(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523658
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】トロカール
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20190802BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20190802BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !A61B17/34
   !G02B23/24 A
   !A61B1/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】2018555658
(86)(22)【出願日】20170413
(85)【翻訳文提出日】20181211
(86)【国際出願番号】US2017027320
(87)【国際公開番号】WO2017184415
(87)【国際公開日】20171026
(31)【優先権主張番号】62/325,742
(32)【優先日】20160421
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】391058060
【氏名又は名称】ベイラー カレッジ オブ メディスン
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR COLLEGE OF MEDICINE
【住所又は居所】アメリカ合衆国,テキサス 77030,ヒューストン,ワン ベイラー プラザ (番地なし)
(71)【出願人】
【識別番号】518094924
【氏名又は名称】テキサス ハート インスティテュート
【住所又は居所】アメリカ合衆国 テキサス州 77030 ヒューストン バートナー アベニュー 6770
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バート ブライアン エム.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 77030 テキサス州 ヒューストン メイン ストリート 6620 スイート 1325 ベイラー クリニック
(72)【発明者】
【氏名】カーン メームード
【住所又は居所】アメリカ合衆国 77382 テキサス州 ザ ウッドランズ ウェブ クリーク プレイス 54
(72)【発明者】
【氏名】コーン ウィリアム
【住所又は居所】アメリカ合衆国 77030 テキサス州 ヒューストン バートナー アベニュー 6770 スイート シー355エム テキサス ハート インスティテュート
【テーマコード(参考)】
2H040
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
2H040BA14
2H040DA11
2H040DA17
2H040DA21
2H040DA56
2H040DA57
4C160FF45
4C160FF56
4C161AA24
4C161GG27
4C161HH02
4C161HH04
4C161HH13
4C161HH14
4C161HH55
4C161JJ06
4C161JJ17
(57)【要約】
本発明の1つの局面は、中心チャネルを画定し、かつ、対象の体内に挿入するため適合および構成された遠位端を有する、中心シリンダーと;トロカールの遠位端の近傍で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の気体アウトレットと;該1つまたは複数の気体アウトレットの近位側で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の液体アウトレットとを備える、トロカールを提供する。該1つまたは複数の液体アウトレットは、該トロカールの該中心チャネル内の完全伸展位置から該1つまたは複数の液体アウトレットの近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合および構成されている。該1つまたは複数の気体アウトレットに近接する位置まで該内視鏡を遠位方向に進めることによって、該内視鏡の遠位端から液体が除去される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心チャネルを画定し、かつ、対象の体内に挿入するため適合および構成された遠位端を有する、中心シリンダーと;
トロカールの遠位端の近傍で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の気体アウトレットと;
該1つまたは複数の気体アウトレットの近位側で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の液体アウトレットであって、該トロカールの該中心チャネル内の完全伸展位置から該1つまたは複数の液体アウトレットの近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合および構成されている、1つまたは複数の液体アウトレットと
を備え、
該1つまたは複数の気体アウトレットに近接する位置まで該内視鏡を遠位方向に進めることによって、該内視鏡の遠位端から液体が除去される、トロカール。
【請求項2】
前記1つまたは複数の液体アウトレットが、前記1つまたは複数の気体アウトレットから約1 cm〜約5 cmの近位に位置決めされている、請求項1に記載のトロカール。
【請求項3】
前記1つまたは複数の液体アウトレットが、前記トロカールの遠位端から約6 cm以内に位置決めされている、請求項1に記載のトロカール。
【請求項4】
前記中心シリンダーの少なくとも一部を囲んでおり、前記1つまたは複数の液体アウトレットまで伸びている実質的に円筒形のチャネルを画定する、第一同軸シリンダー
をさらに備える、請求項1に記載のトロカール。
【請求項5】
前記中心シリンダーと前記第一同軸シリンダーとの間に位置決めされており、前記1つまたは複数の液体アウトレットまでの狭い液体通路を画定する、ガスケット
をさらに備える、請求項4に記載のトロカール。
【請求項6】
前記ガスケットが、前記1つまたは複数の気体アウトレットまでの狭い気体通路をさらに画定する、請求項5に記載のトロカール。
【請求項7】
前記第一同軸シリンダーと流体連絡している液体インレット
をさらに備える、請求項4に記載のトロカール。
【請求項8】
前記第一同軸シリンダーの少なくとも一部を囲んでおり、前記1つまたは複数の気体アウトレットまで伸びている実質的に円筒形のチャネルを画定する、第二同軸シリンダー
をさらに備える、請求項1に記載のトロカール。
【請求項9】
前記1つまたは複数の液体アウトレットへの前記液体のフローを制御するよう適合および構成された弁
をさらに備える、請求項1に記載のトロカール。
【請求項10】
前記弁が電気機械式に駆動される弁である、請求項9に記載のトロカール。
【請求項11】
前記弁が空気式に駆動される弁である、請求項9に記載のトロカール。
【請求項12】
前記1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に前記内視鏡の遠位端があるのを検出するよう適合および構成されている、センサー
をさらに備える、請求項1に記載のトロカール。
【請求項13】
前記センサーが、前記1つまたは複数の液体アウトレットへの前記液体のフローを制御するため直接的または間接的に通信するよう適合および構成されている、請求項12に記載のトロカール。
【請求項14】
前記センサーが、機械式センサー、磁気式センサー、磁気リードスイッチ、光学式センサー、およびホールセンサーからなる群より選択される、請求項12に記載のトロカール。
【請求項15】
前記センサーが、前記中心シリンダーの遠位端の近傍に位置している、請求項12に記載のトロカール。
【請求項16】
前記センサーが、前記1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に位置している、請求項12に記載のトロカール。
【請求項17】
前記センサーが、前記中心シリンダーの近位端の近傍に位置している、請求項12に記載のトロカール。
【請求項18】
前記センサーと通信しているコントローラであって、前記内視鏡の遠位端が前記液体アウトレットの近傍にあると液体ポートから前記液体が排出されるように、該液体アウトレットへのフローを制御するよう適合および構成されている、コントローラ
をさらに備える、請求項12に記載のトロカール。
【請求項19】
オーバーライドスイッチ
をさらに備える、請求項18に記載のトロカール。
【請求項20】
前記オーバーライドスイッチが内視鏡に連結されうる、請求項19に記載のトロカール。
【請求項21】
前記コントローラが前記オーバーライドスイッチと通信しており、かつ、該オーバーライドスイッチが駆動されると前記液体ポートから液体が排出されるように該コントローラが前記液体アウトレットへのフローを制御するよう適合および構成されている、請求項19に記載のトロカール。
【請求項22】
前記1つまたは複数の液体アウトレットへの前記液体のフローを制御するため直接的または間接的に通信するよう適合および構成されている手動スイッチ
をさらに備える、請求項1に記載のトロカール。
【請求項23】
前記手動スイッチが前記内視鏡のハンドル上に配置されている、請求項22に記載のトロカール。
【請求項24】
前記手動センサーがフットペダルを備える、請求項22に記載のトロカール。
【請求項25】
中心チャネルを画定し、かつ、対象の体内に挿入するため適合および構成された遠位端を有する、中心シリンダーと;
トロカールの遠位端の近傍で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の気体アウトレットと;
該1つまたは複数の気体アウトレットの近位側で該中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の液体アウトレットであって、該トロカールの該中心チャネル内の完全伸展位置から該1つまたは複数の液体アウトレットの近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合および構成されている、1つまたは複数の液体アウトレットと;
該中心シリンダーの少なくとも一部を囲んでいる外部シリンダーと;
該外部シリンダーの近位端に位置する気体インレットと;
該外部シリンダーの近位端に位置する液体インレットと;
該中心シリンダーと該外部シリンダーとの間に位置決めされており、
気体インレットと該1つまたは複数の気体アウトレットとの間の狭い気体通路、および
液体インレットと該1つまたは複数の液体アウトレットとの間の狭い液体通路
を画定する、ガスケットと;
該1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に該内視鏡の遠位端があるのを検出するよう適合および構成されており、該1つまたは複数の液体アウトレットへの該液体のフローを制御するための弁と直接的または間接的に通信するよう適合および構成されている、1つまたは複数のセンサーと
を備えるトロカール。
【請求項26】
前記狭い液体通路が、前記1つまたは複数の液体アウトレットの総断面積の少なくとも10倍である断面積を有する、請求項25に記載のトロカール。
【請求項27】
前記狭い気体通路が、前記1つまたは複数の気体アウトレットの総断面積の少なくとも10倍である断面積を有する、請求項25に記載のトロカール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月21日に提出された米国特許仮出願第62/325,742号の優先権を主張する。同出願の全内容は、本明細書における参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
外科用内視鏡カメラデバイスまたは内視鏡は、低侵襲手術において術野を可視化するために用いられる。内視鏡は、手術器具の入口として使用されるトロカールを通って体腔内に挿入される。体腔の拡張を容易にし、これにより手術のための作業空間を提供するため、これらトロカールを通じて体腔内に二酸化炭素の送気が行われることが多い。内視鏡は典型的に、光ファイバ光源などの照明手段と、ビデオカメラなどの撮像手段とを含む。
【0003】
内視鏡を用いられる低侵襲外科手技の間、内視鏡のレンズは、血液、焼灼煙、またはデブリに遭遇することが多く、これは術野の視認性を低下させる。典型的に、視認上の障害を除去するには、内視鏡のレンズをクリーニングしなければならない。内視鏡のクリーニングでは、典型的に、操作者が内視鏡を患者から取り出して、内視鏡カメラのレンズを手作業でクリーニングする必要がある。この作業は、低侵襲外科手技の間に数えきれないほどの回数行われることが多く、結果として術野の視認性が繰り返し失われ、手術時間が大幅に増大し、外科医のフラストレーションが高まり、そして、不都合な手術アウトカムが生じる可能性が高くなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの局面は、中心チャネルを画定し、かつ、対象の体内に挿入するため適合および構成された遠位端を有する、中心シリンダーと;トロカールの遠位端の近傍で中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の気体アウトレットと;1つまたは複数の気体アウトレットの近位側で中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の液体アウトレットとを備える、トロカールを提供する。1つまたは複数の液体アウトレットは、トロカールの中心チャネル内の完全伸展位置から1つまたは複数の液体アウトレットの近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合および構成されている。1つまたは複数の気体アウトレットに近接する位置まで内視鏡を遠位方向に進めることによって、内視鏡の遠位端から液体が除去される。
【0005】
本発明のこの局面はさまざまな態様を有しうる。1つまたは複数の液体アウトレットは、1つまたは複数の気体アウトレットから約1 cm〜約5 cmの近位に位置決めされてもよい。1つまたは複数の液体アウトレットは、トロカールの遠位端から約6 cm以内に位置決めされてもよい。
【0006】
トロカールは、中心シリンダーの少なくとも一部を囲んでいる第一同軸シリンダーをさらに含んでいてもよい。第一同軸シリンダーは、1つまたは複数の液体アウトレットまで伸びている実質的に円筒形のチャネルを画定してもよい。
【0007】
トロカールは、中心シリンダーと第一同軸シリンダーとの間に位置決めされたガスケットをさらに含んでいてもよい。ガスケットは、1つまたは複数の液体アウトレットまでの狭い液体通路を画定してもよい。ガスケットは、1つまたは複数の気体アウトレットまでの狭い気体通路をさらに画定してもよい。トロカールは、第一同軸シリンダーと流体連絡している液体インレットをさらに含んでいてもよい。
【0008】
トロカールは、第一同軸シリンダーの少なくとも一部を囲んでいる第二同軸シリンダーをさらに含んでいてもよい。第二同軸シリンダーは、1つまたは複数の気体アウトレットまで伸びている実質的に円筒形のチャネルを画定してもよい。
【0009】
トロカールは、1つまたは複数の液体アウトレットへの液体のフローを制御するよう適合および構成された弁をさらに含んでいてもよい。弁は電気機械式に駆動される弁であってもよい。弁は空気式に駆動される弁であってもよい。
【0010】
トロカールは、1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に内視鏡の遠位端があるのを検出するよう適合および構成されている、センサーをさらに含んでいてもよい。センサーは、1つまたは複数の液体アウトレットへの液体のフローを制御するため直接的または間接的に通信するよう適合および構成されていてもよい。センサーは、機械式センサー、磁気式センサー、磁気リードスイッチ、光学式センサー、およびホールセンサーからなる群より選択されてもよい。センサーは、中心シリンダーの遠位端の近傍に位置してもよい。センサーは、1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に位置してもよい。センサーは、中心シリンダーの近位端の近傍に位置してもよい。
【0011】
トロカールは、センサーと通信しているコントローラをさらに含んでいてもよい。コントローラは、内視鏡の遠位端が液体アウトレットの近傍にあると液体ポートから液体が排出されるように、液体アウトレットへのフローを制御するよう適合および構成されていてもよい。
【0012】
トロカールはオーバーライドスイッチをさらに含んでいてもよい。オーバーライドスイッチは内視鏡に連結されてもよい。コントローラは、オーバーライドスイッチと通信していてもよく、さらに、オーバーライドスイッチが駆動されると液体ポートから液体が排出されるように、液体アウトレットへのフローを制御するよう適合および構成されていてもよい。
【0013】
トロカールは、1つまたは複数の液体アウトレットへの液体のフローを制御するため直接的または間接的に通信するよう適合および構成されている手動スイッチをさらに含んでいてもよい。手動スイッチは内視鏡のハンドル上に配置されていてもよい。手動センサーはフットペダルを含んでいてもよい。
【0014】
本発明の別の局面は、中心チャネルを画定し、かつ、対象の体内に挿入するため適合および構成された遠位端を有する、中心シリンダーと;トロカールの遠位端の近傍で中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の気体アウトレットと;1つまたは複数の気体アウトレットの近位側で中心シリンダー内に位置する1つまたは複数の液体アウトレットであって、トロカールの中心チャネル内の完全伸展位置から1つまたは複数の液体アウトレットの近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合および構成されている、1つまたは複数の液体アウトレットと;中心シリンダーの少なくとも一部を囲んでいる外部シリンダーと;外部シリンダーの近位端に位置する気体インレットと;外部シリンダーの近位端に位置する液体インレットと;中心シリンダーと外部シリンダーとの間に位置決めされており、気体インレットと1つまたは複数の気体アウトレットとの間の狭い気体通路および液体インレットと1つまたは複数の液体アウトレットとの間の狭い液体通路を画定する、ガスケットと;1つまたは複数の液体アウトレットの近傍に内視鏡の遠位端があるのを検出するよう適合および構成されている、1つまたは複数のセンサーとを備える、トロカールを提供する。1つまたは複数のセンサーは、1つまたは複数の液体アウトレットへの液体のフローを制御するための弁と直接的または間接的に通信するよう適合および構成されている。
【0015】
本発明のこの局面はさまざまな態様を有しうる。狭い液体通路は、1つまたは複数の液体アウトレットの総断面積の少なくとも10倍である断面積を有していてもよい。狭い気体通路は、1つまたは複数の気体アウトレットの総断面積の少なくとも10倍である断面積を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の性質および望ましい目的をより充分に理解できるよう、以下の詳細な説明が添付の図面とともに参照され;添付の図面において、同様の参照符号は複数の図面を通して対応する部品を示す。
【図1】本発明の1態様に基づくトロカールの縦方向断面図である。
【図2】図2A〜2Dは、本発明の複数の態様に基づくトロカールの例示的な軸方向断面を示した図である。
【図3A】本発明の1態様に基づくトロカールの例示的な動作モードを示した、一連の縦方向断面図である。
【図3B】本発明の1態様に基づくトロカールの例示的な動作モードを示した、一連の縦方向断面図である。
【図3C】本発明の1態様に基づくトロカールの例示的な動作モードを示した、一連の縦方向断面図である。
【図3D】本発明の1態様に基づくトロカールの例示的な動作モードを示した、一連の縦方向断面図である。
【図4】本発明の1態様に基づく、トロカール、気体および液体用のチュービング、ならびに生理食塩水送達用の手動スイッチのアセンブリを示した図である。
【図5A】本発明の1態様に基づく、銅チュービングから作製されたトロカールのプロトタイプを示した図である。
【図5B】本発明の1態様に基づく、銅チュービングから作製されたトロカールのプロトタイプを示した図である。
【図5C】本発明の1態様に基づく、銅チュービングから作製されたトロカールのプロトタイプを示した図である。
【図5D】本発明の1態様に基づく、銅チュービングから作製されたトロカールのプロトタイプを示した図である。
【図6A】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6B】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6C】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6D】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6E】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6F】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6G】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図6H】本発明の1態様に基づく2管腔式トロカールを示した図である。
【図7】図7A〜7Dは、トロカール用のさまざまな流体フロー制御デバイスの例示的態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
本発明は、以下の定義を参照することによって最も明瞭に理解される。
【0018】
本明細書において用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈に別段の明示がない限り、複数形への参照を含む。
【0019】
具体的に述べられるかまたは文脈から明らかでない限り、本明細書において用いられる「約(about)」という用語は、例えば平均から2標準偏差以内など、当技術分野における通常の許容範囲内として理解される。「約」は、述べられた値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内として理解されてもよい。文脈から別段に明らかでない限り、本明細書に提供されるすべての数値は「約」という用語によって修飾される。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲において用いられる、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含有する(containing)」、および「有する(having)」などの用語は、米国特許法においてそれら用語に認められた意味を有する可能性があり、「含む(includes)」および「含む(including)」などを意味しうる。
【0021】
具体的に述べられるかまたは文脈から明らかでない限り、本明細書において用いられる「または/もしくは(or)」という用語は包含的であると理解される。
【0022】
本明細書に提供される範囲は、その範囲内のすべての値の略記として理解される。例えば、1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50(ならびに、文脈に別段の明示がない限り、それらの分数)からなる群のうち任意の数字、数字の組合せ、または部分範囲を含むものとして理解される。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明の1つの態様は、非限定的に腹腔鏡検査および胸腔鏡検査を含む低侵襲手術において用いられる内視鏡カメラを自動的にクリーニングするアクセス用トロカールを提供する。本発明のさらなる態様は、手術中の視認経験を最適化するため手術用内視鏡カメラのレンズをクリーニングするためのシステムおよび方法を提供する。
【0024】
本発明の複数の態様は、それを通して内視鏡カメラを体腔内に導入でき、かつ、デバイス内でカメラを自動的にクリーニングするための機構を有する、低侵襲手術のためのアクセス用デバイスを提供する。デバイスは、(1)カメラのレンズをクリーニングするための生理食塩水と、(2)低侵襲手術において体腔の送気用にルーチンに用いられ、かつ、レンズをすすいだ後に残った生理食塩水をレンズから取り除くためにも用いられてよい二酸化炭素(CO2)とを、別個に送達するための、2つの別個のチャネルシステムを備えるトロカールであってもよい。チャネルの各々は、トロカールの長さに沿って走行していてもよく、かつ、体腔内に位置する端部であるトロカールの遠位端に位置する(生理食塩水またはCO2のいずれかのための)出口部位を有していてもよい。これらチャネルの各々は、トロカールデバイスの管腔に取り付けられたチュービングを通して送達されてもよい生理食塩水およびCO2のエクスビボ供給源に別個に接続されてもよい。
【0025】
生理食塩水によるすすぎを作動させるためのさまざまな機構を説明する。1つの機構は、内視鏡カメラがトロカール内に引き戻されるとこれを感知でき、かつ、加圧された生理食塩水をカメラのレンズに送達するよう信号を送る、トロカール内に位置するセンサーを用いる。別の機構は外科医が作動させる機構であり、この機構において、外科医は、内視鏡カメラがトロカール内に引き入れられるとカメラのレンズに対する生理食塩水すすぎの送達を作動させるボタンを係合させることができる。ボタン機構は、生理食塩水のエクスビボリザーバとトロカールとの間の生理食塩水用チュービングに設けられたボタンであってもよく、そして、カメラ操作者の指で容易に押せるようカメラ自体に取り付けられてもよい。これら2つの機構のいずれかによる生理食塩水の送達後、内視鏡カメラは、体腔内に再挿入される際に、トロカールの最遠位端において二酸化炭素の絶え間ない流れに遭遇する可能性があり、これにより、カメラレンズに残った生理食塩水が取り除かれる。
【0026】
例示的なトロカール
図1を参照すると、本発明の1つの態様は、中心チャネル103を画定する中心シリンダー102と、1つまたは複数(例えば1つ、2つ、3つ、4つなど)の気体アウトレット104と、1つまたは複数(例えば1つ、2つ、3つ、4つなど)の液体アウトレット106とを備えるトロカール100を提供する。気体アウトレット104および液体アウトレット106は、さまざまな放射方向位置と、単一の遠位方向深度またはさまざまな遠位方向深度とに配置されてもよい。例えば、気体アウトレット104および液体アウトレット106は、例えば約180°離れた2つのアウトレット、約120°離れた3つのアウトレット、約90°離れた4つのアウトレットなど、中心チャネル103の中心軸に対して垂直な輪に沿って配置されていてもよい。
【0027】
トロカール100は、対象の体内に挿入するよう適合および構成された遠位端108と、対象の体外に残るよう適合および構成された近位端110とを有していてもよい。例えば、遠位端108は、対象を穿通して体腔にアクセスするため、鋭利になっているかかつ/または斜角がついていてもよい。トロカール100は、キャスティング、モールディング、機械加工、熱成形、熱硬化、射出成形、真空成形、および付加製造(additive manufacturing)(3Dプリンティングとしても知られる)などを含むさまざまな技法を用いて、金属(例えばステンレス鋼)、ポリマー、およびプラスチックなどさまざまな材料から作製されてもよい。
【0028】
トロカール100はさまざまな手術ニーズに対応するためさまざまな寸法を有していてもよい。例えば、中心チャネル103の内径は約5 mm、約10 mm、および約12 mmなどであってもよい。トロカール100は、約75 mmおよび約100 mmなど、さまざまな長さを有していてもよい。
【0029】
気体アウトレット104は、遠位端108の近傍で中心シリンダー102内に位置していてもよい。例えば気体アウトレット104は、遠位端108から約0 cm〜約1 cm、約1 cm〜約2 cm、約1.5 cm〜約2.5 cm、および約2 cm〜約3 cmなどの距離(例えば、最も遠い点から、トロカール100の中心軸と平行に測定した距離)を有していてもよい。
【0030】
液体アウトレット106は、1つまたは複数の気体アウトレット104の近位側で中心シリンダー102内に位置していてもよい。例えば液体アウトレット106は、気体アウトレット104から約0 cm〜約1 cm、約1 cm〜約2 cm、約2 cm〜約3 cm、約3 cm〜約4 cm、および約3.5 cm〜約4.5 cmなどの距離(例えばトロカール100の中心軸と平行に測定した距離)を有していてもよい。
【0031】
気体アウトレット104および/または液体アウトレット106は、中心シリンダー102の中心に達しそして内視鏡のレンズをクリーニングできる充分な液体フローを生成するのに充分な形状および/またはサイズを有していてもよい。例えば、気体アウトレット104および/または液体アウトレット106は、約0.1 mm〜約3 mmで選択される直径または最大断面寸法を有していてもよい。1つの態様において、流出した液体が内視鏡のレンズに向かって後ろ向きに導かれるよう、液体アウトレット106はトロカール100内で逆行性に角度がついていてもよい。
【0032】
気体アウトレット104および/または液体アウトレット106は、気体および/またはガスの速度を増大させるため、気体および液体を供給するチャネルより小さい断面寸法を有していてもよい。例えば、該アウトレット104および/または液体アウトレット106の総断面積は、気体または液体の供給チャネルの断面積より、少なくとも約10分の1、約100分の1、および約1000分の1などの倍率で小さくてもよい。
【0033】
本明細書においてさらに説明するように、1つまたは複数の液体アウトレット106の動作は、トロカール100の中心チャネル102内の完全伸展位置から1つまたは複数の液体アウトレット106の近傍の位置まで内視鏡が引き戻されると液体を吐出するよう適合、構成、および/またはプログラムされてもよい。
【0034】
例示的な動作モード
図3A〜3Dは例示的な動作モードを示している。
【0035】
図3Aにおいて、内視鏡302がトロカール100の中を遠位方向に進められ、そしてレンズ306上のデブリ304によって遮られる。体腔の送気のため、気体308が気体アウトレットから流出して内視鏡302を通り過ぎる。
【0036】
図3Bにおいて、内視鏡302が近位方向に部分的に引き戻される。液体310が液体アウトレットから吐出される。
【0037】
図3Cにおいて、内視鏡302が再び進められる。流体フローが止まるが、レンズ306は例えば液滴などで濡れている。
【0038】
図3Dにおいて、内視鏡のレンズ306が気体アウトレットに近接するよう、内視鏡302がさらに進められ、これによりレンズ206から液体が飛ばされる。
【0039】
流体通路
気体および液体がさまざまな構造を通して気体アウトレット104液体アウトレット106に提供されてもよい。1つの態様において、図2Cおよび図2Dに示すように、1つまたは複数のコンジットが中心チャネル102の内部または外部に配列されていてもよい。
【0040】
再度図1および図2Aを参照すると、1つの態様において、トロカール100は、中心シリンダー102を囲んでいる複数の同軸シリンダー112、114を備える。同軸シリンダー112、114は、隣り合うシリンダー102、112、114の間で実質的に円筒形のチャネル116、118を画定してもよい。流体チャネル116、118(特に水チャネル116)の断面表面積を大きくすると、チャネル116、118内の流体に印加される摩擦が小さくなる。その結果、圧力を大幅に上昇させる必要を伴わずに、液体および気体をそれぞれ気体インレット120および液体インレット122から気体ポート104および液体ポート106まで提供することができる。例えば、CO2を、手術室で用いることができる典型的な圧力(例えば約0気圧〜約20気圧)またはそれ以下で提供することができる。同様に、液体(例えば生理食塩水)を、手動式の静注バッグ加圧カフで生成できる圧力など最小限の圧力でトロカール100の遠位端108まで提供できる。気体および/もしくは液体は、気体インレット120および液体インレット122、または、気体アウトレット104および/もしくは液体アウトレット106のいずれかにおいて、約1 mmHg〜約15 mmHg、約10 mmHg〜約50 mmHg、約50 mmHg〜約500 mmHg、および約500 mmHg〜約1,000 mmHgなどの圧力でトロカールに提供されてもよい。
【0041】
図6A〜6Hに示す別の態様において、トロカール600は、気体ポート120と気体アウトレット104とを接続する気体通路608と、液体ポート122と液体アウトレット106とを接続する液体通路610とを画定する1つまたは複数のガスケット604によって隔てられた、中心シリンダー602と外部シリンダー606とを備える。ガスケット604はエラストマーなどさまざまな材料から作製されてもよい。1つの態様において、ガスケット604は、中心シリンダー602または外部シリンダー606のいずれかに(例えば接着剤によって)適用される。次に、例えば、外部シリンダー606の熱膨張および/または中心シリンダー602の熱収縮によって容易にされてもよい締り嵌めなどによって、2つのシリンダー602、606が組み付けられてもよい。
【0042】
流体フローの制御
本発明の1つの態様において、体腔の送気を支持するため、気体(例えばCO2)が気体インレット120から気体ポート104まで持続的に流れる。
【0043】
体腔で液体があふれること、および、下流にある内視鏡302の妨げとなることなどを回避するため、液体フローの切り替えが提供されてもよい。さまざまな制御機構が用いられてもよい。例示的なアプローチを本明細書に説明する。
【0044】
スイッチ、センサー、および/または他の制御アーキテクチャが、トロカール100に沿った任意の点、ならびに/または、トロカール100の内部および/もしくは外部の任意の点に置かれてもよい。1つの態様において、1つまたは複数のスイッチ、センサー、および/もしくは他の制御アーキテクチャが、トロカール100の遠位端108またはその近くに位置していてもよい。別の態様において、1つまたは複数のスイッチ、センサー、および/もしくは他の制御アーキテクチャが、トロカール100の近位端110またはその近くに位置していてもよい。また他の態様において、1つまたは複数のスイッチ、センサー、および/もしくは他の制御アーキテクチャが、トロカール100の外部にあってもよく、そして例えば内視鏡302上にマウントされるかまたは内視鏡302に統合されていてもよい。
【0045】
例えば、そして図1を参照すると、単一のスイッチ/センサー(またはスイッチ/センサーのアレイ)124が気体ポート104より遠位に位置していてもよい。そのような態様は、内視鏡302が引き戻されてスイッチを通り過ぎたこと(例えば、内視鏡302の検出状態から内視鏡302の不在状態への変化)をスイッチ/センサー124が検出した後、規定の時間(例えば約5秒〜約10秒など)にわたってフローが生じるように、流体フローを制御するよう構成された制御デバイスを含んでいてもよい。検出されるそのような事象は、外科医が内視鏡302をクリーニングのため部分的に引き戻しているか、または、内視鏡302を完全に引き戻しているか(その場合も、トロカール100の近位部分の汚れを回避するため、やはりクリーニングが望ましい)のいずれかを示唆する。
【0046】
図1をなお参照すると、別の実施例において、第一スイッチ/センサー124が液体ポート106より遠位に位置し、そして第二スイッチ/センサー126が液体ポート106より近位に位置するよう、2つのスイッチ/センサー(またはスイッチ/センサーのアレイ)124、126が配置されていてもよい。第二スイッチ/センサー126が内視鏡302を検出し、そして第一スイッチ/センサー124が内視鏡を検出しない場合は、内視鏡302のレンズが第二スイッチ/センサー126と第一スイッチ/センサー124との間にあることを示しており、その際、流体フローを駆動するよう制御デバイスが構成されていてもよい。
【0047】
別の態様において、内視鏡の遠位端が液体アウトレット106の近傍に存在することをセンサー126が検出して、液体フローを引き起こす。
【0048】
さらに別の態様において、内視鏡が遠位方向に進められた位置から引き戻されるとこれを検出するため、トロカール100の近位端110または内視鏡のいずれかにセンサーが置かれていてもよい。例えば、内視鏡302をいっぱいまで前進させるとスイッチが係合されるよう、フランジまたは軸方向に面した他の表面上にセンサーが置かれていてもよい。
【0049】
さまざまなスイッチおよびセンサーが用いられてもよい。
【0050】
1つの態様において、スイッチは、圧縮および/または他の物理的な力に基づいて流体フローを制御する機械式スイッチである。そのようなスイッチは、内視鏡302がトロカール100の中心チャネル103を通って前進または後退される際に係合/脱係合してもよい。例えば、内視鏡302が挿入される際に、中心チャネル103内に突出したボール弁(例えば、中心チャネル103内に突出したバネ荷重式ボールベアリングを含む)またはレバーが押し下げられてもよい。
【0051】
図7Aに、流体フローを制御するための機械式スイッチ/センサー(スイッチ702)を有するトロカールの1つの態様を示す。同図の態様において、内視鏡704がスイッチ702を通り過ぎて近位方向に引き戻されると、スイッチが流体フローを作動させる。さらに、内視鏡704がスイッチ702を通り過ぎて遠位方向に挿入されると、スイッチが流体フローを作動解除する。スイッチ702は、内視鏡704により接触されそして作動解除されうるよう、中心チャネル内に突出したレバーを含んでいてもよい。スイッチ702は、図7Aに示すように遠位端108の近くに位置していてもよく、または、スイッチ702は近位端110の近くに位置していてもよい。種々の態様において、1つより多い機械式スイッチ/センサーが含まれていてもよい。加えて、他の態様において、他のタイプの機械式スイッチが実施されてもよい。例えば、レバースイッチの代わりにボール弁が用いられてもよい。
【0052】
別の態様において、スイッチ/センサーは光学式スイッチ/センサーである。例えば、スイッチは光学式(例えばレーザー)センサーを含んでいてもよい。
【0053】
他の例示的なスイッチ/センサーとして、スイッチ/センサー内および/または内視鏡302内にある磁石の間の強磁気力に基づいて係合または脱係合されてもよい、磁気式スイッチ/センサーが含まれる。磁気式スイッチの1つの例は、米国特許第2,264,746号に説明されているものなどの磁気リードスイッチである。
【0054】
他の例示的なセンサーとして、内視鏡302内の磁石が、トロカール100内にマウントされたセンサーに対して動かされた際に、電気回路をまたぐ電圧差を検出する、ホール効果センサーが含まれる。
【0055】
図7Bに、電子式スイッチ/センサー706を有する1つの態様を示す。同図の態様において、内視鏡704がスイッチ706を通り過ぎて近位方向に引き戻されると、スイッチ706が流体フローを作動させる。さらに、内視鏡704がスイッチ706を通り過ぎて遠位方向に挿入されると、スイッチ706が流体フローを作動解除する。電子式スイッチ706は、内視鏡704の位置に基づいて流体フローを制御できるよう、磁気式スイッチ/センサーまたは光学式スイッチ/センサーのうち任意の1つであってもよい。種々の態様において、1つより多い電子式スイッチ/センサーが含まれていてもよい。
【0056】
手動による液体の吐出
次に図4を参照すると、生理食塩水を注入する第二の機構は、加圧生理食塩水バッグとトロカール100上の生理食塩水入力用チャネル118との間で生理食塩水用チュービング402と直列に置かれたボタンによって制御されてもよい。このボタン406は、カメラ操作者がこのボタン406にアクセスしやすいよう、内視鏡カメラ302の手持ち部分に連結されてもよい。このボタン406が押し下げられると、チュービング402およびトロカール100を通る生理食塩水のフローが開始される。いずれの生理食塩水注入機構においても、内視鏡302は、術野内に再挿入されると、トロカール100の最遠位端において二酸化炭素の流れに遭遇し、これにより、レンズ306に残った生理食塩水が取り除かれる。
【0057】
図7Cおよび図7Dの態様は、スイッチ/センサー712、716がトロカールの外部にある、遠隔式スイッチ/センサーを含む。例えば図7Cの態様において、スイッチ/センサー712は内視鏡カメラのハンドル714上に位置する。図7Dの態様において、スイッチ/センサー716は足で駆動するよう適合および構成されている。
【0058】
ここで図7Cを見ると、手動スイッチ/センサー712がハンドル714上に位置し、そして流体フローを制御するためトロカールに通信可能式に連結されている。1つの態様において、スイッチ712は、液体アウトレットへの液体のフローを制御するため、トロカールと直接的または間接的に通信するよう適合および構成されていてもよい。スイッチ712は、ロッカースイッチ、圧力スイッチ、または押しボタンスイッチなどであってもよい。1つの態様において、スイッチ712を作動させると流体フローが作動され、スイッチ712を作動解除すると流体フローが作動解除される。スイッチ712は、ユーザーが作動および作動解除できるよう、ハンドル714上の任意の位置に位置していてもよい。1つの態様において、スイッチ712は、押下状態にあると作動し、解放状態にあると作動解除する。しかし別の態様において、スイッチ712は、解放状態にあると作動しそして押下状態にあると作動解除してもよい。
【0059】
図7Dに、手動スイッチ/センサー716が足作動式スイッチである態様を示す。スイッチ716は、液体アウトレットから出る液体のフローを制御するため、トロカールに通信可能式に連結されていてもよく、そして、トロカールと直接的または間接的に通信するよう適合および構成されていてもよい。1つの態様において、スイッチ716は、ロッカースイッチ、圧力スイッチ、または押しボタンスイッチなどのうち1つと相互作用するフットペダルを含む。しかし他の態様において、スイッチ716は、スイッチを含みそしてフットペダルを含まなくてもよい。スイッチ716は、作動させるためユーザーの足の近傍で地上に位置決めされてもよい。他の態様において、スイッチ716は、ユーザーが作動させる前にまず足を拳上するよう、ハウジングの中または上の、地上より上方に位置決めされてもよい。1つの態様において、スイッチ716は、押下状態にあると作動し、解放状態にあると作動解除する。別の態様において、スイッチ716は、解放状態にあると作動し、押下状態にあると作動解除する。
【0060】
リレー
いくつかの態様において、トロカール内の特定の位置における内視鏡の有無に基づく、スイッチまたはセンサーの作動が、弁を直接駆動して開閉させるよう、スイッチおよび/またはセンサーは、電気機械式に駆動される弁に直接連結されたリレーとして作用する。
【0061】
いくつかの態様において、弁は、ボタン406と同じハウジング内にあり、そして、トロカール内のスイッチ/センサーかまたはボタン406の駆動かのいずれかによる入力に基づいて弁が開くよう構成される。
【0062】
弁、スイッチ、および/またはセンサー(例えば、トロカール、内視鏡ハンドル、およびフットペダルなどの上のスイッチ/センサー)は、さまざまな機械的リンケージおよび/または有線もしくは無線のインターフェースを用いて連結されてもよい。
【0063】
例示的な有線プトロコルとして、ユニバーサルシリアルバス(USB)、USB 2.0、IEEE 1394、周辺構成要素相互接続(PCI)、イーサネット、およびギガビットイーサネットなどがある。USB標準およびUSB 2.0標準はAndrew S. Tanenbaum, Structured Computer Organization Section §3.6.4(5th ed. 2006)およびAndrew S. Tanenbaum, Modern Operating Systems 32(2d ed. 2001)などの刊行物に説明されている。IEEE 1394標準はAndrew S. Tanenbaum, Modern Operating Systems 32(2d ed. 2001)に説明されている。PCI標準はAndrew S. Tanenbaum, Modern Operating Systems 31(2d ed. 2001);Andrew S. Tanenbaum, Structured Computer Organization 91, 183-89(4th ed. 1999)に説明されている。イーサネット標準およびギガビットイーサネット標準はAndrew S. Tanenbaum, Computer Networks 17, 65-68, 271-92(4th ed. 2003)に説明されている。
【0064】
例示的な無線プロトコルとして、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE 802.11、およびIEEE 802.15.4などがある。BLUETOOTH(登録商標)標準はAndrew S. Tanenbaum, Computer Networks 21, 310-17(4th ed. 2003)に論じられている。IEEE 802.11標準はAndrew S. Tanenbaum, Computer Networks 292-302(4th ed. 2003)に論じられている。IEEE 802.15.4標準はYu-Kai Huang & Ai-Chan Pang, "A Comprehensive Study of Low-Power Operation in IEEE 802.15.4" in MSWiM'07 405-08(2007)に説明されている。
【0065】
制御ユニット
1つの態様において、スイッチ/センサーは、(例えば有線もしくは無線通信の装置および/またはプロトコルを通じて)制御ユニットと通信可能式に連結される。制御ユニットは、(例えば液体インレット122へのフローを調節することによって)液体のフローを調整する1つまたは複数のスイッチの動作を制御するようプログラムされた、電子デバイスであってもよい。制御ユニットは、医療従事者による入力を必要とせず自律的に流体フローを制御するようプログラムされていてもよく、またはそのような入力を組み込んでいてもよい。
【0066】
制御ユニットは、マイクロコントローラー(例えばARDUINO(登録商標)またはIOIO(商標)などの商標名で入手可能)、汎用コンピューター(例えばパーソナルコンピューターまたはPC)、ワークステーション、およびメインフレームコンピューターシステムなどの計算デバイスであってもよい。制御ユニットは、プロセッサデバイス(例えば中央処理装置または「CPU」)、メモリデバイス、記憶デバイス、ユーザーインターフェース、システムバス、および通信インターフェースを含んでいてもよい。
【0067】
プロセッサは、命令の実行およびデータの処理などを行うための任意のタイプの処理デバイスであってもよい。
【0068】
メモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読出し専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、および電気消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(「EEPROM」)などのうち任意の1つまたは複数を含む、任意のタイプのメモリデバイスであってもよい。
【0069】
記憶デバイスは、取り外し可能式および/または統合式の、光学式、磁気式、および/または光磁気式の任意の記憶媒体など(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ「CD-ROM」、書換え可能コンパクトディスク「CDRW」、デジタル多用途ディスクROM「DVD-ROM」、およびDVD-RWなど)から/に、読出し/書込みを行うための、任意のデータ記憶デバイスであってもよい。記憶デバイスはまた、システムバスに接続するためのコントローラ/インターフェースも含んでいてもよい。ゆえに、メモリデバイスおよび記憶デバイスは、データと併せて、プロセッサ上で実行されるプログラム処理のための命令も記憶するのに適している。
【0070】
ユーザーインターフェースは、対応する入出力デバイス用インターフェース/アダプターを通してシステムバスに接続できる、タッチスクリーン、制御パネル、キーボード、キーパッド、ディスプレイ、または他の任意のタイプのインターフェースを含んでいてもよい。
【0071】
通信インターフェースは、スイッチ/センサーを含む任意のタイプの外部デバイスと通信するよう適合および構成されていてもよい。通信インターフェースはさらに、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットなどにある1つまたは複数の計算デバイスなど、任意のシステムまたはネットワークと通信するよう適合および構成されていてもよい。通信インターフェースは、システムバスに直接接続されてもよく、または好適なインターフェースを通して接続されてもよい。
【0072】
ゆえに制御ユニットは、本発明に基づいて弁を制御するためのアルゴリズムを含んでいてもよい処理を、制御ユニットそれ自体で、および/または、1つもしくは複数の追加的デバイスとともに、実行することを可能にしてもよい。制御ユニットは、任意のプラットフォーム上で任意の通信プロトコルおよび/またはプログラム言語に基づき、これらの処理を行うようプログラミングまたは命令されてもよい。ゆえに、その処理は、プロセッサ上で実行されるよう、メモリデバイスおよび/もしくは記憶デバイス内に記憶されるかまたはユーザーインターフェースおよび/もしくは通信インターフェースにおいて受け取られる、データおよび命令として具現化されてもよい。
【0073】
制御ユニットは弁の動作をさまざまな方式で制御してもよい。例えば、制御ユニットが弁に電気信号を送ってもよい。代替的に、制御ユニットが、弁が実行するための命令および/またはパラメータを弁に伝送してもよい。
【0074】
等価物
以上に、具体的な用語を用いて本発明の好ましい態様を説明したが、そのような説明は例示を目的としているにすぎず、以下の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく変更およびバリエーションが可能であることが理解されるべきである。
【0075】
参照による組み入れ
本明細書において引用されているすべての特許、公開特許出願、および他の参照物の全内容は、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み入れられる。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図7】
【国際調査報告】