(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523749
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】第4族金属元素含有アルコキシ化合物、この製造方法、これを含む膜蒸着用前駆体組成物、及びこれを利用する膜の蒸着方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/28 20060101AFI20190802BHJP
   C23C 16/18 20060101ALI20190802BHJP
   C07F 7/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !C07F7/28 FCSP
   !C23C16/18
   !C07F7/00 A
   !C07F7/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】2017564554
(86)(22)【出願日】20170808
(85)【翻訳文提出日】20171212
(86)【国際出願番号】KR2017008528
(87)【国際公開番号】WO2018230771
(87)【国際公開日】20181220
(31)【優先権主張番号】10-2017-0074938
(32)【優先日】20170614
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0098165
(32)【優先日】20170802
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0098413
(32)【優先日】20170803
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】514183215
【氏名又は名称】ユーピー ケミカル カンパニー リミテッド
【住所又は居所】大韓民国、459−050 ギョンギ−ド ピョンテック−シ、サンダン−ロ 197ボン−ジ、81(チルゲ−ドン)
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウォンソク
【住所又は居所】大韓民国 ギョンギド ピョンテックシ ヒョンシン 3キル 76 201ドン 904ホ (ヨンイドン ピョンテック ヨンイ 2チャ プルジオ)
(72)【発明者】
【氏名】コ ウォンヨン
【住所又は居所】大韓民国 デジョンシ ユソング ガゾンロ 43 109ドン 901ホ (シンソンドン サムソン ハンウル アパト)
(72)【発明者】
【氏名】パク ミョンホ
【住所又は居所】大韓民国 ギョンギド スウォンシ チャンアング ギョンスデロ 976ボンキル 22 117ドン 1302ホ (ジョウォンドン スウォンハンイルタウン)
【テーマコード(参考)】
4H049
4K030
【Fターム(参考)】
4H049VN05
4H049VN06
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4K030JA01
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030JA11
4K030JA12
4K030LA15
(57)【要約】
新規な第4族金属元素含有アルコキシ化合物、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物の製造方法、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物を含む膜蒸着用前駆体組成物、及び前記前駆体組成物を利用する第4族金属元素含有膜の蒸着方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される、第4族金属元素含有化合物:
【化1】

前記化学式1において、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
nは、1〜3の整数である。
【請求項2】
前記Mは、Ti、ZrまたはHfであり、前記RとRは、それぞれ独立してCH、C、またはCH(CHであり、nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の第4族金属元素含有化合物。
【請求項3】
前記Mは、Ti、ZrまたはHfであり、前記R及びRは、CHであり、nは、2である、請求項2に記載の第4族金属元素含有化合物。
【請求項4】
下記化学式2で表される化合物と、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールROH及び/又はROHを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法:
【化2】

前記化学式2において、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
〜R10は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
nは、1〜3の整数であり、
【化3】

前記化学式1において、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
nは、1〜3の整数である。
【請求項5】
下記化学式3で表される化合物と、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールのアルカリ金属M’の塩であるM’OR及び/又はM’ORを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法:
【化4】

前記化学式3において、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
Xは、ハロゲンであり、
nは、1〜3の整数であり、
【化5】

前記化学式1において、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
nは、1〜3の整数である。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の第4族金属元素含有化合物を含む、膜蒸着用前駆体組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜を形成することを含む、第4族金属元素含有膜の蒸着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、新規な第4族金属元素含有アルコキシ化合物、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物の製造方法、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物を含む膜蒸着用前駆体組成物、及び前記前駆体組成物を利用する第4族金属元素含有膜の蒸着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Ti、Zr及びHfのような第4族金属元素を含む化合物は、ポリマー合成などの触媒として使用され、第4族金属元素を含む酸化物または窒化物の膜、例えば、酸化ジルコニウム膜、窒化チタニウム膜などは、高誘電(high−k)物質、電極などで半導体素子の製造に使用される。しかし、第4族金属元素を含む膜を化学蒸着法(chemical vapor deposition、CVD)または原子層蒸着法(atomic layer deposition、ALD)のような方法で形成する場合、第4族金属元素を含む均一な膜を形成するための新規第4族金属元素含有化合物の開発が依然として必要であり、特に、微細な凹凸(溝)のある基材又は多孔性基材において、前記凹凸(溝)の表面及び前記基材の表面を含む全体表面に均一な第4族金属元素含有膜または薄膜が形成可能な前駆体として有用に使用することができる新規第4族金属元素含有化合物の開発が依然として必要である。
【0003】
一方、特許文献1は、「ジルコニウム酸化物薄膜蒸着用有機金属先駆物質及びその製造方法」について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2007−0121281号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、新規な第4族金属元素含有アルコキシ化合物、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物の製造方法、前記第4族金属元素含有アルコキシ化合物を含む膜蒸着用前駆体組成物、及び前記前駆体組成物を利用する第4族金属元素含有膜の蒸着方法を提供する。
【0006】
しかし、本願が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されなかった他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1側面は、下記化学式1で表される、第4族金属元素含有化合物を提供することにある:
【化1】

前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、RとRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0008】
本願の第2側面は、下記化学式2で表される化合物と、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールROH及び/又はROHを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法を提供することにある:
【化2】

前記化学式において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、R〜R10は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数であり;
【化3】

前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、RとRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0009】
本願の第3側面は、下記化学式3で表される化合物と、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールのアルカリ金属塩であるM’OR及び/又はM’ORを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法を提供することにある:
【化4】
前記化学式3において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、Xは、ハロゲンであり、nは、1〜3の整数であり、
【化5】
前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0010】
本願の第4側面は、前記本願の第1側面による第4族金属元素含有化合物を含む、膜蒸着用前駆体組成物を提供することにある。
【0011】
本願の第5側面は、前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜を形成することを含む、第4族金属元素含有膜の蒸着方法を提供することにある。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施形態による新規な第4族金属元素含有化合物は、第4族中心金属に直接結合した炭素が中心金属に配位されたシクロペンタジエニル基にアルキレン鎖を通じて連結された構造であり、従来に知られていない新規な化合物である。
【0013】
本願の実施形態による新規な第4族金属元素含有化合物は、熱安定性が高く、原子層蒸着法または化学気相蒸着法の前駆体として使用して第4族金属元素含有膜を形成することができ、特に、表面に凹凸(溝)のある基材又は多孔性基材上にも数nm〜数十nm厚さの第4族金属元素含有膜を均一に形成することができ、例えば、縦横比が約1以上であり、幅が約1μm以下の微細な凹凸(溝)が表面にある基材において、前記微細な凹凸(溝)の最も深いところの表面及び前記微細な凹凸(溝)の上部表面を含む前記微細な凹凸(溝)の表面を含み、前記基材の全体表面上に数nm〜数十nm厚さの第4族金属元素含有膜を均一に形成することができる優れた効果を有する。
【0014】
本願の実施形態による第4族金属元素含有膜を形成する方法は、商業的な半導体素子の製造に適用することができる。特に、DRAM半導体素子を製造するためには、溝の幅が100nmまたは50nmよりも遥かに狭く、縦横比が10:1、20:1、30:1、またはそれよりさらに深く、さらに狭い溝のある基材に高誘電物質を数nmの厚さで形成する必要がある。特に、約250℃、280℃、300℃、またはそれ以上の温度でも均一な厚さの高誘電物質膜を形成する必要があるため、高い温度でも非常に狭くて深い微細な溝に原子層蒸着法(ALD)で均一な厚さの膜を形成することができる前駆体組成物が必要であり、このような前駆体組成物として使用するために、熱安定性が非常に高いTi、Zr、またはHf化合物が必要である。
【0015】
本願の実施形態による前記第4族金属元素含有化合物は、ALD、CVDなどに使用される前駆体として使用され、半導体のような次世代デバイスの製造に求められる性能、例えば、向上された熱安定性、高い揮発性及び/又は増加された蒸着速度などを提供することができ、第4族金属元素含有膜または薄膜の形成に有用に使用することができる。
【0016】
また、本願の実施形態による前記第4族金属元素含有化合物は、触媒などのような多様な分野に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願の一実施例によって製造されたCp(CHTi(OCHのH−HMRスペクトルである。
【図2】本願の一実施例によって製造されたCp(CHTi(OCHの熱重量分析グラフである。
【図3】本願の一実施例によって製造されたCp(CHTi(OCHの示差走査熱量計分析グラフである。
【図4】本願の一実施例によって製造されたCp(CHTi(OCHを利用した原子層蒸着法の膜成長を基材温度に従って示すものである。
【図5】本願の一実施例によって製造されたCp(CHTi(OCHを利用して微細な溝を含む基材上に形成された膜の断面を透過電子顕微鏡(TEM)で観察した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付の図面を参照して本願が属する技術分野で通常の知識を持った者が容易に実施することができるように、本願の実施例を詳しく説明する。しかし、本願は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本願を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似した部分については類似した図面符号をつけた。
【0019】
本願明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとすると、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。
【0020】
本願明細書全体において、ある部材が他の部材「上に」位置しているとすると、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0021】
本願明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
本願明細書全体で使用される程度の用語である「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示される時、その数値で、またはその数値に近接した意味で使用され、本願の理解を助けるために、正確であるか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
【0023】
本願明細書全体で使用される程度の用語である「〜(する)段階」または「〜の段階」は、「〜のための段階」を意味しない。
【0024】
本願明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ(ら)」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群より選択される一つ以上の混合または組み合わせを意味するもので、上記構成要素からなる群より選択される一つ以上を含むことを意味する。
【0025】
本願明細書全体において、「A及び/又はB」という記載は、「AまたはB、またはA及びB」を意味する。
【0026】
本願明細書全体において、用語「アルキル」または「アルキル基」は、1〜12個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、及びこれらの全ての可能な異性体を含む。例えば、前記アルキルまたはアルキル基は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、n−プロピル基(Pr)、iso−プロピル基(Pr)、n−ブチル基(Bu)、tert−ブチル基(Bu)、iso−ブチル基(Bu)、sec−ブチル基(Bu)、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、4,4−ジメチルペンチル基、オクチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、及びこれらの異性体などが挙げられるが、これに制限されない。
【0027】
本願明細書全体において、用語「第4族金属元素」は、周期律表の4番目の族に属する化学元素を意味するもので、Ti、ZrまたはHfを含んでいてもよい。
【0028】
本願明細書全体において、用語「Cp」は、「シクロペンタジエニル(cyclopentadienyl)」基の略語を意味する。
【0029】
本願明細書全体において、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨード(I)を意味する。
【0030】
以下、本願の実施形態を詳しく説明するが、本願はこれに制限されない。
【0031】
本願の第1側面は、下記化学式1で表される、第4族金属元素含有化合物を提供することにある。
【化6】
前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であってもよく、RとRは、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であってもよく、nは、1〜3の整数である。
【0032】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであってもよいが、これに制限されない。
【0033】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してCH、CまたはCH(CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0035】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0036】
本願の一実施形態において、前記化学式1で表される前記第4族金属元素含有化合物は、下記構造で表現される化合物を含んでいてもよいが、これに制限されない。
【化7】
【0037】
本願の第2側面は、下記化学式2で表される化合物と炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールROH及び/又はROHを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法を提供することにある。
【化8】
前記化学式において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、R〜R10は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数であり、
【化9】
前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、RとRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0038】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであってもよいが、これに制限されない。
【0039】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記R及びRは、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。例えば、前記R及びRが異なる場合、前記化学式2で表される化合物に前記ROH及びROHを同時にまたは順に添加して反応させればよい。
【0040】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してCH、CまたはCH(CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0041】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0042】
本願の一実施形態において、前記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物は、本願の第1側面で化学式1で表された化合物及びこれらについて具体的に例示された化合物を示すが、これに制限されない。
【0043】
本願の第3側面は、下記化学式3で表される化合物と、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルコールのアルカリ金属M’の塩であるM’OR及び/又はM’ORを反応させることを含む、下記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物の製造方法を提供することにある。
【化10】
前記化学式3において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、Xは、ハロゲンであり、nは、1〜3の整数であり、
【化11】
前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、RとRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0044】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであってもよいが、これに制限されない。
【0045】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば、前記R及びRが異なる場合、前記化学式2で表される化合物に前記M’OR及びM’ORを同時にまたは順に添加して反応させればよい。
【0046】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであり、前記R及びRは、それぞれ独立してCH、CまたはCH(CHであり、nは、1〜3、またはn=2であることができるが、これに制限されない。
【0047】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0048】
本願の一実施形態において、前記化学式1で表される第4族金属元素含有化合物は、本願の第1側面で化学式1で表された化合物及びこれらについて具体的に例示された化合物を示すが、これに制限されない。
【0049】
本願の一実施形態において、前記アルコールのアルカリ金属塩M’OR及びM’ORは、それぞれ独立して、例えば、メトキシリチウム(LiOMe)、エトキシリチウム(LiOEt)、イソプロポキシリチウム(LiOPr)、メトキシナトリウム(NaOMe)、エトキシナトリウム(NaOEt)、イソプロポキシナトリウム(NaOPr)、メトキシカリウム(KOMe)、エトキシカリウム(KOEt)、またはイソプロポキシカリウム(KOPr)であってもよいが、これに制限されない。
【0050】
本願の第4側面は、前記本願の第1側面による第4族金属元素含有化合物を含む、膜蒸着用前駆体組成物を提供することにある。
【0051】
本願の第5側面は、前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜を形成することを含む、第4族金属元素含有膜の蒸着方法を提供することにある。
【0052】
前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物及び前記本願の第5側面による第4族金属元素含有膜の蒸着方法で使用される前記本願の第1側面による第4族金属元素含有化合物は、下記化学式1で表される。
【化12】
前記化学式1において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、R〜Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、RとRは、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは、1〜3の整数である。
【0053】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであってもよいが、これに制限されない。
【0054】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0055】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、それぞれ独立してCH、CまたはCH(CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0056】
本願の一実施形態では、前記化学式1において、前記Mは、Ti、ZrまたはHfであってもよく、前記R及びRは、CHであってもよく、nは、1〜3、またはn=2であってもよいが、これに制限されない。
【0057】
本願の一実施形態において、前記化学式1によって表される前記第4族金属元素含有化合物は、下記構造で表現される化合物を含んでいてもよいが、これに制限されない。
【化13】
【化14】
【0058】
本願の一実施形態において、前記膜蒸着用前駆体組成物は、第4族金属元素含有膜または薄膜蒸着に使用してもよい。前記第4族金属元素含有膜または薄膜は、約1ナノメートル〜数マイクロメートルの厚さであってもよいが、これに制限されない。
【0059】
本願の一実施形態において、前記第4族金属元素含有膜または薄膜は、Ti、Zr及び/又はHfの金属含有膜または薄膜、Ti、Zr及び/又はHfの酸化物含有膜または薄膜、Ti、Zr及び/又はHfの窒化物含有膜または薄膜、Ti、Zr及び/又はHfの酸窒化物含有膜または薄膜、またはTi、Zr及び/又はHfの炭窒化物含有膜または薄膜などを含んでいてもよいが、これに制限されない。
【0060】
本願の一実施形態において、前記第4族金属元素含有膜または薄膜は、半導体素子の高誘電膜、触媒などとして利用できるが、これに制限されない。
【0061】
本願の一実施形態において、前記第4族金属元素含有膜または薄膜の蒸着方法は、蒸着チャンバ内に位置した基材に前記第4族金属元素含有膜または薄膜蒸着用前駆体組成物を供給して蒸着させて第4族金属元素含有膜または薄膜を形成することを含んでいてもよいが、これに制限されない。前記膜の蒸着方法は、本技術分野において公知の方法、装置などを利用することができ、必要な場合、一つ以上の追加反応気体を共に利用して行うことができる。前記基材としては、シリコン半導体ウェハ、化合物半導体ウェハを使用してもよいが、これに制限されない。孔や溝のある基材を使用してもよく、例えば、触媒の目的として使用するために表面積の広い多孔質の基材を使用してもよい。
【0062】
本願の一実施形態において、前記膜の蒸着は、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD)または原子層蒸着法(ALD)によって行うものを含んでいてもよいが、これに制限されない。前記有機金属化学気相蒸着法(MOCVD)または原子層蒸着法(ALD)は、本技術分野において公知の蒸着装置、蒸着条件、追加反応気体などを利用して行うことができる。
【0063】
具体的に、前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物及び前記膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜または薄膜を形成することを含む、本願の第5側面による第4族金属元素含有膜または薄膜の蒸着方法において、前記膜蒸着用前駆体組成物に含まれる本願の一実施形態による新規な第4族金属元素含有化合物は、熱安定性が高く、原子層蒸着法または化学気相蒸着法の前駆体として使用して第4族金属元素含有膜を形成することができ、特に、表面に凹凸(溝)のある基材又は多孔性基材上にも数nm〜数十nm厚さの第4族金属元素含有膜を均一に形成することができ、例えば、縦横比が約1以上、2以上、5以上、10以上、20以上、30以上、または40以上であり、幅が約1μm以下、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約80nm以下、約60nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、または約10nm以下の微細な凹凸(溝)が表面にある基材において、前記微細な凹凸(溝)の最も深いところの表面及び前記微細な凹凸(溝)の上部表面を含む前記微細な凹凸(溝)の表面を含み、前記基材の全体表面上に数nm〜数十nm厚さの第4族金属元素含有膜を均一に形成することができる優れた効果を有する。例えば、前記数nm〜数十nm厚さは、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、約1nm〜約10nm、約1nm〜約20nm、約1nm〜約30nm、約1nm〜約40nm、あるいは約1nm〜約50nmであることができるが、これに制限されない。
【0064】
前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物、及び前記膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜または薄膜を形成することを含む、本願の第5側面による第4族金属元素含有膜または薄膜の蒸着方法は、商業的な半導体素子の製造に適用することができる。特に、DRAM半導体素子を製造するためには、溝の幅が100nmまたは50nmよりも遥かに狭く、縦横比が10:1、20:1、30:1、またはそれよりさらに深く、さらに狭い溝のある基材に高誘電物質を数nmの厚さで形成する必要がある。特に、約250℃、280℃、300℃、またはそれ以上の温度でも均一な厚さの高誘電物質膜を形成する必要があるため、高い温度でも非常に狭くて深い溝に原子層蒸着法(ALD)で均一な厚さの膜を形成することができる前駆体組成物が必要であり、このような前駆体組成物として使用するために、熱安定性が非常に高いTi、Zr、またはHf化合物が必要である。そこで、前記本願の第4側面による膜蒸着用前駆体組成物、及び前記膜蒸着用前駆体組成物を利用して第4族金属元素含有膜または薄膜を形成することを含む、本願の第5側面による第4族金属元素含有膜または薄膜の蒸着方法を有用に使用することができる。
【実施例】
【0065】
以下、本願について実施例を利用してさらに具体的に説明するが、下記の実施例は、本願の理解を助けるために例示するのみであり、本願の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
【0066】
<製造例1> Cp(CHMgClの製造
フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにマグネシウム(Mg)11.2g(0.462mol、3当量)とテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、CO)100mLを入れた後、室温を維持した。前記フラスコに3−クロロ−プロピルシクロペンタジエン(3−chloro−propylcyclopentadiene)21.8g(0.154mol、1当量)を添加した後、得られた反応溶液を50℃まで徐々に昇温させながら、15時間撹拌した。以後、前記フラスコの温度を徐々に室温まで下げ、セライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じて前記反応溶液をろ過して、過量のマグネシウムを除去することにより得られたろ過液からCp(CHMgClグリニャール試薬(Grignard reagent)を得た。
【0067】
<製造例2> Cp(CHTiClの製造
フレームドライした3Lのシュレンクフラスコにテトラクロロチタン(TiCl)99g(0.522mol、1当量)とトルエン(toluene、C−CH)1000mLを入れた後、10℃で冷却した。前記製造例1で製造されたCp(CHMgClのグリニャール試薬(0.522mol、1当量)とトリエチルアミン(triethylamine)53g(0.522mol、1当量)をトルエン500mLに希釈させた後、前記フラスコに徐々に滴下した。反応溶液を15時間還流させた。
【0068】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン200mLで3回洗浄(washing)し、前記反応物を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して、下記構造で表される赤色の固体化合物Cp(CHTiClを69g(収率59%)得た。
【化15】
【0069】
<製造例3> Cp(CHZrCl及びCp(CHHfClの製造
製造例2で使用したテトラクロロチタン(TiCl)の代わりに、テトラクロロジルコニウム(ZrCl)またはテトラクロロハフニウム(HfCl)を使用したこと以外は、製造例2と同じ方法で前駆体物質であるCp(CHZrClまたはCp(CHHfClを製造した。
【0070】
<製造例4> Cp(CHTi[N(CHの製造
フレームドライした3Lのシュレンクフラスコにn−ブチルリチウム(n−butyllithium)277g(1.044mol、2当量)ヘキサン溶液を入れた後、−40℃で冷却した。ジメチルアミン(dimethylamine)47g(1.044mol、2当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、3時間常温で撹拌した。前記製造例2で製造されたCp(CHTiCl(0.522mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を40℃で4時間撹拌した。
【0071】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン500mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過した後、得たろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して、下記構造で表される赤色の液体化合物Cp(CHTi[N(CHを50g(収率40%)得た。
【化16】
【0072】
<製造例5> Cp(CHZr[N(CHの製造
フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにテトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム[Zr(N(CH]41g(0.154mol、1当量)とn−ヘキサン(n−hexane、C14)100mLを入れた後、室温を維持した。前記製造例1で製造されたCp(CHMgClのグリニャール試薬(0.154mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を15時間還流させた。
【0073】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン200mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過した後、得たろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して下記構造で表されるジルコニウム液体化合物である薄い黄色の液体化合物Cp(CHZr[N(CHを27g(収率61%)得た。
【化17】
【0074】
<製造例6> Cp(CHHf[N(CHの製造
フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにテトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム[Hf(N(CH]198g(0.558mol、1当量)とn−ヘキサン500mLを入れた後、室温を維持した。前記製造例1で製造されたCp(CHMgClのグリニャール試薬(0.558mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を15時間還流させた。
【0075】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン1000mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過した後、得たろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して下記構造で表される薄い黄色の液体化合物Cp(CHHf[N(CHを108g(収率52%)得た。
【化18】
【0076】
<実施例1> Cp(CHTi(OCHの製造
フレームドライした250mLのシュレンクフラスコに前記製造例4で製造されたCp(CHTi[N(CH35g(0.145mol、1当量)とn−ヘキサン(n−hexane、C14)150mLを入れた後、メタノール(methanol)9.3g(0.290mol、2.1当量)を前記フラスコに徐々に滴下し、2時間常温で撹拌した。
【0077】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、減圧下で蒸留して下記構造で表される薄い黄色の液体化合物Cp(CHTi(OCHを15g(収率50%)得た。前記得られたチタン液体化合物のNMRスペクトルを図1に、熱重量分析グラフを図2に、示差走査熱量計分析グラフを図3に示す。
【化19】
【0078】
沸点(bp)80℃(0.25torr);
元素分析(elemental analysis)計算値(C1016Ti):C 55.52、H 7.44;実測値C 55.58、H 7.46;
【数1】
【0079】
<実施例2> Cp(CHZr(OCHの製造
フレームドライした250mLのシュレンクフラスコに前記製造例5で製造されたCp(CHZr[N(CH10g(0.035mol、1当量)とn−ヘキサン150mLを入れた後、メタノール2.4g(0.074mol、2.1当量)を前記フラスコに徐々に滴下し、2時間常温で撹拌した。
【0080】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、減圧下で蒸留して下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHZr(OCHを3.6g(収率40%)得た。
【化20】
【0081】
沸点(bp)102℃(0.2torr);
元素分析(elemental analysis)計算値(C1016Zr):C 46.29、H 6.22;実測値C 46.28、H 6.24;
【数2】
【0082】
<実施例3> Cp(CHHf(OCHの製造
フレームドライした250mLのシュレンクフラスコに前記製造例6で製造されたCp(CHHf[N(CH10g(0.027mol、1当量)とn−ヘキサン150mLを入れた後、メタノール2.4g(0.056mol、2.1当量)を前記フラスコに徐々に滴下し、2時間常温で撹拌した。
【0083】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、減圧下で蒸留して下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHHf(OCHを3g(収率32%)得た。
【化21】
【0084】
沸点(bp)107℃(0.2torr);
元素分析(elemental analysis)計算値(C1016Hf):C 34.64、H 4.65;実測値C 34.60、H 4.63;
【数3】
【0085】
<実施例4> Cp(CHZrClを使用したCp(CHZr(OCHの製造
フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにn−ブチルリチウム(n−butyllithium)68.7g(0.257mol、2当量)ヘキサン溶液を入れた後、−40℃で冷却した。メタノール(methanol)8.3g(0.257mol、2当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、3時間常温で撹拌した。前記製造例3で製造されたCp(CHZrCl(0.129mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を40℃で4時間撹拌した。
【0086】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン500mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過した後、得たろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHZr(OCHを14g(収率42%)得た。
【化22】
【0087】
<実施例5> Cp(CHHfClを使用したCp(CHHf(OCHの製造
フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにn−ブチルリチウム(n−butyllithium)50g(0.187mol、2当量)ヘキサン溶液を入れた後、−40℃で冷却した。メタノール(methanol)6g(0.187mol、2当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、3時間常温で撹拌した。前記製造例3で製造されたCp(CHHfCl(0.094mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を40℃で4時間撹拌した。
【0088】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン500mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過した後、得たろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して前記実施例3で製造された化合物と同一の下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHHf(OCHを11g(収率34%)得た。
【化23】
【0089】
<実施例6> Cp(CHTi[OCH(CHの製造
フレームドライした250mLのシュレンクフラスコに前記製造例4で製造されたCp(CHTi[N(CH35g(0.145mol、1当量)とn−ヘキサン150mLを入れた後、イソプロパノール(isopropanol)17.5g(0.290mol、2.1当量)を前記フラスコに徐々に滴下し、2時間常温で撹拌した。
【0090】
前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、減圧下で蒸留して下記構造で表される薄い黄色の液体化合物Cp(CHTi[OCH(CHを17.7g(収率45%)得た。
【化24】
【0091】
沸点(bp)90℃(0.3torr);
元素分析(elemental analysis)計算値(C1424Ti):C 61.77、H 8.89;実測値C 61.78、H 8.88;
【数4】
【0092】
<実施例7> Cp(CHHf[OCH(CHの製造
合成法I:フレームドライした1Lのシュレンクフラスコにn−ブチルリチウム(n−butyllithium)50g(0.187mol、2当量)ヘキサン溶液を入れた後、−40℃で冷却した。イソプロパノール(isopropanol)11.3g(0.187mol、2当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、3時間常温で撹拌した。前記製造例3で製造されたCp(CHHfCl(0.094mol、1当量)を前記フラスコに徐々に滴下した後、反応溶液を40℃で4時間撹拌した。前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、n−ヘキサン500mLで抽出した。n−ヘキサン抽出物をセライト(celite)パッドとガラスフリット(frit)を通じてろ過し、得られたろ過液を減圧下で溶媒を除去し、減圧下で蒸留して、下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHHf[OCH(CHを12.5g(収率33%)得た。
【0093】
合成法II:フレームドライした250mLのシュレンクフラスコに前記製造例6で製造されたCp(CHHf[N(CH10g(0.035mol、1当量)とn−ヘキサン150mLを入れた後、イソプロパノール(isopropanol)4.5g(0.074mol、2.1当量)を前記フラスコに徐々に滴下し、2時間常温で撹拌した。前記反応が完了した後、減圧下で溶媒及び揮発性副反応物を除去し、次いで、減圧下で蒸留して下記構造で表される黄色の液体化合物Cp(CHHf[OCH(CHを4.5g(収率32%)得た。
【化25】
【0094】
沸点(bp)110℃(0.3torr);
元素分析(elemental analysis)計算値(C1424Hf):C 41.74、H 6.01;実測値C 41.72、H 6.00;
【数5】
【0095】
<実施例8> Cp(CHTi(OCH化合物とオゾン(O)気体を使用した原子層蒸着法によるチタン酸化膜の形成
実施例1によって製造されたCp(CHTi(OCHを前駆体として使用し、オゾン(O)気体を反応気体として使用する原子層蒸着法(ALD)を利用してチタン酸化膜を形成する実験を行った。この時、基材は、シリコン(Si)ウェハを使用した。前記基材は、250℃〜350℃に加熱された。また、ステンレススチール材質の容器に入れた前駆体化合物を90℃の温度に加熱し、60sccm流速のアルゴン(Ar)ガスを前記容器に通過させることで、前記前駆体化合物を原子層蒸着法を行うためのALD反応器に供給した。前記ALD反応器の内部圧力は、3torrで維持された。前記ALD反応器に前記前駆体化合物気体を10秒間供給し、次いで、アルゴン気体を10秒間供給し、次いで、オゾン(O)気体を10秒間供給し、次いで、さらにアルゴン気体を10秒間供給するALD原料供給周期を200回繰り返した。前記工程によって形成したチタン酸化物薄膜の原料供給周期あたり膜成長を図4に示した。図4に示すように、基材温度250℃〜350℃の範囲でALD原料供給周期あたり膜成長が0.05nm/cycleで、ほぼ一定であることが分かった。
【0096】
幅が約55nmで縦横比が約10:1である微細な溝(凹凸)を含む基材を300℃に加熱し、上記のようなALD原料供給周期を98回繰り返して形成したチタン酸化物膜の断面を透過電子顕微鏡(TEM)で観察した結果を図5に示した。前記基材にある溝の最も深いところの表面と溝の上部表面を全て含み、前記基材の全体表面に均一な厚さの膜が約5nmの厚さで形成されたことが分かった。
【0097】
上述した本願の説明は、例示のためのものであり、本願が属する技術分野の通常の知識を持った者は、本願の技術的思想や必須的な特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能なことが理解できるであろう。従って、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は、分散して実施してもよく、同様に、分散して説明されている構成要素も、結合した形態で実施してもよい。
【0098】
本願の範囲は、上記詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本願の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】