(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523874
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】同時多角度分光法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/18 20060101AFI20190802BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20190802BHJP
   G01J 4/04 20060101ALI20190802BHJP
   G01J 3/02 20060101ALI20190802BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !G01J3/18
   !G01N21/27 B
   !G01J4/04 Z
   !G01J3/02 S
   !G01J3/36
   !H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】2018564905
(86)(22)【出願日】20170607
(85)【翻訳文提出日】20190208
(86)【国際出願番号】US2017036417
(87)【国際公開番号】WO2017214314
(87)【国際公開日】20171214
(31)【優先権主張番号】62/348,870
(32)【優先日】20160611
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/344,825
(32)【優先日】20161107
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア ミルピタス ワン テクノロジー ドライブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン シャンカー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア サンタ クララ ギャメル ブラウン プレイス 2022
(72)【発明者】
【氏名】ビュットナー アレクサンダー
【住所又は居所】ドイツ ヴァイブルク ヘルマン−メール シュトラーセ 4
(72)【発明者】
【氏名】プルッカー ケルスティン
【住所又は居所】ドイツ フリーダーヴェーク フリーダーヴェーク 1
(72)【発明者】
【氏名】ワン デイビッド ワイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア サンタ クララ アリス ドライブ 1212
【テーマコード(参考)】
2G020
2G059
4M106
【Fターム(参考)】
2G020AA03
2G020AA04
2G020AA05
2G020BA17
2G020CB06
2G020CC06
2G020CC63
2G020CD06
2G020CD13
2G020CD15
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2G059AA03
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2G059PP06
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA38
4M106DB03
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB12
4M106DB14
(57)【要約】
半導体構造の同時分光測定を、広範な入射角(AOI)、方位角、またはそれら両方にわたり実行するための方法およびシステムが本明細書で提示される。入射角、方位角またはそれら両方の2つ以上のサブレンジを含むスペクトルが、異なるセンサ領域にわたり高スループットで同時に測定される。収集光は、AOI、方位角またはそれら両方の各サブレンジの波長に従って1つ以上の検出器の異なる感光領域にわたり線形分散される。各異なる感光領域は、AOI、方位角またはそれら両方の各異なる範囲に関する個別の分光測定を実行するために1つ以上の検出器に配置される。こうして、広範なAOI、方位角またはそれら両方が、高信号対雑音比で同時に検出される。この手法は、高アスペクト比構造の、高スループット、高精度および高正確度での高スループット測定を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測システムであって、
所定量の広帯域照明光を生成するように構成された1つ以上の照明源と、
前記照明源からの所定量の照明光を、被測定試験片の表面上の測定スポットに、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせで向けるように構成された照明光学素子サブシステムと、
前記試験片の表面上の測定スポットからの所定量の収集光を収集するように構成され、測定瞳を有する収集光学素子サブシステムと、
入射光に感応する平坦な二次元面をそれぞれ有する1つ以上の検出器と、
測定瞳の像を2つ以上の瞳セグメントに分割し、前記2つ以上の瞳セグメントを1つ以上の検出器に空間個別的な領域にわたり分散するように構成された瞳分割および分散装置を備え、各瞳セグメントが、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせの個別のサブレンジに関連する信号情報を含んでいる、計測システム。
【請求項2】
前記瞳分割および分散装置が、
前記測定瞳の像面に、または前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第1の回折素子を備え、第1の瞳セグメントは、前記第1の回折素子の入射面に入射する収集光の一部分であり、
前記測定瞳の像面に、または前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第2の回折素子を備え、第2の瞳セグメントは、前記第2の回折素子の入射面に入射する収集光の一部分であり、第1の回折素子の入射面への法線は、第2の回折素子の入射面への法線に対して第1の角度で配向している、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記第1の回折素子と前記第2の回折素子はそれぞれ、反射型格子構造、透過型格子構造、または分散プリズム構造である、請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間の第1の角度に関連する軸角度は、前記第1の回折素子のブレーズ方向に対して平行に配向している、請求項3に記載の計測システム。
【請求項5】
前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間の第1の角度に関連する軸角度は、前記第1の回折素子のブレーズ方向に対して垂直に配向している、請求項3に記載の計測システム。
【請求項6】
前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間の第1の角度に関連する軸角度は、前記第1の回折素子のブレーズ方向に対して斜角に配向している、請求項3に記載の計測システム。
【請求項7】
前記瞳分割および分散装置がさらに、
測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第3の回折素子を備え、第3の瞳セグメントは、前記第3の回折素子の入射面に入射する収集光の一部分であり、前記第1の回折素子の入射面への垂線は、前記第3の回折素子の入射面への垂線に対して第2の角度で配向している、請求項2に記載の計測システム。
【請求項8】
前記第1の回折素子と前記第3の回折素子の間の前記第2の角度に関連する軸角度は、前記第1の回折素子と前記第2の回折素子の間の前記第1の角度に関連する軸角度と大きさが等しく方向が反対である、請求項7に記載の計測システム。
【請求項9】
前記第1の回折素子の格子ピッチは、前記第2の回折素子の格子ピッチとは異なる、請求項3に記載の計測システム。
【請求項10】
前記瞳分割および分散装置は、前記計測システム内で構成可能である、または、別の瞳分割および分散装置と交換可能である、またはそれら両方である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項11】
前記1つ以上の検出器のうち第1の検出器は、それぞれが異なる光感度を有する2つ以上の異なる表面領域を含み、前記2つ以上の異なる表面領域は、前記第1の検出器の表面にわたる波長分散の方向に整列している、請求項1に記載の計測システム。
【請求項12】
前記1つ以上の検出器のうち第2の検出器はバックグラウンドノイズを測定する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項13】
所定量の広帯域照明光は、赤外、可視および紫外波長を含む波長の範囲を含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項14】
前記計測システムは、分光エリプソメータ、分光リフレクトメータ、またはそれらの組み合わせとして構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項15】
さらに、前記1つ以上の検出器の出力の分析に基づいて、被測定試験片の対象パラメータの推定値を生成するように構成されたコンピューティングシステムを備えている、
請求項1に記載の計測システム。
【請求項16】
計測システムであって、
照明源からの所定量の広帯域照明光を、被測定試験片の表面上の測定スポットに、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせで向けるように構成された照明光学素子サブシステムと、
前記試験片の表面上の測定スポットからの所定量の収集光を収集するように構成され、測定瞳を有する収集光学素子サブシステムと、
入射光に感応する平坦な二次元面をそれぞれ有する1つ以上の検出器と、
前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第1の回折素子を備え、第1の瞳セグメントは、前記第1の回折素子の入射面に入射する収集光の一部分であり、前記第1の回折素子は、前記第1の瞳セグメントを、前記1つ以上の検出器の第1の感光領域にわたって分散し、
前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第2の回折素子を備え、第2の瞳セグメントは、前記第2の回折素子の入射面に入射する収集光の一部分であり、前記第2の回折素子は、前記第2の瞳セグメントを、前記第1の感光領域とは空間個別的である前記1つ以上の検出器の第2の感光領域にわたって分散し、前記第1の回折素子の入射面への垂線は、前記第2の回折素子の入射面への垂線に対して第1の角度で配向している、計測システム。
【請求項17】
前記第1の回折素子と前記第2の回折素子はそれぞれ、反射型格子構造、透過型格子構造、または分散プリズム構造である、請求項16に記載の計測システム。
【請求項18】
前記1つ以上の検出器のうち第1の検出器は、それぞれが異なる光感度を有する2つ以上の異なる表面領域を含み、前記2つ以上の異なる表面領域は、前記第1の検出器の表面にわたる波長分散の方向に整列している、請求項16に記載の計測システム。
【請求項19】
照明源からの所定量の広帯域照明光を、被測定試験片の表面上の測定スポットに、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせで向け、
前記試験片の表面上の測定スポットからの所定量の収集光を収集し、測定瞳面に、または測定瞳面付近に測定瞳像を生成し、
測定瞳像を、2つ以上の瞳セグメントに分割し、前記2つ以上の瞳セグメントを空間個別的な領域にわたり1つ以上の検出器に分散し、各瞳セグメントが、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせの個別のサブレンジに関連する信号情報を含み、
前記2つ以上の瞳セグメントに関連する測定スペクトルを同時に検出する、ことを含む方法。
【請求項20】
前記2つ以上の瞳セグメントのうち第1の瞳セグメントを分割し分散することは、前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第1の回折素子を伴い、前記2つ以上の瞳セグメントのうち第2の瞳セグメントを分割し分散することは、前記測定瞳の像面付近で前記収集光学素子サブシステムの光路に配置された入射面を有する第2の回折素子を伴い、前記第1の回折素子の入射面への垂線は、前記第2の回折素子の入射面への垂線に対して第1の角度で配向している、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記被測定試験片は三次元NAND構造またはダイナミックランダムアクセスメモリ構造である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は計測システムおよび方法に関し、より詳細には、半導体構造の改良された測定のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法第119条の下で、2016年6月11日出願の米国仮特許出願第62/348,870号、名称「Optics for Simultaneous Multi−angle Spectroscopy」の優先権を主張するものであり、その主題は、全体の参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
ロジックおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスは、典型的には、試験片に適用される一連の処理ステップにより製造される。半導体デバイスの様々なフィーチャおよび多数の構造的レベルは、これらの処理ステップにより形成される。例えば、とりわけリソグラフィーは、半導体ウェハ上にパターンを生成することを含む1つの半導体製造プロセスである。半導体製作プロセスの付加的な例は、化学機械研磨、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。多数の半導体デバイスが、単一の半導体ウェハ上に製作され、次に、個々の半導体デバイスに分離されてよい。
【0004】
計測プロセスは、ウェハ上の欠陥を検出してより高い収率を促進するために、半導体の製造プロセスにおける様々なステップで使用される。光学的計測技法は、試料を損壊するリスクなしで高スループットの可能性を提供する。光散乱計測および光反射計測の実装および関連する分析アルゴリズムを含むいくつかの光学的計測に基づく技法が、ナノスケール構造のクリティカルディメンション、膜厚、組成、オーバーレイおよびその他のパラメータを特性評価するために一般的に用いられる。
【0005】
多角度にわたって実行された測定は、より高い正確度と精度の情報をもたらす。一例として、分光エリプソメトリ(SE)および分光リフレクトメトリ(SR)システムは、広範なスペクトルの照明波長にわたり同時測定を実行する。しかしながら、多くの既存のSRおよびSEシステムは、一度に1つの入射角(AOI)で測定信号を取得する。このことが、試料を正確に特性評価するために多数のAOIが必要となる場合に、そのようなシステムのスループットを制限する。
【0006】
一例として、米国ネブラスカ州リンカーンのジェー・エー・ウーラム(J.A. Woollam Co.)から入手可能な多角度SE機器は、測定を異なるAOI値で逐次実行するために、被測定試験片と、光学的システムの素子、またはそれら両方を回転させるための機構を含む。別の例において、米国カリフォルニア州ミルピタスのケーエルエー・テンカー(KLA−Tencor Corp)から入手可能な多角度SE機器は、試験片または光学的システムの大部分を動かさずに全ての対象AOIを同時に捕捉する大開口数(NA)光学的システムを用いる。
【0007】
この例において、収集瞳(collection pupil)は、試験片によって反射された全角度範囲を含む。システムのNAによって、全角度範囲は、非常に小さい(例えば、コリメートされた)から非常に大きい(例えば、5度より大きい)まで変動し得る。既存の計測システムにおいて、全角度範囲にわたる反射光は、多すぎる入射角に関連する測定信号情報が検出器で統合されるため使用されない。結果としての信号忠実度の損失は、測定される信号の有効性を制限する。この効果を緩和するために、測定AOIの範囲は、分光測定される各公称AOIに関して数度に制限される。
【0008】
ケーエルエー・テンカー(KLA‐Tencor)から入手可能な多角度SE機器において、1つ以上のAOIサブレンジでスペクトルを逐次測定するために機械式シャッターが用いられる。この例において、試験片は対象の全波長範囲にわたり大NAで照明され、反射光がシステムの光学素子によって収集される。収集瞳は、全ての対象角度(angle of interest)を含むが、機械式シャッターまたはビームブロックが、光が収集されるAOIの選択された範囲以外の全ての収集光を遮断するために用いられる。この選択された範囲は遮断されない状態を保ち、測定センサによって測定される。この手法では、光学素子は定置構成に維持され、AOI選択は機械式シャッターまたはマスクで達成される。異なるAOIでの逐次分光測定は、ウェハ露光および総測定時間の延長につながる。さらに、ウェハ上に表れる時間依存性効果が逐次測定によって捕捉され、測定結果に悪影響を与える可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0153165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
要約すると、進行中のフィーチャサイズの縮小と、構造的フィーチャの深さの増加は、光学的測定システムに困難な要求を課している。光学的計測システムは、高スループットでのより一層複雑なターゲットがコスト効率の良い状態を保つための高精度および高正確度要求に見合わなければならない。この状況で、データ収集の速度と入射角の範囲が、光学的計測システムの設計において重要な要因として浮上してきた。したがって、これらの制約を克服する改良された計測システムおよび方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
半導体構造の同時分光測定を、広範な入射角範囲、方位角範囲、またはそれら両方にわたり実行するための方法およびシステムが本明細書で提示される。入射角、方位角、またはそれら両方の2つ以上のサブレンジを含むスペクトルが、同じアライメント条件で、異なるセンサ領域にわたり高スループットで同時に測定される。こうして、波長エラーなどの機械エラーは全測定波長にわたり均一に修正される。収集光は、1つ以上の検出器の異なる感光領域に、AOI、方位角、またはそれら両方の各サブレンジの波長に従って線形分散される。それぞれの異なる感光領域が、AOI、方位角、またはそれら両方の、異なる範囲それぞれの個々の分光測定を実行するために1つ以上の検出器に配置されている。こうして、広範なAOI、方位角、またはそれら両方が、高信号対雑音比で同時に検出される。これらの特徴は、個々に、または組み合わせて、高アスペクト比構造(例えば、1マイクロメートル以上の深さを有する構造)の、高スループット、精度および正確度での高スループット測定を可能にする。
【0012】
一態様において、瞳分割および分散装置は、測定された瞳の像を2つ以上の瞳セグメントに分割し、その2つ以上の瞳セグメントを、1つ以上の検出器上に、空間個別的なセンサ領域にわたり分散するように構成される。各瞳セグメントは、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせの個別のサブレンジに関連する信号情報を含む。
【0013】
こうして、測定瞳の2つ以上の角度セグメントは、各角度セグメントに関連する測定されたスペクトルが互いに空間的にオフセットするように空間的に分散される。これが、多数の異なる検出器、1つのマルチゾーン検出器、またはそれらの組み合わせによる同時検出を可能にする。この手法において、測定瞳全体が同時に結像され、したがって、逐次測定の制約を回避する。
【0014】
別の態様において、測定中に焦点誤差修正のための測定入力を提供するために、検出サブシステムに高精度焦点センサ(FFS)が一体化されている。
【0015】
さらに別の態様において、本明細書に記載の計測システムは、異なる位置での異なる感度帯域を単一の検出器パッケージに統合するマルチゾーン赤外検出器を用いる。検出器は、入射位置に依存した異なる感度でのデータの連続スペクトルを供給するように構成される。収集光は検出器の表面にわたって波長に従って線形分散される。異なる感光領域それぞれは、異なる範囲の入射波長を感知するために検出器上に配置される。こうして、広範な赤外波長が、単一の検出器によって高信号対雑音比で検出される。
【0016】
なおも別のさらなる態様では、瞳分割および分散装置は計測システム内で動的に再構成可能である。いくつかの実施形態では、多格子セグメントそれぞれは、位置、配向またはそれら両方において可動である。
【0017】
なおも別のさらなる態様では、瞳分割および分散装置は計測システム内で交換可能である。こうして、適切な瞳分割および分散装置が、特定の測定用途向けに選択されて収集光学素子路内に配置され得る。
【0018】
なおも別のさらなる態様では、照明場サイズは、測定対象物の性質に基づいて得られた測定正確度および速度を最適化するために調節される。
【0019】
上記は要約であり、したがって、必然的に、簡略化、一般化、および詳細の省略を含むものであり、結果として、当業者は、要約が単なる説明上のものであり、如何なる形でも限定するものではないことを理解するであろう。本明細書に記載のデバイスおよび/またはプロセスの他の態様、発明上の特徴、ならびに利点は、本明細書に記載される非限定的な詳細な記述で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】半導体構造の同時分光測定を、入射角、方位角またはそれら両方の広範囲にわたり実行するための例示的計測システム100を描写する図である。
【図2】計測システム100の測定瞳像145の平面内のマスク141を描写する図である。
【図3】計測システム100の測定瞳像145の平面内のマスク143を描写する図である。
【図4】図1に描写された瞳分割および分散装置150、および検出器サブシステム160の別の実例を描写する図である。
【図5】別の実施形態における瞳分割および分散装置151、および検出器サブシステム162の実例を描写する図である。
【図6】さらに別の実施形態における瞳分割および分散装置152、および検出器サブシステム164の実例を描写する図である。
【図7】別の実施形態における瞳分割および分散装置153、および検出器サブシステム166の実例を描写する図である。
【図8】マルチゾーン赤外検出器180の実例を描写する図である。
【図9】4つの利用可能なヒ化インジウムガリウム(InGaAs)センサの典型的な光感度曲線を示す図である。
【図10】被測定構造(複数可)への低光浸透性という欠点がある例示的高アスペクト比NAND構造300を描写する図である。
【図11】本明細書に記載の少なくとも1つの新規の態様で、広範な入射角、方位角またはそれら両方にわたり1つ以上の構造の同時分光測定を実行する方法200を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、その例が添付図面に示されている、本発明の背景となる例およびいくつかの実施形態について詳細に言及する。
【0022】
広範な入射角、方位角またはそれら両方にわたり半導体構造の同時分光測定を実行するための方法およびシステムが本明細書で提示される。入射角、方位角またはそれら両方の2つ以上のサブレンジを含むスペクトルが、異なるセンサ領域にわたり同じアライメント条件で、高スループットで同時に測定される。こうして、波長エラーなどの機械エラーが、全ての測定波長にわたり均一に修正される。収集光は、AOI、方位角またはそれら両方の各サブレンジの波長に従って1つ以上の検出器の異なる感光領域にわたり線形分散される。それぞれの異なる感光領域は、AOI、方位角、またはそれら両方の、各異なる範囲の個々の分光測定を実行するために1つ以上の検出器に配置されている。こうして、AOI、方位角、またはそれら両方の広範な範囲が、高信号対雑音比で同時に検出される。これらの特徴は、個々に、または組み合わせて、高アスペクト比構造(例えば、1マイクロメートル以上の深さを有する構造)の、高スループット、高精度および高正確度での高スループット測定を可能にする。
【0023】
図1は、広範な入射角、方位角またはそれら両方にわたり半導体構造の同時分光測定を実行するための例示的計測システム100を描写する。いくつかの例では、1つ以上の構造は、少なくとも1つの高アスペクト比(HAR)構造または少なくとも1つの大型側方寸法構造を含む。図1に描写されるように、計測システム100は広帯域分光エリプソメータとして構成される。しかしながら、一般的に、計測システム100は、分光リフレクトメータ、スキャタロメータ、エリプソメータ、またはそれらの任意の組み合わせとして構成されてよい。
【0024】
計測システム100は、ウェハ120上に入射する照明光117のビームを生成する照明源110を含む。いくつかの実施形態において、照明源110は、紫外、可視および赤外スペクトルで照明光を放射する広帯域照明源である。一実施形態において、照明源110は、レーザー維持プラズマ(LSP)光源(別名、レーザー駆動プラズマ源)である。LSP光源のポンプレーザーは、連続波でもパルス式でもよい。レーザー駆動プラズマ源は、150ナノメートルから2000ナノメートルの全波長範囲にわたりキセノンランプよりもかなり多くの光子を生成できる。照明源110は、単一の光源であっても、複数の広帯域光源または個別波長光源の組み合わせであってもよい。照明源110によって生成される光は、紫外域から赤外域(例えば、真空紫外域から中赤外域)の連続スペクトルまたは連続スペクトルの一部を含む。一般的に、照明光源110は、スーパーコンティニュームレーザー源、赤外ヘリウムネオンレーザー源、アークランプ、または任意の他の適切な光源を含み得る。
【0025】
別の態様において、所定量の照明光は、少なくとも500ナノメートルにわたる波長の範囲を含む広帯域照明光である。一例では、広帯域照明光は、250ナノメートル未満の波長と750ナノメートルを超える波長を含む。一般的に、広帯域照明光は120〜3,000ナノメートルの間の波長を含む。いくつかの実施形態では、3,000ナノメートルを超える波長を含む広帯域照明光が用いられてよい。
【0026】
図1に描写されるように、計測システム100は、ウェハ120上に形成された1つ以上の構造に照明光117を向けるように構成された照明サブシステムを含む。照明サブシステムは、光源110、1つ以上の光学フィルタ111、偏光素子112、視野絞り113、開口絞り114および照明光学素子115を含んで示されている。1つ以上の光学フィルタ111は、照明サブシステムからの光レベル、スペクトル出力、またはそれら両方を制御するために使用される。いくつかの例では、光学フィルタ111として1つ以上のマルチゾーンフィルタが用いられる。偏光素子112は、照明サブシステムから出る所要の偏光状態を生成する。いくつかの実施形態において、偏光素子は、偏光子、補償子、またはそれら両方であり、任意の適切な市販の偏光素子を含んでよい。偏光素子は、固定式でも、異なる固定位置に回転可能でも、または、連続回転可能でもよい。図1に描写された照明サブシステムは1つの偏光素子を含むが、照明サブシステムは2つ以上の偏光素子を含んでもよい。視野絞り113は照明サブシステムの視野(FOV)を制御し、また、任意の適切な市販の視野絞りを含んでよい。開口絞り114は、照明サブシステムの開口数(NA)を制御し、また、任意の適切な市販の開口絞りを含んでよい。照明源110からの光は、照明光学素子115を介して、ウェハ120上の1つ以上の構造(図1には図示せず)上に集束するように向けられる。照明サブシステムは、分光エリプソメトリ、光反射計測および光散乱計測の技術分野で知られる任意のタイプおよび配置の光学フィルタ(複数可)111、偏光素子112、視野絞り113、開口絞り114および照明光学素子115を含んでもよい。
【0027】
図1に描写されるように、照明光117のビームは、ビームが照明源110からウェハ120に伝播するにつれて、光学フィルタ(複数可)111、偏光素子112、視野絞り113、開口絞り114および照明光学素子115を通過する。ビーム117は測定スポット116上のウェハ120の部分を照明する。
【0028】
いくつかの例では、ウェハ120の表面に投影される所定量の照明光117のビームサイズは、試験片の表面上で測定された測定ターゲットのサイズより小さい。例示的ビーム整形技法は、Wang他による米国特許出願公開第2013/0114085号に記載されており、同特許出願の内容は、全体の参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
計測システム100はさらに、1つ以上の構造と入射照明ビーム117の間の相互作用によって生成した光を収集するように構成された収集光学素子サブシステムも含む。収集光127のビームは、収集光学素子122によって測定スポット116から収集される。収集光127は、収集光学素子サブシステムの収集開口絞り123、偏光素子124および視野絞り125を通過する。
【0030】
収集光学素子122は、ウェハ120上に形成された1つ以上の構造から光を収集するための任意の適切な光学素子を含む。収集開口絞り123は、収集光学素子サブシステムのNAを制御する。偏光素子124は、所要の偏光状態を分析する。偏光素子124は偏光子または補償子である。偏光素子124は、固定式でも、異なる固定位置に回転可能でも、または、連続回転可能でもよい。図1に描写された収集サブシステムは1つの偏光素子を含むが、収集サブシステムは2つ以上の偏光素子を含んでもよい。収集視野絞り125は収集サブシステムのFOVを制御する。収集サブシステムはウェハ120からの光を採取して、その光を、収集光学素子122および偏光素子124を介して、収集視野絞り125上に集束するように向ける。いくつかの実施形態において、収集視野絞り125は、検出サブシステムの分光計のための分光計スリットとして用いられる。しかしながら、収集視野絞り125は、検出サブシステムの分光計の分光計スリット126に、または分光計スリット126付近に配置されてよい。
【0031】
収集サブシステムは、分光エリプソメトリ、光反射計測および光散乱計測の技術分野で知られる任意のタイプおよび配置の、収集光学素子122、開口絞り123、偏光素子124、および視野絞り125を含んでもよい。
【0032】
図1に描写された実施形態において、収集光学素子サブシステムは、検出サブシステムの1つ以上の分光計に光を向ける。検出サブシステムは、照明サブシステムによって照明される1つ以上の構造から収集された光に応答して出力を生成する。
【0033】
図1に描写されるように、Z軸は、ウェハ120の表面に対して垂直に配向している。X軸とY軸はウェハ120の表面と共面であり、よって、Z軸に対して垂直である。同様に、X’軸とY’軸はウェハ120の表面と共面であり、よって、Z軸に対して垂直である。X’軸とY’軸は、方位角AZだけX軸とY軸に対して回転している。方位角は、ウェハ120に対するZ軸周りの光の供給の配向を規定する。照明光117のビームの主光線118と、収集光127のビームの主光線121が入射面を画定する。X’軸は入射面に整列し、Y’軸は、入射面に直交する。このように、入射面はX’Z面内にある。照明光117のビームは、Z軸に対して入射角αでウェハ120の表面に入射し、入射面内にある。
【0034】
一態様において、瞳分割および分散装置は、測定瞳の像を2つ以上の瞳セグメントに分割し、2つ以上の瞳セグメントを、1つ以上の検出器上に、空間個別的なセンサ領域にわたり分散するように構成される。各瞳セグメントは、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせの個別のサブレンジに関連する信号情報を含む。いくつかの実施形態において、瞳分割および分散装置は、計測システムの開口絞りに配置される、またはその付近に配置される、あるいは計測システムの開口絞りの接合部に配置される、またはその付近に配置される。
【0035】
こうして、各角度セグメントに対応する測定されたスペクトルが互いに空間的にオフセットするように、測定瞳内の2つ以上の角度セグメントが空間的に分散される。これは、多数の異なる検出器、1つのマルチゾーン検出器、またはそれらの組み合わせによる同時検出を可能にする。この手法では、測定瞳全体が同時に結像し、それによって逐次測定の制約を回避する。
【0036】
測定瞳(すなわち、収集瞳)は、一般的に収集レンズ122に配置、または収集レンズ122付近に配置される。測定瞳は、ウェハ120によって反射される全角度範囲を含む。全角度範囲は、光学的設計のNAに依存するが、非常に小さい(例えば、コリメートされる)から非常に大きい(例えば5度より大きい)までの変動があり得る。全角度範囲にわたる反射光が全て1つの測定スペクトルに集約された場合、測定された信号は一般的に、測定信号に多くの角度が集積され過ぎるため、忠実度損失という欠点がある。従来は、特定の測定中に特定の測定スペクトルの角度範囲を、対象公称入射角周辺の数度に制限することが通例であった。
【0037】
本明細書に記載のように、測定瞳の像は角度と波長に分離されて多スペクトルを同時に生成し、各セグメントは異なる公称角度と、公称角度の周辺の角度のサブレンジに対応する。生成されたスペクトルは互いから空間的に分離されて、1つ以上の検出器(例えば、個々の検出器、マルチゾーン検出器、またはそれらの組み合わせ)によって個々に検出される。
【0038】
図1に描写された実施形態において、収集光127は分光計スリット126を通過し、瞳分割および分散装置150に入射する。図1に描写された実施形態において、瞳分割および分散装置は多数の反射格子を含む。各反射格子は、互いに対して異なる角度で設定される。各格子から検出器サブシステム160のほうに分散された光は、検出器サブシステム160の表面で空間的に分離される。
【0039】
図2は、計測システム100の測定瞳像145を描写する。図2に描写されるように、測定瞳像145は、像の一方向にわたって分散された入射角情報と、像の別の方向にわたる方位角情報を含む。図2はさらに、測定瞳145の像面内のマスク141も描写している。図2に描写されるように、マスク141は像の一部を覆い、3つの瞳セグメント142A〜Cを透過可能な状態にしている。これらの瞳セグメントそれぞれは、同じ方位角情報を含むが、異なる入射角情報を含む。こうして、マスク141は測定瞳145の像を、それぞれが入射角の異なる範囲に関連する異なるセグメントに副分割する。
【0040】
図3は、計測システム100の測定瞳像145の別の実例を描写する。図3に描写されるように、測定瞳像145は、像の一方向にわたって分散された入射角情報と、像の別の方向にわたる方位角情報を含む。図3はさらに、測定瞳145の像面内のマスク143も描写している。図3に描写されるように、マスク143は像の一部を覆い、3つの瞳セグメント144A〜Cを透過可能な状態にしている。これらの瞳セグメントそれぞれは、同じAOI情報を含むが、異なる方位角情報を含む。こうして、マスク143は測定瞳145の像を、それぞれが方位角の異なる範囲に関連する異なるセグメントに副分割する。
【0041】
測定瞳145の描写された像は3つのセグメントに分割される。しかしながら、一般的に、本特許明細書の範囲内で任意の個数の異なるセグメントが想定されてよい。さらに、図2および3はAOIおよび方位角方向に沿った分割例を示している。しかしながら、一般的に、本特許明細書の範囲内で、測定瞳の像面内の任意の方向に沿った測定瞳の分割が想定されてよい。こうして、各セグメントは異なるAOIおよび方位角情報を含んでよい。一例では、両マスク141および143を像面内で用いて、測定瞳を、それぞれが異なるAOIおよび方位角情報を有する9個の異なるセグメントに副分割してもよい。別の例において、マスク141またはマスク143は、AOIおよび方位角情報の異なる幅(swathes)を捕捉するために像面内で回転されてよい。
【0042】
図2および3は、計測システム100の測定瞳の像面に、瞳分割および分散装置の手前に配置されたマスクの実例を描写している。マスクは個々および同時測定のための角度情報のセグメントを画定する。そのようなマスクは、瞳分割および分散装置に入射する前に測定瞳の精密な副分割を可能にするために有利であり得る。しかしながら、一般的に、本明細書に記載の瞳分割および分散技法は、測定瞳の像面に配置されたマスクを必要としない。マスクが用いられない場合、分割および分散装置は、入射ビームの異なる部分を、分割および分散装置への収集ビームの入射位置に基づいて検出器サブシステムの異なる領域に向けることによって、測定瞳を分割する。そのため、瞳分割および分散装置は、測定瞳を所要の方式で分割するための任意の適切な方式で配置されてよい。
【0043】
図4は、図1に描写された瞳分割および分散装置150と検出器サブシステム160の別の実例を描写する。図4に描写されるように、瞳分割および分散装置150は、計測システム100の測定瞳の像面140に配置、またはその付近に配置されている。像面140に、収集ビーム127は、一方向にわたって分散された方位角情報と、別の方向に分散された入射角情報を含む。瞳分割および分散装置150は、3つの反射格子セグメント150A〜Cを含む。図4に描写されるように、各セグメントに入射する収集光127の部分は同じ方位角情報を含むが、異なる入射角情報を含む。この実施形態において、3つの反射格子セグメントは図2に示された3つの瞳像セグメントに対応する。瞳分割および分散装置を、測定瞳の像面に配置、またはその付近に配置することによって、異なる角度情報を有する瞳セグメントが、空間的に区別され、検出器サブシステムの異なるセンサ領域に個々に分散される。
【0044】
図4に描写された実施形態において、各反射格子セグメントは、互いに対して異なる角度で配向されている。例えば、反射格子セグメント150Bは像面140内に配向し、反射格子セグメント150Aは像面140に対して角度θ2で配向し、反射格子セグメント150Cは像面140に対して角度θ1で配向している。図4に示されるように、異なる配向は各セグメントに、入射光を異なる方向に分散させる。
【0045】
図4に描写された実施形態において、反射格子セグメント150Cは、像面140内にあり反射格子セグメント150A〜Cの格子構造のブレーズ方向に対して平行な方向に延在する軸A1の周りで角度θ1だけ傾斜している。同様に、反射格子セグメント150Aは、像面140内にあり反射格子セグメント150A〜Cの格子構造のブレーズ方向に対して平行な方向に延在する軸A2の周りで角度θ2だけ傾斜している。この構成において、反射格子セグメント150Aによって分散された測定スペクトル161Aは検出器160Aに入射し、反射格子セグメント150Bによって分散された測定スペクトル161Bは検出器160Bに入射し、反射格子セグメント150Cによって分散された測定スペクトル161Cは検出器160Cに入射する。図4に描写されるように、検出器サブシステム160は、それぞれが波長分散の方向に直交する方向に互いに上下に重なって配置された3つの検出器160A〜Cを含む。角度θ1およびθ2の大きさが検出器での空間シフトの大きさを決める。
【0046】
瞳分割および分散装置150の回折格子は、一次回折光を、それぞれの対応する二次元検出器の一次元に沿った波長に従って線形に分散する(すなわち、それぞれの対応する検出器に関して図4で示した波長分散方向)。各回折格子セグメントは、それぞれの対応する検出器の表面上に投影された光の2つの異なる波長間の、波長分散の方向に沿った空間的分離を引き起こす。
【0047】
一例では、検出器サブシステム160の検出器は、紫外光と可視光(例えば、190〜860ナノメートルの間の波長を有する光)に感応する電荷結合素子(CCD)である。別の例では、検出器サブシステム160の検出器のうち1つ以上は、赤外光(例えば、950〜2500ナノメートルの間の波長を有する光)に感応する光検出器アレイ(PDA)である。しかしながら、一般的に、他の二次元検出器技術が想定されてよい(例えば、位置検出型検出器(PSD)、赤外検出器、光起電検出器など)。各検出器は、入射光を、入射光のスペクトル強度を示す電気信号に変換する。一般的に、検出器サブシステム160は、検出器サブシステム160の各検出器上で同時に検出された光を示す出力信号170を生成する。
【0048】
図1に描写されるように、検出サブシステムは、収集光が、計測システム100の全ての検出器に同時に伝播するように配置されている。計測システム100はさらに、検出信号170を受け取って、測定信号に基づいて、測定された構造(複数可)の対象パラメータ(parameter of interest)171の推定値を算定するように構成されたコンピューティングシステム130も含む。異なる角度データに関連するスペクトルを同時に収集することによって、測定時間が低減されて、全てのスペクトルが同じアライメント条件で測定される。これにより、共通の修正が全てのスペクトルデータセットに適用され得るため、波長エラーがより容易に修正されることが可能になる。
【0049】
図5は、別の実施形態の瞳分割および分散装置151と検出器サブシステム162の実例を描写する。図5に描写されるように、瞳分割および分散装置151は計測システム100の測定瞳の像面140に配置、またはその付近に配置されている。この実施形態において、瞳分割および分散装置151は、3つの反射格子セグメント151A〜Cを含む。図5に描写されるように、各セグメントに入射する収集光127の部分は同じ方位角情報を含むが、異なる入射角情報を含む。この実施形態において、3つの反射格子セグメントは図2に示された3つの瞳像セグメントに対応する。
【0050】
図5に描写された実施形態において、各反射格子セグメントは、互いに対して異なる角度で配向されている。例えば、反射格子セグメント151Bは像面140内に配向し、反射格子セグメント151Aは像面140に対して角度φ1で配向し、反射格子セグメント151Cは像面140に対して角度φ2で配向している。図5に示されるように、異なる配向は各セグメントに、入射光を異なる方向に分散させる。
【0051】
図5に描写された実施形態において、反射格子セグメント151Cは、像面140内にあり反射格子セグメント151A〜Cの格子構造のブレーズ方向に対して垂直な方向に延在する軸Bの周りで角度φ2だけ傾斜している。同様に、反射格子セグメント151Aは、軸Bの周りで角度φ1だけ傾斜している。この構成において、反射格子セグメント151Aによって分散された測定スペクトル163Aは検出器162Aに入射し、反射格子セグメント151Bによって分散された測定スペクトル163Bは検出器162Bに入射し、反射格子セグメント151Cによって分散された測定スペクトル163Cは検出器162Cに入射する。図5に描写されるように、検出器サブシステム162は、それぞれが波長分散の方向に平行な方向に互いに隣接して配置された3つの検出器162A〜Cを含む。角度φ1およびφ2の大きさが検出器での空間シフトの大きさを決める。
【0052】
図6は、別の実施形態の瞳分割および分散装置152と検出器サブシステム164の実例を描写する。図6に描写されるように、瞳分割および分散装置152は計測システム100の測定瞳の像面140に配置、またはその付近に配置されている。この実施形態において、瞳分割および分散装置152は、3つの反射格子セグメント152A〜Cを含む。図6に描写されるように、各セグメントに入射する収集光127の部分は同じ入射角情報を含むが、異なる方位角情報を含む。この実施形態において、3つの反射格子セグメントは図3に示された3つの瞳像セグメントに対応する。
【0053】
図6に描写された実施形態において、各反射格子セグメントは、互いに対して異なる角度で配向されている。例えば、反射格子セグメント152Bは像面140内に配向し、反射格子セグメント152Aは像面140に対して角度α1で配向し、反射格子セグメント152Cは像面140に対して角度α2で配向している。図6に示されるように、異なる配向は各セグメントに、入射光を異なる方向に分散させる。
【0054】
図6に描写された実施形態において、反射格子セグメント152Cは、像面140内にあり反射格子セグメント152A〜Cの格子構造のブレーズ方向に対して平行な方向に延在する軸C2の周りで角度α2だけ傾斜している。同様に、反射格子セグメント152Aは、軸C1の周りで角度α1だけ傾斜している。この構成において、反射格子セグメント152Aによって分散された測定スペクトル165Aは検出器164Aに入射し、反射格子セグメント152Bによって分散された測定スペクトル165Bは検出器164Bに入射し、反射格子セグメント152Cによって分散された測定スペクトル165Cは検出器164Cに入射する。図6に描写されるように、検出器サブシステム164は、それぞれが波長分散の方向に平行な方向に互いに隣接して配置された3つの検出器164A〜Cを含む。角度α1およびα2の大きさが検出器での空間シフトの大きさを決める。
【0055】
図7は、別の実施形態の瞳分割および分散装置153と検出器サブシステム166の実例を描写する。図7に描写されるように、瞳分割および分散装置153は計測システム100の測定瞳の像面140に配置、またはその付近に配置されている。この実施形態において、瞳分割および分散装置153は、3つの反射格子セグメント153A〜Cを含む。図7に描写されるように、各セグメントに入射する収集光127の部分は同じ入射角情報を含むが、異なる方位角情報を含む。この実施形態において、3つの反射格子セグメントは図3に示された3つの瞳像セグメントに対応する。
【0056】
図7に描写された実施形態において、各反射格子セグメントは、互いに対して異なる角度で配向されている。例えば、反射格子セグメント153Bは像面140内に配向し、反射格子セグメント153Aは像面140に対して角度β2で配向し、反射格子セグメント153Cは像面140に対して角度β1で配向している。図7に示されるように、異なる配向は各セグメントに、入射光を異なる方向に分散させる。
【0057】
図7に描写された実施形態において、反射格子セグメント153Cは、像面140内にあり反射格子セグメント153A〜Cの格子構造のブレーズ方向に対して垂直な方向に延在する軸Dの周りで角度β1だけ傾斜している。同様に、反射格子セグメント153Aは軸Dの周りで角度β1だけ傾斜している。この構成において、反射格子セグメント153Aによって分散された測定スペクトル167Aは検出器166Aに入射し、反射格子セグメント153Bによって分散された測定スペクトル167Bは検出器166Bに入射し、反射格子セグメント153Cによって分散された測定スペクトル167Cは検出器166Cに入射する。図7に描写されるように、検出器サブシステム166は、それぞれが波長分散の方向に対して垂直な方向に互いに隣接して配置された3つの検出器166A〜Cを含む。角度β1およびβ2の大きさが検出器での空間シフトの大きさを決める。
【0058】
図4〜7を参照して説明した実施形態において、各対応する検出器サブシステムの検出器素子はスタック構造に配置されている(例えば、互いに上下に重なって、または並列に端と端をつけて)別個の検出器である。しかしながら、一般的に、検出器素子は、瞳分割および分散装置によって生成された各対応する瞳セグメントからの分散光を受け取るための任意の適切な方式で配置されてよい。さらに、いくつかの実施形態において、多数の検出器素子が、異なる波長帯域にわたり特定の瞳セグメントからの光を受け取るように構成される。一実施形態において、特定の瞳セグメントから分散された測定スペクトルは、紫外波長を含む波長帯において電荷結合素子(CCD)センサによって検出され、また、赤外波長を含む波長帯において光検出器アレイ(PDA)によって検出される。一般的に、検出素子の任意の適切な組み合わせを用いて、瞳分割および分散装置によって生成された任意の特定の瞳セグメントから分散された測定スペクトルを検出してよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、検出器サブシステムは、異なる位置での異なる感度帯域を単一の検出器パッケージに合成するマルチゾーン赤外検出器を含む。検出器は、入射位置によって異なる感度でのデータの連続スペクトルを供給するように構成される。
【0060】
図9は、利用可能なヒ化インジウムガリウム(InGaAs)センサの典型的な光感度曲線を示す。図9に描写されるように、利用可能なInGaAsセンサの単一のセンサではいずれも1〜2.5マイクロメートルの波長帯にわたり適切な光感度を提供できない。したがって、個々には、利用可能なセンサは狭波長帯にわたってしか感知できない。
【0061】
一態様において、それぞれが異なる波長帯で感応する多数のセンサチップが、単一の検出器パッケージに合成される。次に、このマルチゾーン検出器は、本明細書に記載の計測システムで実装される。
【0062】
図8は、マルチゾーン赤外検出器180をなすために4つの異なる波長帯から派生した4つのセンサチップ180A〜Dを描写している。4つのセンサチップは、異なる光感度特性を発揮する異なる材料組成を含む。図9に描写されるように、センサチップ180Aは波長帯Aにわたり高い感度を発揮し、センサチップ180Bは波長帯Bにわたり高い感度を発揮し、センサチップ180Cは波長帯Cにわたり高い感度を発揮し、センサチップ180Dは波長帯Dにわたり高い感度を発揮する。検出器180を組み込んだ計測システムは、波長帯A内の波長をセンサチップ180Aに分散し、波長帯B内の波長をセンサチップ180Bに分散し、波長帯C内の波長をセンサチップ180Cに分散し、波長帯D内の波長をセンサチップ180Dに分散するように構成される。こうして、単一の検出器からの波長帯A〜Dを含む合計波長帯にわたって高い光感度(すなわち、高SNR)が達成される。
【0063】
いくつかの例では、マルチゾーン検出器は、750〜3,000ナノメートルまたはそれ以上の波長をカバーする単一の連続スペクトルを生成するために、異なるスペクトル領域に対する感度を備えた、単一のセンサパッケージに組み立てられたInGaAsセンサを含む。
【0064】
一般的に、検出器から連続したスペクトルが導出され得るように、任意の個数の個々のセンサが、マルチゾーン検出器の波長分散の方向に沿って組み立てられてよい。しかしながら、一般的に、2乃至4つの個々のセンサが、検出器180などのマルチゾーン検出器に用いられる。
【0065】
図4〜7に描写された瞳分割および分散装置の実施形態は、非限定的な例として提供されている。図示の実施形態は3つの異なる反射格子セグメンを含むが、一般的に、2以上の任意の個数の異なるセグメントが、本特許明細書の範囲内で想定されてよい。さらに、各格子素子と測定瞳像面の間の配向角度は、全格子素子に関して同じであっても、異なっていてもよい。このように、傾斜角は、同時に測定されたスペクトル間での所要の分離を達成するように構成される。いくつかの実施形態において、瞳セグメントは、ブレーズ方向に平行な軸に対して傾斜し、また、ブレーズ方向に垂直な軸に対して傾斜している。
【0066】
さらに、異なるセグメントの形状および範囲は、図4〜7に提供された実例によって限定されない。セグメントの任意の個数の異なる形状および配置が、本特許明細書の範囲内で想定されてよい。いくつかの例では、セグメントは、各セグメントが異なるAOIおよび方位角情報を含むように配置される。一例では、格子セグメントの二次元アレイが測定瞳にわたり配置される。別の例では、格子セグメントの一次元または二次元アレイが、測定瞳の入射角または方位角の分散の方向に対して斜角で配向している。一例では、格子セグメントの一次元アレイは、角度情報を所要の方式で混合するために、測定瞳にわたり対角状に配向している。
【0067】
図示の実施形態は反射格子セグメントを含むが、他の分散素子が、本特許明細書の範囲内で想定されてよい。いくつかの実施形態では、入射光を分散させるために透過格子素子が用いられる。別の例では、分割プリズム光学素子が、入射光を分散するために用いられる。いくつかの実施形態において、格子またはプリズム素子の配向が各瞳セグメントからの光の分散の方向を決める。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、格子またはプリズム素子によって分散される光を異なる検出器素子に向けるために鏡素子が用いられる。
【0068】
いくつかの実施形態では、各格子セグメントは同じ周期および反射機能を有する。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、格子セグメントのうち1つ以上は、異なる周期および反射機能を有する。こうして、異なる瞳セグメントに関して異なる分散特性が生成される。この手法は、測定システム要件を満たすように信号レベルまたはセンサ設計を最適化するために有利であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、各瞳セグメントの異なる波長帯を分散するためにシーケンシャル格子配置が用いられる。一実施形態において、反射格子セグメントは紫外光を+1/−1回折次数で分散し、赤外光をゼロ次回折次数で分散する。反射赤外光は次いで、次の格子素子によって分散される。
【0070】
別の態様において、瞳分割および分散装置は、計測システム100内で動的に再構成可能である。いくつかの実施形態において、多格子セグメントそれぞれは、位置、配向またはそれら両方において可動である。多格子セグメントそれぞれの位置、配向またはそれら両方は、コンピューティングシステム130によって制御可能である。コンピューティングシステム130は、動的に再構成可能な瞳分割および分散装置に制御信号を通信する。それに応答して、瞳分割および分散装置は、測定瞳にわたり所要の角度情報を選択し、対応するスペクトルを適切な検出器素子に分散するために、瞳セグメントのうち1つ以上の位置、配向または両方を調整する。
【0071】
いくつかの実施形態において、動的に再構成可能な瞳分割および分散装置は、異なる角度情報を含む光を異なる検出器素子に分散するように構成された反射または透過格子素子の微小電気機械(MEMS)アレイを含む。
【0072】
なおも別のさらなる態様では、瞳分割および分散装置は計測システム100内で交換可能である。こうして、適切な瞳分割および分散装置が、特定の測定用途向けに選択されて収集光学素子路内に配置されてよい。
【0073】
図1に描写された実施形態において、瞳分割および分散装置は多数の反射格子セグメントを含む。しかしながら、瞳分割に加えて、瞳分割および分散装置は、入射光を異なる波長帯域に副分割し、異なる波長帯域を異なる方向に伝播し、波長帯域のうち1つの光を任意の適切な方式で1つ以上の検出器に分散するように構成されてもよい。いくつかの例では、収集ビーム127を異なる波長帯域に副分割するためにビームスプリッティング素子が用いられ、各波長帯内で測定瞳を分割するために個々の反射格子構造が用いられる。
【0074】
図4〜7に描写された実施形態において、反射格子は+1/−1次への高回折効率を発揮するため、反射格子が用いられる。反射格子を用いることによって、ビームスプリッティング素子(ダイクロイックビームスプリッティング素子など)に固有の損失が回避される。
【0075】
別の態様において、測定中に焦点誤差修正のための測定入力を提供するために、高精度焦点センサ(FFS)が検出サブシステムに一体化される。いくつかの実施形態において、反射格子セグメントのうち1つ以上からゼロ次回折次数で回折された光は高精度焦点センサに向けられる。いくつかの実施形態において、FFSはフォトダイオードアレイである。FFS(図示せず)によって生成される出力は、コンピューティングシステム130に通信される。コンピューティングシステム130は、ウェハ120の焦点位置(z位置)を、FFSの出力に基づいて決定する。ウェハ120の焦点位置における所要の変更は、ウェハポジショニングシステム(図示せず)に通信され、ウェハポジショニングシステムはウェハ120のz位置をそれに従って調整する。
【0076】
さらに別の態様において、照明視野絞りのサイズは、結果として得られる測定正確度と速度を、被測定物の性質に基づいて最適化するように選択される。
【0077】
さらに別の態様において、照明視野絞りのサイズは、結果として得られる測定正確度と速度を、測定対象物の性質に基づいて最適化するように調整される。
【0078】
いくつかの例では、照明視野絞りのサイズは、所要のスペクトル分解能を達成するために調節される。いくつかの例では、照明視野絞りのサイズは、光スループットを増加させ、測定時間短縮を達成するために調節される。
【0079】
図1に描写された実施形態において、コンピューティングシステム130は、検出器サブシステム160によって検出されたスペクトル応答を示す信号170を受信するように構成される。コンピューティングシステム130はさらに、プログラマブル照明視野絞り113に通信される制御信号119を決定するように構成される。プログラマブル照明視野絞り113は、制御信号119を受信し、所要の照明場サイズを達成するために照明アパーチャのサイズを調整する。
【0080】
いくつかの例では、照明視野絞りは、上記で説明したように測定正確度と速度を最適化するように調節される。別の例において、照明視野絞りは、分光計スリットによる像クリッピングと、対応する測定結果の劣化を防止するために調節される。こうして、照明場サイズは、測定対象物の像が分光計スリットをアンダーフィルするように調節される。一例では、照明視野絞りは、照明光学素子の偏光子スリットの投影が計測システムの分光計スリットをアンダーフィルするように調節される。
【0081】
図11は、分光測定を少なくとも1つの新規の態様で実行する方法200を示す。方法200は、本発明の図1に示された計測システム100などの計測システムによる実施に適している。一態様において、方法200のデータ処理ブロックは、コンピューティングシステム130または任意の他の汎用コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行される予めプログラムされたアルゴリズムを介して実行されてよいことが認識されている。本明細書では、計測システム100の特定の構造的態様は限定を表さず、例示としてのみ解釈されるべきであることが認識される。
【0082】
ブロック201で、照明源からの所定量の広帯域照明光が、被測定試験片の表面上の測定スポットに、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせで向けられる。
【0083】
ブロック202で、試験片の表面上の測定スポットから所定量の光が収集されて、測定瞳面で、または測定瞳面付近で測定瞳像が生成される。
【0084】
ブロック203で、測定瞳像は2つ以上の瞳セグメントに分割され、2つ以上の瞳セグメントは、1つ以上の検出器に空間個別的領域にわたり分散される。各瞳セグメントは、多入射角、多方位角、またはそれらの組み合わせの個別のサブレンジに関連する信号情報を含む。
【0085】
ブロック204で、2つ以上の瞳セグメントに関連する測定スペクトルが同時に検出される。
【0086】
本明細書に記載のように構成され得る例示的測定技法は、限定はしないが、ミュラー行列エリプソメトリ(MMSE)、回転型偏光子SE(RPSE)、回転型偏光子、回転型補償子SE(RPRC)、回転型補償子、回転型補償子SE(RCRC)を含む分光エリプソメトリ(SE)、偏光SR、無偏光SRを含む分光リフレクトメトリ(SR)、分光光散乱計測、光散乱計測オーバーレイ、角度分解および偏光分解両方のビームプロファイル光反射計測、ビームプロファイルエリプソメトリ、単一または多数の個別の波長エリプソメトリ等を含む。一般的に、測定信号における広範な角度情報を含む任意の計測技法が、個々に、または組み合わせて想定されてよい。例えば、イメージベースの計測技法を含む、半導体構造の特性評価に適用可能な任意のSRまたはSE技法が、個々に、または組み合わせて想定されてよい。
【0087】
別の実施形態において、システム100は、本明細書に記載の方法に従って収集された分光測定データに基づいて実際の装置構造の測定を実行するために用いられる1つ以上のコンピューティングシステム130を含む。1つ以上のコンピューティングシステム130は分光計と通信可能に結合されてよい。一態様において、1以上のコンピューティングシステム130は、試験片120の構造の測定と関連する測定データ170を受け取るように構成される。
【0088】
本開示を通じて説明された1つ以上のステップは、単一のコンピュータシステム130によって実行されても、または、多数のコンピュータシステム130によって実行されてもよいことに留意すべきである。さらに、システム100の異なるサブシステムは、本明細書に記載のステップの少なくとも一部を実行するのに適したコンピュータシステムを含んでよい。したがって、上記の説明は、本発明への限定として解釈されるべきではなく、単なる実例として解釈されるべきである。
【0089】
さらに、コンピュータシステム130は、当技術分野で知られる任意の方式で分光計に通信可能に結合されてよい。例えば、1つ以上のコンピューティングシステム130は、分光計と連携するコンピューティングシステムに結合されてよい。別の例において、分光計は、コンピュータシステム130に結合された単一のコンピュータシステムによって直接制御されてよい。
【0090】
計測システム100のコンピュータシステム130は、システムのサブシステム(例えば、分光計等)からのデータまたは情報を、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって受信および/または取得するように構成されてよい。こうして、伝送媒体は、コンピュータシステム130とシステム100の他のサブシステムとの間のデータリンクとして働く。
【0091】
計測システム100のコンピュータシステム130は、他のシステムからの情報(例えば、測定結果、モデル化入力、モデル化結果、基準測定結果、等)を、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって受信および/または取得するように構成されてよい。こうして、伝送媒体は、コンピュータシステム130と他のシステム(例えば、メモリオンボード計測システム100、外部メモリ、またはその他の外部システム)との間のデータリンクとして働く。例えば、コンピューティングシステム130は、データリンクを介して記憶媒体(すなわち、メモリ132または外部メモリ)から測定データを受信するように構成されてよい。例えば、本明細書に記載の分光計を用いて得られたスペクトル結果は、永久または半永久メモリ装置(例えば、メモリ132または外部メモリ)に記憶されてよい。これに関して、スペクトル結果は、オンボードメモリから、または外部メモリシステムからインポートされてよい。さらに、コンピュータシステム130は、他のシステムに伝送媒体を介してデータを送信してよい。例えば、コンピュータシステム130によって決定された測定モデルまたは推定パラメータ値171は、外部メモリに通信されてそこに記憶されてよい。これに関して、測定結果は別のシステムにエクスポートされてよい。
【0092】
コンピューティングシステム130は、限定はしないが、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、パラレルプロセッサ、または当技術分野で知られる任意のその他の装置を含んでよい。一般的に、用語「コンピューティングシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する1つ以上のプロセッサを有する任意の装置を包含するように広範に定義され得る。
【0093】
本明細書に記載される方法のような方法を実行するプログラム命令134は、ワイヤ、ケーブルまたは無線伝送リンク等の伝送媒体を介して伝送されてよい。例えば、図1に示すように、メモリ132に記憶されたプログラム命令134は、バス133を介してプロセッサ131に伝送される。プログラム命令134は、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ132)に記憶される。例示的コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、または磁気テープを含む。
【0094】
いくつかの例では、測定モデルは、米国カリフォルニア州ミルピタスのケーエルエー・テンカー(KLA‐Tencor Corporation)から入手可能なSpectraShape(登録商標)光学的クリティカルディメンション計測システムの素子として実施される。こうして、モデルが生成され、システムによってスペクトルが収集された直後に利用可能となる。
【0095】
いくつかの他の例では、測定モデルは、例えば、米国カリフォルニア州ミルピタスのケーエルエー・テンカーから入手可能なAcuShape(登録商標)ソフトウェアを実装するコンピューティングシステムによってオフラインで実施される。結果として得られた訓練されたモデルは、測定を実行している計測システムによってアクセス可能なAcuShape(登録商標)ライブラリの要素として組み込まれてよい。
【0096】
別の態様では、本明細書に記載の半導体装置の分光計測のための方法およびシステムは、高アスペクト比(HAR)構造、大型側方寸法構造、またはそれら両方の測定に適用される。説明された実施形態は、サムスン(Samsung Inc.,大韓民国)、SKハイニックスインク(SK Hynix Inc.,大韓民国)、東芝(Toshiba Corporation,日本)およびマイクロンテクノロジー(Micron Technology,Inc.,米国)などの種々の半導体製造者によって製造された、垂直NAND(V−NAND)構造などの三次元NAND構造、ダイナミックランダムアクセスメモリ構造(DRAM)など含む半導体装置の光学的クリティカルディメンション(CD)、膜および組成計測を可能にする。これらの複合型装置は、被測定構造(複数可)への低光浸透性という欠点がある。図10は、被測定構造(複数可)への低光浸透性という欠点がある例示的高アスペクト比NAND構造300を描写している。本明細書に記載の同時スペクトル帯域検出を有する、広帯域能力、および広範なAOI、方位角またはそれら両方を備えた、分光エリプソメータが、これらの高アスペクト比構造の測定に適している。HAR構造は多くの場合、HARのエッチング処理を促進するためのハードマスク層を含む。本明細書に記載の場合、用語「HAR構造」は、10:1を超え、100:1以上までのアスペクト比を特徴とする任意の構造を指す。
【0097】
さらに別の態様において、本明細書に記載される測定結果は、プロセスツール(例えば、リソグラフィーツール、エッチングツール、堆積ツール等)にアクティブフィードバックを提供するために用いられ得る。例えば、本明細書に記載される測定方法に基づいて決定される測定パラメータの値は、所要の出力を達成するようにリソグラフィーシステムを調節するためにリソグラフィーツールに伝えられてよい。同様に、エッチングパラメータ(例えば、エッチング時間、拡散率等)または堆積パラメータ(例えば、時間、濃度等)は、エッチングツールまたは堆積ツールそれぞれにアクティブフィードバックを提供するために測定モデルに含まれてよい。いくつかの例において、測定されたデバイスパラメータ値と訓練された測定モデルに基づいて決定されたプロセスパラメータへの修正が、リソグラフィーツール、エッチングツールまたは堆積ツールに伝えられてよい。
【0098】
本明細書に記載される場合、用語「クリティカルディメンション」は、構造の任意のクリティカルディメンション(例えば、底部クリティカルディメンション、中間クリティカルディメンション、頂部クリティカルディメンション、側壁角、格子高さ等)、任意の2以上の構造間のクリティカルディメンション(例えば、2つの構造間の距離)、および2以上の構造間の変位(例えば、重なった格子構造間のオーバーレイ変位等)を含む。構造は、三次元構造、パターン付き構造、オーバーレイ構造などを含み得る。
【0099】
本明細書に記載される場合、用語「クリティカルディメンション用途」または「クリティカルディメンション測定用途」は、任意のクリティカルディメンション測定を含む。
【0100】
本明細書に記載される場合、用語「計測システム」は、任意の態様で試験片を特性評価するために少なくとも部分的に用いられる任意のシステムを含み、クリティカルディメンション計測、オーバーレイ計測、焦点/投与量計測および組成計測等の測定用途を含む。しかしながら、そのような技術用語は本明細書に記載されるような用語「計測システム」の範囲を限定しない。さらに、計測システム100は、パターン付きウェハおよび/またはパターンなしウェハの測定向けに構成されてよい。計測システムは、LED検査ツール、エッジ検査ツール、裏面検査ツール、マクロ検査ツールまたはマルチモード検査ツール(1つ以上のプラットフォームからの同時のデータを含む)として、および、クリティカルディメンションデータに基づいたシステムパラメータの較正から益する任意の他の計測または検査ツールとして構成されてよい。
【0101】
本明細書において、種々の実施形態は、半導体処理ツール(例えば、検査システムまたはリソグラフィーシステム)内で試験片を測定するために用いられ得る半導体測定システムに関して記載された。本明細書で用いられる用語「試験片」は、当技術分野で知られる手段によって処理され得る(例えば、印刷される、または欠陥を検査される)ウェハ、レチクルまたは任意の他の試料を指すために用いられる。
【0102】
本明細書に記載される場合、用語「ウェハ」は一般に、半導体または非半導体材料で形成された基板を指す。例は、限定はしないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウムを含む。そのような基板は、半導体製造設備において一般的にある、および/または処理され得る。いくつかの場合において、ウェハは1つのみの基板を含み得る(すなわち、ベアウェハ)。または、ウェハは基板上に形成された異なる材料の1つ以上の層を含んでもよい。ウェハ上に形成された1つ以上の層は、「パターン付き」でも「パターンなし」でもよい。例えば、ウェハは反復可能なパターンフィーチャを有する複数のダイを含んでよい。
【0103】
「レチクル」は、製造プロセスの任意の段階にあるレチクル、または、半導体製造設備内での使用向けにリリースされていてもリリースされていなくてもよい完成したレチクルであってよい。レチクル、または「マスク」は一般に、上に実質的に半透明な領域が形成され、パターン状に構成されている実質的に透明な基板として定義される。基板は例えば、アモルファスSiOなどのガラス材料を含み得る。レチクルは、レチクル上のパターンがレジストに転写され得るように、リソグラフィープロセスの露光ステップ中に、レジストで被覆されたウェハの上に配置されてよい。
【0104】
ウェハ上に形成された1つ以上の層は、「パターン付き」でも「パターンなし」でもよい。例えば、ウェハは、それぞれが反復可能なパターンフィーチャを有する複数のダイを含んでよい。材料のそのような層の形成および処理が、最終的に完成したデバイスをもたらす。多くの異なるタイプのデバイスがウェハ上に形成されてよく、本明細書で用いられる場合、用語ウェハは、当技術分野で知られる任意のタイプのデバイスがその上に製造されるウェハを包含することを意図している。
【0105】
1つ以上の例示的実施形態において、記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実装されてよい。ソフトウェアで実装された場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードとして記憶または伝送されてよい。コンピュータ可読媒体は、一箇所から他箇所へのコンピュータプログラムの伝送を促進する任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶体、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶装置、あるいは、命令またはデータ構造の形式で所要のプログラムコード手段を搬送または記憶するのに用いることができ、汎用または専用コンピュータまたは汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。さらに、あらゆる接続が、正式にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタルサブスクライバライン(DSL)、または赤外、ラジオ、およびマイクロ波などの無線技術を用いてウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外、ラジオおよびマイクロ波などの無線技術は媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で用いられる場合、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタル万能ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0106】
上記ではいくつかの特定の実施形態を、説明目的で記載したが、本特許明細書の教示は一般的な適用可能性を有し、上記に記載した特定の実施形態に限定されない。したがって、記載された実施形態の種々の特徴の種々の修正、適合および組み合わせが、請求項に記載される本発明の範囲から逸脱せずに実施され得る。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【国際調査報告】