(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019524797
(43)【公表日】20190905
(54)【発明の名称】掻痒症および/または痒みの治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4045 20060101AFI20190809BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20190809BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20190809BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20190809BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   !A61K31/4045
   !A61K9/14
   !A61K9/20
   !A61K9/48
   !A61K47/26
   !A61K47/36
   !A61K47/12
   !A61K47/38
   !A61K47/22
   !A61K47/44
   !A61P17/04
   !A61P43/00 111
   !A61K45/00
   !A61K9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】2019506699
(86)(22)【出願日】20170630
(85)【翻訳文提出日】20190305
(86)【国際出願番号】IB2017053989
(87)【国際公開番号】WO2018037295
(87)【国際公開日】20180301
(31)【優先権主張番号】62/378,435
(32)【優先日】20160823
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】510007481
【氏名又は名称】ニューリム・ファーマシューティカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEURIM PHARMACEUTICALS LTD.
【住所又は居所】イスラエル国 テル アヴィヴ ハバーゼル ストリート 27
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】モシェ・ラウドン
【住所又は居所】イスラエル4444435クファル・サバ、ヘルツェル・ストリート30番
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA04
4C076AA07
4C076AA08
4C076AA09
4C076AA17
4C076AA24
4C076AA30
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
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4C076BB27
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4C084AA19
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4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
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4C084MA66
4C084NA14
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4C084ZC751
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4C086GA07
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4C086MA04
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4C086MA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA27
4C086MA28
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA57
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、掻痒症および痒みをもたらす皮膚科的および非皮膚科的状態に苦しむ患者における、そのような症状を治療するための医薬であって、有効量のピロンインドール誘導体から選択される少なくとも1つの化合物、および任意に1つ以上の他の治療活性剤を含む医薬に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の式:
Ar-B-Ar’(I)
[式中:
-B-は、X-Y-Z-を表す;
ここで、
Xは、-(CH2)n-(ここで、nは、0-6である)を表す;
Yは、酸素、イオウ、>NHを表すか、または不在である;
Zは、>C=0、>0、もしくは>COOを表すか、または不在であり、ここで、X、YおよびZの少なくとも1つは、存在しなければならない;
Arは、インドール核環系:
【化1】
を表す;
Ar’は、アルファ-、ベータ-またはガンマ-ピロン核環系:
【化2】
を表す;
ここで、R1-4のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Arを置換し、R1’-2’のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Ar’を置換し、ここで、R1-4およびR1’-2’のそれぞれは、独立して、水素、酸素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリール、アシル;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC6-8ヘテロアリール基;C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、C1-5アルキルアミン、C1-5アルキルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、C1-5アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミドまたはスチリルを表す;ここで、該アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、またはスチリル基は、任意に、水素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリールから;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むヘテロアリール基;C 1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミド、S-アルキルまたはアルキルチオールからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で環置換されうる;
およびR3またはR4のいずれかは、Bへの結合をさらに含みうるか、または表しうる;
ここで、Arは、N-位などのAr環の5員環部分上の任意の位置でBに結合することができ、Ar’は、R1’またはR2’で置換されていないAr’環上の任意の炭素にてBに結合することができる]
で示される化合物、またはその塩、立体異性体、またはラセミ混合物を含む組成物を対象に投与することによる、痒みまたは掻痒症に苦しむ対象の治療方法。
【請求項2】
Xが-(CH2)nであり(ここで、nは0-6である)、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Ar’がアルファ-ピロン環系である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Ar’がベータ-ピロン環系である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
Ar’がガンマ-ピロン環系である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
Xが-(CH2)nであり、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COであり、Arがインドール環であり;R3がインドール環の3位のXへの結合であり;R1がインドール環の5位の水素またはメトキシ基であり、R2およびR4のそれぞれが水素であり;Ar’がピロン環の2位のZに結合したガンマ-ピロン環であり;R1がピロン環の5位の水素またはヒドロキシ基であり;およびR2がガンマ-ピロン環の6位の水素またはカルボキシ基であり;またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、もしくはラセミ混合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
Xが、-(CH2)nであり、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COOであり;Arがインドール環であり;R3がインドール環の3位のXへの結合であり;R1がインドール環の5位のメトキシ基であり、R2およびR4のそれぞれが水素であり;Ar’がピロン環の4位でZによって置換されたガンマ-ピロン環であり;およびR1およびR2のそれぞれが、 メチルまたは水素であり;またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、もしくはラセミ混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
組成物が以下の特徴:
(i)それは、経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または局所投与経路に適合される;
(ii)それは、単位剤形であり、各単位剤形は、有効量の該化合物を含む;
(iii)それは、持続放出製剤である;
(iv)それは、予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)それは、局所使用に適した軟膏、クリーム、ゲル、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはエアロゾルスプレーである;
(vi)それは、さらに、UV保護剤、鎮痛剤、トランキライザー、血管収縮薬、血管拡張薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む;
の少なくとも1つによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
組成物が、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、ゲル化剤、補助剤または担体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
有効量の式:
Ar-B-Ar’(I)
[式中:
-B-は、X-Y-Z-を表す;
ここで、
Xは、-(CH2)n-(ここで、nは、0-6である)を表す;
Yは、酸素、イオウ、>NHを表すか、または不在である;
Zは、>C=0、>0、もしくは>COOを表すか、または不在であり、ここで、X、YおよびZの少なくとも1つは、存在しなければならない;
Arは、インドール核環系:
【化3】
を表す;
Ar’は、アルファ-、ベータ-またはガンマ-ピロン核環系:
【化4】
を表す;
ここで、R1-4のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Arを置換し、R1’-2’のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Ar’を置換し、ここで、R1-4およびR1’-2’のそれぞれは、独立して、水素、酸素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリール、アシル;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC6-8ヘテロアリール基;C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、C1-5アルキルアミン、C1-5アルキルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、C1-5アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミドまたはスチリルを表す;ここで、該アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、またはスチリル基は、任意に、水素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリールから;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むヘテロアリール基;C 1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミド、S-アルキルまたはアルキルチオールからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で環置換されうる;
およびR3またはR4のいずれかは、Bへの結合をさらに含みうるか、または表しうる;
ここで、Arは、N-位などのAr環の5員環部分上の任意の位置でBに結合することができ、Ar’は、R1’またはR2’で置換されていないAr’環上の任意の炭素にてBに結合することができる]
で示される化合物、またはその塩、立体異性体、またはラセミ混合物;ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、ゲル化剤、補助剤または担体を含む医薬組成物であって、
ここで、医薬組成物が、
(i)経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または局所投与経路に適合される;
(ii)単位剤形であり、各単位剤形は、有効量の該化合物を含む;
(iii)持続放出製剤である;
(iv)予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)局所使用に適した軟膏、クリーム、ゲル、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはスプレーである;
(vi)さらに、UV保護剤、鎮痛剤、トランキライザー、血管収縮薬、血管拡張薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む;および/または
(vii)経口投与用固体剤形である、医薬組成物。
【請求項11】
組成物が、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤または顆粒剤から選択される経口剤形である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
式(I)で示される化合物が、スクロース、ラクトース、またはデンプンから選択される少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される担体と混合される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
組成物が、1つ以上の滑沢剤をさらに含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
組成物が、ステアリン酸マグネシウムを含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
組成物が、1つ以上の補助剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項16】
組成物が、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチンを含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項17】
組成物が、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、および香味剤の少なくとも1つを含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項18】
賦形剤が、微結晶セルロースである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
崩壊剤が、コーンスターチ、α化デンプン、アルギン酸、またはそれらの組み合わせである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
甘味料が、スクロース、ラクトース、サッカリンまたはそれらの組み合わせである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項21】
香味剤が、ペパーミント、冬緑油、チェリー油、またはそれらの組み合わせである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの緩衝剤をさらに含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項23】
脂肪油をさらに含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項24】
組成物が、皮膚適用のための軟膏、ゲル、クリーム、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはスプレーの形態の局所製剤である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項25】
化合物が、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤または担体も含む医薬の形態で投与される、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
医薬が、以下の特徴:
(i)それは、経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または異所投与に適合される;
(ii)それは、単位剤形であり、各単位剤形は、有効用量で少なくとも1つの該化合物の量を含む;
(iii)それは、持続放出製剤である;
(iv)それは、予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)それは、異所使用を意図した軟膏、クリーム、フォーム、またはスプレーである;
(vi)それは、UV保護剤、鎮痛剤、マイナートランキライザー、および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬も含む;
の少なくとも1つによってさらに特徴付けられる、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
化合物が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、および2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
痒みまたは掻痒症が減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
化合物がNav1.7チャネルを抑制する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
化合物がTRPVチャネルを抑制する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
化合物が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、および2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートからなる群から選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項33】
組成物が、このような減少を必要とする患者における痒みまたは掻痒症を減少させるのに十分な量の式(I)で示される化合物を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項34】
対象が急性掻痒症に苦しむ、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
対象が慢性掻痒症に苦しむ、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
化合物がNav1.7チャネルを抑制する、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項37】
化合物がTRPVチャネルを抑制する、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項38】
シアバター、ココナッツ油、および治療有効量のピロン-インドール誘導体を含む、局所投与用クリーム製剤。
【請求項39】
ピロン-インドール誘導体が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドである、請求項38に記載のクリーム製剤。
【請求項40】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの濃度が3%である、請求項39に記載のクリーム製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法119条(e)の下に、2016年8月23日出願の米国仮出願第62/378,435号の出願日の利点を主張する。上記出願の開示の全体は、参照することにより本出願に包含される。
技術分野
本開示は、一般に、掻痒症(pruritus)および/または痒み(itch)を治療すること、掻痒症および/または痒みを治療するために有用な医薬の製造におけるピロンインドール化合物の使用、および痒みまたは掻痒症をもたらす皮膚科的および非皮膚科的状態に苦しむ患者における、そのような症状を軽減するのに使用するための医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
痒みは、引っ掻くという欲求を引き起こす、肌おける不快な感覚である(Bautista、Wilsonら、2014)。引っ掻きを促す感覚として定義される掻痒は、急性(6週間以下)または慢性(6週間以上)のいずれかである(Lavery、Stullら、2016)。この症状は、罹患している患者の生活の質と睡眠を著しく損なう可能性がある。さらに、そのような混乱の累積的な、影響は死亡率に影響を与える可能性がある。透析転帰および診療パターン(DOPPS)研究では、掻痒症血液透析患者の死亡リスクが17%増加していることが示されたが、これは睡眠の質の低下に一部起因する。掻痒症は、さまざまな病気の症状としての皮膚のひどい痒みである。痒みは、病因によって分類できる(Chuquilin、Alghalithら、2016)。掻痒性痒みは、一次求心性神経終末の活性化(たとえば、虫さされ)に由来する。神経性痒みは、知覚神経終末の活性化を伴わない中枢神経系の損傷または活性化(たとえば、腎疾患および腎不全)によって引き起こされる。心因性痒みは、皮膚の病理学または根底にある医学的疾患がない状態での純粋な中枢性精神処理障害に起因する。
【0003】
無数の皮膚科的および非皮膚科的状態が、痒みおよび/または掻痒症をもたらす可能性がある。臨床診療において、何らかの原因による慢性掻痒症の患者は、一般に夜間の関与を訴える。夜間掻痒症は慢性痒みの患者によく見られ、睡眠の質に悪影響を及ぼす。夜間掻痒症は、慢性痒みの患者によく見られ、睡眠の質に悪影響を及ぼす。睡眠不足は、医学的、社会的および経済的な悪影響をもたらす、即時的および長期的な影響をもたらす可能性がある。医師は、痒みと夜間掻痒症の多数の病因を認識し、患者中心のアプローチで治療を提供しなければならない。適切に調整された管理は、苦痛を軽減し、反復的な引っ掻きから生じる合併症を減らすのを助けることができる。
【0004】
第1表は、掻痒症のより一般的な病因のいくつかを描いたものである。
【表1】
【0005】
多くの患者が、血液透析患者の生活の質を低下させ、死亡率に影響を及ぼす可能性がある夜間掻痒症に苦しんでいる。夜間掻痒症は、すべての睡眠段階において起こりうるが、ステージN1およびN2において最も一般的である。夜間掻痒症の有病率が高い状態として、高齢者(老人)掻痒症、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、乾癬、ブラキオラジア掻痒症および慢性特発性蕁麻疹が挙げられる。夜間掻痒症を引き起こす2つの主要な皮膚科症状は、アトピー性皮膚炎と乾癬である。アトピー性皮膚炎は、米国の成人で7.2%、子供で10.7%の罹患率を有する慢性疾患である。慢性掻痒症は、点有病率が87〜100%の範囲である、アトピー性皮膚炎患者における最も一般的な症状の一つである(Lauffer and Ring 2016)。臨床的には、アトピー性皮膚炎は、掻痒性紅斑性病変として表皮剥離、苔癬化および/または重複感染とともに現れる。乾癬は、慢性の炎症性免疫介在性皮膚疾患である。有病率は、国によって大きく異なり、米国では0.91%であり、ノルウェーでは8.5%である。免疫系の活性化は、さまざまな乾癬の皮膚症状に関与するサイトカインカスケードを引き起こす。慢性特発性蕁麻疹(慢性自発性蕁麻疹とも呼ばれる)は、血管浮腫の有無にかかわらず、少なくとも6週間持続する痒みのある蕁麻疹性丘疹として定義され、それには明らかな外的要因はない。この状態は、一般に、1年〜5年の長い持続期間(11から14%の患者で5年以上持続する)を有し、患者の感情的および身体的健康に関連する生活の質に有害な影響を及ぼす。この障害に伴う損傷は、虚血性心疾患の患者に見られるものと同様であり、患者は、心臓病の患者と同様のエネルギー不足、社会的孤立、および感情的な混乱を感じる(Maurer、Rosenら、2013)。
【0006】
痒みニューロン(痒み受容器)は、多モード性であり、熱およびカプサイシンなどの、掻痒物質以外の刺激に反応する(Chuquilin、Alghalithら、2016)。掻痒ニューロンは、DRGにおける侵害受容C線維ニューロンのサブセットであるが、最近の進歩は、脊髄内に痒みおよび痛み用の別々のラベルの付いた線(labeled line)があることを示している。痒みの選択性理論は、なぜ刺激が痛みでなく、痒みを引き起こしうるのかを説明する最も広く受け入れられている理論である。掻痒受容器は、侵害受容器のサブセットであり、そしてこの理論は、これらの選択的な痒みニューロンが単独で活性化される時には痒みが発生するが、痒みと痛みニューロンが一緒に活性化される時には疼痛の感覚が支配することを仮定している。このように、痒み経路の阻害は、侵害受容のみのニューロンを介して起こる。
【0007】
数多くの痒みメディエーター(起痒物質)および受容体(掻痒受容器)が同定されており、そのうち最もよく理解されているものはヒスタミン、プロテアーゼ、オピオイド、サブスタンスP、Mas関連Gタンパク質共役受容体(Mrgpr)ファミリー、およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)である。概日リズムは、夜間掻痒症に関与する可能性がある。視床下部-下垂体-副腎軸は、持続的な負のフィードバックメカニズムを通してコルチコステロイドを放出する複雑なシステムである。
【0008】
H1-抗ヒスタミン薬は、初期治療のための現在の主力薬であり、慢性特発性蕁麻疹および夜間掻痒症の患者に使用することが承認されている唯一の薬剤である(Furue and Kadono 2015)。しかしながら、承認された投与量の3〜4倍の量で薬を投与しても、大多数の患者は、H1-抗ヒスタミン薬に反応しない。H1-抗ヒスタミン薬に反応しない患者のための治療選択肢として、H2-抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、グルココルチコイドの全身投与、シクロスポリン、ヒドロキシクロロキン、ダプソン、メトトレキサート、スルファサラジン、および静脈内免疫グロブリンの使用が挙げられる。ミルタザピンは、ノルアドレナリン受容体(α1、α2)、セロトニン作動性(5-HT2、5-HT3)受容体、およびヒスタミン作動性(H1)受容体に拮抗する非定型抗うつ薬であり、さまざまな病因の夜間痒みを和らげる効果が実証されている。これらの薬剤のいずれもが、まだ痒みの治療に関して規制当局の承認を受けていない。さらに、これらの薬物の使用を裏付けるデータは限られており、いくつかの薬剤の長期使用は相当な副作用を伴う可能性がある。
【0009】
一過性受容体電位バニロイド1型(TRPV1)は、皮膚組織および末梢感覚神経線維において広く発現される非選択的カチオンチャネルである。TRPV1の活性化は神経ペプチドを放出する;結果として生じる神経性炎症は、掻痒症の発生に寄与すると考えられている。しかしながら、最近の研究では、TRPV1拮抗薬の局所投与は、ヒトにおけるヒスタミン作動性または非ヒスタミン作動性誘発の痒みに対して対症的に有益ではなかった(Gibson、Robertsonら、2014)。
【0010】
皮膚細動脈および皮膚の細動脈-細静脈シャント(AVS)の平滑筋細胞は、ナトリウムチャネルNav1.7を発現する。さらに、Nav1.7は、細動脈およびAVSを裏打ちする内皮細胞によって、ならびにこれらの血管要素を神経支配する感覚および交感神経線維によって発現される。(Rice、Albrechtら、2015)。最近の研究は、NaV1.7ナトリウムチャネルが脊髄侵害受容性および掻痒性シナプス伝達において重要な役割を果たすことを発見した。これらの研究は、NaV1.7が痒み管理のための標的であり、そして抗NaV1.7抗体が疼痛および痒みを抑制するための治療的可能性を有することを明らかにする。(Lee、Parkら、2014)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
当分野においては、掻痒症および/または痒みを治療するための有効な方法および薬剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、本発明者らは、ある種のピロン-インドール化合物がNav1.7およびTRPV1チャネルにおいて阻害特性を有し、そして掻痒症および痒みの治療に有用でありうることを見出した。そのような化合物は、米国特許7,635,710、8,242,163および8,569,355ならびに国際公開WO2007/093880A2およびWO2007/093880A3に記載されている。上記の特許および文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
発明の概略
本開示は、1つの態様では、痒みおよび/または掻痒症をもたらす皮膚科的および非皮膚科的状態に苦しむ患者における、そのような症状を治療するための医薬であって、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤または担体をさらに含む医薬の製造における、有効量の、米国特許7,635,710、8,242,163および8,569,355ならびに国際公開WO2007/093880A2およびWO2007/093880A3(これらの特許および文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載の化合物から選択される少なくとも1つのピロン-インドール化合物の使用を提供する。
【0014】
もう1つの態様では、本発明は、痒みおよび/または掻痒症に苦しむ対象に本開示の有効量の少なくとも1つの化合物を投与することによる、該対象の治療方法を提供する。
【0015】
もう1つの態様では、本開示は、痒みおよび/または掻痒症をもたらす皮膚科的および非皮膚科的状態に苦しむ患者における使用のための医薬を提供する。医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤または担体に加えて、有効量の本開示の少なくとも1つの化合物、およびUV保護剤、催眠薬、鎮静薬、鎮痛薬、マイナートランキライザー、および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療剤を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】hNav1.xチャネルにおける遮断効果を決定するために使用される刺激電圧パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な記載
1つの態様では、本開示は、有効量の式(I):
Ar-B-Ar’(I)
[式中:
-B-は、X-Y-Z-を表す;
ここで、
Xは、-(CH2)n-(ここで、nは、0-6である)を表し、ここで、アルキル部分は、直線または分枝である;
Yは、酸素、イオウ、>NHを表すか、または不在である;
Zは、>C=0、もしくは>0、もしくは>COOを表すか、または不在である;
ここで、X、YおよびZの少なくとも1つは、存在しなければならない;
環系Arは、インドール核:
【化1】
を表す;
環系Ar’は、アルファ-、ベータ-またはガンマ-ピロン核:
【化2】
を表す;
ここで、R1-4のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Arを置換し、R1’-2’のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Ar’を置換し、ここで、R1-4およびR1’-2’のそれぞれは、独立して、水素、酸素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリール、アシル;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC6-8ヘテロアリール基;C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、C1-5アルキルアミン、C1-5アルキルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、C1-5アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミドまたはスチリルを表す;ここで、該アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、またはスチリル基は、任意に、水素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリールから;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むヘテロアリール基;C 1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミド、S-アルキルまたはアルキルチオールからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で環置換されうる;およびR3またはR4のいずれかは、Bへの結合をさらに含みうるか、または表しうる;
ここで、Arは、N-位などのR1およびR2で置換されていないAr環上の任意の位置でBに結合することができ、Ar’は、R1’またはR2’で置換されていないAr’環上の任意の炭素にてBに結合することができる]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、またはラセミ混合物を含む医薬組成物を投与することによる、痒みおよび/または掻痒症に苦しむ患者の治療方法を包含する。
【0018】
本明細書で使用される「アリール」は、フェニルまたはナフチルを表す。
【0019】
また、本明細書で使用されるとき、式(I)の「a」化合物、塩、立体異性体、またはラセミ混合物への言及は、「1つまたは複数の」そのような化合物、塩または立体異性体を包含することを意図する。さらに、式(I)の「化合物」への言及はまた、下記の医薬製剤の議論のように、化合物の塩、立体異性体、またはラセミ混合物を含むことを意図する。
【0020】
好ましい実施態様では、Xは、-(CH2)n-であり、ここで、nは、0-6のいずれか、好ましくは、1-6のいずれかであり、Yは、>NHまたは>Oであり、Zは>COである。
【0021】
本発明の化合物の一般性を損なうことなく、式(I)によって定義される化合物またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、またはラセミ混合物の好ましい実施態様では、Xは、-(CH2)2-であり、Yは、>NHまたは>Oであり、Zは、>C=Oであり、Arは、インドール環の3位にR3からXへの結合を含むインドールであり、R1は、インドール環の5位のメトキシであり、R2およびR4のそれぞれは、水素であり、Ar’は、ピロン環の2位でZに結合したガンマピロンであり、R1’は、ピロン環の5位の水素またはヒドロキシ基であり、R2’は、ガンマピロン環の6位の水素またはカルボキシ基である。第二の好ましい実施態様では、Arは、上記と同意義であり、Ar’は、α-ピロン環の5位でZに結合したα-ピロン環であり、R1’およびR2’は、水素であり;またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、もしくはラセミ混合物である。
【0022】
式(I)の化合物の適切な薬学的に許容される塩として、たとえば、化合物の溶液を薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成されうる塩が挙げられる。薬学的に許容される酸として、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、安息香酸、酒石酸、炭酸、リン酸または硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。アミン基の塩はまた、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル基を有する第四級アンモニウム塩を含みうる。化合物が酸性基、たとえば、カルボン酸基を有する場合、本発明は、その塩、好ましくは、そのナトリウム、カリウムおよびカルシウム塩などの無毒性の薬学的に許容されるその塩も企図する。代表的な薬学的に許容される塩として、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、グルタミン酸塩、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエチオジドおよび吉草酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
いくつかの実施態様では、本発明において有用な式(I)で示される化合物の官能基は、化合物の薬理学的利用性を高めるように修飾されうる。そのような修飾は、十分に当業者の知識の範囲内であり、式(I)の示された化合物のエステル、アミド、エーテル、N-オキシド、およびプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。式(I)で示される化合物の活性を高めることができる修飾の例として、たとえば、C1〜C6アルキルエステル、好ましくは、C1〜C4アルキエステルの形成(ここで、アルキル基は、直鎖または分枝鎖である)などのエステル化が挙げられる。他の許容されるエステルとして、たとえば、C1〜C7シクロアルキルエステルおよびベンジルエステルなどのアリールアルキルエステルが挙げられる。そのようなエステルは、有機化学の分野でよく知られている従来の方法を使用して、本明細書に記載の化合物から調製することができる。
【0024】
本発明において有用な式(I)の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する実施態様において、化合物は、化学的に異なるエナンチオマーとして存在し得ることが理解される。さらに、化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、化合物はジアステレオマーとして存在しうる。すべてのそのような異性体およびそれらの混合物は式(I)の示された化合物の範囲内に包含される。同様に、化合物が互変異性体として構造を存在させることを可能にする構造配置を有する場合、そのような互変異性体は示された化合物の範囲内に包含される。さらに、結晶形では、化合物は、多形体として存在することできる;溶媒の存在下で、化合物は、たとえば、水または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成しうる。そのような多形体、水和物および他の溶媒和物もまた、本明細書中に定義されるように本発明の範囲内に包含される。
【0025】
1つの実施態様では、本開示は、シアバター、ココナッツ油、および治療有効量のピロン-インドール誘導体を含む局所適用のためのクリーム製剤を含む。クリーム製剤は、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド(comanilamide)を含み得る。N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの濃度は、たとえば、1-10%、2-8%、3-5%、または3%でありうる。
【0026】
本発明の方法において有用な医薬組成物は、たとえば、治療される疼痛の種類、組成物に含まれる化合物、および病歴、危険因子および対象の症状に応じて、さまざまな手段によって対象に投与することができる。本発明の化合物は、経口、非経口(たとえば、筋肉内、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射、またはインプラント)、肺内(たとえば、吸入による)、経鼻、直腸、経頬、経皮、または局所投与経路によって投与されうる。化合物は電気泳動によって;点眼剤、クリーム剤、ゲル剤または軟膏などの許容される形態で局所的に;およびミニポンプまたは他の埋め込まれた持続放出装置または製剤によって;投与することもできる。「持続放出」とは、局所的に、または全身的な血液循環において、治療量の薬剤またはその活性代謝物を長期間にわたって達成するのに有効な速度で剤形から活性薬剤を放出することを意味する。薬剤の放出は、長期間、たとえば、少なくとも6時間の期間、少なくとも8時間の期間、少なくとも12時間の期間、または少なくとも24時間の期間にわたって起こる。本発明の方法では、異なる薬物送達手段を組み合わせることができることが理解される。一例として、1日目の静脈内投与を、2日目および/または3日目の経口投与または局所投与と組み合わせることができる。
【0027】
本明細書で使用される用語「対象」または「患者」は、魚類(市販の養殖魚、ペットフィッシュなど)、両生類(カエル、ヒキガエル、ペット両生類など)、爬虫類(ヘビ、トカゲ、カメ、ペット爬虫類など)、鳥類(ニワトリ、七面鳥、ペットバードなど)および哺乳類(マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ヒト以外の霊長類、ヒト以外の哺乳類、ヒトなど)などの脊椎動物(これらに限定されない)を示す。特定の実施態様では、対象または患者は、哺乳動物である。特定の実施態様では、対象または患者は、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ヒト以外の霊長類、またはヒトである(個別にまたは任意の組み合わせで、本発明の実施態様に含まれうる)。特定の実施態様では、対象または患者は、ヒトである。特定の実施態様では、対象または患者は、ヒト以外の哺乳動物である。
【0028】
経口投与用の固体剤形として、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される担体と混合される。そのような剤形は、通常の慣例のとおり、不活性希釈剤以外の追加の物質、たとえば、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も含むことができる。錠剤、カプセル剤などに配合されうる補助剤の例は、以下のとおりである:トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;微結晶セルロースなどの賦形剤;コーンスターチ、α化デンプン、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;スクロース、ラクトース、サッカリンなどの甘味料;ペパーミント、冬緑油またはチェリー油などの香味剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、該剤形は、緩衝剤も含み得る。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、上記の種類の材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含みうる。コーティング剤として、または投与単位の物理的形態を変更するために、他のさまざまな材料が存在してもよい。錠剤および丸剤はさらに腸溶性コーティングで調製することができ、錠剤は、シェラック、糖またはその両方でコーティングすることができる。
【0029】
経口投与用の液体剤形として、水などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。そのような不活性希釈剤の他に、組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤などの補助剤、ならびに甘味料、香味剤および芳香剤も含みうる。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物、甘味料としてのスクロース、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、ならびにチェリーまたはオレンジフレーバーなどの香料を含有してもよい。
【0030】
非経口投与用の本発明による製剤は、無菌の水性もしくは非水性の液剤、懸濁剤、または乳剤を含む。注射用滅菌組成物は、活性物質を注射用水、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油などの天然植物油、またはオレイン酸エチルなどの合成脂肪ビヒクルなどのビヒクルに溶解または懸濁させることによって、従来の製薬実務に従って製剤化することができる。緩衝剤、保存剤、抗酸化剤などを必要に応じて配合してもよい。非水性溶媒またはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびコーン油などの植物油、ゼラチン、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。そのような剤形は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの補助剤も含みうる。それらは、たとえば、細菌保持フィルターを通す濾過、組成物への滅菌剤の配合、組成物の照射、または組成物の加熱によって滅菌されうる。それらはまた、使用直前に無菌水または他の無菌注射用媒体に溶解することができる無菌固体組成物の形態で製造することもできる。
【0031】
本開示の組成物中の活性剤の用量は、治療量が投与されるという条件で、変化しうる。そのような治療量は、一般的に、所望の治療効果を達成するのに必要な最小用量であり、これは、たとえば、痒みを許容レベルまで低下させるのに概ね必要な量でありうる。望ましくは、活性剤は、そのような治療を必要としている患者(ヒトまたは動物)に最適な薬学的有効性を提供する用量で投与される。選択される投与量は、治療される疾患または障害の性質および重症度、所望の治療効果、投与経路、ならびに治療期間に依存する。用量は、疾患の性質および重症度、患者の体重、その後の患者が摂る特別食、併用薬、投与時の化合物のバイオアベイラビリティ、および当業者が認識する他の要因に応じて患者ごとに異なるであろう。治療用量は一般に、0.1-1000 mg/日の範囲でありえ、たとえば、0.1-500 mg/日、0.5-500 mg/日、0.5-100 mg/日、0.5-50 mg/日、0.5-20 mg/日、0.5-10 mg/日または0.5-5 mg/日でありえ、実際の投与量は、痒みの重症度、患者の年齢および体重、患者の全身状態、痒みの原因、投与経路など、関連する状況を考慮して医師によって決定される。いくつかの実施態様では、治療有効量は、1日当たり、1回以上の0.10 mg、0.15 mg、0.20 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1 mg、2 mg、2.5 mg、3 mg、4 mg、5 mg、6 mg、7 mg、8 mg、9 mg、10 mg、15 mg、20 mg、25 mg、または30 mgである用量を含む。非限定的な例として、本発明の化合物は、少なくとも3日間、または、たとえば、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間または10日間にわたる反復投与または連続投与によって投与することができる。さらなる例として、化合物は、1日に2回、1日に3回、1日に4回、またはそれ以上など、1日に複数回投与することができる。
【0032】
いくつかの実施態様では、化合物の該用量は、痒みおよび/または掻痒症を少なくとも30%まで減少させるのに十分である。他の実施態様では、痒みおよび/または掻痒症は、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%まで減少される。
【0033】
本発明において有用な医薬組成物は、活性化合物(すなわち式(I)の化合物)を含み、さらに、所望であれば、薬学的に許容される担体または希釈剤などの賦形剤を含むことができ、これらは、対象に投与された場合、実質的に長期的または恒久的な有害作用がない担体または希釈剤である。そのような賦形剤は、一般に、活性化合物と混合されるか、または活性化合物を希釈または封入することを可能にされる。担体は、活性化合物用のための賦形剤またはビヒクルとして作用する固体、半固体、または液体剤でありうる。薬学的に許容される担体および希釈剤の例として、蒸留水または脱イオン水などの水;食塩水;および他の水性媒体が挙げられるが、これらに限定されない。活性成分は可溶性でありうるか、または所望の担体もしくは希釈剤中の懸濁液として送達されうることが理解される。
【0034】
特定の実施態様では、本開示による使用のための医薬製剤は、少なくとも1つの以下の特徴によって特徴づけられる:
i.それは、経口、非経口(たとえば、筋肉内、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射、またはインプラント)、肺内(たとえば、吸入による)、経鼻、直腸、経頬、経皮または局所投与経路によって投与されるように適合され、各投与経路に適した剤形に製剤化される;
ii.それは、単位剤形、有効量の各単位剤形の形態である;
iii.それは、持続放出製剤である;
iv.それは、予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
v.それは、局所使用を意図した軟膏、クリーム、フォームまたはスプレーである;
vi.それは、場合により、UV保護剤、鎮痛剤、マイナートランキライザー、および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む。
【0035】
本開示は、痒みおよび/または掻痒症をもたらす皮膚科的および非皮膚科的状態に苦しむ患者における、そのような症状を治療するのに有効な量の少なくとも1つの化合物、および少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤または担体を含む組成物を包含する。より好ましくは、組成物は、上記の特徴(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)および(vi)のうちの少なくとも1つによってさらに特徴付けられる。
【0036】
本発明が関係する組成物では、薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤および担体は、医薬製剤のために許容されるものである。医薬組成物は、必要に応じて、乳化剤、湿潤剤、甘味料または香味剤、張度調整剤、保存剤、緩衝剤または抗酸化剤などの1つ以上の作用剤を含むことができる。医薬組成物に有用な張度調整剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩、マンニトールまたはグリセリンおよび他の薬学的に許容される張度調整剤が挙げられる。本発明の医薬組成物に有用な保存剤として、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、および硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。限定的ではないが、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液およびホウ酸緩衝液などのpHを調整するためのさまざまな緩衝液および手段を使用して、医薬組成物を製造することができる。同様に、本発明の医薬組成物に有用な抗酸化剤は、当技術分野において周知であり、たとえば、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられる。薬理学の分野で知られているこれらおよび他の物質を本発明に有用な医薬組成物に含めることができることが理解される。
【0037】
経口投与用には、医薬は、たとえば、錠剤、カプセル剤、乳剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤として利用されうる。非経口投与用には、医薬はアンプルの形態で、あるいは水性もしくは油性のビヒクルまたはパッチ中の懸濁剤、液剤または乳剤として利用することができる。異所性使用(ectopic use)(局所投与)用には、医薬は、軟膏、クリーム、ゲル、フォーム、溶液、エアロゾルまたはスプレーの形態で利用されうる。医薬は、水ベース(水性)または有機ベースでありうる。懸濁化剤、安定剤および/または分散剤の必要性は、当然のことながら、特定の実施態様で使用されるビヒクル中での活性化合物の溶解性または他の点における事実を考慮に入れるであろう。医薬はさらに、たとえば、生理学的に適合する保存剤および抗酸化剤を含んでもよい。医薬はまた、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤と共に坐剤として利用されてもよい。
【0038】
上記のように、本開示は、上記の化合物を共投与することを含み、米国特許番号7635710、8242163および8569355ならびに国際公開 WO2007093880A2およびWO2007093880A3に記載されている化合物から選択される少なくとも1つの化合物が、たとえば、催眠薬(ベンゾジアゼピンならびに非ベンゾジアゼピンおよびメラトニンアゴニスト)、鎮静薬、鎮痛薬、マイナートランキライザー、および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬などの、皮膚を保護するのに有用であり、不安を軽減し、睡眠を改善し、疼痛を軽減することによって痒みを緩和するのに有用であることが当技術分野で知られている他の化合物と共に(すなわち同時に、別々にまたは順次)投与されてもよい。このような追加の治療薬は、ブロチゾラム、ブスピロン、ジアゼパム、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、フルボキサミン、クロニジン、ゾルピデム、ゾピクロン、メラトニン、UV保護剤(p-アミノ安息香酸、アントラニル酸メンチル、メトキシケイ皮酸オクチル、二酸化チタンなど)および薬学的に許容される塩ならびにびそれらの組み合わせである。
【0039】
追加の治療薬は、たとえば、デキサメタゾンまたはメラトニン作動薬などの抗炎症性コルチコステロイドであってもよく、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストから選択される少なくとも1つの化合物を、スケジューリング明光投与、通常強度の光曝露、または薄暗い光または暗さへの曝露のなどの光療法または電気刺激などの物理的方法と組み合わせて投与することができる。
【0040】
本開示は、とりわけ、痒み反応に関与するチャネルを阻害する化合物を包含すると理解される。本開示はそのようなチャネルに対して選択的または非選択的のいずれかである化合物を包含することがさらに理解される。いくつかの実施態様では、本発明化合物は、掻痒反応に関与するチャネルに対して高度に選択的であり、900nM、800nM、700 nM、600 nM、500 nM、400 nM、300 nM、200 nM、100 nM、50 nM、10 nMまたは1 nM未満の効力を有することを特徴とする。
【0041】
本発明はまた、抗痒み活性を有すると考えられる化合物を同定すること、該化合物を痒み応に関与する受容体と接触させること、および該化合物が抗痒み活性を有するかどうかを決定することを含む、掻痒を軽減する有効な作用剤をスクリーニングする方法を提供する。
【0042】
当業者に明らかであるように、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に記載された特定の実施態様は、例としてのみ提供され、本発明は、そのような請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に、添付の請求の範囲の条件によってのみ制限されるべきである。本明細書に引用された全ての特許および刊行物は、参照により組み込まれる。
【0043】
本発明を以下の実施例によって説明する。
実施例
【実施例1】
【0044】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成
【化3】
【0045】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成のための反応スキーム
【化4】
a:DME、Py、TEA、DCC、NHS
【0046】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成のための一般的手順
四口丸底フラスコ(100 mL)中で、トリプタミン(0.85 g、5.3 mmol)をDME(40 mL)に溶解し、Py(0.9 mL)を添加した。混合物を室温にて30分間攪拌し、次いで、コマン酸(0.68 g、4.8 mmol)、次いで、NHS(0.61 g、5.3 mmol)、DCC(1.1 g、5.3 mmol)、TEA(0.7 mL、56.1 mmol)を添加した;混合物を一夜攪拌し、次いで、LC-MSでチェックした。褐色懸濁液をグーチでろ過し、固体を水(100 mL)で洗浄した。水相をCH2Cl2(3X100 mL)で抽出し、ブライン(2x10 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。得られた粘着性固体をMTBE(20mL)中に懸濁させ、30分間撹拌した。固体をろ過し、CH2Cl2で洗浄して、0.48g(4.8mmol、収率36%)の生成物(1)を淡褐色固体として得た(LC-MSアッセイ >95%)。
【0047】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドについての実験データ
MS:m/z=283 [M+H]+
TLC:(Cy/EtOAc 1:9)Rf=0.3
FTIR(cm-1):3330、2925、2851、2353、2116、1240、937、741。
1H NMR(DMSO):2.91(m、2H);3.55(m、3H);6.42(m、1H);6.79(m、1H);6.99(m、1H);7.07(m、1H);7.19(m、1H);7.34(m、1H);7.58(m、1H);8.21(m、1H);9.05(m、1H);10.83(bs、1H)。
【実施例2】
【0048】
N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成
【化5】
【0049】
N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成のための反応スキーム
【化6】
【0050】
N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの合成のための一般的手順
アルゴン雰囲気下、100mlの三口フラスコ丸底フラスコに、コマン酸(500mg、1当量)および5-メトキシトリプタミン(760 mg、1.1当量)を入れ、DMF(25ml)に溶解し、氷浴で0℃にした。次いで、HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物、530 mg、1.1当量)、EDC(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、750 mg、1.1当量)およびトリエチルアミン(1.25 ml、2.5当量)を、磁気撹拌しながら添加した。混合物を0℃にてさらに15分間攪拌し、次いで、室温にて6時間反応させた。反応経過をHPLC-MSによって追跡した。次いで水(50ml)を添加し、混合物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、溶媒を回転蒸発により除去した。次いで、粗生成物をジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離することによりシリカゲルカラム上でクロマトグラフ処理した。生成物を明黄色固体として回収した(235 mg、収率21%)。
【0051】
N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの実験データ
MS(ESI POS):313(M+H)、330(M+H2O)、335(M+Na)、376(M+Na+CH3CN)
HPLCアッセイ:98%
1H NMR(DMSO-d6、400 MHz)δ 2.88-2.92(m、2H、CH2CH2NH)、3.48-3.53(m、2H、CH2CH2NH)、3.75(s、3H、OCH3)、6.42(dd、J1=2.3 Hz、J2=5.9 Hz、1H、CH=CH)、6.71(dd、J1=2.1 Hz、J2=8.8 Hz、1H、芳香族H)、6.78(d、J=2.3 Hz、1H、芳香族H)、7.04(d、J=2.3 Hz、1H、CH)、7.13(d、J=2.1 Hz、1H、芳香族H)、7.22(d、J=8.8 Hz、1H、芳香族H)、8.21(d、J=5.9 Hz、1H、CH=CH-CO)、9.04(br t、J=5.8 Hz、1H、CH2CH2NH)、10.65(br s、1H、NH)。
【実施例3】
【0052】
2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの合成:
【化7】
【0053】
2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの合成のための反応スキーム
【化8】
a:トリエチルアミン、トリホスゲン、CH2Cl2、10℃にて2時間。
【0054】
1:2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメート
CH2Cl2(7ml)中の5-メトキシトリプタミン塩酸塩(1g、0.0044mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(1.8ml、0.0132mol)を添加し、混合物を室温にて30分間撹拌した。マルトール(0.5g、0.0044mol)を添加した後、反応混合物を氷水浴中で冷却し、次いで、温度を10℃以下に保ちながら、CH2Cl2(1ml)中のトリホスゲン(0.4g、0.0015mol)を添加し、同じ温度で2時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて油状残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc-Cy、80:20からETOAc 100)により精製して500mgの淡黄色固体を得た。この固体を2回目のフラッシュクロマトグラフィー(VersaPak C18、Spherical、23x53mm、H2O-MeOH、6:4)によって精製して、220mgの白色泡状物を得、これをMTBEで洗浄して、150mgの「1」を白色固体として得た。
Rf:0,11(EtOAc-Cy、8:2);0,47(逆相;MeOH-H2O、6:4)
HPLC:tr=5.5アッセイ > 95%
MS(ESI+)m/z=343 [M+H]+
FTIR(cm-1):3855;3751;3328;2938;2270;1735;1656;1578;1526;1485;1438;1364;1236;1183;1072;1034;923;834;798;637;566;432。
1H-NMR(CDCl3):2.25(s、3H)、3.01(t、2H)、3.57(q、2H)、3.86(s、3H)、5.29(t、1H)、6.39(d、1H)、6.85-6.88(m、1H)、7.05(d、1H)、7.13(d、1H)、7.26(d、1H)、7.65(d、1H)、8.05(bs、1H)。
【実施例4】
【0055】
首筋に注射されたホルマリンは、ラットおよびマウスにおいて、有意な後肢引っ掻き傷を誘発することが以前に報告されており、ホルマリンならびに起痒物質は、抑制性脊髄介在ニューロンの集団を欠いているマウスにおいて引っ掻きを増加させ、このことは、ホルマリン誘発性の侵害防御行動は、痛みよりはむしろ、または痛みに加えて痒みを反映する可能性があることを示唆している(Akiyama、Carstensら、2010)。このモデルを使用して、ピロン-インドール化合物の抗掻痒活性を評価した。
【0056】
方法:
侵害刺激は、右後足の背面の皮膚の下への希ホルマリンの注射である。反応は、ホルマリン注射の5〜10分後(初期)、または20〜30分(後期)、動物が注射した足を舐めるのに費やした時間である。マウス(1群あたりN=8)に、試験化合物(100 mg/kg)、またはモルヒネ(4 mg/kg)、またはビヒクルを腹腔内注射した。30分後、ホルマリン(20 μl、2.5 %水溶液)を、足底下経路によって、右後足に注射した。後足舐め時間を、ホルマリン注射後の最初の10分間(初期)および15〜35分間(後期)の間に5分間隔で連続して記録した。
【0057】
結果:
化合物N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドは、初期段階で57%、後期段階で90%まで舐め反応を抑制したが、両段階ともビヒクル反応とは統計的に相違した。化合物N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドは、初期段階で38%、後期段階で62%まで舐め反応を抑制したが、両段階ともビヒクル反応とは統計的に相違した。化合物2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートは、初期段階で54%、後期段階で86%まで舐め反応を抑制したが、両段階ともビヒクル反応とは統計的に相違した。
【0058】
結論:
これらの結果は、マウスにおけるホルマリン注射によって誘発された痒みに対するN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの有益な効果を示す。N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドは、掻痒症に対して潜在的な抗掻痒効果を有する。
【実施例5】
【0059】
哺乳類細胞で発現されるNav1.xチャネルに対するN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの効果
方法:
hNav1.xチャネルのブロックを、図1に示される刺激電圧パターンを用いて測定した;電位を第2表に示す。パルスパターンを2回繰り返した:N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメート添加の前および5分後に、3つの試験パルスにてピーク電流振幅を測定した(ITP1およびITP2)。
【0060】
結果:
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドによるNav1.7チャネルの選択的抑制を示す、hNav1.xチャネルに対するN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメート遮断効果(第3表)。
【0061】
結論:
これらの結果は、本開示の化合物を用いた、痒み反応を媒介するNav1.7チャネルの抑制を示す。
【0062】
第2表
hNav1.xチャネルのための電圧プロトコルパラメータ
【表2】
【0063】
第3表
【表3】
【表4】
【表5】
【実施例6】
【0064】
TRPV1チャネルに対するN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの効果
方法:
カルシウム流入アッセイにより、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートの、TRPV1のアンタゴニストとして作用する能力を評価した。陽性対照アゴニスト(0.1μMカプサイシン)の存在下で誘発されるシグナルを100%に設定し、そしてアンタゴニスト(0.1μMカプサイシン+3μMルテニウムレッド)の存在下のシグナルを0に設定した。試験物質の平均が陽性対照アゴニストの平均から3標準偏差以上離れていれば(すなわち、37.74%を超える抑制)、値を有意と見なした。
【0065】
結果:
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドおよび2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメート(10 μM)は、TRPV1媒介カルシウム流入に対して有意な抑制効果(すなわち、37.74%以上の抑制)を有した(第2表)。
【表6】
【表7】
【表8】
【0066】
結論:
本発明化合物は、痒み反応に関与するTRPV1チャネルを抑制することができる。
【実施例7】
【0067】
局所用N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドクリームの調製
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの局所適用のためのクリーム製剤を、50gのシアバター、50gのココナッツ油を油が溶けるまでメイソンジャー中で加熱することによって調製し、3g(3%)のN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドを、それが油に溶解するまで加えた。クリームを冷却し、続いて、より柔らかい触感のために高速ミキサーで数分間ホイップした。
【実施例8】
【0068】
ヒトにおける鎮痛/抗掻痒効果
痒みの当技術分野承認代理モデル(Andersenら、Acta Derm Venereol. 2015;95(7):771-7. Human surrogate models of histaminergic and non-histaminergic itch.)として用いた、UVB日焼けモデル(R. Rolkeら、(2006)、Quantitative sensory testing in the German Research Network on neuropathic pain(DFNS):standardized protocol and reference values、Pain、123、231-243)を用いて、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの抗掻痒効果を試験した
【0069】
UVB照射領域上に、第(-1)日の朝、第1日の投与前、および投与後2.5時間において、24人の若い男性被験者(18人がN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドを増量して(300mg-900mg)および6人がプラセボ群として)は、足の上部の約4×4 cmの領域を、最小紅斑量(MED)の3倍のUVB光に曝露された。
【0070】
UVB照射は、有害である皮膚の炎症を引き起こし、UVB照射部位において顕著な炎症関連温度および機械的痛覚過敏を誘発する。この痛覚過敏は、照射後約20-24時間でピークに達し、その後ゆっくりと鎮静する。定量的感覚検査(QST)は、疼痛および掻痒モデルにおける特徴的な感覚パターンを評価する。
【0071】
UVB照射皮膚は、スクリーニング中に決定されたMEDの3倍で、右足の上部の皮膚のマークされた領域(約4×4 cm)を照射することによって得られた。これは、投与の約20時間前に行なわれた。
【0072】
冷痛閾値(CPT)を決定した。5回連続測定の平均閾値温度を計算した。全ての閾値は、被験者がボタンを押したときに終了する傾斜刺激(1 C/s)で得られた。
【0073】
フォンフレイヘア(Frey hair)に対する機械的検出閾値(MDT)は、0.25〜512mNの力をかける標準化された一組の修正フォンフレイヘア(ラウンドチップ、直径0.5mm)(Optiair;Marstock Nervtest、マールブルク、ドイツ)を用いて評価した。閾値は、一連の5つの上昇および下降刺激強度の幾何平均を用いた限界法により決定した。
【0074】
結果は、以下の通りであった:
冷痛閾値レベル、日焼け前および日焼け後、ならびにN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド投与の2.5時間後
【表9】
【0075】
日焼け後およびN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド投与の2.5時間後のMDT(感覚)(mN)のベースラインからの変化
【表10】
*ベースライン:日焼け前第(-1)日
【0076】
結論:
結果は、投与後2.5時間で最大反応となる、ヒト試験におけるN-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの鎮痛/抗掻痒効果を明確に実証した。
【0077】
本発明のさまざまな実施態様は、以下を含む:
1.有効量の式:
Ar-B-Ar’(I)
[式中:
-B-は、X-Y-Z-を表す;
ここで、
Xは、-(CH2)n-(ここで、nは、0-6である)を表す;
Yは、酸素、イオウ、>NHを表すか、または不在である;
Zは、>C=0、>0、もしくは>COOを表すか、または不在であり、ここで、X、YおよびZの少なくとも1つは、存在しなければならない;
Arは、インドール核環系:
【化9】
を表す;
Ar’は、アルファ-、ベータ-またはガンマ-ピロン核環系:
【化10】
を表す;
ここで、R1-4のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Arを置換し、R1’-2’のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Ar’を置換し、ここで、R1-4およびR1’-2’のそれぞれは、独立して、水素、酸素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリール、アシル;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC6-8ヘテロアリール基;C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、C1-5アルキルアミン、C1-5アルキルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、C1-5アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミドまたはスチリルを表す;ここで、該アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、またはスチリル基は、任意に、水素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリールから;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むヘテロアリール基;C 1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミド、S-アルキルまたはアルキルチオールからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で環置換されうる;
およびR3またはR4のいずれかは、Bへの結合をさらに含みうるか、または表しうる;
ここで、Arは、N-位などのAr環の5員環部分上の任意の位置でBに結合することができ、Ar’は、R1’またはR2’で置換されていないAr’環上の任意の炭素にてBに結合することができる]
で示される化合物、またはその塩、立体異性体、またはラセミ混合物を含む組成物を対象に投与することによる、痒みまたは掻痒症に苦しむ対象の治療方法。
2.Xが-(CH2)nであり(ここで、nは0-6である)、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COである、実施態様1に記載の方法。
3.Ar’がアルファ-ピロン環系である、実施態様1または2に記載の方法。
4.Ar’がベータ-ピロン環系である、実施態様1〜3のいずれかに記載の方法。
5.Ar’がガンマ-ピロン環系である、実施態様1〜4のいずれかに記載の方法。
6.Xが-(CH2)nであり、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COであり、Arがインドール環であり;R3がインドール環の3位のXへの結合であり;R1がインドール環の5位の水素またはメトキシ基であり、R2およびR4のそれぞれが水素であり;Ar’がピロン環の2位のZに結合したガンマ-ピロン環であり;R1がピロン環の5位の水素またはヒドロキシ基であり;およびR2がガンマ-ピロン環の6位の水素またはカルボキシ基であり;またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、もしくはラセミ混合物である、実施態様1〜5のいずれかに記載の方法。
7.Xが、-(CH2)nであり、Yが>NHまたは>Oであり、Zが>COOであり;Arがインドール環であり;R3がインドール環の3位のXへの結合であり;R1がインドール環の5位のメトキシ基であり、R2およびR4のそれぞれが水素であり;Ar’がピロン環の4位でZによって置換されたガンマ-ピロン環であり;およびR1およびR2のそれぞれが、 メチルまたは水素であり;またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、もしくはラセミ混合物である、実施態様1〜6のいずれかに記載の方法。
8.組成物が以下の特徴:
(i)それは、経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または局所投与経路に適合される;
(ii)それは、単位剤形であり、各単位剤形は、有効量の該化合物を含む;
(iii)それは、持続放出製剤である;
(iv)それは、予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)それは、局所使用に適した軟膏、クリーム、ゲル、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはエアロゾルスプレーである;
(vi)それは、さらに、UV保護剤、鎮痛剤、トランキライザー、血管収縮薬、血管拡張薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む;
の少なくとも1つによってさらに特徴付けられる、実施態様1〜7のいずれかに記載の方法。
9.組成物が、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、ゲル化剤、補助剤または担体を含む、実施態様1〜8のいずれかに記載の方法。
10.有効量の式:
Ar-B-Ar’(I)
[式中:
-B-は、X-Y-Z-を表す;
ここで、
Xは、-(CH2)n-(ここで、nは、0-6である)を表す;
Yは、酸素、イオウ、>NHを表すか、または不在である;
Zは、>C=0、>0、もしくは>COOを表すか、または不在であり、ここで、X、YおよびZの少なくとも1つは、存在しなければならない;
Arは、インドール核環系:
【化11】
を表す;
Ar’は、アルファ-、ベータ-またはガンマ-ピロン核環系:
【化12】
を表す;
ここで、R1-4のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Arを置換し、R1’-2’のそれぞれは、任意の利用可能な位置で環系Ar’を置換し、ここで、R1-4およびR1’-2’のそれぞれは、独立して、水素、酸素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリール、アシル;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含有するC6-8ヘテロアリール基;C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C1-5アルキル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、C1-5アルキルアミン、C1-5アルキルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、C1-5アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミドまたはスチリルを表す;ここで、該アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、またはスチリル基は、任意に、水素、ハロ、ハロ-C1-5アルキル、アリールから;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むC5-7ヘテロ環式基;窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1-3個のヘテロ原子を含むヘテロアリール基;C 1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、アリール-C2-5アルケニル、アリール-C2-5アルキニル、ヒドロキシ-C1-5アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、シアナミド、グアニジノ、アミジノ、アシルアミド、ヒドロキシ、チオール、アシルオキシ、アジド、アルコキシ、カルボキシ、カルボニルアミド、S-アルキルまたはアルキルチオールからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で環置換されうる;
およびR3またはR4のいずれかは、Bへの結合をさらに含みうるか、または表しうる;
ここで、Arは、N-位などのAr環の5員環部分上の任意の位置でBに結合することができ、Ar’は、R1’またはR2’で置換されていないAr’環上の任意の炭素にてBに結合することができる]
で示される化合物、またはその塩、立体異性体、またはラセミ混合物;ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、ゲル化剤、補助剤または担体を含む医薬組成物であって、
ここで、医薬組成物が、
(i)経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または局所投与経路に適合される;
(ii)単位剤形であり、各単位剤形は、有効量の該化合物を含む;
(iii)持続放出製剤である;
(iv)予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)局所使用に適した軟膏、クリーム、ゲル、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはスプレーである;
(vi)さらに、UV保護剤、鎮痛剤、トランキライザー、血管収縮薬、血管拡張薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む;および/または
(vii)経口投与用固体剤形である、医薬組成物。
11.組成物が、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤または顆粒剤から選択される経口剤形である、実施態様10に記載の医薬組成物。
12.式(I)で示される化合物が、スクロース、ラクトース、またはデンプンから選択される少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される担体と混合される、実施態様10または11に記載の医薬組成物。
13.組成物が、1つ以上の滑沢剤をさらに含む、実施態様10〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
14.組成物が、ステアリン酸マグネシウムを含む、実施態様10〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
15.組成物が、1つ以上の補助剤を含む、実施態様10〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
16.組成物が、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチンを含む、実施態様10〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
17.組成物が、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、および香味剤の少なくとも1つを含む、実施態様10〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
18.賦形剤が、微結晶セルロースである、いずれかの実施態様17に記載の医薬組成物。
19.崩壊剤が、コーンスターチ、α化デンプン、アルギン酸、またはそれらの組み合わせである、実施態様17に記載の医薬組成物。
20.甘味料が、スクロース、ラクトース、サッカリンまたはそれらの組み合わせである、実施態様17に記載の医薬組成物。
21.香味剤が、ペパーミント、冬緑油、チェリー油、またはそれらの組み合わせである、実施態様17に記載の医薬組成物。
22.少なくとも1つの緩衝剤をさらに含む、実施態様10〜21のいずれかに記載の医薬組成物。
23.脂肪油をさらに含む、実施態様10〜22のいずれかに記載の医薬組成物。
24.組成物が、皮膚適用のための軟膏、ゲル、クリーム、エマルション、オイル、フォーム、溶液またはスプレーの形態の局所製剤である、実施態様10〜23のいずれかに記載の医薬組成物。
25.化合物が、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、保存剤、抗酸化剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤または担体も含む医薬の形態で投与される、実施態様10〜24のいずれかに記載の医薬組成物。
26.医薬が、以下の特徴:
(i)それは、経口、直腸、非経口、経頬、肺内(たとえば、吸入による)、経皮または異所投与に適合される;
(ii)それは、単位剤形であり、各単位剤形は、有効用量で少なくとも1つの該化合物の量を含む;
(iii)それは、持続放出製剤である;
(iv)それは、予め選択された期間にわたって体内で化合物をゆっくり放出するデポー形態である;
(v)それは、異所使用を意図した軟膏、クリーム、フォーム、またはスプレーである;
(vi)それは、UV保護剤、鎮痛剤、マイナートランキライザー、および抗炎症薬から選択される少なくとも1つの追加の治療薬も含む;
の少なくとも1つによってさらに特徴付けられる、実施態様10〜25のいずれかに記載の医薬組成物。
27.化合物が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、および2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートからなる群から選択される、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
28.痒みまたは掻痒症が減少される、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
29.対象がヒトである、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
30.化合物がNav1.7チャネルを抑制する、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
31.化合物がTRPVチャネルを抑制する、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
32.化合物が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、N-[2-(5-メトキシ-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミド、および2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル [2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]カルバメートからなる群から選択される、実施態様10〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
33.組成物が、このような減少を必要とする患者における痒みまたは掻痒症を減少させるのに十分な量の式(I)で示される化合物を含む、実施態様10〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
34.対象が急性掻痒症に苦しむ、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
35.対象が慢性掻痒症に苦しむ、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
36.化合物がNav1.7チャネルを抑制する、実施態様10〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
37.化合物がTRPVチャネルを抑制する、実施態様10〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
38.シアバター、ココナッツ油、および治療有効量のピロン-インドール誘導体を含む、局所投与用クリーム製剤。
39.ピロン-インドール誘導体が、N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドである、実施態様38に記載のクリーム製剤。
40.N-[2-(1H-インドール-3-イル)-エチル]-コマニルアミドの濃度が3%である、実施態様39に記載のクリーム製剤。
【0078】
本明細書で言及されるすべての引用(たとえば、科学雑誌刊行物、特許、および他の参考資料)は、あたかもそれぞれの引用が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
以上、本発明の特定の実施態様について具体的に説明したが、当業者には容易に明らかとなるように、多くの変更または変形が可能であるので、本発明はこれらに限定されない。そのような変更または本明細書中に詳述されていない変形は、本発明の明らかな均等物であるとみなされる。
【0080】
参考文献
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【図1】
【国際調査報告】