(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019527618
(43)【公表日】20191003
(54)【発明の名称】プラスチック溶融物または別の高粘度の流体用の濾過装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/02 20060101AFI20190906BHJP
   B29C 48/693 20190101ALI20190906BHJP
   B29C 48/69 20190101ALI20190906BHJP
   B01D 29/01 20060101ALI20190906BHJP
【FI】
   !B01D35/02 L
   !B29C48/693
   !B29C48/69
   !B01D29/04 510A
   !B01D29/04 530A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】2019503960
(86)(22)【出願日】20170725
(85)【翻訳文提出日】20190125
(86)【国際出願番号】DE2017100621
(87)【国際公開番号】WO2018019336
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】102016113979.3
(32)【優先日】20160728
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】514054214
【氏名又は名称】グノイス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Gneuss GmbH
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 バート・エーンハウゼン メニヒフーゼン 42
【住所又は居所原語表記】Moenichhusen 42, D−32549 Bad Oeynhausen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル グノイス
【住所又は居所】アメリカ合衆国 ノースカロライナ シャーロット ノレン レーン 14376
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ グノイス
【住所又は居所】スイス国 カラビエッタ ヴィア プロメッシ スポージ 20 カーサ ネーラ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン グノイス
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国 バート・エーンハウゼン シュッツェンシュトラーセ 77
【テーマコード(参考)】
4D116
4F207
【Fターム(参考)】
4D116AA08
4D116BB02
4D116BC05
4D116DD04
4D116EE02
4D116EE11
4D116KK04
4D116QB49
4D116VV16
4F207AJ08
4F207AM03
4F207AM10
4F207AR07
4F207KL38
4F207KL39
4F207KL40
4F207KM15
4F207KM18
4F207KM20
(57)【要約】
プラスチック溶融物または別の高粘度の流体用の濾過装置であって、流入プレート(11)と流出プレート(12)とを備えたケーシング(10)を有している。流入プレート(11)と流出プレート(12)との間には、スペーサエレメント(15,16)と、駆動装置(30)を介して回動可能な篩ホイール(20)とが配置されている。少なくとも3つのケーシング緊締エレメント(17.1,...,17.6)を介して、流入プレート(11)と流出プレート(12)とは、スペーサエレメント(15,16)を包囲しながら互いに対して緊締されている。篩ホイール(20)における駆動装置(30)の作用点(32)は、プリロード面(40)の外側に配置されている。篩ホイール(20)には、プリロード面(40)の、結果として生じる摩擦力Fが作用する面重心(43)と、篩ホイール(20)の中心点(18)との間に延びる第1の線(45)と、中心点(18)と、送り力Fが作用する作用点(32)との間の第2の線(46)との間で、回転方向で見て、110°よりも大きく、160°よりも小さな角度αが形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック溶融物または別の高粘度の流体用の濾過装置(100)であって、
ケーシング(10)と、篩ホイール(20)と、駆動装置(30)とを少なくとも有し、
前記ケーシング(10)は、
少なくとも1つの流入通路(13)を備える流入プレート(11)と、
少なくとも1つの流出通路を備える流出プレート(12)と、
前記流入プレート(11)と前記流出プレート(12)との間に配置された少なくとも1つのスペーサエレメント(15,16)と、
少なくとも3つのケーシング緊締エレメント(17.1,...,17.6)であって、該ケーシング緊締エレメント(17.1,...,17.6)により、前記流入プレート(11)と、前記流出プレート(12)とが前記スペーサエレメント(15,16)を取り囲みながら互いに対して緊締されている、少なくとも3つのケーシング緊締エレメント(17.1,...,17.6)と
を少なくとも有し、
前記篩ホイール(20)は、
前記ケーシング(10)内で前記流入プレート(11)と前記流出プレート(12)との間で回動可能に支持されており、かつ
複数の篩箇所(22)を有し、該篩箇所(22)はそれぞれ、前記流入通路(13)と前記流出通路との間に位置決め可能かつ通流可能であり、前記篩ホイール(20)の、通流可能かつ流体圧力を加えることができる領域(44)が、前記ケーシング緊締エレメント(17.1,...,17.6)により形成されるプリロード面(40)内に位置しており、
前記駆動装置(30)は、
作用点(32)において送り力Fを前記篩ホイール(20)に作用させる駆動エレメント(35)を備えている、
濾過装置(100)において、
前記駆動装置(30)の前記作用点(32)は、前記篩ホイール(20)において前記プリロード面(40)の外側に配置されており、かつ
前記篩ホイール(20)において、前記プリロード面(40)の、結果として生じる摩擦力Fが作用する面重心(43)と前記篩ホイール(20)の中心点(18)との間に延びる第1の線(45)と、前記中心点(18)と送り力Fが作用する前記作用点(32)との間の第2の線(46)との間で、回転方向で見て、90°よりも大きく、160°よりも小さな角度αが形成されていることを特徴とする、濾過装置(100)。
【請求項2】
前記ケーシング(10)のコーナ領域(41)において、前記流路(43)とは反対に位置する側に、支持点(33)と前記作用点(32)とがそれぞれ配置されている、請求項1記載の濾過装置(100)。
【請求項3】
前記駆動装置(30)により前記篩ホイール(20)に作用させられる前記送り力Fのベクトルは、前記プリロード面(40)の外側に延びている、請求項1または2記載の濾過装置(100)。
【請求項4】
前記篩ホイール(20)の周面は、80%よりも大きな周面にわたって、前記少なくとも1つのスペーサエレメント(15,16)により取り囲まれている、請求項1から3までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項5】
前記篩ホイール(20)は、その外周面の領域に少なくとも1つの歯列(21)を備え、前記駆動エレメント(35)は、前記作用点(32)において形状結合式に前記歯列(21)に噛み合う、請求項1から4までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項6】
前記篩ホイール(20)に設けられた前記歯列(21)は、対称的な歯列として形成されており、前記送りエレメントは、回動可能に支持された歯車である、請求項5記載の濾過装置(100)。
【請求項7】
前記駆動装置(30)は、ラチェット駆動装置として形成されており、前記送りエレメントは、送りロッド(31)を有し、前記篩ホイール(20)に設けられた前記歯列(21)は、前記送りロッド(31)の方向で傾斜した側面を有している、請求項5記載の濾過装置(100)。
【請求項8】
前記駆動エレメント(35)は、少なくとも1つの伝達エレメント(36)を介して、送りエレメント(31)に結合されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項9】
前記伝達エレメント(36)は、前記支持点(33)で、前記両プレートエレメント(11,12)を通って延びる軸に支持されている、請求項8記載の濾過装置(100)。
【請求項10】
前記篩ホイール(20)の、前記プリロード面(40)内に位置する部分の周面は、90%より大きな周面にわたって、前記スペーサエレメント(15,16)により取り囲まれている、請求項1から9までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項11】
前記プリロード面(40)内で作用する、結果として生じる摩擦力Fのベクトルと、前記作用点(32)で作用する送り力Fのベクトルとの間で、60°よりも小さな角度βが形成されており、これらのベクトルにより形成される直線は、前記ケーシング(10)の外側で交差する、請求項1から10までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項12】
少なくとも2つのスペーサエレメント(15,16)が設けられており、該スペーサエレメント(15,16)は、前記濾過装置(100)の下面において互いに対して離間しており、かつ1つの流出通路(42)を形成する、請求項1から11までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【請求項13】
少なくとも2つのスペーサエレメント(15,16)が設けられており、該スペーサエレメント(15,16)は、前記濾過装置(100)の上側半部において、前記支持点(32)および前記作用点(33)の領域において互いに対して分離されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の濾過装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の特徴を備える、プラスチック溶融物または別の高粘度の流体用の濾過装置に関する。
【0002】
プラスチック溶融物の濾過時には、凝集塊または固体粒子が篩い出されなければならず、その後に溶融物は、ノズルを備えた押出装置のような、引き続き加工する装置に供給され得る。中断のない製造を可能にするためには、濾過装置の種々異なる構造形式が公知である。濾過装置は、汚染されていない新しい篩を流路にもたらし、汚染された篩を取り出すことにより、フィルタ篩の交換を連続する運転中に可能にする。プラスチック溶融物の濾過時の特別な難点は、濾過が高温かつ高圧において行われなければならないことにある。
【0003】
冒頭で述べた形式の濾過装置は、基本的に独国特許出願公開第3302343号明細書または欧州特許出願公開第0569866号明細書から公知である。
【0004】
独国特許出願公開第3341508号明細書も、冒頭で述べた形式の濾過装置を示している。この明細書では、さらに駆動装置が開示されている。駆動装置は、ケーシングの側方エッジに取り付けられているハイドロリック式シリンダの形の駆動エレメントと、伝達レバーと、フリーホイールユニットとを有しており、フリーホイールユニットは、篩ホイールの外側歯列に噛み合う歯車と、伝達レバーの戻り運動を、篩ディスクを運動させることなしに可能にするフリーホイールとから成っている。
【0005】
独国特許出願公開第3522050号明細書は、篩ホイールをステップ式に運動させるために、篩ホイールの外周面に設けられたラチェット歯列と、この歯列に噛み合う送りロッドとを備える駆動装置を示している。
【0006】
中国特許出願公開第101602249号明細書からは、このような形式の別の凹部方向が公知である。この凹部方向では、篩ホイールの駆動が、ラチェット装置を介して行われ、この場合に、伝達レバーにより歯列に噛み合い、篩ホイールをステップ式に回転方向に引っ張る引っ張りフックが設けられている。
【0007】
上述の濾過装置の特別な利点は、篩ホイールに多数の個別篩が配置され得ることにある。これらの個別篩は、逐次通流され、それぞれ流路とは反対に向けられた面にクリーニング目的で容易にアクセス可能であるか、または交換され得る。篩装置の構造も、ケーシングの層状の構造に基づいて簡単かつ廉価である。
【0008】
しかし、主な難点は、外側のケーシングプレートと、それらの間に包囲される篩ホイールとの間のシールにある。ケーシング部分は、篩ホイールを包囲しながら互いに対して緊締される必要があり、この場合、流圧がケーシングの過度の拡開を引き起こさず、これによって相応する漏れ箇所も形成されないようにされる。他方では、篩ホイールの可動性が与えられていなければならない。なぜならば、緊締が強すぎる場合、篩ホイールはもはや回動可能ではないからである。したがって、篩ホイールの端面側のシール面と、流入プレートおよび流出プレートにおける、シール面に対峙する当付け面との間で常に規定された最小ギャップ幅が存在していなければならない。しかし、必要なギャップ幅は、それぞれ加工すべき流体、その粘度、加工温度および篩箇所の領域における流圧にも依存している。つまり密閉性を達成しようとする一方で、十分なギャップ幅が必要となる。これにより、シール段を超えた流体の極めて小さな流出が可能であり、流体自体によって篩ホイールの両端面において一種の潤滑膜が形成される。
【0009】
篩ホイールの高さと、同様に流入プレートと流出プレートとの間に位置決めされた、篩ホイールを包囲するスペーサエレメントの高さとを相応に適合させることは、特定のギャップ幅の調節を可能にする。このギャップ幅は数マイクロメートルの範囲にあるので、流入プレートと流出プレートとの間に一緒に嵌め込まれた、いわゆるインナーペア(Innenpaarung)を形成するスペーサエレメントと所属する篩ホイールとの製造は極めて困難である。
【0010】
現場において、ギャップ幅を極めて慎重に計算しかつ製造した場合にさえ、篩ホイールの可動性に関する問題が生じることが示された。この問題は、プリロードの減少によってのみ解消され得るが、プリロードの減少は密閉性の問題をもたらす。
【0011】
したがって本発明の課題は、ケーシングにおける密閉性のために十分なプリロードと、篩ホイールの潤滑および可動性のために必要なギャップ幅とを最適化し、これにより摩擦のない運転を保証することにある。
【0012】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の特徴を有する濾過装置により解決される。
【0013】
さらにケーシング緊締エレメントにより形成されたプリロード面は、ケーシングにおいて圧力を加えることができる面がプリロード面によって完全に包囲されているが、同時に、圧力を加えられない全ての面部分が、特に駆動装置の作用領域において十分にプリロードなしに保持されているように、位置決めされている。したがって、プリロードを加えられていない領域では、ケーシングの互いに押し合わせられた個別部分の圧縮が減じられ、ケーシングに取り囲まれている篩ホイールに対するギャップ幅が拡大されている。プリロードを加えられた領域は、プリロードエレメントの影響下にある全ての面部分である。この面は、まず多角形線により規定されている。この多角形線は、複数のプリロードエレメントの中心点を結んでいる。しかし、このようなプリロードエレメントの直径および中実の構成を考慮して、この線は少なくともプリロードエレメントの半径の値だけさらに外方に向かってずらされる。さらに、圧力を加えられる領域が、上側の領域での篩ホイールの回動時の1つの篩箇所の浸入によって急激に拡張されるのに対して、同時に下側では1つの篩箇所が圧力影響領域から出るように回動されるので、面積の比は、持続的に脈動式に変化し、篩ホイールの静止時にのみ静的であることを考慮しなければならない。したがって、「完全に」とは、本発明の主旨において、内圧に基づいてケーシングの過度の拡張をもたらし得るほど上述の多角形線の外側に位置する、圧力を加えられる著しい面積部分が存在していないことを意味している。つまり、プリロードを加えられた領域がプリロードエレメントの中心点を結ぶ多角形線を越えて延びていて、圧力を加えることができる面が運転中に絶えず変化することを考慮すると、プリロードを加えられた面と、圧力を加えることができる、もしくは運転中に圧力を加えられる面との間の、15%までの、特に最大で10%の純粋に幾何学的な差異が生じてもよく、それにもかかわらず本発明の主旨における「完全」の基準を満たすことができる。
【0014】
さらに、送りエレメントの作用点が、プリロードを加えられた領域の外側に位置しており、送りエレメントを介して篩ホイールの外周面に作用する力が、プリロード領域から離れる方向に向けられていることが本発明にとって重要である。
【0015】
このことは具体的には、プリロード面の面重心と、篩ホイールの中心点との間の第1の線と、篩ホイールの中心点と、篩ホイールにおける駆動装置の作用点との間の第2の線との間で、90°よりも大きく、160°よりも小さな角度が形成されていることを意味している。このことは以下の効果を有している。すなわち、プリロード面の面重心が、通流領域における面状の圧力負荷により生じる拘束力の作用点と見なされ得る。この拘束力は、篩ホイールの両端面と、圧力を加えることができる、プリロードを加えられた領域における、ケーシングの流入プレートおよび流出プレートの対峙する面との間の摩擦に基づいて発生する。拘束力は、実際には、篩ホイールの回転軸線に関連する個別のレバーアームを有する、圧力を加えることができる面積単位毎に異なって作用するが、理想的には、篩ホイールの中心軸線と上述の面重心との間で作用する、結果として生じる拘束力と見なされ得る。
【0016】
本発明に関連して、数学的幾何学的な主旨における厳密な点ではなく、むしろ変位する小さな面積領域が面重心と呼ばれる。なぜならば、面積の比ひいては力のバランスは、篩ホイールの連続的かつ/またはステップ式の回転に基づき、常に変化するからである。全ての篩箇所が、通常のように、同様に構成されている場合、上述の面重心は、たとえば篩ディスク上でピッチ角の半分だけ、変化することができる。
【0017】
面重心において結果として生じる拘束力に基づいて生じる拘束トルクを克服するためには、比較的大きなトルクが必要であり、これにより静止摩擦力を克服し、ひいては篩ホイールを運動させることができる。必要となるこの送りトルクは、篩ホイールに作用する送り力を介して引き起こされる。
【0018】
駆動装置の伝達エレメントの支持点は、同様に上述の第2の半径線上に位置していてもよい。
【0019】
本発明の可能な別の形態は、篩ホイールの周面ができるだけ多くスペーサエレメントにより取り囲まれていることにより生じる。したがって、ケーシングにおいて必要となるプリロードは、流入プレートと流出プレートとの間に位置決めされているスペーサエレメントを介して極めて均等に吸収され、ケーシングの歪みは阻止される。ケーシング緊締エレメントにより形成されるプリロード面では、篩ホイールは、特にそれどころかその90%よりも大きな周面にわたってスペーサエレメントにより取り囲まれている。単に、ケーシングの通流可能な側とは反対の側に位置するコーナ領域においてのみ、篩ホイールの外周面は覆われていない。このコーナ領域における切欠きは、駆動装置の送りエレメントが配置され得る程度に大きく、しかし好適にはそのために必要であるよりも大きくない。周面被覆における別の切欠きは、ケーシングの下側エッジに設けられていてもよい。これにより、潤滑フィルムとして必要とされるか、またはその他の漏れ流として生じる流体の流出を可能にすることができる。
【0020】
本発明に係る濾過装置では、駆動装置が、篩ホイールの外周面に設けられた歯列に噛み合い、選択的に歯車駆動装置またはラチェット駆動装置を備えている。本発明の特別な利点は、ケーシングのコーナ領域における駆動装置の作用点の好適な配置に基づいて、上側または下側で、両方の駆動形式のために十分な構造空間を使用することができ、したがってケーシングの変更なしに、一方または他方の駆動形式を実現することができることにある。コーナにおける配置は、プリロードを加えられた領域、ひいては濾過のために使用可能な圧力を加えることができる領域を拡大することも可能にする。
【0021】
歯車駆動装置では、送り力の方向は、篩ホイールの外側歯列との噛み合いの領域において、十分に接線方向であると見なすことができる。拘束力と送り力の両方のベクトルを後方に向かって、つまり実際の方向とは反対の方向に延長すると、理論的には90°よりも小さな、しかし好適には45°よりも小さな、極めて小さく形成された角度βと、濾過装置のケーシング面の十分に外側に位置する理論的な交差点とが生じる。いずれの場合も、送り力の作用線は、プリロードを加えられた領域の傍らを通過し、好適にはこの領域と全く交差しないか、または少なくとも、送りベクトルによって篩ホイールにおける本発明により意図された幾何学的な変更が解消されるか、または逆転されるようには、交差しない。冒頭で述べた先行技術における配置に対して、本発明によれば、濾過装置の圧力を加えることができる側に向けられている力も作用せず、ケーシングの、プリロードを加えられた側から離れて外方に向けられた力だけが作用する。
【0022】
このことは、ロッドの形の送りエレメントが歯列に作用するラチェット駆動装置の選択時にも当てはまる。この場合、半径線と、送り力のベクトルとの間の角度はたしかに90°ではないが、この場合も、送り力は好適にはプリロード面と交差せず、ケーシングと、このケーシング内のプリロード面とから離れて外方に向けられている。
【0023】
面重心において作用する結果として生じる拘束力と、プリロード領域から離れる方向に向けられている、作用点において作用する送り力とに基づいて、篩ホイールの、その間に取り囲まれている扇状部の伸長が達成される。この伸長により容積不変性に基づいて常に横方向の収縮も発生するので、篩ディスクの厚さは、伸長された領域において極めて僅かに減少し、この場合、僅かな厚さ減少は、既に、運動および潤滑のために十分なギャップ幅を発生させるために十分なサイズオーダにある。
【0024】
回転方向で見て駆動装置の作用箇所と、圧力を加えることができる、プリロードを加えられた領域との間に位置する、篩ホイールのそれぞれ別の扇状部において、収縮が生じる。しかし駆動装置は、プリロードを加えられた領域の外側に、有利にはコーナ領域に配置されているので、篩ホイールの相応する厚み増大に関連する収縮の大部分は既に、プリロードを加えられた領域の外側で行われる。篩ホイールにおいて通常である比較的大きな内径に基づいて、駆動装置の作用箇所から直径方向で反対に位置する側は、ハブによって十分に剪断応力から遮断されている。この遮断された領域は、既にプリロード面の大部分、すなわち、面重心の下側の部分に関する。最終的には、両方のレバーアームの間に形成された角度が、上述のように、90°、特に110°と160°との間にあることにより、伸長と収縮との間の不均衡が達成される。収縮させる剪断応力は、かなり大きな長さに作用するので、これに関連する厚さ変動は伸長に比べて比較的小さくなる。
【0025】
上述の効果は、プリロード面の面重心からまさに直径方向で反対の側に駆動装置を配置する場合には得られないか、または少なくとも著しく減じられる。なぜならば、上半部における伸長と下半部における収縮が、釣り合うからである。したがって、本発明によれば、これらの線の間の、180°とは著しく異なる角度が規定されている。
【0026】
つまり本発明によって、駆動装置により篩ホイールの意図的な伸長を引き起こすことが規定されていることにより、必要とされる場合に、すなわち篩ホイールのタイミング制御された回動が発生し、駆動装置を介して導入されるまさにその瞬間に、比較的大きなギャップ幅が発生させられる。駆動機構が戻り運動を実施する続く運動休止中に、上述の伸長は緩和され、これにより再び厚さが増大し、ギャップ幅は縮小され、密閉性が改善される。プリロード面と駆動装置の作用点との本発明による配置により、いわば、一種の「呼吸性の変形」が、ケーシングおよび篩ホイール内で、マイクロメートル範囲で可変の潤滑ギャップ幅を伴って行われる。
【0027】
プリロードを加えられた面積の本発明による減少は、流入側および流出側のプレートエレメントを、中間に位置するスペーサエレメントにより周面にわたって好適にはほぼ完全にライニングされている場合に、比較的薄く維持し、ひいては材料コストおよび製造コストを減じることを可能にする。
【0028】
さらに、少なくとも2つのプリロードエレメントは、その間の仮想の接続線が、面重心の上述の領域と交差するように配置されていると有利である。すなわち、この面重心は、理想的には篩ホイールの回転に抗して作用する拘束力の作用点と見なされるのみではなく、プレートの垂線の方向で作用する結果として生じる拡開力の始点とも見なされる。この拡開力は流れ内圧により引き起こされている。ねじ締結の作用線が拡開力の中心を通って形成されるようにケーシング緊締エレメントが配置されている場合、近似的に、流入プレートおよび流出プレートの細いストリップは、理想的には曲げバーと見なすことができ、相応して寸法設計され得る。このストリップ状の領域におけるプレートの比較的強い曲げ負荷は生じない。上述のストリップ状の領域の両側で、ケーシング緊締エレメントの別の対が設けられており、その仮想の接続線が上述のストリップ領域に対してほぼ平行に、または鋭角で配置されていると有利である。
【0029】
本発明を以下に図面に示した実施例につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】濾過装置のケーシングの斜視図である。
【図2a】濾過装置の平面図である。
【図2b】濾過装置の部分の斜視図である。
【図3a】濾過装置において運転中に作用する力の概略図である。
【図3b】濾過装置において運転中に作用する力の概略図である。
【0031】
図1は、濾過装置のケーシング10の斜視図を、流出プレート12の側で示している。図1には、スペーサエレメント15,16と篩ホイール20とを含む、いわゆるインナーペアの平面だけが実線で図示されている。中間平面は、流入プレート11と流出プレート12との間に包囲されている。流入プレート11と流出プレート12とは両方とも、仮想線もしくは隠線として図示されている。
【0032】
互いに接触する3つ全てのエレメント、つまり流入プレート11、スペーサエレメント15,16および流出プレート12は、合計で6個のケーシング緊締エレメント17.1...17.6を介して互いにねじ締結されていて、運転圧力のために設計されたプリロードで互いに対して緊締されている。中間平面は、篩ホイール20の外周面において、しかも駆動エレメントもしくは送りエレメントを収容するためのフリースペース41が空けられている右上のコーナと、スペーサエレメント15,16の間で、下側の最低点に集まる流体をケーシング10から導出するために狭い流出通路42が形成されている下側とにおいてただ2つの中断部を有している。
【0033】
篩ホイール20は、自体公知の形式で、多数の篩箇所22を有して形成されている。これらの篩箇所22は、それぞれ内側の環状のシールウェブ23と、外側の環状のシールウェブ24と、これらのシールウェブの間に延びる、内方から外方に向かってガイドされている複数のウェブ25とにより画定されている。中心には、軸またはシャフトを収容するためのハブ26が設けられていて、これにより篩ホイール20をケーシング10の両プレート11,12内に支持することができる。ハブ26は、付加的なプリロードエレメントとして使用され得る。
【0034】
篩ホイール20の外周面には、側面を備えるラチェット歯列21が形成されている。側面は、一方の方向では平坦であり、他方の方向ではセットバックされている。
【0035】
ケーシング緊締エレメント17.1〜17.6は、ケーシングエレメント11,12,15およびエレメント16の一部が互いに対して強く押し当てられているプリロード面40内において、ケーシングエレメントの圧縮が生じ、これにより流入プレート11および流出プレート12と、その間に包囲されている篩ホイール20との間の間隔が減じられることを引き起こす。これに対して、ケーシング緊締エレメント17.4,17.5の間の仮想線の向こう側、つまり駆動装置のためのフリースペース41の側方および下側では、強いプリロードは生じないので、密閉性も必要ではないこの箇所において、ケーシングプレート11,12と篩ホイール20との間の摩擦は減じられている。
【0036】
符号14で示された円は、流入通路および流出通路の位置を示唆しており、篩ホイール20において直接通流される流路に相当する。この流路は、自体公知のように、篩箇所の直前および直後で強く拡張されている。これにより、使用できる篩面積が改善されて使用され得る。それにもかかわらず、流入通路もしくは流出通路もしくは流路14の領域は、圧力負荷可能な領域の面重心の位置と見なされ得る。この圧力負荷可能な領域は、完全に、またはほぼ完全にプリロード面40内に位置している。
【0037】
プリロードエレメント17.3,17.6の間の仮想線は、直接に流路14の領域を通ってガイドされる。エレメント17.1,17.2の間の接続線は、これに対してほぼ平行に延びている。最後の両ケーシング緊締エレメント17.4,17.5の位置のみでずれがある。なぜならば、下側のケーシング緊締エレメント17.5が、流出通路42を開放するために、さらに外側に向かってずらされていなければならないからである。
【0038】
図2aには、組み立てられた濾過装置100が流出側から見た平面図で示されている。領域44は、流入通路13もしくは流出通路の直径を起点として拡張されている、通流兼圧力領域に一致する。この領域44は対称的に構成されており、その重心は、流路14の領域にある。この流路14自体はケーシング10内の水平方向の中心軸線の僅かに上方に配置されている。相応して、拘束力Fの方向は、完全に鉛直方向に延びているのではなく、流路14の中心と、中心軸線18との間の半径方向の接続線に対して直交する垂直方向に向けられている。
【0039】
別の線46は、中心18と、篩ホイール20の外側歯列21への送りロッド31の作用点32との間の接続線を図示している。
【0040】
駆動装置30は、ハイドロリック式シリンダの形の駆動エレメント34により形成されている。ハイドロリック式シリンダは、支持エレメント35に支持されている。この支持エレメント35は、この実施形態では、プレートエレメント11,12の間の中間平面においてスペーサエレメント15に直接に取り付けられている。駆動エレメント34は、その送出可能なピストンで第1のジョイント36.1を介して、伝達レバー36の形の伝達エレメントに接続されている。この伝達レバー36は、ケーシング10内で支持点33において、つまりフリースペース41に跨がると同時に両プレートエレメント11,12に支持されている軸において支持されているので、駆動力は、篩ホイール20の回転軸線に対して正確に垂直方向のみで作用し、駆動装置の使用によるケーシングの非対称の歪みは阻止される。
【0041】
伝達レバー36には、別のジョイント36.2を介して、送りロッド31の形で形成されている送りエレメントが可動に支持されている。この送りロッド31は、その先端部で作用点32において歯列21に噛み合い、この作用点32において、外方に向かって、ケーシング10から、特にプリロード領域40から離れる方向の送り力Fを加える。
【0042】
図2bは、濾過装置100を流出側から見た斜視図で示している。この図面における明瞭化のために、篩ホイールおよび流出プレートは取り除かれている。ケーシングのうち、流入プレート11およびスペーサエレメント15,16ならびに全体的な駆動装置30が見える。ケーシングの内部を見ると、まず流入プレートに設けられた流入通路13が見える。この流入通路は、約120°を取り囲む円環セグメントに拡張されている。つまり流入通路13を通って流出する流体は、圧力を加えることができる領域44内で妨げられずに拡がることができ、これにより篩ホイールの複数の篩箇所を通流する。
【0043】
流入通路13がほぼ中心点に位置しているこの主フィルタ領域は、別の2つのセグメント48.1,48.2によって中心軸線18の上側および下側で補完されている。これらのセグメント48.1,48.2は、側面図でコーヒフィルタの形に似ている。篩ホイール20の複数のキャビティのうちの1つのキャビティがさらに領域44内にまで突入し、領域44との交差点を起点として圧力を加えられることにより、これらのセグメント48.1,48.2には圧力が加えられる。
【0044】
下側のセグメント48.1は、予注入領域である。つまり、篩ホイールの時計回り方向の回転に伴ってこの箇所に入る篩箇所は、特に篩の該当する篩箇所が予め篩交換位置49において交換されている場合に、1つの篩箇所が領域44とオーバラップするや否や、この箇所において流体を予注入される。
【0045】
破線で示唆された、プリロードを加えられた面領域44は、上側のセグメント48.2を完全には包囲していないので、圧力負荷可能な面積44の小さな領域が突出している。キャビティが部分的に領域44とオーバラップしている場合、キャビティ内では制動された流れによって圧力が単に間接的に形成されるので、上述の小さな領域において圧力は領域44における流圧に比べて減じられており、かつ実際のプリロード面が、図面においてプリロードを加えられた領域を成している多角形線44を超えて外方に向かって延びていることを除き、突出する小さな領域は、この小さな領域において場合によっては篩交換後に封入された空気が逃げることができるので、有利でもある。
【0046】
図3aは、力のバランスを図示し、いわゆる「呼吸式の変形」の原理を説明するための概略図である。駆動装置が、篩ホイール20をさらに回転させた場合、かつまさにその後にようやく、送り力Fが、中心点18に関連する線46に相当するレバーアームを介して作用する。摩擦に基づいて、送り力Fには、拘束力Fが対向作用する。この拘束力Fは、篩箇所のウェブ23,24,25が、点43における流路の領域において、どこに位置しているかに応じて、場所、方向および大きさに関して、容易に変化する。両力F,Fのレバーは、角度αを形成する。この角度はいかなる場合でも90°よりも明らかに大きく、180°よりも明らかに小さくなければならない。なぜならば、そうでない場合には、線45,46の間の篩ホイール20の関連する扇状部において上述の伸長効果が生じ得ないからである。好適には角度αは110°よりも大きく、特に135°である。
【0047】
力ベクトルF,Fを、その向きに反して後方に向かって延長すると、それらの力の線は、ケーシング10の外側の一点において、20°よりも大きく、70°よりも小さな鋭角βで交差する。ばね記号47が、篩ホイール20の伸長可能な扇状部を記号的に示している。上述のように、力ベクトルFは、線45の形の有効なレバー長さに対して常に垂直方向であると想定され得る。なぜならば、点43は、運転中に、目下の流れ状況および圧力状況に応じて変位し、レバー45は、これによりそれぞれ1つの半径点に位置しているからである。これに対して力ベクトルFは、ケーシングにおける定置の作用点32に作用するので、線46の形のレバーアームは、固定的に規定されている。しかし駆動装置の作用方向に応じて、Fは、図3aにも図示されているように、線46に対して正確に垂直方向には延びていない。これによりβ=180°−αの関係は必ずしも成り立たない。
【0048】
結果として生じる拘束力Fの想定される作用点としての、同様に一時的に変化する点43のために、α=110°...135°の好適な角度範囲は平均値と見なすべきであり、「呼吸式の変形」に相応して、目下の角度α(t)が数度だけ波状に増減することを考慮する必要がある。
【0049】
ロッド31および伝達レバー36の戻し運動を実施するか、または単に篩箇所の新たな汚れが登録されるまで休止するために駆動装置が再び停止されると、送り力Fはもはや存在せず、反力としての拘束力Fも存在しない。この状況は図3bに示されている。篩ホイール20は、この時間インターバルにおいて、予め伸長された、上側に位置する扇状部において弛緩されてもよく、これによりその当初の形状をとるので、篩ホイール20の幅が拡大し、この幅はギャップ幅を一時的に減少させ、これにより密閉作用を高める。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【国際調査報告】