(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523776
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】オレフィン重合触媒
(51)【国際特許分類】
   C07F 19/00 20060101AFI20190802BHJP
   C08F 4/54 20060101ALI20190802BHJP
   C08F 4/602 20060101ALI20190802BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20190802BHJP
   C07F 7/10 20060101ALN20190802BHJP
   C07F 7/28 20060101ALN20190802BHJP
   C07F 17/00 20060101ALN20190802BHJP
   C07F 7/00 20060101ALN20190802BHJP
【FI】
   !C07F19/00
   !C08F4/54
   !C08F4/602
   !C08F4/6592
   !C07F7/10 FCSP
   !C07F7/28 G
   !C07F17/00
   !C07F7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】2018565891
(86)(22)【出願日】20170614
(85)【翻訳文提出日】20190214
(86)【国際出願番号】GB2017051725
(87)【国際公開番号】WO2017216550
(87)【国際公開日】20171221
(31)【優先権主張番号】1610457.2
(32)【優先日】20160615
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514163756
【氏名又は名称】エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド
【住所又は居所】タイ王国 バンコク 10800,バンスー ディストリクト,バンスー サブ−ディストリクト,サイアム セメント ロード 1
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】オヘア,ダーモット
【住所又は居所】イギリス国,オックスフォード オーエックス1・3ティーエイ,マンスフィールド・ロード 12,ユニヴァーシティ・オヴ・オックスフォード,ケミストリー・リサーチ・ラボラトリー内
(72)【発明者】
【氏名】ビュッフェ,ジャン‐シャルル
【住所又は居所】イギリス国,オックスフォード オーエックス1・3ティーエイ,マンスフィールド・ロード 12,ユニヴァーシティ・オヴ・オックスフォード,ケミストリー・リサーチ・ラボラトリー内
【テーマコード(参考)】
4H049
4H050
4J015
4J128
【Fターム(参考)】
4H049VN01
4H049VN05
4H049VP02
4H049VQ35
4H049VQ91
4H049VR23
4H049VR32
4H049VR51
4H049VS35
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4H049VW01
4H049VW02
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4H050AB40
4J015DA05
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4J128AB01
4J128AC01
4J128AC10
4J128AC20
4J128AC49
4J128AD02
4J128AD13
4J128AD16
4J128AE01
4J128AE05
4J128BA01A
4J128BA01B
4J128BB01A
4J128BB01B
4J128BC15A
4J128BC16A
4J128BC25A
4J128CA02C
4J128CA28A
4J128CA30A
4J128DB08A
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB09
4J128EC01
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA09
4J128GA08
4J128GB02
(57)【要約】
幾何拘束型触媒化合物、ならびに固体担体材料に担持された化合物を含む触媒組成物を開示する。この化合物および組成物は、アルカンの重合および共重合において触媒として有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に示す式(I)の化合物。
【化1】
(式中、
は、(1〜6C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており、
各Rは独立して、(1〜3C)アルキルから選択され;
およびRは独立して、水素、(1〜6C)アルキル、アリール、およびアリール(1〜2C)アルキルであり、そのいずれかが、(1〜2C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されていてもよく、
Xは、スカンジウム、イットリウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、
各Yは独立して、ハロ、水素、ホスホン酸、スルホン酸、もしくはホウ酸アニオン;または(1〜6C)アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、フェニル、(1〜6C)アルコキシ、−C(O)NR、もしくは−Si[(1〜4C)アルキル]から選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている、(1〜6C)アルキル、(2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、アリール、もしくはアリールオキシ基であり;
およびRは独立して、(1〜4C)アルキルである)
【請求項2】
が、(1〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜3C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており、各Rが独立して、(1〜4C)アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、(1〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜3C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており、各Rが独立して、(1〜2C)アルキルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、(2〜5C)アルキルまたはフェニルであり、そのどちらもが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、ジ−イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、またはn−ブチルフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、またはジ−イソプロピルフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または4位がn−ブチルもしくはtert−ブチルで置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、tert−ブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
およびRが独立して、水素、(1〜4C)アルキル、およびフェニルから選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
およびRが独立して、水素または(1〜4C)アルキルである、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
およびRが独立して、メチル、エチル、およびプロピルから選択される、請求項1から11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Xが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムである、請求項1から12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Xが、チタンまたはジルコニウムである、請求項1から13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Xがチタンである、請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
各Yが独立して、ハロ、水素;または(1〜4C)アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、フェニル、および(1〜4C)アルコキシから選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている(1〜4C)アルキル基である、請求項1から15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
各Yが独立して、ハロ、水素;または(1〜4C)アルキル、ハロ、およびフェニルから選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている(1〜4C)アルキル基である、請求項1から16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
各Yが独立して、ハロ、水素、または(1〜4C)アルキルである、請求項1から17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
一方のYがクロロであり、他方が水素または(1〜4C)アルキルである、請求項1から18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
各Yが独立してハロである、請求項1から19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
各Yがクロロである、請求項1から20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
前記式(I)の化合物が、以下の式(Ia)の構造を有する、請求項1から21のいずれか1項に記載の化合物。
【化2】
(式中、R、R、X、Y、およびRはそれぞれ、請求項1から21のいずれか1項に出現する定義のいずれかを有する)
【請求項23】
Yがクロロである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記式(I)の化合物が、以下の式(Ie)の構造を有する、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
【化3】
(式中、
およびRは独立して、(1〜3C)アルキルである)
【請求項25】
前記式(I)の化合物が、以下の構造のうちのいずれかを有する、請求項1から24のいずれか1項に記載の化合物。
【化4】
【請求項26】
請求項1から25のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、ならびに:
i.担体材料;および/または
ii.活性化剤
を含む組成物。
【請求項27】
前記活性化剤が、有機アルミニウム化合物である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記担体材料が、シリカ、MAO活性化シリカ、層状複水酸化物(LDH)、およびMAO活性化LDHから選択される、請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
前記LDHがAMO−LDHであり、ここで、AMOは水性混和性有機溶媒を示し、そのある量がLDH構造内に含有されている、請求項26から28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
前記活性化剤が、メチルアルミノキサン、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウム、およびトリエチルアルミニウムから選択される、請求項26から29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
エチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンの重合における請求項1から25のいずれか1項に記載の式(I)の化合物または請求項26から30のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項32】
エチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンが、水素の存在下で重合される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記1種または複数の(3〜10C)アルケンが、1−ヘキセンである、請求項31または32に記載の使用。
【請求項34】
前記1種または複数の(3〜10C)アルケンが、スチレンである、請求項31または32に記載の使用。
【請求項35】
a)請求項1から25のいずれか1項に記載の式(I)の化合物または請求項26から30のいずれか1項に定義される組成物の存在下でエチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンを重合するステップ
を含む重合プロセス。
【請求項36】
ステップa)が、水素の存在下でエチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンを重合するステップを含む、請求項35に記載のプロセス。
【請求項37】
前記1種または複数の(3〜10C)アルケンが、1−ヘキセンである、請求項35または36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記1種または複数の(3〜10C)アルケンが、スチレンである、請求項35または36に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒化合物に関する。より詳細には、本発明は、幾何拘束型触媒化合物、ならびに担体材料と会合したその幾何拘束型化合物を含む触媒組成物に関する。本発明はまた、アルケンの重合における触媒化合物および組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン(および一般的なα−オレフィン)が、ある種の遷移金属触媒の存在下で低圧または中圧で容易に重合できることは周知である。これらの触媒は、チーグラー−ナッタ型触媒として一般的に既知である。
【0003】
これらのチーグラー−ナッタ型触媒の特定の群は、エチレン(および一般的なα−オレフィン)の重合を触媒するものであり、アルミノキサン活性化剤およびメタロセン遷移金属触媒を含む。メタロセンは、2個のη−シクロペンタジエニル型配位子間で結合された金属を含む。通常、η−シクロペンタジエニル型配位子は、η−シクロペンタジエニル、η−インデニル、およびη−フルオレニルから選択される。
【0004】
これらが考えられた時点では、幾何拘束型錯体(CGC)は、メタロセン系触媒からの最初の重要な発展物の1つであった。構造的には、CGCは、π系の中心と金属中心からの他の配位子とがなす角度がπ結合配位子および別の配位子が結合していない類似錯体の場合よりも小さくなるように、同じ金属中心の他の配位子の1つに結合されたπ結合配位子を特徴とする。今日まで、CGCの分野における研究は、アンサ架橋シクロペンタジエニルアミド錯体を中心としており、この触媒は現在、CGC誘導ポリマーの工業的調製に非常に重要な役割を果たしている。
【0005】
アンサ架橋シクロペンタジエニルアミド系錯体を使用することで進歩したにもかかわらず、CGCの特性を向上させる必要性が依然としてある。特に、触媒性質が向上したCGCおよび/または所望特性を有するポリマーの調製に適しているGCGの必要性が依然としてある。このような向上した触媒性質には、増強された触媒活性、より良好なコモノマー組込み、および向上した安定性を挙げることができる。所望のポリマー特性には、特定のポリマー分子量、多分散性、およびメルトインデックスを挙げることができる。
【0006】
本発明は、前述のことを念頭に置いて考案された。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、本明細書で定義する式(I)の化合物を提供する。
【0008】
本発明の別の一態様によれば、本明細書で定義する式(I)の化合物:ならびに
i.担体材料;および/または
ii.活性化剤
を含む組成物を提供する。
【0009】
本発明の別の一態様によれば、エチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンの重合における本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の使用を提供する。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、
a)本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の存在下でエチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンを重合するステップ
を含む重合プロセスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
単独でまたは接頭語として使用される用語「(m〜nC)」または「(m〜nC)基」は、m〜n個の炭素原子を有する任意の基を指す。
【0012】
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を一般に有する直鎖または分枝鎖アルキル部分への言及を含む。この用語は、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルまたはイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル)、ペンチル(ネオペンチルを含む)、ヘキシルなどの基への言及を含む。特に、アルキルは、1、2、3、または4個の炭素原子を有し得る。
【0013】
用語「アルケニル」は、本明細書で使用する場合、2、3、4、5、または6個の炭素原子を一般に有する直鎖または分枝鎖アルケニル部分への言及を含む。この用語は、1、2、または3個の炭素−炭素二重結合(C=C)を含有するアルケニル部分への言及を含む。この用語は、エテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニル、ならびにそれらのシスおよびトランスの両方の異性体などの基への言及を含む。
【0014】
用語「(3〜10C)アルケン」は、本明細書で使用する場合、エチレンと共重合できる、3〜10個の炭素原子を有する任意のアルケンへの言及を含む。直鎖および分枝している脂肪族アルケン(例えば、1−ヘキセンまたは1−オクテン)が含まれ、同様に、芳香族部分を含むアルケン(例えば、スチレン)も含まれる。
【0015】
用語「アルキニル」は、本明細書で使用する場合、2、3、4、5、または6個の炭素原子を一般に有する直鎖または分枝鎖アルキニル部分への言及を含む。この用語は、1、2、または3個の炭素−炭素三重結合(C≡C)を含有するアルキニル部分への言及を含む。この用語は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルなどの基への言及を含む。
【0016】
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用する場合、アルキルが直鎖または分枝鎖であり、かつ1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を含む−O−アルキルへの言及を含む。諸実施形態のあるクラスでは、アルコキシは、1、2、3、または4個の炭素原子を有する。この用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどの基への言及を含む。
【0017】
用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、6、7、8、9、または10個の環炭素原子を含む芳香族環系への言及を含む。アリールは、しばしばフェニルであるが、2個以上の環を有し、そのうちの少なくとも1個が芳香族である多環系であり得る。この用語は、フェニル、ナフチルなどの基への言及を含む。
【0018】
用語「アリール(m〜nC)アルキル」は、(m〜nC)アルキレン基に共有結合で結合したアリール基を意味する。アリール−(m〜nC)アルキル基の例には、ベンジル、フェニルエチルなどがある。
【0019】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書で使用する場合、F、Cl、Br、またはIへの言及を含む。特に、ハロゲンは、FでもClでもよいが、Clの方が一般的である。
【0020】
用語「置換されている」は、部分に関連して本明細書で使用する場合、前記部分中の1個または複数個、特に5個まで、より詳細には1、2、または3個の水素原子が、対応する数の前述の置換基によってそれぞれ互いに独立して置き換えられていることを意味する。用語「任意選択的に置換されている」は、本明細書で使用する場合、置換されているまたは非置換であることを意味する。
【0021】
置換基が化学的に可能である位置にのみあることはもちろん理解されるであろうし、当業者は、特定の置換が可能であるかどうかを、見合わない努力をしなくても(実験的または理論的のいずれかで)決定することできる。例えば、遊離水素を有するアミノまたはヒドロキシ基は、不飽和結合(例えば、オレフィン結合)で炭素原子に結合されている場合、不安定であり得る。さらに、本明細書に記載の置換基は、当業者が認めるような適切な置換に対する前述の制限を受けて、任意の置換基によってそれ自体が置換されていてよいことはもちろん理解されるであろう。
【0022】
本発明の化合物
前述のように、本発明は、以下に示す式(I)の化合物を提供する。
【化1】
(式中、
は、(1〜6C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており;
各Rは独立して、(1〜3C)アルキルから選択され;
およびRは独立して、水素、(1〜6C)アルキル、アリール、およびアリール(1〜2C)アルキルであり、そのどれもが、(1〜2C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されていてもよく、
Xは、スカンジウム、イットリウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムであり、
各Yは独立して、ハロ、水素、ホスホン酸、スルホン酸、もしくはホウ酸アニオン;または(1〜6C)アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、フェニル、(1〜6C)アルコキシ、−C(O)NR、もしくは−Si[(1〜4C)アルキル]から選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている、(1〜6C)アルキル、(2〜6C)アルケニル、(2〜6C)アルキニル、(1〜6C)アルコキシ、アリール、もしくはアリールオキシ基であり;
およびRは独立して、(1〜4C)アルキルである)
【0023】
本発明の化合物は、工業的に現在好まれているCGCと比較して、いくつかの利点を示す。特に、本発明の化合物は、エチレンの単独重合における触媒活性が、工業的に現在好まれているアンサ架橋シクロペンタジエニルアミドCGCよりも12倍も高いことが示された。
【0024】
一実施形態では、Rは、(1〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜3C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜4C)アルキルから選択される。
【0025】
別の実施形態では、Rは、(1〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜3C)アルキルから選択される1個または複数個の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜3C)アルキルから選択される。
【0026】
別の一実施形態では、Rは、(2〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜2C)アルキルから選択される。
【0027】
別の一実施形態では、Rは、(2〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜3C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜2C)アルキルから選択される。
【0028】
別の一実施形態では、Rは、(2〜5C)アルキルまたはフェニルであり、そのどちらもが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されている。
【0029】
別の一実施形態では、Rは、(2〜5C)アルキルまたはフェニルであり、そのどちらもが、(2〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されている。
【0030】
別の一実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、ジ−イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、またはn−ブチルフェニルである。
【0031】
別の一実施形態では、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、またはジ−イソプロピルフェニルである。
【0032】
別の一実施形態では、Rは、(1〜5C)アルキルである。
【0033】
特に適切な一実施形態では、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである。
【0034】
特に適切な一実施形態では、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または4位が(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである。
【0035】
特に適切な一実施形態では、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または4位がn−ブチルもしくはtert−ブチルで置換されているフェニルである。
【0036】
特に適切な一実施形態では、Rは、tert−ブチルまたはイソ−プロピルである。
【0037】
特に適切な一実施形態では、Rは、tert−ブチルである。
【0038】
別の一実施形態では、RおよびRは独立して、水素、(1〜4C)アルキル、フェニル、およびベンジルから選択される。
【0039】
別の一実施形態では、RおよびRは独立して、水素、(1〜3C)アルキル、フェニル、およびベンジルから選択される。
【0040】
別の一実施形態では、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される。
【0041】
別の一実施形態では、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0042】
別の一実施形態では、Xは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムである。適切には、Xはジルコニウムまたはチタンである。より適切には、Xはチタンである。
【0043】
別の一実施形態では、各Yは独立して、ハロ、水素;または(1〜4C)アルキル、ハロ、ニトロ、アミノ、フェニル、および(1〜4C)アルコキシから選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている(1〜4C)アルキル基である。
【0044】
別の一実施形態では、各Yは独立して、ハロ、水素;または(1〜4C)アルキル、ハロ、およびフェニルから選択される1個もしくは複数個の基で任意選択的に置換されている(1〜4C)アルキル基である。
【0045】
別の一実施形態では、各Yは独立して、ハロ、水素、または(1〜4C)アルキルである。
【0046】
別の一実施形態では、各Yは独立してハロである。適切には、少なくとも一方のY基はクロロである。より適切には、両方のY基はクロロである。
【0047】
一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(Ia)の構造を有する。
【化2】
(式中、
、R、R、X、およびYはそれぞれ独立して、上記の段落のいずれかに定義した通りである)
【0048】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Rは、(2〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜2C)アルキルから選択される)の構造を有する。
【0049】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、ジ−イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、またはn−ブチルフェニルである)の構造を有する。
【0050】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、またはジ−イソプロピルフェニルである)の構造を有する。適切には、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、またはネオペンチルである。さらにより適切には、Rはtert−ブチルである。
【0051】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである)の構造を有する。
【0052】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される)の構造を有する。適切には、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0053】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Xは、チタンまたはジルコニウムである)の構造を有する。
【0054】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、Xはチタンである)の構造を有する。
【0055】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)(式中、各Yは独立して、ハロ、水素、または(1〜4C)アルキルである)の構造を有する。
【0056】
一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(Ib)の構造を有する。
【化3】
(式中、R、R、R、およびXは、上記の段落のいずれかに定義した通りである)
【0057】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Rは、(2〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜2C)アルキルから選択される)の構造を有する。
【0058】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、ジ−イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、またはn−ブチルフェニルである)の構造を有する。
【0059】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、またはジ−イソプロピルフェニルである)の構造を有する。適切には、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、またはネオペンチルである。さらにより適切には、Rはtert−ブチルである。
【0060】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである)の構造を有する。
【0061】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される)の構造を有する。適切には、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0062】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Xは、チタンまたはジルコニウムである)の構造を有する。
【0063】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ib)(式中、Xはチタンである)の構造を有する。
【0064】
一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(Ic)の構造を有する。
【化4】
(式中、
、R、R、およびYはそれぞれ独立して、上記の段落のいずれかに定義した通りである)
【0065】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、Rは、(2〜5C)アルキル、−Si(R、またはフェニルであり、そのいずれかが、(1〜4C)アルキルから選択される1個または複数個(例えば、2または3個)の基で任意選択的に置換されており、各Rは独立して、(1〜2C)アルキルから選択される)の構造を有する。
【0066】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、ジ−イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、またはn−ブチルフェニルである)の構造を有する。
【0067】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、トリメチルシリル、フェニル、メシチル、キシリル、またはジ−イソプロピルフェニルである)の構造を有する。適切には、Rは、メチル、エチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、またはネオペンチルである。さらにより適切には、Rはtert−ブチルである。
【0068】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、Rは、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−プロピル;または(1〜4C)アルキル基で置換されているフェニルである)の構造を有する。
【0069】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される)の構造を有する。適切には、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0070】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、各Yは独立して、ハロ、水素、または(1〜4C)アルキルである)の構造を有する。
【0071】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、各Yは独立してハロである)の構造を有する。適切には、少なくとも一方のY基はクロロである。より適切には、両方のY基はクロロである。
【0072】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ic)(式中、少なくとも一方のY基はクロロであり、他方は(1〜4C)アルキルである)の構造を有する。
【0073】
一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(Id)の構造を有する。
【化5】
(式中、
、R、およびYはそれぞれ独立して、上記の段落のいずれかに定義した通りである)
【0074】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Id)(式中、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される)の構造を有する。適切には、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0075】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Id)の構造を有し、各Yは独立して、ハロ、水素、または(1〜4C)アルキルである。
【0076】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Id)(式中、各Yは独立してハロである)の構造を有する。適切には、少なくとも一方のY基はクロロである。より適切には、両方のY基はクロロである。
【0077】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Id)(式中、少なくとも一方のY基はクロロであり、他方は(1〜4C)アルキルである)の構造を有する。
【0078】
一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(Ie)の構造を有する。
【化6】
(式中、
およびRはそれぞれ独立して、上記の段落のいずれかに定義した通りである)
【0079】
別の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ie)(式中、RおよびRは独立して、水素または(1〜3C)アルキルから選択される)の構造を有する。適切には、RおよびRは両方ともメチルもしくはエチルであり、またはRおよびRのうちの一方はメチルであり、他方はプロピルである。
【0080】
特に適切な一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の構造のうちのいずれかを有する。
【化7】
【0081】
特に適切な一実施形態では、式(I)の化合物は、以下の構造のうちのいずれかを有する。
【化8】
【0082】
本発明の組成物
前述のように、本発明はまた、本明細書で定義する式(I)の化合物:ならびに
i.担体材料;および/または
ii.活性化剤
を含む組成物を提供する。
【0083】
本発明の化合物は、均一な溶液相重合反応において使用することができる。均一な溶液相重合反応での使用を意図する場合、式(I)の化合物および活性化剤が本発明の触媒組成物を形成するように、式(I)の化合物を活性化剤と一緒に使用することができる。
【0084】
当技術分野で既知である任意の適切な活性化剤を使用できることが認識されるであろう。活性化剤はまた、助触媒として当技術分野で既知であり得る。適切な活性化剤として、有機アルミニウム化合物(例えば、アルキルアルミニウム化合物)が挙げられる。適切には、活性化剤は、アルミノキサン(例えば、メチルアルミノキサン(MAO))、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、ジエチルアルミニウム(DEAC)、およびトリエチルアルミニウム(TEA)から選択される。1種または複数の活性化剤を使用することができる。活性化剤はまた、水分および/または酸素を捕捉する目的にも役立ち得る。
【0085】
本発明の化合物はまた、不均一なスラリー相重合反応において使用することができる。均一な溶液相重合反応での使用を意図する場合、式(I)の化合物を担体材料と会合させる。担体材料は、重合反応条件下で不溶性である。本発明の化合物は、担体材料と会合した場合、本発明の触媒組成物を形成する。
【0086】
式(I)の化合物を、1つまたは複数のイオン性または共有結合性相互作用によって担体材料と会合させることができる。式(I)の化合物が担体材料と会合していることから生じる式(I)の化合物へのどんな小さな構造的改変も、本発明の範囲内であることが理解されるであろう。例えば、特定の理論に拘泥するものではないが、式(I)の化合物は、Xから担体材料の表面までの1つまたは複数の結合によって担体材料と会合することができる(その結果、1個または複数個のY基が失われることがある)。
【0087】
一実施形態では、担体材料は、シリカ、層状複水酸化物(LDH、例えば、AMO−LDH MgAl−CO、ここで、「AMO」は水性混和性有機溶媒であり、そのある量がLDH構造内に含まれている)、および任意の他の無機担体材料から選択される。シリカおよびAMO−LDHなどの担体は、使用前に熱処理を施してもよい。代表的な熱処理は、担体を窒素雰囲気中で400〜600℃(シリカの場合)または100〜150℃(AMO−LDHの場合)に加熱することを含む。
【0088】
別の一実施形態では、担体材料は、活性化担体材料でもよい。担体は、担体に共有結合で結合されている適切な活性化剤の存在によって活性化することができる。適切な活性化剤としては、有機アルミニウム化合物(例えば、アルキルアルミニウム化合物)、特に、メチルアルミノキサンが挙げられる。活性化担体の例としては、メチルアルミノキサンで活性化されたシリカおよびメチルアルミノキサンで活性化された層状複水酸化物が挙げられる。
【0089】
別の一実施形態では、担体材料は、活性化担体材料(例えば、MAO活性化シリカ)であり、活性化剤は、アルミノキサン(例えば、メチルアルミノキサン(MAO))、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、ジエチルアルミニウム(DEAC)、およびトリエチルアルミニウム(TEA)から選択される。
【0090】
一実施形態では、固体担体と式(I)の化合物のモル比は、50:1〜500:1である。適切には、固体担体と式(I)の化合物のモル比は、75:1〜400:1である。より適切には、固体担体と式(I)の化合物のモル比は、100:1〜300:1である。
【0091】
発明の化合物の調製
式(I)の化合物は、当技術分野で既知である任意の適切なプロセスによって合成することができる。本発明の調製化合物のためのプロセスの特定の例を、添付の実施例において述べる。
【0092】
適切には、本発明の化合物は、
(i)式Aの化合物を
【化9】
(式中、R、R、およびRは、それぞれ上記で定義した通りであり、Mは、Li、Na、またはKである)
式Bの化合物と
X(Y’)

(式中、Xは、上記で定義した通りであり、Y’は、ハロ(特に、クロロまたはブロモ)である)
適切な溶媒の存在下で反応させて、式(I’)の化合物を形成させ、
【化10】
任意選択的に、その後、
(ii)上記の式Iaの化合物をMY”(式中、Mは、上記で定義した通りであり、Y”は、ハロ以外の本明細書で定義する基Yである)と適切な溶媒の存在下で反応させて、以下に示す式(I”)の化合物を形成させることによって調製する。
【化11】
【0093】
適切には、Mは、上記で定義したプロセスのステップ(i)ではLiである。
【0094】
適切には、式Bの化合物は、溶媒和物として用意する。特に、式Bの化合物は、X(Y’).THFとして用意してよく、ここで、pは整数(例えば、2)である。
【0095】
任意の適切な溶媒を、上記で定義したプロセスのステップ(i)に使用してよい。特に適切な溶媒は、トルエンまたはTHFである。
【0096】
Yがハロ以外である式(I)の化合物が必要とされる場合、上記の式(I’)の化合物を、ステップ(ii)で定義した方法においてさらに反応させて、式(I”)の化合物を提供することができる。
【0097】
任意の適切な溶媒を、上記で定義したプロセスのステップ(ii)に使用してよい。適切な溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、トルエン、THF、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、DMF、ベンゼンなどであり得る。
【0098】
式Aの化合物は、一般に、
(i)式Cの化合物を
【化12】
(式中、Mは、リチウム、ナトリウム、またはカリウムである)
以下に示す1当量の式Dの化合物と反応させて、
Si(R)(R)(Cl)

(式中、RおよびRは、上記で定義した通りである)
以下に示す式Eの化合物を形成させ、
【化13】
(ii)式Eの化合物を以下に示す式Fの化合物と反応させることによって調製することができる。
【化14】
(式中、Rは、上記で定義した通りであり、Liは、KまたはNaに置き換えてもよい)
【0099】
式AおよびFの化合物は、当技術分野で周知の技術によって容易に合成することができる。
【0100】
任意の適切な溶媒を、上記のプロセスのステップ(i)に使用してよい。特に適切な溶媒は、THFである。
【0101】
同様に、任意の適切な溶媒を、上記のプロセスのステップ(ii)に使用してよい。適切な溶媒は、例えば、トルエン、THF、DMFなどであり得る。
【0102】
当業者は、このような合成のために適切な反応条件(例えば、温度、圧力、反応時間、撹拌など)を選択することができる。
【0103】
調製後、式(I)の化合物を、当技術分野で既知である任意の適切な手段によって担体材料と会合させることができる。例えば、任意選択的に加熱しながら適切な溶媒(例えば、トルエン)中において式(I)の化合物を担体材料と接触させ、次いで、生じた固体を単離することによって、式(I)の化合物を担体材料(例えば、SiO、MAO活性化SiO(SSMAO)、またはMAO活性化LDH(LDHMAO))と会合させることができる。
【0104】
化合物および組成物の使用
前述のように、本発明はまた、エチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンの重合における本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の使用を提供する。
【0105】
本発明の化合物および組成物は、様々な分子量のポリアルキレン(例えば、ポリエチレン)を含めた種々のポリマー、およびコポリマーの調製において触媒として使用することができる。このようなポリマーおよびコポリマーは、モノマー含有供給物流の均一溶液相重合(例えば、本発明の化合物を使用する)、またはモノマー含有供給物流の不均一スラリー相重合(例えば、本発明の組成物を使用する)によって調製することができる。
【0106】
一実施形態では、任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンが含まれていない場合、本発明の化合物および組成物は、ポリエチレンホモポリマーの調製に使用することができる。適切には、1種または複数の(3〜10C)アルケンは、α−オレフィンである。
【0107】
別の一実施形態では、任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンは、1種または複数の(3〜8C)アルケンである。適切には、モノマー供給物流中の1種または複数の(3〜8C)アルケンの量は、エチレンモノマーの量に対して0.05〜10mol%である。より適切には、1種または複数の(3〜8C)アルケンは、1−ヘキセン、1−オクテン、およびスチレンから選択される。したがって、本発明の化合物および組成物は、ポリ(エチレン−co−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−オクテン)、およびポリ(エチレン−co−スチレン)などのコポリマーの調製における触媒として有用である。
【0108】
特に適切な一実施形態では、本発明の化合物および組成物を、エチレンおよびスチレンの共重合に使用する。
【0109】
特に適切な一実施形態では、本発明の化合物および組成物を、エチレンおよび1−ヘキセンの共重合に使用する。
【0110】
別の一実施形態では、重合はまた、エチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンに加えて、水素の存在下で行う。水素は、成長するポリマーまたはコポリマーの分子量を制御するように作用する。水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に供給物流中で使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.5:1である。適切には、水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.1:1である。より適切には、水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.05:1である。
【0111】
前述のように、本発明はまた、
a)本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の存在下でエチレンおよび任意選択的に1種または複数の(3〜10C)アルケンを重合するステップ
を含む重合プロセスを提供する。
【0112】
本発明の化合物および組成物は、様々な分子量のポリアルキレン(例えば、ポリエチレン)を含めた種々のポリマー、およびコポリマーの調製において触媒として使用することができる。このようなポリマーおよびコポリマーは、モノマー含有供給物流の均一溶液相重合(例えば、本発明の化合物を使用する)、またはモノマー含有供給物流の不均一スラリー相重合(例えば、本発明の組成物を使用する)によって調製することができる。
【0113】
一実施形態では、ステップa)は、30〜120℃の温度で行われる。適切には、ステップa)は、40〜80℃の温度で行われる。
【0114】
別の一実施形態では、ステップa)は、1〜10barの圧力で行われる。
【0115】
別の一実施形態では、ステップa)は、適切な溶媒(例えば、トルエンを含めた芳香族化合物、および/またはヘキサンもしくはヘプタンを含めたアルカン)中で行われる。
【0116】
別の一実施形態では、ステップa)は、1分〜5時間の間に行うことができる。適切には、ステップa)は、5分〜2時間の間に行うことができる。
【0117】
別の一実施形態では、任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンが含まれていない場合、プロセスはポリエチレンホモポリマーを生じる。
【0118】
別の一実施形態では、任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケン(α−オレフィンでもよい)は、1種または複数の(3〜8C)アルケンである。適切には、モノマー供給物流中の1種または複数の(3〜8C)アルケンの量は、エチレンモノマーの量に対して0.05〜10mol%である。より適切には、1種または複数の(3〜8C)アルケンは、1−ヘキセン、1−オクテン、およびスチレンから選択される。したがって、プロセスは、ポリ(エチレン−co−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−オクテン)、およびポリ(エチレン−co−スチレン)などのコポリマーの調製に使用することができる。
【0119】
特に適切な一実施形態では、ステップa)は、本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の存在下でエチレンおよびスチレンを重合することを含む。
【0120】
特に適切な一実施形態では、ステップa)は、本明細書で定義する式(I)の化合物または本明細書で定義する組成物の存在下でエチレンおよび1−ヘキセンを重合することを含む。
【0121】
別の一実施形態では、重合はまた、エチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンに加えて、水素の存在下で行われる。水素は、成長するポリマーまたはコポリマーの分子量を制御するように作用する。水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に供給物流中で使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.5:1である。適切には、水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.1:1である。より適切には、水素をエチレンおよび任意選択の1種または複数の(3〜10C)アルケンと一緒に使用する場合、供給物流中の水素と全アルケンのモル比は0.001:1〜0.05:1である。
【0122】
次に、本発明の特定の実施例を、添付の図面を参照して、例示のためだけに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】Me2SB(tBuN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図2】Me、プロピルSB(tBuN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図3】Me2SB(tBuN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図4】Et2SB(tBuN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図5】Me2SB(tBuN,I)TiClの分子構造を示す図である。
【図6】エチレンの溶液相重合で使用した場合の本発明のEt2SB(tBuN,I)TiCl幾何拘束型化合物の触媒活性をMe2SB(tBuN,Cp)TiCl比較化合物の触媒活性と比較した図である。重合条件:エチレン2bar、ヘキサン50mL、MAO40mg。
【図7】Me2SB(iPrN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図8】Me2SB(nBuN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図9】Me2SB(4tBuPhN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図10】Me2SB(4nBuPhN,I)HH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図11】Me2SB(iPrN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図12】Me2SB(nBuN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図13】Me2SB(4tBuPhN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図14】Me2SB(4nBuPhN,I)TiClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図15】Me2SB(tBuN,I)ZrClH NMRスペクトル(400MHz、ベンゼン−d、23℃)を示す図である。
【図16】Me2SB(iPrN,I)TiClの分子構造を示す図である。
【図17】Me2SB(tBuPhN,I)TiClの分子構造を示す図である。
【図18】エチレンのスラリー相重合においての本発明のLDHMAO−Et2SB(tBuN,I)TiCl幾何拘束型錯体組成物の触媒活性をLDHMAO−Me2SB(tBuN,Cp)TiCl比較組成物の触媒活性と比較した図である。重合条件:エチレン2bar、ヘキサン50mL、TIBA150mg、70℃、30分。
【図19】エチレンのスラリー相重合において本発明のLDHMAO−Et2SB(tBuN,I)TiCl幾何拘束型錯体組成物およびLDHMAO−Me2SB(tBuN,Cp)TiCl比較組成物を使用して合成したポリエチレンのSEM画像を示す図である。重合条件:エチレン2bar、ヘキサン50mL、TIBA150mg、70℃、30分。
【図20】Me2SB(tBuN,I)TiClを使用した場合のエチレンのスケールアップ溶液重合を示す図である。重合条件:エチレン5bar、ヘキサン1500mL、70℃、30〜60分、Me2SB(tBuN,I)TiCl3〜7mg。
【実施例】
【0124】
[実施例1]−シリル架橋[(ペルメチルインデニル)(t−ブチルアミド)二塩化チタン(R2SB(tBuN,I)TiCl)CGCの合成
以下に示すスキーム1を考慮して、R2SB(tBuN,I)TiClCGCの調製に有用な配位子を次の手順により合成した。大きなシュレンクにおいて、1当量の緑がかったオイル状のヘキサメチルインデン(Ind)H(3.0g、15.0mmol)をペンタン100mLに溶解させて、緑がかった溶液を得た。1.1当量のBuLi(11.0mL、16.4mmol、ヘキサン中2.5M)を、5℃(氷/水浴)に冷却した先の溶液に滴下(30分かけて)した。溶液はわずかに黄/緑色になった。反応を23℃で18時間撹拌し続けた。18時間後、シュレンクには、灰白色固体((Ind)Li)および濃いオレンジ色溶液が入っている。ペンタンをポンプ除去して、灰白色固体を得た。THF(30mL)を固体に添加して赤色溶液を得、次いで、この溶液を、3.0当量のジクロロジメチルシラン(5.8g、5.5mL、44.9mmol)を含むTHF(20mL)または他のジクロロジアルキルシランの予め冷却(5℃)した溶液に滴下(15分かけて)した。(Ind)Liの赤色溶液は、先の溶液と反応するとすぐに脱色した。15分後、黄色溶液を23℃で2時間撹拌した。次いで、THFを乾燥させて、IndSiMeClをオイル状物として得た。最後に、1.1当量のLiNHBu(1.3g、16.4mmol)を含むTHF(20mL)を、5℃(氷/水浴)に冷却した、IndSiMeClを含むTHF(40mL)の溶液に一気に添加した。溶液を18時間撹拌し、次いで、乾燥させ、ペンタン20mLで2回抽出し、最後に、乾燥させて、Me2Si(tBuN,I)Hをオイル状物として定量的収率で得た。
【化15】
【0125】
図1および2は、それぞれ配位子Me2SB(tBuN,I)HおよびMe、プロピルSB(tBuN,I)Hに関するH NMRスペクトルを示す。
【0126】
R2SB(tBuN,I)H配位子を調製した後、R2SB(tBuN,I)TiClCGCを以下に示すスキーム2に従って次の手順で形成した。2.2当量のBuLi(2.7mL、6.7mmol、ヘキサン中2.5M)を、5℃に冷却した、1当量のMe2Si(tBuN,I)H(1g、3.0mmol)を含むTHF(40mL)の溶液に5分かけて滴下した。溶液はすぐに赤色になった。反応を25℃で2時間撹拌した。次いで、溶媒を乾燥させ、粘着性のオレンジ色固体をペンタン50mLで2回洗浄して、黄色固体を定量的収率で得た。ベンゼン(40mL)を、1当量のMe2Si(tBuN,I)Li(1g、2.9mmol)および1当量のTiCl.THF(978mg、2.9mmol)が入っているシュレンクに添加した。溶液は暗赤色になった。反応を25℃で17時間撹拌した。次いで、溶液を十分に乾燥させ、暗赤色固体をペンタン50mLで2回抽出した。ペンタン溶液を20mLまで濃縮し、−30℃の冷凍庫に入れた。Me2Si(tBuN,I)TiClの第1クロップを収率26%(335mg)で単離し、溶液を−30℃の冷凍庫に戻した。
【化16】
【0127】
図3および4は、それぞれCGCのMe2SB(tBuN,I)TiClおよびEt2SB(tBuN,I)TiClに関するH NMRスペクトルを示す。図5は、Me2SB(tBuN,I)TiClの分子構造を示す。
【0128】
[実施例2]−重合研究
エチレン単独重合
エチレンの溶液相単独重合における本発明のEt2SB(tBuN,I)TiCl化合物の触媒活性を、以下に示す市販のアンサ架橋ペルメチルシクロペンタジエニルアミドCGCの触媒活性と比較した。
【化17】
【0129】
結果を、図6と同様に以下の表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】
表1および図6は、本発明のEt2SB(tBuN,I)TiCl化合物が、120秒間の重合反応にわたって、工業的に現在好まれているアンサ架橋ペルメチルシクロペンタジエニルアミドCGCの2倍以上活性であることを示す。さらに、重合反応の継続時間を600秒に拡大すると、本発明のEt2SB(tBuN,I)TiCl化合物は比較化合物よりも12倍以上活性であった。
【0132】
[実施例3]−ジメチルシリル架橋[(ペルメチルインデニル)(Rアミド)二塩化チタン(Me2SB(N,I)TiCl)CGCの合成
以下に示すスキーム3を考慮して、Me2SB(N,I)TiClGCGの調製に有用な配位子を次の手順により合成した。大きなシュレンクにおいて、1当量の緑がかったオイル状のヘキサメチルインデン(Ind)H(3.0g、15.0mmol)をペンタン100mLに溶解させて、緑がかった溶液を得た。1.1当量のBuLi(11.0mL、16.4mmol、ヘキサン中2.5M)を、5℃(氷/水浴)に冷却した先の溶液に滴下(30分かけて)した。溶液はわずかに黄/緑色になった。反応を23℃で18時間撹拌し続けた。18時間後、シュレンクには、灰白色固体((Ind)Li)および濃いオレンジ色溶液が入っている。ペンタンをポンプ除去して、灰白色固体を得た。THF(30mL)を固体に添加して赤色溶液を得、次いで、この溶液を、3.0当量のジクロロジメチルシラン(5.8g、5.5mL、44.9mmol)を含むTHF(20mL)の予め冷却(5℃)した溶液に滴下(15分かけて)した。(Ind)Liの赤色溶液は、先の溶液と反応するとすぐに脱色した。15分後、黄色溶液を23℃で2時間撹拌した。次いで、THFを乾燥させて、IndSiMeClをオイル状物として得た。1当量のRNHLi(R=Pr(0.21g)、Bu(0.27g)、4−tBuPh(0.50g)、および4−nBuPh(0.50g))ならびにIndSiMeCl(1.00g、3.40mmol)を、5℃(氷/水浴)に冷却したTHF(50mL)に溶解させた。溶液を23℃で2時間撹拌し、次いで、乾燥させ、生成物をペンタン20mLで2回抽出し、乾燥させて、Me2SB(N,I)Hをオイル状物として定量的収率で得た。
【化18】
【0133】
図7、8、9、および10は、それぞれ配位子Me2SB(iPrN,I)HMe2SB(nBuN,I)HMe2SB(4tBuPhN,I)H、およびMe2SB(4nBuPhN,I)Hに関するH NMRスペクトルを示す。
【0134】
プロリガンド(proligand)Me2SB(N,I)Hの調製に続いて、Me2SB(N,I)TiClCGCをスキーム4に示す手順に従って合成した。2.2当量のBuLi(3.0mL、6.7mmol、ヘキサン中2.5M)を、5℃(水/氷浴)に冷却した、Me2SB(N,I)Hを含むTHF30mLの溶液に滴下した。溶液は色が黄色からオレンジ色に濃くなり、反応混合物を23℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で乾燥させ、固体生成物をペンタン(2×25mL)で洗浄し、乾燥させて、黄色固体Me2SB(N,I)Liを得た。ベンゼン40mLを、1当量のMe2SB(N,I)Li(R=iPr(0.35g、1.07mmol)、nBu(0.56g、1.65mmol)、4−tBuPh(1.00g、2.40mmol)、4−nBuPh(1.00g、2.40mmol))および1当量のTiCl.2THF(それぞれ0.36g、0.55g、0.80g、0.80g)が入っているシュレンクに添加した。溶液は暗赤色になり、それを23時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で乾燥させ、生成物をペンタンで抽出した。ペンタン溶液を−30℃の冷凍庫に入れ、すべての場合において赤色固体を得た。Me2SB(iPrN,I)TiClは収率5.3%(79mg)、Me2SB(nBuN,I)TiClは収率6.5%(102mg)、Me2SB(4−tBuPhN,I)TiClは収率28%(360mg)、Me2SB(4−nBuPhN,I)TiClは収率21%(280mg)で単離された。
【化19】
【0135】
図11、12、13、14、および15は、それぞれCGCのMe2SB(iPrN,I)TiClMe2SB(nBuN,I)TiClMe2SB(4tBuPhN,I)TiClMe2SB(4nBuPhN,I)TiCl、およびMe2SB(tBuN,I)ZrClに関するH NMRスペクトルを示す。図16および17は、それぞれMe2SB(iPrN,I)TiClおよびMe2SB(4tBuPhN,I)TiClの分子構造を示す。
【0136】
[実施例4]−メチルアルミノキサン活性化層状複水酸化物に担持されたCGCの合成
トルエンを、シュレンクチューブ中の1.0当量のLDH(MgAl−CO)および0.5当量のMAOに添加し、混合物をかき混ぜながら80℃で2時間加熱した。白色固体を沈降させ、溶液をデカントし、生成物を真空下で乾燥させて、活性化担体を定量的収率で得た。LDHMAO(250mg、1.497mmol)およびEt2SB(tBuN,I)TiCl(5.6mg、0.75μmol)をシュレンクチューブ中に秤量し、トルエン(40mL)を添加し、溶液を60℃で1時間かき混ぜた。着色固体を沈降させ、透明無色の溶液をデカントした。固体を真空下で乾燥させて、かすかに着色した粉末として生成物を定量的収率で得た。単離収率86%。
【0137】
[実施例5]−さらなる重合研究
スラリー相重合
メチルアルミノキサン活性化層状複水酸化物に担持されたMe2SB(tBuN,I)TiCl(LDHMAO−Me2SB(tBuN,I)TiClと表示する)がスラリー相においてエチレンの重合を触媒する能力を、比較物のメチルアルミノキサン活性化層状複水酸化物に担持されたMe2SB(tBuN,Cp)TiCl組成物(LDHMAO−Me2SB(tBuN,Cp)TiClと表示する)の能力と比較した。重合条件は、エチレン2bar、ヘキサン50mL、TIBA150mg、70℃、30分であった。図18は、本発明のLDHMAO−Me2SB(tBuN,I)TiCl組成物が、同一重合条件下の比較物LDHMAO−Me2SB(tBuN,Cp)TiCl組成物よりも著しく活性であることを示す。さらに、図19は、本発明のLDHMAO−Me2SB(tBuN,I)TiCl組成物で得られたポリエチレンが、比較物LDHMAO−Me2SB(tBuN,Cp)TiCl組成物で得られたポリエチレンよりも全体的に良好な形態を有することを示す。
【0138】
スケールアップ溶液相重合
本発明のMe2SB(tBuN,I)TiClCGCがスケールアップ条件下で溶液相においてエチレンを重合する能力を評価した。重合条件は、エチレン5bar、ヘキサン1500mL、70℃、30〜60分、Me2SB(tBuN,I)TiCl3〜7mgであった。エチレン供給物流中の水素のパーセンテージを変化させた。図20は、特に、エチレン供給物流が1%のHを含有しているとき、Me2SB(tBuN,I)TiClが大スケール溶液相エチレン重合において非常に高活性を示していることを示す。
【0139】
別の実験では、本発明のMe2SB(tBuN,I)TiClCGCがスケールアップ条件下でエチレンおよび1−ヘキセンを共重合する能力を評価した。共重合条件は、エチレン6bar、ヘキサン1500mL、80℃、34分、Me2SB(tBuN,I)TiCl3.3または7mgであった。結果を以下の表2に示す。本発明のMe2SB(tBuN,I)TiClCGCが、エチレン単独重合だけでなくエチレン/1−ヘキセン共重合においても活性であることが分かる。Me2SB(tBuN,I)TiClCGCは、低ポリマー密度(d=0.9189)に対して良好な共重合応答を示した。
【0140】
【表2】
【0141】
本発明の特定の実施形態を参照および例示の目的で本明細書に記載したが、添付の特許請求の範囲によって定義されている、本発明の範囲から逸脱することない様々な変更が、当業者には明白であろう。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【国際調査報告】