(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019523999
(43)【公表日】20190829
(54)【発明の名称】電気スイッチングのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8239 20060101AFI20190802BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 45/00 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 27/24 20060101ALI20190802BHJP
   H01L 49/00 20060101ALI20190802BHJP
【FI】
   !H01L27/105 448
   !H01L45/00 Z
   !H01L27/24
   !H01L49/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】2018566361
(86)(22)【出願日】20161222
(85)【翻訳文提出日】20190125
(86)【国際出願番号】US2016068274
(87)【国際公開番号】WO2017222592
(87)【国際公開日】20171228
(31)【優先権主張番号】62/352,306
(32)【優先日】20160620
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
【住所又は居所】アメリカ合衆国マサチューセッツ州02139ケンブリッジ,マサチューセッツ・アヴェニュー・77
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】キム, チファン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02142, ケンブリッジ, サード ストリート 350 ナンバー1612
(72)【発明者】
【氏名】チェ, シンヒョン
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02176, メルローズ, オーク グローブ アベニュー 1, ユニット 309
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA31
5F083JA36
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083PR05
5F083ZA21
(57)【要約】
電気スイッチング技術は、導電性フィラメントを形成するために、別の面では望ましくない結晶材料における線欠陥を用いる。スイッチングセルは、活性電極と別の電極との間に配置される結晶層を含む。結晶層は、結晶層の一方の表面から他方の表面まで延びている線欠陥等の少なくとも1つのチャネルを有する。2つの電極に対する電圧の印加時、活性電極は、活性電極から他方の電極に線欠陥に沿って移動し得る金属イオンを提供し、それによって、導電性フィラメントを形成する。スイッチングセルは、導電性フィラメントを線欠陥内に精密に配置し、デバイス間スイッチング均一性を増加させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気スイッチングのための装置であって、前記装置は、
第1の側と、前記第1の側と対向する第2の側とを有する結晶層であって、前記結晶層は、前記第1の側から前記第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する、結晶層と、
前記結晶層の第1の側上に配置されている第1の電極であって、前記第1の電極は、前記結晶層において1%未満の第1の固溶性を有する、第1の電極と、
前記結晶層の第2の側上に配置されている第2の電極であって、前記第2の電極は、前記結晶層において1%未満の第2の固溶性を有する、第2の電極と、
を備え、
前記第1の電極は、活性材料を備え、前記活性材料は、前記第1の電極および前記第2の電極を横切って印加される第1の電圧に応答して、前記少なくとも1つのチャネルに沿って移動する少なくとも1つの金属イオンを提供する、装置。
【請求項2】
前記結晶層は、半導体を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記半導体は、IV族半導体、III−V族半導体、III族窒化物半導体、またはII−VI族半導体のうちの少なくとも1つを備えている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記結晶層は、約2nm〜約1μmの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの線欠陥を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの線欠陥は、約0.1nm〜約30nmの横寸法を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの線欠陥は、1平方ミクロンあたり約10本の線欠陥〜1平方ミクロンあたり約10本の線欠陥の密度を有する線欠陥のアレイを備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記活性材料は、Ag、Al、Au、In、Sn、またはZnのうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の固溶性または前記第2の固溶性のうちの少なくとも1つは、室温において0.1%未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの金属イオンは、複数の金属イオンを備え、前記複数の金属イオンは、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される第1の電圧に応答して、前記少なくとも1つのチャネル内に導電性フィラメントを形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記導電性フィラメントは、前記第1の電圧の除去時、前記少なくとも1つのチャネル内に留まるように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の金属イオンは、前記第1の電極および前記第2の電極を横切って印加される第2の電圧に応答して、前記第1の電極に戻るように後退するように構成され、前記第2の電圧は、前記第1の電圧の第1の極性と反対の第2の極性を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記装置のバルク漏洩電流を低減させるために、前記結晶層と前記第2の電極との間に配置された抵抗層をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記抵抗層は、真性半導体を備えている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記抵抗層は、約1nm〜約5nmの厚さを有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記装置のバルク漏洩電流を低減させるために、前記結晶層と前記第1の電極との間に配置された遮断層をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記遮断層および前記結晶層は、p−n接合を形成するようにドープされている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
デバイスを作動させる方法であって、
前記デバイスは、結晶層の第1の側から前記結晶層の第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する結晶層と、前記結晶層の第1の側上に配置されている活性材料を備えている第1の電極と、前記結晶層の第2の側上に配置されている第2の電極とを備え、
前記方法は、前記第1の電極および前記第2の電極を横切って、第1の符号を有する第1の電圧を印加することを含み、
前記第1の電圧は、前記少なくとも1つのチャネルに沿って前記第1の電極と前記第2の電極との間に延びている導電性フィラメントを形成することを前記活性材料の複数の金属イオンに行わせる、方法。
【請求項19】
前記第1の符号と反対の第2の符号を有する第2の電圧を前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加し、前記複数の金属イオンに前記第1の電極に戻るように後退させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電圧は、約4V〜約6Vである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電圧の除去時、前記少なくとも1つのチャネル内に前記導電性フィラメントを維持することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
電気スイッチングデバイスであって、前記電気スイッチングデバイスは、
結晶性SiGeを備えているスイッチング媒体であって、前記スイッチング媒体は、第1の側と、第2の側とを有し、前記スイッチング媒体は、約10nm〜約100nmの厚さおよび前記第1の側から前記第2の側まで延びている少なくとも1つの線欠陥を有し、前記少なくとも1つの線欠陥は、約0.1nm〜約30nmの幅を有する、スイッチング媒体と、
活性材料を備えている第1の電極であって、前記第1の電極は、前記スイッチング媒体の第1の側上に配置されており、前記第1の電極は、前記スイッチング媒体において1%未満の第1の固溶性を有する、第1の電極と、
前記結晶層の第2の側上に配置されている第2の電極であって、前記第2の電極は、前記結晶層において1%未満の第2の固溶性を有する、第2の電極と
を備え、
前記第1の電極からの複数の金属イオンが、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される第1の電圧に応答して前記少なくとも1つの線欠陥に沿って移動し、前記少なくとも1つの線欠陥内に導電性フィラメントを形成するように構成され、
前記複数の金属イオンは、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される第2の電圧に応答して、前記第1の電極に戻るように後退するように構成され、前記第2の電圧は、前記第1の電圧の第1の極性と反対の第2の極性を有する、
電気スイッチングデバイス。
【請求項23】
電気スイッチングデバイスを製作する方法であって、前記方法は、
導電性基板上に結晶層を形成することであって、前記結晶層は、前記導電性基板上の第1の側と、前記第1の側と対向する第2の側とを有し、前記結晶層は、前記第1の側から前記第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する、ことと、
前記結晶層の第2の側上に活性材料を備えている電極を形成することであって、前記電極は、前記結晶層において1%未満の第1の固溶性を有する、ことと
を含む、方法。
【請求項24】
前記結晶層を形成することは、前記導電性基板上に前記結晶層をエピタキシャル成長させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記結晶層を形成することは、少なくとも1つの線欠陥を備えている少なくとも1つのチャネルを製作するように、前記結晶層に対して格子不整合を有するように前記導電性基板を選択することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの線欠陥は、複数の線欠陥を備え、
前記結晶層を形成することは、前記導電性基板と前記結晶層との間の格子不整合を変化させ、前記複数の線欠陥の面密度を変化させることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記結晶層を形成することは、選択的エッチングを介して、前記少なくとも1つの線欠陥の横寸法を変化させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記選択的エッチングは、SchimmelエッチングまたはSeccoエッチングのうちの少なくとも1つを備えている、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記結晶層と前記導電性基板との間に抵抗層を形成することをさらに含み、前記抵抗層は、真性半導体を備えている、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記結晶層と前記第1の電極との間に遮断層を形成することをさらに含み、前記遮断層は、前記遮断層および前記結晶層がp−n接合を形成するように、ドープされた半導体を備えている、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国出願第62/352,306号(2016年6月20日、名称「PRECISE CONFINEMENT OF CONDUCTIVE FILAMENT IN ECM (ELECTROCHEMICAL METALLIZATION) RRAM (RANDOM READ ACCESS MEMORY)」)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
現在の最新技術の非揮発性メモリの大部分は、その高密度および低コストに起因して、シリコンベースのフラッシュメモリである。しかしながら、フラッシュメモリは、低動作速度(例えば、約1m秒/0.1m秒の書込/消去時間)、耐久性不良(例えば、約10回の書込/消去サイクル)、および高書込電圧(例えば、10Vを上回る)等のいくつかの不利点を有する。さらに、フラッシュメモリは、大きい漏洩電流に起因して、近い将来に小型化限界に到達し得る。
【0003】
フラッシュメモリの不利点を克服し得る1つの技術は、抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM(登録商標))である。概して、RRAM(登録商標)セルは、2つの導体間に挟まれた絶縁体または半導体を含む。RRAM(登録商標)の基本的な物理的機構は、通常、抵抗スイッチング(RS)であり、それは、セルが、外部電気刺激下で、高抵抗状態(HRSまたはオフ状態)または低抵抗状態(LRSまたはオン状態)に自由にプログラムされることを可能にする。殆どの場合、電流は、HRSにおいてデバイスを通して均一に流動し、LRSにおいて導電性フィラメント(CF)として公知の高コンダクタンスを伴う局所領域に制限される。RRAM(登録商標)の単純な構造は、4Fの小さいサイズを伴う受動的クロスバーアレイにおける容易な統合を可能にする(Fは、最小フィーチャサイズ)。サイズは、垂直に積層された3次元(3−D)アーキテクチャ内で4F/nまでさらに縮小されることができる(nは、クロスバーアレイの積層数である)。
【0004】
しかしながら、RRAM(登録商標)は、それら自身の限定を有する。例えば、現在のRRAM(登録商標)は、典型的には、電極間に配置されるスイッチング媒体として非晶質物を使用する。スイッチング事象中、導電性フィラメントが、非晶質物内のいずれかの場所に形成され得る。その結果、導電性フィラメントを正確に配置すること、または閉じ込めることは、困難であり得る。加えて、RRAM(登録商標)における導電性フィラメントのランダム形成は、異なるセル間の性能の均一性も低減させ得る(および分散を増加させ得る)。RRAM(登録商標)セルの増加した個々の変動は、次に、広範囲の用途を限定し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、電気スイッチングのための装置、システム、および方法を含む。一例では、電気スイッチングのための装置が、第1の側と、第1の側と対向する第2の側とを有する結晶層を含む。結晶層は、第1の側から第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する。装置は、結晶層の第1の側上に配置される第1の電極と、結晶層の第2の側上に配置される第2の電極とも含む。第1の電極は、結晶層において1%未満の第1の固溶性を有し、第2の電極は、結晶層において1%未満の第2の固溶性を有する。第1の電極は、第1の電極および第2の電極を横切って印加される第1の電圧に応答して、少なくとも1つのチャネルに沿って移動する少なくとも1つの金属イオンを提供するための活性材料を含む。
【0006】
別の例では、電気スイッチングのデバイスを作動させる方法が、開示される。デバイスは、結晶層の第1の側から結晶層の第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する結晶層と、活性材料を含み、第1の側上に配置されている第1の電極と、第2の側上に配置されている第2の電極とを含む。方法は、第1の電極と第2の電極との間に、第1の符号を有する第1の電圧を印加することを含む。第1の電圧は、複数の金属イオンに、少なくとも1つのチャネルに沿って第1の電極と第2の電極との間に延びている導電性フィラメントを形成させる。
【0007】
なお別の例では、電気スイッチングデバイスが、結晶性SiGeを備えているスイッチング媒体を含み、スイッチング媒体は、第1の側と、第2の側とを有する。スイッチング媒体は、約10nm〜約100nmの厚さおよび第1の側から第2の側まで延びている少なくとも1つの線欠陥を有する。少なくとも1つの線欠陥は、約0.1nm〜約5nmの幅を有する。電気スイッチングデバイスはまた、活性材料を含み、スイッチング媒体の第1の側上に配置されている第1の電極を含む。第1の電極は、スイッチング媒体において1%未満の第1の固溶性を有する。電気スイッチングデバイスは、第2の電極も含み、第2の電極は、結晶層の第2の側上に配置されている。第2の電極は、結晶層において1%未満の第2の固溶性を有する。第1の電極からの複数の金属イオンが、第1の電極と第2の電極との間に印加される第1の電圧に応答して、少なくとも1つの線欠陥に沿って移動し、少なくとも1つの線欠陥内に導電性フィラメントを形成するように構成されている。複数の金属イオンは、第1の電極と第2の電極との間に印加される第2の電圧に応答して、第1の電極に戻るように後退するように構成され、第2の電圧は、第1の電圧の第1の極性と反対の第2の極性を有する。
【0008】
なお別の例では、電気スイッチングデバイスを製作する方法が、導電性基板上に結晶層を形成することを含む。結晶層は、導電性基板上の第1の側と、第1の側と対向する第2の側とを有する。結晶層は、第1の側から第2の側まで延びている少なくとも1つのチャネルを有する。方法は、結晶層の第2の側上に活性材料を備えている電極を形成することも含む。電極は、結晶層において1%未満の第1の固溶性を有する。
【0009】
下記でより詳細に議論される前述の概念および追加の概念の全ての組み合わせ(そのような概念は、互いに矛盾しないことを前提とする)は、本明細書に開示される本発明の主題の一部と見なされることを理解されたい。特に、本開示の最後に見られる請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部と見なされる。参照することによって組み込まれる任意の開示にも見られ得る本明細書で明示的に採用される専門用語が、本明細書に開示される特定の概念と最も一貫した意味が与えられるべきであることも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
当業者は、図面が、主として、例証を目的とし、本明細書に説明される本発明の主題の範囲を限定するように意図されないことを理解するであろう。図面は、必ずしも、縮尺通りではなく、いくつかの事例では、本明細書に開示される本発明の主題の種々の側面は、異なる特徴の理解を促進するために、図面において誇張または拡大されて示され得る。図面では、同様の参照文字は、概して、同様の特徴(例えば、機能的類似および/または構造的類似要素)を指す。
【0011】
【図1】図1Aおよび1Bは、導電性フィラメントの誘導および形成のために線欠陥を使用する、それぞれ、オンおよびオフ状態における電気スイッチ装置の概略図を示す。
【0012】
【図2】図2は、スイッチング媒体の導電率を制御するために抵抗層を含む電気スイッチ装置の概略図を示す。
【0013】
【図3】図3は、バルク漏洩電流を減少させるために遮断層を含む電気スイッチ装置の概略図を示す。
【0014】
【図4-1】図4A−4Eは、線欠陥を含む電気スイッチ装置を製作する方法を図示する。
【図4-2】図4A−4Eは、線欠陥を含む電気スイッチ装置を製作する方法を図示する。
【0015】
【図5-1】図5A−5Gは、線欠陥を含む電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図5-2】図5A−5Gは、線欠陥を含む電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図5-3】図5A−5Gは、線欠陥を含む電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【0016】
【図6-1】図6A−6Gは、アレイにおける各電気スイッチ装置のための個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図6-2】図6A−6Gは、アレイにおける各電気スイッチ装置のための個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図6-3】図6A−6Gは、アレイにおける各電気スイッチ装置のための個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【0017】
【図7-1】図7A−7Gは、コンパクトな個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図7-2】図7A−7Gは、コンパクトな個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【図7-3】図7A−7Gは、コンパクトな個々の活性電極を伴う電気スイッチ装置のアレイを製作する方法を図示する。
【0018】
【図8】図8Aおよび8Bは、金属補助エッチングを介してスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【0019】
【図9】図9は、電気化学エッチングを介してスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【0020】
【図10-1】図10A−10Fは、補助的結晶金属層を使用することを介してスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【図10-2】図10A−10Fは、補助的結晶金属層を使用することを介してスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【図10-3】図10A−10Fは、補助的結晶金属層を使用することを介してスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【0021】
【図11-1】図11A−11Dは、結晶層を直接包囲する活性材料を伴うスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【図11-2】図11A−11Dは、結晶層を直接包囲する活性材料を伴うスイッチング媒体を製作する方法を図示する。
【0022】
【図12A】図12Aは、図1に示されるようなスイッチングデバイスにおける単一のスイッチング動作の電流−電圧プロットである。
【0023】
【図12B】図12Bは、図1のスイッチングデバイスの動作の複数のサイクルの電流−電圧プロットを示す。
【0024】
【図12C】図12Cは、デバイス間均一性を実証するための複数のスイッチングデバイスにおける設定電圧の分布を示す。
【0025】
【図12D】図12Dは、4.5時間を上回る連続動作にわたるオンおよびオフ状態における図1に示されるスイッチングデバイスの電流を示すプロットである。
【0026】
【図12E】図12Eは、図1に示されるスイッチングデバイスの電流コンプライアンスの関数としてのコンダクタンスを示す。
【0027】
【図12F】図12Fは、図1に示されるスイッチングデバイスのパルス数の関数としてのコンダクタンスを示すプロットである。
【0028】
【図13】図13A−13Cは、線欠陥のサイズに対する制御を実証する異なる量の選択的エッチング後の結晶層の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0029】
【図14】図14は、異なる選択的エッチング時間を用いて作製された結晶層を使用するスイッチングデバイスの電流−電圧プロットを示す。
【0030】
【図15】図15Aおよび15Bは、異なるパーセンテージのゲルマニウムを有する結晶性SiGeフィルムのSEM画像である。
【0031】
【図16】図16は、ニューロモルフィックコンピューティングにおけるスイッチングセルを図示する。
【0032】
【図17】図17は、ニューロモルフィックコンピューティングのためのスイッチングセルの大規模アレイの概略図を示す。
【0033】
【図18】図18は、動作の複数のサイクル後の図17に示されるスイッチングセルのコンダクタンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
閉じ込められた導電性フィラメントを伴う電気スイッチング
【0035】
RRAM(登録商標)における導電性フィラメントのランダム形成から生じる問題に対処するために、本明細書に説明される装置、システム、および方法は、導電性フィラメントを形成するために、別の面では望ましくない結晶材料における線欠陥(転位とも称される)を用いる。このアプローチに基づいて、スイッチングセル(スイッチング要素、スイッチングデバイス、またはスイッチとも称される)が、活性電極と別の電極との間に配置される結晶層を含む。結晶層は、結晶層の一方の表面から他方の表面に延びている少なくとも1つの線欠陥を有する。2つの電極を横切って電圧を印加することは、金属イオンに線欠陥に沿って活性電極から他方の電極に移動させ、それによって、線欠陥内に導電性フィラメントを形成させる。
【0036】
導電性フィラメントの成長は、スイッチングセルの全体的抵抗を変調し、それによって、スイッチングセルのスイッチングステータスを制御する。概して、導電性フィラメントの形成は、スイッチングセルをオン状態にする。異なる符号の別の電圧の印加時、イオンは、活性電極に戻るように移動し、それによって、スイッチングセルをオフ状態にする。転位を導電性フィラメントのためのチャネルとして使用することは、導電性フィラメントの場所およびサイズを精密に制御することができる。明確に定義された導電性フィラメントは、次に、デバイス間均一性を改良することができる。加えて、各デバイスの性能の均一性も、改良されることができる。
【0037】
図1Aおよび1Bは、それぞれ、オンおよびオフ状態における電気スイッチングのための装置100の概略図を示す。装置100は、第1の側111(第1の表面111とも称される)と、第2の側113(第2の表面113とも称される)とを有する結晶層110(スイッチング媒体とも称される)を含む。活性電極120が、結晶層110の第1の側111上に配置され、ベース電極130が、結晶層110の第2の側113上に配置される。結晶層110における活性電極120の固溶性は、活性電極120と結晶層110との間の化合物形成を低減させるために、1%未満の。同様に、結晶層120におけるベース電極130の固溶性も、1%未満の。結晶層110は、実質的に結晶層110の厚さを通して延びている、線欠陥115等のチャネル115を有する(図1B参照)。
【0038】
活性電極120は、活性材料から作製され、それは、印加された電圧に応答してイオンを提供し得る任意の材料として定義されることができる。言い換えると、2つの電極120および130を横切って電圧を印加することは、イオンに線欠陥115に沿って活性電極120から移動させ、線欠陥115内に導電性フィラメント118を形成させる(図1A参照)。図1Aに図示されるように、導電性フィラメントの形成は、結晶層110の抵抗率を減少させ、それによって、装置100がオン状態であるようにする(すなわち、スイッチをオンにする)ことができる。
【0039】
2つの電極120および130間に印加される電圧の除去時、導電性フィラメントは、通常、線欠陥115内に留まる。したがって、スイッチ装置100から作製されるメモリは、非揮発性であり得る。これは、メモリの電力供給を除去すると、各スイッチセルのスイッチング状態(例えば、オンまたはオフ)の形態における記憶された情報(例えば、0または1)が、メモリ内に留まるからである。言い換えると、メモリは、停電時、メモリ内に記憶されたデータを消去しない。
【0040】
装置100は、反対の極性(反対の符号とも称される)を有する別の電圧を印加することによって、オフに切り替えられることができる。反対の極性の電圧に応答して、導電性フィラメントを形成する金属イオンは、活性電極120に戻るように後退し、それによって、図1Bに示されるように、実質的に空の線欠陥115を残す。導電性フィラメントのこの溶解は、結晶層110の抵抗率を増加させ、それによって、装置100がオフ状態であるようにする。
【0041】
種々の材料が、結晶層110を形成するために使用されることができる。一例では、結晶層110は、絶縁体を含む。別の例では、結晶層110は、とりわけ、単結晶シリコンおよび単結晶ゲルマニウム等のIV族半導体を含む。なお別の例では、結晶層110は、とりわけ、窒化ホウ素(BN)、窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、または砒化インジウム(InAs)等のII−V族半導体(III族窒化物半導体を含む)を含む。なお別の例では、結晶層110は、とりわけ、セレン化カドミウム(CdSe)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化亜鉛(ZnS)、または硫化亜鉛等のII−VI族半導体を含む。
【0042】
結晶層110の厚さは、約2nm〜約1μm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、または約1μm)であり得る。結晶層110の厚さはまた、結果として生じるスイッチの所望の性能に応じて、2nmを下回ることも、1μmを上回ることもある。例えば、結晶層110の厚さを減少させることは、金属イオンがベース電極130に到達するために活性電極120から移動する距離を減少させ、それによって、スイッチング速度を増加させることができる。一方、結晶層110の厚さを増加させることは、例えば、放電に起因する線欠陥115の外側の場所における導電性フィラメント形成の確率を減少させることができる。これは、次に、結果として生じるスイッチの安定性を改良することができる。
【0043】
一例では、線欠陥115は、結晶層110を貫通する。言い換えると、線欠陥115は、結晶層110の第1の側111から、結晶層110の第2の側112まで延びている(すなわち、線欠陥115の長さは、結晶層110の厚さと実質的に同一である)。別の例では、線欠陥115は、実質的に結晶層110を通して延びている。別の言い方をすれば、線欠陥115の長さは、結晶層110の厚さを下回り得る。結晶層110の厚さに対する線欠陥115の長さの比率は、約50%〜約99%(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約97%、または約99%)であり得る。
【0044】
線欠陥115の横寸法(直径または幅等の側方サイズとも称される)は、約0.1nm〜約30nm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約0.1nm、約0.2nm、約0.5nm、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約10nm、約20nm、または約30nm)であり得る。線欠陥115の断面は、例えば、丸形、正方形、多角形、または任意の他の適切な形状であり得る。
【0045】
図1に示される装置100は、1つのみの線欠陥115を含む。実践では、装置100は、複数の線欠陥115を含むことができる。装置100から作製されるメモリは、通常、装置100のアレイを含む。各装置100は、少なくとも1つの線欠陥を含み、メモリ内の線欠陥の集合も、アレイを形成することができる。いずれの場合も、線欠陥の密度は、μmあたり約10本の線欠陥〜μmあたり約10本の線欠陥(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、10μm−2、10μm−2、10μm−2、10μm−2、または約10μm−2)であり得る。
【0046】
概して、活性電極120が結晶層110と化合物を形成する確率を低減させるように、結晶層110における活性電極120の固溶性が1%(原子百分率)を下回ることが、有益であり得る。一例では、結晶層110における活性電極120の固溶性は、室温において1%を下回る。別の例では、結晶層110における活性電極120の固溶性は、高温において(例えば、約400K、約500K、約750K、約1,000Kにおいて、またはそれを上回って)1%を下回る。なお別の例では、結晶層110における活性電極120の固溶性は、室温において0.1%を下回る(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、0.1%を下回る、0.05%を下回る、0.02%を下回る、または0.01%を下回る)。なお別の例では、結晶層110における活性電極120の固溶性は、高温において(例えば、約400K、約500K、約750K、約1,000Kにおいて、またはそれを上回って)0.1%を下回る。
【0047】
活性電極120における活性材料は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、または当分野で公知の任意の他の活性材料等の金属を含むことができる。
【0048】
活性電極120の厚さは、約5nm〜約10μm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む約5nm、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、または約5μm)であり得る。
【0049】
一例では、装置100におけるベース電極130は、受動電極であり得、その場合、ベース電極130は、結晶層110内にフィラメントを形成するために、導電性イオン(または他の荷電粒子)を提供しない。別の例では、ベース電極130も、活性電極であり得る。ベース電極130の材料は、広範囲の材料から選択されることができる。一例では、ベース電極130は、金、白金銅、タンタル、スズ、タングステン、チタン、タングステン、コバルト、クロム、銀、ニッケル、もしくはアルミニウム、またはこれらの導電性材料のいずれかの二元もしくは三元系等の金属材料を含む。別の例では、ベース電極は、とりわけ、TiN、TiB、MoSi、n−BaTiO、(Fe,Ti)、ReO、RuO、およびIrO等の導電性金属酸化物を含む。なお別の例では、ベース電極130は、グラフェン等の炭素系導電性材料を含むことができる。
【0050】
結晶層110におけるベース電極130の固溶性は、1%を下回り得る(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、1%を下回る、0.5%を下回る、0.2%を下回る、0.1%を下回る、0.05%を下回る、または0.01%を下回る)。この低可溶性は、室温において、または高温において(例えば、約400K、約500K、約750K、約1,000Kにおいて、またはそれを上回って)であり得る。
【0051】
一例では、結晶層110における活性電極120の固溶性(第1の固溶性と称される)は、結晶層110におけるベース電極130の固溶性(第2の固溶性と称される)と同一であり得る。別の例では、第1の固溶性は、第2の固溶性とは異なり得る。
【0052】
ベース電極130の厚さは、約5nm〜約10μm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約5nm、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、または約5μm)であり得る。一例では、2つの電極120および130は、同一の厚さを有することができる。別の例では、2つの電極120および130は、異なる厚さを有することができる。
【0053】
抵抗層を伴う電気スイッチング
【0054】
図2は、装置200の抵抗率を制御するための抵抗層240を含む装置200の概略図を示す。装置200は、活性電極220と抵抗層240との間に配置される結晶層210を含む。ベース電極230が、抵抗層240上に配置される。結晶層210は、実質的に結晶層210の厚さを通して延びている線欠陥215を有する。対照的に、抵抗層240は、線欠陥を有していない。その結果、線欠陥215内に形成される導電性フィラメント218は、抵抗層240において、またはその前で停止することとなる。装置200は、そのオン状態において図1の装置100よりも高い抵抗率を有する。
【0055】
抵抗層240は、真性半導体(例えば、真性シリコン)から作製されることができ、ベース電極230は、ドープされた半導体(例えば、pシリコン)から作製されることができる。この構成では、抵抗層240は、2つの電極220および230間の放電を低減させることによって、装置200のバルク漏洩電流を低減させる。
【0056】
抵抗層240の厚さは、約1nm〜約5nm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、または約5nm)であり得る。
【0057】
遮断層を伴う電気スイッチング
【0058】
図3は、装置300のバルク漏洩電流を低減させるために遮断層350を含む、装置300の概略図を示す。装置300は、遮断層350と基層330との間に配置される結晶層310を含む。活性電極320が、遮断層350上に配置される。結晶層310は、実質的に結晶層310の厚さを通して延びている線欠陥315を有する。遮断層350は、線欠陥315と整列させられた開口部355(線欠陥でもあり得る)も有し、したがって、連続的導電性フィラメント318が、2つの電極320および330間に形成されることができる。遮断層350は、線欠陥315の外側の場所における2つの電極320および330間の放電の可能性を低減させ、それによって、装置300のバルク漏洩電流を低減させることができる。
【0059】
一例では、遮断層350および結晶層310は、p−n接合を形成することができる。例えば、遮断層350は、p型ドーパントを用いてドープされることができ、結晶層310は、n型ドーパントを用いてドープされることができる。別の例では、遮断層350は、n型ドーパントを用いてドープされることができ、結晶層310は、p型ドーパントを用いてドープされることができる。p−n接合は、装置300のバルク漏洩電流をさらに低減させることができる。
【0060】
遮断層350の厚さは、約1nm〜約5nm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、または約5nm)であり得る。
【0061】
一例では、装置300は、1つのみの遮断層350を含むことができる。別の例では、装置300は、複数の遮断層350を含むことができる。例えば、装置300は、ドープされた遮断層および真性遮断層を含む2つの遮断層350を含み得、したがって、それらは、結晶層310とともにPIN接合を形成することができる。なお別の例では、結晶層310は、2つの遮断層350間に挟まれることができる(一方が結晶層310の上部上にあり、他方がその底部上にある)。
【0062】
装置300は、図2に示され、上で説明される抵抗層240と実質的に同じである抵抗層(図3に図示せず)も含むことができる。
【0063】
他のタイプのチャネルを伴う電気スイッチング
【0064】
それぞれ、図1−3に示され、上で説明される装置100、200、および300では、導電性フィラメントの閉じ込めは、結晶層内の線欠陥(すなわち、115、215、および315)に沿ったイオン移動によって達成される。代替として、導電性フィラメントの精密な閉じ込めは、スイッチング媒体内の他のチャネルを使用して達成されることもできる。
【0065】
一例では、結晶層(すなわち、図1−3に示される110、210、および310)は、多孔性シリコン層によって置換されることができる。多孔性シリコン層における細孔が、活性電極(すなわち、120、220、および320)からの金属イオンが1つ以上の導電性フィラメントを形成するためのチャネルとして使用されることができる。
【0066】
別の例では、金ナノ粒子触媒エッチングが、シリコン等の材料内にチャネルを作成するために使用されることができる(下記に説明される)。作成されたチャネルは、次いで、活性電極(すなわち、120、220、および320)からのイオンが導電性フィラメントを形成するための経路を提供することができる。
【0067】
なお別の例では、結晶層(すなわち、図1−3に示される110、210、および310)は、陽極処理アルミニウムから作製された層によって置換されることができる。当分野で理解されるように、陽極処理アルミニウムは、多孔性であり、それによって、導電性フィラメントを形成するためのイオン移動チャネルを提供することができる。
【0068】
線欠陥に基づいてスイッチングデバイスを製作する方法
【0069】
図4A−4Eは、導電性フィラメントを生成するために線欠陥を使用する、スイッチングデバイスを製作する方法400を図示する。図4に示されるように、方法400は、基板410を調製することを含み、それは、上で説明されるようなベース電極130において使用され得る導電性材料(例えば、金属、導電性金属酸化物、炭素系材料等)から作製されることができる。基板410は、格子構造を伴うエピタキシャル層であり得る。
【0070】
図4Bは、結晶層420(スイッチング媒体とも称される)が基板410上でエピタキシャル成長させられることを示す。結晶層420も、基板410の格子構造とは異なる格子構造を有し、それによって、結晶層420内に1つ以上の線欠陥425を作成する。線欠陥425の密度は、結晶層420と基板410との間の格子不整合を変化させることによって調節されることができる。概して、より大きい格子不整合は、より高い密度の線欠陥425をもたらすことができる。
【0071】
転位開放の随意のステップも、SchimmelエッチングまたはSeccoエッチング等の選択的エッチング技法を介して実施されることができる。SiおよびGeでは、SchimmelエッチングおよびSeccoエッチングが、バルク材料にわたって線欠陥を優先的にエッチングすることができる。選択エッチングは、上方に配置される活性電極から金属イオンを受け取ることによって導電性フィラメントの形成を促進するように、線欠陥425が結晶層420の上面に開口部を有することを確実にすることができる(例えば、図4Eおよび下記の説明参照)。選択的エッチングは、線欠陥425の横寸法を制御することもできる(例えば、線欠陥425の開口部を拡大する)。概して、エッチング時間を増加させることは、線欠陥425の横寸法を増加させる。
【0072】
抵抗層を形成する別の随意のステップ(図4Bに図示せず)も、結晶層420が成長させられる前に実施されることができる。抵抗層は、図2に示され、上で説明される抵抗層240と実質的に同じであり得る。
【0073】
図4Cは、絶縁層430が結晶層420上に配置されることを示す。一例では、絶縁層430は、化学的堆積を介して配置されることができる。別の例では、絶縁層430は、物理的堆積を介して配置されることができる。なお別の例では、絶縁層430は、エピタキシャル成長を介してスイッチング媒体上に配置されることができる。なお別の例では、絶縁層430は、電着を介して配置されることができる。なお別の例では、絶縁層430は、熱酸化を介して配置されることができる。
【0074】
絶縁層430は、誘電材料、多結晶材料、およびポリマー等の種々のタイプの材料を含むことができる。例えば、絶縁層430は、SiOを含むことができる。別の例では、絶縁層430は、Alを含むことができる。なお別の例では、絶縁層430は、HfOを含むことができる。なお別の例では、絶縁層430は、ポリシリコンを含むことができる。なお別の例では、絶縁層430は、磁気類を含むことができる。なお別の例では、絶縁層430は、エチレンプロピレンゴム(EPM)を含むことができる。なお別の例では、絶縁層430は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含むことができる。
【0075】
図4Dでは、開口部425(空洞425とも称される)が、絶縁層420内に作成される。一例では、開口部425は、湿式エッチングを介して作成されることができる。別の例では、開口部425は、乾式エッチングを介して作成されることができる。開口部425は、活性電極を形成する等のさらなる処理のために、少なくとも1つの線欠陥425を露出する。
【0076】
図4Eでは、活性材料が、開口部425の中に堆積され、活性電極440を形成する。活性材料は、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、または当分野で公知の任意の他の活性材料を含むことができる。
【0077】
遮断層を形成する随意のステップが、活性電極440が形成される前に実施されることができる。遮断層は、結晶層420上に堆積されることができる。活性材料が、次いで、遮断層上に堆積される。遮断層は、図3に示され、上で説明される遮断層350と実質的に同じであり得る。
【0078】
スイッチングデバイスのアレイを製作する方法
【0079】
図5A−5Gは、例えば、スイッチングデバイスの大量生産を可能にするようにスイッチングデバイスのアレイを製作する方法500を図示する。図5Aに示されるように、基板510が、調製される。基板510は、真性または非導電性エピタキシャル材料を含み、製作の後続ステップのためのプラットフォームとして機能することができる。
【0080】
図5Bは、導電性層520が基板510上でエピタキシャル成長させられることを示す。導電性層520(または導電性層520の少なくとも一部)は、結果として生じる電気スイッチにおけるベース電極(例えば、ベース電極130)として機能することができる。
【0081】
図5Cは、結晶層530が導電性層520上でエピタキシャル成長させられることを示す。結晶層530および導電性層520は、結晶層530が線欠陥535を有するように、格子不整合を有する。不整合の量は、線欠陥535の密度を変化させるように調節されることができる。加えて、エッチングステップが、線欠陥535の開口部を作成するために、および/または線欠陥535の側方サイズを変化させるために実行されることができる。
【0082】
図5Dでは、導電性層520および結晶層530のアセンブリが、分離されたアイランドにエッチングされ(1つのアイランドが図5Dに示される)、それらの各々が、個々のスイッチングセルに製作されることができる。このように、方法500は、複数のスイッチングデバイスを同時に生産し、それによって、大量生産または少なくともバッチ製作を可能にすることができる。図5Dに示されるエッチングステップは、例えば、当分野で公知であるような乾式エッチングまたは湿式エッチングであり得る。
【0083】
図5Eは、絶縁層540が導電性層520および結晶層530のアセンブリ上およびその周囲に配置されることを示す。言い換えると、絶縁層530は、導電性層520および結晶層530を包囲する。絶縁層530は、原子層堆積(ALD)、化学蒸着、または当分野で公知の任意の他の共形コーティング方法等の共形コーティングもしくは堆積技法を介して配置されることができる。
【0084】
図5Fは、開口部545が絶縁層540内に作成され、さらなる処理のために少なくとも1つの線欠陥535を露出することを示す。開口部545は、乾式エッチングまたは湿式エッチングを介して作成されることができる。活性材料が、次いで、図5Gに示されるように、活性電極550を形成するように、開口部545の中に配置される。随意に、キャッピング層560が、活性電極550上に配置されることができる。実践では、キャッピング層560は、Ag等の活性材料の望ましくない拡散を遮断することができる。
【0085】
図5Gに示されるような活性電極550は、絶縁層540内の開口部545を充填するだけではなく、絶縁層540の有意な部分の上部も被覆する。この場合、バッチ製作されるスイッチングデバイスは、共通の活性電極540を共有することができる。代替として、活性電極550は、真下の結晶層530にのみ電気的に接続され、隣接する結晶層に電気的に接続されない個々の活性電極550であり得る(例えば、下記の図6G参照)。
【0086】
図6A−6Gは、スイッチングデバイスのアレイを製作する方法600を図示し、アレイにおける各個々のスイッチデバイスは、個々の活性電極を有する。図6A−6Fに図示されるような方法600の第1のステップは、図5A−5Fに図示される方法500の第1のステップと実質的に類似する。方法600では、基板610が、調製され(図6A)、導電性層620が、基板610上に配置される(図6B)。結晶層630が、導電性層620上でエピタキシャル成長させられる(図6C)。結晶層630と導電性層620との間の格子不整合は、結晶層630内に線欠陥635を作成し、かつ線欠陥635の密度を制御する。図6Dでは、導電性層620および結晶層630は、乾式エッチングまたは湿式エッチングを介して個々のアセンブリにセグメント化される。導電性層620および結晶層630の各個々のアセンブリは、図6Eに示されるように、絶縁層640によって包囲される。開口部645が、図6Fに示されるように、導電性層620および結晶層630の個々のアセンブリ毎に作成される。
【0087】
図6Gは、活性材料が開口部645内に配置され、活性電極650を形成することを示す。図5Gに示される活性電極550と対照的に、活性電極650は、開口部645の近傍にのみ延びている。この場合、各結晶層630は、基板610上の他のスイッチングデバイスと共通の活性電極を共有する代わりに、個々の活性電極650を有することができる。随意のキャッピング層660も、活性電極650および絶縁層640上に配置されることができる。
【0088】
図7A−7Gは、スイッチングデバイスのアレイを製作する方法700を図示する。アレイにおける各スイッチングデバイスは、スイッチング媒体のみを被覆する個々の活性電極を有する。図7A−7Fに図示されるような方法700の第1のステップは、図5A−5Fに図示される方法500の第1のステップと実質的に類似する。方法700では、基板710が、調製され(図7A)、導電性層720が、基板610上に配置される(図7B)。結晶層730が、導電性層720上でエピタキシャル成長させられる(図7C)。結晶層730と導電性層720との間の格子不整合は、結晶層730内に線欠陥735を作成し、かつ線欠陥735の密度を制御する。図7Dでは、導電性層720および結晶層730のアセンブリは、乾式エッチングまたは湿式エッチングを介して個々のアセンブリにセグメント化される。導電性層720および結晶層730の各個々のアセンブリは、図7Eに示されるように、絶縁層740によって包囲される。
【0089】
図7Fは、開口部745が導電性層720および結晶層730の各個々のアセンブリのために作成されることを示す。活性材料が、開口部745内に配置され、活性電極750を形成し、それは、結晶層730から垂直に延び、絶縁層740の上面を被覆しない。図6Gの活性電極650と比較して、活性電極750は、よりコンパクトであり得、活性材料の量を削減することによって、結果として生じるデバイスのコストを削減し得る。図7Gでは、キャッピング層760が、活性電極750および絶縁層740上に配置される。キャッピング層760は、異なる個々のスイッチングデバイス内の個々の活性電極750を電気的にともに結合するように、導電性であり得る。
【0090】
他のチャネルに基づいてスイッチングデバイスを製作する方法
【0091】
上で説明されるように、材料内の他のチャネルも、導電性フィラメントの形成および閉じ込めを促進するために使用されることができる。図8A−8Bは、金属補助エッチングを使用して、スイッチング媒体内にチャネルを作成する方法800を図示する。図8Aでは、金属ナノ粒子820が、エピタキシャル層であり得る基板810上に配置される。一例では、金属ナノ粒子820は、金ナノ粒子を含む。別の例では、金属ナノ粒子820は、銀ナノ粒子を含む。なお別の例では、金属ナノ粒子820は、銅ナノ粒子を含む。金属ナノ粒子820のサイズは、約1nm〜約5nm(例えば、その間の任意の値および部分的範囲を含む、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、または約5nm)であり得る。
【0092】
金属ナノ粒子820は、スピンコーティング技法を介して基板810上に配置されることができる。随意に、金属ナノ粒子820は、末端チオール化ポリスチレン(例えば、各金属ナノ粒子を包囲するポリマーシェルを形成する)を用いて被覆されることができる。ポリマーシェルは、自己組立を介して、金属ナノ粒子820の高秩序のアレイの形成を促進することができる。
【0093】
図8Bは、複数のチャネル815を形成するように、エッチングプロセスが金属ナノ粒子820の真下の基板810の部分をエッチングするように実行されることを示す。これらのチャネル815は、導電性フィラメントの形成および閉じ込めを可能にする。故に、チャネル815を含む基板810は、スイッチング媒体として使用されることができる。エッチングは、当分野で公知であるようなフッ化水素(HF)およびHの混合物を使用することができる。追加のステップが、ナノ粒子820を包囲する可能なポリマーシェルを除去するために実施されることができる。一例では、ポリマーシェルは、プラズマ処理によって除去されることができる。別の例では、ポリマーシェルは、炎焼なましによって除去されることができる。
【0094】
方法800は、チャネル815の形成後に金属ナノ粒子820を除去する随意のステップをさらに含むことができる。除去は、例えば、ヨウ素およびヨウ化カリウムの水性溶液における室温エッチングによって達成されることができる。
【0095】
図9は、多孔性シリコンを製作するためのシステム900を図示し、それも、上で説明されるようなスイッチング媒体として使用され得る。システム900は、HF−エタノールまたはHF−H等の電解質920を保持するための容器930を含む。真性シリコン領域912およびp型シリコン領域914を含むシリコンサンプル910が、少なくとも部分的に、電解質920中に浸漬される。2つの電極940aおよび940bが、容器930の2つの側に配置され、電解質920と直接接触する。電流源950が、シリコンサンプルの電気化学的陽極酸化を実施するように、2つの電極940aおよび940bに電気的に結合される。電解質を通して流動する電流の印加時、細孔が、pシリコン領域914において作成されることができ、それは、次いで、細孔内に導電性フィラメントを作成し、閉じ込めるためのスイッチング媒体として使用されることができる。
【0096】
補助的金属層を使用してスイッチングデバイスを製作する方法
【0097】
図10A−10Fは、補助的金属層を使用してスイッチングデバイスを製作する方法1000を図示する。図10Aは、絶縁体であり得る基板1010上に配置される導電性結晶層1020を示す。図10Bは、導電性結晶層1020が、例えば、スイッチング媒体のその後の成長のためのエリアを画定するようにパターン化されることを示す。図10Cは、結晶層1030がエッチングされた導電性結晶層1020上にコンフォーマルに堆積されることを示す。結晶層1030は、少なくとも1つの線欠陥1035を含む。図10Dでは、絶縁層1040が、結晶層1030上に配置される。絶縁層1040は、例えば、上部電極から底部電極への直接電流を遮断することができる。図10Eでは、開口部1045が、湿式エッチングまたは乾式エッチングを介して絶縁層1040内に作成される。開口部1045は、次のステップを促進するように、少なくとも1つの線欠陥1035を露出する。図10Eでは、活性材料1050が、上部電極を画定するように、開口部1045の中に充填され、かつ絶縁層1040の上方に配置される。随意のキャッピング層1060が、次いで、活性材料1050上に配置される。
【0098】
図11A−11Dは、結晶層を包囲する活性材料を伴うスイッチングデバイスを製作する方法1100を図示する。図11Aは、絶縁体であり得る基板1110上に配置される導電性結晶層1120を示す。図11Bは、導電性結晶層1120が、例えば、スイッチング媒体のその後の成長のためのエリアを画定するようにパターン化されることを示す。図11Cは、結晶層1130がエッチングされた導電性結晶層1120上にコンフォーマルに堆積されることを示す。結晶層1130は、少なくとも1つの線欠陥1135を含む。図11Dでは、活性材料1140が、結晶層1130上に直接配置され、結晶層1130全体を包囲し、上部電極を画定する。随意のキャッピング層1150が、次いで、活性材料1140上に配置される。
【0099】
線欠陥を含むスイッチングデバイスの特性評価
【0100】
図12Aは、図1に示されるようなスイッチングデバイスの代表的電流−電圧プロットである。図12Aから分かり得るように、スイッチングデバイスは、約4ボルトにおける設定電圧を有する。電圧の除去時、電流は、高いままであり、スイッチングデバイスが非揮発性であることを実証する。逆の電圧を印加することは、次いで、スイッチングデバイスをオフ状態(高抵抗率)に戻すように設定することができる。図12Aは、スイッチングデバイスが10を上回るオン/オフ比を有することも示す。
【0101】
図12Bは、書き込みおよび消去の複数のサイクル後のスイッチングデバイスの電流−電圧プロットを示す。平均設定電圧μは、約3.98Vであり、変動σは、約0.08Vである。スイッチングデバイスの均一性は、σ/μとして定義されることができ、それは、0.02と低い。
【0102】
図12Cは、デバイス間均一性を例証するための異なるスイッチングデバイス間の設定電圧の分布を示す。平均設定電圧μは、約4Vであり、変動σは、約0.12Vである。スイッチングデバイスの均一性は同様に、σ/μとして定義されることができ、それは、0.03と低い。対照的に、従来のスイッチングデバイスは、通常、約0.08またはそれを上回る均一性(σ/μ)を有する。
【0103】
図12Dは、4.5時間を上回る連続動作後のオンおよびオフ状態における電流を示すプロットである。オン電流およびオフ電流の両方が、顕著な低減を伴わずに安定した値を維持する。オン/オフ比も、試験期間全体にわたって10を上回るレベルに留まった。
【0104】
図12Eは、スイッチングデバイスのコンプライアンス電流の関数としてのコンダクタンスのプロットであり、電流コンプライアンスによる自己限定フィラメント成長からのマルチレベル記憶能力を実証する。図12Eは、異なる電流コンプライアンス値を使用した結果である。外部電流コンプライアンスは、フィラメントの導電率を調整し、マルチレベル電流レベルを提供することができる。マルチレベル電流は、次に、マルチレベル記憶能力を提供することができる。
【0105】
図12Fは、図1に示されるスイッチングデバイスのパルス数の関数としてのコンダクタンスを示すプロットである。デバイスのアナログスイッチング挙動は、シナプス機能の効果的実装を提供することができる。デバイスは、ニューロモルフィックコンピューティング用途のために好適な中間状態へのより容易なアクセスを伴う大きいダイナミックレンジも示す。図12は、100個のリセットパルスが続く100個のセットパルスのパルス列の結果であり、非摂動的リード電圧パルスが全てのセット/リセットパルス間に印加される。コンダクタンスは、リードパルス中に測定され、印加されたリードパルス数の関数としてプロットされる。図12Fは、マルチレベル記憶が可能な連続的コンダクタンス変化を示す。
【0106】
図13A−13Cは、異なる量の選択的エッチング後の結晶層の走査電子顕微鏡(SEM)画像であり、線欠陥のサイズに対する制御を実証する。エッチング時間が0秒(エッチングなし、図13A)から5秒(図13B)に増加し、次いで、10秒(図13C)に増加するにつれて、線欠陥の側方サイズ(直径)は、顕著に増加する。
【0107】
図14は、異なる量の選択的エッチング後の結晶層を使用するスイッチングデバイスの電流−電圧プロットを示す。言い換えると、図14は、結晶層内に異なるサイズの線欠陥を伴うスイッチングデバイスの電流−電圧プロットを示す。より長い期間の選択的エッチングが、負バイアス形態においてより少ない漏洩電流をもたらし得ることが分かり得る。これは、次に、スイッチング媒体におけるより少ない抜け道を意味する。
【0108】
図15A−15Bは、結晶層がエピタキシャル成長させられるシリコン基板に対して異なる格子不整合を有する結晶層のSEM画像である。図15Aは、10%ゲルマニウムを有するSiGe層を示し、図15Bは、30%ゲルマニウムを有するSiGe層を示す。SiGeフィルムにおけるゲルマニウムのより多い部分は、SiGeフィルムとシリコン基板との間のより大きい格子不整合を意味する。したがって、図15A−15Bは、SiGeフィルムにおけるより低いGeパーセンテージが、より小さい転位密度を生産し得ることを示す。
【0109】
電気スイッチングの用途
【0110】
本明細書に説明される電気スイッチングは、種々の用途を有することができる。例えば、電気スイッチングは、メモリとして使用されることができ、それは、次に、他のデバイスの中でもとりわけ、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびサムドライブにおいて普及している。
【0111】
別の例では、電気スイッチングは、バッテリ用途のために使用されることができる。導電性フィラメントは、それがリチウム等のイオン材料を貯蔵し得るので、固体バッテリとして使用されることができる。この場合、スイッチングは、イオン移動を介して起こる。バッテリ用途では、バッテリも、カソードとアノードとの間でイオンを交換することによって動作することができる。
【0112】
電気スイッチングは、ニューロモルフィックコンピューティング用途においても使用されることができる。通常、ニューロモルフィックコンピューティングは、長い記憶力、良好な耐久性、高オン/オフ電流比、および良好な均一性を有することが望ましく、それらは全て、本明細書に説明される電気スイッチングに存在する。
【0113】
図16は、ニューロモルフィックコンピューティングのためのスイッチングセル1600の概略図を図示する。スイッチングセル1600は、2つのナノワイヤ1620および1630間に配置されるスイッチング媒体1610を含む。2つのナノワイヤは、2つのニューロンをシミュレートすることができ、スイッチング媒体1610は、2つのニューロン間の経路をシミュレートすることができる。スイッチングセル1600のアナログスイッチング挙動は、シナプス機能を効果的に実装し、効率的なニューロモルフィックシステムを可能にすることができる。長い記憶力および耐久性(例えば、図12D参照)を伴う高オン/オフ電流比(例えば、図12Aおよび図12D参照)は、大規模アレイニューロモルフィックコンピューティングおよび活動電位タイミング依存性シナプス可塑性(STDP)等の基本シナプス学習規則の実証のためにも好適である。
【0114】
図17は、ニューロモルフィックコンピューティングのためのスイッチングセルの大規模アレイを含むシステム1700の概略図を示す。システム1700は、異なる高さにおいて配置される水平電極1710のアレイおよび垂直電極1720のアレイを含む。1つの水平電極1710および1つの垂直電極1720の各断面は、スイッチングセル1730を画定する。各スイッチングセル1730において、挿入画像に示されるように、スイッチング媒体1735が、1つの水平電極1710と1つの垂直電極1720との間に配置される。スイッチング媒体1735は、例えば、線欠陥を伴う結晶層(例えば、結晶層110)、多孔性シリコン層、人為的に作成されたチャネルを有する基板、または陽極処理アルミニウムを含むことができる。
【0115】
図18は、動作の複数のサイクル後のスイッチングセル1730のコンダクタンスを示す。コンダクタンス曲線は、10回を上回るパルス後に同一の形状を実質的に維持し、スイッチングセル1730の優れた耐久性およびニューロモルフィックコンピューティングにおけるその好適性を実証する。
【0116】
結論
【0117】
種々の発明的実施形態が、本明細書に説明および図示されたが、当業者は、本明細書に説明される機能を実施する、および/または結果ならびに/もしくは利点のうちの1つ以上のものを取得するための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例ならびに/もしくは修正の各々は、本明細書に説明される発明的実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、発明的教示が使用される1つもしくは複数の具体的用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、日常的にすぎない実験を使用して、本明細書に説明される具体的な発明的実施形態の多くの均等物を認識すること、または確認することが可能であるであろう。したがって、前述の実施形態は、例としてのみ提示され、添付される請求項およびその均等物の範囲内で、発明的実施形態が、具体的に説明および請求されるものとは別様に実践され得ることを理解されたい。本開示の発明的実施形態は、本明細書に説明される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が、互いに矛盾しない場合、2つもしくはそれを上回るそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の発明的範囲内に含まれる。
【0118】
上で説明される実施形態は、多数の方法のうちのいずれかで実装されることができる。例えば、本明細書に開示される技術を設計および作製する実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装され得る。ソフトウェアにおいて実装されるとき、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータにおいて提供されるか、または複数のコンピュータ間で分散されるかを問わず、任意の好適なプロセッサもしくはプロセッサの集合上で実行されることができる。
【0119】
さらに、コンピュータは、ラックマウント式コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータ等のいくつかの形態のうちのいずれかにおいて具現化され得る。加えて、コンピュータは、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、または任意の他の好適なポータブルもしくは固定電子デバイスを含む、概して、コンピュータと見なされないが、好適な処理能力を伴うデバイス内に埋設され得る。
【0120】
さらに、コンピュータは、1つ以上の入力および出力デバイスを有し得る。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用されることができる。ユーザインターフェースを提供するために使用され得る出力デバイスの例は、出力の視覚提示のためのプリンタまたはディスプレイスクリーンと、出力の可聴提示のためのスピーカまたは他の音声発生デバイスとを含む。ユーザインターフェースのために使用され得る入力デバイスの例は、キーボードと、マウス、タッチパッド、およびデジタル化タブレット等のポインティングデバイスとを含む。別の例として、コンピュータは、音声認識を通して、または他の可聴フォーマットにおいて入力情報を受信し得る。
【0121】
そのようなコンピュータは、企業ネットワーク等のローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク、およびインテリジェントネットワーク(IN)もしくはインターネットを含む、任意の好適な形態における1つ以上のネットワークによって相互接続され得る。そのようなネットワークは、任意の好適な技術に基づき得、任意の好適なプロトコルに従って動作し得、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバネットワークを含み得る。
【0122】
本明細書で概説される種々の方法またはプロセスは、種々のオペレーティングシステムもしくはプラットフォームのうちのいずれか1つを用いる1つ以上のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプトツールのうちのいずれかを使用して書き込まれ得、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能機械言語コードもしくは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0123】
この点で、種々の発明的概念が、1つ以上のコンピュータもしくは他のプロセッサ上で実行されると、上で議論される本発明の種々の実施形態を実装する方法を実施する1つ以上のプログラムを用いてエンコードされるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(または複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の非一過性媒体もしくは有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体または複数の媒体は、その上に記憶されたプログラムまたは複数のプログラムが、上で議論されるような本発明の種々の側面を実装するために1つ以上の異なるコンピュータもしくは他のプロセッサ上にロードされ得るように、トランスポート可能であり得る。
【0124】
用語「プログラム」または「ソフトウェア」用語は、上で議論されるような実施形態の種々の側面を実装するようにコンピュータもしくは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令の組を指すように、一般的な意味において本明細書で使用される。加えて、一側面によると、実行されると本発明の方法を実施する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータもしくはプロセッサ上に常駐する必要はないが、本発明の種々の側面を実装するように、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサ間でモジュール方式で分散され得ることを理解されたい。
【0125】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータもしくは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュール等の多くの形態であり得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施する、または特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、種々の実施形態では、所望に応じて組み合わせられるか、または分散され得る。
【0126】
データ構造も、任意の好適な形態においてコンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶され得る。例証を簡易化するために、データ構造は、データ構造内の場所を通して関連するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ読み取り可能な媒体内の場所を伴うフィールドのために記憶を割り当てることによって達成され得る。しかしながら、任意の好適な機構が、データ要素間の関係を確立するポインタ、タグ、または他の機構の使用を通してを含め、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立するために使用され得る。
【0127】
さらに、種々の発明的概念が、1つ以上の方法として具現化され得、その例が、提供されている。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な方法で順序付けられ得る。故に、行為が例証されるものと異なる順序で実施される実施形態が、構築され得、それは、例証的実施形態では連続的行為として示されても、いくつかの行為を同時に実施するステップを含み得る。
【0128】
本明細書で定義および使用されるような全ての定義は、辞書の定義、参照することによって組み込まれる文献の定義、および/または定義された用語の通常の意味よりも優先されることを理解されたい。
【0129】
本明細書および請求項で使用されるような不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味することを理解されたい。
【0130】
本明細書および請求項で使用されるような語句「および/または」は、そのように結合された要素、すなわち、いくつかの場合には結合的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素の「一方または両方」を意味するように理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙された複数の要素は、同一の方式で、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つ以上のもの」として解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外に、具体的に識別されるそれらの要素に関係するか、または無関係かを問わず、他の要素が、随意に存在し得る。したがって、非限定的例として、「Aおよび/またはB」の言及は、「〜を備えている」等の非限定的言語と併用されると、一実施形態では、Aのみ(随意に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(随意に、A以外の要素を含む)、また別の実施形態では、AおよびBの両方(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0131】
本明細書および請求項で使用されるように、「または」は、上で定義されるような「および/または」と同一の意味を有することを理解されたい。例えば、リスト内の項目を分離するとき、「または」もしくは「および/または」は、包括的である、すなわち、少なくとも1つの包含であるが、いくつかの要素または要素のリストのうちの1つを上回るもの、随意に、追加の列挙されていない項目を含むものとして解釈されるものとする。「〜のうちの1つのみ」もしくは「〜のうちの厳密に1つ」または請求項において使用されるとき、「〜から成る」等のそうでないことが明確に示される用語のみが、いくつかの要素または要素のリストの厳密に1つの要素の包含を指すであろう。概して、本明細書で使用されるような用語「または」は、「いずれか」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つのみ」、または「〜のうちの厳密に1つ」等の排他性の用語が先行するときに、排他的代替物(すなわち、「両方ではなく一方または他方」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「本質的に〜から成る」は、請求項で使用されるとき、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
【0132】
本明細書および請求項で使用されるように、1つ以上の要素のリストに関する語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト内の要素の1つ以上のものから選択される少なくとも1つの要素を意味するように理解されるべきであるが、必ずしも、要素のリスト内に具体的に列挙されるあらゆる要素のうちの少なくとも1つを含むわけではなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するわけではない。この定義は、具体的に識別されるそれらの要素に関係するか、または無関係かを問わず、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内の具体的に識別される要素以外の要素が随意に存在し得ることも可能にする。したがって、非限定的例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、もしくは同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、いずれのBも存在しない、随意に、1つを上回るものを含む少なくとも1つのA(および随意に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、いずれのAも存在しない、随意に、1つを上回るものを含む少なくとも1つのB(および随意に、A以外の要素を含む)、また別の実施形態では、随意に、1つを上回るものを含む少なくとも1つのA、および随意に、1つを上回るものを含む少なくとも1つのB(および随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0133】
請求項ならびに上記の本明細書では、「comprising(〜を備えている)」、「including(〜を含む)」、「carrying(〜をもつ)」、「having(〜を有する)」、「containing(〜を含む)」、「involving(〜を伴う)」、「holding(〜を保持する)」、「composed of(〜から構成される)」、および同等物等の全ての移行句は、非限定的である、すなわち、「限定ではないが、〜を含む」を意味するように理解されるべきである。米国特許商標庁の米国特許審査手続便覧の第2111.03節に記載されるように、移行句「consisting of(〜から成る)」および「consisting essentially of(本質的に〜から成る)」のみが、それぞれ、限定的または半限定的移行句であるものとする。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4-1】
【図4-2】
【図5-1】
【図5-2】
【図5-3】
【図6-1】
【図6-2】
【図6-3】
【図7-1】
【図7-2】
【図7-3】
【図8】
【図9】
【図10-1】
【図10-2】
【図10-3】
【図11-1】
【図11-2】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【国際調査報告】