(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523443
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】ワークフロー最適化スライドスキャニング
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/34 20060101AFI20190726BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20190726BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20190726BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
   !G02B21/34
   !G01N35/02 C
   !G01N35/04 E
   !G02B21/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】2019500892
(86)(22)【出願日】20170728
(85)【翻訳文提出日】20190110
(86)【国際出願番号】EP2017069101
(87)【国際公開番号】WO2018019973
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】16181585.7
(32)【優先日】20160728
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイテック キャンパス 5
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 5,NL−5656 AE Eindhoven
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンク イェルテ ペーター
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】ハルスケン バス
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】ファン ワインガールデン ハンス
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
【テーマコード(参考)】
2G058
2H052
【Fターム(参考)】
2G058CC09
2G058CF28
2G058GA20
2G058GC05
2G058GE02
2H052AE11
2H052AE12
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】
本発明は、顕微鏡スライドを撮像することに関する。スライドスキャンに関するワークフローを更に改善するため、顕微鏡スライドを撮像するシステム10が提供され、これは、格納領域ユニット12、コード読出ユニット14、及びデータインターフェースユニット16を有する。格納領域ユニットは、複数のスライドを受け取るよう構成され、各スライドは、スライド関連情報を含むコードを持つ。コード読出ユニットは、格納された複数のスライドのそれぞれのコードを検出するよう構成される。データインターフェースユニットは、コードインベントリの生成のために検出されたコードを提供し、コードインベントリに基づき、決定されたスキャン順序を受信するよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡スライドを撮像するシステムであって、
格納領域ユニットと、
コード読出ユニットと、
データインターフェースユニットとを有し、
前記格納領域ユニットが、複数のスライドを受け取り、各スライドは、スライド関連情報を含むコードを持ち、
前記コード読出ユニットが、格納された複数のスライドのそれぞれのコードを検出し、
前記データインターフェースユニットは、コードインベントリの生成のために前記検出されたコードを提供し、前記コードインベントリに基づき、決定されたスキャンオーダを受信する、システム。
【請求項2】
前記コードインベントリを生成し、前記スキャン順序を決定し、その後、前記スライドを分析して、前記スライドの主スキャンを実行するのに必要又は有用な画像関連パラメータを決定する処理ユニットを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のスライドをスキャンする撮像ユニットを更に有し、前記撮像ユニットが、各スライドの事前スキャンを実行して各スライドの画像を取得し、前記画像関連パラメータは、前記画像に基づき決定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記撮像ユニットが、前記事前スキャンより高い解像度で前記スライドの前記主スキャンを実行する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コード読出ユニットが、
i)各スライド上に提供されるグラフィカルコードを検出するグラフィカルコードリーダデバイス、及び/又は
ii)各スライドにより提供される非グラフィカルコードを検出する無線コード読出デバイスを有する、請求項1乃至4の一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コード読出ユニットが、スライドをスキャンする前記撮像ユニットとは別個に設けられる、請求項1乃至5の一項に記載のシステム。
【請求項7】
それぞれが検出可能なコードを含む複数のスライドが提供される、請求項1乃至6の一項に記載のシステム。
【請求項8】
スキャンユニットを更に有し、
前記スキャンユニットが、顕微鏡スライドをスキャンする少なくとも2つの異なるスキャンエンジンを含み、
前記スキャンユニットは、前記決定されたスキャン順序で前記格納領域において受け取られる前記複数のスライドをスキャンし、前記検出されたコードに基づき前記スキャンエンジンの選択が提供される、請求項1乃至7の一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記格納領域ユニットが、スライドが挿入されたラックを受け取る少なくとも1つのレセプタクルを有し、
スライドが挿入された少なくとも1つのラックが設けられる、請求項1乃至8の一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記スライドをスキャンし、その後に前記スライドを配置するため、ラックと前記スキャンユニットとの間でスライドを個別に移送するハンドリングユニットを更に有し、
前記識別ユニットが、前記ハンドリングユニットに一体化される、請求項1乃至9の一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コードインベントリは、
i)新しいラックが前記格納領域に挿入されるとき、
ii)新しいスライドが前記ラックに挿入されるとき、
iii)インターフェースから更新情報が受信されるとき、及び/又は
iv)スキャン関連情報がスキャンエンジンにより提供されるとき、更新される、請求項1乃至10の一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記スキャン順序の決定に関する基準を提供するためのインターフェースが提供され、
前記インターフェースが、前記スキャン順序の決定に関する基準を予め設定するためのユーザインターフェースであり、及び/又は
前記インターフェースは、患者、組織のタイプ、前記組織の調製のタイプを含むグループの少なくとも1つの共通の所定の基準に関連する優先度をスライドに割り当てるために提供される、請求項1乃至11の一項に記載のシステム。
【請求項13】
スキャンエンジン又は病理専門知識の利用可能性、優先度、HIS/LIS情報、ケースを完了しようとすること、スライドをスキャンするのにどれくらいの時間がかかるかを考慮することの少なくとも1つに基づき、前記順位が決定される、請求項1乃至12の一項に記載のシステム。
【請求項14】
顕微鏡スライドを撮像するワークフローを最適化する方法において、
a)格納領域ユニットに格納された複数のスライドを提供するステップであって、各スライドが、スライド関連情報を含むコードを持つ、ステップと、
b)前記格納された複数のスライドのそれぞれのコードを検出するステップと、
c)コードインベントリを生成するステップと、
d)前記コードインベントリに基づきスキャン順序を決定するステップとを有する、方法。
【請求項15】
ステップd)において前記コードインベントリに基づき前記スキャン順序を決定した後に、前記スライドの主スキャンを実行するのに必要又は有用な画像関連パラメータを決定するため、前記スライドを分析するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記分析するステップが、スライドごとに、それぞれの画像関連パラメータが決定されるスライドの画像を取得するため、事前スキャンを実行するステップを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記主スキャンが、前記事前スキャンより高い解像度で行われる、請求項15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡スライドを撮像することに関し、特に、顕微鏡スライドを撮像するシステム、及び顕微鏡スライドを撮像することにおけるワークフローを最適化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡スライドは、スキャンのために基板層上に設けられた組織スライスのようなプローブのスキャンに使用されてもよい。スライド上のプローブは、より良好な画像データを得るため前処理されてもよい。例えば、染色手順が適用されることができる。スキャンは、各スライドの画像又は少なくとも画像データを生成し、及び従って提供する。スライドは、ラック上に提供されてもよい。例えば、20以上のスライドが共通のラックで運ばれる。スライドスキャンは、自動化プロセスとして提供されてもよい。例えば、WO2014/205557A1号は、顕微鏡スライドのプレビュー画像を撮ることを記載する。プレビューは、それぞれの設定を適用するため、及び各スライドトレイに関するスキャン優先度を設定するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特に複数のスライドがスキャンされると、これはまだ厄介なプロセスを意味することが示される。
【0004】
スライドスキャンに関するワークフローを更に改善する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決される。更なる実施形態が、従属項に組み込まれる。本発明の以下の記載された態様は、顕微鏡スライドを撮像するシステム及び顕微鏡スライドを撮像するワークフローを最適化する方法にも適用される点に留意されたい。
【0006】
本発明によれば、顕微鏡スライドを撮像するシステムが提供される。このシステムは、格納領域ユニット、コード読出ユニット、及びデータインターフェースユニットを含む。格納領域ユニットは、複数のスライドを受け取るよう構成され、各スライドは、スライド関連情報を含むコードを持つ。コード読出ユニットは、格納された複数のスライドのそれぞれのコードを検出するよう構成される。データインターフェースユニットは、コードインベントリの生成のために検出されたコードを提供し、コードインベントリに基づき、決定されたスキャン順序を受信するよう構成される。
【0007】
これは、例えばワークフローの観点から最適化され得るスキャン順序を実現することを可能にする。例えば、特定の患者又は特定の種類の検査に関連するスライドが、斯かる結果が優先事項として必要とされる場合、最初にスキャンされ得る。
【0008】
一例では、データインターフェースユニットは、検出されたコードに基づきコードインベントリを提供するよう構成される。別の例では、コードインベントリの生成は、外部的に、例えば、スキャンユニットから遠隔的に提供される。更なる例では、コードインベントリの生成は、スキャン装置で内部的に提供される。
【0009】
いずれにしても、スキャン順序は、処理ユニットにより決定され、格納されたスライドの検出されたコードに基づき決定される。
【0010】
一例によれば、コード読出ユニットは、スライドをスキャンする撮像ユニットと別個に設けられる。
【0011】
その結果、スライドがスライドスキャナなどの撮像ユニットに転送される前に、スキャン順序が決定されることができる。
【0012】
一例によれば、各々が検出可能なコードを含む複数のスライドが提供される。
【0013】
従って、すべてのスライドはそのコードにより決定され、それぞれのスキャン順序は、スライドの完全なセットを考慮することができる。例えば、コード情報に基づき、スライドが特定のスキャンシーケンスに割り当てられることができる。
【0014】
一例によれば、システムは、顕微鏡スライドをスキャンする少なくとも1つのスキャンエンジンを含むスキャンユニットを更に有する。更に、スキャンユニットは、決定されたスキャン順序で格納領域において受け取られる複数のスライドをスキャンするよう構成される。
【0015】
これは、スキャン順序によるスキャン結果をもたらす。従って、最初に特定の順序でスライドを物理的に並べ替える必要なしに、優先度付きスキャン結果を得ることが可能である。スキャンは例えば、ラックにおけるスライドの順序とは独立した順序で行われる。
【0016】
一例では、スライドを取り扱うデバイスが設けられる。例えば、それぞれのハンドリングは、ハンドラにより提供されることができる。
【0017】
一例によれば、格納領域ユニットは、スライドが挿入されたラックを受ける少なくとも1つのレセプタクルを有する。オプションでは、スライドが挿入されたラックが提供される。
【0018】
更に、オプションとして、複数のスライドのスキャンを可能にするため、格納領域ユニットにいくつかのラックが提供されることができる。
【0019】
一例によれば、システムは、スライドをスキャンし、その後にスライドを配置するため、例えばスライドを物理的に格納する目的のラック又はどこか別の場所に戻すため、ラックとスキャンユニットとの間でスライドを個別に移送するハンドリングユニットを更に有する。オプションでは、識別ユニットが、ハンドリングユニットに一体化される。
【0020】
別の例では、スライドをラックに戻す代わりに、スライドが出力領域に提供されることもできる。
【0021】
ハンドリングユニットは、決定されたスキャン順序に基づきスキャンユニットへのスライドの提供を可能にする。
【0022】
本発明によれば、顕微鏡スライドを撮像するワークフローを最適化する方法が提供される。この方法は、
a)格納領域ユニットに格納された複数のスライドを提供するステップであって、各スライドが、スライド関連情報を含むコードを持つ、ステップと、
b)上記格納された複数のスライドのそれぞれのコードを検出するステップと、
c)コードインベントリを生成するステップと、
d)上記コードインベントリに基づきスキャン順序を決定するステップとを有する。
【0023】
一例では、決定されたスキャン順序に基づき、格納された複数のスライドをスキャンするステップe)が更に提供される。
【0024】
一例では、インベントリを作成しスキャン順序を決定した後、スキャンに必要又は有用な撮像パラメータ(例えば、フォーカスポイントなど)を得るため、スライドを分析し、パラメータを考慮してスライドをスキャンする後続のステップが提供される。
【0025】
一例では、スライドの分析は、例えば、スライドのサンプルの低解像度画像を生成する事前スキャンを行うサブステップを含む。その後、より高い解像度、例えば20倍又は40倍高い解像度でスキャンが実行される。一例では、事前スキャン画像はコードを含まない。
【0026】
一態様によれば、各スライドは、スライドに関する情報を含むコードを具備する。コードは、スライドの特定のスキャン順序を決定するため、リーダーにより検出される。スキャン順序に関して、ユーザは、優先度データを設定することができ、スキャン順序は、スキャン順序を決定するときこれらを考慮する。
【0027】
本発明のこれら及び他の側面は、本書に記載される実施形態から明らかとなり、及び実施形態を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】顕微鏡スライドを撮像するシステムの一例の概略構成を示す図である。
【図2】顕微鏡スライドを撮像するシステムの更なる例を示す図である。
【図3】顕微鏡スライドを撮像するシステムの別の例を示す図である。
【図4】顕微鏡スライドを撮像するシステムの更に別の例を示す図である。
【図5】顕微鏡スライドを撮像する際のワークフローを最適化する方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の例示的な実施形態が、以下の図面を参照して以下に説明される。
【0030】
図1は、顕微鏡スライドを撮像するシステム10の一例の概略構成を示す。システム10は、格納領域ユニット12、コード読出ユニット14、及びデータインターフェースユニット16を有する。格納領域ユニット12は、複数のスライドを受け取り、各スライドは、スライド関連情報を含むコードを持つよう構成される。コード読出ユニット14は、格納された複数のスライドの各コードを検出するよう構成され、データインターフェースユニット16は、コードインベントリの生成のために検出されたコードを提供し、コードインベントリに基づき決定されたスキャン順序を受信するよう構成される。
【0031】
一例では、顕微鏡スライドを撮像するシステムは、デジタル病理において使用される。
【0032】
コードは、スライドの事前スキャン、即ちスライドの組織部分、又は言い換えると撮影される画像そのものではなく、付加的な情報である。即ち、コードは、プローブ画像コンテンツベースではない。コードは、スライドの画像コンテンツ、即ちプローブ又は組織コンテンツとは無関係である。
【0033】
一例では、コードは、スキャンを提供するために使用されるのと同じスキャン原理により取得されるものではない。しかしながら、スライドをスキャンするためにも使用される光学画像検出装置を使用する光学的方法でコードが読み出されることができる。
【0034】
一例では、決定されたスキャン順序は、コード情報のみに基づかれる。
【0035】
コードは、バーコード、ドットパターン、又はカメラ若しくは他の光学検出装置により検出可能な他のコードであり得る。
【0036】
別のバージョンでは、コードは、例えば近距離通信(NFC)に基づかれる電磁気情報転送に基づき提供される。
【0037】
「スライド関連情報」は、LIS(ラボ情報システム)のような外部システムからスライド関連情報を取得するために使用されることができる一意な識別子を含むことができる。
【0038】
用語「スライド」は、組織プローブ又は他の生物学的サンプル若しくは標本のようなプローブ又はサンプルに関する。これらのプローブ又はサンプルは、撮像目的のためにガラス又は他の適切なキャリア/支持材料のような基板上に配置される。撮像は、異なる画像生成手順により提供されてもよい。スライドは例えば、サンプル又はプローブがその間に配置される2つのガラス層を有することができる。
【0039】
組織サンプルは、撮像目的のために前処理されることができる。例えば、異なる組織又はサンプル領域をよりよく視覚化するため、染色され、又は特定の物質で処理される。
【0040】
スライドは、各スライドに1つ又は複数のプローブ又はサンプルを含むように提供されてもよい。スライドという用語は、関心材料の提供及び保持に適した物理的実体を指す。これは例えば、複数のスライドを格納するために設けられたラック又は他のキャリアにおけるスライド上プローブを格納する。スキャン装置内で処理されるスライドも提供される。
【0041】
用語「スキャン」は、スライドにより担持されるプローブ又はサンプルの画像生成を指す。スキャンは、スライドと撮像システム又は撮像装置との間に相対運動を提供することにより構成されてもよい。例えば、スライドは、完全なスライドの画像を生成するため、光源及びカメラ装置に沿って動かされてもよい。別の例では、光源及びカメラ装置がスライドに沿って移動される。更なる例では、両者は互いに関連して相互に動かされる。
【0042】
「スキャン順序」という用語は、順次スキャンされるスライドの配置に関する。この順序は、スライドを保持するラック又は他の構成におけるスキャンのソートに沿って行われ得る。一例では、ソート順序は、ラック又はトレイなどのキャリアにおけるスライドの配置とは無関係に、画像コンテンツに関連付けられる基準に関連する。
【0043】
一例では、スキャン順序は、同じケースのような同じ基準に関連するスライドに高い優先度を割り当てることにより決定される。
【0044】
一例では、決定された順序は、研究室における優先順位の変更を反映するように連続的に更新される。
【0045】
オプション(図示省略)として、コード読出ユニット14は、各スライド上に提供されるグラフィックコードを検出するためのグラフィカルコードリーダデバイスを有する。
【0046】
別のオプション(図示省略)として、コード読出ユニット14は、各スライドにより提供される非グラフィカルコードを検出するための無線コード読出デバイスを有する。
【0047】
例えば、コードは、RFIDタグ(無線識別タグ)又はNFCタグ(近距離通信タグ)を介して提供される。
【0048】
コードは、バーコード、ピクセルコード、数値コード、アルファベットコードなどとして提供されてもよい。
【0049】
一例では、前述したように、スライドはデジタル病理スライドである。
【0050】
図2は、コード読出ユニット14が、スライドをスキャンする撮像ユニット18とは別に設けられる例を示す。撮像ユニット18は、例えばグリッパと呼ばれるスライドを処理するハンドラ20と、例えば撮像又はスキャンエンジンと呼ばれる撮像装置22とを有することができる。オプションとして、格納領域ユニット12は、撮像ユニット18の共通のハウジング内に設けられてもよい。
【0051】
更なるオプション(図示省略)において、ハンドラ20(又はグリッパ)は、撮像ユニット18から独立して設けられる。
【0052】
更なるオプション(図示省略)では、ハンドラ20(又はグリッパ)は、撮像装置22から独立して設けられる。
【0053】
一例では、決定されたスキャン順序を使用して、予想されるスキャンフロー及びスキャン進行の正確な推定が提供される。
【0054】
例えば、決定されたスキャン順序は、IMS/LIS(情報又は画像管理システム/ラボ情報システム)又は他の情報システムのようなシステムに伝達され、その結果、ケースがいつスキャンされ、更なるステップのためにいつ利用可能になると予想されるかを決定するため、スキャンフローの正確な推定が行われることができる。
【0055】
別の例では、決定されたスキャン順序は、例えば病理学者の利用可能性を追跡するシステムと整列され、又は少なくとも通信される。
【0056】
一例によれば、各々が検出可能なコードを含む複数のスライドが提供される。
【0057】
図3は、格納された複数のスライドのコードインベントリを提供し、コードインベントリに基づきスキャン順序を決定するよう構成された処理ユニット24が提供される例を示す。
【0058】
一例では、処理ユニット24は、コード読出ユニット14に接続され、即ち、通信は、コード読出ユニット14を介して提供される(図3参照)。
【0059】
別の例では、処理ユニット24は、データインターフェースユニット16に接続され、データインターフェースユニット16は、コード読出ユニット14に接続される。即ち、通信は、データインターフェースユニット16(図示省略)を介して提供される。
【0060】
一例では、コードは、撮像される組織サンプルを含むスライド画像部分とは別個に提供される。
【0061】
図4は、システムが、顕微鏡スライドをスキャンする少なくとも1つのスキャンエンジン28を含むスキャンユニット26を更に有する例を示す。更に、スキャンユニット26は、決定されたスキャン順序で格納領域において受け取られた複数のスライドをスキャンするよう構成される。
【0062】
用語「スキャンエンジン」は、スライドをスキャンするよう構成された撮像装置に関する。一例では、スキャンエンジンは、光源とカメラとを有する。スキャンエンジンは、少なくとも1つの画像データ生成ユニットを有する。
【0063】
スキャンユニットは、スライドの各々に関する主スキャンを実行するよう構成される。また、スキャンユニットは、画像関連パラメータ、例えば焦点パラメータ、染色又は色情報を決定するため、スライドの各々について事前スキャンを実行するよう構成されてもよい。
【0064】
コード読出ユニットは、スキャンユニットと一体的に設けられてもよく、例えば、コード読出は、同じ光学検出ユニット、例えば、カメラにより提供されることができる。
【0065】
オプションとして図4に示される例では、少なくとも2つの異なるスキャンエンジンが提供される。これは、第2のスキャンエンジン30により示される。別のオプションとして、検出されたコードに基づきスキャンエンジンの選択が提供される。
【0066】
一例では、明視野スキャンエンジンと、蛍光スキャンエンジンとが提供される。
【0067】
「明視野スキャンエンジン」という用語は、サンプル又はプローブの透過照明を使用する光学顕微鏡検査照明技術に基づき画像データを提供する撮像装置に関する。明るい光、例えば白色光が、異なる吸光度によるサンプルに沿った異なるサンプル特性を検出するために使用される。
【0068】
「蛍光スキャンエンジン」という用語は、スペクトロフルオロメトリー又は蛍光測定法とも呼ばれる蛍光分光法に基づき画像データを提供する撮像装置に関する。蛍光分光法は、サンプル又はプローブからの蛍光の分析に関する。例えば、UV光線として提供されることができる光線は、いくつかのタイプの組織を励起し、これはその後光を放射する。これは、人間の目に見える、又は見えないとすることができる。しかしながら、それは、カメラなどの検出器により検出されることができる。
【0069】
一例(更なる図示省略)では、格納領域ユニットは、スライドが挿入されたラックを受け入れる少なくとも1つのレセプタクルを有する。オプションで、スライドが挿入されたラックが提供される。
【0070】
このシステムは、スライドをスキャンし、後に出力ラック又は出力領域のように他の場所にスライドを配置するため、ラックとスキャンユニットとの間でスライドを個別に移送するためのハンドリングユニットを更に備えてもよい。オプションで、識別ユニットは、ハンドリングユニットに一体化される。
【0071】
ハンドリングユニットは、把持ユニット、ハンドラ又はグリッパとも呼ばれる。
【0072】
一例では、ハンドリングユニットは、一度に1つのスライドを取り扱うよう構成される。
【0073】
別の例では、ハンドリングユニットは、一度に2つ以上のスライドを取り扱うよう構成され、例えばデュアルグリッパである。
【0074】
例えば、新しいラックが格納領域に挿入される、新しいスライドがラックに挿入される、又は更新された情報がインターフェースから受信されるとき、コードインベントリが更新されることができる。
【0075】
更に別のオプションとして、例えばスキャンに要する時間といったスキャン関連情報がスキャンエンジンにより提供されるとき、又はスキャンエンジンの1つが故障する若しくは誤作動する場合でさえ、コードインベントリが更新されることができる。
【0076】
一例では、インターフェースから受信される更新情報は、LISからの更新情報である。
【0077】
一例では、コードインベントリは、スキャナのユーザインターフェースを介してオペレータにより又は他のシステム入力に基づき、優先度の変更が与えられるとき、更新される。
【0078】
一例では、スキャン順序の決定に関する基準を提供するためのインターフェースが提供される。
【0079】
例えば、スキャン順序の決定に関する基準を予め設定するよう構成されたユーザインターフェースが提供されてもよい。
【0080】
例えば、インターフェースは、患者、組織のタイプ、組織の調製のタイプのグループの少なくとも1つの共通の予め定められた基準に関連する優先度をスライドに割り当てるために提供される。
【0081】
一例では、スキャン順序における第1の優先順位は、同じケースのスライドに割り当てられる。例えば、特定の時間範囲及び/又は特定の身体領域における同一の患者のスライドに割り当てられる。
【0082】
その順序は、以下の少なくとも1つに基づき決定されてもよい。即ち、スキャンエンジン又は病理学の専門知識の利用可能性、優先度、HIS/LIS情報、症例の完了を試みること、及びスライドをスキャンするのにどれくらい時間がかかるかの考慮のグループの1つである。
【0083】
図5は、顕微鏡スライドを撮像するワークフローを最適化する方法100を示す。この方法は、以下のステップを含む。
【0084】
ステップa)とも呼ばれる第1のステップ102では、格納領域ユニットに格納された複数のスライドが提供される。各スライドは、スライド関連情報を含むコードを持つ。
【0085】
ステップb)とも呼ばれる第2のステップ104では、格納された複数のスライドのそれぞれのコードが検出される。
【0086】
ステップc)とも呼ばれる第3のステップ106では、コードインベントリが生成される。
【0087】
ステップd)とも呼ばれる第4のステップ108では、コードインベントリに基づきスキャン順序が決定される。
【0088】
一例では、決定されたスキャン順序に基づき、格納された複数のスライドをスキャンするステップe)とも呼ばれる第5のステップ110が更に提供される。
【0089】
オプションでは、スライドの順序が連続的に最適化されるループが提供される。
【0090】
様々な例及びオプションで説明されるように、顕微鏡スライドを撮像するシステムは、格納されたスライドのインベントリスキャンを行うことができるスキャナと一体化されて提供されることができる。
【0091】
様々な例及びオプションに記載されるように、顕微鏡スライドを撮像するシステムは、格納されたスライドのインベントリスキャンを行うことができるスキャナへのアドオンとして提供されることもできる。例えば、様々な例及びオプションに記載されるように、顕微鏡スライドを撮像するシステムが、既存のスキャナを改造し、及び従ってアップグレードするために提供されることができる。
【0092】
スライドがスキャンされる順序を最適化するため、情報は、例えばLIS/HIS(健康情報サービス)/IMSからの情報と組み合わせて使用される。これにより、例えば、(複数のスライドからなる)ケースが、格納の順序とは無関係に順次スキャンされることができる。更に、特定のスライドに優先順位が付けられることができる。これは、ワークフローを改善する。なぜなら、それは、ケースが病理学者により検査されるのを待つ時間を短縮するからである。
【0093】
デジタル病理スキャナは、以下の要素を含むことができる。スライドをデジタル化するための光学エンジン。スキャナの作動を可能にするグラフィカルユーザインタフェース。顕微鏡スライドを用いてラックを格納するためのスライド収納。顕微鏡スライドをスライド格納部から光学エンジンに搬送して戻すためのハンドラ。
【0094】
例えば、使用されるラックは、20個のスライドを持つ。これは、決定された順序で処理されることができる。更に、ラックそれ自体も決定された順序で処理されることができる。一例では、GUIを使用して特定のラックが手動で優先順位付けされることができる。
【0095】
従って、スライドは、最適な順序でスキャンされることができる。例えば、これは、可能な限り早急に処理(及び病理学者により検査される)されるべき優先ケースを考慮したスキャンを可能にする、又は複数の顕微鏡スライドからなるケースを考慮したスキャンを可能にする。なぜなら、そのケースの検査を開始する前に、病理学者がすべてのデジタル画像を必要とするからである。
【0096】
例えば、GUI(スキャナがこの機能をサポートしている場合)を使用して特定のラックに優先順位が付けられることを可能にすることが提供される(その結果、優先ラックにおけるすべての顕微鏡スライドが最初にスキャンされることになる)。又は、ラックにおけるスライドの順序及びスキャナのスライド格納部におけるラックの順序を手動で最適化することを可能にすることが提供される。
【0097】
スキャナへのアドオンは、格納部のインベントリスキャンを行うことを可能にするが、事前スキャンを行う必要はない。事前スキャンは、画像コンテンツを分析又は評価することを必要とする。逆に、実際にスライドを取得する前に、各スライドのバーコード等が決定される。スライドがスキャンされる順序を最適化するため、この情報は、LIS/HIS/IMSからの情報と組み合わせて使用される。これにより、格納部におけるスライドの順序とは無関係に、(複数のスライドからなる)ケースが順次スキャンされることができる。このケースを完了するための時間は限られる。なぜなら、病理学者は、最後のスライドがデジタル化されるまで長い時間待たなくてもよいからである。更に、LIS/HIS/IMSにおいて、特定のスライドに優先権が与えられることができる。その結果、これらの特定のスライドが最初にデジタル化される。これは、ラックにおいてスライドを特定の順序で、及びスライド格納部においてラックを特定の順序で手動で配置するための、手間のかかる作業を避ける。
【0098】
スライドIDを決定するため、例えばバーコードスキャナが使用される。スキャナの光学エンジンにバーコードスキャナが提供されることができる。別の例では、ハンドラ又はグリッパに取り付けられたバーコードスキャナが提供される。各スライドは、グリッパによりピックされ、バーコードスキャナにより識別され、格納部に戻される。スライドIDに基づき、IMS/LIS/HISからの情報と組み合わせて、最適な順序が決定されることができる。
【0099】
新しいスライドラックがスキャナに配置される場合、デジタル病理スキャナはこれを検出し、新しいスライドラックでインベントリスキャンを実行することができる。この情報に基づき順序が更新されることができる。
【0100】
スキャナが複数の(異なる)スキャンエンジン(例えば、明視野スキャンエンジン及び蛍光スキャンエンジン)からなる場合、スライドIDに基づき、適用可能なスキャンエンジンが選択されることができる。
【0101】
別の例では、スライドの順序は、病理学者の利用可能性(即ちディスパッチツールとの統合)により決定されることができる。スライドが再スキャンを必要とする場合(例えば、画質が不十分な場合)、それは、再スキャンを直接実行するためのオプションとして提供される。
【0102】
スライドは、所与の(又は物理的にソートされた)順序でトレイにスタックされて提供されることができるが、スライドは、固定された順序、即ちソートされた順序ではなく、決定された基準に基づかれる順序でスキャンされる。
【0103】
顕微鏡スライドを撮像するシステム及び顕微鏡スライドを撮像するワークフローを最適化する方法が例えば、デジタル病理学及び病理学ラボワークフローの文脈での適用のために提供される。
【0104】
本発明の実施形態が、異なる主題を参照して説明される点に留意されたい。特に、ある実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明されるが、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者であれば、上記及び以下の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関連する特徴間の任意の組み合わせが、本願に開示されると考えられることを理解するであろう。しかしながら、すべての特徴は、これらの特徴の単純な合計より多くの共同効果を提供する態様で、組み合わせられることができる。
【0105】
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示され及び説明されたが、斯かる図示及び説明は、説明的又は例示的であると考えられ、本発明を限定するものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。図面、開示及び従属項の研究から、開示された実施形態に対する他の変形が、請求項に記載の本発明を実施する当業者により理解され、及び実行されることができる。請求項において、単語「有する」は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを意味するものではない。請求項における任意の参照符号は、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】