(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500273
(43)【公表日】20210107
(54)【発明の名称】クロマトグラフィーカートリッジ封止配置
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20201204BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20201204BHJP
   G01N 30/60 20060101ALN20201204BHJP
【FI】
   !B65D41/04 200
   !B65D43/04 100
   !G01N30/60 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】2020521865
(86)(22)【出願日】20181018
(85)【翻訳文提出日】20200611
(86)【国際出願番号】SE2018051063
(87)【国際公開番号】WO2019078777
(87)【国際公開日】20190425
(31)【優先権主張番号】17197354.8
(32)【優先日】20171019
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】502307209
【氏名又は名称】バイオタージ・アクチボラゲット
【氏名又は名称原語表記】BIOTAGE AB
【住所又は居所】スウェーデン、エス−751 03 ウプサラ、ボックス・8
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノーレン,アンドレアス
【住所又は居所】スウェーデン、761 12 ベルグシャムラ、トールバックスベーゲン、6
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DB12
3E084DC03
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084HA04
3E084HB09
3E084HD04
3E084LB02
(57)【要約】
本発明は、Oリングなどの封止部材を用いてキャップで封止される胴体を備えるクロマトグラフィーカートリッジに関する。胴体は、胴体の円形上面に胴体口部を含む。キャップは、封止ホルダーと、封止部材を収容するための空間とを含む。キャップは胴体に搭載され、キャップの内側接触面が胴体口部と接触して、胴体口部を内側にせん断させる。胴体口部および接触面は、第1のカートリッジ封止を形成する。これに対して、胴体口部は、キャップの封止面および封止ホルダーに接触する封止部材に接触して、第2のカートリッジ封止を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィーカートリッジキット(110)であって、
少なくとも一端部においてキャップ(140)および封止部材(30)で封止されるように配置された胴体(120)を備え、
前記胴体(20)は、前記胴体(120)の外側円筒面に配置されたねじ山(123)と、前記胴体(120)の端面で径方向に延在する胴体封止面(125)と、前記胴体封止面(125)に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部(127)とを含み、
前記キャップ(140)は、前記胴体(120)の前記ねじ山(123)と噛合うように配置されたねじ山(143)をその内面に含む外側円筒部(142)と、径方向延在上部(147)と、前記外側円筒部(142)を前記径方向延在上部(147)と接合する中間部(144)と、内側円筒部(145)と、前記内側円筒部(145)の外面と前記中間部(144)の内面との間に設けられた封止ホルダー(148)と、前記封止ホルダー(148)と前記中間部(144)の前記内面との間に配置されたキャップ封止面(149)とを含み、
前記封止部材(130)は、前記封止ホルダー(148)、前記中間部(144)の前記内面、および前記キャップ封止面(149)によって形成された空間に設けられ、
前記キャップ(140)の前記中間部(144)は、その内面において接触面(150)を含み、前記キャップ(140)は前記胴体(120)に搭載され、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中心に向かってせん断されて前記封止部材(130)に力をかける前記胴体口部(127)の外面と接触するように、およびこれに対して力を加えるように配置され、前記接触面(150)と前記胴体口部(127)とは、第1のカートリッジ封止を形成し、
前記封止部材(130)は、少なくとも前記封止ホルダー(148)の外側、前記キャップ封止面(149)、および前記胴体口部(127)の内側と接触するように配置されて、第2のカートリッジ封止を形成する、クロマトグラフィーカートリッジキット。
【請求項2】
前記封止ホルダー(148)は、前記径方向延在上部(147)から前記キャップ(140)の開口端部に向かって前記長手方向に延在するフランジである、請求項1に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項3】
前記封止ホルダー(148)は、前記内側円筒部(145)の厚い部分(148b)である、請求項1に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項4】
前記内側円筒部(145)の前記外面は前記封止ホルダー(148c)を形成する、請求項1に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項5】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を有する直線である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項6】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、内側に凹状で連続した曲面であり、前記曲面の接線は全て、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項7】
長手方向断面において、前記キャップ封止面(149)は、前記キャップ(140)の開口端部および前記接触面(150)に向かう方向に開口した凹状曲面であり、前記キャップ封止面(149)は連続した曲面である、請求項6に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項8】
前記封止部材(130)は、前記胴体封止面(125)と接触している、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項9】
前記胴体口部の前記外側または内側円筒面(127b)のうち少なくとも1つは傾斜しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項10】
前記胴体口部の前記外側または内側円筒面(127c)のうち少なくとも1つは湾曲しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジキット(110)。
【請求項11】
クロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)であって、
少なくとも1つの端部においてキャップ(140)および封止部材(30)で封止される胴体(120)を備え、
前記胴体(20)は、前記胴体(120)の外側円筒面に配置されたねじ山(123)と、前記胴体(120)の端面で径方向に延在する胴体封止面(125)と、前記胴体封止面(125)に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部(127)とを含み、
前記キャップ(140)は、前記胴体(120)の前記ねじ山(123)と噛合うねじ山(143)をその内面に含む外側円筒部(142)と、径方向延在上部(147)と、前記外側円筒部(142)を前記径方向延在上部(147)と接合する中間部(144)と、内側円筒部(145)と、前記内側円筒部(145)の外面と前記中間部(144)の内面との間に設けられた封止ホルダー(148)と、前記封止ホルダー(148)と前記中間部(144)の前記内面との間に配置されたキャップ封止面(149)とを含み、
前記封止部材(130)は、前記封止ホルダー(148)、前記中間部(144)の前記内面、および前記キャップ封止面(149)によって形成された空間に設けられ、
前記中間部(144)は、その内面に接触面(150)を含み、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中心に向かってせん断されて前記封止部材(130)に力をかける前記胴体口部(127)の外面と接触し、これに対して力を加え、前記接触面(150)と前記胴体口部(127)とは、第1のカートリッジ封止を形成し、
前記封止部材(130)は、少なくとも前記封止ホルダー(148)の外側、前記キャップ封止面(149)、および前記胴体口部(127)の内側と接触して、第2のカートリッジ封止を形成する、クロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項12】
前記封止ホルダー(148)は、前記径方向延在上部(147)から前記キャップ(140)の開口端部に向かって前記長手方向に延在するフランジである、請求項11に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項13】
前記封止ホルダー(148)は、前記内側円筒部(145)の厚い部分(148b)である、請求項11に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項14】
前記内側円筒部(145)の前記外面は前記封止ホルダー(148c)を形成する、請求項11に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項15】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を有する直線である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項16】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、内側に凹状で連続した曲面であり、前記曲面の接線は全て、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を形成する、請求項11〜14のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項17】
長手方向断面において、前記キャップ封止面(149)は、前記キャップ(140)の開口端部および前記接触面(150)に向かう方向に開口した凹状曲面であり、前記キャップ封止面(149)は連続した曲面である、請求項16に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項18】
前記封止部材(130)は、前記胴体封止面(125)と接触している、請求項11〜17のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項19】
前記胴体口部(127)の前記外側または内側円筒面(127b)のうち少なくとも1つは傾斜しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項11〜18のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項20】
前記胴体口部の前記外側または内側円筒面(127c)のうち少なくとも1つは湾曲しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項11〜18のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項21】
封止部材(130)を用いてクロマトグラフィーカートリッジ(110)を封止するために胴体(120)に搭載されるキャップ(140)であって、
前記胴体(20)は、前記胴体(120)の外側円筒面に配置されたねじ山(123)と、前記胴体(120)の端面で径方向に延在する胴体封止面(125)と、前記胴体封止面(125)に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部(127)とを含み、
前記キャップ(140)は、前記胴体(120)の前記ねじ山(123)と噛合うように配置されたねじ山(143)をその内面に含む外側円筒部(142)と、径方向延在上部(147)と、前記外側円筒部(142)を前記径方向延在上部(147)と接合する中間部(144)と、内側円筒部(145)と、前記内側円筒部(145)の外面と前記中間部(144)の内面との間に設けられた封止ホルダー(148)と、前記封止ホルダー(148)と前記中間部(144)の前記内面との間に配置されたキャップ封止面(149)とを含み、前記封止部材(130)を収容するように、前記封止ホルダー(148)、前記中間部(144)の前記内面、および前記キャップ封止面(149)によって形成される空間が設けられており、
前記キャップ(140)の前記中間部(144)は、その内面において接触面(150)を含み、前記キャップ(140)は前記胴体(120)に搭載され、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中心に向かってせん断されて前記封止部材(130)に力をかける前記胴体口部(127)の外面と接触するように、およびこれに対して力を加えるように配置され、前記接触面(150)と前記胴体口部(127)とは、第1のカートリッジ封止を形成し、
前記封止部材(130)は、少なくとも前記封止ホルダー(148)の外側、前記キャップ封止面(149)、および前記胴体口部(127)の内側と接触するように配置されて、第2のカートリッジ封止を形成する、キャップ。
【請求項22】
前記封止ホルダー(148)は、前記径方向延在上部(147)から前記キャップ(140)の開口端部に向かって前記長手方向に延在するフランジである、請求項21に記載のキャップ(140)。
【請求項23】
前記封止ホルダー(148)は、前記内側円筒部(145)の厚い部分(148b)である、請求項21に記載のキャップ(140)。
【請求項24】
前記内側円筒部(145)の前記外面は前記封止ホルダー(148c)を形成する、請求項21に記載のキャップ(140)。
【請求項25】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を有する直線である、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキャップ(140)。
【請求項26】
長手方向断面において、前記接触面(150)は、内側に凹状で連続した曲面であり、前記曲面の接線は全て、前記カートリッジ(110)の中間軸と45°+/−30°の角度を形成する、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキャップ(140)。
【請求項27】
長手方向断面において、前記キャップ封止面(149)は、前記キャップ(140)の開口端部および前記接触面(150)に向かう方向に開口した凹状曲面であり、前記キャップ封止面(149)は連続した曲面である、請求項26に記載のキャップ(140)。
【請求項28】
クロマトグラフィーカートリッジ(110)の一部になるための、および前記カートリッジ(110)を封止するためにキャップ(140)と封止部材(130)とを受けるための胴体(120)であって、
前記キャップ(140)は、前記胴体(120)のねじ山(123)と噛合うように配置されたねじ山(143)をその内面に含む外側円筒部(142)と、径方向延在上部(147)と、前記外側円筒部(142)を前記径方向延在上部(147)と接合する中間部(144)と、内側円筒部(145)と、前記内側円筒部(145)の外面と前記中間部(144)の内面との間に設けられた封止ホルダー(148)と、前記封止ホルダー(148)と前記中間部(144)の前記内面との間に配置されたキャップ封止面(149)とを含み、前記封止部材を収容するように、前記封止ホルダー(148)、前記中間部(144)の前記内面、および前記キャップ封止面(149)によって空間が形成され、前記胴体(20)は、前記胴体(120)の外側円筒面に配置されたねじ山(123)と、前記胴体(120)の端面で径方向に延在する胴体封止面(125)と、前記胴体封止面(125)に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部(127)とを含み、
前記胴体口部(127)、次に前記キャップ(140)は、前記キャップ(140)の前記中間部(144)の前記内面で接触面(150)と接触するようにその外面に配置された前記胴体(120)に搭載され、前記胴体口部は、前記接触面(150)によって加えられる力によって前記胴体(120)の中心に向かってせん断するように配置されており、前記接触面(150)および前記胴体口部(127)は、第1のカートリッジ封止を形成し、
前記胴体口部(127)は前記封止部材(130)に力を加え、これによって、前記封止部材(130)は、少なくとも前記封止ホルダー(148)の外側、前記キャップ封止面(149)、および前記胴体口部(127)の内側と接触する、クロマトグラフィーカートリッジアセンブリ。
【請求項29】
前記胴体口部の前記外側または内側円筒面(127b)のうち少なくとも1つは傾斜しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項28に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【請求項30】
前記胴体口部の前記外側または内側円筒面(127c)のうち少なくとも1つは湾曲しており、前記胴体口部(127)の基部は、前記胴体口部(127)の上部よりも広い、請求項28に記載のクロマトグラフィーカートリッジアセンブリ(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、クロマトグラフィーカートリッジに関し、特に、フラッシュクロマトグラフィーなどの高圧クロマトグラフィーに好適なカートリッジにおける封止配置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
クロマトグラフィーは、分離される物質が固定相と移動相との間で異なる態様で分散されることを利用した、化学的分離技術である。固定相、すなわち、吸着媒体、イオン交換体物質、ゲルまたは表面修飾固形物であることが典型的な分離媒体は、通常、カラムに充填されている。媒体ベッドの上部に施されたサンプル内の異なる成分が、たとえば、それらのサイズおよび液体がカラムを通過するときに固定相に引き付けられる度合いに応じて、異なる速度でカラムを通って移動する。液体クロマトグラフィーは、研究および産業において予備分離だけでなく化学分析でも、大規模に用いられている。
【0003】
従来のクロマトグラフィーでは、液体または溶剤は、重力によってカラムを通過する。それゆえ、液体がカラムを通過する速度は比較的遅い。クロマトグラフィープロセスの速度を上げるために、陽圧の印可によって、液体にカラムを通過させる。これは、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)などでカラムを通じて液体を汲み上げることによって、または、フラッシュクロマトグラフィーなどで正空気圧を印可することによって実現可能である。最近のフラッシュクロマトグラフィーは、プラスチック製のあらかじめ充填された使い捨てカラムまたはカートリッジを用いることが典型的であり、ほとんどの変形では、液体は、カラムまたはカートリッジを通って汲み出される。
【0004】
フラッシュクロマトグラフィーのために使用される使い捨てカートリッジは通常、経済を念頭において製造されるが、これは、安価なプラスチックのカートリッジを製造することと、所望の充填材で、通常充填材の各端部のフリットプラグでカラムの本体を充填して充填材を所定の位置に維持し、その後、端部片またはキャップで、たとえばこれらをカラム端部にねじ留めまたはスナップ留めすることによって、カラムの1つまたは複数の開口端部を閉じることによって容易に組み立てられるようにカラムを設計することとを含む。また、端部片は、たとえばスピン溶接または熱板溶接によってカラムに貼り付け、または溶接し得る。最近のフラッシュクロマトグラフィーでは、カートリッジが漏れないこと、および、慎重な取り扱いを必要とすることなく、この特性がプロセスにわたって維持されることが非常に求められる。合理的コストでの大量生産に好適で、なおかつ、十分な剛性を有し漏れない使い捨てカートリッジを提供するために、多大な努力がなされてきた。
【0005】
フラッシュクロマトグラフィー用の大多数のカートリッジは、閉じられた、前もって充填された製品として、エンドユーザに提供されている。しかしながら、特定の適用例の場合、サンプルを直接カラムに詰める、またはカラムを変更することが望ましい。これらの目的のために、いわゆるオープンカートリッジが提供される。典型的に、そのようなカートリッジには、実験室でエンドユーザによって搭載されるスクリューまたはスナップキャップが設けられる。オープンカートリッジは、最終的な搭載が完全にエンドユーザの管理下にあるため、分析の間に漏れが発生しないと保証することに関して、さらにいっそう難易度が高い。
【0006】
封止配置は、カラムの上面において中間に設けられたOリングなどを含むことが多く、この上面は、カラムの軸およびキャップの対応する面に垂直である。
【0007】
他の封止配置は、Oリングとして付加的な封止部材によるのではなく、封止機能が、キャップと胴体との一体部材によって提供される。そのような配置が、US7381327B2に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術のカートリッジの欠点を克服するフラッシュクロマトグラフィーのためのカートリッジ、および製造技術を提供することである。これは、請求項1に規定されているようなクロマトグラフィーカートリッジキット、請求項24に規定されているような胴体、請求項17に規定されているようなキャップ、および請求項9に規定されているようなクロマトグラフィーカートリッジアセンブリによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示されるクロマトグラフィーカートリッジキットは、少なくとも1つの端部において、Oリングなどの封止部材を利用してキャップで封止されるように配置された胴体を備える。胴体は、胴体の外側円筒面に配置されたねじ山と、胴体の端面で径方向に延在する胴体封止面と、胴体封止面に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部とを含む。キャップは、胴体のねじ山と噛合うねじ山をその内面に含む外側円筒部と、径方向延在上部と、外側円筒部を径方向延在上部と接合する中間部と、内側円筒部と、内側円筒部の外面と中間部の内面との間に設けられた封止ホルダーと、封止ホルダーと中間部の内面との間に配置されたキャップ封止面とを含む。封止部材は、封止ホルダー、中間部の内面、およびキャップ封止面によって形成された空間に設けられる。中間部はその内面に、胴体の胴体口部と接触するように配置された接触面を含み、キャップは胴体に搭載される。接触面は、カートリッジの中心に向かってせん断される胴体口部に力を加える。胴体口部と当接している接触面は、第1のカートリッジ封止を形成する。これに対して、胴体口部は封止部材に力を加える。この配置によって、封止部材は、少なくとも封止ホルダーの外側、キャップ封止面、および胴体口部の内側と接触し、キャップ封止面と胴体口部の内側とは、第2のカートリッジ封止を形成する。任意に、封止部材は胴体封止面とも接触している。
【0010】
本明細書で開示されるクロマトグラフィーカートリッジアセンブリは、少なくとも1つの端部においてOリングなどの封止部材を利用してキャップで封止される胴体を備える。胴体は、胴体の外側円筒面に配置されたねじ山と、胴体の端面で径方向に延在する胴体封止面と、胴体封止面に設けられ長手方向に延在する周方向胴体口部とを含む。キャップは、胴体のねじ山と噛合うねじ山をその内面に含む外側円筒部と、径方向延在上部と、外側円筒部を径方向延在上部と接合する中間部と、内側円筒部と、内側円筒部の外面と中間部の内面との間に設けられた封止ホルダーと、封止ホルダーと中間部の内面との間に配置されたキャップ封止面とを含む。封止部材は、封止ホルダー、中間部の内面、およびキャップ封止面によって形成された空間に設けられる。中間部は、その内面に接触面を含み、接触面は、カートリッジの中心に向かってせん断される胴体口部と接触し、これに力を加える。胴体口部に当接している接触面は、第1のカートリッジ封止を形成する。これに対して、胴体口部は封止部材に力を加える。この配置によって、封止部材は、少なくとも封止ホルダーの外側、キャップ封止面、および胴体口部の内側と接触し、第2のカートリッジ封止を形成する。任意に、封止部材は胴体封止面とも接触している。
【0011】
本発明の一実施形態によると、封止ホルダーは、径方向延在上部からキャップの開口端部に向かって長手方向に延在するフランジである。代替的に、封止ホルダーは、内側円筒部の厚い部分である。さらに他の実施形態では、内側円筒部の外面は、封止ホルダーを形成する。
【0012】
本発明の一実施形態によると、接触面が円錐形状を有しており、これは、長手方向断面において、接触面がカートリッジの中間軸と45°+/−20°の角度を有する直線であることを表す。
【0013】
本発明の他の実施形態によると、接触面は内側に凹状の形状を有し、長手方向断面において、接触面は内側に凹状で連続した曲面であり、曲面の接線は全て、カートリッジの中間軸と45°+/−20°の角度を形成する。
【0014】
本発明の一実施形態によると、長手方向断面において、キャップ封止面は、キャップの開口端部および接触面に向かう方向に開口した凹状曲面であり、キャップ封止面は連続した曲面である。
【0015】
本発明の一実施形態によると、胴体口部の外側または内側円筒面のうち少なくとも1つは傾斜しており、胴体口部の基部は、胴体口部の上部よりも広い。代替的に、胴体口部の外側または内側円筒面のうち少なくとも1つは湾曲している。
【0016】
本明細書で開示される封止配置によって、第1のカートリッジ封止、および少なくとも3つの面を含む第2のカートリッジ封止をもたらす封止機能が提供される。これによって、カートリッジを封止する際に高い安全性が与えられる。
【0017】
従来技術のカートリッジは、ねじ留め動作において完全停止するのが典型的であり、カートリッジが封止されるのは、停止またはその直前である。これと比較して、本発明に係るカートリッジは、どちらかというと滑らかな停止であり、キャップの胴体に対する長い回転のために確実な封止が実現される。好ましくは、キャップは、封止された第1の位置から、典型的にユーザがかけるトルクについて停止を表す第2の位置まで、90°以上回転可能である。長い回転距離のために確実な封止をもたらすことは、いわゆるオープンカートリッジにとっての主な利点を表す。なぜならこれによって、閉じる動作が、たとえばユーザの力および注意により影響を与えるものでなくなるからである。さらに、最終的な搭載において、キャップが胴体120に対してより正確に位置決め可能になるという点で、あらかじめ充填されたカートリッジの製造が容易になる。
【0018】
他の利点は、長い回転が長手方向の対応する距離を表し、柔軟性は、その方向に導入されるという点である。これは、フリット、フィルター、および胴体において設けられた他の部品の厚さのわずかな変化が吸収可能であること、ならびに、さらに堅い嵌合および/または異なる部品間の死容積の減少が実現されることを表す。
【0019】
以下では、添付の図面を参照して、本発明を、その非限定的な実施形態に関して、単なる一例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】胴体の一部とキャップとを示す模式断面図である。
【図1b】本発明の一実施形態に係る胴体とキャップとを示す拡大模式断面図である。
【図1c】本発明の一実施形態に係る胴体とキャップとを示す拡大模式断面図である。
【図1d】本発明の一実施形態に係る胴体とキャップとを示す拡大模式断面図である。
【図1e】本発明の一実施形態に係る胴体とキャップとを示す拡大模式断面図である。
【図1f】本発明の他の実施形態に係る胴体とキャップとを示す拡大断面図である。
【図2a】本発明に係る胴体とキャップとの実施形態を示す拡大断面図である。
【図2b】本発明に係る胴体とキャップとの実施形態を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る、閉じられたカートリッジの半透明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
背景の欄で説明したように、フラッシュクロマトグラフィーカートリッジは、閉じられた、あらかじめ充填された構成で、または開放したカートリッジとして流通している。開放したとは、典型的には、エンドユーザがカートリッジの上部筐体を開け、準備をした後で、カートリッジを再び閉じることができることを表す。あらかじめ充填されたカートリッジは、典型的には、胴体の底部を底部キャップで閉じることによって製造され、内装品を搭載し、上面キャップで閉じる。ほとんどの部品は、自動成形プロセスであらかじめ製造されていることが典型的である。製造は、2段階プロセスとして説明されるようにきわめて簡潔にすることができ、第1の段階では、プラスチック部品が製造され、第2の段階では、カートリッジが充填され封止される。第2の段階は、さまざまな末端用途、顧客要求などにさらに適合可能であることが典型的である。
【0022】
本発明に係るカートリッジ110が、図1a〜図1fに断面図で模式的に示されており、図1aは、キャップが胴体に搭載された状態のカートリッジの入口端部であり、図1b〜図1fは、カートリッジの封止部分の詳細図である。カートリッジ110は、キャップ140が一端部に搭載された胴体120を含むと説明される。これは、包括的な説明を与えるにすぎない。また、別個のユニットとしての胴体120およびキャップ140は、それら自体が進歩性を有する。さらに、カートリッジ110はキットとしてユーザに提供可能であることを理解されたく、キャップ140は胴体120に搭載されておらず、最終的な組み立てはエンドユーザによって行われる。図1aは、示されたカートリッジ中間軸について対称に、胴体120の入口とキャップ140とに近い部分を示す。典型的には円筒形のプラスチック管である胴体120は、出口を含む出口端部片(図示せず)が一端部に設けられている。他方で、入口端部では、胴体120には入口141を含むキャップ140が設けられている。また、キャップ140および胴体端部片は、通常胴体120と同じプラスチック材料であるプラスチック材料で形成されていることが典型的である。好適な材料は、ポリプロピレンなどの熱可塑性ポリマーである。出口端部片は、胴体120において完全に一体化可能である。当業者にとって理解されるように、フラッシュクロマトグラフィーのためのカートリッジは、さまざまな支持構造のみならず、入口および出口フリット、たとえばシリカなどのクロマトグラフィー媒材などの、カートリッジ内に含まれる複数の他の機能的な部品を含む。明確にするために、これらの特徴は図示されていない。同様に、カートリッジには、カートリッジをクロマトグラフィー装置上または装置内に搭載するための支持または搭載構造が設けられ得る。また、明確にするために、そのような外部構造は図示されない、または説明されない。
【0023】
図1a〜図1fに示されるように、キャップ140と係合する胴体120の入口端部には、胴体120の外側円筒面にその入口端部に隣接してねじ山123が設けられている。胴体120は胴体封止面125で終端し、胴体封止面125は、カートリッジ中間軸に垂直な面にあることが典型的であり、好ましい。代替的に、胴体封止面125は、カートリッジ中間軸に対して+/−45°の範囲で傾斜し得る。胴体封止面125は、図示されるように実質的に平面でもよいが、代替的に湾曲していてもよい、たとえば、封止部材を収容するために凹状に湾曲していてもよい。胴体封止面125には、実質的に胴体の長手方向に延在する周方向口部127が設けられている。口部127の長さ、胴体封止面125上の位置、および胴体封止面125の幅は、封止部材130、たとえばOリングが口部127の内側に収容可能で、胴体封止面125上で少なくとも部分的に静止可能な大きさである必要がある。口部127は、胴体120の内面よりも外面に近接して位置することが好ましい。口部127の外面は、胴体120の外面と同じ高さでもよいが、代替的に、ある距離だけ後退していてもよい。胴体口部127は、カートリッジのサイズだけでなく選択される封止部材130とも作用するような大きさにする必要がある。カートリッジの通常のサイズ、すなわち、5〜400グラム(媒体重量)の場合、約2〜15mmの胴体口部127の高さと、0.5〜1.5mmの幅とが好適である。
【0024】
図1bに模式的に示すキャップ140は、胴体を受けるための開口端部および反対側の端部を有し、反対側の端部は、カートリッジをクロマトグラフィー装置に典型的にはホースで接続するための入口141から離れて閉じられている。キャップ140は、外側円筒部142と、入口141が設けられた径方向延在上部147と、外側円筒部142と径方向延在上部147とを接合する中間部144と、内側円筒部145とを含む。内側円筒部142は、キャップ140の開口端部に向かう方向に径方向延在上部147から離れて延在する。ねじ山143が、外側円筒部142の内面に設けられており、胴体のねじ山123と係合するように設計されている。胴体120の一部を受けるためのキャップ140の内部空間は、円筒部142、径方向延在上部147、中間部144および内側円筒部145によって形成される。封止ホルダー148は、内側円筒部145の外面と中間部144の内面との間に設けられている。封止ホルダー148と中間部144との間に配置され、かつ、略径方向に延在しているのは、キャップ封止面149である。中間部144の内面は、少なくとも部分的に封止ホルダー148および/または内側円筒部145に面する接触面150を含む。接触面150は、胴体口部127と係合し、かつ、キャップ140が完全に胴体127に搭載された状態で胴体口部127が内向きにせん断されるように胴体口部127に構成要素で内側径方向に力を加えるように、設計されている。搭載されている間、胴体口部127は、図1c〜図1fでAで示される第1の位置において、接触面150と最初に接触する。ねじ留め動作中にキャップ140が胴体120の端部に近接するように移動する状態で、接触面150は、最終的な位置Bに到達するまで、胴体口部を内側方向に向かわせる。Bの正確な位置は、キャップ140が胴体120にねじ留めされる距離によって決まり、これは典型的には、キャップ140にかけられるトルクによって決まる。適切な位置および/またはトルクは、特定のカートリッジサイズについて規定されることが典型的であり、その情報がエンドユーザに伝達される。接触面150は、少なくともAとBとの間の領域内で、円錐形状を有する、または内側に凹状の形状を有する必要がある。これは、カートリッジ110の長手方向断面において接触面150が直線である、または内側に凹状の連続した曲面を形成する必要があるということに対応する。図1eに模式的に示される一実施形態によると、接触面150の断面は、中間軸に45°+/−30°の角度を有する直線である。図1fに模式的に示される代替的な実施形態によると、接触面150の断面は、内側に凹状の連続した曲面であり、曲面の接線は全て、中間軸に45°+/−30°の角度を形成する。また、図1fは、キャップ封止面149が曲面、たとえばキャップ140の開口端部に向かう方向に開口する凹状曲面を有し得ることを示す。接触面150とキャップ封止面149との間のつなぎ部分は、丸みを帯びている、すなわち、断面図で連続した曲面を形成することが好ましい。
【0025】
キャップ封止面149と封止ホルダー148とは、封止部材130を収容するように配置されている。好ましくは、封止部材130には、たとえば、封止部材が封止ホルダー148の周囲で維持されるように、封止部材130を封止ホルダー148の直径よりもわずかに小さい直径を有する緩められた状態にすることによって、キャップ140が設けられている。代替的に、封止部材130は、キャップ140に貼り付けられてもよい、または、中間部144の内面に対して押圧するような大きさでもよい。代替的に、または封止部材130の固定をさらに確保するために、封止ホルダーには、封止部材130の下方に周方向凸部または複数の局所凸部が設けられてもよい。他の代替案では、封止部材130に胴体120が設けられ、たとえば、口部127の内面に対してわずかに押圧して所定の位置に保たれるような大きさになっている。
【0026】
一実施形態によると、封止ホルダーは、図1a〜図1cに示されるように、径方向延在上部147からキャップ140の開口端部に向かって長手方向に延在するフランジ148aである。他の実施形態によると、封止ホルダー148は、図2aに示されるような内側円筒部145の厚い部分148bである。小さなサイズのカートリッジのために用いられることが典型的であり得る、図2bに模式的に示されるさらに他の実施形態によると、内側円筒部145の外面は封止ホルダー148cとして作用し、そのため、内側円筒部145において一体化されることが分かる。
【0027】
キャップ140が完全に胴体120にねじ留めされた状態で、図1cに示すように、キャップ140の接触面150が胴体120の口部127と接触しており、口部127の一部は、カートリッジ110の中心に向かって変位されている。口部127の変位された位置は、図1e〜図1fに破線で示されている。接触面150は、その反対側の端部で胴体封止面125に固定されるとせん断される胴体口部127の外面に当接する。胴体口部127に当接している接触面150は、第1のカートリッジ封止を形成する。口部127は、封止部材130に作用し、封止機能の一部である封止部材130のわずかな変形に寄与する。封止部材130は少なくとも3つの面、口部127、キャップ封止面149、封止ホルダー148の外面に、および任意に、胴体封止面125に接触し、かつ、これらに対して封止する。キャップ封止面149と相互作用している封止部材130、封止ホルダー148の外面、および任意に125は、第2のカートリッジ封止を形成する。封止ホルダー148は、封止部材130によって提供される封止機能を危うくすることがあるので、胴体120と接触してはならない。
【0028】
封止部材130はOリングでもよいが、他の形状も、他の関係する部品、たとえば、楕円形または矩形断面を有する封止部材の若干の修正と作用する。封止部材130の好適な材料は、ゴム、シリコーン、ニトリルまたはEPDMなどの、封止用途に通常用いられる材料である。
【0029】
胴体口部127は、例示的な目的のために、矩形断面を有すると示されている。たとえば、軸方向の剛健性と内向きの柔軟性の例の好適な組合せを提供するために、口部127は、矩形でない断面を有してもよい。図1gに模式的に示される一実施形態によると、胴体口部127は、胴体口部(127)がその上部よりも基部でより広くなるように傾斜した少なくとも1つの面127bを有する。傾斜面127bは、胴体120の内面と同じ高さでもよい。その場合、傾斜面127bも胴体封止面125を形成する。代替的に、傾斜面127bは、胴体封止面125が傾斜面127bと胴体120の内面との間で形成されるように、胴体120の内面から距離をあけて後退している。図1hに模式的に示される他の実施形態によると、胴体口部127は、胴体口部(127)がその上部よりも基部でより広くなるように湾曲した少なくとも1つの面127cを有する。曲面127cは、胴体の内面と合流してもよく、たとえば、面の合流点を変曲点とみなすことができるように斜めに切られていてもよい。この場合、曲面127cも、胴体封止面125を形成する。代替的に、曲面127cは、胴体封止面125が露出されるように、胴体120の内面から距離をあけて後退している。口部127の外面も、傾斜または湾曲してもよい(図示せず)。
【0030】
第1のカートリッジ封止と、少なくとも3つの面との接触を提供する第2のカートリッジ封止とを含む封止機能は、カートリッジの封止において高い安全性をもたらす。従来技術のカートリッジは、ねじ留め動作において完全停止するのが典型的であり、カートリッジが封止されるのは、停止またはその直前である。これと比較して、本発明に係るカートリッジは、どちらかというと滑らかな停止であり、長い回転のために確実な封止が実現される。好ましくは、キャップ140は、封止された第1の位置から、ユーザがキャップ140にかけることが典型的であるトルクについての停止を表す第2の位置に、90°以上回転可能である。長い回転のために確実に封止を提供することは、いわゆるオープンカートリッジにとって重要である。なぜなら、これによって、閉じる動作が、たとえばユーザの力および注意にとってより影響を与えなくなるからである。さらに、長い回転は、長手方向の対応する距離を表し、柔軟性がこの方向に導入される。これは、フリット、フィルター、および胴体において設けられた他の部分の厚さのわずかな変化を吸収可能であること、ならびに、さらに堅い嵌合および/または異なる部品間の死容積の減少が実現されることを表す。さらに、胴体120に対するキャップ140の位置をカートリッジ110の最終的な封止においてより正確にできるという点で、あらかじめ充填されたカートリッジの製造を容易にする。
【0031】
本発明の一実施形態によると、カートリッジ310は、閉じられた、あらかじめ充填されたカートリッジである。
【0032】
図3に模式的に示される他の実施形態によると、胴体320およびキャップ340には、図1〜図3を参照して説明される封止手段との噛合わせが設けられる。ねじ山323が、時計回りねじ留め方向を提供する、通常の右回りのねじ山であることが好ましい。胴体320の入口端部からの方向におけるねじ山323の下方には、少なくとも1つの凸部324が設けられている。凸部324は、好ましくは胴体320の面から0.5〜5mmの高さで、実質的に外側径方向に胴体320の外面から延在する。胴体320の凸部324は、機械的な接続を形成するためにキャップ340のフランジ344に設けられた、後で製造される係止部材346と相互作用するように適合されている。機械的な接続は、カートリッジが最終的に組立てられ、そしてキャップ340の係止部材346が設けられた後で、キャップ340が緩むことを防ぐ。係止部材346はたとえば、本発明の異なる実施形態を示す、くぼみ、フランジ344の溶融した構造、またはフランジ344に加えられた材料である。以下では、くぼみを例示的な例として用いる。
【0033】
以下でさらに説明するように、凸部324は、胴体320にキャップ340の係止機能を提供するために、キャップ340内の係止部材と相互作用する必要がある。凸部324の設計は、キャップ340の係止部材との相互作用が安全な係止を保証するものである限り、比較的自由に変更可能である。一実施形態によると、ねじ留め方向と反対の方向に向かい合う凸部の側面は、胴体320の外面に実質的に垂直である。一実施形態によると、凸部は、ねじ留め方向と反対側の方向に向かい合う平面を含み、かぎ形状設計を形成するように、90°よりも小さい、胴体320の外面に対する角度を形成する。
【0034】
キャップ340は、カートリッジ310の入口部分を形成する入口341が設けられた閉鎖端部と、胴体320を受けるための開口端部とを有する。キャップ340には、胴体320のねじ山323と噛合う雌ねじが設けられている。キャップ140の入口端部から見えるように、キャップ340のねじ山343の下方にキャップ340の開口端部に隣接して配置されているのは、円筒形のフランジ344であり、これは、キャップ340の開口端部においてキャップ340を終端する。フランジ344の内径は、胴体320の1つまたは複数の凸部324を、これらの凸部324と接触または軽く接触することなく収容することができるようなものである。最大で約数ミリメートルの、凸部324とフランジ344の内面345との間の遊びが許容範囲である。フランジ344は、連続面を有することが好ましいが、切り欠きを有していてもよい。収容されたとは、各凸部324がフランジ部分によって覆われることであると理解されるべきである。
【0035】
キャップ340のフランジ344には、キャップ340のフランジ344の内側円筒面から実質的に径方向内側に延在する、少なくとも1つの後で製造される係止部材346が設けられている。本発明の一実施形態によると、係止部材346はくぼみである。くぼみ346は、遊びが設けられている場合は、この遊びを実質的に超える、内面346からの距離をあけて延在する。凸部324とくぼみ346との間の径方向の重なりは、凸部324が胴体320の外面から延在する長さの少なくとも3分の1を超えることが好ましい。
【0036】
くぼみ346がねじ留め方向に凸部324の後でまたはこれと隣接するように、くぼみ346は、凸部324に対して位置決めされる必要がある。くぼみ346は凸部324と当接することが好ましい。これによって、キャップ340の係止が安全になり、胴体320から緩むことはなく、ユーザがキャップ140を胴体320から緩めようとする場合、遊びは存在しない。
【0037】
「後で製造されるくぼみ」という用語は、係止部材、たとえば、くぼみ346があらかじめ製造されたカートリッジ310の最終的な組立てと関連して設けられているということを示すために用いられ、キャップ340が胴体320にねじ留めされた後に、たとえば成形プロセスによって与えられる構造ではない。くぼみ324は、フランジ344の外面を、あらかじめ充填されたカートリッジ310を完成する際に最後のステップまたは最後のステップのうち1つのステップにおいて、所定の衝撃および穿孔深さでパンチを用いて穿孔することによってフランジに設けられていることが典型的であり、かつ、好ましい。穿孔によって、フランジ344の局所的な塑性変形、すなわち、非可逆変形が生じることが典型的である。本発明の一実施形態によると、くぼみ346は、塑性変形した少なくとも1つの部分を含む。
【0038】
凸部324に対するくぼみ346の位置はさらに、カートリッジが漏れないように封止手段が係合されることを保証するような態様に関する。本発明に係る封止配置は、キャップ140と胴体120との間の相対位置に約90°の自由度をもたらす。これによって、穿孔動作が容易になる。
【0039】
カートリッジ110/310は、キャップ140/340および胴体120/320がねじ山で接合されている状態であると説明された。「ねじ」はここでは、ねじれまたはねじ留め動作を利用するあらゆる種類の接合機構、たとえば、差込み接合を含むと解釈されるべきである。
【0040】
キャップをクロマトグラフィーカートリッジの入口端部に、一体的な端部片をその出口端部に有することは、フラッシュクロマトグラフィーにおける一般的なバージョンを表す。他の選択肢、たとえば、上述の係止機構を両方とも利用する胴体の両方の端部にキャップを有することが想定される。代替的に、キャップが、カートリッジの出口端部にのみ設けられ、キャップに係止機構が設けられている。当業者であれば、本明細書の教示を考慮して、本発明に係る機能に異なる部分を適合する方法が分かるであろう。
【0041】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。さまざまな代替、修正、および同等物を用いることができる。したがって、上述の実施形態は、発明の範囲を制限すると理解されるべきではなく、添付の請求項によって定義される。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【国際調査報告】