(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523439
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスクを製造するためのシステム及び方法、並びに表面マイクロテクスチャ加工設備及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/00 20120101AFI20190726BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20190726BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !G03F1/00 Z
   !G03F7/20 521
   !G03F7/20 501
   !B81C1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】2018567032
(86)(22)【出願日】20170621
(85)【翻訳文提出日】20190205
(86)【国際出願番号】FR2017051649
(87)【国際公開番号】WO2017220930
(87)【国際公開日】20171228
(31)【優先権主張番号】1655753
(32)【優先日】20160621
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】513228306
【氏名又は名称】アシュ.エー.エフ
【住所又は居所】フランス 42160 アンドレジュー ブーテオン リュー ベノワ フールネロン
(71)【出願人】
【識別番号】515015067
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ジャン モネ, サン テティエンヌ
【住所又は居所】フランス国 エフ−42023 サン テティエンヌ セデックス 2, リュ トレフィルリー, 10
(71)【出願人】
【識別番号】508136308
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク(セーエヌエルエス)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE (C.N.R.S.)
【住所又は居所】フランス国 エフ−75794 パリ セデックス 16 ルー ミシェルアンジュ 3
【住所又は居所原語表記】3, rue Michel−Ange, F−75794 Paris Cedex 16, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビショット、マクシム
【住所又は居所】フランス国、アグノー、アブニュ マレシャル フォッシュ 18
(72)【発明者】
【氏名】ジュールラン、イブ
【住所又は居所】フランス国、サン − テティエンヌ、リュ ベルグソン 26
(72)【発明者】
【氏名】デュボス、ローラン
【住所又は居所】フランス国、シャンブーフ、ル ピカール
【テーマコード(参考)】
2H195
2H197
3C081
【Fターム(参考)】
2H195BA04
2H195BA07
2H195BA12
2H195BB02
2H195BB27
2H195BB35
2H195BB36
2H197AA01
2H197AB11
2H197BA11
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2H197CE01
2H197CE10
2H197DB08
2H197HA03
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2H197HA10
2H197JA05
2H197JA15
3C081AA17
3C081CA02
3C081CA14
3C081CA15
3C081CA23
3C081CA31
3C081CA40
3C081DA43
3C081EA07
(57)【要約】
本発明は、表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスク(35)を製造するためのシステム(2)に関し、該システム(2)は、テクスチャ加工される表面(11)を有する基板(10)と、基板(10)の表面(11)を覆い、外部環境に曝される外側表面(21)を有する材料層(20)と、材料層(20)の外側表面(21)において光学マスク(35)が形成されるように、特定のパターン(31)で凝縮の効果の下で、材料層(20)の外側表面(21)において液滴(30)を生成し、堆積させるための装置とを備える。本発明はまた、該型のシステム(2)を備える処理設備に関する。本発明は更に、マスクを製造するための方法、及び表面マイクロテクスチャ加工方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスク(35)を製造するためのシステム(2)であって、
テクスチャ加工される表面(11)を有する基板(10)と、
前記基板(10)の前記表面(11)を覆い、外部環境に曝される外側表面(21)を有する材料層(20)と、
前記材料層(20)の前記外側表面(21)において前記光学マスク(35)を形成するために、特定の配置(31)で凝縮によって、前記材料層(20)の前記外側表面(21)において液滴(30)を生成し、堆積させるための生成及び堆積装置(40)と
を備えるシステム(2)。
【請求項2】
前記生成及び堆積装置(40)は、前記液滴(30)が前記材料層(20)の前記外側表面(21)において制御された方法で凝縮するように、制御された温度及び湿度のガス状雰囲気(46)を有する閉鎖チャンバ(41)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(2)。
【請求項3】
前記生成及び堆積装置(40)は、前記材料層(20)の下側表面(22)を冷却するためのユニット(43)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム(2)。
【請求項4】
前記生成及び堆積装置(40)は、前記材料層(20)の前記外側表面(21)において前記液滴(30)の前記配置(31)を、画像化によって監視するためのユニット(30)を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム(2)。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の光学マスク(35)を製造するためのシステム(2)と、
前記液滴(30)の前記配置(31)に基づいて、前記材料層(20)を局所的に除去するための局所的除去装置(50)であって、前記液滴(30)は、前記光学マスク(35)を前記材料層(20)の前記外側表面(21)において形成し、そして、それは、第2のマスク(25)を前記基板(10)において形成する除去領域(23)及び材料領域(24)を含む、局所的除去装置(50)と、
前記基板(10)における前記材料層(20)によって形成された前記第2のマスク(25)を介して前記基板(10)の前記表面(11)をマイクロテクスチャ加工するためのマイクロテクスチャ加工装置(60)と
を備える表面処理設備(1)。
【請求項6】
前記材料層(20)は、感光性材料から作られ、前記材料層(20)のための前記局所的除去装置(50)は、一方では、前記液滴(30)を通過し、前記材料層(20)の前記外側表面(21)に達する光の流れ(53)を発する露光ユニット(51)と、他方では、前記光の流れ(53)に露光された後、前記材料層(20)を現像するためのユニット(54)とを備えることを特徴とする、請求項5に記載の設備(1)。
【請求項7】
前記材料層(20)は、前記材料層(20)の前記除去領域(23)が前記液滴(30)の真下に位置するように、ポジ型感光性材料から作られていることを特徴とする、請求項6に記載の設備(1)。
【請求項8】
前記材料層(20)は、前記材料層(20)の前記除去領域(23)が前記液滴(30)の周りに及びそれらの間に位置するように、ネガ型感光性材料から作られていることを特徴とする、請求項6に記載の設備(1)。
【請求項9】
前記露光ユニット(51)は、前記材料層(20)の前記外側表面(21)に垂直な方向に対して傾斜している光源(52)を備え、前記光の流れ(53)は、前記液滴(30)を通過し、斜めの入射の下で前記材料層(20)の前記外側表面(21)に達することを特徴とする、請求項6〜8の何れか一項に記載の設備(1)。
【請求項10】
前記光源(52)は、半球状のレール(55)に取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の設備(1)。
【請求項11】
前記露光ユニット(51)は、前記基板(10)を受け、前記光の流れ(53)に対して前記材料層(20)を回転させるように回転可能なプラテン(56)を備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の設備(1)。
【請求項12】
表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスク(35)を製造するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
テクスチャ加工される表面(11)を有する基板(10)を提供するステップと、
前記基板(10)の前記表面(11)を覆い、外部環境に曝される外側表面(21)を有する材料層(20)を提供するステップと、
前記材料層(20)の前記外側表面(21)において前記光学マスク(35)を形成するために、特定の配置(31)で、前記材料層(20)の前記外側表面(21)において液滴(30)を生成し、堆積させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
以下の一連のステップ、すなわち、
a)テクスチャ加工される表面(11)を含む基板(10)を提供するステップと、
b)前記基板(10)の前記表面(11)を覆い、外部環境に曝される外側表面(21)を有する材料層(20)を提供するステップと、
c)前記材料層(20)の前記外側表面(21)において光学マスク(35)を形成するために、特定の配置(31)で凝集によって、前記材料層(20)の前記外側表面(21)において液滴(30)を生成し、堆積させるステップと、
d)前記液滴(30)の前記配置(31)に基づいて、前記材料層(20)を局所的に除去するステップであって、前記液滴(30)は、前記光学マスク(35)を前記材料層(20)の前記外側表面(21)において形成し、そして、それは、第2のマスク(25)を前記基板(10)において形成する除去領域(23)及び材料領域(24)を含む、ステップと、
e)前記基板(10)における前記材料層(20)によって形成された前記第2のマスク(25)を介して前記基板(10)の前記表面(11)をマイクロテクスチャ加工するステップと
を含むことを特徴とする表面処理方法。
【請求項14】
前記材料層(20)を局所的に除去するステップの間に、光の流れ(53)は、前記液滴(30)を通過し、斜めの入射の下で前記材料層(20)の前記外側表面(21)に達することを特徴とする、請求項13に記載の表面処理方法。
【請求項15】
前記材料層(20)を局所的に除去するステップの間に、前記材料層(20)は、前記材料層(20)が種々の斜めの入射の下で露光されるように、2回の露光の間に前記光の流れ(53)に対して旋回することを特徴とする、請求項14に記載の表面処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスクを製造するためのシステム及び方法に関する。本発明はまた、表面マイクロテクスチャ加工用の設備及び方法に関する。
【0002】
本発明に関して、光学マスクは、外部環境に曝された表面上に堆積された液滴から構成される。第1の実施形態によれば、液滴は、集束光学素子として使用されて、表面上に光の流れを集光させる。第2の実施形態によれば、液滴は、遮蔽のための光学素子として使用されて、表面に配向された光の流れを妨げる。
【0003】
本発明の分野は、マスキング方法、並びに、特にフォトリソグラフィ及びレーザエッチングによる表面マイクロテクスチャ加工方法である。
【背景技術】
【0004】
現在、表面をテクスチャ加工するための様々な方法が存在する。これらの方法は、2つのカテゴリー、すなわち、一方においては直接法と他方においてはマスクを使用する間接法とに分類されることができる。この場合、結果として生じる構造は、マスクのネガに対応する。
【0005】
直接テクスチャ加工方法は、UV光ビーム、電子ビーム(「e−beam」)、レーザビーム、高速原子衝撃(FAB)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)を実施することができる。これらの方法は、表面の直接爆蝕(アブレーション)によって複雑で多様な形状を得ることを可能にするが、大きい表面積及び非平面基板を構造化することに適していない。更に、これらの方法は一般的にコストが高い。非特許文献1及び2はこのような方法に関する。
【0006】
間接テクスチャ加工方法は、振幅マスク、位相マスク、ナノビーズ、干渉リソグラフィ、デウェッティングを実施してもよい。しかし、これらの方法はまた、それら自体の固有の欠点を有する。
【0007】
振幅マスク及び位相マスクの原理は、感光性材料層に周期的パターン(回折格子)を得るための表面の照明におけるコントラストにある。それらは、ミクロン程度又はサブミクロン程度(電子ビームによる製造)の短周期では高価であり得、そして結果として生じる構造のサイズ及び形状に関して柔軟性がない。構造の寸法は、マスクの寸法に依存する。結果として生じる構造は、非常にコヒーレントである、すなわち、それらは、検討された波長では規則的な周期を有する。しかし、大きい表面を処理することが難しい。非特許文献3はこのような方法に関する。
【0008】
ホログラフィは、2つの枝に分離され、そして感光性樹脂で覆われた標本の表面上で再結合されたレーザビームを使用する。そして、形成されたインターフェログラム(周期的強度縞)は、結果として生じる回折格子を画定する。ホログラフィは、結果として生じる構造の周期に作用することを可能にするが、レーザ及び複雑な光学アセンブリの使用を要求する。大きい表面を処理することは可能であるが、これは相当な機器を要求する。非特許文献4はこのような方法に関する。
【0009】
光を集束させる、又はマスクとして機能するナノビーズ(コロイドリソグラフィ)の使用は、周期的構造を有する大きい表面をテクスチャ加工することを可能にする。それにもかかわらず、ビーズのサイズは予め設定される。この方法は、ラングミュア・ブロジェット(Langmuir−Blodgett)型フィルムを堆積するための機械を有することを要求する。この場合、パターンは、ビーズのサイズによって与えられる。非特許文献5はこのような方法に関する。
【0010】
デウェッティングは、貴金属層の表面張力に作用することによって金属ナノ粒子の形成を可能にする。表面は、物理蒸着(PVD)によって、ナノメートルの貴金属(例えば、金、銀)の層で覆われる。高温においては、堆積層は、その表面エネルギーを最小化するために貴金属ナノ粒子を形成する。結果として、デウェッティングは、高温又は真空に対して敏感な表面をテクスチャ加工することに適していない。更に、形成された粒子は、数十ナノメートルしか測定しない。非特許文献6はこのような方法に関する。
【0011】
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は、可鍛性樹脂層に圧力を加えることによって形状を印刷するためにゲージ(又はモールド)を使用する。次に、印刷された形状は、紫外線電球の下での露光によって、又は樹脂層の徐冷によって安定化される。このステップは、ポリマー鎖の架橋による樹脂の硬化を促進する。ナノインプリントリソグラフィは安価であるという利点を有するが、ゲージの劣化が一定回数の使用後に観察され得る。除去ステップがまた敏感であって、構造において視認できる欠陥を残す可能性がある。非特許文献7はこのような方法に関する。
【0012】
上記の非特許文献の書誌参照は、以下の通りである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Femtosecond laser-induced mesoporous structures on silicon surface, Xianhua Wang, Feng Chen, Hewei Liu, Weiwei Liang, Qing Yang, Jinhai Si, Xun Hou, Optics Communications 284 (2011) 317-321
【非特許文献2】Processing study of SU-8 pillar profiles with high aspect ratio by electron-beam lithography, Yaqi Ma, Yifan Xia, Jianpeng Liu, Sichao Zhang, Jinhai Shao, Bing-Rui Lu, Yifang Chen, Microelectronic Engineering 149 (2016) 141-144
【非特許文献3】Interference lithography at EUV and soft X-ray wavelengths: Principles, methods, and applications, Nassir Mojarad, Jens Gobrecht, Yasin Ekinci, Microelectronic Engineering 143 (2015) 55-63
【非特許文献4】Optical and Interferometric Lithography - Nanotechnology Enablers, S. R. J. BRUECK, FELLOW, PROCEEDINGS OF THE IEEE, VOL. 93, NO. 10, OCTOBER 2005
【非特許文献5】Plasmonic films based on colloidal lithography, Bin Ai, Ye Yu, Helmuth Mohwald, Gang Zhang, Bai Yang, Advances in Colloid and Interface Science 206 (2014) 5-16
【非特許文献6】Fabrication of hollow gold nanoparticles by dewetting, dealloying and coarsening, Anna Kosinova, Dong Wang, Peter Schaaf, Oleg Kovalenko, Leonid Klinger, Eugen Rabkin, Acta Materialia 102 (2016) 108-115
【非特許文献7】Recent Advances in Nano Patterning and Nano Imprint Lithography for Biological Applications, N. Vigneswaran, Fahmi Samsuri, Balu Ranganathan, Padmapriya, Procedia Engineering 97 (2014) 1387-1398
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記のテクスチャ加工方法は様々な欠点を有する。これらの方法は、比較的高価であって、及び/又は三次元基板にはあまり適しておらず、及び/又は実行が複雑である。更に、これらの方法は一般的に、非常に正確な周期性及び整列を有する規則的なマイクロテクスチャ加工プロファイルを要求する用途が意図される。しかし、この規則性は、全ての用途に不可欠ではない。この結果、これらの方法によって引き起こされる過剰品質、それ故の過度なコストは、新しい用途におけるそれらの実装を妨げ得る。更に、幾つかの用途は、反対に(サイズ及び周期性において)非常に大きな空間分布を要求する。
【0015】
本発明の目的は、マスクを製造するための改良されたシステム及び方法、並びに表面のマイクロテクスチャ加工を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明は、表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスクを製造するためのシステムに関し、システムは、テクスチャ加工される表面を有する基板と、基板の表面を覆い、外部環境に曝される外側表面を有する材料層と、材料層の外側表面において光学マスクを形成するために、特定の配置で凝縮によって、材料層の外側表面において液滴を生成し、堆積させるための生成及び堆積装置とを備える。
【0017】
この結果、液滴を集光又は遮蔽のための光学素子として使用することによって、本発明は、多くの既存の方法と比較して非常に低コストでマスクを製造することを可能にする。液滴は形成し、そして取り除くことが容易である。本発明は、サブミクロン精度で光学システムを位置決めするための装置の実装、又はラングミュア・ブロジェット機を実装することを要求しない。本発明はまた、ナノインプリントリソグラフィ技術に固有のモールドの劣化の問題点を回避することを可能にする。デウェッティングとは異なり、本発明は、高温に敏感な材料に対して問題のあるアニーリングを要求しない。
【0018】
更に、本発明は、大きい表面、及び種々の形状の基板(湾曲形状、球形状、放物線形状、円筒・円形状、又は他の任意の複雑な形状)を処理することを可能にする。
【0019】
本発明は、フォトリソグラフィ、光学、力学、電磁気学、トライボロジー、化学、生物学、等の多くの技術分野に適用可能であってもよい。光学においては、これらの用途は、特に光トラッピング、光拡散、黒体の製造、反射防止コーティングに関する。流体力学においては、これらの用途は、特に流体動力学、シャークスキン効果、ゴルフボール効果、乱流境界層に関する。トライボロジーにおいては、1つの用途は接触界面の潤滑に関する。化学においては、1つの用途は、触媒作用に関して比表面を増大させること、又はSERS(表面増強ラマン散乱)効果センサを製造することに関する。他の用途は、表面の濡れ性、疎水性、等に関する。
【0020】
本発明による光学マスクを製造するためのシステムの他の有利な特徴によれば、分離して又は組み合わせて、
− 生成及び堆積装置は、液滴が材料層の外側表面において制御された方法で凝縮するように、制御された温度及び湿度のガス状雰囲気を有する閉鎖チャンバを備え、
− 生成及び堆積装置は、材料層の下側表面を冷却するためのユニットを備え、
− 生成及び堆積装置は、材料層の外側表面において液滴の配置を、画像化によって監視するためのユニットを備え、
− 液滴は、水、水溶液、油、液体ポリマー(例えばシリコーン)、又は金属から構成される。
【0021】
本発明はまた、表面マイクロテクスチャ加工用の設備に関する。
【0022】
特定の一実施形態によれば、マイクロテクスチャ加工設備は、上記のような光学マスクを製造するためのシステムと、液滴の配置に基づいて、材料層を局所的に除去するための局所的除去装置であって、液滴は、光学マスクを外側表面において形成し、そして、それは、第2のマスクを基板において形成する除去領域及び材料領域を含む、局所的除去装置と、基板における材料層によって形成された第2の光学マスクを介して、基板の表面をマイクロテクスチャ加工するためのマイクロテクスチャ加工装置とを備える。
【0023】
除去の位置は、光学マスクを形成する液滴の配置に依存する。除去は、該光学マスクを介して行われる。
【0024】
本発明によるマイクロテクスチャ加工設備の他の有利な特徴によれば、分離して又は組み合わせて、
− 材料層は、感光性材料から作られ、材料層のための局所的除去装置は、一方では、液滴を通過し、材料層の外側表面に達する光の流れを発する露光ユニットと、他方では、光の流れに露光された後、材料層を現像するためのユニットとを備え、
− 材料層は、材料層の除去領域が液滴の下に直接位置するように、ポジ型感光性材料から作られ、
− 材料層は、材料層の除去領域が液滴の周りに及びそれらの間に位置するように、ネガ型感光性材料から作られ、
− 局所的除去装置は、例えば、反応性イオンエッチングユニット、化学エッチングユニット、又は光学エッチングユニットを備えるマイクロテクスチャ加工装置であって、
− 露光ユニットは、材料層の外側表面に垂直な方向に対して傾斜している光源を備え、光の流れは、液滴を通過し、斜めの入射の下で材料層の外側表面に達し、
− 光源は、半球状のレールに取り付けられ、
− 露光ユニットは、基板を受け、光の流れに対して材料層を回転させるように回転可能なプラテンを備える。
【0025】
本発明はまた、表面マイクロテクスチャ加工用の光学マスクを製造するための方法に関する。この方法は、以下のステップ、すなわち、テクスチャ加工される表面を有する基板を提供するステップと、基板の表面を覆い、外部環境に曝される外側表面を有する材料層を提供するステップと、材料層の外側表面において光学マスクを形成するために、特定の配置で、材料層の外側表面において液滴を生成し、堆積させるステップとを含む。
【0026】
本発明はまた、表面マイクロテクスチャ加工するための方法に関し、該方法は、以下の一連のステップ、すなわち、
a)テクスチャ加工される表面を含む基板を提供するステップと、
b)基板の表面を覆い、外部環境に曝される外側表面を有する材料層を提供するステップと、
c)材料層の外側表面において光学マスクを形成するために、特定の配置で凝集によって、材料層の外側表面において液滴を生成し、堆積させるステップと、
d)液滴の配置に基づいて、材料層を局所的に除去するステップであって、液滴は、光学マスクを外側表面において形成し、そして、それは、第2のマスクを基板において形成する除去領域及び材料領域を含む、ステップと、
e)基板における材料層によって形成された第2のマスクを介して基板の表面をマイクロテクスチャ加工するステップと
を含む。
【0027】
必要であれば、材料層を局所的に除去するステップd)を実行する前に、ステップc)は、光学マスクを形成する液滴の配置を変えるように数回繰り返される。
【0028】
本発明による方法の他の有利な特徴によれば、分離して又は組み合わせて、
− 供給ステップにおいて、材料層は、制御された温度及び湿度を有するガス状雰囲気を有する、閉鎖チャンバにおいて位置決めされ、生成及び堆積ステップにおいて、液滴は、材料層の外側表面において凝集し、
− 材料層は感光性材料から作られ、材料層を局所的に除去するステップは、最初に液滴を介して材料層を露光するサブステップを実施し、次に導入後に材料層を現像するサブステップを実施し、
− 材料層は、材料層の局所的除去領域が液滴の下に直接位置するように、ポジ型感光性材料から作られ、
− 材料層は、材料層の局所的除去領域が液滴の周りに及びそれらの間に位置するように、ネガ型感光性材料から作られ、
− 材料層を局所的に除去するステップの間に、光の流れは、液滴を通過し、斜めの入射の下で材料層の外側表面に達する。特定の一実施形態によれば、材料層は、材料層が種々の斜めの入射の下で露光されるように、2回の露光の間に光の流れに対して旋回する。
【0029】
本発明は、非限定的な例としてのみ与えられ、且つ添付の図面を参照してなされる以下の記載を読解することでより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明によるテクスチャ加工表面を有する基板の上面図である。
【図2】熱太陽光用途に関する本発明の利点を示すグラフである。
【図3】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図4】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図5】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図6】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図7】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図8】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図9】ポジ型感光性樹脂を実装し、可変形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する液滴の焦点を合わせる、本発明による表面マイクロテクスチャ加工設備の種々の構成要素を示す断面図である。
【図10】単一の液滴を検討するための、拡大した図6と同様の断面図である。
【図11】空気/水界面における入射角の関数としての反射率の変化を示すグラフである。
【図12】現像後の図10の樹脂を示す、拡大した図7と同様の断面図である。
【図13】図12の樹脂の斜視図である。
【図14】本発明によるテクスチャ加工表面を含む別の基板の例の上面図である。
【図15】図14のテクスチャ加工表面上に形成された空洞の断面図である。
【図16】本発明によるテクスチャ加工表面を含む別の基板の例の、図14と同様の上面図である。
【図17】図16のテクスチャ加工表面上に形成された空洞の、図15と同様の断面図である。
【図18】本発明によるテクスチャ加工表面を有する別の基板の例の、触知性の表面形状測定装置を使用して得られた斜視図である。
【図19】ネガ型感光性樹脂を実装する本発明の代替の、図6と同様の断面図である。
【図20】ネガ型感光性樹脂を実装する本発明の代替の、図7と同様の断面図である。
【図21】ネガ型感光性樹脂を実装する本発明の代替の、図8と同様の断面図である。
【図22】ネガ型感光性樹脂を実装する本発明の代替の、図9と同様の断面図である。
【図23】斜めのビームを実施する本発明の代替の、図6と同様の断面図である。
【図24】斜めのビームを実施する本発明の代替の、図7と同様の断面図である。
【図25】拡大した図23と同様の断面図である。
【図26】180°での2つの対向する方向において傾斜した、斜めのビームを実施する本発明の代替の、図23に類似の断面図である。
【図27】180°での2つの対向する方向において傾斜した、斜めのビームを実施する本発明の代替の、図24に類似の断面図である。
【図28】図27における矢印XXVIII沿いの、現像後の樹脂層の上面図である。
【図29】露光ユニットの例を示す、縮小した図23と同様の図である。
【図30】斜めのビームの下で露光し、そして現像した後の樹脂層の種々の例を示す、走査型電子顕微鏡によって撮像された種々の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明を実施することによってマイクロテクスチャ加工された表面11を有する基板10を示す。
【0032】
基板10は、表面11において開口する可変形状及びサイズを有する空洞13を有する。空洞13は、表面11に平行に画定された、数十ミクロンの程度、例えば図1に示される空洞13のうちの1つでは25.9μmの幅を有する。
【0033】
空洞13は共に、基板10の表面11上に不規則なマイクロテクスチャ加工プロファイル14を形成する。基板10において空洞13を配置し、この結果、表面11上にマイクロテクスチャ加工プロファイル14を形成することからなる、表面11をマイクロテクスチャ加工する方法が、以下に概説される。
【0034】
図2は、不規則なマイクロテクスチャ加工プロファイル14を含む基板10の使用例、すなわち熱太陽光用途のためのスペクトル選択吸収体の製造を示す。
【0035】
図2のグラフにおいては、x軸は波長WLをナノメートルで表し、一方、y軸は反射率Rを百分率で表す。曲線C1は平坦な表面上に配置された太陽光吸収体に対応し、一方、曲線C2は図1に示される不規則なマイクロテクスチャ加工プロファイル14を有する表面11上に配置された同一の太陽光吸収体に対応する。この例においては、吸収体はTiAlN(窒化チタンアルミニウム)から作られる。
【0036】
平面吸収体と比較すると、テクスチャ加工吸収体は、可視(380〜700nm)及び近赤外(700〜2500nm)波長において太陽光スペクトルのより良好な吸収を有することに留意されたい。吸収は、上記で検討された波長範囲(380〜2500nm)にわたる吸収度の積分として画定される。
【0037】
図3〜図9は、基板10の表面11をテクスチャ加工するために実装された、本発明によるマイクロテクスチャ加工設備1の様々の構成要素を示す。設備1は、様々な装置40、50、及び60を備える。
【0038】
設備1内で、本発明は特に、以下に概説されるように、液滴30の配置31から構成された光学マスク35を製造するためのシステム2に関する。システム2は装置40を備える。
【0039】
図3〜図8の例においては、基板10は平行六面体形状を有する。基板10は、平面であって互いに平行である、上側表面11及び下側表面12を有する。
【0040】
或いは、基板10は、目標とする用途に適する任意の形状、例えば管状の形状を有していてもよい。
【0041】
例として、基板10は、シリコン、ガラス、ポリマー、金属、等から作られることができる。
【0042】
基板10はまた、テクスチャ加工される表面11を覆う材料層20を有する。層20で表面11を完全に覆うことができ、又は部分的に覆うことができる。層20は、任意の適する方法を使用して、例えばスピンコーティングによって、基板10の表面11上に堆積されることができる。層20は、好ましくは、感光性材料から、例えば相対的に疎水性のS1805樹脂のようなポリマーから作られる。層20の材料の疎水性は、液滴30の形成に影響を与える。
【0043】
例として、基板10は約1〜2mmの厚さを有し、一方、層20は約100nm〜500nmの厚さを有する。図面においては、これらの厚さは、簡略化のために同程度の大きさで示される。
【0044】
層20は、上側表面21と下側表面22とを有する。表面21は、外部環境に曝されるので外側表面として記載されることができ、一方、表面22は、表面11に対して位置決めされるので内側表面として記載されることができ、従って、層20と基板10との間に配置される。
【0045】
表面21は、例えばプラズマ法又は湿式法を使用することによって、全体的又は部分的にその湿潤性を変えるための化学的前処理を受けることができる。
【0046】
図3〜図5は、液滴30を生成し、そしてそれらを層20の表面21に堆積させるために設けられた生成及び堆積装置40に位置決めされた基板10を示す。
【0047】
装置40は、閉鎖チャンバ41と、チャンバ41に配置された冷却ユニット42とを備える。層20で覆われた基板10が、表面11及び21が上方に配向されるように、最初にユニット42上に配置される。チャンバ41は、制御された温度及び湿度のガス状雰囲気46を有する。
【0048】
ユニット42は、熱伝導によって基板10の下面12、そして表面21を冷却することを可能にする。表面21とチャンバ41の雰囲気46との間の温度差に作用することによって、雰囲気46において存在するガスから、チャンバ41におけるこのガスの分圧が充分であれば、凝縮を生じさせることが可能である。一般的に、雰囲気46において存在するガスは水蒸気であるが、他のガス、例えば油又シリコーンの蒸気が使用されることができる。
【0049】
ユニット42は、支持部43と格納式の脚部44とを備える。支持部43は金属板であって、それを制御された温度の冷水の流れ45が通過する。例えば、流れ45は約5℃の温度を有する。或いは、流れ45は、グリコール水又は液体窒素のような、目標とする用途に適する別の流体から構成されることができる。熱交換は、支持部43を研磨すること、及び/又は表面12と支持部43との間に水の膜を配置することによって改善されることができる。脚部44は、図4のように支持部43と接触して基板10の表面12を配置するように、又は図5のように支持部43から離れるようにこの表面12を移動させるように、作動されることができる。
【0050】
表面12が支持部43に対して位置決めされる場合には、基板10、そして層20の温度が低下する。表面21の冷却は、液滴30の凝縮を増大させる。液滴30の配置31が満足できる場合には、脚部44は、基板10を支持体43から離れるように移動させ、凝縮を停止するように作動される。この結果、ユニット42は、表面21上の液滴30の凝縮を制御することを可能にする。配置31は、液滴30の形状、サイズ、及び分布が目標とする用途に依存して事前設定基準に準拠している場合に満足できると見なされる。例えば、図1及び図2に示される熱太陽光用途の場合、約数十マイクロメートルのサイズ及び1mm当たり約50〜150滴の分布を有する液滴30を得ることが、満たされる2つの基準を構成する。基準は各用途に対してケースバイケースで画定される。
【0051】
装置40はまた、表面21上の液滴30の配置31を監視するためのユニット48を備える。ユニット48は、例えば、レーザカメラ49、顕微鏡、立体顕微鏡、又は他の任意の撮像システムを備える。ユニット48は、液滴30の凝縮をその場で直接チャンバ41において監視することを可能にする。この結果、配置31が液滴30の形状、サイズ、及び分布に関して所望の結果に従う場合には、液滴30の凝縮の停止は非常に容易になる。
【0052】
液滴30は、不規則でランダムな空間配置31に従って表面21上に凝縮する。より具体的には、液滴30は、可変の形状及びサイズ、並びに不規則な空間分布を有する。
【0053】
液滴30の配置31は、表面21と雰囲気46との間の温度差の振幅、水蒸気の分圧、従ってチャンバ41における相対湿度、凝縮の持続時間、液滴30を堆積させる前に表面21に施された前処理、等のような、様々な要因に作用することによって変更されることができる。
【0054】
堆積及び凝縮の後、配置31に従って乱された液滴30は、層20の表面21上に光学マスク35を形成する。そして、層20及び液滴30を有する基板10は、チャンバ41から取り出されることができる。
【0055】
図6及び図7は、基板10上にマスク25を形成するために、表面21上の液滴30の配置31に基づいて、材料層20を局所的に除去するための装置50を示す。より具体的には、層20を局所的に除去するステップは、図6に示される露光サブステップと、図7に示される現像サブステップとを含む。装置50は、露光ユニット51と現像ユニット54とを備える。
【0056】
図6は、光源52、例えば紫外線電球を備える露光ユニット51を示す。光源52は、液滴30を通過して表面21に達する光の流れ53を発する。この段階においては、液滴30の各々は、局所的に光の流れ53を集光させる凸型非球面レンズを構成する。各レンズの焦点距離は液滴30の形状に依存する。感光性樹脂の材料層20は、受けた露光量を局所的に増加させる、液滴30によって集束された光ビーム53の影響を受ける。
【0057】
図6〜図9の例においては、層20はポジ型感光性樹脂から作られ、液滴30は光の流れ53を集光させる光学的機能を実行する。ビーム53に露光される層20の領域は現像剤に可溶性になり、一方、露光されない層20の領域は不溶性のままである。
【0058】
露光後、基板10及び層20は窒素で乾燥され、そして現像装置54に搬送される。現像技術は層20の材料に依存する。例えば、層20がS1805樹脂から作られる場合、現像は、約97〜98%の水及び2.45%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含むMF319溶液に層を浸漬することからなる。
【0059】
表面11上により高密度のパターンを有するプロファイル14を得るために、現像の前に幾つかの凝縮、露光、及び乾燥のサイクルを実行することが可能である。
【0060】
図7は、ユニット54によって現像された後の材料層20を示す。そして、層20は、材料除去領域23及び残余材料領域24を含む。この結果、層20は、基板10上に配置されるマスク25を形成する。領域23及び24は、図6の液滴30の不規則な配置31に起因する可変サイズを有する。
【0061】
図7の例においては、層20はポジ型感光性樹脂から作られる。領域23は図6の液滴30の真下に穴の形態で位置し、一方、領域24は図6の液滴30の周りに及びそれらの間に位置する。
【0062】
図8は、マスク25を介して表面11をマイクロテクスチャ加工するための装置60を示す。空洞13の配置、それ故に表面11上に形成されたマイクロテクスチャ加工プロファイル14は、マスク25を形成する層20の領域23及び24の配置に依存する。マイクロテクスチャ加工は、特に基板10の材料及び目標とする用途に依存して、湿式法、乾式法、又はレーザ爆蝕を使用して行われることができる。
【0063】
図8の例においては、装置60は反応性イオンエッチング装置61を有する。或いは、装置は化学エッチングユニット、光学エッチングユニット(爆蝕)、又は目標とする用途に適する他の任意のエッチングユニットを有してもよい。例えば、基板10がアルミニウムから作られる場合には、表面11は、リン酸と硝酸との混合物(Transene Aluminum Etchant Type A(著作権))に浸漬することによってエッチングされてもよい。
【0064】
エッチング後、層20の樹脂残留物は、種々の方法を使用して、例えば、アセトンに浸漬することによって、又は超音波撹拌によって除去されてもよい。選択された方法は特に、基板10及び層20の材料に依存する。
【0065】
図9は、マイクロテクスチャ加工プロファイル14に従って分布された空洞13を有する最終基板10を示す。液滴30の配置31は不規則であったので、空洞13は不規則な形状及びサイズ、並びに不規則な分布を有する。
【0066】
本発明の1つの実用的な実施形態が以下に画定される。この例は、熱太陽光用途のためのスペクトル選択吸収体の製造に関する。
【0067】
図1及び図2の結果は、図3〜図9の設備1を以下のパラメータで実施することによって得られる。
− 基板10は、304Lステンレス鋼から作られ、1mmの厚さ、50mmの長さ、及び50mmの幅の平行六面体形状を有する。
− 層20は、S1805感光性樹脂から作られ、300nmの厚さを有する。
− 層20は、スピンコーティングによって基板10の表面11上に堆積される。
− 層20の表面21は前処理を受けない。
− チャンバ41は、300mmの高さ、200mmの長さ、及び200mmの幅を有する。
− 支持部43は鋼から作られる。その上側表面は研磨されておらず、基板10を受ける前に水の膜を受けない。
− 冷水の流れ45は、5℃の温度で支持部において循環する。
− チャンバ41における雰囲気46は、最初は25℃の温度及び50%の湿度を有する。
− チャンバ41における凝縮によって層20の表面21上に形成された液滴30は、1.33程度の屈折率を有する水から構成される。これらの液滴30は、半楕円形状、10μmと50μmとの間のサイズ、及び1mm当たり160〜400滴程度の分布を有する。
− 光源52は、365と435nmとの間の波長で発する紫外線電球である。電球の電力は100Wである。層20の露光持続時間は10秒である。
− 現像ユニット54は、97〜98%の水及び2.45%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを有するMF319溶液を実装し、それに層20が光の流れ53による露光後に浸漬される。現像は数秒間続く。
− マイクロテクスチャ加工装置60は、反応性イオンエッチングユニット61を備える。
− エッチング後、層20の樹脂残留物は、アセトンに浸漬することによって基板10から除去される。
− 基板10の表面11上に形成された空洞13は、数十ミクロンの程度の幅及び深さを有する。
【0068】
表面11をマイクロテクスチャ加工するための設備1及び光学マスク35を製造するためのシステム2は、本発明の範囲を逸脱することなく、図3〜図9とは異なるように構成されることができる。
【0069】
チャンバ41におけるガスの凝縮によって得られる、液滴30を構成する液体に依存して、液滴30は、装置50における光の流れ53の集光又は遮蔽のための光学素子として機能することができる。
【0070】
液滴30は、水、水溶液、油、液体ポリマー(例えばシリコーン)、金属、等から構成されることができる。
【0071】
液滴30の組成はそれらの光学的屈折率を変更し、集光光学素子の場合に焦点を変えることを可能にする。加えて、液滴30の組成は、層20上のそれらの表面張力を変え、液滴30の形状、サイズ、及び寸法分布の変化を可能にする。
【0072】
以下の表は、液滴30の種々の組成及び対応する屈折率を示す。
【表1】
【0073】
図10〜図13は、単一の液滴30を検討するために、図6に示される露光サブステップ及び図7に示される現像サブステップのより詳細な図を提供する。
【0074】
図10は、平行ビームの形態で液滴30の表面に達する光の流れ53を示す。光線は、空気/液滴界面において種々の入射角を形成して、入射光線の液滴の湾曲表面との合流点に続く。この結果、光線が液滴の端部に接近して当たるほど、入射角は大きくなる。依然として、空気/液滴界面における反射は入射角に依存する。
【0075】
図11のグラフは、空気/水界面における(x軸上の)入射角の関数としての(y軸上の)反射率の変化を示す。入射角が60°を超える場合には反射率が大幅に増加することに留意されたい。従って、斜入射に関連する高い反射率のために、液滴30の縁部についての層20によって受けた光量は少ない。液滴30はその中心に光を集束させるが、その縁部では層20を保護しマスクする。
【0076】
図12及び図13は、液滴30の下での、現像後の感光性材料層20を示す。その結果、管状の形状を有する構造が得られる。
【0077】
図14〜図18は、本発明を実施することによって得られた表面11の他の例を示す。
【0078】
図14及び図15においては、空洞13は、表面11より深い窪み15及び表面11より高いリム16を有するクレータ形状を有する。図10〜図13を参照して上記で説明されたように、液滴30の各々は、その中心にビーム53を集束させ、大きい入射角のためにその周辺においては光を蔽う。層20のために使用されるS1805感光性樹脂はポジ型であると言われる。従って、UV光に最も露光される層20の領域の除去は、(MF319系現像剤での)現像中に重要であって、それは、結果として生じる表面11の構造を明らかにする。
【0079】
図16及び図17においては、空洞13は、底部が表面11の高さに位置し、一方、リム16が表面11より高い窪み15を有する他のクレータ形状を有する。液滴30の形状は、異なる冷却時間のために、図14及び図15の例で実施されたものとは異なる。この異なる液滴形状は、層20上のビーム53の焦点を変えることを可能にする。この結果、可変液滴形状30は樹脂の可変露光を引き起こす。
【0080】
図18は、クレータの形状をより良好に見ることを可能にする、斜視図における基板10を示す。この図18は、触知性の表面形状測定装置を使用して図14に示される表面11を走査することによって得られる。
【0081】
図19〜図30は、本発明の種々の代替の実施形態を示す。簡単にするために、上記の第1の実施形態と同様の要素は、同じ参照番号を有する。
【0082】
図19〜図22からの実施形態においては、層20はネガ型感光性樹脂から作られ、液滴30は光の流れ53を集光させる光学的機能を実行する。
【0083】
図19においては、ユニット51による露光中、ビーム53に露光される層20の領域は現像剤に不溶性になり、一方、露光されない層20の領域は可溶性のままである。
【0084】
図20は、ユニット54によって現像された後の材料層20を示す。この結果、層20は、基板10上に配置されるマスク25を形成する。除去領域23は、図19の液滴30の周りに及びそれらの間に位置し、一方、領域24は図19の液滴30の下に材料柱の形態で位置する。
【0085】
図21は、マスク25を介する表面11のマイクロテクスチャ加工を示す。空洞13の配置、それ故の表面11上に形成されたマイクロテクスチャ加工プロファイル14は、マスク25を形成する層20の領域23及び24の配置に依存する。エッチング後、層20の樹脂残留物は基板10から除去される。
【0086】
図22は、マイクロテクスチャ加工プロファイル14に従って分布する空洞13を有する最終基板10を示す。液滴30の配置31は不規則であったので、空洞13は不規則な形状及びサイズ、並びに不規則な分布を有する。
【0087】
図23〜図25の実施形態においては、光ビーム53は、層20の表面21に垂直な方向に対して斜めの入射角で液滴30上に配向される。これらの条件下では、マスク25を形成するパターンがまた斜めである。
【0088】
図26に示されるように、このパターンは、光ビーム53の入射角の関数として、液滴30の中心に対して距離「d」によって移動される。
【0089】
図26〜図28の実施形態においては、層20は、基板10の回転と組み合わされて、斜めの入射角を有するビーム53の下で多重露光を受ける。
【0090】
図26に示されるように、層20は斜めの入射角を有するビーム53に露光され、そして基板10は表面21に垂直な軸線の周りに180°旋回し、そして層20は斜めの入射角を有するビーム53に再び露光される。
【0091】
図27及び図28に示されるように、垂直とは異なる入射角の下での露光中に、液滴30の中心に対する内接パターンの移動のために、円筒形以外のパターン形状を得ることが可能である。
【0092】
図29は、液滴30及び層20を斜めの光ビーム53に露光するように設計された露光ユニット51の例を示す。
【0093】
ユニット51は、光源52、例えば平行UV光が取り付けられる半球状のレール55を備える。光源52をレール55に沿って移動させることによって、感光性層20を露光するために使用されたビーム53の入射角を変更することが可能である。
【0094】
ユニット51はまた、基板10を受ける回転可能なプラテン56を備える。プラテン56によって、感光性層20の各露光動作の間に基板10及び層20を回転させることが可能である。
【0095】
図30は、斜めのビームの下で露光し、そして現像した後の樹脂層20の種々の例を示す。
【0096】
左側においては、例A、B、及びCはポジ型感光性樹脂で得られ、一方、右側においては、例D、EおよびFはネガ型感光性樹脂で得られる。
【0097】
例A、C、D、及びEはそれぞれ、「蝶ネクタイ」パターンを得ることを可能にするために、各露光間で180°の回転で、斜めの入射の下で2回の連続露光を受けた層20を示す。
【0098】
例B及びFはそれぞれ、「四つ葉のクローバー」パターンを得ることを可能にするために、各露光間で90°の回転で、斜めの入射の下で4回の連続露光を受けた層20を示す。
【0099】
このようなパターンは、例えば化学分析(電界集中、プラズモン効果)及び微生物学において適用可能である。
【0100】
本明細書で言及される様々な実施形態及び変形の技術的特徴は、全体として又はそれらの幾つかに関して、互いに組み合わされることができる。この結果、設備1及びシステム2は、コスト、機能性、及び性能の観点から適合されることができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14-15】
【図16-17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図30D】
【図30E】
【図30F】
【国際調査報告】