(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523647
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】ジカ感染の予防および/または治療方法における使用のためのデング熱に対する中和抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/40 20060101AFI20190802BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20190802BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20190802BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20190802BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20190802BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20190802BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20190802BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20190802BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20190802BHJP
   A61K 35/64 20150101ALI20190802BHJP
   A61K 35/15 20150101ALI20190802BHJP
   A61K 35/54 20150101ALI20190802BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20190802BHJP
   C07K 14/18 20060101ALI20190802BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20190802BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20190802BHJP
   C07K 16/10 20060101ALI20190802BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20190802BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20190802BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20190802BHJP
【FI】
   !C12N15/40ZNA
   !A61K39/12
   !A61K47/65
   !A61K47/61
   !A61P37/04
   !A61P31/12
   !A61K48/00
   !A61K35/76
   !A61K35/12
   !A61K35/64
   !A61K35/15 Z
   !A61K35/54
   !A61K39/395 D
   !A61K39/395 N
   !C07K14/18
   !C12N15/85 Z
   !C12N5/10
   !C07K16/10
   !C12N15/13
   !G01N33/53 N
   !C12P21/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】133
(21)【出願番号】2018564238
(86)(22)【出願日】20170609
(85)【翻訳文提出日】20190206
(86)【国際出願番号】GB2017051692
(87)【国際公開番号】WO2017212291
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】1610162.8
(32)【優先日】20160610
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】507181383
【氏名又は名称】インペリアル イノベーションズ リミテッド
【住所又は居所】イギリス国 エスダブリュ7 2ピージー ロンドン、サウス ケンジントン、プリンセス ゲート 52
(71)【出願人】
【識別番号】517022315
【氏名又は名称】アンスティテュ パストゥール
【住所又は居所】フランス, エフ‐75015 パリ, 28 リュー ド ドクトル ルー
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】レイ, フェリックス
【住所又は居所】フランス, 75015 パリ, 28 リュー ド ドクトル ルー, アンスティテュ パストゥール
(72)【発明者】
【氏名】バルバ スペース, ジョヴァンナ
【住所又は居所】フランス, 75015 パリ, 28 リュー ド ドクトル ルー, アンスティテュ パストゥール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァニー, マリー‐クリスティーヌ
【住所又は居所】フランス, 75015 パリ, 28 リュー ド ドクトル ルー, アンスティテュ パストゥール
(72)【発明者】
【氏名】ルビンスキー, アレクサンダー
【住所又は居所】イスラエル, 91120 エルサレム, ザ ヘブライ ユニヴァーシティ オブ エルサレム, ファカルティー オブ メディシン ピーオービー 12272, イスラエル‐カナダ(アイエムアールアイシー), インスティテュート フォー メディカル リサーチ, デパートメント オブ マイクロバイオロジー アンド モレキュラー ジェネティクス
(72)【発明者】
【氏名】スクリートン, ギャヴィン
【住所又は居所】イギリス, ロンドン ダブリュー12 オーエヌエヌ, デュ ケーン ロード, ハマースミス キャンパス, インペリアル カレッジ ロンドン
(72)【発明者】
【氏名】モンコンサパヤ, ジュタティップ
【住所又は居所】イギリス, ロンドン ダブリュー12 オーエヌエヌ, デュ ケーン ロード, ハマースミス キャンパス, インペリアル カレッジ ロンドン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064AG32
4B064BJ12
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE10
4B064DA01
4B064DA15
4B065AA90X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AB04
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA45
4B065CA46
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZB09
4C084ZB33
4C085AA03
4C085AA13
4C085AA14
4C085BA32
4C085BA51
4C085BA99
4C085EE01
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB21
4C087BB44
4C087BB61
4C087BB65
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB33
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA01
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA31
4H045EA50
4H045FA74
4H045GA22
(57)【要約】
1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種する際に使用するためのフラビウイルスエンベロープ二量体エピトープ(EDE)であって、EDEは、安定化組換えフラビウイルス、任意に、デングウイルスおよび/またはジカエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)二量体であり、二量体は、2つのsE単量体間で少なくとも1つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化される、ならびに/または各単量体の二量体界面で、またはドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって、非共有結合的に安定化され、2つのsE単量体間で少なくとも1つのスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化される、ならびに/または任意に、sE配列を分離する、リンカー領域、任意に、グリシンセリンリッチリンカー領域を有する単一ポリペプチド鎖として形成されることによって共有結合的に安定化される、ならびに/または改変糖類を介して2つのsE単量体を連結することによって共有結合的に安定化される、ならびに/または、二量体は、DENV−1、DENV−2、DENV−3、DENV−4、ジカ、または他のフラビウイルスのうちのいずれか1つまたは2つからの天然および/または変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体であり、1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、EDE。EDEは、DENV−1、DENV−2、DENV−3、DENV−4、およびジカのうちのいずれか1つまたは2つからの天然および/または変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体であり得る。請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDEに対する単離された中和抗体またはその抗原結合断片であって、任意に、当該抗体またはその断片が、残基67〜74、残基97〜106、残基307〜314、残基148〜159、および残基243〜251、またはフラビウイルスもしくはジカウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなるか、あるいはジカPF13残基67〜77、残基97〜106、残基313〜315、残基243〜253、残基K373、またはフラビウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなる、デングウイルス糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)の5つのポリペプチドセグメントに結合し、任意に、結合が、デングN153(ジカN154)グリカンまたは対応する残基の存在もしくは不在によって影響を受けず、1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のためのものであり、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、単離された中和抗体またはその抗原結合断片。
【選択図】図1、図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種する際に使用するためのフラビウイルスエンベロープ二量体エピトープ(EDE)であって、前記EDEが、安定化組換えフラビウイルス、任意にデングウイルスおよび/またはジカ、エンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)二量体であり、前記二量体が、前記2つのsE単量体間で少なくとも1つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化される、ならびに/または各単量体の二量体界面またはドメインI(DI)/ドメインIII(DIII)リンカーにおいて、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって非共有結合的に安定化され、前記2つのsE単量体間で少なくとも1つのスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化される、ならびに/または、任意に、前記sE配列を分離する、リンカー領域、任意に、グリシンセリンリッチリンカー領域を有する単一ポリペプチド鎖として形成されることによって共有結合的に安定化される、ならびに/または、改変糖類を介して前記2つのsE単量体を連結することによって共有結合的に安定化される、ならびに/または、前記二量体が、DENV−1、DENV−2、DENV−3、DENV−4、ジカ、もしくは他のフラビウイルスのうちのいずれか1つもしくは2つからの天然および/もしくは変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体もしくはヘテロ二量体であり、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、EDE。
【請求項2】
前記二量体が、DENV−1、DENV−2、DENV−3、DENV−4、およびジカのうちのいずれか1つまたは2つからの天然および/または変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体である、請求項1に記載の使用のためのEDE。
【請求項3】
前記二量体が、DENV−1、DENV−2、DENV−3、およびDENV−4のうちのいずれか1つまたは2つからの天然および/または変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体である、請求項1に記載の使用のためのEDE。
【請求項4】
前記組換えsE単量体が、ジカウイルス(ZIKV、KJ776791、H−PF−2013_French_Polynesia株)配列番号1;
デングウイルス血清型1(DENV−1、NC_001477)配列番号2;
デングウイルス血清型2(DENV−2、NC_001474)配列番号3;
デングウイルス血清型3(DENV−3、NC_001475)配列番号4;
デングウイルス血清型4(DENV−4、NC_002640)配列番号5;
他のフラビウイルス:
セントルイス脳炎ウイルス(SLEV、NC_007580)配列番号6;
日本脳炎ウイルス(JEV、NC_001437、配列番号7;
マリーバレー脳炎ウイルス(MVEV、NC_000943)配列番号8;
ウエストナイルウイルス(WNV、NC_001563)配列番号9;
WO2016/012800の配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135;および表Mを含む変異の項に記載される変異#1〜#13の中から選択される少なくとも1つの変異を有する変異体sE;ならびに任意に、表Mを含む変異の節に記載される変異#14〜#18の中から選択される少なくとも1つの変異、からなる群から選択される、請求項1、2、または3に記載の使用のためのEDE。
【請求項5】
前記二量体が、DENV−2の67位に対応する位置で、および任意に、各sE単量体のDENV−2の153位またはジカPF13のN154に対応する位置でグリコシル化されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項6】
前記二量体が、前記2つのsE単量体間で少なくとも1つ、2つ、または3つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項7】
前記二量体が、DENV−2のA259C/ジカPF13のA264Cに対応する変異#2、またはDENV−2のS255C/ジカPF13のS260Cに対応する変異#1をそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、259C/264Cまたは255C/260Cに対応する残基が、ジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項8】
前記二量体が、DENV−2のA259C/ジカPF13のA264Cに対応する変異#2を有する変異体sEと、DENV−2のS255C/ジカPF13のS260Cに対応する変異#1を有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、259C/264Cおよび255C/260Cに対応する残基が、ジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項9】
前記二量体が、DENV−2のF108CおよびT315C/ジカPF13のF108CおよびT321Cに対応する変異#4をそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、またはDENV−2およびジカPF13のL107CならびにDENV−2のA313C/ジカPF13のA319Cに対応する変異#3をそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、108Cおよび315C/321Cに対応する残基、または107Cおよび313C/319Cに対応する残基が、ジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項10】
前記二量体が、DENV−2およびジカPF13のF108C、DENV−2のA313C/ジカPF13のA319Cに対応する変異を有する変異体sEと、DENV−2およびジカPF13のL107CならびにDENV−2のT315C/ジカPF13の321Cに対応する変異を有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、108Cおよび313C/319Cに対応する残基が、前記2つのsE単量体間でジスルフィド鎖間結合を介して315C/321Cおよび107Cに対応する残基にそれぞれ連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項11】
前記二量体が、DENV−2のA259C/ジカPF13のA264Cに対応する変異#2と、DENV−2およびジカPF13のF108CならびにDENV−2のT315C/ジカPF13のT321Cに対応する変異#4とをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、DENV−2のS255C/ジカPF13のS260Cに対応する変異#1と、DENV−2およびジカPF13のF108CならびにDENV−2のT315C/ジカPF13のT321Cに対応する変異#4とをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、DENV−2のA259C/ジカPF13のA264Cに対応する変異#2と、DENV−2およびジカPF13のL107CならびにDENV−2のA313C/ジカPF13のT319Cに対応する変異#3とをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、ならびにDENV−2のS255C/ジカPF13のS260Cに対応する変異#1と、DENV−2およびジカPF13のL107CならびにDENV−2のA313C/ジカPF13のT319Cに対応する変異#3とをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、からなる群から選択され、259C/264C、255C/260C、108C、315C/321C、107Cおよび313C/319Cに対応する前記残基が、ジスルフィド鎖間結合を介して、前記残基259C/264C、255C/260C、315C/321C、108C、313C/319Cおよび107Cにそれぞれ連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項12】
前記二量体が、DENV−2のA259C/ジカPF13のA264Cに対応する変異#2、DENV−2およびジカPF13のF108CならびにDENV−2のT315C/ジカPF13のT321Cに対応する変異#4を有する変異体sEと、DENV−2のS255C/ジカPF13のS260Cに対応する変異#1、DENV−2およびジカPF13のF108CならびにDENV−2のT315C/ジカPF13のT321Cに対応する変異#4を有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、前記残基259C/264C、108C、および315C/321Cが、ジスルフィド鎖間結合を介して、前記残基255C/260C、315C/321C、および108Cにそれぞれ連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項13】
前記二量体が、請求項11に記載の変異S255C/260C、L107C、およびA313C/319Cを有する変異体sEと、請求項11に記載の変異A259C/264C、L107C、およびA313C/319Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、前記残基255C/260C、107C、および313C/319Cが、ジスルフィド鎖間結合を介して前記残基259C/264C、313C/319C、および107Cにそれぞれ連結されている、請求項6に記載の使用のためのEDE。
【請求項14】
前記二量体が、前記sE単量体間で少なくとも1つ、2つ、または3つのスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項15】
前記スルフヒドリル反応性架橋剤が、マレイミド、ハロアセチル、ピリジルジスルフィド、ビニルスルホン、アルキルハライド、またはアジリジン化合物、アクリロイル誘導体、アリール化剤、またはチオール−ジスルフィド交換試薬からなる群から選択される、請求項14に記載の使用のためのEDE。
【請求項16】
前記マレイミドスルフヒドリル反応性架橋剤が、BMOE、BMB、BMH、TMEA、BM(PEG)2、BM(PEG)3、BMDB、DTME、好ましくはBMH、BM(PEG)2、およびBM(PEG)3からなる群から選択される、請求項15に記載の使用のためのEDE。
【請求項17】
前記二量体が、DENV−2のT262CまたはDENV−2のT265Cに対応する変異をそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、262Cまたは265Cに対応する残基が、スルフヒドリル反応性架橋剤を介して一緒に連結されている、請求項14〜16のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項18】
前記二量体が、DENV−2のT/S262Cに対応する変異を有する変異体sEと、DENV−2のT/A265Cに対応する変異を有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、262Cおよび265Cに対応する残基が、スルフヒドリル反応性架橋剤を介して一緒に連結されている、請求項14〜16のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項19】
前記二量体が、変異体sEのホモ二量体またはヘテロ二量体であり、DENV−2 sEのアミノ酸残基1〜9、25〜30、238〜282、96〜111、および311〜318に対応する前記アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が、システインおよび変異体sEに変異し、DENV−2 sEのアミノ酸残基1〜9、25〜30、238〜282、96〜111、および311〜318に対応するアミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基が、システインに変異し、前記変異したシステイン残基が、スルフヒドリル反応性架橋剤を介して一緒に連結されている、請求項14〜16のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項20】
前記組換えsEまたは前記2つの組換えsEのうちの1つが、DENV−2のH27F、H27W、H244F、H244W、およびL278Fに対応する変異からなる群より選択される少なくとも1つの変異を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項21】
前記組換えsEまたは前記2つの組換えsEのうちの1つが、DENV−2のL292FおよびL294Nに対応する変異からなる群から選択される少なくとも1つの変異を有する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項22】
前記二量体が、変異体sEのホモ二量体またはヘテロ二量体であり、一方のsE単量体が、グリコシル化部位を導入する少なくとも1つの変異を有し、前記変異したアミノ酸残基が、X官能基を担持する改変糖でグリコシル化され、−他方のsE単量体が、グリコシル化部位を導入する少なくとも1つの変異を有し、前記変異したアミノ酸残基が、Y官能基を担持する改変糖でグリコシル化され、両方の変異した残基が、具体的にはクリック化学によって、第1のsE単量体の糖のX官能基を他方のsE単量体の糖のY官能基と反応させることによって、前記改変糖類を介して一緒に結合している、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項23】
前記EDEが、安定化された組換えデングウイルスエンベロープ糖タンパク質細胞外ドメイン(sE)二量体、エンベロープタンパク質の二量体、またはその抗原性部分、または任意に、単量体間での共有結合および/または非共有結合のレベルが増加する場合、任意に、前記EDEが改善されたEDEである場合、異種骨格タンパク質内に保持された、前記エンベロープポリペプチド二量体の連続もしくは非連続残基を含む、請求項1〜22のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項24】
前記EDEが、前記DENV−1もしくはDENV−2ポリペプチド配列の、E49、K64、Q77、W101、V122(DENV−1;K122 DENV−2)、N134、N153、T155、I161、A162(DENV−1;I162 DENV−2)、P169(DENV−1;S169 DENV−2)、T200(DENV−1;Q200 DENV−2)、K202(DENV−1;E202 DENV−2)、E203、L308(DENV−1;V308もしくはI308 DENV−2_、K310、Q323(DENV−1;R323 DENV−2)、W391、F392;ジカPF13のT49、S64、Q77、W101、S122、N134、N154、T156、K166 T205、N207、N208、F314、K316、E319、W400、H401に対応する位置のうちの1つ以上;またはフラビウイルス、任意に、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基;
ならびに/あるいは
ジカPF13のR2、M68、A69、S70、D71、S72、R73、C74、Q77、D83、V97、D98、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、K251、R252、Q253、T315、K316、Q331、K373に対応する位置のうちの1つ以上、例えばジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253に対応する位置のうちの1つ以上、ならびに/あるいは、前記DENV−2もしくはDENV−4ポリペプチド配列の、A71、C105、C74、D154、D249、D271、D309、D362、D98、E148、E311、E44、E71、E84、G102、G104、G106、G152、G156、G28、G29、G374、H158、H27、I113、I308、I46、K246、K247、K310、K323、K325、K47、L113、L45、L82、M278、N103、N153、N362、N67、N83、Q248、Q271、Q325、Q77、R2、R247、R323、R73、R99、S72、S81、T115、T155、T361、T46、T68、T69、T70、T72、V113、V114、V250、V309、V324、V97、W101、に対応する位置のうちの1つ以上、またはフラビウイルス、任意に、ジカまたはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基、を含み、任意に、DENV−2/N154ジカPF13のN153および/またはDENV−2のN67に対応する位置が、グリコシル化され、任意に、前記EDEが、位置W101および少なくとも1つの他の位置を含む、請求項1〜22のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項25】
特定の残基が、エンベロープタンパク質の天然の二量体における前記残基と実質的に同様の空間配置にある、請求項1〜24のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項26】
前記EDEが、ドメインII側上のbストランド、およびドメインI側(前記二量体界面の向かいの)上の「150ループ」によって形成されたくぼみの中心に置かれた領域を含み、前記150ループが残基148〜159に広がり、ドメインIのbストランドE0およびF0を接続し、N153グリカンを担持し、これは前記二量体における前記パートナーサブユニットの融合ループを覆い、任意に、前記領域が、前記bストランド(前記N67グリカンを担持する残基67〜74)、すぐ上流の前記融合ループおよび残基(残基97〜106)、ならびに前記参照サブユニットの前記ijループ (残基246〜249)を含み、前記参照サブユニットが、前記融合ループに寄与する前記サブユニットであり、任意に、前記EDEが、第2のサブユニットの前記150ループおよび前記N153グリカン鎖をさらに含み、任意に、一方または両方の領域が天然領域と実質的に同様の空間配置にあるか、または前記EDEが、ドメインIIのジカPF13ベータストランドb、bcdベータ−シート端部、融合ループ主鎖、融合ループR99側鎖、Q77側鎖、C74とC105との間のジスルフィド結合、ベータストランドE、K373、ドメインIの荷電残基、ドメインIIのklループ、またはそれに対応する領域を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の使用のためのEDE。
【請求項27】
前記EDEが、ビリオンまたはサブウイルス粒子、またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子、任意に、自己組織化ナノ粒子の一部として提示される、請求項1〜26のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項28】
前記EDEが、一旦、対象、好ましくはヒトに投与されると、抗体を作り出すことができ、前記抗体が、1種を超える血清型のフラビウイルス、任意に、デングウイルスおよびジカウイルスに結合することができ、任意に、4種すべての血清型のデングウイルスおよびジフウイルスに結合することができ、1種を超える血清型のフラビウイルス、任意に、デングウイルスおよびジカウイルスを中和することができ、任意に、4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを中和することができ、かつ前記抗体が、任意に、4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを80、90、または100%中和することができ、任意に、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるウイルスを中和することができ、好ましくは、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られる4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを80、90、または100%中和することができる、請求項1〜27のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項29】
前記EDEが、単一ポリペプチドとして表され、任意に、前記2つのエンベロープ単量体が、リンカーによって分離され、任意に、前記リンカーが、グリシンおよび/またはセリンリッチである、請求項1〜28のいずれかに記載の使用のためのEDE。
【請求項30】
1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種する際に使用するための、または1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のための、請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDEをコードする核酸であって、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、核酸。
【請求項31】
1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種する際に使用するための、または1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のための組成物であって、
a)請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDE、
b)請求項30に記載の核酸、
c)請求項30に記載の核酸を含むベクター、
d)請求項30に記載の核酸、または請求項30に記載の核酸を含むベクターを含む、宿主細胞であって、任意に、前記宿主細胞が、C6/36昆虫細胞、ヒト樹状細胞、CHO細胞、またはピキア・パストリス細胞である、宿主細胞、のうちのいずれか1つ以上を含み、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、組成物。
【請求項32】
a)請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDE、
b)請求項30に記載の核酸、
c)請求項30に記載の核酸を含むベクター、
d)請求項30に記載の核酸を含む宿主細胞、または請求項30に記載の核酸を含むベクターが、1種を超える、任意に2種、任意に3種、任意に4種の血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスからのものであるか、またはそれらの前記EDEをコードする、請求項31に記載の使用のための組成物。
【請求項33】
a)請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDE、
b)請求項30に記載の核酸、
c)請求項30に記載の核酸を含むベクター、
d)請求項30に記載の核酸を含む宿主細胞、または請求項30に記載の核酸を含むベクターが、4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを中和する抗体を産生することができる単一のEDEであるか、またはそれをコードし、任意に、4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを完全に中和することができ、任意に、昆虫細胞およびヒト細胞における4種すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを完全に中和することができる、請求項31または32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
前記個体が、妊娠中の女性、任意に、例えばデングウイルスに感染したことが分かっている、または疑われることを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、妊娠中の女性、または、出産年齢の女性、任意に、例えば、デングウイルスに感染していることが分かっている、または疑わしいことを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、出産年齢の女性である、請求項1〜33のいずれか一項に記載の使用のための、EDE、核酸、または組成物。
【請求項35】
ジカウイルスに対するワクチンのために好適な抗原を選択することを補助するための方法であって、候補抗原に応答して対象において作製された1つ以上の抗体の特性決定を含み、任意に、前記候補抗原が、請求項1〜29のいずれかに記載のEDEに結合することが知られている抗体のパネルに結合することがこれまでに見出されている、方法。
【請求項36】
前記抗体が、前記候補抗原に曝露された対象の分類された単一形質細胞から得られる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記主要抗体(複数可)が、任意に、ウエスタンブロットにおいて、前記デングエンベロープタンパク質を含む直線状エピトープを認識する場合、前記候補抗原がジカワクチン抗原として適していないと見なされる、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記主要抗体(複数可)が、請求項1〜29のいずれかに記載のEDEに結合する場合、前記候補抗原が、ジカワクチン接種における使用に潜在的に適していると考えられる、請求項35〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記抗体が、2種以上の異なる血清型のデングウイルス/ジカウイルスの、請求項1〜29のいずれかに記載のエンベロープタンパク質またはEDEに対する交差反応性について評価される、請求項35〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記候補抗原が、任意に、請求項1〜29のいずれか一項に記載のフラビウイルスエンベロープタンパク質の安定化二量体である、請求項35〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
ジカウイルスワクチン接種に対する患者の必要性を評価するための方法であって、前記対象における抗EDE抗体および抗融合ループ抗体のレベルの特定を含み、前記EDEが、請求項1〜29のいずれかに記載されるとおりである、方法。
【請求項42】
前記患者が、抗EDE抗体を有すると判定される場合、ワクチン接種が不要である可能性があると特定される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記患者が、抗EDE抗体を有すると判定される場合、前記患者は、ブースト投与に供されるように選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記患者が、抗EDE抗体を有しない場合、前記患者は、全ワクチン接種のために選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDEに対する単離された中和抗体またはその抗原結合断片であって、任意に、前記抗体またはその断片が、前記残基67〜74、残基97〜106、残基307〜314、残基148〜159、および残基243〜251、または前記フラビウイルスもしくはジカウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなるか、あるいはジカPF13残基67〜77、残基97〜106、残基313〜315、残基243〜253、残基K373、または前記フラビウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなる、前記デングウイルス糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)の5つのポリペプチドセグメントに結合し、任意に、結合が、デングN153(ジカN154)グリカンまたは対応する残基の存在もしくは不在、によって影響を受けず、1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のためのものであり、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、単離された中和抗体またはその抗原結合断片。
【請求項46】
前記個体が、妊娠中の女性、任意に、例えばデングウイルスに感染したことが分かっている、または疑われることを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、妊娠中の女性、または、出産年齢の女性、任意に、例えば、デングウイルスに感染していることが分かっている、または疑わしいことを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、出産年齢の女性である、請求項45に記載の使用のための、抗体またはその断片。
【請求項47】
フラビウイルス、任意に、ジカまたはデングウイルスのビリオン依存性(サブウイルス粒子またはウイルス様粒子を含む)エピトープ(複数可)を単独に認識する、請求項45または46に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項48】
Fab断片である、請求項45〜47のいずれか一項に記載の断片。
【請求項49】
前記抗体または断片が、表Aに特定される抗体EDE1 C8またはEDE1 C10からの、任意に、配列番号15〜26および前記配列番号15〜26のいずれか1つから30、20、15、または10%以下の改変を有する配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、CDR領域を含む、請求項45〜48のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項50】
前記EDEが、前記ドメインII側上のbストランド、および(前記二量体界面の向かいにある)ドメインI側上の「150ループ」によって形成されたくぼみの中心に置かれた領域を含み、前記150ループが残基148〜159に広がり、ドメインIのbストランドE0およびF0を接続し、前記N153グリカンを担持し、前記二量体において前記パートナーサブユニットの融合ループを覆い、任意に、前記領域が、前記bストランド(前記N67グリカンを担持する残基67〜74)、すぐ上流の前記融合ループおよび残基(残基97〜106)、ならびに前記参照サブユニットの前記ijループ(残基246〜249)を含み、前記参照サブユニットが、前記融合ループに寄与する前記サブユニットであり、任意に、前記EDEが、第2のサブユニットの前記150ループおよび前記N153グリカン鎖をさらに含み、任意に、一方または両方の領域が、天然領域と実質的に同様の空間配置にあるか、または前記EDEが、ドメインIIのジカPF13ベータストランドb、bcdベータ−シート端部、融合ループ主鎖、融合ループR99側鎖、Q77側鎖、C74とC105との間のジスルフィド結合、ベータストランドE、K373、ドメインIの荷電残基、ドメインIIのklループ、またはそれに対応する領域を含む、請求項45〜49のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項51】
前記抗体またはその断片が、1種以上の血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスを中和し、任意に、1種以上の血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスを80%または90%または98%または100%中和する、請求項45〜50のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項52】
前記抗体またはその断片が、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを中和し、任意に、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを80%または90%または98%または100%中和し、任意に、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを100%に中和し、任意に、すべての血清型のデングウイルスを同じ濃度の抗体または断片で100%中和する、請求項45〜51のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項53】
前記抗体またはその断片が、1つ以上の血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスを0.5〜0.01μg/mlの濃度で80、90、98、または100%中和する、請求項45〜52のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項54】
前記抗体またはその断片が、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを、0.5〜0.01μg/mlの濃度で80、90、98、または100%中和する、請求項45〜53のいずれか一項に記載の抗体またはその断片。
【請求項55】
前記断片が、Fv断片、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab’断片、もしくはF(ab)2断片);またはドメイン抗体であるか、または前記抗体が、モノクローナル抗体または組換え抗体である、請求項45〜54のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項56】
前記抗体が、ポリクローナル抗体またはその抗原結合部分である、請求項45〜54のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項57】
前記抗体またはその断片が、混合物または抗体、任意に、
a)モノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の混合物、または
b)ポリクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の混合物、または
c)混合物、またはモノクローナルおよびポリクローナル抗体もしくはその抗原結合部分、を含む組成物の一部として使用するためのものである、請求項45〜56のいずれか一項に記載の使用のための抗体またはその断片。
【請求項58】
1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のための、請求項45〜57のいずれかに記載の抗体またはその断片をコードする核酸であって、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、核酸。
【請求項59】
前記抗体もしくはその断片または核酸が、上述の1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のためのものであり、前記治療が、抗体依存性増強(ADE)を減少させるためである、請求項45〜57のいずれか一項に記載の使用のための抗体もしくはその断片、または請求項58の使用のための核酸。
【請求項60】
対象における1つ以上のフラビウイルスによる感染の診断またはモニタリングする際に使用するための、請求項1〜59のいずれか一項に記載のEDEまたはその抗体もしくはその断片であって、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、EDEまたはその抗体もしくはその断片。
【請求項61】
1つ以上のフラビウイルスによる感染に対してワクチン接種された対象における1つ以上のフラビウイルスによる感染に対するワクチン接種プロトコルの成功をモニタリングするためのインビトロ方法であって、
a)前記対象からの適切な生物学的試料を、請求項1〜29のいずれか一項に記載のEDEとインビトロで接触させるステップと、
b)前記生物学的試料中の前記二量体を対象とする中和抗体の量を判定するステップと、
c)ステップ(b)において判定された量を、前記対象に対して以前に得られた前記二量体を対象とする抗体の量と比較するステップと、を含み、
前記二量体を対象とする中和抗体の量の有意な増加が、前記ワクチン接種プロトコルの成功のマーカーを構成し、
前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、インビトロ方法。
【請求項62】
1つ以上のフラビウイルスによる感染を患っている患者を、請求項45〜57のいずれか一項に記載の抗体もしくはその断片、または請求項58に記載の核酸での治療、あるいはその用量の増加を必要とする可能性が高いとして特定するための方法であって、前記対象における抗EDE抗体および抗融合ループ抗体のレベルの決定を含み、前記EDEが、請求項1〜29のいずれかに記載のとおりであり、前記1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、方法。
【請求項63】
前記対象が主に抗融合ループ抗体を有する場合、前記対象が前記抗体、断片、または核酸で治療、任意に高用量でそれを必要とする、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記対象が抗EDE抗体を有しないか、または特に低レベルの抗EDE抗体を有する場合、前記対象が、高用量の前記抗体、断片、または核酸を必要としていると見なされる、請求項62または63に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラビウイルス感染の治療および予防の分野ならびに関連化合物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルスの負担
フラビウイルス属のウイルスは、最も重要な節足動物媒介性のヒト病原体であり、予防的治療や治癒的治療が利用できない南米における現在のジカ爆発などのますます深刻な蔓延を引き起こしている。ジカVの現在のメディアへの影響に加えて、社会に最も高い報酬を課すフラビウイルス疾患は、アミノ酸配列が30〜35%異なる血清型DENV1〜4と呼ばれる4つの異なるウイルスによって引き起こされるデング熱である。世界の年間発生率は、3億9000万の症例であり、このうち、9600万人は、臨床的に明らかであり1、約25000人が死亡していると推定されている。グローバリゼーション、Aedes蚊ベクターの広がり、都市計画の不十分な計画、最近まで認可されたワクチンまたは抗デング治療薬がなかったことなど、いくつかの要因がパンデミックを引き起こしている2。ジカVはまた、Aedes蚊によっても広がり、フラビウイルスの中でそのエンベロープタンパク質は他のフラビウイルスよりもDENV(42〜46%発散、図1A)のアミノ酸配列に最も近い。
【0003】
重度のデング疾患の特徴は、毛細血管の浸透性を高め、血漿漏出および出血を引き起こし、血流力学的妥協およびデングショック症候群をもたらす。未治療の重度の疾患は、死亡率が最大20%になり得るが、専門家の管理、主に補液により、これは、1%未満に減らすことができる2。デング熱は爆発的な蔓延を引き起こし、風土病国の医療制度に大きなストレスを与え、いくつかのデング熱管理戦略が評価されているが、一般的に、すべての年齢層に有効なワクチンが疾患の負担に深刻に参入することが必要である。ジカウイルスの場合、ほぼ70年前に発見されたが、最近になって、ミコセファリーおよびギランバレー症候群を含む重度の神経学的後遺症が記載されている3〜6。
【0004】
フラビウイルスビリオン
フラビウイルスは、カプシド(C)前駆体膜タンパク質(prM)およびエンベロープ(E)、ならびに7つの非構造タンパク質(NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、およびNS5)の3つの構造タンパク質を有する直径50nmである、比較的単純なポジティブセンスの一本鎖RNAウイルスである(図1B)。EおよびprMは、ウイルスの糖タンパク質の殻を形成し、Eは宿主細胞の結合および細胞への侵入7に関与する。ウイルス粒子の組み立ておよび成熟は、DENVについて最も徹底的に研究されている。小胞体中の粒子の形態形成中、Eの180個のコピーは、1:1の様式で、prMの180個のコピーと会合して、「未成熟ビリオン」をそれらの特徴となるスパイク状の外観7〜9を与える、60三量体(ヘテロ六量体)スパイクを形成する(図2A)。トランスゴルジネットワーク内のprMは、それが分泌されるまで、ビリオンと会合したままの状態で膜アンカー型Mの切り株およびPRを生成し、宿主がコードされたフリンプロテアーゼによって切断される8、10、11。宿主細胞から分泌されると、prは、離れて、「成熟ビリオン」を残し、Eの180個のコピーを含む平滑な構造は、2、3、および5倍軸の周りに20面体対称を有する90ヘッドトゥーテール二量体に配置される(図2B)。
【0005】
DENVでは、prMの切断は、すべてのビリオンにおいて完全ではなく、割合の中間体の状態のままで、ウイルス粒子が様々な量の切断された、かつ切断されないprM12〜15を含む。prMの切断は、昆虫細胞またはベロなどの腫瘍細胞株で産生されるウイルスと比較して、ある特定の細胞型、特に樹状細胞などの初代ヒト細胞でより効率的である16、17。
【0006】
免疫増強
1種の血清型のデングによる感染は、その血清型との再感染への終生免疫の世代をもたらすが、他の血清型ではもたらさない18〜20。4種すべてのデング血清型がしばしば共循環するか、または周期的に互いに置き換わるので、複数の感染が流行国では典型的である。十分に管理された疫学研究は、大部分の重度のデング熱感染が、二次的または連続的なデング熱感染を経験している個体において生じることを示している21〜23。
【0007】
抗体依存性増強(ADE)の理論は、一次感染に対して生成された既存の異種抗体が、二次的に遭遇するウイルスを中和するのに十分な結合活性または濃度ではないことを仮定しており、エンベロープタンパク質のアミノ酸配列は、30〜35%変化し得る。その代わりに、ウイルスは、インビボでDENV複製の主要部位である、単球およびマクロファージなどのFc受容体(FcR)を担持する細胞に取り組むために、オプソニン化および標的化され、そのため、ウイルス産生の増加をもたらし得る24〜27。
【0008】
デングワクチン
過去数十年にわたるデング熱感染の指数関数的増加は、デングワクチンの探索を必要であるが、この目標を達成することは非常に困難であることを示している。成功したワクチンは、デング熱にさらされていないか、またはこれまでにデング熱感染を経験している個体において、4種すべてのデング血清型、好ましくは1または2用量で保護的で耐久性のある免疫応答を誘導する必要があるであろう。同時に、ワクチンは上記の増強または病原性免疫応答を誘発することを避ける必要があり得る。
【0009】
初回のデング熱感染が他の3つのウイルス血清型の再感染に対する長期的な予防を与えないため18、19、ワクチンは四価製剤を要求する4種すべての血清型に対して防御型特異的応答を誘導する必要があると一般に認められている。ワクチン開発の取り組みは、タイで始まったおよそ50年間、4種の血清型を表すウイルス株の連続継代によって生きた弱毒化デングワクチン(LATV)を産生する作業を追求されてきた28。特定の課題は、過度に弱毒化されていない顕性デング疾患を誘発し、防御免疫応答を誘発することができない弱毒化形態のウイルスを開発することであった。別の課題は、4つすべてのウイルスが一緒に送達される、四価製剤を生産し、均等に複製し、いくつかの血清型に対して良好な応答であるが、1種以上の血清型に対して不良な応答をもたらした血清型間の競合ではなく、4種すべての血清型に対してバランスのとれた応答を誘導することであった。
【0010】
最先端のデングワクチンは、Sanofi PasteurワクチンCYD−TDVである。これは、黄熱病17Dワクチン株を骨格とし、デングprMおよびE遺伝子を黄熱病のものに置き換えたキメラである。ワクチンは、各血清型(CYD1〜4)を表す4種の組換えウイルスの混合物を含む29〜32。最初の臨床試験は、ワクチンに対する良好な血清反応が示され、血清陽性率は66.5〜100%であった。アジアおよびラテンアメリカにおけるこのワクチンの第III相試験は、35〜78%の準最適有効性を示し、デング2に対する有効性は最も低かった30、32。
【0011】
さらなる分析により、ワクチンはワクチン接種前にすでに1種以上の血清型に対して既に免疫されたワクチンに対してより良好な保護を与えたことが明らかになった。最近、最初の2〜3年の長期追跡調査の暫定的結果が発表され、有効性が立証されたが、プラセボと比較して9歳未満のワクチン接種群で増加した入院デング熱病に関するシグナルが明らかになった33。ワクチンプライミングによる免疫増強が不完全な防御をもたらす可能性があるという強い疑いがあり、これは予防接種時に未熟なデング熱の若いワクチンでおそらく起こる。しかしながら、このワクチンは、いくつかのデング熱帯諸国で認可されているが、9〜45歳に制限されており、リスクのある個人の大半が適格ではないことを意味する。TakedaおよびNIHのLATVのうち2つ以上のLATVが第III相評価に近く、これらが優れた有効性を達成するかどうかが決定されるであろう。
【0012】
デングエピトープが、最もヒト中和抗体の標的物であるかについては、これまでのところ明らかではなく、例えば、de Alwis(de Alwis et al 2012 Identification of human neutralizing antibodies that bind to complex epitopes on dengue virions.Proc Natl Acad Sci USA 109:7439−7444)は、エピトープが形成のためにウイルスの組み立てを必要とすることを示唆しているが、一方、Rey(Rey 2013 Nature 497:443−444)は、エンベロープ二量体自体が標的物であると示唆している。
【0013】
本発明者らが関与する以前の研究は、デングエンベロープ二量体の一部を標的とするヒト中和抗体を同定する。例えば、WO2016/012800、Rouvinski et al(2015)Nature 520,109−113、Dejnirattisai et al(2015)Nature Immunol 16,170−177を参照されたく、これらは、4種の血清型のデングウイルス(DENV)に対する強力な交差中和ヒト抗体の単離および構造的特徴付けに関連する。これらの抗体は、E−二量体−エピトープ(EDE)と呼ばれる高度に保存されたエピトープに結合する。
【0014】
Dai et al(2016)Cell Host&Microbe19,1−9は、融合ループエピトープを認識するフラビウイルス広範な防御抗体として記載されている抗体とのジカウイルスエンベロープタンパク質およびその複合体の構造を報告している。Dai et al(2016)は、5頁、第2欄に
「EDE特異的中和抗体の構造研究により、融合ループの露出した主鎖および2つの保存されたグリカン鎖(N67およびN153結合グリカン)を含む、認識決定基がE二量体界面で血清型不変部位に見出されることが明らかになったことを言及する(Rouvinski et al.,2015)。これらの2つのグリコシル化部位は、他のフラビウイルスにおいて高度に保存されていない。さらに、ZIKVは、N67結合グルシレーション部位を持たず、N154結合グリコシル化部位(DENVのN153結合グリコシル化部位と同等)は、単離されたZIKV株の一部には存在しない(表S2)。さらに、DENV EDE mAb結合にとって重要なbストランド、150ループ、ijループ、およびA鎖のいくつかの残基は、ZIKVおよび他のフラビウイルスにおいて保存されていない(図S2)。重要なことに、ZIKV sE構造は、EDE抗体の結合領域に独自に正電荷のパッチを示すので(図S1)、EDE特異的抗生物質はZIKV感染に対して効果的でない可能性がある。しかしながら、高度に保存された融合ループを標的とする他
の既知のフラビウイルスFLE特異的抗体は、2A1−G6の中和プロファイルによって確認されるように、ZIKVを中和することができる。」
【0015】
Daiら(2016)に記載された結論とは対照的に、本発明者らは、デングウイルスを越えてフラビウイルスが強力に中和され、例えばDaiら(2016)に報告されているよりもはるかに強力な中和など、ジカVの強力な中和をもたらす、デングウイルスを越えて、例えばジカウイルス(ジカV)においてもEDEが保存されると判定されている。EDEエピトープの保存は、フラビウイルス、例えばジカウイルスによって引き起こされる疾患の治療および予防に幅広く影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以下に記載の本発明は、デングウイルスを越えて新たに同定されたEDEの保存に関して、方法、使用、ワクチン、化合物、および組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、本発明の異なる態様の様々な実施形態に関して以下に記載されよう。明確にするために、個別の実施形態の文脈に記載される本発明のある特定の特性はまた、1つ以上の実施形態または単一の実施形態において組み合わせても提供されてもよいことが理解される。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈に記載される本発明の様々な特性はまた、個別にまたは任意の適当なサブコンビネーションで提供されてもよい。これらの実施形態のすべての組み合わせは、あたかも各々およびすべての組み合わせが個別におよび明示的に開示されたかのように、本発明によって具体的に包含され、本明細書で開示されている。加えて、すべてのサブコンビネーションはまた、あたかも各々およびすべてのこのようなサブコンビネーションが個別におよび明示的に本明細書で開示されたかのように、本発明によって具体的に包含され、本明細書で開示されている。
【0018】
したがって、本発明の第1の態様は、1つ以上のフラビウイルスの感染の予防および/または治療のための方法における使用のために、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば1種を超える血清型のデングウイルスおよび/またはジフウイルスを中和する化合物を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本化合物は、以下でさらに論じられるように、抗体またはその抗原結合断片であり得る。したがって、一実施形態では、本発明は、以下に定義されるEDEに対する単離された中和抗体またはその抗原結合断片を提供し、任意に、当該抗体またはその断片は、残基67〜74、残基97〜106、残基307〜314、残基148〜159、および残基243〜251、またはフラビウイルスもしくはジカウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなるか、あるいはジカPF13残基67〜77、残基97〜106、残基313〜315、残基243〜253、残基K373、またはフラビウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなる、デングウイルス糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)の5つのポリペプチドセグメントに結合し、任意に、結合が、デングN153(ジカN154)グリカンまたは対応する残基の存在もしくは不在によって影響を受けず、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0020】
個体は、妊娠中の女性、任意に、例えばデングウイルスに感染したことが分かっている、または疑われることを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、妊娠中の女性、または出産年齢の女性、任意に、例えば、デングウイルスに感染していることが分かっている、または疑わしいことを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、出産年齢の女性である。
【0021】
化合物、例えば、抗体またはその抗原結合断片は、結果が特に重篤である可能性がある妊婦におけるジカ感染の可能性、ウイルス負荷、または重症度/影響を低減するのに特に有用であると考えられる。
【0022】
ジカウイルス糖タンパク質細胞外ドメイン(sE)については、結合セグメントは、実施例2、例えば「EDE1C8複合体」と記載された節に示されているように、ならびに実施例2の図3および4を参照してもよい。抗体とジカsEとの相互作用は、CDRからの側鎖(例えば、水素結合ドナー(NH基)およびbdcベータシート端(実施例2の図3bおよび3c)の受容体(主鎖カルボニル)を認識するH2、H3、およびL3など)を有するドメインIIのベータストランドbを含み得る。融合ループ主鎖(いくつかのグリシン残基を含む)およびCys74とCys105との間のジスルフィド結合は、CDR L1およびL3(実施例2のED図1)の残基の芳香族側鎖によって枠を付けることができる。これらの2つのCDRからの残基は、例えば、融合ループの保存された側鎖カイン、例えばArg99または近くに、例えばGln77も認識し得る。二量体界面を横断して、ベータストランドE、例えばLys373は、例えば、直接または水媒介水素ボディのネットワーク(例えば、実施例2のED図4bおよび4cを参照のこと)のようなCDRs L1およびL2と相互作用することができる。ドメインIおよびドメインIIの近くのklループからの荷電残基は、例えば、CDR H2およびH3などの重鎖への結合に寄与し得る(実施例2のED図4eおよび4f)。実施例2のED表4および5は、例えば、EDE1 C8とZIKV sEとの間の極性相互作用を示す。したがって、ドメインIIにおけるbストランドおよび融合ループとの接触は、例えば、二量体界面を横断するか、または相互作用を安定化させるDENVのN67グリカンを介して、他の寄与とともに主要な結合決定因子であり得る。
【0023】
好ましくは、本化合物は、1種または2種の血清型のデングウイルス、より好ましくは3種のデングウイルス、および最も好ましくは4種の血清型のデングウイルスのデングウイルスすなわち、4種すべての血清型のデングウイルスを中和する、例えば、ジカウイルス、ならびにDENV−1、DENV−2、DENV−3、およびDENV−4を含む一覧表からの1種、2種またはそれ以上の血清型のデングウイルスを中和する。
【0024】
化合物とは、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えばジカおよびデングウイルスを中和することができる任意の化合物を意味する。本化合物は、例えば、小分子、ポリペプチド、またはタンパク質(これらの用語は、本明細書で同義に使用される)であってもよく、これには、糖タンパク質、核酸、炭水化物、脂肪、原子、例えば、金属が含まれる。好ましい実施形態では、本化合物は、ポリペプチド、好ましくは抗体またはその抗原結合部分である。この抗原結合部分は、Fv断片、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab)2断片、Fv断片、もしくはscFv断片)、またはドメイン抗体であってもよい。この抗原結合部分は、無傷抗体に存在する線状アミノ酸配列に由来し得るか、または一連の非連続的なアミノ酸を含み得るか、任意に他のアミノ酸と散在され得、例えば、エピトープとの接触に必要とされる特定のアミノ酸を含み得るが、例えば、場合によっては、例えば異種骨格タンパク質によって置き換えられ得る、天然抗体のフレームワークに必要とされるアミノ酸を含み得ない。本発明に従う抗体は、例えば、当業者に周知であろう、ヒト、サル、ウサギ、またはマウスなどの哺乳動物に免疫性を与えるステップを含む方法によって、および/または例えば、ファージディスプレイ選択ステップを含む、インビトロ方法によって得られる。
【0025】
抗体とは、実質的に無傷の抗体分子、ならびにキメラ抗体、ヒト化抗体(少なくとも1つのアミノ酸が非ヒト抗体に対して変異である、例えば、天然非ヒト抗体または非ヒト抗体配列から組み立てられた抗体)、一本鎖抗体、二重特異性抗体、抗体重鎖、抗体軽鎖、抗体重鎖および/または軽鎖のホモ二量体またはヘテロ二量体、ならびにその抗原結合部分および誘導体の意味を含む。
【0026】
本化合物がタンパク質、例えば、抗体またはその断片であり、ヒト対象に投与されるとき、およびこの抗体がヒト抗体またはその断片ではない場合、ヒトにおける免疫原性を低減させるためにヒト化され得る。ヒト化抗体またはその断片を産生するための方法は、当該技術分野で既知である(Vinckleら、2009)。
【0027】
さらに、本発明に従う抗体またはその断片のバイオアベイラビリティは、中和抗体またはその断片をアルブミン(Coppietersら、2006)または免疫グロブリン(Harmsenら、2005)などの不活性担体に接合することによって改善され得る。
【0028】
抗体という用語はまた、IgG、IgA、IgM、IdD、およびIgEを含む、すべてのクラスの抗体も含む。抗体という用語はまた、任意の定義された抗体およびその抗原結合部分の変異体、融合体、および誘導体も含む。
【0029】
本化合物は、代替的には、例えば、MILLWARD STEVEN W ET AL:“Design of cyclic peptides that bind protein surfaces with antibody−like affinity”,ACS CHEMICAL BIOLOGY,vol.2,no.9,1 January 2007(2007−01−01),pages 625−634,XP002616292,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,WASHINGTON,DC,US ISSN:1554−8929,DOI:10.1021/CB7001126、HEINIS CHRISTIAN ET AL:“Phage−encoded combinatorial chemical libraries based on bicyclic peptides”NATURE CHEMICAL BIOLOGY,vol.5,no.7,July 2009(2009−07),pages 502−507,XP007913181に記載されるように、環状ペプチド、例えば、多環状ペプチド、例えば、二環状ペプチドであり得る。例えば、WO2009/098450も参照されたい。必要とされる結合特性を有する二環状ペプチドは、例えば、ファージ提示法によって選択され得る。
【0030】
中和するとは、今までに感染していない細胞を感染させるウイルスの能力を低減させることを意味する。
【0031】
当業者は、化合物の能力を中和するウイルスを観察するために適当な技術を十分承知しているであろう。かかる方法の一例は、WO2016/012800の実施例3に詳述されており、1種以上の血清型のデングウイルスが潜在性のある宿主細胞集団を感染させることができ、アッセイ下での化合物をウイルスと混合させ、次いで、混合物を潜在性のある宿主細胞でインキュベートする。化合物の中和能力、すなわち、感染を予防する化合物の能力の基準を得る、感染した細胞数がアッセイされる。ある特定の例では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合部分を中和する可能性は、感染した病巣の数の低減が対照(化合物なし)と比較する場合に、フォーカス低減中和試験(FRNT)を用いて判定され得る(Dejnirattisai et al 2010 Cross−reacting antibodies enhance dengue virusinfection in humans.Science 328:745−748)。簡潔に言えば、本化合物をウイルスと混合し、37℃で1時間インキュベートする。次いで、混合物をベロ細胞(アフリカミドリザルからの腎臓上皮細胞株)に移し、3日間インキュベートする。フォーカス形成アッセイは、抗E mAb(4G2)を用いて行われ、続いて、HRP共役されたウサギ抗マウスIgGを用いて行うことができる。この反応は、DAB基質の添加によって可視化することができる。フォーカス低減の割合は、各化合物について計算される。50%のFRNT値は、SPSSパッケージからのプロビットプログラムを用いて、低減率対化合物の濃度のグラフから決定され得る。典型的には、このアッセイは、試験化合物の不在下で、例えば、コンフルエントな細胞、例えばちょうどコンフルエントな細胞を含む96ウェルプレートウェル中で約100の病巣が存在するように行われ得る。
【0032】
例えばフォーカス低減中和試験(FRNT)、プラーク低減中和試験(PRNT;WHO文書http://whqlibdoc.who.int/hq/2007/who_ivb_07.07_eng.pdfを参照;FRNT、フローサイトメトリーを用いた、マウスおよびサルなどのインビボでの技術のような、他のかかる例は、当業者には既知であろう。例えば、FRNTおよびフローサイトメトリー方法の例については、WO2016/012800の図30を参照されたい。本明細書の実施例も参照されたい。
【0033】
一実施形態では、本化合物は、ウイルスを少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは95%、および最も好ましくは100%中和する。さらに好ましい実施形態では、本化合物は、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを中和し、任意に、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを80%または90%または98%または100%中和し、任意に、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを同じ濃度の抗体または断片で100%中和する。
【0034】
このウイルスは、昆虫細胞によってまたはヒト癌細胞株(典型的には、以下にさらに論じられるように、高いpr−M含有ウイルスを産生すると見なされる)において、またはあるいは、ヒト初代細胞、例えば初代ヒト樹状細胞において、またはフリンを過剰発現する細胞株(低pr−M含有ウイルスを作製すると見なされる)において産生され得る。
【0035】
本化合物は、1種以上の血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスを0.5〜0.01μg/mlの濃度で80、90、98、または100%中和させ得る。本化合物は、すべての血清型のデングウイルスおよびジカウイルスを0.5〜0.01μg/mlの濃度で80、90、98、または100%中和させ得る。
【0036】
上掲のDai et al(2016)Cell Host&Microbe 19,1−9は、融合ループエピトープを標的としたmAb 2A10G6については、プラーク減少アッセイにおいて249μg/mlの50%プラーク減少中和力価(PRNT50)を報告している(図3Aならびに3頁および4頁にわたる一節)。
【0037】
特定のレベルまで中和するとは、所与の濃度の化合物に対して特定のレベルまで中和することを意味することを含む。所与の化合物の適切な濃度は、実際の化合物に応じて異なり得ることが理解されよう。例えば、上記のアッセイにおいて使用される、例えば、所与の化合物の濃度は、100mM、10mM、1mM、100μM、10μM、1μM、100nM、10nM、もしくは1nM;0.01μg/ml、0.02μg/ml、0.04μg/ml、0.05μg/ml、0.06μg/ml、0.075μg/ml、0.1μg/ml、0.25μg/ml、0.5μg/ml、0.75μg/ml、1μg/ml、1.25μg/ml、1.5μg/ml、1.75μg/ml、2μg/ml、2.25μg/ml、2.5μg/ml、2.75μg/ml、3μg/ml、3.25μg/ml、3.5μg/ml、3.75μg/ml、4μg/ml、4.25μg/ml、4.5μg/ml、4.75μg/ml、5μg/ml、5.25μg/ml、5.5μg/ml、5.75μg/ml、6μg/ml、6.5μg/ml、7μg/ml、7.5μg/ml、8μg/ml、8.5μg/ml、9μg/ml、9.5μg/ml、もしくは10μg/ml以下、または0.01μg/ml未満であり得る。典型的には、化合物、例えば抗体の濃度は、例えば、1μg/ml未満であり得る。
【0038】
例えば、化合物(例えば、抗体)は、0.1μg/mlの化合物濃度で1種以上の血清型のウイルスを80%中和させ得、1μg/mlの化合物濃度で1種以上の血清型のウイルスを少なくとも98%、例えば100%中和させ得る。本化合物(例えば抗体)は、0.05μg/mlの濃度で1種以上の血清型のウイルスを80%中和するか、または0.5μg/mlの濃度で1種以上の血清型のウイルスを少なくとも98%、例えば100%中和する。
【0039】
化合物の所与の濃度に対して観察された中和のレベルがアッセイにおけるウイルス粒子の数によって異なり得ることも理解されよう。例えば、化合物の所与の濃度については、アッセイにおけるウイルス粒子の数が2倍である場合、中和のレベルは、(所与の宿主細胞集団に対して)低減し得ることが予測され得る。アッセイにおけるウイルス粒子の数は、典型的には、試験化合物の不在下で、例えば、96ウェルマイクロタイタープレートウェル中で、例えばコンフルエントな細胞、例えばちょうどコンフルエントな細胞を用いておよそ100フォーカスを提供するようなものであろう。
【0040】
例えば、一実施形態では、本化合物は、ウイルス濃度が、試験化合物の不在下で、例えば、96ウェルマイクロタイタープレートウェル中で、例えばコンフルエントな細胞、例えばちょうどコンフルエントな細胞を用いておよそ100フォーカスを提供するのに十分である場合に、1μg/mlまたは0.05ug/mlもしくはそれ以下の濃度で1種以上の血清型のウイルスを少なくとも80%のレベルまで、または100%のレベルまで中和する。
【0041】
ウイルスによって感染され得るアッセイにおける細胞の数はまた、見かけレベルの中和反応を影響し得る。例えば、少数の細胞は、大きな細胞集団よりも1細胞当たり表される、より大きな感染率を示し得る。したがって、化合物、ウイルス、および宿主細胞数の比率はまた、重要であり得る。アッセイにおいて使用される細胞は、コンフルエントであり得る。アッセイは、マイクロタイターウェルプレート中で、例えば96ウェルマイクロタイタープレート中で行われ得る。細胞は、マイクロタイタープレートウェル中で、例えば96ウェルマイクロタイタープレートウェル中で、容器中でコンフルエント、例えば、ちょうどコンフルエントであり得る。
【0042】
好ましくは、本化合物は、昆虫細胞、例えばC6/36昆虫細胞、またはヒト腫瘍細胞株(典型的には、高いpr−M含有ウイルスを産生し得る)およびヒト細胞、例えば初代ヒト細胞、例えば初代ヒト樹状細胞、またはフリンを過剰発現する細胞(低いpr−M含有ウイルスを作製すると見なされる)の両方において作られるウイルスを中和することができる。異なる細胞型におけるウイルス粒子、サブウイルス粒子、またはウイルス様粒子の産生は、当業者に周知であろう。例えば、ウイルスを中和する化合物の能力は、上述のように、および実施例において試験することができる。一実施形態では、化合物は、初代ヒト細胞、例えば初代ヒト樹状細胞、または昆虫細胞で作られるウイルスを中和することができる。別の実施形態では、本化合物は、初代ヒト細胞および昆虫細胞で作られるウイルスを同じレベルまで中和することができる。同じレベルまでとは、所与の濃度の化合物および/または所与の濃度のウイルスおよび/または所与の数の潜在性のある宿主細胞については、本化合物に起因する中和反応のレベルは、昆虫細胞および初代ヒト細胞の両方で作られるウイルスにとっては有意に異ならないか、または本化合物に起因する中和反応のレベルは、昆虫細胞および初代ヒト細胞の両方からのウイルスにおいて、特定の閾値を超える、例えば80%超、90%、95%、または98%の中和反応であるという意味を含む。例えば、所与の濃度のウイルス粒子、および所与の数の潜在性のある宿主細胞については、50%FRNTは、昆虫細胞および初代ヒト細胞で作られたウイルスについては同じであり(有意に異ならない)、例えば、0.05μg/ml以下、または0.5μg/ml以下、または1μg/ml以下、または5μg/ml以下である。好ましい実施形態では、本化合物は、初代ヒト細胞および昆虫細胞で作られた、好ましくは2種の血清型、好ましくは3種の血清型、より好ましくは4種の血清型、またはすべての血清型、1種を超える血清型のジカおよびデングウイルスを中和することができる。最も好ましい実施形態では、本化合物は、昆虫細胞および初代ヒト細胞の両方で作られたすべての血清型のジカおよびデングウイルスを完全に(すなわち100%)中和することができる。例えば、本化合物は、上で論じられるように、0.05μg/mlの化合物濃度で約100フォーカスを得るのに十分なウイルス濃度で初代ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるウイルスを100%中和することができる。初代ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるとは、初代ヒト細胞(例えば)中で独立して作られるウイルス、同じ手順で、初代ヒト細胞および昆虫細胞の両方を用いて産生されているウイルス粒子の特定の集団よりも昆虫細胞中で独立して作られるウイルスを意味することを含む。
【0043】
本発明において使用される交差反応性のある高度に中和する化合物は、ウイルス形成を独立して、エンベロープタンパク質の無傷ウイルスおよび二量体の両方において見出され得る特定のエピトープに結合することが見出された。それ故に、本発明の使用のための化合物は、この特定のエピトープに結合するそれらの能力に関して定義され得る。
【0044】
エンベロープ二量体エピトープ(EDE)に結合する化合物とは、1種以上の血清型のフラビウイルス(例えば、ジカまたはデングウイルス)のEDEに結合することができる任意の化合物を意味する。本化合物は、小分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂肪、原子、例えば金属であり得る。好ましい実施形態では、本化合物は、ポリペプチド、好ましくは抗体またはその抗原結合部分である。本化合物についての選好は、前述されたとおりである。
【0045】
4種の血清型のデングウイルス、ならびに他のフラビウイルス、例えば当業者に周知のまたは図1に示し、実施例1、2、および3で論じたようなジカウイルスなどがある。それ故に、本化合物が、1種の血清型のフラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたはデングウイルスのEDEに結合し得ることが理解されよう。好ましい実施形態では、本化合物は、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、1種を超える血清型のデングウイルスまたはジカウイルスのEDEに結合し、上記の、ジカウイルスおよび/または1種、2種の血清型のデングウイルス、または3種の血清型のデングウイルス、または4種の血清型のデングウイルスに結合する、すなわち、すべての血清型のデングウイルスであると見なされるであろう。
【0046】
「結合する」とは、本発明の使用のための化合物とエピトープまたは分子または巨大分子または化合物との間の任意の形態の非共有結合の意味を含み、当該技術分野で通常の方法により評価される、EDEへの結合のあらゆる有意な度合いの意味を含む。好ましい実施形態では、本化合物は、EDEに選択的に結合する。EDEに選択的に結合するとは、本化合物がEDE以外のフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスまたはエンベロープタンパク質に結合しない、またはそれらに有意に結合しないという意味を含む。また、本化合物が、EDEを提示するもの以外の別の化合物または分子または巨大分子に結合しない、またはそれらに有意に結合しないという意味も含む。本化合物がEDEに結合するかどうかを決定することは、十分に当業者の技量内にあるであろう。例えば、当業者に周知であるような、ELISAタイプのアッセイを使用してもよい。本化合物がEDEと結合するかどうか判定するための方法のある非限定的な例は、デングウイルスのうちの1つ以上、好ましくはすべての血清型のフラビウイルス、例えばジコもしくはデングウイルスの無傷ウイルス、および/またはデングウイルスのうちの1つ以上、好ましくはすべての血清型のフラビウイルス、例えばジコもしくはデングウイルスのエンベロープ二量体、および/または本明細書に記載の定義のうちのいずれかに従うEDE、例えば安定化エンベロープ二量体、または異種骨格内に保持されるエンベロープタンパク質からの残基を含むEDEであり、偽物の非感染の上清は、固体支持体、例えば、抗E Ab(4G2)でコーティングしたMAXISORP免疫プレート(NUNC)上に別々に捕捉される。次いで、捕捉ウェルを、本化合物、例えば、抗体またはその抗原結合部分、例えば、ヒトモノクローナル抗体、例えば、1ug/mlのヒトmAbでインキュベートし、続いて、レポーターに共役した二次抗体(化合物に結合する)、例えばALP共役抗ヒトIgGでインキュベートする。この反応を、例えば、適切な基質、例えばPNPP基質の添加によって可視化し、NaOHで停止する。ALP/PNPPについては、吸光度は、405nmで測定する。
【0047】
EDEに結合する化合物とは、感染していない上清を含むウェルに結合する背景のレベルを上回る任意の度合いまで、ウイルスまたはEDE、例えば安定化した可溶性タンパク質E二量体を含むウェルに結合する任意の化合物の意味を含む。好ましくは、ウイルスまたはEDEに得られる結合レベル、例えば安定化された可溶性タンパク質E二量体は、感染していない上清ウェルに結合する背景のレベルの2倍、好ましくは4倍、好ましくは6倍、より好ましくは10倍である。この化合物がEDE以外の部位でウイルスまたはエンベロープタンパク質に結合するかどうか判定するために、変性または単量体または組換えエンベロープタンパク質に結合する化合物の能力を評価してもよい。この化合物が有意なレベルまで変性または単量体または組換えエンベロープタンパク質に結合する場合、EDE以外の部位でウイルスまたはエンベロープタンパク質に結合すると見なされる。この化合物が任意の他の分子または巨大分子または化合物以外のEDEに選択的に結合するかどうかを判定するために、EDEに結合する化合物の能力は、上述の方法を用いて、分子または巨大分子または化合物に結合する化合物の能力と比較することができる。化合物は、別の分子または巨大分子または化合物、例えば、変性または単量体エンベロープタンパク質に結合するよりも有意に広い範囲までEDEに結合する場合、例えば、この化合物が別の分子、巨大分子、または化合物、例えば、変性または単量体または組換えエンベロープタンパク質に結合するよりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、または10倍大きな親和性を有するEDEに結合する場合、EDEに選択的に結合する。
【0048】
EDEは、エンベロープタンパク質の二量体に広がる無傷ウイルス粒子上、または2つのポリペプチドに広がるエンベロープタンパク質の遊離二量体、例えば可溶性エンベロープタンパク質の遊離二量体上に形成されると見なされるエピトープである。エンベロープタンパク質配列は、図29中、ならびにWO2016/012800の配列番号29、31、33、および35に詳述されており、例えば、以下の「配列」の節にも論じられている。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、無傷ウイルスまたは遊離エンベロープ二量体(すなわち、エンベロープポリペプチド単量体の2倍の分子量を有する)、または上述および以下にさらに論じられるようなEDEを提供する他の構造上のいずれかでEDEに結合し、単量体エンベロープタンパク質または変性エンベロープタンパク質に結合しない。一実施形態では、本化合物が単量体エンベロープタンパク質または変性エンベロープタンパク質に結合する場合、それは有用な化合物と見なされず、本発明の使用のための化合物ではない。したがって、化合物が本発明のこの実施形態の使用のための化合物であるかどうかを特定する1つの非限定的な方法は、例えば、ウエスタンブロットでは変形エンベロープタンパク質、および/または、例えばELISAでは組換え(単量体)エンベロープタンパク質、ならびに例えばELISAでは無傷ウイルス粒子、および/または、エンベロープタンパク質の二量体(例えば可溶性エンベロープタンパク質の二量体)に結合するその能力について、例えば、化合物、例えば抗体またはその抗原結合部分をアッセイすることによるものである。本発明の使用のための好ましい化合物は、無傷ウイルスまたは非変性二量体に結合すると見なされるが、変性または単量体エンベロープタンパク質に結合しない(または有意により少ない程度に)と見なされる。結合の度合いは、上述のように評価され得る。
【0050】
融合ループに結合するが、EDEに結合しない化合物は、本発明の使用のための化合物であると見なされない。融合ループは、上述のまたは古典的な融合ループエピトープ(FL)を定義する(デング)101Wの内外の制限的な残基セットである。融合ループでは、残基101−WGNG−104は、二量体界面の向かいにあるドメインIIIに向かってW101側鎖を突出する歪んだαらせん回転を作る。化合物がエンベロープ単量体または変性エンベロープタンパク質に結合する場合(例えば、上記のように決定される)、融合ループに結合すると考えられ得るが、代わりに抗体がエンベロープポリペプチドの異なる部分に結合し得る(融合ループ領域において変異したエンベロープポリペプチドに結合することによって確認することができる)。
【0051】
別の実施形態では、融合ループに結合する化合物は、エンベロープタンパク質における以下の残基、特に、DENV−1:E49、Q77、I161、T200、W391、またはF392のうちの任意の1つ以上で変異によって影響を受けない(または有意に影響を受けない)ものである。
【0052】
一実施形態では、融合ループに結合する化合物は、上記のDaiら(2016)、例えば、図4を参照して、表題「Complex structure of E protein with 2A10G6 Antibody」の節の4頁に記載される、融合ループおよびbcループを介して垂直な角度で、フィンガー様ドメインIIの先端に結合するものであり得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明の使用のための化合物は、変性EDEまたは変性エンベロープタンパク質に結合しない。
【0054】
一実施形態では、EDEは、フラビウイルス、例えば、ジカおよび/またはデングウイルスのポリペプチド、エンベロープポリペプチド二量体、例えば可溶性エンベロープポリペプチド二量体に広がると見なされる。特定の実施形態では、EDEは、エンベロープポリペプチド二量体のドメインI、II、およびIIIの領域を含む。EDEが、1種以上の血清型のフラビウイルス、例えば、1種以上の血清型のジカおよび/またはデングウイルスのエンベロープタンパク質の二量体界面で四次構造依存性のエピトープを含むことが理解されよう。
【0055】
異なるフラビウイルス、例えば、ジカおよび/またはデング血清型からのエンベロープタンパク質がハイブリッド二量体を形成する、二量化し得ることが理解されよう。一実施形態では、本化合物が結合するEDEは、異なるフラビウイルス、例えばジカおよび/またはデング血清型由来のエンベロープ単量体で作られ、したがって、EDEは、ホモ二量体またはヘテロ二量体を含み得る。
【0056】
エンベロープタンパク質の二量体が無傷ビリオンまたはウイルス様粒子に見出されるように、EDEが、ビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子の一部として化合物に提示され得ることも理解されよう。EDEがビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子の一部として提示される場合に、本発明の化合物は、無傷ビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子に結合するが、単量体または変性エンベロープタンパク質に結合しないものである。
【0057】
あるいは、EDEは、ビリオンの一部としてではない化合物に提示され得、例えば、2つのエンベロープタンパク質の二量体から形成されるEDEは、遊離二量体として、または、例えば実施例3でさらに論じるように、ナノ粒子、例えば自己組織化ナノ粒子の形態で化合物に提示され得る。それ故に、一実施形態では、本発明の化合物は、EDEがエンベロープまたは可溶性エンベロープ(sE)タンパク質の遊離二量体で、または、例えば実施例3でさらに論じるように、ナノ粒子、例えば自己組織化ナノ粒子の形態である場合に、EDEに結合する化合物である。別の実施形態では、本発明の化合物は、EDEがエンベロープまたはsEタンパク質の安定化された二量体である場合に、EDEに結合する化合物であり、これもまた、例えば実施例3でさらに論じるように、ナノ粒子、例えば自己組織化ナノ粒子の形態であってもよい。
【0058】
あまり好ましくない実施形態では、遊離二量体は、タンパク質の二量化を安定化させる要素を含む組成物の一部として提示され得る。例えば、タンパク質会合を促進すると見なされる特定の緩衝液成分を、使用してもよい。あるいは、エンベロープタンパク質は、二量体形成を促進する高濃度で提示され得る(WO2016/012800の実施例7を参照のこと)。
【0059】
より好ましい実施形態では、エンベロープタンパク質は、二量体構成において安定性が増大するように操作され得る。例えば、二量体は、
−2つのエンベロープまたはsE単量体間で少なくとも1つ、任意に、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10もしくはそれ以上のジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化され得る、ならびに/または
−2つのsE単量体間で少なくとも1つ、任意に、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10もしくはそれ以上のスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化され得る、ならびに/または
−各単量体の二量体界面またはドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、少なくとも1つのエンベロープまたはsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって非共有結合的に安定化され得る、ならびに/または
−改変糖類を介して2つのエンベロープまたはsE単量体を連結することによって共有結合的に安定化され得る。
【0060】
フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルス、エンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE;可溶性エンベロープポリペプチド/糖タンパク質)は、例えば、実施例2 ED 図7に示すように、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルスの血清型1、2、および4のエンベロープ糖タンパク質Eの1〜395のアミノ酸断片、デングウイルスの血清型3のエンベロープ糖タンパク質Eの1〜393のアミノ酸断片、およびジカウイルスのエンベロープ糖タンパク質Eの1〜404のアミノ酸断片を指す。
【0061】
本化合物は、EDEに結合し、このEDEはsEの安定化二量体であり、組換えフラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルスエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(組換えsE)単量体は、WO2016/012800の、配列番号132のDENV−1 sE、配列番号133のDENV−2 sE、配列番号134のDENV−3 sE、配列番号135のDENV−4 sE、ならびにH27F、H27W、L107C、F108C、H244F、H244W、S255C、A259C、T/S262C、T/A265C、L278F、L292F、L294N、A313C(DENV−3ではS313C)、およびT315Cに対応する残基の中から選択される少なくとも1つの変異(置換)を有するその突然変異体sEからなる群から選択される。これらの変異は、下述のように、二量体配置において増加した安定性に寄与すると見なされる。
【0062】
特定の残基に対応する残基の概念は、当業者に周知であり、例えば、当業者によく知られているように、配列アラインメントを考慮して容易に判定することができることが理解されよう。
【0063】
任意に、その当該変異体sEは、さらに、Q227N、E174NおよびD329Nの中から選択される少なくとも1つの変異(置換)、好ましくは3つの変異Q227N、E174N、およびD329Nを有する。これらの変異は、適切でない免疫原性領域を覆い、対象において、本発明の安定化組換えsE二量体が、複数のフラビウイルスの血清型、例えば、ジカウイルスおよび1つ以上、例えば、4種すべてのデングウイルス血清型を対象とする中和抗体を優先的に引き起こすことが可能であると見なされる。
【0064】
有用なものと考えられる変異(例えば、ジカsEの番号付けを指摘する)およびそれらの論理的根拠については、以下の突然変異の節でさらに論じる。
【0065】
さらなる実施形態では、化合物はEDEに結合し、EDEは、特許請求の範囲に記載される使用のためにEDEを対象とする特許請求の範囲に記載されているとおりである。
【0066】
したがって、例えば、組換えsE単量体は、ジカウイルス(ZIKV、KJ776791、H−PF−2013_French_Polynesia株)配列番号1;デングウイルス血清型1(DENV−1、NC_001477)配列番号2;デングウイルス血清型2(DENV−2、NC_001474)配列番号3;デングウイルス血清型3(DENV−3、NC_001475)配列番号4;デングウイルス血清型4(DENV−4、NC_002640)配列番号5;他のフラビウイルス:セントルイス脳炎ウイルス(SLEV、NC_007580)配列番号6;日本脳炎ウイルス(JEV、NC_001437、配列番号7;マリーバレー脳炎ウイルス(MVEV、NC_000943)配列番号8;ウエストナイルウイルス(WNV、NC_001563)配列番号9;WO2016/012800の配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135;および表Mを含む変異の項に記載される変異#1〜#13の中から選択される少なくとも1つの突然変異を有する変異体sE;ならびに任意に、表Mを含む変異の節に記載される変異#14〜#18の中から選択される少なくとも1つの変異、からなる群から選択され得る。
【0067】
変異を誘発するsE二量体の上述の変異誘発は、架橋によって安定化を提供するための二量体の接触でのシステイン変異を含む、その免疫原性を妨げないが、より高い二量体親和性を提供する変異を導入する、かつ/あるいはクリック化学によって、および/または二量体を安定化するために、各単量体の二量体界面もしくはドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、空洞を充填するために、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって、二量体における隣接糖類間での化学的架橋を可能にする新しいグリコシル化部位を導入する。
【0068】
特に特定されない限り、このアミノ酸残基位置は、WO2016/012800の図15中に示されるsEアミノ酸配列アライメントに従って番号付けされる。DENV−2の場合、番号付けは、配列番号3に示されるとおり、および/または以下の配列の節に記載される実施例2のED図7に示されるとおりであり得る。ZIKVの場合、番号付けは、以下の配列の節で論じられるように、および/または実施例2のED図7に示されるように、配列番号1に示されるとおりであり得る。何らかの疑いがある場合には、図面および実施例をさらに参照することによって、言及されたあらゆる残基の同一性を解決することができると考えられる。
【0069】
WO2016/012800の、配列番号132のDENV−1 sE、配列番号133のDENV−2 sE、配列番号134のDENV−3 sE、配列番号135のDENV−4 sEをコードする核酸配列はそれぞれ、WO2016/012800において配列番号136、137、138、および139として表される。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「組換え」という用語は、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルスエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン、本発明の使用のためまたはそれに関連する抗体または抗体断片を産生するための遺伝子操作方法(クローニング、増幅)の使用を指す。
【0071】
二量体は、上に定義される2つの同一の組換えsEのホモ二量体、または上に定義される2つの異なる組換えsEのヘテロ二量体であり得、この二量体は、好ましくはホモ二量体である。二量体は、例えば、ZIKV組換え変異型sEの二量体であってもよい。
【0072】
さらなる例として、それは、上に定義されるDENV−1 sEおよびDENV−2 sEのヘテロ二量体であり得る。これは、DENV−1 sEと、上に定義されるDENV−1 sEの変異体sEとのヘテロ二量体であり得る。
【0073】
一実施形態では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合断片は、EDEに結合し、EDEはsEの安定化二量体であり、エンベロープまたは組換えsEの安定化二量体は、2つのsE単量体間で少なくとも1つ、2つ、または3つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化される。
【0074】
有利には、当該安定化二量体は、単一鎖間ジスルフィド結合をもたらす、二量体の2倍の分子軸によって位置付けられる単一のシステイン変異体sE、または2倍の分子軸から離れて複数の(例えば、2つの)ジスルフィド結合を作製し得る複数の(例えば、二重の)システイン変異体sEを含む。当該ジスルフィド結合は、酸性条件下で、例えば、DMSO溶液(O.Khakshoorら、2009)を用いてまたはCdCl2もしくはCuSO4などの酸化剤を用いて合成され得る。したがって、当該安定化二量体は、二量体の(ほぼ)2倍の分子軸によって各単量体の一方のアミノ酸残基がシステインで置換される、単量体からなり得る。当該安定化二量体はまた、二量体の2倍の分子軸から離れた各単量体の2つのアミノ酸残基がシステインで置換される、単量体からもなり得る。当該安定化二量体はまた、二量体の2倍の分子軸から離れた各単量体の3つのアミノ酸残基がシステインで置換される、単量体からもなり得る。
【0075】
かかる配置が、FLE領域への接近を制限し得、そのために、WO2016/012800の実施例17、および下の「突然変異」の節においてさらに論じられるように、抗FLE反応を作り出す分子の能力を低減するように、1つを超える鎖間ジスルフィド結合があり得ることが望ましいものであり得る。
【0076】
別の実施形態では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合断片は、EDEに結合し、EDEは、sEの安定化二量体であり、エンベロープまたは組換えsEの安定化二量体は、上に定義される変異A259CまたはS255Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、残基259Cまたは255Cはジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている。
【0077】
別の実施形態では、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む場合に、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異A259Cを有する変異体sEと、上に定義される変異S255Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、残基259Cおよび255Cは、ジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている。
【0078】
別の実施形態では、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む場合に、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異F108CおよびT315Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、または上に定義される変異L107CおよびA313Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、残基108Cおよび315C、または残基107Cおよび313Cは、ジスルフィド鎖間結合を介して一緒に連結されている。
【0079】
一実施形態では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合断片は、EDEに結合し、EDEは、sEの安定化二量体であり、エンベロープまたは組換えsEの安定化二量体は、上に定義される変異F108CおよびA313Cを有する変異体sEと、上に定義される変異L107CおよびT315Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、残基108Cおよび313Cは、2つのsE単量体間でジスルフィド鎖間結合を介して残基315Cおよび107Cにそれぞれ連結されている。
【0080】
別の実施形態では、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む場合に、安定化組換えsE二量体は、上に定義される、変異A259C、F108C、およびT315Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、変異S255C、F108C、およびT315Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、変異A259C、L107C、およびA313Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体、ならびに変異A255C、L107C、およびA313Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体を含み、残基259C、255C、108C、315C、107C、および313Cは、ジスルフィド鎖間結合を介して残基259C、255C、315C、108C、313C、および107Cにそれぞれ連結されている。
【0081】
別の実施形態では、化合物、例えば抗体またはその抗原結合断片は、EDEに結合し、EDEは、組換えsEの安定化二量体を含み、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異A259C、F108C、およびT315Cを有する変異体sEと、上に定義される変異S255C、F108C、およびT315Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、残基259C、108C、および315Cは、ジスルフィド鎖間結合を介して残基255C、315C、および108Cにそれぞれ連結されている。
【0082】
別の実施形態では、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む場合に、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異S255C、L107C、およびA313Cを有する変異体sEと、上に定義される変異A259C、L107C、およびA313Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、残基255C、107C、および313Cは、ジスルフィド鎖間結合を介して残基259C、313C、および107Cにそれぞれ連結されている。
【0083】
安定化組換えsE二量体に関する実施形態のさらなる例については、例えば、変異体sEがジカウイルスsE配列に基づく場合、以下の変異の節、および特許請求の範囲に記載の使用のためのEDEに関連する特許請求の範囲を参照のこと。
【0084】
ジスルフィド結合による安定化と同様に、安定化はまた、スルフヒドリル反応性架橋剤によっても達成され得ることを理解されよう。それ故に、一実施形態では、EDEは、組換えsEの安定化二量体を含み、安定化組換えsE二量体は、sE単量体間で少なくとも1つ、2つ、または3つのスルフヒドリル反応性架橋剤(チオール反応性架橋剤とも呼ばれる)によって共有結合的に安定化される。
【0085】
タンパク質の化学的架橋は、当該技術分野で周知である(概要については、Hemaprabha,(2012)Journal of Pharmaceutical and Scientific Innovation 1,22−26を参照のこと)。
【0086】
当然ながら、sE二量体は、2つの異なる面を有し、一方は、抗体が結合する細胞外培地に曝露され、他方は、ウイルス膜に曝露される。
【0087】
有利には、当該安定化組換えsE二量体は、ウイルス膜に曝露されるsEの面に存在する候補アミノ酸残基を含み、それ故に、エピトープの部分ではない。各単量体の各候補アミノ酸残基の一方は、システインに変異(置換)され、適切な長さのスルフヒドリル反応性架橋剤の標的物である遊離スルフヒドリル基を産生する。
【0088】
Thr/Ser262およびThr/Ala265は、候補残基である。二量体の文脈においてそれらの間の距離は、それぞれ、12Åおよび22Åである。さらに、これらの残基(Thr/Ser262、Thr/Ala265)は、完全には保存されない。故に、それらは、点突然変異に耐性があり得る。
【0089】
好ましい実施形態では、本化合物は、EDEに結合し、EDEは、組換えsEの安定化二量体を含み、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異T/S262CまたはT/A265Cをそれぞれ有する変異体sEのホモ二量体であり、残基262Cまたは265Cは、スルフヒドリル反応性架橋剤によって一緒に連結されている。
【0090】
別の好ましい実施形態では、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む場合、安定化組換えsE二量体は、上に定義される変異T/S262Cを有する変異体sEと、上に定義される変異T/A265Cを有する変異体sEとのヘテロ二量体であり、残基262Cおよび265Cは、スルフヒドリル反応性架橋剤を介して一緒に連結されている。
【0091】
エピトープの一部であると見なされず、架橋され得る組換えsEの領域は、sEの残基1〜9からなる領域A、sEの残基25〜30からなる領域B、sEの残基238〜282からなる領域C、sEの残基96〜111からなる領域D、およびsEの残基311〜318からなる領域Eである。単量体のこれらの5つの領域(A〜E)の残基のうちのいずれかは、組換えsE二量体において他の単量体の他の残基の25〜30Å未満であり、それ故に、これらの残基は架橋され得る。
【0092】
有利には、各単量体のこれらの5つの領域における候補アミノ酸残基のうちの1つまたはいくつかは、システインに変異(置換)され、上に定義される適切な長さのスルフヒドリル反応性架橋剤の標的物である遊離スルフヒドリル基を産生する。
【0093】
別の実施形態では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合断片は、EDEに結合し、EDEは、組換えsEの安定化二量体を含み、安定化組換えsE二量体は、変異体sEのホモ二量体、またはsEのアミノ酸残基1〜9、25〜30、238〜282、96〜111、311〜318のうちの少なくとも1つが、システインに変異(置換)される変異体sEと、sEのアミノ酸残基1〜9、25〜30、238〜282、96〜111、311〜318のうちの少なくとも1つが、システインに変異(置換)される変異体sEとのヘテロ二量体であり、変異されたシステイン残基は、スルフヒドリル反応性架橋剤を介して一緒に連結されている。
【0094】
スルフヒドリル反応性架橋剤は、好ましくは、同一または非同一の反応基を含むホモ二官能性試薬であり、2つの単量体間での分子間架橋の構築を可能にする。ホモ二官能性架橋剤は、スペーサーアームのいずれかの末端で同一の反応基を有し、一般に、それらは、1ステップの反応手順において使用され得る。本発明のスルフヒドリル反応性架橋剤は、マレイミド、ハロアセチル(好ましくは、ブロモ−またはヨード−アセチル)、ピリジルジスルフィド、ビニルスルホン、ハロゲン化アルキル、またはアジリジン化合物、アクリロイル誘導体、アリール化剤、またはチオール−ジスルフィド交換試薬(Hermanson G.T.,Bioconjugate Techniques,3rd Edition.Academic Press(2013)、Hemaprabha,2012)、例えばビス(メタンチオスフホネート)(Haberz P.et al.,Organic Letters,2006,8,1275−1278)であり得る。
【0095】
異なる長さのスペーサーを有する、本発明に従うマレイミドホモ二官能性スルフヒドリル反応性架橋剤の例としては、BMOE(1,2−ビス−マレイミドエタン)、BMB(1,4−ビス−マレイミドブタン)、BMH(1,6−ビス−マレイミドヘキサン)、TMEA(トリス−(2−マレイミドエチル)アミン)、BM(PEG)2(1,8−ビスマレイミドジエチレングリコール)、BM(PEG)3(1,11−ビスマレイミドトリエチレングリコール)、BMDB(1,4−ビスマレイミジル−2,3−ジヒドロキシブタン)、DTME(ジチオ−ビス−マレイミドエタン)、ならびに好ましくはBMH、BM(PEG)2、およびBM(PEG)3が挙げられる。
【化1】
【0096】
スルフヒドリル基と特異的に反応するマレイミド基は、架橋反応による構造シフトの程度を最小にするために、穏やかな緩衝液およびpH条件下で実施される。好ましくは、反応混合物のpHは6.5〜7.5であり、可逆的ではない安定なチオ−エーテル結合が形成される(この結合は、還元剤で切断され得ない)。
【0097】
ジスルフィド結合およびスルフヒドリル反応性架橋剤を介した安定化に加えて、安定化は、改変糖類による2つの単量体の結合によって得られ得ることが理解されよう。この目的を達成するために、グリコシル化部位は、それらに挿入され、クリック化学によってそれらを連結するために、改変糖類と反応させる。
【0098】
この実施形態に従って、本化合物は、EDEに結合し、EDEは、組換えsEの安定化二量体を含み、安定化組換えsE二量体は、変異体sEのホモ二量体またはヘテロ二量体であり、
−一方のsE単量体が、グリコシル化部位を導入する少なくとも1つの変異を有し、変異したアミノ酸残基が、X官能基を担持する改変糖でグリコシル化され、
−他方のsE単量体が、グリコシル化部位を導入する少なくとも1つの変異を有し、変異したアミノ酸残基が、Y官能基を担持する改変糖でグリコシル化され、
両方の変異した残基が、具体的にはクリック化学によって、第1のsE単量体の糖のX官能基を他方のsE単量体の糖のY官能基と反応させることによって、改変糖類を介して一緒に結合している。
【0099】
X官能基とは、Y官能基と反応し、クリック化学によって共有結合を形成することができる糖によって運ばれる化学基を意味し、当該Y官能基は、好ましくはアジド官能基である。
【0100】
Y官能基とは、X官能基と反応し、クリック化学によって共有結合を形成することができる糖によって運ばれる化学基を意味し、当該X官能基は、好ましくは末端アルキン官能基である。
【0101】
改変糖類は、Laughlinら、2007によって記載されるように、sE単量体において合成され、導入され、Speerら、2003によって記載されるように、一緒に結合され得る。
【0102】
二量体を安定化させる上述の共有結合方法に加えて、非共有結合手段もまた使用してもよい。それ故に、EDEが組換えsEの安定化二量体を含む別の実施形態では、この二量体は、二量体界面で当該二量体の空洞を充填させることによって、1つまたは2つの単量体、好ましくは2つの単量体のアミノ酸配列において少なくとも1つのアミノ酸を、かさ高い側鎖アミノ酸と置換することによって非共有結合的に安定化される。この実施形態に従って、組換えsE二量体の四元立体構造に特有の空洞は、単量体において操作された疎水性置換によって特定され、充填される。
【0103】
この実施形態に従って、安定化組換えsE二量体は、二量体界面でまたは各単量体のドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、空洞を形成する領域内で、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸と置換することによって非共有結合的に安定化される。かかる置換は、2つのsE単量体間での疎水性相互作用を増加させることができる。
【0104】
EDEが組換えsEの安定化された二量体を含む実施形態では、安定化組換えsE二量体は、上に定義される2つの組換えsEのホモ二量体またはヘテロ二量体、好ましくはホモ二量体であり、組換えsEのうちの1つまたは2つの組換えsEが、H27F、H27W、H244F、H244W、およびL278Fからなる群から選択される少なくとも1つの変異(置換)を有する。変異H27F、H27W、H244F、H244W、およびL278Fは、組換えsE二量体のF279周辺の空洞を安定化させ、二量体界面を強化し、ビリオン中のF279の立体構造を模倣することを可能にする。
【0105】
二量体を非共有結合的に安定化させる他の手段は、例えば、各単量体のドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、1つまたは2つの、好ましくは2つの単量体のアミノ酸配列中のアミノ酸を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸と置換することによる非共有結合性安定化を含む。
【0106】
好ましい実施形態では、本化合物は、EDEに結合し、上に定義される2つの組換えsEのホモ二量体またはヘテロ二量体、好ましくはホモ二量体であり、組換えsEのうちの1つまたは2つの組換えsEが、L292FおよびL294Nからなる群から選択される少なくとも1つの変異(置換)を有する。この変異L292F、L294Nは、sE二量体立体構造におけるD1−D3リンカーの安定化を可能にすると考えられる。
【0107】
さらなる実施形態、特にジカsE二量体安定化に関しては、特許請求の範囲および以下の変異の節に記載されている。
【0108】
EDEが操作によって二量体配置において安定化される好ましい実施形態では、上述のような操作は、二量体の全体の3D構造の変化をもたらさないか、または全体の3D構造を実質的に変化せず、天然の二量体における残基は、操作された二量体に空間的に対応する。天然二量体が操作された二量体に空間的に対応する場合、このことは、操作された二量体(またはその部分、例えば、EDEを特徴付ける際の特に重要な残基、例えば、WO2016/012800の表2中に示されるおよび/または以下にさらに論じられる残基に反映させること)の3Dモデルが天然二量体の3Dモデルに重ね合わされる場合に、天然二量体における骨格原子の空間的位置を特徴付ける配位が、操作された二量体の類似した骨格原子を特徴付ける配位とは約10オングストローム未満異なることを意味する。骨格原子は、ペプチド骨格を形成するアミノ酸の骨格原子であるか、または3D折り畳みパターンは、すなわち、側鎖原子のいくつかまたはすべての位置が同様に有意に変化しない場合があるが、側鎖原子を含まない。3D構造は、VDEまたはEDEの免疫原性であるかどうかの鍵であり、したがって、好ましい実施形態では、操作は、減少した免疫原性を有する二量体をもたらさない。一実施形態では、操作は、異なる3D立体構造を有する二量体をもたらす。好ましくは、操作は、増加した免疫原性を有する二量体をもたらす。このようなアプローチは、Bommakanti et al 2010 PNAS 13701−13706で使用されている。それ故に、一実施形態では、本化合物は、上述のような操作されたEDEに結合する。
【0109】
天然二量体の3Dモデルは、例えば、上述の受入番号1OAN、1OK8、1UZG、および3UAJの下で、タンパク質データバンクにおいて入手可能な、デングウイルス血清型、例えば、血清型2、3、および4からのエンベロープ糖タンパク質細胞外ドメインにおける結晶構造に関する情報を使用するために形成され得る。
【0110】
特定の突然変異または修飾が3D構造を変化させるまたは実質的に変化させるかどうかは、VDEに結合することが知られている本明細書に記載の抗体が操作されたバージョンのVDEに依然として結合することができるかどうかをモニタリングすることを含む、異なる技術によって評価され得る。
【0111】
当業者は、例えば、潜在的な安定化させる修飾の特定に役立つようなコンピュータプログラムを使用することができる
【0112】
EDEの免疫原性における操作の効果は、操作されたおよび操作されていないEDEを投与される場合に対象における抗体反応を比較することによって、または既知の抗EDE抗体への結合を比較することによって評価され得る。
【0113】
あるいは、改変されたエンベロープタンパク質は、デングウイルスまたはジカウイルスまたは他のフラビウイルスにおいて発現され、ウイルスを中和する化合物の能力が評価され得る。
【0114】
安定化したEDEを提示するために、それぞれのEDE(骨格タンパク質と称される)に類似の三次元構造を有する非EDE異種タンパク質は、改変タンパク質がEDEを保持することができる適切な残基を含有するように改変することができる。それ故に、一実施形態では、本化合物はEDEに結合し、このEDEは、エピトープ骨格タンパク質の一部として提示される。エピトープ骨格タンパク質は、異種の「受容体」骨格タンパク質に融合されるエピトープ配列を含むキメラタンパク質である。エピトープ骨格の設計は、例えば、エピトープが異種骨格タンパク質に融合される場合に、エピトープの天然構造および立体構造を保存する様式でコンピュータ的に行われる。かかる骨格タンパク質の使用は、当該技術分野で周知であり、かかる方法および技術は、WO2011/050168およびWO2016/012800、ならびに参考文献McLellan,J.S.et al.Structure−based design of a fusion glycoprotein vaccine for respiratory syncytial virus.Science 342,592−598,doi:10.1126/science.1f67283(2013)、Ofek et al 2010 PNAS 107:17880−17887、Burton 2010 PNAS 107:17859−17860に記載されており、当業者はそこに記載の方法に従い、それらを本発明に適用することができる。
【0115】
したがって、一実施形態では、EDEは、エピトープ骨格タンパク質の一部を含み、この骨格タンパク質は、エンベロープ二量体エピトープに共有結合している異種骨格タンパク質を含む。骨格タンパク質は、本化合物がタンパク質、任意に抗体またはその抗原結合部分である場合に、かかる残基と化合物の間、例えば化合物の接触残基間の相互作用を促進するために適切な空間的配向においてEDEの接触残基を保持するという点で、本発明のEDEを作製するのに有用である。接触残基は、別の分子のアミノ酸と直接または間接的に相互作用する(例えば、塩橋を通して直接的または間接的にイオン結合を形成する)分子に存在する任意のアミノ酸である。少なくともDENV−1において、EDEに結合する化合物において潜在的に重要であると見なされているエンベロープタンパク質の残基は、WO2016/012800の表2中に詳細されている。骨格タンパク質は、全二量体を示し得るか、または上の選択された残基のみ示し得る。天然二量体またはその一部の3Dモデルは、例えば、上述の受入番号1OAN、1OK8、1UZG、および3UAJの下で、タンパク質データバンクにおいて入手可能な、デングウイルス血清型、例えば、血清型2、3、および4からのエンベロープ糖タンパク質細胞外ドメインにおける結晶構造に関する情報を使用するために形成され得る。
【0116】
変異分析は、本発明の使用において特定される抗体への結合において重要であるDENV1およびDENV2の特定の残基を示した。これらの残基は、DENV1:E49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392;DENV2:Q77、W101、N153、T155、K310である。これらの残基のすべては、結合、およびQ77、W101、N153、T155、K310に重要であると見なされる。
【0117】
したがって、一実施形態では、化合物は、EDEに結合し、EDEは骨格タンパク質の一部であり、この骨格タンパク質は、DENV−2エンベロープタンパク質のE49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392のうちの1つ以上に対応する少なくとも残基、またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質、具体的にはDENV−1およびDENV−2に対して等価残基を保持する。ある特定の残基は、より重要であると見なされ、したがって、EDEのさらなる実施形態は、エンベロープタンパク質のQ77、W101、N153、T155、K310に対応する残基のうちの少なくとも1つ以上、またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質、具体的には、DENV−1およびDENV−2の等価残基を保持する骨格タンパク質を含む。
【0118】
デングウイルスにおけるエピトープに接触するのに重要であると見なされるエンベロープタンパク質の残基は、WO2016/012800の図31中に示され、例えば、WO2016/012800に論じられる。例えば、C10抗体は、残基R2、H27、G28、E44、L45、I46、K47、N67、T68、T69、T70、E71、S72、R73、C74、Q77、S81、L82、N83、E84、V97、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、T115、K246、K247、Q248、Q271、V309、K310、R323、Q325、D362でDENV2 EDEに接触すると見なされており、C10抗体は、残基R2、H27、G28、G29、E44、L45、T46、N67、T69、T70、A71、T72、R73、C74、Q77、V97、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、V113、R247、Q248、D249、D271、M278、D309、K310、V324、K323、K325、T361、N362でDENV4 EDEに接触すると見なされており、C8抗体は、残基N67、T68、T69、T70、E71、S72、R73、C74、Q77、N83、E84、V97、D98、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、E148、H158、K246、K247、Q248、D249、I308、K310、E311、R323、D362、G374でDENV2 EDEに接触すると見なされている。
【0119】
したがって、化合物、具体的にはDENV2およびDENV4への結合において重要であると見なされているエンベロープタンパク質の残基は、K47、T68、S81、L82、N83、E84、T115、K246、K、V309、R2、H27、G28、G29、E44、L45、T46、N67、T69、T70、A71、T72、R73、C74、Q77、V97、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、V113、R247、Q248、D249、D271、M278、D309、K310、V324、K323、K325、T361、N362、D98、E148、H158、K246、I308、E311、G374、またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基である。
【0120】
化合物、具体的にはDENV1または2またはジカウイルスへの結合において重要であると見なされている残基は、DENV−1もしくはDENV−2ポリペプチド配列の、E49、K64、Q77、W101、V122(DENV−1;K122 DENV−2)、N134、N153、T155、I161、A162(DENV−1;I162 DENV−2)、P169(DENV−1;S169 DENV−2)、T200(DENV−1;Q200 DENV−2)、K202(DENV−1;E202 DENV−2)、E203、L308(DENV−1;V308もしくはI308 DENV−2_、K310、Q323(DENV−1;R323 DENV−2)、W391、F392;ジカPF13のT49、S64、Q77、W101、S122、N134、N154、T156、K166 T205、N207、N208、F314、K316、E319、W400、H401;またはフラビウイルス、任意に、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基;ならびに/あるいは、ジカPF13のR2、M68、A69、S70、D71、S72、R73、C74、Q77、D83、V97、D98、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、K251、R252、Q253、T315、K316、Q331、K373に対応する位置のうちの1つ以上、例えば、ジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253に対応する位置のうちの1つ以上である。これら(K373まで)は、EDE1 C8抗体と接触する実施例2のED図2に示される残基であると考えられる。さらなる残基(T315で始まる)は、実施例2のED表4および5に記載されているものと考えられる。
【0121】
骨格タンパク質は、DENV−2のE49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392、A71、C105、C74、D154、D249、D271、D309、D362、D98、E148、E311、E44、E71、E84、G102、G104 G106、G152、G156、G28、G29、G374、H158、H27、I113、I308、I46、K246、K247、K323、K325 K47、L113、L45、L82、M278、N103、N362、N67、N83、Q248、Q271、Q325、R2、R247、R323、R73、R99、S72、S81、T115、T361、T46、T68、T69、T70、T72、V113、V114、V250、V309 V324、V97;ジカPF13のR2、M68、A69、S70、D71、S72、R73、C74、Q77、D83、V97、D98、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、K251、R252、Q253、T315、K316、Q331、K373、例えば、ジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253に対応する1つ以上の位置、またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基の、これらの一連の残基から選択される1つ以上の残基を示し得るか、またはこれらのうちの少なくとも1つ以上、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、またはそのすべてを示し得る。
【0122】
加えて、骨格タンパク質は、前述のように、二量体配置の安定性を増加させると見なされている残基:H27F、H27W、L107C、F108C、H244F、H244W、S255C、A259C、T/S262C、T/A265C、L278F、L292F、L294N、A313C、およびT315C(またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基)のセットのうちの任意の1つ以上またはそのすべてを示し得る。
【0123】
骨格タンパク質は、二量体、または二量体の断片を保持し得、免疫原性に必須であると見なされている上記の改変のうちのいずれかを含み得、および/または増加した二量体の安定性、例えば増加したジスルフィド結合をもたらし得る。
【0124】
さらに、この骨格は、改善されたEDEが示されるような骨格であり得る。一実施形態では、本化合物は、したがって、改善されたEDEに結合する。例えば、以下ならびにWO2016/012800の実施例2および5に記載されるように、デング熱感染を有する患者は、有用な抗体であると見なされるVDEに向けて進められる抗体、または有用であると見なされない融合ループ(抗FL抗体)に向かって配向される抗体のいずれかを有する傾向がある。それ故に、骨格は、EDEのみが提示されるように、かつ、化合物、例えば、FLに作り出される、抗体またはその抗原結合部分の可能性を排除するような方法で提示されるように操作され得る。したがって、ある好ましい実施形態では、EDEは、任意に骨格タンパク質に組み込むことによって、抗体をFLではなく、EDEに作り出すことができる。
【0125】
骨格タンパク質とは無関係に、エンベロープタンパク質は、改善されたEDEが生成されるように操作され得る。上述のように、抗FL抗体によって認識することができず、かかる抗体を作り出すことができないEDEは、改善されたEDEであると見なされる。これは、エンベロープタンパク質において1つ以上の変異、欠失、もしくは挿入によって、またハイブリッドタンパク質を生成することによって達成され得、特異的エピトープは、抗FL抗体を作り出し得るいかなる抗原も用いることなく、骨格タンパク質に融合される。例えば、実施例3で論じたような二量体の「呼吸」を減少させる安定化などの二量体の安定化は、抗FL抗体の上昇を減少させる可能性があり、したがって改善されたEDEを表すと考えられる。
【0126】
一実施形態では、エンベロープタンパク質は、NまたはO結合型グリカン配列を添加することによって、(ウイルスの内側に突出する)二量体の内部表面を改変し、それをより少ない免疫原性にすることによって操作される。
【0127】
二量体に新しい表面をつける広範囲の変異原性は、残基の変異および/またはグリカンの添加によって非ED準最適反応の生成をさらに低減するのに有用であり得る。
【0128】
一例として、L278F変異は、klループを再形成し、ビリオン様の立体構造を模倣すると見なされる。
【0129】
さらなる議論のために、例えば、以下の変異の節および本明細書にける実施例3を参照のこと、ならびに例えばWO2016/012800、例えば実施例17および18における議論が含まれる。
【0130】
コアEDEエピトープのモデリングおよび最適化はまた、所望のEDE反応を誘発するために最適な配列を生成し、結合抗体および中和抗体を提供するためにも有用であり得る。
【0131】
EDEが、増加した二量体の安定性に影響を及ぼす骨格内に保持される天然のエンベロープタンパク質であり得ることが理解されよう。EDEはまた、いかなる骨格とも無関係に二量体の安定性を増加するように操作され得る。この2つは、一実施形態では、EDEは、異種骨格タンパク質内に保持されたエンベロープタンパク質が二量体配置において改善された安定性を有するように操作される二量体を含むように組み合わせられ得る。あるいは、エンベロープタンパク質は、タンパク質の関連部分のみが存在するように操作され得、これが異種骨格タンパク質において保持され得る。
【0132】
二量体立体構造は、例えば、2つのエンベロープポリペプチドドメインを含む単一のポリペプチド鎖として表される2つのエンベロープ単量体間に、長いリンカー、例えばグリシン−セリンリッチなライナーを作製することによって安定化させてもよい。あるいはまたは加えて、二量体構造は、二量体の内部に面する表面または二量体と関連するタグに結合する任意の抗体(例えば)によって安定化させてもよい。
【0133】
エンベロープタンパク質、sE、sE二量体、またはエンベロープタンパク質二量体への任意の言及はまた、その範囲内に、骨格タンパク質または構造も含み、EDEを作製し、適当なEDEを示すために、特定の立体構造において保持される特定の残基を含む。
【0134】
エンベロープヌクレオチド配列は、このエンベロープタンパク質が変異、挿入、または欠失のうちのいずれか1つ以上を有するように操作され得る。ヌクレオチド配列は、特定のエンベロープタンパク質(またはその部分)の天然配列に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%相同性を有するようなものであり得る。
【0135】
さらなる実施形態では、エンベロープタンパク質は、別の血清型のフラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたはデングウイルスからのエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%相同性を有するように操作され得る。好ましい実施形態では、エンベロープタンパク質は、すべての血清型のデングウイルスおよび/またはジカウイルスからの2つの異なるエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)、より好ましくは4つの異なるエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)、最も好ましくはすべてのエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%相同性を有するように操作され得る。
【0136】
上記のように、エンベロープタンパク質は、実際には、天然エンベロープタンパク質に対して非常に低い相同性を有するように操作され得るが、EDEの完全性および立体構造が維持されるか、またはEDEが改善される、例えば、抗FL抗体を育てることができないような方法で改変される。それ故に、配列相同性のレベルは、必ずしも、3D構造相同性または機能的相同性を表示しない。例えば、EDEを含む構造をコードする特定の配列は、実際には、天然エンベロープタンパク質に対して非常に低いレベルの相同性を有し得るが、それでもなお、本発明に関して有用な化合物と見なされ得る。例えば、タンパク質は、天然エンベロープタンパク質に対して10%、20%、30%、40%、50%、または60%相同性を有し得、この構造をコードするヌクレオチド配列は、天然エンベロープ配列に対応して低い配列同一性を有し得る。
【0137】
例えば、異なるエンベロープタンパク質中のEDEを形成する残基間のアミノ酸側鎖に相違がある場合、例えば、ジカおよびデングウエンベロープタンパク質EDEを構成するアミノ酸の間に差がある場合であっても、EDEを形成する骨格立体配座は、抗EDE抗体によって広く認識される可能性があると考えられる。
【0138】
好ましい実施形態では、EDEを含むエンベロープタンパク質または構造は、フラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたはデングウイルスエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%相同性、またはすべての血清型のフラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたはデングウイルスからの2つの異なるエンベロープタンパク質(またはその部分(複数可)、例えば、少なくとも8、9、または10の連続的なアミノ酸のうちの1つ以上の部分)、より好ましくは4つの異なるエンベロープタンパク質、最も好ましくはすべてのエンベロープタンパク質に対して少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%相同性を有するか、またはEDEを含むタンパク質または構造は、1種以上の血清型のジカまたはデングウイルスの天然エンベロープタンパク質に対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、または60%相同性を有し、このタンパク質は、E49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392、ならびに/あるいは、ジカPF13のR2、M68、A69、S70、D71、S72、R73、C74、Q77、D83、V97、D98、R99、W101、G102、N103、G104、C105、G106、L113、K251、R252、Q253、T315、K316、Q331、K373、例えば、ジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253に対応する1つ以上の位置、またはフラビウイルス、例えばジカウイルスもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基のうちの1つ以上、または任意にこれらのすべてを含む。
【0139】
これらの残基のいくつかは、その他よりも重要であると見なされ、したがって、EDE、エンベロープタンパク質、またはEDEを含む構造のさらなる実施形態では、DENV−2のQ77、W101、N153、T155、K310、またはジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253、またはフラビウイルス、例えばジカウイルスもしくはデングウイルスエンベロープタンパク質の等価残基のうちの1つ以上、または任意にこれらのすべてを含む。
【0140】
エンベロープタンパク質残基E49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、
T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392(DENV−2)、またはジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253、またはフラビウイルス、例えばジカウイルスもしくはデングウイルスの等価残基のうちの1つ以上は、EDEへの化合物の結合に必要であると考えられる。それ故に、一実施形態では、EDEを含むエンベロープタンパク質または構造は、これらの残基のうちの1つ以上、またはこれらのすべてを含む。
【0141】
抗FL抗体は、ほとんどの場合、アラニン走査分析において変異した残基の中から残基W101のみを必要とするように思われ(WO2016/012800の実施例2)、他の残基のうちのいずれかの変異によって影響を受けないが、一方、抗EDE抗体は、はるかに大きなエピトープを必要とし、抗FL抗体が必要とするように残基W101の存在を必要とするが、多くの他の残基での変異によって影響を受ける。したがって、一実施形態では、EDEは、エンベロープ二量体エピトープにおいて残基W101および位置E49、K64、Q77、W101、V122、N134、N153、T155、I161、A162、P169、T200、K202、E203、L308、K310、Q323、W391、F392(DENV−2)、またはジカPF13のT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253、またはエンベロープ二量体エピトープの等価残基が化合物の結合に必要であるエピトープとして定義される。
【0142】
特定の実施形態では、エンベロープ二量体エピトープは、ジカPF13のドメインIII残基K310(DENV−2)またはT315、K373、S70、S72、Q77、R99、G104、M68、R252、D83、Q253、またはフラビウイルス、例えば、ジカウイルスもしくはデングウイルスタンパク質の等価残基を含む。
【0143】
一実施形態では、EDEは、例えば、各エンベロープ、例えば、sE、単量体の67位(Asn67グリカン)でおよび/または153位(Asn153グリカン、ジカにおいては154位)で、好ましくは各単量体の少なくとも67位(Asn67グリカン)でグリコシル化される。Asn67は、ジカエンベロープタンパク質中に存在するとは考えられていない。
【0144】
ある実施形態に従って、本発明の化合物は、エンベロープタンパク質二量体のN67グリカン鎖またはエンベロープタンパク質二量体のN153/N154(ジカ)グリカン鎖に接触する。本化合物は、エンベロープタンパク質二量体のN67(存在する場合)およびN153グリカン鎖の両方に接触することができると理解されよう。
【0145】
特定の例では、本化合物は、CDR H2がエンベロープタンパク質のN67グリカン鎖と相互作用する抗体である。
【0146】
一実施形態では、本化合物は、1種以上の血清型のデングウイルス、存在する場合、好ましくはすべての血清型のデングウイルスエンベロープタンパク質、例えば、DENV−2またはDENV−4におけるA71、C105、C74、D154、D249、D271、D309、D362、D98、E148、E311、E44、E71、E84、G102、G104 G106、G152、G156、G28、G29、G374、H158、H27、I113、I308、I46、K246、K247、K310、K323、K325 K47、L113、L45、L82、M278、N103、N153、N362、N67、N83、Q248、Q271、Q325、Q77、R2、R247、R323、R73、R99、S72、S81、T115、T155、T361、T46、T68、T69、T70、T72、V113、V114、V250、V309 V324、V97、W101のうちの任意の1つ以上でEDEに接触する。
【0147】
一実施形態では、エンベロープ二量体エピトープは、ドメインII側上のbストランド、および(二量体界面の向かいにある)ドメインI側上の「150ループ」(例えば、図29を参照のこと)によって形成されたくぼみの中心に置かれた領域を含み、150ループが残基148〜159に広がり、ドメインIのbストランドE0およびF0を接続し、N153残基またはN153グリカンを担持し、これは二量体におけるパートナーサブユニットの融合ループを覆う。150ループは、配列番号148の150ループのDenv−1 QHQVGNETTEHG、配列番号1149の150ループのDenv 2 EHAVGNDTGKHG、配列番号150の150ループのDenv 3 QHQVGNETQG、配列番号151の150ループのDenv 4 THAVGNDIPNHGを含むと見なされる。
【0148】
場合によっては、エンベロープ二量体エピトープは、ドメインIIのエンベロープタンパク質を含み、任意に、ドメインIIの以下の特性、b鎖(残基67〜74)、すぐ上流の融合ループおよび残基(残基97〜106)、ならびにijループ(残基246〜249)、ならびに残基243〜251および残基307〜314のうちの任意の1つ以上をさらに含む。
【0149】
一実施形態では、EDEは、残基67〜74、残基97〜106、残基148〜159、残基243〜251、および残基307〜314からなる、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルス糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)の5つのポリペプチドセグメントを含む。
【0150】
それ故に、一実施形態では、本発明はまた、上述のように使用するための化合物、例えば、上に定義される安定化組換えsE二量体に対する、上述のように使用するための単離された中和抗体またはその抗原結合断片も提供し、当該抗体またはその断片は、残基67〜74、残基97〜106、残基148〜159、残基243〜251、および残基307〜314からなる、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルス糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)の5つのポリペプチドセグメントに結合する。
【0151】
化合物が結合するEDEは、ドメインIIのジカPF13ベータストランドb、床ベータシート端部、融合ループ主鎖、融合ループR99側鎖、Q77側鎖、C74とC105との間のジスルフィド結合、ベータストランドE、K373、ドメインIの荷電残基、ドメインIIのklループ、またはそれに対応する領域を含み得、
および/または、ジカPF13残基67〜77、残基97〜106、残基313〜315、残基243〜253、残基K373またはフラビウイルス糖タンパク質E細胞外ドメインの対応する残基からなり得、任意に、結合は、デングN153(ジカN154)グリカンまたは対応する残基の存在または不在によって影響を受けない。
【0152】
例えば、ポリペプチドセグメントまたはアミノ酸残基に対する本発明に従う使用のための、抗体断片の結合の特徴付けは、例えば、以下の実施例および/またはWO2016/012800に記載される結晶化試験によって行われ得る。
【0153】
好ましくは、EDEへの結合に加えて、本化合物は、ウイルスを中和することができる。好ましい実施形態では、本化合物は、すべての血清型のフラビウイルス、または例えば、すべての血清型のジカおよび/もしくはデングウイルスを、好ましくは少なくとも90%または少なくとも98%、例えば100%中和することができ、好ましくは昆虫細胞およびヒト細胞の両方で作られるすべての血清型のジカおよび/もしくはデングウイルスを少なくとも90%または少なくとも98%、例えば100%中和する。中和反応および中和アッセイ技術についての選好は、前述されたとおりである。
【0154】
一実施形態では、EDEは、完全長エンベロープタンパク質の二量体を含む。別の実施形態では、EDEは、エンベロープ細胞外ドメイン(sE)の二量体を含む。さらなる実施形態では、エンベロープタンパク質は、エンベロープタンパク質の細胞外ドメインの(上で論じられるように、約)400のアミノ末端残基を含む。例えば、WO2016/012800の図28を参照されたい。上記の完全長エンベロープタンパク質の二量体の安定性についての選好はまた、エンベロープタンパク質の切断型細胞外ドメインにも適用する。したがって、エンベロープタンパク質の細胞外ドメインの二量体は、操作を通して安定化され得るか、または骨格タンパク質に組み込むことによって安定化され得るか、またはハイブリッド二量体を含み得る。
【0155】
さらなる実施形態では、本発明の使用のための化合物は、酸性pHでインキュベートされる、デングウイルスまたはビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子に結合しないであろうものである。酸性pHは、エンベロープタンパク質が三量体配置を不可逆的に導入するようにする。本発明者らは、本発明の使用のための化合物が低いpHでウイルス粒子に結合しないことを見出した(WO2016/012800の実施例4を参照のこと)。したがって、一実施形態では、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合部分は、酸性pHでインキュベートされる、デングウイルスまたはビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子に結合しない。酸性pHとは、7より低い任意のpH、好ましくはpH5.5を意味する。
【0156】
したがって、当業者は、特定の化合物が本発明のこの実施形態に従う本発明の使用のための化合物であるかどうか、本化合物が、a)フリン活性を欠いている細胞で作られるビリオンもしくはサブウイルス粒子もしくはウイルス様粒子、b)高い割合のprMタンパク質を有するビリオンもしくはサブウイルス粒子もしくはウイルス様粒子、および/またはc)酸性条件下でインキュベートされるビリオンもしくはサブウイルス粒子もしくはウイルス様粒子、のうちの1つ以上に結合することができないかどうかを単に特定することによって容易に特定することができる。
【0157】
上述のビリオン、サブウイルス粒子、またはウイルス様粒子に対する本化合物の結合能力をアッセイするための方法は、EDEに結合する本化合物の能力をアッセイすることに関しては前述に提供され、WO2016/012800の実施例4に詳述されており、概して、本化合物が結合することができるかどうかをアッセイするために、特定のビリオンまたはウイルス様粒子に対してELISAを単に含む。本化合物は、天然EDEまたはビリオンまたはウイルス様粒子に結合するか、または有意に結合する場合、ならびにa)フリン活性を欠いている細胞で作られる、b)高い割合のprMタンパク質を有する、および/またはc)酸性条件下でインキュベートされる、ビリオンまたはサブウイルス粒子またはウイルス様粒子に結合しない場合、有用であると見なされる。
【0158】
本発明は、上記の使用のための特定の化合物をさらに含む。例えば、一実施形態では、本化合物は、重鎖配列番号11および軽鎖配列番号13、または重鎖配列番号12および軽鎖配列番号14の配列を含む抗体である。抗体が含んでいてもよい軽鎖、重鎖、およびCRD配列のさらなる例は、下記の抗体の節に記載されている。本発明はまた、これらの抗体の切断および変異に関し、そのため、使用のための化合物はその抗原結合部分であることが理解されよう。少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR配列または可変領域配列全体、または抗体配列全体において、上記の配列に対して少なくとも80、90%、または少なくとも95%相同性の配列相同性を有する抗体は、本発明の使用のために含まれる。抗体、軽鎖および重鎖の特定の配列は、配列番号1〜4、37〜141、141〜147、および例えばWO2016/012800の図29に記載されている。
【0159】
WO2016/012800、Rouvinski et al(2015) Nature 520, 109−113、Dejnirattisai et al(2015) Nature Immunol 16,170−177、の群「EDE1」として特徴付けられる抗体が、特にジカウイルスに関連する使用に関連して、特に価値があり得る。EDE群1抗体は、N153(または等価残基)グリコシル化の存在または不在によって影響を受けない結合によって特徴付けられると考えられる。
【0160】
ジカおよびデングウイルスに関連する広範な中和抗体として特に有用であり得る抗体は、以下の抗体の節に論じられるように、752−2 C8またはEDE1 C8であり得る(WO 2016/012800、Rouvinski et al(2015) Nature 520, 109−113、Dejnirattisai et al(2015) Nature Immunol 16, 170−177にあるような用語)、または753(3) C10 EDE C10(WO2016/012800、Rouvinski et al(2015) Nature 520, 109−113、Dejnirattisai et al (2015) Nature Immunol 16, 170−177にあるような用語)。
【0161】
ジカエンベロープタンパク質二量体に対して高い親和性を有し得るが、中和にはあまり有用でなく、抗体依存性増強(ADE)を促進し得る抗体は、DENV結合のために153位にグリコシル化部位を必要とすると思われるが、ジカエンベロープ二量体上の154グリカン(存在する場合)と同じ相互作用をしない、EDE2 A11であり得る(WO2016/012800、Rouvinski et al(2015) Nature 520, 109−113、Dejnirattisai et al(2015) Nature Immunol 16, 170−177にあるような用語)。実施例2を参照のこと。
【0162】
以下の実施例2においてさらに論じられるように、ジカ株は、154位でのグリコシル化に関して異なる場合がある。アフリカジカ株HD78788は、長年にわたり、マウスの脳をサックインする細胞培養に適合し継代されており、Eグリコシル化がないと考えられている。2013年にフランス領ポリネシアで単離されたPF13株は、150ループ、154位でグリコシル化されたEタンパク質を有する。EDE1群抗体、例えば、EDE1 C8はグリコシル化されていないアフリカ系統HD78788をグリコシル化PF13株よりも良好に中和することができるが、EDE1群抗体はこれらのジカ株の両方をDENV株と同等またはそれよりも中和することができる。
【0163】
EDE2抗体、例えばEDE2 A11は、これらのジカ株間で差異を示さないかもしれないが、EDE1抗体としていずれかの株を中和するほど強力ではないかもしれない。
【0164】
特定の重鎖および軽鎖の特定の残基は、実施例、特に実施例2および実施例2のED図3でさらに論じるように、EDEへの結合に重要であると考えられる。したがって、当業者は、どの残基がどのような方法で改変を許容する可能性が高いかを決定することができるであろう。改変は、当業者には明らかであり本明細書に記載されるように、EDE結合能力またはウイルス中和能力に対する効果を試験することによって試験され得る。
【0165】
抗体は、軽鎖および重鎖からなり、各軽鎖および重鎖内に3つの可変領域がある。これらの領域のそれぞれの最も可変の部分は、相補性決定領域であり、抗原結合および認識には最も不可欠であると見なされる。したがって、一実施形態では、本化合物は、以下のアミノ酸置換、挿入、または欠失を有しない、1つまたは2つアミノ酸置換、挿入、または欠失を有する以下のアミノ酸配列のうちの1つ以上を含む:
以下の抗体の節の表Aで同定されたCDR配列、
または以下の抗体の節で同定される、例えば、EDE1抗体として同定される抗体のための、WO2016/012800からのCRD配列。
【0166】
タンパク質骨格における抗原性EDEの提示に関して上述のように、本化合物、例えばタンパク質、例えば抗体はまた、例えばタンパク質骨格内に保持される、より大きな構造の一部であってもよい。この骨格についての選好は、前述されたとおりである。例えば、一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、より大きなポリペプチド内にある。
【0167】
好ましい実施形態では、本化合物は、抗体またはその抗原結合部分である。抗原結合部分は、Fv部分、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab)2断片)、またはドメイン抗体であってもよい。
【0168】
一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、モノクローナル抗体であるか、または、モノクローナル抗体由来である。別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ポリクローナル抗体であるか、または、ポリクローナル抗体由来である。さらなる実施形態では、本化合物は、
a)モノクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の混合物、または
b)ポリクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の混合物、または
c)モノクローナルおよびポリクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の混合物、を含む、抗体またはその抗原結合部分の混合物を含む組成物であり、例えば、モノクローナル抗体対ポリクローナル抗体もしくはその抗原結合部分の比率は、10:1、8:1、6:1、4:1、2:1、1:1、1:2、1:4、1:6、1:8、または1:10である。
【0169】
本化合物は、組換えタンパク質、例えば、組換え抗体またはその抗原結合部分であってもよいことが理解されよう。本化合物はまた、合成的に作製されてもよい。本化合物は、組換え的および合成的に産生された組み合わせであってもよい。
【0170】
このような化合物、例えばタンパク質、例えば抗体またはその抗原結合部分を作製する手段を提供する。
【0171】
本化合物が組換え手段によって産生され得る、例えば本化合物、例えばポリペプチド、例えば、抗体またはその抗原結合部分は、
a)ヒト細胞株、任意に、CHO細胞、または
b)哺乳動物、任意に、ヒト、または
c)微生物、または
d)昆虫細胞株、を含む、様々な生物から産生および単離または精製され得る。
【0172】
単離または精製されるとは、この薬剤は、その自然環境から除去され、この薬剤が精製される程度に反映しないことを意味する。
【0173】
したがって、本発明は、ヒト細胞株、任意にCHO細胞、または哺乳動物、任意にヒト、または微生物、または昆虫細胞株を含む、様々な生物からの本発明の使用のための化合物の単離または精製を提供する。
【0174】
本化合物が、ポリペプチド、例えば、抗体またはその抗原結合部分であるか、または例えば、タンパク質骨格に含まれる場合には、この化合物は、核酸によってコードされてもよい。核酸とは、一本または二本鎖のおよびすべてのそれらの様々な形態でDNAおよびRNAの両方の意味を含む。本発明の使用のためのまたは本発明に関連してタンパク質性化合物のうちのいずれかをコードする核酸を提供する。特に、WO2016/012800の配列番号41〜48は、本発明に関連して有用であり得る。本明細書の考察から明らかなように、WO2016/012800の他の配列も有用であり得る。前述の可能性のいずれかを含む配列、例えば、抗体配列のいずれかをコードする部分を含む核酸配列またはそれに対して少なくとも80、90、95、または95%の相同性を有する配列であるような、サイレント変異をもたらし得る変異を含む、例えば、WO2016/012800の配列番号41〜48に由来するかまたはそれを含む任意の配列、または本明細書に開示される他の配列が、含まれる。
【0175】
核酸は、イントロンを含んでも、含まなくてもよい。核酸はまた、その後の翻訳ポリペプチドの精製を可能にするために修飾されてもよく、例えば、目的とするポリペプチドのオープンリーディングフレームは、その後の精製を可能にするためにタグ、例えばmycタグまたはhisタグを組み込むように修飾されてもよい。
【0176】
核酸はまた、例えば、最終ポリペプチド配列に影響を及ぼすことなく、翻訳されるべき生物によってより良好に翻訳されるように最適化されたコドンに修飾されてもよい。
【0177】
本開示の核酸は、当業者に既知の多くの方法、例えば、古典的な変異誘発、化学的処理、制限消化、ライゲーション、およびPCRを用いて産生または修飾され得る。
【0178】
本発明の一態様は、個体に1つ以上のフラビウイルスにワクチン接種する際に使用するための、または1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/もしくは治療のための方法における使用のための、本発明の先の態様に関して定義される抗体またはその断片をコードする核酸を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0179】
本発明の一態様は、本発明の第1の態様に従う使用のための抗体もしくはその断片、または本発明の先の態様の使用のための核酸を提供し、抗体もしくはその断片または核酸は、上述の1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療のための方法における使用のためのものであり、この治療は、抗体依存性増強(ADE)を減少させるためである。
【0180】
本発明に関連して、例えば、本発明の使用においてまたは本発明の使用のための化合物を調製することに関連して有用な核酸は、ベクターに組み込まれてもよい。したがって、本発明は、例えば、核酸を含むベクターの使用に関連し得る。ベクターとは、核酸の増幅のクローニングのための、または標的生物への挿入のためのビヒクルを意味し、例えば、ベクターは、標的生物に、例えば標的生物のゲノムに本発明の核酸を標的とするために使用される、プラスミドであっても、核酸であってもよい。ベクターは、本発明の核酸によってコードされるポリペプチドの発現のために必要とされるヌクレオチド配列をさらに含んでもよく、例えば、プロモーター配列または終止配列は、本発明の使用のためのまたは本発明に関連して有用な核酸に動作可能に連結されてもよく、レポーター遺伝子、例えば抗生物質抵抗性カセットを含んでもよい。ベクターは、一本鎖であっても、二本鎖であってもよく、線状であっても、環状であってもよい。一実施形態では、ベクターはプラスミドである。
【0181】
上述のEDEに結合することができる化合物を提供することに加えて、本発明はまた、以下に定義されるEDE化合物も提供する。核酸またはベクターを含む宿主細胞に加えて、本発明の使用のためのEDE化合物をコードする、核酸またはベクターを提供する。例えば、上述の核酸およびベクターについての選好はまた、当業者には明らかであるような、本発明の本態様に関連してもよい。それ故に、本発明は、以下に定義される使用のためのEDE化合物、またはそのようなEDE化合物をコードする核酸、または当該核酸を含むベクター、または以下に記載される使用のための当該核酸もしくはベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0182】
本発明の一態様は、1つ以上のフラビウイルスに対して、個人にワクチン接種する際に使用するための、フラビウイルスエンベロープ二量体エピトープ(EDE)を提供し、EDEが、安定化組換えフラビウイルス、任意に、デングウイルスおよび/またはジカ、エンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)二量体であり、この二量体は、
2つのsE単量体間で少なくとも1つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化される、ならびに/または
各単量体の二量体界面またはドメインI(DI)/ドメインIII(DIII)リンカーにおいて、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって非共有結合的に安定化され、2つのsE単量体間で少なくとも1つのスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化される、ならびに/または
任意に、sE配列を分離する、リンカー領域、任意に、グリシンセリンリッチリンカー領域を有する単一ポリペプチド鎖として形成されることによって共有結合的に安定化される、ならびに/または
改変糖類を介して2つのsE単量体を連結することによって共有結合的に安定化される、ならびに/または、
二量体は、DENV−1、DENV−2、DENV−3、DENV−4、ジカ、もしくは他のフラビウイルスのうちのいずれか1つもしくは2つからの天然および/または変異エンベロープポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体であり、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0183】
本発明のさらなる態様は、1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種するための方法を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、本方法は、本発明の上述の態様に関して定義されるEDEを投与することを含む。
【0184】
本発明のさらなる態様はまた、1つ以上のフラビウイルスに対して、個体にワクチン接種するための医薬の製造における、本発明の上述の態様に関して定義されるEDEの使用も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0185】
実施形態は、特許請求の範囲に記載されており、さらなる好ましいものは、EDEに関して、および治療される個体に関して他の箇所で記載されている。典型的には、ワクチン接種される個体は、フラビウイルス感染またはジカウイルス感染を有するか、または有する可能性が高いと判断されていない者であり得る。
【0186】
EDE化合物は、エンベロープ依存性エピトープとして上述のエピトープを提供するよう意図されている。EDE化合物は、本発明の使用のための1つ以上のEDE特異的抗体、例えば上記の好ましい中和抗体、または本実施例もしくはWO2016/012800の実施例に例示されるように特異的に結合し得る。EDE化合物は、典型的には、ポリペプチドであるか、またはポリペプチドを含む。一実施形態では、EDE化合物は、エンベロープタンパク質の二量体、またはエンベロープ細胞外ドメイン、またはエンベロープタンパク質の細胞外ドメインの400アミノ末端残基である。本明細書で使用される「400アミノ末端残基」とは、約400アミノ末端残基、例えば、上述のおよび当業者には明らかであろう、350〜450残基、320〜470残基、または330〜480残基(もしくはその組み合わせ)、例えば380〜420残基、例えば390〜410残基、例えば395または393残基が含まれる。エンベロープタンパク質は、フラビウイルス、例えば、ジカ、DENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−3、およびDENV−4、(WO2016/012800の配列番号29、31、33、もしくは35、または以下の配列の節に記載される配列)からのエンベロープタンパク質、またはWO2016/012800の配列番号29、31、33、または35の配列に少なくとも90%の相同性を有するタンパク質のうちのいずれかであってもよい。この二量体は、ホモ二量体またはヘテロ二量体であってもよい。好ましい実施形態では、この二量体は、無傷ウイルス粒子、またはサブウイルス粒子、またはウイルス様粒子に組み込まれないが、典型的には、例えば、単量体エンベロープポリペプチドの分子量の2倍の分子量を有する遊離二量体の形態で、またはナノ粒子、例えば、自己組織化ナノ粒子の形態であってもよい。例えば、タンパク質骨格の一部として、本明細書に記載のEDEまたはEDE化合物、例えば、操作されたエンベロープタンパク質のうちのいずれかの形態が、ウイルス、ウイルス様粒子、またはサブウイルス粒子の一部として潜在的に提示されてもよいことが理解されよう。
【0187】
別の実施形態では、EDE化合物は、二量体配置において増加した安定性を有するように操作されている、例えば、二量体間の共有および/または非共有結合の増加したレベルを有するように操作されている、エンベロープタンパク質の二量体、またはエンベロープ外部ドメイン、またはエンベロープタンパク質の外部ドメインの(約)400アミノ末端残基を含む。
好ましい一実施形態では、EDE化合物は、本発明の上述の態様に関連して記載される、安定化組換えフラビウイルス、例えば、ジカおよび/またはデングウイルスエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(組換えsE)二量体であり、例えば、安定化組換えジカおよび/またはデングウイルスエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(組換えsE)二量体であり、この二量体は、
−2つのsE単量体間で少なくとも1つのジスルフィド鎖間結合で共有結合的に安定化される、ならびに/または
−2つのsE単量体間で少なくとも1つのスルフヒドリル反応性架橋剤で共有結合的に安定化される、ならびに/または
−改変糖を介して2つのsE単量体を連結することによって共有結合的に安定化される、ならびに/または、
−各単量体の二量体界面でまたはドメイン1(D1)/ドメイン3(D3)リンカーにおいて、少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列中の少なくとも1つのアミノ酸残基を、少なくとも1つのかさ高い側鎖アミノ酸で置換することによって、非共有結合的に安定化される。
【0188】
フラビウイルス、ジカまたはデングウイルスエンベロープ糖タンパク質E細胞外ドメイン(sE)は、例えば、実施例2 ED 図7に示すように、デングウイルスの血清型1、2、および4のエンベロープ糖タンパク質Eの1〜395のアミノ酸断片、デングウイルスの血清型3のエンベロープ糖タンパク質Eの1〜393のアミノ酸断片、およびジカウイルスのエンベロープ糖タンパク質Eの1〜404のアミノ酸断片を指す。
【0189】
EDE化合物の選択は、上述に、および安定化二量体に関する特許請求の範囲に記載されている。
【0190】
一実施形態では、EDE化合物は、ウイルス、ウイルス様粒子、またはサブウイルス粒子内の天然に存在するエンベロープ二量体を超える改善されたエピトープを提示する。改善されたエピトープとは、無傷ウイルス粒子に天然に提示された改善されてあらゆるエピトープを超えるという意味を含む。改善されたとは、天然無傷デングウイルス粒子よりもより有益な免疫反応を引き起こすことができるという意味を含む。例えば、上述、および特許請求の範囲に記載される改変を介して、二量体配置において増加した安定性を有するEDE化合物は、改善されたエピトープであると見なされる。EDE化合物は、FLが、それ自体で、化合物、例えばポリペプチド、例えば抗体またはその抗原部分によって認識されることができないように操作されているか、または骨格に挿入されているEDEであってもよく、例えば、EDEは、FLが、融合ループの直接的隣接からの単離において抗体によって認識することができない、すなわち誘導ループは、四次組織から独立している文脈において認識することができない(または、例えば、融合ループを認識する反応を引き起こすことができる)ように操作される。
【0191】
一実施形態では、EDE化合物は、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、ジカおよび/またはデングウイルスにわたってアミノ酸および空間的位置の両方において保存される残基、好ましくは、すべての血清型のフラビウイルス、例えば、ジカおよび/またはデングウイルスにわたって、つまり、ジカウイルスおよび4種の血清型のデングウイルスにわたってアミノ酸および空間的位置の両方において保存される残基を含む。
【0192】
EDE化合物は、エンベロープタンパク質の二量体、またはエンベロープ細胞外ドメイン、またはエンベロープタンパク質の細胞外ドメインの(約)400アミノ末端残基を含んでもよく、これは、二量体配置において増加した安定性を有し、また、上述のタンパク質骨格内に保持されるように操作される。
【0193】
好ましい実施形態では、EDE化合物は、一旦、対象、好ましくはヒトに投与されると、抗体を作り出すことができ、これらの抗体は、好ましくは、すべてのフラビウイルス、またはジカおよび/もしくはデングウイルス、例えば、ジカおよび4種の血清型のデングウイルスに結合することができ、任意に、少なくともジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを中和することができ、好ましくは、ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを100%中和することができ、任意に、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるウイルスを中和することができ、好ましくは、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られる4種すべての血清型のデングウイルスを中和することができる。
【0194】
EDE/VDE化合物は、当業者に周知であるように、例えば、WO2016/012800の実施例において示されるように、本明細書で提供される高親和性/中和抗体のうちの1つ以上に対して開発された、抗イディオタイプ抗体(もしくはその断片、または上で論じられるように、結合特異性を共有する分子)であってもよい。
【0195】
EDEが本発明の使用のための安定化組換えsE二量体である、EDEの合成のための方法を提供し、本方法は、
a)上に定義される2つの単一または複数のシステイン変異体sEを、酸化条件下で接触させるステップ、および/または
b)2つのsE単量体を、上に定義される少なくとも1つ、2つ、または3つのスルフヒドリル反応性架橋剤と接触させるステップ、および/または
c)上に定義されるグリコシル化部位を有する2つのsE単量体を、クリック化学によって接触させるステップ、および/または
d)少なくとも1つのsE単量体のアミノ酸配列において少なくとも1つのアミノ酸残基を、上に定義されるかさ高い側鎖アミノ酸で置換する2つのsE単量体と接触させるステップ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0196】
本発明は、上に定義される方法によって得られる安定化組換えsE二量体を使用してもよい。
【0197】
本発明に従う使用のための安定化組換えsE二量体の適切な形成を確実にするために、以下に記載の抗体に対する親和性は、(共有結合的および非共有結合的に安定化した二量体については)ELISAによって、または(共有結合的に安定化した二量体については)表面プラズモン共鳴によって測定され得る。
【0198】
本発明の使用のための、または本発明に関して有用な核酸、または本発明の使用のためのベクター、例えば、EDE化合物または本発明の使用のための化合物をコードする核酸の一部を含む核酸またはベクターのうちのいずれかを含む宿主細胞を提供する。例えば、ベクター、例えばプラスミドを含む、異種タンパク質の発現に有用であることが知られている任意の宿主細胞、例えば、C6/36昆虫細胞、ヒト樹状細胞、CHO細胞、または微生物、例えば、Pichia pastoris細胞を提供する。宿主細胞はまた、任意に、ゲノム、例えば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、レトロウイルス、シンドビスウイルス、ワクシニアウイルス、または任意の他のDNAもしくはRNAウイルスベクターへの核酸を標的とするためのウイルスベクターの使用によって宿主細胞のゲノムに組み込まれている、本発明の使用のための、または本発明に関連する核酸を含んでもよい。
【0199】
本発明の使用のための核酸または本発明の使用のためのベクター、または本発明の使用のための宿主細胞によって、例えば、EDE化合物または本発明の使用のための化合物をコードする核酸の一部を含む核酸またはベクターによって形質転換される少なくとも1つの細胞を含む非ヒトトランスジェニック動物も提供する。
【0200】
本発明の使用のための化合物、好ましくはポリペプチド、好ましくは抗体もしくはその抗原結合部分、または本発明の使用のためのEDE化合物の産生のためのプロセスが、本明細書に提供される。このプロセスは、以下の段階:
i)上記のような宿主細胞の適切な培地における培養、
ii)当該化合物、好ましくは産生された抗体またはその抗原結合部分、または当該EDE化合物の回収、を含み、当該回収は培養培地または当該培養細胞のいずれかからである。
【0201】
ポリペプチドの精製または単離については、例えば、本化合物がポリペプチドである、またはEDE化合物がポリペプチドである場合に、当業者であれば、精製に役立つヌクレオチドを含む、例えば、エピトープタグの親和性タグを含むようにヌクレオチドコーディング配列を容易に操作し得ることを理解されよう。それ故に、一実施形態では、本発明の使用のための化合物またはEDE化合物の産生のためのプロセスは、本化合物もしくはEDE化合物をコードするヌクレオチド配列を含み、本化合物もしくはEDE化合物、または本化合物もしくはEDE化合物をコードするヌクレオチド配列を含むベクターの精製に有用な一部分をコードするヌクレオチドをさらに含み、本化合物もしくはEDE化合物の精製に有用な一部分をコードするヌクレオチドをさらに含む、宿主細胞の培養を含む。
【0202】
本化合物が、ポリペプチド、例えば抗体またはその抗原結合部分であり、同様に、組換え手段によって作製される場合に、ポリペプチド産生は、対象への上の実施形態のいずれかに定義されるEDE、任意に上に定義されるEDE化合物の投与によって引き起こされ得ることが理解されよう。EDE(随意的にEDE化合物)の投与後、天然宿主反応は、対象の血液から回収され得る抗体を産生し得る。好ましくは、EDEは、無傷ウイルス、ウイルス様粒子、またはサブウイルス粒子の一部として提示されない。好ましくは、EDEは、上で論じられるエンベロープポリペプチド二量体、または上もしくは下で論じられる他のEDE化合物である。
【0203】
例えば、本発明の使用のための本発明の化合物の産生方法を提供し、本方法は、
a)哺乳動物を、免疫原性組成物の形態であり得る本発明の使用に関連して定義される、安定化組換えsE二量体と接触させるステップと、
b)当該哺乳動物由来の1つ以上の血清試料中の当該sE二量体を対象とする抗体の存在を検出するステップと、
c)当該哺乳動物から膵臓細胞を採取するステップと、
d)ハイブリドーマ細胞を産生するために、当該膵臓細胞を骨髄腫細胞と融合させるステップと、
e)当該抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞を特定するステップと、
f)当該抗体を産生することができる当該ハイブリドーマ細胞を培養するステップと、
g)任意に、当該抗体を単離するステップと、を含む。
【0204】
本発明は、上に定義される方法のうちのいずれかによって得られる抗体を使用し得る。
【0205】
上に定義される方法によって得られるハイブリドーマ細胞も提供する。
【0206】
上に定義される当該二量体を対象とする中和抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞の調製のための本発明の使用に関連して定義される安定化組換えsE二量体の使用も提供する。
【0207】
好ましい実施形態では、本EDEまたはEDE化合物は、高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体を作り出すことができると既に判断されているようなものである。WO2016/012800の実施例(実施例1〜6)で同定された抗体は、デングウイルスの自然感染において無傷のウイルスに作り出された。より特異的かつ改善された抗体は、本発明に関連して定義されるEDE化合物であり得る、特異的なEDE抗原の投与によって作り出すことができると見なされる。例えば、自然感染では、何人かの患者は、抗EDE抗体を作り出さず、その代わりに、あまり有用でないと見なされ、あまり交差反応性がなく、あまり中和しない抗FL抗体を産生した。EDE抗原の投与は、有用な抗EDE抗体を作り出す可能性がより高いと見なされる。上述のように、いくつかの実施形態では、本EDEまたはEDE化合物は、二量体配置において増加した安定性を有するように操作され、これは、対象内で作られる抗VDE抗体の機会を増すと見なされる。加えて、いくつかの実施形態では、本EDEまたはEDE化合物は、例えば、エンベロープタンパク質内でそれ自体が突然変異、または改善されたエピトープを提示するための骨格タンパク質の使用によって、例えば、抗FL抗体が作られる可能性が低いように融合ループを隠すことによって操作されている。すべての血清型のデングウイルス、またはジカおよびすべての血清型のデングウイルスに共通しているEDEまたはEDE化合物の投与は、高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体を作り出す可能性が高い。これらの抗体は、例えば、対象から回収され、さらなる分析のために使用され得るか、またはジカおよび/もしくはデング熱の治療、またはジカおよび/もしくはデング熱臨床試験において使用され得る。
【0208】
したがって、一実施形態は、本化合物がポリペプチド、または抗体もしくはその抗原結合部分である、本発明に従う使用のための化合物の産生のためのプロセスを提供し、当該プロセスは、以下の段階:
a.対象への、前述の実施形態のうちのいずれかにおいて定義されるエンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物の投与、
b.対象の血液からの当該抗体またはその抗原結合部分の回収および単離、を含む。
【0209】
対象にEDEまたはEDE化合物を投与することを含む、本発明の使用のための、化合物、例えば、抗体またはその抗原結合部分を産生する上記の方法はまた、ワクチンのために適当な抗原を選択する方法の一部としても使用することができることを理解されよう。現行のワクチンは、弱毒化したバージョンの4種すべての血清型のデングを利用しており、特に効果的ではない。そのようなワクチンはまた、有用ではない抗FL抗体の産生を引き起こすこともできよう。好ましいワクチンは、すべての血清型のデングウイルスに対して免疫反応を引き起こすことができる単一の抗原を含み得、この免疫反応は、ジカウイルスおよびすべての血清型のデングウイルスを中和することができる、すなわち、4種の血清型のデングウイルスであると見なされる。
【0210】
本発明の発明者らは、ジカウイルスも認識する、高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体、ならびにそれらが結合する特定のエピトープ(EDE)を初めて特定した。それ故に、ジカ、またはジカおよび他のフラビウイルス、例えば、ジカおよびデングウイルスのためのワクチンにおけるこのエピトープの使用は、現行のワクチン戦略より好ましい可能性が高い。
【0211】
一態様では、本発明は、ジカウイルスに対するワクチンのために好適な抗原を選択することを補助するための方法を提供し、当該方法は、候補抗原に応答して対象において作製された1つ以上の抗体の特性決定を含み、任意に、当該候補抗原が、本発明の前述の態様に関連して定義されるEDEに結合することが知られている抗体のパネルに結合することがこれまでに見出されている。
【0212】
フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング抗原を投与されている対象における高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体の特定は、ワクチンに有用である可能性が高い抗原を示している。本発明者らは、例えば、デング抗原が、ジカに対して強力に中和する抗体を作り出すのに有用であり得ることを見出した。一実施形態では、この抗原は、無傷ウイルスの一部として提示されない。好ましい実施形態では、この抗原は、任意に骨格タンパク質の一部として、上述の実施形態のうちのいずれかに定義されるEDE化合物、好ましくはエンベロープタンパク質の二量体、好ましくは安定化した二量体である。好ましい実施形態では、この抗原は、例えば、本実施例およびWO2016/012800の実施例において特定される、EDEに結合することができる高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体、例えば、本発明の使用のための抗体に結合することができることが既に判断されているようなものである。抗原は、本明細書に記載されるように、安定化され、任意に、そうでなければ、変異されたジカエンベロープタンパク質の二量体であってもよい。
【0213】
高度に有用な抗体と結合することができることが知られているそのような抗原を投与することによって、対象において抗原に応答して作られる抗体が特徴付けられ得る。そのような抗原は、対象内にそのような有用な抗体の産生をもたらし、そのため、ワクチン組成物で用いるための適当な候補抗原である可能性が高い。特徴付けとは、これらの抗体が、例えば、線状または変性または組換えエンベロープタンパク質に結合する抗体の能力、例えば、ウエスタンブロットまたはELISAにおいてエンベロープタンパク質に結合する能力、およびエンベロープタンパク質の二量体、または前述の実施形態において上述のEDEもしくはEDE化合物に結合する抗体の能力を判定することによって、融合ループと結合すると見なされるかどうかを判定するという意味を含む。ジカおよび/または4種すべての血清型のデングウイルスに結合する抗体の能力はまた、ジカおよび/または4種すべてのデングウイルスを中和する抗体の能力を評価し得るように、評価され得る。抗体の中和能力を判定するための方法は、前述されている。ヒトおよび昆虫細胞の両方で作られたジカおよび/またはデングウイルスを中和する抗体の能力はまた、上述の、ならびに本実施例およびWO2016/012800の実施例において記載されるように、判定され得る。
【0214】
一実施形態では、抗原が、主に抗FL抗体を作り出す場合、ワクチンとして有用であると見なされない。例えば、抗原は、FLに対して作り出された抗体とEDEに対して作り出された抗体の比率が、1:2、1:4、1:5、1:10、1:50、1:100、1:500、1:1000以下である場合、有用であると見なされる。抗FL抗体および抗EDE抗体の相対量は、当業者に周知の方法、例えばELISAに基づいた技術を用いることによって判定され得る。抗原は、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、ジカウイルス、および少なくとも1種の血清型のデングウイルス、好ましくは4種すべてのデングウイルスのEDEと結合することができる抗体を作り出す場合、有用であると見なされる。抗原は、1種を超えるフラビウイルス、例えばジカウイルスおよび少なくとも1種の血清型のデングウイルス、好ましくは1種を超える血清型のデングウイルスを中和する抗体を産生し、好ましくは4種すべてのデングウイルスを、好ましくは100%中和することができる場合、有用であると考えられる。また、抗原がヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られたジカウイルスおよびデングウイルスを中和することができる抗体を、好ましくは同じレベルまで(上で論じられるように)作り出す、好ましくはウイルスを少なくとも95%または少なくとも98%、例えば100%中和する場合、有用であると見なされる。抗原は、
a)抗FL抗体を作り出さない、または有意に作り出さない場合、および
b)ジカウイルス、好ましくは4種すべての血清型のデングウイルスとかなり有意な程度まで結合する場合、および
c)ジカウイルス、好ましくはヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られた4種すべての血清型のデングウイルスをかなり有意な程度まで100%中和する場合、最も有用であると見なされる。
【0215】
さらに、別の実施形態では、作り出された抗体が上述の実施形態において定義されるEDEに結合することができる場合、この抗原は、ワクチン接種で用いるのに適していると見なされる。
【0216】
さらなる実施形態では、対象に投与される抗原は、抗体が融合ループに作り出されるのを防ぐのに役立つようにさらなる薬剤を含んでもよい。
【0217】
抗原に曝露される対象によって産生される抗体は、対象の分類された単一の形質細胞から得られてもよい。
【0218】
初めてまたは高度に交差反応性があり、フラビウイルス、特に、ジカウイルスおよびデングウイルスを強力に中和する抗体の特定は、フラビウイルス、特に、ジカウイルスおよびデングウイルス疾患を治療または予防することができる特有の機会を与えることが理解されよう。加えて、本発明まで、試験中に生じた感染を確実に治療する方法がなかったため、生ジカまたはデングウイルスを含む臨床試験を行うことが可能であろう。したがって、本発明のさらなる態様は、対象におけるフラビウイルス、例えば、ジカデングウイルス感染を治療または予防する方法を提供する。
【0219】
それ故に、本発明は、1つ以上のフラビウイルスによる感染の治療のための方法を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。本方法は、個体に、本発明の前述の態様に関連して定義されるEDEに対する単離された中和抗体またはその抗原結合断片を投与するステップを包含し得る。
【0220】
本方法は、本発明による使用のための1つ以上の化合物、例えば、本発明の前述の態様に関連して定義されるEDE−結合化合物、好ましくはポリペプチド、好ましくは本発明の前述の態様に関連して定義される抗体またはその断片の投与を含み得る。本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスによる感染の治療方法のための医薬の製造における、本発明の前述の態様に関連して定義される化合物、好ましくはポリペプチド、好ましくは本発明の前述の態様に関連して定義される抗体またはその断片の使用を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。選好および実施態様は、感染の治療に用いるEDE結合化合物に関する、本発明の第1の態様について述べたとおりである。
【0221】
投与については、本化合物は、組成物、例えば薬学的組成物の一部であってもよいことが理解されよう。この組成物は、感染を治療するのにそれ自体が有用であると見なされる1つ以上の他の治療剤、例えば、さらなる抗ウイルス剤、またはフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染の症状を治療するのに有用であると見なされる1つ以上の薬剤をさらに含んでもよい。
【0222】
「治療する」という用語は、本発明の使用のための化合物、例えば、本発明の使用のための化合物、本発明の使用のためのEDE化合物、ワクチン組成物、抗体、安定化組換えsE二量体、または本発明の免疫原性組成物のうちのいずれかを、フラビウイルス感染またはフラビウイルス感染の症状もしくはその症状のパターン、例えばジカウイルス感染またはジカウイルス感染の症状もしくはその症状のパターン、またはデングウイルス感染またはデングウイルス感染の症状もしくはその症状のパターン、を有する患者に、フラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングウイルス感染および/またはフラビウイルス、例えば、ジカもしくはデング熱感染の症状を治す、治癒する、緩和する、軽減する、変化させる、救済する、向上させる、改善する、または影響を及ぼすという目的で投与することを含む。フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染の症状のうちのいずれか1つ以上を治療するを緩和するという意味を含む。治療はまた、新たな細胞が感染するのを防ぐという意味も含む。患者がうまく治療されているかどうかは、当業者には明らかであろう。例えば、ウイルス量は減少し得る。抗体依存性増強(ADE)の兆候は、本明細書の他の箇所で論じられているように、低減され得る。
【0223】
「予防する」という用語は、フラビウイルス、例えばジカまたはデングウイルス感染の進行が減速されるおよび/もしくは排除される、またはフラビウイルス、例えばジカまたはデングウイルス感染の発症を遅らせるまたは排除されることを意味する。
【0224】
デングウイルス感染およびデング熱の症状は、例えばWHOファクトシート番号117で提示されている。そこに記述されるように、デング熱は、重症のインフルエンザ様疾患であり、乳児、幼児、および成人が罹患するが、死亡することはめったにない。高熱(40℃/104°F)が、激しい頭痛、眼の奥の痛み、筋痛と関節痛、悪心、嘔吐、腺の腫脹、または発疹のうち2つ以上の症状を伴う場合には、デング熱を疑うべきである。症状は、感染蚊に刺された後4〜10日の潜伏期間後、通常27日間持続する。重症型のデング熱は、血漿漏出、体液貯留、呼吸困難、重度の出血、臓器不全などによる死に至る可能性のある合併症である。危険な兆候は、初発症状から37日後に起こり、同時に体温低下(38℃/100°F以下)と併せて、激しい腹痛、連続する嘔吐、呼吸促迫、歯肉の出血、倦怠感、不穏、吐血を含む。危篤状態の24〜48時間後に死亡することがあり、合併症や死亡するリスクを避けるために適切な医学的治療が必要である。
【0225】
ジカウイルス感染の徴候および症状も当業者に知られており、本明細書の他の箇所でも議論されている。
【0226】
本化合物または本化合物を含む組成物の投与は、本化合物が予防的に使用される場合に細胞の感染の阻害、あるいは、治療目的で使用される場合に細胞のさらなる感染の阻害をもたらす、および/または疾患の兆候および/もしくは症状を軽減する、ある量、例えば治療有効量の投与である。
【0227】
治療有効量は、他の症状(複数を含む)の主観的軽減または臨床医もしくは資格のある観察者によって言及されるように客観的に識別できる改善をもたらす量である。
【0228】
フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染を予防するとは、任意の有意な程度まで感染のレベルを低減するという意味を含む。一実施形態では、本発明の化合物は、フラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたは1種の血清型のデングウイルスによる感染を30%、50%、70%、80%、90%、95%、好ましくは100%予防する。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、ジカ、および2種の血清型のデングウイルス、3種の血清型のデングウイルス、4種すべての血清型のデングウイルスによる感染を30%、50%、70%、80%、90%、95%、好ましくは100%予防する。最も好ましい実施形態では、本発明の化合物は、すべての見出された血清型のジカおよびデングウイルスによる感染を完全に予防する。これは、当業者に周知の技術によって、例えばウイルス量を測定することによって評価されてもよい。
【0229】
本発明は、動物(非ヒト)、好ましくは哺乳動物、例えば、サル、ウサギ、マウス、またはラクダ科動物(例えば、ラマ)に免疫性を与えるための、EDE、好ましくは安定化組換えsE二量体、または本発明に従う使用のために記載される免疫原性組成物の使用を提供する。
【0230】
さらなる実施形態は、例えば、感染を終結させることを意図して、生フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングワクチン試験で用いるために、本発明に従う使用のために記載される1つ以上の化合物、好ましくはポリペプチド、好ましくは抗体もしくはその断片を提供する。
【0231】
好ましくは、本発明の化合物は、昆虫細胞およびヒト細胞の両方で作られるジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを少なくとも95%または少なくとも98%、例えば100%中和することができるものである。ウイルスへの曝露前の化合物の事前投与は、ウイルス感染を予防するであろうと見なされている。
【0232】
例えば、上述のジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを中和することができる、本発明に従う化合物、例えば、抗体もしくはその断片は、上述のウイルスへの曝露前に投与してもよく、例えば、旅行者または大発生または1人以上以上の感染した人々の発生または密接な接触、例えば、蚊に刺された可能性が高い人々の近隣もしくは住宅でのいずれかにおける予防薬として使用されてもよいか、またはジカ感染に接触するリスクがある妊娠中の女性に使用されてもよい。あるいはまたは加えて、本化合物は、患者が初めに発熱を示す場合、または症状が重症になる場合に投与されてもよい。
【0233】
それ故に、例えば、本発明の使用のための、EDE、核酸、または組成物は、使用のためのものであり得、個体は、例えば、妊娠中の女性、任意に、例えばデングウイルスに感染したことが分かっている、または疑われることを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、妊娠中の女性、または
出産年齢の女性、任意に、例えば、デングウイルスに感染していることが分かっている、または疑わしいことを介してジカ感染に接触するリスクがあると考えられる、ジカウイルスまたはデングウイルスに感染したことが分かっている1人以上の個人と密接に接触している、ジカウイルスまたはデングウイルス感染の高い割合またはリスクがあると考えられる場所にいる、出産年齢の女性である。
【0234】
本化合物についてのすべての選好は、本発明の実施形態において上述されるとおりである。
【0235】
本発明の化合物、例えば、抗体またはその抗原結合部分が、さらなる治療剤、例えば、1つ以上のT細胞ワクチン、または他の抗ウイルス剤とともに投与されてもよいことが理解されよう。これらは、本発明の化合物と同じ組成物の一部として投与されてもよく、または別々に投与されてもよい。例えば、T細胞ワクチンは、インフルエンザ85に対する保護のために提案されている。
【0236】
本発明の化合物は、1回、2回、または数回投与されてもよい。投与は、1日、2日、1週間、2週間、1カ月、6カ月、1年間またはそれ以上にわたって行ってもよい。感染後の治療については、より短期間、例えば最長1カ月が、適切であり得る。予防については、より長期間、例えば1年のうちの6カ月またはそれ以上が、適切であり得る。
【0237】
化合物、例えば、1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防または治療の際に使用するための抗体またはその抗原結合部分であって、1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される、抗体またはその抗原結合部分は、本発明の方法を用いて選択され得る。それ故に、本発明は、1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防または治療に用いるための適切な抗体またはその断片の選択方法を提供し、1つ以上のフラビウイルスが、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、当該方法は、任意の上述の実施形態において定義されるエンベロープ二量体エピトープを含む抗原に応答して対象において作製された抗体またはその断片の特徴付けを含む。
【0238】
上述の実施形態のうちのいずれかに記載のEDE化合物は、対象へのEDEの投与後に適当な抗体を作り出すことができる可能性が高い。それ故に、かかる対象において作られた抗体は、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染の治療または予防で有用である可能性が高い。
【0239】
好ましい実施形態では、EDEは、任意に骨格タンパク質の一部として、本発明の使用のためのEDE化合物、例えば、エンベロープタンパク質の二量体、好ましくは安定化した二量体である。好ましい実施形態では、抗原/EDE化合物は、EDEに結合することができる高度に交差反応性があり、強力に中和する抗体、例えば、本発明の使用のための抗体に結合することができることが既に周知であるようなものである。好ましい実施形態では、この抗原は、例えば、交差反応性のあるおよび潜在的に中和する抗EDE抗体を作り出すのに必要とされる特定の配置において残基を含むが、抗FL抗体を作り出す残基または特定の立体構造の残基を含まないことによって、天然エンベロープ二量体を上回って改善されると見なされる。
【0240】
別の実施形態では、EDE、任意にEDE化合物の投与と同様に、対象に、例えば、抗FL抗体の形成を遮断する化合物または薬剤を投与する。例えば、安定化したsE二量体は、有用であり得る。
【0241】
特徴付けとは、これらの抗体が、例えば、線状または変性または組換えエンベロープタンパク質に結合する抗体の能力、例えば、ウエスタンブロットまたはELISAにおいてエンベロープタンパク質に結合する能力、およびエンベロープタンパク質の二量体、または前述の実施形態において上述のEDEもしくはEDE化合物に結合する抗体の能力を判定することによって、融合ループと結合すると見なされるかどうかを判定するという意味を含む。ジカおよび/または4種すべての血清型のデングウイルスに結合する抗体の能力はまた、ジカおよび/または4種すべてのデングウイルスを中和する抗体の能力を評価し得るように、評価され得る。抗体の中和能力を判定するための方法は、前述および実施例およびWO2016/012800において詳述されている。ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られたジカおよび/またはデングウイルスを中和する抗体の能力もまた、判定され得る。
【0242】
一実施形態では、抗体が、FLに結合する場合、有用であると見なされない。この抗体が、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルス、好ましくはジカおよび4種の血清型のデングウイルスに結合することができる場合、または前述の実施形態のうちのいずれかに記載の1種を超える血清型のEDEに結合することができる場合、有用であると見なされる。この抗体が、1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルス、任意に2種の血清型のデングウイルス、任意に3種の血清型のデングウイルスを中和することができる場合、好ましくは4種の血清型のデングウイルスを、好ましくは少なくとも95%または少なくとも98%、例えば100%中和することができる場合、有用であると見なされる。また、この抗体が、ヒト細胞、任意に樹状細胞、および昆虫細胞、任意にC6/36細胞の両方で作られたジカまたはデングウイルスを、好ましくは同じレベルまで中和することができる場合、好ましくはウイルスを少なくとも95%または少なくとも98%、例えば100%中和する場合、有用であると見なされる。この抗体が、
a)抗FL抗体を作り出さない、または有意に作り出さない場合、および
b)ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスとかなり有意な程度まで結合する場合、および
c)ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られたジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスをかなり有意な程度まで100%中和する場合、最も有用であると見なされる。
【0243】
本発明者らは、デング熱感染に罹患している患者が、例えば、有用な抗EDE抗体または有用でない抗FL抗体のいずれかを産生することを見出したため、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染を治療または予防するために有用であり得る抗体を特定するさらなる方法は、その変性型または線状型のエンベロープタンパク質に結合することができないそれらの抗体を単に特定することである。これらのエンベロープタンパク質に結合することができない任意の抗体は、本発明の使用のための有用な化合物である可能性が高い。
【0244】
患者はまた、ポリペプチド、好ましくは抗体またはその抗原結合部分を発現する核酸、ベクター、または宿主細胞で治療してもよいことを理解すべきである。例えば、ポリペプチドをコードする核酸は、本化合物が治療される患者内に内因的に発現するように、適当な送達システム、例えばウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、レトロウイルス、シンドビスウイルス、ワクシニアウイルス、または任意の他のDNAもしくはRNAウイルスベクターに挿入されてもよい。
【0245】
本発明はまた、本発明の1つ以上の化合物で治療または予防的治療を受けるような推定の必要性に従って患者を階層化するための方法も提供する。したがって、1つ以上のフラビウイルスによる感染を患っている患者を、例えば、前述の実施形態のいずれか1つに従う化合物もしくは組成物、例えば、前述の実施形態のいずれか1つに従う記載される抗体もしくはその断片、または前述の実施形態に関連して記載される核酸での治療、あるいはその用量の増加を必要とする可能性が高いとして特定するための方法が、本明細書において提供され、本方法は、対象における抗EDE抗体および抗融合ループ抗体のレベルの決定を含み、EDEが、前述の実施形態に関連して記載されるとおりであり、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0246】
本発明者らによって特定されるように、デング熱感染に罹患している患者は、抗EDE抗体または抗FL抗体を主に産生する。抗FL抗体は、有用であると見なされないが、一方、抗EDE抗体は、有用であると見なされる。対象が抗EDE抗体を有するが、一方、本発明の化合物によるいくつかのさらなる治療法を依然として必要とし得る場合、主に抗FL抗体を有する対象は、先天性の有用な抗体を有しないため、より高い用量を必要とする可能性が高い。それ故に、抗FL抗体のみを有する患者は、本発明の化合物による治療を必要とする可能性が高い患者であると見なされる。抗EDE抗体を既に産生している患者は、治療を必要としないかもしれない。加えて、抗EDE抗体を産生せず、抗FL抗体のみを産生する患者は、抗EDE抗体を有する患者よりも高い用量の治療を必要とする可能性が高い。また、患者は、抗EDE抗体を低いレベルのみ作り出し得、それ故に、より高い用量の化合物を必要とし得る。
【0247】
より高い用量とは、この患者は、抗EDE抗体を産生する患者が必要とするよりも2、3、4、5、10、20、50倍の用量の本発明の化合物を必要とすることを意味する。
【0248】
「抗VDE抗体を低いレベルで作り出す」とは、抗EDE抗体を作り出す他の患者と比較して、この患者が、平均よりも低いレベルの抗EDE抗体を有することを意味する。
【0249】
抗体がEDEに結合するかどうかを同定する手段は、前述および実施例またはWO2016/012800に記載されるとおりであり、例えば抗体が無傷のデングウイルスまたはジカウイルスまたはEDEに結合し、変性または線状エンベロープタンパク質に結合しないかどうかを判定する。エンベロープタンパク質が増加した二量体の安定性を有するように操作されている場合、またはエンベロープタンパク質またはその残基が骨格の一部として提示されている場合に、そのタンパク質に結合する抗体の能力を評価することができる。
【0250】
対象内の抗FL抗体および抗EDE抗体のレベルはまた、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルスワクチン接種のためのその対象の必要性を評価するために使用することもできる。それ故に、さらなる実施形態では、デングウイルスワクチン接種のための患者の必要性を評価するための方法が提供され、当該方法は、抗エンベロープ二量体エピトープ抗体および抗融合ループ抗体のレベルの特定を含み、このエンベロープ二量体エピトープは、前述の実施形態のうちのいずれかに記載のとおりである。本発明の化合物、またはより高い用量の本化合物による治療を必要とする患者の基準と同様に、患者が抗エンベロープ二量体エピトープ抗体を有すると判定される場合、ワクチン接種が必要でない可能性が高い。
【0251】
さらに、この患者が抗エンベロープ二量体エピトープ抗体を有すると判定される場合、この患者に、ブースト投与が供され得る。
【0252】
別の実施形態では、この患者が抗エンベロープ二量体エピトープ抗体を有しない場合、全ワクチン接種が必要とされる。
【0253】
本発明はまた、感受性のある哺乳動物対象、例えばヒトにおける1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療を目的とする予防的または治療的免疫原性(またはワクチン)組成物を調製するための、上に定義される安定化組換えsE二量体(抗原として使用される)の使用も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0254】
有意には、本発明者らは、上述のように、今まで知られていなかった高度に交差反応性があり、ジカウイルスならびに他のフラビウイルスにおける強力に中和する抗体によって認識される特異的なエピトープを特定した。このエピトープは、例えば、フラビウイルス、特にジカウイルスおよびデングウイルスに対するワクチン接種のための特に有効な抗原を提供すると考えられ、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。フラビウイルス、例えば、ジカウイルスまたはジカおよびデングウイルスに対するワクチン接種に用いるのに適した抗原を選択するための方法は、前述の実施形態に記載されている。したがって、本発明は、感受性のある哺乳動物対象、例えばヒトにおける1つ以上のフラビウイルスによる感染の予防および/または治療を目的とする予防的または治療的免疫原性(またはワクチン)組成物を調製するために用いるための、フラビウイルスのエンベロープ二量体エピトープ、任意にEDE化合物を提示する組成物を提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、エンベロープ二量体エピトープおよびEDE化合物は、前述の実施形態のうちのいずれかに定義され、前述の方法に従って特定されるとおりであり、例えば、EDEまたはEDE化合物は、ワクチンで用いるために適当な抗原を選択する方法を提示する前述の実施形態において、例えば、対象への潜在性のあるワクチン候補EDE/EDE化合物の投与後に作られる抗体を特徴付けることによって特定され得る。これは、当業者の権限内で十分であり得る。あるいは、EDEまたはEDE化合物は、前述の実施形態において提示されるとおりであり得、例えば、一実施形態では、EDEまたはEDE化合物は、エンベロープタンパク質の二量体、またはエンベロープ外部ドメイン、またはエンベロープタンパク質の外部ドメインの(約)400アミノ末端残基である。エンベロープタンパク質は、ジカ、DENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−3、およびDENV−4からのエンベロープタンパク質、または(例えば、以下の配列の節に記載される)配列に少なくとも90%の相同性を有するタンパク質のうちのいずれかであってもよい。この二量体は、ホモ二量体またはヘテロ二量体であってもよい。好ましい実施形態では、この二量体は、無傷ウイルス粒子、またはサブウイルス粒子、またはウイルス様粒子に組み込まれないが、むしろ、遊離二量体であるか、またはナノ粒子、例えば、本明細書で他の箇所に記載の自己組織化ナノ粒子の形態である。例えば、タンパク質骨格の一部として、本明細書に記載のEDEまたはEDE化合物、例えば、操作されたエンベロープタンパク質のうちのいずれかの形態が、ウイルス、ウイルス様粒子、またはサブウイルス粒子、またはナノ粒子の一部として提示されてもよいことが理解されよう。好ましい実施形態では、EDE化合物は、前述の実施形態において記載される、安定化組換えsE二量体である。前述の実施形態および選好が適用される。
【0255】
好ましい実施形態では、EDE/EDE化合物は、一旦、対象、好ましくはヒトに投与されると、抗体を作り出すことができるように、これらの抗体は、好ましくは、ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスに結合することができ、任意に、ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを中和することができ、好ましくは、ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを100%中和することができ、任意に、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるウイルスを中和することができ、好ましくは、ヒト細胞および昆虫細胞の両方で作られるジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを100%中和することができる。
【0256】
上述の安定化組換えsE二量体を含むEDEを含む免疫原性組成物は、当該対象において、
−エンベロープ二量体エピトープ(EDE)を単独に認識する(ELISA試験において組換えEタンパク質単量体への結合を示さない)、
−交差反応性がある、および
−4種の血清型(DENV1〜4)からのジカおよびデングウイルスを中和する、中和抗体を引き起こすのに特に適している。
本発明はまた、治療有効量の上に定義される安定化され組換えsE二量体(抗原として使用される)を含むフラビウイルス免疫原性組成物も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0257】
本組成物は、EDE/EDE化合物それ自体を含んでもよいか、またはそれはワクチン接種される対象内にEDE/EDE化合物を発現するための手段を含んでもよい。例えば、本発明は、1つ以上のフラビウイルスによる感染に対するワクチン接種で使用するための、エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物をコードする核酸を含み、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物は、前述の実施形態のいずれかで定義されるとおりである。さらに、核酸は、ベクターの一部であってもよい。ベクターおよびベクター成分についての選好は、上述されたとおりである。
【0258】
例えば、ワクチン接種が、例えばプラスミドDNAによる直接免疫を介して、特定の抗原をコードする核酸を用いて実行され得ることは当該技術分野で周知である。かかる核酸は、リポソームおよび免疫刺激構築物を介して送達され得る。あるいは、弱毒化したウイルス宿主またはベクターまたは細菌性ベクターは、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、レトロウイルス、シンドビスウイルス、ワクシニアウイルス、または任意の他のDNAもしくはRNAウイルスベクターを使用され得る。
【0259】
1つ以上のフラビウイルスによる感染に対するワクチン接種で用いるための組成物が核酸である場合に、核酸は、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、ポリオウイルス、レトロウイルス、シンドビスウイルス、ワクシニアウイルス、または任意の他のDNAもしくはRNAウイルスベクターにおいて、患者に送達され得る。
【0260】
1つ以上のフラビウイルスによる感染に対するワクチン接種で用いるための、
a)エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物、
b)EDEまたはEDE化合物をコードする核酸、
c)核酸を含むベクター、
のうちの任意に1つ以上を含む組成物であって、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物は、前述の実施形態のいずれかで定義されるとおりであり、本発明の一部でもある。
【0261】
一実施形態では、
a)エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物、
b)EDEまたはEDE化合物をコードする核酸、
c)核酸を含むベクター、
は、1種を超える、任意に2種、任意に3種、任意に4種の血清型のジカおよび/またはデングウイルスであるか、またはそれらをコードする。
【0262】
好ましい実施形態では、
a)エンベロープ二量体エピトープまたはEDE化合物、
b)EDEまたはEDE化合物をコードする核酸、
c)核酸を含むベクター、
は、ジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを中和する、好ましくはジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスを100%中和することができる抗体を作り出すことができる単一エピトープであるか、または単一エピトープの産生をもたらす。
【0263】
フラビウイルスウイルスに対するワクチン接種における本発明の組成物の使用は、フラビウイルス、例えばジカウイルスおよびデングウイルスによる感染を低減または防止することを意図している。
【0264】
フラビウイルス、例えばジカおよび/またはデング熱感染を低減または予防することにより、感染のレベルをある程度低下させるという意味が含まれる。一実施形態では、本発明の化合物は、1種の血清型のフラビウイルス、例えばジカまたはデングウイルスによる感染を30%、50%、70%、80%、90%、95%、好ましくは100%低減する。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、2種の血清型のジカおよびデングウイルス、3種の血清型のデングウイルス、4種すべての血清型のデングウイルスによる感染を30%、50%、70%、80%、90%、95%、好ましくは100%低減する。最も好ましい実施形態では、本発明の化合物は、すべての見出された血清型のジカおよびデングウイルスによる感染を完全に予防する。
【0265】
例えば、ジカおよびデングウイルス感染に対する中和抗体を誘発する、本発明の、EDEまたはEDE化合物、例えば安定化組換えsE二量体は、フラビウイルス、例えば、ジカおよびデングウイルスによる感染の期間の範囲で、重症度を防ぐまたは弱毒化するのに十分な量で哺乳動物対象、好ましくはヒトに投与される。
【0266】
治療有効量は、その他の要因の中で、治療される対象、治療される対象の年齢および全身状態、抗体を合成するための対象の免疫反応の容量、所望の保護の度合い、治療される状態の重症度、特定のEDE化合物、例えば選択された特定の安定化組換えsE二量体および投与の様式に応じて異なる。適切な有効量は、当業者によって容易に決定され得る。治療有効量は、定期的な試験を通して決定され得る比較的に広範な範囲に収まるであろう。
【0267】
より具体的には、EDE化合物、例えば本発明の安定化組換えsE二量体は、1〜1000μgの二量体、好ましくは1〜50μgを含む治療有効量で投与される。
【0268】
特定のワクチンに対する最適量は、対象における抗sE二量体の抗体力価を測定することを含む標準研究によって確かめられ得る。
【0269】
本発明の免疫原性組成物は、アジュバントを含むまたは含まずに投与されてもよい。アジュバントは、免疫原性組成物に直接添加され得るか、またはワクチンの投与と同時にまたは投与直後に、別々に投与され得る。かかるアジュバントとしては、アルミニウム塩(水酸化アルミニウム)、ムラミルペプチドなどの特定の刺激剤を含むまたは含まない水中油型乳剤製剤、サポニンアジュバント、サイトカイン、コレラ毒素、百日咳毒素、もしくは大腸菌易熱性毒素などの細菌毒素の解毒された突然変異体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0270】
本発明の免疫原性組成物は、他の免疫原または免疫調節剤、例えば、免疫グロブリン、サイトカイン、リンホカイン、およびケモカインとともに投与されてもよい。
【0271】
ワクチン接種プログラムは、しばしば、ブースト戦略を含む。初期ワクチン接種後、対象は、当業者によって決定される適切な間隔で1つまたは2つのブースター注射を受けてもよい。一実施形態では、ワクチン接種は、プライム、続いて、1つ以上のブーストを含むことができる。抗原の発現をもたらす、抗原、組成物、核酸、またはベクターが、フラビウイルス、例えば、ジカおよびデングウイルス感染に対するワクチン接種のためのブースト戦略で用いるために、本発明において含まれ、任意に、この抗原、化合物、核酸、ベクター、または組成物は、ジカおよびデングウイルス、任意に、弱毒化したジカおよびデングウイルス、ならびに/またはジカおよびデングウイルス様粒子の(プライム)投与前または(ブースト)投与後の投与のためのものであり、このジカもしくはデングウイルスまたはジカもしくはデングウイルス様粒子は、1種以上の血清型のジカおよびデングウイルスの一群であり得、EDE、例えば、上述の非天然EDEまたはEDE化合物を含んでも、提示してもよい。さらなる例として、黄熱病を伴うキメリバックスなどの異種フラビウイルスは、例えば、二量体、DNA、ワクシニア、アデノウイルスのうちの1つ以上によって使用してもよく、当業者には明らかであるように、異なる抗原および/または抗原をコードする核酸の投与の異なる順序およびタイミングが可能であってもよく、本発明は、投与のいかなる特定の組み合わせまたは順序に限定されない。
【0272】
本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスに対する予防を提供するためのワクチン接種戦略も含み、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、ワクチン接種戦略は、例えば、
a)前述の実施形態のうちのいずれかに記載の、ジカおよび4種すべてのデング血清型に対して抗体を作り出すことができるエンベロープ二量体エピトープもしくはEDE化合物、または前述の実施形態に従うワクチン組成物、またはワクチン接種で用いるための核酸、またはワクチン接種で用いるためのベクターの単回投与、任意に、続いて、弱毒化したジカまたはデングウイルスの投与、あるいは
b)前述の実施形態のうちのいずれかに記載の、2種の血清型からの2つのエンベロープ二量体エピトープもしくはEDE化合物の投与、続いて、その他の2種の血清型からのエンベロープ二量体エピトープもしくはEDE化合物の投与、任意に、続いて、弱毒化したジカまたはデングウイルスの投与、または
c)弱毒化したジカまたはデングウイルスの投与、続いて、前述の実施形態のうちのいずれかに記載の、ジカおよび4種すべてのデング血清型に対して抗体を作り出すことができる、エンベロープ二量体エピトープの投与、あるいは
d)弱毒化したジカまたはデングウイルスの投与、続いて、前述の実施形態のうちのいずれかに記載の、2種の血清型からの2つのエンベロープ二量体エピトープもしくはEDE化合物の投与、続いて、その他の2種の血清型からのエンベロープ二量体エピトープもしくはEDE化合物の投与、を含む。
【0273】
本発明に従ってワクチン接種を受けた患者が、ジカまたはデングの、例えば感染を治療または予防するために用いるための本発明に従う化合物または組成物によるその後の治療を依然として必要とし得ることも想定される。
【0274】
それ故に、本発明の化合物は、フラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングワクチン接種をこれまでに受けたことがある患者、またはラビウイルス、例えば、ジカもしくはデングワクチン接種をこれまでに受けたことがない患者において、フラビウイルス、例えば、ジカ感染を治療または予防するために用いるためのものである。
【0275】
このワクチン接種が1種を超える血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデングウイルスに対する保護を与える、好ましくはジカおよび4種すべての血清型のデングウイルスに対する保護を与えると見なされるため、ワクチン接種は、患者が既にフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染に罹患している場合、依然として有用であると見なされるが、このワクチンは、好ましくは、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染の症状の前に、または患者がフラビウイルス、例えば、ジカまたデング熱感染に罹患していることが分かる前に投与される。1種を超えるフラビウイルス型の感染が存在する可能性があるか、または同時に起こり得ることがあり、しばしば検出されない/認識されないことがあることは理解されよう。
【0276】
それ故に、このワクチン接種は、フラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱にこれまでに感染したことがない患者、およびフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱に今のところ感染していない、ワクチンの投与時に感染していない患者に用いるためのものである。あるいは、このワクチン接種は、1種以上の血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染にこれまでに感染したことがあるが、ワクチンの投与時に感染していないと見られる患者に用いるためのものであるか、またはこのワクチン接種は、1種以上の血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱感染にこれまでに感染したことがあり、ワクチンの投与時に1種以上の血清型のフラビウイルス、例えば、ジカまたはデング熱に現在感染していると見られる患者に用いるためのものである。
【0277】
このワクチン接種はまた、本発明の化合物でこれまでに治療したことがあるが、本発明の化合物で現在治療していない患者に用いるためのものであり、これはまた、本発明の化合物でこれまでに治療したことがあり、本発明の化合物で現在治療している患者に用いるためのものである。このワクチン接種はまた、本発明の化合物で初めて治療する患者に用いるためのものである。
【0278】
本発明はまた、薬剤用として、好ましくは1つ以上のフラビウイルスによる感染を予防および/または治療するために、上に定義される、EDE化合物、例えば安定化組換えsE二量体または免疫原性組成物も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0279】
本発明はまた、薬剤の、好ましくは1つ以上のフラビウイルスによる感染に対する予防もしくは治療ワクチンの製造のために、上に定義される、EDE化合物、例えば安定化組換えsE二量体または免疫原性組成物も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0280】
本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスによる感染を予防および/または治療するための方法も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、この方法は、予防および/または治療を必要とする対象に、感受性細胞のフラビウイルス感染を阻害するのに十分な量の、上に定義される、EDE化合物、例えば安定化組換えsE二量体または免疫原性組成物を投与し、それによって感染を予防または治療することを含む。
【0281】
本発明はまた、本発明のEDE化合物、例えば、安定化組換えsE二量体、または本発明の化合物、例えば、本発明に従う抗体もしくはその断片を含むか、またはそれらからなる診断用薬剤も提供する。
【0282】
当該診断用薬剤の一実施形態では、この化合物、例えば、本発明に従う抗体もしくはその断片は、検出可能なマーカーに直接的もしくは間接的に、共有結合的もしくは非共有結合的に結合している。
【0283】
検出可能なマーカーは、この化合物、例えば抗体もしくはその断片に、当該抗体もしくはその断片の末端(NまたはC末端)のうちの1つ、または当該抗体もしくはその断片のアミノ酸のうちの1つの側鎖のいずれかに、直接的におよび共有結合的に結合し得る。検出可能なマーカーはまた、当該抗体もしくはその断片に、接続アーム(すなわち、架橋結合試薬)を通して、当該抗体もしくはその断片の末端のうちの1つ、または当該抗体もしくはその断片のアミノ酸のうちの1つの側鎖のいずれかに、直接的におよび共有結合的に結合し得る。ペプチドまたは抗体への対象となる化合物の結合方法は、当該技術分野で周知である。
【0284】
有利に、当該検出可能なマーカーは、
−西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−ホスファターゼ、またはベータ−ガラクトシダーゼなどの酵素、
−緑色蛍光タンパク質(GFP)、スペクトルの紫外線(UV)部分での波長で励起された青色蛍光色素(例えば、AMCA(7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸)、Alexa Fluor 350)、青色光によって励起された緑色蛍光色素(例えば、FITC、Cy2、Alexa Fluor 488)、緑色光によって励起された赤色蛍光色素(例えば、ローダミン、Texas Red、Cy3、Alexa Fluor色素546、564、および594)、または電子検出器(CCDカメラ、光電子増倍管)で視覚化される遠赤外光によって励起された色素(例えば、Cy5)などの蛍光色素分子、
−ユーロピアム、ランタン、またはイットリウムなどの重金属キレート、
−[18F]フルオロデオキシグルコース、11C−、125I−、131I−、3H−、14C−、35S、または99Tc−標識化化合物などの放射性同位体、からなる群から選択される。
【0285】
本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスによる感染を診断またはモニタリングするために、本発明に従う、EDE化合物、例えば、安定化組換えsE二量体、抗体もしくはその断片、または診断用薬剤の使用も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0286】
本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスによる感染を診断するためのインビトロ方法も提供し、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択され、
a)当該対象からの適切な生体試料を、抗体もしくはその断片、または本発明に従う抗体もしくはその断片を含むまたはそれからなる診断薬剤とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生体試料中のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの存在または不在を判定するステップと、を含み、
当該フラビウイルスウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの存在は、当該対象がフラビウイルス感染を有することを示す。
【0287】
ステップb)は、抗体−抗原複合体(すなわち、フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質E−フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質E複合体に向けられた抗体)の存在または不在を判定することによって実行され得る。
【0288】
本発明はまた、対象からの適切な生体試料中で1つ以上のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの存在を判定するためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの当該適切な生体試料を、抗体もしくはその断片、または本発明に従う抗体もしくはその断片を含むまたはそれからなる診断薬剤、および当該生体試料中のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eを、インビトロで接触させるステップを含む。
【0289】
本発明はまた、対象における1つ以上のフラビウイルス感染を診断するためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの適切な生体試料を、本発明に従う安定化組換えsE二量体とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生体試料中の当該二量体を対象とする抗体の存在または不在を判定するステップと、を含み、
当該抗体の存在は、当該対象がフラビウイルス感染を有することを示す。
【0290】
本発明はまた、対象からの適切な生体試料中で1つ以上のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eを対象とする抗体の存在を判定するためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの当該適切な生体試料を、本発明に従う安定化組換えsE二量体とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生体試料中の当該二量体を対象とする抗体の存在または不在を判定するステップと、を含む。
【0291】
上述の態様では、本発明の他の態様であるように、1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0292】
本発明はまた、対象における1つ以上のフラビウイルスによる感染の進行または回帰をモニタリングするためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの適切な生体試料を、抗体もしくはその断片、本発明に従う抗体もしくはその断片を含むまたはそれからなる診断薬剤とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生体試料中のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの量を判定するステップと、
c)ステップ(b)において判定された量を、当該対象に対して以前に得られたフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの量と比較するステップと、を含み、
フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの量の有意な増加が当該フラビウイルス感染の進行のマーカーを構成し、フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの有意な減少が当該フラビウイルス感染の回帰のマーカーを構成し、
1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0293】
本明細書に使用される場合、「有意な増加」および「有意な減少」という用語は、当該からの適切な生体試料中のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eの量と比較して、既に決定され、参照量として使用された、適切な生体試料中のそれぞれ、より高い量またはより低い量のフラビウイルスエンベロープ糖タンパク質Eを指す。
【0294】
ステップb)は、抗体−抗原複合体(すなわち、フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質E−フラビウイルスエンベロープ糖タンパク質E複合体に向けられた抗体)の存在または不在を判定することによって実行され得る。
【0295】
本発明はまた、対象における1つ以上のフラビウイルスによる感染の発生の良好な予後を予測するためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの適切な生体試料を、本発明に従う安定化組換えsE二量体とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生物学的試料中の当該二量体を対象とする中和抗体の量を判定するステップと、
c)ステップ(b)において判定された量を、当該対象に対して以前に得られた当該二量体を対象とする抗体の量と比較するステップと、を含み、
当該二量体を対象とする中和抗体の量の有意な増加は当該フラビウイルス感染の発生の良好な予後のマーカーを構成し、
1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0296】
本発明はまた、1つ以上のフラビウイルスに対してワクチン接種された対象における1つ以上のフラビウイルス感染に対するワクチン接種プロトコルの成功をモニタリングするためのインビトロ方法も提供し、この方法は、
a)当該対象からの適切な生体試料を、本発明に従う安定化組換えsE二量体とインビトロで接触させるステップと、
b)当該生物学的試料中の当該二量体を対象とする中和抗体の量を判定するステップと、
c)ステップ(b)において判定された量を、当該対象に対して以前に得られた当該二量体を対象とする抗体の量と比較するステップと、を含み、
当該二量体を対象とする中和抗体の量の有意な増加が、当該ワクチン接種プロトコルの成功のマーカーを構成し、
1つ以上のフラビウイルスは、ジカウイルス、ジカウイルスおよびデングウイルス、ジカウイルスおよび他のフラビウイルス、デング以外のフラビウイルスから選択される。
【0297】
当該適切な生体試料は、血液、血清、尿、または肝生検、好ましくは血液であり得る。
【0298】
タンパク質または抗体の量を検出および決定するための免疫学的方法は、当該技術分野で周知である。例として、EIA、ELISA、RIA、または免疫蛍光試験は、使用することができる。
【0299】
本発明に従うポリヌクレオチドは、組換えDNA技術および/または化学DNA合成の周知の方法によって得られ得る。
【0300】
本発明に関して有用な部品のいくつかのキットを提供する。ある実施形態は、安定化組換えsE二量体、または本発明に従う抗体もしくはその断片、および適切な診断用試薬を含む、対象におけるフラビウイルス感染を診断またはモニタリングするためのキットを提供する。
【0301】
適切な診断用試薬は、対象におけるデングウイルス感染を診断またはモニタリングするためのアッセイを行うために必要である。適切な診断試薬は、溶媒、緩衝液、染料、抗凝固剤であり得る。
【0302】
このキットはまた、マイクロタイタープレートも包含し得る。
【0303】
一実施形態では、部品のキットは、本発明の化合物による治療を必要とする、または前述の実施形態に従う、より高い用量の本発明の化合物を必要とする患者を特定するための手段を含む。このキットは、抗EDE抗体および抗FL抗体の存在または不在を特定するための方法を提供してもよく、例えば、このキットは、マイクロタイタープレートを含んでもよく、任意に、マイクロタイタープレートは、線状もしくは変性エンベロープタンパク質でコーティングされ、前述の実施形態のうちのいずれかに従う、EDEエピトープでコーティングされ、かつ/またはELISA試験、任意に棒上の比色試験を実行するための試薬も含み得る。好ましくは、このキットは、好ましくは、固体支持体上の抗体の存在または不在を単に特定するための手段を包含する。このキットはまた、フラビウイルス感染を治療または予防するために用いるための本発明の化合物または組成物をさらに含み得る。
【0304】
ワクチン接種を必要とする患者を特定するための手段を含むさらなる部品のキットもまた、提供される。患者は、抗EDE抗体および抗FL抗体の存在および不在、ならびにそれらのレベルに基づいて、ワクチン接種を必要すると見なされる。したがって、このキットは、抗EDE抗体および抗FL抗体の存在または不在を特定するための方法を提供してもよく、例えば、このキットは、マイクロタイタープレートを含んでもよく、任意に、マイクロタイタープレートは、線状もしくは変性エンベロープタンパク質でコーティングされ、前述の実施形態のうちのいずれかに従う、EDEエピトープでコーティングされ、かつ/またはELISA試験、任意に棒上の比色試験を実行するための試薬も含み得る。好ましくは、このキットは、好ましくは、固体支持体上の抗体の存在または不在を単に特定するための手段を包含する。このキットはまた、前述の実施形態に記載される、ワクチン接種で用いるための組成物をさらに含み得る。
【0305】
さらなるキットは、デング熱感染を治療または予防する手段を包含し、EDEに結合する本発明の1つ以上の化合物、またはEDEに結合する本発明の化合物を含む組成物を含み、任意に、さらなる治療剤、例えばさらなる抗ウイルス剤を含む。
【0306】
本明細書に言及される任意の化合物または組成物または抗原または抗体は、組成物の一部であってもよいことが理解されよう。この組成物は、PEGなどの安定化剤を含んでもよい。ポリペプチド成分が、例えば、当該技術分野で周知のように、共有結合的に修飾または共役、例えばPEG化されてもよいことが理解されよう。
【0307】
それ故に、例えば、デング熱感染を治療または予防で用いるための任意の化合物もしくは抗体、または任意のポリペプチドもしくは抗原、またはこの抗原もしくは抗体をコードする核酸もしくはベクターは、1つ以上のさらなる構成要素に共役してもよく、例えばレポーター部分に共役してもよく、または1つ以上のさらなる治療剤に共役してもよい。
【0308】
あるそのようなさらなる治療剤は、Fc受容体結合を防ぐための薬剤である。フラビウイルス、例えば、デングウイルスが抗体依存性増強を招くことは周知であり、このことが、このウイルスに結合するが、中和することができないある特定の抗体の産生が原因であると考えられている。このことにより、Fc受容体を介して抗原の内面化をもたらし、再感染時に増大した反応をもたらす。Fc受容体結合を遮断し得る薬剤が抗体依存性増強を防ぎ得ると考えられている。かかる薬剤かかる薬剤の例は、デング熱感染を治療または予防するために用いるための本発明の化合物、およびワクチン接種で用いるための抗原とともに(または別々に)投与する場合に有用であると見なされている。また、当業者に周知のように、Fc受容体との相互作用が軽減するような抗体分子を修飾または選択することにも有用であり得る。
【0309】
本明細書に記載の任意の薬剤の投与が、典型的に、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、アジュバント、または担体と一緒に薬学的組成物の一部として投与される。それ故に、化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞に関する任意の言及、およびさらなる治療剤の任意の言及は、化合物、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、および/またはさらなる治療剤(例えば、製剤)を含む薬学的に許容される組成物に同等に適用する。
【0310】
この化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸は、ナノ粒子の一部であり得る。
【0311】
投与の経路は、当業者に周知であろう。例えば、本発明の薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤)は、即時、遅延、または制御放出性の適用のために、香料剤または着色剤を含み得る錠剤、カプセル、胚珠、エリキシル、溶液、または懸濁液の形態で、経口、口内、または舌下に投与することができる。本発明の化合物はまた、静脈内注射によって投与してもよい。本発明に従う化合物ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤は、哺乳動物対象、好ましくはヒトに経口投与することができる。それらはまた、当該対象に、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮内、または皮下注射などの注射によって投与することができる。
【0312】
薬剤は、活性成分を含む薬学的薬剤の形態で、任意に非毒性有機または無機、酸または基、添加塩の形態で、薬学的に許容される剤形で、経口または何らかの非経口経路によって投与され得る。治療される疾患や患者および投与の経路に応じて、薬剤は、異なる投薬量で投与され得る。
【0313】
好ましくは、製剤は、1日用量または単位、1日サブ用量またはその適切な断片、週1回の用量、月1回の用量、または6カ月に1回の用量の薬剤または活性成分を含有する単位投薬量である。
【0314】
ヒト治療法では、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤さらなる治療剤)は、単独で投与することができるが、一般に、意図される投与経路および標準的な薬学的実践に関して選択される、適当な薬学的賦形剤希釈剤、または担体と混和して投与されるであろう。
【0315】
錠剤は、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸水素カルシウム、およびグリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくはコーン、ポテト、またはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤、ある種の錯体ケイ酸塩、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、サクロース、ゼラチン、およびアカシアなどの顆粒結合剤を含有してもよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、およびタルクなどの潤滑剤が含まれてもよい。カプセルまたは錠剤はまた、胃の安定性を高めるためにコーティングされた腸溶性であってもよい。
【0316】
同様の種類の固体組成物はまた、ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。これに関して好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、または高分子量のポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁液および/またはエリキシルについては、本発明の化合物は、様々な甘味剤または香味剤、着色剤または色素、乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、およびグリセリンなどの希釈剤、ならびにこれらの組み合わせと混合してもよい。
【0317】
薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)はまた、非経口的に、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、または皮下に投与することができるか、またはそれらは、注入技術によって投与してもよい。それらは、無菌水溶液の形態で使用するのが最も良く、この無菌水溶液は、その他の物質、例えば溶液を血液と等張にするのに十分な塩またはグルコースを含有してもよい。この水溶液は、必要ならば適当に緩衝化(好ましくはpH3〜9に)しなくてはならない。無菌条件下の適当な非経口用製剤の調製は、当業者には周知の標準的な薬学的技術によって容易に達成される。
【0318】
非経口投与に適した製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を対象とする受容者の血液と等張の状態にする溶質を含有してもよい水性および非水性無菌注射液、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性無菌注射液を含む。製剤は、単位用量または多用量容器、例えば密封されたアンプルやバイアルの中で提示されてもよく、使用直前に無菌の液体担体、例えば注射用蒸留水の添加だけを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存されてもよい。即席の注射液および懸濁液は、以前に記載した種類の無菌の散剤、顆粒剤、および錠剤から調製され得る。
【0319】
ヒト対象への経口および非経口投与のために、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)の1日投与量レベルは、通常、1成人につき1〜5000mgであり、単回または分割した用量で投与されよう。
【0320】
それ故に、例えば、本発明の化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチンを含む錠剤またはカプセルは、必要に応じて、一度に、単回または2回もしくはそれ以上の投与のために、活性化合物の1mg〜1000mg(すなわち、約60〜120mg/m2)を含有してもよい。いずれにしても、医師は、任意の個々の対象に最も適しているであろう実際の投与量を決定し、投与量は、特定の対象の年齢、体重、および反応に応じて異なるであろう。上の投与量は、平均的な症例を例示するものである。当然ながら、より高いまたはより低い投与量の範囲が有利である個々の事例があり、このようなものは、本発明の範囲内である。
【0321】
薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)はまた、鼻腔内または吸入により、投与することもでき、適当な高圧ガス、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A3または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA3)などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素、またはその他の適当なガス、を使用する加圧容器、ポンプ、スプレー、または噴霧器からの乾燥粉末吸入器、またはエアロゾルスプレー提供物の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合には、投与量単位は、計測量を送達するためのバルブを装備することによって決定してもよい。加圧容器、ポンプ、スプレー、または噴霧器は、例えば溶媒としてエタノールと高圧ガスとの混合物を使用する、化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチンの溶液または懸濁液を入れることができ、これは、潤滑剤、例えばソルビタントリオレエートをさらに含有してもよい。吸入器または注入器中で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えばゼラチン製)は、本発明の化合物とラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化されてもよい。
【0322】
エアロゾルまたは乾燥粉末製剤は、各計測された用量または「パフ」が、対象への送達のために、少なくとも1mgの薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)を含有するように、好ましくは、準備される。エアロゾルを用いた全体の1日投与量が、対象毎に異なり、単回用量、またはより一般には、1日を通して分割された用量で投与され得ることが理解されよう。
【0323】
あるいは、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)は、坐剤またはペッサリーの形態で投与することができるか、またはそれらは、ローション、溶液、クリーム、軟膏、または散布剤の形態で局所適用されてもよい。本発明の化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチンはまた、例えば、皮膚用パッチの使用により経皮的に投与されてもよい。それらはまた、具体的には、眼の疾患を治療するために、眼の経路によって投与されてもよい。
【0324】
眼に使用するためには、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)は、等張の、pH調整した、無菌食塩水中の超微粉懸濁液として、または好ましくは等張の、pH調整した、無菌食塩水中の溶液として、場合により塩化ベンジルアルコニウムなどの防腐剤と組み合わせて、製剤化することができる。あるいは、それらは、ワセリンなどの軟膏中に製剤化してもよい。
【0325】
皮膚に局所的に適用するためには、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)は、例えば、以下のもの:鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ、および水、のうちの1つ以上との混合物中に懸濁または溶解させた活性化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチンを含有する適当な軟膏として製剤化することができる。あるいは、それらは、例えば、以下のもの:鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水のうちの1つ以上の混合物中に懸濁または溶解させた適当なローションまたはクリームとして製剤化することができる。
【0326】
口内での局所投与に適した製剤には、芳香基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むトローチ剤、ゼラチンおよびグリセリンなどの不活性基剤、またはスクロースおよびアカシア中に活性成分を含む香錠、ならびに適当な液体担体中に活性成分を含む口内洗浄液が含まれる。
【0327】
概して、ヒトにおける、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)の経口または局所投与は、最も都合がよい好ましい経路である。受容者が嚥下障害または経口投与後の薬物吸収の低下に苦しんでいる状況では、薬物は、非経口で、例えば、舌下または頬側に投与されてもよい。
【0328】
家畜への使用のために、薬剤(化合物、ポリペプチド、抗体、その抗原結合部分、組成物、核酸、ベクター、抗原、宿主細胞、さらなる治療剤、ワクチン)は、通常の獣医学診療に従って適切に許容される製剤であり、獣医は、特定の動物に最も適切であろう投与の投与レジメンおよび経路を決定するであろう。
【0329】
便宜上、この製剤は、薬学的製剤である。この製剤は、獣医学製剤であってもよい。
【0330】
1つ以上の抗体またはその断片を含む組成物については、例えば、静脈内投与経路が適切であり得ることが理解されるであろう。
【0331】
投与という用語は、1回の投与に制限されないことが理解されよう。投与という用語は、単回投与、長期間にわたる複数回投与、長期間にわたる可変の投与量の投与、長期間にわたる投与の可変手段、1つ以上のさらなる治療剤と併せた投与のうちのすべてを網羅することを含むが、これらに限定されない。投与は、当該技術分野で周知の任意の手段によるものであり得、投与には、経口、静脈内、腫瘍に対して直接的に局所、舌下、または坐薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0332】
本明細書で明らかに先に公表された文書のリストまたは議論は、その文書が最新技術の一部であるか、または共通の一般知識であることを認めるものと必ずしも解釈されるべきではない。
【0333】
本発明の所与の態様、特徴、またはパラメータにおける選好および選択肢は、特に文脈に示されない限り、本発明のすべての他の態様、特徴、およびパラメータにおける任意のおよびすべての選好および選択肢と組み合わせて開示されているよう見なされるべきである。例えば、EDEについての様々な定義は、本発明のすべての態様に関連しており、例えば、1つ以上のフラビウイルスによる感染に対するワクチン接種で用いるためのEDEを含むエピトープは、エピトープ骨格タンパク質のうちの任意の1つ以上を含み得、骨格タンパク質は、例えば、エンベロープ依存性エピトープに共有結合的に結合する異種骨格タンパク質;少なくともQ77、W101、N153、T155、K310のエンベロープタンパク質;または任意に、ドメインIIの以下の特性、b鎖(残基67〜74)、すぐ上流の融合ループおよび残基(残基97〜106)、ならびにijループ(残基246〜249)のうちの任意の1つ以上をさらに含むドメインIIのエンベロープタンパク質のうちの任意の1つ以上を含み得る。
【0334】
配列
例示的な野生型フラビウイルスエンベロープ細胞外ドメイン配列には、以下が含まれる。本明細書で使用される番号付けは、これらの例示的な野生型フラビウイルス配列に関連すると考えられる。さらなるフラビウイルス配列は、当業者に周知であろう。フラビウイルス配列、変異フラビウイルス配列、および本発明に関連する抗体配列は、WO2016/012800にも記載されている。
【0335】
ジカウイルス(ZIKV、KJ776791、H−PF−2013_French_Polynesia株)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号1;
IRCIGVSNRDFVEGMSGGTWVDVVLEHGGCVTVMAQDKPTVDIE LVTTTVSNMAEVRSYCYEASISDMASDSRCPTQGEAYLDKQSDTQYVCKRTLVDRGWG NGCGLFGKGSLVTCAKFACSKKMTGKSIQPENLEYRIMLSVHGSQHSGMIVNDTGHET DENRAKVEITPNSPRAEATLGGFGSLGLDCEPRTGLDFSDLYYLTMNNKHWLVHKEWF HDIPLPWHAGADTGTPHWNNKEALVEFKDAHAKRQTVVVLGSQEGAVHTALAGALEAE MDGAKGRLSSGHLKCRLKMDKLRLKGVSYSLCTAAFTFTKIPAETLHGTVTVEVQYAG TDGPCKVPAQMAVDMQTLTPVGRLITANPVITESTENSKMMLELDPPFGDSYIVIGVG EKKITHHWHRSG
デングウイルス血清型1(DENV−1、NC_001477)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号2;
MRCVGIGNRDFVEGLSGATWVDVVLEHGSCVTTMAKDKPTLDIELLKTEVTNPA VLRKLCIEAKISNTTTDSRCPTQGEATLVEEQDTNFVCRRTFVDRGWGNGCGLFGKGS LITCAKFKCVTKLEGKIVQYENLKYSVIVTVHTGDQHQVGNETTEHGTTATITPQAPT SEIQLTDYGALTLDCSPRTGLDFNEMVLLTMKKKSWLVHKQWFLDLPLPWTSGASTSQ ETWNRQDLLVTFKTAHAKKQEVVVLGSQEGAMHTALTGATEIQTSGTTTIFAGHLKCR LKMDKLILKGMSYVMCTGSFKLEKEVAETQHGTVLVQVKYEGTDAPCKIPFSSQDEKG
VTQNGRLITANPIVTDKEKPVNIEAEPPFGESYIVVGAGEKALKLSWFKKG
デングウイルス血清型2(DENV−2、NC_001474)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号3;
MRCIGMSNRDFVEGVSGGSWVDIVLEHGSCVTTMAKNKPTLDFELIKTEAKQPA TLRKYCIEAKLTNTTTESRCPTQGEPSLNEEQDKRFVCKHSMVDRGWGNGCGLFGKGG IVTCAMFRCKKNMEGKVVQPENLEYTIVITPHSGEEHAVGNDTGKHGKEIKITPQSSI TEAELTGYGTVTMECSPRTGLDFNEMVLLQMENKAWLVHRQWFLDLPLPWLPGADTQG SNWIQKETLVTFKNPHAKKQDVVVLGSQEGAMHTALTGATEIQMSSGNLLFTGHLKCR LRMDKLQLKGMSYSMCTGKFKVVKEIAETQHGTIVIRVQYEGDGSPCKIPFEIMDLEK RHVLGRLITVNPIVTEKDSPVNIEAEPPFGDSYIIIGVEPGQLKLNWFKKG
デングウイルス血清型3(DENV−3、NC_001475)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号4;
MRCVGVGNRDFVEGLSGATWVDVVLEHGGCVTTMAKNKPTLDIELQKTEATQLA TLRKLCIEGKITNITTDSRCPTQGEAVLPEEQDQNYVCKHTYVDRGWGNGCGLFGKGS LVTCAKFQCLEPIEGKVVQYENLKYTVIITVHTGDQHQVGNETQGVTAEITPQASTTE AILPEYGTLGLECSPRTGLDFNEMILLTMKNKAWMVHRQWFFDLPLPWASGATTETPT WNRKELLVTFKNAHAKKQEVVVLGSQEGAMHTALTGATEIQNSGGTSIFAGHLKCRLK MDKLELKGMSYAMCTNTFVLKKEVSETQHGTILIKVEYKGEDAPCKIPFSTEDGQGKA HNGRLITANPVVTKKEEPVNIEAEPPFGESNIVIGIGDNALKINWYKKG
デングウイルス血清型4(DENV−4、NC_002640)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号5;
MRCVGVGNRDFVEGVSGGAWVDLVLEHGGCVTTMAQGKPTLDFELTKTTAKEVAL LRTYCIEASISNITTATRCPTQGEPYLKEEQDQQYICRRDVVDRGWGNGCGLFGKGGV VTCAKFSCSGKITGNLVQIENLEYTVVVTVHNGDTHAVGNDTSNHGVTAMITPRSPSV EVKLPDYGELTLDCEPRSGIDFNEMILMKMKKKTWLVHKQWFLDLPLPWTAGADTSEV HWNYKERMVTFKVPHAKRQDVTVLGSQEGAMHSALAGATEVDSGDGNHMFAGHLKCKV RMEKLRIKGMSYTMCSGKFSIDKEMAETQHGTTVVKVKYEGAGAPCKVPIEIRDVNKE
KVVGRIISSTPLAENTNSVTNIELEPPFGDSYIVIGVGNSALTLHWFRKG
他のフラビウイルス:
セントルイス脳炎ウイルス(SLEV、NC_007580)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号6;
FNCLGTSNRDFVEGASGATWIDLVLEGGSCVTVMAPEKPTLDFKVM KMEATELATVREYCYEATLDTLSTVARCPTTGEAHNTKRSDPTFVCKRDVVDRGWGNG CGLFGKGSIDTCAKFTCKNKATGKTILRENIKYEVAIFVHGSTDSTSHGNYSEQIGKN QAARFTISPQAPSFTANMGEYGTVTIDCEARSGINTEDYYVFTVKEKSWLVNRDWFHD LNLPWTSPATTDWRNRETLVEFEEPHATKQTVVALGSQEGALHTALAGAIPATVSSST LTLQSGHLKCRAKLDKVKIKGTTYGMCDSAFTFSKNPTDTGHGTVIVELQYTGSNGPC RVPISVTANLMDLTPVGRLVTVNPFISTGGANNKVMIEVEPPFGDSYIVVGRGTTQIN
YHWHKEG
日本脳炎ウイルス(JEV、NC_001437)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号7;
FNCLGMGNRDFIEGASGATWVDLVLEGDSCLTIMANDKPT LDVRMINIEASQLAEVRSYCYHASVTDISTVARCPTTGEAHNEKRADSSYVCKQGFTD RGWGNGCGLFGKGSIDTCAKFSCTSKAIGRTIQPENIKYEVGIFVHGTTTSENHGNYS AQVGASQAAKFTITPNAPSITLKLGDYGEVTLDCEPRSGLNTEAFYVMTVGSKSFLVH REWFHDLALPWTSPSSTAWRNRELLMEFEEAHATKQSVVALGSQEGGLHQALAGAIVV EYSSSVKLTSGHLKCRLKMDKLALKGTTYGMCTEKFSFAKNPADTGHGTVVIELSYSG SDGPCKIPIVSVASLNDMTPVGRLVTVNPFVATSSANSKVLVEMEPPFGDSYIVVGRGDKQINHHWHKAGマリーバレー脳炎ウイルス(MVEV、NC_000943)エンベロープ部分のポリタンパク質配列;配列番号8;FNCLGMSSRDFIEGASGATWVDLVLEGDSCITIMAADKPTLD IRMMNIEATNLALVRNYCYAATVSDVSTVSNCPTTGESHNTKRADHNYLCKRGVTDRG WGNGCGLFGKGSIDTCAKFTCSNSAAGRLILPEDIKYEVGVFVHGSTDSTSHGNYSTQ IGANQAVRFTISPNAPAITAKMGDYGEVTVECEPRSGLNTEAYYVMTIGTKHFLVHRE WFNDLLLPWTSPASTEWRNREILVEFEEPHATKQSVVALGSQEGALHQALAGAIPVEF SSSTLKLTSGHLKCRVKMEKLKLKGTTYGMCTEKFTFSKNPADTGHGTVVLELQYTGS DGPCKIPISSVASLNDMTPVGRMVTANPYVASSTANAKVLVEIEPPFGDSYIVVGRGDKQINHHWHKEGウエストナイルウイルス(WNV、NC_001563)エンベロープ部分ポリタンパク質配列;配列番号9;FNCLGMSNRDFLEGVSGATWVDLVLEGDSCVTIMSKDKPTIDVK MMNMEAANLADVRSYCYLASVSDLSTRAACPTMGEAHNEKRADPAFVCKQGVVDRGWG NGCGLFGKGSIDTCAKFACTTKATGWIIQKENIKYEVAIFVHGPTTVESHGKIGATQA GRFSITPSAPSYTLKLGEYGEVTVDCEPRSGIDTSAYYVMSVGEKSFLVHREWFMDLN LPWSSAGSTTWRNRETLMEFEEPHATKQSVVALGSQEGALHQALAGAIPVEFSSNTVK LTSGHLKCRVKMEKLQLKGTTYGVCSKAFKFARTPADTGHGTVVLELQYTGTDGPCKV PISSVASLNDLTPVGRLVTVNPFVSVATANSKVLIELEPPFGDSYIVVGRGEQQINHH
WHKSG
【0336】
これらの配列には変異体が存在することは理解されよう。例えば、本明細書の実施例2に記載の構造研究で使用されたDENV−2株のエンベロープ細胞外ドメインの配列は、例えば実施例2のED図7に示されており、上述のデングウイルス血清型2(DENV−2、NC_001474)配列番号3の配列とわずかに異なると考えられる。例えば、308位の残基は、実施例2のED図7(配列番号10)に示される配列中のIであり、DENV−2、NC_001474の配列番号3のVである。その変動はEDEエピトープに有意な影響を及ぼさないと考えられる。構造的には、例えば、残基308がVまたはIであるかどうかは、エンベロープ二量体と相互作用する抗体との間でなされる接触において大きな差を生じることは期待されないと考えられる。
【0337】
例えば、本明細書に記載の変異ポリペプチドを調製する際に使用され得る他の菌株はまた、配列番号3の配列または配列番号10の配列とわずかに異なる可能性がある。例えば、異なるDENV−2配列間の、または他のDewngue血清群内の相違は、例えば、野生株またはその後の実験室培養期間から得られるもののいずれかで、典型的には約15%までであり得る。
【0338】
変異
有用であると考えられるEタンパク質変異の例は、DENVおよびZIKV E配列との関連で示される。対応する変異はまた、他のフラビウイルスEタンパク質のバックグラウンド、例えば他のZIKVまたはDENV配列、または他のフラビウイルスEタンパク質配列、例えば上記の配列の節に記載される配列に潜在的に有用であると考えられる。
【表1】
【0339】
抗体配列
WO2016/012800、Rouvinski et al(2015) Nature 520, 109−113、Dejnirattisai et al(2015) Nature Immunol 16, 170−177で同定されたEDE1抗体は、フラビウイルス、例えばジカウイルスを中和するのに一般に有用であると考えられている。例えば、WO2016/012800、Rouvinskiら(2015)、および/またはDejnirattisaiら(2015)において同定された抗体EDE 1 752−2 C8(EDE1 C8とも呼ばれる)およびEDE1 753(3)C10(EDE1 C10とも呼ばれる) は、フラビウイルス、例えばジカウイルスを中和するのに有用であると考えられている。EDE1 C8およびEDE1 C10の配列を以下の表Aに示す。CRDアミノ酸配列は、配列番号15〜26として示される。
【表2】
【0340】
有用であると考えられる他のEDE1抗体は、結合として実施例1の図7に示したもの、およびその変異体である。抗体は、WO2016/012800で使用される用語を用いて示される。
【0341】
したがって、有用であると考えられるEDE1抗体には、以下が含まれる:
752 B10
752 B11
752−2 A2
752−2 A9
752−2 A9
752−2 B2
752−2 B3
752−2 B4
752−2 B11
752−2 C4
752−2 C8
752 C9
752(2)A7
752(2)A8
752(20C2
752(2)D4
753(3)C10
753(3)B10
758 P6A1
758 P6A3
758 P6B4
758 P6B5
758 P6C4
配列はWO2016/012800に示されており 、表の関連する部分が下に挿入されている。WO2016/012800において論じられるように、バリアントも有用であり得る
【表3】
【図面の簡単な説明】
【0342】
【図1】実施例1 図1.DENV免疫血漿はZIKVと交差反応する。 (a)捕捉ELISAによって測定されたZIKV株PF13およびHD78788およびDENVに対する6つの代表的なDENV血清の結合力価曲線(前の急性感染に対応するDENV血清型を用いた6カ月の回復期血漿)。
【図2】(b)捕捉ELISA(n=18)によって判定されたZIKV(株PF13およびHD78788)およびDENVに対するDENV血漿の終点力価。小さな水平線は中央値を示す。
【図3】図2.DENV免疫血漿によるZIKVの中和。 (a)2つのZIKV株PF13およびHD78788およびDENVを用いた6つの代表的なDENV血清に対するベロ細胞において決定されたZIKVの中和(最近の感染に対応するDENV血清型を用いた6カ月の回復期血漿)。プールされたDENV陰性血清(PND)を陰性対照として用いた。
【図4】(b)ZIKVおよびDENV感染(n=18)に対するDENV血漿のNT50値。
【図5】図3.DENV血漿はZIKV感染を増強する。 (a)連続希釈したDENV血漿の存在下で、ZIKV株PF13およびHD78788およびDENVに感染したU937細胞の6つの代表的なADE曲線(最近の感染に対応するDENV血清型を用いた6カ月の回復期血漿)。プールされた陰性血清(PND)を陰性対照として用いた。
【図6】(b)ZIKVおよびDENV(n=18)に対するDENV血漿のピーク倍増。
【図7】図4.抗DENVヒトモノクローナル抗体は、ZIKVに結合する。 (a)抗EDE1、EDE2、FLE、および非FLE mAbの33、17、45、37によるZIKV株PF13およびHD78788およびDENV血清型1の10ug/mlでの結合は、これは3つの別々の実験を表す。矢印は、図4b、5、および6で使用されたmAbを示した。
【図8】(b)9つの代表的なmAb(抗EDE1、EDE2、およびFLE mAbについて、それぞれ3つ)についての結合力価曲線。アッセイは捕捉ELISAによって行い、3回の独立した実験から平均±2標準誤差として示した。
【図9】(b)9つの代表的なmAb(抗EDE1、EDE2、およびFLE mAbについて、それぞれ3つ)についての結合力価曲線。アッセイは捕捉ELISAによって行い、3回の独立した実験から平均±2標準誤差として示した。
【図10】図5.抗DENVヒトモノクローナル抗体は、ZIKV感染を増強する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1 mAbについて、3つ)の感染増強曲線。U937細胞を標的細胞として使用した。データは、2回の独立した実験から平均±2標準誤差として示される。
【図11】図5.抗DENVヒトモノクローナル抗体は、ZIKV感染を増強する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1 mAbについて、3つ)の感染増強曲線。U937細胞を標的細胞として使用した。データは、2回の独立した実験から平均±2標準誤差として示される。
【図12】図5.抗DENVヒトモノクローナル抗体は、ZIKV感染を増強する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1 mAbについて、3つ)の感染増強曲線。U937細胞を標的細胞として使用した。データは、2回の独立した実験から平均±2標準誤差として示される。
【図13】図6.抗EDE1ヒトモノクローナル抗体は、DENV血漿のADEを阻害する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1、EDE2、およびFLE mAbについて、それぞれ3つ)の阻害曲線。U937細胞を、連続希釈された抗DENV mAbと一緒に、1:1000のプールされた回復期デング血清(ピーク増強を与える希釈)の存在下でZIKVに感染させた。抗インフルエンザmAb、28Cは、陰性対照として使用した。データは、3つの独立した実験を表す。
【図14】図6.抗EDE1ヒトモノクローナル抗体は、DENV血漿のADEを阻害する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1、EDE2、およびFLE mAbについて、それぞれ3つ)の阻害曲線。U937細胞を、連続希釈された抗DENV mAbと一緒に、1:1000のプールされた回復期デング血清(ピーク増強を与える希釈)の存在下でZIKVに感染させた。抗インフルエンザmAb、28Cは、陰性対照として使用した。データは、3つの独立した実験を表す。
【図15】図6.抗EDE1ヒトモノクローナル抗体は、DENV血漿のADEを阻害する。 ZIKV株PF13およびHD78788における9つの抗DENV mAb(抗EDE1、EDE2、およびFLE mAbについて、それぞれ3つ)の阻害曲線。U937細胞を、連続希釈された抗DENV mAbと一緒に、1:1000のプールされた回復期デング血清(ピーク増強を与える希釈)の存在下でZIKVに感染させた。抗インフルエンザmAb、28Cは、陰性対照として使用した。データは、3つの独立した実験を表す。
【図16】図7.ジカウイルス株PF13およびHD78788に結合するEDE1抗体。抗体の名称は、WO2016/012800に用いられているとおりである。
【図17】実施例2 図1:ZIKV/DENV Eタンパク質の系統発生およびDENV誘発抗体との反応性。 a)Eタンパク質(左パネル)およびポリメラーゼNS5タンパク質(右パネル)のアミノ酸配列に基づく主要ヒト病原性フラビウイルスの系統樹。節足動物ベクターは、背景色によって区別される。 b)ヒト組換えIgG mAb FLE P6B10、EDE1 C8、およびEDE2 A11とのZIKV sE反応性。左パネル:結合特性を、Octet RED(ForteBio)でのBiolayer干渉計によってモニタリングした。推測された平衡における正規化された応答値を、異なるZIKV sE濃度でモニタリングされた結合の個々の感覚像から推定した(EDE1 C8の右パネルを参照)。結合部位占有率の割合として表される応答値を、対数尺度で示されるZIKV sE二量体の濃度に対してプロットする。線は、Kd評価に使用されるグローバル曲線適合を示す(濃度依存性飽和適合を示す線形濃度範囲についてはED図1を参照)。右パネル:抗ヒトIgG Fc捕捉バイオセンサー上に固定化されたヒトIgG1 C8に対する溶液中のZIKV sE二量体の結合および解離動態;(示されるように)ZIKV sEの2倍連続希釈の個々のセンサーグラムが示されている。ED 図1aも参照のこと。
【図18】図2:FLE、EDE1、およびEDE2の3つのサブセットからそれぞれ3つの抗体を用いた中和曲線。結果は、PF13については三重に、HD78788株については二重に、それぞれ、4回の独立した実験の平均を表す。2つのZIKV株は、明るい色、赤色、および青色である。4つのDENV血清型(淡い色)の中和データは、参考文献27から得、ここでは比較のために与えられる。対応するIC 50値を表1に示す。使用したDENV4株は、N153グリコシル化部位を欠いている天然の分離株であったことに留意されたい。
【図19】図3:EDE1 C8/ZIKV sE複合体。 a)ドメイン(ドメインI、II、およびIIIは、それぞれ、赤色、黄色、および青色、融合ループはオレンジ色)によって着色されたsE部分を有する複合体の全体図であり、抗体は、それぞれ、軽鎖をグレーで、重鎖を濃緑色で着色される。CDRは、対応する色(H1ライトブルー、H2サンド、H3ピンク、L1ライトグレー、L2レッド、L3オレンジ)でbで標識された異なる色によって区別される。挿入図は、対応するDENV−2複合体との比較を示す。抗体は黄色で、sEはグレーである。明確にするために、DENV2−C8複合体のC8 Fab断片の可変領域を、ZIKV sEと複合体を形成してscFv上に重ね、Fab軸を描き、結合角をより良好に示した。これらの角度は、2つの結晶構造における曲率の違いのために異なって見える。 b)EDE1のC8/sE相互作用を拡大してbストランドの認識を示す。水素結合を点線で示し、界面に固定された水分子は赤い球として示す。 c)DENV−2 sE/C8 Fab複合体上の同じ領域。DENV上のN67グリカンも抗体と相互作用することに留意されたい。 d)EDE1 C8のフットプリントは、表面に露出したアミノ酸の保存に応じて着色された表面表現(ビリオンの外側から見た)で示されるZIKV sE二量体で概説される。保存された側鎖からの主鎖原子および原子をオレンジ色に着色し、非常に類似した側鎖は黄色であり、他のすべての原子は白色である。 e、f)ピンク色で示されたZIKV sE(e)およびDENV2 sE(f)の表面表現上のEDE1 C8のフットプリント。明瞭にするために、二量体中のsEの2つのプロトマーは、明暗の灰色である。関連する抗原性sE領域が標識される。DENV2、例えば、N67グリカンよりもZIKV sE二量体においてより制限された相互作用表面がZIKV sEには存在しないことに留意されたい。
【図20】図4:EDE2 A11/ZIKV sE複合体。色分けは図3にあるとおりである。 a)結晶充填により、sE二量体当たり1つのFabのみが結合した複合体の全体図。破線の楕円は、失われたA11 Fabの位置を表す。挿入図は、ZIKVおよびDENV−2におけるsE二量体に対する結合角を比較する。 b)ZIKVにおけるbストランドにおける相互作用(左パネル)およびc)DENV−2(右パネル)におけるbストランドにおける相互作用。抗体(抗体は両パネルにおける同じ配向に厳密である)に関してbストランドの異なる角度を留意されたい。d、e)主に記載される糖残基番号を有する、ZIKV sE(d)およびDENV−2 sE(e)に対して150ループ上のグリカンの拡大図。DENV−2構造の場合のように、CDR H3ヘリックスはグリカンと相互作用するには余りにも離れている(EDの図3および6bを参照)。
【図21】表1
【図22】EDの図1:組換えZIKVタンパク質に結合する抗体。 a)線状スケールでプロットされたバイオフィルム干渉計実験。抗体をバイオセンサーチップ上に固定化し、ZIKV sEタンパク質を指示濃度で溶液にした。使用した抗体を各プロットに示す。横目盛が、3つの抗体では異なることに留意されたい。推定された解離定数(Kd)および推定された解離速度(Koff)が示される。 b)サイズ排除クロマトグラフィーは、単離されたsE、単離されたFab断片、およびZIKV sE+Fab断片を示す。
【図23】ED 図2.bnAB/抗原相互作用に関与する残基。ZIKVおよびDENV−2 sEのアミノ酸配列アラインメントに対する抗体の接触。赤い背景は同じ残基を強調表示する。二次構造要素は、その配列の上方(ZIKV)および下方(DENV−2)の標識とともに示される。ZIKVおよびDENV−2 sEのドメイン構成は、配列上で着色した棒(ドメインI赤色、ドメインII黄色、ドメインIII青色、および融合ループ橙色)によって象徴される。極性およびファンデルワールスタンパク質−タンパク質接触に関与する残基は、それぞれ、ZIKVおよびDENV−2 sEのアライメントの上下に表示される挿入キーに示されるように、青色および緑色の記号を用いてそれぞれ印をつける。完全な記号および空の記号は、sEの参照サブユニット(エピトープへの融合ループに寄与するものとして定義される)およびsEの反対のサブユニット上の抗体接触にそれぞれ対応する。重鎖または軽鎖のみと接触した残基は、それぞれ正方形または三角形で標識され、抗体鎖の両方によって円で標識された残基が標識される。アミノ酸接触の詳細は、ED表4および5に列挙されている。配列上の点は、ZIKV sE配列上の10残基ごとに印をつける。ジスルフィド架橋は、配列の上に緑色で番号が付けられている。
【図24】ED 図3.黒棒で示されたフレームワーク(FRW)および薄い破線でIMGT CDR領域を有するbnAb EDE1 C8(上)およびEDE2 A11(下)の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(vHおよびvL)のアミノ酸配列。Ig vHおよびvLβバレルの二次構造要素は、配列上に示される。体細胞変異は赤色であり、V−D−J接合部での組換えにより生じる残基は緑色である。配列の上および下の記号は、それぞれ、ZIKVおよびDENV−2 sEとの接触に関与する残基を、キーに示されているようにsE内の接触した部位についてコードしている(最下部の挿入図)。極性およびファンデルワールス接触はそれぞれ、青色と緑色で示される。参照sEサブユニット(融合ループをエピトープに寄与するものとして定義される)と接触する抗体残基は、空の着色の記号によって二量体界面を横切って接触するものであるが、無色の記号によって印を付けられる。赤色のボックスは、DENV−2 sE複合体に見出され、ZIKV sE複合体には存在しない接触部を強調し、N67グリカン、klおよび150ループを含む。極性接触の詳細は、拡張データ表4および5(図3eおよび3fも参照)に記載される。予測されるvHおよびvL生殖系列対立遺伝子は、対応するCDR長で示される(参考文献30の表1を参照)。
【図25】ED 図4.二量体界面を横断するEDE1 C8 bnAb接触の詳細。 a)ZIKV sE/EDE1 C8 scFv複合体の全体図。ボックスは、bで拡大した領域を示す。b)二量体界面を横断するドメインIIIとのC8軽鎖の相互作用の詳細。c)EDE1 C8/DENV−2複合体の同じ領域。関与したsE残基は異なることに留意されたい。d)ijループ内の相互作用を示すために、複合体を120度回転させて(矢印で示すように)、eで拡大される。e)ijループは、主鎖と抗体との相互作用を示すためにスティック状に表示される。サブユニットのドメインIIは、参照サブユニットのドメインIIと区別するために緑色に着色されている。示されたアルギニンのための破線のスティックは、結晶中の電子密度が低いことを示すことである。 f)DENV−2との複合体の同じ図。抗体に接触する二量体界面を横断する残基は異なることに留意されたい。種々のCDR中の残基は、それらの標識色に一致するように着色コードされている(図3および4のように)。
【図26】ED 図5.免疫複合体のオープンブック表現における表面静電ポテンシャル。静電ポテンシャルは、下のバーに沿って着色される。抗体のフットプリントは緑色で概説される。C8(左パネル)との複合体における不規則な150ループは、エピトープの一方の端に正の表面パッチをもたらし、これは右側のパネルに示されるように、このループは順序付けられるA11との複合体において150ループ中の残基によって相殺される。
【図27】ED 図6.150ループ上のグリカンとのA11相互作用の詳細。a)白色の成熟ビリオン18(PDBコード5IRE)の低温EM構造からのEタンパク質上のZIKV sE/A11複合体(色における)の重ね合わせ。Eタンパク質は、参照サブユニットのドメインIIの先端に、反対のサブユニットからのドメインIIIとともに重ね合わされた。これは、150ループが本質的に同じコンフォメーションを採用するが、抗体の非存在下ではより少ない糖残基が見えることを示す。b)A11/DENV sE複合体(白色)上のA11/ZIKV複合体(色)の重ね合わせ。2つの構造からの抗体の可変ドメインを互いに重ね合わせた。DENV−2では、グリカンがCDR H3のα−ヘリックスに対してパックするが、ZIKV sEではグリカンが同じ相互作用を行うには離れすぎていることに留意されたい。c)C8/ZIKV sE複合体(ピンク色)をZIKV/A11複合体(色)に重ね合わせて、C8軽鎖とグリカンとの衝突を示し、それが途中で移動して乱れるようにした。重ね合わせはまた、EDE1 C8が、ドメインIIIと同様に、隣接するサブユニットのijループおよびklループと接触することにさらに到達することを示す。a)と同様に、二量体中の参照サブユニットのドメインIIの先端および隣接するサブユニットのドメインIIIの先端をアンカーとして用いて重ね合わせを行った。2つの黒色のアスタリスクは、150ループの電子密度が失われた場所に印をつけ、短いヘリックスのC8/sE結晶内の密度もグリカンの密度もない。
【図28】実施例2−1
【図29】実施例2−2
【図30】実施例2−3
【図31】実施例2−4
【図32】実施例2−5
【図33】ED 図7.配列アライメントsE ZIKV−DENV−2
【図34】実施例3 図1.(A)ジカとデングとの間に近い類似性を示す異なるフラビウイルス間のEタンパク質配列の相同性;ジカ−DV3−58%、DV1−57%、DV4−56%、DV2−54%である。(B)宿主プロテアーゼ、フリン、およびシグナルアーゼ、およびウイルスプロテアーゼ、NS3/2Bにより3つの構造タンパク質および7つの非構造タンパク質に切断される単一のポリタンパク質に翻訳されたデングゲノムの略図。 図2.デングウイルス構造を中性pHでA)未成熟デング粒子の構造はEおよびprMの配列をsirmerc(ヘテロ六量体スパイク)に示す。Mackenzie et al Nat.Med. 2004 10:S98 B)成熟デングウイルスは、prMの切断後に平滑なウイルス粒子内に配置されたEの90ヘッドトゥーテール二量体を示す。Kuhn et al Cell 2002 108:717。 図3.抗EDE抗体のエピトープを示す抗EDE−mABとの複合体中のDENV−2の構造は、二量体内の2Eを横切って存在する。A)側面図およびB)上面図。Eタンパク質のドメインI、II、およびIIIは、赤色、黄色、および青色で示される。上面図において、灰色および緑色の楕円は、抗EDE mAbの重鎖および軽鎖の結合領域を示す。C)エピトープ中の曝露された主鎖原子。ビリオンの外から見られるDENV−2 sEを表す表面、曝露された主鎖原子橙色(上)、または主鎖原子+保存された側鎖(橙色)、および高度に類似した側鎖(黄色)(下)。2つのEDE mAbのエピトープを示す。 図4.ELISAにより主に単量体の形態(青色)である野生型Eに対して、操作されたジスルフィド安定化二量体(赤色)に対するEDEおよびFLEmbのパネルの結合。A)抗EDE mAbは、二量体に結合するが、単量体には結合しない。B)ほとんどの抗FLE結合mAbは、単量体に比べて二量体への結合の減少を示す。
【図35】図5.4匹のマウスからの中和アッセイは、野生型単量体DENV2または変異体ジスルフィド結合結合E−二量体のいずれかでプライミングおよびブーストして、二量体Eとの中和力価を増加させた。 図6.リサーフェシング戦略のフローチャート。 図7.E二量体は、一方のサブユニットを白色で、他方のサブユニットを灰色で表す表面で示し、融合ループ領域を黄色で示す。EDEの輪郭は黒色である。リサーフェシングの候補残基は、明るい色、つまり、血清型可変残基および保存された残基をそれぞれ、緑色および赤色で表示される。
【図36】実施例4の図1 AG129マウスモデルにおけるC10のインビボ有効性。AG129マウス(雌、8〜10週齢;N=3)を、方法の節に記載されるように、50または200μgの精製されたC10または2−8Cにより腹腔内で処置した。マウスに、ZIKV PE243を含む、200μLの1.2×102FFU/マウスを抗体処置から24時間後に、腹腔内で感染させた。(A)C10抗体(赤色および青色の記号)または2−8Cアイソタイプ対照(緑色および紫色の記号)で処置したZIKV感染マウスの元の体重曲線の割合を、PBSで処置した未感染マウス(黒色の記号)と比較してプロットした。データは、1つの実験からの結果を表し、感染した群当たり3匹のマウスからの平均+/−重量測定値としてプロットされている。(B)感染後2日目および4日目に個々のマウスから単離した血漿サンプルからウイルス力価を測定した。血漿1ml当たりの病原体形成単位として計算されたウイルス力価は、個々のマウスにおける血漿ウイルス力価の平均+/− 標準誤差として表されている。
【0343】
実施例1
デング血清反応活性は、ジカウイルス感染の抗体依存性増強を引き起こす。
【0344】
ジカウイルスは1947年に発見され、比較的軽度の疾患につながると考えられた。最近の南米におけるジカの爆発的発生は、ギランバレー症候群から小頭症に至るまでの神経学的後遺症の報告に広く関心を集めている。ジカは、ジカに密接に関連したフラビウイルスをデングの経路で追跡している。ここで、2つのウイルス間の血清学的交差反応を調べる。デング免疫血漿は、ジカと実質的に交差反応し、ジカ感染の抗体依存性増強を引き起こすことができる。ヒト抗デングモノクローナル抗体のパネルを用いて、デングエンベロープタンパク質に反応するほとんどの抗体もまた、ジカ、および免疫優性融合ループエピトープを含む線状エピトープに対する抗体に反応するが、ジカへの結合はウイルスを中和するが、ADEを促進することができないことを示す。これらのデータは、デング免疫感受性がより高いジカ複製を引き起こし、病因および将来のジカおよびデングワクチンプログラムに影響を及ぼす可能性があることを示す。
【0345】
ジカウイルス(ZIKV)は、フラビウイルス科に属するアルボウイルスであり、Aedes蚊によってヒトに感染する1。ZIKVは、1947年にウガンダのジカ森林のセンチネルアカゲザルから最初に単離され、続いて蚊およびヒトで見つかった2、3。最近まで、ZIKVは感染の大部分が無症候性であるため、特に重要な病原体とは見なされていなかった。ZIKVの症候性症例は、発熱、筋肉痛、関節痛、頭痛、結膜炎、および発疹とデング熱の軽度のケースに似ている
【0346】
最近まで症例は、主にアフリカや東南アジアでは散発的であり、流行の活動は観察されていなかった1、8、9、10、11。ZIKVの大流行は、2007年に西太平洋でのヤップ島に発生し、オセアニアを介して広がると、それは急速に他の南米諸国を巻き込み広がり、2015年にはブラジルに達した1、7、12、13、14。
【0347】
これまでに、ZIKV感染が重大な神経学的合併症を引き起こすことが明らかになっており、ギランバレー症候群の症例の増加は、2013年にフランス領ポリネシアで発生した後に初めて報告された15。ZIKV感染の大幅な増加と同時に発生した、ブラジル北東部に起源する小頭症の発生率の劇的な増加は、2015年後半に報告された16、17。ギランバレー症候群および小頭症のこれらの増加は、世界保健機関(WHO)が2016年2月にZIKVを公衆衛生上の緊急事態と宣言することとなった18。
【0348】
ZIKVは、様々なAedes蚊によって実施することができるが、現在の流行に関与する主要な種がAedes aegyptiであると考えられている1、5。Brazil Aedes aegyptiの部分でもZIKVと同時にDENVとおよびチクングニアウイルスを広げている19、20、21、22、23、24。過去20年間で、DENVは、南米の分野に広がっており、ZIKVによって影響を受けた一部の地域でDENVの血清陽性率は90%で超える25、26、27。
【0349】
DENVは、アミノ酸配列が30〜35%異なる4つの血清型として存在し、DENV血清型は、同様にZIKVとは41〜46%(Eタンパク質)異なる28。最近の報告では、血清学的にウイルス間の抗原性の類似度を暗示するDENV感染症およびZIKV感染症を区別する際に問題を示す7、29、30。
【0350】
初回DENV感染後、個体は感染血清型に対する生涯免疫を発症するが、他の血清型では発症しない31、32。DENV流行地域では、4種すべてのウイルスがしばしば共循環または循環的に置き換えられ、複数の連続感染が共通する33。DENV感染の興味深い特徴の1つは、デング熱出血熱につながる生命を脅かす合併症が、一次感染ではなく二次感染後に一般的であることである28。これを説明する1つの理論は、抗体依存性増強(ADE)である28。ADE仮説は、一次感染に対して生成された抗体が、アミノ酸配列が30〜35%異なる二次感染DENVを中和するのに十分な濃度または結合活性を有しないことを示唆している。しかしながら、それらは依然として二次ウイルスをオプソニン化し、DENV複製の主要部位である単球およびマクロファージなどの骨髄細胞へのFc受容体媒介性エンドサイトーシスのために標的化し、ウイルス負荷を高める可能性がある。ADEはインビトロで容易に実証され、動物モデルにおいてより高いデングウイルス負荷を引き起こすことも示されている34、35、36、37。
【0351】
ここでは、DENV感染個体から生成された132のヒトモノクローナル抗体のパネルを利用して、DENVとZIKVとの間の実質的な交差反応性を実証する。ほとんどの抗DENVモノクローナル抗体もZIKVに結合するが、主要線状融合ループエピトープ(FLE)を認識する抗体は非中和性である。DENV血漿およびmAbは、ZIKV感染を強力に増強することができ、既存のDENV免疫がZIKV複製を増加させる可能性を示唆している。
【0352】
結果
DENV血漿はZIKVと交差反応する
血清型1〜4による二次DENV感染後6ヶ月に採取した個体からの血漿を、捕捉ELISAによってZIKVおよびDENVへの結合について試験した。すべての場合において、DENV免疫血漿は、DENVおよびZIKVの両方に結合した(図1a)。アフリカ(HD78788)またはフランスポリネシア(PF13)に由来するウイルス株への結合には、顕著な差はなかった(図1b)。
【0353】
次に、回復期のDENV血漿によるZIKVの中和を試験した。すべての回復期のDENV血漿は、1:50の最低希釈率で使用してDENV感染をほぼ100%中和することができた(図2a)。しかしながら、ZIKVの中和は、ほとんどの血清が顕著な中和を示さないので、かなり効率的ではなかった(図2aおよびb)。抗DENV血漿がZIKVと実質的に交差反応するという所見は、ADEを促進することができるかどうかを決定するように促した。
【0354】
DENV血漿はADEを強力に誘導する
DENV感染の特徴の1つは、二次感染時の病気の重篤度の増加である。これの説明の1つは、前のDENV感染を対象にする既存の抗体がオプソニン作用するが、二次感染を中和しない抗体依存性増強である。オプソニン化ウイルスは、より高いウイルス複製を引き起こす単球およびマクロファージなどのFc受容体発現骨髄細胞による取り込みの標的となる。
【0355】
本発明者らは、ADEの非存在下でDENVによる感染に対して比較的耐性である骨髄系細胞株U937におけるADEを促進するDENV血漿の能力を試験し、U937はまた、ADEの非存在下でZIKV感染に対してほとんど許容されないことを示す。ZIKVを、2週間で得られたプールされた回復期の抗デング血漿の滴定と予めインキュベートし、次いでU937細胞を感染させるために使用した。プールされた回復期血漿は、ジカウイルスの両方に対して100倍超の感染の実質的な増強をもたらし、プールされた対照の非デング血清は感染を増強しなかった(図3a)。次に、急性二次的デング熱感染から6カ月後に得られた回復期血漿パネルを試験した。一例を除くすべてにおいて、DENV血漿はZIKV感染を増加させ、HD78788感染の中央値は12倍増加した(図3b)。要約すると、これらの結果は、交差反応性の抗DENV抗体がZIKVのADEを促進することができるが、中和が不十分であることを示している。
【0356】
抗DENVモノクローナル抗体の交差反応
DENV感染患者から単離された形質膜芽細胞から生成された、DENVエンベロープタンパク質に反応する145のヒトモノクローナル抗体のプールを以前に作成した34。これらの抗体の詳細なエピトープマッピングは3つの広い反応性を示した。十分に記載された融合ループエピトープ(FLE)に反応する約1/3の抗体は、1/3は明確にマッピングされなかったが、融合ループ抗体のように、それらはウエスタンブロットによりエンベロープタンパク質に反応した(これらはエンベロープ残基W101の変異に対して感受性ではなかったため、非FLEと称される)。最後に、約40の抗体群はウエスタンブロットによってエンベロープタンパク質に反応せず、無傷ウイルス粒子にのみ結合した。これらの抗体は、凍結電子顕微鏡法およびX線結晶学によって、基本のヘッドトゥーテール二量体を構成する2つのエンベロープタンパク質単量体の界面に形成された立体配座の四次エピトープに結合することが示されており、その90はDENV糖タンパク質殻に正20面体対称で配置されている34、38。この新しいエピトープをE二量体エピトープ(EDE)と称し、これは、E中のN結合型グリカンN153の除去に対して感受性に基づいてEDE1およびEDE2の2つの群に細分された(EDE2結合はN153の除去によって減少したが、EDE1は減少しなかった)。いくつかのEDE抗体は、4種すべてのDENV血清型に対して完全に交差反応性であり、ピコモル範囲の感染を中和することができた。
【0357】
ZIKVに対する抗DENVモノクローナル抗体のパネルの結合を、捕捉ELISAによって試験し、DENVへの結合と比較した(図4a)。アフリカ(HD78788)株とフランスポリネシアン(PF13)株との間の結合のプロファイルは非常に類似しており、融合ループ抗体がすべて、ZIKVと交差反応し、非融合ループ抗体の36/37が交差反応したが、EDE抗体の交差反応は27/33 EDE1および8/17 EDE2で可変である。結合曲線は、EDE1に対するEDE2抗体の結合の結合力が低く、EDE1 mAb 752−2B2の結合力が低いことを示した(図4b)。
【0358】
DENVに対して生成されたほとんどすべてのmAbが、以前の研究で生成した145のヒトモノクローナル抗体のすべてを含むADEを促進することが以前に実証されている34。DENV mAbとZIKVとの交差反応性のために、我々は次に、抗DENVモノクローナル抗体がZIKVウイルス感染のADEを促進する能力を試験した(図5)。まず、ZIKVに対して中和活性を示さない3つの融合ループ抗体を試験した。これらの抗体のすべては、抗体または無関係の対照mAbとともにインキュベートしたZIKVと比較して、HD78788の感染を増強するADEを54〜78倍促進した。予想どおりに、ZIKVを中和するEDE mAbは、中和濃度で添加した場合にZIKVのADEも促進したが、ピーク増強は融合ループmAbよりも低い濃度で見られた。これは、いくつかの異なる特異性を有するデング熱感染患者から単離されたモノクローナル抗体が、ZIKVに対して広い交差反応性を有することを実証する。
【0359】
EDE mAbは、DENV血漿のADEを阻害することができる
融合ループおよびEDE mAbは、EDEのフットプリントが融合ループ領域も網羅するため、重複するエピトープを有する。EDE抗体がポリクローナル抗DENV血漿により誘発されたADEを克服することができるかどうかを試験するために、抗DENV血漿の濃度を高めてインキュベートしたZIKVに抗DENV EDE1 mAbの滴定を加えた(図6)。融合ループ抗体は効果を示さなかったが、ZIKVの結合力が低い752−2B2を除くEDE1 mAbは、752−2C8および753(3)C10をそれぞれ0.091±0.007および0.034±0.006μg/mlの力価で50%阻害を生じるPF13感染のADEを強力に阻害することができた。EDE1 mAbよりもZIKVの結合力が低いEDE2 mAbは、このアッセイにおいてADEを阻害することができなかった。これらの研究は、EDE1抗体がZIKV ADEを強力に阻害することができ、存在する場合、十分なレベルでインビボで保護し得ることを実証する。
【0360】
考察
南アメリカにおけるZIKVウイルス感染の、関連するギランバレー症候群および小頭症を伴う最近の爆発は大きな懸念である15、16、17。ギランバレー症候群は、比較的まれな合併症であり、ZIKVに感染した個体の0.024%に影響を及ぼすと推定されるが、ZIKV流行の規模のために、これは依然として多数の症例につながる15。多くの研究は、依然として小頭症の正確な原因を理解するために実行する必要があるが、これが発達中の脳の子宮内感染によって引き起こされることがますます明らかになっている17、39、40、41、42。ジカは、動物モデルにおいて、胎盤に感染し、成長を妨げることを示し、胎盤を通過して脳に感染し得ることも示されている43、44、45。さらに、インビトロZIKVは、神経細胞培養に感染し、神経球の発達を破壊し得る46、47。母体の感染後の神経学的損傷の正確なリスクは依然として決定されていないが、初期の研究では、フランス領ポリネシアからの他の報告は約1%のリスクがあるが、これは最初の3カ月間で最大22%であり得ることを示唆している48、49。
【0361】
ZIKVはAedes蚊により広がり、現在南アメリカではこれらの蚊がDENVウイルスおよびチクングンヤウイルスの流行の拡大も促進している19 。ZIKVにより影響を受けた多くの地域では、DENVに対する血清陽性は非常に高く、このような地域では、血清学的にZIKV感染とDENV感染を区別する際に大きな問題がある26、27、30。この論文では、ZIKVに対する抗DENV血清反応の実質的な交差反応性を実証している。大部分の抗DENV血漿はZIKVをほとんど中和しないが、それでも、ADEを強力に誘導することができる。
【0362】
関連する実施例において、抗DENVヒトモノクローナル抗体によるZIKVの中和が研究されている。興味深いことに、DENV感染28における抗体応答の主要部分を形成する抗融合ループ抗体は、ADEを促進し、感染を中和することができないことを示す。融合ループに反応する抗体は、多くのフラビウイルスにおいて幅広く反応することが知られているが、しばしばELISA法による強い交差反応にもかかわらず、恐らくそれらのエピトープが天然ウイルス粒子にほとんど曝露されないため、交差中和活性をほとんど示さない50。加えて、EDE1 mAbがDENVの中和と同様のピコモル範囲で強力な中和を示したが、EDE2 mAbもZIKVを中和するが、EDE1 mAbほど強力ではないことを示す。これらの結果は、ZIKVエンベロープと複合体を形成するEDE1およびEDE2 FabのX線結晶構造とともに提示される。
【0363】
抗体依存性の増強は、約50年前に初めてDENV感染について認識され、DENVの特徴である二次感染の重篤度を高める要因の1つであると考えられている36。ADEのリスクは、特にDENVワクチンの開発を困難にしている。Sanofi Pasteurによって製造された最先端のDENVワクチンDengvaxia(CYD−TDV)は、いくつかの国で承認され、感染からいくらか保護されており、流行国で展開されている場合、30年間にわたって疾病の負担を10〜30%削減すると推定されている51。
【0364】
Dengvaxiaは、DENVの糖タンパク質殻を構成する前駆体膜タンパク質およびエンベロープタンパク質をコードする配列が弱毒化17D黄熱病ワクチン株からの非構造配列と組み合わされた4価生弱毒化ワクチンである28。Dengvaxiaは、これまでにDENVに感染したことがある個人に保護を与えるが、DENVナイーブワクチン接種を与えられたときに、有効性が低いように見える28、51。
【0365】
Dengvaxiaのワクチン試験の最近の長期間の分析により、いくつかの安全性に対する懸念が提起されている28。9歳未満の年齢群では、DENV感染による入院は、ワクチン接種を受けていない対照群よりもワクチン接種を受けた小児において高かった。これは、研究試験の開始時にDENVナイーブであり、初回抗原投与されているがワクチンによって保護されていない小児における抗体依存性の増強を示し得る。この理由から、ワクチンは9歳未満の子供の使用を認可されておらず、さらに、ワクチン接種される年齢群におけるこれまでのDENV曝露の血清陽性率が70%以上である集団においてのみ使用することが推奨されている51。
【0366】
現在、ZIKVに対するワクチンを製造するのに大きな負荷があり、この点に関して、DENVとZIKVとの広範な交差反応を血清学的に考慮する必要がある。DENV血清陽性率の高い地域にワクチンを展開し、デノボを上げる必要がある可能性が高く、このような環境でZIKVの中和反応は困難である可能性がある。また、DENVナイーブ対象におけるZIKV予防接種がDENVのADEを促進し得、ZIKV感染のADEを促進し得る可能性がある。
【0367】
ここに記載される結果は、DENVとZIKVとの間の複雑な血清学的相互作用を示す。ブラジルでのZIKV感染とその合併症の爆発の正確な理由は完全に決定する必要があるが、既存のDENV免疫が感染した個体のウイルス複製を促進し、蚊の感染および感染拡大を促進し、合併症のリスクが高くなる可能性がある。ADEがZIKVの経胎盤移植を補助する可能性も研究する必要がある。交差反応する防御免疫および増強免疫がDENV感染後に経時的に変化し得るので、DENV感染対ZIKV感染のタイミングもまた重要であり得る。
【0368】
要約すると、ZIKVはDENVとは配列が約41〜46%(Eタンパク質)異なるが、抗DENV抗体とZIKVとの交差反応を可能にし、抗体依存性増強を引き起こすには十分の類似性がある。この点において、ZIKVは、これらの2つのウイルスに対するワクチンアプローチにおいて考慮されなければならない因子である、DENV血清型の第5のメンバーと見なされ得る。
【0369】
方法
試料
書面によるインフォームドコンセントと、タイのKhon KaenおよびSiriraj病院の倫理委員会と英国のKhon Kaen and Siriraj倫理委員会の承認を得て血液サンプルを収集した。DENV感染の血清型は、ウイルスゲノムのRT−PCR検出によって決定した。デング熱病の回復から6ヵ月後にサンプルを採取した。
【0370】
細胞、試薬、および抗体
ベロ細胞(AFRIMSからの贈呈品)、293T、およびU937細胞を、それぞれ、MEM、DMEM、およびRPMI−1640中、37℃で培養した。C6/36細胞(AFRIMSからの贈呈品)を、Leibovitz L−15中、28℃で増殖させた。すべての培地は、10%熱不活性化ウシ胎仔血清、100単位/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを含有した。すべての細胞株は、マイコプラズマ汚染がなかった。
【0371】
アルカリホスファターゼ(ALP)− コンジュゲート抗ヒトIgG(A9544)および西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヒトIgG(P0214)は、それぞれ、SigmaおよびDakoから購入した。マウスモノクローナル抗DENV E、4G2は、AFRIMSからの贈呈品であった。RPMI−1640(R8758)、DMEM(D5046)、p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP、N2770−50)、ウシ血清アルブミン(BSA、A7030)、ジアミノベンジジン(D5905)、およびポリエチレンイミン(408727;Sigma)は、Sigmaからのものであった。MEM(31095)およびLeibovitz L−15(11415)は、Gibcoからのものであり、UltraDOMA−PF(12−727F)はLonzaからのものであった。
【0372】
ウイルスストック。
すべてのウイルスは、C6/36細胞で増殖させた。ZIKV株HD78788(アフリカ系統)は、Anavaj Sakuntabhaiによって提供された。ZIKV株PF13/251013−18(PF13)は、2013年にフランスポリネシアでZIKV発生中に患者から単離された。DENV−1(ハワイ)、DENV−2(16681)、DENV−3(H87)、およびDENV−4(1−0093)は、AFRIMSからの贈呈品であった。上清を含むウイルスを、−80℃で保存する前に、4℃、2000rpmでの遠心分離によって清澄化した。ウイルス力価は、ベロ細胞のフォーカス形成アッセイによって決定した34。すべてのウイルスストックは、マイコプラズマ汚染がなかった。
【0373】
ヒトモノクローナル抗DENV E抗体の発現
免疫グロブリンG1の重鎖および軽鎖を含む一対のプラスミドをポリエチレンイミン法により293T細胞に同時トランスフェクションし、無タンパク質培地で培養した。抗体を含む培養上清を5日後に採取した。
【0374】
ELISAによる抗DENV抗体のZIKV交差反応性の判定
MAXISORPイムノプレート(442404;NUNC)を、マウス抗Eタンパク質、4G2(ZIKVに交差反応する融合ループマウスAb)でコーティングした。プレートを、3%BSAで1時間ブロックし、続いてウイルス上清でインキュベートした。1時間後、10μg/mlの抗DENV humAbまたは連続希釈血漿を添加した。この反応は、ALPコンジュゲート抗ヒトIgG抗体(A9544;Sigma)およびPNPP基質によって可視化した。NaOHで反応を停止させ、吸光度を405nmで測定した。エンドポイント力価(EPT)は、擬似抗原で得られた平均OD値の2倍に相当する相反的な血漿希釈として定義された。
【0375】
中和アッセイ。
フォーカス減少中和アッセイ(FRNT)を用いて、抗体の中和能を判定した。ウイルスを37℃で1時間、抗体または血漿サンプルの段階希釈物とともにインキュベートした。次いで、混合物をベロ細胞に添加し、2日間(ZIKVの場合)または3日間(DENVの場合)インキュベートした。次いで、記載されるように、フォーカス形成アッセイを実施した34。簡潔に述べると、ベロ細胞を、抗E mAb 4G2で染色し、続いてペルオキシダーゼコンジュゲートヤギ抗マウスIg(P0047; Sigma)で染色した。病巣(感染細胞)は、ペルオキシダーゼ基質、DABを添加することによって可視化した。フォーカス減少率を計算し、50%のFRNTは、SPSSパッケージからのプロビットプログラムを用いて計算した。
【0376】
抗体依存性増強アッセイ。
連続希釈された抗体または血漿サンプルを、U937細胞に添加する前に、37℃で1時間、ウイルスとともにインキュベートした。インキュベーション2(ZIKVの場合)または3日後(DENVの場合)、上清を採取し、ウイルス力価をフォーカス形成アッセイによって測定した。倍数増加は、抗体の存在下/非存在下でのウイルス力価との比較によって計算した。
【0377】
ヒトmAbによるADE阻害は、上述のADEアッセイを行う前に、連続希釈した抗体で1:10,000希釈(ピーク増強希釈)でプールした回復期のデング高度免疫血清を予め混合することによって行った。
【0378】
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