(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523562
(43)【公表日】20190822
(54)【発明の名称】光学的検出のための光センサおよび検出器
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/08 20060101AFI20190726BHJP
【FI】
   !H01L31/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】89
(21)【出願番号】2019504980
(86)(22)【出願日】20170727
(85)【翻訳文提出日】20190329
(86)【国際出願番号】EP2017068956
(87)【国際公開番号】WO2018019921
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】16181998.2
(32)【優先日】20160729
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517267802
【氏名又は名称】トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】ヘルメス,ヴィルフリート
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35、トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(72)【発明者】
【氏名】ファローフ,ゼバスティアン
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35、トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(72)【発明者】
【氏名】ゼント,ロベルト
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35、トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(72)【発明者】
【氏名】ブルーダー,イングマル
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35、トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(72)【発明者】
【氏名】フォイアーシュタイン,ベルトラム
【住所又は居所】ドイツ、67063 ルートヴィッヒスハーフェン アム ライン、インドゥストリーシュトラーセ 35、トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【テーマコード(参考)】
5F849
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、光センサ、少なくとも1つの対象物の光検出のための光センサを含む検出器、光センサの製造方法、ならびに光センサおよび検出器の様々な使用に関する。さらに、本発明は、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、スキャニングシステム、追跡システム、立体視システム、およびカメラに関する。
光センサ(110)は、少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)と、光導電性材料(114)の層(112)と接触する少なくとも2つの個々の電気接点(136、136')と、光導電性材料(114)の層(112)上に堆積され、少なくとも1つの金属含有化合物(120)を含む非晶質層であるカバー層(116)を含む。
光センサ(110)は、かさばらない気密パッケージとして供給することができ、かさばらないにも拘わらずなお湿気および/または酸素による起こり得る劣化に対して高度の保護を提供する。さらに、カバー層(116)は光導電性材料(114)を活性化することができ、それによって光センサ(110)の性能が向上する。さらに、光センサ(110)は容易に製造され、回路キャリア装置上に統合されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサ(110)であって、
少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)と、
前記光導電性材料(114)の前記層(112)と接触する少なくとも2つの個別の電気接点(136、136')と、
前記光導電性材料(114)上に堆積されたカバー層(116)と、を含み、
前記カバー層(116)は、少なくとも1つの金属含有化合物(120)を含む非晶質層であることを特徴とする光センサ(110)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記金属含有化合物(120)はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)から成る群から選択される金属を含む請求項1に記載の光センサ(110)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記金属含有化合物(120)は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1または2に記載の光センサ(110)。
【請求項4】
前記カバー層(116)は少なくとも2つの隣接する層を有する積層体であるかまたはそれを含み、前記隣接層はそれぞれの組成によって異なり、少なくとも1つの前記隣接層は、少なくとも1つの金属含有化合物を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項5】
前記カバー層(116)は、10nmから600nmの厚さを有する請求項1から4のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項6】
前記カバー層(116)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)の隣接面(118)に対して共形層である請求項1から5のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項7】
前記カバー層(116)は、原子堆積層を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項8】
前記カバー層(116)は、少なくとも1つの追加層(134)で少なくとも部分的に被覆されており、および/または、少なくとも1つの前記追加層(134)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)と前記カバー層(116)との間に少なくとも部分的に堆積され、前記追加層(134)は、反射防止層、光学フィルタ層、封入層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうち少なくとも1つであるかまたはこれを含む請求項1から7のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項9】
前記光導電性材料(114)の前記層(112)は少なくとも1つの基板(124)に直接または間接的に適用され、少なくとも1つの前記基板(124)と前記カバー層(116)は、1つの波長範囲内で光学的に透明である請求項1から8のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項10】
前記光導電性材料(114)は、少なくとも1つのカルコゲニドを含み、前記カルコゲニドは、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元カルコゲニド、五元以上のカルコゲニドおよびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される請求項1から9のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項11】
前記カルコゲニドは、硫化鉛(PbS)、銅インジウム硫化物(CIS)、銅インジウムガリウムセレン(CIGS)、銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、硫セレン化鉛(PbSSe)、銅−亜鉛−硫化スズ−セレンカルコゲニド(CZTSSe)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される請求項1から10のいずれか1項に記載の光センサ(110)。
【請求項12】
少なくとも1つの対象物(152)を光学的に検出するための検出器(150)であって、
− 請求項1から11のいずれか一項に係る少なくとも1つの光センサ(110)であって、前記光センサ(110)は少なくとも1つのセンサ領域(170)を含み、前記光センサ(110)は光ビーム(126)による前記センサ領域(170)の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている光センサ(110)と、
− 少なくとも1つの評価装置(172)であって、前記光センサ(110)の前記センサ信号を評価することによって対象物(152)の少なくとも1つの座標を生成するように設計されている評価装置(172)と、
を含むことを特徴とする検出器(150)。
【請求項13】
前記センサ信号は縦方向センサ信号であって、縦方向センサ信号は、照射の総出力が同じ場合、前記センサ領域(170)内の光ビーム(126)のビーム断面(130)に依存し、前記評価装置(172)は、前記縦方向センサ信号を評価することにより、前記対象物(152)の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている請求項12に記載の検出器(150)。
【請求項14】
前記センサ信号は横方向センサ信号であって、前記横方向センサ信号は、光導電性材料(114)に接触する電気接点(136,136’,186,188)によって提供され、前記電気接点(136,136’,186,188)は少なくとも1つの分割電極として構成され、バイアス電圧源が少なくとも1つの前記分割電極に適用可能であり、前記評価装置(172)はさらに、前記バイアス電圧源および少なくとも1つの前記分割電極を印加することにより、および前記横センサ信号を評価することにより、前記対象物(152)の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている請求項12または13に記載の検出器(150)。
【請求項15】
光センサ(100)を製造する方法であって、
a) 少なくとも1つの光導電性材料(114)の層(112)を提供する工程;
b) その後、少なくとも1つの金属含有化合物(120)にまで反応するように適合された少なくとも1つの前駆体(170,172)を適用し、それによって、前記金属含有化合物(120)は、前記光導電性材料(114)の前記層(112)の上に非晶質のカバー層(116)として堆積される工程;および
c) その後、前記非晶質のカバー層(116)を熱処理する工程;を含み、
前記光導電性材料(114)の前記層(112)と電気的に接触する少なくとも2つの電気接点(136,136’)がさらに設けられることを特徴とする光センサの製造方法。
【請求項16】
請求項12から14のいずれか1項に係る検出器(150)の使用であって、ガス感知、火災検出、炎検出、熱検出、煙検出、燃焼監視、分光測定、温度感知、動作感知、工業用監視、化学感知、排ガス監視、距離測定、位置測定、娯楽応用、セキュリティアプリケーション、ヒューマンマシンインターフェースアプリケーション、追跡アプリケーション、スキャンアプリケーション;立体視、写真撮影アプリケーション、撮像アプリケーションまたはカメラアプリケーション、少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピングアプリケーション、車両用のホーミングまたは追跡ビーコン検出器、熱的特徴を有する対象物の距離および/または位置の測定、マシンビジョンアプリケーション、ロボットアプリケーション、物流アプリケーションからなる群から選択される使用の目的で検出器を使用することを特徴とする検出器(150)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ、および、光放射、具体的に特に赤外線スペクトル範囲内の光放射のための光センサを備える検出器に関し、特に、少なくとも1つの対象物の透過率、吸収率、放射率および反射率のうちの少なくとも1つを感知すること、特に少なくとも1つの対象物の位置を決定すること、特に少なくとも1つの対象物の深度または深度と幅の双方に関して対象物の位置を決定することに関する。さらに、本発明は、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、スキャニングシステム、追跡システム、立体視装置およびカメラに関する。さらに、本発明は、光センサを製造する方法、ならびに光センサおよび検出器の様々な使用に関する。このような装置、方法および使用は、例えば日常生活、ゲーム、交通技術、空間マッピング、製造技術、セキュリティ技術、医療技術の様々な分野または科学分野において採用され得る。ただし、さらなる適用も可能である。
【背景技術】
【0002】
光センサに基づく、少なくとも1つの対象物を光学的に検出する様々な検出器が知られている。WO2012/110924A1は、少なくとも1つの光センサを含む検出器を開示しており、この光センサは少なくとも1つのセンサ領域を示す。ここでは、光センサは、センサ領域の照射に依存する形で少なくとも1つのセンサ信号を生成するよう設計される。いわゆる「FiP効果」によれば、センサ信号は、照射の総出力が同じであれば、センサ信号は照射の幾何学的形状、特にセンサ領域上の照射のビーム断面に依存する。検出器はさらに、センサ信号から少なくとも1つの幾何学的情報、特に照射および/または対象物に関する少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計された少なくとも1つの評価装置を有する。
【0003】
WO2014/097181A1は、少なくとも1つの横方向光センサおよび少なくとも1つの縦方向光センサを使用することによって、少なくとも1つの対象物の位置を決定するための方法および検出器を開示している。好ましくは、縦方向光センサのスタックが、特に対象物の縦方向の位置を高い精度でかつ曖昧さなしに決定するために使用されている。さらに、WO2014/097181A1は、少なくとも1つの対象物の位置を決定するためのかかる検出器を少なくとも1つをそれぞれ備える、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽機器、追跡システム、およびカメラを開示している。
【0004】
2016年1月28日に出願された国際特許出願PCT/EP2016/051817は、その全内容が参照により本明細書に含まれており、縦方向光センサとして適しているさらなる種類の材料を開示している。ここでは、縦方向光センサのセンサ領域は光導電性材料を備え、光導電性材料内の導電性は、照射の総出力が同じであれば、センサ領域の光ビームのビーム断面に依存する。したがって、縦方向センサ信号は光導電性材料の導電性に依存する。
【0005】
好ましくは、光導電性材料は、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、リン化インジウム(InP)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、アンチモン化インジウム(InSb)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe;MCT)、硫化銅インジウム(CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、または硫化銅亜鉛スズ(CZTS)から選択される。さらに、固溶体および/またはそのドープ変形も可能である。さらに、センサ領域を有する横方向光センサが開示されており、ここでセンサ領域は、2つの透明な導電性酸化物層の間に優先的に埋め込まれた光導電性材料の層と、少なくとも2つの電極とを含んでいる。好ましくは、電極の少なくとも1つは、少なくとも2つの部分電極を有する分割電極であり、部分電極によって提供される横方向センサ信号は、センサ領域内の入射光ビームのx位置および/またはy位置を示す。
【0006】
M Leskelae,L Niinistoe,P Niemela,E Nykaenen,P Soininen,M TiittaおよびJ Vaehaekangasによる“Preparation of lead sulfide thin films by the atomic layer epitaxy process”は、原子層堆積(ALD)によって異なった基板上での硫化鉛薄膜の調製を研究している。硫黄のソースは全ての実験においてHSであったが、鉛のソースとして以下の化合物:臭化物、ヨウ化物および酢酸塩ならびにthd(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン)およびジエチルジチオカルバメートキレートをテストしている。最後の複合体が最も高い成長率を示した。成長実験は300〜350℃で行い、膜厚は0.1〜1μmの間で変化した。結果によると、膜は多結晶であり、そしてランダムに配向していることを示した。導電率はp型であり、キャリア濃度および移動度は従来の化学的方法によって堆積された膜に見られるものと同等であった。
【0007】
N.P.Dasgupta、S.P.WalchおよびF.B.Prinzによる、“Fabrication and characterization of lead sulfide thin films by atomic layer deposition”のECS Transactions 16 (4)の29−36頁、2008は、ALDによる硫化鉛(PbS)薄膜の堆積に関する研究を示している。硫化鉛(PbS)膜は、165〜175℃の前駆体昇華温度でPb(tmhd)およびHS前駆体から堆積された。膜成長速度は0.13〜0.18nm/サイクルであって、以前に公表された値よりも高かった。化学的汚染なしに、ALDに特徴的な線形成長速度が観察された。AFM画像は、膜が多結晶であり、粒子サイズが膜厚と共に増加することを示した。
【0008】
N.P.Dasgupta、J.F.Mack、M.C.Langston、Al BousettaおよびF.B.Prinzによる、“Design of an atomic layer deposition reactor for hydrogen sulfide compatibility”、Rev.Sc.Instrum 81、044102、2010は、硫化水素(HS)化学と適合性のある構成要素で設計されたカスタマイズされたALD反応器について説明している。HSは、金属硫化物のALDのための反応物質として使用される。ALD反応器におけるHSの使用は、その非常に有毒で、可燃性で、そして腐食性の性質のために、安全性の問題に特別な注意を必要とする。反応器は、全ての湿潤成分のHSとの材料適合性に関して設計されている。有毒ガスの漏洩、停電、建物の換気の損失、または圧縮空気圧の発生時にシステムをシャットダウンするための、カスタマイズされた安全インターロックシステムが開発された。化学的汚染も検出可能なHSの放出もない硫化鉛(PbS)と硫化亜鉛(ZnS)のALDが示された。
【0009】
J.Xu、B.R.Sutherland、S.Hoogland、F.Fan、S. KingeおよびE.H.Sargentによる、“Atomic layer deposition of absorbing thin films on nanostructured electrodes for short−wavelength infrared photo−sensing”,Appl. Phys. Lett.107、153105、2015は、高温または高真空の不在下での高品質の薄膜形成を享有するALDが、酸化物材料の広い配列の広域堆積のための業界標準となったことを報告している。最近、ナノ結晶硫化物膜の形成における将来性が示された。ここでは、光検出のためのALD硫化鉛の実行可能性を示している。ALDの共形能力を活用して、酸化亜鉛のナノワイヤー電極を利用することによって吸収層における抽出効率を落とさずに吸収を高めることが示された。ナノワイヤーは、最初に薄いシャント防止の酸化チタン層で被覆され、続いて光感知用の赤外活性のALD PbS層で被覆される。
【0010】
特に、湿気および/または酸素などの外的影響による光導電性材料の劣化を避けるために、光導電性材料を含む光センサは、少なくとも部分的に封入層で覆われていてもよい。この目的のために、封入層は、典型的には、封入接着剤、通常はエポキシ系接着剤、および/または封入ガラスを使用することによりもたらされる。追加的にまたは代替的に、光センサは気密封止容器内に封入することができる。しかしながら、封入ガラスおよび封入接着剤は、好ましくは、光導電性材料による感知に関連し得る波長範囲にわたるそれらの吸収特性に関して選択される。ここでは、ホウケイ酸ガラスおよび石英ガラスは、約2500nmを超える波長で吸収することが知られており、これは、光導電性材料、特に硫化鉛(PbS)およびセレン化鉛(PbSe)のスペクトル応答をかなり制限する可能性がある。サファイアなどの他の封入ガラスは、より適切な吸収特性を提供し得るが、通常はかなり高価になる傾向がある。さらに、気密容器は一般にかなりかさばっていて、プリント回路基板に集積化するのが難しく、そして高価であることがわかっている。
【0011】
G.H.Blount、K.Preis、R.T.YamadaおよびR.H.Bubeによる、“Photoconductive properties of chemically deposited PbS with dielectric overcoatings”、J.Appl.Phys.46の3489頁、1975は、薄膜PbS光検出器上に真空蒸着したアルミナ(Al)、三硫化二ヒ素(As)、テルル化カドミウム(CdTe)、フッ化マグネシウム(MgF)、一酸化ケイ素(SiO)、および二酸化ケイ素(SiO)の保護膜を記載している。保護膜の厚さは、反射防止特性を最適化するのに必要な厚さにほぼ等しい。アルミナ(Al)、フッ化マグネシウム(MgF)、およびテルル化カドミウム(CdTe)では製造歩留まりが低かったが、いずれの保護膜も検出器特性を著しく劣化させなかった。低収率は、明らかに、保護膜と硫化鉛(PbS)膜の物理的不適合性によるものである。1/fノイズの低減と有害環境への不動態化により、三硫化二ヒ素(As)では検出器の特性が向上した。
【0012】
M.D.Groner、F.H.Fabreguette、J.W.ElamおよびS.M.Georgeによる、“Low−Temperature Al Atomic Layer Deposition”、Chem. Mater. 16、639−645頁、2004は、Al(CH(トリメチルアルミニウム、TMA)と水の交互露光を用いた粘性流反応器中で33℃という低い温度でALDにより堆積したアルミナ(Al)膜について報告している。低温Al ALD膜は、有機材料、ポリマー材料、または生物学的材料などの熱的に脆弱な基板をコーティングする可能性を有する。アルミナ(Al)膜密度はより低い堆積温度でより低かった。Al ALD膜密度は177℃で3.0g/cm、33℃で2.5g/cmであった。AFM画像は、低温で成長させたAl ALD膜がわずか0.4±0.1nmの二乗平均平方根(RMS)の粗さであり、非常に滑らかであることを示した。前方反跳分光法を用いた膜の元素分析は、成長温度の低下と共に増加する水素濃度を明らかにした。元のアルミニウムおよび酸素濃度を除いて、他のいかなる元素も、ラザフォード後方散乱分光法によって観察されなかった。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)ポリマー基板上で58℃の低温Al ALDが初めて示された。
【0013】
US5,291,066Aは、基板に複数のビアホールを有する連続した複数のプライシーケンスを適用することによって製造された高密度配線(HDI)構造内に少なくとも1つの集積回路部品を含む防湿集積回路モジュールを開示している。シーケンスは、構成要素およびモジュール基板を覆い、各シーケンスは、誘電膜と、シーケンスのビア内に延びて電気的相互接続をする金属からなる複数のランドとを含む。モジュールは、モジュールを通って回路構成要素へ水分が浸透するのを防ぐための少なくとも1つの湿気バリアフィルムを含む。
【0014】
US7,939,932B2は、露出された電気接点を含む装置を被覆するように、パッケージされたまたはパッケージされていないチップ装置上に堆積された低温無機誘電体ALD膜(例えばアルミナ(Al)および二酸化チタン(TiO))を開示している。そのような低温ALD膜は一般に、パッケージ化されたチップデバイスを損傷することなく堆積することができる。ALD膜は通常、所望の品質(例えば、パッケージ化されたチップデバイス全体の密封性、電気接点の不動態化、生体適合性など)を提供するのに十分な厚さで堆積され、それでもなお、電気接点を露出させる必要なしに、直接ALD膜を通って、電気接点への電気接続(例えば、はんだ付けまたは別な方法による)を可能にする。
【0015】
W.Yoon、A.R.Smith、E.E.Foos、J.E.Boercker、W.B.HeuerおよびJ.G.Tischlerによる、“Electrical Measurement Under Atmospheric Conditions of PbSe Nanocrystal Thin Films Passivated by Remote Plasma Atomic Layer Deposition of Al”、IEEE Transaction Nanotech.12(2)、146−151頁、2013は、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶薄膜トランジスタ(TFTs)が、150℃で厚さ約10nmのアルミナ(Al)膜のリモートプラズマALDを用いて不動態化されたことを報告している。高反応性遠隔酸素プラズマ源を使用することにより、1つの完全なALDサイクルの時間は、約0.11nm/サイクルの成長速度で約15秒であった。アルミナ(Al)不動態化PbSeナノ結晶TFTsから大気条件下で測定された有効移動度は、空気を含まないセレン化鉛(PbSe)ナノ結晶TFTsについて以前に報告された値と同等で、ALD Al層が空気曝露によるナノ結晶膜の酸化および劣化を防止することを示している。不動態化された装置の有効移動度の変動は、30日間にわたる周囲条件下では無視できるものであることがわかった。結果は、アルミナ(Al)の遠隔プラズマALD処理は低温で高い堆積速度で空気に敏感なナノ結晶上に効果的な不動態化層を生成することができることを示した。
【0016】
C.Hu、A.Gassenq、Y.Justo、K.Devloo−Casier、H.Chen、C.Detavernier、Z.HensおよびG.Roelkensによる、“Air−stable short−wave infrared PbS colloidal quantum dot photoconductors passivated with Al atomic layer deposition”、 Appl. Phys. Lett. 105、 171110、 2014は、空気安定動作のためのAl ALD不動態化を備えたPbSコロイド量子ドット光伝導体を示している。量子ドットのための2つの異なる種類の無機配位子、S2−およびOHが研究されている。2.4lmまでのカットオフ波長を有するPbS/S2−光導電体が得られ、1550nmで50A/Wまでの応答性が報告されている。
【0017】
Y.Liu、M.Gibbs、C.L.Perkins、J.Tolentino、M.H.Zarghami、J.Bustamante Jr.およびM.Law,Robustによる、“Functional Nanocrystal Solids by Infilling with Atomic Layer Deposition”、Nano Letters、Vol.11、No.12、24 October 2011、5349−55頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、ナノ結晶膜に基づく光電子装置が記載されており、ここで、ナノ結晶が所定の位置に固定され酸化的および光熱的損傷から保護される無機ナノ複合材料を生成するために、低温ALDが、セレン化鉛(PbSe)ナノ結晶に金属酸化物、特に非晶質アルミナを充填するために使用されている。
【0018】
Y.Liu、J.Tolentino、M.Gibbs、R.Ihly、C.L.Perkins、Y.Liu、N.Crawford、J.C.HemmingerおよびM.Lawによる、“PbSe Quantum Dot Field−Effect Transistors with Air Stable Electron Mobilities above 7cm−1−1”、Nano Letters、Vol.13、No.4、1 March 2013、1578−87頁には、鉛カルコゲニド、特にセレン化鉛(PbSe)、コロイド状量子ドットの膜が記載されており、それは、ALDコーティングによる表面状態の同時不動態化を伴うFETsにおける高い電荷キャリア移動度を得るために、低温ALDにより金属酸化物、特に非晶質アルミナで充填されている。
【0019】
上述の装置および検出器が含む利点にもかかわらず、単純で、費用効率がよく、そしてなお信頼性のある光センサおよび空間検出器に関する改良が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明によって解決される問題は、この種の既知の装置および方法の不利な点を少なくとも実質的に回避する、光学的検出のための装置および方法を明確にすることである。
【0021】
特に、赤外線スペクトル範囲内の、具体的には、透過率、吸収率、放射率および反射率のうちの少なくとも1つを感知することに関する光放射の光学的検出のため、単純で費用効率が高いながらも信頼性のある、改善された光センサおよび光放射を検出するための検出器を特に提供するのが望ましい。
【0022】
さらに、空間にある対象物の位置の決定するための、具体的には少なくとも1つの対象物の深度または深度と幅に関して、より具体的には、少なくとも赤外線スペクトル範囲の領域をカバーし得る、単純で費用効率が高いながらも信頼性のある、改善された光センサおよび光放射を検出するための検出器を提供するのが特に望ましい。
【0023】
より具体的には、湿度および/または酸素などの外部の影響による劣化を回避するために特に適合され得る封入層を光センサに備えることができることが望ましい。ここでは、適切な吸収特性を示し、同時に製造が容易であり、回路キャリア装置上に統合するのが容易である封入材料を使用することが有利であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この課題は、独立特許請求項の特徴を有する本発明によって解決される。個別にまたは組み合わせて実現することができる本発明の有利な発展形態は、従属請求項および/または以下の明細書および詳細な実施形態によって提示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1B】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1C】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1D】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1E】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1F】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図1G】本発明による光センサのいくつかの好ましい典型的な実施形態を示す図である。
【図2A】本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
【図2B】本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
【図2C】本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
【図2D】本発明による様々なサンプルのX線回折(XRD)図である。
【図3A】本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
【図3B】本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
【図3C】本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
【図3D】本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
【図3E】本発明による光センサの製造方法の典型的実施形態を示す図である。
【図4】縦方向光センサを含む、本発明による検出器の典型的実施形態を示す図である。
【図5】本発明による横方向光センサの典型的実施形態を示す図である。
【図6】横方向センサ信号を評価するための評価方式の典型的な概略設定を示す図である。
【図7A】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図7B】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図7C】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図7D】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図7E】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図7F】横方向光センサの典型的実施形態における横方向センサ信号と光スポット位置との間の関係を示す図である。
【図8】本発明による光センサ、検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽機器、追跡システムおよびカメラの典型的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で使用されるとき、「有する」、「含む」、または「含有する」という表現ならびにそれらの文法上の変形は、非排他的な形で使用される。したがって、「AはBを有する」という表現ならびに「AはBを含む」または「AはBを含有する」という表現は、AはBの他に1つまたは複数のさらなる構成要素および/または成分を含有するという事実と、AにおいてB以外に他の構成要素、成分または元素が存在しないという場合の両方を指し得る。
【0027】
本発明の第1の態様では、光センサが開示されている。ここで、本発明に係る光センサは、
− 少なくとも1つの光導電性材料の層、
− 光導電性材料の層と接触している少なくとも2つの個別の電気接点、および、
− 光導電性材料の層の上に堆積されたカバー層であって、少なくとも1つの金属含有化合物を含む非晶質層であるカバー層、を含む。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「光センサ」は、一般に、光ビームによるセンサ領域の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている装置である。該センサ信号は、一般に、対象物の位置を示す任意の信号であり得る。一例として、該センサ信号は、デジタルおよび/またはアナログ信号であり得るか、またはデジタルおよび/またはアナログ信号を有し得る。一例として、センサ信号は、電圧信号および/または電流信号であり得るか、または電圧信号および/または電流信号を有し得る。付加的または代替的に、該センサ信号はデジタルデータであり得るかまたはデジタルデータを有し得る。該センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を有し得る。該センサ信号は、2つ以上の信号を平均すること、および/または2つ以上の信号の商を形成することによるように、2つ以上の個々の信号を組み合わせることによって導出される任意の信号をさらに有し得る。
【0029】
「対象物」は一般的に、生物対象物および非生物対象物から選択される1つの任意の対象物であってもよい。このように、一例として、少なくとも1つの対象物は1つまたは複数の物品および/または物品を構成する1つまたは複数の部分を含み得る。付加的または代替的に、対象物は、1つまたは複数の生物および/または、例えばユーザである人間および/または動物の1つまたは複数の身体部分のように、その1つまたは複数の部分であるか、またはそれらを含んでいてもよい。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「位置」は、一般に、空間内の対象物の場所および/または方向に関する情報の任意の項目を指す。この目的のために、一例として、1つまたは複数の座標系を使用してもよく、対象物の位置は、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の座標を使用することによって決定され得る。一例として、1つまたは複数のデカルト座標系および/または他の種類の座標系が使用され得る。一例では、座標系は、予め定められた位置および/または方向を有する検出器の座標系であり得る。
【0031】
本発明によれば、光センサは少なくとも1つの光導電性材料の層を含み、光導電性材料の層はセンサ領域として機能することができる。本明細書で使用されるとき、「センサ領域」は、光ビームによる光センサの照射を受け取るように設計されている光センサのパーティションと考えられ、センサ領域によって受け取られるような照射は、少なくとも1つのセンサ信号の生成を引き起こし、センサ信号の生成は、センサ信号とセンサ領域の照射の方法の間の定義された関係によって規定され得る。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「光導電性材料」という用語は、電流を持続することができ、したがって、特定の導電性を示す材料を指し、具体的には、該導電性は材料の照射に依存する。電気抵抗率は、導電性の逆数値として定義されるので、代替的に、「光抵抗性材料」という用語もまた同じ種類の材料を示すために使用され得る。この種の材料では、電流は、少なくとも1つの第1の電気接点を介して材料を通って少なくとも1つの第2の電気接点へと誘導されることができ、ここで第1の電気接点は第2の電気接点から絶縁されている一方で、第1の電気接点と第2の電気接点の両方が材料と直接接続している。この目的のために、直接接続は、技術水準から知られる任意の既知の手段、例えば、メッキ、溶接、はんだ付け、ワイヤーボンディング、超音波熱圧着、ステッチボンディング、ボールボンディング、ウェッジボンディング、コンプライアントボンディング、熱圧着、陽極接合、直接ボンディング、プラズマ活性化接合、共晶接合、ガラスフリットボンディング、接着剤、過渡液相拡散接合、表面活性化接合、テープ自動接合、または、高導電性物質、特に金、ベリリウムドープ金、銅、アルミニウム、銀、白金、またはパラジウム、ならびに上述の金属のうちの少なくとも1つを含む合金のような金属を接触領域に堆積させることによって提供することができる。
【0033】
本発明の目的のために、光センサのセンサ領域に使用される光導電性材料は、好ましくは無機光導電性材料および/またはそれらの固溶体、および/またはそれらのドープ変形を含み得る。本明細書で使用されるとき、「固溶体」という用語は、少なくとも1種の溶質が溶媒中に含まれ得る光導電性材料の状態を指し、それによって均一相が形成され、溶媒の結晶構造が一般的に溶質の存在によって不変となり得る。例として、2成分のテルル化カドミウム(CdTe)をテルル化亜鉛(ZnTe)中で溶解させてCd1−xZnTeに至らしめることができ、式中、xの値は0から1の範囲で変動し得る。さらに本明細書使用されるとき、「ドープ変形」という用語は、材料自体の成分とは別に個別の原子が、非ドープ状態の固有原子によって占有される結晶内の部位に導入される光導電性材料の状態を指し得る。例として、特にシリコン結晶の化学的および/または物理的性質を改変するために、純粋なシリコン結晶が、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、または他の原子のうちの1つまたは複数でドープされ得る。
【0034】
これに関して、無機光導電性材料は、特に、セレン、テルル、セレン−テルル合金、金属酸化物、第4族元素または化合物、すなわち第4族に属する元素または少なくとも1種の第4族元素を有する化合物、第3族−第5族化合物、すなわち少なくとも1種の第3族元素と少なくとも1種の第5族元素とを有する化合物、第2族−第6族化合物、すなわち、一方で、少なくとも1種の第2族元素または少なくとも1種の第12族元素を有し、一方で、少なくとも1種の第6族元素を有する化合物、および/または好ましくは、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元以上のカルコゲニドから成る群から選択され得るカルコゲニドを含み得る。しかしながら、他の無機光導電性材料も同様に適切であり得る。
【0035】
前述のとおり、カルコゲニドは、好ましくは硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元以上のカルコゲニドから成る群から選択され、好ましくは光センサのセンサ領域の光導電性材料としての使用に適切となり得る。この選択は、特に、この種の材料が、赤外線スペクトル範囲用の光検出器を含む多数の異なる応用分野において費用効率と信頼性の双方が高いことが既知であるという理由に基づく。
【0036】
特に、硫化物カルコゲニドは、硫化鉛(PbS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化水銀(HgS)、硫化銀(AgS)、硫化マンガン(MnS)、三硫化ビスマス(Bi)、三硫化アンチモン(Sb)、三硫化ヒ素(As)、硫化スズ(II)(SnS)、二硫化スズ(IV)(SnS)、硫化インジウム(In)、硫化銅(CuSまたはCuS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化鉄(FeS)、および三硫化クロム(CrS)から成る群から選択され得る。
【0037】
特に、セレン化物カルコゲニドは、セレン化鉛(PbSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、三セレン化ビスマス(BiSe)、セレン化水銀(HgSe)、三セレン化アンチモン(SbSe)、三セレン化ヒ素(AsSe)、セレン化ニッケル(NiSe)、セレン化タリウム(TlSe)、セレン化銅(CuSeまたはCuSe)、二セレン化モリブデン(MoSe)、セレン化スズ(SnSe)、セレン化コバルト(CoSe)、およびセレン化インジウム(InSe)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。
【0038】
特に、テルル化物カルコゲニドは、テルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化ビスマス(BiTe)、三テルル化ヒ素(AsTe)、三テルル化アンチモン(SbTe)、テルル化ニッケル(NiTe)、テルル化タリウム(TlTe)、テルル化銅(CuTe)、二テルル化モリブデン(MoTe)、テルル化スズ(SnTe)、テルル化コバルト(CoTe)、テルル化銀(AgTe)、およびテルル化インジウム(InTe)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。
【0039】
特に、三元カルコゲニドは、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe、MCT)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、硫化水銀カドミウム(HgCdS)、硫化鉛カドミウム(PbCdS)、硫化鉛水銀(PbHgS)、二硫化銅インジウム(CuInS、CIS)、硫セレン化カドミウム(CdSSe)、硫セレン化亜鉛(ZnSSe)、硫セレン化タリウム(TlSSe)、硫化カドミウム亜鉛(CdZnS)、硫化カドミウムクロム(CdCr)、硫化水銀クロム(HgCr)、硫化銅クロム(CuCr)、セレン化カドミウム鉛(CdPbSe)、二セレン化銅インジウム(CuInSe)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、硫化一酸化鉛(PbOS)、セレン化一酸化鉛(PbOSe)、硫セレン化鉛(PbSSe)、セレン化テルル化ヒ素(AsSeTe)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、ヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)、亜セレンカドミウム(CdSeO)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、およびセレン化カドミウム亜鉛(CdZnSe)、前述の2成分カルコゲニドおよび/または2成分第3族−第5族化合物に属する化合物の適用によるさらなる組み合わせから成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。
【0040】
四元以上のカルコゲニドに関して、この種の材料は適切な光導電特性を示すことが既に知られ得る四元以上のカルコゲニドから選択されてもよい。特に、Cu(In,Ga)S/SeまたはCuZnSn(S/Se)の組成を有する化合物はこの目的に対し適している。
【0041】
第3族−第5族化合物に関して、この種の半導体材料はアンチモン化インジウム(InSb)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、およびアンチモン化ガリウム(GaSb)から成る群から選択され得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形もまた適している。
【0042】
第2族−第6族化合物に関して、この種の半導体材料は硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、およびセレン化水銀亜鉛(CdZnSe)から成る群から選択され得る。しかしながら、他の第2族−第6族化合物も適している。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体もまた該当し得る。
【0043】
金属酸化物に関して、この種の半導体材料は、光導電性を示し得る既知の金属酸化物、特に酸化銅(II)(CuO)、酸化銅(I)(CuO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銀(AgO)、酸化マンガン(MnO)、二酸化チタン(TiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化鉛(PbO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化カドミウム(CdO)、フェライト(Fe)、およびペロブスカイト酸化物(ABC、式中、Aは二価陽イオン、Bは四価陽イオン、Cは酸素を表わす)から成る群から選択され得る。さらに、三元または四元以上の金属酸化物も適用し得る。さらに、上記の化合物または他のこの種の化合物の固溶体および/またはドープ変形であって、化学量論的化合物または非化学量論的化合物に該当し得るものも適している。後でより詳細に説明するとおり、透明性または半透明性をも同時に示し得る金属酸化物の選択が好ましい。
【0044】
第4族の元素または化合物に関して、この種の半導体材料はドープダイヤモンド(C)、ドープシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、およびシリコンゲルマニウム(SiGe)から成る群から選択され、半導体材料は結晶質、または好ましくは微結晶質もしくは非晶質の半導体材料から選択され得る。高い抵抗性、長い電荷担体寿命、および低い表面再結合率とを、特に同時に示し得る、シリコンベースの光導電体を提供するため、例えばシリコンフロートゾーンウェハー内に存在するような低いドーパント濃度および低い欠陥密度を含むドープシリコンが、好ましくは選択され得る。
【0045】
好ましい実施形態では、光導電性材料は、好ましくは硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、および三元カルコゲニドから成る群から選択される少なくとも1つのカルコゲニドであるか、またはそれを含むことができる。一般に使用されるように、「カルコゲニド」という用語は、酸化物以外に第16族元素を含み得る化合物、すなわち硫化物、セレン化物、およびテルル化物を指す。特に、光導電性材料は、硫化物カルコゲニド、好ましくは硫化鉛(PbS)、セレン化物カルコゲニド、好ましくはセレン化鉛(PbSe)、テルル化物カルコゲニド、好ましくはテルル化カドミウム(CdTe)、または三元カルコゲニド、好ましくは、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe;MZT)であるか、またはそれを含むことができる。少なくとも上記の好ましい光導電性材料は一般に赤外線スペクトル範囲内で独特の吸収特性を示すことが知られているため、上記の好ましい光導電性材料を含む層を有する光センサは、好ましくは赤外線センサとして使用され得る。しかしながら、他の実施形態および/または他の光導電性材料、特に上述の光導電性材料もまた適している。
【0046】
本発明の特に好ましい実施形態では、光センサは、カルコゲニド、好ましくは硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)または他の適切な材料を含み得る少なくとも1つの光導電性材料の層の形態で提供され得る。上述の材料に関して、15nmを超えるサイズを示す少なくとも2、3の結晶を含み得るそれらの材料の層が含まれる。ここで、光導電性材料の層は、真空蒸着、スパッタリング、原子層堆積、化学気相堆積、噴霧熱分解、電着、陽極酸化、電気変換、無電解浸漬増殖、連続イオン吸着および反応、薬浴蒸着、または溶液−ガス界面技法から成る群から選択された少なくとも1つの被着法の適用によって製造され得る。結果として、光導電性材料の層は、10nm〜100μm、好ましくは100nm〜10μm、特に300nm〜5μmの範囲の厚さを示し得る。しかしながら、前述および/または後述する他の光導電性材料もこの目的に対して適し得るし、同じまたは同様のやり方で処理され得る。
【0047】
好ましくは、特に光導電性材料の層に機械的安定性を持たせるために、光導電性材料は絶縁性基板、特にセラミック基板またはガラス基板上に個々の材料を被着させることによって製造され得る。このようにして、選択された層を適切な基板に被着させ、少なくとも2つの個々の電気接点を設けることによって、本発明に係る光センサを得ることができる。ここで、入射光ビームによってセンサ領域内の光導電性材料が照射されると、光導電性材料の照射層における導電性の変動という結果になる。特定の実施形態では、基板は導電性基板であるかまたはそれを備えることができ、追加の絶縁中間層が導電性基板と光導電性材料の少なくとも1つの層との間に存在し得る。
【0048】
その結果、センサ領域に光ビームが衝突すると、少なくとも2つの電気接点が、光導電性材料の導電性に依存してセンサ信号を提供する。この目的のために、少なくとも個々の2つの電気接点は、特に個々の電気接点のうちの少なくとも2つが互いに電気的に絶縁されるように、光導電性材料の層の異なる位置に適用され得る。ここで、電気接点は、公知の蒸着技術によって容易に設けることができる蒸着金属層を有することができる。特に、蒸着金属層は、銀、アルミニウム、白金、マグネシウム、クロム、チタンまたは金のうち1種または複数を含み得る。あるいは電気接点は、代替的にグラフェン層を含み得る。
【0049】
これに関して、硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)を含む量子ドットおよび/またはナノ結晶のALD封入化および/または不動態化は既知であることを強調しておくことができる。本明細書では、量子ドットは通常、オレイン酸、ブチルアミン、またはエタンチオールなどの1つまたは複数の有機配位子でキャップされており、これらの量子ドットのサイズは最大15nmになる。しかしながら、量子ドットおよび/またはナノ結晶の合成および膜形成は、本発明による光導電性材料、特に硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)の層の製造とは完全に異なる。ここでは、量子ドットおよび/またはナノ結晶は最初に合成されなければならず、そして不活性処理を必要とする。その後、洗浄工程および有機溶媒中での配合が続く。そのとき初めて、量子ドットおよび/またはナノ結晶を含む配合物を基板に適用することができ、そこで、例えば配位子交換を適用するように、それらを熱および/または他の有機配位子で処理する必要がある。
【0050】
これとは対照的に、光導電性材料を含む結晶、特に硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)は、15nm〜300nmまでのサイズで製造することができる。この種の結晶は、堆積中に分解する可能性がある前駆体から直接堆積し得る。有機配位子のキャッピングが起こらず、むしろ表面酸化が存在するかもしれない。したがって、材料化学の観点から、量子ドットおよび/またはナノ結晶光伝導体は、たとえそれらが硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)のように同じ材料に基づいているとしても、本発明による結晶質光伝導体に関して全く異なる性質を示す。この発見は、Al ALD不動態化を有する硫化鉛(PbS)コロイド量子ドット光導電体を示したC.Huらによって支持されている。本発明による光導電層と比較して、吸収極大はより短い波長にシフトし、そしてC.Huらの光導電体は比較的遅い応答を示す。
【0051】
本発明によれば、光センサは、光導電性材料上に堆積されたカバー層をさらに含む。ここで、カバー層は、好ましくは、光導電性材料の層と直接接触するように堆積され得る。好ましい実施形態では、カバー層は、光導電性材料のアクセス可能な表面を完全に覆うことができるようなやり方で層上に堆積させることができる。好ましくは、光導電性材料上に金属含有化合物を堆積させるために少なくとも1つの堆積方法を使用することができる。この目的ために、少なくとも1つの堆積方法が、特に、原子層堆積、化学気相堆積、スパッタリングプロセス、またはそれらの組み合わせから選択され得る。従って、カバー層は、特に好ましい実施形態では、原子堆積層、化学気相堆積層、スパッタ層、または上述の堆積方法のうちの少なくとも2つを使用することにより生成される層であり、または、それらを含むことができ、原子堆積層または原子堆積とスパッタリングとの組み合わせで生成された層が特に好ましい。言い換えれば、この特に好ましい実施形態では、カバー層は、ALDプロセス、CVDプロセス、スパッタリングプロセス、またはそれらの組み合わせによって得ることができ、ALDプロセスまたはALDとスパッタリングの組み合わせが特に好ましい。本明細書では、「原子層堆積」という用語、等価語である「原子層エピタキシ」または「分子層堆積」、ならびにそれらのそれぞれの略語「ALD」、「ALE」または「MLD」は、一般に、自己制限プロセス工程および続く自己制限反応工程を含み得る堆積工程を指すのに使用される。したがって、本発明に従って適用されるプロセスは、「ALDプロセス」とも呼ばれることがある。ALDプロセスに関するさらなる詳細については、Georgeによる、Chem. Rev.、110、111−131頁、2010を参照することができる。さらに、通常「CVD」と略される「化学気相堆積」という用語は、基板の表面または基板上に位置する層が少なくとも1つの揮発性前駆体に曝される方法を指し、ここで、前駆体は、所望の堆積物を生成するために表面上で反応および/または分解し得る。多くの場合、表面上にガス流を適用することにより、あり得る副生成物を除去することができる。さらに「スパッタリング」という用語は、高エネルギー粒子によるターゲットの衝撃の結果として、固体ターゲット材料が粒子を放出するために使用されるプロセスを指す。さらに、ALDプロセスとスパッタリングプロセスの組み合わせは、最初に、光導電性材料の表面上に粗い粒子を含む粗い相をスパッタリングし、続いて、特に粗い粒子間のスペース、ギャップおよび/または孔を充填するように適合させることができるALDを使用することによって細かい相を生成し、これにより、最終的に、より厚いカバー層をより短時間で設けることができる。他方では、最初にALDプロセスを実行し、続いてスパッタリングプロセスを実行することは、まずコンフォーマル(共形)コーティングを許容し、特に、後続の材料表面により損傷を与える可能性のあるスパッタプロセスから光導電層を保護するために、特に低速ALDプロセスによる多孔質光導電層の充填を許容し、続いて短時間の処理時間内に厚い層を提供することができる。カバー層を提供するための好ましい製造プロセスに関するさらなる詳細については、この文書の他の部分の方法の記載を参照することができる。
【0052】
さらに本発明によれば、カバー層は少なくとも1つの金属含有化合物を含む。ここで、金属含有化合物は、好ましくは金属を含むことができ、該金属は、特に、リチウム(Li),ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、一酸化炭素(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)およびビスマス(Bi)から成る群から選択され得る。特定の実施形態では、金属含有化合物は、あるいは「メタロイド」とも呼ばれることもある半金属を含むことができ、この半金属は、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)から成る群から選択され得る。好ましくは、少なくとも1つの金属含有化合物は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)からなる群から選択され得る。
【0053】
ここで、少なくとも1つの金属含有化合物は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択されることが好ましい。既に上記で定義したように、「カルコゲニド」という用語は、酸化物以外に第16族元素を含み得る化合物、すなわち硫化物、セレン化物、およびテルル化物を指す。同様に、「プニクチド」という用語は、好ましくは二成分の化合物、周期表の第15族元素、すなわち窒化物、リン化物、ヒ化物およびアンチモン化物を含み得る化合物を指す。以下により詳細に記載されるように、金属含有化合物は、好ましくは、少なくとも1つの酸化物、少なくとも1つの水酸化物、またはそれらの組み合わせを含み、好ましくはアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)、あるいは同様に、ケイ素(Si)の窒化物も好ましい。本発明の特に好ましい実施形態では、カバー層に含まれる金属含有化合物は、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムを含む組成物であってよく、これは、一般的に便宜上Alとも示される。
【0054】
既に上述したように、光センサは、好ましくは光導電性材料のアクセス可能な表面を完全に覆うことができるような方法で、光導電性材料の層上に堆積されるカバー層を含む。従って、カバー層は、第一に、光導電性材料を封入するのに適合される。本明細書で使用されるとき、「封入」という語は、光センサまたはそのパーティション、特に、光センサのセンサ領域内に含まれる光導電性材料の、例えば湿度および/または周囲の雰囲気に含まれる酸素のような外部の影響による部分的または完全な劣化を可能な限り回避するために、パッケージ、好ましくは気密パッケージを指し得る。本明細書では、パッケージは、好ましくは、光導電性材料のすべてのアクセス可能な表面を覆うように適合させることができ、ここで光導電性材料の層は、光導電性材料の表面のパーティションを保護するように既に適合された基板に堆積されることを考慮しても良い。言い換えれば、基板とカバー層は、光導電性材料のパッケージング、好ましくは気密パッケージングを完成させるように協働できるように適合することができる。
【0055】
驚くべきことに、カバー層は、第二に、光導電性材料のカバー層上へのその堆積の結果として追加の機能を示す。以下により詳細に説明されるように、カバー層は、光導電性材料の層上へのカバー層の堆積と、続く光導電性材料上に直接堆積されたカバー層を含む化合物構造の熱処理の後、光導電性材料の光導電特性をかなり改善させ得るという意味で、光導電性材料を活性化するように適合される。理論に拘束されないが、光導電性材料上へのカバー層の堆積は、カバー層と光導電性材料のそれぞれの表面間に直接接触をもたらすだけではないかもしれない。さらに、化合物構造の熱処理は、特に光導電性材料の詳細な構造および/または光導電性材料の組成の物理的および/または化学的効果をもたらすように、カバー層または少なくともそのパーティションに含まれる材料を光導電性材料中に部分的に浸透させる。この効果により、カバー層に含まれる材料の小さなパーティションが、相境界、空孔、または孔などの光導電性材料の受容部分に浸透することが可能になると思われる。この効果は、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、スキャン型電子顕微鏡法(SEM)あるいは、図2に示すように、X線回折(XRD)などの適切な測定手順を適用することによって明らかにすることができるカバー層の非晶質構造に特に関連すると思われる。したがって、カバー層の非晶質性は、結晶性酸化アルミニウムまたは石英などの内部標準、または結晶性PbS自体と一緒に測定することによって特に決定することができ、したがって、この測定方法に基づいて20%未満の結晶化度が得られる場合には、非晶質性が達成されたと見なすことができる。さらに、この効果は、G.H.Blountらに帰する特性(上記参照)とは対照的であって、そこでは電子ビーム蒸着が使用され破断端部の検査で微結晶を観察することによって明らかにされるアルミナ(Al)層をもたらしている。
【0056】
さらに、G.H.Blountらによって使用されるような光導電性材料硫化鉛(PbS)の光導電特性は、硫化鉛(PbS)層上に封入層を設けることによってわずかに影響を受けるように思われる。G.H.Blountらによって記述されるように、硫化鉛(PbS)層を含む光検出器の比感度Sは、封入層なしで1.44×10cm/Wから、結晶性アルミナ(Al)層を適用した後の2.3・10cm/Wの値に変化し、結果として、硫化鉛(PbS)の比感度Sのわずか2倍未満の改善しかもたらされない。以下により詳細に示されるように、アルミナ(Al)カバー層の適用後の本発明による光検出器の改良は50倍、好ましくは100倍を超える。したがって、本発明によるカバー層の非晶質性は、光導電性材料のための保護封入、特に湿気および/または酸素などの外部の影響による光導電性材料の劣化を回避するための保護封入を改善するのみならず、カバー層と直接接触しているかもしれない光導電性材料の光導電性の活性化に本質的に寄与し得る。
【0057】
代替実施形態では、カバー層は、少なくとも2つの隣接層を有する積層体であるかまたはそれを含むことができ、ここでは、隣接層はそれぞれの組成が相違、特に、隣接層の一方、両方、いくつか、またはすべてが金属含有化合物のうちの1つを含み得るような方法で相違し得る。ここで、隣接層は、上記のように、2つの異なる金属含有化合物を含み、非晶質性構造を提供し得る。例として、カバー層は、アルミニウム(Al)含有化合物とジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)含有化合物の交互の隣接層を含み得る。しかしながら、金属含有化合物の他の組み合わせもまた可能である。さらに、積層体は、この出願の他の箇所に記載されているように金属含有化合物のいずれも有していない追加の隣接層をさらに有していてもよく、しかしむしろ、金属化合物、高分子化合物、シリコーン化合物、またはガラス化合物のうちの少なくとも1つであるかそれを含んでもよい。ここで、他の種類の材料も適し得る。結果として、積層体は、非晶質の追加的な隣接層を含み得るし、代替として、結晶質層またはナノ結晶質層であるかそれを含み得る。
【0058】
本発明の特に好ましい実施形態では、カバー層は、10nm〜600nm、好ましくは20nm〜200nm、より好ましくは40nm〜100nm、最も好ましくは50〜75nmの厚さを示してもよい。この厚さは、光導電性材料の封入の提供と、同時に、光導電性材料の光導電特性の活性化の上述の機能を達成するのに有利であるカバー層内の金属含有化合物の量を特に反映する。この特徴もやはり、G.H.Blountの図2(上記参照)に示すような封入層の厚さとは明らかに対照的であり、そこでは780nmと表示されている。この点に関して、カバー層の厚さについての好ましい値は、カバー層の透明性の増加ならびに光センサのかさばらない実装に関して有利であり得ることを強調することができる。
【0059】
本発明のさらに特に好ましい実施形態では、カバー層は、光導電性材料の隣接面に関して共形(conformal)層であり得る。従って、上記で定義したように、共形層の厚さは、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で光導電性材料の対応する表面に従い、ここで、偏差は、カバー層の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって生じ、これによって、カバー層の表面に存在し得る如何なる汚染または不完全性が残る。やはり、この特徴は特に、G.H.Blountの図2(上記参照)に示すような封入層の表面とは対照的であり、そこではカバー層の表面全体にわたってかなり大きな偏差を示すように見える。
【0060】
上述のように、光導電性材料の層は少なくとも1つの基板に直接または間接的に適用することができ、基板およびカバー層の少なくとも1つは、選択された波長範囲内で好ましくは光学的に透明である。したがって、カバー層に使用される金属含有化合物を、好ましくは、所望の波長範囲内で光学的に透明であるように選択することが、特に適切な吸収特性を示すことにより特に有利である。代替的にあるいは追加的に、基板に適用される材料は所望の波長範囲内で光学的に透明な特性を示してもよい。特に、この特徴は基板が十分な透明性を示すことができるため、所望の波長範囲内で光学的に透明ではないかもしれない金属含有化合物のためのより広範囲の材料選択を可能にする。この目的ために、基板は特に、少なくとも部分的に透明な少なくとも1つの絶縁材料を含むことができ、絶縁材料は、好ましくは、少なくとも部分的にガラス、金属酸化物、セラミック材料、またはそのドープ変形を含む群から選択される。ここで、絶縁材料は、特に、既知の少なくとも1つの透明ガラス、弱ドープ半導体、金属酸化物またはセラミック材料から選択され、特にサファイア(Al)、ガラス、石英、溶融シリカ、シリコン、ゲルマニウム、硫化亜鉛(ZnS)またはセレン化亜鉛(ZnSe)から選択することができる。代替的に、基板は少なくとも部分的に光学的に透明な特性を有する材料を含む。特に、絶縁材料は、あるいは追加的にカバー層もしたがって、少なくとも部分的に光学的に透明な特性を示すように選択され得る。他方、基板が既に少なくとも部分的に透明である場合、光学的に不透明な材料を含むより多様な異なる材料がカバー層に採用されることができる。
【0061】
上述のように、光導電性材料の層は少なくとも1つの基板に直接または間接的に塗布することができ、基板およびカバー層の少なくとも1つが好ましくは、選択された波長範囲内で光学的に透明である。したがって、カバー層に使用される金属含有化合物を、好ましくは所望の波長範囲内で光学的に透明であるように選択することが、特に適切な吸収特性を示すことにより、有利であり得る。代替的にあるいは追加的に、基板に適用される材料は所望の波長範囲内で光学的に透明な特性を示してもよい。特に、この特徴は、基板が十分な透明性を示すことができる限り、所望の波長範囲内で光学的に透明ではない金属含有化合物のためのより広範囲の材料選択を可能にする。ここで、基板材料は、特に、透明ガラス、シリコン、ゲルマニウム、金属酸化物、金属または半導体材料のうちの少なくとも1つから、特にアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、硫化亜鉛(ZnS)またはセレン化亜鉛(ZnSe)から選択することができ、ここでガラスまたはシリコンが特に好ましい。良好な絶縁基板として機能するには高すぎる導電性を示すことがある半導体または導電層については、所望の波長範囲内で光学的に透明な絶縁中間層を使用することができる。
【0062】
さらに、カバー層は、同時に、光導電性材料の封入を提供するのと同時に光導電性材料の光導電特性を活性化するという上述の機能に加え、少なくとも1つのさらなる機能を示すように適合される機能層であり得る。これに関して、金属含有化合物は、同時に所望のさらなる機能を発揮することができるように、特に選択され得る。特に、カバー層に使用される金属含有化合物は、適切な反射防止層として該当するために、高い屈折率、好ましくは少なくとも1.2、より好ましくは少なくとも1.5の屈折率を示し得る。上述のように、カバー層は本発明による光導電性材料の層上に、特にALDまたはALDとスパッタリングとの組み合わせを使用して、カバー層が光導電性材料の表面にしっかりと追従するように共形的な(conformal)方法で堆積され得る。特に、硫化鉛(PbS)層またはセレン化鉛(PbSe)層は、通常、滑らかな表面ではなく、むしろ凹凸を有するかなり粗い表面を呈するが、一方でアルミナ(Al)は硫化鉛(PbS)層またはセレン化鉛(PbSe)層の表面にしっかりと追従することができるカバー層として堆積することができることが分かった。その結果、入射光による反射を最小限に抑えることができる。この観察は、堆積した材料が、通常、光導電性材料の層の表面に存在し得る突起および窪みを最小限に抑えることのみを可能にする合体によって成長するという既知の堆積方法とは対照的であるように思われる。さらに、カバー層は、機能層、特に、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、および導電層から選択されてもよい。他の種類の機能層、特に高誘電率層、すなわち、好ましくはアルミナ(Al)またはジルコニア(ZrO)のような高い誘電率を示し得るカバー材料、および、高絶縁耐力を生成する、特に、光センサを通して高電圧を印加することなどにより高電界を使用することによって高絶縁耐力を生成する機能層も可能である。特に選択された機能層の目的のために、カバー層は、カバー層の所望のさらなる機能を完成するために追加的に、1つまたは複数の安定化剤のような1つまたは複数の添加剤を含み得る。特に、カバー層は安定化剤としてガラスまたはガラス粒子を含み得る。しかしながら、他の種類の添加剤もまた適し得る。
【0063】
特定の実施形態において、特にカバー層に所望のさらなる機能を提供することが適切ではない場合、または選択されたカバー層によって提供されるようなさらなる機能の範囲が十分でない場合、カバー層は追加的に、カバー層上に少なくとも部分的に堆積された少なくとも1つの追加層によって少なくとも部分的に覆われてもよい。代替的にあるいは追加的に、該少なくとも1つの追加層は、光導電性材料の層とカバー層との間に少なくとも部分的に堆積され得る。好ましくは、該追加層は、さらなる機能層であるかまたはさらなる機能を示すことができ、したがって、反射防止層、光学フィルタ層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうちの少なくとも1つを含み得る。好ましくは、追加層は、さらなる機能であるかまたはさらなる機能を示すことができ、したがって、反射防止層、光学フィルタ層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうちの少なくとも1つを含み得る。ここで、当業者は、少なくとも1つの追加層を容易に選択し提供することができる。しかしながら、他の実施形態もまた可能である。
【0064】
好ましい実施形態では、カバー層は電気接点を部分的にまたは完全に覆ってもよく、電気接点は特に、外部回路への1つまたは複数のリード線へ接合可能であるように構成されてもよい。ここで、電気接点は、金またはアルミニウムワイヤーなどのワイヤーを使用することによって接合可能であり、電気接点は、好ましくは、カバー層を通して接合可能であり得る。特定の実施形態では、接着層が電気接点に設けられてもよく、その場合、接着層は特に接合に適合し得る。このために、接着層はニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、またはパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0065】
理論に縛られることを望まないが、移動度の増加は通常光導電性材料の性能にとって好ましいと考えられている。しかしながら、この仮定は他のパラメータ、特に電荷担体の寿命がこれによって影響され得ない場合にのみ適切である。G.Konstantatos、L.Levina、A.FischerおよびE.H.Sargentによる“Engineering the Temporal Response of Photoconductive Photodetectors via Selective Introduction of Surface Trap States”、Nanoletters 2008、Vol.8、No.5、1446−50頁、 および Rinku SaranとRichard J.Curryによる“Lead sulfide nano−crystal photodetector technologies”、Nature Photonics 10、2016、81-92頁に示されるように、たとえトラップ状態がキャリア移動度を低下させる可能性があるとしても、非再結合トラップ状態が光導電性装置の性能を向上させるのに有利であると思われる。C.Soci、A.Zhang、B.Xiang、S.A.Dayeh、D.P.R.Aplin、J.Park、X.Y.Bao、Y.H.LoおよびD.Wangによる“ZnO Nanowire UV Photodetectors with High Internal Gain”、Nanoletters 2007、Vol.7、No.4、1003−09頁に示されるように、トラップ状態は電荷キャリアの寿命を延ばすと考えられ、その結果光伝導利得が増加する。
【0066】
一方、電界効果トランジスタ(FETs)に関しては、一般に、電荷キャリア移動度の低下およびトラップ状態の存在は、FETの性能にとって完全に有害であると考えられており、特に例えば、S.Karによる“High Permittivity Gate Dielectric Materials”、Springer、Berlin、Heidelberg、66頁、またはP.StallingaとH.L.Gomesによる“Organic Electronics 7”(2006)592−599頁に示されるように、それらは不利なオフ電流、非線形増幅特性曲線、および/または非線形接触効果を起こす可能性がある。
【0067】
Y.Liuらによって記載されているように(上記参照)、量子ドット太陽電池とFETsを比較すると、本発明による光センサは電荷キャリア選択層を含まず、したがって、光起電装置として考慮することができないことに留意されたい。電荷選択層内のトラップのブロッキング性のために、上述のような光伝導利得は光起電力装置では見出すことができないため、直接比較することはできない。光起電力装置の場合、トラップ状態の存在は、一般に、太陽電池の性能の向上にならない。これに関して、横型光導電体装置と比較して平面光起電力装置の寸法の相違は、電荷キャリアが移動する距離の相違と、対応する電極に到達するために与えられる電荷キャリア寿命の相違になることに留意されたい。光起電力装置に1V、光伝導装置に100Vを仮定することによって得られる同等の電界を考慮すると、移動距離は桁違いに異なり、すなわち、光起電装置についてはわずか100nmであるが、しかし、本発明による光導電性装置については10μmを超える。
【0068】
FETsと光導電装置のさらに異なる特徴は、電荷キャリア流の位置に関連し得る。電荷担体の流れは、FET内の誘電体から本質的に数nmの厚さに制限される一方で、光導電性装置では層の全体の厚さが使用することができる。この観察は、トラップ状態の充填およびそれぞれの装置の性能に対するトラップ状態密度の影響に関して強い意味をもたらす。FETでは、誘電体から数nmに位置するトラップ状態は、比較的少数の電荷キャリアでのみ満たすことができる一方、バルク層装置は依然として不飽和のままであり得る。これとは対照的に、光導電性装置についてはトラップ状態の均一な充填が期待される。その結果、光導電性装置の高性能を引き起こす物理学は、FETデバイスで観察されるような現象とは根本的に異なるように思われる。
【0069】
本発明のさらなる態様では、光学検出用の検出器、特に少なくとも1つの対象物の位置を決定するための光学検出用の検出器、特に深さまたは深さと幅の両方に関して、少なくとも1つの対象物の位置を決定するための光学検出用の検出器が開示される。本発明によれば、少なくとも1つの対象物を光学的に検出するための検出器は、以下を含む。
【0070】
− 本明細書の他の箇所に記載されている少なくとも1つの光センサであって、該光センサは少なくとも1つのセンサ領域を含み、該光センサは光ビームによるセンサ領域の照射に応じるようにして少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている;そして
− 少なくとも1つの評価装置であって、評価装置は、光センサのセンサ信号を評価することによって対象物の少なくとも1つの座標を生成するように設計されている。
【0071】
ここでは、列挙された構成要素は別々の構成要素であり得る。あるいは、2つ以上の構成要素を1つの構成要素に統合することができる。さらに、少なくとも1つの評価装置は、転送装置および光センサから独立した別個の評価装置として形成されてもよいが、センサ信号を受信するために光センサに接続されているのが好ましい。あるいは、少なくとも1つの評価装置は、完全にまたは部分的に光センサに統合されてもよい。
【0072】
本発明によれば、検出器は、本明細書の他の箇所に記載されているように少なくとも1つの光センサを含む。したがって、検出器は、かなり広いスペクトル範囲にわたって電磁放射線を検出するように設計されることが好ましく、紫外線(UV)、可視光、近赤外(NIR)、および赤外線(IR)スペクトル範囲が特に好ましい。ここで、光センサのセンサ領域内の光導電層には、特に以下の光導電性材料を選択し得る。
【0073】
− UVスペクトル範囲:ドープダイヤモンド(C)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)または炭化ケイ素(SiC);
− 可視スペクトル領域:シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化銅インジウム(CuInS;CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、銅亜鉛硫酸スズ(CZTS);
− NIRスペクトル領域:ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化銅インジウム(CuInS、CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、銅亜鉛硫酸スズ(CZTS)、ここで、CdTe、CIS、CIGS、およびCZTSは850nmを超える波長に特に好ましく;
− IRスペクトル領域:2.6μm以下の波長においては、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs);3.1μm以下の波長においては、ヒ化インジウム(InAs);3.5μm以下の波長においては、硫化鉛(PbS);5μm以下の波長においては、セレン化鉛(PbSe);5.5μmまでの波長においては、アンチモン化インジウム(InSb);16μm以下の波長においては、テルル化水銀カドミウム(MCT、HgCdTe)。
【0074】
既に上述したように、位置は一般的に空間内の対象物の場所および/または方向に関する情報の任意の項目を指す。このために、一例として、1つまたは複数の座標系を使用してもよく、また対象物の位置は1つ、2つ、または3つ以上の座標の使用によって決定され得る。一例として、1つまたは複数のデカルト座標系および/または他の種類の座標系が使用され得る。一例において、座標系は、検出器が予め定められた位置および/または方向を有する場合の、検出器の座標系であってもよい。以下にてさらに詳しく概説されるとおり、検出器は、検出器の主たる視野方向を構成し得る光軸を有し得る。光軸は、z軸など、座標系における軸を形成し得る。さらに、1本または複数の付加的な軸、好ましくはz軸に対して垂直な軸を設けてもよい。
【0075】
したがって、一例として、検出器は、光軸がz軸を構成し、また追加的にz軸に対して垂直かつ互いに垂直であるx軸とy軸が提供される座標系を構成し得る。一例として、検出器および/または検出器の一部は、この座標系の原点など、この座標系における特定の点に所在し得る。この座標系において、z軸に平行または逆平行な方向を、縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を、縦方向座標と見なすことができる。縦方向に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、x座標および/またはy座標を横方向座標と見なすことができる。
【0076】
代替的に、他の種類の座標系を使用してもよい。したがって、一例として、光軸がz軸を形成する極座標系を使用することができ、またz軸からの距離および極角を付加的座標として使用することができる。同様に、z軸に平行または逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を縦方向座標と見なすことができる。z軸に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、また極座標および/または極角を横方向座標と見なすことができる。
【0077】
本明細書で使用されるとき、光学検出のための検出器は一般的に、少なくとも1つの対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を提供するように適合される装置である。検出器は、固定式装置または移動式装置であってよい。さらに、検出器は独立型装置であるか、あるいはコンピュータ、車両または任意の他の装置のように、別の装置の一部をも形成し得る。さらに、検出器は携帯型装置であってもよい。検出器の他の実施形態も適している。
【0078】
検出器は、任意の実現可能な方法で少なくとも1つの対象物の位置に関する情報のうち少なくとも1つの項目を提供するように適合され得る。したがって、情報は例えば電子的、視覚的、音響的に、あるいはこれらの任意の組合せの形で提供され得る。情報はさらに、検出器のデータ記憶装置または別個の装置に保存するか、および/または、無線インターフェースおよび/または有線インターフェースのように、少なくとも1つのインターフェースを介して提供することができる。
【0079】
特に好ましい実施形態では、光センサは縦方向光センサであり得るか、またはそれを含み得る。本明細書で使用されるとき、「縦方向光センサ」は一般的に、光ビームによるセンサ領域の照射に依存する形で少なくとも1つの縦方向のセンサ信号を生成するよう設計された装置であり、縦方向センサ信号は、照射の総出力が同じである場合、いわゆる「FiP効果」に従って、センサ領域内の光ビームのビーム断面に依存する。縦方向センサ信号は一般的に深度と表わすこともできる縦方向位置の指標となる任意の信号であってもよい。一例として、縦方向センサ信号はデジタル信号および/またはアナログ信号であるか、またはこれを含み得る。一例として、縦方向センサ信号は電圧信号および/または電流信号であるか、またはこれを含み得る。追加的にまたは代替的に、縦方向センサ信号はデジタルデータであるか、またはこれを含み得る。縦方向センサ信号は単一の信号値および/または一連の信号値を含み得る。縦方向センサ信号はさらに、複数の個別の信号を組み合わせることにより、例えば複数の信号の平均によっておよび/または複数の信号の商の形成によって導き出される任意の信号をも含み得る。縦方向光センサおよび縦方向センサ信号の可能な実施形態については、WO2012/110924A1を参照することができる。
【0080】
さらに、縦方向光センサのセンサ領域は少なくとも1つの光ビームによって照らされる。照射の総出力が同じである場合、センサ領域の導電性は結果的に、センサ領域内の光ビームのビーム断面に依存し、ビーム断面はセンサ領域内で入射ビームによって生成される「スポットサイズ」として表わすことができる。このように、光導電性材料の導電性が、光導電性材料を含むセンサ領域における入射光ビームによる照射の範囲に依存するという観察可能な特性は特に、同じ総出力を含むが生成するスポットサイズが異なる2つの光ビームはセンサ領域内での光導電性材料の電気導電率について異なる値を提供し、そして結果的に互いに関して区別可能であるという状況を達成するものである。
【0081】
さらに、縦方向センサ信号は電圧信号および/または電流信号など電気信号の印加によって決定付けられることから、縦方向センサ信号を決定する際は電気信号によって横切られる材料の導電性が考慮に入れられる。以下でさらに詳しく説明するとおり、バイアス電圧ソースと縦方向光センサと直列に採用される負荷抵抗器の適用が、好ましくは本発明において使用される。結果として、センサ領域内に光導電性材料を含む縦方向光センサは、例えば少なくとも2つの縦方向センサ信号や、ビーム断面に関する情報の少なくとも1つの項目、具体的にはビーム直径を比較することによって、原則として縦方向センサ信号の記録からセンサ領域内の光ビームのビーム断面を決定することができる。
さらに、センサ領域内の光ビームのビーム断面は、前述のFiP効果によれば、照射の総出力が同じである場合、センサ領域に衝突する光ビームを放出または反射する対象物の縦方向位置または深度に依存することから、縦方向光センサを、それぞれの対象物の縦方向位置の決定に適用することができる。
【0082】
WO2012/110924A1から既知であるとおり、縦方向光センサはセンサ領域の照射に依存するようにして少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するよう設計され、センサ信号は、照射の総出力が同じである場合、センサ領域上での照射のビーム断面に依存する。一例として、光電流Iの測定結果がレンズの位置の関数として提供され、レンズは電磁放射の焦点を縦方向光センサのセンサ領域上へ合わせるように構成される。測定中、レンズは縦方向光センサに対してセンサ領域に垂直な方向に変位し、その結果、センサ領域上の光スポットの直径が変化する。この特定の例では、光起電装置、特に色素太陽電池がセンサ領域の材料として採用され、縦方向光センサの信号、この場合では光電流が、レンズの焦点における最大値の外側では、光電流がその最大値の10%未満にまで低下するように、明らかに照射の幾何的形状に依存する。
【0083】
本明細書で使用されるとき、「評価装置」という用語は一般的に、情報項目、すなわち対象物の位置に関する情報の少なくとも1つの項目を生成するよう設計された任意の装置を指す。一例として、評価装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASICs)のような1つまたは複数の集積回路、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSPs)、および/または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、および/または1つまたは複数のコンピュータ、好ましくは1つまたは複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラのような1つもしくは複数のデータ処理装置であるか、またはこれらを備え得る。追加の構成要素、例えば1つまたは複数の前処理装置、および/または、センサ信号を受信および/または前処理するための1つまたは複数の装置のようなデータ収集装置、例えば1つまたは複数のAD変換器および/または1つまたは複数のフィルタのような追加の構成要素が含まれ得る。本明細書で使用されるとき、センサ信号は一般的に、縦方向センサ信号の1つ<および該当する場合は横方向センサ信号を指す。さらに、評価装置は、1つまたは数個のデータ記憶装置を含み得る。さらに、上記で概説したとおり、評価装置は、1つまたは複数の無線インターフェースおよび/または1つまたは複数の有線インターフェースのような、1つまたは複数のインターフェースを含み得る。
【0084】
少なくとも1つの評価装置は、少なくとも1つのコンピュータプログラム、例えば情報項目を生成する工程を実行または補助する少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合され得る。一例として、センサ信号を入力変数として使用することによって対象物の位置への所定の変換を実行し得る1つまたは複数のアルゴリズムが実装され得る。
【0085】
評価装置は、センサ信号を評価することによって情報項目を生成するように設計された少なくとも1つのデータ処理装置、特に電子データ処理装置を特に備え得る。したがって、評価装置は、センサ信号を入力変数として使用し、これらの入力変数を処理することによって、対象物の横方向位置および縦方向位置に関する情報項目を生成するように設計される。処理は、並列的に、逐次的にまたは組み合わせた方法で実行され得る。評価装置は例えば計算および/または少なくとも1つの保存された関係および/または既知の関係を用いる、これらの情報項目を形成するための任意のプロセスを使用し得る。センサ信号に加え、1つまたは複数のさらなるパラメータおよび/または情報項目が、前記の関係、例えば変調周波数に関する少なくとも1つの情報項目に影響し得る。この関係は決定できる、または経験的に、分析的に、あるいは半経験的に決定可能である。特に好ましくは、この関係は、少なくとも1つのキャリブレーション曲線、少なくとも1組のキャリブレーション曲線、少なくとも1つの関数または上述の可能性の組合せを含む。1つまたは複数のキャリブレーション曲線は、例えば値のセットとその関連する関数値の形態で、例えばデータ保存装置および/またはテーブルに保存され得る。しかし代替的にまたは追加的に、少なくとも1つのキャリブレーション曲線は例えば、パラメータ化された形態でおよび/または関数式の形態で保存できる。センサ信号を情報項目へと処理するために個別の関係を使用することができる。代替的に、センサ信号を処理するための少なくとも1つの組み合わされた関係も適している。様々な可能性が考えられこれらを組み合わせることもできる。
【0086】
例として、評価装置は、情報項目を決定する目的でプログラミングに関して設計することができる。評価装置は、特に少なくとも1つのコンピュータ、例えば少なくとも1つのマイクロコンピュータを含み得る。さらに、評価装置は1つまたは複数の揮発性または不揮発性のデータメモリをも含み得る。データ処理装置、特に少なくとも1つのコンピュータの代替としてあるいは追加として、評価装置は、情報項目を決定するために設計された1つまたは複数のさらなる電子構成要素、例えば電子テーブル、特に少なくとも1つのルックアップテーブルおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または少なくとも1つのデジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を有し得る。
【0087】
検出器は、上述のように、少なくとも1つの評価装置を有する。特に、前記少なくとも1つの評価装置は検出器を完全にまたは部分的に制御または駆動するように設計することもでき、例えば、少なくとも1つの照射源を制御するように、および/または検出器の少なくとも1つの変調装置を制御するように設計することもできる。評価装置は、特に、複数のセンサ信号のような1つまたは複数のセンサ信号、例えば異なる照射変調周波数における連続的な複数のセンサ信号のような、複数のセンサ信号が検出される少なくとも1つの測定サイクルを実行するように設計することができる。
【0088】
評価装置は、上述のとおり、少なくとも1つのセンサ信号の評価によって対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計される。前記対象物の位置は、静的であってもよく、または対象物の少なくとも1つの運動、例えば検出器またはその一部と対象物またはその一部との間での相対運動を含むことさえできる。この場合、相対運動は一般的に、少なくとも1つの直線運動および/または少なくとも1つの回転運動を含むことができる。運動情報項目は、例えば異なる時間に検知された少なくとも2つの情報を比較することによっても得られ、例えば位置情報の少なくとも1つの項目は速度情報の少なくとも1つの項目および/または加速度情報の少なくとも1つの項目、例えば対象物またはその一部と検出器またはその一部との間における少なくとも1つの相対速度に関する情報の少なくとも1つの項目を含み得る。特に、位置情報の少なくとも1つの項目は、一般的に以下から選択され得る:対象物またはその一部と検出器またはその一部との間の距離に関する情報項目、特に光路長に関する情報項目;対象物またはその一部と任意の光学転送装置またはその一部との間の距離または光学的距離に関する情報項目;対象物またはその一部の検出器またはその一部に対する相対的な位置に関する情報項目;対象物および/またはその一部の検出器またはその一部に対する相対的な方向に関する情報項目;対象物またはその一部と検出器またはその一部との間の相対運動に関する情報項目;対象物またはその一部の2次元または3次元空間構成、特に対象物の幾何学的形状または外形に関する情報項目。一般に、位置情報の少なくとも1つの項目はしたがって、例えば、以下からなる群から選択することができる:対象物またはその一部の少なくとも1つの位置に関する情報項目;対象物またはその一部の少なくとも1つの方向に関する情報項目;対象物またはその一部の幾何学的形状または外形に関する情報項目;対象物またはその一部の速度に関する情報項目;対象物またはその一部の加速度に関する情報項目;検出器の可視範囲内での対象物またはその一部の有無に関する情報の項目。
【0089】
位置情報の少なくとも1つの項目は、例えば少なくとも1つの座標系で規定でき、例えば検出器またはその一部が存在する座標系で規定することができる。代替的にまたは追加的に、位置情報は単に、例えば検出器またはその一部と対象物またはその一部との間の距離を含むこともできる。上述の可能性の組合せも考えられる。
【0090】
上記にて概説のとおり、少なくとも1つの縦方向センサ信号は、光ビームによる照射の総出力が同じである場合、FiP効果により、少なくとも1つの縦方向光センサのセンサ領域の光ビームのビーム断面に依存する。本明細書で使用される「ビーム断面」という用語は一般に、光ビームの横方向の広がり又は特定位置に光ビームによって生成された光スポットを指す。円形の光スポットが生成される場合、半径、直径、またはガウスビームウエストあるいはガウスビームウエストの2倍がビーム断面の計測として機能し得る。非円形の光スポットが生成される場合、他の実現可能な方法、例えば非円形の光スポットと同じ面積を有する円の断面を決めることにより、断面を決定することができ、これは等価ビーム断面とも呼ばれる。これに関して、極値、すなわち縦方向センサ信号の極大値または極小値、特に光起電材料など相応する材料に可能な限り最小の断面を持つ光ビームが当たり得る条件下、例えば光学レンズによる影響のため、材料が焦点または焦点付近に位置し得るという場合に、最大値/最小値の観察を採用することができる。極値が最大値である場合、この観察は正のFiP効果として示される一方、極値が最小値である場合、この観察は負のFiP効果として示される。
【0091】
したがって、センサ領域に実際に含まれる材料に関わらず、光ビームによるセンサ領域の照射の総出力が同じである場合、第1のビーム直径またはビーム断面を有する光ビームは第1の縦方向センサ信号を生成し得る一方、第1のビーム直径またはビーム断面とは異なる第2のビーム直径またはビーム断面を有する光ビームは、第1の縦方向センサ信号とは異なる第2の縦方向センサ信号を生成する。このように、縦方向センサ信号を比較することにより、ビーム断面、具体的にはビーム直径に関する少なくとも1つの情報項目が生成され得る。この効果の詳細について、WO2012/110924A1を参照することができる。したがって、縦方向光センサによって生成された縦方向センサ信号は、光ビームの総出力および/または総強度に関する情報を取得するために、および/または、光ビームの総出力および/または総強度に関して縦方向センサ信号および/または対象物の縦方向の位置に関する情報の少なくとも1つの項目を正規化するために、比較され得る。したがって、一例として、縦方向光センサ信号の最大値が検出され得、またすべての縦方向センサ信号が最大値によって割られ得ることにより、正規化された縦方向光センサ信号が生成され、そしてこの信号が、上述の既知の関係を使用することにより、対象物の縦方向情報のうち少なくとも1つの項目へと変換され得る。他の正規化方法も適用可能である、例えば縦方向センサ信号の平均値を使用して正規化し、そして平均値ですべての縦方向センサ信号を割ってもよい。他の選択肢も可能である。これらの選択肢のそれぞれは光ビームの総出力および/または強度から独立の変換を与えるのに適切であり得る。追加的に、光ビームの総出力および/または強度に関する情報がこのようにして生成され得る。
【0092】
具体的には、対象物から検出器まで伝播する光ビームの1つまたは複数のビーム特性が既知である場合、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目は、少なくとも1つの縦方向センサ信号と対象物の縦方向位置との間の既知の関係からこのようにして導出され得る。既知の関係は、アルゴリズムとしておよび/または1つまたは複数のキャリブレーション曲線として評価装置に保存することができる。一例として、特にガウスビームの場合、ビーム直径またはビームウェストと対象物の位置との間の関係は、ビームウェストと縦座標間のガウス関係を使用することによって容易に導出することができる。
【0093】
この実施形態は、特に、光ビームのビーム断面と対象物の縦方向置との間の既知の関係における曖昧さを解決するために、評価装置に使用され得る。つまり、対象物から検出器まで伝播する光ビームのビーム特性が完全にまたは部分的に既知であるとしても、多くのビームにおいて、焦点に達する前にビーム断面が狭くなり、その後再び広がることが知られている。つまり、光ビームのビーム断面が最も狭くなる焦点の前後で、光ビームが同じ断面を有する光ビームの伝播軸に沿った位置が現れる。このように、一例として、焦点前後の距離z0において、光ビームの断面が同一となる。したがって、特定のスペクトル感度を有する1つの縦方向光センサのみが使用されている場合に、光ビームの総出力または強度が既知の場合は、光ビームの特定の断面が決定され得る。この情報を使用することにより、焦点から各縦方向光センサの距離z0が決定され得る。しかしながら、各縦方向光センサが焦点の前後いずれに配置されているかどうかを決定するために、対象物および/または検出器の移動の履歴ならびに/または検出器が焦点の前後いずれに配置されているかに関する情報のように、追加情報が必要とされる。一般的な状況において、この追加の情報が提供されないことがある。したがって、上記の曖昧さを解決するために追加の情報を取得してもよい。したがって、評価装置が、縦方向センサ信号を評価することによって、第1の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面が第2の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面よりも大きいことを認識し、第2の縦方向光センサが第1の縦方向光センサの後ろに配置されている場合、評価装置は、光ビームが依然として狭くなっていることおよび第1の縦方向光センサの場所が光ビームの焦点の前に位置ことを決定してもよい。逆に、第1の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面が第2の縦方向光センサ上の光ビームのビーム断面よりも小さい場合、評価装置は光ビームが拡がっていることおよび第2の縦方向光センサの場所が焦点の後ろに位置することを決定してもよい。このように一般に、評価装置は、異なる縦方向センサの縦方向センサ信号を比較することによって、光ビームが拡がっているか狭まっているかを認識するように構成されてもよい。
【0094】
本発明による評価装置を利用して対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を決定することに関するさらなる詳細については、WO2014/097181A1の記載を参照することができる。したがって、一般的に、評価装置は、好ましくは光ビームの伝播方向の少なくとも1つの伝播座標における光ビームのビーム直径の既知の依存性および/または光ビームの既知のガウスプロファイルから、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を決定するために、光ビームのビーム断面および/または直径を、光ビームの既知のビーム特性と比較するように構成されてもよい。
【0095】
対象物の少なくとも1つの縦方向座標に加えて、対象物の少なくとも1つの横方向座標が決定されてもよい。したがって、一般的に、評価装置は、WO2014/097181A1でもさらに説明しているような画素化またはセグメント化または大面積の横方向光センサである少なくとも1つの横方向光センサ上の光ビームの位置を決定することにより、対象物の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成されてもよい。
【0096】
本発明の特定の実施形態では、検出器は、少なくとも2つの縦方向光センサを含むことができ、各縦方向光センサは、少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように構成されてもよい。一例として、縦方向光センサのセンサ領域またはセンサ表面は平行に配向され、わずかな角度公差、例えば10度以下、好ましくは5度以下の角度公差が許容され得るようにしてもよい。ここでは、好ましくは検出器の光軸に沿ってスタックの形態で配置された検出器の全ての縦方向光センサが透明であるのが好ましい。したがって、光ビームは、好ましくは続いて他の縦方向光センサに衝突する前に、第1の透明な縦方向光センサを通過することができる。したがって、対象物からの光ビームは、光検出器内に存在するすべての縦方向光センサに連続して到達することができる。ここでは、異なる縦方向光センサは、入射光ビームに関して同じまたは異なるスペクトル感度を示すことができる。
【0097】
好ましくは、本発明による検出器は、WO2014/097181A1で開示するような縦方向光センサのスタックを含み、特に1つまたは複数の横方向光センサとの組合せで含むことができる。一例として、1つまたは複数の横方向光センサは、対象物に面して縦方向光センサのスタックの側面に配置され得る。代替的または追加的に、1つまたは複数の横方向光センサは、対象物に面せずに縦方向光センサのスタックの側面に配置されてもよい。また、代替的または追加的に、1つまたは複数の横方向光センサは、縦方向光センサのスタックの間に介在してもよい。しかしながら、たとえば対象物の深度を決定することのみが望まれる場合のように、横方向光センサを備えずに1つの縦方向光センサだけを備える実施形態は依然として可能である。
【0098】
代替的にまたは追加的に、本発明による光センサは、このように、横方向光センサであるか、またはそれを含み得る。本明細書で使用される場合、「横方向光センサ」という用語は一般的に、対象物から検出器へ進む少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するように構成された装置を指す。位置という用語に関しては、上記の定義を参照することができる。したがって、好ましくは、横方向位置は、検出器の光軸に垂直な少なくとも1次元における少なくとも1つの座標であってもよいし、それを含んでもよい。一例として、横方向位置は、横方向光センサの感光センサ表面のような、光軸に垂直な平面における、光ビームによって生成される光スポットの位置であってよい。一例として、該平面内の位置は、デカルト座標および/または極座標で与えられてよい。他の実施形態も実現可能である。横方向光センサの可能な実施形態については、WO2014/097181A1を参照することができる。しかしながら、他の実施形態も実現可能であり、以下でさらに詳細に述べる。
【0099】
横方向光センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号を提供することができる。ここで、横方向センサ信号は一般的に、横方向位置を示す任意の信号であってよい。一例として、横方向センサ信号は、デジタルおよび/またはアナログ信号であってもよいし、それを含んでいてもよい。一例として、横方向センサ信号は、電圧信号および/または電流信号であってもよいし、それを含んでいてもよい。追加的または代替的に、横方向センサ信号は、デジタルデータであってもよいし、それを含んでいてもよい。横方向センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を含んでよい。横方向センサ信号は、2つ以上の個別信号を組み合わせることにより、たとえば、2つ以上の信号の平均化、および/または2つ以上の信号の商の形成により導出され得る任意の信号をさらに含んでよい。
【0100】
WO2014/097181A1による開示と同様の第1の実施形態では、横方向光センサは、少なくとも1つの第1の電極、少なくとも1つの第2の電極、および少なくとも1つの光起電材料を有する光検出器であり、光起電材料は、第1の電極と第2の電極との間に埋め込まれている。したがって、横方向光センサは、1つまたは複数の光検出器、例えば1つまたは複数の有機光検出器、および最も好ましくは、たとえば1つまたは複数の固体素増感有機太陽電池(s−DSCs)のような、1つまたは複数の色素増感有機太陽電池(DSCs、色素太陽電池とも呼ばれる)であるか、またはそれを含むことができる。したがって、検出器は少なくとも1つの横方向光センサとして作用する1つまたは複数のDSCs(1つまたは複数のsDSCsなど)、および少なくとも1つの長手方向光センサとして作用する1つまたは複数のDSCs(1つまたは複数のsDSCsなど)を含み得る。
【0101】
この既知の実施形態とは対照的に、本発明による横光センサの特に好ましい実施形態は、光伝導材料の層、好ましくは上記および/または下記の光伝導材料のうちの1つなどの無機光伝導材料を含むことができる。好ましくは、光導電性材料層は、特に透明導電性酸化物、好ましくはインジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(SnO:F;FTO)、または酸化マグネシウム(MgO)、またはSrVOもしくはCaVOのようなペロブスカイト透明導電性酸化物、または代替的に、金属ナノワイヤー、特に銀ナノワイヤーを含む、少なくとも1つの基板に直接または間接的に適用され得る。しかしながら、他の材料も、特に所望の透明スペクトル範囲に応じて適する。特定の実施形態では、さらに、絶縁材料、半導体材料または導電性材料を含む中間層を適用することができる。
【0102】
さらに、少なくとも2つの電極が、横方向センサ信号を記録するために存在し得る。好ましい実施形態では、該少なくとも2つの電極は実際に少なくとも2つの物理的電極の形態、好ましくはT字形を示す形態で配置され、各物理的電極は導電性材料、好ましくは金属製導電性材料、より好ましくは金属製高導電性材料、例えば銅、銀、金、合金またはこれらの種類の材料を含む組成物、またはグラフェンを含み得る。ここで、少なくとも2つの物理電極のそれぞれは、好ましくは、それぞれの電極と光センサ内の光導電層との間で直接の電気的接触が達成され得る形で、特に例えば、光センサと評価装置との間の輸送経路における付加的な抵抗に起因する可能な限り少ない損失で縦方向センサ信号を取得するための形で構成され得る。
【0103】
好ましくは、横方向光センサの電極のうち少なくとも1つは、少なくとも2つの部分電極を有する分割電極であってもよく、横方向光センサはセンサ領域を有し得、少なくとも1つの横方向センサ信号はセンサ領域内での入射光ビームのx位置および/またはy位置を示し得る。センサ領域は、対象物に面する光検出器の表面であってもよい。センサ領域は、好ましくは光軸に対して垂直に配向され得る。したがって、横方向センサ信号は、横方向光センサのセンサ領域の平面内で光ビームによって生成される光スポットの位置を示し得る。一般的に、本明細書で使用されるとき、「部分電極」という用語は、複数の電極のうちの1つの電極であって、好ましくは他の部分電極から独立して少なくとも1つの電流および/または電圧信号を測定するように適合された電極を指す。したがって、複数の部分電極が提供される場合、それぞれの電極は少なくとも2つの部分電極を介して、複数の電位および/または電流および/または電圧を提供するように適合され、これらは独立的に測定および/または使用され得る。
【0104】
横方向光センサはさらに、部分電極を通る電流に従って横方向センサ信号を生成するように適合されることができる。したがって、2つの水平部分電極を通る電流の比率が形成され、それによってx座標を生成することができ、および/または垂直部分電極を通る電流の比率が形成され、それによってy座標を生成することができる。検出器、好ましくは横方向光センサおよび/または評価装置は、部分電極を通る電流の少なくとも1つの比率から、対象物の横方向位置に関する情報を導き出すように構成されることができる。部分電極を通る複数の電流の比較によって位置座標を生成する他の方法も実現可能である。
【0105】
部分電極は一般的に、センサ領域内での光ビームの位置を決定するために、様々な方法で定義され得る。このように、水平座標またはx座標を決定するために2つ以上の水平方向部分電極を設けてもよく、また垂直座標またはy座標を決定するために2つ以上の垂直部分電極を設けてもよい。したがって、部分電極をセンサ領域の周縁部に設けてもよく、センサ領域の内部空間は空いた状態を維持し、そして1つまたは複数の追加の電極材料によって覆われてもよい。以下にさらに詳細に概説されるように、追加の電極材料は好ましくは透明の追加の電極材料、例えば透明な金属および/または透明な導電性酸化物および/または、最も好ましい透明な導電性ポリマーであってもよい。
【0106】
電極の1つが3つ以上の部分電極を有する分割電極である横方向光センサを使用することにより、部分電極を通る電流は、センサ領域内での光ビームの位置に依存し得る。これは一般的に、部分電極に衝突する光に起因する電荷の発生位置から途中でオーム損失または抵抗損失が生じ得るという事実に起因し得る。したがって、部分電極に加え、分割電極は部分電極に接続された1つまたは複数の追加的電極材料を含んでもよく、1つまたは複数の追加的電極材料は電気抵抗をもたらす。結果として、電荷の発生位置から1つまたは複数の追加的電極材料を経て部分電極に至る経路上でのオーム損失に起因して、部分電極を通る電流は電荷の発生位置に依存し、したがってセンサ領域内での光ビームの位置に依存する。センサ領域内での光ビームの位置の決定に関するこの原理の詳細については、以下の好ましい実施形態および/またはWO2014/097181A1および同文献中の個々の参考文献において開示しているような物理的原理および装置オプションを参照することができる。
【0107】
したがって、横方向光センサはセンサ領域を含むことができ、好ましくは対象物から検出器へ移動する光ビームに対して透明であってよい。したがって、横方向光センサは、x方向および/またはy方向などの1つまたは複数の横方向における光ビームの横方向位置を決定するように適合させることができる。このために、少なくとも1つの横方向光センサが、少なくとも1つの横方向センサ信号を生成するようにさらに適合させることができる。したがって、評価装置は、縦方向光センサの横方向センサ信号を評価することにより、対象物の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されることができる。
【0108】
本発明のさらなる実施形態は、対象物から検出器へと伝播する光ビームの性質に言及した。本明細書で使用されるとき、「光」という用語は一般的に、可視スペクトル範囲、紫外スペクトル範囲および赤外線スペクトル範囲のうちの1つまたは複数のスペクトル範囲の電磁放射を指す。その中で、この出願の日に有効なバージョンのISO−21348規格に部分的に準拠して、可視スペクトル範囲という用語は一般的に380nmから760nmのスペクトル範囲を指す。赤外光(IR)スペクトル範囲という用語は一般的に760nmから1000μmの範囲の電磁放射を指し、そのうち760nmから1.4μmの範囲は通常近赤外光(NIR)スペクトル範囲と表わされ、15μmから1000μmの範囲は遠赤外光(FIR)スペクトル範囲と表わされる。紫外スペクトル範囲という用語は一般的に1nm〜380nmの範囲、好ましくは100nm〜380nmの範囲の電磁放射を指す。好ましくは、本発明の範囲内で使用される光は可視光、すなわち可視スペクトル範囲内の光である。
【0109】
「光ビーム」という用語は、一般に、特定の方向に放出される光量を指す。したがって、光ビームは、光ビームの伝播方向に対して垂直な方向に所定の拡がりを有する光線の束であることができる。好ましくは、光ビームは1つまたは複数のガウスビームパラメータ、例えば1つまたは複数のビームウェスト、レイリー長または他の任意のビームパラメータまたは空間内でのビーム直径および/またはビーム伝播の発達の特徴付けに適するビームパラメータの組合せによって特徴付けられ得る1つまたは複数のガウス光ビームであるか、またはそれを含み得る。
【0110】
光ビームは対象物自体によって許容され得る、すなわち対象物から生じ得る。追加的にまたは代替的に、光ビームの別の発生源も適し得る。したがって、以下でさらに詳細に概説するように、例えば所定の特徴を有する1つまたは複数の一次光線またはビームのような、1つまたは複数の一次光線またはビームを使用することにより、対象物を照らす1つまたは複数の照射源が提供され得る。後者の場合、対象物から検出器へと伝播する光ビームは、対象物および/または対象物に接続された反射装置によって反射される光ビームであってもよい。
【0111】
加えて、検出器は少なくとも1つの転送装置、例えば光学レンズ、特に1つまたは複数の屈折レンズ、特に薄い凸レンズまたは両凸レンズなど薄い収束性屈折レンズ、および/または1つまたは複数の凸面鏡を含むことができ、さらにそれらは共通の光軸に沿って配置され得る。最も好ましくは、対象物から発生する光ビームはこの場合、最初に少なくとも1つの転送装置を通過し、次いで単一の透明な光センサまたは透明な光センサのスタックを通過して最終的に撮像装置に衝突し得る。本明細書で使用されるとき、「転送装置」という用語は、対象物から発生した少なくとも1つの光ビームを検出器内の光センサへと転送するよう構成され得る光学素子を指す。このように、転送装置は対象物から検出器へと伝播する光を光センサへ供給するように設計することができ、この供給を任意選択的に、転送装置の撮像手段により、あるいは転送装置の非撮像特性によって有効化することができる。特に、転送装置は、電磁放射が光センサに供給される前に電磁放射を収集するよう設計されてもよい。
【0112】
加えて、少なくとも1つの転送装置は撮像特性を有し得る。従い、転送装置は少なくとも1つの撮像要素、例えば少なくとも1つのレンズおよび/または少なくとも1つの曲面鏡を有する、何故なら、そのような撮像要素の場合、例えばセンサ領域上での照射の幾何学形状は相対的配置、例えば転送装置と対象物との間の距離に依存し得るからである。本明細書で使用されるとき、転送装置は、対象物から発生する電磁放射が完全にセンサ領域へ転送されるように、例えば、特に対象物が検出器の可視範囲内に配置される場合にセンサ領域上に完全に集束するように設計され得る。
【0113】
一般的に、検出器はさらに、少なくとも1つの撮像装置、すなわち少なくとも1つの画像を取得することができる装置をさらに含み得る。撮像装置は、種々の方法で具体化することができる。したがって、撮像装置は例えば検出器ハウジング内の検出器の一部であってもよい。しかし代替的にまたは追加的に、撮像装置は検出器ハウジング外側に、例えば別個の撮像装置として構成され得る。代替的にまたは追加的に、撮像装置は検出器に接続されてもよく、または検出器の一部でもあり得る。好ましい構成では、透明光センサのスタックおよび撮像装置は、光ビームが移動する共通の光軸に沿って配置される。したがって、光ビームの光路において、光ビームが透明な縦方向光センサのスタックを通り、撮像装置に衝突するまで移動するように、撮像装置を配置することができる。しかしながら、他の配置も可能である。
【0114】
本明細書で使用されるとき、「撮像装置」は一般的に、1次元、2次元または3次元の、対象物または対象物の一部の画像を生成し得る装置として理解される。特に、検出器は、少なくとも1つの任意の撮像装置の有無にかかわらず、例えばIRカメラまたはRGBカメラのようなカメラ、すなわち3つの別々の接続で赤色、緑色および青色として指定された3原色を送達するように設計されたカメラとして完全にまたは部分的に使用され得る。したがって、一例として、少なくとも1つの撮像装置は、ピクセル化有機カメラ要素、好ましくはピクセル化有機カメラチップ;ピクセル化無機カメラ要素、好ましくはピクセル化無機カメラチップ、より好ましくはCCDチップまたはCMOSチップ;モノクロカメラ素子、好ましくはモノクロカメラチップ;多色カメラ素子、好ましくは多色カメラチップ;フルカラーカメラ素子、好ましくはフルカラーカメラチップからなる群から選択される少なくとも1つの撮像装置であるか、またはそれを含み得る。撮像装置は、モノクロ撮像装置、マルチクロム撮像装置および少なくとも1つのフルカラー撮像装置からなる群から選択される少なくとも1つの装置であるか、またはこれを含み得る。マルチクロム撮像装置および/またはフルカラー撮像装置は、当業者が認識するように、フィルタ技術の使用により、および/または固有の色感度技法あるいは他の技法の使用により生成され得る。特に上述のような横方向光センサとは対照的に、撮像装置は、一般に、不透明な光学特性を示すことがある。撮像装置の他の実施形態も可能である。
【0115】
撮像装置は、対象物の複数の部分領域を連続的におよび/または同時に撮像するように設計され得る。例として、対象物の部分領域は、例えば撮像装置の解像限界によって定められ、そこから電磁放射線が放出される対象物の1次元、2次元または3次元領域であってもよい。これに関連して、撮像とは、対象物の各部分領域から発生する電磁放射が、例えば検出器の少なくとも1つの任意の伝送装置によって、撮像装置に供給されることを意味すると理解されるべきである。電磁線は、対象物自体によって、例えば発光放射の形態で発生させることができる。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの検出器が、対象物を照らす少なくとも1つの照射源を含み得る。
【0116】
特に、撮像装置は、例えば、特に少なくとも1つの列スキャンおよび/または行スキャンを使用するスキャン法により、複数の部分領域を連続して順次撮像するように設計され得る。しかしながら、他の実施形態も可能であり、例えば複数の部分領域が同時に撮像される実施形態も可能である。撮像装置は、対象物の部分領域の撮像中に、部分領域に関連付けられた信号、好ましくは電子信号を生成するように設計されている。信号はアナログ信号および/またはデジタル信号であってもよい。例として、電子信号は各部分領域と関連付けられ得る。したがって、電子信号は同時に生成されるか、または時間的にずらして生成され得る。例として、列スキャンまたは行スキャンの間に、対象物の部分領域に対応する電子信号のシーケンスが生成され得、それらは例えば線状につながれる。さらに、撮像装置は、1つまたは複数の信号処理装置、例えば1つまたは複数のフィルタおよび/または電子信号を処理および/または前処理するためのアナログデジタル変換器を含み得る。
【0117】
対象物から出る光は、対象物自体から生じ得るが、任意に、異なる起源を有していてもよく、この起源から対象物へと伝播し、その後、光センサへと伝播してもよい。後者の場合は、例えば少なくとも1つの照射源が使用されていることによって影響を受け得る。照射源は様々な方法で具体化することができる。したがって、照射源は例えば検出器ハウジング内の検出器の一部であってもよい。しかし代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの照射源は例えば別個の光源として検出器ハウジングの外側に配置することもできる。照射源は、対象物とは別に配置され、対象物を所定距離から照射することができる。代替的にまたは追加的に、照射源は対象物に接続されるか、対象物の一部であってさえもよく、それによって、例えば、対象物から発生する電磁放射は照射源によって直接生成され得る。例として、少なくとも1つの照射源は対象物の表面および/または内部に配置され得、センサ領域を照射する電磁放射を直接生成し得る。この照射源は、例えば環境光源であるかまたはこれを含み得る、および/または人工照射源であるかまたはこれを含み得る。例として、少なくとも1つの赤外線放出装置および/または少なくとも1つの可視光放出装置および/または少なくとも1つの紫外光放出装置を、対象物の表面に配置することができる。例として、少なくとも1つの発光ダイオードおよび/または少なくとも1つのレーザダイオードを、対象物の表面および/または内部に配置することができる。照射源は特に、以下の照射源のうち1つまたは複数を含み得る:レーザ、特にレーザダイオード、ただし原則として、代替的にまたは追加的に、他の種類のレーザも使用され得る;発光ダイオード;白熱電球;ネオンライト;炎源;熱源;有機光源、特に有機発光ダイオード;構造化光源;回折光学素子を含む光源、デジタル光プロセッサ(DLP)などのマイクロミラーデバイスを含む光源。代替的にまたは追加的に、他の照射源も使用され得る。特に好ましくは、例えば多数のレーザの場合が少なくともほぼそうであるように、照射源がガウスビームプロファイルを有する1つまたは複数の光ビームを生成するように照射源が設計される。任意の照射源のさらなる可能な実施形態については、WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1の1つを参照することができる。ただし、他の実施形態も実現可能である。
【0118】
少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に、紫外スペクトル範囲、好ましくは200nm380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nm〜780nm);赤外線スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲のうち少なくとも1つの光を放出し得る。最も好ましくは、少なくとも1つの照射源は、可視スペクトル範囲、好ましくは500nm〜780nm、最も好ましくは650nm〜750nmまたは690nm〜700nmの範囲の光を放出するように適合される。ここで、照射源が縦方向センサのスペクトル感度に関連し得るスペクトル範囲を照射源が示すことができ、特にそれぞれの照射源によって照らされる縦方向センサが高い強度のセンサ信号を提供することができ、それによって十分な信号対ノイズ比を有する高分解能評価が可能となる場合が特に好ましい。
【0119】
さらに、検出器は照射の変調、特に周期的変調のための少なくとも1つの変調装置、特に周期的ビーム遮断装置をも有することができる。照射の変調は、照射の総出力を、好ましくは周期的に、特に1つまたは複数の変調周波数で変化させるプロセスを意味すると理解されるべきである。特に、周期的変調は、照射の総出力の最大値と最小値との間で有効化され得る。最小値は0とすることができるが、例として完全な変調を有効化する必要がない場合、最小値は0より大きい値とすることもができる。変調は、例えば対象物と光センサとの間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置されている少なくとも1つの変調装置によって有効化され得る。しかし代替的にまたは追加的に、変調は、以下でさらに詳細に説明するように、対象物を照らすための任意の照射源と対象物との間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置されている少なくとも1つの変調装置によって変調をもたらし得る。これらの可能性の組合せも考えられる。少なくとも1つの変調装置は、例えばビームチョッパまたは他の種類の周期的ビーム遮断装置、好ましくは一定速度で回転し、結果として照射を周期的に遮断することができる例えば少なくとも1つの遮断ブレードまたは遮断ホイールを含み得る。しかし代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の異なる種類の変調装置、例えば電気光学効果および/または音響光学効果に基づく変調装置の使用も可能である。再び代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの任意の照射源自体が変調照射、例えば前記照射源自体が強度および/または総出力の変調、例えば周期的変調総出力を有し、および/または前記照射源がパルス照射源、例えばパルスレーザとして具現化されることにより、変調照射を生成するように設計され得る。したがって、例として、少なくとも1つの変調装置を照射源に全体的にまたは部分的に組み込んでもよい。様々な可能性が考えられる。
【0120】
したがって、検出器は、異なる変調の場合に少なくとも2つのセンサ信号を検出するように、特に少なくとも2つの縦方向センサ信号をそれぞれ異なる変調周波数で検出するように、特に設計することができる。評価装置は、少なくとも2つの縦方向センサ信号から幾何学情報を生成するように設計することができる。WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1に記載されているように、曖昧さを解消することが可能であり、および/または例えば照射総出力は一般的に未知であるという事実を考慮することが可能である。例として、検出器は、少なくとも1つの光センサの少なくとも1つのセンサ領域など、対象物および/または検出器の少なくとも1つのセンサ領域の照射の変調を、0.05Hz〜1MHz、例えば0.1Hz〜10kHzの周波数の照射の変調にもなるように設計され得る。上記で概説したように、このために、検出器は少なくとも1つの変調装置を含んでよく、該変調装置は少なくとも1つの任意の照射源に組み込まれてもよくおよび/または照射源から独立していてもよい。したがって、少なくとも1つの照射源は、それ自体で、照射の変調を生成するように構成され得、および/または少なくとも1つの独立した変調装置、例えば少なくとも1つのチョッパおよび/または変調された伝達性を有する少なくとも1つの装置、例えば少なくとも1つの電気光学装置および/または少なくとも1つの音響光学装置のような装置が存在し得る。
【0121】
本発明によれば、上述のように少なくとも1つの変調周波数を光検出器に適用することが有利であり得る。しかし、変調周波数を光検出器に適用せずに、縦方向センサ信号を直接決定することは依然として可能である。以下により詳細に説明されるように、変調周波数の適用は、対象物に関する所望の縦方向情報の取得するための多くの関連する状況下において必要ないかもしれない。結果として、光検出器はこのようにして変調装置を含む必要がないかもしれない、それは空間検出器の単純かつ費用効果の高い組立にさらに貢献し得る。さらなる結果として、空間光変調装置は、周波数多重化モードではなく時間多重化モードで、またはそれらの組合せで使用され得る。
【0122】
本発明のさらなる一態様において、上述の実施形態のいずれかによる少なくとも2つの個別の検出器、好ましくは2つまたは3つの個別の光センサ、それらは2つの全く異なる位置に配置され得る、を含む構成が提案されている。ここで、少なくとも2つの検出器は、好ましくは同一の光学特性を有しているが、互いに異なることもできる。さらに、構成はさらに少なくとも1つの照射源を含み得る。ここで、少なくとも1つの対象物は、一次光を生成する少なくとも1つの照射源を使用して照射されてもよく、少なくとも1つの対象物が弾性的にまたは非弾性的に一次光を反射し、それによって少なくとも2つの検出器のうちの1つへ伝播する複数の光ビームを生成する。少なくとも1つの照射源は、少なくとも2つの検出器それぞれの構成部分を形成してもよいし、形成しなくてもよい。例として、少なくとも1つの照射源自体が環境光源であるかまたはこれを含み得る、および/または人工照射源であるかまたはこれを含み得る。この実施形態は、特に1つの検出器の本来の測定量より多くの測定量を提供するため、少なくとも2つの検出器、好ましくは2つの同一の検出器が、深度情報を得るために使用される用途に好ましく適している。
【0123】
これに関して、個別の光センサを、好ましくは検出器に含まれる他の個別の光センサから離れて配置することにより、他の個別の光センサによって取得される画像と異なる個別の画像の取得が可能となる。特に、個別の光センサを平行配置で別々のビーム経路内に配置することにより、単一の円形3次元画像を生成し得る。したがって、個別の光センサを、光軸と平行に位置するように整列させることができ、さらに、検出器の光軸に対して直角の方向に個別の変位を示し得る。ここで、整列は、個別の光センサおよび/または対応する転送要素の位置および方向の調整など、適切な手段によって達成され得る。したがって、2つの個別の光センサは、特に両眼視によって得られる視覚情報のように重なる視野を有する2つの個別の光センサから得られる視覚情報を組み合わせることによって深度情報が得られるやり方で、深度情報の知覚を生成または増大できるように、2つの個々の光センサは、好ましくは、間隔を空けて配置されることができる。このために、個別の光センサは、好ましくは、光軸に対して垂直に決定された方向に、お互いに1cmから100cm、好ましくは10cmから25cmの間隔を空けて配置することができる。本明細書で使用されるとき、この実施形態において提供されるような検出器は、特に、以下により詳細に説明される「立体視システム」の一部であり得る。立体視を可能にすることに加え、主として2つ以上の光センサの使用に基づく立体視システムのさらなる特定の利点は、特に、総強度の増加および/またはより低い検出閾値を含み得る。
【0124】
本発明のさらなる一態様において、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが提案される。提案されるヒューマンマシンインターフェースは、上述の1つまたは複数の実施形態または以下にさらに詳細に記載される上述の検出器が、1人または複数のユーザによってマシンに情報および/または命令を提供するために使用されるという事実を利用し得る。したがって、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースは制御命令の入力に使用され得る。
【0125】
ヒューマンマシンインターフェースは、本発明、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下でさらに詳細に開示されるような実施形態のうちの1つまたは複数による少なくとも1つの検出器を含み、ヒューマンマシンインターフェースは、検出器によってユーザの少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計され、ヒューマンマシンインターフェースは、幾何学的情報を少なくとも1つの情報項目に割り当てるように設計される。
【0126】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。本明細書で使用されるとき、娯楽装置は、1人または複数のユーザ、以下では1人または複数のプレーヤともいう、のレジャーおよび/または娯楽の目的に役立て得る装置である。一例として、娯楽装置はゲーム、好ましくはコンピュータゲームの目的を果たすことができる。追加的にまたは代替的に、娯楽装置は他の目的、例えば運動、スポーツ、理学療法または一般的な動作追跡などの目的にも使用され得る。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムに実装され得るか、あるいはコンピュータ、コンピュータネットワークまたは1つまたは複数のゲーム用ソフトウェアプログラムを実行するコンピュータシステムを含み得る。
【0127】
娯楽装置は、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下にて開示される1つまたは複数の実施形態によるなど、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置は、少なくとも1つの情報項目が、プレーヤによってヒューマンマシンインターフェースの手段を介して入力可能となるように設計されている。少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータへ送信および/または使用されてもよい。
【0128】
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの可動対象物の位置を追跡するための追跡システムが提供される。本明細書で使用されるとき、追跡システムは、少なくとも1つの対象物または対象物の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。追加的に、追跡システムは、少なくとも1つの対象物または対象物の少なくとも一部について少なくとも1つの予測される将来の位置に関する情報を提供するように適合され得る。追跡システムは、電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置として、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータまたはマイクロコントローラとして、完全にまたは部分的に具現化され得る少なくとも1つの追跡コントローラを有することができる。また、少なくとも1つの追跡コントローラは、少なくとも1つの評価装置を含むことができ、および/または少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、および/または完全にまたは部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。
【0129】
追跡システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記に列挙した1つまたは複数の実施形態に開示されているような、および/または以下の実施形態の1つまたは複数に開示するような少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含んでもよい。追跡システムは、1つまたは2つ以上の検出器、特に2つ以上の同一の検出器を含むことができ、それによって、2つ以上の検出器間で重複するボリューム内の少なくとも1つの対象物に関する確実な深度情報を取得することができる。追跡コントローラは対象物の一連の位置を追跡するように構成され、個々の位置は、特定の時点での対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を含む。
【0130】
追跡システムはさらに、対象物に接続可能な少なくとも1つのビーコン装置を含んでもよい。ビーコン装置の潜在的可能な定義についてはWO2014/097181A1を参照することができる。追跡システムは、好ましくは、検出器が少なくとも1つのビーコン装置の対象物の位置に関する情報を生成し、特に、特異的なスペクトル感度を示す特定のビーコン装置を含む対象物の位置に関する情報を生成するように適合される。このように、異なるスペクトル感度を示す複数のビーコンは、好ましくは同時に、本発明の検出器により追跡されることができる。ここで、ビーコン装置は、完全にまたは部分的に能動型ビーコン装置および/または受動型ビーコン装置として具現化され得る。一例として、ビーコン装置は、検出器へと伝送されることになる少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1つの照射源を含んでもよい。追加的にまたは代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1つの反射体を含むことにより、検出器へと伝送されることになる反射光ビームを生成し得る。
【0131】
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの位置を決定するためのスキャニングシステムが提供される。本明細書で使用されるとき、スキャニングシステムは、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面に配置された少なくとも1つのドットを照明するためおよび少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成する少なくとも1つの光ビームを放射するように構成される装置である。少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するために、スキャニングシステムは本発明に係る検出器の少なくとも1つ、例えば上記に挙げた実施形態および/または下記の実施形態の1つまたは複数に開示されるような少なくとも1つの検出器のなど、本発明に係る検出器を少なくとも1つ含む。
【0132】
したがって、スキャニングシステムは、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドットを照射するように構成された少なくとも1つの光ビームを放射するように構成された少なくとも1つの照射源を含む。本明細書で使用されているように、「ドット」という用語は、例えばスキャニングシステムのユーザによって選択されることがある、照射源によって照射される対象物の表面の一部上の小さい領域を指す。好ましくは、ドットは、一方で、スキャニングシステムに含まれる照射源と対象物の表面上でドットが位置し得る部分との間の距離の値を、スキャニングシステムが可能な限り正確に決定できるように、可能な限り小さいサイズを示すものであってもよい、他方で、スキャニングシステムのユーザまたはスキャニングシステム自体が、特に自動手順によるスキャニングシステム自体が、対象物の表面上の関連部分におけるドットの存在を検出できる程度に可能な限り大きいサイズであってもよい。
【0133】
この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機および/または無機発光ダイオードを含み得る。一般的に定義されるビームプロファイルおよび他の操作特性のため、照射源として少なくとも1つのレーザ光源を使用するのが特に好ましい。こで、単一のレーザ光源の使用は、特に、ユーザによって保管しやすく運びやすいと考えられる小型スキャニングシステムの提供が重要となり得る場合が好ましい。したがって、照射源は、好ましくは、検出器の構成部分であり得、したがって、特に、検出器のハウジングへ統合されるように検出器と統合され得る。好ましい一実施形態において、特にスキャニングシステムのハウジングは、例えば読みやすいように距離関連情報をユーザに提供するように構成される少なくとも1つのディスプレイを含むことができる。さらに好ましい実施形態では、特にスキャニングシステムのハウジングは追加的に、1つまたは複数の操作モードを設定するなどスキャニングシステムに関連する少なくとも1つの機能を操作するために構成された少なくとも1つのボタンを含み得る。さらに好ましい実施形態では、特にスキャニングシステムのハウジングは追加的に、特に距離測定の正確性および/またはユーザによるスキャニングシステムの操作性の向上のため、スキャニングシステムを別の表面に固定するように構成された少なくとも1つの固定用ユニット、例えばゴム製脚、ベースプレートまたは磁性材料を含む壁ホルダなどを含み得る。
【0134】
特に好ましい実施形態では、スキャニングシステムの照射源はこのように、対象物の表面に位置する単一のドットを照射するように構成された単一のレーザビームを放射してもよい。本発明による検出器の少なくとも1つを使用することにより、少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成することができる。これにより、好ましくは、スキャニングシステムに含まれる照射システムと照射源によって生成される単一のドットとの間の距離が、少なくとも1つの検出器に含まれる評価装置を使用することなどにより、決定されてもよい。しかしながら、スキャニングシステムは、さらに、特にこの目的に適合させることができる追加の評価システムを含むことができる。追加的または代替的に、スキャニングシステムのサイズ、特にスキャニングシステムのハウジングのサイズを考慮に入れることができ、そしてこのように、スキャニングシステムのハウジングの前端または後端などハウジング表面の特定の点と単一のドットとの間の距離が代替的に決定される。
【0135】
あるいは、スキャニングシステムの照射源は、ビームの放出方向の間に直角などそれぞれの角度を与えるように構成された2つの個別の光ビームを放出することができ、それにより、同じ対象物の表面に位置する2つの個別のドットまたは2つの別々の対象物の2つの異なる表面が照射され得る。しかしながら、2つの個別の光ビーム間のそれぞれの角度についての他の値もまた実現可能である。この特徴は特に、間接測定機能向けに採用されることができ、例えば、スキャニングシステムとドットとの間に1つ以上の障害物が存在するため直接アクセスできない可能性のある間接距離の導出、またはその他到達するのが困難である可能性がある間接距離の導出などに採用される。このように、例として、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの定理の使用によって高さを導出することによって、対象物の高さの値の決定が適している。特に対象物に関して所定の水平さを維持することができるために、スキャニングシステムは、さらに、ユーザによって所定のレベルを維持するために使用され得る少なくとも1つの水平化ユニット、特に一体型気泡バイアルなどを含むことができる。
【0136】
さらなる一選択肢として、スキャニングシステムの照射源は、複数の個別のレーザビーム、たとえばレーザビームの配列(array)のような互いに対して個別のピッチ例えば規則的なピッチを示し、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面上に位置するドットの配列を生成するように配置された複数の個別のレーザビームを放出してもよい。このため、特別に適合された光学要素、例えばビーム分割装置および鏡などが設けられてもよく、それは記載されたレーザビームの配列の生成を可能にし得る。
【0137】
このように、スキャニングシステムは、1つまたは複数の対象物の1つまたは複数の表面上に配置された1つまたは複数のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、スキャニングシステムの照射源、特に上述の複数のレーザビームから成る配列などのスキャニングシステムの照射源は、時間の経過につれ変化する強度を示し、および/または、時間が経過する中で放出方向が交互に変化し得る1本または複数の光ビームを提供するように構成され得る。このように、照射源は、スキャン装置の少なくとも1つの照射源によって生成される交互に変化する特徴を有する1本または複数の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面の一部を1つの画像としてスキャンするように構成され得る。特に、スキャニングシステムはこのように少なくとも1回の列スキャンおよび/または行スキャンを使用し、例えば1つまたは複数の対象物の1つまたは複数の表面を連続的にまたは同時にスキャンし得る。
【0138】
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの単一の円形3次元画像を生成する立体視システムが提供される。本明細書で使用されるとき、上記および/または下記にて開示される立体視システムは少なくとも2つのFiPセンサを光センサとして含んでもよく、第1のFiPセンサは追跡システム、特に本発明に記載の追跡システムに含まれてもよい、一方、第2のFiPセンサはスキャニングシステム、特に本発明に係るスキャニングシステムに含まれてもよい。ここで、FiPセンサは、好ましくは別々のビーム経路内で平行に配置、例えばFiPセンサを光軸に対して平行に整列させ、立体視システムの光軸に対して個別に垂直に変位させることなどにより配置してもよい。このように、FiPセンサは、特に、重なり合う視野を有し、好ましくは個別の変調周波数に対して感受性を有する個別のFiPセンサから引き出される視覚情報の組合せによって深度情報を得ることにより、深度情報の知覚を生成または増大させることができる。このために、個々のFiPセンサは、好ましくは、光軸に垂直な方向に決定されるときに、1cmから100cm、好ましくは10cmから25cmの距離だけ互いに離間されてもよい。この好ましい実施形態では、追跡システムは、変調アクティブターゲットの位置を決定するために使用される一方、1つまたは複数の対象物の1つまたは複数の表面上に1つまたは複数のドットを投射するスキャニングシステムは、少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するために使用される。加えて、立体視システムはさらに、本出願において別途記載の画像内の少なくとも1つの対象物の横方向位置に関する情報項目を生成するように適合された、別個の位置感知装置を含んでもよい。
【0139】
立体視を可能にすることに加え、主として複数の光センサの使用に基づく立体視システムのさらなる特定の優位性として特に、総強度の増加および/または低い検出閾値を含む。さらに、少なくとも2つの従来の位置感知装置を含む従来の立体視システムでは、それぞれの画像内の対応するピクセルはかなりの計算量を適用することによって決定されなければならないのに対し、少なくとも2つのFiPセンサを含む本発明による立体視システムでは、FiPセンサを使用することによって記録されているそれぞれの画像内の対応する画素(ここで、各FiPセンサは異なる変調周波数で動作することができる)は、明らかに互いに対して割り当てることができる。このように、本発明による立体システムは、少ない労力で対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目、同様に、対象物の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成することができることが強調され得る。
【0140】
立体視システムのさらなる詳細については、それぞれ追跡システムおよびスキャニングシステムの説明を参照することができる。
【0141】
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの対象物の撮像用カメラが開示される。
【0142】
カメラは、例えば上記または下記にてさらに詳述される1つまたは複数の実施形態において開示されるような本発明の少なくとも1つの検出器を含む。特に、検出器は写真装置、具体的にはデジタルカメラの一部であってもよい。具体的には、検出器は3D写真撮影、具体的にはデジタル3D写真撮影に使用され得る。このように、検出器はデジタル3Dカメラを形成する、またはデジタル3Dカメラの一部であってもよい。本明細書で使用されるとき、「写真撮影」という用語は一般的に、少なくとも1つの対象物の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「カメラ」は一般に、写真撮影を実行するように構成された装置を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「デジタル写真撮影」という用語は一般に、照射の強度を示す電気信号、好ましくは、デジタル電気信号を生成するように適合された複数の感光性要素の使用によって、少なくとも1つの対象物の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「3D写真撮影」という用語は一般に、3次元空間における少なくとも1つの対象物の画像情報を取得する技術を指す。したがって、3Dカメラは3D写真撮影の実行に適合された装置を指す。カメラは一般に、単一の3D画像などの単一の画像を取得するように適合されてもよく、または一連の画像のように複数の画像を取得するように適合されてもよい。したがって、カメラは、デジタルビデオシーケンスを取得するためなどのビデオ用途に適合したビデオカメラでもあり得る。
【0143】
このように、一般に、本発明はさらに、少なくとも1つの対象物を撮像するカメラ、具体的にはデジタルカメラ、より具体的には3Dカメラまたはデジタル3Dカメラに言及する。上記にて概説のとおり、「撮像」という用語は、本明細書で使用されるとき、一般に、少なくとも1つの対象物の画像情報の取得を指す。カメラは本発明による少なくとも1つの検出器を含む。カメラは、上記の概説のとおり、単一の画像の取得、あるいは画像シーケンスのような複数の画像の取得、好ましくはデジタルビデオシーケンスの取得のために適合され得る。したがって、一例として、カメラはビデオカメラであってもよく、またはそれを含んでもよい。後者の場合、カメラは画像シーケンスを保存するためのデータメモリを含むことが好ましい。
【0144】
本発明のさらなる態様では、光センサを製造する方法が開示されている。該方法は、本発明による少なくとも1つの光センサ、例えば以下でさらに詳しく説明するこの文書の他の場所に開示されている1つまたは複数の実施形態のうち少なくとも1つの光センサ、を生産または製造するために好ましく使用される。したがって、該方法の任意の実施形態については、光センサの様々な実施形態の説明を参照することができる。
【0145】
この方法は以下の工程を含み、これらの工程は与えられた順序でまたは異なった順序で実行することができる。さらに、記載されていない追加の方法工程が提供されてもよい。
特に他に明記しない限り、方法工程のうちの2つ以上、またはすべてさえもが少なくとも部分的に同時に実行されてもよい。さらに、方法工程の2つ以上またはすべてさえもが、2回以上繰り返し実行されてもよい。
【0146】
本発明による方法は以下の工程を含む;
a) 少なくとも1つの光導電性材料の層を設ける;
b) その後、少なくとも1つの金属含有化合物まで反応するように適合された少なくとも1つの前駆体を適用し、それによって金属含有化合物が光導電性材料の層上に非晶質のカバー層として堆積される;そして
c)その後、非晶質のカバー層を熱処理する;
ここで、該光導電性材料の層と電気的に接触する少なくとも2つの電気接点がさらに設けられる。
【0147】
工程a)によれば、少なくとも1つの光導電性材料の層が設けられる。特に、光導電性材料は、上に提示したような光導電性材料のリストから選択することができる。光導電性材料の層の製造に関するさらなる詳細については、以下の図3の説明を参照することができる。
【0148】
工程b)によれば、金属含有化合物にまで反応するように適合された少なくとも1つの前駆体が、続いて光導電性材料の層に適用される。これにより、少なくとも1つの金属含有化合物が光導電性材料上に非晶質カバー層として堆積される。上述のように、少なくとも1つの金属含有化合物は特に金属を含むことができ、金属は特に、リチウム(Li),ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、一酸化炭素(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)およびビスマス(Bi)から成る群から選択することができ、ここで金属アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)が特に好ましい。特定の実施形態では、金属含有化合物は、代替的に、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)からなる群から選択される半金属またはメタロイドを含むことができる。ここで、少なくとも1つの金属含有化合物は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクタイド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択されるのが好ましい。したがって、特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの金属含有化合物は、少なくとも1つの酸化物、少なくとも1つの水酸化物、またはアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)もしくはハフニウム(Hf)のそれらの組み合わせ、またはケイ素(Si)の窒化物から選択され得る。
【0149】
さらに好ましい実施形態では、工程b)は少なくとも1回、好ましくは少なくとも10回、さらに好ましくは少なくとも100回繰り返される。ここで、同じ金属含有化合物にまで反応するように適合されている同じ前駆体を各繰り返しに使用することができる。特別な実施形態では、少なくとも2つの隣接層を積層体の形態で堆積させることができる。ここで、「積層体」という用語は、隣接する層がそれらのそれぞれの組成に関して異なり得る堆積様式を指すことができる。したがって、隣接層は、それらが異なる金属含有化合物を含むという点で異なることができる。代替的に、他の種類の化合物、特に少なくとも1つの金属化合物、高分子化合物、シリコーン化合物、ガラス化合物は、例えば金属含有化合物を含む層と交互になるような隣接層の全てではなく、隣接層のいくつかで使用されてもよい。好ましくは、少なくとも1種の金属含有化合物、および適用可能であれば他の種類の化合物は、10nm〜600nm、好ましくは20nm〜200nm、より好ましくは40nm〜100nm、最も好ましくは50〜75nmの厚さが達成されるまで光導電性材料上に堆積される。ここで、少なくとも1種の金属含有化合物、および適用可能であれば、他の種類の化合物は、カバー層が好ましくは光導電性材料の隣接する表面に対して共形層であるように、光導電性材料上に堆積される。
【0150】
したがって、共形層の厚さは、カバー層の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で、光導電性材料の対応する表面に従うことができる。
【0151】
本発明の特に好ましい実施形態では、光導電性材料上に金属含有化合物を堆積させるために少なくとも1つの堆積方法が使用される。好ましくは、堆積方法は、原子層堆積(ALD)プロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、スパッタリングプロセス、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つから選択することができる。ALDプロセスまたはCVDプロセスに関するさらなる詳細については、上記の説明を参照することができる。金属含有化合物を提供する目的で、2つの異なる種類の前駆体を好ましくは使用することができ、ここで第一の前駆体は有機金属前駆体であるかまたはそれを含み、第二の前駆体は流体であるかまたはそれを含み得る。一般的に使用されるように、「流体」という用語は、第2の前駆体の非固体状態を指すことがある。例として、アルミニウム(Al)含有化合物を提供するために、第1の前駆体はTMA、すなわちトリメチルアルミニウムAl(CHであるかまたはそれを含み、一方第2の前駆体はHO、酸素、空気またはそれらの溶液またはオゾンであるかまたはそれを含み得る。代替的にまたは追加的に、ジルコニウム(Zr)含有化合物を提供するために、第1の前駆体はTDMA−Zr、すなわちテトラキス(ジメチルアミド)ジルコニウム(IV)であるかまたはそれを含み、第2の前駆体はHO、その溶液またはオゾンであるかまたはそれを含むことができる。ここで、特に安定した流体流を提供するために、少なくとも1つの前駆体を不活性ガス、特に窒素(N)またはアルゴン(Ar)と混合することができる。
【0152】
既に上述したように、少なくとも1つの追加の層をさらにカバー層またはそのパーティション上に堆積させることができる。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの追加の層が光導電性材料の層の上に少なくとも部分的に堆積され、続いてカバー層によって覆われてもよい。ここで、追加的の層は、反射防止層、光学フィルタ層、封入層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層の少なくとも一つであるかまたはこれを含むことができるように選択することができる。
【0153】
方法工程c)によれば、光導電性材料上に堆積された非晶質のカバー層を含む試料は、続いて熱処理を受ける。この目的ために、20℃〜300℃、好ましくは50℃〜200℃の温度が熱処理として試料に適用される。ここで、方法工程b)および方法工程c)の少なくとも一方は、このように、好ましくは真空チャンバ内で行われてもよく、特に好ましい実施形態では、方法工程b)とc)の両方が同じ真空チャンバ内で、特に方法工程b)とc)の間に試料のいずれも除去することなく行われる。方法工程c)による熱処理の結果として、光導電性材料の光導電性への影響、特に、光導電性材料の光子誘起導電性の改善が、本発明による方法に従って製造された試料において最も好ましく観察される。
【0154】
上述のように、所望の光センサは、一般に、光センサに含まれるセンサ領域が入射光ビームによる照射に応じるように少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている。このために、センサ領域内に含まれる光導電性材料と電気的に接触するように適合された少なくとも2つの電気接点がさらに設けられる。一般に、電気接点は、方法工程a)〜c)のいずれか1つの前またはその間に設けることができる。特に好ましい実施形態では、電気接点は工程a)の前に、例えば公知の蒸着技術などによって蒸着金属層を設けることによって設けることができ、ここで金属層は特に1つまたは複数の銀、アルミニウム、白金、マグネシウム、クロム、チタン、金、またはグラフェンを含むことができる。あるいは、電気接点は、無電解Ni、無電解Au、ガルバニックNi、またはガルバニックAuのような、ガルバニックまたは化学堆積プロセスによって設けることができる。ここで、カバー層は、電気接点を完全にまたは部分的に覆うことができるように堆積されてもよい。この特定の実施形態では、電気接点は、カバー層によって少なくとも部分的に、好ましくは完全にカバー層により覆われて、したがって、好ましくはワイヤーの形態で、特にAu、AlまたはCuワイヤーの形態の導電性リード線を使用することによって少なくとも1つの外部接続に接合することができ、ここで導電性リード線は、特に、カバー層を通して電気接点に接合することができる。例として、カバー層によって覆われたAu接点は、続いて、ワイヤー接合によって接触される。
【0155】
さらに、光センサの生産方法に関するさらなる詳細は、この文書の他の場所で見出すことができる。
【0156】
本発明に係る装置は、表面実装テクノロジーパッケージ、例えばバンプチップキャリア、セラミックリードレスチップキャリア、リードレスチップキャリア、リードチップキャリア、鉛セラミックチップキャリア、デュアルリードレスチップキャリア、プラスチックリードチップキャリア、パッケージオンパッケージ・チップ・キャリアなどの表面実装テクノロジーパッケージと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、標準スルーホールまたはソースマウント技術の半導体パッケージ、例えばDO−204,DO−213,金属電極リーフレス面、DO−214、SMA、SMB、SMC、GF1、SOD,SOT,TSOT、TO−3、TO−5、TO−8、TO−18、TO−39、TO−46、TO−66、TO−92、TO−99、TO−100、TO−126,TO−220、TO−226、TO−247、TO252、TO−263、TO−263 THIN、SIP、SIPP、DFN、DIP、DIL、FlatPack、SO、SOIC、SOP、SSOP、TSOP、TSSOP、ZIP,LCC、PLCC、QFN、QFP、QUIP、QUIL、BGA、eWLB、LGA、PGA、COB、COF、COG、CSP、Flip Chip、PoP、QP、UICC、WL−CSP、WLP、MDIP,PDIP,SDIP、CCGA、CGA、CERPACK、CQGP、LLP、LGA、LTCC、MCM、MICRO SMDXTまたはその類似のものと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、OPGA、FCPGA、PAC、PGA、CPGAなど、またはそのようなピングリッドアレイ(PGA)と組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、CFP、CQFP、BQFP、DFN、ETQFP、PQFN、PQFP、LQFP、QFN、QFP、MQFP、HVQFP、SIDEBRAZE、TQFP、TQFN、VQFP、ODFNなど、またはそのようなフラットパッケージと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、SOP、CSOP MSOP、PSOP、PSON、PSON、QSOP、SOIC、SSOP、TSOP、TSSOP、TVSOP、μMAX、WSONなど、またはそのようなスモール・アウトライン・パッケージと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、CSP、TCSP、TDSP、MICRO SMD、COB、COF、COGなど、またはそのようなチップスケールパッケージと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、FBGA、LBGA、TEPBGA、CBGA、OBGA、TFBGA、PBGA、MAP−BGA、UCSP、μBGA、LFBGA、TBGA、SBGA、UFBGAなど、またはそのようなボールグリッドアレイと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、SIP、POP、3D−SiC、WSI、近接通信など、またはそのようなマルチチップパッケージ内のチップのような更なる電子機器と組み合わせることができる。集積回路パッキングに関するさらなる情報については、以下の出典を参照することができる。
【0157】
−https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_integrated_circuit_packaging_type または
−https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_integrated_circuit_package_dimensions
【0158】
本発明のさらなる態様では、本発明による検出器の使用が開示されている。そこでは、対象物の位置、特に対象物の横方向位置を決定する目的のための検出器の使用、ここで、検出器は、好ましくは、少なくとも1つの縦方向光センサとして同時に使用されるか、または少なくとも1つの追加の縦方向光センサと組み合わされてもよく、特に、次のものからなる群から選択される使用の目的のため提案されている:特に交通技術における位置測定;娯楽アプリケーション;セキュリティアプリケーション;ヒューマンマシンインターフェースアプリケーション;追跡アプリケーション;スキャンアプリケーション;立体視アプリケーション;写真撮影アプリケーション;撮像アプリケーションまたはカメラアプリケーション;少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピングアプリケーション;車両用のホーミングまたは追跡ビーコン検出器;熱的特徴を有する対象物の位置測定(背景よりも高温または低温);マシンビジョンアプリケーション;ロボットアプリケーション。
【0159】
したがって、一般に、検出器などの本発明による装置は、様々な用途分野に適用することができる。具体的には、検出器は、以下のものからなる群から選択される使用目的に適用され得る;交通技術における位置測定;娯楽アプリケーション;セキュリティアプリケーション;ヒューマンマシンインターフェースアプリケーション;追跡アプリケーション;写真撮影アプリケーション;地図作成アプリケーション;少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピングアプリケーション;車両用のホーミングまたは追跡ビーコン検出器;モバイルアプリケーション;ウェブカメラ;オーディオ機器;ドルビーサラウンドオーディオシステム;コンピュータ周辺機器;ゲームアプリケーション;カメラまたはビデオアプリケーション;監視アプリケーション;自動車用アプリケーション;トランスポートアプリケーション;物流アプリケーション;車両アプリケーション;飛行機のアプリケーション;船のアプリケーション;宇宙船アプリケーション;ロボットアプリケーション;医療アプリケーション;スポーツの用途;ビルディングアプリケーション;建設アプリケーション;製造アプリケーション;マシンビジョンアプリケーション;飛行時間検出器、レーダー、ライダー、超音波センサ、または干渉法から選択される少なくとも1つの感知技術と組み合わせての使用。追加的または代替的に、ローカルおよび/またはグローバルポジショニングシステムにおけるアプリケーション、特にランドマークベースのポジショニングおよび/またはナビゲーション、特に自動車やその他の乗り物(電車、オートバイ、自転車、貨物輸送用のトラックなど)、ロボットによる使用、または歩行者による使用のためのランドマークベースのポジショニングおよび/またはナビゲーションを挙げることができる。さらに、屋内測位システムは、家庭用および/または製造、物流、監視、または保守技術で使用されるロボットなどの潜在的可能な用途が挙げられる。
【0160】
したがって、第1に、本発明による装置は、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ラップトップ、スマートパネル、または他の固定式もしくは移動式もしくは着用可能なコンピュータまたは通信用途に使用することができる。したがって、本発明による装置は、性能を向上させるために、可視範囲または赤外線スペクトル範囲の光を放射する光源などの少なくとも1つの活性光源と組み合わせることができる。したがって、一例として、本発明による装置は、環境、対象物および生物をスキャンおよび/または検出するためのモバイルソフトウェアと組み合わせて、カメラおよび/またはセンサとして使用することができる。本発明による装置は、撮像効果を高めるために、従来のカメラなどの2Dカメラと組み合わせることさえ可能である。本発明による装置はさらに、特に音声および/またはジェスチャ認識と組み合わせて、監視および/または記録のために、あるいはモバイル装置を制御するための入力装置として使用することができる。したがって、具体的には、ヒューマン−マシンインターフェースとして機能する本発明による装置は、入力装置とも呼ばれ、携帯電話などのモバイル機器を介して他の電子機器またはコンポーネントを制御するなどモバイルアプリケーションで使用できる。一例として、本発明による少なくとも1つの装置を含むモバイルアプリケーションは、テレビジョンセット、ゲーム機、音楽プレーヤまたは音楽装置または他の娯楽装置を制御するために使用されてもよい。
【0161】
さらに、本発明による装置は、ウェブカメラまたは他のコンピュータアプリケーション用の周辺装置に使用することができる。したがって、一例として、本発明による装置は、撮像、記録、監視、スキャン、または動き検出のためのソフトウェアと組み合わせて使用することができる。ヒューマン−マシンインターフェースおよび/または娯楽機器に関して概説したように、本発明による機器は、顔の表情および/または身体の表現によって命令を与えるのに特に有用である。本発明による装置は、マウス、キーボード、タッチパッド、マイクなどの他の入力生成装置と組み合わせることができる。さらに、本発明による装置は、ウェブカメラを使用するなどしてゲーム用の用途に使用することができる。さらに、本発明による装置は、仮想トレーニングアプリケーションおよび/またはビデオ会議に使用することができる。さらに、本発明による装置は、特にヘッドマウントディスプレイを装着するときに、仮想または,強化現実感アプリケーションで使用される手、腕、または対象物を認識または追跡するために使用することができる。
【0162】
さらに、本発明による装置は、上で部分的に説明したように、モバイルオーディオ装置、テレビ装置およびゲーム装置に使用することができる。具体的には、本発明による装置は、電子装置、娯楽装置またはそのようなもののための制御または制御装置として使用することができる。さらに、本発明による装置は、特に強化現実感アプリケーションのためおよび/またはディスプレイが見られているかどうか、および/またはどの視点からディスプレイが見られているかを認識するための透明ディスプレイを用いた、2Dおよび3Dディスプレイ技術におけるような、目検出または視線計測に使用されてもよい。
さらに、本発明による装置は、特にヘッドマウントディスプレイを装着するときに、仮想または強化現実感アプリケーションに関連して部屋、境界、障害物を探索するために使用されてもよい。
【0163】
さらに、本発明による装置は、DSCカメラのようなデジタルカメラの中でまたはデジタルカメラとして、および/またはSLRカメラのようなレフレックスカメラの中でまたはレフレックスカメラとして使用することができる。これらの用途については、上記に開示したように、携帯電話などのモバイル用途における本発明による装置の使用を参照することができる。
【0164】
さらに、本発明による装置は、セキュリティまたは監視用途に使用することができる。したがって、一例として、本発明による少なくとも1つの装置は、対象物が所定の領域内または外にある場合(例えば銀行または美術館の監視用途)に信号を発する1つまたは複数のデジタルおよび/またはアナログ電子機器と組み合わせることができる。特に、本発明による装置は、光暗号化に使用することができる。本発明による少なくとも1つの装置の使用による検出は、IR、X線、UV−VIS、レーダーまたは超音波検出器などの他の検出装置と組み合わせて波長を補完することができる。本発明による装置はさらに、低光量環境での検出を可能にするために活性赤外光源と組み合わせることができる。本発明による装置は、特に、本発明による装置は例えばレーダー用途、超音波用途、LIDARまたは同様の能動的検出装置の場合のように、第三者によって検出される可能性がある信号を能動的に送信することを回避するため、能動的検出器システムと比較して一般に有利である。したがって、一般に、本発明による装置は、認識できずかつ検出不可能な移動対象物の追跡のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、一般に、従来の装置と比較して操作および刺激が少ない。
【0165】
さらに、本発明による装置を使用することによる3D検出の容易さおよび正確さを考えると、本発明による装置は一般に、顔、身体および人の認識および認証に使用することができる。その中で、本発明による装置は、パスワード、指紋、虹彩検出、音声認識または他の手段のような識別または個人化目的のための他の検出手段と組み合わせることができる。したがって、一般に、本発明による装置は、セキュリティ装置および他の個人専用化のアプリケーションに使用することができる。
【0166】
さらに、本発明による装置は、製品認証用の3Dバーコードリーダーとして使用することができる。
【0167】
上述したセキュリティおよび監視用途に加えて、本発明による装置は一般に、空間および領域の監視およびモニタリングに使用することができる。したがって、本発明による装置は、空間および区域を調査および監視するために、そして一例として、禁止区域に違反した場合に警報を発動または実行するために使用することができる。
【0168】
したがって、一般的に、本発明による装置は、任意に他の種類のセンサと組み合わせて、例えば、運動センサまたは熱センサと組み合わせて、画像増強装置または画像強調装置および/または光電子増倍管と組み合わせてなど、建物内の監視または美術館における監視目的に使用することができる。さらに、本発明による装置は公共の空間または密集した空間で使用されて、駐車場での盗難または空港での放置荷物のような放置対象物などの犯罪が行われるような潜在的に危険な活動を検出することができる。
【0169】
さらに、本発明による装置は、ビデオおよびカムコーダ用途などのカメラ用途に有利に適用することができる。したがって、本発明による装置は、モーションキャプチャおよび3D映画記録に使用することができる。そこでは、本発明による装置は一般に、従来の光学装置を超える多数の利点をもたらす。このように、本発明による装置は一般に、光学部品のより少ない複雑さを必要とする。したがって、一例として、例えば1つのレンズのみを有する本発明による装置を提供することによって、レンズの数を従来の光学装置と比較して減らすことができる。複雑さが軽減されるため、モバイル用途などの非常にコンパクトな装置が可能である。高品質の2つ以上のレンズを有する従来の光学システムは、嵩張ったビームスプリッタが一般的に必要であるため、一般的に嵩張っている。さらに、本発明による装置は、一般に、オートフォーカスカメラなどのフォーカス/オートフォーカス装置に使用することができる。さらに、本発明による装置は光学顕微鏡法、特に共焦点顕微鏡法にも使用することができる。
【0170】
さらに、本発明による装置は、一般に自動車技術および輸送技術の技術分野に適用可能である。したがって、一例として、本発明による装置は、アダプティブクルーズコントロール、緊急ブレーキアシスト、車線逸脱警告、サラウンドビュー、死角検出、交通標識の検出、交通標識の認識、車線認識、後部交差点交通の警報、進行方向または前方に走行する車両に応じてヘッドライトの強度と範囲を調整するための光源認識、適応型フロントライトシステム、ハイビームヘッドライトの自動制御、フロントライトシステムの適応型カットオフライト、グレアフリーハイビームフロント照明システム、ヘッドライト照射による動物や障碍物等のマーキング、後部交差点交通の警報、先進運転支援システムなどの他の運転支援システム、または他の自動車および交通アプリケーションなどの距離および監視センサとして使用することができる。さらに、本発明による装置は、特に衝突回避のために運転者の操縦を事前に予測するように適合され得る運転者支援システムにおいて使用され得る。さらに、本発明による装置は、本発明による検出器を使用することによって得られる位置情報の第1および第2の時間微分を分析することなどによって、速度および/または加速度の測定にも使用することができる。この特徴は一般に自動車技術、輸送技術または一般交通技術に適用可能であり得る。他の技術分野での応用も可能である。屋内測位システムにおける特定の用途は、輸送中の乗客の位置の検出、より具体的にはエアバッグなどの安全システムの使用を電子的に制御することができる。ここで、エアバッグの使用が乗客に対して怪我、特に深刻な怪我を引き起こす可能性があるような態様で、乗客が車両内に位置する場合には、エアバッグの使用を特に防止することができる。さらに、自動車、電車、飛行機などの乗り物、特に自律走行車において、本発明による装置は、運転者が交通に注意を払っているのかまたは気をとられているか、または眠っているのか、または疲れているのか、または、アルコールまたは薬物の摂取によって運転することができないかを判定するために使用できる。
【0171】
これらまたは他の用途では、一般に、本発明による装置は、独立型装置またはレーダーおよび/または超音波装置との組み合わせなど、他のセンサ装置との組み合わせで使用することができる。特に、本発明による装置は、自動運転および安全性の問題に使用することができる。さらに、これらの用途では、本発明による装置は、赤外線センサ、音波センサであるレーダーセンサ、二次元カメラまたは他の種類のセンサと組み合わせて使用することができる。これらの用途において、本発明による装置の一般的に受動的な性質は有利である。したがって、本発明による装置は一般に信号を放出する必要がなく、能動的センサ信号が他の信号源と干渉する危険性を回避することができる。本発明による装置は、具体的には、標準的な画像認識ソフトウェアなどの認識ソフトウェアと組み合わせて使用することができる。したがって、本発明による装置によって提供されるような信号およびデータは典型的には処理が容易であり、したがって一般にLIDARのような確立された立体視覚システムよりも低い計算能力を必要とする。低いスペース要求を考えると、カメラのような本発明による装置は、窓スクリーンの上または後ろ、フロントフードの上、バンパーの上、ライトの上、鏡または他の場所などのような車内の事実上すべての場所に配置できる。本発明の範囲内で開示された効果に基づく1つまたは複数の検出器のような本発明による様々な検出器は、例えば自律走行車両を可能にするため、または能動的安全概念の性能を高めるためなどに組み合わせることができる。
【0172】
したがって、本発明による様々な装置は、本発明による1つまたは複数の他の装置および/または、後部窓、側部窓または前部窓のような窓、バンパー上またはライト上などにある従来のセンサと組み合わせることができる。
【0173】
本発明による少なくとも1つの検出器のような本発明による少なくとも1つの装置と、1つ以上の雨検出センサとの組み合わせも可能である。これは、本発明による装置は一般にレーダーのような従来のセンサ技術より有利、特に大雨の間に有利であるという事実によるものである。本発明による少なくとも1つの装置とレーダーなどの少なくとも1つの従来の感知技術との組み合わせは、ソフトウェアが気象条件に従って信号の正しい組み合わせを選ぶことを可能にし得る。
【0174】
さらに、本発明による装置は一般に、ブレーキアシストおよび/またはパーキングアシストとして、および/または速度測定のために使用することができる。速度測定は、車両に統合することができ、あるいは交通管制における他の自動車の速度を測定するためなど、車両の外部で使用することができる。さらに、本発明による装置は、駐車場内の空き駐車スペースを検出するために使用することができる。
【0175】
さらに、本発明による装置は、一般に、視覚のため、特に暗視、フォグビジョン、またはヒュームビジョンなどの困難な視界条件下での視認に使用することができる。この目的を達成するために、光検出器は、煙または煙霧中に存在する粒子のような小さな粒子、または霧、霧もしくは曇りの中に存在する液滴のような小さな液滴が、入射光線が反射しないかまたはそのわずかな部分しか反射しない波長範囲内(少なくともその波長範囲内)で感度があるようにすることができる。一般に知られているように、入射ビームの波長が粒子または液滴のサイズをそれぞれ超える場合には、入射光ビームの反射は小さいかまたは無視できる。さらに、身体および対象物によって放出されている熱放射を検出することによってナイトビジョンを可能にすることができる。したがって、光検出器は、特に赤外線(IR)スペクトル範囲内、好ましくは近赤外線(NIR)スペクトル範囲内で敏感であり、したがって、夜間、もや、煙、霧、霧、またはミスト中でさえ良好な視認性を可能にし得る。
【0176】
さらに、本発明による装置は、医療システムおよびスポーツの分野で使用することができる。したがって、例えば内視鏡での使用があげられる医療技術、手術ロボット工学の分野では、上記で概説したように、本発明による装置は、少ないボリュームしか必要とせず、他の装置に統合することができる。具体的には、せいぜい1つのレンズを有する本発明による装置は、内視鏡などの医療装置において3D情報を取り込むために使用され得る。さらに、本発明による装置は、動きの追跡および分析を可能にするために、適切な監視ソフトウェアと組み合わせることができる。これは、磁気共鳴画像法、X線画像法、または超音波画像法から得られるような医療画像法の結果から、内視鏡またはメスなどの医療装置の位置を、即座に重ね合わせることができる。これらの用途は、脳外科手術や長距離診断、遠隔医療など、正確な位置情報が重要な医療で特に価値がある。さらに、本発明による装置は、三次元身体スキャンに使用することができる。身体スキャンは、歯科手術、整形手術、肥満手術、または美容整形手術などの医学的環境で適用することができ、または筋筋膜痛症候群、癌、体の異形障害、またはさらなる疾患の診断などの医学的診断の環境で適用することができる。身体スキャンは、人間工学的使用またはスポーツ用具の適合性を評価するためにスポーツの分野でさらに適用され得る。
【0177】
身体スキャンは、衣服の適切なサイズおよびフィット感を決定するためなど、衣服の環境においてさらに使用され得る。この技術は、オーダーメイドの衣服の環境において、またはインターネットから衣服または靴を注文する環境において、あるいはマイクロキオスク装置または顧客コンシェルジュ装置などのセルフサービスショッピング装置において使用されてもよい。衣服の環境における身体スキャンは、完全に服を着た顧客をスキャンするために特に重要である。
【0178】
さらに、本発明による装置は、エレベーター、電車、バス、車、または飛行機の中の人数、または、廊下、ドア、通路、小売店、スタジアム、娯楽施設、美術館、図書館、公共の場所、映画館、劇場などを通過する人々を数えるなど、人数計数システムの環境で使用することができる。さらに、人数計数システムにおける3D関数は、身長、体重、年齢、体力などのような、計数される人々に関するさらなる情報を取得または推定するために使用され得る。この情報は、ビジネスインテリジェンスメトリクスのために、および/または、人々が数えられる地域をより魅力的または安全にする最適化のために使用することができる。
【0179】
小売環境では、人数計数の環境における本発明による装置は、戻ってくる顧客または交差する顧客を認識し、買い物行動を評価し、購入を行った訪問者の割合を評価し、スタッフ移動を最適化し、訪問者1人あたりのショッピングモールのコストを監視するのに使用することができる。さらに、人数係数システムは人体計測調査に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、公共輸送システムで輸送の長さに応じて乗客に自動的に課金するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、子供用の遊び場で、負傷した子供または危険な行動を行っている子供を認識するため、遊び場の玩具とのさらなる相互作用を可能にするため、遊び場の玩具などの安全な使用を確実にするためなどに使用され得る。
【0180】
さらに、本発明による装置は、対象物または壁までの距離を決定するため、表面が平面であるかどうかを評価するため、対象物を正しい順番で整列または配置するための距離計などの建設ツール、または建設環境などで使用するための検査カメラなどに使用することができる。
【0181】
さらに、本発明による装置は、トレーニング、遠隔指示または競技目的などのスポーツおよび運動の分野に適用することができる。具体的には、本発明による装置は、ダンシング、エアロビクス、フットボール、サッカー、バスケットボール、野球、クリケット、ホッケー、陸上競技、水泳、ポロ、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、相撲、柔道、フェンシング、ボクシング、ゴルフ、カーレース、レーザタグ、戦場シミュレーションなどの分野に適用することができる。本発明による装置は、スポーツと試合の両方において、ボール、バット、刀、動きなどの位置を検出するために使用し、試合の監視、審判の支援、または判断、特にスポーツにおける特定の状況の自動判断、例えばポイントまたはゴールが実際に行われたかどうかを判断するために、使用することができる。
【0182】
さらに、本発明による装置は、自動車の位置または自動車の進路、または前の進路または理想の進路からの逸脱などを決定するために、オートレースまたはカードライバーの訓練または自動車の安全の訓練などの分野で使用されてもよい。
【0183】
本発明による装置は、楽器の練習、特に遠隔授業を支援するため、例えばフィドル、バイオリン、ビオラ、チェリー、ベース、ハープ、ギター、バンジョーまたはウクレレなどの弦楽器、または、ピアノ、オルガン、キーボード、ハープシコード、ハーモニウム、またはアコーディオンなどのキーボード楽器、および/または、ドラム、ティンパニ、マリンバ、木琴、ビブラフォン、ボンゴ、コンガ、ティンバレス、ジャンベやタブラなどの打楽器の授業を支援するためにさらに使用されてもよい。
【0184】
本発明による装置はさらに、訓練を促進するために、および/または動きを調査して修正するために、リハビリテーションおよび理学療法に使用することができる。その中で、本発明による装置は遠距離診断にも適用することができる。
【0185】
さらに、本発明による装置はマシンビジョンの分野に適用することができる。したがって、本発明による1つまたは複数の装置は、例えば自律走行や作業用ロボットの受動制御装置として使用することができる。移動ロボットと組み合わせて、本発明による装置は、自律的な動きおよび/または部品の故障の自律的な検出を可能にし得る。本発明による装置はまた、製造および安全監視のため、例えばロボットと製造部品と生物の間の衝突を含むがこれらに限定されない事故を回避するためなどに、に使用することもできる。ロボット工学では、人間が認識されないときロボットは人体に深刻な損傷を与える可能性があるため、人体とロボットの安全で直接的な相互作用はしばしば問題となる。本発明による装置は、ロボットが対象物および人間をより良くより速く位置決めするのを助け、安全な相互作用を可能にすることができる。本発明による装置の受動的な性質を考えると、本発明による装置は能動的な装置よりも有利であり、および/または、既存のレーダー、超音波、2Dカメラ、IR検出などの解決法を補完するために使用することができる。本発明による装置の1つの特定の利点は、信号干渉の可能性が低いことである。したがって、信号干渉のリスクなしに、複数のセンサが同じ環境で同時に動作できる。このように、本発明による装置は、例えば自動車、鉱業、鉄鋼などに限定されることなく、一般に、高度に自動化された製造環境において有用であり得る。本発明による装置は、生産における品質管理のためにも使用することができ、例えば、2−D撮像、レーダー、超音波、IRなどの他のセンサと組み合わせて、品質管理やその他の目的のためなどに使用することができる。さらに、本発明による装置は、マイクロメートルの範囲からメートルの範囲まで、製品の表面の均一性または特定の寸法への追随を調査するためなど、表面品質の評価に使用することができる。他の品質管理用途も可能である。製造環境において、本発明による装置は、大量の廃棄物を避け、複雑な三次元構造を有する食品または木材のような天然物を処理するために特に有用である。さらに、本発明による装置は、タンク、サイロなどの充填レベルを監視するために使用することができる。
【0186】
さらに、本発明による装置は、複雑な製品の不足している部品、不完全な部品、緩い部品、低品質の部品などを検査するために、例えばプリント基板の自動光学検査、アセンブリまたはサブアセンブリの検査、設計部品の検証、エンジン部品検査、木材の品質検査、ラベル検査、医療機器の検査、製品の方向性の検査、包装検査、食品パック検査などを検査するために使用されてもよい。
【0187】
さらに、本発明による装置は、乗り物、列車、飛行機、船、宇宙船および他の交通用途に使用することができる。このように交通用途に関して上述した用途の他に、航空機、車両などのための受動的追跡システムを挙げることができる。移動対象物の速度および/または方向を監視するため、本発明による少なくとも1つの検出器など、本発明による少なくとも1つの装置の使用が実現可能である。具体的には、陸上、海上、および宇宙を含む空中における高速移動対象物の追跡が挙げられる。本発明による少なくとも1つの検出器など、本発明による少なくとも1つの装置は、具体的には静止している装置および/または移動する装置に取り付けることができる。本発明による少なくとも1つの装置の出力信号は、例えば他の対象物の自律的または誘導された移動のための誘導機構と組み合わせることができる。したがって、追跡対象と操縦対象との間の衝突を回避するため、または衝突を可能にするための用途が実現可能である。本発明による装置は、必要とされる低い計算能力、即時の応答、および、例えばレーダーのような能動システムと比較して一般に検出および妨害することがより困難である検出システムの受動的性質のために、一般に有用かつ有利である。本発明による装置は、限定されないが速度制御および航空交通管制装置に特に有用である。さらに、本発明による装置は、道路料金の自動料金徴収システムに使用することができる。
【0188】
本発明による装置は、一般に受動的用途に使用することができる。受動的な用途としては、港や危険な場所にある船舶、および着陸時または発進時の航空機に対するガイダンスがある。ここでは、固定された既知の能動的な標的が正確なガイダンスのために使用され得る。同じものが、鉱山車両など、危険ではあるが明確に規定されたルートを走行する車両にも使用できる。さらに、本発明による装置は、自動車、電車、飛行対象物、動物などのような急速に接近する対象物を検出するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、対象物の速度または加速度を検出するため、あるいは、対象物の時間に依存する1つまたは複数の位置、速度、加速度を追跡することにより対象物の動きを予測するために使用できる。
【0189】
さらに、上で概説したように、本発明による装置はゲームの分野で使用することができる。したがって、本発明による装置は、動きをその内容に組み込むソフトウェアと組み合わせた動きの検出など、同じまたは異なるサイズ、色、形状などの複数のオブジェクトとともに使用するために受動的であり得る。特に、アプリケーションは、グラフィック出力に動きを実装するのに適している。さらに、ジェスチャまたは顔認識のために本発明による1つまたは複数の装置を使用するなど、本発明によるコマンドを与えるための装置のためのアプリケーションは適用が可能である。本発明による装置は、暗い場所や周囲の状況を改善する必要があるその他の状況の下で動作するために能動システムと組み合わせることができる。追加的または代替的に、本発明による1つまたは複数の装置と1つまたは複数のIRまたはVIS光源との組み合わせが可能である。本発明による検出器と特別な装置との組み合わせもまた可能であり、それは、システムおよびそのソフトウェアにより限定されないが例えば、特別な色、形状、他の機器との相対位置、動きの速さ、光、装置の光源を変調するために使用される周波数、表面の性質、使用材料、反射特性、透明度、吸収特性などにより容易に区別することができる。該装置は、他の可能性の中でも特に、スティック、ラケット、クラブ、銃、ナイフ、ホイール、指輪、ステアリングホイール、ボトル、ボール、ガラス、花瓶、スプーン、フォーク、立方体、サイコロ、フィギュア、人形、テディ、ビーカー、ペダル、スイッチ、グローブ、宝石、楽器、または、ピック、ドラムスティックなどの楽器を演奏するための補助装置などに似せることができる。他の選択肢も可能である。
【0190】
さらに、本発明による装置は、高温またはさらなる発光プロセスなどにより、それ自体で発光する対象物を検出および/または追跡するために使用することができる。発光部は、排気流などであってもよい。さらに、本発明による装置反射は、対象物を追跡し、これらの対象物の回転または方向を分析するのに使用することができる。
【0191】
さらに、本発明による装置は、一般に、建築、建設および地図作成の分野で使用することができる。したがって、一般に、本発明による1つまたは複数の装置は、例えば田舎や建物の環境領域を測定および/または監視するために使用することができる。その中で、本発明による1つまたは複数の装置は、他の方法および装置と組み合わされてもよく、あるいは単独で建築プロジェクト、変化する対象物、家などの進行および正確さを監視するために使用されてもよい。本発明による装置は、部屋、街路、家、コミュニティまたは風景の地図を構築するために、地上または空中からスキャンされた環境の三次元モデルを生成するために使用され得る。潜在的可能な適用分野は、建築、地図作成、不動産管理、土地調査などであり得る。一例として、本発明による装置はドローンやマルチコプターなど飛行可能な乗り物に使用し、建物、煙突、生産拠点、畑などの農業生産環境、生産プラントまたは風景を監視するために、救助活動を支援するために、危険な環境での仕事を支援するために、屋内または屋外の燃える場所で消防隊を支援するために、1人以上の人や動物や移動対象物を見つけたり監視したりするために、スキーやサイクリングなどのスポーツをしている1人以上の人を追跡して記録するドローン(これは、ヘルメット、マーク、ビーコン装置などをたどることで実現できる)などの娯楽目的のために、使用することができる。本発明による装置は、障害物を認識すること、所定の経路をたどること、縁、パイプ、建物などをたどること、または環境の地球なまたは地域の地図を記録することに使用することができる。さらに、本発明による装置は、室内または屋外でのドローンの位置特定および位置決めのため、気圧センサが十分に正確でない屋内でドローンの高さを安定させるため、またはいくつかのドローンの協調運動や空中での充電または燃料補給など複数のドローンの相互作用のために使用することができる。
【0192】
さらに、本発明による装置は、相互接続するためにCHAIN(Cedec Home Appliances Interoperationg Network)のような家電の相互接続ネットワーク内で使用されてもよく、自動化、例えばエネルギーまたは負荷管理などの家庭内の基本的な機器関連サービスの管理、リモート診断、ペット関連電化製品、子供用電化製品、子ども監視、電化製品関連の監視、高齢者または病気の人への支援またはサービス、ホームセキュリティおよび/または監視、電化製品操作のリモートコントロール、自動メンテナンスサポートのために使用されてよい。さらに、本発明による装置は、特に1人または複数人の場所に依存して部屋のどの部分を特定の温度または湿度にするべきかを特定するために、空調システムなどの暖房または冷房システムで使用することができる。さらに、本発明による装置は、家事に使用することができるサービス用または自律のロボットなどの家庭用ロボットに使用することができる。本発明による装置は、衝突を回避するため、または環境をマッピングするため、またユーザを識別するため、セキュリティ目的やジェスチャや顔認識のためにロボットの性能を所与のユーザに対して個人用化するためなど、いくつかの異なる目的に使用することができる。一例として、本発明による装置は、ロボット掃除機、床洗浄ロボット、乾拭きロボット、服にアイロンをかけるアイロンがけロボット、猫トイレロボットのような動物用トイレロボット、侵入者を検出するセキュリティロボット、ロボット芝刈り機、自動プールクリーナー、雨どい清掃ロボット、窓掃除ロボット、おもちゃのロボット、テレプレゼンスロボット、移動性の少ない人々に同伴を提供する社交ロボット、話から手話または手話から話に翻訳したり話したりするロボットに使用することができる。高齢者のような移動性の低い人々の環境では、本発明による装置を有する家庭用ロボットは、対象物を拾い上げ、対象物を輸送し、そして安全に対象物とユーザと相互作用するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、危険な材料または対象物を用いて動作するロボット、あるいは危険な環境で使用することができる。非限定的な例として、本発明による装置は、特に災害後に化学物質または放射性物質などの危険物、または鉱山などの他の危険もしくは潜在的に危険な対象物と共に動作するために、あるいは、燃えている対象物の近くや被災地のような不安全な環境で動作あるいは調査するために、あるいは空中、海中、地下などで有人または無人の救助活動を行うために、ロボットまたは無人遠隔操作車両に使用することができる。
【0193】
さらに、本発明による装置は、家庭用装置、可動装置または娯楽装置、例えば冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、ブラインドまたはシャッター、家庭用アラーム、エアコン装置、加熱装置、テレビ、オーディオ機器、スマートウォッチ、携帯電話、電話、食洗機、ストーブなどで使用することができ、人の存在を検出し、装置の内容または機能を監視し、人と対話しおよび/またはその人に関する情報を他の家庭用装置や可動装置や娯楽装置と共有するために使用することができる。ここで、本発明による装置は、高齢者または身体障害者、盲人、あるいは視覚能力が制限された人を支援するため、例えば家事であるいは仕事で、物を保持、運搬、または拾い上げるための装置に、あるいは、環境内の障害物を知らせるために適合された光学信号および/または音響信号を備えた安全システムに使用することができる。
【0194】
本発明による装置はさらに農業において、例えば害虫、雑草および/または感染作物植物を完全にまたは部分的に検出および選別するために使用することができ、そこでは作物植物は真菌または昆虫に感染することがある。さらに、作物を収穫するために、本発明による装置は、そうでなければ収穫装置によって害される可能性があるシカなどの動物を検出するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、畑または温室内の植物の成長を監視するために、特に畑または温室内の所与の地域さらには所与の植物のための水または肥料または作物保護製品の量を調整するために使用することができる。さらに、農業バイオテクノロジーでは、本発明による装置は、植物の大きさおよび形状を監視するのに使用することができる。
【0195】
さらに、本発明による装置は、化学物質または汚染物質を検出するためのセンサ、電子ノーズチップ、細菌またはウイルスなどを検出するための微生物センサチップ、ガイガーカウンター、触覚センサ、熱センサなどと組み合わせることができる。これは、例えば、感染性の高い患者の治療、危険性の高い物質の取り扱いまたは除去、高放射能領域または化学物質の拡散などの高汚染領域の清掃、農業における害虫駆除など、危険または困難な作業を扱うように構成されるスマートロボットの構築に使用できる。
【0196】
本発明による1つまたは複数の装置はさらに、例えば積層造形および/または3D印刷などのために、CADまたは同様のソフトウェアと組み合わせて、対象物をスキャンするために使用することができる。その中で、本発明による装置の高い寸法精度を、例えばx方向、y方向、またはz方向に、またはこれらの方向の任意の組み合わせで、例えば同時に使用することができる。これに関して、検出器からの反射または拡散散乱光を提供することができる表面上の照射スポットの距離の決定は、該照射スポットからの光源の距離とは実質的に独立に実行することができる。本発明のこの特性は、検出器と照射スポットとの間の距離を決定できるようにするため光源と照射スポットとの間の距離が予め知られているかまたは事後的に計算されなければならない三角測量または飛行時間(TOF)法などの既知の方法とは正反対である。これとは対照的に、本発明による検出器では、スポットが適切に照射されれば十分であり得る。さらに、本発明による装置は、それらが固体面を含むか液体面を含むか否かに関わらず、金属面のような反射面をスキャンするために使用することができる。さらに、本発明による装置は、パイプライン検査ゲージなどの検査および保守に使用することができる。さらに、生産環境では、本発明による装置は、天然に成長したものなど悪く規定された形状の対象物の取り扱い、例えば形状または大きさによる野菜または他の天然物の分類、または肉または処理ステップに必要な精度より低い精度で製造されたものの切断などに使用することができる。
【0197】
さらに、本発明による装置は、自律的または部分的に自律的に移動する車両またはマルチコプターなどを屋内または屋外の空間で移動させることを可能にするためのローカルナビゲーションシステムにおいて使用され得る。非限定的な例として、自動倉庫を通って移動し対象物を拾い上げてそれらを異なる場所に配置する車両を含み得る。屋内ナビゲーションはさらにショッピングモール、小売店、美術館、空港、または電車の駅で、移動する商品や移動装置や荷物や顧客または従業員の位置を追跡するために、あるいは、地図上の現在位置や販売商品に関する情報など場所固有の情報をユーザに提供するために使用され得る。
【0198】
さらに、本発明による装置は、速度、傾斜、今後の障害物、道路の凹凸、またはカーブなどを監視することによるオートバイの運転支援など、オートバイの安全な運転を確実にするために使用することができる。さらに、本発明による装置は、衝突を回避するために列車または路面電車で使用することができる。
【0199】
さらに、本発明による装置は、物流プロセスを最適化するために、包装または小包をスキャンするためなどのハンドヘルド装置に使用することができる。さらに、本発明による装置は、個人用ショッピング装置、RFIDリーダー、患者もしくは患者の健康関連情報を取得、交換もしくは記録する医療用の病院または健康環境で使用するためのハンドヘルド装置、小売または健康環境のためのスマートバッジのような、さらなるハンドヘルド装置に使用することができる。
【0200】
上記で概説したように、本発明による装置は、製品識別またはサイズ識別(最適な場所またはパッケージを見つけるため、無駄を減らすためなど)などの製造、品質管理または識別用途でさらに使用することができる。さらに、本発明による装置は、物流用途に使用することができる。したがって、本発明による装置は、最適化された荷積み、梱包コンテナまたは車両に使用することができる。さらに、本発明による装置は、製造分野における表面損傷の監視または制御、レンタル車両などのレンタル対象の監視または制御、および/または損傷の評価などの保険用途に使用することができる。さらに、本発明による装置は、特にロボットと組み合わせて、最適な材料取扱いなどのために、材料、対象物または道具のサイズを識別するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、タンクの充填レベルの観察など、生産における工程管理のために使用することができる。さらに、本発明による装置は、タンク、パイプ、反応器、器具などのような、限定されない生産資材の維持のために使用することができる。さらに、本発明による装置は、3D品質のマークを分析するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、歯のインレイ、歯科用装具、補綴物、衣服などのオーダーメイド商品の製造に使用することができる。本発明による装置はまた、ラピッドプロトタイピング、3D複写などのために1つまたは複数の3Dプリンタと組み合わせることができる。さらに、本発明による装置は、製品の違法コピー防止および模造防止目的などのために、1つまたは複数の物品の形状を検出するために使用することができる。
【0201】
さらに、本発明による装置は、ジェスチャ認識の環境で使用されてもよい。これに関連して、本発明による装置と組み合わせたジェスチャ認識は、特に、身体の動き、身体の部分の動き、または対象物の動きを介して情報を機マシンに送信するためのヒューマンマシンインターフェースとして使用することができる。ここで、情報は、好ましくは、手または指のように手の部分の動き、特に、物を指すこと、聴覚障害者向けに手話を適用すること、数字サインをすること、承認、不承認など、誰かに近づくように頼むときや離れるときや人に挨拶するときのように手を振ること、対象物を押すこと、対象物を取ること、または、スポーツや音楽の分野ではウォームアップ運動など手や指の運動など介して送信され得る。さらに、情報は、腕または脚の動き、例えば腕や足や両腕や両足や腕と足の組合せによる回転、蹴り、掴み、ねじり、回転、スクロール、ブラウジング、押し、曲げ、パンチ、揺すりによって伝達され、娯楽や運動やマシンの訓練機能などスポーツや音楽などの目的のために伝達される。さらに、情報は全身または身体の主要部位の動作、例えばジャンプ、回転、あるいは空港で使用される手話、または交通警察による「右折」、「左折」、「進め」、「徐行」、「停車」、「エンジンを停止」などの情報を伝達するための複雑なサイン作り、あるいは泳ぐ真似、飛び込む真似、走る真似、射撃する真似など複雑な仕草、あるいはヨガ、ピラティス、柔道、空手、ダンス、またはバレエなどにおける複雑な動作または身体位置によって伝達され得る。さらに、情報は、例えば、コンピュータプログラムで仮想ギターの機能を制御するために模擬ギターを使用すること、コンピュータプログラムで仮想ギター機能を制御するために本物のギターを使用すること、電子書籍を読んだり、ページを移動したり、仮想ドキュメントを閲覧したりするために、実際の書籍または模擬書籍を使用すること、コンピュータプログラムで描画するために本物のペンまたは模擬ペンを使用することなど、本物の装置または模擬装置を使用して模擬装置に対応する仮想装置を制御することにより、情報を送信することができる。さらに、情報の送信は、音、振動、または動きなどのユーザへのフィードバックと結合されてもよい。
【0202】
音楽および/または楽器の環境では、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、運動目的、楽器の制御、楽器の記録、ノイズを避けるために模擬楽器やエアギターを弾くなどのように楽器を持っているだけのふりをすることにより音楽の再生または録音をすること、または、バーチャルのオーケストラ、アンサンブル、バンド、ビッグバンド、合唱団などの指揮、練習、エクササイズ、録音または娯楽目的などに使用することができる。
【0203】
さらに、安全性および監視の環境において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、歩行または身体を動かすことによって人を認識することのように、人の動きプロファイルを認識するため、または、手のサインまたは動作やまたは身体部分または全身のサインまたは動作を、アクセスまたは認証制御のための個人認証サインまたは個人認証動作として使用するために、使用され得る。
【0204】
さらに、スマートホームアプリケーションまたはモノのインターネットの環境で、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、家電製品、例えば冷蔵庫、セントラルヒーティング、エアコン、電子レンジ、製氷機、湯沸器、テレビ、スマートフォン、ゲーム機、ビデオレコーダー、DVDプレーヤ、パソコン、ノートパソコン、タブレットまたはその組合せの娯楽機器、家電製品と娯楽機器の組合せの相互接続ネットワークの一部であり得る家庭用装置の中央制御または非中央制御のために使用され得る。
【0205】
さらに、仮想現実または拡張現実の環境では、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、仮想現実アプリケーションまたは拡張現実アプリケーションの動きまたは機能(例えば、遊技または再生など)の制御、例えばサイン、ジェスチャ、体の動きや体の一部の動きなどを使ったゲーム、仮想世界を移動すること、仮想オブジェクトの操作、スポーツの練習や運動、芸術、工芸、ボールなどの仮想オブジェクトを使った音楽やゲーム、チェスフィギュア、ゴーストーン、楽器、ツール、ブラシなどに使用することができる。
【0206】
さらに、医療の環境では、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、リハビリテーション訓練、遠隔診断、または手術もしくは治療を監視または調査し、医療画像を医療装置の位置に重ねて表示すること、例えば、磁気共鳴断層撮影法またはX線などからの予め記録された医用画像を、外科手術または治療中に記録された内視鏡または超音波などからの画像と重ねて表示すること、に使用することができる。
【0207】
さらに、製造およびプロセス自動化の環境では、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、ロボット、ドローン、無人自律走行車、サービスロボット、移動可能対象物などを制御、教示、またはプログラムすること、例えば、プログラミング、制御、製造、操作、修理、または教示の目的のため、あるいは安全上の理由から、または保守目的のための対象物または領域の遠隔操作のために使用することができる。
【0208】
さらに、ビジネスインテリジェンスメトリクスの環境では、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、人々の計数、顧客の動きの調査、顧客が時間を費やす領域、オブジェクト、顧客テスト、テイク、プローブ調査などに使用することができる。
【0209】
さらに、本発明による装置は、日曜大工またはプロ用の工具の環境で、特に電気やモータ駆動の工具または動力工具、例えばドリル機械、のこぎり、ノミ、ハンマー、レンチ、ステープルガン、ディスクカッター、金属のせん断とニブラー、アングルグラインダー、ダイグラインダー、ドリル、ハンマードリル、ヒートガン、レンチ、サンダース、彫刻機、釘打機、ジグソー、ビスケットジョインナー、木材ルーター、かんな、ポリッシャー、タイルカッター、ワッシャ、ローラー、ウォールチェイサー、旋盤、インパクトドライバー、ジョインター、ペイントローラー、スプレーガン、モーティサー、溶接機などに使用でき、特に、製造の精度を支援するため、最小または最大距離を保つため、または安全対策のために使用することができる。
【0210】
さらに、本発明による装置は視覚障害者を補助するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、小売環境、医療用途、生産環境などで使用される可能性がある衛生上の理由などで直接環境を回避するためにタッチスクリーンで使用することができる。
【0211】
さらに、本発明による装置は、安定清掃ロボット、採卵機、搾乳機、収穫機、農機具、収穫機、フォワーダ、コンバイン収穫機、トラクター、耕運機、すき、デストナー、まぐわ、ストリップティル、ばらまき機、ポテトプランターなどのプランター、肥料散布機、噴霧器、スプリンクラーシステム、ウインドローア、ベーラー、ローダー、フォークリフト、芝刈り機、などの農業生産環境で使用することができる。
【0212】
さらに、本発明による装置は、子供または障害のある人など、コミュニケーション脳力または可能性が限られている人または動物のための、衣類、靴、眼鏡、帽子、補綴物、歯科装具の選択および/または適合に使用できる。さらに、本発明による装置は、倉庫、物流、流通、出荷、積み込み、積み降ろし、スマート製造、第4次産業などの環境で使用することができる。さらに、製造の環境では、本発明による装置は、処理、分配、曲げ、材料処理などの状況で使用することができる。
【0213】
本発明による装置は、1または複数の他の種類の測定装置と組み合わせることができる。したがって、本発明による装置は、飛行時間(TOF)検出器、ステレオカメラ、ライトフィールドカメラ、ライダー、レーダー、ソナー超音波検出器、またはインターフェロメトリーなどの1つまたは複数の他の種類のセンサまたは検出器と組み合わせることができる。本発明による装置を1つまたは複数の他の種類のセンサまたは検出器と組み合わせるとき、本発明による装置および少なくとも1つのさらなるセンサまたは検出器は、本発明による装置が少なくとも1つのさらなるセンサまたは検出器から分離している形で、独立した装置として設計することができる。代替的に、本発明による装置および少なくとも1つのさらなるセンサまたは検出器は、完全にまたは部分的に一体化されてもよく、または単一の装置として設計されてもよい。
【0214】
したがって、非限定的な例として、本発明による装置はさらにステレオカメラを含み得る。ここで使用されるときは、ステレオカメラは、少なくとも2つの異なる視点からシーンまたは対象物の画像を捕捉するように設計されているカメラである。したがって、本発明による装置は少なくとも1つのステレオカメラと組み合わせることができる。
【0215】
ステレオカメラは一般的に当業者に知られているため、ステレオカメラの機能は一般的に当該技術分野において知られている。本発明による装置との組み合わせは追加の距離情報を提供することができる。したがって、本発明による装置は、ステレオカメラの情報に加えて、ステレオカメラによって捕捉されたシーン内の少なくとも1つのオブジェクトの縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を提供するように適合され得る。ステレオカメラによって行われ三角測量測定を評価することによって得られる距離情報などのステレオカメラによって提供される情報は、本発明による装置を用いて較正および/または検証されてもよい。したがって、一例として、ステレオカメラは、三角測量測定を使用することなどによって、少なくとも1つの対象物の縦方向位置に関する少なくとも1の第1の情報項目を提供することに使用され、本発明による装置は、少なくとも1つの対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの第2の情報項目を提供することに使用されることができる。第1の情報項目および第2の情報項目は、測定の精度を向上させることに使用することができる。したがって、第1の情報項目は、第2の情報項目を較正するために使用されてもよく、またその逆でもよい。したがって、本発明による装置は、一例として、ステレオカメラと本発明による装置とを有するステレオカメラシステムを形成することができ、ステレオカメラシステムは、ステレオカメラによって提供される情報を本発明による装置によって提供される情報を使用して較正するように構成される。
【0216】
したがって、追加的または代替的に、本発明による装置は、ステレオカメラにより提供される第1の情報項目を補正するために、本発明による装置により提供される第2の情報項目を使用するように適合され得る。追加的または代替的に、本発明による装置は、ステレオカメラの光学歪みを補正するために、本発明による装置によって提供される第2の情報項目を使用するように構成されてもよい。さらに、本発明による装置は、ステレオカメラによって提供されるステレオ情報を計算するように適合させることができ、本発明による装置によって提供される情報の第2の項目は、ステレオ情報の計算を高速化するために使用できる。
【0217】
一例として、本発明による装置は、ステレオカメラを較正するために、本発明による装置によって捕捉されたシーン内の少なくとも1つの仮想または現実のオブジェクトを使用するように適合されてもよい。一例として、1つまたは複数の対象物および/または領域および/またはスポットは、較正に使用されることができる。一例として、少なくとも1つの対象物またはスポットの距離は、本発明による装置を使用することによって決定することができ、ステレオカメラによって提供される距離情報は、この本発明による装置を使用して決定された距離を使用することによって較正することができる。例えば、本発明による装置の少なくとも1つのアクティブ光スポットをステレオカメラ用の較正点として使用することができる。一例として、アクティブ光スポットは、画像内で自由に動くことができる。
【0218】
本発明による装置は、アクティブ距離センサによって提供される情報を使用することによって、ステレオカメラを連続的または非連続的に較正するように適合させることができる。したがって、一例として、較正は定期的に、連続的にまたは時々行われてもよい。
【0219】
さらに、典型的なステレオカメラは、対象物の距離に依存して測定誤差または不確実性を示す。この測定誤差は、本発明による装置によって提供される情報と組み合わされると低減され得る。
【0220】
ステレオカメラと他の種類の距離センサとの組み合わせは、当技術分野において一般的に知られている。したがって、D.Scaramuzzaらによる「IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robot and System」IROS 2007,4164−4169頁は、カメラおよび自然なシーンからの3Dレーザ距離計の外的な自己較正を開示している。同様に、D.Klimentjewらによる「IEEE Conference on Multisensor Fusion and Integration for Intelligent System」(MFI), 236−241頁,2010では、対象物認識のためのカメラと3Dレーザ距離計とのマルチセンサフュージョンが開示している。当業者に理解されるように、当技術分野で知られているこれらの構成におけるレーザ距離計は、これらの先行技術文献によって開示されている方法および利点を変更することなく、本発明による少なくとも1つの装置によって単に置き換えまたは補完することができる。潜在的に可能なステレオカメラの構成については、これらの先行技術文献を参照することができる。それでもなお、少なくとも1つの任意選択のステレオカメラの他の構成および実施形態が実現可能である。
【0221】
好ましくは、光検出器のさらなる潜在的可能な詳細、方法、ヒューマンマシンインターフェース、エンターテイメント装置、追跡システム、特に転送装置に関するカメラと検出器のさまざまな使用、横方向光センサ、評価装置、および該当する場合、縦方向光センサ、変調装置、照射源および撮像装置、特に潜在的可能な材料、構成およびさらなる詳細については、WO 2012/110924A1、US2012/206336A1、WO 2014/097181A1、US2014/291480A1、2016年1月28日に出願されたPCT特許出願No.PCT/EP2016/051817のうちの1つまたは複数を参照することができる。これらの全ての全内容は参照により本明細書に含まれる。
【0222】
さらに、本発明による装置は、赤外線検出用途、熱検出用途、温度計用途、熱探求用途、火炎検出用途、火災検出用途、煙検出用途、温度感知用途、分光法用途などに使用することができる。さらに、本発明による装置は、写真複写またはゼログラフィ用途に使用することができる。さらに、本発明による装置は、排ガスの監視、燃焼プロセスの監視、工業プロセスの監視、化学プロセスの監視、食品加工プロセスの監視などに使用することができる。さらに、本発明による装置は、温度制御、動作制御、排気制御、ガス感知、ガス分析、動作感知、化学感知などに使用することができる。
【0223】
上述の光センサおよび検出器、方法、ヒューマンマシンインターフェース、および光センサのうちの少なくとも1つを含む娯楽機器、ならびに提案された使用は、従来技術に対してかなりの利点を有する。したがって、一般に、空間内の少なくとも1つの対象物の位置を正確に決定するための、特に少なくとも1つの対象物の深度または深度および幅の両方に関して、単純だが効率的な検出器を提供することができる。さらに、本発明による光センサは、少なくともIRスペクトル範囲のパーティションにわたって特に高感度であり得、したがって赤外線のための効率的で信頼性がありかつ大面積の位置感知装置を提供する。
【0224】
当技術分野で公知の装置と比較して、好ましくはかさばらない気密パッケージとして供給することができる本明細書で提案される光センサは、それにもかかわらず、温度や湿度が高い場合でも湿度および/または酸素のような外界の影響による起こり得る劣化に対する高度な保護を提供する。ここで、光センサに使用される材料は、光センサが広いスペクトル範囲にわたって適切な吸収特性を示すことを確実にすることができるように選択することができる。例として、材料アルミナ(Al)を含むカバー層は、5μmまでの波長を有する光線に対して透明であり得る。他のスペクトル範囲にわたる他の所望の吸収特性のために他の材料を使用することができる。さらに、アルミナ(Al)が1.75を示すように、様々な材料は1.3を超える屈折率を示すため、それぞれの選択されたカバー層は、同時に、反射防止層として機能し得る。上述のように、このタイプのカバー材料は、光導電性材料の表面に共形的にしっかりと追従することができる滑らかなカバー層を形成することができる。センサ領域として機能することができる光導電性材料内の光強度はこのように、さらなる努力または追加の材料なしに増大させることができるため、この効果はさらに有利であり得る。
【0225】
また、光センサを簡単に製造することができ、パッケージに容易に一体化することができる。
【0226】
ここで、本発明によるカバー層の製造は、特に原子層堆積法(ALD)またはALDとスパッタリングの組合せを使用することにより、光導電性材料の層内のピンホールおよび多孔質構造を容易に充填することができ、したがって、漏れのない封入を提供することができる。これに関して、ALDプロセスまたはALDとスパッタリングとの組み合わせは、一般に、単一バッチ内で多数のサンプルに適用することができるバッチプロセスであることを言及することができる。接着剤の分配と比較して、本発明によれば、より速くより安価な封入を実行することができる。さらに、光センサのカバー層およびかさばらない気密パッケージを介してでさえも電気接点の接合性は、プリント回路基板(PCB)などの回路キャリア装置上への容易な統合を可能にする。代替実施形態では、封入化光導電層は、ガラス貫通ビアを使用することによって接触させることができ、これにより、基板の上面から下面への直接的な気密接続が可能になる。この代替実施形態では、装置は、PCBなどの回路キャリア装置上に直接接着またははんだ付けすることができる。
【0227】
要約すると、本発明の文脈において、以下の実施形態が特に好ましいと見なされる。
【0228】
実施形態1:光センサであって、少なくとも1つの光導電性材料の層、光導電性材料の層に接触する少なくとも2つの個々の電気接点、および光導電性材料の層上に堆積されたカバー層、ここでカバー層は少なくとも1つの金属含有化合物を含む非晶質層であるカバー層を含む光センサ。
【0229】
実施形態2:少なくとも1つの金属含有化合物は、金属または半金属を含み、金属は、リチウム(Li),ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、一酸化炭素(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)およびビスマス(Bi)からなる群から選択され、半金属は、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)からなる群から選択される実施形態1に記載の光センサ。
【0230】
実施形態3:少なくとも1つの金属含有化合物が、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)からなる群から選択される金属を含む実施形態1または2に記載の光センサ。
【0231】
実施形態4:少なくとも1つの金属含有化合物は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択される実施形態1から3のいずれかに記載の光センサ。
【0232】
実施形態5:少なくとも1つの金属含有化合物が、少なくとも1つの酸化物、少なくとも1つの水酸化物、またはそれらのアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)もしくはハフニウム(Hf)の組み合わせ;またはケイ素(Si)の窒化物を含む実施形態4に記載の光センサ。
【0233】
実施形態6:カバー層は、封入層としておよび/または光導電性材料用の活性化層として機能するように適合されている実施形態1から5のいずれかに記載の光センサ。
【0234】
実施形態7:カバー層が反射防止層として機能するようにさらに適合されている実施形態6に記載の光センサ。
【0235】
実施形態8:カバー層は少なくとも2つの隣接する層を有する積層体であるかまたはそれを含み、隣接層はそれぞれの組成によって異なり、少なくとも1つの隣接層は、少なくとも1つの金属含有化合物を含む実施形態1から7のいずれかに記載の光センサ。
【0236】
実施形態9:少なくとも1つの隣接層は、少なくとも1つの金属化合物、高分子化合物、シリコーン化合物、ガラス化合物を含む実施形態8に記載の光センサ。
【0237】
実施形態10:カバー層は、10nmから600nm、好ましくは20nmから200nm、より好ましくは40nmから100nm、最も好ましくは50から75nmの厚さを有する実施形態1から9のいずれかに記載の光センサ。
【0238】
実施形態11:カバー層は、光導電性材料の層の隣接面に対して共形層であって、共形層の厚さが、カバー層の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で光導電性材料の対応する表面に従うことができる実施形態1から10のいずれかに記載の光センサ。
【0239】
実施形態12:カバー層は、原子堆積層または化学気相堆積層であるかまたはそれを含む実施形態1から11のいずれかに記載の光センサ。
【0240】
実施形態13:カバー層は、反射防止層、光学フィルタ層、封入層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己洗浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうち少なくとも1つの特性をさらに含む実施形態1から12のいずれかに記載の光センサ。
【0241】
実施形態14:カバー層が、少なくとも1つの追加の層でさらに少なくとも部分的に被覆されており、および/または、少なくとも1つの追加層は、光導電性材料の層とカバー層との間に少なくとも部分的に堆積されている実施形態1から13のいずれかに記載の光センサ。
【0242】
実施形態15:追加の層は、反射防止層、光学フィルタ層、封入層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己清浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層であるかまたこれらのうち少なくとも1つを含む実施形態14に記載の光センサ。
【0243】
実施形態16:光導電性材料が無機光導電性材料を含む実施形態1から15のいずれかに記載の光センサ。
【0244】
実施形態17:無機光導電性材料は1つまたは複数のセレン、テルル、セレン−テルル合金、光導電性金属酸化物、第4族元素または化合物、第3族−第5族化合物、第2族−第6族化合物、カルコゲニド、プニクトゲニド、ハロゲン化物、およびその固溶体および/またはそのドープ変形である実施形態16に記載の光センサ。
【0245】
実施形態18:カルコゲニドは、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、三元カルコゲニド、四元以上のカルコゲニドから成る群から選択される実施形態17に記載の光センサ。
【0246】
実施形態19:硫化物カルコゲニドは、硫化鉛(PbS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化水銀(HgS)、硫化銀(AgS)、硫化マンガン(MnS)、三硫化ビスマス(Bi)、三硫化アンチモン(Sb)、三硫化ヒ素(As)、硫化スズ(II)(SnS)、二硫化スズ(SnS)、硫化インジウム(In)、硫化銅(CuS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化鉄(FeS)、三硫化クロム(CrS)、銅インジウム硫化物(CIS)、銅インジウムガリウムセレン(CIGS)、銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)、およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18に記載の光センサ。
【0247】
実施形態20:セレン化物カルコゲニドはセレン化鉛(PbSe)、セレン化カドミウム(CdSe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、三セレン化ビスマス(BiSe)、セレン化水銀(HgSe)、三セレン化アンチモン(SbSe)、三セレン化ヒ素(AsSe)、セレン化ニッケル(NiSe)、セレン化タリウム(TlSe)、セレン化銅(CuSe)、二セレン化モリブデン(MoSe)、セレン化スズ(SnSe)、セレン化コバルト(CoSe)、セレン化インジウム(InSe)、銅亜鉛錫セレン化物(CZTSe)、およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18または19に記載の光センサ。
【0248】
実施形態21:テルル化物カルコゲニドはテルル化鉛(PbTe)、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化ビスマス(BiTe)、三テルル化ヒ素(AsTe)、三テルル化アンチモン(SbTe)、テルル化ニッケル(NiTe)、テルル化タリウム(TlTe)、テルル化銅(CuTe)、二テルル化モリブデン(MoTe)、テルル化スズ(SnTe)、テルル化コバルト(CoTe)、テルル化銀(AgTe)、テルル化インジウム(InTe)、およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から20のいずれかに記載の光センサ。
【0249】
実施形態22:三元カルコゲニドはテルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、硫化水銀カドミウム(HgCdS)、硫化鉛カドミウム(PbCdS)、硫化鉛水銀(PbHgS)、二硫化銅インジウム(CuInS)、硫セレン化カドミウム(CdSSe)、硫セレン化亜鉛(ZnSSe)、硫セレン化タリウム(TlSSe)、硫化カドミウム亜鉛(CdZnS)、硫化カドミウムクロム(CdCr)、硫化水銀クロム(HgCr)、硫化銅クロム(CuCr)、セレン化カドミウム鉛(CdPbSe)、二セレン化銅インジウム(CuInSe)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、硫化一酸化鉛(PbOS)、セレン化一酸化鉛(PbOSe)、硫セレン化鉛(PbSSe)、セレン化テルル化ヒ素(AsSeTe)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、ヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)、亜セレンカドミウム(CdSeO)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、およびセレン化カドミウム亜鉛(CdZnSe)、銅−亜鉛−硫化スズ−セレンカルコゲニド(CZTSSe)、およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から21のいずれかに記載の光センサ。
【0250】
実施形態23:光導電性金属酸化物は、酸化銅(II)(CuO)、酸化銅(I)(CuO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銀(AgO)、酸化マンガン(MnO)、二酸化チタン(TiO)、酸化バリウム(BaO)、酸化鉛(PbO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化カドミウム(CdO)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から22のいずれかに記載の光センサ。
【0251】
実施形態24:第2族−第6族化合物は、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、セレン化水銀亜鉛(CdZnSe)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から23のいずれかに記載の光センサ。
【0252】
実施形態25:第3族−第5族化合物はアンチモン化インジウム(InSb)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から24のいずれかに記載の光センサ。
【0253】
実施形態26:第4族の元素または化合物は、ドープダイヤモンド(C)、ドープシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)およびその固溶体および/またはそのドープ変形から成る群から選択される実施形態18から25のいずれかに記載の光センサ。
【0254】
実施形態27:カバー層は、光導電性材料の層と直接接触している実施形態1から26のいずれかに記載の光センサ。
【0255】
実施形態28:カバー層は、光導電性材料の接触可能表面を完全に覆っている実施形態1から27のいずれかに記載の光センサ。
【0256】
実施形態29:カバー層が少なくとも部分的に電気接点を覆っている実施形態1から28のいずれかに記載の光センサ。
【0257】
実施形態30:電気接点が、好ましくはワイヤー、特に金(Au)、アルミニウム(Al)、または銅(Cu)ワイヤーを使用することによって接合可能である実施形態29に記載の光センサ。
【0258】
実施形態31:電気接点が、カバー層を通して接合可能である実施形態1から30のいずれかに記載の光センサ。
【0259】
実施形態32:少なくとも2つの電気接点が光導電性材料の層の異なる位置に設けられている実施形態1から31のいずれかに記載の光センサ。
【0260】
実施形態33:電気接点が、銀(Ag)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、金(Au)、およびグラフェンからなる群より選択される少なくとも1つの電極材料を含む実施形態1から32のいずれかに記載の光センサ。
【0261】
実施形態34:接着層が電気接点に設けられており、接着層が接着に適している実施形態33に記載の光センサ。
【0262】
実施形態35:接着層が、ニッケル(Ni)、銅(Cr)、チタン(Ti)、またはパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1つを含む実施形態34に記載の光センサ。
【0263】
実施形態36:光導電性材料の少なくとも1つの層が少なくとも1つの基板に直接または間接的に適用されている実施形態1から35のいずれかに記載の光センサ。
【0264】
実施形態37:カバー層および基板のうちの少なくとも一方は、1つの波長範囲内で光学的に透明である実施形態36に記載の光センサ。
【0265】
実施形態38:基板は、電気絶縁性基材である実施形態36または37に記載の光センサ。
【0266】
実施形態39:基板は、ガラス、ケイ素(Si)、透明導電性酸化物(TCO)、または透明有機ポリマーのうち1つを含み、透明導電性酸化物は、好ましくは、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(SnO:F;FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化マグネシウム(MgO)、またはペロブスカイト透明導電性酸化物を含む実施形態36から38のいずれかに記載の光センサ。
【0267】
実施形態40:基板は導電性基板であるかまたはそれを含み、追加の絶縁中間層が、導電性基材と少なくとも1つの光導電性材料の層との間に存在する実施形態1から39のいずれかに記載の光センサ。
【0268】
実施形態41:少なくとも1つの対象物を光学的に検出するための検出器であって、
− 光センサは、少なくとも1つのセンサ領域を含み、光ビームによるセンサ領域の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている実施形態1から40のいずれかに記載の光センサ;および
− 少なくとも1つの評価装置であって、光センサのセンサ信号を評価することによって対象物の少なくとも1つの座標を生成するように設計されている評価装置、
を含む検出器。
【0269】
実施形態42:センサ領域がちょうど1つの連続的なセンサ領域である実施形態41に記載の検出器。
【0270】
実施形態43:光センサのセンサ領域は、それぞれの装置の表面によって形成され、表面は対象物に面しているか、または対象物から逸れて面している実施形態41または42に記載の検出器。
【0271】
実施形態44:検出器は、センサ領域の少なくとも一部の電気抵抗または導電率を測定することのうちの1つまたは複数によってセンサ信号を生成するように適合されている実施形態41から43のいずれかに記載の検出器。
【0272】
実施形態45:検出器は、少なくとも1つの電流−電圧測定および/または少なくとも1つの電圧−電流測定を実行することによってセンサ信号を生成するように構成される実施形態44に記載の検出器。
【0273】
実施形態46:バイアス電圧源をさらに備える実施形態41から45のいずれかに記載の検出器。
【0274】
実施形態47:バイアス電圧源および負荷抵抗は縦方向光センサと直列に配置されている実施形態46に記載の検出器。
【0275】
実施形態48:バイアス電圧が縦方向光センサの光導電性材料に印加される実施形態46または47に記載の検出器。
【0276】
実施形態49:検出器は、照射を変調するための少なくとも1つの変調装置をさらに有する実施形態41から48のいずれかに記載の検出器。
【0277】
実施形態50:光ビームは変調光線である実施形態49に記載の検出器。
【0278】
実施形態51:検出器は、異なる変調の場合に少なくとも2つのセンサ信号、特に、それぞれ異なる変調周波数の少なくとも2つのセンサ信号を検出するように設計され、
評価装置は、それぞれ異なる変調周波数で少なくとも2つのセンサ信号を評価することによって、対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている実施形態50に記載の検出器。
【0279】
実施形態52:光センサは、照射の総出力が同じ場合、センサ信号が照射の変調の変調周波数に依存するようにさらに設計されている実施形態50または51に記載の検出器。
【0280】
実施形態53:光ビームは無変調連続波光ビームである実施形態52に記載の検出器。
【0281】
実施形態54:センサ信号は縦方向センサ信号であって、縦方向センサ信号は、照射の総出力が同じ場合、センサ領域内の光ビームのビーム断面に依存し、評価装置は、縦方向センサ信号を評価することによって、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている実施形態41から53のいずれかに記載の検出器。
【0282】
実施形態55:評価装置は、照射の幾何学形状と検出器に対する対象物の相対位置との間の少なくとも1つの所定の関係から対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されており、好ましくは、照射の既知の出力を考慮し、かつ任意で照射が変調される変調周波数を考慮する実施形態54に記載の検出器。
【0283】
実施形態56:センサ信号は、センサ領域全体に対する均一なセンサ信号である実施形態54または55に記載の検出器。
【0284】
実施形態57:評価装置は、縦方向センサ信号を正規化し、光ビームの強度とは無関係に対象物の縦方向位置に関する情報を生成するように構成される実施形態54から56のいずれかに記載の検出器。
【0285】
実施形態58:評価装置は、異なる縦方向センサの縦方向センサ信号を比較することによって、光ビームが広がるか狭くなるかを認識するように構成されている実施形態57に記載の検出器。
【0286】
実施形態59:評価装置は、少なくとも1つの縦方向センサ信号から光ビームの直径を決定することによって、対象物の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように構成される実施形態54から58のいずれかに記載の検出器。
【0287】
実施形態60:評価装置は、対象物の縦方向位置に関する情報の少なくとも1つの項目を決定するために、好ましくは、光ビームの伝播方向における少なくとも1つの伝播座標に対する光ビームのビーム径の既知の依存性から、および/または光ビームの既知のガウスプロファイルから、光ビームの直径を既知の光ビームのビーム特性と比較するように構成される実施形態59に記載の検出器。
【0288】
実施形態61:センサ信号は横方向センサ信号であって、横方向センサ信号は、光導電性材料に接触する電気接点によって提供される実施形態41から60のいずれかに記載の検出器。
【0289】
実施形態62:電気接点は少なくとも1つの分割電極として構成され、バイアス電圧源が、少なくとも1つの分割電極に適用可能であって、評価装置はさらに、バイアス電圧源および少なくとも1つの分割電極を印加することによって、および横センサ信号を評価することによって、対象物の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている実施形態61に記載の検出器。
【0290】
実施形態63:分割電極が少なくとも2つの部分電極を含む実施形態62に記載の検出器。
【0291】
実施形態64:少なくとも4つの部分電極が設けられている、各部分電極は、好ましくはT字形を含む形態で設けられている実施形態63に記載の検出器。
【0292】
実施形態65:部分電極を通る電流は、センサ領域内の光ビームの位置に依存する実施形態63または64に記載の検出器。
【0293】
実施形態66:横方向光センサは、部分電極を通る電流に従って横方向センサ信号を生成するように適合され、評価装置は、部分電極を通る電流の少なくとも1つの比率から対象物の横方向位置に関する情報を生成するように構成される実施形態65に記載の検出器。
【0294】
実施形態67:少なくとも1つの照射源をさらに含む実施形態41から66のいずれかに記載の検出器。
【0295】
実施形態68:照射源は、少なくとも部分的に対象物に接続されている、および/または少なくとも部分的に対象物と同一である照射源;一次放射で対象物を少なくとも部分的に照射するように設計されている照射源:から選択される実施形態67に記載の検出器。
【0296】
実施形態69:光ビームは、対象物上の一次放射線の反射によって、および/または一次放射線によって刺激された対象物自体による発光によって発生する実施形態68に記載の検出器。
【0297】
実施形態70:光センサのスペクトル感度は、照射源のスペクトル範囲によってカバーされている実施形態69に記載の検出器。
【0298】
実施形態71:検出器は少なくとも2つの光センサを有し、光センサは積み重ねられている実施形態41から70のいずれかに記載の検出器。
【0299】
実施形態72:光センサは光軸に沿って積層されている実施形態71に記載の検出器。
【0300】
実施形態73:対象物からの光ビームが複数の光センサを、好ましくは順次、照射するように光センサが配置されており、少なくとも1つのセンサ信号が各光センサによって生成される実施形態71または72に記載の検出器。
【0301】
実施形態74:検出器が少なくとも1つの転送装置をさらに含み、転送装置は光ビームを光センサ上に案内するように構成されている実施形態41から73のいずれかに記載の検出器。
【0302】
実施形態75:転送装置は、光学レンズ、鏡、ビームスプリッタ、光学フィルタのうち少なくとも1つを含む実施形態74に記載の検出器。
【0303】
実施形態76:検出器はさらに少なくとも1つの撮像装置を含む実施形態41から75のいずれかに記載の検出器。
【0304】
実施形態77:撮像装置は、対象物から最も離れた位置に配置されている実施形態76に記載の検出器。
【0305】
実施形態78:撮像装置はカメラを含む実施形態76または77に記載の検出器。
【0306】
実施形態79:撮像装置は、無機カメラ;モノクロカメラ;多色カメラ;フルカラーカメラ;ピクセル化された無機チップ;画素化有機カメラ;CCDチップ;好ましくは、多色CCDチップまたはフルカラーCCDチップ;CMOSチップ;IRカメラ;RGBカメラのうち少なくとも1つを含む実施形態76から78のいずれかに記載の検出器。
【0307】
実施形態80:少なくとも2つの検出器を含む配置である検出器に関する実施形態41から79のいずれかに記載の配置。
【0308】
実施形態81:配置には少なくとも1つの照射源をさらに含む実施形態80に記載の配置。
【0309】
実施形態82:ユーザと機器との間で少なくとも1つの情報を交換するため、特に制御コマンドを入力する場合のヒューマンマシンインターフェースであって、ヒューマンマシンインターフェースは、検出器に関する実施形態41から79のいずれかに記載の少なくとも1つの検出器を含み、ヒューマンマシンインターフェースは、検出器によってユーザの少なくとも1つの幾何学的情報を生成するように設計され、ヒューマンマシンインターフェースは、幾何学的情報に少なくとも1つの情報項目、特に少なくとも1つの制御コマンドを割り当てるように設計される。
【0310】
実施形態83:ユーザの少なくとも1つの幾何学的情報は、ユーザの体の位置;ユーザの少なくとも1つの身体部分の位置;ユーザの体の向き;ユーザの少なくとも1つの身体部分の向き:からなる群から選択される前述の実施形態による実施形態82に記載のヒューマンマシンインターフェース。
【0311】
実施形態84:ユーザに接続可能な少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、検出器が少なくとも1つのビーコン装置の位置に関する情報を生成することができるように適合されている実施形態82または83に記載のヒューマンマシンインターフェース。
【0312】
実施形態85:ビーコンデバイスが、検出器に送信される少なくとも1つの光ビームを生成するように構成された少なくとも1つの照射源を含む実施形態84に記載のヒューマンマシンインターフェース。
【0313】
実施形態86:娯楽機器は、ヒューマンマシンインターフェースに関する上記の実施形態のいずれかによる少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含み、娯楽機器は、少なくとも1つの情報項目を、ヒューマンマシンインターフェースによりプレーヤが入力可能となるように設計されており、娯楽機器は、情報に従って娯楽機能を変えるように設計されている少なくとも1つの娯楽機能、特にゲームを実行するための娯楽機器。
【0314】
実施形態87:少なくとも1つの可動対象物の位置を追跡するための追跡システムであって、追跡システムは、検出器に関する実施形態41から79のいずれかに記載の少なくとも1つの検出器を含み、追跡システムは、少なくとも1つの追跡コントローラをさらに含み、追跡コントローラは、対象物の一連の位置を追跡するように構成され、各々は特定の時点における対象物の位置に関する少なくとも1つの情報項目を含む。
【0315】
実施形態88:対象物に接続可能な少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、検出器が少なくとも1つのビーコン装置の対象物の位置に関する情報を生成できるように構成されている実施形態87に記載の追跡システム。
【0316】
実施形態89:少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの位置を決定するためのスキャニングシステムであって、スキャニングシステムは、検出器に関する実施形態41から79のいずれかに記載の検出器を含み、スキャニングシステムは、少なくとも1つの対象物の少なくとも1つの表面に配置された少なくとも1つのドットを照射するための少なくとも1つの光ビームを放射するように構成された少なくとも1つの放射源をさらに含み、スキャニングシステムは、少なくとも1つの検出器を使用することによって、少なくとも1つのドットとスキャニングシステムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている、スキャニングシステム。
【0317】
実施形態90:照射源は少なくとも1つの人工照射源特に、少なくとも1つのレーザ光源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源を含む実施形態89に記載のスキャニングシステム。
【0318】
実施形態91:照射源は複数の個別の光ビーム、特にそれぞれのピッチ、特に規則的なピッチを示す光ビームのアレイを放射する実施形態89または90に記載のスキャニングシステム。
【0319】
実施形態92:少なくとも1つのハウジングを含む実施形態89から91のいずれかに記載のスキャニングシステム。
【0320】
実施形態93:少なくとも1つのドットとスキャニングシステムの距離との間の距離に関する少なくとも1つの情報項目は、少なくとも1つのドットとスキャニングシステム、特にハウジングの前端または後端のハウジング上の特定の点との間で決定される実施形態92に記載のスキャニングシステム。
【0321】
実施形態94:ハウジングは、ディスプレイ、ボタン、固定ユニット、レベリングユニットのうち少なくとも1つを含む実施形態92または93に記載のスキャニングシステム。
【0322】
実施形態95:立体視システムであって、追跡システムに関する実施形態87または88に記載の少なくとも1つの追跡システムと、スキャニングシステムに関する実施形態89からは94のいずれかに記載の少なくとも1つのスキャニングシステムとを含み、追跡システムおよびスキャニングシステムは立体視システムの光軸と平行な向きに並ぶように平行配置され、同時に、立体視システムの光軸に垂直な向きに関して個別の変位を示すように配置された少なくとも1つの光センサをそれぞれ含む、立体視システム。
【0323】
実施形態96:追跡システムおよびスキャニングシステムはそれぞれ、少なくとも1つの縦方向光センサを含み、縦方向光センサのセンサ信号は、対象物の縦方向位置に関する情報項目を決定するために組み合わされる実施形態95に記載の立体視システム。
【0324】
実施形態97:縦方向光センサのセンサ信号は、異なる変調周波数を適用することによって互いに関して識別可能である実施形態96に記載の立体視システム。
【0325】
実施形態98:立体視システムは、少なくとも1つの横方向光センサをさらに含み、横方向光センサのセンサ信号は、対象物の横方向位置に関する情報項目を決定するために使用される実施形態97に記載の立体視システム。
【0326】
実施形態99:対象物の立体視は、対象物の縦方向位置に関する情報項目と対象物の横方向位置に関する情報項目とを組み合わせることによって得られる実施形態98に記載の立体視システム。
【0327】
実施形態100:検出器に関する実施形態41から79のいずれかに記載の検出器を含む少なくとも1つの対象物を撮像するためのカメラ。
【0328】
実施形態101:以下の工程
a) 少なくとも1つの光導電性材料の層を提供する工程、
b) その後、少なくとも1つの金属含有化合物にまで反応するように適合されている少なくとも1つの前駆体を適用し、それによって、金属含有化合物は、光導電性材料の層の上に非晶質のカバー層として堆積される工程、および
c) その後、非晶質のカバー層を熱処理する工程;
を含み、光導電性材料の層と電気的に接触する少なくとも2つの電気接点がさらに設けられる、光センサの製造方法。
【0329】
実施形態102:金属含有化合物は、金属または半金属を含み、金属は、リチウム(Li),ベリリウム(Be)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、一酸化炭素(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、セシウム(Cs)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、水銀(Hg)、タリウム(Tl)およびビスマス(Bi)からなる群から選択され、半金属は、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)からなる群から選択される実施形態101に記載の方法。
【0330】
実施形態103:金属含有化合物に含まれる金属が、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびタングステン(W)からなる群から選択される実施形態102に記載の方法。
【0331】
実施形態104:少なくとも1つの金属含有化合物が、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択される実施形態101から103のいずれかに記載の方法。
【0332】
実施形態105:少なくとも1つの金属含有化合物が、少なくとも1つの酸化物、少なくとも1つの水酸化物、またはそれらのアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)の組み合わせ;またはケイ素(Si)の窒化物から選択される実施形態104に記載の方法。
【0333】
実施形態106:工程b)が少なくとも1回繰り返される実施形態101から105のいずれかに記載の方法。
【0334】
実施形態107:少なくとも2つの隣接層が積層体として堆積され、隣接層がそれらのそれぞれの組成に関して異なるように選択され、隣接層の少なくとも1つが少なくとも1つの金属含有化合物を含む実施形態106に記載の方法。
【0335】
実施形態108:少なくとも1つの隣接層は、少なくとも1つの金属化合物、高分子化合物、シリコーン化合物、ガラス化合物の少なくとも1つを含むように選択される実施形態107に記載の方法。
【0336】
実施形態109:カバー層が、10nmから600nm、好ましくは20nmから200nm、より好ましくは40nmから100nm、最も好ましくは50から75nmの厚さを達成するまで光導電性材料上に堆積される方法に関する実施形態101から108のいずれかに記載の方法。
【0337】
実施形態110:カバー層が、光導電性材料の隣接する表面に対して共形層となるように、光導電性材料上に堆積される方法に関する実施形態101から109のいずれかに記載の方法。
【0338】
実施形態111:共形層の厚さが、カバー層の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で光導電性材料の対応する表面に従う、実施形態110に記載の方法。
【0339】
実施形態112:少なくとも1つの堆積方法が光導電性材料上に金属含有化合物を堆積するために使用され、少なくとも1つの堆積方法は、好ましくは、原子層堆積プロセス、化学気相堆積プロセス、スパッタリング法、またはそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、原子層堆積プロセス、および原子層堆積プロセスとスパッタリングプロセスの組み合わせから選択される方法に関する実施形態101から111のいずれかに記載の方法。
【0340】
実施形態113:2つの異なる種類の前駆体が使用され、第一の前駆体は有機金属前駆体であるかまたはそれを含み、第2の前駆体は流体であるかまたはそれを含む方法に関する実施形態101から112のいずれかに記載の方法。
【0341】
実施形態114:金属含有化合物はアルミニウム(Al)を含み、第1の前駆体はTMAであるかまたはそれを含み、第2の前駆体はHO、それらの溶液またはオゾンであるかまたはそれを含む実施形態113に記載の方法。
【0342】
実施形態115:金属含有化合物がジルコニウム(Zr)を含み、第1の前駆体がTDMA−Zrであるかまたはそれを含み、第2の前駆体はHO、それらの溶液、またはオゾンであるかまたはそれを含む実施形態113に記載の方法。
【0343】
実施形態116:少なくとも1つの前駆体が不活性ガス、特に窒素(N)またはアルゴン(Ar)と混合されている実施形態114または115に記載の方法。
【0344】
実施形態117:少なくとも1つの追加層がカバー層またはそのパーティション上に堆積され、および/または少なくとも1つの追加層が光導電性材料の層上に少なくとも部分的に堆積され、その後カバー層によって覆われる方法に関する実施形態101から116のいずれかに記載の方法。
【0345】
実施形態118:追加層は、反射防止層、光学フィルタ層、封入層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己洗浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうち少なくとも1つであるかまたはそれを含むように選択される実施形態117に記載の方法。
【0346】
実施形態119:工程c)による熱処理が20℃〜300℃、好ましくは50℃〜200℃の温度を適用することを含む方法に関する実施形態101から118のいずれかに記載の方法。
【0347】
実施形態120:工程b)および工程c)の少なくとも一方が真空チャンバ内で行われる方法に関する実施形態101から119のいずれかに記載の方法。
【0348】
実施形態121:工程b)および工程c)の両方は同じ真空チャンバ内で行われる実施形態120に記載の方法。
【0349】
実施形態122:電気接点は工程b)の前に設けられ、カバー層は電気接点上にさらに部分的に堆積される実施形態121に記載の方法。
【0350】
実施形態123:電気接点は、導電性リード線、好ましくはワイヤー形態で、特に金(Au)、アルミニウム(Al)、または銅(Cu)ワイヤーを使用することによって少なくとも1つの外部接続に接合される実施形態122に記載の方法。
【0351】
実施形態124:導電性リード線はカバー層を通して電気接点に接合される実施形態125に記載の方法。
【0352】
実施形態125:実施形態1から124のいずれかに記載の検出器の使用であって、ガス感知;火災検出;炎検出;熱検出;煙検出;燃焼監視;分光測定;温度感知;動作感知;工業用監視;化学感知;排ガス監視;特に交通技術における距離測定;特に交通技術における位置測定;娯楽応用;セキュリティアプリケーション;ヒューマンマシンインターフェースアプリケーション;追跡アプリケーション;スキャンアプリケーション;立体視;写真撮影アプリケーション;撮像アプリケーションまたはカメラアプリケーション;少なくとも1つの空間のマップを生成するためのマッピングアプリケーション;車両用のホーミングまたは追跡ビーコン検出器;熱的特徴を有する対象物の距離および/または位置の測定;マシンビジョンアプリケーション;ロボットアプリケーション;物流アプリケーションからなる群から選択される使用の目的で検出器を参照する、検出器の使用。
【0353】
本発明のさらなる任意の詳細および特徴は、従属請求項に関して以下に記載される、好ましい典型的実施形態の説明から明らかである。これに関連して、特定の機能は、単独で、または機能を組み合わせて実施することができる。本発明は典型的な実施形態に限定されない。典型的な実施形態は、図面中に概略的に示されている。個々の図面中の同一の参照番号は、同一の要素または同一の機能を有する要素、またはそれらの機能に関して互いに対応する要素を指す。
【実施例】
【0354】
図1Aから図1Fはそれぞれ、本発明による光センサ110の典型的な一実施形態を、きわめて概略的に示す図である。ここでは、図1Aから図1Dは光センサ110の側面図を示し、図1Eおよび図1Fは光センサ110の一パーティションの上面図のみを示す。図1Gは、本発明に従って調製された光センサ110のサンプルの側面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
【0355】
したがって、光センサ110は、少なくとも1つの光導電性材料114の層112を含む。特に、光導電性材料114の層112は、10nmから100μm、好ましくは100nmから10μm、特に300nmから5μmの厚さを示すことができる。好ましい実施形態では、光導電性材料114の層112は本質的に平坦な表面を含むことができるが、層112の表面の変化は、例えば勾配または段差を示すことができる他の実施形態もまた実現可能である。ここで、光導電性材料114の層112は、好ましくは、図3に関して以下に記載されるように製造され得る。しかしながら、他の製造方法もまた実現可能である。
【0356】
図1Aから図1Fの典型的な実施形態では、光導電性材料114は、硫化物カルコゲニド、セレン化物カルコゲニド、テルル化物カルコゲニド、および三元カルコゲニドを含む群から選択することができる少なくとも1つのカルコゲニドであるかまたはそれを含むことができる。特に、光導電性材料114は、硫化物、好ましくは硫化鉛(PbS)、セレン化物、好ましくはセレン化鉛(PbSe)、テルル化物、好ましくはテルル化カドミウム(CdTe)、または三元カルコゲニド、好ましくはテルル化水銀亜鉛(HgZnTe;MZT)であるかまたはそれを含むことができる。好適な光導電性材料114の多くは、一般に、赤外スペクトル範囲内で特有の吸収特性を示すことが知られているので、光センサ110は、好ましくは、赤外線センサとして使用することができる。しかしながら、他の実施形態および/または他の光導電性材料、特に本目的のために本文書の中で別途記載されているような光導電性材料もまた適用可能である。
【0357】
さらに、本発明による光センサ110はカバー層116を含み、カバー層116は光導電性材料114の層112上に堆積される。
【0358】
ここで、カバー層116は、特に好ましくは、光導電性材料114の層112と直接または間接的に接触するように層112上に堆積させることができる。好ましい実施形態では、カバー層116は、それが光導電性材料114のアクセス可能な表面118を完全に覆うことができるように、層112上に完全に堆積させることができる。したがって、すでに上述したように、カバー層116は、まず、第一に、光センサ110またはそのパーティションの特に気密パッケージとして、湿度および/または酸素などの外部の影響による光センサ110またはそのパーティションの劣化を防止し、特に光導電性材料114の劣化を防止するように、光導電性材料114を封入するように適合されている。さらに上述したように、驚くべきことに、カバー層116は、第二に、光導電性材料114の層112上へのその堆積およびその後のカバー層116と光導電性材料114の層112の両方の熱処理の結果として、追加の機能を示し得ることが分かった。結果として、カバー層116は、光導電性材料114の光導電特性を大幅に改善させ得るという意味で、光導電性材料114を活性化させるように適合される。
【0359】
上述のように、カバー層116は少なくとも1つの金属含有化合物120を含む。本明細書に記載の特に好ましい実施形態では、金属含有化合物120は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、およびタングステン(W)からなる群から選択される金属を含み、特に、光導電性材料114の光導電特性の活性化を達成するために、金属アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、およびハフニウム(Hf)が特に好ましい。しかしながら、他の種類の金属、特に本目的のために本文書の中で別途記載されているような金属もまた適用可能である。さらに、金属含有化合物120は、酸化物、水酸化物、カルコゲニド、プニクチド、カーバイド、またはそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。
【0360】
この特定の実施形態では、金属含有化合物120は、好ましくは、少なくとも1つのAlの酸化物、少なくとも1つのAlの水酸化物、またはそれらの組み合わせを含むことができ、式AlOx(OH)y 0≦x≦1.5 および 0≦y≦1.5,ここでx+y=1.5によって表すことができる。あるいは、金属含有化合物120は、少なくとも1つのZrの酸化物、少なくとも1つのZrの水酸化物、またはそれらの組み合わせを含むことができ、式ZrOx(OH)y 0≦x≦2 および 0≦y≦2,ここでx+y=2によって表すことができる。しかしながら、他の種類の金属含有化合物120、特にハフニウム(Hf)もまた実現可能であり得る。全ての場合において、未反応有機配位子の残りがさらに存在し得る。
【0361】
さらなる代替実施形態(ここには示されていない)では、カバー層116は、少なくとも2つの隣接層を有し得る積層体であってもよいし、またはそれを含んでいてもよく、隣接層は、特に、隣接層の一方、両方、いくつか、またはすべてが金属含有化合物120のうちの1つを含み得るように、それらのそれぞれの組成によって異なってもよい。ここで、より詳細に上述したように隣接層は2つの異なる金属含有化合物120を含み得る。例として、カバー層116は、アルミニウム(Al)含有化合物およびジルコニウム(Zr)含有化合物の交互に隣接する層を含んでもよい。しかしながら、アルミニウム(Al)およびジルコニウム(Zr)以外の金属含有化合物120の他の組み合わせも可能である。加えて、積層体は、上述の金属含有化合物120のいずれからも構成されず、むしろ、金属化合物、高分子化合物、シリコーン化合物、またはガラス化合物のうちの少なくとも1つであり得るか、またはそれを含む追加の隣接層をさらに含み得る。他の種類の材料もまた適用可能であり得る。
【0362】
この特定の実施形態では、カバー層116は、10nmから600nm、好ましくは20nmから200nm、より好ましくは40nmから100nm、最も好ましくは50から75nmの厚さを示すことができる。この範囲の厚さは、特に、カバー層116内の金属含有化合物120の量を反映することができ、それは、光導電性材料114に封入をもたらし、同時に、光導電性材料114の光導電特性を活性化するという上述の機能を達成するのに有利であり得る。さらにこの特定の実施形態では、カバー層116は、光導電性材料114の隣接面118に対して共形層であることができる。したがって、上記で定義したように、共形層の厚さは、±50nm、好ましくは±20nm、最も好ましくは±10nmの偏差内で光導電性材料114の対応する表面118に従うことができ、この偏差は、カバー層116の表面122の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%にわたって生じ、これによって、カバー層116の表面122の上に存在し得る如何なる汚染または不完全も除外することができる。
【0363】
図1Aから図1Cのそれぞれにさらに示されるように、光導電性材料114の少なくとも1つの層は、好ましくは少なくとも1つの基板124に直接適用されてもよく、基材124は優先的に絶縁基材であるかまたはそれを含むことができる。入射光ビーム126が光導電性材料114の層112内の導電性を光学的に変えるために光導電性材料114に到達することを可能にするために、カバー層116および基板124またはそのパーティションの少なくとも1つは、特に、赤外スペクトル範囲のような所望の波長範囲内で光学的に透明である。
【0364】
図1Aに概略的に示されるように、入射光ビーム126のビーム経路128は、光導電性材料114の層112内に直径130を有する光スポットを生成するためにカバー層116を通過するように構成され得る。結果として、カバー層116が、好ましくは所望の波長範囲内で光学的に透明となるように金属含有化合物120を選択することが、特に適切な吸収特性を示すことにより、特に有利であり得る。しかしながら、代替的に(ここには示されていない)、カバー層116が、所望の波長範囲内で光学的に透明ではないように金属含有化合物120を選択することが好ましいかもしれない。そのような種類の選択は、特定の金属含有化合物120が、所望の波長範囲内で光透過性を提供することとは別に、光センサ110にとって特に好ましい特性を示すことができる場合に有利であり得る。加えて、カバー層116に使用される金属含有化合物120および基板124に適用される材料の一方または両方が、例えば、光センサ110の両方向からの光ビーム126の感知を可能にするように、所望の波長範囲内で光学的に透明な特性を示し得るのが好ましい。ここでは、基板124は、光学的に透明な材料132、特にガラスを含むことができる。しかしながら、赤外スペクトル範囲において少なくとも部分的に光学的に透明であり得る他の材料もまた適用可能ある。
【0365】
さらに、カバー層116は、光導電性材料114に封入をもたらし、同時に、光導電性材料114の光導電特性を活性化する上述の機能に加えてさらなる機能を示すように適合させることができる。これに関して、カバー層116に使用される金属含有化合物120は、同時に、所望のさらなる機能を発揮することができるように特に選択することができる。特に、カバー層116に使用される金属含有化合物120は、適切な反射防止層としての適正を得るために、1.2超または1.5超などの高い屈折率を示すことができる。既に上述したように、カバー層116は有利に、光導電性材料114の表面にしっかり従うことができる滑らかな層の形態で提供されることができる。機能層のさらなる実施形態は、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己洗浄層、防曇層、高誘電率層、そして導電層を含み得るが、これらに限定されない。
【0366】
特定の実施形態において、特にカバー層116に所望のさらなる機能を提供することが実行可能でない場合、または選択されたカバー層116によって提供される所望のさらなる機能の程度が十分ではない場合、カバー層116は、さらに、カバー層116上に少なくとも部分的に堆積させることができる少なくとも1つの追加の層134によって、少なくとも部分的に覆われることができる。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの追加の層134は、光導電性材料114の層112とカバー層116との間に少なくとも部分的に堆積されてもよい。好ましくは、追加の層134は、さらなる所望の機能であるかまたはそれを示すことができ、したがって、反射防止層、光学フィルタ層、耐スクラッチ層、親水性層、疎水性層、自己洗浄層、防曇層、高誘電率層、または導電層のうち少なくとも1つを含むことができる。ここで、この技術分野の当業者は、容易に少なくとも1つの追加の層134を選択および提供することができる。これに関して、追加の層134のさらなる機能、組成、および構造のうちの少なくとも1つは、図1Aおよび図1Bに示されるような光センサ110の実施形態に対して同様にまたは異なるように選択されてもよい。図1Aに示す実施形態では、追加の層134として反射防止層または光学フィルタ層を適用することが有利であり得る一方、図1Bに示す実施形態では、追加の層134として親水性層、疎水性層、自己洗浄層、高誘電率層、または導電層を適用することがむしろ好ましい場合がある。しかしながら、他の実施形態もまた可能であり得る。
【0367】
図1Aから図1Dにさらに示すように、本発明による光センサ110は、少なくとも2つの個々の電気接点136、136’、すなわち少なくとも1つの第1の電気接点136および少なくとも1つの第2の電気接点136’を含み、電気接点136、136’は、光導電性材料114の層112と接触するように構成されている。このために、電気接点136、136’は、第1の電気接点136を介して光導電性材料114の層112を通り第2の電気接点136にまたその逆に電流をガイドできるように、あるいは、第1の電気接点136および第2の電気接点136’を使用することによって光導電性材料114の層112に電圧を印加することができるように構成および配置されてよい。両方の目的のために、第1の電気接点136は、第2の電気接点136’から絶縁されている一方、第1の電気接点136と第2の電気接点136’の両方は光導電性材料114の層112と直接接続されている。
【0368】
ここでは、電気接点136、136’のうちのいずれか1つと光導電性材料114の層112との間の直接接続は、電気接続を提供することが可能な任意の既知の手段、例えば、メッキ、溶接、はんだ付け、ワイヤーボンディング、超音波熱圧着、ステッチボンディング、ボールボンディング、ウェッジボンディング、コンプライアントボンディング、熱圧着、陽極接合、直接ボンディング、プラズマ活性化接合、共晶接合、ガラスフリットボンディング、接着剤ボンディング、過渡液相拡散接合、表面活性化接合、テープ自動接合、または、高導電性物質を接触領域に堆積させることによって提供され得る。電気接点136、136’を介して十分な導電性を可能にし、同時に電気接点136、136’の十分な機械的安定性を提供するために、電気接点136、136’は、好ましくは、金属金(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)または金(Au)、上述の金属の少なくとも1つを含む合金、ならびにグラフェンからなる群から選択される少なくとも1つの電極材料を含む。しかしながら、他の種類の電極材料もまた適用可能である。
【0369】
図1Aから図1Dのそれぞれにさらに示されるように、カバー層116は電気接点136、136’を少なくとも部分的に覆ってもよく、外部回路、例えば図1に示すようなパッケージ140の周囲からプリント回路基板(PCB)144などの回路キャリア装置と接触することができる1つまたは複数の接点パッド142までつながり得る1つまたは複数のリード線138、138’に接着可能に特に構成されてもよい。このため、金ワイヤー、ベリリウムドープワイヤー、アルミワイヤー、白金ワイヤー、パラジウムワイヤー、銀ワイヤー、または銅ワイヤーなどのワイヤーが、プリント回路基板144上の接点パッド142などに電気接点136、136’を接合するためのリード線138、138’として使用することができる。図1Bに示されるような特に好ましい実施形態では、電気接点136、136’はカバー層116を通して接着可能である。この特徴は、特に、カバー層116の封入機能を改善することができ、同時に、電気接点136、136’に安定性を提供することができる。図1Cに示されるような代替実施形態では、電気接点136、136’は、プリント回路基板144の接点パッド142に、特に電気接点136、136’を接点パッド142と接続する導電性貫通ビア146を使用することにより、直接接合可能であり得る。
【0370】
図1Dに概略的に示されるさらなる好ましい実施形態によれば、光導電性材料114の少なくとも1つの層は、代替的に、半導体シリコンチップのような導電性基板124であるかまたはそれを含むことができる基板124に、間接的に適用されてもよい。それにもかかわらず、導電性基板124を光導電性材料114の層112から電気絶縁するために、少なくとも1つの中間層148が、導電性基板124と光導電性材料114の層112の間に特に配置され得る。
【0371】
図1Aから図1Dに示されるように、電気接点136、136’は、単一層の形態で好ましくは提供され得る。これとは対照的に、電気接点136、136’、136’’、…は、図1Eおよび図1Fに上面図として概略的に示されているように、代替的に、電気接点136、136’、136’’、…によって構成される配列(array)の形態で提供されることもできる。図1Eに示すように、電気接点136、136’、136’’、…の配列は、このように、それぞれが導電性材料を含むフィンガの平行配置に配置することができ、各フィンガは、光導電性材料114の層112と個々に接触し、導電リード線(ここでは図示せず)を使用することなどによって外部回路への接続を提供することができる。図1Fに示されるように、電気接点136、136’、136’’、…は、代替的に、2つの互いにかみ合う櫛状構造149、149’の形態で提供されてもよい。さらに、本明細書には示されていないが、電気接点136、136’、136’’、…のさらなる配置もまた、本発明に関して実現可能であり得る。
【0372】
上記のように、図1Gは、本発明に従って調製された光センサ110の側面図のTEM画像を示す。図1GのTEM画像から分かるように、アルミナ(Al)カバー層116は、コンフォーマルな態様で硫化鉛(PbS)光導電性材料114の層112を被覆する。図1Gからさらに導き出すことができるように、カバー層116は、ここでは、白金(Pt)を含む追加の層134によって覆われており、追加の白金(Pt)層134は、ここではTEMサンプルの調製における保護層として使用される。
【0373】
既に上述したように、光導電性材料硫化鉛(PbS)の光導電特性は、G.H.Blountらによって(上記参照)、硫化鉛(PbS)層上に封入層を設けることによってわずかに影響を受けるように思われる。G.H.Blounらによって説明されるように(上記参照)、硫化鉛(PbS)層を含む光検出器の比感度Sは、結晶性アルミナ(Al)層を適用した後、封止層なしの1.4×10cm/Wから2.3×10cm/Wに変化し、したがって、光導電性硫化鉛(PbS)層のわずか2倍未満の改善がもたらされる。しかしながら、本発明に関して、表1は、硫化鉛(PbS)光導電性材料114の層112の間をmV単位で測定した比感度Sは、本発明に従って提供されたアルミナ(Al)カバー層116の存在に依存することを示す。ここで、比感度Sは、調査対象の装置のサイズに対して線形的に正規化された感度Sである特定の比感度Sに関連する。関連する測定は、同じ光強度を適用して850nmで19Vのバイアスを用いて行われた。Blountらの知見とは明らかに対照的に(上記参照)、表1は、カバー層116の2つの記載された機能、すなわち封入および熱処理による活性化の組み合わせが、以下のように光導電性硫化鉛(PbS)層の品質をかなり改善するために特に設計されていることを示す。
【0374】
【表1】
【0375】
このように、光導電性硫化鉛(PbS)層は当初S≒0.1mVの値を示すが、この値は、光導電性硫化鉛(PbS)層に封入と熱処理の両方を適用することによりはじめて、S≒30mVまでかなり高めることができる。結果として、ここで観察することができる硫化鉛(PbS)層の光導電性の改善は、100倍を超え、すなわち300倍に達する。したがって、本発明によるカバー層116は、光導電性材料114に保護封入をもたらすだけでなく、熱処理後の光導電性材料114の光導電特性の活性化に本質的に寄与する。
【0376】
同様の結果がセレン化鉛(PbSe)を含む光導電性材料114の層112の間をmV単位で測定された比感度Sについても得られることができた。このために、セレン化鉛(PbSe)はガラス基板124上に化学浴析出(CBD)を介して堆積されている。電気接点136、136’は堆積の前または後に適用することができた。セレン化鉛(PbSe)のCBDの後、第一の熱処理がセレン化鉛(PbSe)層の活性化のため施された。第1の熱処理中に、250℃から400℃の間の温度が10分から72時間かけられた。第2の熱処理工程は、第1の熱処理と比較してより低い温度で続けることができた。これ以降、アルミナ(Al)層を含むカバー層116は、カバー層116として硫化鉛(PbS)を使用した場合と同じ方法で、すなわち約60℃の温度で70nm〜100nmの厚さで、ALDを介して適用される。しかしながら、他の厚さも可能である。
【0377】
結果として、封入工程は、特に、以下のようにmV単位で比感度Sを増加させることによって、センサの光学性能を改善することができる。
【0378】
【表2】
【0379】
関連する測定は、同じ光強度を用いて4μmの波長で606Hzの変調周波数で行われた。やはり、Blountらの知見とは明らかに対照的に(上記参照)、表2は、カバー層116の2つの記載された機能、すなわち封入および熱処理による活性化の組み合わせが光導電性硫化鉛(PbS)層の品質をかなり改善するため、特に約40倍、特に設計されていることを示す。
【0380】
2A〜2Dは、様々なX線回折(XRD)図を提示し、図2AのXRD図は、図1Aに関して説明したようにアルミナ(Al)被覆硫化鉛(PbS)センサに起因する。ここで使用されるように、XRD図は、2θ対NでカウントされたX線データの集合を含む。図2AのXRD図から容易に導き出すことができるように、結晶性アルミナ(Al)層の反射は検出されない。したがって、アルミナ(Al)カバー層116は、非晶質状態の金属含有化合物アルミナ(Al)を含む。依然として図2Aに見られることができる唯一の結晶反射は、金ワイヤーを有する電気接点136、136’および平坦な接合可能な金(Au)に含まれる金(Au)、ならびに光導電性硫化鉛(PbS)材料114による。
【0381】
さらに、カバー層116の非晶質性を証明するために、図2Bに対応する実験において、ガラス基板上に図2Aの場合と同じ方法でアルミナ(Al)の単一層のみを堆積させた。その結果、図2Bの対応するXRD図は、非晶質ガラスに起因すると思われる2つの広い上昇しか示さない。結晶性またはナノ結晶性アルミナ(Al)に帰属し得るピークは、ここでは観察され得ない。結果として、図2は、本発明が、金属含有化合物アルミナ(Al)を含む非晶質のカバー層116として適切な層を提供することができることを明確に示している。
【0382】
さらに、図2Cおよび図2Dは、2つの異なるサンプルの対応する格子入射XRD(入射角0.5°)図を示し、図2Cのサンプルはホウケイ酸ガラス基板上に直接堆積された75nm厚のアルミナ(Al)カバー層のみを含み、一方図2Dのサンプルは、ホウケイ酸ガラス基板上に配置されている硫化鉛(PbS)光導電層上に堆積された75nm厚のアルミナ(Al)カバー層を含む。本発明の目的のために、両方のサンプルを100℃で10日間焼き戻した。その結果、両方のサンプルアルミナ(Al)はX線アモルファスの挙動を示すが、硫化鉛(PbS)は検出できた(図2D)。図2Cおよび図2Dの両方において文字「d」によって示される2θ=45°における回折線の原点は開状態のままである。
【0383】
図3は、本発明による光センサ110を製造する方法の典型的実施形態を示す。
【0384】
図3Aに示すように、方法工程a)に従って光導電性材料114の層112を設ける前に、電気接点136、136’は、例えば基板124上に蒸着金属層の形態で、好ましくは、光学的に透明な材料132としてガラスを含むように生成されてもよく、蒸着金属層は、既知の蒸着技術によって設けることができる。特に、蒸着金属層は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、または金(Au)のうちの1つまたは複数を含むことができる。あるいは、電気接点136、136’はグラフェンの層を含み得る。しかしより詳細に上述したように、電気接点136、136’を生成する他の方法も実現可能である。
【0385】
図3Bに示されるように、光導電性材料114の層112は、その後、方法工程a)に従って提供される。このために、光導電性材料114は以下の手順に従って合成することができる。従って、0.015mol/L チオ尿素またはその置換生成物、0.015mol/L 酢酸鉛、硝酸鉛、またはそれらの置換生成物、0.15mol/L 水酸化ナトリウムまたはその置換生成物を反応容積中に溶解させ、それによって室温で透明な溶液を得る。従来技術から知られているように、上述の溶液を任意の順序で混合すると、硫化鉛(PbS)は、30℃を超える温度で、通常、均一で比較的滑らかな層を液体含有反応器の側壁および底部に、あるいはその中に位置する任意の対象物の壁に形成する態様で、溶液から析出する。
【0386】
混合沈殿溶液から硫化鉛(PbS)が実際に沈殿する直前、比較的多量の発生期酸素、好ましくは過硫酸カリウム、過酸化水素、または過ホウ酸ナトリウムを遊離させる薬剤の水溶液をそれに加える場合、硫化鉛(PbS)はそこから通常の方法で沈殿するが、セル内の直接の使用あるいはエージングまたは低温焼付けによってさらなる感光が可能な活性化形態で沈殿する。沈殿溶液および活性化剤は、好ましくは35℃を超える温度で混合され、1〜3時間撹拌され、その間に析出が起こるここで、過硫酸イオン、過ホウ酸イオン、過酸化水素由来の発生酸素の量をモルで表し、硫化鉛(PbS)析出用溶液に添加すると、浴中の理論PbS量をモルで表すと0.01〜0.5であることが好ましく、PbSの理論量は、鉛および硫黄沈殿化合物の硫化鉛への全転化率があった場合に形成される量である。
【0387】
硫化鉛(PbS)層の形成後、恒温室中で、エージング工程を、好ましくは約50℃の温度および70%を超える湿度で任意に実施することができ、これは光導電性能にとって有益であると思われる。堆積されエージングされたフィルムが焼なましによってさらに処理されると、すなわち、真空または空気中で約100℃〜150℃の温度で1〜100時間加熱されることによって、改善された光導電性が得られる。
【0388】
しかしながら、光導電性材料114の層112を提供する他の種類でも実現可能であり得る。
【0389】
図3Cは工程b)の結果を概略的に示しており、それによって金属含有化合物120は、好ましくは、光導電性材料硫化鉛(PbS)114の層112のアクセス可能な表面118上に、特に封入層として機能するために、非晶質カバー層116として堆積されている。このため、金属含有化合物120まで反応するように適合された少なくとも1つの前駆体が、続いて適用されている。この好ましい実施形態では、原子層堆積(ALD)プロセス、またはALDとスパッタリングとの組み合わせが堆積方法として使用されてきた。あるいは、化学気相堆積(CVD)プロセスなどの他の堆積プロセスもまた適用され得る。
【0390】
本発明の第1の実施形態では、カバー層116は、ALDプロセスまたはALDプロセスとスパッタリングプロセスとの組み合わせによって生成されたアルミナ(Al)を含む。あるいは、Al/TiO/Al/…またはAl/ZrO/Al/…のような積層体も製造することができる。この特定の実施形態では、ALDプロセスは以下のプロセスパラメータを適用して実行された。
【0391】
− 第1の前駆体:HO;
− 第2の前駆体:Al(CH(トリメチルアルミニウム、TMA);
− 温度約60℃;
− 約700サイクル。
【0392】
図3Cにさらに示されるように、アルミナ(Al2O3)含有カバー層116は、光導電性硫化鉛(PbS)層112と、光導電性硫化鉛(PbS)層112と接触し得る電気接点136、136’の両方を同時に被覆するように適合された方法で適用され得る。
【0393】
図3Dは、工程b)の間に生成された非晶質カバー層116がその後特に光導電性材料114の活性化を達成するために、熱処理を受ける方法工程c)の適用を概略的に示す。好ましくは、工程c)による熱処理は、20℃から300℃の温度で、約1時間から350時間の時間間隔で行われる。上記表1に示すように、被覆された硫化鉛(PbS)光導電体は、熱処理後に改善された光導電性能を示す。
【0394】
図3Eに示すように、光導電性材料114の層112と電気的に接触する2つの電気接点136、136'は、好ましくは行程c)による熱処理の後、金ワイヤーなどの導電性リード線138、138'によって少なくとも1つの外部接続部に接合することができる、該導電性リード線138、138'はカバー層116を通して提供されてもよい。しかしながら、上述したように、電気接点136、136’を導電性硫化鉛(PbS)層112に設けるための他の方法、例えば、工程a)の前にすでに、あるいは工程a)の後、または工程b)の後に、リード線138、138’を提供することなども実現可能である。
【0395】
図4は、少なくとも1つの対象物152の位置を決定するための、本発明による光検出器150の典型的な実施形態を非常に概略的に示している。光検出器150は、赤外線検出器として使用するのに適しているのが好ましい。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0396】
光検出器150は少なくとも1つの光センサ110を含み、これは、この特定の実施形態では、縦方向光センサ154として使用することができ、検出器150の光軸156に沿って配置されている。具体的には、光軸156は、光センサ110のセットアップの対称軸および/または回転軸とすることができる。光センサ110は、検出器150のハウジング158の内側に配置することができる。さらに、少なくとも1つの転送装置160は、好ましくは屈折レンズ162を含むことができる。ハウジング158の開口部164は、光軸156に関して特に同心円状に配置することができ、検出器150の視野方向166を好ましくは画定する。座標系158が定義され、そこでは光軸156に平行または逆平行な方向が縦方向として定義され、光軸156に垂直な方向が横方向として定義される。図4に象徴的に描かれている座標系158では、縦方向をzで示し、横方向をxおよびyでそれぞれ示す。しかしながら、他の種類の座標系158も実現可能である。
【0397】
さらに、光センサ110は、光ビーム126によるセンサ領域170の照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている。さらに、FiP効果により、光センサ110(ここでは縦方向光センサ154として実施される)は、同じ総出力の照射であるとすると、光ビーム126のそれぞれのセンサ領域170におけるビーム断面に依存する縦方向センサ信号を提供する。本発明によれば、センサ領域170は、光導電性材料114の少なくとも1つの層112、好ましくはカルコゲニド、特に硫化鉛(PbS)またはセレン化鉛(PbSe)を含む。しかしながら、他の光導電性材料114、特に他のカルコゲニドを使用することができる。
【0398】
光ビーム126の衝突により縦方向光センサ154によって与えられる結果の縦方向センサ信号は、センサ領域170における光導電性材料114の導電率に依存し、したがってセンサ領域170における光ビーム126のビーム断面を決定することができる。リード線138、138’が接合されている電気接点136、136’を介して、縦方向センサ信号は、縦方向光センサ154のセンサ信号を評価することによって対象物152の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されている評価装置172に送信することができる。このため、評価装置172は、縦方向評価ユニット174(「z」によって示される)によって象徴的に描かれているセンサ信号を評価するための1つまたは複数の電子装置および/または1または複数のソフトウェア構成要素を含み得る。以下により詳細に説明されるように、評価装置172は、縦方向光センサ154の2つ以上の縦方向センサ信号を比較することによって、対象物152の縦方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を決定するように適応され得る。
【0399】
光センサ110のセンサ領域170を照射する光ビーム126は、発光対象物152によって生成されてもよい。代替的にまたは追加的に、光ビーム126は、周囲光源および/または発光ダイオードなどの人工光源を含み得る分離された照射源176によって生成され、該射源176は対象物152を照射し、対象物152が照射源176によって生成された光の少なくとも一部を反射し光ビーム126が光軸156に沿って好ましくは光検出器150のハウジング158の開口164を通って光センサ110のセンサ領域170に到達するように、適合されている。特定の実施形態では、照射源176は変調光源とすることができ、照射源176の1つまたは複数の変調特性は少なくとも1つの任意選択の変調装置によって制御することができる。代替的または追加的に、変調は、照射源176と対象物152との間および/または対象物152と光センサ110との間のビーム経路で行われてもよい。さらなる可能性も考えられる。
【0400】
一般に、評価装置172はデータ処理装置178の一部とすることができ、および/または1つまたは複数のデータ処理装置178を含むことができる。評価装置172は、完全にまたは部分的にハウジング158に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に光センサ110に無線方式または有線方式で電気的に接続された別個の装置として具体化されてもよい。評価装置172は、1つまたは複数の追加の構成要素、例えば1つまたは複数の電子ハードウェア構成要素および/または1つまたは複数のソフトウェア構成要素など、例えば1つまたは複数の測定ユニットおよび/または1つまたは複数の評価ユニットおよび/または1つまたは複数の制御ユニットなど(ここでは図示せず)をさらに含み得る。
【0401】
図5は、横方向光センサ180として実行されている光センサ110を示している。ここでは、光ビーム126による光導電性材料114の層12を含むセンサ領域170の照射が示されている。図5では、光ビーム126が出て検出器150に向かって伝播する対象物と、検出器150自体との間の異なる距離を表す、2つの異なる状況が示されており、該異なる状況はセンサ領域170内で光ビーム126によって生成される光スポットの2つの異なるスポットサイズを生成し、第1に小さい光スポット182、第2に大きい光スポット184がもたらされる。両方の場合において、光ビーム126の全体出力は光スポット182、184にわたって同じままである。その結果、小さい光スポット182における平均強度は大きい光スポット184におけるよりも著しく高い。さらに、両方の場合とも光スポット182、184の中心の位置は光スポット182、184のサイズにかかわらず、変更されないままである。この特徴は、横方向光センサ180のT字型電気接点136、136’、186、188および対応するリード線138、138’、190、192がここに示されるように横方向センサ信号を評価装置172に提供する可能性示し、それは評価装置172が対象物152の少なくとも1つの横座標x、yを明確に決定することを可能にするように構成される。
【0402】
バイアス電圧源(図示せず)をT字型電気接点136、136’、186、188に接続することができる場合、電流I1、I2、I3および/またはI4はバイアス電圧と電気接点136、136’、186、188の間に流れていることができる。したがって、図6に概略的かつ象徴的に描かれている評価装置172は、感光素子の横方向センサ信号について記号PD1〜PD4によって表され、縦方向センサ信号についてFiPで表される横方向センサ信号を評価するように設計されることができる。センサ信号は対象物の位置情報および/または幾何学的情報を導出するために、評価装置によってさまざまな方法で評価されてもよい。したがって、上で概説したように、少なくとも1つの横座標x、yが導き出され得る。これは主に、光スポット182、184の中心と電気接点136、136’、186、188との間の距離が等しくないという事実によるものである。したがって、光スポット182、184の中心は、電気接点136からの距離l1、電気接点136’からの距離l2、電気接点186からl3の距離、および電気接点188からの距離14を有する。光スポット182、184の位置と電気接点136、136’、186、188との間の距離のこれらの違いにより、横方向センサ信号は異なる。
【0403】
センサ信号の比較は様々な方法で行うことができる。したがって、一般に、評価装置172は、対象物152または光スポット182、184の少なくとも1つの横座標を導出するために横センサ信号を比較するように設計され得る。一例として、評価装置172は、少なくとも1つの減算装置194および/または座標x、yなどの少なくとも1つの横座標に依存する関数を提供する他の任意の装置を含むことができる。例示的な実施形態では、減算装置194は、図5の寸法x、yのうちの1つまたはそれぞれに対して少なくとも1つの差信号を生成するように設計することができる。例示的な実施形態では、減算装置194は、図5の寸法x、yのうちの1つまたはそれぞれに対して少なくとも1つの差信号を生成するように設計することができる。一例として、PD1とPD2との間の単純な差、例えば(PD1−PD2)/(PD1+PD2)は、x座標の尺度として使用でき、PD3とPD4との間の差、例えば(PD3−PD4)/(PD3+PD4)は、y座標の尺度として使用することができる。センサ領域170における光スポット182、184の横座標の変換、たえば、光ビーム126がそこから検出器150に向かって伝播する対象物152の横座標への変換は、周知のレンズ方程式を使用することによって行うことができる。さらなる詳細については、一例として、WO2014/097181A1などの1つまたは複数の上述の先行技術文献を参照することができる。
【0404】
ただし、評価装置172によってセンサ信号を処理するための他の変換または他のアルゴリズムも可能であり得ることに留意されたい。したがって、減算または正または負の係数による近い組み合わせに加えて、非線形変換は一般に実行可能である。一例として、センサ信号をz座標および/またはx、y座標に変換するために、1つまたは複数の既知のまたは決定可能な関係を使用することができ、これは、検出器150から様々な距離に配置された対象物152を用いて実験を較正することによって、および/または様々な横方向位置または三次元位置に配置された対象物152を用いて実験を較正することによって、およびそれぞれのセンサ信号を記録することによってなど、経験的に導き出すことができる。
【0405】
すでに上で概説したように、縦方向座標zは、特に、WO2012/110924A1および/またはWO2014/097181A1でさらに詳細に説明されているFiP効果を実行することによっても導出することができる。このために、FiPセンサによって提供される少なくとも1つの縦方向センサ信号は、評価装置172を使用し、それから対象物152の少なくとも1つの縦方向座標zを決定することによって評価することができる。
【0406】
図7Aから7Fは実験結果を示しており、ここで横方向光センサ180を有する光検出器150は硫化鉛(PbS)の感光性抵抗器を含んでいる。ここでは、照射源176として、波長630nmのレーザを用いた。接点構成は、図5と同じである。レーザを左下の角に設定し、水平方向に1行ずつ移動した。信号の測定は各ミリメートルで行われた。図7Aから図7Fに示す測定は、横方向センサ信号と光スポット182、184の位置との間の依存性を示す。
【0407】
さらなる例として、図8は、前の図に示された実施形態のうちの1つまたは複数に開示されているような光検出器150などの少なくとも1つの光検出器150を含む検出器システム200の例示的実施形態を示す。ここで、光検出器150は、デジタルビデオクリップなどの画像および/または画像シーケンスを取得するために作製され得る、特に3D撮像用のカメラ202として使用され得る。さらに、図8は、少なくとも1つの検出器150および/または少なくとも1つの検出器システム200を含む、ヒューマンマシンインターフェース204の典型的実施形態、さらに、ヒューマンマシンインターフェース204を含む娯楽機器206の典型的実施形態示す。図8はさらに、検出器150および/または検出器システム200を含む、少なくとも1つの対象物152の位置を追跡するようになっている追跡システム208の実施形態を示す。
【0408】
光検出器150および検出器システム200に関しては、この出願の全開示内容を参照することができる。基本的に、光検出器150の全ての可能性のある実施形態はまた、図8に示される実施形態において具体化され得る。評価装置172は、特にリード線138、138’によって少なくとも1つの縦方向光センサ154に接続され得る。上述したように、2つ、好ましくは3つの縦方向光センサ154を使用することで、曖昧さを残すことなく縦方向センサ信号の評価を支援することができる。評価装置172はさらに、特に信号リード線138、138’、190、192によって、少なくとも1つの任意選択の横方向光センサ180に接続されてもよい。一例として、信号リード線138、138’、190、192が設けられてもよく、および/または無線インターフェースおよび/または有線インターフェースであり得る1つまたは複数のインターフェースが設けられてもよい。さらに、信号リード線138、138’、190、192は、センサ信号を生成するため、および/またはセンサ信号を修正するための1つまたは複数のドライバおよび/または1つまたは複数の測定装置を含むことができる。さらにまた、少なくとも1つの転送装置160を、特に屈折レンズ162または凸面鏡として設けることができる。光検出器150は、一例として、1つ以上の光センサ154、180を収容することができる少なくとも1つのハウジング158をさらに含むことができる。
【0409】
さらに、評価装置172は、完全にまたは部分的に光センサ154、180および/または光検出器150の他の構成要素に一体化することができる。評価装置172はまた、ハウジング158および/または別個のハウジングに封入されてもよい。評価装置172は、センサ信号を評価するために、1つまたは複数の電子装置および/または1つまたは複数のソフトウェア構成要素を含むことができ、これらは、縦方向評価ユニット174(「z」で示す)および横方向評価ユニット210(「xy」で示す)によって象徴的に描かれている。これらの評価ユニット174、210によって導出された結果を組み合わせることによって、位置情報212、好ましくは3次元位置情報が生成され得る(「x、y、z」によって示される)。図8による実施形態と同様に、バイアス電圧を供給するように構成されたバイアス電圧源(ここでは図示せず)を設けることができる。
【0410】
さらに、光検出器150および/または検出器システム200は、様々な方法で構成することができる撮像装置214を含むことができる。したがって、図8に示すように、撮像装置214は、例えば検出器ハウジング158内の検出器150の一部とすることができる。ここで、撮像装置信号は、1つまたは複数の撮像装置信号線138、138’によって検出器150の評価装置172に送信されてもよい。あるいは、撮像装置214は、検出器ハウジング158の外側に別々に配置されてもよい。撮像装置214は、完全にまたは部分的に透明または不透明であり得る。撮像装置214は、有機撮像装置または無機撮像装置であり得るか、またはそれを含み得る。好ましくは、撮像装置214は、少なくとも1つの画素マトリックスを含み得、ここで、画素マトリックスは、特に、以下からなる群から選択され得る:CCDチップおよび/またはCMOSチップ等の無機半導体センサ装置;有機半導体センサ装置。
【0411】
図8に示されるような例示的実施形態では、一例として、検出されるべき対象物152は、スポーツ用品として設計されてもよく、および/または制御要素216を形成してもよく、その位置および/または方向はユーザ218によって操作されてもよい。したがって、一般に、図8に示す実施形態または検出器システム200の他の任意の実施形態では、ヒューマンマシンインターフェース204、娯楽装置206または追跡システム208、対象物152自体は、指定された装置の一部であり得、具体的には、少なくとも1つの制御要素216を含み得、具体的には、少なくとも1つの制御要素216が1つまたは複数のビーコン装置220を有し、制御要素216の位置および/または方向は、ユーザ218によって操作されることが好ましい。一例として、対象物152は、バット、ラケット、クラブ、または他の任意のスポーツ用品および/または模擬のスポーツ用品のうちの1つ以上であり得るか、またはそれらを含み得る&#