(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019524282
(43)【公表日】20190905
(54)【発明の名称】生体媒質を監視して運動に誘発される信号変調を分析する信号分析システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20190809BHJP
【FI】
   !A61B5/1455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】2019506106
(86)(22)【出願日】20170807
(85)【翻訳文提出日】20190204
(86)【国際出願番号】US2017045798
(87)【国際公開番号】WO2018027234
(87)【国際公開日】20180208
(31)【優先権主張番号】15/229,494
(32)【優先日】20160805
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】503062253
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
【住所又は居所】アメリカ合衆国・マサチューセッツ・02062・ノーウッド・ワン・テクノロジー・ウェイ(番地なし)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トニー・ジョセフ・アクル
【住所又は居所】アメリカ合衆国・マサチューセッツ・01801・ウォーバン・インウッド・ドライブ・13304
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・シー・ドッシャー
【住所又は居所】アメリカ合衆国・マサチューセッツ・01867・レディング・アーチストーン・サークル・6・ユニット・303
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
(57)【要約】
1つの構成によれば、システムは、被験者の生体媒質(血液および/または他の物質のような)を監視および分析するためのセンサハードウェアおよび信号プロセッサリソースを含む。動作中、センサハードウェアは、被験者の生体媒質を監視して出力を生成する。監視対象の出力(1つ以上の信号のような)は、大きさが人物に誘発される動きに少なくとも部分的に基づいて変化する。信号プロセッサリソースは、センサハードウェアにより生成される出力を分析する。分析、および人物の動きにより生じるセンサハードウェアの出力の検出された変化に基づいて、信号プロセッサリソースは、生体媒質を監視することに関連する注目生体測定パラメータの設定値を生成する。本明細書において記載されるシステムは、静脈血酸素含量、血管硬度などのような異なる注目生体測定パラメータを測定するために使用することができることに留意されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の生体測定パラメータを、運動に誘発される信号変化に少なくとも部分的に基づいて測定する装置であって、前記装置は、
前記被検体に接続されて、第1および第2信号を前記被検体に送信するための送信機と、
前記第1信号の一部分を受信して、前記第1信号の前記一部分に比例する第1出力信号を生成し、前記第2信号の一部分を受信して、前記第2信号の前記一部分に比例する第2出力信号を生成するためのセンサハードウェアと、
前記第1および第2出力信号を処理して、前記生体測定パラメータの測定値を、前記第1および第2出力信号のうち少なくとも一方の変化に少なくとも部分的に基づいて生成するための信号プロセッサハードウェアと、を備え、前記変化は、少なくとも部分的に前記送信機の動きにより生じる、装置。
【請求項2】
前記第1および第2信号は、前記被検体の生体媒質の内部に送信され、前記生体媒質の属性は、前記送信機の前記動きに起因して変化し、前記第1および第2出力信号のうち少なくとも一方の前記変化は、前記生体媒質の動きに誘発される変化に起因する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記送信機の前記動きを測定し、運動信号を生成するための運動検出器をさらに備え、
前記信号プロセッサハードウェアは、前記運動信号を使用して前記動きにより生じる前記第1および第2出力信号のうち少なくとも一方の前記変化を測定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記信号プロセッサハードウェアは、前記測定値を、前記第1および第2出力信号の平均大きさに対する前記変化の大きさの比率に少なくとも部分的に基づいて生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記信号プロセッサハードウェアは、
前記送信機の前記動きに関連する周波数範囲を特定し、前記第1および第2出力信号をフィルタ処理して前記周波数範囲外の周波数を除去し、フィルタ処理済み出力信号を得、
前記フィルタ処理済み出力信号を使用して、前記動きにより生じる前記第1および第2出力信号のうち少なくとも一方の前記変化を測定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1出力信号は、前記第1信号の一部分を含み、前記第1信号の前記一部分は、前記被検体の生体媒質により反射される光信号であり、
前記第2出力信号は、前記第2信号の一部分を含み、前記第2信号の前記一部分は、前記被検体の生体媒質により反射される光信号であり、
前記生体測定パラメータの前記測定値は、前記生体媒質に関連する酸素飽和度である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記信号プロセッサハードウェアは、
第1の比率値を生成することであって、前記第1の比率値が、前記第1出力信号の平均大きさに対する第1出力信号変化の大きさの比率を表わす、生成することと、
第2の比率値を生成することであって、前記第2の比率値が、前記第2出力信号の平均大きさに対する第2出力信号変化の大きさの比率を表わす、生成することと、を行なうようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記信号プロセッサハードウェアは、前記生体測定パラメータの前記測定値を、前記第1の比率値を前記第2の比率値で除算することに少なくとも部分的に基づいて生成する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記センサハードウェアは、静脈血の流れを非侵襲的に監視して、前記第1および第2出力信号を生成し、
前記信号プロセッサハードウェアにより生成される前記測定値は、前記静脈血中の酸素飽和度である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
被検体の生体測定パラメータを運動に誘発される信号変化に少なくとも部分的に基づいて測定する方法であって、前記方法は、
前記被検体に接続される送信機から、第1および第2信号を前記被検体に送信することと、
センサハードウェアにおいて、前記第1信号の一部分を受信して、前記第1信号の前記一部分に比例する第1出力信号を生成することと、
センサハードウェアにおいて、前記第2信号の一部分を受信して、前記第2信号の前記一部分に比例する第2出力信号を生成することと、
前記生体測定パラメータの測定値を、前記第1および第2出力信号のうちの少なくとも一方の検出された変化に少なくとも部分的に基づいて生成することと、を含み、前記検出された変化は、少なくとも部分的に前記送信機の動きにより生じる、方法。
【請求項11】
前記第1および第2信号を送信することは、前記第1および第2信号を前記被検体の生体媒質に送信することを含み、前記検出された変化は、前記生体媒質の量の変化により生じる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記送信機に接続された運動検出器の動きを測定する運動信号を受信することと、
前記動きにより生じる、前記第1および第2出力信号のうちの少なくとも一方の前記変化を測定することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記送信機は、前記被検体の身体部分に接続され、前記生体測定パラメータの前記測定値を生成することは、
出力装置の前記検出された変化が、前記被検体の前記身体部分の動きにより生じたことを、前記検出された変化の周波数に少なくとも部分的に基づいて推定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記測定値を生成することは、前記第1および第2出力信号の平均大きさに対する前記検出された変化の大きさの比率に少なくとも部分的に基づく、請求項10に記載の方法装置。
【請求項15】
前記生体測定パラメータの前記測定値を生成することは、
前記第1および第2出力信号から、前記送信機の動きに関連する周波数範囲を特定することと、
前記第1および第2出力信号をフィルタ処理して、前記周波数範囲の外側の周波数を除去してフィルタ処理済み出力信号を得ることと、
前記フィルタ処理済み出力信号を使用して、前記生体測定パラメータの前記測定値を、前記周波数範囲に検出される変化に少なくとも部分的に基づいて生成することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記センサハードウェアは、前記被検体の外側表面上に配置されて、静脈血の流れを非侵襲的に監視し、
前記生体測定パラメータの前記測定値を生成することは、前記センサハードウェアにより監視される前記静脈血中の酸素飽和度を決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記センサハードウェアは、前記被検体の身体部分に固定され、
前記身体部分の動きにより、前記センサハードウェアからの前記第1出力信号および第2出力信号のうちの少なくとも一方に、検出される変化が生じる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
さらに、信号処理ハードウェアにおいて、センサハードウェアにより生成される前記第1および第2出力信号を受信することを含み、前記第1および第2出力信号を受信することは、
大きさが前記送信機の動きに基づいて変化する前記第1出力信号を受信することであって、前記第1出力信号が、第1光波長を監視することにより生成される、受信することと、
大きさが前記送信機の動きに基づいて変化する第2出力信号を受信することであって、前記第2出力信号が、第2光波長を監視することにより生成される、受信することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記生体測定パラメータの前記測定値を生成することは、
第1の比率値を生成することであって、前記第1の比率値が、前記第1出力信号の平均大きさに対する前記第1出力信号の変化の大きさの比率を表わす、生成することと、
第2の比率値を生成することであって、前記第2の比率値が、前記第2出力信号の平均大きさに対する前記第2出力信号の変化の大きさの比率を表わす、生成することと、
前記第1の比率値を前記第2の比率値で除算することと、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、それに格納されている命令を有し、前記命令は、コンピュータプロセッサハードウェアにより実行されると、前記コンピュータプロセッサハードウェアに、
被検体に接続された送信機から、第1および第2信号を前記被検体に送信させ、
センサハードウェアにおいて、前記第1信号の一部分を受信して、前記第1信号の前記一部分に比例する第1出力信号を生成させ、
センサハードウェアにおいて、前記第2信号の一部分を受信させ、前記第2信号の前記一部分に比例する第2出力信号を生成させ、
生体測定パラメータの測定値を、前記第1および第2出力信号のうちに少なくとも一方で検出された変化に少なくとも部分的に基づいて生成させ、前記検出された変化は、少なくとも部分的に前記送信機の動きにより生じる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、被験者の生体媒質を分析して、それぞれの1つ以上の注目生体測定パラメータの設定値を決定するように動作可能な装置、方法、コンピュータ可読媒体などに関する。本明細書において詳述される特定の非限定的な例示的な実施形態では、分析対象の生体媒質は静脈血であり、生体測定パラメータは酸素含有量である。
【背景技術】
【0002】
酸素飽和度(記号SO)は、血液のような所定の媒質中に溶解する、または運ばれる酸素の量を表わす相対的な指標である。酸素飽和度は通常、パーセント(%)単位で測定され、それぞれの被検体の合計酸素供給量および酸素消費量を監視するために有用である。
【0003】
被検体の血中酸素飽和度は、多くの異なる方法で測定することができる。例えば、従来の技法は、血中酸素飽和度を決定する侵襲的方法および非侵襲的方法の両方を含む。
【0004】
従来の侵襲的技法によれば、酸素センサを含むカテーテルをそれぞれの被検体の血管に挿入する(皮下に挿入されるように)。血液に触れるカテーテル内の酸素センサは、それぞれの1つ以上の信号を生成する。分析器が当該信号を分析して血中酸素量を測定する。
【0005】
動脈血酸素飽和度(SaO2)は普通、所謂パルスオキシメトリー法を使用して測定される。この非侵襲的技法によれば、検査対象の患者の選択部位が光信号に曝される。光検出器は、選択部位において高い圧力で脈動する血液中を透過してきた光信号、または選択部位において高い圧力で脈動する血液により反射される光信号の強度を検出する。分析器は、各波長の吸光度のAC成分を決定し、次にAC成分を対応するDC成分で除算して入射光強度とは独立した比率が得られる。分析器は、異なる波長に関するこれらの比率の比を使用して、動脈(脈動を有する媒質)中の酸素含有量を決定する。この技法は、動脈中(または、毛細血管中)の酸素飽和度を与える。パルスオキシメトリーから得られる信号を使用して、血管硬度のような動脈および毛細血管網の他のパラメータを測定することもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、静脈血が普通、脈動しないので、上に説明されるAC成分は、静脈血については得られないという見解を含む。したがって、従来のパルスオキシメトリーは、静脈血の酸素化の程度を測定するためには使用できない。
【0007】
従来の技法とは異なり、本明細書における実施形態は、人物、動物などのような被検体の1つ以上の生体測定パラメータ(血中酸素含有量、血管硬度などのような)を、運動に誘発される信号変化に少なくとも部分的に基づいて測定および監視するシステムを含む。例示的な装置は、センサハードウェアおよび信号プロセッサリソースを備える。動作中、センサハードウェアは、被検体(人物のような)の生体媒質(血液のような)を監視して、監視対象の生体媒質中の酸素濃度を表わす出力(1つ以上の信号のような)を生成する。監視対象の出力は、大きさが被検体の身体部分の動きに少なくとも部分的に基づいて変化する。信号プロセッサリソースは、センサハードウェアからの出力を分析する。分析に基づいて、信号プロセッサリソースは、生体媒質に関連する1つ以上の生体測定パラメータに関する設定情報を、被検体の身体により生じるセンサハードウェアの出力の検出された変化(複数の変化)を使用して生成する。
【0008】
したがって、本開示は概して、血液または他の好適な物質のような監視対象の生体媒質の運動に誘発される変化(変調)を検出および分析するように動作することができる装置、方法、コンピュータ可読媒体などに関する。
【0009】
1つの実施形態では、センサハードウェアは、被検体の身体部分に固定される。被検体は、被検体の身体部分の動きを自発的に制御して(例えば、被検体に与えられる指示に従って)力を検査対象の生体媒質に加えて、センサハードウェアからの出力の変化が生じるようにする。したがって、1つの実施形態では、被検体(患者、アスリートなどのような)の身体部分の被検体に誘発される運動により、センサハードウェアにより生成される出力の変化が生じるようにする。信号プロセッサリソースは、運動に誘発される信号変化(変調)を使用して、被検体の静脈血中の酸素濃度、血管硬度などのような監視対象の生体測定パラメータの設定値を決定する。
【0010】
別の実施形態によれば、センサハードウェアからの出力は、センサハードウェアにより検出される被検体の部位に誘導される光信号の反射部分を表わす。さらに、または代替的に、出力は、被検体内を通過する(透過する)光信号の一部分を表わす。
【0011】
さらに別の実施形態によれば、被検体の運動は、センサハードウェアにより生成される出力の変化から推定することができる。
【0012】
運動を推定する代わりに、本明細書において記載される分析装置は、動きに関連する量および/または種類を示す別の入力を受信することができる。例えば、本明細書において記載されるシステムは、被検体の動きを測定する運動信号を生成する運動センサをさらに含むことができる。信号プロセッサリソースは、運動信号を基準として使用して、被検体の動きに関連する1つ以上の属性(タイミング、周波数、周期、方向、大きさなどのような)を特定する。このようなパラメータのうちの1つ以上のいずれかを使用して、被検体の動きにより生じる出力信号の変化の測定を容易にすることができる。
【0013】
注目生体測定パラメータの設定値の生成を促進する場合、信号プロセッサリソースは、被検体の動きに関連する周波数範囲を特定し、周波数範囲の出力信号の一部分を通過させるフィルタを生成し、出力信号を、フィルタ内を通過させて、動きにより生じる出力の変化を測定するように構成することができる。このような実施形態では、信号プロセッサリソースは、注目生体測定パラメータの設定値を、周波数範囲において検出されるセンサハードウェアの出力の変化に少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0014】
さらに別の実施形態では、信号プロセッサリソースは、(監視対象の生体媒質の)注目生体測定パラメータの設定値を、出力の平均大きさに対する出力の変化の大きさの比率に少なくとも部分的に基づいて生成するように動作可能である。より具体的には、それぞれの監視ハードウェアからの出力は、第1出力信号および第2出力信号を含むことができる。第1出力信号は、大きさが被検体の動きに基づいて変化する。第2出力信号は、大きさが被検体の動きに基づいて変化する。このような実施形態では、信号プロセッサリソースは、第1の比率値および第2の回路比率値を生成する。第1の比率値は、第1出力信号の平均大きさに対する第1出力信号の変化の大きさの比率を表わす。第2の比率値は、第2出力信号の平均大きさに対する第2出力信号の変化の大きさの比率を表わす。さらに、信号プロセッサリソースは、注目生体測定パラメータの設定値を、第1の比率値を第2の比率値で除算することに少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0015】
これらおよび他のさらに特定の実施形態は、以下に詳細に開示される。
【0016】
本明細書において説明されるリソースのいずれかは、1つ以上のコンピュータ化機器、医療機器、モバイル機器、サーバ、基地局、無線再生機器、ハンドヘルドまたはラップトップコンピュータなどを含むことができ、本明細書において開示される方法操作のいずれか、または全てを実行する、および/またはサポートすることができることに留意されたい。換言すれば、1つ以上のコンピュータ化機器またはプロセッサは、本明細書において説明される通りに動作して、本明細書において説明される異なる実施形態を実施するようにプログラムする、および/または構成することができる。
【0017】
本明細書におけるさらに他の実施形態は、上に要約され、以下に詳細に開示されるステップおよび操作を実行するソフトウェアプログラムを含む。1つのこのような実施形態は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(すなわち、任意のコンピュータ可読ハードウェア記憶媒体または別々の場所もしくは同じ場所に格納されるハードウェア記憶媒体)を含むコンピュータプログラム製品を備え、このコンピュータ可読記憶媒体上でソフトウェア命令が符号化されて引き続き実行される。命令は、プロセッサ、プログラムを有するコンピュータ化機器(ハードウェア)で実行されると、および/または命令により、プロセッサ(ハードウェア)が、本明細書において開示される操作のいずれかを実行するようになる。このような構成は通常、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に配置される、または非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上で符号化されるソフトウェア、コード、命令、および/または他のデータ(例えば、データ構造)として提供され、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として、光媒体(例えば、CD−ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、メモリスティック、メモリデバイスなどを挙げることができる、または1つ以上のROM、RAM、PROMなどにおけるファームウェアのような、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)などのような他の媒体を挙げることができる。ソフトウェアまたはファームウェアもしくは他のこのような構成は、コンピュータ化機器にインストールして、コンピュータ化機器が、本明細書において説明される任意の操作を実行できるようにする。
【0018】
したがって、本明細書における実施形態は、本明細書において説明される操作をサポートする方法、装置、コンピュータプログラム製品、コンピュータ可読媒体などに関する。
【0019】
1つの実施形態は、それぞれの被検体の生体媒質の監視を容易にするコンピュータ可読記憶媒体、および/またはコンピュータ可読記憶媒体に格納される命令を有する装置を含む。例えば、1つの実施形態では、命令がコンピュータプロセッサハードウェアにより実行されると、コンピュータプロセッサハードウェア(1つ以上のプロセッサデバイスのような)が、被検体を監視するようになり、大きさが被検体の動きに基づいて変化する出力信号を生成するようになり、生体測定パラメータの設定値を、動きにより生じる出力信号の検出された変化に少なくとも部分的に基づいて生成するようになる。
【0020】
上記ステップの順序は、明瞭性のために付与されている。本明細書において説明される処理ステップのいずれかは、任意の適切な順序で実行することができることに留意されたい。
【0021】
本開示の他の実施形態は、上に要約され、以下に詳細に開示される方法実施形態ステップおよび操作のいずれかを実行するソフトウェアプログラムおよび/またはそれぞれのハードウェアを含む。
【0022】
本明細書において説明される装置、方法、システム、コンピュータ可読記憶媒体上の命令などは、ソフトウェアプログラム、ファームウェアとして、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアのハイブリッドとして、またはプロセッサ(ハードウェアもしくはソフトウェア)内にあるような、もしくはオペレーティング装置内に、またはソフトウェアアプリケーション内にあるようなハードウェア単独として、厳密に具体化され得ることを理解されたい。
【0023】
本明細書において説明されるように、本明細書における技法は、生体媒質監視用途の分野における使用に良好に適合する。しかしながら、本明細書における実施形態は、このような用途における使用に限定されず、本明細書において説明される技法は、他の用途にも良好に適合することに留意されたい。
【0024】
さらに、本明細書における異なる特徴、技法、構成などの各々は、本開示の異なる箇所において説明されている可能性があるが、適切である場合には、概念の各々が互いに独立して任意に実行され得るか、または互いに組み合わせて実行され得ると考えられることに留意されたい。したがって、本明細書において記載される1つ以上の本発明は、多くの異なる方法で具体化され得る、および考察され得る。
【0025】
また、本明細書における実施形態の事前説明は、本開示の全ての実施形態および/または徐々に創造的になる態様、または特許請求する発明(複数発明)を意図的に指している訳ではないことに留意されたい。そうではなく、この簡単な説明は、概略の実施形態を提示し、従来の技法よりも優れた対応する新規な点を提示しているに過ぎない。本発明(複数発明)のさらに別の詳細および/または可能な視点(並べ替え)については、読者の注意は、以下にさらに説明される本開示の詳細な説明の章、および対応する図に向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本明細書における実施形態による生体媒質監視システムを示す例示的な概略図である。
【図2】本明細書における実施形態による生体媒質を監視してセンサ生成信号を分析して表示情報を生成し、対応する監視結果を表示する監視ハードウェアの使用を示す例示的な概略図である。
【図3】本明細書における実施形態による生体媒質を監視し、センサ生成信号を分析して表示情報を生成し、対応する監視結果を表示する監視ハードウェアの使用を示す例示的な概略図である。
【図4】本明細書における実施形態による運動の属性を特定する運動検出器により生成される運動信号の使用を示す例示的な概略図である。
【図5】本明細書における実施形態による運動の発生を推定および特定するセンサ生成信号のスペクトル分析を示す例示的な概略図である。
【図6】本明細書における実施形態によるセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【図7】本明細書における実施形態による監視対象の生体媒質の運動により信号変調が生じる過程を示す例示的な概略図である。
【図8】本明細書における実施形態によるそれぞれのAC成分およびDC成分を特定するセンサ生成信号の分析を示す例示的な概略図である。
【図9】本明細書における実施形態による静脈血酸素飽和度に関する末梢酸素飽和度の表示を示す例示的な概略図である。
【図10】本明細書における実施形態による1つ以上のアプリケーションを実行するコンピュータアーキテクチャを示す例示的なブロック図である。
【図11】本明細書における実施形態による様々な方法を示す例示的な概略図である。
【図12】本明細書における実施形態による様々な方法を示す例示的な概略図である。
【図13】本明細書における実施形態による様々な方法を示す例示的な概略図である。
【図14】本明細書における実施形態による血管硬度を測定するセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【図15】本明細書における実施形態による血管硬度を測定するセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の前述および他の目的、特徴、ならびに利点は、本明細書における好適な実施形態のさらに具体的な以下の記述から、添付の図面に示す通りに明らかになり、これらの図面では、同様の参照文字は、同じ構成要素を異なる図全体を通じて指している。これらの図面は必ずしも寸法通りにはなっておらず、実施形態、原理、概念などを例示することに重きを置いている。
【0028】
本開示は、動脈血を監視するために使用される従来のパルスオキシメトリー法は、静脈血が、動脈血が有するような脈動を有しないので、静脈血中の酸素含有量を正確に測定するためには使用できないという見解を含む。また、本開示はさらに、被検体が自発的に、または非自発的に動くことにより、被検体の血液のような流体媒質を監視するセンサハードウェアから出力される1つ以上の信号の変化(または、変調)が誘発されるという見解を含む。1つの特定の実施形態では、以下にさらに説明されるように、信号プロセッサリソースは、それぞれのセンサハードウェアからの監視対象の1つ以上の信号の検出された変化を使用して、被検体の静脈血中の酸素含有量のような生体測定パラメータの設定値を決定する。
【0029】
したがって、本明細書における実施形態は、被検体の生体媒質(血液のような)を監視および分析するセンサハードウェアおよび信号プロセッサリソースを含む。動作中、センサハードウェアは、被検体の生体媒質を監視して出力を生成する。監視対象の出力(1つ以上の信号のような)は、大きさが被検体により誘発される動きに少なくとも部分的に基づいて変化する。信号プロセッサリソースは、センサハードウェアにより生成される出力を分析する。分析および被検体の動きにより生じるセンサハードウェアの出力の検出された変化に基づいて、信号プロセッサリソースは、生体媒質の監視に関連する注目生体測定パラメータの設定値を生成する。
【0030】
本明細書において説明されるシステムを使用して、静脈血酸素含有量、血管硬度などのような異なる注目生体測定パラメータを測定することができることに留意されたい。
【0031】
次に、さらに詳細に、これらの図を参照すると、図1は、本明細書における実施形態による監視システムを示す例示的な概略図である。
【0032】
図示のように、監視システム100は、監視リソース120、信号プロセッサリソース140、および表示画面130を含む。監視システム100に関連する監視リソース120、信号プロセッサリソース140などのようなこれらの構成要素の各々は、本明細書において説明されるそれぞれの操作を実行するハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことに留意されたい。したがって、監視リソース120は、ハードウェアリソースおよび/またはソフトウェアリソースとすることができ、信号プロセッサリソース140は、ハードウェアリソースおよび/またはソフトウェアリソースとすることができるなどである。
【0033】
1つの実施形態では、監視リソース120は、被検体108(人物、患者、動物などのような)の腕、脚などのような適切な身体部分に取り付けられる。動作中、監視リソース120は、被検体108に関連する生体媒質125(血液、組織、骨などを含む以下の物質のうち1種類以上の物質のいずれかのような)を監視する。
【0034】
さらに詳細には、1つの実施形態では、被検体108の身体部分に取り付けられる監視リソース120は、図示のような出力105を生成する。監視リソース(対応するセンサハードウェアを含む)は、被検体108の外側表面(皮膚のような)に配置されて、被検体108を流れる静脈血のような生体媒質125を非侵襲的に監視することができる。本明細書においてさらに説明されるように、大量の監視対象の生体媒質125(低い圧力で流れる静脈血のような)は、被検体108の運動により変化する。
【0035】
監視リソース120は、監視リソース120からの出力105を信号プロセッサリソース140に伝達する。したがって、信号プロセッサリソース140は、監視リソース120により生成される出力105を受信する。
【0036】
信号プロセッサリソース140は、出力105を任意の適切な方法で受信するように構成することができることに留意されたい。例えば、1つの実施形態では、被検体108の腕に取り付けられる監視リソース120は、(この例では)出力105を、無線リンクを介して信号プロセッサリソース140に伝達する無線インターフェースを含むことができる。代替的に、監視リソース120は、出力105を、監視リソース120を信号プロセッサリソース140に接続する有線リンク(1つ以上のケーブル、ワイヤなどのような)を介して伝達するように構成することができる。
【0037】
別の実施形態によれば、監視リソース120は、被検体108の付属器官(腕のような)に固定される。被検体108は、監視リソース120が、被検体108のそれぞれの生体媒質125を監視している状態で、彼/彼女の付属器官を上下、左右などに動かす。自己誘発運動は、繰り返される運動とすることができるか、または繰り返されない1回だけの運動とすることができ、例えば椅子に座った後に立ち上がる、腕を空中で持ち上げる、飛び跳ねるなどであることに留意されたい。
【0038】
監視リソース120を被検体108の手首または腕に取り付けるのは、ほんの1つの非限定的な例として図示されているに過ぎないことに留意されたい。すなわち、監視リソース120は、被検体108の任意の適切な身体部分または身体位置に取り付けることができる。
【0039】
信号プロセッサリソース140は、監視リソース120により、それぞれの生体媒質125を監視しているときに生成される出力105(1つ以上の信号のような)を受信する。出力105の大きさは、被検体108により誘発される運動の程度に依存して変化する。
【0040】
被検体108の運動部分は、監視リソース120の取り付け先の付属器官である必要はないことに留意されたい。例えば、1つの実施形態では、被検体108は、監視リソース120を左手首に配置することができ、右腕または右手首のような被検体の別の身体部分の動きにより、生体媒質125に十分大きな変化が生じて出力105の変化が生じるようにしてもよい。
【0041】
さらに図示されるように、信号プロセッサリソース140は出力105を受信し、当該出力を分析して生体設定情報155を生成してそれぞれの表示画面130に表示する。生体設定情報155は、1つ以上の生体測定パラメータ(静脈血酸素含有量、血管硬度などのような)の設定値を含むことができる。
【0042】
さらに説明されるように、信号プロセッサリソース140は、1つ以上の生体測定パラメータ(監視対象の)の設定値を、被検体108の運動により生じる出力105に検出される1つ以上の変化に少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0043】
図2は、本明細書における実施形態による生体媒質を監視する監視リソースの使用、表示情報を生成するセンサ生成信号の分析、および対応する生体測定パラメータ結果の表示を示す例示的な概略図である。
【0044】
この例示的な実施形態にさらに示されるように、監視リソース120は、送信機デバイス251および送信機デバイス252を含む。
【0045】
非限定的な例として、送信機デバイス251は、光信号TS1(第1光波長の信号のような)を生体媒質125に送信する、または生体媒質125中を透過させる。生体媒質125は、以下の物質である血液、組織、骨、軟骨などのうち、より多くの物質のいずれかを含むことができる。
【0046】
非限定的な別の例として、1つの実施形態では、信号TS1の光波長は、600〜760nmのような波長の可視赤色光に対応する。しかしながら、光エネルギーおよび信号TS1の波長は、任意の適切な値とすることができることに留意されたい。
【0047】
生体媒質125を信号TS1に曝している間、入射光信号TS1の特定部分は、生体媒質125により反射されてセンサハードウェア261に戻される。センサハードウェア261は、信号S1(アナログ信号、デジタル信号などのような)を生成し、信号S1の大きさは、センサハードウェア261により受信される反射光信号RS1の量に比例する。
【0048】
検査対象のそれぞれの被検体108が、監視リソース120の取り付け先の身体部分の動きを誘発すると、入射信号TS1のうち、反射されてセンサハードウェア261に戻される部分は、監視対象の生体媒質125がそれに対応して変化するので変化することに留意されたい。言い換えれば、監視リソース120の取り付け先の被検体108の付属器官が動くと、検査対象の生体媒質125の属性が変化するようになる。
【0049】
既に説明したように、検査対象の生体媒質125は静脈血を含むことができる、または静脈血とすることができる。付属器官を下方に動かすと(例えば、地面に向かって)、監視対象の生体媒質125中の静脈血の量(容積)が増加する。逆に、付属器官を上方に動かすと(例えば、空に向かって)、監視対象の生体媒質125中の静脈血の量が減少する。
【0050】
本明細書においてさらに説明されるように、監視対象の生体媒質125(血流のような流体)中の静脈血の量(容積)の変化により、反射光信号RS1が変調信号(すなわち、運動に従って経時的に変化する振幅を有する信号)となる。被検体により誘発される動きにより、生体媒質125中の静脈血がより多くなる(血管内を流れる、または血管に充満している血流のような、流体の容積がより大きくなる)と、それぞれの生体媒質125により反射される光エネルギーの量が減少する。逆に、被検体により誘発される動きにより、生体媒質125中の静脈血がより少なくなる(血管内を流れる、または血管に充満している血流のような、流体の容積がより小さくなる)と、それぞれの生体媒質125により反射される光エネルギーの量が増加する。
【0051】
上に説明したのと同様な態様で、送信機デバイス252は、光信号TS2(第2光波長の信号のような)を生体媒質125に送信する。非限定的な例として、1つの実施形態では、信号TS2の光波長は、840〜1000nmの波長の光エネルギーのような赤外線エネルギーに対応する。しかしながら、光エネルギーおよび信号TS2の波長は、任意の適切な値とすることができることに留意されたい。
【0052】
既に説明したように、生体媒質125は、以下の物質である血液、組織、骨などのうち、より多くの物質のいずれかを含むことができる。生体媒質125を信号TS2に曝している間、入射光信号TS2の特定部分は、生体媒質125により反射されてセンサハードウェア262に戻される。センサハードウェア262は、信号S2を生成し、信号S2の大きさは、センサハードウェア262により受信される反射光信号RS2の量に比例する。
【0053】
再度、それぞれの被検体108が、監視リソース120の取り付け先の身体部分の動きを誘発すると、入射光信号TS2のうち、反射されてセンサハードウェア262に戻される部分は、監視対象の生体媒質125がそれに対応して変化するので変化することに留意されたい。言い換えれば、監視リソース120の取り付け先の被検体108の付属器官の動きにより、検査対象の生体媒質125の属性が変化するようになって、それぞれの生体媒質125により反射される光エネルギーが増加するか、または減少する。
【0054】
さらに詳細には、検査対象の生体媒質125は、静脈血とすることができる、または静脈血を含むことができる。付属器官を下方に動かすと(例えば、地面に向かって)、監視対象の生体媒質125中の静脈血の量が増加する。逆に、付属器官を上方に動かすと(例えば、空に向かって)、監視対象の生体媒質125中の静脈血の量が減少する。
【0055】
本明細書においてさらに説明されるように、監視対象の生体媒質125中の静脈血の量の変化により、反射光信号RS2が変調信号(すなわち、運動に従って経時的に変化する振幅を有する信号)となる。
【0056】
その上、さらに示されるように、信号プロセッサリソース140は、それぞれのセンサハードウェア261および262から出力されるそれぞれの信号S1およびS2(出力105)を受信する。
【0057】
その名称が示唆するように、信号プロセッサリソース140は、受信信号S1およびS2を処理して、引き続き表示画面130に表示されるそれぞれの生体設定情報155を生成する。
【0058】
さらに、監視リソース120は、運動検出器270を必要に応じて含むように構成することができることに留意されたい。このような実施形態では、運動検出器270(加速度計または他の適切なデバイスのような)は、1つ以上の軸線に沿った運動を監視して、監視リソース120および監視リソース120の取り付け先の被検体108の対応する身体部分に関連する運動の大きさおよび方向を表わす信号MSを生成する。利用可能な場合、信号プロセッサリソース140(図4に関連して、さらに示され、説明される)は、運動信号MSを使用して、それぞれの運動により生じる信号S1およびS2の変化の発生を判定する。
【0059】
しかしながら、以下にさらに説明されるように、運動検出器270の使用は任意であることに留意されたい。すなわち、信号プロセッサリソース140は、信号S1およびS2(図5に関連してさらに示され、説明される)を分析して、運動が発生する時点を、運動信号MSを使用することなく判定するように構成することができる。
【0060】
生体媒質125を光エネルギーに曝して、反射光エネルギーを測定する前出の例が、非限定的な例として示されていることに留意されたい。別の実施形態によれば、送信機デバイス251および252のみならず、センサハードウェア261および262は、別の種類の励起回路および監視回路に置き換えられ得ることに留意されたい。
【0061】
例えば、1つの実施形態では、送信機デバイス251は電圧源とすることができ、電圧源は、第1電圧信号(第1周波数の信号のような)を検査対象の生体媒質125の2つのノードに印加する。センサハードウェア261は電流監視回路とすることができ、電流監視回路は、監視リソース120の取り付け先のそれぞれの付属器官の運動中に生体媒質125の両端を流れる電流の変化を検出する。電流の変化を使用して、注目生体測定パラメータの設定値を生成することができる。
【0062】
同様の態様で、送信機デバイス252は、同じように変更して、検査対象の生体媒質125を監視することができる。例えば、送信機デバイス252は電圧源とすることができ、電圧源は、第2電圧信号(第2周波数の信号のような)を検査対象の生体媒質125の2つのノードに印加する。センサハードウェア262は電流監視回路とすることができ、電流監視回路は、監視リソース120の取り付け先のそれぞれの付属器官の運動中に生体媒質125の両端を流れる電流の変化を検出する。
【0063】
さらに別の実施形態によれば、送信機デバイス251は電流源とすることができ、電流源は、第1電流を検査対象の生体媒質125内に流すことができる。センサハードウェア261は電圧監視回路とすることができ、電圧監視回路は、監視リソース120の取り付け先のそれぞれの付属器官の運動中に生体媒質125の両端に加わる電圧の変化を検出する。送信機デバイス252およびセンサハードウェア262は、同じように変更することができる。
【0064】
したがって、本明細書における実施形態は、電流を検査対象の生体媒質125内に流すことと、次に生体媒質125の両端に加わる電圧を測定することと、を含むことができる。さらに、本明細書における実施形態は、生体媒質125を電圧に曝すことと、次に生体媒質125内を流れる電流の変化を測定して信号S1およびS2を生成することと、を含むことができる。
【0065】
図3は、本明細書における実施形態による生体媒質を監視する監視ハードウェアの使用、表示情報を生成するセンサ生成信号の分析、および対応する監視結果の表示を示す例示的な概略図である。
【0066】
反射光信号を使用して信号S1およびS2を生成する代わりに、本明細書における実施形態は、それぞれの光信号を送信機デバイス251および252から送信して生体媒質125中を透過させることができる。
【0067】
この例示的な実施形態では、送信機デバイス251により生成される光信号の反射部分を検出するのではなく、センサハードウェア261は、生体媒質125中を通過してセンサハードウェア261に到達する信号TS1の量を検出する。このような例では、図2に関連する前出の説明と同様に、センサハードウェア261は信号S1を生成し、信号S1の大きさは、生体媒質125中を透過する第1光波長の光エネルギーの量に依存して変化する。
【0068】
さらに、送信機デバイス252により生成される光信号の反射部分を検出するのではなく、センサハードウェア262は、生体媒質125中を通過してセンサハードウェア262に到達する信号TS2の量を検出する。このような例では、センサハードウェア262は信号S2を生成し、信号S2の大きさは、生体媒質125中を透過する第2光波長の光エネルギーの量に依存して変化する。
【0069】
前に説明したのと同様の態様で、信号プロセッサリソース140は次に、受信信号S1およびS2を使用して、生体設定情報155を生成して表示画面130に表示する。
【0070】
図4は、本明細書における実施形態による監視リソースおよびそれぞれの被検体に関連する運動の属性を特定する運動検出器により生成される運動信号の使用を示す例示的な概略図である。
【0071】
それぞれのグラフ410に示されるように、運動信号MSは、監視リソース120の取り付け先のそれぞれの付属器官の運動を表わしている。例えば、運動信号MSは、時点T1において、または時点T1付近において、それぞれの被検体108が、当該被検体の手または腕で上を指している(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が増加する)ことを表わし、運動信号MSは、時点T2において、または時点T2付近において、それぞれの被検体108が、当該被検体の手または腕で下を指している(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が減少する)ことを表わし、運動信号MSは、時点T3において、または時点T3付近において、それぞれの被検体108が、当該被検体の手または腕で上を指している(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が増加する)ことを表わし、運動信号MSは、時点T4において、または時点T4付近において、それぞれの被検体108が、当該被検体の手または腕で下を指している(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が減少する)ことを表わしているなどである。
【0072】
したがって、運動信号MSを介して、信号プロセッサリソース140は、監視リソース120および被検体108の対応する身体部分(生体媒質125)に関連する運動の属性を特定することができる。
【0073】
代替的に、図5に関連して以下にさらに説明されるように、信号プロセッサリソース140は、受信変調信号S1およびS2の特性から、運動が生じる時点を推定するように構成することができる。
【0074】
より具体的には、図5は、本明細書における実施形態による運動を特定するセンサ生成信号のスペクトル分析を示す例示的な概略図である。
【0075】
この例示的な実施形態では、信号プロセッサリソース140は、受信信号S1を分析するスペクトル分析器561を含む。スペクトル分析器561は、高速フーリェ変換アルゴリズムまたは他の適切なアルゴリズムを使用して、異なる周波数、および受信信号S1に関連する信号成分の対応する大きさを表わす情報をグラフ510中に生成する。この例示的な実施形態では、グラフ510は、信号S1および対応する運動に関連する1つの主要周波数が周波数F1付近に生じることを示している。周波数F1およびそれぞれの周波数範囲FRは、監視リソース121および監視リソース120の取り付け先の対応する身体部分に関連する運動の周波数に対応する。
【0076】
1つ以上の注目生体測定パラメータの設定値を生成することを促進するために、信号プロセッサリソース140は、フィルタ設定情報521を生成してフィルタ571の設定を制御する。この例示的な実施形態では、フィルタ設定情報521は、フィルタ571(帯域通過フィルタのような)を設定して、周波数範囲FRの外側の周波数を遮断して、周波数範囲FRに収まる入力信号S1の周波数を通過させる。周波数範囲FRの外側の信号S1の周波数成分は、注目されない高調波成分または他の成分を含んでいる可能性がある。したがって、出力信号S1F(元の信号S1のAC部分を表す)は、フィルタ処理済み受信信号S1である。
【0077】
同様の態様で、信号プロセッサリソース140は、スペクトル分析器562を含むことができる。このような例では、スペクトル分析器562は、受信信号S2の周波数成分を分析し、フィルタ設定情報522を生成してフィルタ572を構成する。既に説明したように、フィルタ設定情報522は、フィルタ572(帯域通過フィルタのような)を設定して、周波数範囲FRの外側の周波数を遮断し、周波数範囲FRに収まる入力信号S2の周波数を通過させる。周波数範囲FRの外側の信号S2の周波数成分は、注目されない高調波成分または他の成分を含んでいる可能性がある。したがって、出力信号S2F(元の信号S2のAC部分を表わす)は、フィルタ処理済み受信信号S2である。
【0078】
以下の図においてさらに説明されるように、信号プロセッサリソース140は、図4および/または図5において説明される処理を使用して信号S1およびS2の異なる部分(AC部分、DC部分)を特定し、これらの信号のいずれの部分から、監視対象の生体媒質125に関連する生体データ(すなわち、生体設定情報155)を生成すべきかを特定する。
【0079】
図6は、本明細書における実施形態によるセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【0080】
グラフ610に示されるように、信号S1およびS2は、監視リソース120の取り付け先の付属器官の運動に起因して経時的に変化する。
【0081】
図7は、本明細書における実施形態による監視対象の生体媒質の運動が信号変調を生じる過程を示す例示的な詳細図である。
【0082】
既に説明したように、センサハードウェアは信号S1を、反射信号RS1を検出することに基づいて生成し(図2も参照されたい)、センサハードウェア262は信号S2を、反射信号RS2を検出することに基づいて生成する(図2も参照されたい)。
【0083】
この例における生成信号S1およびS2の各々は、監視リソース120により監視される生体媒質125の運動誘発変化に基づいて変調される(階段状の変調のような)。換言すれば、被検体108の運動により、生体媒質125の属性が経時的に変化するようになり、生体媒質125の属性の変化により、反射されてセンサハードウェア261および262に戻ってくる光エネルギーの量が異なるようになる。
【0084】
それぞれのグラフ710に示されるように、被検体108または介護者は、監視リソース120の取り付け先の身体部分の動きを開始する。1つの実施形態では、被検体108は、任意の適切なエンティティ(被検体108に何をすべきか、または測定を開始するのがいつであるかを思い出させるなどの指示を出す電話機のアプリケーションのような介護者向け自動ソフトウェアのような)により出される指示の通りに身体部分の動きを生じさせる。例えば、エンティティは、被検体108に、当該被検体の腕を上下に所望の速さで動かすように通知することができる。1つの実施形態では、所望の速さは、1分当たり50未満の動き回数のように、ヒトの正常な心拍数よりも実質的に遅いか、またはユーザの心拍数をユーザの運動であると混同するのを避けるために1分当たり150よりも多い動き回数である。
【0085】
運動は、歩行または階段の昇り降り、ジョギング、ウォーキングなどのようなそれぞれの被検体の通常の日常的な行動とすることもできることに留意されたい。これらの自己誘発行動のいずれかの行動に由来する運動は、本明細書において説明されるように、検査対象の生体媒質125の変調をもたらす。
【0086】
さらに、この例では、時間T1において、または時間T1付近において、それぞれの被検体108は、当該被検体の手または腕で上を指す運動を行ない(これにより、262のそれぞれのセンサデバイス261により検出される反射光エネルギーの量が増加するようになり)、時間T2において、または時間T2付近において、それぞれの被検体108は、当該被検体の手または腕で下を指す運動を行ない(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が減少するようになり)、時間T3において、または時間T3付近において、それぞれの被検体108は、当該被検体の手または腕で上を指す運動を行ない(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が増加するようになり)、時間T4において、または時間T4付近において、それぞれの被検体108は、当該被検体の手または腕で下を指す運動を行なう(これにより、それぞれのセンサデバイス261および262により検出される反射光エネルギーの量が減少するようになる)などである。
【0087】
1つの実施形態では、既に説明したように、検査対象の生体媒質125は、静脈血、骨、組織などのような生体物質を含む。普通、反射信号RS1およびRS2は、検査対象の異なる生体物質により反射される光エネルギーの複数の成分を含む。例えば、生体媒質125中の骨物質は、信号TS1の第1の量の入射光エネルギーを反射し、生体媒質125中の組織物質は、信号TS1の第2の量の入射光エネルギーを反射し、生体媒質125中の静脈血は、信号TS1の第3の量の入射光エネルギーを反射するなどである。
【0088】
別の非限定的な例として、信号S1およびS2の大きさ(AC部分)の変化は、主として、センサハードウェア261および262により監視される静脈血の量の運動誘発変化に起因している。より具体的には、下方位置に向かう被検体108の運動は、監視リソース120により監視される静脈血の量を増加させ、信号TS1の反射入射光エネルギーの合計量を減少させ、上方位置に向かう被検体108の運動は、監視リソース120により監視される静脈血の量を減少させ、信号TS1の反射入射光エネルギーの合計量を増加させる。監視リソース120により監視される生体媒質125中の他の生体物質(血液以外の生体物質のような)に起因する反射量は、運動に関係なく略一定である。
【0089】
したがって、出力105の変化は、1つ以上の異なる種類の生体測定パラメータを分析するために有用である。
【0090】
以下にさらに説明されるように、信号S1およびS2のDC部分およびAC部分を使用して、1つ以上の注目生体測定パラメータの設定値を生成することができる。
【0091】
図8は、本明細書における実施形態による1つ以上の生体測定パラメータの設定値を生成するためのセンサ生成信号の分析および使用を示す例示的な概略図である。
【0092】
この例では、検査対象の生体媒質125は静脈血を含む。生体媒質125の静脈血酸素飽和度(SvO2)のような生体測定パラメータを測定するために、信号プロセッサリソース140は、以下の方程式を実行してSvO2の設定値を生成する。
【0093】
比率#1=ACS1/DCS1 方程式(1)
【0094】
式中、ACS1は、周波数範囲FRに収まる信号S1の周波数成分(AC成分)(または、運動が特定された時間T1、またはT2、もしくはT3に発生する信号S1のレベル間の遷移)の大きさを表わし、DCS1は、T3のようなサンプル時間における、またはサンプル時間付近における信号S1の合計大きさ(DC成分)を表わしている。
【0095】
比率#2=ACS2/DCS2 方程式(2)
【0096】
式中、ACS2は、周波数範囲FRに収まる信号S2の周波数成分(AC成分)(または、運動が特定された時間T1、またはT2、もしくはT3に発生する信号S2のレベル間の遷移)の大きさを表わし、DCS2は、T3のようなサンプル時間における、またはサンプル時間付近における信号S2の合計大きさ(DC成分)を表わしている。
【0097】
信号プロセッサリソース140は、以下の方程式を使用して、SvO2の設定値を以下の通りに生成する。
【0098】
最終比率=[比率#1/比率#2]*CF 方程式(3)
【0099】
式中、CF=システム100に関連する較正係数である。
【0100】
本例では、図8のグラフ810および820に示される信号S1およびS2の分析に基づいて、信号プロセッサリソース140は、T3付近における信号S1のAC部分の振幅を、3428単位(すなわち、ACS1=3428単位)であると測定する。信号プロセッサリソース140は、時間T3付近の時間範囲において示されるような信号S1のDC部分の大きさの平均を116,695単位であると測定する(図7も参照されたい)(すなわち、DCS1=116,695単位)。このような例では、
【0101】
比率#1=ACS1/DCS1=3428/11,695=0.0294 方程式(4)
【0102】
さらに、信号プロセッサリソース140は、時間T3付近の信号S2のAC部分の振幅を2320単位(すなわち、ACS2=2,320単位)であると測定する。信号プロセッサリソース140は、T3付近の時間範囲において示されるような信号S2のDC部分の振幅の平均を93,013単位であると測定する(図7も参照されたい)(すなわち、DCS2=93,013単位)。このような例では、以下の通りの関係がある。
【0103】
比率#2=ACSs/DCS2=2,320/93,013=0.0249 方程式(5)
【0104】
以下の方程式を使用して、CFが1に等しいと仮定すると、信号プロセッサリソース140は、最終比率の値を以下の方程式に従って生成する。
【0105】
最終比率=[比率#1/比率#2]*CF=[0.0294/0.0249]*1=1.1807 方程式(6)
【0106】
以下の方程式を使用して、CFが1に等しいと仮定すると、信号プロセッサリソース140は、SvO2の値を、異なる実施態様の間で変化し得る較正曲線を使用して生成する。
【0107】
SvO2(T3)=110−[25*最終比率]=110−[25*1.1807]=80.5% 方程式(7)
【0108】
既に説明したように、信号プロセッサリソース140はまた、さらに別の生体測定パラメータの値を生成するように構成することができる。例えば、信号プロセッサリソース140は、監視リソース120により監視される生体媒質125の近傍にある静脈物質に関連する血管硬度の値を生成するように構成することができる。
【0109】
特定の例として、信号プロセッサリソース140は、以下の方程式を使用して血管硬度を生成するように構成することができる。
【0110】
Vstiffness=K*[比率#1/F]=K*ACS1/DCS1*[1/F] 方程式(8)
【0111】
式中、K=システム100の較正係数であり、
【0112】
ACS1は、範囲FRに収まる信号S1の周波数成分(AC成分)の大きさを表わし、DCS1は、信号S1の合計大きさ(DC成分)を表し、
【0113】
式中、F=被検体108の身体部分を動かすそれぞれの力であり、この力の値は、運動検出器270により測定される信号MSから判明する。
【0114】
血管の硬度がより高い(柔軟度がより小さい)場合、それぞれの信号S1およびS2の変調量はより小さくなる。血管の柔軟度がより大きい(硬度がより低い)場合、それぞれの信号S1およびS2の変調量はより大きくなる。Fおよび/またはKを入手できない場合、同じシステムを未較正の状態で使用して静脈硬度の傾向を、比率#1の傾向のみを監視することにより追跡することができることに留意されたい。同じ力/運動の比率がより高くなると、硬度値がより小さくなることが分かる。
【0115】
別の実施形態によれば、信号プロセッサリソース140はさらに、変調指数値を生成するように構成することができる。
【0116】
MIS1=ACS1/DCS1 方程式(9)
【0117】
MIS2=ACS2/DCS2 方程式(10)
【0118】
したがって、信号プロセッサリソース140は、監視リソース120の出力105を使用して、SvO2、Vstiffness、MIS1、MIS2などのような複数の生体測定パラメータに関する生体設定情報155を生成して、表示画面130に表示するように構成することができる。
【0119】
図9は、本明細書における実施形態による静脈血酸素飽和度に関する末梢酸素飽和度の表示を示す例示的な概略図である。
【0120】
既に説明したように、信号プロセッサリソース140は、1つ以上の生体測定パラメータのうちいずれかの生体測定パラメータを経時的に監視する。グラフ910は、既に説明したように、SpO2とSvO2の経時的な関係を表示する、例えば表示画面130に表示する例を示している。
【0121】
時間T3における信号S1およびS2について既に説明したのと同様の態様で、信号プロセッサリソース140は、(静脈血の)生体測定パラメータSvO2のそれぞれの値を、T4、T5、T6などのような複数のサンプル時間の各サンプル時間にわたって、このようなデータを表示画面130に表示することについて既に説明したのと同様の分析を使用して生成するように構成することができる。生体測定パラメータSpO2は、動脈血に関連する酸素化の指標を任意の適切な装置を使用して表わす。
【0122】
さらに、必要に応じて、所定の注目生体測定パラメータに関して複数の異なるサンプル時間で取得される設定値を平均して生体測定パラメータのそれぞれの設定値を、表示画面130上で生成することができることに留意されたい。
【0123】
図14は、本明細書における実施形態によるセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【0124】
グラフ1410は、2人の異なる被検体、すなわち被検体#1(23歳の人物のような)および被検体#2(30歳の人物のような)に関連する運動により生じる信号変化を示している。血管硬度は通常、年齢とともに高くなり、それに応じて、この例では、被検体#2の血管は、被検体#1の血管よりも硬いことに注目されたい。
【0125】
さらに説明されるように、信号プロセッサリソース140は、監視リソース120により生成される出力105(S1およびS2)を使用して血管硬度の程度を特定する。被検体の各々は、異なる監視システム100(図1)(または、異なる時間における同じ監視システム)を使用して、検査対象の対応する閉じ込め媒質125を測定する。
【0126】
第1監視リソース120−1が被検体#1を監視して、反射赤色光を表わす信号のような信号S1(SUBJ1)を生成すると仮定し、第2監視リソース120−2が被検体#2を監視して、反射光を表わす信号のような信号S1(SUBJ2)を生成すると仮定する。
【0127】
グラフ1410に示されるように、被検体の各々は、被検体のそれぞれの監視対象の腕を10秒ごとに動かす。例えば、時間=0秒において、被検体の各々は、被検体の腕を下げ、時間=10秒において、被検体の各々は、被検体の腕を上げ、時間=20秒において、被検体の各々は、被検体の腕を下げ、時間=30秒において、被検体の各々は、被検体の腕を上げるなどである。既に説明したように、この運動により、監視対象の生体媒質中の静脈血の量が所定の被検体について変化するようになる。
【0128】
このような例では、赤色波長の場合、第1監視リソース120に関連する第1信号プロセッサリソース140は、信号S1(SUBJ1)を分析し、図示のAC1(赤色)=8000の関係、およびDC1(赤色)=15000の関係を検出する。被検体#1の場合、信号プロセッサリソース140−1は、これらの値(赤色に対応する)を使用して、AC1/DC1=8000/15000=.53または53%の比率を生成する。
【0129】
さらに、赤色波長の場合、第2監視リソース120に関連する第2信号プロセッサリソース140は、信号S1(SUBJ2)を分析し、被検体#2に関して、AC1(赤色)=3000、およびDC1(赤色)=15000の関係を検出する。したがって、被検体#2の場合、シグナルプロセッサリソース140−2は、これらの値(赤色の波長に対応する)を使用して、AC1/DC1=3000/15000=.20または20%の比率を生成する。
【0130】
一般に、AC/DCの比率は、赤色波長の場合の被検体#2に関してより小さく、被検体#2が被検体#1よりも硬い血管を有していることを示している。硬度の絶対測定値を取得するために、較正係数を使用することができる。
【0131】
図15は、本明細書における実施形態によるセンサ生成信号を示す例示的な概略図である。
【0132】
グラフ1510は、上記と同じ被検体、すなわち被検体#1(23歳の人物のような)および被検体#2(30歳の人物のような)に関連する運動により生じる信号変化を示している。
【0133】
前に述べたように、血管硬度は通常、年齢とともに高くなり、それに応じてこの例では、被検体#2の血管は、被検体#1の血管よりも硬い。
【0134】
さらに説明されるように、第1信号プロセッサリソース140は、監視リソース120により生成される出力105を使用して血管硬度の程度を特定する。既に説明したように、被検体の各々は、異なる監視リソース120を使用して、検査対象の対応する生体媒質125を測定する。
【0135】
第1監視リソース120−1が被検体#1を監視して、信号S2(SUBJ1)を生成すると仮定し、第2監視リソース120−2が被検体#2を監視して信号S2(SUBJ 2)を生成すると仮定する。
【0136】
グラフ1410中の信号S1(SUBJ1)およびグラフ1510中のS2(SUBJ1)は、第1センサハードウェア261および262のようなそれぞれのリソースを介して同時に収集されることに留意されたい。グラフ1410中の信号S1(SUBJ2)およびグラフ1510中のS2(SUBJ2)は、第2センサハードウェア261および262のようなそれぞれのリソースを介して同時に収集されることに留意されたい。
【0137】
グラフ1510に示されるように、上に説明したのと同様の態様で、被検体の各々は、被検体の腕を10秒ごとに動かす。例えば、時間=0秒において、被検体の各々は、被検体の腕を下げる、時間=10秒において、被検体の各々は、被検体の腕を上げる、時間=20秒において、被検体の各々は、被検体の腕を下げる、時間=30秒において、被検体の各々は、被検体の腕を上げるなどである。
【0138】
このような例では、赤外線波長の場合、第1監視リソース120に関連する第1信号プロセッサリソース140は、信号S2(SUBJ1)を分析して、図示のAC1(赤外線)=8000の関係、およびDC1(赤外線)=15000の関係を検出する。被検体#1の場合、信号プロセッサリソース140は、これらの値(赤外線に対応する)を使用してAC1/DC1=10000/23000=0.43または43%の比率を生成する。
【0139】
また、赤外線波長の場合、第2監視リソース120に関連する第2信号プロセッサリソース140は、信号S2(SUBJ2)を分析してAC1(赤外線)=3000、およびDC1(赤外線)=22500の関係を検出する。被検体#2の場合、第2信号プロセッサリソース140は、これらの値(赤外線に対応する)を使用して、AC1/DC1=3000/22500=0.13または13%の比率を生成する。
【0140】
上述のように、一般に、AC/DCの比率は、被検体#2の場合、赤色波長および赤外線波長の両方に関してより小さく、被検体#2が被検体#1よりも硬い血管を有していることを示している。換言すれば、動きが、被検体#1および被検体#2の両方の間で実質的に同様であると仮定すると、被検体#1の血管(これらの血管がより柔軟であるので)は、動くと、被検体#2の血管を満たすよりも多くの量の血液で満たされる。硬度の絶対測定値を取得するために、測定システムに適した較正係数を使用することができる。
【0141】
さらに別の実施形態によれば、上に説明したAC/DC比率(変調率)を測定する他に、または測定する代わりに、機械的運動に応じた信号の減衰率または増加率を使用して同様の結果を実現することができることにさらに留意されたい。例えば、DCにより正規化される変化量(AC)である、本明細書において記載されるAC/DC比率を使用するのではなく、DCにより正規化される単位時間当たりの変化量(dAC/dt)を使用することもできる。
【0142】
図10は、本明細書における実施形態による本明細書に説明される操作のいずれかを実行するコンピュータ装置の例示的なブロック図である。
【0143】
リソース群(例えば、監視リソース120、信号プロセッサリソース140など)のいずれかは、本明細書において説明される異なる操作を実行するプロセッサおよび実行可能命令を含むように構成することができる。
【0144】
図示のように、本例のコンピュータシステム850は、デジタル情報を格納して取り出すことができる非一時的な媒体(すなわち、任意の種類のハードウェア記憶媒体)のようなコンピュータ可読記憶媒体812、プロセッサ813(コンピュータプロセッサハードウェア)、I/Oインターフェース814などを接続する相互接続811を含む。
【0145】
コンピュータ可読記憶媒体812は、メモリ、光記憶装置、ハードドライブ、フロッピーディスクなどのような任意のハードウェア記憶装置とすることができる、または任意のハードウェア記憶装置を含むことができる。1つの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体812は、命令および/またはデータを格納する。
【0146】
図示のように、コンピュータ可読記憶媒体812は、監視アプリケーション140−1(例えば、命令を含む)で符号化されて、監視リソース120、信号プロセッサリソース140などに関連する本明細書に説明される操作のいずれかの操作を実行することができる。
【0147】
1つの実施形態の動作中、プロセッサ813は、コンピュータ可読記憶媒体812に、相互接続811の使用を介してアクセスして、コンピュータ可読記憶媒体812に格納されている監視アプリケーション140−1中の命令を開始する、実行する、実施する、解釈する、またはその他には、行なう。監視アプリケーション140−1の実行により、監視プロセス140−2を生成して、本明細書において説明される操作および/またはプロセスのいずれかを実行する。
【0148】
当業者であれば、コンピュータシステム850は、他のプロセスを含むことができる、および/または監視アプリケーション140−1へのハードウェアリソースの割り当て、および使用を制御するオペレーティング装置のようなソフトウェアコンポーネントおよびハードウェアコンポーネントを含むことができることを理解できるであろう。
【0149】
異なる実施形態によれば、コンピュータ装置は、これらには限定されないが、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ装置、無線機、基地局、電話機、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、ネットブックコンピュータ、メインフレームコンピュータ装置、携帯型コンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、アプリケーションサーバ、記憶装置、およびカメラ、カムコーダ、セットトップボックス、モバイル機器、ビデオゲームコンソール、携帯型ビデオゲーム機のような消費者用電子機器を含み、スイッチ、モデム、ルータ、セットトップボックス、コンテンツ管理装置、携帯型遠隔制御装置のような周辺装置、任意の種類のコンピューティング装置または電子装置などを含む様々な種類のデバイスのうちのいずれかとすることができる、またはいずれかに含めることができることに留意されたい。
【0150】
コンピュータシステム850は、任意の位置に常駐させることができる、または本明細書において説明される機能を実行するネットワーク環境内の任意の適切な1つ以上のリソースに含めることができる。
【0151】
次に、異なるリソースによりサポートされる機能を図11〜図13のフローチャートで説明する。以下のフローチャートのステップは、任意の適切な順序で実行することができることに留意されたい。
【0152】
図11は、実施形態による例示的な方法を示すフローチャート1100である。上に説明した概念に関して幾つかの重複があることに留意されたい。
【0153】
処理操作1110では、信号プロセッサリソース140が、被検体108の生体媒質125を監視するセンサハードウェア261および262により生成される出力105(1つ以上の信号)を受信する。出力105は、大きさが被検体108の動きに基づいて変化する。
【0154】
処理操作1120では、信号プロセッサリソース140が、生体測定パラメータの設定値を、被検体の動きにより生じる出力の検出された変化に少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0155】
図12は、実施形態による例示的な方法を示すフローチャート1200である。上に説明した概念に関して幾つかの重複があることに留意されたい。
【0156】
フローチャート1200−1の処理操作1210では、信号プロセッサリソース140(監視アプリケーション140−1のような)が、被検体108のそれぞれの生体媒質125を監視するセンサハードウェア261および262により生成される出力105を受信する。1つの実施形態では、既に説明したように、センサハードウェア261および262を含む監視リソース120は、被検体108の身体部分に固定されてそれぞれの生体媒質125を監視する。出力105(1つ以上の監視信号のような)は、大きさが、被検体108の身体部分の被検体により誘発される動きに基づいて変化する。
【0157】
補助処理操作1220では、信号プロセッサリソース140は、大きさが被検体108の動きに基づいて変化する第1出力信号S1を受信する。1つの実施形態では、センサハードウェア261は、第1出力信号S1を、生体媒質125により反射される、および/または生体媒質125中を通過する光の第1光波長を監視することに基づいて生成する。
【0158】
補助処理操作1230では、信号プロセッサリソース140は、大きさが被検体108の動きに基づいて変化する第2出力信号S2を受信する。1つの実施形態では、センサハードウェア262は、第2出力信号S2を、生体媒質125により反射される、および/または生体媒質125中を通過する光の第2光波長を監視することに基づいて生成する。
【0159】
処理操作1240では、信号プロセッサリソース140は、受信出力105を分析して運動により生じる変調の量を決定する。例えば、1つの実施形態では、補助処理操作1250において、信号プロセッサリソース140は、被検体108の動きを測定する運動信号MSを受信する。1つの実施形態では、補助処理操作1260において、信号プロセッサリソース140は、運動信号MSを基準として使用して、被検体108の動きのタイミング属性(周波数、周期などのような)を特定し、引き続き、検出した動きにより生じる出力信号105の変化を測定する。
【0160】
運動信号MSまたは他の適切な指標を受信および使用して、被検体108に関連するモーメントの属性、および検査対象の対応する生体媒質125の属性を特定することに代えて、補助処理操作1270に従って、信号プロセッサリソースは、受信信号S1およびS2に関連する変調を分析して、出力105(信号S1およびS2)の検出された変化(信号の変調部分)が、被検体108のそれぞれの身体部分の動きにより生じると推定するように構成することができる。例えば、既に説明したように、1つの実施形態では、信号プロセッサリソース140は、信号S1およびS2の分析を実施して、センサハードウェア261および262により生成される受信変調信号S1およびS2の変調に関連する特定の属性(周波数、タイミング、波形などのような)を決定する。
【0161】
図13の処理操作1310では、信号プロセッサリソース140は、監視対象の生体媒質125に関連する注目生体測定パラメータの設定値を、動きにより生じる出力105(1つ以上の信号S1およびS2)の検出された変化に少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0162】
補助処理操作1320では、信号プロセッサリソース140は、注目パラメータの設定値を、出力信号の平均大きさに対する出力信号の変化(AC部分のような)の大きさの比率に少なくとも部分的に基づいて生成する。
【0163】
この場合も同じく、本明細書における技法は、血液のような生体媒質の監視を支援して、1つ以上の注目生体測定パラメータの設定値を生成するために良好に適合することに留意されたい。しかしながら、本明細書における実施形態は、このような用途における使用に限定されず、本明細書において説明される技法は、他の用途にも良好に適合することに留意されたい。
【0164】
本明細書において開示される記載に基づいて、多数の特定の詳細が開示されて特許請求する主題を完全に理解できるようにしている。しかしながら、当業者であれば、特許請求する主題がこれらの特定の詳細を用いることなく実施することができることを理解できるであろう。他の例では、当業者に既知の方法、装置などを詳細には記載しないで、特許請求する主題が不明瞭にならないようにしている。詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリのようなコンピューティング装置メモリ内に格納されるデータビットまたはバイナリデジタル信号に対する操作のアルゴリズムまたは記号表現の形で提示されている。これらのアルゴリズムによる説明または表現は、データ処理技術の当業者が別の当業者に自身の成果の本質を伝えるために使用される技法の例である。本明細書に記載のアルゴリズムとは普通、所望の結果をもたらす一貫した一連の操作または同様の処理であると考えられる。本文では、操作または処理は、物理量の物理的な操作を含む。必ずではないが通常、このような量は、格納する、転送する、合成する、比較する、またはその他には、操作することができる電気信号または磁気信号の形態を採ることができる。主に広く使われているという理由で、往々にして、このような信号を、ビット、データ、値、要素、記号、文字、用語、番号、数字などと表記することが便利であった。しかしながら、これらの用語および同様の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられ、便利な表記に過ぎないということを理解されたい。別段具体的に述べられない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書の全体において、「processing(処理する)」、「computing(算出する)」、「calculating(計算する)」、「determining(決定する)」などのような用語を利用する説明は、メモリ、レジスタ、または他の情報記憶装置、伝送装置、またはコンピューティングプラットフォームの表示装置の内部の、物理的な電子量または磁気量として表わされるデータを操作または変換するコンピュータまたは同様の電子コンピューティング装置のようなコンピューティングプラットフォームの動作または処理を指していることを理解されたい。
【0165】
本発明は、本発明の好ましい実施形態を参照して具体的に示され、記載されているが、当業者であれば、形態および詳細の様々な変更は、添付の特許請求の範囲により定義される本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者において行なわれ得ることを理解できるであろう。このような変更は、本出願の範囲に含まれるべきであると考えられる。したがって、本出願の実施形態のこれまでの説明は、限定的に捉えられてはならない。そうではなく、本発明に対する限定は、以下の特許請求の範囲に提示される。
【符号の説明】
【0166】
100 監視システム
108 被検体
120 監視リソース
125 生体媒質
130 表示画面
140 信号プロセッサリソース
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】