(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019524123
(43)【公表日】20190905
(54)【発明の名称】核酸の増幅及び検出/定量の効率を改良するためのヘルパーオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/686 20180101AFI20190809BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20190809BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20190809BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   !C12Q1/686 Z
   !C12Q1/6876 ZZNA
   !C12M1/34 Z
   !G01N33/53 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】2019505388
(86)(22)【出願日】20170726
(85)【翻訳文提出日】20190201
(86)【国際出願番号】EP2017068839
(87)【国際公開番号】WO2018024562
(87)【国際公開日】20180208
(31)【優先権主張番号】62/370,049
(32)【優先日】20160802
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所】スイス・シーエイチ−4070バーゼル・グレンツアーヘルストラツセ124
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100164563
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 貴英
(72)【発明者】
【氏名】ロチャク メフタ
【住所又は居所】アメリカ合衆国,カリフォルニア 94555,フリーモント,ファルコン ドライブ 32820
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
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(57)【要約】
非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドを用いてサンプル中の標的核酸を検出及び定量する改良法を記載する。方法は、1つ以上のプライマー、1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び1つ以上のプローブを含む増幅試薬と、サンプル中の核酸とを接触させることを含む。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、1つ以上のプライマーの標的核酸接近を容易にし、増大させ、その結果、アンプリコン産生がより多く蓄積され、それにより、C型肝炎ウイルス(HCV)、例えば、HCV遺伝子型5の増幅アッセイを含む増幅アッセイの効率及び感度を増大させる。キット、製品、及び反応混合物も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の標的核酸を検出及び/又は定量するための方法であって:
(a)前記サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、ここで前記増幅試薬は、
少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
少なくとも、ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
前記アンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素
を含み;
(b)前記核酸を前記増幅試薬と、増幅反応が起こるために充分な期間及び条件下でインキュベートし;そして
(c)前記アンプリコンを前記少なくとも1つの検出可能なプローブ又は前記少なくとも1つのDNA結合色素で検出すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記標的核酸が微生物性核酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微生物性核酸が細菌性核酸又はウイルス性核酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウイルス性核酸が、ヒトパピローマウイルス(HPV)、西ナイル熱ウイルス(WNV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)の核酸である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ウイルス性核酸がHCVの核酸である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリ(A)配列が4〜12ヌクレオチド長である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
サンプル中のHCV核酸を検出及び/又は定量化する方法であって:
(a)前記サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、
少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
少なくともヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
前記アンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素
を含み、
(b)前記核酸を前記増幅試薬とともに、増幅反応が起こるために充分な期間及び条件下でインキュベートし、
(c)前記少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素で前記アンプリコンを検出すること
を含む、方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリ(A)配列が4〜12ヌクレオチド長である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び/もしくは3、又はその相補配列からなる群から選択される配列を含み;そして前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項13〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
増幅試薬を含むサンプルにおいて標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量化するためのキットであって、前記増幅試薬が:
(a)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
(b)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
(c)前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマーもしくは少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(d)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
(e)前記標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素
を含む、キット。
【請求項22】
前記標的核酸が微生物性核酸である、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記微生物性核酸が細菌性核酸又はウイルス性核酸である、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
前記ウイルス性核酸が、HPV、WNV、HIV、HAV、HBV、又はHCVの核酸である、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキット。
【請求項26】
前記ポリ(A)配列が4〜12ヌクレオチド長である、請求項21〜25のいずれか1項に記載のキット。
【請求項27】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載のキット。
【請求項28】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含む、請求項21〜27のいずれか1項に記載のキット。
【請求項29】
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む、請求項21〜28のいずれか1項に記載のキット。
【請求項30】
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項21〜29のいずれか1項に記載のキット。
【請求項31】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項21〜30のいずれか1項に記載のキット。
【請求項32】
増幅試薬を含むサンプル中の標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量するために有効な反応混合物であって:
(a)サンプル;
(b)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
(c)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
(d)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;
(e)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
(f)前記標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素
を含む、反応混合物。
【請求項33】
前記標的核酸が微生物性核酸である、請求項32に記載の反応混合物。
【請求項34】
前記微生物性核酸が細菌性核酸又はウイルス性核酸である、請求項33に記載の反応混合物。
【請求項35】
前記ウイルス性核酸が、HPV、WNV、HIV、HAV、HBV、又はHCVの核酸である、請求項34に記載の反応混合物。
【請求項36】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む、請求項32〜35のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項37】
前記ポリ(A)配列が4〜12ヌクレオチド長である、請求項32〜36のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項38】
前記ポリ(A)配列が約8ヌクレオチド長である、請求項32〜37のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項39】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項32〜38のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項40】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含む、請求項32〜39のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項41】
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む、請求項32〜40のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項42】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項32〜41のいずれか1項に記載の反応混合物。
【請求項43】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項32〜42のいずれか1項に記載の反応混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インビトロ診断法の分野に関する。この分野の中で、本発明は、サンプル(例えば、生体又は非生体サンプル)中に存在し得る標的核酸の検出のための改良法に関する。特に、本発明は、プライマーの活性を増強する非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドを活用する標的核酸の検出及び定量に関する。プライマーの活性を増強することによって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは増幅効率を改善し、その結果、アンプリコン産生はより大きく増大される。したがって、改善によって、さらに効率的でさらに高感度の検出及び定量方法が可能になる。本発明はさらに、サンプル中に存在し得る検出及び定量標的核酸用の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、プライマー、及びプローブを含む反応混合物及びキットを提供する。本発明は、例えば、サンプル中のウイルス性又は細菌性核酸の検出及び定量に有用である。
【背景技術】
【0002】
分子診断法の分野において、核酸の増幅及び検出/定量は非常に重大かつ重要なものである。核酸増幅及び検出のための診断適用の例は、微生物性核酸の検出及び増幅のためである。そのような微生物性核酸は、細菌性核酸及び/又はウイルス性核酸を含み得る。増幅及び検出/定量技術は、ヒトパピローマウイルス(HPV)もしくは西ナイル熱ウイルス(WNV)などのウイルス性核酸標的、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)の存在についての献血の定期的なスクリーニングに好適である。増幅及び検出/定量技術はまた、細菌性核酸標的又は腫瘍マーカーなどの分析にも好適である。
【0003】
核酸標的の増幅(及び検出/定量)のための最も有名で広く使用されている方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。他の増幅技術としては、リガーゼ連鎖反応、ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応、Gap−LCR、修復連鎖反応、3SR、NASBA、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、及びQβ−増幅が挙げられる。
【0004】
PCRに基づく分析の自動化システムは、同じ反応容器内でのPCRプロセスの間に生成物増幅のリアルタイム検出を利用することが多い。そのような方法のカギは、レポーター基又は標識を保有する修飾オリゴヌクレオチドの使用である。PCRはポリメラーゼ酵素を利用する(米国特許第4,683,195号明細書及び同第4,683,202号明細書)。関連する重大な改善は、例えば、COBAS(登録商標)TaqMan(登録商標)に関する商業的アッセイで用いられるような加水分解(hydrolization)又は5’−ヌクレアーゼプローブとして知られるレポーター基又は標識を保有する修飾オリゴヌクレオチドを利用するPCRの間の増幅産物のリアルタイム検出である(米国特許第5,210,015号明細書及び同第5,487,972号明細書)。他の改良された増幅及び検出法は、分子ビーコン技術(国際公開第95/13399号パンフレット)、又は小溝結合剤(MGB)部分を含むオリゴヌクレオチドを利用する方法として知られている(国際公開第03/062445号パンフレット及び国際公開第2006/135765号パンフレット)。さらに、これらのプライマーの少なくとも1つの5’末端で高いGC含有量を有する、付加オリゴヌクレオチドを含むプライマーの使用は、増幅効率において改善を示すことが知られている(Liu,et al.,Genome Research 7:389−398(1997);国際公開第01/94638号パンフレット;及び米国特許出願公開第2004/0110182号明細書)。約12〜40サイクルのPCR後の増幅産物の最終量は、例えば、GGAC単位が非修飾プライマーについてよりも5’末端に付加されたプライマーについての方が著しく高い。
【0005】
Afonina, et al.,BioTechniques 43(3):1−3(2007);国際公開第2006/135765号パンフレットは、リアルタイムPCR蛍光シグナルの増加と、それによって、5’末端でランダムに散乱した短いアデニン及びチミンリッチなフラップを有するプライマー及び小溝結合剤(MGB)蛍光ハイブリダイゼーションプローブを使用することで改善された増幅効率が得られることを記載している。
【0006】
同様に、Babiel, et al.(米国特許出願公開第2014/0113279号明細書)は、ポリNのプライマーへの付加が、どのように望ましくない高分子量生成物の形成の減少又は抑制をもたらし、それによって偽陰性又は偽陽性結果を回避することができるかを記載している。
【0007】
したがって、当該技術分野では既存の方法に対する改善が常に必要とされている。例えば、核酸標的の簡単かつ信頼できる検出及び定量のための方法を提供することが当該技術分野で必要とされている。特に、DNA増幅及び検出/定量の効率を改善することが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の特定の実施形態は、サンプル(例えば、生体又は非生体サンプル)中の標的核酸の増幅、検出、及び定量のための新規方法及び使用に関する。例えば、本開示の特定の実施形態は、単一の試験管又は反応容器中でのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるウイルス(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIV)などの微生物の単一又は多重検出及び定量に関する。改善は、PCRなどの増幅反応における非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの使用に基づく。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは(伸長)プライマーによって媒介される増幅を促進し増強する点でヘルパーオリゴヌクレオチド又はヘルパープライマーの一種として作用すると考えられている。さらに、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在は、標的核酸の標的領域の二次構造のギブズ自由エネルギーを減少又は低下させると考えられている。場合によって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは標的核酸のプライマー結合領域の二次構造のギブズ自由エネルギーを減少/低下させると考えられている。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、1つ以上のプライマーと同じ領域内でアニーリングすることができる。しかしながら、1つ以上のプライマーとは対照的に、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは伸長しない。すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは伸長してアンプリコンを生成することはない。伸長するかわりに、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、伸長してアンプリコンを生成する1つ又は複数のプライマーの標的接近可能性を促進し増大させる。すなわち、伸長プライマーと同様に、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは標的核酸にアニーリングするが、伸長プライマーとは違って、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは伸長しない。オリゴヌクレオチドが伸長するのを防止する方法は数多くあり、それらは当業者には周知であろう。例えば、ポリ(A)配列をオリゴヌクレオチドの3’末端に付加することで、伸長が防止される。さらに、ポリ(A)配列は標的核酸のどの部分にもアニーリングする可能性が低く、それによって非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドと標的核酸とに間の相互作用を不安定化させ、次にこれによって二次構造が開かれ、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの(伸長)プライマーでの置換を可能にすると考えられる。さらに、3’−OH基をリン酸基で置換(すなわち、リン酸化)することによっても、伸長が防止される。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的核酸のプライマー結合領域における二次構造のギブズ自由エネルギーを減少させ、それによって伸長する1つ以上のプライマーの接近可能性を改善することによって、増幅を支援すると考えられる(図2及び4を参照)。この結果、PCR増幅が改善され、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの非存在下よりも多くのPCR産物(すなわち、アンプリコン)が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で蓄積する(図1及び3を参照のこと)。すなわち、PCRアッセイの全効率が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドによって改善及び/又は増強される。PCRアッセイの効率が改善されるため、少量(すなわち、低コピー数)の出発物質であっても、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下では成功裏に増幅することが可能である。したがって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドはまた、アッセイの感度を増大させる。
【0009】
実施形態は、増幅ステップとハイブリダイジングステップとを含み得る少なくとも1回の循環ステップを実施することを含む、標的核酸の検出及び定量方法を含む。さらに、実施形態は、プライマー、プローブ、及び1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、ならびに単一の反応容器又はチューブ中での標的核酸の検出及び定量のために設計されたキットを含む。
【0010】
本開示はまた、個体からの生体サンプル中の標的核酸の存在又は非存在を検出する方法も提供する。これらの方法は、血液スクリーニング及び診断検査において使用するために、血漿中の標的核酸の存在又は非存在を検出するために用いることができる。さらに、尿及び他のサンプルタイプを評価して標的核酸を検出及び/又は定量するために当業者は同試験を使用することができる。そのような方法は、概して、少なくとも1つの循環ステップを実施することを含み、そのステップは、増幅ステップと色素結合ステップとを含む。典型的には、増幅ステップは、サンプルを複数対のオリゴヌクレオチドプライマーと接触と、この場合は、1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドと接触させて、核酸分子がサンプル中に存在する場合は1つ以上の増幅産物を産生することを含み、色素結合ステップは、増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む。そのような方法はまた、二本鎖DNA結合色素の増幅産物への結合の存在又は非存在を検出することも含み、結合の存在は、サンプル中に標的核酸が存在することを示し、結合の非存在は、サンプル中に標的核酸が存在しないことを示す。代表的な二本鎖DNA結合色素は臭化エチジウムである。他の核酸結合色素としては、DAPI、Hoechst色素、PicoGreen(登録商標)、RiboGreen(登録商標)、OliGreen(登録商標)、ならびにシアニン色素、例えばYO−YO(登録商標)及びSYBR(登録商標)Greenが挙げられる。加えて、そのような方法はまた、増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定することを含み得、融解温度は核酸の有無を確認する。
【0011】
さらなる実施形態において、1つ以上の標的核酸を検出及び/又は定量するためのキットが提供される。キットは、標的核酸の増幅について特異的な1セット以上のプライマー;1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び増幅産物の検出について特異的な1つ以上の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを含み得る。
【0012】
一態様において、キットは、ドナー及び対応するアクセプター部分、例えば別の蛍光部分もしくは暗消光剤(dark quencher)ですでに標識されたプローブを含み得るか、又はプローブを標識するための蛍光体部分(fluorophoric moiety)を含み得る。キットはまた、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、及び核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液も含み得る。キットはまた、添付文書、ならびにプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、プローブ、及び蛍光体部分を使用してサンプル中の増幅産物/標的核酸の有無を検出するための説明書も含み得る。
【0013】
別に定義しない限りは、本明細書に使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の技術者によりそれらが通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実践又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料は、以下に説明される。
【0014】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を添付の図面及び以下の説明で記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、図面及び詳細な説明ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】プライマー、プローブ、及び非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドならびに(HCVの)標的核酸について特異的なプローブを示す実験のリアルタイムPCR成長曲線を示す。
【図2】非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下での(HCV)標的領域の予想される二次構造を示し、この二次構造は−107.2kcal/molのΔGを示す。
【図3】プライマー、プローブ、及び非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドならびに(HCVの)標的核酸について特異的なプローブを示す実験のリアルタイムPCR成長曲線を示す。
【図4】非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下での(HCV)標的領域の予想される二次構造を示し、この二次構造は−98.6kcal/molのΔGを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、アンプリコンを生成するためのプライマー対、アンプリコンに対して特異的な検出可能なプローブ、及び非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドを少なくとも含むサンプル(例えば、生体サンプル)中に存在し得る核酸標的を増幅、検出及び定量するための新規及び改良された方法及び使用に関する。改善は、特に、増幅(すなわち、アンプリコンの生成)が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で増強され増大するという事実に基づく。すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、伸長する1つ以上のプライマーの活性及び効率を増強し改善し、それによってPCR反応の効率を改善し増大させる。これには、アッセイの感度を増大させる効果がある。本発明は、微生物性核酸(例えば、ウイルス性又は細菌性核酸)の増幅、及び検出/定量を含むが、これに限定されない任意の数の用途のために使用できる。本発明で使用するためのウイルスの例としては、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVが挙げられる。
【0017】
核酸増幅による微生物(例えば、ウイルス又は細菌)感染の診断は、感染を迅速に、正確に、確実に、特異的に、そして感度良く検出及び/又は定量するための方法を提供する。非生体又は生体サンプル中の微生物性核酸を検出及び/又は定量するためのリアルタイム逆転写酵素PCRアッセイを本明細書中で記載する。標的核酸(例えば、ウイルス性又は細菌性核酸のような微生物性核酸)を検出及び/又は定量するためのプライマー及びプローブを、そのようなプライマー及びプローブを含む製品又はキットと同様に提供する。他の方法と比べて標的核酸の検出用のリアルタイムPCRの増大した特異性及び感度、ならびにサンプル封じ込め及びリアルタイム検出及び増幅産物の定量を含むリアルタイムPCRの改善された特徴により、臨床検査室における微生物感染(例えば、ウイルス又は細菌感染)の通例の診断のためのこの技術の実施が可能になる。さらに、この技術は、血液スクリーニングのため、ならびに予後のためにも用いることができる。そのような検出アッセイはまた、平行して、他の標的核酸(例えば、他の微生物性核酸、又は同じ微生物の他の/異なる遺伝子型)の検出のための他のアッセイと多重化することもできる。
【0018】
本開示は、一例として、例えばTaqMan(登録商標)検出技術を使用してHCVを特異的に同定するために、オリゴヌクレオチドプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びHCVゲノムとハイブリダイズする蛍光標識された加水分解プローブを含む。
【0019】
「プライマー」又は「伸長プライマー」という語は、本明細書中で用いられる場合、当業者には公知であり、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドを指すが、テンプレート依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライミング」することができる、すなわち、例えばオリゴヌクレオチドの3’末端が遊離3’−OH基を提供する修飾オリゴヌクレオチドも指し、この場合、さらなる「ヌクレオチド」をテンプレート依存性DNAポリメラーゼにより結合させて、3’から5’へのホスホジエステル結合を確立し、それによってデオキシヌクレオシド三リン酸が使用され、それによってピロホスフェートが放出される。
【0020】
具体的には、開示された方法は、1対以上のプライマーを使用してサンプルから核酸分子遺伝子標的の1つ以上の部分を増幅することを含む、少なくとも1つの循環ステップを実施することを含み得る。「プライマー」又は「伸長プライマー」は、本明細書中で用いる場合、サンプル中の標的領域で見出される核酸配列に特異的にアニーリングし、各々の増幅産物を産生する適切な条件下でそれからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。増幅産物は、標的核酸に特異的な1つ以上の検出可能なプローブに対して相補的である核酸配列を含まなければならない。「プローブ」又は「検出可能なプローブ」は、本明細書中で使用する場合、サンプル中の標的領域において見出される核酸配列に特異的にアニーリングするオリゴヌクレオチドプローブを指す。各循環ステップは、増幅ステップ、ハイブリダイゼーションステップ、及び検出ステップを含み、ここでは、サンプルを、サンプルの標的領域中の標的核酸の存在又は非存在を検出するための1つ以上の検出可能なプローブと接触させる。
【0021】
本明細書中で用いられる場合、「増幅する」という語は、テンプレート核酸分子(例えば、ウイルス又は細菌などの微生物由来の核酸分子)の一方又は両方の鎖に対して相補的である核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子の増幅は、典型的にはテンプレート核酸を変性させ、プライマーをプライマーの融解温度よりも低い温度でテンプレート核酸にアニーリングし、そしてプライマーから酵素により伸長させて、増幅産物を生成することを含む。増幅は、典型的にはデオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)ならびにポリメラーゼ酵素の最適活性のために適切な緩衝液及び/又は補助因子(例えば、MgCl2及び/又はKCl)の存在を必要とする。
【0022】
「ハイブリダイズする」という語は、1つ以上のプローブを増幅産物にアニーリングすることを指す。「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、プローブの融解温度よりも低いが、プローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
【0023】
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」という語は、典型的には核酸鎖合成に関連し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去される核酸ポリメラーゼの活性を指す。
【0024】
「熱安定性ポリメラーゼ」という語は、加熱安定性であるポリメラーゼ酵素を指し、すなわち、この酵素は、テンプレートに対して相補性であるプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖テンプレート核酸の変性を行うために必要な時間、高温に付した場合、不可逆的に変性しない。概して、合成は各プライマーの3’末端で開始され、テンプレート鎖に沿って5’から3’の方向で進行する。熱安定性ポリメラーゼは、Thermus flavus、T.ruber、T.thermophilus、T.aquaticus、T.lacteus、T.rubens、Bacillus stearothermophilus、及びMethanothermus fervidusから単離されている。それにもかかわらず、熱安定性でないポリメラーゼも、必要に応じてこの酵素が補充されるならば、PCRアッセイで使用することができる。
【0025】
「その補体」という語は、所与の核酸と同じ長さであり、かつ厳密に相補的である核酸を指す。
【0026】
「伸長(extension)」又は「伸長(elongation)」という語は、核酸に関して用いられる場合、さらなるヌクレオチド(又は他の類似の分子)が核酸中に組み込まれる場合を指す。例えば、核酸は、典型的には核酸の3’末端でヌクレオチドを付加するポリメラーゼなどのヌクレオチドを組み入れる生体触媒によって任意選択的に伸長される。
【0027】
2以上の核酸配列に関連した「同一の」又は%「同一性」という語は、最大一致について比較し整列させた場合、例えば、当業者が利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを用いるか又は目視検査によって測定して、同じであるか又は特定のパーセンテージの同じヌクレオチドを有する2以上の配列又は部分配列を指す。%配列同一性及び配列類似性を決定するために適した例示的アルゴリズムは、例えば、Altschul et al. (1990) “Basic local alignment search tool” J. Mol. Biol. 215:403−410, Gish et al. (1993) “Identification of protein coding regions by database similarity search” Nature Genet. 3:266−272, Madden et al. (1996) “Applications of network BLAST server” Meth. Enzymol. 266:131−141, Altschul et al. (1997) “Gapped BLAST and PSI−BLAST: a new generation of protein database search programs” Nucleic Acids Res. 25:3389−3402, and Zhang et al. (1997) “PowerBLAST: A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation” Genome Res. 7:649−656で記載されているBLASTプログラムである。
【0028】
オリゴヌクレオチドの関連での「修飾ヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチドに対して所望の性質を提供する異なるヌクレオチドによってオリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが置換されている変更を指す。本明細書中で記載するオリゴヌクレオチドにおいて置換できる例示的修飾ヌクレオチドとしては、例えば、t−ブチルベンジル、ホスフェート、C5−メチル−dC、C5−エチル−dC、C5−メチル−dU、C5−エチル−dU、2,6−ジアミノプリン、C5−プロピニル−dC、C5−プロピニル−dU、C7−プロピニル−dA、C7−プロピニル−dG、C5−プロパルギルアミノ−dC、C5−プロパルギルアミノ−dU、C7−プロパルギルアミノ−dA、C7−プロパルギルアミノ−dG、7−デアザ−2−デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、プソイド−dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’−0−メチルリボ−U、2’−0−メチルリボ−C、N4−エチル−dC、N6−メチル−dA、5−プロピニルdU、5−プロピニルdC、及び同種のものが挙げられる。オリゴヌクレオチドで置換することができる多くの他の修飾ヌクレオチドは本明細書中で言及されるか、又はそうでなければ当該技術分野で公知である。特定の実施形態において、修飾ヌクレオチド置換は、対応する非修飾オリゴヌクレオチドの融解温度に対してオリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を修飾する。さらに説明すると、特定の修飾ヌクレオチド置換は、非特異的核酸増幅を減少させる(例えば、プライマーダイマー形成又は同種のものを最小限に抑える)ことができ、いくつかの実施形態では、意図する標的アンプリコン、及び/又は同種のものの収率を増大させることができる。これらの種類の核酸修飾の例は、例えば、米国特許第6,001,611号明細書で記載されている。他の修飾ヌクレオチド置換は、オリゴヌクレオチドの安定性を変更し得るか、又は他の所望の特徴を提供し得る。
【0029】
標的核酸の検出
本開示は、標的核酸配列の一部を増幅することにより、サンプル中の標的核酸を検出及び定量するための方法を提供する。一例として、HCV核酸配列の一部を増幅することによってサンプル中のHCVを検出し定量するための方法が提供される。具体的には、HCV核酸分子標的を増幅し、検出/定量するためのプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブが本開示の実施形態によって提供される。
【0030】
HCVの増幅、検出、及び定量のために、プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを提供する。本明細書中で例示されるもの以外のHCV核酸も、サンプル中のHCVを検出するために使用することができる。例えば、機能的変異体は、常法を使用して当業者によって特異性及び/又は感度について評価され得る。代表的な機能的変異体は、例えば、本明細書中で開示するHCV核酸中に1つ以上の欠失、挿入、及び/又は置換を含み得る。
【0031】
さらに具体的には、オリゴヌクレオチドの実施形態は、各々、配列番号1〜5から選択される配列を有する核酸、実質的に同一の変異体であって、配列番号1〜5のうちの1つ又は配列番号1〜5の補体に対して少なくとも例えば80%、90%、又は95%の配列同一性を有する変異体、及び変異体を含む。順方向プライマー、逆方向プライマー、及び検出可能なプローブ(配列番号1〜4)は、商業的に入手可能なHCV遺伝子型判定アッセイ(cobas(登録商標)4800システムとともに使用するためのcobas(登録商標)HCV GT、Roche)から得られるものである。
【0032】
【表1】
【0033】
一実施形態において、HCVを含むことが疑われる生体サンプル中のHCVを検出するために上述のHCVプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブのセットを使用する(表1)。プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブのセットは、配列番号1〜5の核酸配列を含むか又は配列番号1〜5の核酸配列からなる、HCV核酸配列に対して特異的なプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを含み得るか又はこれらからなり得る。別の実施形態において、HCV標的に対するプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブは、配列番号1〜5のプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブのいずれかの機能的に活性な変異体を含むか又はそれらからなる。
【0034】
配列番号1〜5のプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブのいずれかの機能的に活性な変異体は、開示された方法においてプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブを使用することによって同定することができる。配列番号1〜5のいずれかのプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブの機能的に活性な変異体は、配列番号1〜5の各配列と比較した場合に、記載した方法又はキットにおいて同様又はより高い特異性及び感度を提供するプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブに関する。
【0035】
変異体は、例えば、配列番号1〜5の各配列の5’末端及び/又は3’末端での1つ以上のヌクレオチド付加、欠失又は置換によって配列番号1〜5の配列とは異なり得る。上記で詳述した様に、プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブを化学的に修飾することができ、すなわち、プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブは、修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物を含んでもよい。プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び/又はプローブは、したがって、修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)は、ある修飾によって天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、それでも塩基もしくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖もしくはペントフラノシル糖様化合物、ホスフェート部分もしくはホスフェート様部分、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、「標識」を「ヌクレオチド」の塩基部分と結合させ、それによって「修飾ヌクレオチド」を得ることができる。「ヌクレオチド」中の天然の塩基はまた、例えば、7−デアザプリンによって置換することもでき、それによっても「修飾ヌクレオチド」が同様に得られる。「修飾ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド類似体」という用語は、本願では交換可能に用いられる。「修飾ヌクレオシド」(又は「ヌクレオシド類似体」)は、「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)について上記で概要を記載したように、ある修飾によって天然のヌクレオシドとは異なる。
【0036】
標的領域に対応する核酸分子を増幅する修飾オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド。例えば、標的の別の部分に対応するオリゴヌクレオチドは、例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights Inc.、コロラド州カスケード)などのコンピュータプログラムを用いて設計することができる。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際に重要な特徴としては、限定されるものではないが、(例えば、電気泳動による)検出を容易にするために適切なサイズの増幅産物、プライマー対のメンバーについて類似の融解温度、及び各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性を伴ってアニーリングするために、そして合成を開始するために充分な長さである必要があるが、オリゴヌクレオチド合成中に忠実度が減少するほど長くない)が挙げられる。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは、8〜50ヌクレオチド長(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、又は50ヌクレオチド長)である。
【0037】
本発明のオリゴヌクレオチドは、「ヘルパーオリゴヌクレオチド」又は「非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド」を含む。場合によって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的核酸内の部分に、部分的にアニーリングするであろう。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、伸長プライマー又はプライマーの標的核酸への接近を容易にすると考えられるので、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、伸長プライマーがアニーリングするのと同じ場所又はその近くに作用することができる。したがって、場合によっては、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、伸長プライマーとして標的核酸内の同じ領域に、部分的又は全体として、アニーリングする。すなわち、場合によっては、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド及び伸長プライマーは、標的核酸内で、部分的又は全体として、同じ部分にアニーリングする。したがって、場合によっては、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド及び伸長プライマーは、同じ配列を、部分的又は全体として共有していてもよい。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的核酸の二次構造のギブズ自由エネルギーを低下させると考えられる。これは次に、1つ以上の伸長プライマーの標的へのアニーリングを容易にし、これによって次にDNAポリメラーゼによる伸長(すなわち、核酸合成)が開始される。したがって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド
【0038】
ヘルパーオリゴヌクレオチド自体が伸長するのを防止するために、任意の数の修飾をヘルパーオリゴヌクレオチドに対して行うことができる。そのような修飾は当業者には周知であろう。そのような修飾の例としては、ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端へのポリ(A)ヌクレオチドの付加、及び/又は3’−OH基のリン酸基での置換(すなわち、リン酸化)が挙げられる。ポリ(A)配列(標的核酸にアニーリングしにくいもの)の付加が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドと標的核酸との間の相互作用を不安定化し、それによって二次構造が開かれ、これによって標的核酸領域の(伸長)プライマーへの接近が容易になると考えられる。
【0039】
プライマーのセットに加えて、方法は、標的核酸の存在又は非存在を検出するために1つ以上のプローブを使用することができる。「プローブ」という語は、所定のあらかじめ決められたストリンジェンシーでそれらを特異的に(すなわち、優先的に)「標的核酸」とハイブリダイズさせる特異的ヌクレオチド配列を設計又は選択によって含む、合成的又は生物学的に産生された核酸(DNA又はRNA)を指す。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する、「検出プローブ」と称する場合もある。
【0040】
いくつかの実施形態において、プローブは少なくとも1つの蛍光標識で標識することができる。一実施形態において、プローブは、ドナー蛍光部分、例えば蛍光色素、及び対応するアクセプター部分、例えばクエンチャーで標識することができる。一実施形態において、プローブは、蛍光部分を含むか又は蛍光部分からなり、核酸配列は配列番号4を含むか又は配列番号4からなる。
【0041】
プローブとして使用するオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様に実施することができる。実施形態は、増幅産物の検出のために単一のプローブ又は一対のプローブを使用することができる。実施形態に応じて、プローブの使用は、少なくとも1つの標識及び/又は少なくとも1つのクエンチャー部分を含み得る。プライマーと同様に、プローブは通常、類似した融解温度を有し、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるために充分でなければならないが、合成中に忠実度が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプローブは、概して、15〜40(例えば、16、18、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長である。
【0042】
構築物は、各々が1つのプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブ核酸分子を含むベクターを含み得る。例えば、構築物は、各々が微生物標的プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブ核酸分子(例えば、HCVについては配列番号1、2、3、4、及び5)のうちの1つを含むベクターを含み得る。構築物は、例えば、対照テンプレート核酸分子として使用することができる。使用に適したベクターは、商業的に入手可能である、及び/又は当該技術分野で通例の組換え核酸技術的方法によって産生される。核酸分子は、例えば、化学合成、標的領域からの直接クローニング、又は核酸増幅によって得ることができる。
【0043】
当該方法における使用に適した構築物は、典型的には、所望の構築物及び/又は形質転換体を選択するための選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、及び複製起点を含む。ベクター系の選択は、通常、限定されるものではないが、宿主細胞の選択、複製効率、選択可能性、誘導能、及び回収の容易さを含むいくつかの要因に依存する。
【0044】
標的核酸分子を含む構築物は、宿主細胞中で増殖させることができる。本明細書中で用いられる場合、宿主細胞という語は、原核生物及び真核生物、例えば酵母、植物及び動物細胞を含むことを意味する。原核生物宿主は、E.coli、Salmonella typhimurium、Serratia marcescens、及びBacillus subtilisを含み得る。真核生物宿主としては、酵母、例えばS.cerevisiae、S.pombe、Pichia pastoris、哺乳動物細胞、例えばCOS細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、昆虫細胞、ならびに植物細胞、例えばArabidopsis thaliana及びNicotiana tabacumが挙げられる。構築物は、当業者に通常知られている技術のいずれかを用いて宿主細胞に導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈澱、電気穿孔、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、及びウイルス媒介核酸移行が、核酸を宿主細胞に導入するための通常の方法である。加えて、裸のDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号明細書及び同第5,589,466号明細書を参照のこと)。
【0045】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号明細書、同第4,683,195号明細書、同第4,800,159号明細書、及び同第4,965,188号明細書は、従来型PCR技術を開示している。PCRは、典型的には、選択された核酸テンプレート(例えば、DNA又はRNA)と結合する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。これら2つのオリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には順方向プライマー及び逆方向プライマーである。いくつかの実施形態において有用なプライマーには、記載したHCV核酸配列(例えば、配列番号1、2、及び3)内の核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドが含まれる。プライマーは、従来法により制限消化から生成することができるか、又は合成的に産生することができる。プライマーは、増幅において最大効率のためには一本鎖であることが好ましいが、プライマーは二本鎖であり得る。二本鎖プライマーをまず変性させ、すなわち、処理して鎖を分離させる。二本鎖核酸を変性させる一方法は、加熱することによる。
【0046】
テンプレート核酸が二本鎖である場合、2本の鎖を分離する必要があり、その後、PCRにおいてテンプレートとして使用することができる。鎖分離は、物理的、化学的又は酵素的手段を含む任意の好適な変性法によって達成することができる。核酸鎖を分離する一方法は、主に変性されるまで(例えば、50%、60%、70%、80%、90%又は95%を超える変性)核酸を加熱することを含む。テンプレート核酸を変性するために必要な加熱条件は、例えば、緩衝液塩濃度ならびに変性される核酸の長さ及びヌクレオチド組成に依存するが、典型的には、約90℃〜約105℃の範囲で、温度及び核酸の長さなどの反応の特徴に依存する時間である。変性は、約30秒〜4分(例えば、1分空2分30秒、又は1.5分)実施される。
【0047】
二本鎖テンプレート核酸が熱により変性される場合、各プライマーのその標的配列へのアニーリングを促進する温度まで反応混合物を冷却させる。アニーリングの温度は、通常、約35℃〜約65℃(例えば、約40℃〜約60℃;約45℃〜約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒〜約1分(例えば、約20秒〜約50秒;約30秒〜約40秒)であり得る。反応混合物を次に、ポリメラーゼの活性が促進又は最適化される温度、すなわち、アニーリングされたプライマーから伸長が起こって、テンプレート核酸に対して相補的な産物が生成するために充分な温度に調節する。温度は、核酸テンプレートにアニーリングされる各プライマーから伸長産物を合成するために充分でなければならないが、その相補的テンプレートから伸長産物を変性させるほど高くてはならない(例えば、伸長温度は、概して、約40℃〜約80℃の範囲(例えば、約50℃〜約70℃;約60℃である)。伸長時間は、約10秒〜約5分(例えば、約30秒〜約4分;約1分〜約3分;約1分30秒〜約2分)であり得る。
【0048】
レトロウイルス又はRNAウイルス(例えば、HCVならびに他のフラビウイルス)のゲノムは、リボ核酸、すなわち、RNAから構成される。そのような場合、テンプレート核酸であるRNAは、まず、逆転写酵素の作用により相補DNA(cDNA)に転写されなければならない。逆転写酵素は、RNAテンプレートと、RNAの3’末端に対して相補的な短いプライマーとを使用して、第一鎖cDNAの合成を行い、これを次にポリメラーゼ連鎖反応のテンプレートとして直接使用することができる。
【0049】
PCRアッセイは、RNA又はDNA(cDNA)などの標的核酸を用いることができる。テンプレート核酸は、精製する必要がなく、ヒト細胞中に含まれる微生物標的核酸などの複雑な混合物の小部分であり得る。HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどのウイルス由来などの微生物性核酸分子を、Diagnostic Molecular Microbiology: Principles and Applications (Persing et al. (eds), 1993, American Society for Microbiology, Washington D.C.)に記載されているものなどの通例の技術によって生体サンプルから抽出することができる。核酸は、プラスミドなどの任意の数の供給源、あるいは細菌、酵母、ウイルス、オルガネラ、又は高等生物、例えば植物もしくは動物を含む天然源から得ることができる。
【0050】
プライマー伸長を誘導する反応条件下でオリゴヌクレオチドプライマー(例えば、HCVについては配列番号1〜3)をPCR試薬と組み合わせる。例えば、鎖伸長反応は概して、50mMのKCl、10mMのTris−HCl(pH8.3)、15mMのMgCl2、0.001%(w/v)のゼラチン、0.5〜1.0μgの変性テンプレートDNA、50ピコモルの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、及び10%のDMSO)を含む。反応は、通常、各々150〜320μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、又は1つ以上のそれらの類似体を含む。
【0051】
新たに合成された鎖は、反応のその後のステップで用いることができる二本鎖分子を形成する。鎖分離、アニーリング、及び伸長のステップを、標的核酸分子に対応する増幅産物の所望の量を産生するために必要な回数繰り返すことができる。反応における限定因子は、反応に存在するプライマー、熱安定性酵素、及びヌクレオシド三リン酸の量である。循環ステップ(すなわち、変性、アニーリング、及び伸長)は、好ましくは少なくとも1回繰り返される。検出での使用について、循環ステップの数は、例えば、サンプルの性質に基づく。サンプルが核酸の複雑な混合物である場合、検出のために充分な標的配列を増幅するためにより多くの循環ステップが必要となるであろう。概して、循環ステップは少なくとも約20回繰り返されるが、40、60、又はさらには100回も繰り返すことができる。
【0052】
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号明細書、同第5,565,322号明細書、同第5,849,489号明細書、及び同第6,162,603号明細書を参照のこと)は、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分が互いにある距離以内に位置する場合、エネルギー移動は、2つの蛍光部分間で起こり、これは可視化することができるか又は他の方法で検出及び/もしくは定量することができるという概念に基づく。ドナーが好適な波長を有する光放射によって励起される場合、ドナーは典型的にはエネルギーをアクセプターに移動させる。アクセプターは、典型的には、異なる波長を有する光放射の形態で移動されたエネルギーを再放射する。あるシステムにおいて、非蛍光エネルギーは、実質的に非蛍光ドナー部分を含む生体分子によってドナーとアクセプター部分との間で移動させることができる(例えば、米国特許第7,741,467号明細書を参照のこと)。
【0053】
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分(例えば、FAM)及び対応するクエンチャー(例えば、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ)(例えば、BHQ2))を含むことができ、これは蛍光性であってもなくてもよく、移動されたエネルギーを光以外の形態で消散させる。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動は、典型的にはドナーとアクセプター部分との間で起こり、ドナー蛍光部分からの蛍光発光がアクセプター部分で消光される。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長ステップの間、増幅産物に結合したプローブは、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断されて、ドナー蛍光部分の蛍光発光はもはや消光されない。この目的のための例示的プローブは、例えば米国特許第5,210,015号明細書、同第5,994,056明細書、及び同第6,171,785号明細書で記載されている。通常使用されるドナー−アクセプター対には、FAM−TAMRA対が含まれる。通常使用されるクエンチャーはDABCYL及びTAMRAである。通常使用される暗消光剤には、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ)(例えば、BHQ2)、(Biosearch Technologies, Inc.、カリフォルニア州ノバト)、Iowa Black(商標)、(Integrated DNA Tech., Inc.アイオワ州コーラルビル)、BlackBerry(商標)Quencher650(BBQ−650)、(Berry & Assoc.、ミシガン州デクスター)が含まれる。
【0054】
別の例において、2つのオリゴヌクレオチドプローブは、各々、蛍光部分を含み、標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物とハイブリダイズすることができる。適切な位置での増幅産物核酸とのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションにより、FRETシグナルが生じる。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒〜約1分間で約35℃から約65℃まで及び得る。
【0055】
蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(特定の範囲の蛍光発光をモニタリングするために適切なダイクロイックミラー及びフィルターを含む)、光子計数光電子増倍管システム、又は蛍光光度計を用いて実施することができる。エネルギー移動を開始するため、又はフルオロフォアの直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、キセノンランプ、光ファイバー光源、又は所望の範囲内の励起のために適切にフィルタリングされた他の高強度光源を用いて実施することができる。
【0056】
ドナー及び対応するアクセプター部分に関して本明細書中で用いられる場合、「対応する」とは、ドナー蛍光部分の発光スペクトルと重複する吸光度スペクトルを有するアクセプター蛍光部分又は暗消光剤を指す。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの最大波長は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの最大波長よりも少なくとも100nm大きくなければならない。したがって、その間で効率的な無放射エネルギー移動が生じ得る。
【0057】
蛍光ドナー及び対応するアクセプター部分は、概して、(a)高効率Foersterエネルギー移動;(b)大きな最終Stokesシフト(>100nm);(c)発光をできるだけ可視スペクトルの赤色部分(>600nm)へシフトさせるため;及び(d)ドナー励起波長での励起によって生じるRaman水蛍光発光よりも長い波長へ発光をシフトさせるために選択される。例えば、レーザー線付近にその最大励起を有し(例えば、ヘリウム−カドミウム442nm又はアルゴン488nm)、高い吸光係数を有し、高い量子収率を有し、そしてその蛍光発光が対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルと良好に重複するドナー蛍光部分を選択することができる。高い吸光係数を有し、高い量子収率を有し、その励起がドナー蛍光部分の発光と良好に重複し、そして可視スペクトルの赤色部分(>600nm)で発光する対応するアクセプター蛍光部分を選択できる。
【0058】
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分とともに使用できる代表的なドナー蛍光部分としては、フルオレセイン、Lucifer Yellow、B−フィコエリトリン、9−アクリジンイソチオシアネート、Lucifer Yellow VS、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、及び4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が挙げられる。代表的なアクセプター蛍光部分としては、使用するドナー蛍光部分に応じて、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、LissamineローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、又はランタニドイオン(例えば、ユーロピウム、又はテルビウム)の他のキレートが挙げられる。ドナー及びアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(オレゴン州ジャンクションシティ)又はSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から入手可能である。
【0059】
ドナー及びアクセプター蛍光部分は、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーアームはドナーとアクセプター蛍光部分との間の距離に影響を及ぼすので、各リンカーアームの長さは重要である。リンカーアームの長さは、オングストローム(Å)で表したヌクレオチド塩基から蛍光部分までの距離であり得る。概して、リンカーアームは、約10Å〜約25Åである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号パンフレットに記載されている種類のものであり得る。国際公開第84/03285号パンフレットはまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合させる方法、及びリンカーアームに蛍光部分を結合させる方法も開示している。
【0060】
LC Red 640などのアクセプター蛍光部分を、アミノリンカー(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)又はGlen Research(バージニア州スターリング)から入手可能なC6−アミノホスホラミダイト)を含むオリゴヌクレオチドと組み合わせて、例えば、LC Red 640標識オリゴヌクレオチドを産生することができる。フルオレセインなどのドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドにカップリングさせるためにしばしば使用されるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えば、Glen Research又はChemGene(マサチューセッツ州アシュランド))製のフルオレセイン−CPG、アミド−リンカー(フルオレセイン−NHS−エステル−由来、例えばBioGenex(カリフォルニア州サンラモン)製のCX−フルオレセイン−CPG)、又はオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン−NHS−エステルのカップリングを必要とする3’−アミノ−CPGが挙げられる。
【0061】
標的核酸増幅産物(アンプリコン)の検出
本開示は、生体又は非生体サンプル中の標的核酸(HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸を含む)を検出し定量するための方法を提供する。提供される方法は、サンプル汚染、偽陰性、及び偽陽性の問題を回避する。方法は、1対以上の標的プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びFRET検出ステップを用いて、サンプル(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、又はHIV)から標的核酸分子の部分を増幅することを含む少なくとも1つの循環ステップを実施することを含む。複数の循環ステップを、好ましくはサーモサイクラーで実施する。方法は、標的プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを使用して実施して、標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、又はHIV)の存在を検出することができる。(例えばプローブによる)標的核酸の検出は、サンプル中の標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、又はHIV)の存在を示す。
【0062】
本明細書中で記載する場合、増幅産物は、FRET技術を活用する標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用して検出することができる。1つのFRETフォーマットは、TaqMan(登録商標)技術を利用して増幅産物の存在又は非存在を、したがって、HCVウイルスの存在又は非存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、例えば、蛍光であってもなくてもよい、1つの蛍光色素(例えば、HEX)及び1つのクエンチャー(例えば、BHQ又はBHQ−2)で標識された1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用する。第1蛍光部分が好適な波長の光で励起される場合、吸収されたエネルギーは、FRETの原理に従って第二の蛍光部分又は暗消光剤に移行される。第二部分は概してクエンチャー分子である。PCR反応のアニーリングステップの間、標識されたハイブリダイゼーションプローブは標的DNA(すなわち、増幅産物)と結合し、例えば、その後の伸長期の間にTaqポリメラーゼの5’から3’ヌクレアーゼ活性によって分解する。その結果、蛍光部分及びクエンチャー部分は空間的に互いに分離されるようになる。結果として、クエンチャーの非存在下での第一蛍光部分の励起により、第一蛍光部分からの蛍光発光を検出することができる。一例として、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems)は、TaqMan(登録商標)技術を使用し、サンプル中の標的核酸/増幅産物の存在又は非存在の検出のために本明細書中で記載する方法を実施するために好適である。
【0063】
また、FRETとあわせて分子ビーコンを使用して、リアルタイムPCR法を使用して増幅産物の存在を検出することができる。分子ビーコン技術は、第一蛍光部分及び第二蛍光部分で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第二蛍光部分は、概して、クエンチャーであり、蛍光標識は典型的にはプローブの各末端に位置する。分子ビーコン技術は、二次構造形成(例えば、ヘアピン)を可能にする配列を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内での二次構造形成の結果として、両蛍光部分は、プローブが溶液中にある場合に、空間的に近接している。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造は破壊され蛍光部分は互いに分離されるようになって、好適な波長の光での励起後、第一蛍光部分の発光を検出することができる。
【0064】
FRET技術の別の共通フォーマットは、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブを異なる蛍光部分で標識することができ、概して、標的DNA分子(例えば、増幅産物)中で互いに極めて近接してハイブリダイズするように設計される。ドナー蛍光部分、例えば、フルオレセインは、LightCycler(登録商標)機器の光源により470nmで励起される。FRETの間、フルオレセインは、LightCycler(登録商標)−Red640(LC Red640)又はLightCycler(登録商標)−Red705(LC Red705)などのアクセプター蛍光部分にそのエネルギーを移す。アクセプター蛍光部分は次に、さらに長波長の光を放射し、これはLightCycler(登録商標)機器の光検出システムによって検出される。効率的なFRETは、蛍光部分が直接的局所的に近接している場合、及びドナー蛍光部分の発光スペクトルがアクセプター蛍光部分の吸収スペクトルと重複する場合にのみ起こり得る。放射されたシグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例えば、HCVゲノムの数)と相関させることができる。標的核酸の増幅が起こり、増幅産物が生じる場合、ハイブリダイジングステップの結果、プローブ対のメンバー間でFRETに基づいて検出可能なシグナルが生じる。
【0065】
概して、FRETの存在は、サンプル中に標的核酸が存在することを示し、FRETが存在しないことは、サンプル中に標的核酸が存在しないことを示す。しかしながら、不適切な検体採取、輸送遅延、不適切な輸送状態、又は特定の採取用綿棒(アルギン酸カルシウム又はアルミニウムシャフト)の使用はすべて、試験結果の成功及び/又は精度に影響を及ぼし得る条件である。
【0066】
当該方法の実施で使用できる代表的な生体サンプルとしては、呼吸器検体、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ(dermal swab)、鼻スワブ(nasal swab)、創傷スワブ(wound swab)、血液培養、皮膚、及び軟組織感染が挙げられるが、これらに限定されるものではない。生体サンプルの採取及び保存方法は、当業者には公知である。生体サンプルは、(例えば、当該技術分野で公知の核酸抽出法及び/又はキットにより)処理して、標的核酸(HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を放出することができるか、又は場合によって、生体サンプルをPCR反応成分及び適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
【0067】
融解曲線分析は、循環プロフィールに含めることができるさらなるステップである。融解曲線分析はDNAが融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度で融解するという事実に基づき、融解温度とは、DNA二本鎖の半分が分離して一本鎖になる温度と定義される。DNAの融解温度はそのヌクレオチド組成に主に依存する。したがって、G及びCヌクレオチドを多く含むDNA分子は、A及びTヌクレオチドを多く有するものよりも高いTmを有する。シグナルが消失する温度を検出することによって、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが生じる温度を検出することによって、プローブのアニーリング温度を決定することができる。標的核酸増幅産物からの標的核酸プローブの融解温度は、サンプル中の標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)の有無を確認することができる。
【0068】
各サーモサイクラーの実施中に、対照サンプルも同様に循環させることができる。陽性の対照サンプルは、例えば、対照プライマー及び対照プローブを使用して、標的核酸対照テンプレート(標的遺伝子の記載された増幅産物以外)を増幅することができる。陽性の対照サンプルはまた、例えば、標的核酸分子を含むプラスミド構築物を増幅することもできる。そのようなプラスミド対照は、内部で(例えば、サンプル内で)又は意図する標的の検出のために使用したのと同じプライマー及びプローブを使用して患者のサンプルと並行して実施する別のサンプル中で増幅することができる。そのような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション、及び/又はFRET反応の成否の指標である。各サーモサイクラー実施は、例えば、標的テンプレートDNAを欠く負の対照も含み得る。負の対照は汚染を測定できる。これによって、システム及び試薬が偽陽性シグナルを生じないことを確実にする。したがって、対照反応は、例えば、プライマーが配列特異性を伴ってアニーリングして伸長を開始する可能性、ならびにプローブが配列特異性を伴ってハイブリダイズしてFRETが起こる可能性を容易に判定することができる。
【0069】
一実施形態において、方法は汚染を回避するステップを含む。例えば、米国特許第5,035,996号明細書、同第5,683,896号明細書、及び同第5,945,313号明細書で、1回のサーモサイクラー実施と次の回との間の汚染を低減又は排除するためのウラシル−DNAグリコシラーゼを用いた酵素法が記載されている。
【0070】
FRET技術と組み合わせた従来型PCR法を用いて当該方法を実施することができる。一実施形態において、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術で使用するリアルタイムPCRを記載している:国際公開第97/46707号パンフレット、国際公開第97/46714号パンフレット、及び国際公開第97/46712号パンフレット。
【0071】
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを用いて操作することができ、Windows(登録商標) NTオペレーティングシステムを利用できる。機械がキャピラリーを連続して光装置上に配置する際にサンプルからのシグナルが得られる。ソフトウェアは測定直後にリアルタイムで蛍光シグナルを表示できる。蛍光収集時間は10〜100ミリ秒(msec)である。各循環ステップ後に、蛍光vsサイクル数の定量的表示をすべてのサンプルについて継続的に更新することができる。得られたデータをさらなる分析のために保存することができる。
【0072】
FRETの代替として、増幅産物は、蛍光DNA結合色素(例えば、SYBR(登録商標)Green又はSYBR(登録商標)Gold(Molecular Probes))などの二本鎖DNA結合色素を使用して検出することができる。二本鎖核酸との相互作用により、そのような蛍光DNA結合色素は、好適な波長の光で励起された後に蛍光シグナルを放射する。核酸挿入色素などの二本鎖DNA結合色素も使用できる。二本鎖DNA結合色素を使用する場合、増幅産物の存在を確認するために、融解曲線分析が通常実施される。
【0073】
当業者は、他の核酸増幅法又はシグナル増幅法も使用できることを理解するであろう。そのような方法の例としては、制限なく、分枝DNAシグナル増幅、ループ媒介等温増幅(LAMP)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、自家持続配列複製法(3SR)、鎖置換増幅(SDA)、又はスマート増幅プロセスバージョン2(SMAP2)が挙げられる。
【0074】
本開示の実施形態は、1つ以上の商業的に入手可能な機器の構成によって限定されないと理解される。
【0075】
製品/キット
本開示の実施形態はさらに、標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出し定量するための製品又はキットを提供する。製品は、遺伝子標的(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出するために使用されるプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを、好適な包装材料とともに含み得る。標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)の検出及び定量のための代表的なプライマー及びプローブは、標的核酸分子とハイブリダイズすることができる。代表的な非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的核酸分子と部分的又は全体的にアニーリング/ハイブリダイズすることができる。場合によって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド及び(伸長)プライマーは、標的核酸の同じ部分に、部分的又は全体的にアニーリング/ハイブリダイズする。すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、プライマー結合領域中に設計することができる。あるいは、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド及び(伸長)プライマーは、標的核酸の同じ部分にアニーリング/ハイブリダイズしない。加えて、キットはまた、DNA固定化、ハイブリダイゼーション、検出、定量に必要な、好適に包装された試薬及び材料、例えば固体支持体、緩衝液、酵素、及びDNA標準も含み得る。プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを設計する方法は本明細書中で開示され、増幅して標的核酸分子にハイブリダイズするプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブの代表例が提供される。
【0076】
製品はまた、プローブを標識するための1つ以上蛍光部分を含み得るか、あるいは、キットに同梱されているプローブを標識することができる。例えば、製品は、標的核酸プローブ(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸に対して特異的なプローブ)を標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例は上記で提供されている。
【0077】
製品はまた、サンプル中の標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出し定量するためのプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを使用するための指示を有する添付文書又はパッケージラベルも含み得る。製品は、本明細書中で開示する方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)、ヌクレオシド三リン酸モノマーもしくは他のヌクレオシドモノマー、補助因子、又は汚染を防止するための薬剤)をさらに含み得る。そのような試薬は、本明細書中で記載する商業的に入手可能な機器の1つについて特異的であり得る。
【0078】
本開示の実施形態はまた、サンプル中の標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出するためのプライマー、1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び1つ以上の検出可能なプローブのセットを提供する。
【0079】
反応混合物
本開示の実施形態はさらに、標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を増幅、検出、及び定量するための反応混合物を提供する。反応混合物は、遺伝子標的(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出するために使用されるプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを、好適な包装材料とともに含み得る。標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)の検出及び定量のための代表的なプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブは、標的核酸分子にハイブリダイズすることができる。加えて、キットは、固体支持体、緩衝液、酵素、及びDNA標準などの、DNA固定化、ハイブリダイゼーション、検出、定量に必要な好適に包装された試薬及び材料も含み得る。プライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを設計する方法は本明細書中で開示されており、増幅して標的核酸分子にハイブリダイズするプライマー、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブの代表例が提供されている。
【0080】
反応混合物はまた、プローブを標識するための1つ以上の蛍光部分も含み得るか、又はキットに同梱されているプローブを標識することができる。例えば、反応混合物は、標的核酸プローブ(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸に対して特異的なプローブ)を標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例は上記で提示されている。
【0081】
反応混合物は、さらに本明細書中で開示される方法を実施するための試薬を含み得る(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)、ヌクレオシド三リン酸モノマーもしくは他のヌクレオシドモノマー、補助因子、又は汚染を防止するための他の薬剤)。そのような試薬は、本明細書中で記載する商業的に入手可能な機器のうちの1つに対して特異的であり得る。
【0082】
本開示の実施形態はまた、サンプル中の標的核酸(例えば、HPV、WNV、HAV、HBV、HCV、及びHIVなどの微生物標的核酸)を検出するためのプライマー、1つ以上の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及び1つ以上の検出可能なプローブのセットも提供する。
【0083】
本発明の一実施形態は、サンプル中の標的核酸を検出及び/又は定量するための方法であって:(a)サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、ここで前記増幅試薬は、少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;少なくともヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及びアンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素、を含み;(b)核酸を増幅試薬とともに、増幅反応が起こるために充分な時間及び条件下でインキュベートし;そして(c)少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素でアンプリコンを検出することを含む方法を対象とする。別の実施形態において、標的核酸は微生物性核酸(例えば、ウイルス性核酸及び/又は細菌性核酸)である。いくつかの実施形態において、ウイルス性核酸は、ヒトパピローマウイルス(HPV)、西ナイル熱ウイルス(WNV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)の核酸である。関連する実施形態において、ウイルス性核酸は、例えば、HCV遺伝子型5を含むC型肝炎ウイルス(HCV)の核酸である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。関連する実施形態において、ポリ(A)配列は4〜12ヌクレオチド長、例えば約8ヌクレオチド長である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0084】
本発明の別の実施形態は、サンプル中のHCV核酸を検出及び/又は定量するための方法であって:(a)サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、ここで前記増幅試薬は、少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;少なくともヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及びアンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素、を含み;(b)核酸を増幅試薬とともに、増幅反応が起こるために充分な時間及び条件下でインキュベートし;そして(c)少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素でアンプリコンを検出することを含む方法を対象とする。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。別の実施形態において、ポリ(A)配列は、4〜12ヌクレオチド長であり、例えば約8ヌクレオチド長である。別の実施形態において、HCVはHCV遺伝子型5である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。関連する実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び/又は3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0085】
本発明の別の実施形態は、サンプル中の標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量するためのキットであって:(a)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;(b)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;(c)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;(d)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び(e)標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素を含む増幅試薬を含むキットを対象とする。別の実施形態において、標的核酸は微生物性核酸(例えば、ウイルス性核酸又は細菌性核酸)である。関連する実施形態において、ウイルス性核酸は、HPV、WNV、HIV、HAV、HBV、又はHCVの核酸である。さらに特定の実施形態において、ウイルス性核酸は、例えば、HCV遺伝子型5を含むHCVの核酸である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。別の実施形態において、ポリ(A)配列は、4〜12ヌクレオチド長であり、例えば約8ヌクレオチド長である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0086】
本発明の関連する実施形態は、サンプル中のHCV核酸を増幅し、検出及び/又は定量するためのキットであって:(a)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;(b)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;(c)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;(d)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び(e)標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素を含む増幅試薬を含むキットを対象とする。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。別の実施形態において、ポリ(A)配列は、4〜12ヌクレオチド長であり、例えば約8ヌクレオチド長である。別の実施形態において、HCVはHCV遺伝子型5である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。関連する実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列、又は相補配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0087】
本発明のさらに別の実施形態は、サンプル中の標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量するために有効な反応混合物であって:(a)サンプル;(b)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;(c)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;(d)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;(e)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び(f)標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素を含む増幅試薬を含む反応混合物を対象とする。別の実施形態において、標的核酸は微生物性核酸である。別の実施形態において、微生物性核酸はウイルス性核酸である。別の実施形態において、微生物性核酸は細菌性核酸である。別の実施形態において、ウイルス性核酸は、HPV、WNV、HIV、HAV、HBV、又はHCVの核酸である。特定の実施形態において、ウイルス性核酸は、例えば、HCV遺伝子型5を含むHCVの核酸である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。別の実施形態において、ポリ(A)配列は、4〜12ヌクレオチド長であり、例えば約8ヌクレオチド長である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0088】
本発明の関連する実施形態は、サンプル中のHCV核酸を増幅し、検出及び/又は定量するために有効な反応混合物であって:(a)サンプル;(b)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;(c)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;(d)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;(e)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つのプライマーと同じ部分の標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び(f)標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素を含む増幅試薬を含む反応混合物を対象とする。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの3’末端にポリ(A)配列を含む。別の実施形態において、ポリ(A)配列は、4〜12ヌクレオチド長であり、例えば約8ヌクレオチド長である。一実施形態において、HCVはHCV遺伝子型5である。別の実施形態において、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列、又は相補配列からなる群から選択される配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。別の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマーは、配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;少なくとも1つの逆方向プライマーは、配列番号2及び3の配列からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして少なくとも1つのプローブは、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む。
【0089】
本開示の実施形態を、以下の実施例においてさらに説明する。
【実施例】
【0090】
以下の実施例及び図面は、主題の理解を助けるために提供されており、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の精神から逸脱することなく、記載された手順に修正を加えることができると理解される。
【0091】
実施例1:リアルタイムPCRによるHCVの検出
リアルタイムPCRアッセイのために使用したRNAサンプルは、HCV陽性ヒト血漿サンプルから抽出した。使用した試薬は、cobas(登録商標)6800/8800と共に使用するためのプロファイル及び条件を備え、TaqMan(登録商標)検出及び定量技術を使用する、cobas(登録商標)6800/8800ジェネリックPCR Master Mixを含む。50μlのPCR反応において、最終濃度は以下のとおりであった:順方向及び逆方向プライマーは0.2〜0.5μMに及び、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは0.20μMであり、そしてプローブは0.12μMであった。0.10μM〜0.50μMの範囲内の濃度の順方向プライマー、逆方向プライマー、及び非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが有効であると考えられる。
【0092】
非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの効果を示すために、HCV陽性ヒト血漿サンプルを使用するリアルタイムPCRアッセイを、以下の2つの実験条件を用いて二連で実施した:(1)プライマー対及びプローブのみを使用する(すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドを使用しない)リアルタイムPCR;ならびに(2)プライマー対、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを使用するリアルタイムPCR。リアルタイムPCRアッセイのために使用したHCV遺伝子型5に特異的なオリゴヌクレオチドは、順方向プライマーについては配列番号1、逆方向プライマーについては配列番号2及び3、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドについては配列番号5、そしてプローブについては配列番号4であった。非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド(配列番号5)は、その3’末端でポリ(A)尾部を有する53塩基対の非標識オリゴヌクレオチドであり、HCVゲノムの逆方向プライマー結合コア領域中に設計される。
【0093】
これらのHCV陽性ヒト血漿サンプルについて、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でHCV標的領域の予想される二次構造を図2に示し、これは−107.2kcal/molのΔGを示し(CLC Genomics Workbench 6、Qiagen)、結果を、また図1に示し、図1はリアルタイムPCR成長曲線を示す。図1からわかるように、PCR反応は、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドがない場合によりも非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でより効率的である。
【0094】
これらの結果は、PCR反応が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でより強固かつより効率的であることを示す。すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが無い場合よりも非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でPCR産物の蓄積が改善される。
【0095】
実施例2:リアルタイムPCRによるHCV遺伝子型5の検出
実施例1においてと同様に、RNAサンプルをリアルタイムPCRアッセイに使用したが、実施例1で使用したサンプルとは異なるHCV陽性ヒト血漿サンプルから抽出した。実施例1においてと同様に、使用した試薬は、cobas(登録商標)6800/8800と共に使用するためのプロファイル及び条件を有し、TaqMan(登録商標)検出及び定量技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800ジェネリックPCR Master Mixを含む。50μlのPCR反応において、最終濃度は以下のとおりであった:順方向及び逆方向プライマーは0.2〜0.5μMに及び、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは0.20μMであり、そしてプローブは0.12μMであった。0.10μM〜0.50μMの範囲内の濃度の順方向プライマー、逆方向プライマー、及び非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが有効であると考えられる。
【0096】
非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの効果を実証するために、HCV陽性ヒト血漿サンプル(実施例1で使用したサンプルとは異なる)を使用したリアルタイムPCRアッセイを、以下の2つの実験条件を使用して二連で実施した:(1)プライマー対及びプローブのみを使用する(すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドを使用しない)リアルタイムPCR;ならびに(2)プライマー対、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド、及びプローブを使用するリアルタイムPCR。リアルタイムPCRアッセイのために使用したHCV遺伝子型5に特異的なオリゴヌクレオチドは、順方向プライマーについては配列番号1、逆方向プライマーについては配列番号2及び3、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドについては配列番号5、そしてプローブについては配列番号4であった。実施例1においてと同様に、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド(配列番号5)は、その3’末端でポリ(A)尾部を有する53塩基対の非標識オリゴヌクレオチドであり、そしてHCVゲノムの逆方向プライマー結合コア領域中に設計される。
【0097】
この特定のHCV陽性ヒト血漿サンプルについて、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でのHCV標的領域の予想される二次構造を図4に示し、これは−98.6kcal/molのΔGを示し、また結果を図3に示し、図3はリアルタイムPCR成長曲線を示す。図3からわかるように、PCR反応は、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドがない場合よりも非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でより効率的である。
【0098】
これらの結果は、PCR反応が非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でより強固でより効率的であることを示す。すなわち、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドがない場合よりも非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下でPCR産物の蓄積が改善される。
【0099】
まとめると、これらの2つの例は、異なるサンプルにおいて、本発明の非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは、プライマーへの標的核酸の接近を容易にする、標的核酸の二次構造のギブズ自由エネルギーを低下させるようである。これにより、増幅効率の改善がもたらされる。したがって、非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドは増幅アッセイの感度を増大させる。
【0100】
明瞭さと理解のために前述の発明を記載してきたが、本開示を読むと、本発明の真の範囲から逸脱することなく形態及び詳細において様々な変更が可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、上述のすべての技術及び装置は、様々な組み合わせで使用することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【配列表】
2019524123000001.app
【手続補正書】
【提出日】20190205
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の標的核酸を検出及び/又は定量するための方法であって:
(a)前記サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、ここで前記増幅試薬は、
少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
少なくとも、ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドであって、3’末端にポリ(A)配列を含む、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
前記アンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素
を含み;
(b)前記核酸を前記増幅試薬と、増幅反応が起こるために充分な期間及び条件下でインキュベートし;そして
(c)前記アンプリコンを前記少なくとも1つの検出可能なプローブ又は前記少なくとも1つのDNA結合色素で検出すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記標的核酸が細菌性核酸又はウイルス性核酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウイルス性核酸が、C型肝炎ウイルス(HCV)(例えばHCV遺伝子型5)の核酸である、請求項4に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み、
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが、配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み、そして/又は
前記少なくとも1つのプローブが、配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、
請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
サンプル中のHCV核酸を検出及び/又は定量化する方法であって:
(a)前記サンプル中の核酸を増幅試薬と接触させ、
少なくとも、DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
少なくともヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
少なくとも1つのアンプリコンを生成するための、前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー、もしくは前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドであって、3’末端にポリ(A)配列を含む、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
前記アンプリコンに対して特異的な少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素
を含み、
(b)前記核酸を前記増幅試薬とともに、増幅反応が起こるために充分な期間及び条件下でインキュベートし、
(c)前記少なくとも1つの検出可能なプローブ又は少なくとも1つのDNA結合色素で前記アンプリコンを検出すること
を含む、方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び/もしくは3、又はその相補配列からなる群から選択される配列を含み;そして/又は、
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記HCV核酸がHCV遺伝子型5を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
増幅試薬を含むサンプルにおいて標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量化するためのキットであって、前記増幅試薬が:
(a)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
(b)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
(c)前記標的核酸に対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマーもしくは少なくとも1つの逆方向プライマー、又はその組み合わせ;
(d)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つのプライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドあって、3’末端にポリ(A)配列を含む、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
(e)前記標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素
を含む、キット。
【請求項11】
前記標的核酸が細菌性核酸又はウイルス性核酸である、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記ウイルス性核酸は、HCV(例えばHCV遺伝子型5)の核酸である、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項1012のいずれか1項に記載のキット。
【請求項14】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして/又は、
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項1013のいずれか1項に記載のキット。
【請求項15】
増幅試薬を含むサンプル中の標的核酸を増幅し、検出及び/又は定量するために有効な反応混合物であって:
(a)サンプル;
(b)DNAポリメラーゼ活性を備える酵素;
(c)ヌクレオシド三リン酸モノマー又は他のヌクレオシドモノマー;
(d)標的核酸、又はその組み合わせに対して特異的な少なくとも1つの順方向プライマー又は少なくとも1つの逆方向プライマー;
(e)(i)伸長せず、(ii)少なくとも1つの前記プライマーと同じ部分の前記標的核酸部分にアニーリングし、そして(iii)少なくとも1つの前記プライマーの活性を増強する、少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドあって、3’末端にポリ(A)配列を含む、前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチド;及び
(f)前記標的核酸に対する少なくとも1つの検出可能なプローブ又はDNA結合色素
を含む、反応混合物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの非伸長ヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号5の配列、又はその相補配列を含む、請求項15に記載の反応混合物。
【請求項17】
前記少なくとも1つの順方向プライマーが配列番号1の配列、又はその相補配列を含み;
前記少なくとも1つの逆方向プライマーが配列番号2及び3からなる群から選択される配列、又はその相補配列を含み;そして/又は、
前記少なくとも1つのプローブが配列番号4の配列、又はその相補配列を含む、請求項15又は16に記載の反応混合物。
【請求項18】
前記標的核酸は、HCV(例えばHCV遺伝子型5)の核酸である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の反応混合物。
【国際調査報告】