(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500584
(43)【公表日】20210107
(54)【発明の名称】Tリンパ球共刺激調節物質の関節リウマチに対する有効性を評価する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20201204BHJP
【FI】
   !G01N33/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】2020542692
(86)(22)【出願日】20181018
(85)【翻訳文提出日】20200617
(86)【国際出願番号】FR2018052605
(87)【国際公開番号】WO2019077283
(87)【国際公開日】20190425
(31)【優先権主張番号】1759861
(32)【優先日】20171019
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520138645
【氏名又は名称】シノヴィアル
【氏名又は名称原語表記】SINNOVIAL
【住所又は居所】フランス38000グルノーブル、リュ・ジャン・マセ27番
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100165892
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 啓司
(72)【発明者】
【氏名】アナイス・クルティエ
【住所又は居所】フランス38500ヴォワロン、ブールヴァール・コフレ13番
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ヴー・チュオン・グエン
【住所又は居所】フランス38420ル・ヴェルスー、アヴニュ・デュ・キャトーズ・ジュイエ1789、339番
(72)【発明者】
【氏名】アタン・バイエ
【住所又は居所】フランス38560ジャリ、シュマン・ドゥ・モペルテュイ502番
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ゴダン
【住所又は居所】フランス38240メラン、シュマン・ドゥ・ラ・バティ5番
(72)【発明者】
【氏名】ジャック−エリック・ゴッテンバーグ
【住所又は居所】フランス67098ストラスブール、アヴニュ・モリエール1番
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA26
2G045CB03
2G045CB07
2G045DA36
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの以前の生物療法に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法に関し、これは1組のバイオマーカーの発現について前記患者の生体試料を分析することから構成され、この結果は前記調節物質が前記患者に有益な応答をもたらす処置であるか否かを決定することを可能にする。本発明はまた、前記バイオマーカーの発現レベルに関するデータを測定または受信する手段、および前記患者における前記処置の前記有効性を評価するように構成されたこれらのデータを処理する手段を含む、前記患者における前記処置の有効性を評価するためのシステムに関する。バイオマーカーは、C4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適切な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b)前記群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【請求項2】
以下を含む、請求項1に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b1)工程a)で測定された発現レベルと、処置の有効性が公知であるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置を受けた関節リウマチ患者の複数の試料において測定された発現レベルとの比較;前記比較は、工程a)で測定された少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルを入力データとして用いる統計学習モデルによって実施される、
b2)工程b1)において規定されたモデルによって決定された結果の関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【請求項3】
工程a)で測定された各バイオマーカーの発現レベルが前記患者における処置の有効性の評価に関連付けられるスコアを取得するために使用され、前記スコアが予後を複数のクラスに分類するために少なくとも1つの所定の閾値と比較されることを特徴とする、請求項1または2に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項4】
前記複数のクラスが少なくとも2つのクラスを含み、そのうちの1つのクラスが前記Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置に非応答であることを特徴とする、請求項3に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項5】
前記患者における処置の前記有効性の評価が、前記スコアと不十分な有効性が予測されるスコアよりも低い所定の閾値および良好な有効性が予測されるスコアよりも高い所定の閾値との比較を含むことを特徴とする、請求項3または4に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項6】
学習モデルが、処置に対して良好な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者および処置に対して不十分な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者を含むコホートの試料の事前分析に基づく、請求項2〜5のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項7】
前記事前分析が、学習方法および変数を選択する方法の適用を含む、請求項6に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項8】
前記学習方法および変数を選択する方法がロジスティック回帰である、請求項7に記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項9】
前記発現レベルが前記コホートの事前分析の関数として重み付けされ、前記スコアを生じる、請求項6〜8のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項10】
前記学習方法が決定木を含み、各ノードが工程a)で測定された発現レベルと参照値との比較に対応する、請求項7〜9のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項11】
前記物質が、受容体CD28の不活性化によってTリンパ球細胞の共刺激経路を直接的または間接的に遮断または阻害できることを特徴とし、好ましくは前記物質がアバタセプトである、請求項1〜10のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項12】
前記患者が、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、トシリズマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される少なくとも1つの以前の処置に対して不適当な応答を示したことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項13】
生体試料が生体液(好ましくは血清)の試料から構成されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項14】
工程a)で発現レベルが測定されるバイオマーカーが、タンパク質バイオマーカーであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法。
【請求項15】
以下を含む、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価するためのシステム:
前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルの測定データを測定または受信する手段、
この群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数として、前記患者における処置の前記有効性を評価するように構成された測定データを処理する手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節リウマチの処置に関する。より具体的には、1以上の以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ(RA)患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質(特にアバタセプト(ABA))による処置の有効性を評価する方法に関し、これは1組のバイオマーカーの発現について前記患者の生体試料を分析することから構成され、この1組のバイオマーカーについて得られた結果の相関は(特に参照値との比較によって)Tリンパ球細胞共刺激調節物質が前記患者に有益な応答をもたらすことを可能にする有望な処置であるか否かを決定することを可能にする。
【0002】
本発明はまた、前記バイオマーカーの発現レベルのデータを測定または受信する手段、および前記患者における前記処置の前記有効性を評価するように構成されたこれらのデータを処理する手段を含む、前記患者における前記処置の有効性を評価するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
関節リウマチ(RA)は、滑膜炎、関節損傷、機能障害および死亡率の著しい増加を特徴とする慢性炎症性疾患である。
【0004】
sDMARD(合成による疾患修飾性抗リウマチ薬)を用いた早期介入は、構造的な関節損傷および進行性の機能喪失の予防に重要であると現在認識されている(Smolen et al., 2017)。sDMARDによる処置に応答しない患者、またはこれらの薬剤に対して時間の経過とともに不適当な応答を生じる患者について、bDMARD(生物学的DMARD)は1つの有効な追加の処置の選択肢である(Smolen et al., 2017)。臨床診療において、生物療法の最初の選択肢は通常、TNF−a(腫瘍壊死因子アルファ)阻害剤である。処置に対する応答は患者によって非常に大きく異なり得る。TNF−a阻害剤による処置を開始した患者の約30%〜40%はその後、これらの薬剤による処置の無効性のための不十分な応答またはこれらの薬剤による望ましくない事象のいずれかを生じる(Souto et al., 2016)。TNF−aが不十分な患者における処置の継続のための選択肢には、第2の生物学的物質の使用が含まれる。臨床医が利用できるbDMARD処置の選択肢の数およびRAの処置におけるそれらの有効性を考慮すると、異なるbDMARDの間の移行は一般的な慣行である(Zhang et al., 2011)。そのため、開業医は現在、ほとんどの疾患について一次処置を推奨し、その後不十分または不適当な応答の場合には二次処置などを推奨する。しかしながら、この全体的な戦略において、TNF−a(サイクル)に対する代替の阻害剤の使用または異なる作用機序を有する生物学的物質(スイッチング)の使用の相対的な有効性が議論されている。さらに、抗TNFを既に受けている患者が別の生物学的処置に応答する確率は、以前の処置の失敗の増加に応じて次第に低下する(Rendas-Baum et al., 2011)。したがって、文献のデータは、任意の早期介入が疾患の進行をより抑制できることを示している。
【0005】
残念なことに、現在、開業医には、患者のための適切な処置を標的とし、事前に同定できるようにその治療選択を助けることができる客観的な要素が不足している。処置に対する応答または非応答の確率のスコアを臨床医に提供できる手段は、非常に有益な要素となるであろう。
【0006】
実際、潜在的な治療上の失敗を明らかにするために費やされた時間は、治療作用の有効性および患者の健康に不利益をもたらし、特定の場合には全身状態に関して新たな症状または有害で不可逆的な結果をもたらし得る。さらに、これらは導入するのが困難であり得る高価な処置であり得、治療の失敗が認められた場合、これらは完全に不満足なものである。
【0007】
慢性炎症性疾患の患者の診断、治療、処置および経過観察に関して、近年大きな進歩がなされている。
【0008】
慢性炎症性疾患および特に慢性炎症性リウマチの処置に関して、治療作用を有する生体分子(タンパク質、抗体など)からなる生物療法が特に存在する。この生物療法のいくつかは既に使用されており、他の生物療法は開発中である。
【0009】
慢性炎症性疾患のうち、関節リウマチは滑膜細胞の増殖および炎症細胞の関節への浸潤を特徴とする滑膜の自己免疫疾患である。様々なサイトカインが炎症性疾患の制御に重要な役割を果たしている。
【0010】
例えば、腫瘍壊死因子(TNF)またはTリンパ球細胞の共刺激を標的とするbDMARDは、RAの処置の大きな進歩を可能にした。現在、9つのbDMARD(Tリンパ球細胞共刺激調節物質アバタセプト(ABA)、抗IL−6トシリズマブ(TCZ)、抗CD20リツキシマブ(RTX)、抗インターロイキン1(IL−1)アナキンラ(ANK)、ならびに抗TNF−aアダリムマブ(ADA)、エタネルセプト(ETN)、インフリキシマブ(IFX)、ゴリムマブ(GOL)およびセルトリズマブペゴル(CTP)を含む)が、関節リウマチの処置のために承認されている。しかしながら、各生物学的物質に対する応答は各個体によって様々である。結果として、治療機会において1以上のbDMARDを最適に選択することは処置の有効性を得るために重要であり、これは非常に価値が高いことがわかる。実際、生物学的処置の成功確率は、生物療法による治療失敗の増加に応じて減少する(Rendas-Baum et al., 2011)。
【0011】
しかしながら、開業医には、その治療選択を助けるのに利用可能な要素が不足している。処置に対する応答または非応答の確率のスコアを臨床医に提供できる手段が確実に必要とされている。
【0012】
特に、現在、生物学的または従来のバックグラウンド処置に対して起こりうる応答または非応答に関する指針を提供し得る非常に初期のバイオマーカーが不足している。
【0013】
これらのバイオマーカーは、分子生物学および生化学を必要とする。仮説演繹的な手法は個別化医療をいくつかのバイオマーカーに減少させ、目的のバイオマーカーは事前に固定され、早期診断またはセラノスティックな手法の問題を解消できなかった。したがって、慢性炎症性疾患(したがってRA)において生物学的処置に対するTHEの応答を予測できるTHEバイオマーカーの探索は幻想である。生物学的処置に対する良好な臨床応答または非応答に関連する遺伝的または生化学的バイオマーカーの多様性が課題を困難にしている。
【0014】
ゲノミクス、トランスクリプトミクス、エピジェネティクスおよびプロテオミクスはこの点において補完的であり、非重複の支柱である。
【0015】
ゲノムに関して(Prajapati et al., 2011)、異なるコホートにおける結果の複製は脆弱である。影響が小さいいくつかの関連遺伝子の仮説は、重要な効果を有する少数の遺伝子が関与してい得るという仮説と比較して支持されている。その日常的な使用は複雑なままである。
【0016】
エピジェネティクスはまた、現時点では非常に予備的なデータを提供している(Krintel et al., 2016)。
【0017】
トランスクリプトームの研究は、その多様性により日常的な使用が困難である特定の数の遺伝子を同定することを可能とする(Smith et al., 2013)。
【0018】
血清メタボロームの研究は複雑なままである(Tatar et al., 2016)。
【0019】
最後に、約10年間、プロテオミクスの手法がセラノスティックな評価のためにリウマチ学において存在している(Trocme et al., 2009)。
【0020】
個別化または層別化された種類の医療におけるこの予測的な手法は、慢性炎症性リウマチの分野において非常に革新的であり、適切な患者に適切な時期に適切な処置を処方し、患者が応答する可能性が最も高い処置に可能な限り迅速に患者を導くことによって障害の進行を制限し、逆に応答の確率が低いことに関連する処置の処方を回避することを可能にし得る。
【0021】
アバタセプトは、タンパク質CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4、CD152とも呼ばれる)の細胞外ドメインに融合したヒト免疫グロブリン(IgG1)の改変Fc領域から構成される融合タンパク質である。アバタセプトは、受容体CD28(表面抗原分類28)を発現するTリンパ球の完全な活性化に必要な重要な共刺激シグナルを選択的に調節する。T細胞を活性化し、免疫応答を誘導するために、抗原提示細胞はT細胞に2つのシグナルを提示しなければならない。第1のシグナルはT細胞受容体による特定の抗原の認識であり、第2のシグナルは分子CD80またはCD86(B7−1およびB7−2としても知られている)のT細胞上の受容体CD28への結合による共刺激である。アバタセプトは、CD80およびCD86に特異的に結合することによってこの共刺激経路を選択的に阻害し、これにより第2のシグナルが生じるのを妨げる。したがって、アバタセプトはT細胞の完全な活性化を阻害する。
【0022】
いくつかの研究は、RA患者のABA処置に対する応答の予測を可能にするバイオマーカーを強調することに着目している。これらの研究は、主にDNAおよびRNAのバイオマーカー(Derambure et al., 2017; Nakamura et al., 2016)または特定の循環細胞(Scarsi et al., 2011)の特徴付けに関する。しかしながら、DNAおよびRNAは、最終的なエフェクターであるタンパク質に翻訳される前に、その環境に関連付けられる潜在的な改変(エピジェネティック、遺伝子の発現制御、スプライシング)を受ける。したがって、プロテオミクスの手法は、バイオマーカーの発現レベルと観察される臨床結果との間に起こり得る変動を最小限にすることを可能にする。
【0023】
研究により、基礎レベルにおけるシトルリン化抗ペプチド抗体の存在とABA処置に対するより良い応答との間の関連が示されている(Gottenberg et al., 2012)。しかしながら、これらの研究は、特異度または感度を改善し、あらゆる生物療法を未実施のRA患者に焦点を当てるために、バイオマーカーの組合せの戦略を使用していなかった。回転状態(rotation situation)の(少なくとも1つの生物療法に対して応答が不十分または不適当な)患者に関連したABAの研究は、他のbDMARDと比較したABAの有効性およびその治療関連性に主に集中している(Harrold et al., 2015)。ある研究は、B細胞およびT細胞の表現型が、未処置の患者の混合集団または回転状態におけるbDMARD(特にABA)に対する応答を評価するのに考慮される要素であることを報告している(Salomon et al., 2017)。本発明者らの知る限りにおいて、生物療法による1以上の処置に対して不適当な応答を有する患者においてABAに対する応答を予測するバイオマーカーの特徴付けに関する文献のデータはない。
【0024】
したがって、慢性炎症性疾患を有する所定の患者(特に関節リウマチ患者、とりわけ生物療法による最初の処置に対する応答が不適当な状況にある患者)に対する有効性に関して最も有望な処置に開業医を個別化された様式で導くことを可能にする新規な方法および/またはバイオマーカーを同定する必要がある。
【0025】
本発明は、1以上の以前の生物療法による処置に対して十分な治療応答を示さなかった関節リウマチ患者についてのTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置に対する応答に関するこの技術的課題に対処する;本発明者らは1組の生物学的バイオマーカーを同定し、そのような患者から採取された生体試料において検出されるその発現レベルは前記患者における前記処置に対する有効な応答の可能性を評価することを可能にする。
【発明の概要】
【0026】
本発明は、1以上の以前の生物療法による処置に対して適当な治療応答を示さなかった関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法に関し、前記方法は以下を含む:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b)前記群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【0027】
特に、本発明におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法は以下を含む:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b1)工程a)で測定された発現レベルと、処置の有効性が公知であるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置を受けた関節リウマチ患者の複数の試料において測定された発現レベルとの比較;前記比較は、工程a)で測定された少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルを入力データとして用いる統計学習モデルによって実施される、
b2)工程b1)において規定されたモデルによって決定された結果の関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【0028】
したがって、本発明者らによって同定された1組のバイオマーカーは、関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価するのに特に適している。
【0029】
本発明はさらに、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価するためのシステムに関し、前記システムは以下を含む:
前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルの測定データを測定または受信する手段、
この群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数として、前記患者における処置の前記有効性を評価するように構成された測定データを処理する手段。
【0030】
好ましくは、本発明における評価方法および評価システムは、特に分子CD80またはCD86の受容体CD28への固定化を妨げることによって、特に受容体CD28の活性化を直接的または間接的に遮断することによってTリンパ球細胞共刺激調節物質に対する応答を評価することを可能にする。有利なことに、本発明における評価方法および評価システムは、分子CD80/CD86に固定される物質に対する応答を評価すること(特に、アバタセプトに対する応答を評価すること)を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、3つの変数COMP、LBPおよびFNを用いたモデルの性能の評価中に得られたROC(受信者動作特性)曲線を表す。これは、試験の特異度の相補性(1−特異度(X軸))の関数としての試験の感度(Y軸)の例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
まとめると、本発明の分野において頑強な予測試験を開発するために直面する最初の課題は、高い特異度および高い感度の両方を伴う関連する予測を取得できるバイオマーカーを同定することにある。
【0033】
したがって、第1の態様において、本発明は、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法に関し、前記方法は以下を含むか、または以下から構成される:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b)前記群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【0034】
実際、本発明者らは、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価するための関連するバイオマーカーのセットまたは組合せ(すなわち、C4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカー)を同定した。
【0035】
特に、本発明におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法は以下を含む:
a)前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定、
b1)工程a)で測定された発現レベルと、処置の有効性が公知であるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置を受けた関節リウマチ患者の複数の試料において測定された発現レベルとの比較;前記比較は、工程a)で測定された少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルを入力データとして用いる統計学習モデルによって実施される、
b2)工程b1)において規定されたモデルによって決定された結果の関数としての、前記患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の前記有効性の評価。
【0036】
これらの特定のバイオマーカーの特定の組合せの発現レベルの測定および(特に統計学習モデルによる)それらの分析により、関節リウマチ患者のTリンパ球細胞共刺激調節物質に対する応答の予測の関連する評価が取得できる。
【0037】
本発明における方法の工程a)に関して、本発明者らによって同定された関連するバイオマーカーは以下に規定される。
【0038】
補体C4b結合タンパク質(C4BP)は、補体系に関与し、阻害剤として作用するタンパク質である。C4BPは従来の経路およびレクチン(特にC4)の作用を阻害する。C4BPはまた、C3bに結合する能力も有する。補体の過剰または不十分な活性化は、炎症性疾患(関節リウマチなど)の病因に寄与する(Swaak et al., 1987)。2つのマウスRAモデルにおける組換えタンパク質C4BPの使用は、疾患の重症度を減少させる(Blom et al., 2009)。
【0039】
CRP(C反応性タンパク質)、アルファ1アンチトリプシンおよび補体C4は炎症状態のマーカーであり、それらの臨床的使用は非常に広範であり、特に慢性炎症性リウマチのモニタリングに使用されている(Buisseret et al., 1977; Vogt et al., 2017)。これらのタンパク質は、発現が急性期に著しく増加するタンパク質のカテゴリーに属する。これらのサイトカインは次に、間質細胞に二次的炎症性メディエーター(インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン8(IL−8)または代替の単球性化学誘引タンパク質など)の合成のためのシグナルを伝達する。CRPは、RAの活性のスコアを評価するために伝統的に使用されている(Wells et al., 2009)。12ヶ月においてリツキシマブに応答するRA患者における補体C4の発現レベルは低いようである(Conigliaro et al., 2016)。
【0040】
タンパク質COMP(軟骨オリゴマー基質タンパク質)はトロンボスポンジン5(TSP5)とも呼ばれ、トロンボスポンジンの細胞外タンパク質ファミリーのメンバーである糖タンパク質である。COMPは、主に関節、鼻および気管の軟骨に存在するカルシウム結合タンパク質である。しかし、その発現は他の組織型(滑膜および腱を含む)により広がってい得る。未変化のCOMPはホモ五量体であり、I型、II型およびIX型コラーゲンに結合する。これは、軟骨内骨化において、ならびにコラーゲン線維および基質成分(アグリカンなど)との相互作用による細胞外マトリックスの構築および安定化において構造的役割を有するようである。さらに、COMPは、疎水性細胞シグナル伝達分子(例えばビタミンDなど)の貯蔵および分配の機能を有し得る。COMP遺伝子の変異は、偽性軟骨無形成症および特定の形態の多発性骨端異形成症をもたらす。COMPは、関節疾患(特に関節リウマチ)における血清レベルでの軟骨の分解のマーカーとみなされている(Momohara et al., 2004)。COMPの発現レベルは、重症度の低いRA患者と比較して、高悪性度のRA患者においてより高い(El Defrawy et al., 2016)。COMPは、疾患(例えばCRPなど)の活性を評価するために通常使用される標準的なバイオマーカーに相当するバイオマーカーとして提案されている(Sakthiswary et al., 2017)。Crnkicおよびその同僚の場合には、COMPの血清濃度は、インフリキシマブまたはエタネルセプトによる3ヶ月の処置で低下し、応答者および非応答者において6ヶ月低いままである(Crnkic et al., 2003)。逆に、Kawashiriのチームの場合には、COMPの低下はエタネルセプトによる6ヶ月の処置における応答者の特徴である(Kawashiri et al., 2010)。bDMARDに対する応答の予測の側面に関して、ある研究は、RA患者のCOMPの基礎レベルがTNF−α阻害剤であるアダリムマブによる処置の有効性の予測を可能にすることを示している(Morozzi et al., 2007)。
【0041】
フィブロネクチン(FN)は、体液中に可溶型で存在し、細胞外マトリックスにおいて不溶型で存在する遍在する細胞外糖タンパク質である(Maurer et al., 2015)。一般に、フィブロネクチンは合成され、線維芽細胞、内皮細胞、軟骨細胞、グリア細胞および筋細胞の周囲に存在する。血漿中には非常に高レベルの糖タンパク質が見出される。フィブロネクチンは、多数の分子(フィブリン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、コラーゲン/ゼラチン、様々なインテグリンおよび増殖因子、ミオシリン、ならびにアポリポタンパク質Aを含む)のリガンドである。FNは、複数の細胞プロセス(細胞接着/遊走、血液凝固、形態形成、組織修復、胚形成および細胞シグナル伝達など)に関与している。関節リウマチにおけるフィブロネクチンの関与はほとんど記述されていない。フィブロネクチンの分子状態は、RA患者を健常な患者(Cheng et al., 2014)または他の病状(エリテマトーデスなど)を有する患者(Przybysz et al., 2013)から区別することを可能にする。シトルリン化フィブロネクチンおよびシトルリン化抗フィブロネクチン抗体の特定の存在がRA患者の滑膜において記述されている(Kimura et al., 2014)。本発明者らの知る限りにおいて、bDMARDを用いたRAの処置におけるバイオマーカーとしてのフィブロネクチンの予測的態様は文献に報告されていない。
【0042】
リポ多糖結合タンパク質(LBP)は、様々なLPS分子およびリピドAに結合する急性期タンパク質である(Schumann et al., 1990)。LBPは、肝臓の肝細胞によって構成的に産生される。LBPはLPS(リポ多糖)に結合し、LPSを単球細胞上に存在する受容体CD14に提示する。LBPの存在下では、サイトカインがLBPの非存在下において産生されるものと比較して低いLPS濃度において単球によって放出される。したがって、LBPの主な機能は、感染の開始時に宿主がLPSを検出する能力を改善することである。LBPの機能の1つはLPSの中和をもたらす。さらに、LBPはグラム陰性菌の脂質部分Aと結合し、そのオプソニン化をもたらす。正常な血清において、LBPは構成的に存在し、その濃度は急性期応答において10倍に増加し得る(Prucha et al., 2003)。LBPと関節リウマチとの間の関係を詳しく記述した研究はほとんどない。しかしながら、2つの研究は、LBPがRA患者における炎症のマーカーであり(Heumann et al., 1995)、RAにおける疾患の活性の新たなマーカーであり得る(Wen et al., 2017)ことを示唆している。
【0043】
好ましくは、本発明における処置の有効性を評価する方法は、上述の5つのバイオマーカーのうち少なくとも3つ、または上述の群(すなわち、C4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP))のうち少なくとも4つもしくは5つのバイオマーカーの発現レベルのインビトロでの測定に基づく。
【0044】
本発明における処置の有効性を評価する方法の好ましい実施態様は、上述の5つのバイオマーカーのリストのうち以下のバイオマーカーの特定の組合せの発現レベルのインビトロでの測定を含む:
少なくともCOMPおよびFN、または少なくともCOMPおよびCRP、より好ましくは少なくともCOMPおよびFN;
少なくともCOMP、LBPおよびCRP、もしくは少なくともCOMP、CRPおよびC4BP、またはより好ましくは少なくともCOMP、LBPおよびFN、もしくは少なくともCOMP、LBPおよびC4BP。
これらのセットにより、処置の有効性の評価に関して最も関連した結果を取得できる。
【0045】
本発明における方法は、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価することを可能にする。
【0046】
「不適当な応答を示した関節リウマチ患者」は、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不十分な応答を示した関節リウマチ患者だけでなく、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して良好な応答を示したが、以前の処置中において処置の中止を必要とする中程度から重度の少なくとも1つの有害事象を示した関節リウマチ患者を意味すると解釈される。
【0047】
「少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対する不十分な応答」は、1以上の以前のbDMARD(生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬)による処置に対して有益な治療応答を示さなかった患者を指定することを意味すると解釈される。慢性炎症性疾患の処置の文脈において、現在の治療戦略はリウマチの活性を減少させるために実施され、処置に対する応答は一般に6ヶ月で評価される。関節リウマチに関して、処置に対する応答は、EULAR(欧州リウマチ学会)応答に従ってリウマチの活性の発展によって決定される。EULAR応答は、DAS28(疾患活性スコア28)によって評価されるリウマチの活性およびその変動を考慮する。DASは、28の関節のうちの有痛関節の数、VAS(視覚的アナログスケール)および生物学的炎症パラメーター(例えばWells et al., 2009ならびにFransenおよびvan Riel, 2005に記載されるSR(沈降速度)またはCRP)に基づいて計算される複合スコアである。EULAR応答は、時間TにおけるDAS28スコア、および時間TにおけるDAS28と初期の(すなわち処置前の)DAS28との間の差の関数として規定される。本発明の文脈において、「処置に対する不十分な応答」は、6ヶ月での3.2よりも大きいDAS28、または6ヶ月でのDAS28と処置前のDAS28における1.2以下の変動を伴うEULAR応答を特に意味すると解釈される。
【0048】
言い換えると、「不十分な応答」は、6ヶ月でのDAS28と処置前のDAS28における0.6以下の変動によっても定義され得る。逆に、本発明における「十分な応答」は、6ヶ月でのDAS28と処置前のDAS28における1.2よりも大きな変動を伴う6ヶ月での3.2以下のDAS28によって定義される。結果として、本発明において、EULAR応答におけるいわゆる中程度の応答は、不十分な応答とみなされる。
【0049】
生物療法は、bDMARDの使用に頼る療法を意味すると解釈される。DMARDは、疾患の進行を遅らせるために関節リウマチにおいて使用されることによって定義される薬物のカテゴリーである。DMARDにはいくつかの種類が存在し、以下の様式で分類されている:
従来の合成物(csDMARD)および標的合成物(tsDMARD)を含む合成DMARD(sDMARD)。csDMARDは、メトトレキサート、スルファサラジン、レフルノミド、ヒドロキシクロロキン、金塩などの従来の薬物である。tsDMARDは、特定の分子構造を標的とするように開発されている薬物である。
元の生物学的DMARD(boDMARD)およびバイオシミラーDMARD(bsDMARD)を含む生物学的DMARD(bDMARD)。bsDMARDは、元の生物学的処置(boDMARD)と同一の一次構造、二次構造および三次構造を有し、元のタンパク質に類似した有効性および安全性を有するものである。
【0050】
「処置に対する十分な応答」は、1以上の以前のbDMARD(生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬)による処置に対して十分な治療応答を示した患者を指定することを意味すると解釈される。本発明の文脈において、「処置に対する十分な応答」は、6ヶ月でのDAS28と処置前のDAS28における1.2よりも大きな変動を伴う6ヶ月での3.2以下のDAS28を有するEULAR応答を特に意味すると解釈される。
【0051】
「有害事象」またはAEは、患者におけるあらゆる有害な事象を意味すると解釈され、この事象が生物療法による処置に関連しているか否かは関係しない。この有害事象が、手法、方法、行為または処置と科学的に合理的な因果関係を有すると医師によってみなされた場合、これは有害作用であると認められる。「科学的に合理的な因果関係」という表現は、観察された望ましくない有害な反応と手法、方法、行為または処置との間の因果関係を科学的観点から示唆できる証拠または根拠が存在することを示す。
【0052】
有害事象の強度は、当分野で周知の以下の分類を用いて医師によって評価される:
グレード1軽度:有害事象は一般に一時的であり、日常の活動を妨げない。
グレード2中程度:有害事象は日常の活動を妨げるのに十分な不快感を与える。
グレード3重度:有害事象は対象の正常な活動過程を大きく変化させるか、無効にするか、または対象の生命に対する脅威となる。
【0053】
病理学に関するあらゆる公知の有害事象のグレードが国立がん研究所によって記述されており、国立衛生研究所のウェブサイト(有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events、CTCAE);https://safetyprofiler-ctep.nci.nih.gov/CTC/CTC.aspx)上でアクセスできる。
【0054】
生物療法による処置に関連する種々の有害事象は、製品概要(Summary of Product Characteristics、SmPC)において特に分類されている。
【0055】
好ましくは、本発明における方法は、少なくとも1つの以前の抗TNFα生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価することを可能にする。さらにより好ましくは、本発明における方法は、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、トシリズマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される少なくとも1つの以前の処置(好ましくは、これらの処置のうち1つのみ)に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価することを可能にする。
【0056】
本発明において、本方法は、Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価することを可能にする。そのような物質は、特に受容体CD28の不活性化によって(とりわけ、分子CD80またはCD86の受容体CD28への固定化を妨げることによって)これらの細胞の共刺激経路を直接的または間接的に遮断または阻害することによって、Tリンパ球細胞の共刺激を直接的または間接的に遮断または阻害できる物質であると定義され得る。これらの物質のうちbDMARDのアバタセプトが特に挙げられ得る。
【0057】
特に有利な様式において、本発明における方法は、Tリンパ球細胞共刺激調節物質であるアバタセプトによる処置の有効性を評価することを可能にする。
【0058】
生体液で構成されるあらゆる生体試料が、上記のバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せの発現レベルをインビトロで測定するために本発明の文脈において使用され得、このうち滑液、血清、血漿、唾液、尿など(好ましくは血清)が特に挙げられ得る。
【0059】
好ましい実施態様において、上記のバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せの発現レベルは、Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価することが求められている患者由来の血清試料に対してインビトロで測定される。
【0060】
有利なことに、本発明における処置の有効性を評価する方法は、タンパク質バイオマーカーまたはタンパク質バイオマーカーの組合せの発現レベルのインビトロでの測定を工程a)において含む。
【0061】
本発明における方法の特に好ましい実施態様は以下であり、それぞれは以下に規定されたバイオマーカーの組合せ(すなわち、C4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカー)に適用される:
関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価;
タンパク質の発現レベルの測定を含む、関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価。
エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、トシリズマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される生物療法による少なくとも1つの以前の処置(好ましくは、これらの処置のうち1つのみ)に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価;
タンパク質の発現レベルの測定を含む、エタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される生物療法による少なくとも1つの以前の処置(好ましくは、これらの処置のうち1つのみ)に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価;
エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、トシリズマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される生物療法による少なくとも1つの以前の処置(好ましくは、これらの処置のうち1つのみ)に対して不十分な応答を示した関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価;
タンパク質の発現レベルの測定を含む、エタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、セルトリズマブおよびゴリムマブから選択される生物療法による少なくとも1つの以前の処置(好ましくは、これらの処置のうち1つのみ)に対して不十分な応答を示した関節リウマチ患者におけるアバタセプトによる処置の有効性の評価;
【0062】
本発明における評価方法の工程b1)において、上述の工程a)で測定されたバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せの発現レベルが、処置の有効性が公知であるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置を受けた関節リウマチ患者の複数の試料において測定された発現レベルと比較される。
【0063】
この比較は、工程a)で測定された少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルを入力データとして用いる統計学習モデルによって実施される。このためにあらゆる統計学習モデル(特にロジスティック回帰法、判別分析、ニューラルネットワーク、決定木学習、サポートベクターマシン(SVM)によって得られたモデルまたはモデルの集合)が使用され得る。
【0064】
好ましくは、本発明におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法において、工程a)で測定された各バイオマーカーの発現レベルは、前記患者における処置の有効性の評価に関連付けられるスコアを取得するために使用され、前記スコアは予後を複数のクラスに分類するために少なくとも1つの所定の閾値と比較される。この実施態様において、少なくとも2つのクラスを含む複数のクラスが特に使用でき、そのうちの1つのクラスは前記Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置に非応答であり、好ましくは2つのクラスを含むか、2つのクラスから構成され、そのうちの1つのクラスは前記Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置に対して非応答である。例えば、2つのクラスは、Tリンパ球細胞共刺激調節物質による処置が非効果的である「非応答者」と指定された患者、およびTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置が有効である「応答者」と指定された患者に由来し得る。分析を洗練させるために他のクラス(特に、いわゆる「非応答者」の患者のクラスに加えて、例えば処置に対して「中程度の応答者」および「良好な応答者」など)が想定され得、中程度または良好の認定は関節リウマチの処置を専門とする開業医の通常の評価に対応する。さらにこの実施態様において、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者における処置の有効性の評価は、不十分な有効性が予測されるスコアよりも低い所定の閾値および良好な有効性が予測されるスコアよりも高い所定の閾値と前記スコアとの比較を含む。
【0065】
好ましくは、本発明におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価する方法は、処置に対して良好な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者および処置に対して不十分な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者を含むコホートの試料の事前分析に基づく学習モデルを工程b1)において用いる。この実施態様において、学習モデルは、好ましくは学習方法および変数を選択する方法の適用を含む事前分析に基づく。有利なことに、ロジスティック回帰が学習方法および変数を選択する方法として使用される。
【0066】
さらに、学習方法および変数を選択する方法の適用を含む事前分析に基づくこの実施態様において、工程a)で測定されたバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せの発現レベルは、処置に対して良好な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者および処置に対して不十分な応答を示すTリンパ球細胞共刺激調節物質によって処置された患者を含むコホートの事前分析の関数として重み付けされ、処置の有効性の評価に関連付けられるスコアを生じる。
【0067】
さらに、学習方法および変数を選択する方法の適用を含む事前分析に基づくこの実施態様において、本発明における処置の有効性を評価する方法は、決定木による学習方法を使用し得る。この実施態様において、工程a)で測定されたバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せの発現レベルは、木の各ノードにおける参照値と比較される。
【0068】
参照値は、各患者の各生体試料に関連するバイオマーカーの発現レベルの一組のデータを利用できるように、処置前の一組の関節リウマチ患者の生体試料におけるバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せの発現レベルの分析によって取得され得る。
【0069】
これらの参照値は、閾値を規定するのに役立つ結果の数を生じ、達成する他の患者により取得された結果に応じて時間とともに変化し得る。
【0070】
第2の態様において、本発明はまた、少なくとも1つの以前の生物療法による処置に対して不適当な応答を示した関節リウマチ患者におけるTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置の有効性を評価するためのシステムに関し、前記システムは以下を含む:
前記患者由来の生体試料中におけるC4b結合タンパク質(C4BP)、C反応性タンパク質(CRP)、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、フィブロネクチン(FN)およびリポ多糖結合タンパク質(LBP)からなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの発現レベルの測定データを測定または受信する手段、
この群から選択されたバイオマーカーについて測定された各発現レベルの関数として、前記患者における処置の前記有効性を評価するように構成された測定データを処理する手段。
【0071】
選択されたバイオマーカーまたはバイオマーカーの組合せの発現レベルを測定する手段のうち、特に比濁法、化学発光、免疫比濁法、フローサイトメトリー、ELISAなどの方法において使用され得る酵素、基質または抗体などの各バイオマーカーの具体的な試薬を特に挙げることができるが、例えば質量分析法などの物理的手段も挙げることができる。
【0072】
さらに、本発明におけるシステムは測定データを受信するための手段を含み得、したがって、(例えば、前述のように測定された生物学的バイオマーカーの発現レベルを有する開業医によって)供給されたデータからTリンパ球細胞共刺激調節物質による処置に対する応答の有効性を前記患者について評価できる。
【0073】
受信手段は、通信ネットワーク(イントラネットネットワークまたは安全なインターネットネットワークなど)を介したリモートサーバーを用いた交換のための送信/受信手段を特に含み得る。装置はキーボードなどの入力手段を含み得る。
【0074】
データ処理手段は、データベース管理、コード命令、アルゴリズムのブリック(algorithmic brick)を含むソフトウェアの開発、利用者が結果を参照できるようにするインターフェースなどを特に必要とし得る。これらの種々の要素は、記憶装置(ハードディスク、CD ROM、USBキーまたは当業者に公知のあらゆる他の記憶装置など)に記録され得る。
【0075】
これらは固定式または可動式であり得る装置によって実装され得る。例えば、装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子タブレット、または当業者に公知のあらゆる他の種類の端末である。
【0076】
あるいは、システムはまた、関心のある患者における処置の有効性の評価の結果を(例えばイントラネットまたはインターネットを介して)送信するための送信手段を含み得る。
【0077】
別の有利な代替として、本発明におけるシステムは、選択されたバイオマーカーの発現レベルに関して得られた処置の結果を考慮して参照値を完成および改善するために、得られた有効性のデータを受信する手段を含む。
【実施例】
【0078】
材料および方法
予測モデルの開発:
生物療法に対する応答と各変数との間の関連を、一組のデータに対するロジスティック回帰モデルにより分析する。説明される変数は、6ヶ月での良好な応答である。
【0079】
最初に、多変数モデルに含まれる変数の事前選択を行う。そのために、説明的な各変数の予測能を個別に分析する。バイオマーカーを定量的および定性的な様式で分析する。変数を選択する方法は、次に多変数モデルに導入される関連する変数を一意的に保存するように導入される。バイオマーカーは以下の場合に事前選択される:
定量的な形式において、p値<0.25またはAUC>0.60
定性的な形式において、p値<0.05およびAUC>0.65
【0080】
選択された基準は、重要な変数だけでなく、多変数モデルの傾向を示す変数も含むように自発的に広範である。
【0081】
事前選択されたバイオマーカーは分析するために関連する傾向を示す。これらのバイオマーカーの種々の可能な組合せを有する多変数モデルを構築し、AUCを計算する。AUC>0.75を有するモデルは関連があるとみなされ、保存される。
【0082】
これにより構築されたモデルは、応答の確率を得るために特定の各バイオマーカーの投与結果を重み付けすることができる。各モデルの係数は、応答の関連する確率を各患者の投与量の値から計算することを可能にする。各モデルの性能特性(AUC(曲線下面積)、感度および特異度、PPV(陽性的中率)およびNPV(陰性的中率))を計算し、その関連性を規定する。
【0083】
AUC>0.70は許容され得る識別とみなされ、AUC>0.80は非常に優れた識別能を示す。確率閾値のレベルを固定し、特異度および感度を計算する。この最適な閾値は、Youdenインデックスに基づいて決定される。この閾値において、患者は以下の表1に従って分類され得る:
【表1】
・TP(真陽性)は、陽性試験による応答者の数を表す、
・FP(偽陽性)は、陽性試験による非応答者の数を表す、
・FN(偽陰性)は、陰性試験による応答者の数を表す、
・TN(真陰性)は、陰性試験による非応答者の数を表す。
【0084】
感度、または患者が応答者である場合に試験が陽性である確率は、疾患を有する患者のみにおいて測定される。これは以下によって与えられる:
【数1】
【0085】
特異度は疾患を有しない患者のみにおいて測定される。特異度、または非応答者において陰性試験を得る確率は以下によって与えられる:
【数2】
【0086】
試験の感度は、患者が応答者である場合に陽性結果を得る能力を測定する。特異度は、患者が非応答者である場合に陰性結果を与える試験の能力を測定する。
【0087】
陽性的中率(PPV)は、試験が陽性である場合に患者が応答者である確率である。
【数3】
陰性的中率(NPV)は、試験が陰性である場合に患者が応答者でない確率である。
【数4】
【0088】
結果:
本発明者らの学習コホート(30体のRA患者)から構築されたモデルは、AUC>0.75との組合せを示す以下の表2に示される特徴を有する。C4BP、CRP、COMP、FNおよびLBPの5つのバイオマーカーのうち少なくとも2つを含むあらゆる組合せが関連する結果を与える。
【表2】
【0089】
例えば、COMP、LBPおよびFNの3つの変数を有するモデルについて得られた特徴を以下の表3に示す:
【表3】
対応するROC曲線を図1に表す。
【0090】
参考文献
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【図1】
【国際調査報告】