリスチン酸ナトリウムについては9.52、パルミチン酸ナトリウムについては9.25、ステアリン酸ナトリウムについては9.45、およびAOTについては9.15のpHを有していた。Disperbyk(登録商標)190で分散させたPigment Blueのみを含有する参照分散液は、8.55のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、オクタン酸ナトリウムについては8.75、ドデカン酸ナトリウムについては9.25、ミリスチン酸ナトリウムについては9.25、パルミチン酸ナトリウムについては9.20、ステアリン酸ナトリウムについては9.10、およびAOTについては8.50のpHを有していた。
【0206】
実施例19−DIA混合物
上記実施例において、別段の記載のない限り、所与の分散液に対して、単一の種類のDIAを、顔料を例示的分散剤とともにミル粉砕した後に添加した。この実施例において、顔料分散液の安定性に対するDIA混合物の影響を、粘度の観点から評価した。ドデカン酸ナトリウムとパルミチン酸ナトリウムとを1:1の重量比で混合し、混合物を、各個々のDIAの5重量%の添加に相当する顔料重量あたり10%の濃度で顔料分散液に添加した。
【0207】
比較の便宜上、実施例18で報告したように10重量%の各DIAで得られた結果を以下の表に再現する。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表24】
【0208】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表25】
【0209】
上記表からわかるように、DIAの混合物は、別々に作用するその個々のDIAと少なくとも同じくらい効果があり、すべて、顔料分散液のゲル化を60℃と70℃の両方で劇的に防止し、さらにはDIAを添加した時点であるミル粉砕後のベースライン値と比較して、粘度を低下させた。60℃にて14日後、ドデカン酸ナトリウムは単独で、ほぼ安定した粘度を維持し、これはベースラインに対して5.87mPa・sから6.67mPa・sへの約13.6%の上昇であり、パルミチン酸ナトリウムは単独で、粘度を6.40mPa・sから5.70mPa・sに約10.9%わずかに低下させ、これらの混合物は、比較的安定した粘度を維持し、5.87mPa・sから5.61mPa・sへの約4.4%のわずかな低下を示した。
【0210】
70℃にて、単独または混合DIAの影響はさらに劇的であった。14日後、ドデカン酸ナトリウムは単独で、粘度を8.97mPa・sから4.35mPa・sに約51.5%低下させ、パルミチン酸ナトリウムは単独で、粘度を9.51mPa・sから3.45mPa・sに約63.7%低下させ、これらの混合物は、粘度を9.35mPa・sから3.60mPa・sに約61.5%低下させた。
【0211】
分散液のpHを、7日間インキュベートした試料で室温にて測定すると、試験した分散液すべてで同じ弱塩基性の範囲であることが判明したことが留意される。Triton(登録商標)X−100で分散させたPigment Greenのみを含有する参照分散液は、9.33のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、ドデカン酸ナトリウムについては9.68、パルミチン酸ナトリウムについては9.25、およびそれらの混合物については9.20のpHを有していた。Disperbyk(登録商標)190で分散させたPigment Blueのみを含有する参照分散液は、8.55のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、ドデカン酸ナトリウムについては9.25、パルミチン酸ナトリウムについては9.20、およびそれらの混合物については9.20のpHを有していた。
【0212】
実施例20−アニオン性硫酸塩およびスルホン酸塩界面活性剤の塩
上記実施例において、主にカルボン酸塩系列の脂肪酸アニオン性界面活性剤において、様々なDIAのナトリウム塩およびカリウム塩の効果を確立してきた。この実施例において、追加のカチオン、すなわち、アンモニウムを試験し、硫酸塩型のDIAの対応するナトリウム塩と比較した。さらに、直鎖スルホン酸塩DIAを試験した。すべてのDIAを、顔料重量の10重量%の単一の濃度で個々の分散液にミル粉砕後に添加した。各顔料分散液を異なる温度(表に示すように60℃または70℃)でインキュベートした。比較のために、同様の分散液を60℃にてインキュベートした実施例5の対応する結果を、便宜上第2の表に含める。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表26】
【0213】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表27】
【0214】
上記表からわかるように、ドデシル硫酸アンモニウムは、顔料分散液の急速なゲル化を防止するのにドデシル硫酸ナトリウムと同じくらい効果があり、さらにいずれも70℃でベースライン値と比較して粘度を低下させた。したがって、本教示によればアンモニウムはDIAのカチオン塩としてのナトリウムに十分代わり得ると考えられる。1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムは、同程度の効力があり、スルホン酸塩型の直鎖脂肪酸の適合性を支持している。
【0215】
さらに、温度の影響を考察すると、70℃の温度上昇は、DIAを欠く分散液をより急速に害するが、DIAは60℃と同様に70℃で少なくとも有効であると思われることが第2の表からわかる。観察されるように、60℃では、現在試験したDIAは一般に少なくとも14日にわたってベースライン粘度を維持し、70℃では、ミル粉砕後に添加された同じDIAの存在により、粘度が低下した。実施例5において、60℃にて33日後、10重量%のドデシル硫酸ナトリウムは、参照で観察された粘度の上昇を防止し、ベースライン粘度を8.01mPa・sから3.12mPa・sに約61%低下させた。本実施例において、70℃にて14日後、顔料あたり同量のドデシル硫酸ナトリウムは、参照のゲル化を防止し、さらには粘度を8.97mPa・sから3.21mPa・sに約64%低下させた。
【0216】
分散液のpHを、7日間インキュベートした試料で室温にて測定すると、試験した分散液すべてで同じ弱塩基性の範囲であることが判明したことが留意される。Triton(登録商標)X−100で分散させたPigment Greenのみを含有する参照分散液は、9.33のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、ドデシル硫酸アンモニウムについては8.60、ドデシル硫酸ナトリウムについては9.40、および1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムについては9.30のpHを有していた。Disperbyk(登録商標)190で分散させたPigment Blueのみを含有する参照分散液は、8.55のpH値を有し、ミル粉砕後に添加されたDIAをさらに含有する試料は、ドデシル硫酸アンモニウムについては8.30、ドデシル硫酸ナトリウムについては8.70、および1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウムについては8.95のpHを有していた。
【0217】
実施例21−ポリソルベート型非イオン性分散剤
上記実施例において、顔料を、様々な分散剤の例示的代表とともにミル粉砕した。すべて、顔料の粒径を少なくともミクロンの粒径からサブミクロンの粒径に減少させることに成功し、すべて、(例えば、100nm以下のDV50およびDV90の少なくとも1つを有する)ナノ粒子の顔料の分散液の調製を可能にした。
【0218】
この実施例において、ポリソルベート型の追加の一般に用いられる非イオン性界面活性剤、すなわち、Tween(登録商標)20としばしば称される、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを試験した。各々、10重量%の異なる顔料を有し、分散剤と顔料との比が異なる、2つの分散液を調製した。両方の比のTween(登録商標)20で、その各顔料の粒径の十分な減少(DV50<100nm)が得られた。単一のDIAであるミリスチン酸カリウムを、顔料の10重量%でミル粉砕後に添加した。試料を60℃または70℃のいずれかでインキュベートし、これらの経時的な粘度を、表に示す日数で監視し、測定を、室温に達した試料で行った。これらの粘度を、同じ条件下でインキュベートしたが、DIAを欠く参照分散液と比較した。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Tween(登録商標)20
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表28】
【0219】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Tween(登録商標)20
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表29】
【0220】
上記表からわかるように、各分散液は、DIAの不在下でのゲルの形成について異なる傾向を示した。全組成物の重量あたり10重量%のPigment Greenおよび5重量%のTween(登録商標)20を含有する分散液は、非常に不安定で、60℃にて1日以内にゲルを形成した。10重量%のPigment Blueおよび4重量%のTween(登録商標)20を含有する分散液は、やや安定し、70℃にて少なくとも2日後にゲルを形成した。いずれの場合も、ミリスチン酸カリウム(顔料重量あたり10%、したがって、全組成物の1重量%)は、ゲル化を完全に防止し、粘度を十分に安定させた。これらの結果は、ミル粉砕後のDIAの導入が、すなわち、様々な顔料:分散剤系において粘度の有害な変化を防止または低減することで、顔料分散液を好適に安定させることができることを支持している。
【0221】
Tween(登録商標)20との重量比1:0.4で粒径を減少させたPigment Blueの分散液について、DLSで評価したミル粉砕後の顔料粒子の粒径分布は、以下の通りであった:DV10:29.1nm、DV50:47.3nmおよびDV90:99.4nm。
【0222】
Tween(登録商標)20との重量比1:0.5で粒径を減少させたPigment Greenの分散液について、DLSで評価したミル粉砕後の顔料粒子の粒径分布は、以下の通りであった:DV10:42.3nm、DV50:65.8nmおよびDV90:130nm。
【0223】
実施例22−対照添加剤
上記実施例において、DIAの効果を、カチオンがアンモニウム、ナトリウムまたはカリウムのいずれかである様々な塩について、およびカルボン酸塩、硫酸塩またはスルホン酸塩型(脂肪族鎖が飽和または不飽和のいずれかである)の炭化水素鎖の様々なアニオン部分について比較した。この実施例において、脂肪酸の極性基を、塩素で置換するか、または単にヒドロキシル基で置き換えて、対照分子を生成した。対照添加剤、すなわち、塩化パルミトイル、塩化オレオイル、1−ヘキサデカノールおよび1−オクタデカノールを各々、顔料重量の10重量%の単一の濃度で個々の分散液にミル粉砕後に添加した。これらの対照添加剤の影響を、同じ鎖長および飽和を有するDIA、すなわち、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、およびステアリン酸ナトリウムと比較した。これらはすべて同じ条件下で試験した。
【0224】
各顔料分散液(対照添加剤または対応する例示的DIAを含有)を異なる温度(表に示すように60℃または70℃)でインキュベートした。比較のために、同様の分散液を60℃にてインキュベートした実施例5の対応する結果を、参照のために第2の表に含める。
顔料(10重量%):Heliogen Green D8730(Pigment Green7)
分散剤:Triton(登録商標)X−100
顔料/分散剤の重量比:1:0.5
【表30】
【0225】
顔料:Heliogen Blue D7079(Pigment Blue15:3)
分散剤:Disperbyk(登録商標)190
顔料/分散剤の重量比:1:0.4
【表31】
【0226】
上記表からわかるように、例示的DIAのカルボン酸塩基が、非イオン性部分で修飾されたか、または置き換えられた対照添加剤は効果がないことから暗示されるように、DIAのイオン性頭部は一見したところDIAの活性に著しく寄与するようである。対応するDIAの劇的な効果と明らかに対照的に、試験した対照添加剤はいずれも、顔料分散液の急速なゲル化を防止できなかった。
【0227】
さらに、温度の影響を考察すると、70℃の温度上昇は、DIAを欠く分散液を急速に害し、参照は顔料およびその分散剤のミル粉砕から1日以内にゲルを形成するが、DIAは60℃と同様に有効であると思われることが第2の表からわかる。実施例5において、60℃にて33日後、10重量%のオレイン酸ナトリウムは、参照で観察された粘度の上昇を防止し、さらには粘度を8.46mPa・sから3.96mPa・sに約53.2%低下させた。本実施例において、70℃にて14日後、顔料あたり同量のオレイン酸ナトリウムは、参照のゲル化を防止し、さらには粘度を9.99mPa・sから4.05mPa・sに約59.5%低下させた。
【0228】
分散液のpHを、7日間インキュベートした試料で室温にて測定すると、試験した分散液すべてで同じ弱塩基性の範囲であることが判明し、顕著な例外は、塩化パルミトイルおよび塩化オレオイルを含有するものであり、これらは酸性であったことが留意される。Triton(登録商標)X−100で分散させたPigment Greenのみを含有する参照分散液は、9.33のpH値を有し、ミル粉砕後に添加された対照分子をさらに含有する試料は、塩化パルミトイルについては1.90、1−ヘキサデカノールについては9.31、パルミチン酸ナトリウムについては9.25、塩化オレオイルについては、オレイン酸ナトリウムについては8.81および1−オクタデカノールについては9.26のpHを有していた。Disperbyk(登録商標)190で分散させたPigment Blueのみを含有する参照分散液は、8.55のpH値を有し、ミル粉砕後に添加した対照分子をさらに含有する試料は、塩化パルミトイルについては5.20、1−ヘキサデカノールについては8.81、パルミチン酸ナトリウムについては9.20、塩化オレオイルについては5.65、オレイン酸ナトリウムについては8.80および1−オクタデカノールについては8.86のpHを有していた。
【0229】
実施例23−DIA CMC、HLBおよび理論的考察
本教示に従って用いられるDIAは、水中または水性分散液中に分散させると、ミセルを形成し得る。本実施例において、DIAを、文献に報告されているようにその臨界ミセル濃度(CMC)を超える約10%モルで脱イオン水中に室温(約23℃)で分散させた。このようなデータの不在下で、界面活性剤のCMCは、例えば、ISO4311:1979に従って常套的な実験を用いる標準的な方法によって測定され得る。DIAを、ソニケーター(MRCによるD150H型)を用いて10分間分散させた。得られたミセルのサイズおよびこのようにして得られた分散液のゼータ電位を、MalvernによるZetasizer Model Zen3600を用いて測定した。
【0230】
列挙された塩の一部が由来する脂肪酸の酸価を文献から取り出した。酸価は、1gの化学物質を中和するのに必要とされる水酸価カリウム(KOH)ミリグラムの質量である。カプリル酸(C8)は、約383〜390mgKOH/gの酸価を有し、カプリン酸(C10)は、約321〜329mgKOH/gの酸価を有し、ラウリン酸(C12)は、約278〜282mgKOH/gの酸価を有し、ミリスチン酸(C14)は、約244〜248mgKOH/gの酸価を有し、パルミチン酸(C16)は、約217〜220mgKOH/gの酸価を有し、ステアリン酸(C18)は、約195〜199mgKOH/gの酸価を有し、その不飽和対応物であるオレイン酸は、約198.6mgKOH/gの酸価を有することが報告された。これらの酸価は、このような脂肪酸由来の塩が最初に示されたときに以下の表に報告される。例えば、カプリル酸の報告される酸価の範囲は、オクタン酸カリウムの次に示される。
【0231】
本教示によるDIAのおよび参照のために提供される対照化合物の親水性−親油性バランス(HLB)値を、Griffin(1949および1954)およびDavies(1957)の2つの優勢な方法に従って推定した。結果はいずれも以下の表の推定HLB(推定HLB)欄に示され、Daviesによる結果(D−HLB値)は上段に、Griffinによる結果(G−HLB値)は下段に示されている。Griffinの方法で得られた値は、各々完全に疎水性の分子から完全に親水性分子までの0〜20の段階にあり、界面活性剤分子の予備分類を許容する。約3〜約8のGriffin計算HLB値は、W/O(油中水)乳化剤と一般に関連しており、約8〜約16の値はO/W(水中油)乳化剤を示している。約7〜約9の架橋HLB値は、湿潤および拡散剤に典型的には対応している。一般に、約6以上のHLB値を有する界面活性剤は水分散性とみなされ、10以上のHLB値は改善された水溶性を示す。以下の表に示すように、Daviesの方法に従って推定されたHLB値は、Griffinに従って評価された値よりも高い傾向にある。しかし、一般に、異なる化合物間でのHLB順位は、2つの方法で同様である。
【0232】
結果を以下の表に報告する。そこでは、脂肪アルコール、対照分子および脂肪酸DIAを含む、例示的非イオン性界面活性剤は、脂肪族炭化水素鎖の大きさを増加することにより順に並べられている。NAは、値または結果が入手不可であることを示す。
【表32】
【0233】
実施例24−FTIR分析
この実施例において、例示的分散剤(Triton(登録商標)X−100)および2つのDIA(ミリスチン酸カリウムおよびオレイン酸ナトリウム)を各々フーリエ変換赤外(FTIR)分光法によって分析し、その化学特性を個々の成分の混合物(すなわち、分散剤と各DIA)と比較した。
【0234】
Triton(登録商標)X−100を100%の濃度で試験した。混合物を、分散剤の重量あたり10重量%のミリスチン酸カリウムまたはオレイン酸ナトリウムのいずれかを添加し、約5分間ボルテックス混合することによって調製した。Smart Orbit(ダイヤモンド1回反射ATRアクセサリー)を有するThermo Nicolet(商標)6700FTIR(Thermo Electron Corporation)を用いて、分析を行った。
【0235】
これらの当該構成成分のスペクトルと比較して、混合物のスキャンで新たなピークが見られなかったため、DIA分子と分散剤分子との相互作用は非共有相互作用であると考えられる。
【0236】
実施例25−顔料表面積の関数としての特定のDIAおよび分散剤の含有量の計算
図3にプロットした表面積対粒径の計算を用いて、ならびに顔料の比重とそのDV50、および考察される分散液中の顔料:分散剤:DIAの重量比を知ることで、顔料表面積あたりのDIAおよび分散剤の含有量を計算できる。
【0237】
本発明の典型的な顔料分散液は、1.0:0.50:0.10(顔料:分散剤:DIA)の重量比を有し、顔料は約1.6の比重を有していた。ミル粉砕後、DV50は、公称比表面積約125m/cmまたは78m/gに相当する、約47nmであった。したがって、粒子表面積1000mは、顔料約12.8g(ならびに分散剤6.4gおよびDIA1.28g)に相当し、DIA含有量が1.28g/1000m顔料および分散剤含有量が6.4g/1000m顔料となる。
【0238】
一方、同一の顔料を使用して、上記共ミル粉砕方法を用いて配合した顔料分散液は、1.0:0.40:0.25(顔料:分散剤:DIA)の重量比を有していた。ミル粉砕後、DV50は、公表比表面積約70m/cmまたは約44m/gに相当する、約87nmであった。したがって、粒子表面積1000mは、顔料約22.9g(ならびに分散剤9.1gおよびDIA5.7g)に相当し、上昇DIA含有量が5.7g/1000m顔料および上昇分散液含有量が9.1g/1000m顔料となる。この推定技術は、誤差が典型的には数パーセント内であり得る。
【0239】
明細書および後続の請求項において、本明細書で使用する用語「脂肪酸」は、カルボキシル基の炭素を含む、少なくとも6個の炭素(C)原子の分岐または非分岐炭素鎖を有するカルボン酸を指す。カルボン鎖は、飽和または不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、炭素鎖中に1、2、3、4、5または6個の二重結合が存在する。脂肪酸は、炭素鎖の両末端に2つ、典型的には1つのカルボキシル基を有する二塩基酸であり得る。「置換脂肪酸」または「部分置換脂肪酸」は、炭素鎖の少なくとも1個の水素(H)原子が、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシル−低級アルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル、フェノキシ、ベンジルオキシおよび/またはヘテロアリールオキシ部分で置き換えられた脂肪酸を指し、本願において、「アルキル」はシクロアルキルを含むと理解される。「置換脂肪酸」(「官能的に置換された脂肪酸」とも称される)は、カルボキシル基が−CHSOH、−CHOSOH、−フェニル−SOHおよび−フェニル−OSOHからなる群のメンバーで置き換えられている場合も含み、カルボキシル基がこのように置換された脂肪酸は、「官能的に置換された脂肪酸」とも称され得る。用語「低級アルキル」は単独または組み合わせて、1〜6個の炭素原子を含有するアクリルアルキル部分を指す。このような基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミルおよびヘキシルが挙げられる。
【0240】
明細書および後続の請求項において、本明細書で使用する、典型的には顔料コア粒子に関する用語「公称表面積」は、すべての顔料が、DV50の公称直径を有する完全に滑らかな球形であると想定する。
【0241】
本開示の説明および特許請求の範囲において、動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」ならびにこれらの複合体は、動詞の目的語(複数可)が、必ずしも、動詞の主語(複数可)の部材、構成要素、要素、ステップまたは部分の完全な一覧ではないことを示すように用いられる。これらの用語は、用語「からなる」および「から本質的になる」を包含する。
【表33】
【0242】
明細書および後続の請求項において、本明細書で使用する用語「脂肪酸」は、カルボキシル基の炭素を含む、少なくとも6個の炭素(C)原子の分岐または非分岐炭素鎖を有するカルボン酸を指す。カルボン鎖は、飽和または不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、炭素鎖中に1、2、3、4、5または6個の二重結合が存在する。脂肪酸は、炭素鎖の両末端に2つ、典型的には1つのカルボキシル基を有する二塩基酸であり得る。「置換脂肪酸」または「部分置換脂肪酸」は、炭素鎖の少なくとも1個の水素(H)原子が、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシル−低級アルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリール、ベンジル、ヘテロシクリル、フェノキシ、ベンジルオキシおよび/またはヘテロアリールオキシ部分で置き換えられた脂肪酸を指し、本願において、「アルキル」はシクロアルキルを含むと理解される。「置換脂肪酸」(「官能的に置換された脂肪酸」とも称される)は、カルボキシル基が−CHSOH、−CHOSOH、−フェニル−SOHおよび−フェニル−OSOHからなる群のメンバーで置き換えられている場合も含み、カルボキシル基がこのように置換された脂肪酸は、「官能的に置換された脂肪酸」とも称され得る。用語「低級アルキル」は単独または組み合わせて、1〜6個の炭素原子を含有するアクリルアルキル部分を指す。このような基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミルおよびヘキシルが挙げられる。
【0243】
明細書および後続の請求項において、本明細書で使用する、典型的には顔料コア粒子に関する用語「公称表面積」は、すべての顔料が、DV50の公称直径を有する完全に滑らかな球形であると想定する。
【0244】
本開示の説明および特許請求の範囲において、動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」ならびにこれらの複合体は、動詞の目的語(複数可)が、必ずしも、動詞の主語(複数可)の部材、構成要素、要素、ステップまたは部分の完全な一覧ではないことを示すように用いられる。これらの用語は、用語「からなる」および「から本質的になる」を包含する。
【0245】
本明細書で使用する単数形の用語「1つの(a、an)」および「その(the)
」は、複数の支持対象を含み、文脈上別段の明確な指示がない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0246】
別段の記載がない限り、選択肢の一覧の最後2つのメンバー間の表現「および/または」の使用は、列挙された選択肢の1つ以上の選択が適当であり、それがなされ得ることを示す。
【0247】
本開示において、別段の記載のない限り、本技術の実施形態の特徴(複数可)の条件または関係特性を変更する「実質的に」および「約」などの形容詞は、その条件または特性が、意図される用途の実施形態の動作に許容可能な公差内、または実施される測定からおよび/もしくは用いられる測定装置から予想される偏差内で定義されることを意味すると理解されるべきである。特定の値と併用される場合、その値も開示されると解釈されるべきである。
【0248】
明確性のために別個の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせで提供され得ることが認識される。反対に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈に記載される本発明の様々な特徴はまた、別個にまたは任意の適当な部分的組み合わせで提供され得る。本明細書に記載の特徴および実施形態の可能な組み合わせはすべて、このような特徴および実施形態が明らかに組み合わせることができない場合を除き、明確に予見され、本発明の一部として解釈されるべきである。
【0249】
本開示は、特定の実施形態および一般に関連する方法に関して記載されているが、実施形態および方法の変更および変形が当業者には明らかであろう。本発明の開示は、本明細書に記載の特定の実施例に限定されるものではないと理解されるべきである。
【0250】
本開示の開示内容を理解または完成するために必要な程度で、本明細書に記載のすべての刊行物、特許文献、および特許明細書は、特に出願人の先行出願を含めて、本明細書に完全に示されるように参照によりその全体が明確に組み込まれる。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A-2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】