(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523686
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】手術システム用の術前計画及び関連する術中見当合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20190802BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !A61B34/10
   !A61B17/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】90
(21)【出願番号】2018569187
(86)(22)【出願日】20160527
(85)【翻訳文提出日】20190128
(86)【国際出願番号】US2016034847
(87)【国際公開番号】WO2017204832
(87)【国際公開日】20171130
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】509282125
【氏名又は名称】マコー サージカル コーポレイション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 フロリダ 33317, フォート ローダーデール, デイビー ロード 2555
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン カール オトー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥラ ザファル アバシ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】ミラン イキッツ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ペレス
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】シャン ムー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】シーピン リー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
(72)【発明者】
【氏名】ター−チョン チャン
【住所又は居所】アメリカ合衆国,フロリダ 33317,フォートローダーデール,デビー ロード 2555
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL26
4C160LL27
4C160LL28
4C160LL29
4C160LL70
(57)【要約】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技(procedure)を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、多角形表面メッシュを含む、ステップと、多角形表面メッシュ上において後部ポイントの場所を識別するステップと、場所において又はその近傍においてセンタリングされた三次元形状を生成するステップと、三次元形状によって含まれうる多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最後部頂点を識別するステップと、後部切除深さを判定するための要因として最後部頂点を使用するステップと、後部切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の骨に対する関節形成手技(procedure)を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、
前記患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、前記患者骨モデルは、多角形表面メッシュを有する、ステップと、
前記多角形表面メッシュ上において後部ポイントの場所を識別するステップと、
前記場所において又はその近傍においてセンタリングされた三次元形状を生成するステップと、
前記三次元形状によって含まれている前記多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最後部頂点を識別するステップと、
後部切除深さを判定するための要因として前記最後部頂点を使用するステップと、
前記後部切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1三次元骨モデル上の第1後部ポイントの第1場所を識別するステップと、前記第1三次元骨モデル上の前記第1場所を前記三次元患者骨モデル上の前記場所にマッピングするステップと、更に有し、前記第1場所は、前記場所と位置的に相関されている請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1三次元骨モデルは、汎用骨モデルである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記三次元形状は、約7mmの半径を有する球体を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記半径は、スケーリング係数によって乗算される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スケーリング係数は、前記三次元患者骨モデルと汎用骨モデルの間の内側−外側又は前部−後部サイズ差のうちの1つである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記多角形表面メッシュは、三角形表面メッシュである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記三次元形状は、球体を有する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、
前記患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、前記患者骨モデルは、多角形表面メッシュを有する、ステップと、
前記多角形表面メッシュ上において遠位ポイントの場所を識別するステップと、
前記場所において又はその近傍においてセンタリングされた三次元形状を生成するステップと、
前記三次元形状によって含まれている前記多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最遠位頂点を識別するステップと、
前記最遠位頂点が、前記三次元形状の境界に過剰に近接しているかどうかを判定するステップと、
前記最遠位頂点が前記三次元形状の前記境界に過剰に近接していない場合に、遠位切除深さを判定するための基礎として前記最遠位頂点を使用するステップと、
前記遠位切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項12】
前記三次元形状は、Rxが内側−外側に延在し、Ryが前部−後部に延在し、且つ、Rzが遠位−近位に延在するように、前記三次元患者骨モデルとの関係において方向付けされた楕円体を有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
Rxは、約7mmであり、Ryは、約10mmであり、且つ、Rzは、約7mmである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記最遠位頂点の場所が、楕円体関数f=x/a+y/b+z/cにおいて、0.65を上回っている場合に、前記最遠位頂点は、前記楕円体の前記境界に過剰に近接しており、この場合に、xは、前記第1場所と前記最遠位頂点の間のx方向における差であり、yは、前記第1場所と前記最遠位頂点の間のy方向における差であり、zは、前記第1場所と前記最遠位頂点の間のz方向における差であり、aは、Rxであり、bはRyであり、且つ、cはRzである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルである請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記三次元形状は、楕円体、球体、プリズム、立方体、又は円筒形を有する請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、
前記患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、前記患者骨モデルは、多角形表面メッシュを有する、ステップと、
前記多角形表面メッシュ上において遠位ポイントの場所を識別するステップと、
前記場所において又はその近傍においてセンタリングされた第1三次元形状を生成するステップと、
前記第1三次元形状によって含まれている前記多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最遠位頂点を識別するステップと、
前記最遠位頂点が骨棘上において配置されているかどうかを判定するステップと、
前記最遠位頂点が前記骨棘上において配置されているかどうかに基づいて、遠位切除深さを判定するための基礎として前記最遠位頂点又は前記最遠位頂点の調節済みの場所を使用するステップと、
前記遠位切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項19】
前記最遠位頂点が骨棘上において配置されているかどうかを判定するステップは、前記最遠位頂点と前記場所の間において位置決めされた第2三次元形状を生成するステップを有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2三次元形状によって含まれている前記多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、前記遠位頂点が骨棘上において配置されているかどうかを判定するべく前記特定の頂点と関連する情報を使用するステップと、を更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記情報は、関節表面から突出する骨棘の存在と関連する方向における最小及び最大値である請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2三次元形状によって含まれている前記多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、前記遠位頂点が骨棘上において配置されているかどうかを判定するべく、特定の座標方向において前記第2三次元形状によって含まれている前記特定の頂点のうちの1つのものの最小頂点値及び前記特定の座標方向において前記第2三次元形状によって含まれている前記特定の頂点のうちの別のものの最大頂点値を使用するステップと、を更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記最大頂点値と前記最小頂点値の間の差を判定するステップと、前記骨棘の存在を判定するべく前記差を使用するステップと、を更に有する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2三次元形状は、約2mmの半径を有する球体を有し、且つ、前記最遠位頂点から前記場所に向かって1mmのところでセンタリングされている請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記球体の境界によって含まれている前記多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、特定の座標方向において前記境界によって含まれている前記特定の頂点のうちの1つのものの最大頂点値と前記特定の座標方向において前記境界によって含まれている前記特定の頂点のうちの別のものの最小頂点値の間の差を判定するステップと、を更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記球体のサイズを増大させるのか又は減少させるのかを判定するべく、前記差を使用するステップを更に有する請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1三次元形状は、楕円体を有する請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記第2三次元形状は、球体を有する請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項18に記載の方法。
【請求項30】
患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップと、
前記患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、前記患者骨モデルは、三次元座標系内において方向付けされ、且つ、多角形表面メッシュを有する、ステップと、
切除プレーンと関連する前記三次元座標系内の特定の方向を識別するステップと、
前記多角形表面メッシュ上において場所を識別するステップと、
前記場所において又はその近傍において表面を生成するステップと、
前記特定の方向において前記表面を超えて最も遠くに延在する前記多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの特定の頂点を識別するステップと、
特定の切除深さを判定するための要因として前記特定の頂点を使用するステップと、
前記特定の切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記特定の切除データは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項31】
前記表面は、プレーンである請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記表面は、三次元形状である請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記三次元形状は、球体、楕円体、プリズム、又は立方体である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
第1三次元骨モデル上の第1後部ポイントの第1場所を識別するステップと、前記第1三次元骨モデルの前記第1場所を前記三次元患者骨モデル上の前記場所にマッピングするステップと、を更に有し、前記第1場所は、前記場所と位置的に相関されている請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記第1三次元骨モデルは、汎用骨モデルである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記表面は、約7mmの半径を有する球体を有する請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記半径は、スケーリング係数によって乗算される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記スケーリング係数は、前記三次元患者骨モデルと汎用骨モデルの間の内側−外側又は前部−後部サイズ差のうちの1つである請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項30に記載の方法。
【請求項40】
患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーン及びチェックポイント位置決めデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、
前記患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、前記患者骨モデルは、多角形表面メッシュを有する、ステップと、
前記患者骨モデル上において第1チェックポイントの第1場所を識別するステップと、
前記患者骨モデルとの関係において切除プレーンの第2場所を識別するステップであって、前記切除プレーンは、切除の後に曝露される前記患者骨モデル上の切除表面を定義している、ステップと、
前記場所から前記切除表面上のポイントまでの最短符号付き距離ベクトルを判定するステップと、
前記第1チェックポイントの前記第1場所が前記切除プレーンの前記第2場所に過剰に近接した状態において配置されているかどうかを判定するべく、前記最短符号付き距離ベクトルと関連する情報を使用するステップと、
前記情報を使用することによって切除及びチェックポイント位置決めデータを生成するステップであって、前記切除及びチェックポイント位置決めデータは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項41】
前記切除表面の法線を識別するステップを更に有し、前記法線は、前記患者骨モデルから離れるように、且つ、前記切除表面に対して垂直に、延在している請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記法線及び前記最短符号付き距離ベクトルが反対方向において向いている際に、前記第1チェックポイントの前記第1場所が、前記切除プレーンの前記第2場所に過剰に近接した状態において配置されていると判定するステップを更に有する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記患者骨モデルは、大腿骨モデルである請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記患者骨モデルは、脛骨モデルである請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記法線及び前記最短符号付き距離ベクトルが同一の方向において向いており、且つ、前記最短符号付き距離ベクトルの大きさが約4.50mm以下である際に、前記チェックポイントが、前記切除プレーンに過剰に近接した状態において配置されていると判定するステップを更に有する請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記患者骨モデルは、大腿骨モデルである請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記患者骨モデルは、脛骨モデルである請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項40に記載の方法。
【請求項49】
外側大腿骨エリア、近位大腿骨エリア、及び後部大腿骨エリアを有する患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用されるインプラント位置及び向きデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップと、
前記患者データから三次元患者大腿骨モデルを生成するステップであって、前記患者大腿骨モデルは、表面境界と、皮質領域と、を有し、前記患者大腿骨モデルは、内側−外側におけるX軸、+Y軸が前記後部大腿骨エリアに向かって向いている状態における前部−後部方向におけるY軸、及び+Z軸が前記近位大腿部エリアに向かって向いている状態における上方−下方方向におけるZ軸を有する三次元座標系内に位置している、ステップと、
上方エッジを有する前部フランジ部分と、平坦であると共に前記上方エッジと隣接している前部骨切除接触表面と、を有する三次元大腿骨インプラントモデルを取得するステップと、
前記患者大腿骨モデルとの関係において前記大腿骨インプラントモデルの位置及び向きを判定するステップと、
前記前部骨切除接触表面と同一平面上にある触覚プレーンを延在させるステップであって、前記触覚プレーンは、前記大腿骨インプラントモデルの前記前部フランジ部分の前記上方エッジの上方において位置決めされた上方境界を有する、ステップと、
前記触覚プレーンの前記上方境界上において一連のポイントを識別するステップと、
前記Y軸に沿って、前記一連のポイントのそれぞれから、前記患者大腿骨モデルの前記表面境界の対応する表面に、ベクトルを投射するステップと、
前記頂点のうちの最小のものの長さ及び方向に基づいて、ノッチングが発生すると判定するステップと、
前記患者大腿骨モデルとの関係における前記大腿骨インプラントモデルの前記判定された位置及び向きに基づいてインプラントコンポーネント位置及び向きデータを生成するステップであって、前記インプラントコンポーネント位置及び向きデータは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項50】
ノッチングは、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記長さが、0mm以上であり、且つ、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記方向が、前記座標系の前記+Y軸とは反対である際に、発生する請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ノッチングは、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記長さが0mm超であり、且つ、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記方向が、前記座標系の前記+Y軸と同一の方向にある際には、発生しない請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記長さは、ノッチングの知覚可能な深さに基づいている請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記一連のポイントは、前記触覚プレーンの前記上方境界に沿って均等に離隔している請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記一連のポイントは、前記患者大腿骨モデルの前記皮質領域における又はその近傍における曲率半径に基づいて均等に離隔している請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記一連のポイントは、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さに基づいて均等に離隔している請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記一連のポイントは、前記患者大腿骨モデルの前記皮質領域における又はその近傍における曲率半径と、視覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さと、に基づいて均等に離隔している請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記一連のポイントは、約3.15mmだけ離れた状態において均等に離隔している請求項49に記載の方法。
【請求項58】
前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる請求項49に記載の方法。
【請求項59】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律的ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項49に記載の方法。
【請求項60】
外側大腿骨エリア、近位大腿骨エリア、及び後部大腿骨エリアを有する患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用されるインプラント位置及び向きデータを生成する方法であって、
前記患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、前記患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、
前記患者データから三次元患者大腿骨モデルを生成するステップと、
上方境界エッジを有する関連する触覚切除オブジェクトを有する前部フランジ部分を有する三次元大腿骨インプラントモデルを取得するステップと、
前記患者大腿骨モデルとの関係における前記大腿骨インプラントモデルの位置及び向きを判定するステップと、
前記上方境界エッジと前記三次元患者大腿骨モデルの交差に基づいてノッチングが発生すると判定するステップと、
前記患者大腿骨モデルとの関係における前記大腿骨インプラントモデルの前記判定された位置及び向きに基づいてインプラントコンポーネント位置及び向きデータを生成するステップであって、前記インプラントコンポーネント位置及び向きデータは、前記関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項61】
前記三次元患者大腿骨モデルは、表面境界と、皮質領域と、を有し、前記患者大腿骨モデルは、内側−外側におけるX軸、+Y軸が前記後部大腿骨エリアに向かって向いている状態における前部−後部方向におけるY軸、並びに、+Z軸が前記近位大腿骨エリアに向かって向いている状態における上方−下方方向におけるZ軸を有する三次元座標系内に位置しており、
方法は、
前記触覚切除オブジェクトの前記上方境界エッジ上において一連のポイントを識別するステップと、
前記Y軸に沿って、前記一連のポイントのそれぞれから、前記患者大腿骨モデルの前記表面境界の対応する表面に、ベクトルを投射するステップと、
前記ベクトルのうちの最小のものの長さ及び方向に基づいてノッチングが発生すると判定するステップと、
を更に有する請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ノッチングは、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記長さが0mm以上であり、且つ、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記方向が、前記座標系の前記+Y軸とは反対である際に、発生する請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ノッチングは、前記ベクトルのうちの前記最小ものの前記長さが0mm超であり、且つ、前記ベクトルのうちの前記最小のものの前記方向が、前記座標系の前記Y軸と同一の方向にある際には、発生しない請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記長さは、ノッチングの知覚可能な深さに基づいている請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記一連のポイントは、前記上方境界エッジに沿って均等に離隔している請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記一連のポイントは、前記患者大腿骨モデルの前記皮質領域における又はその近傍における曲率半径に基づいて均等に離隔している請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記一連のポイントは、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さに基づいて均等に離隔している請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記一連のポイントは、前記患者大腿骨モデルの前記皮質領域における又はその近傍における曲率半径と、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さと、に基づいて均等に離隔している請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記一連のポイントは、約3.15mmだけ離れた状態において均等に離隔している請求項61に記載の方法。
【請求項70】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項60に記載の方法。
【請求項71】
軟骨内において少なくとも部分的にカバーされている患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法であって、
骨モデル表面を有する三次元患者骨モデルを受け取るステップであって、前記三次元患者骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して前記患者の骨の位置及び向きと相関されており、前記三次元患者骨モデルは、三次元座標系内に位置している、ステップと、
術中見当合わせのために前記三次元患者骨モデルの前記骨モデル表面上においてターゲット領域を識別するステップと、
前記三次元骨モデルの前記骨モデル表面上の前記ターゲット領域内のポイントに対応する場所における前記患者の骨の上部の前記軟骨の前記術中見当合わせに基づいて第1の複数のポイントの場所データを受け取るステップと、
前記第1の複数のポイントの前記場所データに少なくとも部分的に基づいて切除深さを判定するステップと、
前記切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技において前記ナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項72】
前記第1の複数のポイントの前記場所データを前記三次元座標系内にマッピングするステップを更に有する請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記切除深さを判定するステップは、前記第1の複数のポイントと前記骨モデル表面上の前記ターゲット領域の間の深さ差を判定するステップを有する請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記深さ差を骨のみ切除深さに加算することによって前記切除深さを判定するステップを更に有する請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記骨のみ切除深さは、前記深さ差の前記加算によって遠位的に調節される請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記切除深さを判定するステップは、前記第1の複数のポイントに基づいて骨のみ切除深さを変更するステップを有する請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記骨のみ切除深さは、前記第1の複数のポイントに基づいて遠位的に調節される請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記患者の骨は、大腿骨を含み、且つ、前記三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルを含む請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記ターゲット領域は、前記三次元患者大腿骨モデルの内側又は外側顆のうちの少なくとも1つのものの関節エリアを有する請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記患者の骨は、脛骨を含み、且つ、前記三次元患者骨モデルは、三次元患者脛骨モデルを含む請求項71に記載の方法。
【請求項81】
前記切除深さは、前記脛骨の近位切除深さを有し、前記近位切除深さは、前記第1の複数のポイントの前記場所データに基づいて近位的に調節される請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記ターゲット領域は、前記三次元患者脛骨モデルの内側又は外側脛骨プラトーのうちの少なくとも1つのものの関節エリアを有する請求項80に記載の方法。
【請求項83】
前記三次元患者骨モデルは、骨のみモデルである請求項71に記載の方法。
【請求項84】
前記三次元患者骨モデルは、前記患者の骨の医療画像から生成される請求項71に記載の方法。
【請求項85】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項71に記載の方法。
【請求項86】
患者の大腿骨及び脛骨を含む膝関節に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法であって、
共通三次元座標系内において第1の予め計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元大腿骨モデル及び三次元大腿骨インプラントモデルを受け取るステップであって、前記三次元大腿骨モデルは、前記患者の前記大腿骨に対応しており、前記三次元大腿骨インプラントモデルは、内側顆表面及び外側顆表面を含む、ステップと、
前記共通三次元座標系内において第2の事前に計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元脛骨モデル及び三次元脛骨インプラントモデルを受け取るステップであって、前記三次元脛骨モデルは、前記患者の前記脛骨に対応しており、前記三次元脛骨インプラントモデルは、内側関節表面及び外側関節表面を含み、前記三次元大腿骨モデル及び前記三次元脛骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して前記患者の前記大腿骨及び脛骨のポーズに従って相互の関係において方向付けされている、ステップと、
第1ポーズにおける前記大腿骨及び前記脛骨の第1位置及び向きに対応する第1位置及び向きデータを受け取るステップと、
第1ポーズにおける前記三次元大腿骨インプラントモデルの前記内側顆表面と前記三次元脛骨インプラント上の又はこれと関連する第1ポイントの間の第1符号付き距離を算出するステップと、
前記第1ポーズにおける前記三次元大腿骨インプラントモデルの前記外側顆表面と前記三次元脛骨インプラントモデル上の又はこれと関連する第2ポイントの間の第2符号付き距離を算出するステップと、
前記第1及び第2符号付き距離に基づいて切除深さを判定又は調節するステップと、
前記切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技において前記ナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項87】
前記三次元大腿骨モデル及び前記三次元脛骨モデルは、前記患者の膝関節の医療画像から生成される請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記第1ポーズは、伸展状態の前記膝関節を伴う請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記第1ポイントは、前記三次元脛骨インプラントモデルの前記内側関節表面上に位置しており、且つ、前記第2ポイントは、前記三次元脛骨インプラントモデルの前記外側関節表面上に位置している請求項86に記載の方法。
【請求項90】
前記第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、前記内側及び外側顆表面及び前記内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別している請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記第1ポーズとは異なる第2ポーズにおける前記大腿骨及び前記脛骨の第2位置及び向きに対応する第2位置及び向きデータを受け取るステップと、
前記第2ポーズにおける前記三次元大腿骨インプラントモデルの前記内側顆表面と前記三次元脛骨インプラントモデルの前記内側関節表面の間の第3符号付き距離を算出するステップと、
前記第2ポーズにおける前記三次元大腿骨インプラントモデルの前記外側顆表面と前記三次元脛骨インプラントモデルの前記外側関節表面の間の第4符号付き距離を算出するステップと、
を更に有する請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記第2ポーズは、屈曲である請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記第1、第2、第3、及び第4符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出され、且つ、前記第3及び第4符号付き距離は、増分サーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、前記内側及び外側顆表面及び前記内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別しており、且つ、前記増分サーチ最近接距離アルゴリズムは、前記特定の頂点のいずれかが、前記基準頂点よりも、それぞれ、前記対応する内側又は外側関節表面に近接しているかどうかを判定するべく、前記内側及び外側顆表面の前記基準頂点に隣接する特定の頂点について利用される請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記三次元大腿骨インプラントモデルは、頂点を有する第1三角形表面メッシュを有し、前記三次元脛骨インプラントモデルは、面を有する第2三角形表面メッシュを有し、前記第1及び第2符号付き距離は、前記三次元大腿骨インプラントモデルの前記頂点と前記三次元脛骨インプラントモデルの前記面の間において算出される請求項86に記載の方法。
【請求項98】
前記三次元脛骨インプラントモデルの前記内側及び外側関節表面は、前記関節形成手技において利用される物理的脛骨インプラントの内側及び関節表面との比較において、前記切除深さを判定するべく相対的にフラットになるように又は相対的に少なく凹入するように変更されている請求項89に記載の方法。
【請求項99】
前記第1ポイントは、前記三次元脛骨インプラントモデルと関連する脛骨切除プレーンの内側部分上に位置しており、且つ、前記第2ポイントは、前記三次元脛骨インプラントモデルと関連する前記脛骨切除プレーンの外側部分上に位置している請求項86に記載の方法。
【請求項100】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項86に記載の方法。
【請求項101】
患者の第1骨及び第2骨によって形成された関節に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法であって、
共通三次元座標系内において第1の予め計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた第1三次元骨モデル及び第1三次元インプラントモデルを受け取るステップであって、前記第1三次元骨モデルは、前記患者の前記第1骨に対応しており、前記第1三次元インプラントモデルは、第1インプラント関節表面を含む、ステップと、
前記共通三次元座標系内において第2の予め計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた第2三次元骨モデル及び第2三次元インプラントモデルを受け取るステップであって、前記第2三次元骨モデルは、前記患者の前記第2骨に対応しており、前記第2三次元インプラントモデルは、第2インプラント関節表面を含み、前記第1三次元骨モデル及び前記第2三次元骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して前記患者の前記第1骨及び前記第2骨のポーズに従って相互の関係において方向付けされている、ステップと、
第1ポーズにおける前記第1骨及び前記第2骨の第1位置及び向きに対応する第1位置及び向きデータを受け取るステップと、
前記第1ポーズにおける前記第1三次元インプラントモデルの前記第1インプラント関節表面と前記第2三次元インプラントモデル上の又はこれと関連する第1ポイントの間の第1符号付き距離を算出するステップと、
前記第1距離に基づいて切除深さを判定又は調節するステップと、
前記切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技において前記ナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項102】
前記関節は、膝、足首、肘、又は手首のうちの1つである請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記第1骨は、大腿骨であり、且つ、前記第2骨は、脛骨である請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記第1ポイントは、前記第2三次元インプラントモデルと関連する近位脛骨切除プレーンの一部分上に位置している請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記第1三次元インプラントモデルは、内側顆表面及び外側顆表面を有し、前記第2三次元インプラントモデルは、内側関節表面及び外側関節表面を有し、前記第1符号付き距離は、前記内側顆表面と前記第1ポイントの間において判定される請求項103に記載の方法。
【請求項106】
第1ポーズにおける前記外側顆表面と前記第2三次元インプラントモデル上の又はこれと関連する第2ポイントの間の第2符号付き距離を算出するステップを更に有する請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記第1ポイントは、前記第2三次元インプラントモデルの前記内側関節表面上に位置しており、且つ、前記第2ポイントは、前記第2三次元インプラントモデルの前記外側関節表面上に位置している請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記第2三次元インプラントモデルの前記内側及び外側関節表面は、前記関節形成手技において利用される物理的インプラントの内側及び関節表面との比較において、前記切除深さを判定するべく相対的にフラットになるように又は相対的に少なく凹入するように変更されている請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、前記内側及び外側顆表面及び前記内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別している請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記第1ポーズとは異なる第2ポーズにおいて前記第1骨及び前記第2骨の第2位置及び向きに対応する第2位置及び向きデータを受け取るステップと、
前記第2ポーズにおける前記第1三次元インプラントモデルの前記内側顆表面と前記第2三次元インプラントモデルの前記内側関節表面の間の第3符号付き距離を算出するステップと、
前記第2ポーズにおける前記第1三次元インプラントモデルの前記外側顆表面と前記第2三次元インプラントモデルの前記外側関節表面の間の第4符号付き距離を算出するステップと、
を更に有する請求項107に記載の方法。
【請求項112】
前記第1、第2、第3、及び第4符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出され、且つ、前記第3及び第4符号付き距離は、増分サーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出される請求項111に記載の方法。
【請求項114】
前記グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、前記内側及び外側顆表面及び前記内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別しており、且つ、前記増分サーチ最近接距離アルゴリズムは、前記特定の頂点のうちの任意のものが、前記基準頂点よりも、それぞれ、前記対応する内側又は外側関節表面に、近接しているかどうかを判定するべく、前記内側及び外側顆表面の前記基準頂点に隣接する特定の頂点について利用される請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項101に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療システム及び方法に関する。更に詳しくは、本開示は、コンピュータ化された手術システムによって使用される手術の術前計画及び関連する情報の見当合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の整形外科関節置換手術は、通常、特定の手技(procedure)の有効性及び効率を向上させるべく、少なくともある程度の手術の術前計画を伴っている。具体的には、術前計画は、手技の全体時間と患者の関節が開放状態にあると共に曝露されている時間を低減しつつ、骨の切除及びインプラントの配置の精度を向上させることができる。
【0003】
整形外科関節置換手術の実行の際にロボットシステムを使用することにより、特定の手技の術中時間を大幅に低減することができる。手技の有効性は、益々、術前計画ステージにおいて利用されるツール、システム、及び方法に基づいたものとなりうる。
【0004】
術前計画に関与するステップの例は、インプラントのサイズ、位置、及び向き、切除のプレーン及び深さ、手術部位へのアクセス軌跡、並びに、その他のものを判定するステップを伴いうる。特定の例においては、術前計画は、関節置換を経験することになる1つ又は複数の患者の骨の三次元(「3D)」)の患者固有のモデルを生成するステップを伴いうる。3D患者モデルは、その他のパラメータに加えて、インプラントのサイズ、インプラントの向き、インプラントの位置、及び対応する切除のプレーン及び深さの様々な可能性を計画する際に、視覚的な支援として使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
術前計画の特定の態様のためのフレームワークは、当技術分野において既知でありうるが、術前計画の特定の態様を更に改良してロボットによる且つロボット支援型の整形外科関節置換手術の効率及び有効性を更に増大させるためのツール、システム、及び方法に対する必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技の計画において使用される切除プレーンデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、多角形表面メッシュを含む、ステップと、多角形表面メッシュ上において後部ポイントの場所を識別するステップと、場所において又はその近傍においてセンタリングされた三次元形状を生成するステップと、三次元形状によって含まれうる多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最後部頂点を識別するステップと、最後部頂点を後部切除深さを判定するための要因として使用するステップと、後部切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0007】
特定の例においては、三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルであってもよい。
【0008】
特定の例においては、方法は、第1三次元骨モデル上において第1後部ポイントの第1場所を識別するステップと、第1三次元骨モデル上の第1場所を三次元患者骨モデル上の場所にマッピングするステップと、を更に含むことができる。第1場所は、場所と位置的に相関させることができる。
【0009】
特定の例においては、第1三次元骨モデルは、汎用骨モデルであってもよい。
【0010】
特定の例においては、三次元形状は、約7mmの半径を有する球体を含みうる。
【0011】
特定の例においては、半径は、スケーリング係数によって乗算されてもよい。
【0012】
特定の例においては、スケーリング係数は、三次元患者骨モデルと汎用骨モデルの間の内側−外側又は前部−後部サイズ差のうちの1つであってもよい。
【0013】
特定の例においては、多角形表面メッシュは、三角形表面メッシュであってもよい。
【0014】
特定の例においては、三次元形状は、球体を含むことができる。
【0015】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0016】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、多角形表面メッシュを含む、ステップと、多角形表面メッシュ上において遠位ポイントの場所を識別するステップと、場所において又はその近傍においてセンタリングされた三次元形状を生成するステップと、三次元形状によって含まれている多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最遠位頂点を識別するステップと、最遠位頂点が三次元形状の境界に過剰に近接しうるかどうかを判定するステップと、最遠位頂点が三次元形状の境界に過剰に近接しえない場合に遠位切除深さを判定するための基礎として最遠位頂点を使用するステップと、遠位切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0017】
特定の例においては、三次元形状は、Rxが内側−外側において延在し、Ryが前部−後部において延在し、且つ、Rzが遠位−近位において延在するように、三次元患者骨モデルとの関係において方向付けされた楕円体を含むことができる。特定の例においては、Rxは、約7mmであってもよく、Ryは、約10mmであってもよく、且つ、Rzは、約7mmであってもよい。
【0018】
特定の例においては、最遠位頂点は、xが、第1場所と最遠位頂点の間のx方向における差であってもよく、yが、第1場所と最遠位頂点の間のy方向における差であってもよく、zが、第1場所と最遠位頂点の間のz方向における差であってもよく、aがRxであってもよく、bがRyであってもよく、且つ、cがRzであってもよい状態において、最遠位頂点の場所が、楕円体関数f=x/a+y/b+z/cにおいて、0.65を上回りうる場合に、楕円体の境界に過剰に近接しうる。
【0019】
特定の例においては、三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルであってもよい。
【0020】
特定の例においては、三次元形状は、楕円体、球体、プリズム、立方体、又は円筒体を含みうる。
【0021】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0022】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、多角形表面メッシュを含む、ステップと、多角形表面メッシュ上の遠位ポイントの場所を識別するステップと、場所において又はその近傍においてセンタリングされた第1三次元形状を生成するステップと、第1三次元形状によって含まれている多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの最遠位頂点を識別するステップと、最遠位頂点が骨棘上において配置されうるかどうかを判定するステップと、最遠位頂点が骨棘上において配置されうるかどうかに基づいて遠位切除深さを判定するための基礎として最遠位頂点又は最遠位頂点の調節済みの場所を使用するステップと、遠位切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0023】
特定の例においては、最遠位頂点が骨棘上において配置されうるかどうかを判定するステップは、最遠位頂点と場所の間において位置決めされた第2三次元形状を生成するステップを含むことができる。
【0024】
特定の例においては、方法は、第2三次元形状によって含まれている多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、遠位頂点が骨棘上において配置されうるかどうかを判定するべく特定の頂点と関連する情報を使用するステップと、を更に含むことができる。
【0025】
特定の例においては、情報は、関節表面から突出する骨棘の存在と関連する方向における最小及び最大値であってもよい。
【0026】
特定の例においては、方法は、第2三次元形状によって含まれている多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、遠位頂点が骨棘上において配置されうるかどうかを判定するべく、特定の座標方向において第2三次元形状によって含まれている特定の頂点のうちの1つの頂点の最小頂点値及び特定の座標方向において第2三次元形状によって含まれている特定の頂点のうちの別の頂点の最大頂点値を使用するステップと、を更に含むことができる。
【0027】
特定の例においては、方法は、最大頂点値と最小頂点値の間の差を判定するステップと、骨棘の存在を判定するべく差を使用するステップと、を更に含むことができる。
【0028】
特定の例においては、第2三次元形状は、約2mmの半径を有する球体を含みうると共に、最遠位頂点から場所に向かって1mmのところでセンタリングされていてもよい。
【0029】
特定の例においては、方法は、球体の境界によって含まれている多角形表面メッシュの特定の頂点を識別するステップと、特定の座標方向において境界によって含まれている特定の頂点のうちの1つの頂点の最大頂点値と特定の座標方向において境界によって含まれている特定の頂点のうちの別の頂点の最小頂点値の間の差を判定するステップと、更に含むことができる。
【0030】
特定の例においては、方法は、球体のサイズを増大させるのか又は減少させるのかを判定するべく差を使用するステップを更に含むことができる。
【0031】
特定の例においては、第1三次元形状は、楕円体を含むことができる。特定の例においては、第2三次元形状は、球体を含むことができる。
【0032】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0033】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、三次元座標系において方向付けされると共に多角形表面メッシュを含む、ステップと、切除プレーンと関連する三次元座標系において特定の方向を識別するステップと、多角形表面メッシュ上において場所を識別するステップと、場所において又はその近傍において表面を生成するステップと、特定の方向において表面を超えて最も遠くに延在する多角形表面メッシュのすべての頂点のうちの特定の頂点を識別するステップと、特定の切除深さを判定するための要因として特定の頂点を使用するステップと、特定の切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、特定の切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0034】
特定の例においては、表面は、プレーンであってもよい。
【0035】
特定の例においては、表面は、三次元形状であってもよい。特定の例においては、三次元形状は、球体、楕円体、プリズム、又は立方体であってもよい。
【0036】
特定の例においては、方法は、第1三次元骨モデル上において第1後部ポイントの第1場所を識別するステップと、第1三次元骨モデル上の第1場所を三次元患者骨モデル上の場所にマッピングするステップと、を更に含むことができる。第1場所は、場所と位置的に相関させることができる。
【0037】
特定の例においては、第1三次元骨モデルは、汎用骨モデルであってもよい。
【0038】
特定の例においては、表面は、約7mmの半径を有する球体を含むことができる。特定の例においては、半径は、スケーリング係数によって乗算されてもよい。特定の例においては、スケーリング係数は、三次元患者骨モデルと汎用骨モデルの間における内側−外側又は前部−後部サイズ差のうちの1つであってもよい。
【0039】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0040】
本開示の態様は、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーン及びチェックポイント位置決めデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者骨モデルを生成するステップであって、患者骨モデルは、多角形表面メッシュを含む、ステップと、患者骨モデル上において第1チェックポイントの第1場所を識別するステップと、患者骨モデルとの関係において切除プレーンの第2場所を識別するステップであって、切除プレーンは、切除の後に曝露されることになる患者骨モデル上の切除表面を定義している、ステップと、第1場所から切除表面上のポイントまでの最短符号付き距離ベクトルを判定するステップと、第1チェックポイントの第1場所が切除プレーンの第2場所に過剰に近接した状態で配置されうるかどうかを判定するべく、最短符号付き距離ベクトルと関連する情報を使用するステップと、情報を使用することによって切除及びチェックポイント位置決めデータを生成するステップであって、切除及びチェックポイント位置決めデータは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0041】
特定の例においては、方法は、切除表面の法線を識別するステップを更に含んでいてもよく、法線は、患者骨モデルから離れるように、且つ、切除表面に対して垂直に、延在している。
【0042】
特定の例においては、方法は、法線と最短符号付き距離ベクトルが反対方向において向いている際に、第1チェックポイントの第1場所が切除プレーンの第2場所に過剰に近接した状態で配置されうると判定するステップを更に含むことができる。
【0043】
特定の例においては、患者骨モデルは、大腿骨モデルであってもよい。特定の例においては、患者骨モデルは、脛骨モデルであってもよい。
【0044】
特定の例においては、方法は、法線と最短符号付き距離ベクトルが同一の方向において向いており、且つ、最短符号付き距離ベクトルの大きさが約4.50mm以下でありうる際に、チェックポイントは、切除プレーンに過剰に近接した状態で配置されうると判定するステップを更に含むことができる。
【0045】
特定の例においては、患者骨モデルは、大腿骨モデルであってもよい。特定の例においては、患者骨モデルは、脛骨モデルであってもよい。
【0046】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0047】
本開示の態様は、外側大腿骨エリア、近位大腿骨エリア、及び後部大腿骨エリアを含む患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用されるインプラント位置及び向きデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップと、患者データから三次元患者大腿骨モデルを生成するステップであって、患者大腿骨モデルは、表面境界及び皮質領域を含み、患者大腿骨モデルは、内側−外側方向におけるX軸、+Y軸が後部大腿骨エリアに向かって向いている状態で前部−後部方向におけるY軸、並びに、+Z軸が近位大腿骨エリアに向かって向いている状態で上方−下方方向におけるZ軸を有する三次元座標系内に位置している、ステップと、上方エッジを有する前部フランジ部分及び平坦であると共に上方エッジに隣接した前部骨切除接触表面を含む三次元大腿骨インプラントモデルを取得するステップと、患者大腿骨モデルとの関係において大腿骨インプラントモデルの位置及び向きを判定するステップと、前部骨切除接触表面と同一平面上にある触覚プレーンを延在させるステップであって、触覚プレーンは、大腿骨インプラントモデルの前部フランジ部分の上方エッジの上方において位置決めされた上方境界を含む、ステップと、触覚プレーンの上方境界上において一連のポイントを識別するステップと、ベクトルをY軸に沿って一連のポイントのそれぞれから患者大腿骨モデルの表面境界の対応する表面に投射するステップと、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さ及び方向に基づいて、ノッチングが発生すると判定するステップと、患者大腿骨モデルとの関係における大腿骨インプラントモデルの判定された位置及び向きに基づいてインプラットコンポーネント位置及び向きデータを生成するステップであって、インプラントコンポーネント位置及び向きデータは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0048】
特定の例においては、ノッチングは、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さが0mm以上でありうると共に、ベクトルのうちの最小のベクトルの方向が座標系の+Y軸の反対でありうる際に、発生する。
【0049】
特定の例においては、ノッチングは、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さが0mm超でありうると共に、ベクトルのうちの最小のベクトルの方向が座標系の+Y軸と同一の方向にありうる際には、発生しない。
【0050】
特定の例においては、長さは、ノッチングの知覚可能な深さに基づいたものであってもよい。
【0051】
特定の例においては、一連のポイントは、触覚プレーンの上方境界に沿って均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、患者大腿骨モデルの皮質領域における又はその近傍における曲率半径に基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さに基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、患者大腿骨モデルの皮質領域における又はその近傍における曲率半径と、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さと、に基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、約3.15mmだけ離れた状態において均等に離隔している。
【0052】
特定の例においては、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャすることができる。
【0053】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0054】
本開示の態様は、外側大腿骨エリア、近位大腿骨エリア、及び後部大腿骨エリアを含む患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用されるインプラント位置及び向きデータを生成する方法を伴いうる。方法は、患者の骨の少なくとも一部分と関連する患者データを取得するステップであって、患者データは、医療撮像装置を使用することによってキャプチャされる、ステップと、患者データから三次元患者大腿骨モデルを生成するステップと、上方境界エッジを有する関連する触覚切除オブジェクトを有する前部フランジ部分を含む三次元大腿骨インプラントモデルを取得するステップと、患者大腿骨モデルとの関係において大腿骨インプラントモデルの位置及び向きを判定するステップと、上方境界エッジと三次元患者大腿骨モデルの交差に基づいてノッチングが発生すると判定するステップと、患者大腿骨モデルとの関係における大腿骨インプラントモデルの判定された位置及び向きに基づいてインプラントコンポーネント位置及び向きデータを生成するステップであって、インプラントコンポーネント位置及び向きデータは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0055】
特定の例においては、三次元患者大腿骨モデルは、表面境界及び皮質領域を含んでいてもよく、患者大腿骨モデルは、内側−外側におけるX軸、+Y軸が後部大腿骨エリアに向かって向かう状態で前部−後部方向におけるY軸、+Z軸が近位大腿骨エリアに向かって向かう状態で上方−下方方向におけるZ軸を有する三次元座標系内に位置しており、方法は、触覚切除オブジェクトの上方境界エッジ上において一連のポイントを識別するステップと、ベクトルをY軸に沿って一連のポイントのそれぞれから患者大腿骨モデルの表面境界の対応する表面に投射するステップと、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さ及び方向に基づいてノッチングが発生すると判定するステップと、を更に含む。
【0056】
特定の例においては、ノッチングは、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さが0mm以上でありうると共に、ベクトルのうちの最小のベクトルの方向が座標系の+Y軸とは反対でありうる際に、発生する。
【0057】
特定の例においては、ノッチングは、ベクトルのうちの最小のベクトルの長さが0mm超でありうると共に、ベクトルのうちの最小のベクトルの方向が座標系の+Y軸と同一の方向にありうる際には、発生しない。
【0058】
特定の例においては、長さは、ノッチングの知覚可能な深さに基づいたものであってもよい。
【0059】
特定の例においては、一連のポイントは、上方境界エッジに沿って均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、患者大腿骨モデルの皮質領域における又はその近傍における曲率半径に基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さに基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、患者大腿骨モデルの皮質領域における又はその近傍における曲率半径と、知覚可能なノッチングの臨床的に適切な深さと、に基づいて均等に離隔している。特定の例においては、一連のポイントは、約3.15mmだけ離れた状態で均等に離隔している。
【0060】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0061】
本開示の態様は、軟骨内において少なくとも部分的にカバーされている患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法を伴いうる。方法は、骨モデル表面を含む三次元患者骨モデルを受け取るステップであって、三次元患者骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して患者の骨の位置及び向きと相関されており、三次元患者骨モデルは、三次元座標系内に位置している、ステップと、術中見当合わせのために三次元患者骨モデルの骨モデル表面上においてターゲット領域を識別するステップと、三次元骨モデルの骨モデル表面上のターゲット領域内のポイントに対応する場所における患者の骨の上部の軟骨の術中見当合わせに基づいて第1の複数のポイントの場所データを受け取るステップと、少なくとも部分的に第1の複数のポイントの場所データに基づいて切除深さを判定するステップと、切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0062】
特定の例においては、方法は、第1の複数のポイントの場所データを三次元座標系内にマッピングするステップを更に含むことができる。
【0063】
特定の例においては、切除深さを判定するステップは、第1の複数のポイントと骨モデル表面上のターゲット領域の間の深さ差を判定するステップを含むことができる。
【0064】
特定の例においては、方法は、深さ差を骨のみ切除深さに加算することによって切除深さを判定するステップを更に含むことができる。
【0065】
特定の例においては、骨のみ切除深さは、深さ差の加算によって遠位的に調節することができる。
【0066】
特定の例においては、切除深さを判定するステップは、第1の複数のポイントに基づいて骨のみ切除深さを変更するステップを含むことができる。
【0067】
特定の例においては、骨のみ切除深さは、第1の複数のポイントに基づいて遠位的に調節することができる。
【0068】
特定の例においては、患者の骨は、大腿骨を含むことができると共に、三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルを含むことができる。
【0069】
特定の例においては、ターゲット領域は、三次元患者大腿骨モデルの内側又は外側顆の少なくとも1つのものの関節エリアを含むことができる。
【0070】
特定の例においては、患者の骨は、脛骨を含むことができると共に、三次元患者骨モデルは、三次元患者脛骨モデルを含むことができる。
【0071】
特定の例においては、切除深さは、脛骨の近位切除深さを含んでいてもよく、近位切除深さは、第1の複数のポイントの場所データに基づいて近位的に調節することができる。
【0072】
特定の例においては、ターゲット領域は、三次元患者脛骨モデルの内側又は外側脛骨プラトーのうちの少なくとも1つのものの関節エリアを含むことができる。
【0073】
特定の例においては、三次元患者骨モデルは、骨のみモデルであってもよい。
【0074】
特定の例においては、三次元患者骨モデルは、患者の骨の医療画像から生成することができる。
【0075】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0076】
本開示の態様は、患者の大腿骨及び脛骨を含む膝関節に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法を伴いうる。方法は、共通三次元座標系内において第1の事前に計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元大腿骨モデル及び三次元大腿骨インプラントモデルを受け取るステップであって、三次元大腿骨モデルは、患者の大腿骨に対応しており、三次元大腿骨インプラントモデルは、内側顆表面及び外側顆表面を含む、ステップと、共通三次元座標系内において第2の事前に計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元脛骨モデル及び三次元脛骨インプラントモデルを受け取るステップであって、三次元脛骨モデルは、患者の脛骨に対応しており、三次元脛骨インプラントモデルは、内側関節表面及び外側関節表面を含み、三次元大腿骨モデル及び三次元脛骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して患者の大腿骨及び脛骨のポーズに従って相互の関係において方向付けされている、ステップと、第1ポーズにおける大腿骨及び脛骨の第1位置及び向きに対応した第1位置及び向きデータを受け取るステップと、第1ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの内側顆表面と三次元脛骨インプラントモデル上の又はこれと関連する第1ポイントの間の第1符号付き距離を算出するステップと、第1ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの外側顆表面と三次元脛骨インプラントモデル上の又はこれと関連する第2ポイントの間の第2符号付き距離を算出するステップと、第1及び第2符号付き距離に基づいて切除深さを判定又は調節するステップと、切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0077】
特定の例においては、三次元大腿骨モデル及び三次元脛骨モデルは、患者の膝関節の医療画像から生成されている。
【0078】
特定の例においては、第1ポーズは、伸展状態の膝関節に伴うものであってよい。
【0079】
特定の例においては、第1ポイントは、三次元脛骨インプラントモデルの内側関節表面上に位置することができると共に、第2ポイントは、三次元脛骨インプラントモデルの外側関節表面上に位置することができる。
【0080】
特定の例においては、第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズム(global search closest distance algorithm)を介して算出されている。
【0081】
特定の例においては、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、内側及び外側顆表面及び内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別している。
【0082】
特定の例においては、方法は、第1ポーズとは異なりうる第2ポーズにおける大腿骨及び脛骨の第2位置及び向きに対応した第2位置及び向きデータを受け取るステップと、第2ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの内側顆表面と三次元脛骨インプラントモデルの内側関節表面の間の第3符号付き距離を算出するステップと、第2ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの外側顆表面と三次元脛骨インプラントモデルの外側関節表面の間の第4符号付き距離を算出するステップと、を更に含むことができる。
【0083】
特定の例においては、第2ポーズは、屈曲であってよい。
【0084】
特定の例においては、第1、第2、第3、及び第4符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されている。
【0085】
特定の例においては、第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されており、且つ、第3及び第4符号付き距離は、増分サーチ最近接距離アルゴリズム(incremental search closest distance algorithm)を介して算出されている。
【0086】
特定の例においては、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、内側及び外側顆表面及び内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別しており、且つ、増分サーチ最近接距離アルゴリズムは、特定の頂点うちのいずれかが、それぞれ、対応する内側又は外側関節表面に、基準頂点よりも近接しているかどうかを判定するべく、内側及び外側顆表面の基準頂点に隣接している特定の頂点について、利用することができる。
【0087】
特定の例においては、三次元大腿骨インプラントモデルは、頂点を含む第1三角形表面メッシュを含んでいてもよく、三次元脛骨インプラントモデルは、面を含む第2三角形表面メッシュを含んでおり、第1及び第2符号付き距離は、三次元大腿骨インプラントモデルの頂点と三次元脛骨インプラントモデルの面の間において算出されている。
【0088】
特定の例においては、三次元脛骨インプラントモデルの内側及び外側関節表面は、関節形成手技において利用される物理的な脛骨インプラントの内側及び関節表面との比較において切除深さを判定するべく、相対的にフラットになるように、或いは、相対的に少なく凹入するように、変更されている。
【0089】
特定の例においては、第1ポイントは、三次元脛骨インプラントモデルと関連する脛骨切除プレーンの内側部分上に位置していてもよく、且つ、第2ポイントは、三次元脛骨インプラントモデルと関連する脛骨切除プレーンの外側部分上に位置していてもよい。
【0090】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0091】
本開示の態様は、患者の第1骨及び第2骨によって形成される関節に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法を伴いうる。方法は、共通三次元座標系内において第1の事前に計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた第1三次元骨モデル及び第1三次元インプラントモデルを受け取るステップであって、第1三次元骨モデルは、患者の第1骨に対応しており、第1三次元インプラントモデルは、第1インプラント関節表面を含む、ステップと、共通三次元座標系内において第2の事前に計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた第2三次元骨モデル及び第2三次元インプラントモデルを受け取るステップであって、第2三次元骨モデルは、患者の第2骨に対応しており、第2三次元インプラントモデルは、第2インプラント関節表面を含んでおり、第1三次元骨モデル及び第2三次元骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して患者の第1骨及び第2骨のポーズに従って相互の関係において方向付けされている、ステップと、第1ポーズにおける第1骨及び第2骨の第1位置及び向きに対応した第1位置及び向きデータを受け取るステップと、第1ポーズにおける第1三次元インプラントモデルの第1インプラント関節表面と第2三次元インプラントモデル上の又はこれと関連する第1ポイントの間の第1符号付き距離を算出するステップと、第1距離に基づいて切除深さを判定又は調節するステップと、切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、を含むことができる。
【0092】
特定の例においては、関節は、膝、足首、肘、又は手首であってよい。
【0093】
特定の例においては、第1骨は、大腿骨であってもよく、且つ、第2骨は、脛骨であってもよい。
【0094】
特定の例においては、第1ポイントは、第2三次元インプラントモデルと関連する近位脛骨切除プレーンの一部分上に位置していてもよい。
【0095】
特定の例においては、第1三次元インプラントモデルは、内側顆表面及び外側顆表面を含んでいてもよく、第2三次元インプラントモデルは、内側関節表面及び外側関節表面を含んでいてもよく、第1符号付き距離は、内側顆表面と第1ポイントの間において判定されている。
【0096】
特定の例においては、方法は、第1ポーズにおける外側顆表面と第2三次元インプラントモデル上の又はこれと関連する第2ポイントの間において第2符号付き距離を算出するステップを更に含むことができる。
【0097】
特定の例においては、第1ポイントは、第2三次元インプラントモデルの内側関節表面上に位置していてもよく、且つ、第2ポイントは、第2三次元インプラントモデルの外側関節表面上に位置していてもよい。
【0098】
特定の例においては、第2三次元インプラントモデルの内側及び外側関節表面は、関節形成手技において利用される物理的インプラントの内側及び関節表面との比較において切除深さを判定するべく、相対的にフラットになるように、或いは、相対的に少なく凹入するように、変更されている。
【0099】
特定の例においては、第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されている。
【0100】
特定の例においては、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、内側及び外側顆表面及び内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別している。
【0101】
特定の例においては、方法は、第1ポーズとは異なりうる第2ポーズにおける第1骨及び第2骨の第2位置及び向きに対応した第2位置及び向きデータを受け取るステップと、第2ポーズにおける第1三次元インプラントモデルの内側顆表面と第2三次元インプラントモデルの内側関節表面の間において第3符号付き距離を算出するステップと、第2ポーズにおける第1三次元インプラントモデルの外側顆表面と第2三次元インプラントモデルの外側関節表面の間において第4符号付き距離を算出するステップと、を更に含むことができる。
【0102】
特定の例においては、第1、第2、第3、及び第4符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されている。
【0103】
特定の例においては、第1及び第2符号付き距離は、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されており、且つ、第3及び第4符号付き距離は、増分サーチ最近接距離アルゴリズムを介して算出されている。
【0104】
特定の例においては、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムは、内側及び外側顆表面及び内側及び外側関節表面のそれぞれと関連する基準頂点を識別しており、且つ、増分サーチ最近接距離アルゴリズムは、特定の頂点のいずれかが、それぞれ、対応する内側又は外側関節表面に、基準頂点よりも近接しているかどうかを判定するべく、内側及び外側顆表面の基準頂点に隣接している特定の頂点について、利用することができる。
【0105】
特定の例においては、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作している。
【0106】
複数の実施形態について開示したが、本開示の例示用の実施形態について図示及び記述する以下の詳細な説明から、当業者には、本開示の更にその他の実施形態が明らかとなろう。理解されるように、本明細書において記述されている実施形態は、そのいずれもが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、様々な態様における変更の能力を有している。従って、図面及び詳細な説明は、その特性が、限定ではなく、例示を目的としたものであると見なされたい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】手術システムの図である。
【図2】関節形成の手術計画及び実行を示すフローチャートである。
【図3A】関節形成の実行の際の触覚ガイダンスを示す。
【図3B】関節形成の実行の際の触覚ガイダンスを示す。
【図4A】一般的な脛骨の近位端部及び一般的な大腿骨の遠位端部の三次元コンピュータモデルを示しており、それぞれの三次元モデルは、サイズ及び形状の両方によるその個々の骨タイプの統計的な平均である。
【図4B】一般的な脛骨の近位端部及び一般的な大腿骨の遠位端部の三次元コンピュータモデルを示しており、それぞれの三次元モデルは、サイズ及び形状の両方によるその個々の骨タイプの統計的な平均である。
【図5A】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図5B】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図5C】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図6A】患者の大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図6B】患者の大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図6C】患者の大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図7】三次元患者大腿骨コンピュータモデルの後部顆領域の三角形表面メッシュの拡大図であり、且つ、三次元汎用大腿骨コンピュータモデルから患者大腿骨モデル上にマッピングされた患者大腿骨モデル上の後部ポイントの場所を調節する方法を示す。
【図8】患者大腿骨モデル上のマッピングされた後部ポイントの配置を調節する方法を示すフローチャートである。
【図9A】三次元患者大腿骨コンピュータモデルの遠位顆領域の三角形表面メッシュの拡大図であり、且つ、三次元汎用大腿骨コンピュータモデルから患者大腿骨モデル上にマッピングされた患者大腿骨モデル上の遠位ポイントの場所を調節する方法を示す。
【図9B】図9Aにおいて利用されている楕円体の拡大等角図である。
【図9C】マッピングされた遠位ポイントの配置を微細チューニングするプロセスにおいて利用される図9A及び図9Bの同一の楕円体及び球体である。
【図10A】患者大腿骨モデル上におけるマッピングされた遠位ポイントの配置を調節する方法を概説するフローチャートであり、遠位ポイントは、汎用大腿骨モデルから患者大腿骨モデルの顆にマッピングされている。
【図10B】患者大腿骨モデル上におけるマッピングされた遠位ポイントの配置を調節する方法を概説するフローチャートであり、遠位ポイントは、汎用大腿骨モデルから患者大腿骨モデルの顆にマッピングされている。
【図10C】患者大腿骨モデル上におけるマッピングされた遠位ポイントの配置を調節する方法を概説するフローチャートであり、遠位ポイントは、汎用大腿骨モデルから患者大腿骨モデルの顆にマッピングされている。
【図11】候補脛骨インプラントの三次元コンピュータモデル(即ち、脛骨インプラントモデル)の遠位−前部図であり、その脛骨プラトーとは遠位的に反対側であるその骨切除接触表面を示している。
【図12A】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部上において重畳された脛骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図12B】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部上において重畳された脛骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図12C】患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部上において重畳された脛骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図13】候補大腿骨インプラントの三次元コンピュータモデル(即ち、大腿骨インプラントモデル)の矢状図であって、隣接する前部面取り切除接触表面、後部面取り切除接触表面、後部切除接触表面、及び後部切除接触表面と共に、その遠位骨切除接触表面を示しており、これらの切除接触表面は、大腿骨インプラントモデルの内側及び外側顆表面に近接している。
【図14A】患者大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部上において重畳された大腿骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図14B】患者大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部上において重畳された大腿骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図14C】患者大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部上において重畳された大腿骨インプラントモデルの冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示す。
【図15A】切除が提案されていると共に、提案された脛骨切除を示す、脛骨モデルの様々な図である。
【図15B】切除が提案されていると共に、提案された脛骨切除を示す、脛骨モデルの様々な図である。
【図15C】切除が提案されていると共に、提案された脛骨切除を示す、脛骨モデルの様々な図である。
【図16A】切除が提案されていると共に、遠位切除を含む、提案された大腿骨切除を示す、大腿骨モデルの様々な図である。
【図16B】切除が提案されていると共に、遠位切除を含む、提案された大腿骨切除を示す、大腿骨モデルの様々な図である。
【図16C】切除が提案されていると共に、遠位切除を含む、提案された大腿骨切除を示す、大腿骨モデルの様々な図である。
【図17】大腿骨インプラントモデルの大腿骨関節表面及び脛骨インプラントモデルの脛骨関節表面の等角図である。
【図18】グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムのブロードフェーズサーチステージ及びナローフェーズサーチステージのアルゴリズムフローチャートである。
【図19】グローバルサーチ最近接距離アルゴリズムのブロードフェーズサーチステージ及びナローフェーズサーチステージのアルゴリズムフローチャートである。
【図20A】前部大腿骨皮質がノッチングされるように、患者大腿骨モデル上において位置決めされた大腿骨インプラントモデルの前部遠位図及び矢状断面図である。
【図20B】前部大腿骨皮質がノッチングされるように、患者大腿骨モデル上において位置決めされた大腿骨インプラントモデルの前部遠位図及び矢状断面図である。
【図21】患者大腿骨モデルのために確立された座標系を示す。
【図22A】大腿骨インプラントモデル上において重畳された触覚プレーンのアウトラインを有する、候補大腿骨インプラントモデルの後部、矢状−後部、及び矢状図である。
【図22B】大腿骨インプラントモデル上において重畳された触覚プレーンのアウトラインを有する、候補大腿骨インプラントモデルの後部、矢状−後部、及び矢状図である。
【図22C】大腿骨インプラントモデル上において重畳された触覚プレーンのアウトラインを有する、候補大腿骨インプラントモデルの後部、矢状−後部、及び矢状図である。
【図23】大腿骨インプラントモデルの前部フランジ部分の上方エッジ及び触覚プレーンの上方境界の拡大前部図であり、一連の等しく離隔した基準ポイントが触覚プレーンの上方境界に沿って延在している。
【図24】前部大腿骨皮質ノッチング状況の概略図である。
【図25A】非ノッチング及びノッチング構成における患者大腿骨モデル及びその上部の候補大腿骨インプラントモデルの断面矢状図である。
【図25B】非ノッチング及びノッチング構成における患者大腿骨モデル及びその上部の候補大腿骨インプラントモデルの断面矢状図である。
【図26A】術中見当合わせプロセスにおいて使用されるチェックポイントの側面図である。
【図26B】ナビゲーションプローブがチェックポイントに接触する状態における、大腿骨上において位置決めされたチェックポイントを有する膝関節の側面図である。
【図26C】チェックポイントが患者大腿骨モデル上において位置決めされた状態における、患者大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル)の遠位端部上において重畳された大腿骨インプラントモデルの冠状図を示す。
【図26D】チェックポイントが患者脛骨モデル上において位置決めされた状態における、患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル)の近位端部上において重畳された脛骨インプラントモデルの冠状図を示す。
【図26E】チェックポイント場所検証プロセスのステップを示す。
【図26F】切除プレーンが、チェックポイントとの関係において「深く」着座した状態における、大腿骨及び脛骨切除プレーンの矢状図である。
【図26G】切除プレーンが、チェックポイントとの関係において「突出状態において(proud)」着座した状態における、大腿骨及び脛骨切除プレーンの矢状図である。
【図26H】様々な切除と関連するエラーを示す表である。
【図26I】後部切除のエラーに起因した前部面取りエラーの影響を示す大腿骨切除プレーンの矢状図である。
【図26J】遠位切除のエラーに起因した前部面取りエラーの影響を示す大腿骨切除プレーンの矢状図である。
【図27A】術前に計画された大腿骨インプラント及び患者骨モデルの矢状図及び術前に計画された脛骨インプラント及び患者骨モデルの矢状図である。
【図27B】術前に計画された大腿骨インプラント及び患者骨モデルの矢状図及び術前に計画された脛骨インプラント及び患者骨モデルの矢状図である。
【図28A】図1のシステムのディスプレイ上において描かれた、患者大腿骨モデルの軸又は横断方向図及び後部図である。
【図28B】図1のシステムのディスプレイ上において描かれた、患者大腿骨モデルの軸又は横断方向図及び後部図である。
【図29A】個々に図28A及び図28Bのランドマークキャプチャ領域の拡大図であり、一連の見当合わせポイントが、それぞれのキャプチャ領域上において描かれている。
【図29B】個々に図28A及び図28Bのランドマークキャプチャ領域の拡大図であり、一連の見当合わせポイントが、それぞれのキャプチャ領域上において描かれている。
【図30】本明細書において記述されている様々なシステム及び方法を実装しうる1つ又は複数の演算ユニットを有する例示用の演算システムである。
【発明を実施するための形態】
【0108】
本明細書には、手術システム100を介して実行される関節形成手術手技の術前計画が開示されている。術前計画は、骨切除深さを定義するステップと、大腿骨前部皮質の受け入れ不能なノッチングが、提案されている骨切除深さ及び提案されている候補インプラントのポーズと関連するかどうかを識別するステップと、を含む。術前に計画された骨切除深さ及びインプラントポーズが、大腿骨前部皮質の受け入れ不能なノッチングを有しておらず、且つ、外科医によって承認されたと仮定することにより、実際の患者の骨の軟骨顆表面を術前計画において利用された患者骨モデルに対して術中において見当合わせすることにより、軟骨厚さを考慮するように、骨切除深さを更新することができる。このように軟骨厚さを考慮することにより、実際のインプラントは、手術システム100を介した埋植の際に、実際の患者の骨の切除された軟骨顆表面の代わりに機能するように配置されたその個々の顆表面を有することになる。
【0109】
軟骨顆表面の術前計画及び術中見当合わせの詳細な説明を開始する前に、まずは、手術システム及びその動作の概要を以下のように付与しておくこととする。
【0110】
I.手術システムの概要
手術システムの詳細な説明を開始するに当たり、図1を参照されたい。図1から理解されうるように、手術システム100は、ナビゲーションシステム42、コンピュータ50、及び触覚装置60を含む。ナビゲーションシステムは、外科医が骨切り術手技においてディスプレイ56上において骨及びツールを視覚化できるようにするべく、患者の骨(即ち、脛骨10、大腿骨11)のみならず、手術の際に利用される手術ツール(例えば、ポインタ装置、プローブ、切削ツール)をも追跡している。
【0111】
ナビゲーションシステム42は、骨のポーズ(即ち、位置及び向き)を追跡するように構成された任意のタイプのナビゲーションシステムであってもよい。例えば、ナビゲーションシステム42は、非機械的追跡システム、機械的追跡システム、又は非機械的及び機械的追跡システムの任意の組合せを含むことができる。ナビゲーションシステム42は、検出装置44の基準座標フレームとの関係においてオブジェクトのポーズを取得する検出装置44を含む。オブジェクトが基準座標フレーム内において運動するのに伴って、検出装置は、オブジェクトの運動を検出するべく、オブジェクトのポーズを追跡する。
【0112】
一実施形態においては、ナビゲーションシステム42は、図1に示されているように、非機械的追跡システムを含んでいる。非機械的追跡システムは、検出装置44と、追跡対象のオブジェクト上において配設されると共に検出装置44によって検出可能である追跡可能要素(例えば、ナビゲーションマーカー46)と、を有する光学追跡システムである。一実施形態においては、検出装置44は、追跡可能な要素上のパターン(例えば、チェッカーボードパターン)を検出するMicroTracker(Claron Technology Inc., Toronto, Canada)などの、可視光に基づいた検出器を含む。別の実施形態においては、検出装置44は、赤外線放射に対する感度を有すると共に関節形成手技が実行されることになる手術室内において位置決め可能であるステレオカメラペアを含む。追跡可能要素は、堅固な且つ安定した方式により、追跡対象のオブジェクトに付着され、且つ、追跡対象のオブジェクトに対する既知の幾何学的な関係を有するマーカーのアレイを含む。既知のように、追跡可能要素は、能動的なもの(例えば、発光ダイオード又はLED)であってもよく、或いは、受動的なもの(例えば、反射性球体やチェッカーボードパターンなど)であってもよく、且つ、固有の形状(例えば、マーカーの固有の幾何学的構成)を有していてもよく、或いは、能動的な有線又は無線マーカーのケースにおいては、固有のファイアリングパターンを有することができる。動作の際に、検出装置44は、追跡可能な要素の位置を検出し、且つ、手術システム100(例えば、埋め込み型の電子回路を使用する検出装置44)は、追跡可能な要素の位置、固有の形状、及び追跡対象のオブジェクトに対する既知の幾何学的関係に基づいて、追跡対象のオブジェクトのポーズを算出する。追跡システム42は、ユーザーが追跡を所望しているそれぞれのオブジェクトごとに、骨10の上部に配置されたナビゲーションマーカー46などの追跡可能要素を含む。触覚的にガイドされるロボット支援型の手術においては、ナビゲーションシステムは、見当合わせプロセスにおいて使用される(触覚装置60のグローバル又はグロス位置を追跡するための)触覚装置マーカー48、(触覚装置60の遠位端部を追跡するための)エンドエフェクタマーカー54、及びフリーハンドナビゲーションプローブ55を更に含むことができる。
【0113】
図1に示されているように、手術システム100は、図にはコンピュータ50として表されている、処理回路を更に含む。処理回路は、プロセッサと、メモリ装置と、を含む。プロセッサは、汎用プロセッサ、用途固有の集積回路(ASIC:Application Specific Integraed Circuit)、1つ又は複数のフィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field Prgrammable Gate Array)、処理コンポーネントのグループ、目的固有のプロセッサ、或いは、その他の適切な電子処理コンポーネントとして実装することができる。メモリ装置(例えば、メモリ、メモリユニット、ストレージ装置など)は、本出願において記述されている様々なプロセス、層、及び機能を完成又は促進するべく、データ及び/又はコンピュータコードを保存するための1つ又は複数の装置(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクストレージなど)である。メモリ装置は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、或いは、これらを含むことができる。メモリ装置は、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、或いは、本出願において記述されている様々な活動及び情報構造をサポートするための任意のその他のタイプの情報構造を含むことができる。例示用の一実施形態によれば、メモリ装置は、処理回路を介してプロセッサに通信自在に接続されており、且つ、(例えば、処理回路及び/又はプロセッサによって)本明細書において記述されている1つ又は複数のプロセスを実行するためのコンピュータコードを含む。
【0114】
コンピュータ50は、ナビゲーションシステム42及び触覚装置60と通信するように構成されている。更には、コンピュータ50は、骨切り術手技に関係する情報を受け取ることができると共に、骨切り術手技の実行に関係する様々な機能を実行することができる。例えば、コンピュータ50は、画像分析、手術計画、見当合わせ、ナビゲーション、画像ガイダンス、及び触覚ガイダンスに関係する機能を実行するべく、必要に応じて、ソフトウェアを有することができる。更に詳しくは、ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置(触覚装置)との関連において動作することができる。
【0115】
コンピュータ50は、関節形成手技を実行することを要する患者の解剖構造の画像を受け取っている。図2を参照すれば、関節形成を実行する前に、医療撮像装置によってキャプチャされたCT又はMRI(ステップ801)などの任意の既知の撮像技法を使用することにより、患者の解剖構造がスキャンされている。ここで、本開示は、CT又はMRI装置などの医療撮像装置によってキャプチャ又は生成された医療画像を参照しているが、医療画像を生成するその他の方法も、可能であり、且つ、本明細書において想定されている。例えば、骨の画像は、術中に、骨表面のトポグラフィをスキャン又は見当合わせするハンドヘルド型のスキャニング又は撮像装置などの、医療撮像装置を介して生成することができる。従って、医療撮像装置という用語は、撮像センタに配置されている相対的に大規模な装置のみならず、術中において使用されるハンドヘルド型の撮像装置をも包含するものと解釈されたい。
【0116】
継続すれば、スキャンデータは、次いで、患者の解剖構造の三次元表現を取得するべく、セグメント化される。例えば、膝関節形成を実行する前に、大腿骨及び脛骨の三次元表現が生成される。三次元表現を計画プロセスの一部として使用することにより、大腿骨及び脛骨ランドマークを選択することが可能であり、且つ、提案対象の大腿骨及び脛骨インプラントの向き及び配置と共に、患者の大腿骨−脛骨アライメントが算出され、提案対象の大腿骨及び脛骨インプラントの向き及び配置は、コンピュータ50を介してモデル及びサイズについて選択することができる。大腿骨及び脛骨ランドマークは、その他のものに加えて、大腿骨頭部中心、遠位滑車神経溝、顆間隆起の中心、脛骨−足首中心、及び内側脛骨棘を含みうる。大腿骨−脛骨アライメントは、大腿骨の機械軸(即ち、大腿骨頭部中心から遠位滑車神経溝までのライン)と脛骨の機械軸(即ち、足首中心から顆間隆起中心までのライン)の間の角度である。患者の現時点の大腿骨−脛骨アライメントと、提案されたインプラントの埋植と関連する望ましい伸展、内反−外反角度、及び内部−外部回転を含む、提案されている大腿骨及び脛骨インプラントのサイズ、モデル、及び配置を更に含む、関節形成手技によって実現されるべき望ましい大腿骨−脛骨アライメントと、に基づいて、コンピュータ50は、関節形成手技の実行のプロセスにおいて触覚装置60を介して実施されるべき切除を含む、提案されたインプラントの望ましい埋植を算出するように、或いは、提案されたインプラントの埋植の術前計画を少なくとも支援するように、プログラムされている(ステップ803)。ステップ803を介して実現された術前計画は、検討、調節、及び承認のために外科医に提供され、且つ、術前計画は、外科医の監督下において更新される(ステップ802)。
【0117】
コンピュータ50が、ステップ803に従って手術計画を開発するべく使用されていることから、ユーザーは、情報を入力すると共に手術計画の任意の部分を変更するべく、手術計画の任意のステージにおいてコンピュータ50とやり取りすることができることを理解されたい。手術計画は、複数の計画された仮想的境界を含む。仮想的境界は、関節形成手技において骨10、11内において生成されるべき孔及び/又は切削を表しうる。手術計画が開発されたら、計画された孔及び切削を骨10、11内において生成する際にユーザーを支援するべく、触覚装置60が使用される。術前計画については、特に、骨切除深さ計画及び大腿骨前部骨幹部ノッチングの防止との関係において、更に詳しく後述することとする。
【0118】
骨10、11内における孔の穿孔及び切削又は切除の生成は、2011年8月30日付けで付与された「Haptic Guidance System and Method」という名称の米国特許第8,010,180号明細書において記述されている触覚ガイダンスシステムなどの、触覚的にガイドされた対話型のロボットシステムの支援により、実現することが可能であり、且つ、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。外科医が、高速ドリル、矢状鋸、又はその他の適切なツールにより、骨の内部において、孔を穿孔するべく、或いは、切削を実行するべく、ロボットアームを操作するのに伴って、システムは、ロボットアームの制御システム内に事前プログラムされている適切な形状に孔及び切削を彫刻する際に外科医をガイドするべく、触覚フィードバックを提供する。触覚ガイダンス及びフィードバックについては、更に詳しく後述することとする。
【0119】
手術計画においては、コンピュータ50は、関節形成手技において埋植される大腿骨及び脛骨インプラントに関係する情報を更に受け取っている。例えば、ユーザーは、入力装置52(例えば、キーボード、マウスなど)を使用することにより、選択された大腿骨及び脛骨インプラントのパラメータをコンピュータ50に入力することできる。或いは、この代わりに、コンピュータ50は、様々なインプラント及びそのパラメータの事前に確立されたデータベースを含んでいてもよく、且つ、ユーザーは、選択されたインプラントをデータベースから選択することができる。更なる実施形態においては、インプラントは、患者固有の手術計画に基づいてカスタム設計することができる。インプラントの選択は、手術計画の任意のステージにおいて実行することができる。
【0120】
更には、手術計画は、インプラントの少なくとも1つのパラメータ又はインプラントのパラメータの機能に基づいたものであってもよい。インプラントは、手術計画プロセスの任意のステージにおいて選択されうることから、インプラントは、計画された仮想的境界のコンピュータ50による判定の前に判定されてもよく、或いは、その後に選択されてもよい。まず、インプラントが選択される場合には、計画された仮想的境界は、インプラントのパラメータに少なくとも部分的に基づいたものであってもよい。例えば、骨10、11内において生成される孔又は切削を表す計画された仮想的境界の間の距離(又は、任意のその他の関係)は、望ましい内反−外反大腿骨−脛骨アライメント、伸展、内部−外部回転、又は関節形成インプラントの埋植の望ましい手術結果と関連する任意のその他の要因に基づいて計画することができる。この結果、手術計画の実装は、選択されたインプラントが望ましい手術結果を実現することを許容するべく、切除された骨表面及び孔の適切なアライメントを結果的にもたらすことになる。或いは、この代わりに、コンピュータ50は、インプラントの選択の前に、計画された仮想的境界を含む手術計画を開発することもできる。このケースにおいては、インプラントは、計画された仮想的境界に少なくとも部分的に基づいて選択(例えば、入力、選択、又は設計)することができる。例えば、インプラントは、手術計画の実行が、選択されたインプラントが望ましい手術結果を実現することを許容するべく、切除された骨表面及び孔の適切なアライメントを結果的にもたらすことになるように、計画された仮想的境界に基づいて選択することができる。
【0121】
仮想的境界は、仮想的空間内に存在しており、且つ、既存の、或いは、物理的(即ち、現実の)空間内において生成されるべき、特徴を表すことができる。仮想的境界は、物理的空間内のオブジェクトとやり取りする能力を有する物理的空間内の作業境界に対応している。例えば、作業境界は、触覚装置60に結合された手術ツール58とやり取りすることができる。手術計画は、しばしば、孔及び切除を表す仮想的境界を含むものとして本明細書においては記述されているが、手術計画は、骨10、11に対するその他の変更を表す仮想的境界を含むことができる。更には、仮想的境界は、物理的空間内のオブジェクトとやり取りする能力を有する物理的空間内の任意の作業境界に対応することもできる。
【0122】
再度図2を参照すれば、手術計画の後に、且つ、関節形成手技を実行する前に、任意の既知の見当合わせ技法を使用することにより、物理的解剖構造(例えば、骨10、11)が解剖構造の仮想的表現(例えば、術前三次元表現)に対して見当合せされている(ステップ804)。可能な見当合わせ技法は、上述の米国特許第8,010,180号明細書において記述されているポイントに基づいた見当合わせ技法、或いは、2012年7月30日付けで出願された「Radiographic Imaging Device」という名称の米国特許出願第13/562,163号明細書において記述されているハンドヘルド型のラジオグラフィック撮像装置を利用した2D/3D見当合わせを含み、且つ、後者の特許文献の内容も、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。患者の解剖構造の見当合わせは、手術手技において正確なナビゲーションを許容し(ステップ805)、この結果、仮想的境界のそれぞれが物理的空間内の作業境界に対応することが可能となる。例えば、図3A及び図3Bを参照すれば、脛骨10内の切除を表す仮想的境界62が、コンピュータ又はその他のディスプレイ63上において表示されており、且つ、仮想的境界62は、手術室内の手術部位などの、物理的空間69内の作業境界66に対応している。そして、作業境界66の一部分は、脛骨10内の計画された切除の場所に対応している。
【0123】
仮想的境界と、従って、対応する作業境界と、は、任意の構成又は形状を有することができる。図3Aを参照すれば、脛骨10内において生成されるべき近位切除を表す仮想的境界62は、脛骨10内における近位切除の生成の際にユーザーを支援するのに適した任意の構成を有することができる。脛骨10の仮想的表現内において示されている仮想的境界62の一部分は、手術ツールによって除去されるべき骨を表している。切除された脛骨10上における脛骨インプラントの埋植を促進するべく、脛骨10内に穿孔又は加工されるべき孔について、類似の仮想的境界を生成することができる。仮想的境界(並びに、従って、対応する作業境界)は、三次元容積を完全に含む且つ取り囲む1つ又は複数の表面を含むことができる。一代替実施形態においては、仮想的境界及び作業境界は、三次元容積を完全には含んでおらず、むしろ、「能動的」表面と「開放」部分の両方を含んでいる。例えば、脛骨内の近位切除を表す仮想的境界62は、基本的に矩形のボックス形状の「能動的」表面62aと、「開放」部分64を有する、矩形のボックス形状の部分に接続された潰れた漏斗又は三角形のボックス形状の「能動的」表面62bと、を有することができる。一実施形態においては、仮想的境界62は、2011年12月29日付けで出願された「Systems and Methods for Selectively Activating Haptic Guide Zones」とういう名称の米国特許出願第13/340,668号明細書において記述されているように、潰れた漏斗によって生成することが可能であり、且つ、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。仮想的境界62に対応する作業境界66は、仮想的境界62と同一の構成を有する。換言すれば、脛骨10内において近位切除をガイドする作業境界66は、基本的に矩形のボックス形状の「能動的」表面66aと、「開放」部分67を有する、矩形ボックス形状の部分に接続された潰れた漏斗又は三角形のボックス形状の「能動的」表面66bと、を有することができる。
【0124】
更なる一実施形態においては、骨10内の切除を表す仮想的境界62は、実質的に矩形のボックス形状の部分62aのみを含んでいる。矩形のボックス形状の部分のみを有する仮想的境界の端部は、対応する作業境界の開放した最上部が骨10の外側表面と一致するように、「開放」した最上部を有することができる。或いは、この代わりに、図3A及び図3Bに示されているように、仮想的境界部分62aに対応する矩形のボックス形状の作業境界部分66aは、骨10の外側表面を過ぎて延在することもできる。
【0125】
いくつかの実施形態においては、骨の一部分を通じた切除を表す仮想的境界62は、厚さを伴って又は伴うことなしに、基本的に平坦な形状を有することができる。或いは、この代わりに、仮想的境界62は、湾曲させることも可能であり、或いは、不規則な形状を有することもできる。仮想的境界62がライン又は平坦な形状として描かれると共に、仮想的境界62が厚さをも有する場合には、仮想的境界62は、ツールが、骨の内に位置している間に、作業境界66の能動的表面内において閉じ込められうるように、骨の内部において切除を生成するべく使用される手術ツールよりもわずかに厚くてもよい。このような線形又は平坦な仮想的境界62は、手術ツール58が骨10に接近するのに伴って、対応する作業境界66が、外科医を支援するべく、漏斗又はその他の適切な形状において骨10の外側表面を過ぎて延在するように、計画することができる。手術ツール58と作業境界の能動的表面の間の関係に基づいて触覚ガイダンス及びフィードバック(後述する)をユーザーに提供することができる。
【0126】
又、手術計画は、2012年12月21日付けで出願された「Systems and Methods for Haptic Control of a Surgical Tool」という名称の米国特許出願第13/725,348号明細書において記述されている、手術ツールの自動的なアライメントを含む触覚制御への進入及びこれからの離脱を促進するための仮想的境界を含んでいてもよく、且つ、この特許文献の内容は、引用により、その全体が本明細書に包含される。
【0127】
仮想的境界を含む手術計画は、患者の骨密度に関係する情報に基づいて開発することができる。患者の骨の密度は、CT、MRI、又はその他の患者の解剖構造の撮像から得られたデータを使用することによって算出される。一実施形態においては、画像強度値と骨密度計測値の間の対応性を取得するべく、人間の骨を表すと共に既知のカルシウム含有量を有する較正オブジェクトが撮像されている。次いで、患者の解剖構造の個々の画像の強度値を骨密度計測値に変換するべく、この対応性を適用することができる。次いで、患者の解剖構造の個々の画像が、骨密度計測値の対応するマップと共に、セグメントされ、且つ、これを使用することにより、患者の骨密度情報を含む、患者の解剖構造の三次元表現(即ち、モデル)が生成される。次いで、その構造的強度を評価するべく、有限要素分析(FEA:Finite Element Analysis)などの画像分析をモデルに対して実行することができる。
【0128】
患者の解剖構造の構造的完全性を評価する能力は、関節形成計画の有効性を改善する。例えば、患者の骨の特定の部分が相対的に低密度であると考えられる場合には(即ち、骨粗しょう症)、骨の弱化した部分の破損のリスクを極小化するように、孔、切除、及びインプラント配置を計画することができる。更には、手術計画を改善するべく、手術計画の実装後の骨及びインプラント組合せの計画された構造(例えば、術後の骨及びインプラント構成)を術前に構造的完全性について評価することもできる。この実施形態においては、関節形成及び埋植手技の実行後の患者の骨及びインプラント構成を表すように、孔及び/又は切削が計画され、且つ、骨モデル及びインプラントモデルが操作されている。患者の体重及びライフスタイルなどの、術後の骨及びインプラント構成の構造的完全性に影響を及ぼす様々なその他の要因を考慮することができる。構成が術後に構造的に健全に且つ運動学的に機能可能となるかどうかを判定するべく、術後の骨及びインプラント構成の構造的完全性が分析される。分析によって構造的な弱さ又は運動学的な懸念が明らかとなった場合には、望ましい術後の構造的完全性及び機能を実現するように、手術計画を変更することができる。
【0129】
手術計画が完成したら、外科医は、触覚装置60の支援により、関節形成手技を実行することができる(ステップ806)。触覚装置60を通じて、手術システム100は、外科医が手術計画を正確に実装することを支援するべく、触覚ガイダンス及びフィードバックを外科医に提供している。関節形成手技における触覚ガイダンス及びフィードバックは、従来の関節形成技法との比較において、手術ツールの相対的に高度な制御を許容し、その結果、インプラントの相対的に正確なアライメント及び配置が得られる。更には、触覚ガイダンス及びフィードバックは、計画のためにKワイヤ及び蛍光透視法を使用する必要性を除去することをも、意図している。その代わりに、手術計画は、患者の解剖構造の三次元表現を使用することにより、生成及び検証されており、且つ、触覚装置が、手術手技においてガイダンスを提供している。
【0130】
「触覚」は、接触の感覚を意味しており、且つ、触覚の分野は、触覚及び/又はフォースフィードバックを操作者に提供する人間対話型装置に関係している。触覚フィードバックは、一般に、例えば、振動などの、触感を含む。フォースフィードバック(「レンチ(wrench)」とも呼称される)は、力(例えば、運動に対する抵抗力)及び/又はトルクの形態のフィードバックを意味している。レンチは、例えば、力、トルク、又は力とトルクの組合せの形態のフィードバックを含む。又、触覚フィードバックは、触覚及び/又はフォースフィードバックをユーザーに提供することができる手術ツールに提供されるパワーの量を無効化又は変更するステップを包含することもできる。
【0131】
手術システム100は、手術ツール58と作業境界のうちの少なくとも1つのものの間の関係に基づいて、触覚フィードバックを外科医に提供している。手術ツール58と作業境界の間の関係は、触覚フィードバックを提供するべくナビゲーションシステムによって取得されうると共に手術システム100によって利用されうる手術ツール58と作業境界の間の任意の適切な関係であってもよい。例えば、関係は、1つ又は複数の作業境界との関係における手術ツール58の位置、向き、ポーズ、速度、又は加速度であってもよい。更には、関係は、1つ又は複数の作業境界との関係における手術ツール58の位置、向き、ポーズ、速度、及び加速度の任意の組合せであってもよい。又、手術ツール58と作業境界の間の「関係」は、手術ツール58と作業境界の間の別の関係から結果的に得られる量又は計測値を意味することもできる。換言すれば、「関係」は、別の関係の関数であってもよい。具体的な一例として、手術ツール58と作業境界の間の「関係」は、手術ツール58と作業境界の間の位置的関係によって生成される触覚力の大きさであってもよい。
【0132】
手術の際には、外科医は、装置に結合された手術ツール58をガイドするべく、触覚装置60を操作する。手術システム100は、大腿骨及び脛骨インプラントの埋植を促進するために必要とされる患者の骨に対する計画された孔、切削、又はその他の変更の生成において外科医を支援するべく、触覚装置60を通じて、触覚フィードバックをユーザーに提供する。例えば、手術システム100は、手術ツール58が作業境界と交差することを実質的に防止又は抑制することにより、外科医を支援することができる。手術システム100は、触覚フィードバックの提供による、フォースフィードバックの提供による、並びに/或いは、手術ツールに提供されるパワーの量の変更による、ものを含む、任意の数の及び組合せの触覚フィードバックメカニズムにより、作業境界と交差しないように手術ツールを抑制することができる。本明細書において使用されている「抑制」は、運動を制限するための傾向を表現するべく使用されている。従って、手術システムは、手術ツール58の運動を制限する傾向を有する反対の力を触覚装置60に適用することにより、直接的に手術ツール58を抑制することができる。又、手術システムは、自身のアクションを変更するようにユーザーに対して警告するように、触覚フィードバックを提供することにより、間接的に、手術ツール58を抑制してもよく、その理由は、自身のアクションを変更するようにユーザーに警告することが、手術ツール58の運動を制限する傾向を有しているからである。更なる実施形態においては、手術システム100は、手術ツール58に対するパワーを制限することにより、手術ツール58を抑制してもよく、手術ツール58に対するパワーの制限も、ツールの運動を制限する傾向を有している。
【0133】
様々な実施形態においては、手術システム100は、手術ツール58が作業境界に接近するのに伴って、作業境界との間における手術ツール58の接触の際に、且つ/又は、手術ツール58が既定の深さだけ作業境界に進入した後に、触覚フィードバックをユーザーに提供している。外科医は、例えば、振動として、触覚装置の更なる運動に抵抗する又は能動的に反対するレンチとして、或いは、触覚装置の更なる運動を実質的に防止する確実な「壁」として、触覚フィードバックを経験することができる。或いは、この代わりに、ユーザーは、手術ツール58に提供されるパワーの変更の結果として得られる触感(例えば、振動の変化)として、或いは、ツールに提供されるパワーの停止の結果として得られる触感として、触覚フィードバックを経験することもできる。手術ツール58が穿孔している、切削している、又はその他の方式によって骨に対して直接的に働きかけている際に、手術ツールに対するパワーが変更又は停止された場合には、外科医は、更なる運動に対する抵抗力の形態において触覚フィードバックを感じ取ることになり、その理由は、ツールが、もはや、穿孔できない、切削できない、又はその他の方式で骨を通じて運動することができない、からである。一実施形態においては、手術ツールに対するパワーは、手術ツール58と作業境界の間の接触の際に、変更されるか(例えば、ツールに対するパワーを減少させる)、或いは、停止されている(例えば、ツールが無効化される)。或いは、この代わりに、手術ツール58に提供されるパワーは、手術ツール58が作業境界に接近するのに伴って、変更する(例えば、減少させる)こともできる。
【0134】
別の実施形態においては、手術システム100は、手術ツール58を作業境界に向かって又はこれに沿ってガイドするべく触覚フィードバックを提供することにより、計画された孔、切削、又は骨に対するその他の変更の生成において外科医を支援することができる。一例として、手術システム100は、手術ツール58の先端と作業境界の最も接近した座標の間の位置的関係に基づいて、触覚装置60に対して力を提供することができる。これらの力により、手術ツール58は、最も近接した作業境界に接近することができる。手術ツール58が作業境界の実質的に近傍となる又はこれに接触したら、手術システム100は、作業境界の一部分に沿って運動するように手術ツール58をガイドする傾向を有する力を適用することができる。別の実施形態においては、力は、作業境界の一部分から作業境界の別の部分まで(例えば、作業境界の漏斗形状の部分から作業境界の矩形ボックス形状の部分まで)運動するように、手術ツール58をガイドする傾向を有する。
【0135】
更に別の実施形態においては、手術システム100は、手術ツールを1つの作業境界から別の作業境界までガイドするように触覚フィードバックを提供することにより、計画された孔、切削、及び骨に対する変更を生成する際に外科医を支援するように構成されている。例えば、ユーザーが手術ツール58を作業境界66に向かってガイドした際に、外科医は、手術ツール58を作業境界66に向かって引っ張る傾向を有する力を経験しうる。その後に、ユーザーが、手術ツール58を作業境界66によって取り囲まれた空間から除去し、且つ、手術ツール58が第2の作業境界(図示されてはいない)に接近するように、触覚装置60を操作した際に、外科医は、作業境界66から離れると共に第2作業境界に向かって押し出す力を経験しうる。
【0136】
本明細書において記述されている触覚フィードバックは、手術システム100による作業境界に対する変更との関連において動作することができる。本明細書においては、「作業境界」に対する変更として記述されているが、手術システム100は、作業境界に対応する仮想的境界を変更していることを理解されたい。作業境界に対する変更のいくつかの例は、1)作業境界の再構成(例えば、形状又はサイズの変更)、並びに、2)作業境界全体又は作業境界の一部分の有効化及び無効化(例えば、「開放」部分を「能動的」表面に変換すること、並びに、「能動的」表面を「開放」部分に変換すること)を含む。作業境界に対する変更は、触覚フィードバックと同様に、手術ツール58と1つ又は複数の作業境界の間の関係に基づいて、手術システム100によって実行することができる。作業境界に対する変更は、骨に向かう手術ツール58の運動及び手術ツール58による骨の切削などの様々なアクションを促進することにより、関節形成手技において、必要とされる孔及び切削の生成の際にユーザーを更に支援する。
【0137】
一実施形態においては、作業境界に対する変更は、骨10に向かう手術ツール58の運動を促進している。手術手技においては、患者の解剖構造がナビゲーションシステムによって追跡されていることから、手術システム100は、患者の解剖構造の運動と対応する方式により、作業境界66の全体を運動させている。このベースライン運動に加えて、骨10に向かう手術ツール58の運動を促進するように、作業境界66の一部分を再成形及び/又は再構成することができる。一例として、手術システムは、手術ツール58と作業境界66の間の関係に基づいて、手術手技において、矩形ボックス形状の部分66aとの関係において作業境界66の漏斗形状の部分66bを傾斜させることができる。従って、手術ツール58が骨10に接近するのに伴って、手術ツール58が、作業境界66の一部分66bによって取り囲まれた空間内において留まるように、作業境界66を手術手技において動的に変更することができる。
【0138】
別の実施形態においては、作業境界又は作業境界の一部分が有効化又は無効化されている。作業境界全体の有効化及び無効化は、手術ツール58が骨10に接近している際に、ユーザーを支援することができる。例えば、第2作業境界(図示されてはいない)は、外科医が第1作業境界66に接近している際に、或いは、手術ツール58が、第1作業境界66によって取り囲まれた空間内に位置している際に、無効化することができる。同様に、第1作業境界66は、外科医が第1の対応する切除の生成を完了し、且つ、第2の切除を生成する準備が完了した後に、無効化することができる。一実施形態においては、作業境界66は、手術ツール58が、第2作業境界に至る漏斗部分内のエリアに進入したが、第1漏斗部分66bの外側に依然として位置している際に、無効化することができる。作業境界の一部分を有効化することにより、予め開放した部分(例えば、開放した最上部67)が作業境界の能動的表面に変換される。対照的に、作業境界の一部分を無効化することにより、作業境界の予め能動的な表面(例えば、作業境界66の端部部分66c)が「開放」した部分に変換される。
【0139】
作業境界の全体又はその一部分の有効化及び無効化は、手術手技において、手術システム100によって動的に実現することができる。換言すれば、手術システム100は、手術手技において、仮想的境界又は仮想的境界の一部分の有効化及び無効化をトリガする要因及び関係の存在を判定するようにプログラムすることができる。別の実施形態においては、ユーザーは、関節形成手技の様々なステージの開始及び完了を示すことにより、有効化又は無効化するように作業境界又はその一部分をトリガするべく、(例えば、入力装置52を使用することによって)手術システム100とやり取りすることができる。
【0140】
上述の手術システム100の動作及び機能に鑑み、以下、手術システム100を介して実行される手術を術前に計画する方法について説明し、次いで、術前計画を患者の実際の骨に対して、且つ、更には、手術システム100の適用可能なコンポーネントに対して、見当合わせする方法について詳細に説明することとする。
【0141】
触覚装置60は、外科医支援型の装置又はツールとして記述されてもよく、その理由は、装置60が、様々な切除の実行や孔の穿孔などを実行するべく外科医によって操作されるからである。特定の実施形態においては、装置60は、外科医支援型とは対照的に、自律型ロボットであってもよい。即ち、触覚境界とは対照的に、ツール経路が、骨を切除するべく、且つ、孔を穿孔するべく、定義されてもよく、その理由は、自律型ロボットは、既定のツール経路に沿ってのみ動作することが可能であり、その結果、触覚フィードバックに対するニーズが存在していないからである。特定の実施形態においては、装置60は、ナビゲーションシステム42との関連において動作する少なくとも1つの自由度を有する切削装置であってもよい。例えば、切削ツールは、ツール上においてトラッカを有する回転バー(rotating burr)を含むことができる。切削ツールは、外科医によって自由に操作可能であってもよく、且つ、ハンドヘルド型であってもよい。このようなケースにおいては、触覚フィードバックは、バーが仮想的境界に遭遇した際に回転を休止することに限定することができる。従って、装置60は、本出願において記述されている装置のいずれか、みならず、その他のものをも包含するものとして広範に見なすことを要する。
【0142】
II.関節形成手技の術前計画
本明細書において開示されている術前計画プロセスは、骨切除深さ判定と、前部骨幹部ノッチング評価と、を含む。骨切除深さ判定は、関節形成手技における望ましい手術結果を実現することになるインプラントの位置及び向きを判定するべく、患者の遠位大腿骨及び近位脛骨の三次元コンピュータモデルとの関係において候補大腿骨及び脛骨インプラントの三次元コンピュータモデルを選択及び位置決めするステップを含む。この評価の一部分として、必要な脛骨及び大腿骨切除の深さが、その切除のプレーンの向きと共に、算出される。
【0143】
前部骨幹部ノッチング評価は、インプラント三次元モデルが、骨切除深さ判定において提案されているように、脛骨三次元モデルとの関係において位置決め及び方向付けされた際に、選択された大腿骨インプラントの三次元モデルの前部フランジ部分が患者の遠位大腿骨の三次元モデルの前部骨幹部と交差することになるかどうかを判定するステップを含む。このような2つのモデルの交差は、前部大腿骨骨幹部のノッチングを示しており、これは、回避しなければならない。
【0144】
以下、これら2つの術前計画プロセスのそれぞれについて、詳細に、且つ、順番に、説明する。
【0145】
A.骨切除深さ
図4A及び図4Bは、それぞれ、一般的な脛骨200の近位端部及び一般的な大腿骨202の遠位端部の三次元コンピュータモデル200、202を示している。特定の実施形態においては、それぞれの三次元モデルは、サイズ及び形状の両方によるその個々の骨タイプの統計的平均値を表している。例えば、一実施形態においては、汎用脛骨モデル200は、サイズ及び形状との関係における実際の脛骨の多くのもの(例えば、数千又は数万個)の医療画像(例えば、CT、MRI、X線など)の分析の結果であり、且つ、この分析を使用して汎用脛骨モデル200を生成しており、これは、多くの実際の脛骨の統計的平均値である。同様に、汎用大腿骨モデル202も、サイズ及び形状との関係における実際の大腿骨の多くのもの(例えば、数千又は数万個)の医療画像(例えば、CT、MRI、X線など)の分析の結果であり、且つ、この分析を使用して汎用大腿骨モデル202を生成しており、これは、多くの実際の大腿骨の統計的平均値である。
【0146】
特定の実施形態においては、それぞれの三次元モデルは、骨のカタログ又はライブラリからランダムに選択された骨を表している。骨のライブラリは、その他のものに加えて、実際の骨(例えば、死体)のコンピュータモデル及び/又は医学的な骨モデルのコンピュータモデルを含みうる。モデル200、202は、このような任意の骨モデルであってもよいが、本開示を目的として、それぞれ、サイズ及び形状に従って脛骨及び大腿骨の統計的な平均値を表すものとして、一般的な脛骨200及び一般的な大腿骨202を参照することとする。図4Aに示されているように、ターゲットポイント204、208が汎用脛骨モデル200上において識別されている。特定の実施形態においては、図4Aにおいて観察されるように、脛骨外側顆凹部206上の最も遠位において凹入したポイント204及び脛骨内側顆凹部210上の最も遠位において凹入したポイント208が、識別され、且つ、汎用脛骨モデル200と共に電子的に保存される。このような最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208は、通常、個々の脛骨顆凹部206、210内において、内側−外側及び前部−後部において、センタリングされることになる。最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208は、図4Aに示されているように、円形又は球形のポイントとして、汎用脛骨モデル200上において描くことができる。特定の実施形態においては、ターゲットポイント204、208は、脛骨モデル200のその他の部分上において配置することができる。例えば、特定の実施形態においては、ターゲットポイント204、208は、汎用脛骨モデル200上における最も近位において突出した又は最も近位において延在しているポイントであってもよい。これに加えて、特定の実施形態においては、ターゲットポイント204、208は、顆の中心であってもよく、或いは、前部エッジから特定の割合(例えば、2/3)に位置するポイントであってもよく、これは、汎用脛骨モデル200上において埋植された脛骨インサート上の最下点を表しうる。本開示の範囲を逸脱することなしに、これらの及びその他のポイント204、208が可能である。本開示を目的として、脛骨外側顆凹部206上の最も遠位において凹入したポイント204及び脛骨内側顆凹部210上の最も遠位において凹入したポイント208を参照することとする。
【0147】
図4Bに示されているように、大腿骨外側顆216上の最遠位ポイント212及び最後部ポイント214、並びに、大腿骨内側顆222上の最遠位ポイント218及び最後部ポイント220が、識別され、且つ、汎用大腿骨モデル202と共に電子的に保存される。最遠位大腿骨顆ポイント212、218及び最後部大腿骨顆ポイント214、220は、図4Bにおいて描かれているように、円形又は球形ポイントとして、汎用大腿骨モデル202上において描くことができる。図4Bにおいては、遠位ポイント212、218及び後部ポイント214、220は、モデル202が矢状プレーン内のゼロ度の回転に位置した際に、汎用大腿骨モデル202上において識別される。即ち、大腿骨モデル202は、屈曲していない位置又は向きを有する。但し、汎用大腿骨モデル202は、大腿骨上において埋植される大腿骨コンポーネントの計画された屈曲について調節するべく、矢状プレーン内において回転させることができる。特定の実施形態においては、汎用大腿骨モデル202は、矢状プレーン内において、その他の角度に加えて、2度だけ、回転させられてもよく、且つ、遠位ポイント212、218及び後部ポイント214、220は、この屈曲した向きにおいて、モデル202上において識別することができる。
【0148】
手術システムの概要において上述したように、患者の脛骨及び大腿骨の医療画像は、セグメント化され、且つ、次いで、患者の脛骨及び大腿骨の三次元メッシュ又はコンピュータモデルにコンパイルされる。図5A〜図5Cは、患者の脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル224)の近位端部の、それぞれ、冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示しており、且つ、図6A〜図6Cは、患者の大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル226)の遠位端部の、それぞれ、冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図を示している。患者の脛骨及び大腿骨の三次元コンピュータモデルは、医療画像(例えば、CT、MRI)をセグメント化することから生成されるものとして記述されているが、患者モデルを生成するその他の方法が利用されうるものと予見されている。例えば、患者骨モデル又はその一部分は、骨又は軟骨表面を骨の1つ又は複数のエリア内において見当合わせすることを介して、術中において生成することができる。このようなプロセスは、1つ又は複数の骨表面プロファイルを生成することができる。従って、本明細書において記述されている様々な方法は、セグメント化された医療画像(例えば、CT、MRI)から生成された三次元骨モデルのみならず、術中撮像方法及びその他のものをも包含するものと解釈されたい。
【0149】
1.患者脛骨モデル上の最も遠位において凹入した脛骨顆ポイントの微細チューニング
図4A及び図5A〜図5Cの比較から理解されうるように、汎用脛骨モデル200の最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208が、患者脛骨モデル224の対応する場所上にインポート又はマッピングされている。ポイント204、208を汎用脛骨モデル200から患者脛骨モデル224にマッピングするべく、アファイン変換が使用される。更に詳しくは、汎用脛骨モデル200からのターゲットポイント204、208は、まず、既に演算済みのアファイン変換を使用してターゲットポイント204、208を変換し、且つ、次いで、患者脛骨モデル224のセグメント化された表面に対するそれぞれの変換されたターゲットポイントからの最も近接した表面ポイントを見出すことにより、患者脛骨モデル224上に/内にマッピングされる。この結果、且つ、図5A〜図5Cから理解されうるように、最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208は、最終的に、患者脛骨モデル224の外側及び内側脛骨顆上の最も遠位において凹入した場所において又はこれに非常に近接した状態において位置決めされた状態となる。いくつかの実施形態及び例においては、ポイント204、208の場所は、汎用及び患者モデル200、224の間の内側−外側スケーリング係数に従ってスケーリングすることができる。同様に、変換プロセスは、顆の中心や最も近位において突出した外側顆などのような、別の、上述のターゲットポイント204、208によって実現することもできる。一般的に、汎用骨モデル上の任意の1つ又は複数のターゲットポイントは、ターゲットポイント204、208が、最終的に、患者固有の骨モデル上の望ましい場所において又はこれに非常に近接した状態において位置決めされた状態となるように、患者固有の骨モデルに変換することができる。
【0150】
汎用モデル200及び患者脛骨モデル224は、初期アライメントを支援するべく、共通座標系を共有しうることに留意されたい。患者脛骨モデル224の原点は、CTランドマーキングプロセスによって定義される脛骨の最上部中心であってもよい。システム又はユーザーがこれらのポイントを定義することができる。汎用モデル200は、患者脛骨モデル224について実行されるものと同一の方式によってシステム又はユーザーによって選択された、予め定義された原点を有することができる。
【0151】
患者脛骨モデル224上において実際の局所的最小値を識別し、患者脛骨モデル224上において実際の局所的最大値を識別し、エッジ場所(例えば、前部エッジ)を識別し、接点を識別し、且つ、表面が特定のスロープとマッチングするポイントを見出すなどにより、遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208の改良を実現することができる。遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208の更なる又は代替的な改良は、大腿骨を参照して記述されている類似の方法及び機能を利用することができる。
【0152】
患者脛骨モデル224及びその上部のポイント204、208は、回転及び運動する能力を有する三次元コンピュータモデルとして、ディスプレイ54上において描くことができる。これに加えて、又はこの代わりに、患者脛骨モデル224及びその上部のポイント204、208は、図5A〜図5Cにおいてそれぞれ示されているように、3つの異なる図、即ち、冠状図、軸又は横断方向図、並びに、矢状図において、ディスプレイ54上において描くこともできる。ポイント204、208のうちの1つ又は複数が、例えば、図5A及び図5Cの場合のように、モデル224の骨構造によって隠蔽されている場合には、隠蔽されたポイント204、208は、半透明に、或いは、ポイントが存在しているが図中のなんらかの骨構造の背後に配置されていることを通知する別の描画において、描くことができる。ポイント204、208のうちの1つ又は複数がモデル224の骨構造によって隠蔽されている特定の実施形態においては、骨モデル224は、ポイント204、208が、塞いでいる骨構造の背後において識別可能となるように、半透明に描くことができる。ポイント204、208のうちの1つ又は複数が、図中において完全に可視状態にある(換言すれば、モデル224の骨構造によって隠蔽されていない)場合には、図5Bのケースのように、可視ポイント204、208は、ポイントがモデル224の骨構造によって隠蔽されておらず、図中において完全に可視状態にあることを通知するべく、中実の十分に可視状態のポイントとして描くことができる。
【0153】
これらのポイント204、208は、患者脛骨モデル224上において適切に位置決めされた際に、実際のインプラントが、本明細書において記述されているように術前に計画された関節形成手技の一部分として患者の脛骨及び大腿骨上にインプラントされた際に、選択された脛骨インプラントが(選択された大腿骨インプラントとの関連において)望ましい手術結果を実現することを許容することになる患者の脛骨に対する骨切除の深さを算出するべく使用される骨切除深さポイントとして、機能することができる。
【0154】
最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント204、208などのターゲットポイントが、上述のように、患者脛骨モデル224上において適切に配置されたら、これらのポイント204、208は、実際の関節形成手技において実際の患者骨上に実際の脛骨インプラントを埋植することから望ましい手術結果を実現するべく実際の脛骨インプラントを受け入れるために実際の患者骨内において生成される必要がある関連する骨切除を術前に算出するべく、候補脛骨インプラント300の三次元コンピュータモデルと共に、又はこのようなインプラント300と関連するデータと共に、使用することができる。
【0155】
図11は、候補脛骨インプラントの三次元コンピュータモデル(即ち、脛骨インプラントモデル300)の遠位−前部図であり、その脛骨プラトー304の遠位的に反対側であるその骨切除接触表面302を示している。患者脛骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者脛骨モデル224)の近位端部上において重畳された脛骨インプラントモデル300の冠状、軸又は横断方向、並びに、矢状図をそれぞれが示している図12A〜図12Cから理解されうるように、ポイント204、208のうちの一方又は両方は、インプラントモデル300の脛骨プラトー304の関節表面上の類似の又は等価な最も遠位において凹入した脛骨顆ポイント又は領域とアライメントさせることにより、インプラントモデル300の骨切除接触表面302に沿って延在する提案対象の脛骨切除306を定義することができる。定義された提案対象の脛骨切除306は、切除深さ及び平坦な向きに従って定義されている。当然のことながら、定義された提案対象の脛骨切除306は、解剖学的な(天然の)アライメントが求められているのか、又は相対的に従来型の機械軸アライメントが求められているのか、に応じて、望ましい内反−外反、内部−外部、又は伸展−屈曲回転を考慮してポイント204、208の両方又は単一のポイント204、208のみがインプラントモデル300の脛骨プラトー304の外側及び内側関節表面上の類似のポイントに対応するようにするべく、ポイント204、208との関係において遠位又は近位において切除深さを変更することにより、相対的に小さな又は相対的に大きなサイズに候補脛骨インプラントモデル300のサイズを変更することにより、提案対象の切除306の平坦な向きを変更することにより、術前の、且つ/又は、いくつかの実施形態においては、術中の、外科医入力により、調節又は変更することができる。
【0156】
図12A〜図12Cは、単一のポイント204、208のみが、インプラントモデル300の脛骨プラトー304の関節表面のうちの1つの関節表面上の類似のポイント又は領域とアライメントされる状況を示している。例えば、図12A及び図12Cにおいて観察されうるように、外側ポイント204は、インプラントモデル300の脛骨プラトー304の外側関節表面上の類似のポイント又は領域とアライメントされているが、内側ポイント208は、インプラントモデル300の内側プラトー上のその類似のポイント又は領域とアライメントされてはいない。従って、図12Bから理解されうるように、内側ポイント208は、インプラントモデル300の容積内の凹入に起因して、コンピュータディスプレイ54上において透明として出現することになることを表すべく、破線において示されており、且つ、外側ポイント204は、インプラントモデル300の脛骨プラトーの外側関節表面上に位置していることに起因してコンピュータディスプレイ上において実在感を伴って出現することになることを表すべく、中実円として示されている。脛骨インプラントモデル300は、切除深さがインプラントモデル300を通じて可視状態となるように、透明に描かれうることに留意されたい。この結果、外側側部上において発生する、ポイントの単一のマッチングのみにより、例えば、脛骨機械軸又は脚機械軸などの、患者の脚、大腿骨、又は脛骨の軸との関係における提案された切除プレーン306の望ましい角度を実現しつつ、外側ポイントのマッチングを維持することにより、インプラントモデル300の骨切除接触表面302の向きと、この結果、提案対象の切除プレーン306の向きと、が判定される。外科医が、提案された脛骨切除プレーン306の深さ及び向きを承認したら、手術において触覚装置60をガイドする際にナビゲーションシステムによって使用されるように、関連するデータを手術システム100に提供することが可能であり、且つ、図15A〜図15Cに示されているように、切除された患者脛骨モデル224が、術中に外科医に対して表示されてもよく、これらの図は、切除が提案されると共に提案された脛骨切除306を示す、脛骨モデル224の様々な図である。
【0157】
提案対象の脛骨切除プレーン306の定義についての上述の説明は、脛骨モデル224上において候補脛骨インプラント300を重畳し、且つ、このような重畳をシステム100のコンピュータディスプレイ54上において視覚的に示す、という文脈において実施されているが、その他の実施形態においては、このようなプロセスは、コンピュータディスプレイ54上の候補脛骨インプラントの三次元表現又はその実際の視覚的表現を必要とはしない、候補脛骨インプラント300を表すデータにより、実行することができる。
【0158】
2.患者大腿骨モデル上の最後部及び最遠位大腿骨顆ポイントの微細チューニング
図4B及び図6A〜図6Cの比較から理解されうるように、汎用大腿骨モデル202の最遠位大腿骨顆ポイント212、218及び最後部大腿骨顆ポイント214、220が、患者大腿骨モデル226の対応する場所上にインポート又はマッピングされている。脛骨変換を参照して記述されているように、ポイント212、214、218、220を汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226にマッピングするべく、アファイン変換が使用される。その結果、並びに、図6A〜図6Cから理解されうるように、最遠位大腿骨顆ポイント212、218は、最終的に、患者大腿骨モデル226の外側及び内側大腿骨顆上の最遠位場所において又はこれに非常に近接した状態において位置決めされた状態となる。同様に、最後部大腿骨顆ポイント214、220も、最終的に、患者大腿骨モデル226の外側及び内側大腿骨顆上の最後部場所において又はこれに非常に近接した状態において位置決めされた状態となる。いくつかの実施形態及び例においては、ポイント212、214、218、220の場所は、汎用及び患者モデル202、226の間の内側−外側スケーリング係数に従ってスケーリングすることができる。いくつかの実施形態及び例においては、アファイン変換がスケーリング機能を内蔵することができる。
【0159】
汎用モデル202及び患者大腿骨モデル226は、初期アライメントを支援するべく、共通座標系を共有しうることに留意されたい。全膝関節形成における患者大腿骨モデル226の原点は、CTランドマーキングプロセスによって定義される遠位滑車神経溝であってもよい。部分膝関節形成における患者大腿骨モデル226の原点は、CTランドマーキングプロセスにおいて定義される内側及び外側上顆の間の中間点中心であってもよい。システム又はユーザーがこれらのポイントを定義することができる。汎用モデル202は、患者大腿骨モデル226について実行されるものと同一の方式によってシステム又はユーザーによって選択された予め定義された原点を有することができる。
【0160】
一実施形態においては、大腿骨顆表面上の「最遠位」及び「最後部」ポイントは、外科医によって検討及び制御される、2度の屈曲において、或いは、別の角度の屈曲において、配置された大腿骨インプラント、という意味において、使用されている。又、脛骨モデル224のポイント204、208又は大腿骨モデル226のポイント212、214、218、220の任意のものの場合には、これらのポイントは、術前計画の際に外科医によって参照又は使用される可能性が高くならないように、骨棘上に、或いは、モデル上の任意のその他の表面上に、配置されるべきではない。ポイント204、208、212、214、218、220が骨棘上に位置しているかどうかの判定については、後述することとする。
【0161】
ポイント212、214、218、220が、当初、アファイン変換を介して汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226上にマッピングされたら、以下において記述されているように機能するアルゴリズムを介して、患者大腿骨モデル226上のポイント212、214、218、220の場所が最終的な場所に調節される。
【0162】
大腿骨機械軸座標空間から2度の屈曲において、仮想的インプラント座標系が配置される。大腿骨切除深さポイントに関する以下の説明においては、この座標系の前部−後部及び近位−遠位方向を使用している。
【0163】
直下の段落において図7及び図8との関係において詳述されているように、2つの後部ポイント214、220のそれぞれごとに、アルゴリズムは、それぞれのポイント214、220の初期場所の周りにおいてサーチを実施し、且つ、それぞれのポイント214、220の最終的な調節済みの場所が、それぞれのポイント214、220の初期場所において又はその近傍においてセンタリングされた球体と交差するすべての三角形表面メッシュ面の最後部頂点となるように、判定される。一実施形態においては、球体230の半径は、患者大腿骨モデル226が、内側−外側サイズとの関係において汎用大腿骨モデル202に実質的にマッチングしている場合には、7ミリメートルである。患者大腿骨モデル226と汎用大腿骨モデル202の間の内側−外側サイズ差に起因してスケーリングが必要とされる場合には、2つのモデル292、226の間のスケーリングに応じて、球体230の半径を7ミリメートル超に又はこれ未満にスケーリングすることができる。
【0164】
従って、それぞれ、三次元患者大腿骨コンピュータモデル226の後部顆領域の三角形表面メッシュ228の拡大図及び患者大腿骨モデル226上のマッピングされた後部ポイント214、220の配置を調節する方法を概説するフローチャートである図7及び図8から理解されうるように、後部ポイント214、220は、汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226の顆にマッピングされている[ブロック250]。内側−外側及び前部−後部スケーリング係数が、汎用大腿骨モデル202と患者大腿骨モデル226の間において判定され、且つ、これらのスケーリング係数は、後で使用されるように保存されている[ブロック252]。患者大腿骨モデル上のそれぞれの後部ポイント214、220ごとに、仮想的球体230が、ポイント214、220においてセンタリングされており、球体230は、7mmに内側−外側スケーリング係数を乗算したものである半径Rを有する[ブロック254]。
【0165】
図7に示されているように、汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨226上にマッピングされた後部ポイント214の初期場所は、矢印Aによって示された場所において示されている。図7において観察されるように、後部ポイント214は、アファイン変換による演算に従って、表面メッシュ上において配置されている。但し、その他の変換のケースにおいては、ポイント214は、三角形表面メッシュ228から外向きに離れるように離隔する場合もあり、或いは、三角形表面メッシュ228内において凹入する場合もある。後部ポイント214の矢印Aにおける初期場所は、球体230によって取り囲まれており、この球体230は、上述のように、2つのモデル202、226の間のM−Lスケーリングに応じて、7ミリメートルの半径又はその他の半径を有することができる。球体230は、表面メッシュ228のいくつかの三角形面232及び頂点と交差しており、且つ、アルゴリズムは、破線矢印によって示されているように、球体230によって交差された三角形面232のいずれかの三角面の頂点のうちのいずれかの頂点の最も後部である頂点に後部ポイント214を調節している(即ち、移動させている)[ブロック256]。患者大腿骨モデル226上における後部ポイント214の結果的に得られる調節済みの最終的な場所は、図7においては、矢印Bによって示されている。次いで、後部ポイント214の調節済みの最終的な場所に基づいて後部切除深さが判定されている[ブロック258]。次いで、手術システム100は、後部切除深さを使用することにより、切除データを生成することができる。切除データは、関節形成手技の術中部分において使用されてもよく、且つ、触覚装置60又は手術ロボットを制御するための触覚境界として利用されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技において、手術ロボットによって利用されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技において、ナビゲーションシステムによって利用されてもよい。ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に、自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作することができる。少なくとも2つの自由度(例えば、回転バー及び平行運動能力)を有する切削装置などの自律型ロボットは、切除データが、切除を実行するためのツール経路として利用される状態において、関節形成手技を実行することができる。本明細書において記述されている触覚装置60又は少なくとも1つの自由度を有する切削ツール(例えば、外科医によって運動又は平行運動させられる回転バー)などの外科医支援型の装置は、切除データが、切削ツールの特定の運動(例えば、切除の深さ)を制御又は制限するための仮想的又は触覚境界となる状態において、関節形成手技を実行することができる。従って、図8のステップは、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を記述することができる。
【0166】
本開示においては、球体230が記述されているが、球体の代わりに、その他の三次元形状が利用されうるものと予見されている。その他の三次元形状に加えて、例えば、楕円体、プリズム、又はボックスが、限定を伴うことなしに、且つ、本開示の範囲を逸脱することなしに、使用されうる。これに加えて、又はこの代わりに、本明細書においては、厚さを伴わないプレーン又は表面などの2次元形状も使用されうる。
【0167】
患者大腿骨モデル226上の最後部ポイント214の場所を識別する技法は、反復的なものではないが、特定の実施形態においては、場所を見出すステップは、反復的なプロセスであってもよい。特定の例においては、後部端部における骨表面は、相対的に健康且つ健常でありうる。従って、最後部ポイント214の場所の判定は、非反復的な方式によって実現することができる。
【0168】
図8〜図10Cとの関係において直下の段落において詳述されているように、2つの遠位ポイント212、218のそれぞれごとに、アルゴリズムは、それぞれのポイント212、218の初期場所の周りにおいてサーチを実施し、且つ、それぞれのポイント212、218の最終的な調節済みの場所が、それぞれのポイント212、218の初期場所において又はその近傍においてセンタリングされた楕円体240の内側に配置されたすべての表面メッシュ頂点のうちで最も遠位となるように判定されており、この場合に、Xは、内側−外側方向にあり、Yは、前部−後部方向にあり、且つ、Zは、近位−遠位方向にある。アルゴリズムが、その反復を通じて進行するのに伴って、楕円体240のサイズは、(1)見出された最遠位ポイントが楕円体240の境界に近接しているかどうか、並びに、(2)見出されたポイントの周りの領域の近位−遠位スパンが大きく、これにより、ポイントが顆の内側−外側エッジに近接している又は骨棘に近接していることを通知しているかどうか、に応じて、動的に調節される。プロセスが、最終的な最遠位ポイント212、218を見出すことによって充足される時点まで、それぞれの楕円体反復調節の後に、新しい最遠位ポイントが見出される。
【0169】
本開示は、楕円体240について記述しているが、楕円体の代わりに、その他の三次元形状が利用されうるものと予見されていることに留意されたい。その他の三次元形状に加えて、限定を伴うことなしに、且つ、本開示の範囲を逸脱することなしに、例えば、球体、プリズム、又はボックスが使用されうる。これに加えて、又はこの代わりに、本明細書においては、厚さを有していないプレーン又は表面などの2次元形状も使用されうる。
【0170】
以下において詳述されると共に直前においても言及されているアルゴリズムの動作との関連において、遠位ポイントが楕円体境界に過剰に近接している場合には、これは、更に遠位のポイントが楕円体の外側に存在していることを意味しており、従って、サーチ楕円体が拡大される。以下の説明から明らかとなるように、このプロセスは、最遠位ポイントが、そのエッジ上ではなく、サーチ容積内に位置する時点まで、基本的に、サーチ容積(即ち、楕円体、並びに、後述するように、後から使用される球体)のサイズ及び形状のなんらかの変動、並びに、プロセスに関するチェック、と共に反復される。又、以下の説明から明らかとなるように、プロセスに関するチェックのうちの1つは、プロセスの現時点の反復の半短軸Rが、プロセスの直前の反復の半短軸Rからの最遠位ポイントの過剰なジャンプを有しているかどうかである。有している場合には、サーチ容積は、骨棘を包含しているものと仮定される。次いで、この骨棘に応答して、サーチ容積は、過剰なジャンプの量だけ、サイズが低減され、且つ、次いで、最遠位ポイントが見出される。
【0171】
一実施形態においては、楕円体の半短軸(Rx及びRz)は、患者大腿骨モデル226が内側−外側サイズとの関係において汎用大腿骨モデル202と実質的にマッチングしている場合には、等しく、且つ、それぞれ、7ミリメートルである。患者大腿骨モデル226と汎用大腿骨モデル202の間の内側−外側サイズ差に起因して、スケーリングが必要とされる場合には、楕円体の半短軸は、2つのモデル202、226の間のM−Lスケーリングに応じて、7ミリメートル超又は未満に、スケーリングすることができる。同様に、楕円体の半長軸(Ry)は、患者の大腿骨モデル226が前部−後部サイズとの関係において汎用大腿骨モデル202と実質的にマッチングしている場合には、10ミリメートルである。患者大腿骨モデル226と汎用大腿骨モデル202の間の前部−後部サイズ差に起因して、スケーリングが必要とされる場合には、楕円体の半長軸は、2つのモデル202、206の間のA−Pスケーリングに応じて、10ミリメートル超又は未満に、スケーリングすることができる。
【0172】
従って、図8から理解されうるように、且つ、それぞれ、三次元患者大腿骨コンピュータモデル226の遠位顆領域の三角形表面メッシュ228の拡大図及び患者大腿骨モデル226上のマッピングされた遠位ポイント212、218の配置を調節する方法を概説するフローチャートである図9A及び図10によって継続されるように、遠位ポイント212、218が、汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226の顆にマッピングされている[ブロック250]。内側−外側及び前部−後部スケーリング係数が、汎用大腿骨モデル202と患者大腿骨モデル226の間において判定され、且つ、これらのスケーリング係数が、後で使用されるように保存されている[ブロック252]。図9Aに示されているように、且つ、図10Aにおいて概説されているように、患者大腿骨モデル上のそれぞれの遠位ポイント212、218ごとに、仮想的楕円体240は、ポイント212、218においてセンタリングされており、楕円体240は、R及びRという半短軸と、半長軸Rと、を有しており、この場合に、R及びRは、それぞれ、個々に、7mmに前部−後部スケーリング係数を乗算したものに等しく、且つ、Rは、10mmに前部−後部スケーリング係数を乗算したものに等しい[ブロック260]。これらの軸R、R、及びRは、図9Bに示されており、この図は、図9Aにおいて利用されている楕円体240の拡大等角図である。
【0173】
図9Aに示されているように、汎用楕円体モデル202から患者楕円体モデル226にマッピングされた遠位ポイント212の初期場所が、矢印Aによって示された場所において示されており、これは、三角形表面メッシュ228上に位置している。上述したように、異なる変換は、利用される特定の変換に応じて、三角形表面メッシュ228から外向きに離れるように離隔した状態において、或いは、三角形表面メッシュ228内において凹入した状態において、初期遠位ポイント212を位置決めしうる。表面メッシュ228上の遠位ポイント212の矢印Aにおける初期場所は、楕円体240によって取り囲まれており、この楕円体は、上述のように、2つのモデル202、226の間のA−Pスケーリングに応じて、それぞれが7ミリメートル又はその他の長さである半短軸R、Rと、2つのモデル202、226の間のA−Pスケーリングに応じて、10ミリメートル又はその他の長さである半長軸Rと、を有することができる。楕円体240は、表面メッシュ228の三角形面232のいくつかの頂点242を包含しており、且つ、アルゴリズムは、楕円体240の内側のすべての頂点242のうちの最遠位頂点を見出すが、この頂点は、図9A内において矢印Bによって識別されている頂点242である[ブロック262]。次いで、アルゴリズムは、図9Aにおいて矢印Bによって識別されている最遠位頂点214が、楕円体240の境界に過剰に近接しているかどうかを評価している[ブロック264]。
【0174】
一実施形態においては、アルゴリズムは、識別された最遠位頂点242の位置が楕円体関数f=x/a+y/b+z/cに適用された際に、識別された最遠位頂点242における関数の結果が0.65(次元なし)を上回っている場合に、楕円体240の境界に過剰に近接しているものとして、(図9Aにおいて矢印Bによって識別されている)識別された最遠位頂点242を定義している。楕円体関数において、xは、Tx−Pxであり、ここで、Txは、ターゲットポイント(図9CのA)のx座標であり、且つ、Pxは、演算された新しい遠位ポイント(図9CのB)のx座標である。即ち、xは、楕円体の中心から演算された新しい遠位ポイントPまでの、x方向における距離である。同様のことが、楕円体関数のy及びzにも当て嵌まる。即ち、yは、Ty−Pyであり、ここで、Tyは、ターゲットポイントのy座標であり、且つ、Pyは、演算された新しい遠位ポイントのy座標である。そして、zは、Tz−Pzであり、ここで、Tzは、ターゲットポイントのz座標であり、且つ、Pzは、演算された新しい遠位ポイントのz座標である。楕円体関数において、aは、半径であり、Rx=7mmであり(楕円体の合計ML幅は、14mmである)、bは、半径であり、Ry=10mmであり(楕円体の合計AP長は、20mmであり)、且つ、cは、半径であり、Rz=7mmである(楕円体の合計高さは、14mmである)。
【0175】
0.65という値は、楕円体のエッジからの約1.5mmに等価である。究極的には、識別された最遠位頂点242が楕円体240の境界に過剰に近接している(例えば、エッジから1.5mmである)場合には、図9Aにおいて破線矢印によって示されているように、遠位ポイント212は、最遠位頂点であるものとして矢印Bによって図9Aにおいて示されている識別された最遠位頂点242に移動させられ[ブロック266]、患者大腿骨モデル226上の遠位ポイント212の結果的に得られる調節済みの最終的場所は、図9A内において矢印Bによって示されているとおりである。次いで、この遠位ポイント212の調節済みの最終的場所を使用することにより、遠位切除深さを算出することができる[ブロック267]。遠位切除深さは、切除データを生成するべく使用されてもよく、切除データは、触覚装置60又は手術ロボットを制御するための触覚境界として手術システム100によって利用されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技において手術ロボットによって利用されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されてもよい。ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作することができる。少なくとも2つの自由度(例えば、回転バー及び平行運動能力)を有する切削装置などの自律型ロボットは、切除データが、切除を実行するためのツール経路として利用される状態において、関節形成手技を実行することができる。本明細書において記述されている触覚装置60又は少なくとも1つの自由度(例えば、外科医によって運動又は平行運動させられる回転バー)を有する切削ツールなどの外科医支援型の装置は、切除データが、切削ツールの特定の運動(例えば、切除の深さ)を制御又は制限するための仮想的又は触覚境界となる状態において、関節形成手技を実行することができる。従って、最遠位ポイントの場所を判定する本明細書において記述されている方法は、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーンデータを生成する方法を記述することができる。
【0176】
その一方で、図10A、図10B、並びに、図9A及び図9Bの同一の楕円体240である図9Cから理解されうるように、(図9A及び図9Cにおいて矢印Bによって示されている)識別された最遠位頂点242が楕円体240の境界に過剰に近接している場合には、図9Cに示されているように、矢印Bによって示されている識別された最遠位頂点242から楕円体中心(即ち、図9A及び図9Cにおいて矢印Aによって示されている初期の最遠位ポイント212)に向かって1ミリメートルである球体中心ポイント250が識別される[ブロック268]。図9Cに示されているように、球体252は、球体中心ポイント250においてセンタリングされており、且つ、2ミリメートルの半径を有する[ブロック270]。上方−下方又はSIスパンが、球体252の境界と交差する三角形表面メッシュ228のすべての三角形面232について見出され、この場合に、SIスパンは、Zspan=(Zmax−Zmin)である[ブロック272]。Zspanは、最高ポイントから最低ポイントまでのZ方向(近位−遠位)におけるスパン高さであることに留意されたい。
【0177】
SIスパンを別の方式によって記述すれば、球体252の内側において含まれているすべての三角形面232について、最小Z値(即ち、最低高さ)を有する頂点242が、最大Z値(即ち、最大高さ)を有する頂点242から減算される。従って、SIスパンは、1つの座標(例えば、z)方向に沿った、球体242との間の三角形面232の交差の最大ポイントと球体252との間の三角形面232の交差の最小ポイントの間の差を計測している。これから、特定の座標方向に沿った最小値と最大値の間の変化又は差は、しばしば表面から唐突に突出している骨棘の存在を予測することが可能であると判定することができる。
【0178】
Zspanが1.5ミリメートル超であるかどうか、或いは、楕円体240の現時点の反復の半長軸Rが、15にA−Pスケーリング係数を乗算したものを上回っているかどうか、を確かめるべく、チェックが実施されている[ブロック274]。[ブロック274]の条件のいずれかが充足され、且つ、楕円体240の現時点の反復の半短軸R、Rのそれぞれが、それぞれ、3ミリメートルを上回っていない場合には、遠位ポイント212は、識別された球体中心ポイント250に移動させられ、且つ、この遠位ポイント212の最終的な調節済みの場所を使用することにより、遠位切除深さが算出される[ブロック276]。この結果、Zspanは、Z方向におけるピーク(例えば、骨棘)を識別するべく、使用される。そして、システムがピーク(即ち、Zspan>1.5mm)を検出した場合には、システムは、ピークの外側の最大高さを見出すための試みにより、サーチを調節することになる。
【0179】
或いは、この代わりに、[ブロック274]の条件のいずれかが充足されたが、楕円体240の現時点の反復の半短軸R、Rが、それぞれ、3ミリメートルを上回っている場合には、その反復における直前の楕円体の半短軸Rを1ミリメートルだけ下回る半短軸RX(NEW)(即ち、RX(NEW)=R−1mm)、その反復において直前の楕円体の半短軸Rを1ミリメートルだけ下回る半短軸RZ(NEW)(即ちRZ(NEW)=R−1mm)、並びに、その反復における直前の楕円体の半短軸Rを1ミリメートルだけ下回る半短軸RY(NEW)(即ち、RY(NEW)=R−1mm)を有するように、新しい楕円体が生成され、且つ、プロセスは、新しい楕円体に伴う別の反復を実行するべく、図10Aの[ブロック262]に戻る[ブロック278]。
【0180】
最終的に、[ブロック274]の条件のいずれもが充足されない場合には、球体252の半径は、4ミリメートルに増大させられると共に、球体252の境界と交差する三角形表面メッシュ228のすべての三角形面232について、SIスパンが見出され、この場合に、SIスパンは、Zspan=(Zmax−Zmin)であり、且つ、プロセスは、図10Cの[ブロック282]において継続する[ブロック280]。新しい4mm半径の球体252と関連するZspanが2ミリメートル超であるかどうかを確かめるべく、チェックが実施されている[ブロック282]。[ブロック282]の条件が充足された場合には、遠位ポイント212は、識別された球体中心ポイント250に移動させられ、且つ、この遠位ポイント212の最終的な調節済みの場所を使用することにより、遠位切除深さが算出される[ブロック284]。
【0181】
本開示においては、球体252が記述されているが、球体の代わりに、その他の三次元形状が利用されうることものと予見されている。その他の三次元形状に加えて、例えば、楕円体、プリズム、又はボックスが、限定を伴うことなしに、且つ、本開示の範囲を逸脱することなしに、使用されうる。これに加えて、又はこの代わりに、本明細書においては、厚さを有していないプレーン又は表面などの2次元形状が使用されうる。
【0182】
[ブロック282]の条件が充足されない場合には、現時点の半短軸R、Rの値が以前の反復において以前に訪問されているかどうかを確かめるべく、チェックが実施される[ブロック286]。現時点の半短軸R、Rの値が以前に訪問されている場合には、遠位ポイント212は、識別された球体中心ポイント250に移動させられ、且つ、この遠位ポイント212の最終的な調節済みの場所を使用することにより、遠位切除深さが算出される[ブロック288]。
【0183】
その一方において、現時点の半短軸R、Rの値が事前に訪問されていない場合には、その反復において直前の楕円体の半短軸Rよりも2ミリメートルだけ大きい半短軸RX(NEW)(即ち、RX(NEW)=R+2mm)、その反復において直前の楕円体の半短軸Rよりも2ミリメートルだけ大きい半短軸RZ(NEW)(即ち、RZ(NEW)=R+2mm)、並びに、その反復において直前の楕円体の半短軸Rを2ミリメートルだけ上回る半短軸RY(NEW)(即ち、RY(NEW)=RY+2mm)を有するように新しい楕円体が生成され、且つ、プロセスは、新しい楕円体に伴う別の反復を実行するべく、図10Aの[ブロック262]に戻る[ブロック290]。
【0184】
上述したプロセスは、(図9Aにおいて矢印Bによって示されている)識別済みの最遠位頂点242を判定する際に、骨棘又はその他の不規則な骨の特徴に遭遇するかどうかを検出する際に有用でありうる。骨棘は、患者大腿骨モデル226の表面から突出しうることから、最遠位頂点242は、骨棘上に位置しうる。但し、汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226に遠位ポイント212をマッピングすることを目的とした場合には、患者大腿骨モデル226上の骨棘の存在を無視することが有益である場合があり、その理由は、骨棘表面は、切除深さを判定する際には不適切でありうるからである。即ち、切除深さは、最遠位頂点242の関数であることから、最遠位頂点242は、不規則な骨の特徴の存在によって変更されるべきではない。従って、上述のプロセスは、以下のように要約されうる。
【0185】
遠位ポイント212の初期場所が、汎用大腿骨モデル202から患者大腿骨モデル226にマッピングされ、この様子は、図9Aにおいて矢印Aによって示されている場所において示されている。楕円体240が、上述のパラメータに基づいて生成される。最遠位頂点242が、上述のパラメータに基づいて楕円体240内において識別される。最遠位頂点242が楕円体240の境界のエッジに過剰に近接していない場合には、[ブロック267]を参照して記述されているように、最遠位頂点242を使用することにより、遠位切除深さが算出される。最遠位頂点242が楕円体240の境界のエッジに過剰に近接している場合には、最遠位頂点242が、特定の実施形態においては上述のZspan計算を介して、骨棘上に位置しているかどうかを判定しなければならない。最遠位頂点242が骨棘上に位置している場合には、楕円体のサイズが低減され、且つ、プロセスは、上述のように継続する。最終的に、最遠位頂点242が骨棘上に位置していない場合には、楕円体のサイズが増大させられ、且つ、プロセスは、上述のように継続する。楕円体のサイズを増大又は減少させるプロセスは、複数回にわたって発生しうる。例えば、最遠位ポイントが、楕円体のエッジの近傍であり、且つ、骨棘上には配置されていないと判定された場合には、楕円体は、骨棘と遭遇するか又はエッジの近傍であると判定される時点まで、サイズの増大を継続しうるであろう。
【0186】
患者大腿骨モデル226及びその上部のポイント212、214、218、220は、回転及び運動させられる能力を有する三次元コンピュータモデルとして、ディスプレイ54上において描くことができる。これに加えて、或いは、この代わりに、患者大腿骨モデル226及びその上部のポイント212、214、218、220も、図6A〜図6Cにおいて個々に示されているように、3つの異なる図、即ち、冠状図、軸又は横断方向図、及び矢状図内において、ディスプレイ54上において描くことができる。ポイント212、214、218、220のうちの1つ又は複数が、モデル226の骨構造によって隠蔽されている場合には、例えば、図8Aのポイント214、220及び図6Cのポイント218のケースにおけるように、隠蔽されているポイントは、半透明に、或いは、ポイントが存在しているが図中のなんらかの骨構造の背後に配置されていることを示す別の描画において、描くことができる。特定の実施形態においては、患者大腿骨モデル226は、患者大腿骨モデル226の表面によって塞がれている場合にも、ポイント212、214、218、220が可視状態となるように、透明に描くことができる。ポイント212、214、218、220のうちの1つ又は複数が図において完全に可視状態である(換言すれば、モデル226の骨構造によって隠蔽されていない)場合には、図6Aのポイント212、218、図6Bのポイント212、214、218、220、及び図6Cのポイント212、214、220のケースにおけるように、可視ポイント204、208は、ポイントがモデル226の骨構造によって隠蔽されておらず、図において完全に可視状態であることを通知するべく、中実の完全に可視状態のポイントとして描くことができる。
【0187】
これらのポイント212、214、218、220は、大腿骨モデル226上において適切に位置決めされた際には、実際のインプラントが、本明細書において記述されているように事前に計画された関節形成手技の一部分として患者の脛骨又は大腿骨上に埋植された際に、選択された大腿骨インプラントが(選択された脛骨インプラントとの関連において)望ましい手術結果を実現することを許容することになる、患者大腿骨に対する骨切除の深さを算出するべく使用される骨切除深さポイントとして機能することができる。
【0188】
最後部ポイント214、220及び最遠位ポイント212、218が、上述のように、患者大腿骨モデル226上において適切に配置されたら、これらのポイント212、214、218、220を候補大腿骨インプラント320の三次元コンピュータモデル又はこのようなインプラント320と関連するデータと共に使用することにより、実際の関節形成手技において実際の大腿骨インプラントを実際の患者の骨の上部に埋植することから望ましい手術結果を実現するために、実際の大腿骨インプラントを受け入れるべく実際の患者の骨の内部において実施されることを要する関連する骨切除を術前に算出することができる。
【0189】
図13は、候補大腿骨インプラントの三次元コンピュータモデル(即ち、大腿骨インプラントモデル320)の矢状図であって、隣接する前部面取り切除接触表面324、後部面取り切除接触表面326、前部切除接触表面328、及び後部切除接触表面330と共に、その遠位骨切除接触表面322を示しており、これらの切除接触表面は、大腿骨インプラントモデル320の関節表面332の内側及び外側顆表面と近接している。
【0190】
患者大腿骨の三次元コンピュータモデル(即ち、患者大腿骨モデル226)の遠位端部上において重畳された大腿骨インプラントモデル320の冠状、軸又は横断方向、及び矢状図をそれぞれが示している図14A〜図14Cから理解されうるように、ポイント212、214、218、220のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つを大腿骨インプラントモデル320の関節表面332上の類似の又は等価な最近位及び最遠位大腿骨顆ポイント又は領域とアライメントさせることにより、インプラントモデル300の遠位骨切除接触表面322に沿って延在する、提案対象の遠位大腿骨切除334を定義することができる。又、いくつかの実施形態においては、定義された提案対象の切除は、図13及び図14Cの比較から理解されうるように、候補大腿骨インプラントモデル320の様々なその他の骨切除接触表面324、326、328、330に対応する提案対象の骨切除を含むこともできる。
【0191】
定義された提案対象の遠位大腿骨切除334は、切除深さ及び平坦な向きに従って定義されている。当然のことながらが、定義された提案対象の遠位大腿骨切除334は、解剖学的(天然)アライメントが求められているのか、又は相対的に従来型の機械軸アライメントが求められているのか、に応じて、望ましい内反−外反、内部−外部、又は伸展−屈曲回転を考慮してすべての4つのポイント212、214、218、220又はポイントの単一のペアのみが大腿骨インプラントモデル320の外側又は内側関節表面332上の類似のポイントに対応するようにするべく、ポイント212、214、218、220との関係において遠位的に又は近位的に切除深さを変更することにより、候補大腿骨インプラントモデル320のサイズを相対的に小さな又は相対的に大きなサイズに変更することにより、提案対象の遠位切除334の平坦な向きを変更することにより、術前の、且つ/又は、いくつかの実施形態においては術中の、外科医入力により、調節又は変更することができる。
【0192】
図14A〜図14Cは、ポイントのペア212、214のみが、大腿骨インプラントモデル320の関節表面332のうちの1つの関節表面上のポイント又は領域の類似のペアとアライメントされている状況を示している。例えば、図12A〜図12Cにおいて観察されうるように、外側ポイント212、214は、大腿骨インプラントモデル320の関節表面334上の類似のポイント又は領域とアライメントされているが、内側ポイント218、220は、インプラントモデル320の関節表面332上のこれらの類似の内側ポイント又は領域とアライメントされてはいない。その結果、外側側部において発生する、これらのポイントのペアのみのマッチングにより、インプラントモデル320の遠位骨切除接触表面322の向きと、その結果として、提案対象の切除プレーン334の向きと、は、例えば、大腿骨機械軸又は脚機械軸などの、患者の脚、大腿骨、又は脛骨の軸との関係における提案対象の遠位切除プレーン334の望ましい角度を実現しつつ、外側ポイントのマッチングを維持することにより、判定される。外科医が、提案された大腿骨切除プレーン334の深さ及び向きを承認したら、手術において触覚装置60をガイドする際にナビゲーションシステムによって使用されるように、関連するデータを手術システム100に提供することが可能であり、且つ、切除された患者大腿骨モデル226は、図16A〜図16Cにおいて示されているように、外科医に対して術中に表示されてもよく、これらの図は、切除が提案されると共に遠位切除334を含む提案対象の大腿骨切除を示す、大腿骨モデル226の様々な図である。
【0193】
提案対象の大腿骨切除プレーン334を定義する以上の説明は、大腿骨モデル226上において候補大腿骨インプラント320を重畳し、且つ、システム100のコンピュータディスプレイ54上において、このような重畳を視覚的に示す、という文脈において実施されているが、その他の実施形態においては、このようなプロセスは、コンピュータディスプレイ上における候補大腿骨インプラントの三次元表現又はその実際的な視覚的表現を必要とはしない、候補大腿骨インプラント320を表すデータにより、実行することができる。
【0194】
3.関節ギャップにおける提案対象の切除深さの調節
実際のインプラントが、患者に対する関節形成の際にインプラントされた際に望ましい手術結果を結果的にもたらすことになる術前に計画されたインプラントモデル224、226の間の適切な関節ギャップ間隔を考慮するべく、骨切除が、この「発明を実施するための形態」のサブセクションI(A)(1)及びI(A)(2)において概略的に上述した術前計画に従って手術システム100を介して実施される状態において、2つのギャップ距離は、切除深さの時前計画の一部分として算出されている。2つの算出されたギャップ距離は、大腿骨インプラントモデル320の内側顆表面332と脛骨インプラントモデル300の内側関節表面304の間の、且つ、大腿骨インプラントモデル320の外側顆表面332と脛骨インプラントモデル300の外側関節表面304の間の、最小符号付き距離である。図17は、大腿骨インプラントモデル320の大腿骨関節表面332及び脛骨インプラントモデル300の脛骨関節表面304の等角図である。本開示は、膝関節を形成している骨に合焦しているが、本明細書における教示内容は、例えば、足首、肘、又は手首などの、その他の関節を形成している骨に対しても同様に適用可能である。
【0195】
最小ギャップ距離は、脛骨インプラントモデル300の関節表面304の面、内部エッジ、及び内部頂点によって定義される正のボロノイ領域の内側に配置されている大腿骨顆インプラント上のすべてのポイントについては、正として定義される。最小ギャップ距離は、負のボロノイ領域の内側に配置されている大腿骨インプラントモデル320の関節表面332上のすべてのポイントについては、負として定義される。これらは、インプラントが相互に接触する表面であることから、考慮する必要があるのは、モデルの関節表面の間の距離のみである。
【0196】
受け入れ可能な精度のレベルを実現するべく、ギャップ距離は、図17に示されているように、大腿骨インプラントモデル320の関節表面モデル332の三角形表面メッシュの三角形面及び脛骨インプラントモデル300の関節表面モデル304の三角形表面メッシュの三角形面の頂点の間において演算される。大腿骨関節表面モデル320の微細な分解能に起因して、頂点−表面ギャップ距離は、真の表面−表面ギャップ距離の近接した近似値である。
【0197】
システム100は、関節ギャップを算出するための2つの異なるアルゴリズムを利用してもよく、第1のものは、グローバルサーチ最近接距離アルゴリズム(「GSCDA:Global Search Closest Distance Algorithm」)であり、且つ、第2のものは、増分サーチ最近接距離アルゴリズム(「ISCDA:Incremental Search Closest Distance Algorithm」)である。GSCDAは、任意の表面の間の最小符号付き距離を見出すことが保証されている。ISCDAは、凸状表面の場合に機能する高速増分局所サーチアルゴリズムである。
【0198】
適用の際には、第1関節ポーズのギャップ距離は、GSCDAによって算出される。GSCDAは、ギャップ距離と、最近接ギャップ距離を有する大腿骨インプラントモデル320の関節表面モデル332の表面メッシュの頂点のインデックスと、を返す。
【0199】
適用の際には、第2関節ポーズのギャップ距離は、ISCDAによって算出される。これを実行する際に、ISCDAは、第1関節ポーズの計算から返された頂点を参照している。後続する残りの関節ポーズのギャップ距離計算は、いずれも、同一の方式によって実行され、即ち、それぞれが、ISCDAを使用し、且つ、以前の関節ポーズ計算からの頂点を参照している。
【0200】
単一のポーズについてGSCDAアルゴリズムを使用し、且つ、次いで、残りのポーズについては、ISCDAを使用することにより、ギャップ計算が加速される。それぞれのポーズごとにGSCDAを利用すれば、特に、多数の分析対象ポーズを有する場合に、更なる時間及び演算リソースを必要とすることになろう。
【0201】
特定の例においては、解剖学的な又は真の脛骨関節表面とは異なる脛骨表面プロファイルを利用することができる。例えば、脛骨関節表面が、ほぼ大腿骨関節表面に準拠している場合には、関節ギャップ計算において、多少平坦化された、変更済みの脛骨関節表面を使用することができる。脛骨表面プロファイルが大腿骨関節表面に非常に準拠している特定の例においては、わずかな前部−後部及び/又は内側−外側平行運動が仮想的な干渉状態を結果的にもたらす場合があり、この結果、演算された符号付き距離が、「緊密」又は負を示すことになる。従って、脛骨が、前部−後部に、且つ/又は、内側−外側に、わずかに平行運動させられた場合に、ポーズ位置が干渉位置を示しうるが、この場合には、実際には、干渉状態は存在していない。このような知覚される干渉の計測値は、知覚される干渉状態を除去するべく、インプラントシステムの大腿骨又は脛骨コンポーネントを相互に更に離れるように位置決めするべきであることを外科医に通知しうる。この知覚される干渉に対抗するべく、大腿骨関節表面と多少平坦な又はわずかに凹入した(即ち、真の脛骨よりも平坦である)一般化された脛骨表面の間において、符号付き距離を演算することができる。
【0202】
i.グローバルサーチ最近接距離アルゴリズム(「GSCDA」)
GSCDAは、図18のブロードフェーズサーチステージと、図19のナローフェーズサーチステージと、に分割することができる。それぞれの関節表面モデルごとに、階層構造の球体ツリーが生成される。ツリーは、それぞれのリーフノード球体が単一の三角形面を含むと共にそれぞれの親ノード球体がその子ノード球体を含むように、ボトムアップ方式によって構築されている。図18のブロードフェーズサーチステージにおいては、GSCDAは、ナローフェーズサーチステージ用の候補ノードペアのキューを維持しつつ、幅第1方式によって両方の球体ツリーを詳しく検討しており、これは、A Framework for Efficient Minimum Distance Computations by David E. Johnson and Elaine Cohen, Department of Computer Science, University of Utah (1998)において記述されているアルゴリズムに類似したものであってもよく、この文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。それぞれのノードペアは、モデル304、332の間のギャップ距離について、下部及び上部境界推定値を生成する。グローバルな上部境界推定値は、候補ノードペアを取り除くために維持される。新しい非リーフノードペアが、グローバルな上部境界推定値を上回る下部境界推定値をもたらした場合には、そのペアは、サーチにおいて破棄される。リーフノードペアは、リースノードペアリストに挿入される。ノードペアが破棄されない場合には、その上部境界推定値は、グローバルな上部境界推定値を更新するべく使用される。ブロードフェーズサーチは、更なるノードペアがキュー内に存在していない際に、終了する。
【0203】
図19において反映されているように、ナローフェーズサーチステージは、リーフノードペアのリストを詳しく検討し、且つ、大腿骨顆コンポーネントリーフノード内において参照されている頂点と脛骨コンポーネントリーフノード内において参照されている三角形面の間のギャップ距離を演算する。最小ギャップ距離を有する頂点−三角形ペアが解として選択される。ギャップ距離、三角形インデックスのみならず、最近接ポイントペアが、アルゴリズムによって返される。
【0204】
ナローフェーズサーチは、Real−Time Collision Detection by Christer Ericson (2005)の5.1節において記述されているポイント−三角形距離計算方法を使用しており、この内容は、引用により、そのすべてが本明細書において包含される。負のギャップ距離を考慮するべく、アルゴリズムは、最近接ポイントが、三角形エッジ又は頂点上ではなく、三角形面上に存在している際には、距離の符号が、三角形法線とポイントと三角形上の最近接ポイントの間の差ベクトルの内積の符号から判定されるように、変更される。
【0205】
この変更済みのアルゴリズムは、ポイントが脛骨コンポーネントモデルの内部エッジ及び頂点の負のボロノイセル内に配置されているケースを取り扱うことはなく、その理由は、最近接ポイントがモデルの任意のエッジ又は頂点上において配置された際には、このアルゴリズムが正の距離を返すからである。大腿骨顆コンポーネントモデルの高い分解能に起因して、変更済みのアルゴリズムは、モデルの間の距離に対する妥当な近似値をもたらすことになり、その理由は、最近接ポイントが脛骨コンポーネントモデルの内部エッジ又は頂点上に配置された際に、最近接ポイントが脛骨コンポーネントモデルの三角形面上に配置される、大腿骨顆モデルの近傍の頂点が存在することになるからである。大腿骨顆関節表面の頂点から脛骨関節表面の三角形面までの距離の演算によるギャップ距離の密接な近似は、大腿骨顆関節表面の頂点から脛骨関節表面の頂点までの計算よりも、迅速に実行される。頂点間の計算は、精度のわずかな改善をもたらしうるが、相対的に多くの演算時間を必要とすることになり、且つ、従って、相対的に低速となる。
【0206】
ii.増分サーチ最近接距離アルゴリズム(「ISCDA」)
ISCDAは、大腿骨インプラントモデル320の関節表面モデル332の三角形表面メッシュの三角形面の既知の頂点によって始まり、且つ、現時点の頂点のすべての近隣頂点をサーチすることにより、局所的に最も近接した頂点を見出す。サーチは、現時点の頂点のすべての近隣頂点(第1及び第2レベル)が、脛骨インプラントモデル300の関節表面モデル304の三角形表面メッシュの三角形面から、現時点の頂点よりも離れた際に、終了する。ギャップ距離は、頂点の位置を入力位置として使用することにより、深さ第1方式によって脛骨インプラントモデルの球体ツリーデータ構造を詳しく検討することにより、演算される。
【0207】
関節ギャップ距離が、上述のGSCDA及びISCDAの適切な適用に従って判定されたら、関節ギャップ値を適用することにより、必要に応じて、切除深さとの関係において提案対象の大腿骨及び脛骨切除プレーンを調節することができる。
【0208】
iii.ポーズキャプチャ及び術中関節ギャップ計算
患者の大腿骨11及び脛骨10が追跡及びナビゲーションシステムによって追跡されたら、外科医は、手術システム100により、大腿骨11との関係において脛骨10のポーズ(即ち、位置及び向き)を術中にキャプチャ又は記録することができる。更に具体的には、外科医は、患者の大腿骨11及び脛骨10を異なる屈曲角度値を有するポーズの組内において位置決めすることができると共に、それぞれのポーズごとに、大腿骨11との関係において脛骨10の計測された位置及び向きをキャプチャするか又はその他の方式で記録することができる。上述のように、大腿骨インプラントモデルを有する三次元大腿骨モデルと、脛骨インプラントモデルを有する三次元脛骨モデルと、は、表示画面上において描かれてもよく、且つ、モデルの場所及び向きは、脛骨10及び大腿骨11の物理的場所及び向きに対応することができる。
【0209】
次いで、外科医は、ポーズのうちの1つについてGSCDAを使用することにより、関節ギャップ計算を実行することができる。計算は、伸展ポーズ(即ち、約ゼロ度の屈曲角度)又は屈曲ポーズ(即ち、ゼロ度超の屈曲角度)において実行することができる。次いで、ポーズの残りのものについて、ISCDA計算を実行することができる。特定の実施形態においては、外科医は、ポーズのすべてについてGSCDAを使用することにより、関節計算を実行することができる。
【0210】
一例として、外科医は、0度の屈曲、30度の屈曲、60度の屈曲、90度の屈曲、及び120度の屈曲に対応する5つのポーズをキャプチャすることができる。GSCDA計算が、60度の屈曲ポーズなどの、ポーズのうちの1つについて実行される。次いで、次の最も近接したポーズについて、ISCDA計算を実行することができる。この例においては、ISCDAの計算は、90度、120度、次いで、30度、並びに、0度という順序において実行することができる。それぞれのISCDAシーケンスの開始時点において、サーチの初期化のために、GSCDA計算からの頂点インデックスが使用される(即ち、90度及び30度において)。後続のステップにおいては、以前のステップからのISCDA計算の頂点インデックス(即ち、120度においては、90度からの頂点インデックス、並びに、0度においては、30度からの頂点インデックス)が使用される。
【0211】
別の例として、膝関節に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法は、以下のステップを含むことができる。コンピュータは、共通三次元座標系において第1の事前計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元大腿骨モデル及び三次元大腿骨インプラントモデルを受け取ることができる。三次元大腿骨モデルは、患者の大腿骨に対応しうる。三次元大腿骨インプラントモデルは、内側顆表面と、外側顆表面と、を含むことができる。又、コンピュータは、共通三次元座標系において第2の事前計画された向きにおいて相互の関係において方向付けされた三次元脛骨モデル及び三次元脛骨インプラントモデルを受け取ることもできる。三次元脛骨モデルは、患者の脛骨に対応しうる。三次元脛骨インプラントモデルは、内側関節表面及び外側関節表面を含むことができる。三次元大腿骨モデル及び三次元脛骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して患者の大腿骨及び脛骨のポーズに従って相互の関係において方向付けされていてもよい。又、コンピュータは、第1ポーズにおける大腿骨及び脛骨の第1位置及び向きに対応する第1位置及び向きデータを受け取ることもできる。又、コンピュータは、第1ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの内側顆表面と三次元脛骨インプラントモデル上の又はこれと関連する第1ポイントの間の第1符号付き距離を算出することもできる。又、コンピュータは、第1ポーズにおける三次元大腿骨インプラントモデルの外側顆表面と三次元脛骨インプラントモデル上の又はこれと関連する第2ポイントの間の第2符号付き距離を算出することもできる。コンピュータは、第1及び第2符号付き距離に基づいて切除深さを判定又は調節することができる。又、コンピュータは、切除深さを使用することにより、切除データを生成してもよく、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている。
【0212】
B.前部骨幹部ノッチングの回避
術前計画が、この「発明を実施するための形態」のサブセクションAにおいて上述したように提案対象の骨切除を結果的にもたらしたら、前部大腿骨皮質のノッチングが発生することになるかどうかを確かめるべく、候補大腿骨インプラントモデルの関連する向きをチェックすることができる。全膝関節形成術前計画においては、前部大腿骨皮質ノッチング390は、大腿骨インプラントモデル320が、前部フランジ402の最上部エッジ400が患者大腿骨モデル226の前部大腿骨皮質404内に深く着座するように、術前に計画された際に、発生する。図20A及び図20Bは、それぞれ、前部大腿骨皮質404がノッチングされるように、患者大腿骨モデル226上において位置決めされた大腿骨インプラントモデル320の前部遠位図及び矢状断面図である。実際の大腿骨インプラントが、図20A及び図20Bにおいて示されているように、埋植された場合には、大腿骨皮質404の示されているノッチング390は、ノッチングが大腿骨骨幹部の破損又は顆上破損に結び付きうる前部大腿骨皮質内の応力集中を生成することから、望ましくない手術結果をもたらすことになろう。
【0213】
図21に示されているように、座標系408を患者大腿骨モデル226について確立することが可能であり、この場合に、X軸は、+X軸が外側大腿骨に向かって向かう状態において内側−外側に位置することになり、Y軸は、+Y軸が後部大腿骨に向かって向かう状態において前部−後部方向に位置することになり、且つ、Z軸は、+Z方向が近位大腿骨に向かって向かう状態において上方−下方方向において位置することになる。
【0214】
図22A〜図22Cは、それぞれ、大腿骨インプラント320上において重畳された触覚オブジェクトのアウトライン410を有する候補大腿骨インプラントモデル320の後部、矢状−後部、及び矢状図である。候補大腿骨インプラントモデル320は、大腿骨インプラントモデル320の前部フランジ部分414上において前部骨切除接触表面412を含む。モデル320の前部骨切除接触表面412及び実際の大腿骨インプラントは、実質的に平坦であり、且つ、関節形成手技において実際の患者内において生成された前部骨切除表面との間において実質的に平坦な表面接触を実施するように、構成されている。
【0215】
図22B及び図22Cにおいて観察されるように、触覚オブジェクト410は、一般に、大腿骨インプラントモデル320の前部フランジ部分414の平坦な接触表面412と同一平面上にある。従って、触覚オブジェクト410は、基本的に、大腿骨インプラントモデル320の前部フランジ部分414の平坦な接触表面412の平坦な延長部である。
【0216】
大腿骨320の前部フランジ部分414の上方エッジ及び触覚プレーン410の上方境界418の拡大前部図である図23に示されているように、一連の均等に離隔した基準ポイント416A〜416Kが、触覚プレーンの上方境界418に沿って延在している。基準ポイント416A及び416Kは、一連の均等に離隔したポイント416A〜416Kの端部ポイントである。上方境界418に沿ったポイント416の数は、図23に描かれているものよりも多くてもよく、或いは、少なくてもよいことに留意されたい。更に多くのポイント416は、ノッチ評価の精度を増大させうるが、ポイント216の増大は、演算時間をも増大させる。後述するように、これらの基準ポイントは、図21の座標系に従って大腿骨の解剖構造的Y方向に沿って計測される、前部大腿骨ノッチ390の深さを評価するべく、使用される。
【0217】
アルゴリズムにおいて利用される基準ポイント416A〜416Kの数は、候補大腿骨インプラントモデル320のサイズとの関連において、以下のような仮定に依存している。例えば、前部大腿骨皮質ノッチングの識別におけるエラーの可能性は、前部大腿骨皮質の曲率半径の減少に伴って、或いは、均等に離隔した基準ポイント416A〜416Kの数の減少に伴って、増大する。残念ながら、ポイント間隔を低減するべく均等に離隔した基準ポイント416A〜416Kの数を単純に増大させることは、アルゴリズムの性能に対して悪影響を及ぼしうる。
【0218】
皮質領域は、特性が凸状であり、大腿骨に沿って内側から外側に移動するのに伴って、曲率半径が変化している。従って、アルゴリズムが遭遇しうる最小曲率半径が10mmとなり、且つ、外科医が感じ取ることができる最小の臨床的に適切なノッチ深さが0.125mmであると仮定することにより、これらの2つの仮定は、3.15mmという最小ポイント間隔をもたらす。従って、10mmの半径、3.15mmだけ離隔した基準ポイントのペア416B〜416Cを有する触覚プレーン410の上方エッジ418、ノッチのすぐ下方(例えば、0.001mm)であるポイントのペア416B〜416C、及び37.53mmという最大可能サイズを有する上方エッジを有する前部フランジ414を有する候補大腿骨インプラントモデル320を有する前部大腿骨皮質ノッチ状況390の概略図である図24から理解されうるように、3.15mm以下のポイント間隔を有する可能なポイントの最大数は、約12である(即ち、37.53/3.15=11.91≒12)。従って、図23に示されているように、12個の基準ポイント416A〜416Kが利用されている。当然のことながら、その他のサイズの前部フランジが利用される場合には、アルゴリズムにおいて利用される基準ポイントの数は、12個の均等に離隔した基準ポイントを下回ってもよく、或いは、上回ってもよい。
【0219】
図23と、更には、それぞれ、非ノッチング及びノッチング構成における患者大腿骨モデル226及びその上部の候補大腿骨インプラントモデル320の断面矢状図である図25A及び図25Bと、から理解されうるように、アルゴリズムは、ベクトル420を座標系408の大腿骨の解剖学的Y軸に沿って基準ポイント416A〜416Kのそれぞれから患者大腿骨モデル2226の表面境界に投射している。「ノッチング」の状態は、図25Bに示されているように、(1)これらのベクトル420のうちの最小のものの長さが0mm以上である、並びに、(2)これらのベクトル420のうちの最小のものの方向が座標系408の解剖構造的+Yとは反対である、という2つの条件が充足された際に、発生すると判定される。「ノッチング」の状態が識別されたら、システム100は、オーディオ及び/又はビジュアル警告を提供してもよく、且つ、ちょうど図20A及び/又は図20Bのうちの任意のもののように出現するように、「ノッチング」の状態をディスプレイ56上において表示することができる。
【0220】
「非ノッチング」の状態は、図25Aにおいて示されているように、(1)これらのベクトル420のうちの最小のものの長さが、0mm超である、並びに、(2)これらのベクトル420のうちの最小のものの方向が、座標系408の解剖構造的+Yと同一である、という2つの条件が充足された際に、判定される。「非ノッチング」の状態が識別されたら、システム100は、オーディオ及び/又はビジュアル通知を提供してもよく、且つ、ちょうど図25A又は図20Aの非ノッチングバージョンのように出現するように、「非ノッチング」の状態をディスプレイ56上において表示することができる。
【0221】
外科医が、この「発明を実施するための形態」のサブセクションAに従って術前に計画された提案対象の骨切除を承認するか又は変更及び承認し、且つ、受け入れ不能なノッチングの欠如が、この「発明を実施するための形態」のサブセクションBに従って検証された状態において、術前に計画された骨切除と関連する前部大腿骨皮質の受け入れ不能なノッチングが存在していないことを検証したら、後述するように、術前に計画された骨切除を患者の実際の骨及び手術システム100と術中において見当合わせすることができる。
【0222】
ノッチングが発生するかどうかが判定されたら、手術システム100は、患者大腿骨モデルとの関係における大腿骨インプラントモデルの判定された位置及び向きに基づいて、インプラントコンポーネント位置及び向きデータを生成することができる。インプラントコンポーネント位置及び向きデータは、関節形成手技において、触覚装置60又は手術ロボットを制御するための触覚境界を設定する際に、利用することができる。従って、本明細書において記述されているステップは、患者の骨に対する関節形成手技の計画において使用されるインプラント位置及び向きデータを生成する方法を記述することができる。
【0223】
例えば、触覚プレーンの上方境界418に沿った416Aと416Kの間において延在するラインが、患者大腿骨モデル226の中実骨と交差するかどうかなどの、ノッチ評価のその他の方法も可能である。このようなケースにおいては、ノッチングは、ラインが患者大腿骨モデル226の中実骨と交差する場合に、発生する。逆に、ノッチングは、ラインが患者大腿骨モデル226の中実骨と交差しない場合には、発生しない。
【0224】
C.切除プレーンに対するチェックポイントの近接性のチェック
特定のロボット支援型の整形外科手技においては、ロボットシステム100との間における患者の骨の術中見当合わせは、患者の骨の解剖構造上において位置決めされた着脱自在のチェックポイントの使用を伴いうる。チェックポイント600の側面図である図26Aにおいて観察されるように、チェックポイント600は、患者の骨に打ち込まれる骨アンカー又はねじに類似している。チェックポイント600は、近位端部におけるヘッド端部602と、ヘッド端部602から遠位的に延在するシャフト604と、を含むことができる。ヘッド端部602は、その他の形状に加えて、円錐形又は円錐台形の内側表面608を有する開口部又はディボット606を含むことができる。ディボット604は、見当合わせインスツルメント(例えば、ナビゲーションプローブ)との間における機械的なインターフェイスを提供している。チェックポイント600のシャフト604は、骨の内部にチェックポイント600を回転駆動するためのねじ山610及び遠位先端612を含むことができる。
【0225】
全膝関節形成においてチェックポイント識別ステップを経験している患者の骨(脛骨10、大腿骨11)の側面図である図26Bにおいて観察されるように、ナビゲーションプローブ55の遠位端部504は、図1において観察されるように、ナビゲーションシステム42の検出装置44を介して手術システム100のその他のコンポーネントとの関係において大腿骨11を位置的に関係付けるべく、参照するべく、又は見当合わせするべく、チェックポイント600のヘッド端部602上のディボット606の内側表面608との接触状態において配置することができる。チェックポイント識別においては、ナビゲーションプローブ55の遠位端部504は、手術システム100が、チェックポイント600と、従って、患者大腿骨11と、を、インスツルメント55、並びに、ディスプレイ56上において描かれた骨11の任意のコンピュータ化された患者モデル226などの、手術システム100内の任意のその他の装置との関係において、正確に位置決めしうるように、ディボット606内の既定の場所において、「底に到達(bottom out)」してもよい。その他のトピックに加えて、チェックポイント識別及びチェックポイント600の態様については、2007年5月18日付けで出願された「System and method for verifying calibration of a surgical device」という名称の米国特許出願第11/750,807号明細書において記述されており、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本出願に包含される。
【0226】
手術手技において使用されるそれぞれのチェックポイント600は、特定の手術方式が付与された場合に、手技においてアクセス可能となるように、患者の骨(例えば、大腿骨11)の上部において位置決めされなければならない。これに加えて、それぞれのチェックポイント600は、手技と、或いは、手技において使用されるツールと、干渉しないように、位置決めされなければならない。例えば、チェックポイント600は、切削装置と干渉することにならないように、或いは、切除によって除去されることにならないように、骨の一部分上において配置される必要がある。後述する方法及びシステムは、切削ツールと干渉することにならない、或いは、切除において除去されることにならない、チェックポイント600の場所又は位置の術前判定を支援することができる。
【0227】
それぞれ、インプラントコンポーネント320及びチェックポイント600の場所を描く患者大腿骨モデル226、インプラントコンポーネント300及びチェックポイント600の場所を描く患者脛骨モデル224、並びに、術前チェックポイント場所検証プロセス360におけるステップを示すフローチャートである、図26C〜図26Eを参照されたい。関節形成手技の術前計画において、外科医又は医療専門家は、患者骨モデル224、226上においてチェックポイント600の場所を識別することができる[ブロック362]。或いは、この代わりに、チェックポイントの場所は、患者骨モデル224、226上において自動的に位置決めされてもよい。術前計画は、患者骨モデル224、226との関係においてインプラントコンポーネント320、300及び切除プレーン334、306のタイプ、位置、及び向きを計画することにより、以前のセクションにおいて記述されているように継続する[ブロック364]。チェックポイント場所検証プロセス360は、関連する切除プレーンが、チェックポイント600の代替場所、或いは、インプラントコンポーネント320、300の代替場所/向き、を必要とすることになる、特定の方法によってチェックポイント600と干渉することになるように、インプラントコンポーネント320、300が計画された際に、計画者(例えば、外科医)に警告することにより、インプラントコンポーネント320、300の計画との関連において機能することができる。特定の例においては、望ましいインプラントコンポーネント320、300の場所及び向きを変更するよりも、チェックポイント600の場所及び配置を変更するほうが容易である場合がある。従って、計画者は、チェックポイント600が、もはや切除プレーンと干渉しないように、チェックポイント600の場所を変更することができる。
【0228】
継続すれば、切除プレーン334、306が[ブロック364]において識別されたら、それぞれ、切除334、306との関係において位置決めされたチェックポイント600を有する大腿骨切除334及び脛骨切除306の矢状概略図のペアである、図26F及び図26Gに示されているように、切除プレーンのそれぞれごとに、法線(N)が識別される[ブロック366]。図26F〜図26Gにおいて観察されるように、法線(N)は、切除プレーン334、306に対して垂直である。次いで、チェックポイント600と切除プレーンのそれぞれの間において、最短符号付き距離ベクトル(d)が判定される。図26F〜図26Gは、最短符号付き距離ベクトル(d)を矢状図において描いているが、その理由は、切除プレーン334、306が、この図と直交しているからであり、この結果、プレーン334、306は、プレーンの代わりに、ラインとして出現している。
【0229】
最短符号付き距離ベクトルは、視覚的に表示されているが、最短符号付き距離ベクトル(d)は、視覚的に表示されることなしに、演算されてもよい。これに加えて、図26F〜図26Gにおける最短符号付き距離ベクトル(d)は、前部切除334aについてのみ描かれているが、最短符号付き距離ベクトル(d)は、切除プレーン334(例えば、遠位切除プレーン334d、後部切除プレーン334p、遠位−前部面取り切除プレーン334da、及び遠位−後部面取り切除プレーン334dp)のそれぞれについて、判定、算出、又は識別されてもよい。
【0230】
最短符号付き距離ベクトル(d)は、大きさ又は距離と、三次元方向と、を含んでいることに留意されたい。最短符号付き距離ベクトル(d)は、チェックポイント600と、骨の切除された表面334と同延のインプラントコンポーネントの1つ又は複数の関連する切除プレーン上の対応するポイントと、の間における最短垂直距離として定義することができる。即ち、最短符号付き距離ベクトル(d)は、1つ又は複数の切除プレーンに対して垂直であり、且つ、1つ又は複数の法線(N)と平行である。図26Gにおいて観察されるように、最短符号付き距離ベクトル(d4)は、切除表面334pと同延であると共にその上方において位置決めされたインプラントコンポーネントの関連する切除プレーン上のポイントまで延在している。
【0231】
特定の実施形態においては、最短符号付き距離ベクトル(d)の代わりに、最短距離ベクトルが使用されてもよい。即ち、この特定の実施形態においては、最短距離ベクトルは、インプラントコンポーネントの関連する1つ又は複数の切除プレーン又は切除された骨表面に対して垂直となることが必要とされてはいない。その代わりに、最短距離ベクトルは、単に、チェックポイント600と骨の切除プレーン又は切除された表面334、306上のポイントの間における最短距離ベクトルであってもよい。いくつかのケースにおいて、最短距離ベクトルは、切除された表面334、306又は切除プレーンに対して垂直であってもよい。最短距離ベクトルの使用は、いくつかの例においては、最短符号付き距離ベクトル(d)によって算出される大きさを下回る大きさを結果的にもたらすことができる。
【0232】
上述のように、最短距離ベクトルは、チェックポイント600から関連する1つ又は複数の切除プレーン又は仮想的に切除された骨表面334、306まで延在することができる。これに加えて、又はこの代わりに、最短距離ベクトルは、チェックポイント600から切削ツール(例えば、鋸歯)の許容可能な切削境界線を表す触覚オブジェクトまで延在することができる。触覚オブジェクトは、形状が平坦であり、且つ、無限ではない(即ち、切除プレーンとは異なる)。これは、意図された切除プレーンにおいて配置されるが、有限なエリアを有している。触覚オブジェクトの境界線は、鋸歯を意図された切削に制約し、且つ、その場所においてインプラントを配置するべく必要とされる骨の量を少なくとも除去するように成形された鋸(例えば、幅が25mmの歯は、少なくとも25mmの幅の触覚オブジェクトを有することになる)を含むべく十分に大きくなるように設計され、且つ、軟組織を保護するように成形されている(即ち、無限ではない)。
【0233】
以下の説明は、最短符号付き距離ベクトル(d)の説明を伴って実行されることになるが、この説明は、以前の段落において記述されている最短距離ベクトルにも、等しく適用可能である。
【0234】
図26Eを再度参照すれば、チェックポイント場所検証プロセス360における次のステップは、法線(N)及び距離ベクトル(d)が、それぞれの個々の切除プレーン344ごとに、同一の方向において向いているかどうかを確かめるというものである[ブロック370]。法線(N)及び距離ベクトル(d)が同一の方向において向いている場合には[ブロック372]、切除プレーンは、チェックポイント600との関係において「突出状態」において着座しているものと見なされる。このケースにおいては、距離ベクトル(d)の大きさが4.50mm以下である場合には、チェックポイント600の場所は、切除プレーン334に過剰に近接している、という機能が演算され、且つ、システムは、警告によって計画者に警告するが[ブロック376]、この警告は、チェックポイント600の場所を変更する必要があるというオーディオ及び/又はビジュアル通知であってもよい。法線(N)及び距離ベクトル(d)が同一の方向において向いているが、距離ベクトル(d)の大きさが4.50mm超である場合には、チェックポイント600の場所を変更する必要はない。
【0235】
法線(N)及び距離ベクトル(d)が同一の方向において向いていない(即ち、反対方向において向いている)場合には、切除プレーン334は、チェックポイント600との関係において「深く」配置されており、且つ、従って、チェックポイント600は、関節形成手技において、切除と干渉することになるか、或いは、骨から切除によって除去されることになろう[ブロック374]。このようなケースにおいては、システムは、警告によって計画者に警告するが[ブロック376]、この警告は、チェックポイント600の場所を変更する必要があるというオーディオ及び/又はビジュアル通知であってもよい。チェックポイントの位置/向きのみならず、切除プレーンの位置/向きと関連する情報を手術システム100によって使用することにより、切除及びチェックポイント位置決めデータを生成してもよく、このデータは、触覚装置60又は手術ロボットを伴う関節形成手技において利用することができる。従って、本明細書において記述されている方法におけるステップは、患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除プレーン及びチェックポイント位置決めデータを生成する方法を記述することができる。
【0236】
法線(N)を使用することなしに、チェックポイント600の場所が「深く」又は「突出状態において」位置しているかどうかを判定するべく、代替方法を使用することもできる。例えば、チェックポイント600から切除プレーンまでの最短符号付き距離ベクトル(d)を判定することができる。正の符号は、チェックポイント600が、プレーンから「突出状態」にあることを通知しうる。逆に、最短符号付き距離ベクトル(d)の負の符号は、チェックポイント600が、「深い」、即ち、プレーンから凹入した状態にある、ことを通知しうる。
【0237】
図26Fにおいて観察されるように、大腿骨切除334との関連において、チェックポイント600から前部切除プレーン334aまでの距離ベクトル(d)は、第1方向において(即ち、患者の骨に向かって)向いており、且つ、前部切除プレーン334aの法線(N)は、第2方向において(即ち、患者の骨から離れるように)向いており、第2方向は、第1方向とは反対である。従って、[ブロック370]及び[ブロック374]において観察されるように、切除プレーンは、チェックポイント600との関係において深く配置されており、且つ、チェックポイント600は、関節形成手技において、切除と干渉することになるか(例えば、切削ツールと接触する)、或いは、骨から切除によって除去されることになろう。これに起因し、チェックポイント600又はインプラントコンポーネント320、300の代替配置を検討するべく、アラート又は警告がシステムによって計画者に伝達される。チェックポイント600が、切削ツールと干渉することになる、又は骨から切除によって除去されることになる、という判定が下されたら、その他の切除表面334da、334d、334dp、334pの最短符号付きベクトル(d)を演算する必要性は、存在しなくなろう。但し、特定の例においては、このような演算が演算されてもよい。
【0238】
図26Fの脛骨切除との関連において、チェックポイント600から近位脛骨切除306までの距離ベクトル(d)は、第1方向において(即ち、患者の骨に向かって)向いており、且つ、切除306の法線(N)は、第2方向において(即ち、患者の骨から離れるように)向いており、第2方向は、第1方向と反対である。従って、[ブロック370]及び[ブロック374]において観察されるように、切除プレーンは、チェックポイント600との関係において深く配置されており、且つ、チェックポイント600は、関節形成手技において、切除と干渉することになるか(例えば、切削ツールと接触する)、或いは、骨から切除によって除去されることになろう。これに起因して、チェックポイント600又はインプラントコンポーネント320、300の代替配置を検討するべく、アラート又は警告がシステムによって計画者に伝達される。
【0239】
図26Gの大腿骨切除部分を参照すれば、チェックポイント600から前部切除プレーン334aまでの距離ベクトル(d)は、第1方向において(即ち、患者の骨から離れるように)向いており、且つ、前部切除プレーン334aの法線(N)も、第1方向において(即ち、患者の骨から離れるように)向いている。法線(N)及び距離ベクトル(d)の方向部分が同一の方向において向いていることから、チェックポイント場所検証プロセス360は、[ブロック372]と共に継続する。プロセスのこのステップに従って、距離ベクトル(d)の大きさが4.50mm以下であるかどうか、という式に従って、距離ベクトル(d)の大きさ又は距離部分が分析され、4.50mm以下である場合には、チェックポイント600は、切除プレーン334に過剰に接近しており、且つ、アラート又は警告がシステムによって計画者に送付される[ブロック376]。距離ベクトル(d)の大きさが4.50mm超である場合には、チェックポイント600は、関節形成手技のために十分に位置決めされている。
【0240】
図26Gの大腿骨切除334を参照して観察されるように、オリジナルの距離ベクトル(d)が分析されたものと同一の方式により、更なる距離ベクトル(d1)、(d2)、(d3)、(d4)が分析されてもよい。図において観察されるように、すべての距離ベクトル(d1)、(d2)、(d3)、(d4)は、その個々の法線(N)と同一の方向において向いている。従って、それぞれの距離ベクトル(d1)、(d2)、(d3)、(d4)は、チェックポイント600が個々の切除プレーン334da、334d、334dp、334pに過剰に近接しているかどうかを判定するべく、[ブロック]372との関係において分析される。距離ベクトル(d1)、(d2)、(d3)、(d4)のうちの1つ又は複数が、その個々の切除プレーン334da、334d、334dp、334pから4.50mm以下である場合には、その他の距離ベクトル(d1)、(d2)、(d3)、(d4)のうちの任意のものが切除プレーン334a、334da、334d、334dp、334pから4.50mm以下にならないようにしつつ、[ブロック372]における条件を充足するように、チェックポイント600の場所を変更するか、調節するか、又は移動させなければならない。
【0241】
図26Hの表650には、[ブロック372]における4.50mmという閾値の理論的根拠が示されている。表650は、チェックポイント600が切除プレーンに過剰に近接することに関する4.50mmという閾値において考慮されている様々なエラーソースを概説している。表650の行1における後部切削システムエラーは、解剖構造的Y方向(例えば、図26F〜図26Gにおける前部−後部方向)における後部切除と関連する最大システムエラーを意味している。最大システムエラーは、ユーザーが、後部切削を実施しつつ、生成することをシステム100が許容することになる最大許容エラー又は逸脱である。この特定の例においては、解剖構造的Y方向における後部切削と関連する最大システムエラーは、参照符号X1によって示されている。
【0242】
図26Hの表650の行2における遠位切削システムエラーは、解剖構造的Z方向(例えば、図26F〜図26Gにおける遠位−近位方向)における遠位切除と関連する最大システムエラーを意味している。最大システムエラーは、ユーザーが、遠位切削を実施しつつ、生成することをシステム100が許容することになる最大許容エラー又は逸脱である。この特定の例においては、解剖構造的Z方向における遠位切削と関連する最大システムエラーは、参照符号X2によって示されている。
【0243】
図26Hの表650の行3における後部切削に起因した前部面取りシステムエラーは、表650の行1を参照して説明した後部切削と関連する最大エラーに起因した前部面取り切削と関連する最大システムエラーを意味している。実線において示されている第1位置及び平行運動後の点線において示されている第2位置における大腿骨切除334の矢状図である図26Iにおいて観察されるように、後部切削が解剖学的Y方向において平行運動された際に、後部面取り切削は、参照符号X3によって示されている量だけ、チェックポイントに近接するように運動する。
【0244】
図26Hの表650の行4における遠位切削に起因した前部面取りシステムエラーは、表650の行2を参照して記述されている遠位切削と関する最大エラーに起因した前部面取り切削と関連する最大システムエラーを意味している。実線において示されている第1位置及び平行運動後の点線において示さている第2位置における大腿骨切除334の矢状図である図26Jにおいて観察されるように、遠位切削が解剖構造的Z方向において平行運動された際に、前部面取り切削は、参照符号X4によって示されている量だけ、チェックポイントに近接するように運動する。
【0245】
図26Hの表650の行5における参照符号X5によって示されているプロファイルエラーは、前部面取り切削と関連する最大プロファイルエラーである。プロファイルエラーは、外科医の遠位及び後部切削を計画された遠位及び後部切削とアライメントさせた後の、前部、前部面取り、及び後部面取り切削と関連する切除エラーである。従って、これは、アライメントを目的としたプライマリ及びセカンダリデータであると仮定される遠位及び後部切削との関係におけるエラーである。
【0246】
一例として、外科医が、大腿骨上におけるすべての5箇所の切削を終了し、且つ、試験を開始したと仮定しよう。遠位切削が、計画されたものよりも1mmだけ突出しており、且つ、後部切削が、計画されたものよりも1mmだけ深いと仮定しよう。外科医が試験を開始した際に、外科医は、インプラントコンポーネントが遠位プレーン上において切除された骨と同一平面上にある状態で着座していることを保証することにより、遠位切削エラーをゼロ化し、且つ、同一の内容を後部切削についても保証する。これにより、外科医は、すべての遠位及び後部切削エラーを前部、前部面取り、及び後部面取り切削上に転送する。このタイプのエラーは、例えば、切削の周りにおいて、1.5mmの両側許容帯を設定することにより、制御することができる。即ち、遠位及び後部切削がゼロ化された際に、すべての前部、前部面取り、及び後部面取り切削は、術前に計画された場所を中心として、±1.5mm内に位置することになる。
【0247】
図26Hの表650の行6においては、寄与する変数のリストが付与された場合の、組み合わせられたエラーである、参照符号X6によって示されている根二乗和が、後部切削に起因した前部面取りエラー、遠位切削に起因した前部面取りエラー、及びプロファイルエラーについて、演算されている。表650において提供されている値を使用することにより、根二乗和は、RSS=SQRT((X3)+(X4)+(X5))=X6として等式を形成する。
【0248】
図26Hの表650の行7において、チェックポイント600の内側のTCPからの切削ツールの歯の距離は、参照符号X7によって示されており、この距離は、特定の例においては、約2.87mmであってもよい。この値は、切削ツールの歯が、チェックポイント600に接触することなしに、(図26Aにおいて観察されるように)チェックポイント600のディボット606の中心ポイントから有しうる最短距離である。従って、切削ツールは、この例においては、ツールがチェックポイント600と干渉又は接触しないように、チェックポイント600のツール中心ポイント(TCP:Tool Center Point)から、少なくとも2.87mmだけ、離隔していなければならない。この計算を目的として、大腿骨チェックポイント600は、矢状プレーンに対して約45度に傾斜した大腿骨表面上において位置決めされているものと仮定されている。
【0249】
図26Hの表650において観察されるように、合計閾値距離X8は、行6上の根二乗和X6を行7上の歯距離係数X7と組み合わせる又は加算することによって算出される。
【0250】
図26Hの脛骨チャート652を参照すれば、脛骨近位切削エラーが、行1において参照符号Y1によって示されている。脛骨遠位切削エラーは、解剖学的Z方向(例えば、遠位−近位方向)における近位切除と関連する最大システムエラーである。即ち、Y1は、脛骨の近位切除を実施する際に使用が許されている最大許容可能エラーである。脛骨チャート652の行2には、歯距離係数が、脛骨チェックポイント600の参照符号Y2によって示されている。脛骨チャート652の行1及び行2の値が付与された場合に、これらの値の合計は、参照符号Y3によって示されており、且つ、合計閾値距離である。
【0251】
大腿骨及び脛骨チェックポイント閾値のうちの大きなほうを4.50mmに切り上げることができると共に、本明細書において記述されているチェックポイント場所検証プロセス360において使用することができる。
【0252】
III.術中軟骨表面見当合わせ
一実施形態においては、三次元患者骨モデル224、226は、患者の実際の大腿骨及び脛骨のCT画像から生成されている。その他の実施形態においては、患者骨モデル224、226は、造影剤注入を伴うCT、MRI、X線又はその他のものなどの、その他のタイプの医療画像から生成されている。これらの撮像モードのうちのいくつかは、患者の軟骨を描くことになると共に(例えば、造影剤を伴うCT及びMRI)、且つ、患者の軟骨の存在を反映した患者骨モデルを結果的にもたらすことになり、且つ、その他の撮像モード(例えば、造影剤を伴わないCT)は、このようにはならず、その結果、患者の軟骨の存在を反映していないと共に患者の実際の皮質又は外側骨表面のみを反映した患者骨モデルが得られる。
【0253】
CTは、例えば、分解能及び速度のエリアにおいては、MRIなどのその他の撮像モードとの比較において、利点を有していることから、三次元患者骨モデル224、226を生成するべく、造影剤を伴わないCT画像が使用されている状況においては、結果的に得られるCTに基づいた骨モデルは、患者の軟骨表面を反映することにならない。即ち、骨モデルが、骨のみモデルである。上述の術前計画は、患者の軟骨顆表面を反映してはいない患者骨モデル224、226の骨のみの顆表面の骨切除深さオフを判定するステップを伴っていることから、且つ、実際の大腿骨及び脛骨インプラントの手術による埋植は、その個々の顆表面が全膝関節形成手技の一部分として置換される患者の生来の軟骨顆表面を複製する位置において配置されるように、位置決めされる必要があることから、手術において軟骨の厚さを考慮する必要がある。
【0254】
CTを介して生成されると共に上述の術前計画方法において使用される骨モデル224、226における軟骨表現の欠如を考慮する1つの方法は、それぞれ、術前に計画された大腿骨インプラント及び患者骨モデル320、226の矢状図及び術前に計画された脛骨インプラント及び患者骨モデル300、224の矢状図である図27A及び図27Bから理解されうるように、軟骨厚さに等しい量だけ、それぞれ、術前に計画された大腿骨及び脛骨骨切除プレーン334、302を遠位及び近位的に移動するというものである。図27Aの破線矢印によって示されているように、大腿骨インプラント顆表面332の術前に計画された場所が、大腿骨インプラント顆表面の軟骨補償済みの場所332Aを有するように遠位的に移動し、且つ、大腿骨切除334の術前に計画された場所が、大腿骨切除の軟骨補償済みの場所334Aを有するように遠位的に移動する。このような調節の結果、実際の大腿骨インプラントの顆表面は、切除された大腿骨軟骨顆表面の代わりに機能するように配置されることになる。
【0255】
図27Bにおいて破線矢印によって示されているように、脛骨インプラント顆表面304の術前に計画された場所が、脛骨インプラント顆表面の軟骨補償済みの場所304Aを有するように近位的に移動し、且つ、脛骨切除306の術前に計画された場所が、脛骨切除の軟骨補償済みの場所306Aを有するように近位的に移動する。このような調節の結果、実際の脛骨インプラントの顆表面は、切除された脛骨軟骨顆表面の代わりに機能するように配置されることになる。
【0256】
一実施形態においては、軟骨補償は、軟骨厚さの推定値に従って図27A及び図27Bに示されている移動を実施することにより、実施することができる。例えば、大腿骨及び脛骨の術前に計画された切除は、その個々の方向において、例えば、2mmという推定軟骨厚さだけ、移動させることができよう。
【0257】
別の実施形態においては、軟骨補償は、後述するように、術中見当合わせプロセスにおいて実施することができる。図1との関係において上述したように、実際の手術の際には、実際の患者の骨10、11は、患者の骨10、11に付着したナビゲーション装置44を介して、対応する患者骨モデル224、226に対して位置的に見当合わせされ、且つ、ナビゲーションシステム42の検出装置44を介して検出される。骨モデル224、226に対する実際の骨10、11の術中見当合わせに起因して、システム100は、骨モデルの顆表面が実際の骨10、11のものとの関係においてどこに位置しているのかを知っている。但し、骨モデルがCT撮像の結果であることから、軟骨顆表面は、術前計画の一部分ではなく、従って、システム100は、軟骨顆表面が実際の骨又は骨モデルのものとの関係においてどこに位置しているのかを知らない。軟骨の見当合わせにより、この状況を是正することができる。
【0258】
図28A及び図28Bは、それぞれ、図1のシステムのディスプレイ56上において描かれる患者大腿骨モデル226の、それぞれ、軸又は横断方向遠位図及び冠状後部図である。それぞれの図において、ランドマークキャプチャ領域500、501がモデル226上において強調表示されている。ランドマークキャプチャ領域は、外科医によって術中に識別されうる実際の患者大腿骨11上の領域に属する。
【0259】
図29A及び図29Bは、それぞれ、図28A及び図28Bのランドマークキャプチャ領域500、501の拡大図であり、この場合には、一連の見当合わせポイント502がそれぞれのキャプチャ領域上において描かれている。一実施形態においては、それぞれの領域500、501は、10個のポイント502をその上部において有しており、且つ、その他の実施形態においては、ポイント502の数は、10超又は未満であってもよい。
【0260】
図1並びに図29A及び図29Bから理解されうるように、ナビゲーションプローブ55の遠位端部504、或いは、触覚装置60のエンドエフェクタの自由端部から延在するキャプチャプローブの遠位端部504(即ち、図1において手術ツール58によって占有されるものとして示されている触覚装置60の一部分)は、外科医が図29A及び図29Bにおいてディスプレイ上において示されている領域500及び501内のポイント502と同一であると考える場所において術中に患者の実際の大腿骨11の実際の軟骨顆表面と接触するように、外科医によってガイドされる。外科医が、ディスプレイ56上において表示されているポイント502のうちの1つに対応するものと考えられる場所において患者の実際の大腿骨11の軟骨顆表面と接触するたびに、外科医は、システム100に入力を実施し、この結果、その実際の軟骨ポイント場所とディスプレイ56上において示されている対応するポイント502が見当合せされる。このプロセスは、すべての10個のポイント502が実際の患者大腿骨11の軟骨顆表面上の対応するポイント場所に見当合せされる時点まで、反復される。このプロセスは、骨モデル上において示されている特定のポイントと対応する軟骨表面上の個々のポイントを見当合わせするものとして記述されているが、システム100は、この代わりに、キャプチャのための個々のポイントを描くことなしに、ターゲット領域のみを表示することもできる。
【0261】
キャプチャプロセスの結果として、実際の患者大腿骨の軟骨顆表面は、いまや、実際の患者大腿骨11に既に見当合わせ済みである患者大腿骨モデルを理由として、患者大腿骨モデル226に見当合せされている。外科医又は手術チームのメンバによる別個の個別のアクションによるシステム100内へのそれぞれのポイント502の個別の入力に対する代替肢として、キャプチャプロセスは、単一入力によって開始されてもよく(例えば、画面上のボタンクリック、フットペダル入力、ナビゲーションプローブ55上のボタン押下)、次いで、外科医は、システムが骨表面上のナビゲーションプローブ55の遠位端部504の場所を自動的に入力している間に、領域500、501を「ペイント」してもよい。従って、システムは、外科医又は手術チームによって提供される単一入力信号のみにより、短時間において、10個のポイントを収集することができる。
【0262】
軟骨顆表面が、記述されているように患者骨モデル226との関係において見当合わせされていると共に、軟骨顆表面の場所が破線332Aによって表されている、図27Aを再度参照すれば、システム100は、軟骨顆表面ライン332Aと位置的に一致するようにインプラント顆表面ライン332Aを遠位的に移動させることにより、術前に計画された切除ライン334を術中に調節された切除ライン334Aまで引っ張っている。従って、術前に計画された切除ラインが、記述されている見当合わせプロセスを介した患者大腿骨モデル226に対する実際の患者大腿骨11の軟骨顆表面の見当合わせを介して、術中に調節されている。
【0263】
軟骨顆表面が見当合わせされた、術前に計画された切除は、特定の方向における三次元骨のみモデルの関節表面とマッピングされた軟骨表面の間の差に等しい量だけ、インプラント顆表面を遠位的に移動させることにより、調節又は判定することができる。
【0264】
図27Aにおいては、軟骨顆表面332Aの見当合わせラインがラインであるものとして描かれているが、いくつかの実施形態においては、軟骨オフセット情報は、単に、見当合わせされている軟骨領域500の見当合わせ対象の厚さだけ、大腿骨モデル226の顆表面からオフセットされたポイント又はその他の基準という形態を有することもできる。特定の実施形態においては、システム100は、対象の特定の骨領域に応じて、最下部/最遠位/最後部/最近位である単一のポイントのみを描くことができる。特定の実施形態においては、すべてのポイント502のすべて又は一部分が、表面を補間するべく使用されてもよく、且つ、システム100は、インプラント顆表面332を補間済みの表面に移動することができる。
【0265】
切除深さが軟骨の厚さに基づいて調節されたら、外科医は、変更を受け入れてもよく或いは、インプラント計画を変更することもできる。
【0266】
以上の軟骨見当合わせの説明は、大腿骨術中軟骨見当合わせ及び切除調節という文脈において実施されているが、以上の説明は、図27B、図28B、及び図29Bとの間における図27A、図28A、及び図29Aの比較から理解されうるように、脛骨術中軟骨見当合わせ及び切除調節にも、等しく適用可能である。
【0267】
上述の軟骨見当合わせプロセスを介して軟骨厚さを考慮するように調節された術前に計画された切除を有することを理由として、埋植されたインプラントは、切除された軟骨顆表面の代わりに機能するように配置されたその個々の顆表面を有することができる。その他の実施形態においては、埋植されたインプラントは、切除された軟骨顆表面の代わりに機能するように配置された1つの顆表面(例えば、内側又は外側)のみを有することができる。その他の実施形態においては、埋植されたインプラントは、切除された軟骨顆表面の代わりに機能するように配置されたなんらの顆表面(例えば、内側又は外側)をも有していなくてもよい。
【0268】
術中軟骨見当合わせプロセスは、膝関節形成を計画する際に使用される切除データを生成するプロセス又は方法として記述することができる。患者骨モデル226、224は、骨のみを描く場合があり、且つ、特定の例においては、実際の患者骨は、少なくとも部分的に軟骨内においてカバーされうることから、軟骨の術中見当合わせは、軟骨の更なる又は代替考慮事項を伴って又は伴うことなしに術前に判定されうる切除深さの調節の量に対する洞察を提供することができる。
【0269】
これらのプロセス又は方法は、一般に、以下のように記述することができる。システムのコンピュータは、患者の骨(例えば、大腿骨、脛骨)の医療画像(例えば、CT、MRI、X線)から生成された三次元患者骨モデル226、224(例えば、大腿骨モデル、脛骨モデル)を受け取ることができる。三次元患者骨モデル226、224は、実際の患者の骨の形状及び患者固有の形態に対応する骨モデル表面を含みうる。三次元患者骨モデル226、224は、図1を参照して記述されている追跡及びナビゲーションシステムを介して実際の患者の骨の位置及び向きと相関させることができる。三次元患者骨モデル226、224は、三次元座標系又は空間内において位置決めすることができる。
【0270】
又、方法及びプロセスは、ナビゲーションプローブ55の遠位端部504を伴う外科医による術中見当合わせのために、三次元患者骨モデル226、224の骨モデル表面上のターゲット領域500、501において第1の複数のポイント502の場所を識別するステップを含むこともできる。又、方法又はプロセスは、三次元骨モデル226、224の骨モデル表面上の第1の複数のポイント502に対応する場所における実際の物理的な患者の骨の上部の軟骨の術中見当合わせに基づいて、第2の複数のポイントの場所データを受け取るステップを含むこともできる。
【0271】
又、方法及びプロセスは、第2の複数のポイントの場所データと骨モデル表面上の第1の複数のポイントの場所の間の比較に基づいて切除深さを判定するステップを含むことができる。又、方法又はプロセスは、切除深さを使用することによって切除データを生成するステップを含むことができる。切除データは、図1の手術ロボットを制御するための触覚境界として利用することができる。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技において手術ロボットによって利用されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されてもよい。ナビゲーションシステムは、関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作することができる。少なくとも2つの自由度(例えば、回転バー及び平行運動能力)を有する切削装置などの自律型ロボットは、切除データが、切除を実行するためのツール経路として使用される状態において、関節形成手技を実行することができる。本明細書において記述されている触覚装置60又は少なくとも1つの自由度(例えば、外科医によって運動又は平行運動させられる回転バー)を有する切削ツールなどの外科医支援型の装置は、切除データが、切削ツールの特定の運動(例えば、切除の深さ)を制御又は制限するための仮想的又は触覚境界である状態において、関節形成手技を実行することができる。
【0272】
本明細書において記述されている方法の一例は、少なくとも部分的に軟骨内においてカバーされている患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成するステップを伴いうる。方法は、コンピュータが、骨モデル表面を含む三次元患者骨モデルを受け取るステップを含んでいてもよく、三次元患者骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して患者の骨の位置及び向きと相関されている。三次元患者骨モデルは、三次元座標系内に位置している。コンピュータは、術中見当合わせのために三次元患者骨モデルの骨モデル表面上においてターゲット領域を識別することができる。又、コンピュータは、三次元骨モデルの骨モデル表面上のターゲット領域内のポイントに対応する場所における患者の骨の上部の軟骨の術中見当合わせに基づいて第1の複数のポイントの場所データを受け取ることができる。又、コンピュータは、第1の複数のポイントの場所データに少なくとも部分的に基づいて切除深さを判定することができる。又、コンピュータは、切除深さを使用することにより、切除データを生成してもよく、切除データは、関節形成手技においてナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている。
【0273】
図30を参照すれば、本明細書において記述されている様々なシステム及び方法を実装しうる1つ又は複数の演算ユニットを有する例示用の演算システム1300の詳細な説明が提供されている。演算システム1300は、関節形成手技の術前計画において利用されるコンピュータ又はシステムのうちの任意のもの、並びに、その他の演算又はネットワーク装置に、適用可能でありうる。これらの装置の特定の実装形態は、そのすべてが本明細書において具体的に記述されてはいないが当業者には理解される、異なる可能な演算アーキテクチャを有しうることを理解されたい。
【0274】
コンピュータシステム1300は、コンピュータプロセスを実行するべくコンピュータプログラムプロダクトを実行する能力を有する演算システムであってもよい。データ及びプログラムファイルは、ファイルを読み取ると共にその内部のプログラムを実行するコンピュータシステム1300に入力されてもよい。図30には、1つ又は複数のハードウェアプロセッサ1302、1つ又は複数のデータストレージ装置1304、1つ又は複数のメモリ装置1308、及び/又は1つ又は複数のポート1308〜1310を含む、コンピュータシステム1300の要素のうちのいくつかが示されている。これに加えて、当業者によって認識されることになるその他の要素が、演算システム1300には含まれうるが、図30には明示的に描かれておらず、或いは、本明細書における更なる説明が省略されている。コンピュータシステム1300の様々な要素は、図30には明示的に描かれていない1つ又は複数の通信バス、ポイントツーポイント通信経路、又はその他の通信手段を介して、相互に通信することができる。
【0275】
プロセッサ1302は、例えば、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、及び/又はキャッシュの1つ又は複数の内部レベルを含むことができる。プロセッサ1302が単一の中央処理ユニット又は並列処理環境と一般には呼称される相互に並行して命令を実行すると共に動作を実行する能力を有する複数の処理ユニットを有するように、1つ又は複数のプロセッサ1402が存在していてもよい。
【0276】
コンピュータシステム1300は、従来のコンピュータ、分散型のコンピュータ、又は、クラウド演算アーキテクチャを介して提供される1つ又は複数の外部コンピュータなどの、任意のその他のタイプのコンピュータであってもよい。本明細書において記述されている技術は、任意選択により、1つ又は複数のデータ保存装置1304上において保存された、1つ又は複数のメモリ装置1306上において保存された、並びに/或いは、ポート1308〜1310のうちの1つ又は複数を介して通信された、ソフトウェアにおいて実装され、これにより、図30のコンピュータシステム1300は、本明細書において記述されている動作を実装する特殊目的機械に変換される。コンピュータシステム1300の例は、パーソナルコンピュータ、端末、ワークステーション、携帯電話機、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、マルチメディアコンソール、ゲームコンソール、セットトップボックス、及びこれらに類似したものを含む。
【0277】
1つ又は複数のデータストレージ装置1304は、演算システム1300の様々なコンポーネントを管理するアプリケーションプログラム及びオペレーティングシステム(OS:Operating System)の両方のものの命令を含みうる、コンピュータプロセスを実行するためのコンピュータ実行可能命令などの、演算システム1300内において生成又は利用されるデータを保存する能力を有する任意の不揮発性データストレージ装置を含むことができる。データストレージ装置1304は、限定を伴うことなしに、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、半導体ドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュドライブ、及びこれらに類似したものを含むことができる。データストレージ装置1304は、1つ又は複数のデータベース管理プロダクト、ウェブサーバープロダクト、アプリケーションサーバープロダクト、及び/又はその他の更なるソフトウェアコンポーネントを含む、このようなコンピュータプログラムプロダクトと共に、有線又は無線ネットワークアーキテクチャを介して提供される着脱自在のデータストレージ媒体、非着脱自在のデータストレージ媒体、及び/又は外部ストレージ装置を含むことができる。着脱自在のデータストレージ媒体の例は、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM:Compact Disc Read−Only Memory)、デジタルバーサタイルディスク読み出し専用メモリ(DVD−ROM:Digital Versatile Disc Read−Only Memory)、磁気−光ディスク、フラッシュドライブ、及びこれらに類似したものを含む。非着脱自在のデータストレージ媒体の例は、内部磁気ハードディスク、SSD、及びこれらに類似したものを含む。1つ又は複数のメモリ装置1306は、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)など)、並びに/或いは、不揮発性メモリ(例えば、読み出し専用メモリ(ROM:Read−Only Memory)、フラッシュメモリなど)を含むことができる。
【0278】
本明細書において記述されている技術に従ってシステム及び方法を実現するためのメカニズムを含むコンピュータプログラムは、データストレージ装置1304及び/又はメモリ装置1306内において存在していてもよく、これらの装置は、機械可読媒体と呼称することができる。機械可読媒体は、機械による実行のために本開示の動作のうちの任意の1つ又は複数を実行するべく命令を保存又はエンコードする能力を有する、或いは、このような命令によって利用される又はこれらと関連するデータ構造及び/又はモジュールを保存又はエンコードする能力を有する、任意の有体の一時的ではない媒体を含みうることを理解されたい。機械可読媒体は、1つ又は複数の実行可能命令又はデータ構造を保存する、単一の媒体又は複数の媒体(例えば、中央集中化された又は分散されたデータベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバー)を含むことができる。
【0279】
いくつかの実装形態においては、コンピュータシステム1300は、その他の演算、ネットワーク、又は車両装置と通信するべく、入出力(I/O)ポート1309及び通信ポート1310などの、1つ又は複数のポートを含む。ポート1308〜1310は、組み合わせられてもよく、或いは、別個であってもよく、且つ、更に多くの又は更に少ない数のポートがコンピュータシステム1300内において含まれうることを理解されたい。
【0280】
I/Oポート1308は、I/O装置又はその他の装置に接続されてもよく、これにより、情報が演算システム1300との間において入力及び出力される。このようなI/O装置は、限定を伴うことなしに、1つ又は複数の入力装置、出力装置、及び/又はその他の装置を含むことができる。
【0281】
一実装形態においては、入力装置は、人間の音声、物理的運動、物理的接触又は圧力、並びに/或いは、これらに類似したものなどの、人間によって生成された信号をI/Oポート1308を介した演算システム1300への入力データとして電気信号に変換する。同様に、出力装置は、I/Oポート1308を介して演算システム1300から受け取った電気信号をサウンド、光、及び/又は接触などの人間によって出力として検知されうる信号に変換することができる。入力装置は、情報及び/又はコマンド選択をプロセッサ1302にI/Oポート1308を介して伝達するための、英数又はその他のキーを含む英数入力装置であってもよい。入力装置は、限定を伴うことなしに、マウス、トラックボール、カーソル方向キー、ジョイスティック、及び/又はホイールなどの、方向及び選択制御装置、カメラ、マイクロフォン、位置センサ、向きセンサ、重力センサ、慣性センサ、及び/又は加速度計などの、1つ又は複数のセンサ、並びに/或いは、接触感知表示画面(「タッチスクリーン」)、を含む別のタイプのユーザー入力装置であってもよい。出力装置は、限定を伴うことなしに、ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、触感及び/又は触覚出力装置、並びに/或いは、これらに類似したものを含むことができる。いくつかの実装形態においては、入力装置及び出力装置は、例えば、タッチスクリーンのケースにおいては、同一の装置であってもよい。
【0282】
一実装形態においては、通信ポート1310は、コンピュータシステム1300が本明細書において記述されている方法及びシステムを実行する際に有用であるネットワークデータを受け入れることができるのみならず、これによって判定された情報及びネットワーク構成の変化を送信しうるネットワークに接続されている。換言すれば、通信ポート1310は、1つ又は複数の有線又は無線通信ネットワーク又は接続を介して演算システム1300とその他の装置の間において情報を送信及び/又は受信するように構成された1つ又は複数の通信インターフェイス装置にコンピュータシステム1300を接続している。このようなネットワーク又は接続の例は、限定を伴うことなしに、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、Ethernet、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC:Near Field Communication)、ロングタームエボリューション(LTE:Long−Term Evolution)などを含む。1つ又は複数のこのような通信インターフェイス装置は、直接的に、ポイントツーポイント通信経路上において、ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)(例えば、インターネット)上において、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)上において、セルラー(例えば、第3世代(3G)又は第4世代(4G))ネットワーク上において、或いは、別の通信手段上において、1つ又は複数のその他の機械と通信するべく、通信ポート1310を介して利用することができる。更には、通信ポート1310は、電磁信号の送信及び/又は受信のために、アンテナ又はその他のリンクと通信することもできる。
【0283】
例示用の一実装形態においては、患者データ、骨モデル(例えば、汎用、患者固有)、変換ソフトウェア、及びその他のソフトウェア、並びに、その他のモジュール及びサービスは、データストレージ装置1304及び/又はメモリ装置1306上において保存されると共にプロセッサ1302によって実行される、命令によって実施することができる。コンピュータシステム1300は、手術システム100と統合されてもよく、或いは、さもなければ、この一部分を形成することもできる。
【0284】
但し、図30において記述されているシステムは、本開示の態様を利用しうる、或いは、これに従って構成されうる、コンピュータシステムの可能な一例である。演算システム上において本明細書において開示されている技術を実装するためのコンピュータ実行可能命令を保存するその他の一時的ではない有体のコンピュータ可読ストレージ媒体が利用されうることを理解されたい。
【0285】
本開示においては、その他のものに加えて、例えば、図8、図10A〜図10C、図18〜図19、並びに、図26Eに示されているものなどの、本明細書において開示されている方法は、命令の組又は装置によって判読されうるソフトウェアとして実装することができる。更には、開示されている方法におけるステップの特定の順序又は階層構造は、例示用の方式の例であることを理解されたい。設計の好みに基づいて、方法におけるステップの特定の順序又は階層構造は、開示されている主題のうちに留まりつつ、再構成されうることを理解されたい。添付の方法は、例示用の順序において様々なステップの現在の要素を特許請求しており、且つ、必ずしも、提示されている特定の順序又は階層構造に限定されることを意図したものではない。
【0286】
本明細書において記述されている方法のうちの任意のものを含む記述されている開示は、本開示に従ってプロセスを実行するように、コンピュータシステム(又は、その他の電子装置)をプログラムするべく使用されうる、その上部において保存された命令を有する一時的ではない機械可読媒体を含みうるコンピュータプログラムプロダクト又はソフトウェアとして提供することができる。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって判読されうる形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)において情報を保存するための任意のメカニズムを含む。機械可読媒体は、限定を伴うことなしに、磁気ストレージ媒体、光ストレージ媒体、磁気−光ストレージ媒体、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラム可能なメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、或いは、電子命令を保存するのに適したその他のタイプの媒体を含むことができる。
【0287】
本開示は、様々な実装形態を参照して記述されているが、これらの実装形態は、例示を目的としており、且つ、本開示の範囲は、これらに限定されるものではないことを理解されたい。多くの変形、変更、追加、及び改善が可能である。更に一般的には、本開示による実施形態は、特定の実装形態の文脈において記述されている。機能は、本開示の様々な実施形態において、異なる方式により、ブロックにおいて分離されてもよく又は組み合わせられてもよく、或いは、異なる用語によって記述されてもよい。これらの及びその他の変形、変更、追加、及び改善は、添付の請求項において定義されている本開示の範囲に含まれうる。
【0288】
一般に、本明細書において記述されている実施形態は、特定の実施形態を参照して記述されているが、これらに対しては、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、変更を実施することができる。又、本明細書において使用されている「含む(including)」という用語は、包含的となることが、即ち、「限定を伴うことなしに、〜を含む(including but not limited to)」となるように、意図されていることに留意されたい。
【0289】
様々な例示用の実施形態において示されているシステム及び方法の構造及び構成は、例示を目的としたものに過ぎない。いくつかの実施形態のみが本開示において詳細に記述されているが、多くの変更が可能である(例えば、様々な要素、パラメータの値、取付構成、材料の使用法、色、向きなどのサイズ、寸法、構造、形状、及び比率の変動)。例えば、要素の位置が、逆転されてもよく、或いは、その他の方法によって変更されてもよく、且つ、別個の要素又は位置の特性又は数が、変更又は修正されてもよい。従って、すべてのこのような変更は、本開示の範囲に含まれるものと解釈されたい。任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態に従って変更又は再順序付けされてもよい。本開示の範囲を逸脱することなしに、例示用の実施形態の設計、動作条件、及び構成において、その他の置換、変更、変化、及び省略を実施することができる。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A-20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図26E】
【図26F】
【図26G】
【図26H】
【図26I】
【図26J】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【手続補正書】
【提出日】20190228
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟骨内において少なくとも部分的にカバーされている患者の骨に対する関節形成手技を計画する際に使用される切除データを生成する方法であって、
骨モデル表面を有する三次元患者骨モデルを受け取るステップであって、前記三次元患者骨モデルは、ナビゲーションシステムを介して前記患者の骨の位置及び向きと相関されており、前記三次元患者骨モデルは、三次元座標系内に位置している、ステップと、
術中見当合わせのために前記三次元患者骨モデルの前記骨モデル表面上においてターゲット領域を識別するステップと、
前記三次元骨モデルの前記骨モデル表面上の前記ターゲット領域内のポイントに対応する場所における前記患者の骨の上部の前記軟骨の前記術中見当合わせに基づいて第1の複数のポイントの場所データを受け取るステップと、
前記第1の複数のポイントの前記場所データに少なくとも部分的に基づいて切除深さを判定するステップと、
前記切除深さを使用することによって切除データを生成するステップであって、前記切除データは、前記関節形成手技において前記ナビゲーションシステムによって利用されるように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1の複数のポイントの前記場所データを前記三次元座標系内にマッピングするステップを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切除深さを判定するステップは、前記第1の複数のポイントと前記骨モデル表面上の前記ターゲット領域の間の深さ差を判定するステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記深さ差を骨のみ切除深さに加算することによって前記切除深さを判定するステップを更に有する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記骨のみ切除深さは、前記深さ差の前記加算によって遠位的に調節される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記切除深さを判定するステップは、前記第1の複数のポイントに基づいて骨のみ切除深さを変更するステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記骨のみ切除深さは、前記第1の複数のポイントに基づいて遠位的に調節される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者の骨は、大腿骨を含み、且つ、前記三次元患者骨モデルは、三次元患者大腿骨モデルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲット領域は、前記三次元患者大腿骨モデルの内側又は外側顆のうちの少なくとも1つのものの関節エリアを有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記患者の骨は、脛骨を含み、且つ、前記三次元患者骨モデルは、三次元患者脛骨モデルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記切除深さは、前記脛骨の近位切除深さを有し、前記近位切除深さは、前記第1の複数のポイントの前記場所データに基づいて近位的に調節される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ターゲット領域は、前記三次元患者脛骨モデルの内側又は外側脛骨プラトーのうちの少なくとも1つのものの関節エリアを有する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記三次元患者骨モデルは、骨のみモデルである請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記三次元患者骨モデルは、前記患者の骨の医療画像から生成される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ナビゲーションシステムは、前記関節形成手技を実行する際に自律型ロボット又は外科医支援型の装置との関連において動作する請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】