(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523865
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】シンギュラー・ビームを用いたダーク・フィールド・ウェファ・ナノ欠陥検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20190802BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G01N21/956 A
   !H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】2018563016
(86)(22)【出願日】20170531
(85)【翻訳文提出日】20181130
(86)【国際出願番号】US2017035187
(87)【国際公開番号】WO2017210281
(87)【国際公開日】20171207
(31)【優先権主張番号】62/344,575
(32)【優先日】20160602
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.SOLARIS
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
【住所又は居所】東京都港区赤坂五丁目3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,シンカーン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94539 フリーモント パソ ヌーネス コモン 43788
(72)【発明者】
【氏名】メン,チンリーン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94087 サニーヴェール カスケイド ドライヴ 982
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BA10
2G051BB15
2G051CA04
2G051CB01
2G051CB05
4M106AA01
4M106BA05
4M106BA07
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB19
4M106DJ02
(57)【要約】
基板を検査する方法、システム、及び装置が提供される。本方法は、基板をシンギュラー・レーザー・ビームで照明するステップであって、シンギュラー・レーザー・ビームは、基板上に照明スポットを形成し且つ基板の表面にブライト・フリンジを形成し、ブライト・フリンジは照明スポットの少なくとも一部分を超えて延びる、ステップと、 光学検出システムが、照明スポット内の基板に存在するナノ欠陥からの散乱光を検出するステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を検査する方法であって:
前記基板をシンギュラー・レーザー・ビームで照明するステップであって、前記シンギュラー・レーザー・ビームは、前記基板上の照明スポットと前記基板の表面におけるブライト・フリンジとを形成し、前記ブライト・フリンジは前記照明スポットの少なくとも一部分を超えて延びる、ステップ;及び
光学検出システムが、前記照明スポット内の前記基板に存在するナノ欠陥からの散乱光を検出するステップ;
を有する方法。
【請求項2】
前記シンギュラー・レーザー・ビームは、位相差により区別される少なくとも2つのビーム部分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位相差はπラジアンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記シンギュラー・レーザー・ビームの位相差は、位相マスク又は位相リターダを利用して形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シンギュラー・レーザー・ビームは前記基板の表面においてs偏向を有する又は前記基板の表面においてp偏向を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板の表面における前記シンギュラー・レーザー・ビームの入射角は、約1°から約90°の間にある、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シンギュラー・レーザー・ビームは、極紫外線(EUV)、深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、光スペクトルの可視光部分、又はそれら2つ以上の組み合わせにおける光波長を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記光学検出システムは、前記基板に実質的に垂直な方向において、前記ナノ欠陥からの散乱光を検出するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記光学検出システムは:
対物レンズ;
設定可能な撮像開口;
中継光学部;
バンドパス・フィルタ;及び
ディテクタ・アレイ;
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ディテクタ・アレイは、光電子倍増管(PMT)アレイ、又は時間遅延積分電荷結合デバイス(TDI CCD)アレイを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対物レンズは、色収差を最小化するように最適化される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記光学検出システムは:
前記基板におけるナノ欠陥からの散乱光の検出中にフォーカスを維持するオートフォーカス・システム;
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記光学検出システムは:
照明されたナノ欠陥からの散乱光から取得される光学信号を信号処理し、前記光学検出システムの視野の中でナノ欠陥が生じているか否かを判断する撮像コンピュータ;
を更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ナノ欠陥は、前記基板又は前記基板上に形成される層全体の上に位置する欠陥を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
基板を検査するシステムであって:
前記基板を受ける基板ステージ;
レーザー光源;
前記レーザー光源から前記基板の表面へ光を方向付ける照明光学部であって、前記照明光学部は前記基板を照明するためにシンギュラー・レーザー・ビームを形成するように構成される、照明光学部;及び
前記基板における照明されたナノ欠陥からの散乱光を検出することにより、照明された前記ナノ欠陥を検出する光学検出システム;
を有するシステム。
【請求項16】
パージ・チャンバーを更に有し、前記基板ステージは前記パージ・チャンバー内に配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記光学検出システムは:
対物レンズ;
設定可能な撮像開口;
中継光学部;
バンドパス・フィルタ;及び
ディテクタ・アレイ;
を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ディテクタ・アレイは、光電子倍増管(PMT)アレイ、又は時間遅延積分電荷結合デバイス(TDI CCD)アレイを有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記光学検出システムは:
前記基板におけるナノ欠陥からの散乱光の検出中にフォーカスを維持するオートフォーカス・システム;
を更に有する請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
基板を検査する装置であって:
レーザー光源からシンギュラー・レーザー・ビームを形成し、前記シンギュラー・レーザー・ビームを前記基板へ方向付ける照明システム;及び
前記基板において照明されたナノ欠陥からの散乱光を検出することにより、前記照明されたナノ欠陥を検出する光学検出システム;
を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
<関連出願>
本願は2016年6月2日付で出願された「DARK FIELD WAFER NANO-DEFECT INSPECTION SYSTEM WITH SINGULAR BEAMS」と題する米国仮特許出願第62/344,575号による優先権を主張しており、米国仮特許出願の内容全体は本願のリファレンスに組み込まれる。
【0002】
<背景技術>
本開示は光学ウェファ欠陥検査システム及び関連する方法に関連する。光学ウェファ検査方法は大別して2つのカテゴリ(ブライト・フィールド法(bright-field methods)及びダーク・フィールド法(dark-field methods))に分類できる。ここではダーク・フィールド法が説明される。
【0003】
ウェファにおけるナノスケールの欠陥(nano-defects)の光学的な検出は非常に困難な問題である。製造時の検査ツールで20nm未満のサイズの欠陥を検出可能にするように、欠陥信号-対-雑音比(SNR)を増やしてスループットを改善する多種多様な方法を、研究者達は試みている。これらの方法は、短い波長の光の照射、異なる偏光状態、より強い光源、異なる入射角(angle of incidences:AOI)、高品質イメージング・サブシステムの利用、開口の整形、低雑音センサーの利用等々を利用することを含む。
【0004】
上記の「背景技術」の記載は本開示の概念を一般的に提示するためのものである。この背景技術の欄で説明されることに関し、発明者の仕事及び本説明の内容は出願時の従来技術としてよいものではなく、それらを本発明に対する従来技術として明示的にも黙示的にも認めていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一側面は、基板を検査する方法を含み、本方法は、基板をシンギュラー・レーザー・ビーム(a singular laser beam)で照明するステップであって、シンギュラー・レーザー・ビームは、基板上に照明スポット(an illuminated spot)を形成し且つ基板の表面にブライト・フリンジ(a bright fringe)を形成し、ブライト・フリンジは前記照明スポットの少なくとも一部分を超えて延びる、ステップ;及び光学検出システムが、照明スポット内の基板に存在するナノ欠陥からの散乱光を検出するステップを含む。
【0006】
本発明の別の側面は、基板を検査するシステムを含む。本システムは、基板を受ける基板ステージと、レーザー光源と、レーザー光源から基板の表面へ光を方向付ける照明光学部であって、照明光学部は基板を照明するためにシンギュラー・レーザー・ビームを形成するように構成される、照明光学部と、基板における照明されたナノ欠陥からの散乱光を検出することにより、照明されたナノ欠陥を検出する光学検出システムとを含む。
【0007】
本発明の更に別の側面は基板を検査する装置を含む。本装置は、レーザー光源からシンギュラー・レーザー・ビームを形成し、シンギュラー・レーザー・ビームを基板へ方向付ける照明システムと、基板において照明されたナノ欠陥からの散乱光を検出することにより、照明されたナノ欠陥を検出する光学検出システムとを含む。
【0008】
上記の記載は一般的な導入として提供されており、特許請求の範囲を限定するようには意図されていない。更なる利点を伴う説明される実施形態は、添付図面を考慮して行われる以下の詳細な説明により最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のより完全な認識及び多くの付随する利点は、添付図面に関連して説明される以下の詳細な記述を参照することで更に明らかになるにつれて容易に得られるであろう。
【0010】
【図1】図1は一例による検査システムの側面図である。
【0011】
【図2A】図2Aは一例によるコリメートされたガウシアン・ビームにより生成される定在波を示す図である。
【0012】
【図2B】図2Bは一例による355nmのコリメートされたガウシアン・ビームにより生成される定在波を示す図である。
【0013】
【図3】図3は一例によるダーク・フリンジに位置するナノ粒子を示す図である。
【0014】
【図4】図4は一例によるシンギュラー・ビームにおける位相ジャンプを示す図である。
【0015】
【図5A】図5Aは一例によるコリメートされたシンギュラー・ビームにより生成される定在波を示す図である。
【0016】
【図5B】図5Bは一例による355nmのコリメートされたシンギュラー・ビームにより生成される定在波を示す図である。
【0017】
【図6】図6は一例によるブライト・フリンジに位置するナノ粒子を示す図である。
【0018】
【図7】図7は一例によるコリメートされたシンギュラー・レーザー・ビームがコリメートされたガウンシアン・ビームからどのように生成されるかを示す図である。
【0019】
【図8】図8は一例によるコリメートされたシンギュラー・レーザー・ビームの位相を示す図である。
【0020】
【図9】図9は一例による複数の位相ジャンプを有するシンギュラー・ビームを示す図である。
【0021】
【図10】図10は一例による検査システムのイメージング・システムを示す図である。
【0022】
【図11】図11は別の例による検査システムのイメージング・システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面に関し、図中、同様な参照番号は同一の又は対応するパーツを示し、以下の説明は検査システム、センサー、及び基板(即ち、ウェファ)検査のための関連する方法に関連する。検査システムはダーク・フィールド・システムであり、その場合、基板からの鏡面反射光は収集されず、欠陥からの散乱光のみが撮像経路中のディテクタにより捕捉される。
明細書中「一実施形態」又は「実施形態」は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味し、それらが全ての実施形態に存在することを示すわけではない。従って、明細書中の様々な箇所で「一実施形態」という言い回しの登場は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態の中で任意の適切な方法で組み合わせられてよい。説明中に使用される番号付けされた参照番号は、1つ以上の既に説明した及び/又は後述する図面に登場する番号付けされた参照番号を指してよく、同様な番号付けされた参照番号が本説明及び図面の中で同様な事項を指すために使用される得ることに、留意を要する。
【0024】
図1は一例による検査システム100の側面図である。検査システム100は照明システム102と撮像システム104とを含む。検査システム100は、(例えば、半導体ウェファ、集積回路のような)基板108を受けるように構成されるステージ106を含む。基板のナノ欠陥検査は、ステージ106及び/又は光学システム全体(即ち、照明システム102及び撮像システム104)の移動により基板全体を横切って撮像システム104の視野(a field of view:FOV)をスキャニングすることにより行われる。ステージ106は、基板108を固定するために、静電チャンク(an electrostatic chuck)や真空チャンク(a vacuum chuck)のようなチャンクを含んでいてもよい。ステージ106は、基板108全体を横切って入射ビームをスキャンするようにコントローラ110により制御される精密ステージであってもよい。一実施形態において、検査中に、基板108はエアー・ベアリング・ステージに搭載される真空ピン・チャンクにより保持される。エアー・ベアリング・ステージは、基板108上の照明されたスポットを探すように基板108の移動を許容する。コントローラ110は汎用コンピュータであってもよい。
【0025】
照明システム102は、可変の入射角(AOI)で基板108に少なくとも1つのシンギュラー・レーザー・ビームを方向付けるように構成される。シンギュラー・レーザー・ビームは、後述されるように、通常のレーザー源から、特殊な仕組みに基づいて作成される。シンギュラー・ビームは、ガウス・ラゲール・ビーム(Gauss-Laguerre beams)又は修正された形式のガウス・ラゲール・ビームの組み合わせを指す。以下において更に詳細に説明されるように、シンギュラー・ビームによる照明は、基板108の表面にあるナノ欠陥、又は基板108の上に形成される層に組み込まれているナノ欠陥から散乱される光信号を強化する。更に、シンギュラー・ビームは、同じパワーのガウシアン・ビームと比較して、基板表面の少なくとも一部分において、より高い照明強度を提供する。
【0026】
照明システム102は光源112を含んでいてもよい。光源112は、極紫外線(EUV)、深紫外線(DUV)、紫外線(UV)及び可視光のような1つ以上の光スペクトル部分の様々な波長を有する1つ以上のレーザー光源であってもよい。シンギュラー・レーザー・ビームの波長は選択的に切り替え可能である。EUV、DUV、UV、及び可視光の波長範囲内で照明波長をスイッチング/選択する能力は、検査中に高エネルギー・フォトンの過剰供給によりDUV又はUV光にさらされてしまうことによる基板層のダメージを回避する方法を提供する。ある実現例において、レーザー源は、266nmの波長を有するネオジウム・ドープ・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Nd:YAG)レーザー(即ち、4次高調波出力)、あるいは355nmの波長を有するNd:YAG(即ち、3次高調波)であってもよい。
【0027】
シンギュラー・レーザー・ビームは直線偏光状態を有し、基板108の表面においてs又はp状態の照明(s- or p- illumination)を構成するように回転させることが可能である。ある実現例において、シンギュラー・レーザー・ビームは円偏波を有していてもよい。スイッチング可能な四分の一波形が、直線偏波を円偏波に変換するために使用されてもよい。照明ビームの入射角は、アプリケーションのニーズに基づいて設定可能である。AOIは、ほぼ垂直な入射角からグレージング入射角(a grazing incident angle)まで可変である。言い換えれば、AOI及び偏光状態は、検査される基板108のタイプに基づいて、信号雑音比(SNR)を最大化するように変更される。シンギュラー・レーザー・ビームのAOIは、約1°ないし約90°の範囲内にあってもよい。ある実現例において、シンギュラー・レーザー・ビームのAOIは、約5°ないし約85°の範囲内にあってもよい。照明システム102は照明光学部126を含む。照明光学部126は、基板108にシンギュラー・ビームを集束させるように構成される1つ以上のレンズを含んでいてもよい。照明光学部126からの照明スポット・サイズは、2μmないし10μmの範囲内にあってもよい。1つ以上のレンズは、50mmという有効焦点距離(an effective focal length:EFL)を有していてもよい。照明光学系126は、3.7×ないし27.4×の範囲に及ぶ倍率を有するビーム拡大部を含んでいてもよい。照明ビームに対する調節可能な角度を提供するために、照明システム102は、メカニカル・ステージ上に配置されてもよい。更に、照明システム102は、入射角をチューニングするために電気−光モジュレータを含んでいてもよい。
【0028】
ある実現例において、照明システム102は、基板108の中央に対して左及び右からの2つの照明経路をそれぞれ形成するように構成される。双方の経路のビームは同一であってよい。
【0029】
精密撮像経路(A precision imaging path)は、撮像システム104を利用して基板表面に垂直に形成される。撮像システム104は、対物レンズ116と、設定可能な撮像開口118と、中継光学部120と、ディテクタ・アレイ122とを含んでいてもよい。対物レンズ116は、色収差のない反射型、あるいは複数の波長での色収差の補正を伴う透過型であるとすることが可能である。ある実現例において、対物レンズ116は、少なくとも2つの異なる光波長の色収差を最小化するように最適化される。対物レンズ116は、検出エリア114からの光を検出するように構成される。設定可能な撮像開口118は、欠陥信号を最大化し、且つ非所望光がディテクタ・アレイ122に到達してしまうことを遮るように、様々な形状を為すことが可能である。中継光学部120は、レンズ、補償部、及びバンドパス・フィルタ(例えば、バンドパス・フィルタ128)の群を含んでいてもよい。中継光学部120は、ディテクタ・アレイ122において高品質の画像を作成するように、倍率を変更し且つ残留収差を補正するように構成される。バンドパス・フィルタ128の光波長の通過帯域は、基板108からの干渉光放射を遮るように選択される。バンドパス・フィルタは、蛍光(fluorescence light)がディテクタ・アレイ122に届いてしまわないように支援する。撮像システム104は、基板108におけるナノ欠陥からの散乱光の検出中に焦点を維持するための高速オートフォーカス・システムを含んでいてもよい。言い換えれば、オートフォーカス・システムは、基板のスキャン中に、撮像システム104のFOV内の或るエリアに焦点が合っている状態を維持する。撮像システム104は大きな開口数(numerical aperture:NA)を有していてもよい。例えば、撮像システム104は0.6というNAを有していてもよい。撮像システムの例示的な実施形態は図10及び図11に示されている。
【0030】
微光信号に対対する高感度性及び超低雑音性を有するディテクタ・アレイ122が、システム全体のスループットを増やすように検査システム100において使用される。例えば、光電子倍増管(a photomultiplier tube:PMT)アレイが使用されてもよい。ある実現例において、ディテクタ・アレイ122は、時間遅延積分(TDI)電荷結合デバイス(CCD)アレイであってもよい。光信号は、ディテクタ・アレイ122において光電子信号に変換され、その後に増幅される。一実施形態では、単独のディテクタ・アレイ122が使用されてもよい。
【0031】
次に、検出された信号は、信号処理のため、及び欠陥が撮像システム104の視野の中で生じているか否かを確認するために、撮像コンピュータ124へ送られる。撮像コンピュータ124は、照明されたスポットからの散乱光から取得された光信号を処理してもよい。撮像コンピュータ124は汎用コンピュータであってもよい。
【0032】
ある実現例において、検査システム100は、コントロールされた雰囲気を基板108に提供するパージ・チャンバ(a purge chamber)を含んでいてもよい。例えば、DUVの範囲内の波長が使用される場合、パージ・チャンバーは、基板108を保護するために窒素で浄化されてもよい。
【0033】
検査システム100におけるナノ粒子(又はその他のナノスケールの欠陥)の検出感度は、粒子(又は欠陥)により散乱される光の強度に直接的に関連する。粒子(又は欠陥)は光の波長よりも非常に小さいので、散乱光の強度は、レイリー散乱理論(Rayleigh scattering theory)に従って算出されることが可能である。散乱光の強度は次式のように表現され得る:
【数1】
ここで、Iは欠陥における照明光の強度であり、λは光の波長である。
【0034】
コリメートされたレーザー・ビームが斜めの入射角で基板108の表面を照らす場合、直接的な照明と基板108からの反射との波面の重なりに起因して、基板108の表面上で定在波が生成される。照明がコリメートされたガウシアン・ビーム(collimated Gaussian beams)を利用している場合、結果の定在波は図2Aに示されるような特性を有し、その場合において、建設的な干渉(明るい縞:ブライト・フリンジ)と非建設的な干渉(暗い縞:ダーク・フリンジ)とが、基板108と対物レンズ116との間の三角形の領域内で生じる。基板108の表面における位相シフトに起因して、定在波は、基板の表面上でロックされたダーク・フリンジ(dark fringes locked at the surface of the substrate 108)を有する。
【0035】
フリンジのゾーンは、基板108の表面上に位相ロックされた定在波のパターンを表現する。s偏波の場合、反射の際に180°の位相シフトがあり、従って基板108の表面は概して第1ダーク・ゾーン内にある。フリンジの間隔は次式を利用して算出されてもよい:
【数2】
ここで、hはフリンジ間隔であり、θは入射角であり、λは照明ビームの波長である。表面定在波の振幅は次式により表現されてもよい:
【数3】
ここで、xは基板の表面からの距離であり、It=4Iiである。
【0036】
図2Bは、平坦な波面を有する355nmのコリメートされたガウシアン・ビームにより生成される、基板表面上の定在波を示す。図3は基板108付近の定在波の拡大図を示す。基板表面における光強度は非常に弱い(即ち、ゼロに近い)。ナノ粒子302(又は欠陥)が基板表面に位置する場合、ナノ粒子302に照射される光は非常に弱く、従ってナノ粒子302からの散乱光も弱い。図2A及び図3におけるx及びy軸は、μm単位である。
【0037】
仮に、欠陥が三角形の領域内に位置し、欠陥がブライト・フリンジと相互作用する程度に十分大きかった場合(即ち、高かった場合)、欠陥による散乱光は、撮像経路内のディテクタ・アレイ122により捕捉されやすくなる。言い換えれば、欠陥が、定在波の領域内に存在し、且つ欠陥の少なくとも一部分がブライト・フリンジにさらされる場合、欠陥からの散乱光は、ダーク・フリンジ内に欠陥が存在する場合よりも強い。撮像システム104及び低雑音アレイ・ディテクタ122により、より強い散乱光が収集される場合、より高いSNRの欠陥信号が収集され得る。AOI及び偏光状態の変更は、定在波のピッチ及び/又はコントラストを作り直すことができ、そのため、検査システム100で最大化された欠陥信号が収集され、より良い全体的な欠陥感度が達成されるようになる。ディテクタ・アレイ122は、欠陥信号と呼ばれる光電流(photocurrent called defect signal)を生成する。欠陥信号が(例えば、システムの電気的な雑音のような)背景雑音より強い場合、欠陥信号は検出可能であると考えられる。
【0038】
しかしながら、多くのナノ欠陥の寸法は小さい。ナノ欠陥は、基板108の表面上で僅か何ナノメートルでしかなく、一般にダーク・フリンジ内に位置し、その場合、ナノ粒子の照明強度は図3に示されるようにゼロに近い。更に、ナノ欠陥の散乱断面積は、一般に非常に小さい。更にこれら2つの要因に加えて、結果の欠陥信号は、通常、極めて弱く、背景雑音に打ち勝つことはできない。これが、ナノ欠陥の検出が非常に困難である理由である。
【0039】
基板108の表面におけるナノ欠陥の検出感度を改善するために、本願で説明される検査システム100は、シンギュラー・レーザー・ビーム照明を利用する。シンギュラー・レーザー・ビームは、位相差により区別される少なくとも2つのビーム部分を有する。位相差はπラジアンであってもよい。図4はビーム断面の中心線に沿ってπ位相ジャンプが生じさせられているシンギュラー・ビームの一例を示す。シンギュラー・レーザー・ビーム部分の位相差は、位相マスク又は位相リターダ(a phase retarder)を利用して形成される。シンギュラー・レーザー・ビーム生成の一実施形態が図7に示されている。シンギュラー照明ビームが基板108の表面に当たる場合、照明ビームは、図5Aに示されるように、基板108と対物レンズ116との間で固有の定在波を生成する。図中、シンギュラー照明ビームは、基板に向かう矢印とともに2つの平行な実線で表現されている。2つの平行な実線の間の中央の破線は、シンギュラー照明ビームの中央を表現する。
【0040】
定在波の一部分は、基板108の表面にロックされるブライト・フリンジ500を有する。ブライト・フリンジ500は、シンギュラー照明ビームから、照明されるスポットの少なくとも一部分を超えて広がる。ナノ欠陥がブライト・フリンジ500(即ち、より強い照明)と相互作用する場合、ナノ欠陥からの散乱光は、後述するように、(ガウシアン照明を利用する場合の)ダーク・フリンジに存在するものより何倍も強くなり得る。このメカニズムは、ナノ欠陥検査に対する全体的な信号対雑音比を支援する。
1つの入射シンギュラー・ビームに関し、逆位相の2つの隣接するビームが存在する。定在波は反転させられ、入射ビームの中央において、建設的な干渉が生じ、フリンジ間隔は、h=λ/2cos(θ)のように表現されることが可能である。その結果、355nmのコリメートされたシンギュラー入射ビームに関し、図5Bに示されるようなブライト・フリンジ・ゾーン502が形成される。図5Bのx軸は、ミクロン単位の水平距離を表現する。y軸はミクロン単位での基板からの距離を表現する。その結果の定在波は次式で表現されることが可能である:
【数4】
【0041】
図6は、コリメートされたシンギュラー・ビームに起因する、基板108付近の定在波の拡大図を示す。ナノ粒子302が図6に示されるようにブライト・フリンジに位置する場合、ナノ粒子302において照明される光強度は、後述するように、ガウシアン・ビームの強度の3-4倍にもなり得る。ナノ粒子302の強められた照明に起因して、より強い散乱信号が撮像システム104を利用して(例えば、数式(4)を適用することにより)検出され得る。x軸はミクロン単位の水平距離を表現する。y軸はミクロン単位での基板からの距離を表現する。
【0042】
入射角θにおけるシンギュラー及びガウシアン・ビーム管の照明強度比は、次式のように表現され得る:
【数5】
ここで、xは基板の表面上の距離である。従って、以下の関係が得られる。
【数6】
【0043】
一例として、17nmのナノ粒子が、基板表面上に位置し且つコリメートされた355nmレーザー・ビームにより照明される場合、シンギュラー・ビームは、粒子の表面上でガウシアン・ビームの場合の(即ち、コリメートされた355nmレーザー・ビームが修正されていない場合の)3倍の光強度を生み出す(この比率は数式(5)を用いて得られる)。
【0044】
入射角、偏光状態、及び撮像開口の形状を最適化することにより、多種多様な基板層のトップに在る又は先行する層に組み込まれているナノ欠陥は、本願で説明される方法により検出される。特に、検査システム100及び関連する方法は、20nmないし5nmの範囲内にあるノード(nodes)を検出することが可能である。
【0045】
シンギュラー・レーザー・ビームを生成する多種多様な方法が存在する。照明されるエリアの中で一様な強度分布を得るために、先ずフラット・トップ・レーザー・ビーム(a flat top laser beam)を作成し、次にそれを、中央ラインでπ位相ジャンプを有する位相マスクに通すように、ビーム整形プロセスが使用される。
【0046】
特別に設計された位相マスク(a specially designed phased mask)を標準的なガウシアン・レーザー・ビームに挿入することにより、1つ以上の位相ジャンプを有するシンギュラー・レーザー・ビームを作成することができる。図7は位相プレート704を通過するガウシアン・ビームを示す。位相プレート704は、d=λ/2(n-1)という階段状の高さを有し、λは照明光の波長であり、nは屈折率である。図700は、位相プレート700を通過する前のビーム・プロファイルを示す。図702は、位相プレート704を通過した後のビーム・プロファイル(即ち、シンギュラー・ビームのビーム・プロファイル)を示す。図8はシンギュラー・ビームの位相を示す。シンギュラー・ビームは約180°という位相シフトを有する。図8におけるx軸はミクロン単位である。x軸は、入射ビーム方向に垂直な方向を表現する。図8のy軸はラジアン単位である。
【0047】
図4は、π(ラジアン)という1つの位相ジャンプを有するシンギュラー照明を示す。ある実現例において、シンギュラー照明ビームは、図9に示されるように、ビームの断面を横切る複数の位相ジャンプを有するように作成されることが可能である。複数の位相ジャンプを有するシンギュラー照明ビームは、特別に設計された位相マスクを、標準的なガウシアン・レーザー・ビームに挿入することにより生成されることが可能である。複数の位相ジャンプを有するシンギュラー照明ビームを利用することにより、基板108の表面上で複数のブライト・フリンジ・セクションを有する定在波が生成される。基板表面上に位置するナノ粒子(又は欠陥)がそのような定在波によりスキャンされ、散乱された光が、ある期間にわたってディテクタ122で統合(又は積分)されるならば、粒子検出感度は、1位相ジャンプの場合と比較して、更に改善されることが可能である。
【0048】
図10は一実施形態による撮像システム104を示す図である。ある実現例において、対物レンズ116は屈折光学を利用してもよい。対物レンズ116は、検出エリア114から反射光を収集するタスク(反射光は収集光ビームと言及されてもよい)を有し、それにより、収集光ビームは上述したようにディテクタ・アレイ122に伝達されることが可能である。対物レンズ116は、第1レンズ1002、第2レンズ1004、及び第3レンズ1006を含んでもよい。第1レンズ1002及び第2レンズ1004は、収集光ビームを拡大するように構成される。レンズ1002、1004、及び1006は、球面収差を減らすように構成される非球面レンズであってもよい。そして、収集光ビームは、(例えば、266nm又は355nmのような)光源112の波長に対応する波長を有する光を反射するように構成される干渉フィルター/ミラー1008(a dichroic filter/mirror 1008)を通過させられてもよい。そして、カップリング・レンズ1010は、光をピンホール1012に収束させる役割を果たす。2つのカップリング・レンズ1014及び1016は、収集されたビームをアレイ・ディテクタ122へ集束させる役割を果たす。ある実現例において、レンズ1010、1014、1016は、平凸レンズであってもよい。
【0049】
ある実現例において、対物レンズ116は図11に示されるように反射対物部1102(例えば、2枚のミラー)であってもよい。収集光ビームは、収集光ビームの直径を制限するように構成される開口1104を通過させられる。反射対物部1102は、基板までの距離が1mmないし100mmの範囲内にあるショルダー(a shoulder)1106を有してもよい。例えば、その距離は76.8mmであってもよい。そして、収集光ビームは、干渉フィルター1108を通過させられる。収集光ビームは、ビーム・スプリッタ1110及びチューブ・レンズ1112を通過させられる。チューブ・レンズ1112は、収集光ビームをディテクタ・アレイ122へ集束させるように構成される。白色発光ダイオード(LED)1114のような追加的な光源が、基板のアライメントに使用されてもよい。LED光は、第2開口1118及びレンズ116を通過する。
【0050】
スペクトルのUV部分(即ち、355nm未満)におけるより良いパフォーマンスのために、クォーツ(quartz)、溶融シリカ(fused silica)、CaF2のようなUVグレード材料が、全ての光学素子に使用されてもよい。
【0051】
次に、図1に関し、例示的な実施形態による画像コンピュータ124のハードウェアの説明を述べる。画像コンピュータ124はコントローラ110の機能及びプロセスを実行してよい。画像コンピュータ124は、本願で説明される並列データ処理を行うマルチ・コアCPUを含み、プロセス・データ及び命令はメモリに保存されてよい。これらのプロセス及び命令は、ハード・ドライブ(HDD)又はソリッド・ステート・ドライブ又はポータブル・ストレージ媒体のようなストレージ媒体ディスクに保存されてよい。更に、保護が請求される発展性は、本発明のプロセスの命令が保存されるコンピュータ読み取り可能な媒体の形式によって制限されない。例えば、命令は、CDs, DVDs,フラッシュ・メモリ, RAM, ROM, PROM, EPROM, EEPROM,ハード・ディスクに保存されてもよいし、サーバー又はコンピュータのようなコントローラが通信する他の任意の情報処理デバイスに保存されてもよい。
【0052】
更に、保護が請求される発展性は、ユーティリティ・アプリケーション、バックグランド・デーモン、オペレーティング・システムのコンポーネント、又はそれらの組み合わせとして提供され、マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX、アップルMAC-OS、及びその他の当業者に既知のシステムのようなオペレーティング・システム及びCPUとともに実行されてもよい。
【0053】
イメージ・コンピュータ124を達成するために、ハードウェア要素は、当業者に既知の様々な回路要素により実現されてよい。例えば、CPUは、アメリカ合衆国のインテル社によるXenon又はコア・プロセッサ、又はアメリカ合衆国のAMD社によるOpteronプロセッサであってもよく、あるいは当業者に認識されるその他のプロセッサ・タイプであってもよい。代替的に、CPUは、当業者が認めるような、FPGA、ASIC、PLDで実現されてもよいし、個別論理回路を利用してもよい。更に、CPUは、上述した発明プロセスの命令を実行するために並列的に協調して動作する複数のプロセッサとして実現されてもよい。
【0054】
明らかに、多くの修正及び変形が上記の教示により可能である。従って、添付の特許請求の範囲内において、具体的に記述されていない別方法で本発明が実施されてよいことは、理解されるであろう。
【0055】
従って、上記の議論は本発明の例示的な実施形態を単に開示及び記述しているにすぎない。当業者に理解されるように、本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実現されてよい。従って、本発明の開示は、本発明の範囲及び他の請求項を限定するのではなく、例示であるように意図されている。本願における教示の容易に認識可能な変形例を含む本開示は、請求項の用語の範囲を部分的に説明しており、それ故に、発明対象事項が公に供されるわけではない。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】