(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500519
(43)【公表日】20210107
(54)【発明の名称】統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/24 20060101AFI20201204BHJP
   F04B 11/00 20060101ALN20201204BHJP
【FI】
   !F15B1/24
   !F04B11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】2020542527
(86)(22)【出願日】20180521
(85)【翻訳文提出日】20200422
(86)【国際出願番号】US2018033684
(87)【国際公開番号】WO2019083564
(87)【国際公開日】20190502
(31)【優先権主張番号】15/792,971
(32)【優先日】20171025
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02451−1449 ウォルサム ウィンター ストリート 870
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,カーク エー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 75229 テキサス州 ダラス ロイヤル・レーン 4476
【テーマコード(参考)】
3H075
3H086
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075AA18
3H075BB30
3H075CC03
3H075DA04
3H086AA30
3H086AD16
3H086AD17
3H086AD43
3H086AD58
(57)【要約】
装置は、各々が流体を受け入れるように構成された複数の流体膨張ボリュームを有するブートストラップアキュムレータを含む。ブートストラップアキュムレータは、また、流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて流体膨張ボリュームの中を移動するように構成されたピストンアセンブリを含む。ピストンアセンブリは、(i)流体膨張ボリュームを結合する流体経路、および(ii)流体経路を選択的に開き又は閉じるように構成されたバイパスバルブを含む。ピストンアセンブリは、また、複数のピストン、および、ピストンを接続する接続ロッドも含み得る。流体経路は、接続ロッドの第1部分を通る狭い経路、および、接続ロッドの第2部分を通る広い経路を含み得る。バイパスバルブは、ボール、および、接続ロッドの第1部分を通る狭い経路をブロックするため、ボールを押すように構成されたスプリングを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体膨張ボリュームを有するブートストラップアキュムレータを含む装置であって、
前記流体膨張ボリュームそれぞれは流体を受け入れるように構成されており、
前記ブートストラップアキュムレータは、また、前記流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、前記流体膨張ボリュームの中を移動するように構成されたピストンアセンブリを有し、
前記ピストンアセンブリは、(i)前記流体膨張ボリュームを結合する流体経路、および、(ii)前記流体経路を選択的に開き、または、閉じるように構成されたバイパスバルブ、を含む、
装置。
【請求項2】
前記ピストンアセンブリは、さらに、
前記流体膨張ボリュームの中で移動するように構成された複数のピストンと、
前記ピストンを接続する接続ロッドと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体経路は、前記ピストンおよび前記接続ロッドを通過しており、かつ、
前記接続ロッドの中にバイパスバルブの少なくとも一部が配置されている、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体経路は、前記接続ロッドの第1部分を通る、より狭い経路、および、前記接続ロッドの第2部分を通る、より広い経路を含み、
前記バイパスバルブの少なくとも一部は、前記接続ロッドの第2部分を通る前記より広い経路の中に配置されており、かつ、
前記バイパスバルブは、(i)ボール、および、(ii)前記ボールを押して、前記接続ロッドの第1部分を通る前記より狭い経路をブロックするように構成されたスプリング、を含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つを画定する本体と、
前記本体に結合または統合された接続アセンブリであり、別の流体膨張ボリュームを画定する、接続アセンブリと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記本体は、周囲空気が、前記ピストンアセンブリのピストン間の空間に流入および流出できるように構成されたベント開口部を含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、複数の接続アセンブリを含み、
各接続アセンブリは、1つまたはそれ以上の流体ラインに接続するように構成された1つまたはそれ以上の流体コネクタを含んでいる、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つを画定する本体であり、かつ、その中に前記ピストンアセンブリの少なくとも一部が配置されている、本体と、
前記本体の中で前記ピストンアセンブリの場所を特定するように構成されたゲージであり、前記本体の開口部を通過するように構成されている、ゲージと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
システムであって、
入力流体ラインおよび出力流体ラインに接続されるように構成されたポンプであり、前記ポンプは、また、前記入力流体ラインを通じて流体を受け入れ、かつ、前記出力流体ラインを通じて流体を供給するように構成されている、ポンプと、
前記入力流体ラインおよび前記出力流体ラインに接続されるように構成されたブートストラップアキュムレータであり、
前記流体ラインのうち異なる流体ラインから流体を受け入れるように構成された複数の流体膨張ボリュームと、
前記流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、前記流体膨張ボリュームの中を移動するように構成されたピストンアセンブリと、を含む、
ブートストラップアキュムレータと、を含み、
前記ピストンアセンブリは、(i)前記流体膨張ボリュームを結合する流体経路、および、(ii)前記流体経路を選択的に開き、または、閉じるように構成されたバイパスバルブ、を含む、
システム。
【請求項10】
前記ピストンアセンブリは、さらに、
前記流体膨張ボリュームの中で移動するように構成された複数のピストンと、
前記ピストンを接続する接続ロッドと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記流体経路は、前記ピストンおよび前記接続ロッドを通過しており、かつ、
前記接続ロッドの中にバイパスバルブの少なくとも一部が配置されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記流体経路は、前記接続ロッドの第1部分を通る、より狭い経路、および、前記接続ロッドの第2部分を通る、より広い経路を含み、
前記バイパスバルブの少なくとも一部は、前記接続ロッドの第2部分を通る前記より広い経路の中に配置されており、かつ、
前記バイパスバルブは、(i)ボール、および、(ii)前記ボールを押して、前記接続ロッドの第1部分を通る前記より狭い経路をブロックするように構成されたスプリング、を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つを画定する本体と、
前記本体に結合または統合された接続アセンブリであり、別の流体膨張ボリュームを画定する、接続アセンブリと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記本体は、周囲空気が、前記ピストンアセンブリのピストン間の空間に流入および流出できるように構成されたベント開口部を含む、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つを画定する本体であり、かつ、その中に前記ピストンアセンブリの少なくとも一部が配置されている、本体と、
前記本体の中で前記ピストンアセンブリの場所を特定するように構成されたゲージであり、前記本体の開口部を通過するように構成されている、ゲージと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、さらに、
前記流体から熱を除去するように構成された熱交換器と、
前記ブートストラップアキュムレータまたは前記熱交換器に向けて前記流体を選択的に方向付けるように構成されたバルブと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
ブートストラップアキュムレータの複数の流体膨張ボリュームにおいて流体を受け入れるステップと、
前記流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、前記流体膨張ボリュームの中でピストンアセンブリが移動するステップと、
前記流体膨張ボリュームのうち一方または両方に関連する圧力閾値が満足されたことに応じて、前記ピストンアセンブリ内のバイパスバルブを使用して、前記流体膨張ボリュームを結合する流体経路を開くステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記圧力閾値が、パージングの最中に満足され、かつ、
前記方法は、さらに、
前記パージングの最中に前記ブートストラップアキュムレータ内の空気を除去するステップ、を含む。
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力閾値が、過圧状態の最中に満足され、かつ、
前記方法は、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つにおける過剰圧力を解放するステップ、を含む。
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ピストンアセンブリは、さらに、
前記流体膨張ボリュームの中で移動するように構成された複数のピストンと、
前記ピストンを接続する接続ロッド、を含み、
前記ブートストラップアキュムレータは、さらに、
前記流体膨張ボリュームのうち1つを画定する本体であり、かつ、その中に前記ピストンアセンブリの少なくとも一部が配置されている、本体、を含み、
前記方法は、さらに、
前記本体におけるベント開口部を使用して、周囲空気が、前記ピストン間の空間に流入および流出できるようするステップ、を含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明開示は、一般的に、ブートストラップアキュムレータに関する。より特定的に、本発明開示は、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプが適切に又は効率的に機能するためには、ポンプの入力における圧力が、しばしば、最小閾値以上である必要がある。例えば、最小閾値を下回る入力圧力において、ポンプはキャビテーション(cavitation)を経験することがあり、これはポンプの動作容量(operating capacity)を減少させてしまう。このことは、ポンプされる(pumped)流体が、システム内に(理想的に)閉じ込められ、かつ、逃げ出すことできない、クローズドシステム(closed system)において特に問題となり得る。クローズドシステムにおいて、温度変化は、ポンプされる流体によって占有される空間の量に影響し得る。その結果として、温度に基づく圧力変動(temperature-based pressure variations)が、クローズドシステムの中でポンプに供給される流体を、ポンプの最小閾値を下回るようにドロップさせる可能性がある。
【0003】
ブートストラップアキュムレータ(ブートストラップリザーバとしても知られているもの)は、圧力の変動(fluctuation)を補償するために、様々なシステムで使用することができる。例えば、ブートストラップアキュムレータは、ポンプの高圧側および低圧側に対して結合され得るものであり、そして、変化する量の低圧および高圧流体が、ブートストラップアキュムレータの中のボリュームに流入り、かつ、流出することができる。とりわけ、ブートストラップアキュムレータは、バルクの平均的なシステム(bulk average system)の流体温度変動によって引き起こされる、ポンプされた流体のボリューム変化を補償するために役立つものである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを提供する。
【0005】
第1実施形態において、装置は、それぞれが流体を受け入れるように構成されている複数の流体膨張ボリュームを有するブートストラップアキュムレータを含む。ブートストラップアキュムレータは、また、流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、流体膨張ボリュームの中を移動するように構成されたピストンアセンブリを有する。ピストンアセンブリは、(i)流体膨張ボリュームを結合する流体経路、および、(ii)流体経路を選択的に開き(open)、または、閉じる(block)ように構成されたバイパスバルブを含む。
【0006】
第2実施形態において、システムは、入力流体ライン(input fluid line)および出力流体ライン(output fluid line)に接続されるように構成されたポンプを含む。ポンプは、また、入力流体ラインを通じて流体を受け入れ、かつ、出力流体ラインを通じて流体を供給するように構成されている。システムは、また、入力流体ラインおよび出力流体ラインに接続されるように構成されたブートストラップアキュムレータを含む。ブートストラップアキュムレータは、流体ラインのうち異なるものから流体を受け入れるように構成された複数の流体膨張ボリュームを含む。ブートストラップアキュムレータは、また、流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、流体膨張ボリュームの中を移動するように構成されたピストンアセンブリを含む。ピストンアセンブリは、(i)流体膨張ボリュームを結合する流体経路、および、(ii)流体経路を選択的に開き、または、閉じるように構成されたバイパスバルブを含む。
【0007】
第3実施形態において、方法は、ブートストラップアキュムレータの複数の流体膨張ボリュームにおいて流体を受け入れるステップを含む。本方法は、また、流体膨張ボリュームの中の圧力に基づいて、流体膨張ボリュームの中でピストンアセンブリが移動するステップを含む。本方法は、さらに、流体膨張ボリュームのうち一方または両方に関連する圧力閾値が満足されたことに応じて、ピストンアセンブリ内のバイパスバルブを使用して、流体膨張ボリュームを結合する流体経路を開くステップを含む。
【0008】
他の技術的特徴が、以下の図面、説明、および請求項から、当業者にとって容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて、以下の説明について参照がなされる。
【図1】図1は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータの一つの例を示している。
【図2】図2は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータの一つの例を示している。
【図3】図3は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータに係る使用例を示している。
【図4】図4は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータに係る使用例を示している。
【図5】図5は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータに係る使用例を示している。
【図6】図6は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータに係る使用例を示している。
【図7】図7は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを有する一つの例示的なシステムを示している。
【図8】図8は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを使用するための一つの例示的な方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明される図1から図8、および、この特許文献において本発明の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、単に例示のためのものであり、そして、どのようにしても本発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の原理は、任意のタイプの適切に構成された装置またはシステムにおいて実施され得ることを理解するだろう。
【0011】
上述のように、ブートストラップアキュムレータは、温度変動によって生じる圧力変動といった、圧力変動を補償するために様々なシステムにおいて使用されている。残念ながら、ポンプされた流体を使用するクローズドシステムは、しばしば、流体からのコンタミネーション(contaminations)を除去するためのフィルタを含んでおり、そして、フィルタの目詰まり(clogging)が、特にはコンパクトにパッケージされたクローズドシステムにおいて、ポンプ内に過剰な圧力または過大な流れ(over-current)状態を生じさせる可能性がある。また、システムの適切な又は効率的な動作を確実にするために、空気が、しばしば、クローズドシステムからパージングされる(purged)必要がある。特には、ブートストラップアキュムレータからのものである(システム内に顕著な流体流れ(fluid flow)がなくても最大ボリュームを示し得る)。
【0012】
いくつかのブートストラップアキュムレータは、外部の過圧(over-pressure)メカニズムと共に動作することができるが、このことは、システム全体のサイズ、重量、およびコストを増加させてしまう。他のブートストラップアキュムレータは、過圧バルブと共に動作することができるが、パージングを支援する(support)メカニズムを欠いている。さらに他のブートストラップアキュムレータは、周囲雰囲気(ambient atmosphere)に対して排出(vent)する過圧メカニズムを使用することができるが、クローズドシステムにおいては使用できないことを意味している。
【0013】
この開示に従った、ブートストラップアキュムレータは、統合されたバイパスバルブを含んでいる。例えば、ブートストラップアキュムレータは、高圧流体と低圧流体とを分離するピストンアセンブリを含んでおり、そして、ピストンアセンブリは、バイパスバルブを含むことができる。バイパスバルブは、ブートストラップアキュムレータの高圧側と低圧側との間の流体経路(fluid pathway)を選択的に開き、または、閉じる。流体経路は、過圧リリーフ(over-pressure relief)、急速空気パージング(rapid air purging)、または他の機能のために使用することができる。
【0014】
このようにして、ブートストラップアキュムレータにおいて、外部コンポーネントの使用を必要とすることなく、過圧リリーフおよび空気パージングを実行することができる。さらに、バイパスバルブがブートストラップアキュムレータの中へ統合されているので、ブートストラップアキュムレータを外部の過圧機構(over-pressure mechanism)に対して接続するために追加の配管(plumbing)またはボリュームが必要とされない。これらのファクタは、システム全体のサイズ、重量、およびコストを低減するために役立つ。加えて、バイパスバルブは、周囲雰囲気へ過圧(over-pressure)を放出しないことにより、ブートストラップアキュムレータがクローズドシステムにおいて使用されるのを可能にしている。
【0015】
用語「高い(“high”)」および「低い(“low”)」は、以下の説明において、異なる圧力、温度、または他の値を参照するように繰り返し使用されていることに留意する。これらの用語は、特定の値または値の範囲を意味するものではない。代わりに、これらの用語は、単に、異なる圧力、温度、または、他の値の間を区別するためだけに使用されている。例えば、1つのアプリケーションにおいて高い圧力は、別のアプリケーションにおいては低いとみなされ得るものであり、そして、1つのアプリケーションにおいて低い圧力は、別のアプリケーションにおいては高いとみなされ得る。圧力、温度、または他の値の高低についての特定の値は、従って、必要に応じて又は所望により変化し得るものである。以下の説明における「高圧流体(“high-pressure fluid”)」および「低圧流体(“low-pressure fluid”)」も、また、より大きなシステムの中の同じ流体を参照することができる。ここで、流体は、システムの中の異なる場所(locations)において異なる圧力をしている。
【0016】
図1および図2は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータ100の一つの例を示している。図1および図2に示されるように、ブートストラップアキュムレータ100は、主アキュムレータ本体(main accumulator body)102を含む。それはハウジングを形成し、その中に又はそれに対してブートストラップアキュムレータ100の他のコンポーネントが配置され、または、取り付けられている。本体102は、また、その中に低圧流体が流入し、かつ、流出できる、流体膨張ボリューム(fluid expansion volume)も画定している。本体102は、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から形成され得る。本体102は、また、任意の適切な方法で形成され得る。加えて、本体102は、ここにおいて概して円筒形であるとして示されているが、本体102は、任意の適切なサイズ、形状、および、寸法を有し得る。
【0017】
ブートストラップアキュムレータ100は、また、本体102の一方の端部に結合され、または、統合された高圧接続アセンブリ104も含んでおり、そして、接続アセンブリ104は、1つまたはそれ以上の流体コネクタ106a−106bに結合されている。この例においては、2つの流体コネクタ106a−106bが存在しており、そこでは、高圧流体が流体コネクタ106a−106bのうち1つを通じて接続アセンブリ104の中へ入り、そして、別の流体コネクタ106a−106bを通じて接続アセンブリ104から出ることができる。しかしながら、高圧流体は、また、単一の流体コネクタを通じて接続アセンブリ104へ流入、流出することもできる。接続アセンブリ104は、また、接続アセンブリ104の内側で流体膨張ボリュームを画定し、高圧流体がその中へ流入、流出することができる。高圧接続アセンブリ104は、接続アセンブリ104が上昇した流体圧力に耐えることを可能にする、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から形成され得る。接続アセンブリ104は、また、任意の適切な方法でも形成され得る。加えて、接続アセンブリ104が、ここにおいては概して円筒状であるとして示されているが、接続アセンブリ104は、任意の適切なサイズ、形状、および、寸法を有し得る。接続アセンブリ104は、また、本体102と一体に形成され得ることにも留意する。流体コネクタ106a−106bそれぞれは、流体を輸送するチューブ、パイプ、または他の構造に対して結合するために任意の好適な構造を含んでいる。
【0018】
ブートストラップアキュムレータ100は、さらに、本体102の別の端部に結合されたカバー108を含んでいる。カバー108により、ブートストラップアキュムレータ100の他のコンポーネントを、ブートストラップアキュムレータ100の内部へと挿入することができる。カバー108は、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から形成され得る。カバー108は、また、任意の適切な方法でも形成され得る。加えて、カバー108は、ここにおいて概して円形であるとして示されているが、カバー108は、本体102と概ね一致するように任意の適切なサイズ、形状、および、寸法を有し得る。カバー108の周囲および本体102からの流体の漏れを防止するために、シール110を使用することができる。シール110は、ゴムまたは他のOリング材料といった、流体の漏れを防止するための任意の適切な構造を含んでいる。シール110は、ここにおいて、円形の断面を有するように示されているが、シール110は、正方形、長方形、または他の多角形の形状といった、あらゆる他の適切な断面形状を有し得ることに留意する。
【0019】
ブートストラップアキュムレータ100は、また、カバー108に結合または統合された低圧接続アセンブリ112を含んでおり、そして、接続アセンブリ112は、1つまたはそれ以上の流体コネクタ114a−114bに結合されている。この例においては、2つの流体コネクタ114a−114bが存在しており、そこで、低圧流体が、流体コネクタ114a−114bのうち1つを通じて接続アセンブリ112の中へ流入し、そして、別の流体コネクタ114a−114bを通じて接続アセンブリ112から流出することができる。しかしながら、低圧流体は、また、単一の流体コネクタを通じて接続アセンブリ112に流入および流出することもできる。低圧接続アセンブリ112は、また、低圧流体が本体102の中に画定された流体膨張ボリュームへと流入および流出できるように、本体102に対して流体的に接続されている。低圧接続アセンブリ112は、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から形成され得る。接続アセンブリ112は、また、任意の適切な方法で形成され得る。加えて、接続アセンブリ112は、ここにおいては概して多角形であるとして示されているが、接続アセンブリ112は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有し得る。接続アセンブリ112は、また、カバー108と一体に形成され得ることにも留意する。流体コネクタ114a−114bそれぞれは、流体を輸送するチューブ、パイプ、または他の構造に対して結合するために任意の好適な構造を含んでいる。
【0020】
ピストンアセンブリ116は、ブートストラップアキュムレータ100の中に配置されており、そして、動作中は、本体102および高圧接続アセンブリ104の流体膨張ボリュームの中で前後(back and forth)に移動する。ピストンアセンブリ116は、高圧ピストン118、低圧ピストン120、および接続ロッド122を含んでいる。高圧ピストン118は、高圧接続アセンブリ104の内側に嵌合して、その中を移動する。そして、低圧ピストン120は、本体102の内側に嵌合して、その中を移動する。従って、ピストン118および20は、ブートストラップアキュムレータ100の中の流体膨張ボリュームの量を変化させることができる。高圧流体および低圧流体によって、それぞれに占有されるボリュームである。
【0021】
各ピストン118および120は、ブートストラップアキュムレータの本体または他のコンポーネントの中を移動するように構成された任意の適切な構造を含んでいる。各ピストン118および120は、また、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。各ピストン118および120は、ここにおいては概して円形であるとして示されているが、各ピストン118および120は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有し得ることに留意する。シール124および126は、それぞれに、ピストン118および120の周囲、および、ブートストラップアキュムレータ100からの流体の漏れを防止するために使用することができる。各シール124および126は、ゴムまたは他のOリング材料といった、流体漏れを防止するための任意の適切な構造を含んでいる。各シール124および126は、ここでは円形の断面を有するように示されているが、各シール124および126は、正方形、長方形、または他の多角形状といった、あらゆる他の適切な断面形状を有し得ることに留意する。
【0022】
接続ロッド122は、ピストンが一体に動くように、ピストン118および120を接続している。ピストン118が内側(inward)に(図1の左から右へ)移動すると、ピストン120は外側(outward)に移動し、ブートストラップアキュムレータ100の中で高圧流体のための空間を拡大し、そして、低圧流体のための空間を減少させる。逆に、ピストン120が内側に(図1の右から左へ)に移動すると、ピストン118は外側に移動し、ブートストラップアキュムレータ100の中で低圧流体のための空間を拡大し、そして、高圧流体のための空間を減少させる。接続ロッド122は、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。接続ロッド122が、ここにおいては概して円筒状であるとして示されているが、接続ロッド122は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有し得る。
【0023】
接続ロッド122がピストン118および120を接続するので、ピストン118および120の表面積(surface areas)は、ピストンアセンブリ116が圧力に応答してどのように移動するかに影響する。高圧ピストン118はより小さく、そして、低圧ピストン120はより大きい。これにより、より少ない量の高圧流体は、低圧ピストン120に対するより多い量の低圧流体として、高圧ピストン118に対して同等量の力を適用することができる。ピストン118および120の表面積は、従って、ブートストラップアキュムレータ100において所望の機能を提供するように選択され得る。いくつかの実施形態において、高圧ピストン118は、流体膨張収容能力(capacity)を最大化するために可能な限り小さいサイズにされており、一方で、依然として、ポンプの入口に対して大気圧以上の満足な圧力増幅を提供している。
【0024】
この例におけるピストンアセンブリ116は、また、ピストン摩耗ガイド(wear guide)128も含んでいる。ガイド128は、接続ロッド122の端部または近傍のノッチ内といった、接続ロッド122の周囲に嵌合している。ガイド128は、高圧ピストン118が高圧接続アセンブリ104の内壁と接触するのを低減または防止するのに役立つように、高圧ピストン118および接続ロッド122と共に移動する。このことは、デブリ(debris)の形成、および、シールの有効性を劣化させて漏れに導く可能性のある摩耗の発生を、低減または防止することができる。ガイド128は、1つまたはそれ以上のプラスチックといった、任意の適切なより柔らかい材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。ガイド128は、ここにおいては概して円筒状であるように示されているが、ガイド128は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有し得る。また、ガイド128は、ここにおいては、2つの相互接続部品で構成されているように示されているが、ガイド128は、あらゆる他の適切な方法で製造または形成され得る。
【0025】
この例におけるピストンアセンブリ116は、さらに、充填ゲージ(fill gauge)130を含んでいる。低圧ピストン120に取り付けられ、そして、本体102を通じて延びるものである。充填ゲージ130の露出部分は、従って、ブートストラップアキュムレータ100の外側で見ることができ、そして、本体102の中の低圧ピストン120の位置について視覚的な指標を提供している。これにより、操作、メンテナンス、または他の要員は、ブートストラップアキュムレータ100が、現在、本体102の流体膨張ボリュームの中でより高圧、または、より低圧の流体を有するか否かといった、ブートストラップアキュムレータ100の状態を特定することができる。充填ゲージ130は、システムのバルク平均温度(システム内に含まれる流体の平均温度を参照するもの)に係る異なる値、目盛(tick marks)、または他のインジケータを用いてマークされ得る。充填ゲージ130は、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。
【0026】
充填ゲージ130は、ゲージ摩耗ガイド132を通過する。摩耗ガイド132は、充填ゲージ130が本体102と接触するのを低減または防止するのに役立つ。そうした接触は、充填ゲージ130からのデブリを低圧または高圧のシール表面上に蓄積させ得るものであり、早期のシール劣化および漏れを生じさせている。ガイド132は、1つまたはそれ以上のプラスチックといった、任意の適切なより柔らかい材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。ガイド132は、ここにおいては、概して矩形であり、かつ、ボルトまたはショルダースクリュー134を用いて固定されているように示されているが、ガイド132は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有してよく、そして、あらゆる他の適切なコネクタを使用して固定されてよい。本体102の開口部136によって、充填ゲージ130は本体102から出ることができる。開口部136は、また、大気通気口(atmospheric vent)としても機能し、これは、ピストン118と120との間の空間を大気圧の雰囲気で満たすのに役立ち、そして、ピストンアセンブリ116が、システムの平均バルク流体温度に応じて、自由に前後に移動するできるようにする。
【0027】
この例におけるピストンアセンブリ116は、また、高圧ピストン118、接続ロッド122、および低圧ピストン120を通る流体経路138も含んでいる。流体経路138は、経路を表しており、それを通じて流体は、ピストンアセンブリ116を通り、そして、ブートストラップアキュムレータ100の高圧流体膨張ボリュームと低圧流体膨張ボリュームとの間を流れることができる。流体経路138は、任意の適切なサイズ、形状、および寸法を有し得る。この例において、流体経路138は、ピストン118および接続ロッド122の一部分を通過するときにはより小さく、そして、流体経路138は、接続ロッド122の別の部分およびピストン120を通過するときに広くなる。
【0028】
バイパスバルブ140は、ピストンアセンブリ116の中に統合されており、そして、過圧状態の最中に流体経路138を選択的に開くために使用され、かつ、そうでなければ流体経路138を閉じるために使用される。例えば、バイパスバルブ140は、流体経路138のより大きな部分の中に配置され、そして、流体経路138が狭くなるポイントで流体経路138をブロックするために使用され得る。この例におけるバイパスバルブ140は、シールボール(sealing ball)142およびシールスプリング(sealing spring)144を使用して形成されている。シールスプリング144は、シールボール142に対して直角に(normally)押し、そして、流体経路138のより狭い部分をブロックすることができ、それによって、流体経路138を閉じ、そして、バイパスバルブ140を通じた流体の流れを低減または防止している。
【0029】
過圧状態またはパージング動作の最中に、高圧流体は、スプリング力に打ち勝つようにシールボール142に対して押すことができ、そして、シールスプリング144によって、シールボール142は、流体経路138のより狭い部分から離れて移動することができる。このことは、流体経路138をブロックせず、そして、高圧流体が、ボール142の周囲で、接続ロッド122の残りの部分を通り、かつ、ピストン120を通過することを可能にする。その結果として、ピストンアセンブリ116内の統合されたバイパスバルブ140によって、高圧流体は、所定の状況下で、ブートストラップアキュムレータ100内の高圧流体膨張ボリュームと低圧流体膨張ボリュームとの間でピストンアセンブリ116を通過することができる。
【0030】
シールボール142およびシールスプリング144それぞれは、1つまたはそれ以上の金属といった、任意の適切な材料から、そして、任意の適切な方法で形成され得る。いくつかの実施形態においては、シールボール142に対してシールスプリング144によって加えられる圧力の量を調節することができる。この実施形態においては、調節ねじ(adjuster screw)146およびジャムナット(jam nut)148を使用して調節が行われる。調節ねじ146は、スプリング144を結合または保持するためのより狭い先端部(tip)、および、流体が底を通じて流れることができる中空の本体を含んでいる。しかしながら、ボール142に対してスプリング144によって加えられる圧力の量を調整するための他のメカニズムが使用され得る。
【0031】
上述のように、ブートストラップアキュムレータ100の1つの使用は、温度変動によって引き起こされる流体のボリューム変化を補償するために役に立つ。例えば、温度変動は、ポンプに流入する低圧流体、及び/又は、ポンプから流出する高圧流体のボリューム変化を引き起こし得る。ブートストラップアキュムレータ100の本体102の内側の流体膨張ボリュームは、ブートストラップアキュムレータ100の中への流体の膨張(例えば、より高い温度の最中)、および、ブートストラップアキュムレータ100からの流体の排除(例えば、より低い温度の最中)を可能にする。流体におけるボリューム変化を補償するための能力は、ポンプにおけるキャビテーション(cavitation)を低減または防止するために役立つ。さらに、ブートストラップアキュムレータ100の中に統合されたバイパスバルブ140は、ブートストラップアキュムレータ100の高圧流体膨張ボリュームからの過圧の解放(release)をサポートし、これは、フィルタが詰まる(clog)とき、または他の状況において有用であり得る。さらに、ブートストラップアキュムレータ100の中に統合されたバイパスバルブ140は、ブートストラップアキュムレータ100からの空気の容易なパージングをサポートする。加えて、流体を周囲環境に排気することなく、過圧の解放および空気パージングの両方を発生させることができ、ブートストラップアキュムレータ100がクローズドシステムにおいて使用されることを可能にしている。
【0032】
図1および図2は、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータ100の一つの例を示しているが、図1および図2に対しては様々な変更が成され得る。例えば、ブートストラップアキュムレータ100におけるコンポーネントの相対的なサイズ、形状、および寸法は、例示のためだけのものである。また、図1および図2に示される様々なコンポーネントは、統合されたコンポーネントとして、または、任意の適切な方法で一緒に結合される別個のコンポーネントとして製造され得る。さらに、ボルトとナットといった、様々な機械的メカニズムが上記に説明されているが、ここにおいては、同一または類似の機能を実行する他の機械的メカニズムが使用され得る。
【0033】
図3から図6までは、本開示に従った、統合されたバイパスバルブ140を含むブートストラップアキュムレータに係る使用例を示している。図3から図6までに示される使用は、ブートストラップアキュムレータ100の例示的な使用を表していること、および、ブートストラップアキュムレータ100は、あらゆる他の適切な方法で使用され得ることに留意する。
【0034】
図3においては、高い流体温度におけるブートストラップアキュムレータ100のノーマルオペレーションが示されており、ここでは、低圧接続アセンブリ112を通じて移動している低圧流体が最高期待温度(maximum expected temperature)に達したものと仮定されている。最高期待温度は、所与のアプリケーションにおいて、低圧流体が到達すると期待される、または、許容される最高温度を表し得るものである。低圧流体が、その最高期待温度であるため、本体102内の低圧流体によって占有されるボリュームも、また、その最大期待ボリュームであり得る。その結果として、ピストン118および120は、図3の左側に対して最大限に押され、本体102の中の流体膨張ボリュームは、本質的に低圧流体で満たされ、そして、高圧接続アセンブリ104の中の流体膨張ボリュームは、本質的に高圧流体が空(empty)である。ベント開口部136が存在するため、接続アセンブリ104の中の流体膨張ボリュームは、主に周囲空気によって占有されている。この時間の最中、高圧流体の流れ302は、一般的に、高圧接続アセンブリ104の流体コネクタ106aに流入し、そして、流体コネクタ106bから流出する。かつ、低圧流体の流れ304は、一般的に、低圧接続アセンブリ112の流体コネクタ114aに流入し、そして、流体コネクタ114bから流出する。バイパスバルブ140は、この時間の最中、ボール142の位置およびスプリング144の圧縮によって閉じられており、そして、流体が流体経路138を通じて流れるとしてもほとんど許容しない。
【0035】
図4においては、低い流体温度におけるノーマルオペレーションが示されており、ここでは、低圧接続アセンブリ112を通じて移動している低圧流体が最低期待温度(minimum expected temperature)に達したものと仮定されている。最低期待温度は、所与のアプリケーションにおいて、低圧流体が到達すると期待される、または、許容される最低温度を表し得るものである。低圧流体が、その最低期待温度であるため、本体102内の低圧流体によって占有されるボリュームも、また、その最小期待ボリュームであり得る。その結果として、ピストン118および120は、図4の右側に対して最大限に押され、本体102の中の流体膨張ボリュームは、本質的に低圧流体が空であり、そして、高圧接続アセンブリ104の中の流体膨張ボリュームは、本質的に低圧流体で満たされている。ベント開口部136が存在するため、本体102の中の流体膨張ボリュームは、主に周囲空気によって占有されている。この時間の最中、高圧流体の流れ402は、一般的に、高圧接続アセンブリ104の流体コネクタ106aに流入し、そして、流体コネクタ106bから流出する。かつ、低圧流体の流れ304は、一般的に、低圧接続アセンブリ112の流体コネクタ114aに流入し、そして、流体コネクタ114bから流出する。バイパスバルブ140は、この時間の最中、ボール142の位置およびスプリング144の圧縮によって閉じられており、そして、流体が流体経路138を通じて流れるとしてもほとんど許容しない。低圧流体の大部分または全てを本体102の中の流体膨張ボリュームから押し出すことによって、ポンプ又は他の装置の入力におけるブートストラップ圧力を維持することができる。
【0036】
図5においては、パージング動作の最中のオペレーションが示されており、ここでは、ブートストラップアキュムレータ100の高圧側の圧力が、シールスプリング144によって提供される力に打ち勝ち、そして、シールボール142をピストン118から離れて、かつ、ピストン120に向かって移動させるものと仮定されている。ボール142は、従って、流体の経路138の狭い部分をブロックするのを停止する。それは、流体の経路138を開き、そして、ボール142の周囲、かつ、ピストンアセンブリ116を通じて、著しい流体の流れを可能にする。この時間の最中、流体の流れ502は、一般的に、流体コネクタ106aに流入し、ピストンアセンブリ116を通じて移動し、そして、流体コネクタ114a−114bのうち少なくとも1つから流出する。パージング動作は、例えば、本体102、または、ブートストラップアキュムレータ100の他の部分の中の空気を除去することを可能にする。ここで見れば分かるように、このことは、周囲環境への空気または流体の排気(venting)を伴わない。
【0037】
図6においては、過圧状態の最中のオペレーションが示されており、ここでは、高圧流体の流れが、より大きなシステムにおけるどこかで部分的にブロックされたものと仮定されている。このことは、ブートストラップアキュムレータ100の中の高圧流体の圧力を増加させる。その結果として、バイパスバルブ140は、ピストンアセンブリ116を通じて過圧の一部の解放を可能にする。この時間の最中、高圧流体の流れ602は、一般的に、流体コネクタ106aに流入し、高圧流体の一部が、流れ604として流体コネクタ106bから流出する。かつ、高圧流体の別の一部が、流れ606として流体コネクタ114a−114bのうち少なくとも1つから流出する。バイパスバルブ140は、ここにおいて、ピストンアセンブリ116を通じて流体が流れるのを可能にし、そして、周囲環境への空気または流体の排気を防止しながら、過圧状態を解放する(relieve)のに役立つ。図6におけるピストンアセンブリ116の場所は単なる例であること、および、ピストンアセンブリ116は、過圧状態の最中に、任意の他の場所を有し得ることに留意する。
【0038】
図3から図6までは、統合されたバイパスバルブ140を含むブートストラップアキュムレータ100の使用例を示しているが、図3から図6に対しては様々な変更が成され得る。例えば、実装、アプリケーション、および、現在のオペレーションモードに依存して、あらゆる他の適切な流体の流れが、ブートストラップアキュムレータ100を通過し得る。
【0039】
図7は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを有する一つの例示的なシステム700を示している。説明を容易にするために、システム700は、図1から図6までのブートストラップアキュムレータ100を含むものとして説明されている。しかしながら、システム700は、統合されたバイパスバルブを含むあらゆる他の適切なブートストラップアキュムレータを含み得る。
【0040】
図7に示されるように、システム700は、ポンプ702を含んでいる。それは、入力流体ライン(input fluid line)704を通じて流体の流れを受け入れ、かつ、出力流体ライン(output fluid line)706を通じて流体の流れを出力するように構成されている。流体ライン706における出力流体の流れは、流体ライン704における入力流体の流れよりも高い圧力(そして、しばしば、はるかに高い圧力)である。ポンプ702は、流体をポンピングするための任意の適切な構造を含んでいる。各流体ライン704および706は、チューブまたはパイプといった、流体を輸送するための任意の適切な構造を含んでいる。
【0041】
この例において、システム700は、システム700における1つまたはそれ以上のコンポーネントから熱を除去するための冷却ループの一部として、ポンプされている流体を使用する。ここで、ポンプ702からの流体は、フィルタ708を通過する。フィルタは、流体からコンタミネーションまたは他の物質を除去することができる。流体は、熱負荷(heat load)710に対して供給される。熱負荷は、流体によって除去される任意の適切な熱源を表すものである。流体は、次いで、流体−空気(fluid-to-air)熱交換器といった、熱交換器712に対して提供され得る。熱交換器712は、流体から熱を除去し、流体を冷却し、そして、追加の熱を除去するために、流体を熱負荷710に対して再循環されるようにしている。システム700における冷却ループは、従って、熱負荷710を冷却するように設計されている。フィルタ708は、流体からコンタミネーションまたは他の物質を除去するための任意の適切な構造を含んでいる。熱交換器712は、流体から熱を除去するための任意の好適切な構造を含んでいる。
【0042】
ブートストラップアキュムレータ100は、ポンプ702の入力流体ライン704および出力流体ライン706を横切って接続されている。上述のように、ブートストラップアキュムレータ100は、温度ベースのボリューム変化または他の変動を補償するのに役立ち、一方で、ポンプ702に対するポンプ入口圧力(pump inlet pressure)を受動的に増加させ、それによって、キャビテーションまたは他の問題を防いでいる。このことは、適切なオペレーションを確実にすること、もしくは、ポンプ702の効率または動作寿命を増加させることに役立ち得る。
【0043】
必要または所望の場合に、1つまたはそれ以上の温度センサ714a−714b、及び/又は、バルブ716がシステム700において使用され得る。各温度センサ714a−714bは、システム700の中、または、システム700のコンポーネントを通じて流れる流体の温度を測定することができる。この特定の例においては、1つの温度センサ714aが熱負荷710の以前に配置されており、そして、1つの温度センサ714bが熱負荷710の以降に配置されている。そして、熱負荷710からどれだけ多くの熱が除去されるか、または、除去され得るかを推定するために、温度センサ714a−714bが使用され得る。しかしながら、1つの温度センサだけが任意の所望の場所において使用され、または、複数の温度センサがシステム700における任意の所望の場所において使用され得ることに留意する。各温度センサ714a−714bは、温度を測定するように構成された任意の適切な構造を含んでいる。
【0044】
バルブ716によって、変動している量の流体は、熱交換器712またはブートストラップアキュムレータ100まで流れることができる。例えば、熱負荷710から流体によって熱がほとんど又は全く除去されていない期間中には、流体について、ポンプ702に対して提供される以前に熱交換器712を通じて流れる必要はないだろう。この場合に、バルブ716は、流体の大部分または全てを、熱負荷710からバイパス流体ライン718を通じてブートストラップアキュムレータ100へ向けることができる。熱負荷710から多くの熱が除去されている期間中、バルブ716は、流体の大部分または全てを、熱負荷710から熱交換器712を通して方向付ける(direct)ことができる。バルブ716は、流体を選択的に方向付けるために任意の適切な構造を含んでいる。
【0045】
コントローラ720は、システム700内の様々なコンポーネントのオペレーションを制御するために、システム700において使用され得る。例えば、コントローラ720は、ポンプ702のポンプ流量および圧力差をモニタリングし得る。流量のインジケータとしてコミュテーション(commutation)を使用することにより、および、圧力差のインジケータとして駆動電流を使用することによる、といったものである。コントローラ720は、また、どのようにバルブ716を制御するか決定するために、1つまたはそれ以上の温度センサ714a−714bからの測定値も使用し得る。コントローラ720は、さらに、熱負荷710の動作を制御し得る。熱交換器712が流体から十分な熱を除去できない場合に、熱負荷710の動作を低減または防止することによる、といったものである。コントローラ720は、システム700において、あらゆる他の又は追加の制御動作を実行し得る。コントローラ720は、あらゆる適切な制御装置またはコンピューティングデバイスを含む。例えば、コントローラ720は、1つまたはそれ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、または専用回路、を表すことができる。
【0046】
図7は、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを有するシステム700の一例を示しているが、図7に対しては様々な変更が成され得る。例えば、ブートストラップアキュムレータ100は、あらゆる他の適切なシステムにおいてポンプまたは他の装置と共に使用され得る。そして、図7に示されるコンポーネントの特定的な組み合わせと共に使用されることを要しない。
【0047】
図8は、本開示に従った、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを使用するための一つの例示的な方法800を示している。説明を容易にするために、方法800は、図1から図7までのブートストラップアキュムレータ100の使用を含むものとして説明されている。しかしながら、方法800は、統合されたバイパスバルブを含むあらゆる他の適切なブートストラップアキュムレータの使用を含み得る。
【0048】
図8に示されるように、ステップ802においては、高圧および低圧流体が、ブートストラップアキュムレータにおいて受け入れられる。このことは、例えば、ブートストラップアキュムレータ100が、ポンプ702の異なる側から高圧流体の流れおよび低圧流体の流れを受け入れることを含み得る。ステップ804において、高圧および低圧流体は、ブートストラップアキュムレータを通じて流れることができる。このことは、例えば、高圧流体が高圧接続アセンブリ104を通過すること、および、低圧流体が低圧接続アセンブリ112を通過することを含み得る。ステップ806において、高圧および低圧流体は、ブートストラップアキュムレータの中のピストンアセンブリを移動させる。このことは、例えば、高圧ピストン118に対して適用される圧力および低圧ピストン120に対して適用される圧力に応じて、ピストンアセンブリ116がブートストラップアキュムレータ100の本体102の中で移動することを含み得る。ステップ808において、圧力閾値を超えない限り、これらのステップは継続することができ、ブートストラップアキュムレータ100が、温度ベースの圧力変動または他の変動について補償を手助けすることを可能にしている。圧力閾値は、高圧流体の圧力、または、高圧流体と低圧流体との間の圧力差を表すことができ、その値を超えると、スプリング144によってボール142に加えられる力が打ち勝ち、バイパスバルブ140内でボール142を移動させることができる。
【0049】
ステップ808で圧力閾値を超える場合には、ステップ810においてピストンアセンブリ内のバイパスバルブが開かれる。このことは、例えば、ボール142がスプリング144に対して移動すること、そして、流体経路138を開くことを含み得る。これにより、ステップ812において、流体は、ブートストラップアキュムレータの高圧側と低圧側との間で流れを形成することができる。このことは、例えば、流体が、ピストン118、接続ロッド122、およびピストン120を通過することを含み得る。このことは、ステップ814において、過圧リリーフ、パージング、または他の機能性を提供するのに役立つ。このことは、例えば、流体の流れが、ブートストラップアキュムレータ100の高圧側における圧力を低減すること、または、ブートストラップアキュムレータ100から空気をパージングすることを含み得る。ステップ816において、圧力閾値を超えたままである限り、これらのステップを継続することができる。ステップ816において、ひとたび圧力閾値を超えなければ、ステップ818において、ピストンアセンブリ内のバイパスバルブが閉じられる。このことは、例えば、流体経路138を閉じるためにスプリング144がボール142を押すことを含み得る。プロセスは、次いで、ステップ802に戻ることができる。
【0050】
図8は、統合されたバイパスバルブを含むブートストラップアキュムレータを使用するための方法800の一つの例を示しているが、図8に対しては様々な変更が成され得る。例えば、一連のステップとして示されているが、図8における様々なステップは、オーバーラップし、並列に発生し、異なる順序で発生し、または、任意の回数で発生し得る。
【0051】
この特許文献の全体を通して使用されている所定の単語およびフレーズの定義を示すことが都合がよいだろう。用語「含む(“include”および“comprise”)」、並びにその派生語は、限定のない包含(inclusion)を意味している。用語「また(“or”)」は、包括的であり、及び/又は(and/or)を意味している。フレーズ「関連して(“associated with”)」、並びにその派生語は、以下を含むように意味することができる。含まれる(be included within)、相互接続される(interconnect with)、含む(contain)、含まれる(be contained within)、接続する(connect to or with)、結合する(couple to or with)、通信可能(communicable with)、協働する(cooperate with)、インターリーブ、並列(juxtapose)、近接(be proximate to)、束縛(be bound to or with)、有する(have)、性質がある(have a property of)、関係がある(have a relationship to or with)、等である。フレーズ「少なくとも1つ(“at least one of”)」は、アイテムのリストと共に使用される場合に、列挙されたアイテムのうち1つまたはそれ以上に係る異なる組合わせが使用され得ること、および、リストにおける1つのアイテムだけが必要とされ得ることを意味している。例えば、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」は、任意の以下の組合わせを含んでいる。A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、そして、AおよびBおよびC、である。
【0052】
本出願における明細書は、特定のエレメント、ステップ、または機能が、クレームの範囲内に含まれなければならない必須または重要なエレメントであることを意味するものとして解釈されるべきではない。特許される技術的事項(subject matter)は、許可されたクレームによってだけ定義されるものである。さらに、いずれのクレームも、正確な用語「手段(“means for”)」または「ステップ(“step for”)」が、特定のクレームにおいて明示的に使用され、その後に機能を特定する分詞(participle)フレーズが使用されていなければ、いずれかの添付されたクレームまたはクレーム要素に関して米国特許法第112条(f)を援用することは意図されていない。クレームの中で(これらに限定されるわけではないが)「メカニズム(“mechanism”)」、「モジュール(“module”)」、「デバイス(“device”)」、「ユニット(“unit”)」、「コンポーネント(“component”)」、「エレメント(“element”)」、「部材(“member”)」、「装置(“apparatus”)」、「マシン(“machine”)」、「システム(“system”)」、「プロセッサ(“processor”)」、または「コントローラ(“controller”)」といった用語の使用は、クレーム自体の特徴によってさらに修正または強化されるように、当業者にとって知られた構造を参照するように理解され、かつ、意図されており、そして、米国特許法第112条(f)を援用するように意図されてはいない。
本開示は、所定の実施形態および一般的に関連する方法を説明してきたが、これらの実施形態および方法の変更および交換(permutations)が、当業者にとって明らかであろう。従って、例示的な実施形態に係る上記の説明は、本開示を定義し、または、制約するものではない。以降のクレームによって定義されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、および変更も、また、可能である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】