(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2019534037
(43)【公表日】20191128
(54)【発明の名称】dsRNAを標的化するためのキメラタンパク質
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20191101BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20191101BHJP
   C07K 16/30 20060101ALI20191101BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20191101BHJP
   C12N 15/54 20060101ALI20191101BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20191101BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20191101BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 38/45 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20191101BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20191101BHJP
   A61K 47/62 20170101ALI20191101BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20191101BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20191101BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20191101BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
   !C12N15/62 ZZNA
   !C07K19/00
   !C07K16/30
   !C07K14/47
   !C12N15/54
   !C12N15/55
   !C12N15/12
   !C12N15/13
   !A61K38/16
   !A61K38/45
   !A61K47/68
   !A61K47/64
   !A61K47/62
   !A61K39/395 C
   !A61K39/395 L
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   !A61K31/713
   !A61K31/7105
   !A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】2019533723
(86)(22)【出願日】20161215
(85)【翻訳文提出日】20190424
(86)【国際出願番号】IL2016051341
(87)【国際公開番号】WO2018042411
(87)【国際公開日】20180308
(31)【優先権主張番号】62/383,466
(32)【優先日】20160904
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519072970
【氏名又は名称】ターグイミューン セラピューティクス アーゲー
【住所又は居所】スイス国 4057 バーゼル, ホッホベルガーシュトラーセ 60ツェー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レヴィツキ, アレキサンダー
【住所又は居所】イスラエル国 9371411 エルサレム, ナヨテ, イェフダ ブルラ ストリート 11/6
(72)【発明者】
【氏名】ラングット, ヤエル
【住所又は居所】イスラエル国 3499600 ハイファ, ハイム ハザーツ ストリート 3
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF67
4C076FF68
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4H045AA10
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4H045DA76
4H045DA89
4H045EA28
4H045EA51
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に記載されているのは、二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメインおよび癌細胞に対してdsRNAを標的化するための癌細胞標的ドメインを含む組換えキメラタンパク質である。記載されたキメラタンパク質の使用方法もまた、本明細書に提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメインと、
前立腺表面膜抗原(PSMA)に結合する標的結合部分と、を含む、キメラ組換えタンパク質。
【請求項2】
前記dsRNA結合ドメインと前記標的結合部分との間にスペーサーペプチドをさらに含む、請求項1に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項3】
前記dsRNA結合ドメインが、少なくとも1つの二本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を含む、請求項1または2に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項4】
前記少なくとも1つのdsRBMが、dsRNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)、TRBP、PACT、Staufen、NFAR1、NFAR2、SPNR、RHA、およびNREBPのdsRBMから選択される、請求項3に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項5】
前記少なくとも1つのdsRBMが、配列番号18として示されるヒトPKRのアミノ酸1〜197と少なくとも70%同一であるポリペプチド配列を含む、請求項3に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項6】
前記標的結合部分が、ポリペプチド、抗体、抗体断片、または抗体模倣物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項7】
前記スペーサーペプチドが、プロテアーゼ認識配列を含むオリゴペプチド、正に荷電したアミノ酸のホモオリゴペプチド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項8】
前記スペーサーペプチドが、アルギニンのホモオリゴペプチドである、請求項7に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項9】
前記二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメインが、配列番号18に記載のヒトPKRの少なくとも1つのdsRNA結合ドメインであるか、またはその機能的バリアントであり、
前記スペーサーペプチドが、配列番号5に記載のARG、またはその機能的バリアントであり、
前記標的結合部分が、配列番号20に記載の単鎖抗PSMA抗体、またはその機能的バリアントである、請求項2〜8のいずれか一項に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項10】
配列番号3に記載の配列と少なくとも70%同一であるポリペプチドを含む、請求項9に記載のキメラ組換えタンパク質。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のキメラ組換えタンパク質と、dsRNAと、を含む複合体。
【請求項12】
前記dsRNAが、ポリイノシン酸鎖とポリシチジル酸鎖(ポリIC)とを含む、請求項11に記載の複合体。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の組換えタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸。
【請求項14】
前記核酸配列が、細菌または植物宿主細胞における発現のために最適化されている、請求項13に記載の核酸。
【請求項15】
前立腺癌の治療または腫瘍血管新生の発現の阻害に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキメラ組換えタンパク質、または請求項11もしくは12に記載の複合体。
【請求項16】
それを必要とする対象に治療有効量の請求項11または12に記載の複合体を投与し、それによって前記癌を治療するか、または前記腫瘍血管新生の発現を阻害することを含む、前立腺癌の治療または腫瘍血管新生の発現の阻害を行うための方法。
【請求項17】
前記複合体が全身または局所に投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記対象に治療有効量の末梢血単核球(PBMC)を投与することをさらに含む、請求項16または請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2016年9月4日に出願された米国仮特許出願第62/383,466号に対して利益が主張されており、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
【0002】
本明細書で提供されるのは、二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメイン、および癌細胞に対してdsRNAを標的化するための癌細胞標的ドメインを含む組換えキメラタンパク質である。記載されたキメラタンパク質の使用方法もまた、本明細書に提供される。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌は、一般に、世界で2番目に診断される癌であり、米国男性の間で毎年診断される新たな癌の症例の25%以上を占めている(1)。転移性前立腺癌の場合、患者は、主に、アンドロゲン除去療法(ADT)で治療される。
【0004】
この治療法では、一般に、短期の寛解を達成するが、患者は典型的には、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)を発症する。これらの患者は、既存の治療法にほとんど反応せず、約3年の生存期間中央値を示すことから、CRPC患者に対する新規治療法には大きな需要がある(1−3)。
【0005】
現在のほとんどの標的癌療法では、腫瘍の進行を遅延させてはいるが、この進行を妨げることはめったにない。腫瘍細胞はゲノム的に不安定であるため、腫瘍細胞が治療を逃れ、かつ、耐性を発現し得る突然変異および遺伝的変化を最終的に獲得する。標的化剤によって誘発される死滅速度が非常に遅いため、腫瘍にとっては、治療によって加えられる一定の圧力に順応するのに十分な時間となる。さらに、腫瘍は不均質であり、いくつかの異なる亜集団を有する。標的療法は、通常、これらの亜集団の一部のみを標的としており、それ以外を標的としないことから、腫瘍全体を根絶することは期待できない。
【0006】
転移性CRPCは、典型的には、標的療法に利用することができる独特の細胞表面分子、すなわち前立腺特異的膜抗原(PSMA)を提示する。PSMAは、全てのグリーソンスコアにおいて最大1000倍のレベルで過剰発現し(4)、また、過剰発現は腫瘍の進行とともに増加する(5,6)。この疾患はその不均質性にもかかわらず、完全にPSMAが陰性である原発腫瘍または転移はまれである(7)。上記の知見は、PSMAが非常に有望な治療標的であるという概念を裏付けるものではあるが、PSMAを標的とした治療法は、現在、臨床用途に承認されていない。しかし、臨床試験中の薬剤はほとんどない(8−11)。
【0007】
したがって、CPRCに関する標的療法が引き続き必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書に記載されるのは、癌細胞へのdsRNAの標的化、すなわちdsRNAをPSMA過剰発現細胞に送達できるキメラタンパク質分子を生成することに対する改良されたアプローチである。
【0009】
本開示は、二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメインおよび前立腺表面膜抗原(PSMA)に結合する標的結合部分を含むキメラ組換えタンパク質およびそのコード核酸を提供する。
【0010】
記載されたキメラ組換えタンパク質およびdsRNAを含む複合体がさらに記載されている。また、前立腺癌の治療または腫瘍新生血管の発達の阻害における記載された複合体の使用、およびそれを必要とする対象に治療有効量の記載された複合体を投与することを含む、対応する前立腺癌の治療方法または腫瘍新生血管の阻害方法である。
【0011】
上記および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】GFP−SCPは、PSMA過剰発現細胞に結合し、選択的に内在化している。図1A:GFP−SCPを示す略図である。
【図1B】図1B:LNCaP、PC3、およびMCF7細胞を25nM GFP−SCPと5時間インキュベートした。細胞を固定し、抗GFP抗体(Cy3)および4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールで染色し、レーザー走査共焦点顕微鏡によって観察した。
【図1C】図1C:LNCaP細胞およびMCF7細胞をGFP−SCPとインキュベートした後、フローサイトメトリー分析に供した。
【図1D】図1D:上のパネル:LNCaP細胞は、200nMのGFP−SCPを添加して0〜72分後にレーザー共焦点イメージングによって監視した。細胞の外側に印を付けるために、GFP−SCPを添加する直前に、スルホローダミンBを培地に添加した。下のパネルは、ImageJを用いて測定した、細胞内のGFP蛍光を示す。
【図2A】dsRB−SCPの設計、発現および精製。図2A:dsRB−SCPを示す略図である。
【図2B】図2B:dsRB−SCPの発現および精製:L:清澄化ライセート、M:分子量マーカー、E1:IMAC後溶出液(ニッケルセファロースカラム)、E2:IEXから溶出した精製dsRB−SCP(イオン交換カラム)。破線は、ゲルの写真がどこでカットされ、再編成されたかを示すものである。
【図2C】図2C:dsRNAへのdsRB−SCPの結合:dsRB−SCP(0.5〜3μg)を500bp長のdsRNAとプレインキュベートし、2%アガロースゲル上で電気泳動させた。M:100bpのDNA分子量マーカー。
【図3A】dsRB−SCP/ポリICは、PSMA過剰発現細胞のアポトーシスを選択的に誘導する。図3A:細胞を三連で播種し、一晩増殖させ、指示のとおり100時間処理した。生存度は、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて定量化した。
【図3B】図3B:生存細胞は、永久に停止させた状態のままとした。細胞を三連で播種し、一晩増殖させ、指示のとおり処理した。培地を交換し、生存度は、100/172/344時間後に、CellTiter−Gloを用いて定量化した(対照細胞は、完全なコンフルエントに達したために、2.5倍加を超えて増殖できなかった)。
【図3C】図3C:LNCaP細胞をdsRB−SCP/ポリICまたはポリIC単独で指示された時間処理し、溶解し、全長および切断されたカスパーゼ−3およびPARPを検出するためにウエスタンブロット分析に供した。
【図4A】dsRB−SCP/ポリICは、炎症誘発性サイトカインの分泌およびPBMCの動員をもたらす。図4Aおよび図4B:LNCaP細胞を48時間指示どおりに処理し、その後培地を回収し、IP−10およびRANTESサイトカインをELISAアッセイにより測定した。
【図4B】dsRB−SCP/ポリICは、炎症誘発性サイトカインの分泌およびPBMCの動員をもたらす。図4Aおよび図4B:LNCaP細胞を48時間指示どおりに処理し、その後培地を回収し、IP−10およびRANTESサイトカインをELISAアッセイにより測定した。
【図4C】図4C:LNCaP細胞は、4時間、指示のとおり処理し、IFN−β転写をqRT−PCRにより測定した。
【図4D】図4D:dsRB−SCP/ポリICは、PBMCの走化性を誘導する。LNCaP細胞を増殖させ、指示どおりに処理した。処理の48時間後、細胞培地をトランスウェル走化性プレートの下部チャンバに移した。PBMCを上部チャンバに添加し、プレートを3.5時間インキュベートした。その後、培地を下部チャンバから回収し、下部チャンバに遊走したリンパ球をFACSにより定量化した。
【図5A】dsRB−SCP/ポリICは、直接的な、PBMCを介したバイスタンダー効果を誘発する。図5A:LNCaP−Luc/GFP細胞を指示どおりに処理した。24時間後、PBMCを試験ウェルに添加し(黒い棒線)、培地を対照ウェルに添加した(灰色の棒線)。LNCaP−Luc/GFP細胞の生存は、Luciferase Assay System(Promega)を用いて測定した。
【図5B】図5B:PC3−Luc/GFP+LNCaP:LNCaP細胞は、指示のとおりに処理した。24時間後、PC3−Luc/GFP細胞を培養液に添加した。6時間後、PBMC(黒い棒線)または培地(斜線の棒線)を培養液に加えた。PC3−Luc/GFP:LNCaP増殖培地は、指示のとおりに処理した。24時間後、PC3−Luc/GFP細胞を添加し、6時間後にPBMC(黒い棒線)または培地(斜線の棒線)のいずれかを添加した。PC3−Luc/GFP細胞の生存は、Luciferase Assay System(Promega)を用いて測定した。T検定では、高い有意性を示している(***P≦0.001)。
【図6A】PBMCと一緒にdsRB−SCP/ポリIC処理することで、LNCaPスフェロイドの破壊をもたらす。図6A:R=300〜400μmのスフェロイドを以下のように処理した:(a)未処理、(b)400nM dsRB−SCP、(c)2.5μg/mlポリIC、(d)400nM dsRB−SCP+2.5μg/mlポリIC。1、2、4、および5日目にスフェロイドを4回処理した後、さらに10日間培養した。指示された時間にレーザー走査共焦点顕微鏡によりスフェロイド像を取得した。処理ごとに1つの代表的なスフェロイドを示している。処理したスフェロイドからの細胞の顕著な脱落に留意のこと(赤い矢印)。15日目に、スフェロイドをカルセインAM(生細胞;緑色)およびヨウ化プロピジウム(死細胞;赤色)で標識した。ImageJを用いて測定されたスフェロイドの最大面積をグラフに示す(平均および標準偏差)。
【図6B】図6B:上のパネル:指示どおりに処理されたLNCaP−Luc/GFPスフェロイド。24時間後、CellTracker(商標)Violet BMQC(Molecular Probes−Life Technologies)で標識した8x10個のPBMCをスフェロイドに加えた。下のパネル:細胞を含まないPBMC培地をスフェロイドに添加した。両方のパネルにおいて、スフェロイドを、処理開始から0時間、72時間、96時間、168時間後にレーザー走査共焦点顕微鏡により取得した。生細胞は、それらのGFP蛍光によって検出された。死細胞を強調するために、PIを下のパネルのスフェロイドに加えた。死滅したLNCaP−Luc/GFP細胞と死滅PBMCを区別する方法がないので、上のパネルのPI染色は示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書と共に提供される核酸および/またはアミノ酸配列は、米国特許法施行規則第1.822条に定義されているように、ヌクレオチド塩基については標準文字略号、およびアミノ酸については3文字コードを用いて示す。各核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、相補鎖は表示された鎖を参照することにより含まれると理解される。配列表は、参照により本明細書に組み入れられる、2016年12月12日に作成されたASCIIテキストファイル(ファイル名SeqList_3152_1_2.txt、約21KB)として提出する。配列表:
配列番号1は、GFP−SCPタンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号2は、GFP−SCPタンパク質をコードする核酸配列である。
配列番号3は、dsRB−SCPタンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号4は、dsRB−SCPタンパク質をコードする核酸配列である。
配列番号5は、Arg9リンカーペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号6および7は、IFN−β定量化のためのフォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号8および9は、GAPDH定量化のためのフォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号10は、SCP−Nプライマーの核酸配列である。
配列番号11は、SCP−Cプライマーの核酸配列である。
配列番号12は、GFP−Nプライマーの核酸配列である。
配列番号13は、GFP−Cプライマーの核酸配列である。
配列番号14は、dsRB−Nプライマーの核酸配列である。
配列番号15は、dsRB−Cプライマーの核酸配列である。
配列番号16は、9ARG1プライマーの核酸配列である。
配列番号17は、9ARG2プライマーの核酸配列である。
配列番号18は、PKR dsRNAのアミノ酸配列である。
配列番号19は、PKR dsRNAの核酸配列である。
配列番号20は、ScFvJ591のアミノ酸配列である。
配列番号21は、ScFvJ591の核酸配列である。
【0014】
I. 用語
【0015】
特に明記しない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、単語「または」は、「および」を含むことを意図している。さらに、核酸またはポリペプチドについて与えられた全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、および全ての分子量(molecular weight)または分子量の値(molecular mass values)は近似値であり、説明のために提供されていることを理解されたい。本明細書に記載のものと類似のまたは同等の方法および材料は、本開示の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。用語「からなる(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。略語「e.g.(例えば)」はラテン語の例示に由来し、本明細書では非限定的な例を示すために使用される。したがって、略語「e.g.(例えば)」は、用語「for example(例えば)」と同義語である。
【0016】
矛盾がある場合には、用語の説明を含む本明細書が優先するものとする。さらに、全ての材料、方法、および実施例は例示的であり、限定的であることを意図するものではない。
【0017】
投与:選択された経路による対象への組成物の導入。活性化合物または組成物の投与は、当業者に公知の任意の経路によるものであり得る。投与は、局所であるか、または全身あってもよい。局所投与の例としては、局所的投与、皮下投与、筋肉内投与、髄腔内投与が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、局所投与には、例えば、特定の臓器について、血管内投与を動脈供給に向けることによるなど、典型的には、全身投与に通常使用される投与経路を含む。したがって、特定の実施形態では、このような投与が特定の臓器に供給する血管系を標的とする場合、局所投与は動脈内投与および静脈内投与を含む。局所投与はまた、持続可能な治療効果のために長期間にわたって活性剤および化合物を放出する血管ステントまたは他のリザーバーなどの移植可能なデバイスまたは構築物へ活性化合物および剤を組み込むことを含む。
【0018】
全身投与には、循環系を介して全身にわたって活性化合物または組成物を広く分布するように設計された任意の投与経路を含む。したがって、全身投与としては、動脈内投与および静脈内投与が挙げられるが、これらに限定されない。全身投与としては、このような投与が循環系による全身への吸収および分布を目的とする場合、これらに限定されないが、局所的投与、皮下投与、筋肉内投与、または吸入による投与が挙げられる。
【0019】
抗体:PSMAなどの抗原のエピトープを特異的に認識して結合する、少なくとも軽鎖または重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドリガンド。抗体は、重鎖および軽鎖から構成され、それらのそれぞれは、可変重(VH)鎖領域および可変軽(VL)鎖領域と呼ばれる可変領域を有する。同時に、VH領域およびVL領域は、抗体によって認識される抗原に結合することを担っている。本明細書中で使用されるとき、「抗体」は、無処置の免疫グロブリン、ならびにそれらのバリアント、および当該分野で周知のそれらの部分、例えば、Fab’断片、F(ab)’断片、単鎖Fvタンパク質(「scFv」)、およびジスルフィド安定化Fvタンパク質(「dsFv」)などが挙げられる。この用語はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異性抗体)などの組換え形態も含む。
【0020】
キメラ:2つ以上の供給源由来の核酸配列、アミノ酸配列、またはタンパク質(例えば、2つ以上の異なる種由来のアミノ酸配列)を含む核酸配列、アミノ酸配列、またはタンパク質。一般に、キメラ配列は、遺伝子工学の結果である。
【0021】
発現制御配列:機能的に連結されている異種核酸配列の発現、例えば本明細書に記載のキメラ組換えタンパク質をコードする核酸の発現を調節する核酸配列。発現制御配列が、核酸配列の転写、および、必要に応じて翻訳を制御および調節する場合、発現制御配列は核酸配列に機能的に連結されている。したがって、発現制御配列は、適切なプロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、タンパク質コード遺伝子の前の開始コドン(ATG)、イントロンのためのスプライシングシグナル、mRNAの適切な翻訳を可能にするためのその遺伝子の正確なリーディングフレームの維持、および終止コドンを含んでもよい。
【0022】
ポリペプチドの機能的断片およびバリアント:親ポリペプチドの1つ以上の機能を維持する断片およびバリアントを含む。ポリペプチドをコードする遺伝子またはcDNAは、野生型または親ポリペプチドに対して60%〜99%の配列同一性のバリアントなど、1つ以上のポリペプチドの機能を実質的に変えることなく、かなり変異させ得ることを認識されたい。第一に、遺伝コードは縮重していることが公知であり、したがって異なるコドンが同じアミノ酸をコードする。第二に、たとえアミノ酸置換基が導入されても、突然変異は保存的であり得、かつタンパク質の本質的な機能に重大な影響を及ぼすことがないことがある。第三に、ポリペプチド鎖の一部は、その機能の全てを損なうことなく、または機能を消失させることなく欠失させることができる。第四に、ポリペプチド鎖において、挿入または付加は、その機能を損なうことなくまたは機能が消失することなく、例えばエピトープタグを付加することにより、行うことができる。機能的断片およびバリアントは、様々な長さのものであってもよい。例えば、いくつかの断片は、少なくとも10、25、50、75、100、または200のアミノ酸残基を有する。機能的に類似しているアミノ酸を提供する保存的アミノ酸置換の一覧は、当業者に周知である。以下の6つのグループは、互いに対する保存的置換と見なされるアミノ酸の例である:
1)アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、
4)アルギニン(R)、リジン(K)、
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、
および
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
【0023】
リンカー:2つの核酸分子間または2つのペプチド間など、2つの分子間のスペーサーとして働く1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸。
【0024】
模倣物:模倣物は、生物学的に活性な分子など、別の分子の活性を模倣する分子である。生物学的に活性な分子は、化合物の生物学的活性を模倣する化学構造を含んでもよい。
【0025】
作動可能に連結された:第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係に置かれるとき、第1の核酸配列は第2の核酸配列と作動可能に連結される。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、そのプロモーターはコード配列に作動可能に連結されている。一般に、作動可能に連結されたDNA配列は隣接しており、必要であれば、同じリーディングフレーム内で2つのタンパク質コード領域を接合している。
【0026】
薬学的に許容される担体:本開示に有用な薬学的に許容される担体は、従来のものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences(E.W.Martin著、Mack Publishing Co.,Easton,PA,第15版(1975年)には、本明細書に開示されている化合物の医薬的送達に適した組成物および製剤について記載している。
【0027】
一般に、担体の性質は、採用されている特定の投与方式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなどの薬学的および生理学的に許容される流体をビヒクルとして含む注射用流体を含む。生物学的に中性である担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、防腐剤およびpH緩衝剤など少量の無毒性補助物質、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含んでもよい。
【0028】
配列同一性:2つの核酸配列、または2つのアミノ酸配列間の類似性は、配列間の類似性によって表わされ、そうでなければ配列同一性と称される。配列同一性は、多くの場合、同一性パーセント(または類似性もしくは相同性)に関して測定される。パーセンテージが高いほど、2つの配列は類似性が高い。
【0029】
対象:脊椎動物などの生きた多細胞生物、ヒトおよび非ヒトの哺乳動物の両方を含むカテゴリー。
【0030】
治療有効量:治療される対象において、所望の効果を達成するのに十分な化合物の量。有効量の化合物は、治療過程の間に、単回投与で、または数回の投与で、例えば毎日投与してもよい。しかし、有効量は、適用される化合物、治療される対象、苦痛の重症度および種類、ならびに化合物の投与様式に依存するものである。
II. いくつかの実施形態の概要
【0031】
本明細書に記載しているのは、二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメイン、および前立腺表面膜抗原(PSMA)に結合する標的結合部分を含むキメラ組換えタンパク質である。
【0032】
特定の実施形態では、キメラ組換えタンパク質は、dsRNA結合ドメインと標的結合部分との間にスペーサーペプチドをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、キメラ組換えタンパク質のdsRNA結合ドメインは、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)、TRBP、PACT、Staufen、NFAR1、NFAR2、SPNR、RHA、またはNREBPのdsRBMなどの少なくとも1つの二本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を含む。一例では、少なくとも1つのdsRBMは、配列番号18として記載されているヒトPKRのアミノ酸1〜197と少なくとも70%同一であるポリペプチド配列を含む。
【0034】
キメラ組換えタンパク質の特定の実施形態では、標的結合部分は、ポリペプチド、抗体、抗体断片、または抗体模倣物である。
【0035】
キメラ組換えタンパク質の他の特定の実施形態では、スペーサーペプチドは、プロテアーゼ認識配列を含むオリゴペプチド、正に荷電したアミノ酸のホモオリゴペプチド、およびこれらの組み合わせから選択される。一例では、スペーサーペプチドは、アルギニンのホモオリゴペプチドである。
【0036】
記載したキメラ組換えタンパク質の特定の実施形態では、二本鎖RNA(dsRNA)結合ドメインは、配列番号18に記載のヒトPKRの少なくとも1つのdsRNA結合ドメイン、またはその機能的バリアントであり、スペーサーペプチドは、配列番号5に記載のARG、またはその機能的バリアントであり、また標的結合部分は、配列番号20に記載の単鎖抗PSMA抗体、またはその機能的バリアントである。
【0037】
別の特定の実施形態では、キメラ組換えタンパク質は、配列番号3と記載された配列と少なくとも70%同一であるポリペプチドを含む。
【0038】
ポリイノシン酸鎖およびポリシチジル酸鎖を含むdsDNA(ポリIC)などの、記載されたキメラ組換えタンパク質およびdsRNAを含む複合体も本明細書に記載される。
【0039】
特定の実施形態では、記載された複合体は、それを必要とする対象に治療有効量の記載された複合体を投与し、それによって癌を治療するかまたは腫瘍新生血管系の成長を阻害することを含む、前立腺癌のための治療方法または腫瘍血管新生の阻害方法など、前立腺癌の治療または腫瘍新生血管の発達の阻害に使用される。
【0040】
記載された方法のいくつかの実施形態では、複合体は全身投与または局所投与される。他の実施形態では、方法は、治療有効量の末梢血単核細胞(PBMC)を対象に投与することをさらに含む。
【0041】
本明細書にさらに記載されるのは、記載されたキメラ組換えタンパク質のいずれかをコードする核酸である。
【0042】
特定の実施形態では、記載された核酸配列は、細菌または植物宿主細胞における発現のために最適化されている。
III.PSMA発現細胞に対してdsRNAを標的化するためのキメラポリペプチド
【0043】
本明細書に記載されるのは、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞に対してdsRNAを標的化するために使用され得るキメラ組換えポリペプチドである。記載されたキメラ組換えポリペプチドは、少なくともdsRNA結合ドメインおよびPSMAを特異的に標的とするドメイン(本明細書では部分とも呼ばれる)を含む。特定の実施形態では、記載されたポリペプチドはまた、dsRNA結合ドメインと標的結合ドメインとの間にリンカーを含む。キメラ組換えポリペプチドの機能的バリアントもまた記載されている。
【0044】
dsRNA結合ドメインは、当業者が利用可能な方法を用いて、ペプチド配列中で容易に同定され得る。記載された組換えタンパク質のうちの任意の1つのdsRNA結合ドメインは、アルファ−ベータ−ベータ−ベータ−アルファ−フォールドなどの1つ以上の二本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)を含んでもよい。
【0045】
特定の実施形態では、1つ以上のdsRBMは、dsRNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)、TRBP、PACT、Staufen、NFAR1、NFAR2、SPNR、RHA、またはNREBPのdsRBMから選択される。特に、dsRNA結合ドメインは、任意により柔軟なリンカーによって接続された、PKRの2つのdsRBMを含んでもよい。
【0046】
特定の実施形態では、dsRNA結合ドメインは、本明細書中に配列番号18として記載されているアミノ酸配列と約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%の配列同一性を共有するポリペプチドなど、ヒトdsRNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)のdsRNA結合ドメイン、またはその機能的バリアントである。
【0047】
特定の実施形態では、本明細書に記載の組換えタンパク質のうちのいずれか1つの標的結合部分は、(i)細胞表面受容体に対するリガンド、(ii)ヒト化抗体などの抗体、ヒト抗体、抗体の機能的断片、ナノボディなどの単一ドメイン抗体、組換え抗体、および一本鎖可変断片(ScFv)、または(iii)アフィボディ分子などの抗体模倣物、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、アビマー、DARPin、フィノマー、クニッツドメインペプチド、およびモノ抗体が挙げられる。
【0048】
特定の実施形態では、標的結合部分は、DUPAまたはその類似体などの前立腺表面膜抗原(PSMA)リガンド、抗PSMA scFv、またはヒト化もしくはヒト抗PSMA抗体などの抗PSMA抗体(例えば全長抗体J591)、または抗PSMAアフィボディである。
【0049】
特定の実施形態では、PSMA標的化部分は、配列番号19として本明細書に記載のアミノ酸配列と約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%の配列同一性を共有するポリペプチドなど、PSMAに対する一本鎖抗体、ScFvJ591、またはその機能的バリアントである。
【0050】
記載されたスペーサーペプチドは、ポリペプチドキメラの2つの機能ドメインを接続するための当技術分野において公知の任意のオリゴペプチドであってもよい。特定の実施形態では、スペーサーペプチド(リンカー)は、プロテアーゼ認識配列を含むオリゴペプチド、またはアルギニンなどの(生理的pHで)正に荷電したアミノ酸のホモオリゴペプチドを含む。
【0051】
特定の実施形態では、dsRNA結合ドメインと標的結合部分との間のリンカー(スペーサーペプチド)は、配列番号5として本明細書に記載のアミノ酸配列と約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%の配列同一性を共有するポリペプチドなど、ARG9ペプチド、またはその機能的バリアントである。
【0052】
特定の実施形態では、キメラ組換えポリペプチドは、配列番号3として本明細書に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または配列番号4と約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%の配列同一性を共有するペプチドなど、その機能的バリアントである。
【0053】
他の実施形態では、記載された配列からの変異は、当業者がポリペプチドの形状または電荷を大きく変えないと考える保存的置換であってもよい。記載されたポリペプチドはまた、示されたものと100%の配列同一性を共有するが、天然のまたは天然に産生された配列とは翻訳後修飾が異なるポリペプチドを含む。
【0054】
特定の実施形態では、記載された組換えポリペプチドは、個別の生体分子として提供される。他の実施形態では、記載されたポリペプチドは、独立して折り畳まれた構造ドメイン、または環境にアクセス可能な機能ドメインなどの、より大きなポリペプチドのドメインである。
【0055】
本明細書にさらに記載されるのは、記載された組換えタンパク質およびdsRNAのうちのいずれか1つを含む複合体である。特定の実施形態では、複合体のdsRNAはPKR活性化dsRNA、例えばポリイノシン酸鎖およびポリシチジル酸鎖(ポリIC)を含むdsRNAである。特定の実施形態では、ポリICは各鎖に少なくとも22個のリボヌクレオチド、例えば各鎖に85〜300個のリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、複合体のdsRNAは、これに限定するものではないが、Bcl−x1、Bcl−2、Mcl−1、Stat3、Pkb/Aktなどの発癌性タンパク質に対して向けられた少なくとも1つのsiRNA配列を含む。
【0056】
特定の実施形態では、記載された複合体は、上記のような薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の成分である。
【0057】
記載されたキメラ組換えポリペプチドをコードする核酸、例えば配列番号4として本明細書に記載の核酸などもまた本明細書に提供される。
【0058】
記載された核酸の配列は、遺伝暗号の縮重のために、コードされたポリペプチドにはいかなる変化もないが、本明細書に配列番号4として記載の配列とは著しく異なる可能性があることが理解されよう。記載されたポリペプチドにおける他のおよび/または追加の突然変異、例えば保存的アミノ酸突然変異もまた、明らかな差異なく含まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、記載された核酸は、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%の配列同一性など、配列番号4と60%〜100%の配列同一性を共有する。特定の例では、核酸配列は、細菌細胞または植物細胞などの特定の生物における天然のコドンの偏りをもたらすために調整される。このような調整は、当技術分野において公知であり、見出すことができる(12)。
【0059】
特定の実施形態において、記載された核酸配列は、当該分野において標準的であるように、DNAクローニングおよび/または発現プラスミド内に含まれる。記載されたキメラポリペプチドをコードする核酸のうちの1つ以上を発現させるために任意の標準的な発現プラスミドを使用することができることが理解されよう。このようなプラスミドには、複製の起点、選択配列(例えば、抗生物質耐性遺伝子などであるがこれに限定されない)、および記載された核酸に作動可能に連結された発現制御配列を最小限含む。特定の実施形態では、発現プラスミドは、記載された核酸とインフレームでコードされている翻訳後配列(例えば、ポリペプチドプロセシングおよびエクスポートを指示するためのシグナル配列)を含む。特定の実施形態では、発現制御配列は、細菌または植物宿主において最適化された発現制御に関して、当技術分野において公知のものである。
【0060】
細菌発現プラスミドの特定の非限定的な例としては、IPTG誘導性プラスミド、アラビノース誘導性プラスミドなどが挙げられる。発現誘導の他の非限定的な例としては、光誘導、温度誘導、栄養素誘導、および自己誘導、植物および哺乳動物特異的DNA発現プラスミドが挙げられる。特注の発現プラスミドは、New England Biolabs(Ipswich,MA)およびDNA 2.0(Menlo Park,CA)などの供給業者から市販されている。
【0061】
特定の実施形態では、記載されたポリペプチドは、即時放出用に配合することができ、それにより周囲の環境に直ちに接近可能であり、それにより対象への投与時に、かつ投与量が対象によって代謝されるまで有効量の活性剤(複数可)を提供する。
【0062】
さらに別の実施形態では、記載されたポリペプチドは、徐放製剤またはシステムに配合することができる。このような製剤において、治療剤は、1〜72時間、24〜48時間、16〜36時間、12〜24時間、およびその間の任意の時間長など、1、2、3、4またはそれ以上の日数など、長期間にわたって提供される。特定の実施形態では、徐放製剤は投与時すぐに利用可能になり、有効量の治療用組成物を提供し、長期間にわたって有効量で利用可能なままである。他の実施形態では、徐放製剤は対象内で直ちに利用できるものではなく、利用可能になるのみであり、活性化合物(複数可)が周囲環境に放出されるように製剤が代謝または分解された後に治療有効量の活性化合物(複数可)を提供する。
【0063】
一実施形態では、ポンプを使用してもよい。別の実施形態では、徐放製剤は、インプラント、ゲル、カプセルなど当該分野で一般的に使用されるポリマー材料を含む。
【0064】
治療用調製物は、患者に適切な投与をもたらすように、好適な量の担体と共に、治療有効量の、好ましくは精製された形態の少なくとも1つの活性成分を含む。製剤は、投与様式に適合するものとする。
IV.PSMA関連疾患の治療方法
【0065】
PSMAの発現は、癌性細胞、特に前立腺癌および腫瘍関連血管新生に関連している(13)。さらなる態様では、本開示は、PSMAの発現によって特徴付けられる癌の治療ための方法であって、それを必要とする対象に本明細書に記載の複合体または医薬組成物のうちのいずれか1つを投与することによる方法を提供する。
【0066】
いくつかの実施形態では、記載された複合体は、治療中の癌の治療のために他の医薬剤と組み合わせて対象に投与される。例えば、癌治療の特定の例において、記載されたものの投与は、外科手術、細胞療法、化学療法および/または放射線療法と組み合わせることができる。記載されたポリペプチドと組み合わせた1つ以上の療法は、記載されたポリペプチドと順番に(前もしくは後に)、または同時に対象に投与することができる。適用可能であれば、特定の実施形態において、活性成分の組み合わせが、単一または複数の製剤で、また単一または複数の投与経路によって対象に投与され得る。特定の実施形態では、治療方法は、末梢血単核球(PBMC)の逐次投与または同時投与を含む。
【0067】
記載された方法において使用するための、有効とされる各治療剤の量は、治療される癌の性質、ならびにその障害または状態の段階に依存することとなる。治療有効量は、標準的な臨床技術によって決定することができる。製剤中に使用される正確な用量も投与経路に依存するものとし、医療関係者の判断および各患者の状況に従って決定されるものとする。任意の特定の対象については、具体的な用量レベルおよび投与頻度は変動してもよく、具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与様式および投与時間、排泄速度、薬剤の組み合わせ、および治療を受けている宿主の状態の重症度など、様々な要因に依存する。
【0068】
本開示の治療用化合物および組成物は、治療期間全体を通して、漸増用量レジメンまたは負荷用量レジメン(例えば、負荷用量は、維持用量の約2〜5倍である)において、ほぼ同じ用量で投与することができる。いくつかの実施形態では、用量は、治療されている対象の状態、疾患または状態の重症度、治療に対する明らかな反応、および/または当業者によって判断される他の要因に基づいて、治療の過程において変動する。いくつかの実施形態では、薬物による長期治療が企図される。
【0069】
以下の実施例は、ある特定の特徴および/または実施形態を例解するために提供されている。これらの実施例は、本開示を記載された特定の特徴または実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
実施例1:方法
GFP−SCPおよびdsRB−SCPのクローニング
【0070】
プラスミドpGFP−SCP(Argを介してPSMAに対する一本鎖抗体ScFvJ591に連結したGFP(56kDa)をコードする)およびpsRB−SCP(Argを介してScFvJ591に連結したヒトPKRのdsRB(48kDa)をコードする)(図1A)は、以下のとおり構築した。
【0071】
SCP(PSMAに対する一本鎖抗体、ScFvJ591)を、プライマーSCP−NおよびSCP−Cを使用して、プラスミドSFG−Pz1(14)からPCRによって増幅した。GFPは、プライマーGFP−NおよびGFP−Cを用いて、プラスミドpEGFP−N3(Clontech)からPCRによって増幅した。dsRBは、プライマーdsRB−NおよびdsRB−Cを用いてプラスミドDRBM−DT−EGF(15)からPCRによって増幅した。Argリンカー(GSRRRRRRRRGRKA;配列番号5)を調製するために、オリゴヌクレオチド9ARG1をその相補的オリゴヌクレオチド9ARG2にアニールした。使用したオリゴヌクレオチドを表1に列挙する。GFP−SCPは、細菌発現ベクターpET28a(Novagen)中で段階的に構築された:GFPは、プラスミドpET28aのHisタグの後、NdeI制限部位とBamHI制限部位との間にクローニングし、SCPは、HindIII部位とXhoI部位との間にクローニングし、Argリンカーは、融合体His−GFP−Arg−SCPを得るために、BamH1部位とHindIII部位との間に挿入した(図1A)。dsRB−SCPの構築のために、制限部位NdeIおよびBamHIを用いてGFP断片をdsRB配列と置換して、融合体His−dsRB−Arg−SCPを得た(図2A)。予想される配列は、The Hebrew University of JerusalemのThe Center for Genomic Technologiesにて確認した(補足)。
GFP−SCPおよびdsRB−SCPの発現
【0072】
キメラタンパク質を、レアコドン用のtRNAをコードするプラスミドpRAREで形質転換した大腸菌BL21trxB(DE3)(Novagen)中で発現させた。細菌は、25μg/mlクロラムフェニコール、30μg/mlカナマイシン、100μg/mlアンピシリン、1%グルコースおよび5%NPS緩衝液(1M KHPO、1M NaHPO、0.5M(NHSO)を補充した2XYT培地中、37℃で増殖させた。培養液のOD600が約0.3に達したとき、0.1%グリセロールおよび0.1mM L−グルタミン酸を加え、培養液を42℃に移して大腸菌シャペロンの発現を誘導し、タンパク質の溶解度を高めた。OD600が約0.9に達したとき、培養液を氷上で冷却し、14℃に移した。10分の調整期間の後、0.5mmol/LのIPTGを添加し、続いて24時間インキュベートした。細菌を採取し、ペレットを精製するまで−80℃で保存した。
GFP−SCPおよびdsRB−SCPの精製
【0073】
GFP−SCP:1.2Lの大腸菌BL21trxB(DE3、pRARE、pGFP−SCP)から得られたペレットを、プロテアーゼ阻害剤カクテル、3mg/mlリゾチームおよびDNaseを補充した60mlの結合緩衝液(緩衝液A、30mM HEPES pH8.3、0.5M NaCl、10%グリセロール、10mM イミダゾール)中、氷上で解凍し、LV1マイクロフルイダイザー(Microfluidics)を使用して溶解した。抽出物を30分間の遠心分離(15,000xg、4℃)により清澄化し、8mlのニッケルセファロースFF IMACカラム(GE Healthcare)に添加し、10カラム容量(CV)の結合緩衝液、続いて6CVの5%緩衝液B(30mM HEPES pH8.3、0.5M NaCl、10%グリセロール、1Mイミダゾール)、6CVの10%緩衝液Bおよび1CVの15%緩衝液Bで洗浄した。タンパク質を60%緩衝液Bで溶出した。キメラを含む分画(合計8ml)を、GF緩衝液(30mM HEPES pH8.3、0.5M NaCl、10%グリセロール)で予め平衡化した500mlセファクリルS−200ゲル濾過カラム(GE Healthcare)に添加した。0.5CV後に溶出した画分をプールし、Vivaspin−20(MWCO:30000、GE Healthcare)を使用して濃縮し、350ml スーパーデックス−75に添加した。0.5CV後に溶出した画分をSDS−PAGEに供し、InstantBlue(Expedeon)で染色した。高度に精製されたキメラを含む分画をプールし、Vivaspin−20(GE Healthcare)を用いて濃縮し、アリコートに分けて−80℃で保存した。
【0074】
dsRB−SCP:6Lの大腸菌BL21trxB(DE3、pRARE、pdsRB−SCP)から得られたペレットを、プロテアーゼ阻害剤、リゾチームおよびDNaseを補充した300mlの結合緩衝液A中で解凍し、上記のように溶解および清澄化した。結合した宿主核酸を放出させるために、清澄化溶解物を8M尿素と1:1(vol:vol)で混合した。混合物を4℃で1.5時間インキュベートし、次いで緩衝液C(0.5%Tween80および4M尿素を補充した緩衝液A)で予め平衡化した60mlのニッケルセファロースFFカラムに添加し、12.4CVの緩衝液Cで洗浄した。タンパク質を再度折り畳むために、緩衝液Cから緩衝液D(0.5%Tween80を補充した緩衝液A)への、10CV、0.8ml/分のゆっくりした直線勾配を適用した。カラムを3CVの10%緩衝液Eおよび3CVの25%緩衝液E(30mM HEPES pH8.3、0.5M NaCl、10%グリセロール、500mMイミダゾール、0.5%Tween80)で洗浄し、タンパク質を100%緩衝液Eで溶出した。キメラを含む分画をプールして、希釈緩衝液(30mM MES pH、10%グリセロール、0.5%Tween)で1:1に希釈した。希釈したタンパク質を30分間の遠心分離(15,000xg、4℃)によって清澄化し、66mlのFracto−gel EMD SO3 IEXカラム(Merck)に添加した。緩衝液F(30mM MES pH、100mM NaCl、10%グリセロール、0.001%Tween)および25%、27%、30%、37%および38%緩衝液G(30mM HEPES pH8.3、2M NaCl、10%グリセロール、0.001%Tween 80)の手動段階勾配(7CV)を適用した。溶出画分のサンプルをSDS−PAGEに供し、InstantBlue(Expedeon)で染色した。精製キメラを含む画分をプールし、濃縮し、上記のように−80℃で貯蔵した。
細胞株
【0075】
LNCaP細胞を、10mMのHEPES(pH7.4)および1mMのピルビン酸ナトリウムを補充したRPMI 1640培地中で培養した。VCaP細胞は、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養した。PC3およびDU145細胞を、1%非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、10mM Hepes pH7.4および1%MEMビタミン混合物を補充したMEM(最小必須培地)中で培養した。MCF7細胞は、RPMI 1640培地中で培養した。全ての組織培養培地に、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100mg/l)、および10%FBS(ウシ胎児血清)を補充した。全ての細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入し、試験を行い、マイコプラズマ非含有であることが示された。
【0076】
LNCaP−Luc/GFPおよびPC3−Luc/GFPは、以前に記載されたように(16)、融合遺伝子ルシフェラーゼ−GFP(Luc/GFP)をコードするレンチウイルスベクターを使用して生成された。PBMCを、標準的なフィコール密度勾配遠心分離によって新鮮なヒト末梢血から単離した(17)。全ての細胞を、加湿インキュベーター中、5%COで37℃でインキュベートした。細胞培養試薬は全て、Biological Industries, Bet Ha’emek、およびIsraelから購入した。
フローサイトメトリー
【0077】
細胞を1ウェルあたり1x10細胞の密度で12ウェルプレートに播種し、40時間増殖させ、GFP−SCPと共にインキュベートした。インキュベーション後、細胞をトリプシン処理し、PBSで洗浄し、1mlの冷PBSに再懸濁し、488nmレーザーを備えたBD FACS ARIAIII(BD Biosciences,USA)を使用してフローサイトメトリー分析に供した。各処理につき10,000個の細胞を取得した。細胞を生細胞のみを含むようにゲーティングを行い、GFPレベルについて亜集団を分析した。全てのデータをFlowJoソフトウェア(Becton Dickinson)を用いて分析した。
免疫細胞化学
【0078】
LNCaP、PC3およびMCF7細胞を48時間増殖させ、25nM GFP−SCPと共に37℃で5時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、PBSで2回洗浄し、透過処理し、ヤギ抗GFP抗体(1:1000、Abcam ab5450)で染色し、その後DyLight 488コンジュゲート結合抗ヤギ二次抗体(1:300,Jackson ImmunoResearch Laboratories)と共にインキュベートした。4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)を用いてDNAを染色した。染色したサンプルを共焦点顕微鏡(FLUOVIEW FV−1000、Olympus,Japan)により観察した。
生細胞の画像化
【0079】
GFP−SCPの局在化は、タイムラプス共焦点顕微鏡(FLUOVIEW FV−1000,Olympus,Japan)を使用して、生きているLNCaP細胞において観察された。LNCaP細胞を、8ウェルμスライド(Ibidi、カタログ番号80826)中で48時間増殖させた。培地交換後、200nM GFP−SCPをチャンバに直接添加し、細胞を直ちに観察し、その後の画像を72分間6分ごとに撮影した。画像は、FLUOVIEW Viewerソフトウェア(Ver.4.2)を用いて解析した。
dsRNA電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)
【0080】
MEGAscript(登録商標)RNAi Kit(AM1626)のコントロールテンプレートから転写された500bp長のdsRNAをLabel IT(登録商標)Nucleic Acid Labeling Reagents kit(Mirus)を用いて標識した。1μgの標識dsRNAを漸増量の精製dsRB−SCP(0.5〜3μg)と共に30分間インキュベートし、その混合物を2%アガロースゲル上で電気泳動させた。ゲルは、臭化エチジウムで染色することによって可視化した。
dsRB−SCP/ポリIC複合体の調製
【0081】
全ての実験に使用したポリICは、低分子量(LMW)ポリIC(InvivoGen)であった。全ての実験について、dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独、またはdsRB−SCP単独を、本文中に示されている濃度で結合緩衝液(30mM HEPES pH8.3、0.5M NaCl、10%グリセロール)中で調製し、細胞に添加する前に、室温で45分間プレインキュベートした。
生存アッセイ
【0082】
LNCaP、VCaP、PC3、およびMCF7細胞を96ウェルプレートに三連(5000細胞/ウェル)で播種し、一晩増殖させた。dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独またはdsRB−SCPを細胞に加え、次いでさらに100時間インキュベートした。生存は、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて測定した。
【0083】
レスキュー実験のために、LNCaP細胞を、ポリ−リジンで予めコーティングした3枚の96ウェルプレートに播種した(5000細胞/ウェル)。各プレートについて、処理を三連のウェルで繰り返し、細胞を一晩増殖させた。次いで細胞をdsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独またはdsRB−SCP単独で処理した。最初のプレートは、100時間後の生存についてアッセイした。2番目のプレートの培地は、100時間後に交換し、生存を172時間後にアッセイした。3番目のプレートの培地は、100時間後に交換し、172時間後に再び交換し、生存を344時間後にアッセイした。
免疫ブロット
【0084】
LNCaP細胞を6ウェルプレートに播種し(1x10細胞/ウェル)、一晩増殖させ、示された濃度において、dsRB−SCP/ポリICまたはポリIC単独で処理した。7時間、16時間または24時間後、細胞を沸騰しているLaemmliサンプル緩衝液(10%グリセロール、50mmol/L トリス−HCl、pH6.8、3%SDS、および5%2−メルカプトエタノール)で溶解し、次いで溶解物をウエスタンブロット分析に供した(18)。PARPおよびカスパーゼ3の切断は、抗PARP(カタログ番号95425)、抗カスパーゼ3(カタログ番号96625)および抗切断カスパーゼ3(カタログ番号96615)(全てCell Signaling Technology製)を用いて監視した。各レーンに適用されたタンパク質の量を標準化するための内部標準として、ブロットを抗−GAPDH(Santa Cruz、sc−25778)と共にインキュベートした。
ELISAによる分泌ケモカイン(IP−10およびRANTES)の検出
【0085】
LNCaP細胞を96ウェルプレートに三連で播種し、一晩増殖させた(10,000細胞/ウェル)。次いで細胞を示された濃度でdsRB−SCP/ポリICまたはポリIC単独で処理した。48時間後、培地を回収し、IP−10およびRANTESの濃度を市販のELISAキット(PeproTech)を用いて測定した。
RNA単離、cDNA合成および定量的リアルタイムPCR
【0086】
LNCaP細胞を24ウェルプレートに播種し(500,000細胞/ウェル)、一晩増殖させた。次いで、細胞を示された濃度で、dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独またはdsRB−SCP単独で4時間処理した。細胞を溶解し、EZ−10 DNA Away RNA−Miniprep Kit(Bio Basic)を用いて、全RNAを抽出した。High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems)を用いて相補的DNA(cDNA)を合成した。定量的リアルタイムPCRを用いてIFN−β遺伝子発現レベルを比較し、ΔΔCT法を用いてGAPDH発現に対して正規化した。IFN−βの定量化に使用したプライマーは、フォワード:5’ATGACCAACAAGTGTCTCCTCC 3‘(配列番号6)、およびリバース:5‘GCTCATGGAAAGAGCTGTAGTG3‘(配列番号7)であった。GAPDH定量化のためのプライマーは、フォワード:5’GAGCCACATCGCTCAGAC3’(配列番号8)およびリバース:5’CTTCTCATGGTTCACACCC3’(配列番号9)であった。
PBMCの走化性
【0087】
LNCaP細胞を、ポリ−リジン(250,000細胞/ウェル)でプレコートした24ウェルプレートに播種し、一晩増殖させた。その後、培地を低血清培地(0.15%FBS)に交換し、細胞を示された濃度においてdsRB−SCP/ポリICで処理した。48時間後、馴化培地を細胞から回収し、24ウェルのTranswell system(微孔性ポリカーボネート膜(0.5μm)Corning;Costar)の底のウェルに入れた。低血清培地(0.15%FBS)中の新たに単離されたPBMC(1x10)を上部チャンバに添加した。3.5時間後、下部チャンバからの培地を回収し、遊走細胞をリンパ球上の散乱ゲートによりFACS分析により定量した。
共培養システムにおけるバイスタンダー効果の分析
【0088】
他の細胞と共培養した単一細胞株の生存度を測定するために、ルシフェラーゼを発現させた細胞(LNCaP−Luc/GFPまたはPC3−Luc/GFPのいずれか)を作製した。
【0089】
PBMCと共培養したLNCaP−Luc/GFP細胞を用いて免疫細胞を介したバイスタンダー効果を分析した:LNCaP−Luc/GFP細胞を、ポリ−リジンでプレコートした96ウェルプレートに三連で播種し(10,000細胞/ウェル)、一晩増殖させた。次いで、細胞を示された濃度のdsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独またはdsRB−SCP単独で処理した。24時間後、新たに単離されたPBMCを培養液に添加した(1x10/ウェル)。48時間後、LNCaP−Luc/GFP細胞の生存を、Luciferase Assay System(Promega)を用いてルシフェラーゼ活性に基づいて測定した。
【0090】
直接的、かつ免疫細胞を介したバイスタンダー効果の組み合わせを、PC3−Luc/GFPおよびPBMCと共培養したLNCaP細胞を用いて分析した:LNCaP細胞を、ポリ−リジンでプレコーティングした96ウェルプレートに三連で播種し(6,000細胞/ウェル)、一晩増殖させ、dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独、またはdsRB−SCP単独で処理した。16時間後、PC3−Luc/GFP細胞(4,000細胞/ウェル)を培養液に添加した。処理から24時間後、新たに単離されたPBMC(1x10個/ウェル)を培養液に添加した。48時間後、PC3−Luc/GFP細胞の生存を、Luciferase Assay system(Promega)を用いて、ルシフェラーゼ活性に基づいて測定した。
腫瘍スフェロイドモデル
【0091】
寒天コーティングプレートを用いて腫瘍スフェロイドを作製した。96ウェルプレートを、参考文献(19)に従って、50μl/ウェル寒天(RPMIに溶解した1.5%(wt/vol))でコーティングした。LNCaPまたはLNCaP−Luc/GFP細胞を播種し(2000細胞/ウェル)、インキュベートした。97時間後、R=300〜400μmの単一の球状スフェロイドが各ウェルに形成された。
【0092】
dsRB−SCP/ポリICで処理した後のLNCaPスフェロイドを測定するために、非常に薄く均一なポリHEMA(120mg/mlを95%エタノールに溶解)層でプレコートした96ウェルプレート(1スフェロイド/ウェル)に個々にスフェロイドを移した。スフェロイドを移すために、最初に各スフェロイドをその200μlの培地と共に96Uウェルプレート(U字型ウェルを有する)中に吊上げた。プレートを220gで10分間遠心分離し、培地を80μlの新鮮な培地と交換した。次に、スフェロイドをその80μlの培地と共にポリHEMAコーティングプレートに移した。dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独、またはdsRB−SCP単独を示された濃度で加えた。処理は、5日間続けた。1、2、4、および5日目に、各ウェルの培地の半分を除去し、適切な処理を含む新鮮な培地と交換した。15日目に、スフェロイドをカルセインAM(1:1000、Molecular Probes c3099)および0.5μg/mlヨウ化プロピジウムで染色した。共焦点顕微鏡を用いてスフェロイドを監視し、ImageJソフトウェアを用いてサイズを測定した。
【0093】
腫瘍スフェロイドに対する免疫細胞を介したバイスタンダー効果を分析するために、指示された濃度で、dsRB−SCP/ポリIC、ポリIC単独またはdsRB−SCP単独で、LNCaP−Luc/GFPスフェロイドを寒天プレート上で、直接1回処理した。24時間後、1μMのCellTracker(商標)Violet BMQC(Molecular Probes−Life Technologies)を製造元のプロトコルに従って使用して、新鮮なPBMCの標識を行った。8x10個のPBMCをスフェロイド培養液に添加した。共培養は、共焦点顕微鏡を用いて監視した。
実施例2:PSMAを標的とするキメラタンパク質の構築およびアッセイ
ScFvJ591は、PSMA過剰発現前立腺癌細胞を選択的に標的とし、そのカーゴを細胞内に効率的に送達する。
【0094】
最初に、一本鎖抗体ScFvJ591をキメラタンパク質の一部としてホーミングリガンドとして使用できるかどうかを試験した。エンドソームエスケープ配列を含むリンカーを介して、PSMAに対する一本鎖抗体ScFvJ591に融合した追跡マーカーとしてGFPをコードするpGFP−Arg−ScFvJ591を生成した(図1A)。56kDa組換えタンパク質、GFP−SCP(GFP−Arg−ScFvJ591)を大腸菌中で発現させ、アフィニティ精製、およびそれに続く2段階のゲル濾過を含む3段階精製プロセスで精製した(方法を参照されたい)。
【0095】
共焦点顕微鏡を使用してGFP−SCPの選択性の試験を行った。PSMAを過剰発現しているLNCaP細胞と共にキメラタンパク質をインキュベートし、5時間後に結合を分析した。PSMAを発現していないPC3およびMCF7細胞は、陰性対照とした。共焦点画像では、GFP−SCPがLNCaP細胞に結合し、選択的に内在化することが実証されたが、PC3またはMCF7細胞では結合は見られなかった(図1B)。次に、フローサイトメトリーを使用して、GFP−SCPの取り込みをLNCaPおよびMCF7細胞と比較した。2つの期間(30分、60分)にわたって、2つの用量のGFP−SCP(200nM、400nM)を使用した。GFP−SCPの蓄積は、得られた蛍光シフトによって測定した。予想通り、観察された蛍光レベルは、GFP−SCPの濃度およびインキュベーション期間と相関していた(図1C)。これらの結果は、時間依存的および用量依存的なGFP−SCPの内在化を示唆している。対照的に、PSMAを欠くMCF7細胞では、GFP−SCPのいかなる蓄積も観察されなかった(図1C)。GFP−SCPの局在を監視するために、LNCaP細胞をGFP−SCPとインキュベートし、それらを生細胞共焦点顕微鏡を用いて観察した。初期には、GFP−SCPの蛍光は細胞表面に限定されており、自由拡散は観察されなかった(図1D)。数分後、小さな細胞内点状構造の出現によって示されるように、GFP−SCPはエンドサイトーシスを介して細胞に侵入した(図1D)。時間の経過と共に、これらの構造の数は増加した。さらに、細胞内拡散粉末状蛍光の増加が観察され(図1D)、これは、GFPがエンドソームから脱出してサイトゾルに拡散したことを示している。細胞内部でのGFPの蓄積は、結合後の最初の40分で直線的に増加した(図1D)。
PSMA過剰発現前立腺癌細胞にポリICを選択的に運搬して内在化することができるキメラタンパク質の設計、発現および精製
【0096】
GFP−SCPキメラの構造に基づいて、ポリICをPSMA過剰発現細胞に特異的に送達するキメラタンパク質を設計した。GFP部分をPKRのdsRNA結合ドメイン(dsRBD)で置換した(図2A)。キメラ48kDaタンパク質、dsRB−SCP(dsRB−9Arg−ScFvJ591)を大腸菌中で発現させ、実施例1に記載されているように、アンフォールディングおよびリフォールディング工程(図2B)を用いて精製した。精製タンパク質のdsRNAへの結合を評価した。dsRB−SCPを規定の長さ(500bp)のdsRNAとインキュベートし、混合物をアガロースゲルで電気泳動させた(図2C)。裸のdsRNA対照は、ゲル中の予想された位置で泳動させた(図2C)。dsRB−SCPとインキュベートしたdsRNAの電気泳動は、用量依存的様式で遅れ(図2C)、キメラタンパク質がdsRNAに結合したことが確認された。
ポリICと複合体を形成したdsRB−SCPは、アポトーシスを誘導することによってPSMA過剰発現細胞を選択的に死滅させる。
【0097】
本発明者らは、4つの細胞株(すなわちPSMAを過剰発現しているLNCaPおよびVCaP、ならびにPSMAを発現していないMCF7およびPC3)を用いて、dsRB−SCP/ポリIC複合体の死滅効果を評価した。dsRB−SCPは、ポリICをPSMA過剰発現細胞(LNCaPおよびVCaP)に選択的に送達し、細胞を最大80%まで死滅させた(図3A)。PSMAを発現していない細胞(MCF7およびPC3)は、処理によって死滅することはなかった(図3A)。キメラを洗い流してから250時間後(処理後350時間)に再増殖は観察されなかったので、残りの20%のLNCaP細胞は永久的に停止したと見なした(図3B)。dsRB−SCP/ポリICは、カスパーゼ−3およびPARPの切断によって示されるように、アポトーシス経路を活性化することによって細胞死を誘導した(図3C)。ポリICのみで処理した細胞では、カスパーゼ−3またはPARPの切断はいずれも検出されなかった(図3C)。
dsRB−SCP/ポリIC処理が、サイトカインの分泌および免疫細胞の走化性を誘導する。
【0098】
細胞内にdsRNAが存在することで、抗増殖性およびプロアポトーシス性のサイトカインおよびケモカインの産生が活性化する(20)。dsRB−SCP/ポリICが同様の効果を引き起こすことができるかを判断するために、細胞内の3つの主要サイトカインの産生を分析した:IP−10およびRANTESは、双方とも免疫細胞およびIFN−βの化学誘引に関与しており、免疫細胞の分化において重要な役割を担う(21)。ELISAによって測定されるように、培地へのIP−10およびRANTESの分泌は、以前に報告されたとおり、ポリIC単独によって部分的に誘導された(22)。dsRB−SCP/ポリICにより処理することで、IP−10およびRANTESの分泌をさらに2倍増加させた(図4A〜B)。IFN−βの発現は、ポリICまたはdsRB−SCP単独による影響を受けなかったが、qRT−PCRによって測定されるように、dsRB−SCP/ポリICによる処理は、非常に強いIFN−β発現の誘導をもたらした(図4C)。
【0099】
分泌されたサイトカインが免疫細胞を引き付けるかどうかを調べるために、dsRB−SCP/ポリIC処理したLNCaP細胞からの培地が、新たに単離されたPBMCの走化性を誘導するかどうかを調べた。図4Dは、未処理細胞由来の培地と比較して、より多い数のPBMCがdsRB−SCP/ポリICで処理した細胞から馴化培地に向かって移動したことを示している。
dsRB−SCP/ポリICによるバイスタンダー効果
【0100】
次に、動員された免疫細胞が免疫細胞を介したバイスタンダー効果を引き起こすことができるかどうかを試験した。ルシフェラーゼを安定に発現するLNCaP−Luc/GFP細胞を低用量のdsRB−SCP/ポリICで処理した後、PBMCと共インキュベートした。LNCaP−Luc/GFP細胞の生存の尺度としてルシフェラーゼ活性を用いた。結果は、LNCaP−Luc/GFP細胞の根絶を示した(図5A)。対照的に、PBMCの非存在下では、ルシフェラーゼレベルはほとんど影響を受けなかった。これらの結果は、dsRB−SCP/ポリICが強力な免疫細胞を介したバイスタンダー効果を誘発していることを示唆している。
【0101】
dsRB−SCP/ポリICも直接的バイスタンダー効果を誘発するかどうかを評価するために、LNCaP細胞を、PSMAを発現していないPC3−Luc/GFP細胞と共インキュベートした。dsRB−SCP/ポリIC処理は、結果として、最大60%のPC3−Luc/GFP細胞の死滅をもたらした(図5B)。PC3−Luc/GFP細胞は、dsRB−SCP/ポリICによって標的化されることはないので(図5B)、これらの細胞の死は、dsRB−SCP/ポリIC標的化LNCaP細胞によって誘導される直接バイスタンダー効果の結果であると推測する。この共培養系へヒトPBMCを添加することが、PC3−Luc/GFP細胞の死滅率の有意な上昇となり(図5B)、これらの条件下において、免疫細胞を介したバイスタンダー効果がさらに関与していることを示している。
dsRB−SCP/ポリICが、腫瘍スフェロイドを破壊する。
【0102】
次に、3D腫瘍スフェロイドモデルにおけるdsRB−SCP/ポリICの有効性を評価した。インビトロ3Dモデルは、ヒト腫瘍の構造によく似ており(23)、抗癌剤に対する高い耐性を特徴とする(24)。LNCaPスフェロイドが生成され、300〜400μmの直径に達し得る。次にスフェロイドをポリHEMAプレートに移し、5日間かけてdsRB−SCP/ポリIC(400nM dsRB−SCP、2.5μg/mlポリIC)で繰り返し処理した。5日目までに、dsRB−SCP/ポリICで処理したスフェロイドは収縮し始め、死細胞を脱落したが、未処理スフェロイドはサイズが増大した(図6A)。15日目に、スフェロイドをカルセインAMおよびヨウ化プロピジウムで染色して、生存度を監視した(図6A)。dsRB−SCP/ポリIC処理スフェロイドは、著しい構造的損傷を示しており、多数の死細胞を含んでいた(図6A)。対照的に、未処理スフェロイド、およびポリIC単独またはdsRB−SCP単独で処理されたスフェロイドは、表面の細胞が生きていて、コアにある細胞が壊死している典型的な無傷の構造を維持していた(11)。
【0103】
インビボ条件をより厳密に模倣し、スフェロイドに対する免疫細胞を介したバイスタンダー効果を試験するために、処理済みのスフェロイドにPBMCを加えた。LNCaP−Luc/GFPスフェロイドをdsRB−SCP/ポリICで1回処理し、24時間後に新たに単離したPBMCを培養液に添加した。最も低用量のdsRB−SCP/ポリICであっても、スフェロイドの分解は、処理開始後72時間またはPBMC添加後48時間ですでに明らかであった(図6B)。より高用量では、処理開始後96時間で完全なスフェロイドの破壊が観察された。さらに72時間後、死細胞のみが明らかになり、GFP蛍光は見られなかった(図6B)。対照として、PBMCの非存在下で同じ処理を行った。エンドポイント(168時間)では、処理することにより、結果的に、目に見える細胞死およびスフェロイドの分解をもたらした(図6B下パネル)が、PBMCの存在下で観察されたレベルと比較すると、その効果は弱かった。したがって、dsRB−SCP/ポリICは、スフェロイドに対して強力な効果を有し、かつこの効果は、免疫細胞の添加によって大いに拡大される。
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【0104】
開示された発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例解された実施形態は本発明の好ましい例にすぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。したがって、これらの請求の範囲と趣旨の範囲内における全てが私たちの発明であることを主張する。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【配列表】
2019534037000001.app
【国際調査報告】