(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019524933
(43)【公表日】20190905
(54)【発明の名称】エラストマー系組成物及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/10 20060101AFI20190809BHJP
   C08K 5/541 20060101ALI20190809BHJP
   C08K 5/057 20060101ALI20190809BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20190809BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   !C08L101/10
   !C08K5/541
   !C08K5/057
   !C08K5/00
   !C09K3/10 G
   !C09K3/10 Q
   !C09K3/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】26
(21)【出願番号】2019502582
(86)(22)【出願日】20170803
(85)【翻訳文提出日】20190118
(86)【国際出願番号】EP2017069743
(87)【国際公開番号】WO2018024856
(87)【国際公開日】20180208
(31)【優先権主張番号】1613413.2
(32)【優先日】20160803
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
【住所又は居所】アメリカ合衆国 48686−0994 ミシガン州 ミッドランド ウェスト サルツバーグ ロード 2200
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・グッベルス
【住所又は居所】ベルギー王国 スヌッフ 7180 リュ・ジュールス・ボルデ ダウ・コーニング・ヨーロッパ・ソシエテ・アノニム パーク・インダストリアル−ゾーン シー
【テーマコード(参考)】
4H017
4J002
【Fターム(参考)】
4H017AA03
4H017AA04
4H017AA23
4H017AA24
4H017AB15
4H017AC16
4H017AC20
4H017AD06
4H017AE05
4J002AA051
4J002BB201
4J002BG071
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4J002EC077
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4J002FD147
4J002GF00
4J002GJ01
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4J002GQ00
(57)【要約】
本開示は概して、従来知られているシリコーンゲルと比較して、高温条件下にて使用した場合にでさえも、電気部品又は電子部品に良好な結合を示す、縮合硬化化学反応により硬化したシリコーンゲル、並びに、電気部品及び/又は電子部品のカプセル化、封止、又は充填でのその使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
を含み、
構成成分(i)、(ii)、及び(iii)が全て同じ成分中に存在せず、全てのケイ素結合ヒドロキシル基の全ての加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、
請求項1に記載のシリコーン材料及び/又はエラストマーを作製するための多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項2】
前記成分を、以下のとおりに分けることができる:
a)1成分にポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、あるいは
b)1成分に架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、又は
c)2種以上のポリマー(i)を利用する場合は、1成分に第1ポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分に第2ポリマー(i)及び触媒(iii)、又は
d)1成分にポリマー(i)、並びに別の成分に前記架橋剤(ii)及び触媒(iii)
2成分で保管される、請求項1に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項3】
フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する前記少なくとも1種の化学化合物(iv)が、一次抗酸化剤、二次抗酸化剤、抗腐食性添加剤、又はこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項4】
前記一次抗酸化剤が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、(2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸チオジ−2,1−エタンジイルエステル、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド))、オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、カルシウムビス(モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルベンジル)ホスホネート)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、(2−プロペン酸、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[3−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メチル]−4−メチルフェニルエステル)、ポリ(ジシクロペンタジエン−co−p−クレゾール)、2,5−ジ(tert−アミル)ヒドロキノン、及びこれらの混合物から選択され、かつ/又は、前記二次抗酸化剤が、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、O,O’−ジオクタデシルペンタエリスリトールビス(ホスファイト)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートから選択される、請求項3に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項5】
前記抗腐食性添加剤が、トリアゾール構造、チアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、メルカプトチアゾール構造、メルカプトベンゾチアゾール構造、又はベンズイミダゾール構造を含有する環式化合物から選択される、請求項3に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項6】
前記抗腐食性添加剤が、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、アルキル化ジフェニルアミン、亜鉛ジアミルジチオカルバメート、及び/又はメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)から選択される、請求項56に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項7】
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
を含み、
全てのケイ素結合ヒドロキシル基の加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物の縮合反応生成物である、シリコーン材料。
【請求項8】
請求項1に記載のシリコーン材料を含む、又は請求項1〜6に記載の組成物から作製される、電気部品又は電子部品用のシーラント。
【請求項9】
請求項7に記載のシリコーン材料を備えた、電気部品又は電子部品。
【請求項10】
前記電気部品又は電子部品が電力デバイスである、請求項9に記載の電気部品又は電子部品。
【請求項11】
前記電力デバイスが、モーター制御装置、輸送用モーター制御装置、動力発生システム、又は宇宙輸送システムである、請求項10に記載の電気部品又は電子部品。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物を使用した、半導体チップの保護方法。電気部品又は電子部品の封止、ポッティング、カプセル化、又は充填のための、請求項7に記載のシリコーン材料から作製されるゲルの使用。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型組成物を混合し、得られた混合物を硬化することによる、請求項7に記載のシリコーン材料の作製方法。
【請求項14】
電子デバイス、太陽光起電力モジュール、及び/又は発光ダイオード用のカプセル化用材料又はポッタントとしての、請求項7に記載のシリコーン材料の使用。
【請求項15】
感圧接着剤としての、又は、振動若しくは音緩衝用途における、又は、ディスプレイ若しくは導波管用の積層体、接着剤、光学的に透明なコーティングの製造における、請求項7に記載のシリコーン材料から作製したゲルの使用。
【請求項16】
積層プロセスにおいて基材を積層するための、請求項7に記載のシリコーン材料の使用。
【請求項17】
前記混合物が、カーテンコーター、スプレー装置、ダイコーター、ディップコーター、押出コーター、ナイフコーター、及びスクリーンコーターから選択される散布器を使用して、硬化前に基材上に適用される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、従来知られているシリコーンゲルと比較して、高温条件下にて使用した場合にでさえも、電気部品又は電子部品に良好な結合を示す、縮合硬化化学反応により硬化したシリコーンゲル、並びに、電気部品及び/又は電子部品のカプセル化、封止、又は充填でのその使用に関する。
【0002】
多くの場合において、電気部品及び/又は電子部品のコーティング、ポッティング、及びカプセル化材料として使用されるゲルは、基材、及び/又は他の材料への接着性を維持しなければならない。例えば、エレクトロニクスにおいては、ゲルは、硬化して非常に軟質の材料を形成する、特級のカプセル化用材料であり、エレクトロニクスにおいて多くの重要な機能を発揮する。これらは通常、
(a)誘電体絶縁として機能することと、
(b)回路を湿気及び他の汚染物質から保護することと、
(c)構成部品上で機械応力及び熱応力を軽減することと、
により、高感度な回路に対する高レベルの応力緩和をもたらし、悪環境から電子アセンブリ及び構成部品を保護するために使用される。
【0003】
このような状況において、コーティング材又はカプセル化材として機能するゲルを通過する、電気コネクタ及びコンダクタに加えて、ゲルは、電子部品及び電気部品、並びに/又はプリント配線基板に接着させるために必要である。
【0004】
シリコーンゲル組成物は、硬化時に良好な応力緩和、電気特性、耐熱性、及び耐候性を有するシリコーンゲルを形成するため、電気部品又は電子部品用のシーラント及び充填剤として幅広く使用されてきた。
【0005】
このようなシリコーンゲル組成物の例は、例えば、分枝鎖構造を有するビニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサン、及びヒドロシリル化反応触媒を含むシリコーンゲル組成物について開示している、欧州特許第0069451号、並びに、分枝鎖構造を有し、25℃にて20〜10,000センチストークスの粘度を有する、ビニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ポリマー鎖の両端がビニル基により保護されている直鎖オルガノポリシロキサン、ポリマー鎖の両端のみにてケイ素原子に結合した水素原子を含有する直鎖オルガノポリシロキサン、及びヒドロシリル化反応触媒を含むシリコーンゲル組成物について開示している特開03−19269(B2)号に開示されている。
【0006】
近年、電子部品、例えばシリコンチップの動作温度は、過去の約150℃から現在の約175℃に上昇し、Si−C半導体の利用性の増加によって、例えば180℃以上の動作温度が多くの場合必要とされている。そのような温度条件下にて、従来のヒドロシリル化硬化型シリコーンゲル組成物から得たゲルを使用する場合、気泡、クラック、及び硬くて非可撓性のクラストが多くの場合生じ、そのゲルを充填した電気部品又は電子部品の信頼性、耐久性、及び安定性に関する問題を引き起こす。この問題は特に、従来のシリコーンゲル組成物が、複雑な構造、例えば、電気部品又は電子部品の電極間、電気要素間、又は電気要素とパッケージ間の空間が狭い構造を有する、あるいは、シリコーンゲルが、電気部品及び/又は電子部品の膨張及び収縮に追従することができない構造を有する、電気部品又は電子部品を封止又は充填する場合に顕著である。そのような電気部品又は電子部品を高温条件に曝露することにより、上述の気泡、クラック、及び非可撓性のクラストがシリコーンゲルに生じ得、それ故、電気部品又は電子部品の後での信頼性が大きく低下し得る。更に、電気部品又は電子部品を保護するためにこのヒドロシリル化硬化シリコーンゲルを使用するには、高温条件に曝露された場合でさえも、電気部品又は電子部品との良好な結合を維持する必要がある。
【0007】
ヒドロシリル化硬化ゲルを作製するために組成物中で使用される成分は、付加(ヒドロシリル化)硬化化学反応に基づく、即ち、これらは不飽和炭素基を有するケイ素水素化物基を、通常は白金系化合物である触媒により補助して反応させることにより硬化する。歴史的には、縮合硬化系は著しく遅い(なぜなら、通常はスキンプロセス又は拡散プロセスにより硬化(シーラント/空気界面から、ゲル組成物本体/シーラントを通して硬化)し、例えば、チタネート硬化縮合プロセスでは、例えば、未硬化材料の本体深さ6mm当たり、最大7日かかる)一方、バルクで、即ち化合物全体で急速に(およそ数分で)硬化するため、この業界は、これらの用途については、この種のヒドロシリル化硬化組成物を好んできた。2成分型スズ硬化縮合系は、より短い期間で硬化するが、これらは80℃を超える温度にて解重合(即ち、モノマーへの分解)が生じるため、例えばエレクトロニクス用途には望ましくない。更に、スズ系縮合硬化組成物は硬質のエラストマーを生成し、これは、電子デバイスに必要な応力緩和性を付与しない。
【0008】
硬化速度の視点からでは、これらのヒドロシリル化硬化組成物から作製したゲルは優れているものの、これらの種類の生成物の使用において、いくつかの潜在的な問題及び/又は不利な点が存在する。まず、これらは通常、高温(即ち、室温から著しく高い温度)で硬化する。ヒドロシリル化組成物は、白金系硬化触媒の不活性化により、汚染されている可能性があり、また、未硬化性となっている可能性がある。白金触媒は感度が高く、アミン含有化合物、硫黄含有化合物、及びリン含有化合物により汚染される可能性がある。
【0009】
当業者には、アルコキシチタン化合物、即ちアルキルチタネートが、1成分型湿気硬化性シリコーンを配合するのに好適な触媒であることが周知である(参考文献:Noll,W.;Chemistry and Technology of Silicones,Academic Press Inc.,New York,1968,p.399,Michael A.Brook,silicon in organic,organometallic and polymer chemistry,John Wiley & sons,Inc.(2000),p.285)。チタネート触媒はスキン又は拡散硬化性の1成分型縮合硬化シリコーンエラストマーを配合するためのその使用について、幅広く記述されている。これらの配合物は通常、典型的には15mmより薄い層で適用される1成分型パッケージにおいて利用可能である。非常に深いセクションでは湿気が非常に遅く拡散するため、15mmを超える厚さの層は、材料の深さにおいて未硬化材料をもたらすことが知られている。シーラント/カプセル化用材料が基材表面に適用された後で、組成物/空気界面にて硬化スキンが形成されることにより、最初の硬化プロセスが生じる場合に、スキン又は拡散硬化(例えば、湿気/縮合)が生じる。表面スキンの生成に続いて、硬化速度は、空気とのシーラント/カプセル化用材料界面から内側(又はコア)への、湿気の拡散速度、及び、内側(又はコア)の縮合反応副生成物/廃液から材料の外側(又は表面)への拡散速度、並びに、外側/表面から内側/コアにかけての、経時による、硬化スキンの緩やかな厚さの増加に依存する。
【0010】
生成物のバルク内で縮合硬化を活性化するように設計された複数構成成分の組成物は、チタン系触媒を使用しない。これらは通常、スズ又は亜鉛触媒、例えば、ジブチルスズジラウレート、スズオクトエート、及び/又は亜鉛オクトエートなどの他の金属触媒を使用する(Noll,W.;Chemistry and Technology of Silicones,Academic Press Inc.,New York,1968,p.397)。2成分又はそれ以上の多成分での使用前に保管されるシリコーン組成物において、1成分は、生成物のバルクで縮合硬化を活性化させるために必要な湿気を通常含有する充填剤を含有する。以前に言及した拡散硬化性1成分系とは異なり、2成分縮合硬化系は、混合すると、深さが15mmを超えるセクションでも、バルク硬化が可能となる。この場合、組成物は材料のバルク全体を通して(混合後に)硬化する。スキンが形成される場合、スキンは適用後の最初の数分にしか存在しない。その直後、生成物は塊全体が固体となる。相当量の湿気の存在下において、アルキルチタネート触媒は完全に加水分解して、シリコーンに不溶性であるテトラヒドロキシチタネートを形成することが知られているため、これらの種類の2成分組成物を硬化するために、チタネート触媒は使用されない。この形態のチタンは触媒効果を失い、未硬化系をもたらす。したがって、従来知られているシリコーンゲルと比較して、高温条件下で使用した場合に、電気部品又は電子部品に更に良好な結合を示し、かつ、解重合を起こさない、電気部品及び/又は電子部品のカプセル化、封止、又は充填に好適なゲルなどの、スズ触媒非含有の代替縮合硬化材料を同定することが有益である。
【0011】
以下の組成物:
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
の縮合反応生成物であり、
全てのケイ素結合ヒドロキシル基の加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、シリコーン材料を提供する。
【0012】
本発明は、
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
を含み、
全てのケイ素結合ヒドロキシル基の加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、縮合硬化性シリコーン組成物について記載する。
【0013】
本出願に関して、「全ての加水分解性基」は、組成物中に存在する湿気及びケイ素結合ヒドロキシル基の両方を除外することと理解されるべきである。
【0014】
全てのケイ素結合ヒドロキシル(Si−OH)モル含量は、混合配合物100gに対して計算される。ポリマーに対する、全てのケイ素結合ヒドロキシルモル含量は、ポリマー中に存在するヒドロキシル官能基の平均数で乗じたポリマーの数平均分子量(Mn)により除した、混合生成物100g中におけるヒドロキシル含有ポリマーの量(g)、通常2に等しい。配合物中にいくつかのヒドロキシル官能性ポリマーが存在する場合、各ポリマーのモル含量の合計を計算することで、配合物中の全てのシラノールモル含量が構成される。
【0015】
シリコーンの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)もまた、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。この技術は標準的な技術であり、Mw(重量平均)、Mn(数平均)、及び多分散指数(PI)が得られる(PI=Mw/Mn)。
【0016】
本出願で提供されるMn値はGPCによって測定され、使用するポリマーの典型的な値を意味する。GPCによって提供されない場合、Mnは、上記ポリマーの動粘度に基づいて計算することも、また可能である。
【0017】
全ての加水分解性基のモル含量を、混合配合物100gに対して計算する。物質に関する加水分解性基のモル含量は、分子内に存在する加水分解性官能基の平均数により乗じた分子の分子量、又は、ポリマー分子である場合は数平均分子量(Mn)により除した混合生成物100g中の、加水分解性基を含有する分子の量(g)に等しい。各分子又はポリマーのモル含量の合計を計算することで、配合物中の全ての加水分解性基のモル含量が構成される。
【0018】
次に、全てのケイ素結合ヒドロキシル基の全ての加水分解性基に対するモル比は、ポリマー(i)中のケイ素結合ヒドロキシル(Si−OH)基の全てのモル含量を、架橋剤(ii)の加水分解性基の全てのモル含量により除することにより計算される。触媒M−ORの値=[(チタネート触媒(g)(化合物中のORの数)]/(チタン触媒の分子量)である。
【0019】
シリコーン材料はゲル又はエラストマーの形態である。
【0020】
これらの組成物の主な利点は、室温で硬化し、白金硬化シリコーン組成物よりも汚染物質に耐性があり、高温条件下で使用した場合でも、良好にエージングして電気部品又は電子部品に対して優れた結合を示す(例えば、スズ系触媒を使用して硬化したエラストマーとは異なり、解重合を起こさない)ことである。更に、上述したエラストマーが存在するために、高温条件下でも高い信頼性及び安定性を有する電気部品又は電子部品が生成される。更に、シリコーン材料を電気部品及び/又は電子部品上に適用することにより、例えば、高温条件下でも高い信頼性及び安定性を有する電力デバイスに関してなどの、例えば半導体デバイス、電気部品又は電子部品の保護方法が提供される。
【0021】
ポリマー(i)は、少なくとも1種の湿気/縮合硬化性シリル末端ポリマーである。ポリジアルキルシロキサン、アルキルフェニルシロキサン、又はシリル末端基を有する有機系ポリマー、例えばシリルポリエーテル、シリルアクリレート及びシリル末端ポリイソブチレン又は上記のいずれかのコポリマーを含む、任意の好適な水分/縮合硬化性シリル末端ポリマーを利用することができる。ポリマーは、少なくとも1個のヒドロキシル基を含有するポリシロキサン系ポリマーであるのが好ましく、ポリマーは2個の末端ヒドロキシル基を含むのが最も好ましい。好適なヒドロキシル含有末端基の例としては、−Si(OH)、−(R)Si(OH)、−(RSi(OH)、又は−(RSi−R−SiR(OH)3−p[式中、各Rは独立して、一価のヒドロカルビル基、例えば、特に1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(メチルが好ましい)であり、各R基は独立して、好適には6個以下の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、6個以下のケイ素原子を有する1個以上のシロキサンスペーサーにより中断され得る、12個以下の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、pは値0、1、又は2を有する。]が挙げられる。
【0022】
ポリマー(i)は、一般式(1)
−A−X(1)
[式中、X及びXは独立して、ヒドロキシル又は加水分解性基で終了するシロキサン基から選択され、Aはポリマー鎖、あるいはシロキサンポリマー鎖を含有するシロキサン及び/又は有機物質である。]
を有することができる。
【0023】
ヒドロキシル末端基X又はXの例としては、
上で定義したとおりの−Si(OH)、−(R)Si(OH)、−(RSi(OH)、又は−(RSi−R−Si(R(OH)3−pが挙げられる。X及び/又はX末端基は、ヒドロキシジアルキルシリル基、例えばヒドロキシジメチルシリル基であるのが好ましい。
【0024】
式(1)のポリマー鎖A内における好適なシロキサン基の例は、ポリジオルガノシロキサン鎖を含むものである。したがって、ポリマー鎖Aは、好ましくは、式(2)
−(RSiO(4−s)/2)− (2)
のシロキサン単位を含み、
式中、各Rは独立して、塩素又はフッ素などの1個以上のハロゲン基で任意に置換されている1〜10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基などの有機基であり、sは0、1、又は2であり、通常sは約2である。基Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、塩素又はフッ素で置換されたプロピル基(3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル若しくはクロロシクロヘキシル基など)が挙げられる。好適には、少なくともいくつか、又はほぼ全ての基Rはメチルである。
【0025】
通常、上の種類のポリマーは、問題の粘度に関して最も適切なコーンプレートを使用したBrookfieldコーンプレート粘度計(RV DIII)により測定すると、1,000オーダーの粘度を有する。
【0026】
式(2)の単位を含有する典型的なポリマー(i)はそれ故、上記のとおりの湿気を使用して加水分解可能な、末端のケイ素結合ヒドロキシル基、又は末端のケイ素結合有機基を有するポリジオルガノシロキサンである。ポリジオルガノシロキサンはホモポリマー又はコポリマーであってよい。末端縮合性基を有する異なるポリジオルガノシロキサンもまた好適である。
【0027】
あるいは、ポリマー(i)は、それぞれが少なくとも1個の加水分解性基を有するシリル末端基を有する、有機系ポリマーであってよい。典型的なシリル末端ポリマー基としては、シリル末端ポリエーテル、シリル末端アクリレート、及びシリル末端ポリイソブチレンが挙げられる。利用するシリル基は、上述したX及びXに関して、上述した1つ以上の代替物であってよい。
【0028】
シリルポリエーテルの場合、ポリマー鎖はポリオキシアルキレン系単位(有機)をベースにする。このようなポリオキシアルキレン単位は、平均式(−C2n−O−)[式中、nは2〜4を含む整数であり、mは少なくとも4の整数である。]により示される、反復オキシアルキレン単位の(−C2n−O−)からなる、直鎖が主となるオキシアルキレンポリマーを含むのが好ましい。各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの数平均分子量は、約300〜約10,000の範囲で変動し得るが、これより大きいことができる。更に、オキシアルキレン単位は、ポリオキシアルキレンモノマー全体にわたって必ずしも同一でなく、単位ごとに異なっていてもよい。ポリオキシアルキレンブロック又はポリマーは、例えば、オキシエチレン単位(−C−O−)、オキシプロピレン単位(−C−O−)、若しくはオキシブチレン単位(−C−O−)、又はこれらの混合物から構成され得る。
【0029】
他のポリオキシアルキレン単位としては、例えば、
−[−R−O−(−R−O−)−Pn−CR−Pn−O−(−R−O−)−R]−
[式中、Pnは1,4−フェニレン基であり、各Rは同一であるか又は異なり、2〜8個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、各Rは同一であるか又は異なり、エチレン基又はプロピレン基であり、各Rは同一であるか又は異なり、水素原子又はメチル基であり、下付き文字w及びqはそれぞれ、3〜30の範囲の正の整数である。]
の構造の単位を挙げることができる。
【0030】
本出願の目的において、「置換」とは炭化水素基中の1つ以上の水素原子が別の置換基で置き換えられることを意味する。このような置換基の例としては、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子;クロロメチル、パーフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロヘキシルなどのハロゲン原子含有基;酸素原子;(メタ)アクリル及びカルボキシルなどの酸素原子含有基;窒素原子;アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基などの窒素原子含有基;硫黄原子;並びにメルカプト基などの硫黄原子含有基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
使用することができる架橋剤(ii)は一般に、
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子である。
【0032】
場合によっては、2個の加水分解性基を有する架橋剤(ii)は、ポリマー(i)が1個又は2個のみの反応性基を有する場合には鎖延長剤であると考えられるが、ポリマー(i)が1分子当たり3個以上の反応性基を有する場合には、架橋に使用することができる。したがって、架橋剤(ii)は1分子当たり、2個、あるいは3個又は4個の、ポリマー(i)の縮合性基と反応性である、ケイ素結合縮合性(好ましくは、ヒドロキシル及び/又は加水分解性)基を有することができる。
【0033】
本明細書の開示の目的のために、シリル官能性分子は、2個以上のシリル基を含有するシリル官能性分子であり、各シリル基は、少なくとも1個の加水分解性基を含有する。したがって、ジシリル官能性分子は、それぞれ少なくとも1個の加水分解性基を有する2個のケイ素原子を含み、ここで、ケイ素原子は有機又はシロキサンスペーサーによって分離されている。典型的に、ジシリル官能性分子上のシリル基は、末端基であってよい。スペーサーはポリマー鎖であってよい。
【0034】
本明細書の開示の目的のために、ジシランとは、少なくとも2個のシリル基を有し、2個のケイ素原子が互いに結合しているシリル官能性分子である。
【0035】
シリル基上の加水分解性基としては、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、オクタノイルオキシ、及びベンゾイルオキシ基)、ケトキシミノ基(例えば、ジメチルケトキシモ(ketoximo)及びイソブチルケトキシミノ(isobutylketoximino));アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、及びプロポキシ)、並びに/又はアルケニルオキシ基(例えば、イソプロペニルオキシ及び1−エチル−2−メチルビニルオキシ)が挙げられる。場合によっては、加水分解性基はヒドロキシル基を含んでよい。
【0036】
シラン架橋剤(ii)としては、アルコキシ官能性シラン、オキシモシラン、アセトキシシラン、アセトンオキシムシラン、及び/又はエノキシシランを挙げることができる。
【0037】
架橋剤がシランであり、シランが1分子当たり3個のケイ素結合加水分解性基のみを有する場合、4番目の基は好適には、非加水分解性のケイ素結合有機基である。これらのケイ素結合有機基は、好適には、任意選択でフッ素及び塩素などのハロゲンによって置換されたヒドロカルビル基である。このような第4の基の例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチル);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル);アルケニル基(例えば、ビニル及びアリル);アリール基(例えば、フェニル、及びトリル);アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル)並びに前述の有機基中の水素の全部又は一部をハロゲンで置き換えることにより得られた基が挙げられる。第4のケイ素結合有機基は、メチルであってよい。
【0038】
典型的なシランは、式(3)
4−rSi(OR(3)
[式中、Rは上述したとおりであり、rは2、3、又は4の値を有する。]
により記述することができる。典型的なシランは、R”がメチル、エチル、又はビニル、又はイソブチルであるものである。R”は、直鎖及び分枝鎖アルキル、アリル、フェニル、及び置換フェニル、アセトキシ、オキシムから選択される有機基である。場合によっては、Rはメチル又はエチルを表し、rは3である。
【0039】
別の種類の好適な架橋剤(ii)は、種類がSi(OR[式中、Rは上述したとおりである、あるいはプロピル、エチル、又はメチルである。]の分子である。Si(ORの部分的縮合物もまた考慮することができる。
【0040】
一実施形態では、架橋剤(ii)は、それぞれ少なくとも1個、そして最大3個の加水分解性基を有する、少なくとも2個のシリル基を有する、あるいは、各シリル基が少なくとも2個の加水分解性基を有するシリル官能性分子である。
【0041】
架橋剤(ii)は、ジシリル官能性ポリマー、即ち、それぞれが式(4)
(RO)(Y3−m−Si(CH−((NHCHCH−Q(CH−Si(OR(Y3−m(4)
[式中、RはC1−10アルキル基であり、Yは1〜8個の炭素を含有するアルキル基であり、
Qは孤立電子対を有するへテロ原子を含有する化学基、例えばアミン、N−アルキルアミン、又は尿素であり、各xは1〜6の整数であり、tは0又は1であり、各mは独立して1、2、又は3であり、nは0又は1である。]
により表されるものなどの、少なくとも1個の加水分解性基を含有する、2個のシリル基を含有するポリマーであってよい。
【0042】
シリル(例えば、ジシリル)官能性架橋剤(ii)は、シロキサン、又は有機ポリマー主鎖を有してよい。好適なポリマー架橋剤(ii)は、上の式(1)に示すポリマー鎖Aに類似したポリマー主鎖化学構造を有することができる。このようなシロキサン又は有機系架橋剤の場合、分子構造は直鎖、分枝鎖、環式、又は巨大分子であることができる、即ち、アルコキシ官能性末端基を有するシリコーン又は有機ポリマーとしては、アルコキシ基がメトキシ又はエトキシ基であり得る少なくとも1個のトリアルコキシ末端を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0043】
シロキサン系ポリマーの場合、架橋剤の粘度は、コーンプレートを利用するBrookfieldコーンプレート粘度計(RV DIII)を使用すると、25℃にて0.5mPa・s〜80,000mPa・sの範囲内である(ポリマー(i)と同じ方法で測定)。上述した加水分解性基のいずれかが好適である一方、加水分解性基はアルコキシ基であることが好ましく、そのために、末端シリル基は、−RSi(OR、−Si(OR、−RSiOR、又は−(RSi−R−SiR(OR3−p[式中、各Rは独立して、一価のヒドロカルビル基、例えば、特に1〜8個の炭素原子を有するアルキル基(メチルが好ましい)であり、各R及びR基は独立して、6個以下の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、1〜6個のケイ素原子を有する1個以上のシロキサンスペーサーにより中断され得る、二価炭化水素基であり、かつpは値0、1又は2である。]
などの式を有することができる。通常、各末端シリル基は、2又は3個のアルコキシ基を有する。
【0044】
架橋剤(ii)はそれ故、アルキルトリアルコキシシラン(例えばメチルトリメトキシシラン(MTM)及びメチルトリエトキシシラン)、テトラエトキシシラン、部分縮合テトラエトキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン(例えばビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン)、イソブチルトリメトキシシラン(iBTM)を含む。他の好適なシランとしては、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アルコキシトリオキシモシラン、アルケニルトリオキシモシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジ−ブトキシジアセトキシシラン、フェニル−トリプロピオンオキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニル−トリス−(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン、メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、エチルポリシリケート、n−プロピルオルトシリケート、エチルオルトシリケート、ジメチルテトラアセトキシジシロキサン、オキシモシラン、アセトキシシラン、アセトンオキシムシラン、エノキシシラン、並びに、他のこのような3官能性アルコキシシラン、及びそれらの部分加水分解縮合生成物、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(あるいは、ヘキサメトキシジシリルヘキサンとしても知られている)、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)アミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)N−アルキルアミン、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)N−アルキルアミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)尿素、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)尿素、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)アミン、
ビス(4−トリエトキシシリルブチル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)N−メチルアミン、
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)N−メチルアミン、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)N−メチルアミン、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)N−メチルアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス(4−トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)尿素、ビス(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)アミン、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)アミン、ビス(4−ジメトキシメチルシリルブチル)アミン、ビス(4−ジエトキシメチルシリルブチル)アミン、
ビス(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)N−メチルアミン、
ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)N−メチルアミン、
ビス(4−ジメトキシメチルシリルブチル)N−メチルアミン、
ビス(4−ジエトキシメチルシリルブチル)N−メチルアミン、ビス(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)尿素、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、ビス(4−ジメトキシメチルシリルブチル)尿素、
ビス(4−ジエトキシメチルシリルブチル)尿素、ビス(3−ジメトキシエチルシリルプロピル)アミン、
ビス(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)アミン、ビス(4−ジメトキシエチルシリルブチル)アミン、
ビス(4−ジエトキシエチルシリルブチル)アミン、ビス(3−ジメトキシエチルシリルプロピル)N−メチルアミン、ビス(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)N−メチルアミン、ビス(4−ジメトキシエチルシリルブチル)N−メチルアミン、
ビス(4−ジエトキシエチルシリルブチル)N−メチルアミン、ビス(3−ジメトキシエチルシリルプロピル)尿素、ビス(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)尿素、ビス(4−ジメトキシエチルシリルブチル)尿素、及び/又は
ビス(4−ジエトキシエチルシリルブチル)尿素、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス(トリエトキシシリルプロピル)尿素、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)N−メチルアミン、ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリジアルキルシロキサン、ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリアリールアルキルシロキサン、ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイソブチレン、ジ又はトリアセトキシシリル末端ポリジアルキル、ポリアリールアルキルシロキサン、ジ又はトリオキシモシリル末端ポリジアルキル、ポリアリールアルキルシロキサン、ジ又はトリアセトノキシ末端ポリジアルキル又はポリアリールアルキルが挙げられる。使用する架橋剤(ii)は、上述の2つ以上の任意の組み合わせもまた含んでよい。
【0045】
ヒドロキシル基の加水分解性基に対するモル比は、シラン架橋剤を使用すると0.5:1〜2:1、又は、シリル官能性架橋剤を使用すると0.5:1〜10:1、あるいは0.5:1〜10:1、あるいは0.75:1〜3:1、あるいは0.75:1〜1.5:1である。
【0046】
組成物は、縮合触媒を更に含む。これにより、組成物が硬化する速度が増加する。特定のシリコーン組成物中に含むために選択される触媒は、必要とされる硬化速度に左右される。
【0047】
チタネート及び/又はジルコネート系触媒は、一般式Ti[OR22又はZr[OR22[式中、各R22は同一でも異なっていてもよく、1〜10個の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝鎖であってよい一価の一級、二級、又は三級脂肪族炭化水素基を表す。]に従った化合物を含んでよい。場合により、チタネート及び/又はジルコネートは部分的不飽和基を含有してよい。R22の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、三級ブチル、及び分枝鎖二級アルキル基(2,4−ジメチル−3−ペンチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、各R22が同じである場合、R22は、イソプロピル、分枝鎖二級アルキル基、又は三級アルキル基、特に三級ブチルである。好適なチタネートの例としては、テトラn−ブチルチタネート、テトラt−ブチルチタネート、チタンテトラブトキシド、及びテトライソプロピルチタネートが挙げられる。好適なジルコネートの例としては、テトラ−n−プロピルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、及びジルコニウムジエチルシトレートが挙げられる。
【0048】
あるいは、チタネート及び/又はジルコネートはキレート化されていてよい。キレート化は、アルキルアセチルアセトネート、例えばメチル又はエチルアセトネートなどの、任意の好適なキレート剤により行われる。あるいは、チタネートは、例えば2−プロパノラート、トリスイソオクタデカノエートチタネート、又はジイソプロピルジエチルアセトアセテートチタネートなどの、3個のキレート剤を有するモノアルコキシチタネートであってよい。
【0049】
触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の全てのケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比は、0.01:1〜0.5:1である。
【0050】
本明細書における組成物は、一次及び/若しくは二次抗酸化剤、並びに/又は好適な抗腐食性添加剤などの、フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物(iv)を更に含む。任意の好適な物質を利用することができる。
【0051】
一般的なフェノール系分子などの一次抗酸化剤、及び、一般的なホスファイト系分子などの二次抗酸化剤を独立して、又は組み合わせて使用し、シリコーン材料の高温での安定化をもたらすことができる。
【0052】
一次抗酸化剤の例としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、(2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸チオジ−2,1−エタンジイルエステル、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド))、オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、カルシウムビス(モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルベンジル)ホスホネート)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、(2−プロペン酸、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[3−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メチル]−4−メチルフェニルエステル)、ポリ(ジシクロペンタジエン−co−p−クレゾール)、2,5−ジ(tert−アミル)ヒドロキノンが挙げられる。
【0053】
二次抗酸化剤の例としては、トリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイト、O,O’−ジオクタデシルペンタエリスリトールビス(ホスファイト)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートが挙げられる。
【0054】
フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物(iv)はあるいは、好適な抗腐食性添加剤、例えば、トリアゾール構造、チアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、メルカプトチアゾール構造、メルカプトベンゾチアゾール構造、又はベンズイミダゾール構造を含有する、窒素/硫黄含有複素環式化合物、例えば
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、アルキル化ジフェニルアミン、亜鉛ジアミルジチオカルバメート、メチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)であってよい。
【0055】
本明細書で上述したシリコーン材料は通常、2成分に分けて保管される縮合硬化性シリコーン材料組成物から作製される。2成分組成物は、動的又は静的ミキサーによる任意の好適な標準的2成分混合装置を使用して混合してもよく、任意選択で、意図された用途での使用のために装置から計量分配される。
【0056】
一実施形態では、縮合硬化性シリコーン材料組成物は2成分で保管され、上記成分は、以下のとおりに分けることができる:
a)1成分にポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、
b)1成分に架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、又は
c)2種以上のポリマー(i)を利用する場合は、1成分に第1ポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分に第2ポリマー(i)及び触媒(iii)、
d)1成分にポリマー(i)、並びに別の成分に架橋剤(ii)及び触媒(iii)。
各場合において、任意の充填剤、特に湿気含有充填剤が存在する場合、充填剤及び触媒は同じ成分中には存在しない。通常、存在する場合、充填剤は、他の添加剤もまた含有し得るベース成分中で、ポリマー(i)と混合される。
2つの成分は、任意の好適な比、例えば、ベース成分:触媒パッケージを、例えば15:1〜1:1、あるいは10:1〜1:1、あるいは5:1〜1:1、好ましくは1:1で混合することができる。
【0057】
上記構成成分以外に、任意の構成成分を、本発明の目的が達成される範囲内でシリコーンゲル組成物とブレンドしてよい。
【0058】
任意の構成成分の例としては、充填剤、耐熱性付与剤、耐寒性付与剤、難燃剤、チキソトロピー付与剤、顔料、界面活性剤、融剤、酸受容体、抗腐食性添加剤、染料、及びこれらの任意の好適な組み合わせが挙げられる。
【0059】
必要に応じて、好適な無水充填剤を利用してもよい。
【0060】
必要になった場合、組成物は、無水充填剤(例えば、熱伝導性及び/又は導電性充填剤、例えば金属充填剤)、無水無機充填剤、並びに無水溶融性充填剤、又はこれらの組み合わせを組み込んでよい。
【0061】
湿気を0.02%過剰に含有する(ISO 787−2:1981に従い測定することができる)充填剤を添加する場合、追加のアリコートのチタネート又はジルコネート触媒を添加して、充填剤から湿気を除去する必要がある。
【0062】
金属充填剤としては、金属粒子及び粒子表面上に層を有する金属粒子が挙げられる。これら層は、例えば、粒子表面上の金属窒化物層又は金属酸化物層であってよい。好適な金属充填剤の例としては、アルミニウム、銅、金、ニッケル、スズ、銀、及びこれらの組み合わせの群から選択される金属の粒子、あるいはアルミニウムの粒子が挙げられる。好適な金属充填剤の更なる例としては、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される層をその表面に有する、上記金属の粒子が挙げられる。例えば、金属充填剤は、その表面上に酸化アルミニウム層を有するアルミニウム粒子を含んでよい。
【0063】
無機充填剤は無水であり、オニックス、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、中空ガラスビーズ、金属酸化物(例えば酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛)、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素などの窒化物;炭化ケイ素及び炭化タングステンなどの炭化物、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。更なる充填剤としては、チタン酸バリウム、炭素繊維、ダイヤモンド、グラファイト、水酸化マグネシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
溶融性充填剤は、Bi、Ga、In、Sn又はこれらの合金を含み得る。溶融性充填剤は、任意選択で、Ag、Au、Cd、Cu、Pb、Sb、Zn又はこれらの組み合わせを更に含んでもよい。好適な溶融性充填剤の例としては、Ga、In−Bi−Sn合金、Sn−In−Zn合金、Sn−In−Ag合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Bi−Cu−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Zn合金、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は、50℃〜250℃、あるいは150℃〜225℃の範囲の融点を有し得る。溶融性充填剤は、共晶合金、非共晶合金、又は純金属であってよい。溶融性充填剤は、市販されている。
【0065】
熱伝導性充填剤は、単一の熱伝導性充填剤、又は粒子形状、平均粒径、粒径分布、及び充填剤のタイプなどの少なくとも1つの特性が異なる、2種以上の熱伝導性充填剤の組み合わせであってよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、アルミニウムとアルミニウム酸化物充填剤の組み合わせなどの、金属と無機充填剤の組み合わせ、アルミニウムと酸化亜鉛充填剤の組み合わせ、又はアルミニウムと酸化アルミニウムと酸化亜鉛充填剤の組み合わせが使用されてよい。他の実施形態では、より大きな平均粒径を有する第1の伝導性充填剤と、より小さな平均粒径を有する第2の伝導性充填剤を、最密充填理論分布曲線を満たす割合で組み合わせることが望ましい場合がある。一例としては、異なる平均粒径を有する2種の酸化アルミニウム製剤を混合することであろう。
【0067】
他の実施形態では、異なる大きさの異なる熱伝導性充填剤材料を用いることができ、例えば、より大きな平均粒径を有する酸化アルミニウムとより小さい平均粒径を有する酸化亜鉛の組み合わせを用いることができる。
【0068】
あるいは、より大きい平均粒径を有する第1のアルミニウムとより小さい平均粒径を有する第2のアルミニウムなどの金属充填剤の組み合わせを使用することが望ましい場合がある。より大きい平均粒径を有する第1の充填剤及び第1の充填剤よりも小さい平均粒径を有する第2の充填剤の使用により、充填効率を改善することができ、粘度を低減させることができ、熱伝達を増強することができる。
【0069】
熱伝導性充填剤粒子の形状は特に限定されないが、円形又は球形粒子は、組成物中の熱伝導性充填剤の高配合によって望ましくないレベルまで粘度が増加するのを防止することができる。熱伝導性充填剤の平均粒径は、選択される熱伝導性充填剤の種類、及び硬化性組成物に添加される正確な量、並びに組成物の硬化生成物が用いられるデバイスの結合部の厚さを含む、各種要因に依存するであろう。いくつかの特定の場合においては、熱伝導性充填剤は、0.1〜80マイクロメートル、あるいは0.1〜50マイクロメートル、あるいは0.1〜10マイクロメートルの範囲の平均粒径を有してもよい。
【0070】
無水強化性充填剤及び/又は無水増量充填剤としては、沈殿及び粉末シリカ、沈殿及び粉末炭酸カルシウム、処理済みシリカ、ガラスビーズ、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、石英、タルク、細断KEVLAR(登録商標)などの細断繊維、充填剤処理剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。充填剤は、RSiO1/2単位及びSiO4/2単位[式中、Rは、ケイ素原子に直接、又は酸素原子を介して結合したヒドロキシル基又は炭化水素基である。]を含むシロキサン樹脂であることもできる。
【0071】
熱伝導性充填剤、並びに/又は存在する場合、無水強化性充填剤及び/若しくは拡張充填剤は、任意選択で、処理剤で表面処理されてもよい。処理剤及び処理法は、当技術分野において既知である。充填剤の表面処理は典型的に、例えば、脂肪酸若しくはステアレートなどの脂肪酸エステルを用いて、又はオルガノシラン、オルガノシロキサン、若しくはオルガノシラザン、例えばヘキサアルキルジシラザン若しくは短鎖シロキサンジオールを用いて行われる。一般に、表面処理は充填剤を疎水性にし、したがって、組成物中の他の成分との均一混合物の取り扱い及び入手を容易にする。
Si(OR4−e
[式中、Rは置換又は非置換の、6〜20個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、例えば、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルなどのアルキル基、並びに、6〜20個の炭素原子のアルキル基を有する、ベンジル及びフェニルエチルなどのアラルキル基が好ましく、Rは1〜6個の炭素原子のアルキル基であり、文字eは1、2、又は3に等しい。]
などのシランもまた、充填剤用の処理剤として利用することができる。
【0072】
接着促進剤の例としては、式R14Si(OR15(4−h)[式中、下付き文字hは1、2、又は3である、あるいはhは3である。]のアルコキシシランが挙げられる。各R14は独立して一価有機基である。R14は、グリシドキシプロピル若しくは(エポキシシクロヘキシル)エチルなどのエポキシ官能基、アミノエチルアミノプロピル若しくはアミノプロピルなどのアミノ官能基、メタクリルオキシプロピル、メルカプトプロピルなどのメルカプト官能基、又は不飽和有機基であり得る。各R15は独立して、少なくとも1個の炭素原子を有する非置換飽和炭化水素基である。R15は、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子を有してよい。R15の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、及びイソプロピルが挙げられる。
【0073】
好適な接着促進剤の更なる例としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び、グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、アルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせが挙げられる。
【0074】
硬化性組成物は、存在する場合、組成物の重量を基準にして、0.01〜2重量%、あるいは0.05〜2重量%、あるいは0.1〜1重量%の接着促進剤を含んでよい。好ましくは、生成物ネットワークへの組み込みよりも基材への分子の拡散に有利となるように、接着促進剤の加水分解速度は、架橋剤の加水分解速度よりも低くなければならない。
【0075】
好適な界面活性剤としては、シリコーンポリエーテル、酸化エチレンポリマー、酸化プロピレンポリマー、酸化エチレンと酸化プロピレンとのコポリマー、その他の非イオン性界面活性剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。組成物は、組成物の重量に対して最大0.05%の界面活性剤を含んでもよい。
【0076】
組成物は、組成物の重量に対して最大2%の融剤を含み得る。カルボン酸及びアミンなどの化学活性官能基を含有する分子を融剤として使用することができる。融剤の例としては、コハク酸、アビエチン酸、オレイン酸、及びアジピン酸などの脂肪酸、安息香酸などの芳香族酸;脂肪族アミン及びそれらの誘導体、例えばトリエタノールアミン、アミンの塩酸塩、並びにアミンの臭化水素酸塩を挙げることができる。融剤は当該技術分野において既知であり、市販されている。
【0077】
酸受容体の例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。組成物は、適切である場合、組成物の重量を基準にして、2%の酸受容体を含むことができる。
【0078】
上述の、組成物の2成分を混合して硬化することにより、本明細書で前述したシリコーン材料を作製する方法もまた、本明細書において提供する。
【0079】
混合後、一実施形態では、縮合硬化性ゲル組成物を、好適な散布器、例えばカーテンコーター、スプレー装置、ダイコーター、ディップコーター、ビーズ適用、押出コーター、ナイフコーター、及びスクリーンコーターなどを使用して基材に適用することができ、硬化の際に、上記基材上にコーティングがもたらされる。
【0080】
上述のシリコーン材料は、180℃以上の高温にて優れた耐熱性を有し、シリコーン材料は、これらの温度で長時間使用した場合、劣化しない傾向にある。更に、電子構成部品を保護するための用途で用いる場合、シリコーン材料内での気泡及びクラックの発生は、高温条件下でも抑制することができ、更に、電気又は電子構成部品に対する良好な結合性を有するため、このシリコーン材料に高い信頼性及び安定性を付与することができることが利点である。
【0081】
本明細書で前述したシリコーン材料は、マイクロエレクトロニクス及びマクロエレクトロニクス用途の両方を含むエレクトロニクス用途、並びに、オプトエレクトロニクス用途、及び、熱伝導性接着剤などの熱伝導性エレクトロニクス用途での使用のために設計されている。更に、本発明のシリコーン材料は透明であることができ、それ故、LEDなどの発光半導体部品での使用に潜在的に好適である。
【0082】
このような硬化性シリコーン組成物から調製した硬化シリコーン接着剤は、電気又は電子構成部品及び/又は部品などの様々な基材、少なからず金属基材(例えば金、銀、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケル)、並びに、ポリマー基材、例えばFR4、ナイロン、ポリカーボネート、Lucite(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及び、Solvay Chemicals,Houston,Tex.77098 USAから入手可能なXydar(登録商標)などの液晶ポリマーに接着可能である。
【0083】
電気又は電子構成部品及び/又は部品を、任意の適切な方法によって、例えば、保護する電気部品又は電子部品の一部を、シリコーン材料と接触させ、その後、縮合硬化によりこの組成物を硬化させる、即ち、室温で静置することによって、シリコーン材料で充填してよい。
【0084】
任意の好適な電気部品又は電子部品を、上述したシリコーン材料で封止することができるが、その理由は、本発明のシリコーン材料により、気泡及びクラックの発生を抑制することができ、また、高温条件下でも電気部品又は電子部品への良好な結合を示すため、本発明のシリコーン材料を、高温条件下で用いられる電力デバイス、特に、モーター制御装置、輸送用モーター制御装置、動力発生システム、又は宇宙輸送システムなどの電力デバイスで有利に使用することができるからである。
【0085】
その他の理由は、本発明のシリコーン材料は、Si−C半導体チップで必要とされる耐熱性(例えば、180℃以上の耐熱性)に加えて、ある程度の耐寒性を有するからである。電子物品は、電力モジュール、例えば、特に、激しい温度差に耐える能力が必要とされる電力デバイスにおける、電力変換装置、インバーター、ブースター、牽引制御装置、産業モーター制御装置、動力分配、及び輸送システム用の、上述のデバイスの1つ以上であることができ、そのような電力デバイスの耐久性及び信頼性を改善することができる。
【0086】
耐熱性及び耐寒性を必要とするこのような電力デバイスの例としては、寒冷領域で使用されるモーター制御装置(例えば、汎用インバーター制御、サーボモーター制御、工作機械若しくはエレベーター、電気自動車、ハイブリッドカー、又は、寒冷領域で使用される鉄道輸送用のモーター制御)、寒冷領域で使用される発電システム(例えば、太陽光、風力、又は燃料電池発電機)、宇宙で使用される宇宙輸送システムなどが挙げられる。「寒冷領域」とは、温度が0℃を下回る領域を意味することに注意されたい。
【0087】
更に、シリコーン材料は、電極間、電気要素間、又は電気要素と、電気部品又は電子部品内のパッケージとの間の空間が狭い構造を有する、あるいは、これらの構造がシリコーン材料の膨張と収縮に追い付けない構造を有する電気部品又は電子部品の封止でもまた効果的である。例えば、シリコーン材料は、半導体要素、コンデンサ、及び抵抗器などの電気要素が固定される電気回路又はモジュール、即ち、通常シリコーン材料で封止又は充填される圧力センサなどの様々なセンサ、及び自動車のイグナイタ、制御器などで使用することができる。
【0088】
電子構成部品は、チップ(例えば、シリコンチップ又は炭化ケイ素チップ)、1つ以上のワイヤ、1つ以上のセンサ、1つ以上の電極、集積回路(IC)(例えば、ハイブリッドIC)、電力デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、整流器(例えば、ショットキーダイオード、PiNダイオード、一体型PiN/ショットキー(MPS)整流器、及び接合バリアダイオード)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、電動力トランジスタなどとして定義することができる。
【0089】
電子物品は、電子構成部品及び第1の層を含むことができる。第1の層は特に限定されず、半導体、誘電体、金属、プラスチック、炭素繊維メッシュ、金属箔、有孔金属箔(メッシュ)、充填又は非充填プラスチックフィルム(例えば、ポリアミドシート、ポリイミドシート、ポリエチレンナフタレートシート、ポリエチレンテレフタレートポリエステルシート、ポリスルホンシート、ポリエーテルイミドシート、又はポリフェニレンスルフィドシート)あるいは、織布又は不織布基材(例えば繊維ガラス布、繊維ガラスメッシュ、又はアラミドペーパー)であってよい。あるいは、第1の層は、半導体及び/又は誘電体フィルムとして更に定義されてもよい。
【0090】
シリコーン材料は電子構成部品と第1の層との間に挟まれることができる、かつ/あるいは、第1の層上に配置される、又は第1の層と直接接触することができる、かつ/あるいは電子構成部品上に配置される、又は電子構成部品と直接接触することができる。シリコーン材料が第1の層上に配置される、又は第1の層と直接接触する場合、シリコーン材料は電子構成部品上に依然として配置されることができるが、シリコーン材料と電子構成部品との間に1つ以上の層又は構造を含むことができる。
【0091】
本開示は、上述の電子物品の形成方法もまた提供する。方法は、シリコーン材料を形成する上述の工程、シリコーン材料を提供する工程、及び/又は電子構成部品を提供する工程の1つ以上を含むことができる。
【0092】
通常、方法は、本明細書で前述した硬化性組成物を電子構成部品に適用することと、構成部品を損傷することなくシリコーン材料を形成するのに十分な条件下において、組成物を硬化して電子構成部品上にシリコーン材料を形成することと、を含む。シリコーン材料は、電子構成部品上に形成することができる。
【0093】
あるいは、シリコーン材料を、電子構成部品から離れて、例えばシートなどの中に形成し、その後電子構成部品上に配置することができる。
【実施例】
【0094】
以下の実施例において、シリコーン材料は縮合経路により単に硬化される。全ての部分は、特に断りのない限り、重量による。全ての粘度値は、ポリマー粘度に従ったコーンプレート及び速度を適合させて、Brookfieldコーンプレート粘度計(RV DIII)を使用して23℃で測定した。
【0095】
使用した材料:
ポリマー(i):OH末端ポリジメチルシロキサン(粘度約13,500mPa.s)
架橋剤(ii):1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、又はトリメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン(粘度約56,000mPa.s)
触媒:テトラn−ブチルチタネート
抗酸化剤:Songnox 11B(Songwon Int.から入手可能なフェノール−ホスファイト抗酸化剤ブレンド)
腐食防止剤:Cuvan 826(Vanderbilt Chemicalsから入手可能な2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体)
比較の2成分ヒドロシリル化ゲル:Sylgard(登録商標)527シリコーン誘電体(ダウ・コーニング社から入手可能)
【0096】
実施例1〜4は、本発明に従った組成物に関してである。比較例1及び2は、フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する化学化合物を含有しない縮合硬化性組成物に関してである。比較例3及び4は、ヒドロシリル化硬化性組成物に関してである。組成物を表1に詳述し、ここでは、量は重量部で測定している。総量は、必ずしも100部(合計)となるとは予想されない。
【0097】
組成物は、適切に硬化した際に、使用する直前まで2成分で保管する。
【0098】
実施例1〜4の組成物は、一晩でバルクで硬化することが予想外に発見された。
【0099】
【表1】
【0100】
各調製組成物を7日後に評価して、テクスチャ分析法を使用して貫通及び柔軟性を測定した:TAXTplus(テクスチャ分析器)を使用して、硬化エラストマーの硬度を監視した。使用したプローブは、球状末端で終了するポリカーボネートシリンダーである。プローブ及び球体の直径は1/2インチである。始めに戻る(return to start)プログラムを使用した。試験前速度は5mm/sであり、誘発力は0.1gである。試験速度は1mm/sである。プローブは、生成物に5mmの距離で挿入し、その後、強力な力が測定されない距離で取り除く。最大の正の力及び負の力を測定し、正の力を表2に報告する。正の力が大きいものは、より硬いゲル/エラストマーを示す。負の力が大きいものは、より粘性のゲル/エラストマーを示す。
【0101】
【表2】
【0102】
表2の結果は、本発明に従った実施例1〜4の組成物が、耐温度性が改善されたゲルを提供することを示す。実際、ゲルは良好な形状を維持し、抗酸化剤又は防食添加剤を含有しない比較例1及び2ほど速くは、表面上にクラストを形成しない。比較例3は、試験条件に耐えられないため本目的には好適ではない一方、比較例4は、選択した抗酸化剤の存在下で全く硬化しない。
【手続補正書】
【提出日】20190118
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
を含み、
構成成分(i)、(ii)、及び(iii)が全て同じ成分中に存在せず、全てのケイ素結合ヒドロキシル基の全ての加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、
請求項1に記載のシリコーン材料及び/又はエラストマーを作製するための多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項2】
前記成分を、以下のとおりに分けることができる:
a)1成分にポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、あるいは
b)1成分に架橋剤(ii)、並びに別の成分にポリマー(i)及び触媒(iii)、又は
c)2種以上のポリマー(i)を利用する場合は、1成分に第1ポリマー(i)及び架橋剤(ii)、並びに別の成分に第2ポリマー(i)及び触媒(iii)、又は
d)1成分にポリマー(i)、並びに別の成分に前記架橋剤(ii)及び触媒(iii)
2成分で保管される、請求項1に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項3】
フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する前記少なくとも1種の化学化合物(iv)が、一次抗酸化剤、二次抗酸化剤、抗腐食性添加剤、又はこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項4】
前記一次抗酸化剤が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、(2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸チオジ−2,1−エタンジイルエステル、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド))、オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、カルシウムビス(モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルベンジル)ホスホネート)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、(2−プロペン酸、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[3−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メチル]−4−メチルフェニルエステル)、ポリ(ジシクロペンタジエン−co−p−クレゾール)、2,5−ジ(tert−アミル)ヒドロキノン、及びこれらの混合物から選択され、かつ/又は、前記二次抗酸化剤が、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、O,O’−ジオクタデシルペンタエリスリトールビス(ホスファイト)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートから選択される、請求項3に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項5】
前記抗腐食性添加剤が、トリアゾール構造、チアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、メルカプトチアゾール構造、メルカプトベンゾチアゾール構造、又はベンズイミダゾール構造を含有する環式化合物から選択される、請求項3に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項6】
前記抗腐食性添加剤が、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−ar−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メタンアミン、アルキル化ジフェニルアミン、亜鉛ジアミルジチオカルバメート、及び/又はメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)から選択される、請求項5に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物。
【請求項7】
(i)1分子当たり少なくとも1個、通常少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する、少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)
1分子基当たり少なくとも2個の加水分解性基、あるいは少なくとも3個の加水分解性基を有するシラン、及び/又は
少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であって、各シリル基が少なくとも1個の加水分解性基を含有するシリル官能性分子
の群から選択される架橋剤と、
(iii)チタネート及び/又はジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)フリーラジカルの形成を防止する、又はフリーラジカルを除去する少なくとも1種の化学化合物と、
を含み、
全てのケイ素結合ヒドロキシル基の加水分解性基に対するモル比が、シランに関しては0.5:1〜2:1であり、シリル官能性分子に関しては0.5:1〜10:1であり、触媒M−OR官能基(Mはチタン又はジルコニウムである)の、合計のケイ素結合ヒドロキシル基に対するモル比が0.01:1〜0.5:1であることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物の縮合反応生成物である、シリコーン材料。
【請求項8】
請求項1に記載のシリコーン材料を含む、又は請求項1〜6に記載の組成物から作製される、電気部品又は電子部品用のシーラント。
【請求項9】
請求項7に記載のシリコーン材料を備えた、電気部品又は電子部品。
【請求項10】
前記電気部品又は電子部品が電力デバイスである、請求項9に記載の電気部品又は電子部品。
【請求項11】
前記電力デバイスが、モーター制御装置、輸送用モーター制御装置、動力発生システム、又は宇宙輸送システムである、請求項10に記載の電気部品又は電子部品。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型縮合硬化性シリコーン組成物を使用した、半導体チップの保護方法。
【請求項13】
電気部品又は電子部品の封止、ポッティング、カプセル化、又は充填のための、請求項7に記載のシリコーン材料から作製されるゲルの使用。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の多成分型組成物を混合し、得られた混合物を硬化することによる、請求項7に記載のシリコーン材料の作製方法。
【請求項15】
電子デバイス、太陽光起電力モジュール、及び/又は発光ダイオード用のカプセル化用材料又はポッタントとしての、請求項7に記載のシリコーン材料の使用。
【請求項16】
感圧接着剤としての、又は、振動若しくは音緩衝用途における、又は、ディスプレイ若しくは導波管用の積層体、接着剤、光学的に透明なコーティングの製造における、請求項7に記載のシリコーン材料から作製したゲルの使用。
【請求項17】
積層プロセスにおいて基材を積層するための、請求項7に記載のシリコーン材料の使用。
【請求項18】
前記混合物が、カーテンコーター、スプレー装置、ダイコーター、ディップコーター、押出コーター、ナイフコーター、及びスクリーンコーターから選択される散布器を使用して、硬化前に基材上に適用される、請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】